(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-08
(54)【発明の名称】ワークピースを把持するためのデバイス、デバイスを製造する方法、ならびに少なくとも1つのそのようなデバイスを含む電気化学的表面処理のための搬送システムおよび装置
(51)【国際特許分類】
C25D 17/06 20060101AFI20241225BHJP
C25D 17/08 20060101ALI20241225BHJP
H05K 3/00 20060101ALN20241225BHJP
【FI】
C25D17/06 H
C25D17/06 E
C25D17/08 G
H05K3/00 R
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539999
(86)(22)【出願日】2022-12-23
(85)【翻訳文提出日】2024-08-16
(86)【国際出願番号】 EP2022087675
(87)【国際公開番号】W WO2023126333
(87)【国際公開日】2023-07-06
(32)【優先日】2022-01-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511188635
【氏名又は名称】アトテック ドイチェランド ゲーエムベーハー ウント コ カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】フェルディナント・ヴィーナー
(72)【発明者】
【氏名】ファルク・バッハマン
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン・シルマー
(72)【発明者】
【氏名】ビョルン・ライザー
(72)【発明者】
【氏名】ホルスト・ブリュグマン
(72)【発明者】
【氏名】ブリッタ・シェラー
(72)【発明者】
【氏名】ヨハネス・シュトローベル
(57)【要約】
ワークピース(2)を把持してワークピース(2)の少なくとも1つの表面と電気接触するためのデバイスは、第1の端部(12、47、85、123、158)と第2の端部(13、48、86、124、159)との間に延びる第1の部材(9、44、82、120、155)と、第1の端部(10、45、88、121、156)と第2の端部(11、46、84、122、157)との間に延び、ワークピース(2)が第1の端部(10、45、83、121、156)と第1の端部(12、47、85、123、158)との間に挿入されて、第1および第2の部材(8、9;43、44;81、82;119、120;154、155)の広がりに沿って第2の端部(11、46、84、122、157)および(13、48、86、124、159)よりも第1の端部(10、45、88、121、156)および(12、47、85、123、158)に近いそれぞれのクランプ位置において第1および第2の部材(8、9;43、44;81、82;119、120;154、155)の間に保持されることを可能にするために第1の部材(9、44、82、120、155)に対して移動可能に軸支される第2の部材(8、43、81、119、154)とを含む。第1および第2の部材(8、9;43、44;81、82;119、120;154、155)の各々は、その部材(8、9;43、44;81、82;119、120;154、155)の広がりに沿ってクランプ位置と第2の端部(11、46、84、122、157)および(13、48、86、124、159)との間に位置する少なくとも1つのセクションを含む。第1および第2の部材(8、9;43、44;81、82;119、120;154、155)のうちの少なくとも1つは、導電性であり、ワークピース(2)の表面と接触するためにクランプ位置において接触領域を設けられ、接触領域は、第1の部材(8、43、81、119、154)および第2の部材(9、44、82、120、155)の他方に面する少なくとも1つの露出面(25、30;63、68;100、105;137、142;173、178)を含む。デバイスは、第1および第2の部材(8、9;43、44;81、82;119、120;154、155)から独立して取得可能であり、導電性部材(8、9;43、44;81、82;119、120;154、155)の導電性材料より低い電気伝導率を有する材料で作られた少なくとも1つのシールド部(17、32~35、38~40;70~72、75~78; 93a、93b、94、107~109、112~114;131、144~147、149、150;166a、166b、167、180~182、185~187)を含む。クランプ位置と、導電性である第1および第2の部材(8、9;43、44;81、82;119、120;154、155)のそれらの各々の第2の端部(11、46、84、122、157)および(13、48、86、124、159)との間に位置する少なくとも1つのセクションは、シールド部(17、32~35、38~40;70~72、75~78;93a、93b、94、107~109、112~114;131、144~147、149、150;166a、166b、167、180~182、185~187)のうちの少なくとも1つによって第1および第2の部材(8、9;43、44;81、82;119、120;154、155)の他方に面するその部材(8、9;43、44;81、82;119、120;154、155)の側面上をシールドされる。第1および第2の部材(8、9;43、44;81、82;119、120;154、155)の他方に面するその部材の側面上の第1および第2の部材(8、9;43、44;81、82;119、120;154、155)のうちのいずれかのそのセクションをシールドするシールド部(17、33、34、39、40;71、77、78;93a、93b、94、108、113;131、145、146、150;166a、166b、167、181、186)は、液体が第1および第2の部材(8、9;43、44;81、82;119、120;154、155)の間を流れることができる隙間に隣接する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークピース(2)を把持して前記ワークピース(2)の少なくとも1つの表面と電気接触するためのデバイスであって、
第1の端部(12、47、85、123、158)と第2の端部(13、48、86、124、159)との間に延びる第1の部材(9、44、82、120、155)と、
第1の端部(10、45、88、121、156)と第2の端部(11、46、84、122、157)との間に延び、前記第1の部材(9、44、82、120、155)に対して移動可能に軸支される第2の部材(8、43、81、119、154)であって、前記ワークピース(2)をそれぞれの前記第1の端部(10,12;45,47;83,85;121,123;156,158)の間に挿入し、第1および第2の部材(8,9;43,44;81,82;119,120;154,155)の広がりに沿って前記第2の端部(11,13;46,48;84,86;122,124;157,159)よりも前記第1の端部(10,12;45,47;83,85;121,123;156,158)に近いそれぞれのクランプ位置において前記第1および第2の部材(8,9;43,44;81,82;119,120;154,155)の間に保持することを可能にし、
前記第1および第2の部材(8、9;43、44;81、82;119、120;154、155)の各々が、その部材(8、9;43、44;81、82;119、120;154、155)の広がりに沿って前記クランプ位置と前記第2の端部(11、13;46、48;84、86;122、124;157、159)との間に位置する少なくとも1つのセクションを含み、
前記第1および第2の部材(8、9;43、44;81、82;119、120;154、155)のうちの少なくとも1つが、導電性であり、前記ワークピース(2)の表面と接触するために前記クランプ位置において接触領域を設けられ、前記接触領域が、前記第1および第2の部材(8、9;43、44;81、82;119、120;154、155)の他方に面する少なくとも1つの露出面(25、30;63、68;100、105;137、142;173、178)を含む、第2の部材(8、43、81、119、154)と、
前記第1および第2の部材(8、9;43、44;81、82;119、120;154、155)から独立して取得可能であり、導電性部材(8,9;43,44;81,82;119,120;154,155)の導電性材料より低い電気伝導率を有する材料で作られた少なくとも1つのシールド部(17、32~35、38~40;70~72、75~77、78;93a、93b、94、107~109、112~114;131、144~147、149、150;166a、166b、167、180~182、185~187)とを含み、
前記クランプ位置と、導電性である前記第1および第2の部材(8、9;43、44;81、82;119、120;154、155)の各々の前記第2の端部(11、13、46、48、84、86、122、124、157、159)との間に位置する少なくとも1つの前記セクションが、前記シールド部(17、32~35、38~40;70~72、75~78;93a、93b、94、107~109、112~114;131、144~147、149、150;166a、166b、167、180~182、185~187)のうちの少なくとも1つによって、前記第1および第2の部材(8、9;43、44;81、82;119、120;154、155)の他方に面する一方の部材(8、9;43、44;81、82;119、120;154、155)の側面上をシールドされ、
前記第1および第2の部材(8、9;43、44;81、82;119、120;154、155)の前記他方に面する前記一方の部材の側面上の前記第1および第2の部材(8、9;43、44;81、82;119、120;154、155)のうちのいずれかのセクションをシールドするシールド部(17、33、34、39、40;71、77、78;93a、93b、94、108、113;131、145、146、150;166a、166b、167、181、186)が、前記第1および第2の部材(8、9;43、44;81、82;119、120;154、155)の間で液体が流れることができる隙間に隣接することを特徴とする、デバイス。
【請求項2】
前記クランプ位置と前記第2の端部(11、13;46、48;84、86;122、124;157、159)との間に位置する前記シールドされたセクションが、前記クランプ位置まで延びる、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記第1および第2の部材(8、9;43、44;81、82;119、120;154、155)のうちの少なくとも1つが、細長い一片の形態である、請求項1または2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記第1および第2の部材(8、9;43、44;81、82;119、120;154、155)にはそれぞれ、それらの広がりに沿って前記第2の端部(11、13;46、48;84、86;122、124;157、159)よりも前記第1の端部に近い位置において湾曲部(14、15;49、50;87、88;125、126;160、161)が設けられている、請求項1から3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記第1および第2の部材(8、9;43、44;81、82;119、120;154、155)のうちの少なくとも1つには、その部材(8、9;43、44;81、82;119、120;154、155)の前記広がりに沿って前記クランプ位置と前記第2の端部(11、13;46、48;84、86;122、124;157、159)との間に位置する前記セクション内でその部材(8、9;43、44;81、82;119、120;154、155)を通る液体透過性窓(21、27;59、65;96、102;133、139;169、175)が設けられている、請求項1から4のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記窓(21、27;59、65;96、102;133、139;169、175)のうちの少なくとも一部が、前記湾曲部(14、15;49、50;87、88;125、126;160、161)と前記クランプ位置との間に位置する、請求項4を引用する請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記窓が、前記部材(8、9;43、44;81、82;119、120;154、155)を通る開口(21、27;59、65;96、102;133、139;169、175)によって形成され、
少なくとも1つのシールド部(17、34、39;70、77;108、113;131、146、150;181、186)が、前記開口の縁部(26、31;64、69;101、106;138、143;174、179)において前記開口(21、27;59、65;96、102;133、139;169、175)内に延びるセクション(37、36a、36b、41;73、79;110、115a、115b;148a、148b、151a、151b;183、188a、188b)を含み、
