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特表2024-547234高品質キシリトール結晶を製造するシステム及びその方法
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  • 特表-高品質キシリトール結晶を製造するシステム及びその方法 図1
  • 特表-高品質キシリトール結晶を製造するシステム及びその方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-27
(54)【発明の名称】高品質キシリトール結晶を製造するシステム及びその方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 29/78 20060101AFI20241220BHJP
   C13B 30/02 20110101ALI20241220BHJP
   B01D 9/02 20060101ALI20241220BHJP
   C07C 31/18 20060101ALI20241220BHJP
   C13K 13/00 20060101ALN20241220BHJP
【FI】
C07C29/78
C13B30/02
B01D9/02 601G
B01D9/02 602B
B01D9/02 603A
B01D9/02 604
B01D9/02 605
B01D9/02 606
B01D9/02 608A
B01D9/02 610Z
B01D9/02 611Z
B01D9/02 615A
B01D9/02 617
B01D9/02 618A
B01D9/02 625E
B01D9/02 625A
B01D9/02 625F
C07C31/18 A
C13K13/00 101
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539042
(86)(22)【出願日】2023-05-25
(85)【翻訳文提出日】2024-06-26
(86)【国際出願番号】 CN2023096366
(87)【国際公開番号】W WO2024119733
(87)【国際公開日】2024-06-13
(31)【優先権主張番号】202211583786.5
(32)【優先日】2022-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520401745
【氏名又は名称】浙江▲華▼康葯▲業▼股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG HUAKANG PHARMACEUTICAL CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】呉 強
(72)【発明者】
【氏名】李 勉
(72)【発明者】
【氏名】張 文瑤
(72)【発明者】
【氏名】楊 武龍
(72)【発明者】
【氏名】徐 偉冬
(72)【発明者】
【氏名】秦 淑芳
(72)【発明者】
【氏名】甄 ▲ニー▼
【テーマコード(参考)】
4H006
【Fターム(参考)】
4H006AA02
4H006AD15
4H006AD17
4H006AD32
4H006BB31
4H006BC51
4H006BC53
4H006BD10
4H006BD84
4H006FE11
4H006FG50
(57)【要約】
本発明は、高品質キシリトール結晶を製造するシステム及びその方法に関する。前記システムは、配管を介して順次連通する、調和タンク、熱交換器、脱色タンク、イオン交換システム、微多孔フィルタ、第1蒸発器、第1結晶化釜、第1遠心分離機、流動乾燥層、キシリトール溶解タンク、第2蒸発器、第2結晶化釜、第2遠心分離機、熱風乾燥タンク、冷風流動層を含み、第1遠心分離機はさらに、配管を介して調和タンクに連通し、第2遠心分離機はさらに、配管を介してキシリトール溶解タンクに連通し、調和タンクにキシリトール水素化液の供給口が設けられ、キシリトール溶解タンクに精製水の給水口がさらに設けられ、冷風流動層からの材料はキシリトール結晶生成物である。本発明は、最初に製造されたキシリトール結晶に水を一定の割合で加えて溶解させ、より高純度のキシリトール溶液を得、このキシリトール溶液を再結晶すると、pHがより高く、風味がより良好なキシリトール結晶を製造することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高品質キシリトール結晶を製造するシステムであって、
