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特表2025-500438PCDH19発現を低減するための化合物及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-09
(54)【発明の名称】PCDH19発現を低減するための化合物及び方法
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/113 20100101AFI20241226BHJP
   C12N 15/11 20060101ALI20241226BHJP
   C12N 15/12 20060101ALI20241226BHJP
   A61P 25/08 20060101ALI20241226BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20241226BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20241226BHJP
   A61P 25/22 20060101ALI20241226BHJP
   A61P 25/20 20060101ALI20241226BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20241226BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20241226BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20241226BHJP
   A61K 31/7125 20060101ALI20241226BHJP
   A61K 31/713 20060101ALI20241226BHJP
   C07H 21/04 20060101ALI20241226BHJP
   C07H 21/02 20060101ALI20241226BHJP
   A61K 47/54 20170101ALI20241226BHJP
【FI】
C12N15/113 Z
C12N15/11 Z ZNA
C12N15/12
A61P25/08
A61P25/28
A61P25/18
A61P25/22
A61P25/20
A61P43/00 105
A61K47/02
A61K48/00
A61K31/7125
A61P43/00 111
A61K31/713
C07H21/04 Z CSP
C07H21/02
A61K47/54
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024538028
(86)(22)【出願日】2022-12-21
(85)【翻訳文提出日】2024-08-20
(86)【国際出願番号】 US2022082164
(87)【国際公開番号】W WO2023122681
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】63/292,829
(32)【優先日】2021-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595104323
【氏名又は名称】アイオーニス ファーマシューティカルズ, インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Ionis Pharmaceuticals,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100107386
【弁理士】
【氏名又は名称】泉谷 玲子
(72)【発明者】
【氏名】バラス,ルーベン・イー
(72)【発明者】
【氏名】フレアー,スーザン・エム
(72)【発明者】
【氏名】オルーク,ジャクリーン・ジー
【テーマコード(参考)】
4C057
4C076
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C057BB05
4C057DD03
4C057MM02
4C057MM04
4C076AA12
4C076CC01
4C076CC26
4C076CC29
4C076CC41
4C076DD23
4C076DD26
4C076EE59
4C076FF13
4C084AA13
4C084MA05
4C084MA17
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZA051
4C084ZA061
4C084ZA151
4C084ZA181
4C084ZB211
4C084ZC191
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086EA16
4C086MA02
4C086MA05
4C086MA17
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA05
4C086ZA06
4C086ZA15
4C086ZA18
4C086ZB21
4C086ZC19
(57)【要約】
細胞又は対象におけるプロトカドヘリン19(PCDH19)RNAの量又は活性を低減するため、ある特定の例では、細胞又は対象におけるPCDH19タンパク質の量を低減するためのオリゴマー剤、オリゴマー化合物、方法、及び医薬組成物が提供される。そのようなオリゴマー剤、オリゴマー化合物、方法、及び医薬組成物は、神経発達疾患又は障害の少なくとも1つの症状又は特徴を緩和するのに有用である。そのような神経発達疾患又は障害としては、PCDH19てんかんが挙げられる。そのような症状又は特徴としては、発作、認知障害、知的障害、自閉症スペクトラム障害、行動上の問題、攻撃性、不安、強迫性障害、多動性、注意欠陥障害(ADD)、及び注意欠陥多動性障害(ADHD)が挙げられる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
12~50個の連結ヌクレオシドからなる修飾されたオリゴヌクレオチドを含む、オリゴマー化合物であって、前記修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、PCDH19核酸の等長部分と少なくとも80%相補的であり、前記修飾されたオリゴヌクレオチドが、修飾された糖及び修飾されたヌクレオシド間結合から選択される少なくとも1つの修飾を含む、オリゴマー化合物。
【請求項2】
12~50個の連結ヌクレオシドからなる修飾されたオリゴヌクレオチドを含む、オリゴマー化合物であって、前記修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、配列番号15~482のうちのいずれかの、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、又は少なくとも20個の連続する核酸塩基を含み、前記修飾されたオリゴヌクレオチドが、修飾された糖及び修飾されたヌクレオシド間結合から選択される少なくとも1つの修飾を含む、オリゴマー化合物。
【請求項3】
12~50個の連結ヌクレオシドからなる修飾されたオリゴヌクレオチドを含む、オリゴマー化合物であって、前記修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、配列番号15~560のうちのいずれかの、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、又は16個の連続する核酸塩基を含み、前記修飾されたオリゴヌクレオチドが、修飾された糖及び修飾されたヌクレオシド間結合から選択される少なくとも1つの修飾を含む、オリゴマー化合物。
【請求項4】
前記修飾されたオリゴヌクレオチドが、配列番号15~560のうちのいずれかの核酸塩基配列からなる核酸塩基配列を有する、請求項2又は3に記載のオリゴマー化合物。
【請求項5】
12~50個の連結ヌクレオシドからなる修飾されたオリゴヌクレオチドを含む、オリゴマー化合物であって、前記修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、配列番号561~1028のうちのいずれかの、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、又は少なくとも23個の連続する核酸塩基を含み、前記修飾されたオリゴヌクレオチドが、修飾された糖及び修飾されたヌクレオシド間結合から選択される少なくとも1つの修飾を含む、オリゴマー化合物。
【請求項6】
