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特表2025-500428ベンゼンスルホンアミドチアゾール化合物およびがん治療のためのそれらの使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-09
(54)【発明の名称】ベンゼンスルホンアミドチアゾール化合物およびがん治療のためのそれらの使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 277/42 20060101AFI20241226BHJP
   C07D 277/46 20060101ALI20241226BHJP
   A61K 31/426 20060101ALI20241226BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20241226BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20241226BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20241226BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
C07D277/42
C07D277/46 CSP
A61K31/426
A61P35/00
A61P35/02
A61K31/496
A61K31/5377
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024537983
(86)(22)【出願日】2022-12-21
(85)【翻訳文提出日】2024-08-19
(86)【国際出願番号】 EP2022087358
(87)【国際公開番号】W WO2023118373
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】21306869.5
(32)【優先日】2021-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514282002
【氏名又は名称】アンセルム(アンスティチュ ナシオナル ドゥ ラ サンテ エ ドゥ ラ ルシェルシュ メディカル)
(71)【出願人】
【識別番号】520100435
【氏名又は名称】ユニヴェルシテ・コート・ダジュール
【氏名又は名称原語表記】Universite Cote d’Azur
(71)【出願人】
【識別番号】524234271
【氏名又は名称】ビペル テラピューティクス
(71)【出願人】
【識別番号】505351201
【氏名又は名称】セントレ ナシオナル デ ラ ルシェルシェ シエンティフィーク
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ロシ,ステファヌ
(72)【発明者】
【氏名】シェルビ,メディ
(72)【発明者】
【氏名】ロンコ,シリル
(72)【発明者】
【氏名】バニダ,ラシ
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC82
4C086GA07
4C086GA09
4C086GA10
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZB27
(57)【要約】
本発明者らは、特定のベンゼンスルホンアミドチアゾール化合物(I)が、初期の小胞体ストレスを誘導する能力を有することを明らかにした。これらの化合物はまた、がん性細胞の増殖抑制および死滅をもたらす。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)のベンゼンスルホンアミドチアゾール化合物:
【化1】

式中、
は、5-(ジメチルアミノ)ナフタレン基または4-ペンチルフェニル基であり、
は、H、ハロゲン、ORから選択され、
は、C-Cアルキル、NRから選択され、
は、H、窒素含有複素環で任意に置換されたアルキルから選択され、
は、H、窒素含有複素環で任意に置換されたアルキル、CORから選択され、
およびRは、代替的に、任意に置換された窒素含有複素環を共に形成することができ、
は、C-Cアルキル、C-Cアルキル-O-C-Cアルキルから選択され、
は、
・ 任意に置換された窒素含有複素環
・ O-アルキル、NHCO-アルキル、NHCOO-アルキル、COO-アルキル、NH-アルキル、NH-アルキル-OH、NHP(O)(O-アルキル)、NH-アルキル-SOH、NH-アルキル-N(アルキル)
・ アルケニル
で任意に置換されたC-Cアルキルから選択される。
【請求項2】
前記ベンゼンスルホンアミドチアゾール化合物は、式(II)の化合物である、請求項1に記載のベンゼンスルホンアミドチアゾール化合物。
【化2】
【請求項3】
前記ベンゼンスルホンアミドチアゾール化合物は、下記式の化合物である、請求項1に記載のベンゼンスルホンアミドチアゾール化合物。
【化3】
【請求項4】
前記化合物は、以下からなる群より選択される、請求項1から3のいずれか1項に記載のベンゼンスルホンアミドチアゾール化合物:
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)-4-メトキシフェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)-4-フルオロフェニル)チアゾール-2-イル)-2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)アセトアミド
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)-4-メトキシフェニル)チアゾール-2-イル)-2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)アセトアミド
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)-4-(2-メトキシエトキシ)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)-4-(2-メトキシエトキシ)フェニル)チアゾール-2-イル)-2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)アセトアミド
・ 2-(2,3-ジヒドロキシプロポキシ)-N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド
・ tert-ブチル(6-((4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アミノ)-6-オキソヘキシル)カルバメート
・ 5-((4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アミノ)-5-オキソペンタン酸エチル
・ 6-アセトアミド-N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)ヘキサンアミド
・ tert-ブチル(4-((4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アミノ)-4-オキソブチル)カルバメート
・ 4-((4-(3-((5-(ジメチルアミノ(ナプタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)ブタンアミド
・ 5-(ジメチルアミノ)-N-(3-(2-メチルチアゾール-4-イル)フェニル)ナフタレン-1-スルホンアミド
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)アセトアミド
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)-2-モルホリノアセトアミド
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)-2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)アセトアミド
・ 1-(2-((4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)ピペリジン-4-カルボキサミド
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)-2-((2-ヒドロキシエチル)アミノ)アセトアミド
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)-2-((3-モルホリノプロピル)アミノ)アセトアミド
・ ジエチル-(2-((4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)ホスホルアミデート
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)-4-フルオロフェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド
・ 2-((2-((4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)アミノ)エタン-1-スルホン
・ 2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド
・ 2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド
・ N-(5-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-メトキシフェニル)-4-ペンチルベンゼンスルホンアミド
・ N-(4-(4-メトキシ-3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)アセトアミド
・ 2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-N-(4-(4-メトキシ-3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド
・ 2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)アミノ)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド
・ 6-(4-メチルピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)ヘキサンアミド
・ 6-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)ヘキサンアミド
・ 2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-N-(4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)-3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)-6-(4-メチルピペラジン-1-イル)ヘキサンアミド
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)-6-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)ヘキサンアミド
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)-4-(プロプ-2-イン-1-イルオキシ)フェニル)チアゾール-2-イル)アクリルアミド
・ 5-(ジメチルアミノ)-N-(3-(2-((2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)アミノ)チアゾール-4-イル)フェニル)ナフタレン-1-スルホンアミド
・ N-(3-(2-((2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)アミノ)チアゾール-4-イル)フェニル)-4-ペンチルベンゼンスルホンアミド
・ N-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)-N-(4-(3-(N-((4-ペンチルフェニル)スルホニル)アセトアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド
・ N-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)-N-(4-(3-(N-((4-ペンチルフェニル)スルホニル)アクリルアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アクリルアミド
・ N-(3-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)チアゾール-4-イル)フェニル)-4-ペンチルベンゼンスルホンアミド
・ N-(3-(2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)チアゾール-4-イル)フェニル)-4-ペンチルベンゼンスルホンアミド。
【請求項5】
前記化合物は、以下からなる群より選択される、請求項1から4のいずれか1項に記載のベンゼンスルホンアミドチアゾール化合物:
・ 2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド
・ 2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド
・ N-(4-(4-メトキシ-3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)アセトアミド
・ 2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-N-(4-(4-メトキシ-3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド
・ 2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)アミノ)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド
・ 6-(4-メチルピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)ヘキサンアミド
・ 6-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)ヘキサンアミド
・ 2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-N-(4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)-3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド
・ N-(3-(2-((2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)アミノ)チアゾール-4-イル)フェニル)-4-ペンチルベンゼンスルホンアミド、および
・ N-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)-N-(4-(3-(N-((4-ペンチルフェニル)スルホニル)アセトアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド。
【請求項6】
がんの治療における使用のための、請求項1から5のいずれか1項に記載のベンゼンスルホンアミド化合物。
【請求項7】
前記がんは、固形がんおよび液性がんからなる群から選択される、請求項6に記載の使用のための化合物。
【請求項8】
前記液性がんは、リンパ腫、白血病および造血がんである、請求項7に記載の使用のための化合物。
【請求項9】
前記固形がんは、皮膚がん、消化管カルチノイド腫瘍、前立腺がん、結腸直腸がん、乳がん、腎臓がん、自律神経節がん、食道がん、胃がん(Stomach and Gastric cancer)、子宮内膜がん、上部気道・消化器がん、卵巣がん、大腸がん、肝臓がん、中枢神経系がん、膵臓がん、肺がん、尿路がん、軟組織がん、胆道がん、甲状腺がん、胸膜がん、骨がん、唾液腺がんからなる群より選択される、請求項7に記載の使用のための化合物。
【請求項10】
前記がんは、胃がん(Stomach and Gastric cancer)、食道がんおよび皮膚がんからなる群から選択される、請求項7または9に記載の使用のための化合物。
【請求項11】
前記がんは、皮膚がん、好ましくは黒色腫である、請求項7、9または10に記載の使用のための化合物。
【請求項12】
前記化合物は、2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2イル)アセトアミド、2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド、N-(4-(4-メトキシ-3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)アセトアミド、2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-N-(4-(4-メトキシ-3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド、2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)アミノ)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド、6-(4-メチルピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)ヘキサンアミド、6-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)ヘキサンアミド、2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-N-(4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)-3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド、N-(3-(2-((2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)アミノ)チアゾール-4-イル)フェニル)-4-ペンチルベンゼンスルホンアミド、およびN-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)-N-(4-(3-(N-((4-ペンチルフェニル)スルホニル)アセトアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミドからなる群から選択される、請求項11に記載の使用のための化合物。
【請求項13】
前記がんは、胃がん(Stomach and Gastric cancer)または食道がんである、請求項7、9または10に記載の使用のための化合物。
【請求項14】
前記化合物は、22-(4-メチルピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2イル)アセトアミド、
2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド、N-(4-(4-メトキシ-3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)アセトアミド、2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-N-(4-(4-メトキシ-3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド、2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)アミノ)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド、6-(4-メチルピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)ヘキサンアミド、6-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)ヘキサンアミド、2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-N-(4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)-3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド、N-(3-(2-((2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)アミノ)チアゾール-4-イル)フェニル)-4-ペンチルベンゼンスルホンアミド、およびN-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)-N-(4-(3-(N-((4-ペンチルフェニル)スルホニル)アセトアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミドからなる群から選択される、請求項13に記載の使用のための化合物。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔発明の分野〕
本発明は、新規のベンゼンスルホンアミドチアゾール化合物およびがん治療のためのそれらの使用に関する。
【0002】
〔発明の背景〕
がんなどの複数の疾患は、小胞体(ER)のタンパク質の折り畳み能力を圧倒する、制御不能な代謝およびタンパク質合成に起因しており、その結果、ERストレスとして知られる、誤って折り畳まれたタンパク質の病的蓄積につながる(Song et al. Trends in Immunology, 2019)。その結果、小胞体を通して処理されるタンパク質の高フラックスに対処し且つ小胞体の恒常性を維持するために、アンフォールドタンパク質応答(UPR)複合体が過剰に活性化される。小胞体の恒常性の変化は、小胞体に誤って折り畳まれたタンパク質/折り畳まれていないタンパク質の蓄積を引き起こし、適応的な細胞応答を組織化する経路がシグナル伝達を活性化する。UPRに関与する主要タンパク質の一つは、HSPA5/GRP78/BiPである。
【0003】
GRP78は、ERタンパク質の折り畳み能力を維持し、ERストレスセンサーおよびER関連プロアポトーシス機構を不活性状態に維持することによって、がん細胞の生存率とアポトーシスとのバランスを調節する。
【0004】
誤って折り畳まれたタンパク質がERに蓄積すると、GRP78がそれに結合し、それによってUPRセンサーが解放され、UPR経路の活性化につながる。逆に、GRP78が枯渇または不活性化すると、UPRが自発的に引き起こされ、多様な生理学的結果をもたらすことがある(Lee, A. Glucose-regulated proteins in cancer: molecular mechanisms and therapeutic potential.Nat Rev Cancer 14, 263-276 (2014). https://doi.org/10.1038/nrc3701)。
【0005】
それゆえ、HSPA5はタンパク質シャペロンの機能を果たすだけでなく、UPRのマスターレギュレーターでもあると考えられている。したがって、HSPA5は、特にがんにおいて予後不良と正の相関を示す。実際、HSPA5は黒色腫患者の腫瘍進行、腫瘍サイズの増大および予後不良と正の相関がある(Michael Cerezoa and Stephane Rocchi, New anti-cancer molecules targeting HSPA5/BIP toduce endoplasmic reticulum stress, autophagy and apoptosis, Autophagy.2017; 13(1):216-217)。
【0006】
したがって、HSPA5を標的とする、ERストレスに作用する新しい候補分子の同定は、がん治療のための有望な治療戦略であり、科学界で広く支持されている。
【0007】
WO2014072486には、本発明者らによって発明されたベンゼンスルホンアミドチアゾール化合物の最初のシリーズが開示されており、HSPA5選択的結合によって媒介されるメカニズムにおいて、がん、特に黒色腫モデルの治療に活性を示すことが記載されている。これらの化合物の中で、鉛化合物HA15は、オートファジーおよびアポトーシスの同時誘導によって特異的ながん細胞死を誘導するERストレス軸を標的とすることにより、抗黒色腫効果を示している。これらの結果は、黒色腫の悪性化およびがんにおけるこの特異的な経路の重要な役割を強調し、ERストレス誘導物質が将来的に様々な領域のがんの治療に有用であるという考えを強めるものである(Michael Cerezoa and Stephane Rocchi, New anti-cancer molecules targeting HSPA5/BIP toduce endoplasmic reticulum stress, autophagy and apoptosis, Autophagy.2017; 13(1):216-217)。
【0008】
本発明者らは、WO2014/072486に記載されたシリーズを最適化し、ERストレスの誘導にも関与し、黒色腫のモデルにおいて実質的に高い効力を示す新規の疎水性誘導体を生成した(WO2017/017004)。これらの化合物のフェニル基は、(C~C12)アルキル基で置換されている。本発明者らは、この環に無極性置換基を導入することの利点を示した。無極性基の大きさと活性との間には明確な相関関係があることが明らかになった。実際、非常に活性の高い化合物は、パラ位においてオクチン鎖、ヘキシル鎖、およびオクチル鎖で置換されている。
【0009】
本発明者らは、現在、薬理学的特性(効力および薬物様特性)の点でこれらの化合物を改良した。これらの新規誘導体は、いくつかのin vitroおよびin vivoのがんモデルにおいて、GRP78(BiP)を介するメカニズムでERストレスマーカーを高度に低下させ、がん、特にHSPA5を過剰発現しているがんを治療する能力を裏付けている。
【0010】
〔発明の概要〕
本発明は、特許請求の範囲によって定義される。
【0011】
第1の態様において、本発明は、式(I)のベンゼンスルホンアミドチアゾール化合物に関する:
【化1】

式中、
は、5-(ジメチルアミノ)ナフタレン基または4-ペンチルフェニル基であり、
は、H、ハロゲン、ORから選択され、
は、C-Cアルキル、NRから選択され、
は、H、窒素含有複素環で任意に置換されたアルキルから選択され、
は、H、窒素含有複素環で任意に置換されたアルキル、CORから選択され、
およびRは、代替的に、任意に置換された窒素含有複素環を共に形成することができ、
は、C-Cアルキル、C-Cアルキル-O-C-Cアルキルから選択され、
は、
・任意に置換された窒素含有複素環
・O-アルキル、NHCO-アルキル、NHCOO-アルキル、COO-アルキル、NH-アルキル、NH-アルキル-OH、NHP(O)(O-アルキル)、NH-アルキル-SOH、NH-アルキル-N(アルキル)
・アルケニル
で任意に置換されたC-Cアルキルから選択される。
【0012】
本発明者らは、特定のベンゼンスルホンアミドチアゾール化合物が、初期の小胞体ストレスを誘導する能力を有することを示した。これらの化合物はまた、がん細胞の増殖抑制および死滅をもたらす。
【0013】
それゆえ、第2の態様において、本発明は、がんの治療に使用するための式(I)のベンゼンスルホンアミドチアゾール化合物に関する。
【0014】
〔図面の簡単な説明〕
図1:A375黒色腫細胞におけるPB628およびHA15のIncucyte(登録商標)によるIC50の測定。
【0015】
図2:PB628またはHA15を処理した後の線維芽細胞および黒色腫細胞の毒性。
【0016】
〔詳細な説明〕
本発明者らは、いずれもHSPA5が過剰発現している、ヒト黒色腫細胞株(A375)、胃がん(gastric cancer)由来ヒト細胞株(SH-10-TC、KatoIII)および食道扁平上皮がん(Kyse70)に対して、公知の小胞体(ER)ストレスマーカーであるCHOPを低下させる、新規のベンゼンスルホンアミドチアゾール化合物の有効性を証明した。
【0017】
CHOPは、DNA損傷誘導性転写産物3であり、C/EBP相同タンパク質としても知られ、DDIT3遺伝子CHOPによってコードされるプロアポトーシス転写因子であり、ERストレスの重要な担い手であり、ERストレス関連細胞死の開始因子であると考えられている。また、これらの化合物ががん細胞の増殖抑制および死滅につながることも示している。
【0018】
従って、第一の態様において、本発明は式(I)のベンゼンスルホンアミドチアゾールに関する:
【化2】

式中
は、5-(ジメチルアミノ)ナフタレン基または4-ペンチルフェニル基であり、
は、H、ハロゲン、ORから選択され、
は、C-Cアルキル、NRから選択され、
は、H、窒素含有複素環で任意に置換されたアルキルから選択され、
は、H、窒素含有複素環で任意に置換されたアルキル、CORから選択され、
およびRは、代替的に、任意に置換された窒素含有複素環を共に形成することができ、
は、C-Cアルキル、C-Cアルキル-O-C-Cアルキルから選択され、
は、
・ 任意に置換された窒素含有複素環
・ O-アルキル、NHCO-アルキル、NHCOO-アルキル、COO-アルキル、NH-アルキル、NH-アルキル-OH、NHP(O)(O-アルキル)、NH-アルキル-SOH、NH-アルキル-N(アルキル)
・ アルケニル
で任意に置換されたC-Cアルキルから選択される。
【0019】
(式(I)の化合物)
上記一般式(I)中、特に断りのない限り:
・ アルキルは、1、2、3、4、5、6、7または8個の炭素原子を含む直鎖または分岐基を示す。適切なアルキルラジカルの例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、n-ヘキシルなどである。C-Cアルキルは、1~8個の炭素原子を含むアルキル基に相当する。
【0020】
・ アルケニルは、2、3、4、5または6個の炭素原子と1個以上の二重結合とを含む、直鎖または分岐基を示す。適切なアルケニルラジカルの例は、エテニル、n-プロペニル、イソプロペニル、n-ブテニル、イソブテニル、sec-ブテニル、tert-ブテニル、n-ペンテニル、イソペンテニル、n-ヘキセニルなどである。
【0021】
・ 複素環は、3~8個の原子と炭素原子とは異なる少なくとも1個のヘテロ原子とを含む。適切な複素環の例は、ピペリジン、ピペラジン、メチルピペラジン、モルホリン、4員環のβ-ラクタム、5員環の1,2,3-トリアゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、ピラゾール、オキサジアゾール、オキサゾール、イソオキサゾールおよびチアゾール、6員環のキノリン、キナゾリン、ピリミジン、ピリミジノンを含む。
このような複素環は、例えばC-CアルキルまたはC-Cアルキル-OH、CONHで置換され得る。
【0022】
・ ハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素からなる群から選択される。
【0023】
上記一般式(I)において、好ましい化合物群は、Rが5-(ジメチルアミノ)ナフタレン基である、式(II)の化合物を含む:
【化3】

