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特表2025-500396供給ガス流に含有されるCO2を回収するための設備
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  • 特表-供給ガス流に含有されるCO2を回収するための設備 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-09
(54)【発明の名称】供給ガス流に含有されるCO2を回収するための設備
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/047 20060101AFI20241226BHJP
   B01D 53/86 20060101ALI20241226BHJP
   B01D 53/62 20060101ALI20241226BHJP
   B01D 53/82 20060101ALI20241226BHJP
   C01B 32/50 20170101ALI20241226BHJP
【FI】
B01D53/047
B01D53/86 222
B01D53/62 ZAB
B01D53/82
C01B32/50
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024537816
(86)(22)【出願日】2022-12-22
(85)【翻訳文提出日】2024-06-21
(86)【国際出願番号】 EP2022087418
(87)【国際公開番号】W WO2023134998
(87)【国際公開日】2023-07-20
(31)【優先権主張番号】2200315
(32)【優先日】2022-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591036572
【氏名又は名称】レール・リキード-ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】デュベティエ,リシャール
(72)【発明者】
【氏名】ラベントス,マーティン
(72)【発明者】
【氏名】ロドリゲス,ギヨーム
【テーマコード(参考)】
4D002
4D012
4D148
4G146
【Fターム(参考)】
4D002AA09
4D002AA12
4D002AC05
4D002AC07
4D002BA04
4D002BA13
4D002BA20
4D002CA07
4D002DA41
4D002DA45
4D002DA46
4D002EA01
4D002EA08
4D002FA01
4D002HA01
4D002HA03
4D012BA02
4D012BA03
4D012CA03
4D012CA15
4D012CB11
4D012CD07
4D012CG01
4D012CH05
4D012CJ05
4D148AA07
4D148AB01
4D148BA03Y
4D148BA05Y
4D148BA06Y
4D148BA11Y
4D148BA41Y
4D148CA03
4D148CD01
4D148CD05
4D148EA04
4G146JA02
4G146JB10
4G146JC24
4G146JC25
4G146JC26
4G146JC27
(57)【要約】
【解決手段】 本発明は、少なくとも10ppmのNOX、10体積%~50体積%のCO、N、水及びOを含有する供給ガス流(FG)に0.1モル%の最小濃度で含有されるCOを回収するための設備(1)であって、NOXは、NO及びNOを含有し、設備は、- 供給ガス流を圧縮するように配置された圧縮アセンブリ(2)、- 圧縮アセンブリを通過した供給ガス流を乾燥させて、乾燥ガス流(FGS)を得るための、好ましくは圧縮アセンブリの下流に置かれた乾燥スペース(8)、- NOのNOへの酸化を促すために選択される少なくとも1つの吸着剤(9)を含む吸着処理ユニット(4)であって、乾燥スペース(8)は、処理ユニット(4)の上流に置かれた乾燥機(3)に属し、処理ユニット(4)は、COが富化されたガス流を生成することを目的として、乾燥機から到来する乾燥ガス流を処理するように配置される、吸着処理ユニット(4)を含む、設備(1)に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも10ppmのNOX、10体積%~50体積%のCO、N、水及びOを含む供給ガス流に0.1モル%の最小濃度、好ましくは1モル%以上の濃度、特に2%~5%の濃度又は10%超の濃度で含有されるCOを回収するための設備(1)であって、前記NOXは、NO及びNOを含み、前記設備は、
- 前記供給ガス流を圧縮するように配置された圧縮アセンブリ(2)であって、特に複数の圧縮段と、前記圧縮段によって圧縮された前記ガス流を冷却するように配置された複数の熱交換器とを含み、前記ガス流を1.5bar abs超の圧力、特に3~15bar absの圧力又はさらに4~12bar absの圧力まで圧縮するように配置される圧縮アセンブリ(2)、
- 前記圧縮アセンブリを通過した前記供給ガス流を乾燥させて、乾燥ガス流(FGS)を得るための、好ましくは前記圧縮アセンブリの下流に位置する乾燥スペース(8;80)、
