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特表2025-500279クロージャーシステム及び集中クロージャーシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-09
(54)【発明の名称】クロージャーシステム及び集中クロージャーシステム
(51)【国際特許分類】
   A43C 11/00 20060101AFI20241226BHJP
   A43B 5/00 20220101ALI20241226BHJP
   A43B 11/00 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
A43C11/00
A43B5/00
A43B11/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024536230
(86)(22)【出願日】2022-12-20
(85)【翻訳文提出日】2024-08-15
(86)【国際出願番号】 IB2022062551
(87)【国際公開番号】W WO2023119162
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】63/292,289
(32)【優先日】2021-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511264353
【氏名又は名称】プーマ エス イー
【氏名又は名称原語表記】PUMA SE
【住所又は居所原語表記】Puma Way 1,91074 Herzogenaurach Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ジーギスムント,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】サスマン,ラインホルト
(72)【発明者】
【氏名】ジラード,ロメイン
【テーマコード(参考)】
4F050
【Fターム(参考)】
4F050AA01
4F050AA02
4F050AA07
4F050AA11
4F050AA22
4F050BA01
4F050BA02
4F050BA53
4F050BC03
4F050BC07
4F050BC22
4F050HA18
4F050HA30
4F050HA53
4F050HA55
4F050HA56
4F050HA58
4F050HA63
4F050HA70
4F050HA85
4F050JA01
4F050JA02
4F050JA04
4F050JA05
4F050JA06
4F050JA09
4F050JA13
4F050LA01
4F050MA01
4F050MA06
(57)【要約】
履物具のためのクロージャーシステムは、作動機構、リリース機構、クロージャー機構、およびコードを含む。コードは、履物具のアッパーと動作可能に係合されるように構成される。作動機構は、履物具を緩められた構成から締め付けられた構成に調整するようにクロージャーシステムを作動させて引っ張られるように構成される。さらに、リリース機構は、履物を締め付けられた構成から緩められた構成に調整するように構成される。
【代表図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動機構と、
リリース機構と、
クロージャー機構と、
履物具のアッパーと動作可能に係合されるように構成されたコードと、を含み、
前記作動機構は、前記履物具を緩められた構成から締め付けられた構成に調整するようにクロージャーシステムを作動させて引っ張られるように構成され、前記リリース機構は、前記履物具を締め付けられた構成から緩められた構成に調整するように構成される、履物具のためのクロージャーシステム。
【請求項2】
前記作動機構は、ストラップを含む、請求項1に記載のクロージャーシステム。
【請求項3】
前記リリース機構は、ダイヤルを含む、請求項1に記載のクロージャーシステム。
【請求項4】
前記クロージャー機構は、ディスクを含む、請求項1に記載のクロージャーシステム。
【請求項5】
前記クロージャー機構は、前記履物具を前記締め付けられた構成に保持するように構成される、請求項1に記載のクロージャーシステム。
【請求項6】
前記コードは、前記クロージャー機構によって互いに動作可能に結合された複数のセグメントから構成される、請求項1に記載のクロージャーシステム。
【請求項7】
保持部材は、前記コードの一部を保持するように前記アッパー上に配置される、請求項1に記載のクロージャーシステム。
【請求項8】
前記締め付けられた構成は、第1のレベル、第2のレベル、および第3のレベルを含む様々なレベルの締め付けを含み、
前記第3のレベルは、前記第2のレベルよりも緊密であり、前記第2のレベルは、前記第1のレベルよりも緊密である、請求項1に記載のクロージャーシステム。
【請求項9】
アッパーに接続されたソールを有する履物具のためのクロージャーシステムであって、
作動機構と、
リリース機構と、
クロージャー機構と、を含み、
前記クロージャーシステムは、分散化されており、前記履物具に沿って延在するコードによって動作可能に接続される、履物具のためのクロージャーシステム。
【請求項10】
前記作動機構は、前記履物具の踵領域に配置され、前記リリース機構は、前記履物具の中足領域に配置される、請求項9に記載のクロージャーシステム。
【請求項11】
前記クロージャー機構は、前記履物具の中足領域内の前記アッパー上に配置される、請求項9に記載のクロージャーシステム。
【請求項12】
前記クロージャー機構は、前記履物具の前記ソール内に配置される、請求項9に記載のクロージャーシステム。
【請求項13】
前記クロージャー機構および前記リリース機構は、前記履物具の中足領域に配置される、請求項9に記載のクロージャーシステム。
【請求項14】
前記コードは、第1のセグメントおよび第2のセグメントを含み、前記第1のセグメントは、前記作動機構と前記クロージャー機構との間に延在し、前記第2のセグメントは、前記クロージャー機構から保持部材まで延在する、請求項9に記載のクロージャーシステム。
【請求項15】
前記コードの前記第1のセグメントは、前記作動機構を作動構成から休止構成に引き込むように構成された弾性材料から形成される、請求項14に記載のクロージャーシステム。
【請求項16】
作動機構と、
リリース機構と、
クロージャー機構と、を含み、
前記集中クロージャーシステムは、ユーザに触覚フィードバックを提供するように構成され、前記作動機構は、前記クロージャーシステムを作動させて引っ張られるように構成され、前記作動機構は、前記クロージャーシステムの作動後に引き込むように構成される、履物具のための集中クロージャーシステム。
【請求項17】
前記クロージャー機構は、前記履物具を締め付けるためにコードと動作可能に係合される、請求項16に記載の集中クロージャーシステム。
【請求項18】
前記作動機構は、前記クロージャーシステムを作動させるために前記クロージャー機構から引き離されるように構成される、請求項17に記載の集中クロージャーシステム。
【請求項19】
前記作動機構は、前記クロージャー機構内に配置されたコイルばねと動作可能に係合され、前記コイルばねは、前記作動機構を前記クロージャー機構に向かって引き込むように構成される、請求項18に記載の集中クロージャーシステム。
【請求項20】
前記作動機構および前記クロージャー機構は、互いに動作可能に結合され、前記履物具の中足領域内に配置される、請求項16に記載の集中クロージャーシステム。
【請求項21】
ソールに取り付けられたアッパーと、
履物具の後端と前端との間に延在する長手方向軸と、
前足領域と踵領域との間に配置される中足領域と、
前記踵領域内の前記後端に隣接して配置され、パッドを含む中央部分を有する踵部分と、
コードと動作可能に係合されるリリース機構を含む留め具システムと、を含み、
前記リリース機構は、中足領域内で前記アッパーの頂部に取り付けられた円板形状のハウジングを含み、前記コードは、前記アッパー上に配置された複数の導管に通され、
前記踵部分の前記中央部分と前記アッパーとの間に距離が画定され、前記距離は第1の構成と第2の構成との間で調整されるように構成され、前記踵部分の前記中央部分は、前記長手方向軸に対して後方および上方に移動するように構成され、前記踵部分の前記中央部分は、前記長手方向軸に対して前方および下方に移動するように構成される、履物具。
【請求項22】
前記踵部分の前記中央部分は、ユーザによって把持されるように構成される、請求項21に記載の履物具。
【請求項23】
前記中央部分は前記踵部分の第1の端部と第2の端部との間に延在し、前記第1の端部が前記内側に隣接して配置され、前記第2の端部が外側に隣接して配置される、請求項22に記載の履物具。
【請求項24】
前記踵部分の前記中央部分は、前記履物具のつま先端部に対して前記内側と前記外側との間で凹状に湾曲している、請求項23に記載の履物具。
【請求項25】
前記踵部分の前記中央部分は、前記第1の構成と前記第2の構成との間で移動するときに少なくとも部分的に変形するように構成される、請求項24に記載の履物具。
【請求項26】
前記コードの少なくとも一部は、前記履物具の内側と外側との間の前記アッパーに配置され、V字形パターンを形成する、請求項25に記載の履物具。
【請求項27】
前記リリース機構は、前記履物具の前記外側と前記内側との間の中央に配置される、請求項26に記載の履物具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般的に、留め具システムまたはクロージャーシステムを含む履物具に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの従来の靴または他の履物具は一般的に、アッパーと、アッパーの下端に取り付けられたソールとを備える。従来の靴は、靴を足に固定する前にユーザの足を受け入れる内部空間、すなわち、アッパーおよびソールの内部表面によって形成される空隙または空洞をさらに含む。ソールは、アッパーの下面または境界に取り付けられ、アッパーと地面との間に配置される。結果として、ソールは、典型的には、靴が着用されているときに、安定性およびクッション性をユーザに提供する。いくつかの事例では、ソールは、アウトソール、ミッドソール、および頂部などの複数の構成要素を含み得る。アウトソールは、ソールの底面に牽引力を提供することができ、ミッドソールは、アウトソールの内面に取り付けることができ、ソールにクッション性または追加の安定性を提供することができる。例えば、ソールは、ソールに沿った1つ以上の所望の位置での安定性を増加させ得る特定の発泡材料、またはユーザが走っている、歩いている、または別の活動に従事しているときに足もしくは脚へのストレスまたは衝撃エネルギーを減少させ得る発泡材料を含んでもよい。ソールはまた、ソールの全体的な剛性を増加させ、使用中のエネルギー損失を低減するために、ソールに埋め込まれたプレートなどの追加の構成要素を含んでもよい。
【0003】