配管を介して順次連通する、調和タンク、熱交換器、脱色タンク、イオン交換システム、微多孔フィルタ、第1蒸発器、第1結晶化釜、第1遠心分離機、流動乾燥層、キシリトール溶解タンク、第2蒸発器、第2結晶化釜、第2遠心分離機、熱風乾燥タンク、冷風流動層を含み、第1遠心分離機及び第2遠心分離機のそれぞれに液体物排出口が設けられ、第1遠心分離機の液体物排出口は、配管を介して調和タンクの1つの供給口に連通し、第2遠心分離機の液体物排出口は、配管を介してキシリトール溶解タンクの1つの供給口に連通し、調和タンクに処理対象材料の供給口が設けられ、キシリトール溶解タンクに精製水の給水口がさらに設けられ、冷風流動層に排出口が設けられ、処理対象材料はキシリトール水素化液であり、冷風流動層の排出口から排出される材料はキシリトール結晶生成物である、ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
高品質キシリトール結晶を製造する方法であって、
キシリトール濃縮液の製造:キシリトール水素化液と第1遠心分離機から送られた第1遠心分離母液とを一定の割合で調和し均一に混合し、混合液体材料を得、混合液体材料に対して熱交換器による熱交換、脱色タンクによる脱色、イオン交換システムによるイオン交換、微多孔フィルタによる濾過、第1蒸発器による蒸発を順次施して、濃度が1200~1400g/L、純度が94~96%のキシリトール濃縮液を得る、ステップ1と、
キシリトール濃縮液の結晶化:キシリトール濃縮液を第1結晶化釜で8~12h降温して結晶化し、得たキシリトールペーストに対して第1遠心分離機による分離、流動乾燥層による乾燥を施して、キシリトール粗結晶を得、第1遠心分離機による分離を施して得た第1遠心分離母液を、配管を介して調和タンクにリサイクルし、キシリトール水素化液と調和して再利用するステップであって、このステップでは、キシリトール粗結晶の純度は98.5~99.8%、pH<5.0であり、第1遠心分離母液の純度は88~92%である、ステップ2と、
キシリトール粗結晶の溶解及び再結晶:キシリトール粗結晶をキシリトール溶解タンクに送って、キシリトール溶解タンクに加えた精製水で溶解した後、第2遠心分離機から送られた第2遠心分離母液と一定の割合で調和し均一に混合し、キシリトール溶解混合液を得、キシリトール溶解混合液に対して第2蒸発器による濃縮、第2結晶化釜による結晶化、第2遠心分離機による遠心、熱風乾燥タンクによる熱風乾燥及び冷風流動層による冷風乾燥を施して、高品質キシリトール結晶生成物を得、第2遠心分離機による分離を施して得た第2遠心分離母液を、配管を介してキシリトール溶解タンクにリサイクルし、キシリトール粗結晶溶解液と混合して再利用するステップであって、このステップでは、高品質キシリトール結晶生成物の純度は>99.8%、pH>6.0である、ステップ3と、を含む、ことを特徴とする方法。
【請求項3】
ステップ1では、キシリトール濃縮液の温度は90~100℃である、ことを特徴とする請求項2に記載の高品質キシリトール結晶を製造する方法。
【請求項4】
ステップ2では、冷却結晶化において、キシリトール種結晶が添加され、キシリトール種結晶の添加割合は0.001~0.002%であり、キシリトール種結晶のメッシュは60~120メッシュであり、キシリトール種結晶を添加するときの系の温度は64~66℃である、ことを特徴とする請求項2に記載の高品質キシリトール結晶を製造する方法。
【請求項5】
ステップ3では、第2結晶化釜による結晶化において、キシリトール種結晶が添加され、キシリトール種結晶の添加割合は0.001~0.002%であり、キシリトール種結晶のメッシュは60~120メッシュであり、キシリトール種結晶を添加するときの系の温度は64~66℃である、ことを特徴とする請求項1に記載の高品質キシリトール結晶を製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キシリトール製造の技術分野に属し、特に高品質キシリトール結晶を製造するシステム及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、キシリトールの工業生産は、主に、ヘミセルロースを含む農業繊維廃棄物を希酸で加水分解し、加水分解液に対して中和、脱色、濃縮、結晶化をして、キシロース結晶を得、次に、キシロース結晶を溶解して一定濃度のキシロース溶液とし、水素化してキシリトールに還元し、最後に、イオン交換、減圧濃縮、冷却結晶化、遠心乾燥などのステップを経て、キシリトール結晶を得る、化学的水素化を利用している。キシリトール生成物の収率を向上させるために、遠心分離した母液を水素化溶液と調和することが多く、その結果、調和液中に4~6%の雑糖及び糖アルコールが存在し、これらの雑糖や糖アルコールはキシリトールの結晶化プロセスにはほとんど影響を与えないが、生成物のpH値を低下させ、最終的に生成物の風味に大きな違いをもたらす。
【0003】
キシリトールの生産プロセスでは、生成物のpHに影響を与える主な要因が2つある。1つはイオン交換プロセスであり、キシリトール液のカチオン交換カラムとアニオン交換カラムにおいて、樹脂中のHとOHがそれぞれ交換され、カチオン交換カラムとアニオン交換カラムの交換量の違いにより、最終的に製造されるキシリトール結晶のpHは異なる。もう1つは、キシリトール濃縮液の成分の違いにより、キシリトール結晶のpHに大きな違いが生じる。グルコースやキシロースなどの雑糖の酸度係数(pKa)は、以下の表1に示すように、キシリトールに比べて小さい。したがって、キシリトール濃縮液に一定量の雑糖が存在する場合、以下の表2に示すように、製造されたキシリトール結晶のpHはより低くなり、風味の差はより大きくなる。
