(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-09
(54)【発明の名称】パケットロスによる、PDCPレイヤでのパケット廃棄動作をサポートするための方法および装置
(51)【国際特許分類】
H04W 28/02 20090101AFI20241226BHJP
H04L 47/32 20220101ALI20241226BHJP
【FI】
H04W28/02
H04L47/32
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024526686
(86)(22)【出願日】2021-12-23
(85)【翻訳文提出日】2024-07-02
(86)【国際出願番号】 CN2021140926
(87)【国際公開番号】W WO2023115473
(87)【国際公開日】2023-06-29
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523107950
【氏名又は名称】レノボ・(ベイジン)・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(72)【発明者】
【氏名】コンチ・ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ミンゼン・ダイ
(72)【発明者】
【氏名】リアンハイ・ウー
(72)【発明者】
【氏名】ジン・ハン
【テーマコード(参考)】
5K030
5K067
【Fターム(参考)】
5K030GA13
5K030LC01
5K030LC18
5K030MA04
5K067AA23
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE10
(57)【要約】
本願の実施形態は、パケットロスによるパケットデータコンバージェンスプロトコル (PDCP) レイヤにおけるパケット破棄動作をサポートするための方法および装置に関する。本出願の一実施形態によれば、PDCP受信エンティティは、プロセッサと、プロセッサに結合されたトランシーバとを含み、プロセッサは、パケットロスを検出すること、またはPDCP送信エンティティからトランシーバを介して、PDCP受信エンティティの破棄動作に関するパラメータ情報を受信することであって、パケットロスまたは破棄動作がパケットに関連する、ことと、パケットロスを検出することに応答して、またはパラメータ情報を受信することに応答して、受信バッファ内のパケットに関連するさらなるパケットを破棄する破棄動作を実行することと、を行うように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パケットデータコンバージェンスプロトコル (PDCP) 受信エンティティであって、
プロセッサと、
前記プロセッサに結合されたトランシーバと、を備え、
前記プロセッサは、
パケットロスを検出するか、または、PDCP送信エンティティから前記トランシーバを介して、前記PDCP受信エンティティの第1の破棄動作に関する第1のパラメータ情報を受信するように構成され、前記パケットロスまたは前記第1の破棄動作は第1のパケットに関連付けられ、
前記パケットロスを検出したことに応答して、または、前記第1のパラメータ情報を受信したことに応答して、受信バッファ内の前記第1のパケットに関連する第2のパケットを破棄する前記第1の破棄動作を実行するように構成される
PDCP受信エンティティ。
【請求項2】
前記第1のパケットおよび前記第2のパケットは、1つのアプリケーションデータユニット (ADU) または1つのピクチャグループ (GOP) に属する
請求項1に記載のPDCP受信エンティティ。
【請求項3】
前記第1のパラメータ情報は、
前記第1のパケットが属する第1のアプリケーションデータユニット (ADU) の第1のインデックス値;
前記第1のADUに属するパケットのグループにおける前記第1のパケットの第1のインデックス番号;
前記第1のパケットの第1の重要度レベル;
前記第1のパケットの第1のカウント値、または
前記第1のパケットの前記第1のカウント値に関連する第1のオフセット値
の少なくとも1つを含む
請求項1に記載のPDCP受信エンティティ。
【請求項4】
前記第1のパラメータ情報を受信することに応答して、および、前記第1のパラメータ情報が前記第1のパケットの前記第1のカウント値を含むことに応答して、前記第1の破棄動作を実行する間に、前記PDCP受信エンティティの前記プロセッサは、
前記第2のパケットのパケットヘッダ情報に基づいて、前記第2のパケットの第2のカウント値と、前記第2のカウント値に関連する第2のオフセット値とを決定し、
前記第2のパケットの前記第2のカウント値が前記第1のパケットの前記第1のカウント値より大きいかどうかをチェックし、
前記第2のカウント値が前記第1のカウント値より大きいことに応答して、前記第2のカウント値から前記第2のカウント値に関連する前記第2のオフセット値を差し引いた値が前記第1のカウント値以下であるかどうかをチェックし、
前記第2のカウント値から前記第2のオフセット値を差し引いた値が前記第1のカウント値以下であることに応答して、前記受信バッファ内の前記第2のパケットを破棄する
ように構成される
請求項3に記載のPDCP受信エンティティ。
【請求項5】
前記パケットロスの検出に応答して、前記第1の破棄動作を実行する間に、前記PDCP受信エンティティの前記プロセッサは、
前記第2のパケットのパケットヘッダ情報に基づいて、前記第2のパケットの第2のカウント値と、前記第2のカウント値に関連する第2のオフセット値とを決定し、
前記第2のパケットの前記第2のカウント値が前記第1のパケットの第1のカウント値より大きいかどうかをチェックし、
前記第2のカウント値が前記第1のカウント値より大きいことに応答して、前記第2のカウント値から前記第2のオフセット値を引いた値が前記第1のカウント値以下であるかどうかをチェックし、
前記第2のカウント値から前記第2のオフセット値を引いた値が前記第1のカウント値以下であることに応答して、前記受信バッファ内の前記第2のパケットを破棄する
ように構成される
請求項1に記載のPDCP受信エンティティ。
【請求項6】
前記PDCP受信エンティティの前記プロセッサは、
前記PDCP送信エンティティの第2の破棄動作に関する第2のパラメータ情報を生成するように構成され、前記第2の破棄動作は前記第1のパケットに関連付けられ、前記第2のパラメータ情報は、
前記第1のADUの前記第1のインデックス値と前記第2のADUの前記第2のインデックス値との間で最大のもの;
前記第1のパケットの前記第1のインデックス番号と前記第2のパケットの前記第2のインデックス番号の間で最大のもの;
前記第1のパケットの前記第1の重要度レベルと前記第2のパケットの前記第2の重要度レベルとの間で最大のもの;
前記第1のパケットの前記第1のカウント値と前記第2のパケットの前記第2のカウント値との間で最大のもの; または
前記第2のカウント値に関連する前記第2のオフセット値
の少なくとも1つを含み、
前記トランシーバを介して前記PDCP送信エンティティに前記第2のパラメータ情報を送信するように構成される
請求項5に記載のPDCP受信エンティティ。
【請求項7】
前記PDCP受信エンティティの前記プロセッサは、
前記PDCP送信エンティティから第3のパケットを受信したことに応答して、前記第3のパケットのパケットヘッダ情報に基づいて、前記第3のパケットの第3のカウント値と、前記第3のカウント値に関連する第3のオフセット値とを決定し、
前記第3のパケットの前記第3のカウント値が前記第1のパケットの第1のカウント値より大きいかどうかをチェックし、
前記第3のカウント値が前記第1のカウント値よりも大きいことに応答して、前記第3のカウント値から前記第3のオフセット値を引いた値が前記第1のカウント値以下であるかどうかをチェックし、
前記第3のカウント値から前記第3のオフセット値を引いた値が前記第1のカウント値以下であることに応答して、前記第3のパケットを前記受信バッファに記憶せず、前記第3のパケットを破棄する
ように構成される
請求項1に記載のPDCP受信エンティティ。
【請求項8】
前記PDCP送信エンティティの前記プロセッサは、前記トランシーバを介してネットワークノードから、無線ベアラに対して前記第1の破棄動作がサポートされているかどうかに関する設定情報を受信するように構成される
請求項1に記載のPDCP受信エンティティ。
【請求項9】
パケットデータコンバージェンスプロトコル (PDCP) 送信エンティティであって、
プロセッサと、
前記プロセッサに結合されたトランシーバと、を備え、
前記プロセッサは、
パケットロスを検出し、前記PDCP送信エンティティの第1の破棄動作を実行することを決定するかまたはPDCP受信エンティティから前記トランシーバを介して前記PDCP送信エンティティの前記第1の破棄動作に関する第1のパラメータ情報を受信するように構成され、前記パケットロスまたは前記第1の破棄動作は第1のパケットに関連付けられ、
前記パケットロスを検出したことに応答して、または、前記第1の破棄動作を実行することを決定したことに応答して、または、前記第1のパラメータ情報を受信したことに応答して、送信バッファ内の前記第1のパケットに関連する第2のパケットの送信を停止するように構成される
PDCP送信エンティティ。
【請求項10】
前記第1のパケットおよび前記第2のパケットは、1つのアプリケーションデータユニット (ADU) または1つのピクチャグループ (GOP) に属する
請求項9に記載のPDCP送信エンティティ。
【請求項11】
前記PDCP送信エンティティの前記プロセッサは、前記トランシーバを介してネットワークノードから、無線ベアラに対して前記第1の破棄動作がサポートされているかどうかに関する設定情報を受信するように構成される
請求項9に記載のPDCP送信エンティティ。
【請求項12】
前記無線ベアラに、順不同配信 (out of order delivery) 変数は構成されない
請求項11に記載のPDCP送信エンティティ。
【請求項13】
前記パケットロスを検出したことに応答して、または、前記第1の破棄動作を実行すると決定したことに応答して、前記第2の破棄動作を実行する間に、前記PDCP送信エンティティの前記プロセッサは、
前記第2のパケットのパケットヘッダ情報に基づいて、前記第2のパケットの第2のカウント値と、前記第2のカウント値に関連する第2のオフセット値とを決定し、
前記第2のパケットの前記第2のカウント値が前記第1のパケットの第1のカウント値より大きいかどうかをチェックし、
前記第2のカウント値が前記第1のカウント値より大きいことに応答して、前記第2のカウント値から前記第2のカウント値に関連する前記第2のオフセット値を差し引いた値が前記第1のカウント値以下であるかどうかをチェックし、
前記第2のカウント値から前記第2のオフセット値を差し引いた値が前記第1のカウント値以下であることに応答して、前記送信バッファ内の前記第2のパケットを破棄する
ように構成される
請求項9に記載のPDCP送信エンティティ。
【請求項14】
前記第1のパラメータ情報は、
前記第1のパケットが属する第1のアプリケーションデータユニット (ADU) の第1のインデックス値;
前記第1のADUに属するパケットのグループにおける前記第1のパケットの第1のインデックス番号;
前記第1のパケットの第1の重要度レベル;
前記第1のパケットの第1のカウント値、または
前記第1のパケットの前記第1のカウント値に関連する第1のオフセット値
の少なくとも1つを含む
請求項9に記載のPDCP送信エンティティ。
【請求項15】
前記第1のパラメータ情報を受信することに応答して、および、前記第1のパラメータ情報が前記第1のパケットの前記第1のカウント値を含むことに応答して、前記第2の破棄動作を実行する間に、前記PDCP送信エンティティの前記プロセッサは、
前記第2のパケットのパケットヘッダ情報に基づいて、前記第2のパケットの第2のカウント値と、前記第2のカウント値に関連する第2のオフセット値とを決定し、
前記第2のパケットの前記第2のカウント値が前記第1のパケットの前記第1のカウント値より大きいかどうかをチェックし、
前記第2のカウント値が前記第1のカウント値より大きいことに応答して、前記第2のカウント値から前記第2のカウント値に関連する前記第2のオフセット値を差し引いた値が前記第1のカウント値以下であるかどうかかをチェックし、
前記第2のカウント値から前記第2のオフセット値を差し引いた値が前記第1のカウント値以下であることに応答して、前記送信バッファ内の前記第2のパケットを破棄する
ように構成される
請求項14に記載のPDCP送信エンティティ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願の実施形態は、一般に、無線通信技術に関し、特に、パケットロスによる、パケットデータコンバージェンスプロトコル (PDCP) レイヤにおけるパケット破棄動作をサポートするための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エクステンデッド・リアリティ (Extended reality: XR) は、拡張現実 (Augumented reality: AR) および仮想現実 (Virtual reality: VR)、ならびにクラウドゲーミング (Cloud gaming: CG) を含み、接続されたデバイス、アプリケーション、およびサービスの新しい有望なカテゴリを提示する。3GPP (登録商標)(3rd generation partnership project (第3世代パートナーシッププロジェクト)) Rel-18の潜在的な作業領域として、無線アクセスネットワーク (Radio access network: RAN) におけるアプリケーションおよびトラフィックの認識は、XRサービスのユーザ体験を向上させるための重要な機能の1つである。
【0003】
XRサービスは、制限された遅延で高いビットレートを必要とする。通常、アプリケーションは、次のレベルの処理を開始する前に、クライアント側で利用可能なアプリケーションデータの最小粒度を必要とする。このアプリケーションデータの最小粒度は、アプリケーションデータユニット (ADU) と呼ばれる。ビットレートが高いため、大きなADUが複数のIPパケットで送信されることがある。これらのIPパケットがRANに到着すると、RANはすべてのパケットを互いに無相関であるかのように扱う。いくつかの実施形態では、ADUはビデオサービス用のピクチャグループ (group of pictures: GOP) を表す。ピクチャグループ (GOP) は、ビデオシーケンスの視覚的な結果を向上させる方法でグループ化される。GOPは、イントラ符号化ピクチャ (Iフレーム)、予測符号化ピクチャ (Pフレーム)、またはB予測符号化ピクチャ (Bフレーム) など、さまざまなタイプのピクチャを含みうる。エンコーダは、ピクチャのグループや他のツールを使用して、滑らかにストリーミングビデオをレンダリングする。フレームレートやその他の指標も適用される場合がある。
【0004】
符号化メカニズムによっては、同じADU内またはGOP内のフレームは互いに相関している場合がある。例えば、Iフレームが失われると、ユーザは後続のPフレームおよびBフレームをデコードできなくなる。一方、無線通信の性質上、ULまたはDL伝送でパケットロスが発生することがある。送信側または受信側でのデータ処理を簡素化するために、重要なパケット (例えば、1つのADU/GOP内のIフレーム) のデータ損失時には、他の相関パケット (例えば、同じADU/GOP内のPフレーム、Bフレーム) の処理を継続する必要がない場合がある。
【0005】
以上のことから、パケットロスによるPDCPレイヤでのパケット破棄動作をサポートするメカニズムを提供することが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本出願のいくつかの実施形態は、パケットデータコンバージェンスプロトコル (PDCP) 受信エンティティも提供する。PDCP受信エンティティは、プロセッサと、プロセッサに結合されたトランシーバとを備え、プロセッサは、パケットロスを検出することと、またはトランシーバを介してPDCP送信エンティティから、PDCP受信エンティティの廃棄動作に関するパラメータ情報であって、パケットロスまたは廃棄動作がパケットに関連するパラメータ情報を受信することと、パケットロスを検出することに応答して、またはパラメータ情報を受信することに応答して、受信バッファ内のパケットに関連するさらなるパケットを廃棄する廃棄動作を実行することと、を行うように構成される。
