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特表2025-500261高振幅圧力波の導入に基づく洗浄装置用の取付け装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-09
(54)【発明の名称】高振幅圧力波の導入に基づく洗浄装置用の取付け装置
(51)【国際特許分類】
   F23J 3/00 20060101AFI20241226BHJP
   F22B 37/56 20060101ALI20241226BHJP
   F28G 7/00 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
F23J3/00 Z
F22B37/56 B
F28G7/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024536096
(86)(22)【出願日】2022-12-15
(85)【翻訳文提出日】2024-08-19
(86)【国際出願番号】 EP2022086186
(87)【国際公開番号】W WO2023111195
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】21215632.7
(32)【優先日】2021-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520374818
【氏名又は名称】エクスプロ エンジニアリング アーゲー
(71)【出願人】
【識別番号】520375697
【氏名又は名称】マーティン ゲーエムベーハー フュア ウンベルト-ウント エネギーテクニーク
(71)【出願人】
【識別番号】520374830
【氏名又は名称】ヒタチ ゾウセン イノヴァ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハンガートナー,マルク ペーター
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー,ポール
(72)【発明者】
【氏名】イゼリ,マルコ ダニエル
【テーマコード(参考)】
3K261
【Fターム(参考)】
3K261GA12
3K261GA17
(57)【要約】
ボイラ壁(20)の開口を介して洗浄されるべきボイラ内に中空ノズル(19)を介して圧力波を導入することによる洗浄装置用の取付け装置が、ハウジングボディ(10)を有しており、ハウジングボディ(10)は、ボイラ側の取付けフランジ(30,32)を用いてボイラ壁(20)に取付け可能であり、中空ノズル(19)は、ボイラ壁(20)の開口と同心状であり且つボイラ軸線に対して直交している。中空ノズル(19)の長手方向において、中空ノズル(19)の周りに等角度間隔で減衰ユニット(50)が配置されており、それぞれ一方の自由端部でボイラ側の取付けフランジに取り付けられ、且つそれぞれ他方の自由端部でハウジングボディ(10)に取り付けられている。圧力波がトリガされると、ハウジングボディ(10)は、弾性的に保持された状態で長手方向においてボイラから離れ、初期位置に戻される。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボイラ壁(20)の開口を介して洗浄されるべきボイラ内に中空円筒ノズル(19)を介して高振幅圧力波を導入することに基づく洗浄装置用の取付け装置であって、
前記洗浄装置のハウジングボディ(10)は、取付けフランジ(30,32)を用いて前記ボイラ壁(20)に取付け可能であり、
有利には、前記洗浄装置の前記中空円筒ノズル(19)の長手方向は、前記ボイラ壁(20)の開口と同心状であり且つボイラ軸線に対して直交しており、
前記洗浄装置内で前記高振幅圧力波がトリガされると、前記洗浄装置の前記ハウジングボディ(10)は、弾性的に保持された状態で前記長手方向において前記ボイラから離れ、出発位置に戻されるように、前記洗浄装置の前記中空円筒ノズル(19)の長手方向軸線の周りに等角度間隔で配置され、それぞれ一方の自由端部でボイラ側の前記取付けフランジ(30,32,40)に取り付けられ、それぞれ他方の自由端部で前記ハウジングボディ(10)に取り付けられた、一連の減衰ユニット(50;150,156;250;350)が設けられていることを特徴とする、取付け装置。
【請求項2】
前記減衰ユニット(50;250)は、流体圧ダンパを含むことを特徴とする、請求項1記載の取付け装置。
【請求項3】
前記減衰ユニット(50)はそれぞれ、空圧式又は液圧式に制御可能な減衰シリンダと、前記減衰シリンダから伸長可能なピストン(51)とを有していることを特徴とする、請求項1又は2記載の取付け装置。
【請求項4】
前記減衰ユニットはそれぞれ、長手方向に連続して配置された2つの引張/圧縮ばね(150,156)又は長手方向に連続して配置された2つのグループの複数の環状エラストマー(350)を有しており、
前記引張/圧縮ばね(150,156)又は前記環状エラストマー(350)は、前記ボイラ側の取付けフランジ(30,32,40)と中間プレート(151)との間又は前記中間プレート(151)と減衰プレート(152)との間に挿入されており、
前記ハウジングボディ(10)は、第1の長手方向ロッド(155)により前記中間プレート(151)に固く取り付けられており、
前記減衰プレート(152)は、第2の長手方向ロッド(154)により前記ボイラ側の取付けフランジ(30,32,40)に固く取り付けられており、
前記引張/圧縮ばね(150,156)の場合には、前記減衰プレート(152)と前記中間プレート(151)との間に追加的な流体圧ダンパ(250)が、前記中空円筒ノズル(19)の周りに長手方向に設けられていることを特徴とする、請求項1記載の取付け装置。
【請求項5】
前記長手方向に一列に配置された、各前記減衰ユニットの前記2つの引張/圧縮ばね(150,156)又は前記環状エラストマー(350)のグループは、