- 前記NOのNOへの酸化を促進するために選択される少なくとも1つの吸着剤(9)を含む吸着処理ユニット(4;40)であって、前記乾燥スペース(8)は、前記処理ユニット(4)の上流に位置する乾燥機(3)の一部であり、前記処理ユニット(4;40)は、前記乾燥機から到来する前記乾燥ガス流を処理して、COが富化されたガス流を生成するように配置される、吸着処理ユニット(4;40)
を含む、設備(1)。
【請求項2】
前記乾燥ガス流(FGS)は、500ppm未満、特に10ppm未満、例えば1ppm未満のHOを含む、請求項1に記載の設備。
【請求項3】
前記NOのNOへの酸化を促進するために選択される前記吸着剤(9)は、シリカゲル、ゼオライト、活性炭、アルミナ又はこれらの要素の組み合わせから選択される、請求項1又は2に記載の設備。
【請求項4】
前記NOのNOへの酸化を促進するために選択される前記吸着剤は、少なくとも2つの異なるシリカゲル、及び/又は少なくとも2つの異なるゼオライト、及び/又は少なくとも2つの異なる活性炭の混合物を含む、請求項3に記載の設備。
【請求項5】
前記処理ユニットは、圧力スイング吸着装置を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の設備。
【請求項6】
前記処理ユニットは、大気圧を上回る、特に1.5~6bar absの高圧で吸着が行われ、及び大気圧を下回る低圧で脱着が行われるVPSA吸着装置を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の設備。
【請求項7】
前記乾燥機(3)は、温度スイング吸着(TSA)装置を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の設備。
【請求項8】
少なくとも10ppmのNOX、10体積%~50体積%のCO、N、水及びOを含む供給ガス流に0.1モル%の最小濃度、好ましくは1モル%以上の濃度、特に2%~5%の濃度又は10%超の濃度で含有されるCOを回収するプロセスであって、前記NOXは、NO及びNOを含み、前記プロセスは、
- 圧縮アセンブリを用いて前記供給ガス流を圧縮するステップ、
- その後、乾燥スペース(8;80)を通して、前記圧縮された供給ガス流を乾燥させて、特に500ppm未満のHO、特に10ppm未満のHO、例えば1ppm未満のHOを含む乾燥ガス流(FGS)を得るステップ、
- 前記NOのNOへの酸化を促進するために選択される少なくとも1つの吸着剤(9)を含む吸着処理ユニット(4;40)であって、前記乾燥スペース(8;80)は、前記処理ユニット(4)の上流に位置する乾燥機(3)の一部である、吸着処理ユニット(4;40)を用いて、前記乾燥機(3)から到来する前記乾燥ガス流を処理して、COが富化されたガス流を生成するステップ
を含む、プロセス。
【請求項9】
前記NOの酸化を介したNOのNOへの総転化率は、20%超、特に30%若しくは50%又はさらに75%超である、請求項8に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、供給ガス流に含有されるCO(二酸化炭素)を回収するための設備及びプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
NOX(窒素酸化物)は、燃焼ガス中にNO(一酸化窒素)及びNO(二酸化窒素)の形態で存在し、典型的な比率は、NOが90%に対してNOが10%である。ほとんどの発電所は、NH(アンモニア)がNO及びNOと反応して、N(窒素分子)及び水(HO)を生成する選択触媒還元(SCR)ユニットを備え、それによりNOX排出量を数百ppm未満に低減する。これらのユニットは、大量の燃焼ガスを処理しなければならない。
【0003】
業界の全ての工場がSCRシステムを備えているわけではない。例えば、流動接触分解プラント又はセメントプラントは、約200ppmのNOxを排出する。水蒸気メタン改質ユニット(SMR)は、100ppm未満のNOxを排出する。炭素の捕捉に関連して、当業者に明らかな解決策は、SCRによってNOxを連続的に還元し、その後、例えばアミンを用いてCOを捕捉する、CCUS(二酸化炭素の捕捉、利用及び貯蔵)後処理を行うことであろう。この技術は、一方では、NOxに敏感であり(溶媒の変質及び極めて有毒な副生成物の生成)、他方では、COが捕捉された後、大気中に放出されるNOxを濃縮しやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、特に、燃焼ガス中のCOを捕捉すると同時に、NOXを大幅に削減することを提案することを目的とする。本発明は、燃焼ガスに限定されず、その起源に関係なく、あらゆる種類の供給ガス流に適用され得、このガス流は、CO、NOx及び潜在的にCOよりも吸着性の低い少なくとも1つのガス、例えばN、O、Ar、He、Hを含む。
【課題を解決するための手段】
【0005】
したがって、本発明の主題は、少なくとも10ppmのNOX、10体積%~50体積%のCO、N、水及びOを含む供給ガス流に0.1モル%の最小濃度、好ましくは1モル%以上の濃度、特に2%~5%の濃度又は10%超の濃度で含有されるCOを回収するための設備であり、NOXは、NO及びNOを含み、設備は、以下を含む。
- 供給ガス流を圧縮するように配置された圧縮アセンブリであって、特に複数の圧縮段と、圧縮段によって圧縮されたガス流を冷却するように配置された複数の熱交換器とを含み、ガス流を1.5bar abs超の圧力、特に3~15bar absの圧力又はさらに4~12bar absの圧力まで圧縮するように配置される(略語「bar abs」は「bar(絶対圧)」を意味する)、圧縮アセンブリ、
