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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-09
(54)【発明の名称】弁尖拡張器
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/24 20060101AFI20241226BHJP
【FI】
A61F2/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024537535
(86)(22)【出願日】2022-12-14
(85)【翻訳文提出日】2024-06-20
(86)【国際出願番号】 IB2022062188
(87)【国際公開番号】W WO2023119065
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】63/292,353
(32)【優先日】2021-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521013769
【氏名又は名称】エドワーズ ライフサイエンシーズ イノベーション (イスラエル) リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヴァレンティナ・ルバン
(72)【発明者】
【氏名】カルメル・ペレグ
(72)【発明者】
【氏名】ヤロン・ヘルマン
(72)【発明者】
【氏名】アンナ・コドス
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA27
4C097BB01
4C097CC01
4C097CC02
4C097CC05
4C097CC16
4C097DD01
4C097DD11
4C097EE13
4C097FF11
4C097SB02
(57)【要約】
心臓の第一の弁尖のための拡張器(30)であって、第一の弁尖が、唇縁および根を有し、弁が、第二の弁尖を有する、拡張器。拡張器は、第一のパネル(62)と、第二のパネル(64)と、第一のパネルに結合されたアンカー(38)と、を備える。一部の用途では、第二のパネルは、関節接続可能なカップリング(66)によって、第一のパネルに関節接続可能に結合される。拡張器は、第一のパネルと第二のパネルとの間の角度配置を増加させることによって、それによって、関節接続可能なカップリングの反対側のパネル間の開口部(40)の寸法を増加させることによって、拡張可能である。拡張器は、角度配置を低減することによって、折り畳み可能である。アンカーは、関節接続可能なカップリングが唇縁および開口部よりも根の近くに配置されるように、第一のパネルを第一の弁尖に固定するように構成される。他の用途も説明する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
心臓の弁の第一の弁尖のための拡張器を備える装置であって、前記第一の弁尖が、唇縁を有し、前記弁が、第二の弁尖および弁輪を有し、前記弁が、前記心臓の心房と心室との間に配置され、前記第一の弁尖の根が、前記弁輪に取り付けられ、前記拡張器が、
第一のパネルと、
関節接続可能なカップリングによって前記第一のパネルに関節接続可能に結合された第二のパネルであって、その結果、前記拡張器は、
前記第一のパネルと前記第二のパネルとの間の角度配置を増加させることによって、それによって、前記関節接続可能なカップリングの反対側の前記第一のパネルと前記第二のパネルとの間に画定された開口部の寸法を増加させることによって、拡張可能であり、
前記角度配置を低減することによって、折り畳み可能である、第二のパネルと、
前記第一のパネルに結合され、前記第一のパネルを前記第一の弁尖に固定するように構成されたアンカーであって、その結果、
前記第一のパネルは、前記第一の弁尖に対して配置され、
前記関節接続可能なカップリングは、前記唇縁および前記開口部よりも前記根の近くに配置される、アンカーと、を備える、装置。
【請求項2】
前記装置は、滅菌される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記アンカーは、前記拡張器が心室収縮中に拡張し、心室拡張中に折り畳まれるように、前記第一のパネルを前記第一の弁尖に固定するように構成される、請求項1~2のいずれか一項に記載の装置。
【請求項4】
前記アンカーは、前記開口部が前記心室に面するように、前記第一のパネルを前記第一の弁尖に固定するように構成される、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記第一のパネルと前記第二のパネルとの間の前記角度配置を制限することによって、前記拡張器の拡張を制限する様式で、前記第一のパネルおよび前記第二のパネルに接続された可撓性コネクタをさらに備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記アンカーは、前記第一のパネルの唇縁よりも前記関節接続可能なカップリングに近い前記第一のパネルに結合される、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記第一のパネルおよび前記第二のパネルの各々は、実質的に円形または楕円形の形状である、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記第一のパネルおよび前記第二のパネルの各々は、実質的に長方形の形状である、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記第一のパネルは、前記第一の弁尖の形状に適合するように十分に可撓性である、請求項1~8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記第一のパネルは、前記アンカーによって前記第一のパネルを前記第一の弁尖に固定することが、前記第一の弁尖が前記第一の弁尖の前記唇縁を越えて張り出すように、寸法設定される、請求項1~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記第二のパネルは、各パネルの縁部の全長に沿って、前記第一のパネルに関節接続可能に結合される、請求項1~10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記第二のパネルは、各パネルの縁部の部分的な長さに沿って、前記第一のパネルに関節接続可能に結合される、請求項1~11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記関節接続可能なカップリングは、ステッチを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記関節接続可能なカップリングは、ヒンジを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記関節接続可能なカップリングは、屈曲部を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記アンカーは、クリップを含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記アンカーは、組織穿孔要素を含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記拡張器は、前記アンカーによって前記第一のパネルを前記第一の弁尖に固定することが、心室収縮中の前記弁を通る血液の逆流を阻害する前記弁の効率を増加させるように、構成される、請求項1~17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
前記第一のパネルは、前記アンカーによって前記第一のパネルを前記第一の弁尖に固定すると、前記第一のパネルが前記第一の弁尖の前記唇縁を越えて張り出すように、寸法設定される、請求項1~18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
前記第二のパネルは、前記第一のパネルの縁部を越えて張り出すように寸法設定される、請求項1~19のいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
前記第一の弁尖は、動揺する弁尖であり、前記拡張器は、前記第二のパネルが前記第二の弁尖と接合し、それによって、前記第一の弁尖の動揺を阻害するように、前記動揺する第一の弁尖に固定されるように構成される、請求項1~20のいずれか一項に記載の装置。
【請求項22】
前記第二の弁尖は、動揺する弁尖であり、前記拡張器は、前記第二のパネルが前記動揺する第二の弁尖と接合し、それによって、前記第二の弁尖の動揺を阻害するように、前記第一の弁尖に固定されるように構成される、請求項1~21のいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
前記拡張器は、前記第一のパネルが前記アンカーによって前記第一の弁尖に固定される間、前記拡張器の拡張により、前記弁を通る血液の逆流が低減されるように、構成される、請求項1~22のいずれか一項に記載の装置。
【請求項24】
前記拡張器は、前記第一のパネルおよび前記第二のパネルを画定するように形状設定されるポリマーを含む、請求項1~23のいずれか一項に記載の装置。
【請求項25】
前記拡張器は、前記第一のパネルおよび前記第二のパネルを画定するように形状設定されるシリコーンを含む、請求項1~24のいずれか一項に記載の装置。
【請求項26】
前記第一のパネルに結合され、そこから延在し、前記アンカーが前記第一のパネルを前記第一の弁尖に固定する間に、心室組織に取り付けられるように構成されたテザーをさらに備える、請求項1~25のいずれか一項に記載の装置。
【請求項27】
前記アンカーは、弁尖アンカーであり、前記装置は、前記テザーに結合され、かつ前記弁尖アンカーが前記第一のパネルを前記第一の弁尖に固定する間に、前記テザーを前記心室組織に固定するように構成された、心室アンカーをさらに備える、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記心室組織は、前記心室の壁の組織である、請求項26に記載の装置。
【請求項29】
前記心室組織は、乳頭筋の組織である、請求項26に記載の装置。
【請求項30】
前記心室アンカーは、前記テザーの張力の調整を容易する様式で、前記テザーに結合される、請求項26に記載の装置。
【請求項31】
前記心室アンカーに結合されたウインチをさらに備え、前記アンカーが、前記テザーの前記張力が前記ウインチの作動によって調整可能であるように、前記ウインチを介して、前記テザーに結合される、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
少なくとも前記第一のパネルは、細胞増殖誘導材料を含む、請求項1~31のいずれか一項に記載の装置。
【請求項33】
前記第二のパネルは、細胞増殖誘導材料を含む、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記第二のパネルは、細胞増殖阻害材料から形成される、請求項32に記載の装置。
【請求項35】
前記第一のパネルおよび前記第二のパネルの各々は、可撓性織物を含む、請求項1~34のいずれか一項に記載の装置。
【請求項36】
前記拡張器は、少なくとも一つのフレームをさらに備える、請求項35に記載の装置。
【請求項37】
前記少なくとも一つのフレームは、前記織物を強化する役割を果たす、請求項36に記載の装置。
【請求項38】
前記第一のパネルおよび前記第二のパネルの各々の前記織物は、前記少なくとも一つのフレームが前記織物を支持するように、前記少なくとも一つのフレームの上に配置される、請求項36に記載の装置。
【請求項39】
前記少なくとも一つのフレームは、フープを画定するように形状設定される、請求項36に記載の装置。
【請求項40】
前記少なくとも一つのフレームは、クロスバーを画定するH字形状を有し、前記Hの前記クロスバーが、前記パネルの面を横断する、請求項36に記載の装置。
【請求項41】
前記少なくとも一つのフレームは、各パネルの少なくとも一つの縁部に沿って位置決めされる、請求項36に記載の装置。
【請求項42】
前記少なくとも一つのフレームは、第一のフレームおよび第二のフレームを含み、前記第一のフレームが、前記第二のフレームに関節接続可能に結合される、請求項36に記載の装置。
【請求項43】
前記少なくとも一つのフレームは、前記第二のパネルが前記第一のパネルに関節接続可能に結合される関節接続部位を有する、単一の一体型フレームを備える、請求項36に記載の装置。
【請求項44】
前記一体型フレームは、前記第一のパネルおよび前記第二のパネルを、その間に所定の角度配置をとるように付勢する弾性材料を含む、請求項43に記載の装置。
【請求項45】
前記一体型フレームは、前記第一のパネルと前記第二のパネルとの間に屈曲接続を画定する弾性材料を含む、請求項43に記載の装置。
【請求項46】
前記少なくとも一つのフレームは、前記織物に縫い付けられる、請求項36に記載の装置。
【請求項47】
前記第一のパネルおよび前記第二のパネルの各々について、
前記可撓性織物は、前記少なくとも一つのフレームの第一の側面の上に配置された第一の織物層を画定し、
前記パネルは、前記フレームが前記第一の織物層と第二の織物層との間に挟まれるように、前記少なくとも一つのフレームの第二の側面の上に配置された前記第二の織物層をさらに含む、請求項36に記載の装置。
【請求項48】
前記少なくとも一つのフレームおよび前記織物は、前記少なくとも一つのフレームおよび前記織物が予め張力がかけられるように、互いに対して寸法設定される、請求項36に記載の装置。
【請求項49】
前記織物が前記少なくとも一つのフレームの上に配置される場合、前記少なくとも一つのフレームは、特定の形態および形状を、前記パネルに提供する、請求項48に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2021年12月21日出願の「Leaflet Augmentor With extending Coaptation Surface」と題する、Rubanらの米国仮特許出願第63/292,353号の優先権を主張するものであって、全ての目的のために、参照により、本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
