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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-09
(54)【発明の名称】パッケージ基板上の直接接合法
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/07 20060101AFI20241226BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20241226BHJP
   H01L 25/00 20060101ALI20241226BHJP
   H01L 23/14 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
H01L25/08 H
H01L25/08 Y
H01L23/12 N
H01L23/12 B
H01L25/00 B
H01L23/14 R
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024537979
(86)(22)【出願日】2022-12-22
(85)【翻訳文提出日】2024-08-20
(86)【国際出願番号】 US2022082245
(87)【国際公開番号】W WO2023122732
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】63/293,301
(32)【優先日】2021-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518065991
【氏名又は名称】アデイア セミコンダクター ボンディング テクノロジーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100123630
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 誠
(72)【発明者】
【氏名】ハーバ ベルガセム
(72)【発明者】
【氏名】カトカール ラジェッシュ
(72)【発明者】
【氏名】ガオ ギリアン
(72)【発明者】
【氏名】ウゾー シプリアン エメカ
(57)【要約】
無機絶縁性の第1の接合層と、その表面に第1の導電性特徴とを含むパッケージ基板と、無機絶縁性の第2の接合層とその表面に第2の導電性特徴とを含む電子構成要素と、を備える接合構造体であって、第1の接合層及び第2の接合層が互いに直接接合され、第1及び第2の導電性特徴が互いに直接接合されている、接合構造体。
【選択図】図1C-1D
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接合構造体であって、
無機絶縁性の第1の接合層とその表面に第1の導電性特徴とを含むパッケージ基板と、
無機絶縁性の第2の接合層とその表面に第2の導電性特徴とを含む電子構成要素と、
を備え、
前記第1の接合層及び前記第2の接合層が互いに直接接合され、前記第1及び第2の導電性特徴が互いに直接接合されている、
接合構造体。
【請求項2】
前記パッケージ基板が、非シリコン及び非ガラスコア材料を含む、請求項1に記載の接合構造体。
【請求項3】
前記パッケージ基板が、約5ppm/℃及び25ppm/℃の間の熱膨張係数(CTE)を有するコア材料を含む、請求項2に記載の接合構造体。
【請求項4】
前記パッケージ基板が、有機コア材料を含む、請求項2又は3に記載の接合構造体。
【請求項5】
前記有機コア材料が、散在するガラス粒子を含む、請求項4に記載の接合構造体。
【請求項6】
前記パッケージ基板が、プリント回路基板(PCB)を備える、請求項4に記載の接合構造体。
【請求項7】
前記パッケージ基板と前記第1の接合層との間にバッファ層を更に備え、前記バッファ層は、前記パッケージ基板と前記第1の接合層との間の熱膨張係数(CTE)を有する、請求項1~6の何れかに記載の接合構造体。
【請求項8】
前記バッファ層が有機材料を含む、請求項7に記載の接合構造体。
【請求項9】
前記バッファ層がポリイミドを含む、請求項8に記載の接合構造体。
【請求項10】
前記バッファ層が液晶ポリマー層を備える、請求項8に記載の接合構造体。
【請求項11】
前記バッファ層が、ベンゾシクロブテン(BCB)を含む、請求項8に記載の接合構造体。
【請求項12】
前記バッファ層と前記第1の接合層との間にハードマスク層を更に備える、請求項7に記載の接合構造体。
【請求項13】
前記ハードマスク層が無機誘電体を含む、請求項12に記載の接合構造体。
【請求項14】
前記ハードマスク層が窒化ケイ素を含む、請求項13に記載の接合構造体。
【請求項15】
前記パッケージ基板がセラミック基板を備える、請求項1~3の何れかに記載の接合構造体。
【請求項16】
前記接合層と前記パッケージ基板との間に接着層を更に備える、請求項15に記載の接合構造体。
【請求項17】
前記接着層が無機材料を含む、請求項16に記載の接合構造体。
【請求項18】
前記電子構成要素が配線層を備える、請求項1~17の何れかに記載の接合構造体。
【請求項19】
前記配線層が、20μm未満のピッチを有するラインを備える、請求項18に記載の接合構造体。
【請求項20】
前記配線層が、バルク基板を有さないインターポーザとして機能する、請求項18に記載の接合構造体。
【請求項21】
前記電子構成要素上に直接接合された半導体デバイスを更に備える、請求項20に記載の接合構造体。
【請求項22】
前記電子構成要素上にはんだ付けされた半導体デバイスを更に備える、請求項20に記載の接合構造体。
【請求項23】
前記電子構成要素が、少なくとも部分的にアクティブデバイスが形成された半導体基板を更に備える、請求項18に記載の接合構造体。
【請求項24】
前記第1の接合層と前記第2の接合層の間の接合界面が、前記接合界面から離れた前記第1の接合層及び前記第2の接合層の部分よりも高い窒素含有量を含む、請求項1~23の何れかに記載の接合構造体。
【請求項25】
前記第1の接合層が、酸化ケイ素を含み、前記第1の接合層と前記第2の接合層の間の接合界面に近接したフッ素ピーク含有量を有する、請求項1~23の何れかに記載の接合構造体。
【請求項26】
前記第1の接合層が、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、炭化シリコン、酸炭化シリコン、酸窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、及び酸化ジルコニウムのうちの少なくとも1つを含む、請求項1~23の何れかに記載の接合構造体。
【請求項27】
前記第1の接合層が、約0.5ppm/℃と約12ppm/℃との間の熱膨張係数(CTE)を有する、請求項1~23の何れかに記載の接合構造体。
【請求項28】
前記第1の接合層が、前記パッケージ基板の全表面未満を占めるようにパターニングされている、請求項1~23の何れかに記載の接合構造体。
【請求項29】
前記第1の接合層が、前記パッケージ基板の表面全体に複数のアイランドを形成するようにパターニングされている、請求項1~23の何れかに記載の接合構造体。
【請求項30】
別の電子構成要素と直接接合するように構成されたパッケージングキャリアであって、 セラミック又は有機パッケージコアと、
無機絶縁接合層と、
接合面に埋め込まれ露出された導電性特徴と、
を備え、
前記接合面が約20Å rms未満の表面粗さを有する、パッケージングキャリア。
【請求項31】
前記パッケージコアが有機材料を含む、請求項30に記載のパッケージングキャリア。
【請求項32】
前記パッケージコアと前記第1の接合層との間に有機層を更に備える、請求項31に記載のパッケージングキャリア。
【請求項33】
前記有機層がポリイミドを含む、請求項32に記載のパッケージングキャリア。
【請求項34】
前記有機層と前記第1の接合層との間に介在する無機誘電体層を更に備える、請求項32に記載のパッケージングキャリア。
【請求項35】
前記介在する無機誘電体層が窒化ケイ素を含む、請求項34に記載のパッケージングキャリア。
【請求項36】
前記接合面が、前記接合面から離れた前記接合層の部分よりも高い窒素含有量を含む、請求項30~35の何れかに記載のパッケージングキャリア。
【請求項37】
前記接合層が、酸化ケイ素を含み、前記接合面に近接したフッ素ピーク含有量を有する、請求項30~35の何れかに記載のパッケージングキャリア。
【請求項38】
接合層が、約0.5ppm/℃と約12ppm/℃の間の熱膨張係数(CTE)を有する、請求項30~35の何れかに記載のパッケージングキャリア。
【請求項39】
前記接合層が、前記パッケージングキャリアの全表面未満を占めるようにパターニングされている、請求項30~35の何れかに記載のパッケージングキャリア。
