(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-09
(54)【発明の名称】医療用レーザ用途における光ファイバコネクタのための位置合わせアセンブリを含むカテーテルシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 18/24 20060101AFI20241226BHJP
【FI】
A61B18/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527495
(86)(22)【出願日】2022-12-22
(85)【翻訳文提出日】2024-06-26
(86)【国際出願番号】 US2022053775
(87)【国際公開番号】W WO2023122252
(87)【国際公開日】2023-06-29
(32)【優先日】2021-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521549268
【氏名又は名称】ボルト メディカル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クック、クリストファー、エイ.
(72)【発明者】
【氏名】ファン、イツァーク
(72)【発明者】
【氏名】ザレスキー、リチャード
(72)【発明者】
【氏名】ワン、ティン、ティン
(72)【発明者】
【氏名】スウィフト、ジェイムス
【テーマコード(参考)】
4C026
【Fターム(参考)】
4C026AA04
4C026BB07
4C026DD02
4C026DD03
4C026DD05
4C026DD10
4C026FF17
4C026FF33
4C026FF43
4C026FF53
4C026GG03
(57)【要約】
患者(109)の体内(107)の血管壁(108A)内の又は血管壁(108A)に隣接する血管病変(106A)を治療するためのカテーテルシステム(100)。カテーテルシステム(100)は、光源(124)と、レセプタクルアセンブリ(274)と、第1の光ガイド(122A)及び第2の光ガイド(122A)と、マルチプレクサ(128)と、位置合わせアセンブリ(256)とを含む。光源(124)は、光エネルギーの光源ビーム(124A)を発生する。第1の光ガイド(122A)及び第2の光ガイド(122A)はレセプタクルアセンブリ(274)に結合され、各光ガイド(122A)は、ガイド近位端(122P)を有する。マルチプレクサ(128)は、光源(124)から光源ビーム(124A)を受け取り、マルチプレクサ(128)は、光源ビーム(124A)からの個々のガイドビーム(124B)を、第1の光ガイド(122A)のガイド近位端(122P)及び第2の光ガイド(122A)のガイド近位端(122P)の各々に導く。位置合わせアセンブリ(256)は、個々のガイドビーム(124B)に対するレセプタクルアセンブリ(274)の位置を調整する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の体内の血管壁内の又は血管壁に隣接する血管病変を治療するためのカテーテルシステムであって、前記カテーテルシステムが、
光エネルギーの光源ビームを発生する光源と、
レセプタクルアセンブリと、
第1の光ガイド、及び前記レセプタクルアセンブリに結合された第2の光ガイドであって、各光ガイドがガイド近位端を有する、第1の光ガイド及び第2の光ガイドと、
前記光源から前記光源ビームを受け取るマルチプレクサであって、前記マルチプレクサが、前記光源ビームからの個々のガイドビームを前記第1の光ガイドの前記ガイド近位端及び前記第2の光ガイドの前記ガイド近位端の各々に導く、マルチプレクサと、
前記個々のガイドビームに対する前記レセプタクルアセンブリの位置を調整する位置合わせアセンブリと
を備える、カテーテルシステム。
【請求項2】
前記第1の光ガイドの前記ガイド近位端及び前記第2の光ガイドの前記ガイド近位端の各々が、2つの回転自由度を有する、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項3】
前記レセプタクルアセンブリが3つの自由度を有する、請求項1又は2に記載のカテーテルシステム。
【請求項4】
前記レセプタクルアセンブリが3つの回転自由度を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のカテーテルシステム。
【請求項5】
前記マルチプレクサが少なくとも1つの自由度を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のカテーテルシステム。
【請求項6】
前記位置合わせアセンブリが、前記個々のガイドビームに対して前記レセプタクルアセンブリをマイクロメータレベルの調整で調整する、請求項1~5のいずれか一項に記載のカテーテルシステム。
【請求項7】
前記位置合わせアセンブリが、前記マルチプレクサに対して前記レセプタクルアセンブリを調整する、請求項1~6のいずれか一項に記載のカテーテルシステム。
【請求項8】
前記レセプタクルアセンブリが前記位置合わせアセンブリに結合されている、請求項1~7のいずれか一項に記載のカテーテルシステム。
【請求項9】
前記マルチプレクサが前記位置合わせアセンブリに結合されている、請求項1~8のいずれか一項に記載のカテーテルシステム。
【請求項10】
前記位置合わせアセンブリが、前記ガイド近位端に対する前記個々のガイドビームの位置合わせが調整され得るように、各光ガイドの前記ガイド近位端の画像を取り込むカメラを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のカテーテルシステム。
【請求項11】
患者の体内の血管壁内の又は血管壁に隣接する血管病変を治療するためのカテーテルシステムであって、前記カテーテルシステムが、光エネルギーの光源ビームを発生する光源と、レセプタクルアセンブリと、前記レセプタクルアセンブリに結合された第1の光ガイド及び第2の光ガイドであって、各光ガイドがガイド近位端を有する、第1の光ガイド及び第2の光ガイドと、前記光源から前記光源ビームを受け取るマルチプレクサであって、前記マルチプレクサが、前記光源ビームからの個々のガイドビームを前記第1の光ガイドの前記ガイド近位端及び前記第2の光ガイドの前記ガイド近位端の各々に導く、マルチプレクサとを含み、前記カテーテルシステムが、
前記個々のガイドビームに対する前記レセプタクルアセンブリの位置を調整する位置合わせアセンブリ
を備える、カテーテルシステム。
【請求項12】
前記位置合わせアセンブリが、前記個々のガイドビームに対して前記レセプタクルアセンブリをマイクロメータレベルの補正で調整する、請求項11に記載のカテーテルシステム。
【請求項13】
前記位置合わせアセンブリが、前記マルチプレクサに対して前記レセプタクルアセンブリを調整する、請求項11又は12に記載のカテーテルシステム。
【請求項14】
前記レセプタクルアセンブリが前記位置合わせアセンブリに結合されている、請求項11~13のいずれか一項に記載のカテーテルシステム。
【請求項15】
前記マルチプレクサが前記位置合わせアセンブリに結合されている、請求項11~14のいずれか一項に記載のカテーテルシステム。
【請求項16】
前記ガイド近位端の各々が、前記ガイド近位端が2つの回転自由度を有するように前記位置合わせアセンブリに結合される、請求項11~15のいずれか一項に記載のカテーテルシステム。
【請求項17】
前記レセプタクルアセンブリが3つの自由度を有するように、前記レセプタクルアセンブリが前記位置合わせアセンブリに結合される、請求項11~16のいずれか一項に記載のカテーテルシステム。
【請求項18】
前記レセプタクルアセンブリが3つの回転自由度を有するように、前記レセプタクルアセンブリが前記位置合わせアセンブリに結合される、請求項11~17のいずれか一項に記載のカテーテルシステム。
【請求項19】
前記マルチプレクサが少なくとも1つの自由度を有するように、前記マルチプレクサが前記位置合わせアセンブリに結合される、請求項11~18のいずれか一項に記載のカテーテルシステム。
【請求項20】
前記位置合わせアセンブリが、前記ガイド近位端に対する前記個々のガイドビームの位置合わせが調整され得るように、各光ガイドの前記ガイド近位端の画像を取り込むカメラを含む、請求項11~19のいずれか一項に記載のカテーテルシステム。
【請求項21】
前記マルチプレクサに導かれる光エネルギーのパルスの形態の単一の光源ビームを発生させるように、前記光源の動作を制御するように構成されたプロセッサを含むシステムコントローラをさらに備え、前記システムコントローラが、第1のガイドビームが前記第1の光ガイドに導かれ、第2のガイドビームが前記第2の光ガイドに導かれるように、前記マルチプレクサの動作を制御するようにさらに構成された、請求項11~20のいずれか一項に記載のカテーテルシステム。
【請求項22】
前記光源がレーザを含む、請求項11~21のいずれか一項に記載のカテーテルシステム。
【請求項23】
カテーテルシャフトと、前記カテーテルシャフトに結合されたバルーンとをさらに備え、前記バルーンが、バルーン内部を画定するバルーン壁を含み、前記バルーンが、前記バルーン内部内にバルーン流体を保持するように構成され、前記第1の光ガイド及び前記第2の光ガイドが、少なくとも部分的に前記バルーン内部内に位置決めされる、請求項11~22のいずれか一項に記載のカテーテルシステム。
【請求項24】
前記バルーンが、膨張状態まで拡張するように、前記バルーン流体で選択的に膨張可能であり、前記バルーンが前記膨張状態にあるとき、前記バルーン壁が、前記血管病変に実質的に隣接して位置決めされるように構成された、請求項23に記載のカテーテルシステム。
【請求項25】
前記第1の光ガイド及び前記第2の光ガイドが、前記光源から前記光エネルギーを受け取り、前記光源からの前記光エネルギーを前記バルーン内部に誘導して、前記バルーン内部内の前記バルーン流体中にプラズマを発生させ、前記プラズマの発生が、急速なバブル形成を引き起こし、前記血管病変に隣接する前記バルーン壁に圧力波を付与する、請求項24に記載のカテーテルシステム。
【請求項26】
前記マルチプレクサが、前記光源ビームを第1のガイドビームと第2のガイドビームとに分割する光学素子を含む、請求項11~25のいずれか一項に記載のカテーテルシステム。
【請求項27】
前記マルチプレクサが、前記第1のガイドビームを前記第1の光ガイド上に集束させ、前記第2のガイドビームを前記第2の光ガイド上に集束させるように構成された結合光学部品をさらに含む、請求項26に記載のカテーテルシステム。
【請求項28】
前記第1のガイドビーム及び前記第2のガイドビームが、それらの間にある角度をもって前記結合光学部品に入射する、請求項27に記載のカテーテルシステム。
【請求項29】
前記第1の光ガイド及び前記第2の光ガイドがよりコンパクトな形態になるように、前記第1の光ガイド及び前記第2の光ガイドの各々を互いに近づけるガイドバンドルをさらに備える、請求項11~28のいずれか一項に記載のカテーテルシステム。
【請求項30】
前記レセプタクルアセンブリが、レセプタクル・アセンブリ・ハウジングと、レセプタクル・フェルール・レシーバと、レセプタクル・フェルール・リテーナとを含む、請求項11~29のいずれか一項に記載のカテーテルシステム。
【請求項31】
前記レセプタクル・フェルール・リテーナが、前記レセプタクル・フェルール・レシーバ内の所望の位置に前記第1の光ガイド及び前記第2の光ガイドの各々を選択的にロックする、請求項11~30のいずれか一項に記載のカテーテルシステム。
【請求項32】
前記レセプタクル・フェルール・リテーナが、それぞれ、前記レセプタクル・フェルール・レシーバ内の所望の位置に前記第1の光ガイド及び前記第2の光ガイドの各々を選択的にロックするように構成された複数のプランジャ・ボール・スプリングを含むプランジャ・ボール・スプリング・ブリッジである、請求項30又は31に記載のカテーテルシステム。
【請求項33】
前記位置合わせアセンブリが、前記レセプタクルアセンブリに選択的に固定された第1のステージを含み、前記第1のステージが、第1の軸及び第2の軸のうちの一方の周りを回転するように構成される、請求項11~32のいずれか一項に記載のカテーテルシステム。
【請求項34】
前記位置合わせアセンブリが、第1の回転カムに選択的に係合する第1のステージノブをさらに含む、請求項33に記載のカテーテルシステム。
【請求項35】
前記第1の回転カムが第1の可動子に結合されている、請求項32に記載のカテーテルシステム。
【請求項36】
前記第1の可動子が、前記第1のステージが回転運動で移動するように、前記第1の回転カムを駆動する、請求項34に記載のカテーテルシステム。
【請求項37】
前記位置合わせアセンブリが、前記第1のステージに選択的に固定された第2のステージを含み、前記第2のステージが、第1の軸上で前記第1のステージを昇降させるように構成された、請求項34又は35に記載のカテーテルシステム。
【請求項38】
前記位置合わせアセンブリが、第2の回転カムに係合する第2のステージノブを含む、請求項33~36のいずれか一項に記載のカテーテルシステム。
【請求項39】
前記第2の回転カムが第2の可動子に結合されている、請求項37に記載のカテーテルシステム。
【請求項40】
前記第2の可動子が前記第2の回転カムを駆動して、前記第2のステージが前記第1のステージを第1の軸上で昇降させるようにする、請求項38に記載のカテーテルシステム。
【請求項41】
患者の体内の血管壁内の又は血管壁に隣接する血管病変を治療するためのカテーテルシステム内の光源を位置合わせする方法であって、前記カテーテルシステムが、光エネルギーを発生する前記単一の光源を含み、前記方法が、
前記カテーテルシステムの複数のハードウェアの制御を開始するステップであって、前記複数のハードウェアが、(i)前記光源から光エネルギーを選択的に受け取るように構成された光ガイド、(ii)前記光ガイド内の前記光源の位置合わせを取り込むカメラ、(iii)前記光ガイド内の前記光源の位置付けを選択的に調整するように構成された可動子のうちの少なくとも1つを含む、制御を開始するステップと、
前記光ガイド内の前記光源の前記位置付けの粗位置合わせを実行するステップと、
(i)前記光ガイド内の前記光源の前記位置合わせ、及び(ii)前記光源の光エネルギーレベルのうちの少なくとも1つを検査するステップと、
前記光ガイド内の前記光源の前記位置付けの精密位置合わせを実行するステップと
を含む、方法。
【請求項42】
光コネクタの位置合わせを検査するステップをさらに含む、請求項42に記載の方法。
【請求項43】
前記カメラを用いて、前記光ガイド内の前記光源の前記位置合わせを連続的に監視するステップをさらに含む、請求項40又は41に記載の方法。
【請求項44】
前記粗位置合わせを実行する前記ステップが、前記光源を前記光ガイドと自律的に位置合わせするように構成された位置合わせアルゴリズムのハードコードされた位置合わせ設定をロードすることを含む、請求項40~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記粗位置合わせを実行する前記ステップが、前記位置合わせアルゴリズムから複数の光ガイド基準位置及び座標をロードすることを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記粗位置合わせを実行する前記ステップが、(i)前記カメラ、(ii)前記光ガイドの端面を照明するように構成された照明源、及び(iii)前記光ガイドに結合されたステージのうちの少なくとも1つを初期化することを含み、前記ステージが、前記光源に対する前記光ガイドの前記位置付けを調整するように構成された、請求項40~44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記粗位置合わせを実行する前記ステップが、前記ステージを第2のステージ位置に移動させることを含む、請求項45に記載の方法。
【請求項48】
前記粗位置合わせを実行する前記ステップが、前記ステージが前記第2のステージ位置にある間に、前記カメラを用いて複数の取込み画像を取り込むことを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項49】
前記粗位置合わせを実行する前記ステップが、複数の参照ターゲットが前記複数の取込み画像中に含まれるかどうかを判定することを含む、請求項47に記載の方法。
【請求項50】
前記複数の参照ターゲットが前記複数の取込み画像中に含まれる場合、前記粗位置合わせを実行する前記ステップが、前記光源を前記光ガイドと自律的に位置合わせするように構成された位置合わせアルゴリズムを用いて、複数の光ガイド基準位置及び座標を検出することを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