前記開口(21、27;59、65;96、102;133、139;169、175)内に延びる前記セクション(37、36a、36b、41;73、79;110、115a、115b;148a、148b、151a、151b;183、188a、188b)が、前記開口(21、27;59、65;96、102;133、139;169、175)の前記縁部(26、31;64、69;101、106;138、143;174、179)をカバーする、請求項5または6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記第1および第2の部材(8、9;43、44;81、82;119、120;154、155)が、前記第1および第2の部材(8、9;43、44;81、82;119、120;154、155)を互いに対して移動可能に軸支する少なくとも1つのガイド(16、17、18、19;51、54;89、92;127、128、129;162、165)、たとえば直線ガイドによって相互接続される、請求項1から7のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記少なくとも1つの露出面(25、30;63、68;100、105;137;142;173、178)が、前記導電性部材(8、43、81、119、154)および(9、44、82、120、155)の隣接面のセクション(24a、24b、29a、29b;62a、62b、67a、67b;99a、99b、104a、104b;136a、136b、141a、141b;172a、172b、177a、177b)に対して突出するそれぞれの隆起部(23、28;61、66;98、103;135、140;171、176)の遠位端において形成される、請求項1から8のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記シールド部のうちの少なくとも1つが、前記隣接面のセクション(24a、24b、29a、29b;62a、62b、67a、67b;99a、99b、104a、104b;136a、136b、141a、141b;172a、172b、177a、177b)をシールドする、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記隆起部(23、28;61、66;98、103;135、140;171、176)が、少なくとも、前記隆起部(23、28;61、66;98、103;135、140;171、176)から前記第2の端部(11、46、84、122、157)および(13、48、86、124、159)に向かって延びる1つの前記シールド部に対して突出する、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
導電性であって前記第1および第2の部材(8、9;43、44;81、82;119、120;154、155)の他方の方向に面する前記第1および第2の部材(8、9;43、44;81、82;119、120;154、155)のうちの少なくとも一方の前記広がりに沿って前記隆起部(23、28;61、66;98、103;135、140;171、176)の基部から前記第2の端部(11、46、84、122、157)および(13、48、86、124、159)に向かってセクションを形成する前記シールド部(34、39;71、77;108、113;146、150;181、186)によって画定される任意の表面のセクション(74a、74b; 111a、111b、117a、117b;152a、152b;184a、184b、190a、190b)が、前記隆起部(23、28;61、66;98、103;135、140;171、176)の前記遠位端において形成された前記露出面(25、30;63、68;100、105;137、142;173、178)に対して奥まっている、請求項9から11のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項13】
電気化学的処理のための装置(1)を通してワークピース(2)を搬送するための搬送システムであって、
請求項1から12のいずれか一項に記載の少なくとも1つの、たとえば複数のデバイス(7;42;80;118;153)と、
前記デバイス(7;42;80;118;153)が前記ワークピース(2)を保持する状態で、前記装置(1)を通る経路に沿って前記少なくとも1つのデバイス(7;42;80;118;153)の運動を駆動するための駆動デバイスとを含み、
前記システムが、前記ワークピース(2)をそれぞれ把持および解放するために、前記経路の始端および前記経路の終端におけるクランプ位置を含む前記第1および第2の部材(8、9;43、44;81、82;119、120;154、155)のうちの少なくともいくつかのセクションの相対運動を生じさせるように配置される、搬送システム。
【請求項14】
ワークピース(2)の電気化学的表面処理のための装置であって、
請求項13に記載の搬送システム(4)と、
少なくとも1つの対極を含む少なくとも1つの処理バス(3)と、
導電性である、前記クランプデバイスの前記第1および第2の部材(8、9;43、44;81、82;119、120;154、155)のうちの少なくとも1つに接続された少なくとも1つの電流源であって、接続された部材(8、9;43、44;81、82;119、120;154、155)と前記少なくとも1つの対極のうちの少なくとも1つとの間に電圧差を確立する、少なくとも1つの電流源とを含む、装置。
【請求項15】
請求項1から12のいずれか一項に記載のデバイス(7;42;80;118;153)を製造する方法であって、
前記シールド部(32~34、38~40;70、71、75~78;107、108、112、113;144~146、149、150;180、181、185、186)のうちの少なくとも1つが、積層造形によって取得される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークピースを把持してワークピースの少なくとも1つの表面と電気接触するためのデバイスに関し、そのデバイスは、
第1の端部と第2の端部との間に延びる第1の部材と、
第1の端部と第2の端部との間に延び、ワークピースがそれぞれの第1の端部の間に挿入されて、第1および第2の部材の広がり(extent)に沿って第2の端部よりも第1の端部に近いそれぞれのクランプ位置において第1の部材と第2の部材との間に保持されることを可能にするために第1の部材に対して移動可能に軸支される第2の部材であって、
第1および第2の部材の各々が、その部材の広がりに沿ってクランプ位置と第2の端部との間に位置する少なくとも1つのセクションを含み、
第1および第2の部材のうちの少なくとも1つが、導電性であり、ワークピースの表面と接触するためにクランプ位置において接触領域を設けられ、接触領域は、第1および第2の部材の他方に面する少なくとも1つの露出面を含む、第2の部材と、
第1および第2の部材から独立して取得可能であり、導電性部材の導電性材料より低い電気伝導率を有する材料で作られた少なくとも1つのシールド部とを含む。
【0002】
本発明はまた、搬送システムに関する。
【0003】
本発明はまた、ワークピースの電気化学的表面処理のための装置に関する。
【0004】
本発明はまた、上述の種類のデバイスを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0005】
特許文献1は、固定クランプ部と、可動クランプ部と、クランプブラケットと、接続部とを含むメッキ装置のためのクランプを開示する。固定クランプ部は、垂直方向に細長いプレートの形状を有する。可動クランプ部は、固定クランプ部の垂直長さより短い垂直長さを有するプレート形状に形成され、固定クランプ部の前に挿入される。絶縁塗膜が、それぞれ、固定クランプ部および可動クランプ部の下端において設けられる。絶縁塗膜の各々は、固定クランプ部および可動クランプ部の下端を取り囲み、それにより、後部接触部の前面および前部接触部の後面が露出される。
【0006】
特許文献2は、その電気化学的処理のためにデバイス内で処理される材料に対する電力供給ユニットを開示する。処理される材料が保持され、材料との電気接触が、良好な伝導率を有するブランク材料からそれぞれ構成されるクランプ上部およびクランプ下部によって形成されるクランプによって作られる。クランプ上部およびクランプ下部の前端において、接触手段または接触要素がそれぞれ、伝導方式でクランプ上部およびクランプ下部に導電的に接続される。処理される材料は、これらの接触要素の間に係合される。接触要素から開始して、小さい距離においてクランプ下部を包囲するシェル部が、後者に締結される。シェル部は、それが、少なくとも電気化学的処理デバイス内の電解質の液面を超えるまで延びるように設計される。シェル部は、金属イオンがクランプ下部を取り巻く電解質からクランプ下部の外側に逆移動し、このことが、同時に、陽極と処理される材料との間に形成された電界線の遮蔽につながることを防止する。本例では、シェル部は、クランプ上部に面する側に開かれているが、クランプ下部を完全に取り巻く閉止設計もまた可能であることが開示されている。同様に、さらなるシェル部は、シェル部とクランプ上部との間の任意のあり得る蓄積を最小化するために、クランプ上部に締結され、クランプ上部の少なくとも外側を緊密に覆う(bear)。クランプ上部に締結されたシェル部は、クランプ下部に締結されたシェル部と同様に、クランプ下部に面する領域において開かれている。クランプ上部およびクランプ下部によって形成されたクランプが開くときおよび閉じるとき、シェル部の接触点において形成された滑り面は、互いに対してしっかりと滑動し、それにより、良好な電気絶縁、金属イオンが逆移動するのを防止する液体シール、ならびに電界線の良好な遮蔽が、この場合にも確保される。したがって、シェル部は、電解質から逆移動する金属イオンがシェルの外で発見されるのを実質的に防止するために、接触要素から開始してクランプ上部およびクランプ下部を包囲するシェルを形成する。
【0007】
したがって、1つのシェルが、J字型であるクランプ上部とクランプ下部の両方を包含する。側面から見ると、シェルは、クランプ上部とクランプ下部の両方が挿入されたウェリントンブーツに幾分似ている。
【0008】
知られているデバイスのシールドの内部に存在するような、実質的により低い金属イオン濃度の領域が、比較的高い電気抵抗の領域をもたらし、したがって電界のひずみをもたらす。クランプの領域内でワークピースの接触面にわたって均一な処理を維持するために、これを補償することは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】KR 102 332 772 B1
【特許文献2】US 2007/0039816 A1
【特許文献3】US 6,887,113 B1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、デバイスがワークピースを把持するワークピースの縁部領域内でより均一な表面処理を可能にする、冒頭の段落で上述されたタイプのデバイス、搬送システム、装置、および方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、本発明によるデバイスによって第1の態様に従って達成され、本発明は、クランプ位置と、導電性である第1および第2の部材のそれらの各々の第2の端部との間に位置する少なくとも1つのセクションが、シールド部のうちの少なくとも1つによって第1および第2の部材の他方に面するその部材の側面上でシールドされ、第1および第2の部材の他方に面するその部材の側面上の第1および第2の部材のうちのいずれかのそのセクションをシールドするシールド部が、第1の部材と第2の部材との間を液体が流れることができる隙間に隣接することを特徴とする。
【0012】
デバイスは、ワークピースの電気化学的表面処理、特に、湿式電気化学的表面処理のための装置のための搬送システムにおいて使用される。本例は、電気メッキおよびエッチング、すなわち、ワークピースの面上の材料の導電性層の構築または破壊を含む。
【0013】
第1および第2の部材は細長い部材であり得、それにより、それらは、第1の端部と第2の端部との間で長手方向に延びる。しかしながら、第1および第2の部材は、真っ直ぐである必要はない。クランプ位置は、ワークピースが第1および第2の部材によって直接的または間接的に保持される、第1および第2の部材の広がり(たとえば、長さ)に沿った位置である。これらのクランプ位置は、第1の端部の位置と一致してもよく、または第1の端部に近接してもよい。第1および第2の部材の相対運動は、直線運動、枢動運動、または2つの組合せであり得る挟撃運動である。
【0014】
デバイスは、把持デバイスを含む処理装置を通るワークピースの運動方向に対して、ワークピースの外側縁に近い位置において平面のワークピースを把持するように配置される。デバイスの形状に応じて、デバイスは、処理装置を通してワークピースを搬送するために、水平または垂直搬送システムに組み込むのに適切であり得る。
【0015】
使用中、第1の端部、およびクランプ位置と部材の広がりに沿った部材の第2の端部との間に位置するセクションは、ワークピースの電気化学的表面処理のための装置のバス内の電解液に浸漬される。第1および第2の部材が、クランプ位置において互いに接触するときでも、第1の部材のそのセクションと第2の部材のそのセクションとの間に隙間が存在する。ワークピースが第1の部材と第2の部材との間に保持される構成では、各部材とワークピースとの間に隙間が存在し得る。液体が流れることができる隙間であるので、電解質は、第1の部材と第2の部材との間の空間に継続的に入ることができる。比較的小さい流れ抵抗が存在し、それにより、濃度勾配は、比較的小さいかまたはまったくない。これは、デバイスとワークピースとの間の接触領域回りに、比較的均一な表面処理をもたらす。
【0016】
表面処理を必要とするのはワークピースの対向面のうちの一方だけかまたは両方かに応じて、第1および第2の部材のうちの少なくとも1つが導電性である。導電性部材は、完全に導電性材料で作られてもよく、または非導電性コアを含んでもよい。少なくとも1つの露出面が、導電性材料によって形成される。このまたはこれらの表面は露出されるので、それらは、電気接続を確立するためにワークピースに適用され得る。部材は、部材と処理装置の対極との間に電圧差を確立するように配置された電流源または電流源のコネクタへのリード線を接続するために、第1の端部に対して遠位の位置において電気接触点を設けられる。導電性材料は、たとえば、チタンまたはチタンを含む合金であり得る。チタンは、化学的に安定で、あまり高価ではなく、かなりの良導電体である。
【0017】