前記修飾されたオリゴヌクレオチドが、配列番号561~1028のうちのいずれかの核酸塩基配列からなる核酸塩基配列を有する、請求項5に記載のオリゴマー化合物。
【請求項7】
12~50個の連結ヌクレオシドからなる修飾されたオリゴヌクレオチドを含み、
配列番号1の核酸塩基4,743~4,767の等長部分、
配列番号1の核酸塩基12,319~12,346の等長部分、
配列番号1の核酸塩基34,364~34,389の等長部分、又は
配列番号1の核酸塩基84、408~84、431の等長部分と相補的な少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、又は少なくとも20個の連続する核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する、オリゴマー化合物であって、
前記修飾されたオリゴヌクレオチドが、修飾された糖及び修飾されたヌクレオシド間結合から選択される少なくとも1つの修飾を含む、オリゴマー化合物。
【請求項8】
12~50個の連結ヌクレオシドからなる修飾されたオリゴヌクレオチドを含み、
配列番号132、228、284、330、若しくは440、
配列番号416、72、129、若しくは204、
配列番号371、425、20、若しくは111、又は
配列番号367、407、24、93、若しくは218から選択される配列の少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、又は少なくとも20個の連続する核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する、オリゴマー化合物であって、
前記修飾されたオリゴヌクレオチドが、修飾された糖及び修飾されたヌクレオシド間結合から選択される少なくとも1つの修飾を含む、オリゴマー化合物。
【請求項9】
前記修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、前記修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列全体にわたって測定された場合に、配列番号1又は配列番号2の核酸塩基配列のうちのいずれかと少なくとも80%、85%、90%、95%、又は100%相補的である、請求項1~8のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項10】
前記修飾されたオリゴヌクレオチドが、12~20、12~25、12~30、12~50、13~20、13~25、13~30、13~50、14~20、14~25、14~30、14~50、15~20、15~25、15~30、15~50、16~18、16~20、16~25、16~30、16~50、17~20、17~25、17~30、17~50、18~20、18~25、18~30、18~50、19~20、19~25、19~30、19~50、20~25、20~30、20~50、21~25、21~30、21~50、22~25、22~30、22~50、23~25、23~30、又は23~50個の連結ヌクレオシドからなる、請求項1~9のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項11】
前記修飾されたオリゴヌクレオチドが、少なくとも1個の修飾されたヌクレオシドを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項12】
前記修飾されたオリゴヌクレオチドが、修飾された糖部分を含む少なくとも1個の修飾されたヌクレオシドを含む、請求項11に記載のオリゴマー化合物。
【請求項13】
前記修飾された糖部分が、二環式糖部分を含む、請求項12に記載のオリゴマー化合物。
【請求項14】
前記二環式糖部分が、-O-CH-及び-O-CH(CH)-から選択される2’-4’架橋を含む、請求項13に記載のオリゴマー化合物。
【請求項15】
前記修飾されたオリゴヌクレオチドの少なくとも1個の修飾されたヌクレオシドが、非二環式の修飾された糖部分を含む、請求項11~14のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項16】
前記修飾されたオリゴヌクレオチドの少なくとも1個の修飾されたヌクレオシドが、2’-4’架橋を有する二環式糖部分及び非二環式の修飾された糖部分を含む少なくとも1個のヌクレオシドを含む、請求項15に記載のオリゴマー化合物。
【請求項17】
前記非二環式の修飾された糖部分が、2’-O(CH-OCHリボシル糖部分、2’-OMe糖部分、又は2’-F糖部分である、請求項15又は16に記載のオリゴマー化合物。
【請求項18】
前記修飾されたオリゴヌクレオチドが、糖サロゲートを含む少なくとも1個の修飾されたヌクレオシドを含む、請求項1~17のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項19】
前記修飾されたオリゴヌクレオチドの少なくとも1個の修飾されたヌクレオシドが、モルホリノ及びPNAから選択される糖サロゲートを含む、請求項18に記載のオリゴマー化合物。
【請求項20】
前記修飾されたオリゴヌクレオチドが、少なくとも1つの修飾されたヌクレオシド間結合を含む、請求項1~19のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項21】
前記修飾されたオリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合が、修飾されたヌクレオシド間結合である、請求項20に記載のオリゴマー化合物。
【請求項22】
少なくとも1つのヌクレオシド間結合が、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である、請求項20又は21に記載のオリゴマー化合物。
【請求項23】
前記修飾されたオリゴヌクレオチドが、少なくとも1つのホスホジエステルヌクレオシド間結合を含む、請求項20又は22に記載のオリゴマー化合物。
【請求項24】
各ヌクレオシド間結合が、独立して、ホスホジエステルヌクレオシド間結合、又はホスホロチオエートヌクレオシド間結合から選択される、請求項20、22、又は23のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項25】
前記修飾されたオリゴヌクレオチドの少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、又は少なくとも19のヌクレオシド間結合が、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である、請求項20、又は22~24のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項26】
各ヌクレオシド間結合が、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である、請求項20~22、24又は25のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項27】
前記修飾されたオリゴヌクレオチドのヌクレオシド間結合モチーフが、5’-sssssssssssssssssss-3’、5’-sssssssssssssss-3’、5’-soooossssssssssooss-3’、及びssoooooooooooooooooossから選択され、各「o」が、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、各「s」が、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、請求項20又は22~26のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項28】
前記修飾されたオリゴヌクレオチドが、修飾された核酸塩基を含む、請求項1~27のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項29】
前記修飾された核酸塩基が、5-メチルシトシンである、請求項28に記載のオリゴマー化合物。
【請求項30】
前記オリゴマー化合物が、12~22、12~20、14~18、14~20、15~17、15~25、16~20、16~18、18~22、18~25、18~20、20~25、又は21~23個の連結ヌクレオシドからなる修飾されたオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩を含む、請求項1~29のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項31】
