(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-08
(54)【発明の名称】長尺状部材、その構築方法、およびその装置
(51)【国際特許分類】
E04H 12/02 20060101AFI20241225BHJP
E04H 12/12 20060101ALI20241225BHJP
F03D 13/20 20160101ALI20241225BHJP
B28B 23/18 20060101ALI20241225BHJP
E04H 12/34 20060101ALI20241225BHJP
E02D 27/52 20060101ALI20241225BHJP
E02D 27/42 20060101ALI20241225BHJP
【FI】
E04H12/02
E04H12/12
F03D13/20
B28B23/18
E04H12/34
E02D27/52 Z
E02D27/42 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024550919
(86)(22)【出願日】2022-11-23
(85)【翻訳文提出日】2024-07-22
(86)【国際出願番号】 IB2022061312
(87)【国際公開番号】W WO2023095004
(87)【国際公開日】2023-06-01
(32)【優先日】2021-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524194322
【氏名又は名称】グレゴリー、ジョン、ネイバーズ
【氏名又は名称原語表記】NEIGHBOURS, Gregory John
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100106655
【氏名又は名称】森 秀行
(74)【代理人】
【識別番号】100130719
【氏名又は名称】村越 卓
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー、ジョン、ネイバーズ
【テーマコード(参考)】
2D046
3H178
【Fターム(参考)】
2D046DA05
2D046DA61
3H178BB77
3H178CC23
3H178DD67Z
(57)【要約】
本発明は、長尺状部材、並びにその形成および組み立て方法に関し、長尺状部材は、隣接セクションを積み重ねたシーケンスから構成され、長尺状部材は、隣接セクションの各界面において、前記隣接セクションのうちのより上部の下部シート部材と、前記隣接セクションのうちのより下部の上部シート部材とを備え、前記上部シート部材および下部シート部材は、各界面において、シート部材対としてマッチキャストされており、シート部材対がマッチキャストされた相対位置と同じ相対位置で互いに着座している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣接セクションを積み重ねるシーケンスから構成された長尺状部材であって、前記長尺状部材は、
隣接セクションの各界面において、
(a)前記隣接セクションのうちのより上部の下部シート部材と、
(b)前記隣接セクションのうちのより下部の上部シート部材と、を含み、
前記上部シート部材および前記下部シート部材は、前記各界面において、前記シート部材対としてマッチキャストされており、前記シート部材対がマッチキャストされた相対位置と同じ相対位置で互いに着座している、長尺状部材。
【請求項2】
前記各セクションは、さらに、それぞれの前記上部シート部材と前記下部シート部材との間にまたがる中間セグメントを備える、請求項1に記載の長尺状部材。
【請求項3】
前記各セクションの中間セグメントはキャスト硬化性材料でできている、請求項2に記載の長尺状部材。
【請求項4】
前記各セクションの中間セグメントは、それぞれの上部シート部材および下部シート部材と一致するキャスト硬化性材料でできている、請求項2又は3に記載の長尺状部材。
【請求項5】
前記各セクションのセグメントは、前記セクションのそれぞれの前記上部シート部材と前記下部シート部材との間に渡って注入された硬化コンクリートから構成される、請求項2~4のいずれか1項に記載の長尺状部材。
【請求項6】
前記各シート部材対は、前記シート部材型枠内に硬化性材料を導入することによって、前記各シート部材対の上部シート部材をその下部シート部材の上にキャストすることによって形成された前記下部シート部材と前記上部シート部材とを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の長尺状部材。
【請求項7】
前記各シート部材対は、前記下部シート部材と前記上部シート部材とを含み、前記下部シート部材と前記上部シート部材は、
i.前記複数のシート部材対の各々の前記下部シート部材を、前記シート部材型枠内に硬化性材料を導入することによってキャストし、
ii.前記シート部材型枠内に硬化性材料を導入することによって、前記キャストされた下部シート部材の上に前記各シート部材対の前記上部シート部材をキャストすることによって形成される、請求項1~6のいずれか1項に記載の長尺状部材。
【請求項8】
前記各シート部材対の前記上部シート部材と前記下部シート部材のマッチキャスト面は、前記各シート部材対の前記上部シート部材と前記下部シート部材が当接して互いに着座できるように、それらの間の界面に形成されている、請求項6又は7のいずれか1項に記載の長尺状部材。
【請求項9】
複数のセクションを積み重ねて組み立てられた長尺状タワーであって、前記タワーは、少なくとも2つの隣接セクションから構成され、前記少なくとも2つの隣接セクションは、これらの界面において、隣接セクションのうちの第1セクションの第1シート部材と、隣接セクションのうちの第2セクションの第2シート部材とを含み、前記第1シート部材と前記第2シート部材は、その界面において前記シート部材対としてマッチキャストされており、前記シート部材対がマッチキャストされた相対位置と同じ相対位置で互いに着座している、長尺状タワー。
【請求項10】
前記隣接セクションのうちの前記第1隣接セクションは、前記第1シート部材に対してマッチキャストされており、前記第1シート部材から長手方向に突出するキャスト中間セグメントを含む、請求項9に記載の長尺状タワー。
【請求項11】
前記隣接セクションのうちの前記第2隣接セクションは、前記第2シート部材に対してマッチキャストされており、前記第2シート部材から長手方向に突出する、キャスト中間セグメントを含む、請求項9に記載の長尺状タワー。
【請求項12】
長尺状部材の長手方向に当接して配置された複数の順次並べられたセクションから構成される長尺状部材を組み立てる方法であって、前記方法は、
a.それぞれが下部シート部材と上部シート部材とを含む複数のシート部材対を、
i.前記各シート部材対の前記上部シート部材を、シート部材型枠内に硬化性材料を導入することによって、その下部シート部材の上にキャストし、各シート部材対の上部シート部材と下部シート部材のマッチキャスト面がそれらの間の界面に形成され、各シート部材対の上部シート部材と下部シート部材が互いに当接して着座できるようにすることによって、次のように形成するステップと、
b.前記各シート部材対の前記上部シート部材を前記下部シート部材から分離するステップと、
c.複数のセクション型枠を配置するステップであって、前記各セクション型枠について、前記シート部材対の前記上部シート部材がその底部に配置され、後続の前記シート部材対の前記下部シート部材がその上部に配置される、前記ステップと、
d.前記各セクション型枠の前記下部シート部材と前記上部シート部材との間に中間セグメントをキャストし、その中に硬化性材料を導入することによって、順次並べられた複数のセクションを形成するステップと、
e.前記長尺状部材を画定するために、前記各シート部材対の前記マッチキャスト面が再結合され、互いに当接して着座し、前記長尺状部材を画定するようなシーケンスで、順次並べられたセクションを配置するステップと、を含む、方法。
【請求項13】
前記シート部材型枠内に前記硬化性材料を導入することによって、前記複数のシート部材対の各々の前記下部シート部材をキャストするステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ステップ(i)の直前に、前記シート部材型枠内に硬化性材料を導入することによって、前記複数のシート部材対の各々の前記下部シート部材をキャストするステップをさらに含む、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
長尺状部材の長手方向に当接して配置された複数の順次並べられたセクションから長尺状部材を組み立てる方法であって、前記方法は、
a.それぞれ下部シート部材と上部シート部材とを備え、これらのシート部材間の界面にマッチキャスト面を備え、互いに当接して着座する複数のシート部材対を提供するステップと、
b.複数のセクション型枠を配置するステップであって、前記各セクション型枠について、前記シート部材対の前記上部シート部材がその底部に配置され、後続の前記シート部材対の前記下部シート部材がその上部に配置される、前記ステップと、
c.前記各セクション型枠の前記下部シート部材と前記上部シート部材との間に中間セグメントをキャストし、その中に前記硬化性材料を導入することによって、順次並べられた一連のセクションを形成するステップと、
d.長尺状部材を画定するために、前記順次並べられたマッチキャストセクションを順次並べられたシーケンスで配置し、前記複数のシート部材対のそれぞれのマッチキャスト表面が再結合され、複数のシート部材対の各々のマッチキャスト面が再結合され、互いに当接して着座し、前記長尺状部材を画定するようにするステップと、を含む、方法。
【請求項16】
長尺状部材の長手方向に当接して配置された順次並べられた前記セクションから構成される長尺状部材のセクション又は長尺状部材用のセクションであって、前記セクションは、
セクション型枠の内部および/又は反対側の端部に配置された下部シート部材と上部シート部材との間に画定されたセクション型枠の空隙に硬化性材料を導入することによって形成された中間セグメントであって、前記シート部材は、前記中間セグメントが硬化されるとセクションの一部を形成する、前記中間セグメントを含み、
前記下部シート部材および前記上部シート部材はそれぞれ、前記一連のセクションの別のセクション又は複数のセクションの前記シート部材の対応する外側向きマッチキャスト面と当接するように着座するように構成された外側向きマッチキャスト面を備え、前記外側向きマッチキャスト面は、それによって、前記セクションの反対側の端部を画定して、前記一連のセクションの別のセクション又は複数のセクションとの連続的な当接を可能にする、セクション。
【請求項17】
長尺部材の長手方向に当接して配置された順次並べられた複数のセクションから構成される長尺部材を組み立てるための、それぞれが下部シート部材と上部シート部材とを含む複数のシート部材対をキャストする方法であって、前記方法は、
i.前記複数のシート部材対の各々の前記下部シート部材を、シート部材型枠内に硬化性材料を導入することによってキャストするステップと、
ii.前記各シート部材対の前記上部シート部材と前記下部シート部材のマッチキャスト面がそれらの間の界面に形成され、前記各シート部材対の前記上部シート部材と前記下部シート部材が互いに当接して着座できるように、前記シート部材型枠内に硬化性材料を導入することによって、前記各シート部材対のそれぞれの上部シート部材を、キャストされた前記下部シート部材の上にキャストするステップと、を含む、方法。
【請求項18】
前記各キャストシート部材対の前記上部シート部材を前記下部シート部材から分離するステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
複数の当接セクションから長尺状部材を構築する方法であって、
a.前記硬化性材料を前記第2シート部材に対してキャストすることによって第1シート部材を形成し、前記第1シート部材と前記第2シート部材との界面において、前記第1シート部材と前記第2シート部材のそれぞれのマッチキャスト面を画定するステップと、
b.前記第1シート部材に対して第1セクションセグメントをマッチキャストし、前記第1シート部材から離れて長手方向に前記第1セクションセグメントを突出させることによって、前記セクションのうちの第1セクションを形成するステップであって、前記前記第1シート部材のマッチキャスト表面は前記第1セクションの第1端に現れる、前記ステップと、
c.硬化性材料を使用して、前記第2シート部材に対して第2セクションセグメントをマッチキャストし、前記第2シート部材から離れて長手方向に前記第2セクションセグメントを突出させることによって前記セクションのうちの第2セクションを形成するステップであって、前記第2シート部材の前記マッチキャスト表面は前記第2セクションの第1端に現れる、前記ステップと、
