IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エドワーズ ライフサイエンシーズ コーポレイションの特許一覧

特表2025-500383人工心臓弁を移植するための送達装置及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-09
(54)【発明の名称】人工心臓弁を移植するための送達装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/24 20060101AFI20241226BHJP
   A61F 2/966 20130101ALI20241226BHJP
【FI】
A61F2/24
A61F2/966
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024537542
(86)(22)【出願日】2022-12-16
(85)【翻訳文提出日】2024-08-19
(86)【国際出願番号】 US2022053224
(87)【国際公開番号】W WO2023121978
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】63/292,285
(32)【優先日】2021-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500218127
【氏名又は名称】エドワーズ ライフサイエンシーズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Edwards Lifesciences Corporation
【住所又は居所原語表記】One Edwards Way, Irvine, CALIFORNIA 92614, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】エラザール・リーヴァイ・シュワルツ
(72)【発明者】
【氏名】オフィル・ヴィッツマン
(72)【発明者】
【氏名】エイタン・アティアス
(72)【発明者】
【氏名】ナタネル・シンハ・シロテ
(72)【発明者】
【氏名】ノーム・ミラー
【テーマコード(参考)】
4C097
4C267
【Fターム(参考)】
4C097AA27
4C097BB01
4C097BB04
4C097MM09
4C097SB03
4C267AA05
4C267AA56
4C267BB02
4C267BB04
4C267CC19
4C267EE01
(57)【要約】
人工心臓弁用の送達装置は、少なくとも1つの回転可能なノブを有するハンドルを含む。プル本体は、空洞内に配置され、ノブの回転が空洞内でハンドルの長手方向軸に沿ったプル本体の移動をもたらすように、ノブに動作可能に結合される。人工心臓弁のアクチュエータと解放可能に係合することができるアクチュエーションアセンブリは、スリーブ部材を含む。スリーブ部材の端部分は、ハンドルの空洞内に配置され、ノブの回転によるプル本体の移動が、ハンドルに対してスリーブ部材を軸方向に変位させるように、プル本体に結合される。スリーブ部材は、アクチュエーションアセンブリを人工心臓弁のアクチュエータとの係合から解放するために、軸方向に変位され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人工心臓弁用の送達装置であって、前記送達装置が、
ハンドル本体であって、第一の端部、第二の端部、前記第一の端部と前記第二の端部との間の空洞、並びに前記第一の端部、前記空洞、及び前記第二の端部を通って延在する長手方向軸を有する、ハンドル本体と、
アクチュエータドライバであって、前記空洞内に配置された第一のドライバ端部分と、前記空洞外に配置された第二のドライバ端部分と、前記第一のドライバ端部分及び前記第二のドライバ端部分を通って延在する第一の軸方向軸と、を有する、アクチュエータドライバと、
前記アクチュエータドライバに動作可能に結合されたスリーブ部材であって、前記スリーブ部材が、前記空洞内に配置された第一のスリーブ端部分と、前記空洞外に配置された第二のスリーブ端部分と、前記第一のスリーブ端部分及び前記第二のスリーブ端部分を通って延在する第二の軸方向軸と、を有し、前記第二の軸方向軸が、前記第一の軸方向軸に平行である、スリーブ部材と、
前記空洞内に配置され、前記第一のスリーブ端部分に結合されたプル本体であって、前記プル本体の移動が前記ハンドル本体に対して前記スリーブ部材を軸方向に変位させるように、前記プル本体が前記長手方向軸に沿って移動可能である、プル本体と、を備える、送達装置。
【請求項2】
前記第二のドライバ端部分が、前記アクチュエータドライバを前記人工心臓弁のアクチュエータに解放可能に結合するための係合部材を備え、前記スリーブ部材が、前記長手方向軸に沿った前記プル本体の移動によって、前記係合部材上に延在可能であり、及び前記係合部材から引出し可能である、請求項1に記載の送達装置。
【請求項3】
前記空洞内に配置され、前記アクチュエータドライバの回転のために前記アクチュエータドライバに結合されたギアボックスを更に備え、前記ギアボックスが、ギアトレインを封入するギアボックスハウジングを備え、前記プル本体が、前記ギアボックスハウジングに移動可能に結合される、請求項1または2に記載の送達装置。
【請求項4】
前記プル本体に結合されたノブを更に備え、前記ハンドル本体に対する前記ノブの回転が、前記プル本体を前記長手方向軸に沿って移動させる、請求項3に記載の送達装置。
【請求項5】
前記プル本体が、第一のプル本体部分、第二のプル本体部分、並びに前記第一のプル本体部分の中心及び前記第二のプル本体部分の中心を通って延在する第三の軸方向軸を備え、前記第三の軸方向軸が前記長手方向軸に平行である、請求項4に記載の送達装置。
【請求項6】
前記第一のプル本体部分が、前記第三の軸方向軸に対して半径方向に配置され、前記プル本体の周辺上に位置付けられたピン部材を備え、前記ノブがカムスロットを備え、前記ノブが、前記ピン部材が前記カムスロット内へ延在するように、前記プル本体の周囲に配置される、請求項5に記載の送達装置。
【請求項7】
前記ノブが、円筒状内腔を形成する内表面を備え、前記円筒状内腔が、前記長手方向軸に平行に配向された第四の軸方向軸を画定し、前記カムスロットが、前記内表面に形成され、前記第四の軸方向軸に対して角度付けられた経路に沿って延在する、角度付きスロット部分を備える、請求項6に記載の送達装置。
【請求項8】
前記第一のプル本体部分が、中央ハブと、前記中央ハブから突出する半径方向アームと、を備え、前記ピン部材が、前記半径方向アームの端部に形成される、請求項6または7に記載の送達装置。
【請求項9】
前記第二のプル本体部分が、前記第三の軸方向軸に平行な方向に延在するソケットを備え、前記第一のプル本体部分が、前記ソケットの延長部を形成する開口部を備える、請求項6~8のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項10】
前記開口部及びソケットを通って延在するアクチュエーションチューブを更に備え、前記スリーブ部材が、前記アクチュエーションチューブに強固に結合され、前記アクチュエーションチューブが、前記プル本体に対して回転方向に固定される、請求項9に記載の送達装置。
【請求項11】
前記第一のプル本体が、前記第三の軸方向軸に対して半径方向に配置され、前記プル本体の周辺上に位置付けられた、複数のピン部材を備え、前記ピン部材が、互いに角度的にオフセットされる、請求項5に記載の送達装置。
【請求項12】
前記ノブが、複数のカムスロットを備え、前記ノブが、前記ピン部材の各々が前記カムスロットの1つに受容されるように、前記プル本体の周囲に配置される、請求項11に記載の送達装置。
【請求項13】
前記ノブが、円筒状内腔を形成する内表面を備え、前記円筒状内腔が、第四の軸方向軸を画定し、前記カムスロットの各々が、前記内表面に形成され、前記第四の軸方向軸に対して角度付けられた経路に沿って延在する、角度付きスロット部分を備える、請求項12に記載の送達装置。
【請求項14】
前記第一のプル本体部分が、中央ハブと、前記中央ハブから突出し、かつ互いから角度的にオフセットされた複数の半径方向アームと、を備え、前記ピン部材の各々が、前記半径方向アームの1つの端部に形成される、請求項11~13のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項15】
追加のアクチュエータドライバ及び追加のスリーブ部材を更に備え、各追加のスリーブ部材が、前記追加のアクチュエータドライバの1つに動作可能に結合される、請求項11~14のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項16】
前記第二のプル本体部分が、前記第三の軸方向軸に平行な方向に延在する複数のソケットを備え、前記第一のプル本体部分が、複数の開口部を備え、前記開口部の各々が、前記ソケットの1つの延長部を形成する、請求項15に記載の送達装置。
【請求項17】
複数のアクチュエーションチューブを更に備え、前記アクチュエーションチューブの各々が、前記ソケット及び対応する前記開口部の1つを通って延在し、前記スリーブ部材及び追加のスリーブ部材の各々が、前記アクチュエーションチューブの1つに強固に結合され、前記アクチュエーションチューブの各々が、前記プル本体に対して回転方向に固定される、請求項16に記載の送達装置。
【請求項18】
前記第二のプル本体部分が、前記第三の軸方向軸に平行な方向に突出し、前記第三の軸方向軸を横断する方向に互いに離間する、一対のスライダアームを備える、請求項7~17のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項19】
各スライダアームが、前記第三の軸方向軸に対して横断方向に配向された一対の対向する表面を有する、端部分を備え、
前記ギアボックスハウジングの端部分が、前記長手方向軸に沿った方向に延在する一対のスロットを備え、前記一対のスライダアームが、前記一対のスロット内へ延在し、前記長手方向軸に沿った前記プル本体の移動に応答して、前記一対のスロットに沿って移動可能であり、
前記ギアボックスハウジングの前記スロットの各々が、前記長手方向軸に沿って離間し、所定の方向の前記スライダアームの移動を選択的に係合及び停止するように位置付けられた、一対の対向する停止面を備える、請求項18に記載の送達装置。
【請求項20】
前記第二のプル本体部分が、前記第三の軸方向軸に沿った方向に突出し、前記第三の軸方向軸に対して横断方向に互いに離間する、一対のガイドビームを備え、
前記ギアボックスハウジングの端部分が、前記長手方向軸に沿った方向に延在する一対のチャネルを備え、前記一対のガイドビームが、前記一対のチャネル内へ延在し、前記長手方向軸に沿った前記プル本体の移動に応答して、前記一対のチャネルに沿って移動可能である、請求項5~19のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項21】
前記プル本体が、前記第三の軸方向軸に沿った方向に延在する第一の開口部を備え、前記ギアボックスハウジングが、前記長手方向軸に沿った方向に延在する第二の開口部を備え、前記第一の開口部及び前記第二の開口部を通って延在する、ガイドロッドを更に備える、請求項5~20のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項22】
人工心臓弁を移植する方法であって、
ハンドルに結合されたアクチュエータドライバの端部分を、前記人工心臓弁のフレームに結合されたアクチュエータの端部分と係合させることと、
前記ハンドルの長手方向軸に沿って第一の方向にプル本体を移動させて、前記アクチュエータドライバ及びアクチュエータの係合させられた前記端部分にわたって、前記プル本体に結合されたスリーブ部材の端部分を延在させることと、
前記人工心臓弁を移植位置に送達することと、
前記人工心臓弁を機能的サイズに半径方向に拡張することと、
前記ハンドルの前記長手方向軸に沿って、前記第一の方向とは反対の第二の方向に前記プル本体を移動させて、前記スリーブ部材の前記端部分を、前記アクチュエータドライバ及びアクチュエータの係合させられた前記端部分から引出すことと、
前記アクチュエータの前記端部分から前記アクチュエータドライバの前記端部分を解放することと、を含む、方法。
【請求項23】
前記ハンドルの前記長手方向軸に沿って前記プル本体を前記移動させることの各々が、前記プル本体に動作可能に結合されたノブを回転させることを含む、請求項22に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年12月21日出願の米国仮特許出願第63/292,285号の優先権を主張するものであり、これは、参照により、その全体が本明細書に組込まれる。
【0002】
本分野は、人工心臓弁などの移植可能な人工装置に関し、人工心臓弁を移植するための送達装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ヒトの心臓は、様々な弁膜症に罹患する可能性がある。これらの弁膜症は、心臓の深刻な機能不全を引き起こし得るものであり、最終的には、自己弁を修復することが必要となり、又は自己弁を人工弁へと置換することが必要となる。修復装置(例えば、ステント)及び人工弁として多数のものが知られていると共に、それらの装置及び弁をヒト内へと移植する方法としても、多数のものが知られている。経皮的な及び低侵襲的な外科的アプローチを様々な手順で使用することで、身体内部における、手術では容易にアクセスし得ない位置へと、又は、手術なしでアクセスすることが望ましい位置へと、人工医療機器を送達する。
【0004】
一具体例では、人工心臓弁を、送達装置の遠位端上に捲縮状態で取付けてもよく、患者の血管系を通して(例えば、大腿動脈及び大動脈を通して)前進させてもよく、人工心臓弁を心臓内の移植部位へと到達させてもよい。その後、人工心臓弁を、例えば、人工弁が取付けられるバルーンを膨張させることによって、又は人工心臓弁に対して拡張力を印加する機械的アクチュエータを駆動することによって、又は人工心臓弁を送達装置のシースから展開することによって、その機能的サイズへと自己拡張させ得ることにより、その機能的サイズへと拡張させる。
【0005】
拡張のために機械的アクチュエータに依存する人工心臓弁は、「機械的に拡張可能な」人工心臓弁と称されてもよい。機械的に拡張可能な人工心臓弁は、自己拡張可能な人工心臓弁と比較して、及びバルーン拡張可能な人工心臓弁と比較して、1つ以上の利点を提供することができる。例えば、機械的に拡張可能な人工心臓弁は、様々な直径へと拡張することができる。機械的に拡張可能な人工心臓弁は、また、初期的な拡張後に、圧縮することができる(例えば、再位置決めのために、及び/又は回収のために)。しかしながら、一部の知られている装置及び方法は、拡張中に人工弁の回転又は移動を引き起こす可能性がある。
【0006】
経皮的弁技術の最近の進歩にもかかわらず、そのような弁のための、改善された経カテーテル心臓弁及び送達装置に対するニーズが、依然として存在する。
【発明の概要】
【0007】
人工心臓弁を移植するための送達装置及び方法が、本明細書に記載される。開示された送達装置及び方法は、例えば、人工心臓弁を移植するために必要な、困難及び/又は時間を低減することができる。開示された送達装置は、比較的単純かつ容易に使用できるものであり、人工心臓弁が安全かつ確固として移植されることを確実にするのに役立ち得る、様々な保護手段を含む。
【0008】
人工心臓弁などの人工インプラント用の送達装置は、ハンドルと、ハンドルに結合された1つ以上のシャフトと、を備え得る。
【0009】
いくつかの実施例では、人工心臓弁用の送達装置は、ハンドル本体、プル本体、アクチュエーションアセンブリ、及びノブを備え得る。ハンドルは空洞を有し、長手方向軸を画定する。プル本体は、空洞内に配置され、空洞内及び長手方向軸に沿って移動可能である。アクチュエーションアセンブリは、長手方向軸に沿ったプル本体の移動が、ハンドル本体に対してスリーブ部材を軸方向に変位させるように、空洞内に配置され、プル本体に結合された、端部分を有するスリーブ部材を備える。ノブは、ハンドル本体上に回転可能に取付けられ、ハンドル本体に対するノブの回転が、空洞内で、かつ長手方向軸に沿ってプル本体を移動させるように、プル本体に動作可能に結合される。
