(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-09
(54)【発明の名称】供給システム
(51)【国際特許分類】
A24F 40/485 20200101AFI20241226BHJP
A24F 40/42 20200101ALI20241226BHJP
A24F 40/40 20200101ALI20241226BHJP
【FI】
A24F40/485
A24F40/42
A24F40/40
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024531512
(86)(22)【出願日】2022-12-09
(85)【翻訳文提出日】2024-07-18
(86)【国際出願番号】 GB2022053151
(87)【国際公開番号】W WO2023118789
(87)【国際公開日】2023-06-29
(32)【優先日】2021-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ロスウェル, ハワード
(72)【発明者】
【氏名】ダニエルズ, クリストファー
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA06
4B162AA22
4B162AB14
4B162AC02
4B162AC17
(57)【要約】
エアロゾル化可能材料(200)のためのリザーバ(104)を一緒に形成する第1のセクション(102)および第2のセクション(103)を有するハウジング(101)を備え、第1のセクションと第2のセクションとが互いに接続されて、少なくとも1対の対向面(106、108および107、109)を設け、毛管チャネル(110)が対向面間に設けられ、対向面の少なくとも1つが、リザーバから毛管チャネルを通るエアロゾル化可能材料の毛管流を抑制または防止するための少なくとも1つの表面特徴(111)を備える、非燃焼式エアロゾル供給システム(10)の一部として使用するための物品(100)。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル化可能材料のためのリザーバを一緒に形成する第1のセクションおよび第2のセクションを有するハウジングを備え、前記第1のセクションと前記第2のセクションとが互いに接続されて、少なくとも1対の対向面を設け、
毛管チャネルが前記対向面間に設けられ、前記対向面の少なくとも1つが、前記リザーバから前記毛管チャネルを通るエアロゾル化可能材料の毛管流を抑制または防止するための少なくとも1つの表面特徴を備える、
非燃焼式エアロゾル供給システムの一部として使用するための物品。
【請求項2】
前記第1のセクションおよび前記第2のセクションの一方が、前記第1のセクションおよび前記第2のセクションの他方を少なくとも部分的に取り囲む、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記第1のセクションと前記第2のセクションとが、締り嵌め、圧入、摩擦嵌めおよび/または中間嵌めによって互いに接続される、請求項1または2に記載の物品。
【請求項4】
前記リザーバから前記毛管チャネルを通るエアロゾル化可能材料の毛管流を抑制または防止するための専用の封止要素を備えない、請求項1~3のいずれか一項に記載の物品。
【請求項5】
前記対向面の少なくとも1つが、前記リザーバから前記毛管チャネルを通るエアロゾル化可能材料の毛管流を防止するための2つ以上の表面特徴を備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の物品。
【請求項6】
少なくとも1つの表面特徴が、エアロゾル化可能材料が前記少なくとも1つの表面特徴によって遮られることなく前記リザーバから前記毛管チャネルを通って流れることができないように、前記表面特徴のそれぞれの対向面の周りに連続的に延在する、請求項1~5のいずれか一項に記載の物品。
【請求項7】
前記少なくとも1つの表面特徴が少なくとも1つの溝である、請求項1に記載の物品。
【請求項8】
前記少なくとも1つの溝が、少なくとも0.3mmの幅を有する、請求項7に記載の物品。
【請求項9】
前記少なくとも1つの溝が、少なくとも0.3mmの深さを有する、請求項7または8に記載の物品。
【請求項10】
少なくとも1つの溝が、略または実質的に環状の形態である、請求項7~9のいずれか一項に記載の物品。
【請求項11】
少なくとも1つの溝が、側面から見て実質的に直線である、請求項7~10のいずれか一項に記載の物品。
【請求項12】
少なくとも1つの溝が、側面から見て実質的に湾曲している、請求項7~11のいずれか一項に記載の物品。
【請求項13】
少なくとも1つの溝が、側面から見て波状形態である、請求項7~12のいずれか一項に記載の物品。
【請求項14】
少なくとも1つの溝が、側面から見て蛇行経路を形成する、請求項7~13のいずれか一項に記載の物品。
【請求項15】
前記少なくとも1つの溝が、側面から見てジグザグを形成する、請求項7~14のいずれか一項に記載の物品。
【請求項16】
前記対向面が実質的に同じ硬度を有する、請求項1~15のいずれか一項に記載の物品。
【請求項17】
前記対向面が、4~80のショアA硬度を有する、請求項1~16のいずれか一項に記載の物品。
【請求項18】
前記エアロゾル化可能材料がエアロゾル化可能な液体である、請求項1~17のいずれか一項に記載の物品。
【請求項19】
非燃焼式エアロゾル供給システムであって、
前記非燃焼式エアロゾル供給システムの一部として使用するための請求項1~18のいずれか一項に記載の物品と、
電源およびコントローラの1つまたは複数を備えるデバイスと
を備える、非燃焼式エアロゾル供給システム。
【請求項20】
請求項1~18のいずれか一項に記載の物品を製造する方法であって、
第1のセクションおよび第2のセクションを有するハウジングを提供するステップと、
前記第1のセクションと前記第2のセクションとを互いに接続して、エアロゾル化可能材料のためのリザーバを形成するステップであって、前記第1のセクションと前記第2のセクションとが互いに接続されて、少なくとも1対の対向面を設けるステップと
を含み、
毛管チャネルが前記対向面間に設けられ、前記対向面の少なくとも1つが、前記リザーバから前記毛管チャネルを通るエアロゾル化可能材料の毛管流を抑制または防止するための少なくとも1つの表面特徴を備える、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、供給システムに関する。特に、本発明は、非燃焼式エアロゾル供給システムの一部として使用するための物品、物品を含む非燃焼式エアロゾル供給システム、および物品を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザによる吸入のためのエアロゾルを生成する非燃焼式エアロゾル供給システムが、当技術分野で知られている。そのようなシステムは、典型的には、エアロゾル化可能材料をエアロゾルに変換することができるエアロゾル生成器を備える。いくつかの例では、生成されるエアロゾルは凝縮エアロゾルであり、エアロゾル化可能材料が最初に気化され、その後、エアロゾルに凝縮可能になる。他の例では、生成されるエアロゾルは、エアロゾル化可能材料の霧化から生じるエアロゾルである。そのような霧化は、例えば、空気流に同伴される材料の小さな粒子を形成するようにエアロゾル化可能材料を振動に供することによって、機械的にもたらされ得る。あるいは、このような霧化は、静電的に、または圧力を使用するなどの他の方法でもたらされてもよい。
【0003】
そのようなエアロゾル送達システムは、ユーザが吸入するエアロゾルを生成することを意図しているため、生成されるエアロゾルの特性を考慮する必要がある。これらの特性には、エアロゾルの粒子のサイズ、生成されるエアロゾルの総量などが含まれ得る。
【0004】
エアロゾル送達システムが、例えばeシガレットまたは同様の製品として喫煙体験を模擬するために使用される場合、ユーザは特定の感覚体験がシステムの使用から生じることを期待し得るので、これらの様々な特性の制御は特に重要である。
【0005】
これらの特性の制御が改善されたエアロゾル送達システムを提供することが望ましいであろう。
【発明の概要】
【0006】