d.前記第1シート部材の前記マッチキャスト面が前記第2シート部材の前記マッチキャスト面に当接するように、前記第1セクションを前記第2セクションに対して積み重ねるステップと、を含む、方法。
【請求項20】
前記第1シート部材は、前記第2シートの上に硬化性材料をキャストすることによって形成される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記セクションのうちの第1セクションは、硬化性材料を使用して、前記第1シート部材の上に第1セクションセグメントをマッチキャストし、前記第2シート部材から離れて下向きに長手方向に第1セクションセグメントを突出させることによって形成され、前記第1シート部材の前記マッチキャスト表面は、前記第1セクションの下端である第1端に現れる、請求項19又は20に記載の方法。
【請求項22】
前記セクションのうちの第2セクションは、硬化性材料を使用して、前記第2シート部材の上に第2セクションセグメントをマッチキャストし、前記第2シート部材から離れて下向きに長手方向に第2セクションセグメントを突出させることによって形成され、前記第2シート部材の前記マッチキャスト表面は、前記第2セクションの下端である第1端に現れる、請求項19~21に記載の方法。
【請求項23】
前記セクションのうちの第2セクションは、硬化性材料を使用して、前記第2シート部材に対して第2セクションセグメントをマッチキャストし、前記第2シート部材から離れて下向きに長手方向に第2セクションセグメントを突出させることによって形成され、前記第2シート部材の前記マッチキャスト表面は、前記第2セクションの上端である第1端に現れる、請求項19~21に記載の方法。
【請求項24】
前記積み重ねは垂直方向に行われる、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
請求項16に記載の複数のセクションから構成される風力タワー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風力タワー構築、トンネル構築、パイプ構築など、これらに限定されない様々な構造用途で使用するための長尺状部材、その構築装置、および構築方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タワー、トンネル、柱、その他の長尺状構造物は、構築現場でよく使用される。たとえば、高いコンクリートタワーは、地上レベルでキャストされた複数のプレキャストコンクリート部材を使用して構築され、その後、クレーン又は吊り上げデバイスで所定の位置に持ち上げられ、組み立てられて、タワーの主要部分となる長尺状部材を形成する。円形コンクリートタワーの構築には、2つの一般的な設計アプローチがある。a)1つは、プレキャストコンクリートのリング又はシリンダーを積み重ねて使用するアプローチ、b)プレキャストの半円形セグメントを組み立てて積み重ねて使用するアプローチ。
【0003】
一般的にこのようなタワーは円筒形であり、したがって壁が平行であるが、垂直断面で見ると先細り、半円錐形、円錐台形、又は放物線状の壁を持つタワーも構築されることがある。高さに沿って幾何学的形状を変える場合、タワーの複数のプレキャスト要素に専用の型枠が必要になることがある。そのため、プレキャストタワーセクションを作成するために多数の型枠セクションが必要になることがある。これには高いコストがかかる可能性がある。
【0004】
プレキャストコンクリートリング又はシリンダーを作成するプロセスには、垂直に立つ型枠が含まれる場合があり、型枠は内型と外型を画定し、その間にコンクリートスラリーを注入し、その後、中空のコンクリートリング又はシリンダーを画定するために硬化させてもよい。スラリーの注入中に蓄積される静水圧は、注入の高さに応じて非常に大きくなる可能性がある。このような圧力は、型枠タイを使用するか、フープ張力を使用して外型の周りにバンドを使用することで解決できる。内型は、注入されたコンクリートによって発生する圧力に耐えられるように適切に補強することもできる。
【0005】
より高いコンクリートリング又はシリンダーを生成することが望ましいのは、特定の高さのタワーを組み立てるために製造および処理する必要があるユニットが少なくなり、構築コストを節約できることを意味する。しかし、垂直にキャストされた背の高いコンクリートリング又はシリンダーの欠点は、そのようなリング又はシリンダーを作成するために使用される型枠が、高い静水圧負荷に対応できるように設計する必要があり、コストが高くなる可能性があることである。力に対処するために作られた型枠タイの設置は、高い人件費につながる可能性があり、リング又はシリンダーの壁に型枠タイ穴が残る可能性がある。
【0006】
静水圧設計パラメータを考慮する必要があるだけでなく、タワーのプレキャストコンポーネントの取り扱いと場合によっては輸送によって、作成されるプレキャストリング、シリンダー、又はセグメントのサイズにも制限が生じる。クレーンは、組み立てられているタワーのコンポーネントを扱うための吊り上げ能力が限られている場合があり、したがって、コンポーネントの総重量は、そのような要因によって制限される可能性がある。1つのプレキャスト要素からタワーを作成することは、理論上実現可能かもしれないが、静水圧、取り扱いと輸送の制限、および構築コストはすべて、タワー又はパイプやトンネルなどの他の長尺状要素を作成するためにできること、又は望ましいことの制限に影響を与える可能性がある。
【0007】
後続のチューブをマッチキャストして、その後の組み立て/積み重ねプロセスを改善することも望ましい場合が多い。しかし、そうすると、前述のコスト、労力、および技術的制限の他に、マッチキャストチューブの完全なシリーズを組み立てるのにかかる時間という、コンクリートリング又はシリンダーを作成するこれらの既知の方法の別の欠点が生じる。
【0008】
たとえば、このような方法では、最初のチューブをキャストし、その後、次のチューブをキャストするための型枠を最初のキャストチューブの上に組み立て、界面ジョイントをマッチキャストする。コンクリートが硬化した後、2番目のチューブを持ち上げて、マッチキャスト界面を分離することができる。次に、2番目のチューブの上にさらに型枠を設置し、さらに3番目のチューブ型枠を組み立てる。3番目のチューブは、キャストされたら持ち上げて、その上に型枠を組み立て、次のチューブを注ぐという同じシーケンスを、十分な数のチューブが製造されるまで繰り返す。
【0009】
この方法でマッチキャストチューブをキャストするには時間がかかり、コンクリートが十分な強度を得てキャスト位置から移動できるようになるまでに約24時間かかる。したがって、成形は1日あたり約1本のチューブに制限される。たとえば、高さ150メートルのタワーに必要なチューブを構築するには、それぞれ高さ5メートルのチューブが30本必要になるため、製造に約1か月かかる場合がある。したがって、この方法を使用してマッチキャストチューブをキャストできる速度は、コンクリートがチューブを扱ったり持ち上げたりできる強度を得るのにかかる時間に制限される。
【0010】
プレキャスト半円形セグメントアプローチの型枠コストは、プレキャストリング又はシリンダーよりも低くなる可能性がある。ただし、プレキャスト半円形セグメントでは、タワーの組み立て時に各セグメント間のグラウト接続が必要である。これはコストがかかる場合がある。グラウト接続は、2つのプレキャスト要素を結合するために使用される、通常はセメントベースの粘性硬化性液体によって確立できる。通常、補強はジョイント内およびジョイント全体に使用され、プレキャスト要素間の構造的連続性を実現する。タワーを組み立てるために必要な部品が増えると、構築中を含む材料コストと人件費が増加する。
【0011】
本明細書において、特許明細書、他の外部文書、又は他の情報源に対する参照がなされているが、これは、一般的に、本発明の特徴について論じるための背景を提供することを目的とする。特に別記しない限り、そのような外部文書又はそのような情報源に対する参照は、そのような文書又はそのような情報源が、あらゆる権限において、従来技術であるか又は当技術分野における共通の一般知識の一部を形成するという許可として解釈されないものとする。
【0012】
本発明の少なくとも好ましい実施形態の目的は、既知のプレキャストチューブ又はセクション形成方法の上述の欠点の少なくともいくつかを改善すること、および/又は少なくとも有用な代替手段を一般大衆に提供することにある。
【発明の概要】
【0013】
本発明の第1の態様では、隣接セクションを積み重ねたシーケンスから構成される長尺状部材が提供され、長尺状部材は、
隣接セクションの各界面において、
(a)前記隣接セクションのうちのより上部の下部シート部材と、
(b)前記隣接セクションのうちのより下部の上部シート部材と、を含み、
前記上部シート部材および前記下部シート部材は、前記各界面において、前記シート部材対としてマッチキャストされており、前記シート部材対がマッチキャストされた相対位置と同じ相対位置で互いに着座している。
【0014】
本発明の第2の態様では、隣接セクションを積み重ねたシーケンスから構成される長尺状部材が提供され、長尺状部材は、
隣接セクションの各界面において、
(a)前記隣接セクションのうちのより上部の下部シート部材と、
(b)前記隣接セクションのうちのより下部の上部シート部材と、を含み、
前記上部シート部材および下部シート部材は、積み重ねられる前に、各界面において、シート部材対としてマッチキャストされており、シート部材対がマッチキャストされた相対位置と同じ相対位置で互いに着座している。
【0015】
好ましくは、前記各部は、各セクションは、さらに、それぞれの上部シート部材と下部シート部材との間にまたがる中間セグメントを備える。
【0016】
好ましくは、各セクションの中間セグメントはキャスト硬化性材料でできている。
【0017】
好ましくは、各セクションの中間セグメントは、それぞれの上部および下部シート部材と一致するキャスト硬化性材料で作られている。
【0018】
好ましくは、各セクションのセグメントは、当該セクションのそれぞれの上部シート部材と下部シート部材との間に渡って注入された硬化コンクリートから構成される。
【0019】
好ましくは、各シート部材対は、シート部材型枠内に硬化性材料を導入することによって、各シート部材対の上部シート部材をその下部シート部材の上にキャストすることによって形成された下部シート部材と上部シート部材とを含む。
【0020】
好ましくは、各シート部材対は、下部シート部材と上部シート部材とを備え、下部シート部材と上部シート部材は、
i.複数のシート部材対の各々の下部シート部材を、シート部材型枠内に硬化性材料を導入することによってキャストし、
ii.前記シート部材型枠内に硬化性材料を導入することによって、前記キャストされた下部シート部材の上に前記各シート部材対の前記上部シート部材をキャストすることによって形成される。
【0021】
好ましくは、前記各シート部材対の前記上部シート部材と前記下部シート部材のマッチキャスト面は、前記各シート部材対の前記上部シート部材と前記下部シート部材が当接して互いに着座できるように、それらの間の界面に形成されている。
【0022】
好ましくは、セクションは中空断面を有するように形成される。
【0023】
好ましくは、セクションは円筒形であり、好ましくは管状であり、したがって周囲の断面形状は概ね円形である。
【0024】
好ましくは、キャスト硬化性材料はコンクリートを含む。
【0025】
好ましくは、キャスト硬化性材料は、高スランプコンクリート又は自己充填コンクリートで構築される。
【0026】
好ましくは、その中間セグメントおよび/又はシート部材は、概ね環状の周縁断面形状を呈するように中空内部を備える。
【0027】
好ましくは、前記セクションの高さは、約2m~6mである。
【0028】
好ましくは、上部シート部材および/又は下部シート部材の高さは、約500ミリメートル~2メートルである。
【0029】
好ましくは、セクション、その中間セグメント、および/又はシート部材の横方向スパン又は直径は、約2メートルから約6メートルの間である。
【0030】
好ましくは、各セクションの下部シート部材は、そこから上方に伸びて当該セクションの中間セグメントおよび/又は上部シート部材まで延びる鉄筋を含む。
【0031】
好ましくは、各セクションの上部シート部材は、前記鉄筋を受容するように配置された穴を備える。
【0032】
好ましくは、各セクションの上部シート部材は、それぞれのシート部材対の下部シート部材の形成中および/又は前記セクションの中間セグメントの形成中に、前記キャスト硬化性材料を導入するための導管として構築された穴を備える。
【0033】