【0010】
いくつかの実施例では、人工心臓弁用の送達装置は、ハンドル本体、アクチュエータドライバ、スリーブ部材、及びプル本体を備え得る。ハンドル本体は、第一の端部、第二の端部、第一の端部と第二の端部との間の空洞、並びに第一の端部、空洞、及び第二の端部を通って延在する長手方向軸を有する。アクチュエータドライバは、空洞内に配置された第一のドライバ端部分、空洞の外側に配置された第二のドライバ端部分、並びに第一のドライバ端部分及び第二のドライバ端部分を通って延在する第一の軸方向軸を有する。スリーブ部材は、アクチュエータドライバに動作可能に結合される。スリーブ部材は、空洞内に配置された第一のスリーブ端部分と、空洞の外側に配置された第二のスリーブ端部分と、第一のスリーブ端部分及び第二のスリーブ端部分を通って延在する第二の軸方向軸とを有し、第二の軸方向軸は、第一の軸方向軸に平行である。プル本体は、空洞内に配置され、第一のスリーブ端部分に結合される。プル本体は、プル本体の移動がハンドル本体に対してスリーブ部材を軸方向に変位させるように、長手方向軸に沿って移動可能である。
【0011】
いくつかの実施例では、送達装置は、本明細書の実施例1~40に列挙された構成要素の1つ以上を備える。
【0012】
アセンブリは、人工心臓弁及び送達装置を備え得る。
【0013】
いくつかの実施例では、送達アセンブリは、人工心臓弁、ハンドル、アクチュエータドライバ、スリーブ部材、プル本体、及びノブを備え得る。人工心臓弁は、フレームと、フレームに結合され、半径方向に拡張された構成と半径方向に圧縮された構成との間でフレームを移動させるように動作可能な、少なくとも1つのアクチュエータとを備える。ハンドルは、空洞を有し、長手方向軸を画定する、ハンドル本体を備える。アクチュエータドライバは、人工心臓弁の少なくとも1つのアクチュエータと解放可能に係合するように構成される。スリーブ部材は、アクチュエータドライバに動作可能に結合され、アクチュエータドライバが少なくとも1つのアクチュエータと係合して保持される第一の位置と、アクチュエータドライバが少なくとも1つのアクチュエータから係合から解放される第二の位置との間で、移動可能である。プル本体は空洞内に配置され、スリーブ部材の端部分に結合され、プル本体の移動が、スリーブ部材を第一の位置と第二の位置との間で軸方向に変位させるように、プル本体は、長手方向軸に沿って移動可能である。ノブは、ハンドル本体上に回転可能に取付けられ、ハンドル本体に対するノブの回転が、プル本体を長手方向軸に沿って移動させるように、プル本体に動作可能に結合される。
【0014】
いくつかの実施例では、送達アセンブリは、本明細書の実施例41~48に列挙された構成要素の1つ以上を含む。
【0015】
移植方法は、人工心臓弁を送達装置に結合することと、送達装置を用いて人工心臓弁を移植位置に送達することと、送達装置を使用して人工心臓弁を機能的サイズ又は動作直径に拡張することとを含み得る。
【0016】
いくつかの実施例では、人工心臓弁を移植する方法は、ハンドルに結合されたアクチュエータドライバの端部分を、人工心臓弁のフレームに結合されたアクチュエータの端部分と係合させることと、ハンドルの長手方向軸に沿ってプル本体を第一の方向に移動させて、プル本体に結合されたスリーブ部材の端部分を、アクチュエータドライバ及びアクチュエータの係合させられた端部分にわたって延在させることと、人工心臓弁を移植位置に送達することと、人工心臓弁を機能的サイズに半径方向に拡張することと、ハンドルの長手方向軸に沿って、第一の方向とは反対の第二の方向にプル本体を移動させて、スリーブ部材の端部分をアクチュエータドライバ及びアクチュエータの係合させられた端部分から引出すことと、アクチュエータドライバの端部分をアクチュエータの端部分から解放することとを含み得る。
【0017】
いくつかの実施例では、方法は、本明細書の実施例49~50に列挙される動作の1つ以上を含む。
【0018】
本開示の様々な革新は、組合わせて、又は別々に、使用されることができる。本概要は、以下の発明を実施するための形態で更に説明する概念の選択を、簡略的な形態で紹介するために提供される。本概要は、特許請求される主題に関する主要な特徴又は必須の特徴を特定することを意図するものではなく、特許請求される主題の範囲を限定するために使用することを意図するものでもない。本開示に関する上記の及び他の、目的、特徴、及び利点は、以下の発明を実施するための形態から、特許請求の範囲から、及び添付図面から、より明瞭となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、人工心臓弁の斜視図である。
図2A図2Aは、弁構造が取除かれた、半径方向に拡張された構成にある、人工心臓弁の斜視図であり、フレームの流出端にあるアクチュエータヘッドを示す。
図2B図2Bは、半径方向に拡張された構成にある、人工心臓弁の斜視図であり、フレームの流入端にあるアクチュエータヘッドを示す。
図3図3は、人工心臓弁のアクチュエータの詳細図である。
図4A図4Aは、送達装置の近位端部分の側面図である。
図4B図4Bは、送達装置の遠位端部分の側面図であり、それに結合された、半径方向に拡張された構成にある、人工心臓弁を有する。
図5図5は、図4Bの線5-5に沿って切り取られた、送達装置のシャフトアセンブリの断面図である。
図6図6は、送達装置のアクチュエーションアセンブリの一部分の斜視図である。
図7A図7Aは、人工心臓弁のアクチュエータと整列された、送達装置のアクチュエーションアセンブリの斜視図である。
図7B図7Bは、アクチュエータと係合する、アクチュエーションアセンブリの斜視図である。
図7C図7Cは、人工心臓弁のフレームと係合する、アクチュエーションアセンブリの外側スリーブの斜視図である。
図8図8は、図4Aの線8-8に沿って切り取られた、送達装置のハンドルの断面図である。
図9A図9Aは、ハンドルのノブに結合されたハンドル内のギアボックスを示す、送達装置のハンドルの一部分である。
図9B図9Bは、ギアボックスハウジングが透明として示される、ギアボックスの斜視図である。
図9C図9Cは、ギアボックスハウジング内部の区画を示す、送達装置のハンドルの一部分の斜視図である。
図10A図10Aは、ギアボックスのギアトレインの斜視図である。
図10B図10Bは、ハンドルの長手方向軸に平行な方向の、ギアトレインの平面図である。
図10C図10Cは、ハンドルの長手方向軸に対して横方向の、ギアトレインの平面図である。
図11図11は、弁構造を有さず、アクチュエーションロッドの2セットへの分割を示す、人工心臓弁の別の斜視図である。
図12図12は、半径方向に拡張された構成にある人工心臓弁、及び送達装置を含む、送達アセンブリの概略図である。
図13A図13Aは、アクチュエータドライバ用のトルクリミッタの斜視図である。
図13B図13Bは、図13Aの線13B-13Bに沿った、トルクリミッタの断面図である。
図14図14は、ねじりばねの斜視図である。
図15図15は、トルクリミッタの回転アセンブリの、第一の回転本体の斜視図である。
図16図16は、トルクリミッタの回転アセンブリの、第二の回転本体の斜視図である。
図17A図17Aは、概して、図13Bの線17A-17Aに沿った、トルクリミッタの断面図である。
図17B図17Bは、概して、図13Bの線17B-17Bに沿った、トルクリミッタの断面図である。
図18図18は、ハウジング内に配置された、トルクリミッタの断面図である。
図19図19は、図18の線19-19に沿って切り取られた、ハウジング内のトルクリミッタの断面図である。
図20A図20A及び20Bは、ねじりばねのねじり中の、ねじりばねのアームの接近を示す。
図20B図20A及び20Bは、ねじりばねのねじり中の、ねじりばねのアームの接近を示す。
図21A図21Aは、ハンドルの本体に取付けられたロードセルを示す、ハンドルの近位端部分の断面図である。
図21B図21Bは、ロードセルと接触するギアボックス上のプレート延長部を示す、ハンドルの一部分である。
図22A図22Aは、ギアボックスハウジングの上面図である。
図22B図22Bは、ギアボックスハウジングの側面図である。
図22C図22Cは、ギアボックスハウジングの近位端図である。
図22D図22Dは、図22Bの線22D-22Dに沿った、ギアボックスハウジングの断面図である。
図22E図22Eは、図22Bの線22E-22Eに沿った、ギアボックスハウジングの断面図である。
図22F図22Fは、図22Bの線22F-22Fに沿った、ギアボックスハウジングの断面図である。
図22G図22Gは、図22Bの線22G-22Gに沿った、ギアボックスハウジングの断面図である。
図22H図22Hは、図22Bの線22H-22Hに沿った、ギアボックスハウジングの断面図である。
図22I図22Iは、ギアボックスハウジングの遠位端部分の斜視図である。
図22J図22Jは、ギアボックスハウジングの遠位端図である。
図22K図22Kは、出力シャフト上に取付けられたエンコーダを示す、ギアボックスの斜視図である。
図23図23は、ノブ及びギアボックスに結合されたプル本体を示す、ハンドルの一部分の斜視図である。
図24A図24Aは、ギアボックスに結合されたプル本体を示す、ハンドルの一部分の斜視図である。
図24B図24Bは、プル本体の端部から見た、プル本体の斜視図である。
図24C図24Cは、プル本体の斜視図である。
図24D図24Dは、図24Cの線24D-24Dに沿って延在する平面に沿った、プル本体の断面図である。
図24E図24Eは、図24Aの線24E-24Eに沿って延在する平面に沿った、ハンドルの一部分の断面図であり、プル本体のスライドアームが、ギアボックスハウジング上の第一の停止面に当接する。
図24F図24Fは、プル本体のスライダアームが、ギアボックスハウジング上の第二の停止面に当接する、図24Eに示す断面図である。
図24G図24Gは、図24Aの線24G-24Gに沿って延在する平面に沿った、ハンドルの一部分の断面図である。
図25A図25Aは、内側チャネルを有する、ノブの断面図である。
図25B図25Bは、図25Aの線25B-25Bに沿って延在する平面に沿った、ノブの断面図である。
図26図26は、図4Aの線26-26に沿った、ハンドルの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
一般的な考慮事項
【0021】
主題は、実装及び実施例を用いて記載される。いくつかの事例では、当業者によって認識されるように、開示された実装及び実施例は、開示された具体的な詳細の1つ以上なしで実施されてもよく、又は本明細書に具体的に開示されていない他の方法、構造、及び材料で実施されてもよい。本明細書に記載され、図面に示される、全ての実装及び実施例は、提案された組合わせが、互換性のない又は相互に排他的な要素を含む場合など、文脈によって明確に別段の指示がない限り、任意の数の組合わせを形成するために、いかなる制限もなしに組合わせることができる。本明細書に記載される任意のプロセスにおける作用の連続順序は、1つの作用が入力として別の作用の結果を要求する場合など、文脈が別段明確に指示しない限り、再配列されてもよい。
【0022】
簡潔さのため、及び記載の連続性のために、同一の又は類似の参照文字は、異なる図の同一の又は類似の要素に使用されることがあり、1つの図の中の要素の記載は、要素が同一の又は類似の参照文字を有する他の図に現れるとき、持ち越されるとみなされる。いくつかの事例では、「に対応する」という用語は、異なる図の要素間の対応を記述するために使用され得る。使用例において、第一の図の中の要素が第二の図の中の別の要素に対応するものとして記載される場合、第一の図の中の要素は、別段の記載がない限り、第二の図の中の他の要素の特徴を有するとみなされ、その逆も同様である。
【0023】
「含む(comprise)」という語、並びに「含む(comprises)」及び「含む(comprising)」などのその派生語は、オープンで、包括的な意味で、すなわち「含むがこれに限定されない(including, but not limited to)」と解釈されるべきである。単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、「少なくとも1つ(at least one)」、及び「1つの(the)」は、文脈上別段の指示がない限り、複数の参照を含む。「及び/又は」という用語は、要素の列記の最後の2つの要素間で使用される場合、列記された要素の任意の1つ以上を意味する。「又は」という用語は、文脈が別段明確に指示しない限り、その最も広い意味で、すなわち、「及び/又は」の意味として、一般的に用いられる。
【0024】
修飾語句を有しない「結合される」という用語は、一般的に、物理的に結合又は連結されることを意味し、具体的な反対する言葉のない限り、結合された要素間の中間要素の存在を除外しない。要素と共に使用される場合の「複数性」、又は「複数の」という用語は、要素の2つ以上を意味する。方向及び他の相対的参照(例えば、内側と外側、上部と下部、上方と下方、左と右、及び近位と遠位)は、本明細書の図面及び原理の議論を促進するために使用され得るが、限定的であることを意図しない。
【0025】
「近位」、及び「遠位」という用語は、送達装置の使用位置に対して定義される。一般に、装置のユーザーに最も近い送達装置の端部は近位端であり、ユーザーから最も遠い送達装置の端部(例えば、患者の身体に挿入される端部)は遠位端である。物体の2つの空間的に分離された位置又は部分で使用される場合、「近位」という用語は、送達装置の近位端により近い、又は送達装置の近位端に向かって配向されることを意味すると理解され得る。物体の2つの空間的に分離された位置又は部分で使用される場合、「遠位」という用語は、送達装置の遠位端により近い、又は送達装置の遠位端に向かって配向されることを意味すると理解され得る。
【0026】
開示される技術への導入
【0027】
人工心臓弁、送達装置、及び人工心臓弁を移植するための方法が、本明細書に記載される。人工心臓弁は、人工心臓弁を半径方向に拡張、又は半径方向に圧縮するように動作することができる、2つ以上のアクチュエータを含み得る。送達装置は、アクチュエータを解放可能に係合及び動作させるための、アクチュエータドライバを含み得る。
【0028】
いくつかの実施例では、送達装置は、アクチュエータを動作している間に、人工心臓弁に対する正味モーメント力が実質的にゼロとなるように、アクチュエータに動作可能に結合された、逆回転機構を含み得る。アクチュエータを使用した人工心臓弁の拡張中、アクチュエータの逆回転移動は、人工心臓弁を、自己の解剖学的構造に対して回転方向に固定された位置に維持するのに、役立つことができる。
【0029】
いくつかの実施例では、逆回転機構は、送達装置のハンドル内に枢動可能に取付けられ、アクチュエータドライバに結合された、ギアボックスを含み得る。いくつかの実施例では、停止部材は、ハンドル内に配置されて、ギアボックスと係合し、人工心臓弁の拡張中にその枢動を制限することができる。いくつかの実施例では、停止部材は、ギアボックスが停止部材と係合している間に、ギアボックス上の負荷を測定するためのセンサを含み得る。
【0030】
いくつかの実施例では、送達装置は、人工心臓弁の拡張中にアクチュエータドライバに印加される、トルクを制限する機構を含み得る。トルクリミッタは、アクチュエータドライバに印加されるトルクが所定の最大トルクの公差内にあると、ギアボックスのギアトレインを停止するように構成され得る。
【0031】
開示された技術の実施例
【0032】
図1は、一実施例による、人工心臓弁100を示す。人工心臓弁100は、自己の心臓弁(例えば、大動脈弁、僧帽弁、肺動脈弁、及び/又は三尖弁)を置換するように、構成されてもよい。人工心臓弁100は、患者の身体内の移植位置に送達するために、半径方向に圧縮され、次いで、移植位置で動作直径に半径方向に拡張され得る、機械的に拡張可能な人工心臓弁として示される。人工心臓弁100は、環状形状を有する、フレーム104を含むことができる。人工心臓弁100は、更に、フレーム104に対して結合されており、かつその内部に支持された、弁構造108を含むことができる。
【0033】
