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特表2025-500112エラストグラフィーおよび/またはイメージングデバイスのためのアタッチメント
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-09
(54)【発明の名称】エラストグラフィーおよび/またはイメージングデバイスのためのアタッチメント
(51)【国際特許分類】
   A61B 10/00 20060101AFI20241226BHJP
   G01N 21/17 20060101ALI20241226BHJP
   G01N 29/06 20060101ALI20241226BHJP
   G01N 29/24 20060101ALI20241226BHJP
   G01N 24/00 20060101ALI20241226BHJP
   A61B 8/00 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
A61B10/00 E
G01N21/17 620
G01N29/06
G01N29/24
G01N24/00 100Y
A61B8/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523926
(86)(22)【出願日】2022-10-18
(85)【翻訳文提出日】2024-06-18
(86)【国際出願番号】 AU2022051251
(87)【国際公開番号】W WO2023064982
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】2021903355
(32)【優先日】2021-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】523377612
【氏名又は名称】オンコレス メディカル ピーティーワイ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】OncoRes Medical Pty Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ブレンダン・ケネディ
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・ウィジェシンゲ
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ・アンスティ
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・ファース
(72)【発明者】
【氏名】ルーク・フルワー
【テーマコード(参考)】
2G047
2G059
4C601
【Fターム(参考)】
2G047AA12
2G047AC13
2G047BA03
2G047BC13
2G047GA01
2G047GH06
2G059AA03
2G059AA05
2G059DD11
2G059EE02
2G059FF05
4C601DD19
4C601DD23
4C601EE09
4C601GC01
(57)【要約】
本開示は、エラストグラフィーおよび/またはイメージングデバイスのためのアタッチメントを提供する。デバイスは、サンプル材料に向けた電磁放射線または音波の透過のための透過部分を有している。アタッチメントは、アタッチメントをデバイスに固定するための固定部分を含む。アタッチメントは、固定部分に連結されているセンシング部分をさらに含む。センシング部分は、電磁放射線または音波に対して少なくとも部分的に透過性である変形可能なセンシング層を受け入れるように適合されている。アタッチメントは、デバイスに取り付けられて、センシング層がセンシング部分において受け入れられるときに、電磁放射線が使用中にセンシング層を通して透過されるか、または、音波がセンシング層を通してサンプル材料に向けて透過されるように配置されており、荷重がセンシング層を通してサンプル材料に印加されるときに、センシング層が変形するように配置されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エラストグラフィーおよび/またはイメージングデバイスのためのアタッチメントであって、前記デバイスは、サンプル材料に向けた電磁放射線または音波の透過のための透過部分を有しており、前記アタッチメントは、
前記アタッチメントを前記デバイスに固定するための固定部分と、
前記固定部分に連結されているセンシング部分であって、前記センシング部分は、前記電磁放射線または前記音波に対して少なくとも部分的に透過性である変形可能なセンシング層を受け入れるように適合されている、センシング部分と、
を含み、
前記アタッチメントは、前記デバイスに取り付けられて、前記センシング層が前記センシング部分において受け入れられるときに、前記電磁放射線が使用中に前記センシング層を通して透過されるか、または、前記音波が前記センシング層を通して前記サンプル材料に向けて透過されるように配置されており、荷重が前記センシング層を通して前記サンプル材料に印加されるときに、前記センシング層が変形するように配置されている、アタッチメント。
【請求項2】
前記アタッチメントは、前記デバイスに取り付けられて、前記センシング層が前記センシング部分において受け入れられているときに、前記電磁放射線が使用中に前記センシング層を通して透過されるか、または、前記音波が前記センシング層を通して前記サンプル材料に向けて透過されるように配置されており、前記荷重が前記センシング層を通して前記サンプル材料に印加されるときに、前記センシング層が前記デバイスの長手方向軸線に対して横方向に膨張するように配置されている、請求項1に記載のアタッチメント。
【請求項3】
前記センシング層は、大部分が非圧縮性の体積を有する材料を含む、請求項2に記載のアタッチメント。
【請求項4】
前記デバイスは、プローブを含み、前記アタッチメントは、前記プローブへの取り付けのために配置されている、請求項1から3のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項5】
前記センシング層を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項6】
前記センシング層は、可撓性材料のストラップまたは層を使用して前記センシング部分において位置付けされている、請求項5に記載のアタッチメント。
【請求項7】
前記センシング層は、前記可撓性材料の前記層またはストラップ同士の間に挟まれている、請求項6に記載のアタッチメント。
【請求項8】
前記アタッチメントは、前記センシング層と前記センシング層が使用中に接触している前記デバイスのコンポーネントとの間の摩擦を低減させるために、前記センシング層において潤滑材料をさらに含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項9】