式中、RおよびRは、上記で定義したとおりである。
【0024】
別の好ましい化合物群は、Rが4-ペンチルフェニル基である、式(III)の化合物を含む:
【化4】

式中、RおよびRは、上記で定義したとおりである。
【0025】
他の好ましい化合物群は、式(IV)の化合物を含む。
【化5】

式(V)の化合物
【化6】

式(VI)の化合物
【化7】

式中、R、RおよびRは、上記で定義したとおりである。
【0026】
本発明に係る好ましい化合物は、以下のとおりである:
【表1】




【0027】
したがって、一実施形態において、式(I)のベンゼンスルホンアミドチアゾール化合物は、以下の中から選択される:
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)-4-メトキシフェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)-4-フルオロフェニル)チアゾール-2-イル)-2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)アセトアミド
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)-4-メトキシフェニル)チアゾール-2-イル)-2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)アセトアミド
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)-4-(2-メトキシエトキシ)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)-4-(2-メトキシエトキシ)フェニル)チアゾール-2-イル)-2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)アセトアミド
・ 2-(2,3-ジヒドロキシプロポキシ)-N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド
・ tert-ブチル(6-((4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アミノ)-6-オキソヘキシル)カルバメート
・5-((4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アミノ)-5-オキソペンタン酸エチル
・ 6-アセトアミド-N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)ヘキサンアミド
・ tert-ブチル(4-((4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アミノ)-4-オキソブチル)カルバメート
・ 4-((4-(3-((5-(ジメチルアミノ(ナプタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)ブタンアミド
・ 5-(ジメチルアミノ)-N-(3-(2-メチルチアゾール-4-イル)フェニル)ナフタレン-1-スルホンアミド
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)アセトアミド
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)-2-モルホリノアセトアミド。
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)-2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)アセトアミド
・ 1-(2-((4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)ピペリジン-4-カルボキサミド
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)-2-((2-ヒドロキシエチル)アミノ)アセトアミド
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)-2-((3-モルホリノプロピル)アミノ)アセトアミド
・ ジエチル-(2-((4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)ホスホルアミデート
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)-4-フルオロフェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド
・ 2-((2-((4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)アミノ)エタン-1-スルホン
・ 2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド
・ 2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド
・ N-(5-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-メトキシフェニル)-4-ペンチルベンゼンスルホンアミド
・ N-(4-(4-メトキシ-3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)アセトアミド
・ 2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-N-(4-(4-メトキシ-3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド
・ 2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)アミノ)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド
・ 6-(4-メチルピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)ヘキサンアミド
・ 6-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)ヘキサンアミド
・ 2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-N-(4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)-3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)-6-(4-メチルピペラジン-1-イル)ヘキサンアミド
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)-6-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)ヘキサンアミド
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)-4-(プロプ-2-イン-1-イルオキシ)フェニル)チアゾール-2-イル)アクリルアミド
・ 5-(ジメチルアミノ)-N-(3-(2-((2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)アミノ)チアゾール-4-イル)フェニル)ナフタレン-1-スルホンアミド N-(3-(2-((2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)アミノ)チアゾール-4-イル)フェニル)-4-ペンチルベンゼンスルホンアミド
・ N-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)-N-(4-(3-(N-((4-ペンチルフェニル)スルホニル)アセトアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド
・ N-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)-N-(4-(3-(N-((4-ペンチルフェニル)スルホニル)アクリルアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アクリルアミド
・ N-(3-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)チアゾール-4-イル)フェニル)-4-ペンチルベンゼンスルホンアミド、
・ N-(3-(2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)チアゾール-4-イル)フェニル)-4-ペンチルベンゼンスルホンアミド。
【0028】
一実施形態において、式(I)のベンゼンスルホンアミドチアゾール化合物は、以下の中から選択される:
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)-4-メトキシフェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)-4-フルオロフェニル)チアゾール-2-イル)-2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)アセトアミド
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)-4-メトキシフェニル)チアゾール-2-イル)-2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)アセトアミド
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)-4-(2-メトキシエトキシ)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)-4-(2-メトキシエトキシ)フェニル)チアゾール-2-イル)-2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)アセトアミド
・ 2-(2,3-ジヒドロキシプロポキシ)-N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド
・ tert-ブチル(6-((4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アミノ)-6-オキソヘキシル)カルバメート
・ 5-((4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アミノ)-5-オキソペンタン酸エチル
・ 6-アセトアミド-N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)ヘキサンアミド
・ tert-ブチル(4-((4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アミノ)-4-オキソブチル)カルバメート
・ 4-((4-(3-((5-(ジメチルアミノ(ナプタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)ブタンアミド
・ 5-(ジメチルアミノ)-N-(3-(2-メチルチアゾール-4-イル)フェニル)ナフタレン-1-スルホンアミド
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)アセトアミド
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)-2-モルホリノアセトアミド
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)-2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)アセトアミド
・ 1-(2-((4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)ピペリジン-4-カルボキサミド
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)-2-((2-ヒドロキシエチル)アミノ)アセトアミド
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)-2-((3-モルホリノプロピル)アミノ)アセトアミド
・ ジエチル-(2-((4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)ホスホルアミデート
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)-4-フルオロフェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド
・ 2-((2-((4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)アミノ)エタン-1-スルホン
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)-6-(4-メチルピペラジン-1-イル)ヘキサンアミド
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)-6-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)ヘキサンアミド
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)-4-(プロプ-2-イン-1-イルオキシ)フェニル)チアゾール-2-イル)アクリルアミド
・ 5-(ジメチルアミノ)-N-(3-(2-((2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)アミノ)チアゾール-4-イル)フェニル)ナフタレン-1-スルホンアミド
【0029】
さらに一実施形態において、式(I)のベンゼンスルホンアミドチアゾール化合物は、以下の中から選択される:
・ 2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド
・ 2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド
・ N-(5-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-メトキシフェニル)-4-ペンチルベンゼンスルホンアミド
・ N-(4-(4-メトキシ-3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)アセトアミド
・ 2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-N-(4-(4-メトキシ-3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド
・ 2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)アミノ)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド
・ 6-(4-メチルピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)ヘキサンアミド
・ 6-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)ヘキサンアミド
・ 2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-N-(4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)-3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド
・ N-(3-(2-((2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)アミノ)チアゾール-4-イル)フェニル)-4-ペンチルベンゼンスルホンアミド。
・ N-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)-N-(4-(3-(N-((4-ペンチルフェニル)スルホニル)アセトアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド
・ N-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)-N-(4-(3-(N-((4-ペンチルフェニル)スルホニル)アクリルアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アクリルアミド
・ N-(3-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)チアゾール-4-イル)フェニル)-4-ペンチルベンゼンスルホンアミド
・ N-(3-(2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)チアゾール-4-イル)フェニル)-4-ペンチルベンゼンスルホンアミド。
【0030】
好ましい実施形態において、式(I)のベンゼンスルホンアミドチアゾール化合物は、以下の中から選択される:
・ 2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド、
・ 2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド、
・ N-(4-(4-メトキシ-3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)アセトアミド
・ 2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-N-(4-(4-メトキシ-3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド、
・ 2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)アミノ)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド、
・ 6-(4-メチルピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)ヘキサンアミド、
・ 6-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)ヘキサンアミド、
・ 2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-N-(4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)-3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド、
・ N-(3-(2-((2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)アミノ)チアゾール-4-イル)フェニル)-4-ペンチルベンゼンスルホンアミド
・ N-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)-N-(4-(3-(N-((4-ペンチルフェニル)スルホニル)アセトアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド。
【0031】
本発明に係るベンゼンスルホンアミドチアゾール化合物は、薬学的に許容される塩の形態であり得る。薬学的に許容される塩には、その酸付加塩および塩基塩が含まれる。
【0032】
好適な酸付加塩は、酸から形成され、無毒性の塩を形成する。例えば、酢酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、重炭酸塩/炭酸塩、重硫酸塩/硫酸塩、ホウ酸塩、カンシル酸塩、クエン酸塩、エジシル酸塩、エシル酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヒベンズ酸塩、塩酸塩/塩化物、臭化水素酸塩/臭化物、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフチル酸塩、2-ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロト酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩/リン酸水素塩/リン酸二水素塩、サッカリン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩およびトリフルオロ酢酸塩およびキシナホ酸塩が挙げられる。
【0033】
適切な塩基塩は、無毒性の塩を形成する塩基から形成される。例えば、アルミニウム塩、アルギニン塩、ベンザチン塩、カルシウム塩、コリン塩、ジエチルアミン塩、ジオールアミン塩、グリシン塩、リジン塩、マグネシウム塩、メグルミン塩、オラミン塩、カリウム塩、ナトリウム塩、トロメタミン塩および亜鉛塩が挙げられる。例えばヘミ硫酸塩およびヘミカルシウム塩など、酸および塩基のヘミ塩もまた形成され得る。適切な塩に関する総説は、StahlおよびWermuth著「Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection, and Use」(Wiley- VCH, Weinheim, Germany, 2002)を参照のこと。
【0034】
本発明の文脈において使用されるベンゼンスルホンアミドチアゾール化合物は、非溶媒和および溶媒和の両方の形態で存在し得る。用語「溶媒和物」は、ベンゼンスルホンアミドチアゾール化合物および化学量論量の1つ以上の薬学的に許容される溶媒分子、例えばエタノール、を含む分子複合体を表す。用語「水和物」は、前記溶媒が水である場合に用いられる。また、前述の溶媒和物とは対照的に、薬物およびホストの包接体が化学量論的または非化学量論的な量で存在するクラスレート、薬物-ホスト包接体などの複合体も含まれる。また、2種以上の有機成分および/または無機成分を含む薬物の複合体も含まれ、これらの成分は、化学量論的または非化学量論的な量であってもよい。得られる錯体は、イオン化錯体、部分イオン化錯体または非イオン化錯体のいずれであってもよい。このような錯体の総説については、Haleblian著 J Pharm Sci, 64 (8), 1269-1288(1975年8月)を参照のこと。
【0035】
したがって、式(I)のベンゼンスルホンアミドチアゾール化合物には、その塩、溶媒和物および錯体、ならびにその塩の溶媒和物および錯体への言及が含まれる。式(I)のベンゼンスルホンアミドチアゾール化合物には、そのすべての多形体および晶癖、そのプロドラッグおよび異性体(光学異性体、幾何異性体および互変異性体を含む)ならびに式(I)の同位体標識化合物が含まれる。
【0036】
〔合成経路〕
本発明に係る化合物は、以下に記載する例示的な方法などの、従来の手順を用いて調製することができる。
【0037】
〔PB600、PB601、PB602、PB603、PB604、PB651、PB690、PB691、PB692およびPB696の合成経路〕
この経路では、以下の方法に従って中間体チアゾールアニリン3a、3b、3cを合成する必要がある。以下、各化合物2a、2b、2c、3a、3bおよび3cを各工程に関連して説明する。
【化8】
【0038】
〔2a〕
4-(4-フルオロ-3-ニトロフェニル)チアゾール-2-アミン(2a)。エタノール中のα-ブロモアセトフェノン1a(7.20g、27.5mmol、1eq)の溶液に、対応するチオ尿素(thiourea(2.09g、27.5mmol、1eq))を加えた。その後、反応混合物を80℃に3時間加熱し、室温に冷却した。沈殿物を濾過し、エタノールおよびジエチルエーテルで洗浄して、対応するチアゾールを黄色固体として収率74%で得た(6.52g)。H NMR(DMSO-d,200MHz):δ 7.45(s,1H),7.72(dd,J=11.2,8.8Hz,1H),8.19(ddd,J=8.8,4.2,2.4Hz,1H),8.50(dd,J=7.1,2.4Hz,1H).
【0039】
〔2b〕
4-(4-メトキシ-3-ニトロフェニル)チアゾール-2-アミン(2b)。フルオロアリール2a(2.40g、10.00mmol)のTHF(15mL)懸濁液にナトリウムメトキシド(1.08g、20.00mmol)をゆっくり加えた。反応中間体を出発物質が完全に消費されるまで室温で撹拌した(TLCモニタリング CHx:EtOAc 60:40)。THFを減圧下で除去し、粗残渣を100mLの水で希釈し、EtOAc(50mL)で3回抽出した。混合した有機層をブライン(100mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:EtOAc 100:0~50:50)に供し、2b(2.31g、91%)を得た。H NMR(400MHz,DMSO-d) δ 8.28(d,J=2.3Hz,1H),8.05(dd,J=8.8,2.3Hz,1H),7.48(d,J=8.9Hz,1H),7.28(s,1H),3.98(s,3H).MS-ESI(m/z):[M+H]=252.5.
【0040】
〔2c〕
4-(4-(2-メトキシエトキシ)-3-ニトロフェニル)チアゾール-2-アミン(2c)。0℃の乾燥THF(33mL)中の水素化ナトリウム(油中60%)(240.0g、10.08mmol)の懸濁液に、2-メトキシエタノール(760.0μL、9.66mmol)を滴下添加した。得られた混合物を0℃で20分間撹拌し、乾燥THF(15mL)中のフルオロアリール2a(1.00g、4.20mmol)の懸濁液を非常にゆっくり添加した。反応中間体を0℃で15分間撹拌し、出発物質が完全に消費されるまで室温で一晩放置した(TLCモニタリング CHx:EtOAc 60:40)。THFを減圧下で除去し、粗残渣を100mLの水で希釈し、EtOAc(50mL)で3回抽出した。混合した有機層をブライン(100mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:EtOAc 100:0~50:50)に供し、2-エトキシメタノイル2c(1.22g、98%)を得た。H NMR(Acetone-d,200MHz):δ 3.36(s,3H),3.81-3.69(m,2H),4.39-4.23(m,2H),6.54(s,2H),7.02(s,1H),7.33(d,J=8.8Hz,1H),8.05(dd,J=8.8,2.3Hz,1H),8.28(d,J=2.2Hz,1H).
【0041】
〔3a〕
4-(3-アミノ-4-フルオロフェニル)チアゾール-2-アミン(3a)。MeOH(0.01M)中のニトロ-アリール2a(6.34g、19.80mmol、1.0eq)の撹拌懸濁液に、塩化アンモニウム(2.11g、39.60mmol、2.0eq)および亜鉛(9.71g、148.50mmol、7.5eq)を連続的に添加した。反応混合物を出発物質が完全に消費されるまで70℃で撹拌し、粗製物をセライトのパッドでろ過した。得られたろ液をEtOAcで3回抽出し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(DCM:MeOH;100:0~90:10)で精製して、アニリン3aを白色粉末として得た(4.10g、99%)。H NMR(DMSO-d,200MHz):δ 5.15(s,2H),6.74(s,1H),7.08-6.87(m,4H),7.31-7.15(m,1H).13C NMR(DMSO-d,50MHz):δ 100.3,113.7(dd,J=14.7,5.6Hz),114.9(d,J=18.7Hz),131.6(d,J=2.9Hz),136.11(d,J=13.2Hz),147.8,149.8,152.5,168.0.19F NMR(Acetone-d,189MHz):δ -136.5(q,J=8.8Hz).
【0042】
〔3b〕
4-(3-アミノ-4-メトキシフェニル)チアゾール-2-アミン(3b)。MeOH(0.01M)中のニトロ-アリール2b(2.00g、8.00mmol、1.0eq)の撹拌懸濁液に、塩化アンモニウム(880.0mg、16.00mmol、2.0eq)および亜鉛(3.92g、148.50mmol、7.5eq)を連続的に添加した。反応混合物を出発物質が完全に消費されるまで70℃で撹拌し、粗製物をセライトのパッドでろ過した。得られたろ液をEtOAcで3回抽出し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(DCM:MeOH;100:0~90:10)で精製して、アニリン3bを白色粉末として得た(1.68g、95%)。H NMR(DMSO-d,400MHz)δ 3.77(s,4H),6.64(s,1H),6.78(d,J=8.4Hz,1H),6.97(s,2H),7.01(dd,J=8.3,1.9Hz,1H),7.11(d,J=2.0Hz,1H).
【0043】
〔3c〕
4-(3-アミノ-4-(2-メトキシエトキシ)フェニル)チアゾール-2-アミン(3c)。MeOH(0.01M)中のニトロ-アリール2c(1.22g、4.13mmol、1.0eq)の撹拌懸濁液に、塩化アンモニウム(440.0mg、8.26mmol、2.0eq)および亜鉛(2.03g、30.98mmol、7.5eq)を連続的に添加した。反応混合物を出発物質が完全に消費されるまで70℃で撹拌し、粗製物をセライトのパッドでろ過した。得られたろ液をEtOAcで3回抽出し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(DCM:MeOH;100:0~90:10)で精製して、アニリン3cを白色粉末として得た(560.0mg、33%)。H NMR(Acetone-d,200MHz):δ 3.37(s,3H),3.80-3.61(m,2H),4.19-4.03(m,2H),6.43(s,2H),6.63(s,1H),6.80(d,J=8.4Hz,1H,H),7.09(dd,J=8.3,2.1Hz,1H,H),7.23(d,J=2.1Hz,1H,H).
【0044】
〔化合物PB651、PB600およびPB603の合成〕
これらの化合物は、以下に述べる方法で調製される。
【化9】

以下、化合物4a、4b、4cおよび得られた化合物について、各工程を説明する。
【0045】
〔4a〕
N-(5-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-フルオロフェニル)-5-(ジメチルアミノ)ナフタレン-1-スルホンアミド(4a)。無水DMF(0.2M)中の3a(2.00g、9.62mmol、1eq)の溶液に、アルゴン下、無水トリエチルアミン(1.6eq)および塩化ダンシル(2.85g、10.58mmol、1.1eq)を加えた。反応混合物を、出発物質が完全に変換されるまで室温で反応させた。DMFを減圧下で除去し、粗物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:EtOAc;100:0~60:40)で精製し、標題のスルホンアミド4aを黄色蛍光粉末として得た(1.22g、29%)。H NMR(Acetone-d6,200MHz):δ 2.84(s,6H),6.50(s,2H),6.78(s,1H),6.93(dd,J=10.2,8.7Hz,1H),7.26(dd,J=7.6,0.9Hz,1H),7.66-7.43(m,3H),7.96(dd,J=7.8,2.2Hz,1H),8.24(dd,J=7.3,1.2Hz,1H),8.63-8.45(m,2H),9.22(s,1H).
【0046】
〔4b〕
N-(5-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-メトキシフェニル)-5-(ジメチルアミノ)ナフタレン-1-スルホンアミド(4b)。無水DMF(0.2M)中の3b(222.0mg、0.50mmol、1eq)の溶液に、アルゴン下、無水トリエチルアミン(1.6eq)および塩化ダンシル(148.0mg、0.55mmol、1.1eq)を加えた。反応混合物を、出発物質が完全に変換されるまで室温で反応させた。DMFを減圧下で除去し、粗物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:EtOAc;100:0~60:40)で精製し、標題のスルホンアミド4bを淡黄色蛍光粉末として得た(120.2mg、53%)。H NMR(Acetone-d6,200MHz):δ 2.83(s,6H),3.24(s,3H),6.42(s,2H),6.70(s,2H),7.26(d,J=7.5Hz,1H),7.69-7.38(m,3H),7.94(d,J=2.1Hz,1H),8.13(dd,J=7.3,1.2Hz,1H),8.34(s,1H),8.50(dd,J=8.6,3.8Hz,2H).
【0047】
〔4c〕
N-(5-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(2-メトキシエトキシ)フェニル)-5-(ジメチルアミノ)ナフタレン-1-スルホンアミド(4c)。無水DMF(0.2M)中の3c(415.0mg、1.57mmol、1eq)の溶液に、アルゴン下、無水トリエチルアミン(1.6eq)および塩化ダンシル(465.1mg、1.72mmol、1.1eq)を加えた。反応混合物を、出発物質が完全に変換されるまで室温で反応させた。DMFを減圧下で除去し、粗物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:EtOAc;100:0~70:30)で精製し、標題のスルホンアミド4cを淡黄色蛍光粉末として得た(326.3mg、42%)。H NMR(Acetone-d6,200MHz):δ 2.84(s,6H),3.40-3.25(m,5H),3.80-3.68(m,2H),6.44(s,2H),6.83-6.68(m,2H),7.27(dd,J=7.6,0.9Hz,1H),7.66-7.38(m,3H),8.01(d,J=2.1Hz,1H),8.20(dd,J=7.3,1.3Hz,1H),8.60-8.39(m,3H).
【0048】
〔PB651〕
【化10】

N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)-4-フルオロフェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド(PB651)。アミン4a(25.2mg、0.06mmol)を純粋な無水酢酸(600μL)中に40℃で1時間置いた。その後、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を、EtOを用いて沈殿させ、EtOで2回洗浄し(10mL)、純粋なアミドPB651を黄色蛍光粉末として得た(24.5mg、89%)。H NMR(Acetone-d,200MHz):δ 2.29(s,3H),2.85(s,6H),6.97(dd,J=10.2,8.6Hz,1H),7.36-7.12(m,2H),7.63-7.47(m,3H),8.07(dd,J=7.8,2.2Hz,1H),8.22(dd,J=7.4,1.3Hz,1H),8.52(dd,J=8.6,5.1Hz,2H),9.26(s,1H),11.20(s,1H).13C NMR(Acetone-d,125MHz):δ 22.9,45.7,108.4,116.3,116.6(d,J=20.4Hz),120.2,122.9,124.1,124.38(d,J=7.4Hz),126.16(d,J=13.2Hz),129.1,130.73(d,J=9.8Hz),130.9,131.6,132.47(d,J=3.2Hz),136.3,154.3,156.2,158.9,152.9,159.1,169.2.19F NMR(Acetone-d,188MHz):δ -128.3.HRMS-ESI(m/z):[M+H] calcd for C2322FS,485.1112;found:485.1116.
【0049】
〔PB600〕
【化11】

N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)-4-メトキシフェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド(PB600)。アミン4b(45.4mg、0.10mmol)を純粋な無水酢酸(1mL)中に40℃で1時間置いた。その後、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を、EtOを用いて沈殿させ、EtOで2回洗浄し(10mL)、純粋なアミドPB600を黄色蛍光粉末として得た(35.7mg、72%)。H NMR(Acetone-d,200MHz):δ 2.29(s,3H),2.83(s,6H),3.27(s,3H),6.72(d,J=8.6Hz,1H),7.25(d,J=11.4Hz,2H),7.69-7.38(m,3H),8.04(d,J=2.1Hz,1H),8.12(dd,J=7.3,1.1Hz,1H),8.40(s,1H),8.51(t,J=7.8Hz,2H),11.15(s,1H).13C NMR(acetone-d,50MHz):δ 22.9,45.7,55.9,106.8,112.0,116.1,120.6,121.5,123.9,124.0,127.2,128.7,128.8,130.6,130.7,130.8,131.1,136.4,149.8,151.6,152.8,158.9,169.1.HRMS-ESI(m/z):[M+H] calcd for C2425,497.1312,found:497.1312.HPLC(λ254)純度:96.1%.
【0050】
〔PB603〕
【化12】