前記第2の長手方向ロッド(154)のうちの1つの第2の長手方向ロッド(154)の周囲に配置され、且つ前記中間プレート(151)に直接に支持されているか、又は前記引張/圧縮ばね(150,156)又は前記環状エラストマー(350)のグループに面した中間プレート(151)上のブッシュ(157,352)に支持されており、
関連する前記第2の長手方向ロッド(154)は、前記中間プレート(151)の開口部を通ってガイドされていることを特徴とする、請求項4記載の取付け装置。
【請求項6】
前記ボイラ側の取付けフランジ(40)は、クロージャハウジング(60,60’)の一部であり、前記クロージャハウジング(60,60’)は、ボイラ壁フランジ(30)を有しており、前記ボイラ壁フランジ(30)は、前記取付けフランジ(32)とは反対側の長手方向端部において前記ボイラに取り付けることができることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項記載の取付け装置。
【請求項7】
前記クロージャハウジング(60,60’)は、案内管(38)を有しており、前記案内管(38)内には、前記中空円筒ノズル(19)が自由に案内されていることを特徴とする、請求項6記載の取付け装置。
【請求項8】
前記案内管(38)は、二重壁式で内部キャビティを備えており、前記内部キャビティは、前記案内管(38)内への供給点から、前記ボイラから離れる方向に向かって前記案内管(38)の前縁(39)までらせん状に設けられており、前記内部キャビティには、前記クロージャハウジング(60)の外側に配置された流体源から冷却流体を供給することができ、前記案内管(38)の、前記ボイラ壁の方に向いた壁又は前記前縁(39)は、前記冷却流体の出口用の開口を有していることを特徴とする、請求項7記載の取付け装置。
【請求項9】
前記案内管(38)は、前記ボイラ壁フランジ(30)に対して前記中空円筒ノズル(19)の前記長手方向に可動であり、前記案内管(38)は、後方の待機位置において、前記ボイラ壁(20)に設けられた開口(22)から少なくとも部分的に後退可能であることを特徴とする、請求項8記載の取付け装置。
【請求項10】
前記クロージャハウジング(60,60’)の内部に、2~4つのクロージャ翼(81)から成るクロージャフラップ(80)が設けられており、前記クロージャ翼(81)はそれぞれ、前記長手方向軸線に対して直交する接線方向に配置された支持軸(84)を中心として旋回可能であり、これにより、前記中空円筒ノズル(19)が前記クロージャハウジング(60,60’)の前縁を通って前進させられると、前記クロージャハウジング(60,60’)の内壁の方に旋回することにより開かれることを特徴とする、請求項6~9のいずれか1項記載の取付け装置。
【請求項11】
前記クロージャ翼(81)は、二重壁式で内部キャビティを備えており、前記内部キャビティには、前記クロージャハウジング(60,60’)の外側に配置された流体源から冷却流体を供給することができ、前記ボイラ壁の方に向いた前記クロージャ翼(81)の壁は、前記冷却流体の出口用の開口を有していることを特徴とする、請求項10記載の取付け装置。
【請求項12】
前記ハウジングボディ(10)の上方に配置された旋回軸(13)を有しており、前記旋回軸(13)は、前記中空円筒ノズル(19)の前記長手方向軸線に対して直交するように位置調整されており、且つ前記旋回軸(13)において、前記ハウジングボディ(10)は振り子アーム(11)を介して吊り下げられていることを特徴とする、請求項1~11のいずれか1項記載の取付け装置。
【請求項13】
前記旋回軸(13)は、前記中空円筒ノズル(19)の上方に設けられた滑車用成形材において、前記中空円筒ノズル(19)の前記長手方向に変位可能な滑車(16)に取り付けられていることを特徴とする、請求項12記載の取付け装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボイラ壁の開口を介して洗浄されるべきボイラ内に、中空円筒ノズルを介して高振幅圧力波を導入することに基づく洗浄装置用の取付け装置に関し、洗浄装置のハウジングボディは、ボイラ側の取付けフランジを用いてボイラ壁に取付け可能であり、有利には、中空円筒ノズルの長手方向は、ボイラ壁の開口と同心状であり且つボイラ軸線に対して直交している。
【背景技術】
【0002】
特にボイラ洗浄のために高振幅圧力波を発生させる洗浄装置及び洗浄方法は、特許文献1から公知である。相応する装置は、燃焼室内で発生させられたガス圧を導いて放出するための放出開口を有している。この開口は、通常、洗浄されるべきボイラ壁を貫通して案内される中空シリンダである。洗浄のために、ボイラが作動していないときに、前述の高振幅圧力波が装置内で発生させられて、ボイラ容積部内に導入される。
【0003】
ボイラ洗浄装置の作動中に、爆発の衝撃が装置の長手方向軸線に沿った力を誘発し、これにより、装置をボイラ壁に取り付けるために使用される、洗浄装置のこの取付け部が損傷させられる恐れがある。
【0004】
この問題を克服するために、爆発性のガスを放出するための中空シリンダには、前述の装置を取り付けるためのフランジを設けることができる。この場合、この結合部に、相応する引張力と剪断力とが作用する。この場合には、それ自体ボイラ壁に取り付けられた中空シリンダに対する荷重に加え、この装置を、異なる吐出ガス体積に合わせて簡単には調整することができないという別の欠点がある。システムは、通常、異なる直径の中空シリンダを使用することによりスケーリングされるため、この場合、システムを、相応する追加的なフランジを備えた中空シリンダの、相応により大きな直径又はより小さな直径に適合させる必要がある。
【0005】
しかしながら、ほとんどの時間において、ボイラはその作動機能状態にあり、ボイラ洗浄装置は、そのアイドル機能状態にある。このことの欠点は、腐食性ガスが、ボイラから中空シリンダを通り放出開口へ、ひいてはピストンの弁座へ流れる恐れがある、という点にある。これらのガスは、ボイラ洗浄に有利な急速な増圧が弁座の質の低下により損なわれるほどに、気密性を損なう恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2019/185736号
