(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-09
(54)【発明の名称】折り畳み可能なクレート
(51)【国際特許分類】
B65D 6/18 20060101AFI20241226BHJP
【FI】
B65D6/18 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024533059
(86)(22)【出願日】2023-01-09
(85)【翻訳文提出日】2024-06-11
(86)【国際出願番号】 IL2023050027
(87)【国際公開番号】W WO2023135594
(87)【国際公開日】2023-07-20
(32)【優先日】2022-01-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524126448
【氏名又は名称】ケター ホーム アンド ガーデン プロダクツ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】エヴァンス,リチャード
(72)【発明者】
【氏名】ムアレム,ディクラ
【テーマコード(参考)】
3E061
【Fターム(参考)】
3E061AA02
3E061AB09
3E061CA02
3E061DB11
(57)【要約】
本開示は、ベース部材(12)、その底縁に沿ってベース部材の前縁に回動可能に関節連結された前壁(20)、その底縁に沿ってベース部材の後縁に回動可能に関節連結された後壁(18)と、その底縁に沿ってベース部材の第1の側縁に回動可能に関節連結された第1の側壁(14)、及びその底縁に沿ってベース部材の第2の側縁に回動可能に関節連結された第2の側壁(16)と、側壁のそれぞれの頂部に配置されたロック機構であって、側壁の係合側縁及び前壁及び後壁の隣接する側縁をそれぞれ拘束するように構成されたロック機構とを備える折り畳み可能なクレート(10)に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部材、その底縁に沿って前記ベース部材の前縁に回動可能に関節連結された前壁、その底縁に沿って前記ベース部材の後縁に回動可能に関節連結された後壁と、その底縁に沿って前記ベース部材の第1の側縁に回動可能に関節連結された第1の側壁、及びその底縁に沿って前記ベース部材の第2の側縁に回動可能に関節連結された第2の側壁と、前記側壁のそれぞれの上部に配置され、側壁の係合側縁、前記前壁及び後壁の隣接する側縁をそれぞれ拘束するように構成されたロック機構とを備えた折り畳み可能なクレートであって、前記4つの壁が立った状態で配置される直立位置と、前記4つの壁が前記ベース部材上に平行に配置される折り畳み位置との間で構成可能である、折り畳み可能なクレート。
【請求項2】
ベース部材、その底縁に沿って前記ベース部材の第1の側縁に回動可能に関節連結された第1の側壁、及び前記第1の側壁に対向し、その底縁に沿って前記ベース部材の第2の側縁に回動可能に関節連結された第2の側壁と、前記ベース部材の前縁に延びる隆起した前部セグメントの上縁に対してその底縁に沿って回動可能に関節連結された前壁、及び前記前壁に対向し、前記ベース部材の後縁に延びる隆起した後部セグメントの上縁に対してその底縁に沿って回動可能に関節連結された後壁と、前記側壁のそれぞれの上部に配置され、側壁の係合側縁と、前記前壁及び後壁の隣接する側縁とをそれぞれ拘束するように構成されたロック機構とを備えた折り畳み可能なクレートであって、前記4つの壁が立った状態で配置される直立位置と、前記4つの壁が前記ベース部材上に平行に配置される折り畳み位置との間で構成可能である折り畳み可能なクレート。
【請求項3】
前記ロック機構が、その長手方向軸に沿って回動可能にロッキングバーを備え、前記ロッキングバーは、側壁の頂部を横切って配置されたロッキングバー受入れ溝内に延び、前記ロッキングバーは、各端部に、前記側壁の側縁部分を越えて延びる半径方向に突出するロッキングタブと、ロック位置とロック解除位置との間で、その長手方向軸を中心に前記ロッキングバーを回動可能に操作するためのロッキングバー操作部分とを備え、前記前壁及び前記後壁のそれぞれは、ロッキングタブ経路とロッキングタブ妨害配置とを有するように構成されたロッキングタブ拘束部分を頂部側縁部分に備え、直立位置において、前記ロッキングタブ経路の開口部が前記ロッキングタブに対向して延び、前記ロック位置において、前記ロッキングタブは妨害され、前記ロッキングタブ経路の開口部を通って変位することを阻止され、前記ロック解除位置において、前記ロッキングタブは、前記ロッキングタブ経路の前記開口部を通って自由に変位する、