本開示の第1の態様によれば、エアロゾル化可能材料のためのリザーバを一緒に形成する第1のセクションおよび第2のセクションを有するハウジングを備え、第1のセクションと第2のセクションとが互いに接続されて、少なくとも1対の対向面を設け、毛管チャネルが対向面間に設けられ、対向面の少なくとも1つが、リザーバから毛管チャネルを通るエアロゾル化可能材料の毛管流を抑制または防止するための少なくとも1つの表面特徴を備える、非燃焼式エアロゾル供給システムの一部として使用するための物品が提供される。
【0007】
第1のセクションおよび第2のセクションの一方は、第1のセクションおよび第2のセクションの他方を少なくとも部分的に取り囲んでもよい。
【0008】
第1のセクションおよび第2のセクションの一方は、第1のセクションおよび第2のセクションの他方を少なくとも部分的に取り囲んで、第1のセクションと第2のセクションとの間の接続を形成することができる。
【0009】
第1のセクションおよび第2のセクションの一方は、第1のセクションおよび第2のセクションの他方を少なくとも部分的に取り囲んで、少なくとも1対の対向面を設けることができる。
【0010】
第1のセクションおよび第2のセクションの一方は、第1のセクションおよび第2のセクションの他方に少なくとも部分的に挿入されてもよい。
【0011】
第1のセクションおよび第2のセクションの一方は、挿入部分を備えてもよく、第1のセクションおよび第2のセクションの他方は、受容部分を備えてもよい。挿入部分は、受容部分に挿入され得る。
【0012】
少なくとも1対の対向面は、第1のセクションと第2のセクションとによって設けられてもよい。
【0013】
少なくとも1対の対向面は、挿入部分と受容部分とによって設けられてもよい。
【0014】
第1のセクションと第2のセクションとは、締り嵌め、圧入、摩擦嵌めおよび/または中間嵌めによって互いに接続されてもよい。
【0015】
第1のセクションと第2のセクションとは、2対以上(例えば、2、3、4、5または6対)の対向面を設けるように互いに接続されてもよい。例えば、第1のセクションの第1の表面と第2のセクションの第1の表面とが対向し、かつ、第1のセクションの第2の表面と第2のセクションの第2の表面とが対向してもよく、これにより、2対の対向面が設けられる。
【0016】
各対の対向面の1つの対向面が、受容部分によって設けられ、同じ対の対向面の1つの対向面が、挿入部分によって設けられてもよい。
【0017】
1対、複数対、または各対の対向面は、ハウジングの軸線に対して実質的に軸線方向に独立して延在してもよい。1対、複数対、または各対の対向面は、ハウジングの軸線に対して実質的に半径方向に独立して延在してもよい。1対、複数対、または各対の対向面は、ハウジングの軸線に対して実質的に斜めに独立して延在してもよい。例えば、1対の対向面が、ハウジングの軸線に対して実質的に軸線方向に延在し、別の対の対向面が、ハウジングの軸線に対して実質的に半径方向に延在してもよい。
【0018】
ハウジングの軸線は、ハウジングの端部間(例えば、上端と下端との間)に延在する軸線に対応してもよい。ハウジングの軸線は、ハウジングの長手方向軸に対応してもよい。ハウジングの軸線は、第1のセクションと第2のセクションとが互いに接続される軸線に対応してもよい。
【0019】
対向面は、実質的に同じ硬度を有してもよい。対向面は、4~80のショアA硬度を有し得る。
【0020】
対向面は、同じ材料から作製されてもよい。
【0021】
対向面は、剛性材料から作製されてもよい。
【0022】
対向面は、疎水性材料から作製されてもよい。
【0023】
対向面として使用するための適切な材料の非限定的な例としては、プラスチック、ガラスおよび金属が挙げられる。いくつかの実施形態では、疎水性材料は、プラスチックである。適切な材料の非限定的な例としては、ナイロン、ポリプロピレン、シリコーンまたはポリカーボネートが挙げられる。
【0024】
実施形態では、少なくとも1つの表面特徴は、リザーバから毛管チャネルを通るエアロゾル化可能材料の毛管流を抑制または防止するための唯一の手段であり得る。
【0025】
実施形態では、物品は、リザーバから毛管チャネルを通るエアロゾル化可能材料の毛管流を抑制または防止するための専用の封止要素を備えてもよい。専用の封止要素は、Oリングなどの軟質封止要素であってもよい。専用の封止要素は、毛管チャネルに設けられてもよい。実施形態では、物品は、専用の封止要素を備えなくてもよい。
【0026】
対向面の少なくとも1つが、2つ以上の表面特徴を備えてもよい。
【0027】
対向面の2つ以上が、少なくとも1つの表面特徴を備えてもよい。
【0028】
対向面の2つ以上が、2つ以上の表面特徴を備えてもよい。
【0029】
少なくとも1つの表面特徴は、エアロゾル化可能材料が少なくとも1つの表面特徴によって遮られることなくリザーバから毛管チャネルを通って流れることができないように、そのそれぞれの対向面の周りに連続的に延在してもよい。
【0030】
少なくとも1つの表面特徴は、少なくとも1つの溝を備えてもよい。少なくとも1つの表面特徴は、少なくとも1つの溝であってもよい。少なくとも1つの表面特徴は、疎水性材料、例えば疎水性コーティングを含み得る。
【0031】
少なくとも1つの溝は、幅および深さを有する。
【0032】
少なくとも1つの溝は、少なくとも0.3mmの幅を有し得る。少なくとも1つの溝は、最大2.0mm、または最大1.0mm、または最大0.8mm、または最大0.6mmの幅を有し得る。
【0033】
少なくとも1つの溝は、少なくとも0.3mmの深さを有し得る。少なくとも1つの溝は、最大2.0mm、または最大1.0mm、または最大0.8mm、または最大0.6mmの深さを有し得る。
【0034】
少なくとも1つの溝は、略または実質的に環状の形態であってもよい。
【0035】
少なくとも1つの溝は、側面から見て実質的に直線であってもよい。
【0036】
少なくとも1つの溝は、側面から見て実質的に湾曲していてもよい。
【0037】
少なくとも1つの溝は、側面から見て波状形態であってもよい。
【0038】
少なくとも1つの溝は、側面から見て蛇行経路を形成してもよい。
【0039】
少なくとも1つの溝は、側面から見てジグザグを形成してもよい。
【0040】
2つ以上の溝がある場合、溝は互いに離間していてもよい。
【0041】
2つ以上の表面特徴がある場合、各表面特徴は、本明細書に記載の特徴の任意の組合せを含む、本明細書に記載の任意の特徴を独立して備えてもよい。
【0042】
本開示の第2の態様によれば、本開示の第1の態様による非燃焼式エアロゾル供給システムの一部として使用するための物品と、電源およびコントローラの1つまたは複数とを備えるデバイスとを備える、非燃焼式エアロゾル供給システムが提供される。
【0043】
本開示の第3の態様によれば、本開示の第1の態様による物品を製造する方法であって、
第1のセクションおよび第2のセクションを有するハウジングを提供するステップと、
第1のセクションと第2のセクションとを互いに接続して、エアロゾル化可能材料のためのリザーバを形成するステップであって、第1のセクションと第2のセクションとが接続されて、少なくとも1対の対向面を設けるステップと
を含み、
毛管チャネルが対向面間に設けられ、対向面の少なくとも1つが、リザーバから毛管チャネルを通るエアロゾル化可能材料の毛管流を抑制または防止するための少なくとも1つの表面特徴を備える、
方法が提供される。
【0044】
本発明の第1および他の態様に関して上述した本発明の特徴および態様は、上述した特定の組合せだけでなく、適宜、本発明の他の態様による本発明の実施形態に等しく適用可能であり、それらと組み合わせてもよいことが理解されよう。
【0045】
ここで、添付の図面を参照して、様々な実施形態を単なる例として詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1】本開示によるエアロゾル供給システムの概略図である。
【
図2】本開示による非燃焼式エアロゾル供給システムの一部として使用するための物品の断面側面図である。
【
図4】
図2の物品の第1のセクションの斜視図である。
【
図5】
図2の物品の第2のセクションの側面図である。
【
図6】本開示の物品の例示的な第2のセクションの側面図である。
【
図7】本開示の物品の別の例示的な第2のセクションの側面図である。
【
図8】本開示の物品の別の例示的な第2のセクションの側面図である。
【
図9】本開示の物品の一部の拡大断面側面図である。
【
図10】本開示の代替的な物品の拡大断面側面図である。
【
図11】本開示の代替的な物品の拡大断面側面図である。
【
図12】本開示の代替的な物品の拡大断面側面図である。