【発明の概要】
【0007】
この背景技術に基づき本発明の課題は、ボイラに対するボイラ洗浄システムのアタッチメントに、より小さな力とトルクとが作用する装置を提供することにある。本発明の別の目的は、ボイラ洗浄システムを異なる要求に簡単に適合させることができるように、アタッチメントを改良することにある。
【0008】
洗浄装置用の取付け装置に関するこの課題は、洗浄装置内で前記高振幅圧力波がトリガ(誘発)されると、ハウジングボディは弾性的に保持された状態で長手方向においてボイラから離れ、出発位置に戻されるように、中空円筒ノズルの長手方向軸線の周りに等角度間隔で配置され、それぞれ一方の自由端部でボイラ側の取付けフランジに取り付けられ、それぞれ他方の自由端部でハウジングボディに取り付けられた、一連の減衰ユニットが設けられた本発明により、解決される。
【0009】
同時に、メンテナンスが、システムを完全に分解する必要なしに実施され得ることが有利な場合がある。最後に、本願の別の目的は、腐食性ガスが、ボイラから中空シリンダを通り放出開口へ、ひいてはピストンの弁座へ流れることを防止することにある。
【0010】
有利には、各減衰ユニットは、空圧式又は液圧式に制御可能な減衰シリンダと、この減衰シリンダから伸張可能なピストンとを有していてよく、その結果、特に上方で滑車に吊り下げられて後退可能である場合に洗浄装置を後退させることができる後退ユニットが得られる。
【0011】
減衰ユニットは、好ましくは洗浄装置の管を中心として回転対称の流体圧ダンパを含む。減衰ユニットの流体圧ダンパは、長手方向に一列に配置された2つの引張/圧縮ばねを有していてもよく、これらの引張/圧縮ばねは、ボイラ側の取付けフランジと減衰プレートとの間又は中間プレートと減衰プレートとの間に挿入されており、ハウジングボディは、第1の長手方向ロッドにより中間プレートに固定的に取り付けられており、減衰プレートは、第2の長手方向ロッドによりボイラ側の取付けフランジに固定的に取り付けられており、減衰プレートと中間プレートとの間には、追加的な流体圧ダンパが中空円筒ノズルの周りに長手方向に設けられている。
【0012】
この場合、有利には、長手方向に一列に配置された、各減衰ユニットの2つの引張/圧縮ばねが、第2の長手方向ロッドのうちの1つの第2の長手方向ロッドの周囲に配置され得ると共に、中間プレートに直接に、又は引張/圧縮ばねに面した中間プレート上のブッシュに支持され得る一方で、関連する第2の長手方向ロッドは、中間プレートの開口部を通ってガイドされている。特に、ばねは、待機位置において予荷重を加えられた圧縮ばねである。
【0013】
減衰ユニットの別の有利な実施形態では、引張/圧縮ばねの代わりに、これらは一列に配置された環状又はタイヤ形のエラストマーから成り、各エラストマーが、第2の長手方向ロッドのうちの1つの第2の長手方向ロッドの周囲に配置され、且つ中間プレートに直接に支持されているか、又はこの中間プレート上のすぐ隣のエラストマーに面したブッシュに支持されているのに対して、関連する第2の長手方向ロッドは、中間プレートに設けられた開口を貫通している。特に、エラストマーはコポリエステルエラストマーであってよい。各エラストマーの間に1つおきにスペーサ、特に金属板がワッシャとして設けられていてよく、第2の長手方向ロッドは、中空の半径方向案内管により取り囲まれていてよく、中空の半径方向案内管にはエラストマーの内縁(=長手方向対称軸線の方に内側に向いた、円環面の内側の連続開口)が当接しており、これにより、これらのエラストマーは、それらの長手方向軸線の周りにわずかな遊びのみをもって設けられている。
【0014】
ボイラ側の取付けフランジは、一体型又は複合型のクロージャハウジングの一部であってよく、クロージャハウジングは、ボイラ壁フランジを有しており、ボイラ壁フランジは、取付けフランジとは反対の側の長手方向端部においてボイラに取り付けられてよい。
【0015】
クロージャハウジングは、案内管を有していてよく、案内管内には、中空円筒ノズルが別個に後退することができるように、自由に案内されている。
【0016】
案内管とノズルとを保護するための冷却は、取付け装置において、案内管が二重壁式で内部キャビティを備えており、内部キャビティは、案内管内への供給点から、ボイラから離れる方向に向かって案内管の前縁までらせん形に設けられており、内部キャビティには、クロージャハウジングの外側に配置された流体源から冷却流体を供給することができ、ボイラ壁の方に向いた案内管の壁又は前縁は、冷却流体の出口用の開口を有していることにより、実現され得る。したがって案内管は、パルス、すなわち連続的な洗浄パルスが発生した場合に、ボイラ壁の貫通開口を保護する。
【0017】
有利には、ボイラ側の取付けフランジは、ボイラ壁フランジに対して相対的に、中空円筒ノズルの長手方向に前後に可動であり、これにより、案内管を後方の待機位置において、ボイラ壁に設けられた開口から少なくとも部分的に引き出すことができる。結果として、ボイラガスは、案内管に部分的にしか作用し得ない。
【0018】
ノズルを保護し、且つ洗浄装置を取付け装置から切り離すことによりメンテナンスを簡単にするために、クロージャハウジングの内部には2~4つのクロージャ翼から成るクロージャフラップが設けられていてよく、クロージャ翼はそれぞれ、長手方向軸線に対して直交する接線方向に配置された支持軸を中心として旋回可能であり、これにより、ノズルの前縁を通って中空の円筒ノズルが前方に押圧されると、クロージャハウジングの内壁の方に旋回することにより開かれる。これらのフラップは長手方向において、能動的に冷却される案内管がフラップの前に、且つ長手方向においてフラップとボイラ壁との間に配置されるように、配置されている。
【0019】
クロージャ翼は、二重壁式で内部キャビティを備えており、これにより、内部キャビティには、クロージャハウジングの外側に配置された流体源から冷却流体を供給することができるようになっており、ボイラ壁に面したクロージャ翼の壁は、冷却流体のための出口用の開口を有しており、これにより、クロージャ翼自体も、ボイラ内の温度及び刺激性媒体から保護され得る。