前記修飾されたオリゴヌクレオチドが、ナトリウム、カリウム、カルシウム、及びマグネシウムから選択される1つ以上のカチオンを含む、薬学的に許容される塩である、請求項30に記載のオリゴマー化合物。
【請求項32】
前記修飾されたオリゴヌクレオチドが、16個の連結ヌクレオシドからなる、請求項1~31のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項33】
前記修飾されたオリゴヌクレオチドが、18個の連結ヌクレオシドからなる、請求項1~31のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項34】
前記修飾されたオリゴヌクレオチドが、20個の連結ヌクレオシドからなる、請求項1~31のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項35】
前記修飾されたオリゴヌクレオチドが、21個の連結ヌクレオシドからなる、請求項1~31のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項36】
前記修飾されたオリゴヌクレオチドが、23個の連結ヌクレオシドからなる、請求項1~31のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項37】
前記オリゴマー化合物が、RNase Hを活性化する、請求項1~35のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項38】
前記修飾されたオリゴヌクレオチドが、ギャップマーである、請求項37に記載のオリゴマー化合物。
【請求項39】
前記修飾されたオリゴヌクレオチドが、
1~6個の連結された5’領域ヌクレオシドからなる5’領域と、
6~10個の連結された中央領域ヌクレオシドからなる中央領域と、
1~6個の連結された3’領域ヌクレオシドからなる3’領域と、を含む糖モチーフを有し、
前記5’領域の3’末端ヌクレオシド及び前記3’領域の5’末端ヌクレオシドが、修飾された糖部分を含み、
前記中央領域ヌクレオシドの各々が、2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を含むヌクレオシド及び2’-置換糖部分を含むヌクレオシドから選択され、前記中央領域が、2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を含む少なくとも6個のヌクレオシド及び2’-置換糖部分を含む2個以下のヌクレオシドを含む、請求項1~34のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項40】
前記修飾されたオリゴヌクレオチドが、
1~6個の連結された5’領域ヌクレオシドからなる5’領域と、
6~10個の連結された中央領域ヌクレオシドからなる中央領域と、
1~6個の連結された3’領域ヌクレオシドからなる3’領域と、を含む糖モチーフを有し、
前記5’-領域ヌクレオシドの各々及び前記3’-領域ヌクレオシドの各々が、修飾された糖部分を含み、前記中央領域ヌクレオシドの各々が、2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を含む、請求項1~39のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項41】
前記修飾されたオリゴヌクレオチドが、
5個の連結された5’領域ヌクレオシドからなる5’領域と、
10個の連結された中央領域ヌクレオシドからなる中央領域と、
5個の連結された3’領域ヌクレオシドからなる3’領域と、を含む、糖モチーフを有し、
前記5’-領域ヌクレオシドの各々及び前記3’-領域ヌクレオシドの各々が、2’-O(CH-OCHリボシル修飾された糖部分を含み、前記中央領域ヌクレオシドの各々が、2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を含む、請求項40に記載のオリゴマー化合物。
【請求項42】
前記修飾されたオリゴヌクレオチドが、
3個の連結された5’領域ヌクレオシドからなる5’領域と、
10個の連結された中央領域ヌクレオシドからなる中央領域と、
3個の連結された3’領域ヌクレオシドからなる3’領域と、を含む糖モチーフを有し、
前記5’-領域ヌクレオシドの各々及び前記3’-領域ヌクレオシドの各々が、cEt糖部分を含み、前記中央領域ヌクレオシドの各々が、2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を含む、請求項40に記載のオリゴマー化合物。
【請求項43】
請求項1~42のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物のキラル的に濃縮された集団であって、前記集団が、特定の立体化学的配置を有する少なくとも1つの特定のホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含む修飾されたオリゴヌクレオチドについて濃縮されている、キラル的に濃縮された集団。
【請求項44】
前記集団が、(Sp)又は(Rp)配置を有する少なくとも1つの特定のホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含む修飾されたオリゴヌクレオチドについて濃縮されている、請求項43に記載のキラル的に濃縮された集団。
【請求項45】
前記集団が、各ホスホロチオエートヌクレオシド間結合において特定の、独立して選択された立体化学的配置を有する修飾されたオリゴヌクレオチドについて濃縮されている、請求項43に記載のキラル的に濃縮された集団。
【請求項46】
前記集団が、1つの特定のホスホロチオエートヌクレオシド間結合において(Rp)配置を有し、かつ残りのホスホロチオエートヌクレオシド間結合の各々において(Sp)配置を有する修飾されたオリゴヌクレオチドについて濃縮されている、請求項43に記載のキラル的に濃縮された集団。
【請求項47】
前記集団が、5’から3’の方向に、Sp配置、Sp配置、及びRp配置で少なくとも3個の連続するホスホロチオエートヌクレオシド間結合を有する修飾されたオリゴヌクレオチドについて濃縮されている、請求項43に記載のキラル的に濃縮された集団。
【請求項48】
請求項1~42のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物の集団であって、前記修飾されたオリゴヌクレオチドの前記ホスホロチオエートヌクレオシド間結合は全て、立体的にランダムである、請求項1~42のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物の集団。
【請求項49】
第1のオリゴマー化合物と、第2の修飾されたオリゴヌクレオチドを含む第2のオリゴマー化合物と、を含む、オリゴマー二本鎖であって、前記第1のオリゴマー化合物が、請求項1~42のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物である、オリゴマー二本鎖。
【請求項50】
前記第2のオリゴマー化合物が、12~50個の連結ヌクレオシドからなる第2の修飾されたオリゴヌクレオチドを含み、前記第2の修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、前記第1の修飾されたオリゴヌクレオチドの等長部分と少なくとも90%相補的である少なくとも12個の核酸塩基の相補領域を含む、請求項49に記載のオリゴマー二本鎖。
【請求項51】
オリゴマー二本鎖であって、
19~30個の連結ヌクレオシドからなる第1の修飾されたオリゴヌクレオチドを含む第1のオリゴマー化合物であって、前記第1の修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、配列番号561~1028のうちのいずれかの核酸塩基配列の少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、又は少なくとも23個の連続する核酸塩基を含む、第1のオリゴマー化合物と、
15~30個の連結ヌクレオシドからなる第2の修飾されたオリゴヌクレオチドを含む第2のオリゴマー化合物であって、前記第2の修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、前記第1の修飾されたオリゴヌクレオチドの等長部分と少なくとも90%相補的である少なくとも12個の核酸塩基の相補領域を含む、第2のオリゴマー化合物と、を含む、オリゴマー二本鎖。