【
図13】本開示の代替的な物品の拡大断面側面図である。
【
図14】本開示の代替的な物品の拡大断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
特定の例および実施形態の態様および特徴について、本明細書で論じ/説明する。特定の例および実施形態のいくつかの態様および特徴は、従来通りに実施することができ、これらは、簡潔にするために、詳細に論じ/説明しない。したがって、本明細書で論じるが詳細に説明しない装置および方法の態様および特徴は、そのような態様および特徴を実施するための任意の従来の技術に従って実施され得ることが理解されよう。
【0048】
上述したように、本開示は、(限定されないが、)エアロゾル生成材料を燃焼させることなくエアロゾル生成材料(本明細書ではエアロゾル化可能材料とも呼ばれ得る)からエアロゾルを生成する非燃焼式エアロゾル供給システムおよびデバイスに関する。そのようなシステムの例としては、電子シガレット、タバコ加熱システム、およびハイブリッドシステム(エアロゾル生成材料の組合せを使用してエアロゾルを生成する)が挙げられる。いくつかの例では、非燃焼式エアロゾル供給システムは、ベイピングデバイスまたは電子ニコチン送達システム(END)としても知られる電子シガレットであるが、エアロゾル生成材料中のニコチンの存在は本開示の要件ではないことに留意されたい。いくつかの例では、非燃焼式エアロゾル供給システムは、非燃焼加熱システムとしても知られるエアロゾル生成材料加熱システムである。そのようなシステムの一例は、タバコ加熱システムである。いくつかの例では、非燃焼式エアロゾル供給システムは、1つまたは複数が加熱され得るエアロゾル生成材料の組合せを使用してエアロゾルを生成するハイブリッドシステムである。そのようなハイブリッドシステムのエアロゾル生成材料の各々は、例えば、固体、液体またはゲルの形態であってもよく、ニコチンを含有しても含有しなくてもよい。いくつかの例では、ハイブリッドシステムは、液体またはゲルエアロゾル生成材料および固体エアロゾル生成材料を含む。固体エアロゾル生成材料は、例えば、タバコまたは非タバコ製品を含み得る。
【0049】
以下の説明を通して、「eシガレット」および「電子シガレット」という用語が使用される場合がある。しかしながら、これらの用語は、上記で説明したような非燃焼式エアロゾル(蒸気)供給システムまたはデバイスと互換的に使用され得ることが理解されよう。
【0050】
いくつかの例では、本開示は、エアロゾル生成材料を保持するための消耗品であって、非燃焼式エアロゾル供給デバイスと共に使用されるように構成された消耗品に関する。これらの消耗品は、本開示を通して、物品と呼ばれる場合がある。
【0051】
非燃焼式エアロゾル供給システムは、典型的には、デバイス部分(本明細書ではデバイスとも呼ばれ得る)と、消耗品/物品部分(本明細書では物品とも呼ばれ得る)とを備える。デバイス部分は、典型的には、動力源およびコントローラを備える。動力源は、典型的には、電源、例えば充電式バッテリーであり得る。
【0052】
いくつかの例では、非燃焼式エアロゾル供給システムは、消耗品/物品を受容または係合するための領域、エアロゾル生成器(消耗品/物品内にあってもなくてもよい)、エアロゾル生成領域(消耗品/物品内にあり得る)、ハウジング、マウスピース、フィルタおよび/またはエアロゾル改質剤を備え得る。
【0053】
いくつかの例では、非燃焼式エアロゾル供給デバイスと共に使用するための消耗品/物品は、エアロゾル生成材料、エアロゾル生成材料貯蔵領域(本明細書ではリザーバとも呼ばれ得る)、エアロゾル生成材料移送構成要素、エアロゾル生成器(本明細書ではエアロゾル生成構成要素とも呼ばれ得る)、エアロゾル生成領域(本明細書ではチャンバとも呼ばれ得る)、ハウジング、包装紙、フィルタ、マウスピースおよび/またはエアロゾル改質剤を含み得る。
【0054】
本明細書に記載のシステムは、典型的には、エアロゾル生成材料の気化によって吸入可能なエアロゾルを生成する。エアロゾル生成材料は、1つもしくは複数の活性成分、1つもしくは複数の香味、1つもしくは複数のエアロゾル形成材料、および/または1つもしくは複数の他の機能性材料を含んでもよい。
【0055】
エアロゾル生成材料は、例えば、活性物質および/または香味料を含有しても含有しなくてもよい固体、液体またはゲルの形態であってもよい。いくつかの例では、エアロゾル生成材料は、「非晶質固体」を含んでもよく、これは代替的に「モノリシック固体」(すなわち、非繊維状)とも呼ばれ得る。いくつかの例では、非晶質固体は乾燥ゲルであり得る。非晶質固体は、その中に液体などの何らかの流体を保持し得る固体材料である。いくつかの例では、エアロゾル生成材料は、例えば、約50重量%、60重量%または70重量%の非晶質固体から、約90重量%、95重量%または100重量%の非晶質固体までを含み得る。
【0056】
本明細書で使用される「活性物質」という用語は、生理学的応答を達成または増強することを意図した材料である生理学的活性材料に関し得る。活性物質は、例えば、栄養補助食品、向知性薬、精神賦活剤から選択され得る。活性物質は、天然に存在してもよく、または合成的に得られてもよい。活性物質は、例えば、ニコチン、カフェイン、タウリン、テイン、B6もしくはB12もしくはCなどのビタミン、メラトニン、カンナビノイド、またはそれらの構成成分、誘導体もしくは組合せを含み得る。活性物質は、タバコ、カンナビスまたは別の植物の、1つまたは複数の構成成分、誘導体または抽出物を含み得る。
【0057】
エアロゾル形成材料は、エアロゾルを形成することができる1つまたは複数の構成成分を含み得る。いくつかの例では、エアロゾル形成材料は、グリセロール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エリスリトール、メソエリスリトール、バニリン酸エチル、ラウリン酸エチル、スベリン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ジアセチン混合物、安息香酸ベンジル、酢酸ベンジルフェニル、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリン酸、ミリスチン酸および炭酸プロピレンの1つまたは複数を含み得る。
【0058】
1つまたは複数の他の機能性材料は、pH調整剤、着色剤、保存剤、結合剤、充填剤、安定剤および/または酸化防止剤の1つまたは複数を含み得る。
【0059】
本明細書で使用される場合、「構成要素」という用語は、おそらくは外部ハウジングまたは壁内にいくつかのより小さい部品または要素を組み込んだ電子シガレットまたは同様のデバイスなどの非燃焼式エアロゾル供給システムの部品、セクション、ユニット、モジュール、アセンブリまたは同様のものを指すために使用される。電子シガレットは、1つまたは複数のそのような構成要素から形成または構築されてもよく、構成要素は、互いに取外し可能または分離可能に接続可能であってもよく、または電子シガレット全体を画定するために製造中に互いに恒久的に接合されてもよい。本開示は、(限定されないが、)互いに分離可能に接続可能であり、例えば、エアロゾル生成材料を保持することができる消耗品/物品構成要素(本明細書ではカートリッジまたはカトマイザとも呼ばれる)として、およびエアロゾル生成材料から蒸気を生成するための要素を動作させるための電力を供給するためのバッテリーを有するデバイス/制御ユニットとして構成された、2つの構成要素を備えるシステムに適用可能である。
【0060】
図1は、eシガレット10などの例示的な非燃焼式エアロゾル/蒸気供給システムの非常に概略的な図である(縮尺通りではない)。eシガレット10は、破線で示す長手方向軸に沿って延在する略円筒形状を有してもよく、2つの主要な構成要素、すなわち制御もしくは電力構成要素またはセクション20(デバイスとも呼ばれ得る)と、蒸気生成構成要素として動作するカートリッジアセンブリまたはセクション30(本明細書では、物品、消耗品、カトマイザまたはカートリッジとも呼ばれ得る)とを備える。
【0061】