例では、弁構造108は、可撓性材料で作製され、血流を調節するために開閉するように構成された、1つ以上の弁尖112を含む。一例では、弁構造108は、3つの弁尖112を有してもよく、これは、三尖配置で折畳まれるように配置されてもよい。弁尖112は、心膜組織(例えば、ウシ心膜組織)、生体適合性合成材料、又は様々な他の好適な天然材料若しくは合成材料で、全体的又は部分的に作製されてもよい。
【0034】
図2Aにより明確に示されるように、フレーム104は、流入端116、流出端120、及び流入端116から流出端120への方向に延在する長手方向軸Lを有する。フレーム104は、長手方向軸Lと整列し、フレーム104の周囲に沿って離間した、複数の支持ポスト124、128を含み得る。一例では、支持ポスト124、128は、フレーム104の周囲に沿って交互に配置され得る。フレーム104は、隣接する支持ポスト124、128の間に円周方向に延在し、支持ポスト124、128を相互接続する、複数の支柱132を更に含み得る。支柱132、及び支持ポスト124、128は、フレーム104のセル136を画定する。図示するように、支柱132は、湾曲した形状を有し得る。
【0035】
図1及び図2Aに示されるように、1つ以上の連子窓140は、支持ポスト124の1つ以上の中に形成され得る。連子部144は、弁尖112をフレーム104に結合するために、連子窓140に形成され得る。支持ポスト124の1つ以上は、フレーム104の流入端116へ延在する、カンチレバー支柱148を更に含み得る。いくつかの事例では、弁尖112の流入縁部152は、カンチレバー支柱148に取付けられ得(例えば、縫合糸154によって)、及び/又はフレーム104の選択された支柱132(例えば、縫合糸156を使用して)に取付けられ得る。
【0036】
一例では、フレーム104は、支柱132を偏向させることによって、半径方向に拡張された構成と、半径方向に圧縮された構成との間で調整され得る。一例では、フレーム104(例えば、ポスト及び支柱)は、フレーム104が半径方向に拡張された構成と半径方向に圧縮された構成との間で調整されることを可能にする、生体適合性の可塑的に拡張可能な材料で作製され得る。フレーム104の形成に使用され得る、可塑的に拡張可能な材料の適切な例としては、ステンレス鋼、コバルトクロム合金、及び/又はニッケルチタン合金(「NiTi」、又は「ニチノール」とも呼ばれ得る)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0037】
図2Aを参照すると、一例では、1つ以上のアクチュエータ168は、支持ポスト128に結合され、半径方向に拡張された構成と半径方向に圧縮された構成との間で、フレーム104を調整するために使用され得る。一例では、各支持ポスト128は、フレーム104の長手方向軸Lと整列し、ギャップGによって分離された対向する端部を有する、上部ポスト部材160及び下部ポスト部材164(「上部」及び「下部」という用語は図1のフレーム104の配向に対して相対的である)を含み得る。各々のアクチュエータ168は、ポスト部材160、164に結合され、フレーム104を半径方向に圧縮又は拡張するために、ギャップGを増加又は減少させるように動作可能であり得る。
【0038】
一例では、アクチュエータ168は、取付けられたアクチュエータヘッド176を有する、アクチュエータロッド172を含み得る。図2A及び2Bに示される例では、アクチュエータロッド172は、ポスト部材160、164を通って、又はポスト部材160、164内へ、かつギャップGを横切って延在する。図2Aに示す例では、アクチュエータロッド172は、流出端120から上部ポスト部材160に挿入され、アクチュエータヘッド176は、上部ポスト部材160の流出頂点に配置されるか、又は保持される。図2Bに示される例では、アクチュエータロッド172は、流入端116から下部ポスト部材164に挿入され、アクチュエータヘッド176は、下部ポスト部材164の流入頂点に配置されるか、又は保持される。
【0039】
いくつかの実施例では、アクチュエータロッド172は、外部からねじ込まれる。図2A及び2Bに示されるように、下部ポスト部材164は、アクチュエータロッド172とねじ込み係合するための内ねじを有する、ナット180を含み得る。この場合、アクチュエータロッド172は、アクチュエータロッド172をナット180に対して回転させることによって、長手軸方向に移動され得る。いくつかの実施例では、アクチュエータロッド172は、上部ポスト部材160に対して自由に摺動可能であり得る。他の例では、アクチュエータロッド172は、上部ポスト部材160とねじ込み係合することができる。
【0040】
図3に示されるように、アクチュエータヘッド176は、スロット188を形成する一対の突出部184を含み得る。アクチュエータヘッド176は、1つ以上のショルダー192を更に含み得る。更に記載されるように、送達装置のアクチュエーションアセンブリは、スロット188及びショルダー192を介して、アクチュエータヘッド176と解放可能に係合することができる。
【0041】
図2A及び2Bを参照すると、1つのシナリオでは、アクチュエータロッド172を第一の方向に回転させて、上部ポスト部材160を下部ポスト部材164に向かって移動させ、それによって、ギャップGのサイズを減少させることができ、これは、フレーム104を半径方向に拡張させる効果を有し得る。別のシナリオでは、アクチュエータロッド172が第二の方向に回転して、上部ポスト部材160を下部ポスト部材164から離間するように移動させ、それによって、ギャップGのサイズを増加させ、これがフレーム104を半径方向に圧縮する効果を有し得る間、下部ポスト部材164は、安定に保持され得る。人工心臓弁を過度に捲縮することを避けるために、ストッパー185(例えば、ナット)をアクチュエータロッド172上に設置して、アクチュエータロッド172を回転させてフレーム104を半径方向に圧縮しながら、アクチュエータロッド172の移動を制限してもよい。
【0042】
代替的な実装では、更に記載されるように、アクチュエータロッド172の一部は、一つの方向に回転することができ、他のアクチュエータロッド172は、同時に反対方向に回転して、フレームを半径方向に拡張するか、又はフレームを半径方向に圧縮するかのいずれかを行う。アクチュエータロッドのこの逆回転は、アクチュエータロッド172の各々の軸の周囲での回転中に(例えば、フレーム104を半径方向に拡張するときに)、フレーム104全体が長手方向軸Lの周囲を回転する可能性を低減するのに役立つように、使用され得る。
【0043】
機械的に拡張可能な弁の追加的な例は、国際出願第PCT/US2021/052745号、及び米国仮特許出願第63/209904号に見出すことができ、これらは、参照により、本明細書に組み込まれる。
【0044】
図4A及び4Bは、一実施例による送達装置200を示す。送達装置200は、人工心臓弁100を、患者の体内の移植位置に送達するために、使用され得る。送達装置200は、ハンドル204、及びハンドル204に結合されたシャフトアセンブリ208を含む。送達装置200は、人工心臓弁100をシャフトアセンブリ208の遠位端部分に解放可能に結合し、人工心臓弁100を半径方向に拡張及び/又は圧縮するために使用され得る、1つ以上のアクチュエーションアセンブリ220を更に含み得る。
【0045】
人工心臓弁100は、図4Bに、拡張された構成で示される。人工心臓弁100の移植位置への送達を容易にするために、送達装置200(及び/又は他の捲縮装置)を使用して、人工心臓弁100を、半径方向に拡張された機能構成から、半径方向に圧縮された送達構成に、移動させることができる。移植位置になると、アクチュエーションアセンブリ220のアクチュエーションドライバは、人工心臓弁100のアクチュエータ168を動作させて、人工心臓弁100を、動作直径に半径方向に拡張することができる。
【0046】
一例では、ハンドル204は、一緒に結合された、近位本体部分212及び遠位本体部分216を含む。本体部分212、216は、ハンドル204の長手方向軸L1に沿って延在する、空洞(図8に205として示される)を画定する。送達装置200の様々な機構は、空洞205内に配置される。
【0047】
図4B及び5に示されるように、シャフトアセンブリ208は、シャフトの全長に沿って延在する内腔225を有する、外側送達シャフト224を含み得る。シャフトアセンブリ208は、内腔225を通って延在し、内腔234、242を有するマルチルーメン送達シャフト228を含み得る。シャフトアセンブリ208は、内腔234を通って延在する、ノーズコーンシャフト232を含み得る。アクチュエーションアセンブリ220は、内腔242を通って延在し得る。内腔234は、マルチルーメン送達シャフト228内に中央に配置され得、内腔242は、マルチルーメン送達シャフト228の中心軸の周囲に角度的に離間し(均一又は不均一に)、内腔234の周囲に配置され得る。
【0048】
一例では、ノーズコーンシャフト232の近位端部分は、近位本体部分212に画定されるハンドル204の空洞の一部へ延在し(図4Aに示す)、及びノーズコーンシャフト232の遠位端部分は、マルチルーメン送達シャフト228の遠位端から遠位に延在する(図4Bに示される)。人工心臓弁100は、アクチュエーションアセンブリ220に解放可能に結合された時に、ノーズコーンシャフト232の遠位端部分の周囲に配置され得る。
【0049】
ノーズコーンシャフト232は、ガイドワイヤを受容するための、ガイドワイヤ内腔236を画定し得る。図4Bに示されるように、ノーズコーン240は、ノーズコーンシャフト232の遠位端に取付けられ得る。ノーズコーン240は、ガイドワイヤ内腔236に整列及び接続される、中央開口部241を有し得る。移植手技中、ガイドワイヤは、最初に患者の血管系に挿入され得る。ガイドワイヤの近位端は、送達装置200が、患者の脈管構造を通して、ガイドワイヤ上の移植位置に前進することを可能にするために、ノーズコーン240の中央開口部241に挿入され得る。
【0050】
図6は、アクチュエーションアセンブリ220の遠位端部分を示す。各アクチュエーションアセンブリ220は、外側スリーブ244、及び外側スリーブ244を通って延在するアクチュエータドライバ248を含み得る。例では、アクチュエータドライバ248は、中央突出部252及び1つ以上の可撓性の延伸した要素254を有する、遠位ヘッドを含む。中央突出部252は、人工心臓弁のアクチュエータ168のアクチュエータヘッド176のスロット188(図3に示される)内へ延在するように、構成され得る。可撓性の延伸した要素254は、アクチュエータヘッド176のショルダー192(図3に示される)と係合するように構成された、半径方向突出部256を有し得る。
【0051】
図7A図7Cは、アクチュエーションアセンブリ220と、各々のアクチュエータ168との係合を図示する。最初に、アクチュエーションアセンブリ220の遠位端部分は、図7Aに示されるように、アクチュエータ168のアクチュエータヘッド176と整列する。次に、アクチュエータドライバ248の遠位端部分は、アクチュエータドライバ248の中央突出部252が、アクチュエータ168のアクチュエータヘッド176のスロット188内に配置されるように、前進する。中央突出部252がスロット188と係合すると、可撓性の延伸した要素254は、アクチュエータヘッド176の側面に配置され、可撓性の延伸した要素254の半径方向突出部256は、図7Bに示されるように、アクチュエータヘッド176上のショルダー192に対して遠位に位置する。
【0052】
外側スリーブ244は、アクチュエータドライバ248の遠位端部分の上を前進して、半径方向突出部256がショルダー192に当接するまで、アクチュエータヘッド176に対して可撓性の延伸した要素254を半径方向に圧縮し、それによって、アクチュエータドライバ248をアクチュエータ168に結合することができる。外側スリーブ244は、図7Cに示されるように、外側スリーブ244がフレーム104と係合するまで、更に前進することができる。
【0053】
外側スリーブ244は、延長部260の間のギャップ又はノッチ262を画定する、第一の及び第二の支持延長部260を有し得る。図7Cに示されるように、支持延長部260は、アクチュエーションアセンブリ220が各々のアクチュエータ168に結合されたときに、支持延長部260が各々の支持ポスト128の上部ポストアーム160の近位端部分の上に部分的に延在するように、配向され得る。支持延長部260のフレーム104との係合は、フレーム104の拡張中にアクチュエータロッド172によってフレーム104に印加される回転力に、対抗することができる。
【0054】
様々な他の結合機構を使用して、人工心臓弁を送達装置のアクチュエーションアセンブリに、解放可能に結合することができる。例えば、追加の結合機構は、米国特許出願第63/194,285号及び、代理人整理番号12052US01を有する米国特許出願に記載されており、それらは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0055】
図4Aに示されるように、ハンドル204は、送達装置200の様々な機能を実施して、人工心臓弁100を患者の体内の移植位置に送達するように構成され得る、1つ以上のノブを含み得る。一例では、ハンドル204は、第一のノブ264、第二のノブ268、及び第三のノブ272を含み得る。一例では、ノブ264、268、272は、ハンドル204の長手方向軸L1の周囲で、ハンドルの本体部分212、216に対して、回転可能なノブであり得る。ハンドル204は、安全ノブ276などの、回転可能又は摺動可能であり得る、他のノブを含み得る。
【0056】
例では、第一のノブ264は、ハンドル204の近位端に位置するのであり、送達装置200のアクチュエーションアセンブリ220、及び人工心臓弁100のアクチュエータ168を動作させるために使用され得る。図8に示されるように、第一のノブ264は、ハンドル204の空洞205の近位部分内に配置された、ギアボックス300を動作させるように構成され得る。アクチュエーションアセンブリ220のアクチュエータドライバ248は、ギアボックス300によって回転されるように、ギアボックス300に結合され得る。アクチュエータドライバ248の回転は、人工心臓弁100のアクチュエータ168の回転運動に変換され得る。
【0057】
例では、第二のノブ268は、ハンドル204の近位本体部分212及び遠位本体部分216が一緒に結合される場所に、位置する。第二のノブ268は、(例えば、人工心臓弁100を所望の移植位置に位置付け、人工心臓弁100を動作直径まで拡張した後に)アクチュエーションアセンブリ220を、人工心臓弁100から解放するように構成され得る。一例では、安全ノブ276は、人工心臓弁からのアクチュエーションアセンブリ220の、意図しない解放を防止するように、構成され得る。例えば、安全ノブ276は、第二のノブ268の陥没部内へ摺動して、第二のノブ268の回転を防止することができる。安全ノブ276を陥没部から引出すことにより、第二のノブ268を回転させることができる。
【0058】
例では、第三のノブ272は、ハンドル204の遠位端に位置する。第三のノブ272は、ハンドル本体に対するノブの回転が、外側送達シャフト224の、アクチュエーションアセンブリ220、人工心臓弁100、及びノーズコーンシャフト232に対する、軸方向の移動をもたらすように、構成され得る。
【0059】
一例では、送達カプセル226(図4Bに示される)は、外側送達シャフト224の遠位端に取付けられ得る。他のシャフト及び人工弁に対する遠位方向の、外側送達シャフト224の軸方向移動は、人工心臓弁100が送達カプセル内に封入されるように、送達カプセル226を、アクチュエーションアセンブリ220及び人工心臓弁100の遠位端部分の上で(すなわち、人工心臓弁100が半径方向に圧縮された構成にある時に)、移動させることができる。他のシャフト及び人工弁に対する近位方向の、外側送達シャフト224の軸方向移動は、送達カプセル226を人工心臓弁100から引出し、例えば、移植位置での展開のために、人工心臓弁を露出させることができる。いくつかの実施例では、第三のノブ272は、ハンドル204の空洞205の遠位部分内のキャリッジ280に、動作可能に結合され得る。外側送達シャフト224は、第三のノブ272の回転によるキャリッジ280の移動が、外側送達シャフト224の軸方向変位をもたらすように、キャリッジ280に結合され得る。