【請求項52】
オリゴマー二本鎖であって、
19~30個の連結ヌクレオシドからなる第1の修飾されたオリゴヌクレオチドを含む第1のオリゴマー化合物であって、前記第1の修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、配列番号561~1028のうちのいずれかの核酸塩基配列の少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、又は少なくとも23個の連続する核酸塩基を含む、第1のオリゴマー化合物と、
15~30個の連結ヌクレオシドからなる第2の修飾されたオリゴヌクレオチドを含む第2のオリゴマー化合物であって、前記第2の修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、配列番号1029~1496のうちのいずれかの核酸塩基配列の少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、又は少なくとも21個の連続する核酸塩基を含み、前記第2の修飾されたオリゴヌクレオチドの前記核酸塩基配列が、前記第1の修飾されたオリゴヌクレオチドの等長部分と少なくとも90%相補的である、第2のオリゴマー化合物と、を含む、オリゴマー二本鎖。
【請求項53】
オリゴマー二本鎖であって、
23個の連結ヌクレオシドからなる第1の修飾されたオリゴヌクレオチドを含む第1のオリゴマー化合物であって、前記第1の修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、配列番号561~1028のうちのいずれかの核酸塩基配列を含む、第1のオリゴマー化合物と、
21個の連結ヌクレオシドからなる第2の修飾されたオリゴヌクレオチドを含む第2のオリゴマー化合物であって、前記第2の修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、配列番号1029~1496のうちのいずれかの核酸塩基配列を含み、前記第2の修飾されたオリゴヌクレオチドの前記核酸塩基配列が、前記第1の修飾されたオリゴヌクレオチドの等長部分と少なくとも90%相補的である、第2のオリゴマー化合物と、を含む、オリゴマー二本鎖。
【請求項54】
前記第1のオリゴマー化合物の前記修飾されたオリゴヌクレオチドが、5’-安定化リン酸基を含む、請求項49~53のいずれか一項に記載のオリゴマー二本鎖。
【請求項55】
前記5’-安定化リン酸基が、シクロプロピルホスホネート又はビニルホスホネートを含む、請求項54に記載のオリゴマー二本鎖。
【請求項56】
前記第1のオリゴマー化合物の前記修飾されたオリゴヌクレオチドが、グリコール核酸(GNA)糖サロゲートを含む、請求項49~53のいずれか一項に記載のオリゴマー二本鎖。
【請求項57】
前記第1のオリゴマー化合物の前記修飾されたオリゴヌクレオチドが、2’-NMA糖部分を含む、請求項49~55のいずれか一項に記載のオリゴマー二本鎖。
【請求項58】
前記第2の修飾されたオリゴヌクレオチドの少なくとも1個のヌクレオシドが、修飾された糖部分を含む、請求項49~57のいずれか一項に記載のオリゴマー二本鎖。
【請求項59】
前記第2の修飾されたオリゴヌクレオチドの前記修飾された糖部分が、二環式糖部分を含む、請求項58に記載のオリゴマー二本鎖。
【請求項60】
前記第2の修飾されたオリゴヌクレオチドの前記二環式糖部分が、-O-CH-及び-O-CH(CH)-から選択される2’-4’架橋を含む、請求項59に記載のオリゴマー二本鎖。
【請求項61】
前記第2の修飾されたオリゴヌクレオチドの前記修飾された糖部分が、非二環式の修飾された糖部分を含む、請求項59又は60に記載のオリゴマー二本鎖。
【請求項62】
前記第2の修飾されたオリゴヌクレオチドの前記非二環式の修飾された糖部分が、2’-MOE糖部分、2’-F糖部分、又は2’-OMe糖部分である、請求項61に記載のオリゴマー二本鎖。
【請求項63】
前記第2の修飾されたオリゴヌクレオチドの少なくとも1個のヌクレオシドが、糖サロゲートを含む、請求項49~62のいずれか一項に記載のオリゴマー二本鎖。
【請求項64】
前記第2の修飾されたオリゴヌクレオチドが、少なくとも1つの修飾されたヌクレオシド間結合を含む、請求項49~63のいずれか一項に記載のオリゴマー二本鎖。
【請求項65】
前記第2の修飾されたオリゴヌクレオチドの少なくとも1つの修飾されたヌクレオシド間結合が、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である、請求項64に記載のオリゴマー二本鎖。
【請求項66】
前記第2の修飾されたオリゴヌクレオチドが、少なくとも1つのホスホジエステルヌクレオシド間結合を含む、請求項49~65のいずれか一項に記載のオリゴマー二本鎖。
【請求項67】
前記第2の修飾されたオリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合が、独立して、ホスホジエステル又はホスホロチオエートヌクレオシド間結合から選択される、請求項49~66のいずれか一項に記載のオリゴマー二本鎖。
【請求項68】
前記第1の修飾されたオリゴヌクレオチドのヌクレオシド間結合モチーフが、ssoooooooooooooooooossであり、前記第2の修飾されたオリゴヌクレオチドのヌクレオシド間結合モチーフが、ssoooooooooooooooossであり、各「o」が、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、各「s」が、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、請求項49~67のいずれか一項に記載のオリゴマー二本鎖。
【請求項69】
前記第2の修飾されたオリゴヌクレオチドが、少なくとも1個の修飾された核酸塩基を含む、請求項49~68のいずれか一項に記載のオリゴマー二本鎖。
【請求項70】
前記第2の修飾されたオリゴヌクレオチドの前記修飾された核酸塩基が、5-メチルシトシンである、請求項69に記載のオリゴマー二本鎖。
【請求項71】
前記第2の修飾されたオリゴヌクレオチドが、コンジュゲート基を含む、請求項49~70のいずれか一項に記載のオリゴマー二本鎖。
【請求項72】
前記コンジュゲート基が、コンジュゲートリンカー及びコンジュゲート部分を含む、請求項71に記載のオリゴマー二本鎖。
【請求項73】
前記コンジュゲート基が、前記第2の修飾されたオリゴヌクレオチドの5’末端で前記第2の修飾されたオリゴヌクレオチドに結合されている、請求項71又は72に記載のオリゴマー二本鎖。
【請求項74】
前記コンジュゲート基が、前記修飾されたオリゴヌクレオチドの3’末端で前記第2の修飾されたオリゴヌクレオチドに結合されている、請求項71又は72に記載のオリゴマー二本鎖。
【請求項75】
前記コンジュゲート基が、修飾されたヌクレオシド間結合を介して前記第2の修飾されたヌクレオチドに結合されている、請求項71又は72に記載のオリゴマー二本鎖。
【請求項76】
前記コンジュゲート基が、C22アルキル、C20アルキル、C16アルキル、C10アルキル、C21アルキル、C19アルキル、C18アルキル、C15アルキル、C14アルキル、C13アルキル、C12アルキル、C11アルキル、C9アルキル、C8アルキル、C7アルキル、C6アルキル、C5アルキル、C22アルケニル、C20アルケニル、C16アルケニル、C10アルケニル、C21アルケニル、C19アルケニル、C18アルケニル、C15アルケニル、C14アルケニル、C13アルケニル、C12アルケニル、C11アルケニル、C9アルケニル、C8アルケニル、C7アルケニル、C6アルケニル、又はC5アルケニルを含む、請求項71~75のいずれか一項に記載のオリゴマー二本鎖。
【請求項77】
前記コンジュゲート部分が、6-パルミタミドヘキシルコンジュゲート部分である、請求項71~76のいずれか一項に記載のオリゴマー二本鎖。
【請求項78】
前記コンジュゲート基が、以下の構造:
【化1】
を有する、請求項71~74のいずれか一項に記載のオリゴマー二本鎖。
【請求項79】
前記コンジュゲート基が、細胞標的化部分を含む、請求項71~78のいずれか一項に記載のオリゴマー二本鎖。
【請求項80】
前記第2の修飾されたオリゴヌクレオチドが、末端基を含む、請求項49~79のいずれか一項に記載のオリゴマー二本鎖。
【請求項81】