請求項1又は2に記載の折り畳み可能なクレート。
【請求項4】
前記側壁が等しい高さであり、前記前壁が前記後壁よりも短く、しかしながら、前記直立位置において、前記4つの壁は同じ高さまで延び、等しく水平にされた、同一の広がりを持つ連続的な上縁を有する、請求項1又は2に記載の折り畳み可能なクレート。
【請求項5】
前記直立位置において、前記側壁及び前記前壁及び前記後壁の前記上縁が同一の広がりを持つ、請求項1又は2に記載の折り畳み可能なクレート。
【請求項6】
直立位置において、前記側壁が前記後壁と前記前壁の間に配置される、請求項1又は2に記載の折り畳み可能なクレート。
【請求項7】
前記隆起した後部セグメントが前記隆起した前部セグメントより高い、請求項2に記載の折り畳み可能なクレート。
【請求項8】
前記ベース部材の厚さ+側壁の厚さ+前記後壁の厚さ+前記前壁の厚さが、隆起した後部セグメントの高さに等しい、請求項2に記載の折り畳み可能なクレート。
【請求項9】
前記ベース部材の厚さ+側壁の厚さ+前記前壁の厚さが、前記隆起した前部セグメントの高さに等しい、請求項2に記載の折り畳み可能なクレート。
【請求項10】
前記隆起した前部セグメントが、前記隆起した後部セグメントと同じ高さを有し、その際、前記前壁の高さ+前記後壁の高さは、側壁の幅と等しいか、又はそれ未満である、請求項2に記載の折り畳み可能なクレート。
【請求項11】
前記折り畳み位置において、前記第1の側壁及び前記第2の側壁が、前記ベース部材上に同一平面上に配置される、請求項1又は2に記載の折り畳み可能なクレート。
【請求項12】
前記折り畳み位置において、前記前壁が前記側壁の上に同じ高さに延びる、請求項1又は2に記載の折り畳み可能なクレート。
【請求項13】
前記折り畳み位置において、前記後壁及び前記前壁の一方又は両方が、前記前壁の上に同じ高さに延びる、請求項1又は2に記載の折り畳み可能なクレート。
【請求項14】
前記折り畳み位置において、前記後壁と前記前壁が前記側壁の上に同一平面上に配置され、この際、前記前壁の高さ+前記後壁の高さは前記側壁の幅と等しいか、又はそれ未満である、請求項1又は2に記載の折り畳み可能なクレート。
【請求項15】
前記前部側壁が前記後部側壁よりも短く、前記隆起した前部セグメントが前記隆起した後部セグメントよりも長い、請求項2に記載の折り畳み可能なクレート。
【請求項16】
前記前部側壁の高さ+前記隆起した前部セグメントの高さが、前記後壁の高さ+前記隆起した後部セグメントの高さに等しい、請求項2に記載の折り畳み可能なクレート。
【請求項17】
前記クレートの幅が、側壁の高さの2倍に等しいか、又はそれを超える、請求項1又は2に記載の折り畳み可能なクレート。
【請求項18】
前記クレートが、直立位置及び折り畳み位置において、同様のクレートの上に積み重なるように構成される、請求項1又は2に記載の折り畳み可能なクレート。
【請求項19】
キャリングハンドルが、少なくとも一対の対向する壁の頂部に構成される、請求項1又は2に記載の折り畳み可能なクレート。
【請求項20】
前記前壁及び前記後壁の側縁が、長手方向リップを有するように構成され、それにより、前記直立位置において、前記長手方向リップは、隣接する側壁の隣接する側縁の上に重なる、請求項1又は2に記載の折り畳み可能なクレート。
【請求項21】
前記ロッキングタブの断面が、第1の軸と、前記第1の軸と交差する第2の軸とを有し、前記第1の軸は前記第2の軸よりも長く、前記ロック位置において、前記第2の軸が前記ロッキングタブ経路の開口部に面し、前記ロック解除位置において、前記第2の軸が前記ロッキングタブ経路の開口部に面する、請求項3に記載の折り畳み可能なクレート。
【請求項22】
前記第1の軸が前記第2の軸に対して約90°に配置される、請求項21に記載の折り畳み可能なクレート。
【請求項23】
前記ロッキングバーの操作部分が、前記バーから横方向に延び、前記側壁の外面の外側に配置されたハンドル状部分である、請求項3に記載の折り畳み可能なクレート。
【請求項24】