【請求項40】
前記接合層が、前記パッケージングキャリアにわたって複数のアイランドを形成するようにパターニングされている、請求項30~35の何れかに記載のパッケージングキャリア。
【請求項41】
前記導電性特徴が、前記接合面より約2nm~20nm下方で陥凹にされている、請求項30~40の何れかに記載のパッケージングキャリア。
【請求項42】
前記接合層が、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸炭化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、及び酸化ジルコニウムからなる群から選択された材料を含む、請求項30~41の何れかに記載のパッケージングキャリア。
【請求項43】
直接接合する方法であって、
有機又はセラミックパッケージ基板上に無機接合層を堆積するステップと、
前記接合層に導電性特徴を埋め込むステップと、
第2の電子構成要素との直接ハイブリッド接合のために前記接合層を調製するステップと、
を含む、方法。
【請求項44】
前記第2の電子構成要素の第2の無機接合層が、前記接合層に直接接合し、前記第2の電子構成要素の第2の導電性特徴が、前記接合層に埋め込まれた前記導電性特徴に直接接合するように、前記第2の電子構成要素を前記接合層に直接ハイブリッド接合するステップを更に含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記第2の電子構成要素が配線層を備える、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記配線層は、20μm未満のピッチを有するラインを備える、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
直接接合された後に前記第2の電子構成要素からキャリアを薄肉化又は除去してインターポーザ構造体を残すステップを更に含む、請求項45及び46の何れかに記載の方法。
【請求項48】
前記導電性特徴を埋め込むステップが、ダマシン処理を含む、請求項43~47の何れかに記載の方法。
【請求項49】
前記導電性特徴を埋め込むステップが、前記接合層の接合面の下方に2nm及び20nmの間で前記導電性特徴を陥凹させるステップを含む、請求項43~48の何れかに記載の方法。
【請求項50】
直接接合するために前記接合層を調製するステップが、約20Å rms未満の表面粗さを有するように前記接合層をポリッシングするステップを含む、請求項43~49の何れかに記載の方法。
【請求項51】
直接接合するために前記接合層を調製するステップが、窒素終端を形成するために前記接合層及び前記導電性特徴の表面を処理するステップを更に含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記接合層を堆積する前に前記パッケージ基板上にバッファ層を堆積するステップを更に含み、前記パッケージ基板が有機コア材料を含み、前記バッファ層が、前記パッケージキャリアと前記第1の接合層との間の熱膨張係数(CTE)を有する、請求項43~51の何れかに記載の方法。
【請求項53】
前記バッファ層がポリマー層を備える、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記コア材料がFR-4を含む、請求項52に記載の方法。
【請求項55】
前記接合層を堆積する前に、前記バッファ層上にマスキング層を堆積するステップを更に含む、請求項52~54の何れかに記載の方法。
【請求項56】
前記マスキング層が窒化シリコン層を備える、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
接合層を堆積するステップが、プラズマ蒸着を含む、請求項43~56の何れかに記載の方法。
【請求項58】
前記接合層が、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、炭化シリコン、酸炭化シリコン、酸炭窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、及び酸化ジルコニウムからなる群から選択された材料を含む、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記接合層をパターニングして、前記パッケージ基板の一部の面から前記接合層を除去し、直接接合が実施される場所に前記接合層を残すステップを更に含む、請求項43~58の何れかに記載の方法。
【請求項60】
前記接合層を堆積するステップが、前記パッケージ基板の直接接合が実施される位置に限定されるように、前記パッケージ基板をマスキングするステップを更に含む、請求項43~58の何れかに記載の方法。
【請求項61】
前記接合層を堆積する前に前記パッケージ基板上に接着層を堆積するステップを更に含み、前記パッケージ基板がセラミック材料を含む、請求項43~51の何れかに記載の方法。
【請求項62】
別の電子構成要素と直接接合するように構成されたパッケージングキャリアであって、 セラミックを含むパッケージコアと、
接合面に露出した埋め込み導電性特徴を有する無機絶縁接合層であって、前記接合面が約20Å rms未満の表面粗さを有する、無機絶縁接合層と、
を備える、パッケージングキャリア。
【請求項63】
前記パッケージコアがセラミック材料を含み、前記セラミック材料が、コージェライト、窒化ケイ素、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、アルミナ、イットリア、サファイア、ジルコニア及びムライトのうちの少なくとも1つを含む、請求項62に記載のキャリア。
【請求項64】
別の電子構成要素と直接接合するように構成されたパッケージングキャリアであって、 有機材料を含むパッケージコアと、
接合面に露出した埋め込み導電性特徴を有する無機絶縁接合層であって、前記接合面が約20Å rms未満の表面粗さを有する、無機絶縁接合層と、
を備える、パッケージングキャリア。
【請求項65】
接合構造体であって、
有機又はセラミックパッケージ基板上に堆積された無機接合層と、
前記接合層に埋め込まれた導電性特徴であって、前記接合層が、第2の電子構成要素との直接ハイブリッド接合するように調製された、導電性特徴と、
を備える、接合構造体。
【請求項66】
前記第2の電子構成要素の第2の無機接合層が、前記接合層に直接接合され、前記第2の電子構成要素の第2の導電性特徴が、前記接合層に埋め込まれた前記導電性特徴に直接接合するように、前記第2の電子構成要素が、前記接合層に直接ハイブリッド接合される、請求項65に記載の接合構造体。
【請求項67】
直接接合後に前記第2の電子構成要素からキャリアが薄肉化又は除去されて、インターポーザ構造体を残す、請求項65及び66の何れかに記載の接合構造体。
【請求項68】
別の電子構成要素と直接接合するように構成されたパッケージングキャリアであって、 セラミック又は有機材料を含むパッケージコアと、
接合面に露出した埋め込み導電性特徴を有する無機絶縁接合層であって、前記導電性特徴の前記接合面がナノ粒子を含む、無機絶縁接合層と、
を備える、パッケージキャリア。
【請求項69】
前記パッケージコアが有機材料を含む、請求項68に記載のパッケージングキャリア。
【請求項70】
前記パッケージコアと第1の接合層との間に有機層を更に備える、請求項68に記載のパッケージングキャリア。
【請求項71】
前記有機層がポリイミドを含む、請求項70に記載のパッケージングキャリア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願に対する相互参照)
本出願は、「DIRECT BONDING ON PACKAGE SUBSTRATES」と題する、2021年12月23日に出願された米国仮出願第63/293301号に対する優先権を主張するものであり、その開示内容は、あらゆる目的のために引用によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本分野は、接合構造体に関し、特に、電子構成要素が介在する接着剤なしでパッケージ基板上に直接接合される接合構造体に関する。
【背景技術】
【0003】
集積デバイスパッケージは、パッケージ基板と、パッケージ基板に実装された1又は2以上の集積デバイスダイとを含む。集積デバイスダイは、通常、パッケージ基板の対応するパッド又は端子よりも微細なピッチで接合された接合パッドを含む。微細なピッチのパッドを有するダイを、粗いピッチのパッド又は端子を有するパッケージ基板に電気的に接続することは困難である可能性がある。従って、改良されたパッケージ構造に対する必要性が引き続き存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第9,564,414号明細書