前記末端基が、脱塩基糖部分である、請求項80に記載のオリゴマー二本鎖。
【請求項82】
前記第2の修飾されたオリゴヌクレオチドが、12~20、12~25、12~30、12~50、13~20、13~25、13~30、13~50、14~20、14~25、14~30、14~50、15~20、15~25、15~30、15~50、16~18、16~20、16~25、16~30、16~50、17~20、17~25、17~30、17~50、18~20、18~25、18~30、18~50、19~20、19~25、19~30、19~50、20~25、20~30、20~50、21~25、21~30、21~50、22~25、22~30、22~50、23~25、23~30、又は23~50個の連結ヌクレオシドからなる、請求項49~81のいずれか一項に記載のオリゴマー二本鎖。
【請求項83】
前記第1のオリゴマー化合物の前記修飾されたオリゴヌクレオチドが、23個の連結ヌクレオシドからなり、前記第2の修飾されたオリゴヌクレオチドが、21個の連結ヌクレオシドからなる、請求項49~81のいずれか一項に記載のオリゴマー二本鎖。
【請求項84】
前記第1のオリゴマー化合物の前記修飾されたオリゴヌクレオチドが、yfyyyfyyyyyyyfyfyyyyyyyの糖モチーフ(5’から3’)を有し、前記第2の修飾されたオリゴヌクレオチドが、yyyyyyfyfffyyyyyyyyyyの糖モチーフ(5’から3’)を有し、各「y」が、2’-OMe糖部分を表し、各「f」が、2’-F糖部分を表す、請求項83に記載のオリゴマー二本鎖。
【請求項85】
アンチセンス化合物を含むアンチセンス剤であって、前記アンチセンス化合物が、請求項1~42のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物である、アンチセンス剤。
【請求項86】
アンチセンス剤であって、前記アンチセンス剤が、請求項49~84のいずれか一項に記載のオリゴマー二本鎖である、アンチセンス剤。
【請求項87】
前記アンチセンス剤が、
iii.RNase Hの活性化によってPCDH19核酸の量を低減することができるRNase H剤、又は
iv.RISC/Ago2の活性化によってPCDH19核酸の量を低減することができるRNAi剤である、請求項85又は86に記載のアンチセンス剤。
【請求項88】
前記コンジュゲート基が、細胞標的化部分である、請求項85~87のいずれか一項に記載のアンチセンス剤。
【請求項89】
請求項1~42のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物、請求項43~48のいずれか一項に記載の集団、請求項49~84のいずれか一項に記載のオリゴマー二本鎖、又は請求項85~88のいずれか一項に記載のアンチセンス剤と、薬学的に許容される希釈剤と、を含む、医薬組成物。
【請求項90】
前記薬学的に許容される希釈剤は、人工脳脊髄液(aCSF)又はPBSである、請求項89に記載の医薬組成物。
【請求項91】
前記医薬組成物が、前記オリゴマー化合物、前記集団、前記オリゴマー二本鎖、又は前記アンチセンス剤と、aCSFと、から本質的になる、請求項90に記載の医薬組成物。
【請求項92】
前記医薬組成物が、前記オリゴマー化合物、前記集団、前記オリゴマー二本鎖、又は前記アンチセンス剤と、PBSと、から本質的になる、請求項90に記載の医薬組成物。
【請求項93】
請求項1~42のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物、請求項43~48のいずれか一項に記載の集団、請求項49~84のいずれか一項に記載のオリゴマー二本鎖、請求項85~88のいずれか一項に記載のアンチセンス剤、又は請求項89~92のいずれか一項に記載の医薬組成物を対象に投与することを含む、方法。
【請求項94】
前記対象が、PCDH19に関連する疾患を有する、請求項93に記載の方法。
【請求項95】
前記対象が、PCDH19てんかんを有する、請求項93に記載の方法。
【請求項96】
PCDH19に関連する疾患を治療する方法であって、PCDH19に関連する疾患を有するか又はそれを発症するリスクを有する対象に、治療有効量の、請求項1~42のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物、請求項43~48のいずれか一項に記載の集団、請求項49~84のいずれか一項に記載のオリゴマー二本鎖、請求項85~88のいずれか一項に記載のアンチセンス剤、又は請求項89~92のいずれか一項に記載の医薬組成物を投与することにより、前記PCDH19に関連する疾患を治療することを含む、方法。
【請求項97】
前記PCDH19に関連する疾患が、神経発達疾患である、請求項96に記載の方法。
【請求項98】
前記PCDH19に関連する疾患が、PCDH19てんかんである、請求項96又は97に記載の方法。
【請求項99】
前記PCDH19に関連する疾患の少なくとも1つの症状又は特徴が、緩和される、請求項96~98のいずれか一項に記載の方法。
【請求項100】
前記症状又は特徴が、発作、認知障害、知的障害、自閉症スペクトラム障害、行動上の問題、攻撃性、不安、強迫性障害、多動性、注意欠陥障害(ADD)、又は注意欠陥多動性障害(ADHD)である、請求項99に記載の方法。
【請求項101】
前記発作が、発作のクラスター、全身性強直性間代性発作、焦点性発作、又は両側性発作のうちのいずれかである、請求項100に記載の方法。
【請求項102】
請求項1~42のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物、請求項43~48のいずれか一項に記載の集団、請求項49~84のいずれか一項に記載のオリゴマー二本鎖、請求項85~88のいずれか一項に記載のアンチセンス剤、又は請求項89~92のいずれか一項に記載の医薬組成物を投与することが、前記対象における発作を低減し、認知障害を低減若しくは遅延させ、知的障害を低減若しくは遅延させ、自閉症スペクトラム障害の症状を低減若しくは遅延させ、行動上の問題を低減し、攻撃性を低減し、不安を低減し、強迫的行動を低減し、多動性を低減し、注意欠陥障害(ADD)の症状を低減するか、又は注意欠陥多動性障害(ADHD)の症状を低減する、請求項96~101のいずれか一項に記載の方法。
【請求項103】
前記対象が、ヒトである、請求項93~102のいずれか一項に記載の方法。
【請求項104】
細胞でのPCDH19の発現を低減させる方法であって、前記細胞を、請求項1~42のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物、請求項43~48のいずれか一項に記載の集団、請求項49~84のいずれか一項に記載のオリゴマー二本鎖、請求項85~88のいずれか一項に記載のアンチセンス剤、又は請求項89~92のいずれか一項に記載の医薬組成物と接触させることを含む、方法。
【請求項105】
前記細胞が、ニューロンである、請求項104に記載の方法。
【請求項106】
前記細胞が、ヒト細胞である、請求項104又は105に記載の方法。
【請求項107】
PCDH19に関連する疾患を治療するための、請求項1~42のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物、請求項43~48のいずれか一項に記載の集団、請求項49~84のいずれか一項に記載のオリゴマー二本鎖、請求項85~88のいずれか一項に記載のアンチセンス剤、又は請求項89~92のいずれか一項に記載の医薬組成物の使用。
【請求項108】
PCDH19に関連する疾患を治療するための医薬品の製造における、請求項1~42のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物、請求項43~48のいずれか一項に記載の集団、請求項49~84のいずれか一項に記載のオリゴマー二本鎖、又は請求項85~88のいずれか一項に記載のアンチセンス剤の使用。
【請求項109】
前記PCDH19に関連する疾患が、PCDH19てんかんである、請求項107又は108に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
配列表
本出願は、電子形式の配列表とともに出願されている。配列表は、サイズが1.37MBである、2022年12月16日に作成されたBIOL0443SEQ.xmlという名称のファイルとして提供される。この配列表の電子形式の情報は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