【0060】
人工心臓弁100の拡張中、アクチュエータ168の回転は、すなわち、フレーム104とアクチュエータ168のアクチュエータロッド172との間に作用する摩擦力に起因して、フレーム104にモーメント力を印加することができる。これらのモーメント力は、いくつかの事例では、拡張/収縮手順中に、フレームの長手方向軸Lの周囲を、フレーム104が回転又は枢動することをもたらし得る。フレーム全体のこうした回転を低減するのを助けるために、アクチュエータ168は、2つのセットに分割することができ、2つのセットは、一方のセットのアクチュエータによるモーメント力が、他方のセットのアクチュエータによるモーメント力によって相殺されるように、反対方向に回転することができる。これは、例えば、フレーム104が、人工心臓弁の拡張中に、回転方向に固定されたまま、又は少なくとも実質的に回転方向に固定されたままであるのを助けることができる。したがって、この構成は、例えば、人工心臓弁の位置付け及び/又は展開を、比較的容易に及び/又は予測可能にすることができる。
【0061】
図9A図9Cに示されるように、ハンドル204のギアボックス300は、ギアトレイン308の構成要素を保持するための様々な区画306を有する、ギアボックスハウジング304を含み得る。ギアトレイン308の出力シャフトは、ギアトレイン308の動作が、アクチュエータドライバ248の回転、及び結果として人工心臓弁100のアクチュエータ168の回転をもたらすように、アクチュエータドライバ248に結合され得る。一例では、ギアボックス300は、ギアトレイン308が、2つのセットのアクチュエータドライバを反対方向に回転させるように構成された、逆回転ギアボックスであり得る。
【0062】
図10A図10Cは、ギアトレイン308の1つの実装を示す。例では、ギアトレイン308は、入力シャフト324と、入力シャフト324に結合された入力ギア320とを含む。一例では、入力シャフト324は、ハンドル204の長手方向軸L1と整列する(図8に示されるように)。入力シャフト324は、第一のノブ264の回転が入力シャフト324の回転をもたらすように、ハンドル204の第一のノブ264に結合され得る(図8に示されるように)。入力ギア320は、入力シャフト324と共に回転する。入力ギア320の回転方向R1は、第一のノブ264が回転する方向に応じて、時計回り又は反時計回りとすることができる。
【0063】
ギアトレイン308は、入力シャフト324に平行に配置され得る、トランスミッションシャフト332に結合された、トランスミッションギア328を含み得る。入力ギア320の歯は、入力ギア320の回転がトランスミッションギア328を駆動するように、トランスミッションギア328の歯と噛み合っている。トランスミッションシャフト332は、トランスミッションギア328と共に回転する。一例では、第一の方向R1への入力ギア320の回転は、第一の方向とは反対の第二の方向R2にトランスミッションギア328を駆動する(R2が時計回り又は反時計回りであるかどうかは、第一のノブ264の回転によって決定される回転方向R1に依存する)。
【0064】
ギアトレイン308は、トランスミッションシャフト332に結合され、トランスミッションギア328の遠位に配置される、第一の駆動ギア336を含み得る。この場合、入力ギア320によってトランスミッションギア328を駆動することに応答した、トランスミッションシャフト332の回転は、第一の駆動ギア336の回転に変換される。第一の駆動ギア336は、トランスミッションギア328と同一の方向R2に回転する。
【0065】
ギアトレイン308は、トランスミッションシャフト332に平行に配置される駆動シャフト342上に支持される、第二の駆動ギア340を含み得る。第二の駆動ギア340の歯は、第一の駆動ギア336の回転が第二の駆動ギア340を駆動するように、第一の駆動ギア336の歯と噛み合っている。駆動シャフト342は、第二の駆動ギア340と共に回転する。第二の駆動ギア340は、第一の駆動ギア336が回転する方向R2とは反対の、方向R1に回転する。
【0066】
ギアトレイン308は、第一の駆動ギア336の中心軸の周囲に角度的に離間し、第一の駆動ギア336の歯と噛み合った歯を有する、(「ピニオンギア」とも称され得る)第一の出力ギアのセットを含み得る。例では、第一の出力ギアのセットは、出力ギア344a、344b、344cを含む。出力ギア344a、344b、344cは、第一の駆動ギア336が回転している方向R2とは反対の、方向R1に回転する。一例では、出力ギア344a、344b、334cは、各々、出力シャフト346a、346b、346cに結合される。出力シャフト346a、346b、346cは、アクチュエータドライバの第一のセットに結合され得る。
【0067】
ギアトレイン308は、第二の駆動ギア340の中心軸の周囲に角度的に離間し、第二の駆動ギア340の歯と噛み合った歯を有する、(「ピニオンギア」とも称され得る)出力ギアの第二のセットを含み得る。例では、出力ギアの第二のセットは、出力ギア344d、344e、344fを含む。出力ギア344d、344e、344fは、第二の駆動ギア340が回転している方向R1とは反対の、方向R2に回転する。このように、出力ギアの第二のセットの出力ギア344d、344e、344fは、出力ギアの第一のセットの出力ギア344a、344b、344cが回転する方向とは反対の、方向に回転する。一例では、出力ギア344d、344e、344fは、各々、出力シャフト346d、346e、346fに結合される。出力シャフト346d、346e、346fは、アクチュエータドライバの第二のセットに結合され得る。
【0068】
例示の目的で、図11は、支持ポスト128a、128b、128c、128d、128e、128fに各々結合された、アクチュエータ168a、168b、168c、168d、168e、168fを有するフレーム104を示す。一例では、アクチュエータの第一のセットは、アクチュエータ168a、168b、168cを含むことができ、アクチュエータの第二のセットは、アクチュエータ168d、168e、168fを含むことができる。図12に示されるように、アクチュエータ168a、168b、168cの第一のセットは、アクチュエータドライバ248a、248b、248cの第一のセットに結合されてもよく、アクチュエータ168d、168e、168fの第二のセットは、アクチュエータドライバ248d、248e、248fの第二のセットに結合されてもよい(簡略化のために、送達装置のいくつかの詳細は、図12には示さず、例えば、ハンドル204の本体、及びマルチルーメン送達シャフト228が延在する外側送達シャフト224は示されていない)。
【0069】
図11に戻ると、アクチュエータの第一のセットにおける、アクチュエータ168a、168b、168cの、アクチュエータロッド172a、172b、172cは、第一の構成を有するねじ山(例えば、右ねじ山)を有し得る。アクチュエータの第二のセットにおける、アクチュエータ168d、168e、168fの、アクチュエータロッド172d、172e、172fは、第一の構成とは反対の第二の構成を有するねじ山(例えば、左ねじ山)を有し得る。例えば、アクチュエータロッド172a、172b、172cが右ねじ山を有する場合、アクチュエータロッド172d、172e、172fは左ねじ山を有することができる(又はその逆)。したがって、第一のセットのアクチュエータ168a、168b、168c、及び第二のセットのアクチュエータ168d、168e、168fが、同時に反対方向に回転すると、全てのアクチュエータは、各々のギャップGを増加させるか、又はギャップGを減少させるかのいずれかに協働して作用する。
【0070】
アクチュエータを2つのセットに分割する、他の実施例が可能である。例えば、アクチュエータの第一のセットは、アクチュエータ168a、168c、168eを含んでもよく、アクチュエータの第二のセットは、アクチュエータ168b、168d、168fを含んでもよい(すなわち、フレームの周囲の周りの交互アクチュエータをセットに含めることができる)。この場合、アクチュエータの第一のセットのアクチュエータロッド172a、172c、172eは、第一の構成を有するねじ山(例えば、右ねじ山)を有してもよく、アクチュエータの第二のセットのアクチュエータロッド172b、172d、172fは、第一の構成とは反対の第二の構成を有するねじ山(例えば、左ねじ山)を有してもよい。
【0071】
実施例は、2つのセットに分割された、6つのアクチュエータを有する人工心臓弁100で提供されている。他の実施例では、人工心臓弁は、6つ超(例えば、7~15)、又は6つ未満(例えば、1~5)のアクチュエータを有し得る。他の事例では、人工心臓弁は、奇数のアクチュエータを有することができ、その場合、アクチュエータの1つのセットは、アクチュエータの他のセットと比較して、より多くの数のアクチュエータを有することができる。送達装置のアクチュエーションアセンブリ/アクチュエータドライバの数は、概して、人工心臓弁のアクチュエータの数と合致し得る。
【0072】
図12の簡略化された図では、アクチュエータドライバの第一のセットのアクチュエータドライバ248a、248b、248cの各々は、マルチルーメン送達シャフト228を通って延在し、人工心臓弁100の各々のアクチュエータ168a、168b、168cに接続される。同様に、アクチュエータドライバの第二のセットのアクチュエータドライバ248d、248e、248fの各々は、マルチルーメン送達シャフト228を通って延在し、人工心臓弁100の各々のアクチュエータ168d、168e、168fに接続される。アクチュエータドライバ248a、248b、248cは、ギアボックス300(図10A図10Cの346a、346b、346c)の出力シャフトの第一のセットに結合され、及びアクチュエータドライバ248d、248e、248fは、ギアボックス300(図10A図10Cの346d、346e、346f)の出力シャフトの第二のセットに結合される。ギアボックス300の入力シャフト324は、第一のノブ264に結合される。
【0073】
人工心臓弁100を、例えば、移植位置で半径方向に拡張するために、第一のノブ264を使用して、アクチュエータドライバ248a、248b、248cの第一のセット、及びアクチュエータドライバ248d、248e、248fの第二のセットを、反対方向に回転させることができる。アクチュエータドライバの2つのセットの逆回転は、アクチュエータの第一のセット168a、168b、168c、及びアクチュエータの第二のセット168d、168e、168fの逆回転をもたらす。アクチュエータの2つのセットのこの逆回転は、有利には、人工心臓弁の拡張中に、人工心臓弁が自己の解剖学的構造に対して回転する可能性を低減するのに役立ち得る。
【0074】
一部の実装では、各アクチュエータドライバ248に対してトルク限界を画定することができ、1つ以上のトルクリミッタ(例えば、各アクチュエータドライバ248に対して1つ)を提供して、アクチュエータドライバ248上のトルクが、所定の限界を超えるのを防止することができる。トルクリミッタは、例えば、人工心臓弁100の拡張中の、アクチュエータドライバ248の過負荷を防止することができる。一例では、トルクリミッタは、アクチュエータドライバ248上のトルクが所定の限界に達した時に、対応するアクチュエータドライバ248の回転を制限する。全てのアクチュエータドライバ248がギアトレイン308に結合されているため、ギアトレイン308は、アクチュエータドライバ248のいずれかがトルクリミッタによって停止された時に、効果的に停止する。
【0075】
図13A及び13Bは、一実施例による、トルクリミッタ400を示す。トルクリミッタ400は、アクチュエータドライバ248をギアトレイン308の出力シャフト346に結合することができ、アクチュエータドライバ248上のトルクが所定のトルク限界範囲内にある時に、アクチュエータドライバ248の回転を防止するように動作することができる。所定のトルク限界範囲の上限は、アクチュエータドライバ248上の最大トルクであってもよく、所定のトルク限界範囲の下限は、最大トルクの公差内(例えば、最大トルクの15%以内)のトルクであってもよい。一例では、アクチュエータドライバ248上の最大トルクは、50N-mmであり得る。トルクリミッタ400は、ギアボックスハウジング304の区画内に収容され得る。例示の目的で、図9Bは、ギアボックスハウジング304の区画306の1つ内の、トルクリミッタ400を示す。1つのトルクリミッタ400のみが図9B及び9Cに示されるが、いくつかの実施例では、送達装置200用のハンドル204は、複数(例えば、2~15)のトルクリミッタ400を備えることができる。例えば、送達装置の各アクチュエーションドライバ248は、各々のトルクリミッタ400を有し得る。
【0076】
図13A図13Bに戻ると、トルクリミッタ400は、長手方向軸L2を有する。トルクリミッタ400は、長手方向軸L2と整列し、長手方向軸L2の周囲を回転可能な、回転可能なアセンブリ401を含む。回転可能なアセンブリ401は、コネクタシャフト402を、ギアボックス300の出力シャフト346の1つに結合する。出力ギア344は、前述のように、出力シャフト346に結合される。アクチュエータドライバ248の1つは、コネクタシャフト402の結合セクション403で、コネクタシャフト402に結合され得る(例えば、1つ以上の止めねじ407を使用して)。1つのモードでは、回転可能なアセンブリ401は、コネクタシャフト402が出力シャフト346と共に回転することを可能にする。別のモードでは、回転可能なアセンブリ401は、コネクタシャフト402及び出力シャフト346の両方の回転を防止する。
【0077】
回転可能なアセンブリ401は、第一の回転可能な本体404、及び第二の回転可能な本体408を含む。例では、第二の回転可能な本体408は、第一の回転可能な本体404の遠位に位置付けられ、第一の及び第二の回転可能な本体404、408の両方は、長手方向軸L2の周囲で回転可能である。第一の回転可能な本体404は、第一の回転可能な本体404及び出力シャフト346が、長手方向軸L2の周囲を共に回転できるように、出力シャフト346に固定的に結合される。例では、第一の回転可能な本体404は、出力ギア344の遠位に位置付けられる。第二の回転可能な本体408は、第二の回転可能な本体408及びコネクタシャフト402が、長手方向軸L2を周囲を共に回転できるように、コネクタシャフト402に固定的に結合される。
【0078】
一例では、第一の回転可能な本体404は、近位軸方向孔412、及び遠位軸方向孔416を含む。出力シャフト346の遠位端部分は、近位軸方向孔412に挿入され、第一の回転可能な本体404が出力シャフト346と共に回転することを可能にする様式で、近位軸方向孔412と係合する。一例では、近位軸方向孔412は、非円形断面プロファイル(長手方向軸L2に垂直な平面に取られる)を有し得、これは、入力シャフト346の回転が第一の回転可能な本体404の回転をもたらすように、入力シャフト346上の非円形断面プロファイル(長手方向軸L2に垂直な平面に取られる)と一致するように適合される。例えば、近位軸方向孔412の非円形断面プロファイルは、「D字形状」(「平坦」と呼ぶこともできる)であってもよく、これは、同様にD字形状(又は「平坦」)の出力シャフト346と係合し、第一の回転可能な本体404が、出力シャフト346と同一の方向に回転することを可能にしてもよい。あるいは、出力シャフト346は、(例えば、溶接、接着などの固定結合のための他の手段によって)近位軸方向孔412に取付けられて、第一の回転可能な本体404を、出力シャフト346と共に回転させることができる。
【0079】