好ましくは、各シート部材対の上部シート部材と下部シート部材との界面には、シート部材の前記マッチキャスト面におけるキャスタレーションと対応する開口部および/又は舌部と対応する溝構造が形成されており、これらの構造は、前記シート部材が互いに当接して着座したときに互いに協働するように構成される。
【0034】
本発明の第2の態様では、複数のセクションを積み重ねて組み立てられた長尺状タワーであって、前記タワーは、少なくとも2つの隣接セクションから構成され、前記少なくとも2つの隣接セクションは、これらの界面において、隣接セクションのうちの第1セクションの第1シート部材と、隣接セクションのうちの第2セクションの第2シート部材とを含み、前記第1シート部材と前記第2シート部材は、その界面において前記シート部材対としてマッチキャストされており、前記シート部材対がマッチキャストされた相対位置と同じ相対位置で互いに着座している、長尺状タワーが提供される。
【0035】
好ましくは、前記隣接セクションのうちの前記第1隣接セクションは、前記第1シート部材に対してマッチキャストされており、前記第1シート部材から長手方向に突出するキャスト中間セグメントを含む。
【0036】
好ましくは、前記隣接セクションのうちの前記第2隣接セクションは、前記第2シート部材に対してマッチキャストされており、前記第2シート部材から長手方向に突出する、キャスト中間セグメントを含む。
【0037】
好ましくは、セクションは中空断面を有するように形成される。
【0038】
好ましくは、セクションは円筒形であり、好ましくは管状であり、したがって周囲の断面形状は概ね円形である。
【0039】
好ましくは、キャスト硬化性材料はコンクリートを含む。
【0040】
好ましくは、キャスト硬化性材料は、高スランプコンクリート又は自己充填コンクリートから構成される。
【0041】
好ましくは、セクション、その中間セグメント、および/又はシート部材は、概ね環状の周縁断面形状を呈するように中空内部を備える。
【0042】
好ましくは、前記セクションの高さは約2メートル~約6メートルである。
【0043】
好ましくは、上部シート部材および/又は下部シート部材の高さは、約500ミリメートル~2メートルである。
【0044】
好ましくは、セクション、その中間セグメント、および/又はシート部材の横方向スパン又は直径は、約2メートルから約6メートルの間である。
【0045】
好ましくは、各セクションの下部シート部材は、そこから上方に伸びて当該セクションの中間セグメントおよび/又は上部シート部材まで延びる鉄筋を含む。
【0046】
好ましくは、各セクションの上部シート部材は、前記鉄筋を受容するように配置された穴を備える。
【0047】
好ましくは、各セクションの上部シート部材は、それぞれのシート部材対の下部シート部材の形成中および/又は前記セクションの中間セグメントの形成中に、前記キャスト硬化性材料を導入するための導管として構築された穴を備える。
【0048】
好ましくは、各シート部材対の上部シート部材と下部シート部材との界面には、シート部材の前記マッチキャスト面におけるキャスタレーションと対応する開口部および/又は舌部と対応する溝構造が形成されており、これらの構造は、前記シート部材が互いに当接して着座したときに互いに協働するように構成されている。
【0049】
本発明の第3の態様では、長尺状部材(例えば、タワー、パイプ、又はトンネルの少なくとも一部を画定するため)の長手方向に当接して配置された順次並べられた複数のセクションを組み立てる方法が提供され、前記方法は、
a.それぞれが下部シート部材と上部シート部材とを含む複数のシート部材対を、
i.前記各シート部材対の前記上部シート部材を、シート部材型枠内に硬化性材料を導入することによって、その下部シート部材の上にキャストし、各シート部材対の上部シート部材と下部シート部材のマッチキャスト面がそれらの間の界面に形成され、各シート部材対の上部シート部材と下部シート部材が互いに当接して着座できるようにすることによって、次のように形成するステップと、
b.前記各シート部材対の前記上部シート部材を前記下部シート部材から分離するステップと、
c.複数のセクション型枠を配置するステップであって、前記各セクション型枠について、前記シート部材対の前記上部シート部材がその底部に配置され、後続の前記シート部材対の前記下部シート部材がその上部に配置される、前記ステップと、
d.前記各セクション型枠の前記下部シート部材と前記上部シート部材との間に中間セグメントをキャストし、その中に硬化性材料を導入することによって、順次並べられた複数のセクションを形成するステップと、
e.前記長尺状部材を画定するために、前記各シート部材対の前記マッチキャスト面が再結合され、互いに当接して着座し、前記長尺状部材を画定するようなシーケンスで、順次並べられたセクションを配置するステップと、を含む。
【0050】
好ましくは、前記方法は、前記シート部材型枠内に前記硬化性材料を導入することによって、前記複数のシート部材対の各々の前記下部シート部材をキャストするステップをさらに含む。
【0051】
好ましくは、前記方法は、前記ステップ(i)の直前に、前記シート部材型枠内に硬化性材料を導入することによって、前記複数のシート部材対の各々の前記下部シート部材をキャストするステップをさらに含む。
【0052】
好ましくは、セクションは中空断面を有するように形成される。
【0053】
好ましくは、セクションは円筒形であり、好ましくは管状であり、したがって周囲の断面形状は概ね円形である。
【0054】
好ましくは、キャスト硬化性材料はコンクリートを含む。
【0055】
好ましくは、キャスト硬化性材料は、高スランプコンクリート又は自己充填コンクリートから構成される。
【0056】
好ましくは、セクション、その中間セグメント、および/又はシート部材は、概ね環状の周縁断面形状を呈するように中空内部を備える。
【0057】
好ましくは、前記セクションの高さは約2メートル~約6メートルである。
【0058】
好ましくは、上部シート部材および/又は下部シート部材の高さは、約500ミリメートル~2メートルである。
【0059】
好ましくは、セクション、その中間セグメント、および/又はシート部材の横方向スパン又は直径は、約2メートルから約6メートルの間である。
【0060】
好ましくは、各セクションの下部シート部材は、そこから上方に伸びて当該セクションの中間セグメントおよび/又は上部シート部材まで延びる鉄筋を含む。
【0061】
好ましくは、各セクションの上部シート部材は、前記鉄筋を受容するように配置された穴を備える。
【0062】
好ましくは、各セクションの上部シート部材は、それぞれのシート部材対の下部シート部材の形成中および/又は前記セクションの中間セグメントの形成中に、前記キャスト硬化性材料を導入するための導管として構築された穴を備える。
【0063】
好ましくは、各シート部材対の上部シート部材と下部シート部材との界面には、シート部材の前記マッチキャスト面におけるキャスタレーションと対応する開口部および/又は舌部と対応する溝構造が形成されており、これらの構造は、前記シート部材が互いに当接して着座したときに互いに協働するように構成される。
【0064】
本発明の第4の態様では、長尺状部材の長手方向に当接して配置された順次並べられた複数のセクションから長尺状部材(例えば、タワー、パイプ、又はトンネルの少なくとも一部を画定するため)を組み立てる方法が提供され、前記方法は、
a.それぞれ下部シート部材と上部シート部材とを備え、これらのシート部材間の界面にマッチキャスト面を備え、互いに当接して着座する複数のシート部材対を提供するステップと、
b.複数のセクション型枠を配置するステップであって、前記各セクション型枠について、前記シート部材対の前記上部シート部材がその底部に配置され、後続の前記シート部材対の前記下部シート部材がその上部に配置される、前記ステップと、
c.前記各セクション型枠の前記下部シート部材と前記上部シート部材との間に中間セグメントをキャストし、その中に前記硬化性材料を導入することによって、順次並べられた一連のセクションを形成するステップと、
d.長尺状部材を画定するために、前記順次並べられたマッチキャストセクションを順次並べられるシーケンスで配置し、前記複数のシート部材対のそれぞれのマッチキャスト表面が再結合され、複数のシート部材対の各々のマッチキャスト面が再結合され、互いに当接して着座し、前記長尺状部材を画定するようにするステップと、を含む。
【0065】
好ましくは、セクションは中空断面を有するように形成される。
【0066】
好ましくは、セクションは円筒形であり、好ましくは管状であり、したがって周囲の断面形状は概ね円形である。
【0067】
好ましくは、キャスト硬化性材料はコンクリートを含む。
【0068】
好ましくは、キャスト硬化性材料は、高スランプコンクリート又は自己充填コンクリートから構成される。
【0069】
好ましくは、セクション、その中間セグメント、および/又はシート部材は、概ね環状の周縁断面形状を呈するように中空内部を備える。
【0070】
好ましくは、前記セクションの高さは約2メートル~約6メートルである。
【0071】
好ましくは、上部シート部材および/又は下部シート部材の高さは、約500ミリメートル~2メートルである。
【0072】
好ましくは、セクション、その中間セグメント、および/又はシート部材の横方向スパン又は直径は、約2メートルから約6メートルの間である。
【0073】
好ましくは、各セクションの下部シート部材は、そこから上方に伸びて当該セクションの中間セグメントおよび/又は上部シート部材まで延びる鉄筋を含む。
【0074】
好ましくは、各セクションの上部シート部材は、前記鉄筋を受容するように配置された穴を備える。
【0075】
好ましくは、各セクションの上部シート部材は、それぞれのシート部材対の下部シート部材の形成中および/又は前記セクションの中間セグメントの形成中に、前記キャスト硬化性材料を導入するための導管として構築された穴を備える。
【0076】
好ましくは、各シート部材対の上部シート部材と下部シート部材との界面には、シート部材の前記マッチキャスト面におけるキャスタレーションと対応する開口部および/又は舌部と対応する溝構造が形成されており、これらの構造は、前記シート部材が互いに当接して着座したときに互いに協働するように構成される。
【0077】
本発明の第5の態様では、長尺状部材の長手方向に当接して配置された順次並べられた前記セクションから構成される長尺状部材のセクション(例えば、タワー、パイプ、又はトンネルの少なくとも一部を画定するためのセクション)が提供され、前記セクションは、
セクション型枠の内部および/又は反対側の端部に配置された下部シート部材と上部シート部材との間に画定されたセクション型枠の空隙に硬化性材料を導入することによって形成された中間セグメントであって、前記シート部材は、前記中間セグメントが硬化されるとセクションの一部を形成する、前記中間セグメントを含み、
前記下部シート部材および前記上部シート部材はそれぞれ、前記一連のセクションの別のセクション又は複数のセクションの前記シート部材の対応する外側向きマッチキャスト面と当接するように着座するように構成された外側向きマッチキャスト面を備え、前記外側向きマッチキャスト面は、それによって、前記セクションの反対側の端部を画定して、前記一連のセクションの別のセクション又は複数のセクションとの連続的な当接を可能にする。
【0078】
好ましくは、セクションは中空断面を有するように形成される。
【0079】
好ましくは、セクションは円筒形であり、好ましくは管状であり、したがって周囲の断面形状は概ね円形である。
【0080】
好ましくは、キャスト硬化性材料はコンクリートを含む。
【0081】
好ましくは、キャスト硬化性材料は、高スランプコンクリート又は自己充填コンクリートから構成される。
【0082】
好ましくは、セクション、その中間セグメント、および/又はシート部材は、概ね環状の周縁断面形状を呈するように中空内部を備える。
【0083】
好ましくは、前記セクションの高さは約2メートル~約6メートルである。
【0084】
好ましくは、上部シート部材および/又は下部シート部材の高さは、約500ミリメートル~2メートルである。
【0085】
好ましくは、セクション、その中間セグメント、および/又はシート部材の横方向スパン又は直径は、約2メートルから約6メートルの間である。
【0086】
好ましくは、各セクションの下部シート部材は、そこから上方に伸びて当該セクションの中間セグメントおよび/又は上部シート部材まで延びる鉄筋を含む。
【0087】
好ましくは、各セクションの上部シート部材は、前記鉄筋を受容するように配置された穴を備える。
【0088】
好ましくは、各セクションの上部シート部材は、それぞれのシート部材対の下部シート部材の形成中および/又は前記セクションの中間セグメントの形成中に、前記キャスト硬化性材料を導入するための導管として構築された穴を備える。
【0089】
