(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-09
(54)【発明の名称】複数の押出機を有する熱硬化性三次元プリンタを動的に制御するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
B29C 64/393 20170101AFI20241226BHJP
B33Y 50/02 20150101ALI20241226BHJP
B29C 64/106 20170101ALI20241226BHJP
B29C 64/336 20170101ALI20241226BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20241226BHJP
B29C 64/209 20170101ALI20241226BHJP
B29C 64/314 20170101ALI20241226BHJP
B29C 64/227 20170101ALI20241226BHJP
B29C 64/343 20170101ALI20241226BHJP
【FI】
B29C64/393
B33Y50/02
B29C64/106
B29C64/336
B33Y30/00
B29C64/209
B29C64/314
B29C64/227
B29C64/343
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024537416
(86)(22)【出願日】2022-10-18
(85)【翻訳文提出日】2024-08-16
(86)【国際出願番号】 US2022078247
(87)【国際公開番号】W WO2023122370
(87)【国際公開日】2023-06-29
(32)【優先日】2021-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】399074983
【氏名又は名称】ピーピージー・インダストリーズ・オハイオ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】PPG Industries Ohio,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エプスタイン、エリック エス.
(72)【発明者】
【氏名】フォグル、アントニー ジャレッド
(72)【発明者】
【氏名】ブバス、マイケル アントニー
(72)【発明者】
【氏名】ドボシュ、ケリアン マーセリン
(72)【発明者】
【氏名】トン、ミン エイ.
【テーマコード(参考)】
4F213
【Fターム(参考)】
4F213AA36
4F213AR07
4F213AR08
4F213WA25
4F213WB01
4F213WF21
4F213WL02
4F213WL15
4F213WL24
4F213WL32
4F213WL74
4F213WL85
(57)【要約】
三次元プリンタ内の印刷パラメータを動的に制御するためのコンピュータシステムは、三次元プリンタによってターゲットオブジェクトを印刷するための指標を受信する。コンピュータシステムは、材料属性データセットにアクセスする。材料属性データセットは、複数の熱硬化性材料またはその混合物の異なる材料性質を記述する。材料属性データセットに基づいて、コンピュータシステムは、複数の押出機の各々について、複数の押出機の各々についての複数の熱硬化性材料のうちの1つまたは1つより多くの熱硬化性材料を選択して押出成形体を形成し、選択された1つまたは1つより多くの熱硬化性材料の押出構成を判定する。次いで、コンピュータシステムは、ターゲットオブジェクトを印刷している間に、熱硬化性三次元プリンタの複数の押出機に、複数の押出機の押出構成を実装させるコマンドを生成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の押出機を有する三次元プリンタ内で印刷パラメータを動的に制御するためのコンピュータシステムであって、
1つまたは1つより多くのプロセッサと、
実行可能命令を格納した1つまたは1つより多くのコンピュータ可読媒体と、を備え、前記実行可能命令が、前記1つまたは1つより多くのプロセッサによって実行されるときに、前記コンピュータシステムを、少なくとも、
前記三次元プリンタによってターゲットオブジェクトを印刷するための指標を受信することと、
材料属性データセットにアクセスすることであって、前記材料属性データセットが、複数の熱硬化性材料またはその混合物の異なる材料性質を記述する、アクセスすることと、
前記材料属性データセットに基づいて、前記複数の押出機の各々について、
押出成形体を形成するために、前記複数の押出機の各々について前記複数の熱硬化性材料の中から1つまたは1つより多くの熱硬化性材料を選択することと、
前記選択された1つまたは1つより多くの熱硬化性材料の押出構成を判定することと、
前記ターゲットオブジェクトを印刷している間に、前記三次元プリンタの前記複数の押出機に、前記複数の押出機の前記押出構成を実装させるコマンドを生成することと、を実行するように構成する、コンピュータシステム。
【請求項2】
前記複数の押出機が、
押出性質の第1のセットを有する第1の押出機と、
押出性質の第2のセットを有する第2の押出機と、を含み、
前記複数の押出機の各々の前記押出構成を判定することが、
材料性質の第1のセットを有する材料を押出するように、前記第1の押出機を構成することと、
材料性質の第2のセットを有する材料を押出するように、前記第2の押出機を構成することと、を含む、請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項3】
前記ターゲットオブジェクトが、異なる材料性質を有する複数の部分を有し、前記複数の部分の各々について、前記コンピュータシステムが、
押出成形体を形成するために、複数の熱硬化性材料の中から1つまたは1つより多くの熱硬化性材料を選択することと、
前記複数の押出機のうちの1つを選択することと、
前記選択された押出機および前記押出成形体の特定の押出構成を判定することと、を行うようにさらに構成されている、請求項1または2に記載のコンピュータシステム。
【請求項4】
前記ターゲットオブジェクトが、異なる材料性質を有する複数の部分を有し、前記複数の部分の各々について、前記コンピュータシステムが、
押出成形体を形成するために、複数の熱硬化性材料の中から1つまたは1つより多くの熱硬化性材料を選択することと、
前記複数の押出機のうちの1つを選択することと、
前記選択された押出機および前記押出成形体の特定の押出構成を判定することと、を行うようにさらに構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項5】
前記複数の部分の各々について、前記コンピュータシステムが、前記選択された1つまたは1つより多くの熱硬化性材料の体積混合比を判定するようにさらに構成されており、前記コマンドが、前記判定された体積混合比において、前記選択された1つまたは1つより多くの熱硬化性材料を前記選択された押出機に供給させるように構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項6】
前記異なる材料性質が、少なくとも、共反応前の異なる比率における、前記複数の熱硬化性材料の流動性質もしくはゲル性質、またはそれらの混合物を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項7】
前記異なる材料性質が、少なくとも、共反応後の異なる比率における、硬度、可撓性、引張強度、色、温度耐性、消音、膨張、難燃性、耐粉砕性、膨張性、前記複数の熱硬化性材料の導電性、またはそれらの混合を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項8】
前記複数の押出機の各々について、前記押出構成が、押出速度、押出タイミング、または押出経路のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項9】
前記複数の押出機が、単一のツール経路を作り出すために連続して使用される、請求項1~8のいずれか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項10】
前記複数の押出機の各々が、材料供給源の別個のセットに結合される、請求項1~9のいずれか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項11】
前記複数の押出機から選択された第1の押出機と、前記複数の押出機から選択された第2の押出機との間のオフセットを計算することと、
前記第1の押出機から前記第2の押出機に押出を切り替えるコマンドを受信することと、
前記オフセットを利用して、前記第2の押出機から材料を押出する前に、前記第2の押出機を前記第1の押出機に対してある場所に位置決めすることと、をさらに含む、請求項1~10のいずれか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項12】
前記第1の押出機からの第1の材料の押出を第2の材料に切り替えるコマンドを受信することと、
前記材料データベースからパージエントリを取り出すことであって、前記パージエントリが、前記第1の押出機から前記第1の材料をパージするために必要とされる押出の量および押出構成を示す、取り出すことと、
前記第1の押出機をパージ領域に位置決めすることと、
前記第1の押出機から前記第1の材料をパージするために必要とされる押出の量をパージすることと、をさらに含む、請求項1~11のいずれか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項13】
三次元プリンタであって、
各々が異なる押出成形体を押出するように構成されている複数の押出機と、
1つまたは1つより多くのプロセッサと、
実行可能命令を格納した1つまたは1つより多くのコンピュータ可読媒体と、を備え、前記実行可能命令が、前記1つまたは1つより多くのプロセッサによって実行されるときに、前記三次元プリンタを、少なくとも、
ターゲットオブジェクトを印刷するためのコマンドを受信することと、
前記コマンドに基づいて、前記複数の押出機の各々について、
複数の熱硬化性材料の中から1つまたは1つより多くの熱硬化性材料を選択することと、
前記選択された1つまたは1つより多くの熱硬化性材料を混合して、押出成形体を形成することと、
押出構成を設定することと、
前記押出構成に基づいて、前記押出成形体を押出することと、を行うように構成する、三次元プリンタ。
【請求項14】
前記ターゲットオブジェクトを印刷するための前記コマンドが、前記複数の押出機の各々について選択された前記1つまたは1つより多くの熱硬化性材料を示す、請求項13に記載の三次元プリンタ。
【請求項15】
前記ターゲットオブジェクトを印刷するための前記コマンドが、前記複数の押出機の各々について選択された前記1つまたは1つより多くの熱硬化性材料の体積混合比をさらに示す、請求項13または14に記載の三次元プリンタ。
【請求項16】
1つまたは1つより多くの熱硬化性材料を前記複数の押出機の各々に供給するように構成されている複数の材料供給源をさらに備える、請求項13~15のいずれか一項に記載の三次元プリンタ。
【請求項17】
可動アームをさらに備え、前記複数の押出機が、前記可動アームに結合され、前記複数の押出機が、連続して押出するように構成されている、請求項13~16のいずれか一項に記載の三次元プリンタ。
