(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-09
(54)【発明の名称】磁粉成形装置および磁粉成形方法
(51)【国際特許分類】
B30B 11/04 20060101AFI20241226BHJP
B30B 11/02 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
B30B11/04
B30B11/02 F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023530305
(86)(22)【出願日】2023-04-03
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-12-05
(85)【翻訳文提出日】2023-05-18
(86)【国際出願番号】 CN2023085833
(87)【国際公開番号】W WO2024124748
(87)【国際公開日】2024-06-20
(31)【優先権主張番号】202211625287.8
(32)【優先日】2022-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517409583
【氏名又は名称】エーエーシー マイクロテック(チャンヂョウ)カンパニー リミテッド
【住所又は居所原語表記】No.3 changcao road, Hi-TECH Industrial Zone, Wujin District, Changzhou City, Jiangsu Province, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】110000040
【氏名又は名称】弁理士法人池内アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ワン、チュンジン
(72)【発明者】
【氏名】チィェン、リン
(72)【発明者】
【氏名】ヂゥー、シュエユァン
(72)【発明者】
【氏名】ヂゥー、チーファン
(57)【要約】
【課題】本発明は、磁粉成形装置および磁粉成形方法を開示する。
【解決手段】磁粉成形装置は、フレームと、フレームに設けられた金型昇降機構、押圧板圧着機構、パンチ成形機構および高さロック機構とを含み、金型昇降機構は、金型と、金型の往復昇降を駆動するための第1駆動部材とを含み、押圧板圧着機構は、押圧板と、押圧板の昇降を駆動するための第2駆動部材とを含み、パンチ成形機構は、パンチと、パンチの昇降を駆動する第3駆動部材とを含み、高さロック機構は、第1ロック部材と、第2ロック部材とを含み、第1ロック部材は、押圧板をロックまたは解放するために用いられ、第2ロック部材は、パンチをロックまたは解放するために用いられる。本発明によれば、磁粉体の充填密度を均一に維持し、磁粉体の高さ方向での密度分布差を減少させるとともに、金型の上昇高さが調整可能となり、かつ押圧板およびパンチの任意の高さでのロックを実現することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁粉成形装置であって、
フレームと、フレームに設けられた金型昇降機構、押圧板圧着機構、パンチ成形機構および高さロック機構とを含み、
前記金型昇降機構は、金型と、前記金型の往復昇降を駆動するための第1駆動部材とを含み、前記金型の頂部には、成形キャビティが形成され、
前記押圧板圧着機構は、前記金型の昇降に追従して同期して昇降し、前記押圧板圧着機構は、押圧板と、前記押圧板の昇降を駆動するための第2駆動部材とを含み、前記押圧板には、通過溝が開設され、前記通過溝は、前記成形キャビティに対応し、
前記パンチ成形機構は、パンチと、前記パンチの昇降を駆動する第3駆動部材とを含み、前記パンチは、前記通過溝を通過した後に前記成形キャビティ内に延在して成形係合を形成可能であり、
前記高さロック機構は、第1ロック部材および第2ロック部材を含み、前記第1ロック部材は、前記押圧板をロックまたは解放することにより、前記押圧板の高さ位置をロックするために用いられ、前記第2ロック部材は、前記パンチをロックまたは解放することにより、前記パンチの高さ位置をロックするために用いられることを特徴とする磁粉成形装置。
【請求項2】
前記フレームは、台座と、第1ガイドロッドと、天板とを含み、前記第1ガイドロッドの底端が前記台座に固定され、前記第1ガイドロッドの頂端が前記天板に固定接続されている、請求項1に記載の磁粉成形装置。