細胞又は対象におけるプロトカドヘリン19(PCDH19)RNAの量又は活性を低減するため、ある特定の例では、細胞又は対象におけるPCDH19タンパク質の量を低減するためのオリゴマー剤、オリゴマー化合物、方法、及び医薬組成物が提供される。そのようなオリゴマー剤、オリゴマー化合物、方法、及び医薬組成物は、神経発達疾患又は障害の少なくとも1つの症状又は特徴を緩和するのに有用である。そのような神経発達疾患又は障害としては、PCDH19てんかんが挙げられる。そのような症状又は特徴としては、発作、認知障害、知的障害、自閉症スペクトラム障害、行動上の問題、攻撃性、不安、強迫性障害、多動性、注意欠陥障害(ADD)、及び注意欠陥多動性障害(ADHD)が挙げられる。
【背景技術】
【0003】
プロトカドヘリン19(PCDH19)をコードするX結合遺伝子は、主に中枢神経系で発現され、細胞-細胞接着及びシナプス機能に関与している。PCDH19変異は、PCDH19てんかん(PCDH19-少女クラスターてんかん(GCE)てんかん、PCDH19障害、及び女性に限定された精神遅滞(EFMR)としても知られる)を含むPCDH19関連神経発達疾患及び障害をもたらす(Hoshima,N.,et al.,2021,Science,Apr16;372(6539):eaaz3893.doi:10.1126/science.aaz3893)。PCDH19てんかんは、てんかんの2番目に一般的な原因であり、5歳までに発作を起こした女の子の約10人に1人がPCDH19てんかんを有する。PCDH19てんかんは、ランダムなX染色体不活性化に起因して、独自の遺伝パターンを有し、PCDH19てんかんは、変異型PCDH19のモザイク発現に関連している。この変異は、異常な神経発達をもたらし、PCDH19変異についてヘテロ接合性である女性、及び体細胞PCDH19変異のモザイク保因者である男性において見出される。ヘミ接合性の男性は、一般的に症状を経験しないか、又はより微妙な表現型を有する(Thomas,P.,et al.,2018,Neuron,97,59-66)。PCDH19変異は、発作(発作のクラスター、全身性強直性間代性発作及び/又は焦点性発作を含み、これは、両側性強直性間代性発作に進化し得る)、認知障害、知的障害、自閉症スペクトラム障害、行動上の問題、攻撃性、不安、強迫性障害、多動性障害、注意欠陥障害(ADD)、及び注意欠陥多動性障害(ADHD)に関連する。青年期に達すると、発作の低減又は寛解があり得るが、認知障害、知的障害、自閉症スペクトラム障害、行動上の問題、攻撃性、不安、強迫性障害、多動性、注意欠陥障害(ADD)、及び注意欠陥多動性障害(ADHD)のうちの1つ以上が残る(Kolc.,K.L.,et al.,2019,Mol.Psych.24,241-251、Kolc,K.L.,et al.,2020,Transl.Psych.10,127)。
【0004】
現在、PCDH19変異に関連する疾患及び障害を治療するための許容される選択肢がない。したがって、そのような疾患及び障害を治療するための化合物及び医薬組成物を提供することが、本明細書の目的である。
【発明の概要】
【0005】
本明細書に記載のある特定の実施形態のオリゴマー剤、オリゴマー化合物、及び医薬組成物は、細胞又は対象におけるPCDH19発現を低減又は阻害するのに有用である。ある特定の実施形態では、PCDH19RNAレベル又はタンパク質レベルは、細胞又は対象において低減され得る。PCDH19てんかんを治療する方法も提供される。
【発明を実施するための形態】
【0006】
前述の発明の概要及び以下の発明を実施するための形態の両方は、単に例示的かつ説明的であり、限定的ではないことが理解されるべきである。本明細書では、単数形の使用は、別途明確な定めのない限り、複数形を含む。本明細書で使用されるとき、「又は」の使用は、別途定めのない限り、「及び/又は」を意味する。更に、「~を含む(including)」という用語、並びに「~を含む(includes)」及び「含まれる(included)」という他の形態は、限定的ではない。また、「要素」又は「構成成分」などの用語は、別途明確に記述されない限り、1つのユニットを含む要素及び構成成分、並びに2つ以上のサブユニットを含む要素及び構成成分の両方を包含する。
【0007】
本明細書で使用されるセクションの見出しは、構成の目的のためにのみ使用され、記載される主題を限定するものとして解釈されるべきではない。これらに限定されないが、特許、特許出願、論説、書物、論文、並びにGenBank、ENSEMBL、及びNCBI参考配列記録を含む、本出願に列挙される全ての文書、又は文書の部分は、本明細書で考察される文書の部分が、並びにそれらの全体が参照により本明細書に明確に組み込まれる。
【0008】
定義
具体的な定義が与えられない限り、本明細書に記載される分析化学、合成有機化学、並びに医薬品化学及び製薬化学に関連して用いられる命名法、並びにそれらの手順及び技法は、周知のものであり、当該技術分野で一般的に使用されているものである。容認される場合、本開示全体を通じて参照される全ての特許、特許出願、特許出願公開、並びに他の刊行物及び他のデータは、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0009】
別途示されない限り、下記の用語は、以下の意味を有する。
本明細書で使用される場合、「2’-デオキシリボヌクレオシド」とは、2’-H(H)デオキシリボシル糖部分を含むヌクレオシドを意味する。ある特定の実施形態では、2’-デオキシヌクレオシドは、2’-β-Dデオキシヌクレオシドであり、これは、自然に存在するデオキシリボ核酸(DNA)に見出されるようなβ-D構造を有する、2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を含む。ある特定の実施形態では、2’-デオキシヌクレオシド又は非修飾2’-デオキシリボシル糖部分を含むヌクレオシドは、修飾された核酸塩基を含むことができるか、又はRNA核酸塩基(ウラシル)を含むことができる。
【0010】
本明細書で使用される場合、「2’-MOE」とは、フラノシル糖部分における、2’-OH基の代わりの、2’-OCHCHOCH基を意味する。「2’-MOE糖部分」又は「2’-O-メトキシエチル糖部分」とは、フラノシル糖部分の2’-OH基の代わりに2’-OCHCHOCH基を有する糖部分を意味する。別途示されない限り、2’-MOE糖部分は、β-D-リボシル構造にある。「MOE」とは、O-メトキシエチルを意味する。
【0011】
本明細書で使用される場合、「2’-MOEヌクレオシド」とは、2’-MOE糖部分を含むヌクレオシドを意味する。
【0012】
本明細書で使用される場合、「2’-OMe」とは、フラノシル糖部分の2’-OH基の代わりの2’-OCH基を意味する。「2’-O-メチル糖部分」又は「2’-OMe糖部分」とは、フラノシル糖部分の2’-OH基の代わりに2’-OCH基を有する糖部分を意味する。別途示されない限り、2’-OMe糖部分は、β-D-リボシル配置にある。
【0013】
本明細書で使用される場合、「2’-OMeヌクレオシド」とは、2’-OMe糖部分を含むヌクレオシドを意味する。
【0014】
本明細書で使用される場合、「2’-F」とは、フラノシル糖部分の2’-OH基の代わりの2’-F基を意味する。「2’-O-フルオロ糖部分」又は「2’-F糖部分」とは、フラノシル糖部分の2’-OH基の代わりに2’-OF基を有する糖部分を意味する。別途示されない限り、2’-F糖部分は、β-D-リボシル配置にある。
【0015】
本明細書で使用される場合、「キシロ2’-F」は、β-D-キシロシル構成の2’-F糖部分を意味する。
【0016】
本明細書で使用される場合、「2’-置換ヌクレオシド」とは、2’-置換フラノシル糖部分を含むヌクレオシドを意味する。本明細書で使用される場合、糖部分を参照しての「2’-置換」とは、H又はOH以外の、少なくとも1個の2’-置換基を含む糖部分を意味する。
【0017】
本明細書で使用される場合、「3’標的部位」は、アンチセンスオリゴヌクレオチドが標的核酸にハイブリダイゼーションされるとき、アンチセンスオリゴヌクレオチドと相補的である標的核酸の最も3’側のヌクレオチドを指す。
【0018】
本明細書で使用される場合、「5’標的部位」は、アンチセンスオリゴヌクレオチドが標的核酸にハイブリダイゼーションされるとき、アンチセンスオリゴヌクレオチドと相補的である標的核酸の最も5’側のヌクレオチドを指す。
【0019】
本明細書で使用される場合、「5-メチルシトシン」は、5位に結合したメチル基で修飾されたシトシンを意味する。5-メチルシトシンは、修飾された核酸塩基である。
