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特表2025-500357皮膚病を治療および管理するためのデジタル医療ガイド
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-09
(54)【発明の名称】皮膚病を治療および管理するためのデジタル医療ガイド
(51)【国際特許分類】
   G16H 80/00 20180101AFI20241226BHJP
   G16H 10/60 20180101ALI20241226BHJP
   G16H 50/00 20180101ALI20241226BHJP
   G16Y 10/60 20200101ALI20241226BHJP
   G16Y 20/40 20200101ALI20241226BHJP
   G16Y 40/20 20200101ALI20241226BHJP
【FI】
G16H80/00
G16H10/60
G16H50/00
G16Y10/60
G16Y20/40
G16Y40/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024537424
(86)(22)【出願日】2022-12-16
(85)【翻訳文提出日】2024-08-16
(86)【国際出願番号】 IB2022062397
(87)【国際公開番号】W WO2023119095
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】63/291,798
(32)【優先日】2021-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】593141953
【氏名又は名称】ファイザー・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】クリスタキス,ヨーゴス
(72)【発明者】
【氏名】デイ,ロバート・マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ディ,ジュンルイ
(72)【発明者】
【氏名】フィッツジェラード,アダム
(72)【発明者】
【氏名】ハンコック,デニス・ピー
(72)【発明者】
【氏名】ケルクマン,ウルス
(72)【発明者】
【氏名】ランブロー,アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】ママシュリ,ファヒメ
(72)【発明者】
【氏名】マッカーシー,ティモシー
(72)【発明者】
【氏名】ノースコット,キャリー・アナリース
(72)【発明者】
【氏名】レイズマン,ジョシュア
(72)【発明者】
【氏名】ズフィラ,フェリシア
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA04
5L099AA15
5L099AA23
5L099AA26
(57)【要約】
皮膚病(例えば、アトピー性皮膚炎、乾癬)を管理するためのデジタル医療ガイドは、患者データを受動的に収集する患者ウェアラブルデバイス、患者が健康関連データを入力するためのヘルスケアアプリケーションを有する患者ユーザデバイス、発赤予測および疾患進行追跡のための中央分析、ならびに医師ダッシュボードを含み得る。発赤予測では、予測ツールは、訓練済みモデルが、観察したひっかき事象が発赤を生じ得るかどうかを予測するために、記録した発赤発生のグラウンドトゥルースを使用して訓練され得る。起こり得る発赤を予測すると、アラート通知が、例えば、医師および/または患者のために生成され得る。さらには、ベースラインが、ウェアラブルから受動的に集められるデータ、および患者ユーザデバイスから能動的に集められるデータに基づいて確立され得る。継続的に収集したデータは、確立したベースラインに対して比較され得る。著しい逸脱を検出すると、アラートが、患者および/または医師に送信され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ実装の方法であって、
サーバにより、ひっかきデータセットを取得するステップであって、前記ひっかきデータセットは、皮膚病を患う患者集団の対応するひっかき事象のデータ記録を含む、ステップと、
前記サーバにより、前記対応するひっかき事象と関連付けられた追加情報のデータ記録を含む文脈データセットを取得するステップと、
前記サーバにより、前記ひっかきデータセットおよび前記文脈データセットに基づいて教師あり訓練手法を使用して予測モデルを訓練するステップと、
前記サーバにより、前記皮膚病を患う特定の患者のある時間期間にわたるひっかき事象の発生を示す定期データを受信するステップと、
前記サーバにより、前記受信した定期データを前記訓練した予測モデルに供給するステップと、
発赤の可能性を出力する前記予測モデルに応答して、前記サーバにより、前記特定の患者のユーザデバイスにアラート通知を伝送するステップと、
を含む、コンピュータ実装の方法。
【請求項2】
発赤の可能性を出力する前記予測モデルに応答して、前記サーバにより、医師ダッシュボードに第2のアラート通知を伝送するステップをさらに含む、請求項1に記載のコンピュータ実装の方法。
【請求項3】
前記サーバにより、前記第2のアラート通知に応答して前記医師ダッシュボードに提供される患者通信メッセージを受信するステップと、
前記サーバにより、前記特定の患者の前記ユーザデバイスに前記患者通信メッセージを伝送するステップと
をさらに含む、請求項2に記載のコンピュータ実装の方法。
【請求項4】
前記患者通信メッセージは、前記特定の患者が医師と通信するための指示を含む、請求項3に記載のコンピュータ実装の方法。
【請求項5】
前記患者通信メッセージは、前記発赤を制御するための処方薬についてである、請求項3に記載のコンピュータ実装の方法。
【請求項6】
前記定期データは、前記ユーザデバイス上で実行するヘルスケアアプリケーションから受信される、請求項3に記載のコンピュータ実装の方法。
【請求項7】
前記患者通信メッセージは、前記サーバにより、前記ユーザデバイス上で実行する前記ヘルスケアアプリケーションへ伝送される、請求項6に記載のコンピュータ実装の方法。
【請求項8】
前記対応するひっかき事象の前記データ記録は、前記ひっかき事象の頻度を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記対応するひっかき事象の前記データ記録は、前記ひっかき事象の重症度を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記追加情報の前記データ記録は、対応するひっかき事象が発赤と関連付けられたかどうかを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記追加情報の前記データ記録は、気象、食物摂取、他の感染、アレルギー誘発物質、着用衣服、皮膚病部位における唾液の存在、ドライスキン、汗レベル、ストレスレベル、運動レベル、またはホルモンレベルのうちの少なくとも1つと対応するひっかき事象の関連を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
コンピュータ実装の方法であって、
サーバにより、既定の時間期間にわたって、皮膚病を患う患者のユーザデバイスにインストールされるヘルスケアアプリケーションからヘルスケアデータを定期的に受信するステップと、
前記サーバにより、前記既定の時間期間にわたる前記ヘルスケアデータに基づいてベースライン健康行動を確立するステップと、
前記サーバにより、前記ユーザデバイスにインストールされる前記ヘルスケアアプリケーションから新規ヘルスケアデータを受信するステップと、
前記サーバにより、前記新規ヘルスケアデータが前記ベースライン健康行動から著しい逸脱を有するかどうかを決定するステップと、
前記サーバが前記ベースライン健康行動からの著しい逸脱を決定することに応答して、医師ダッシュボードへのアラート通知をトリガするステップと、
を含む、コンピュータ実装の方法。
【請求項13】
前記ベースライン健康行動は、機械学習モデルを訓練することによって確立される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記新規ヘルスケアデータが前記ベースライン健康行動からの著しい逸脱を有するかどうかを決定することは、前記新規ヘルスケアデータを前記訓練した機械学習モデルへ供給することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ヘルスケアデータは、前記患者により着用されるウェアラブルデバイスから受動的に収集されるデータ、または前記患者の前記ユーザデバイスにインストールされる前記ヘルスケアアプリケーションから能動的に収集されるデータのうちの少なくとも一方を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記サーバが前記ベースライン健康行動からの前記著しい逸脱を決定することに応答して、前記患者の前記ユーザデバイスにインストールされる前記ヘルスケアアプリケーションへの第2のアラート通知をトリガするステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記サーバが前記ベースライン健康行動からの前記著しい逸脱を決定することに応答して、前記サーバにより、前記患者と医師との間の通信を、それぞれ前記ヘルスケアアプリケーションおよび前記医師ダッシュボードを介して、促進するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
コンピュータ実装の方法であって、
コンピューティングデバイスにより、皮膚病を有する患者のヘルスケアデータを前記患者によって着用されるウェアラブルコンピューティングデバイスから継続的に受信するステップと、
前記コンピューティングデバイスにより、前記コンピューティングデバイスにインストールされるヘルスケアアプリケーションによって生成されるインターフェースに追加のヘルスケアデータを入力することを前記患者に定期的に促すステップと、
前記コンピューティングデバイスにより、前記ヘルスケアデータおよび追加のヘルスケアデータを遠隔サーバに伝送するステップと、
前記コンピューティングデバイスにより、前記遠隔サーバが前記皮膚病の悪化の可能性を決定することに応答して、前記遠隔サーバからアラート通知を受信するステップと、
前記アラート通知を受信することに応答して、前記コンピューティングデバイスにより、前記患者のためのアクションを示すプッシュ通知を生成するステップと、
を含む、コンピュータ実装の方法。
【請求項19】
前記ウェアラブルコンピューティングデバイスから受信される前記ヘルスケアデータは、動きデータを含む、請求項18に記載のコンピュータ実装の方法。
【請求項20】
前記患者のための前記アクションは、処方箋を調合すること、処方箋を再調合すること、または医師と通信することのうちの少なくとも1つを含む、請求項18に記載のコンピュータ実装の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2021年12月20日に出願の米国仮出願第63/291,798号に対する優先権を主張するものである。本出願はまた、2020年6月23日に出願の米国仮出願第63/043,108号および2021年6月22日に出願の米国仮出願第63.213,592号に対する優先権を主張する2021年6月23日に出願のPCT/US2021/038699号(国際公開第2021/262857号)に関連し、それらの各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。
【0002】
本明細書に提示される主題は、皮膚病をモニタリングするためのシステムおよび方法を対象とする。具体的には、皮膚病により引き起こされるひっかき傷をモニタリングするため、および発赤の可能性の予測のためのシステムおよび方法。
【背景技術】
【0003】
アトピー性皮膚炎および乾癬などの慢性的な再発性および寛解型皮膚状態/病は、発赤によって特徴付けられる。発赤は、極度のかゆみ、ひっかき傷の増加、皮膚病変、睡眠の減少、他の関連した身体的・精神的・社会的不快感を伴う、疾患の著しい増悪である。したがって、発赤を管理することは、これらの皮膚病をうまく管理することの不可欠な部分である。
【0004】
発赤を管理することは、慣例的にはリアクティブであり、したがって、不十分なままである。患者が発赤を経験し、そして治療を求め得るが、これは一般的には直ちに利用可能ではなく、多くの場合は簡易ではない。その間にも、発赤は、かゆみの全身不快感およびひっかきという身体行為を引き起こすことに加えて、非常に目立つ皮膚病変をもたらし得、以て、一種の社会的不名誉を招く。したがって、発赤が発生および進行すると、患者の生活の質は、著しく低下し得る。加えて、皮膚病は、心理学的問題、うつ、不安、自傷行動、肥満、食物アレルギー、ぜんそく、およびアレルギー性鼻炎/鼻結膜炎と関連付けられることが分かっており、これらはすべて発赤により悪化し得る。したがって、患者がこれらおよび他の病態を発展および/または悪化させる潜在的なリスクを有する発赤後のリアクティブな医療介入は、不十分である。