心臓弁は、様々な原因による損傷を受ける。損傷した弁は、心室収縮中に心室から心房までの血液の逆流をもたらし得、最終的に心不全を引き起こす。損傷した弁を通る逆流を防止するように設計されたデバイスは、有用であり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の概要は、一部の実施例を提供することを意図しており、本発明の範囲をいかようにも制限することを意図したものではない。例えば、本発明の概要のある実施例中に含まれるいかなる特徴も、特許請求の範囲がそれらの特徴を明示的に列挙しない限り、特許請求の範囲による要件とはならない。また、本発明の概要および本開示の他の箇所における実施例で説明する、特徴、構成要素、ステップ、概念等は、様々な方法で組み合わせることができる。本開示の該当箇所記載の様々な特徴およびステップは、本明細書に要約される実施例に含まれ得る。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書に記載の例示的な用途は、例えば、弁尖の動揺、脱出、または異常な弁尖の動きを減少させることによって、弁の弁尖の間の接合を改善することによって、心臓弁を通る逆流を低減するためのシステム、装置、デバイス、および方法を対象とする。例えば、弁尖拡張器が記載される。用語である拡張器(augmenterおよびaugmentor)は、本明細書で使用される場合、互換性があり、同一の対象物を意味する。
【0005】
一部の用途では、弁尖拡張器は、二つの関節接続可能に結合されたパネルを備える。第一のパネルは、アンカー、例えば、組織穿孔要素、Tバー、織り糸、縫合糸、ピン、クリップ、または係止要素によって、第一の弁の弁尖に固定可能である。第二のパネルは、第二のパネルが心臓収縮サイクルの段階中に、第一のパネルから離れる、またはそれに向かって移動するように、関節接続可能なカップリングを介して、拡張可能または折り畳み可能である。すなわち、心室拡張中、第二のパネルが、弁を通る血流に応答して、第一のパネルに向かって移動する一方、心室収縮中、第二のパネルは、心室内圧力の増加に起因して、第一のパネルから離れるように移動する。弁が閉じると、第二のパネルは、拡張器の移植前に、第一の弁尖と適切に接合しなかった第二の弁の弁尖と接合する。
【0006】
一部の用途では、可撓性コネクタは、第一のパネルと第二のパネルとの間の開口部の角度範囲を制限することによって、拡張器の拡張を制限する様式で、第一のパネルと第二のパネルとの間に配置される。一部の用途では、可撓性コネクタは、第一および第二のパネルの唇縁を接続し得る。一部の用途では、可撓性コネクタは、第一および第二のパネルの側方縁部を接続し得る。
【0007】
コネクタは、少なくとも一つのワイヤ、ひも、または織り糸を備え得る。一部の用途では、コネクタは、可撓性の第三のパネルを備える。第三のパネルは、透過性ネット、例えば、オープンメッシュ織物、織り込まれた糸のウェブ、または他の実質的に開いた構造を含み得る。一部の用途では、第三のパネルは、蛇腹折りを有する。
【0008】
コネクタが第三のパネルを備える一部の用途では、拡張器は、例えば、第三および第四のパネルの各々が、第一および第二のパネルのそれぞれの側方縁部を接続する、可撓性の第四のパネルをさらに備える。このような配置により、拡張器が安定化され得、第一のパネルと第二のパネルとの間の開口部の範囲が制限され得る。
【0009】
コネクタは、細胞増殖阻害物質を含み得る。コネクタは、細胞増殖促進物質を含み得る。
【0010】
パネルは、実質的に長方形の形状または実質的に楕円形の形状を有し得、または異なる好適な形状を有し得る。
【0011】
パネルは、可撓性織物を含むことができる。一部の用途では、織物は、組織成長促進特性または組織成長阻害特性を有し得る。一部のこのような用途では、各パネルの一方の側面は、パネルの反対側の織物とは異なる特性を有する織物を含み得、および/または一方のパネルの織物は、他方のパネルの織物とは異なる特性を有し得る。
【0012】
一部の用途では、拡張器は、弾性であり得るフレームを備える。パネルが織物を含む用途では、フレームは、織物を支持することができる。各パネルは、フレームが挿入される二層の織物区画を備えることができる。弾性フレームは、織物フレーム内で予め張力がかけられ得る。
【0013】
拡張器がフレームを備える一部の用途では、拡張器の拡張を制限する可撓性コネクタを備える拡張器に加えて、またはそれに代えて、フレーム自体は、拡張器の拡張を制限し得る。関節接続可能なカップリングはまた、本明細書で以下に記載されるように、一方または両方のパネル内に円周方向に配置されたフレームの一部であり得る。
【0014】
拡張器は、その間に所定の角度配置を有する第一のパネルおよび第二のパネルに向かって付勢され得る。一部の用途では、第一のパネルと第二のパネルとの間のカップリングは、拡張器の拡張の制限に寄与し得る。カップリングを使用し得、拡張器を、折り畳み状態または拡張状態のいずれかにある二つのパネルに向かって付勢する。一部の用途では、関節接続可能なカップリング、例えば、ヒンジの剛性は、弁を通る血流に応答するように付勢され、その結果、拡張期の間に心房から心臓の心室に通過する血液の圧力は、第二のパネルを、第一のパネルに対して折り畳む傾向がある。
【0015】
一部の用途では、拡張器は、関節接続可能なカップリング自体以外の手段によって、拡張または折り畳み状態に向かって付勢され得る。例えば、フレームの弾性および/または形状記憶部は、このような付勢を提供し得る。
【0016】
一部の用途では、離散ばね(例えば、ねじりばね、板ばね、カンチレバーばね、または弧ばね)は、このような付勢を提供することができ、例えば、拡張器に衣服ピン様の特性(例えば、開閉のいずれかに付勢される)を提供し得る。
【0017】
一部の用途では、弁尖拡張器は、中心軸の周りに配置され、互いに分岐する三つのパネルを備える。一部の用途では、パネルは、各対の間に等しい角度、すなわち、120度で配置され得る。一部の用途では、第一および第二のパネルが相互から120度未満に配置され、第三のパネルがその他のパネルの各々から120度超に配置されるように、パネルを配置できる。三つのパネルのうちの第一のパネルは、アンカーを介して、第一の弁の弁尖に固定可能である。拡張器は、収縮中に、第二および第三のパネルの一方または両方が、拡張器の移植前に、第一の弁尖と適切に接合しなかった第二の弁の弁尖と接合するように、構成され得る。
【0018】
一部の用途によると、心臓の弁の第一の弁尖のための拡張器を含むシステムおよび/または装置であって、第一の弁尖が、唇縁および根を有し、弁が第二の弁尖も有する、システムおよび/または装置が提供される。一部の用途では、拡張器は、関節接続可能なカップリングによって第一のパネルに関節接続可能に結合される第一のパネルおよび第二のパネルを含む。
【0019】
一部の用途では、第二のパネルは、第一のパネルに関節接続可能に結合され得、その結果、拡張器は、第一のパネルと第二のパネルとの間の角度配置を増加させることによって、それによって、第一のパネルと関節接続可能なカップリングの反対側の第二のパネルとの間に画定された開口部の寸法を増加させることによって、拡張可能である。一部の用途では、拡張器は、角度配置を低減することによって、折り畳み可能である。
【0020】
一部の用途では、拡張器は、アンカーをさらに含み得る。一部の用途では、アンカーは、第一のパネルに結合されるまたは結合可能である。一部の用途では、アンカーは、第一のパネルが第一の弁尖に対して配置され、関節接続可能なカップリングが、唇縁よりもおよび開口部よりも根の近くに配置されるように、第一のパネルを第一の弁尖に固定するように構成される。
【0021】
一部の用途では、アンカーは、拡張器が心室収縮中に拡張し、心室拡張中に折り畳まれるように、第一のパネルを第一の弁尖に固定するように構成される。
【0022】
一部の用途では、アンカーは、開口部が心室に面するように、第一のパネルを第一の弁尖に固定するように構成される。
【0023】
一部の用途では、システム/装置は、第一のパネルと第二のパネルとの間の角度配置を制限することによって、拡張器の拡張を制限する様式で、第一のパネルおよび第二のパネルに接続された可撓性コネクタをさらに含む。
【0024】
一部の用途では、アンカーは、第一のパネルの唇縁よりも関節接続可能なカップリングに近い第一のパネルに結合される。
【0025】
一部の用途では、第一のパネルおよび第二のパネルの各々は、実質的に円形または楕円形の形状である。
【0026】
一部の用途では、第一のパネルおよび第二のパネルの各々は、実質的に長方形の形状である。
【0027】
一部の用途では、第一のパネルは、第一の弁尖の形状に適合するように十分に可撓性である。
【0028】
一部の用途では、第一のパネルは、アンカーによって第一のパネルを第一の弁尖に固定することが、第一の弁尖が第一の弁尖の唇縁を越えて張り出すように、寸法設定される。
【0029】
一部の用途では、第二のパネルは、第一のパネルの縁部を越えて張り出すように寸法設定される。
【0030】
一部の用途では、第二のパネルは、各パネルの縁部の全長に沿って、第一のパネルに関節接続可能に結合される。
【0031】
一部の用途では、第二のパネルは、各パネルの縁部の部分的な長さに沿って、第一のパネルに関節接続可能に結合される。
【0032】
一部の用途では、関節接続可能なカップリングは、ステッチを含む。
【0033】
一部の用途では、関節接続可能なカップリングは、ヒンジを含む。
【0034】
一部の用途では、関節接続可能なカップリングは、屈曲部を含む。
【0035】
一部の用途では、アンカーは、クリップを含む。
【0036】
一部の用途では、アンカーは、組織穿孔要素を含む。
【0037】
一部の用途では、拡張器は、アンカーによって第一のパネルを第一の弁尖に固定することが、心室収縮中の弁を通る血液の逆流を阻害する弁の効率を増加させるように、構成される。
【0038】
一部の用途では、第一のパネルは、アンカーによって第一のパネルを第一の弁尖に固定すると、第一のパネルが第一の弁尖の唇縁を越えて張り出すように、寸法設定される。
【0039】
一部の用途では、第二のパネルは、第一のパネルの縁部を越えて張り出すように寸法設定される。
【0040】
一部の用途では、第一の弁尖は、動揺する弁尖であり、拡張器は、第二のパネルが第二の弁尖と接合し、それによって、第一の弁尖の動揺を阻害するように、動揺する第一の弁尖に固定されるように構成される。
【0041】
一部の用途では、第二の弁尖は、動揺する弁尖であり、拡張器は、第二のパネルが動揺する第二の弁尖と接合し、それによって、第二の弁尖の動揺を阻害するように、第一の弁尖に固定されるように構成される。
【0042】
一部の用途では、拡張器は、第一のパネルがアンカーによって第一の弁尖に固定される間、拡張器の拡張によって、弁を通る血液の逆流が低減されるように、構成される。
【0043】
一部の用途では、拡張器は、第一のパネルおよび第二のパネルを画定するように形状設定されるポリマーを含む。
【0044】
一部の用途では、拡張器は、第一のパネルおよび第二のパネルを画定するように形状設定されるシリコーンを含む。
【0045】
一部の用途では、システム/装置は、アンカーが第一のパネルを第一の弁尖に固定する間に、第一のパネルに結合され、そこから延在し、心室組織に取り付けられるように構成されたテザーをさらに含む。
【0046】
一部の用途では、アンカーは、弁尖アンカーであり、システム/装置は、テザーに結合され、弁尖アンカーが第一のパネルを第一の弁尖に固定する間に、テザーを心室組織に固定するように構成された心室アンカーをさらに含む。
【0047】
一部の用途では、心室組織は、心室の壁の組織である。
【0048】
一部の用途では、心室組織は、乳頭筋の組織である。
【0049】
一部の用途では、心室アンカーは、テザーの張力の調整を容易にする様式で、テザーに結合される。
【0050】
一部の用途では、システム/装置は、心室アンカーに結合されたウインチをさらに含み、アンカーが、テザーの張力がウインチの作動によって調整可能であるように、ウインチを介して、テザーに結合される。
【0051】
一部の用途では、少なくとも第一のパネルは、細胞増殖誘導材料を含む。
【0052】
一部の用途では、第二のパネルは、細胞増殖誘導材料を含む。
【0053】
一部の用途では、第二のパネルは、細胞増殖阻害材料から形成される。
【0054】
一部の用途では、第一のパネルおよび第二のパネルの各々は、可撓性織物を含む。
【0055】
一部の用途では、拡張器は、少なくとも一つのフレームをさらに含む。
【0056】
一部の用途では、少なくとも一つのフレームは、織物を強化する役割を果たす。
【0057】
一部の用途では、第一のパネルおよび第二のパネルの各々の織物は、フレームが織物を支持するように、少なくとも一つのフレームの上に配置される。
【0058】
一部の用途では、フレームは、フープを画定するように形状設定される。
【0059】
一部の用途では、フレームは、Hのクロスバーがパネルの面を横断するように、H字形状を有する。
【0060】
一部の用途では、少なくとも一つのフレームは、各パネルの少なくとも一つの縁部に沿って位置決めされる。
【0061】
一部の用途では、少なくとも一つのフレームは、第一のフレームおよび第二のフレームを含み、第一のフレームが、第二のフレームに関節接続可能に結合される。
【0062】
一部の用途では、少なくとも一つのフレームは、第二のパネルが第一のパネルに関節接続可能に結合される関節接続部位を有する、単一の一体型フレームを含む。
【0063】
一部の用途では、一体型フレームは、第一のパネルおよび第二のパネルを、その間に所定の角度配置をとるように付勢する弾性材料を含む。
【0064】
一部の用途では、一体型フレームは、第一のパネルと第二のパネルとの間に屈曲接続を画定する弾性材料を含む。
【0065】
一部の用途では、少なくとも一つのフレームは、織物に縫い付けられる。
【0066】
一部の用途では、第一のパネルおよび第二のパネルの各々について、可撓性織物は、少なくとも一つのフレームの第一の側面の上に配置された第一の織物層を画定する。一部の用途では、パネルは、フレームが第一の織物層と第二の織物層との間に挟まれるように、少なくとも一つのフレームの第二の側面の上に配置された第二の織物層をさらに含む。
【0067】
一部の用途では、フレームおよび織物は、フレームおよび織物が予め張力を受けるように、互いに対して寸法設定される。
【0068】
一部の用途では、織物がフレーム上に配置される場合、フレームは、特定の形態および形状を、パネルに提供する。
【0069】
一部の用途では、拡張器は、第一のパネルおよび第二のパネルに向かって付勢され、その間に所定の角度配置を有する。
【0070】
一部の用途では、拡張器は、第二のパネルと第一のパネルとの間の角度配置を低減することによって、折り畳まれるように付勢される。
【0071】
一部の用途では、拡張器は、第二のパネルと第一のパネルとの間の角度配置を増加させることによって、拡張するように付勢される。
【0072】