【0007】
本出願のいくつかの実施形態は、PDCP受信エンティティによって実行され得る方法を提供する。この方法は、パケットロスを検出することと、またはPDCP送信エンティティから、PDCP受信エンティティの廃棄動作に関するパラメータ情報を受信することであって、パケットロスまたは廃棄動作がパケットに関連する、受信することと、パケットロスを検出することに応答して、またはパラメータ情報を受信することに応答して、受信バッファ内のパケットに関連するさらなるパケットを廃棄するために廃棄動作を実行することを決定することと、を含む。
【0008】
本出願のいくつかの実施形態は、無線通信のための装置も提供する。この装置は、コンピュータ実行可能命令をその上に記憶した非一時的コンピュータ可読記憶媒体と、受信回路と、送信回路と、非一時的コンピュータ可読記憶媒体、受信回路および送信回路に結合されたプロセッサとを含み、コンピュータ実行可能命令は、プロセッサに、PDCP受信エンティティによって実行される上述の方法のいずれかを実施させる。
【0009】
本出願のいくつかの実施形態は、PDCP送信エンティティも提供する。PDCP送信エンティティは、プロセッサと、プロセッサに結合されたトランシーバとを含み、プロセッサは、パケットロスを検出することと、PDCP送信エンティティの破棄動作を実行することを決定すること、またはPDCP受信エンティティからトランシーバを介して、PDCP送信エンティティの破棄動作に関するパラメータ情報を受信することであって、パケットロスまたは破棄動作はパケットに関連付けられることと、パケットロスを検出したことに応答して、または破棄動作を実行すると決定したことに応答して、またはパラメータ情報を受信したことに応答して、送信バッファ内のパケットに関連する更なるパケットの送信を停止し、更なるパケットを破棄する更なる破棄動作を実行することとを行うように構成される。
【0010】
本出願のいくつかの実施形態は、PDCP送信エンティティによって実行され得る方法を提供する。この方法は、パケットロスを検出するステップと、PDCP送信エンティティの廃棄動作を実行することを決定するステップと、PDCP受信エンティティから、PDCP送信エンティティの廃棄動作に関するパラメータ情報を受信するステップであって、パケットロスまたは廃棄動作がパケットに関連する、ステップと、パケットロスを検出したことに応答して、または破棄動作を実行することを決定したことに応答して、またはパラメータ情報を受信したことに応答して、送信バッファ内のパケットに関連する更なるパケットの送信を停止し、更なるパケットを破棄する更なる破棄動作を実行するステップと、を含む。
【0011】
本出願のいくつかの実施形態は、装置を提供する。この装置は、コンピュータ実行可能命令をその上に記憶した非一時的コンピュータ可読記憶媒体と、受信回路と、送信回路と、非一時的コンピュータ可読記憶媒体、受信回路および送信回路に結合されたプロセッサとを含み、コンピュータ実行可能命令は、PDCP送信エンティティによって実行される上述の方法をプロセッサに実行させる。
【0012】
1つまたは複数の実施例の詳細は、添付の図面および以下の説明に記載される。他の特徴、目的、および利点は、明細書および図面、ならびに特許請求の範囲から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本願発明の利点および特徴を得ることができる態様を説明するために、本願発明の説明を、添付図面に図示されているその特定の実施形態を参照することによって行う。これらの図面は、本願発明の例示的な実施形態のみを描いており、したがって、そのスコープを限定するものとはみなされない。
【0014】
【
図1】本出願のいくつかの実施形態による無線通信システムの概略図を示す。
【
図2】本出願のいくつかの実施形態による装置の例示的なブロック図を示す。
【
図3】本出願のいくつかの実施形態によるパケット破棄動作の例示的なフローチャートを示す。
【
図4】本出願のいくつかの実施形態によるパケット破棄動作のためのさらなる例示的なフローチャートを示す。
【
図5】本出願のいくつかの実施形態によるPDCP受信エンティティにおけるパケット破棄動作の例示的なフローチャートを示す。
【
図6】本出願のいくつかの実施形態による、PDCP送信エンティティにおけるパケット破棄動作の例示的なフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
添付図面の詳細な説明は、本出願の好ましい実施形態の説明として意図されており、本出願が実施され得る唯一の形態を表すことを意図するものではない。本願の精神および範囲内に包含されることが意図される異なる実施形態によって、同一または同等の機能が達成され得ることが理解されるべきである。
【0016】
次に、本願発明のいくつかの実施形態を詳細に参照し、その例を添付の図面に示す。理解を容易にするために、実施形態は、第3世代パートナーシッププロジェクト (3GPP) LTEおよびLTE advanced、3GPP 5G NR、5G-Advanced、6Gなどの特定のネットワークアーキテクチャおよび新しいサービスシナリオの下で提供される。ネットワークアーキテクチャおよび新サービスシナリオの発展に伴い、本願のすべての実施形態も同様の技術的問題に適用可能であることが企図されており、さらに、本願に記載された用語は変更される可能性があるが、これは本願の原理に影響を及ぼすべきではない。
【0017】
図1は、本出願のいくつかの実施形態による無線通信システムの概略図を示す。
図1に示すように、無線通信システム100は、少なくとも1つの基地局(BS)101と、少なくとも1つのユーザ機器 (UE) 102とを含む。とりわけ、無線通信システム100は、例示の目的で、1つのBS101及び2つのUE102 (例えば、UE102a及びUE102b) を含む。
図1には、簡略化のために特定の数のBS及びUEが図示されているが、本願の他のいくつかの実施形態では、無線通信システム100がより多くの又はより少ないBS及びUEを含み得ることが企図される。
【0018】
無線通信システム100は、無線通信信号を送受信可能なあらゆるタイプのネットワークと互換性がある。例えば、無線通信システム100は、無線通信ネットワーク、携帯電話ネットワーク、時分割多重アクセス (TDMA) ベースのネットワーク、符号分割多重アクセス (CDMA) ベースのネットワーク、直交周波数分割多重アクセス (OFDMA) ベースのネットワーク、LTEネットワーク、3GPPベースのネットワーク、3GPP 5Gネットワーク、衛星通信ネットワーク、高高度プラットフォームネットワーク、および/または他の通信ネットワークと互換性がある。
【0019】
BS101は、インターフェースを介して、コアネットワーク (CN) ノード (図示せず)、例えば、モビリティ管理エンティティ (MME) 又はサービングゲートウェイ (S-GW)、モビリティ及び管理機能 (AMF) 又はユーザプレーン機能 (UPF) 等と通信することができる。BSは、アクセスポイント、アクセス端末、ベース、マクロセル、ノードB、エンハンストノードB (enhanced NB: eNB)、gNB、ホームノードB、中継ノード、またはデバイスとも呼ばれ、または当該技術分野で使用される他の用語を使用して説明される。5G NRでは、BSはRANノードまたはネットワーク装置とも呼ばれることがある。各BSは、無線通信リンクを介して、例えばセルまたはセル・セクタなどのサービング・エリア内の多数のUEにサービスを提供することができる。近隣のBSは、例えばUEのハンドオーバ手順の間など、必要に応じて互いに通信することができる。
【0020】
UE102、例えば、UE102aおよびUE102bは、任意のタイプの端末デバイスとして理解されるべきであり、これには、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント (PDA)、タブレットコンピュータ、スマートテレビ (例えば、インターネットに接続されたテレビ)、セットトップボックス、ゲーム機、セキュリティシステム (セキュリティカメラを含む)、車両搭載コンピュータ、ネットワークデバイス (例えば、ルータ、スイッチ、およびモデム) などのコンピューティングデバイスが含まれ得る。本願発明の一実施形態によれば、UE102は、携帯無線通信デバイス、スマートフォン、携帯電話、フリップフォン、加入者IDモジュールを有するデバイス、パーソナルコンピュータ、選択呼受信機、または無線ネットワーク上で通信信号を送受信可能な任意の他のデバイスを含み得る。いくつかの実施形態では、UE102は、スマートウォッチ、フィットネスバンド、光学式ヘッドマウントディスプレイなどのウェアラブルデバイスを含み得る。さらに、UE102は、加入者ユニット、移動体、移動局、ユーザ、端末、移動端末、無線端末、固定端末、加入者局、ユーザ端末、またはデバイスと呼ばれることがあり、あるいは当該技術分野で使用される他の用語を使用して説明されることがある。UE102は、アップリンク (UL) 通信信号を介してBS101と直接通信することができる。
【0021】
一般に、3GPP標準文書TS38.323は、PDCPの送受信動作のデータ転送手順を定義している。例えば、上位レイヤからPDCP SDUを受信した場合、送信側PDCPエンティティは、このPDCP SDUに関連付けられたタイマdiscardTimerを開始しなければならない (設定されている場合)。上位レイヤから受信したPDCP SDUの場合、送信側PDCPエンティティはTX_NEXTに対応するCOUNT値をこのPDCP SDUに関連付けなければならない。下位レイヤからPDCPデータPDUを受信した場合、受信側PDCPエンティティは受信したPDCPデータPDUのCOUNT値、すなわちRCVD_COUNTを決定しなければならない。タイマt-Reorderingが満了すると、受信側PDCPエンティティは、ヘッダ解凍を行った後、関連するCOUNT値の昇順で上位レイヤに配信しなければならない: 関連するCOUNT値 < RX_REORDのすべてのPDCP SDU、およびRX_REORDから連続して関連するCOUNT値を持つすべてのPDCP SDU;受信側PDCPエンティティは、RX_DELIVを、上位レイヤに配信されていない最初のPDCP SDUのCOUNT値 (COUNT値 >= RX_REORD) に更新し、RX_DELIV < RX_NEXTの場合、RX_REORDをRX_NEXTに更新し、タイマt-Reorderingを開始する。
【0022】
SDU破棄の動作について、PDCP SDUのタイマdiscardTimerが満了した場合、またはPDCPステータスレポートによってPDCP SDUの正常な配送が確認された場合、送信側のPDCPエンティティは、対応するPDCP Data PDUとともにPDCP SDUを破棄する。対応するPDCPデータPDUが既に下位レイヤに送信されている場合、破棄は下位レイヤに指示される。シグナリング無線ベアラ (SRB) において、上位レイヤがPDCP SDUの破棄を要求した場合、PDCPエンティティは、格納されているすべてのPDCP SDUとPDCP PDUを破棄しなければならない。
【0023】
ステータス報告動作に関して、上位レイヤによってアップリンクでPDCPステータス報告を送信するよう に設定されたデータ無線ベアラ (DRB) (3GPP TS38.331 [3]の statusReportRequired) については、受信側PDCPエンティティはPDCPステータス報告をトリガしなければならない。PDCPステータス・レポートのコンパイル中に、受信側PDCPエンティティはFMCフィールドをRX_DELIVに設定しなければならない。RX_DELIV < RX_NEXTの場合、受信側PDCPエンティティは、欠落した最初のPDCP SDUから最後のPDCP SDUまでのCOUNT数に等しいビット長のBitmapフィールドを割り当てなければならない; 受信側PDCPエンティティは、受信していないすべてのPDCP SDU、およびオプションとして伸長に失敗したPDCP SDUのビットマップフィールドに「0」を設定し、受信側PDCPエンティティは、受信したすべてのPDCP SDUのビットマップフィールドに「1」を設定しなければならない。DRBの場合、ダウンリンクまたはサイドリンクでPDCP状態報告を受信した場合、送信側PDCPエンティティは、ビットマップのビットが「1」に設定されているPDCP SDU、または関連するCOUNT値がFMCフィールドの値より小さいPDCP SDUがあれば、そのPDCP SDUを、配信に成功したとみなし、破棄する。
【0024】
現在、パケットロスによるPDCPレイヤでのパケット破棄動作をサポートするメカニズムは存在しない。本願発明の実施形態は、上述の課題を解決することを目的とする。具体的には、本願発明のいくつかの実施形態において、受信側PDCPエンティティは、パケットロスを検出し、受信バッファに既に受信されている他のいくつかのパケットを破棄することを決定することができる。本出願のいくつかのさらなる実施形態において、送信側PDCPエンティティは、パケット破棄決定について相手受信側PDCPエンティティから通知を受け、関連するパケット送信を停止することができる。本願発明の他のいくつかの実施形態では、送信側PDCPエンティティは、いくつかのパケットを破棄して送信を停止することを決定し、受信側PDCPエンティティに通知してもよい。本願発明の他のいくつかの実施形態では、PDCPパケット廃棄動作は、COUNT値、COUNT値に関連するオフセット値、ADUインデックス、単位数、および/またはPDCPパケットヘッダに含まれる重要度レベル情報に基づいて行うことができる。
【0025】
場合によっては、GOPはADUの一種とみなされることがあり、同じADUに属するパケットは互いに相関する。本願発明の実施形態において、ADUに関連するパラメータ (例えば、ADUのインデックス値、「ADUIndexToDiscard」など) は、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、GOPに関連するパラメータに置き換えられるか、またはGOPに関連するパラメータに適用され得る。例えば、いくつかの実施形態において、ADUのインデックス値は、GOPのインデックス値に変更または修正されてもよい。いくつかの実施形態において、「ADUIndexToDiscard」は、「GOPIndexToDiscard」に変更または修正されてもよい。いくつかの実施形態において、ADUに関連付けられた「NumberInUnitToDiscard」は、GOPに関連付けられた「NumberInUnitToDiscard」に変更または修正されてもよい。いくつかの実施形態において、ADUに関連付けられた「ImportanceToDiscard」は、GOPに関連付けられた「ImportanceToDiscard」に変更または修正されてもよい。このようなパラメータの変更を伴う実施形態も、上述の問題を解決することができる。
【0026】
PDCPエンティティの受信側は、「PDCP Rxエンティティ」、「Rx PDCPエンティティ」、「PDCP受信エンティティ」、「受信PDCPエンティティ」等と命名することもできる。また、PDCPエンティティの送信側は、「PDCP Txエンティティ」、「Tx PDCPエンティティ」、「PDCP送信エンティティ」、「送信PDCPエンティティ」等と命名されることもある。
【0027】
詳細については、添付図面と組み合わせて以下の文章で説明する。当業者であれば、「a/第1」、「a/第2」及び「a/第3」等の文言は、明確な説明のために使用されているだけであり、実質的な限定、例えば配列の限定とみなされるべきではないことをよく知っているはずである。
【0028】
図2は、本出願のいくつかの実施形態による装置の例示的なブロック図である。
図2に示すように、装置200は、少なくとも1つのプロセッサ204と、プロセッサ204に結合された少なくとも1つのトランシーバ202とを含むことができる。少なくとも1つのトランシーバ202は、有線トランシーバであってもよいし、無線トランシーバであってもよい。装置200は、以下の
図5および
図6の実施形態で説明したように、PDCP受信エンティティまたはPDCP送信エンティティであってもよい。
【0029】
本図では、少なくとも1つのトランシーバ202やプロセッサ204などの要素を単数形で記載しているが、単数形への限定が明示されない限り、複数形が想定される。本願発明のいくつかの実施形態において、トランシーバ202は、受信回路および送信回路のような2つのデバイスに分割されてもよい。本願発明のいくつかの実施形態では、装置200は、入力装置、メモリ、および/または他の構成要素をさらに含んでもよい。