【0004】
【表1】
【0005】
【表2】
【0006】
現在、キシリトール結晶のpHを上げるには、主に2つの方法があり、1つは、例えば特許公開第CN109438184A号及び特許公開第CN110894180A号のように、イオン交換プロセスの後に強アルカリ樹脂又は混合層樹脂を追加する方法である。もう1つは、特許公開第CN112661796Aのように、イオン交換液に少量のアルカリ液を添加する方法である。どちらの方法も、キシリトール濃縮液のpHを上げることによってキシリトール結晶のpHを上げることを目的としている。このプロセスのルートは単純かつ明確であり、それに対応する技術的効果があるが、従来のプロセスで製造されたキシリトールの低pHと風味の大きな違いの問題を本質的に解決するものではない。
【0007】
したがって、キシリトールの従来の生産プロセスに存在するこの問題を考慮して、キシリトール結晶の低いpHと風味の大きな違いに影響を与える本質的な性質から、キシリトール結晶のpHを上げ、風味を改善できる方法を探すことは非常に重要である。
【発明の概要】
【0008】
本発明が解決しようとする技術的課題は、最初に製造されたキシリトール結晶に一定の割合で水を加えて溶解し、より高純度のキシリトール溶液を得、このキシリトール溶液を再結晶し、pHがより高く、風味がより優れるキシリトール結晶を製造することができる、高品質キシリトール結晶を製造するシステム及びその方法を提供することである。このシステムは、キシリトール結晶のpHを顕著に上げて、pHを長時間にわたって安定的に維持できるとともに、キシリトール結晶の風味を効果的に改善することができる。
【0009】
本発明は以下のように達成される。配管を介して順次連通する、調和タンク、熱交換器、脱色タンク、イオン交換システム、微多孔フィルタ、第1蒸発器、第1結晶化釜、第1遠心分離機、流動乾燥層、キシリトール溶解タンク、第2蒸発器、第2結晶化釜、第2遠心分離機、熱風乾燥タンク、冷風流動層を含み、第1遠心分離機及び第2遠心分離機のそれぞれに液体物排出口が設けられ、第1遠心分離機の液体物排出口は、配管を介して調和タンクの1つの供給口に連通し、第2遠心分離機の液体物排出口は、配管を介してキシリトール溶解タンクの1つの供給口に連通し、調和タンクに処理対象材料の供給口が設けられ、キシリトール溶解タンクに精製水の給水口がさらに設けられ、冷風流動層に排出口が設けられ、処理対象材料はキシリトール水素化液であり、冷風流動層の排出口から排出される材料はキシリトール結晶生成物である、高品質キシリトール結晶を製造するシステムを提供する。
【0010】
本発明が解決しようとする技術的課題はさらに、
キシリトール濃縮液の製造:キシリトール水素化液と第1遠心分離機から送られた第1遠心分離母液とを一定の割合で調和し均一に混合し、混合液体材料を得、混合液体材料に対して熱交換器による熱交換、脱色タンクによる脱色、イオン交換システムによるイオン交換、微多孔フィルタによる濾過、第1蒸発器による蒸発を順次施して、濃度が1200~1400g/L、純度が94~96%のキシリトール濃縮液を得る、ステップ1と、
キシリトール濃縮液の結晶化:キシリトール濃縮液を第1結晶化釜で8~12h降温して結晶化し、得たキシリトールペーストに対して第1遠心分離機による分離、流動乾燥層による乾燥を施して、キシリトール粗結晶を得、第1遠心分離機による分離を施して得た第1遠心分離母液を、配管を介して調和タンクにリサイクルし、キシリトール水素化液と調和して再利用するステップであって、このステップでは、キシリトール粗結晶の純度は98.5~99.8%、pH<5.0であり、第1遠心分離母液の純度は88~92%である、ステップ2と、
キシリトール粗結晶の溶解及び再結晶:キシリトール粗結晶をキシリトール溶解タンクに送って、キシリトール溶解タンクに加えた精製水で溶解した後、第2遠心分離機から送られた第2遠心分離母液と一定の割合で調和し均一に混合し、キシリトール溶解混合液を得、キシリトール溶解混合液に対して第2蒸発器による濃縮、第2結晶化釜による結晶化、第2遠心分離機による遠心、熱風乾燥タンクによる熱風乾燥及び冷風流動層による冷風乾燥を施して、高品質キシリトール結晶生成物を得、第2遠心分離機による分離を施して得た第2遠心分離母液を、配管を介してキシリトール溶解タンクにリサイクルし、キシリトール粗結晶溶解液と混合して再利用するステップであって、このステップでは、高品質キシリトール結晶生成物の純度は>99.8%、pH>6.0である、ステップ3と、を含む、高品質キシリトール結晶を製造する方法を提供する。