N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)-4-(2-メトキシエトキシ)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド(PB603)。無水酢酸(2mL)溶液にアミン4c(115.0mg、0.23mmol)を加えた。混合物を40℃で8時間撹拌し、混合物を水酸化ナトリウム(6mL)の4M水溶液でクエンチした。混合物をさらに30分間撹拌し、水20mLおよびEtOAc20mLで希釈した。水層をEtOAc(2×20mL)で2回抽出し、混合した有機層を水(2×20mL)およびブライン40mLで洗浄し、MgSO上で乾燥した。粗残渣をシリカゲルクロマトグラフィー DCM:EtOAc(100:0~60:40)に供し、アミドPB603を黄色蛍光粉末として得た(96.0mg、77%)。H NMR(Acetone-d,200MHz):δ 2.29(s,3H),2.82(s,6H),3.33(d,J=6.4Hz,5H),3.84-3.68(m,2H),6.81(d,J=8.6Hz,1H),7.26(d,J=7.0Hz,2H),7.69-7.40(m,3H),8.24-8.05(m,2H),8.49(d,J=8.3Hz,2H),11.19(s,1H).13C NMR(Acetone-d,50MHz):δ 22.9,45.7,59.0,69.7,71.1,107.1,114.7,116.2,120.4,120.7,123.6,124.0,128.2,128.9,129.4,130.6,130.7,130.7,131.2,136.4,149.7,150.3,152.8,158.9,169.1.HRMS-ESI(m/z):[M+H] calcd for C2629,541.1574;found:541.1578.HPLC(λ254)純度:95.5%;t:7.04分(方法1).
【0051】
〔化合物PB601、PB602およびPB604の合成〕
これらの化合物は、以下に述べる方法で調製する。
【化13】

以下、化合物4a、5b、5cおよび得られた化合物について、各工程を説明する。
【0052】
〔5a〕
乾燥THF(15mL)中のアミン4a(1.00g、2.77mmol)の撹拌中の溶液に、DIEA(0.81mL、4.54mmol)を加えた。次に、クロロアセチルクロリド(0.36mL、4.54mmol)を混合物に滴下添加し、出発物質が完全に消費されるまで室温で30分間反応させた(TLC DCM:EtOAc 70:30)。次に、混合物を4M水酸化ナトリウム水溶液(10mL)でクエンチし、さらに室温で30分間撹拌した。反応混合物を10mLの水で希釈し、EtOAc(30mL)で3回抽出した。混合した有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄し、MgSO上で乾燥し、減少下で濃縮した。粗残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:EtOAc 100:0~60:40)に供し、純粋なクロロアセチル5aを黄色蛍光粉末として得た(0.70g,60%)。H NMR(Acetone-d,200MHz):δ 2.84(s,6H),4.51(s,2H),6.98(dd,J=10.1,8.7Hz,1H),7.27(d,J=7.6Hz,1H),7.41(s,1H),7.66-7.45(m,3H),8.09(dd,J=7.8,2.1Hz,1H),8.23(dd,J=7.3,1.1Hz,1H),8.52(dd,J=8.6,3.7Hz,2H),9.30(s,1H),11.54(s,1H).
【0053】
〔5b〕
乾燥THF(1.5mL)中のアミン5a(100.0mg、0.22mmol)の撹拌中の溶液に、DIEA(115.0μL、0.44mmol)を加えた。次に、クロロアセチルクロリド(38.0μL、0.44mmol)を混合物に滴下添加し、出発物質が完全に消費されるまで室温で30分間反応させた(TLC DCM:EtOAc 70:30)。次に、混合物を4M水酸化ナトリウム水溶液(10mL)でクエンチし、さらに室温で30分間撹拌した。反応混合物を10mLの水で希釈し、EtOAc(30mL)で3回抽出した。混合した有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄し、MgSO上で乾燥し、減少下で濃縮した。粗残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:EtOAc 100:0~60:40)に供し、クロロアセチル5a(42.0mg,36%)を得た。H NMR(Acetone-d,200MHz):δ 2.84(s,6H),3.28(s,3H),4.50(s,2H),6.75(d,J=8.6Hz,1H),7.38-7.22(m,2H),7.67-7.41(m,3H),8.05(d,J=2.2Hz,1H),8.12(dd,J=7.4,1.2Hz,1H),8.62-8.44(m,3H),11.48(s,1H).
【0054】
〔5c〕
乾燥THF(2mL)中のアミン4c(190.0mg、0.38mmol)の撹拌中の溶液に、DIEA(132.0μL、0.76mmol)を加えた。次に、クロロアセチルクロリド(61.0μL、0.76mmol)を混合物に滴下添加し、出発物質が完全に消費されるまで室温で30分間反応させた(TLC DCM:EtOAc 70:30)。次に、混合物を4M水酸化ナトリウム水溶液(10mL)でクエンチし、さらに室温で30分間撹拌した。反応混合物を10mLの水で希釈し、EtOAc(30mL)で3回抽出した。混合した有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄し、MgSO上で乾燥し、減少下で濃縮した。粗残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:EtOAc 100:0~60:40)に供し、クロロアセチル5cを黄色蛍光粉末として得た(175.2mg,80%)。H NMR(Acetone-d,200MHz):δ 2.84(s,6H),3.34(d,J=8.4Hz,5H),3.87-3.68(m,2H),4.50(s,2H),6.84(d,J=8.6Hz,1H),7.28(d,J=7.6Hz,1H),7.35(s,1H),7.68-7.42(m,3H),8.11(d,J=2.1Hz,1H),8.18(d,J=6.3Hz,1H),8.60-8.43(m,3H) 11.50(s,1H).
【0055】
〔PB601〕
【化14】

N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)-4-フルオロフェニル)チアゾール-2-イル)-2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)アセトアミド(PB601)。アセトニトリルまたはTHF(0.2M)中のクロロアルキル5a(224.0mg、0.43mmol、1eq)の懸濁液に、トリエチルアミン(1eq)およびN-ヒドロキシエチルピペラジン(113.0mg、0.87mmol、3eq)を加えた。反応混合物を出発物質が完全に消費されるまで50℃で撹拌した。揮発分を減圧下で除去し、粗残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:EtOAc 100:0~0:100)に供し、PB601を黄色蛍光粉末として得た(165.0mg、63%)。H NMR(Acetone-d,200MHz):δ 2.71-2.45(m,10H),2.83(s,6H),3.29(s,2H,),3.62(t,J=5.8Hz,2H),7.00(dd,J=10.2,8.7Hz,1H),7.26(d,J=7.5Hz,1H),7.36(s,1H),7.67-7.48(m,3H),8.10-7.93(m,1H),8.25(dd,J=7.3,1.1Hz,1H),8.61-8.45(m,2H).13C NMR(Acetone-d,125MHz):δ 45.7,54.2,54.3,59.5,61.1,61.9,108.8,116.3,116.7(d,J=20.5Hz),120.2,123.0,124.1,124.5(d,J=7.4Hz),126.3(d,J=13.3Hz),129.1,130.7(d,J=8.7Hz),130.9,131.6,132.3(d,J=3.5Hz),136.4,149.0,152.9,154.4,156.3,158.5,169.7.HRMS-ESI(m/z):[M+H] calcd for C2934FS,613.2062,found:613.2065.HPLC(λ254)純度:>99%;t:5.20分(方法1).
【0056】
〔PB602〕
【化15】

N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)-4-メトキシフェニル)チアゾール-2-イル)-2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)アセトアミド(PB602)。アセトニトリルまたはTHF(0.2M)中のクロロアルキル5b(33.0mg、0.062mmol、1eq)の懸濁液に、トリエチルアミン(1eq)およびN-ヒドロキシエチルピペラジン(20.0μL、0.19mmol、3eq)を加えた。反応混合物を出発物質が完全に消費されるまで50℃で撹拌した。揮発分を減圧下で除去し、粗残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH 100:0~90:10)に供し、純粋なPB602を黄色蛍光粉末として得た(23.1mg、56%)。H NMR(Acetone-d,200MHz):δ 2.74-2.45(m,10H),2.84(s,6H),3.29(d,J=2.0Hz,5H),3.61(t,J=5.9Hz,2H),6.76(d,J=8.5Hz,1H),7.27(d,J=7.3Hz,2H),7.70-7.43(m,3H),8.01(d,J=2.1Hz,1H),8.15(dd,J=7.3,1.3Hz,1H),8.52(dd,J=8.6,2.7Hz,2H).13C NMR(Acetone-d,125MHz):δ 45.7,54.1,54.2,55.9,59.5,61.1,61.9,107.2,112.0,116.1,120.6,121.6,123.9,124.2,127.3,128.5,128.8,130.7,130.9,131.2,136.5,150.0,151.8,152.8,158.2,169.6.HRMS-ESI(m/z):[M+H] calcd for C3037,625.2261;found:625.2268.HPLC(λ254)純度:>99%;t:5.27分(方法1).
【0057】
〔PB604〕
【化16】

N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)-4-(2-メトキシエトキシ)フェニル)チアゾール-2-イル)-2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)アセトアミド(PB604)。アセトニトリルまたはTHF(0.2M)中のクロロアルキル5c(151.0mg、0.26mmol、1eq)の懸濁液に、トリエチルアミン(1eq)およびN-ヒドロキシエチルピペラジン(102.0mg、0.79mmol、3eq)を加えた。反応混合物を出発物質が完全に消費されるまで50℃で撹拌した。揮発分を減圧下で除去し、粗残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH 100:0~90:10)に供し、純粋なPB604を黄色蛍光粉末として得た(142.3mg、81%)。H NMR(Acetone-d,200MHz):δ 2.74-2.42(m,10H),2.83(s,6H),3.45-3.21(m,7H),3.61(t,J=5.8Hz,2H),3.86-3.67(m,2H),6.84(d,J=8.6Hz,1H),7.39-7.19(m,2H),7.70-7.42(m,3H),8.07(d,J=2.0Hz,1H),8.20(d,J=7.2Hz,1H),8.49(d,J=8.5Hz,2H).13C NMR(Acetone-d,50MHz):δ 45.6,54.0,54.2,58.9,59.4,61.0,61.8,69.6,71.0,107.4,114.5,116.1,120.4,120.7,123.7,124.0,128.1,128.9,129.1,130.6,130.6,130.7,131.1,136.5,149.9,150.4,152.8,158.2,169.5.HRMS-ESI(m/z):[M+H] calcd for C3241,669.2524;found:669.2524.HPLC(λ254)純度:98.1%;t:5.28分(方法1).
【0058】
〔化合物PB690、PB691およびPB692の合成〕
これらの化合物は、以下に述べる方法で調製される。
【化17】
【0059】
〔PB690〕
【化18】

N-(5-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-メトキシフェニル)-4-ペンチルベンゼンスルホンアミド(PB690)。無水DMF(0.2M)中の3b(1.00g、4.50mmol、1eq)に、アルゴン下、無水トリエチルアミン(1.6eq)および4-ペンチルベンゼン-1-スルホニルクロリド(1.23g、5.00mmol、1.1eq)を加えた。反応混合物を出発物質が完全に変換されるまで室温で反応させた。DMFを減圧下で除去し、粗物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH、100:0~95:5)で精製し、標題のスルホンアミドPB690を白色粉末として得た(410.2mg、21%)。H NMR(CDCl-d,400MHz):δ 0.86(t,J=7.0Hz,3H),1.34-1.23(m,4H),1.60-1.53(m,2H),2.60(t,J=7.9Hz,2H),3.60(s,3H),5.73(br s,2H),6.63(s,1H),6.74(d,J=8.6Hz,1H),7.04(s,1H),7.22(d,J=8.4Hz,2H),7.47(dd,J=8.5,2.2Hz,1H),7.64(d,J=8.4Hz,2H),7.89(d,J=2.1Hz,1H).13C NMR(CDCl-d,101MHz):δ 14.1,22.8,31.1,31.7,36.1,56.1,101.8,111.1,119.8,123.5,126.3,127.6,128.6,129.2,136.6,149.3,149.9,150.5,168.3,HRMS-ESI(m/z):[M+H] calc. for C2126,432.1410;Found:432.1401.HPLC(λ254):純度 >99%;t:5.92分(方法 mauro 3).
【0060】
〔上記反応の化合物6〕
乾燥THF(10mL)中のPB690(350.0mg、0.81mmol、1eq)の撹拌中の溶液に、DIEA(420.0μL、2.43mmol、3eq)を加えた。次に、クロロアセチルクロリド(126.0μL、1.62mmol、2eq)を混合物に滴下添加し、出発物質が完全に消費されるまで室温で30分間反応させた(TLC DCM:EtOAc 70:30)。次に、混合物を4M水酸化ナトリウム水溶液(10mL)でクエンチし、さらに室温で30分間撹拌した。反応混合物を10mLの水で希釈し、EtOAc(30mL)で3回抽出した。混合した有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄し、MgSO上で乾燥し、減圧下で濃縮して、それぞれのクロロアセチル中間体を褐色粉末として得た(400mg、98%)。粗クロロアセチル6は、さらなる精製を伴うことなく、PB691およびPB692の合成に直接使用した。
【0061】
〔PB691〕
【化19】

N-(4-(4-メトキシ-3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)アセトアミド(PB691)。アセトニトリル(0.2M)中のクロロアルキル6(100.0mg、0.20mmol、1eq)の懸濁液に、トリエチルアミン(1eq)およびN-メチルピペラジン(65.0μL、0.60mmol、3eq)を加えた。反応混合物を出発物質が完全に消費されるまで50℃で撹拌した。揮発性物質を減圧下で除去し、粗残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH 100:0~95:5)に供し、純粋な標的PB691を白色粉末として得た(42.0mg、37%)。H NMR(CDCl-d,400MHz):δ 0.86(t,J=6.7Hz,3H),1.28-1.22(m,4H),1.67-1.49(m,2H),2.29(s,3H),2.64-2.53(m,10H),3.24(s,2H),3.62(s,3H),6.78(d,J=8.6Hz,1H),7.07(s,2H),7.22(d,J=8.5Hz,2H),7.57(dd,J=8.5,2.2Hz,1H),7.68-7.61(m,2H),7.99(d,J=2.1Hz,1H),10.32(s,1H).13C NMR(CDCl-d,101MHz):δ 14.1,22.8,31.1,31.7,36.1,46.1,54.4,55.3,56.1,61.4,107.0,111.2,119.8,123.7,126.6,127.6,128.2,129.2,136.7,149.3,149.5,150.2,157.5,169.1.HRMS-ESI(m/z):[M+H] calc. for C2838,572.2359;Found:572.2348.HPLC(λ254):純度 >99%;t:5.25分(方法 mauro 3).
【0062】
〔PB692〕
【化20】

2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-N-(4-(4-メトキシ-3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド(PB692)
アセトニトリル(0.2M)中のクロロアルキル6(100.0mg、0.20mmol、1eq)の懸濁液に、トリエチルアミン(1eq)およびN-ヒドロキシエチルピペラジン(78.0mg、0.60mmol、3eq)を加えた。反応混合物を出発物質が完全に消費されるまで50℃で撹拌した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH 100:0~95:5)による精製により、純粋な標的PB692を白色粉末として得た(48.0mg、40%)。H NMR(CDCl-d,400MHz):δ 0.86(t,J=7.0Hz,3H),1.31-1.23(m,4H),1.60-1.52(m,2H),2.13(br s,1H) 2.67-2.58(m,12H),3.26(s,2H),3.62-3.58(m,5H),6.78(d,J=8.6Hz,1H),7.07(s,2H),7.21(d,J=8.4Hz,2H),7.56(dd,J=8.5,2.2Hz,1H),7.64(d,J=8.4Hz,2H),8.00(d,J=2.1Hz,1H),10.34(s,1H).13C NMR(CDCl-d,101MHz):δ 14.1.22.8,31.1,31.7,36.1,53.1,54.4,56.1,58.0,59.8,61.5,107.1,111.2,119.9,123.6,126.6,127.6,128.2,129.1,136.7,149.29,149.5,150.3,157.6,169.0.HRMS-ESI(m/z):[M+H] calc. for C2940,602.2465;Found:602.2460.HPLC(λ254):純度 >99%;t:5.21分(方法 mauro 3).
【0063】
〔PB696の合成〕
【化21】
【0064】
〔上記反応の化合物7〕
4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)-3-ニトロフェニル)チアゾール-2-アミン(7)。DMSO(0.1M)中のニトロ-アリール2a(2.38g、10.0mmol、1.0eq)の撹拌懸濁液に、N-メチルピペラジン(3.00g、30mmol;3.0eq)を連続的に添加した。反応混合物を出発物質が完全に消費されるまで室温で撹拌した。粗製物を氷水に加え、赤みを帯びた固体を真空中で濾過し、ニトロ生成物7を72%で得た(2.29g)。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 2.23(s,3H),2.44(d,J=3.9Hz,4H),3.08-2.87(m,4H),7.11(d,J=21.8Hz,3H),7.30(d,J=8.7Hz,1H),7.96(dd,J=8.7,1.9Hz,1H),8.19(d,J=1.9Hz,1H).
【0065】
〔上記反応の化合物8〕
【化22】

4-(3-アミノ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)チアゾール-2-アミン(8).DMSO(0.1M)中のニトロ-アリール8(3.0g、9.4mmol、1.0eq)の撹拌懸濁液に、塩化アンモニウム(1.00g、18.8mmol、2.0eq)および亜鉛(4.58g、141.00mmol、7.5eq)を連続的に添加した。反応混合物を出発物質が完全に消費されるまで70℃で撹拌し、粗製物をセライトのパッドでろ過した。得られたろ液を濃縮し、アニリン8を白色粉末として得た(992.0mg、36%)。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 2.72(s,3H),3.07(s,4H),3.28(s,4H),4.89(s,2H),6.69(s,1H),6.85(d,J=8.2Hz,1H),7.02-6.94(m,3H),7.14(d,J=1.8Hz,1H).
【0066】
〔PB696〕
【化23】