【特許文献2】米国特許第9,391,143号明細書
【特許文献3】米国特許第10,434,749明細書
【特許文献4】米国特許第9,716,033号明細書
【特許文献5】米国特許第9,852,988号明細書
【特許文献6】米国特許公開第2019/0096741号明細書
【0005】
詳細な説明は、添付図を参照して記載される。異なる図において同じ番号を使用していることは、類似又は同一の項目を示している。
【0006】
この議論のために、図に例示されたデバイス及びシステムは、複数の構成要素を有するものとして示されている。本明細書に記載されるようなデバイス及び/又はシステムの様々な実施構成は、より少ない構成要素を含むことができるが、本開示の範囲内に留まる。或いは、デバイス及び/又はシステムの他の実施構成は、追加の構成要素又は記載された構成要素の様々な組み合わせを含むことができ、本開示の範囲内に留まる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1A】パッケージ基板の概略側断面図である。
図1B】パッケージキャリア及びパッケージキャリアに接合される電子構成要素の概略側断面図である。
図1C-1D】無機絶縁接合層を有するパッケージ基板を含む接合構造体を示す概略側断面図である。
図2】パッケージ基板と接合層との間の熱膨張係数を有するバッファ層を含むパッケージキャリアの概略側断面図である。
図3】パッケージ基板の全表面未満を占めるようにパターニングされた第1の接合層を有する接合構造体の概略側断面図である。
図4A-4C】様々な実施形態による、パッケージキャリアに接続された1又は2以上の半導体デバイスの概略側断面図である。
図4D-4E】様々な実施形態による、パッケージキャリアに接続された1又は2以上の半導体デバイスの概略側断面図である。
図5A-5C】様々な実施形態による、ハイブリッド直接接合構造体に実装された表面実装技術組立体の概略側断面図である。
図5D-5E】様々な実施形態による、ハイブリッド直接接合構造体に実装された表面実装技術組立体の概略側断面図である。
図6】セラミック基板を備えるパッケージ基板に直接接合された半導体デバイスの概略側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
接着剤を使用せずに電気部品及び基板間に直接ハイブリッド接合を生成することは、困難な場合がある。特に、基板が有機基板又はセラミック基板である場合、安定した接合を誘導するために電気部品及び基板間に適切な環境を作り出すことは更に困難である。直接ハイブリッド接合は、はんだ接合と比較して、垂直方向に隣接するダイ間の極めて微細なピッチの電気接続部を可能にすると同時に、ダイ間に厚いはんだボールを使用する場合と比較して、ダイスタックの厚さを大幅に低減する。本明細書に開示される様々な実施形態は、電子構成要素が介在する接着剤なしでパッケージ基板に直接接合される接合構造体を含む。電子構成要素は、能動回路を備えた集積型デバイスダイ、パッシブ電子デバイス、又は他の適切なタイプの構成要素を備えることができる。上述したように、半導体素子(例えば、集積デバイスダイ)などの電子構成要素は、少なくとも一部には高分解能半導体製造技術の使用により、微細なピッチで離間して配置された接合パッドを有することができる。対照的に、積層基板(例えば、プリント回路基板又はPCB基板)などのパッケージ基板は、かかる高解像度を達成しない積層技術を用いて形成される。典型的な積層パッケージ基板は、35ミクロン未満のピッチを達成することができるが、これは、1ミクロン未満、0.5ミクロン未満、又は0.1ミクロン未満の半導体素子のピッチよりも高い。例えば、様々な配置において、典型的な積層基板は、50ミクロンから500ミクロンの範囲のピッチ又は線幅を達成することができ、0.01ミクロンから20ミクロンの範囲の半導体素子のピッチよりも著しく高い。半導体素子とパッケージ基板とのピッチが少なくとも大きく異なることに起因して、パッケージ基板上に微細ピッチの配線層を提供することは困難である。半導体チップ及びパッケージ基板間のピッチの差は、これらの間の相互接続部の数を実質的に制限し、デバイスの帯域幅に悪影響を及ぼす可能性がある。また、インターポーザの実施構成などにより、経路長が長くなると寄生が大きくなり、システム性能が低下する。
【0009】
介在する接着剤なしで半導体素子を互いに接合するために、ハイブリッド直接接合技術が使用されてきた。例えば、以下に説明するように、ダイ又はウェハは、互いに直接接合された非導電性接合領域及び互いに直接接合された導電性特徴(例えば、コンタクトパッド、ビア等)を含むことができる。ハイブリッド接合技術は、50ミクロン未満、20ミクロン未満、10ミクロン未満、5ミクロン未満、0.5ミクロン未満、又は0.1ミクロン未満のピッチで導電性特徴間の電気接続部を形成することができる。例えば、ハイブリッド接合技術は、0.1ミクロンから50ミクロンの範囲のピッチ又は線幅で導電性特徴間の電気接続部を形成することができる。しかしながら、直接接合技術は、有機積層基板、セラミック基板、ウエハレベル又はパネルレベルの再配線層(RDL)基板等のパッケージ基板(例えば、半導体素子をパッケージ基板に接合するため)との適合性が考慮されていない。実際、以下に説明するように、直接接合される半導体素子は、極めて高い平滑度、例えば、2nm二乗平均平方根(RMS)未満、又は1nm RMS未満の表面粗さまで(例えば、化学機械研磨、又はCMPを用いて)研磨される。半導体素子とは異なり、それぞれがミクロンオーダーの表面粗さを有する複数の層を含むパッケージ基板は、直接接合技術で使用される程度の平滑性までポリッシングされないことがあり、これがハイブリッド接合技術を使用して部品をパッケージ基板に実装する際の障害となっていた。更に、パッケージ基板は、半導体素子(例えば、シリコンなどの半導体材料)よりも柔らかい材料(例えば、有機コア材料を含む)で作られているため、平坦性を確保することが難しくなる場合がある。PCB材料は高温にも弱い。半導体素子又は部品をパッケージ基板に接続する際にも、熱膨張係数(CTE)の不一致などにより、応力が発生する可能性がある。更なる問題は、パッケージ基板を加工する製造設備における接合面の汚染を含み、通常、半導体デバイスを製造する設備ほどクリーンではない。実際、半導体製造施設のクリーンルーム基準は、一般的にパッケージング施設に要求される基準よりも数桁優れている。
【0010】
有利には、本明細書に開示される実施形態は、パッケージ基板上に電子構成要素(半導体素子、接合層、又は任意の他のタイプの電子構成要素など)を直接接合させるための方法及び構造を提供することによって、これらの課題に対処する。開示された実施形態は、直接接合のために十分に滑らかな面を提供しつつ、熱応力を生じさせることなく、微細ピッチの電子構成要素の粗いピッチのパッケージ基板への接続を提供することができる。
【0011】
図1Aは、パッケージ基板3の概略側断面図を示す。パッケージ基板3は、デバイス又は構成要素(集積型デバイスダイ、パッシブデバイス構成要素、又はその他の構成要素等)と外部デバイス又はシステム(より大きな電気システムのシステムマザーボード等)との間に電気接続部を提供するための構造及び構成要素を含む。パッケージ基板3のこのような構成要素は、上側絶縁配線層22、コア23、下側絶縁配線層24、ビア25、端子26、垂直相互接続部27、及び水平トレース28を含む積層基板を備えることができる。端子26は、例えば、はんだボール又は他の導電性コネクタによって外部デバイス又はシステムに接続するように構成することができる。電気信号、電力、又はグランドは、水平トレース28、相互接続部27、及びコア23を通って延びるビア25によって、パッケージ基板3の上側表面に供給することができる。図示の実施形態では、本明細書で説明するように、パッケージ基板3は、絶縁層及びコアの1又は2以上が有機材料を含む有機基板を備えることができる。幾つかの実施形態では、本明細書で説明するように、パッケージ基板3をセラミック材料で形成することができる。
【0012】
図1Bは、パッケージングキャリア6及びパッケージングキャリア6に直接接合される電子構成要素14の概略側断面図を示す。パッケージングキャリア6は、その表面に接合構造体2の一部として、無機で絶縁性の第1の接合層4及び第1の導電性特徴5を有する。本明細書において、「パッケージングキャリア」とは、パッケージ基板3及びその上に形成された接合構造体2の結合を指す。接合層4の材料は、例えば、窒素終端を有する酸化シリコン、又は以下に説明するような他の材料を含むことができる。
【0013】