カートリッジアセンブリ30は、例えばニコチンを含有する、エアロゾルが生成される(例えば)液体製剤を含むエアロゾル化可能材料を含有する貯蔵区画3(本明細書ではリザーバとも呼ばれ得る)を含む。一例として、エアロゾル化可能材料は、約1~3%のニコチンおよび50%のグリセロールを含み、残りはおおよそプロピレングリコールを含み、場合によっては水または香味料などの他の成分も含み得る。貯蔵区画3は、貯蔵タンクの形態を有し、エアロゾル化可能材料がタンク内に限って自由に移動および流動する(液体の場合)ようにエアロゾル化可能材料を貯蔵することができる容器または入れ物である。あるいは、貯蔵区画3は、エアロゾル化可能材料を多孔質構造内に保持する詰め綿またはガラス繊維などの、ある量の吸収材料を含んでもよい。貯蔵区画3は、エアロゾル化可能材料が消費された後に使い捨て可能であるように、製造中に充填された後に封止されてもよく、または新しいエアロゾル化可能材料を追加することができる入口ポートまたは他の開口部を有してもよい。カートリッジアセンブリ30はまた、エアロゾル化可能材料の気化によってエアロゾルを生成するために、リザーバタンク3の外部に配置された電気エアロゾル生成構成要素4を備える。多くのデバイスでは、エアロゾル生成構成要素は、エアロゾル化可能材料が蒸発するまでエアロゾル化可能材料の温度を上昇させるために(抵抗加熱または誘導加熱を介して)電流の通過によって加熱される加熱要素(ヒータ)であり得る。貯蔵区画3からエアロゾル生成構成要素4にエアロゾル化可能材料を送達するために、ウィックまたは他の多孔質要素(図示せず)などの液体導管構成体を設けることができる。ウィックは、エアロゾル化可能材料を吸収し、ウィッキング現象または毛管現象によって、蒸気生成要素4と接触するウィックの他の部分にエアロゾル化可能材料を移送することができるように、貯蔵区画3の内部に配置された1つまたは複数の部分を有してもよい。これによって、このエアロゾル化可能材料は気化され、ウィックによって蒸気生成要素4に移送された新しいエアロゾル化可能材料に置き換えられる。
【0062】
ヒータとウィックとの組合せ、または同じ機能を果たす部品の他の構成体は、アトマイザまたはアトマイザアセンブリと呼ばれる場合がある。部品が
図1の非常に概略的な図と比較して異なるように配置され得る様々な設計が可能である。例えば、ウィックは、エアロゾル生成構成要素とは完全に別個の要素であってもよく、またはエアロゾル生成構成要素は、多孔質であり、(例えば、適切な電気抵抗性メッシュまたは毛管体の形態をとることによって)ウィッキング機能を直接実行することができるように構成されてもよい。
【0063】
場合によっては、蒸気生成のための液体を送達するための導管は、貯蔵区画とエアロゾル生成構成要素との間の1つまたは複数のスロット、チューブまたはチャネルから少なくとも部分的に形成されてもよく、これらは、毛管現象を助けて貯蔵区画から供給源液体を引き出し、気化のために供給するのに十分狭い。一般に、アトマイザは、それに送達されるエアロゾル化可能材料から蒸気を生成することができるエアロゾル生成構成要素、および毛管力によって貯蔵区画または同様の液体貯蔵部からエアロゾル生成構成要素に液体を送達または輸送することができる液体導管(経路)であると考えることができる。
【0064】
典型的には、エアロゾル生成構成要素は、電子シガレット/システムを通る空気流チャネルの一部を形成するエアロゾル生成チャンバ内に少なくとも部分的に配置される。エアロゾル生成構成要素によって生成された蒸気は、このチャンバ内に押し流され、空気がチャンバを通過してエアロゾル生成要素の上および周りを流れるとき、エアロゾル生成要素は、生成された蒸気を収集し、凝縮して必要なエアロゾルを形成する。
【0065】
図1に戻ると、カートリッジアセンブリ30はまた、エアロゾル生成構成要素4によって生成され空気流チャネルを通して送達されるエアロゾルを、ユーザが吸入することができる開口部または空気出口を有するマウスピース35を含む。
【0066】
電力構成要素20は、eシガレット10の電気構成要素、特にエアロゾル生成構成要素4に電力を供給するためのセルまたはバッテリー5(これは、以降、バッテリーとも呼ばれ、再充電可能であり得る)を含む。さらに、eシガレットを全体的に制御するためのプリント回路基板28および/または他の電子機器もしくは回路がある。制御電子機器/回路は、例えば、空気流チャネルに沿って流れるように電力構成要素20の壁の1つまたは複数の空気入口26を通って空気が入る、システム10での吸入を検出する空気圧センサまたは空気流センサ(図示せず)からの信号に応答して、蒸気が必要なときに蒸気生成要素4をバッテリー5に接続する。エアロゾル生成構成要素4がバッテリー5から電力を受け取ったとき、エアロゾル生成構成要素4は、貯蔵区画3から送達されたエアロゾル化可能材料を気化させてエアロゾルを生成し、これは、次いで、マウスピース35の開口部を通してユーザによって吸入される。エアロゾルは、ユーザがマウスピース35で吸入したとき、空気入口26を空気出口に接続する空気流チャネル(図示せず)に沿ってマウスピース35に運ばれる。したがって、電子シガレットを通る空気流経路が、アトマイザへの空気入口(電力構成要素内にあってもなくてもよい)とマウスピースの空気出口との間に画定される。使用時には、この空気流経路に沿った空気流方向は、空気入口から空気出口までであるため、アトマイザは、空気入口の下流かつ空気出口の上流にあると説明することができる。
【0067】
この特定の例では、電力セクション20とカートリッジアセンブリ30とは、
図1の実線矢印で示すように、長手方向軸に平行な方向に分離することによって互いに脱離可能な別個の部品である。構成要素20、30は、デバイス10が使用されているとき、電力セクション20とカートリッジアセンブリ30との間の機械的および電気的接続を提供する係合要素21、31(例えば、ねじ、磁気またはバヨネット嵌合)を協働させることによって互いに接合される。しかしながら、これは単なる例示的な配置であり、様々な構成要素は、電力セクション20とカートリッジアセンブリセクション30との間で異なって分布してもよく、他の構成要素および要素が含まれてもよい。2つのセクションは、
図1のような長手方向構成でエンドツーエンドで互いに接続してもよく、または平行な横並び配置などの異なる構成で接続してもよい。システムは、略円筒形であってもなくてもよく、および/または略長手形状を有してもよい。いずれかまたは両方のセクションは、使い尽くされたとき(例えば、リザーバが空であるか、またはバッテリーが切れたとき)に処分および交換されることが意図されてもよく、またはリザーバの再充填、バッテリーの再充電、もしくはアトマイザの交換などの動作によって複数回の使用を可能にすることが意図されてもよい。あるいは、eシガレット10は、2つ以上の部品に分離することができない単体のデバイス(使い捨てまたは再充填可能/再充電可能)であってもよく、その場合、すべての構成要素は単一の本体またはハウジング内に含まれる。本発明の実施形態および実施例は、当業者が認識するこれらの構成および他の構成のいずれにも適用可能である。
【0068】
上述したように、電子シガレットの霧化部分(供給源液体から蒸気を生成するように構成された部分)で利用することができる加熱要素などのタイプのエアロゾル生成構成要素は、導電性(電気抵抗性)および多孔性の両方であることによって、加熱および液体送達の機能を組み合わせる。ここで、導電性(電気抵抗性)であるという言及は、その中の電流の流れに応答して熱を生成する能力を有する構成要素を指すことに留意されたい。そのような流れは、いわゆる抵抗加熱または誘導加熱を介して付与することができる。このための適切な材料の一例は、シート状形態、すなわち、その長さまたは幅よりも何倍も小さい厚さを有する平面形状に形成された金属または金属合金などの導電性材料である。これに関する例は、メッシュ、ウェブ、グリルなどであり得る。メッシュは、一緒に織られた金属ワイヤまたは金属繊維から形成されてもよく、あるいは不織構造に凝集されてもよい。例えば、繊維は、焼結によって凝集されてもよく、この場合、熱および/または圧力を金属繊維の集合体に加えて、単一の多孔質塊に圧縮する。
【0069】
これらの構造は、適切なサイズの空隙および金属繊維間の隙間を与えて、液体のウィッキング現象のための毛管力をもたらすことができる。したがって、これらの構造は、液体の取込みおよび分配をもたらすので、多孔質であると考えることもできる。さらに、金属繊維間の空隙および隙間の存在により、空気が前記構造を透過することが可能である。また、金属は導電性であり、したがって抵抗加熱に適しており、それによって電気抵抗を有する材料を流れる電流が熱を生成する。しかしながら、このタイプの構造は金属に限定されず、他の導電性材料を繊維に形成し、メッシュ、グリルまたはウェブ構造にしてもよい。例としては、メッシュの物理的特性を調整することを意図した物質でドープされてもされなくてもよいセラミック材料が挙げられる。