2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-N-(4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)-3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド(PB696).アルゴン下、無水DMF(0.2M)中の8(900.0mg、3.10mmol、1eq)の溶液に、無水トリエチルアミン(1.6eq)および4-ペンチルベンゼン-1-スルホニルクロリド(842.0mg、3.42mmol、1.1eq)を加えた。反応混合物を、出発物質が完全に変換されるまで室温で反応させた。DMFを減圧下で除去し、粗物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH、100:0~95:5)で精製し、スルホンアミド9を白色粉末として得た(402.2mg、26%)。乾燥THF(10mL)中の9(402.0mg、0.80mmol、1eq)の撹拌中の溶液に、DIEA(3eq)を加えた。次に、クロロアセチルクロリド(126.0μL、1.60mmol、2eq)を混合物に滴下添加し、出発物質が完全に消費されるまで室温で30分間反応させた(TLC DCM:EtOAc 70:30)。次に、混合物を4M水酸化ナトリウム水溶液(10mL)でクエンチし、さらに室温で30分間撹拌した。反応混合物を10mLの水で希釈し、EtOAc(30mL)で3回抽出した。混合した有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄し、MgSO上で乾燥し、減圧下で濃縮して、それぞれのクロロアセチル中間体10を褐色粉末として得た(320mg、55%)。アセトニトリル(0.2M)中の粗クロロアセチル10(150.0mg、0.26mmol、1eq)にトリエチルアミン(1eq)とN-メチルピペラジン(100.0μL、0.78mmol、3eq)とを加えた。反応混合物を出発物質が完全に消費されるまで50℃で撹拌した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH 100:0~95:5)による精製により、純粋な標的PB696を薄黄色粉末として得た(16.0mg、10%)。H NMR(CDOD,400MHz):δ 0.86(t,J=7.1Hz,3H),1.34-1.22(m,4H),1.59-1.51(m,2H),2.61(t,J=7.8Hz,2H),2.72(br s,4H),2.84(d,J=1.5Hz,6H),2.92(br s,4H),3.21(br s,4H),3.27(br s,4H),3.49(s,2H),7.23(d,J=8.4Hz,1H),7.34-7.30(m,3H),7.64(dd,J=8.3,2.0Hz,1H),7.72(d,J=8.4Hz,2H),8.11(d,J=2.0Hz,1H).13C NMR(CDOD,101MHz):δ 14.4.23.4,31.9,32.4,36.5,44.1,44.4,51.2,51.5,54.9,55.3,60.6,109.5,120.9,123.5,124.3,128.2,130.3,133.9,134.4,138.5,143.6,150.1,150.5,159.1,170.1.HRMS-ESI(m/z):[M+H] calc. for C3246,640.3098;Found:640.3088.HPLC(λ254):純度 97.7%;t:4.25分(方法 mauro 7).
【0067】
〔化合物PB631、PB624、PB633、PB628、PB649、PB635、PB625、PB638、PB639、PB640、PB643、PB644、PB654、PB605、PB697、PB698、PB688、PB689、PB693、PB694、PB695、PB704、PB707、PB708、PB705、PB706の合成経路〕
まず、化合物2a-cを以下の方法に従って合成した:
【化24】

tert-ブチル(2-((4-(3-ニトロフェニル)チアゾール-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)カルバメート。乾燥DMF(10mL)中のN-Boc-グリシン(356.3mg、2.03mmol)の溶液に、室温で、アルゴン下で、HOBT(310.9mg、2.03mmol)、DIC(317.9μL、2.03mmol)およびトリエチルアミン(282.9μL、2.03mmol)を15分間かけて順次加えた。次いで、1(300.0mg、1.34mmol)を混合物に加え、室温で3時間撹拌し、さらに80℃で24時間撹拌した。DMFを減圧下で除去し、粗残渣を技術的EtOAc(15mL)に溶解し、有機層を蒸留水(20mL)で3回洗浄した。水層をEtOAc(15mL)で3回抽出し、混合した有機層をブライン(30mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、減圧下で濃縮した。粗製物をDCM/EtOAc(100:0~0:100)で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーに供し、アミド2aを黄褐色粉末として得た(200.2mg、39%)。H NMR(CDOD-d,200MHz):δ 1.40(s,9H),3.88(d,J=6.1Hz,2H),7.19(t,J=6.1Hz,1H),7.72(t,J=8.0Hz,1H),7.94(s,1H),8.16(ddd,J=8.2,2.4,1.0Hz,1H),8.33(dt,J=7.9,1.2Hz,1H),8.84-8.66(m,1H),12.41(s,1H).
【0068】
【化25】

tert-ブチル(4-((4-(3-ニトロフェニル)チアゾール-2-イル)アミノ)-4-オキソブチル)カルバメート。乾燥DMF(15mL)中の4-N-Boc-アミノブタン酸(1.15g、5.67mmol)の溶液に、室温で、アルゴン下で、HOBT(0.87g、5.67mmol)、DIC(0.89mL、5.67mmol)およびトリエチルアミン(0.79mL、5.67mmol)を15分間かけて順次加えた。次いで、1(1.00g、4.52mmol)を混合物に加え、室温で3時間撹拌し、さらに80℃で24時間撹拌した。DMFを減圧下で除去し、粗残渣を技術的EtOAc(30mL)に溶解し、有機層を蒸留水(50mL)で3回洗浄した。水層をEtOAc(30mL)で3回抽出し、混合した有機層をブライン(60mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、減圧下で濃縮した。粗製物をDCM/EtOAc(100:0~70:30)で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーに供し、アミド2bを黄色粉末として得た(0.32mg、17%)。H NMR(DMSO-d,200MHz):δ 1.48-1.31(m,9H),1.71(quint.,J=6.9Hz,2H),1.71(p,J=6.9Hz,2H),2.96(q,J=6.7Hz,2H),6.84(d,J=6.0Hz,1H),7.72(t,J=8.1Hz,1H),7.92(s,1H),8.16(ddd,J=8.2,2.4,1.0Hz,1H),8.33(dt,J=7.9,1.2Hz,1H),8.72(t,J=2.0Hz,1H),12.34(s,1H).
【0069】
【化26】

tert-ブチル(6-((4-(3-ニトロフェニル)チアゾール-2-イル)アミノ)-6-オキソヘキシル)カルバメート。乾燥DMF(20mL)中の6-N-Boc-アミノカプロン酸(1.07g、4.64mmol)の溶液に、室温で、アルゴン下で、HOBT(0.63g、4.64mmol)、DIC(0.729mL、4.64mmol)およびトリエチルアミン(0.65mL、4.64mmol)を15分間かけて順次加えた。次いで、1(0.77g、3.45mmol)を混合物に加え、室温で3時間撹拌し、さらに80℃で24時間加熱した。DMFを減圧下で除去し、粗残渣を技術的EtOAc(50mL)に溶解し、有機層を蒸留水(50mL)で3回洗浄した。水層をEtOAc(50mL)で3回抽出し、混合した有機層をブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、減圧下で濃縮した。粗製物をDCM/EtOAc(100:0~60:40)で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーに供し、アミド2cを黄橙色粉末として得た(0.69mg、45%)。H NMR(DMSO-d,200MHz):δ 1.45-1.18(m,13H,H1),1.60(quint.,J=7.3,6.7Hz,2H),2.57-2.30(m,2H),2.90(q,J=6.4Hz,2H),6.79(t,J=5.7Hz,1H),7.71(t,J=8.0Hz,1H),7.90(s,1H),8.15(ddd,J=8.2,2.4,1.0Hz,1H),8.32(dt,J=7.9,1.2Hz,1H),8.71(t,J=2.0Hz,1H),12.32(s,1H).
【0070】
次に、化合物3a~3cを以下の方法に従って合成した:
【化27】
【0071】
〔3a〕
【化28】

tert-ブチル(2-((4-(3-アミノフェニル)チアゾール-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)カルバメート。メタノール(0.01M)中のニトロ-アリール2a(90.0mg、0.50mmol、1eq)およびPd/C-10%(19.0mg、10質量%)の懸濁液に、撹拌下、0℃で、水素化ホウ素ナトリウム(95.0mg、2.51mmol、5eq)を部分的に注意深く加えた。反応混合物を水素化ホウ素ナトリウムが完全に溶解するまで0℃で撹拌し、その後室温で反応させた。粗混合物をセライトのパッドでろ過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:EtOAc;70:30~40:60)で精製して、アニリン3aを白色粉末として得た(54.7mg、31%)。H NMR(CDOD-d,200MHz):δ 1.47(s,9H),3.97(s,2H),6.68(ddd,J=7.7,2.3,1.3Hz,1H),7.11(t,J=7.7Hz,1H),7.33-7.17(m,3H,H7).
【0072】
〔3b〕
【化29】

tert-ブチル(4-((4-(3-アミノフェニル)チアゾール-2-イル)アミノ)-4-オキソブチル)カルバメート。メタノール(0.01M)中のニトロ-アリール2b(266.0mg、0.65mmol、1eq)およびPd/C-10%(26.6mg、10質量%)の懸濁液に、撹拌下、0℃で、水素化ホウ素ナトリウム(123.6mg、3.27mmol、5eq)を部分的に注意深く加えた。反応混合物を水素化ホウ素ナトリウムが完全に溶解するまで0℃で撹拌し、その後室温で反応させた。粗混合物をセライトのパッドでろ過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH;100:0~90:10)で精製して、標題の化合物3bを白色粉末として得た(190.1mg,77%)。H NMR(CDOD-d,200MHz):δ 1.42(s,9H),1.86(quint.,J=7.1Hz,2H),2.49(t,J=7.4Hz,2H),3.12(t,J=6.8Hz,2H),6.68(dd,J=9.4,1.7Hz,1H),7.11(t,J=7.7Hz,1H),7.31-7.16(m,3H).
【0073】
〔3c〕
【化30】

tert-ブチル(6-((4-(3-ニトロフェニル)チアゾール-2-イル)アミノ)-6-オキソヘキシル)カルバメート。メタノール(0.01M)中のニトロ-アリール2c(346.0mg、0.80mmol、1eq)およびPd/C-10%(34.6mg、10質量%)の懸濁液に、撹拌下、0℃で、水素化ホウ素ナトリウム(158.8mg、4.18mmol、5eq)を部分的に注意深く加えた。反応混合物を水素化ホウ素ナトリウムが完全に溶解するまで0℃で撹拌し、その後室温で反応させた。粗混合物をセライトのパッドでろ過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH;100:0~94:6)で精製して、アニリン3cを白色粉末として得た(166.5mg、52%)。H NMR(DMSO-d,200MHz):δ 1.42-1.22(m,13H),1.59(quint.,J=13.8,7.1Hz,2H),2.55-2.34(m,2H),2.90(q,J=6.4Hz,2H),5.12(s,2H),6.52(dt,J=6.5,2.6Hz,1H),6.78(t,J=5.5Hz,1H),7.16-6.95(m,3H),7.35(s,1H),12.18(s,1H).
【0074】
次に、化合物4a、PB631およびPB624を、以下の方法に従って合成した:
【化31】
【0075】
〔4a〕
【化32】

tert-ブチル(2-((4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)カルバメート。無水DMF(0.2M)中の3a(54.0mg、0.16mmol、1eq)の溶液に、アルゴン下、無水トリエチルアミン(1.6eq)および塩化ダンシル(49.9mg、0.19mmol、1.1eq)を加えた。反応混合物を出発物質が完全に変換されるまで室温で反応させた。DMFを減圧下で除去し、粗物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:EtOAc;100:0~80:20)で精製し、4aを黄色蛍光粉末として得た(40.0mg、44%)。H NMR(CDOD-d,200MHz):δ 1.46(s,9H),3.96(s,2H),6.88(dd,J=8.0,2.2Hz,1H),7.10-6.98(m,2H),7.17(d,J=7.6Hz,1H),7.48-7.29(m,2H),7.70-7.47(m,2H),8.20(d,J=7.3Hz,1H),8.41(t,J=7.9Hz,2H).
【0076】
〔PB631〕
【化33】

tert-ブチル(4-((4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アミノ)-4-オキソブチル)カルバメート。無水DMF(0.2M)中の3b(117.0mg、0.31mmol、1eq)の溶液に、アルゴン下、無水トリエチルアミン(1.6eq)および塩化ダンシル(100.3mg、0.37mmol、1.1eq)を加えた。反応混合物を出発物質が完全に変換されるまで室温で反応させた。DMFを減圧下で除去し、粗物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:EtOAc;100:0~70:30)で精製し、PB631を黄色蛍光粉末として得た(135.7mg、65%)。H NMR(CDOD-d,200MHz):δ 1.41(s,9H),1.85(quint.,J=7.2Hz,2H),2.48(t,J=7.3Hz,2H),2.79(s,6H),3.18-3.05(m,2H),6.96-6.82(m,1H),7.16-7.01(m,2H),7.22(d,J=7.6Hz,1H),7.49-7.37(m,2H),7.65-7.53(m,2H),8.20(d,J=7.3Hz,1H),8.44(d,J=8.6Hz,2H).13C NMR(CDOD-d,50MHz):δ 26.6,28.7,33.9,40.8,45.7,80.0,108.9,116.4,119.1,120.3,120.8,122.9,124.1,129.2,130.2,131.0,131.0,131.3,131.5,136.0,136.8,139.2,150.4,153.2,158.5,159.3,173.2.MS-ESI(m/z):[M+H]=610.3.
【0077】
〔PB624〕
【化34】

tert-ブチル(6-((4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アミノ)-6-オキソヘキシル)カルバメート。無水DMF(0.2M)中の3c(250.0mg、0.62mmol、1eq)の溶液に、アルゴン下、無水トリエチルアミン(1.6eq)および塩化ダンシル(199.6mg、0.74mmol、1.1eq)を加えた。反応混合物を出発物質が完全に変換されるまで室温で反応させた。DMFを減圧下で除去し、粗物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:EtOAc;100:0~80:20)で精製し、PB624を黄色蛍光粉末として得た(319.5mg、81%)。H NMR(Acetone-d,200MHz):δ 1.28-1.56(m,13H),1.74(quint,J=7.4Hz,2H),2.58(t,J=7.4Hz,2H),2.82(s,6H),3.08(q,J=6.5Hz,2H),5.95(s,1H),7.01(ddd,J=8.0,2.3,1.1Hz,1H),7.31-7.08(m,3H),7.67-7.40(m,3H),7.78(t,J=1.9Hz,1H),8.28(dd,J=7.3,1.2Hz,1H),8.50(dt,J=8.8,1.0Hz,2H),9.40(s,1H),11.10(s,1H).13C NMR(Acetone-d,50MHz):δ 25.7,27.1,28.7,36.3,41.0,45.6,78.4,108.7,116.2,118.4,120.1,122.5,124.1,129.1,130.2,130.6,130.7,131.1,131.3,136.1,136.6,139.2,149.7,152.9,156.7,159.0,172.2.MS-ESI(m/z):[M+H]=638.4.
【0078】
中間体化合物5a、5bおよび5cを以下の方法に従って合成した:
【化35】
【0079】
〔5a〕
【化36】

2-アンモニウム-N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミドトリフルオロアセテート。DCM(1mL)中のBOC保護された4a(40.0mg、0.07mmol)の撹拌中の溶液に、TFA(1mL、過剰)を加えた。混合物を室温で30分間反応させ、TFA:DCMの混合物を減圧下で除去した。粗残渣を最小量のDCMに懸濁し、ジエチルエーテルで沈殿させ、ジエチルエーテル(10mL)で3回洗浄し、アンモニウム5aを黄色蛍光粉末として得た(30.5mg、73%)。H NMR(CDOD-d,200MHz):δ 2.89(s,6H),3.98(s,2H),6.97-6.79(m,1H),7.09(t,J=7.9Hz,1H),7.24(s,1H),7.35(d,J=7.6Hz,1H),7.70-7.41(m,4H),8.24(d,J=7.3Hz,1H),8.48(t,J=13.9,2H).13C NMR(CDOD-d,50MHz):δ 41.9,46.0,109.6,116.9,119.2,121.1,123.0,124.5,129.4,130.4,130.9,131.41,131.3,131.5,136.3,136.7,139.4,150.8,152.4,158.6,165.9.HRMS-ESI(m/z):[M+H] calcd for C2324,482.1315;found:482.1315.HPLC(λ254)純度:98.4%;t:5.78分(方法3).
【0080】
〔5b〕
【化37】

4-((4-(3-((5-(ジメチルアミノ(ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アミノ)-オキソブタン-1-アミニウムトリフルオロアセテート。DCM(1mL)中のBOC保護されたPB631(108.0mg、0.18mmol)の撹拌中の溶液に、TFA(1mL、過剰)を加えた。混合物を室温で30分間反応させ、TFA:DCMの混合物を減圧下で除去した。粗残渣を最小量のDCMに懸濁し、ジエチルエーテルで沈殿させ、ジエチルエーテル(15mL)で3回洗浄し、アンモニウム5bを黄色蛍光粉末として得た(106.5mg、96%)。H NMR(CDOD-d,200MHz):δ 2.03(p,J=7.1Hz,2H),2.64(t,J=7.0Hz,2H),3.07-2.97(m,8H),6.86(ddd,J=8.0,2.3,1.0Hz,1H),7.28-7.01(m,2H),7.75-7.37(m,5H),8.26(dd,J=7.4,1.2Hz,1H),8.45(d,J=8.6,1H),8.59(d,J=8.7Hz,1H).13C NMR(CDOD-d,50MHz):δ 23.9,33.2,40.4,46.4,109.2,117.6,119.2,121.0,122.4,123.1,125.1,129.3,130.3,130.4,130.5,131.1,131.7,136.6,136.9,139.3,150.3,150.6,159.3,172.3.HRMS-ESI(m/z):[M+H] calcd for C2528,510.1628;found:510.1623.HPLC(λ254)純度:97.2%;t:2.78分(方法3).
【0081】
〔5c〕
【化38】

6-((4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アミノ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウムトリフルオロアセテート。DCM(4mL)中のBOC保護されたPB624(1.25g、1.95mmol)の撹拌中の溶液に、TFA(4.24mL、57.10mmol)を加えた。混合物を室温で30分間反応させ、TFA:DCMの混合物を減圧下で除去した。粗残渣を最小量のDCMに懸濁し、ジエチルエーテルで沈殿させ、ジエチルエーテル(20mL)で3回洗浄し、純粋なアンモニウム5cを黄色蛍光粉末として得た(1.10g、87%)。H NMR(DMSO-d,200MHz):δ 1.45-1.18(m,2H),1.77-1.43(m,4H),2.56-2.39(m,2H),2.92-2.67(m,8H),6.97(d,J=8.2Hz,1H),7.25-7.15(m,2H),7.49-7.37(m,2H),7.72-7.51(m,3H),7.85(s,3H),8.33-8.16(m,1H),8.40(d,J=8.4Hz,2H),10.82(s,1H),12.25(s,1H).13C NMR(DMSO-d,50MHz):δ 24.2,25.4,26.8,34.7,45.0,108.4,115.3,116.1,118.2,118.7,120.9,123.5,128.2,129.0,129.5,129.8,130.1,134.8,135.2,138.2,148.1,151.5,158.0,171.5.HRMS-ESI(m/z):[M+H] calcd for C2733,538.1941;found:538.1937.HPLC(λ254)純度:97.5%;t:7.17分(方法2).
【0082】
〔化合物PB633およびPB628は、5bおよび5cを主成分として、以下の方法に従って合成した〕
【化39】
【0083】
〔PB633〕
【化40】

4-((4-(3-((5-(ジメチルアミノ(ナプタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)ブタンアミド。対応するアンモニウム5b(93.0mg、0.15mmol)を無水酢酸(1mL、過剰)に溶解し、次いでDMAP(22.0mg、0.18mmol)を混合物に加えた。反応中間体を、出発物質が完全に消費されるまで1時間室温で反応させ、ジエチルエーテルを用いて生成物を沈殿させた。黄色蛍光残渣をろ過し、EtOで3回洗浄し、乾燥すると、対応するアミドPB633が黄色蛍光粉末として得られた(71.5mg、84%)。H NMR(DMSO-d,200MHz):δ 1.89-1.59(m,5H),2.56-2.37(m,2H),2.76(s,6H),3.10-2.96(m,2H),6.95(d,J=7.8Hz,1H),7.26-7.09(m,2H),7.47-7.41(m,2H),7.68-7.51(m,3H),7.86(s,1H),8.22(d,J=7.3Hz,1H),8.39(d,J=8.5Hz,2H),10.76(s,1H),12.19(s,1H).13C NMR(CDOD-d,50MHz):δ 22.6,24.7,32.4,38.0,45.0,108.4,115.3,116.1,118.2,118.6,120.9,123.5,128.2,129.0,129.0,129.4,129.7,130.1,134.8,135.2,138.1,148.1,151.5,157.9,169.1,171.3.HRMS-ESI(m/z):[M+H] calcd for C2730,552.1734;found:552.1733.HPLC(λ254)純度:>99%;t:7.42分(方法4).
【0084】
〔PB628〕
【化41】

6-アセトアミド-N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)ヘキサンアミド。対応するアンモニウム5c(50.0mg、0.08mmol)を無水酢酸(1mL、過剰)に溶解し、DMAP(12.3mg、0.10mmol)を混合物に加えた。反応中間体を、出発物質が完全に消費されるまで1時間室温で反応させ、ジエチルエーテルを用いて生成物を沈殿させた。黄色蛍光残渣をろ過し、EtOで3回洗浄し、乾燥すると、対応するアミドPB628が黄色蛍光粉末として得られた(43.6mg、94%)。H NMR(DMSO-d,200MHz):δ 1.51-1.17(m,4H),1.59(m,J=7.4Hz,2H),1.77(s,3H),2.55-2.36(m,2H),2.78(s,6H),3.01(q,J=6.4Hz,2H),7.3-6.91(m,1H),7.30-7.13(m,2H),7.43(d,J=8.6Hz,2H),7.60(ddd,J=8.6,7.4,5.8Hz,3H),7.82(s,1H),8.24(dd,J=7.4,1.2Hz,1H),8.40(dd,J=8.5,6.0Hz,2H),10.79(s,1H),12.21(s,1H).13C NMR(DMSO-d,50MHz):δ 22.6,24.4,26.0,28.9,34.8,38.4,45.0,108.3,115.2,116.2,118.2,118.7,120.9,123.5,128.2,129.0,129.0,129.4,129.4,129.7,130.1,134.8,135.2,138.1,148.1,151.4,157.9,168.9,171.6.HRMS-ESI(m/z):[M+H] calcd for C2934,580.2047;found:580.2048.HPLC(λ254)純度:>99%;t:8.03分(方法2).
【0085】
化合物PB649を、化合物5aに基づき合成した:
【化42】
【0086】
〔PB649〕
【化43】