【請求項3】
前記第1駆動部材は、第1駆動モータと、回転盤と、ローラとを含み、前記第1駆動モータの出力軸の末端は、前記回転盤に接続され、前記回転盤の軸線は、前記第1駆動モータの出力軸の軸線と重なり合い、前記ローラは、回転盤の盤面に偏心して設けられ、前記金型は、底板と、金型本体と、接続板とを含み、前記金型本体は、前記底板に固定され、前記底板は、前記第1ガイドロッドにガイド係合され、前記接続板は、一端が前記底板に接続され、他端が前記ローラに当接している、請求項2に記載の磁粉成形装置。
【請求項4】
前記回転盤の周方向には、前記回転盤の回転角度を測定するためのコードホイールが設けられている、請求項3に記載の磁粉成形装置。
【請求項5】
前記第2駆動部材は、第1駆動エアシリンダと、第2ガイドロッドと、第1ブラケットとを含み、前記第2ガイドロッドの底端は、前記底板に接続され、前記第1ブラケットは、前記金型の上方に位置し、前記第1駆動エアシリンダは、前記第1ブラケットの頂部に固定され、前記第1駆動エアシリンダのピストンロッドは、下向きに延在し、前記第1駆動エアシリンダのピストンロッドの末端は、前記第2ガイドロッドの頂端に接続され、前記押圧板は、前記第1ブラケットの底部に固定され、前記押圧板は、前記第2ガイドロッドにガイド係合されている、請求項3に記載の磁粉成形装置。
【請求項6】
前記第1駆動エアシリンダおよび前記第2ガイドロッドは、いずれも2つ設けられ、2つの前記第1駆動エアシリンダおよび2つの第2ガイドロッドは、いずれも間隔を隔てて平行に設けられ、前記第1駆動エアシリンダの位置は、前記第2ガイドロッドの位置に対応している、請求項5に記載の磁粉成形装置。
【請求項7】
前記第3駆動部材は、第1駆動電動シリンダおよび第2ブラケットを含み、前記第1ブラケット内には、収容空間が形成され、前記第2ブラケットは、前記収容空間内に収容され、前記第1駆動電動シリンダは、前記天板に固定され、前記パンチは、前記第2ブラケットの底部に固定され、前記第1駆動電動シリンダの出力軸は、下向きに延在して前記第1ブラケットと前記第2ブラケットとを順次貫通した後に前記パンチに接続されている、請求項5に記載の磁粉成形装置。
【請求項8】
前記第3駆動部材は、第3ガイドロッドを更に含み、前記第3ガイドロッドは、前記押圧板に固定され、前記第2ブラケットは、前記第3ガイドロッドにガイド係合されている、請求項7に記載の磁粉成形装置。
【請求項9】
前記第1ロック部材は、前記第1ブラケットに固定され、前記第2ロック部材は、前記第2ブラケットに固定され、前記第1駆動電動シリンダの出力軸は、前記第1ロック部材と前記第2ロック部材とを順次貫通して設けられる、請求項7に記載の磁粉成形装置。
【請求項10】
請求項1~9のいずれかに記載の磁粉成形装置を用いて磁粉の成形を行う磁粉成形方法であって、前記磁粉成形方法は、
前記金型を所定の高さ位置に設けるステップS100と、
前記第2駆動部材が作動して、押圧板が前記金型に押し当てられるまで、前記押圧板を下降駆動させ、前記金型を圧着するステップS101と、
前記第3駆動部材が作動して、前記パンチを下降駆動させ、前記パンチが所定の高さまで下降し、前記高さロック機構が作動して、前記パンチの位置が固定されるステップS102と、
前記第1駆動部材が作動して、設定された高さおよび速度で、前記金型を往復昇降させるように駆動するステップS103と、
前記金型、前記押圧板および前記パンチが初期位置に戻るステップS104と、
前記金型内に成形された磁粉体を取り出し、フローが完了するステップS105と、を含むことを特徴とする磁粉成形方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉末成形技術分野に関し、特に磁粉成形装置および磁粉成形方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在では、電子部品の高周波化および小型化の傾向に伴い、インダクタ部品に対する要求がますます厳しくなり、インダクタ部品の磁粉体の成形品質に対する要求もますます高くなっている。
【0003】