アッパーは、一般的に、ソールから上方に延び、足を完全にまたは部分的に包む内部空洞を画定する。ほとんどの場合、アッパーは、足の甲およびつま先領域にわたって、ならびにその内側および外側を横切って延在する。多くの履物具はまた、足の甲領域を横切って延在し、空洞内への開口部を画定する、アッパーの内側および外側の縁部間の間隙を架橋するシュータンを含んでもよい。シュータンはまた、靴の締め付けの調整を可能にするために、レーシングシステムの下、およびアッパーの内側と外側との間に配置されてもよい。シュータンはさらに、内部空間または空洞からの足の出し入れを可能にするために、ユーザによって操作可能であってもよい。加えて、レーシングシステムは、ユーザがアッパーまたはソールの特定の寸法を調整することを可能にし、それによって、アッパーが、様々なサイズおよび形状を有する多種多様なフットタイプを収容することを可能にし得る。
【0004】
多くのシューズのアッパーは、アッパーを形成するために利用することができ、シューズの1つ以上の意図された用途に基づいて使用するために選択することができる多種多様な材料を含むことができる。アッパーはまた、アッパーの特定の領域に特有の様々な材料を含む部分を含んでもよい。例えば、より高い程度の抵抗または剛性を提供するために、追加の安定性が、アッパーの前部または踵領域の隣で望ましい場合がある。対照的に、靴の他の部分は、耐延伸性、可撓性、通気性、または吸湿性を有する領域を提供するために、柔らかい織布を含んでもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、多くの場合、改善されたクロージャー機構と共に、向上した快適性およびより良好なフィット感を有するアッパーを有する履物具が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に記載の履物具は、様々な構成を有することができる。履物具は、アッパーと、アッパーに接続されたソール構造とを有してもよい。
【0007】
いくつかの態様では、履物具のためのクロージャーシステムは作動機構と、リリース機構と、クロージャー機構と、コードとを含む。コードは、履物具のアッパーと動作可能に係合されるように構成される。作動機構は履物具を緩められた構成から締め付けられた構成に調整するようにクロージャーシステムを作動させて引っ張られるように構成される。さらに、リリース機構は、履物具を締め付けられた構成から緩められた構成に調整するように構成される。
【0008】
いくつかの実施形態では、作動機構はストラップであり、リリース機構はダイヤルである。いくつかの実施形態では、クロージャー機構はディスクである。さらに、クロージャー機構は、履物具を締め付けられた構成に保持するように構成される。コードは、クロージャー機構によって互いに動作可能に結合された複数のセグメントから構成される。いくつかの実施形態では、締め付けられた構成が第1のレベル、第2のレベル、および第3のレベルを含む様々なレベルの締め付けを含む。さらに、第3のレベルは第2のレベルよりも緊密であり、第2のレベルは、第1のレベルよりも緊密である。
【0009】
別の態様では、アッパーに接続されたソールを有する履物具用のクロージャーシステムが提供される。クロージャーシステムは、作動機構と、リリース機構と、クロージャー機構とを含む。さらに、クロージャーシステムは、分散化されており、履物具に沿って延在するコードによって動作可能に接続される。
【0010】
いくつかの実施形態では、作動機構は、履物具の踵領域に配置され、リリース機構は、履物具の中足領域に配置される。いくつかの実施形態では、クロージャー機構は、履物具の中足領域内のアッパー上に配置される。他の実施形態では、クロージャー機構は、履物具のソール内に配置される。いくつかの実施形態では、クロージャー機構およびリリース機構は、履物具の中足領域に配置される。さらに、コードは、第1のセグメントおよび第2のセグメントを含む。第1のセグメントは、作動機構とクロージャー機構との間に延在し、第2のセグメントは、クロージャー機構から保持部材まで延在する。さらに、コードの第1のセグメントは、作動機構を作動構成から休止構成に引き込むように構成された弾性材料で形成される。
【0011】
さらに別の態様では、履物具のための集中クロージャーシステムが提供される。集中クロージャーシステムは、作動機構と、リリース機構と、クロージャー機構とを含む。集中クロージャーシステムは、ユーザに触覚フィードバックを提供するように構成される。さらに、作動機構は、クロージャーシステムを作動させるように引っ張られるように構成され、作動機構は、クロージャーシステムの作動後に引き込むように構成される。
【0012】
いくつかの実施形態では、クロージャー機構は、履物具を締め付けるためにコードと動作可能に係合される。さらに、作動機構は、クロージャーシステムを作動させるためにクロージャー機構から引き離されるように構成される。作動機構は、クロージャー機構内に配置されたコイルばねと動作可能に係合され、コイルばねは、作動機構をクロージャー機構に向かって引き込むように構成される。いくつかの実施形態では、作動機構およびクロージャー機構は、互いに動作可能に結合され、履物具の中足領域内に配置される。
【0013】
いくつかの態様では、履物具は、ソールに取り付けられたアッパーと、履物具の後端と前端との間に延びる長手方向軸と、前足領域と踵領域との間に配置された中足領域とを含む。履物具は、踵領域内の後端に隣接して配置された踵部分をさらに含む。踵部分は、パッドまたは発泡体を含む中央部分を有する。さらに、履物具は、コードと動作可能に係合されるリリース機構を有する留め具システムを含む。リリース機構は、中足領域内でアッパーの頂部に取り付けられた円板状ハウジングを含む。コードは、アッパー上に配置された複数の導管に通されている。踵部分の中央部分とアッパーとの間に距離が画定される。距離は、第1の構成と第2の構成との間で調整されるように構成される。踵部分の中央部分は、長手方向軸に対して後方および上方に移動するように構成され、踵部分の中央部分は、長手方向軸に対して前方および下方に移動するように構成される。
【0014】
いくつかの実施形態では、踵部分の中央部分は、ユーザによって把持されるように構成される。いくつかの実施形態では、中央部分は踵部分の第1の端部と第2の端部との間に延在する。第1の端部は内側に隣接して配置され、第2の端部は、外側に隣接して配置される。いくつかの実施形態では、踵部分の中央部分は、履物具のつま先端部に対して内側と外側との間で凹状に湾曲している。いくつかの実施形態では、踵部分の中央部分は、第1の構成と第2の構成との間で移動するときに少なくとも部分的に変形するように構成される。いくつかの実施形態では、コードの少なくとも一部は、履物具の内側と外側との間のアッパーに配置され、V字形パターンを形成する。いくつかの実施形態では、リリース機構は、履物具の外側と内側との間の中央に配置される。
【0015】
履物具の他の態様、特にその特徴および利点は、図面および本明細書の詳細な説明を検討することにより、当業者には明らかとなるであろう。したがって、履物具のそのような態様はすべて、詳細な説明およびこの概要に含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本開示の実施形態における、アッパーおよびソール構造を含む右足用靴として構成された履物具の底部および内側の斜視図である。
図2図1の履物具の上面図である。
図3図1の履物具の上面図であり、アッパーが取り除かれ、ユーザの骨格足構造がその上に重ねられている図である。
図4】本開示の一実施形態における、左足用靴として構成された履物具の内側および踵端部の斜視図の概略図である。
図5】着用時および作動時の構成における図4の履物具の外側の概略図である。
図6】着用されていない休止構成における図4の履物具の上面図の概略図である。
図7】本開示の一実施形態における、左足用靴として構成された別の履物具の外側およびつま先の斜視図の概略図である。
図8】本開示の一実施形態における、左足用靴として構成されたさらに別の履物具の外側およびつま先の斜視図の概略図である。
図9図8の履物具のためのクロージャーシステムの分解部分図の概略図である。
図10】本開示の一実施形態における、左足用靴として構成されたさらに別の履物具の外側およびつま先の斜視図の概略図である。
図11】本開示の一実施形態における、右足用靴として構成されたさらに別の履物具の底部および内側の斜視図の概略図である。
図12】本開示の一実施形態における、アッパーが取り外された、左足用靴として構成されたさらに別の履物具の上面図の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の説明および添付の図面は、靴およびソール構造の様々な実施形態または構成を開示する。靴またはソール構造の実施形態は、ランニングシューズ、テニスシューズ、バスケットボールシューズなどのスポーツシューズに関して開示されるが、靴またはソール構造の実施形態に関連する概念は、例えば、クロストレーニングシューズ、フットボールシューズ、ゴルフシューズ、ハイキングシューズ、ハイキングブーツ、スキーおよびスノーボードブーツ、サッカーシューズおよびクリート、ウォーキングシューズ、ならびにトラッククリートを含む、広範囲の履物具および履物具スタイルに適用され得る。靴またはソール構造の概念はまた、ドレスシューズ、サンダル、ローファー、スリッパ、およびヒールを含む、非運動用であると考えられる履物具に適用されてもよい。履物具に加えて、本明細書に記載される特定の概念はまた、ヘルメット、パッドもしくは保護パッド、脛ガード、および手袋を含む、他のタイプの衣服または他の運動器具に適用され、組み込まれてもよい。さらに、本明細書に記載される特定の概念は、クッション、バックパックストラップ、ゴルフクラブ、または他の消費者製品もしくは工業製品に組み込まれてもよい。したがって、本明細書で説明される概念は、様々な製品において利用され得る。
【0018】
「約」という用語は、本明細書で使用される場合、例えば、本明細書の開示の実施形態を含み得る、履物具または他の製品のために使用される典型的な測定および製造手順、これらの手順における不注意な誤り、組成物または混合物を作製するために使用される成分の製造、供給源、または純度の差異、および同等物を介して生じ得る数値量の変動を指す。本開示を通して、「約」および「およそ」という用語は、その用語が先行する数値の±5%の値の範囲を指す。
【0019】
本開示は、アッパーおよび/またはソールまたはソール構造などの履物具および/または履物具の特定の構成要素を対象とする。アッパーは、ニット構成要素、織布、および/または不織布を含んでもよい。ニット構成要素は、糸の編み物、糸の製織による織布、および単一の不織ウェブの製造による不織布によって作製されてもよい。ニット織物は、縦編み、横編み、平編み、丸編み、および/または他の適切な編み作業によって形成される織物を含む。ニット織物は、例えば、プレーンニット構造、メッシュニット構造、および/またはリブニット構造を有してもよい。織布としては、限定されるものではないが、例えば、平織り、綾織り、サテン織り、ドビン織り、ジャカード織り、二重織り、および/または二重布織りなどの多数の織り形態のいずれかによって形成された織物が挙げられる。不織布としては、例えば、エアレイド法および/またはスパンレイド法によって製造された布地が挙げられる。アッパーは、様々な特性または様々な視覚特性を有し得る、第1の糸、第2の糸、および/または第3の糸などの様々な材料を備え得る。