【0011】
従来技術と比べて、本発明の高品質キシリトール結晶を製造するシステム及びその方法では、水素化液を第1遠心分離母液と均一に混合し、混合液体材料を得、混合液体材料を熱交換器、脱色タンク、イオン交換システム、微多孔フィルタ、第1蒸発器で精製し濃縮し、キシリトール濃縮液を得、キシリトール濃縮液を第1結晶化釜にて特定のプロセスにより結晶化し、キシリトールペーストを得、キシリトールペーストを高速第1遠心分離機で分離して得た第1遠心分離母液を調和タンクにリサイクルし、得たキシリトール粗結晶を第1流動層で乾燥した後、精製水を加えてキシリトール溶解タンクで溶解し、第2遠心分離機による第2遠心分離母液と均一に混合して、第2蒸発器に送って濃縮する。キシリトール溶解液を第2蒸発器で濃縮した後、キシリトール液を第2結晶化釜で再結晶し、その後、第2遠心分離機で分離して結晶キシリトール及び第2遠心分離母液を得る。第2遠心分離母液をキシリトール溶解タンクにリサイクルし、結晶キシリトールを熱風乾燥タンク、冷風流動層で乾燥して、高品質キシリトール結晶生成物を得る。本発明で製造されたキシリトール生成物は、純度がさらに上昇し、キシリトール結晶のpH安定性がより優れ、1ヶ月放置しても、そのpHが6.0以上に維持される。また、この方法で製造されるキシリトール生成物の甘味に関しては、甘い後味がよくなり、歯の侵食やしびれ感が軽減され、生成物の風味が明らかに改善さあれる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の高品質キシリトール結晶を製造するシステムの原理模式図である。
図2】本発明の各実施例及び比較例で製造されたキシリトール結晶の風味を評価する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明が解決しようとする技術的課題、技術的解決手段及び有利な効果をより明確にするために、以下、図面及び実施例を参照して本発明をさらに詳細に説明する。ここで説明される特定の実施例は、本発明を説明するためにのみ使用され、本発明を限定することを意図するものではないことを理解されたい。
【0014】
図1に示すように、本発明の高品質キシリトール結晶を製造するシステムの好ましい実施例は、配管を介して順次連通する、調和タンク1、熱交換器2、脱色タンク3、イオン交換システム4、微多孔フィルタ5、第1蒸発器6、第1結晶化釜7、第1遠心分離機8、流動乾燥層9、キシリトール溶解タンク10、第2蒸発器11、第2結晶化釜12、第2遠心分離機13、熱風乾燥タンク14、冷風流動層15を含み、第1遠心分離機8及び第2遠心分離機13のそれぞれに液体物排出口が設けられ、第1遠心分離機8の液体物排出口は、配管を介して調和タンク1の1つの供給口に連通し、第2遠心分離機13の液体物排出口は、配管を介してキシリトール溶解タンク10の1つの供給口に連通し、調和タンク1に処理対象材料の供給口が設けられ、キシリトール溶解タンク10に精製水Eの給水口がさらに設けられ、冷風流動層15に排出口が設けられ、処理対象材料はキシリトール水素化液Aであり、冷風流動層15の排出口から排出される材料はキシリトール結晶B生成物である。
【0015】
第1遠心分離機8の液体物排出口からは第1遠心分離母液C、第2遠心分離機13の液体物排出口からは第2遠心分離母液Dが排出される。調和タンク1は、キシリトール水素化液Aと第1遠心分離母液Cとを均一に混合し、混合液体材料を得ることに用いられる。
【0016】
本発明はさらに、以下のステップを含む、高品質キシリトール結晶を製造する方法を開示する。
【0017】
ステップ1:キシリトール濃縮液の製造
キシリトール水素化液Aと第1遠心分離機8から送られた第1遠心分離母液Cとを一定の割合で調和し均一に混合し、混合液体材料を得、混合液体材料に対して熱交換器2による熱交換、脱色タンク3による脱色、イオン交換システム4によるイオン交換、微多孔フィルタ5による濾過、第1蒸発器6による蒸発処理を順次施して、濃度が1200~1400g/L、純度が94~96%キシリトール濃縮液を得る。
【0018】
ステップ2:キシリトール濃縮液の結晶化
キシリトール濃縮液を第1結晶化釜7で8~12h降温して結晶化し、得たキシリトールペーストに対して第1遠心分離機8による分離、流動乾燥層9による乾燥を施して、キシリトール粗結晶を得、第1遠心分離機8による分離を施して得た第1遠心分離母液Cを、配管を介して調和タンク1にリサイクルし、キシリトール水素化液Aと調和して再利用する。このステップでは、キシリトール粗結晶の純度は98.5~99.8%、pH<5.0であり、第1遠心分離母液Cの純度は88~92%である。
【0019】
ステップ3:キシリトール粗結晶の溶解及び再結晶