【0070】
この種の平面シート状多孔質エアロゾル生成構成要素は、空気流チャネルの一部を形成するエアロゾル生成チャンバ内にあるように、電子シガレット内に配置され得る。エアロゾル生成構成要素は、チャンバを通る空気流が表面方向に、すなわち略平面シート状エアロゾル生成構成要素の平面に実質的に平行に流れ得るように、チャンバ内で配向されてもよい。そのような構成の一例は、国際公開第2010/045670号および国際公開第2010/045671号に見出すことができ、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。したがって、空気が加熱要素上を流れ、蒸気を集めることができる。これにより、エアロゾル生成が非常に効果的になる。代替的な例では、エアロゾル生成構成要素は、チャンバを通る空気流が表面方向に対して実質的に横断する方向、すなわち略平面シート状エアロゾル生成構成要素の平面に対して実質的に直交する方向に流れ得るように、チャンバ内で配向されてもよい。そのような構成の一例は、国際公開第2018/211252号に見出すことができ、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0071】
エアロゾル生成構成要素は、以下の構造:織り構造、メッシュ構造、布帛構造、開孔繊維構造、開孔焼結構造、開孔発泡体または開孔堆積構造のいずれか1つを有し得る。前記構造は、特に、高度の多孔性を有するエアロゾル生成構成要素を提供するのに適している。高度の多孔性は、エアロゾル生成構成要素によって生成された熱が主に液体を蒸発させるために使用され、高い効率を得ることができることを保証し得る。50%を超える多孔度が、前記構造によって想定され得る。一実施形態では、エアロゾル生成構成要素の多孔度は、50%以上、60%以上、70%以上である。開孔繊維構造は、例えば、任意に圧縮することができ、凝集を改善するためにさらに焼結することができる不織布からなることができる。開孔焼結構造は、例えば、フィルムキャスト法によって製造された粒状、繊維状または綿状の焼結複合材からなることができる。開孔堆積構造は、例えば、CVD法、PVD法または火炎溶射によって製造することができる。開孔発泡体は、原則として市販されており、薄い細孔設計でも得ることができる。
【0072】
一実施形態では、エアロゾル生成構成要素は少なくとも2つの層を有し、層は、以下の構造:板、箔、紙、メッシュ、織り構造、布帛、開孔繊維構造、開孔焼結構造、開孔発泡体または開孔堆積構造の少なくとも1つを含む。例えば、エアロゾル生成構成要素は、毛管構造を含む構造と組み合わされた金属箔からなる電気加熱抵抗器によって形成することができる。エアロゾル生成構成要素が単一層から形成されると考えられる場合、そのような層は、金属ワイヤ織物から、または不織金属繊維織物から形成されてもよい。個々の層は、好適には、焼結または溶接などの熱処理によって互いに接続されるが、必ずしもそうである必要はない。例えば、エアロゾル生成構成要素は、ステンレス鋼箔と、ステンレス鋼ワイヤ織物(材料、例えばAISI 304またはAISI 316)の1つまたは複数の層とからなる焼結複合材として設計することができる。あるいは、エアロゾル生成構成要素は、ステンレス鋼ワイヤ織物の少なくとも2つの層からなる焼結複合材として設計することができる。層は、スポット溶接または抵抗溶接によって互いに接続されてもよい。個々の層はまた、機械的に互いに接続されてもよい。例えば、単一層を折り畳むだけで、二重層ワイヤ織物を製造することができる。ステンレス鋼の代わりに、例として、加熱導体合金、特にステンレス鋼よりもさらに高い比電気抵抗を有するNiCr合金およびCrFeAl合金「カンタル」を使用することもできる。層間の材料接続は熱処理によって得られ、その結果、層は、例えばエアロゾル生成構成要素による加熱中および結果的に誘発される熱膨張中の不利な条件下でも、互いに接触を維持する。あるいは、エアロゾル生成構成要素は、複数の個々の繊維を一緒に焼結することによって形成されてもよい。したがって、エアロゾル生成構成要素は、焼結金属繊維などの焼結繊維から構成することができる。
【0073】
エアロゾル生成構成要素は、例えば、白金、ニッケル、モリブデン、タングステンまたはタンタルなどの電気抵抗性材料の導電性薄層を含んでもよく、前記薄層は、PVD法もしくはCVD法、または任意の他の適切な方法によって気化器の表面に適用される。この場合、エアロゾル生成構成要素は、電気絶縁材料、例えばセラミックを含んでもよい。適切な電気抵抗性材料の例としては、AISI 304またはAISI 316などのステンレス鋼、および加熱導体合金、特にDIN材料番号2,4658、2,4867、2,4869、2,4872、1,4843、1,4860、1,4725、1,4765および1,4767などのNiCr合金およびCrFeAl合金「カンタル」が挙げられる。
【0074】
上述したように、エアロゾル生成構成要素は、焼結金属繊維材料から形成されてもよく、シートの形態であってもよい。この種の材料は、メッシュまたは不規則なグリッドと考えることができ、離間した金属繊維または金属ストランドのランダムに整列した配列またはアレイを一緒に焼結することによって作成される。繊維の単一層、またはいくつかの層、例えば最大5つの層が使用されてもよい。一例として、金属繊維は、8~12μmの直径を有し、厚さ0.16mmのシートを与えるように配置され、100g/m2~1500g/m2、例えば150g/m2~1000g/m2、200g/m2~500g/m2、または200~250g/m2の材料密度、および84%の多孔度を生成するように離間され得る。シート厚さはまた、0.1mm~0.2mm、例えば0.1mm~0.15mmの範囲であってもよい。具体的な厚さとしては、0.10mm、0.11mm、0.12mm、0.13mm、0.14mm、0.15mmまたは0.1mmが挙げられる。一般に、エアロゾル生成構成要素は、均一な厚さを有する。しかしながら、以下の説明から、エアロゾル生成構成要素の厚さは変化する場合もあることが理解されよう。これは、例えば、圧縮を受けたエアロゾル生成構成要素のいくつかの部分に起因し得る。エアロゾル生成構成要素の多孔度を変化させるために、異なる繊維直径および厚さを選択することができる。例えば、エアロゾル生成構成要素は、66%以上、または70%以上、または75%以上、または80%以上、または85%以上、または86%以上の多孔度を有してもよい。
【0075】
エアロゾル生成構成要素は、第1および第2の表面を含む略平坦な構造を形成してもよい。略平坦な構造は、任意の二次元形状、例えば、円形、半円形、三角形、正方形、長方形および/または多角形の形態をとることができる。一般に、エアロゾル生成構成要素は、均一な厚さを有する。
【0076】
エアロゾル生成構成要素の幅および/または長さは、約1mm~約50mmであってもよい。例えば、気化器の幅および/または長さは、1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mmまたは10mmであってもよい。幅は、一般に、エアロゾル生成構成要素の長さよりも小さくてもよい。
【0077】
エアロゾル生成構成要素が電気抵抗性材料から形成される場合、電流は、熱を生成する(いわゆるジュール加熱)ように、エアロゾル生成構成要素を通って流れることができる。これに関して、エアロゾル生成構成要素の電気抵抗は、適宜選択することができる。例えば、エアロゾル生成構成要素は、2オーム以下、例えば1.8オーム以下、例えば1.7オーム以下、例えば1.6オーム以下、例えば1.5オーム以下、例えば1.4オーム以下、例えば1.3オーム以下、例えば1.2オーム以下、例えば1.1オーム以下、例えば1.0オーム以下、例えば0.9オーム以下、例えば0.8オーム以下、例えば0.7オーム以下、例えば0.6オーム以下、例えば0.5オーム以下の電気抵抗を有してもよい。材料、厚さ、幅、長さ、多孔度などのエアロゾル生成構成要素のパラメータは、所望の抵抗を提供するように選択することができる。これに関して、比較的低い抵抗は、電源からのより高い電力引出しを容易にし、これは、高速のエアロゾル化を行うのに好適であり得る。一方、抵抗は、エアロゾル生成器の完全性を損なうほど低くすべきではない。例えば、抵抗は、0.5オームより低くなるべきではない。
【0078】