【0020】
本明細書で使用される場合、「脱塩基糖部分」とは、核酸塩基に結合されていないヌクレオシドの糖部分を意味する。そのような脱塩基糖部分は、当該技術分野では、「脱塩基ヌクレオシド」と称されることがある。
【0021】
本明細書で使用される場合、「投与」又は「投与すること」とは、動物に医薬品又は組成物を提供することを意味する。
【0022】
本明細書で使用される場合、疾患又は状態に関して「緩和する」とは、治療の不在下で同じ症状に対する疾患又は状態の少なくとも1つの症状における改善を意味する。ある特定の実施形態では、緩和は、症状の重症度若しくは頻度の低下、又は、症状の重症度若しくは頻度の発症の遅延若しくはその進行の遅延である。
【0023】
本明細書で使用される場合、「二環式ヌクレオシド」又は「BNA」とは、二環式糖部分を含むヌクレオシドを意味する。
【0024】
本明細書で使用される場合、「二環式糖」又は「二環式糖部分」とは、2つの環を含む修飾された糖部分を意味し、第2の環は、第1の環において原子のうち2つを連結する架橋を介して形成され、それにより、二環式構造を形成する。ある特定の実施形態では、二環式糖部分の第1の環は、フラノシル糖部分である。ある特定の実施形態では、フラノシル糖部分は、リボシル糖部分である。ある特定の実施形態では、二環式糖部分は、フラノシル糖部分を含まない。
【0025】
本明細書で使用される場合、2つのオリゴヌクレオチドによって形成されるオリゴマー二本鎖に関して「平滑(blunt)」又は「平滑末端(blunt ended)」は、末端の非対合ヌクレオチドが存在しないことを意味する(すなわち、オーバーハングヌクレオチドが存在しない)。オリゴマー二本鎖の一方又は両方の末端は、平滑であり得る。
【0026】
本明細書で使用される場合、「細胞標的化部分」とは、コンジュゲート基、又は特定の細胞型又は複数の細胞型に結合することができるコンジュゲート基の一部分を意味する。
【0027】
本明細書で使用される場合、「脳脊髄液」又は「CSF」とは、脳及び脊髄の周りの空間を満たす流体を意味する。「人工脳脊髄液」又は「aCSF」とは、脳脊髄液のある特定の特性を有する調製された又は製造された流体を意味する。
【0028】
本明細書で使用される場合、「切断可能な部分」とは、生理学的条件下で、例えば、細胞、動物、又はヒトの内部で切断される結合又は原子団を意味する。
【0029】
本明細書で使用される場合、オリゴヌクレオチドに関連する「相補的」とは、オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列と他の核酸が反対の方向に整列されている場合に、オリゴヌクレオチド又はその1個以上の部分の核酸塩基と、別の核酸又はその1個以上の部分の核酸塩基の少なくとも70%が、互いに水素結合することができることを意味する。本明細書で使用される場合、「相補的な核酸塩基」とは、互いに水素結合を形成し得る核酸塩基を意味する。相補的核酸塩基対は、アデニン(A)とチミン(T)、アデニン(A)とウラシル(U)、シトシン(C)とグアニン(G)、及び5-メチルシトシン(C)とグアニン(G)を含む。天然の核酸塩基又は他の修飾された核酸塩基と対合するある特定の修飾された核酸塩基は、当該技術分野で知られている。例えば、イノシンは、アデノシン、シトシン、又はウラシルと対合し得る。相補的なオリゴヌクレオチド及び/又は核酸は、各ヌクレオシドにおいて核酸塩基の相補性を有する必要はない。むしろ、いくつかのミスマッチが許容される。本明細書で使用される場合、オリゴヌクレオチド又はその一部に関して「完全に相補的」又は「100%相補的」とは、オリゴヌクレオチド又はその一部が、2つのオリゴヌクレオチドのうちの短い方の各核酸塩基で、又はオリゴヌクレオチドが同じ長さである場合には各ヌクレオシドで、別のオリゴヌクレオチド又は標的核酸と相補的であることを意味する。
【0030】
本明細書で使用される場合、オリゴヌクレオチドに関して「相補領域」とは、第2のオリゴヌクレオチド又は標的核酸と相補的であるオリゴヌクレオチドの核酸塩基の範囲である。
【0031】
本明細書で使用される場合、「コンジュゲート基」とは、オリゴヌクレオチドに直接的又は間接的に結合した原子団を意味する。コンジュゲート基は、コンジュゲート部分と、当該コンジュゲート部分をオリゴヌクレオチドに結合させるコンジュゲートリンカーと、を含む。
【0032】
本明細書で使用される場合、「コンジュゲートリンカー」とは、単結合、又は、コンジュゲート部分をオリゴヌクレオチドに接続させる少なくとも1つの結合を含む原子団を意味する。
【0033】
本明細書で使用される場合、「コンジュゲート部分」とは、コンジュゲートリンカーを介してオリゴヌクレオチドに結合している原子団を意味する。
【0034】
本明細書で使用される場合、オリゴヌクレオチドの文脈における「連続する」とは、互いに直接隣接するヌクレオシド、核酸塩基、糖部分、又はヌクレオシド間結合を指す。例えば、「連続する核酸塩基」とは、配列において互いに直接隣接する核酸塩基を意味する。
【0035】
本明細書で使用される場合、「拘束エチル」又は「cEt」とは、リボシル糖部分の2’OH基の代わりに4’から2’への架橋を意味し、架橋は、4’-CH(CH)-O-2’の式を有し、架橋のメチル基は、S配置にある。「cEt糖部分」は、リボシル糖部分の2’OH基の代わりに4’から2’への架橋を有する二環式糖部分であり、架橋は、4’-CH(CH)-O-2’の式を有し、架橋のメチル基は、S配置にある。「cEt」は、拘束エチルを意味する。
【0036】
本明細書で使用される場合、「cEtヌクレオシド」とは、cEt糖部分を含むヌクレオシドを意味する。
【0037】
本明細書で使用される場合、「キラル的に濃縮された」とは、同一の分子式の複数の分子であって、特定のキラル中心で特定の立体化学的配置を含む集団内の分子の数又はパーセンテージが、特定のキラル中心が立体的にランダムである場合に集団内の同じ特定のキラル中心で同じ特定の立体化学的配置を含むことが予想される分子の数又はパーセンテージよりも大きい、同一の分子式の複数の分子を意味する。各分子内に複数のキラル中心を有する分子のキラル的に濃縮された集団は、1つ以上の立体的にランダムなキラル中心を含み得る。ある特定の実施形態では、分子は、修飾されたオリゴヌクレオチドである。ある特定の実施形態では、分子は、修飾されたオリゴヌクレオチドを含む化合物である。
【0038】
本明細書で使用される場合、ヌクレオシド間結合に関して「キラル的に制御された」とは、その結合のキラリティが特定の立体化学的配置について濃縮されていることを意味する。
【0039】
本明細書で使用される場合、「デオキシ領域」とは、5~12個の連続したヌクレオチドの領域を意味し、ヌクレオシドのうちの少なくとも70%は、2’-β-D-デオキシヌクレオシドである。ある特定の実施形態では、各ヌクレオシドは、2’-β-D-デオキシヌクレオシド、二環式ヌクレオシド、及び2’-置換ヌクレオシドから選択される。ある特定の実施形態では、デオキシ領域は、RNase H活性を補助する。ある特定の実施形態では、デオキシ領域は、ギャップマーのギャップ又は内部領域である。
【0040】
本明細書で使用される場合、領域又はオリゴヌクレオチドに関して「二本鎖」とは、互いにハイブリダイズされた核酸(オリゴヌクレオチドを含むが、これらに限定されない)の相補鎖によって形成される二本鎖を意味する。ある特定の実施形態では、二本鎖領域の2本の鎖は、別個の分子である。ある特定の実施形態では、2本の鎖は、それ自体に折り畳まれた(例えば、ヘアピン構造)同じ分子の領域である。
【0041】
本明細書で使用される場合、「二本鎖」又は「二本鎖領域」とは、互いにハイブリダイズされる2つのオリゴヌクレオチド又はその一部分によって形成される構造を意味する。
【0042】
本明細書で使用される場合、「ギャップマー」とは、1つ以上のヌクレオシドを有する外部領域の間に位置するRNase H切断を支持する複数のヌクレオシドを有する内部領域を含む修飾されたオリゴヌクレオチドを意味し、内部領域を含むヌクレオシドは、ヌクレオシド又は外部領域を含むヌクレオシドとは化学的に異なる。内部領域は「ギャップ」と呼ぶ場合があり、外部領域は「ウイング」又は「ウイングセグメント」と呼ぶ場合がある。ある特定の実施形態では、内部領域は、デオキシ領域である。内部領域又はギャップの位置は、内部領域のヌクレオシドの順番を指し、内部領域の5’末端から計数される。別途示されない限り、「ギャップマー」は、糖モチーフを意味する。ある特定の実施形態では、ギャップの各ヌクレオシドは、2’-β-D-デオキシヌクレオシドである。ある特定の実施形態では、ギャップは、ギャップの1、2、3、4、又は5位に1個の2’-置換ヌクレオシドを含み、ギャップのヌクレオシドの残りは2’-β-D-デオキシヌクレオシドである。本明細書で使用される場合、「MOEギャップマー」は、2’-β-D-デオキシヌクレオシド及び2’-MOEヌクレオシドを含むウイングを含むギャップを有するギャップマーを示す。本明細書で使用される場合、「混合ウイングギャップマー」という用語は、少なくとも2つの異なる糖修飾を含む修飾されたヌクレオシドを含むウイングを有するギャップマーを示す。別途示されない限り、ギャップマーは、1つ以上の修飾されたヌクレオシド間結合及び/又は修飾された核酸塩基を含み得、そのような修飾は、必ずしも糖修飾のギャップマーパターンに従うとは限らない。