【請求項18】
前記複数の押出機が、単一のツール経路を作り出すために同時に使用される、請求項13~17のいずれか一項に記載の三次元プリンタ。
【請求項19】
所望の材料属性を作り出すために熱硬化性三次元プリンタを動的に制御するためのコンピュータ実装方法であって、前記コンピュータ実装方法が、1つまたは1つより多くのプロセッサ上で実行され、前記方法が、
前記熱硬化性三次元プリンタによってターゲットオブジェクトを印刷するための指標を受信することと、
材料属性データセットにアクセスすることであって、前記材料属性データセットが、印刷中の複数の熱硬化性材料の異なる材料性質を記述する、アクセスすることと、
前記材料属性データセットに基づいて、複数の押出機の各々について、
押出成形体を形成するために、前記複数の押出機の各々について前記複数の熱硬化性材料の中から1つまたは1つより多くの熱硬化性材料を選択することと、
前記1つまたは1つより多くの熱硬化性材料の押出構成を判定することと、
前記ターゲットオブジェクトを印刷している間に、前記熱硬化性三次元プリンタの前記複数の押出機に前記押出構成を実装させるコマンドを生成することと、を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項20】
前記複数の押出機が、
押出性質の第1のセットを有する第1の押出機と、
押出性質の第2のセットを有する第2の押出機と、を含み、
前記押出構成を判定することが、
材料性質の第1のセットを有する材料を押出するように、前記第1の押出機を構成することと、
材料性質の第2のセットを有する材料を押出するように、前記第2の押出機を構成することと、を含む、請求項19に記載のコンピュータ実装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
政府の権利
本発明は、米国陸軍(US Army ACC-APG-RTP W911NF)から授与された契約第号W911NF-17-2-0227号の下、政府支援を受けて行われた。政府は本発明において一定の権利を有する。
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年12月22日に出願され、「SYSTEM AND METHOD FOR DYNAMICALLY CONTROLLING THERMOSET THREE-DIMENSIONAL PRINTER WITH MULTIPLE EXTRUDERS」と題された米国仮特許出願第63/292,753号の利益および優先権を主張し、本出願はその全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
本発明は、共反応性材料を使用する三次元印刷方法のコンピュータ制御に関する。特に、本発明は、三次元プリンタによって使用される異なる材料に基づいて、熱硬化性三次元プリンタ内で複数の押出機を動的に制御することに関する。
【0004】
付加製造とも称される三次元(3D)印刷は、過去数年間で技術的爆発を経験してきた。この関心の増加は、一般的なコンピュータ支援設計(CAD)ファイルからの多種多様なオブジェクトを容易に製造するための3D印刷の能力に関連する。3D印刷では、組成物は、構造を構築するために材料の連続的な層に設けられる。これらの層は、例えば、液体、粉末、紙、またはシート材料から生成され得る。
【0005】
従来の構成では、3D印刷システムは、熱可塑性材料を利用する。3D印刷システムは、加熱されたノズルを通して、プラットフォーム上に熱可塑性材料を押出する。CADファイルから導出された命令を使用して、システムは、プラットフォームに対してノズルを移動させ、3Dオブジェクトを形成するために熱可塑性材料の層を連続的に構築する。ノズルから押出された後、熱可塑性材料は、冷却する。それ故、得られた3Dオブジェクトは、加熱された形態で押出され、互いの上に層化された熱可塑性材料の層で作製される。
【0006】
3D印刷を改善することができる多くの方法がある。これらの改善は、他の多くの所望の結果の中でも、より速い印刷、より高い解像度の印刷、より耐久性のある最終製品を含み得る。
【発明の概要】
【0007】
三次元プリンタ内で印刷パラメータを動的に制御するためのコンピュータシステムは、1つまたは1つより多くのプロセッサと、実行可能命令を記憶した1つまたは1つより多くのコンピュータ可読媒体と、を備え、実行可能命令は、1つまたは1つより多くのプロセッサによって実行されるときに、様々な行為を行うように、コンピュータシステムを構成する。例えば、コンピュータシステムは、三次元プリンタによってターゲットオブジェクトを印刷するための指標を受信する。コンピュータシステムは、材料属性データセットにアクセスする。材料属性データセットは、複数の熱硬化性材料またはその混合物の異なる材料性質を記述する。材料属性データセットに基づいて、コンピュータシステムは、複数の押出機の各々について、複数の押出機の各々についての複数の熱硬化性材料のうちの1つまたは1つより多くの熱硬化性材料を選択して押出成形体を形成し、選択された1つまたは1つより多くの熱硬化性材料の押出構成を判定する。次いで、コンピュータシステムは、ターゲットオブジェクトを印刷している間に、熱硬化性三次元プリンタの複数の押出機に、複数の押出機の押出構成を実装させるコマンドを生成する。
【0008】
三次元プリンタ(3D)は、複数の押出機を備え得、その各々は、異なる押出成形体を押出するように構成されている。3Dプリンタはまた、1つまたは1つより多くのプロセッサと、1つまたは1つより多くのプロセッサによって実行されるときに、三次元プリンタが様々な行為を実行するように構成する実行可能命令を格納した1つまたは1つより多くのコンピュータ可読媒体と、を備え得る。例えば、3Dプリンタは、ターゲットオブジェクトを印刷するためのコマンドを受信することができる。コマンドに基づいて、複数の押出機の各々について、3Dプリンタは、複数の熱硬化性材料の中から1つまたは1つより多くの熱硬化性材料を選択し、選択された1つまたは1つより多くの熱硬化性材料を混合して押出成形体を形成し、押出構成を設定し、押出構成に基づいて押出成形体を押出することができる。
【0009】
所望の材料属性を作り出すために熱硬化性三次元プリンタを動的に制御するために、1つより多くのプロセッサ上で実行されるコンピュータ実装方法は、三次元プリンタによってターゲットオブジェクトを印刷するための指標を受信することを含む。方法はまた、材料属性データセットにアクセスすることを含む。材料属性データセットは、印刷中の複数の熱硬化性材料の異なる材料性質を記述する。材料属性データセットに基づいて、複数の押出機の各々について、方法は、押出成形体を形成するために、複数の押出機の各々について、複数の熱硬化性材料のうちの1つまたは1つより多くの熱硬化性材料を選択することと、1つまたは1つより多くの熱硬化性材料の押出構成を判定することと、ターゲットオブジェクトを印刷している間、熱硬化性三次元プリンタの複数の押出機に特定の押出構成を実装させるコマンドを生成することと、を含む。
【0010】
本発明の例示的な実装形態の追加的な特徴および利点は、以下の説明において記載され、部分的には説明から明らかであるか、またはそのような例示的な実装形態の実践によって知得し得る。そのような実装形態の特徴および利点は、別添の特許請求の範囲で特に指摘される器具および組み合わせによって実現および取得し得る。これらの特徴および他の特徴は、以下の説明および添付の特許請求の範囲からより完全に明らかになるか、または以下に規定するような例示的な実装形態の実践によって知得し得る。
【0011】
上に記載した、および本発明の他の利点ならびに特徴を得ることができる様態を説明するために、上で簡潔に説明される原理のより具体的な説明を、別添の図面に例解されたその具体的な実施形態を参照することによって行う。これらの図面は、本発明の典型的な実施形態のみを描写するものであり、したがって、その範囲を限定するものとみなされるものではないことを理解した上で、本発明を、以下に説明される添付の図面の使用を通して、追加的な具体性および詳細性をもって説明および解説されている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】熱硬化性3D印刷のためのシステムを例解する。
【
図2】熱硬化性3D印刷のためのコンピュータシステムの概略図を例解する。
【
図4A】異なる押出機および熱硬化物供給構成を例解する。
【
図4B】異なる押出機および熱硬化物供給構成を例解する。
【
図4C】異なる押出機および熱硬化物供給構成を例解する。
【
図5】複数の押出機を用いて熱硬化性三次元プリンタを動的に制御するための方法500のフローチャートを描写する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、熱硬化性三次元(3D)プリンタ内で複数の押出機を動的に制御するためのシステム、方法、および装置に及ぶ。システム、方法、および装置は、ターゲットオブジェクトを作り出す間に、共反応性材料の堆積を通して動作する。本明細書で使用される場合、「ターゲットオブジェクト」は、本明細書で説明されるシステム、方法、および/または装置によって付加的に製造されている物理的オブジェクトまたは完全な物理的オブジェクトの一部分を指し得る。追加的に、本明細書で使用される場合、共反応性材料は、熱硬化性材料を含む。
【0014】
共反応性成分を使用する付加製造は、代替的な付加製造方法と比較していくつかの利点を有する。本明細書で使用される場合、「付加製造」は、(例えば、ユーザが生成したファイルまたは3Dオブジェクトスキャナを通した)コンピュータ支援設計の使用を指し、付加製造装置に正確な幾何学的形状で材料を層ごとに堆積させる。連続的な層を形成する材料を共反応させて層間に共有結合を形成できるため、共反応性成分を使用した付加製造は、より強い部品を作り出すことができる。また、成分は混合時に低粘度を有するため、より高い充填材含有量を使用することができる。より高い充填材含有量を使用して、材料および構築されたターゲットオブジェクトの機械的および/または電気的性質を改質することができる。共反応性成分は、付加的に製造された部品で使用される化学物質を拡張して、耐溶剤性および耐熱性などの改善された性質を提供することができる。
【0015】
追加的に、コンピュータシステムを使用して、付加製造環境内での共反応性成分の使用を制御する能力は、いくつかの利点を提供する。例えば、コンピュータシステムは、結果として生じる材料の所望の物理的属性を生成する方法で、共反応性成分の流量およびツール経路を動的に制御および調整することができる。そのような調整および制御は、付加製造内で独自の利点を提供する。
【0016】
以下の詳細な説明の目的のために、本発明が、明示的に反対の定めがある場合を除き、様々な代替的な変形およびステップの順序をとり得ることが理解されるべきである。さらに、任意の動作例以外、または別途示される場合、例えば、明細書および特許請求の範囲で使用される成分の量を表すすべての数は、すべての例において「約」という用語によって修飾されているものとして理解されるべきである。したがって、相反することが示されない限り、以下の明細書および添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、本発明によって得られる所望の性質に応じて変動し得る近似値である。少なくとも、かつ、等価物の見解の適用を特許請求の範囲に限定しようとするものではなく、各数値パラメータは、少なくとも報告された有効桁の数に照らし合わせて、かつ通常の四捨五入技法を適用することによって解釈されるべきである。本発明の広い範囲を記載する数値範囲およびパラメータは、近似値であるにもかかわらず、具体的な例において記載される数値は、可能な限り正確に報告される。しかしながら、任意の数値は、それらのそれぞれの試験測定値に見られる標準偏差から必然的に得られるある特定の誤差を本質的に含有する。