本明細書に開示されるシステム、デバイスおよび物品での使用に適した、加熱要素などの平面状エアロゾル生成構成要素は、多孔質材料のより大きなシートから必要な形状を打ち抜くかまたは切断(レーザ切断など)することによって形成することができる。これは、エアロゾル生成構成要素に開口部を形成するために、材料を打ち抜く、切り取る、または他の方法で除去することを含み得る。これらの開口部は、空気がエアロゾル生成構成要素を通過する能力と、電流が特定の領域を流れる傾向との両方に影響を及ぼし得る。
【0079】
図2~
図5は、本開示による、非燃焼式エアロゾル供給システム10の一部として使用するための例示的な物品(または消耗品)100を示す。
【0080】
物品100は、第1のセクション102および第2のセクション103を有するハウジング101を備える。第1のセクション102と第2のセクション103は一緒に、エアロゾル化可能材料200のためのリザーバ104を形成する。第1のセクション102と第2のセクション103とは、互いに接続されて、少なくとも1対の対向面106、108および107、109を設ける。毛管チャネル110が、対向面106、108間および107、109間の少なくとも1つに設けられる。典型的には、毛管チャネル110は、物品100を製造する過程の人工産物である。すなわち、製造公差により、対向面106、108間および107、109間に毛管チャネル110が設けられる。使用時に、リザーバ104内のエアロゾル化可能材料200が毛管チャネル110を通って漏れる可能性があり、このとき、これは、毛管力によって毛管チャネル110を通って引き出される。当業者は、毛管チャネルが、チャネルの表面の毛管力によって液体エアロゾル化可能材料を引き出すことができるチャネルであることを理解するであろう。
【0081】
毛管漏れは、多くの理由で望ましくない。例えば、漏れたエアロゾル化可能材料200は、不都合を引き起こし、および/または不快であり、それによってユーザ体験に悪影響を及ぼす可能性がある。また、漏れたエアロゾル化可能材料200は無駄になる。さらに、漏れたエアロゾル化可能材料200は、システム10の性能に影響を及ぼし、および/またはシステム10が故障しているとユーザに知覚させる可能性がある。
【0082】
本発明の物品100では、対向面106~109の少なくとも1つは、リザーバ104から毛管チャネル110を通るエアロゾル化可能材料200の毛管流を抑制または防止するための少なくとも1つの表面特徴111を備える。表面特徴111は、毛管チャネル110を通るエアロゾル化可能材料200の毛管流を妨害し、それによって毛管チャネル110を介したリザーバ104からのエアロゾル化可能材料200の毛管漏れを抑制または防止する。エアロゾル化可能材料200がリザーバ104から少なくとも1つの表面特徴111に流れるのが、部分的または完全に防止される。
【0083】
この特定の実施形態では、各表面特徴111は溝である。溝の使用は、毛管チャネルを通る漏れを低減または防止するのに特に効果的であることが分かっている。理論に束縛されるものではないが、少なくとも1つの溝は、毛管力を維持することができないように対向面間に追加の分離をもたらし、したがってエアロゾル化可能材料がチャネルを通って引き出されるのを低減または防止すると考えられる。さらに、対向面106~109の毛管力は、(
図3に示すように)少なくとも1つの溝111の上流の毛管チャネル110内にエアロゾル化可能材料200を保持すると考えられる。
【0084】
少なくとも1つの表面特徴111の封止効果により、リザーバ104から毛管チャネル110を通るエアロゾル化可能材料200の毛管流を抑制または防止するための、Oリングなどの専用の(例えば、別個の、および/または一体でない)封止要素は、必要ではない場合がある。したがって、本発明の物品100は、このような専用の封止要素を含まずに製造することができる。実際、少なくとも1つの表面特徴111は、リザーバ104から毛管チャネル110を通るエアロゾル化可能材料の毛管流を抑制または防止するための唯一の手段であり得る。したがって、本発明の物品100は、専用の封止要素を設ける材料コストを回避することができるので、従来技術の物品と比較して、製造の費用対効果がより高くなり得る。さらに、本発明の物品100は、物品内に専用の封止要素を組み立てるステップを回避することができるので、従来技術の物品と比較して、製造がより簡単であり得る。さらに、本発明の物品100は、専用の封止要素の劣化、不具合および/または不良のリスクを回避することができるため、従来技術の物品よりも信頼性が高くなり得る。これらの問題は、製造に不良を伴う可能性があり、例えば特定の化学物質および/または特定の環境条件への曝露に起因して経時的に劣化する可能性がある、Oリングなどの軟質シールを有する物品に特に関連する。さらに、Oリングなどの専用の封止要素が含まれていなくても、エアロゾル化可能材料の漏れを依然として抑制または防止しながら、同様の材料からハウジングのそれぞれの部分を形成することが可能である。これにより、製造が単純化される。
【0085】
図2の実施形態では、ハウジング101は、略円筒形態であり、上端(第2のセクション103の反対側)および下端(第2のセクション103にある)を有する。ハウジング101は、その上端部と下端部との間に延在する長手方向軸を有する。しかしながら、ハウジング101ならびにその第1および第2のセクション102、103は、様々な異なる形態で設けられてもよいことが当業者には理解されよう。例えば、ハウジング101は、略長方形の角柱形態など、略多角形の形態であってもよい。例えば、ハウジング101は、略板状の形態であってもよい。例えば、ハウジング101は、一端または両端に向かって先細になってもよい。
【0086】
図2の実施形態では、第1のセクション102は、略円筒形態である。第1のセクション102は、空間への開口部を画定する端部の形態の受容部分112を有する。受容部分112の正確な形態は、変更されてもよい。第1のセクション102はまた、閉鎖された反対側端部を有する。第2のセクション103は、略板状の形態である。第2のセクション103は、受容部分112に挿入される挿入部分113を有する。第2のセクション103は、挿入部分113から半径方向に延在する当接部分114を有する。当接部分114は、受容部分112に当接する。したがって、リザーバ104は、第1のセクション102および第2のセクション103によって囲まれた空間に対応する。上述したように、第1のセクション102および第2のセクション103の正確な形態および配置は、変更されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、当接部分114は任意選択である。
【0087】
第1のセクション102と第2のセクション103とは、2対以上(例えば、2、3、4、5または6対)の対向面106、108および107、109を設けるように接続されてもよい。
図2の実施形態では、第1のセクション102の第1の表面106と第2のセクション103の第1の表面108とが対向し、かつ、第1のセクション102の第2の表面107と第2のセクション103の第2の表面109とが対向し、これにより、2対の対向面106、108および107、109が設けられる。
【0088】
1対、複数対、または各対の対向面106、108および107、109は、ハウジング101の軸線に対して、実質的に軸線方向に独立して延在してもよく、または実質的に半径方向に延在してもよく、または実質的に斜めに延在してもよい。ハウジング101の軸線は、ハウジング101の端部間(すなわち、上端と下端との間)に延在する軸線であってもよい。ハウジング101の軸線は、ハウジング101の長手方向軸であってもよい。ハウジング101の軸線は、(後述するように)第1のセクション102と第2のセクション103とが互いに接続される軸線であってもよい。
【0089】
図2の実施形態では、1対の対向面106、108は、ハウジング101の長手方向軸に対して実質的に軸線方向に延在し、別の対の対向面107、109は、ハウジングの長手方向軸に対して実質的に半径方向に延在する。したがって、軸線方向対向面106、108は、半径方向対向面107、109に対して実質的に垂直である。上述したように、毛管チャネル110が、対向面106、108間および107、109間に設けられる。
【0090】
当業者は、毛管チャネル110は図に概略的に示されていることを理解するであろう。例えば、第1のセクション102と第2のセクション103とが互いに接続される様式は、対向面106~109の一部が互いに接触するが、対向面106~109の他の部分が離間して毛管チャネル110を形成するようなものである。製造公差に少なくとも部分的に起因して、製造された物品は同一ではないため、毛管チャネル110の正確な形態は、物品ごとに異なる可能性がある。当業者は、対向面106~109が、第1のセクション102および第2のセクション103の形状に応じて変化し得る様々な異なる形態で設けられてもよいことを理解するであろう。