一部の用途では、第一のパネルは、関節接続可能なカップリングの反対側の唇縁と、関節接続可能なカップリングと第一のパネルの唇縁との間に延在する側方縁部と、を有する。一部の用途では、第二のパネルは、関節接続可能なカップリングの反対側の唇縁と、関節接続可能なカップリングと第二のパネルの唇縁との間に延在する側方縁部と、を有する。一部の用途では、開口部は、第一のパネルの唇縁および第二のパネルの唇縁によって画定される。
【0073】
一部の用途では、システム/装置は、第一のパネルと第二のパネルとの間の角度配置を制限することによって、拡張器の拡張を制限する様式で、第一のパネルおよび第二のパネルに接続された可撓性コネクタをさらに含む。
【0074】
一部の用途では、可撓性コネクタは、第一のパネルと第二のパネルとの間に延在する、関節接続可能なカップリングの反対側に位置する。
【0075】
一部の用途では、可撓性コネクタは、第一のパネルの唇縁と第二のパネルの唇縁を接続する。
【0076】
一部の用途では、可撓性コネクタは、第一のパネルの唇縁の実質的に中央部分を、第二のパネルの唇縁の実質的に中央部分に接続する。
【0077】
一部の用途では、可撓性コネクタは、第一の可撓性コネクタであり、拡張器は、第二の可撓性コネクタをさらに含む。一部の用途では、第一の可撓性コネクタは、第一のパネルの唇縁の第一の側方部分を、第二のパネルの唇縁の第一の側方部分に接続する。
【0078】
一部の用途では、第二の可撓性コネクタは、第一のパネルの唇縁の第一の側方部分の実質的に反対側にある、第一のパネルの唇縁の第二の側方部分を、第二のパネルの唇縁の第一の側方部分の実質的に反対側にある、第二のパネルの唇縁の第二の側方部分に接続する。
【0079】
一部の用途では、可撓性コネクタは、(i)関節接続可能なカップリングと第一のパネルの唇縁との間の途中の第一のパネル上の部位、および(ii)関節接続可能なカップリングと第二のパネルの唇縁との間の途中の第二のパネル上の部位を接続する。
【0080】
一部の用途では、可撓性コネクタは、第一のパネルの側方縁部を、第二のパネルの側方縁部に接続する。
【0081】
一部の用途では、可撓性コネクタは、第一のパネルと第二のパネルとの間に延在する可撓性の第三のパネルを含む。
【0082】
一部の用途では、可撓性コネクタは、細胞増殖阻害物質を含む。
【0083】
一部の用途では、可撓性コネクタは、細胞増殖促進物質を含む。
【0084】
一部の用途では、可撓性の第三のパネルは、第一のパネルの唇縁を、第二のパネルの唇縁に接続する。
【0085】
一部の用途では、第三のパネルは、織物を含む。
【0086】
一部の用途では、第三のパネルは、ネットを含む。
【0087】
一部の用途では、アンカーは、第三のパネルが収縮中に第二の弁尖と接合するように、第一のパネルを第一の弁尖に固定するように構成される。
【0088】
一部の用途では、アンカーは、第三のパネルが収縮中に心室に面するように、第一のパネルを第一の弁尖に固定するように構成される。
【0089】
一部の用途では、第一のパネルの側方縁部は、第一のパネルの第一の側方縁部である。一部の用途では、第二のパネルの側方縁部は、第一のパネルの第一の側方縁部に実質的に整列した、第二のパネルの第一の側方縁部である。一部の用途では、第一のパネルは、第一のパネルの第一の側方縁部と実質的に反対側で、関節接続可能なカップリングと第一のパネルの唇縁との間に延在する、第二の側方縁部を有する。一部の用途では、第二のパネルは、第二のパネルの第一の側方縁部と実質的に反対側で、関節接続可能なカップリングと第二のパネルの唇縁との間に延在し、第一のパネルの第二の側方縁部に実質的に整列した、第二の側方縁部を有する。一部の用途では、第三のパネルは、第一のパネルの第一の側方縁部と第二のパネルの第一の側方縁部との間に延在する。
【0090】
一部の用途では、拡張器は、第一のパネルの第二の側方縁部と第二のパネルの第二の側方縁部との間に延在する、可撓性の第四のパネルをさらに含む。
【0091】
一部の用途では、第三のパネルおよび第四のパネルは、開口部が折り畳まれる場合に内側に折り畳まれるように構成された折り目を含む。
【0092】
一部の用途では、可撓性コネクタは、ワイヤおよび織り糸からなる群から選択される少なくとも一つのコネクタ要素を含む。
【0093】
一部の用途では、可撓性コネクタは、群から選択される正確に一つのコネクタ要素を含む。
【0094】
一部の用途では、アンカーは、第一のパネルの唇縁よりも関節接続可能なカップリングに近い第一のパネルに結合される。
【0095】
一部の用途では、アンカーは、トグルアンカーを含む。
【0096】
一部の用途では、トグルアンカーは、鈍端および鋭利端を有し、鋭利端の方から第一の弁尖を通って前進されるように構成される。
【0097】
一部の用途では、アンカーは、可撓性織り糸によって、第一のパネルに結合される。
【0098】
一部の用途では、アンカーは、第一のアンカーであり、拡張器は、第一のパネルに結合され、第一のパネルを第一の弁尖に固定するように構成される第二のアンカーをさらに含む。
【0099】
一部の用途では、第一のアンカーは、第一のトグルアンカーを含み、第二のアンカーは、第二のトグルアンカーを含む。
【0100】
一部の用途では、拡張器は、(i)第一のパネルが第一の弁尖に固定され、(ii)関節接続可能なカップリングが唇縁および開口部よりも根の近くに配置される間、心臓内の血流が、拡張器を心室収縮中に拡張構成に向かって、および心室拡張中にその折り畳み構成に向かって移行させるように、構成される。
【0101】
一部の用途では、システム/装置は、心室収縮中の拡張器の拡張を制限する様式で、第一のパネルおよび第二のパネルに接続された可撓性コネクタをさらに含む。
【0102】
一部の用途によると、心臓の弁の第一の弁尖のための拡張器を含むシステムおよび/または装置であって、第一の弁尖が、唇縁および根を有し、弁が、第二の弁尖を有する、システムおよび/または装置が提供される。システム/装置は、第一のパネル、第二のパネル、第三のパネル、および/またはアンカーを含む。
【0103】
一部の用途では、パネルの各々は、それぞれの外縁を有する。一部の用途では、パネルの各々は、第一、第二、および第三のパネルが拡張器の軸で収束するように、外縁から内側に延在する。一部の用途では、パネルの各々は、軸と実質的に平行なパネル平面を画定する。一部の用途では、アンカーは、第一のパネルを第一の弁尖に固定するように構成される。一部の用途では、拡張器は、滅菌されている。
【0104】
一部の用途では、拡張器は、第一のパネル、第二のパネル、および第三のパネルを画定するように形状設定されるポリマーを含む。
【0105】
一部の用途では、拡張器は、第一のパネル、第二のパネル、および第三のパネルを画定するように形状設定されるシリコーンを含む。
【0106】
一部の用途では、アンカーは、第二のパネルが第一のパネルから離れて第二の弁尖に向かって延在するように、第一のパネルを第一の弁尖に取り付けるように構成される。
【0107】
一部の用途では、アンカーは、第三のパネルが第一のパネルから離れて心室に向かって延在するように、第一のパネルを第一の弁尖に固定するように構成される。
【0108】
一部の用途では、アンカーは、拡張器の軸よりも第一のパネルの縁部に近い第一のパネルに結合される。
【0109】
一部の用途では、第一のパネル、第二のパネル、および第三のパネルの各々は、実質的に円形または楕円形の形状である。
【0110】
一部の用途では、第一のパネル、第二のパネル、および第三のパネルの各々は、実質的に長方形の形状である。
【0111】
一部の用途では、第一のパネルは、第一の弁尖の形状に適合するように十分に可撓性である。
【0112】
一部の用途では、第一のパネルは、アンカーによって第一のパネルを第一の弁尖に固定することが、第三のパネルが第一の弁尖の唇縁を越えて張り出すように、寸法設定される。
【0113】
一部の用途では、第二のパネルおよび第三のパネルは、集合的に面を画定し、アンカーは、(i)第一のパネルが第一の弁尖に対して配置され、(ii)面が第二の弁尖への接合面として提示されるように、第一のパネルを、第一の弁尖に固定するように構成される。
【0114】
一部の用途では、アンカーは、第三のパネルが心室内に配置されるように、第一のパネルを、第一の弁尖に固定するように構成される。
【0115】
一部の用途では、アンカーは、心室収縮中に、第二のパネルが第一のパネルから離れて、第二の弁尖の上流表面を横切って延在するように、第一のパネルを、第一の弁尖に固定するように構成される。
【0116】
一部の用途では、アンカーは、心室収縮中に、第二のパネルが第二の弁尖の上流表面に対して配置されるように、第一のパネルを、第一の弁尖に固定するように構成される。
【0117】
一部の用途では、アンカーは、心室収縮中に、第二の弁尖の唇縁が第三のパネルに接触するように、第一のパネルを、第一の弁尖に固定するように構成される。
【0118】
一部の用途では、システム/装置は、第一のパネルに結合され、そこから延在し、第一のパネルを心臓の心室組織に係留するように構成されたテザーをさらに含む。
【0119】
一部の用途では、アンカーは、弁尖アンカーであり、システム/装置は、テザーに結合され、弁尖アンカーが第一のパネルを第一の弁尖に固定する間に、テザーを心室組織に固定するように構成された心室アンカーをさらに含む。
【0120】
一部の用途では、心室組織は、心室の壁の組織である。
【0121】
一部の用途では、心室組織は、乳頭筋の組織である。
【0122】
一部の用途では、心室アンカーは、テザーの張力の調整を容易にする様式で、テザーに結合される。
【0123】
一部の用途では、システム/装置は、心室アンカーに結合されたウインチをさらに含み、アンカーが、テザーの張力がウインチの作動によって調整可能であるように、ウインチを介して、テザーに結合される。
【0124】
一部の用途では、少なくとも第一のパネルは、細胞増殖誘導材料を含む。
【0125】
一部の用途では、第二のパネルは、細胞増殖誘導材料を含む。
【0126】
一部の用途では、第三のパネルは、細胞増殖誘導材料を含む。
【0127】
一部の用途では、第二のパネルは、細胞増殖阻害材料を含む。
【0128】
一部の用途では、第三のパネルは、細胞増殖阻害材料を含む。
【0129】
一部の用途では、第一のパネル、第二のパネル、および第三のパネルの各々は、可撓性織物を含む。
【0130】
一部の用途では、拡張器は、フレームをさらに含む。
【0131】
一部の用途では、フレームは、織物を強化する役割を果たす。
【0132】
一部の用途では、第一のパネル、第二のパネル、および第三のパネルの各々の織物は、フレームが織物を支持するように、フレームの上に配置される。
【0133】
一部の用途では、第一、第二、および第三のパネルの各々について、フレームは、軸と実質的に平行な、パネルの外縁に沿って延在する。
【0134】
一部の用途では、フレームは、第一のパネル、第二のパネル、および第三のパネルの輪郭を画定する単一の一体型フレームを含む。
【0135】
一部の用途では、一体型フレームは、第一のパネル、第二のパネル、および第三のパネルを、互いに対して所定の角度配置をとるように付勢する弾性材料を含む。
【0136】
一部の用途では、一体型フレームは、弾性材料を含む。
【0137】
一部の用途では、フレームは、織物に縫い付けられる。
【0138】
一部の用途では、第一のパネル、第二のパネル、および第三のパネルの各々について、(i)可撓性織物は、フレームの第一の側面の上に配置された第一の織物層を画定し、(ii)パネルは、フレームが第一の織物層と第二の織物層との間に挟まれるように、フレームの第二の側面の上に配置された第二の織物層をさらに含む。
【0139】
一部の用途では、フレームおよび織物は、フレームおよび織物が予め張力を受けるように、互いに対してサイズ設定される。
【0140】
一部の用途では、織物がフレームの上に配置される場合、フレームは、特定の形態および形状を、第一のパネル、第二のパネル、および第三のパネルに提供する。
【0141】
さらに、一部の用途によれば、第一の弁尖と第二の弁尖とを有する、実際のまたは模擬の心臓弁で使用するための方法が提供され、方法が、拡張器を、経管腔的に心臓まで前進させること、および拡張器を、第一の弁尖に固定すること、を含む。一部の用途では、拡張器は、第一のパネルと、第一のパネルに関節接続可能に結合された第二のパネルと、アンカーと、を含む。
【0142】
一部の用途では、方法は、拡張器の第一のパネルが第一の弁尖に対して配置されるように、アンカーを使用して、第一のパネルを第一の弁尖に固定することを含む。一部の用途では、方法は、アンカーを使用して、第一のパネルを第一の弁尖に固定することを含み、その結果、第二のパネルは、心臓の血流に応答して、(i)心室収縮中に、第一のパネルから離れて第二の弁尖に向かって偏向し、(ii)心室拡張中に、第二の弁尖から離れて第一のパネルに向かって偏向する。
【0143】
一部の用途では、第一のパネルを第一の弁尖に固定することは、第二のパネルが、心臓の血流に応答して、心室収縮中に、第二の弁尖と接合し、それによって、弁を通る逆流を低減するように、第一のパネルを第一の弁尖に固定することを含む。
【0144】
一部の用途では、心室収縮中の第二のパネルの偏向により、第二のパネルが第二の弁尖と接合することになる。
【0145】
一部の用途では、方法は、第一のパネルに接続されたテザーを使用して、第一のパネルを心室組織に係留することをさらに含む。
【0146】
一部の用途では、システムおよび/または装置は、テザーの張力を調整することをさらに含む。
【0147】
一部の用途では、第一のパネルを心室組織に係留することは、テザーに取り付けられた組織アンカーを使用して、テザーを心室組織に固定することを含む。
【0148】
一部の用途では、システム/装置は、組織アンカーを、ウインチを介して、テザーに結合することをさらに含む。
【0149】
一部の用途では、システム/装置は、ウインチを作動させることによって、テザーの張力を調整することをさらに含む。
【0150】
一部の用途では、方法は、可撓性の第三のパネルを、第一のパネルと第二のパネルとの間に取り付けることをさらに含む。
【0151】
一部の用途では、心室収縮中の第二のパネルの偏向は、可撓性の第三のパネルが、第二の弁尖と接合することを伴う。
【0152】
上記の方法、およびステップは、死体、死体の心臓、シミュレータ(例えば、シミュレーションされる身体の一部、心臓、組織等)など、生きている動物で、またはシミュレーションで実施することができる。
【0153】
一部の用途によると、第一の弁尖および第二の弁尖を有し、心臓の心房と心室との間に配置される、心臓の実際の弁または模擬弁で使用するための方法であって、拡張器を経管的に心臓まで前進させること、および拡張器を第一の弁尖に固定すること、を含む、方法が提供される。一部の用途では、拡張器は、第一のパネルと、第二のパネルと、第三のパネルと、アンカーと、を含む。
【0154】
一部の用途では、方法は、第一のパネルを、第一の弁尖に固定することを含む。
【0155】