【0030】
本出願のいくつかの実施形態において、装置200は、PDCP受信エンティティ (例えば、
図5または
図6に示され図示されるようなPDCP Rxエンティティ510またはPDCP Rxエンティティ610) であってもよい。PDCP受信エンティティのプロセッサ204は、パケットロスを検出する、または、PDCP送信エンティティ (例えば、
図5または
図6に示されるように、PDCP Txエンティティ520またはPDCP Txエンティティ620) からトランシーバ202を介して、PDCP受信エンティティの破棄動作に関するパラメータ情報を受信する、ように構成され得る。パケットロスまたは破棄動作は、パケットに関連付けられる。PDCP受信エンティティのプロセッサ204は、パケットロスを検出したことに応答して、またはパラメータ情報を受信したことに応答して、受信バッファ内のパケットに関連する更なるパケットを破棄する破棄動作を実行するように更に構成され得る。
【0031】
以下の文章では、簡単のため、パケットを「第1のパケット」と命名し、さらなるパケットを「第2のパケット」と命名することがある。いくつかの実施形態によれば、第1のパケットは、以下のうちの少なくとも1つでってもよい:
(1) PDCPパケットデータユニット (PDU);
(2) PDCPサービスデータユニット (SDU)。
(3) タイマ (例えば、タイマdiscardTimer) の満了に基づき、PDCP送信エンティティによって廃棄されるパケット。
【0032】
いくつかの実施形態によれば、第2のパケットは、PDCP PDDUまたはPDCP SDUの少なくとも一方である。いくつかの実施形態において、第1のパケット及び第2のパケットは、1つのアプリケーションデータユニット (ADU) に属する。例えば、第1のパケットと第2のパケットは同じADUインデックス値を有する。いくつかの他の実施形態では、第1のパケットおよび第2のパケットは、1つのピクチャグループ (GOP) に属する。例えば、第1のパケットと第2のパケットは同じGOPインデックス値を有する。
【0033】
いくつかの実施形態によれば、パラメータ情報は、物理上りリンク制御チャネル (PUCCH) シグナリング、またはPDCP制御PDUのうちの少なくとも1つを介して伝送される。PDCP受信エンティティによって受信されたパラメータ情報は、以下のうちの少なくとも1つを含み得る:
(1) 第1のパケットが属するADU (簡単のため「第1のADU」と記されている) のインデックス値 (簡単のため「第1のインデックス値」と記されている)。例えば、
図5および
図6の実施形態では、第1のインデックス値は「ADUIndexToDiscard」であってもよい。
(2) 第1のADUに属するパケット群の第1のパケットのインデックス番号 (簡単のため、「第1のインデックス番号」と記す)。例えば、
図5および
図6の実施形態では、第1のインデックス番号は「NumberInUnitToDiscard」であってもよい。
(3) 第1のパケットの重要度レベル (簡単のため「第1の重要度レベル」と記す)。例えば、
図5及び
図6の実施形態では、第1の重要度レベルは「ImportanceToDiscard」であってもよい。例えば、第1の重要度レベルはネットワークノードによって設定される。
(4) 第1のパケットのカウント値 (簡単のために「第1のカウント値」と記す)。例えば、
図5及び
図6の実施形態では、第1のカウント値は「CountToDiscard」であってもよい。
(5) 第1のパケットの第1のカウント値に関連するオフセット値 (簡単のため「第1オフセット値」と記す)。例えば、
図5及び
図6の実施形態では、第1オフセット値は「Offset」であってもよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、PDCP送信エンティティからパラメータ情報を受信することに応答して、かつ、第1のパケットが属する第1のADUの第1のインデックス値 (例えば、第1のパケットが属する第1のADUのADUIndexToDiscard) が「第1のADUの第1のインデックス値 (例えば、ADUIndexToDiscard)」に等しいか否かをチェックするように、PDCP受信エンティティのプロセッサ204が構成されてもよい。第2のADUの第2のインデックス値が第1のADUの第1のインデックス値と等しいことに応答して、PDCP受信エンティティのプロセッサ204は、受信バッファ内の第2のパケットを破棄するように構成され得る。
【0035】
いくつかのさらなる実施形態では、PDCP送信エンティティからパラメータ情報を受信することに応答して、かつ、第1のADUの第1のインデックス値 (例えば、ADUIndexToDiscard) および第1のパケットの第1のインデックス番号 (例えば、NumberInUnitToDiscard) を含むパラメータ情報を受信することに応答して、PDCP受信エンティティの廃棄動作を実行する間に、PDCP受信エンティティのプロセッサ204は、
(1) 「第2のパケットが属する第2のADUの第2のインデックス値」が「第1のADUの第1のインデックス値」と等しいかどうかをチェックし;
(2) 第2のADUの第2のインデックス値が第1のADUの第1のインデックス値と等しいことに応答して、「第1のADUに属するパケット群の第2のパケットのインデックス番号 (簡単のために「第2のインデックス番号」と記す)」が「第1のパケットの第1のインデックス番号」よりも大きいか否かをチェックし;
(3) 第2のパケットの第2のインデックス番号が第1のパケットの第1のインデックス番号よりも大きいことに応答して、受信バッファ内の第2のパケットを破棄する
ように構成されてもよい。
【0036】
いくつかの他の実施形態では、PDCP送信エンティティからパラメータ情報を受信することに応答して、かつ、第1のADUの第1のインデックス値 (例えば、ADUIndexToDiscard) および第1のパケットの第1の重要度レベル (例えば、ImportanceToDiscard) を含むパラメータ情報に応答して、PDCP受信エンティティの廃棄動作を実行する間に、PDCP受信エンティティのプロセッサ204は、
(1) 「第2のパケットが属する第2のADUの第2のインデックス値」が「第1のADUの第1のインデックス値」(例えば、ADUIndexToDiscard) と等しいかどうかをチェックし;
(2) 第2のADUの第2のインデックス値が第1のADUの第1のインデックス値と等しいことに応答して、「第2のパケットの重要度レベル (簡単のため、「第2の重要度レベル」と記す)」が「第1のパケットの第1の重要度レベル」(例えば、ImportanceToDiscard) よりも小さいかどうかをチェックし;
(3) 第2のパケットの第2の重要度レベルが第1のパケットの第1の重要度レベルよりも小さいことに応答して、受信バッファ内の第2のパケットを破棄する
ように構成されてもよい。
【0037】
いくつかの追加的な実施形態では、PDCP送信エンティティからパラメータ情報を受信することに応答して、かつ、第1のパケットの第1のカウント値 (例えば、CountToDiscard) および第1のカウント値に関連する第1オフセット値 (例えば、Offset) を含むパラメータ情報に応答して、PDCP受信エンティティの廃棄動作を実行する間に、PDCP受信エンティティのプロセッサ204は、
(1) 第2のパケットのカウント値 (簡単のため「第2のカウント値」と記す) が、第1のパケットの第1のカウント値より大きいかどうか (例えば、COUNT > CountToDiscard)をチェックし;
(2) 第2のパケットの第2のカウント値が第1のパケットの第1のカウント値よりも大きいことに応答して、「第2のパケットの第2のカウント値から第1のカウント値に関連する第1オフセット値を差し引いた値」が「第1のパケットの第1のカウント値」以下であるかどうか (例えば、「Count-Offset」<=CountToDiscard) をチェックし;
(3) 第2のパケットの第2のカウント値から第1オフセット値を差し引いた値」が「第1のパケットの第1のカウント値」以下であることに応答して、受信バッファ内の第2のパケットを破棄する
ように構成されてもよい。
【0038】
さらにいくつかの追加的な実施形態において、PDCP送信エンティティからパラメータ情報を受信することに応答して、かつ第1のパケットの第1のカウント値 (例えば、CountToDiscard) を含むパラメータ情報に応答して、PDCP受信エンティティの廃棄動作を実行する間に、PDCP受信エンティティのプロセッサ204は、
(1) 第2のパケットのパケットヘッダ情報に基づいて、「第2のパケットの第2のカウント値」と「第2のカウント値に関連するオフセット値 (簡単のため「第2オフセット値」と記す)」を決定し;
(2) 「第2のパケットの第2のカウント値」が「第1のパケットの第1のカウント値」よりも大きいかどうか (例えば、COUNT > CountToDiscard) をチェックし;
(3) 第2のパケットの第2のカウント値が第1のパケットの第1のカウント値よりも大きいことに応答して、「第2のパケットの第2のカウント値から第2のカウント値に関連する第2オフセット値を差し引いた値」が「第1のパケットの第1のカウント値」以下であるかどうか (例えば、「Count-Offset」<= CountToDiscard) をチェックし;
(4) 第2のパケットの第2のカウント値から第2オフセット値を差し引いた値」が「第1のパケットの第1のカウント値」以下であることに応答して、受信バッファ内の第2のパケットを破棄する
ように構成されてもよい。
【0039】
いくつかの実施形態によれば、第1のパケットに関連するパケットロスを検出することに応答して、PDCP受信エンティティの破棄動作を実行する間に、PDCP受信エンティティのプロセッサ204は、
(1) 第2のパケットが属する第2のADUの第2のインデックス値」が「第1のパケットが属する第1のADUの第1のインデックス値」と等しいかどうかをチェックし、
(2) 第2のADUの第2のインデックス値が第1のADUの第1のインデックス値と等しいことに応答して、受信バッファ内の第2のパケットを破棄する
ように構成されてもよい。
【0040】
いくつかのさらなる実施形態によれば、第1のパケットに関連するパケットロスを検出することに応答して、PDCP受信エンティティの破棄動作を実行する間に、PDCP受信エンティティのプロセッサ204は、
(1) 第2のパケットが属する第2のADUの第2のインデックス値」が「第1のパケットが属する第1のADUの第1のインデックス値」と等しいかどうかをチェックし;
(2) 第2のADUの第2のインデックス値が第1のADUの第1のインデックス値と等しいことに応答して、「第1のADUに属するパケット群における第2のパケットの第2のインデックス番号」が「第1のADUに属するパケット群における第1のパケットの第1のインデックス番号」よりも大きいか否かをチェックし;
(3) 第2のパケットの第2のインデックス番号が第1のパケットの第1のインデックス番号よりも大きいことに応答して、受信バッファ内の第2のパケットを破棄する
ように構成されてもよい。
【0041】
他のいくつかの実施形態によれば、第1のパケットに関連するパケットロスを検出することに応答して、PDCP受信エンティティの破棄動作を実行する間に、PDCP受信エンティティのプロセッサ204は、
(1) 第2のパケットが属する第2のADUの第2のインデックス値」が「第1のパケットが属する第1のADUの第1のインデックス値」と等しいかどうかをチェックし;
(2) 第2のADUの第2のインデックス値が第1のADUの第1のインデックス値と等しいことに応答して、「第2のパケットの第2の重要度レベル」が「第1のパケットの第1の重要度レベル」よりも小さいかどうかをチェックし;
(3) 第2の重要度レベルが第1の重要度レベル未満であることに応答して、受信バッファ内の第2のパケットを破棄する
ように構成されてもよい。
【0042】
いくつかの追加的な実施形態によれば、第1のパケットに関連するパケットロスを検出することに応答して、PDCP受信エンティティの破棄動作を実行する間に、PDCP受信エンティティのプロセッサ204は、
(1) 第2のパケットのパケットヘッダ情報に基づいて、「第2のパケットの第2のカウント値」及び「第2のカウント値に関連する第2オフセット値」を決定し;
(2) 「第2のパケットの第2のカウント値」が「第1のパケットの第1のカウント値」よりも大きいかどうか (例えば、COUNT > CountToDiscard) をチェックし;
(3) 第2のカウント値が第1のカウント値より大きいことに応答して、「第2のカウント値から第2オフセット値を引いた値」が「第1のカウント値」以下であるかどうか (例えば、「Count-Offset」<= CountToDiscard) をチェックし;
(4) 第2のカウント値から第2オフセット値を差し引いた値」が第1のカウント値以下であることに応答して、受信バッファ内の第2のパケットを破棄する
ように構成されてもよい。
【0043】
いくつかの実施形態によれば、PDCP受信エンティティのプロセッサ204は、PDCP送信エンティティの破棄動作に関する更なるパラメータ情報を生成し、トランシーバ202を介して、更なるパラメータ情報をPDCP送信エンティティに送信するように構成され得る。更なる破棄動作は、第1のパケットに関連付けられる。さらなるパラメータ情報は、PUCCHシグナリングまたはPDCP制御PDUの少なくとも一方を介して伝送され得る。さらなるパラメータ情報は、
(1) 第1のADUの第1のインデックス値」と「第2のADUの第2のインデックス値」の間で最大のもの;
(2) 「第1のパケットの第1のインデックス番号」と「第2のパケットの第2のインデックス番号」の間で最大のもの;
(3) 「第1のパケットの第1の重要度レベル」と「第2のパケットの第2の重要度レベル」の間で最大のもの;
(4) 「第1のパケットの第1のカウント値」と「第2のパケットの第2のカウント値」の間で最大のもの; または、
(5) 第2のパケットの第2のカウント値に関連する第2のオフセット値
の少なくとも1つを含み得る。
【0044】
いくつかの実施形態によれば、受信バッファ内の第2のパケットを破棄することに応答して、PDCP受信エンティティのプロセッサ204は、
(1) 受信状態変数 (例えば、
図5および
図6の実施形態ではRX_DELIV) を、上位レイヤに配信されておらず、PDCP受信エンティティで破棄されていないPDCP SDUのカウント値に設定する (ここで、PDCP SDUのカウント値は、リオーダリングタイマに関連付けられた受信状態変数 (例えば、COUNT値 >= RX_REORD) 以上である); または
(2) 次の受信状態変数 (例えば、
図5および
図6の実施形態におけるRX_NEXT) を、受信バッファ内の残りのパケットの中で最大のカウント値に続くカウント値に更新する;または
(3) 受信状態変数が次の受信状態変数よりも小さいこと (例えば、RX_DELIV < RX_NEXT) に応答して、並び替えタイマに関連付けられた受信状態変数 (例えば、RX_REORD) を次の受信状態変数 (例えば、RX_NEXT) に更新する、
ことの少なくとも1つを実行するように構成されてもよい。
【0045】
いくつかの実施形態によれば、PDCP受信エンティティのプロセッサ204は、
(1) PDCP送信エンティティから第3のパケット第3のパケットを受信したことに応答して、「別のパケット (簡単のため、「第3のパケット」とマークされる) が属する別のADU (簡単のため、「第3のADU」とマークされる) のインデックス値 (簡単のため、「第3のインデックス値」とマークされる) 」が「第1のパケットが属する第1のADUの第1のインデックス値 (例えば、ADUIndexToDiscard)」と等しいかどうかをチェックし;
(2) 第3のADUの第3のインデックス値が第1のADUの第1のインデックス値と等しいことに応答して、第3のパケットを受信バッファに格納せず、第3のパケットを破棄する
ように構成されてもよい。
【0046】
他のいくつかの実施形態によれば、PDCP受信エンティティのプロセッサ204は、
(1) PDCP送信エンティティから第3のパケットを受信したことに応答して、「第3のパケットが属する第3のADUの第3のインデックス値」が「第1のパケットが属する第1のADUの第1のインデックス値」と等しいか否かを確認し;