第二の回転可能な本体408は、第一の回転可能な本体404の遠位軸方向孔416と整列する、軸方向孔420を含み得る。コネクタシャフト402は、第一の回転可能な本体404の軸方向孔420を通って、第一の回転可能な本体404の遠位軸方向孔416内へ延在する。コネクタシャフト402は、コネクタシャフト402が第二の回転可能な本体408と共に回転することを可能にする様式で、第二の回転可能な本体408と係合することができる。例えば、軸方向孔420は、コネクタシャフト部材402上の相補的な非円形プロファイルと係合するための、非円形プロファイルを有し得る。あるいは、コネクタシャフト402は、軸方向孔420に(例えば、溶接、接着などによって)取付けられて、第二の回転可能な本体408が、コネクタシャフト402と回転可能になることを可能にすることができる。いくつかの実施例では、出力シャフト346の遠位端、及びコネクタシャフト402の近位端は、軸方向に離間し得る(例えば、第一の回転可能な本体404の壁又はショルダーによって分離される)。
【0080】
他の例では、コネクタシャフト402及び出力シャフト346の、対向する端部は、軸方向に重なり得る。こうした例では、シャフト402、346は、コネクタシャフト402と出力シャフト346との長手方向軸L2に沿った整列を容易にする一方で、コネクタシャフト402と入力シャフト346との間の相対的回転移動も可能にする、1つ以上の特徴部を含み得る。例えば、いくつかの事例では、コネクタシャフト402(又はその少なくとも一部分)は、コネクタシャフトが出力シャフト346内へ軸方向に延在し得る(又はその逆である)ように、出力シャフト346の内部孔の直径よりも小さい外径を備え得る。
【0081】
いずれの場合でも、出力シャフト346及びコネクタシャフト402は、一緒に固定的に結合されていない。したがって、以下で更に説明される、いくつかの事例では、出力シャフト346(及び第一の回転可能な本体404)、及びコネクタシャフト402(及び第二の回転可能な本体408)は、互いに対して回転することができる。
【0082】
例では、第一の回転可能な本体404、及び第二の回転可能な本体408は、回転付勢部材(例えば、ねじりばね424)によって一緒に結合される。図14に示されるように、ねじりばね424は、第一の及び第二の端部(又はアーム)部分428、430の対向する端部で終端する、コイル部分426を含む、らせん状のねじりばねであり得る。ねじりばね424の第一の端部分428及び第二の端部分430は、ねじりばね424のコイル部分426を越えて、半径方向外向きに延在し得る。ねじりばね424は、第一の端部分428が第二の端部分430から回転方向にオフセットされるように、構成されてもよい。
【0083】
一例では、図15に示されるように、第二の回転可能な本体408の近位端部分は、陥没部432及び接続された横方向スロット436を含み得る。陥没部432は、長手方向軸L2と中央に整列され、軸方向孔420に接続され得る。図16に示されるように、第一の回転可能な本体404の遠位端部分は、陥没部440、及び接続された横方向スロット442、444を含み得る。陥没部440は、長手方向軸L2と中央に整列され、遠位軸方向孔416に接続され得る。横方向スロット442、444は、長手方向軸L2の周囲で、互いから回転方向にオフセットされる。図13Bに示されるように、コネクタシャフト402は、軸方向孔420を通って遠位軸方向孔416内へ通過しながら、陥没部432、440を通って延在し得る。
【0084】
ねじりばね424のコイル部分426は、第一の端部分428が接続された横方向スロット436内へ延在する状態で(図17Aに示されるように)、及び第二の端部分430が第一の回転可能な本体404の横方向スロット442、444の1つの中へ延在する状態で(図17B示されるように)、整列された陥没部432、440によって形成されるチャンバ内に配置され得る。この位置では、コイル部分426は、陥没部432、440を通って延在する、コネクタシャフト402の一部分の周囲に配置される(図13Bに示される)。コイル部分426の中心軸は、回転可能な本体404、408の両方がコイル部分426の中心軸を周囲で回転できるように、トルクリミッタ400の長手方向軸L2と整列している。
【0085】
図17Aに示されるように、ねじりばね424の端部分430、428は、回転可能な本体404、408内に形成された、各々の受容スロット444、436の表面444a、436aと係合することができる。ねじりばね424は、回転可能な本体404、408を、回転可能な本体404、408が単一の本体として一緒に回転する、初期位置に付勢することができる。ねじりばね424は、アクチュエータドライバ248上のトルクが所定のトルク限界範囲内にある時に、端部分430、428が互いに接近する方向にねじるように構成される。いくつかの事例では、ねじりばね424は、予加重を印加されてもよく、ねじりばね424は、アクチュエータドライバ248上のトルクが、ねじりばね424の予加重を超えると、ねじれを開始し得る。ねじりばね424内の予荷重は、所定の範囲の下限として設定され得る。所定の範囲の上限は、アクチュエータドライバ248上の所定のトルク限界とすることができ、所定の範囲の下限は、アクチュエータドライバ248上の所定のトルク限界(例えば、所定のトルク限界の10%~15%以内)未満とすることができる。これは、ねじりばね424が、アクチュエータドライバ248が所定のトルク限界に到達した後、又はそれを超えた後ではなく、アクチュエータドライバ248が所定のトルク限界に近づくにつれてねじり始めることを意味する。いくつかの事例では、所定のトルク限界は、50N-mmとすることができる。図17Aに示される初期角度間隔429は、回転可能な本体404、408の初期位置に対応する。角度間隔429は、ねじりばね424のねじれ中に、端部分430、428が互いに接近するにつれてより小さくなる。
【0086】
図15に示されるように、テーパした陥没部448は、第二の回転可能な本体408の外表面446上に形成され得る。例では、各テーパした陥没部448は、第一の半径方向ショルダー452と、第二の回転可能な本体408の円周方向に第一の半径方向ショルダー452から離間した第二の半径方向ショルダー456と、第一の半径方向ショルダー452と第二の半径方向ショルダー456との間の外表面446の一部分446aとを含む。外表面部分446aは、一例では、曲面であり得る。
【0087】
第一の半径方向ショルダー452の半径方向突出部は、陥没部448が第一の半径方向ショルダー452から第二の半径方向ショルダー456まで半径方向に(すなわち、深くから浅く)テーパするように、第二の半径方向ショルダー456の半径方向突出部よりも大きい。各テーパした陥没部は、第二の回転可能な本体408の全長に沿って、又は第二の回転可能な本体408の長さに沿って部分的に、軸方向に延在し得る。一例では、2つのテーパした陥没部448が、外表面446上に形成される。テーパした陥没部448は、トルクリミッタの長手方向軸L2と同一であり得る、第二の回転可能な本体408の中心軸の周囲に、互いに角度的に離間している。2つのテーパした陥没部448間の角度間隔は、2つのテーパした陥没部が第二の回転可能な本体408の中心軸の周囲で、正反対に対向するようなものであってもよい。
【0088】
図18に更に示されるように、トルクリミッタ400の回転可能なアセンブリ401は、第二の回転可能な本体408の外表面446が、ハウジング460の内表面464によって囲まれるように、ハウジング460内に配置され得る。外表面446及び内表面464のテーパした陥没部448は、図19により明確に示されるように、第二の回転可能な本体408の周辺に配置された、円周方向にテーパしたチャネル468を画定し得る。ハウジング460は、ギアボックスハウジング304の区画(例えば、図22Gに示される、区画374a~fの1つ)、又はギアボックスハウジング304に取付けられた別個のハウジングとすることができる。
【0089】
図19により明確に示されるように、各チャネル468は、くさび部材472を収容する。一例では、くさび部材472は、長手方向ロッド部材の形態であり得る。一例では、くさび部材472は、くさび部材472が第一の回転可能な本体404と共に回転するように、第一の回転可能な本体404に固定的に結合される。一例では、くさび部材472の近位部分は、第一の回転可能な本体404の長手方向孔476内へ延在する(図13A、16、17A、17B、19に示される)。くさび部材472は、任意の適切な方法(例えば、摩擦、溶接、接着などによる)を使用して、孔476内の定位置に保持することができる。
【0090】
図19、20A、及び20Bは、トルクリミッタ400の動作を示す。ハンドル204の第一のノブ264を回転させて、ギアトレイン308を動作させることができる。ギアトレイン308が作動している間、ギアトレイン308は、出力シャフト346を回転させる。第一の回転可能な本体404は、出力シャフト346と共に回転する。第一の回転可能な本体404の回転は、ねじりばね424を通して、第二の回転可能な本体408の回転に変換される。第二の回転可能な本体408が回転するにつれて、コネクタシャフト402を介して、第二の回転可能な本体408に結合されたアクチュエータドライバ248も回転する。図19に示される状態では、ねじりばね424は、その静止している偏向されていない状態にあり、端部分428、430の間に初期角度差429を有する。この状態では、くさび部材472は、チャネル468の幅広い端に自由に収容され、第一の及び第二の回転可能な本体404、408は一緒に回転する。
【0091】
アクチュエータドライバ248上のトルクが、ねじりばね424のサイズ及び特性によって設定された、所定のトルク限界範囲に到達する場合、ねじりばね424のコイル部分426は、ねじりばね424の端部分428、430を互いに向かって接近させる様式でねじる。図20Aは、端部分428、430が互いに接近することによって、端部分428、430の間の角度間隔429aが、(図19に示す)初期角度間隔429より小さい(図19に示す初期角度間隔429は、図20Aに示す角度間隔429a、429bの合計である)ことを示す。ねじりばね424がねじれると、第一の回転可能な本体404は、図20Aに示されるように、第二の回転可能な本体408に対して回転する(一緒に回転するのではなく)。第一の回転可能な本体404が、第二の回転可能な本体408に対して回転するにつれて、くさび部材472は、矢印475によって示されるように、チャネルの幅広い端からチャネルの狭い端への方向へ、テーパしたチャネル468に沿って移動する。
【0092】
第一の回転可能な本体404は、くさび部材472がチャネル468の狭い端に対して押し付けられると回転を停止し、その結果、図20Bに示されるように、ハウジング460の表面、及び第二の回転可能な本体408、及びくさび部材472との間の干渉に起因して、テーパしたチャネル468内のくさび部材472の更なる回転移動が不可能となる。この状態では、第二の回転可能な本体408も回転を停止する。ギアトレイン308の全てのギアが相互接続されているため、アクチュエータドライバ248が、アクチュエータドライバ248に関連付けられた、第一の及び第二の回転可能な本体404、408、並びに出力ギア344の回転を停止する、トルク限界に達すると、ギアトレイン308全体の移動が停止し、ギアボックス300に結合された全ての他のアクチュエータドライバ248の回転移動を防止する。
【0093】
このようにして、トルクリミッタ400は、アクチュエーション部材及び/又は人工心臓弁及び/又は送達装置の他の構成要素が、所定のトルク限界内で動作することを確実にするのに役立ち得る。これは、とりわけ、人工心臓弁が拡張/収縮中に損傷されることを、低減若しくは防止し、並びに/又は人工心臓弁が自己の弁輪(及び/若しくは他の自己の組織)に対して過度に拡張されることを防止し得る。
【0094】
ギアボックスハウジング304は、図22A図22Jに示されるように、ギアトレイン308及びトルクリミッタ400の構成要素を収容する、様々な区画を含み得る。
【0095】
一例では、図22A図22Dに示されるように、ギアボックスハウジング304は、ギアボックスハウジングの近位端部分を形成する、第一のハウジングセクション310(第一のギアハウジングとも呼ぶことができる)を有し得る。第一のハウジングセクション310は、入力ギア320(図10A図10Cに示される)、及びトランスミッションギア328(図10A図10Cに示される)を収容するための、区画312及び314を含み得る。第一のハウジングセクション310は、入力シャフト324の近位端部分の通過のための(例えば、入力シャフト324の近位端部分を、第一のノブ264に結合させるための(図12に示される))、孔316を含み得る。第一のハウジングセクション310は、出力シャフト346a~fの近位端部分の通過のための、孔318a~fを含み得る(図10A図10Cに示される)。第一のハウジングセクション310は、第一のハウジングセクション310を、ギアボックスハウジングの他のハウジングセクションに固定するために使用され得る、ボルトなどの締結具を受容することができる、締結孔326を更に含み得る(図22Cに示される)。
【0096】
いくつかの事例では、第一のハウジングセクション310は、出力シャフト346a~fの1つの近位端部分の周囲にエンコーダを取付けるための、取付け孔322を含み得る。例えば、取付け孔322は、エンコーダを第一のハウジングセクション310に、かつ各々の出力シャフトの周囲に取付けるために使用される、ねじなどの締結具を受容することができる。図22Kは、出力シャフトの1つに取付けられたエンコーダ311を示す。一例では、エンコーダ311は、出力シャフトの回転数を検出できる、センシング部材を含むことができる。一例では、エンコーダは、磁気センサ及び磁場を生成するための磁気配置を含む、磁気エンコーダであってもよい。磁気センサは、出力シャフトが回転するときの、磁場の変化を検出することができる。光学エンコーダなどの、他のタイプのエンコーダを使用することができる。
【0097】
一例では、図22A図22Eに示されるように、ギアボックスハウジング304は、第一のハウジングセクション310に隣接して配置される、第二のハウジングセクション330(「第二のギアハウジング」とも呼ぶことができる)を有し得る。第二のハウジングセクション330は、中央開口部348と、中央開口部348の周辺上に形成された区画350a~fとを含む。中央開口部348は、駆動ギア336、340(図10A図10Cに示される)を収容できる。区画350a~fは、出力ギア344a~f(図10A図10Cに示される)を収容できる。区画350a~fは、第一のハウジングセクション310の孔318a~fと、長手方向に整列している。第二のハウジングセクション330は、締結具を受容するために、第一のハウジングセクション310の締結孔326と整列することができる、締結孔354を含み得る。第二のハウジングセクション330は、第一のハウジングセクション310内の区画312と整列する、開口部349を含み得る。開口部349は、入力ギア320が区画312に取付けられた時に、入力シャフト324が第二のハウジングセクション330を通って延在することを、可能にすることができる。
【0098】
一例では、図22A、22B、22E、及び22Fに示されるように、ギアボックスハウジング304は、第二のハウジングセクション330に隣接して配置され、第二のハウジングセクション330の中央開口部348及び区画350a~fの端壁を形成する、第三のハウジングセクション358(「シャフト支持体」とも呼ぶことができる)を有し得る。第三のハウジングセクション358は、出力ギア344a~f(図10A図10Cに示される)が、第二のハウジングセクション330の区画350a~f内に配置される時に、出力シャフト346a~f(図10A図10Cに示される)を受容するための、孔362a~f(図22Fに示される)を含み得る。第三のハウジングセクション358は、駆動ギア336、340が、第二のハウジングセクション330の中央開口部348内に配置される時に、トランスミッションシャフト332(図10A図10Cに示される)、及び駆動シャフト342を受容するために、孔366及び368を含み得る。第三のハウジングセクション358は、第二のハウジングセクション330の開口部349と整列する、開口部369を含み得る。開口部369は、入力ギア320が第一のハウジングセクション310の区画312に取付けられる時に、入力シャフト324が第三のハウジングセクション358を通って延在することを、可能にすることができる。第三のハウジングセクション358は、締結具を受容するために、第二のハウジングセクション330の締結孔354、及び第一のハウジングセクション310の締結孔326と整列することができる、締結孔370を含み得る。