前記複数の参照ターゲットが前記複数の取込み画像中に含まれない場合、前記粗位置合わせを実行する前記ステップが、前記ステージを第2のステージ位置に移動させることと、前記ステージが前記第2のステージ位置にある間に、前記カメラを用いて複数の第2の取込み画像を取り込むこととを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項52】
前記粗位置合わせを実行する前記ステップが、システムエラーがないかどうか前記カテーテルシステムを検査することを含む、請求項40~50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記カテーテルシステムが1つ又は複数のシステムエラーを有する場合、前記カテーテルシステムが更新され、エラー処理が開始される、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
前記カテーテルシステムが1つ又は複数のシステムエラーを有しない場合、前記粗位置合わせを実行する前記ステップが、複数の光ガイド基準位置及び座標についての第1の許容領域を計算することを含む、請求項51に記載の方法。
【請求項55】
前記粗位置合わせを実行する前記ステップが、前記光ガイド内の前記光源の前記位置合わせが前記複数の光ガイド基準位置及び座標についての前記第1の許容領域内にあることを確認することを含む、請求項53に記載の方法。
【請求項56】
前記光ガイド内の前記光源の前記位置合わせが、前記複数の光ガイド基準位置及び座標についての前記第1の許容領域内にある場合、前記粗位置合わせを実行する前記ステップが完了する、請求項54に記載の方法。
【請求項57】
前記光ガイド内の前記光源の前記位置合わせが、前記複数の光ガイド基準位置及び座標についての前記第1の許容領域内にない場合、前記粗位置合わせを実行する前記ステップが、複数の位置合わせデータを検証することを含む、請求項54に記載の方法。
【請求項58】
前記複数の位置合わせデータの前記検証が検証エラーになる場合、前記カテーテルシステムが更新され、エラー処理が開始される、請求項56に記載の方法。
【請求項59】
前記複数の位置合わせデータの前記検証が検証エラーにならない場合、前記粗位置合わせを実行する前記ステップが、複数のカメラオフセットを除去することと、複数のハードウェアオフセットに対して線形回帰を実行することとをさらに含む、請求項56に記載の方法。
【請求項60】
前記複数のハードウェアオフセットが、チルトオフセット、y軸オフセット、及びx軸オフセットのうちの少なくとも1つを含む、請求項58に記載の方法。
【請求項61】
前記粗位置合わせを実行する前記ステップが、前記複数のハードウェアオフセットに基づいて前記複数のハードウェアを位置決めすることをさらに含む、請求項58に記載の方法。
【請求項62】
前記粗位置合わせを実行する前記ステップが、前記ステージを第3のステージ位置に移動させることと、前記ステージが前記第3のステージ位置にある間に、前記カメラを用いて複数の第3の取込み画像を取り込むこととをさらに含む、請求項58に記載の方法。
【請求項63】
患者の体内の血管壁内の又は血管壁に隣接する血管病変を治療するためのカテーテルシステムであって、前記カテーテルシステムが、
光エネルギーの光源ビームを発生する光源と、
レセプタクルアセンブリと、
第1の光ガイド、及び前記レセプタクルアセンブリに結合された第2の光ガイドであって、各光ガイドがガイド近位端を有する、第1の光ガイド及び第2の光ガイドと、
前記光源から前記光源ビームを受け取るマルチプレクサであって、前記マルチプレクサが、前記光源ビームからの個々のガイドビームを前記第1の光ガイドの前記ガイド近位端及び前記第2の光ガイドの前記ガイド近位端の各々に導く、マルチプレクサと、
前記個々のガイドビームに対する前記レセプタクルアセンブリの位置を調整する位置合わせアセンブリであって、前記位置合わせアセンブリが、前記レセプタクルアセンブリを移動させる第1の可動子を含む、位置合わせアセンブリと
を備える、カテーテルシステム。
【請求項64】
前記第1の可動子が、モータ及びアクチュエータのうちの少なくとも一方を含む、請求項62に記載のカテーテルシステム。
【請求項65】
前記第1の可動子がラック・アンド・ピニオン・モータを含む、請求項62に記載のカテーテルシステム。
【請求項66】
前記位置合わせアセンブリが、前記第1の可動子に結合された複数のローラをさらに含み、前記複数のローラが、第1の軸の周りで前記第1のステージを転動させるように構成された、請求項62~64のいずれか一項に記載のカテーテルシステム。
【請求項67】
前記位置合わせアセンブリが、前記第1の可動子と協働して角変位を生成する機械的たわみを含む、請求項62~65のいずれか一項に記載のカテーテルシステム。
【請求項68】
前記位置合わせアセンブリが、前記第1の可動子と協働して直線変位を生成する機械的たわみを含む、請求項62~65のいずれか一項に記載のカテーテルシステム。
【請求項69】
前記第1の可動子がねじ機構とモータとを含む、請求項62に記載のカテーテルシステム。
【請求項70】
前記第1の可動子が、圧電スタック及びアクチュエータのうちの一方を含む、請求項62に記載のカテーテルシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
体内の血管内の血管病変は、心筋梗塞、塞栓症、深部静脈血栓症、脳卒中などの主要な有害事象のリスク増加に関連し得る。重度に石灰化した血管病変などの重度の血管病変は、臨床現場において医師が治療及び開存性を達成することが困難であり得る。
【0002】
血管病変は、いくつか例を挙げると、薬物療法、バルーン血管形成術、アテレクトミー、ステント設置、及び血管グラフトバイパスなどの処置を使用して治療され得る。そのような処置は、必ずしも理想的であるとは限らず、又は病変に対処するためにその後の治療を必要とすることがある。
【0003】
現代医学では、低侵襲性治療法への関心が高まるにつれて、様々な病状を治療するためにレーザがますます利用されている。レーザの物理的特性により、システムのわずかな修正を使用して、同じ基本原理を多くの組織型に適用することが可能になる。レーザエネルギーは、砕石症、血管内砕石症のために、様々な種類のがんの治療のために、多くの美容術及び再建術のために、並びに異常な伝導路の切除に安全で効果的に使用され得る。いくつかの用途は、狭窄空間へのアクセスを必要とするため、細径ファイバをもつデバイスが注目され得る。適用に必要なエネルギーが高いと、デバイス設計者は、光ファイバ材料の損傷閾値未満にとどまるようにしながら、レーザエネルギーをファイバの小さい面に向ける方法を見つけなければならないことがある(損傷閾値は、光学部品が損傷を引き起こすことなく耐えることができる、面積当たりの最高出力/エネルギー密度である)。
【0004】
光ファイバコアは、ファイバを囲むジャケット及び位置合わせフェルールよりもはるかに高い損傷閾値を有し、したがって、レーザ・ビーム・エネルギーがコアから外れ、さらにクラッドに入る場合、レーザ・ビーム・エネルギーがファイバコアを通って損傷なしに伝導され得るような出力レベルである場合でも、ファイバは損傷を受ける。
【0005】
治療用途により、必要なエネルギーレベルが定義されるので、密度を下げるために設計者が制御することができる他のパラメータは、ファイバ面上のレーザビームの入射領域を大きくすることである。これは、出力/エネルギー密度を減少させるが、レーザビーム入射領域とファイバコアサイズとの間のマージンを減少させる。
【0006】
ビーム及びファイバが同心であることを保証するために一般的に使用される用語は、ファイバに対するビームの位置合わせである。上記のマージンが小さいと、位置合わせは、シングルミクロンのレベルまで極めて正確でなければならない。
【0007】
複数のファイバ(例えばファイバアレイ)と、音響光学変調器(AOM)又は他の多重化などの機構によってそれらに結合するように分流される単一のレーザビームとをカプセル化するデバイスは、ファイバアレイ中のすべてのファイバに適用されるであろう形で、分流されたビームの位置合わせを微調整しなければならない。複数のビームが同時に多数のファイバに向けられている状況では、位置合わせは、ビーム位置とファイバ位置との位置合わせを必要とするだけでなく、ビーム間の線とターゲットのファイバ間の線とが互いに重なり合わなければならない。
【0008】
従来の位置合わせ方法は、音響光学偏向器(AOD)を通って送られるレーザビームを利用し、レーザ源(又はAODへの経路上でレーザ源を反射するミラー)の方向を変えるねじ又は圧電部品を調整することによってその位置合わせを補正したので、AODがビームを向けるファイバアレイ平面上の線にも影響を及ぼした。ビーム偏向のためにAODを使用することの問題としては、AODによるエネルギー損失及び光ガイド上の結合トレランスの低さがある。偏向されたビームの入射角は、(より高い偏向角では)楕円形のビーム形状になり、これにより、光結合の効率が悪くなる。
【0009】
医療機器には、位置合わせを正確に保つことに関する固有の課題が生じる。患者間の相互汚染に関連する健康被害のために、多くの医療機器では、患者と接触する部品(応用部品)が使い捨てデバイスであるようにデバイスを設計することが好ましい。ファイバが応用部品に封入され、高エネルギーレーザが使い捨てデバイスの一部ではない場合、新しい応用部品デバイスがレーザ源に接続されるたびに上記の位置合わせが維持又は再確立されなければならない。
【発明の概要】
【0010】
本発明は、血管壁を有する血管内に配置するためのカテーテルシステムを対象とする。カテーテルシステムは、患者の体内の血管壁内の又は血管壁に隣接する血管病変を治療するために使用され得る。カテーテルシステムは、光源と、レセプタクルアセンブリと、第1の光ガイドと、第2の光ガイドと、マルチプレクサと、位置合わせアセンブリとを含む。光源は、光エネルギーの光源ビームを発生する。第1の光ガイド及び第2の光ガイドはレセプタクルアセンブリに結合され、各光ガイドは、ガイド近位端を有する。マルチプレクサは、光源から光源ビームを受け取り、マルチプレクサは、光源ビームからの個々のガイドビームを、第1の光ガイドのガイド近位端及び第2の光ガイドのガイド近位端の各々に導く。位置合わせアセンブリは、個々のガイドビームに対するレセプタクルアセンブリの位置を調整する。
【0011】
特定の実施形態では、第1の光ガイドのガイド近位端及び第2の光ガイドのガイド近位端の各々は2つの回転自由度を有する。
【0012】
いくつかの実施形態では、レセプタクルアセンブリは3つの自由度を有する。
【0013】
様々な実施形態では、レセプタクルアセンブリは3つの回転自由度を有する。
【0014】
特定の実施形態では、マルチプレクサは少なくとも1つの自由度を有する。
【0015】
いくつかの実施形態では、位置合わせアセンブリは、個々のガイドビームに対するレセプタクルアセンブリの位置をマイクロメータレベルの調整で調整する。
【0016】
様々な実施形態では、位置合わせアセンブリは、マルチプレクサに対するレセプタクルアセンブリの位置を調整する。
【0017】
特定の実施形態では、レセプタクルアセンブリは位置合わせアセンブリに結合される。
【0018】
いくつかの実施形態では、マルチプレクサは位置合わせアセンブリに結合される。
【0019】
様々な実施形態では、位置合わせアセンブリは、ガイド近位端に対する個々のガイドビームの位置が調整され得るように、各光ガイドのガイド近位端の画像を取り込むカメラを含む。
【0020】
本発明はまた、血管壁を有する血管内に配置するためのカテーテルシステムを対象とする。カテーテルシステムは、患者の体内の血管壁内の又は血管壁に隣接する血管病変を治療するために使用され得る。カテーテルシステムは、光源と、レセプタクルアセンブリと、第1の光ガイド及び第2の光ガイドと、マルチプレクサと、位置合わせアセンブリとを含む。光源は、光エネルギーの光源ビームを発生する。第1の光ガイド及び第2の光ガイドはレセプタクルアセンブリに結合され、各光ガイドは、ガイド近位端を有する。マルチプレクサは、光源から光源ビームを受け取り、マルチプレクサは、光源ビームからの個々のガイドビームを、第1の光ガイドのガイド近位端及び第2の光ガイドのガイド近位端の各々に導く。位置合わせアセンブリは、個々のガイドビームに対するレセプタクルアセンブリの位置を調整する。
【0021】
いくつかの実施形態では、位置合わせアセンブリは、個々のガイドビームに対するレセプタクルアセンブリの位置をマイクロメータレベルの補正で調整する。
【0022】
様々な実施形態では、位置合わせアセンブリは、マルチプレクサに対するレセプタクルアセンブリの位置を調整する。
【0023】
特定の実施形態では、レセプタクルアセンブリは位置合わせアセンブリに結合される。
【0024】
いくつかの実施形態では、ガイド近位端の各々は、ガイド近位端が2つの回転自由度を有するように、位置合わせアセンブリに結合される。
【0025】
様々な実施形態では、レセプタクルアセンブリが3つの自由度を有するように、レセプタクルアセンブリは位置合わせアセンブリに結合される。
【0026】
特定の実施形態では、レセプタクルアセンブリが3つの回転自由度を有するように、レセプタクルアセンブリは位置合わせアセンブリに結合される。
【0027】
いくつかの実施形態では、マルチプレクサが少なくとも1つの自由度を有するように、マルチプレクサは位置合わせアセンブリに結合される。
【0028】
様々な実施形態では、位置合わせアセンブリは、ガイド近位端に対する個々のガイドビームの位置が調整され得るように、各光ガイドのガイド近位端の画像を取り込むカメラを含む。
【0029】
特定の実施形態では、カテーテルシステムは、マルチプレクサに導かれる光エネルギーのパルスの形態の単一の光源ビームを発生させるように、光源の動作を制御するように構成されたプロセッサを含むシステムコントローラをさらに備え、システムコントローラは、第1のガイドビームが第1の光ガイドに導かれ、第2のガイドビームが第2の光ガイドに導かれるように、マルチプレクサの動作を制御するようにさらに構成される。
【0030】
いくつかの実施形態では、光源はレーザを含む。
【0031】
様々な実施形態では、カテーテルシステムは、カテーテルシャフトと、カテーテルシャフトに結合されたバルーンとをさらに備え、バルーンは、バルーン内部を画定するバルーン壁を含み、バルーンは、バルーン内部内にバルーン流体を保持するように構成され、第1の光ガイド及び第2の光ガイドは、少なくとも部分的にバルーン内部内に位置決めされる。
【0032】
特定の実施形態では、バルーンは、膨張状態まで拡張するようにバルーン流体で選択的に膨張可能であり、バルーンが膨張状態にあるとき、バルーン壁は、血管病変に実質的に隣接して位置決めされるように構成される。
【0033】
いくつかの実施形態では、第1の光ガイド及び第2の光ガイドは、光源から光エネルギーを受け取り、光源からの光エネルギーをバルーン内部に誘導して、バルーン内部内のバルーン流体中にプラズマを発生させ、プラズマの発生は、急速なバブル形成を引き起こし、血管病変に隣接するバルーン壁に圧力波を付与する。
【0034】
様々な実施形態では、マルチプレクサは、光源ビームを第1のガイドビームと第2のガイドビームとに分割する光学素子を含む。
【0035】
特定の実施形態では、マルチプレクサは、第1のガイドビームを第1の光ガイド上に集束させ、第2のガイドビームを第2の光ガイド上に集束させるように構成された結合光学部品をさらに含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、第1のガイドビーム及び第2のガイドビームは、それらの間にある角度をもって結合光学部品に入射する。
【0037】
様々な実施形態では、カテーテルシステムは、第1の光ガイド及び第2の光ガイドがよりコンパクトな形態になるように、第1の光ガイド及び第2の光ガイドの各々を互いに近づけるガイドバンドルをさらに備える。
【0038】
特定の実施形態では、レセプタクルアセンブリは、レセプタクル・アセンブリ・ハウジングと、レセプタクル・フェルール・レシーバと、レセプタクル・フェルール・リテーナとを含む。
【0039】
いくつかの実施形態では、レセプタクル・フェルール・リテーナは、レセプタクル・フェルール・レシーバ内の所望の位置に第1の光ガイド及び第2の光ガイドの各々を選択的にロックする。
【0040】
様々な実施形態では、レセプタクル・フェルール・リテーナは、それぞれ、レセプタクル・フェルール・レシーバ内の所望の位置に第1の光ガイド及び第2の光ガイドの各々を選択的にロックするように構成された複数のプランジャ・ボール・スプリングを含むプランジャ・ボール・スプリング・ブリッジである。
【0041】
特定の実施形態では、位置合わせアセンブリは、レセプタクルアセンブリに選択的に固定された第1のステージを含み、第1のステージは、第1の軸及び第2の軸のうちの一方の周りを回転するように構成される。
【0042】
いくつかの実施形態では、位置合わせアセンブリは、第1の回転カムに選択的に係合する第1のステージノブをさらに含む。
【0043】
様々な実施形態では、第1の回転カムは第1の可動子に結合される。