少なくとも1つのシールド部が、第1および第2の部材から分離している。それらは、たとえば、自立型構造として第1および第2の部材から独立して取得可能であるという事実によって、絶縁塗膜と区別される。それらは、一般に、第1および第2の部材のうちの少なくとも1つに機械的に接続されるが、接着などによってそれに接合されてもよい。いずれの場合でも、塗膜とは対照的に、それらは、特に、導電性である第1および第2の部材のそれらの表面材料にあまり接着しない材料で作られ得る。これは、比較的広い材料の選択範囲を開く。加えて、熱膨張係数は、塗膜が第1および第2の部材に直接塗布される場合以上に異なり得る。シールド部のいくつかは、第1および第2の部材のうちの1つの導電性部材に直接固定され得る。いくつかは、第1および第2の部材のうちの1つの導電性部材かまたはそのセクションを包含するシェルを形成するために相互接続され得るが、その部材に直接固定されない。第1および第2の部材の外側縁の間に、場合によってはシールドされた外側縁の間に隙間が存在し、その隙間を通って液体が第1の部材と第2の部材との間を流れることができる限り、シールド部のうちの1つまたは複数が、第1の部材と第2の部材との間に設けられ得る。第1および第2の部材の対向面は、導電性であるときにシールドされるので、関連する導電性部材の表面における堆積または破壊は、ほとんどまたはまったくない。さらに、導電性部材は、電界をそのようなかなりの程度まではひずませない。シールド部は、必ずしもすべて同じ材料で作られる必要があるとは限らない。適切な材料は、ポリマー材料を含む。本例には、ポリスルホン(PSU)およびポリプロピレンが含まれる。後者の材料は、押し出し印刷または熱溶融印刷を使用する積層造形に適しており、あまり高価ではない。
【0018】
一実施形態では、クランプ位置と第2の端部との間に位置するシールドされたセクションが、クランプ位置まで延びる。
【0019】
シールドされたセクション、クランプ位置、および延びるという用語は、第1の端部と第2の端部との間の部材の広がりに沿った方向、すなわち、細長い部材の場合は長手方向を指す。そのセクションは、セクションが延びる方向を横切る方向に、たとえば、部材を通る開口によって遮断され得る。セクションはクランプ位置まで延びるので、露出面に隣接するシールドデバイスの表面とワークピースの表面との間に隙間を設けることが可能である。この隙間は、電解質がシールドデバイスの表面とワークピースの表面との間を流れることを可能にし、それにより、ワークピースの縁部と、デバイスとワークピースとの間の接触領域との間の領域が処理され得る。その結果、接触領域が、ワークピースの中央に向けて縁部からさらに遠ざかることになる。これは、ワークピースが本発明による様々な把持デバイスによって連続して把持される、いくつかのタイプの処理において役に立つ。これらは、次の把持デバイスの各々が、ワークピースの縁部からさらに離れてワークピースと接触するように構成され得る。表面処理は、ワークピースの縁部まで比較的均一に延びる。
【0020】
一実施形態では、第1および第2の部材のうちの少なくとも1つが、細長い一片の形態である。
【0021】
細長い一片は、細長くて狭いバーである。この実施形態では、第1および第2の部材のうちの少なくとも1つは、細長い一片の形態の基本形を有する。しかしながら、幅は、バーの長さに沿って一定である必要はない。厚さは、幅にわたって一定である必要はなく、たとえば、バーは、丸められたまたは面取りされた縁部を有する。バーは、細長い一片の主表面を横断する平面において、ある曲率半径で曲げられるかまたは湾曲させられ得る。これらの主表面は、部材の広がりの少なくとも一部の上で平坦であり得る。そのような平坦な面のセクションは、部材に取り付けられる支持部品にとって有用である。細長い一片の形状はまた、把持デバイスを含む表面処理のための装置を通るワークピースの搬送方向に対応する、ワークピースの縁部に平行な比較的長い距離にわたって伸びるワークピースの表面との接触領域を可能にする。これは、薄い平面のワークピースの座屈を回避するのを助けることができる。
【0022】
一実施形態では、第1および第2の部材は、それぞれ、それらの広がりに沿って第2の端部より第1の端部に近い位置において湾曲部を設けられる。
【0023】
したがって、第1および第2の部材は、第2の端部から湾曲部までの比較的長いセクションと、湾曲部から第1の端部までの比較的短いセクションとを含む。この実施形態は、デバイスが、平面のワークピースを搬送するための水平搬送システム内で使用されるときに有用である。比較的短いセクションが、電解液の中に浸漬される。比較的長いセクションは、比較的短いセクションに対してある角度で延びる。比較的長いセクションは、使用中、電解液の中に一部のみ浸漬される。シールド部は、比較的長いセクションが使用中に浸漬される範囲だけに設けられる必要がある。電解質バスは比較的狭くてよく、またはワークピースは電解質バスに関して比較的広くてよい。特定の実施形態では、第1および第2の部材は、使用中、平面図においてワークピースの搬送方向に対応する方向に見られる、ほぼL字型またはJ字型であり得る。
【0024】
デバイスの一実施形態では、第1および第2の部材のうちの少なくとも1つが、その部材の広がりに沿ってクランプ位置と第2の端部との間に位置するセクション内でその部材を通る液体透過性窓を設けられる。
【0025】
これは、デバイスは電解液を通して動かされるので、比較的大量の電解液が第1の部材と第2の部材との間を流れることを可能にする。表面処理の均一性が強化される。
【0026】
第1および第2の部材がそれぞれ、それらの広がりに沿って第2の端部より第1の端部に近い位置において湾曲部を設けられ、第1および第2の部材のうちの少なくとも1つがその部材の広がりに沿ってクランプ位置と第2の端部との間に位置するセクション内でその部材を通る液体透過性窓を設けられる一実施形態では、窓の少なくとも一部が、湾曲部とクランプ位置との間に位置する。
【0027】
これは、具体的には、電解液が、その表面の外側縁とデバイスとの接触領域との間の領域内でワークピースの表面に到達することを可能にする。したがって、比較的均一な表面処理が達成可能であり、露出面がワークピースの表面と接触する所だけが特異である。
【0028】
第1および第2の部材がそれぞれ、それらの広がりに沿って第2の端部より第1の端部に近い位置において湾曲部を設けられ、第1および第2の部材のうちの少なくとも1つがその部材の広がりに沿ってクランプ位置と第2の端部との間に位置するセクション内でその部材を通る液体透過性窓を設けられる任意の実施形態では、窓の少なくとも一部が、湾曲部内に位置する。
【0029】
したがって、電解液は、第1の部材と第2の部材との間の空間に、2方向に流入することができる。一方向は、湾曲部と第1の端部との間に延びる部材のセクションに平行である。これは、ワークピースの表面に平行な方向に対応する。他の方向は、それを横断する。窓を設けられたセクションは、導電性である第1および第2の部材のそれぞれに対してシールドされたセクションである。
【0030】
第1および第2の部材のうちの少なくとも1つがその部材の広がりに沿ってクランプ位置と第2の端部との間に位置するセクション内でその部材を通る液体透過性窓を設けられ、窓が部材を通る開口によって形成される、デバイスの任意の実施形態の一例では、少なくとも1つのシールド部が、開口の縁部において開口内に延びるセクションを含み、開口内に延びるセクションが、開口の縁部をカバーする。
【0031】
同じシールドデバイスが、特に、開口周りの表面のセクションをカバーし得、縁部をカバーするための開口になる。シールドがないと、開口の縁部は、部材の鋭い露出された導電性部を形成し、電界の均一性をひずませる。セクションによって、シールド部は液体透過性窓を構成し、導電性縁部を露出されたままにしない。
【0032】
デバイスの一実施形態では、第1および第2の部材は、それらが延びる平面内で互いに向かうおよび互いから離れる直線的な相対運動に導かれる。
【0033】
したがって、ワークピースの表面と接触する第1および第2の部材の部分は、表面に直角の直線の中で表面に向かって移動され得る。第1および第2の部材がそれぞれ、それらの広がりに沿って第2の端部より第1の端部に近い位置において湾曲部を設けられる一実施形態では、平面は、湾曲部のいずれかの側の短いセクションおよび長いセクションが置かれる平面に対応する。運動の方向は、第1および第2の部材のうちの短いセクションが、それぞれの曲がりからそれぞれの第1の端部に延びる方向を横断する。
【0034】
デバイスの一実施形態では、第1および第2の部材は、第1および第2の部材を互いに対して移動可能に軸支する少なくとも1つのガイド、たとえば直線ガイドによって相互接続される。
【0035】
これは、第1および第2の部材のうちの1つだけが、デバイスを搭載するために搭載される必要があることを意味する。ガイドは他方を接続し、したがって、2つの機能、すなわち、相対運動をガイドすることおよび第1および第2の部材を一緒に保持することを実行する。
【0036】
この実施形態の特定の一例では、ガイドのうちの少なくとも1つを形成する部分の少なくとも1つのサブセットが、シールド部のうちの少なくとも1つによってシールドされる。
【0037】
したがって、ガイドのうちの少なくとも1つを形成するこれらの部分は、金属で作られてよく、ガイドと導電性である第1および第2の部材のそれぞれとの間に介挿される導電性部は不要である。
【0038】
第1および第2の部材が、第1および第2の部材を互いに対して移動可能に軸支する少なくとも1つのガイド、たとえば、直線ガイドによって相互接続される任意の実施形態の一例では、ガイドのうちの少なくとも1つを形成する部分の少なくとも1つのサブセットは、導電性部材の導電性材料より低い電気伝導率を有する材料で作られる。
【0039】
ガイドを形成するこれらの部分は、シールド部のそれぞれの部分に対応し得る。第1および第2の部材のうちの1つの導電性部材に固定されるとき、ガイド部はその部材をシールドし、その位置に対してさらなるシールド部は不要である。
【0040】
デバイスの一実施形態では、導電性である第1および第2の部材のそれらのうちの少なくとも1つは、少なくとも2つの連結するシールド部によってシールドされる。
【0041】
したがって、これらのシールド部は、開閉され得る継ぎ手によって互いに締結され得る。締結機構は、スナップフィット(片持ち梁によって関連するシールド部の本体に接続された取っ手、取っ手はシールド部の他方における凹所と係合する)を含む。連結はまた、単に、シールド部の補完的形状の部分を滑らせて係合することによって達成され得る。シールド部を第1および第2の部材のうちの1つまたは複数と接続するために必要な締結具の数が低減されるか、またはさらには、そのような締結具が省略され得る。たとえば、シールド部の連結は、アセンブリが包含する部材のセクションを補完する内部形状を有するアセンブリを形成するために連結し得る。そのような実施形態では、アセンブリと関連部材との間に、形状ロック(shape-lock)が設けられる。形状ロックはアセンブリを適所に保持するので、別々の締結具は不要である。シールド部がポリマー材料で作られる場合、締結具に対するインレーが、省略され得る。
【0042】
一実施形態では、少なくとも1つの露出面が、導電性部材の隣接面のセクションに対して突出する、それぞれの隆起部の遠位端において形成される。
【0043】
したがって、ワークピースの表面と電気的および物理的に接触する、明確に画定された限定領域が、定義される。
【0044】
この実施形態の特定の一例では、シールド部のうちの少なくとも1つが、隣接面のセクションをシールドする。
【0045】
したがって、電流が、ワークピースの表面に沿って、隆起部を通って導電性部材に流入させられる。
【0046】
この例の特定のバージョンでは、隆起部は、少なくとも、隆起部から第2の端部に延びるシールド部に対して突出する。
【0047】
したがって、少なくとも1つの露出面がワークピースの表面と接触するとき、隆起部周りの部材の表面をカバーするシールド部は、ワークピースの表面から少し離れたままである。電解液が流れることができる隙間が存在する。導電性部材の露出面との接触領域に対応するワークピースの表面のそのセクションだけが、未処理のままである。
【0048】
少なくとも1つの露出面が、導電性部材の隣接面のセクションに対して突出するそれぞれの隆起部の遠位端において形成されるデバイスの任意の実施形態の一例では、導電性であって、第1および第2の部材の他方の方向に面する第1および第2の部材のそれらのうちの少なくとも1つの広がりに沿って隆起部の基部から第2の端部に向けてセクションを形成するそれらのシールド部によって画定される任意の表面のセクションが、隆起部の遠位端において形成される露出面に対して奥まっている。
【0049】
露出面が(本質的に平面の)ワークピースの表面と接触するとき、関連部材の広がりに沿って隆起部の基部から第2の端部に向けてセクションを形成する、その表面とそれらのシールド部との間の隙間は、自動的に確立される。電解液は、妨げられることなく、この隙間を通して流れることができる。電解液内のイオン濃度勾配は、低減されるかまたは回避される。表面処理の比較可能なレベルが、露出面のいずれかの面、すなわち、ワークピースの表面との接触領域において達成される。
【0050】
少なくとも1つの露出面が、導電性部材の隣接面のセクションに対して突出するそれぞれの隆起部の遠位端において形成される任意の実施形態の一例では、隆起部は、頂部、たとえば導電性部材の広がりを横断する方向に第1および第2の部材の相対運動の平面内で延びる頂部を形成する。
【0051】
実際には、頂部は、ワークピースの表面との接触線を画定し、線は、把持デバイスを含む搬送システム内のワークピースの運動の方向に実質的に平行に延びる。効果は、ワークピースの表面ポテンシャルが、外側縁からワークピースの中央に向けて、すなわち、ワークピースの運動の方向を横断する方向に減少するが、運動の方向に平行な方向には比較的不変であることである。第1および第2の部材はそれぞれ、それらの広がりに沿って第2の端部より第1の端部に近い位置において湾曲部を設けられる場合、相対運動の平面は、一般に、湾曲部から第1の端部までの部材の短いセクションと、湾曲部から第2の端部までの部材の長いセクションの両方が置かれる平面に対応することに留意されたい。部材が細長い一片の形状の場合、平面は、細長い一片の平面を横断する。