前記アタッチメントは、キャビティーを含み、前記荷重が前記センシング層を通して前記サンプル材料に印加されるときに、前記層は、前記キャビティーの中へ横方向に膨張することが可能である、請求項1から8のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項10】
前記アタッチメントは、キャビティーを含み、前記荷重が前記センシング層を通して前記サンプル材料に印加されるときに、前記潤滑材料は、前記キャビティーの中へ侵入することが可能である、請求項1から9のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項11】
前記アタッチメントは、前記センシング部分において端部部分を含み、前記端部部分は、内向きに突出している突出部を有する波状の縁部を含み、前記突出部は、凹部によって分離されており、前記端部部分は、軸線方向荷重が前記センシング層を通して前記サンプル材料に印加されるときに、前記センシング層の一部分が前記突出部間において前記凹部の中へまたは前記凹部を通って横方向に膨張することができるように配置されている、請求項1から10のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項12】
前記アタッチメントは、前記センシング部分において端部部分を含み、前記端部部分は、内向きに突出している突出部を有する波状の縁部を含み、前記突出部は、凹部によって分離されており、前記端部部分は、軸線方向荷重が前記センシング層を通して前記サンプル材料に印加されるときに、前記潤滑材料が前記突出部間において前記凹部の中へまたは前記凹部を通って侵入することができるように配置されている、請求項8に記載のアタッチメント。
【請求項13】
前記アタッチメントの断面形状は、前記センシング層が前記アタッチメントによって受け入れられているときに、おおよそU字形状である、請求項1から12のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項14】
前記アタッチメントは、概して円筒状の形状を有している、請求項1から13のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項15】
前記固定部分は、前記デバイスの側部部分と係合するように配置されている少なくとも1つの側部部分を有しており、前記アタッチメントの前記センシング部分は、前記少なくとも1つの側部部分に連結されている底部部分である、請求項1から14のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項16】
前記アタッチメントは、前記デバイスに除去可能に取り付けるように適合されている、請求項1から15のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項17】
前記少なくとも1つの側部部分は、前記デバイスの前記側部部分の対応するロッキング部分とインターロックするように配置されているロッキング部分を含む、請求項15を引用する請求項16に記載のアタッチメント。
【請求項18】
前記アタッチメントの前記少なくとも1つの側部部分は、スナップフィットを使用して前記デバイスの前記側部部分と係合する、請求項17に記載のアタッチメント。
【請求項19】
前記アタッチメントの前記少なくとも1つの側部部分は、ツイストロックまたはルアーロックメカニズムを使用して、前記デバイスの前記側部部分と係合する、請求項17に記載のアタッチメント。
【請求項20】
前記アタッチメントの露出されたエリアの少なくとも一部分をカバーするように配置されている保護シースをさらに含む、請求項1から19のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項21】
前記保護シースは、前記アタッチメントが前記デバイスに取り付けられているときに、前記デバイスの露出されたエリアの少なくとも一部分に沿って延在している、請求項20に記載のアタッチメント。
【請求項22】
前記保護シースは、第1の保護シースであり、前記アタッチメントの露出されたエリアの少なくとも一部分をカバーするように配置されており、前記アタッチメントは、第2の保護シースをさらに含み、前記第2の保護シースは、前記アタッチメントが前記デバイスに取り付けられているときに、前記デバイスの露出されたエリアの少なくとも一部分をカバーするように配置されている、請求項20に記載のアタッチメント。
【請求項23】
前記アタッチメントの少なくとも外側表面部分は、生体適合性材料から形成されている、請求項1から22のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項24】
前記デバイスは、エラストグラフィーデバイスである、請求項1から23のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項25】
前記デバイスは、光学的エラストグラフィーデバイスである、請求項24に記載のアタッチメント。
【請求項26】
前記センシング部分において光学的なイメージングウィンドウをさらに含み、前記アタッチメントを備えた前記光学的エラストグラフィーデバイスは、前記エラストグラフィーデバイスから前記イメージングウィンドウを通して、そして、前記センシング層が受け入れられているときには、その後に前記センシング層を通して、前記サンプル材料に向けて、前記電磁放射線を方向付けるように配置されている、請求項25に記載のアタッチメント。
【請求項27】
前記光学的エラストグラフィーデバイスは、光コヒーレンス断層撮影エラストグラフィーデバイスである、請求項25または26に記載のアタッチメント。
【請求項28】
前記センシング層は、所定の変形依存性の光学的特性を有している、請求項25から27のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項29】
前記エラストグラフィーデバイスは、超音波デバイスである、請求項1から24のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項30】
前記エラストグラフィーデバイスは、MRIベースのデバイスである、請求項1から24のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項31】
前記デバイスは、ハンドヘルド式である、請求項1から29のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項32】
前記アタッチメントは、使い捨てである、請求項1から31のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項33】
前記センシング層は、シリコーン材料を含む、請求項1から32のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項34】
エラストグラフィーおよび/またはイメージングシステムであって、
サンプル材料に向けた電磁放射線または音波の透過のための透過部分を有するエラストグラフィーおよび/またはイメージングデバイスと、