【0017】
また、本明細書に記載される任意の数値範囲は、その中に包含されるすべての部分範囲を含むことを意図していることを理解されたい。例えば、「1~10」の範囲は、記載された最小値1と記載された最大値10との間の(およびそれらを含む)すべての部分的な範囲、すなわち、1に等しいまたは1を超える最小値と、10に等しいまたは10未満の最大値と、を有することが意図される。
【0018】
単数形の使用は、別途具体的に述べられていない限り、複数形を含み、複数形は、単数形を包含する。加えて、「および/または」がある特定の例で明示的に使用され得るが、別途具体的に述べられていない限り、「または」の使用は、「および/または」を意味する。
【0019】
「ポリマー」という用語は、プレポリマー、ホモポリマー、コポリマー、およびオリゴマーを含むことを意味する。
【0020】
加えて、別途示されない限り、本明細書および特許請求の範囲で使用される量、構成物質、距離、または他の測定値を表す数値は、「約」という用語またはその同義語によって必要に応じて修正されるものと理解されたい。「約」、「およそ」、「実質的に」という用語、または同様のものが、述べられた量、値、または条件と併せて使用されるとき、それは、述べられた量、値、または条件の20%未満、10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、または0.01%未満逸脱する量、値、または条件を意味すると解釈され得る。
【0021】
本開示の構成は、3D印刷を使用する構造オブジェクトの生成を対象とする。3Dオブジェクトは、少なくとも2つの共反応性成分を基材上に堆積させ、その後、下に堆積された部分または層の上にオブジェクトの追加の部分または層を堆積させることによって、オブジェクトの連続的な部分または層を形成することによって生成され得る。層は、3D印刷されたオブジェクトを構築するために連続的に堆積される。共反応性成分を混合し、次いで堆積させることができるか、または別個に堆積させることができる。別個に堆積されるとき、成分は、同時に、または連続して、または同時にかつ連続しての両方で、堆積させることができる。
【0022】
堆積および同様の用語は、基材上(オブジェクトの第1の部分のために)またはオブジェクトの以前に堆積された部分もしくは層上に、共反応する、または共反応組成物および/もしくはその反応成分を含む印刷材料の適用を指す。各共反応性成分は、他の共反応性成分の構成物質と化学的に反応することができるモノマー、プレポリマー、付加物、ポリマー、および/または架橋剤を含み得る。
【0023】
少なくとも2つの共反応性成分は、一緒に混合され、その後、オブジェクトの部分を形成するように反応する共反応性成分の混合物として堆積され得る。例えば、2つの共反応性成分を一緒に混合し、共反応性成分の混合物として堆積させ得、それらは、共反応性成分の少なくとも2つの別個の流れを静的ミキサなどの混合装置内に送達することによって反応して共反応化組成物を形成し、次いで堆積される単一の流れを生成する。共反応性成分は、反応混合物を含む組成物が堆積されるまでに少なくとも部分的に反応され得る。堆積された反応混合物は、堆積後に少なくとも部分的に反応し得、また、オブジェクトの下層または上層などのオブジェクトの以前に堆積された部分および/またはその後に堆積された部分と反応し得る。
【0024】
代替的に、2つの共反応性成分は、互いに別個に堆積されて、堆積時に反応して、オブジェクトの部分を形成し得る。例えば、2つの共反応性成分は、インクジェット印刷システムを使用するなどして別個に堆積され得、それによって、2つの反応性成分は、反応してオブジェクトの一部分を形成し得るように、共反応性成分は、十分に近接して互いに重なり合って、かつ/または互いに隣接して堆積される。別の実施例として、押出成形物では、均質であるよりもむしろ、押出成形物の断面プロファイルは、断面プロファイルの異なる部分が2つの共反応性成分のうちの1つを有し得、かつ/または2つの共反応性成分の混合物を異なるモル比および/または等価比で含有し得るように不均質であり得る。
【0025】
さらに、3D印刷されたオブジェクト全体を通して、オブジェクトの異なる部分が異なる材料性質によって特徴付けられ得るように、オブジェクトの異なる部分は、2つの共反応性成分の異なる割合を使用して形成され得る。例えば、オブジェクトのいくつかの部分は、剛性であり得、オブジェクトの他の部分は、可撓性であり得る。本明細書で使用される場合、「材料性質」は、硬化および/または未硬化の熱硬化性材料の物理的材料特性を指す。例えば、材料性質は、未硬化の熱硬化性材料の粘度を指し得る。他の実施例において、材料性質は、所望のターゲットオブジェクトを作り出すために押出された後の硬化した熱硬化性材料の剛性を指し得る。したがって、材料性質とは、様々な異なる段階における共反応材料の物理的材料特性を指す。
【0026】
共反応性成分の粘度、反応速度、および他の性質は、堆積された部分および/またはオブジェクトが、堆積後に所望の構造的完全性を達成および保持するように、共反応性成分および/または共反応組成物の流動を制御するように調整され得ることが理解されるであろう。共反応性成分の粘度は、溶媒を含めることによって調節され得、または共反応性成分は、溶媒を実質的に含まないか、もしくは溶媒を完全に含まない場合がある。共反応性成分の粘度は、充填材を含めることによって調節され得、または共反応性成分は、充填材を実質的に含まないか、もしくは充填材を完全に含まない場合がある。共反応性成分の粘度は、より低いまたはより高い分子量を有する成分を使用することによって調節され得る。例えば、共反応性成分は、プレポリマー、モノマー、またはプレポリマーとモノマーとの組み合わせを含み得る。共反応性成分の粘度は、堆積温度を変更することによって調整され得る。共反応性成分は、堆積および/またはインクジェット前の混合など、使用される特定の堆積方法に対して調整され得る粘度および温度プロファイルを有し得る。粘度は、共反応性成分自体の組成によって影響され得、かつ/または本明細書に説明されるレオロジー改質剤の含有によって制御され得る。
【0027】
粘度および/または反応速度が、共反応性成分の堆積後に組成物が意図された形状を保持するようになることが望ましい可能性がある。例えば、粘度が低すぎるおよび/または反応速度が遅すぎる場合、堆積組成物は、完成オブジェクトの所望の形状を損なうような方法で流れ得る。同様に、粘度が高すぎるおよび/または反応速度が速すぎる場合、所望の形状が損なわれ得る。
【0028】
ここで、図を参照すると、
図1は、共反応性成分を使用した3D印刷のためのシステムを例解している。描写されるシステムは、コンピュータシステム110と通信する3Dプリンタ100を備える。物理的に別個の成分として描写されているが、コンピュータシステム110はまた、3Dプリンタ100内に完全に統合され得、(クラウドコンピューティング環境を含む)複数の異なる電子デバイスの間に分散され得、または別様に3Dプリンタ100と統合され得る。本明細書で使用される場合、「3Dプリンタ」は、コンピュータによって生成されたデータファイルを使用して付加製造を可能にする任意のデバイスを指す。本明細書におけるそのようなコンピュータ生成データファイルは、「CADファイル」と称される。
【0029】
描写される3Dプリンタ100は、くさび形状の形態でターゲットオブジェクト120とともに描写される。くさび形状は、少なくとも部分的に、共反応性成分を使用して、3Dプリンタ100によって構築される。3Dプリンタ100はまた、移動機構140に取り付けられたディスペンサ130を備える。本明細書で使用される場合、「ディスペンサ」は、1つまたは1つより多くの押出機、1つまたは1つより多くの動的ノズル、1つまたは1つより多くの静的ノズル、1つまたは1つより多くの噴射デバイス、1つまたは1つより多くの注入デバイス、1つまたは1つより多くの分注デバイス、1つまたは1つより多くの噴霧デバイス、または共反応性成分の制御された流れを提供することができる任意の他のデバイスを備え得る。
【0030】
追加的に、移動機構140は、アームに沿ってX軸方向に移動可能であるトラック142内に取り付けられたディスペンサと、アームがY軸方向に移動可能であるトラック144の別のセットと、を備えるように描写されている。しかしながら、この構成は、例示および説明のためにのみ提供されることを理解されたい。追加的または代替的な構成では、移動機構140は、ターゲットオブジェクト120に対してディスペンサ130の位置を制御できる任意のシステムを備え得、これには、ターゲットオブジェクト120をディスペンサ130に対して移動させるシステムが含まれるが、これに限定されない。
【0031】
さらに、3Dプリンタ100は、共反応性成分の1つまたは1つより多くの容器152(a~e)に接続される。描写される実施例では、共反応性成分は、ユーザが共反応性成分を引き出すための所望の容器152(a~e)を選択することを許容する選択可能なマニホールド150を通してアクセスされる。しかしながら、3D印刷のための描写されたシステムは単に例示的なものであることが理解されるであろう。例えば、代替的な場合において、システムは、共反応性成分および選択可能なマニホールド150の異なる構成を備え得るか、または選択可能なマニホールド150を全く備えない場合がある。
【0032】
図2は、熱硬化性3D印刷のためのコンピュータシステムの概略図を例解する。コンピュータシステム110は、3Dプリンタ100と通信しているとして示されている。追加的に、3D印刷設計ソフトウェア200の様々なモジュール、またはユニットは、コンピュータシステム110によって実行されるとして描写されている。特に、3D印刷設計ソフトウェア200は、ツール経路生成ユニット240、流量処理ユニット242、ディスペンサ制御ユニット244、および材料データベース246(本明細書では、「材料属性データベース」および「材料属性データセット」とも称する)を備えるように描写されている。
【0033】
熱硬化性3D印刷のための描写されたコンピュータシステムは、3Dプリンタ100に直接供給される第1の共反応性成分容器250aおよび第2の共反応性成分容器250bを備えるようにさらに示されている。したがって、3Dプリンタ100は、第1の共反応性成分容器150aおよび第2の共反応性成分容器150bから所望に応じて共反応性成分を抽出することができる。しかしながら、この構成は単に例示的なものであり、追加的または代替的な構成では、共反応性成分容器の異なる構成を利用して、共反応性成分を3Dプリンタ100に提供し得ることが理解されるであろう。
【0034】
本明細書で使用される場合、「モジュール」は、特定の機能を実行するコンピュータ実行可能コードおよび/またはコンピュータハードウェアを含む。当業者は、異なるモジュール間の区別が少なくとも部分的に任意であり、モジュールが別様に組み合わされ、分割され、依然として本開示の範囲内にあり得ることを理解するであろう。したがって、「モジュール」であるとしての成分の説明は、明確化および説明のためにのみ提供され、別途明示的に述べられていない限り、コンピュータ実行可能コードおよび/またはコンピュータハードウェアの任意の特定の構造が必要であることを示すように解釈されるべきではない。この説明では、「ユニット」、「成分」、「エージェント」、「マネージャ」、「サービス」、「エンジン」、「仮想マシン」などの用語も同様に使用され得る。
