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特表2025-500290圃場の土壌特性マップを生成するためのコンピュータ実装方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-09
(54)【発明の名称】圃場の土壌特性マップを生成するためのコンピュータ実装方法
(51)【国際特許分類】
   A01M 21/02 20060101AFI20241226BHJP
   A01G 7/00 20060101ALI20241226BHJP
   G06Q 50/02 20240101ALI20241226BHJP
【FI】
A01M21/02
A01G7/00 603
A01G7/00 601Z
G06Q50/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024536378
(86)(22)【出願日】2022-12-19
(85)【翻訳文提出日】2024-07-22
(86)【国際出願番号】 EP2022086598
(87)【国際公開番号】W WO2023117868
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】21216256.4
(32)【優先日】2021-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521508254
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ アグロ トレードマークス ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フォン ヘーベル,クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ホス-クーネ,モーリー ジョー
(72)【発明者】
【氏名】キーペ,ビョルン
【テーマコード(参考)】
2B022
2B121
5L050
【Fターム(参考)】
2B022DA19
2B121AA19
2B121CB37
2B121DA62
2B121DA63
2B121EA26
2B121FA14
5L050CC01
(57)【要約】
圃場の土壌特性マップを生成するためのコンピュータ実装方法は、少なくとも1つの作物関連パラメータを含む、圃場の作物特性分布データを受信するステップ(S1)と、作物特性分布データの所定範囲内の作物関連パラメータを有する同等領域を決定するステップ(S2)と、決定された同等領域の各々に対して少なくとも1つの土壌パラメータに関する土壌データを受信するステップ(S3)と、土壌データ及び同等領域に基づいて圃場の土壌特性マップを生成するステップ(S4)とを含む。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場(112)の土壌特性マップ(SPM)を生成するためのコンピュータ実装方法であって、
少なくとも1つの作物関連パラメータ(P)を含む、前記圃場(112)の作物特性分布データ(D)を受信するステップ(S1)と、
前記作物特性分布データ(D)の所定範囲内の作物関連パラメータ(P)値を有する同等領域(A1、A2、A3、A4)を決定するステップ(S2)と、
前記決定された同等領域(A1、A2、A3、A4)の各々に対する少なくとも1つの土壌パラメータ(SP)に関する土壌データ(SD)を受信するステップ(S3)と、
前記土壌データ(SD)及び前記同等領域(A1、A2、A3、A4)に基づいて前記圃場(112)の土壌特性マップ(SPM)を生成するステップ(S4)と、
を含む方法。
【請求項2】
前記方法が、前記土壌特性マップ(SPM)に基づいて農業機械(102、104、106)のための処理命令データ(TD)を生成するステップ(S5)を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記作物分布データ(D)がバイオマス分布データ(BMD)であり、前記作物関連パラメータ(P)値がバイオマス値(BMV)である、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記バイオマス分布データ(BMD)が、データベース(130)から受信されるか、現在の測定値又はユーザ入力(IP)である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記バイオマス分布データ(BMD)が、履歴バイオマス分布データから導き出され、前記履歴バイオマス分布データが、2年間以上、より好ましくは4年間以上、更に好ましくは8年間以上、最も好ましくは10年間以上である、請求項3又は請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記決定された同等領域(A1、A2、A3、A4)に基づいて提供される、前記圃場(112)の土壌サンプリング場所データ(SSD)を提供するステップ(S2a)を更に含み、好ましくは前記圃場(112)を通過する土壌サンプリング装置のための土壌サンプリング経路データ(R)及び/又は前記圃場(112)の土壌サンプリングマップデータが提供される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記サンプリング場所データ(SSD)が各同等領域(A1、A2、A3、A4)に対して1~10、好ましくは2~7、より好ましくは4~6、最も好ましくは1つだけのサンプリング場所(L1、L2、L3、L4、L5、L6、L7)を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記土壌サンプルが採取されなければならない時刻への参照を含む土壌サンプリングタイミングデータを提供するステップを更に含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
土壌サンプリング方法データを提供するステップを更に含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記土壌データが、土壌有機物、全炭素含有量、有機炭素含有量、無機炭素含有量、土壌腐植含有量、ホウ素含有量、リン酸含有量、カリウム含有量、窒素含有量、硫黄含有量、カルシウム含有量、鉄含有量、アルミニウム含有量、塩素含有量、モリブデン含有量、マグネシウム含有量、ニッケル含有量、銅含有量、亜鉛含有量、マンガン含有量、圃場又は圃場ゾーンの土壌のpH値、土壌品質、土壌の砂礫化、土壌の水分量、土壌湿度、土壌温度、土壌表面温度、土壌密度、土性、土壌伝導度、保水力、粘土含有量、シルト含有量、及び/又は土壌の砂含有量であるか、或いはこれらに関連する、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
圃場(112)の土壌特性マップ(SPM)を生成するためのシステム(126)であって、
少なくとも1つの作物関連パラメータ(P)を含む、前記圃場(112)の作物特性分布データ(D)を受信するように構成された第1の受信ユニット(128)と、
前記作物特性分布データ(D)の所定範囲内の作物関連パラメータ(P)値を有する同等領域(A1、A2、A3、A4)を決定するように構成された決定ユニット(132)と、
前記決定された同等領域(A1、A2、A3、A4)の各々に対する少なくとも1つの土壌パラメータ(SP)に関する土壌データ(SD)を受信するように構成された第2の受信ユニット(134)と、
前記土壌データ(SD)及び前記同等領域(A1、A2、A3、A4)に基づいて前記圃場(112)の土壌特性マップ(SPM)を生成するように構成された生成ユニット(136)と、
を備えるシステム。
【請求項12】
前記土壌特性マップ(SPM)に基づいて農業機械(102、104、106)のための処理命令データ(TD)を生成するように構成された更なる生成ユニット(138)を更に備える、請求項11に記載のシステム(126)。
【請求項13】
コンピューティング環境のコンピューティング装置上で実行されると、請求項11又は請求項12に記載のシステムにおいて、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法の前記ステップを実施するように構成される命令を含むコンピュータプログラム要素(140)。
【請求項14】
請求項1~10のいずれか一項に記載の方法における前記圃場(112)の作物特性分布データ(D)又はバイオマス分布データ(BMD)及び/若しくは土壌データ(SD)の使用。