本明細書に開示される実施形態では、電子構成要素14は、パッケージングキャリア6に直接接合される任意の適切なタイプの電子構成要素を備えることができる。図示の実施形態では、例えば、電子構成要素14は、配線層7と、一時的キャリア8と、その中に少なくとも部分的に埋め込まれた第2の導電性特徴10を有する第2の絶縁接合層9とを含む。一時的キャリア8を有する配線層7は、第2の接合層9を介してパッケージングキャリア6と接合されるように構成されている。パッケージキャリア6の絶縁接合層4は、接着剤を使用することなく、電子構成要素14の第2の絶縁接合層9と直接接合することができる。第1の導電性特徴5は、介在する接着剤なしで、電子構成要素14の対応する第2の導電性特徴10に直接接合することができる。
【0014】
図1Cは、接着剤を使用せずに接合された電子構成要素14に直接接合されたパッケージングキャリア6を含む接合構造体1の概略側断面図を示す。接合層4及び9は、電子構成要素14及びパッケージングキャリア6が接合構造体1を形成するように、接着剤を使用せずに直接接合されている。図1Dは、接合構造体1の概略側断面図を示す。図1Dにおいて、一時的キャリア8は接合構造体1から除去され(例えば、ラッピング、ポリッシング、エッチング、光学的剥離法等により)、図1Dでは、配線層7に直接ハイブリッド接合されたパッケージングキャリア基板6を含む。例えば、配線層7は、パッケージキャリア6に直接接合され得、絶縁接合層9(例えば、誘電体層)及びキャリアが接合される電子構成要素14の接合層9の下側表面31の反対側のパッケージキャリア6の接合構造体2の上側表面30aにおいてハイブリッド直接接合のために構成された第2の導電性コンタクト10を含むことができる。以下の図4A~Eに示すように、半導体デバイス11は、接着剤なしで電子構成要素14の上側ハイブリッド接合面30bに直接接合することができる。以下に説明するように、半導体デバイス11は、その中に回路がパターニングされた集積型デバイスダイ又はチップ、パッシブ電子構成要素14(レジスタ、キャパシタ、インダクタ等)、光学部品、又は他の任意の適切なタイプの構成要素等の任意の適切なタイプのデバイスを備えることができる。様々な実施形態において、材料CTE、層厚などのパラメータは、パッケージの設計に応じて変化することができることが理解されるべきである。図示された実施形態では、図1Dの配線層7を形成するために図1Cのキャリア8が除去されるが、他の実施形態では、キャリア8が除去されなくてもよく、例えば、キャリア8が接合構造体1に残るデバイス又は構成要素を備えてもよいことを理解すべきである。
【0015】
図2は、パッケージ基板3と絶縁接合層4との間の熱膨張係数を有するバッファ層12を含むパッケージングキャリア6の概略側断面図である。図1の図示の実施形態では、電子構成要素14は、一時的キャリア8上に形成された又は接合された配線層7を備える。図2の詳細図に見られるように、図示の実施形態では、パッケージ基板3は、有機コア23材料を含む有機基板から備え、金属でパターニングされた上側絶縁配線層22及び下側絶縁配線層24のような複数の有機絶縁層を有する。有機絶縁配線層(22及び24)は、例えば、ベンゾシクロブテン(BCB)、シリカ充填エポキシ、ビスマレイミドトリアジンBT)樹脂、味の素ビルドアップフィルム(ABF)材料(日本の東京の味の素グループにより提供)、ポリイミド等を備えることができる。様々な実施形態において、有機基板は、ウエハレベルパッケージ(WLP)基板、ファンアウトウエハレベルパッケージ(FOWLP)基板等を含むことができる。
【0016】
図1A-D及び2において、パッケージ基板3は、非シリコン及び非ガラスコア材料23(例えば、ガラス強化エポキシ材料であるFR-4)を含むことができる。コア材料23は、約1ppm/℃と20ppm/℃との間、例えば、約5ppm/℃と25ppm/℃との間、約10ppm/℃と25ppm/℃との間、及び又は約14ppm/℃と20ppm/℃との間の熱膨張係数(CTE)を有することができる。幾つかの低CTEコア材料23は、約10ppm/℃未満、例えば幾つかの実施形態では約5ppm/℃未満のCTEを有することができる。様々な実施形態において、有機絶縁配線層(22及び/又は24)又はメタライゼーションを形成するためのビルドアップ層は、典型的には、高CTE材料を含むことができるので、有機基板の有効CTEは、10ppm/℃~25ppm/℃の範囲、例えば、約10ppm/℃~20ppm/℃の範囲とすることができる。図1A~D及び図2の実施形態において、パッケージ基板3は、有機コア材料23及び複数の有機絶縁配線層(22及び24)を備える。様々な実施形態において、有機コア材料23は、散在するガラス粒子を含む。パッケージ基板3は、様々な実施形態において、プリント回路基板(PCB)を備えることができる。パッケージ基板3は、パッケージ基板3内に電流を伝えるためにパッケージ基板3内に配置されたビア25、端子26、垂直相互接続部27及び水平トレース28等の追加の電気相互接続部を更に含むことができる。パッケージ基板3の垂直相互接続部27は、第1の導電性特徴部5に接続する。導電性特徴部5は、接合層4、第1の導電性特徴部9、及び上側接合面30aを含む接合構造体2を介して、部品14(例えば、ワイヤリング層7)とパッケージ基板3との間の電気接続部を可能にする。
【0017】
図2に示すように、パッケージングキャリア6は、パッケージ基板3(例えば、上部有機絶縁層22)と接合構造体2(例えば、接合層4)との間にバッファ層12を含むことができる。バッファ層12は、パッケージ基板3と第1の接合層4との間の熱膨張係数(CTE)を有することができる。例えば、バッファ層12は、絶縁接合層4とパッケージ基板3の上側絶縁層22の最上絶縁層との間の熱膨張係数を有することができる。幾つかの実施形態では、バッファ層12は、絶縁接合層4と、絶縁接合層4とコア23との間の全ての有機絶縁層との間のCTEを有することができる。バッファ層12は、絶縁接合層4とコア23との間のCTEを有することができる。バッファ層12のCTEは、1ppm/℃~15ppm/℃の範囲、2ppm/℃~15ppm/℃の範囲、又は1ppm/℃~10ppm/℃の範囲とすることができる。バッファ層12のヤング率は、1Gpa~15Gpaの範囲、2Gpa~12Gpaの範囲、又は2Gpa~6Gpaの範囲とすることができる。CTE及び弾性率パラメータは例示に過ぎず、電子構成要素14の半導体基板と同様に有機基板に選択される材料に依存することができる。図示の実施形態では、バッファ層12は、有機材料、例えば、ポリイミド、液晶ポリマー層、又は他の適切な材料を含む。幾つかの実施形態では、バッファ層12はベンゾシクロブテン(BCB)を含むことができる。バッファ層12は、基板又はパッケージ構造体が加熱又は冷却された場合に他の方法で生じ得る熱誘起応力を低減又は除去するように、無機接合層4とパッケージ基板3の有機材料との間に遷移をもたらすCTEを有益に有することができる。幾つかの実施形態では、バッファ層12は、異なる材料の複数の層(又は同じ材料の複数の層)を備えることができる。従って、バッファ層12は、無機接合層4とパッケージ基板3の有機材料との間にCTE勾配を提供する。一実施形態では、バッファ層12内において、パッケージ基板3の表面上に配置された緩衝材料のCTEは、パッケージ基板3のCTEの30%未満(例えば、パッケージ基板3の有効又は複合CTEの30%未満)であるCTEを有する材料を含むことができる。また、幾つかの用途では、無機接合層4の下のバッファ層12の材料のCTEは、無機接合層4のCTEの20倍未満、例えば15倍未満を有する材料を含むことができる。図2は、バッファ層12として1つの材料/層のみを示しているが、厚さ、CTE及びモジュライが異なる2以上の材料の組み合わせをバッファ層12として実施してもよい。
【0018】
更に、図2に示すように、パッケージングキャリア6は、バッファ層12と第1の接合層4との間にハードマスク層13を含むことができる。図示されたハードマスク層13は、代替的に又は追加的に、接着層として機能を果たすことができる。ハードマスク層13は、窒化ケイ素のような無機誘電体層を備えることができる。ハードマスク層13は、銅フィーチャのためのデュアルダマシン処理によるような、下層のバッファ層12のパターニング及び導電フィーチャ5の提供の間のマスクとして機能することができる。ハードマスク13材料の他の例としては、限定されないが、アモルファスカーボン、酸窒化ケイ素、炭化ケイ素などが挙げられる。幾つかの実施形態では、パッケージキャリア6上にコーティングされたハードマスク13は省略することができる。パッケージキャリア6の上面は、処理された表面をバッファ層12でコーティングする前に、表面を窒素又は水蒸気を含むプラズマで処理することによって活性化することができる。活性化ステップは、バッファ層12のパッケージキャリア6への接着を改善することができる。バッファ層12のパッケージ基板3への接着を向上させるために他の方法を使用することもでき、例えば、スピンオンバッファ層12のパッケージキャリア6への接着を向上させるために、0.1%~5%のチタネートカップリング剤などの接着促進剤をバッファ層12に組み込むことができる。接合層4及びバッファ層12をパターニングするために、有機絶縁ルーティング層の上面に埋め込まれた金属をエッチングストップとして使用することができる。