前記デバイスに固定可能なアタッチメントであって、前記アタッチメントは、請求項1から33のいずれか一項に従って提供される、アタッチメントと、
前記センシング部分において前記アタッチメントに連結されている変形可能なセンシング層と、
を含み、
前記システムは、前記デバイスが使用されているときに、前記電磁放射線が前記センシング層を通して透過されるか、または、前記音波が前記センシング層を通して前記サンプル材料に向けて透過されるように配置されており、荷重が前記センシング層を通して前記サンプル材料に印加されるときに、前記センシング層が変形するように配置されている、エラストグラフィーおよび/またはイメージングシステム。
【請求項35】
前記システムは、前記電磁放射線が前記センシング層を通して透過されるか、または、前記音波が前記センシング層を通して前記サンプル材料に向けて透過されるように配置されており、前記荷重が前記センシング層を通して前記サンプル材料に印加されるときに、前記センシング層が前記エラストグラフィーデバイスの長手方向軸線に対して横方向に膨張するように配置されている、請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
前記アタッチメントは、大部分が非圧縮性の体積を有する可撓性材料を含む、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記デバイスは、前記サンプル材料に向けた電磁放射線または音波の透過のための端部部分を有する細長いプローブを含み、前記アタッチメントは、前記細長いプローブの前記端部部分に取り付けられている、請求項34または35に記載のシステム。
【請求項38】
前記センシング層のセンシング表面は、前記サンプル材料の表面エリアとの直接的にまたは間接的に接触した位置決めのために適合されている、請求項34から37のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項39】
前記エラストグラフィーデバイスは、光学的エラストグラフィーデバイスであり、前記センシング層は、所定の変形依存性の光学的特性を有している、請求項34から38のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項40】
前記エラストグラフィーシステムは、前記センシング層を通して前記サンプル材料に向けて前記電磁放射線または音波を透過させることに応答して、前記サンプル材料から前記センシング層を通して透過された電磁放射線または音波を検出することによって、前記サンプル材料の機械的特性が測定可能であるように配置されている、請求項39に記載のシステム。
【請求項41】
前記システムは、エラストグラフィーシステムであり、前記デバイスは、サンプル材料に向けた電磁放射線または音波の透過のための透過部分を有するエラストグラフィーデバイスである、請求項34から40のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項42】
前記システムは、光学的エラストグラフィーシステムであり、前記デバイスは、サンプル材料に向けた電磁放射線または音波の透過のための透過部分を有する光学的エラストグラフィーデバイスである、請求項41に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エラストグラフィーデバイスおよび/またはイメージングデバイスのためのアタッチメントに関し、より具体的には、これに限定されないが、光学的エラストグラフィーデバイスのための除去可能なアタッチメントに関する。
【背景技術】
【0002】
光学的なイメージング、超音波イメージング、および磁気共鳴イメージング(MRI)に基づくエラストグラフィー技法は、生物学的な組織などのサンプル材料の変形を特徴付けるために、ならびに、サンプルの剛性および他の機械的特性を評価するために、一般に使用されている。
【0003】
近年では、光コヒーレンス断層撮影(OCT)ベースのエラストグラフィーなどのようなエラストグラフィー技法において開発が進んでいる。本出願人は、サンプル材料の表面に対抗して圧縮されるコンプライアントセンシング層を使用する光学的エラストグラフィー技法を開発した。この技法は、PCT国際特許出願第PCT/AU2016/000019号に開示されており、その文献は、相互参照により本明細書に組み込まれている。本出願人は、光学的エラストグラフィーデバイスをさらに開発しており、それは、デジタルカメラベースのものであり、ハンドヘルド式であることが可能である。光学的エラストグラフィーデバイスを使用してサンプル材料の、弾性などの機械的特性を評価するためのこのデバイスおよび方法は、PCT国際特許出願第PCT/AU2019/051171号に開示されており、その文献も、相互参照により本明細書に組み込まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2016/119011号
【特許文献2】国際公開第2020/082133号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、さらなる改善を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、エラストグラフィーおよび/またはイメージングデバイスのためのアタッチメントであって、デバイスは、サンプル材料に向けた電磁放射線または音波の透過のための透過部分を有しており、アタッチメントは、
アタッチメントをデバイスに固定するための固定部分と、
固定部分に連結されているセンシング部分であって、センシング部分は、電磁放射線または音波に対して少なくとも部分的に透過性である変形可能なセンシング層を受け入れるように適合されている、センシング部分と、
を含み、
アタッチメントは、デバイスに取り付けられて、センシング層がセンシング部分において受け入れられるときに、電磁放射線が使用中にセンシング層を通して透過されるか、または、音波がセンシング層を通してサンプル材料に向けて透過されるように配置されており、荷重がセンシング層を通してサンプル材料に印加されるときに、センシング層が変形するように配置されている、アタッチメントが提供される。
【0007】
アタッチメントは、デバイスに取り付けられて、センシング層がセンシング部分において受け入れられているときに、電磁放射線が使用中にセンシング層を通して透過されるか、または、音波がセンシング層を通してサンプル材料に向けて透過されるように配置されており、荷重がセンシング層を通してサンプル材料に印加されるときに、センシング層がデバイスの長手方向軸線に対して横方向に膨張することができるように配置されることが可能である。
【0008】
センシング層は、1つの特定の実施形態では、大部分が非圧縮性の体積を有する材料を含む。しかし、代替的な実施形態において、センシング層は、少なくとも部分的に圧縮可能である材料を含むことも可能である。
【0009】
デバイスは、プローブを含むことが可能であり、アタッチメントは、プローブへの取り付けのために配置されることが可能である。
【0010】