【0020】
旋回軸が、取付け装置用のハウジングボディの上方に配置されており、旋回軸は、洗浄装置の中空円筒ノズルの長手方向軸線に対して直交するように位置調整されており、且つ旋回軸において、ハウジングボディが振り子アームを介して吊り下げられている場合には、洗浄装置の反動を簡単に吸収することができ、この場合の振り子運動は、より大きな戻り運動と、極小さな高さ方向の変位とを組み合わせたものである。
【0021】
旋回軸が、中空円筒ノズルの上方に設けられた滑車用成形材において、この中空円筒ノズルの長手方向に可動の滑車に取り付けられている場合には、洗浄装置も簡単に後退させることができ、これは特に、減衰ユニットにおいて能動的な空圧式又は液圧式の持上げシリンダを使用した場合に可能である。
【0022】
その他の実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0023】
以下に、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して説明する。図面は、説明目的のためだけのものであるに過ぎず、限定的に解釈されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】より大きな直径を有する洗浄管を備えた本発明の1つの実施形態によるボイラ洗浄装置の取付け装置を示す概略側面図である。
図2】本発明の1つの別の実施形態によるボイラ洗浄装置の取付け装置を示す概略側面図である。
図3図1に示したボイラ洗浄装置の斜視図である。
図4図1に示したボイラ洗浄装置の側面図である。
図5図2に示した、ただし図1に示した態様よりも小さな直径を有する洗浄管を備えたボイラ洗浄装置の概略側面図である。
図6図5に示したボイラ洗浄装置の斜視図である。
図7図2に示したボイラ洗浄装置の側面の概略部分断面図である。
図8A】アイドル状態、すなわち待機位置にある、図2に示したボイラ洗浄装置の側面の概略部分断面図である。
図8B】洗浄状態、すなわち前進位置にある、図8Aに示したボイラ洗浄装置の側面の概略部分断面図である。
図8C】部分的に分解されたメンテナンス位置、すなわち後退位置にある、図8Aに示したボイラ洗浄装置の側面の概略部分断面図である。
図9図7に示したボイラ洗浄装置の120度セグメントクロージャを示す概略斜視図である。
図10図9に示した120度セグメントクロージャの概略部分断面斜視図である。
図11図10に示した120度セグメントクロージャの1つのセグメントを部分的に透視して示す概略斜視図である。
図12A】上に側面図、左側にクロージャハウジングの領域内の120度セグメントクロージャの平面図、及び右側にボイラから見た平面図が示されており、いずれの場合も120度セグメントクロージャは、待機位置又はメンテナンス位置にある場合と同様に閉じられている。
図12B】上に側面図、左側にクロージャハウジングの領域内の120度セグメントクロージャの平面図、及び右側にボイラから見た平面図が示されており、いずれの場合も120度セグメントクロージャは、待機位置と洗浄位置との間の移行部において部分的に開かれている。
図12C】上に側面図、左側にクロージャハウジングの領域内の120度セグメントクロージャの平面図、及び右側にボイラから見た平面図が示されており、いずれの場合も120度セグメントクロージャは、洗浄位置にある場合と同様に開かれている。
図13】案内管用の通気装置を示す斜視側面図である。
図14図4又は図6に示したような減衰ユニットのアセンブリ群の側面を示す部分断面図である。
図15】減衰ユニット内にエラストマーを備えた1つの別の実施形態例によるボイラ洗浄装置の取付け装置を示す概略斜視図である。
図16図15に示したようなボイラ洗浄装置の側面図である。
図17】長手方向ロッドの周りに任意の案内管を備えたエラストマーのアセンブリ群の部分的な側面を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、本発明の実施形態に係るボイラ洗浄装置の概略側面図であり、当該装置は、ボイラ20に弾性的に取り付けられた衝撃波発生器10を含む。弾性的とは、衝撃波発生器10が、ボイラ壁20に固定的に取り付けられているのではなく、発生させられた衝撃波の長手方向(前後方向)に弾性的に可動であることを意味する。衝撃波発生器10は、この衝撃波発生器10により発生させられた圧力波をボイラ内に導く中空シリンダ19を有している。この中空シリンダ19は、ボイラ接続ピース31に挿入されている。ボイラ接続ピース31は、ボイラ壁フランジ30に接続されており、ボイラ壁フランジ30は、外側からボイラ壁20に配置されており、ボイラ壁20に固く結合されている。ボイラアクセス部は、ボイラ壁20により画定されている。ボイラ接続ピース31は、中空シリンダ19の長手方向においてボイラ壁フランジ30とは反対側に取付けフランジ32を有している。したがって、このボイラ側の取付けフランジ32は、案内管31を介してボイラ壁フランジ30に直接、固定的に結合されている。洗浄装置側の取付けフランジ40は、ボイラ側の取付けフランジ32に固定的に結合されており、洗浄装置側の取付けフランジ40は、周囲に減衰ばねアセンブリ150,156が配置された、ここでは3つの一連の第2の長手方向ロッド又はテンションロッド154を介して衝撃波発生器10を保持している。各減衰ユニット150,156は、長手方向に一列に配置された2つの引張/圧縮ばね150,156を有しており、引張/圧縮ばね150,156は、ボイラ側の取付けフランジと中間プレート151との間、又は中間プレート151と減衰プレート152との間に挿入されている。ばね150,156は、中間プレート151に直接に、又はこの中間プレート151上でばねの端部に面したブッシュ154に支持されているのに対して、関連する第2の長手方向ロッド154は、中間プレート151の開口部を通ってガイドされている。ハウジングボディ10は、第1の長手方向ロッド155により中間プレート151に固定的に取り付けられており、且つ減衰プレート152は、第2の長手方向ロッド154によりボイラ側の取付けフランジに固定的に取り付けられているため、洗浄を行うと、液圧シリンダが圧縮され、その後に復元して反動力の大部分を吸収し、残りはばねアセンブリにより吸収される。