従来技術において、磁粉体の成形は、磁粉を金型の成形キャビティ内に充填し、パンチが成形キャビティ内に延在して磁粉に成形圧力を加えることによるものであった。この過程で、金型が上下に振動する必要があり、一般的には、エアシリンダが金型とパンチとの上昇を駆動し、下降高さが衝突ブロック構造により設定されることによって、往復運動を実現することであり、金型の持ち上げ高さがエアシリンダによって制御され、精度がプロセスの要求を満たすことができなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来技術における技術課題を解決するために、磁粉成形装置および磁粉成形方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1態様において、本発明は、磁粉成形装置を提供し、該磁粉成形装置は、フレームと、フレームに設けられた金型昇降機構、押圧板圧着機構、パンチ成形機構および高さロック機構とを含み、
前記金型昇降機構は、金型と、前記金型の往復昇降を駆動するための第1駆動部材とを含み、前記金型の頂部には、成形キャビティが形成され、
前記押圧板圧着機構は、前記金型の昇降に追従して同期して昇降し、前記押圧板圧着機構は、押圧板と、前記押圧板の昇降を駆動するための第2駆動部材とを含み、前記押圧板には、通過溝が開設され、前記通過溝は、前記成形キャビティに対応し、
前記パンチ成形機構は、パンチと、前記パンチの昇降を駆動する第3駆動部材とを含み、前記パンチは、前記通過溝を通過した後に前記成形キャビティ内に延在して成形係合を形成可能であり、
前記高さロック機構は、第1ロック部材および第2ロック部材を含み、前記第1ロック部材は、前記押圧板をロックまたは解放することにより、前記押圧板の高さ位置をロックするために用いられ、前記第2ロック部材は、前記パンチをロックまたは解放することにより、前記パンチの高さ位置をロックするために用いられる。
【0006】
前記のような磁粉成形装置であって、ここで、好ましくは、前記フレームは、台座と、第1ガイドロッドと、天板とを含み、前記第1ガイドロッドの底端が前記台座に固定され、前記第1ガイドロッドの頂端が前記天板に固定接続されている。
【0007】
前記のような磁粉成形装置であって、ここで、好ましくは、前記第1駆動部材は、第1駆動モータと、回転盤と、ローラとを含み、前記第1駆動モータの出力軸の末端は、前記回転盤に接続され、前記回転盤の軸線は、前記第1駆動モータの出力軸の軸線と重なり合い、前記ローラは、回転盤の盤面に偏心して設けられ、前記金型は、底板と、金型本体と、接続板とを含み、前記金型本体は、前記底板に固定され、前記底板は、前記第1ガイドロッドにガイド係合され、前記接続板は、一端が前記底板に接続され、他端が前記ローラに当接している。
【0008】
前記のような磁粉成形装置であって、ここで、好ましくは、前記回転盤の周方向には、前記回転盤の回転角度を測定するためのコードホイールが設けられている。
【0009】
前記のような磁粉成形装置であって、ここで、好ましくは、前記第2駆動部材は、第1駆動エアシリンダと、第2ガイドロッドと、第1ブラケットとを含み、前記第2ガイドロッドの底端は、前記底板に接続され、前記第1ブラケットは、前記金型の上方に位置し、前記第1駆動エアシリンダは、前記第1ブラケットの頂部に固定され、前記第1駆動エアシリンダのピストンロッドは、下向きに延在し、前記第1駆動エアシリンダのピストンロッドの末端は、前記第2ガイドロッドの頂端に接続され、前記押圧板は、前記第1ブラケットの底部に固定され、前記押圧板は、前記第2ガイドロッドにガイド係合されている。
【0010】
上記のような磁粉成形装置であって、ここで、好ましくは、前記第1駆動エアシリンダおよび前記第2ガイドロッドは、いずれも2つ設けられ、2つの前記第1駆動エアシリンダおよび2つの第2ガイドロッドは、いずれも間隔を隔てて平行に設けられ、前記第1駆動エアシリンダの位置は、前記第2ガイドロッドの位置に対応している。
【0011】
上記のような磁粉成形装置であって、ここで、好ましくは、前記第3駆動部材は、第1駆動電動シリンダおよび第2ブラケットを含み、前記第1ブラケット内には、収容空間が形成され、前記第2ブラケットは、前記収容空間内に収容され、前記第1駆動電動シリンダは、前記天板に固定され、前記パンチは、前記第2ブラケットの底部に固定され、前記第1駆動電動シリンダの出力軸は、下向きに延在して前記第1ブラケットと前記第2ブラケットとを順次貫通した後に前記パンチに接続されている。
【0012】