【0044】
特定の実施形態では、第1の可動子は、第1のステージが回転運動で移動するように、第1の回転カムを駆動する。
【0045】
いくつかの実施形態では、位置合わせアセンブリは、第1のステージに選択的に固定された第2のステージを含み、第2のステージは、第1の軸上で第1のステージを昇降させるように構成される。
【0046】
様々な実施形態では、位置合わせアセンブリは、第2の回転カムに係合する第2のステージノブを含む。
【0047】
特定の実施形態では、第2の回転カムは第2の可動子に結合される。
【0048】
いくつかの実施形態では、第2の可動子は第2の回転カムを駆動して、第2のステージが第1のステージを第1の軸上で昇降させるようにする。
【0049】
本発明はまた、患者の体内の血管壁内の又は血管壁に隣接する血管病変を治療するためのカテーテルシステム内で光源を位置合わせする方法を対象とし、カテーテルシステムは光エネルギーを発生する単一の光源を含む。様々な実施形態では、本方法は、カテーテルシステムの複数のハードウェアの制御を開始するステップであって、複数のハードウェアは、(i)光源から光エネルギーを選択的に受け取るように構成された光ガイド、(ii)光ガイド内の光源の位置合わせを取り込むカメラ、(iii)光ガイド内の光源の位置付けを選択的に調整するように構成された可動子のうちの少なくとも1つを含む、制御を開始するステップと、光ガイド内の光源の位置付けの粗位置合わせを実行するステップと、(i)光ガイド内の光源の位置合わせ、及び(ii)光源の光エネルギーレベルのうちの少なくとも1つを検査するステップと、光ガイド内の光源の位置付けの精密位置合わせを実行するステップとを含むことができる。
【0050】
様々な実施形態では、本方法は、光コネクタの位置合わせを検査するステップをさらに含む。
【0051】
特定の実施形態では、本方法は、カメラを用いて、光ガイド内の光源の位置合わせを連続的に監視するステップをさらに含む。
【0052】
いくつかの実施形態では、粗位置合わせを実行するステップは、光源を光ガイドと自律的に位置合わせするように構成された位置合わせアルゴリズムのハードコードされた位置合わせ設定をロードすることを含む。
【0053】
様々な実施形態では、粗位置合わせを実行するステップは、位置合わせアルゴリズムから複数の光ガイド基準位置及び座標をロードすることを含む。
【0054】
特定の実施形態では、粗位置合わせを実行するステップは、(i)カメラ、(ii)光ガイドの端面を照明するように構成された照明源、及び(iii)光ガイドに結合されたステージのうちの少なくとも1つを初期化することを含み、ステージは、光源に対する光ガイドの位置付けを調整するように構成される。
【0055】
いくつかの実施形態では、粗位置合わせを実行するステップは、ステージを第2のステージ位置に移動させることを含む。
【0056】
様々な実施形態では、粗位置合わせを実行するステップは、ステージが第2のステージ位置にある間に、カメラを用いて複数の取込み画像を取り込むことを含む。
【0057】
特定の実施形態では、粗位置合わせを実行するステップは、複数の参照ターゲットが複数の取込み画像中に含まれるかどうかを判定することを含む。
【0058】
いくつかの実施形態では、複数の参照ターゲットが複数の取込み画像中に含まれる場合、粗位置合わせを実行するステップは、光源を光ガイドと自律的に位置合わせするように構成された位置合わせアルゴリズムを用いて、複数の光ガイド基準位置及び座標を検出することを含む。
【0059】
様々な実施形態では、複数の参照ターゲットが複数の取込み画像中に含まれない場合、粗位置合わせを実行するステップは、ステージを第2のステージ位置に移動させることと、ステージが第2のステージ位置にある間に、カメラを用いて複数の第2の取込み画像を取り込むこととを含む。
【0060】
特定の実施形態では、粗位置合わせを実行するステップは、システムエラーがないかどうかカテーテルシステムを検査することを含む。
【0061】
いくつかの実施形態では、カテーテルシステムが1つ又は複数のシステムエラーを有する場合、カテーテルシステムは更新され、エラー処理が開始される。
【0062】
様々な実施形態では、カテーテルシステムが1つ又は複数のシステムエラーを有しない場合、粗位置合わせを実行するステップは、複数の光ガイド基準位置及び座標についての第1の許容領域を計算することを含む。
【0063】
特定の実施形態では、粗位置合わせを実行するステップは、光ガイド内の光源の位置合わせが複数の光ガイド基準位置及び座標についての第1の許容領域内にあることを確認することを含む。
【0064】
いくつかの実施形態では、光ガイド内の光源の位置合わせが、複数の光ガイド基準位置及び座標についての第1の許容領域内にある場合、粗位置合わせを実行するステップは完了する。
【0065】
様々な実施形態では、光ガイド内の光源の位置合わせが、複数の光ガイド基準位置及び座標についての第1の許容領域内にない場合、粗位置合わせを実行するステップは、複数の位置合わせデータを検証することを含む。
【0066】
特定の実施形態では、複数の位置合わせデータの検証が検証エラーになる場合、カテーテルシステムは更新され、エラー処理が開始される。
【0067】
いくつかの実施形態では、複数の位置合わせデータの検証が検証エラーにならない場合、粗位置合わせを実行するステップは、複数のカメラオフセットを除去することと、複数のハードウェアオフセットに対して線形回帰を実行することとをさらに含む。
【0068】
様々な実施形態では、複数のハードウェアオフセットは、チルトオフセット、y軸オフセット、及びx軸オフセットのうちの少なくとも1つを含む。
【0069】
特定の実施形態では、粗位置合わせを実行するステップは、複数のハードウェアオフセットに基づいて複数のハードウェアを位置決めすることをさらに含む。
【0070】
いくつかの実施形態では、粗位置合わせを実行するステップは、ステージを第3のステージ位置に移動させることと、ステージが第3のステージ位置にある間に、カメラを用いて複数の第3の取込み画像を取り込むこととをさらに含む。
【0071】
本発明はさらに、患者の体内の血管壁内の又は血管壁に隣接する血管病変を治療するためのカテーテルシステムを対象とする。特定の実施形態では、カテーテルシステムは、光エネルギーの光源ビームを発生する光源と、レセプタクルアセンブリと、第1の光ガイド、及びレセプタクルアセンブリに結合された第2の光ガイドであって、各光ガイドがガイド近位端を有する、第1の光ガイド及び第2の光ガイドと、光源から光源ビームを受け取るマルチプレクサであって、マルチプレクサは、光源ビームからの個々のガイドビームを第1の光ガイドのガイド近位端及び第2の光ガイドのガイド近位端の各々に導く、マルチプレクサと、個々のガイドビームに対するレセプタクルアセンブリの位置を調整する位置合わせアセンブリであって、位置合わせアセンブリは、レセプタクルアセンブリを移動させる第1の可動子を含む、位置合わせアセンブリとを備える。
【0072】
様々な実施形態では、第1の可動子は、モータ及びアクチュエータのうちの少なくとも一方を含む。
【0073】
特定の実施形態では、第1の可動子はラック・アンド・ピニオン・モータを含む。
【0074】
いくつかの実施形態では、位置合わせアセンブリは、第1の可動子に結合された複数のローラをさらに含み、複数のローラは、第1の軸の周りで第1のステージを転動させるように構成される。
【0075】
様々な実施形態では、位置合わせアセンブリは、第1の可動子と協働して角変位を生成する機械的たわみを含む。
【0076】
特定の実施形態では、位置合わせアセンブリは、第1の可動子と協働して直線変位を生成する機械的たわみを含む。
【0077】
いくつかの実施形態では、第1の可動子はねじ機構とモータとを含む。
【0078】
様々な実施形態では、第1の可動子は、圧電スタック及びアクチュエータのうちの一方を含む。
【0079】
この概要は、本出願の教示のいくつかの概要であり、本主題の排他的又は網羅的な処理であることを意図していない。さらなる詳細は、詳細な説明及び添付の特許請求の範囲に見出される。他の態様は、以下の詳細な説明を読んで理解し、その一部を形成する図面を見ると当業者には明らかであり、その各々は限定的な意味で解釈されるべきではない。本明細書の範囲は、添付の特許請求の範囲及びそれらの法的均等物によって定義される。
【0080】
本発明の新規な特徴、並びに本発明自体は、その構造及びその動作の両方に関して、添付の説明と併せて、添付の図面から最もよく理解されるであろう。添付の説明では、類似の参照符号は類似の部品を指している。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【
図1】本明細書の様々な実施形態によるカテーテルシステムの一実施形態の概略断面図であり、カテーテルシステムは、複数の光ガイドと、マルチプレクサと、ガイドバンドルとを含む。
【
図2】位置合わせアセンブリとレセプタクルアセンブリとを含む、カテーテルシステムの一実施形態の一部分の部分分解斜視図である。
【
図3】位置合わせアセンブリ及びレセプタクルアセンブリの別の実施形態を含む、カテーテルシステムの一実施形態の一部分の正面図である。
【
図4】ガイドバンドルの一実施形態を含む、カテーテルシステムの一実施形態の一部分の斜視図である。
【
図5】レセプタクルアセンブリの一実施形態を含む、カテーテルシステムの一実施形態の一部分の斜視図である。
【
図6】位置合わせアセンブリ、レセプタクルアセンブリ、及びガイドバンドルのさらに別の実施形態を含む、カテーテルシステムの一実施形態の一部分の斜視図である。
【
図7】位置合わせアセンブリ及びレセプタクルアセンブリの一実施形態を含む、カテーテルシステムの一実施形態の一部分の背面図である。
【
図8】位置合わせアセンブリ及びレセプタクルアセンブリの一実施形態を含む、カテーテルシステムの一実施形態の一部分の側面図である。
【
図9】位置合わせアセンブリ及びレセプタクルアセンブリの一実施形態を含む、カテーテルシステムの一実施形態の一部分の上面図である。
【
図10】
図6の線10-10で切ったカテーテルシステムの一実施形態の一部分の断面図である。
【
図11】本明細書の様々な実施形態による、カテーテルシステム内で光源を位置合わせする方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【
図12】カテーテルシステム内で光源の粗位置合わせを実行する方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【
図13】カテーテルシステム内で光源を位置合わせする方法のさらに別の実施形態を示すフローチャートである。
【
図14】カテーテルシステム内で光源を位置合わせする方法の一実施形態中にカメラによって取り込まれた光ガイドの端面の一実施形態の図である。
【
図15】カテーテルシステム内で光源を位置合わせする方法の一実施形態中にカメラによって取り込まれた光ガイドの端面の別の図である。
【
図16】カテーテルシステム内で光源を位置合わせする方法の一実施形態中にカメラによって取り込まれた光ガイドの端面のさらに別の図である。
【
図17】カテーテルシステム内で光源を位置合わせする方法の一実施形態中にカメラによって取り込まれた光ガイドの端面のさらに別の図である。
【
図18】カテーテルシステム内で光源を位置合わせする方法の一実施形態中に使用されるオーバーレイ面を表示するユーザインターフェースの図である。
【発明を実施するための形態】
【0082】
本発明の実施形態は、様々な修正及び代替物の影響を受けやすいが、その詳細は、例及び図面として示されており、本明細書で詳細に説明される。しかしながら、本明細書の範囲は、説明された特定の実施形態に限定されないことが理解される。それどころか、その意図は、本明細書の趣旨及び範囲内にある修正、等価物、及び代替物を網羅することである。
【0083】
血管病変の治療は、罹患対象における主要な有害事象又は死亡を減少させることができる。本明細書で言及されるように、主要な有害事象は、血管病変の存在に起因して体内のどこでも起こり得る有害事象である。主要な有害事象には、主要な有害心臓事象、末梢若しくは中心血管系における主要な有害事象、脳における主要な有害事象、筋肉系における主要な有害事象、又は内臓のいずれかにおける主要な有害事象が含まれ得るが、これらに限定されない。
【0084】
動脈中の石灰沈着などの血管病変の治療の場合、カテーテルバルーンの一回の挿入及び位置決めにより複数の間隔が密な領域を治療することは一般に有益である。レーザ駆動血管内砕石デバイス内などの光励起システム内でこれを行うことを可能にするために、通常、バルーン内に分散させることができる、治療プロセスのためのいくつかの出力チャネル、例えば光ファイバ及びターゲットを有することが望ましい。高出力レーザ源は、多くの場合、システム中で最も大きく最も高価な構成要素であるので、光ファイバごとに専用のレーザ源を有することは、パッケージング要件、消費電力、熱的考察、及び経済的側面を含むいくつかの理由で実現可能になる可能性は低い。そのような理由で、治療の目的で、単一のレーザを同時に及び/又は順次、いくつかの異なる光ファイバに多重化することは有利であり得る。これにより、各ファイバで単一のレーザからのレーザ出力のすべて又は特定の部分を使用することが可能になる。
【0085】
したがって、カテーテルシステム及び関連する方法は、単一の光源を使用して、石灰化した血管病変及び/又は線維性血管病変などの血管病変に圧力を付与し、破砕を誘発するように設計されたレーザ駆動圧力波発生装置における複数の光ファイバチャネルに電力を供給する手段を提供するように構成される。より詳細には、本発明は、単一の光源、例えば単一のレーザ源を、使い捨てデバイス内の複数の光ガイド、例えば光ファイバチャネルのうちの1つ又は複数に多重化するマルチプレクサを含む。
【0086】
高エネルギー光パルスを伝送するために光ファイバを使用する問題の1つは、物理的損傷の懸念及び誘導ブリルアン散乱(SBS)などの非線形プロセスにより、光ファイバによって搬送されるエネルギー量に著しい制限があり得ることである。この理由で、単一のファイバを通して過剰なエネルギーを導くことなく一度に送達され得るエネルギー量を増加させるために、複数のファイバ、すなわち光ガイドに同時にアクセスする選択肢を有することは有利であり得る。本技術は、さらに、単一の安定した光源を、可変数の複数の光ガイドを通して順次送ることを可能にする。
【0087】
様々な実施形態では、本明細書で開示するカテーテルシステム及び関連する方法は、患者の体内の血管内の又は血管に隣接する治療部位に位置する、石灰化した血管病変又は線維性血管病変などの血管病変に前進するように構成されたカテーテルを含むことができる。カテーテルは、カテーテルシャフトと、カテーテルシャフトに結合及び/又は固定される膨張可能バルーンとを含む。バルーンは、バルーン内部を画定するバルーン壁を含むことができる。バルーンは、患者の血管系を通ってカテーテルを前進させるのに適した収縮状態から、治療部位に対して所定の位置にカテーテルを固定するのに適した膨張状態まで拡張するようにバルーン内部内にバルーン流体を受け入れるように構成され得る。
【0088】
カテーテルシステムはまた、カテーテルシャフトに沿ってバルーンのバルーン内部内に配設された複数の光ガイドを含む。各光ガイドは、血管病変を破壊するためにバルーン内に圧力波を生成するように構成することができる。特に、カテーテルシステムは、光源からの光エネルギーを利用して、治療部位に位置するバルーン内に配設された光ガイドのガイド遠位端に又はその近くで、バルーンのバルーン内部内のバルーン流体中に局所的なプラズマを生成する。したがって、光ガイドは、治療部位に位置するバルーンのバルーン内部内に位置付けられる光ガイドのガイド遠位端において、又はその近くで「プラズマ発生器」と呼ばれることがあるか、又はそれを組み込むと言うことができる。局所的なプラズマの生成は、圧力波を開始することができ、最大サイズまで急速に拡張し、次いで、崩壊時に圧力波を発することができるキャビテーション事象を介して消散することができる1つ又は複数の高エネルギー気泡の急速な形成を開始することができる。プラズマ誘発気泡の急速な膨張は、バルーンのバルーン内部に保持されたバルーン流体内に1つ又は複数の圧力波を発生させ、それによって患者の体内の血管壁内の又は血管壁に隣接する治療部位の血管病変に圧力波を付与し、破砕を誘発することができる。複数の光ガイドの各々のガイド遠位端は、バルーンの長さに対して任意の適切な位置に位置決めされて、治療部位の血管病変を破壊するために圧力波をより効果的で正確に付与することができることが理解される。
【0089】
いくつかの実施形態では、光源は、光エネルギーのサブミリ秒パルスを提供して、バルーン内のバルーン流体中のプラズマの形成を開始して急速な気泡の形成を引き起こし、治療部位でバルーン壁に圧力波を付与するように構成することができる。したがって、圧力波は、非圧縮性バルーン流体を介して治療部位に機械的エネルギーを伝達して、血管病変に破砕力を付与することができる。いかなる特定の理論にも束縛されることを望むものではないが、血管内病変と接触しているバルーン壁上のバルーン流体運動量の急速な変化が血管内病変に伝達されて、病変への破砕を誘発すると考えられる。