好ましくは、各シート部材対の上部シート部材と下部シート部材との界面には、シート部材の前記マッチキャスト面におけるキャスタレーションと対応する開口部および/又は舌部と対応する溝構造が形成されており、これらの構造は、前記シート部材が互いに当接して着座したときに互いに協働するように構成される。
【0090】
本発明の第6の態様では、長尺部材の長手方向に当接して配置された順次並べられた複数のセクションから構成される長尺部材を組み立てるための、それぞれが下部シート部材と上部シート部材とを含む複数のシート部材対をキャストする方法が提供され、前記方法は、
i.前記複数のシート部材対の各々の前記下部シート部材を、シート部材型枠内に硬化性材料を導入することによってキャストするステップと、
ii.前記各シート部材対の前記上部シート部材と前記下部シート部材のマッチキャスト面がそれらの間の界面に形成され、前記各シート部材対の前記上部シート部材と前記下部シート部材が互いに当接して着座できるように、前記シート部材型枠内に硬化性材料を導入することによって、前記各シート部材対のそれぞれの上部シート部材を、キャストされた前記下部シート部材の上にキャストするステップと、を含む。
【0091】
好ましくは、前記方法は、前記各キャストシート部材対の前記上部シート部材を前記下部シート部材から分離するステップをさらに含む。
【0092】
好ましくは、セクションは中空断面を有するように形成される。
【0093】
好ましくは、セクションは円筒形であり、好ましくは管状であり、したがって周囲の断面形状は概ね円形である。
【0094】
好ましくは、キャスト硬化性材料はコンクリートを含む。
【0095】
好ましくは、キャスト硬化性材料は、高スランプコンクリート又は自己充填コンクリートから構成される。
【0096】
好ましくは、セクション、その中間セグメント、および/又はシート部材は、概ね環状の周縁断面形状を呈するように中空内部を備える。
【0097】
好ましくは、前記セクションの高さは約2メートル~約6メートルである。
【0098】
好ましくは、上部シート部材および/又は下部シート部材の高さは、約500ミリメートル~2メートルである。
【0099】
好ましくは、セクション、その中間セグメント、および/又はシート部材の横方向スパン又は直径は、約2メートルから約6メートルの間である。
【0100】
好ましくは、風力タワーの少なくとも一部、好ましくは大部分を画定するスタックの前記セクションの最も下側は、基礎上に支持される。
【0101】
好ましくは、基礎はコンクリートの土台又はブロックである。
【0102】
好ましくは、各セクションの下部シート部材は、そこから上方に伸びて当該セクションの中間セグメントおよび/又は上部シート部材まで延びる鉄筋を含む。
【0103】
好ましくは、各セクションの上部シート部材は、前記鉄筋を受容するように配置された穴を備える。
【0104】
好ましくは、各セクションの上部シート部材は、それぞれのシート部材対の下部シート部材の形成中および/又は前記セクションの中間セグメントの形成中に、前記キャスト硬化性材料を導入するための導管として構築された穴を備える。
【0105】
好ましくは、各シート部材対の上部シート部材と下部シート部材との界面には、シート部材の前記マッチキャスト面におけるキャスタレーションと対応する開口部および/又は舌部と対応する溝構造が形成されており、これらの構造は、前記シート部材が互いに当接して着座したときに互いに協働するように構成される。
【0106】
本発明の第7の態様では、複数の当接セクションから長尺状部材を構築する方法が提供され、前記方法は、
a.前記硬化性材料を前記第2シート部材に対してキャストすることによって第1シート部材を形成し、前記第1シート部材と前記第2シート部材との界面において、前記第1シート部材と前記第2シート部材のそれぞれのマッチキャスト面を画定するステップと、
b.前記第1シート部材に対して第1セクションセグメントをマッチキャストし、前記第1シート部材から離れて長手方向に前記第1セクションセグメントを突出させることによって、前記セクションのうちの第1セクションを形成するステップであって、前記前記第1シート部材のマッチキャスト表面は前記第1セクションの第1端に現れる、前記ステップと、
c.硬化性材料を使用して、前記第2シート部材に対して第2セクションセグメントをマッチキャストし、前記第2シート部材から離れて長手方向に前記第2セクションセグメントを突出させることによって前記セクションのうちの第2セクションを形成するステップであって、前記第2シート部材の前記マッチキャスト表面は前記第2セクションの第1端に現れる、前記ステップと、
d.前記第1シート部材の前記マッチキャスト面が前記第2シート部材の前記マッチキャスト面に当接するように、前記第1セクションを前記第2セクションに対して積み重ねるステップと、を含む。
【0107】
好ましくは、前記第1シート部材は、前記第2シートの上に硬化性材料をキャストすることによって形成される。
【0108】
好ましくは、前記セクションのうちの第1セクションは、硬化性材料を使用して、前記第1シート部材の上に第1セクションセグメントをマッチキャストし、前記第2シート部材から離れて下向きに長手方向に第1セクションセグメントを突出させることによって形成され、前記第1シート部材の前記マッチキャスト表面は、前記第1セクションの下端である第1端に現れる。
【0109】
好ましくは、前記セクションのうちの第2セクションは、硬化性材料を使用して、前記第2シート部材の上に第2セクションセグメントをマッチキャストし、前記第2シート部材から離れて下向きに長手方向に第2セクションセグメントを突出させることによって形成され、前記第2シート部材の前記マッチキャスト表面は、前記第2セクションの下端である第1端に現れる。
【0110】
好ましくは、前記セクションのうちの第2セクションは、硬化性材料を使用して、前記第2シート部材に対して第2セクションセグメントをマッチキャストし、前記第2シート部材から離れて下向きに長手方向に第2セクションセグメントを突出させることによって形成され、前記第2シート部材の前記マッチキャスト表面は、前記第2セクションの上端である第1端に現れる。
【0111】
好ましくは、前記積み重ねは垂直方向に行われる。
【0112】
好ましくは、セクションは中空断面を有するように形成される。
【0113】
好ましくは、セクションは円筒形であり、好ましくは管状であり、したがって周囲の断面形状は概ね円形である。
【0114】
好ましくは、キャスト硬化性材料はコンクリートを含む。
【0115】
好ましくは、キャスト硬化性材料は、高スランプコンクリート又は自己充填コンクリートから構成される。
【0116】
好ましくは、セクション、その中間セグメント、および/又はシート部材は、概ね環状の周縁断面形状を呈するように中空内部を備える。
【0117】
好ましくは、前記セクション(複数可)の高さは約2メートル~約6メートルである。
【0118】
好ましくは、上部シート部材および/又は下部シート部材の高さは、約500ミリメートル~2メートルである。
【0119】
好ましくは、セクション、その中間セグメント、および/又はシート部材の横方向スパン又は直径は、約2メートルから約10メートルの間である。
【0120】
好ましくは、各セクションの下部シート部材は、そこから上方に伸びて当該セクションの中間セグメントおよび/又は上部シート部材まで延びる鉄筋を含む。
【0121】
好ましくは、各セクションの上部シート部材は、前記鉄筋を受容するように配置された穴を備える。
【0122】
好ましくは、各セクションの上部シート部材は、それぞれのシート部材対の下部シート部材の形成中および/又は前記セクションの中間セグメントの形成中に、前記キャスト硬化性材料を導入するための導管として構築された穴を備える。
【0123】
好ましくは、各シート部材対の上部シート部材と下部シート部材との界面には、シート部材の前記マッチキャスト面におけるキャスタレーションと対応する開口部および/又は舌部と対応する溝構造が形成されており、これらの構造は、前記シート部材が互いに当接して着座したときに互いに協働するように構成される。
【0124】
さらなる態様では、本発明は、複数のセクションが互いに積み重ねられて構築されたタワーであると言える。この場合、各セクションの界面において、マッチキャストされたシート部材は、以前のマッチキャスト時と同じ相対方向で互いに当接する。
【0125】
好ましくは、セクションは前述のとおりである。
【0126】
好ましくは、シート部材は前述の通りである。
【0127】
好ましくは、複数のセクションは、30mを超える高さ、好ましくは60mを超える高さ、好ましくは80mを超える高さまで積み重ねられている。
【0128】
さらなる態様では、本発明は、本明細書で前述した複数のセクションから構成されるタワーであると言える。
【0129】
好ましくは、積み重ねは垂直である。
【0130】
好ましくは、積み重ねは水平である。
【0131】
好ましくは、積み重ねは直線である。
【0132】
好ましくは、積み重ねは湾曲している(例えば、トンネルやパイプの形で)。
【0133】
本明細書および請求項で使用されている「含む」という用語は、「少なくとも一部から成る」という意味する。「含む」という用語を含む本明細書および請求項の記述を解釈する場合、各記述でこの用語が前に付されている特徴以外の特徴も存在する可能性がある。「を含む」や「含まれる」などの関連用語は同様に解釈される。
【0134】
本明細書で開示されている数値範囲(例えば、1~10)への参照には、その範囲内のすべての有理数(例えば、1、1.1、2、3、3.9、4、5、6、6.5、7、8、9および10)およびその範囲内の任意の有理数範囲(例えば、2~8、1.5~5.5および3.1~4.7)への参照も組み込まれているので、本明細書で明示的に開示されているすべての範囲のすべてのサブ範囲は、本明細書で明示的に開示されている。これらは、具体的に意図されるものの単なる例であり、列挙された最低値と最高値との間の数値の可能なすべての組み合わせは、同様の方法で本出願に明示的に記載されているとみなされる。
【0135】
本発明はまた、本明細書において個別に又は一括して言及又は指示された部分、要素および特徴、ならびにこれらの部分、要素又は特徴の任意の2つ以上の任意の又はすべての組み合わせを含むことができ、本明細書で言及された特定の整数が本発明の関連する分野において既知の同等物を有する場合、これらの既知の同等物は、別個に説明されているように本明細書に組み込まれるものとみなされる。
【0136】
本明細書で使用されるように、名詞の後に続く用語「(複数可(複数可))」は、その名詞の複数形および/又は単数形を意味する。
【0137】
本明細書で使用されるように、用語「および/又は」は、「および」又は「又は」を意味するか、あるいは、コンテキストによって両方が許容される場合には、その両方を意味する。
【0138】
本発明は上記のものからなり、以下に例のみを示す構造も想定している。
【図面の簡単な説明】
【0139】
ここで、添付図面を参照して、例としてのみ本発明について説明する。
【
図1】順次並べられたセクションの連続的な当接によって形成された実施形態の長尺状部材の透視図を示す。
【
図2A】本明細書に記載された方法および装置から形成された実施形態のセクションの透視分解図を示す。
【
図2B】本明細書に記載された方法および装置から形成された別の実施形態のセクションの透視分解図を示す。
【
図3A】実施形態のシート部材型枠の断面側面図を示す。
【
図3B】下部シート部材がキャストされた実施形態のシート部材型枠の断面側面図を示す。
【
図3C】下部シート部材と上部シート部材がキャストされた実施形態のシート部材型枠の断面側面図を示す。
【
図4A】シート部材対が形成された2つの実施形態のシート部材型枠の断面側面図を示す。
【
図4B】
図4Aのシート部材対のうち、上層に再配置された下層シート部材の断面側面図を示す。
【
図4C】
図4Bの下部シート部材を有する2つのセクションが形成された2セクション型枠の断面側面図を示す。
【
図4D】
図4Cの2つの完成したセクションを持ち上げて互いに当接する様子を示す断面側面図を示す。
【
図5A】レベルの上部に配置された実施形態のセクション型枠の内側型枠の断面側面図を示す。
【
図5B】
図5Aの実施形態セクション型枠の外側型枠が配置された断面側面図を示す。
【
図5C】
図5Bの実施形態セクション型枠の中間セグメント限界部が配置された断面側面図を示す。
【
図5D】
図5Cの実施形態セクション型枠の一部の詳細な断面側面図を示す。
【
図5E】
図5Dの実施形態のセクション型枠が完全に組み立てられた状態の断面側面図を示す。
【
図5F】
図5Eの実施形態のセクション型枠を分解し、完成した断面を残した状態の断面側面図を示す。
【
図6A】実施形態のセクション型枠の内側および外側型枠として再利用されている実施形態のシート部材型枠の内側および外側型枠の断面側面図を示す。
【
図6B】界面の周りに城郭構造および開口部を有する実施形態のシート部材対の側面図を示す。