【0099】
一例では、図22A、22B、及び22Gに示されるように、ギアボックスハウジング304は、第三のハウジングセクション358に隣接して配置される、第四のハウジングセクション372(「トルクリミッタハウジング」とも呼ぶことができる)を有し得る。第四のハウジングセクション372は、第三のハウジングセクション358の孔362a~f、及び第二のハウジングセクション330の区画350a~fと、同一のパターンで配置される、区画374a~fを含み得る。区画374a~fの各々は、トルクリミッタ400(図18に示される)を収容することができ、これは、各々の孔362a~fを通って延在する、各々の出力シャフト346a~fに結合されることができる。第四のハウジングセクション372は、トルクリミッタ400の回転可能なアセンブリ401(図18に示される)が区画374a~f内に収容される時に、第四のハウジング372の外側のトルクリミッタ400のコネクタシャフト402の通過のために、区画374a~fの端壁に孔376a~fを含む。第四のハウジングセクション372は、ハウジングセクション358、330、310の締結孔370、354、326と整列することができる、締結孔378を含み得る。区画374a~fは、チャネル375を画定するパターンで配置され得る。入力シャフト324は、チャネル375を通って延在し得る。
【0100】
一例では、図22A、22B、22G、及び22Hに示されるように、ギアボックスハウジング304は、第四のハウジングセクション372に隣接して配置された、第五のハウジングセクション380を有し得る。第五のハウジングセクション380(「リリースハウジング」とも呼ぶことができる)は、ギアボックスハウジング304の遠位端部分を形成することができる。第五のハウジングセクション380は、チャネル375の端壁を形成する、基部部材381を含み得る。孔382は、入力シャフト324が基部部材381を通過することを可能にするために、基部部材381内に形成され得る。第五のハウジングセクション380は、トルクリミッタ400の回転可能なアセンブリ401が、第四のハウジングセクション372の区画374a~f内に配置される時に、トルクリミッタ400の端部分(図18に示される)を受容するために、基部部材381内に形成されたレセプタクル384a~fを更に含み得る。基部部材381は、回転可能なアセンブリ401が第四のハウジングセクション372の区画374a~f内に配置される時に、トルクリミッタ400のコネクタシャフト402の結合セクション403が、開口部386a~f内に取付けられ得るか、又は開口部386a~fを通してアクセス可能であるように、レセプタクル384a~fに接続された開口部386a~fを含み得る。第五のハウジングセクション380は、締結具を受容するために、ハウジングセクション372、358、330、310の、締結孔378、370、354、326と整列され得る、締結孔388を含み得る。
【0101】
一例では、図22A、22B、及び22H~22Jに示されるように、第五のハウジングセクション380は、基部部材381から突出する、ガイド部材389を更に含み得る。ガイド部材389は、プレート部材381内の孔382と整列して、入力シャフト324の端部分を受容する孔390を含み得る。したがって、ギアボックス300が完全に組立てられると、入力シャフト324は、全てのハウジングセクション310、330、358、372、及び380にわたって延在する(図24E、及び24Fに示されるように)。入力シャフト324は、ギアボックスハウジングの長手方向軸を画定し、これはまた、ギアボックスハウジングが枢動できる軸でもある。ギアボックスハウジング304の長手方向軸は、ハンドル204の長手方向軸L1と整列する。一対のガイドスロット392は、ガイド部材389の対向する表面(例えば、上面、及び底面)上に形成される。ガイドスロット392は、ギアボックスハウジングの長手方向軸に沿った方向に、軸方向に延在する。各ガイドスロット392は、対向する停止面393、394を形成する、対向する端壁を有する。一対のガイドチャネル395は、ガイド部材389の対向する側面上に形成される。ガイドチャネル395は、ギアボックスハウジングの長手方向軸に沿った方向に、軸方向に延在する。更に説明されるように、ガイドスロット392及びガイドチャネル395は、ハンドルの長手方向軸L1に沿って、プル本体の並進運動をガイドすることができる。
【0102】
ギアボックスハウジング304の様々なハウジングセクション310、330、358、372、及び380は、一緒に固定される別個の部材として、又はギアボックスハウジング304の一体部分として、提供され得る。いくつかの事例では、ハウジングセクション310、330、358、372、及び380の2つ以上は、ギアボックスハウジング304が一緒に固定するためのより少ない構成要素を有するように、一体的に形成され得る。いくつかの事例では、ギアボックスハウジング304は、一緒に固定され得る2つの半片で提供され得る。他の事例では、ギアボックスハウジング304のハウジングセクションは、例えば、溶接、接着剤などによって、締結具以外の手段を使用して、一緒に取付けられ得る。
【0103】
図23を参照すると、ハンドル204は、ギアボックス300の遠位に配置され、ギアボックスハウジング304の第五のハウジングセクション/リリースハウジング380と解放可能に係合された、プル本体500を更に含み得る。第二のノブ268は、ハンドル本体に対する第二のノブ268の回転が、ハンドルの長手方向軸L1に沿ったプル本体500の並進運動を生成するように、プル本体500と回転可能に係合することができる。プル本体500は、ハンドルの長手方向軸L1に沿ったプル本体500の並進運動が、ハンドルに対する外側スリーブ244の軸方向変位をもたらすように、アクチュエーションアセンブリ220の外側スリーブ244に結合され得る。この軸方向変位は、例えば、対応するアクチュエータドライバ248に対して外側スリーブ244を軸方向に変位させ、それによって、アクチュエータドライバ248を人工心臓弁から解放するために使用され得る。
【0104】
図24A図24Dを参照すると、プル本体500は、ハンドルの長手方向軸L1に平行な、軸方向軸L3を有する。プル本体500は、プル本体500の軸方向軸L3に平行な複数の延伸したソケット508を有する、第一のプル本体部材504を含む。ソケット508の各々は、アクチュエーションチューブ512を受容することができる(アクチュエーションチューブ512を受容する2つのソケット508のみが、図24A図24Cに示される)。ソケット508の数は、送達装置200のアクチュエーションアセンブリ220の数と一致し得る。例えば、送達装置200が6つのアクチュエーションアセンブリ220を有する場合、プル本体500は、6つのソケット508を有し得る。ソケット508は、ギアボックス300に面する第一のプル本体部材504の側面上に位置する。
【0105】
第一のプル本体部材504は、ハンドルの長手方向軸L1に平行な(及びプル本体の軸方向軸L3に平行な)方向に、かつギアボックス300に向かって延在する、一対のスライダアーム516を含み得る。互いに対して、スライダアーム516は、ハンドルの長手方向軸L1に対して横方向に(例えば、半径方向に)離間し、対向する関係にある。各ガイドアーム516は、長手方向軸L1/軸方向軸L3に対して横方向に配向され得る、対向する停止面522a、522bを有するフック付き端部522で終端する。図24Aに示されるように、スライダアーム516は、ギアボックスハウジング304のリリースハウジング380の、各々のガイドスロット392に配置され得る。各スライダアーム516は、ハンドルの長手方向軸L1に平行な方向に、各々のガイドスロット392内で、長手方向に移動することができる。スライダアーム516のフック付き端部522の対向する停止面522a、522bは、スライダアーム516の近位方向又は遠位方向への移動を制限するために、各々のガイドスロット392の対向する停止面393、394と係合することができる。例えば、フック付き端部522の停止面522aが停止面393に当接すると、近位方向のスライダアーム516の更なる移動が防止される(図24Fに示されるように)。同様に、フック付き端部522の停止面522bが停止面394に当接すると、遠位方向のスライダアーム516の更なる移動が防止される(図24Eに示されるように)。端壁393、394間の距離、及び/又はスライダアーム516の長さは、プル本体500及び取付けられた外側スリーブ244の、所望の変位を可能にするように構成され得る。
【0106】
第一のプル本体部材504は、ハンドルの長手方向軸L1に平行な(及びプル本体500の軸方向軸L3に平行な)方向に軸方向に延在する、一対のガイドビーム520を含み得る。互いに対して、ガイドビーム520は、ハンドルの長手方向軸L1に対して横方向に(例えば、半径方向に)離間し、対向する関係にある。図24Aに示されるように、ガイドビーム520は、ギアボックスハウジング304のリリースハウジング380内の各々のガイドチャネル395に配置され得る。各ガイドビーム520は、スライダアーム516が各々のガイドスロット392内で長手方向に移動するにつれて、ハンドルの長手方向軸L1に平行な方向に、各々のガイドチャネル395内で長手方向に移動することができる。
【0107】
プル本体500は、第一のプル本体部材504に隣接して(例えば、図示の例では遠位に)配置される、第二のプル本体部材524を含む。第二のプル本体部材524は、締結具、又は溶接、接着剤などの他の適切な方法によって、第一のプル本体部材504に取付けられ得る。いくつかの事例では、第一のプル本体部材504、及び第二のプル本体部材は、単一の、統合された構成要素として形成(例えば、成形)され得る。第二のプル本体部材524は、プル本体500の長手方向軸L3と整列する、長手方向軸を有する中央ハブ528を含む。第二のプル本体部材524は、中央ハブ528からプル本体500の周辺に延在する、複数の半径方向アーム532を含む。半径方向アーム532は、プル本体500の軸方向軸L3の周囲に角度的に離間しているか、又は互いから角度的にオフセットされている。各半径方向アーム532は、プル本体500の外周から突出するピン536を備える。ピン536は、プル本体500の軸方向軸L3の周囲に角度的に離間するか、又は半径方向アーム532がプル本体500の軸方向軸L3の周囲に角度的に離間することによって互いから角度的にオフセットされる。
【0108】
第二のプル本体部材524は、第一のプル本体部材504の、複数のソケット508の数及び位置に対応する、複数の開口部540を有する。それによって、アクチュエーションチューブ512は、開口部540を通ってソケット508内へ延在し得る。図24Dに更に示されるように、各アクチュエーションチューブ512は、ソケット508内に形成されたスロット544内に受容される、キー542(例えば、アクチュエーションチューブの外径上の半径方向突出部)を有して、ソケット508内のアクチュエーションチューブ512の回転を防止することができる(すなわち、アクチュエーションチューブ512は、プル本体500に対して回転方向に固定される)。
【0109】
図24E及び24Fに示されるように、第一のプル本体部材504、及び第二のプル本体部材524は、ガイドロッド548を受容するように、整列した開口部546、547を有する。ガイドロッド548は、ギアボックスハウジング304のリリースハウジング380の開口部内へ延在し、スライダアーム516及びガイドビーム520と共に、スライダアーム516がギアボックスハウジング304のリリースハウジング380の各々のスロット392内を移動する時に、プル本体500とギアボックス300との長手方向の整列を維持する。
【0110】
図24D及び図24Gに示されるように、各アクチュエーションアセンブリ200の外側スリーブ244は、アクチュエーションチューブ512の遠位端から、アクチュエーションチューブ512の1つの内腔513内へ延在する。外側スリーブ244は、プル本体500が移動する時に外側スリーブ244が移動できるように、各々のアクチュエーションチューブ512に固定して取付けられる(例えば、止めねじ513を使用して)。外側スリーブ244に関連付けられたアクチュエータロッド248は、外側スリーブ244を通って、ギアボックスハウジング304のリリースハウジング380に延在する。アクチュエータロッド248は、アクチュエータロッド248をギアボックス300に結合するように、リリースハウジング380に取付けられた、結合セクション403(例えば、図18に示されるように)に固定され得る。例では、結合セクション403は、トルクリミッタ401に結合され得る、コネクタシャフト402に接続される。トルクリミッタ401は、ギアボックス300の出力ギア344の1つに結合されている。ハンドルがトルクリミッタを使用しない場合、コネクタシャフト402は、各々の出力ギア344に直接結合され得る。
【0111】
一例では、図24Gに示されるように、外側スリーブ244は、アクチュエーションチューブ512の内腔513全体を通って延在しなくてもよい。この実施例では、プル本体500から吊り出されるアクチュエーションチューブ512の近位端部分512aへの支持を提供するために、支持延長管552は、結合セクション403から、外側スリーブ244によって占有されないアクチュエーションチューブ512の内腔513の一部分内へ延在し得る。スライダアーム516が、ギアボックスハウジング304のリリースハウジング380のスロット392に沿って移動するにつれて、アクチュエーションチューブ512が、結合セクション403に向かって、又は結合セクション403から離れる方向に、支持延長管552上を並進移動できるように、支持延長管552は、結合セクション403に固定的に取付けられ得るが、アクチュエーションチューブ512に対して摺動可能であり得る。この実施例では、各アクチュエーションドライバ248は、各々の外側スリーブ244を通って、外側スリーブ244と支持延長管522との間のアクチュエーションチューブ512の内腔513の一部分を通って、支持延長管552を通って、結合セクション403を通って、コネクタシャフト402内へ延在する(図24Gに示されるように)。
【0112】
図25A及び25Bを参照すると、第二のノブ268は、円筒状内腔269を形成する、内表面271を有し得る。例では、円筒状内腔269は、第二のノブ268がハンドル本体上に取付けられた時に(例えば、図8及び図23に示されるように)、ハンドルの長手方向軸L1に平行に配向される中心軸L6を画定する。カムスロット270は、内腔269を画定する第二のノブ268の内表面271内に形成される。カムスロット270の数は、プル本体500のピン536の数と一致し得る。カムスロット270は、第二のノブ268の中心軸L6の周囲に互いから回転方向にオフセットされてもよく(例えば、3つのカムスロット270の場合、カムスロット270の中心点は120度離れていてもよい)、その結果、第二のノブ268がプル本体500の周囲に配置される時に(図23に示されるように)、各ピン536は、対応するカムスロット270内へ延在し得る。
【0113】
図25Bを参照すると、各カムスロット270は、角度付きスロット部分270aの両端に、角度付き部分270a及び横方向部分270b、270cを有し得る。角度付きスロット部分270aは、中心軸L6に対して角度付きである経路に沿って延在し得る。例えば、角度付きスロット部分270aは、らせん状の経路に沿って延在し得る。一例では、角度付きスロット部分270aがそれに沿って延在する経路、又は中心軸L6に対する角度スロット部分270aの傾斜角は、角度付きスロット部分270a内及びそれに沿ったピン536の移動が、ハンドルの長手方向軸L1(又は第二のノブ268の中心軸L6)に平行な方向に、プル本体500の移動を生成するように構成され得る。
【0114】