前記ロック位置において、前記ハンドル状部分が、前記側壁の外面に対して実質的に同じ高さに延びる、請求項23に記載の折り畳み可能なクレート。
【請求項25】
前記ハンドル状部分が、グリップ部分を有するように構成され、前記ロック位置において、前記グリップ部分は、前記クレートのキャリングハンドル開口部内に延びる、請求項23に記載の折り畳み可能なクレート。
【請求項26】
前記ロック位置において、前記ロッキングバーがスナップ式に拘束され、それによって前記ロック位置からの意図しない変位を防止する、請求項3に記載の折り畳み可能なクレート。
【請求項27】
前記ロッキングバーが、スナップ・ロック構成によって前記ロック位置で拘束可能である、請求項3に記載の折り畳み可能なクレート。
【請求項28】
前記スナップ・ロック構成が、前記ハンドル状部分と前記クレートの前記キャリングハンドル開口部との間に構成される、請求項27に記載の折り畳み可能なクレート。
【請求項29】
前記ロック解除位置において、前記ハンドル状部分が前記側壁の外面から横方向に突出する、請求項23に記載の折り畳み可能なクレート。
【請求項30】
前記ロッキングタブ妨害配置が、前記ロッキングタブ経路に突出する少なくとも1つのロッキングタブ妨害部材を備える、請求項3に記載の折り畳み可能なクレート。
【請求項31】
前記ロッキングタブ妨害配置が、互いに対向する第1のロッキングタブ妨害部材と第2のロッキングタブ妨害部材とを備える、請求項3に記載の折り畳み可能なクレート。
【請求項32】
前記ロッキングタブ経路への入口が、前記ロッキングタブの前記ロッキングタブ拘束部分への円滑な変位を促すために、1つ又は複数の滑動面を有するように構成される、請求項3に記載の折り畳み可能なクレート。
【請求項33】
前記ロッキングタブの直径が、前記ロッキングタブ経路の開口部の幅より小さい、請求項3に記載の折り畳み可能なクレート。
【請求項34】
前記ロッキングタブの幅が、前記ロッキングバーの直径と同様か、又はそれより小さい、請求項3に記載の折り畳み可能なクレート。
【請求項35】
前記第1の軸に沿った前記ロッキングタブの長さが、前記拘束部分の高さよりも大きい、請求項3に記載の折り畳み可能なクレート。
【請求項36】
前記ロッキングバーが、前記側壁の頂部の前記ロッキングバー受入れ溝内にスナップ式に受け入れられる、請求項3に記載の折り畳み可能なクレート。
【請求項37】
前記ロック位置において、前記ロッキングバーの前記操作部分が前記クレートのキャリングハンドルの一部と同化し、それによって前記クレートの持ち運びを容易にする、請求項36に記載の折り畳み可能なクレート。
【請求項38】
前記ロッキングバーが、側壁を隣接する後壁及び前壁と同時にロックするように構成される、請求項3に記載の折り畳み可能なクレート。
【請求項39】
相互接続配置が、前記2つの側壁の側縁と、前記後壁及び前壁のそれぞれの隣接する側縁との間に構成される、請求項1又は2に記載の折り畳み可能なクレート。
【請求項40】
前記相互接続配置が、前記側壁の縁部からの複数の横L字形突出部であり、複数の横L字形突出部は外側を向き、それぞれの側壁を直立位置に変位させると、前記後壁/前壁の側縁に沿って配置されたそれぞれの開口部内に拘束されるように構成される、請求項39に記載の折り畳み可能なクレート。
【請求項41】
前記後壁及び前記前壁の前記側縁が、長手方向の横方向に突出する縁部を有するように構成され、前記直立位置において、前記縁部は、隣接する側壁の縁部にもたれる、請求項1又は2に記載の折り畳み可能なクレート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、折り畳み可能なクレートに関する。
【背景技術】
【0002】
本開示の主題の背景として関連すると考えられる文献を以下に列挙する:
- 米国特許第7,861,878号
- 米国特許第8,511,506号
- 米国特許第9,016,492号
- 米国特許第9,540,138号
【0003】
本明細書における上記文献の認知は、これらが本開示の主題の特許性に何らかの形で関連していることを意味するものとして推論されるものではない。
【0004】