【0005】
発赤を管理することと同様、従来の皮膚病管理は、他の関連した不確実性を管理するにも不十分である。疾患は、再発したり寛解したりするため、患者は、病気の動的性質を前提に、進行をモニタリングおよび報告することが困難である。医師への患者の報告は、不正確であり得、異なる人間バイアスが生まれやすく、故に、必要最小限の薬投与量を決定する際に医師に余分な課題をもたらす。不確実性は、薬が処方された後も持続する。患者は、たとえ薬が継続使用により有効性をもたらすとしても、副作用(例えば、吐き気)を管理するために適切なサポートが提供されない場合、薬を中断し得る。寛解もまた、患者が薬を摂取するのを止めることを引き起こし得る。医師は、患者との臨床面談においてこれらの不確実性を管理する傾向があるが、これらの面談は、しかしながら、とてもまれであり、人的要因によって影響を及ぼされ得、不正確な情報交換を伴い得る。不安、不眠、および疲労などの他の関連症状が存在し得、これらは、これらの臨床面談において医師によって適切に検出および解決されることができず、患者の記憶に依存する。これらの症状は、運動、栄養、マインドフルネスなどにおけるより良い行動選択を奨励するために一貫した介入を必要とし得る。患者はまた、自らが疾患を理解し、これを管理するために、疾患に関する関連性のある臨床情報を提供される必要があり得る。これらの散在的な臨床面談の使用は、疾患追跡、必要最低限の投与量を決定すること、副作用を管理すること、服薬の順守を促進すること、疾患に関する情報を提供すること、およびより良い疾患管理行動を推奨することには、不十分であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
いくつかの実施形態において、本開示は、患者の動きおよび/または生体データを受動的に収集する患者ウェアラブルデバイスおよび/またはインビジブルデバイス(例えば、非ウェアラブルセンサ)、患者が健康関連データを入力するためのヘルスケアアプリケーションを有する患者ユーザデバイス、発赤予測および疾患進行追跡のための中央分析、ならびに医師ダッシュボードを含み得る、皮膚病(例えば、アトピー性皮膚炎、乾癬など)を治療および管理するためのデジタル医療ガイドに関する。発赤予測/査定では、予測ツールは、訓練済みモデルが、現在観察したひっかき事象および他の文脈データが発赤を生じる可能性があり得るかどうかを予測するように、記録した発赤発生のグラウンドトゥルースを使用した教師あり訓練手法を使用して訓練され得る。起こり得る発赤の予測に応答して、1つまたは複数のアラート通知が、例えば、医師が投与量を増加させるため、および/または患者が増加した投与量を摂取するために生成され得る。アトピー性皮膚炎を管理する場合、ベースラインが、デジタル技術(例えば、患者ウェアラブルおよび/またはインビジブルデバイス)から受動的に集められるデータおよび患者から能動的に集められるデータに基づいて確立され得る。これらの取得データは、任意の逸脱を評価するために確立したベースラインに対して比較され得る。患者の病状における著しい逸脱を検出することに応答して、アラートが、患者および/または医師に(いくつかの実施形態において、さらなる研究のために科学者に)送信され得る。さらには、双方向の接続が、患者と医師との間に、それぞれヘルスケアアプリケーションおよび医師ダッシュボードを通じて確立され得る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態において、コンピュータ実装の方法が提供され得る。本方法は、サーバにより、ひっかきデータセットを取得するステップであって、ひっかきデータセットは、皮膚病を患う患者集団の対応するひっかき事象のデータ記録を含む、ステップと、サーバにより、対応するひっかき事象と関連付けられた追加情報のデータ記録を含む文脈データセットを取得するステップと、サーバにより、文脈データセットのひっかきデータセットに基づいて教師あり訓練手法を使用して予測モデルを訓練するステップと、サーバにより、皮膚病を患う特定の患者のある時間期間にわたるひっかき事象の発生を示す定期データを受信するステップと、サーバにより、受信した定期データを訓練した予測モデルに供給するステップと、発赤の可能性を出力する予測モデルに応答して、サーバにより、特定の患者のユーザデバイスにアラート通知を伝送するステップとを含み得る。
【0008】
別の実施形態において、別のコンピュータ実装の方法が提示され得る。本方法は、サーバにより、既定の時間期間にわたって、皮膚病を患う患者のユーザデバイスにインストールされるヘルスケアアプリケーションからヘルスケアデータを定期的に受信するステップと、サーバにより、既定の時間期間にわたるヘルスケアデータに基づいてベースライン健康行動を確立するステップと、サーバにより、ユーザデバイスにインストールされるヘルスケアアプリケーションから新規ヘルスケアデータを受信するステップと、サーバにより、新規ヘルスケアデータがベースライン健康行動から著しい逸脱を有するかどうかを決定するステップと、サーバがベースライン健康行動からの著しい逸脱を決定することに応答して、医師ダッシュボードへのアラート通知をトリガするステップとを含み得る。
【0009】
さらに別の実施形態において、さらに別のコンピュータ実装の方法が提供され得る。本方法は、コンピューティングデバイスにより、皮膚病を有する患者のヘルスケアデータを患者によって着用されるウェアラブルコンピューティングデバイスから継続的に受信するステップと、コンピューティングデバイスにより、コンピューティングデバイスにインストールされるヘルスケアアプリケーションによって生成されるインターフェースに追加のヘルスケアデータを入力することを患者に定期的に促すステップと、コンピューティングデバイスにより、ヘルスケアデータおよび追加のヘルスケアデータを遠隔サーバに伝送するステップと、コンピューティングデバイスにより、遠隔サーバが皮膚病の悪化の可能性を決定することに応答して、遠隔サーバからアラート通知を受信するステップと、アラート通知を受信することに応答して、コンピューティングデバイスにより、患者のためのアクションを示すプッシュ通知を生成するステップとを含み得る。
【0010】
本開示の他の目的および利点は、添付の図面と併せて、例示的な実施形態の以下の詳細な説明および添付のクレームを読む際に当業者に明白になるものとし、同じ参照番号は、同じ要素を指定するために使用されている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1Aは、皮膚病の例であるアトピー性皮膚炎の疾患進行の異なるタイプを例証するグラフである。 図1Bは、皮膚病の例であるアトピー性皮膚炎の疾患進行の異なるタイプを例証するグラフである。 図1Cは、皮膚病の例であるアトピー性皮膚炎の疾患進行の異なるタイプを例証するグラフである。 図1Dは、皮膚病の例であるアトピー性皮膚炎の疾患進行の異なるタイプを例証するグラフである。 図1Eは、皮膚病の例であるアトピー性皮膚炎の疾患進行の異なるタイプを例証するグラフである。 図1Fは、皮膚病の例であるアトピー性皮膚炎の疾患進行の異なるタイプを例証するグラフである。
図2】アトピー性皮膚炎の先行技術の臨床的評価を例証するグラフである。
図3】アトピー性皮膚炎の発赤の先行技術のリアクティブ管理を例証するグラフである。
図4】本開示の1つまたは複数の実施形態を用いて達成され得る、アトピー性皮膚炎などの皮膚病の予防的管理を例証するグラフである。
図5】本開示の1つまたは複数の実施形態を用いるための例証的な動作環境のブロック図である。
図6】本開示のいくつかの実施形態による、1つまたは複数の機能を実施し得る例証的なコンピューティングデバイスのアーキテクチャのブロック図である。
図7】本明細書に開示される1つまたは複数の実施形態が用いられ得る、動作環境700の例証的なアーキテクチャのブロック図である。
図8】本開示のいくつかの実施形態による、発赤予測のための予測モデルを訓練する例証的な方法のフロー図である。
図9】本開示のいくつかの実施形態による、発赤予測のための予測モデルを展開する例証的な方法のフロー図である。
図10】本開示のいくつかの実施形態による、皮膚病のベースライン疾患挙動の分析モデルを生成する例証的な方法のフロー図である。
図11】本開示のいくつかの実施形態による、現在の観察挙動がベースライン疾患挙動から著しく逸脱するかどうかを決定するために分析モデルを展開する例証的な方法のフロー図である。
図12A】本開示のいくつかの実施形態による、例証的な患者向けインターフェースを示す図である。
図12B】本開示のいくつかの実施形態による、例証的な患者向けインターフェースを示す図である。
図12C】本開示のいくつかの実施形態による、例証的な患者向けインターフェースを示す図である。
図12D】本開示のいくつかの実施形態による、例証的な患者向けインターフェースを示す図である。
図13A】本開示のいくつかの実施形態による、例証的な医師向けインターフェースを示す図である。
図13B】本開示のいくつかの実施形態による、例証的な医師向けインターフェースを示す図である。
図13C】本開示のいくつかの実施形態による、例証的な医師向けインターフェースを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図は、例示的な実施形態を例証する目的のためであり、本開示は、図面に示される配置および手段に限定されないということを理解されたい。図において、同一の参照番号は、少なくとも全体的に同様の要素を識別する。
【0013】
皮膚病/病態(例えば、アトピー性皮膚炎、乾癬など)は、長年の発赤および増悪によって特徴付けられる。皮膚病と関連付けられた他の不確実性も存在し、この疾病は、不安定であり、それらは、皮膚を見た目には臨床的に正常なまま免疫学的には異常にし、それらの長期管理は、患者が厳しい治療計画を忠実に守り、より良い行動選択をすることを必要とし得る。特に発赤によって形成される非常に目立つ病斑を理由とする社会的不名誉も存在する。この疾病はまた、心理社会的問題、うつ、不安、自傷行動、肥満、食物アレルギー、ぜんそく、およびアレルギー性鼻炎/鼻結膜炎などと関連付けられる。
【0014】
皮膚病を管理する従来の方法は、不十分なままである。例えば、発赤は、一般的には一過性であり、これらの発赤を管理することは、従来、リアクティブであった。例えば、患者は、発赤後に医師のもとへ出向き得、医師は、薬(例えば、より高い用量の既存の薬および/または新規の薬)を処方し得る。このリアクティブ管理は、発赤がさらに増悪し、心理社会的問題、うつ、不安などの他の病態を悪化させるリスクを抱える。したがって、予測した発赤を予防的に管理する方法を有することが望ましい。
【0015】
皮膚病は一般的に動的であるため、それらの進行は、浮き沈みがあり得る。したがって、患者は、進行を追跡するのが困難であり得、また、臨床面談中に詳しい話を思い出すことができない場合があるか、またはそれは、患者が医師と対話をすることができる頃にはすでに解決している場合がある。言い換えると、医師は、これらの面談中に疾患進行の全体像を得ることができず、したがって、処方箋(例えば、アトピー性皮膚炎用のアブロシチニブ)の必要最低限の投与量を処方することに苦労し得る。さらには、処方箋は、不快な副作用(例えば、吐き気)を有し得、患者は、これらの副作用を管理するために適切なカウンセリングが提供されない場合、治療を中断し得る。寛解もまた、患者が薬を摂取するのを止めることを引き起こし得る。さらには、薬に対する患者の反応の全体像なしでは、医者は、処方薬の長期的な安全性を懸念し得る。追加的に、皮膚病は、医師が一般的には、臨床面談中、目に見える問題(すなわち、皮膚病そのもの)を解決することに焦点を合わせることによって、対処されない場合のある、不安、睡眠、および疲労などの他の疾病と関連付けられ得る。これらの他の疾病は、皮膚病態と一緒に対処される必要があり得るが、これらの疾病は、患者の継続的モニタリングおよび患者との継続した対話のない数少ない臨床面談中には明らかにならない場合がある。したがって、目に見える緊急の問題を解決することにより焦点を合わせたリアクティブな臨床面談の従来の方法は、いくつかの側面で不十分である。
【0016】