(2) 第3のADUの第3のインデックス値が第1のADUの第1のインデックス値と等しいことに応答して、「第3のADUに属するパケット群における第3のパケットのインデックス番号 (簡単のために「第3のインデックス番号」と記す)」が「第1のADUに属するパケット群における第1のパケットの第1のインデックス番号」よりも大きいか否かをチェックし;
(3) 第3のパケットの第3のインデックス番号が第1のパケットの第1のインデックス番号より大きいことに応答して、第3のパケットを受信バッファに記憶せず、第3のパケットを破棄する
ように構成されてもよい。
【0047】
いくつかのさらなる実施形態によれば、PDCP受信エンティティのプロセッサ204は、
(1) PDCP送信エンティティから第3のパケットを受信したことに応答して、「第3のパケットが属する第3のADUの第3のインデックス値」が「第1のパケットが属する第1のADUの第1のインデックス値」と等しいか否かをチェックし;
(2) 第3のADUの第3のインデックス値が第1のADUの第1のインデックス値と等しいことに応答して、「第3のパケットの重要度レベル (簡単のために「第3の重要度レベル」と記されている)」が「第1のパケットの第1の重要度レベル」よりも小さいかどうかをチェックし;
(3) 第3の重要度レベルが第1の重要度レベルより小さいことに応答して、第3のパケットを受信バッファに記憶せず、第3のパケットを廃棄する
ように構成されてもよい。
【0048】
いくつかの追加的な実施形態によれば、PDCP受信エンティティのプロセッサ204は、
(1) PDCP送信エンティティから第3のパケットを受信したことに応答して、第3のパケットのパケットヘッダ情報に基づいて、第3のパケットのカウント値 (簡単のため「第3カウント値」と記す) と、第3カウント値に関連するオフセット値 (簡単のため「第3オフセット値」と記す) とを決定し;
(2) 「第3のパケットの第3のカウント値」が「第1のパケットの第1のカウント値」よりも大きいかどうかをチェックし;
(3) 第3のカウント値が第1のカウント値よりも大きいことに応答して、「第3のカウント値から第3のオフセット値を引いた値」が第1のパケットの第1のカウント値以下であるか否かをチェックし;
(4) 第3のカウント値から第3のオフセット値を差し引いた値」が第1のカウント値以下であることに応じて、第3のパケットを受信バッファに格納記憶せず、第3のパケットを破棄する
ように構成されてもよい。
【0049】
さらにいくつかの追加的な実施形態によれば、PDCP受信エンティティのプロセッサ204は、
(1) PDCP送信エンティティから第3のパケットを受信したことに応答して、第3のパケットのパケットヘッダ情報に基づいて「第3のパケットの第3カウント値」を決定し;
(2) 「第3のパケットの第3のカウント値」が「第1のパケットの第1のカウント値」よりも大きいかどうかをチェックし;
(3) 第3カウント値が第1のカウント値よりも大きいことに応答し、かつ、第1のパケットの第1のカウント値に関連する第1オフセット値を含む第1パラメータ情報に応答して、「第3カウント値から第1のパケットの第1のカウント値に関連する第1オフセット値を引いた値」が「第1のパケットの第1のカウント値」以下であるか否かをチェックし;
(4) 第3カウント値から第1オフセット値を差し引いた値」が第1のカウント値以下であることに応答して、第3のパケットを受信バッファに格納せず、第3のパケットを破棄する
ように構成されてもよい。
【0050】
さらにいくつかの追加的な実施形態によれば、PDCP受信エンティティのプロセッサ204は、トランシーバ202を介して、ネットワークノードから、PDCP受信エンティティの破棄動作が無線ベアラに対してサポートされているかどうかに関する設定情報を受信するように構成され得る。
【0051】
本出願のいくつかの実施形態において、装置200は、PDCP送信エンティティ (例えば、
図5または
図6に示され図示されるようなPDCP Txエンティティ520またはPDCP Txエンティティ620) であってもよい。PDCP送信エンティティのプロセッサ204は、パケットロスを検出し、PDCP送信エンティティの破棄動作を実行することを決定し、またはPDCP受信エンティティ (例えば、PDCP Rxエンティティ510またはPDCP Rxエンティティ610 (
図5または
図6に示されるように、PDCP Rxエンティティ510またはPDCP Rxエンティティ610) からトランシーバ202を介して、PDCP送信エンティティの破棄動作に関するパラメータ情報を受信するように構成されてもよい。PDCP送信エンティティのプロセッサ204は、「パケットロスを検出したことに応答して」、または「破棄動作を実行すると決定したことに応答して」、または「パラメータ情報を受信したことに応答して」、送信バッファ内のパケットに関連する更なるパケット (簡単のため「第2のパケット」と記す) の送信を停止し、更なるパケットを破棄する更なる破棄動作を実行するように更に構成されてもよい。パラメータ情報は、PUCCHシグナリングまたはPDCP制御PDUの少なくとも1つを介して搬送されてもよい。具体例は、
図5および
図6の実施形態において以下のように説明される。
【0052】
いくつかの実施形態によれば、第1のパケットは、(1) PDCP PDU、(2) PDCP SDU、または (3) タイマ (例えば、タイマdiscardTimer) の満了に基づいてPDCP送信エンティティによって破棄されるパケット、のうちの少なくとも1つである。いくつかの実施形態によれば、第2のパケットは、PDCP PDU、またはPDCP SDUのうちの少なくとも1つである。いくつかの実施形態では、第1のパケットおよび第2のパケットは、1つのADUまたは1つのGOPに属する。例えば、第1のパケットおよび第2のパケットは、同じADUインデックス値または同じGOPインデックス値を有する。
【0053】
いくつかの実施形態によれば、PDCP送信エンティティのプロセッサ204は、ネットワークノードからトランシーバ202を介して、PDCP送信エンティティのさらなる破棄動作が無線ベアラに対してサポートされるかどうかに関する構成情報を受信するように構成され得る。いくつかの実施形態では、無線ベアラに、順不同配信変数 (例えば、outOfOrderDelivery) は構成されない。
【0054】
いくつかの実施形態によれば、第1のパケットに関連するパケットロスを検出することに応答して、または廃棄動作を実行することを決定することに応答して、PDCP送信エンティティのさらなる廃棄動作を実行する間に、PDCP送信エンティティのプロセッサ204は、
(1) 第2のパケットが属するADU (簡単のため「第2のADU」とマークされている) のインデックス値 (簡単のため「第2のインデックス値」とマークされている) 」が「第1のパケットが属する第1のADUの第1のインデックス値」(例えば、ADUIndexToDiscard) と等しいかどうかをチェックし;
(2) 第2のADUの第2のインデックス値が第1のADUの第1のインデックス値と等しいことに応答して、送信バッファ内の第2のパケットを破棄する
ように構成されてもよい。
【0055】
いくつかの実施形態によれば、第1のパケットに関連するパケットロスを検出することに応答して、または廃棄動作を実行することを決定することに応答して、PDCP送信エンティティのさらなる廃棄動作を実行する間に、PDCP送信エンティティのプロセッサ204は、
(1) 「第2のパケットが属する第2のADUの第2のインデックス値」が「第1のパケットが属する第1のADUの第1のインデックス値」(例えば、ADUIndexToDiscard) と等しいかどうかをチェックし;
(2) 第2のADUの第2のインデックス値が第1のADUの第1のインデックス値と等しいことに応答して、「第1のADUに属するパケット群の第2のパケットのインデックス番号 (簡単のため、「第2のインデックス番号」と記す)」が「第1のADUに属するパケット群の第1のパケットの第1のインデックス番号」 (例えば、NumberInUnitToDiscard) よりも大きいか否かをチェックし;
(3) 第2のパケットの第2のインデックス番号が第1のパケットの第1のインデックス番号よりも大きいことに応答して、送信バッファ内の第2のパケットを破棄する
ように構成されてもよい。
【0056】
いくつかの実施形態によれば、第1のパケットに関連するパケットロスを検出することに応答して、または廃棄動作を実行することを決定することに応答して、PDCP送信エンティティのさらなる廃棄動作を実行する間に、PDCP送信エンティティのプロセッサ204は、
(1) 「第2のパケットが属する第2のADUの第2のインデックス値」が「第1のパケットが属する第1のADUの第1のインデックス値」(例えば、ADUIndexToDiscard) と等しいかどうかをチェックし;
(2) 第2のADUの第2のインデックス値が第1のADUの第1のインデックス値と等しいことに応答して、「第2のパケットの重要度レベル (簡単のため、「第2の重要度レベル」と記す)」が「第1のパケットの第1の重要度レベル」(例えば、ImportanceToDiscard) よりも小さいかどうかをチェックし;
(3) 第2の重要度レベルが第1の重要度レベルより小さいことに応答して、送信バッファ内の第2のパケットを破棄する
ように構成されてもよい。
【0057】
いくつかの実施形態によれば、第1のパケットに関連するパケットロスを検出することに応答して、または廃棄動作を実行することを決定することに応答して、PDCP送信エンティティのさらなる廃棄動作を実行する間に、PDCP送信エンティティのプロセッサ204は、
(1) 第2のパケットのパケットヘッダ情報に基づいて、第2のパケットのカウント値 (簡単のため「第2のカウント値」と記す) と、第2のカウント値に関連するオフセット値 (簡単のため「第2オフセット値」と記す) を決定し;
(2) 「第2のパケットの第2のカウント値」が「第1のパケットの第1のカウント値」よりも大きいかどうか (例えば、COUNT > CountToDiscard) をチェックし;
(3) 第2のカウント値が第1のカウント値よりも大きいことに応答して、「第2のカウント値から第2のカウント値に関連する第2オフセット値を引いた値」が「第1のパケットの第1のカウント値」以下であるかどうか (例えば、「Count-Offset」<= CountToDiscard) をチェックし;
(4) 第2のカウント値から第2オフセット値を差し引いた値」が第1のカウント値以下であることに応答して、送信バッファ内の第2のパケットを破棄する
ように構成されてもよい。
【0058】
いくつかの実施形態によれば、PDCP送信エンティティのプロセッサ204は、トランシーバ202を介して、PDCP受信エンティティに、PDCP受信エンティティの破棄動作に関する更なるパラメータ情報を送信するように構成され得る。PDCP受信エンティティの破棄動作は、第1のパケットに関連付けられる。さらなるパラメータ情報は、PUCCHシグナリングまたはPDCP制御PDUの少なくとも一方を介して伝送される。さらなるパラメータ情報は、
(1) 第2のパケットが属する第2のADUの第2のインデックス値;
(2) 第2のパケットの第2のインデックス番号;
(3) 第2のパケットの第2の重要度レベル;
(4) 第2のパケットの第2のカウント値; または
(5) 第2のカウント値に関連する第2のオフセット値
の少なくとも1つを含んでもよい。
【0059】
いくつかの実施形態によれば、PDCP送信エンティティのプロセッサ204は、第1のパケットの廃棄タイマ (例えば、discardTimer) の満了に基づいて、廃棄動作を実行することを決定するように構成される。いくつかの実施形態によれば、PDCP送信エンティティのプロセッサ204は、第1のパケットのパケットロスを示すPDCPステータスレポートの受信に基づいて、第1のパケットに関連するパケットロスを検出するように構成される。
【0060】
いくつかの実施形態によれば、PDCP送信エンティティによって受信されたパラメータ情報は、
(1) 第1のパケットが属するADU (簡単のため「第1のインデックス値」と記されている) のインデックス値 (例えば、
図5および
図6の実施形態では「ADUIndexToDiscard」)。
(2) 第1のADUに属するパケット群の第1のパケットのインデックス番号 (簡単のため「第1のインデックス番号」と記す) であり、例えば、
図5および
図6の実施形態では「NumberInUnitToDiscard」である。
(3) 第1のパケットの重要度レベル (簡単のため「第1の重要度レベル」と記す) であり、例えば、
図5及び
図6の実施形態では「ImportanceToDiscard」である。例えば、重要度レベルはネットワークノードによって設定される。
(4) 第1のパケットのカウント値 (簡単のため「第1のカウント値」と記す)、例えば
図5及び
図6の実施形態では「CountToDiscard」。
(5) 第1のパケットの第1のカウント値に関連するオフセット値 (簡単のため「第1のオフセット値」と記す)、例えば
図5及び
図6の実施形態では「Offset」。
の少なくとも1つを含む。
【0061】
いくつかの実施形態において、PDCP受信エンティティからパラメータ情報を受信することに応答して、かつ第1のADUの第1のインデックス値 (例えば、ADUIndexToDiscard) を含むパラメータ情報に応答して、PDCP送信エンティティのさらなる破棄動作を実行する間に、PDCP送信エンティティのプロセッサ204は、
(1) 第2のパケットが属するADU (簡単のため「第2のADU」とマークされている) のインデックス値 (簡単のため「第2のインデックス値」とマークされている)」が、「第1のADUの第1のインデックス値」 (例えば、ADUIndexToDiscard) と等しいかどうかをチェックし;
(2) 第2のADUの第2のインデックス値が第1のADUの第1のインデックス値と等しいことに応答して、送信バッファ内の第2のパケットを破棄する
ように構成されてもよい。
【0062】
いくつかの実施形態では、PDCP受信エンティティからパラメータ情報を受信することに応答して、かつ、第1のADUの第1のインデックス値 (例えば、ADUIndexToDiscard) および第1のパケットの第1のインデックス番号 (例えば、NumberInUnitToDiscard) を含むパラメータ情報を受信することに応答して、PDCP送信エンティティのさらなる破棄動作を実行する間に、PDCP送信エンティティのプロセッサ204は、
(1) 「第2のパケットが属する第2のADUの第2のインデックス値」が「第1のADUの第1のインデックス値」(例えば、ADUIndexToDiscard) と等しいかどうかをチェックし;
(2) 第2のADUの第2のインデックス値が第1のADUの第1のインデックス値と等しいことに応答して、「第1のADUに属するパケット群の第2のパケットのインデックス番号 (簡単のため、「第2のインデックス番号」と記す)」が「第1のパケットの第1のインデックス番号」 (例えば、NumberInUnitToDiscard) よりも大きいか否かをチェックし;
(3) 第2のパケットの第2のインデックス番号が第1のパケットの第1のインデックス番号よりも大きいことに応答して、送信バッファ内の第2のパケットを破棄する
ように構成されてもよい。
【0063】
いくつかの実施形態では、PDCP受信エンティティからパラメータ情報を受信することに応答して、かつ、第1のADUの第1のインデックス値 (例えば、ADUIndexToDiscard) および第1のパケットの第1の重要度レベル (例えば、ImportanceToDiscard) を含むパラメータ情報を受信することに応答して、PDCP送信エンティティのさらなる破棄動作を実行する間に、PDCP送信エンティティのプロセッサ204は、
(1) 「第2のパケットが属する第2のADUの第2のインデックス値」が「第1のADUの第1のインデックス値」(例えば、ADUIndexToDiscard) と等しいかどうかをチェックし;
(2) 第2のADUの第2のインデックス値が第1のADUの第1のインデックス値と等しいことに応答して、「第2のパケットの重要度レベル (簡単のため、「第2の重要度レベル」と記す)」が「第1のパケットの第1の重要度レベル」(例えば、ImportanceToDiscard) よりも小さいかどうかをチェックし;