米国特許第7,861,878号は、折り畳み式の箱のための留め装置を開示しており、折り畳み式の箱は、底部と、その底部の縁部に接合様式で結合された4つの側壁とを含み、2つの対向する壁は、箱の展開を確実にするための各留め装置を有し、この装置は一般に、垂直方向に変位可能な中央片と、それらの隣接する縁部を介して側壁を留めるための水平方向に変位可能ないくつかの側方ボルトとを含む。折り畳み式の装置は、中央制御片と一対のボルトとを連結する弾性ばね要素を含み、同時に、ばね要素は、静止位置では、ボルトの係合及び留め位置にボルトを維持し、ボルトの解放位置では、ばね要素は、弾性要素の抵抗に抗して解放位置に向かってボルトを引っ張る。
【0005】
米国特許第8,511,506号では、プラスチック製のヒンジ付きサイド部分を備えた輸送用ケース1が提供されており、それによってヒンジ付きサイド部分の高さはセンチメートル超であるか、又は輸送用ケースの許容荷重は16キログラム超であり、ヒンジ付きサイド部分に小窓型の中空補強ストリップが存在する。液体の注入によって形成された補強ストリップは、10マイクロメートル未満の表面粗さを有する。
【0006】
米国特許第9,016,492号は、底部、2つの端壁、及び2つの側壁を含むクレートを開示している。端壁と側壁は底部に対して折り畳み可能に構成されている。端壁及び側壁は、端壁及び側壁が展開状態にあるときにラッチを形成するために互いに係合するそれぞれのラッチ要素を備える。ラッチ解除機構がそれぞれの端壁又はそれぞれの側壁に設けられており、ラッチ解除機構及び/又はそれぞれの壁のラッチ要素は、ラッチを解除するために少なくとも部分的にクレートの上縁の上方に延びるように移動可能に構成されている。
【0007】
米国特許第9,540,138号は、プラスチック製の折り畳み可能な保管・輸送コンテナに関するもので、このコンテナは底部と、底部上に関節状に配置された4つの折り畳み可能な側壁とを備えている。2つの対向する第1の側壁は、他の2つの対向する第2の側壁と着脱可能に係合することができる。コンテナはまた、カバーと、カバーをコンテナに対して固定式にシールする手段とを備える。底部フレームと底板とによって形成される底部は、各フレームサイドに沿って少なくとも2つの内側に開口し外側に閉じた凹部を備え、前記凹部は、底部フレームのフレームサイドに平行に延びる横方向ボアホールを有する。前記凹部は、側壁の下縁に平行に延びるラグを備えた第1及び第2の側壁に形成された成形部品を受け入れるために使用される。前記ラグは、凹部の横方向ボアホールに挿入することができ、底部と側壁との間にヒンジ式接続部を形成するようにその中で回転させることができる。カバーは、カバーヒンジによってコンテナの対向する側壁に接続された2つのカバー半部によって形成される。
【発明の概要】
【0008】
本開示によれば、ベース部材、その底縁に沿ってベース部材の前縁に回動可能に関節連結された前壁、その底縁に沿ってベース部材の後縁に回動可能に関節連結された後壁と、その底縁に沿ってベース部材の第1の側縁に回動可能に関節連結された第1の側壁、及びその底縁に沿ってベース部材の第2の側縁に回動可能に関節連結された第2の側壁と、側壁のそれぞれの上部に配置され、側壁の係合側縁及び前壁及び後壁の隣接する側縁をそれぞれ拘束するように構成されたロック機構とを備えた折り畳み可能なクレートであって、4つの壁が立った状態で配置される直立位置と、4つの壁がベース部材上に平行に配置される折り畳み位置との間で構成可能である、折り畳み可能なクレートが提供される。
【0009】
本開示の一実施形態によれば、ベース部材、その底縁に沿ってベース部材の第1の側縁に回動可能に関節連結された第1の側壁、及び第1の側壁に対向し、その底縁に沿ってベース部材の第2の側縁に回動可能に関節連結された第2の側壁と、ベース部材の前縁に延びる隆起した前部セグメントの上縁に対してその底縁に沿って回動可能に関節連結された前壁、及び前壁に対向し、ベース部材の後縁に延びる隆起した後部セグメントの上縁に対してその底縁に沿って回動可能に関節連結された後壁と、側壁のそれぞれの上部に配置され、側壁の係合側縁と、前壁及び後壁の隣接する側縁とをそれぞれ拘束するように構成されたロック機構とを備えた折り畳み可能なクレートであって、4つの壁が立った状態で配置される直立位置と、4つの壁がベース部材上に平行に配置される折り畳み位置との間で構成可能である折り畳み可能なクレートが提供される。
【0010】
「側壁」、「前壁」及び「後壁」という用語は、単に便宜的に使用されているに過ぎず、側壁はそれぞれ前壁及び後壁を構成することができ、変更すべきところは変更して、その逆もまた同様であることが理解される。