上記のような磁粉成形装置であって、ここで、好ましくは、前記第3駆動部材は、第3ガイドロッドを更に含み、前記第3ガイドロッドは、前記押圧板に固定され、前記第2ブラケットは、前記第3ガイドロッドにガイド係合されている。
【0013】
上記のような磁粉成形装置であって、ここで、好ましくは、前記第1ロック部材は、前記第1ブラケットに固定され、前記第2ロック部材は、前記第2ブラケットに固定され、前記第1駆動電動シリンダの出力軸は、前記第1ロック部材と前記第2ロック部材とを順次貫通して設けられる。
【0014】
第2態様において、本発明は、前記磁粉成形装置を利用して磁粉の成形を行う磁粉成形方法を提供し、前記磁粉成形方法は、
前記金型を所定の高さ位置に設けるステップS100と、
前記第2駆動部材が作動して、押圧板が前記金型に押し当てられるまで、前記押圧板を下降駆動させ、前記金型を圧着するステップS101と、
前記第3駆動部材が作動して、前記パンチを下降駆動させ、前記パンチが所定の高さまで下降し、前記高さロック機構が作動して、前記パンチの位置が固定されるステップS102と、
前記第1駆動部材が作動して、設定された高さおよび速度で、前記金型を往復昇降させるように駆動するステップS103と、
前記金型、前記押圧板および前記パンチが初期位置に戻るステップS104と、
前記金型内に成形された磁粉体を取り出し、フローが完了するステップS105と、を含む。
【発明の効果】
【0015】
従来技術に比べて、本発明は、金型昇降機構および高さロック機構を設けることにより、金型を往復昇降させるようにし、それにより磁粉体の充填密度を均一に維持し、磁粉体の高さ方向での密度分布差を減少させることができるとともに、金型の上昇高さが調整可能となり、かつ押圧板およびパンチの任意の高さでのロックを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に図面を参照して説明した実施例は、例示的なものであり、本発明を説明するためのものに過ぎず、本発明を限定するものと解釈することができない。
【0018】
図1~
図3に示すように、本発明の実施例は、磁粉成形装置を提供し、該磁粉成形装置は、フレーム10と、フレーム10に設けられた金型昇降機構20、押圧板圧着機構30、パンチ成形機構40および高さロック機構50とを含む。
【0019】
金型昇降機構20は、金型21と、金型21の往復昇降を駆動するための第1駆動部材とを含み、金型21の頂部には、成形キャビティ215が形成され、磁粉は、成形キャビティ215内に充填されて磁粉体に成形され、第1駆動部材は、金型21を往復昇降させるように駆動することができ、それにより磁粉体の充填密度を均一に維持し、磁粉体の高さ方向での密度分布差を減少させるようにする。
【0020】
押圧板圧着機構30は、金型21の昇降に追従して同期して昇降し、押圧板圧着機構30は、押圧板31と、押圧板31の昇降を駆動するための第2駆動部材とを含み、押圧板圧着機構30が金型昇降機構20の上方に位置し、押圧板31が所定の高さまで下降した後、押圧板31の底部が金型21の頂部に押し当て、押圧板31の底面が金型21の頂面と貼り合わせることになり、第1駆動部材が金型21を昇降駆動する場合、押圧板31は、金型21と共に往復昇降可能であり、押圧板31には、通過溝が開設され、通過溝は、成形キャビティ215に対応し、通過溝が成形キャビティ215の上方に位置し、通過溝の内径が成形キャビティ215の内径より大きい。
【0021】
パンチ成形機構40は、パンチ41と、パンチ41を昇降駆動する第3駆動部材とを含み、パンチ成形機構40が押圧板圧着機構30の上方に位置し、開始状態で、パンチ41は、押圧板31の上方に位置し、パンチ41の外輪郭面は、成形キャビティ215の内輪郭面に適合し、押圧板31は、金型21に押し当てた後、第3駆動部材は、作動して、パンチ41を所定の高さまで下降させることができる。
【0022】
高さロック機構50は、第1ロック部材51および第2ロック部材52を含み、第1ロック部材51は、押圧板31が任意の高さでロック可能にするように、押圧板31をロックまたは解放することに用いられ、第2ロック部材52は、パンチ41が任意の高さでロック可能にするように、パンチ41をロックまたは解放することに用いられる。
【0023】
本発明は、金型昇降機構20および高さロック機構50を設けることにより、金型21を往復昇降させるようにし、それにより磁粉体の充填密度を均一に維持し、磁粉体の高さ方向での密度分布差を減少させることができるとともに、金型21の上昇高さが調整可能となり、かつ押圧板31およびパンチ41の任意の高さでのロックを実現することができる。