アタッチメントは、センシング層を含むことが可能であり、センシング層は、センシング部分において位置付けされることが可能である。
【0011】
センシング層は、可撓性であり得る材料のストラップまたは層を使用して、センシング部分において位置付けされることが可能である。センシング層は、層またはストラップ同士の間に挟まれることが可能である。
【0012】
アタッチメントは、センシング層とセンシング層が使用中に接触する可能性のある可撓性材料または別の材料のストラップまたは層との間の摩擦を低減させるために、センシング層において潤滑材料をさらに含むことが可能である。
【0013】
アタッチメントは、キャビティーを含むことが可能であり、軸線方向荷重がセンシング層を通してサンプル材料に印加されるときに、センシング層は、キャビティーの中へ横方向に膨張することが可能であり、または、潤滑材料は、キャビティーの中へ侵入することが可能である。
【0014】
さらに、アタッチメントは、センシング部分において端部部分を含むことが可能であり、端部部分は、内向きに突出している突出部を有する波状の縁部を含み、突出部は、凹部によって分離されており、端部部分は、軸線方向荷重がセンシング層を通してサンプル材料に印加されるときに、センシング層の一部分が突出部間において凹部の中へまたは凹部を通って横方向に膨張することができるように、および/または、潤滑材料が侵入することができるように配置されている。
【0015】
アタッチメントの断面形状は、センシング層がアタッチメントによって受け入れられているときに、おおよそU字形状であることが可能である。
【0016】
アタッチメントは、概して円筒状の形状を有することが可能である。
【0017】
固定部分は、デバイスの側部部分と係合するように配置されている少なくとも1つの側部部分を有することが可能であり、アタッチメントのセンシング部分は、少なくとも1つの側部部分に連結されている底部部分であることが可能である。
【0018】
アタッチメントは、デバイスに除去可能に取り付けるように適合されることが可能である。
【0019】
アタッチメントの少なくとも1つの側部部分は、1つの実施形態では、ツイストロックまたはルアーロックメカニズムを使用してデバイスの側部部分と係合するように配置されている。この実施形態では、アタッチメントの側部部分は、キー溝またはキーを提供されることが可能であり、デバイスは、相補的なキーまたはキー溝を提供されることが可能である。代替的に、アタッチメントの側部部分は、少なくとも部分的にネジ山付きのボアを提供されることが可能であり、デバイスの側部部分は、相補的な外側ネジ山を提供されることが可能である。
【0020】
代替的に、少なくとも1つの側部部分は、オス型ロッキング部分を含むことが可能であり、オス型ロッキング部分は、デバイスの側部部分のメス型ロッキング部分とインターロックするように配置されている。
【0021】
アタッチメントの少なくとも1つの側部部分は、この実施形態では、スナップフィットを使用してデバイスの側部部分と係合するように配置されている。
【0022】
アタッチメントは、アタッチメントの露出されたエリアの少なくとも一部分をカバーするように配置されている保護シースをさらに含むことが可能であり、保護シースは、固定部分のエレメント間に、または、アタッチメントがデバイスに取り付けられているときには、固定部分およびデバイスのエレメント間にクランプされることが可能である。また、保護シースは、アタッチメントがデバイスに取り付けられているときに、デバイスの露出されたエリアの少なくとも一部分に沿って延在することが可能である。
【0023】
代替的な実施形態において、保護シースは、第1の保護シースであり、アタッチメントの露出されたエリアの少なくとも一部分をカバーするように配置されており、固定部分のエレメント間に、または、アタッチメントがデバイスに取り付けられているときに、固定部分およびデバイスのエレメント間にクランプされることが可能である。アタッチメントは、この実施形態では、第2の保護シースをさらに含み、第2の保護シースは、アタッチメントがデバイスに取り付けられているときに、デバイスの露出されたエリアの少なくとも一部分をカバーするように配置されている。また、第2の保護シースは、固定部分のエレメント間に、または、アタッチメントがデバイスに取り付けられているときに、固定部分およびデバイスのエレメント間にクランプされることが可能である。
【0024】
アタッチメントの少なくとも外側表面部分、また、典型的に、内側表面部分は、生体適合性材料から形成されることが可能である。
【0025】
デバイスは、1つの実施形態では、光学的エラストグラフィーデバイスである。この実施形態では、アタッチメントは、センシング部分において光学的なイメージングウィンドウを含むことが可能であり、アタッチメントを備えた光学的エラストグラフィーデバイスは、光学的エラストグラフィーデバイスからイメージングウィンドウを通して、そして、センシング層がセンシング部分において受け入れられているときには、その後にセンシング層を通して、サンプル材料に向けて、電磁放射線を方向付けるように配置されることが可能である。
【0026】
光学的エラストグラフィーデバイスは、光コヒーレンス断層撮影ベースのエラストグラフィーデバイスであることが可能である。
【0027】
センシング層は、所定の変形依存性の光学的特性を有することが可能であり、それは、本出願人の同時係属中のPCT国際出願第PCT/AU2019/051171号に開示されているように、たとえば、デジタルまたは立体視カメラセットアップを使用する光学的手段を使用して検出可能である可能性があり、その文献は、相互参照により本明細書に組み込まれている。1つの例において、センシング層は、粒子を含み、同様に本出願人の同時係属中のPCT国際出願第PCT/AU2019/051171号に開示されているように、変形依存性の透過率を有することが可能である。
【0028】
代替的な実施形態において、エラストグラフィーデバイスは、超音波ベースのまたはMRIベースのエラストグラフィーデバイスである。
【0029】
エラストグラフィーデバイスは、ハンドヘルド式であることが可能であり、アタッチメントは、使い捨てであることが可能である。
【0030】
センシング層は、シリコーン材料を含むことが可能である。
【0031】
本発明の第2の態様によれば、エラストグラフィーおよび/またはイメージングシステムであって、エラストグラフィーおよび/またはイメージングシステムは、
サンプル材料に向けた電磁放射線または音波の透過のための透過部分を有するエラストグラフィーおよび/またはイメージングデバイスと、
デバイスに固定可能なアタッチメントであって、アタッチメントは、本発明の第1の態様に従って提供される、アタッチメントと、
センシング部分においてアタッチメントに連結されている変形可能なセンシング層と、
を含み、
エラストグラフィーシステムは、デバイスが使用されているときに、電磁放射線がセンシング層を通して透過されるか、または、音波がセンシング層を通してサンプル材料に向けて透過されるように配置されており、荷重がセンシング層を通してサンプル材料に印加されるときに、センシング層が変形するように配置されている、エラストグラフィーおよび/またはイメージングシステムが提供される。