【0090】
重要なことには、上記のように、カテーテルシステム及び関連する方法は、カテーテルバルーンの1回の挿入及び位置決めで複数の間隔が密な領域の治療を可能にするために、単一の光源を使い捨てデバイス内の光ガイドのうちの1つ又は複数に多重化するマルチプレクサを含む。
【0091】
本明細書で使用される場合、「血管内病変」及び「血管病変」という用語は、特に明記しない限り互換的に使用される。したがって、血管内病変及び/又は血管病変は、本明細書では単に「病変」と呼ばれることがある。
【0092】
当業者は、本発明の以下の詳細な説明が例示にすぎず、決して限定することを意図するものではないことを理解するであろう。本発明の他の実施形態は、本開示の利益を有するそのような当業者に容易に示唆されるであろう。ここで、添付の図面に示す本発明の実施態様を詳細に参照する。図面及び以下の詳細な説明全体にわたって、同一又は類似の部分を指すために同一又は類似の名称及び/又は参照指標を使用する。
【0093】
明確にするために、本明細書に説明された実施態様の日常的な特徴のすべてが示され説明されているわけではない。そのような実際の実施態様の開発では、アプリケーション関連及びビジネス関連の制約の遵守などの開発者の特定の目標を達成するために、実施態様に固有の多数の決定を行わなければならず、これらの特定の目標は実施態様ごとに、及び開発者ごとに異なることが理解される。さらに、そのような開発努力は複雑で時間がかかる可能性があるが、それにもかかわらず、本開示の利益を有する当業者にとってはエンジニアリングの日常的な仕事であることが理解される。
【0094】
本明細書に開示されるカテーテルシステムは、多くの異なる形態を含むことができる。ここで
図1を参照すると、様々な実施形態によるカテーテルシステム100の概略断面図が示されている。カテーテルシステム100は、圧力波を付与して、患者の体内の血管の血管壁内の又は血管壁に隣接する1つ又は複数の血管病変に破砕を誘発するのに適している。
図1に示す実施形態では、カテーテルシステム100は、カテーテル102、1つ若しくは複数の(好ましくは複数の)光ガイド122Aを含む光ガイドバンドル122、供給源マニホールド136、流体ポンプ138、光源124、電源125、システムコントローラ126、グラフィック・ユーザ・インターフェース127(「GUI」)、及びマルチプレクサ128のうちの1つ若しくは複数を含むシステムコンソール123、並びにハンドルアセンブリ129のうちの1つ又は複数を含むことができる。代替的に、カテーテルシステム100は、
図1に関連して具体的に図示及び説明されたものよりも多くの構成要素又はより少ない構成要素を含むことができる。
【0095】
カテーテル102は、患者109の身体107内の血管108の血管壁108A内の又はそれに隣接する治療部位106に移動するように構成される。治療部位106は、例えば、石灰化した血管病変などの1つ又は複数の血管病変106Aを含むことができる。追加的に又は代替的に、治療部位106は、線維性血管病変などの血管病変106Aを含むことができる。
【0096】
カテーテル102は、膨張可能バルーン104(本明細書では単に「バルーン」と呼ばれることもある)、カテーテルシャフト110及びガイドワイヤ112を含むことができる。バルーン104は、カテーテルシャフト110に結合することができる。バルーン104は、バルーン近位端104P及びバルーン遠位端104Dを含むことができる。カテーテルシャフト110は、カテーテルシステム100の近位部分114からカテーテルシステム100の遠位部分116まで延在することができる。カテーテルシャフト110は、長手方向軸144を含むことができる。カテーテルシャフト110はまた、ガイドワイヤ112上を移動するように構成されているガイドワイヤ内腔118を含むことができる。本明細書で利用されるように、ガイドワイヤ内腔118は、ガイドワイヤ112が延在する導管を画定する。カテーテルシャフト110は、膨張内腔(図示せず)及び/又は様々な他の目的のための様々な他の内腔をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、カテーテル102は、遠位端開口部120を有することができ、カテーテル102が治療部位106に又はその近くに移動及び位置決めされるときにガイドワイヤ112を収容し、ガイドワイヤ上を通ることができる。いくつかの実施形態では、バルーン近位端104Pはカテーテルシャフト110に結合することができ、バルーン遠位端104Dはガイドワイヤ内腔118に結合することができる。
【0097】
バルーン104は、バルーン内部146を画定するバルーン壁130を含む。バルーン104は、バルーン流体132で選択的に膨張して、患者の血管系を通ってカテーテル102を前進させるのに適した収縮状態から、治療部位106に対して所定の位置にカテーテル102を固定するのに適した膨張状態(
図1に示すように)に拡張することができる。別の言い方をすれば、バルーン104が膨張状態にあるとき、バルーン104のバルーン壁130は、治療部位106、すなわち、治療部位106の血管病変106Aに実質的に隣接して位置決めされるように構成される。
図1は、膨張状態にあるときに血管108の治療部位106から離間して示されているバルーン104のバルーン壁130を示しているが、これは単に例示を容易にするために行われていることが理解される。バルーン104のバルーン壁130は、典型的には、バルーン104が膨張状態にあるときに治療部位106に実質的に直接隣接する、及び/又は当接することが認識される。
【0098】
カテーテルシステム100での使用に適したバルーン104は、収縮状態にあるときに患者109の血管系を通過することができるものを含む。いくつかの実施形態では、バルーン104はシリコーンから作製される。他の実施形態では、バルーン104は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリウレタン、PEBAX(商標)材料などのポリマー、ナイロン、又は任意の他の適切な材料から作製することができる。
【0099】
バルーン104は、(膨張状態で)任意の適切な直径を有することができる。様々な実施形態では、バルーン104は、1ミリメートル(mm)未満から25mmまでの範囲の直径(膨張状態で)を有することができる。いくつかの実施形態では、バルーン104は、少なくとも1.5mmから14mmまでの範囲の直径(膨張状態で)を有することができる。いくつかの実施形態では、バルーン104は、少なくとも2mmから5mmまでの範囲の直径(膨張状態で)を有することができる。
【0100】
いくつかの実施形態では、バルーン104は、少なくとも3mm~300mmの範囲の長さを有することができる。より具体的には、いくつかの実施形態では、バルーン104は、少なくとも8mm~200mmの範囲の長さを有することができる。比較的長い長さを有するバルーン104は、より大きな治療部位106に隣接して位置決めすることができ、したがって、治療部位106内の正確な位置でより大きな血管病変106A又は複数の血管病変106Aで圧力波を付与して破砕を誘発するために使用可能であり得ることが理解される。さらに、より長いバルーン104を任意の所与の時点で複数の治療部位106に隣接して位置決めすることもできることが理解される。
【0101】
バルーン104は、約1気圧(atm)~70atmの膨張圧力まで膨張され得る。いくつかの実施形態では、バルーン104は、少なくとも20atm~60atmの膨張圧力まで膨張され得る。他の実施形態では、バルーン104は、少なくとも6atm~20atmの膨張圧力まで膨張され得る。さらに他の実施形態では、バルーン104は、少なくとも3atm~20atmの膨張圧力まで膨張され得る。さらに他の実施形態では、バルーン104は、少なくとも2atm~10atmの膨張圧力まで膨張され得る。
【0102】
バルーン104は、円錐形状、正方形形状、長方形形状、球形形状、円錐/正方形形状、円錐/球形形状、延長球形形状、楕円形状、テーパ形状、骨形状、段付き直径形状、オフセット形状、又は円錐オフセット形状を含むがこれらに限定されない様々な形状を有することができる。いくつかの実施形態では、バルーン104は、薬物溶出コーティング又は薬物溶出ステント構造を含むことができる。薬物溶出コーティング又は薬物溶出ステントは、抗炎症剤、抗新生物剤、抗血管新生剤などを含む1つ又は複数の治療剤を含むことができる。
【0103】
バルーン流体132は、液体又は気体であり得る。使用に適したバルーン流体132のいくつかの例は、水、生理食塩水、造影媒体、フルオロカーボン、パーフルオロカーボン、二酸化炭素などの気体、又は任意の他の適切なバルーン流体132のうちの1つ又は複数を含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、バルーン流体132は、ベース膨張流体として使用され得る。いくつかの実施形態では、バルーン流体132は、生理食塩水と造影媒体との約50:50の体積比の混合物を含むことができる。他の実施形態では、バルーン流体132は、生理食塩水と造影媒体との約25:75の体積比の混合物を含むことができる。さらに他の実施形態では、バルーン流体132は、生理食塩水と造影媒体との約75:25の体積比の混合物を含むことができる。しかしながら、造影媒体に対する生理食塩水の任意の適切な比を使用することができることが理解される。バルーン流体132は、圧力波の移動速度が適切に操作されるように、組成、粘度などに基づいて調整することができる。特定の実施形態では、本明細書での使用に適したバルーン流体132は生体適合性である。バルーン流体132の体積は、選択された光源124及び使用されるバルーン流体132の種類によって調整することができる。
【0104】
いくつかの実施形態では、造影媒体において使用される造影剤は、イオン性又は非イオン性ヨウ素系造影剤などのヨウ素系造影剤を含むことができるが、これらに限定されない。イオン性ヨウ素系造影剤のいくつかの非限定的な例としては、ジアトリゾエート、メトリゾエート、イオタラメート及びイオキサグラートがある。非イオン性ヨウ素系造影剤のいくつかの非限定的な例としては、イオパミドール、イオヘキソール、イオキシラン、イオプロミド、イオジキサノール及びイオベルソールがある。他の実施形態では、非ヨウ素系造影剤を使用することができる。適切な非ヨウ素含有造影剤は、ガドリニウム(III)系造影剤を含むことができる。適切なフルオロカーボン及びパーフルオロカーボン剤には、パーフルオロカーボンドデカフルオロペンタン(DDFP、C5F12)などの薬剤が含まれ得るが、これに限定されない。
【0105】
バルーン流体132は、電磁スペクトルの紫外領域(例えば、少なくとも10ナノメートル(nm)~400nm)、可視領域(例えば、少なくとも400nm~780nm)、又は近赤外領域(例えば、少なくとも780nm~2.5μm)の光を選択的に吸収することができる吸収剤を含むものを含むことができる。適切な吸収剤は、少なくとも10nm~2.5μmのスペクトルに沿って吸収極大を有するものを含むことができる。代替的に、バルーン流体132は、電磁スペクトルの中赤外領域(例えば、少なくとも2.5μm~15μm)又は遠赤外領域(例えば、少なくとも15μm~1mm)の光を選択的に吸収することができる吸収剤を含むことができる。様々な実施形態では、吸収剤は、カテーテルシステム100で使用されるレーザの発光極大と一致する吸収極大を有するものであり得る。非限定的な例として、本明細書に記載の様々なレーザは、ネオジム:イットリウム-アルミニウム-ガーネット(Nd:YAG-発光極大=1064nm)レーザ、ホルミウム:YAG(Ho:YAG-発光極大=2.1μm)レーザ、又はエルビウム:YAG(Er:YAG-発光極大=2.94μm)レーザを含むことができる。いくつかの実施形態では、吸収剤は水溶性であり得る。他の実施形態では、吸収剤は水溶性ではない。いくつかの実施形態では、バルーン流体132に使用される吸収剤は、光源124のピーク発光に一致するように調整することができる。少なくとも10ナノメートル~1ミリメートルの発光波長を有する様々な光源124は、本明細書の他の箇所で論じられる。
【0106】
カテーテル102のカテーテルシャフト110は、光源124と光学的に連通する光ガイドバンドル122の1つ又は複数の光ガイド122Aに結合することができる。光ガイド(複数可)122Aは、カテーテルシャフト110に沿ってバルーン104内に配置することができる。光ガイド122Aの各々は、バルーン104の長さに対して任意の適切な長手方向位置にあるガイド遠位端122Dを有することができる。いくつかの実施形態では、各光ガイド122Aは光ファイバとすることができ、光源124はレーザとすることができる。光源124は、カテーテルシステム100の近位部分114で光ガイド122Aと光学的に連通することができる。より具体的には、本明細書で詳細に説明するように、光源124は、マルチプレクサ128の存在及び動作に起因して、任意の所望の組合せ、順番、及び/又はパターンで、光ガイド122Aの各々と選択的に、同時に、順次に、及び/又は代替的に光学的に連通することができる。
【0107】
いくつかの実施形態では、カテーテルシャフト110は、ガイドワイヤ内腔118及び/又はカテーテルシャフト110の周りの任意の適切な位置に配置することができる第1の光ガイド、第2の光ガイド、第3の光ガイドなどの複数の光ガイド122Aに結合することができる。例えば、特定の非排他的な実施形態では、2つの光ガイド122Aは、ガイドワイヤ内腔118及び/若しくはカテーテルシャフト110の周囲の周りに約180度離間することができ、3つの光ガイド122Aは、ガイドワイヤ内腔118及び/若しくはカテーテルシャフト110の周囲の周りに約120度離間することができ、又は4つの光ガイド122Aは、ガイドワイヤ内腔118及び/若しくはカテーテルシャフト110の周囲の周りに約90度離間することができる。さらに代替的に、複数の光ガイド122Aは、ガイドワイヤ内腔118及び/又はカテーテルシャフト110の周囲の周りに互いに均一に離間する必要はない。より具体的には、光ガイド122Aは、ガイドワイヤ内腔118及び/又はカテーテルシャフト110の周りに均一又は不均一に配置されて、所望の位置で所望の効果を達成することができる。
【0108】
カテーテルシステム100及び/又は光ガイドバンドル122は、近位部分114で光源124と、遠位部分116でバルーン104のバルーン内部146内のバルーン流体132と光学的に連通する任意の数の光ガイド122Aを含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、カテーテルシステム100及び/又は光ガイドバンドル122は、1つの光ガイド122Aから5つの光ガイド122Aまでを含むことができる。他の実施形態では、カテーテルシステム100及び/又は光ガイドバンドル122は、5つの光ガイド122Aから15個の光ガイド122Aまでを含むことができる。さらに他の実施形態では、カテーテルシステム100及び/又は光ガイドバンドル122は、10個の光ガイド122Aから30個の光ガイド122Aまでを含むことができる。代替的に、さらに他の実施形態では、カテーテルシステム100及び/又は光ガイドバンドル122は、30個を超える光ガイド122Aを含むことができる。
【0109】
光ガイド122Aは、バルーン内部146内のバルーン流体132中にプラズマ及び/又は圧力波を発生する目的のための任意の適切な設計を有することができる。特定の実施形態では、光ガイド122Aは、光ファイバ又は可撓性光パイプを含むことができる。光ガイド122Aは、薄くて可撓性であることができ、強度の損失をほとんど伴わずに光信号を送信することを可能にすることができる。光ガイド122Aは、その周囲をクラッドで囲まれたコアを含むことができる。いくつかの実施形態では、コアは、円筒形コア又は部分円筒形コアであり得る。光ガイド122Aのコア及びクラッドは、1つ若しくは複数の種類のガラス、シリカ、又は1つ若しくは複数のポリマーを含むがこれらに限定されない1つ若しくは複数の材料から形成することができる。光ガイド122Aはまた、ポリマーなどの保護コーティングを含むことができる。コアの屈折率は、クラッドの屈折率よりも大きいことが理解される。
【0110】
各光ガイド122Aは、ガイド近位端122Pから、バルーン内部146内に位置決めされている少なくとも1つの光学窓(図示せず)を有するガイド遠位端122Dまで、その長さに沿って光エネルギーを導くことができる。
【0111】