(3) 第2の重要度レベルが第1の重要度レベルより小さいことに応答して、送信バッファ内の第2のパケットを破棄する
ように構成されてもよい。
【0064】
いくつかの実施形態では、PDCP受信エンティティからパラメータ情報を受信することに応答して、かつ、第1のパケットの第1のカウント値 (例えば、CountToDiscard) および第1のカウント値に関連する第1オフセット値 (例えば、Offset) を含むパラメータ情報に応答して、PDCP送信エンティティのさらなる破棄動作を実行する間に、PDCP送信エンティティのプロセッサ204は、
(1) 「第2のパケットのカウント値 (簡単のため「第2のカウント値」と表記) 」が「第1のパケットの第1のカウント値」よりも大きいかどうか (例えば、COUNT > CountToDiscard) をチェックし;
(2) 第2のカウント値が第1のカウント値よりも大きいことに応答して、「第2のカウント値から第1のカウント値に関連する第1オフセット値を差し引いた値」が第1のカウント値以下であるかどうか (例えば、「Count - Offset」<= CountToDiscard) をチェックし;
(3) 第2のカウント値から第1オフセット値を差し引いた値」が第1のカウント値以下であることに応答して、送信バッファ内の第2のパケットを破棄する
ように構成されてもよい。
【0065】
いくつかの実施形態において、PDCP受信エンティティからパラメータ情報を受信することに応答して、かつ、第1のパケットの第1のカウント値 (例えば、CountToDiscard) を含むパラメータ情報に応答して、PDCP送信エンティティのさらなる破棄動作を実行する間に、PDCP送信エンティティのプロセッサ204は、
(1) 第2のパケットのパケットヘッダ情報に基づいて、第2のパケットの第2のカウント値と、第2のカウント値に関連する第2のオフセット値とを決定し;
(2) 「第2のパケットの第2のカウント値」が「第1のパケットの第1のカウント値」よりも大きいかどうかをチェックし;
(3) 第2のカウント値が第1のカウント値よりも大きいことに応答して、「第2のカウント値から第2のカウント値に関連する第2のオフセット値を引いた値」が「第1のパケットの第1のカウント値」以下であるか否かをチェックし;
(4) 第2のカウント値から第2のオフセット値を引いた値」が「第1のパケットの第1のカウント値」以下であることに応答して、送信バッファ内の第2のパケットを破棄する
ように構成されてもよい。
【0066】
本願のいくつかの実施形態において、装置200は、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含み得る。本開示のいくつかの実施形態において、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、上述したPDCP受信エンティティまたはPDCP送信エンティティに関する方法をプロセッサに実施させるためのコンピュータ実行可能命令をその上に記憶させてもよい。例えば、コンピュータ実行可能命令は、実行されると、例えば、
図3-
図6を参照して説明したような方法の動作を実行するように、トランシーバ202と相互作用するプロセッサ204に実行させる。
【0067】
図3は、本願発明のいくつかの実施形態によるパケット破棄動作の例示的なフローチャートを示す。方法300は、PDCP受信エンティティ (例えば、
図5または
図6に示され図示されるようなPDCP Rxエンティティ510またはPDCP Rxエンティティ610) によって実行されてもよい。PDCP受信エンティティに関して説明したが、他のデバイスも、
図3に示され図示されるような方法を実行するように構成されてもよいことを理解されたい。
【0068】
図3に示される例示的な方法300では、動作301において、PDCP受信エンティティ (例えば、
図5に示され図示されるようなPDCP Rxエンティティ510) が、パケットロスを検出するか、またはPDCP送信エンティティ (例えば、
図5に示され図示されるようなPDCP Txエンティティ520) から、PDCP受信エンティティの破棄動作に関するパラメータ情報を受信する。パケットロスまたは破棄動作は、パケット (簡単のため「第1のパケット」と記す) に関連付けられる。動作302において、PDCP受信エンティティは、パケットロスを検出したことに応答して、又はPDCP送信エンティティからパラメータ情報を受信したことに応答して、受信バッファ内の第1のパケットに関連する更なるパケット (簡単のため「第2のパケット」と記す) を破棄するための破棄動作を実行することを決定する。
図5及び
図6の実施形態において、具体例を以下に説明する。
【0069】
図3に示される方法300のいくつかの実施形態によれば、第1のパケットは、(1) PDCP PDU、(2) PDCP SDU、または (3) タイマ満了 (例えば、タイマdiscardTimer) に基づいてPDCP送信エンティティによって破棄されるパケットのうちの少なくとも1つであってもよい。第2のパケットは、PDCP PDU、またはPDCP SDUの少なくとも1つである。いくつかの実施形態では、第1のパケットおよび第2のパケットは1つのADUに属し、例えば、第1のパケットおよび第2のパケットは同じADUインデックス値を有する。他のいくつかの実施形態では、第1のパケット及び第2のパケットは1つのGOPに属し、例えば、第1のパケット及び第2のパケットは同じGOPインデックス値を有する。
【0070】
図3に示される方法300のいくつかの実施形態によれば、パラメータ情報は、PUCCHシグナリングまたはPDCP制御PDUの少なくとも一方を介して搬送され得る。PDCP受信エンティティによって受信されるパラメータ情報は、以下のパラメータのうちの少なくとも1つを含み得る。
(1) 第1のパケットが属するADU (簡単のため「第1のインデックス値」と記されている) のインデックス値 (例えば、
図5および
図6の実施形態では「ADUIndexToDiscard」)。
(2) 第1のADUに属するパケット群の第1のパケットのインデックス番号 (簡単のため「第1のインデックス番号」と記す) であり、例えば、
図5および
図6の実施形態では「NumberInUnitToDiscard」である。
(3) 第1のパケットの重要度レベル (簡単のため「第1の重要度レベル」と記す) であり、例えば、
図5及び
図6の実施形態では「ImportanceToDiscard」である。例えば、第1の重要度レベルはネットワークノードによって設定される。
(4) 第1のパケットのカウント値 (簡単のため「第1のカウント値」と記す)、例えば
図5及び
図6の実施形態では「CountToDiscard」。
(5) 第1のパケットの第1のカウント値に関連するオフセット値 (簡単のため「第1オフセット値」と記す)、例えば
図5及び
図6の実施形態では「Offset」。
【0071】
図3に示される方法300のいくつかの実施形態では、PDCP送信エンティティからパラメータ情報を受信することに応答して、かつ、パラメータ情報が、第1のパケットが属する第1のADUの第1のインデックス値 (例えば、第1のパケットが属する第1のADUのADUIndexToDiscard) が「第1のADUの第1のインデックス値」(例えば、ADUIndexToDiscard) と等しいか否かを、廃棄動作の実行中に、PDCP受信エンティティがさらにチェックする。第2のADUの第2のインデックス値が第1のADUの第1のインデックス値と等しいことに応答して、PDCP受信エンティティは、受信バッファ内の第2のパケットを破棄してもよい。
【0072】
図3に示される方法300のいくつかのさらなる実施形態では、PDCP送信エンティティからパラメータ情報を受信することに応答して、かつ、第1のADUの第1のインデックス値 (例えば、ADUIndexToDiscard) および第1のパケットの第1のインデックス番号 (例えば、NumberInUnitToDiscard) を含むパラメータ情報に応答して、廃棄動作を実行する間に、PDCP受信エンティティは、
(1) 第2のパケットが属する第2のADUの第2のインデックス値」が第1のADUの第1のインデックス値と等しいかどうかをチェックしてもよく;
(2) 第2のADUの第2のインデックス値が第1のADUの第1のインデックス値と等しいことに応答して、「第1のADUに属するパケット群の第2のパケットのインデックス番号 (簡単のために「第2のインデックス番号」と記す)」が「第1のパケットの第1のインデックス番号」よりも大きいか否かをチェックしてもよく;
(3) 第2のパケットの第2のインデックス番号が第1のパケットの第1のインデックス番号よりも大きいことに応答して、受信バッファ内の第2のパケットを破棄してもよい。
【0073】
図3に示される方法300の他のいくつかの実施形態では、PDCP送信エンティティからパラメータ情報を受信することに応答して、かつ、第1のADUの第1のインデックス値 (例えば、ADUIndexToDiscard) および第1のパケットの第1の重要度レベル (例えば、ImportanceToDiscard) を含むパラメータ情報に応答して、PDCP受信エンティティの廃棄動作を実行する間に、PDCP受信エンティティは、
(1) 第2のパケットが属する第2のADUの第2のインデックス値」が「第1のADUの第1のインデックス値」(例えば、ADUIndexToDiscard) と等しいかどうかをチェックしてもよく;
(2) 第2のADUの第2のインデックス値が第1のADUの第1のインデックス値と等しいことに応答して、「第2のパケットの重要度レベル (簡単のため、「第2の重要度レベル」と記されている)」が「第1のパケットの第1の重要度レベル」 (例えば、ImportanceToDiscard) よりも小さいかどうかをチェックしてもよく;
(3) 第2のパケットの第2の重要度レベルが第1のパケットの第1の重要度レベル未満であることに応答して、受信バッファ内の第2のパケットを廃棄してもよい。
【0074】
図3に示される方法300のいくつかの追加的な実施形態では、PDCP送信エンティティからパラメータ情報を受信することに応答して、かつ、第1のパケットの第1のカウント値 (例えば、CountToDiscard) および第1のカウント値に関連する第1オフセット値 (例えば、Offset) を含むパラメータ情報に応答して、PDCP受信エンティティの廃棄動作を実行する間に、PDCP受信エンティティは、
(1) 第2のパケットのカウント値 (簡単のため 「第2のカウント値」と記す) が、第1のパケットの第1のカウント値より大きいかどうか (例えば、COUNT > CountToDiscard) をチェックしてもよく;
(2) 第2のパケットの第2のカウント値が第1のパケットの第1のカウント値よりも大きいことに応答して、「第2のパケットの第2のカウント値から第1のカウント値に関連する第1オフセット値を差し引いた値」が「第1のパケットの第1のカウント値」以下であるか否か (例えば、「Count-Offset」<= CountToDiscard) をチェックしてもよく;
(3) 「第2のパケットの第2のカウント値から第1オフセット値を差し引いた値」が第1のパケットの第1のカウント値以下であることに応答して、受信バッファ内の第2のパケットを破棄してもよい。
【0075】
図3に示される方法300のさらにいくつかの追加的な実施形態では、PDCP送信エンティティからパラメータ情報を受信することに応答して、かつ、第1のパケットの第1のカウント値 (例えば、CountToDiscard) を含むパラメータ情報に応答して、PDCP受信エンティティの廃棄動作を実行する間に、PDCP受信エンティティは、
(1) 第2のパケットのパケットヘッダ情報に基づいて、「第2のパケットの第2のカウント値」と「第2のカウント値に関連するオフセット値 (簡単のため「第2オフセット値」と記す)」を決定してもよく;
(2) 「第2のパケットの第2のカウント値「が 「第1のパケットの第1のカウント値」よりも大きいかどうか (例えば、COUNT > CountToDiscard) をチェックしてもよく;
(3) 第2のパケットの第2のカウント値が第1のパケットの第1のカウント値よりも大きいことに応答して、「第2のパケットの第2のカウント値から第2のカウント値に関連する第2オフセット値を差し引いた値」が「第1のパケットの第1のカウント値」以下であるか否か (例えば、「Count-Offset」<= CountToDiscard) をチェックしてもよく;
(4) 「第2のパケットの第2のカウント値から第2オフセット値を引いた値」が「第1のパケットの第1のカウント値」以下であることに応答して、受信バッファ内の第2のパケットを破棄してもよい。
【0076】
図3に示される方法300のいくつかの実施形態によれば、第1のパケットに関連するパケットロスを検出することに応答して、PDCP受信エンティティの廃棄動作を実行する間に、PDCP受信エンティティは、
(1) 第2のパケットが属する第2のADUの第2のインデックス値」が「第1のパケットが属する第1のADUの第1のインデックス値」と等しいかどうかをチェックしてもよく;
(2) 第2のADUの第2のインデックス値が第1のADUの第1のインデックス値と等しいことに応答して、受信バッファ内の第2のパケットを破棄してもよい。
【0077】
図3に示される方法300のいくつかのさらなる実施形態によれば、第1のパケットに関連するパケットロスを検出することに応答して、PDCP受信エンティティの廃棄動作を実行する間に、PDCP受信エンティティは、
(1) 「第2のパケットが属する第2のADUの第2のインデックス値」が「第1のパケットが属する第1のADUの第1のインデックス値」と等しいかどうかをチェックしてもよく;
(2) 第2のADUの第2のインデックス値が第1のADUの第1のインデックス値と等しいことに応答して、「第1のADUに属するパケット群における第2のパケットの第2のインデックス番号」が「第1のADUに属するパケット群における第1のパケットの第1のインデックス番号」よりも大きいかどうかをチェックしてもよく;
(3) 第2のパケットの第2のインデックス番号が第1のパケットの第1のインデックス番号より大きいことに応答して、受信バッファ内の第2のパケットを廃棄してもよい。
【0078】
図3に示される方法300の他のいくつかの実施形態によれば、PDCP受信エンティティの廃棄動作の実行中に、第1のパケットに関連するパケットロスを検出することに応答して、PDCP受信エンティティは、
(1) 「第2のパケットが属する第2のADUの第2のインデックス値」が「第1のパケットが属する第1のADUの第1のインデックス値」と等しいかどうかをチェックしてもよく;
(2) 第2のADUの第2のインデックス値が第1のADUの第1のインデックス値と等しいことに応答して、「第2のパケットの第2の重要度レベル」が「第1のパケットの第1の重要度レベル」よりも小さいかどうかをチェックしてもよく;
(3) 第2の重要度レベルが第1の重要度レベル未満であることに応答して、受信バッファ内の第2のパケットを破棄してもよい。
【0079】
図3に示される方法300のいくつかの追加的な実施形態によれば、PDCP受信エンティティの廃棄動作の実行中に、第1のパケットに関連するパケットロスを検出することに応答して、PDCP受信エンティティは、
(1) 第2のパケットのパケットヘッダ情報に基づいて、「第2のパケットの第2のカウント値」と「第2のカウント値に関連する第2オフセット値」とを決定してもよく;
(2) 第2のパケットの第2のカウント値」が「第1のパケットの第1のカウント値」よりも大きいかどうか (例えば、COUNT > CountToDiscard) をチェックしてもよく;
(3) 第2のカウント値が第1のカウント値よりも大きいことに応答して、「第2のカウント値から第2オフセット値を引いた値」が「第1のカウント値」以下であるかどうか (例えば、「Count-Offset」<= CountToDiscard) をチェックしてもよく;
(4) 第2のカウント値から第2オフセット値を引いた値」が第1のカウント値以下であることに応答して、受信バッファ内の第2のパケットを破棄してもよい。
【0080】
図3に示される方法300のいくつかの実施形態によれば、PDCP受信エンティティは、PDCP送信エンティティの破棄動作に関する更なるパラメータ情報を生成し、その更なるパラメータ情報をPDCP送信エンティティに送信してもよい。更なる破棄動作は、第1のパケットに関連付けられる。さらなるパラメータ情報は、PUCCHシグナリングまたはPDCP制御PDUの少なくとも一方を介して伝送される。さらなるパラメータ情報は、