【0020】
図1図3は、アッパー102およびソール構造104を含む履物具100の例示的な実施形態を示す。アッパー102は、ソール構造104に取り付けられ、足が挿入され得る内部空洞106(図2および図3参照)を一緒に画定する。参考のために、履物具100は、前足領域108、中足領域110、および踵領域112を画定する(図2および図3参照)。前足領域108は、一般的に、足指、母指球、および中足骨を足指または指骨に接続する関節を含む、足の部分を包む履物具100の部分に対応する。中足領域110は前足領域108に近接して隣接し、一般的に、足のブリッジとともに、足のアーチを包む履物具100の部分に対応する。踵領域112は、中足領域110に近接して隣接し、一般的に、踵または踵骨、足首、および/またはアキレス腱を含む、足の後部を包む履物具100の部分に対応する。
【0021】
多くの従来の履物具のアッパーは、複数の要素、例えば、織物、ポリマー発泡体、ポリマーシート、皮革、および合成皮革から形成され、これらは、継ぎ目での接着又は縫合によって接合される。いくつかの実施形態では、履物具100のアッパー102は、ニット構造またはニット構成要素から形成される。様々な実施形態では、ニット構成要素は、アッパーに異なる特性を提供することができる様々なタイプの糸を組み込むことができる。例えば、アッパー102の1つの領域は、第1のセットの特性を付与する第1のタイプの糸から形成されてもよく、アッパー102の別の領域は、第2のセットの特性を付与する第2のタイプの糸から形成されてもよい。この構成を使用して、アッパー102の特性は、アッパー102の異なる領域に対して特定の糸を選択することによって、アッパー102全体にわたって変化し得る。
【0022】
アッパー102を構成する材料に関して、特定のタイプの糸がニット構成要素の領域に与える特定の特性は、糸の様々なフィラメントおよび繊維を形成する材料に少なくとも部分的に依存し得る。例えば、綿は、編物材料に柔らかい効果、生分解性、または自然な美観を提供することができる。エラスタンおよび延伸ポリエステルは、それぞれ、所望の弾性および回復を有するニット構成要素を提供することができる。レーヨンは、高い光沢および吸湿性材料を提供し得、ウールは、増加した吸湿性を有する材料を提供し得、ナイロンは、耐摩耗性である耐久性材料であり得、ポリエステルは、疎水性で耐久性のある材料を提供し得る。
【0023】
ニット構成要素の他の態様もまた、ニット構成要素の特性に影響を及ぼし、所望の属性を提供するように変更され得る。例えば、ニット構成要素を形成する糸は、モノフィラメント糸またはマルチフィラメント糸を含むことができ、または糸は、それぞれ2つ以上の異なる材料から形成されるフィラメントを含むことができる。加えて、ニット構成要素は、特定の特性を有するニット構成要素の領域を付与するために、特定の編みプロセスを使用して形成され得る。したがって、糸を形成する材料および糸の他の態様の両方は、アッパー102の特定の領域に様々な特性を付与するように選択され得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、ニット構造体の弾性は、ニット構造体が外側にニット構造体に加えられる力を有した後の、第1の非延伸状態におけるニット構造体の幅または長さを、第2の延伸状態におけるニット構造体の幅または長さと比較することに基づいて測定され得る。さらなる実施形態では、アッパー102はまた、追加の構造要素を含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ヒールプレートまたはカバー(図示せず)を踵領域112上に設けて、ユーザの踵に追加の支持を提供することができる。いくつかの例では、他の要素、例えば、プラスチック材料、ロゴ、商標などもまた、接着剤または熱成形プロセスを使用して外面に適用され、固定されてもよい。いくつかの実施形態では、アッパー102に関連する特性、例えば、ステッチの種類、糸の種類、または異なるステッチの種類もしくは糸の種類に関連する特性、例えば、弾性、審美的外観、厚さ、通気性、または耐摩耗性を変えることができる。
【0025】
再び図1を参照すると、ソール構造104はアッパー102に接続または固定され、履物具100がユーザによって着用されるときに、ユーザの足と地面との間に延在する。ソール構造104は、アウトソール、ミッドソール、ヒール、バンプ、および/またはインソールを含むことができる1つまたは複数の構成要素を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、ソール構造は、ソール構造に構造的完全性を提供するアウトソールと、ユーザに牽引力を提供するアウトソールと、クッションシステムを提供するミッドソールと、ユーザのアーチを支持するインソールとを含むことができる。また、インソールは、ストロベルボード、フォアフットボード、ラスティングボードなど、またはそれらの組み合わせであってもよく、インソールは、アッパー102とソール構造104との間に設けられてもよく、またはインソールは、アッパー102の一部として設けられてもよい。
【0026】
さらに、インソールはアッパー102の内部空洞106内に配置することができ、これは、履物具100が着用されている間、ユーザの足と直接接触することができる。さらに、アッパー102はまた、例えば、ユーザの足とアッパー102、ソール104、インソールなどとの間の摩擦を低減することによって、および/または水分吸い上げ特性を提供することによって、快適性を高めることができるライナー(図示せず)を含むことができる。ライナーは、内部空洞106の全体またはその一部分のみを裏張りしてもよい。いくつかの実施形態では、バインディング(図示せず)は、ライナーをアッパー102に固定するため、および/または履物具100上に審美的要素を提供するために、内部空洞106の開口部を囲んでもよい。
【0027】
図2および図3を参照すると、履物具100はまた、外側116および内側118を画定する。ユーザが靴を履いているとき、外側116は履物具100の外側に面する部分に対応し、内側118は履物具100の内側に面する部分に対応する。したがって、履物具100は、対向する外側116および内側118を有する。内側118および外側116は、図1の長手方向軸Lと同一平面上にある履物具100の長手方向中心平面または軸120に沿って互いに隣接する。本明細書でさらに論じるように、長手方向中心平面または軸120は、履物具100の内側118と外側116との間の中心中間軸を画定することができる。言い換えると、長手方向平面または軸120は、履物具100の後部近位端122と履物具100の前部遠位端124との間に延在してもよく、履物具100のインソール126、ソール構造104、および/またはアッパー102の中央を連続的に画定してもよく、すなわち、長手方向平面または軸120は、踵領域112の後部近位端122を通って前足領域108の前部遠位端124まで延在する直線軸である。
【0028】
特に明記しない限り、図2および図3を参照すると、履物具100は、前足領域108、中足領域110、および踵領域112によって画定され得る。前足領域108は、一般的に、足指または指骨130、母指球132、および足128の中足骨136を足指または指骨130に接続する関節134のうちの1つまたは複数を含む足128の部分を包む履物具100の部分に対応し得る。中足領域110は、前足領域108に近接し、隣接する。中足領域110は、一般的に、足128のブリッジと共に、足128のアーチを包む履物具100の部分に対応する。踵領域112は、中足領域110に近接し、中足領域110に隣接する。踵領域112は、概して、踵または踵骨138、足首(図示せず)、および/またはアキレス腱(図示せず)を含む、足128の後部を包む履物具100の部分に対応する。
【0029】
さらに図2および図3を参照すると、前足領域108、中足領域110、踵領域112、内側118、および外側116は、履物具100の境界または領域を画定することが意図される。そのために、前足領域108、中足領域110、踵領域112、内側118、および外側116は一般的に、履物具100のセクションを特徴付ける。本開示のいくつかの態様は、前足領域108、中足領域110、踵領域112、内側118、および/または外側116のうちの1つまたは複数と同一の広がりを有する部分または要素を指し得る。さらに、アッパー102およびソール構造104の両方は、前足領域108、中足領域110、踵領域112、ならびに/または内側118および/もしくは外側116に沿った部分を有するものとして特徴付けられ得る。したがって、アッパー102およびソール構造104、ならびに/またはアッパー102およびソール構造104の個々の部分は、前足領域108、中足領域110、踵領域112、ならびに/または内側118および/もしくは外側116に沿って配置されるその部分を含むことができる。
【0030】
さらに図2および図3を参照すると、前足領域108、中足領域110、踵領域112、内側118、および外側116が詳細に示されている。前足領域108は、履物具100のつま先端部140から最も広い部分142まで延在する。最も広い部分142は、つま先端部140の遠位部分からつま先端部140とは反対側の踵端部146の遠位部分まで延在する長手方向軸120に対して垂直である第1の線144に沿って画定または測定される。中足領域110は、履物具100の最も広い部分142から最も細い部分148まで延在する。履物具100の最も細い部分148は、長手方向軸120に対して垂直な第2の線150にわたって測定された履物具100の最も細い部分として定義される。踵領域112は、履物具100の最も細い部分148から踵端部146まで延在する。
【0031】
前述の説明を考慮すると、当業者には数多くの変形例が明らかであり、その個々の構成要素は、数多くの履物具に組み込まれ得ることを理解されたい。したがって、履物具100およびその構成要素の態様は、本明細書に記載されるように、前足領域108、中足領域110、踵領域112、内側118、および/または外側116の境界を理解しながら、履物具100の一般的な領域または部分を参照して説明され得る。しかしながら、履物具100およびその個々の構成要素の態様はまた、履物具100の正確な領域または部分を参照して説明されてもよく、本明細書の添付の特許請求の範囲の範囲は、本明細書で論じられる前足領域108、中足領域110、踵領域112、内側118、および/または外側116のこれらの境界に関連する制限を組み込んでもよい。
【0032】