キシリトール粗結晶をキシリトール溶解タンク10に送って、キシリトール溶解タンク10に加えた精製水で溶解した後、第2遠心分離機13から送られた第2遠心分離母液Dと一定の割合で調和し均一に混合し、キシリトール溶解混合液を得、キシリトール溶解混合液に対して第2蒸発器11による濃縮、第2結晶化釜12による結晶化、第2遠心分離機13による遠心、熱風乾燥タンク14による熱風乾燥及び冷風流動層15による冷風乾燥を施して、高品質キシリトール結晶B生成物を得る。第2遠心分離機13による分離を施して得た第2遠心分離母液Dを、配管を介してキシリトール溶解タンク10にリサイクルし、キシリトール粗結晶溶解液と混合して再利用する。このステップでは、高品質キシリトール結晶B生成物の純度は>99.8%、pH>6.0である。
【0020】
具体的には、ステップ1では、キシリトール濃縮液の温度は90~100℃である。
【0021】
具体的には、ステップ2では、第1結晶化釜7による冷却結晶化において、キシリトール種結晶が添加され、キシリトール種結晶の添加割合は0.001~0.002%であり、キシリトール種結晶のメッシュは60~120メッシュであり、キシリトール種結晶を添加するときの系の温度は64~66℃である。
【0022】
具体的には、ステップ3では、第2結晶化釜12による結晶化において、キシリトール種結晶が添加され、キシリトール種結晶の添加割合は0.001~0.002%であり、キシリトール種結晶のメッシュは60~120メッシュであり、キシリトール種結晶を添加するときの系の温度は64~66℃である。
【0023】
以下、特定実施例によって、本発明の高品質キシリトール結晶を製造するシステム及びその方法についてさらに説明する。
<実施例1>
【0024】
本発明の高品質キシリトール結晶を製造する方法の第1実施例は、以下のステップを含む。
【0025】
ステップ11:キシリトール水素化液Aと第1遠心分離母液Cとを一定の割合で調和し、調和液を熱交換器2、脱色タンク3、イオン交換システム4、微多孔フィルタ5、及び第1蒸発器6で順次精製して濃縮し、温度が100℃、濃度が1200g/L、純度が94%のキシリトール濃縮液を得た。
【0026】
ステップ12:第1結晶化釜7の真空度を-0.095MPaに維持し、キシリトール濃縮液をさらに蒸発させ、第1結晶化釜7の温度が65℃に下ると0.001%のキシリトール種結晶(80~100メッシュ)を加えて、系を65℃に維持して8h蒸発させて結晶化した。最後に、第1遠心分離機8による遠心分離、流動乾燥層9による流動乾燥を施して、純度が99.5%、pHが4.87のキシリトール粗結晶を得るとともに、第1遠心分離機8による遠心分離を施して、純度が90%の第1遠心分離母液Cを得て、調和タンク1にリサイクルした。
【0027】
ステップ13:上記の純度が99.5%のキシリトール粗結晶に精製水を加えて溶解した後、第2遠心分離母液Dと調和し、キシリトールの含有量が98.2%の第2調和液を得、第2調和液を第2蒸発器11でさらに濃度1350g/Lまで濃縮し、第2結晶化釜12に入れて、第2結晶化釜12の真空度を-0.095MPaに維持し、温度を65℃に維持し、0.001%のキシリトール種結晶(80~100メッシュ)を加えて8h蒸発させて結晶化した。最後に、第2遠心分離機13による遠心分離、熱風乾燥タンク14による熱風乾燥、冷風流動層15による冷風乾燥を施して、純度が99.97%のキシリトール結晶B生成物を得た。また、第2遠心分離機13による遠心分離を施して得た第2遠心分離母液Dをキシリトール溶解タンク10にリサイクルした。
【0028】
中国薬局方に記載の方法に従って、製造されたキシリトール結晶Bの酸度を測定し、新しい超純水を用いて、結晶10g:水20mlの割合でキシリトール溶液を製造し、これについて測定した結果、この実施例のキシリトール溶液のpHは6.06であった。得たキシリトール結晶Bを常温で1週間放置した後、同じ方法によって測定した結果、キシリトール溶液のpHは6.03であり、キシリトール結晶を常温で1ヶ月放置した後、同じ方法によって測定した結果、キシリトール溶液のpHは6.01であった。
【0029】
実施例1で製造されたキシリトール結晶について風味をテストして評価し、図2に示す結果を得た。
<実施例2>
【0030】
本発明の高品質キシリトール結晶を製造する方法の第2実施例は、以下のステップを含む。
【0031】
ステップ21:キシリトール水素化液Aと第1遠心分離母液Cとを一定の割合で調和し、調和液を熱交換器2、脱色タンク3、イオン交換システム4、微多孔フィルタ5、及び第1蒸発器6で順次精製して濃縮し、温度が90℃、濃度が1400g/L、純度が94%のキシリトール濃縮液を得た。
【0032】
ステップ22:第1結晶化釜7の真空度を-0.095MPaに維持し、キシリトール濃縮液をさらに蒸発させ、第1結晶化釜7の温度が64℃に下ると0.001%のキシリトール種結晶(100~120メッシュ)を加え、系を64℃に維持して12h蒸発させて結晶化した。最後に、第1遠心分離機8による遠心分離、流動乾燥層9による流動乾燥を施して、純度が99.6%、pHが4.90のキシリトール粗結晶を得るとともに、第1遠心分離機8による遠心分離を施して、純度が89.5%の第1遠心分離母液Cを得て、調和タンク1にリサイクルした。