【請求項15】
前記圃場(112)を処理するための農業機械(102、104、106)のための処理命令データ(TD)を提供するための、請求項1~10のいずれか一項により提供される土壌特性マップ(SPM)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、圃場の土壌特性マップを生成するためのコンピュータ実装方法、圃場の土壌特性マップを生成するためのシステム及びコンピュータプログラム要素に関する。更に、本発明は、圃場の作物特性分布データ又はバイオマス分布データ及び/若しくは土壌データの使用、並びに土壌特性マップの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
本開示の一般的な背景は、圃場、温室などであり得る、圃場における植物の処理である。栽培作物などの植物の処理は、圃場に存在する雑草の処理、虫の処理、圃場内の存在又は圃場に存在する病原体の処理も含み得る。
【0003】
圃場を処理するための処理装置を制御するために情報を提供する必要性が存在することが見出されている。
【0004】
このような情報の重要なタイプは、圃場の土壌特性に関する。したがって、処理装置の制御は、土壌特性を考慮し、それによって、より生態学的及び/又は経済的な処理にすることができる。
【0005】
農業をより持続可能なものにし、且つ環境への影響を低減するために、精密農業技術が開発されている。この点で、ドローン、ロボット、スマート噴霧機などの半自動又は全自動植物処理装置は、生態学的及び経済的なルールに基づいて圃場における植物、雑草、虫及び/又は病原体を処理するように構成され得る。ドローン又はロボットの分野における技術開発により、農家のための新たな処理スキームが可能になる。
【0006】
開示される方法は、遠隔的に測定される作物の情報と地上の土壌情報を組み合わせることにより、特に播種密度及び/又は作物栄養に関する推奨事項のために、高精度且つゾーン特異的な農業管理、土壌管理及び土壌処理の持続可能性を可能にする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様において、圃場の土壌特性マップを生成するためのコンピュータ実装方法が示され、方法は、
- 少なくとも1つの作物関連パラメータを含む、圃場の作物特性分布データを受信するステップと、
- 作物特性分布データの所定範囲内の作物関連パラメータ値を有する同等領域を決定するステップと、
- 決定された同等領域の各々に対して少なくとも1つの土壌パラメータに関する土壌データを受信するステップと、
- 土壌データ及び同等領域に基づいて圃場の土壌特性マップを生成するステップと
を含む。
【0008】
本開示の更なる態様において、圃場の土壌特性マップを生成するためのシステムが示され、システムは、
- 少なくとも1つの作物関連パラメータを含む、圃場の作物特性分布データを受信するように構成された第1の受信ユニットと、
- 作物特性分布データの所定範囲内の作物関連パラメータ値を有する同等領域を決定するように構成された決定ユニットと、
- 決定された同等領域の各々に対して少なくとも1つの土壌パラメータに関する土壌データを受信するように構成された第2の受信ユニットと、
- 土壌データ及び同等領域に基づいて圃場の土壌特性マップを生成するように構成された生成ユニットと
を備える。
【0009】
本開示の別の態様において、コンピュータプログラム要素が示され、コンピューティング環境のコンピューティング装置上で実行されたとき、本開示によるシステム内で本開示による方法のステップを実行するように構成される命令を含む。
【0010】
本開示の追加の態様において、本開示による方法における圃場の作物特定分布データの使用又はバイオマス分布データ及び/若しくは土壌データの使用が示される。
【0011】
本開示の更なる態様において、土壌特性マップの使用が示され、土壌特性マップは、圃場を処理するための農業機械のための処理命令データを提供するために本開示による方法に従って提供される。
【0012】
本明細書で説明されるいずれの開示及び実施形態も、上記で概説された方法、システム、コンピュータプログラム要素及び使用に関し、その逆も同様である。有利には、実施形態及び実施例のいずれかによってもたらされる利益は、全ての他の実施形態及び実施例にも同様に該当し、その逆も同様である。
【0013】
本明細書で使用される「決定すること」は、「決定を開始すること又は決定させること」も含み、「生成すること」は、「生成を開始すること又は生成させること」も含み、「提供すること」は、「決定、生成、選択、送信、若しくは受信を開始すること、又は決定、生成、選択、送信、若しくは受信させること」も含む。「あるアクションの実行を開始すること又は実行させること」は、それぞれのアクションを実行するようにコンピューティング装置をトリガする任意の処理信号を含む。
【0014】
本明細書で開示される方法、システム、コンピュータプログラム要素及び使用は、圃場を処理するための効率的で、持続可能且つ堅牢な方法を提供する。具体的には、圃場の土壌特性マップは、コストを削減して提供され得ると同時に、高精度を維持して、又は精度を向上さえして土壌管理の向上を可能にし、次に土壌処理の持続可能性を向上することができる。
【0015】
本開示の基礎概念は、作物特性分布データを使用して同等領域を決定することであり、作物特性分布データは、少なくとも1つの作物関連パラメータを含む。これは、同一又は同様な作物関連パラメータを有する圃場の領域が同等であると考えられることを意味する。この文脈において、作物関連パラメータは、それらの差が既定の絶対又は相対量未満である場合に類似と考えられ得る。更に、第2の作物関連パラメータは、第1の作物関連パラメータの周囲の既定範囲内である場合に第1の作物関連パラメータに類似と考えられ得る。とりわけ、作物関連パラメータは、例えば、作物関連パラメータの対応する作物関連パラメータ値の、例えば、+又は-50%、より好ましくは+又は-40%、最も好ましくは+又は-30%、特に好ましくは+又は-20%、特に+又は-10%など、所定/既定範囲内である場合に同等であると考えられ得る。更に、作物関連パラメータは、それらの差が50%未満である場合、好ましくは40%未満である場合、より好ましくは30%未満である場合、特に好ましくは20%未満である場合、特に10%未満である場合に類似と考えられ得る。これは、同等領域のみに関する土壌データを使用することにより、正確な土壌特性マップを生成することが可能であるという事実を導く。
【0016】
したがって、土壌マップを生成するために必要な土壌データの量は、圃場が複数のゾーンに分割され、これらのゾーンの各々に対して土壌データを受け取らなければならない、既知の手法に比較して、大幅に削減され得る。その結果、この土壌データを生成するための作業が削減され得る。
【0017】
例示的実施例において、土壌特性マップを提供するための既知の方法は、10のゾーンの圃場を分割することと、これらのゾーンの各々から土壌サンプルを採取することとを含む。次いで、土壌サンプルから導き出された土壌データに基づいて、土壌特性マップが生成される。同じ圃場に対して、本開示の方法を使用すると、3つの同等領域だけが決定される場合がある。このため、この点で、各同等領域に1つ、すなわち、3つの土壌サンプルだけが必要である。したがって、本実施例では、同等領域を最適に表す、3つの場所の及び周辺の土壌サンプルが必要である。このように、土壌特性マップは、作業を削減して生成され得る。
【0018】
本発明の目的は、効率的で、持続可能且つ堅牢な圃場処理手法を提供することである。これら及び他の目的は、以下の説明を読んだ上で明らかになり、独立請求項の主題により解決される。従属請求項は、本発明の好ましい実施形態を指す。
【0019】
定義
処理装置という用語は、この場合に広義に理解されるべきであり、圃場を処理するように構成された任意の装置を含む。処理装置は、圃場を横断するように構成され得る。処理装置は、地上又は空中の車両、例えば、軌条車両、ロボット、飛行機、無人航空機(UAV)、ドローンなどであってもよい。処理装置は、1つ以上の処理ユニット及び/又は1つ以上の監視ユニットを装備し得る。処理装置は、処理ユニット及び/又は監視ユニットを介して圃場データを収集するように構成され得る。処理装置は、監視ユニットを介して圃場の圃場データを感知するように構成され得る。処理装置は、処理ユニットを介して圃場を処理するように構成され得る。処理ユニットは、処理装置の監視ユニットによって提供された監視信号に基づいて動作させることができる。処理装置は、接続のための通信ユニットを備えることができる。通信ユニットを介して、処理装置は、圃場データを提供若しくは送信するように、動作データを提供若しくは受信するように、及び/又は動作データを提供若しくは受信するように構成され得る。