光ガイド122Aは、カテーテル102のカテーテルシャフト110の周り及び/又はそれに対して多くの構成をとることができる。いくつかの実施形態では、光ガイド122Aは、カテーテルシャフト110の長手方向軸144と平行に延びることができる。いくつかの実施形態では、光ガイド122Aは、カテーテルシャフト110に物理的に結合することができる。他の実施形態では、光ガイド122Aは、カテーテルシャフト110の外径の長さに沿って配置することができる。さらに他の実施形態では、光ガイド122Aは、カテーテルシャフト110内の1つ又は複数の光ガイド内腔内に配置することができる。
【0112】
光ガイド122Aはまた、ガイドワイヤ内腔118及び/又はカテーテルシャフト110の周囲の周りの任意の適切な位置に配置することができ、光ガイド122Aのそれぞれのガイド遠位端122Dは、バルーン104の長さに対して、及び/又はガイドワイヤ内腔118の長さに対して任意の適切な長手方向位置に配置されて、治療部位106の血管病変106Aを破壊する目的で圧力波をより効果的かつ正確に付与することができる。
【0113】
特定の実施形態では、光ガイド122Aは、1つ又は複数の光音響トランスデューサ154を含むことができ、各光音響トランスデューサ154は、それが配設される光ガイド122Aと光学的に連通することができる。いくつかの実施形態では、光音響トランスデューサ154は、光ガイド122Aのガイド遠位端122Dと光学的に連通することができる。さらに、そのような実施形態では、光音響トランスデューサ154は、光ガイド122Aのガイド遠位端122Dに対応する及び/又は適合する形状を有することができる。
【0114】
光音響トランスデューサ154は、光ガイド122Aのガイド遠位端122Dで、又はその付近で光エネルギーを音響波に変換するように構成される。音響波の方向は、光ガイド122Aのガイド遠位端122Dの角度を変更することによって調整することができる。
【0115】
特定の実施形態では、光ガイド122Aのガイド遠位端122Dに配置された光音響トランスデューサ154は、光ガイド122Aのガイド遠位端122Dと同じ形状をとることができる。例えば、特定の非排他的な実施形態では、光音響トランスデューサ154及び/又はガイド遠位端122Dは、円錐形状、凸形形状、凹形形状、球根形状、正方形形状、段付き形状、半円形状、卵形形状などを有することができる。光ガイド122Aは、光ガイド122Aの長さの1つ又は複数の側面に沿って配置された追加の光音響トランスデューサ154をさらに含むことができる。
【0116】
いくつかの実施形態では、光ガイド122Aは、光ガイド122Aのガイド遠位端122Dに又はその近くに位置することができる側面に向かって、及びバルーン壁130に向かって光ガイド122Aを出るように光を向けるように構成されている光ガイド122A内の1つ又は複数の方向転換機構又は「ダイバータ」(
図1には図示せず)をさらに含むことができる。方向転換機構は、光エネルギーを光ガイド122Aからその軸方向経路から離れて光ガイド122Aの側面に向かって方向転換させるシステムの任意の機構を含むことができる。さらに、光ガイド122Aはそれぞれ、各光ガイド122Aの長手方向又は円周方向の表面に沿って配置され、方向転換機構と光学的に連通する1つ又は複数の光窓を含むことができる。別の言い方をすれば、方向転換機構は、光ガイド122A内の光エネルギーを、ガイド遠位端122Dに又はその近くにある側面に向けるように構成することができ、側面は光窓と光学的に連通している。光窓は、光エネルギーが光ガイド122A内から光ガイド122Aを出ることを可能にする光ガイド122Aの一部分、例えば、光ガイド122Aの上又は周りにクラッド材料がない光ガイド122Aの一部分を含むことができる。
【0117】
使用に適した方向転換機構の例としては、反射要素、屈折要素、及びファイバディフューザがある。光ガイド122Aの先端から離れるように光エネルギーを集束させるのに適した方向転換機構は、凸形表面、屈折率分布型(GRIN)レンズ、及びミラーフォーカスレンズを有するものを含むことができるが、これらに限定されない。方向転換機構と接触すると、光エネルギーは、光ガイド122A内で、プラズマ発生器133及び光ガイド122Aの側面と光学的に連通している光音響トランスデューサ154のうちの1つ又は複数に方向転換される。上述したように、光音響トランスデューサ154は、光エネルギーを、光ガイド122Aの側面から離れるように延びる音響波に変換する。
【0118】
供給源マニホールド136は、カテーテルシステム100の近位部分114に又はその近くに位置決めされ得る。供給源マニホールド136は、光ガイドバンドル122の1つ又は複数の光ガイド122A、ガイドワイヤ112、及び/又は流体ポンプ138と流体連通して結合されている膨張導管140を受け入れることができる1つ又は複数の近位端開口部を含むことができる。カテーテルシステム100はまた、必要に応じてバルーン104をバルーン流体132で、すなわち、膨張導管140を介して膨張させるように構成されている流体ポンプ138を含むことができる。
【0119】
上述したように、
図1に示す実施形態では、システムコンソール123は、光源124、電源125、システムコントローラ126、GUI127、及びマルチプレクサ128のうちの1つ又は複数を含む。代替的に、システムコンソール123は、
図1に具体的に示された構成要素よりも多くの構成要素又はより少ない構成要素を含むことができる。例えば、特定の非排他的な代替的な実施形態では、システムコンソール123は、GUI127なしで設計することができる。さらに代替的に、光源124、電源125、システムコントローラ126、GUI127、及びマルチプレクサ128のうちの1つ又は複数は、システムコンソール123を特に必要とせずにカテーテルシステム100内に設けることができる。
【0120】
図示のように、システムコンソール123、及びそれに含まれる構成要素は、カテーテル102、光ガイドバンドル122、及びカテーテルシステム100の残りの部分に動作可能に結合される。例えば、いくつかの実施形態では、
図1に示すように、システムコンソール123は、光ガイドバンドル122がシステムコンソール123に機械的に結合されるコンソール接続開口部148(一般に「ソケット」と呼ばれることもある)を含むことができる。そのような実施形態では、光ガイドバンドル122は、光ガイド122Aのそれぞれの一部分、例えば、ガイド近位端122Pを収容するガイド・カップリング・ハウジング150(一般に「フェルール」と呼ばれることもある)を含むことができる。ガイド・カップリング・ハウジング150は、光ガイドバンドル122とシステムコンソール123との間の機械的結合を提供するために、コンソール接続開口部148内に嵌合し、選択的に保持されるように構成される。
【0121】
光ガイドバンドル122はまた、個々の光ガイド122Aの各々を互いに近づけるガイドバンドル152(又は「シェル」)を含むことができ、それにより、光ガイド122A及び/又は光ガイドバンドル122が、カテーテルシステム100の使用中にカテーテル102と共に血管108内に延在するときに、よりコンパクトな形態になることができる。
【0122】
光源124は、光ガイドバンドル122内で光ガイド122Aのそれぞれと光学的に連通して、すなわち、光ガイド122Aのそれぞれのガイド近位端122Pに選択的及び/又は代替的に結合することができる。特に、光源124は、パルス光源ビームなどの光源ビーム124Aの形態の光エネルギーを発生するように構成され、これは、任意の所望の組合せ、順番、順序及び/又はパターンで光ガイドバンドル122内の光ガイド122Aのそれぞれに選択的に及び/又は代替的に向けられ、受け取られ得る。より具体的には、本明細書で以下により詳細に説明するように、光源124からの光源ビーム124Aは、個々のガイドビーム124B(又は「多重ビーム」)が光ガイドバンドル122内の光ガイド122Aのそれぞれに選択的に及び/又は代替的に導かれ、受け取られ得るように、マルチプレクサ128を通って導かれる。特に、光源124の各パルス、すなわち光源ビーム124Aの各パルスは、マルチプレクサ128を通って導かれて、光ガイドバンドル122内の光ガイド122Aのうちの1つ又は複数に選択的に及び/又は代替的に導かれる1つ又は複数の別個のガイドビーム124B(
図1には1つのみが示されている)を発生することができる。
【0123】
光源124は、任意の適切な設計を有することができる。特定の実施形態では、光源124は、光ガイド122Aのガイド近位端122Pに結合するために、小さなスポット上に集束される光源124からの光エネルギーのサブミリ秒パルスを提供するように構成することができる。次いで、光エネルギーのこのようなパルスは、光ガイド122Aに沿ってバルーン104のバルーン内部146内の位置に導かれ、及び/又は案内され、それにより、例えば、光ガイド122Aのガイド遠位端122Dに配置することができるプラズマ発生器133を介して、バルーン104のバルーン内部146内のバルーン流体132中にプラズマ形成を誘発する。特に、光ガイド122Aのガイド遠位端122Dで放出された光は、バルーン内部146内のバルーン流体132内にプラズマを形成するようにプラズマ発生器133を励起する。プラズマ形成は、急速な気泡形成を引き起こし、治療部位106に圧力波を付与する。例示的なプラズマ誘発気泡134を
図1に示す。
【0124】
様々な非排他的な代替的な実施形態では、光源124からの光エネルギーのサブミリ秒パルスは、約1ヘルツ(Hz)~5000Hz、約30Hz~1000Hz、約10Hz~100Hz、又は約1Hz~30Hzの周波数で治療部位106に送達され得る。代替的に、光エネルギーのサブミリ秒パルスは、5000Hzより大きいか、又は1Hz未満であり得る周波数、又は任意の他の適切な周波数の範囲で治療部位106に送達され得る。
【0125】
光源124は、典型的には光エネルギーのパルスを提供するために利用されるが、光源124は、単一の光源ビーム124A、すなわち単一のパルス光源ビームを提供するものとして説明され得ることが理解される。
【0126】
本明細書での使用に適した光源124は、レーザ及びランプを含む様々な種類の光源を含むことができる。適切なレーザは、サブミリ秒タイムスケールでの短パルスレーザを含むことができる。いくつかの実施形態では、光源124は、ナノ秒(ns)タイムスケールでのレーザを含むことができる。レーザはまた、ピコ秒(ps)、フェムト秒(fs)、及びマイクロ秒(us)タイムスケールでの短パルスレーザを含むことができる。カテーテル102のバルーン流体132中のプラズマを実現するために採用され得るレーザ波長、パルス幅、及びエネルギーレベルの多くの組合せがあることが理解される。様々な非排他的な代替的な実施形態では、パルス幅は、少なくとも10ns~3000ns、少なくとも20ns~100ns、又は少なくとも1ns~500nsを含む範囲内にあるものを含むことができる。代替的に、任意の他の適切なパルス幅範囲を使用することができる。
【0127】
例示的なナノ秒レーザは、約10ナノメートル(nm)から1ミリメートル(mm)の波長にわたるUVからIRスペクトル内のものを含むことができる。いくつかの実施形態では、カテーテルシステム100での使用に適する光源124は、少なくとも750nm~2000nmの波長の光を生成することができるものを含むことができる。他の実施形態では、光源124は、少なくとも700nm~3000nmの波長の光を生成することができるものを含むことができる。さらに他の実施形態では、光源124は、少なくとも100nm~10マイクロメートル(μm)の波長の光を生成することができるものを含むことができる。ナノ秒レーザは、最大200kHzの繰返し率を有するものを含むことができる。いくつかの実施形態では、レーザは、Qスイッチ式ツリウム:イットリウム-アルミニウム-ガーネット(Tm:YAG)レーザを含むことができる。他の実施形態では、レーザは、ネオジム:イットリウム-アルミニウム-ガーネット(Nd:YAG)レーザ、ホルミウム:イットリウム-アルミニウム-ガーネット(Ho:YAG)レーザ、エルビウム:イットリウム-アルミニウム-ガーネット(Er:YAG)レーザ、エキシマレーザ、ヘリウム-ネオンレーザ、二酸化炭素レーザ、並びにドープされたパルスファイバレーザを含むことができる。
【0128】
カテーテルシステム100は、少なくとも1メガパスカル(MPa)~100MPaの範囲内の最大圧力を有する圧力波を発生することができる。特定のカテーテルシステム100によって発生する最大圧力は、光源124、吸収材料、気泡膨張、伝播媒体、バルーン材料、及び他の要因に依存する。様々な非排他的な代替的な実施形態では、カテーテルシステム100は、少なくとも約2MPa~50MPa、少なくとも約2MPa~30MPa、又は少なくとも約15MPa~25MPaの範囲の最大圧力を有する圧力波を発生することができる。
【0129】
圧力波は、カテーテル102が治療部位106に載置されているときに、エネルギーガイド122Aから半径方向に延在する少なくとも約0.1ミリメートル(mm)から約25mmを超える範囲内の距離から治療部位106上に付与され得る。様々な非排他的な代替的な実施形態では、圧力波は、カテーテル102が治療部位106に載置されているときに、エネルギーガイド122Aから半径方向に延在する少なくとも約10mm~20mm、少なくとも約1mm~10mm、少なくとも約1.5mm~4mm、又は少なくとも約0.1mm~10mmの範囲内の距離から治療部位106上に付与され得る。他の実施形態では、圧力波は、前述の範囲とは異なる別の適切な距離から治療部位106上に付与され得る。いくつかの実施形態では、圧力波は、少なくとも約0.1mm~10mmの距離で少なくとも約2MPa~30MPaの範囲内で治療部位106上に付与され得る。いくつかの実施形態では、圧力波は、少なくとも約0.1mm~10mmの距離で少なくとも約2MPa~25MPaの範囲で治療部位106上に付与され得る。さらに代替的に、他の適切な圧力範囲及び距離を使用することができる。
【0130】
電源125は、光源124、システムコントローラ126、GUI127、マルチプレクサ128、及びハンドルアセンブリ129のそれぞれに電気的に結合され、必要な電力を供給するように構成される。電源125は、そのような目的のための任意の適切な設計を有することができる。
【0131】
システムコントローラ126は、電源125に電気的に結合され、電源125から電力を受け取る。さらに、システムコントローラ126は、光源124、GUI127、及びマルチプレクサ128の各々に結合され、それらの動作を制御するように構成される。システムコントローラ126は、少なくとも光源124、GUI127、及びマルチプレクサ128の動作を制御する目的のための1つ又は複数のプロセッサ又は回路を含むことができる。例えば、システムコントローラ126は、所望に応じて及び/又は任意の所望の発射速度で光エネルギーのパルスを発生するように光源124を制御することができる。その後、システムコントローラ126は、次いで、光源124からの光エネルギー、すなわち光源ビーム124Aが効果的にかつ正確に多重化され、それにより、所望の様式で個々のガイドビーム124Bの形態で光ガイド122Aの各々に選択的に及び/又は代替的に導かれ得るように、マルチプレクサ128を制御することができる。
【0132】
システムコントローラ126は、治療部位106に隣接するカテーテル102の位置決め、バルーン流体132によるバルーン104の膨張などのカテーテルシステム100の他の構成要素の動作を制御するようにさらに構成することができる。さらに又は代替的に、カテーテルシステム100は、カテーテルシステム100の様々な動作を制御するために、任意の適切な様式で位置決めされ得る1つ又は複数の追加のコントローラを含むことができる。例えば、特定の実施形態では、追加のコントローラ及び/又はシステムコントローラ126の一部分を、ハンドルアセンブリ129内に位置決めする及び/又は組み込むことができる。
【0133】
GUI127は、カテーテルシステム100のユーザ又はオペレータによってアクセス可能である。さらに、GUI127は、システムコントローラ126に電気的に接続されている。そのような設計により、GUI127は、カテーテルシステム100が治療部位106の血管病変106A上に圧力を付与して破砕を誘発するために効果的に利用されることを確実にするために、ユーザ又はオペレータによって使用され得る。GUI127は、カテーテルシステム100の使用前、使用中、及び使用後に使用することができる情報をユーザ又はオペレータに提供することができる。一実施形態では、GUI127は、静的視覚データ及び/又は情報をユーザ又はオペレータに提供することができる。追加的に又は代替的に、GUI127は、カテーテルシステム100の使用中に経時的に変化するビデオデータ又は任意の他のデータなどの動的視覚データ及び/又は情報をユーザ又はオペレータに提供することができる。様々な実施形態では、GUI127は、ユーザ又はオペレータに対する警告として機能することができる、1つ又は複数の色、異なるサイズ、変化する輝度などを含むことができる。追加的に又は代替的に、GUI127は、音声データ又は情報をユーザ又はオペレータに提供することができる。GUI127の詳細は、カテーテルシステム100の設計要件、又はユーザ若しくはオペレータの特定のニーズ、仕様、及び/又は要望に応じて変化することができる。