- 圧縮アセンブリを通過した供給ガス流を乾燥させて、乾燥ガス流を得るための、好ましくは圧縮アセンブリの下流に位置する乾燥スペース、
- NOのNOへの酸化を促進するために選択される少なくとも1つの吸着剤を含む吸着処理ユニットであって、
- a.乾燥スペースが、処理ユニットの上流に位置する乾燥機の一部である場合、乾燥機から到来する乾燥ガス流を処理して、COが富化されたガス流を生成すること、又は
- b.乾燥スペースが処理ユニットの一部を形成し、且つHOを吸着するために選択される乾燥吸着剤を含み、及びNOのNOへの酸化を促進するために選択される吸着剤の上流で処理ユニット内に配置される場合、乾燥吸着剤によって予め乾燥されたガス流を処理して、COが富化されたガス流を生成すること
を行うように配置された吸着処理ユニット。
【0006】
上述の化合物に加えて、供給ガス流は、アルゴン及びガス流の元となる上流ユニットに応じた様々な不純物等の他の微量成分を含み得る。さらに、NOXの一部は、NO4(四酸化二窒素、評価では2NOと均等なものとして考えられる)の形態で存在し得る。
【0007】
本発明の一態様によれば、供給ガス流は、含まれる可能性のある粒子又はダストを除去するために、圧縮アセンブリに導入される前に濾過される。これは、濾過前の供給ガス流が過剰な量の粒子又はダストを含有し得るためである。この濾過は、必要に応じて、濾過によって処理されたガス流が、下流ユニットに適合するように選択される閾値になるまで行われる。
【0008】
「下流ユニットに適合する」という用語は、残留粒子が、ユニットの適切な機能に弊害をもたらし得る目詰まり、堆積又は分配不良を引き起こさないことを意味すると理解される。場合により、選択される閾値は、40ミクロン未満、任意選択的に5ミクロン未満の寸法の粒子及び/又は1mg/m3未満、任意選択的に0.01mg/m3未満の固体粒子の濃度に対応し得る。
【0009】
乾燥スペースが、処理ユニットの上流にある乾燥機の一部である場合、乾燥機は、温度スイング吸着(TSA)装置を含み得る。
【0010】
ここで、TSAとは、吸着/再生サイクル後、吸着によってガスを分離する全てのユニットを指し、再生ガスは、吸着温度より高い温度で少なくとも一時的に使用される(加熱ステップ)。再生ガスの気圧は、任意選択的であり、吸着圧力より大きいか、それと等しいか又は好ましくはそれより小さい。
【0011】
この乾燥機は、例えば、2つの乾燥吸着器及び1つの吸着器当たり4つのバルブのみを有するTSAのような追加の装置となる。本発明のこの実施形態は、PSAに腐食の問題がなく、PSAから生じるガスが乾燥しているという利点を有する。
【0012】
乾燥機は、経済的に有利であれば、冷凍後、圧縮段から出るガスに対して設置され得ることに留意されたい。
【0013】
本発明の一態様によれば、乾燥機は、ガス流を乾燥させるためのTEG(トリエチレングリコール)ユニットを含む。
【0014】
乾燥スペースが処理ユニットの一部を構成し、乾燥吸着剤を含む場合、PSAに追加される装置はないが、硝酸が存在する可能性があるため、腐食に対する対策を講じる必要がある。例えば、ステンレス鋼等の耐食性材料を使用することが望ましい。
【0015】
本発明の一態様によれば、乾燥ガス流は、500ppm未満、特に10ppm未満、例えば1ppm未満のHOを含む。
【0016】
NOXは、圧縮アセンブリを通過する前の時点で特に90体積%のNO及び10体積%のNOを本質的に含む。これらの比率は、特に供給ガス流の供給源及びそれが受けた処理によって異なり得る。
【0017】
本発明では、処理ユニットの前に乾燥機が存在することは、この処理ユニット内又はその下流での硝酸の生成を回避するために特に有利である。これにより、PSAバルブ等の機器に対する損傷を回避することができる。
【0018】
本発明により、吸着処理ユニット(例えば、PSA)から得られる、COが富化されたガス流中のNOの量と、PSA出口における、窒素が富化されたガス流中に存在するNOの量との両方を制限することが可能になる。そのために、本発明は、酸素の存在下でNOからNOへの反応を促進する特定の吸着剤の触媒効果を利用する。本発明は、これらの吸着剤が満足のいく期間にわたって十分に活性を発揮するのに都合のよい条件を確立することを可能にする。そのために、本発明は、乾燥スペースがあることにより、確実にHOが存在しないようにすることを可能にする。これは、HOが少なくとも部分的に吸着され得、吸着剤の活性を低下させるためである。さらに、HOの存在下でNOが存在すると硝酸が生成し、吸着剤の種類に応じて、一方では吸着され、求められる触媒活性を著しく低下させ、他方では他のある種の吸着剤でその吸着剤の破壊が促進される。硝酸が含まれないため、従来の材料を使用することができ、バルブ等の繊細な機器へのダメージも回避することができる。
【0019】
このように、本発明は、供給ガス流から生じるCOの捕捉を可能にしつつ、NOの大幅な削減を可能にする。
【0020】
圧縮アセンブリによって提供される圧力は、NOのNOへの変換を促進する。
【0021】
本発明の一態様によれば、吸着剤は、シリカゲル、ゼオライト、活性炭、アルミナ又はこれらの要素の組み合わせから選択される。
【0022】
本発明の一態様によれば、NOのNOへの酸化を促進するために選択される吸着剤は、少なくとも2つの異なるシリカゲル、及び/又は少なくとも2つの異なるゼオライト、及び/又は少なくとも2つの異なる活性炭の混合物を含む。