さらに図2および図3を参照すると、内側118は、遠位つま先端140から始まり、履物具100の内側に沿って前足領域108に沿って中足領域110に向かって外向きに湾曲する。内側118は、第1の線144に達し、その点で、内側118は、中心の長手方向軸120に向かって内側に曲がる。内側118は、第1の線144、すなわち、最も広い部分142から、第2の線150、すなわち、最も細い部分148に向かって延在し、その点で、内側118は、中足領域110に入り、すなわち、第1の線144を横断する。第2の線150に達すると、内側118は、長手方向の中心軸120から離れるように外側に湾曲し、その点で、内側118は、踵領域112内に延在し、すなわち、第2の線150を横断する。次いで、内側118は、外側に曲がり、次いで踵端部146に向かって内側に曲がり、内側118が長手方向中心軸120と交わる点で終端する。
【0033】
外側116はまた、遠位つま先端140から始まり、履物具100の外側に沿って前足領域108に沿って中足領域110に向かって外向きに湾曲する。外側116は第1の線144に達し、その点で、外側116は、長手方向の中心軸120に向かって内側に曲がる。外側116は第1の線144、すなわち最も広い部分142から第2の線150、すなわち最も細い部分148に向かって延び、その時点で、外側116は中足領域110に入り、すなわち、第1の線144を横断する。第2の線150に達すると、外側116は縦方向の中心軸120から離れるように外向きに湾曲し、その点で、外側116は踵領域112内に延在し、すなわち、第2の線150を横断する。外側116は次いで、外側に曲がり、次いで、踵端部146に向かって内側に曲がり、外側116が長手方向中心軸120と交わる点で終端する。
【0034】
さらに図2および図3を参照すると、アッパー102は、外側116および内側118に沿って、前足領域108、中足領域110、および踵領域112を横切って延在し、ユーザの足を収容し、包囲する。完全に組み立てられると、アッパー102はまた、内面162および外面164を含む。内面162は、内側に面し、概して内部空洞106を画定し、アッパー102の外面164は、外側に面し、概してアッパー102の外周または境界を画定する。アッパー102はまた、履物具100の踵領域112に少なくとも部分的に位置する開口部166を含み、これは、内部空洞106へのアクセスを提供し、そこを通して足を挿入および取り出すことができる。いくつかの実施形態では、アッパー102はまた、踵領域112の開口部166から、足の甲に対応する領域にわたって、前足領域108に近接する領域まで延在するインステップ領域168を含んでもよい。インステップ領域168は、本実施形態のシュータン170が配置される領域と同様の領域を含んでもよい。いくつかの実施形態では、アッパー102は、シュータン170を含まず、すなわち、アッパー102は、シュータンがない。
【0035】
図示の実施形態では、ソール構造104がミッドソール172およびアウトソール174を含む。アウトソール174は、踵領域112、中足領域110、および前足領域108を横切るソール構造104の底端または底面176を画定してもよい。さらに、アウトソール174は、ソール構造104の地面係合部分であってもよいし、または地面係合表面を含んでもよく、ソール構造104のインソールの反対側であってもよい。図1に示すように、アウトソール174の底面176は、様々な形状および構成を含むことができるトレッドパターン178を含むことができる。アウトソール174は、ソール構造104に耐久性、耐摩耗性、摩擦抵抗、または牽引力を付与するために、1つ以上の材料から形成されてもよい。いくつかの実施形態では、アウトソール174は、任意の種類のエラストマー材料、例えば、熱硬化性エラストマーもしくは熱可塑性エラストマーを含むゴム、または熱可塑性材料、例えば熱可塑性ポリウレタン(TPU)から形成されてもよい。いくつかの実施形態では、アウトソール174は、95までのショアA硬度を画定してもよい。さらに、アウトソール174は、射出成形、加硫、層ごとの印刷、すなわち、アディティブ製造システムまたは方法などを含むプロセスによって製造されてもよい。
【0036】
さらに図1を参照すると、ミッドソール172は、例えばポリウレタン(PU)などの熱可塑性材料、および/またはエチレン-酢酸ビニル(EVA)、それらのコポリマー、または類似のタイプの材料から個々に構築され得る。他の実施形態では、ミッドソール172は、EVA-Solid-Sponge(「ESS」)材料、EVA発泡体(例えば、PUMA(登録商標)ProFoam LiteTM、IGNITE発泡体)、ポリウレタン、ポリエーテル、オレフィンブロックコポリマー、有機シート、熱可塑性材料(例えば、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性エラストマー、熱可塑性ポリオレフィンなど)、または超臨界発泡体であってもよい。ミッドソール172は、単一のポリマー材料であってもよく、またはEVAコポリマー、熱可塑性ポリウレタン、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)コポリマー、および/またはオレフィンブロックコポリマーなどの材料のブレンドであってもよい。PEBA材料の一例は、PEBAX(登録商標)である。いくつかの実施形態では、ミッドソール172は、射出成形、加硫、層ごとの印刷、すなわち、アディティブ製造システムまたは方法などを含むプロセスによって製造される。
【0037】
ミッドソール172が超臨界発泡プロセスから形成される実施形態では、超臨界発泡体は、オートクレーブ、射出成形機、または超臨界流体(例えば、CO、N、またはそれらの混合物)と、好ましくは溶融している材料(例えば、TPU、EVA、ポリオレフィンエラストマー、またはそれらの混合物)との混合を処理することができる任意の十分に加熱/加圧された容器内で実施されるプロセスを使用して製造される、TPU、EVA、PEBAX(登録商標)、またはそれらの混合物などの微細孔発泡体または粒子発泡体を含むことができる。1つの例示的なプロセスでは、超臨界流体および溶融材料の溶液は、加圧容器内にポンプで送り込まれ、その後、容器内の圧力がリリースされ、その結果、超臨界流体の分子は、ガスに急速に変換して、材料内に小さなポケットを形成し、材料を発泡体に膨張させる。さらなる実施形態では、ミッドソール172は、膨張プレス、射出成形機、ペレット膨張プロセス、冷間発泡プロセス、圧縮成形技術、ダイカット、またはそれらの任意の組合せの使用を含む、当技術分野で公知の代替方法を使用して形成され得る。例えば、ミッドソール172は、材料を発泡させるために超臨界ガスが使用され、次いで、特定の形状に圧縮成形またはダイカットされる初期発泡ステップを含むプロセスを使用して形成され得る。
【0038】
図4は、留め具システムまたはクロージャーシステム204を有する履物具200の概略図であり、この留め具システムまたはクロージャーシステム204には、コード212と作動可能に係合してクロージャーシステム204を作動させ、履物具200をユーザの足の周りに締め付け、例えば、履物具200を緩められた構成から締め付けられた構成に調整するストラップまたは踵部分208が含まれている。さらに、クロージャーシステム204は、例えば、締め付けられた構成から緩められた構成へと、締め付けられた後に履物具200をロック解除および/またはリリースするためにコード212と動作可能に係合される、スイッチまたはダイヤルの形態のリリース機構216を含む。加えて、クロージャーシステム204は、コード212と動作可能に係合して履物具200を締め付けられた構成に選択的にロックまたは保持し、リリース機構216の動作によって選択的にロック解除またはリリースされるクロージャー機構またはディスク220を含む。
【0039】
図4を参照すると、ストラップ208は、履物具200のアッパー102上および踵領域112内に配置される。特に、ストラップ208は、履物具200の踵端部146に位置し、一対の開口部224a、224bの間のほぼU字形の経路に延在し、そのうちの1つのみが図4の図から見ることができる。開口部224a、224bは、踵領域112内のアッパー102の内側118および外側116にそれぞれ配置される。図示の実施形態では、ストラップ208は、ソール104から離間され、アッパー102の内部空洞106への開口部166を囲むカラー228の下にある。さらに、開口部224a、224bは、ソール104から等距離に配置され、また、互いに離間して配置される。開口部224a、224bは、アッパー102内に形成され、踵領域112内で中足領域110に向かって延びるチャネル(図示せず)に接続される。
【0040】
図4では、ストラップ208は、アッパー102とストラップ208との間に間隙232が形成された休止構成で示されている。特に、休止構成では、ストラップ208の中央部分236は、ストラップ208がアッパー102の踵端部146から長手方向軸Lに対して後方および上方に延びるように、アッパー102から距離Gの場所に位置する。ストラップ208の中央部分236は、ストラップ208の周囲部分よりも比較的厚い。そのために、中央部分236はユーザによって把持されたときに快適性、耐久性、および弾性を提供するために、パッド、例えば、発泡体を含んでもよい。さらに、中央部分236はストラップ208およびその中央部分236がつま先端部140に対して外側116と内側118との間で凹状に湾曲するように、ストラップ208の第1の端部240と第2の端部244との間に延在する。休止構成では、ストラップ208の第1および第2の端部240、244は、開口部224a、224bおよびアッパー102のチャネル(図示せず)内または隣接して配置される。図4から、ストラップ208の第1の端部240および第2の端部244は、クロージャーシステム204の動作可能な係合および/または作動のためにコード212に結合されることが理解され得る。休止構成では、第1の端部240および第2の端部244が開口部224a、224bに隣接するコード212の部分に結合され、アッパー102内に少なくとも部分的に隠される。ストラップ208は、図4に示されるように、その形状を休止構成に保持するように構成される弾性材料で形成されることが企図される。
【0041】
さらに図4を参照すると、コード212は、履物具200の踵領域112および中足領域110内のアッパー102上に配置される。図示の実施形態では、コード212は、アッパー102および/またはソール104を横切って、履物具200のいくつかの領域を横切って延在し得る巻き付け領域248を画定する。コード212は、ストラップ208とリリース機構216および/またはディスク220との間に延在する第1のセグメント252を含む複数のセグメントから構成される。さらに、コード212は、リリース機構216および/またはディスク220と、アッパー102上に配置された保持部材260との間に延在する第2のセグメント256を含む。保持部材260は、ループまたは一連のループの形態で提供されてもよいが、他の構成も可能である。図示の実施形態では、保持部材260は、アッパー102の前足領域108内に配置され、リリース機構216および/またはディスク220から離間しているが、他の構成も可能である。コード212の第2のセグメント256は、保持部材260とリリース機構216および/またはディスク220との間の点でソール104に結合され得る。いくつかの実施形態では、コード212を保持するために、アッパー102および/またはソール104上に複数の保持部材260が配置される。