【0020】
本明細書で使用される処理動作とは、圃場、具体的には圃場の圃場状態を処理するための処理装置の動作を特徴付けるデータを指す。処理動作識別子は、処理動作を示すことができる。処理動作は、処理タイプ及び/又は処理モードによって特徴付けられ得る。処理タイプは、播種、収穫、薬剤散布などの適用タイプを指すことができ、播種は好ましい処理タイプである。処理モードは、単一の処理タイプに対するモード又は処理指標のモード又はクラスを指す。噴霧などの薬剤散布の処理の場合、モードは、除草剤Aの散布、防カビ剤Aの散布、殺虫剤Aの散布、フラット噴霧、スポット噴霧などであり得る。処理動作は、圃場を処理するための処理装置の特徴付け、選択、起動又は動作のための任意のデータを含む場合がある。
【0021】
本明細書で使用される監視動作とは、圃場、特に圃場の圃場データの収集を監視するための処理装置の動作を指す。監視動作識別子は、監視動作を示すことができる。監視動作は、監視タイプ及び/又は監視モードによって特徴付けられ得る。監視タイプは、雑草処理のための植物感知、播種のための土壌感知などの監視指標を指す。監視モードは、単一の監視タイプのモード又はモードのクラスを指す場合がある。植物感知の場合、モードは、雑草画像検出、作物画像検出、菌類光学検出などであり得る。監視動作は、圃場を監視するための処理装置の特徴付け、起動又は動作のための任意のデータを含むことができる。
【0022】
本明細書で使用される処理という用語は、植物の栽培のための任意の処理に関連し得る。処理をすること又は処理という用語は、この場合に広義に理解されるべきであり、播種、製品の適用、収穫などの圃場の任意の処理に関連する。
【0023】
処理製品という用語は、処理のために有用な任意の物体又は材料であると理解されるべきである。本発明の文脈では、処理製品という用語は、限定ではなく、
- 防カビ剤、除草剤、殺虫剤、殺ダニ剤、軟体動物駆除剤、殺線虫剤、殺鳥剤、殺魚剤、殺鼠剤、防虫剤、殺菌剤、殺生物剤、毒性緩和剤、植物成長調節剤、ウレアーゼ阻害剤、硝酸化成抑制剤、脱窒阻害剤又はそれらの任意の組み合わせなどの化学製品、
- 防カビ剤(バイオ防カビ剤)、除草剤(バイオ除草剤)、殺虫剤(バイオ殺虫剤)、殺ダニ剤(バイオ殺ダニ剤)、軟体動物駆除剤(バイオ軟体動物駆除剤)、殺線虫剤(バイオ殺線虫剤)、殺鳥剤、殺魚剤、殺鼠剤、防虫剤、殺菌剤、殺生物剤、毒性緩和剤、植物成長調節剤、ウレアーゼ阻害剤、硝酸化成抑制剤、脱窒阻害剤又はそれらの任意の組み合わせとして有用な微生物などの生物学的製品、
- 肥料及び堆肥、
- 種子及び苗木、
- 水、並びに
- それらの任意の組み合わせを含み、本開示では、処理製品は好ましくは肥料製品、堆肥製品及び/又は種子若しくは苗木である。
【0024】
本明細書で使用される分散コンピューティング環境は、圃場を処理するための複数の処理装置を含む分散マシンセットアップを指す。複数の処理装置は、相互接続され得る。複数の処理装置は、分散コンピューティング装置を介して接続され得る。コンピューティング装置は、処理装置の一部であっても、且つ/或いはネットワークを通して接続された処理装置から遠隔であってもよい。
【0025】
本明細書で使用される圃場という用語は、処理される圃場を指す。圃場は、農場、温室など、任意の植物又は作物栽培領域であり得る。植物は、作物、雑草、自生植物、前の生育期からの作物、有用植物又は圃場に存在する任意の他の植物であり得る。圃場は、その地理的位置又は地理参照された位置データを通して識別され得る。基準座標、サイズ及び/又は形状は、圃場を更に特定するために使用され得る。
【0026】
本明細書で使用される圃場データは、この場合に広義に理解されるべきであり、処理装置によって取得され得る任意のデータを含む。圃場データは、処理装置の処理ユニット及び/又は監視ユニットから取得され得る。圃場データは、処理装置によって取得された測定データを含むことができる。測定データは、圃場に関する圃場状態及び/又は処理装置の動作に関連するデータを含むことができる。圃場データは、画像データ、スペクトルデータ、フラグ付けされた区画を示す区画データ、導き出された植物データ、導き出された作物データ、導き出された雑草データ、導き出された土壌データ、地形データ、処理装置の軌道データ、測定された環境データ(例えば、湿度、気流、温度及び日射)、及び処理動作に関連するトランザクションデータを含むことができる。圃場データは、区画の場所又は位置データなど、区画に関連付けられ得る。
【0027】
本明細書で使用される圃場状態は、圃場上の処理又は監視を含む、圃場上で検出された状態に関連し得る。圃場状態は、測定データから導き出されてもよい。圃場データは、圃場状態を含むことができる。圃場状態は、圃場の区画内の所定の雑草、虫、又は真菌の存在など、所定の処理要件の存在を示すことができる。圃場状態は、圃場の区画の状態フラグに関連し得る。状態フラグは、「処理対象」、「未処理」又は「処理済み」であり得る。状態フラグ「処理対象」は、処理が要求されていることを示す圃場状態の検出に関連し得る。例えば、雑草、菌類、養分レベル、水レベル、成長段階又は任意の別の状態は、例えば、処理装置の監視ユニットにより、処理を必要とする圃場上で検出され得る。状態フラグ「処理済み」は、処理が実施されたことを示す圃場の処理状態に関連し得る。状態フラグ「未処理」は、処理が要求されていないことを示す圃場状態の検出に関連し得る。
【0028】
圃場の区画は、この場合に広義に理解されるべきであり、圃場上の少なくとも1つの位置又は場所に関連する。区画は、圃場の切れ目のない領域を形成する圃場上の複数の位置又は場所を含む圃場のゾーンに関連し得る。区画は、共通の圃場状態を示す圃場上の複数の位置又は場所の分散されたパッチに関連し得る。区画は、区画の圃場状態を示すフラグ付けされ得る。区画は、圃場状態を示す1つ以上のフラグを用いてフラグ付けされた圃場上の1つ以上の位置又は場所を含み得る。圃場は、1つ以上の区画を含み得る。区画は、圃場データ、特に圃場状態に関連し得る。区画は、フラグ付けされ得る。区画は、その地理的場所又は地理参照された位置データを通して識別され得る。基準座標、サイズ及び/又は形状は、区画を更に識別するために使用され得る。
【0029】
本明細書で使用される動作データは、この場合に広義に理解されるべきであり、処理装置を動作させるように構成された任意のデータに関連する。動作データという用語は、他の処理装置に関連して少なくとも1つの処理装置を動作させるために構成されたデータを指す。動作データは、処理装置の1つ以上の技術的手段を制御するように構成され得る。動作データは、処理装置の処理及び/又は監視ユニットを制御するためのデータを含み得る。動作データは、処理装置の移動を制御するように構成され得る。動作データは、処理装置の操舵及び駆動ユニットを制御するように構成され得る。動作データは、他の処理装置に関連して1つの処理装置を制御するように構成され得る。
【0030】
一実施形態において、方法は、土壌特性マップに基づいて農業機械のための処理命令データを生成するステップを更に含む。このため、農業機械による処理は、土壌特性マップに提供されている土壌データに応じて実行され得る。これは、異なる同等領域は異なる様式で処理され得ることを意味する。これは、作物の品質及び作物の収穫を向上すると同時に、経済面と環境面の両方で効率的である。これは、方法を適用することにより、適切な農業機械を使用する適切な処理及び適切な処理製品を適量使用できるという事実による。
【0031】
別の実施形態において、作物特性分布データはバイオマス分布データであり、作物関連パラメータ値はバイオマス値である。そのような作物特性分布データは、例えば、衛星又は無人航空機により撮影された画像に基づいて、簡単でコスト効率に優れた様式で、生成され得る。これは、本開示の方法が簡単でコスト効率に優れていることも示す。同時に、バイオマス分布データ及びバイオマス値は、同等領域を決定するための信頼性のある、正確なパラメータである。これは、信頼性できる、正確な土壌特性マップにつながる。更に、バイオマス値及び対応するバイオマス分布データは、演算的に効率的な様式で分析され得る。
【0032】