【
図6C】実施形態のシート部材型枠内に配置されたその界面の周りに舌部状部と溝の構成を有する実施形態のシート部材対の断面側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0140】
本発明は、コンクリートなどの硬化性材料を使用して長尺状部材を形成するための長尺状部材、方法、および関連装置に関する。
【0141】
本発明の実施例による長尺状部材は、断面が中実又は中空で、直線又は少なくとも部分的に非直線の縦方向構成のいずれかで形成されてもよい。中空の場合、長手方向に貫通する通路を画定することができる。好ましい形態では、長尺状部材は円筒形であり、好ましくは管状であり、したがって、周囲の断面形状は概ね円形である。しかし、角柱形などの他の形状(例えば、断面が三角形、正方形、六角形、又は八角形などの多角形)であってもよく、対応する又は対応しない多角形、三角形、六角形、又は八角形の内周断面形状を有してもよい。
【0142】
好ましくは、長尺状部材は、実質的に円筒形又は先細りの円形の外周形状の中空である。好ましくは、キャスト方法で硬化性材料を使用して製造される。したがって、硬化性材料は、流し込み可能なコンクリートなどのキャスト可能な硬化性材料であってもよい。固化前、硬化性材料は流動性があり、流し込むことができる。
【0143】
好ましい形態では、長尺状部材は複数のセクションによって画定されてもよい。セクションは、長尺状部材の一部として組み立てられたときに、長尺状軸と平行になる長さ方向を有してもよい。セクションの長さの端には、その両端があり、これは、後述するように、少なくとも1つの外向きの表面によって画定されてもよい。
【0144】
セクションは長尺状部材を画定するように配置されているため、セクションはそれぞれ円筒形、好ましくは管状であり、したがって、場合によっては、周囲の断面形状が概ね円形であってもよい。ただし、各セクションは、角柱形などの他の形状(たとえば、断面が三角形、正方形、六角形、又は八角形などの多角形)であってもよく、対応する又は対応しない多角形、三角形、六角形、又は八角形の内部の周囲の断面形状を有してもよい。このようなセクションは、中空であることも好ましく、その中を貫通する通路とその反対側の端部とを有する。長尺状部材のセクションは、すべて同一である必要はない。例えば、長尺状部材が風力発電機の塔を規定する場合、塔は先細りになる可能性があり、したがって、上部のセクションは、塔の基部又はその近くのセクションよりも直径が小さくなる可能性がある。
【0145】
セクションは、同時に形成されてもよいし、本明細書で説明するように別々に形成されてもよい。セクションは、型枠内で一体型のアイテムとして形成され、その後、長尺状部材に組み立てられてもよい。
【0146】
本明細書に記載された方法および装置から形成され得る長尺状部材を使用して構築され得る構造の例には、風力発電機タワーとして使用されるものを含む陸上又は沖合の海洋タワー構造などのタワー構造、建物又は高層ビルなどのタワー構造、パイプ、地下トンネル構造の長さ(すなわち、道路車両輸送トンネル)、橋脚柱などの部分的又は完全に水没した海洋支持構造、又はさまざまな種類の建物又は高層ビルの構築用の支持柱および構造全般が含まれるが、これらに限定されない。トンネル又はパイプの場合、前記長尺状部材を介して画定される通路は、輸送導管およびユーティリティ用の場所を提供してもよい。タワーの場合、前記長尺状部材を介して画定される通路は、アクセス通路およびユーティリティ用の場所を提供してもよい。
【0147】
したがって、本明細書で提供される例は、主に陸上又は海上設置に使用できる風力発電機タワーなどのタワーで使用するための長尺状部材およびその形成について言及しており、本明細書で説明されているいくつかの利点は、特に前記方法が前記風力タワーの構築に採用されたときに生じるが、当業者であれば、開示内容は多種多様な構造物の構築に同様に適用できること、および風力タワーの構築に関連して本明細書で説明されている利点又は利点の多くが、同様に多種多様な構造物に適用できることを理解する。
【0148】
したがって、本明細書全体にわたってタワーという用語が使用される場合、それはタワーの長尺状部分を指し、その機能および特徴、ならびに形成、構築、および組み立てのあらゆる方法又は手段は、本明細書で説明されているような他の用途における長尺状部材にも適用可能である。したがって、タワーおよび長尺状部材という用語は、本明細書のこのセクション全体で互換的に使用されてもよい。
【0149】
このような長尺状部材10の例は、
図1に示されており、図に示すように、風力タービン設備のタワー10を形成している。タワー10は、長尺状部材10又はタワー10の長手方向Xに当接して配置された、順次並べられた複数のセクション20を含む。ここでの長尺状軸又は方向への言及は、長尺状部材/タワー10の場合でも、それを構築するセクション20の場合でも、長尺状部材10又はそのセクション20の長さのほぼ中央に延びる長手方向又は軸を指す。
図1の風力タワー10などの一部の用途では、この長尺状軸又は方向Xは、現場で設置/配置された対応する長尺状部材10の直立方向に合わせて垂直に配向される。ただし、上記のトンネルやパイプなどの他の用途では、この長尺状軸又は方向Xは、現場で設置/配置された対応する長尺状部材10の水平方向に合わせて水平に配向されてもよい。もちろん、一部の用途では、現場で設置された長尺状部材10の方向が実質的に垂直でも水平でもなく、その中間、つまり、トンネル/パイプの傾斜の一部を形成する角度付き長尺状部材10などが必要になることは理解される。
【0150】
いずれにせよ、一旦設置/配置された長尺状部材10の現場の向きに関係なく、そのセクション20は、本明細書で説明する方法および装置によって垂直の向きで形成される。すなわち、
図1~6Cに示すセクション20の長手方向Xは垂直であることが示されているため、セクション20は垂直方向に長手方向に延びる。場合によっては、本明細書で示され、および/又は説明されているセクション20は、それ自体では「長尺状」ものではない(すなわち、セクション20は、断面スパン/直径以下の高さを有する低アスペクト比である可能性がある)が、それでも、その長尺状軸Xは、セクション20に沿って、最終的にそのセクションが一部を形成する長尺状部材10の縦方向/長手方向に対応するように延びる。
【0151】
実施例部20を
図2Aに示す。ここで、セクション20およびその長尺状軸Xは、前述のように垂直に向いている。セクション20の側面に関して、ここでは「上部」、「下部」、「より高い」、「中央」などの用語が使用され、セクション20又はその構築部品の形成中の垂直方向におけるそれらの相対的な垂直位置を単に示している。ただし、これらの用語は説明的な方法でのみ解釈されるべきであり、組み立て中、又はより大きな長尺状部材10の一部として組み立て/設置された後のセクション20の側面の相対的な垂直位置を表す場合と表さない場合がある。
【0152】
セクション20は、参照しやすいように分解構築で
図2Aに示されており、主に中央中間セグメント30と、その上方の上部シート部材40およびその下方の下部シート部材50から構成されてもよい。セクション20およびそのこれらの構築部品は、
図1~6Cで実質的に管状の構築(すなわち、対応する内部中空通路が貫通する円筒形、風力タワーの一部として使用される長尺状部材10のこの明細書全体の例示的な実施形態に対応)をとっているように示されている。
【0153】
しかし、上で説明したように、長尺状部材10の所望の形状に応じて、セクション20は、角柱状(例えば、断面が三角形、正方形、六角形、八角形などの多角形)などのさまざまな他の形状をとることができ、対応するか又は対応しない多角形、三角形、六角形、又は八角形の内部周辺断面形状/中空通路を有してもよい。長い部材10の用途によっては、中空の内部通路が必要な場合と必要ない場合があり、また、長さ方向にテーパーが付けられている場合と付けられていない場合があり、したがって、内部の中空通路の有無にかかわらず、セクション20も垂直方向の長さに沿って同様にテーパーが付けられることが必要となる。さらに、一部のセクション20は、外部周辺断面形状とは形状が異なり、対応しない内部周辺断面形状/中空通路を有してもよい。複数の中空通路が設けられてもよいことが想定される。
【0154】
いずれの場合も、
図1~6Cに示すセクション20の中央中間セグメント30、上部シート部材40、および下部シート部材50は、好ましくは、縦方向に一貫した(先細りではない)実質的に管状/円筒状の構築を有し、中間セグメントの外周32、上部シート部材の外周42、および下部シート部材の外周52は、好ましくは、直径が等しく、中間セグメントの内周34、上部シート部材の内周44、および下部シート部材の内周54も、好ましくは、直径が等しい。
【0155】
中間セグメント30は、中間セグメント30の反対側の端部の平面を規定する上面30Aおよび下面30Bを有する。上面30Aは、上部シート部材40の下面40Bに当接して協働するように構成され、下面30Bは、下部シート部材50の上面50Aに当接して協働するように構成される。シート部材40、50はまた、それぞれ外側を向くマッチキャスト面を規定する上面40Aおよび下面50Bを有する。すなわち、上部シート部材40は、以下では上部マッチキャスト面40Aと呼ぶ上面40Aを有し、下部シート部材50は、以下では下部マッチキャスト面50Bと呼ぶ下面50Bを有する。これらのマッチキャスト面40A、50Bは、セクション20の反対側の端部(「上側」反対側の端部20Aと「下側」反対側の端部20B)を画定するという意味で、外側を向いている。
【0156】
中間セグメント30は、以下でさらに詳しく説明するように、セクション型枠200内に配置された下部シート部材50と上部シート部材40との間に画定されたセクション型枠200の空隙202に硬化性材料を導入することによって形成されるのが好ましく、これによって、中間セグメント30が硬化されると、シート部材40、50がセクション20の一部を形成する。さらに、シート部材40、50の外向きのマッチキャスト面40A、50Bは、長尺状部材10を形成する一連のセクションの別のセクション又はセクションのシート部材の対応する外向きのマッチキャスト面と当接するように着座するように構成されている。このようにして、外側を向くマッチキャスト面40A、50Bは、セクション20の反対側の端部20A、20Bを画定し、セクション20が、前記一連のセクションの別のセクション又は複数のセクションと連続的に当接することを可能にする。
【0157】
シート部材40、50自体は、以下でさらに詳しく説明するように、シート部材型枠100に硬化性材料を導入してシート部材対101を形成することによって形成され、上部シート部材140と下部シート部材150ついては、この形成も垂直方向に行われる。
【0158】
しかしながら、任意のセクション20のシート部材40、50は一緒に形成されるのではなく、一緒にマッチキャストされた後に分割/分離された2つの異なるマッチキャストシート部材対101から派生される。したがって、セクション20の下部シート部材50は、実際には第1シート部材対101Aの上部シート部材140から派生しており、セクション20の上部シート部材40は、実際には第2シート部材対101Bの下部シート部材150から派生している。
【0159】
これは、
図3A~3Bに示すように、シート部材対101の形成方法を参照することで明らかになる。ここでは、シート部材型枠100が形成工程中の断面図を示し、その断面は、略長軸Xに沿って延びる垂直面を介して撮影されている。
【0160】
このため、
図3Aは、硬化性材料が導入される前のシート部材型枠100を示しており、内側型枠部材102と外側型枠部材104が示されており、両方とも、その間に形成されるシート部材の内側および外側の周囲144、146、154、156を画定する実質的に円筒形/管状の環状部材である。これらの内側および外側型枠部材102、104は、そこから形成されるシート部材の所望の内側および外側の断面形状、直径、テーパーなどに応じて、他の形状/構築にしてもよいことが理解される。
【0161】
内側および外側型枠部材102、104は、型枠レベル60の上に配置されており、その後のシート部材対101の形成に可能な限り正確なレベルを提供するように構成されている。
図3Aには、シート部材対101の下部シート部材150と上部シート部材140との間の仮想的な当接を画定する界面109も示されている。この界面は、シート部材フォームワーク100内に硬化性材料を導入することによって形成される。
【0162】
本明細書で言及される硬化性材料は、注型可能なコンクリートなどのキャスト可能な硬化性材料であり、好ましくは、注型、注入/ポンプ注入、又はそのような硬化性材料を推進又は導入する当該技術分野で知られている他の手段によって導入できるように流体性である。使用されるコンクリートの好ましいタイプは、「ハイスランプ」又は自己充填コンクリートである。自己充填コンクリートは、事前養生後の輸送が非常に容易であり、ここで説明する型枠100、200に注入されると、自動的にレベルが調整される。