【0042】
第1のセグメント252および第2のセグメント256を含むコード212は、ストラップ208および/またはディスク220によって加えられる張力を圧縮、例えば、締め付け力に変換し、そのような圧縮を履物具200の周りに分配して、ユーザの足の周りで締め付けるように構成される。図示の実施形態では、コード212の第1のセグメント252および第2のセグメント256は、アッパー102の外側116および内側118の両方に沿って延びるが、他の構成も可能である。具体的には、クロージャーシステム204のコード212の第1のセグメント252は、開口部224a、224bとディスク220および/またはリリース機構216との間にV字形パターンで配置され、第1の最下点264は、踵領域112内のソール104に隣接してアッパー102上に配置される。第1の最下点264は、ソール104の上または内部に、かつ履物具200の異なる領域内に配置され得ることが企図される。コード212の第2のセグメント256はまた、ディスク220および/またはリリース機構216と保持部材260との間にV字形パターンで配置されてもよく、第2の最下点268は、中足領域110内のソール104に隣接してアッパー102上に配置される。第2のセグメント256の第2の最下点268は、ソール104上またはその内部に、かつ履物具200の異なる領域内に配置され得ることが企図される。さらに、第1のセグメント252の第1の最下点264および第2のセグメント256の第2の最下点268は、ソール104および/または長手方向軸Lに対して異なる高さに位置付けられ得ることが企図される。
【0043】
コード212は、リリース機構216および/またはディスク220によって第2のセグメント256に接合される第1のセグメント252など、互いに接合または結合される複数の別個のセクションを含むことが企図される。いくつかの実施形態では、コード212は、単一部材として一体的に形成される複数のセクションから構成される。さらに、コード212は、例えば、弾性材料もしくは熱可塑性材料、織布もしくは不織布もしくは繊維材料、またはそれらの何らかの組合せなど、様々な弾性材料および可撓性材料から形成され得る。いくつかの実施形態では、コード212は、履物具200のいくつかの領域に配置された複数の保持部材260によってアッパー102および/またはソール104に固定される。追加的にまたは代替的に、コード212がアッパー102および/またはソール104内に形成された複数の導管270、例えば、アッパー102および/またはソール104を含む層または基板間に形成された通路などに、紐付けまたはねじ込まれてもよい。いくつかの実施形態では、導管270は、コード212全体がその中に封入されるように、アッパー102および/またはソール104に沿って連続的に延在してもよい。いくつかの実施形態では、導管270は、コード212の部分またはセグメントがアッパー102の外側または内部空洞106の内側に露出されるように、別個のセクションで提供される。
【0044】
さらに、コード212は、その周辺または一部に沿ってインソール126に取り付けられてもよい。コード212は、アッパー102またはその層もしくは基材に織られ、かつ/または織り込まれ、アッパー102は、その中に埋め込まれたコード212と一体に形成されることが企図される。このようにして、アッパー102およびコード212の製造を、より少ない工程で、より少ない労力で効率的に達成することができる。さらに、コード212は、異なる機能を達成するために異なる材料特性を有する複数の材料から形成されることが企図される。例えば、コード212のセグメントは、履物具200の特定の領域または面積に沿って分布される張力を制御するために、他のセグメントよりも可撓性があるように構成されてもよい。さらに、コード212は、材料特性およびアッパー102との取り付けまたは一体化を介して、繰り返し使用しても、繰り返しの張力および屈曲に耐えるように、ならびに屋外環境に耐えるように構成される。
【0045】
図4を参照すると、リリース機構216は、履物具200の中足領域110内のアッパー102の頂部272上に配置される。図示の実施形態では、リリース機構216は、履物具200の外側116と内側118との間の中央に位置し、開口部166に隣接するアッパー102のシュータン170上に概ね丸みを帯びた構成要素として提供されるが、他の構成も可能である。履物具200のアッパー102は、前足領域108から踵領域112まで、開口部166の周りで内部空洞106内に延びる頂部272を含む。図示の実施形態では、頂部272は、アッパー102の残りの部分に対して厚くなっている。頂部272は、シュータン170を含むか、またはシュータン170を取り囲むことができることが企図される。リリース機構216は、アッパー102上に露出され、第1のセグメント252と第2のセグメント256との間でコード212に結合されるように構成される。このようにして、リリース機構216は、クロージャーシステム204を操作するためにユーザによって作動されるように構成される。いくつかの実施形態では、リリース機構216は、ユーザによってねじられ、または回転されるように構成される。他の実施形態では、リリース機構216は、ユーザによってアッパー102内に押し込まれるように構成される。いくつかの実施形態では、リリース機構216は、ユーザがいずれかの方法でリリース機構216を作動させることができるように、ねじられ、押されることができる。作動時に、リリース機構216は、クロージャーシステム204のリリース機能を作動させて、履物具200を緩めることを可能にする。
【0046】
図4に示すように、ディスク220は、履物具200の中足領域110内のアッパー102上に配置される。図示の実施形態では、ディスク220は、開口部166に隣接する履物具200の外側116と内側118との間の中央に位置し、アッパー102のシュータン170上に概ね丸みを帯びた構成要素として提供されるが、他の構成も可能である。ディスク220の一部は、ディスク220がリリース機構216に動作可能に結合され、リリース機構216によって隠されるように、アッパー102上およびリリース機構216の下に部分的に露出される。このようにして、ディスク220は、クロージャーシステム204を操作するためにユーザによって作動されるように構成される。さらに、ディスク220は、コード212に動作可能に結合されるように構成される。ディスク220は、コード212の第1のセグメント252によって作動されて、履物具200を締め付けるおよび/または緩めるように構成される。さらに、ディスク220は、履物具200を緩めるため、リリース機構216によって作動されるように構成される。
【0047】
図5は、クロージャーシステム204を有する履物具200の外側116の概略図を示す。図示の実施形態では、内側118と同様に、クロージャーシステム204のコード212は、開口部224a、224bとディスク220および/またはリリース機構216との間にV字形パターンで延在する第1のセグメント252を含み、第2のセグメント256は、ディスク220および/またはリリース機構216と保持部材260との間にV字形パターンで配置される。さらに、第1のセグメント252の第1の最下点264は、外側116の踵領域112に配置され、第2のセグメント256の第2の最下点268は、外側116の前足領域108に配置される。
【0048】
図5は、ユーザが装着したままの履物具200と、ストラップ208がユーザの手276によってアッパー102の踵端部146上の開口部224a、224bから離れるように、長手方向軸L(図4参照)に対して後方および上方に引っ張られ、または移動される作動構成のクロージャーシステム204とを示す。その結果、ストラップ208とアッパー102との間の間隙232は特に、ストラップ208の中央部分236とアッパー102との間の距離Gに関して、サイズが増大し、ストラップ208の中央部分236は、つま先端部140に対して少なくとも部分的に変形および/または曲率変化する。図5に示される作動構成では、コード212の第1のセグメント252の一部分は、開口部224a、224bを通して、アッパー102から引き出されて、少なくとも部分的に露出されるようになる。そのために、ユーザがストラップ208を休止構成(図4参照)から作動構成(図5参照)に引っ張ると、ストラップ208は、コード212の第1のセグメント252を通って、ディスク220および/またはコード212の第2のセグメント256に伝達される張力を及ぼす。コード212に加えられ、ディスク220に伝達される張力の結果として、クロージャーシステム204は、履物具200を締め付けられた構成に調整する。したがって、コード212のディスク220および/または第1のセグメント252は、コード212の第2のセグメント256に張力を加え、これは、履物具200の周りの圧縮力をいくつかの方向およびいくつかの領域にさらに分配し、ユーザの足の周りの履物具200の快適で一貫した締め付けを可能にする。コード212の第1のセグメント252および第2のセグメントに加えられる張力の結果として、第1のセグメント252の第1の最下点264は、例えば、ソール104からより遠くに変位するように位置を変化させることができ、第2のセグメント256の第2の最下点268も、例えば、ソール104から変位するように位置を変化させることができる。このようにして、コード212は、アッパー102の内部空洞106内でユーザの足を包囲および圧縮するように制限および/または締め付けられる。さらに、コード212は、ソール104の外側116および内側118に張力を加えることができ、履物具200は、快適性およびフィット性を改善するために、ユーザの足を複数の方向にさらに包囲および圧縮する。
【0049】
ストラップ208は、作動構成から休止構成に自動的に引き込むように構成されることが企図される。そのために、ストラップ208を作動構成から休止構成に戻すための付勢機構(図示せず)を含むことができ、それによって、ストラップ208が長手方向軸Lに対して前方および下方に移動するように、ストラップ208の中間区間236とアッパー102との間の距離Gを減少させる(図4参照)。コード212の第1のセグメント252は、引張力が加えられたときに変形、すなわち伸張を可能にし、次いで、引張力がリリースされたときに変形していない状態に戻り、ストラップ208が作動構成から休止構成に変換されるように、付勢機構として作用する可撓性または弾性材料から形成され得ることが企図される。他の実施形態では、コード212の第1のセグメント252は、可撓性でなくてもよく、または部分的にのみ可撓性であってもよい場合、付勢機構(図示せず)はストラップ208とは反対側の端部で第1のセグメント252に結合されてもよく、その結果、付勢機構はコード212の第1のセグメント252およびストラップ208を休止構成に同時に移動させる。付勢機構(図示せず)は、ディスク220内に配置され、コード212の第1のセグメント252に動作可能に接続されるコイルばねなどのばねであってもよいが、他の構成も可能であることが企図される。