【0023】
2つの吸着剤は、その気孔率、活性部位の性質(特にゼオライト)、バインダー(性質又は量)、存在する不純物(バインダー、活性炭等)、後処理(イオン交換、含浸、洗浄操作等)によって非網羅的に異なり得る。これらの違いにより、同じ種類の2つの吸着剤は、大きく異なる吸着特性又は触媒特性を有し得る。組成及び気孔率のように2つのパラメータが異なる場合にはなおさらである。
【0024】
吸着剤は、NOXとの化学反応によって実質的に分解されないように選択される。したがって、吸着剤の耐用年数は、運転が可能な期間として1年超、好ましくは2年超又はさらに3年超である。
【0025】
処理ユニットの吸着剤は、COを優先的に吸着し、Nは、この吸着剤によって優先的に吸着されない。そのため、窒素の大部分は、COが欠乏したガス流のサイクルの高圧で抽出され、吸着剤塊の再生中、COが富化された1つ以上のガス流が得られる。
【0026】
本発明の一態様によれば、NOも優先的に吸着され、NOが優先的に吸着されないため、ユニットから排出されるNOの大部分は、COが富化されたガス流に含まれ、ユニットから排出されるNOの大部分は、Nが富化されたガス流に含まれる。
【0027】
本発明の一態様によれば、選択される処理ユニットの吸着剤は、シリカゲル、アルミナ又はこれらの2つの要素の組み合わせである。
【0028】
本発明の一態様によれば、処理ユニットは、これまでに説明したNOのNOへの酸化を促進する吸着剤に加えて、少なくとも1つの追加の吸着剤を含む。この追加の吸着剤は、NOのNOへの酸化を促進する機能を有しないが、例えばCO及び/又はNOを吸着できる吸着剤である。
【0029】
本発明の一態様によれば、少なくとも1つの凝縮水分離装置は、特に圧縮段の出口での冷却後に提供され得る。
【0030】
本発明の一態様によれば、処理ユニットは、圧力スイング吸着(PSA)装置を含む。
【0031】
TSA型乾燥機の再生ガスは、供給ガス流から優先的に抽出される、一般にNが富化されたガスである。すなわち、PSAから直接得られるCOが欠乏したガス流の一部又はPSAの下流に配置されたユニット、例えば一定量のNを依然として含む、さらにCOを富化するためのCOが富化されたガス流を処理する極低温ユニットから得られるパージガスのいずれかである。残留N留分は、通常、脱窒素カラムの上部で抽出され、本発明の対象であるCO回収設備に戻すことができる。
【0032】
本発明の一態様によれば、処理ユニットは、大気圧を上回る、特に1.5~6bar absの高圧で吸着が行われ、及び大気圧を下回る、特に600mbar以下の低圧で脱着が行われるVPSA吸着装置を含む。この圧力は、特に200~600mbar absであり、適切な場合、例えば数段のポンプ段を含む真空ポンプの場合、本質的に50mbar absに達し得る。
【0033】
本発明の一態様によれば、乾燥スペースが乾燥機の一部である場合、乾燥機に入るガス流は、冷水又は氷水等の適切な冷凍水で好ましくは3℃~20℃に冷却されており、これにより吸着が促進される。
【0034】
本発明の一態様によれば、特に乾燥スペースが処理ユニット内にある場合、処理ユニットに入るガス流は、冷水又は氷水等の適切な冷凍水で好ましくは3℃~20℃に冷却されている。
【0035】
さらに、本発明の主題は、少なくとも10ppmのNOX、10体積%~50体積%のCO、N、水及びOを含む供給ガス流に0.1モル%の最小濃度、好ましくは1モル%以上の濃度、特に2%~5%の濃度又は10%超の濃度で含有されるCOを回収するプロセスでもあり、NOXは、NO及びNOを含み、プロセスは、以下のステップを含む。
- 圧縮アセンブリを用いて供給ガス流を圧縮するステップ、
- その後、乾燥スペースを通して、圧縮された供給ガス流を乾燥させて、特に500ppm未満のHO、特に10ppm未満のHO、例えば1ppm未満のHOを含む乾燥ガス流を得るステップ、
- NOのNOへの酸化を促進するために選択される少なくとも1つの吸着剤を含む吸着処理ユニットを用いて、
- a.乾燥スペースが、処理ユニットの上流に位置する乾燥機の一部である場合、乾燥機から到来する乾燥ガス流を処理して、COが富化されたガス流を生成するステップ、又は
- b.乾燥スペースが処理ユニットの一部を形成し、且つHOを吸着するために選択される乾燥吸着剤を含み、及びNOのNOへの酸化を促進するために選択される吸着剤の上流で処理ユニット内に配置される場合、乾燥吸着剤によって予め乾燥されたガス流を処理して、COが富化されたガス流を生成するステップ。
【0036】
本発明により、20%超、特に30%若しくは50%又はさらに75%超の、NOの酸化を介したNOからNOへの総転化率を得ることができる。
【0037】
「総転化率」という用語は、圧縮アセンブリの吸入口において供給ガス中で測定される流入NOの量(場合により本発明の設備のCO回収ユニット以外のユニットから到来するリサイクル中に含まれるNOの量が追加される)と、吸着処理ユニットから排出される量との間で評価が行われることを意味するものと理解される。
【0038】
出口での評価は、少なくともPSAの全サイクルにわたって行われなければならないことに留意されたい。
【0039】
本発明の一態様によれば、COは、供給ガス流中に無水分換算で10体積%超、特に15体積%超又は20体積%超の割合で存在する。
【0040】