【0026】
3つの減衰ばねアセンブリ150,156は、中空シリンダ19の長手方向の軸線を中心として周方向に120度の角度間隔で配置されている。4つ以上、例えば6つ又は8つのこのようなセットが、好ましくは同じ角度間隔で配置されていてもよい。減衰ばねセット150,156に加えて、流体圧ダンパ250が、中間プレート151と減衰プレートとの間に設けられている。流体圧ダンパ250の数は、3つの減衰ばねセット150,156のそれぞれの間において1つ又は2つ、すなわち、合計3つ又は6つであってよい。4つ、6つ又は8つの減衰ばねアセンブリ150が存在する場合には、可能であれば、同じ数の流体圧ダンパ250が、互いに同じ角度間隔で配置されていてもよい。流体圧ダンパ250は、一般的には、反動エネルギーの50%~90%、通常は75%超~90%、例えば80%~90%を吸収する。流体圧ダンパ250の利点は、ばねアセンブリ150,156の渦巻ばねと比較して、ストローク全体にわたって反動力が均一に分散されることにもある。
【0027】
衝撃波発生器10の圧力波衝撃が、中空シリンダ19の管を通って、ボイラ壁20からボイラ内に長手方向に導かれると、粒体圧ダンパ250がダンパ内の流動力学に基づいて、衝撃波発生器10の反動により伸縮し、それと平行に減衰ばね150,156が伸縮して、衝撃波発生器10がボイラ壁20から長手方向に離れる。
【0028】
有利には、衝撃波発生器10の重量は、保持チェーン11を介して保持レバー12により支持されており、保持レバー12は、水平方向旋回軸13を介して支持フレーム14に取り付けられており、さらに支持フレーム14は、中空シリンダ19の長手方向に滑車16を介して滑車用成形材15に取り付けられて、長手方向に移動可能となるようにされている。保持チェーン11は、衝撃波発生器10の対称軸線又は長手方向軸線(縦軸)がボイラノズル31及びボイラ壁フランジ30の対称軸線又は縦軸に一致するように、すなわち、これらが同軸となるような長さで設けられている。このようにして、圧力波が、ボイラ出口の軸線と同じ軸線を中心として放出されると共に、反動が理想的に吸収される。
【0029】
滑車用成形材15の軸線は、有利には、上述の衝撃波発生器10の長手方向軸線を含む鉛直方向に平行な平面内に配置されている。これにより、中空シリンダ19を備えた衝撃波発生器ユニットを、ボイラノズル31から直接に後方に引っ張ることが可能になる。
【0030】
図2には、本発明のさらなる実施形態に係るボイラ洗浄装置の概略側面図が示されている。図1に示した実施形態と同様に、洗浄管19は、より大きな直径を有している。「より大きな直径」という用語は、図5に示した実施形態との比較と認識される。
【0031】
全ての図において、同一の特徴には同一の参照符号が付されている。図1及び図2に示した2つの装置の間の相違は、特に取付け及び減衰の形式にある。図1に示す設計が、周方向に配置された一連の減衰ばねアセンブリ150,156を有しているのに対して、ここでは3つの減衰シリンダ50が120°の角度間隔で設けられている。これらの減衰シリンダ50は、流体圧ダンパと同じ機能を有している。ばねアセンブリが設けられていない点だけが相違している。図2に示す設計では、図1に示したボイラ側の取付けフランジ32と、ボイラ接続ピース31と、ボイラ壁フランジ30との組合せが、同じ機能を有するクロージャハウジング60により代替されている。別の相違点は、引き続く説明において説明する、バタフライ弁80と作用接続された複数の空気接続部70が、周方向円上に120°間隔で設けられている点にある。シャッタハウジング60の内部は、以下に説明するシャッタ80の120°クロージャ81を有している。
【0032】
洗浄装置側のほぼ三角形の凸状の取付けフランジ40は、その角隅部に3つの減衰シリンダ50の当接部が取り付けられている。減衰シリンダ50の反対側から突出しているピストン51は、ここでは単純なシリンダとして概略的に示されているだけに過ぎない衝撃波発生器10に取り付けられている。換言すると、衝撃波発生器10の重量が、相応するモーメントで取付けフランジ40に作用するようになっている。減衰シリンダ50は、これらの減衰シリンダ50用に設けられた開口と、接続管43用に接続管43上に設けられた中心孔とを備えた支持プレート(図2には図示せず)を介して支持されている、ということも可能である。
【0033】
中空シリンダ19は、接続管43内に挿入されている。衝撃波発生器10の重量を、遊びをもって傾けることにより伝達することもできるが、衝撃波発生器10は、好ましくは管43内に自由に挿入される。ボイラを洗浄するために衝撃波発生器10により爆発が誘発されると、衝撃波が中空シリンダ19を通って洗浄装置の長手方向に移動し、衝撃波発生器10は反動により、ボイラ壁20とは反対の方向に動く。減衰シリンダ50は、この動きに対する減衰効果を有しており、最初の大きな振幅の後に、衝撃波発生器を再び引き戻す。これは特に、液圧シリンダとして作用する減衰シリンダ50を使用することにより達成され得、減衰シリンダ50内ではピストン51が相応に制御されて伸縮可能である。
【0034】
減衰ばね150に比べて、減衰シリンダ50を使用することの別の利点は、図8A図8Cの説明に関連して明らかになる。
【0035】