一部の用途では、パネルの各々は、それぞれの外縁を有し、外縁から内側に延在し、その結果、第一、第二、および第三のパネルは、拡張器の軸で収束し、軸と実質的に平行なそれぞれのパネル平面を画定する。
【0156】
一部の用途では、第一のパネルを第一の弁尖に固定することは、第二のパネルおよび第三のパネルが送達ツール内に配置される間に、第一のパネルを第一の弁尖に固定することを含み、方法は、その後、第二のパネルおよび/または第三のパネルを、送達ツールから展開することをさらに含む。
【0157】
一部の用途では、第二のパネルおよび第三のパネルを、送達ツールから展開することは、第二のパネルおよび第三のパネルが相互から離れて偏向するように、第二のパネルおよび第三のパネルを、送達ツールから展開することを含む。
【0158】
上記の方法、およびステップは、死体、死体の心臓、シミュレータ(例えば、シミュレーションされる身体の一部、心臓、組織等)など、生きている動物で、またはシミュレーションで実施することができる。
【0159】
一部の用途によると、少なくとも第一の弁尖および第二の弁尖を有する、心臓の弁で使用するための弁尖拡張器を含むシステムおよび/または装置が提供される。一部の用途では、システム/装置は、第一のパネルと、第一のパネルに関節接続可能に接続された第二のパネルと、第一のパネルに結合され、第一のパネルを第一の弁尖に固定するように構成された組織穿孔要素と、を含み、その結果、心室収縮中に、弁の閉鎖は、第二のパネルの、第一のパネルから離れて、第二の弁尖に向かう関節接続を伴う。
【0160】
本発明の概要における、上記のシステム、装置、機器などのいずれもが、滅菌され得(例えば、熱、放射線、エチレンオキシド、過酸化水素などを用いて)、本明細書に記載の方法は、本明細書のシステム、装置、機器などの一つ以上の滅菌を含み得る(例えば、熱、放射線、エチレンオキシド、過酸化水素などを用いて)。
【0161】
本発明は、図面とともに、本発明の用途の以下の詳細な記述からより完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0162】
図1A】対象の自然心臓弁の概略図である。
図1B】対象の自然心臓弁の概略図である。
図1C】対象の自然心臓弁の概略図である。
図2A】一部の用途に係る、弁尖拡張器の例示的な用途の概略図である。
図2B】一部の用途に係る、弁尖拡張器の例示的な用途の概略図である。
図2C】一部の用途に係る、弁尖拡張器の例示的な用途の概略図である。
図2D】一部の用途に係る、弁尖拡張器の例示的な用途の概略図である。
図2E】一部の用途に係る、弁尖拡張器の例示的な用途の概略図である。
図2F】一部の用途に係る、弁尖拡張器の例示的な用途の概略図である。
図3A】一部の用途に係る、弁尖拡張器の例示的な用途の概略図である。
図3B】一部の用途に係る、弁尖拡張器の例示的な用途の概略図である。
図3C】一部の用途に係る、弁尖拡張器の例示的な用途の概略図である。
図3D】一部の用途に係る、弁尖拡張器の例示的な用途の概略図である。
図3E】一部の用途に係る、弁尖拡張器の例示的な用途の概略図である。
図3F】一部の用途に係る、弁尖拡張器の例示的な用途の概略図である。
図4A】一部の用途に係る、弁尖拡張器の例示的な用途の概略図である。
図4B】一部の用途に係る、弁尖拡張器の例示的な用途の概略図である。
図4C】一部の用途に係る、弁尖拡張器の例示的な用途の概略図である。
図4D】一部の用途に係る、弁尖拡張器の例示的な用途の概略図である。
図4E】一部の用途に係る、弁尖拡張器の例示的な用途の概略図である。
図4F】一部の用途に係る、弁尖拡張器の例示的な用途の概略図である。
図5A】一部の用途に係る、弁尖拡張器の例示的な用途の概略図である。
図5B】一部の用途に係る、弁尖拡張器の例示的な用途の概略図である。
図5C】一部の用途に係る、弁尖拡張器の例示的な用途の概略図である。
図5D】一部の用途に係る、弁尖拡張器の例示的な用途の概略図である。
図5E】一部の用途に係る、弁尖拡張器の例示的な用途の概略図である。
図5F】一部の用途に係る、弁尖拡張器の例示的な用途の概略図である。
図6A】一部の用途に係る、弁尖拡張器の例示的な用途の概略図である。
図6B】一部の用途に係る、弁尖拡張器の例示的な用途の概略図である。
図6C】一部の用途に係る、弁尖拡張器の例示的な用途の概略図である。
図7】一部の用途に係る、心臓の自然弁に移植された弁尖拡張器を備えるシステムの例示的な用途の概略図である。
図8】一部の用途に係る、心臓の自然弁に移植された弁尖拡張器を備えるシステムの例示的な用途の概略図である。
図9A】一部の用途に係る、心臓の自然弁に移植された弁尖拡張器を示す概略図である。
図9B】一部の用途に係る、心臓の自然弁に移植された弁尖拡張器を示す概略図である。
図10A】一部の用途に係る、弁尖拡張器の概略図である。
図10B】一部の用途に係る、弁尖拡張器の概略図である。
図10C】一部の用途に係る、弁尖拡張器の概略図である。
図11】一部の用途に係る、心臓に弁に移植された弁尖拡張器を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0163】
ここで、様々な状態における、対象の心臓4の自然弁10の一部の概略図である、図1A~1Cを参照する。図1Aは、正常および/または健康な解剖学的構造および機能を有する心臓を表す。弁10は、第一の弁尖12および少なくとも第二の弁尖14を含み、それらの各々は、例えば、弁の弁輪に取り付けられる根13を有する。簡略化のために、第一の弁尖12の根13のみがラベル付けされている。弁10は、心臓の心房6と心室8との間に位置し得、すなわち、僧帽弁または三尖弁などの房室弁とすることができる。一部の用途では、弁10は、心臓のチャンバーと、チャンバーの中または外へと導く主要な血管との間の弁であり得る。図1Aは、弁尖12および14が接合し、それによって、心室8から心房6への血液の逆流を防止する、心室収縮期の心臓4を示す。
【0164】
図1Bおよび図1Cは、弁10を有する心臓4を示し、弁10では、弁尖12および14は、心室収縮中に完全には閉じられない、すなわち、弁尖は、完全には互いに接合しない。不適切な閉鎖の原因は、弁の脱出、または弁の弁尖、根、腱帯、もしくは弁輪への他の損傷もしくは構造的変化であり得る。結果として、弁10を通る逆流は、心室収縮中に発生する。図1Bが、弁尖12に達していない弁尖14を示す一方、図1Cは、心房6に上向きに動揺する弁尖14の唇縁17を示す。弁尖12および14が接合できないと、弁10が、心室収縮中の心室8から心房6への血液の逆流の防止に効果的とはならない。
【0165】
一部の用途に係る、弁尖拡張器30の様々な変形例の概略図である、図2A~F、図3A~F、図4A~F、図5A~F、および図6A~Cを参照する。一部の用途に係り、図2A~Fは、拡張器30Aを示し、図3A~Fは、拡張器30Bを示し、図4A~Fは、拡張器30Cを示し、図5A~Fは、拡張器30Dを示し、図6A~Cは、拡張器30Eを示す。例えば、心臓に移植された弁尖拡張器30の例示的な変形例を、その後、図7、8、および図9A~Bに示す。図7、8、および/または図9A~Bの拡張器30が、図2A~6Cに示す変形例(30、30A、30B、30C、30D、または30E)のうちのいずれか一つを表し得ることは理解されるべきである。
【0166】
拡張器30A、30B、30C、および30Dの各々は、パネル62および64を備え、拡張器30Eは、パネル32および34を備える。各変形例では、パネル62および64、またはパネル32および34は、一つの隣接する/平行な縁部に沿って、関節接続可能なカップリング66で結合される。示される実施例では、パネル62および64の各々は、実質的に長方形の形状を有し、パネル32および34の各々は、実質的に楕円形の形状を有する。以下の説明では、パネル62および64への参照は、パネル32および34にも適用されると理解され得る。
【0167】
パネル62および64の各々は、可撓性材料を含み得る。一部の用途では、各パネルは、単一層の可撓性材料を有し得る。一部の用途では、パネルは、二重層の生体適合性織物またはメッシュウェビングを含む。パネル62および64の寸法は、拡張器30が修復することを意図している弁および/または弁の逆流部分のサイズに従って、提供され得る。
【0168】
パネル62とパネル64との間の関節接続可能なカップリング66は、拡張器30がパネル間の角度配置を増加させることによって、拡張可能であり、角度配置を減少させることによって、折り畳み可能であるようなものである。拡張器が拡張すると、関節接続可能なカップリングの反対側のパネル間に画定された開口部40の寸法が増加し、拡張器が折り畳むと、開口部の寸法が減少する。
【0169】
各パネル(例えば、その可撓性材料)には、細胞増殖調節特性が付与され得る。一部の用途では、織物は、組織成長促進特性または組織成長阻害特性を有し得る。一部のこのような用途では、各パネルの一方の側面は、パネルの反対側の織物とは異なる特性を有する織物を含み得、および/または一方のパネルの織物は、他方のパネルの織物とは異なる特性を有し得る。
【0170】
図2A~B、図3A~B、図4A~B、図5A~B、および図6Aは、パネル62および64がそれらの間に最小角度分離、例えば、折り畳み状態を有する状態の拡張器30(例えば、その様々な実施例)を示す。折り畳み状態では、唇縁63は、互いに隣接し得(さらには互いに接触して)、拡張器30は、実質的に単一のパネルとして現れ得、例えば、パネル62および64は、実質的に単一のパネルとして挙動し得る。
【0171】
図2E~F、図3E~F、図4E~F、図5E~F、および図6Cは、パネル62および64がそれらの間に最大角度分離、例えば、拡張器の構成によって許容される最大角度分離を有する状態で、拡張器30、例えば、その様々な実施例を示す。拡張器の拡張は、関節接続可能なカップリング66によって制限され得る、または可撓性コネクタによって制限され得る(例えば、以下に記載されるように)。
【0172】
図2C~D、図3C~D、図4C~D、図5C~D、および図6Bは、例えば、拡張器が折り畳み状態と拡張状態との間で移行し得る中間状態の拡張器30(例えば、その様々な実施例)を示す。
【0173】
パネル62とパネル64の間のカップリング66は、例えば、ヒンジ、縫い合わせ、屈曲部、特定の構成で形成された金属、例えば、特定の形状およびメモリを有するニチノール、または他の可撓性の縫合、すなわち、二つのパネルを一つの縁部に沿って関節接続可能に結合する別の手段を含むことができる。関節接続可能なカップリング66は、各パネルの縁部の全長に沿って、パネル62および64を接続し得る。一部の事例では、パネルは、各パネルの縁部の部分的な長さに沿って、関節接続可能に結合される。
【0174】
一部の用途では、関節接続は、パネル62とパネル64がその間に所定の角度配置を有するように付勢され、すなわち、カップリングは、圧力のない条件下で、二つのパネルを所定の距離だけ離して保持する傾向がある剛性で設計され得る。拡張器30は、第二のパネルと第一のパネルとの間の角度配置を低減することによって、折り畳まれるように付勢され得る。拡張器30は、第二のパネルと第一のパネルとの間の角度配置を増加させることによって、拡張するように付勢され得る。一部の事例では、所定の角度配置は、10度超および/または120度未満、例えば、10~120度(例えば、20~90度、例えば、20~60度)であり得、すなわち、その結果、拡張器は、拡張または開放するように付勢される。
【0175】
例えば、弁が狭窄している、または心室が、例えば、拡張期中に可能な限り開放された有効な弁オリフィスを維持するように(例えば、拡張器が拡張期中に血流を実質的に阻害しないように)小さい場合、折り畳みに向かう付勢が望ましい場合がある。拡張中に接合を達成することが特に困難である場合、例えば、弁の弁尖の間に大きな隙間が存在し、および/または対象の心臓の血液力学的特性が、拡張器の血流誘導性開口部には最適ではない場合、拡張に向かう付勢が有利であり得る。したがって、折り畳みまたは拡張のいずれかに向かって付勢される拡張器を使用する利点は、治療中の弁および心臓の解剖学的特徴および病理などの因子に依存し得る。
【0176】
一部の用途では、拡張器30の第一および第二のパネルは、例えば、拡張器30Eのパネル32および34に示すように、実質的に円形または楕円形の形状であり得る。一部の用途では、パネルは、例えば、拡張器30A、30B、30C、および30Dのパネル62および64に示すように、実質的に長方形の形状であり得る。本開示の範囲はまた、他の任意の好適な形状のパネルを含むことに留意されたい。
【0177】
任意の形状のパネルは、可撓性織物を含み得、または第一のパネルおよび第二のパネルを画定するように形状設定されるプラスチックもしくは可撓性の物質、例えば、シリコーンまたはポリマーを含むことができる。パネル62および64は、弁尖の形状に適合するように十分に可撓性であり得、すなわち、二つのパネルは、弁の弁尖の輪郭に適合するように形状設定され得、または異なる形状を有することができる。パネル62は、例えば、以下の図7、8、および図9A~Bにさらに記載されるように、弁尖12の唇縁15を越えて張り出すように、寸法設定され得る。
【0178】
パネル62および64は、開口部40を制限するための可撓性コネクタを必要としないように、自己支持性であり得る。パネル62および64は、フレーム72(または一対のフレーム)で、例えば、金属インサート、ニチノールなどの金属の細片、または金属ワイヤで補強することができる。フレームは、パネルの織物の上または中に織られ得る。一部の用途では、補強機構は、織物に織られた金属糸または細片とすることができる。
【0179】
一部の用途では、示されるように、フレーム72は、パネルの一つ以上の縁部および/または唇縁に沿って延在する。一部のこのような用途では、示されるように、フレーム72は、例えば、フレームがH字形状を画定するように、カップリング66と唇縁63との間の各パネルの中央領域にわたって延在し得る。拡張器30の各パネルは、その間またはその内部でワイヤループが固定される、二層の生体適合性織物を含み得、ワイヤループが、可撓性の剛性をパネルに提供する。
【0180】
可撓性織物は、フレーム72の第一の側面の上に配置された第一の織物層を画定し得る。パネルは、フレームが第一の織物層と第二の織物層との間に挟まれるように、フレーム72の第二の側面の上に配置された第二の織物層をさらに含み得る。各パネルの各側面上の織物層は、同一または異なる種類の織物を含むことができる。異なる種類の織物は、例えば、その組織成長促進特性において異なり得る。
【0181】
拡張器30は、図7~9に示すように、パネル62(およびそれによって、拡張器全体)を、弁の第一の弁尖12に固定するように構成された一つ以上のアンカー38を備えることができる。例えば、以下でより詳細に説明するように、アンカー38は、関節接続可能なカップリング66が唇縁63または開口部40のいずれかよりも根13の近くに配置されるように、パネル62を弁尖12に固定するように構成され(例えば、パネル62に対して位置決めされ)得る。