【0163】
キャスト中、外側型枠104は、最初の荷重の硬化性材料が空隙に注入されて最初の、つまり最下部の下部シート部材150が形成されるときに、キャスト圧力をサポートする。
図3Bに示すように、シート部材150が十分に硬化して十分な強度を獲得したら、シート部材150の「上」表面(対応する面150A)に離型剤を塗布し、その後、
図3Cに示すように、その上に第2のシート部材140を形成するために、より硬化性材料を前記空隙に注入してもよい。離型剤は、2つのシート部材140、150が互いにくっついたり結合したりするのを防ぎ、下部シート部材150は、そこに注がれた第2シート部材140の「プロフォーマー」として機能し、界面109に沿ってマッチキャストフィットを作成する。
【0164】
このマッチキャストフィットによって、シート部材140、150の外側を向いたマッチキャスト面140B、150Aが提供され、シート部材140、150が互いに当接した状態で座ることができるようになる。シート部材140、150が形成されて固定されると、それらを分割することができ、上部シート部材140は第1セクション20の「下部」シート部材50を形成するために使用され(これによって、その下側の反対側の端部20Bが画定される)、下部シート部材150は第2セクション20の「上部」シート部材40を形成するために使用される(これによって、その上側の反対側の端部20Aが画定される)。これらのセクションは、一旦形成されると、第1セクションを第2セクションの上に組み立てることによって結合可能となり(現場で垂直に配向された長尺状部材10の場合)、マッチキャスト面140Bがマッチキャスト面150Aに対応して一致し、結合し、接続される。
【0165】
このように、シート部材対101のキャスト中に界面109に沿って一致するキャストフィットによって、より大きな長尺状部材10又はその一部を組み立てるときに連続するセクション20を簡単に結合できるという前述の利点が得られる(すなわち、1つのセクションを別のセクション又は一連のセクションのセクションと連続的に当接できる)。このように、所定のシート部材対101の上部シート部材のマッチキャスト表面140Bは、同じシート部材対101の下部材のマッチキャスト表面150Aが「正」であるのに対して「負」であると考えてもよい。2つの異なるセクションの一部を形成した後に(すなわち、2つの異なるセクションの反対側の上部端20Aと下部端20Bを画定した後)、最終的に再結合することで、それらの「負」と「正」の「極性」が再び一緒になり、それらの間での効果的な荷重伝達も可能になる。
【0166】
図3Cでは、上部シート部材140から上方に伸びている補強バー148、又は鉄筋が、シート部材140のマッチキャスト面140Bの近くの位置から伸び、シート部材140の上面140を通って外側に伸びているのが示されている。これらの鉄筋148は、シート部材を補強又は強化するために使用することができ、また、鉄筋148が、中間セグメント30がキャストされ、したがって硬化性材料が鉄筋148の周囲に注入されるセクションセクション型枠の領域まで延びるため、セクション20全体の引張弾性を高めるのにも役立つ。
【0167】
前記シート部材のキャストは好ましくは水平面上で行われるため、穴158も下部シート部材150を貫通して延びていることが示されている。下部シート部材150は、それぞれのシート部材対101から分離されると、セクション型枠200内に上部シート部材40として配置され、上部シート部材140はセクション型枠200内に下部シート部材50として配置されるため、上部シート部材140(セクション型枠200内に配置される下部シート部材50)の鉄筋148は、下部シート部材150(セクション型枠200内に配置される上部シート部材40)の穴158を通って上方に延びることができる。このようにして、穴158と鉄筋148の位置は、互いに対応するように適切に構築してもよい。
【0168】
穴158は、下部シート部材150が上部シート部材40としてセクション型枠200内に配置された後、硬化性材料を導入するためにも使用することができ、前記硬化性材料は、前記穴158を通してセクション型枠200の空隙に注ぎ込まれ、注入され、ポンプで送り込まれ、又は他の方法で導入されて、セクション20の中間セグメント30を形成する。これについては、以下でさらに詳しく説明する。
【0169】
鉄筋148は、鋼製ダボ、又はキャストコンクリートなどの圧縮能力を補完する引張能力を有する他の既知の適切な金属、金属合金、又は材料から構成されてもよい。いくつかの実施形態では、鉄筋148が波形バー(および/又は波形スリーブを備えたダボ)で構築され、穴158が鉄筋148よりも大きいサイズ(より大きな直径)になっていることが望ましい場合がある。これによって、セクション型枠200の空隙が満たされると(すなわち、中間セグメント30が完全に「注入」されると)、硬化性材料が穴を通って上昇して鉄筋148を囲み、鉄筋148の波形に係合/硬化し、完成/形成されたセクション20の弾力性と全体的な完全性がさらに向上する。
【0170】
いくつかの実施形態では、上部シート部材140に複数の鉄筋148(すなわち、その内周と外周144、146の間に円周方向に配置される)が形成され、その結果、下部シート部材150に複数の穴158(すなわち、同様にその内周と外周154、156の間に円周方向に配置される)が必要になる場合があることが理解される。これは
図2Bに示されており、上部シート部材140が下部シート部材50としてセクションの一部として配置され、下部シート部材150が上部シート部材40としてセクションの一部として配置されると、複数の鉄筋148と複数の穴158が必要になる。なお、
図2Bは、このような構築を有する実施形態のセクション20の分解図であり、したがって、鉄筋148は、例示目的のみで示されており、必ずしも図示されているような長さ/高さを有するとは限らない。さらに、
図2Bおよび他の図では垂直方向の鉄筋148のみが示されているが、垂直方向の鉄筋148の高さに沿ったさまざまなポイントで円周方向に延びる水平方向の鉄筋(すなわち、鉄筋の環状リング)も提供され、それによって補強ケージが形成されることが理解される。
【0171】
図2Bはまた、シート部材40、50が、マッチキャスト面40A、50Bから延びて、一緒に形成された他のシート部材の対応するマッチケース面上に形成された対応するレセプタクルとインタフェースする位置合わせガイド又はピン160を備えて形成されてもよいことを示している。これらの位置合わせガイド又はピン160は、長尺状部材10の組み立て中にセクション20を当接するように移動させるときに、セクション20のファクシミリ位置合わせを支援してもよい。
【0172】
ここで、上記セクション20を形成するプロセスを、
図4A~4Dを参照して以下に説明する。ここでは、説明のために、2つのシート部材対101A1、101A2が2つのセクション20A、20Bに形成されている様子が示されている。しかし、後述するように、このプロセスは、多数のシート部材対と多数のセクション20を同時に有利に形成することによって実行してもよい。
【0173】
図4Aでは、上部シート部材140A1と下部シート部材150A1とを有する第1シート部材対101A1が左側に形成されている。同様に、右側には、上部シート部材140A2と下部シート部材140B2とを有する第2シート部材対101B2が形成されている。
【0174】
図4Bにおいて、シート部材対101A1、101B2のそれぞれの型枠100A1、100B2が分解/除去され、それぞれのシート部材対101A1、101B2が分割され、右側の第2シート部材対101B2の上部シート部材140B2が左側レベル60A1上に配置される。一方、右部シート部材対101B2のレベル60B2上には、別のシート部材対(その形成は
図4Aには示されていない)の上部シート部材140C3が配置されている。
【0175】
図4Cにおいて、2つのセクション型枠200A1、200B2がレベル60A1と60A2の上に組み立てられている。
図4Cから
図4Dに示されているセクション型枠200A1、200B2は、単に説明のために一般化されたものであり、例示的なセクション型枠のより詳細な実施形態又は構築は、
図5Aから
図5Fを参照して以下に示され、説明される。
【0176】
ここで、第1シート部材対101A1の下部シート部材150A1は、第1セクション型枠200A1の上部に配置される(したがって、そこから形成されるセクション20Aの上部シート部材40Aとなる)。一方、第2シート部材対101B2の下部シート部材150B2は、第2セクション型枠200B2の上部に配置される(したがって、そこから形成されるセクション20Bの上部シート部材40Bとなる)。
【0177】
中間セグメント30Aおよび30Bは、シート部材対150A1、140B2と150B2、140C3の間の空間に硬化性材料を導入することによって形成される(この硬化性材料の導入は、シート部材150A1、150B2の穴を介して実行される可能性がある)。セクション型枠200A1、200B2の組み立ておよび中間セグメントの形成については、以下でさらに詳しく説明する。
【0178】
図4Dにおいて、中間セグメント30Aおよび30Bが硬化され、セクション20A、20Bが完全に形成され、それぞれのシート部材150A1、140B2、および150B2、140C3がその一部を形成する。セクション型枠200A1、200B2は分解され、取り外されている。また、
図4Dには、完成したセクション20Aが地上の位置から持ち上げられるか、又は移動され(クレーン又はその他の適切な装置によって)、セクション20Bの上に配置される様子も示されている。このように、セクション20A、20Bは、マッチキャスト面140B(第2シート部材対101B2の上部シート部材140B2)と対応するマッチキャスト面150A(第2シート部材対101B2の下部シート部材150B2)とのマッチキャストフィッティングを介して、うまく結合することができ、これらのマッチキャスト面140B、150Aは、第2シート部材対101B2の形成中に界面109でマッチキャストされる。
【0179】
図4Dには示されていないが、マッチキャスト面140B、150Aから延びる位置合わせガイド又はピン160(上記の
図2Bを参照して示され説明されているように)は、セクション20A、20Bをインタフェースするのに寄与する。当業者であれば、シート部材対101の一部として形成したり、形成/キャスト後にシート部材対101に追加したりして、下流での表面140B、150Aのマッチングキャストフィッティングを支援することができる、多種多様なピンやガイド、その他の位置合わせ手段を理解できる。
【0180】
このため、
図4A~
図4Dは、長尺状部材10の長手方向Xに当接して配置された順次並べられた複数のセクション20から長尺状部材10を組み立てるための本明細書に記載された方法の主な利点を例示するものである。前記方法は、
a.それぞれが下部シート部材150と上部シート部材140とを含む複数のシート部材対101を、
i.シート部材型枠100に硬化性材料を導入することによって、複数のシート部材対101の各々の下部シート部材150をキャストし、
ii.シート部材型枠100に硬化性材料を導入することによって、キャストされた下部シート部材150の上に、複数のシート部材対101の各々の上部シート部材140をキャストし、各シート部材140、150のマッチキャスト面140B、150Aがそれらの間の界面109に形成され、複数のシート部材対101の各々のシート部材140、150が互いに当接して着座するようにすることによってキャストするステップと、
b.複数のキャストシート部材対101の各々のシート部材140、150を分離するステップと、
c.複数のセクション型枠200を配置するステップであって、各セクション型枠200について、シート部材対101の上部シート部材140がその底部に配置され、後続のシート部材対101の下部シート部材150がその上部に配置される、前記ステップと、
d.各セクション型枠200の下部シート部材140と上部シート部材150との間に、硬化性材料を導入して複数の中間セグメント30をキャストし、それによって順次並べられた複数のセクション20を形成するステップと、
e.長尺状部材10を画定するために、順次並べられたセクション20を、複数のシート部材対101の各々のマッチキャスト面140B、150Aが再結合され、互いに当接して着座し、前記長尺状部材10を画定するようなシーケンスで配置するステップと、を含む。
【0181】
このように、本明細書に記載された方法は、長尺状部材10のマッチキャストセクションを組み立てる際に、回転率、コスト削減、および効率性において大きな利点を提供してもよい。
【0182】