各ピン536は、プル本体500の近位方向又は遠位方向の移動の端部に到達すると、各々のカムスロット270の水平スロット部分270b、270c内へ摺動することができる。図4A、8、及び23に示されるように、ハンドル204は、第二のノブ268のスロット内へ摺動して、第二のノブ268がハンドル本体に対して回転するのを防止することができる、安全ノブ276を含み得る。安全ノブ268は、ハンドル204の本体に対する第二のノブ268の回転を制限し、それによって、人工心臓弁100からのアクチュエーションアセンブリ220の偶発的な解放の可能性を、防止又は低減するために使用され得る。一例では、第二のノブ268は、ピン536が水平スロット部分270b、270cのいずれかにある時に、安全ノブ276が第二のノブ268の受容スロット内へ摺動し得るように構成され得る。いくつかの実施例では、安全ノブ(「安全スイッチ」とも呼ばれ得る)は、第二のノブ268との係合/係止位置に向かって付勢され得る(例えば、ばねなどの付勢部材を用いて)。安全ノブ276が第二のノブ268内の受容スロットから取外される時(例えば、安全ノブ276を遠位に摺動することによって)、ピン536が角度付きスロット部分270a内に変位され得るように、第二のノブ268を回転させることが可能である。
【0115】
第二のノブ268がハンドル本体に対して回転すると、ピン536は、カムスロット270に沿って摺動する。ピン536がカムスロット270の角度付きスロット部分270aに沿って摺動すると、プル本体500は、ハンドルの長手方向軸L1に沿って並進移動する。図7Cは、人工心臓弁100のフレーム104と係合し、アクチュエータドライバ248の可撓性の延伸した要素254(図7Bに示される)をカバーする、外側スリーブ244を示す。アクチュエーションアセンブリ220を人工心臓弁100から解放するために(例えば、移植位置で人工心臓弁100を半径方向に拡張した後)、外側スリーブ244をフレーム104から解放し、アクチュエータドライバ248の可撓性の延伸した要素254のカバーからも解放する必要がある。両方の動作は、ハンドルに対して外側スリーブ244を軸方向に変位させることによって達成され得る。例えば、第二のノブ268は、プル本体500を近位に(すなわち、ギアボックス300に向かって)移動させる方向に回転され得る。外側スリーブ244はプル本体500に取付けられるため、外側スリーブ244は、ハンドルの長手方向軸L1に沿った方向に、かつハンドルの近位端に向かって、軸方向に変位される。外側スリーブ244の軸方向変位は、フレーム104から、及び可撓性の延伸した要素254から、外側スリーブ244を引出すことができ、アクチュエータドライバ248の可撓性の延伸した要素254(図7A図7Bに示される)を、人工心臓弁100のアクチュエータヘッド176から解放することを可能とする。
【0116】
人工心臓弁100の拡張中、ギアボックス300の動作によるアクチュエータドライバ248の回転移動は、人工心臓弁の長手方向軸Lの周囲で人工心臓弁を回転させる傾向があるトルクを、人工心臓弁100に加える。外側スリーブ244は、人工心臓弁100のフレーム104と係合するため、外側スリーブ244は、人工心臓弁100の長手方向軸Lの周囲を回転する傾向がある。プル本体500は外側スリーブ244に結合されているため、プル本体500は、同様に外側スリーブ244と共に回転する傾向がある。
【0117】
ギアボックス300は、入力シャフト324の軸方向軸、及びガイドロッド548の軸方向軸と整列する、ハンドルの長手方向軸L1の周囲を枢動することができる。したがって、人工心臓弁100の拡張中のプル本体500の回転は、ハンドル204の長手方向軸L1の周囲の、ギアボックス300の枢動をもたらし得る。いくつかの実施例では、ハンドル204は、少なくとも人工心臓弁100の拡張中に、ギアボックス300の枢動を制限する機構を含む。一例では、機構は、ギアボックスハウジング304がハンドル204の本体に対して所定の回転位置にある時に、ギアボックスハウジング304と係合する、停止部材を含み得る。
【0118】
図21A図21B図22C図22Eを参照すると、ギアボックスハウジング304は、ギアボックスハウジング304の外表面から突出する、延長アーム356を有し得る。ギアボックスハウジング304がハンドル204の空洞205内に位置付けられると、延長アーム356は、ギアボックスハウジング304を囲む空洞205の一部分内へ延在する(図21Aに示されるように)。一例では、延長アーム356は、ハンドルの長手方向軸L1に対して横方向の平面内にある、平坦な部材であり得る。突出部材360は、延長アーム356に取付けられ得るか、又は延長アーム356と一体的に形成され得る。突出部材360は、ロッド又はピンの形態とすることができる。突出部材360は、停止部材と接触するための丸みのある端部359を有し得る。突出部材360は、ハンドルの長手方向軸L1に対して横方向に配向され得る。延長アーム356は、突出部材360の軸方向軸L4(図22Eに示される)が、ギアボックス300の枢動軸(又はハンドルの長手方向軸L1)を中心とする円形経路361に対して接線方向であるように、突出部材360を位置付けることができる。これはまた、突出部材360が、ギアボックス300の枢動軸の半径方向外向きにあるものとして説明され得る。したがって、突出部材360は、ギアボックス300が枢動するにつれて、円形経路361に沿って移動する。
【0119】
延長アーム356は、ギアボックスハウジング304のハウジングセクション330の一体部分として示される。しかしながら、延長アーム356は、他の実施例では、ギアボックスハウジングの他のハウジングセクションのいずれかの一体部分であり得る。また、延長アーム356は、ハウジングセクション330の上部に示されている。しかしながら、それは、ハウジングセクション330の他の場所に位置付けることができるが、ただし、それは、突出部材360を円形経路361に沿って位置付ける。あるいは、円形経路は、ハンドルの長手方向軸L1と同軸である限り、円形経路361よりも大きくても小さくてもよい。
【0120】
停止部材352は、ハンドル204の近位本体部分212の内表面に取付けられ得(図21Aにに示されるように)、その結果、突出部材360は、突出部材360が円形経路361に沿って移動する時に、停止部材352に接触することができる。停止部材352は、停止部材352の軸方向軸L5(図22Eに示される)もまた、円形経路361に対して接線方向であるように、位置付けられ得る。したがって、突出部材360が円形経路361に沿って移動すると、突出部材360は、停止部材352に遭遇する。一例では、停止部材352は、第一のノブ264(図21Aに示される)が、人工心臓弁を拡張する方向に(例えば、ハンドルの近位端から見る時に、時計回り方向に)回転する時に、停止部材352が、ギアボックス300の枢動を制限するように作用するように、位置付けられ得る。
【0121】
一例では、第一のノブ264は、人工心臓弁100を拡張する方向に(例えば、ハンドルの近位端から見る時に、時計回り方向に)回転され得る。人工心臓弁100が拡張されると、突出部材360が停止部材352とまだ接触していない場合、ギアボックス300全体が、ハンドルの長手方向軸L1(図21Aに示される、入力シャフト324の軸方向軸と同一の)の周囲で、停止部材352に向かう方向に枢動し得る。ギアボックス300が枢動するにつれて、突出部材360は、突出部材360が停止部材352に遭遇するまで円形経路361に沿って移動し、これは、次いで、同一の方向へのギアボックス300の更なる枢動を防止する。突出部材360が停止部材352と接触している間、ギアトレイン308は、第一のノブ264及び入力シャフト324の回転を通して、依然として動作され得る。
【0122】
一例では、停止部材352は、人工心臓弁の拡張中に、突出部材360が停止部材352と接触している時に(図21Bにより明瞭に示されているように;停止部材352は、図示を簡単にするために、それが結合されているハンドル本体なしで図21Bに示される)、突出部材360によって停止部材352に印加されるあらゆる負荷を測定することができるような、ロードセル(又は力センサ)であってもよい。この測定された負荷を使用して、弁の拡張中に人工心臓弁100に印加されるトルクを決定することができる。例えば、測定された負荷に、延長アーム356によって画定されるように、モーメントアームを乗じることができる。したがって、ロードセルで実装された停止部材352は、ギアボックス300の枢動を制限し、人工心臓弁100に印加されるトルクを測定する機能を実施することができる。ロードセルは、従来のトルクメータの寸法よりも著しく小さい寸法で提供することができ、よりコンパクトなハンドル設計を可能にする。
【0123】
第一のノブ264が、人工心臓弁100を圧縮する方向に(例えば、ハンドルの近位端から見る時に、反時計回り方向に)回転すると、突出部材360は、停止部材352から離間している。このように、停止部材352は、ギアボックス300の枢動を制限するように作用せず、人工心臓弁100が圧縮されている時にトルクを測定しない。いくつかの事例では、ハンドル本体は、人工心臓弁100の圧縮中に、ギアボックス300の枢動を制限するように作用し得る。例えば、図26に示されるように、ハンドル204の近位本体部分212は、ギアボックス300が人工心臓弁の圧縮に対応する方向R3に枢動する時に(例えば、ハンドルの近位端から見た時には、反時計回り方向、又はハンドルの遠位端から見た時には、時計回り方向)、ギアボックス300と係合する内側突出部213を含み得る。いくつかの事例では、ギアボックス300は、第二の延長アーム及び突出部材を備えてもよく、第二のロードセル(又は多方向性ロードセンサ)は、ハンドル本体上に取付けられてもよい。第二の延長アーム上の突出部材は、第二のロードセルに接触して、人工心臓弁を圧縮しながら人工心臓弁100に印加されるトルクを測定するように、配置され得る。
【0124】
図1図26を参照すると、人工心臓弁100は、半径方向に圧縮された構成に配置され得、送達装置200のアクチュエーションアセンブリ220は、人工心臓弁100のアクチュエータ168に解放可能に結合され得る。送達装置200及び人工心臓弁100は、患者の血管系を通してガイドワイヤの上を、選択された移植位置(例えば、自己大動脈弁輪)まで、前進させられ得る。例えば、人工心臓弁100を元の大動脈弁内に埋込む場合、送達装置200及び人工心臓弁100は、大腿動脈内にかつ大腿動脈を通して、及び大動脈を通して自己の大動脈弁へと挿入され得る。次いで、人工心臓弁100を、移植位置に展開することができる。
【0125】
一例では、人工心臓弁100は、患者の脈管構造への挿入前に、送達カプセル226内に封入される。この場合、第三のノブ272は、送達カプセル226を引出し、人工心臓弁100を露出するように動作され得る。人工心臓弁100を展開するために、医師は、第一のノブ264を回転させて、第一のアクチュエータドライバのセット(例えば、248a、248b、248c)を第一の方向に、及び第二のアクチュエータドライバのセット(例えば、248d、248e、248f)を第二の方向に回転させることができ、これは、人工心臓弁100のアクチュエータの第一及び第二のセットの、人工心臓弁100を半径方向に拡張する方向への逆回転に対応する。
【0126】
弁拡張中、自己の解剖学的構造に加えられるトルクは、ハンドル204の停止部材/ロードセル352を介して測定され得る。弁拡張中、トルクリミッタ(複数可)400は、各々のアクチュエータドライバ(複数可)248が過負荷になる場合に、ギアボックス300を停止することができる。人工心臓弁100がアクチュエータの回転によって動作直径まで拡張された後、アクチュエーションアセンブリ220は、人工心臓弁100から解放され得る。アクチュエーションアセンブリ220を解放するために、プル本体500は、人工心臓弁100のフレーム104、及びアクチュエータドライバ248の可撓性の延伸した要素254から、外側スリーブ244を引出すように、ハンドル204の長手方向軸L1に沿って近位に(例えば、第二のノブ268を回転させることによって)並進移動され得る。解放された可撓性の延伸した要素254は、人工心臓弁100のアクチュエータヘッド176から取外され得、送達装置が本体から引出されることを可能にする。
【0127】
本明細書のシステム、デバイス、装置などはいずれも、患者での使用に安全であることを確実にするために滅菌することができ(例えば、熱、放射線、及び/又は化学物質などを用いて)、本明細書の方法はいずれも、方法の工程の1つとして関連するシステム、デバイス、装置などの滅菌を含むことができる。滅菌で使用するための放射線の例としては、ガンマ放射線及び紫外線が挙げられるが、これらに限定されない。滅菌で使用するための化学物質の例としては、エチレンオキシド及び過酸化水素が挙げられるが、これらに限定されない。
【0128】
本明細書又は本明細書に組み込まれる参考資料に、記述又は示唆される、治療技法、方法、工程等は、生きている動物に対して、又は死体、死体の心臓、擬人化したゴースト、シミュレータ(例えば、身体部分、組織等を用いてシミュレーションされる)などの、非生体シミュレーションに対して実施することができる。
追加の実施例
【0129】
本明細書に記載される原理に基づく追加の実施例を、以下に記載する。対象の範囲内にある、更なる実施例は、例えば、一実施例の1つの特徴を単独で取ること、一実施例の複数の特徴を組合わせて取ること、又は一実施例の1つ以上の特徴を、1つ以上の他の実施例の1つ以上の特徴と組合わせることによって構成することができる。
【0130】
実施例1: 人工心臓弁用の送達装置であって、前記送達装置が、空洞を有し、長手方向軸を画定するハンドル本体と、前記空洞内に配置され、前記空洞内で前記長手方向軸に沿って移動可能なプル本体と、アクチュエーションアセンブリであって、前記長手方向軸に沿った前記プル本体の移動が、前記ハンドル本体に対してスリーブ部材を軸方向に変位させるように、前記空洞内に配置され、前記プル本体に結合された端部分を有するスリーブ部材を備える、アクチュエーションアセンブリと、ノブであって、前記ハンドル本体上に回転可能に取付けられ、前記ハンドル本体に対する前記ノブの回転が、前記空洞内で、かつ前記長手方向軸に沿ってプル本体を移動させるように、プル本体に動作可能に結合されたノブとを備える、送達装置。
【0131】
実施例2: 前記プル本体が、前記長手方向軸に平行に配向された軸方向軸を画定し、前記軸方向軸に対して半径方向に配置され、前記プル本体の周辺から突出する少なくとも1つのピン部材を含む、本明細書に記載の任意の実施例、特に実施例2に記載の送達装置。
【0132】
実施例3: 前記ノブが、カムスロットを含み、前記ノブが、前記ピン部材がカムスロット内へ延在するように、前記プル本体の周辺の周囲に配置される、本明細書に記載の任意の実施例、特に実施例2に記載の送達装置。
【0133】
実施例4: 前記ノブが、円筒状内腔を形成する内表面を含み、前記円筒状内腔が、前記長手方向軸に平行に配向された中心軸を画定し、前記カムスロットが、前記内表面に形成され、角度付きスロット部分を含む、本明細書に記載の任意の実施例、特に実施例3に記載の送達装置。
【0134】
実施例5: 前記角度付きスロット部分が、前記ピン部材が前記角度付きスロット部分に沿って移動する時に、前記プル本体が長手方向軸に平行な方向に移動するように構成される、本明細書に記載の任意の実施例、特に実施例4に記載の送達装置。
【0135】
実施例6: 前記プル本体が、前記長手方向軸に平行に配向された軸方向軸を画定し、前記軸方向軸に対して半径方向に配置された複数のピン部材を含み、前記ピン部材が前記軸方向軸の周囲を回転方向にオフセットされ、前記プル本体の周辺から突出する、本明細書に記載の任意の実施例、特に実施例1に記載の送達装置。
【0136】
実施例7: 前記ノブが、中心軸を有する円筒状内腔を形成する内表面を含み、前記ノブが、前記内表面内に形成され、前記中心軸を中心として互いに回転方向にオフセットされた複数のカムスロットを含み、前記ノブが、前記ピン部材の各々が前記カムスロットの1つの中へ延在するように、前記プル本体の周辺部の周囲に配置される、本明細書に記載の任意の実施例、特に実施例6に記載の送達装置。
【0137】