【0182】
アンカー38は、例えば、ピン、組織穿孔要素、Tバー、織り糸、クリップ、縫合糸、または係止要素を含み得る。
【0183】
一部の用途では、アンカー38は、別々に提供および/または導入され、その後、パネル62に取り付けられ得る(例えば、拡張器30の移植中に)。一部の用途では、拡張器30は、パネル62に予め取り付けられたアンカー38が提供され得る。
【0184】
アンカー38がパネル62に取り付けられる位置は、カップリング66の近く、例えば、実質的にカップリング66にあるなど、唇縁63よりもカップリングの近くとすることができる。アンカー38は、アンカーが移動可能であり、弁の弁尖を貫通するように方向付けられ得るように、パネル62に柔軟に接続され得る。一部の事例では、アンカーは、一方の端が他方の端よりも鋭利である、すなわち、弁尖12を貫通するために使用される鋭利端、および鈍端を有する、トグルアンカーである。アンカーは、パネル62に織り込まれた可撓性織り糸、ひも、またはワイヤを介して、拡張器、すなわち、パネル62に取り付けられ得る。
【0185】
一部の用途では、パネル62および64は、実質的に同一のサイズおよび/または形状である。一部の用途では、パネル64は、パネル62とは異なるサイズ(例えば、異なる長さ)である。例えば、パネル64は、例えば、図9Aを参照して以下に説明するように、パネル64がパネル62の唇縁63を越えて延在するように、パネル64よりも大きく(例えば、長く)てもよい。一部の用途では、パネル62は、パネル64の唇縁63を越えて延在し得る。
【0186】
図2A~2Fは、一部の用途に係る、拡張器30の変形例である拡張器30Aを示す。図2A、2C、および2Eは、等角で見た場合、閉鎖(図2A)から部分的に開放(図2C)を経て最大限に開放(図2E)までの立体構造のシーケンスにおける拡張器30Aを示す。図2B、2D、および2Fは、拡張器の一方の側面から二次元で見た、閉鎖から最大限に開放までの立体構造の同一シーケンスを示す。一般に、図2Aおよび図2Bは、拡張期(拡張器が移植された後)中の拡張器30Aの立体構造を表すとみなされ得、図2Eおよび図2Fは、収縮中のその立体構造を表すとみなされ得る。
【0187】
図2A~Fでは、フレーム72は、パネル62および64を支持および/または強化するように機能し、例えば、形状および強度を提供する。フレーム72は、関節接続可能なカップリング66を画定する単一の一体型フレームとすることができ、一般的に、フレーム72は、本明細書では単数形で言及される。しかしながら、一部の用途では、個々のフレームは、拡張器30の各パネルに対して提供され得、これらの個々のフレームは、カップリング66で互いに関節接続可能に結合され得る。別個のフレーム72が拡張器30Aの各パネルに対して提供される用途では、フレームが関節接続可能なカップリング66でのみ結合されることに留意されたい。
【0188】
図3A~Fから図5A~Fまでにそれぞれ示す用途30B、30C、および30Dと対照的に、拡張器30Aは、角度拡張を制限するための、パネル62と64との間に個別の可撓性コネクタを欠く。むしろ、フレーム72自体は、拡張器30Aの角度拡張に関して、制限機能を提供することができる。図2A~2Fでは、フレーム72は、関節接続可能なカップリング66でのみ結合される。
【0189】
図3A~3Fは、一部の用途に係る、拡張器30の変形例である拡張器30Bを示す。図3A、3C、および3Eは、等角で見た場合、閉鎖(図3A)から部分的に開放(図3C)を経て最大限に開放(図3E)までの立体構造のシーケンスにおける拡張器30Bを示す。図3B、3D、および3Fは、拡張器の一方の側面から二次元で見た、閉鎖から最大限に開放までの立体構造の同一シーケンスを示す。一般に、図3Aおよび図3Bは、拡張期(拡張器が移植された後)中の拡張器30Bの立体構造を表すとみなされ得、図3Eおよび図3Fは、収縮中のその立体構造を表すとみなされ得る。
【0190】
拡張器30Bは、ひも、織り糸、またはワイヤなどの可撓性コネクタ67をさらに備える。コネクタ67は、多関節カップリング66の反対側の、パネル62の唇縁63とパネル64の唇縁63に、かつそれらの間に取り付けられる。コネクタ67は、パネル62とパネル64との間の角度配置を、開口部40の範囲に制限する。コネクタ67は、必要に応じて、パネル62とパネル64との間の所望の最大角度配置に従ってサイズ設定され得、装置が開放構成にある場合の開口部40の範囲を画定する。
【0191】
コネクタ67は、収縮中、パネル64が開口部40の所定のまたは所望の範囲よりも広くフラップすることを防止する。拡張期の間、パネル62および64が互いに向かって折り畳まれる傾向がある場合、コネクタ67は、張力下ではなく、パネル62および64の唇縁からぶら下がることができる。一部の用途では、複数のコネクタは、パネル62とパネル64との間に、例えば、一つのコネクタが、各角フレーミング開口部40上に、またはいくつかのコネクタが、パネル62とパネル64の唇縁63に沿って、取り付けられ得る。同様に、一部の用途では、一つ以上のコネクタ67は、パネル62および64の側面61を接続することができる。さらに、一部の用途では、一つ以上のコネクタ67は、パネルの他の領域、例えば、各パネルの中央を(例えば、関節接続可能なカップリング66に近い図3A~Fのコネクタ67の位置と比較して)接続できる。コネクタの数および材料組成は、コネクタの所望の強度に依存し得る。これはまた、パネルのサイズおよび形状に依存し得、一部の事例では、関節接続の種類に依存し得る。
【0192】
図4A~4Fは、一部の用途に係る、拡張器30の変形例である拡張器30Cを示す。図2および図3と同様に、図4A、4C、および4Eは、等角で見た場合、閉鎖(図4A、4B)から部分的に開放(図4C、4D)を経て最大限に開放(図4E、4F)までの立体構造のシーケンスにおける拡張器30Cを示す。図4B、4D、および4Fは、拡張器の一方の側面から二次元で見た、閉鎖から最大限に開放までの立体構造の同一シーケンスを示す。一般に、図4Aおよび図4Bは、拡張期(拡張器が移植された後)中の拡張器30Bの立体構造を表すとみなされ得、図4Eおよび図4Fは、収縮中のその立体構造を表すとみなされ得る。
【0193】
図4A~Fでは、拡張器が可撓性材料の第三のパネル65をさらに備え得ることが示される。可撓性であるだけでなく、パネル65は、高度に透過性であり得、すなわち、血液がそれを通って流れることを可能にする。第三のパネル65は、所定のサイズの開口部または孔、例えば、メッシュ織物または金属ワイヤもしくは織り込まれた糸のネットを有する様々な可撓性材料を含むことができる。一部の用途では、孔は、それを通る血液の自由な通過を可能にするようなサイズである。パネル65は、組織成長阻害物質を含み得る。
【0194】
第三のパネル65は、パネル62およびパネル64の唇縁63に沿って、かつそれらの間に配置され、典型的には、開口部40にわたる、関節接続の反対側のパネル62およびパネル64の縁部を接続する。パネル65は、ヒンジの反対側のパネル62および64の唇縁63に取り付けられ、拡張器のフラップを所定の角度開口部に制限する手段を提供する。したがって、パネル65は、例えば、必要な変更を加えて、本明細書で上述した可撓性コネクタ67と同様に機能する、可撓性コネクタであるとみなされ得る。パネル65は、必要に応じて、パネル62とパネル64との間の所望の最大角度配置に従ってサイズ設定され得、装置が開放構成にある場合の開口部40を画定する。
【0195】
代替的にまたは追加的に、パネル65は、第二の弁尖14と接合するように設計され得、第二の弁尖に支持を提供し、心室収縮(例えば、図8を参照して説明したように)中にそれが心房内に動揺するのを防止する。
【0196】
図5A~5Fは、一部の用途に係る、拡張器30の変形例である拡張器30Dを示す。図5A、5C、および5Eは、等角で見た場合、閉鎖から(図5A、5B)部分的に開放(図5C、5D)を経て最大限に開放(図5E、5F)までの立体構造のシーケンスにおける拡張器30Dを示す。図5B、5D、および5Fは、拡張器の一方の側面から二次元で見た、閉鎖から最大限に開放までの立体構造の同一シーケンスを示す。一般に、図5Aおよび図5Bは、拡張期(拡張器が移植された後)中の拡張器30Dの立体構造を表すとみなされ得、図5Eおよび図5Fは、収縮中のその立体構造を表すとみなされ得る。
【0197】
拡張器30Dは、パネル62および64、ならびに関節接続部66を備える。一部の用途では、パネル62および64は、パネル62および64の側面を接続する、例えば、蛇腹折り、可撓性織物、ネット、または他の可撓性シートなどの一つ以上の第三のパネル68によって支持される、またはそれらの角度分離が制約される。パネル68は、関節接続部66に垂直に配置され得る。パネルまたは折り目68は、関節接続部の反対側の拡張器およびフレーム開口部40に安定性を提供する。図5A~5Bに示す通り、蛇腹折り68は、全閉の場合、パネル62および64がほぼ隣接するように、完全に折り畳まれるまたは折られる(例えば、パネル62とパネル64の間で)。図5E~5Fのように、開口部40の範囲は、全開の場合、いずれかの側面の折り目または追加的なパネル68のサイズによって制限され得る。したがって、パネル68は、例えば、必要な変更を加えて、本明細書で上述した可撓性コネクタ67と同様に機能する、可撓性コネクタであるとみなされ得る。パネル68は、パネル62と64との間の所望の最大角度配置に従って、必要に応じてサイズ設定され得、装置が開放構成にある場合、開口部40を作成する。一部の用途では、折り目は、拡張器30Dの折り畳みまたは閉鎖時に、外側につぶれるまたは膨張し得る可撓性織物を含む。
【0198】
図6A~6Cは、一部の用途に係る、拡張器30の変形例である拡張器30Eを示す。拡張器30Eは、等角で見た場合、閉鎖(図6A)から部分的に開放(図6B)を経て最大限に開放(図6C)までの立体構造のシーケンスで示される。一般的に、図6Aは、拡張期(拡張器が移植された後)中の拡張器30Eの立体構造を表すとみなされ得、図6Cは、収縮中のその立体構造を表すとみなされ得る。
【0199】
拡張器30Eは、用途30A~30Dのパネル62および64に対応するパネル32および34が、楕円形(例えば、円形)輪郭を有する形状を有する。パネルは、一つの領域に沿って一緒に縫い付けられ、関節接続部36を作成する。図2A~Fから図5A~Fまでにあるように、開口部40は、パネル32および34の唇縁63における自由空間または開口部とすることができる。拡張器30Eは、自己支持性であり得る、またはひも、ワイヤ、ネット、もしくは側方蛇腹折り、または図2~5の説明で言及される可撓性コネクタのための他の機構のいずれかによって、角度開口部の寸法で折り畳まれる、または抑制され得る。すなわち、パネル62および64の説明は、パネル32および34にも適用される。可撓性コネクタが含まれる用途では、コネクタは、パネル32とパネル34との間の所望の最大角度配置に従って必要に応じてサイズ設定され得、装置が開放構成にある場合に開口部40を作成する。
【0200】
パネル32および34は、可撓性織物を含むことができる。織物は、フレームが織物を支持するように、曲げ可能な剛性を有する金属、プラスチック、または他の材料を含むフレーム(図示せず)の上に配置され、それによって支持され得る。一部の用途では、各パネルは、それ自体のフレームを有し得、個々のフレームが、互いに関節接続可能に結合される。一部の用途では、両方のパネルの間に延在し、関節接続部位を有する単一の一体型フレームが使用され得る。各パネルは、その間にフレームを挟む、二層の織物を含むことができる。一部の用途では、フレームは、パネル自体に直接縫い付けられることなく、二層の織物内に保持され得る(例えば、各パネル内で、フレームは、二層の織物によって画定されたポケット内に拘束される)。一部の用途では、フレームは、織物に直接縫い付けられ得る。
【0201】
一部の用途に係る、拡張器30(例えば、その変形例)が弁10に移植されるシステム20の概略図である、図7図8、ならびに図9A~Bを参照する。システムの用途は、弁機能不全、例えば、脱出、逆流、または弁尖の動揺などの症例を治療するために使用され得る。拡張器30は、弁尖12に、または一部の用途では、弁尖14に固定され得る。一部の用途では、拡張器30は、機能不全の弁尖に固定される。一部の用途では、拡張器30は、健康な弁尖(例えば、機能不全の弁尖とは反対の)に固定される。一部の用途では、それぞれの拡張器30は、弁尖の各々に固定される。各図において、上側画像は、収縮中の心臓4の弁10を表し、下側画像は、拡張中の弁を表す。これらの表記は、拡張器130について、以下に説明される図11にも適用される。
【0202】
以下の説明がパネル62および64を指すが、この説明は、必要な変更を加えて、パネル32および34を備える拡張器30の変形例に等しく適用可能である。
【0203】
図7は、拡張器30が心臓4に経管的に前進され、パネル62がアンカー38を使用して、弁尖12に固定された後のシステム20を示す。拡張器30は、図2A~Fから図6A~Cまで、またはこれらの変形例の組み合わせから、拡張器30A、30B、30C、30D、または30Eのいずれか一つであり得る。
【0204】
拡張器30は、例えば、図7図8、および図9A~Bに示すように、アンカー38を介してなど、弁尖12に固定されるように構成される。拡張器30は、健康な弁尖(例えば、図7に示す)、または機能不全の弁尖(例えば、図8に示す)のいずれかに固定され得る。拡張器30が、図7図8、および図9A~Bの各々において弁尖12に固定されて示されているが、異なる臨床計画は、これらの図に図示および説明されている。すなわち、一部の用途では、拡張器は、より重度のまたはほとんど機能不全の弁尖に固定され得、一部の事例では、機能不全の性能を有する弁尖の反対側の弁尖に固定され得る。拡張器がどの弁尖に固定されるかは、収縮中の弁の性能に依存し、該当する弁尖、またはその弁尖のホタテガイもしくはセグメントのどれかが、補強の最大の必要性を有し得る。一部の用途では、複数の拡張器は、所与の弁を治療するために使用され得る。
【0205】
アンカー38は、パネル62を弁尖12に接続するために使用される。一部の用途では、示されるように、このアンカー固定は、関節接続可能なカップリング66が、弁尖の根13と唇縁15との間に、すなわち、唇縁よりも根の近くに配置されるようなものである。一部の用途では、拡張器30は、関節接続可能なカップリング66が弁10の弁輪に配置されるように、固定され得る。一部の用途では、拡張器30は、パネル62が弁尖12の大部分を覆うようなサイズとし得る。一部の用途では、拡張器30は、弁尖12の唇縁15に近い領域のみを覆い得、および/または弁尖の一つのホタテガイのみを覆い得る。
【0206】