【0024】
本願に係る実施例において、
図1および
図3に示すように、フレーム10は、台座11と、第1ガイドロッド12と、天板13とを含み、第1ガイドロッド12は、2つ設けられ、2つの第1ガイドロッド12は、互いに平行に設けられ、第1ガイドロッド12は、重力方向に沿って延在し、第1ガイドロッド12の底端が台座11に固定され、第1ガイドロッド12の頂端が天板13に固定接続され、天板13と台座11との間には、補強板14が更に設けられ、補強板14の両端はそれぞれ、天板13および台座11に接続され、それによりフレーム10全体の強度を補強する。
【0025】
図1に示すように、第1駆動部材は、第1駆動モータ22と、回転盤23と、ローラ24とを含み、第1駆動モータ22は、モータ固定台により台座11に固定され、第1駆動モータ22の出力軸は、水平方向に沿って延在し、第1駆動モータ22の出力軸の末端は、回転盤23に接続され、回転盤23の軸線は、第1駆動モータ22の出力軸の軸線と重なり合い、ローラ24は、回転盤23の盤面に偏心して設けられる。
【0026】
図3に示すように、金型21は、底板211と、金型本体214と、接続板216とを含み、成形キャビティ215が金型本体214内に設けられ、金型本体214が底板211に固定され、底板211の第1ガイドロッド12に対応する位置には、第1通過孔212が設置され、第1通過孔212内には、第1スリーブ213が固定され、第1ガイドロッド12が第1スリーブ213内に隙間係合され、それにより底板211が第1ガイドロッド12にガイド係合され、接続板216は、一端が底板211に接続され、他端がローラ24に当接し、第1駆動モータ22が作動して回転盤23を回転駆動し、接続板216がローラ24に常時押し当てられるため、動力がローラ24を介して接続板216に伝達され、それにより金型本体214が往復昇降するように駆動される。
【0027】
本願に係る実施例において、
図1および
図3に示すように、回転盤23の周方向には、回転盤23の回転角度を測定するためのコードホイール25が設けられ、実行可能な実施形態において、コードホイール25の面には、間隔を隔ててリング状に設けられる複数の切り欠きが設けられ、コードホイール25の一方側の光源から光線を発光し、更にコードホイール25の他方側の光電変換素子により受信されて対応する電気信号に変換され、それによりコードホイール25の回転角度が算出され、金型本体214の昇降高さを得ることもできる。
【0028】
本願に係る実施例において、
図1および
図3に示すように、第2駆動部材は、第1駆動エアシリンダ32と、第2ガイドロッド33と、第1ブラケット34とを含み、第2ガイドロッド33の底端は、底板211に接続され、第1ブラケット34は、金型21の上方に位置し、第1駆動エアシリンダ32のシリンダ本体は、第1ブラケット34の頂部に固定され、第1駆動エアシリンダ32のピストンロッドは、下向きに延在し、第1駆動エアシリンダ32のピストンロッドの末端は、カップリングを介して第2ガイドロッド33の頂端に接続され、押圧板31は、第1ブラケット34の底部に固定され、押圧板31の第2ガイドロッド33に対応する位置には、第2通過孔35が設けられ、第2通過孔35内には、第2スリーブ36が固定され、第2ガイドロッド33は、第2スリーブ36内に隙間係合され、それにより押圧板31は、第2ガイドロッド33にガイド係合される。
【0029】
第1駆動エアシリンダ32が作動して、第1駆動エアシリンダ32のピストンロッドが伸縮し、この場合、第1駆動エアシリンダ32のピストンロッドの末端が第1ガイドロッド12に固定接続され、かつ第1駆動エアシリンダ32のシリンダ本体が第1ブラケット34に固定されているため、第1ブラケット34が昇降駆動され、それによって押圧板31も昇降駆動される。
【0030】
さらに、第1駆動シリンダ32および第2ガイドロッド33は、いずれも2つ設けられ、2つの第1駆動シリンダ32および2つの第2ガイドロッド33は、いずれも間隔を隔てて平行に設けられ、第1駆動シリンダ32の位置は、第2ガイドロッド33の位置に対応し、それにより押圧板31に均一で安定した圧力を提供でき、それにより押圧板31の下降過程において水平状態を維持することができる。
【0031】