(1) 「第1のADUの第1のインデックス値」と「第2のADUの第2のインデックス値」の間で最大のもの;
(2) 「第1のパケットの第1のインデックス番号」と「第2のパケットの第2のインデックス番号」の間で最大のもの;
(3) 「第1のパケットの第1の重要度レベル」と「第2のパケットの第2の重要度レベル」の間で最大のもの;
(4) 「第1のパケットの第1のカウント値」と「第2のパケットの第2のカウント値」の間で最大のもの; または
(5) 第2のパケットの第2のカウント値に関連する第2のオフセット値
のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0081】
図3に示される方法300のいくつかの実施形態によれば、受信バッファ内の第2のパケットを破棄することに応答して、PDCP受信エンティティは、
(1) 受信状態変数 (例えば、
図5および
図6の実施形態ではRX_DELIV) を、上位レイヤに配信されておらず、PDCP受信エンティティで破棄されていないPDCP SDUのカウント値に設定する (ここで、PDCP SDUのカウント値は、リオーダリングタイマに関連付けられた受信状態変数 (例えば、COUNT値 >= RX_REORD) 以上である) こと;または
(2) 次の受信状態変数 (例えば、
図5および
図6の実施形態におけるRX_NEXT) を、受信バッファ内の残りのパケットの中で最大のカウント値に続くカウント値に更新すること; または
(3) 受信状態変数が次の受信状態変数よりも小さいこと (例えば、RX_DELIV < RX_NEXT) に応答して、リオーダリングタイマに関連付けられた受信状態変数 (例えば、RX_REORD) を次の受信状態変数 (例えば、RX_NEXT) に更新すること
の少なくとも1つを実行してもよい。
【0082】
図3に示される方法300のいくつかの実施形態によれば、PDCP受信エンティティは、
(1) PDCP送信エンティティから第3のパケットを受信したことに応答して、「別のパケット (簡単のため、「第3のパケット」とマークされる) が属する別のADU (簡単のため、「第3のADU」とマークされる) のインデックス値 (簡単のため、「第3のインデックス値」とマークされる)」が「第1のパケットが属する第1のADUの第1のインデックス値 (例えば、ADUIndexToDiscard)」と等しいかどうかをチェックし;
(2) 第3のADUの第3のインデックス値が第1のADUの第1のインデックス値と等しいことに応答して、「第3のパケットを受信バッファに記憶せず」、「第3のパケットを破棄」
してもよい。
【0083】
図3に示された方法300の他のいくつかの実施形態によれば、PDCP受信エンティティは、
(1) PDCP送信エンティティから第3のパケットを受信したことに応答して、「第3のパケットが属する第3のADUの第3のインデックス値」が「第1のパケットが属する第1のADUの第1のインデックス値」 (例えば、ADUIndexToDiscard) と等しいかどうかをチェックしてもよく;
(2) 第3のADUの第3のインデックス値が第1のADUの第1のインデックス値と等しいことに応答して、「第3のADUに属するパケット群の第3のパケットのインデックス番号 (簡単のため、「第3のインデックス番号」と記す)」が「第1のADUに属するパケット群の第1のパケットの第1のインデックス番号」 (例えば、NumberInUnitToDiscard) よりも大きいかどうかをチェックしてもよく;
(3) 第3のパケットの第3のインデックス番号が第1のパケットの第1のインデックス番号よりも大きいことに応答して、「第3のパケットを受信バッファに格納」し、「第3のパケットを破棄」してもよい。
【0084】
図3に示された方法300のいくつかのさらなる実施形態によれば、PDCP受信エンティティは、
(1) PDCP送信エンティティから第3のパケットを受信したことに応答して、「第3のパケットが属する第3のADUの第3のインデックス値」が「第1のパケットが属する第1のADUの第1のインデックス値」と等しいかどうかをチェックしてもよく;
(2) 第3のADUの第3のインデックス値が第1のADUの第1のインデックス値と等しいことに応答して、「第3のパケットの重要度レベル (簡単のために「第3の重要度レベル」と記されている)」が「第1のパケットの第1の重要度レベル」よりも小さいかどうかをチェックしてもよく;
(3) 第3の重要度レベルが第1の重要度レベルよりも低いことに応じて、「第3のパケットを受信バッファに格納」せず、「第3のパケットを破棄」してもよい。
【0085】
図3に示された方法300のいくつかの追加的な実施形態によれば、PDCP受信エンティティは、
(1) PDCP送信エンティティから第3のパケットを受信したことに応答して、第3のパケットのパケットヘッダ情報に基づいて、第3のパケットのカウント値 (簡単のため「第3ののカウント値」と記す) と、第3のカウント値に関連するオフセット値 (簡単のため「第3のオフセット値」と記す) とを決定してもよく;
(2) 「第3のパケットのカウント値」が「第1のパケットのカウント値」よりも大きいかどうかをチェックしてもよく;
(3) 第3のカウント値が第1のカウント値よりも大きいことに応答して、「第3のカウント値から第3のオフセット値を引いた値」が第1のパケットの第1のカウント値以下であるか否かをチェックしてもよく;
(4) 「第3のカウント値から第3のオフセット値を差し引いた値」が第1のカウント値以下であることに応じて、第3のパケットを受信バッファに格納せず、第3のパケットを破棄してもよい。
【0086】
図3に示された方法300のさらにいくつかの追加的な実施形態によれば、PDCP受信エンティティは、
(1) PDCP送信エンティティから第3のパケットを受信したことに応答して、第3のパケットのパケットヘッダ情報に基づいて「第3のパケットの第3カウント値」を決定してもよく;
(2) 第3のパケットのカウント値」が「第1のパケットのカウント値」よりも大きいかどうかをチェックしてもよく;
(3) 第3のカウント値が第1のカウント値よりも大きいことに応答して、かつ、第1のパケットの第1のカウント値に関連する第1オフセット値を含む第1パラメータ情報に応答して、「第3カウント値から第1のパケットの第1のカウント値に関連する第1オフセット値を引いた値」が「第1のパケットの第1のカウント値」以下であるか否かをチェックしてもよく;
(4) 「第3カウント値から第1オフセット値を差し引いた値」が第1のカウント値以下であることに応答して、第3のパケットを受信バッファに格納せず、第3のパケットを破棄してもよい。
【0087】
図3に示された方法300のさらにいくつかの追加的な実施形態によれば、PDCP受信エンティティは、ネットワークノードから、PDCP受信エンティティの破棄動作が無線ベアラに対してサポートされているかどうかに関する設定情報を受信することができる。
【0088】
図3に示された方法300は、図示されていない他の操作、例えば、
図2および
図4-
図6に関して説明された任意の操作を含んでもよいことが企図される。
【0089】
本願発明の他の全ての実施形態に記載された詳細 (例えば、パケットロスによるPDCPレイヤでのパケット廃棄動作をサポートするメカニズムに関する詳細) は、
図3の実施形態に適用可能である。さらに、
図3の実施形態で説明した詳細は、
図1、
図2、および
図4-
図6のすべての実施形態に適用可能である。本開示の精神および範囲から逸脱することなく、
図3の実施形態における例示的な手順における動作の順序が変更されてもよく、
図3の実施形態における例示的な手順における動作の一部が削除または修正されてもよいことが当業者には理解されるはずである。
【0090】
図4は、本願発明のいくつかの実施形態によるパケット破棄動作のためのさらなる例示的なフローチャートを示す。
図4の実施形態は、PDCP送信エンティティ (例えば、
図5または
図6に示され図示されるようなPDCP Txエンティティ520またはPDCP Txエンティティ620) によって実行されてもよい。PDCP送信エンティティに関して説明したが、他のデバイスが
図4と同様の方法を実行するように構成されてもよいことを理解されたい。
【0091】
図4に示されるような例示的な方法400では、動作401において、PDCP送信エンティティ (例えば、
図5に示され図示されるようなPDCP Txエンティティ520) が、パケットロスを検出するか、またはPDCP受信エンティティ (例えば、
図5に示され図示されるようなPDCP Rxエンティティ510) から、PDCP送信エンティティの破棄動作に関するパラメータ情報を受信する。パケットロスまたは破棄動作は、パケット (簡単のために「第1のパケット」と記す) に関連付けられる。
図4に示すように、動作402において、PDCP送信エンティティは、パケットロスを検出したことに応答して、またはパラメータ情報を受信したことに応答して、送信バッファ内の第1のパケットに関連する更なるパケット (簡単のために「第2のパケット」と記す) の送信を停止し、更なるパケットを破棄するための破棄動作を実行する。
図4に示される方法400のいくつかの実施形態によれば、パラメータ情報は、PUCCHシグナリングまたはPDCP制御PDUの少なくとも一方を介して搬送されてもよい。具体例は、
図5および
図6の実施形態において以下のように説明される。
【0092】
図4に示す方法400のいくつかの実施形態によれば、第1のパケットは、(1) PDCP PDU、(2) PDCP SDU、または (3) タイマ満了 (例えば、タイマdiscardTimer) に基づいてPDCP送信エンティティによって破棄されるパケットのうちの少なくとも1つであってもよい。いくつかの実施形態によれば、第2のパケットは、PDCP PDU、またはPDCP SDUのうちの少なくとも1つである。いくつかの実施形態において、第1のパケット及び第2のパケットは1つのADUに属し、例えば、第1のパケット及び第2のパケットは同じADUインデックス値を有する。他のいくつかの実施形態では、第1のパケット及び第2のパケットは1つのGOPに属し、例えば、第1のパケット及び第2のパケットは同じGOPインデックス値を有する。
【0093】
図4に示される方法400のいくつかの実施形態では、PDCP送信エンティティは、ネットワークノードから、PDCP送信エンティティの破棄動作が無線ベアラに対してサポートされているかどうかに関する構成情報を受信することができる。例えば、無線ベアラは、順不同配信変数 (例えば、outOfOrderDelivery) で構成されていないこともありうる。
【0094】
図4に示される方法400のいくつかの実施形態によれば、第1のパケットに関連するパケットロスを検出することに応答して、または破棄動作を実行することを決定することに応答して、PDCP送信エンティティのさらなる破棄動作を実行する間に、PDCP送信エンティティは、
(1) 第2のパケットが属するADU (簡単のため、「第2のADU」とマークされている) のインデックス値 (簡単のため、「第2のインデックス値」とマークされている)」が、「第1のパケットが属する第1のADUの第1のインデックス値 (例えば、ADUIndexToDiscard)」と等しいかどうかをチェックしてもよく;
(2) 第2のADUの第2のインデックス値が第1のADUの第1のインデックス値と等しいことに応答して、送信バッファ内の第2のパケットを破棄してもよい。
【0095】
図4に示される方法400のいくつかの実施形態によれば、第1のパケットに関連するパケットロスを検出することに応答して、PDCP送信エンティティのさらなる破棄動作を実行する間に、PDCP送信エンティティは、
(1) 「第2のパケットが属する第2のADUの第2のインデックス値」が「第1のパケットが属する第1のADUの第1のインデックス値」(例えば、ADUIndexToDiscard) と等しいかどうかをチェックしてもよく;
(2) 第2のADUの第2のインデックス値が第1のADUの第1のインデックス値と等しいことに応答して、「第1のADUに属するパケット群の第2のパケットのインデックス番号 (簡単のために「第2のインデックス番号」と記す)」が「第1のADUに属するパケット群の第1のパケットの第1のインデックス番号」 (例えば、NumberInUnitToDiscard) よりも大きいかどうかをチェックしてもよく;
(3) 第2のパケットの第2のインデックス番号が第1のパケットの第1のインデックス番号よりも大きいことに応答して、送信バッファ内の第2のパケットを破棄してもよい。
【0096】
図4に示される方法400のいくつかの実施形態によれば、第1のパケットに関連するパケットロスを検出することに応答して、PDCP送信エンティティのさらなる破棄動作を実行する間に、PDCP送信エンティティは、
(1) 「第2のパケットが属する第2のADUの第2のインデックス値」が「第1のパケットが属する第1のADUの第1のインデックス値」(例えば、ADUIndexToDiscard) と等しいかどうかをチェックしてもよく;
(2) 第2のADUの第2のインデックス値が第1のADUの第1のインデックス値と等しいことに応答して、「第2のパケットの重要度レベル (簡単のため、「第2の重要度レベル」と記されている)」が「第1のパケットの第1の重要度レベル」(例えば、ImportanceToDiscard) よりも小さいかどうかをチェックしてもよく;
(3) 第2の重要度レベルが第1の重要度レベル未満であることに応答して、送信バッファ内の第2のパケットを破棄してもよい。
【0097】
図4に示される方法400のいくつかの実施形態によれば、第1のパケットに関連するパケットロスを検出することに応答して、PDCP送信エンティティのさらなる破棄動作を実行する間に、PDCP送信エンティティは、
(1) 第2のパケットのパケットヘッダ情報に基づいて、第2のパケットのカウント値 (簡単のため「第2のカウント値」と記す) と、第2のカウント値に関連するオフセット値 (簡単のため「第2のオフセット値」と記す) とを決定してもよく;
(2) 「第2のパケットの第2のカウント値」が「第1のパケットの第1のカウント値」よりも大きいかどうか (例えば、COUNT > CountToDiscard) をチェックしてもよく;
(3) 第2のカウント値が第1のカウント値よりも大きいことに応答して、「第2のカウント値から第2のカウント値に関連する第2のオフセット値を引いた値」が「第1のパケットの第1のカウント値」以下であるかどうか (例えば、「Count-Offset」<= CountToDiscard) をチェックしてもよく;
(4) 第2のカウント値から第2オフセット値を引いた値」が第1のカウント値以下であることに応答して、送信バッファ内の第2のパケットを破棄してもよい。
【0098】
図4に示される方法400のいくつかの実施形態によれば、PDCP送信エンティティは、PDCP受信エンティティに、PDCP受信エンティティの破棄動作に関する更なるパラメータ情報を送信してもよい。PDCP受信エンティティの破棄動作は、第1のパケットに関連付けられる。さらなるパラメータ情報は、PUCCHシグナリングまたはPDCP制御PDUの少なくとも一方を介して伝送される。さらなるパラメータ情報は、以下のうちの少なくとも1つを含んでもよい:
(1) 第2のパケットが属する第2のADUの第2のインデックス値;
(2) 第2のパケットの第2のインデックス番号;
(3) 第2のパケットの第2の重要度レベル;
(4) 第2のパケットの第2のカウント値、または
(5) 第2のカウント値に関連する第2のオフセット値。
【0099】
図4に示される方法400のいくつかの実施形態によれば、PDCP送信エンティティは、第1のパケットに対する廃棄タイマ (例えば、discardTimer) の満了に基づいて、廃棄動作を実行することを決定する。
図4に示される方法400のいくつかの実施形態によれば、PDCP送信エンティティは、第1のパケットのパケットロスを示すPDCPステータスレポートの受信に基づいて、第1のパケットに関連するパケットロスを検出する。
【0100】
図4に示される方法400のいくつかの実施形態によれば、PDCP送信エンティティによって受信されるパラメータ情報は、以下の少なくとも1つを含む:
(1) 第1のパケットが属するADU (簡単のため「第1のインデックス値」と記されている) のインデックス値 (例えば、
図5および
図6の実施形態では「ADUIndexToDiscard」)。
(2) 第1のADUに属するパケット群の第1のパケットのインデックス番号 (簡単のため「第1のインデックス番号」と記す) であり、例えば、