【0033】
ステップ23:純度が99.6%の上記のキシリトール粗結晶に精製水を加えて溶解した後、第2遠心分離母液Dと調和し、キシリトールの含有量が98.4%の第2調和液を得、第2調和液を第2蒸発器11で濃度1380g/Lまでさらに濃縮し、第2結晶化釜12に入れて、第2結晶化釜12の真空度を-0.095MPaに維持し、温度を65℃に維持し、0.001%のキシリトール種結晶(100~120メッシュ)を加えて10h蒸発させて結晶化した。最後に、第2遠心分離機13による遠心分離、熱風乾燥タンク14による熱風乾燥、冷風流動層15による冷風乾燥を施して、純度が99.97%のキシリトール結晶B生成物を得た。また、第2遠心分離機13による遠心分離を施して得た第2遠心分離母液Dをキシリトール溶解タンク10にリサイクルした。
【0034】
中国薬局方に記載の方法に従って、製造されたキシリトール結晶Bの酸度を測定し、新しい超純水を用いて、結晶10g:水20mlの割合でキシリトール溶液を製造し、これについて測定した結果、この実施例のキシリトール溶液のpHは6.12。得たキシリトール結晶Bを常温で1週間放置した後、同じ方法によって測定した結果、キシリトール溶液のpHは6.08であり、キシリトール結晶を常温で1ヶ月放置した後、同じ方法によって測定した結果、キシリトール溶液のpHは6.05であった。
【0035】
実施例2で製造されたキシリトール結晶について風味をテストして評価し、図2に示す結果を得た。
<実施例3>
【0036】
本発明の高品質キシリトール結晶を製造する方法の第3実施例は、以下のステップを含む。
【0037】
ステップ31:キシリトール水素化液Aと第1遠心分離母液Cとを一定の割合で調和し、キシリトールの含有量が96%の調和液を得、調和液を熱交換器2、脱色タンク3、イオン交換システム4、微多孔フィルタ5、及び第1蒸発器6で順次精製して濃縮し、温度が95℃、濃度が1350g/Lのキシリトール濃縮液を得た。
【0038】
ステップ32:第1結晶化釜7の真空度を-0.095MPaに維持し、キシリトール濃縮液をさらに蒸発させ、第1結晶化釜7の温度が66℃に下ると0.002%のキシリトール種結晶(60~80メッシュ)を加え、系を66℃に維持して10h蒸発させて結晶化した。最後に、第1遠心分離機8による遠心分離、流動乾燥層9による流動乾燥を施して、純度が99.7%、pHが4.99のキシリトール粗結晶を得るとともに、第1遠心分離機8による遠心分離を施して、純度が92%の第1遠心分離母液Cを得て、調和タンク1にリサイクルした。
【0039】
ステップ33:上記の純度が99.7%のキシリトール粗結晶に精製水を加えて溶解した後、第2遠心分離母液Dと調和し、キシリトールの含有量が98.4%の第2調和液を得、第2調和液を第2蒸発器11で濃度1400g/Lまでさらに濃縮し、第2結晶化釜12に入れて、第2結晶化釜12の真空度を-0.095MPaに維持し、温度を66℃に維持し、0.002%のキシリトール種結晶(60~80メッシュ)を加えて10h蒸発させて結晶化した。最後に、第2遠心分離機13による遠心分離、熱風乾燥タンク14による熱風乾燥、冷風流動層15による冷風乾燥、純度が100%のキシリトール結晶B生成物を得た。また、第2遠心分離機13による遠心分離を施して、第2遠心分離母液Dを得て、キシリトール溶解タンク10にリサイクルした。
【0040】
中国薬局方に記載の方法に従って、製造されたキシリトール結晶Bの酸度を測定し、新しい超純水を用いて、結晶10g:水20mlの割合でキシリトール溶液を製造し、これについて測定した結果、この実施例のキシリトール溶液のpHは6.09であった。得たキシリトール結晶Bを常温で1週間放置した後、同じ方法によって測定した結果、キシリトール溶液のpHは6.07であり、キシリトール結晶を常温で1ヶ月放置した後、同じ方法によって測定した結果、キシリトール溶液のpHは6.05であった。
【0041】
実施例3で製造されたキシリトール結晶について風味をテストして評価し、図2に示す結果を得た。
【0042】
本発明の改善効果をさらに説明するために、以下の比較実験を行った。
比較例1
【0043】
本発明のキシリトール結晶の製造方法の第1比較例は、以下のステップを含む。
【0044】
ステップD11:キシリトール水素化液Aと第1遠心分離母液Cとを一定の割合で調和し、キシリトールの含有量が94%の調和液を得、調和液を熱交換器2、脱色タンク3、イオン交換システム4、微多孔フィルタ5、及び第1蒸発器6で順次精製して濃縮し、温度が95℃、濃度が1300g/Lのキシリトール濃縮液を得た。
【0045】