図3には、図1に示したボイラ洗浄装置の斜視図が示されている。図4には、図1に示したボイラ洗浄装置の側面図が示されている。3つの減衰ばねアッセンブリが、減衰プレート152と、中間プレート151と、洗浄装置側の取付けフランジ40との間の個別のばね150,156により、2つの区間内で緊締されている。取付けフランジ40において、一連のフランジ結合ねじ41を認識することもでき、フランジ結合ねじ41により、この取付けフランジ40はボイラ側の取付けフランジ32又は対応する、クロージャハウジング60のフランジに取り付けられている。換言すると、図2に示した後退可能な発生器10に関連してのみ更なる利点が生じる場合であっても、内部クロージャフラップ及び/又は通気口を備えたクロージャハウジング60が、図3に示す構成と共に使用されてもよい。減衰ばね150,156は、減衰プレート152及び取付けフランジ40における開口を貫通して案内されており、いずれの場合も外側において緊締されている。中間プレート151には、第2のテンションロッド154を通すために開口が設けられており、第2のテンションロッド154はそれぞれ、中間プレート151の両側に設けられたスリーブ157に当接しており、スリーブ157は、減衰プレート152までの区間及び取付けフランジ40までの区間の、2つの区間に対するばね作用を切り離している。
【0036】
流体圧ダンパ250は、減衰プレート152と中間プレート151との間に配置されている。それというのも、流体圧ダンパ250は最初の反動を吸収する必要があり、より弱いばねは、このとき圧縮された流体圧ダンパを戻すだけに過ぎないからである。
【0037】
ここでは6つの一連の第1のテンションロッド155が、互いに60度の角距離で中間プレート151に固定的に結合されており、衝撃波発生器10の取付け点153から、例えば、対応する孔によって減じられた断面を有する中間プレート151を貫通し、第1のテンションロッド155のそれぞれの端部に配置された雄ねじにより取り付けられている。
【0038】
衝撃波発生器10が作動すると、衝撃波発生器10はボイラ壁20から離れ、テンションロッド155を介して中間プレート151に引張力を加え、これにより、取付けフランジに近い右側の減衰ばね150を伸長させる。同時に、減衰プレート側の左側の減衰ばね156と流体圧ダンパ250とが短縮させられ、これにより、衝撃波発生器10がボイラ壁20からの最大距離に到達すると、反対方向に減衰運動が生じることになる。減衰ばね150,156及び流体圧ダンパ250は、振動運動が最小化されるように設計されている。
【0039】
流体圧ダンパ250は、減衰プレート152の一方の側に取り付けられており、ピストンとこれを取り囲むばね(セット251)とでもって中間プレート151に当接している。
【0040】
流体圧ダンパ250は、減衰プレート152と中間プレート151との間には、同じエネルギー吸収でピーク力を低減するように、ばね156と平行に流体圧ダンパ250が設けられている。
【0041】
図3では、中空シリンダ19の直径が、わずかな遊びのみで、取付けフランジ40、中間プレート151及び減衰プレート152の内径を通って案内される直径である、ということも看取され得る。したがって、これが、この洗浄装置と共に使用され得る中空シリンダ19の最大直径である。
【0042】
図5には、図2に示した、ただしより小さな直径を有する洗浄管190を備えたボイラ洗浄装置の概略側面図が示されている一方で、図6には、図5に示したボイラ洗浄装置の斜視図が示されている。図5に示す取付けフランジ40に対する衝撃波発生器10の取付けの全ての特徴は、図3に示した特徴と同じであり、唯一の相違点は、ここでは大幅に小さな直径を有する放出管190の異なる設計にある。したがって、中空シリンダ190の外側から減衰プレート152、中間プレート151及びフランジ40の内径までの距離が、大幅に大きくなっている。単に、中心に適合させられた開口を備える内側カバープレート42が、取付けフランジ40か、又は小さな遊びを備えて管190を取り囲み、シールにより簡単に封止され得る対応するクロージャハウジング60に設けられることを保証することが留意されるだけに過ぎない。好ましい実施形態では、取付けフランジ40とカバープレート42とは一体であり、換言すると、取付けフランジ40は、図示のカバープレート42に対応する内径を有しており、管の直径に応じて選択されて取り付けられる。
【0043】
図14には、図4又は図6に示したような減衰ユニットのアセンブリ群の部分断面側面図が示されている。プレート152に固定された流体圧ダンパ250が示されている。
【0044】
図7には、図2に示したボイラ洗浄装置の側面の概略部分断面図が示されている。図8Aには、アイドル状態、すなわち待機位置にある、図2に示したボイラ洗浄装置の側面の同様の概略部分断面図が示されている。図8Aは、図7の縮小版に相当する。図8Bには、洗浄状態、すなわち前進位置にある、図8Aに示したボイラ洗浄装置の側面の概略部分断面図が示されている。減衰経路が短いため、図8Bが示す洗浄装置が、衝撃波の衝突の前、最中、又は後であるかどうかは、実質的に重要ではない。図8Cには、部分的に分解されたメンテナンス位置、すなわち洗浄装置の後退位置にある、図8Aに示したボイラ洗浄装置の側面の概略部分断面図が示されている。さらに図9には、図7に示したボイラ洗浄装置の3つの120度セグメントクロージャ81を備えたクロージャフラップ80の概略斜視図が示されている。
【0045】
図7に示す詳細図は、ボイラ壁20に向かって先細りになっているクロージャハウジング60の内部において、クロージャハウジング60の内側ショルダを形成する取付けフランジ40の内側に、閉じられたクロージャフラップ80が挿入されていることを示している。閉じられたクロージャフラップ80は、ボイラ壁20の方向に突出した凸状の円錐を形成している。クロージャフラップ80は、それぞれ120度の角度範囲をカバーする3つの120度クロージャ81から成り、120度クロージャ81は、それらの旋回軸を中心として、図7及び図9に示す閉鎖位置と、図12Cに示す全開位置との間で旋回可能である。これにより、120度クロージャ81は、クロージャハウジング60の長手方向軸に垂直であって、長手方向軸線から所定の距離にある平面内に位置する接線方向軸線を中心として旋回可能である。これらの接線方向軸線は、中空の支持軸84により予め規定されている。中空の各支持軸84の周りには、2つの摺動シリンダ82が配置されており、これらの摺動シリンダ82の間には、戻しばね83が配置されており、戻しばね83により、120度クロージャ81の開かれたセグメントがロック位置に戻される。