【0052】
別の態様によれば、電気化学的処理のための装置を通してワークピースを搬送するための本発明による搬送システムは、
本発明による少なくとも1つの、たとえば、複数のデバイスと、
デバイスがワークピースを保持する状態で、装置を通る経路に沿って少なくとも1つのデバイスの運動を駆動するための駆動デバイスとを含み、
システムは、ワークピースをそれぞれ把持および解放するように、経路の始端および経路の終端におけるクランプ位置を含む第1および第2の部材のうちの少なくともいくつかのセクションの相対運動を生じさせるように配置される。
【0053】
1つのまたは各々のデバイスは、たとえば、相対運動を生じさせるために、デバイスの各々に対してまたは各々において、アクチュエータ、たとえば、電気式、電磁式、油圧式、または空圧式アクチュエータを含み得る。駆動デバイスは、デバイスが固定されるチェーンコンベヤまたはベルトコンベヤを含み得る。駆動デバイスによってもたらされる、ワークピースを把持するためのデバイスの運動が、第1および第2の部材が電解液の中に浸漬される場合、電解液を第1の部材と第2の部材との間に流させる。
【0054】
搬送システムの一実施形態では、各デバイスは、互いに向かうまたは互いから離れるクランプ位置を含む第1および第2の部材の少なくともいくつかのセクションに力を及ぼすための付勢デバイスを含み、システムは、
デバイスが駆動デバイスによって第1のカムに沿って移動されるとき、クランプ位置を含む第1および第2の部材のセクションを、付勢デバイスによって及ぼされる力に抗して互いから離れてまたは互いに向けて移動させるための、経路の始端においてデバイスと係合するための第1のカムと、
デバイスが駆動デバイスによって第2のカムに沿って移動されるとき、クランプ位置を含む第1および第2の部材のセクションを、付勢デバイスによって及ぼされる力に抗して互いから離れてまたは互いに向けて移動させるための、経路の終端における第2のカムとをさらに含む。
【0055】
したがって、把持デバイスは、個別のアクチュエータを含む必要がないので、比較的軽量でかつ簡素であり得る。ワークピースは、把持デバイスが経路に沿って搬送されるので、経路の始端において自動的に把持され、経路の終端において解放される。
【0056】
別の態様によれば、ワークピースの電気化学的表面処理のための本発明による装置は、
本発明による搬送システムと、
少なくとも1つの対極を含む少なくとも1つの処理バスと、
接続された部材と少なくとも1つの対極のうちの少なくとも1つとの間に電圧差を確立するために、導電性であるクランプデバイスの第1および第2の部材のそれらのうちの少なくとも1つに接続された少なくとも1つの電流源とを含む。
【0057】
ワークピースが、装置を通る運動の方向に対して対向する外側縁において把持される場合、装置は、本発明による2つの搬送システムを含む。対極または電極は、把持デバイスによって電気接触しているので電極として働く、ワークピースに対する対極を形成する。
【0058】
別の態様によれば、本発明によるデバイスを製造する本発明による方法では、シールド部のうちの少なくとも1つが、積層造形によって取得される。
【0059】
これは、シールド部がシールドする部材の形状と比較的密接に一致する比較的複雑な形状を有する自立型シールドデバイスの使用を可能にする。その結果、そのもしくはそれらの部材とシールドデバイスとの間に形状ロックを設けることが比較的容易になる。部品の数が最小化される。各シールドデバイスが、シールドデバイスがそれをシールドするために配置された部材とともに移動することを確実にすることが、依然として可能である。適切な積層造形法は、とりわけ、押し出し印刷(マルチジェット)熱溶融印刷とレーザー焼結とを含む。熱溶融印刷および押し出し印刷は、ポリマー材料、たとえばポリプロピレンがシールド部に使用されることを可能にする。
【0060】
本発明は、添付の図を参照しながらさらに詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【
図1】複数の把持デバイスを含む搬送システムを含む、ワークピースの電気化学的表面処理のための装置の概略上面図である。
【
図4】第1の把持デバイスの上部導電性部材の側面図である。
【
図5】
図4に示される上部部材の端部のセクションの詳細斜視図である。
【
図6】
図4および
図5に示される上部部材の端部のセクションのさらなる詳細斜視図である。
【
図7】電気絶縁シールド部を伴う、
図5および
図6の端部のセクションの詳細斜視図である。
【
図8】上部部材およびシールド部アセンブリの端部のセクションの斜視図である。
【
図9】上部部材およびシールド部アセンブリの端部のセクションの後面斜視図である。
【
図10】1つのシールド部が除去された、上部部材およびシールド部アセンブリの端部のセクションのさらなる後面斜視図である。
【
図11】
図10のシールド部アセンブリのシールド部のうちの1つの斜視図である。
【
図12】
図11に示されるシールド部のさらなる斜視図である。
【
図13】
図10のシールド部アセンブリのシールド部のうちの別の1つの斜視図である。
【
図14】
図10のシールド部アセンブリのシールド部のうちのさらに別の1つの斜視図である。
【
図15】第1の把持デバイスの下部導電性部材の側面図である。
【
図16】
図15に示される下部導電性部材の端部のセクションの詳細図である。
【
図17】その上に組み立てられた電気絶縁シールド部を伴う、下部導電性部材の端部のセクションの詳細図である。
【
図18】
図17のシールド部のアセンブリのみの斜視図である。
【
図19】
図18のアセンブリ内のシールド部のうちの1つの斜視図である。
【
図20】
図18のアセンブリ内のシールド部のうちの別の1つの斜視図である。
【
図23】第2の把持デバイスの上部および下部の導電性部材を相互接続する上部ガイドの斜視図である。
【
図24】第2の把持デバイスの上部および下部の導電性部材を相互接続する下部ガイドの詳細図である。
【
図25】第2の把持デバイスの下部端部のセクションの詳細図である。
【
図26】第2の把持デバイスの上部導電性部材の側面図である。
【
図27】
図26に示される上部導電性部材の端部のセクションの詳細図である。
【
図28】
図26および
図27に示される上部導電性部材の端部のセクションの詳細斜視図である。
【
図29】その上に組み立てられた電気絶縁シールド部を伴う、上部導電性部材の端部のセクションの斜視図である。
【
図30】その上に組み立てられた電気絶縁シールド部を伴う、上部導電性部材の端部のセクションの後面斜視図である。
【
図31】
図30に示されるシールド部のうちの1つの斜視図である。
【
図32】
図30に示されるシールド部のうちの別の1つの斜視図である。
【
図33】第2の把持デバイスの下部導電性部材の側面図である。
【
図34】
図33に示される下部導電性部材の端部のセクションの詳細図である。
【
図35】その上に組み立てられた電気絶縁シールド部を伴う、
図34に示される端部のセクションの詳細図である。
【
図36】
図35に示されるシールド部のうちの1つの斜視図である。
【
図37】
図35に示されるシールド部のうちの別の1つの斜視図である。
【
図38】
図35に示されるシールド部のうちのさらに別の1つの斜視図である。
【
図41】第3の把持デバイスの上部および下部の導電性部材を相互接続する下部ガイドの部分の詳細側面図である。
【
図42】第3の把持デバイスの上部および下部の導電性部材を相互接続する上部ガイドの部分の詳細斜視図である。
【
図43】第3の把持デバイスの上部導電性部材の側面図である。
【
図44】
図43の上部導電性部材の端部のセクションの斜視図である。
【
図45】
図43および
図44の上部導電性部材に対する電気絶縁シールド部のアセンブリの斜視図である。
【
図46】
図45のアセンブリのシールド部のうちの1つの斜視図である。
【
図47】
図45のアセンブリのシールド部のうちの別の1つの斜視図である。
【
図49】第3の把持デバイスの下部導電性部材の側面図である。
【
図50】
図49に示される下部導電性部材の端部のセクションの斜視図である。
【
図51】
図49および
図50に示される下部導電性部材に対する電気絶縁シールド部の斜視図である。
【
図52】
図49および
図50に示される下部導電性部材に対するさらなる電気絶縁シールド部の斜視図である。
【
図53】第3の把持デバイスの下部端部の詳細側面図である。
【
図56】第4の把持デバイスの下部のセクションの斜視図である。
【
図57】第4の把持デバイスの上部導電性部材の側面図である。
【
図58】
図57に示される上部導電性部材の下部のセクションの詳細斜視図である。
【
図59】上部導電性部材に対する電気絶縁シールド部のアセンブリの斜視図である。
【
図60】
図59のアセンブリのシールド部のうちの1つの斜視図である。
【
図61】
図60に示されるシールド部のさらなる斜視図である。
【
図62】
図59のアセンブリのシールド部のうちの別の1つの斜視図である。
【
図63】
図60に示されるシールド部のうちのさらなる1つの斜視図である。
【
図64】第4の把持デバイスの下部導電性部材の側面図である。
【
図65】下部導電性部材の端部のセクションの詳細斜視図である。
【
図66】その上に組み立てられた電気絶縁シールド部から成るシールドを伴う、下部導電性部材の詳細斜視図である。
【
図68】
図66のシールド部のうちの別の1つの斜視図である。
【
図71】第5の把持デバイスの端部のセクションの詳細斜視図である。
【
図72】第5の把持デバイスの端部のセクションのさらなる詳細斜視図である。
【
図73】第5の把持デバイスの上部導電性部材の斜視図である。
【
図74】上部導電性部材の端部のセクションの詳細斜視図である。
【
図75】その上に組み立てられたいくつかの電気絶縁シールド部を伴う、上部導電性部材の詳細斜視図である。
【
図77】
図75のシールド部のうちの別の1つの斜視図である。
【
図78】第5の把持デバイスの下部導電性部材の側面図である。
【
図79】
図78に示される下部導電性部材の端部のセクションの詳細斜視図である。
【
図80】その上に組み立てられたいくつかの電気絶縁シールド部を伴う、下部導電性部材の斜視図である。
【
図81】
図80に示されるシールド部のうちの1つの斜視図である。
【
図82】
図80に示されるシールド部のうちの別の1つの斜視図である。
【
図83】
図1に示されるタイプの開口によって適用される電気メッキ銅層の厚さを示すグラフを伴う図表である。
【発明を実施するための形態】
【0062】
平面のワークピース2a~2f(
図1)の電気化学的表面処理のための装置1は、電解液バス3と、バス3(
図1)を通してワークピース2a~2fを搬送するための搬送システム4とを含む。図示の実施形態では、搬送システム4は、水平搬送システム4である。ワークピース2a~2fは、運動の方向yに搬送され、運動の方向yを横断する方向xにおいて一定の幅を有する。
【0063】
電気化学的表面処理は、たとえば、エッチングまたは電気メッキであり得る。図示の実施形態では、平面のワークピース2a~2fの対向する主表面の両方が、処理を受けている。対極(図示されず)が、平面のワークピース2a~2fが搬送される平面の上および下に配置される。表面は、(運動の方向yに関して)外側縁に近接する把持デバイス5によって接触される。図示の実施形態では、ワークピース2a~2fは、それらの外側縁のうちの1つだけに沿って把持される。代替実施形態では、ワークピース2a~2fは、両方の外側縁に沿って把持される。そのような代替実施形態では、装置1を通るワークピース2a~2fの経路の各側部に搬送システム4が存在する。
【0064】
図示の実施形態の搬送システム4は、チェーンコンベヤまたはベルトコンベヤ6の形態の駆動デバイスを含み、把持デバイス5は、チェーンまたはベルトに沿って、間隔を置いてチェーンまたはベルトに取り付けられる。各把持デバイス5は、以下でより詳細に説明される付勢デバイスを含み、付勢デバイスは、把持デバイス5をワークピース2a~2fが把持される構成に付勢する。カム(図示されず)を含む係合デバイスが、装置1を通るワークピース2a~2fの経路の始端および終端に位置する。把持デバイス5を付勢デバイスによって及ぼされる復元力に抗して把持構成から離脱させるために、把持デバイス5が駆動デバイスによってカムに対してカムに沿って移動されるとき、カムは把持デバイス5と係合し、したがって、ワークピース2a~2fが把持デバイス5に関連して移動することを可能にする。このようにして、ワークピース2a~2fは、経路の始端において自動的に把持され、経路の終端において解放される。
【0065】
第1の把持デバイス7(
図2~
図20)は、上部の細長い導電性部材8と下部の細長い導電性部材9とを含む。上部部材8は、第1の端部10と第2の端部11(
図4)との間で長手方向に延びる。同様に、下部部材9は、第1の端部12と第2の端部13との間で長手方向に延びる。
【0066】
図2および
図15を参照すると、上部部材8および下部部材9は、使用中、ワークピース2a~2fの縁部に対しておおむね平行な、方向yにおける幅を有する細長い一片の形態の基本形を有する。しかしながら、外側縁は不規則な形状を有し、面取りされており、様々な開口が、上部および下部の部材8、9を通して設けられている。加えて、上部部材8は、上部部材8の広がり(すなわち、長さ)に沿って第2の端部11より第1の端部10に近い位置において湾曲部14を設けられる。下部部材9もまた、下部部材9の広がり(すなわち、長さ)に沿って第2の端部13より第1の端部12に近い位置において湾曲部15を設けられる。湾曲部14、15の各々は、上部部材8および下部部材9のそれぞれの比較的長いセクションと比較的短いセクションとの間の推移を示す。これらのセクションは、ほぼ直角であり、それにより、上部および下部の部材8、9は、部材8、9の幅を画定する方向yにおいて見られる、ほぼJ字型である。角度は、代替実施形態では、より大きくてもよく、たとえば135°までである。
【0067】