無水分換算の組成は、ガスから水分を除去したときの組成であると定義される。例えば、ガス流中に15モル%の水が存在する場合、水が存在する他の全ての組成は、HOを考慮せずに最終的に100%になるように0.85で割る必要がある。
【0041】
本発明の一態様によれば、NOXは、1000ppmv未満、特に500ppmv未満又は100ppmv未満の割合で供給ガス流に含有される。
【0042】
本発明の一態様によれば、処理される供給ガス流中のNO/(NO+NO)比(モルppm)は、50%未満、特に20%若しくは10%未満又はさらに5%若しくは1%未満である。
【0043】
吸着処理ユニット(例えば、PSA又はVPSA)から得られる、COが富化されたガス流は、COをさらに富化するために下流ユニットで処理することができ、この下流ユニットからのCO欠乏ガスは、CO抽出収率を高めるために、吸着処理ユニット(例えば、PSA又はVPSA)の上流でリサイクルするか、又は直接吸着処理ユニット(例えば、PSA又はVPSA)にリサイクルすることができる。
【0044】
吸着処理ユニット(例えば、PSA又はVPSA)からのCO富化流のCOの組成は、用途に応じて45%~90%であり得る。
【0045】
本発明の一態様によれば、燃焼ガス流は、炭化水素の燃焼によって生じる排ガスである。
【0046】
これらの排ガスは、例えば、セメントキルン又はSMR(スチームメタン改質)炉から発生する。
【0047】
本発明の一態様によれば、燃焼ガスに含まれるCOの一部は、炉に導入されて変換される出発原料に由来し得、例えば、COは、場合によりCaCOに由来する。
【0048】
本発明は、以下の詳細な説明を読み、添付の図を参照することでよりよく理解されるであろう。この図は、例示のためにのみ示され、決して本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1図1は、本発明の実施の一例に係る設備を示すブロック図である。
図2図2は、NOからNOへの転換率を測定した試験結果を示す概略曲線である。
図3図3は、本発明の他の実施の一例に係る設備を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
図1は、少なくとも10ppmのNOX、10体積%~50体積%のCO、N、水及びOを含む供給ガス流に0.1モル%の最小濃度、好ましくは1モル%以上の濃度で含有されるCOを回収するための設備を示し、NOXは、NO及びNOを含み、設備は、以下を含む。
- 供給ガス流FGを圧縮するように配置された圧縮アセンブリ2であって、特に複数の圧縮段と、圧縮段によって圧縮されたガス流を冷却するように配置された複数の熱交換器と、任意選択的に、凝縮体を除去するための装置の複数の部材とを含み、ガス流を1.5bar abs超の圧力、特に3~15bar absの圧力又はさらに4~12bar absの圧力まで圧縮するように配置される圧縮アセンブリ、
- 圧縮アセンブリを通過した供給ガス流を乾燥させて、乾燥ガス流FGSを得るための、圧縮アセンブリ2の下流に位置する乾燥機3であって、本発明の意味の範囲内で乾燥スペース8を形成する、乾燥機3、
- 乾燥ガス流FGSを処理して、COが富化されたガス流F1を生成するように配置された吸着処理ユニット4であって、乾燥機3の下流に設置され、且つNOのNOへの酸化を促進するために選択される少なくとも1つの吸着剤9を含む吸着処理ユニット4。
【0051】
供給ガス流FGは、例えば、セメントキルン又はSMR(スチームメタン改質)炉に由来する排ガスによって形成される。
【0052】
上記の化合物に加えて、供給ガス流は、アルゴン及びガス流の元となる上流ユニットに応じた様々な不純物等の他の微量成分を含み得る。さらに、NOXの一部は、NO4(四酸化二窒素)の形態で存在し得る。
【0053】
乾燥ガス流FGSは、500ppm未満、特に10ppm未満、例えば1ppm未満のHOを含む。
【0054】
NOXは、圧縮アセンブリを通過する前の時点で特に90体積%のNO及び10体積%のNOを本質的に含む。
【0055】
本発明では、処理ユニットの前に乾燥機が存在することは、この処理ユニット内又はその下流での硝酸の生成を回避するために特に有利である。
【0056】
このように、本発明は、供給ガス流からのCOの捕捉を可能にしつつ、NOの大幅な削減を可能にする。
【0057】
吸着剤9は、シリカゲル、ゼオライト、活性炭、アルミナ又はこれらの組み合わせから選択される。
【0058】
例えば、NOのNOへの酸化を促進するために選択される吸着剤9は、少なくとも2つの異なるシリカゲル、及び/又は少なくとも2つの異なるゼオライト、及び/又は少なくとも2つの異なる活性炭の混合物を含む。
【0059】
吸着剤9は、NOXとの化学反応によって実質的に分解されないように選択される。したがって、吸着剤の耐用年数は、運転が可能な期間として1年超、好ましくは2年超又はさらに3年超である。
【0060】
処理ユニット4の吸着剤9は、COを優先的に吸着し、Nは、この吸着剤によって優先的に吸着されない。そのため、窒素の大部分は、COが欠乏したガス流F2のサイクルの高圧で抽出され、吸着剤塊の再生中、COが富化された1つ以上のガス流F1が得られる。
【0061】
NOも優先的に吸着され、NOが優先的に吸着されないため、処理ユニット4から排出されるNOの大部分は、COが富化されたガス流に含まれ、ユニットから排出されるNOの大部分は、Nが富化されたガス流に含まれる。
【0062】
例えば、処理ユニット4は、圧力スイング吸着(PSA)装置を含む。