【0050】
図4および図5を参照すると、履物具200は作動機構、すなわち、ストラップ208を引っ張ってクロージャーシステム204を作動させることによって、緩められた構成から締め付けられた構成に調整される。さらに、履物具はクロージャーシステム204をロック解除するために、リリース機構、すなわち、リリース機構216を操作する、例えば、ねじる、または押すことによって、締め付けられた構成から緩められた構成に調整される。したがって、クロージャーシステム204は、ストラップ208を介したワンタッチ作動およびリリース機構216を介したワンタッチリリースを提供することによって、ユーザが履物具200を迅速かつ効率的に締め付けおよび緩めることを可能にするように提供される。そのために、クロージャーシステム204はまた、履物具200がすでに締め付けられた構成になった後であっても、必要に応じて履物具200の再締め付けおよび/または増強された締め付けを可能にするように構成される。様々なレベルの締め付けが、様々な活動のために提供され得ることが企図される。例えば、急速な方向変化が生じるスポーツ活動、または不均一な地形でのトレーニングまたはハイキングなどの、より高度の履物補強を伴う活動などの、より活発な活動はアッパー102の内部空洞106内および/またはそこからの足の変位を防止するために、より高いレベルの締め付けを必要とし得る。したがって、クロージャーシステム204は締め付けられた構成にあるとき、様々なレベルの締め付けを提供するように構成される。
【0051】
そのために、締め付けられた構成は、ユーザによる選択のための複数の締め付けレベルを含むことができる。例えば、ストラップ208の第1の作動時、すなわち、ストラップ208を1回引っ張って作動構成に到達し、ストラップ208が休止構成に戻ることを可能にするときに、初期または第1の締め付けレベルに達する。次いで、ストラップ208の第2の作動後に第2の締め付けレベルに達し、ストラップ208の第3の作動後に第3の締め付けレベルに達する、などである。クロージャーシステム204によっていくつかの締め付けレベルが提供されてもよく、ストラップ208は、このようにして反復的に作動されて、各連続的な増分締め付けレベルに達してもよいことが企図される。より大きな張力をストラップ208に加え、それによってストラップ208をアッパー102からより大きな距離Gだけ引っ張ることによって、より高いレベルの締め付けが達成され得ることも企図される。このようにして、ユーザは、所望の活動に最も適した履物具200の締め付けレベルを選択することができる。
【0052】
履物具200の上面図の概略図である図6を参照すると、リリース機構216は、長手方向軸Lを通って延びる長手方向平面と交差するように、概ね円形の面280を有し、外側116と内側118との間のほぼ中央に位置するように示されている。さらに、インソール126は、アッパー102の内部空洞106内に示されており、アッパー102の踵領域112の開口166を通して見ることができる。図6の図示の実施形態では、ストラップ208は、履物具200の踵端部146において休止構成にある。加えて、コード212の第2のセグメント256は、中足領域110および前足領域108内の外側116および内側118上のアッパー102を横切って延びるものとして示されている。第2のセグメント256の一部は、アッパー102の頂部272内の保持部材260を通って延びる。
【0053】
説明のために、リリース機構216の近くに黄色の方向矢印が提供され、リリース機構216を反時計回り方向に回転、すなわち、ねじることによって、クロージャーシステム204を締め付けられた構成からリリースすることを示す。結果として、コード212は、ロック機構、例えば、ディスク220によってリリースされ、履物具200が緩められることを可能にする。リリース機構216はまた、時計回りに回転することによってその元の位置に自動的に戻り、その結果、ユーザはクロージャーシステム204をリリースするために、または履物具200を緩めるために、リリース機構216をその回転位置に保持する必要がないことが企図される。そのような自動引き込みは、ストラップ208を引き込む同じ付勢機構(図示せず)によって、またはリリース機構216のみに専用の異なる付勢機構によって可能にされ得る。さらに、コード212はリリースされると、変形または伸張された状態から、変形されず、弛緩された状態に弛緩し得ることが企図される。そうすることで、履物具200に沿って、特にユーザの足に分配される圧縮力は、少なくとも部分的にリリースされる。しかしながら、コード212とアッパー102および/またはソール104との間に存在する、例えば、チャネル(図示せず)内の摩擦力または保持部材260による摩擦力によって、リリース機構216がクロージャーシステム204をリリースまたはロック解除した直後に、部分的な量の圧縮力および張力が依然として存在する。したがって、リリース構成にあるとき、図6に示されるように、ユーザは、踵領域112などの履物具200の一部分との接触を介して履物具200をさらに拡張および緩めて、コード212による抵抗なしにアッパー102の内部空洞106から足を取り出すことができる。そうすることで、コード212はアッパー102および/またはソール104内でさらに緩み、弛緩し、アッパー102からの足の取り外しを容易にする。
【0054】
図7は、履物具200と同様の履物具300の外側116の別の概略図を示す。図示の実施形態では、履物具300はクロージャーシステム204と同様のクロージャーシステム304を有する。特に、クロージャーシステム304は、コード312と動作可能に係合して履物具300を締め付けおよび/または緩めるストラップ308の形態の作動機構を含む。クロージャーシステム304は、履物具300を緩めるためにコード312にも動作可能に結合されるボタン316の形態のリリース機構をさらに含む。さらに、クロージャーシステム304は、履物具300を締め付けおよび/または緩めるための作動のために、コード312を介してストラップ308に動作可能に結合されるクロージャー機構またはディスク320を有する。ディスク320はまた、クロージャーシステム304をロック解除し、履物具300を緩めるために、ボタン316に動作可能に接続される。図示の実施形態では、ストラップ308はアッパー102の中足領域110に配置される。さらに、ストラップ308は、アッパー102の上部324に配置され、履物具300の外側116と内側118との間の中央に配置される。したがって、ストラップ308は、アッパー102の頂部324内に形成された開口部340a、340bに隣接して配置された第1の端部332と第2の端部336との間に延びる中央部分328を有する。開口部340a、340bは、コード312およびストラップ308のための通路としてアッパー102内におよびそれに沿って延びるチャネル(図示せず)に接続されることが企図される。
【0055】
図7に示すように、ボタン316およびディスク320は、中足領域110内のアッパー102の外側116に配置される。図示の実施形態では、ボタン316およびディスク320は、ストラップ308に隣接して、アッパー102の上部324の一部分上に配置される。ボタン316は、クロージャーシステム304をロックされたまたは締め付けられた構成からリリースするために、内側に、すなわち、内部空洞106に向かって、アッパー102内に押されるように構成される。加えて、ディスク320はボタン316を囲み、したがって、ディスク320もまた、アッパー102の外側116上に配置される。
【0056】
クロージャーシステム204に関連して説明したように、コード312は、ディスク320および/またはボタン316からストラップ308へ、かつ履物具300の内側118に向かってアッパー102に沿って延びる第1のセグメント344を含む。コード312の第1のセグメント344は、ストラップ308ならびにディスク320および/またはボタン316に動作可能に結合され、クロージャーシステム304を作動させて履物具300を締め付ける。さらに、コード312は、ディスク320および/またはボタン316からアッパー102に沿って、かつ履物具300の外側116に沿って下方に延びる第2のセグメント348を含む。コード312の第2のセグメント348は、ボタン316およびディスク320に動作可能に結合され、第2のセグメント348は、前足領域108および中足領域110内でアッパー102に沿って延在する。コード312の第1のセグメント344および第2のセグメント348の両方はそれぞれの内側118および外側116上にV字形パターンで延在し、その結果、それぞれは、頂部324からソール104に向かって斜め下方に伸び、その後、第1のセグメント344が第2のセグメント348と交差する前足領域108内で頂部324に向かって斜め上方に伸び、最終的に、アンカー352で終端し、そのうちの1つが図7に示されている。第1のセグメント344および第2のセグメント348は、異なる構成で履物具300上に配置されてもよく、その結果、他の構成の中でも、第2のセグメント348は、前足領域108内で、または履物具300の別の領域内で、第1のセグメント344と交差することが企図される。
【0057】
したがって、クロージャーシステム304が引張ストラップ308によって作動されると、第1のセグメント344および第2のセグメント348に張力が加わり、その張力がアンカー352に伝達される。結果として、第1のセグメント344および第2のセグメント348は、ディスク320とアンカー352との間で締め付けられ、これにより、圧縮力がアッパー102および/またはソール104に分配され、ユーザの足の周りに履物具300を締め付ける。さらに、履物具300のアッパー102は、外側116および内側118に沿って、かつ前足領域108、中足領域110、および踵領域112内に重ね合わされるパネル354を含む。図示の実施形態では、パネル354は、アッパー102と接合し、履物具300を横切って、アッパー102に沿って様々な凸状および凹状の湾曲を含む湾曲状に延在する一対の縁部356の間に画定される。縁部356の一方または両方は、第3のセグメント358がディスク320に動作可能に結合されて、アッパー102および/またはソール104に沿って圧縮力をさらに分配するように、コード312の第3のセグメント358も含み得ることが企図される。さらに、パネル354は、コード312がねじ込まれる、または紐付けされる穴またはアイレット360を含む。
【0058】