上部および下部の部材8、9は、部材8、9の幅を画定する方向yに直角の平面xz内の相対運動のために軸支される。部材8、9の幅を画定する方向yにおける相対運動は、拘束される。これは、下部部材9に取り付けられたガイドピン16(
図3)と上部部材8に固定されたガイドブロック17とを含み、ガイドピン16を受けるための穴を設けられたジャーナルベアリングによって達成される。加えて、下部および上部の部材9、8は、それらの相対運動を拘束するブラケット18、19(
図2、
図3)によって保持される。ばね20(
図3)の形態の付勢デバイスは、上部および下部の部材8、9を互いに近づかせるように配置される。このようにして、上部および下部の部材8、9は、互いに近づくおよび互いから離れる、主として直線的な相対運動のために軸支される。
【0068】
上部部材8は、上部部材8を通る主開口21を設けられる。図示の実施形態では、上部部材8を通る二次開口22も存在する。主開口21は、湾曲部14の広がり全体にわたって、および第2の端部11の方に湾曲部14をわずかに超えて延びる。したがって、主開口21の少なくとも一部は、湾曲部14内に位置する。
【0069】
頂部23の形態の隆起部が、下部部材9に面する上部部材8の側面上に設けられる。図示の実施形態では、頂部23は細長く、上部部材8の幅を画定する方向yに延び、第1の端部10において上部部材8の厚さを画定する方向zに突出する。頂部23は、第1の端部10において設けられる。代替実施形態では、頂部23は、第1の端部10に直接ではなく、近接して設けられてもよい。頂部23は、隣接面のセクション24a、24b(
図6)に対して突出する。露出面25は、頂部23の先端によって画定される。この露出面25は、電気接触を提供して把持力を及ぼすために、使用中、ワークピース2a~2fの表面に直接接触するように構成される。
【0070】
図示の実施形態では、主開口21の縁部26(
図5~
図7)のセクションが、基本的に頂部23の基部に沿って伸びる。代替実施形態では、2つのセクションが、上部部材8が延びる方向に離隔される。
【0071】
同様に、下部部材9は、下部部材9を通る主開口27(
図16)を設けられる。この主開口27は、全体的に、下部部材9の湾曲部15と第1の端部12との間に位置する。
【0072】
頂部28の形態の隆起部が、上部部材8に面する下部部材9の側面上に設けられる。図示の実施形態では、頂部28は細長く、下部部材9の幅を画定する方向yに延び、第1の端部12において下部部材9の厚さを画定する方向zに突出する。頂部28は、第1の端部12において設けられる。代替実施形態では、頂部28は、第1の端部12に直接ではなく、近接して設けられてもよい。頂部28は、隣接面のセクション29a、29bに対して突出する。露出面30は、頂部28の先端によって画定される。この露出面30は、電気接触を提供して把持力を及ぼすために、使用中、ワークピース2a~2fの表面に直接接触するように構成される。
【0073】
図示の実施形態では、主開口27の縁部31のセクションが、基本的に頂部28の基部に沿って伸びる。代替実施形態では、2つのセクションが、下部部材9が延びる方向に離隔され、それにより、同じく、頂部28と、頂部28がそれに対して突出する主開口27との間に隣接面のセクションが存在する。
【0074】
使用中、上部および下部の部材8、9の短いセクションおよび上部および下部の部材8、9のより長いセクションのサブセクションが、電解液の中に浸漬される。電解液は、それらが相互接続されている場所および頂部23、28がワークピース2a~2fを把持している場所を除くすべての場所で、上部部材8と下部部材9との間を流れることができる。それぞれの電流源または共通の電流源に接続されている上部および下部の部材8、9が、ワークピース面と処理装置1内の対極との間の電界をひずませることを回避するために、浸漬を意図される上部および下部の部材8、9の部分は、電気絶縁シールド部によってシールドされる。
【0075】
上部部材8は、第1、第2および第3の上部部材シールド部32~34によって、プラグ35(
図8)によって、およびガイドブロック17によってシールドされる。それらは、必ずしもすべて同じ材料で作られる必要があるとは限らないが、それらは、上部部材8が作られる材料より低い電気伝導率を有する材料で作られる。第1、第2および第3の上部部材シールド部32~34は、上部部材8の形状を補完する内部形状を有するアセンブリを形成するために、互いに連結し、それにより、それらは、締結具を必要とすることなく適所に保持される。プラグ35は、第1の上部部材シールド部32の中の開口と第2の上部部材シールド部33の中の開口とに適合し、それにより、プラグ35を適所に保持するために、さらなる締結具は必要とされない。二次開口22は、そのプラグによって閉止される。別々の、たとえば弾性のシール要素が、プラグ35によってもたらされるシール効果を強化して、プラグ35を適所に保つのを助けるために提供され得る。ガイドブロック17は、締結具(図示されず)によって上部部材8に固定される。
【0076】
主開口21の縁部26は、主開口21内に延びる第3の上部部材シールド部34のセクション36a、36b(
図14)によって、ならびに主開口21内に延びるガイドブロック17のセクション37(
図7)によってシールドされる。したがって、ワークピース2a~2fの外側縁と露出面25との接触領域との間に、ワークピース2a~2fの表面のセクションを露出する液体透過性窓のシールドフレームが、設けられる。
【0077】
第1の上部部材シールド部32および第3の上部部材シールド部34は、頂部23の基部の方に延びる。しかしながら、下部部材9の方向に面するそれらの表面は、露出面25に対して奥まっている。頂部23は、特に、第3の上部部材シールド部34に対して突出する。第3の上部部材シールド部34は、頂部23に隣接する表面のセクション24a、24bをカバーする。ワークピース2a~2fが把持されると、隙間が、シールド(この場合は、第3の上部部材シールド部34)とワークピース2a~2fの表面との間に形成される。電解液は、シールドとワークピース2a~2fの表面との間を流れることができ、表面のそのセクションの処理を可能にする。その結果、露出面25は、ワークピース2a~2fの外側縁から比較的大きい距離におけるワークピース2a~2fの表面と接触することができる。
【0078】
第1、第2および第3の上部部材シールド部32~34は、積層造形によって取得可能な自立型部品である。
【0079】
下部部材9は、第1および第2の下部部材シールド部38、39によって、および部分的にクリップ40によってシールドされる。これらの部品は、下部部材9の形状を補完する内部形状を有するアセンブリを提供するために連結する。それゆえ、これらの部品のいずれかを下部部材9に直接締結するための締結具は不要である。
【0080】
第2の下部部材シールド部39は、主開口27の縁部31をカバーするために主開口27内に延びるセクションを含む。第2の下部部材シールド部39は、同じく、頂部28に隣接する表面のセクション29a、29bをカバーする。頂部28の先端によって画定される露出面30は、カバーされないままである。実際、第2の下部部材シールド部39の表面および上部部材8に面するクリップ40は、露出面30に対して奥まっている。ワークピース2a~2fが把持されると、隙間が、シールド(この場合は、第2の下部部材シールド部39およびクリップ40)とワークピース2a~2fの表面との間に形成される。電解液は、シールドとワークピース2a~2fの表面との間を流れることができ、表面のそのセクションの処理を可能にする。その結果、露出面30は、ワークピース2a~2fの外側縁から比較的大きい距離におけるワークピース2a~2fの表面と接触することができる。露出面30との接触領域だけが、未処理のままである。
【0081】
第1および第2の下部部材シールド部38、39およびクリップ40は、積層造形によって取得可能な自立型部品である。
【0082】
第2の把持デバイス42(
図21~
図38)は、同じく、上部の細長い導電性部材43と下部の細長い導電性部材44とを含む。上部部材43は、第1の端部45と第2の端部46との間で長手方向に延びる。同様に、下部部材44は、第1の端部47と第2の端部48との間で長手方向に延びる。
【0083】
図26および
図33を参照すると、上部部材43および下部部材44は、使用中、ワークピース2a~2fの縁部に対しておおむね平行な、方向yにおける幅を有する細長い一片の形態の基本形を有する。しかしながら、外側縁は不規則な形状を有し、面取りされており、様々な開口が、上部および下部の部材43、44を通して設けられている。さらに、上部部材43は、一体化された突出ピンを有し、それは、たとえば、上部部材43の細長い一片の形状の主部に溶接され得る。
【0084】
上部部材43は、上部部材43の広がり(すなわち、長さ)に沿って第2の端部46より第1の端部45に近い位置において湾曲部49を設けられる。下部部材44もまた、下部部材44の広がり(すなわち、長さ)に沿って第2の端部48より第1の端部47に近い位置において湾曲部50を設けられる。湾曲部49、50の各々は、上部部材43および下部部材44のそれぞれの比較的長いセクションと比較的短いセクションとの間の推移を示す。これらのセクションは、ほぼ直角であり、それにより、上部および下部の部材43、44は、部材43、44の幅を画定する方向yにおいて見られる、ほぼJ字型である。角度は、代替実施形態ではより大きくてもよく、たとえば135°までである。
【0085】
上部および下部の部材43、44は、部材43、44の幅を画定する方向yに直角の平面xz内の相対運動のために軸支される。部材43、44の幅を画定する方向yにおける相対運動は、拘束される。これが達成される方法は、第1の把持デバイス7の方法とは異なる。代わりに、上部ガイド51は、上部部材43内に形成されたスロット53を通って延び、スロット53内で移動可能なピン52(
図23)を含む。スロット53は、長手方向に延びる。ピン52は、下部部材44に固定され、下部部材44から突出する。下部ガイド54は、同じく、上部部材43内に形成されたスロット56を通って延び、スロット56内で移動するピン55(
図24)を含む。再び、スロット56は、長手方向に延びる。ピン55は、下部部材44に固定され、下部部材44から突出する。波型シールド部57(
図25)が、ピン55をシールドする。波型シールド部57は、導電性材料、たとえばポリマー材料で作られる。波型シールド部57の対向端部の一方または両方が、上部部材43および下部部材44のそれぞれに対して適所に固定され得る。波型シールド部57は、上部および下部の部材43、44が互いに対して動くのにつれて屈曲する。さらに、波型シールド部57の圧縮による弾性力は、波型シールド部57の両端が上部および下部の部材43、44を押圧する状態を保つ。
【0086】
ばね58の形態の付勢デバイスは、上部および下部の部材43、44を互いに近づかせるように配置される。このようにして、上部および下部の部材43、44は、互いに近づくおよび互いから離れる、主として直線的な相対運動のために軸支される。
【0087】
上部部材43は、ガイドスロット53、56に加えて、上部部材43を通る主開口59(
図27)を設けられる。図示の実施形態では、主開口59と下部ガイド54のスロット56との間に位置する、上部部材43を通る二次開口60も存在する。主開口59は、湾曲部49の広がり全体にわたって、および第2の端部46の方に湾曲部49をわずかに超えて延びる。したがって、主開口59の少なくとも一部は、湾曲部49内に位置する。
【0088】
頂部61(
図28)の形態の隆起部が、下部部材44に面する上部部材43の側面上に設けられる。図示の実施形態では、頂部61は細長く、上部部材43の幅を画定する方向yに延び、第1の端部45において上部部材43の厚さを画定する方向zに突出する。頂部61は、第1の端部45において設けられる。代替実施形態では、頂部61は、第1の端部45に直接ではなく、近接して設けられてもよい。頂部61は、隣接面のセクション62a、62b(
図6)に対して突出する。露出面63は、頂部61の先端によって画定される。この露出面63は、電気接触を提供して把持力を及ぼすために、使用中、ワークピース2a~2fの表面に直接接触するように構成される。
【0089】
図示の実施形態では、主開口59の縁部64のセクションが、基本的に頂部61の基部に沿って伸びる。代替実施形態では、2つのセクションが、上部部材43が延びる方向に離隔される。
【0090】
同様に、下部部材44は、下部部材44を通る主開口65(
図34)を設けられる。この主開口65は、同じく、湾曲部50内に部分的に位置し、湾曲部50と第1の端部47との間に延びる下部部材44のセクション内に部分的に位置する。
【0091】
頂部66の形態の隆起部が、上部部材43に面する下部部材44の側面上に設けられる。図示の実施形態では、頂部66は細長く、下部部材44の幅を画定する方向yに延び、第1の端部47において下部部材44の厚さを画定する方向zに突出する。頂部66は、第1の端部47において設けられる。代替実施形態では、頂部66は、第1の端部47に直接ではなく、近接して設けられてもよい。頂部66は、隣接面のセクション67a、67bに対して突出する。露出面68は、頂部66の先端によって画定される。この露出面68は、電気接触を提供して把持力を及ぼすために、使用中、ワークピース2a~2fの表面に直接接触するように構成される。
【0092】
図示の実施形態では、主開口65の縁部69のセクションが、基本的に頂部66の基部に沿って伸びる。代替実施形態では、2つのセクションが、下部部材44が延びる方向に離隔され、それにより、同じく、頂部66と、頂部66がそれに対して突出する主開口65との間に隣接面のセクションが存在する。
【0093】
使用中、上部および下部の部材43、44の短いセクションおよび上部および下部の部材43、44のより長いセクションのサブセクションが、電解液の中に浸漬される。電解液は、それらが特に下部ガイド54および波型シールド部57によって相互接続されている場所、ならびに頂部61、66がワークピース2a~2fを把持している場所を除くすべての場所で、上部部材43と下部部材44との間を流れることができる。それぞれの電流源または共通の電流源に接続されている上部および下部の部材43、44が、ワークピース面と処理装置1内の対極との間の電界をひずませることを回避するために、浸漬を意図される上部および下部の部材43、44の部分は、電気絶縁シールド部によってシールドされる。