【0011】
本開示の特定の構成によれば、ロック機構は、その長手方向軸に沿って回動可能にロッキングバーを備え、ロッキングバーは、側壁の頂部を横切って配置されたロッキングバー受入れ溝内に延び、ロッキングバーは、各端部に、側壁の側縁部分を越えて延びる半径方向に突出するロッキングタブと、ロック位置とロック解除位置との間で、その長手方向軸を中心にロッキングバーを回動可能に操作するためのロッキングバー操作部分とを備え、
前壁及び後壁のそれぞれは、ロッキングタブ経路とロッキングタブ妨害配置とを有するように構成されたロッキングタブ拘束部分を頂部側縁部分に備え、直立位置において、ロッキングタブ経路の開口部がロッキングタブに対向して延び、
ロック位置において、ロッキングタブは妨害され、ロッキングタブ経路の開口部を通って変位することを阻止され、ロック解除位置において、ロッキングタブは、ロッキングタブ経路の開口部を通って自由に変位する。
【0012】
以下の特徴、設計及び構成のいずれか1つ又は複数を、別個に、又はそれらの様々な組み合わせで、本開示の態様及び実施形態のいずれか1つ又は複数に適用することができる:
- 側壁が等しい高さであり、前壁が後壁よりも短く、しかしながら、直立位置において、4つの壁は同じ高さまで延び、等しく水平にされた、同一の広がりを持つ連続的な上縁を有する;
- 直立位置において、側壁及び前壁及び後壁の上縁が同一の広がりを持つ;
- 直立位置において、側壁が後壁と前壁の間に配置される;
- 隆起した後部セグメントが隆起した前部セグメントより高い可能性がある;
- ベース部材の厚さ+側壁の厚さ+後壁の厚さ+前壁の厚さが、隆起した後部セグメントの高さに等しい可能性がある;
- ベース部材の厚さ+側壁の厚さ+前壁の厚さが、隆起した前部セグメントの高さに等しい可能性がある;
- 隆起した前部セグメントが、隆起した後部セグメントと同じ高さを有する可能性があり、その際、前壁の高さ+後壁の高さは、側壁の幅と等しいか、又はそれ未満である;
- 折り畳み位置において、第1の側壁及び第2の側壁が、ベース部材上に同一平面上に配置され得る;
- 折り畳み位置において、後壁と前壁が各他方を重ね合わせ、側壁を重ね合わせることができる;
- 折り畳み位置において、後壁と前壁を側壁の上に同一平面上に配置することができ、この際、前壁の高さ+後壁の高さは側壁の幅と等しいか、又はそれ未満である;
- 前部側壁が後部側壁よりも短く、隆起した前部セグメントが隆起した後部セグメントよりも長い;
- 前部側壁の高さ+隆起した前部セグメントの高さが、後壁の高さ+隆起した後部セグメントの高さに等しい;
- クレートが長方形の形状を有することができる;
- クレートが成形プラスチック材料で作ることができる;
- クレートの幅が、側壁の高さの2倍に等しいか、又はそれを超える可能性がある;
- クレートが、直立位置及び折り畳み位置において、同様のクレートの上に積み重ねることができる;
- キャリングハンドルが、少なくとも一対の対向する壁の頂部に配置することができる;
- 前壁及び後壁の側縁が、長手方向リップを有するように構成されることができ、それにより、直立位置において、長手方向リップは、隣接する側壁の隣接する側縁の上に重なる;
- ロッキングタブの断面が、第1の軸と、前記第1の軸と交差する第2の軸とを有し、第1の軸は第2の軸よりも長く、ロック位置において、前記第2の軸がロッキングタブ経路の開口部に面し(すなわち、ロッキングタブ経路に沿う)、ロック解除位置において、前記第2の軸がロッキングタブ経路の開口部に面する;
- 第1の軸が前記第2の軸に対して約90°に配置される;
- ロッキングバーの操作部分が、バーから横方向に延び、側壁の外面の外側に配置されたハンドル状部分である;
- ロック位置において、前記ハンドル状部分が、側壁の外面に対して実質的に同じ高さに延びる;
- 前記ハンドル状部分が、グリップ部分を有するように構成されることができ、ロック位置において、前記グリップ部分は、クレートのキャリングハンドル開口部内に延びる;
- ロック位置において、ロッキングバーが拘束され、それによってロック位置からの意図しない変位を防止することができる;
- ロッキングバーが、スナップ・ロック構成によってロック位置で拘束されることができる;
- スナップ・ロック構成が、ハンドル状部分とクレートのキャリングハンドル開口部との間に構成されることができる;