【0035】
コンピュータシステム110はまた、1つまたは1つより多くのプロセッサ210、および1つまたは1つより多くのプロセッサ210によって実行されるときに、様々な行為を実行するようにコンピュータシステム110を構成する実行可能命令を格納した1つまたは1つより多くのコンピュータ記憶媒体220を備える。例えば、コンピュータシステム110は、3Dプリンタ100に層を印刷させるための指標を受信することができる。本明細書で使用される場合、「指標」は、コンピュータシステム110によって受信される任意の形態の入力を含む。例えば、指標は、ユーザによる手動入力、コンピュータシステム110または別のリモートコンピュータシステムによって実行される自動アクション、ソフトウェアアプリケーションの実行、グラフィカルユーザインターフェース内のユーザインターフェース要素の選択、データファイルの受信、またはコンピュータシステム110にさらなるアクションを実行させる任意の他の形態の入力を含み得る。
【0036】
ターゲットオブジェクト120の層を印刷する指標がコンピュータシステム110によって受信されると、ツール経路生成ユニット240は、ターゲットオブジェクト120を付加的に製造するためのツール経路を生成する。本明細書で使用される場合、「ツール経路」は、ターゲットオブジェクト120を製造する際のディスペンサ130の経路を指す。追加的に、「ツール経路」はまた、ターゲットオブジェクト120を製造するときのディスペンサ130の速度および/または流量を指し得る。ツール経路生成ユニット240は、共反応性材料が、ある速度において、ターゲットオブジェクト120を作り出す経路に沿ってディスペンサ130から分注されるように、ツール経路を生成する。
【0037】
いくつかの状況では、ツール経路は、ディスペンサ130が共反応性材料をそれら自身の上に何層にも層化することを必要とし得る。流量処理ユニット242は、目標速度を計算して、共反応性材料が異なる層の間で適切に結合することを確実にする。このような計算は、下層が完全に硬化する前に層を互いの上に重ねるような、共反応性材料の反応時間の主要因となり得る。このように、第1のツール経路の生成は、少なくとも部分的に、目標流量に基づき得る。上で解説されるように、異なる共反応性成分が反応性のままである時間の量に関するそのような情報は、材料データベース246によって提供される。材料データベース246は、硬化状態および未硬化状態の両方における共反応性材料の材料属性についての情報を含み得る。
【0038】
本明細書で使用される場合、「流量」は、材料の1つまたは1つより多くの成分がディスペンサ130から分注される速度を含む。流量は、成分ごとに制御可能であり得る。例えば、ツール経路生成ユニット240は、ターゲットオブジェクト120を作り出すために共反応性材料を分注するための目標流量を判定し、かつ制御する流量処理ユニット242を備える。
【0039】
流量処理ユニット242は、ターゲットオブジェクト120を作りながら、共反応性材料内の共反応性成分の性質を変更することによって、共反応性材料の流量を操作するように構成され得る。共反応性成分の粘度、反応速度、および他の性質は、堆積された部分および/またはオブジェクトが、堆積後に所望の構造的完全性を達成および保持するように、共反応性成分および/または熱硬化組成物の流動を制御するように調整され得ることが理解されるであろう。共反応性成分の粘度は、溶媒を含めることによって調節され得るか、または共反応性成分は、溶媒を実質的に含まないか、もしくは溶媒を完全に含まない場合がある。共反応性成分の粘度は、充填材を含めることによって調節され得るか、または共反応性成分は、充填材を実質的に含まないか、もしくは充填材を完全に含まない場合がある。共反応性成分の粘度は、より低いまたはより高い分子量を有する成分を使用することによって調節され得る。例えば、共反応性成分は、プレポリマー、モノマー、またはプレポリマーとモノマーとの組み合わせを含み得る。共反応性成分の粘度は、堆積温度を変更することによって調整され得る。共反応性成分は、堆積および/またはインクジェット前の混合など、使用される特定の堆積方法に対して調整され得る粘度および温度プロファイルを有し得る。粘度は、共反応性成分自体の組成によって影響され得、かつ/または本明細書に説明されるレオロジー改質剤の含有によって制御され得る。
【0040】
粘度および/または反応速度が、共反応性成分の堆積後に組成物が意図された形状を保持するようになることが望ましい可能性がある。例えば、粘度が低すぎるおよび/または反応速度が遅すぎる場合、堆積組成物は、完成オブジェクトの所望の形状を損なうような方法で流れ得る。同様に、粘度が高すぎるおよび/または反応速度が速すぎる場合、所望の形状が損なわれ得る。
【0041】
例えば、一緒に堆積される共反応性成分は各々、25℃での粘度、および5,000センチポイズ(cP)~5,000,000cP、50,000cP~4,000,000cP、または200,000cP~2,000,000cPの0.1s-1でのせん断速度を有し得る。一緒に堆積される共反応性成分は各々、25℃での粘度、および50センチポイズ(cP)~50,000cP、100cP~20,000cP、または200~10,000cPの1,000s-1でのせん断速度を有し得る。粘度値は、1mm~2mmのギャップを有するAnton Paar MCR301または302レオメータを使用して測定することができる。
【0042】
追加的に、粘度および/または反応速度を調整して、ディスペンサ130によって分注される実際のビーズサイズまたは層サイズを制御することができる。本明細書で使用される場合、「ビーズ」は、ツール経路上でディスペンサ130によって分注される材料の層を含む。同様に、本明細書で使用される場合、「ビーズサイズ」は、ディスペンサ130によって分注されている層の1つまたは1つより多くの寸法を含む。例えば、ビーズサイズは、ビーズの高さ、ビーズの半径、ビーズの幅、またはビーズの任意の他の物理的寸法を含み得る。「ビーズ」という単語が本明細書で使用されるが、実際の層は、従来のビーズ形状と物理的に類似している必要はないことが理解されるであろう。
【0043】
追加的または代替的に、ディスペンサ制御ユニット244は、所望の流量を達成するために、3Dプリンタ100の特性を調整し得る。例えば、ディスペンサ制御ユニット244は、所望のビーズサイズ、堆積速度、粘度、および/または反応速度を達成するために、ディスペンサ130をより速くまたはより遅く移動させ得る。例えば、ディスペンサ130が一定の速度で共反応材料を分配しており、ディスペンサ制御ユニット244がディスペンサを堆積中より速い速度で移動させる場合、得られるビーズサイズは小さくなるであろう。同様に、ディスペンサ制御ユニット244は、ディスペンサ130に、所望の流量および/またはビーズサイズに基づいて、より高いまたはより低い速度で共反応性材料を分注させ得る。このように、流量処理ユニット242は、材料内の共反応性成分の性質を調整し得、かつ/またはディスペンサ制御ユニット244は、所望の流量および/またはビーズサイズを達成するために、3Dプリンタ100の機械的動作を調整し得る。
【0044】
いくつかの構成では、3Dプリンタ100は、ターゲットオブジェクト120を製造するために複数の異なるタイプの材料を利用することが可能であり得る。これらの異なる材料は、共反応性成分の異なる組み合わせを含み得る。例えば、
図1は、各々が異なるタイプの共反応性成分を含み得る共反応性成分の1つまたは1つより多くの容器152(a~e)を描写している。材料の指標を受信すると、ツール経路生成ユニット240は、材料データベース246から材料の特性にアクセスする。いくつかの場合では、材料の指標は、共反応性成分の1つまたは1つより多くの容器152(a~e)によって提供される共反応性成分の特定の混合物などの、共反応性成分の特定の混合物を含む。材料の特性は、材料の粘度および/または材料の反応性に関連する様々な他の属性を含む。材料データベース246からの情報および上で説明されるプロセスを使用して、ツール経路生成ユニット240は、材料の特性を使用して目標流量および/またはビーズサイズを判定する。
【0045】
追加的に、いくつかの構成では、共反応性成分は、反応プロセス中にUV光などの外部刺激を利用し得る。そのような場合、3Dプリンタ100は、コンピュータシステム110によって制御可能であるUV光源を備え得る。3Dプリンタ100は、共反応性材料を分注し、UV光源で材料を硬化させるように構成可能であり得る。様々な他の刺激は、刺激が共反応性材料の分注の間および/または後に共反応性材料に印加されるように、コンピュータシステム110によって同様に実装され得る。
【0046】
所望の材料属性を作り出すために熱硬化性3Dプリンタ100を制御することに戻ると、3D印刷設計ソフトウェア200は、表面の所望の最終材料性質を達成するために、1つまたは1つより多くの熱硬化性材料の特定の混合物構成を計算することができる。従来の3Dプリンタは、通常、単一の材料を使用して3Dオブジェクトを印刷するように構成されている単一の押出機を有し、従来の3D印刷ソフトウェアは、単一の押出機を使用して3Dオブジェクトを印刷するように設計されている。従来の3Dプリンタとは異なり、本明細書に説明される3Dプリンタ100は、2つ以上の押出機を備え得る。押出機の各々は、特定の熱硬化性材料または複数の異なる熱硬化性材料の組み合わせであり得る、異なる材料を押出するように構成されている。いくつかの場合では、複数の押出機は、(異なる材料によって形成される)複数のビーズが互いに反応または部分的に反応して反応材料の単一のビーズを形成するように、異なる材料によって形成されたビーズを実質的に同時に、かつ実質的に同じ場所で押出するように構成されている。いくつかの場合では、後で押出された材料は、事前に押出された材料によって形成された部分を覆うコーティングを形成するように構成されている。
【0047】
使用される異なる熱硬化性材料の混合物構成に応じて、3Dプリンタ100は、異なる最終材料性質および/または表面材料性質を有するターゲットオブジェクトを印刷するように構成されている。さらに、ユーザは、印刷されるターゲットオブジェクトの表面の所望の最終材料性質を単純に入力することができる。ユーザの入力に応答して、コンピュータシステム110は、表面の所望の最終材料性質を達成するために、1つまたは1つより多くの熱硬化性材料の特定の混合物構成を判定するように構成されている。
【0048】
例えば、コンピュータシステム110は、(ユーザ、別のコンピュータプログラム、および/または3Dプリンタ100からの直接的または間接的な)ユーザから受信した指標に基づいて、構成されている。指標は、印刷されるターゲットオブジェクトの表面の所望の最終材料性質の指標を含む。いくつかの構成では、指標は、コンピュータシステム110において、または3Dプリンタ100において、ユーザによって直接入力され得る。いくつかの構成では、指標は、熱硬化性印刷データパケット内で構成され、これは、ユーザの指標に基づいて3D印刷ソフトウェア220によって生成され得る。いくつかの構成では、所望の最終材料性質は、引張性質、硬度性質、耐摩耗性性質、および/または平滑性性質を含み得る。
【0049】