【0019】
図1C-Dに戻ると、電子構成要素14は、配線層7を備えることができる。配線層7はインターポーザとして機能することができ、所望に応じて容易に除去され、パッケージングキャリア6上に直接接合された配線層7のみを残す一時的キャリア8によって提供することができる。例えば、図1C-Dにおいて、配線層7は、電子構成要素14の微細なピッチと接合層4の導電性特徴5の粗いピッチとの間を移行する役割を果たすことができる。本明細書で説明するように、追加の部品を配線層7に直接ハイブリッド接合される(又は、はんだのような導電性接着剤で接合される)ことができる。種々の実施形態において、配線層7は、5μm未満、例えば3μm未満のピッチを有するラインを備える。様々な実施形態において、導電性特徴5は、40ミクロン未満、例えば、1ミクロン~50ミクロンの範囲内又は2ミクロン~50ミクロンの範囲内のピッチを有することができる。幾つかの実施形態では、電子構成要素14は、その中に少なくとも部分的に形成されたアクティブデバイスを有する半導体基板を更に備える。以下の図4A~E及び図5A~Eに関して説明されるように、微細ピッチ接続に対する追加の電子構成要素14は、その後、従来の接合又は直接接合されることによってその上に実装することができる(図3参照)。
【0020】
図1C-Dに示すように、電子構成要素14は、接着界面に沿って接着接合なしでパッケージングキャリア6に直接接合することができる。絶縁接合層4は、(例えば、化学機械研磨によって)研磨され、直接接合するために調製することができる無機誘電体材料を含むことができる。絶縁接合層4は、約20Å rms未満、例えば約15Å rms未満の表面粗さを有する接合面を有するように調製することができる。接合界面は、接合界面から離れた第1の接合層4及び第2の接合層9の部分よりも高い窒素含有量を有することができる。第1の接合層4は、様々な実施形態において酸化ケイ素を含むことができ、接合界面に近接するフッ素ピーク含有量を有することができる。第1の接合層4は、約0.5ppm/℃と12ppm/℃との間、約0.5ppm/℃と10ppm/℃との間、約0.5ppm/℃と5ppm/℃との間、及び又は約0.5ppm/℃と4ppm/℃との間の熱膨張係数(CTE)を有することができる。図2のバッファ層12とパッケージ基板3との間の界面は、バッファ層12又はパッケージ基板3の部分よりも高い窒素含有量を有することができる。
【0021】
図3は、接合構造体1のパッケージキャリア6に接合された配線層7を含む接合構造体1の概略側断面図である。配線層7は、上側ハイブリッド接合面30bの誘電体層に埋め込まれた導電性特徴35を有することができる。図1C-D及び図2のような幾つかの実施形態では、接合層4、第1の導電性特徴9、及びパッケージキャリア6の上側接合面30aを含む接合構造体2は、パッケージ基板3の全表面を完全に又は実質的に完全に占めることができる。図3は、パッケージ基板3の全表面未満を占めるようにパターンニングされた第1の接合層4を有する接合構造体1の概略側断面図である。図3のような他の実施形態では、第1の接合層4は、パッケージ基板3の全表面未満を占めるようにパターニングされ、パッケージ基板3の表面に島29を形成することができる。パッケージ基板3の有機材料層の上面における接合層4(及び/又は図2に示されるようなバッファ層12)の分布を改善することによって全表面未満を利用することは、幾つかの実施構成において応力を有益に低減することができる。例えば、幾つかの実施形態では、第1の接合層4は、パッケージ基板3の面を横切って隣接する層又はアイランド29の間に、図4A~E及び図5A~Eにも示される物理的ギャップ32を有する複数のアイランド29を形成するようにパターンニングすることができる。ギャップ32は、配線を支持するために望ましい場合には、任意の適切な充填材料(例えば、ポリイミドなどの低弾性材料)で充填することができる。幾つかの実施形態では、第1の接合層4を形成した後、第1の接合層4のアイランド29又はアイランドを形成するために、ドライエッチング法又はウェットエッチング法、又はこれらの組み合わせによって、第1の接合層4の不要な部分を選択的に除去することができる。接合構造体1は、無機で絶縁性の第2の接合層9及びその面における第2の導電性特徴10を備えるパッケージング基板3などの電子(例えば、半導体、ガラスなど)構成要素14を含むことができる。第1の接合層4及び第2の接合層9は、互いに直接接合され得、第1の導電性特徴5及び第2の導電性特徴10は、互いに直接接合することができる。電子構成要素14は、基板上の任意の適切なタイプの構成要素、例えば、シリコン、InGaP、GaN、SiCなどの何れか1つを含む基板を備えることができる。基板は、追加的に又は代替的にガラスを含むことができる。
【0022】
図4A~Eは、接合構造体1に実装された1又は2以上の半導体デバイス11の概略側断面図である。図4A~4Eは、半導体デバイス11からパッケージングキャリア6及び電子構成要素14を通る伝導の垂直経路33を有する電子構成要素14(例えば、接合層7)に接合された半導体デバイス11等の追加デバイスの様々な例を示す。図4Aにおいて、半導体デバイス11は、直接接合されたデバイス(例えば、配線層7)をバイパスして、下層のパッケージ基板3又はパッケージキャリア6の接合層4の特徴(例えば、銅ピラー)にはんだ付けすることができる。図示の例では、1つのデバイス11の一部が複数のはんだボール18を使用してはんだ付けされ、別の一部がハイブリッド接合インターフェース19に沿って配線層7に直接ハイブリッド接合される。図4Bでは、半導体デバイス11の全体を、直接接合されたデバイス(配線層7)にハイブリッド接合界面19に沿って直接ハイブリッド接合することができる。図4Cでは、複数の半導体デバイス11が、配線層7にハイブリッド接合界面19に沿って直接ハイブリッド接合されている。配線層7は、隣接するダイ11a、11b間の電気的通信を提供し、及び半導体デバイス11a、11bとパッケージングキャリア6の底面の端子26との間の電気的通信を提供するための水平電気通信用のブリッジ15として機能することができる。図4Dでは、横方向の電気通信のための複数のブリッジ15が、2つ以上(例えば3つ)の隣接する半導体デバイス11a、11b、11cに対して設けられている。複数のブリッジ15は、電子構成要素14の配線層7を介して、隣接する半導体デバイス11間の横方向の通信を提供する。図4Eにおいて、第1の半導体デバイス11aは、配線層7に直接ハイブリッド接合され、第2の半導体デバイス11bは、配線層7に従来通り接続され(例えば、ワイヤ接合され、又は図示のように複数のはんだボール18を用いてフリップチップはんだ付けされ)、配線層7は、第1の半導体デバイス11及び第2の半導体デバイス11を電気的に接続するブリッジとして機能することができる。第3の半導体デバイス11cも、パッケージングキャリア6に複数のはんだボール18を用いて従来通り接続(例えば、はんだ付け)されたものとして示されている。
【0023】
図5A~Eは、表面実装技術を使用してハイブリッド直接接合構造体1に実装された表面実装技術組立体の概略側断面図である。図5A~5Eは、図1B~Dに示されるタイプの直接接合された電子構成要素14(例えば、配線層7)に接合された半導体デバイス11の追加的な例を、構成要素14上の上側ハイブリッド接合層なしで示している。更なるデバイスは、はんだボール18(例えば、接合ワイヤ、熱圧着又ははんだ)などの従来のコネクタによって接続することができる。図示の例では、更なるデバイスと直接接合された電子構成要素14(配線層7)との間の接続は、導電性接着剤(例えば、はんだボール18)を備える。従って、幾つかの実施形態では、電子構成要素14(配線層7)は、ハイブリッド接合面19に沿ってパッケージングキャリア6に直接接合され、1又は2以上の半導体デバイス11は、はんだボール18のような導電性接着剤で電子構成要素14(配線層7)に接合又は実装することができる。
【0024】