【0032】
システムは、電磁放射線がセンシング層を通して透過されるか、または、音波がセンシング層を通してサンプル材料に向けて透過されるように配置されることが可能であり、また、荷重がセンシング層を通してサンプル材料に印加されるときに、センシング層がデバイスの長手方向軸線に対して横方向に膨張するように配置されることが可能である。
【0033】
センシング層は、1つの特定の実施形態では、大部分が非圧縮性の体積を有する材料を含む。しかし、代替的な実施形態において、センシング層は、少なくとも部分的に圧縮可能である材料を含むことも可能である。
【0034】
デバイスは、プローブを含むことが可能であり、プローブは、サンプル材料に向けた電磁放射線または音波の透過のための端部部分を有することが可能である。
【0035】
センシング層のセンシング表面は、サンプル材料の表面エリアとの直接的にまたは間接的に接触した位置決めのために適合されることが可能である。
【0036】
システムは、1つの実施形態では、光学的なデバイスであることが可能であり、センシング層は、所定の変形依存性の光学的特性を有することが可能である。光学的なシステムは、この実施形態において、センシング層を通してサンプル材料に向けて透過された電磁放射線または音波に応答して、サンプル材料からセンシング層を通して透過された電磁放射線または音波を検出することによって、サンプル材料の機械的特性が測定可能であるように配置されることが可能である。
【0037】
システムは、エラストグラフィーシステムであることが可能であり、デバイスは、サンプル材料に向けた電磁放射線または音波の透過のための透過部分を有するエラストグラフィーデバイスであることが可能である。エラストグラフィーデバイスは、光学的エラストグラフィーデバイスであることが可能である。
【0038】
ここで、本発明の実施形態が、添付の図を参照して、単なる例として説明されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1(a)】実施形態による、エラストグラフィーおよび/またはイメージングデバイスのためのアタッチメントの概略斜視図であり、アタッチメントがデバイスのプローブの端部部分に固定された状態の図である。
図1(b)】図1(a)のアタッチメントの概略斜視図である。
図2】別の実施形態による、エラストグラフィーデバイスのためのアタッチメントの概略斜視図であり、アタッチメントがデバイスのプローブに固定された状態の図である。
図3】デバイスのプローブに取り付けられていないときの、図2のアタッチメントの斜視図である。
図4図2および図3のアタッチメントの写真である。
図5】実施形態による光学的エラストグラフィーデバイスの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
超音波エラストグラフィー、MRIベースのエラストグラフィー、および光学的コヒーレンスエラストグラフィー技法は、剛性(弾性)などの、生物学的な組織の機械的特性をマッピングするために使用されることが可能である。生物学的な組織の機械的特性は、癌などのような疾患によって影響を受ける可能性があり、これらの技法の用途のうちの1つは、癌組織の同定に関するものであり、癌組織は、通常、周囲の軟部組織よりも「硬い」。
【0041】
本出願人は、光学的エラストグラフィー技法を以前に開発しており、そこでは、圧縮荷重が、プローブとサンプル材料との間に位置決めされた変形可能なセンシング層を通してサンプル材料に印加される。センシング層は、透明なシリコーン材料を含み、それは、非圧縮性であり、したがって、圧縮荷重の印加の下で、その体積を保存するために、印加された荷重に対して横断方向の平面において膨張することによって変形する。したがって、センシング層の厚さは、下層のサンプル材料の局所的な剛性に応答して変化し、また、たとえば、光コヒーレンス断層撮影(OCT)を使用して、圧縮荷重によって誘発されるセンシング層の厚さの変化は、下層のサンプル材料の局所的な応力のための尺度を提供するために測定されることが可能である。OCTを使用して、サンプルの中の歪みが決定されることも可能であり、それは、サンプルの中の決定された応力とともに、サンプルの剛性を提供することが可能である。
【0042】
本発明の実施形態は、下層のサンプル材料の「剛性」の変化の関数として、(たとえば、層の横方向膨張を妨害することによって)センシング層の厚さの変化を損なうことなく、非圧縮性の体積を有する変形可能なセンシング層が使用され得るように配置されている、エラストグラフィーおよび/またはイメージングデバイスのためのアタッチメントを提供する。
【0043】
特定の実施形態において、アタッチメントは、使い捨てであり、エラストグラフィーおよび/またはイメージングデバイスに除去可能に固定するように適合されている。
【0044】
図1および図2を参照して、アタッチメントの特定の実施形態が説明されることとなる。この実施形態では、アタッチメントは、光学的エラストグラフィーデバイスに適切であり、デバイスの光学プローブに固定されるように適合されている。しかし、本発明の実施形態は、光学的エラストグラフィーにおける用途に限定されないということが理解されることとなる。たとえば、デバイスは、代替的に、超音波デバイスまたはMRIデバイスであることが可能であり、イメージングデバイスであってもよく、または、イメージングデバイスでなくてもよい。
【0045】
図1(a)は、光学的エラストグラフィーデバイスの光学プローブ102に固定されているアタッチメント100の斜視図であり、図1(b)は、単独でアタッチメント100を示している。アタッチメント100は、アタッチメント100を光学プローブ102の上に固定するための固定部分104を含む。光学プローブ102は、サンプル材料(図示せず)に向けて電磁放射線を透過するための透過部分(同様に図示せず)を有している。アタッチメント100は、リング状部分106をさらに含み、リング状部分106は、固定部分104に連結されており、変形可能なセンシング層108を受け入れるように適合されており、センシング層108は、電磁放射線に対して少なくとも部分的に透過性である。アタッチメント100は、(図1(a)および図1(b)に示されているように)プローブ102に取り付けられて、センシング層108が受け入れられるときに、電磁放射線がセンシング層108を通してサンプル材料に向けて透過されるように配置されており、軸線方向荷重がセンシング層108を通して印加されるときに、センシング層108がプローブ102の長手方向軸線に対して横方向に膨張することができるように配置されている。
【0046】
デバイスが超音波デバイスである代替的な実施形態において、プローブは、音響波または超音波の透過のための透過部分を有することとなり、アタッチメントは、音響波または超音波に対して少なくとも部分的に透過性であるセンシング層を受け入れるように適合されることとなるということを当業者は認識することとなる。
【0047】