コンピュータシステム110はまた、熱硬化性三次元プリンタに利用可能である(容器152a~152eに包含される)1つまたは1つより多くの熱硬化性材料の指標を受信するように構成されている。この指標はまた、ユーザ、別のコンピュータプログラム、容器152a~152e上のバーコード、容器152a~152e内の集積回路、および/または3Dプリンタ100から直接的または間接的に受信され得る。ターゲットオブジェクトの表面の所望の最終材料性質の指標および1つまたは1つより多くの熱硬化性材料の指標に応答して、3D印刷設計ソフトウェア200は、材料属性データベース246内に格納された材料属性データセットにアクセスする。材料属性データセットは、1つまたは1つより多くの熱硬化性材料の異なる混合物構成に基づいて生じる異なる材料性質を記述する。材料属性データベース246内の情報に基づいて、3D印刷設計ソフトウェア200は、表面の所望の最終材料性質を達成するために、1つまたは1つより多くの熱硬化性材料の特定の混合物構成を判定し、表面を印刷するときに、熱硬化性3Dプリンタ100に1つまたは1つより多くの熱硬化性材料の特定の混合物構成を実装させるコマンドを生成する。
【0050】
いくつかの構成では、特定の混合物構成は、1つまたは1つより多くの熱硬化性材料の特定の比率を含む。例えば、第1の押出機は、第1の材料によって形成されたビーズを押出するように構成され得、第2の押出機は、第2の材料によって形成されたビーズを押出するように構成され得る。3D印刷設計ソフトウェア200によって判定された特定の比率に基づいて、第1の押出機は、第1のサイズを有するビーズを押出するように構成され得、第2の押出機は、第2のサイズを有するビーズを押出するように構成され得る。
【0051】
例えば、
図3は、異なるビーズサイズの側面図を例解する。描写される実施例では、第1のビーズサイズ310が最大であり、第2のビーズサイズ320は、第1のビーズサイズ310よりも小さく、第3のビーズサイズ330は、第2のビーズサイズ320よりも小さいなどである。1つまたは1つより多くの熱硬化性材料の判定された比率、および/または所望の最終材料性質(例えば、所望の平滑性性質)に基づいて、3D印刷設計ソフトウェア200は、第1のビーズサイズ310が第1の熱硬化性材料に対して実装され、かつ、第2のビーズサイズ320が1つまたは1つより多くの熱硬化性材料の中の第2の熱硬化性材料に対して実装されると判定し得る。
【0052】
図4A~
図4Cは、複数の押出機450(a、b、c)および460(a、b、c)を備える3Dプリンタ100の概略図を描写する。描写される実施形態では、複数の押出機450(a、b、c)、460(a、b、c)、およびノズルは、単一の要素として示される。したがって、複数の押出機450(a、b、c)、460(a、b、c)への言及は、関連するノズルも含む。しかしながら、以下でより詳細に解説されるように、ノズルは、複数の押出機450(a、b、c)および460(a、b、c)の各々が、熱硬化性材料の押出に関連する特定の特性を含み得る別個のノズルに関連付けられるように、交換可能であり得る。いくつかの構成では、3Dプリンタ100は、複数の押出機450(a、b、c)および460(a、b、c)の各々が異なる押出成形体を押出するように構成することができる。追加的または代替的に、3Dプリンタ100は、複数の押出機450(a、b、c)および460(a、b、c)の少なくとも一部分が同じ押出成形体を押出するように構成することができる。
【0053】
コンピュータシステム110は、3Dプリンタ100によってターゲットオブジェクト120を印刷するための指標を受信し得る。
図4A~
図4Cでは、ターゲットオブジェクトは、ツール経路472(a、b、c)、474(a、b、c)、476(a、b、c)、および478(a、b、c)を含む。異なるツール経路472(a、b、c)、474(a、b、c)、476(a、b、c)、および478(a、b、c)は、複数の異なる押出機がターゲットオブジェクト120を作り出すために使用されるように、複数の押出機450(a、b)および460(a、b)によって押出される。
【0054】
コンピュータシステム110がターゲットオブジェクト120を印刷するための指標を受信すると、指標は、その寸法を含む、ターゲットオブジェクトの物理的な幾何学形状を記述するデジタルファイルを含み得る。上で解説されるように、デジタルファイルは、印刷されるターゲットオブジェクトの表面の所望の最終材料性質をさらに示し得る。応答して、コンピュータシステム110は、材料属性データセット246にアクセスし得る。本明細書で使用される場合、「材料属性データセット」は、様々な熱硬化性材料、特に、様々な比率および速度で様々な熱硬化性材料を混合することから生じる異なる材料性質についての情報を含む。例えば、異なる材料性質は、少なくとも、共反応前の異なる比率における、複数の熱硬化性材料の流動性質もしくはゲル性質、またはそれらの混合物を含み得る。異なる材料性質は、追加的または代替的に、少なくとも、共反応後の異なる比率における、硬度、可撓性、引張強度、色、温度耐性、消音、膨張、難燃性、耐粉砕性、膨張性、複数の熱硬化性材料の導電性、またはそれらの混合を含み得る。
【0055】
いくつかの場合では、ターゲットオブジェクト120を印刷するための指標は、任意の指定された所望の最終材料性質を含まない場合があるが、代わりに、コンピュータシステム110は、ターゲットオブジェクト120の物理的な幾何学形状に基づいて、1つまたは1つより多くの所望の最終材料性質を自動的に計算し得る。例えば、コンピュータシステム110は、ターゲットオブジェクト120の物理的な幾何学形状内のオーバーハングを識別し得る。オーバーハングを識別することに応答して、コンピュータシステムは、オーバーハンドを支持するために、ターゲットオブジェクト120の1つまたは1つより多くの表面が特定のレベルの剛性を有しなければならないことを自動的に計算し得る。剛性の判定は、材料属性データベース246内のルックアップテーブルにアクセスすることによって行われ得、また、オーバーハングを作り出すために使用される熱硬化性材料のタイプに依存し得る。例えば、材料属性データベース246は、利用可能な熱硬化性材料内の所与の材料によって提供される剛性および構造的支持の量を計算するためのルックアップテーブルまたは式を提供し得る。この情報を使用して、コンピュータシステム110は、所望のオーバーハングを維持するために必要なターゲットオブジェクト120の表面の所望の最終材料性質を生成する。オーバーハンドに関連する上記の説明は単なる例示であり、同じルックアップテーブルおよび所望の最終材料性質の計算は、種々の異なる物理的な幾何学形状に応答してコンピュータシステム110によって計算できることが理解されるであろう。
【0056】
材料属性データセットに基づいて、複数の押出機450(a、b)および460(a、b)の各々について、コンピュータシステム110は、押出成形体を形成するために、複数の押出機の各々について、複数の熱硬化性材料(例えば、1つまたは1つより多くの容器152(a~e))のうちの1つまたは1つより多くの熱硬化性材料を選択する。追加的に、複数の押出機450(a、b)および460(a、b)の各々について、3Dプリンタ100は、選択された1つまたは1つより多くの熱硬化性材料の押出構成を判定する。複数の押出機450(a、b)および460(a、b)の各々に対して1つまたは1つより多くの熱硬化性材料を選択する行為は、1つまたは1つより多くの容器152(a~e)と複数の押出機450(a、b)および460(a、b)の各々との間の特定のチャネルを開放および閉鎖するためのコマンドをマニホールド150に伝達するコンピュータシステム110を備え得る。例えば、
図4Aでは、押出機450aは、供給源410aおよび420aによって供給される一方、押出機460aは、供給源430aおよび440aによって供給される。対照的に、
図4Bでは、押出機450bは、供給源410bおよび420bによって供給される一方、押出機460bは、供給源420bによっても供給され、供給源430bによっても別個に供給される。本明細書で使用される場合、「供給源」は、容器152(a~e)および容器250(a、b)を表す。したがって、いくつかの構成では、複数の押出機の各々は、材料供給源の別個のセット410Aおよび420A、または430Aおよび440Aに結合される。代替的に、いくつかの構成では、複数の押出機の各々は、材料供給源410C、420C、430Cの同じセットに結合される。
【0057】
本明細書で使用される場合、「押出構成」は、3Dプリンタからの材料の押出に適用される変数を指す。例えば、複数の押出機450(a、b)および460(a、b)の各々の押出構成を判定する行為は、押出する熱硬化性材料、押出速度、押出タイミング、または押出経路のうちの少なくとも1つを判定することを含み得る。追加的または代替的に、複数の押出機450(a、b)および460(a、b)の各々の押出構成を判定することは、複数の押出機450(a、b)および460(a、b)の特定の押出機と対になる特定のノズルを選択すること、または複数の押出機450(a、b)および460(a、b)の特定の押出機に関連付けられる動的ノズルを調整することを含み得る。例えば、複数の押出機450(a、b)および460(a、b)は、押出性質の第1のセットを有する第1の押出機450aと、押出性質の第2のセットを有する第2の押出機460aと、を含み得る。押出性質は、押出機のオリフィス寸法、押出機の材料組成、押出機の最大および最小押出速度、押出機に関連付けられるノズル(複数可)、および様々な他の同様の性質を含む。コンピュータシステム110は、材料性質の第1のセットを有する材料を押出するように第1の押出機を構成し、材料性質の第2のセットを有する材料を押出するように第2の押出機を構成することによって、複数の押出機の各々の押出構成をさらに判定することができる。したがって、コンピュータシステム110は、より大きいオリフィスを有する押出機に、より大きい出力体積の恩恵を受ける熱硬化性材料を押出させ得る。1つまたは1つより多くの押出機によって、実際には、2つを超える材料が利用され得ることを理解するであろう。さらに、任意の数の異なる押出機が、任意の数の異なる材料属性を有する任意の数の異なる材料を押出する場合がある。
【0058】
コンピュータシステム110は、ターゲットオブジェクト120を印刷するために、3Dプリンタ100によって受信されるコマンドを通信する。特に、コンピュータシステム110は、ターゲットオブジェクト120を印刷している間に、熱硬化性3Dプリンタ100の複数の押出機450(a、b)および460(a、b)に押出構成を実装させるコマンドを生成し得る。描写される実施例では、ターゲットオブジェクト120は、異なる材料性質を有する複数の部分(ツール経路472(a、b、c)、474(a、b、c)、476(a、b、c)、および478(a、b、c)によって示される)を有する。コンピュータシステム110は、複数の部分の各々について、押出成形体を形成するために、複数の熱硬化性材料の中から1つまたは1つより多くの熱硬化性材料を選択し、複数の押出機のうちの1つを選択し、選択された押出機および押出成形体の特定の押出構成を判定する。
【0059】
いくつかの構成では、3Dプリンタ100は、熱硬化性材料を特定の順序で混合させて、押出成形体を形成させる。追加的または代替的に、いくつかの構成では、別のデバイスは、押出成形体を形成するために、熱硬化性材料を混合させる。次いで、3Dプリンタ100は、押出構成を設定し、押出構成に基づいて押出成形体を押出する。
【0060】
例えば、