図6は、セラミック基板を備えるパッケージ基板3に半導体デバイス11が直接ハイブリッド接合された状態を示す概略側断面図である。図6は、パッケージ基板3がセラミック基板を備える他の実施形態を示す。セラミック基板は、コージェライト、窒化ケイ素、サファイア、アルミナ、炭化ケイ素(SiC)、窒化アルミニウム(AlN)、イットリア、ジルコニア、ムライト、高温同時焼成セラミック(HTCC)、酸化ベリリウム(BeO)、低温同時焼成セラミック(LTCC)などを含むことができる。幾つかの実施形態では、電子構成要素14は、セラミック基板の活性化された平滑面に室温で直接接合されてもよく、CTE差及び関連欠陥を低減するために、接合体の加熱速度及び冷却は、10℃/分未満、5℃/分未満又は2℃/分未満とすることができる。図6には示されていないが、電子構成要素14の誘電体層とセラミック基板の誘電体層との間に大きなCTE差がある場合には、図2のバッファ層12と同様のバッファ層を設け、セラミック基板上にコーティングしてセラミックパッケージを接合層4に接合させることができる。電子構成要素14は、絶縁接合層4及びコンタクトパッド5が電子構成要素14の絶縁接合層10及びコンタクトパッド5と接合された後に除去可能な一時的キャリア8を含む。幾つかの実施形態では、バッファ層12は、8ppm/℃未満のCTEを有する低CTEポリマー層を備えることができる。幾つかの実施形態では、接合層4は、パッケージ基板3のセラミック基板上に直接接合することができる。接合層4の形成プロセスは、接合に先立ち、セラミック材料の平滑面を活性化させることを含むことができる。活性化ステップは、セラミック基板の平滑な接合面を1又は2以上のプラズマ環境に曝すことを備えることができる。プラズマ環境は、酸素プラズマ、窒素プラズマ、ヘリウムプラズマ、水蒸気プラズマ又はこれらの組み合わせを含むことができる。セラミック基板上にバッファ層12を形成する前に、セラミック基板の接合面に同様のプラズマ曝露を施してもよい。幾つかの実施形態では、セラミック基板上に接着層20を設ける(例えば堆積する)ことができる。上述のような接合層4を接着層20の上に設けることができ、接着層20がセラミック基板と接合層4との間に配置されるようになる。種々の実施形態において、接着層20は、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、炭化ケイ素、又は酸化ケイ素等の無機材料を含む。接着層20の厚さは、500nm未満、100nm未満、又は50nm未満とすることができる。幾つかの実施形態では、電子構成要素14の導電性パッドと接合層4との接合温度を低下させるために、電子構成要素14の導電性パッド又は接合層のパッドの表面又は陥凹部を導電性材料のナノ粒子(図示せず)でコーティングすることができる。例えば、コーティング層は、銅又は金又は銀のナノ粒子とすることができる。幾つかの実施形態では、ナノ粒子を含む導電パッドを有する電子構成要素14は、パッケージ基板3に直接接合することができる。幾つかの実施形態では、バッファ層20はセラミックパッケージ3の表面上では省略することができ、代わりに電子構成要素14の接合面の下に組み込むことができる。一体化されたバッファ層(図示せず)及びナノ粒子を含む導電性パッドを有する接合面を有する電子構成要素14は、セラミックパッケージ3に直接接合することができる。導電性ナノ粒子は、その大きさの性質上、バルクのものと比較して下側の温度で接合することができる。電子構成要素及びナノ粒子コーティングされたパッドを備えるパッケージの接合温度は、180℃より低い温度、例えば160℃より低い温度で接合され、これは典型的にはAg-Snはんだのリフロー温度(典型的には200℃以上)より低い温度である。電子構成要素14と有機又はセラミックパッケージとの直接接合温度を下げることは、接合構造体のCTE差に関連する応力を低減する上で有益である。
【0025】
直接接合方法及び直接接合構造体の実施例
本明細書に開示される様々な実施形態は、介在する接着剤なしで2つの素子を互いに直接接合させることができる直接接合構造体に関する。半導体素子(集積デバイスダイ、ウェハ等)、又は本明細書で説明するように、無機絶縁接合層を有するパッケージ基板等の非半導体素子とすることができる2又は3以上の電子素子を、互いに積層又は接合して接合構造体を形成することができる。本明細書に開示される実施形態では、電子構成要素(例えば、配線層)は、第1の要素を備えることができ、パッケージキャリアは、第2の要素を備えることができる。半導体デバイスは、第3の要素を備えることができる。ある素子の導電性コンタクトパッドは、別の素子の対応する導電性コンタクトパッドに電気的に接続することができる。接合構造体には、任意の適切な数の素子を積層することができる。コンタクトパッドは、非導電性接合領域に形成された金属パッドを備えることができ、再配線層(RDL)のような下層のメタライゼーションに接続することができる。
【0026】
幾つかの実施形態では、要素は、接着剤なしで互いに直接接合される。様々な実施形態において、第1の素子の非導電性又は誘電性材料は、接着剤なしで第2の素子の対応する非導電性又は誘電体電界領域に直接接合することができる。非導電性材料は、第1の要素の非導電性接合領域又は接合層と呼ぶことができる。幾つかの実施形態では、第1の素子の非導電性材料は、誘電体対誘電体接合技術を用いて第2の素子の対応する非導電性材料に直接接合することができる。例えば、誘電体-誘電体接合は、少なくとも米国特許第9,564,414号、米国特許第9,391,143号、及び特許第10,434,749号に開示された直接接合技術を使用して、接着剤なしで形成することができ、これらの各特許の全内容は、引用によりその全体があらゆる目的のために本明細書に組み込まれる。本明細書に記載される直接接合層に好適な誘電体材料としては、限定ではないが、酸化ケイ素、窒化ケイ素、又は酸窒化ケイ素等の無機誘電体が挙げられ、又は炭化ケイ素、酸窒化ケイ素、炭窒化ケイ素、又はダイヤモンドライクカーボン等の炭素を挙げることができる。幾つかの実施形態では、接合層の誘電体材料は、エポキシ、樹脂又は成形材料のようなポリマー材料を備えないが、下にある層は、本明細書に記載の層のような有機材料を含むことができる。
【0027】
様々な実施形態において、ハイブリッド直接接合は、介在する接着剤なしで形成することができる。例えば、誘電体接合面を高度な平滑さまでポリッシングすることができる。接合面は、洗浄され、プラズマ及び/又はエッチャントに曝されて、表面を活性化することができる。幾つかの実施形態では、表面は、活性化の後又は活性中(例えば、プラズマ及び/又はエッチングプロセス中)に、化学種で終端することができる。理論によって限定されることなく、幾つかの実施形態において、活性化プロセスは、接合面における化学結合を切断するために活性化することができ、終端プロセスは、直接接合の際の接合エネルギーを改善する追加の化学種を接合面に提供することができる。幾つかの実施形態では、活性化及び終端は、同じステップ、例えば、プラズマ又はウェットエッチャントで提供されて、表面を活性化し終端する。他の実施形態では、直接接合のための追加の化学種を提供するために、接合面を別個の処理で終端することができる。様々な実施形態において、終端種は窒素を含むことができる。更に、幾つかの実施形態において、接合面はフッ素に曝露することができる。例えば、層及び/又は接合界面近傍に1又は複数のフッ素ピークが存在することができる。従って、直接接合構造体において、2つの誘電体材料間の接合界面は、より高い窒素含有量及び/又は接合界面におけるフッ素ピークを有する極めて滑らかな界面を備えることができる。活性化及び/又は終端処理の追加の例は、米国特許第9,564,414号;第9,391,143号;及び第10,434,749号を通して見出すことができ、これらの各々の全内容は、その全体及び全ての目的のために引用により本明細書に組み込まれる。
【0028】
様々な実施形態において、第1の素子の導電性コンタクトパッドはまた、第2の素子の対応する導電性コンタクトパッドに直接接合することができる。例えば、ハイブリッド直接接合技術を使用して、上述のように調製された共有結合的に直接接合された誘電体対誘電体面を含む接合界面に沿って、導体対導体の直接接合を提供することができる。様々な実施形態において、導体-導体(例えば、コンタクトパッド-コンタクトパッド)直接接合及び誘電体-誘電体ハイブリッド接合は、少なくとも米国特許第9,716,033号及び第9,852,988号に開示された直接接合技術を使用して形成することができ、これらの各特許の全内容は、引用によりその全体があらゆる目的のために本明細書に組み込まれる。
【0029】