センシング層108を備えたアタッチメント100は、U字形状の断面形状を有しており、概して円筒状になっており、アタッチメント100のコンポーネントは、可撓性のポリマー材料から形成されている。ここでより詳細に説明されることとなるように、リング状部分106は、この例では、環状の圧縮を使用して固定部分104に連結されている。リング状部分106の内側表面は、突出部112を有しており、固定部分104の外側表面は、対応する凹部116を有しており、凹部116は、突出部112と係合するように配置されている。
【0048】
本実施形態では、アタッチメント100は、センシング層108を含み、センシング層108は、層118、120を使用してリング状部分106に連結されている。センシング層108は、層118と層120との間に挟まれており、層118、120は、リング状部分106においてセンシング層108を保持しており、可撓性材料から形成されている。アタッチメント100は、プローブ102に取り付けられて、センシング層108がリング状部分106に受け入れられて連結されているときに、センシング層108のセンシング表面121がサンプル材料(図示せず)と間接的に接触するように配置されている。
【0049】
層118、120は、リング状部分106と固定部分104との間に固定されており、センシング層108の外側寸法は、センシング層108の縁部部分において層118、120の外側部分同士の間にキャビティー109が画定されるように選ばれている。センシング層108は、層118、120によって位置付けされており、軸線方向荷重がセンシング層108を通して印加されるときに、プローブ102の長手方向軸線に対してキャビティー109の中へのセンシング層108の横方向膨張を可能にするようになっている。
【0050】
また、潤滑材料が、層118、120とセンシング層108との間に提供されている。潤滑材料は、センシング層108と層118、120との間の摩擦を低減させるように選択される。アタッチメント100は、軸線方向荷重がセンシング層108を通して印加されるときに、潤滑材料がキャビティー109の中へ流入することを許容されるように配置されている(センシング層108の材料もキャビティー109の中へ横方向に膨張することが可能である)。潤滑材料は、センシング層108と層118、120との間の摩擦を低減させる任意の適切な材料であることが可能であり、たとえば、水素化ポリオレフィン、エステル、またはフッ化炭素などの、シリコーン油、野菜油、または合成液体であることが可能である。センシング層108と層118、120との間の摩擦を低減させることによって、厚さの変化は、下層のサンプル材料の「剛性」の変化により正確に対応する。結果的に、光学的エラストグラフィー技法の分解能が改善されることが可能である。
【0051】
また、リング状部分106は、内向きに突出している突出部113および凹部115によって形成された波状の縁部を有する端部部分を有している。端部部分は、軸線方向荷重がセンシング層108を通してサンプル材料に印加されるときに、センシング層108および/または潤滑材料の一部分が突出部113間の凹部115の中へまたは凹部115を通って侵入することができるように配置されている。突出部113、および、アタッチメント100のさらなる部分は、X線不透過性の材料またはコーティングを含むことも可能である。
【0052】
固定部分104は、側部部分130を有しており、側部部分130は、ツイストロックまたはルアーロックメカニズムを使用して、プローブ102の側部部分132と係合するように配置されている。側部部分130の内側表面は、突出部136を含み、プローブ102の外側表面部分は、凹部134を有している。さらに、プローブ102は、キー溝(図示せず)を有しており、キー溝に沿って、側部部分130の突出部(または、「キー」)136は、アタッチメント100の軸線に沿った方向にガイドされることが可能である。次いで、プローブ102に対するアタッチメント100の捩じり移動は、突出部136を凹部134と係合させ、アタッチメント100をプローブ102の上に固定する。
【0053】
プローブ102は、イメージングウィンドウ148を含む。説明されている実施形態の変形例では、イメージングウィンドウは、アタッチメント100の一部を形成することも可能であり、層120に位置決めされることも可能である。層118においてイメージングウィンドウを保持するために、接着剤材料が使用されることが可能である。電磁放射線は、プローブ102から、イメージングウィンドウ148を通して、その後に、センシング層108を通して方向付けられる。
【0054】
図2図3、および図4は、本発明の別の実施形態によるアタッチメント200を図示している。アタッチメント200は、光学プローブ202に固定するように適合されている。アタッチメント200は、光学的エラストグラフィーデバイスなどのデバイスのプローブ202にアタッチメント200を固定するための固定部分204を含む。プローブ202は、この実施形態では、光学プローブであり、サンプル材料(図示せず)に向けた電磁放射線の透過のための透過部分(図示せず)を有している。アタッチメント200は、リング状部分206をさらに含み、リング状部分206は、図1(a)および図1(b)を参照して説明されている配置と同様の配置によって、固定部分204に連結されている。リング状部分206は、センシング層208を受け入れるように適合されており、センシング層208は、電磁放射線に対して少なくとも部分的に透過性である。アタッチメント200は、(図2に示されているように)光学プローブ202に取り付けられて、センシング層208がリング状部分206において受け入れられているときに、電磁放射線がセンシング層208を通してサンプル材料に透過されるように配置されており、軸線方向荷重がセンシング層208を通して印加されるときに、センシング層208がプローブ202の長手方向軸線に対して横方向に膨張することができるように配置されている。
【0055】
アタッチメント200は、センシング層208を含み、センシング層208は、図1(a)および図1(b)を参照して上記のアタッチメント100に関して説明されたように、可撓性材料の層218、220を使用して、リング状部分206に連結されている。アタッチメント200は、U字形状の断面形状を有しており、概して円筒状になっている。リング状部分206は、スナップフィットメカニズムを使用して固定部分204に連結されている。センシング層208は、層218と層220との間に挟まれており、層218、220は、リング状部分206においてセンシング層208を保持している。センシング層208は、層218と層220との間でのセンシング層208の横方向膨張が可能であるように選択された寸法を有している。層218、220は、キャビティー226が層218と層220との間に画定されているような様式で、リング状部分206の表面と固定部分204の表面との間に固定されている。潤滑材料は、センシング層208の周辺に提供されている。潤滑材料は、センシング層208と層218、220との間の摩擦を低減させるように配置されている。アタッチメント100に関して、潤滑材料は、センシング層208と層218、220との間の摩擦を低減させる任意の適切な材料であることが可能であり、たとえば、水素化ポリオレフィン、エステル、またはフッ化炭素などの、シリコーン油、野菜油、または合成液体であることが可能である。