本明細書に開示される実施形態は、皮膚病の発赤を予測し、予防的に回避しようとするものである。本明細書に説明される実施形態はさらに、患者の継続的なモニタリング:患者の病状に関するデータを収集すること、および継続した患者と医師の対話を持続することを可能にし得る。その目的のため、例示的な動作環境は、手の動きなど、患者データを受動的に(例えば、患者による積極的な行為なしに)収集し得るデバイス(例えば、ウェアラブルデバイス、インビジブルデバイス)、および患者が疾病情報(例えば、患者が特定の時間点においてどのように感じていたか)を入力することを能動的に促進され得るヘルスケアアプリケーションを含み得る。他のセンサ(例えば、血圧モニタ)からのデータおよび文脈データ(例えば、EHRデータ、気象データ)も受信され得る。バックエンド予測モデルは、収集したデータを使用して、発赤の可能性を決定し得る。いくつかの実施形態において、発赤予測は、参照により全体が本明細書に組み込まれているPCT/US2021/038699号(国際公開第2021/262857号)に開示されるひっかき検出技術を使用することに基づき得る。起こり得る発赤の予測は、1つまたは複数のアラート通知:発赤が差し迫っており、治療行為が行われ得ることを示す、患者に対するもの、および/または、特定の患者が差し迫った発赤を起こしやすいことを示す、医師に対するものをトリガし得る。これらのアラートに基づいて、患者および医師は、同期または非同期通信を開始し、それに応じて治療法を決定し得る(例えば、アトピー性皮膚炎用のアブロシチニブなどの処方薬の投与量を増加させること)。医師と患者との間の通信は、教育目的のためにも使用され得、医師はまた、将来の発赤をどのように軽減すべきか、食物および運動などについてどのように健康的な行動選択をするべきかに関して患者に助言し得る。
【0017】
代替的または追加的に、例示的な動作環境はまた、皮膚病進行追跡のために使用され得る。例えば、患者向けヘルスケアアプリケーションを使用して、患者は、ヘルスケアデータ、例えば、副作用、発赤状態、および/または任意の他の生活の質の測定基準を定期的に入力し得る。ウェアラブル(および/またはインビジブル)はまた、患者データ、例えば、動きおよび運動データを受動的に捕捉し得る。それに応じて、患者は、どのように病状を管理し、健康的な行動選択をするかについて教材(例えば、音声、動画、テキスト、対人ライブカウンセリング)を定期的に受信し得る。継続的に集めた時系列データ(受動データおよび能動データの両方、ならびに/または任意の他の文脈データ)は、ベースライン疾患挙動を示し得る統計的分析モデルを確立する(および/または機械学習モデルを訓練する)ために使用され得る。ベースライン疾患挙動は、ひっかき事象、ストレス、不安、および/または任意の他の健康もしくは生活の質の測定基準の正常レベルを示し得る。新規に入ってくるデータは、新規のデータがベースラインからの著しい逸脱を示すかどうか、例えば、副作用が特に目立っているかどうかを決定するために、分析モデルと比較され得る。そのような場合、アラート通知が、患者および/または医師に対して生成され得る。アラート通知に基づいて、患者および医師は、治療法を決定するために同期または非同期通信を開始し得る。通信は、より良い疾病管理のために患者を継続的に教育し、また患者に助言するため、および生活の品質を向上させるためにも使用され得る。
【0018】
したがって、最適以下の情報交換を伴う従来のリアクティブかつ散発性の臨床面談と比較して、本明細書に開示される実施形態は、継続的かつ予防的な患者モニタリングを可能にし得る。バックエンド分析は、継続的に集めたデータを使用して、悪い状況(例えば、差し迫った発赤)を予測するか、または悪化(例えば、副作用症状が悪化していること)を検出し得る。そのような問題は、患者および医師に送信されるアラート通知を通じて直ちに注意喚起され、対処され得る。疾病の悪化のそのようなモニタリングおよび予測/検出は、医師が必要最低限の投与量を決定するのに役立ち得る。さらには、患者と医師との間の双方向の接続は、医師が継続的に患者を教育し、また患者に助言することを可能にし得る。
【0019】
一般的に、本明細書に開示される実施形態は、より多くの文脈および皮膚病の理解をもたらし得、以て、より良い治療を可能にする。さらには、患者は、自らが自分の治療における積極的な参加者であるため、「疾病の当事者意識」の感覚を有し得る。医師は、継続的に収集したデータに基づいて全体像を有し得る。初期治療オプションは、収集したデータに基づいて探索および使用され得る。治療は、継続的かつ動的に調節され得る(例えば、薬物投与量を調整することによって)。治療の安全性は、大量および/または継続的な投与が必要とされないため、増大され得る。さらには、疾患進行に対する環境影響が検出され、軽減され得る。
【0020】
図1A図1Fは、皮膚病の例であるアトピー性皮膚炎の異なるタイプの疾患進行を例証するグラフ(Jonathan Silverberg,「Atopic Dermatitis:Clinical Features,Patient Type,Burden,and Epidemiology(アトピー性皮膚炎:臨床特徴、患者タイプ、負担、および疫学)」から修正された)を示す。特に、図1Aは、アトピー性皮膚炎の良好な制御を例証するグラフ100aを示す。示されるように、疾患活動は、1年の間に一貫してより低い状態に留まっており、発赤は存在していない。図1Bは、頻繁な中程度の発赤を伴うアトピー性皮膚炎を例証するグラフ100bを示す。示されるように、1年の間に、5つの中程度の発赤102b1、102b2、102b3、102b4、および102b5が観察されている。図1Cは、季節的な重度の発赤を伴うアトピー性皮膚炎を例証するグラフ100cを示す。示されるように、重度の発赤102cは、年始に観察されている。図1Dは、数回の重度の発赤発現を伴う中程度のアトピー性皮膚炎を例証するグラフ100dを示す。示されるように、アトピー性皮膚炎のベースラインは中程度であるが、3回の重度の発赤102d1、102d2、および102d3が1年の間に観察されている。図1Eは、著しくより高い疾患活動を伴うアトピー性皮膚炎の重症例を例証するグラフ100eを示す。図1Fは、同じく著しくより高い疾患活動を伴うアトピー性皮膚炎の別の重症例を例証するグラフ100fを示す。
【0021】
図2は、アトピー性皮膚炎の先行技術の臨床的評価を例証するグラフ200を示す。示されるように、原子皮膚炎は、無症状炎症208と臨床的炎症206との間で変動し得る。無症状炎症208は、一般的には、臨床的手段(例えば、裸眼での観察)により観察されないことがあるが、臨床的炎症206は、臨床的手段により観察され得る。臨床的炎症206は、発赤に対応し得る2つのピーク202および204を示す。グラフ200においては、2つの臨床的評価点210および212が示されている。しかしながら、臨床的評価点210および212の両方は、全く異なる時間点にあり、したがって、単にこれらの点観察に関する。特に、臨床的評価点210が第1のピーク202に近いことが理由で、臨床的評価点210は、おそらくは重度の炎症を検出し得る。その一方で、臨床的評価点212は、既存の炎症が観察不可能な無症状炎症208であるため、いかなる炎症も検出しない場合がある。言い換えると、臨床的評価点210および212は、疾患進行の長期的傾向を検出しない場合があるが、単に短期的な目に見える病態を検出し得る。したがって、現在の臨床面談は、本質的に、短期的にアトピー性皮膚炎を検出し、これに対処することを試みることを目的としており、疾患の最適な長期管理を提供しない。
【0022】
図3は、アトピー性皮膚炎の発赤の先行技術のリアクティブ管理を例証するグラフ300(Thomas Bieber、「Atopic Dermatitis(アトピー性皮膚炎)」 Ann Dermatol.2010年5月、22(2):125-137から修正された)を示す。示されるように、無症状炎症308および臨床的に検出可能な炎症306の範囲に及ぶアトピー性皮膚炎は、2つの発赤302および304を有する。しかしながら、臨床的介入310、312、314、および316は、発赤302および304に対して単にリアクティブである。特に、患者は、発赤302および304が観察された後に臨床的な助けを求めていた。そのようなリアクティブ管理は、少なくとも患者が、まず発赤302および304を有することの身体的、精神的、および社会的な不快感を経験しなければならないという理由で、不十分である。これらおよび他の不快感を回避するため、発赤を有することを予測し、これを予防的に回避することが望ましい。
【0023】
図4は、本開示の1つまたは複数の実施形態を用いて達成され得る、皮膚病(例えば、アトピー性皮膚炎)の予防的管理を例証するグラフ400(Thomas Bieber、「Atopic Dermatitis(アトピー性皮膚炎)」 Ann Dermatol.2010年5月、22(2):125-137から修正された)を示す。示されるように、第1の臨床的介入410は、中程度の発赤402の前に始まる。言い換えると、発赤402は、予測されていたものであり得、臨床的介入410は、発赤402の重症度を低減したものであり得る。発赤402のピークにおいてその管理のために別の臨床的介入412が存在する。別の臨床的介入414もまた、発赤402を管理することを目的とする。後続の臨床面談416および418は、発赤を予防的に回避することを目的とする。
【0024】
しかしながら、現在の散在的なリアクティブ臨床面談は、発赤のそのような予防的管理には不適切である。臨床面談は、本質的に、既存の発赤を沈静化する短期的治療を目的とする。医師は、従来、経時的に蓄積される時系列データへのアクセスを有さないことから、医師は、長期的にアトピー性皮膚炎(および一般的には任意の他の皮膚病)を最適に管理することができない場合がある。
【0025】
図5は、本開示の1つまたは複数の実施形態を用いるための例証的な動作環境500のブロック図を示す。本明細書に説明されるこの配置および他の配置は、単に例として明記されるということを理解されたい。他の配置および要素(例えば、マシン、インターフェース、機能、順序、および機能のグループ)が、図5ならびに他の図に示されるものに加えて、またはこれらの代わりに使用され得、いくつかの要素は、明瞭性のために完全に省略され得る。さらには、本明細書に説明される要素の多くは、個別もしくは分散コンポーネントとして、または他のコンポーネントと併せて、および任意の好適な組み合わせまたは場所で実装され得る機能エンティティである。本明細書に説明される様々な機能および動作は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、およびそれらの組み合わせを含む、1つまたは複数のエンティティによって実施されている。例えば、いくつかの機能は、メモリに格納される命令を実行するプロセッサによって実行され得る。
【0026】
示されるように、動作環境は、患者向けユーザデバイス502a~502n(まとめてデバイス502と称されるか、または共通してデバイス502と称される)、サーバ506、電子カルテ(EHR)システム504、データストア550、および医師ユーザデバイス508を備え得る。デバイスの単数または複数の説明は、説明における明瞭性のためにすぎず、制限と見なされるべきではないということも理解されたい。例えば、サーバ506は、複数のサーバを含み得、医師ユーザデバイス508は、複数のユーザデバイスを含み得る。動作環境500内の異なるデバイスは、ネットワーク510に接続され得る。
【0027】
患者向けユーザデバイス502は、患者がやり取りし得る任意のタイプのコンピューティングおよび/またはセンシングデバイスを含み得る。動作環境500内に示される非限定的な例としては、スマートウォッチ502a、モバイルデバイス502b(例えば、スマートフォン)、他のスマートセンサ502c(例えば、スマートリング、モーションセンサなどのインビジブルセンサなど)、フィットネストラッカ502d、および他の患者向けユーザデバイス502n(例えば、タブレット、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、スマートスピーカ、スマートホームシステムなど)を挙げることができる。患者向けユーザデバイス502は、発赤予測のため、および/または疾患の長期管理のため、皮膚病(例えば、アトピー性皮膚炎、乾癬)と関連付けられたデータを受動的に収集するか、または患者にこれを入力することを能動的に促すかのいずれかであり得る。
【0028】
例えば、スマートウォッチ502aは、患者からデータを受動的に収集するために複数のセンサを有し得る。複数のセンサは、加速度計、ジャイロスコープ、および/または患者の手の動きを追跡し得る他のタイプのモーションセンサを含み得る。手の動きは、ひっかき事象を(例えば、PCT/US2021/038699号(国際公開第2021/262857号)に開示される実施形態を使用することにより)検出するために動作環境(例えば、サーバ506内の1つまたは複数のソフトウェアモジュール)によって使用され得る。手の動きを検出することに加えて、スマートウォッチ502aは、血糖、体温、血中酸素飽和度、および/または任意の他のタイプの生体パラメータなど、他の生体パラメータを受動的に検出する。
【0029】