更なる実施形態により、バイオマス分布データは、圃場の収穫分布データから導き出される。収穫分布データは、例えば、処理装置により、生成することが比較的容易である。更に、収穫分布データは、バイオマス分布データの信頼性のある、十分に正確な指標である。このように、バイオマス分布データは、簡単で信頼できる手法で生成され得る。
【0033】
別の実施形態において、バイオマス分布データは、圃場の衛星画像データから導き出される。そのような画像は、衛星運用組織から比較的に低コスト且つ高精度で入手可能である。このように、衛星画像の調達は、簡単でコスト効率に優れている。これらの画像は、バイオマス分布を導き出すために分析することができる。これを達成するために、標準の画像解析技法を使用することができ、これらは、十分に高速で、信頼でき、正確である。まとめると、バイオマス分布データは、高速で簡単、信頼できる様式で提供され得る。
【0034】
更なる実施形態において、バイオマス分布データは、圃場の植物データから導き出される。植物はバイオマスの一部を形成し、具体的には、植物は圃場上のバイオマスの圧倒的大部分を形成する。このため、正確で信頼できるバイオマス分布データは、植物データを集計することにより生成され得る。これは、簡単で信頼できる。
【0035】
別の実施形態において、バイオマス分布データは、データベースから受信されるか、現在の測定値又はユーザ入力である。言うまでもなく、これらの代替は組み合わせることもできる。これらは全てバイオマス分布データの信頼できる情報源であり、簡単な様式でアクセスすることができる。
【0036】
一実施形態において、バイオマス分布データは、履歴バイオマス分布データから導き出される。履歴バイオマス分布データは、2年間以上、より好ましくは4年間以上、更に好ましくは8年間以上、最も好ましくは10年間以上である。その利点は、現在のバイオマス分布データの生成のために、例えば、測定による又は画像撮影による、圃場の実際の解析が不要なことである。履歴バイオマス分布データのベースが大きければ大きいほど、導き出されるバイオマス分布データがより正確になる。これは、信頼できる正確な土壌特性マップの効率的な生成につながる。
【0037】
別の実施形態において、方法は、決定された同等領域に基づいて、圃場の土壌サンプリング場所データを提供するステップを含む。好ましくは、圃場を通る土壌サンプリング装置のための土壌サンプリング経路データが提供され、及び/又は圃場の土壌サンプリングマップデータが提供される。土壌サンプリング場所データ、土壌サンプリング経路データ及び土壌サンプリングマップデータは、土壌サンプリング装置のための操作データ又は操作命令として要約され得る。簡単には、この操作データを使用することは、土壌サンプリング装置を命令することにある。したがって、このデータを提供することは、土壌サンプリング装置を効率的に動作させるための、すなわち、土壌サンプルを効率的に採取し、その後に土壌データを提供するための基盤を提供する。繰り返し特筆すると、サンプリングは同等領域に基づいて行われ、したがって、通常の地形パターンにおけるサンプリングに比べて、採取することが必要なサンプルが少なくなる。例えば、土壌サンプリング場所データは、同等領域の各々に対して1つのサンプリング場所情報を含む場合がある。そのため、土壌サンプリング経路データは、サンプリング場所を結ぶための最短且つ最速の経路を記述する場合がある。
【0038】
更なる実施形態において、サンプリング場所データは、各同等領域に対して1~10、好ましくは2~7、より好ましくは4~6、最も好ましくは1つだけの土壌サンプリング場所を含む。これは、一方で土壌サンプルを採取して対応する土壌データを提供するための作業と、他方で土壌特性マップの正確性及び信頼性との間の良好な妥協点であることが判明している。
【0039】
別の実施形態において、方法は、土壌サンプルが採取されなければならない時点に関して、土壌サンプリングタイミングデータを提供するステップを更に含む。したがって、土壌サンプルを採取する際には、異なる時系列で実行している可能性がある、土壌内の動的プロセスが考慮され得る。例えば、リン酸肥料又は該当する何らかの他の肥料などの肥料の使用に関係している土壌特性を評価するために採取されていたサンプルは、3~5年間有効な場合がある。このように、土壌サンプリングタイミングデータは、以前のサンプルのタイミングデータを考慮する場合がある。同じことは、pH値又は圃場の石灰散布に関係している特性を評価するために採取されていたサンプルに該当する。このようなサンプルもまた、3~5年間有効な場合がある。これとは対照的に、例えば、窒素に関係している土壌特性を評価するために採取されていたサンプルは、一般に短期間有効で、例えば1年以下など、より頻繁に測定されることが必要な場合がある。このように、サンプリングタイミングデータは、個々に適合され得る。サンプリングタイミングデータの使用は、信頼できる正確な土壌データを受信するために役立ち、したがって、信頼できる正確な土壌特性マップの生成につながる。
【0040】
土壌サンプリング方法データを提供するステップを更に含む、前述のいずれか1つの方法。土壌サンプリング方法データを使用して、具体的な土壌サンプリング方法が提案され得る。また、例えば、近接ソウルサンプリング/検知方法(例えば、地中レーダー、電磁気誘導、電気抵抗率、磁力計、磁化率、蛍光X線、機械的相互作用、イオン選択性電位差測定、地震計、ガンマ線など)などの、適切な土壌サンプリング方法のリストが提供され得る。これは、正確で関連性のある土壌データが受信されることを確実にする。この結果、高品質の土壌特性マップが生成され得る。
【0041】
前述のいずれか1つの方法であって、土壌データは、土壌有機物、全炭素含有量、有機炭素含有量、無機炭素含有量、土壌腐植含有量、ホウ素含有量、リン酸含有量、カリウム含有量、窒素含有量、硫黄含有量、カルシウム含有量、鉄含有量、アルミニウム含有量、塩素含有量、モリブデン含有量、マグネシウム含有量、ニッケル含有量、銅含有量、亜鉛含有量、マンガン含有量、圃場又は圃場ゾーンの土壌のpH値、土質、土壌の砂礫化、土壌水分量、土壌湿度、土壌温度、土壌表面温度、土壌密度、土性、土壌伝導度、保水力、粘土含有量、シルト含有量、及び/又は土壌の砂含有量であるか、或いはこれらに関連する。これらの土壌パラメータは、圃場で栽培されている作物の作物の品質に影響を及ぼす。
【0042】
本開示において、作物の品質は、タンパク質含有量、糖含有量、スターチ含有量、油脂含有量、グルテン含有量、ビタミン含有量、プロビタミン含有量、脂肪酸含有量、不飽和脂肪酸含有量、オメガ-n脂肪酸含有量、オメガ-3脂肪酸含有量、食物繊維含有量、ミネラル含有量、抗酸化物含有量、植物ホルモン含有量、及び対応する作物を食べた人間又は動物にとって栄養価を有する他の物質のうちの少なくとも1つに関連し得る。
【0043】
更なる実施形態において、方法は、土壌特性マップ及び/又は処理命令データに基づいて農業機械を制御するための制御データを提供するステップを更に含む。生成された土壌特性マップは、ゾーンベースの播種又はゾーンベースの肥料又はゾーンベースの防カビ剤、殺虫剤、及び農薬又はゾーンベースの除草剤の散布のための指示マップを生成するために種子データ又は栄養データ又は作物保護データ又は雑草管理データとともに使用され得る。持続可能な使用及び適用量のために、上記の処理の全ては、土壌特性のゾーン特異的特徴を必要とする。
【0044】
別の実施形態において、本開示に従うシステムは、土壌特性マップに基づいて農業機械のための処理命令データを生成するように構成された更なる生成ユニットを備える。このように、土壌特性マップは、処理又は処理動作のために直接使用される。処理命令データの生成及び処理命令データの農業機械への提供は、自動的に実行されることが好ましい。この結果、適切な処理は、迅速且つ信頼できる様式で決定され得る。これは、作物の品質の向上にもつながる。
【0045】
更なる実施形態において、システムは、土壌特性マップ及び/又は処理命令データに基づいて農業機械を制御するための制御データを提供するための提供ユニットを更に備える。トランザクションデータと対になった土壌特性マップにより生成されたゾーン特異的な指示マップは、例えば、ペンドライブ、Wi-Fi、又は他のデータ転送方法を介して、播種処理のための種まき機又は栄養処理のための肥料散布機又は作物保護及び雑草管理のための散布機などの農業機械器具を操舵するトラクターの農業用監視装置に転送され得る。
【0046】