【0094】
上部部材43は、第1および第2の上部部材シールド部70、71によって、プラグ72によって、および波型シールド部57によってシールドされる。それらは、必ずしもすべて同じ材料で作られる必要があるとは限らないが、それらは、上部部材43が作られる材料より低い電気伝導率を有する材料で作られる。第1および第2の上部部材シールド部70、71は、上部部材43の形状を補完する内部形状を有するアセンブリを形成するために互いに連結し、それにより、それらは、締結具を必要とすることなく適所に保持される。プラグ72は、第1の上部部材シールド部70の中の開口と第2の上部部材シールド部71の中の開口とに適合し、それにより、プラグ72を適所に保持するために、さらなる締結具は必要とされない。二次開口60は、そのプラグによって閉止される。別々の、たとえば弾性のシール要素が、プラグ72によってもたらされるシール効果を強化して、プラグ72を適所に保つのを助けるために設けられ得る。
【0095】
主開口59の縁部64は、主開口59内に延びる第1の上部部材シールド部70のセクション73(それらのうちの1つだけが図面において見える)によってシールドされる。したがって、ワークピース2a~2fの外側縁と露出面63との接触領域との間に、ワークピース2a~2fの表面のセクションを露出する液体透過性窓のシールドフレームが、設けられる。
【0096】
第2の上部部材シールド部71が、頂部61の基部の方に延びる。第1の上部部材シールド部70は、同じく、頂部61の基部の方に延びるが、露出面63はシールドされないままであるように、第1の端部45をカバーする。
【0097】
下部部材44の方向に面する第2の上部部材シールド部71の表面74a、74b(
図30)は、露出面63に対して奥まっている。ワークピース2a~2fが把持されると、隙間が、シールド(この場合は、第2の上部部材シールド部71)とワークピース2a~2fの表面との間に形成される。電解液は、シールドとワークピース2a~2fの表面との間を流れることができ、表面のそのセクションの処理を可能にする。その結果、露出面63は、ワークピース2a~2fの外側縁から比較的大きい距離におけるワークピース2a~2fの表面と接触することができる。
【0098】
第1および第2の上部部材シールド部70、71は、積層造形によって取得可能な自立型部品である。
【0099】
下部部材44は、第1、第2および第3の下部部材シールド部75~77によって、および部分的にクリップ78によってシールドされる。これらの部品は、下部部材44の形状を補完する内部形状を有するアセンブリを提供するために連結する。それゆえ、これらの部品のいずれかを下部部材44に直接締結するための締結具は不要である。
【0100】
第3の下部部材シールド部77は、主開口65の縁部69をカバーするために主開口65内に延びるセクション79を含む。第3の下部部材シールド部77およびクリップ78は、同じく、頂部66に隣接する表面のセクション67a、67bをカバーする。頂部66の先端によって画定される露出面68は、カバーされないままである。実際、第3の下部部材シールド部77の表面および上部部材43に面するクリップ78は、露出面68に対して奥まっている。ワークピース2a~2fが把持されると、隙間が、シールド(この場合は、第3の下部部材シールド部77およびクリップ78)とワークピース2a~2fの表面との間に形成される。電解液は、シールドとワークピース2a~2fの表面との間を流れることができ、表面のそのセクションの処理を可能にする。その結果、露出面68は、ワークピース2a~2fの外側縁から比較的大きい距離におけるワークピース2a~2fの表面と接触することができる。露出面68との接触領域だけが、未処理のままである。
【0101】
第1、第2および第3の下部部材シールド部75、76、77およびクリップ78は、積層造形によって取得可能な自立型部品である。
【0102】
第3の把持デバイス80(
図39~
図53)は、同じく、上部の細長い導電性部材81と下部の細長い導電性部材82とを含む。上部部材81は、第1の端部83と第2の端部84(
図43)との間で長手方向に延びる。同様に、下部部材82は、第1の端部85と第2の端部86(
図49)との間で長手方向に延びる。
【0103】
図43および
図49を参照すると、上部部材81および下部部材82は、使用中、ワークピース2a~2fの縁部に対しておおむね平行な、方向yにおける幅を有する細長い一片の形態の基本形を有する。しかしながら、外側縁は不規則な形状を有し、面取りされており、様々な開口が、上部および下部の部材81、82を通して設けられている。
【0104】
上部部材81は、上部部材81の広がり(すなわち、長さ)に沿って第2の端部84より第1の端部83に近い位置において湾曲部87を設けられる。下部部材82もまた、下部部材82の広がり(すなわち、長さ)に沿って第2の端部86より第1の端部85に近い位置において湾曲部88を設けられる。湾曲部87、88の各々は、上部部材81および下部部材82のそれぞれの比較的長いセクションと比較的短いセクションとの間の推移を示す。これらのセクションは、ほぼ直角であり、それにより、上部および下部の部材81、82は、部材81、82の幅を画定する方向yにおいて見られる、ほぼJ字型である。角度は、代替実施形態ではより大きくてもよく、たとえば135°までである。
【0105】
上部および下部の部材81、82は、部材81、82の幅を画定する方向yに直角の平面xz内の相対運動のために軸支される。部材81、82の幅を画定する方向yにおける相対運動は、拘束される。これが達成される方法は、第1の把持デバイス7および第2の把持デバイス42の方法とわずかに異なる。上部ガイド89は、第2の把持デバイス42の上部ガイド51と同じ方法で、すなわち、長手方向に延びる上部部材81を通る細長いスロット91内で移動可能な、下部部材82から突出するピン90を用いて、構成される(
図42)。
【0106】
下部ガイド92(
図40、
図41)は、長手方向に延びて互いに面するV字型の溝を設けられた下部ガイドブロック93a、93bを含み、側面逆V字型プロファイルを含む下部ガイド部94が、移動するように配置される。この下部ガイド92は、同じく、上部および下部の部材81、82を相互接続する。下部ガイドブロック93a、93bおよび下部ガイド部94は、導電性材料で作られる。代替実施形態では、それらは、金属または合金で作られてもよく、その場合、電気絶縁部が、それらと、それらが搭載される上部および下部の部材81、82との間に介挿され得る。
【0107】
ばね95(
図40、
図42)の形態の付勢デバイスは、上部および下部の部材81、82を互いに近づかせるように配置される。このようにして、上部および下部の部材81、82は、互いに近づくおよび互いから離れる、主として直線的な相対運動のために軸支される。
【0108】
上部部材81は、上部ガイドスロット91に加えて、上部部材81を通る主開口96(
図44)を設けられる。図示の実施形態では、上部部材81を通る二次開口97も存在する。主開口96は、湾曲部87の広がり全体にわたって、および第2の端部84の方に湾曲部87をわずかに超えて延びる。したがって、主開口96の少なくとも一部は、湾曲部87内に位置する。
【0109】
頂部98の形態の隆起部が、下部部材82に面する上部部材81の側面上に設けられる。図示の実施形態では、頂部98は細長く、上部部材81の幅を画定する方向yに延び、第1の端部83において上部部材81の厚さを画定する方向zに突出する。頂部98は、第1の端部83において設けられる。代替実施形態では、頂部98は、第1の端部83に直接ではなく、近接して設けられてもよい。頂部98は、隣接面のセクション99a、99bに対して突出する。露出面100は、頂部98の先端によって画定される。この露出面100は、電気接触を提供して把持力を及ぼすために、使用中、ワークピース2a~2fの表面に直接接触するように構成される。
【0110】
図示の実施形態では、主開口96の縁部101のセクションが、基本的に頂部98の基部に沿って伸びる。代替実施形態では、2つのセクションが、上部部材81が延びる方向に離隔される。
【0111】
同様に、下部部材82は、下部部材82を通る主開口102(
図50)を設けられる。この主開口102は、同じく、湾曲部88内に部分的に位置し、湾曲部88と第1の端部85との間に延びる下部部材82のセクション内に部分的に位置する。
【0112】
頂部103の形態の隆起部が、上部部材81に面する下部部材82の側面上に設けられる。図示の実施形態では、頂部103は細長く、下部部材82の幅を画定する方向yに延び、第1の端部85において下部部材82の厚さを画定する方向zに突出する。頂部103は、第1の端部85において設けられる。代替実施形態では、頂部103は、第1の端部85に直接ではなく、近接して設けられてもよい。頂部103は、隣接面のセクション104a、104b(
図6)に対して突出する。露出面105は、頂部103の先端によって画定される。この露出面105は、電気接触を提供して把持力を及ぼすために、使用中、ワークピース2a~2fの表面に直接接触するように構成される。
【0113】
図示の実施形態では、主開口102の縁部106のセクションが、基本的に頂部103の基部に沿って伸びる。代替実施形態では、2つのセクションが、下部部材82が延びる方向に離隔され、それにより、同じく、頂部103と、頂部103がそれに対して突出する主開口102との間に隣接面のセクションが存在する。
【0114】
使用中、上部および下部の部材81、82の短いセクションおよび上部および下部の部材81、82のより長いセクションのサブセクションが、電解液の中に浸漬される。電解液は、それらが特に下部ガイド92によって相互接続されている場所、および頂部98、103がワークピース2a~2fを把持している場所を除くすべての場所で、上部部材81と下部部材82との間を流れることができる。それぞれの電流源または共通の電流源に接続されている上部および下部の部材81、82が、ワークピース面と処理装置1内の対極との間の電界をひずませることを回避するために、浸漬を意図される上部および下部の部材81、82の部分は、電気絶縁シールド部によってシールドされる。
【0115】
上部部材81は、第1および第2の上部部材シールド部107、108によって、下部ガイドブロック93a、93bによって、およびプラグ109(
図45)によってシールドされる。それらは、必ずしもすべて同じ材料で作られる必要があるとは限らないが、それらは、上部部材81が作られる材料より低い電気伝導率を有する材料で作られる。第1および第2の上部部材シールド部107、108は、上部部材81の形状を補完する内部形状を有するアセンブリを形成するために互いに連結し、それにより、それらは、締結具を必要とすることなく適所に保持される。プラグ109は、第1の上部部材シールド部107の中の開口と適合し、それにより、プラグ109を適所に保持するために、さらなる締結具は必要とされない。二次開口97は、そのプラグによって閉止される。別々の、たとえば弾性のシール要素が、プラグ109によってもたらされるシール効果を強化して、プラグ109を適所に保つのを助けるために設けられ得る。
【0116】
主開口96の縁部101は、主開口96内に延びる第2の上部部材シールド部108のセクション110によってシールドされる。したがって、ワークピース2a~2fの外側縁と露出面100との接触領域との間に、ワークピース2a~2fの表面のセクションを露出する液体透過性窓のシールドフレームが、設けられる。
【0117】
第2の上部部材シールド部108が、頂部98の基部の方におよび基部の周りに延びる。頂部98は、第2の上部部材シールド部108内で開口を通って延び、それにより、露出面100はシールドを免れる。
【0118】
下部部材82の方向に面する第2の上部部材シールド部108の表面111a、111bは、露出面100(
図48)に対して奥まっている。ワークピース2a~2fが把持されると、隙間が、シールド(この場合は、第2の上部部材シールド部108)とワークピース2a~2fの表面との間に形成される。電解液は、シールドとワークピース2a~2fの表面との間を流れることができ、表面のそのセクションの処理を可能にする。その結果、露出面100は、ワークピース2a~2fの外側縁から比較的大きい距離におけるワークピース2a~2fの表面と接触することができる。
【0119】
第1および第2の上部部材シールド部107、108は、積層造形によって取得可能な自立型部品である。
【0120】
下部部材82は、第1および第2の下部部材シールド部112、113によって、および搭載ブロック114によってシールドされる。第1および第2の下部部材シールド部112、113は、下部部材82の形状を補完する内部形状を有するアセンブリを提供するために連結する。それゆえ、これらの部品のいずれかを下部部材82に直接締結するための締結具は不要である。
【0121】
第2の下部部材シールド部113は、主開口102の縁部106をカバーするために主開口102内に延びるセクション115a、115b(
図52)を含む。第2の下部部材シールド部76は、同じく、頂部103に隣接する表面のセクション104a、104bをカバーする。実際、頂部103は、第2の下部部材シールド部113内の開口116を通って突出する。したがって、頂部103の先端によって画定される露出面105は、カバーされないままである。上部部材81に面する第2の下部部材シールド部113の表面のセクション117a、117bは、露出面105に対して奥まっている。ワークピース2a~2fが把持されると、隙間が、シールド(この場合は、第2の下部部材シールド部113)とワークピース2a~2fの表面との間に形成される。電解液は、シールドとワークピース2a~2fの表面との間を流れることができ、表面のそのセクションの処理を可能にする。その結果、露出面105は、ワークピース2a~2fの外側縁から比較的大きい距離におけるワークピース2a~2fの表面と接触することができる。露出面105との接触領域だけが、未処理のままである。