- ロック解除位置において、前記ハンドル状部分が側壁の外面から横方向に突出する;
- ロッキングタブ妨害配置が、ロッキングタブ経路に突出する少なくとも1つのロッキングタブ妨害部材を備える;
- ロッキングタブ妨害配置が、互いに対向する第1のロッキングタブ妨害部材と第2のロッキングタブ妨害部材とを備える;
- ロッキングタブ経路への入口が、ロッキングタブのロッキングタブ拘束部分への円滑な変位を促すために、1つ又は複数の滑動面を有するように構成されることができる;
- ロッキングバーの直径が、ロッキングタブ経路の開口部の幅より小さい可能性がある;
- ロッキングタブの幅が、ロッキングバーの直径と同様か、又はそれより小さい可能性がある;
- 第1の軸に沿ったロッキングタブの長さが、拘束部分の高さよりも大きい可能性がある;
- ロッキングバーは部分的に、丸みを帯びた断面で構成されることができる;
- ロッキングバーが、側壁の頂部のロッキングバー受入れ溝内にスナップ式に受け入れられることができる;
- ロック位置において、ロッキングバーの操作部分がキャリングハンドルの一部と同化することができ、それによってクレートの持ち運びを容易にする;
- ロッキングバーが、側壁を隣接する後壁及び前壁と同時にロックするように構成される;
- 相互接続配置が、2つの側壁の側縁と、後壁及び前壁のそれぞれの隣接する側縁との間に構成されることができる。
- 相互接続配置が、側壁の縁部からの複数の横L字形突出部であることができ、複数の横L字形突出部は外側を向き、それぞれの側壁を直立位置に変位させると、後壁/前壁の側縁に沿って配置されたそれぞれの開口部内に拘束されるように構成される;
- 後壁及び前壁の側縁が、長手方向の横方向に突出する縁部を有するように構成されることができ、直立位置において、前記縁部は、隣接する側壁の縁部にもたれる。
【0013】
本明細書で開示される主題をより良く理解し、それが実際にどのように実施され得るかを例示するために、実施形態を、非限定的な例としてのみ、添付の図面を参照して記載する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本開示の一例によるクレートの直立位置における斜視図である。
【
図2C】
図2Aの線2C-2Cに沿った局所的な断面であり、直立位置における第1の側壁のヒンジ結合を示す。
【
図2D】
図2Aの線2D-2Dに沿った局所的な断面であり、直立位置における後壁のヒンジ結合を示す。
【
図2E】
図2Cと同じ局所的な断面であるが、折り畳み位置での図である。
【
図2F】
図2Dと同じ局所的な断面であるが、折り畳み位置での図である。
【
図3】
図2Aの3と記された部分の拡大図であり、明確にするためにクレートの後壁が除去されている。
【
図4A】
図1のクレートの左側面斜視図であるが、前壁及び左側壁が除去されている。
【
図4B】後壁の右上コーナーの拡大図であり、本開示の一例によるロッキングタブ拘束部分を示す。
【
図5A-5B】本開示の一例によるロッキングバーのそれぞれ前方(内側)斜視図及び後方(外側)斜視図である。
【
図6A】
図1において6Aと示された部分の拡大外側コーナー図である。
【
図6B】
図4Aの矢印Zの方向における内側コーナー図であり、ロック位置におけるロック機構を示す。
【
図6C】
図6Aの線6C-6Cに沿った断面図であり、ロック位置におけるロック機構を示す。
【
図6E】線6E-6Eに沿った局所的な断面である。
【
図7A-7B】それぞれ
図6B及び6Cに対応するが、ロック解除位置にあるロック機構を示す。
【
図8A】前壁及び後壁が取り除かれ、ロッキングバーがロック解除位置にある、
図1のクレートの右側部分を示す。
【
図8B】
図8Aの線8B-8Bに沿った断面であり、クレートのベース部材が取り除かれている。
【
図9A】完全に折り畳まれた位置にある
図1のクレートを示す。
【
図10】
図10A-10C。ロック位置とロック解除位置との間でロッキングバーを変位させることを示す連続するステップである。
【
図11】
図11A-11F。本開示によるクレートを折り畳むことを示す連続するステップである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
最初に、本開示の一例による折り畳み可能なクレート(一般に10で表される)に向けられた