図4Aでは、押出機450aは、ツール経路472aに沿って押出し、次いで、押出機460aは、直接隣接するツール経路474aに沿って押出する。少なくとも1つの実施形態では、2つのツール経路472a、474aが同時に押出されるように、2つの押出機450aおよび460aが同時に押出される。追加的または代替的に、押出機450a、460aは、ツール経路476aおよび478aを連続して押出し得る。ツール経路生成ユニット240は、ツール経路が連続して押出されるべきか、同時に押出されるべきか、またはそれらのいくつかの混合物であるべきかを計算する際に、材料属性データベース246を利用し得る。例えば、ツール経路生成ユニット240は、ツール経路472(a、b、c)、474(a、b、c)、476(a、b、c)、および478(a、b、c)が一緒に適切に接合されることを確実にするために、選択された熱硬化性材料の硬化時間の主要因となり得る。例えば、相対的に速く硬化する材料は、様々なツール経路472(a、b、c)、474(a、b、c)、476(a、b、c)、および478(a、b、c)の間で適切な接合が生じることを確実にするために、同時に押出される必要があり得る。
【0061】
追加的に、流量処理ユニット242は、ツール経路472(a、b、c)、474(a、b、c)、476(a、b、c)、および478(a、b、c)によって示される複数の部分の各々について、選択された1つまたは1つより多くの熱硬化性材料の体積混合比を判定し得る。次いで、コンピュータシステム110は、判定された体積混合比において、選択された1つまたは1つより多くの熱硬化性材料を選択された押出機に供給させるコマンドを作り出す。
【0062】
いくつかの構成では、押出機(例えば、450a、450b、450c、460a、460b、460c)は、新しい材料に切り替えるとき、ツール経路を仕上げるとき、および/またはツール経路を開始するときに、パージステップを利用し得る。例えば、特定の押出機(例えば、450a)が新しい材料に切り替えている場合、押出機450a内に依然として包含される得る以前の材料を最初にパージする場合がある。例えば、材料データベース246は、押出機から特定の材料をパージするために、どのくらいの押出が必要とされるかを示す、各材料のパージエントリを含み得る。したがって、新しい材料に切り替えるとき、コンピュータシステム100は、材料データベース246にアクセスし、押出機450aから元の材料をパージするために必要とされる押出の量を判定し得る。次いで、押出機450aは、パージ領域(例えば、ターゲットオブジェクト120を覆わない領域、またはすぐ隣接していない領域)に物理的に移動し、材料データベース246によって示される材料の量を押出することができる。次に、押出機450aは、以前の材料からの汚染なしに新しい材料を押出するように準備される。
【0063】
代替的に、いくつかの構成では、押出機450aをパージすることは、3Dプリンタ100から押出機450aを物理的に取り外し、それを別の押出機と交換することを含み得る。例えば、いくつかの構成では、特定の材料は、押出機450aが任意の追加の材料を押出することができないように、押出機内で硬化し得る。いくつかの場合では、同じ以前の材料を押出し続けるためにも、押出機をパージまたは交換する必要がある場合がある。上記と同様に、材料データベース246は、特定の材料が使用された後に新しい押出機を必要とするかどうかを示す情報を含み得る。例えば、材料データベース246は、材料がどのくらい速く硬化するかを示し得る。例えば、押出機450が、材料データベース246に示される硬化時間を超えて休止している場合、コンピュータシステム110は、新しい押出機が必要であることを識別する。
【0064】
コンピュータシステム110はまた、互いに対する押出機(例えば、450a、450b、450c、460a、460b、460c)の各々の相対的な場所を連続的に追跡するように構成され得る。例えば、コンピュータシステム110は、ターゲットオブジェクト120が印刷されているときに、押出機450aおよび450bの場所を追跡し得る。いくつかの場合では、一度に単一の押出機のみを使用して材料を押出する。したがって、第2の押出機460aが材料を押出するために必要とされるとき、コンピュータシステム110は、第1の押出機450aと第2の押出機460aとの現在の場所間のオフセットを迅速に計算することができる。次いで、このオフセットを使用して、ターゲットオブジェクト120を印刷し続けるために、第2の押出機460aを適切に位置決めするために、第2の押出機460aを位置決めする。
【0065】
図5は、複数の押出機を用いて熱硬化性三次元プリンタを動的に制御するための方法500のフローチャートを描写する。方法500は、ターゲットオブジェクト512の指標を受信するステップ510を含む。ステップ510は、三次元プリンタによってターゲットオブジェクトを印刷するための指標を受信することを含み得る。例えば、
図1および
図2に関して説明および解説されるように、コンピュータシステム110は、ターゲットオブジェクト120を生成するための命令を受信する。
【0066】
追加的に、方法500は、材料属性データセット520にアクセスする行為520を含む。行為520は、材料属性データセットにアクセスすることを含み得、材料属性データセットは、複数の熱硬化性材料またはその混合物の異なる材料性質を記述する。本明細書で使用される場合、材料属性データセットは、材料属性データベース246とも称される。例えば、
図1および
図2に関して解説されるように、コンピュータシステム110は、材料属性データベース246にアクセスして、様々な異なる利用可能な熱硬化性材料についての情報にアクセスする。
【0067】
方法500はまた、1つまたは1つより多くの熱硬化性材料を選択する行為532と、押出構成を判定する行為534と、を含む。行為532および行為534はまた、材料属性データセットに基づいて、複数の押出機の各々に対して、複数の押出機の各々に対して複数の熱硬化性材料のうちの1つまたは1つより多くの熱硬化性材料を選択して押出成形体を形成し、選択された1つまたは1つより多くの熱硬化性材料の押出構成を判定することを含み得る。例えば、
図4A~
図4Cに関して説明されるように、コンピュータシステム110は、最終的な所望の材料性質に基づいて、種々の異なる熱硬化性材料(供給源410(a~c)、420(a~c)、430(a~c)、および440(a~c)として示される)から選択し得る。
【0068】
さらに、方法500は、熱硬化性3Dプリンタの複数の押出機に複数の混合物構成を実装させるコマンドを生成する行為540を含む。行為530は、ターゲットオブジェクトを印刷している間に、熱硬化性三次元プリンタの複数の押出機に、複数の押出機の押出構成を実装させるコマンドを生成することを含み得る。例えば、
図1~
図4Cに示すように、3Dプリンタ100は、コンピュータシステム110からのコマンドに応答して、ターゲットオブジェクト120を印刷することができる。
【0069】
主題は、構造的特徴および/または方法論的行為に特有の文言で説明されているが、添付の特許請求の範囲で定義される主題は、必ずしも上で説明される説明された特徴または行為、もしくは上で説明される行為の順序に限定されないことを理解されたい。むしろ、説明された特徴および行為は、特許請求の範囲を実装する例示的な形態として開示される。
【0070】
本発明は、以下でより詳細に考察されるように、例えば、1つまたは1つより多くのロセッサおよびシステムメモリなどのコンピュータハードウェアを含む、専用もしくは汎用コンピュータシステムを備えるか、または利用し得る。本発明の範囲内の実施形態はまた、コンピュータ実行可能命令および/またはデータ構造を搬送または記憶するための物理および他のコンピュータ可読媒体を含む。そのようなコンピュータ可読媒体は、汎用もしくは専用のコンピュータシステムによってアクセス可能である任意の利用可能な媒体である可能性がある。コンピュータ実行可能命令および/またはデータ構造を格納するコンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体である。コンピュータ実行可能命令および/またはデータ構造を搬送するコンピュータ可読媒体は、伝送媒体である。それ故、限定ではなく実施例として、本発明の実施形態は、少なくとも2つの明確に異なる種類のコンピュータ可読媒体、すなわちコンピュータ記憶媒体および伝送媒体を備えることができる。
【0071】
コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ実行可能命令および/またはデータ構造を格納する物理的な記憶媒体である。物理的な記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、ソリッドステートドライブ(「SSD」)、フラッシュメモリ、相変化メモリ(「PCM」)、光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶デバイス、または本発明の開示された機能を実装するための汎用または専用コンピュータシステムによってアクセスおよび実行され得るコンピュータ実行可能命令またはデータ構造の形態でプログラムコードを記憶するために使用され得る任意の他のハードウェア記憶デバイス(複数可)などのコンピュータハードウェアを含む。
【0072】
伝送媒体は、コンピュータ実行可能命令またはデータ構造の形態でプログラムコードを搬送するために使用され得、汎用または専用コンピュータシステムによってアクセスされ得るネットワークおよび/またはデータリンクを含むことができる。「ネットワーク」は、コンピュータシステムおよび/またはモジュールおよび/または他の電子デバイス間の電子データの移植を可能にする1つまたは1つより多くのデータリンクとして定義される。情報がネットワークまたは別の通信接続(有線、無線、または有線もしくは無線の組み合わせのいずれか)を介してコンピュータシステムに転送または提供されるとき、コンピュータシステムは、接続を伝送媒体としてみなし得る。上記の組み合わせもまた、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0073】
さらに、様々なコンピュータシステム成分に到達すると、コンピュータ実行可能命令またはデータ構造の形態のプログラムコードを、伝送媒体からコンピュータ記憶媒体に自動的に転送することができる(またはその逆)。例えば、ネットワークまたはデータリンクを介して受信されたコンピュータ実行可能命令またはデータ構造は、ネットワークインターフェースモジュール(例えば、「NIC」)内のRAMにバッファリングされ、次いで、最終的に、コンピュータシステムのRAMおよび/またはコンピュータシステムにおけるより揮発性の低いコンピュータ記憶媒体に転送され得る。したがって、コンピュータ記憶媒体は、また(または主に)伝送媒体を利用するコンピュータシステム成分に含まれ得ることを理解されたい。
【0074】
コンピュータ実行可能命令は、例えば、1つまたは1つより多くのプロセッサにおいて実行されるときに、汎用コンピュータシステム、専用コンピュータシステム、または専用処理デバイスにある特定の機能または機能のグループを実行させる命令およびデータを備える。コンピュータ実行可能命令は、例えば、バイナリ、アセンブリ言語などの中間フォーマット命令、またはソースコードであり得る。
【0075】