ジエチル-(2-((4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)ホスホルアミデート。乾燥THF(1mL)中のアミン5a(75.0mg、0.16mmol)の撹拌中の溶液に、DIEA(41.0mg、0.32mmol)およびジエチルクロロホスフェート(23.0μL、0.16mmol)を順次加えた。混合物を、出発物質が完全に消費されるまで(TLC DCM:EtOAc 40:60)、室温で15分間反応させた。反応混合物を10mLの水で希釈し、EtOAc(5mL)で3回抽出した。混合した有機層をブラインで2回洗浄し、MgSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:EtOAc 100:0~0:100)で精製して、PB649を黄色蛍光粉末として収率64%で得た(63.1mg)。H NMR(Acetone-d,500MHz)δ 1.28(td,J=7.1,0.8Hz,6H),2.82(s,6H),3.95(dd,J=13.1,7.1Hz,2H),4.06-4.14(m,4H),4.69(dt,J=11.3,7.1Hz,1H),7.05(ddd,J=8.1,2.3,1.0Hz,1H),7.16(q,J=7.9Hz,1H),7.25(d,J=7.6Hz,1H),7.31(s,1H),7.49(d,J=8.2Hz,1H),7.58(ddd,J=13.0,8.6,7.5Hz,2H),7.77(t,J=1.9Hz,1H),8.30(dd,J=7.3,1.2Hz,1H),8.50(d,J=8.2Hz,2H),9.52(s,1H),11.19(s,1H).13C NMR(Acetone-d,126MHz)δ 16.6,16.6,45.4,45.6,63.2,63.2,109.0,116.2,118.2,119.9,120.1,122.3,124.2,129.1,130.2,130.6,130.7,131.1,131.3,136.2,136.4,139.3,149.9,152.9,158.5,170.2,206.2,206.4,206.5,206.7;31P NMR(81MHz,Acetone)δ 8.61.HRMS-ESI(m/z):[M+H] calc. for C2733PS,618.1604;Found:618.1606.HPLC(λ254):純度 95.2%;t:6.35分(方法1).
【0087】
〔化合物PB635〕
化合物6、7および8を以下の方法に従って合成し、化合物PB635を得た。
【化44】
【0088】
〔化合物7〕
2-メチル-4-(3-ニトロフェニル)チアゾール。エタノール中のα-ブロモ-3-ニトロアセトフェノン6(1.00g、6.06mmol 1eq)の溶液に、チオアセトアミド(460.0mg、6.06mmol 1eq)を加えた。反応混合物を80℃に3時間加熱し、室温に冷却した。析出物をろ過し、エタノールおよびジエチルエーテルで洗浄して、チアゾール7を黄色固体として収率96%で得た(1.28g)。H NMR(DMSO-d,200MHz):δ 2.72(s,3H),7.68(t,J=8.0Hz,1H),8.13(ddd,J=8.2,2.3,1.0Hz,1H),8.21(s,1H),8.33(ddd,J=7.8,1.7,1.0Hz,1H),8.72-8.65(m,1H).
【0089】
〔化合物8〕
【化45】

2-メチル-4-(3-アミノフェニル)チアゾール。メタノール(0.01M)中のニトロ-アリール7(1.20g、5.50mmol、1eq)およびPd/C-10%(120.0mg、10質量%)の懸濁液に、撹拌下、0℃で、水素化ホウ素ナトリウム(2.07g、27.50mmol、5eq)を部分的に注意深く加えた。反応混合物を水素化ホウ素ナトリウムが完全に溶解するまで0℃で撹拌し、その後室温で反応させた。粗混合物をセライトのパッドでろ過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHx:EtOAc;100:0~50:50)で精製して、アニリン8を白色粉末として得た(760.0mg、73%)。H NMR(CDOD-d,200MHz):δ 2.70(s,3H),6.70(dt,J=6.5,2.3Hz,1H),7.29-7.05(m,3H),7.45(s,1H).
【化46】
【0090】
〔PB635〕
【化47】

5-(ジメチルアミノ)-N-(3-(2-メチルチアゾール-4-イル)フェニル)ナフタレン-1-スルホンアミド。無水DMF(0.2M)中の8(100.0mg、0.53mmol、1eq)の溶液に、アルゴン下、無水トリエチルアミン(1.6eq)および塩化ダンシル(169.9mg、0.63mmol、1.1eq)を加えた。反応混合物を、出発物質が完全に変換されるまで室温で反応させた。DMFを減圧下で除去した。純粋な化合物を、DCMからEtOで沈殿させ、ジエチルエーテル(20mL)で3回洗浄し、PB635を黄色蛍光粉末(107.5,mg、48%)として得た。H NMR(Acetone-d,200MHz):δ 2.68(s,3H),2.82(s,6H),7.30-7.05(m,3H),7.69-7.49(m,4H),7.85-7.74(m,1H),8.32(dd,J=7.4,1.2Hz,1H),8.51(dd,J=8.3,1.1Hz,2H),9.44(s,1H).13C NMR(Acetone-d,50MHz):δ 19.2,45.6,114.2,116.3,118.6,119.9,120.1,122.6,124.2,129.1,130.3,130.7,130.7,131.2,131.4,136.2,136.5,139.3,153.0,154.9,166.5.HRMS-ESI(m/z):[M+H] calcd for C2222,424.1148;found:424.1146.HPLC(λ254)純度:>99%;tR:4.81分(方法4).
【0091】
〔化合物PB625〕
化合物9および10を以下の方法に従って合成し、PB625を得た。
【化48】

N-(3-(2-アミノチアゾール-4-イル)フェニル)-5-(ジメチルアミノ)ナフタレン-1-スルホンアミド。無水DMF(0.2M)中の9(0.88g、4.60mmol、1eq)の溶液に、アルゴン下、無水トリエチルアミン(1.6eq)および塩化ダンシル(1.37g、5.10mmol、1.1eq)を加えた。反応混合物を、出発物質が完全に変換されるまで室温で反応させた。DMFを減圧下で除去し、粗物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:EtOAc;100:0~70:30)で精製し、10を淡黄色蛍光粉末として得た(1.74g、89%)。H NMR(DMSO-d,200MHz):δ 2.74(s,6H),6.82(s,1H),7.26-6.89(m,4H),7.35(d,J=7.7Hz,1H),7.69-7.51(m,3H),8.25(d,J=7.3Hz,1H),8.41(d,J=8.6Hz,2H),10.71(s,1H).13C NMR(DMSO-d,50MHz):δ 45.0,102.0,115.3,116.3,117.5,118.7,120.6,123.5,128.2,129.0,129.0,129.1,129.7,130.1,134.8,135.7,137.9,149.3,151.4,168.1.HRMS-ESI(m/z):[M+H] calcd for C2121,425.1100; found:425.1103.HPLC(λ254)純度:99.2%;t:3.34分(方法3).
【化49】
【0092】
〔PB625〕
【化50】

5-((4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アミノ)-5-オキソペンタン酸エチル。乾燥THF(1.2mL)中のアミン10(101.5mg、0.24mmol)の撹拌中の溶液に、アルゴン下、DIPEA(50.0μL、0.29mmol)およびグルタル酸モノメチルエステルクロリド(40.0μL、0.29mmol)を順次添加した。混合物を、出発物質が完全に消費されるまで1時間室温で撹拌した(溶離液としてDCM:EtOAC(70:30)を用いたTLCでモニターした)。すべての揮発性物質を減圧下で除去し、粗残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー精製(DCM:EtOAc;100:0~70:30)に供し、対応するアミドPB625を淡黄色蛍光粉末として得た(83.1mg、92%)。H NMR(Acetone-d,200MHz):δ 1.20(t,J=7.1Hz,3H),2.13-1.91(m,2H),2.41(t,J=7.3Hz,2H),2.65(t,J=7.3Hz,2H),2.81(s,6H) 4.08(q,J=7.1Hz,2H),7.00(ddd,J=8.0,2.2,1.1Hz,1H),7.14(t,J=7.9Hz,1H),7.33-7.20(m,2H),7.69-7.40(m,3H),7.77(t,J=1.9Hz,1H),8.27(dd,J=7.3,1.2Hz,1H),8.49(d,J=8.8,2H),9.46(s,1H),11.15(s,1H).13C NMR(Acetone-d,50MHz):δ 14.6,21.1,33.9,35.2,45.6,60.7,108.7,116.2,118.3,120.1,122.4,124.1,129.1,130.2,130.6,130.7,131.1,131.3,136.1,136.6,139.2,149.8,152.9,158.9,171.7,173.3.HRMS-ESI(m/z):[M+H] calcd for C2831,567.1730;found:527.1740.HPLC(λ254)純度:96.0%;t:4.88分(方法1).
【0093】
〔化合物PB638、639、640、643および644〕
化合物10および11は、まず以下の方法に従って合成した:
【化51】
【0094】
〔11〕
【化52】

2-クロロ-N-(3-(2-(2-クロロアセトアミド)チアゾール-4-イル)フェニル)-N-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン-1-イル)スルホニル)アセトアミド。乾燥THF(17mL)中のアミン10(1.08g、2.55mmol)の撹拌中の溶液に、DIEA(1.33mL、7.65mmol)を加えた。次に、クロロアセチルクロリド(0.41mL、5.10mmol)を混合物に滴下添加し、出発物質が完全に消費されるまで室温で30分間反応させた(TLC DCM:EtOAc 70:30)。次に、混合物を4M水酸化ナトリウム水溶液(10mL)でクエンチし、さらに室温で30分間撹拌した。反応混合物を10mLの水で希釈し、EtOAc(30mL)で3回抽出した。混合した有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄し、MgSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、クロロアセチル11が褐黄色蛍光粉末として得られた(1.36g、定量)。H NMR(Acetone-d,200MHz):δ 2.80(s,6H),4.49(s,2H),7.04(d,J=9.0Hz,1H),7.28-7.09(m,2H),7.36(s,1H),7.64-7.41(m,1H),7.81(t,J=1.7Hz,1H),8.29(dd,J=7.3,1.2Hz,1H),8.49(d,J=11.7Hz,2H).
【0095】
以下の方法に従って、化合物PB638、639、640、643および644を得る:
【化53】
【0096】
〔PB638〕
【化54】

N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)アセトアミド。アセトニトリル(0.2M)中のクロロアルキル11(75.0mg、0.13mmol、1eq)の懸濁液に、トリエチルアミン(1eq)およびN-メチルピペラジン(39.0mg、0.39mmol、3eq)を加えた。反応混合物を出発物質が完全に消費されるまで50℃で撹拌した。揮発分を減圧下で除去し、粗残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH 100:0~90:10)に供し、PB638を黄色蛍光粉末として得た(38.4mg、70%)。H NMR(Acetone-d,200MHz):δ 2.27(s,3H),2.71-2.41(m,8H),2.81(s,6H),3.26(s,2H),7.28-7.02(m,3H),7.33(s,1H),7.65-7.45(m,3H),7.75(t,J=2.0Hz,1H),8.31(dd,J=7.3,1.3Hz,1H),8.50(d,J=8.8,1H).13C NMR(Acetone-d,50MHz):δ 45.6,46.1,53.8,55.7,61.7,109.0,116.3,118.3,120.0,120.1,122.4,124.1,129.1,130.2,130.7,130.7,131.1,131.3,136.2,136.4,139.2,149.9,152.9,158.3,169.6.HRMS-ESI(m/z):[M+H] calcd for C2833,565.2050;found:565.2060.HPLC(λ280)純度:96.9%;t:5.80分(方法4).
【0097】
〔PB639〕
【化55】

N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)-2-モルホリノアセトアミド。アセトニトリル(0.2M)中のクロロアルキル11(75.0mg、0.13mmol、1eq)の懸濁液に、トリエチルアミン(1eq)およびモルホリン(33.5mg、0.39mmol、3eq)を加えた。反応混合物を出発物質が完全に消費されるまで50℃で撹拌した。揮発分を減圧下で除去し、粗残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH 100:0~90:10)に供し、モルホリンPB639を黄色蛍光粉末として得た(52.1mg、69%)。H NMR(Acetone-d,200MHz):δ 2.70-2.56(m,4H),2.82(s,6H),3.31(s,2H),3.72(dd,J=5.7,3.6Hz,4H),7.38-6.99(m,4H),7.68-7.43(m,3H),7.75(t,J=1.9Hz),8.39-8.21(m,1H),8.51(ddt,J=8.8,3.8,1.0Hz,2H),9.43(s,1H),10.76(s,1H).13C NMR(CDOD-d,125MHz):δ 45.9,54.9,62.2,67.9,109.6,116.6,119.3,120.5,121.2,123.1,124.3,129.4,130.5,131.1,131.2,131.5,131.7,136.2,136.7,139.5,150.5,153.36,159.2,170.6.HRMS-ESI(m/z):[M+H] calcd for C2730,552.1734;found:552.1741.HPLC(λ280)純度:96.1%;t:3.18分(方法3).
【0098】
〔PB640〕
【化56】

N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)-2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)アセトアミド。アセトニトリル(0.2M)中のクロロアルキル11(75.0mg、0.13mmol、1eq)の懸濁液に、トリエチルアミン(1eq)およびモルホリン(101.4mg、0.78mmol、6eq)を加えた。反応混合物を出発物質が完全に消費されるまで50℃で撹拌した。揮発分を減圧下で除去し、粗残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH 100:0~90:10)に供し、モルホリンPB640を黄色蛍光粉末として得た(45.2mg、58%)。H NMR(CDOD-d,200MHz):δ 2.69-2.54(m,10H),2.81(s,6H),3.29(s,2H),3.70(t,J=6.0Hz,2H) 6.91(ddd,J=8.0,2.3,1.0Hz,1H),7.11(t,J=7.9Hz,1H),7.18(s,1H),7.23(d,J=7.3Hz,1H),7.49-7.35(m,2H),7.63-7.53(m,2H),8.20(dd,J=7.4,1.3Hz,1H),8.51-8.39(m,2H).13C NMR(CDOD-d,125MHz):δ 45.9,54.1,54.4,59.9,61.3,61.7,109.5,116.6,119.3,120.5,121.2,123.1,124.3,129.4,130.5,131.1,131.2,131.5,131.7,136.2,136.7,139.5,150.5,153.3,159.3,170.7.HRMS-ESI(m/z):[M+H] calcd for C2935,595.2158;found:595.2162.HPLC(λ280)純度:95.7%;t:5.76分(方法4).
【0099】
〔PB643〕
【化57】

N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)-2-((2-ヒドロキシエチル)アミノ)アセトアミド。アセトニトリル(0.2M)中のクロロアルキル11(150.0mg、0.26mmol、1eq)の懸濁液に、トリエチルアミン(1eq)およびモルホリン(47.6mg、0.78mmol、3eq)を加えた。反応混合物を出発物質が完全に消費されるまで50℃で撹拌した。揮発分を減圧下で除去し、粗残渣をシリカゲルカラム(DCM:MeOH 100:0~90:10)に供し、ヒドロキシルPB643を黄色蛍光粉末として得た(84.1mg、62%)。H NMR(CDOD-d,200MHz):δ 2.85-2.61(m,8H),3.54(s,2H),3.67(t,J=5.4Hz,2H),6.94-6.83(m,1H),7.08-6.96(m,2H),7.13(dd,J=7.6,0.9Hz,1H),7.43-7.25(m,2H),7.62-7.48(m,2H),8.19(dd,J=7.4,1.2Hz,1H),8.50-8.32(m,2H).13C NMR(CDOD-d,50MHz):δ 45.8,52.5,52.6,62.0,109.3,116.5,119.1,120.4,120.8,123.0,124.2,129.4,130.4,131.1,131.1,131.5,131.7,136.2,136.7,139.4,150.4,153.2,159.2,172.1.HRMS-ESI(m/z):[M+H] calcd for C2528,526.1577;found:526.1584.HPLC(λ254)純度:>99%;t:5.09分(方法1).
【0100】
〔PB644〕
【化58】

N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)-2-((3-モルホリノプロピル)アミノ)アセトアミド。アセトニトリル(0.2M)中のクロロアルキル11(150.0mg、0.26mmol、1eq)の懸濁液に、トリエチルアミン(1eq)およびモルホリン(112.3mg、0.78mmol、3eq)を加えた。反応混合物を出発物質が完全に消費されるまで50℃で撹拌した。揮発分を減圧下で除去し、粗残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH 100:0~90:10)に供し、モルホリンPB644を黄色蛍光粉末として得た(81.2mg、51%)。H NMR(CDOD-d,200MHz):δ 1.77(m,2H),2.71-2.52(m,6H),2.88-2.70(m,8H),3.35(s,2H) 3.74-3.69(m,4H),7.26-6.86(m,4H),7.46-7.33(m,2H),7.66-7.49(m,2H),8.20(d,J=7.3Hz,1H),8.41(t,J=7.7Hz,2H),.13C NMR(CDOD-d,50MHz):δ 25.09.25.3,45.9,51.8,54.5,58.6,67.1,109.5,116.6,119.1,120.1,120.9,131.1,131.1,131.2,131.4,131.7,136.2,136.7,139.5,150.6,153.3,159.1,170.7.HRMS-ESI(m/z):[M+H] calcd for C3037,609.2312;found:609.2321.HPLC(λ280)純度:95.4%;t:4.75分(方法1).
【0101】
〔化合物PB654および605〕
最初に、化合物10および12を以下の方法に従って合成した:
【化59】
【0102】
〔化合物12〕
【化60】

乾燥THF(7mL)中のアミン10(560.0g、1.32mmol)の撹拌中の溶液に、DIEA(274μL、1.58mmol)を加えた。次に、ブロモアセチルブロミド(138μL、1.58mmol)を混合物に滴下添加し、出発物質が完全に消費されるまで室温で60分間反応させた(TLC DCM:EtOAc 70:30)。次に、混合物を水(10mL)でクエンチし、室温でさらに30分間撹拌した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、EtOAc(30mL)で3回抽出した。混合した有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄し、MgSO上で乾燥し、減圧下で濃縮し、CHCl:EtOAc(100:0~70:30)を溶離液とするフラッシュカラムクロマトグラフィーを用いて精製し、ブロモアセチル12を褐黄色蛍光粉末として得た(648.0mg、90%)。H NMR(Acetone-d,200MHz):δ 2.75(s,6H),4.23(s,2H),7.25-6.95(m,4H),7.31(s,1H),7.65-7.37(m,3H),7.78(s,1H),8.26(d,J=7.3Hz,1H),8.46(t,J=8.0Hz,2H),9.45(s,1H),11.57(s,1H).
【0103】
化合物PB654を、化合物12に基づき合成した:
【化61】
【0104】
〔PB654〕
【化62】

2-((2-((4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)アミノ)エタン-1-スルホン。HOおよびAcN(1:2 4mL)の混合物に、ブロモアセチル12(110.0mg、0.2mmol)、DIPEA(69.5μL、0.4mmol)およびタウリン(50.2mg、0.4mmol)を加えた。混合物を室温で2時間反応させた後、出発物質が完全に消費されるまで50℃でさらに5時間置いた。溶媒を減圧下で除去し、粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH 95:5~85:15)に供し、純粋なスルホン酸PB654を茶黄色蛍光生成物として得た(89.6mg、76%)。H NMR(DMSO-d,500MHz):δ 2.66(t,J=6.7Hz,2H),2.78(s,6H),2.88(t,J=6.7Hz,2H),3.52(s,2H),6.98(ddd,J=8.1,2.3,1.0Hz,1H),7.19(t,J=7.9Hz,1H),7.24(d,J=7.2Hz,1H),7.52-7.37(m,2H),7.66-7.54(m,3H),8.25(dd,J=7.4,1.2Hz,1H),8.41(dd,J=15.5,8.6Hz,2H).13C NMR(DMSO-d,125MHz):δ 45.0,45.3,50.5,51.2,108.6,115.3,116.1,118.1,118.7,120.8,123.5,128.2,129.0,129.0,129.4,129.8,130.1,134.8,135.0,138.2,148.2,151.4,157.6,170.0.HRMS-ESI(m/z):[M+H] calcd for C2528,590.1196;found:590.1199.HPLC(λ254)純度:96.4%;t:5.33分(方法1).
【化63】
【0105】
〔PB605〕
【化64】