モバイルデバイス502bは、健康関連データを能動的に入力するために患者によって使用され得る。例えば、モバイルデバイス502dは、スマートフォンであり得、スマートフォンの中にはヘルスケアアプリケーションがインストールされていてもよい。ヘルスケアアプリケーションは、患者に健康関連データを入力することを促し得る。例えば、ヘルスケアアプリケーションは、患者が所与の時間点においてどのように感じているかに関して患者がデータを入力するようにプッシュ通知を生成し得る。このプロンプトは、「今朝の具合はどうですか?」であり得、患者は、「とても調子が良いです」と入力し得る。ヘルスケアアプリケーションはまた、発赤が起こり得ることを予測する動作環境に起因して生成され得るアラート通知を表示し得る。ヘルスケアアプリケーションによって表示される別のタイプのアラート通知は、患者の現在の疾患挙動が確立されたベースライン挙動から著しく逸脱するときであり得る。ヘルスケアアプリケーションはさらに、患者が医師と同期または非同期的に通信することを可能にし得る。
【0030】
他のセンサ502cは、スマートリング、皮膚パッチ、体内摂取可能センサ、および/または任意の他のタイプの身体装着型もしくは非身体装着型センサ(一般的には、インビジブルまたはインビジブルデバイス/センサと称される)などのデバイスを含み得る。他のセンサ502cは、生体または非生体データを検出し得る。例えば、他のセンサ502cは、患者の体温を測定するスマートファブリックを含み得る。別の例として、他のセンサ502cは、家の温度および/または湿度を測定するスマートホームセンサを含み得る。さらに別の例として、他のセンサ502cは、室内での動きを検出/測定し得るモーションセンサを含み得る。他の患者デバイス502nは、患者と関連付けられた任意の他のタイプのデバイスを含み得る。例えば、他の患者デバイス502nは、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、および/または患者と関連付けられ、ネットワーク510に接続される任意の他のコンピューティングデバイスを含み得る。他の文脈データソース540は、患者向けデバイス502から収集されるデータに対する追加情報を提供し得る他の文脈データを提供するデバイスを含み得る。例えば、他の文脈データソース540は、患者向けデバイス502から収集されるデータと関連付けられ得る気象データを提供し得る。
【0031】
ネットワーク510は、任意の種類の通信ネットワークを含み得る。例えば、ネットワーク510は、TCP/IPなどのプロトコルに対応するパケットスイッチングネットワークを含み得る。ネットワーク510はまた、有線電話およびワイヤレス電話の両方に対応する回路スイッチングネットワークを含み得る。したがって、ネットワーク510は、ワイヤ、ワイヤレス送信機、ワイヤレス受信機、信号中継器、信号増幅器、スイッチ、ルータ、通信衛星、ならびに/または任意の他のタイプのネットワークおよび通信デバイスなどのコンポーネントを含み得る。ネットワーク510のいくつかの非限定的な例としては、ローカルエリアネットワーク(LAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、インターネットなどの広域ネットワーク(WAN)などを挙げることができる。これらは、単に数少ない例にすぎず、動作環境の異なるコンポーネント間の任意の種類の通信連携が、本開示の範囲内と見なされるべきである。
【0032】
サーバ506は、1つもしくは機械学習モデルを訓練および展開する、ならびに/または統計分析モデルを確立および展開する分析機能を提供し得る任意のタイプのコンピューティングデバイスを含み得る。例えば、サーバ506は、ひっかきデータおよび他の文脈データによって示されるようなグラウンドトゥルースを使用して予測モデルを訓練し、次いで、この予測モデルを使用して、新規のひっかきおよび/または文脈データが受信されるときに発赤の可能性を予測し得る。サーバ506はまた、継続的に収集した時系列ヘルスケアデータに基づいて分析モデルを確立し得、分析モデルは、ベースライン健康行動を示し得る。新規ヘルスケアデータが受信されると、サーバ506は、受信したデータを分析モデルと(例えば、ベースライン健康行動に対して)比較して、新規ヘルスケアデータがベースライン健康行動から著しい逸脱を示すかどうかを決定し得る。サーバ506はまた、例えば、患者および/または医師に対して、発赤予測を示す、または患者の健康行動がベースライン行動から著しく逸脱していたことを示す1つまたは複数のアラート通知を生成し得る。
【0033】
電子カルテ(EHR)504は、患者の健康記録を格納し得る。健康記録は、例えば、患者の継続した病態(例えば、アトピー性皮膚炎)、処方薬(例えば、アブロシチニブ)、臨床面談の概要、および/または患者と関連付けられた任意の他のヘルスケア関連のデータを含み得る。いくつかの実施形態において、EHR504は、ヘルスケア提供施設(例えば、病院システム)によって管理され得る。
【0034】
データストア550は、動作環境500内の様々なソースから収集されるデータを格納する任意の種類のデータベースを含み得る。例えば、データストア550は、患者向けデバイス502から、受動的に収集されるデータおよび能動的に収集されるデータの両方を格納し得る。データストア550はまた、他の文脈データソース540から収集されるデータ(例えば、気象データ)を格納し得る。追加的に、データストア550は、EHR504から供給されるデータを格納し得る。したがって、データソース550は、動作環境500内の任意の種類のデータを格納すると理解されるべきである。
【0035】
医師ユーザデバイス508は、医師ダッシュボードを示す任意の種類のコンピューティングデバイスであり得る。医師ユーザデバイスの非限定的な例としては、携帯電話(例えば、スマートフォン)、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、および/または任意の他のタイプのコンピューティングデバイスを挙げることができる。医師ダッシュボードは、情報(例えば、人口統計情報、場所情報)、および/または様々な患者と関連付けられた1つもしくは複数のアラートを示し得る。
【0036】
図6は、本開示のいくつかの実施形態による、本明細書に説明される1つまたは複数の機能を実施し得る例証的なコンピューティングデバイス600のブロック図を示す。しかしながら、コンピューティングデバイス600は、好適なコンピューティング環境の1つの例であり、本開示の実施形態の使用または機能の範囲に関していかなる限定も示唆することは意図されない。コンピューティングデバイス600は、例証されるコンポーネントの任意の1つまたは組み合わせに関連していかなる依存関係または要件も有するものと解釈されるべきではない。
【0037】
本開示の実施形態は、パーソナルデータアシスタント、スマートフォン、タブレットPC、またはスマートウォッチなどの他のハンドヘルドもしくはウェアラブルデバイスなど、コンピュータまたは他のマシンによって実行される、プログラムモジュールなどの、コンピュータ使用可能またはコンピュータ実行可能命令を含む、コンピュータコードまたはマシン使用可能命令の一般的文脈において説明され得る。一般的に、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造、および同様のものを含め、プログラムモジュールは、特定のタスクを実施し得るか、または特定のデータタイプを実装し得るコードを指す。本開示の実施形態は、ハンドヘルドデバイス、家電製品、汎用コンピュータ、またはより専門的なコンピューティングデバイスを含め、様々なシステム構成において実践され得る。本開示の実施形態はまた、通信ネットワークを通じてリンクされる遠隔処理デバイスによってタスクが実施される分散型コンピューティング環境において実践され得る。分散型コンピューティング環境において、プログラムモジュールは、メモリストレージデバイスを含むローカルおよび遠隔コンピュータ記憶媒体の両方に位置し得る。
【0038】
コンピューティングデバイス600は、以下の例となるデバイス:メモリ612、1つまたは複数のプロセッサ614、1つまたは複数の提示コンポーネント616、1つまたは複数の入力/出力(I/O)ポート618、1つまたは複数のI/Oコンポーネント620、および電源622を直接的または間接的に結合し得るバス610を含み得る。コンピューティングデバイス600のいくつかの実施形態は、1つまたは複数の無線機624をさらに含み得る。バス610は、1つまたは複数のバスが何であり得るか(アドレスバス、データバス、またはそれらの組み合わせなど)を表す。図6の様々なブロックは、明瞭性のために線を伴って示されるが、これらのブロックは、論理コンポーネントを表し得、必ずしも実際のコンポーネントを表さない。例えば、表示デバイスなどの提示コンポーネントをI/Oコンポーネントであると見なす場合もある。また、プロセッサ614は、それらのメモリを有し得る。さらには、「ワークステーション」、「サーバ」、「ラップトップ」、または「ハンドヘルドデバイス」などのカテゴリ間に区別はなく、すべて図6の範囲内で、また「コンピューティングデバイス」に関連して、企図される。
【0039】
コンピューティングデバイス600は、様々なコンピュータ可読媒体を含み得る。コンピュータ可読媒体は、コンピューティングデバイス600によりアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得、揮発性および不揮発性、取り外し可能および取り外し不可能な媒体の両方を含み得る。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体および通信媒体を備え得る。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータなどの情報の格納のための任意の方法または技術で実装される、揮発性および不揮発性、取り外し可能および取り外し不可能な媒体の両方を含み得る。コンピュータ可読媒体のいくつかの非限定的な例としては、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリもしくは他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)もしくは他の光学ディスク記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶デバイス、または所望の情報を格納するために使用され得、コンピューティングデバイス600によりアクセスされ得る任意の他の媒体を挙げることができる。通信媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または搬送波もしくは他の搬送機構などの変調データ信号の他のデータを具現化し得、任意の情報伝達媒体を含む。「変調データ信号」という用語は、信号内の情報を符号化するような方法で設定または変更されるその特徴のうちの1つまたは複数を有する信号に言及し得る。限定ではなく例として、通信媒体は、有線ネットワークまたは直接有線接続など、有線媒体、ならびに音響、RF、赤外線、および他のワイヤレス媒体など、ワイヤレス媒体を含み得る。上記のうちのいずれかの組み合わせもまた、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるものとする。
【0040】
メモリ612は、揮発性および/または不揮発性メモリの形態にあるコンピュータ記憶媒体を含み得る。メモリ612は、取り外し可能、取り外し不可能、またはそれらの組み合わせであり得る。メモリ1212のためのハードウェアデバイスのいくつかの非限定的な例としては、固体メモリ、ハードドライブ、光学ディスクドライブなどが挙げられる。
【0041】
コンピューティングデバイス600は、メモリ612またはI/Oコンポーネント620などの様々なエンティティからデータを読み出す1つまたは複数のプロセッサ614を含み得る。提示コンポーネント616は、ユーザまたは他のデバイスにデータを示すものを提示し得る。例示的な提示コンポーネントは、ディスプレイデバイス、スピーカ、印刷コンポーネント、および同様のものを含み得る。
【0042】
I/Oポート618は、コンピューティングデバイス600が、I/Oコンポーネント620など、他のデバイスに論理的に結合されることを可能にし得、他のデバイスのいくつかは内蔵され得る。I/Oコンポーネント620の非限定的な例としては、マイク、ジョイスティック、ゲームパッド、パラボラアンテナ、スキャナ、プリンタ、またはワイヤレスデバイスを挙げることができる。I/Oコンポーネント620は、ユーザにより生成されるエアジェスチャ、音声、または他の生理的入力を処理するナチュラルユーザインターフェース(NUI)を提供し得る。いくつかの場合において、入力は、さらなる処理のために適切なネットワーク素子へ伝送され得る。NUIは、音声認証、タッチおよびスタイラス認証、顏認証、生体認証、画面上または画面近くの両方でのジェスチャ認証、エアジェスチャ、頭部および視線追跡、ならびにコンピューティングデバイス600上のディスプレイと関連付けられたタッチ認証の任意の組み合わせを実装し得る。コンピューティングデバイス600には、ジェスチャ検出および認証のため、立体カメラシステム、赤外線カメラシステム、RGBカメラシステム、およびこれらの組み合わせなど、カメラが装備され得る。追加的に、コンピューティングデバイス600には、動きの検出を可能にする加速度計またはジャイロスコープが装備され得る。