【0122】
第1および第2の下部部材シールド部112、113は、積層造形によって取得可能な自立型部品である。
【0123】
第4の把持デバイス118(
図54~
図68)は、同じく、上部の細長い導電性部材119と下部の細長い導電性部材120とを含む。上部部材119は、第1の端部121と第2の端部122との間で長手方向に延びる。同様に、下部部材120は、第1の端部123と第2の端部124との間で長手方向に延びる。
【0124】
図57および
図64を参照すると、上部部材119および下部部材120は、使用中、ワークピース2a~2fの縁部に対しておおむね平行な、方向yにおける幅を有する細長い一片の形態の基本形を有する。しかしながら、外側縁は不規則な形状を有し、面取りされており、様々な開口が、上部および下部の部材119、120を通して設けられている。
【0125】
上部部材119は、上部部材119の広がり(すなわち、長さ)に沿って第2の端部122より第1の端部121に近い位置において湾曲部125を設けられる。下部部材120もまた、下部部材120の広がり(すなわち、長さ)に沿って第2の端部124より第1の端部123に近い位置において湾曲部126を設けられる。湾曲部125、126の各々は、上部部材119および下部部材120のそれぞれの比較的長いセクションと比較的短いセクションとの間の推移を示す。これらのセクションは、ほぼ直角であり、それにより、上部および下部の部材119、120は、部材119、120の幅を画定する方向yにおいて見られる、ほぼJ字型である。角度は、代替実施形態ではより大きくてもよく、たとえば135°までである。
【0126】
上部および下部の部材119、120は、部材119、120の幅を画定する方向yに直角の平面xz内の相対運動のために軸支される。部材119、120の幅を画定する方向yにおける相対運動は、拘束される。これが達成される方法は、第1の把持デバイス7の方法と本質的に同じである。上部ブラケット127および下部ブラケット128(
図54、
図55)が、上部および下部の部材119、120の広がりに沿ったそれぞれの位置において設けられる。ブラケット127、128は、湾曲部125、126と第2の端部122、124との間に設けられる。代替実施形態では、ブラケット127、128のうちの1つが省略されてもよく、または追加のブラケットが使用されてもよい。
【0127】
下部ガイド129は、下部部材120に取り付けられたガイドピン130と、上部部材119に固定されかつガイドピン130(
図56)を受けるための穴を設けられたガイドブロック131とを含むジャーナルベアリングを含む。
【0128】
ばね132の形態の付勢デバイスは、上部および下部の部材119、120を互いに近づかせるように配置される。このようにして、上部および下部の部材119、120は、互いに近づくおよび互いから離れる、主として直線的な相対運動のために軸支される。
【0129】
上部部材119は、上部部材119を通る主開口133を設けられる。図示の実施形態では、上部部材119を通る二次開口134も存在する。主開口133は、湾曲部125の広がり全体にわたって、および第2の端部122の方に湾曲部125をわずかに超えて延びる。したがって、主開口133の少なくとも一部は、湾曲部125内に位置する。
【0130】
頂部135の形態の隆起部が、下部部材120(
図58)に面する上部部材119の側面上に設けられる。図示の実施形態では、頂部135は細長く、上部部材119の幅を画定する方向yに延び、第1の端部121において上部部材119の厚さを画定する方向zに突出する。頂部135は、第1の端部121において設けられる。代替実施形態では、頂部135は、第1の端部121に直接ではなく、近接して設けられてもよい。頂部135は、隣接面のセクション136a、136bに対して突出する。露出面137は、頂部135の先端によって画定される。この露出面137は、電気接触を提供して把持力を及ぼすために、使用中、ワークピース2a~2fの表面に直接接触するように構成される。
【0131】
図示の実施形態では、主開口133の縁部138のセクションが、基本的に頂部135の基部に沿って伸びる。代替実施形態では、2つのセクションが、上部部材119が延びる方向に離隔される。
【0132】
同様に、下部部材120は、下部部材120を通る主開口139を設けられる。この主開口139は、同じく、湾曲部126内に部分的に位置し、湾曲部126と第1の端部123との間に延びる下部部材120のセクション内に部分的に位置する。
【0133】
頂部140(
図65)の形態の隆起部が、上部部材119に面する下部部材120の側面上に設けられる。図示の実施形態では、頂部140は細長く、下部部材120の幅を画定する方向yに延び、第1の端部123において下部部材120の厚さを画定する方向zに突出する。頂部140は、第1の端部123において設けられる。代替実施形態では、頂部140は、第1の端部123に直接ではなく、近接して設けられてもよい。頂部140は、隣接面のセクション141a、141bに対して突出する。露出面142は、頂部140の先端によって画定される。この露出面142は、電気接触を提供して把持力を及ぼすために、使用中、ワークピース2a~2fの表面に直接接触するように構成される。
【0134】
図示の実施形態では、主開口139の縁部143のセクションが、基本的に頂部140の基部に沿って伸びる。代替実施形態では、2つのセクションが、下部部材120が延びる方向に離隔され、それにより、同じく、頂部140と、頂部140がそれに対して突出する主開口139との間に隣接面のセクションが存在する。
【0135】
使用中、上部および下部の部材119、120の短いセクションおよび上部および下部の部材119、120のより長いセクションのサブセクションが、電解液の中に浸漬される。電解液は、それらが特に下部ガイド129によって相互接続されている場所、および頂部135、140がワークピース2a~2fを把持している場所を除くすべての場所で、上部部材119と下部部材120との間を流れることができる。それぞれの電流源または共通の電流源に接続されている上部および下部の部材119、120が、ワークピース面と処理装置1内の対極との間の電界をひずませることを回避するために、浸漬を意図される上部および下部の部材119、120の部分は、電気絶縁シールド部によってシールドされる。
【0136】
上部部材119は、第1、第2および第3の上部部材シールド部144~146によって、プラグ147によって、およびガイドブロック131によってシールドされる。これらの部品は、基本的に第1の把持デバイス7の部品と同じである。それらは、必ずしもすべて同じ材料で作られる必要があるとは限らないが、それらは、上部部材119が作られる材料より低い電気伝導率を有する材料で作られる。第1、第2および第3の上部部材シールド部144~146は、上部部材119の形状を補完する内部形状を有するアセンブリを形成するために互いに連結し、それにより、それらは、締結具を必要とすることなく適所に保持される。プラグ147は、第1の上部部材シールド部144の中の開口と第2の上部部材シールド部145の中の開口とに適合し、それにより、プラグ147を適所に保持するために、さらなる締結具は必要とされない。二次開口134は、そのプラグによって閉止される。別々の、たとえば弾性のシール要素が、プラグ147によってもたらされるシール効果を強化して、プラグ147を適所に保つのを助けるために設けられ得る。ガイドブロック131は、締結具(図示されず)によって上部部材119に固定される。
【0137】
主開口133の縁部138は、主開口133内に延びる第3の上部部材シールド部146のセクション148a、148b(
図63)によって、ならびに主開口133内に延びるガイドブロック131のセクション(図示されず)によってシールドされる。したがって、ワークピース2a~2fの外側縁と露出面25との接触領域との間に、ワークピース2a~2fの表面のセクションを露出する液体透過性窓のシールドフレームが、設けられる。
【0138】
第1の上部部材シールド部144および第3の上部部材シールド部146は、頂部135の基部に延びる。しかしながら、下部部材120の方向に面するそれらの表面は、露出面137に対して奥まっている。頂部135は、特に、第3の上部部材シールド部146に対して突出する。第3の上部部材シールド部146は、頂部135に隣接する表面のセクション136a、136bをカバーする。ワークピース2a~2fが把持されると、隙間が、シールド(この場合は、第3の上部部材シールド部146)とワークピース2a~2fの表面との間に形成される。電解液は、シールドとワークピース2a~2fの表面との間を流れることができ、表面のそのセクションの処理を可能にする。その結果、露出面137は、ワークピース2a~2fの外側縁から比較的大きい距離におけるワークピース2a~2fの表面と接触することができる。
【0139】
第1、第2および第3の上部部材シールド部144、145、146は、積層造形によって取得可能な自立型部品である。
【0140】
下部部材82は、第1および第2の下部部材シールド部149、150によってシールドされる。第1および第2の下部部材シールド部149、150は、下部部材120の形状を補完する内部形状を有するアセンブリを提供するために連結する。それゆえ、これらの部品のいずれかを下部部材120に直接締結するための締結具は不要である。第1の把持デバイス7とは対照的に、クリップ40もまた省略される。
【0141】
第2の下部部材シールド部150は、主開口139(
図68)の縁部143をカバーするために主開口139内に延びるセクション151a、151bを含む。第2の下部部材シールド部150は、同じく、頂部140に隣接する表面のセクション141a、141bをカバーする。したがって、頂部140の先端によって画定される露出面142は、カバーされないままである。上部部材119に面する第2の下部部材シールド部150の表面のセクション152a、152bは、露出面142に対して奥まっている。ワークピース2a~2fが把持されると、隙間が、シールド(この場合は、第2の下部部材シールド部150)とワークピース2a~2fの表面との間に形成される。電解液は、シールドとワークピース2a~2fの表面との間を流れることができ、表面のそのセクションの処理を可能にする。その結果、露出面142は、ワークピース2a~2fの外側縁から比較的大きい距離におけるワークピース2a~2fの表面と接触することができる。露出面142との接触領域だけが、未処理のままである。
【0142】
第1および第2の下部部材シールド部149、150は、積層造形によって取得可能な自立型部品である。
【0143】
第5の把持デバイス153(
図69~
図82)は、第3の把持デバイス80と同様である。第5の把持デバイス153は、同じく、上部の細長い導電性部材154と下部の細長い導電性部材155とを含む。上部部材154は、第1の端部156と第2の端部157との間で長手方向に延びる。同様に、下部部材155は、第1の端部158と第2の端部159との間で長手方向に延びる。
【0144】
図73および
図78を参照すると、上部部材154および下部部材155は、使用中、ワークピース2a~2fの縁部に対しておおむね平行な、方向yにおける幅を有する細長い一片の形態の基本形を有する。しかしながら、外側縁は不規則な形状を有し、面取りされており、様々な開口が、上部および下部の部材154、155を通して設けられている。
【0145】
上部部材154は、上部部材154の広がり(すなわち、長さ)に沿って第2の端部157より第1の端部156に近い位置において湾曲部160を設けられる。下部部材155もまた、下部部材155の広がり(すなわち、長さ)に沿って第2の端部159より第1の端部158に近い位置において湾曲部161を設けられる。湾曲部160、1616の各々は、上部部材154および下部部材155のそれぞれの比較的長いセクションと比較的短いセクションとの間の推移を示す。これらのセクションは、ほぼ直角であり、それにより、上部および下部の部材154、155は、部材154、155の幅を画定する方向yにおいて見られる、ほぼJ字型である。角度は、代替実施形態ではより大きくてもよく、たとえば135°までである。
【0146】
上部および下部の部材154、155は、部材154、155の幅を画定する方向yに直角の平面xz内の相対運動のために軸支される。部材154、155の幅を画定する方向yにおける相対運動は、拘束される。これが達成される方法は、第3の把持デバイス80に対する方法と同じである。上部ガイド162は、長手方向に延びる上部部材154を通る細長いスロット164(
図73)内で移動可能である下部部材155から突出するピン163を含む。
【0147】
下部ガイド165は、長手方向に延びて互いに面するV字型の溝を設けられた下部ガイドブロック166a、166bを含み、側面逆V字型プロファイルを含む下部ガイド部167が、移動するように配置される。この下部ガイド165は、同じく、上部および下部の部材154、155を相互接続する。下部ガイドブロック166a、166bおよび下部ガイド部167は、導電性材料で作られる。代替実施形態では、それらは、金属または合金で作られてもよく、その場合、電気絶縁部が、それらと、それらが搭載される上部および下部の部材154、155との間に介挿され得る。
【0148】
ばね168の形態の付勢デバイスは、上部および下部の部材154、155を互いに近づかせるように配置される。このようにして、上部および下部の部材154、155は、互いに近づくおよび互いから離れる、主として直線的な相対運動のために軸支される。
【0149】
上部部材154は、上部ガイドスロット164に加えて、上部部材154を通る主開口169を設けられる。図示の実施形態では、上部部材154を通る二次開口170も存在する。主開口169は、湾曲部160の広がり全体にわたって、および第2の端部157の方に湾曲部160をわずかに超えて延びる。したがって、主開口169の少なくとも一部は、湾曲部160内に位置する。