【0091】
図2の実施形態では、対向面106~109の少なくとも1つは、リザーバから毛管チャネルを通るエアロゾル化可能材料の毛管流を抑制または防止するための2つ以上の表面特徴111を備える。いくつかの実施形態では、(
図7および
図8に示すように)1つの表面特徴111が存在してもよい。いくつかの実施形態では、対向面106~109の2つ以上は、(
図12に示すように)リザーバから毛管チャネルを通るエアロゾル化可能材料の毛管流を抑制または防止するための少なくとも1つの表面特徴111を備える。
【0092】
図示の実施形態では、各表面特徴111は溝である(ただし、他の表面特徴も想定されることが理解されよう)。溝111は、様々な異なる形態および構成をとることができる。
図2の実施形態では、各溝111は、側面から見て(
図5に示すように)実質的に直線である。他の実施形態では、少なくとも1つの溝111は、側面から見て(
図6に示すように)実質的に湾曲していてもよい。他の実施形態では、少なくとも1つの溝111は、側面から見て(
図7に示すように)波状形態であってもよい。他の実施形態では、少なくとも1つの溝111は、側面から見て(
図8に示すように)蛇行経路を形成してもよい。例えば、少なくとも1つの溝111は、側面から見てジグザグを形成してもよい。実質的に湾曲した(例えば、波状または蛇行状)またはジグザグの溝の利点は、大きな表面積を包含し得ることである。大きな表面積を包含することにより、毛管漏れのリスクは、さらに低減することができる。
【0093】
図2の実施形態では、各溝111は、溝111に垂直に断面をとったとき、実質的に多角形の断面を有する(例えば、
図9を参照)。他の実施形態では、少なくとも1つの溝111は、溝111に垂直に断面をとったとき、(
図10に示すように)実質的に湾曲したまたはU字形の断面を有してもよい。
【0094】
図2の実施形態では、第2のセクション103の(軸線方向の)対向面108は、2つの溝111を備える。いくつかの実施形態では、第1のセクション102の少なくとも1つの対向面106は、(
図11に示すように)少なくとも1つの溝111を備える。
【0095】
2対以上の対向面106、108および107、109がある場合、各対の対向面の少なくとも1つが、少なくとも1つの表面特徴111(
図13および
図14に示すように)を備えてもよい。
図13では、第2のセクション103の(軸線方向の)対向面108が、少なくとも1つの表面特徴111を備え、第2のセクション103の(半径方向の)対向面109が、少なくとも1つの表面特徴111を備える。
図14では、第1のセクション102の(軸線方向の)対向面106が、少なくとも1つの表面特徴111を備え、第1のセクション102の(半径方向の)対向面107が、少なくとも1つの表面特徴111を備える。
【0096】
図2の実施形態では、表面特徴111は互いに離間しており、各表面特徴111は実質的に環状の形態である。各表面特徴111は、エアロゾル化可能材料200が少なくとも1つの表面特徴111によって遮られることなくリザーバ104から毛管チャネル110を通って流れることができないように、そのそれぞれの対向面106~109の周りに連続的に延在する。この構成は、リザーバからのエアロゾル化可能材料の毛管漏れを防止するのに効果的である。より具体的には、各表面特徴111は、エアロゾル化可能材料200が少なくとも1つの表面特徴111によって遮られることなくリザーバ104から毛管チャネルを通って流れることができないように、第2のセクションの(軸線方向の)対向面108の周りに連続的に延在する。
【0097】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの表面特徴111は、そのそれぞれの対向面106~109の周りに部分的に延在してもよい。そのような実施形態は、複数の表面特徴111を備えてもよい。複数の表面特徴111は一緒になって、効果的な封止性能をもたらし得る。
【0098】
少なくとも1つの溝111は、少なくとも0.3mmの深さを有し得る。少なくとも1つの溝111は、少なくとも0.3mmの幅を有し得る。そのような寸法は、特に効果的な封止性能をもたらすことが分かっている。少なくとも1つの溝111は、最大2.0mm、または最大1.0mm、または最大0.8mm、または最大0.6mmの幅を有し得る。少なくとも1つの溝111は、最大2.0mm、または最大1.0mm、または最大0.8mm、または最大0.6mmの深さを有し得る。
【0099】
当業者は、溝111が様々な形態および寸法で設けられてもよいことを理解するであろう。例えば、溝111は、略環状の形態であってもよく、または環状の形態でなくてもよい。
【0100】
実施形態では、第1のセクション102および第2のセクション103の一方は、第1のセクション102および第2のセクション103の他方を少なくとも部分的に取り囲む(例えば、
図2を参照)。第1のセクション102および第2のセクション103の一方は、第1のセクション102および第2のセクション103の他方を少なくとも部分的に取り囲んで、第1のセクション102と第2のセクション103との間の接続を形成することができる。例えば、第1のセクション102および第2のセクション103の一方は、第1のセクション102および第2のセクション103の他方を少なくとも部分的に取り囲んで、少なくとも1対の対向面106、108を設けることができる。したがって、第1のセクション102および第2のセクション103の一方は、第1のセクション102および第2のセクション103の他方に少なくとも部分的に挿入されてもよい。他の配置も想定されることが理解されよう。
【0101】
第1のセクション102と第2のセクション103とは、工学的嵌合によって互いに接続されてもよい。例えば、第1のセクション102と第2のセクション103とは、締り嵌め、圧入、摩擦嵌めおよび/または中間嵌めによって互いに接続されてもよい。これらの嵌合は、確実な接続をもたらし、物品100の製造を単純化することができる。
【0102】
実施形態では、第1の部分102および第2の部分103の一方は、第1の部分102および第2の部分103の他方を少なくとも部分的に取り囲んで、第1のセクション102と第2のセクション103との間の接続を形成し、接続は、締り嵌め、圧入、摩擦嵌めおよび/または中間嵌めの1つまたは複数である。この配置により、簡単で確実な接続が、第1のセクション102と第2のセクション103との間に形成され得る。したがって、第1のセクション102と第2のセクション103とを互いに接続するための別個の締結手段(例えば、ねじおよびピン)は、破損の可能性を有する必要な構成要素がより少なくなり得るように、必要ではない場合がある。
【0103】
図2の実施形態では、受容部分112は、第1のセクション102と第2のセクション103との間に締り嵌め、圧入、摩擦嵌めおよび/または中間嵌めを設けるように、挿入部分113を取り囲む。当業者は、第1のセクション102および第2のセクション103を相応にサイズ決めすることによって、そのようなタイプの工学的嵌合を設ける方法に精通している。いくつかの実施形態では、対向面106~109は、実質的に同じ硬度を有してもよい。対向面106~109は、4~80のショアA硬度を有し得る。本発明の文脈において、硬度は、ショアAスケールを使用して測定される。そのような硬度は、毛管漏れに対する封止に特に効果的な表面特徴111をもたらすことが分かっている。
【0104】
対向面106~109は、同じ材料から作製されてもよい。この利点は、物品の製造が単純化され得ることである。
【0105】
対向面106~109は、剛性材料から作製されてもよい。これにより、毛管漏れに対する封止に特に効果的な堅牢な物品が得られることが分かった。
【0106】
対向面106~109は、疎水性材料から作製されてもよく、または疎水性材料によって処理されてもよい。疎水性材料は、毛管現象によるエアロゾル化可能材料の移動を抑制または防止するのに役立つことができ、したがって毛管チャネルを介した毛管漏れを抑制または防止するのに役立ち得る。
【0107】