【0134】
本明細書で提供されるように、マルチプレクサ128は、光源124からの光エネルギーを光ガイドバンドル122内の光ガイド122Aの各々に選択的に及び/又は代替的に導くように構成される。より具体的には、マルチプレクサ128は、単一のレーザ源からの単一の光源ビーム124Aなど、単一の光源124からの光エネルギーを受け取り、個々のガイドビーム124Bの形態のそのような光エネルギーを、任意の所望の組合せ(すなわち、複数の光ガイド122Aを通して光エネルギーを同時に導く)、順序、順番、及び/又はパターンで、光ガイドバンドル122内の光ガイド122Aの各々に選択的に及び/又は代替的に導くように構成される。このように、マルチプレクサ128は、カテーテルシステム100が所望の様式で血管108の血管壁108A内の又は血管壁108Aに隣接する治療部位106の血管病変上に圧力を付与して破砕を誘発することができるように、単一の光源124を複数の光ガイド122Aを通して同時に及び/又は順次に送ることを可能にする。さらに、図示のように、カテーテルシステム100は、光源ビーム124Aの形態の光エネルギーを光源124からマルチプレクサ128に導く目的で、1つ又は複数の光学素子147を含むことができる。マルチプレクサ128は、本明細書で図示し、説明する軸に対して少なくとも単一の自由度を有することができる。
【0135】
マルチプレクサ128は、光源124からの光エネルギーを光ガイドバンドル122の光ガイド122Aの各々に選択的に及び/又は代替的に導く目的で、任意の適切な設計を有することができる。いくつかの実施形態では、マルチプレクサ128は、カメラ128Cを含むことができる。他の実施形態では、カメラ128Cをマルチプレクサ128の外側に配置することができる。特定の実施形態では、カメラ128Cを、(
図2に示す)位置合わせアセンブリ256の一部として含めることができる。
【0136】
カメラ128Cは、カテーテルシステム100の設計要件に応じて異なり得る。例えば、いくつかの実施形態では、カメラ128Cは、発光ダイオードなどの照明源を含むことができる(又は、照明源はカメラ128Cとは別個であり得る)。カメラ128Cは、ガイド近位端122Pに対する個々のガイドビーム124Bの位置合わせを調整することができるように、光ガイド122Aのガイド近位端122Pの画像を取り込むことができる。システムコントローラ126は、カメラ128Cによって取り込まれた画像を使用して、XYZ座標基準面を生成することができる。位置合わせハードウェアが第1の位置に移動されると、カメラ128Cは、第1の写真を検出するためのマシンビジョンとして利用され得る。1つ又は複数のカメラ128Cは、第1の位置で撮影された画像を取り込むことができる。カメラ128Cは、すべての参照ターゲットが取り込まれるまで画像を取り込み続けることができる。システムコントローラ126は、カメラ128Cによって生成された画像に基づいてカメラオフセットを生成することができる。
【0137】
図1に示すように、ハンドルアセンブリ129は、カテーテルシステム100の近位部分114に又はその近くに、及び/又は供給源マニホールド136の近くに位置決めすることができる。この実施形態では、ハンドルアセンブリ129は、バルーン104に結合され、バルーン104から離間して位置決めされる。代替的に、ハンドルアセンブリ129を別の適切な位置に位置決めすることができる。
【0138】
ハンドルアセンブリ129は、カテーテル102を動作、位置決め、及び制御するために、ユーザ又はオペレータによって取り扱われ、使用される。ハンドルアセンブリ129の設計及び特定の特徴は、カテーテルシステム100の設計要件に適合するように変更することができる。
図1に示す実施形態では、ハンドルアセンブリ129は、システムコントローラ126、光源124、流体ポンプ138、GUI127、及びマルチプレクサ128のうちの1つ又は複数から分離されているが、それらと電気的に及び/又は流体的に連通している。いくつかの実施形態では、ハンドルアセンブリ129は、ハンドルアセンブリ129の内部内にシステムコントローラ126の少なくとも一部分を一体化及び/又は含むことができる。例えば、図示するように、特定のそのような実施形態では、ハンドルアセンブリ129は、システムコントローラ126の少なくとも一部分を形成することができる回路155を含むことができる。一実施形態では、回路155は、1つ若しくは複数の集積回路、又は任意の他の適切な回路を有するプリント回路基板を含むことができる。代替的な実施形態では、回路155は省略することができ、又はシステムコントローラ126内に含めることができ、様々な実施形態では、回路155は、ハンドルアセンブリ129の外側、例えばシステムコンソール123の中に位置決めされ得る。ハンドルアセンブリ129は、本明細書に具体的に示され説明されたものよりも少ない又は追加の構成要素を含むことができることが理解される。
【0139】
図2は、ガイドバンドル252と、位置合わせアセンブリ256と、レセプタクルアセンブリ274とを含む、カテーテルシステム200の一実施形態の一部分の部分分解斜視図である。
図2に示す実施形態に示されているように、ガイドバンドル252は、位置合わせアセンブリ256及びレセプタクルアセンブリ274から取り外されている。
【0140】
カテーテルシステム200の設計は、本明細書に示され説明された実施形態と実質的に同様であり得る。
図1に示されているようなカテーテルシステム200の様々な構成要素は、(
図1に示す)マルチプレクサ128のように、明瞭さ及び説明を容易にするために
図2には示されていないことが理解される。しかしながら、カテーテルシステム200は、すべてではないにしても、そのような構成要素のうちのいくつかを含む可能性が高いことが理解される。
【0141】
図2に示されているように、カテーテルシステム200は、この場合も、(
図1に示す)個々の光ガイド122Aの各々を互いに近づけるガイド・バンドル・ハウジング253を含むガイドバンドル252を含み、それにより、光ガイド122A及び/又はガイドバンドル252が、カテーテルシステム200の使用中に(
図1に示す)カテーテル102と共に(
図1に示す)血管108内に延在するときに、よりコンパクトな形態になることができる。ガイドバンドル252はまた、マルチプレクサ128からの(
図1に示す)ガイドビーム124Bを対応する光ガイド122Aに光学的に結合するように構成されたガイド・バンドル・フェルール270を含むことができる。
【0142】
位置合わせアセンブリ256は、マルチプレクサ128を出るガイドビーム124Bと、一致するガイドビーム124Bを受け取る対応する個々の光ガイド122Aの各々との間の位置合わせ及び/又は位置決めを正確に調整するように構成され得る。位置合わせアセンブリ256は、個々の光ガイド122Aのいずれに対しても、マイクロメータレベルの調整単位まで、位置合わせ及び/又は位置決めを調整することができる。言い換えれば、位置合わせアセンブリ256は、レセプタクルアセンブリ274(又はカテーテルシステム200の任意の他の適切な構成要素)に対する個々のガイドビーム124Bの位置を、1桁マイクロメータ単位で調整することができる。位置合わせアセンブリ256は、ガイドバンドル252の初期接続時にカテーテルシステム200の様々な構成要素の位置合わせ及び/又は位置決めを大幅に調整することができる。
【0143】
位置合わせアセンブリ256は、個々のガイドビーム124Bの形態の光エネルギーが光ガイド122Aのガイド近位端122Pの各々内で位置合わせされるように、(
図1に示す)光源124からの光エネルギーを位置合わせすることができる。位置合わせアセンブリ256は、レセプタクルアセンブリ274及び/又は光ガイド122Aに対する個々のガイドビーム124Bの位置合わせ及び/又は位置決めを調整することができる。いくつかの実施形態では、位置合わせアセンブリ256は、光ガイド122A、個々のガイドビーム124B、マルチプレクサ128、及び/又はレセプタクルアセンブリ274の位置決め及び/又は位置合わせを同時に調整することができる。位置合わせアセンブリ256は、光ガイド122Aのガイド近位端122Pが1つの、2つの、又は3つの自由度(回転及び/又は並進)を有するように、ガイド近位端122Pの位置決めを調整することができる。位置合わせアセンブリ256は、レセプタクルアセンブリ274が1つの、2つの、又は3つの自由度(回転及び/又は並進)を有するように、レセプタクルアセンブリ274の位置決めを調整することができる。位置合わせアセンブリ256は、マルチプレクサ128に対するレセプタクルアセンブリ274の位置決めを調整することができる。
【0144】
位置合わせアセンブリ256は、カテーテルシステム200の設計要件、マルチプレクサ128、ガイドバンドル252、及び/又はレセプタクルアセンブリ274の種類、サイズ、及び/又は構成に応じて異なり得る。位置合わせアセンブリ256が、本明細書に具体的に図示及び/又は説明されたもの以外の追加の構成要素、システム、サブシステム、及び要素を含むことができることが理解される。追加的又は代替的に、位置合わせアセンブリ256は、本明細書に具体的に図示及び/又は説明された構成要素、システム、サブシステム、及び要素のうちの1つ又は複数を省略することができる。いくつかの実施形態では、位置合わせアセンブリ256の様々な構成要素は、
図2に具体的に示されているものとは異なるように位置決めされ得る。
【0145】
位置合わせアセンブリ256は、静止ベース257と、第1のステージ258と、第1のステージノブ259と、第2のステージ260と、第2のステージノブ262と、回転カム264と、可動子266とを含むことができる。さらに、
図2に示す実施形態に示されているように、位置合わせアセンブリ256は、ガイドバンドル252及び/又はレセプタクルアセンブリ274に係合及び/又は結合するように構成され得る。位置合わせアセンブリ256はマルチプレクサ128に結合され得る。いくつかの実施形態では、位置合わせアセンブリ256は、(例えば
図1に示されているように)カメラ128cを含むことができる。カメラ128cは、ガイド近位端122Pに対する個々のガイドビーム124Bの位置を調整することができるように、各光ガイド122Aのガイド近位端122Pの画像を取り込むことができる。
【0146】
静止ベース257は、位置合わせアセンブリ256のすべての様々な構成要素が取り付けられるベース構造として構成され得る。例えば、
図2に示された実施形態に示されているように、第2のステージ260は、静止ベース257に貼り付けられ、結合され、取り付けられ、及び/又は別の方法で係合され得る。静止ベース257は、カテーテルシステム200の設計要件、マルチプレクサ128、ガイドバンドル252、位置合わせアセンブリ256、及び/又はレセプタクルアセンブリ274の種類、サイズ、及び/又は構成に応じて異なり得る。静止ベース257が、本明細書に具体的に図示及び/又は説明されたもの以外の追加の構成要素、システム、サブシステム、及び要素を含むことができることが理解される。追加的又は代替的に、静止ベース257は、本明細書に具体的に図示及び/又は説明された構成要素、システム、サブシステム、及び要素のうちの1つ又は複数を省略することができる。いくつかの実施形態では、静止ベース257の様々な構成要素は、
図2に具体的に示されているものとは異なるように位置決めされ得る。
【0147】
第1のステージ258は、任意の適切な軸の周りを回転及び/又はそれに沿って移動することができる。第1のステージ258は、(
図4に示す)第1の軸470X、(
図4に示す)第2の軸470Y、及び(
図4に示す)第3の軸470Zの周りを回転及び/又はそれに沿って移動することができる。第1のステージ258は、位置合わせアセンブリ256の設計要件により必要に応じて任意の数の適切な軸に沿って回転及び/又は移動することができる。第1のステージ258は、レセプタクルアセンブリ274に選択的に固定及び/又は結合することができる。
【0148】
いくつかの実施形態では、第1のステージ258はパワートレインと同様のシステムによって回転され、第1のステージノブ259は可動子266によって回転される。他の実施形態では、第1のステージ258は、光ガイド軸を中心とした第1のステージ258の回転運動を制御する回転カム264に結合されている。様々な実施形態では、第1のステージ258は、第1のステージ258の回転移動と協働して動くように構成されたローラ263の上で回転することができる。いくつかの実施形態では、本明細書で説明するカム(回転カム264など)は、本明細書で説明するノブ(第1のステージノブ259など)を任意の適切な方向に動かす直線移動ロッド又はねじに置き換えられ得る。第1のステージノブ259は、回転カム264に選択的に係合することができる。回転カム264は可動子266に結合され得る。
【0149】
第1のステージ258は、カテーテルシステム200の設計要件、マルチプレクサ128、ガイドバンドル252、位置合わせアセンブリ256、及び/又はレセプタクルアセンブリ274の種類、サイズ、及び/又は構成に応じて異なり得る。第1のステージ258が、本明細書に具体的に図示及び/又は説明されたもの以外の追加の構成要素、システム、サブシステム、及び要素を含むことができることが理解される。追加的又は代替的に、第1のステージ258は、本明細書に具体的に図示及び/又は説明された構成要素、システム、サブシステム、及び要素のうちの1つ又は複数を省略することができる。いくつかの実施形態では、第1のステージ258の様々な構成要素は、
図2に具体的に示されているものとは異なるように位置決めされ得る。
【0150】
第1のステージ258は、レセプタクルアセンブリ274を受容及び/又は係合するように構成され得る。いくつかの実施形態では、第1のステージ258はレセプタクルアセンブリ274を回転させて、両方の構成要素が同時に回転するようにする。他の実施形態では、第1のステージ258は、レセプタクルアセンブリ274と一体的に形成され得る。
【0151】
第2のステージ260は、第1のステージ258を昇降させることができる。いくつかの実施形態では、第2のステージ260は、第2のステージノブ262を使用して第1のステージ258を移動させることができる。第2のステージ260は、任意の適切な軸の周りを回転及び/又はそれに沿って移動することができる。第2のステージ260は、(
図4に示す)第1の軸470X、(
図4に示す)第2の軸470Y、及び(
図4に示す)第3の軸470Zの周りを回転及び/又はそれに沿って移動することができる。第2のステージ260は、位置合わせアセンブリ256の設計要件により必要に応じて任意の数の適切な軸に沿って回転及び/又は移動することができる。他の実施形態では、第2のステージ260は、第1のステージ258を(x軸に沿って)水平に移動させるように構成され得る。第2のステージ260は、第2のステージの第1の軸(例えば第2の軸470Y)の周りを移動することができる。第2のステージ260は、第1のステージ258に選択的に固定され得る。
【0152】
第2のステージ260は、カテーテルシステム200の設計要件、マルチプレクサ128、ガイドバンドル252、位置合わせアセンブリ256、及び/又はレセプタクルアセンブリ274の種類、サイズ、及び/又は構成に応じて異なり得る。第2のステージ260が、本明細書に具体的に図示及び/又は説明されたもの以外の追加の構成要素、システム、サブシステム、及び要素を含むことができることが理解される。追加的又は代替的に、第2のステージ260は、本明細書に具体的に図示及び/又は説明された構成要素、システム、サブシステム、及び要素のうちの1つ又は複数を省略することができる。いくつかの実施形態では、第2のステージ260の様々な構成要素は、
図2に具体的に示されているものとは異なるように位置決めされ得る。
【0153】
第2のステージ260は、第1のステージ258及び/又はレセプタクルアセンブリ274を受容及び/又は係合するように構成され得る。いくつかの実施形態では、第2のステージ260は、第1のステージ258及び/又はレセプタクルアセンブリ274と協調して移動する。他の実施形態では、第2のステージ260は、第1のステージ258及び/又はレセプタクルアセンブリ274と一体的に形成され得る。
【0154】
第2のステージノブ262は、ばね式とすることができ、別のカム(図示せず)に係合することができる。第2のステージノブ262は可動子266によって駆動され得る。可動子266の回転運動により、第2のステージノブ262が駆動されて回転カム264に係合し、その結果、第2のステージ260の往復運動が生じ得る。
【0155】