【0046】
図8Aでは、衝撃波発生器10は待機位置にあり、この待機位置では、ボイラ内で通常の作業プロセスが行われる。図8Bには、減衰シリンダ50内のピストン51を短縮させることによる、衝撃波発生器10の前進動作が示されており、これにより、中空シリンダ19が案内管31内でボイラ壁20の方向に前進し、中空シリンダ19の前縁が、120度ロック81の側面に当接し、これらが戻しばね83のばね力に抗して互いに同期して開く。図8Bでは、中空シリンダの前縁は、既にボイラ壁30をやや越えてボイラ内に突入している。
【0047】
クロージャハウジング60の内側形状は、位置軸84がフォロアに対して設けられたショルダからハウジング60のボイラ壁フランジ30まで延びており、これにより、衝撃波が、案内管31内で案内される中空シリンダ19を通過する際には、クロージャ81の外向きの側面及び表面自体が、この拡張された後方空間内に位置することができるようになっている。
【0048】
図8Cには、分解された衝撃波発生器10が概略的に示されており、ここでは、封止キャップ80と一体の封止ハウジング60が、ボイラ壁フランジ30を介してボイラ壁20に固く取り付けられている。他方では減衰シリンダ50が分解されて個別に示されており、引き続く延長部には中空シリンダ19が取り付けられた衝撃波発生器10が示されている。好ましくは、衝撃波発生器10は中空シリンダ19と共に、図1に示した部材、すなわち保持チェーン11、旋回アーム12、滑車16を介して滑車用成形材15から吊り下げられている。衝撃波発生器10の重量と、その中空シリンダ19とが釣り合っていない場合には、単一のチェーン11に加えて、別の取付けチェーン又はロッドを設けることも可能である。
【0049】
図9には、図7又は図8Aにも示したボイラ洗浄装置の120度セグメントクロージャ80の概略斜視図が示されている。平面図において実質的に三角形のクロージャ部材81は、接続縁部で互いに当接しており、ボイラ壁20の方に向けられた凸状先端部で終わっている。ボイラ壁20ひいてはボイラの方に向いた表面は、インフュージョン冷却用の複数の開口85を有している。換言すると、各クロージャ部材81は、摺動シリンダ82まで延在する二重壁構造を有しており、これにより、個々のクロージャ部材81はそれぞれ、空気接続部70と中空の支持軸84とを介して、冷却周囲空気又は相応するガスにより加圧され得る。中空の支持軸84内へ流入するこれらの加圧ガスは、次いで開口85を通り、ボイラ壁20に設けられた開口の空間内に流出する。
【0050】
これに関連して、図10には、図9に示した120度セグメントクロージャ81の概略部分断面斜視図が示されている。参照符号71は、ガスの流れ方向ひいては体積流を示しており、体積流は、空気接続部70において中空の支持軸84に流入し、次いで、中空の支持軸84の壁に設けられた対応する開口を通り、やはり中空であり、中空の支持軸84に通じる開口を有する摺動シリンダ82において二重壁のクロージャ部材81内のキャビティに流入し、次いで開口85を通って流出する。クロージャ部材81のこの実施形態では、補強リブ86が設けられている。
【0051】
図11には、図10に示した120度セグメントクロージャ80の1つのセグメント81を部分的に透視した概略斜視図が示されており、ここでは特に、規則的に分布する開口85と、実質的に放射状に延在する補強支柱86とが示されている。摺動シリンダ82とクロージャ部材81との間の移行部の厚さから、体積流71用の通路が看取され得る。
【0052】
図12Aには、上に側面図、左側にクロージャハウジングの領域内の120度セグメントクロージャの平面図、及び右側にボイラから見た平面図が示されており、いずれの場合も120度セグメントクロージャ80は、待機位置又はメンテナンス位置にある場合と同様に、すなわち、通常のボイラ作動中と同様に閉じられている。図12Bには、上に側面図、左側にクロージャハウジング60の領域内の120度セグメントクロージャ81の平面図、及び右側にボイラから見た平面図が示されており、いずれの場合も120度セグメントクロージャ81は、待機位置と洗浄位置との間の移行中、部分的に開かれている。図12Cには、上に側面図、左側にクロージャハウジング60の領域内の120度セグメントクロージャ81の平面図、及び右側にボイラから見た平面図が示されており、いずれの場合も120度セグメントクロージャ81は、洗浄位置に到達したとき、洗浄が行われる間、又はその直後と同様に開かれている。これらの図の順序は、クロージャ部材81が完全に開き、これにより、中空シリンダ19がクロージャ部材81を通り抜けることができる、ということを示している。
【0053】
個々のクロージング部材81は、クロージング部材の先端部が中空シリンダ19の外側に支持され、必要な場合には中空シリンダ19がさらにボイラ壁領域内に押し込まれるまで、中空シリンダ19の前縁により押し開けられる。
【0054】
図13には、案内管31用の通気装置の斜視側面図が示されている。取付けフランジ32は、ここでは、ボイラ壁フランジ30に接続された改良されたクロージャハウジング60’に取り付けられているが、ボイラ壁フランジ30に対して相対的に長手方向に可動である。このためには、案内管の外側ケーシングとは反対の側に、封止用の穴あきプレート35が配置されている。このためには、ボイラ壁フランジ30に穴あきフランジ34が取り付けられており、穴あきフランジ34は、ボイラ20に面した側に、穴あきプレート35を挿入することができる受容部を有している。穴あきプレート35は、案内管38を取り囲んでおり、ボイラの膨張、ひいては案内管38に対するボイラ壁20の貫通開口22の高さ変化に追従することができるように、特に高さ方向に可動である。このことは、取付けフランジ32に作用する反動力であって、通常はボイラ壁20に作用するところ、別個に支持されたクロージャハウジング60’に作用する力が機械的に分離され、これにより、案内管38の温度又は組立てに関連する位置ズレが、遊びをもって取り付けられた変位可能なプレート35により吸収され得る。