本明細書に開示される方法は、更なるデータ処理のために、圃場データ及び/又は動作データを記憶するための遠隔コンピューティング装置に圃場データ及び/又は動作データを転送するステップを更に含むことができる。処理装置の限られた記憶容量及びビッグデータの利用強化のために、遠隔記憶容量は有益である。処理能力に対するそのような転送の影響を低減するために、転送は、バッチデータ処理によって行われてもよい。
【0047】
以下では、本開示が添付の図面を参照しながら詳述される。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1】圃場の処理のための複数のUAVを備えたシステムの例示的な実施形態を示す。
図2】圃場を処理するために適合されたUAVの模式図である。
図3】圃場を処理するために適合された地上ロボットの模式図である。
図4】圃場の土壌特性マップを生成するためのシステムの実施例を示す。
図5図4のシステムにより生成される圃場の同等領域及び土壌特性マップを示す。
図6】圃場の土壌特性マップを生成するための例示的方法の流れ図を示す。
図7図4のシステムによって生成される、異なる実施例による土壌特性マップを示す。
【発明を実施するための形態】
【0049】
本開示は、圃場が、圃場全体にわたって分散する異種の特徴(例えば、土壌、植物、雑草など)を含むという知見に基づく。これらの特徴は、永続的なものではなく、したがって処理装置が圃場を処理する前に完全には判明していない。例えば、農業の処理プロセス中に処理装置の手段を用いて監視することにより、圃場のこれらの具体的な特徴が少なくとも部分的に明らかになる。これらの具体的な特徴に関するこの有利な情報は、1つ以上の更なる処理装置の処理戦略を有益に改善するのに役立つ。そうすることにより、圃場における変化する状態に対して、オンデマンドで対応することが可能である。換言すれば、方法は、例えば、圃場を通過する処理装置の手段を介して圃場データを収集し、圃場データに基づいて、同一又は更なる処理装置に動作データを提供する。これによって、需要主導型の圃場の処理が可能になる。これは、処理の効率を有利に高める。
【0050】
以下の実施形態は、本明細書に開示される方法、システム、コンピュータ要素、又は使用を実装するための単なる例であり、限定するものとみなされるべきではない。
【0051】
図1は、処理装置として複数のUAVを有するシステムの例示的な実施形態を図示する。
【0052】
図1のシステムは、複数のUAV102、104、106、1つ以上の地上局110、1つ以上のユーザ装置108、及びクラウド環境100を含む分散型システムを示す。UAV102、104、106は、無人航空機であり、オンボードコンピュータによって自律的に、パイロットコントローラによって遠隔的に、又は例えば初期動作データを経由して部分的に遠隔的に制御され得る。UAV102、104、106は、UAVに搭載された様々なオンボードセンサ及びアクタから収集されたデータ信号を送信することができる。そのようなデータとして、現在の高度、速度、バッテリレベル、位置、天気、若しくは風速などの現在の飛行データ、処理タイプ、処理場所、若しくは処理モードなどの処理動作データを含む圃場データ、圃場状態データ若しくは位置データなどの監視動作データ、及び/又は初期動作データ、更新された動作データ、若しくは現在の動作データなどの動作データを挙げることができる。UAV102、104、106は、クラウド環境100、地上局110又は他のUAV102、104、106に、圃場データ又は動作データなどのデータ信号を直接的又は間接的に送信することができる。UAV102、104、106は、クラウド環境100、地上局110又は他のUAV102、104、106から、圃場データ又は動作データなどのデータ信号を直接的又は間接的に受信することができる。
【0053】
より一般には、UAV102、104、106はそれぞれ、農業機械と呼ばれ得る。
【0054】
クラウド環境100は、UAV102、104、106、地上制御局110及びユーザ装置108とのデータ交換及びそれらの間のデータ交換を促進することができる。クラウド環境100は、インターネットからアクセス可能な複数のクラウドサーバ上にデータを記憶しそこで演算するためのサーバベースの分散コンピューティング環境であってもよい。クラウド環境100は、UAV102、104、106、1つ以上の地上局110又は1つ以上のユーザ装置108により実行されるトランザクションのための分散不変データベースを促進する分散台帳ネットワークであってもよい。台帳ネットワークとは、少なくとも2つのネットワークノードを含む任意のデータ通信ネットワークを指す。ネットワークノードは、a)データブロックによるデータ包含をリクエストし、且つ/又はb)リクエストされた、チェーンへのデータ包含を検証し、且つ/又はc)チェーンデータを受信するように構成され得る。そのような分散型アーキテクチャでは、UAV102、104、106、1つ以上の地上局110、1つ以上のユーザ装置108は、トランザクションデータをデータブロックに記憶し、コンセンサスプロトコルに参加してトランザクションを検証する、ノードとして機能することができる。少なくとも2つのネットワークノードがチェーン内に存在する場合、台帳ネットワークは、ブロックチェーンネットワークと呼ばれる場合がある。台帳ネットワーク100は、ノードによって作成されたデータブロックのブロックチェーン又は暗号によってリンクされたリストからなる場合がある。各データブロックは、圃場データ又は動作データに関する1つ以上の処理を含むことができる。ブロックチェーンは、複数の相互接続されたデータブロックにおいて提供される連続的に拡張可能なデータセットを指し、各データブロックは、複数のトランザクションデータを含むことができる。トランザクションデータは、トランザクションのオーナにより署名されることができ、相互接続は、暗号化手段を用いるチェイニングにより提供され得る。チェイニングは、2つのデータブロックを互いに相互接続するための任意の機構である。例えば、ブロックチェーンにおいて、少なくとも2つのブロックが互いに直接的に相互接続される場合がある。ブロックチェーンにおいてデータブロックをチェイニングするため、及び/又は既存のブロックチェーンに新しいデータブロックを付加するために、ハッシュ関数暗号化機構が使用されてもよい。あるブロックは、先行するブロックのハッシュを参照するその暗号ハッシュによって識別され得る。
【0055】
UAV102、104、106及び地上局110は、クラウド環境100を介して、データ信号をユーザ装置108と共有することができる。ノード間の通信チャネル、及びノードとクラウド環境100との間の通信チャネルは、無線通信プロトコルを通して確立され得る。セルラーネットワークは、UAV102、104、106からUAV102、104、106への、UAV102、104、106から地上局110への、UAV102、104、106からクラウド環境100への又は地上局110からクラウド環境100への通信のために確立され得る。そのようなセルラーネットワークは、2G、3G、4G又は5Gのような標準規格を使用するSM、GPRS、EDGE、UMTS/HSPA、LTE技術などの任意の既知のネットワーク技術に基づいてもよい。圃場112の局所領域において、UAV102、104、106からUAV102、104、106への、又はUAV102、104、106から地上局110への通信のために、例えば無線フィデリティ(Wi-Fi)などの無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)が確立されてもよい。UAV102、104、106からUAV102、104、106への又はUAV102、104、106から地上局110へのセルラーネットワークは、フライングアドホックネットワーク(FANET)であり得る。
【0056】
第1のUAV102は、第1の処理動作を実施するように構成されてもよく、第2のUAV104は、第2の処理動作を実施するように構成されてもよい。好ましくは、UAV102、104、106の処理動作は、処理タイプ又は処理モードに関して異なることができる。処理タイプという用語は、使用される適用原理に関連する。適用タイプは、播種、収穫、薬剤散布などを含むことができる。薬剤散布のための処理モードは、噴霧モード(例えば、フラット、スポット、可変レート)であってもよく、機械的適用のための処理モードは、除去モード(例えば、採集機、切断機)であり得、電気的適用のための処理モードは、電流印加モード(例えば、レーザー、電圧パルス)であり得る。処理タイプという用語は、雑草クラス及び対応する除草剤クラス、防カビ剤クラス、農薬クラスに関連する。更に、処理タイプという用語は、植物及び対応する肥料クラスに関連する。