一部の用途では、第一および第二のパネルは、(例えば、上記で示すように)同一サイズおよび形状である。一部の用途では、いずれかのパネルは、図9A~Bに示すように、例えば、ヒンジの反対側のパネル64の唇縁63が、パネル62の反対側の唇縁63を越えて延在するように、少なくとも一つの寸法で他方よりも大きくてもよい。
【0207】
パネル62は、第一の弁尖12の表面と同一平面であり得、第一の弁尖の輪郭に従うように構成された(例えば、十分に可撓性の)材料を含み得る。一部の事例では、第一のパネルは、拡張期および収縮期の間に開閉するにつれて、第一の弁尖の変化する形態に適合する。
【0208】
一部の用途では、拡張器30は、例えば、示されるように、パネル62に予め取り付けられたアンカー38が提供される。
【0209】
一部の用途では、アンカー38は、移植中に導入される(例えば、パネル64に結合される)別個の要素として提供される。アンカーは、第一のパネルに、関節接続可能なカップリング66の略近く、または唇縁63よりも関節接続可能なカップリングに少なくともより近くに取り付ける、または結合されるように設計される。
【0210】
図7では、対象の心臓4の弁10を治療するシステム20が示され、弁が、例えば、弁尖14が弁尖12と正常に接合しない、図1Bに示すような機能不全を有する。拡張器30は、収縮中、弁尖14が拡張器30のパネル64に接触するように、弁尖12と14との間の潜在的な隙間をブリッジする。拡張器30は、収縮中、開口部40が心室8に面し、パネル62が弁尖12に取り付けられ、パネル64が弁尖14と接合するように、開放または拡張構成にある。図7の下部画像に示す心室拡張中、弁尖12および14が分離する(心室8内に血液を入れることを可能にする)際に、拡張器30のパネル62および64は、互いに向かって折り畳まれ、それらの間の開口部を最小化し、それによって、弁10を通る血流の閉塞を低減する(例えば、拡張器がその拡張状態に留まる場合と比較して)。
【0211】
図8は、少なくとも心室収縮中に、第三のパネル65が弁尖14に対して配置されるように移植された拡張器30Cを示す。開口部40は、例えば、心室収縮中および心室拡張中の両方で、心室8に面する。拡張器30のパネル64は、図8の上部画像に表される心室収縮中、弁尖14の上流表面と接合する。接合により、弁尖12と弁尖14との間の開口部が閉鎖され、心室8から心房6への血液の逆流を防止する。図8の下部画像に示す心室拡張中、弁尖12および14が分離する(心室8内に血液を入れることを可能にする)際に、拡張器30のパネル62および64は、互いに向かって折り畳まれ、それらの間の開口部を最小化し、それによって、弁10を通る血流の閉塞を低減する(例えば、拡張器がその拡張状態に留まる場合と比較して)。
【0212】
ここで、一部の用途に存在する追加的および別個の特徴を示す、図9Aおよび図9Bを参照する。拡張器30は、金属ワイヤ、縫合糸、織物糸、またはパネル62を心室組織80に係留するように構成された他の接続フィラメントで作製されたテザー70をさらに備え得る。テザー70が、パネル62に結合され、パネル62から延在し、心室アンカー74を介して、心室組織80に取り付けられる一方、アンカー38は、パネル62を弁尖12に固定する。アンカー74は、テザー70を、乳頭筋、心室壁、心室間隔、または心室の他の組織に固定することができる。テザー70は、パネル62の唇縁63、またはパネル62上の他の場所に取り付けられ得る。
【0213】
一部の用途では、テザーは、第一の弁尖12に対する第一のパネル32の移動を調節することによって、拡張器を有利に安定化させると仮定され、追加的な支持を拡張器に提供する。テザーを使用し得、例えば、断裂した腱の場合に、拡張器を定位置に安定化またはさらに固定する。テザー70は、弁を通る逆流を防止する上で、弁の弁尖の拡張器の効率を増加させるように構成される。
【0214】
ここで、一部の用途に係る、弁尖の拡張器130の概略図である、図10A~Cおよび図11を参照する。図10Aは、拡張器130の変形例130Aを示し、図10B~Cは、変形例130Bを示す。
【0215】
拡張器130は、拡張器の軸82(例えば、中心軸)の周りに配設された三つのパネル52、54、および56を備える。一部の用途(例えば、図10Bに示すように)では、各パネルは、軸82に平行なそれぞれの平面84を実質的に画定する。一部の用途では、各パネルは、いくらか湾曲し得る(例えば、図10Cに示すように)。各パネルは、実質的に円形または楕円形の形状とすることができる。一部の用途では、各パネルは、実質的に長方形の形状とし得る。パネルは、細胞増殖誘導物質を含み得る。パネルは、細胞増殖阻害物質を含み得る。アンカー58は、パネル52を弁の弁尖に固定するために使用される。アンカー58は、拡張器の軸82よりもパネルの縁部により近くでパネル52に結合され得る。
【0216】
変形例130Aは、一部の用途では、パネル52、54、および56が軸82の周りに120度の角度で分布され得、および/または互いに120度の角度で分岐し得ることを示す。変形例130Bは、一部の用途では、例えば、パネル54とパネル56との間の角度が120度よりも大きくなるように、パネルのうちの二つが互いにより近くに配向されていることを示す。図10Cでは、拡張器130Bは、軸82が画像の二次元表面を通って、すなわち、画像が描かれているページまたは表面の平面内および平面外に延在するように、実質的に面して示される。
【0217】
一部の用途では、拡張器30の変形例のうちの一つ以上の態様(例えば、パネル組成、パネルサイズ、パネル形状、パネル補強、およびパネルアンカー固定)を、拡張器130に適用することができる。例えば、パネル52、54、および56の組成、支持体、および剛性は、必要な変更を加えて、パネル62/32、および64/34の組成、支持体、および剛性に類似し得る。一部の用途では、拡張器130は、第一のパネル、第二のパネル、および第三のパネルを画定するように形状設定される、プラスチックまたは可撓性の物質、例えば、シリコーンまたはポリマーを含み得る。物質の材料特性は、パネルが送達のために一緒に折り畳まれ得または押され得るようにすることができる。
【0218】
一部の用途では、拡張器130は、拡張器が拡張期および収縮期の両方の間、移植後にその三次元形状を本質的に保持するように、ヒンジ機構を欠く。それにもかかわらず、拡張器130は、例えば、そのパネルのうちの二つ以上が互いにより近く(例えば、互いに接触している)にある状態で、経管腔送達のために圧縮され得、心臓での展開時に示される構成を自動的にとるように構成され得る。
【0219】
図11では、一部の用途に係るシステム120の概略図が示され、心臓に移植された拡張器130を示す。第一のパネル52は、少なくとも一つのアンカー58によって、第一の弁尖12に固定される。アンカー58は、必要な変更を加えて、アンカー38について記載した通りであり得る。アンカー58は、拡張器の軸82よりもパネルの縁部に近いパネル52に結合され得る。第一のパネル52が第一の弁尖12に固定される場合、それは、弁尖の形状に適合してもよく、または適合しなくてもよい。一部の用途では、パネル52は、弁尖12の根13により近くに固定され得る。パネル52が弁尖12に固定される場合、パネル54および56は、軸82と実質的に平行な関係を保持する。
【0220】
パネル52は、パネル56が心室8、例えば、張り出している弁尖12に向かって延在するように、弁尖12に固定され得る。一部の事例では、パネル56の一部は、弁尖12に接触している。
【0221】
図11の上側画像は、収縮中の心臓4の弁10を表し、下側画像は、拡張中の弁を表す。図7図8、および図9A~Bに記載される特徴は、図11に示す用途に組み込まれ得る。拡張器130は、弁尖12に、または一部の用途では、弁尖14に取り付けられ得る。弁尖12または弁尖14のいずれかは、健康な弁尖または機能不全の弁尖であり得る。拡張器130は、収縮中、パネル54および/またはパネル56が弁尖14と接合するように、弁尖12と14との間の潜在的な隙間をブリッジする。
【0222】
一部の用途では、パネル54およびパネル56は、パネル52を弁尖12にアンカー固定した後に、面が心室収縮中に弁尖14への接合面として提示されるように、面を集合的に画定する。
【0223】
アンカー58は、心室収縮中にパネル56が心室8内に配置され、パネル54が心房6内に配置され、例えば、パネル54が心房6内で、弁尖12から離れて、かつ弁尖14の上流表面を横切って延在するように、パネル52を弁尖12に固定するように構成され得る。したがって、心室収縮中、パネル54は、弁尖14の上流表面に対して配置され得る。一部の事例では、弁尖14の唇縁17は、心室収縮中にパネル56に接触する。心室拡張の間、パネル56およびパネル54の両方は、典型的には、心室8に配置される。
【0224】
システム120は、例えば、パネル52またはパネル56に結合され、そこから延在し、パネルを心臓の心室組織に接続するように構成されたテザー(図示せず、図9A~Bのように)をさらに備え得る。システム/装置は、テザーに結合され、テザーを心室組織に固定するように構成された心室アンカーをさらに備え得る。心室組織は、例えば、心室の壁の組織、または乳頭筋の組織であり得る。心室アンカーは、テザーの張力の調整を容易にする様式で、テザーに結合され得る。ウインチは、テザーの張力が、ウインチの作動によって調整可能であるように、心室アンカーをテザーに結合するために使用され得る。テザーは、弁を通る逆流を防止する上で、弁の弁尖の拡張器の効率を増加させるように構成される。
【0225】
システム120は、拡張器130を心臓4に送達するための送達ツールをさらに備え得る。送達ツールは、第二のパネルおよび第三のパネルが送達ツール内に配置される間、第一のパネルを第一の弁尖に固定し得る。その後、第二のパネルおよび第三のパネルは、送達ツールから展開され得る。
【0226】
再び、図1A~11を参照する。本出願に示す設計のいくつかの可能性のある利点が特定され得る。拡張器30、130は、単一の弁の弁尖のみへの取り付けを必要とする。設計は、治療対象の弁の最適なサイズおよび形状に、拡張器のサイズを適合またはスケーリングする可能性に適する。不完全な接合を有する弁に好適であることに加えて、本システムの用途は、弁輪の収縮を必要としないため、僧帽弁の弁輪石灰化処理の治療に適用可能であり得る。拡張器30、130の一部の用途は、設計により、パネルが同等の単一パネルパッチよりも短いかまたは小さくなることを可能にするため、経管腔挿入において利点を有し得る。任意選択のテザーが本明細書で上記に説明されているが、一部の用途では、本明細書に記載の拡張器が、心室テザーを有利に必要としないと仮定される。
【0227】
上述のシステム、装置、および技術は、以下の参考文献のうちの一つ以上に記載されるものとの組み合わせで使用され得、その各々は、参照により、その全体が本明細書に組み込まれる。例えば、以下の参考文献のうちの一つ以上に記載される技術は、その各々が、すべての目的のために、心室組織および/または弁の弁尖への取り付けのために、および/またはテザー(例えば、人工腱)の張力を調節するために、参照により、本明細書に組み込まれるが、本明細書に記載される装置および技術のうちの一つ以上と組み合わせて使用することができる。同様に、本明細書に記載の拡張器のいずれかは、以下の参考文献のいずれかに記載されるインプラントの構成要素(例えば、インプラントの「パッチ」または「上流組立品」として)として使用され得る。
TennenbaumらのPCT国際公開公報2022/101817
2020年11月13日出願のTennenbaumらによる米国仮特許出願第63/11 3,430号。
Millerらによる米国特許第9,277,994号。
Reichらによる米国特許第9,180,007号。
【0228】
本開示における、様々なシステム、装置、機器などが、患者に使用するのに安全であることを確実にするために滅菌され得(例えば、熱、放射線、エチレンオキシド、過酸化水素などを用いて)、本明細書に記載の方法は、関連するシステム、装置、機器などのこのような滅菌を含んでもよい。さらに、本開示の範囲は、一部の用途では、本開示の様々なシステム、装置、機器などのうちのいずれかの一つ以上を滅菌することを含む。
【0229】
本明細書に記載または提案される技術、方法、操作、ステップ等のいずれかは、生きた動物(例えば、ヒト、その他の哺乳類など)上で実施することができる、あるいは、死体、死体の心臓、擬人化ファントム、および/またはシミュレータ装置(身体の一部、組織、等の電子化されたおよび/または物理的な表現を含み得る)等のように、非生体シミュレーション上で実施することができる。
【0230】
開示される方法のうちのいくつかの操作が、提示の便宜上、特定の連続的な順序で記載されるが、以下に記載される特定の言葉によって特定の順序が必要とされない限り、この記載方法が並べ替えを包含することは、理解されるべきである。例えば、連続的に記載される操作は、場合によっては、並べ替えされてもよいか、または同時に実施されてもよい。その上、簡略化のために、添付図面は、開示するシステム、機器、装置、方法等を、他のシステム、機器、装置、方法等と組み合わせて使用し得る様々な態様を示さないことがあり得る。
【実施例
【0231】
実施例の適用(本明細書の概念の一部の非限定的な実施例は、以下に列挙される)。
【0232】
実施例1.
心臓の弁の第一の弁尖のための拡張器を備えるシステムまたは装置であって、第一の弁尖が、唇縁を有し、弁が、第二の弁尖および弁輪を有し、弁が、心臓の心房と心室との間に配置され、第一の弁尖の根が、弁輪に取り付けられ、拡張器が、(A)第一のパネルと、(B)関節接続可能なカップリングによって第一のパネルに関節接続可能に結合された第二のパネルであって、その結果、拡張器は、(i)第一のパネルと第二のパネルとの間の角度配置を増加させることによって、それによって、関節接続可能なカップリングの反対側の第一のパネルと第二のパネルとの間に画定された開口部の寸法を増加させることによって、拡張可能であり、(ii)角度配置を減少させることによって、折り畳み可能である、第二のパネルと、を備える、システムまたは装置。
【0233】
実施例2.
拡張器は、第一のパネルに結合され、第一のパネルを第一の弁尖に固定するように構成されたアンカーをさらに備え、その結果、(i)第一のパネルは、第一の弁尖に対して配置され、(ii)関節接続可能なカップリングは、唇縁および開口部よりも根の近くに配置される、実施例1に記載のシステム/装置。
【0234】
実施例3.
アンカーは、拡張器が心室収縮中に拡張し、心室拡張中に折り畳まれるように、第一のパネルを第一の弁尖に固定するように構成される、実施例1~2のいずれか一つに記載のシステム/装置。
【0235】
実施例4.
アンカーは、開口部が心室に面するように、第一のパネルを第一の弁尖に固定するように構成される、実施例1~3のいずれか一つに記載のシステム/装置。
【0236】
実施例5.