図8は、履物具300および履物具200と同様の履物具400の外側116の概略図を示す。履物具400は、ストラップ408の形態の作動機構と、スイッチまたはボタンの形態のリリース機構412と、コード416とを含むクロージャーシステム404を有する。さらに、クロージャーシステム404は、図8および図9に示されるように、リリース機構412に接続され、コード416およびストラップ408に動作可能に結合されるクロージャー機構またはディスク420を有する。図示の実施形態では、ストラップ408は、クロージャーシステム404の円形面428に形成された開口424a、424bから延在し、回転軸Rは面428を通って中心に延在する。特に、リリース機構412およびディスク420は回転軸Rと交差し、軸方向に整列されるが、他の構成も可能である。図示の実施形態では、コード416は、第1のセグメント432および第2のセグメント436(図9参照)を含み、これらのセグメントはそれぞれ、ディスク420の第1の通路440および第2の通路444から外向きに延びて、履物具400のアッパー102および/またはソール104を締め付ける。再び図8を参照すると、クロージャーシステム404は、履物具400に集中して取り付けられるように構成された統合ユニットまたはパッケージとして提供される。対照的に、クロージャーシステム204および304は、作動機構、すなわちストラップ208および308、ならびにクロージャー機構、すなわちディスク220および320がそれぞれ履物具200および300上で互いに離間しているという点で、分散化されている。さらに、図8に示されるように、リング446は、ディスク420の周囲に配置され、例えば、ディスク420を囲み、図9には示されていないが、リング446はコード416の第1のセグメント432および第2のセグメント436が延在する通路440、444を隠す(図9参照)。いくつかの実施形態では、リング446は、リリース機構412に加えて、または代替として、クロージャーシステム404をリリースまたはロック解除するために、回転軸Rを中心に回転またはねじられるように構成される。
【0059】
図9に示されるように、集中クロージャーシステム404は、リリース機構412がディスク420に対する回転運動のために取り付けられるシャフト448を有する。さらに、ディスク420は、リリース機構412のスプール464上に設けられたギア(図示せず)と回転係合するための、側壁460の内面456上に半径方向に配置された複数の歯452を有するハウジング450を備える。コード416の一部は、リリース機構412のスプール464に巻き付けられている。いくつかの実施形態では、コード416の第1のセグメント432が第1の通路440にねじ込まれ、スプール464の周りに巻き付けられる。他の実施形態では、コード416の第2のセグメント436は、第2の通路444にねじ込まれ、スプール464の周りに巻き付けられる。さらに他の実施形態では、第1のセグメント432および第2のセグメント436の両方がスプール464の周りに巻き付けられる。加えて、ディスク420は、ハウジング450のチャンバ472内に同心円状に配置され、回転軸Rと軸方向に位置合わせされたコイルばね468を受容する。クロージャーシステム404が組み立てられると、コイルばね468は、ディスク420とリリース機構412のスプール464との間に位置決めされるが、他の構成も可能である。
【0060】
第2のセグメント436がスプール464に巻き付けられる一実施形態では、クロージャーシステム404は、ユーザが引張力を印加することによって作動され、すなわち、ストラップ408をリリース機構412から引き離し、コイルばね468の力に抗して、作動構成(図9に示すように)に達し、リリース機構412のスプール464を回転軸Rの周りに回転させる。スプール464が回転すると、リリース機構412の面428およびディスク420の両方が定位置に固定されたままであり、回転軸Rの周りに回転しない。さらに、スプール464が回転すると、コード416の第2のセグメント436が第2の通路444を通って回収され、スプール464の周りに巻き付けられ、これにより、引張力が第2のセグメント436に印加され、履物具400を締めるための圧縮力として履物具400に運ばれる。加えて、スプール464がディスク420内の回転軸Rを中心に回転すると、歯車(図示せず)は、ディスク420上に配置された複数の歯452と係合して、逆回転または巻き戻しを防止し、回転軸Rを中心としたその回転変位において、スプール464を反復的に固定する。歯車(図示せず)とディスク420の複数の歯452との間の機械的相互作用により、「クリック」および知覚可能な振動に似た可聴音が生成されて、ユーザに音響および触覚フィードバックを提供し、その結果、ユーザは、そのようなフィードバックをクロージャーシステム404の動作と関連付けることができる。
【0061】
続いて、ユーザがストラップ408をリリースした後、コイルばね468は、ストラップ408をリリース機構412に向かって休止構成に引き込ませ、一方、スプール464は、歯車(図示せず)とディスク420上の複数の歯452との間の相互作用によって、その半径方向変位位置にロックされたままである。この時点で、スプール464がその半径方向変位位置にロックされ、ストラップ408が休止構成に戻ったとき、第1のセグメント432および第2のセグメント436は動きに対してロックまたは固定され、したがって、クロージャーシステム404は履物具400の締め付けられた構成の第1の締め付けレベルに達している。ストラップ408を再び引くと、ディスク420内のスプール464のより遠い半径方向変位が歯車(図示せず)と複数の歯452との相互作用によってスプール464が所定の位置にロックされる第1の締め付けレベルよりも増加した圧縮力の第2の締め付けレベル、すなわち、より締め付けられることになることが企図される。このようにして、ユーザが望むように、第2の締め付けレベルを超えて増強された締め付けレベルを達成することができる。クロージャーシステム404を締め付けられた構成からリリースまたはロック解除するために、ユーザはリリース機構412の面428を押し下げて、ギア(図示せず)を複数の歯452との係合から外し、それによって、スプール464をディスク420からロック解除し、逆回転または後方回転を可能にすることができる。
【0062】
別の実施形態では、クロージャーシステム404は、リング446(図8参照)を回転またはねじることによってリリースまたはロック解除される。図8および図9を参照すると、リング446は、リリース機構412の歯車(図示せず)をディスク420の複数の歯452から係合解除するように回転されるように構成され得る。例えば、リング446は、リリース機構412に結合され、リリース機構412をディスク420から軸方向に変位させることができ、その結果、リリース機構412のスプール464に設けられたギア(図示せず)は、ディスク420の複数の歯452との係合から軸方向に変位する。結果として、コード416の第1のセグメント432および第2のセグメント436は、ロック解除または緩められ、したがって、履物具400はリング446の回転によって、締め付けられた構成から緩められた構成に調整される。
【0063】
図10は、履物具500の中足110内に配置されたクロージャーシステム504を有する履物具500の側面図の別の概略図を示す。クロージャーシステム504は、集中型のパッケージ化されたクロージャーシステム404と同様であることが企図される。図示の実施形態では、クロージャーシステム504は、ソール104の外側116から内側118まで、およびアッパー102の中足領域110の周りに延在するラッチアセンブリ508の形態の、組み合わされた作動機構およびリリース機構を有する。さらに、クロージャーシステム504は、中足領域110のアーチ領域516内のソール104上に取り付けられたクロージャー機構またはディスク512を有する。アーチ領域516は、履物具500が装着されたときのアッパー102内のユーザの足のアーチの位置に対応する領域である。ディスク512は、アーチ領域516内の、ユーザがアクセスできるように露出され、構成された外部リッジ520を含む。図示の実施形態では、ラッチアセンブリ508は、履物具500の内側118に配置された第1の基部(図示せず)から延びる第1のワイヤフレーム532の第1の遠位端528に配置されたフック524を含む。図10に示されるように、フック524は、休止構成に位置付けられ、履物具500の外側116に向かって関節運動によって作動されるように構成される。さらに、ラッチアセンブリ508は、履物具500の外側116に配置された第2の基部548から延びる第2のワイヤフレーム544上の第2の遠位端542にラッチ540を含む。フック524と同様に、ラッチ540は、図10の休止構成で示され、履物具500の内側118に向かって関節接合されるように構成される。第2のワイヤフレーム544は、例えば、第1のワイヤフレーム532を第1の基部(図示せず)の周りで外側116およびラッチ540に向かって曲げるかまたは回転させることによって、フック524が関節接合されるときにフック524が中に受容されるスロット552を形成する。
【0064】
クロージャーシステム504を緩めまたはロック解除するために、ユーザはラッチ540との係合を越えてフック524を外側116に向かって関節運動させることによって、フック524をラッチ540から外すことができ、これはまた、ラッチ540を内側118に向かって関節運動させ、次いで、フック524が、第1のワイヤフレーム532および第1の基部(図示せず)によって提供される自己付勢力によって、休止構成からの屈曲および/または変位によって、内側118に向かって引き込ませられるまで、上方102から離れるように垂直に上方に引っ張ることによって補助され得る。そのために、第1のワイヤフレーム532および第2のワイヤフレーム544は、好ましくは弾性および可撓性材料で形成される。さらに、クロージャーシステム504は、第1の基部(図示せず)および第2の基部548を互いに向かって移動させるために、ディスク512の操作、例えば回転によって締め付けまたは緩めることができる。代替的に、ディスク512の動作は、第1のワイヤフレーム532および/または第2のワイヤフレーム544の部分を回収してもよく、その結果、ラッチアセンブリ508は、履物具500を履いたときに、アッパー102の周囲、ひいてはユーザの足の周囲で次第に制限されるようになる。いくつかの実施形態では、ディスク512を反時計回りに回転させて履物具500を締め付け、時計回りに回転させて、履物具500を締め付けられた構成からロック解除またはリリースし、それによって、ユーザが履物具500を緩めることができる。
【0065】
履物具600の概略図を示す図11を参照すると、クロージャーシステム604は、履物具600の中足領域110内のソール104上に配置される。図示の実施形態では、クロージャーシステム604は、ソール104の底面176に取り付けられ、履物具600を締め付け、緩めるためにコード612と動作可能に係合するクロージャー機構または608を含む。クロージャーシステム604は、クロージャーシステム204、304、404、504に関連して説明された作動機構およびリリース機構のいずれかを組み込むことができることが企図される。図11に示すように、コード612は、ディスク608と動作可能に係合し、ソール104およびアッパー102を横切ってウェブ状の巻き付けパターンで延びる複数のセグメント616a~hを含む。ディスク608を履物具600のソール104上および中足領域110内に配置することにより、ディスク608の質量は、履物具600の質量または重心のバランスのとれた分布を提供するように、履物具600上に集中され、これは、高性能特性を伴う用途に望ましい場合がある。加えて、ディスク608は、目立たないように履物具600の下に少なくとも部分的に隠され、審美的目的のために望ましい場合がある。