【0150】
頂部171の形態の隆起部が、下部部材155に面する上部部材154の側面上に設けられる。図示の実施形態では、頂部171は細長く、上部部材154の幅を画定する方向yに延び、第1の端部156において上部部材154の厚さを画定する方向zに突出する。頂部171は、第1の端部156において設けられる。代替実施形態では、頂部171は、第1の端部156に直接ではなく、近接して設けられてもよい。頂部171は、隣接面のセクション172a、172b(
図74)に対して突出する。露出面173は、頂部171の先端によって画定される。この露出面173は、電気接触を提供して把持力を及ぼすために、使用中、ワークピース2a~2fの表面に直接接触するように構成される。
【0151】
図示の実施形態では、主開口169の縁部174のセクションが、基本的に頂部171の基部に沿って伸びる。代替実施形態では、2つのセクションが、上部部材154が延びる方向に離隔される。
【0152】
同様に、下部部材155は、下部部材155を通る主開口175を設けられる。この主開口175は、同じく、湾曲部161内に部分的に位置し、湾曲部161と第1の端部158との間に延びる下部部材155のセクション内に部分的に位置する。
【0153】
頂部176の形態の隆起部が、上部部材154に面する下部部材155の側面上に設けられる。図示の実施形態では、頂部176は細長く、下部部材155の幅を画定する方向yに延び、第1の端部158において下部部材155の厚さを画定する方向zに突出する。頂部176は、第1の端部158において設けられる。代替実施形態では、頂部176は、第1の端部158に直接ではなく、近接して設けられてもよい。頂部176は、隣接面のセクション177a、177b(
図79)に対して突出する。露出面178は、頂部176の先端によって画定される。この露出面178は、電気接触を提供して把持力を及ぼすために、使用中、ワークピース2a~2fの表面に直接接触するように構成される。
【0154】
図示の実施形態では、主開口175の縁部179のセクションが、基本的に頂部176の基部に沿って伸びる。代替実施形態では、2つのセクションが、下部部材154が延びる方向に離隔され、それにより、同じく、頂部176と、頂部176がそれに対して突出する主開口175との間に隣接面のセクションが存在する。
【0155】
使用中、上部および下部の部材154、155の短いセクションおよび上部および下部の部材154、155のより長いセクションのサブセクションが、電解液の中に浸漬される。電解液は、それらが特に下部ガイド165によって相互接続されている場所、および頂部171、176がワークピース2a~2fを把持している場所を除くすべての場所で、上部部材154と下部部材155との間を流れることができる。それぞれの電流源または共通の電流源に接続されている上部および下部の部材154、155が、ワークピース面と処理装置1内の対極との間の電界をひずませることを回避するために、浸漬を意図される上部および下部の部材154、155の部分は、電気絶縁シールド部によってシールドされる。
【0156】
上部部材154は、第1および第2の上部部材シールド部180、181によって、下部ガイドブロック166a、166bによって、およびプラグ182(
図72)によってシールドされる。それらは、必ずしもすべて同じ材料で作られる必要があるとは限らないが、それらは、上部部材154が作られる材料より低い電気伝導率を有する材料で作られる。第1および第2の上部部材シールド部180、181は、上部部材154の形状を補完する内部形状を有するアセンブリを形成するために互いに連結し、それにより、それらは、締結具を必要とすることなく適所に保持される。プラグ182は、第1の上部部材シールド部180の中の開口と適合し、それにより、プラグ182を適所に保持するために、さらなる締結具は必要とされない。二次開口170は、そのプラグによって閉止される。別々の、たとえば弾性のシール要素が、プラグ182によってもたらされるシール効果を強化して、プラグ182を適所に保つのを助けるために設けられ得る。
【0157】
主開口169の縁部174は、主開口169内に延びる第2の上部部材シールド部181のセクション183(
図77)によってシールドされる。したがって、ワークピース2a~2fの外側縁と露出面173との接触領域との間に、ワークピース2a~2fの表面のセクションを露出する液体透過性窓のシールドフレームが、設けられる。
【0158】
第2の上部部材シールド部181が、頂部171の基部の方におよび基部の周りに延びる。頂部171は、第2の上部部材シールド部181内で開口を通って延び、それにより、露出面173はシールドを免れる。
【0159】
下部部材155の方向に面する第2の上部部材シールド部181の表面184a、184bは、露出面173に対して奥まっている。ワークピース2a~2fが把持されると、隙間が、シールド(この場合は、第2の上部部材シールド部181)とワークピース2a~2fの表面との間に形成される。電解液は、シールドとワークピース2a~2fの表面との間を流れることができ、表面のそのセクションの処理を可能にする。その結果、露出面173は、ワークピース2a~2fの外側縁から比較的大きい距離におけるワークピース2a~2fの表面と接触することができる。
【0160】
第1および第2の上部部材シールド部180、181は、積層造形によって取得可能な自立型部品である。
【0161】
下部部材155は、第1および第2の下部部材シールド部185、186によって、および搭載ブロック187(
図72)によってシールドされる。第1および第2の下部部材シールド部185、186は、下部部材155の形状を補完する内部形状を有するアセンブリを提供するために連結する。それゆえ、これらの部品のいずれかを下部部材155に直接締結するための締結具は不要である。
【0162】
第2の下部部材シールド部186は、主開口175の縁部179をカバーするために主開口175内に延びるセクション188a、188b(
図82)を含む。第2の下部部材シールド部186は、同じく、頂部176に隣接する表面のセクション177a、177bをカバーする。実際、頂部176は、第2の下部部材シールド部186内の開口189を通って突出する。したがって、頂部176の先端によって画定される露出面178は、カバーされないままである。上部部材154に面する第2の下部部材シールド部186の表面のセクション190a、190bは、露出面178に対して奥まっている。ワークピース2a~2fが把持されると、隙間が、シールド(この場合は、第2の下部部材シールド部186)とワークピース2a~2fの表面との間に形成される。電解液は、シールドとワークピース2a~2fの表面との間を流れることができ、表面のそのセクションの処理を可能にする。その結果、露出面178は、ワークピース2a~2fの外側縁から比較的大きい距離におけるワークピース2a~2fの表面と接触することができる。露出面178との接触領域だけが、未処理のままである。
【0163】
第1および第2の下部部材シールド部185、186は、積層造形によって取得可能な自立型部品である。
【0164】
把持デバイス7、42、80、118、153のうちの1つの特徴を有する把持デバイス5が、パネルを電気メッキするために上記で説明された装置と同様の装置の中で使用され、
図83に示される結果が得られた。堆積層の厚さが、装置を通ってパネルの運動の方向yを横断する方向xにおける距離に対してプロットされている。第1の位置P1は、把持デバイス5がパネルを把持したロケーションにおける位置である。第2の位置P2は、それに隣接するロケーションにおける位置である。第1の位置P1に対するグラフは、把持デバイス5の露出面がパネルに接触した場所でへこみを示すが、運動の方向を横断する方向xにおける両面上の厚さは実質的に同じであることが見られる。したがって、接触領域は、もはや、パネルの縁部に近接する必要はない。
【0165】
本発明は、上記で説明された実施形態に限定されず、本発明は、特許請求の範囲内で変化し得る。単一の頂部28、23の代わりに、たとえば、それぞれの露出面を画定する突出部のパターンがあり得る。この点において、特許文献3に対する参照がなされる。
【符号の説明】
【0166】
1 処理装置
2a~2f ワークピース
3 バス
4 搬送システム
5 把持デバイス
6 コンベヤ
7 第1の把持デバイス
8 上部部材
9 下部部材
10 上部部材の第1の端部
11 上部部材の第2の端部
12 下部部材の第1の端部
13 下部部材の第2の端部
14 上部部材の湾曲部
15 下部部材の湾曲部
16 ガイドピン
17 ガイドブロック
18 上部ブラケット
19 下部ブラケット
20 ばね
21 上部部材内の主開口
22 上部部材内の二次開口
23 上部部材上の頂部
24a、24b 隣接面のセクション
25 上部部材の露出面
26 主開口縁部
27 下部部材の主開口
28 下部部材上の頂部
29a、29b 隣接面のセクション
30 下部部材の露出面
31 主開口縁部
32 第1の上部部材シールド部
33 第2の上部部材シールド部
34 第3の上部部材シールド部
35 プラグ
36a、36b 第3の上部部材シールド部のセクション
37 ガイドブロックのセクション
38 第1の下部部材シールド部
39 第2の下部部材シールド部
40 クリップ
41 第2の下部部材シールド部のセクション
42 第2の把持デバイス
43 上部部材
44 下部部材
45 上部部材の第1の端部
46 上部部材の第2の端部
47 下部部材の第1の端部
48 下部部材の第2の端部
49 上部部材の湾曲部
50 下部部材内の湾曲部
51 上部ガイド
52 上部ガイドピン
53 上部ガイドスロット
54 下部ガイド
55 下部ガイドピン
56 下部ガイドスロット
57 波型シールド部
58 ばね
59 上部部材内の主開口
60 上部部材内の二次開口
61 上部部材上の頂部
62a、62b 隣接面のセクション
63 上部部材上の露出面
64 主開口縁部
65 下部部材内の主開口
66 下部部材上の頂部
67a、67b 隣接面のセクション
68 下部部材の露出面
69 主開口縁部
70 第1の上部部材シールド部
71 第2の上部部材シールド部
72 プラグ
73 第1の上部部材シールド部のセクション
74a、74b 第2の上部部材シールド部の表面
75 第1の下部部材シールド部
76 第2の下部部材シールド部
77 第3の下部部材シールド部
78 クリップ
79 第3の下部部材シールド部のセクション
80 第3の把持デバイス
81 上部部材
82 下部部材
83 上部部材の第1の端部
84 上部部材の第2の端部
85 下部部材の第1の端部
86 下部部材の第2の端部
87 上部部材内の湾曲部
88 下部部材内の湾曲部
89 上部ガイド
90 上部ガイドピン
91 上部ガイドスロット
92 下部ガイド
93a、93b 下部ガイドブロック
94 下部ガイド部
95 ばね
96 上部部材内の主開口
97 上部部材内の二次開口
98 上部部材上の頂部
99a、99b 隣接面のセクション
100 上部部材の露出面
101 主開口縁部
102 下部部材内の主開口
103 下部部材上の頂部
104a、104b 隣接面のセクション
105 下部部材の露出面
106 主開口縁部
107 第1の上部部材シールド部
108 第2の上部部材シールド部
109 プラグ
110 第2の上部部材シールド部のセクション
111a、111b 第2の上部部材シールド部の表面
112 第1の下部部材シールド部
113 第2の下部部材シールド部
114 搭載ブロック
115a、115b 第2の上部部材シールド部のセクション
116 第2の下部部材シールド部の開口
117a、117b 第2の下部部材シールド部の表面のセクション
118 第4の把持デバイス
119 上部部材
120 下部部材
121 上部部材の第1の端部
122 上部部材の第2の端部
123 下部部材の第1の端部
124 下部部材の第2の端部
125 上部部材内の湾曲部
126 下部部材内の湾曲部
127 上部ブラケット
128 下部ブラケット
129 下部ガイド
130 ガイドピン
131 ガイドブロック
132 ばね
133 上部部材内の主開口
134 上部部材内の二次開口
135 上部部材上の頂部
136a、136b 隣接面のセクション
137 露出面
138 主開口縁部
139 下部部材内の主開口
140 下部部材上の頂部
141a、141b 隣接面のセクション
142 露出面
143 主開口縁部
144 第1の上部部材シールド部
145 第2の上部部材シールド部
146 第3の上部部材シールド部
147 プラグ
148a、148b 第3の上部部材シールド部のセクション
149 第1の下部部材シールド部
150 第2の下部部材シールド部
151a、151b 第2の上部部材シールド部のセクション
152a、152b 第2の下部部材シールド部の表面のセクション
153 第5の把持デバイス
154 上部部材
155 下部部材
156 上部部材の第1の端部
157 上部部材の第2の端部
158 下部部材の第1の端部
159 下部部材の第2の端部
160 上部部材内の湾曲部
161 下部部材内の湾曲部
162 上部ガイド
163 上部ガイドピン
164 上部ガイドスロット
165 下部ガイド
166a、166b 下部ガイドブロック
167 下部ガイド部
168 ばね
169 上部部材内の主開口
170 上部部材内の二次開口
171 上部部材上の頂部
172a、172b 隣接面のセクション
173 露出面
174 主開口縁部
175 下部部材内の主開口
176 下部部材上の頂部
177a、177b 隣接面のセクション
178 露出面
179 主開口縁部
180 第1の上部部材シールド部
181 第2の上部部材シールド部
182 プラグ
183 第2の上部部材シールド部のセクション
184a、184b 第2の上部部材シールド部の表面
185 第1の下部部材シールド部
186 第2の下部部材シールド部
187 搭載ブロック
188a、188b 第2の下部部材シールド部のセクション
189 第2の下部部材シールド部内の開口
190a、190b 第2の下部部材シールド部の表面のセクション
【国際調査報告】