【0043】
コンピューティングデバイス600のいくつかの実施形態は、1つまたは複数の無線機624(または、同様のワイヤレス通信コンポーネント)を含み得る。無線機は、無線またはワイヤレス通信を伝送および受信し得る。コンピューティングデバイス600は、様々なワイヤレスネットワークを介して通信および媒体を受信するように適合されるワイヤレス端末であり得る。コンピューティングデバイス600は、他のデバイスと通信するために、符号分割多重アクセス(「CDMA」)、汎欧州デジタルセルラーシステム(「GSM」)、または時分割多重アクセス(「TDMA」)などのワイヤレスプロトコル、ならびに他のものを介して通信し得る。無線通信は、近距離接続、長距離接続、または近距離および長距離両方のワイヤレス電気通信接続の組み合わせであり得る。
【0044】
図7は、本明細書に開示される1つまたは複数の実施形態が用いられ得る、動作環境700の例証的なアーキテクチャのブロック図を示す。示されるアーキテクチャは、図5に示される動作環境500のより多くのコンポーネント/デバイスのうちの1つによって実装され得る。示されるアーキテクチャは、単に一例にすぎず、追加の、代替的な、またはより少ない数のコンポーネントを伴うアーキテクチャもまた、本開示の範囲内と見なされるべきであるということを理解されたい。単一コンポーネントまたは複数コンポーネントとして示されるコンポーネントもまた、単なる例であり、単一コンポーネントは、同じコンポーネントの複数反復または複数の構成サブコンポーネントを含み得、複数コンポーネントの機能は、単一コンポーネントによって達成され得るということをさらに理解されたい。
【0045】
動作環境700は、皮膚病(例えば、アトピー性皮膚炎、乾癬)を患う患者の継続的またはほぼ継続的なデジタルモニタリングのため、および必要に応じて、例えば、病態が悪化することが予測されるか、または確立したベースラインから著しく変化していることが検出されるとき、患者へのアラート通知をトリガするために使用され得る。その目的のため、動作環境700は、患者からヘルスケアデータおよび他のデータを集めるため、患者にアラート通知を提供するため、ならびに医師と患者との間の通信を促進するために、患者向けデバイス(例えば、ウェアラブルデバイス702a、患者ユーザデバイス702b、他のセンサ702cなど)を備え得る。患者向けデバイスおよび他のソース(例えば、他の文脈データソース740)から集められるデータは、ストレージ770(例えば、個人記録780)に格納され得る。分析コンポーネント(例えば、発赤予測器780、疾患進行トラッカ760)は、発赤を予測するため、および皮膚病(例えば、アトピー性皮膚炎、乾癬)の進行を追跡するために、格納したデータおよび他のデータを使用し得る。分析に基づいて、アラート通知が医師に送信され得る(例えば、医師ユーザデバイス708を通じて)。動作環境700のコンポーネントは、ネットワーク710を通じて相互接続され得る。
【0046】
患者向けデバイスに関して、これらのデバイスは、例えば、ウェアラブルデバイス702a、患者ユーザデバイス702b、および他のセンサ702cを含み得る。ウェアラブルデバイス702aは、任意の種類のウェアラブルデバイスを含み得、非限定的な例としては、スマートウォッチ、フィットネストラッカ、スマートリングなどが挙げられる。いくつかの実施形態において、ウェアラブルデバイス702aは、ヘルスケアアプリケーション722を含み得る。ヘルスケアアプリケーション722は、ヘルスケアデータを収集し、いくつかの場合においては、収集したデータの事前処理を実施し、データを患者ユーザデバイス702bに、または遠隔サーバ(例えば、発赤予測器750、疾患進行トラッカ760、またはストレージ770のうちの1つまたは複数を実装する)に伝送するために、ウェアラブルデバイス702aにインストールされるコンピュータプログラムであり得る。特に、ヘルスケアアプリケーション722は、センサ724からデータを集めるためにウェアラブルデバイスのオペレーティングシステムと(例えば、API呼び出しを通じて)インターフェースをとり得る。
【0047】
センサ724は、ウェアラブルデバイス702aを装着している患者からデータを継続的または定期的に集め得る任意のタイプのセンサを含み得る。例えば、センサ724は、指向性運動を決定するために加速度計、配向を検出するためにジャイロスコープ、および/または位置もしくは動きデータを集めるために任意の他のタイプのセンサを含み得る。センサ724は、体温を測定するために温度センサ(温度センサは、非生体であり得、周囲温度を測定し得るということを理解されたい)、心拍計、患者により促されるとき心電データを収集するために心電センサ、グルコースモニタ、汗モニタ、血中酸素飽和度モニタ、および/または任意の他のタイプの生体センサなど、生体センサを含み得る。これらのセンサは、対応するデータを収集するためにヘルスケアアプリケーション722によって(例えば、ウェアラブルデバイス702aのオペレーティングシステムに対するAPI呼び出しを通じて)トリガされ得る。代替的に、ウェアラブルデバイス702aは、ヘルスケアアプリケーション722を有さなくてもよく、トリガは、患者ユーザデバイス702bから(例えば、そのヘルスケアアプリケーション732から)、またはネットワーク710を通じて遠隔に、受信され得る。他の実施形態において、ウェアラブルデバイス702aはそれ自体が、センサ724を継続的または定期的に活性化していてもよく、収集したセンサデータを、ヘルスケアアプリケーション724(および/またはヘルスケアアプリケーション732、もしくはネットワーク710を介して接続される遠隔デバイス)に伝え得る。
【0048】
言い換えると、センサ724は、患者の積極的な関与なしに、受動的に患者データを収集していてもよい。例えば、センサ724は、センサ724がウェアラブルデバイス702a内にあり、患者に継続的に装着されることから、患者の身体的な動きおよび/または他の生体データをモニタリングしていてもよい。動きおよび生体データのこのような受動的収集は、患者の患者の連続的注意を必要とせず、負担がより少ない。
【0049】
患者ユーザデバイス702bは、患者により使用される任意の種類のコンピューティングデバイスを含み得る。例えば、患者ユーザデバイス702bは、スマートフォンなどの携帯電話、タブレットデバイス、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、および/または任意の他のタイプのコンピューティングデバイスを含み得る。ヘルスケアアプリケーション732は、患者ユーザデバイス702bにインストールされ得る。ヘルスケアアプリケーション732は、スタンドアロンアプリケーション(例えば、スマートフォンアプリ)またはウェブベースのアプリケーション(例えば、ブラウザを使用してアクセスされる)を含むと理解されたい。ヘルスケアアプリケーション732は、患者がアラート通知を閲覧し、医師と通信し、および/または健康関連データを能動的に入力するためのインターフェース(例えば、グラフィカルユーザインターフェース)を提供し得る。
【0050】
例として、ヘルスケアアプリケーション732は、ウェアラブルデバイスのセンサ724によって収集されるデータに基づいた予測に関するさらなる情報を集めるために使用され得る。例えば、受動的に収集した動きデータを使用して、サーバは、患者が通常のひっかき事象よりも高いことを検出し得る(例えば、PCT/US2021/038699号(国際公開第2021/262857号)に開示されるひっかき検出アルゴリズムによって検出されるように)。この決定に応答して、サーバは、アラート通知をヘルスケアアプリケーション732に伝送し得る。アラート通知は、例えば、「昨晩高い量のひっかき活動を検出しました。今朝の調子はどうですか?」であってもよく、患者に返答を促す。応答では、ヘルスケアアプリケーション732は、「疲労状態」、「熱っぽい」、「普段通り」などの選択を提供し得る。
【0051】
アラート通知に対応するプロンプトに加えて、ヘルスケアアプリケーション732は、定期的に(例えば、データ入力のトリガなしに)ヘルスケアデータを入力することをユーザに要求し得る。例えば、ヘルスケアアプリケーション732は、夜間のひっかき活動に関係なく、患者に毎朝どんな調子であるか入力することを促し得る。能動的に入力したデータの他の非限定的な例としては、体温(ウェアラブルデバイス702aのセンサ724によって収集されない場合)、便通、経験した痛みのレベル、ストレスレベル、不安レベル、処方薬の摂取の時間、運動活動(ウェアラブルデバイス702aによって捕捉されない場合)、処方薬の副作用、および/または患者の生活の質に影響を及ぼし得る任意の他のタイプのヘルスケアデータが挙げられる。
【0052】
ヘルスケアアプリケーション732はまた、患者に教育マテリアルを提供し得る。いくつかの実施形態における教育マテリアルは、行動変容奨励マテリアルに基づいた認知行動療法(CBT)を含み得る。これらのマテリアルは、ウェアラブルデバイス702aによって受動的に収集され、患者ユーザデバイス702bによって能動的に収集され、疾患進行トラッカ760によって分析されるデータに基づいて患者に提供され得る。CBTベースのマテリアルは、音声、ビデオ、および/またはテキストの形態にあり得、食事、運動、ストレス管理、および/または生活の質を維持することと関連付けられた任意の他の測定基準について、より健康的な選択をすることを患者に奨励し得る。教育マテリアルはまた、医師との双方向通信であり得る。例えば、ヘルスケアアプリケーション732は、音声通話、ビデオ通話、および/またはテキストメッセージの交換のための通信プラットフォームを提供し得る。患者は、ヘルスケアアプリケーション732自体を通じて質問を投げかけることができ、医師の返答は、ヘルスケアアプリケーション内に表示され得る。医師の返答は、皮膚病(例えば、アトピー性皮膚炎、乾癬)を管理することに関して健康的な選択をするように、教育的であり、患者に助言および奨励をするものであり得る。
【0053】
患者ユーザデバイス702b内のセンサ734は、加速度計、ジャイロスコープ、グルコースモニタ(例えば、赤外線カメラを使用)などの任意のタイプのセンサを含み得る。患者ユーザデバイス702bがモバイルデバイス(例えば、スマートフォン)である場合、患者ユーザデバイス702bもまた、センサ734を使用してユーザの動きをモニタし得る。センサ734は、一日を通して患者が歩いた歩数、および/または一日を通してユーザにより実施される他の活動(例えば、運動)を検出し得る。言い換えると、センサ734もまた、患者の動きデータを受動的に収集し得る。いくつかの実施形態において、センサ734は、能動的データ収集を可能にし得る。例えば、センサ734は、赤外線カメラを備え得、患者ユーザデバイス702bは、血糖値、血中酸素飽和度などの生物学的属性を検出するために、患者に指をカメラにかざすことを促し得る。
【0054】
カメラ736は、患者が皮膚病(例えば、アトピー性皮膚炎、乾癬)によって影響を及ぼされた領域の写真を撮るために使用し得る光学カメラを含み得る。写真は、ストレージ770に送信および/または医師に提供され得る。医師は、この写真を、診断目的(例えば、病態が改善しているか、悪化しているかを決定するため)、および/または治療目的(例えば、患者が摂取している薬の用量を調節すべきかどうかを決定するため)で使用し得る。
【0055】
他のセンサ702cは、患者の1つまたは複数の身体的または生物学的属性を測定する任意の種類のセンサであり得る。他のセンサ702cの例は、処方薬の消化活動に対する効果を測定し得る体内摂取可能センサであり得る。別の例は、パッチセンサが装着される身体部分の皮膚温度および/または動きなどの属性を測定するために、皮膚に装着され得るパッチセンサであり得る。センサ702cは、患者ユーザデバイス702bまたは動作環境700内の任意の他のデバイスに測定値を通信し得る血圧モニタをさらに含み得る。センサ702cの他の例としては、スマートファブリック、スマートベルト、皮下センサなどを挙げることができる。これらは、単にセンサのいくつかの例にすぎず、任意のタイプの身体装着型または非身体装着型センサが本開示の範囲内と見なされるべきである。非身体装着型センサは、インビジブルまたはインビジブルセンサデバイスと称され得る。
【0056】
他の文脈データソース740は、ウェアラブルデバイス702a、患者ユーザデバイス702b、および/または他のセンサ702cによって捕捉されるデータに追加の文脈を提供し得る。例えば、データソース740は、気象関連のデータソースであり得、患者が位置する領域の気象概況を提供する。別の場合において、データソース740は、疾患の有病率、一般的な教育レベル、一般的な収入レベル、および/または任意の他のタイプの文脈データなど、患者の地理的場所の他の属性を提供し得る。
【0057】