第一のパネルと第二のパネルとの間の角度配置を制限することによって、拡張器の拡張を制限する様式で、第一のパネルおよび第二のパネルに接続された可撓性コネクタをさらに備える、実施例1~4のいずれか一つに記載のシステム/装置。
【0237】
実施例6.
アンカーは、第一のパネルの唇縁よりも関節接続可能なカップリングに近い第一のパネルに結合される、実施例1~5のいずれか一つに記載のシステム/装置。
【0238】
実施例7.
第一のパネルおよび第二のパネルの各々は、実質的に円形または楕円形の形状である、実施例1~6のいずれか一つに記載のシステム/装置。
【0239】
実施例8.
第一のパネルおよび第二のパネルの各々は、実質的に長方形の形状である、実施例1~7のいずれか一つに記載のシステム/装置。
【0240】
実施例9.
第一のパネルは、第一の弁尖の形状に適合するように十分に可撓性である、実施例1~8のいずれか一つに記載のシステム/装置。
【0241】
実施例10.
第一のパネルは、アンカーによって第一のパネルを第一の弁尖に固定することが、第一の弁尖が第一の弁尖の唇縁を越えて張り出すように、寸法設定される、実施例1~9のいずれか一つに記載のシステム/装置。
【0242】
実施例11.
第二のパネルは、各パネルの縁部の全長に沿って、第一のパネルに関節接続可能に結合される、実施例1~10のいずれか一つに記載のシステム/装置。
【0243】
実施例12.
第二のパネルは、各パネルの縁部の部分的な長さに沿って、第一のパネルに関節接続可能に結合される、実施例1~11のいずれか一つに記載のシステム/装置。
【0244】
実施例13.
関節接続可能なカップリングは、ステッチを含む、実施例1~12のいずれか一つに記載のシステム/装置。
【0245】
実施例14.
関節接続可能なカップリングは、ヒンジを含む、実施例1~13のいずれか一つに記載のシステム/装置。
【0246】
実施例15.
関節接続可能なカップリングは、屈曲部を含む、実施例1~14のいずれか一つに記載のシステム/装置。
【0247】
実施例16.
アンカーは、クリップを含む、実施例1~15のいずれか一つに記載のシステム/装置。
【0248】
実施例17.
アンカーは、組織穿孔要素を含む、実施例1~16のいずれか一つに記載のシステム/装置。
【0249】
実施例18.
拡張器は、アンカーによって第一のパネルを第一の弁尖に固定することが、心室収縮中の弁を通る血液の逆流を阻害する弁の効率を増加させるように、構成される、実施例1~17のいずれか一つに記載のシステム/装置。
【0250】
実施例19.
第一のパネルは、アンカーによって第一のパネルを第一の弁尖に固定すると、第一のパネルが第一の弁尖の唇縁を越えて張り出すように、寸法設定される、実施例1~18のいずれか一つに記載のシステム/装置。
【0251】
実施例20.
第二のパネルは、第一のパネルの縁部を越えて張り出すように寸法設定される、実施例1~19のいずれか一つに記載のシステム/装置。
【0252】
実施例21.
第一の弁尖は、動揺する弁尖であり、拡張器は、第二のパネルが第二の弁尖と接合し、それによって、第一の弁尖の動揺を阻害するように、動揺する第一の弁尖に固定されるように構成される、実施例1~20のいずれか一つに記載のシステム/装置。
【0253】
実施例22.
第二の弁尖は、動揺する弁尖であり、拡張器は、第二のパネルが動揺する第二の弁尖と接合し、それによって、第二の弁尖の動揺を阻害するように、第一の弁尖に固定されるように構成される、実施例1~21のいずれか一つに記載のシステム/装置。
【0254】
実施例23.
拡張器は、第一のパネルがアンカーによって第一の弁尖に固定される間、拡張器の拡張により、弁を通る血液の逆流が低減されるように、構成される、実施例1~22のいずれか一つに記載のシステム/装置。
【0255】
実施例24.
拡張器は、第一のパネルおよび第二のパネルを画定するように形状設定されるポリマーを含む、実施例1~23のいずれか一つに記載のシステム/装置。
【0256】
実施例25.
拡張器は、第一のパネルおよび第二のパネルを画定するように形状設定されるシリコーンを含む、実施例1~24のいずれか一つに記載のシステム/装置。
【0257】
実施例26.
アンカーが第一のパネルを第一の弁尖に固定する間に、第一のパネルに結合され、そこから延在し、心室組織に取り付けられるように構成されたテザーをさらに備える、実施例1~25のいずれか一つに記載のシステム/装置。
【0258】
実施例27.
アンカーは、弁尖アンカーであり、システム/装置は、テザーに結合され、弁尖アンカーが第一のパネルを第一の弁尖に固定する間に、テザーを心室組織に固定するように構成された心室アンカーをさらに含む、実施例26に記載のシステム/装置。
【0259】
実施例28.
心室組織は、心室の壁の組織である、実施例26に記載のシステム/装置。
【0260】
実施例29.
心室組織は、乳頭筋の組織である、実施例26に記載のシステム/装置。
【0261】
実施例30.
心室アンカーは、テザーの張力の調整を容易にする様式で、テザーに結合される、実施例26に記載のシステム/装置。
【0262】
実施例31.
心室アンカーに結合されたウインチをさらに備え、アンカーが、テザーの張力がウインチの作動によって調整可能であるように、ウインチを介して、テザーに結合される、実施例30に記載のシステム/装置。
【0263】
実施例32.
少なくとも第一のパネルは、細胞増殖誘導材料を含む、実施例1~31のいずれか一つに記載のシステム/装置。
【0264】
実施例33.
第二のパネルは、細胞増殖誘導材料を含む、実施例32に記載のシステム/装置。
【0265】
実施例34.
第二のパネルは、細胞増殖阻害材料から形成される、実施例32に記載のシステム/装置。
【0266】
実施例35.
第一のパネルおよび第二のパネルの各々は、可撓性織物を含む、実施例1~34のいずれか一つに記載のシステム/装置。
【0267】
実施例36.
拡張器は、少なくとも一つのフレームをさらに備える、実施例35に記載のシステム/装置。
【0268】
実施例37.
少なくとも一つのフレームは、織物を強化する役割を果たす、実施例36に記載のシステム/装置。
【0269】
実施例38.
第一のパネルおよび第二のパネルの各々の織物は、少なくとも一つのフレームが織物を支持するように、少なくとも一つのフレームの上に配置される、実施例36に記載のシステム/装置。
【0270】
実施例39.
少なくとも一つのフレームは、フープを画定するように形状設定される、実施例36に記載のシステム/装置。
【0271】
実施例40.
少なくとも一つのフレームは、クロスバーを画定するH字形状を有し、Hのクロスバーが、パネルの面を横断する、実施例36に記載のシステム/装置。
【0272】
実施例41.
少なくとも一つのフレームは、各パネルの少なくとも一つの縁部に沿って位置決めされる、実施例36に記載のシステム/装置。
【0273】
実施例42.
少なくとも一つのフレームは、第一のフレームおよび第二のフレームを含み、第一のフレームが、第二のフレームに関節接続可能に結合される、実施例36に記載のシステム/装置。
【0274】
実施例43.
少なくとも一つのフレームは、第二のパネルが第一のパネルに関節接続可能に結合される関節接続部位を有する、単一の一体型フレームを備える、実施例36に記載のシステム/装置。
【0275】
実施例44.
一体型フレームは、第一のパネルおよび第二のパネルを、その間に所定の角度配置をとるように付勢する弾性材料を含む、実施例43に記載のシステム/装置。
【0276】
実施例45.
一体型フレームは、第一のパネルと第二のパネルとの間に屈曲接続を画定する弾性材料を含む、実施例43に記載のシステム/装置。
【0277】
実施例46.
少なくとも一つのフレームは、織物に縫い付けられる、実施例36に記載のシステム/装置。
【0278】
実施例47.
第一のパネルおよび第二のパネルの各々について、(i)可撓性織物は、少なくとも一つのフレームの第一の側面の上に配置された第一の織物層を画定し、(ii)パネルは、フレームが第一の織物層と第二の織物層との間に挟まれるように、少なくとも一つのフレームの第二の側面の上に配置された第二の織物層をさらに含む、実施例36に記載のシステム/装置。
【0279】
実施例48.
少なくとも一つのフレームおよび織物は、少なくとも一つのフレームおよび織物が予め張力がかけられるように、互いに対して寸法設定される、実施例36に記載のシステム/装置。
【0280】
実施例49.
織物が少なくとも一つのフレームの上に配置される場合、少なくとも一つのフレームは、特定の形態および形状を、パネルに提供する、実施例48に記載のシステム/装置。
【0281】
実施例50.
拡張器は、第一のパネルおよび第二のパネルに向かって付勢され、その間に所定の角度配置を有する、実施例1~49のいずれか一つに記載のシステム/装置。
【0282】
実施例51.
拡張器は、第二のパネルと第一のパネルとの間の角度配置を減少させることによって、折り畳まれるように付勢される、実施例50に記載のシステム/装置。
【0283】
実施例52.
拡張器は、第二のパネルと第一のパネルとの間の角度配置を増加させることによって、拡張するように付勢される、実施例50に記載のシステム/装置。
【0284】
実施例53.
(A)第一のパネルは、(i)関節接続可能なカップリングの反対側の唇縁、および(ii)関節接続可能なカップリングと第一のパネルの唇縁との間に延在する側方縁部を有し、(B)第二のパネルは、(i)関節接続可能なカップリングの反対側の唇縁、および(ii)関節接続可能なカップリングと第二のパネルの唇縁との間に延在する側方縁部を有し、(C)開口部は、第一のパネルの唇縁および第二のパネルの唇縁によって画定される、実施例1~52のいずれか一つに記載のシステム/装置。
【0285】
実施例54.
第一のパネルと第二のパネルとの間の角度配置を制限することによって、拡張器の拡張を制限する様式で、第一のパネルおよび第二のパネルに接続された可撓性コネクタをさらに備える、実施例53に記載のシステム/装置。
【0286】
実施例55.
可撓性コネクタは、第一のパネルと第二のパネルとの間に延在する、関節接続可能なカップリングの反対側に位置する、実施例54に記載のシステム/装置。
【0287】
実施例56.
可撓性コネクタは、第一のパネルの唇縁および第二のパネルの唇縁を接続する、実施例55に記載のシステム/装置。
【0288】
実施例57.
可撓性コネクタは、第一のパネルの唇縁の実質的に中央部分を、第二のパネルの唇縁の実質的に中央部分に接続する、実施例56に記載のシステム/装置。
【0289】
実施例58.
(A)可撓性コネクタは、第一の可撓性コネクタであり、(B)拡張器は、第二の可撓性コネクタをさらに備え、(C)第一の可撓性コネクタは、第一のパネルの唇縁の第一の側方部分を、第二のパネルの唇縁の第一の側方部分に接続し、(D)第二の可撓性コネクタは、第一のパネルの唇縁の第一の側方部分の実質的に反対側にある、第一のパネルの唇縁の第二の側方部分を、第二のパネルの唇縁の第一の側方部分と実質的に反対側にある、第二のパネルの唇縁の第二の側方部分に接続する、実施例56に記載のシステム/装置。
【0290】
実施例59.
可撓性コネクタは、(i)関節接続可能なカップリングと第一のパネルの唇縁との間の途中の第一のパネル上の部位、および(ii)関節接続可能なカップリングと第二のパネルの唇縁との間の途中の第二のパネル上の部位を接続する、実施例55に記載のシステム/装置。
【0291】
実施例60.
可撓性コネクタは、第一のパネルの側方縁部を、第二のパネルの側方縁部に接続する、実施例54に記載のシステム/装置。
【0292】
実施例61.
可撓性コネクタは、第一のパネルと第二のパネルとの間に延在する可撓性の第三のパネルを備える、実施例54に記載のシステム/装置。
【0293】
実施例62.
可撓性コネクタは、細胞増殖阻害物質を含む、実施例54に記載のシステム/装置。
【0294】
実施例63.
可撓性コネクタは、細胞増殖促進物質を含む、実施例54に記載のシステム/装置。
【0295】
実施例64.
可撓性の第三のパネルは、第一のパネルの唇縁を、第二のパネルの唇縁に接続する、実施例61に記載のシステム/装置。
【0296】
実施例65.
第三のパネルは、織物およびネットのうちの少なくとも一つを含む、実施例61に記載のシステム/装置。
【0297】
実施例66.
アンカーは、第三のパネルが収縮中に第二の弁尖と接合するように、第一のパネルを第一の弁尖に固定するように構成される、実施例61に記載のシステム/装置。
【0298】
実施例67.
アンカーは、第三のパネルが収縮中に心室に面するように、第一のパネルを第一の弁尖に固定するように構成される、実施例61に記載のシステム/装置。
【0299】
実施例68.
(i)第一のパネルの側方縁部は、第一のパネルの第一側縁部であり、(ii)第二のパネルの側方縁部は、第一のパネルの第一の側方縁部に実質的に整列した、第二のパネルの第一の側方縁部であり、(iii)第一のパネルは、第一のパネルの第一の側方縁部と実質的に反対側で、関節接続可能なカップリングと第一のパネルの唇縁との間に延在する、第二の側方縁部を有し、(iv)第二のパネルは、第二のパネルの第一の側方縁部の実質的に反対側で、関節接続可能なカップリングと第二のパネルの唇縁との間に延在し、第一のパネルの第二の側方縁部に実質的に整列した、第二の側方縁部を有し、(v)第三のパネルは、第一のパネルの第一の側方縁部と第二のパネルの第一の側方縁部との間に延在し、(vi)拡張器は、第一のパネルの第二の側方縁部と第二のパネルの第二の側方縁部との間に延在する、可撓性の第四のパネルをさらに備える、実施例61に記載のシステム/装置。
【0300】
実施例69.
第三のパネルおよび第四のパネルは、開口部が折り畳まれる場合に内側に折り畳まれるように構成された折り目を備える、実施例68に記載のシステム/装置。
【0301】
実施例70.
可撓性コネクタは、ワイヤおよび織り糸からなる群から選択される少なくとも一つのコネクタ要素を備える、実施例54に記載のシステム/装置。
【0302】
実施例71.