【0063】
変形形態として、処理ユニット4は、大気圧を上回る、特に1.5~6bar absの高圧で吸着が行われ、及び大気圧を下回る、特に200~600mbar absの低圧又はさらに場合により50mbar absまで下がる低圧で脱着が行われるVPSA吸着装置を含む。
【0064】
乾燥機3は、温度スイング吸着(TSA)装置を含む。
【0065】
乾燥機3に入るガス流は、吸着を促進する冷水又は氷水等の適切な冷却水で好ましくは3~20℃に冷却されている。
【0066】
処理ユニット4に入るガス流は、冷水又は氷水等の適切な冷却水で好ましくは3~20℃に冷却されている。
【0067】
この設備1により、以下のステップを実施することが可能になる。
- 圧縮アセンブリ2を用いて供給ガス流を圧縮するステップ、
- その後、乾燥機3を用いて、圧縮された供給ガス流を乾燥させて、乾燥ガス流を得るステップであって、特に、乾燥機は、それが、500ppm未満、特に10ppm未満、例えば1ppm未満のHOを含む乾燥ガス流を生成するように配置される、ステップ、
- 吸着処理ユニット4を用いて、乾燥ガス流を処理して、COが富化されたガス流を生成するステップであって、処理ユニットは、乾燥機の下流に設置され、且つNOのNOへの酸化を促進するために選択される少なくとも1つの吸着剤9を含む、ステップ。
【0068】
本発明により、20%超、特に30%若しくは50%又はさらに75%超の、NOの酸化を介したNOからNOへの総転化率を得ることができる。
【0069】
「総転化率」という用語は、圧縮アセンブリの吸入口で測定された流入NOの量と、吸着処理ユニットから排出される量との間で評価が行われることを意味するものと理解されることを想定する。
【0070】
COは、供給ガス流中に無水分換算で10体積%超、特に15体積%超又は20体積%超の割合で存在する。
【0071】
NOXは、供給ガス流FG中に1000ppmv未満、特に500ppmv未満又は100ppmv未満で含まれる。
【0072】
処理される供給ガス流FG中のNO/(NO+NO)比(モルppm)は、50%未満、特に20%若しくは10%未満又はさらに5%若しくは1%未満である。
【0073】
吸着処理ユニット4(例えば、PSA又はVPSA)から得られる、COが富化されたガス流F1は、COをさらに富化するために下流ユニットで処理することができ、この下流ユニットからのCO欠乏ガスは、CO抽出収率を高めるために、吸着処理ユニット4(例えば、PSA又はVPSA)の上流でリサイクルするか、又は直接吸着処理ユニット(例えば、PSA又はVPSA)にリサイクルすることができる。
【0074】
吸着処理ユニット(例えば、PSA又はVPSAから)のCO富化流のCOの組成は、用途に応じて45%~90%であり得る。
【0075】
吸着剤がNOのNOへの酸化を促進できることを、例えば以下のステップを含む試験によって確認することが可能である。
- 250℃(又は必要に応じて推奨最高温度)において乾燥窒素(最大で1ppmの水を含む)でフラッシングして粒子を再生するステップ、
- 最大1ppmの水と、50ppmのNO及び2モル%のOとを含む乾燥窒素流を、本発明によるプロセスを代表する温度及び圧力(例えば、8bar absの高圧サイクル及び周囲温度で作動するPSAの場合には20℃及び8bar abs)において、ガラスビーズが充填された管に通すステップであって、N流量及び吸着器の寸法は、ガラスビーズへのガスの接触時間(接触時間は、以下に定義される)が約5秒になるように選択される、ステップ、
- 出口において安定したNO含有量が得られるまでフラッシングを続けるステップ、
- NOからNOへの変換率を計算するステップ、
- 試験される吸着剤と同量の吸着剤を同じチューブに充填し、これらのステップを実施するステップ、
- NO含有量が安定した時点での出口におけるNO含有量を測定するステップ、
- 転換率を計算するステップ、
- 吸着剤が充填された管での転換率が、ガラスビーズが充填された管での転換率よりも大きい場合、吸着剤は、NOからNOへの酸化を促進する能力があると結論付け、ガラスビーズを用いて得られる転換率よりも転換率が少なくとも10ポイント大きい吸着剤を優先的に保持するステップ。
【0076】
ここで、「接触時間」とは、チューブにいずれの物質も存在しないとき、ガスがチューブの有用領域(粒子で満たされる領域)を通過するのに要する時間を意味する。これにより、試験中に使用するガス流量が正確に設定される。この条件下では、5秒の接触時間は、試験中のガスの約3秒の実際の滞留時間に対応する。
【0077】
NOをNOに酸化する化学反応における転換率は、以下のように定義される。入口に(単位時間当たり)NモルのNOがあり、出口にMモルのNOがあり、M<Nの場合、転換率は、(N-M)/N、すなわちNOに転換されたモル数を入口のモル数で割ったものである。
【0078】
上述のように定義した試験の場合、ガス流量は、入口と出口との間で一定であると考えることができ、入口と出口との間のNOのppm値を直接比較することができる。
【0079】
図2は、上記の条件下で実施した試験の結果を示す。チューブの出口にある内容物(NO及び場合によりNO)をy軸に、時間をx軸に示す。
【0080】