【0066】
図12は、クロージャーシステム704を有する履物具700のソール104の上面図の概略図を示す。図示の実施形態では、クロージャーシステム704は、中足領域110のソール104に取り付けられたクロージャー機構またはディスク708を含む。特に、ディスク708は、ソール104の上面712に少なくとも部分的に埋め込まれ、履物具700の外側116と内側118との間の中央に配置される。さらに、ディスク708は、履物具700が着用されたときのアッパー102内のユーザの足のアーチの位置に対応する領域である、ソール104のアーチ716内に位置する。クロージャーシステム704は、クロージャーシステム204、304、404、504に関連して説明された作動機構およびリリース機構のいずれかを組み込むことができることが企図される。図12に示されるように、コード720は、ディスク708と動作可能に係合され、ウェブ状の巻き付けパターンでソール104を横切って延在する複数のセグメント724a~hを含む。
【0067】
いくつかの実施形態では、履物具700は、ディスク708を覆うためのインソール126(図2参照)を含むことができ、その結果、ディスク708は、インソール126とソール104の他の部分との間に封入され、インソール126の取り外しまたは変位によってアクセス可能である。いくつかの実施形態では、アクセスプラグ(図示せず)がディスク708にアクセスするために履物具700のソール104上に提供されてもよい。さらに、ディスク708は、履物具700を永久的に変形させることなく、完全に包囲され、アクセス不可能であってもよい。ディスク708はアクセス可能であるか、またはアクセス不可能であるかにかかわらず、ディスク708を封入することは、使用中の外部表面または物体との衝撃、屋外環境、またはユーザによって加えられる操作または衝撃による損傷からの保護を提供する。ソール104内および履物具700の中足領域110内にディスク708を配置することにより、ディスク708の質量は、履物具700の質量または重心のバランスのとれた分布を提供するように履物具600上に集中され、これは高性能特性を伴う用途に望ましい場合がある。加えて、ディスク708は目立たないように隠されており、審美的目的のために望ましい場合がある。クロージャーシステム704は、屋外環境、使用による衝突などから保護するために、ソール104内に埋め込まれ、ソール104内に完全に封入され得るか、またはソール104内に少なくとも部分的に封入または埋め込まれ得ることが企図される。
【0068】
また、本明細書に記載されているクロージャーシステム204、304、404、504、604、704のいずれも、米国特許に開示されているものと同様のクロージャー機構を組み込むことができると考えられる。米国特許第5,325,613号、米国特許第5,600,875号、米国特許第5,606,778号、米国特許第5,638,588号、米国特許第5,651,198号および米国特許第5,669,116号(これらは全て、Puma SEに共通に譲渡され、その全体が参照により本明細書に組み入れられる)に記載されている。例えば、ディスク220、320、420、512、608、708は、本開示のそれぞれの履物具200、300、400、500、600、700に取り付けられたときに、締め付け機能または緩める機能を提供するために、そのようなクロージャー機構の1つまたは複数の態様を含み得ることが企図される。
【0069】
他の実施形態では、他の構成が可能である。例えば、上記の議論における特定の実施形態に関して提示される特定の特徴および特徴の組み合わせは、必要に応じて、他の実施形態および他の組み合わせにおいて利用することができる。さらに、本明細書に記載される実施形態のいずれかは、他の実施形態に関連して開示される構造または方法のいずれかを含むように修正され得る。加えて、本開示は、具体的に示されるタイプの履物具に限定されない。さらに、本明細書に開示される実施形態のいずれかの履物具の態様は、任意のタイプの履物具、衣服、または他の運動器具で機能するように修正されてもよい。
【0070】
前述のように、本発明は、特定の実施形態および実施例に関連して上述されているが、本発明は必ずしもそのように限定されず、多数の他の実施形態、実施例、使用例、変形例、および実施形態、実施例、使用例からの逸脱は、本明細書に添付される特許請求の範囲によって包含されることが意図されることが、当業者によって理解されるのであろう。本明細書に引用される各特許および刊行物の全開示は、そのような各特許または刊行物が参照により個々に本明細書に組み込まれるかのように、参照により本明細書に組み込まれる。本発明の様々な特徴および利点は、以下の特許請求の範囲に記載されている。
【産業上の利用可能性】
【0071】
前述の説明を考慮すると、本発明に対する多数の変形例が当業者には明らかであろう。したがって、この説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、当業者が本発明を実施および使用することを可能にする目的で提示される。添付の特許請求の範囲内にあるすべての変形例に対する排他的権利が留保される。
【0072】
[関連出願の相互参照]
本出願は2021年12月21日に出願された米国仮出願第63/292,289号の利益および優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2024-09-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動機構と、
リリース機構と、
クロージャー機構と、
履物具のアッパーと動作可能に係合されるように構成されたコードと、を含み、
前記作動機構は、前記履物具を緩められた構成から締め付けられた構成に調整するようにクロージャーシステムを作動させて引っ張られるように構成され、前記リリース機構は、前記履物具を締め付けられた構成から緩められた構成に調整するように構成され、前記リリース機構は前記アッパーの上部に位置し、前記作動機構は前記リリース機構から間隔を空けた位置で前記アッパーから延在しており、
前記コードは、前記作動機構で終端する第1の端部と、前記リリース機構で終端する第2の端部と、を有する第1のセグメントを含み、
前記第1のセグメントは、前記第1のセグメントの前記第1の端部と前記第2の端部との間に位置する第1の最下点を含み、
前記第1の最下点は、前記第1のセグメントに力が加えられたときに位置が変化するように構成されている、履物具のためのクロージャーシステム。
【請求項2】
前記作動機構は、ストラップを含む、請求項1に記載のクロージャーシステム。
【請求項3】
前記リリース機構は、ダイヤルを含む、請求項1に記載のクロージャーシステム。
【請求項4】
前記クロージャー機構は、ディスクを含む、請求項1に記載のクロージャーシステム。
【請求項5】
前記クロージャー機構は、前記履物具を前記締め付けられた構成に保持するように構成される、請求項1に記載のクロージャーシステム。
【請求項6】
前記コードは、前記クロージャー機構によって互いに動作可能に結合された複数のセグメントから構成される、請求項1に記載のクロージャーシステム。
【請求項7】
保持部材は、前記コードの一部を保持するように前記アッパー上に配置される、請求項1に記載のクロージャーシステム。
【請求項8】
前記締め付けられた構成は、第1のレベル、第2のレベル、および第3のレベルを含む様々なレベルの締め付けを含み、
前記第3のレベルは、前記第2のレベルよりも緊密であり、前記第2のレベルは、前記第1のレベルよりも緊密である、請求項1に記載のクロージャーシステム。
【請求項9】
アッパーに接続されたソールを有する履物具のためのクロージャーシステムであって、
作動機構と、
リリース機構と、
円形の面を有するクロージャー機構と、を含み、
前記クロージャーシステムは、分散化されており、前記履物具に沿って延在するコードによって動作可能に接続され、前記作動機構は、前記リリース機構から間隔をあけた位置で上部から延在するストラップを含み、
前記コードは、前記ストラップの第1の端部で終端する第1端部と、前記リリース機構で終端する第2の端部と、を有する第1のセグメントを含み、
前記第1のセグメントは、前記第1のセグメントの前記第1の端部と前記第2の端部との間に位置する第1の最下点を含み、
前記第1の最下点は、前記第1のセグメントに力が加えられたときに位置が変化するように構成されている、履物具のためのクロージャーシステム。
【請求項10】
前記作動機構は、前記履物具の踵領域に配置され、前記リリース機構は、前記履物具の中足領域に配置される、請求項9に記載のクロージャーシステム。
【請求項11】
前記クロージャー機構は、前記履物具の中足領域内の前記アッパー上に配置される、請求項9に記載のクロージャーシステム。
【請求項12】
前記クロージャー機構は、前記履物具の前記ソール内に配置される、請求項9に記載のクロージャーシステム。
【請求項13】
前記クロージャー機構および前記リリース機構は、前記履物具の中足領域に配置される、請求項9に記載のクロージャーシステム。
【請求項14】
前記コードは、第2のセグメントをさらに含み、前記第1のセグメントは、前記作動機構と前記クロージャー機構との間に延在し、前記第2のセグメントは、前記クロージャー機構から保持部材まで延在する、請求項9に記載のクロージャーシステム。
【請求項15】
前記コードの前記第1のセグメントは、前記作動機構を作動構成から休止構成に引き込むように構成された弾性材料から形成される、請求項14に記載のクロージャーシステム。
【請求項16】
履物具のための集中クロージャーシステムであって、
作動機構と、
リリース機構と、
回転軸を定義するクロージャー機構と、を含み、
前記集中クロージャーシステムは、ユーザに触覚フィードバックを提供するように構成され、前記作動機構は、前記回転軸と平行な方向に前記クロージャー機構から外側に引っ張られ、前記集中クロージャーシステムを作動させてコードを締めるように構成され、前記作動機構は、前記集中クロージャーシステムの作動後にコイルばねによって前記クロージャー機構に向かって引き込むように構成され、環状リングは前記コードが延在する少なくとも一つの開口部を隠すように前記クロージャー機構の周りに配置されている、履物具のための集中クロージャーシステム。
【請求項17】
前記クロージャー機構は、前記履物具を締め付けるために前記コードと動作可能に係合される、請求項16に記載の集中クロージャーシステム。
【請求項18】
前記コイルばねは、前記クロージャー機構内に配置される、請求項16に記載の集中クロージャーシステム。
【請求項19】
前記作動機構および前記クロージャー機構は、互いに動作可能に結合され、前記履物具の中足領域内に配置される、請求項16に記載の集中クロージャーシステム。
【国際調査報告】