例えば、本明細書に記載の接合層の誘電体接合面は、上記で説明したように、介在する接着剤なしで、調製され、互いに直接接合することができる。導電性コンタクトパッド(非導電性誘電体フィールド領域によって囲まれてもよい)もまた、介在する接着剤なしで、互いに直接接合することができる。幾つかの実施形態では、それぞれのコンタクトパッドは、誘電体フィールド領域又は非導電性接合領域の外側(例えば、上側)表面よりも陥凹部、例えば、30nm未満、20nm未満、15nm未満、又は10nm未満、例えば、2nm~20nmの範囲、又は4nm~10nmの範囲で陥凹部とすることができる。非導電性接合領域は、幾つかの実施形態では、本明細書に記載の接合ツールにおいて、室温で接着接合なしで互いに直接接合され得、及びその後、接合構造体はアニールすることができる。アニールは、別の装置で行うことができる。アニールすると、コンタクトパッドは膨張して互いに接触し、金属対金属の直接接合をすることができる。有利には、カリフォルニア州サンノゼのAdeia社から市販されているDBI(登録商標)(Direct Bond Interconnect)などのハイブリッド接合技術を使用すると、直接接合界面にわたって接続されたパッドの高密度化が可能になる(例えば、規則的なアレイの場合はピッチが小さい又は細かい)。幾つかの実施形態では、接合パッド、又は接合された素子の1つの接合面に埋め込まれた導電性トレースのピッチは、40ミクロン未満、又は10ミクロン未満、又は2ミクロン未満であってもよい。用途によっては、接合パッドのピッチと接合パッドの寸法の比は5未満、又は3未満、場合によっては望ましくは2未満である。他の用途では、接合された素子の1つの接合面に埋め込まれた導電性トレースの幅は、0.3ミクロンから5ミクロンの範囲であってもよい。様々な実施形態において、コンタクトパッド及び/又はトレースは銅を含むことができるが、他の金属が適している場合もある。
【0030】
本明細書で説明したように、第1の要素及び第2の要素(例えば、本明細書で配線層として例示した電子構成要素及びパッケージングキャリア)は、接着剤なしで互いに直接接合され得、これは堆積プロセスとは異なる。それに応じて、第1の要素及び第2の要素は、非堆積要素を含むことができる。更に、直接接合構造体は、堆積層とは異なり、ナノボイドが存在する接合界面に沿った欠陥領域を含むことができる。ナノボイドは、接合面の活性化(例えば、プラズマへの曝露)により形成することができる。上記で説明したように、接合界面は、活性化及び/又は最後の化学処理プロセスからの材料の濃度を含むことができる。例えば、活性化に窒素プラズマを利用する実施形態では、接合界面に窒素ピークが形成することができる。活性化に酸素プラズマを利用する実施形態では、酸素ピークが接合界面に形成することができる。幾つかの実施形態において、接合界面は、シリコンオキシナイトライド、シリコンオキシカーボナイトライド、又はシリコンカーボナイトライドを備えることができる。本明細書で説明されるように、直接接合は、ファンデルワールス結合よりも強い共有結合を備えることができる。接合層はまた、高い平滑度に平坦化されたポリッシング面を備えることができる。例えば、接合層は、ミクロン当たり2nm二乗平均平方根(RMS)未満、又はミクロン当たり1nm RMS未満の表面粗さを有することができる。
【0031】
様々な実施形態において、直接ハイブリッド接合構造体における導電性特徴(例えば、コンタクトパッド)間の金属間接合は、導電性特徴の粒、例えば導電性特徴上の銅粒が接合界面にわたって互いに成長するように接合することができる。幾つかの実施形態では、銅は接合界面にわたって銅の拡散を改善するために111結晶面に沿って配向した結晶粒を有することができる。接合界面は、接合されたコンタクトパッドの少なくとも一部まで実質的に完全に延びることができ、接合されたコンタクトパッド又はその近傍の非導電性接合領域間に実質的にギャップがないようにすることができる。幾つかの実施形態では、コンタクトパッドの下に障壁層を提供することができる(例えば、銅を含むことができる)。しかしながら、他の実施形態では、例えば、引用によりその全体及び全ての目的のために本明細書に組み込まれる米国特許公開第2019/0096741号に記載されるように、コンタクトパッドの下に障壁層がなくてもよい。
【0032】
一実施形態では、接合構造体は、無機絶縁性の第1の接合層とその表面に第1の導電性特徴とを含むパッケージ基板と;無機絶縁性の第2の接合層とその表面における第2の導電性特徴とを含む電子構成要素と、を備え、第1の接合層及び第2の接合層が互いに直接接合され、第1の導電性特徴及び第2の導電性特徴が互いに直接接合されている。
【0033】
幾つかの実施形態において、パッケージ基板は、非シリコン及び非ガラスコア材料を含む。幾つかの実施形態では、パッケージ基板は、約5ppm/℃及び25ppm/℃の間の熱膨張係数(CTE)を有するコア材料を含む。幾つかの実施形態では、パッケージ基板は有機コア材料を含む。幾つかの実施形態では、有機コア材料は、散在するガラス粒子を含む。幾つかの実施形態では、パッケージ基板はプリント回路基板(PCB)を備える。幾つかの実施形態では、接合構造体は、パッケージ基板と第1の接合層との間にバッファ層を含むことができ、バッファ層は、パッケージ基板と第1の接合層との間の熱膨張係数(CTE)を有する。幾つかの実施形態では、バッファ層は有機材料を含む。幾つかの実施形態では、バッファ層はポリイミドを含む。幾つかの実施形態では、バッファ層は液晶ポリマー層を備える。幾つかの実施形態では、バッファ層はベンゾシクロブテン(BCB)を含む。幾つかの実施形態では、接合構造体は、バッファ層と第1の接合層との間にハードマスク層を含むことができる。幾つかの実施形態では、ハードマスク層は無機誘電体層を備える。幾つかの実施形態では、ハードマスク層は窒化ケイ素を含む。幾つかの実施形態では、パッケージ基板はセラミック基板を備える。幾つかの実施形態では、接合構造体は、接合層とパッケージ基板との間に接着層を含むことができる。幾つかの実施形態では、接合層は無機材料を含む。幾つかの実施形態では、電子構成要素は、配線層を備える。幾つかの実施形態では、配線層は、20μm未満のピッチを有するラインを備える。幾つかの実施形態では、配線層は、バルク基板を有さないインターポーザとして機能する。幾つかの実施形態では、接合構造体は、電子構成要素上に直接接合された半導体デバイスを含むことができる。幾つかの実施形態では、接合構造体は、電子構成要素上にはんだ付けされた半導体デバイスを含むことができる。幾つかの実施形態では、電子構成要素は、その中に少なくとも部分的にアクティブデバイスが形成された半導体基板を更に備える。幾つかの実施形態では、第1の接合層及び第2の接合層の間の接合界面は、接合界面から離れた第1の接合層及び第2の接合層の部分よりも高い窒素含有量を含む。幾つかの実施形態では、第1の接合層は、酸化ケイ素の少なくとも一方を備えると共に、第1の接合層と第2の接合層の間の接合界面に近接するフッ素ピーク含有量を有する。幾つかの実施形態において、第1の接合層は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸炭化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、及び酸化ジルコニウムのうちの少なくとも1つを含む。幾つかの実施形態において、第1の接合層は、約0.5ppm/℃及び約12ppm/℃の間の熱膨張係数(CTE)を有する。幾つかの実施形態では、第1の接合層は、パッケージ基板の全表面未満を占めるようにパターニングされる。幾つかの実施形態では、第1の接合層は、パッケージ基板の面全体に複数のアイランドを形成するようにパターニングされる。
【0034】
別の実施形態では、別の電子構成要素との直接接合用に構成されたパッケージングキャリアが開示され、このパッケージングキャリアは、セラミック又は有機パッケージコアと、無機絶縁接合層と、その接合面における埋め込み及び露出された導電性特徴とを備え、この接合面は、約20Å rms未満の表面粗さを有する。
【0035】
幾つかの実施形態では、パッケージコアは有機材料を含む。幾つかの実施形態では、パッケージキャリアは、パッケージコアと第1の接合層との間に有機層を含むことができる。幾つかの実施形態では、有機層はポリイミドを含む。幾つかの実施形態では、パッケージングキャリアは、有機層と第1の接合層との間に介在する無機誘電体層を含むことができる。幾つかの実施形態では、介在する無機誘電体層は窒化ケイ素を含む。幾つかの実施形態では、接合面は、接合面から離れた接合層の部分よりも高い窒素含有量を含む。幾つかの実施形態では、接合層は酸化ケイ素を含み、接合面に近接するフッ素ピーク含有量を有する。幾つかの実施形態において、接合層は、約0.5ppm/℃及び約12ppm/℃の間の熱膨張係数(CTE)を有する。幾つかの実施形態では、接合層は、パッケージングキャリアの全表面未満を占めるようにパターニングされる。幾つかの実施形態では、接合層は、パッケージングキャリアにわたって複数のアイランドを形成するようにパターニングされる。幾つかの実施形態では、導電性特徴は、接合面の下に約2nm及び20nmの間だけ陥凹部される。幾つかの実施形態では、接合層は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、炭化シリコン、酸炭化シリコン、酸窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、及び酸化ジルコニウムからなる群から選択される材料を含む。