図1~4Aに注目されたい。クレート10は長方形の形状を有し、その構成要素は成形プラスチック材料で作られている。
【0016】
クレート10はベース部材12を備え、ベース部材12に連結され、直立位置でベース部材12から上方に延びる4つの側壁、すなわち、第1(右)側壁14、第2(左)側壁16、後壁18及び前壁20を備える。
【0017】
ベース部材12の後縁で一体的に延びる、高さSbの隆起した後部セグメント24があり、ベース部材12の前縁で一体的に延びる、隆起した前部セグメント26があり、後述するように、隆起した後部セグメント24は、高さSfの隆起した前部セグメント26よりも高い(Sb>Sf)。
【0018】
図2C及び2Eに最もよく見られるように、側壁14、16は、側壁14、16の底縁と一体的なヒンジ部分28、及びベース部材12の側縁と一体的なヒンジ部分30を介して、ベース部材12の側縁に沿ってベース部材12と回動可能に関節連結されており、したがって、他のヒンジ配置も可能であるが(図示せず)、アクスルタイプのヒンジは省略されている。同様に、
図2D及び2Fに最もよく見られるように、後壁18は、後壁の下縁と一体化したヒンジ部分34、及び隆起した後部セグメント24の側縁と一体化したヒンジ部分35を介して、隆起した後部セグメント24の上縁に沿って回動可能に関節連結されている。前壁20(
図9Aに最もよく見られる)は、ヒンジ部分36を介して、隆起した後部セグメント26の上縁に沿って回動可能に関節連結されている。包含ヒンジ部分28及び34は開いており、それによってそれぞれの壁14、16、18及び20はベース部材12から取り外すことができる。
【0019】
図2D及び2Fにさらに見られるように、後壁18及び前壁20のヒンジ配置は、直立位置において、後/前壁18、20の底部の、外側に面する逆L字形部分40が、隆起した後部セグメント24から延びる立った状態の肩部分42にもたれるようになっている。この配置は、壁18、20を立った位置で支持し、90°を超えるそれらの回動変位を防止する。
【0020】
側壁14と16は等しい長さであり、前壁20は後壁18より短く、しかしながら、直立位置で4つの壁は同じ高さまで延び、等しく水平で、同一の広がりを持ち、連続する上縁19を有することに留意されたい。したがって、
図2Bに見られるように、後壁18の高さh
bと前壁20の高さh
fとの間の高さの差は、隆起した後部セグメント24の高さS
bと隆起した前部セグメント26の高さS
fとの間の差に等しい(h
b-h
f=S
b-S
f)。
【0021】
4つの壁のそれぞれには開口部33が形成され、クレートを運ぶためのキャリングハンドルとして機能する。
【0022】
次に、2つの側壁14及び16の側縁45と、後壁18及び前壁20のそれぞれの隣接する側縁47との間の相互接続配置を示す
図6A、6D、6E及び8Aに注目されたい。したがって、側縁45は、外側を向いた横L字形の突起48を有し、この突起は、後述するように、それぞれの側壁を直立位置に変位させると、側縁47に沿って配置されたそれぞれの開口部50内に拘束されるように構成されている。
【0023】
同様に記載されるように(
図6A、6C~6E及び7Bで最良に)、後壁18及び前壁20の側縁47は、長手方向に横方向に突出する縁部54を備えて構成され、直立位置において、前記縁部54は、隣接する側壁の縁部部分45にもたれる。
【0024】
本明細書で上述したように、4つの壁14、16、18及び20は、ベース部材12のそれぞれの部分に回動可能に関節連結されており、前記壁は、直立位置(
図1~4A及び10A~10C)と、完全に折り畳まれた位置(
図9A~9E及び11F)との間で変位可能である。
【0025】
クレート10を直立した安定位置に保持するために、ロック機構が設けられ、ロック機構は、側壁の係合側縁と、前壁及び後壁の隣接する側縁とをそれぞれ拘束するように構成されている。したがって、側壁14及び16のそれぞれの頂部を横切って配置されたロッキングバー受入れ溝65内にスナップ式に受け入れられる円筒部分67を備えるロッキングバー60(
図5A及び5Bに分離して見られる)が提供される。ロッキングバー60は、その各端部において、側壁14、16の側縁部分45を越えて延びる、半径方向に突出するロッキングタブ66と、ロック位置とロック解除位置との間で、ロッキングバーをその長手方向軸回りに回転可能に操作するためのハンドル形状のロッキングバー操作部分68とを備える。ロッキングタブ66は、第1の軸X