ステップD12:第1結晶化釜7の真空度を-0.095MPaに維持し、キシリトール濃縮液をさらに蒸発させ、第1結晶化釜7の温度が64℃に下ると0.001%のキシリトール種結晶(80~100メッシュ)を加え、系を64℃に維持して10h蒸発させて結晶化した。最後に、第1遠心分離機8による遠心分離、流動乾燥層9による流動乾燥を施して、純度が99.8%キシリトール結晶を得るとともに、第1遠心分離機8による遠心分離を施して、純度が90%の第1遠心分離母液Cを得て、調和タンク1にリサイクルした。
【0046】
中国薬局方に記載の方法に従って、製造されたキシリトール結晶の酸度を測定し、新しい超純水を用いて、結晶10g:水20mlの割合でキシリトール溶液を製造し、これについて測定した結果、この実施例のキシリトール溶液のpHは5.02であった。得たキシリトール結晶を常温で1週間放置した後、同じ方法によって測定した結果、キシリトール溶液のpHは4.85であり、キシリトール結晶を常温で1ヶ月放置した後、同じ方法によって測定した結果、キシリトール溶液のpHは4.64であった。
【0047】
比較例1で製造されたキシリトール結晶について風味をテストして評価し、図2に示す結果を得た。
比較例2
【0048】
本発明のキシリトール結晶の製造方法の第2比較例は、以下のステップを含む。
ステップD21:キシリトール水素化液Aと第1遠心分離母液Cとを一定の割合で調和し、キシリトールの含有量が94.5%の調和液を得、調和液を熱交換器2、脱色タンク3、イオン交換システム4、微多孔フィルタ5、及び第1蒸発器6で順次精製して濃縮し、温度が100℃、濃度が1200g/Lのキシリトール濃縮液を得た。
【0049】
ステップD22:第1結晶化釜7の真空度を-0.095MPaに維持し、キシリトール濃縮液をさらに蒸発させ、第1結晶化釜7の温度が65℃に下ると0.002%のキシリトール種結晶(100~120メッシュ)を加え、系を65℃に維持して8h蒸発させて結晶化した。最後に、第1遠心分離機8による遠心分離、流動乾燥層9による流動乾燥を施して、純度が99.75%キシリトール結晶を得るとともに、第1遠心分離機8による遠心分離を施して、純度が91%の第1遠心分離母液Cを得て、調和タンク1にリサイクルした。
【0050】
中国薬局方に記載の方法に従って、製造されたキシリトール結晶の酸度を測定し、新しい超純水を用いて、結晶10g:水20mlの割合でキシリトール溶液を製造し、これについて測定した結果、この実施例のキシリトール溶液のpHは5.04であった。得たキシリトール結晶を常温で1週間放置した後、同じ方法によって測定した結果、キシリトール溶液のpHは4.81であり、キシリトール結晶を常温で1ヶ月放置した後、同じ方法によって測定した結果、キシリトール溶液のpHは4.68であった。
【0051】
比較例2で製造されたキシリトール結晶について風味をテストして評価し、図2に示す結果を得た。
比較例3
【0052】
本発明のキシリトール結晶の製造方法の第3比較例は、以下のステップを含む。
【0053】
ステップD31:キシリトール水素化液Aと第1遠心分離母液Cとを一定の割合で調和し、キシリトールの含有量が96%の調和液を得、調和液を熱交換器2、脱色タンク3、イオン交換システム4、微多孔フィルタ5、及び第1蒸発器6で順次精製して濃縮し、温度が92℃、濃度が1400g/Lのキシリトール濃縮液を得た。
【0054】
ステップD32:第1結晶化釜7の真空度を-0.095MPaに維持し、キシリトール濃縮液をさらに蒸発させ、第1結晶化釜7の温度が66℃に下ると0.001%のキシリトール種結晶(100~120メッシュ)を加え、系を66℃に維持して12h蒸発させて結晶化した。最後に、第1遠心分離機8による遠心分離、流動乾燥層9による流動乾燥を施して、純度が99.7%キシリトール結晶を得るとともに、第1遠心分離機8による遠心分離を施して、純度が92%の第1遠心分離母液Cを得て、調和タンク1にリサイクルした。
【0055】
中国薬局方に記載の方法に従って、製造されたキシリトール結晶の酸度を測定し、新しい超純水を用いて、結晶10g:水20mlの割合でキシリトール溶液を製造し、これについて測定した結果、この実施例のキシリトール溶液のpHは5.03であった。得たキシリトール結晶を常温で1週間放置した後、同じ方法によって測定した結果、キシリトール溶液のpHは4.90であり、キシリトール結晶を常温で1ヶ月放置した後、同じ方法によって測定した結果、キシリトール溶液のpHは4.73であった。
【0056】
比較例3で製造されたキシリトール結晶について風味をテストして評価し、図2に示す結果を得た。
【0057】
上記の各実施例及び比較例で製造されたキシリトール結晶のpHの測定結果及び風味の評価をまとめて、表3及び図2に示す。表3から分かるように、実施例1~実施例3のいずれでも、pHは6.0以上であり、1ヶ月放置した後、キシリトール結晶のpHの低下幅は、0.1以内である。一方、比較例1~比較例3では、pHはわずか5.0程度であり、1ヶ月放置した後、キシリトール結晶のpHの低下幅は、0.3以上である。これらのデータから、再結晶方式によってキシリトール結晶のpHを明らかかつ安定的に下げることができる。また、図2の風味レーダーチャートから分かるように、実施例1~3で製造されたキシリトール結晶生成物の甘味、甘い後味など、消費者により好まれる特性は、いずれも、比較例よりも良好であり、また、歯の侵食やしびれ感などの好ましくない属性は、いずれも、比較例よりも低く、また、本発明の前記方法を用いて製造されたキシリトール結晶の風味が顕著に改善されたことを示す。