第2のステージノブ262は、カテーテルシステム200の設計要件、位置合わせアセンブリ256、第1のステージ258、第2のステージ260、及び/又はレセプタクルアセンブリ274の種類、サイズ、及び/又は構成に応じて異なり得る。第2のステージノブ262が、本明細書に具体的に図示及び/又は説明されたもの以外の追加の構成要素、システム、サブシステム、及び要素を含むことができることが理解される。追加的又は代替的に、第2のステージノブ262は、本明細書に具体的に図示及び/又は説明された構成要素、システム、サブシステム、及び要素のうちの1つ又は複数を省略することができる。いくつかの実施形態では、第2のステージノブ262の様々な構成要素は、
図2に具体的に示されているものとは異なるように位置決めされ得る。
【0156】
レセプタクルアセンブリ274は、ガイド・バンドル・フェルール270が既知のピッチで線形アレイ状に配置されるように、ガイド・バンドル・フェルール270を位置合わせするように構成され得る。いくつかの実施形態では、レセプタクルアセンブリ274は、光ガイド122Aのガイド近位端122P及び/又はガイド・バンドル・フェルール270を、1桁マイクロメートルの誤差の範囲内で正確に位置合わせ及び/又は位置決めすることができる。レセプタクルアセンブリ274は、ガイド近位端122P及び/又はガイド・バンドル・フェルール270が(例えば
図5に示されているように)レセプタクル・フェルール・レシーバ軸576Xに沿って固定されるように、ガイド近位端122P及び/又はガイド・バンドル・フェルール270を受け入れることができる。レセプタクルアセンブリ274は位置合わせアセンブリ256に結合され得る。
【0157】
レセプタクルアセンブリ274は、カテーテルシステム200の設計要件、マルチプレクサ128、ガイドバンドル252、及び/又は位置合わせアセンブリ256の種類、サイズ、及び/又は構成に応じて異なり得る。レセプタクルアセンブリ274が、本明細書に具体的に図示及び/又は説明されたもの以外の追加の構成要素、システム、サブシステム、及び要素を含むことができることが理解される。追加的又は代替的に、レセプタクルアセンブリ274は、本明細書に具体的に図示及び/又は説明された構成要素、システム、サブシステム、及び要素のうちの1つ又は複数を省略することができる。いくつかの実施形態では、レセプタクルアセンブリ274の様々な構成要素は、
図2に具体的に示されているものとは異なるように位置決めされ得る。レセプタクルアセンブリ274のさらなる詳細を
図5に示し、本明細書でさらに説明する。
【0158】
図3は、位置合わせアセンブリ356及びレセプタクルアセンブリ374の一実施形態を含む、カテーテルシステム300の一実施形態の一部分の正面図である。
図3に示す実施形態に示されているように、カテーテルシステム300は、位置合わせアセンブリ356(これは、静止ベース357、第1のステージ358、第1のステージノブ359、第2のステージ360、第2のステージノブ362、ローラ363、及び回転カム364を含み得る)と、レセプタクルアセンブリ374(これは、レセプタクル・フェルール・レシーバ376、レセプタクル・アセンブリ・ハウジング378、及びレセプタクル・フェルール・リテーナ380を含み得る)とを含むことができる。レセプタクル・フェルール・レシーバ376、レセプタクル・アセンブリ・ハウジング378、及びレセプタクル・フェルール・リテーナ380については、本明細書でさらに詳細に説明する。
【0159】
図4は、ガイドバンドル452の一実施形態を含む、カテーテルシステム100の一実施形態の一部分の斜視図である。
図4に示された実施形態に示されているように、ガイドバンドル452は、ガイド・バンドル・ハウジング453と、ガイド・バンドル・フェルール470と、ガイドバンドル開口部472とを含むことができる。
【0160】
ガイドバンドル452は、(
図1に示す)多数の光ガイド122Aを束ね、それぞれ個別に対応するガイド・バンドル・フェルール470にする。ガイド・バンドル・フェルール470の各々は、少なくとも1つの自由度を有する。いくつかの実施形態では、ガイド・バンドル・フェルール470は、第1の軸470X、第2の軸470Y、第3の軸470Z、第1の回転軸470P、第2の回転軸470Q、第3の回転軸470R、及び/又は任意の適切な軸の周りに自由度を有する。様々な実施形態では、任意の軸は、第1の軸470X、第2の軸470Y、及び/又は第3の軸470Zであり得る。様々な実施形態では、本明細書で説明する軸は、
図4に示されているように、互いに実質的に直交し得る。
【0161】
ガイド・バンドル・フェルール470は、ガイド・バンドル・フェルール470がそこから突出するガイドバンドル452内にばね付勢されるように、スプリング470Sを含むことができる。いくつかの実施形態では、スプリング470Sは、第1の軸470X、第2の軸470Y、及び/又は第3の軸470Zに沿ってフェルール470を押すためのばね力を与えることができる。フェルール470がそれを通して突出するガイドバンドル開口部472は、(
図2に示す)位置合わせアセンブリ256によって提供され得る位置合わせ補正機構によって加えられる小さい動きを受け入れるのに十分な大きさである。ガイド・バンドル・フェルール470はそれぞれ、第1の軸470X、第2の軸470Y、第3の軸470Z、第1の回転軸470P、第2の回転軸470Q、及び/又は第3の回転軸470Rの周りを移動可能である。軸及び/又はステージに関する第1、第2、及び第3の使用は、単に明確にするためであり、いくつかの実施形態では、第1、第2、及び第3の軸及び/又はステージは同じ軸及び/又はステージであることが理解される。他の実施形態では、第1、第2、及び第3の軸及び/又はステージは、異なる軸及び/又はステージである。いくつかの実施形態では、第1の軸470X、第2の軸470Y、及び/又は第3の軸470Zは、互いに実質的に直交している。
【0162】
図5は、レセプタクルアセンブリ574の一実施形態を含む、カテーテルシステム500の一実施形態の一部分の斜視図である。いくつかの実施形態では、レセプタクルアセンブリ574は、レセプタクル・フェルール・レシーバ軸576Xを有するレセプタクル・フェルール・レシーバ576と、レセプタクルブロック577と、レセプタクル・アセンブリ・ハウジング578と、レセプタクル・フェルール・リテーナ580とを含むことができる。
【0163】
レセプタクル・フェルール・レシーバ576は、(
図4に示す)個々のガイド・バンドル・フェルール470を受け入れることができる。レセプタクル・フェルール・レシーバ576は、レセプタクルアセンブリ574のレセプタクルブロック577に形成され得る。複数のレセプタクル・フェルール・レシーバ576を、任意の適切な分布パターンでアレイ状に整列させることができる(
図5には直線パターンが表示されている)。分布パターンの非限定的で非排他的な例としては、直線、円形、六角形、又は任意の適切な幾何学的分布パターンがある。
【0164】
レセプタクル・フェルール・レシーバ576は、カテーテルシステム500の設計要件、(
図1に示す)マルチプレクサ128、(図に示す)ガイドバンドル252、及び/又は位置合わせアセンブリ556の種類、サイズ、及び/又は構成に応じて異なり得る。レセプタクル・フェルール・レシーバ576が、本明細書に具体的に図示及び/又は説明されたもの以外の追加の構成要素、システム、サブシステム、及び要素を含むことができることが理解される。追加的又は代替的に、レセプタクル・フェルール・レシーバ576は、本明細書に具体的に図示及び/又は説明された構成要素、システム、サブシステム、及び要素のうちの1つ又は複数を省略することができる。いくつかの実施形態では、レセプタクル・フェルール・レシーバ576の様々な構成要素は、
図5に具体的に示されているものとは異なるように位置決めされ得る。レセプタクル・フェルール・レシーバ576は、軸方向フェルールストッパを含むことができる。
【0165】
レセプタクル・アセンブリ・ハウジング578は、レセプタクル・フェルール・レシーバ576、レセプタクルブロック577、及びレセプタクル・フェルール・リテーナ580など、レセプタクルアセンブリ574の個々の構成要素を収容する。レセプタクル・アセンブリ・ハウジング578により、レセプタクルアセンブリ574をマルチプレクサ128に結合することが可能になり得る。レセプタクル・アセンブリ・ハウジング578は、レセプタクル・アセンブリ・ハウジング578とマルチプレクサ128との位置合わせ、位置決め、及び/又は結合を案内するガイドピン581を含むことができる。レセプタクル・アセンブリ・ハウジング578は、カテーテルシステム500の設計要件、(
図1に示す)マルチプレクサ128、(図に示す)ガイドバンドル252、及び/又はレセプタクルアセンブリ574の種類、サイズ、及び/又は構成に応じて異なり得る。いくつかの実施形態では、レセプタクル・アセンブリ・ハウジング578の様々な構成要素は、
図5に具体的に示されているものとは異なるように位置決めされ得る。レセプタクル・アセンブリ・ハウジング578は、v溝ブロックを含むことができる。
【0166】
レセプタクル・フェルール・リテーナ580は、レセプタクル・フェルール・レシーバ576内の所望の位置に、任意の数の個々のガイド・バンドル・フェルール470を選択的に保持及び/又はロックすることができる。レセプタクル・フェルール・リテーナ580は、レセプタクル・フェルール・レシーバ576内の1つ又は複数の位置に個々のガイド・バンドル・フェルール470を保持することができる。レセプタクル・フェルール・リテーナ580は、カテーテルシステム500の設計要件、(
図1に示す)マルチプレクサ128、(図に示す)ガイドバンドル252、及び/又はレセプタクルアセンブリ574の種類、サイズ、及び/又は構成に応じて異なり得る。レセプタクル・フェルール・リテーナ580が、本明細書に具体的に図示及び/又は説明されたもの以外の追加の構成要素、システム、サブシステム、及び要素を含むことができることが理解される。
【0167】
追加的又は代替的に、レセプタクル・フェルール・リテーナ580は、本明細書に具体的に図示及び/又は説明された構成要素、システム、サブシステム、及び要素のうちの1つ又は複数を省略することができる。いくつかの実施形態では、レセプタクル・フェルール・リテーナ580の様々な構成要素は、
図5に具体的に示されているものとは異なるように位置決めされ得る。レセプタクル・フェルール・リテーナ580は、対応する個々のガイド・バンドル・フェルール470を1つ又は複数の位置に保持及び/又はロックする複数のばね式プランジャ・ボール・スプリング580Sを含むことができる。いくつかの実施形態では、レセプタクル・フェルール・リテーナ580は、それぞれ、レセプタクル・フェルール・レシーバ576内の所望の位置にガイド・バンドル・フェルール470の各々を選択的にロックするように構成されたプランジャ・ボール・スプリング580Sを有するプランジャ・ボール・スプリング・ブリッジ580Bを含むことができる。
【0168】
図6は、位置合わせアセンブリ656及びレセプタクルアセンブリ674のさらに別の実施形態を含む、カテーテルシステム600の一実施形態の一部分の斜視図である。
図6に示されているように、位置合わせアセンブリ656は、静止ベース657と、第1のステージ658と、第2のステージ660と、第3のステージ661と、複数のローラ663と、第1の可動子667と、第2の可動子668とを含むことができる。レセプタクルアセンブリ674は、レセプタクル・アセンブリ・ハウジング678を含むことができる。位置合わせアセンブリ656、静止ベース657、第1のステージ658、第2のステージ660、第3のステージ661、複数のローラ663、第1の可動子667、第2の可動子668、レセプタクルアセンブリ674、及びレセプタクル・アセンブリ・ハウジング678は、本明細書の他の実施形態に記載されたそれらの対応物と実質的に同様であり得る。
【0169】
いくつかの実施形態では、第1のステージ658、第2のステージ660、及び第3のステージ661は別個のステージであってもよい。他の実施形態では、第1のステージ658、第2のステージ660、及び第3のステージ661は同じステージであってもよく、又は結合されて、第1のステージ658、第2のステージ660、及び第3のステージ661が協働して動く1つのステージを形成してもよい。位置合わせアセンブリ656は、カテーテルシステム600及び/又は位置合わせアセンブリ656の設計要件を満たすために、任意の適切な数のステージを含むことができることが理解される。
【0170】
複数のローラ663はそれぞれ、1つ又は複数のステージに係合及び/又はそれを転動させるように構成されている。例えば、ローラ663は、適切な軸に沿って及び/又はその周りで第1のステージ658を転動させることができる。ローラ663は、非限定的で非排他的な例として、溝付き合わせ面をもつローラベアリング、スロット付きホイール、ギア、及び/又はピニオンを含むことができる。
【0171】
特定の実施形態では、第1の可動子667と第2の可動子668とは別個の可動子である。他の実施形態では、第1の可動子667と第2の可動子668とは同じ可動子であってもよく、又は同じ構成要素を移動させるように構成されてもよい。位置合わせアセンブリ656は、カテーテルシステム600及び/又は位置合わせアセンブリ656の設計要件を満たすために、任意の適切な数の可動子を含むことができることが理解される。
【0172】
第1の可動子667及び/又は第2の可動子668は、任意の適切な軸に沿って第1のステージ658、第2のステージ660、及び/又は第3のステージ661を移動させることができる。他の実施形態では、第1の可動子667及び/又は第2の可動子668は、任意の適切な軸の周りで第1のステージ658、第2のステージ660、及び/又は第3のステージ661を移動させることができる。適切な軸は、(
図4に示す)第1の軸470Xと、(
図4に示す)第2の軸470Yと、(
図4に示す)第3の軸470Zと、(
図4に示す)第1の回転軸470Pと、(
図4に示す)第2の回転軸470Qと、(
図4に示す)第3の回転軸470Rとを含む。
【0173】
第1の可動子667及び/又は第2の可動子668は、モータ、アクチュエータ、及び/又はベアリングを含むことができる。可動子によって行われる移動を安定させるために、可動子内でベアリングが利用され得る。
【0174】
図7は、位置合わせアセンブリ756及びレセプタクルアセンブリ774の一実施形態を含む、カテーテルシステム700の一実施形態の一部分の背面図である。
図7に示されているように、位置合わせアセンブリ756は、静止ベース757、第1のステージ758、第2のステージ760、第3のステージ761、第1の可動子767、第2の可動子768、及び/又は第3の可動子769を含むことができる。
図7に示す実施形態では、第1の可動子767は、(
図4に示す)第1の回転軸470Pの周りで第1のステージ758を移動させることができる。他の実施形態では、第1の可動子767は、第1の回転軸470Pの周りでレセプタクルアセンブリ774を移動させることができる。第2の可動子768は、(
図4に示す)第1の軸470Zに沿って第2のステージ760を移動させることができる。第3の可動子769は、(
図4に示す)第2の回転軸470Qの周りで第1のステージ758を移動させることができる。
【0175】
図8は、位置合わせアセンブリ856及びレセプタクルアセンブリ874の一実施形態を含む、カテーテルシステム800の一実施形態の一部分の側面図である。
図8に示されているように、位置合わせアセンブリ856は、静止ベース857、第1のステージ858、第2のステージ860、複数のローラ863、第1の可動子867、第2の可動子868、及び/又は第3の可動子869を含むことができる。
【0176】
第1のステージ858は、第1のステージガイド858Gを含むことができる。第1のステージガイド858Gは、第1のステージ858の移動を案内することができる。例えば、非排他的で非限定的な一実施形態では、第1のステージガイド858Gは、ローラ863のスロットに係合する溝を含む。第1のステージガイド858Gは、(
図4に示す)第1の軸470Xと、(
図4に示す)第2の軸470Yと、(
図4に示す)第3の軸470Zと、(
図4に示す)第1の回転軸470Pと、(
図4に示す)第2の回転軸470Qと、(
図4に示す)第3の回転軸470Rとを含む任意の適切な方向に、第1のステージ858の移動を案内することができる。
【0177】
第2のステージ860は、第1のステージガイド858Gと実質的に同様の第2のステージガイド860Gを含むことができる。本明細書に記載のステージは、任意の適切な数のステージガイドを有することができる。ステージガイドの非限定的で非排他的な例としては、溝、トラック、リッジ、シーム、チャネル、及びスリットがある。
【0178】
図9は、位置合わせアセンブリ956及びレセプタクルアセンブリ974の一実施形態を含む、カテーテルシステム900の一実施形態の一部分の上面図である。