実施例8: 前記カムスロットの各々が、前記中心軸に対して角度付けられた経路に沿って延在する角度付きスロット部分を含む、本明細書に記載の任意の実施例、特に実施例7に記載の送達装置。
【0138】
実施例9: 前記中心軸が前記長手方向軸に平行に配向され、各経路が、前記ピン部材が、前記各々のカムスロットの前記角度付きスロット部分に沿って移動する時に、前記プル本体が前記長手方向軸に平行な方向に移動するように構成されるように、更に特定する、本明細書に記載の任意の実施例、特に実施例8に記載の送達装置。
【0139】
実施例10: 人工心臓弁用の送達装置であって、ハンドル本体であって、第一の端部、第二の端部、前記第一の端部と前記第二の端部との間の空洞、並びに前記第一の端部、前記空洞、及び前記第二の端部を通って延在する長手方向軸を有する、ハンドル本体と、アクチュエータドライバであって、前記空洞内に配置された第一のドライバ端部分と、前記空洞外に配置された第二のドライバ端部分と、前記第一のドライバ端部分及び前記第二のドライバ端部分を通って延在する第一の軸方向軸とを有する、アクチュエータドライバと、前記アクチュエータドライバに動作可能に結合されたスリーブ部材であって、前記スリーブ部材が、前記空洞内に配置された第一のスリーブ端部分と、前記空洞外に配置された第二のスリーブ端部分と、前記第一のスリーブ端部分及び前記第二のスリーブ端部分を通って延在する第二の軸方向軸とを有し、前記第二の軸方向軸が、前記第一の軸方向軸に平行である、スリーブ部材と、前記空洞内に配置され、前記第一のスリーブ端部分に結合されたプル本体であって、前記プル本体の移動が前記ハンドル本体に対して前記スリーブ部材を軸方向に変位させるように、前記プル本体が前記長手方向軸に沿って移動可能である、プル本体とを備える、送達装置。
【0140】
実施例11: 前記スリーブ部材が、前記アクチュエータドライバの周囲に配置される、本明細書に記載の任意の実施例、特に実施例10に記載の送達装置。
【0141】
実施例12: 前記スリーブ部材が、前記アクチュエータドライバと同軸である、本明細書に記載の任意の実施例、特に実施例10又は実施例11に記載の送達装置。
【0142】
実施例13: 前記第二のドライバ端部分が、前記アクチュエータドライバを前記人工心臓弁のアクチュエータに解放可能に結合する係合部材を含む、本明細書に記載の任意の実施例、特に実施例10~12のいずれか一項に記載の送達装置。
【0143】
実施例14: 前記スリーブ部材が、前記係合部材の上に延在可能であり、前記長手方向軸に沿った前記プル本体の移動によって、係合部材から引出し可能である、本明細書に記載の任意の実施例、特に実施例13に記載の送達装置。
【0144】
実施例15: 前記係合部材が、中央突出部、及び前記中央突出部の周囲に配置された1つ以上の可撓性の延伸した要素を含む、本明細書に記載の任意の実施例、特に実施例13又は14に記載の送達装置。
【0145】
実施例16: 前記空洞内に配置され、前記アクチュエータドライバの回転のために前記アクチュエータドライバに結合された、ギアボックスを更に備える、本明細書に記載の任意の実施例、特に実施例10~15のいずれか一項に記載の送達装置。
【0146】
実施例17: 前記ギアボックスが、ギアトレインを封入するギアボックスハウジングを含み、前記プル本体が前記ギアボックスハウジングに移動可能に結合される、本明細書に記載の任意の実施例、特に実施例16に記載の送達装置。
【0147】
実施例18: 前記プル本体に結合されたノブを更に備え、前記ハンドル本体に対する前記ノブの回転が、前記プル本体を前記長手方向軸に沿って移動させる、本明細書に記載の任意の実施例、特に実施例17に記載の送達装置。
【0148】
実施例19: 前記プル本体が、第一のプル本体部分、第二のプル本体部分、並びに前記第一のプル本体部分の中心及び前記第二のプル本体部分の中心を通って延在する第三の軸方向軸を含み、前記第三の軸方向軸が、前記長手方向軸に平行である、本明細書に記載の任意の実施例、特に実施例18に記載の送達装置。
【0149】
実施例20: 前記第一のプル本体部分が、前記第三の軸方向軸に対して半径方向に配置され、前記プル本体の周辺上に位置付けられたピン部材を含み、前記ノブが、カムスロットを含み、前記ノブが、前記ピン部材が前記カムスロット内へ延在するように、前記プル本体の周囲に配置される、本明細書に記載の任意の実施例、特に実施例19に記載の送達装置。
【0150】
実施例21: 前記ノブが、円筒状内腔を形成する内表面を含み、前記円筒状内腔が、前記長手方向軸に平行に配向された第四の軸方向軸を画定し、前記カムスロットが、前記内表面に形成され、前記第四の軸方向軸に対して角度付けられた経路に沿って延在する、角度付きスロット部分を含む、本明細書に記載の任意の実施例、特に実施例20に記載の送達装置。
【0151】
実施例22: 前記第一のプル本体部分が、中央ハブと、前記中央ハブから突出する半径方向アームとを備え、前記ピン部材が、前記半径方向アームの端部に形成される、本明細書に記載の任意の実施例、特に実施例20又は21に記載の送達装置。
【0152】
実施例23: 前記第二のプル本体部分が、前記第三の軸方向軸に平行な方向に延在するソケットを含み、前記第一のプル本体部分が、前記ソケットの延長部を形成する開口部を備える、本明細書に記載の任意の実施例、特に実施例19~22に記載の送達装置。
【0153】
実施例24: 前記開口部及びソケットを通って延在するアクチュエーションチューブを更に備え、前記スリーブ部材が前記アクチュエーションチューブに強固に結合されていること、及び前記アクチュエーションチューブが前記プル本体に対して回転方向に固定されていることを、更に特定する、本明細書に記載の任意の実施例、特に実施例23に記載の送達装置。
【0154】
実施例25: 前記第一のプル本体が、前記第三の軸方向軸に対して半径方向に配置され、前記プル本体の周辺上に位置付けられた、複数のピン部材を含み、前記ピン部材が、互いから角度的にオフセットされる、本明細書に記載の任意の実施例、特に実施例19に記載の送達装置。
【0155】
実施例26: 前記ノブが、複数のカムスロットを含み、前記ノブが、前記ピン部材の各々がカムスロットの1つに受容されるように、前記プル本体の周囲に配置される、本明細書に記載の任意の実施例、特に実施例25に記載の送達装置。
【0156】
実施例27: 前記ノブが、円筒状内腔を形成する内表面を含み、前記円筒状内腔が、第四の軸方向軸を画定し、前記カムスロットの各々が、前記内表面に形成され、第四の軸方向軸に対して角度付けられた経路に沿って延在する、角度付きスロット部分を備える、本明細書に記載の任意の実施例、特に実施例26に記載の送達装置。
【0157】
実施例28: 前記第一のプル本体部分が、中央ハブと、前記中央ハブから突出し、かつ互いから角度的にオフセットされた複数の半径方向アームとを含み、前記ピン部材の各々が、前記半径方向アームの1つの端部に形成される、本明細書に記載の任意の実施例、特に実施例25~27のいずれか一項に記載の送達装置。
【0158】
実施例29: 追加のアクチュエータドライバ及び追加のスリーブ部材を更に備え、各追加のスリーブ部材が、前記追加のアクチュエータドライバの1つに動作可能に結合される、本明細書に記載の任意の実施例、特に実施例25~28のいずれか一項に記載の送達装置。
【0159】
実施例30: 前記第二のプル本体部分が、前記第三の軸方向軸に平行な方向に延在する複数のソケットを含み、前記第一のプル本体部分が、複数の開口部を含み、前記開口部の各々が、ソケットの1つの延長部を形成する、本明細書に記載の任意の実施例、特に実施例29に記載の送達装置。
【0160】
実施例31: 複数のアクチュエーションチューブを更に備え、前記アクチュエーションチューブの各々が、前記ソケット及び対応する前記開口部の1つを通って延在し、前記スリーブ部材及び追加のスリーブ部材の各々が、アクチュエーションチューブの1つに強固に結合され、前記アクチュエーションチューブの各々が、前記プル本体に対して回転方向に固定される、本明細書に記載の任意の実施例、特に実施例30に記載の送達装置。
【0161】
実施例32: 前記ソケット及び前記ソケットを通って延在するアクチュエーションチューブの各々について、前記ソケット及び各々のアクチュエーションチューブの一方がキーを含み、前記ソケット及び各々のアクチュエーションチューブの他方がスロットを含み、前記キー及び前記スロットが協働して、前記ソケット内の前記アクチュエーションチューブの回転を防止する、本明細書に記載の任意の実施例、特に実施例31に記載の送達装置。
【0162】
実施例33: 前記第二のプル本体部分が、前記第三の軸方向軸に平行な方向に突出し、前記第三の軸方向軸に対して横断方向に互いに離間する、一対のスライダアームを備える、本明細書に記載の任意の実施例、特に実施例19~32のいずれか一項に記載の送達装置。
【0163】
実施例34: 各スライダアームが、前記第三の軸方向軸に対して横断方向に配向された、一対の対向する表面を有する端部分を備える、本明細書に記載の任意の実施例、特に実施例33に記載の送達装置。
【0164】
実施例35: 前記ギアボックスハウジングの端部分が、前記長手方向軸に沿った方向に延在する一対のスロットを含み、前記一対のスライダアームが、前記一対のスロット内へ延在し、前記長手方向軸に沿った前記プル本体の移動に応答して、前記一対のスロットに沿って移動可能である、本明細書に記載の任意の実施例、特に実施例33~34のいずれか一項に記載の送達装置。
【0165】
実施例36: 前記ギアボックスハウジングの前記スロットの各々が、前記長手方向軸に沿って離間し、所定の方向への前記スライダアームの移動を選択的に係合及び停止するように位置付けられた、一対の対向する停止面を含む、本明細書に記載の任意の実施例、特に実施例35に記載の送達装置。
【0166】
実施例37: 前記第二のプル本体部分が、前記第三の軸方向軸に沿った方向に突出し、第三の軸方向軸に対して横断方向に互いに離間する、一対のガイドビームを含む、本明細書に記載の任意の実施例、特に実施例33~36のいずれか一項に記載の送達装置。
【0167】
実施例38: 前記一対のガイドビームが、前記一対のスライダアームに対して直交して配向される、本明細書に記載の任意の実施例、特に実施例37に記載の送達装置。
【0168】
実施例39: 前記ギアボックスハウジングの端部分が、前記長手方向軸に沿った方向に延在する一対のチャネルを含み、前記一対のガイドビームが、前記一対のチャネル内へ延在し、前記長手方向軸に沿ったプル本体の移動に応答して、前記一対のチャネルに沿って移動可能である、本明細書に記載の任意の実施例、特に実施例37~38のいずれか一項に記載の送達装置。
【0169】
実施例40: 前記プル本体が、前記第三の軸方向軸に沿った方向に延在する第一の開口部を含み、前記ギアボックスハウジングが、前記長手方向軸に沿った方向に延在する第二の開口部を含み、前記第一の及び第二の開口部を通って延在するガイドロッドを更に含む、本明細書に記載の任意の実施例、特に実施例19~39のいずれか一項に記載の送達装置。
【0170】
実施例41: 送達アセンブリであって、人工心臓弁であって、フレームと、前記フレームに結合され、半径方向に拡張された構成と半径方向に圧縮された構成との間で前記フレームを移動させるように動作可能な、少なくとも1つのアクチュエータとを有する人工心臓弁と、空洞を有し、長手方向軸を画定するハンドル本体を備えるハンドルと、前記少なくとも1つのアクチュエータと解放可能に係合するように構成されたアクチュエータドライバと、スリーブ部材であって、前記アクチュエータドライバに動作可能に結合され、前記アクチュエータドライバが前記少なくとも1つのアクチュエータと係合して保持される第一の位置と、前記アクチュエータドライバが前記少なくとも1つのアクチュエータからの係合から解放される第二の位置との間で移動可能なスリーブ部材と、前記空洞内に配置され、前記スリーブ部材の端部分に結合されたプル本体であって、前記プル本体の移動が、前記第一の位置と前記第二の位置との間で前記スリーブ部材を軸方向に変位させるように、前記プル本体が前記長手方向軸に沿って移動可能である、プル本体と、前記ハンドル本体上に回転可能に取付けられたノブであって、前記ハンドル本体に対する前記ノブの回転が、前記プル本体を前記長手方向軸に沿って移動させるように、前記プル本体に動作可能に結合されたノブとを備える、送達アセンブリ。
【0171】
実施例42: 前記人工心臓弁が、フレーム内に配置され、かつフレームに結合された弁構造を更に備える、本明細書に記載の任意の実施例、特に実施例41に記載の送達アセンブリ。
【0172】
実施例43: 前記プル本体が、前記長手方向軸に平行に配向された軸方向軸を画定し、前記プル本体が、前記軸方向軸に対して半径方向に配置され、前記プル本体の周辺から突出する少なくとも1つのピン部材を備える、本明細書に記載の任意の実施例、特に実施例41~42のいずれか一項に記載の送達アセンブリ。
【0173】
実施例44: 前記ノブがカムスロットを含み、前記ノブが、前記ピン部材が前記カムスロット内へ延在するように、前記プル本体の周辺の周囲に配置される、本明細書に記載の任意の実施例、特に実施例43に記載の送達アセンブリ。
【0174】
実施例45: 前記ノブが、円筒状内腔を形成する内表面を含み、前記円筒状内腔が、前記長手方向軸に平行に配向された中心軸を画定し、前記カムスロットが、前記内表面に形成され、前記中心軸に対して角度付けられた経路に沿って延在する、角度付きスロット部分を含む、本明細書に記載の任意の実施例、特に実施例44に記載の送達アセンブリ。
【0175】
実施例46: 前記経路が、前記ピン部材が前記スロット部分に沿って移動するにつれて、前記プル本体が前記中心軸に平行な方向に移動するように構成された、本明細書に記載の任意の実施例、特に実施例45に記載の送達アセンブリ。
【0176】
実施例47: 前記空洞内に配置され、前記アクチュエータドライバの回転のために前記アクチュエータドライバに結合された、ギアボックスを更に備える、本明細書に記載の任意の実施例、特に実施例41~46のいずれか一項に記載の送達アセンブリ。
【0177】
実施例48: 前記プル本体が、前記ギアボックスに移動可能に結合される、本明細書に記載の任意の実施例、特に実施例47に記載の送達アセンブリ。
【0178】
実施例49: 人工心臓弁を移植する方法であって、ハンドルに結合されたアクチュエータドライバの端部分を、前記人工心臓弁のフレームに結合されたアクチュエータの端部分と係合させることと、前記ハンドルの長手方向軸に沿って第一の方向にプル本体を移動させて、前記アクチュエータドライバ及びアクチュエータの係合させられた前記端部分にわたって、前記プル本体に結合されたスリーブ部材の端部分を延在させることと、前記人工心臓弁を移植位置に送達することと、前記人工心臓弁を機能的サイズに半径方向に拡張することと、前記ハンドルの前記長手方向軸に沿って、前記第一の方向とは反対の第二の方向に前記プル本体を移動させて、前記スリーブ部材の前記端部分を、前記アクチュエータドライバ及びアクチュエータの係合させられた前記端部分から引出すことと、前記アクチュエータドライバの端部分をアクチュエータの端部分から解放することとを含む、方法。
【0179】
実施例50: 前記ハンドルの前記長手方向軸に沿って、前記プル本体を移動させることの各々が、前記プル本体に動作可能に結合されたノブを回転させることを含む、本明細書に記載の任意の実施例、特に実施例49に記載の方法。
【0180】
主題は、実装および実施例の選択と共に説明されているが、これらの好ましい実装及び実施例は、主題の範囲内にある多くの他の実装及び実施例が可能であるので、主題の範囲を限定するものとして取られるべきではない。特許請求された主題の範囲は、特許請求の範囲によって定義される。
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図10C
図11
図12
図13A
図13B
図14
図15
図16
図17A
図17B
図18
図19
図20A
図20B
図21A
図21B
図22A
図22B
図22C
図22D
図22E
図22F
図22G
図22H
図22I
図22J
図22K
図23
図24A
図24B
図24C
図24D
図24E
図24F
図24G
図25A
図25B
図26
【国際調査報告】