図5および
図6の実施形態では「NumberInUnitToDiscard」である。
(3) 第1のパケットの重要度レベル (簡単のため「第1の重要度レベル」と記す) であり、例えば、
図5及び
図6の実施形態では「ImportanceToDiscard」である。例えば、重要度レベルはネットワークノードによって設定される。
(4) 第1のパケットのカウント値 (簡単のため「第1のカウント値」と記す)、例えば
図5及び
図6の実施形態では「CountToDiscard」。
(5) 第1のパケットの第1のカウント値に関連するオフセット値 (簡単のため「第1のオフセット値」と記す)、例えば
図5及び
図6の実施形態では「オフセット」。
【0101】
図4に示される方法400のいくつかの実施形態において、PDCP受信エンティティからパラメータ情報を受信することに応答して、かつ、パラメータ情報が第1のADUの第1のインデックス値 (例えば、ADUIndexToDiscard) を含むことに応答して、PDCP送信エンティティのさらなる破棄動作を実行する間に、PDCP送信エンティティは、
(1) 第2のパケットが属するADU (簡単のために「第2のADU」とマークされている) のインデックス値 (簡単のために「第2のインデックス値」とマークされている)」が「第1のADUの第1のインデックス値」 (例えば、ADUIndexToDiscard) と等しいかどうかをチェックしてもよく;
(2) 第2のADUの第2のインデックス値が第1のADUの第1のインデックス値と等しいことに応答して、送信バッファ内の第2のパケットを破棄してもよい。
【0102】
図4に示される方法400のいくつかの実施形態では、PDCP受信エンティティからパラメータ情報を受信することに応答して、かつ、第1のADUの第1のインデックス値 (例えば、ADUIndexToDiscard) および第1のパケットの第1のインデックス番号 (例えば、NumberInUnitToDiscard) を含むパラメータ情報を受信することに応答して、PDCP送信エンティティのさらなる破棄動作を実行する間に、PDCP送信エンティティは、
(1) 第2のパケットが属する第2のADUの第2のインデックス値」が「第1のADUの第1のインデックス値」(例えば、ADUIndexToDiscard) と等しいかどうかをチェックしてもよく;
(2) 第2のADUの第2のインデックス値が第1のADUの第1のインデックス値と等しいことに応答して、「第1のADUに属するパケット群の第2のパケットのインデックス番号 (簡単のため、「第2のインデックス番号」と記す)」が「第1のパケットの第1のインデックス番号」(例えば、NumberInUnitToDiscard) よりも大きいかどうかをチェックしてもよく;
(3) 第2のパケットの第2のインデックス番号が第1のパケットの第1のインデックス番号よりも大きいことに応答して、送信バッファ内の第2のパケットを破棄してもよい。
【0103】
図4に示される方法400のいくつかの実施形態において、PDCP受信エンティティからパラメータ情報を受信することに応答して、かつ、第1のADUの第1のインデックス値 (例えば、ADUIndexToDiscard) および第1のパケットの第1の重要度レベル (例えば、ImportanceToDiscard) を含むパラメータ情報に応答して、PDCP送信エンティティのさらなる破棄動作を実行する間に、PDCP送信エンティティは、
(1) 第2のパケットが属する第2のADUの第2のインデックス値」が「第1のADUの第1のインデックス値」(例えば、ADUIndexToDiscard) と等しいかどうかをチェックしてもよく;
(2) 第2のADUの第2のインデックス値が第1のADUの第1のインデックス値と等しいことに応答して、「第2のパケットの重要度レベル (簡単のため、「第2の重要度レベル」と記されている)」が「第1のパケットの第1の重要度レベル」(例えば、ImportanceToDiscard) よりも小さいかどうかをチェックしてもよく;
(3) 第2の重要度レベルが第1の重要度レベル未満であることに応答して、送信バッファ内の第2のパケットを破棄してもよい。
【0104】
図4に示される方法400のいくつかの実施形態では、PDCP受信エンティティからパラメータ情報を受信することに応答して、かつ、第1のパケットの第1のカウント値 (例えば、CountToDiscard) および第1のカウント値に関連する第1オフセット値 (例えば、Offset) を含むパラメータ情報に応答して、PDCP送信エンティティのさらなる破棄動作を実行する間に、PDCP送信エンティティは、
(1) 「第2のパケットのカウント値 (簡単のため『第2のカウント値』と表記)」が「第1のパケットの第1のカウント値」よりも大きいかどうか (例えば、COUNT > CountToDiscard) をチェックしてもよく;
(2) 第2のカウント値が第1のカウント値よりも大きいことに応答して、「第2のカウント値から第1のカウント値に関連する第1のオフセット値を引いた値」が第1のカウント値以下であるかどうか(例えば、「Count - Offset」<= CountToDiscard) をチェックしてもよく;
(3) 「第2のカウント値から第1オフセット値を引いた値」が第1のカウント値以下であることに応答して、送信バッファ内の第2のパケットを破棄してもよい。
【0105】
図4に示される方法400のいくつかの実施形態において、PDCP受信エンティティからパラメータ情報を受信することに応答して、かつ、第1のパケットの第1のカウント値 (例えば、CountToDiscard) を含むパラメータ情報に応答して、PDCP送信エンティティのさらなる破棄動作を実行する間に、PDCP送信エンティティは、
(1) 第2のパケットのパケットヘッダ情報に基づいて、第2のパケットの第2のカウント値と、第2のカウント値に関連する第2オフセット値とを決定してもよく;
(2) 「第2のパケットの第2のカウント値」が「第1のパケットの第1のカウント値」よりも大きいかどうかをチェックしてもよく;
(3) 第2のカウント値が第1のカウント値よりも大きいことに応答して、「第2のカウント値から第2のカウント値に関連する第2オフセット値を引いた値」が「第1のパケットの第1のカウント値」以下であるか否かをチェックしてもよく;
(4) 「第2のカウント値から第2オフセット値を引いた値」が「第1のパケットの第1のカウント値」以下であることに応答して、送信バッファ内の第2のパケットを破棄してもよい。
【0106】
図4に示される方法は、図示されていない他の操作、例えば、
図2、
図3、
図5、および
図6に関して説明される任意の操作を含んでもよいことが企図される。
【0107】
本願発明の他の全ての実施形態で説明した詳細 (例えば、パケットロスによるPDCPレイヤでのパケット廃棄動作をサポートするメカニズムに関する詳細) は、
図4の実施形態に適用可能である。さらに、
図4の実施形態で説明した詳細は、
図1-3、
図5、および
図6のすべての実施形態に適用可能である。本開示の精神および範囲から逸脱することなく、
図4の実施形態における例示的な手順における動作の順序が変更されてもよく、
図4の実施形態における例示的な手順における動作の一部が削除または修正されてもよいことは当業者には理解されるはずである。
【0108】
図5および
図6は、
図2-4に示され図示されたような方法のいくつかの具体的な実施形態を示す。
図5および
図6の実施形態は、パケットが1つのXRサービスに関連し、互いに相関していることを前提としている。例えば、各パケット (すなわち、PDCP PDU) は、ADUまたはGOPインデックス、単位内の数 (すなわち、同じADUまたはGOP内のフレームの数)、および重要度レベルに関連付けられる。1つのADUまたはGOPは、互いに相関する複数のフレームを持つ。同じADUまたはGOPに属するパケットは互いに相関しており、例えば、Iフレームパケットが損失した場合、ユーザは後続のPフレームおよびBフレームをデコードできなくなる。同じADUまたはGOPに属するパケットは、異なる重要度レベルであり、例えば、Iフレームパケットは、PフレームおよびBフレームよりも高い重要度レベルである。
図5および
図6の実施形態では、パケットは、PDU、SDU、またはタイマ満了 (例えば、タイマdiscardTimer) に基づいてPDCP送信エンティティによって破棄されるパケットであり得る。
【0109】
図5は、本願のいくつかの実施形態による、PDCP受信エンティティにおけるパケット破棄動作の例示的なフローチャートを示す。
【0110】
図5に示すように、ステップ501において、PDCP Rxエンティティ510は、パケット廃棄決定を行う。ステップ502において、PDCP Rxエンティティ510は、「PDCP Txエンティティ520の破棄動作に関するパラメータ情報」をPDCP Txエンティティ520に送信する。
【0111】
例えば、PDCP Rxエンティティ510 (例えば、PDCP受信エンティティであってもよい) がパケットロスを判定した場合、または受信バッファ (受信バッファと命名されてもよい) 内の関連受信パケットを破棄することを決定した場合、PDCP Rxエンティティ510は、PDCP Txエンティティ520 (例えば、PDCP送信エンティティであってもよい) に対して、「パケットロス及びPDCP Rxエンティティ510の破棄動作に関するパラメータ情報」を送信することができる。パラメータ情報は、PUCCHシグナリングおよび/またはPDCP制御PDU (例えば、PDCPステータスレポートまたは新しいPDCP制御PDU) を介して送信され得る。いくつかの実施形態では、パラメータ情報は以下のいずれかを意味し得る:
1) CountToDiscard値と、オプションとして、「CountToDiscard」値に関連するOffset値。
2) ADUIndexToDiscard値、およびオプションとして、NumberInUnitToDiscard値またはImportanceToDiscard値。
【0112】
いくつかの実施形態では、CountToDiscard、ADUIndexToDiscard、NumberInUnitToDiscard、および/またはImportanceToDiscardは、PDCP Rxエンティティ510によって指示された値または決定された値に設定される。
【0113】
図5のいくつかの実施形態によれば、PDCP Rxエンティティ510は、タイマt-Reorderingが満了し、関連するCOUNT値 < RX_REORDを有するPDCP PDUまたはPDCP SDUがまだ見つからない場合、PDCP PDUまたはPDCP SDUが損失したと判定する。PDCP Rxエンティティ510は、損失したPDCPパケットに依存する (例えば、同じADUまたはGOPに属する) 1つまたは複数の受信PDCPパケットを破棄してもよい。これらの実施形態では、PDCP Rxエンティティ510のPDCPパケット破棄動作は、PDCP Rxエンティティ510によってトリガされる。
【0114】
図5のいくつかの実施形態では、損失したPDCPパケットに従ってPDCPパケットを破棄するかどうかは、ネットワークノードによって構成される所定のデータ無線ベアラに対して許可される。また、PDCPヘッダが他のPDCPパケットとの相関に関する情報 (例えば、オフセット値とは、その前のPDCPパケットのオフセット番号、ADUまたはGOPインデックス、単位内の番号、または重要度情報に依存することを意味する) を含むか否かを意味する場合もある。一部の実施形態では、PDCPパケットの破棄動作を許可する無線ベアラは、outOfOrderDeliveryを設定してはならない。outOfOrderDeliveryが設定されている場合、PDCP SDUはPDCP Rxエンティティ510にバッファリングされないため、PDCPパケット破棄処理は適用可能ではない。
【0115】
図5に示すように、ステップ503において、PDCP Rxエンティティ510からパラメータ情報を受信すると、PDCP Txエンティティ520は、PDCP Rxエンティティ510によって示された廃棄パケットに相関する送信バッファ内のパケット (例えば、PDU) を廃棄してもよい。このような実施形態では、PDCP Txエンティティ520のPDCPパケット廃棄動作は、PDCP Rxエンティティ510からパラメータ情報を受信することによってトリガされる。例えば、PDCP Txエンティティ520は、以下のうちの1つを実行してもよい:
1) 送信を停止し、「COUNT’ - Offset」 <= CountToDiscard を満たすCOUNT値とOffset値を持つ、現在の送信バッファ内の残りのパケットを破棄する (将来到着するパケットには影響しない)。
2) 送信を停止し、ADUIndexToDiscardと同じADUインデックスに関連付けられた残りのパケット (現在の送信バッファ内のパケットと将来到着するパケットの両方を含む) を破棄する。
3) もし提供されていれば、ADUIndexToDiscardと同じADUインデックスで、NumberInUnitToDiscardより大きいユニット内番号に関連付けられた残りのパケット (現在の送信バッファ内のパケットと将来到着するパケットの両方を含む) の送信を停止して破棄する。
4) ADUIndexToDiscardと同じADUインデックスに関連付けられ、重要度レベルがImportanceToDiscardより低い残りのパケット (現在の送信バッファ内のパケットと将来到着するパケットの両方を含む) が提供されていれば、送信を停止して破棄する。
【0116】
図5のいくつかの実施形態によれば、PDCPデータPDUヘッダはオフセット値を含み、これは、現在のPDCPパケットがそれ以前のPDCPパケットのオフセット数に依存することを意味し、以前のオフセット数のPDCPパケットが失われると、現在のPDCPパケットは無用である。
【0117】
いくつかの実施形態では、PDCPパケットが下位レイヤから受信される場合、PDCP Rxエンティティ510は、関連するCOUNT値とOffset値が「COUNT」-「Offset」<= CountToDiscard を満たすかどうかをチェックする。もしそうであれば、PDCP Rxエンティティ510は受信したPDCPパケットを破棄し、受信バッファに入れない。
【0118】
図5のいくつかの実施形態によれば、受信側PDCPエンティティが「COUNT = CountLost」に関連するPDCPパケットのパケットロスを判定した場合、PDCP Rxエンティティ510は、受信バッファ内の「COUNT」-「Offset」 <= CountLost を満たす関連するCOUNT値およびOffset値を有するPDCPパケットを廃棄する。例えば、PDCPデータPDUヘッダが「COUNT値 = 100」及び「Offset値 =10」を含む場合、「90-99」の範囲内のCOUNT値を有するPDCPパケットの損失により、現在のPDCP PDUは無用のものとなるため、廃棄することができる。PDCP Rxエンティティ510は、CountToDiscardを、破棄されたPDCPパケットに関連する最大のCOUNTに更新してもよい。
【0119】
一部の実施形態では、受信バッファに残っているPDCPパケットのうち、該当するPDCPパケットを破棄すると、PDCP Rxエンティティ510は、以下の動作のいずれかまたは組み合わせを実行することができる:
1) RX_DELIVは、COUNT値 >= RX_REORDで上位レイヤに配信されていない最初のPDCP SDUのCOUNT値に更新される。
2) RX_NEXTは、受信バッファに残っているPDCPパケットの中で最大のCOUNT値に続くCOUNT値に更新される。
3) RX_DELIV < RX_NEXTの場合、RX_REORD は RX_NEXT に更新される。
【0120】
図5のいくつかの実施形態によれば、損失したパケットが、ADU/GOPインデックス (例えば、ADUIndexToDiscard) によって示される特定のADU/GOPに関連付けられ、単位内の番号 (例えば、NumberInUnitToDiscard) によって示されるADU/GOP内の番号「N」のパケットである場合、PDCP Rxエンティティ510は、同じADU/GOPに属し、 (オプションとして)「N」よりも大きい単位内の番号を有する他のパケットを廃棄する。損失したパケットに関する情報は、PDCP Rxエンティティ510の上位レイヤまたはPDCP Txエンティティ520によって示されることがある。
【0121】