【0056】
固定部分204は、この実施形態では、5つの側部部分またはプロング230を有しており、それらは、摩擦フィットでプローブ202の側部部分232と係合するように配置されている。アタッチメント200は、プローブ202に固定されるのに適切な寸法を有しており、それぞれの側部部分230は、アタッチメント200がプローブ202の上に位置決めされているときに、それぞれの側部部分230がプローブ202とのしっかりとした接触を維持することができるような寸法および形状を有している。
【0057】
したがって、アタッチメント200は、(図2に示されているように)プローブ202に取り付けられているときに、センシング層208のセンシング表面236がサンプル材料の表面エリアと間接的に接触した位置決めのために適合されるように配置されている。
【0058】
1つの実施形態では、アタッチメント200は、層220においてイメージングウィンドウ242を含み、それによって、アタッチメント200がプローブ202の端部部分に取り付けられているときに、イメージングウィンドウ242がプローブ202の端部とセンシング層208との間に位置決めされている。この配置は、電磁放射線が、プローブ202からイメージングウィンドウ242を通して、その後に、センシング層208を通してサンプル材料へ方向付けられるようになっている。図2から図4に示されている実施形態では、イメージングウィンドウ242をプローブ202の形状に収容するために、ウィンドウ装着部244がさらに提供されている。
【0059】
説明されている実施形態のいずれか1つによるアタッチメント100、200は、保護シース(図示せず)を含み、保護シースは、アタッチメント100、200がプローブ102、202に固定されているときに、保護シースがアタッチメント100、200の固定部分104、204に沿って延在し、固定部分104、204のエレメント間にクランプされるような任意の適切な様式で、固定部分104、204またはリング状部分106、206に取り付けられている。たとえば、保護シースの端部部分は、リング状部分106、206の内側表面と固定部分104、204の外側表面との間に固定されることが可能である。また、保護シースは、アタッチメント100、200がデバイスに取り付けられているときに、デバイスの露出されたエリアの一部分に沿って延在することも可能である。代替的に、アタッチメント100、200は、さらなるシース(図示せず)を含むことが可能であり、さらなるシースはまた、固定部分104、204のエレメント間にクランプされているが、アタッチメント100がデバイスに取り付けられているときに、デバイスの露出されたエリアをカバーするように延在している。
【0060】
アタッチメント100、200がプローブ102、202に固定され、光学的エラストグラフィーデバイスが使用されるときに、センシング層108、208のセンシング表面121、236は、層118、218を通してサンプル材料(図示せず)の表面エリアと間接的に接触して位置決めされている。層118、120、218、220は、サンプル材料およびプローブの汚染を防止することを支援し、使用の間の無菌条件を確保することを支援する。
【0061】
サンプル材料は、生物学的な組織または生物学的な材料であることが可能である。代替的に、サンプル材料は、不均一な硬度または柔軟性を有する可能性のあるポリマー材料などの別の弾性体または材料を含むことが可能である。
【0062】
センシング層108、208は、シリコーン材料または別の適切な材料を含むことが可能である。
【0063】
電磁放射線に対して透過性でありまた少なくとも部分的に透過性である他の材料が、センシング層に関してさらに想定されるということが理解されることとなる。さらに、アタッチメントがデバイスのプローブに固定され、デバイスが使用されるときに、センシング層のセンシング表面がサンプル材料の表面エリアと直接的に接触して位置決めされるような様式で、センシング層が受け入れられている実施形態が想定される。
【0064】
代替的な実施形態において、アタッチメントは、変形依存性の光学的特性を有する変形可能なセンシング層を使用している。この実施形態では、圧縮荷重の印加のときのセンシング層の厚さの変化は、検出される必要がない可能性があるが、光学的特性の変化(たとえば、層の色または透過率の変化など;光学的特性の変化は、たとえば、本出願人の同時係属中のPCT国際出願第PCT/AU2019/051171号に開示されているように、立体視技術またはUV蛍光技術を使用して検出されることが可能である)は、厚さ(および、下層のサンプル材料の剛性)の変化の尺度である。
【0065】
さらに、プローブが音響プローブである実施形態において、センシング層は、音波に対して少なくとも部分的に透過性である変形可能な材料を含む。
【0066】
アタッチメント100、200のすべてのパーツは、この実施形態では、生体適合性材料から形成されている。代替的に、アタッチメント100、200の少なくとも外側表面部分が生体適合性材料から形成されるということが想定される。さらに、1つの実施形態では、アタッチメント100、200のすべてのパーツは、使い捨てである。
【0067】
アタッチメントに関して他の実施形態が想定され、そこでは、センシング部分は、任意の他の適切な様式で固定部分に連結されることが可能であり、センシング層は、任意の他の適切な様式でセンシング部分において受け入れられることが可能であるということが理解されることとなる。
【0068】
アタッチメント100、200は、この実施形態では、本出願人のPCT国際特許出願第PCT/AU2019/051171号に開示されているような、サンプル材料の機械的特性を評価するためのハンドヘルド式の光学的エラストグラフィーデバイスの光学プローブに取り付けられる。しかし、本発明の実施形態によるアタッチメントは、エラストグラフィー能力を有さないハンドヘルド式の光学的なイメージングデバイスの光学プローブ、および/または、超音波デバイスもしくはMRIデバイスのプローブに取り付けられることも可能であるということを当業者は理解することとなる。
【0069】