2-(2,3-ジヒドロキシプロポキシ)-N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド。乾燥THF(1mL)を入れたフラスコに、アルゴン下、0℃で、水素化ナトリウム(17.6mg、0.44mmol)を、続いてグリセロールイソプロピリデン(53.2mg、0.40mmol)の溶液を滴下し、順次加えた。THF(0.5mL、0.4M)中のクロロアセチル11(100.0mg、0.20mmol)の溶液を滴下添加する前に、得られた混合物を0℃で30分間反応させた。混合物を0℃で5分間反応させ、さらに室温で1時間置いた。混合物を水(2mL)でクエンチし、揮発性物質を減圧下で除去した。得られた水溶液をEtOAc(5mL)で3回抽出し、混合した有機層をブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥した。粗残渣をDCM:EtOAc(100:0~60:40)を溶離液とするシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーに供し、ジオキソラン中間体13(54.1mg、45%)を得た。H NMR(Acetone-d,200MHz):δ 1.37(s,3H),1.45(s,3H),2.81(s,6H),4.17-3.63(m,4H),4.48-4.28(m,3H),7.11-6.95(m,1H),7.30-7.11(m,2H),7.33(s,1H),7.70-7.47(m,3H),7.79(t,J=1.9Hz,1H),8.31(d,J=7.2Hz,1H),8.50(d,J=8.5Hz,2H),9.43(s,1H),10.82(s,1H).ジオキソラン中間体13(45.0mg、0.075mmol)をTHF(6mL)に溶解し、濃塩酸(37%、2mL)を反応中間体に加えた。混合物を室温で2時間撹拌し、10mLの水で希釈した。粗製物をEtOAc(10mL)で2回抽出し、混合した有機層を20mLのブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。粗残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(DCM:MeOH 100:0~90:10)に供し、ジヒドロキシルPB605を収率82%で得た(34.0mg)。H NMR(Acetone-d,200MHz):δ 2.82(s,6H),4.05-3.55(m,6H),4.30(s,2H),4.58(s,1H),7.09-6.99(m,2H),7.29-7.11(m,2H),7.32(s,1H),7.66-7.46(m,3H),7.75(t,J=1.9Hz,1H),8.32(dd,J=7.4,1.3Hz,1H),8.55-8.44(m,2H),9.47(s,1H),11.18(s,1H).13C NMR(Acetone-d,50MHz):δ 45.6,64.1,70.8,71.7,74.8,109.1,116.2,118.3,119.9,120.1,122.5,124.2,129.1,130.2,130.6,130.7,131.2,131.4,136.1,136.5,139.2,150.0,152.9,158.2,169.9.HRMS-ESI(m/z):[M+H] calcd for.HRMS-ESI(m/z):[M+H] calcd for C2629,557.1523;found:557.1526.HPLC(λ254)純度:97.5%;t:6.22分(方法1).
【0106】
〔化合物PB697およびPB698〕
化合物10および14を用いて、以下のようにして化合物PB697およびPB698を得た:
【化65】
【0107】
〔14〕
【化66】

乾燥THF(10mL)中のアミン10(450mg、1.06mmol)の撹拌中の溶液に、DIEA(0.54mL、3.13mmol)を加えた。次に、6-ブロモヘキサノイルクロリド(0.33mL、2.15mmol)を混合物に滴下添加し、出発物質が完全に消費されるまで室温で30分間反応させた(TLC DCM:EtOAc 80:20)。次に、混合物を4M水酸化ナトリウム水溶液(5mL)でクエンチし、さらに室温で30分間撹拌した。反応混合物を10mLの水で希釈し、EtOAc(30mL)で3回抽出した。混合した有機層をブラインで2回洗浄し、MgSO上で乾燥し、減圧下で濃縮して、ブロモアルキル14を茶黄色粉末として得た(230mg、収率36%)。この粗ブロモアルキルは、さらに精製することなくそのまま使用した。
【0108】
〔PB697〕
【化67】

N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)-6-(4-メチルピペラジン-1-イル)ヘキサンアミド。アセトニトリル(0.2M)中のブロモアルキル14(100.0mg、0.17mmol、1eq)の懸濁液に、トリエチルアミン(1eq)およびN-メチルピペラジン(51.0mg、0.51mmol、3eq)を加えた。反応混合物を出発物質が完全に消費されるまで50℃で撹拌した。揮発分を減圧下で除去し、粗残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH 100:0~90:10)に供し、PB697を黄色蛍光粉末として収率30%で得た(29.2mg)。H NMR(CDCl2-,400MHz):δ 1.10-1.02(m,2H),1.53-1.34(m,4H),2.08(t,J=7.6Hz,2H),2.49(s,3H),2.66(t,J=7.1Hz,2H),2.80(s,6H),3.00(br s,8H),7.00(s,1H),7.16-7.11(m,3H),7.44-7.40(m,2H),7.58(t,J=7.8Hz,1H),7.68(s,1H),8.25(dd,J=7.3,0.9Hz,1H),8.46(t,J=6.2Hz,2H).13C NMR(CDCl2-,101MHz,):δ 24.6,24.7,26.5,35.9,44.8,45.5,51.2,52.7,57.3,108.8,115.7,118.1,119.2,119.9,122.4,123.4,129.1,129.9,129.9,130.1,130.6,131.3,134.6,135.7,138.2,149.0,152.4,159.5,171.6.HRMS-ESI(m/z):[M+H] calc. for C3241,621.2676;Found:621.2664.HPLC(λ254):純度 94.1%;t:4.42分(方法 mauro 7).
【0109】
〔PB698〕
【化68】

N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)-6-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)ヘキサンアミド。アセトニトリル(0.2M)中のブロモアルキル14(100.0mg、0.17mmol、1eq)の懸濁液に、トリエチルアミン(1eq)およびN-ヒドロキシエチルピペラジン(66.0mg、0.51mmol、3eq)を加えた。反応混合物を出発物質が完全に消費されるまで50℃で撹拌した。揮発分を減圧下で除去し、粗残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH 100:0~90:10)に供し、PB698を黄色蛍光粉末として収率18%で得た(19.5mg)。H NMR(CDCl2-,400MHz):δ 1.32-1.25(m,2H),1.72-1.60(m,4H),2.37(t,J=7.5Hz,2H),2.85-2.73(m,11H),3.02(br s,4H),3.12(br s,4H),3.73-3.70(m,2H),7.03-6.99(m,2H),7.14(dd,J=15.6,7.7Hz,2H),7.39(d,J=7.8Hz,1H),7.44(dd,J=8.4,7.5Hz,1H),7.60-7.56(m,2H),8.24(dd,J=7.4,1.1Hz,1H),8.40(d,J=8.7Hz,1H),8.46(d,J=8.5Hz,1H).13C NMR(CDCl2-,101MHz):δ 24.3,24.6,26.3,35.7,45.5,50.8,51.7,57.2,57.8,59.2,108.6,115.7,118.0,119.0,119.5,122.1,123.5,128.9,129.9,129.9,130.2,130.5,131.2,134.8,135.7,138.2,149.1,152.4,158.8,172.0.HRMS-ESI(m/z):[M+H] calc. for C3343,651.2769;Found:651.2781.HPLC(λ254):純度 95.1%;t:4.36分(方法 mauro 7).
【0110】
〔化合物PB688、PB689およびPB693〕
【化69】

N-(3-(2-アミノチアゾール-4-イル)フェニル)-4-ペンチルベンゼンスルホンアミド。無水DMF(0.2M)中の9(1.06g、5.50mmol、1eq)の溶液に、アルゴン下、無水トリエチルアミン(1.6eq)および4-ペンチルベンゼン-1-スルホニルクロリド(1.50g、6.10mmol、1.1eq)を加えた。反応混合物を、出発物質が完全に変換されるまで室温で反応させた。DMFを減圧下で除去し、粗物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH、100:0~95:5)で精製し、標題のスルホンアミド15を白色粉末として得た(1.16g、53%)。H NMR(CDCl-d,400MHz)δ 0.86(t,J=7.0Hz,3H),1.34-1.25(m,4H),1.61-1.53(m,2H),2.61(t,J=7.6Hz,2H),5.29(br s,2H),6.70(s,1H),6.88(s,1H),6.97-6.95(m,1H),7.21(t,J=8.1Hz,1H),7.25(d,J=8.3Hz,2H),7.50-7.48(m,2H),7.67(d,J=8.3Hz,2H).13C NMR(CDCl-d,101MHz)δ 14.1,22.8,31.2,31.7,36.1,104.0,119.4,120.7,123.0,127.6,129.4,129.8 136.3,136.6,137.4,149.5,150.4,167.9.HRMS-ESI(m/z):[M+H] calcd for C2024,402.1304;found:402.1298.HPLC(λ254)純度:>96.6%;t:6.12分(方法 mauro 3)
【化70】
【0111】
〔15〕
【化71】

2-クロロ-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド。乾燥THF(12mL)中のアミン15(900.0mg、2.25mmol、1eq)の撹拌中の溶液に、DIEA(1.17mL、6.75mmol、3eq)を加えた。次に、クロロアセチルクロリド(0.35mL、4.50mmol、2eq)を滴下添加し、混合物を出発物質が完全に消費されるまで室温で30分間反応させた(TLC DCM:EtOAc 70:30)。次に、混合物を4M水酸化ナトリウム水溶液(10mL)でクエンチし、さらに室温で30分間撹拌した。反応混合物を10mLの水で希釈し、EtOAc(30mL)で3回抽出した。混合した有機層を飽和ブライン溶液で2回洗浄し、MgSO上で乾燥し、減圧下で濃縮して、それぞれのα-クロロアセチル16を褐色粉末として得た(976.0mg、91%)。粗クロロアセチルは、さらに精製することなくそのまま使用した。
【0112】
〔PB688〕
【化72】

2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2 イル)アセトアミド。アセトニトリル(0.2M)中のクロロアルキル16(120.0mg、0.25mmol、1eq)の懸濁液に、トリエチルアミン(1eq)およびN-メチルピペラジン(83.0μL、0.75mmol、3eq)を加えた。反応混合物を出発物質が完全に消費されるまで50℃で撹拌した。揮発性物質を減圧下で除去し、粗残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH 100:0~95:5)に供し、純粋な標的PB688を白色粉末として得た(70.0mg、52%)。H NMR(CDCl-d,400MHz):δ 0.85(t,J=7.0Hz,3H),1.31-1.2(m,4H),1.60-1.53(m,2H),2.39(s,3H),2.61(t,J=7.9Hz,2H),2.73-2.69(m,8H),3.27(s,2H),7.02(ddd,J=8.0,2.2,0.9Hz,1H),7.27-7.24(m,3H),7.13(s,1H),7.58-7.55(m,1H),7.60-7.59(m,1H),7.68(d,J=8.4Hz,2H).13C NMR(CDCl-d,101MHz):δ 14.1,22.8,31.0,31.7,36.1,45.6,53.2,55.0,61.2,108.9,119.3,120.8,123.0,127.6,129.4(2C),130.0(2C),135.9,136.6,137.7,149.2,149.5,157.7,168.9.HRMS-ESI(m/z):[M+H] calc. for C2736,542.2254;Found:542.2241.HPLC(λ254):純度 95.7%;t:5.11分(方法 mauro 3).
【0113】
〔PB689〕
【化73】

2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド。アセトニトリル(0.2M)中のクロロアルキル16(120.0mg、0.25mmol、1eq)の懸濁液に、トリエチルアミン(1eq)およびN-ヒドロキシエチルピペラジン(100.0mg、0.75mmol、3eq)を加えた。反応混合物を出発物質が完全に消費されるまで50℃で撹拌した。揮発性物質を減圧下で除去し、粗残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH 100:0~95:5)に供し、純粋な標的PB689を白色粉末として得た(51.0mg、36%)。H NMR(CDCl-d,400MHz):δ 0.85(t,J=7.0Hz,3H),1.31-1.24(m,4H),1.60-1.53(m,2H),2.61(t,J=7.9Hz,2H),2.69(t,J=5.2Hz,2H),2.74(br s,8H),3.27(s,2H),3.66(t,J=5.3Hz,2H),7.00(dd,J=8.0,1.3Hz,1H),7.14(s,1H),7.28-7.24(m,3H),7.57(d,J=7.8Hz,1H),7.61-7.60(m,1H),7.68(d,J=8.4Hz,2H).13C NMR(CDCl-d,101MHz):δ 14.1.22.8,31.0,31.72,36.1,53.1,57.8(2C),59.7,61.3,108.9,119.4,120.9,123.1,127.6,129.4,130.0,135.9,136.6,137.6,149.2,149.5,157.7,168.9.HRMS-ESI(m/z):[M+H] calc. for C2838,572.2359;Found:572.2347.HPLC(λ254):純度 95.2%;t:5.19分(方法 mauro 3).
【0114】
〔PB693〕
【化74】

2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)アミノ)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド。アセトニトリル(0.2M)中のクロロアルキル16(120.0mg、0.25mmol、1eq)の懸濁液に、トリエチルアミン(1eq)およびN,N-ジメチルエタン-1,2-ジアミン(83μL、0.75mmol、3eq)を加えた。反応混合物を出発物質が完全に消費されるまで50℃で撹拌した。揮発性物質を減圧下で除去し、粗残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH 100:0~95:5)に供し、純粋な標的PB693を薄黄色粉末として得た(15.0mg、12%)。H NMR(CDCl-d,400MHz):δ 0.82(t,J=7.0Hz,3H),1.28-1.19(m,4H),1.52-1.44(m,2H),2.51(t,J=7.9Hz,2H),2.83(s,6H),2.97(t,J=5.4Hz,2H),3.13(t,J=5.4Hz,2H),3.56(s,3H),7.03(s,1H),7.17-7.15(m,3H),7.41-7.39(m,1H),7.73(s,1H),7.76(d,J=8.3Hz,2H),13C NMR(CDCl-d,101MHz):δ 14.1,22.8,30.9,31.7,36.0,44.4,45.0,52.4,57.9,108.8,118.9,119.9,122.3,127.7,129.4,129.9,135.7,136.6,138.2,148.9,149.3,158.2,170.9,HRMS-ESI(m/z):[M+H] calc. for C2636,530.2254;Found:530.2245.HPLC(λ254):純度 97.3%;t:4.83分(方法 mauro 3).
【0115】
〔化合物PB624、PB625〕
化合物PB624およびPB625は、化合物15および17に基づき、以下の方法に従って合成した:
【化75】
【0116】
〔17〕
【化76】

6-ブロモ-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)ヘキサンアミド。乾燥THF(5mL)中のアミン15(200mg、0.5mmol、1eq)の撹拌中の溶液に、DIEA(260.0μL、1.50mmol、3eq)を添加した。次に、6-ブロモヘキサノイルクロリド(152.0μL、1.00mmol、2eq)を混合物に滴下添加し、出発物質が完全に消費されるまで室温で30分間反応させた(TLC DCM:EtOAc 70:30)。次に、混合物を4M水酸化ナトリウム水溶液(10mL)でクエンチし、さらに室温で30分間撹拌した。反応混合物を10mLの水で希釈し、EtOAc(30mL)で3回抽出した。混合した有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄し、MgSO上で乾燥し、減圧下濃縮して、それぞれのブロモアルキル17を褐色粉末として得た(193.2mg、64%)。この粗ブロモアルキルは、さらなる精製を伴うことなく、PB694およびPB695の合成に直接使用した。
【0117】
〔PB694〕
【化77】

6-(4-メチルピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)ヘキサンアミド。アセトニトリル(0.2M)中のブロモアルキル17(60.0mg、0.10mmol、1eq)の懸濁液に、トリエチルアミン(1eq)およびN-メチルピペラジン(33μL、0.30mmol、3eq)を加えた。反応混合物を出発物質が完全に消費されるまで50℃で撹拌した。揮発性物質を減圧下で除去し、粗残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH 100:0~95:5)に供し、純粋な標的PB694を白色粉末として得た(30.0mg、51%)。H NMR(CDOD,400MHz):δ 0.85(t,J=7.1Hz,3H),1.33-1.21(m,4H),1.48-1.40(m,2H),1.60-1.52(m,2H),1.68-1.61(m,2H),1.80-1.73(m,2H),2.51(t,J=7.3Hz,2H),2.63-2.59(m,5H),2.70(t,J=6.7Hz,2H),2.95(br s,8H),6.96(ddd,J=8.0,2.2,0.9Hz,1H),7.21(t,J=7.9Hz,1H),7.28-7.26(m,3H),7.59-7.56(m,1H),7.67(d,J=8.4Hz,2H),7.72(t,J=1.8Hz,1H).13C NMR(CDOD,101MHz):δ 14.3,23.4,25.9,26.3,27.4,31.9,32.4,36.3,36.6,44.6,52.2,54.3,58.1,109.0,119.9,121.6,123.3,128.3,129.9,130.3,136.9,138.2,139.50,149.9,150.5,159.3,173.6,HRMS-ESI(m/z):[M+H] calc. for C3144,598.2880;Found:598.2870.HPLC(λ254):純度 97.8%;t:4.97分(方法 mauro 3).
【0118】
〔PB695〕
【化78】

6-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)ヘキサンアミド。アセトニトリル(0.2M)中のブロモアルキル17(60.0mg、0.10mmol、1eq)の懸濁液に、トリエチルアミン(1eq)およびN-ヒドロキシエチルピペラジン(40.0mg、0.30mmol、3eq)を加えた。反応混合物を出発物質が完全に消費されるまで50℃で撹拌した。揮発性物質を減圧下で除去し、粗残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH 100:0~95:5)に供し、純粋な標的PB695を白色粉末として得た(39.0mg、63%)。H NMR(CDOD,400MHz):δ 0.85(t,J=7.1Hz,3H),1.33-1.21(m,4H),1.48-1.40(m,2H),1.60-1.52(m,2H),1.70-1.63(m,2H),1.81-1.73(m,2H),2.51(t,J=7.3Hz,2H),2.61(t,J=7.6Hz,2H),2.76-2.74(m,4H),2.91(s,8H),3.71(t,J=5.6Hz,2H),6.97(ddd,J=8.0,2.2,0.9Hz,1H),7.21(t,J=7.9Hz,1H),7.28-7.26(m,3H),7.59-7.57(m,1H),7.67(d,J=8.4Hz,2H),7.71(t,J=1.8Hz,1H).13C NMR(CDOD,101MHz):δ 14.3,23.4,25.9,26.1,27.5,31.9,32.4,36.3,36.6,52.7,52.7,58.4,58.9,60.3,109.0,119.9,121.6,123.3,128.3,129.9,130.3,136.9,138.21,139.5,149.9,150.5,159.4,173.6.HRMS-ESI(m/z):[M+H] calc. for C3246,628.2986;Found:628.2976.HPLC(λ254):純度 >99%;t:4.95分(方法 mauro 3).
【0119】
〔化合物PB703、PB704、PB707、PB705およびPB706〕
これらの化合物を、以下の方法に従って合成した:
【化79】
【0120】
〔18〕
【化80】

2-ブロモ-4-(3-ニトロフェニル)チアゾール。エタノール中のα-ブロモアセトフェノン6(4.88g、20.0mmol、1eq)の溶液に、イソチオシアン酸カリウム(3.88g、40.0mmol、2eq)を加えた。次いで、反応混合物を80℃に3時間加熱し、室温に冷却した。沈殿物をろ過し、冷エタノールおよびジエチルエーテルで洗浄した。得られた固体(18)を氷酢酸(10mL)に懸濁し、HBr/AcOH(10mL、33%HBr)を30分かけて滴下した。添加後、混合物を一晩反応させた。反応物をAcOH(20mL)で希釈し、固形物をろ過し、AcOH(10mL)およびジエチルエーテル(40mL)で洗浄した。最後に、得られた白色粉末をEtOAc(50mL)に溶解し、飽和NaHCO溶液(20mL)で3回洗浄した。有機相をMgSO上で乾燥し、減圧下で濃縮して、2-ブロモチアゾール19を白色粉末として収率72%で得た(4.10g)。H NMR(CDCl2-,400MHz):δ 7.75(t,J=8.0Hz,1H),8.21(ddd,J=8.2,2.2,0.8Hz,1H),8.37-8.35(m,1H),8.49(s,1H),8.68(t,J=1.9Hz,1H).
【化81】
【0121】
〔21〕
【化82】

4-(3-アミノフェニル)-N-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)チアゾール-2-アミン。無水ジオキサン(0.2M)中の2-ブロモ-4-(3-ニトロフェニル)チアゾール19(1.15g、4.00mmol、1eq)の溶液に、2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エタン-1-アミン(2.30g、16.00mmol、4.0eq)を加えた。反応混合物を48時間加熱還流した。溶媒を減圧下で除去し、粗物質(20)をメタノール(20mL)に再溶解し、さらに1時間、Zn粉末(1.56g、24.00mmol、6eq)および塩化アンモニウム(1.07g、20.00mmol、5eq)で処理した。反応物をメタノール(30mL)で希釈し、セライトのパッドでろ過した。揮発性物質を真空中で除去し、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(DCM:MeOH 100:0~90:10)に供し、アニリン21を収率65%で黄色固体として得た(824.0mg)。H NMR(DMSO,400MHz):δ,2.15(s,3H).2.33(br s,4H),2.44(br s,4H),2.53-2.50(m,2H),3.37(q,J=5.9Hz,2H),5.04(s,2H),6.47(d,J=7.5Hz,1H),6.80(s,1H),7.01-6.94(m,2H),7.05(s,1H),7.41(t,J=5.3Hz,1H).
【0122】
〔PB703〕
【化83】