ウェアラブルデバイス702a、患者ユーザデバイス702c、他のセンサ702c、および他の文脈データソース740のうちの1つまたは複数によって受動的または能動的のいずれかで収集されるデータは、ネットワーク710を通じて動作環境内の他のコンポーネントによって受信され得る。ネットワーク710は、任意の種類の通信ネットワークを含み得る。例えば、ネットワーク710は、TCP/IPなどのプロトコルに対応するパケットスイッチングネットワークを含み得る。ネットワーク710はまた、有線電話およびワイヤレス電話の両方に対応する回路スイッチングネットワークを含み得る。したがって、ネットワーク710は、ワイヤ、ワイヤレス送信機、ワイヤレス受信機、信号中継器、信号増幅器、スイッチ、ルータ、通信衛星、ならびに/または任意の他のタイプのネットワークおよび通信デバイスなどのコンポーネントを含み得る。ネットワーク710のいくつかの非限定的な例としては、ローカルエリアネットワーク(LAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、インターネットなどの広域ネットワーク(WAN)などを挙げることができる。これらは、単に数少ない例にすぎず、動作環境の異なるコンポーネント間の任意の種類の通信連携が、本開示の範囲内と見なされるべきである。
【0058】
患者向けデバイスから受信されるデータは、ストレージ770に格納され得る。ストレージ770は、ハードドライブストレージ、固体ストレージ、データサーバストレージなど、任意の種類のストレージ技術を含み得る。単一のストレージ770が説明の明瞭性のために示されるが、ストレージ770は、複数の地理的に分散したコンポーネントを含むと理解されるべきである。例えば、ストレージ770は、複数のデータセンタに分散され、複数の冗長性レベルを組み込み得る。
【0059】
いくつかの実施形態において、ストレージ770は、対応する患者のためのデータを含む個人記録780を格納し得る。言い換えると、個人記録780は、患者と関連付けられ得る。しかしながら、この個人記録780ベースのデータ整理は、単に例であり、限定と見なされるべきではないということを理解されたい。任意の種類のデータ整理(例えば、リレーショナル、オブジェクト指向)が本開示の範囲内と見なされるべきである。
【0060】
示されるように、患者の個人記録780は、プロファイル/健康データ(例えば、電子カルテ(EHR)データ)781、センサデータ782、患者入力データ783、文脈データ784、および過去事象785を含み得る。これらは、個人記録780内のデータのいくつかの例にすぎず、追加のデータ、代替的なデータ、またはより少ないデータもまた、本開示の範囲内と見なされるべきである。
【0061】
プロファイル/健康データ781は、対応する患者の電子カルテを含み得る。したがって、プロファイル/健康データ781は、患者の継続した病状(例えば、アトピー性皮膚炎、乾癬)、患者が現在摂取している薬、アレルギー、家族歴、医師面談概要、医師からの他の覚書、および/または患者の任意の他のタイプのヘルスケアデータを含み得る。例えば、プロファイル/ヘルスケアデータ781は、発赤と関連付けられた情報を含み得、この情報は、発赤のタイミングおよび重症度を含む。いくつかの実施形態において、プロファイル/健康データ781は、他のエンティティからストレージ770に供給され得る。例えば、プロファイル/健康データ781は、ヘルスケア提供施設(例えば、病院)によって管理され得、動作環境700は、ヘルスケア提供施設からデータを取得し得る。
【0062】
センサデータ781は、ウェアラブルデバイス702aのセンサ724、患者ユーザデバイス702bのセンサ734、および/または他のセンサ702cなど、患者向けセンサからのデータであり得る。したがって、センサデータ781は、動きセンサ(例えば、加速度計および/またはジャイロスコープ)、生体センサ(例えば、血糖モニタ)からのデータを含み得る。センサデータ781は、データが収集されたときのタイムスタンプと関連して格納され得る。タイムスタンプは、動作環境100が一日を通して患者の活動を検出することを可能にし得る。本明細書で使用される場合、センサデータ782は、任意の種類の受動的に収集したデータ(例えば、ウェアラブルにより受動的に検出される動き)、またはセンサと能動的に関与する患者(例えば患者は、様々な生物学的属性を測定するために赤外線カメラの上に指を置く)によって捕捉されるデータを含むと理解されるべきである。
【0063】
患者入力データ783は、患者によって能動的に入力される(例えば、ヘルスケアアプリケーション732を通じて)任意の種類のデータを含み得る。したがって、患者入力データ783は、特定の時間点において調子はどうであったか(例えば、「疲労状態」、「鬱状態」、「良好」など)に関する患者の入力を含み得る。患者入力データ783は、センサ(例えば、センサ724、734、および/または702c)によって捕捉されない他の生体データをさらに含み得る。例えば、そのような生体データは、血糖値、血中酸素飽和度、血圧などを含み得る。センサデータ782と同様、患者入力データ783もまた、タイムスタンプを使用して整理され得る。言い換えると、タイムスタンプは、センサデータ782および患者入力データ783を相関させるために使用され得る。
【0064】
文脈データ784は、センサデータ782および/または患者入力データ783にさらなる文脈を提供し得る任意の種類の情報を含み得る。例えば、文脈データは、対応するセンサデータ782および/または患者入力データ783が収集されたときの気象条件を示し得る気象データであり得る。別の例として、文脈データ784は、患者の地理的場所における疾患(例えば、アトピー性皮膚炎、乾癬)の有病率、患者の地理的場所における教育および収入レベル、ならびに/または任意の他のタイプの文脈データを含み得る。センサデータ782および患者入力データ783と同様、文脈データ784もまた、タイムスタンプが押され得るため、これらの3つのタイプのデータは時間的に相関され得る。
【0065】
過去事象ログ785は、患者と関連付けられた事象の記録を含み得る。例えば、過去事象ログ785は、PCT/US2021/038699号(国際公開第2021/262857号)に開示されるひっかき検出アルゴリズムを使用して検出されるひっかきを含み得る。別の例として、過去事象ログはまた、患者によって報告されるような発赤を含み得る。過去事象ログ785は、臨床面談、処方箋調合および再調合、ならびに/または皮膚病(例えば、アトピー性皮膚炎、乾癬)を管理することと関連付けられた任意の他のタイプの事象に関する他の情報を含み得る。過去事象ログ785もまた、タイムスタンプが押され得、その結果として、これらのログは、センサデータ782、患者入力データ783、または文脈データ784のうちの1つまたは複数と時間的に相関され得る。
【0066】
分析コンポーネント(例えば、発赤予測器750および疾患進行トラッカ760)は、1つまたは複数の分析/機械学習モデルを生成/訓練するためにストレージ770内の個人記録780(および/または他のタイプのデータ)を使用し、次いで、発赤予測または疾患の長期管理のうちの1つまたは複数のためのモデルを展開し得る。
【0067】
発赤予測器750は、ひっかき事象(例えば、PCT/US2021/038699号(国際公開第2021/262857号)に開示されるアルゴリズムによって検出されるような)、文脈データ、および/または任意の他のタイプのデータに基づいて発赤を予測し得る。発赤予測器750は、予測モデル752を使用して発赤を予測し得る。予測モデル752は、まず、モデル訓練器752を使用して訓練され得る。モジュール訓練器は、訓練データを取得し、訓練データを事前処理し、訓練データを使用して教師ありまたは教師なし訓練手法のうちの1つまたは複数を使用して予測モデル752を訓練し得るコンピュータプログラム命令を含み得る。
【0068】
教師あり訓練手法を使用した訓練例において、モデル訓練器は、ひっかきデータ(例えば、過去事象ログ785から)、発赤データ(例えば、プロファイル/健康データ781、患者入力データ、文脈データ784、または過去事象ログ785のうちの1つまたは複数から)、および/または他の文脈データ(例えば、文脈データ784から)を取得し得る。したがって、発赤データは、ひっかきデータおよび/または他の入力データに対するラベリング(例えば、「発赤」または「発赤なし」)を提供し得、以て、モデル訓練器754が予測モデル752の予測誤差を最小限にすることを可能にする(例えば、バックプロパゲーションを通じて)。しかしながら、バックプロパゲーションは、一例にすぎず、任意のタイプの機械学習訓練が、本開示の範囲内と見なされるべきである。さらには、モデル訓練器754は、教師なし手法を使用して予測モデル752を訓練し得る。予測モデル752訓練および展開実施形態において、検出したひっかき事象と関連付けられた任意のタイプの情報が、文脈データと称され得る。例えば、個人記録780全体、または構成データの任意の組み合わせが、文脈データと称され得る。
【0069】
予測モデル752は、機械学習モデルとして本明細書では説明されるが、予測モデル752は、統計モデルを含み得るということを理解されたい。統計モデルの場合、モデル訓練器754は、統計モデルを生成するためにモデル生成器として機能し得る。統計モデルは、入力変数(例えば、ひっかきデータおよび他のデータ)のどの組み合わせが「発赤」出力を生じる可能性がより高く、入力変数のどの組み合わせが「発赤なし」出力を生じる可能性がより高いかを予測するために使用され得る。
【0070】
モデル訓練器754は、予測モデル752を継続的に訓練し得るということを理解されたい。例えば、グラウンドトゥルースが予測のために利用可能である場合(例えば、グラウンドトゥルースは、予測が正確であったか、不正確であったかを示し得る)、モデル訓練器754は、そのような正確または不正確な予測を使用して、予測モデル752を継続的に訓練し、またこれを改善し得る。
【0071】
モデルデプロイヤ756は、受信した入力データから発赤を予測するために、訓練した予測モデル752を使用するソフトウェアモジュールであり得る。例えば、新規ひっかきデータおよび/または他の文脈データは、特定の患者について受信され得、モデルデプロイヤ756は、受信した新規データを訓練した予測モデル752へと供給し得る。訓練した予測モデル752は、次いで、入力データに基づいて発赤の可能性を出力し得る。
【0072】
アラート通知生成器758は、受信した入力データに基づいて発赤のより高い可能性を示す訓練した予測モデル752に基づいて1つまたは複数のアラート通知を生成し得る。アラート通知は、ヘルスケアアプリケーション732によって表示されるように患者ユーザデバイス702bに対するものであり得る。この患者アラート通知は、患者が潜在的な発赤を未然に防ぐために治療を求める(例えば、ヘルスケアアプリケーション732を通じて医師と通信する)べきであるという患者に対するメッセージを含み得る。患者に対するメッセージの別の例は、処方薬の用量の増加(すなわち、既定の制限内で)であり得る。概して、アラート通知は、発赤の可能性を軽減するために行動を起こすきっかけを患者に与え得る。
【0073】
アラート通知の別の例は、医師への、例えば、医師ユーザデバイス708内のダッシュボードアプリケーション742へのアラート通知であり得る。このアラート通知は、患者が発赤のより高い可能性を有し得ることを医師に示し得る。アラート通知に応答して、医師は、患者と通信し(例えば、ダッシュボードアプリケーション742およびヘルスケアアプリケーション732によって提供される通信チャネルを使用して)、および/または、より高い用量の薬を処方するなどの他の措置を講じ得る。
【0074】
疾患進行トラッカ760は、動作環境760内に提供される分析の別の側面であり得る。疾患進行トラッカ760は、皮膚病(例えば、アトピー性皮膚炎、乾癬)がどれくらい進行しているか、患者の全般的健康に対する疾患の影響、疾患に対する薬の影響、および/または皮膚病の進行の任意の他の側面を決定するために、患者の健康の異なる側面を継続的に追跡し得る。追加的または代替的に、疾患進行トラッカ760は、病状が常軌から著しく逸脱していたかどうかを決定し得る。
【0075】
疾患の進行を追跡するため、および/または、病状が常軌から著しく逸脱していたかどうかを決定するため、疾患進行トラッカ760は、モデル生成器764を使用して分析モデル762を生成し得る。モデル生成器764は、ストレージから長期データ(例えば、プロファイル健康データ781、過去事象ログ785など)を取得し得るコンピュータプログラム命令を含み得る。この長期データは、分析モデル762を生成するためにモデル生成器764によって使用され得る。しかしながら、分析モデル762は、機械学習モデルであってもよく、モデル生成器764は、取得データを使用して機械学習モデルを訓練し得るということを理解されたい。したがって、分析モデル762を生成および展開することの以下の説明は、任意のタイプの機械学習モデルを訓練および展開することを含むと理解されたい。
【0076】