【0057】
例示的な実施形態において、第1のUAV102は、第2のUAV106とは異なる処理製品を運搬する。例えば、第1のUAV102は、圃場状態を検知するとともに、第1の処理製品を適用するように構成された偵察兼噴霧機UAVである。例えば、第2のUAV104は、第2の処理製品を適用する噴霧ドローンである。第1のUAV102は、その軌道に沿って、圃場データを収集する。例えば、雑草、菌類若しくは虫の分布又は第2の処理製品で処理される雑草、菌類若しくは虫のタイプは、偵察兼噴霧ドローンの軌道に沿って位置データと関連付けて収集される。圃場データに基づいて、第2のUAV104のための動作データが決定される。例えば、検知された雑草、菌類又は虫の分布及び検知された雑草、菌類又は虫のタイプに基づいて、第2の処理製品で処理される場所が特定され、第2の処理製品を運搬している第2のUAV104のための動作データが決定される。動作データは、第2のUAV104に提供される。動作データは、第2のUAVの初期又は適合動作データであってもよい。例えば、処理される雑草、菌類又は虫の場所に応じて軌道が適合される場合がある。すなわち、第1のUAV102が、必要な処理製品を持っていない、又は処理に必要な技術機器を運搬していないと決定する場合、第2のUAV104が区画113に呼ばれることが可能であり、第2のUAV104は、必要な製品又は技術機器を運搬している。例えば、第1のUAV102が圃場112の区画113において雑草、カビ又は虫を検知し、必要な除草剤、防カビ剤又は殺虫剤を運搬していないと決定する場合、上記の方法は、第2及び/又は更なるUAV104、106が区画113の雑草、カビ又は虫を駆除できるように、必要な除草剤、防カビ剤又は殺虫剤を運搬している第2のUAV104又は更なるUAV106に情報及び/又は導き出された命令を提供する。
【0058】
別の実施例において、第1のUAV102は、ちょうど十分な処理製品を持たない場合があり、圃場112の区画113全体を処理することができない。この実施例では、方法は、区画113を処理するために、第1のUAV102によってまだ処理されていない区画113の情報を第2及び/又は更なるUAV104、106に提供する。別の実施例では、第1のUAV102は、例えば、圃場データを提供するために、圃場112の区画113を監視するだけの場合があり、方法は、その後、圃場データに基づいた動作データを第2及び/又は更なる処理装置102、106に提供する。この実施例では、第1のUAV102は偵察ドローンとして機能する。
【0059】
これらの実施例において、動作データの決定は、第1のUAV102、第2のUAV104又は地上局110のコンピューティング装置上にローカルで実装されてもよい。動作データの決定は、分散クラウド環境100を使用して実装されてもよい。圃場データ及び/又は動作データは、リアルタイム及び/又は一括データ処理を通じて提供されてもよい。遅延を低減し、帯域幅を節約するために、スマートデータ転送管理が有益である。圃場データは、処理済み区画113では一括処理され、未処理の区画113ではリアルタイム処理されてもよい。動作データは、処理済み区画では一括処理され、未処理の区画113ではリアルタイム処理されてもよい。未処理の区画113の動作データは、リアルタイムで処理装置に提供されてもよい。未処理の区画113の圃場データは、動作データ決定ユニットにリアルタイムで提供されてもよい。本明細書で使用されるリアルタイムとは、積極的に失速しない、又は待ち行列に入らないデータ転送を指す。データ転送は、転送の遅延が関与する処理システムの処理又は転送能力に起因する場合に、リアルタイムと考えられる。
【0060】
これらの実施例の動作データは、UAV104が順次モード又は同時モードで作動するかどうかを指定する。順次モードでは、第1のUAV104は、第2のUAV104又は他のUAV106が圃場112の処理を開始する前に圃場112又は圃場112の区画113を横断する。同時モードでは、第1、第2及び他のUAVであるUAV102、104、106が圃場112上で同時に作動する。同時モードは、スワームアルゴリズム、ファジーロジックアルゴリズム又は自己組織化集団システムを作動させる他の任意のアルゴリズムを介して実現され得る。
【0061】
この点で、この説明は、様々なハードウェア特性を有する任意の数の処理装置に該当することに留意されたい。例えば、1台の第1のUAV102の代わりに、第1のUAV群102が、動作データに従って圃場状態を検知し、圃場112を処理することができ、第1のUAV102は同等である。同じことは、第2のUAV104にも該当する場合があり、第2のUAV群104が圃場状態を検知し、それらの動作データに従って圃場112を処理することができ、第1のUAV102は同等である。加えて、圃場112で稼働するUAV102、104、106の数は、圃場データから導き出された需要に応じて調整され得る。このため、動作データは、圃場112上の2つ以上のUAV102、104、106の動作を組織化するための命令データ又はロジックを含むことができる。例えば、第1のUAV群102が、スワームモードで操作されてもよく、第2のUAV群が、スワームモードで操作されてもよく、第2のUAV群104は、第1のUAV群102に対して順次モードで操作されてもよい。
【0062】
圃場112上の処理デバイスは、更なる地上車両又は他の航空機(図示せず)を含むことができる。処理装置は、ロボット(図3)、トラクター、収穫機、種蒔き機、噴霧器、又は任意の他の農業車両を含むことができる。処理装置は、圃場を監視するように構成されてもよい。処理装置は、任意の処理製品(例えば、水、除草剤、防カビ剤、肥料、種子)を散布するように構成されてもよい。処理装置は、播種のために圃場112を準備するように構成されてもよい。処理装置は、圃場112の植物を収穫するように構成されてもよい。本開示において、処理装置は、好ましくは種蒔き機であり、処理製品は好ましくは種子である。
【0063】
図2は、圃場112を処理するために適合された飛行中のUAV102、104、106を示す。
【0064】
この実施例に示されたUAV102、104、106は、圃場状態を監視するための監視ユニット124としてのカメラと、処理製品を噴霧するための処理ユニット120、122としての2つの噴霧ノズルとを含む。噴霧ノズル120、122は、UAV102、104、106によって運搬される少なくとも1つのタンクと流体連通している。そのようなセットアップにより、監視された圃場状態に応じて処理ユニット120、122が圃場112を処理するためにトリガされ得るため、より効率的で的を絞った圃場処理が可能になる。両方の動作は、UAV102、104、106がそれぞれの圃場区画113の上をホバリングする間に実行されてもよい。他の実施形態では、UAV102、104、106は、圃場状態を監視するための監視ユニット124を含む、偵察UAV102、104、106であり得る。他の実施形態では、UAV102、104、106は、処理製品を噴霧するための処理ユニット120、122を含む、噴霧UAV102、104、106であり得る。
【0065】
処理ユニット120、122は、代替として播種ユニット、放出ユニット、採集ユニット、収穫ユニットなどであってもよい。
【0066】
動作データは、処理ユニット120、122を制御するように構成されてもよい。監視ユニット124は、光学センサ(例えば、カメラ、NIRセンサ、RGBカメラ、LIDAR、LADAR、RGB、レーザ)、GPSセンサ、温度センサ、湿度センサ、日射センサ、空流センサ、適用率センサ、風速センサ、風向センサなどを含むことができる。動作データは、監視ユニット124を制御するためのデータを含むことができる。
【0067】
図3は、圃場112を処理するために適合された地上ロボット102、104、106を示す。
【0068】
図1及び2のUAV102、104、106とは対照的に、処理装置、すなわち図3の地上ロボット102、104、106は、地上ベースであり、地上を横断する。この例に示されるように、ロボット102、104、106は、圃場状態を監視するための監視ユニット124と、処理製品を噴霧するための処理ユニットとしての噴霧ノズル122、124とを含む。噴霧ノズル120、122は、ロボット102、104、106によって運搬された少なくとも1つのタンクと流体連通している。飛行中のUAV102、104、106と同様に、そのような地上ベースのセットアップにより、監視された圃場状態に応じてノズル122、124が、圃場112を処理するためにトリガされ得るため、より効率的で的を絞った圃場処理が可能になる。他の実施形態では、ロボットは、圃場状態を監視するための監視ユニット124を含む、偵察ロボットであり得る。他の実施形態では、ロボットは、処理製品を噴霧するための処理ユニット122、120を含む噴霧ロボットであり得る。