【0058】
【表3】
【0059】
上記は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を限定するものではなく、本発明の精神及び原理の範囲内で行われたあらゆる修正、同等の置換、及び改良等は、本発明の保護範囲内に含まれるものとする。
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2024-06-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高品質キシリトール結晶を製造するシステムであって、
配管を介して順次連通する、調和タンク、熱交換器、脱色タンク、イオン交換システム、微多孔フィルタ、第1蒸発器、第1結晶化釜、第1遠心分離機、流動乾燥層、キシリトール溶解タンク、第2蒸発器、第2結晶化釜、第2遠心分離機、熱風乾燥タンク、冷風流動層を含み、第1遠心分離機及び第2遠心分離機のそれぞれに液体物排出口が設けられ、第1遠心分離機の液体物排出口は、配管を介して調和タンクの1つの供給口に連通し、第2遠心分離機の液体物排出口は、配管を介してキシリトール溶解タンクの1つの供給口に連通し、調和タンクに処理対象材料の供給口が設けられ、キシリトール溶解タンクに精製水の給水口がさらに設けられ、冷風流動層に排出口が設けられ、処理対象材料はキシリトール水素化液であり、冷風流動層の排出口から排出される材料はキシリトール結晶生成物である、ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
高品質キシリトール結晶を製造する方法であって、
キシリトール濃縮液の製造:キシリトール水素化液と第1遠心分離機から送られた第1遠心分離母液とを一定の割合で調和し均一に混合し、混合液体材料を得、混合液体材料に対して熱交換器による熱交換、脱色タンクによる脱色、イオン交換システムによるイオン交換、微多孔フィルタによる濾過、第1蒸発器による蒸発を順次施して、濃度が1200~1400g/L、純度が94~96%のキシリトール濃縮液を得る、ステップ1と、
キシリトール濃縮液の結晶化:キシリトール濃縮液を第1結晶化釜で8~12h降温して結晶化し、得たキシリトールペーストに対して第1遠心分離機による分離、流動乾燥層による乾燥を施して、キシリトール粗結晶を得、第1遠心分離機による分離を施して得た第1遠心分離母液を、配管を介して調和タンクにリサイクルし、キシリトール水素化液と調和して再利用するステップであって、このステップでは、キシリトール粗結晶の純度は98.5~99.8%、pH<5.0であり、第1遠心分離母液の純度は88~92%である、ステップ2と、
キシリトール粗結晶の溶解及び再結晶:キシリトール粗結晶をキシリトール溶解タンクに送って、キシリトール溶解タンクに加えた精製水で溶解した後、第2遠心分離機から送られた第2遠心分離母液と一定の割合で調和し均一に混合し、キシリトール溶解混合液を得、キシリトール溶解混合液に対して第2蒸発器による濃縮、第2結晶化釜による結晶化、第2遠心分離機による遠心、熱風乾燥タンクによる熱風乾燥及び冷風流動層による冷風乾燥を施して、高品質キシリトール結晶生成物を得、第2遠心分離機による分離を施して得た第2遠心分離母液を、配管を介してキシリトール溶解タンクにリサイクルし、キシリトール粗結晶溶解液と混合して再利用するステップであって、このステップでは、高品質キシリトール結晶生成物の純度は>99.8%、pH>6.0である、ステップ3と、を含む、ことを特徴とする方法。
【請求項3】
ステップ1では、キシリトール濃縮液の温度は90~100℃である、ことを特徴とする請求項2に記載の高品質キシリトール結晶を製造する方法。
【請求項4】
ステップ2では、冷却結晶化において、キシリトール種結晶が添加され、キシリトール種結晶の添加割合は0.001~0.002%であり、キシリトール種結晶のメッシュは60~120メッシュであり、キシリトール種結晶を添加するときの系の温度は64~66℃である、ことを特徴とする請求項2に記載の高品質キシリトール結晶を製造する方法。
【請求項5】
ステップ3では、第2結晶化釜による結晶化において、キシリトール種結晶が添加され、キシリトール種結晶の添加割合は0.001~0.002%であり、キシリトール種結晶のメッシュは60~120メッシュであり、キシリトール種結晶を添加するときの系の温度は64~66℃である、ことを特徴とする請求項に記載の高品質キシリトール結晶を製造する方法。
【国際調査報告】