図9に示されているように、位置合わせアセンブリ956は、静止ベース957と、第1のステージ958と、第2のステージ960と、第3のステージ961と、複数のローラ963と、第1の可動子967と、第2の可動子968とを含むことができる。レセプタクルアセンブリ974は、レセプタクル・アセンブリ・ハウジング978を含むことができる。位置合わせアセンブリ956、静止ベース957、第1のステージ958、第2のステージ960、第3のステージ961、複数のローラ963、第1の可動子967、第2の可動子968、レセプタクルアセンブリ974、及びレセプタクル・アセンブリ・ハウジング978は、本明細書の他の実施形態に記載されたそれらの対応物と実質的に同様であり得る。
【0179】
図10は、位置合わせアセンブリ1056及びレセプタクルアセンブリ1074の一実施形態を含む、
図6の線10-10で切ったカテーテルシステム1000の一実施形態の一部分の断面図である。
図10に示されているように、位置合わせアセンブリ1056は、静止ベース1057と、第1のステージ1058と、第2のステージ1060と、第3のステージ1061と、複数のローラ1063とを含むことができる。レセプタクルアセンブリ1074は、レセプタクル・フェルール・レシーバ1076と、レセプタクル・アセンブリ・ハウジング1078とを含むことができる。位置合わせアセンブリ1056、静止ベース1057、第1のステージ1058、第2のステージ1060、第3のステージ1061、複数のローラ1063、レセプタクルアセンブリ1074、レセプタクル・フェルール・レシーバ1076、及びレセプタクル・アセンブリ・ハウジング1078は、本明細書の他の実施形態に記載されたそれらの対応物と実質的に同様であり得る。
【0180】
図11は、(
図1に示す)カテーテルシステム100内で光源を位置合わせする方法の一実施形態を示すフローチャートである。本方法が、本明細書に具体的に図示及び/又は説明されたもの以外の追加のステップを含むことができることが理解される。追加的又は代替的に、本方法は、本明細書に具体的に図示及び/又は説明されたステップのうちの1つ又は複数を省略することができる。位置合わせのための方法は、カテーテルシステム100又は本明細書に具体的に図示及び/又は説明されていない他のシステム及びサブシステムで実施することができる。
【0181】
ステップ1182において、位置合わせハードウェアを初期化する。本明細書で使用される場合、「位置合わせハードウェア」は、(非限定的で非排他的な例として、)(
図1に示す)カメラ128c、照明装置、(例えば
図1に示す)ガイドバンドル152、(
図2に示す)位置合わせアセンブリ256、(
図2に示す)静止ベース257、(
図2に示す)第1のステージ258、(
図2に示す)第2のステージ260、(
図2に示す)第2のステージノブ262、(
図2に示す)ローラ263、(
図2に示す)回転カム264、(
図2に示す)1つ又は複数の可動子266、(
図3に示す)レセプタクルアセンブリ374、(
図3に示す)レセプタクル・フェルール・レシーバ376、(
図3に示す)レセプタクル・アセンブリ・ハウジング378、及び/又は(
図3に示す)レセプタクル・フェルール・リテーナ380を含むことができる。
【0182】
ステップ1183において、位置合わせハードウェアの粗位置合わせを実行する。粗位置合わせは、任意の適切な様式で実行することができる。粗位置合わせを実行する方法の非限定的で非排他的な一例を
図12に示し、本明細書でより詳細に説明する。位置合わせハードウェアの粗位置合わせは、1つ又は複数の可動子及び/又は調整器を使用して、位置合わせハードウェアの任意の適切な軸に沿って、又はその周りで、x位置、高さ(y位置)、z位置、傾き(ピッチ)、ロール、ヨー、及び/又は任意の適切な位置を調整することを含むことができる。
【0183】
ステップ1184において、光ガイドと光源との位置合わせを検査する。いくつかの実施形態では、光ガイドと光源との位置合わせは、カメラと、(発光ダイオードなどの)照明源とを使用して検査することができる。カメラは、光ガイドの近位端の画像を取り込むことができる。システムコントローラは、カメラによって取り込まれた画像を使用して、XYZ座標基準面を生成することができる。
【0184】
システムコントローラは、参照画像からの1つ又は複数の参照特徴を使用して、光ガイドの近位端の特徴を検出することができる。システムコントローラは、取込み画像内の画素を識別することができる。いくつかの実施形態では、システムコントローラは、サブピクセルピッチ精度で特徴を検出することができる。特徴及び参照特徴の非限定的で非排他的な例としては、光ガイドの端面、光ガイド開口部、光ガイドレシーバ、光ガイド・エネルギー・ダンプ、光ガイドターゲット、及び/又は光ガイドコアがある。参照画像からの参照特徴は、露出レベル、画像解像度、照明変動、カメラの欠陥及びアーチファクト、特徴サイズ、並びに/又は画像品質などの詳細を含む、画像の広範囲の変動を含むことができる。
【0185】
システムコントローラは、参照特徴と比較して各特徴の許容領域を計算することができる。次いで、システムコントローラは、計算された許容領域を使用して、位置合わせが所望の許容範囲内にあることを確認することができる。
【0186】
ステップ1185において、光源の光エネルギーを検査する。いくつかの実施形態では、レーザが光源であり、レーザの出力レベルが検査される。
【0187】
ステップ1186において、位置合わせハードウェアの精密位置合わせを実行する。精密位置合わせは、任意の適切な様式で実行することができる。いくつかの実施形態では、精密位置合わせは、粗位置合わせとある程度同様に実行することができる。
【0188】
ステップ1187において、ガイドバンドルの位置合わせを検査する。いくつかの実施形態では、ガイドバンドルと適切に位置合わせされるように、位置合わせアセンブリのガイドピンを検査する。
【0189】
ステップ1188において、治療が完了するまで、光ガイドと光源との位置合わせを連続的に監視する。いくつかの実施形態では、光ガイドと光源との位置合わせの連続監視は、カテーテルシステム内で光源を位置合わせする方法が完了した時点で終了し得る。
【0190】
図12は、本明細書の様々な実施形態による、カテーテルシステム内で光源の粗位置合わせを実行する方法の一実施形態を示すフローチャートである。本方法が、本明細書に具体的に図示及び/又は説明されたもの以外の追加のステップを含むことができることが理解される。追加的又は代替的に、本方法は、本明細書に具体的に図示及び/又は説明されたステップのうちの1つ又は複数を省略することができる。位置合わせのための方法は、カテーテルシステム又は本明細書に具体的に図示及び/又は説明されていない他のシステム及びサブシステムで実施することができる。
【0191】
ステップ1289において、位置合わせハードウェアの制御を初期化する。制御の初期化は、光ガイドバンドル及び/又はコネクタの検出、1つ又は複数のシステムモジュールの検査、システムの電源投入、1つ又は複数のカメラの設置、1つ又は複数の照明器の設置、1つ又は複数のステージの電源投入、並びに/或いは位置合わせハードウェアの電源投入を含むことができる。
【0192】
ステップ1290において、位置合わせデータをロードする。ロードされた位置合わせデータは、ハードコードされた設定、較正設定、パラメータ、位置合わせオフセット、制御設定、エラーコード、及び/又は画像パスの設定のうちの1つ又は複数を含むことができる。いくつかの実施形態では、ロードされた位置合わせデータはまた、複数の光ガイド基準位置及び/又は基準面中の複数の座標を含むことができる。基準面は、第1の軸、第2の軸、及び第3の軸を有する3Dグリッドを含むことができる。いくつかの実施形態では、基準面内の適切な軸は、x軸、y軸、及びz軸を含む。複数の光ガイド基準位置は、光ガイド端面基準位置を含むことができる。
【0193】
ステップ1291において、位置合わせハードウェアをある位置に移動する。位置決めは、第1のステージへのホーミングを含むことができる。位置決めするステップは、データ辞書をインポートすることと、システムエラー検査を実行することとを含むことができる。
【0194】
ステップ1292において、位置合わせデータを読み込む。位置合わせハードウェアが第1の位置に移動されると、カメラは、第1の写真を検出するためのマシンビジョンとして利用され得る。1つ又は複数のカメラは、第1の位置で撮影された画像を取り込むことができる。カメラは、すべての参照ターゲットが取り込まれるまで画像を取り込み続けることができる。ターゲットが完全に取り込まれない場合、1つ又は複数のカメラによってすべての参照ターゲットが取り込まれるまで、ステージを第2の位置、第3の位置、又は任意の適切な数の位置に移動させることができる。
【0195】
ステップ1293において、画像データを処理する。すべての参照ターゲットが1つ又は複数のカメラによって取り込まれると、システムは参照特徴を検出する。1つ又は複数の画像処理アルゴリズムが画像データを処理することができる。画像処理アルゴリズムは、本明細書で説明するような特徴検出を利用することができる。画像処理アルゴリズムは、1つ又は複数の評価マトリックスと協働して、露出レベル、画像解像度、照明変動、カメラの欠陥及びアーチファクト、特徴サイズ、並びに/又は画像品質を含む広範囲の参照画像データを用いて訓練することによって、アルゴリズムを改善することができる。いくつかの実施形態では、評価マトリックスは、1万個を超える画像を含む600個を超えるデータセットを含むことができる。
【0196】
ステップ1294において、システムはエラーを検査し、処理する。システム内でエラーが検出された場合、システムは更新され、エラーはエラー処理によって処理される。システム内でエラーが検出されない場合、本方法はステップ1295に進む。
【0197】
ステップ1295において、位置合わせの許容範囲を確認する。確認は、特徴の参照ターゲットごとに1つ又は複数の許容領域を計算することを含むことができる。許容領域が計算された後、位置合わせを確認して、それが1つ又は複数の許容領域内にあることを決定する。
【0198】
ステップ1296において、位置合わせデータを検証する。このステップにおいて、1つ又は複数の位置合わせ座標を検証することができる。位置合わせデータの処理は、フィルタ処理、平均化、統計生成、及び任意の他の適切なデータ処理を含むことができる。データの検証エラーがある場合、システムは更新され、エラーはエラー処理によって処理される。データ検証エラーは、システム内のエラー、偽陰性、偽陽性、並びに特徴及び/又は参照検出のエラーを含むことができる。
【0199】
ステップ1297において、位置合わせオフセットを決定する。このステップにおいて、位置合わせオフセットを調整することができる。調整は、カメラオフセットを除去することを含むことができる。線形回帰を実行して、1つ又は複数の軸オフセット値を計算することができる。1つ又は複数の軸オフセット値は、x軸オフセット、y軸オフセット、z軸オフセット、ピッチオフセット、チルトオフセット、ヨーオフセット、及び/又はロールオフセットを含むことができる。ステップ1297において粗位置合わせが確認されると、粗位置合わせのための方法は終了する。粗位置合わせが許容範囲内にない場合、本方法はステップ1291~1296を繰り返す。オフセットの決定が完了した後に、個々の特徴ごとに許容範囲を検査することができる。いくつかの実施形態では、3回以上の再検査で位置合わせ調整を確認することができる。
【0200】
図13は、本明細書の様々な実施形態による、(
図1に示す)カテーテルシステム内で(
図1に示す)光源124の粗位置合わせを実行する方法のさらに別の実施形態を示すフローチャートである。本方法が、本明細書に具体的に図示及び/又は説明されたもの以外の追加のステップを含むことができることが理解される。追加的又は代替的に、本方法は、本明細書に具体的に図示及び/又は説明されたステップのうちの1つ又は複数を省略することができる。
図13の方法は、
図12に関して図示及び説明した方法と実質的に同様であり得るが、図示のように、追加のステップ及びサブステップを含むこともできる。
【0201】
図14は、カテーテルシステム内で光源を位置合わせする方法の一実施形態中に(
図1に示す)カメラ128cによって取り込まれた(
図1に示す)光ガイド122Aの端面の図である。
【0202】
図15は、カテーテルシステム内で光源を位置合わせする方法の一実施形態中に(
図1に示す)カメラ128cによって取り込まれた(
図1に示す)光ガイド122Aの端面の別の図である。
【0203】
図16は、カテーテルシステム内で光源を位置合わせする方法の一実施形態中に(
図1に示す)カメラ128cによって取り込まれた(
図1に示す)光ガイド122Aの端面のさらに別の図である。
【0204】
図17は、カテーテルシステム内で光源を位置合わせする方法の一実施形態中に(
図1に示す)カメラ128cによって取り込まれた(
図1に示す)光ガイド122Aの端面のさらに別の図である。
【0205】
図18は、カテーテルシステム内で光源を位置合わせする方法の一実施形態中に使用されるオーバーレイ座標面を表示するユーザインターフェースの図である。
【0206】
本明細書で詳細に説明したように、様々な実施形態において、位置合わせアセンブリ及びレセプタクルアセンブリを利用して、より伝統的なカテーテルシステムに存在する多くの問題を解決することができる。例えば、
【0207】
1)いくつかの実施形態では、本技術により、移動の分解能が低く、精度が低く、機械的寸法及び移動の公差が小さい低コストの構成要素を使用して、光ガイドアレイ内の光ガイドを接続する線の位置決めのマイクロメータレベルの補正を行うことが可能になる。これは、位置補正の対象である光ガイドの位置から十分に離れたノブ及びカムを含む調整器及び/又は可動子を使用することによって達成される。
【0208】
2)位置合わせアセンブリ及びレセプタクルアセンブリを、任意の適切な方向に実装することができる。いくつかの実施形態では、(光ガイド及び光源ビームの)軸方向は、コネクタの配置とビームの焦点線との位置合わせを決定し、そのような機構を、各光ガイドが結合光学部品から所望の焦点距離に位置決めされるように、マルチプレクサ/ビームスキャナと同期して移動させることができる。
【0209】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、内容及び/又は文脈によって明らかに別途定められている場合を除き、複数の指示対象を含むことに留意されたい。「又は(or)」という用語は、内容又は文脈によって明らかに別途定められている場合を除き、「及び/又は(and/or)」を含むその意味で一般に使用されることにも留意されたい。
【0210】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、「構成される(configured)」という語句は、特定のタスクを実行するか、又は特定の構成を採用するように構築又は構成されているシステム、装置、又は他の構造を記述することにも留意されたい。「構成される」という語句は、配置される及び構成される、構築される及び配置される、構築される、製造される及び配置されるなどの他の同様の語句と互換的に使用することができる。
【0211】
本明細書で使用される見出しは、37 CFR 1.77の下での提案との整合性のため、又は、そうでなければ、組織的な合図を提供するために提供される。これらの見出しは、本開示から発行され得る任意の特許請求の範囲に記載された本発明(複数可)を限定する又は特徴付けるものと見なされるべきではない。一例として、「背景技術」における技術の説明は、技術が、本開示における任意の発明(複数可)に対する先行技術であることを認めるものではない。「発明の概要」又は「要約」のいずれも、発行された特許請求の範囲に記載された本発明(複数可)の特徴と見なされるべきではない。
【0212】
本明細書に記載された実施形態は、網羅的であること、又は本発明を以下の詳細な説明に開示される正確な形態に限定することを意図するものではない。むしろ、実施形態は、当業者が原理及び実践を認識及び理解することができるように選択及び説明される。したがって、態様は、様々な特定の好ましい実施形態及び技術を参照して説明されている。しかしながら、本明細書の趣旨及び範囲内に留まりながら、多くの変形及び修正を行うことができることを理解されたい。
【0213】
カテーテルシステムのいくつかの異なる実施形態を本明細書で図示及び説明したが、任意の1つの実施形態の1つ又は複数の特徴を他の実施形態のうちの1つ又は複数のうちの1つ又は複数の特徴と組み合わせることができる(ただしそのような組合せが本発明の意図を満たす場合に)ことを理解されたい。
【0214】
カテーテルシステムのいくつかの例示的な態様及び実施形態を上述してきたが、当業者は、それらの特定の修正、置換、追加、及び部分的組合せを認識するであろう。したがって、以下の添付の特許請求の範囲及び以下に導入される特許請求の範囲は、それらの真の精神及び範囲内にあるようなすべてのそのような修正、置換、追加、及び部分的組合せを含むと解釈されることが意図され、本明細書に示される構成又は設計の詳細を限定することは意図されていない。
【国際調査報告】