可撓性コネクタは、群から選択される正確に一つのコネクタ要素を備える、実施例71に記載のシステム/装置。
【0303】
実施例72.
アンカーは、第一のパネルの唇縁よりも関節接続可能なカップリングに近い第一のパネルに結合される、実施例53に記載のシステム/装置。
【0304】
実施例73.
アンカーは、トグルアンカーを備える、実施例1~72のいずれか一つに記載のシステム/装置。
【0305】
実施例74.
トグルアンカーは、鈍端および鋭利端を有し、鋭利端の方から第一の弁尖を通って前進されるように構成される、実施例73に記載のシステム/装置。
【0306】
実施例75.
アンカーは、可撓性織り糸によって第一のパネルに結合される、実施例73に記載のシステム/装置。
【0307】
実施例76.
アンカーは、第一のアンカーであり、拡張器は、第一のパネルに結合され、第一のパネルを第一の弁尖に固定するように構成される第二のアンカーをさらに含む、実施例73に記載のシステム/装置。
【0308】
実施例77.
第一のアンカーは、第一のトグルアンカーを含み、第二のアンカーは、第二のトグルアンカーを含む、実施例73に記載のシステム/装置。
【0309】
実施例78.
拡張器は、(i)第一のパネルが第一の弁尖に固定され、(ii)関節接続可能なカップリングが、唇縁および開口部よりも根の近くに配置される間に、心臓の血流が、拡張器を心室収縮中に拡張構成に向かって、および心室拡張中にその折り畳み構成に向かって移行させるように構成される、実施例1~77のいずれか一つに記載のシステム/装置。
【0310】
実施例79.
心室収縮中の拡張器の拡張を制限する様式で、第一のパネルおよび第二のパネルに接続された可撓性コネクタをさらに備える、実施例78に記載のシステム/装置。
【0311】
実施例80.
システム/装置は、滅菌される、実施例1~79のいずれか一つに記載のシステム/装置。
【0312】
実施例81.
心臓の弁の第一の弁尖のための拡張器であって、第一の弁尖が、唇縁を有し、弁が、心臓の心房と心室との間に配置され、第二の弁尖を有する、拡張器を備える、システムまたは装置であって、(A)第一のパネルと、(B)第二のパネルと、(C)第三のパネルと、(D)アンカーであって、パネルの各々が、(i)それぞれの外縁を有し、(ii)第一、第二、および第三のパネルが拡張器の軸で収束するように、外縁から内側に延在し、(iii)軸と実質的に平行なパネル平面を画定し、アンカーは、第一のパネルを第一の弁尖に固定するように構成される、アンカーと、を備える、システムまたは装置。
【0313】
実施例82.
システム/装置は、滅菌される、実施例81に記載のシステム/装置。
【0314】
実施例83.
拡張器は、第一のパネル、第二のパネル、および第三のパネルを画定するように形状設定されるポリマーを含む、実施例81~82のいずれか一つに記載のシステム/装置。
【0315】
実施例84.
拡張器は、第一のパネル、第二のパネル、および第三のパネルを画定するように形状設定されるシリコーンを含む、実施例81~83のいずれか一つに記載のシステム/装置。
【0316】
実施例85.
アンカーは、第二のパネルが第一のパネルから離れて第二の弁尖に向かって延在するように、第一のパネルを第一の弁尖に取り付けるように構成される、実施例81~84のいずれか一つに記載のシステム/装置。
【0317】
実施例86.
アンカーは、第三のパネルが第一のパネルから離れて心室に向かって延在するように、第一のパネルを第一の弁尖に固定するように構成される、実施例81~85のいずれか一つに記載のシステム/装置。
【0318】
実施例87.
アンカーは、拡張器の軸よりも第一のパネルの縁部に近い第一のパネルに結合される、実施例81~86のいずれか一つに記載のシステム/装置。
【0319】
実施例88.
第一のパネル、第二のパネル、および第三のパネルの各々は、実質的に円形または楕円形の形状である、実施例81~87のいずれか一つに記載のシステム/装置。
【0320】
実施例89.
第一のパネル、第二のパネル、および第三のパネルの各々は、実質的に長方形の形状である、実施例81~88のいずれか一つに記載のシステム/装置。
【0321】
実施例90.
第一のパネルは、第一の弁尖の形状に適合するように十分に可撓性である、実施例81~89のいずれか一つに記載のシステム/装置。
【0322】
実施例91.
第一のパネルは、アンカーによって第一のパネルを第一の弁尖に固定することが、第三のパネルが第一の弁尖の唇縁を越えて張り出すように、寸法設定される、実施例81~90のいずれか一つに記載のシステム/装置。
【0323】
実施例92.
(A)第二のパネルおよび第三のパネルは、面を集合的に画定し、(B)アンカーは、(i)第一のパネルが第一の弁尖に対して配置され、(ii)面が第二の弁尖への接合面として提示されるように、第一のパネルを第一の弁尖に固定するように構成される、実施例81~91のいずれか一つに記載のシステム/装置。
【0324】
実施例93.
アンカーは、第三のパネルが心室内に配置されるように、第一のパネルを第一の弁尖に固定するように構成される、実施例92に記載のシステム/装置。
【0325】
実施例94.
アンカーは、心室収縮中に、第二のパネルが、心房内に、第一のパネルから離れて、第二の弁尖の上流表面を横切って延在するように、第一のパネルを第一の弁尖に固定するように構成される、実施例92に記載のシステム/装置。
【0326】
実施例95.
アンカーは、心室収縮中に、第二のパネルが、第二の弁尖の上流表面に対して配置されるように、第一のパネルを第一の弁尖に固定するように構成される、実施例92に記載のシステム/装置。
【0327】
実施例96.
アンカーは、心室収縮中に、第二の弁尖の唇縁が第三のパネルに接触するように、第一のパネルを第一の弁尖に固定するように構成される、実施例92に記載のシステム/装置。
【0328】
実施例97.
第一のパネルに結合され、そこから延在し、第一のパネルを心臓の心室組織に係留するように構成されたテザーをさらに備える、実施例81~96のいずれか一つに記載のシステム/装置。
【0329】
実施例98.
アンカーは、弁尖アンカーであり、システム/装置は、テザーに結合され、弁尖アンカーが第一のパネルを第一の弁尖に固定する間に、テザーを心室組織に固定するように構成された心室アンカーをさらに含む、実施例97に記載のシステム/装置。
【0330】
実施例99.
心室組織は、心室の壁の組織である、実施例97に記載のシステム/装置。
【0331】
実施例100.
心室組織は、乳頭筋の組織である、実施例97に記載のシステム/装置。
【0332】
実施例101.
心室アンカーは、テザーの張力の調整を容易にする様式で、テザーに結合される、実施例97に記載のシステム/装置。
【0333】
実施例102.
心室アンカーに結合されたウインチをさらに備え、アンカーが、テザーの張力がウインチの作動によって調整可能であるように、ウインチを介して、テザーに結合される、実施例97に記載のシステム/装置。
【0334】
実施例103.
少なくとも第一のパネルは、細胞増殖誘導材料を含む、実施例81~102のいずれか一つに記載のシステム/装置。
【0335】
実施例104.
第二のパネルは、細胞増殖誘導材料を含む、実施例103に記載のシステム/装置。
【0336】
実施例105.
第三のパネルは、細胞増殖誘導材料を含む、実施例103に記載のシステム/装置。
【0337】
実施例106.
第二のパネルは、細胞増殖阻害材料を含む、実施例103に記載のシステム/装置。
【0338】
実施例107.
第三のパネルは、細胞増殖阻害材料を含む、実施例103に記載のシステム/装置。
【0339】
実施例108.
第一のパネル、第二のパネル、および第三のパネルの各々は、可撓性織物を含む、実施例81~107のいずれか一つに記載のシステム/装置。
【0340】
実施例109.
拡張器は、フレームをさらに備える、実施例108に記載のシステム/装置。
【0341】
実施例110.
フレームは、織物を強化する役割を果たす、実施例109に記載のシステム/装置。
【0342】
実施例111.
第一のパネル、第二のパネル、および第三のパネルの各々の織物は、フレームが織物を支持するように、フレームの上に配置される、実施例109に記載のシステム/装置。
【0343】
実施例112.
第一、第二、および第三のパネルの各々について、フレームは、軸と実質的に平行な、パネルの外縁に沿って延在する、実施例109に記載のシステム/装置。
【0344】
実施例113.
フレームは、第一のパネル、第二のパネル、および第三のパネルの輪郭を画定する単一の一体型フレームを備える、実施例109に記載のシステム/装置。
【0345】
実施例114.
一体型フレームは、第一のパネル、第二のパネル、および第三のパネルを、互いに対して所定の角度配置をとるように付勢する弾性材料を含む、実施例109に記載のシステム/装置。
【0346】
実施例115.
一体型フレームは、弾性材料を含む、実施例109に記載のシステム/装置。
【0347】
実施例116.
フレームは、織物に縫い付けられる、実施例109に記載のシステム/装置。
【0348】
実施例117.
第一のパネル、第二のパネル、および第三のパネルの各々について、(i)可撓性織物は、フレームの第一の側面の上に配置された第一の織物層を画定し、(ii)パネルは、フレームが第一の織物層と第二の織物層との間に挟まれるように、フレームの第二の側面の上に配置された第二の織物層をさらに含む、実施例109に記載のシステム/装置。
【0349】
実施例118.
フレームおよび織物は、フレームおよび織物が予め張力がかけられるように、互いに対してサイズ設定される、実施例109に記載のシステム/装置。
【0350】
実施例119.
織物がフレームの上に配置される場合、フレームは、特定の形態および形状を、第一のパネル、第二のパネル、および第三のパネルに提供する、実施例109に記載のシステム/装置。
【0351】
実施例120.
模擬心臓の模擬弁で使用するための方法であって、模擬弁が、第一の弁尖および第二の弁尖を有し、心臓の心房と心室との間に配置され、(A)拡張器を模擬心臓に経管的に前進させることであって、拡張器が、(i)第一のパネルと、(ii)第一のパネルに関節接続可能に結合された第二のパネルと、(iii)アンカーと、を備える、前進させること、および(B)アンカーを使用して、第一のパネルを第一の弁尖に固定することであって、その結果、(i)拡張器の第一のパネルは、第一の弁尖に対して配置され、(ii)第二のパネルは、模擬心臓の血流に応答して、(a)心室収縮中に、第一のパネルから離れて、第二の弁尖に向かって偏向する、および(b)心室拡張中に、第二の弁尖から離れて、第一のパネルに向かって偏向する、固定すること、を含む、方法。
【0352】
実施例121.
第一のパネルを第一の弁尖に固定することは、第二のパネルが、心臓内の血流に応答して、心室収縮中に第二の弁尖と接合し、それによって、模擬弁を通る逆流を低減するように、第一のパネルを第一の弁尖に固定することを含む、実施例120に記載の方法。
【0353】
実施例122.
心室収縮中の第二のパネルの偏向により、第二のパネルが第二の弁尖と接合することになる、実施例120~121のいずれか一つに記載の方法。
【0354】
実施例123.
第一のパネルに接続されたテザーを使用して、第一のパネルを心室組織に係留することをさらに含む、実施例120~122のいずれか一つに記載の方法。
【0355】
実施例124.
テザーの張力を調整することをさらに含む。実施例120~123のいずれか一つに記載の方法。
【0356】
実施例125.
第一のパネルを心室組織に係留することは、テザーに取り付けられた組織アンカーを使用して、テザーを心室組織に固定することを含む、実施例120~124のいずれか一つに記載の方法。
【0357】
実施例126.
組織アンカーを、ウインチを介して、テザーに結合することをさらに含む、実施例120~125のいずれか一つに記載の方法。
【0358】
実施例127.
ウインチを作動させることによって、テザーの張力を調整することをさらに含む。実施例120~126のいずれか一つに記載の方法。
【0359】
実施例128.
可撓性の第三のパネルを、第一のパネルと第二のパネルとの間に取り付けることをさらに含む、実施例120~127のいずれか一つに記載の方法。
【0360】
実施例129.
心室収縮中の第二のパネルの偏向は、可撓性の第三のパネルが第二の弁尖と接合することを伴う、実施例120~128のいずれか一つに記載の方法。
【0361】
実施例130.
模擬心臓の模擬弁で使用するための方法であって、模擬弁が、第一の弁尖および第二の弁尖を有し、心臓の心房と心室との間に配置され、(A)拡張器を模擬心臓に経管的に前進させることであって、拡張器が、(i)第一のパネルと、(ii)第二のパネルと、(iii)第三のパネルと、(iv)アンカーと、を備える、前進させること、および(B)第一のパネルを第一の弁尖に固定することであって、パネルの各々は、(i)それぞれの外縁を有し、(ii)外縁から内側に延在し、その結果、第一、第二、および第三のパネルは、拡張器の軸で収束し、(iii)軸と実質的に平行なそれぞれのパネル平面を画定する、固定すること、を含む、方法。
【0362】
実施例131.
(i)第一のパネルを第一の弁尖に固定することは、第二のパネルおよび第三のパネルが送達ツール内に配置される間に、第一のパネルを第一の弁尖に固定することを含み、(ii)その後、第二のパネルおよび第三のパネルを送達ツールから展開することをさらに含む、実施例130に記載の方法。
【0363】
実施例132.
第二のパネルおよび第三のパネルを送達ツールから展開することは、第二のパネルおよび第三のパネルが互いから離れて偏向するように、第二のパネルおよび第三のパネルを送達ツールから展開することを含む、実施例130~131のいずれか一つに記載の方法。
【0364】
実施例133.
心臓の弁で使用するための弁尖拡張器を備えるシステムまたは装置であって、弁が、少なくとも第一の弁尖および第二の弁尖を有し、(i)第一のパネル、および第一のパネルに関節接続可能に接続された第二のパネルと、(ii)第一のパネルに結合され、第一のパネルを第一の弁尖に固定するように構成された組織穿孔要素であって、その結果、心室収縮中に、弁の閉鎖は、第二のパネルの、第一のパネルから離れて、第二の弁尖に向かう関節接続を伴う、組織穿孔要素と、を備える、システムまたは装置。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図10C
図11
【国際調査報告】