【0069】
言うまでもなく、地上ロボット102、104、106もまた、農業機械と呼ぶことができる
【0070】
図4は、圃場112の土壌特性マップSPMを生成するためのシステム126を示す。例示的な土壌特性マップSPMは図5に示される。
【0071】
システム126は、圃場112の作物特性分布データDを受信するように構成された第1の受信ユニット128を含む。作物特性分布データDは、少なくとも1つの作物関連パラメータPを含む。
【0072】
図4及び5に示された実施例において、作物特性分布データDは、バイオマス分布データBMDであり、作物関連パラメータP値は、バイオマス値BMVである。
【0073】
バイオマス分布データBMDは、データベース130から受信されるか、例えば、前述した農業機械102、104、106により実行された現在の測定値、又はユーザ入力IPである。
【0074】
データベース130は、クラウド環境100の一部であってもよい。代替として、データベース130は、地上局110(図1を参照)の一部を形成することができる。
本実施例において:
【0075】
別の実施例において、バイオマス分布データBMDは、過去10年間に発生している履歴バイオマス分布データから導き出される。履歴バイオマス分布データは、データベース130によっても提供される。
【0076】
システム126は、作物特性分布データDの所定範囲内の作物関連パラメータP値を有する同等領域A1、A2、A3、A4を決定するように構成された決定ユニット132を更に備える。
【0077】
本実施例において、決定ユニット132は、バイオマス分布データBMDの所定範囲内のバイオマス値BMVを有する同等領域A1、A2、A3、A4を決定するように構成される。
【0078】
これは、圃場112の合計4つの同等領域A1、A2、A3、A4を示している図5に図示される。
【0079】
同等領域A1は、第1の範囲内のバイオマス値BMVを有する。同等領域A2は、第2の範囲内のバイオマス値BMVを有する。同等領域A3は、第3の範囲内のバイオマス値BMVを有する。同等領域A4は、第4の範囲内のバイオマス値BMVを有する。
【0080】
概して、それはバイオマス分布データBMDから導き出され、バイオマス値BMVは、それぞれの同等領域A1、A2、A3及びA4内で均一と考えられる。
【0081】
同等領域A1、A2、A3及びA4のうちの1つで複数の部分が必ずしもつながっている必要がないことが留意される。
【0082】
システム126は、土壌データSDを受信するように構成される第2の受信ユニット134を追加で備える。
【0083】
土壌データSDは、決定された同等領域A1、A2、A3、A4の各々に対する少なくとも1つの土壌パラメータSPを含む。土壌パラメータSPは、例えば、リン酸含有量である。
【0084】
本実施例では、リン酸含有量に関連する土壌パラメータSPは、単なる説明的性質に過ぎないという事実が留意される。土壌パラメータは、上記に既に説明された任意の他の代替にも関連する可能性がある。
【0085】
土壌パラメータSPは、例えば、図5に示されるサンプリング場所L1、L2、L3、L4、L5、L6、L7の各々で土壌サンプルを採取することにより決定される。
【0086】
この例では、同等領域A1に対して、2つのサンプルが、すなわち、L1及びL4の場所で採取される。
【0087】
同等領域A2でも、2つのサンプルが、すなわち、L2及びL7の場所で採取される。
【0088】
同等領域A3でも、2つのサンプルが、すなわち、L3及びL6の場所でそれぞれ採取される。
【0089】
同等領域A4では、1つのサンプルだけがL5の場所で採取される。
【0090】
システム126は、土壌データSD及び同等領域A1~A4に基づいて圃場112の土壌特性マップSPMを生成するように構成される生成ユニット136を更に備える。
【0091】
これは、図5の実施例において、L1及びL4の場所で採取されたサンプルから導き出されたリン酸含有量(又は任意の他の上記のパラメータ)が同等領域A1全体に帰することを意味する。L1の場所及びL4の場所で、異なるリン酸含有量が検出された場合は、平均のリン酸含有量を使用することができる。
【0092】
同様に、L2及びL7の場所で採取されたサンプルから導き出されたリン酸含有量(又は任意の他の上記のパラメータ)は、同等領域A2全体に帰する。
【0093】
同様に、L3及びL6の場所で採取されたサンプルから導き出されたリン酸含有量(又は任意の他の上記のパラメータ)は、同等領域A3全体に帰する。
【0094】
L5の場所で採取されたサンプルから導き出されたリン酸含有量(又は任意の他の上記のパラメータ)は、同等領域A4全体に帰する。
【0095】
システム126は、土壌特性マップSPMに基づいて農業機械のための処理命令データTDを生成するように構成される更なる生成ユニット138を追加で備える。
【0096】
農業機械は、例えば、農業機械102、104、106のうちの1つである。
【0097】
本実施例において、例示的な土壌パラメータSPは、例示的にリン酸含有量であるため、処理命令データTDは、例示的に、リン酸含有量が低い同等領域A1~A4にリン酸肥料を提供するための命令を含むことができる。
【0098】
システム126は、圃場112の土壌特性マップSPMを生成するためのコンピュータ実装方法を実行するために使用することができる。この方法のステップは図6に示される。
【0099】
第1のステップS1において、少なくとも1つの作物関連パラメータPを含む、圃場112の作物特性分布データDが受信される。
【0100】
前述したように、本実施例では、作物特性分布データDはバイオマス分布データBMDであり、作物関連パラメータ値はバイオマス値BMVである。
【0101】
バイオマス分布データBMDは、データベース130から受信されるか、例えば、農業機械102、104、106のうちの1つにより実施された現在の測定値、又はユーザ入力IPである。
【0102】
代替の実施例において、バイオマス分布データBMDは、前述したように、履歴バイオマス分布データから導き出される。
【0103】
第2のステップS2において、作物特性分布データDの所定範囲内の作物関連パラメータP値を有する同等領域A1、A2、A3、A4が決定される。
【0104】
これは、本実施例では、同等領域A1、A2、A3、A4が決定されることを意味する(図5を参照)。これらの同等領域A1、A2、A3、A4の各々は、作物特性分布データDの所定範囲内の作物関連パラメータP値を有する。
【0105】
本実施例では、同等領域A1、A2、A3、A4が、バイオマス分布データBMDの所定範囲内のバイオマス値BMVを有すると決定される。
【0106】
より詳細には、同等領域A1は、第1の範囲内のバイオマス値BMVを有する。同等領域A2は、第2の範囲内のバイオマス値BMVを有する。同等領域A3は、第3の範囲内のバイオマス値BMVを有する。同等領域A4は、第4の範囲内のバイオマス値BMVを有する。
【0107】
概して、それはバイオマス分布データBMDから導き出され、バイオマス値BMVは、それぞれの同等領域A1、A2、A3及びA4内で均一と考えられる。
【0108】
同等領域A1、A2、A3、A4が決定された後、任意選択のステップS2aにおいて、圃場内の土壌サンプリング場所データSSDが提供される。これは、決定された同等領域に基づいて提供され、土壌サンプリング装置のための土壌サンプリング経路データも提供される。更に、圃場の土壌サンプリングマップデータ。
【0109】
前述したように、土壌サンプリング場所データSSDは、L1~L7の場所を特徴付ける位置データを含み、サンプルを採取するために使用される。
【0110】
土壌サンプリング経路データは、L1~L7の場所を考えられる最短様式でつなぐ経路Rを記述する。これは、図5では波線を使用して示される。
【0111】
圃場112の輪郭と合わせて、L1~L7の場所及び経路Rが土壌サンプリングマップデータを形成する。簡単に言うと、圃場112のマップが提供され、マップ上にはL1~L7のサンプリング場所が示されるとともに、経路Rが示唆され、これに沿ってL1~L7の場所に到達することができる。