符号11の曲線は、ガラスビーズ又は特定の触媒効果を有しない吸着剤に対応する。吸着されなかったNOは、迅速に排出され、その後、実質的に安定した状態を保つ。この種の生成物は、触媒でないか又は酸化反応の触媒として非常に貧弱であるため、出口での含有量は、例えば、47~49.5ppmの範囲である。示していないが、NO含有量は、測定の不確かさの範囲内で評価を確定することが可能である。転換率は、1%~6%の範囲である。
【0081】
曲線12及び13は、それぞれ本発明による吸着剤上のNO及びNOのブレークスルーを示す。NOは、酸素と強く反応してNOを生成し、そのNOが吸着されるため、吸着剤が参照時間(ts)で飽和すると、安定化した系が得られる。この場合、吸着剤飽和後のNOからNOへの変換率は、60%である。吸着剤は、このようにして決定された転化率が20%以上、すなわち実質的に不活性な材料より約15ポイント高い場合、転化率に大きい影響を及ぼすとみなすことができる。
【0082】
曲線12は、生成したNOを飽和前に吸着することで、その後、得られるNOよりも高いNOの転化率が得られることも示す。このことから、一方では、転化反応を促進する吸着剤に対応する層を大きくすることは、平均転化率を増加させ、他方では、前記吸着剤塊は、有利には、反応を促進する材料と、NOを吸着するための高い容量を有する材料とから構成され得ると結論付けることができる。これらの2つの材料は、試験によって決定された最適な比率で密接に混合された粒子の形態であり得る。適切な場合、これらの2つの材料を粉末の状態で混合し、成形することで、触媒機能とNO吸着機能との両方を含む粒子を得ることができる。触媒機能は、例えば、バインダーが担うことができる。このとき、2つの物質の混合物を「吸着剤」と呼ぶ。
【0083】
一般に、本発明の一態様によれば、処理ユニットは、上記で定義したように、NOからNOへの変換率が20%以上である吸着剤を用いる。
【0084】
本発明の別の態様によれば、処理ユニットは、上記で定義したように、NOからNOへの変換率が30%以上、優先的には50%以上である吸着剤を用いる。
【0085】
図3は、本発明の別の例の実施形態に係るCO回収設備10を示し、乾燥スペース80が処理ユニット40(この場合にはPSA型)の一部を形成する点で図1の例の設備と異なる。この乾燥スペース80は、HOを吸着するために選択される乾燥吸着剤を含み、処理ユニット40において、NOのNOへの酸化を促進するために選択される吸着剤9の上流に配置される。処理ユニット40は、乾燥スペース80で予め乾燥させたガス流を処理するように配置され、COが富化されたガス流を生成する。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2024-07-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも10ppmのNOX、10体積%~50体積%のCO、N、水及びOを含む供給ガス流に0.1モル%の最小濃度、好ましくは1モル%以上の濃度、特に2%~5%の濃度又は10%超の濃度で含有されるCOを回収するための設備(1)であって、前記NOXは、NO及びNOを含み、前記設備は、
- 前記供給ガス流を圧縮するように配置された圧縮アセンブリ(2)であって、特に複数の圧縮段と、前記圧縮段によって圧縮された前記ガス流を冷却するように配置された複数の熱交換器とを含み、前記ガス流を1.5bar abs超の圧力、特に3~15bar absの圧力又はさらに4~12bar absの圧力まで圧縮するように配置される圧縮アセンブリ(2)、
- 前記圧縮アセンブリを通過した前記供給ガス流を乾燥させて、乾燥ガス流(FGS)を得るための、好ましくは前記圧縮アセンブリの下流に位置する乾燥スペース(8;80)、
- 前記NOのNOへの酸化を促進するために選択される少なくとも1つの吸着剤(9)を含む吸着処理ユニット(4;40)であって、前記乾燥スペース(8)は、前記処理ユニット(4)の上流に位置する乾燥機(3)の一部であり、前記処理ユニット(4;40)は、前記乾燥機から到来する前記乾燥ガス流を処理して、COが富化されたガス流を生成するように配置される、吸着処理ユニット(4;40)
を含む、設備(1)。
【請求項2】
前記乾燥ガス流(FGS)は、500ppm未満、特に10ppm未満、例えば1ppm未満のHOを含む、請求項1に記載の設備。
【請求項3】
前記NOのNOへの酸化を促進するために選択される前記吸着剤(9)は、シリカゲル、ゼオライト、活性炭、アルミナ又はこれらの要素の組み合わせから選択される、請求項1又は2に記載の設備。
【請求項4】
前記NOのNOへの酸化を促進するために選択される前記吸着剤は、少なくとも2つの異なるシリカゲル、及び/又は少なくとも2つの異なるゼオライト、及び/又は少なくとも2つの異なる活性炭の混合物を含む、請求項3に記載の設備。
【請求項5】
前記処理ユニットは、圧力スイング吸着装置を含む、請求項1又は2に記載の設備。
【請求項6】
前記処理ユニットは、大気圧を上回る、特に1.5~6bar absの高圧で吸着が行われ、及び大気圧を下回る低圧で脱着が行われるVPSA吸着装置を含む、請求項1又は2に記載の設備。
【請求項7】
前記乾燥機(3)は、温度スイング吸着(TSA)装置を含む、請求項1又は2に記載の設備。
【請求項8】
少なくとも10ppmのNOX、10体積%~50体積%のCO、N、水及びOを含む供給ガス流に0.1モル%の最小濃度、好ましくは1モル%以上の濃度、特に2%~5%の濃度又は10%超の濃度で含有されるCOを回収するプロセスであって、前記NOXは、NO及びNOを含み、前記プロセスは、
- 圧縮アセンブリを用いて前記供給ガス流を圧縮するステップ、