【0036】
別の実施形態において、直接接合するための方法は、有機又はセラミックパッケージ基板上に無機接合層を堆積するステップと、接合層に導電性特徴を埋め込むステップと、第2の電子構成要素との直接ハイブリッド接合のために接合層を調製するステップとを含むことができる。
【0037】
幾つかの実施形態において、本方法は、第2の電子構成要素の第2の無機接合層が接合層に直接接合し、第2の電子構成要素の第2の導電性特徴が接合層に埋め込まれた導電性特徴に直接接合するように、第2の電子構成要素を接合層に直接ハイブリッド接合するステップを含むことができる。幾つかの実施形態では、第2の電子構成要素は配線層を備える。幾つかの実施形態では、配線層は、20μm未満のピッチを有するラインを備える。幾つかの実施形態において、本方法は、直接接合された後に第2の電子構成要素からキャリアを薄肉化又は除去してインターポーザ構造体を残すことを含むことができる。幾つかの実施形態において、導電性特徴を埋め込むことは、ダマシン処理を含む。幾つかの実施形態では、導電性特徴を埋め込むステップは、接合層の接合面より2nm及び20nmの間だけ導電性特徴を陥凹させるステップを含む。幾つかの実施形態において、直接接合するために接合層を調製するステップは、約20Å rms未満の表面粗さを有するように接合層をポリッシングするステップを含む。幾つかの実施形態では、直接接合するための接合層を調製するステップは、接合層及び導電性特徴の表面を処理して窒素終端を形成するステップを更に含む。幾つかの実施形態において、本方法は、接合層を堆積する前に、パッケージ基板上にバッファ層を堆積することを含むことができ、パッケージ基板は、有機コア材料を備え、バッファ層は、パッケージキャリアと第1の接合層との間の熱膨張係数(CTE)を有する。幾つかの実施形態では、バッファ層はポリマー層を備える。幾つかの実施形態では、コア材料はFR-4を含む。幾つかの実施形態において、本方法は、接合層を堆積する前に、バッファ層上にマスキング層を堆積するステップを含むことができる。幾つかの実施形態において、マスキング層は窒化ケイ素層を備える。幾つかの実施形態において、接合層を堆積するステップは、プラズマ蒸着を含む。幾つかの実施形態において、接合層は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、炭化シリコン、酸炭化シリコン、酸窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、及び酸化ジルコニウムからなる群から選択される材料を含む。幾つかの実施形態において、本方法は、接合層をパターニングして、パッケージ基板の一部の面から接合層を除去し、直接接合される場所に接合層を残すステップを含むことができる。幾つかの実施形態において、本方法は、接合層を堆積するステップが、パッケージ基板の直接接合される場所に限定されるようにパッケージ基板をマスキングするステップを含むことができる。幾つかの実施形態において、本方法は、接合層を堆積する前にパッケージ基板上に接着層を堆積するステップを含むことができ、パッケージ基板はセラミック材料を含む。
【0038】
別の実施形態では、別の電子構成要素と直接接合するように構成されたパッケージングキャリアが開示される。パッケージングキャリアは、セラミック又は有機材料を含むパッケージコア、及びその接合面に露出した埋め込み導電性特徴を有する無機絶縁接合層であって、接合面は約20Å rms未満の表面粗さを有する、接合層を備えることができる。
【0039】
幾つかの実施形態において、パッケージコアはセラミック材料を備え、セラミック材料は、コージェライト、窒化ケイ素、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、アルミナ、イットリア、サファイア、ジルコニア及びムライトのうちの少なくとも1つを含む。
【0040】
幾つかの実施形態では、接合構造体は、有機又はセラミックパッケージ基板上に堆積された無機接合層及び接合層に埋め込まれた導電性特徴から備えられ、接合層は、第2の電子構成要素との直接ハイブリッド接合のために調製される。接合構造体の幾つかの実施形態では、第2の電子構成要素は、第2の電子構成要素の第2の無機接合層が接合層に直接接合され、第2の電子構成要素の第2の導電性特徴が接合層に埋め込まれた導電性特徴に直接接合するために、接合層に直接ハイブリッド接合される。接合構造体の幾つかの実施形態では、キャリアは、直接接合後に第2の電子構成要素から薄肉化又は除去され、インターポーザ構造体を残す。
【0041】
幾つかの実施形態では、別の電子構成要素と直接接合するように構成されたパッケージングキャリアであって、パッケージングキャリアは、セラミック又は有機材料を含むパッケージコアと、その接合面で露出する埋め込み導電性特徴を有する無機絶縁接合層とを備え、導電性特徴の接合面はナノ粒子を含む。幾つかの実施形態のパッケージングキャリアでは、パッケージコアは有機材料を含む。幾つかの実施形態のパッケージングキャリアは、パッケージコアと第1の接合層との間に有機層を更に備える。幾つかの実施形態のパッケージングキャリアでは、有機層はポリイミドを含む。
【0042】
文脈上明らかにそうでないことが要求されない限り、本明細書及び特許請求の範囲を通して、「備える」、「備えている」、「含む」、「含んでいる」等の用語は、排他的又は網羅的な意味とは対照的に、包括的な意味で解釈され、すなわち、「含むが、これに限定されない」という意味である。本明細書で一般的に使用される「結合」という用語は、直接結合されるか、1又は2以上の中間要素を介して結合されるかの何れかである2以上の要素を指す。同様に、本明細書で一般的に使用される「接続」という用語は、直接接続されているか、又は1又は2以上の中間要素を介して接続されているかの何れかである2以上の要素を指す。更に、「本明細書」、「上」、「下」及び類似の語は、本出願で使用される場合、本出願全体を指し、本出願の特定の部分を指すものではない。更に、本明細書で使用される場合、第1の要素が第2の要素の「上に」又は「上に」あると記載される場合、第1の要素は、第1及び第2の要素が直接接触するように、第2の要素の上に又は第2の要素の上に直接あってもよく、又は第1の要素は、1又は2以上の要素が第1及び第2の要素の間に介在するように、第2の要素の上に又は第2の要素の上に間接的にあってもよい。文脈が許す限り、上記の詳細な説明において単数又は複数の数を使用する語は、それぞれ複数又は単数の数を含むことができる。2又は3つ以上の項目のリストに関する「又は」という用語は、この用語の以下の解釈:リスト中の項目の何れか、リスト中の項目の全て、及びリスト中の項目の任意の組み合わせの全てを保護する。
【0043】
更に、本明細書で使用される条件付き表現、例えば、とりわけ、「できる」、「可能性がある」、「かもしれない」、「例えば」、「のような」等は、特に明記されていない限り、又は使用される文脈内で理解されない限り、一般に、特定の実施形態が特定の特徴、要素及び/又は状態を含み、他の実施形態が特定の特徴、要素及び/又は状態を含まないことを伝えることを意図している。従って、このような条件付き表現は、一般に、特徴、要素及び/又は状態が1又は2以上の実施形態に何らかの形で必要であることを意味することを意図していない。
【0044】
特定の実施形態が説明されてきたが、これらの実施形態は例示としてのみ提示されており、及び本開示の範囲を限定することを意図していない。実際、本明細書に記載される新規な装置、方法、及びシステムは、様々な他の形態で具現化することができる;更に、本明細書に記載される方法及びシステムの形態における様々な省略、置換、及び変更は、本開示の精神から逸脱することなく行うことができる。例えば、ブロックは所定の配置で示されているが、代替の実施形態は、異なる構成要素及び/又は回路トポロジで同様の機能を実行することができ、幾つかのブロックは、削除、移動、追加、細分化、組み合わせ、及び/又は変更することができる。これらの各ブロックは、様々な異なる方法で実施することができる。上述した様々な実施形態の要素及び行為の任意の適切な組み合わせは、更なる実施形態を提供するために組み合わせることができる。添付の特許請求の範囲及びその均等物は、本開示の範囲及び精神の範囲内に入るような形態又は変更をカバーすることを意図している。
【符号の説明】
【0045】
1 接合構造体
3 パッケージ基板
4 接合層
6 パッケージングキャリア
7 配線層
9 接合層
10 導電性コンタクト
14 電子構成要素
30a 上側表面
30b 上側ハイブリッド接合面
31 下側表面
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6
【国際調査報告】