1と、前記第1の軸X
1と交差する第2の軸X
2(
図5A、5B、6C及び7B)とを有し、第1の軸は第2の軸よりも長い(X
1>X
2)。ロッキングバー60は、後述するように、ロック位置とロック解除位置との間で少なくとも90°にわたり長手方向軸上で回転可能である。
【0026】
後壁18及び前壁20のそれぞれの頂部側縁部分47には、それぞれ、ロッキングタブ経路(矢印72に沿う)と、ロッキングタブ拘束部分70へのロッキングタブ66の円滑な変位を容易にするための滑動面82を有するロッキングタブ妨害配置、すなわち上壁妨害部76及び底部隆起部78とを有するように構成されたロッキングタブ拘束部分70が設けられている。妨害部材76と78との間のロッキングタブ経路における距離Dは、X2の長さよりも大きいが、軸X1の長さよりも小さい(X2>D>X1)。
【0027】
この配置は、直立位置において、ロッキングタブ経路72の開口部がロッキングタブ66に対向して延び、ロック解除位置(
図7A及び7B)において、ロッキングタブ66が水平に配置され、すなわち、第1の軸X
1が水平に配置され、ロッキングタブ66が開口部を通ってロッキングタブ拘束部分70内にロッキング経路72に沿って自由に変位するようなものである。しかしながら、ロック位置(
図6B及び6C)では、ロッキングタブ66の前記第1の軸X
1は、ロッキングタブ経路72と交差し、一旦ロッキングタブ拘束部分70内に受け入れられると、ロッキングタブ66は、妨害部材76及び78によって妨害されるため、変位が阻止される。
【0028】
さらに、ロッキングバー60は、ロッキングバー60の明確な変位のために側壁の対応する隆起部によってスナップ式に拘束可能な、隆起部83、85(操作ハンドル部分68における)及び87を備えるスナップ・ロック構成によってロック位置で拘束することができ、隆起部85は、ロック位置でロッキングバー60を拘束するために、そのリップ89(
図3)によって開口部33(キャリングハンドル)内に拘束される。注目すべきことに、ロック位置では、ロッキングバー60の操作ハンドル部分68は側壁の開口部33内に同化し、クレートが変位したときにキャリングハンドルの一部を構成するようになっている。
【0029】
図9A~9Eは、折り畳み位置における本開示によるクレート10を示し、ここで、第1の側壁14及び第2の側壁16はベース部材12の上面13を覆って同一平面上に且つ同じ高さに配置され、前壁20は側壁14及び16を覆って平坦且つ同じ高さに静止し、後壁18は前壁20の一部を覆って平坦且つ同じ高さに静止し、壁14、16、18及び20並びにベース12は部分的に配置される。
【0030】
しかしながら、前壁の高さ+後壁の高さが、前壁よりも側壁(図示せず)の幅と等しいか、又はそれ未満である場合、後壁は、折り畳み位置において、側壁14及び16の上に同一平面上に延びることができる。
【0031】
ベース部材12の厚さ+側壁14、16の厚さ+後壁18の厚さ+前壁20の厚さは、隆起した後部セグメント24の高さSbに等しく、ベース部材12の厚さ+側壁14、16の厚さ+前壁20の厚さは、隆起した前部セグメント26の高さSfに等しいことが分かる。
【0032】
図10A~11Fは、本開示のクレート10を直立させる/折り畳むための連続したステップを例示する。例えば、クレート10がその直立したロック位置(
図10A及び11A)にあるとすると、第1のステップは、ロッキングバー操作部分68を矢印90の方向(
図10B及び10C)に外側に回動/旋回変位させ、スナップ用隆起部78を乗り越えることによってロック機構をロック解除することである。そうすることにより、ロッキングタブ66はロック解除位置(
図7A及び7B)に変位し、側壁14及び16がベース部材12上で同一平面上に同じ高さに静止するまで(
図11D)、矢印94の方向(
図11B~11C)に互いに向かって折り畳まれるのを容易にする。次に、前壁20が、側壁14及び16の上に同じ高さに静止するまで矢印96の方向(
図11E)に回動可能に折り畳まれ、続いて、後壁18が、前壁20の上に同じ高さに静止するまで矢印98の方向(
図11E)に回動可能に折り畳まれ(
図11F)、ここでクレートは平らでコンパクトな位置をとる(
図11F)。
【0033】
クレート10を直立させることは逆の操作順序で行われる。
【国際調査報告】