- その後、乾燥スペース(8;80)を通して、前記圧縮された供給ガス流を乾燥させて、特に500ppm未満のHO、特に10ppm未満のHO、例えば1ppm未満のHOを含む乾燥ガス流(FGS)を得るステップ、
- 前記NOのNOへの酸化を促進するために選択される少なくとも1つの吸着剤(9)を含む吸着処理ユニット(4;40)であって、前記乾燥スペース(8;80)は、前記処理ユニット(4)の上流に位置する乾燥機(3)の一部である、吸着処理ユニット(4;40)を用いて、前記乾燥機(3)から到来する前記乾燥ガス流を処理して、COが富化されたガス流を生成するステップ
を含む、プロセス。
【請求項9】
前記NOの酸化を介したNOのNOへの総転化率は、20%超、特に30%若しくは50%又はさらに75%超である、請求項8に記載のプロセス。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0085
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0085】
図3は、本発明の別の例の実施形態に係るCO回収設備10を示し、乾燥スペース80が処理ユニット40(この場合にはPSA型)の一部を形成する点で図1の例の設備と異なる。この乾燥スペース80は、HOを吸着するために選択される乾燥吸着剤を含み、処理ユニット40において、NOのNOへの酸化を促進するために選択される吸着剤9の上流に配置される。処理ユニット40は、乾燥スペース80で予め乾燥させたガス流を処理するように配置され、COが富化されたガス流を生成する。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] 少なくとも10ppmのNOX、10体積%~50体積%のCO 、N 、水及びO を含む供給ガス流に0.1モル%の最小濃度、好ましくは1モル%以上の濃度、特に2%~5%の濃度又は10%超の濃度で含有されるCO を回収するための設備(1)であって、前記NOXは、NO及びNO を含み、前記設備は、
- 前記供給ガス流を圧縮するように配置された圧縮アセンブリ(2)であって、特に複数の圧縮段と、前記圧縮段によって圧縮された前記ガス流を冷却するように配置された複数の熱交換器とを含み、前記ガス流を1.5bar abs超の圧力、特に3~15bar absの圧力又はさらに4~12bar absの圧力まで圧縮するように配置される圧縮アセンブリ(2)、
- 前記圧縮アセンブリを通過した前記供給ガス流を乾燥させて、乾燥ガス流(FGS)を得るための、好ましくは前記圧縮アセンブリの下流に位置する乾燥スペース(8;80)、
- 前記NOのNO への酸化を促進するために選択される少なくとも1つの吸着剤(9)を含む吸着処理ユニット(4;40)であって、前記乾燥スペース(8)は、前記処理ユニット(4)の上流に位置する乾燥機(3)の一部であり、前記処理ユニット(4;40)は、前記乾燥機から到来する前記乾燥ガス流を処理して、CO が富化されたガス流を生成するように配置される、吸着処理ユニット(4;40)
を含む、設備(1)。
[2] 前記乾燥ガス流(FGS)は、500ppm未満、特に10ppm未満、例えば1ppm未満のH Oを含む、[1]に記載の設備。
[3] 前記NOのNO への酸化を促進するために選択される前記吸着剤(9)は、シリカゲル、ゼオライト、活性炭、アルミナ又はこれらの要素の組み合わせから選択される、[1]又は[2]に記載の設備。
[4] 前記NOのNO への酸化を促進するために選択される前記吸着剤は、少なくとも2つの異なるシリカゲル、及び/又は少なくとも2つの異なるゼオライト、及び/又は少なくとも2つの異なる活性炭の混合物を含む、[3]に記載の設備。
[5] 前記処理ユニットは、圧力スイング吸着装置を含む、[1]~[4]のいずれか一項に記載の設備。
[6] 前記処理ユニットは、大気圧を上回る、特に1.5~6bar absの高圧で吸着が行われ、及び大気圧を下回る低圧で脱着が行われるVPSA吸着装置を含む、[1]~[4]のいずれか一項に記載の設備。
[7] 前記乾燥機(3)は、温度スイング吸着(TSA)装置を含む、[1]~[6]のいずれか一項に記載の設備。
[8] 少なくとも10ppmのNOX、10体積%~50体積%のCO 、N 、水及びO を含む供給ガス流に0.1モル%の最小濃度、好ましくは1モル%以上の濃度、特に2%~5%の濃度又は10%超の濃度で含有されるCO を回収するプロセスであって、前記NOXは、NO及びNO を含み、前記プロセスは、
- 圧縮アセンブリを用いて前記供給ガス流を圧縮するステップ、
- その後、乾燥スペース(8;80)を通して、前記圧縮された供給ガス流を乾燥させて、特に500ppm未満のH O、特に10ppm未満のH O、例えば1ppm未満のH Oを含む乾燥ガス流(FGS)を得るステップ、
- 前記NOのNO への酸化を促進するために選択される少なくとも1つの吸着剤(9)を含む吸着処理ユニット(4;40)であって、前記乾燥スペース(8;80)は、前記処理ユニット(4)の上流に位置する乾燥機(3)の一部である、吸着処理ユニット(4;40)を用いて、前記乾燥機(3)から到来する前記乾燥ガス流を処理して、CO が富化されたガス流を生成するステップ
を含む、プロセス。
[9] 前記NOの酸化を介したNOのNO への総転化率は、20%超、特に30%若しくは50%又はさらに75%超である、[8]に記載のプロセス。
【国際調査報告】