対向面106~109として使用するための適切な材料の非限定的な例としては、プラスチック、ガラスおよび金属が挙げられる。適切な材料の非限定的な例としては、ナイロン、ポリプロピレン、シリコーンまたはポリカーボネートが挙げられる。第1のセクション102は、本明細書に開示された材料のいずれかから形成されてもよい。第2のセクション102は、本明細書に開示された材料のいずれかから形成されてもよい。
【0108】
ここで、非限定的な例として物品100の製造について説明する。ハウジング101の第1のセクション102および第2のセクション103は、射出成形などの任意の適切な技術によって設けることができる。第1のセクション102と第2のセクション103とは、互いに接続されて、エアロゾル化可能材料200のためのリザーバ104を形成し、第1のセクション102と第2のセクション103とは、互いに接続されて、少なくとも1対の対向面106、108および107、109を設ける。第1のセクション102と第2のセクション103との製造公差により、対向面106、108間および107、109間に毛管チャネル110が設けられる。対向面106~109の少なくとも1つは、リザーバ104から毛管チャネル110を通るエアロゾル化可能材料200の毛管流を抑制または防止するための少なくとも1つの表面特徴111を備える。
【0109】
第1のセクション102と第2のセクション103とを互いに接続するために、第1のセクション102と第2のセクション103とは、互いに押されてもよい。これにより、第1のセクション102および第2のセクション103の一方の少なくとも一部が、第1のセクション102および第2のセクション103の他方に挿入され得る(第1のセクション102および第2のセクション103それぞれの形態に依存する)。言い換えれば、これにより、第1のセクション102および第2のセクション103の一方が、第1のセクション102および第2のセクション103の他方を少なくとも部分的に取り囲み得る。
【0110】
図2の実施形態では、挿入部分113は、当接部分114が開口部112を画定する第1の部分102の端部に当接するように、開口部112を通って挿入される。第1のセクション102および第2のセクション103のそれぞれのサイズ決めにより、前記挿入が、第1のセクション102と第2のセクション103との間の確実な接続をもたらす。接続は、締り嵌め、圧入、摩擦嵌めおよび/または中間嵌めなどの工学的嵌合によるものであってもよい。
【0111】
エアロゾル化可能材料200は、第1のセクション102と第2のセクション103とを互いに接続する前に、リザーバ104内に堆積させることができる。あるいは、エアロゾル化可能材料200は、例えば、後に(例えば、熱によって)封止されるハウジング101のアパーチャ(図示せず)を通してエアロゾル化可能材料200を挿入することによって、第1のセクション102と第2のセクション103とが互いに接続された後にリザーバ104に堆積されてもよい。典型的には、エアロゾル化可能材料200は、液体である(ただし、ゲルも使用されてもよい)。
【0112】
図示の実施形態では、表面特徴111は溝であるが、他の形態の表面特徴が使用されてもよいことが想定される。例えば、表面特徴は、疎水性材料(例えば、疎水性コーティング)を含み得る。
【0113】
本明細書に提示される図面は概略図であり、縮尺通りに描かれていない。本明細書に記載の様々な実施形態は、特許請求される特徴の理解および教示を補助するためにのみ提示される。これらの実施形態は、実施形態の代表的なサンプルとしてのみ提供され、網羅的および/または排他的ではない。本明細書に記載の利点、実施形態、例、機能、特徴、構造および/または他の態様は、特許請求の範囲によって定義された本発明の範囲に対する限定または特許請求の範囲の均等物に対する限定と見なされるべきではなく、特許請求された発明の範囲から逸脱することなく他の実施形態を利用することができ、修正を行うことができることを理解されたい。本発明の様々な実施形態は、本明細書に具体的に記載されたもの以外の、開示された要素、構成要素、特徴、部分、ステップ、手段などの適切な組合せを適切に含むか、それからなるか、または本質的にそれからなることができる。さらに、本開示は、現在特許請求されていないが、将来特許請求され得る他の発明を含み得る。
【手続補正書】
【提出日】2024-11-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル化可能材料のためのリザーバを一緒に形成する第1のセクションおよび第2のセクションを有するハウジングを備え、前記第1のセクションと前記第2のセクションとが互いに接続されて、少なくとも1対の対向面を設け、
毛管チャネルが前記対向面間に設けられ、前記対向面の少なくとも1つが、前記リザーバから前記毛管チャネルを通るエアロゾル化可能材料の毛管流を抑制または防止するための少なくとも1つの表面特徴を備える、
非燃焼式エアロゾル供給システムの一部として使用するための物品。
【請求項2】
前記第1のセクションおよび前記第2のセクションの一方が、前記第1のセクションおよび前記第2のセクションの他方を少なくとも部分的に取り囲む、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記第1のセクションと前記第2のセクションとが、締り嵌め、圧入、摩擦嵌めおよび/または中間嵌めによって互いに接続される、請求項1または2に記載の物品。
【請求項4】
前記リザーバから前記毛管チャネルを通るエアロゾル化可能材料の毛管流を抑制または防止するための専用の封止要素を備えない、請求項1
または2に記載の物品。
【請求項5】
前記対向面の少なくとも1つが、前記リザーバから前記毛管チャネルを通るエアロゾル化可能材料の毛管流を防止するための2つ以上の表面特徴を備える、請求項1
または2に記載の物品。
【請求項6】
少なくとも1つの表面特徴が、エアロゾル化可能材料が前記少なくとも1つの表面特徴によって遮られることなく前記リザーバから前記毛管チャネルを通って流れることができないように、前記表面特徴のそれぞれの対向面の周りに連続的に延在する、請求項1
または2に記載の物品。
【請求項7】
前記少なくとも1つの表面特徴が少なくとも1つの溝である、請求項1に記載の物品。
【請求項8】
前記少なくとも1つの溝が、少なくとも0.3mmの幅を有する、請求項7に記載の物品。
【請求項9】
前記少なくとも1つの溝が、少なくとも0.3mmの深さを有する、請求項7または8に記載の物品。
【請求項10】
少なくとも1つの溝が、略または実質的に環状の形態である、請求項
7または8に記載の物品。
【請求項11】
少なくとも1つの溝が、側面から見て実質的に直線である、請求項
7または8に記載の物品。
【請求項12】
少なくとも1つの溝が、側面から見て実質的に湾曲している、請求項
7または8に記載の物品。
【請求項13】
少なくとも1つの溝が、側面から見て波状形態である、請求項
7または8に記載の物品。
【請求項14】
少なくとも1つの溝が、側面から見て蛇行経路を形成する、請求項
7または8に記載の物品。
【請求項15】
前記少なくとも1つの溝が、側面から見てジグザグを形成する、請求項
7または8に記載の物品。
【請求項16】
前記対向面が実質的に同じ硬度を有する、請求項1
、2、7及び8のいずれか一項に記載の物品。
【請求項17】
前記対向面が、4~80のショアA硬度を有する、請求項1
、2、7及び8のいずれか一項に記載の物品。
【請求項18】
前記エアロゾル化可能材料がエアロゾル化可能な液体である、請求項1
、2、7及び8のいずれか一項に記載の物品。
【請求項19】
非燃焼式エアロゾル供給システムであって、
前記非燃焼式エアロゾル供給システムの一部として使用するための請求項1
、2、7及び8のいずれか一項に記載の物品と、
電源およびコントローラの1つまたは複数を備えるデバイスと
を備える、非燃焼式エアロゾル供給システム。
【請求項20】
請求項1
、2、7及び8のいずれか一項に記載の物品を製造する方法であって、
第1のセクションおよび第2のセクションを有するハウジングを提供するステップと、
前記第1のセクションと前記第2のセクションとを互いに接続して、エアロゾル化可能材料のためのリザーバを形成するステップであって、前記第1のセクションと前記第2のセクションとが互いに接続されて、少なくとも1対の対向面を設けるステップと
を含み、
毛管チャネルが前記対向面間に設けられ、前記対向面の少なくとも1つが、前記リザーバから前記毛管チャネルを通るエアロゾル化可能材料の毛管流を抑制または防止するための少なくとも1つの表面特徴を備える、
方法。
【国際調査報告】