本発明の1つの実施形態は、上述のものなどのようなエラストグラフィーデバイスと、エラストグラフィーデバイスに取り付けられているアタッチメント100または200などのようなアタッチメントと、リング状部分106、206においてアタッチメントに連結されている変形可能なセンシング層とを含むエラストグラフィーシステムを使用する。図5は、光学的エラストグラフィーシステム500を図示しており、光学的エラストグラフィーシステム500は、ペンの形状で提供されるハンドヘルド式の光学的エラストグラフィーデバイス502を含む。ハンドヘルド式の光学的エラストグラフィーデバイス502は、細長いハンドヘルド式の光学プローブ503とアタッチメント506とを含み、細長いハンドヘルド式の光学プローブ503は、サンプル材料512に向けて電磁放射線を透過するための透過部分504をその端部部分に有しており、アタッチメント506は、エラストグラフィーデバイス502の細長い光学プローブ503の端部部分504に固定されており、概略的に表されているアタッチメント100、200のいずれか1つと同様である。したがって、光学的エラストグラフィーシステム500は、アタッチメント506に連結されているセンシング層508も含む。ハンドヘルド式の光学的エラストグラフィーデバイス502は、センシング層508のセンシング表面509が、生物学的な組織などのサンプル材料512の表面エリア510において(層118または218などのような可撓性の層を通して)間接的に接触した状態で位置決めされる。この実施形態では、センシング層508は、所定の変形依存性の光学的特性を有しており、軸線方向荷重を印加すると色または透過率が変化する材料を含む。ハンドヘルド式のプローブ503は、カメラベースであり、光検出器514を装備しており、光検出器514は、表面エリア510に向けてセンシング層508を通して光を放出して透過させることに応答して、サンプル材料512のサンプルエリア510からセンシング層508を通して透過された光が検出されることが可能であるように位置決めされている。この点において、光源(図示せず)は、センシング層508を通して光を方向付けるために光学プローブ503の中に提供されるということが想定される。図示されている実施例では、光学プローブ503は、光検出器514を含み、光検出器514は、デジタル電荷結合素子(CCD)カメラなどの、カメラの形態で提供される。光学的エラストグラフィーシステム500は、電磁放射線がセンシング層508を通してサンプル材料512に向けて透過されるように配置されており、軸線方向荷重がセンシング層508を通して印加されるときに、センシング層508が光学プローブ503およびエラストグラフィーデバイス502の長手方向軸線に対して横方向に膨張することができるように配置されている。センシング層508の所定の変形依存性の光学的特性に起因して、センシング層508の変形は、センシング層508の中の光に影響を及ぼし、カメラ514によって検出される光がセンシング層の光学的特性の変化の尺度になるようになっており、結果的に、表面エリア510におけるサンプル材料512の機械的特性の尺度になるようになっている。説明されている実施形態の変形例では、カメラ514は、本出願人の同時係属中のPCT国際出願第PCT/AU2019/051171号に開示されているような適切な立体視セットアップによって交換されることが可能である。
【0070】
カメラベースの光学的エラストグラフィーデバイス500は、グラフィカルインターフェース518と通信しているマイクロプロセッサー516に、Wi-FiまたはBluetoothを使用するなど、ワイヤレスに連結されており、それによって、サンプル材料512の機械的特性を評価するためのシステム520が形成される。マイクロプロセッサー516は、デスクトップコンピューターなどの、コンピューターの形態で提供されることが可能であり、または、タブレットもしくは携帯電話などの、モバイルデバイスの形態で提供されることが可能である。マイクロプロセッサー516は、光学的エラストグラフィーデバイス500から電気信号を受信するように構成されている。信号は、CCDカメラ514によって検出される光に関連付けられた情報を示す。次いで、情報は、マイクロプロセッサー516およびグラフィカルインターフェース518によって使用されることが可能であり、画像に変換されることが可能である。画像は、センシング層508にわたる応力および変形の分布を示す。
【0071】
別の実施形態では、アタッチメントは、OCTエラストグラフィーデバイスの光学プローブに取り付けるように適合されている。この実施形態では、センシング層は、変形依存性の光学的特性を有していないが、電磁放射線に対して透明であり、OCTエラストグラフィーデバイスは、OCTを使用し、センシング層の深さをスキャンし、OCT画像の中に表されているセンシング層の深さプロファイルを取得する。次いで、OCTを使用して取得される情報は、サンプル材料の弾性などの、サンプル材料の機械的特性を特徴付けるために使用されることが可能である。
【0072】
再び別の実施形態では、アタッチメントは、光学的エラストグラフィーデバイスの光学プローブに取り付けるように適合されており、それは、ハンドヘルド式であることが可能であり、OCTとは異なり、サンプル材料の機械的特性に関する情報を取得するためにセンシング層の厚さ全体をスキャンすることを必要としない。この実施形態では、センシング層は、また、電磁放射線に対して透明であり、サンプル材料の機械的特性は、(軸線方向荷重が印加される前の)センシング層の初期厚さの知識に基づいて、および、軸線方向荷重が印加されるときに層の底部および上部インターフェースにおいて反射される信号のインターフェースから検出されるような層の厚さの変化に基づいて、導出されることが可能である。検出される干渉信号は、センシング層とサンプル材料との間のインターフェースの相対的位置の変化についての情報を提供し、結果的に、層の厚さの変化についての情報を提供する。
【0073】
別の実施形態では、エラストグラフィーデバイスは、光学的エラストグラフィーデバイスではなく、MRIベースのエラストグラフィーデバイスであることが可能であり、または、音波の透過のための透過部分を有するプローブを含む、超音波エラストグラフィーデバイスなどの音響エラストグラフィーデバイスであることが可能である。
【0074】
当業者に明らかになるような修正例および変形例は、本発明の範囲の中にあると決定される。たとえば、説明されている実施形態の変形例では、センシング層108、208、または508は、スポンジ状の材料または別の材料(それは、空気ポケットを有することが可能であり、圧縮可能な体積を有する)などの、圧縮可能な材料を含むことが可能であるということを当業者は認識する。
【符号の説明】
【0075】
100 アタッチメント
102 光学プローブ
104 固定部分
106 リング状部分
108 センシング層
109 キャビティー
112 突出部
113 突出部
115 凹部
116 凹部
118 層
120 層
121 センシング表面
130 側部部分
132 側部部分
134 凹部
136 突出部
148 イメージングウィンドウ
200 アタッチメント
202 プローブ
204 固定部分
206 リング状部分
208 センシング層
218 層
220 層
226 キャビティー
230 側部部分、プロング
232 側部部分
236 センシング表面
242 イメージングウィンドウ
244 ウィンドウ装着部
500 光学的エラストグラフィーシステム
502 光学的エラストグラフィーデバイス
503 光学プローブ
504 透過部分、端部部分
506 アタッチメント
508 センシング層
509 センシング表面
510 表面エリア、サンプルエリア
512 サンプル材料
516 マイクロプロセッサー
518 グラフィカルインターフェース
図1(a)】
図1(b)】
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】