5-(ジメチルアミノ)-N-(3-(2-((2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)アミノ)チアゾール-4-イル)フェニル)ナフタレン-1-スルホンアミド。無水DMF(0.2M)中のアニリン21(85.0mg、0.22mmol、1eq)の溶液に、アルゴン下、無水トリエチルアミン(1.6eq)および塩化ダンシル(74.0mg、0.27mmol、1.1eq)を加えた。反応混合物を出発物質が完全に変換されるまで室温で反応させた。DMFを減圧下で除去し、粗物質をシリカゲルカラムで精製した。クロマトグラフィー(DCM:MeOH,100:0~95:5)により、標題のスルホンアミドPB703を黄色蛍光粉末として得た(26.1mg、20%)。H NMR(CDCl2-,400MHz):δ 2.68(s,3H),2.93-2.72(m,12H),3.06(s,4H),3.53(t,J=6.2Hz,2H),6.64(s,1H),6.84(dd,J=8.0,1.4Hz,1H),7.07(t,J=7.9Hz,1H),7.24(d,J=7.4Hz,1H),7.35(d,J=7.9Hz,1H),7.47(dd,J=8.4,7.5Hz,1H),7.54(t,J=1.7Hz,1H),7.60(dd,J=8.5,7.7Hz,1H),8.22(dd,J=7.3,1.1Hz,1H),8.44(d,J=8.7Hz,1H),8.48(d,J=8.5Hz,1H).13C NMR(CDCl2-,101MHz):δ 42.6,44.2,45.8,51.8,54.9,57.5,102.4,116.4,119.3,120.3,120.5,122.8,124.1,129.3,130.1,131.0,131.1,131.4,131.6,136.1,137.2,139.1,151.4,153.2,170.9.HRMS-ESI(m/z):[M+H] calc. for C2835,551.2257;Found:551.2225.HPLC(λ254):純度 99.1%;t:4.32分(方法 mauro 7).
【化84】
【0123】
〔23a〕
【化85】

3-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)チアゾール-4-イル)アニリン。無水ジオキサン(0.2M)中の2-ブロモ-4-(3-ニトロフェニル)チアゾール19(800.0mg、2.80mmol、1eq)の溶液に、N-メチルピペラジン(1.12g、16.00mmol、4.0eq)を加えた。反応混合物を48時間加熱還流した。溶媒を減圧下で除去し、粗物質(22a)をメタノール(20mL)に再溶解し、さらに1時間、Zn粉末(1.56g、24.00mmol、6eq)および塩化アンモニウム(1.07g、20.00mmol、5eq)で処理した。反応物をメタノール(30mL)で希釈し、セライトのパッドでろ過した。揮発性物質を真空中で除去し、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(DCM:MeOH 100:0~90:10)に供し、アニリン23aを収率41%で黄色固体として得た(314.0mg)。H NMR(DMSO,400MHz):δ 2.23(s,3H).2.44(br s,4H),3.43(br s,4H),5.06(s,2H),6.48(d,J=6.2Hz,1H),7.09-6.96(m,4H).
【0124】
〔23b〕
【化86】

2-(4-(4-(3-アミノフェニル)チアゾール-2-イル)ピペラジン-1-イル)エタン-1-オール。無水ジオキサン(0.2M)中の2-ブロモ-4-(3-ニトロフェニル)チアゾール19(1.15g、4.00mmol、1eq)の溶液に、N-ヒドロキシエチルピペラジン(2.08g、16.00mmol、4.0eq)を加えた。反応混合物を48時間加熱還流した。溶媒を減圧下で除去し、粗物質(22b)をメタノール(20mL)に再溶解し、Zn粉末(1.56g、24.00mmol、6eq)および塩化アンモニウム(1.07g、20.00mmol、5eq)で1時間処理した。次に、反応物をメタノールで希釈し、セライトのパッドでろ過した。溶媒を真空中で除去し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH、100:0~95:5)で精製して、アニリン生成物23bを黄色がかったオイルとして得た(250mg、収率20%)。H NMR(DMSO,400MHz)δ 2.45(t,J=6.2Hz,3H).2.57-2.54(m,4H),3.44-3.42(m,4H),3.54(q,J=6.0Hz,2H),4.45(t,J=5.4Hz,1H),6.49-6.46(m,1H),5.06(s,2H),7.02-6.96(m,2H),7.03(s,1H),7.08(s,1H)
【化87】
【0125】
〔PB704〕
【化88】

N-(3-(2-((2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)アミノ)チアゾール-4-イル)フェニル)-4-ペンチルベンゼンスルホンアミド。無水DMF(0.2M)中のアニリン21(85.0mg、0.22mmol、1eq)のアルゴン下溶液に、無水トリエチルアミン(1.6eq)および4-ペンチルベンゼン-1-スルホニルクロリド(66.0mg、0.27mmol、1.1eq)を加えた。反応混合物を、出発物質が完全に変換されるまで室温で反応させた。DMFを減圧下で除去し、粗物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH、100:0~95:5)で精製し、標題のスルホンアミドPB704を白色粉末として得た(58.1mg、41%)。H NMR(CDOD,400MHz):δ 0.86(t,J=7.1Hz,3H),1.35-1.22(m,4H),1.62-1.54(m,2H),2.28(s,3H),2.53(s,8H),2.64-2.60(m,2H),2.67(t,J=6.6Hz,2H),3.49(t,J=6.6Hz,2H),6.71(s,1H),6.98(dd,J=8.0,1.3Hz,1H),7.17(t,J=7.9Hz,1H),7.27(d,J=8.3Hz,2H),7.44(d,J=7.8Hz,1H),7.51(t,J=1.8Hz,1H),7.68(d,J=8.3Hz,2H).13C NMR(CDOD,101MHz):δ 14.3,23.5,31.9,32.5,36.6,43.0,46.0,53.7,55.7,57.9,102.1,119.9,121.3,122.8,128.3,129.9,130.0,137.3,138.8,140.3,149.5,151.7,171.0.HRMS-ESI(m/z):[M+H] calc. for C2738,528.2461;Found:528.2430.HPLC(λ280):純度 98.2%;t:5.26分(方法 mauro 3).
【0126】
〔PB707〕
【化89】

N-(3-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)チアゾール-4-イル)フェニル)-4-ペンチルベンゼンスルホンアミド。無水DMF(0.2M)中のアニリン23a(60.0mg、0.22mmol、1eq)のアルゴン下溶液に、無水トリエチルアミン(1.6eq)および4-ペンチルベンゼン-1-スルホニルクロリド(66.0mg、0.27mmol、1.1eq)を加えた。反応混合物を、出発物質が完全に変換されるまで室温で反応させた。DMFを減圧下で除去し、粗物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH、100:0~95:5)で精製し、標題のスルホンアミドPB707を白色粉末として得た(75.2mg、71%)。H NMR(CDCl-d/CDOD,400MHz)δ 0.85(t,J=7.0Hz,3H),1.31-1.24(m,4H),1.61-1.53(m,2H),2.35(s,3H),2.63-2.56(m,6H),3.55-3.53(m,4H),6.83(s,1H),7.02(ddd,J=8.0,2.1,0.9Hz,1H),7.20(t,J=7.9Hz,1H),7.25(d,J=8.4Hz,2H),7.51-7.49(m,1H),7.54-7.53(m,1H),7.68(d,J=8.4Hz,2H).13C NMR(CDCl-d/CDOD,101MHz)δ 14.2,23.2,31.5,32.1,36.4,46.2,48.7,54.8,103.3,119.5,120.9,122.9,127.9,129.7,129.9,136.9,137.8,138.8,149.5,151.9,172.1.HRMS-ESI(m/z):[M+H] calc. for C2533,485.2039;Found:485.2008.HPLC(λ280):純度 >99.9%;t: 5.36分(方法 mauro 3).
【0127】
〔PB708〕
【化90】

N-(3-(2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)チアゾール-4-イル)フェニル)-4-ペンチルベンゼンスルホンアミド。無水DMF(0.2M)中のアニリン23b(85.0mg、0.20mmol、1eq)のアルゴン下溶液に、無水トリエチルアミン(1.6eq)および4-ペンチルベンゼン-1-スルホニルクロリド(53.0mg、0.22mmol、1.1eq)を加えた。反応混合物を出発物質が完全に変換されるまで室温で反応させた。DMFを減圧下で除去し、粗物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH、100:0~95:5)で精製し、標題のスルホンアミドPB708を白色粉末として得た(19.1mg、20%)。H 1H NMR(CDOD,400MHz)δ 0.86(t,J=7.1Hz,3H),1.30-1.26(m,4H),1.61-1.54(m,2H),2.64-2.60(m,4H),2.70-2.68(m,4H),3.56-3.53(m,4H),3.73(t,J=5.8Hz,2H),6.88(s,1H),7.01(ddd,J=8.0,2.1,0.8Hz 1H),7.19(t,J=7.9Hz,1H),7.28(d,J=8.3Hz,2H),7.50(d,J=7.9Hz,1H),7.54(t,J=1.8Hz,1H),7.68(d,J=8.4Hz,2H).13C NMR(CDOD,101MHz)δ 14.3,23.5,31.9,32.5,36.6,53.7,59.8,61.2,103.5,119.9,121.3,123.2,128.4,129.9,130.2,137.4,138.3,139.3,149.8,152.3,172.5.HRMS-ESI(m/z):[M+H] calc. for C2635 ,515.2145;Found:515.2113.HPLC(λ280):純度 >99.9%;t:5.30分(方法 mauro 3).
【化91】
【0128】
〔PB705〕
【化92】

N-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)-N-(4-(3-(N-((4-ペンチルフェニル)スルホニル)アセトアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド。乾燥THF(5mL)中のPB704(105mg、0.2mmol、1eq)の撹拌中の溶液に、TEA(104.0μL、0.60mmol、3eq)を加えた。次に、塩化アセチル(28.0μL、0.4mmol、2eq)を混合物に滴下添加し、出発物質が完全に消費されるまで室温で30分間反応させた。次に、反応混合物を10mLの水で希釈し、EtOAc(30mL)で3回抽出した。混合した有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄し、MgSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH、100:0~95:5)で精製し、標題のスルホンアミドPB705を白色粉末として得た(11.2mg、9%)。
H NMR(400MHz,CDOD)δ 8.06(d,J=8.2Hz,1H),7.93(d,J=8.4Hz,3H),7.55(t,J=7.9Hz,2H),7.45(d,J=8.4Hz,2H),7.26(dd,J=7.8,1.2Hz,1H),4.44(t,J=6.8Hz,2H),2.80-2.48(m,15H),2.28(s,3H),1.92(s,3H),1.72-1.64(m,2H),1.41-1.32(m,4H),0.92(t,J=6.9Hz,3H).13C NMR(101MHz,CDOD)δ 172.48,171.99,160.57,151.50,148.55,138.78,137.96,137.74,131.19,130.32,130.18,130.00,128.83,128.14,111.76,56.59,55.79,54.11,46.79,45.93,36.86,32.62,32.02,25.15,23.54,22.71,14.34.HPLC(λ280):純度 >99.9%;t:5.57分(方法 mauro 3)。
【0129】
〔PB706〕
【化93】

N-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)-N-(4-(3-(N-((4-ペンチルフェニル)スルホニル)アクリルアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アクリルアミド。乾燥THF(5mL)中のPB704(105mg、0.2mmol、1eq)の撹拌中の溶液に、TEA(104.0μL、0.60mmol、3eq)を加えた。次に、塩化アクリロイル(35.0μL、0.4mmol、2eq)を混合物に滴下添加し、出発物質が完全に消費されるまで室温で30分間反応させた。次に、反応混合物を10mLの水で希釈し、EtOAc(30mL)で3回抽出した。混合した有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄し、MgSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH、100:0~95:5)で精製し、標題のスルホンアミドPB706を白色粉末として得た(8.0mg、6.3%)。H NMR(400MHz,CDOD)δ 8.07(d,J=8.1Hz,1H),7.93(d,J=8.4Hz,2H),7.87(t,J=1.7Hz,1H),7.60(s,1H),7.56(t,J=7.9Hz,1H),7.45(d,J=8.4Hz,2H),7.20(dd,J=7.8,1.2Hz,1H),7.02(dd,J=16.6,10.5Hz,1H),6.54(dd,J=16.6,1.6Hz,1H),6.33(dd,J=16.8,1.5Hz,1H),5.98(ddd,J=23.6,12.7,6.0Hz,2H),4.54(t,J=7.1Hz,2H),2.65(ddd,J=140.1,52.2,13.6Hz,11H),1.80-1.60(m,2H),1.37(dd,J=7.2,3.7Hz,4H),0.92(t,J=6.9Hz,3H).13C NMR(101MHz,CDOD)δ 167.19,166.39,160.85,151.62,148.68,137.87,137.64,137.45,132.07,131.85,131.22,130.59,130.43,130.01,129.78,129.15,128.52,128.20,112.43,57.06,55.76,54.01,45.95,45.85,36.88,32.64,31.98,23.53,14.35.
HPLC(λ280):純度=98.8%;t:5.80分(方法 mauro 3).
【0130】
〔PB700〕
【化94】

N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)-4-(プロプ-2-イン-1-イルオキシ)フェニル)チアゾール-2-イル)アクリルアミド。無水THF(0.05M)中のN-(5-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(プロプ-2-イン-1-イルオキシ)フェニル)-5-(ジメチルアミノ)ナフタレン-1-スルホンアミド(45mg、0.1mmol、1equiv)の溶液に、無水トリエチルアミン(44μL、0.3mmol、3.0equiv)および塩化アクリロイル(13μL、0.2mmol、2.0equiv)を加えた。反応混合物を、出発物質が完全に変換されるまで室温で反応させた。4M NaOH(5mL)を加え、10分間反応させた。反応物を水で希釈し、酢酸エチル(3×10mL)で抽出し、有機相をブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。粗物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:EA、100:0~80:20)で精製し、目的の化合物(12mg、22%)を得た。
H(400MHz,DMSO-d)δ 12.47(s,1H),9.84(s,1H),8.41(dd,J=10.6,9.2Hz,2H),8.05(dd,J=7.3,0.9Hz,1H),7.85(d,J=2.1Hz,1H),7.59-7.50(m,3H),7.41(s,1H),7.25(d,J=7.4Hz,1H),6.95(d,J=8.7Hz,1H),6.57(dd,J=17.1,10.2Hz,1H),6.40(dd,J=17.1,1.7Hz,1H),5.91(dd,J=10.2,1.7Hz,1H),4.20(d,J=2.1Hz,2H),3.43(t,J=2.3Hz,1H),2.81(s,6H).13C NMR(101MHz,DMSO-d)δ 163.0,157.8,151.2,150.1,148.3,136.0,129.7,129.5,129.4,129.3,129.0,128.6,127.6,125.9,123.6,123.3,123.0,122.2,119.5,115.1,113.3,107.4,78.5,78.4,55.6,45.1.HRMS-ESI(m/z):[M+H] calc. for C2725 ,533.1312;Found:533.1301.
HPLC(λ280):純度 96.5%;t:6.51分(方法 mauro 3).
【0131】
〔治療のための使用〕
小胞体(ER)は、タンパク質の折り畳みおよび成熟、ならびに細胞の恒常性維持を含む、複数の細胞機能を担う主要な小器官である。ERストレスは、様々な因子によって活性化され、アンフォールドタンパク質応答(UPR)を契機として、恒常性を回復したり、細胞死を活性化したりする。複数の研究により、ERストレスとガンとの関連、特にUPRの関与が明らかにされている。UPRは、がんの逆説的な微小環境を調整しており、それ自体は、がん治療に対する抵抗性メカニズムの一つであるとみられる。
【0132】
〔アンフォールドタンパク質応答制御因子GRP78/BiP/HSPA5〕
小胞体(ER)内腔グルコース制御タンパク質78(GRP78)は、小胞体ストレスセンサー(PRKR様小胞体キナーゼ(PERK)、活性化転写因子6(ATF6)およびイノシトール要求酵素1(IRE1))と結合し、不活性型に維持することで、アンフォールドタンパク質応答(UPR)シグナル制御因子として機能する。また、ERに関連するカスパーゼ7およびカスパーゼ12に結合し、それらの活性化を抑制する。小胞体ストレスがかかると、誤って折り畳まれたタンパク質との結合によって、GRP78が滴定される。これは、PERKおよびIRE1の二量体化に代表されるUPRの引き金となり、それらの下流のシグナル伝達経路の活性化を引き起こし、翻訳の停止およびER関連タンパク質の分解(ERAD)につながる。UPRはまた、活性核型ATF6(ATF6(N))、ならびにATF4およびスプライス型Xボックス結合タンパク質1(XBP1s)を生成し、これらは、YY1、核内転写因子Y(NFY)、TFII-I、クロマチン修飾因子などの他の転写因子とともに機能し、ERストレス応答性遺伝子のプロモーターに存在するERストレス応答エレメント(ERSE)を活性化する。主なUPR応答は、GRPなどのER折り畳みタンパク質の転写を誘導して、ERタンパク質の折り畳み能力を高め、ミトコンドリアのシャペロンGRP75の転写を誘導することである。ストレスを受けた細胞は、GRP78およびGRP94の細胞膜への再局在化を積極的に促進し、場合によってはそれらの分泌を促進し;これらの細胞はまた、GRP78の細胞質アイソフォーム(GRP78va)を代替的なスプライシングによって生成する。それにもかかわらず、UPRはまた、アポトーシス促進転写因子CHOPの転写を誘導することもでき;そしてGRP78からの遊離後、カスパーゼ7およびカスパーゼ12が活性化され、それによってアポトーシスが引き起こされる。このように、UPRはストレスを受けた細胞における生存と細胞死とのバランスを調節し、GRPの上方制御は、細胞の恒常性維持を通して起こる主要な適応的保護作用を表している。eIF2α、真核翻訳開始因子2α;P、リン酸化(Lee, A. Glucose-regulated proteins in cancer: molecular mechanisms and therapeutic potential.Nat Rev Cancer 14, 263-276 (2014). https://doi.org/10.1038/nrc3701)。
【0133】
〔CHOP(C/-EBP相同タンパク質)〕
CHOPは、DNA損傷誘導性転写産物3であり、C/EBP相同タンパク質としても知られ、DDIT3遺伝子によってコードされるアポトーシス促進転写因子である。
【0134】
CHOPは、小胞体ストレスの重要な担い手であり、ERストレスに関連した細胞死の開始因子である。それゆえ、CHOPは小胞体(ER)ストレスのマーカーとして一般的に使用されている(Cerezo et al., Compounds Triggering ER Stress Exert Anti-Melanoma Effects and Overcome BRAF Inhibitor Resistance, Cancer Cell (2016), http://dx.doi.org/10.1016/j.ccell.2016.04.013)
【0135】
有利なことに、本発明者らは、本発明の化合物がERストレス軸を標的とし、オートファジーおよびアポトーシスを同時に誘導することによって、特異的ながん細胞死を誘導することを証明した。
【0136】
したがって、一実施形態において、本発明は、初期小胞体ストレスを誘導するための、式(I)のベンゼンスルホンアミドチアゾール化合物に関する:
【化95】

式中、
は、5-(ジメチルアミノ)ナフタレン基または4-ペンチルフェニル基であり、
は、H、ハロゲン、ORから選択され、
は、C-Cアルキル、NRから選択され、
は、H、窒素含有複素環で任意に置換されたアルキルから選択され、
は、H、窒素含有複素環で任意に置換されたアルキル、CORから選択され、
およびRは、代替的に、任意に置換された窒素含有複素環を共に形成することができ、
は、C-Cアルキル、C-Cアルキル-O-C-Cアルキルから選択され、
は、
・任意に置換された窒素含有複素環
・O-アルキル、NHCO-アルキル、NHCOO-アルキル、COO-アルキル、NH-アルキル、NH-アルキル-OH、NHP(O)(O-アルキル)、NH-アルキル-SOH、NH-アルキル-N(アルキル)
・アルケニル
で任意に置換されたC-Cアルキルから選択される。
【0137】
これらの化合物は、黒色腫細胞およびNCI-60ヒト腫瘍細胞株においても強い有効性を示す。
【0138】
したがって、本発明に係るベンゼンスルホンアミドチアゾール化合物は、患者のがんの治療に使用される。
【0139】
したがって、本開示は、それを必要とする患者に、上述の通りに定義される治療有効量のベンゼンスルホンアミドチアゾールを投与することを含む、がんを治療するための方法を提供する。
【0140】
本開示はまた、がんの治療のための、上述の通りに定義されるベンゼンスルホンアミドチアゾールの使用に関する。
【0141】
本開示はまた、がんの治療のための医薬品の製造における、上述の通りに定義されるベンゼンスルホンアミドチアゾールの使用に関する。
【0142】
本開示はまた、上述の通りに定義されるベンゼンスルホンアミドチアゾールを含む、がんの治療のための医薬組成物にも関する。
【0143】
用語「被験者」および「患者」は、がんに罹患しているヒトまたは動物を指す。好ましくは、患者はヒトである。
【0144】
疑義を避けるために、本明細書における「治療」への言及には、治癒的治療、緩和的治療および予防的治療への言及が含まれる。「治療」は、このような用語が適用される障害もしくは状態の回復、緩和、進行の抑制もしくは予防、またはこのような用語が適用される障害もしくは状態の1つ以上の症状の回復、緩和、進行の抑制もしくは予防を目的とする。
【0145】
本明細書における用語「がん」は、調節不能または調節不全の細胞増殖または細胞死によって特徴づけられる被験者の生理的状態を指す。用語「がん」には、固形腫瘍および液性がんが含まれる。
【0146】
一実施形態において、本発明は、がんの治療のために使用するための、式(I)のベンゼンスルホンアミドチアゾール化合物に関する:
【化96】