いくつかの実施形態では、PDCPパケットが下位レイヤから受信されるとき、PDCP Rxエンティティ510は、関連するADUインデックスがADUIndexToDiscardに等しく、(オプションで、) 関連するユニット内の番号がNumberInUnitToDiscardより大きいかどうかをチェックする。もしそうであれば、PDCP Rxエンティティ510は受信したPDCPパケットを破棄し、受信バッファに入れない。具体的な一実施形態としては、以下のようなものが考えられる:
- 受信したPDCP Data PDUのCOUNT値 = RCVD_COUNTと判断した後、PDCP Rxエンティティ510は、
-COUNT = RCVD_COUNT を使用して PDCP Data PDU の解読と完全性の検証を行う;
-完全性の検証に失敗した場合:
-上位レイヤへの完全性検証の失敗を示す;
-PDCPData PDUを破棄し、受信していないとみなす;
-関連するADUインデックスがADUIndexToDiscardに等しく、(オプションで、) 関連するユニット内の番号がNumberInUnitToDiscardより大きい場合
- -RCVD_COUNT < RX_DELIV; または
-COUNT = RCVD_COUNT の PDCPData PDU を受信したことがある場合:
-PDCPData PDU を破棄
【0122】
図5のいくつかの実施形態によれば、PDCP Rxエンティティ510がPDCPパケット受信失敗を検出するとき、タイマt-Reorderingが満了するとき、PDCP Rxエンティティ510は、損失したPDCPパケットに関連付けられたADUインデックスと等しいADUインデックスと、(オプションで、) 損失したPDCPパケットに関連付けられたユニット内番号よりも大きいユニット内番号と、を有する受信バッファ内の他のPDCPパケットを破棄する;PDCP Rxエンティティ510は、ADUIndexToDiscardおよびNumberInUnitToDiscardの値を更新する。いくつかの実施形態では、ADUIndexToDiscardの値は、廃棄されたPDCPパケットに関連付けられた最大のADUインデックスに更新され、NumberInUnitToDiscardの値は、廃棄されたPDCPパケットに関連付けられた最大のユニット内番号の値に更新される。
【0123】
一部の実施形態では、受信バッファに残っているPDCPパケットのうち、該当するPDCPパケットを破棄すると、PDCP Rxエンティティ510は、以下の動作のいずれかまたは組み合わせを実行してもよい:
1) RX_DELIVは、COUNT値 >= RX_REORDで上位レイヤに配信されていない最初のPDCP SDUのCOUNT値に更新される。
2) RX_NEXTに、受信バッファに残っているPDCPパケットの中で最大のCOUNT値に続くCOUNT値を設定する。
3) RX_DELIV < RX_NEXTの場合、RX_REORD は RX_NEXTに更新される。
【0124】
具体的な実施形態としては、以下のようなものであってもよい:
・ t-Reorderingが満了すると、PDCP Rxエンティティ510は、
-COUNT値 < RX_REORDに関連するPDCP SUDUがあり、まだ見つからない場合、ADUインデックスがADUIndexToDiscardと等しく、(オプションで、) 関連するユニット番号がNumberInUnitToDiscardより大きいPDCP受信バッファのPDCP SDUを破棄する。
-ヘッダー解凍を実行した後、関連するCOUNT値の昇順で、上位層に、(解凍前に次の操作が行われていない場合)、
-関連するCOUNT値が < RX_REORD であるすべての保存済み PDCP SDU;
-RX_REORDから始まる連続的に関連するCOUNT値を持つすべての保存済みPDCP SDU;
を配信する。
-RX_DELIVを、上位層に配信されていない最初のPDCP SDUのCOUNT値に更新し、COUNT値 >= RX_REORD
-RX_DELIV < RX_NEXT の場合:
-RX_REORD を RX_NEXT に更新する。
-t-Reorderingを開始する。
【0125】
図5のいくつかの実施形態によれば、損失したパケットがADU/GOPインデックスによって示される特定のADU/GOPに関連付けられ、重要度の値が「M」である場合、PDCP Rx (受信) エンティティ510は、同じADU/GOPに属し、損失したパケットの重要度「M」よりも低い重要度レベルの他のパケットを破棄する。損失したパケットに関する情報は、PDCP Rxエンティティ510の上位レイヤまたはPDCP Tx (送信) エンティティ520によって示されてもよい。
【0126】
いくつかの実施形態では、PDCPパケットが下位レイヤから受信されると、PDCP Rxエンティティ510は、関連するADUインデックスがADUIndexToDiscardに等しいかどうか、および関連する重要度レベルがImportanceToDiscard以下であるかどうかをチェックしなければならない。もしそうであれば、PDCP Rxエンティティ510は受信した PDCP パケットを破棄し、受信バッファに入れない。
【0127】
いくつかの実施形態では、タイマt-Reorderingの満了時に受信PDCPエンティティがPDCPパケットの受信失敗を検出すると、PDCP Rxエンティティ510は、損失したPDCPパケットに関連付けられたADUインデックスと等しいADUインデックスと、ImportanceToDiscard以下の重要度レベルに関連付けられた数を持つ受信バッファ内の他のPDCPパケットを破棄し、PDCP Rxエンティティ510はADUIndexToDiscardの値を更新する。
【0128】
実施形態では、ADUIndexToDiscardの値は、破棄されたPDUに関連する最大のADUインデックスに更新される。実施形態では、受信バッファに残っているPDCPパケットのうち、関連するPDCPパケットを破棄すると、PDCP Rxエンティティ510は、以下の動作のいずれかまたは組み合わせを実行してもよい:
1) RX_DELIVは、COUNT値 >= RX_REORDで上位レイヤに配信されていない最初のPDCP SDUのCOUNT値に更新される。
2) RX_NEXTは、受信バッファに残っているPDCPパケットの中で最大のCOUNT値に続くCOUNT値に更新される。
3) RX_DELIV < RX_NEXTの場合、RX_REORDはRX_NEXTに更新される。
【0129】
また、本願発明の他の全ての実施形態で説明した内容 (例えば、パケットロスによるPDCPレイヤでのパケット破棄動作をサポートするためのメカニズムに関する内容) は、
図5の実施形態に適用可能である。さらに、
図5の実施形態で説明した詳細は、
図1-4および
図6の全ての実施形態に適用可能である。
【0130】
図6は、本願発明のいくつかの実施形態によるPDCP送信エンティティにおけるパケット廃棄動作の例示的なフローチャートを示す。
図6に示すように、ステップ601において、PDCP Txエンティティ620はパケット廃棄決定を行う。ステップ602において、PDCP Txエンティティ620は、「PDCP Rxエンティティ610の破棄動作に関するパラメータ情報」をPDCP Rxエンティティ610に送信する。ステップ603において、PDCP Rxエンティティ610は関連するパケットを破棄する。いくつかの実施形態では、パラメータ情報は、以下のいずれかを意味し得る:
1) CountToDiscard値と、オプションで「CountToDiscard」値に関連するOffset値。
2) ADUIndexToDiscard値、およびオプションとして、NumberInUnitToDiscard値またはImportanceToDiscard値。
【0131】
いくつかの実施形態では、CountToDiscard、ADUIndexToDiscard、NumberInUnitToDiscard、および/またはImportanceToDiscardは、PDCP Txエンティティ620によって指示された値または決定された値に設定される。
【0132】
図6のいくつかの実施形態によれば、PDCP Txエンティティ620が1つのPDCPパケットを破棄することを決定すると、PDCP Txエンティティ620は、その送信バッファ内の他の関連するPDCPパケットも破棄してもよい。いくつかの実施形態では、PDCP Txエンティティ620におけるPDCPパケット破棄動作が無線ベアラに対してサポートされるかどうかは、送信時にオフセットおよび/またはADU/GOP情報がPDCPパケットヘッダに伝送されるようなネットワーク構成による。
【0133】
図6のいくつかの実施形態によれば、PDCP Txエンティティ620は、以下のいずれかの理由により、1つのPDCPパケットを破棄することを決定することができる:
1) タイマdiscardTimerがPDCP SDUについて満了する (すなわち、PDCP Txエンティティ620自身がタイマdiscardTimerに基づいて破棄動作を実行すると決定する)。
2) PDCPステータスレポートは、PDCP SDUの欠落を示す (すなわち、PDCP Txエンティティ620自身が、PDCPステータスレポートに基づいて破棄動作を実行することを決定する)。
3) PDCP Rxエンティティ610は、PDCPパケットの破棄動作をトリガし、例えば、
図5の実施形態で説明したように、PDCP Txエンティティ620に通知する (すなわち、PDCP Txエンティティ620は、PDCP Rxエンティティ610から破棄動作に関するパラメータ情報を受信する)。
【0134】
図6のいくつかの実施形態によれば、PDCP Txエンティティ620は送信を停止し、廃棄されたものに関連する他のパケットを廃棄する。例えば、PDCP Txエンティティ620は、以下の動作のいずれかまたは組み合わせを実行してもよい:
1) 送信を停止し、 ‘COUNT - Offset’ <= CountToDiscardを満たすCOUNT値とOffset値を持つ、現在の送信バッファ内の残りのパケットを破棄する (将来到着するパケットには影響しない)。
2) 送信を停止し、ADUIndexToDiscardと同じADUインデックスに関連付けられた残りのパケット (現在の送信バッファ内のパケットと将来到着するパケットの両方を含む) を破棄する。
3) ADUIndexToDiscardと同じADUインデックスで、NumberInUnitToDiscardより大きいユニット内番号を持つ残りのパケット (現在の送信バッファ内のパケットと将来到着するパケットの両方を含む) は、該当する場合、送信を停止して破棄する。
4) ADUIndexToDiscardと同じADUインデックスに関連付けられ、重要度レベルがImportanceToDiscardより低い残りのパケット (現在の送信バッファ内のパケットと将来到着するパケットの両方を含む) の送信を停止し、破棄する (該当する場合)。
【0135】
図6のいくつかの実施形態によれば、PDCPパケットの破棄動作が送信側のPDCPエンティティ自身によってトリガされた場合 (例えば、「PDCP SDUに対してtimer discardTimerが満了した場合」または「PDCPステータスレポートがPDCP SDUの欠落を示す場合」)、PDCP Txエンティティ620は、以下の動作のいずれかまたは組み合わせを実行してもよい:
1) CountToDiscardには、PDCPパケット破棄動作のトリガとなる送信バッファ内のPDCPパケットに関連するCOUNT値が設定される。
2) ADUIndexToDiscardには、PDCPパケット破棄動作のトリガとなる送信バッファ内のPDCPパケットに関連付けられたADUインデックス値が設定される。
3) NumberInUnitToDiscardには、PDCPパケット破棄動作のトリガとなる送信バッファ内のPDCPパケットに関連付けられた単位値の番号が設定される。
4) ImportanceToDiscardには、PDCPパケット破棄のトリガとなる送信バッファ内のPDCPパケットに関連付けられた重要度レベルの値が設定されるか、ネットワークノードが事前に設定したImportanceToDiscardの値が設定される。
【0136】
図6のいくつかの実施形態によれば、PDCP Txエンティティ620からPDCPパケットの破棄動作に関するパラメータ情報を受信すると、PDCP Rxエンティティ610は、PDCP Txエンティティ620によって示された破棄されたPDCP SDU (複数可) と相関関係にある受信バッファ内のPDCP SDUを破棄する。例えば、PDCP Rxエンティティ610は、
1) 受信バッファ内のPDCP SDUについて、COUNT値とオフセット値が ‘COUNT’ - ‘Offset’ <= CountToDiscardを満たすものを破棄してもよい。
2) 受信バッファのPDCP SDUについて、ADUIndexToDiscardと同じADUインデックスに関連付けられたものを破棄してもよい。
3) 受信バッファのPDCP SDUについて、ADUIndexToDiscardと同じADUインデックスに関連付けられ、NumberInUnitToDiscardより大きいユニット番号を持つものを破棄してもよい (該当する場合)。
4) 受信バッファのPDCP SDUについて、ADUIndexToDiscardと同じADUインデックスに関連付けられ、重要度レベルがImportanceToDiscardより低いものを破棄してもよい (該当する場合)。
【0137】
図6のいくつかの実施形態では、受信バッファに残っているPDCPパケットのうち、該当するPDCPパケットを破棄すると、PDCP Rxエンティティ610は、以下の動作のいずれかまたは組み合わせを実行してもよい:
(1) RX_DELIVは、上位レイヤに配信されていない最初のPDCP SDUのCOUNT値 (COUNT値 >= RX_REORD) に更新される。
(2) RX_NEXTは、受信バッファに残っているPDCPパケットの中で最大のCOUNT値に続くCOUNT値に更新される。
(3) RX_DELIV < RX_NEXTの場合、RX_REORDはRX_NEXTに更新される。
【0138】
また、本願発明の他の全ての実施形態で説明した内容 (例えば、パケットロスによるPDCPレイヤでのパケット廃棄動作をサポートする仕組みに関する内容) は、
図6の実施形態に適用可能である。さらに、
図6の実施形態で説明した詳細は、
図1-
図5の全ての実施形態に適用可能である。
【0139】
本開示の方法は、プログラムされたプロセッサ上で実施することができる。しかしながら、コントローラ、フローチャート、およびモジュールは、汎用コンピュータまたは特殊用途コンピュータ、プログラムされたマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラおよび周辺集積回路素子、集積回路、ディスクリート素子回路などのハードウェア電子回路または論理回路、プログラマブルロジックデバイスなどに実装することもできる。一般に、図に示すフローチャートを実施可能な有限状態機械を有する任意の装置を使用して、本開示の処理機能を実施することができる。
【0140】
本開示は、その特定の実施形態で説明されてきたが、多くの代替、修正、および変形が当業者に明らかであり得ることは明らかである。例えば、実施形態の様々な構成要素を、他の実施形態において交換、追加、または置換することができる。また、各図の全ての要素は、開示された実施形態の動作に必要ではない。例えば、当業者は、独立請求項の要素を単に採用することによって、本開示の教示を作成および使用することが可能になるであろう。従って、本明細書に記載される本開示の実施形態は、限定的なものではなく、例示的なものであることが意図される。本開示の精神および範囲から逸脱することなく、様々な変更がなされてもよい。
【0141】
本文書において、用語「含む」、「含んでいる」、又はその他の変形は、要素のリストを含むプロセス、方法、成形品、又は装置が、それらの要素のみを含むのではなく、明示的にリストされていない、又はそのようなプロセス、方法、成形品、又は装置に固有の他の要素を含む可能性があるような、非排他的な包含をカバーすることを意図するものである。「a」、「an」等で進められる要素は、より多くの制約なしに、その要素を含むプロセス、方法、成形品又は装置における追加の同一の要素の存在を排除するものではない。また、「別の」という用語は、少なくとも2つ目以上と定義される。本明細書において、「有している」等の用語は、「含んでいる」と定義される。
【国際調査報告】