いくつかの実施形態において、モデル生成器764は、個々の患者のためのモデルを生成し得る。例えば、モデル生成器764は、個々の患者のための長期データを取得し、次いで対応する分析モデル762としてベースラインを確立し得る。ベースラインは、例えば、ひっかき、身体的活動、患者によって報告される調子(例えば、「疲労状態」)、および/または任意の他の属性の正常レベルを含み得る。したがって、これらの属性の組み合わせの正常レベルは、ベースラインとして確立され得る。
【0077】
いくつかの実施形態において、モデル生成器764は、集団レベルベースラインを生成し得る。例えば、モデル生成器764は、特定の基準、例えば、年齢、性別、地理的場所、民族性などを有する患者の集団のための長期データを取得し得る。収集したデータを分析して、モデル生成器764は、分析モデル762として集団レベルベースラインを確立し得る。モデルデプロイヤ766は、その後、集団レベルベースラインを使用して、個々の患者の病態が正常レベルから著しく逸脱していたかどうかを決定し得る。
【0078】
通信促進器768は、例えば、ヘルスケアアプリケーション732およびダッシュボードアプリケーション742を使用することによる、患者と患者との間の通信を促進し得る。例えば、分析モデル762が、疾患の状態が正常から著しく逸脱していたことを決定する場合、通信促進器768は、第1のアラート通知を患者に(例えば、ヘルスケアアプリケーションに表示されるように)、および第2のアラート通知を医師に(例えば、ダッシュボードアプリケーション742に表示されるように)伝送し得る。これらのアラートうちの1つまたは複数は、通信プロンプトを有し得る。例えば、患者への第1のアラートは、プロンプト「メッセージを担当医に送信」を有し得る。医師への第2のアラートは、「患者Aに連絡、患者の皮膚炎が悪化している可能性あり」であり得る。これらのプロンプトに応答して、非同期(例えば、テキストメッセージ交換を通じて)または同期(例えば、音声/ビデオチャット)通信チャネルが、ヘルスケアアプリケーション732とダッシュボードアプリケーション742との間に開かれ得る。
【0079】
医師ユーザデバイス708は、医師により使用される任意の種類のユーザデバイスであり得る。医師ユーザデバイス708の非限定的な例としては、携帯電話(例えば、スマートフォン)、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータなどを挙げることができる。医師ユーザデバイス708は、ダッシュボードアプリケーション742を有し得、これは、インストールされたスタンドアロンアプリケーション、またはブラウザを通じてアクセス可能なウェブベースのアプリケーションであり得る。ダッシュボードアプリケーション742は、個々の患者の疾患進行を示し得る。例えば、ダッシュボードアプリケーション742は、ひっかき事象が時間とともにどのように増加または減少したかを示すチャートを示し得る。ダッシュボードアプリケーションはまた、患者の健康の他の側面、例えば、ストレスおよび不安のレベルなどを示し得る。ダッシュボードアプリケーション742は、患者に処方される薬をさらに示し得る。
【0080】
図8は、本開示のいくつかの実施形態による、発赤予測のための予測モデルを訓練する例証的な方法800のフロー図を示す。例証的な方法800は、1つまたは複数のコンピューティングデバイス(例えば、動作環境500内で使用されるようなコンピューティングデバイス600)によって実施され得る。図8に示され、本明細書に説明される方法800のステップは、単に例証であり、追加の、代替的な、またはより少ない数のステップを伴う方法は、本開示の範囲内と見なされるべきであるということを理解されたい。
【0081】
ステップ802において、ひっかきデータセットが取得され得る。ひっかきデータセットは、PCT/US2021/038699号(国際公開第2021/262857号)に開示される実施形態によって生成され得る。ひっかきデータセットは、患者の集団のためのデータを含み得る。各患者について、対応するデータは、ある時間経過の間のひっかき(またはひっかき事象)の数を含み得る。例えば、ひっかきの数は、時間単位、日単位、週単位、および/または整理の任意の他の時間単位で整理され得る。ひっかき事象について、対応するデータはまた、ひっかきの持続時間を含み得る。例として、ある特定の患者が1時間の間に3回のひっかき事象を有する場合、第1のひっかき事象は3分間であり得、第2のひっかき事象は5分間であり得、第3のひっかき事象は2分間であり得る。
【0082】
ひっかきデータセットは、ひっかきの重症度を示すデータをさらに含み得る。いくつかの実施形態において、ひっかき事象の持続時間は、ひっかきの重症度の代理としての役割を果たし得る。例えば、より長いひっかき事象は、より短いひっかき事象よりも重症と見なされ得る。他の実施形態において、重症度は、ひっかきが個々のひっかき事象についてどれくらい激しかったかによって測定され得る。言い換えると、より大きい数の手の動きを伴うひっかき事象は、より少ない数の手の動きを伴う別のひっかき事象と比較してより重症であり得る。追加的に、手の動きの力強さもまた、例えば、加速度計データを使用して、記録され得る。例えば、より速い手の動きは、より遅い手の動きと比較して、より力強いひっかきを示し得る。これらは、ひっかきデータセット内のデータの単にいくつかの例にすぎず、他の形態のひっかきデータもまた、本開示の範囲内と見なされるべきである。
【0083】
ステップ804において、文脈データセットが受信され得る。文脈データセットは、EHR(例えば、図7に示されるEHR781)、気象予報データ、処方箋データ、および/または任意の他のタイプの患者データなど、様々なソースから受信され得る。文脈データセットは、ひっかきデータセットと関連付けられ得、追加情報、例えば、患者が発赤を経験したかどうか、を提供し得る。
【0084】
いくつかの実施形態において、文脈データは、患者が発赤を経験したかどうかを提供し得る。例えば、EHRは、発赤が検証されこと、および/または薬が発赤に対して処方されたことを示し得る。代替的に、患者は、発赤を経験したことをヘルスケアアプリケーションに入力していてもよく、これは、文脈データとして捕捉され得る。図7に関して説明されるように、文脈データセットは、様々なソースからのものであり、患者が発赤を経験したかどうかの指標を提供し得る。
【0085】
患者が発赤を経験したかどうかを示すことに加えて、文脈データセットは、ひっかき事象と関連付けられた追加情報を含み得る。追加情報は、ひっかき事象について、患者の人口統計情報、ひっかき事象が検出された時間における気象パターン、患者の地理的場所、患者により摂取される処方薬、患者の健康状態(例えば、肥満、高血圧、精神的疾患)、患者の家族歴などを含み得る。
【0086】
したがって、ひっかきデータセットおよび文脈データセットの組み合わせは、ステップ806において訓練のラベル付けデータセットを予測モデルに提供し得る。特に、ひっかきデータセット、および文脈データセットのいくつかの側面は、予測モデルを訓練するための入力パラメータを提供し得、対応する患者が発赤を経験したかどうかを示す文脈データセットの側面は、ラベル付けされた予測出力を提供し得る。発赤データセットおよび文脈データセットを使用して、予測モデルは、教師あり訓練手法により訓練され得る。例えば、各訓練反復は、出力を生成し得、これが予測出力と比較され得、予測モデルが予測出力により近い出力を生成するように、バックプロパゲーション技術が予測モデルを精緻化するために使用され得る。予測モデルのいくつかの非限定的な例としては、ランダムフォレスト、Light Gradient Boosting Machine(LGBM)、XGBoostなどのアンサンブル学習器、および/または、リカレントニューラルネットワーク(RNN)、長短期記憶(LSTM)、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)などの人工ニューラルネットワークを含み得る。しかしながら、これらは単に例にすぎず、他の予測/統計モデルが本開示の範囲内と見なされるべきであるということを理解されたい。
【0087】
予測モデルを訓練するこのような手法は単に例であり、他の手法もまた、本開示の範囲内と見なされるべきである。例えば、予測モデルは、教師なし訓練手法を使用して訓練され得る。他の例において、予測モデルは、統計モデルであり得、ステップ806は、取得したデータセットを使用して統計モデルを確立し得る。したがって、予測モデルを生成するため、または統計モデルを確立するための任意のタイプのデータ分析が、本開示の範囲内と見なされるべきである。
【0088】
図9は、本開示のいくつかの実施形態による、発赤予測のための訓練された予測モデルを使用する例証的な方法900のフロー図を示す。例証的な方法900は、1つまたは複数のコンピューティングデバイス(例えば、動作環境500内で使用されるようなコンピューティングデバイス600)によって実施され得る。図9に示され、本明細書に説明される方法900のステップは、単に例証であり、追加の、代替的な、またはより少ない数のステップを伴う方法は、本開示の範囲内と見なされるべきであるということを理解されたい。
【0089】
ステップ902において、患者(例えば、アトピー性皮膚炎または乾癬を患う患者)についての定期データが受信され得る。定期データは、ある時間期間にわたる患者のひっかきデータを含み得る。例えば、ひっかきデータは、ウェアラブルからの受動的に収集した動きデータ、およびヘルスケアアプリケーションからの能動的に収集したデータを使用して生成され得る。ひっかきデータは、ひっかき事象の数、ひっかき事象の重症度、およびひっかき事象と関連付けられた任意の他の属性を示し得る。ひっかきデータに加えて、他の文脈データも定期データに含まれ得る。他の文脈データは、例えば、気象データ、人口統計データなどを含み得る。皮膚病と関連付けられた任意の形態の定期データは、本開示の範囲内と見なされるべきである。
【0090】
ステップ904において、受信した定期的な日付は、訓練された予測モデルへ供給され得る。予測モデルは、方法800のステップを使用して訓練されていてもよい。訓練された予測モデルは、任意のタイプの確立された統計モデルを含むとも理解されるべきである。予測モデルのいくつかの非限定的な例としては、ランダムフォレスト、Light Gradient Boosting Machine(LGBM)、XGBoostなどのアンサンブル学習器、および/または、リカレントニューラルネットワーク(RNN)、長短期記憶(LSTM)、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)などの人工ニューラルネットワークを含み得る。統計モデルの場合、ステップ904は、受信した定期データが生成する起こり得る結果(例えば、発赤を示す結果)に著しく近いかどうかを決定するために、統計値(例えば、z統計値)を比較することを含み得る。しかしながら、これらは単に例にすぎず、他の予測/統計モデルが本開示の範囲内と見なされるべきであるということを理解されたい。
【0091】
ステップ906において、予測モデル(または統計モデル)は、発赤の可能性を示す出力を生成する。発赤の可能性は、供給された入力が発赤と関連付けられる、および発赤と関連付けられない確率の対応するものを示し得る。例えば、出力は、発赤90%の確率、および発赤なし10%の確率であり得る。
【0092】
ステップ908において、1つまたは複数のアラート通知は、予測モデルの出力に基づいてトリガされ得る。例えば、予測モデルが発赤のより高い可能性を生成する場合、アラート通知は、患者ユーザデバイスにインストールされたヘルスケアアプリケーションへとトリガされ得る。アラート通知は、発赤が差し迫っており、患者が医師に連絡を取るべきであることを示し得る。アラート通知はまた、患者が医師と同期または非同期通信を開始するための選択肢を提供し得る。別のアラート通知は、医師のダッシュボードに送信され得る。このアラート通知は、患者を特定し、発赤が差し迫り得ることを医師に示し得る。アラート通知はまた、医師が患者と同期または非同期通信を開始し、処方箋を薬局に伝送し、および/または任意の他の緩和措置をとるための選択肢を提供し得る。
【0093】
図10は、本開示のいくつかの実施形態による、皮膚病のベースライン疾患挙動の分析モデルを生成する例証的な方法1000のフロー図を示す。例証的な方法1000は、1つまたは複数のコンピューティングデバイス(例えば、動作環境500内で使用されるようなコンピューティングデバイス600)によって実施され得る。図10に示され、本明細書に説明される方法1000のステップは、単に例証であり、追加の、代替的な、またはより少ない数のステップを伴う方法は、本開示の範囲内と見なされるべきであるということを理解されたい。
【0094】
ステップ1002において、患者(例えば、アトピー性皮膚炎または乾癬を患う患者)からのヘルスケアデータが定期的に受信され得る。例えば、定期的に受信したデータは、ウェアラブルデバイス(例えば、スマートウォッチ)および/もしくはインビジブルから受動的に収集されるデータ、ならびに/またはヘルスケアアプリケーション(例えば、スマートフォンにインストールされる)を通じて能動的に収集される、ヘルスケアデータを含み得る。受動的に収集したデータは、例えば、動きデータおよび他の生体データ(例えば、心拍数)を含み得る。能動的に収集したデータは、例えば、患者の気持ちの状態、摂取されている処方薬、および/または患者によって入力される他の生体データを含み得る。