当業者は、本発明が、パーソナルコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、メッセージプロセッサ、ハンドヘルドデバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースまたはプログラマブルコンシューマエレクトロニクス、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、モバイル電話、PDA、タブレット、ポケットベル、ルータ、スイッチ、および同様のものを含む、多くのタイプのコンピュータシステム構成を有するネットワークコンピューティング環境で実践され得ることを理解するであろう。本発明はまた、ネットワークを通して(ハードワイヤードデータリンク、無線データリンクによって、またはハードワイヤードデータリンクと無線データリンクとの組み合わせによって)リンクされるローカルおよびリモートコンピュータシステムが両方ともタスクを実行する分散システム環境で実践され得る。したがって、分散システム環境では、コンピュータシステムは、複数の構成コンピュータシステムを含み得る。分散システム環境では、プログラムモジュールは、ローカルメモリ記憶デバイスおよびリモートメモリ記憶デバイスの両方に位置し得る。
【0076】
当業者はまた、本発明がクラウドコンピューティング環境で実践され得ることを理解するであろう。クラウドコンピューティング環境は分散され得るが、これは必要ではない。分散されるときに、クラウドコンピューティング環境は、組織内で国際的に分散され得、かつ/または複数の組織にわたって所持される成分を有し得る。本明細書および以下の特許請求の範囲において、「クラウドコンピューティング」は、構成可能なコンピューティングリソース(例えば、ネットワーク、サーバ、ストレージ、アプリケーション、およびサービス)の共有プールへのオンデマンドネットワークアクセスを可能にするためのモデルとして定義される。「クラウドコンピューティング」の定義は、適切に展開されたときにそのようなモデルから得ることができる他の多数の利点のいずれかに限定されない。
【0077】
クラウドコンピューティングモデルは、オンデマンドセルフサービス、広範なネットワークアクセス、リソースプーリング、迅速な順応性、測定されたサービスなどの様々な特性から構成され得る。クラウドコンピューティングモデルは、例えば、サービスとしてのソフトウェア(「SaaS」)、サービスとしてのプラットフォーム(「PaaS」)、およびサービスとしてのインフラストラクチャ(「IaaS」)などの様々なサービスモデルの形態でももたらされ得る。クラウドコンピューティングモデルはまた、プライベートクラウド、コミュニティクラウド、パブリッククラウド、ハイブリッドクラウドなどの異なる展開モデルを使用して展開され得る。
【0078】
クラウドコンピューティング環境などのいくつかの実施形態は、各々が1つまたは1つより多くの仮想マシンを実行することが可能である1つまたは1つより多くのホストを含むシステムを備え得る。動作中、仮想マシンは、オペレーティングシステム、およびおそらく1つまたは1つより多くの他のアプリケーションも同様にサポートする、動作コンピューティングシステムをエミュレートする。いくつかの実施形態では、各ホストは、仮想マシンのビューから抽象化された物理的リソースを使用して、仮想マシンの仮想リソースをエミュレートするハイパーバイザを含む。ハイパーバイザはまた、仮想マシン間の適切な分離も提供する。それ故、任意の所与の仮想マシンの観点から、ハイパーバイザは、仮想マシンが物理リソースの外観(例えば、仮想リソース)とのみインターフェースを取るにもかかわらず、仮想マシンが物理リソースとインターフェースを取っているという錯覚を提供する。処理能力、メモリ、ディスク容量、ネットワーク帯域幅、メディアドライブなどを含む物理リソースの実施例。
【0079】
本発明を以下の態様によってさらに説明する。
【0080】
第1の態様では、複数の押出機を有する三次元プリンタ内で印刷パラメータを動的に制御するためのコンピュータシステムが、好ましくは、態様18~23のうちのいずれか1つによる三次元プリンタを使用して提供され、このコンピュータシステムが、1つまたは1つより多くのプロセッサと、実行可能命令を格納した1つまたは1つより多くのコンピュータ可読媒体と、を備え、実行可能命令が、1つまたは1つより多くのプロセッサによって実行されるときに、コンピュータシステムを、好ましくは、態様24または25による方法を実行するように少なくとも、三次元プリンタによってターゲットオブジェクトを印刷するための指標を受信することと、材料属性データセットにアクセスすることであって、材料属性データセットが、複数の熱硬化性材料またはその混合物の異なる材料性質を記述する、アクセスすることと、材料属性データセットに基づいて、複数の押出機の各々について、押出成形体を形成するために、複数の押出機の各々について複数の熱硬化性材料の中から1つまたは1つより多くの熱硬化性材料を選択することと、選択された1つまたは1つより多くの熱硬化性材料の押出構成を判定することと、ターゲットオブジェクトを印刷している間に、三次元プリンタの複数の押出機に、複数の押出機の押出構成を実装させるコマンドを生成することと、を実行するように構成する。
【0081】
態様2は、態様1によるコンピュータシステムに関し、複数の押出機は、押出性質の第1のセットを有する第1の押出機と、押出性質の第2のセットを有する第2の押出機と、を含み、複数の押出機の各々の押出構成を判定することは、材料性質の第1のセットを有する材料を押出するように、第1の押出機を構成することと、材料性質の第2のセットを有する材料を押出するように、第2の押出機を構成することと、を含み、好ましくは、材料性質の第1のセットは、材料性質の第2のセットとは異なる。
【0082】
態様3は、態様1または2に記載のコンピュータシステムに関し、ターゲットオブジェクトは、異なる材料性質を有する複数の部分を有し、複数の部分の各々について、コンピュータシステムは、押出成形体を形成するために、複数の熱硬化性材料の中から1つまたは1つより多くの熱硬化性材料を選択することと、複数の押出機のうちの1つを選択することと、選択された押出機および押出成形体の特定の押出構成を判定することと、を行うようにさらに構成されている。
【0083】
態様4は、態様3に記載のコンピュータシステムに関し、複数の部分の各々について、コンピュータシステムは、選択された1つまたは1つより多くの熱硬化性材料の体積混合比を判定するようにさらに構成されており、コマンドは、判定された体積混合比において、選択された1つまたは1つより多くの熱硬化性材料を選択された押出機に供給させるように構成されている。
【0084】
態様5は、態様1~4に記載のいずれか1つのコンピュータシステムに関し、異なる材料性質は、少なくとも、共反応前の異なる比率における、複数の熱硬化性材料の流動性質もしくはゲル性質、またはそれらの混合物を含む。
【0085】
態様6は、態様1~5に記載のいずれか1つのコンピュータシステムに関し、異なる材料性質は、少なくとも、共反応後の異なる比率における、硬度、可撓性、引張強度、色、温度耐性、消音、膨張、難燃性、耐粉砕性、膨張性、複数の熱硬化性材料の導電性、またはそれらの混合を含む。
【0086】
態様7は、態様1~6に記載のいずれか1つのコンピュータシステムに関し、複数の押出機の各々について、押出構成は、押出速度、押出タイミング、または押出経路のうちの少なくとも1つを含む。
【0087】
態様8は、態様1~7に記載のいずれか1つのコンピュータシステムに関し、複数の押出機は、単一のツール経路を作り出すために連続して使用される。
【0088】
態様9は、態様1~8に記載のいずれか1つのコンピュータシステムに関し、複数の押出機の各々は、材料供給源の別個のセットに結合される。
【0089】
態様10は、態様1~9に記載のいずれか1つのコンピュータシステムに関し、複数の押出機から選択された第1の押出機と、複数の押出機から選択された第2の押出機との間のオフセットを計算することと、第1の押出機から第2の押出機に押出を切り替えるコマンドを受信することと、オフセットを利用して、第2の押出機から材料を押出する前に、第2の押出機を第1の押出機に対してある場所に位置決めすることと、をさらに含む。
【0090】
態様11は、態様1~10に記載のいずれか1つのコンピュータシステムに関し、第1の押出機からの第1の材料の押出を第2の材料に切り替えるコマンドを受信することと、材料データベースからパージエントリを取り出すことであって、パージエントリが、第1の押出機から第1の材料をパージするために必要とされる押出の量および押出構成を示す、取り出すことと、第1の押出機をパージ領域に位置決めすることと、第1の押出機から第1の材料をパージするために必要とされる押出の量をパージすることと、をさらに含む。
【0091】
態様12は、態様1~11に記載のいずれか1つのコンピュータシステムに関し、材料属性データセットは、様々な比率および速度において様々な熱硬化性材料を混合することから生じる共反応前の異なる材料性質についての情報を含み、特に、異なる材料性質は、少なくとも、共反応前の異なる比率における、複数の熱硬化性材料の流動性質もしくはゲル性質、またはそれらの混合物を含む。
【0092】
態様14は、態様1~13に記載のいずれか1つのコンピュータシステムに関し、コンピュータシステムは、2~5つの押出機、好ましくは2~4つの押出機、より好ましくは3~4つの押出機を備える。
【0093】
態様15は、態様2~14に記載のいずれか1つのコンピュータシステムに関し、押出性質は、押出機のオリフィス寸法、押出機の材料組成、押出機の最大および最小押出速度、および/または押出機に関連付けられるノズル(複数可)を含み、好ましくは、押出性質の第1のセットは、押出性質の第2のセットとは異なる。
【0094】
態様16は、態様3に記載のコンピュータシステムに関し、1つまたは1つより多くの熱硬化性材料および複数の押出機のうちの1つの選択は、ターゲットオブジェクトのそれぞれの部分の異なる材料性質に基づいており、特に1つまたは1つより多くの熱硬化性材料の異なる材料性質を考慮する。
【0095】
態様17は、態様1~16のいずれか1つに記載のコンピュータシステムに関し、各押出機は、特に、ターゲットオブジェクトの異なる部分の異なる材料性質を動的に制御するために、異なる熱硬化性材料または熱硬化性材料混合物を利用する。
【0096】
第18の態様では、三次元プリンタが提供され、好ましくは、態様1~17のいずれか1つによるコンピュータシステムに存在し、各々が異なる押出成形体を押出するように構成されている複数の押出機と、1つまたは1つより多くのプロセッサと、実行可能命令を格納した1つまたは1つより多くのコンピュータ可読媒体と、を備え、実行可能命令が、1つまたは1つより多くのプロセッサによって実行されるときに、三次元プリンタを、好ましくは、態様24または25による方法を使用して、少なくとも、ターゲットオブジェクトを印刷するためのコマンドを受信することと、コマンドに基づいて、複数の押出機の各々について、複数の熱硬化性材料の中から1つまたは1つより多くの熱硬化性材料を選択することと、選択された1つまたは1つより多くの熱硬化性材料を混合して、押出成形体を形成することと、押出構成を設定することと、押出構成に基づいて、押出成形体を押出することと、を行うように構成する。
【0097】
態様19は、態様18に記載の三次元プリンタに関し、ターゲットオブジェクトを印刷するためのコマンドは、複数の押出機の各々について選択された1つまたは1つより多くの熱硬化性材料を示す。
【0098】
態様20は、態様18または19に記載の三次元プリンタに関し、ターゲットオブジェクトを印刷するためのコマンドは、複数の押出機の各々について選択された1つまたは1つより多くの熱硬化性材料の体積混合比をさらに示す。