式中
は、5-(ジメチルアミノ)ナフタレン基または4-ペンチルフェニル基であり、
は、H、ハロゲン、ORから選択され、
は、C-Cアルキル、NRから選択され、
は、H、窒素含有複素環で任意に置換されたアルキルから選択され、
は、H、窒素含有複素環で任意に置換されたアルキル、CORから選択され、
およびRは、代替的に、任意に置換された窒素含有複素環を共に形成することができ、
は、C-Cアルキル、C-Cアルキル-O-C-Cアルキルから選択され、
は、
・ 任意に置換された窒素含有複素環
・ O-アルキル、NHCO-アルキル、NHCOO-アルキル、COO-アルキル、NH-アルキル、NH-アルキル-OH、NHP(O)(O-アルキル)、NH-アルキル-SOH、NH-アルキル-N(アルキル)
・ アルケニル
で任意に置換されたC-Cアルキルから選択される。
【0147】
先に記載した置換基はすべて、この実施形態において網羅されている。
【0148】
一実施形態において、がんの治療のために使用するための、ベンゼンスルホンアミドチアゾール化合物は、以下の中から選択される:
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)-4-メトキシフェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)-4-フルオロフェニル)チアゾール-2-イル)-2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)アセトアミド
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)-4-メトキシフェニル)チアゾール-2-イル)-2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)アセトアミド
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)-4-(2-メトキシエトキシ)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)-4-(2-メトキシエトキシ)フェニル)チアゾール-2-イル)-2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)アセトアミド
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)アセトアミド
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)-2-モルホリノアセトアミド
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)-2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)アセトアミド
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)-2-((3-モルホリノプロピル)アミノ)アセトアミド
・ ジエチル-(2-((4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)ホスホルアミデート
・ 2-((2-((4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)アミノ)エタン-1-スルホン
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)-6-(4-メチルピペラジン-1-イル)ヘキサンアミド
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)-6-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)ヘキサンアミド
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)-4-(プロプ-2-イン-1-イルオキシ)フェニル)チアゾール-2-イル)アクリルアミド
・ 5-(ジメチルアミノ)-N-(3-(2-((2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)アミノ)チアゾール-4-イル)フェニル)ナフタレン-1-スルホンアミド。
【0149】
別の実施形態において、がんの治療のために使用するための、ベンゼンスルホンアミドチアゾール化合物は、以下の中から選択される:
・ 2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド。
・ 2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド。
・ N-(5-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-メトキシフェニル)-4-ペンチルベンゼンスルホンアミド
・ N-(4-(4-メトキシ-3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)アセトアミド
・ 2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-N-(4-(4-メトキシ-3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド
・ 2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)アミノ)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド。
・ 6-(4-メチルピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)ヘキサンアミド。
・ 6-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)ヘキサンアミド。
・ 2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-N-(4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)-3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド
・ N-(3-(2-((2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)アミノ)チアゾール-4-イル)フェニル)-4-ペンチルベンゼンスルホンアミド。
・ N-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)-N-(4-(3-(N-((4-ペンチルフェニル)スルホニル)アセトアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド。
・ N-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)-N-(4-(3-(N-((4-ペンチルフェニル)スルホニル)アクリルアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アクリルアミド。
・ N-(3-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)チアゾール-4-イル)フェニル)-4-ペンチルベンゼンスルホンアミド。
・ N-(3-(2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)チアゾール-4-イル)フェニル)-4-ペンチルベンゼンスルホンアミド。
【0150】
好ましい実施形態において、がんの治療のために使用するための、ベンゼンスルホンアミドチアゾール化合物は、以下の中から選択される:
・ N-(4-(4-メトキシ-3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)アセトアミド
・ 2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-N-(4-(4-メトキシ-3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド
・ 6-(4-メチルピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)ヘキサンアミド
・ 2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-N-(4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)-3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド
・ N-(3-(2-((2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)アミノ)チアゾール-4-イル)フェニル)-4-ペンチルベンゼンスルホンアミド
・ N-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)-N-(4-(3-(N-((4-ペンチルフェニル)スルホニル)アセトアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)-4-(プロプ-2-イン-1-イルオキシ)フェニル)チアゾール-2-イル)アクリルアミド。
【0151】
一実施形態において、患者は固形がんまたは液性がんに罹患している。
【0152】
一実施形態において、患者は、リンパ腫、白血病、造血がんなどの液性がんに罹患している。
【0153】
一実施形態において、患者は、皮膚がん(例えば、黒色腫、非黒色腫皮膚がん)、消化管カルチノイド腫瘍(例えば、絨毛がん、破壊性絨毛腺腫)、前立腺がん、結腸直腸がん、乳がん(例えば、非浸潤性乳管がん、浸潤性乳管がん、浸潤性小葉がん、非浸潤性小葉がん)、腎臓がん、自律神経節がん、食道がん、胃がん(Stomach and Gastric cancer)、子宮内膜がん、上部気道・消化器がん(Upper Aerodigestive cancer)、卵巣がん、大腸がん、肝臓がん、中枢神経系がん、膵臓がん、肺がん、尿路がん、軟部組織がん、胆道がん、甲状腺がん、胸膜がん(中皮腫がんを含む)、骨がん、唾液腺がんからなる群から選択される固形がんに罹患している。
【0154】
本発明者らは、黒色腫細胞株におけるHSPA5の発現が、HA15に対する感受性と相関することを証明した。いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、本発明者らは、化合物の有効性が、がん組織におけるHSPA5の発現と相関していると考えている。
【0155】
複数のタイプのがんは、A375細胞株における発現レベルを上回るHSPA5発現レベルを有する(実施例9に例示するように)。化合物の有効性は、がん組織におけるHSPA5発現と相関しているので、本発明に係る化合物の適用性および有効性は、自律神経節がん、食道がん、胃/胃がん(Stomach/Gastric cancer)、子宮内膜がん、上部気道・消化器がん、卵巣がん、大腸がん、肝臓がん、中枢神経系がん、膵臓がん、肺がん、尿路がん、軟部組織がん、胆道がん、甲状腺がん、胸膜がん(中皮腫がんを含む)、骨がん、唾液腺がんなどのHSPA5発現レベルの高いがん細胞株に対して合理的に外挿することができる。
【0156】
したがって、一実施形態において、がんは、HSPA5を過剰発現しているがんである。
【0157】
一実施形態において、患者は、皮膚がん(例えば、黒色腫、非黒色腫皮膚がん)、食道がん、胃がん(gastric cancer)、消化管カルチノイド腫瘍(例えば、絨毛がん、破壊性絨毛腺腫)、胃がん(stomach cancer)、前立腺がん、結腸がんおよび乳がん(例えば、非浸潤性乳管がん、浸潤性乳管がん、浸潤性小葉がん、非浸潤性小葉がん)からなる群より選択される固形がんに罹患している。
【0158】
好ましい実施形態によれば、本発明に従って治療されるがんは、胃がん(stomach and gastric cancer)、食道がんまたは皮膚がん、好ましくは皮膚黒色腫である。
【0159】
一実施形態において、皮膚がん、好ましくは黒色腫の治療のために使用するためのベンゼンスルホンアミドチアゾール化合物は、以下の中から選択される:
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)-4-メトキシフェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)-4-フルオロフェニル)チアゾール-2-イル)-2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)アセトアミド
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)-4-メトキシフェニル)チアゾール-2-イル)-2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)アセトアミド
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)-4-(2-メトキシエトキシ)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)-4-(2-メトキシエトキシ)フェニル)チアゾール-2-イル)-2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)アセトアミド
・ 2-(2,3-ジヒドロキシプロポキシ)-N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド
・ tert-ブチル(6-((4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アミノ)-6-オキソヘキシル)カルバメート。
・ 5-((4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アミノ)-5-オキソペンタン酸エチル
・ 6-アセトアミド-N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)ヘキサンアミド
・ tert-ブチル(4-((4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アミノ)-4-オキソブチル)カルバメート
・ 4-((4-(3-((5-(ジメチルアミノ(ナプタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)ブタンアミド
・ 5-(ジメチルアミノ)-N-(3-(2-メチルチアゾール-4-イル)フェニル)ナフタレン-1-スルホンアミド。
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)アセトアミド
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)-2-モルホリノアセトアミド。
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)-2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)アセトアミド
・ 1-(2-((4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)ピペリジン-4-カルボキサミド
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)-2-((2-ヒドロキシエチル)アミノ)アセトアミド
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)-2-((3-モルホリノプロピル)アミノ)アセトアミド。
・ ジエチル-(2-((4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)ホスホルアミデート
・ N-(4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)-4-フルオロフェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド
・ 2-((2-((4-(3-((5-(ジメチルアミノ)ナフタレン)-1-スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)アミノ)エタン-1-スルホン。
【0160】
さらに好ましい実施形態において、2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド、2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド、N-(4-(4-メトキシ-3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)アセトアミド、2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-N-(4-(4-メトキシ-3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド、2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)アミノ)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド、6-(4-メチルピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)ヘキサンアミド、6-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)ヘキサンアミド、2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド、N-(3-(2-((2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)アミノ)チアゾール-4-イル)フェニル)-4-ペンチルベンゼンスルホンアミドまたはN-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)-N-(4-(3-(N-((4-ペンチルフェニル)スルホニル)アセトアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミドは、皮膚がん、好ましくは黒色腫の治療のために使用される。
【0161】
さらに好ましい実施形態において、2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド、2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド、N-(4-(4-メトキシ-3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)アセトアミド、2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-N-(4-(4-メトキシ-3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド、2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)アミノ)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド、6-(4-メチルピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)ヘキサンアミド 6-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)ヘキサンアミド、N-(3-(2-((2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)アミノ)チアゾール-4-イル)フェニル)-4-ペンチルベンゼンスルホンアミドまたはN-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)-N-(4-(3-(N-((4-ペンチルフェニル)スルホニル)アセトアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミドは、皮膚がん、好ましくは黒色腫を治療するために使用される。
【0162】
別の好ましい実施形態において、2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド、2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド、N-(4-(4-メトキシ-3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)アセトアミド、2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-N-(4-(4-メトキシ-3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド、2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)アミノ)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド、6-(4-メチルピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)ヘキサンアミド、6-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)ヘキサンアミド、2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド、N-(3-(2-((2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)アミノ)チアゾール-4-イル)フェニル)-4-ペンチルベンゼンスルホンアミドまたはN-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)-N-(4-(3-(N-((4-ペンチルフェニル)スルホニル)アセトアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミドは、胃がん(stomach and gastric cancer)および/または食道がんを治療するために使用される。
【0163】
さらに好ましい実施形態において、2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド、2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド、N-(4-(4-メトキシ-3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)アセトアミド、2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-N-(4-(4-メトキシ-3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド、2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)アミノ)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミド、6-(4-メチルピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)ヘキサンアミド、6-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-N-(4-(3-((4-ペンチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)ヘキサンアミド、N-(3-(2-((2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)アミノ)チアゾール-4-イル)フェニル)-4-ペンチルベンゼンスルホンアミドまたはN-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)-N-(4-(3-(N-((4-ペンチルフェニル)スルホニル)アセトアミド)フェニル)チアゾール-2-イル)アセトアミドは、胃がん(stomach and gastric cancer)および/または食道がんを治療するために使用される。
【0164】
本発明の文脈において使用される化合物は、任意の適切な経路で投与することができる。当業者は、対応する投与量と同様に、どの投与経路を使用すべきかを知っている。本発明の文脈において有用な化合物は、典型的には、非経口(例えば、静脈内、筋肉内または皮下)投与により投与される。
【0165】
以下の図および実施例により、本発明をさらに説明する。しかしながら、これらの実施例および図は、本発明の範囲を限定するものとしていかなる意味においても解釈されるべきではない。
【0166】
〔実施例〕
〔実施例1:HA15に対する安定性の改善〕
本発明の化合物は、HA15よりも高い化学的安定性を示す。代表例として、化合物PB704は、以下の条件下で完全な安定性を示す:PBS(pH7.4)、20%DMSO、24時間;HCl水溶液(0.1M)、24時間;PBS(pH7.4)、20%DMSO、24時間、80℃。一方、HA15は後者の条件下で部分的な分解を示す。
【0167】
〔実施例2:HA15に対する溶解性の改善〕
本発明の化合物は、HA15よりも高い水溶性を示す。以下の表は、HA15および本発明のいくつかの化合物の水溶性の例を示している。
【表2】
【0168】
〔実施例3:HA15に対する曝露の改善〕
本発明の化合物は、マウスにおいてHA15よりも増大した曝露を証明する。以下の表は、HA15と比較した本発明のいくつかの化合物のAUCの例を示している。
【表3】
【0169】
〔実施例4:HA15に対する半減期の改善〕
本発明の化合物は、マウスにおいてHA15よりも長い半減期を示す。以下の表は、HA15と比較した本発明のいくつかの化合物のAUCの例を示している。
【表4】

【表5】
【0170】
〔実施例5:A375黒色腫細胞の細胞生存率に対する本発明に係る化合物の効果〕
細胞生存率は、異なる細胞のサンプルにおいて生存している細胞数を測定することにより評価した。細胞生存率の測定は、トリパンブルー排除法を用いた細胞のカウントによって行った。結果は、100%値に関連付けられた、陰性対照に相当するDMSO存在下での生存細胞数に対する、相対的な生存細胞数のパーセンテージで表した。
【0171】
48時間での生存率を測定した。これらの化合物について異なる用量を試験した(10μM;5μMおよび1μm)。
【表6】
【0172】
本発明に係る化合物は、黒色腫細胞の生存率に影響を与える。
【0173】
〔実施例6:NCI-60ヒト腫瘍細胞株スクリーニング〕
米国国立がん研究所のDevelopmental Therapeutics Programである、DTP-NCI-60ヒト腫瘍細胞株スクリーニングは、PB化合物の潜在的な抗がん活性のスクリーニングに使用されている。このスクリーニング操作は、白血病、黒色腫、ならびに肺がん、大腸がん、脳腫瘍、卵巣がん、乳がん、前立腺がん、および腎がんを代表する、60種類の異なるヒト腫瘍細胞株を使用している。
【0174】
化合物は、60個の細胞パネルに対して1用量で評価され、その後、最も活性の高い化合物について5つの濃度レベルで評価された。
【0175】
1用量データは、処理された細胞の増殖パーセントの平均グラフとして報告され、5用量アッセイからの平均グラフと同様の外観となる。1用量アッセイについて報告される数値は、薬剤無添加の対照に対する増殖であり、時間ゼロの細胞数に対する増殖である。これにより、増殖阻害(0~100の値)および致死(0未満の値)の両方を検出することができる。これは5用量アッセイと同じである。
【0176】
例えば、100の値は、増殖阻害がないことを意味する。40の値は、60%の増殖阻害を意味する。0の値は、実験期間中に正味の増殖がないことを意味する。-40の値は、40%の致死を意味する。-100の値は、すべての細胞が死滅したことを意味する。
【表7】
【0177】
本発明に係る化合物は、NCI-60ヒト腫瘍細胞株に対してHA15よりも強い有効性を示す。
【0178】
〔実施例7:ERストレスマーカー(CHOP)に対する本発明に係る化合物の作用〕
飢餓状態のA375黒色腫細胞、Kyse 70、SH10TCおよびKATO IIIを、標記化合物で24時間または48時間処理した。その後、細胞を溶解し、溶解液を、ERストレスマーカー抗体としてCHOPを用いたウェスタンブロットによって分析した。
【表8】

【表9】
【0179】
本発明に係る化合物は、ERストレスマーカーCHOPを標的としてERストレスを増加させることにより、がん細胞を死滅させる。
【0180】
〔実施例8:A375細胞における24時間/48時間(10%SVF)におけるIC50の決定〕
A375黒色腫細胞において、本発明に係る化合物のIC50を、HA15と比較した:飢餓状態のA375黒色腫細胞を、標記化合物によって24にわたって処理した。細胞を、その後、ブルートリパン排除法を用いて細胞をカウントした。結果を以下の表に示す。
【表10】
【0181】
これらの結果から、本発明に係る化合物は、がんの治療、特に黒色腫細胞に対して活性を有する、WO2014072486に記載されているベンゼンスルホンアミドチアゾール化合物であるHA15よりも有利に優れたIC50を有することが示された。
【0182】
〔実施例9:正常線維芽細胞におけるHA15と比較した、24時間でのFHNにおける本発明に係る化合物の毒性〕
正常ヒト線維芽細胞(FHN)を、A375細胞(実施例4)で決定したIC50の濃度またはIC50の10倍の濃度で、標記化合物で24時間処理した。その後、ブルートリパン排除法を用いて細胞をカウントした。「OK」は、その化合物に毒性がないことを意味する。
【表11】
【0183】
これらの結果は、本発明に係る新しいHA15-誘導体は、正常なヒト線維芽細胞に対して毒性を示さないことを示しており、これは、HA15に対して著しく改善された抗増殖効果を考慮すると驚くべき効果である。
【0184】
〔実施例10:HSPA5発現レベルと化合物の有効性との相関性〕
本発明者らは、黒色腫細胞株におけるHSPA5の発現がHA15に対する感受性と相関することを証明した。いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、本発明者らは、化合物の有効性ががん組織におけるHSPA5の発現と相関していると考えている。
【0185】
以下の表に示されるように、複数の種類のがんがA375以上のHSPA5発現レベルを有する。化合物の有効性は、がん組織におけるHSPA5発現と相関しているので、本発明に係る化合物の適用性および有効性は、表で引用したすべての適応症に合理的に外挿できる。
【表12】
【0186】
したがって、本発明に係る化合物は、HSPA5を標的として特異的ながん細胞死を誘導することができ、様々なスペクトルのがんの将来の治療に有用である。
【0187】
〔実施例11:HA15に対する本発明に係る化合物の毒性〕
〔Incucyte(登録商標)細胞数増殖アッセイ〕
簡単に言えば、Nuclight Green Lentivirus(puro)(ref.4624)で形質転換したA375黒色腫細胞を、DMEM10%SVF培地中、26,000細胞/ウェルの密度で24ウェルプレートに播種した。細胞を16時間飢餓状態にした後、指示濃度の異なる化合物および1/300に希釈した1mg/mLのヨウ化プロピジウムで処理した。細胞は72時間、IncuCyte(登録商標) S3 Live-Cell Analysis Systemを用いて発現をモニターしながらインキュベートした。アッセイのパラメーターは、使用した対物レンズは20倍;チャンネル選択:フェーズ+蛍光(赤色800msおよび緑色400ms)、スキャンは2時間ごとの間隔で実行された。細胞生存率は、対照条件と比較して、以下の式で求めた:緑色物体総面積(μm/画像)/赤色物体総面積(μm/画像)。
【0188】
結果を図1に示す。この図は、HA15に対して、本発明に係る化合物であるPB628が、より低いIC50を示している。したがって、PB628はHA15よりも低濃度で有効である。
【0189】
〔正常ヒト細胞を用いたin vitro毒性試験〕
正常ヒト黒色腫細胞および正常ヒト線維芽細胞は、上述のように調製し、維持した。ニースCHU病院で転移性黒色腫と診断された患者由来の手術廃棄物から新鮮な滅菌された組織を得て、既報(Cerezo et al.,2016)の通りに処理した。簡単に言えば、生体を解剖し、コラゲナーゼA(0.33 U/mL)、ディスパーゼ(0.85 U/mL)、およびDNase I(144U/mL)を用いて37℃で急速振盪しながら1~2時間消化した。大きな残屑は、70mmの細胞ストレーナーで濾過して除去した。本研究に参加した各患者から書面によるインフォームド・コンセントを得て、本研究は病院倫理委員会の承認を得た(ニースホスピタルセンターおよびニースソフィアアンティポリス大学、ニース、フランス、第210-2998号)。
【0190】
正常ヒト線維芽細胞(FHN)および正常ヒト黒色腫細胞(MHN)を、それぞれDMEM10%SVF培地中35,000細胞/ウェル、またはカスケード培地中100,000細胞/ウェルで12ウェルプレートにプレーティングした。翌日、細胞を指示濃度の薬剤で処理した。48時間後、細胞を回収し、トリパンブルー法でカウントした。
【0191】
結果を図2に示す。この図において証明されているように、PB628は、特に線維芽細胞において、そのIC50より10倍高い濃度で毒性を示さない。
【0192】
したがって、本発明に係る化合物は、HA15よりも低用量で有効であり、毒性も低い。
【図面の簡単な説明】
【0193】
図1】A375黒色腫細胞におけるPB628およびHA15のIncucyte(登録商標)によるIC50の測定。
図2】PB628またはHA15を処理した後の線維芽細胞および黒色腫細胞の毒性。
図1
図2
【国際調査報告】