本願に係る実施例において、第3駆動部材は、第1駆動電動シリンダ42および第2ブラケット43を含み、第1ブラケット34は、フレーム式構造であり、第1ブラケット34内には、収容空間37が形成され、第2ブラケット43は、収容空間37内に収容され、第1駆動電動シリンダ42は、天板13に固定され、第1駆動電動シリンダ42の出力軸は、下向きに延在し、第1ブラケット34および第2ブラケット43は、いずれも第1駆動電動シリンダ42の下方に設けられ、パンチ41は、第2ブラケット43の底部に固定され、第1駆動電動シリンダ42の出力軸は、下向きに延在して第1ブラケット34および第2ブラケット43を順次貫通した後にパンチ41に接続され、第1駆動電動シリンダ42は、作動して、パンチ41を昇降駆動する。
【0032】
さらに、第3駆動部材は、第3ガイドロッド44を更に含み、第3ガイドロッド44が、押圧板31に固定され、第3ガイドロッド44が重力方向に沿って延在し、第1ブラケット34の第3ガイドロッド44に対応する位置には、スルーホールが設けられ、それにより第3ガイドロッド44の昇降に対する干渉が回避され、第2ブラケット43の第3ガイドロッド44に対応する位置には、第3通過孔45が設けられ、第3通過孔45内には、第3スリーブ46が固定され、第3ガイドロッド44が第3スリーブ46内に隙間係合されることにより、第2支持ブラケットが第3ガイドロッド44にガイド係合され、それによりパンチ41の下降過程において水平状態を維持することができる。
【0033】
本願に係る実施例では、第1ロック部材51は、第1ブラケット34に固定され、第2ロック部材52は、第2ブラケット43に固定され、第1駆動電動シリンダ42の出力軸は、第1ロック部材51および第2ロック部材52を順次貫通して設けられる。実行可能な実施形態において、第1ロック部材51および第2ロック部材52は、いずれも空気圧ロック装置を採用し、空気圧ロック装置の構造は、従来技術における内容を参照可能であり、ここで説明を省略し、第1ブラケット34および第2ブラケット43に対するロックおよび解放を実現すればよい。
【0034】
上記実施例に係る磁粉成形装置に基づいて、本発明は、磁粉成形方法を更に提供し、前記磁粉成形方法は、
金型21を所定の高さ位置に設けるステップS100と、
第2駆動部材が作動して、押圧板31が金型21に押し当てられるまで、押圧板31を下降駆動させ、金型21を圧着するステップS101と、
第3駆動部材が作動して、パンチ41を下降駆動させ、パンチ41が所定の高さまで下降し、高さロック機構50が作動して、パンチ41の位置が固定されるステップS102と、
第1駆動部材が作動して、設定された高さおよび速度で、金型21を往復昇降させるように駆動するステップS103と、
金型21、押圧板31およびパンチ41が初期位置に戻るステップS104と、
金型21内に成形された磁粉体を取り出し、フローが完了するステップS105と、を含む。
【0035】
本磁粉成形方法は、金型の往復昇降を利用することによって、磁粉体の充填密度を均一に維持し、磁粉体の高さ方向での密度分布差を減少させることができるとともに、金型の上昇高さが調整可能となり、かつ押圧板およびパンチの任意の高さでのロックを実現することができる。
【0036】
以上は、本発明の構造、特徴および作用効果を図面に示す実施例に基づいて詳細に説明したが、上記したのは、本発明の好ましい実施例だけであり、本発明は、図面に示される実施範囲を限定せず、本発明の思想に加えられた変更、または同等の変化である同等の実施例への修正は、依然として明細書および図面に含まれる精神を超えない場合、いずれも本発明の保護範囲内にあるべきである。
【符号の説明】
【0037】
10 フレーム
11 台座
12 第1ガイドロッド
13 天板
14 補強板
20 金型昇降機構
21 金型
211 底板
212 第1通過孔
213 第1スリーブ
214 金型本体
215 成形キャビティ
216 接続板
22 第1駆動モータ
23 回転盤
24 ローラ
25 コードホイール
30 押圧板圧着機構
31 押圧板
32 第1駆動エアシリンダ
33 第2ガイドロッド
34 第1ブラケット
35 第2通過孔
36 第2スリーブ
37 収容空間
40 パンチ成形機構
41 パンチ
42 第1駆動電動シリンダ
43 第2ブラケット
44 第3ガイドロッド
45 第3通過孔
46 第3スリーブ
50 高さロック機構
51 第1ロック部材
52 第2ロック部材
【国際調査報告】