【0099】
態様21は、態様18~20のいずれか1つに記載の三次元プリンタに関し、1つまたは1つより多くの熱硬化性材料を複数の押出機の各々に供給するように構成されている複数の材料供給源をさらに備える。
【0100】
態様22は、態様18~21のいずれか1つに記載の三次元プリンタに関し、可動アームをさらに備え、複数の押出機が可動アームに結合され、複数の押出機が、連続して押出するように構成されている。
【0101】
態様23は、態様18~22のいずれか1つに記載の三次元プリンタに関し、複数の押出機は、単一のツール経路を作り出すために同時に使用される。
【0102】
第24の態様では、所望の材料属性を作り出すために熱硬化性三次元プリンタを動的に制御するためのコンピュータ実装方法が提供され、コンピュータ実装方法は、1つまたは1つより多くのプロセッサ上で、好ましくは、態様1~17のいずれか1つによるコンピュータシステムを使用して実行され、方法は、好ましくは態様18~23のいずれか1つによる三次元プリンタによって、熱硬化性三次元プリンタを使用してターゲットオブジェクトを印刷するための指標を受信することと、材料属性データセットにアクセスすることであって、材料属性データセットが、印刷中の複数の熱硬化性材料の異なる材料性質を記述する、アクセスすることと、材料属性データセットに基づいて、複数の押出機の各々について、押出成形体を形成するために、複数の押出機の各々について複数の熱硬化性材料の中から1つまたは1つより多くの熱硬化性材料を選択することと、1つまたは1つより多くの熱硬化性材料の押出構成を判定することと、ターゲットオブジェクトを印刷している間に、熱硬化性三次元プリンタの複数の押出機に押出構成を実装させるコマンドを生成することと、を含む。
【0103】
態様25は、態様24のコンピュータ実装方法に関し、複数の押出機は、押出性質の第1のセットを有する第1の押出機と、押出性質の第2のセットを有する第2の押出機と、を含み、押出構成を判定することが、材料性質の第1のセットを有する材料を押出するように、第1の押出機を構成することと、材料性質の第2のセットを有する材料を押出するように、第2の押出機を構成することと、を含む。
【0104】
本発明は、その趣旨または本質的な特性から逸脱することなく、他の具体的な形態で具体化され得る。説明される実施形態は、すべての観点において、単に例解的であり、限定的ではないことが考慮される。したがって、本発明の範囲は、前述の説明によってではなく、添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の等価の意味および範囲内にあるすべての変更が、それらの範囲内に包含されるものとする。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の押出機を有する三次元プリンタ内で印刷パラメータを動的に制御するためのコンピュータシステムであって、
1つまたは1つより多くのプロセッサと、
実行可能命令を格納した1つまたは1つより多くのコンピュータ可読媒体と、を備え、前記実行可能命令が、前記1つまたは1つより多くのプロセッサによって実行されるときに、前記コンピュータシステムを、少なくとも、
前記三次元プリンタによってターゲットオブジェクトを印刷するための指標を受信することと、
材料属性データセットにアクセスすることであって、前記材料属性データセットが、複数の熱硬化性材料またはその混合物の異なる材料性質を記述する、アクセスすることと、
前記材料属性データセットに基づいて、前記複数の押出機の各々について、
押出成形体を形成するために、前記複数の押出機の各々について前記複数の熱硬化性材料の中から1つまたは1つより多くの熱硬化性材料を選択することと、
前記選択された1つまたは1つより多くの熱硬化性材料の押出構成を判定することと、
前記ターゲットオブジェクトを印刷している間に、前記三次元プリンタの前記複数の押出機に、前記複数の押出機の前記押出構成を実装させるコマンドを生成することと、を実行するように構成する、コンピュータシステム。
【請求項2】
前記複数の押出機が、
押出性質の第1のセットを有する第1の押出機と、
押出性質の第2のセットを有する第2の押出機と、を含み、
前記複数の押出機の各々の前記押出構成を判定することが、
材料性質の第1のセットを有する材料を押出するように、前記第1の押出機を構成することと、
材料性質の第2のセットを有する材料を押出するように、前記第2の押出機を構成することと、を含む、請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項3】
前記ターゲットオブジェクトが、異なる材料性質を有する複数の部分を有し、前記複数の部分の各々について、前記コンピュータシステムが、
押出成形体を形成するために、複数の熱硬化性材料の中から1つまたは1つより多くの熱硬化性材料を選択することと、
前記複数の押出機のうちの1つを選択することと、
前記選択された押出機および前記押出成形体の特定の押出構成を判定することと、を行うようにさらに構成されている、請求項
2に記載のコンピュータシステム。
【請求項4】
前記ターゲットオブジェクトが、異なる材料性質を有する複数の部分を有し、前記複数の部分の各々について、前記コンピュータシステムが、
押出成形体を形成するために、複数の熱硬化性材料の中から1つまたは1つより多くの熱硬化性材料を選択することと、
前記複数の押出機のうちの1つを選択することと、
前記選択された押出機および前記押出成形体の特定の押出構成を判定することと、を行うようにさらに構成されている、請求項
1に記載のコンピュータシステム。
【請求項5】
前記複数の部分の各々について、前記コンピュータシステムが、前記選択された1つまたは1つより多くの熱硬化性材料の体積混合比を判定するようにさらに構成されており、前記コマンドが、前記判定された体積混合比において、前記選択された1つまたは1つより多くの熱硬化性材料を前記選択された押出機に供給させるように構成されている、請求項
4に記載のコンピュータシステム。
【請求項6】
前記異なる材料性質が、少なくとも、共反応前の異なる比率における、前記複数の熱硬化性材料の流動性質もしくはゲル性質、またはそれらの混合物を含む、請求項
1に記載のコンピュータシステム。
【請求項7】
前記異なる材料性質が、少なくとも、共反応後の異なる比率における、硬度、可撓性、引張強度、色、温度耐性、消音、膨張、難燃性、耐粉砕性、膨張性、前記複数の熱硬化性材料の導電性、またはそれらの混合を含む、請求項
6に記載のコンピュータシステム。
【請求項8】
前記複数の押出機の各々について、前記押出構成が、押出速度、押出タイミング、または押出経路のうちの少なくとも1つを含む、請求項
1に記載のコンピュータシステム。
【請求項9】
前記複数の押出機が、単一のツール経路を作り出すために連続して使用される、請求項
1に記載のコンピュータシステム。
【請求項10】
前記複数の押出機の各々が、材料供給源の別個のセットに結合される、請求項
1に記載のコンピュータシステム。
【請求項11】
前記複数の押出機から選択された第1の押出機と、前記複数の押出機から選択された第2の押出機との間のオフセットを計算することと、
前記第1の押出機から前記第2の押出機に押出を切り替えるコマンドを受信することと、
前記オフセットを利用して、前記第2の押出機から材料を押出する前に、前記第2の押出機を前記第1の押出機に対してある場所に位置決めすることと、をさらに含む、請求項
1に記載のコンピュータシステム。
【請求項12】
前記第1の押出機からの第1の材料の押出を第2の材料に切り替えるコマンドを受信することと、
材料データベースからパージエントリを取り出すことであって、前記パージエントリが、前記第1の押出機から前記第1の材料をパージするために必要とされる押出の量および押出構成を示す、取り出すことと、
前記第1の押出機をパージ領域に位置決めすることと、
前記第1の押出機から前記第1の材料をパージするために必要とされる押出の量をパージすることと、をさらに含む、請求項
2に記載のコンピュータシステム。
【請求項13】
三次元プリンタであって、
各々が異なる押出成形体を押出するように構成されている複数の押出機と、
1つまたは1つより多くのプロセッサと、
実行可能命令を格納した1つまたは1つより多くのコンピュータ可読媒体と、を備え、前記実行可能命令が、前記1つまたは1つより多くのプロセッサによって実行されるときに、前記三次元プリンタを、少なくとも、
ターゲットオブジェクトを印刷するためのコマンドを受信することと、
前記コマンドに基づいて、前記複数の押出機の各々について、
複数の熱硬化性材料の中から1つまたは1つより多くの熱硬化性材料を選択することと、
前記選択された1つまたは1つより多くの熱硬化性材料を混合して、押出成形体を形成することと、
押出構成を設定することと、
前記押出構成に基づいて、前記押出成形体を押出することと、を行うように構成する、三次元プリンタ。
【請求項14】
前記ターゲットオブジェクトを印刷するための前記コマンドが、前記複数の押出機の各々について選択された前記1つまたは1つより多くの熱硬化性材料を示す、請求項13に記載の三次元プリンタ。
【請求項15】
前記ターゲットオブジェクトを印刷するための前記コマンドが、前記複数の押出機の各々について選択された前記1つまたは1つより多くの熱硬化性材料の体積混合比をさらに示す、請求項
13に記載の三次元プリンタ。
【請求項16】
1つまたは1つより多くの熱硬化性材料を前記複数の押出機の各々に供給するように構成されている複数の材料供給源をさらに備える、請求項
14に記載の三次元プリンタ。
【請求項17】
可動アームをさらに備え、前記複数の押出機が、前記可動アームに結合され、前記複数の押出機が、連続して押出するように構成されている、請求項
13に記載の三次元プリンタ。
【請求項18】
前記複数の押出機が、単一のツール経路を作り出すために同時に使用される、請求項
13に記載の三次元プリンタ。
【請求項19】
所望の材料属性を作り出すために熱硬化性三次元プリンタを動的に制御するためのコンピュータ実装方法であって、前記コンピュータ実装方法が、1つまたは1つより多くのプロセッサ上で実行され、前記方法が、
前記熱硬化性三次元プリンタによってターゲットオブジェクトを印刷するための指標を受信することと、
材料属性データセットにアクセスすることであって、前記材料属性データセットが、印刷中の複数の熱硬化性材料の異なる材料性質を記述する、アクセスすることと、
前記材料属性データセットに基づいて、複数の押出機の各々について、
押出成形体を形成するために、前記複数の押出機の各々について前記複数の熱硬化性材料の中から1つまたは1つより多くの熱硬化性材料を選択することと、
前記1つまたは1つより多くの熱硬化性材料の押出構成を判定することと、
前記ターゲットオブジェクトを印刷している間に、前記熱硬化性三次元プリンタの前記複数の押出機に前記押出構成を実装させるコマンドを生成することと、を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項20】
前記複数の押出機が、
押出性質の第1のセットを有する第1の押出機と、
押出性質の第2のセットを有する第2の押出機と、を含み、
前記押出構成を判定することが、
材料性質の第1のセットを有する材料を押出するように、前記第1の押出機を構成することと、
材料性質の第2のセットを有する材料を押出するように、前記第2の押出機を構成することと、を含む、請求項19に記載のコンピュータ実装方法。
【国際調査報告】