【0055】
案内管38自体は、二重壁式であり、らせん状の内部キャビティ36を有している。案内管38の2つの壁の間に、らせん状の中間壁が挿入されており、このらせん状の中間壁は、空気接続部70(ここには図示せず)を介して空気を取付けフランジ32の領域に吹き込むことを可能にし、空気は次いで、案内管31の2つの壁の間をボイラの方向に移動して加熱され、最終的にはボイラ壁20に設けられた開口の口においてボイラ内に流入する、と言うこともできる。
【0056】
ボイラ壁と案内管38との間には円筒状のギャップ37があり、このギャップ37は、衝撃波発生器10から穴あきプレート35により遮断されている。前進位置では、中空シリンダ19は常に案内管38により取り囲まれており、空気体積流により冷却される。
【0057】
このために、案内管38自体はフランジ33を備えて設計されており、フランジ33は、取付けフランジ29により設けられた受容部内でハウジング60’の取付けフランジ32に固く結合されている。取付けフランジ29には、1つ以上の通路が冷却流体用に設けられていてよく、冷却流体は、この箇所でフランジ33内に供給され、且つフランジ33を介して案内管38内に供給され得る。
【0058】
図示されていない実施形態では、案内管38を後退させるための伸縮式の延在部が設けられており、後退機構は空圧式又は液圧式であってよい。案内管38を、図13に示した位置に一時的に前進させ、次いで洗浄パルスの後に案内管38を後退させることにより、案内管38の加熱が、ボイラ内の極めて高い煙道ガス温度においてさえも十分に低く保たれると同時に、多孔質であることが多いボイラ壁20が、洗浄パルスから保護される。逆に、案内管38は、個々の洗浄パルスの間にボイラ壁開口22から少なくとも部分的に引き出され、これにより、実質的に案内管38の前縁39のみがボイラ内に含まれるガスに曝されることになる。それというのも、案内管の内部とは通常、ガス交換が行われないからである。
【0059】
図15には、減衰ユニット内にエラストマー350を備えた別の実施形態例によるボイラ洗浄装置用の取付け装置の概略斜視図が示されている。図16には、図15に示したようなボイラ洗浄装置の側面図が示されている。最後に図17には、任意の案内管353を備えたエラストマー350から構成された減衰ユニットのアセンブリ群の部分断面側面図が示されている。
【0060】
減衰ユニットの別の有利な実施形態では、これらの減衰ユニットは、一列に配置された環状又はタイヤ形のエラストマー350から成り、各エラストマー350が、第2の長手方向ロッド又はテンショニングロッド354のうちの1つの第2の長手方向ロッド又はテンショニングロッド354の周囲に配置され、且つ中間プレート151に直接に支持されているか、又はこの中間プレート151に設けられた、すぐ隣のエラストマー350に面したブシュ352(例えばブシュ157)に支持されているのに対して、関連する第2の長手方向ロッド354は、中間プレート151に設けられた開口を貫通している。特に、4つのこのようなエラストマー350が90度の角度間隔で設けられており、対応する4つの長手方向ロッド354に、それぞれ2×7個のエラストマー350が設けられている。他方の実施形態と同様に、これら4つの長手方向ロッド354のそれぞれの間、すなわち、中間プレート151と、減衰プレート152を備える洗浄装置のハウジングとの間には、2つの第1のテンションロッド155が配置されている。特に、エラストマー350はコポリエステルエラストマーである。各エラストマー350の間に1つおきにスペーサ351、特に金属板が設けられていてよく、第2の長手方向ロッド354は、中空の半径方向案内管353により取り囲まれていてよく、中空の半径方向案内管353にはエラストマー350の内縁が当接しており、これにより、エラストマー350は、案内管353及びエラストマー350の中心軸線355に対して実質的に遊びを有していない。
【0061】
液圧式の構成に比べて、エラストマー350のグループを使用することの1つの利点は、減衰が両方向に十分に働く点にある。この実施形態例の図には、中間プレート151の両側に同数のエラストマーが対称的に配置されていることが示されている。非対称の減衰を達成するために、異なる材料又は異なる寸法に基づきそれぞれ異なる減衰エラストマー350を使用するか、又は中間プレート151の両側に異なる数を配置することも可能である。
【符号の説明】
【0062】
10 衝撃波発生器
11 保持チェーン
12 保持レバー
13 旋回軸
14 支持フレーム
15 滑車用成形材
16 滑車
19 中空シリンダ/放出管
20 ボイラ壁
22 ボイラ壁開口
29 開口/取付けフランジ
30 ボイラ壁フランジ
31 ボイラ接続ピース/接続管
32 ボイラ側の取付けフランジ
33 案内管フランジ
34 開口/取付けフランジ
35 開口
36 らせん状の内部スロット
37 円筒状のギャップ
38 案内管
39 前縁
40 洗浄装置側の取付けフランジ
41 フランジ結合ねじ
42 カバープレート
43 接続管
44 ガスケット
50 減衰シリンダ/摺動シリンダ
51 ピストン
60 クロージャハウジング
60’ クロージャハウジング
70 空気接続部
71 ガスの流れ方向
80 クロージングフラップ
81 120度クロージャ
82 摺動シリンダ
83 戻しばね
84 中空の支持軸
85 吹出し冷却開口
86 補強リブ
150 減衰ばね
151 中間プレート
152 減衰プレート
153 取付け点
154 第2のテンションロッド
155 第1のテンションロッド
156 減衰ばね
157 ソケット
190 中空シリンダ/放出管
250 流体圧ダンパ
251 流体圧タペット
252 流体圧ダンパばね
350 エラストマー
351 スペーサ
352 ソケット
353 案内管
354 第2のテンションロッド
355 中心軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9
図10
図11
図12A-12C】
図13
図14
図15
図16
図17
【国際調査報告】