たとえば、既存の方法では、セクションのキャストと積み重ねがその後に必要となる(したがって、各セクションを扱ったり持ち上げたりするのに十分な強度をコンクリートが得るのにかかる時間によって速度が制限される)のに対し、この方法では、代わりに、必要なシート部材対101の必要なすべての下部シート部材150を初日に同時にキャストすることができる。2日目には、下部シート部材150が完全に固まったら、その上に対応する上部シート部材140をマッチキャストするために離型剤を塗布してもよい。3日目には、完全に形成されたシート部材対101を分離し、セクション型枠200内に配置してもよい。4日目の終わりまでに、(セクション型枠200内に配置されたシート部材の間に、事前に設置可能な材料を導入することによって)セクション20の中間セグメント30が設置される。これに続いて、セクション型枠200を分解し、完成したセクション20を輸送、保管、又は現場での組み立てに備えてもよい。
【0183】
したがって、特定の長尺状部材に必要なすべてのセクション20は、既知の連続セクションキャスト積み重ね方法を使用する場合の1か月と比較して、1週間以内に組み立ての準備が備える。
【0184】
いくつかの実施形態では、もちろん、上記のように現場でキャストするのではなく、別の場所で事前に形成された複数のシート部材対101(それぞれが、下部シート部材150と、その間の界面109に当接して互いに着座するマッチキャスト表面140B、150Aを含む上部シート部材140とを含む)を用意できることが理解される。
【0185】
いずれにしても、短時間で多数のセクション20を製造できるため、「ジャストオンタイム」製造原理が可能になり、既知/以前の方法で多数のセクションを作成するために必要な大量の保管スペースが不要になる。さらに、作業は地上レベルで行われ(すなわち、シート部材型枠100とセクション型枠200の組み立て、およびその中のキャストはすべて同じレベル60で実行できる)、高所での作業(すなわち、既知/以前の方法でのセクションの持ち上げ/積み重ね)に伴うリスクがないため、事故の可能性が大幅に減少する。これによって、このようなプロジェクトに関連する安全リスクの量を減らし、必要な労働力/取り扱いを減らし、その結果としてコストを削減でき、また、大規模なプロファイル構築プロジェクトで必要となることが多い安全文書と管理の量も削減できる。
【0186】
さらに、短時間で多数のセクション20をキャストできるため、例えば、長い形成時間のために5mの高さのセクションキャストが必要となる既知の連続セクションキャスト積み重ね方法と比較して、セクション20の高さを大幅に低減できることにも留意する必要がある。したがって、各セクション20の中間セグメント30の形成に導入される硬化性材料の量がはるかに少ないため、セクション型枠200にかかる静水圧ははるかに低くなる。このように、ここで説明するセクション型枠200は、その性能要件が大幅に軽減されるため、はるかに単純で安価な設計と組み立ての恩恵を受けることができる。
【0187】
ここで説明する方法/装置によって形成されるセクション20の高さは、既知の連続セクションキャスト積み重ね方法と比較して大幅に低減されるため、その後の取り扱い要件も大幅に軽減される。セクション20を長尺状部材10に移動/保管又は持ち上げ/組み立てるために必要なクレーン又はその他の吊り上げ装置は、それほど強力である必要はなく(重量定格)、したがって、セクション20の輸送、取り扱い、又は組み立てに関連する下流コストも削減される。同じことがシート部材およびセクション型枠100、200にも言え、シート部材およびセクション型枠100、200は、複雑さが軽減された結果、既知の連続セクションキャスト積み重ね方法に必要な型枠よりもはるかに軽量になり、それによって、シート部材およびセクション型枠100、200を組み立て、分解、又は移動する際の労力および取り扱いコスト/時間が削減される。これは、より多くの型枠を組み立てることができ、より短い時間でより多くのセクション20を作成できることも意味する。
【0188】
次に、
図5A~
図5Fを参照して、セクション型枠200の実施形態の組立例をより詳細に説明する。
【0189】
図5Aでは、シート部材対101の上部シート部材140(現在は下部シート部材50)がレベル60(すなわち、
図4Bに示されているもの)に配置された後、内側型枠202が配置される。この内側型枠202は、下部シート部材50の内周54の周りに垂直に向いたポスト202A(補強用内側ケージを形成するため)と、下部シート部材50とポスト202Aとの接続と、内側型枠202の全体的な結合と完全性を提供するために配置された水平に向いたクランプ202Bで構築されている、
【0190】
図5Bでは、外側型枠204が下部シート部材50の外周の外側に配置されており、その上に下部シート部材150(現在は上部シート部材40)が(クレーンなどによって)吊り下げられており、その上に位置決めクリート206が配置されている。
【0191】
図5Cでは、中間セグメント限界208は、内側型枠202と外側型枠204の間に配置され、特に、内側型枠ポスト202Aと外側型枠204の当接部202C、204Cの上に設置され(
図5Dに示すように)、長さが内側型枠202と外側型枠204の上部/上限に対応するように構成され、上部シート部材50を型枠200に下ろすときに位置合わせを容易にするために適切な寸法になっている。
【0192】
このようにして、内側および外側型枠202、204、当接部202C、および中間セグメント境界208は、それらの間に形成される空隙200X(
図5Dに示すように)が、硬化性材料の導入によってその中に形成される中間セグメント30の適切な境界(内側および外側の周囲34、36)を画定するように、適切な寸法に設定される。
【0193】
図5Dには、内側型枠202のポスト20Aの上に斜めに配置されたガイド202Dも示されている。
図5Dの詳細Aは、クリート206が中央に向かって傾斜している上部シート部材40の平面図を示している。したがって、吊り下げられた上部シート部材40は、クリート206がガイド202Dと界面/連携して、必要に応じて上部シート部材40を正しく同心円状に配置しながら、空隙200Xに降ろすことができる。詳細
図Aには3つのクリート206が示されているが、上部シート部材40を下降させる際にその位置合わせを補助するために、任意の数のクリート206を設けてもよい。内側および外側型枠202、204をレベル60の上に配置することによって、さまざまな内側および外側型枠202、204、中間セグメント境界208、および上部および下部のシート部材40、50の垂直の高さと位置も正確かつ真正であることが保証される。
【0194】
図5Eでは、上部シート部材40が完全に所定の位置に下げられ、クリート206が内側型枠202の上部水平方向クランプ202Bの上に置かれ、その上面40Aが内側型枠202と外側型枠204の上部および中間セグメント限界208と正しく位置合わせされている。また、上部シート部材40が正しく同心円状に配置されているため(ガイド202Dと連結/協働するクリート206によって)、シート部材の穴158と鉄筋148も互いに適切に配置されていることがわかった。ここで、硬化性材料を、前記穴158を介して空隙200Xに導入し、中間セグメント30を形成してもよい。
【0195】
中間セグメント30が完全にセットされると、上部シート部材40と下部シート部材50が、その間にキャストされ、かつ、それらに対してキャストされた中間セグメント30との一体接続によって、その恒久的な特徴を形成するという点で、セクション20は完全に形成されたと言える。
図5Fにおいて、内側および外側型枠202、204および中間セグメント境界208は、完成したセクション20を後で取り出すために分解してもよい。
【0196】
いくつかの実施形態では、シート部材型枠100の内側型枠102および外側型枠104は、セクション型枠200の内側型枠202および外側型枠204として再利用されてもよい。このような場合、そこから形成されるセクション20の中間セグメント30の高さは、シート部材対100の合計高さと同じかそれより低くなる。これは
図6Aに示されており、シート部材型枠100の内側型枠102および外側型枠104が、セクション型枠200内の内側型枠202および外側型枠204として配置されている。ポスト202Aは、レベル60の上部に依然として使用され、上部シート部材40が下げられると、そのクリート206が当接部202Cと接触して、矢印A1で示されるように正しい高さが達成されることが保証される。
図6Aセクション型枠200のために上部シート部材40が下げられている様子を示している。このセクションでは、ボイド200Xの高さ(したがって、そこにキャストされる中間セグメント30の高さ)がシート部材対の合計高さよりも低く、したがって、再利用された内側型枠102(202)、外側型枠104(204)の高さよりも低くなっている。シート部材型枠100の一部を再利用すると、時間とコストを削減できるだけでなく、セクション型枠200の高さが低くなるという利点もある(中間セグメント30の形成のために導入された硬化性材料の量によって生じる静水圧が大幅に減少するため、コストと複雑さが軽減される)。
【0197】
当業者であれば、シート部材およびセクション型枠100、200の他の構築も使用可能であることは理解できる上記
図3A~
図3Cおよび
図5A~
図5Fを参照して説明した実施形態は、構築の一例であり、これらは、構造的に健全なシート部材対100およびセクション20を形成するために、シート部材およびセクション型枠100、200を正しく配置、寸法決定、および補強するための手段の例を示すためにのみ使用されている。当業者であれば、想定可能であり、本明細書に記載された意図された機能および特徴を達成できる型枠組み立ての他の多くの手段が知られている。
【0198】
さらに、鉄筋148および穴158も、シート部材40、50およびセクション20の例示的な構築としてのみ提供されている。セクション20に内部又は外部の補強要素を提供するために他の手段が使用される場合も、使用されない場合もある。また、中間セグメント30を形成するための硬化性材料の導入は、穴158以外の手段(シート部材40、50および/又はセクション型枠200に設けられた他の通気口又は開口部など)を介して行われる場合もあり、セクション型枠200の下側の点にある空隙200Xに上向きにポンプ/注入することによって行われる場合もある。
【0199】
いくつかの実施形態では、形成されるセクション20が実質的に円筒形/管状ではない場合(すなわち、テーパー状の長尺状部材10を形成するためにわずかにテーパーが付けられている場合)、形成されるセクション20の上部および下部の周囲が、移動可能な、又は再構築可能な内側および外側型枠202、204によって画定される、柔軟なセクション型枠が使用される場合がある。当然のことながら、本明細書で説明するシート部材およびセクション型枠100、200は、そこから形成されるセクション/シート部材対の所望の外側および内側の形状/断面/周囲に応じて、成形又は構築され得ることが理解される。
【0200】
なお、
図2Aおよび
図2Bは、中間セグメント30の高さがそれぞれのシート部材40、50よりもかなり高いセクション20を示しているが、中間セグメントの高さがシート部材の高さよりも大きいか小さい他の実施形態のセクションが形成される場合もある。本明細書に記載された方法によって、所定の長尺状部材の用途に応じて、任意の適切な比率を達成することができる。
【0201】
図6Bは、上部シート部材140が、界面109の周囲に下部シート部材150の対応する開口部117と連動するキャスタレーション115を有する実施形態のシート部材対101を示す。これは、上記
図3A~
図3Cを参照して説明したシート部材型枠100およびその方法を再構築することによって実現することができる。これらのキャスタレーション115および対応する開口部117は、シート部材140、150を損傷することなく互いに解放できるように、突出面に十分な勾配又は傾斜を持つことになる。環状リブは、ペアの部材を一緒に固定するのに役立つ方法として想定されている。このようなキーイングは、シート部材の回転位置合わせが正しいことを保証するのに役立ち、シート部材によって生成されるせん断強度を高めるのにも役立つ。
【0202】
あるいは、
図6Cに示すように、実施形態のシート部材対101は、上部シート部材140が、界面109の周囲で下部シート部材150の対応する雄型舌部と協働する雌型溝119を備えるように構成されてもよい。他の実施形態では、シート部材対101のシート部材同士の結合を助けるために、界面109の周りの雄型および雌型のアライメントガイド、又は他のプロファイリング手段が、当業者によって想定されてもよい。
【0203】