【0095】
したがって、データのこのような定期的な収集は、皮膚病(例えば、アトピー性皮膚炎、乾癬)の進行を示す時系列データセットであり得る。したがって、このような収集は、ベースライン健康行動(および/または機械学習モデル)の分析モデルを確立するためにステップ1004において使用され得る。ベースライン健康行動の分析モデルは、例えば、ひっかき事象、患者の気持ちの状態(例えば、ストレスおよび不安レベル)、患者の活動レベル、および/または皮膚病の継続した病態と関連付けられた任意の他の属性などの変数の組み合わせの正規分布を示し得る。機械学習モデルのいくつかの非限定的な例としては、ランダムフォレスト、Light Gradient Boosting Machine(LGBM)、XGBoostなどのアンサンブル学習器、および/または、リカレントニューラルネットワーク(RNN)、長短期記憶(LSTM)、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)などの人工ニューラルネットワークを含み得る。しかしながら、これらは単に例にすぎず、他の予測/統計モデルが本開示の範囲内と見なされるべきであるということを理解されたい。
【0096】
ステップ1006において、生成した分析モデルは、今後のヘルスケアデータとの比較のために格納され得る。ヘルスケアデータが継続して収集されるため、そのような比較は、今後収集したヘルスケアデータが予測した分布範囲内であるか、または予測した分布範囲から著しく逸脱するかの決定を可能にし得る。
【0097】
図11は、本開示のいくつかの実施形態による、現在の観察挙動がベースライン疾患挙動から著しく逸脱するかどうかを決定するために分析モデルを展開する例証的な方法1100のフロー図を示す。例証的な方法1100は、1つまたは複数のコンピューティングデバイス(例えば、動作環境500内で使用されるようなコンピューティングデバイス600)によって実施され得る。図11に示され、本明細書に説明される方法1100のステップは、単に例証であり、追加の、代替的な、またはより少ない数のステップを伴う方法は、本開示の範囲内と見なされるべきであるということを理解されたい。
【0098】
ステップ1102において、患者(例えば、アトピー性皮膚炎または乾癬を患う患者)についての最近のヘルスケアデータが受信され得る。最近のヘルスケアデータは、例えば、ウェアラブルまたはインビジブルを通じて、受動的に収集され得、および/または能動的に、例えば、患者にデータをヘルスケアアプリケーションに入力することを促す。そのような最近のヘルスケアデータは、患者が継続してモニタされ得るため、継続的に集められ得る。
【0099】
ステップ1104において、最近のヘルスケアデータは、確立した分析モデル(例えば、方法1000によって生成される分析モデル)と比較され得る。この比較は、最近のヘルスケアデータが、確立したベースライン健康行動(分析モデルによって示されるような)から統計的に著しい逸脱を示すかどうかを決定することを含み得る。しかしながら、確立した分析モデルとの比較は単なる例にすぎず、結果予測(例えば、疾患の悪化を予測すること)のために機械学習モデルを使用することもまた本開示の範囲内と見なされるべきであるということを理解されたい。機械学習モデルのいくつかの非限定的な例としては、ランダムフォレスト、Light Gradient Boosting Machine(LGBM)、XGBoostなどのアンサンブル学習器、および/または、リカレントニューラルネットワーク(RNN)、長短期記憶(LSTM)、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)などの人工ニューラルネットワークを含み得る。しかしながら、これらは単に例にすぎず、他の予測/統計モデルが本開示の範囲内と見なされるべきであるということを理解されたい。
【0100】
ステップ1106において、1つまたは複数の通知が比較に基づいてトリガされ得る。例えば、患者ヘルスケア行動が、確立したヘルスケア行動から著しく逸脱していたことが決定される場合、アラート通知が、医師との同期または非同期通信を開始するために患者に送信され得る。追加的または代替的に、別のアラート通知が、患者との同期または非同期通信を開始するために医師に送信され得る。
【0101】
図12A図12Dは、本開示のいくつかの実施形態による、例証的な患者向けインターフェース1200a~1200dを示す。インターフェース1200a~1200dは、任意のタイプの患者向けデバイス(例えば、図5に示されるような患者ユーザデバイス502)に表示され得る。インターフェース1200a~1200dは、任意のタイプの動作環境(例えば、図5に示される動作環境500、図7に示される動作環境700など)によって実施される分析(例えば、機械学習/統計ベースの予測)に基づいて生成され得る。
【0102】
図12Aに示されるように、初期インターフェース1200aは、図形オブジェクト1202を含み得る。図形オブジェクトは、アラート状態またはアラートなし状態を示すための「交通信号」タイプの記号に基づき得る。例えば、「青信号」1204は、皮膚病(例えば、アトピー性皮膚炎、乾癬など)が制御下にあり、症状に変化が見られないことを示し得る。「黄信号」1206は、皮膚病が流動的であり得ることを示し得る。言い換えると、黄信号1206は、症状のいくつかの変化が観察されていることを示し得る。「赤信号」1208は、差し迫った発赤および/または皮膚病の他のタイプの悪化が予測されていることを示し得る。患者は、信号1204、1206、および1208のいずれかを選択し得、これに基づいて、更新されたインターフェース1200b~1200dのうちの1つが、関連情報、教育、および/または要処置事項を提供し得る。
【0103】
図12Bは、患者がインターフェース1200a内で青信号1204を選択するときに生成され得る例証的な更新された患者向けインターフェース1200bを示す。これに応じて、更新されたインターフェース1200bは、制御された皮膚病を示すアイコン1210、および皮膚病が制御下にあることを同様に示すテキスト1212を示し得る。示されるように、テキスト1212は、「症状の変化が2週間観察されなかった」ことを示し得る。しかしながら、このタイミングは例として使用されるにすぎず、限定と見なされるべきではない。更新されたインターフェース1200bは、制御下にある皮膚病を患者に通知する別のテキスト1214をさらに提供し得る。テキスト1214はまた、適切なアイコン1218(睡眠に関する提案またはさらなる情報を受信するため)、1216(ライフスタイルに関する提案またはさらなる情報を受信するため)、1224(ひっかきおよびかゆみに関する提案またはさらなる情報を受信するため)、および1220(病斑に関する提案またはさらなる情報を受信するため)のうちの1つまたは複数をクリックすることを患者に促し得る。これらのアイコン1216、1218、1220、および1224は、患者の医師との診察において対応する提案およびさらなる情報を提供し得る。例えば、睡眠アイコン1218を選択すると、患者は、皮膚病を制御し続けるために推奨される睡眠の量に関する提案を受信し得る。
【0104】
図12Cは、患者がインターフェース1200a内で黄信号1206を選択するときに生成され得る例証的な更新された患者向けインターフェース1200cを示す。これに応じて、更新されたインターフェース1200cは、「流動的な」皮膚病を示すアイコン1230、および皮膚病が流動的であることを同様に示すテキスト1232を示し得る。示されるように、テキスト1232は、「症状の変化を記録した」ことを示し得る。更新したインターフェース1200cは、皮膚病の症状が最近増加したことを患者に通知する別のテキスト1234をさらに提供し得る。テキスト1234はまた、適切なアイコン1238(睡眠に関する提案またはさらなる情報を受信するため)、1236(ライフスタイルに関する提案またはさらなる情報を受信するため)、1244(ひっかきおよびかゆみに関する提案またはさらなる情報を受信するため)、および1240(病斑に関する提案またはさらなる情報を受信するため)のうちの1つまたは複数をクリックすることを患者に促し得る。これらのアイコン1236、1238、1240、および1244は、患者の医師との診察において対応する提案およびさらなる情報を提供し得る。例えば、睡眠アイコン1238を選択すると、患者は、最近記録した症状を軽減するために推奨される睡眠の量に関する提案を受信し得る。
【0105】
図12Dは、患者がインターフェース1200a内で赤信号1208を選択するときに生成され得る例証的な更新された患者向けインターフェース1200dを示す。これに応じて、更新されたインターフェース1200dは、活発な発赤皮膚状態を示すアイコン1250、および発赤が観察または予測されていることを同様に示すテキスト1252を示し得る。更新したインターフェース1200dは、症状(例えば、発赤)の活発な発病が観察または予測されていることを患者に通知する別のテキスト1254をさらに提供し得る。テキスト1254はまた、適切なアイコン1258(睡眠に関する提案またはさらなる情報を受信するため)、1256(ライフスタイルに関する提案またはさらなる情報を受信するため)、1264(ひっかきおよびかゆみに関する提案またはさらなる情報を受信するため)、および1260(病斑に関する提案またはさらなる情報を受信するため)のうちの1つまたは複数をクリックすることを患者に促し得る。これらのアイコン1256、1258、1260、および1264は、患者の医師との診察において対応する提案およびさらなる情報を提供し得る。例えば、睡眠アイコン1258を選択すると、患者は、活発な症状を管理するために推奨される睡眠の量に関する提案を受信し得る。
【0106】
図13A図13Cは、本開示のいくつかの実施形態による、例証的な医師向けインターフェースを1300a~1300cを示す。インターフェース1300a~1300cは、任意のタイプの医師向けデバイス(例えば、図5に示されるような医師ユーザデバイス508)に表示され得る。インターフェース1300a~1300cは、任意のタイプの動作環境(例えば、図5に示される動作環境500、図7に示される動作環境700など)によって実施される分析(例えば、機械学習/統計ベースの予測)に基づいて生成され得る。
【0107】
示されるように、初期インターフェース1300aは、ある患者の任意のタイプの皮膚病についての重症度スコアのチャート1302を示し得る。重症度スコアは、ある持続時間(例えば、1か月)の間のものであり得る。インターフェース1300aは、医師が重症度スコアの成分を観察することを可能にし得る。例えば、チャート1302内の選択は、チャート1302内に示される重症度スコアを形成するひっかきスコアのチャート1304を示し得る、図13Bに示されるような更新したインターフェース1300bを生成し得る。別の例として、チャート1302内の別の選択は、チャート1302内に示される重症度スコアを形成する睡眠スコアのチャート1306を示し得る、図13Cに示されるような別の更新したインターフェース1300cを生成し得る。したがって、インターフェース1300a~1300cを使用して、医師は、患者の皮膚病の進行を追跡することができてもよい。
【0108】
本開示がその趣旨および本質的特徴から逸脱することなく他の特定の形態で具現化され得るということは、当業者により理解されるものとする。したがって、ここに開示された実施形態は、あらゆる点に関して例証的であると見なされ、制限されない。本開示の範囲は、先述の説明ではなく、添付のクレームによって示され、その意味および範囲および等価物に伴うすべての変更は、そこに包含されることが意図される。
【0109】
「含む」および「備える」という用語は、「含むが、これに限定されない」を意味するものと解釈されるべきであるということに留意されたい。クレーム内に依然として明示的に明記されない場合、「a(1つの)」は、「少なくとも1つ」と解釈されるべきであり、「その」、「上記」などは「少なくとも1つ」、「上記少なくとも1つ」などとして解釈されるべきである。さらには、「~のための手段」または「~のためのステップ」という表現言語を含むクレームのみが、米国特許法112条(f)の下で解釈されるというのが出願者の意図である。「~のための手段」または「~のためのステップ」という表現を明示的に含まないクレームは、米国特許法112条(f)の下で解釈されないものとする。
図1
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図12A
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図13A
図13B
図13C
【国際調査報告】