【0112】
図5から確認できるように、同等領域A1、A2及びA3は、2つの土壌サンプリング場所を含み、同等領域A4は、1つのサンプリング場所を含む。
【0113】
これは、同等領域A4の地面が同等領域A1、A2及びA3の累計地面よりはるかに小さいという事実による。
【0114】
その上に、任意選択のステップS2aで更に、方法は、土壌サンプルが採取されなければならない時刻への参照を含む土壌サンプリングタイミングデータを提供するステップと、土壌サンプリング方法データを提供するステップとを含むことができる。
【0115】
したがって、方法は、どこで、いつ、及びどのように、の面でサンプリング手順を完全に記述するために構成される。この完全な記述により、サンプリングを高精度で実施することができる。好ましくは、サンプリングは自動的に実行される。
【0116】
第3のステップS3において、少なくとも1つの土壌パラメータSPに対する土壌データSD、すなわち、本実施例ではリン酸含有量が、決定された同等領域A1~A4の各々に対して受信される。
【0117】
土壌データSDは、例えば、前述のようにサンプリング手順により、システム126と連動して生成される。
【0118】
ステップS3の結果、本実施例では、全ての同等領域A1~A4のリン酸含有量が判明する。
【0119】
圃場112の土壌特性マップSPMは、第4のステップS4で生成される。これを実行するために、土壌データSD、すなわち、本実施例ではリン酸含有量、及び同等領域A1~A4が使用される。
【0120】
より正確には、決定されたリン酸含有量は、関連同等領域A1~A4に帰するものであり、マップに表される。
【0121】
換言すると、圃場112の作物特性分布データD又はバイオマス分布データBMD及び/若しくは土壌データSDは、圃場112の土壌特性マップSPMを生成するための方法において使用される。
【0122】
第5のステップS5において、方法は、例えば、農業機械102、104、106などの農業機械のための処理命令データTDを生成するステップを更に含む。土壌特性マップSPMは、このステップの基礎として使用される。
【0123】
前述したように、例示的実施例では、処理は、リン酸肥料の散布であってもよく、処理命令データTDは、リン酸含有量が低い同等領域A1~A4にリン酸肥料を提供するための命令を含むことができる。処理命令データTDは、対応する位置データ及び散布されるリン酸肥料の量に関して対応するデータを含むことができる。
【0124】
このように、土壌特性マップSPMを生成するための方法により提供される土壌特性マップSPMは、圃場112を処理するための、例えば農業機械102、104、106などの農業機械のための処理命令データTDを提供するために使用される。
【0125】
更に、土壌特性マップSMPを生成するための方法は、コンピューティング環境のコンピューティング装置上で実行されたとき、上記のシステム126内の上記の方法のステップを実行するように構成される、命令を含むコンピュータプログラム要素140により実現され得る。これを達成するために、コンピュータプログラム要素140は、システム126のユニットに対応する、例えばソフトウェアユニットなどのコンピュータプログラムユニットを含むことができる。これは、図4に示されている。
【0126】
図7には、土壌特性マップを生成するための方法により生成された土壌特性マップSPM及びシステム126の別の実施例が示される。
【0127】
図7の土壌特性マップSMPは、図5のSPMとは複数の態様が異なる。残りの態様については、前述を参照されたい。
【0128】
まず最初に、異なる地形を有する異なる圃場に関する。
【0129】
更に、図7の土壌特性マップSPMは、LA1~LA8の複数の層を含む。図7の実施例において、合計8つの層が使用されるが、これは単に例示に過ぎない。
【0130】
LA1~LA8の層の各々は、様々な土壌パラメータSPに関連する。上記のリストから、任意のタイプの土壌パラメータを選ぶことができる。
【0131】
これは、図7の土壌特性マップSPMを生成するために、前述のように同等領域が決定されるが、次に合計8つの土壌パラメータSPに関連する土壌データSDが受信され、各土壌パラメータSPに対して、土壌特性マップSPMの1層が生成されることを意味する。
【0132】
土壌特性マップSPMを生成するための方法は、クラウド環境100、地上局110、及びユーザ装置108のうちのいずれか1つの上で実行できることが留意される。これを達成するために、対応するコンピュータプログラム要素140は、クラウド環境100、地上局110、及びユーザ装置108のうちのいずれか1つの上に提供される。これは、土壌特性マップSPMを生成するためのシステム126はまた、クラウド環境100、地上局110、及びユーザ装置108のうちのいずれか1つの少なくとも一部分を形成できることを意味する。
【0133】
本開示の態様は、上記の方法のステップを実行するように構成されたコンピュータプログラム要素に関する。したがって、コンピュータプログラム要素は、一実施形態の一部でもあり得る、コンピューティング装置のコンピューティングユニット上に記憶されてもよい。このコンピューティングユニットは、前述した方法のステップを実行するように、又はその実行を誘導するように構成され得る。更に、コンピューティングユニットは、前述のシステムの構成要素を動作させるように構成され得る。コンピューティングユニットは、自動的に動作するように、及び/又はユーザの命令を実行するように構成され得る。コンピューティングユニットは、データプロセッサを含み得る。コンピュータプログラムは、データプロセッサの作業メモリに読み込まれてもよい。したがって、データプロセッサは、前述した実施形態のうちの1つによる方法を実行するための装備を有してもよい。本開示のこの例示的な実施形態は、最初から本開示を使用するコンピュータプログラム、及び更新の手段により既存のプログラムを本開示を使用するプログラムに変えるコンピュータプログラムの両方を包含する。更に、コンピュータプログラム要素は、前述した方法の例示的な実施形態の手順を遂行するために必要な全てのステップを提供可能であり得る。本開示の更なる例示的な実施形態によれば、CD-ROM、USBスティックなどのコンピュータ可読媒体、ダウンロード可能な実行可能ファイルなどが提示され、コンピュータ可読媒体はその上に記憶されたコンピュータプログラム要素を有し、コンピュータプログラム要素は前のセクションに記載されている。コンピュータプログラムは、他のハードウェアと一緒に又は他のハードウェアの一部として供給される光記憶媒体又はソリッドステート媒体などの適切な媒体に記憶及び/又は分散され得るが、インターネット又は他の有線若しくは無線電気通信システムを介するなど、他の形態で分散されてもよい。しかしながら、コンピュータプログラムはまた、ワールドワイドウェブのようなネットワーク上に存在してもよく、そのようなネットワークからデータプロセッサの作業メモリにダウンロードすることができる。本開示の更なる例示的な実施形態によれば、コンピュータプログラム要素をダウンロードに利用できるようにする媒体が提供され、コンピュータプログラム要素は、本開示の前述した実施形態のうちの1つによる方法を実行するように配置される。
【0134】
本開示は、実施例としても好ましい実施形態と併せて説明してきた。しかし、当業者及び請求された発明を実施する者には図面、本開示及び請求項を精査することにより、他の変形例を理解及び実施できよう。とりわけ、特に提示された任意のステップは、任意の順序で実行することができ、すなわち、本発明は、これらのステップの特定の順序に限定されるものではない。更に、異なるステップが特定の場所又は分散システムの1つのノードで実施されることも必須ではない。すなわち、ステップのそれぞれは、異なる機器/データ処理ユニットを使用して異なるノードで実施され得る。
【0135】
請求項及び明細書において用語「含む/備える(comprising)」は他の要素又はステップを排除せず、不定冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は複数性を排除しない。単一の要素又は他のユニットが、請求項に記載される複数の実体又は項目の機能を実現してもよい。特定の手段が互いに異なる従属請求項に記述されているという事実だけでは、これらの手段の組み合わせが有利な実装で使用できないことを示すものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】