前記カステラレーション/開口部115、117、雄溝/舌部および雌溝/舌部119、120、又は界面109の周りの他の位置合わせ/プロファイリング手段は、シート部材対100のマッチキャスト面140B、150A間のせん断接続を可能にするのにも役立ち、長尺状部材10の組み立て中に2つのセクション20のマッチキャスト面140B、150Aを結合する際のさらなる完全性を提供する。
【0204】
いくつかの実施形態では、下部シート部材50は、事前に形成又は事前配置されてシート部材型枠100に配置され、その後、上部シート部材40が、事前に形成された下部シート部材50の溝、凹部、又はその他の容器内にマッチキャストされる。このように、シート部材型枠100を使用せずに下部シート部材を事前に配置又は事前に成形することで、一般的なキャストプロセスを高速化できされる。つまり、下部シート部材を現場外で事前に構築してから輸送し、その周囲にシート部材型枠100を配置することで、上部シート部材40の乾燥時間のみを考慮すればよくなるため、乾燥中のダウンタイムが短縮される。このような予め形成された、予め構築された、又は予め配置された下部シート部材50は、例えば、
図6Bの城郭構造、又は
図6Cの舌部と溝を備え、上部シート部材50を収容/形成するための溝、凹部、又はその他の受容部を提供することができ、金属などの非硬化性材料から予め形成された、予め構築された、又は予め配置されたものであることができる。
【0205】
本発明の技術者は、
図3A~
図3Cに記載のシート部材形成工程を変更する他の手段を想定して、全体的な施工工程を高速化することもできる。例えば、上記の実施例では、下部シート部材50を金属等の非硬化性材料から予め成形、予め構築、又は予め配置するのではなく、下部シート部材50を、通常通りシート部材型枠100を使用してキャストしてもよい。しかし、乾燥すると、下部シート部材50の溝、凹部、又はその他の受容部が、その中にキャストされる上部シート部材40の型枠として機能するため、上部シート部材40のキャスト前又はキャスト中に、シート部材型枠100を下部シート部材50から取り外すことができる(前記型枠100は、前記上部シート部材40のキャストには寄与しないため)。このように、シート部材型枠100は、上記のように構成された別の下部シート部材50をキャストするために迅速に再使用することができ、シート部材形成プロセス全体がスピードアップする(シート部材型枠100は、下部シート部材50のキャスト/設置にのみ使用すればよいため)。
【0206】
セクション20が組み立てられて長尺状部材10の一部又は全部が形成されると、当該技術分野で知られている適切なポストテンション処理を採用して、長尺状部材のさまざまなセクション20の完全性と接続を最終的に確立するのに役立つ。当該技術分野で既知の、使用可能なポストテンション手段には、シート部材、中間セグメント等に形成されたダクトを通して配線されるケーブル、又は長尺状部材10の中空内部(すなわち、セクション20の内周の外側)に配置されたケーブル等の補強手段が含まれる。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣接セクションを積み重ねるシーケンスから構成された
風力タワー用の長尺状部材であって、前記長尺状部材は、
隣接セクションの各界面において、
(a)前記隣接セクションのうちのより上部の下部シート部材と、
(b)前記隣接セクションのうちのより下部の上部シート部材と、を含み、
前記上部シート部材および前記下部シート部材は、前記各界面において、前記シート部材対としてマッチキャストされており、前記シート部材対がマッチキャストされた相対位置と同じ相対位置で互いに着座
し、
前記各セクションは、さらに、それぞれの前記上部シート部材と前記下部シート部材との間にまたがる中間セグメントを備え、前記セグメントは、それぞれの前記上部シート部材と前記下部シート部材との間に垂直にキャストされた鋳造硬化性材料から構成される、長尺状部材。
【請求項2】
前記各セクションのセグメントは、前記セクションのそれぞれの前記上部シート部材と前記下部シート部材との間に渡って注入された硬化コンクリートから構成される、請求項1に記載の長尺状部材。
【請求項3】
前記各シート部材対は、前記シート部材型枠内に硬化性材料を導入することによって、前記各シート部材対の上部シート部材をその下部シート部材の上にキャストすることによって形成された前記下部シート部材と前記上部シート部材とを含む、請求項1に記載の長尺状部材。
【請求項4】
前記各シート部材対は、前記下部シート部材と前記上部シート部材とを含み、前記下部シート部材と前記上部シート部材は、
i.前記複数のシート部材対の各々の前記下部シート部材を、前記シート部材型枠内に硬化性材料を導入することによってキャストし、
ii.前記シート部材型枠内に硬化性材料を導入することによって、前記キャストされた下部シート部材の上に前記各シート部材対の前記上部シート部材をキャストすることによって形成される、請求項1に記載の長尺状部材。
【請求項5】
前記各セグメントは、前記セクション型枠の内部および/または前記セクション型枠の垂直方向の反対側の端部に垂直に配置されたそれぞれの前記上部シート部材と前記下部シート部材との間に画定された前記セクション型枠の空隙に硬化性材料を導入することによって形成される、請求項3または4に記載の長尺状部材。
【請求項6】
前記シート部材型枠は前記セクション型枠として再利用され、前記各セグメントの高さはそれぞれの前記上部シート部材と前記下部シート部材の合計高さと同じかそれ以下になる、請求項5に記載の長尺状部材。
【請求項7】
前記各シート部材対の前記上部シート部材と前記下部シート部材のマッチキャスト面は、前記各シート部材対の前記上部シート部材と前記下部シート部材が当接して互いに着座できるように、それらの間の界面に形成されている、請求項
3又は4に記載の長尺状部材。
【請求項8】
複数のセクションを積み重ねて組み立てられた
風力タービン用の長尺状タワーであって、前記タワーは、少なくとも2つの隣接セクションから構成され、前記少なくとも2つの隣接セクションは、これらの界面において、隣接セクションのうちの第1セクションの第1シート部材と、隣接セクションのうちの第2セクションの第2シート部材とを含み、前記第1シート部材と前記第2シート部材は、その界面において前記シート部材対としてマッチキャストされており、前記シート部材対がマッチキャストされた相対位置と同じ相対位置で互いに着座して
おり、
前記隣接セクションのうちの前記第1隣接セクションは、前記第1シート部材から長手方向に上方に突出するマッチキャスト硬化性材料によって形成されたキャスト中間セグメントを含み、
前記隣接セクションのうちの前記第2隣接セクションは、前記第2シート部材から長手方向に下方に突出するマッチキャスト硬化性材料によって形成されたキャスト中間セグメントを含む、長尺状タワー。
【請求項9】
長尺状部材の長手方向に当接して配置された複数の順次並べられたセクションから構成される
風力タワー用の長尺状部材を組み立てる方法であって、前記方法は、
a.それぞれが下部シート部材と上部シート部材とを含む複数のシート部材対を、
i.前記各シート部材対の前記上部シート部材を、シート部材型枠内に硬化性材料を導入することによって、その下部シート部材の上にキャストし、各シート部材対の上部シート部材と下部シート部材のマッチキャスト面がそれらの間の界面に形成され、各シート部材対の上部シート部材と下部シート部材が互いに当接して着座できるようにすることによって、次のように形成するステップと、
b.前記各シート部材対の前記上部シート部材を前記下部シート部材から分離するステップと、
c.複数のセクション型枠を配置するステップであって、前記各セクション型枠について、前記シート部材対の前記上部シート部材がその底部に配置され、後続の前記シート部材対の前記下部シート部材がその上部に配置される、前記ステップと、
d.前記各セクション型枠の前記下部シート部材と前記上部シート部材との間に中間セグメントをキャストし、その中に硬化性材料を導入することによって、順次並べられた複数のセクションを形成するステップと、
e.前記長尺状部材を画定するために、前記各シート部材対の前記マッチキャスト面が再結合され、互いに当接して着座し、前記長尺状部材を画定するようなシーケンスで、順次並べられたセクションを配置するステップと、を含む、方法。
【請求項10】
前記シート部材型枠内に前記硬化性材料を導入することによって、前記複数のシート部材対の各々の前記下部シート部材をキャストするステップをさらに含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
前記ステップ(i)の直前に、前記シート部材型枠内に硬化性材料を導入することによって、前記複数のシート部材対の各々の前記下部シート部材をキャストするステップをさらに含む、請求項
9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記シート部材型枠は前記セクション型枠として再利用され、前記各セグメントの高さはそれぞれの前記上部シート部材と前記下部シート部材の合計高さと同じかそれ以下になる、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項13】
長尺状部材の長手方向に当接して配置された複数の順次並べられたセクションから
風力タワー用の長尺状部材を組み立てる方法であって、前記方法は、
a.それぞれ下部シート部材と上部シート部材とを備え、これらのシート部材間の界面にマッチキャスト面を備え、互いに当接して着座する複数のシート部材対を提供するステップと、
b.複数のセクション型枠を配置するステップであって、前記各セクション型枠について、前記シート部材対の前記上部シート部材がその底部に配置され、後続の前記シート部材対の前記下部シート部材がその上部に配置される、前記ステップと、
c.前記各セクション型枠の前記下部シート部材と前記上部シート部材との間に中間セグメントをキャストし、その中に前記硬化性材料を導入することによって、順次並べられた一連のセクションを形成するステップと、
d.長尺状部材を画定するために、前記順次並べられたマッチキャストセクションを順次並べられたシーケンスで配置し、前記複数のシート部材対のそれぞれのマッチキャスト表面が再結合され、複数のシート部材対の各々のマッチキャスト面が再結合され、互いに当接して着座し、前記長尺状部材を画定するようにするステップと、を含む、方法。
【請求項14】
長尺状部材の長手方向に当接して配置された順次並べられた前記セクションから構成される
風力タワー用の長尺状部材のセクション又は長尺状部材用のセクションであって、前記セクションは、
セクション型枠の内部および/又は反対側の端部
に垂直に配置された下部シート部材と上部シート部材との間に画定されたセクション型枠の空隙に硬化性材料を導入することによって形成された中間セグメントであって、前記シート部材は、前記中間セグメントが硬化されるとセクションの一部を形成する、前記中間セグメントを含み、
前記下部シート部材および前記上部シート部材はそれぞれ、前記一連のセクションの別のセクション又は複数のセクションの前記シート部材の対応する外側向きマッチキャスト面と当接するように着座するように構成された外側向きマッチキャスト面を備え、前記外側向きマッチキャスト面は、それによって、前記セクションの反対側の端部を画定して、前記一連のセクションの別のセクション又は複数のセクションとの連続的な当接を可能にする、セクション。
【請求項15】
複数の当接セクションから風力タワー用の長尺状部材を構築する方法であって、
a.前記硬化性材料を前記第2シート部材に対してキャストすることによって第1シート部材を形成し、前記第1シート部材と前記第2シート部材との界面において、前記第1シート部材と前記第2シート部材のそれぞれのマッチキャスト面を画定するステップと、
b.前記第1シート部材
の上に第1セクションセグメントをマッチキャストし、前記第1シート部材から離れて長手方向に前記第1セクションセグメントを
上向きに突出させることによって、前記セクションのうちの第1セクションを形成するステップであって、前記前記第1シート部材のマッチキャスト表面は前記第1セクションの
底端に現れる、前記ステップと、
c.硬化性材料を使用して、前記第2シート部材に対して第2セクションセグメントをマッチキャストし、前記第2シート部材から離れて長手方向に前記第2セクションセグメントを
上向きに突出させることによって前記セクションのうちの第2セクションを形成するステップであって、前記第2シート部材の前記マッチキャスト表面は前記第2セクションの
上端に現れる、前記ステップと、
d.前記第1シート部材の前記マッチキャスト面が前記第2シート部材の前記マッチキャスト面に当接するように、前記第1セクションを前記第2セクションに対して積み重ねるステップと、を含む、方法。
【請求項16】
前記積み重ねは垂直方向に行われる、請求項
15に記載の方法。
【請求項17】
請求項
14に記載の複数のセクションから構成される風力タワー。
【国際調査報告】