【0043】
本明細書で使用される場合、「ホットスポット領域」とは、標的核酸の量又は活性のオリゴマー化合物媒介性の低減を生じやすい標的核酸上の核酸塩基の範囲である。
【0044】
本明細書で使用される場合、「ハイブリダイゼーション」とは、相補的オリゴヌクレオチド及び/又は核酸の対合又はアニーリングを意味する。特定のメカニズムに限定されるものではないが、ハイブリダイゼーションの最も一般的なメカニズムは水素結合を伴い、これは、相補性核酸塩基間での、ワトソン・クリック、フーグスティーン型、又は逆フーグスティーン型水素結合であり得る。ある特定の実施形態では、相補性核酸分子は、これらに限定されないが、オリゴマー二本鎖及び核酸標的を含む。ある特定の実施形態では、相補性核酸分子は、これらに限定されないが、アンチセンスオリゴヌクレオチド及び核酸標的を含む。
【0045】
本明細書で使用される場合、「ヌクレオシド間結合」とは、オリゴヌクレオチド中の連続するヌクレオシド間の共有結合を意味する。本明細書で使用される場合、「修飾されたヌクレオシド間結合」とは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合以外の任意のヌクレオシド間結合を意味する。「ホスホジエステルヌクレオシド間結合」又は「PSヌクレオシド間結合」は、ホスホジエステルヌクレオシド間結合の非架橋酸素原子のうちの1個が硫黄原子で置き換えられる修飾されたヌクレオシド間結合である。
【0046】
本明細書で使用される場合、「逆位ヌクレオシド」とは、本明細書に示されるように、3’から3’の及び/又は5’から5’のヌクレオシド間結合を有するヌクレオチドを意味する。
【0047】
本明細書で使用される場合、「逆位糖部分」とは、逆位ヌクレオシド又は3’から3’の及び/又は5’から5’のヌクレオシド間結合を有する脱塩基糖部分の糖部分を意味する。
【0048】
本明細書で使用される場合、「連結ヌクレオシド」とは、連続した配列中で接続された(すなわち、連結されたヌクレオシド間に更なるヌクレオシドが存在しない)ヌクレオシドである。
【0049】
本明細書で使用される場合、「リンカー-ヌクレオシド」とは、オリゴヌクレオチドをコンジュゲート部分に、直接、又は間接的のいずれかで連結させるヌクレオシドを意味する。リンカー-ヌクレオシドは、オリゴマー化合物のコンジュゲートリンカーの中に位置する。リンカー-ヌクレオシドは、これらがオリゴヌクレオチドと連続していたとしても、オリゴマー化合物のオリゴヌクレオチド部分の一部とはみなされない。
【0050】
「脂質ナノ粒子」又は「LNP」は、核酸分子、例えば、RNAi又はRNAiが転写されるプラスミドなどの薬学的に活性な分子を封入する脂質層を含む小胞である。LNPは、例えば、米国特許第6,858,225号、同第6,815,432号、同第8,158,601号、及び同第8,058,069号に記載されており、それらの内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0051】
本明細書で使用される場合、「ミスマッチ」又は「非相補的」とは、第1及び第2の核酸配列が対向する方向に整列されている場合に、第2の核酸配列又は標的核酸の対応する核酸塩基と相補的でない第1の核酸配列の核酸塩基を意味する。
【0052】
本明細書で使用される場合、「モチーフ」は、オリゴヌクレオチドにおける修飾されていない及び/又は修飾された糖部分、核酸塩基、及び/又はヌクレオシド間結合のパターンを意味する。
【0053】
本明細書で使用される場合、「非二環式の修飾された糖部分」とは、第2の環を形成するための糖の2個の原子間に架橋を形成しない、置換基などの修飾を含む修飾された糖部分を意味する。
【0054】
本明細書で使用される場合、「モチーフ」とは、オリゴヌクレオチドにおける、未修飾及び/又は修飾された糖部分、核酸塩基、及び/又はヌクレオシド間結合のパターンを意味する。
【0055】
本明細書で使用される場合、「核酸塩基」とは、未修飾核酸塩基又は修飾された核酸塩基を意味する。本明細書で使用される場合、「未修飾核酸塩基」とは、アデニン(A)、チミン(T)、シトシン(C)、ウラシル(U)、又はグアニン(G)である。本明細書で使用される場合、「修飾された核酸塩基」とは、少なくとも1個の修飾されていない核酸塩基と対合することができる、修飾されていないA、T、C、U、又はG以外の原子団である。「5-メチルシトシン」は、修飾された核酸塩基である。ユニバーサル塩基は、5個の未修飾核酸塩基のいずれの1個とも対形成可能な修飾された核酸塩基である。本明細書で使用される場合、「核酸塩基配列」とは、任意の糖又はヌクレオシド間結合修飾とは無関係の標的核酸又はオリゴヌクレオチドにおける連続する核酸塩基の順番を意味する。
【0056】
本明細書で使用される場合、「ヌクレオシド」とは、核酸塩基及び糖部分を含む化合物又は化合物の断片を意味する。核酸塩基及び糖部分はそれぞれ、独立して未修飾であるか、又は修飾される。本明細書で使用される場合、「修飾ヌクレオシド」は、修飾された核酸塩基及び/又は修飾された糖部分を含有するヌクレオシドを意味する。修飾されたヌクレオシドとしては、核酸塩基を欠いた脱塩基ヌクレオシドが挙げられる。「連結ヌクレオシド」とは、連続した配列中で接続された(すなわち、連結されたヌクレオシド間に更なるヌクレオシドが存在しない)ヌクレオシドである。
【0057】
本明細書で使用される場合、「ヌクレオシドオーバーハング」は、2つのオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションによって形成された二本鎖のいずれか又は両方の末端にある対合していないヌクレオチドを指す。
【0058】
本明細書で使用される場合、「オリゴマー剤」とは、オリゴマー化合物、及び任意に、第2のオリゴマー化合物などの1つ以上の追加の特徴を意味する。オリゴマー剤は、一本鎖オリゴマー化合物であり得るか、又は2つの相補的オリゴマー化合物によって形成されるオリゴマー二本鎖であり得る。
【0059】
本明細書で使用される場合、「オリゴマー化合物」とは、オリゴヌクレオチド、及び任意選択的に、コンジュゲート基又は末端基などの1つ以上の追加の特徴物を意味する。オリゴマー化合物は、第1のオリゴマー化合物に相補的な第2のオリゴマー化合物と対形成することができる、又は、対形成しないことができる。「一本鎖オリゴマー化合物」とは、対形成しないオリゴマー化合物である。「オリゴマー二本鎖」という用語は、相補核酸塩基配列を有する2つのオリゴマー化合物により形成された二本鎖を意味する。オリゴマー二本鎖の各オリゴマー化合物は、「二本鎖オリゴマー化合物」と呼ぶ場合がある。
【0060】
本明細書で使用される場合、「オリゴヌクレオチド」とは、ヌクレオシド間結合を介して接続された、連結ヌクレオシドの鎖を意味し、ここで、各ヌクレオシド及びヌクレオシド間結合は、修飾されていても、又は未修飾であってもよい。別途示されない限り、オリゴヌクレオチドは8~50個の連結ヌクレオシドからなる。本明細書で使用される場合、「修飾オリゴヌクレオチド」とは、少なくとも1つのヌクレオシド又はヌクレオシド間結合が修飾されている、オリゴヌクレオチドを意味する。本明細書で使用される場合、「未修飾オリゴヌクレオチド」とは、いずれのヌクレオシド修飾も、ヌクレオシド間修飾も含まないオリゴヌクレオチドを意味する。オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドと相補的な第2のオリゴヌクレオチドと対になっていてもよく、又は対になっていなくてもよい。「一本鎖オリゴヌクレオチド」は、不対オリゴヌクレオチドである。「二本鎖オリゴヌクレオチド」は、第2のオリゴヌクレオチドと対になるオリゴヌクレオチドである。
【0061】
本明細書で使用される場合、「オリゴヌクレオチド二本鎖」とは、相補的核酸塩基配列を有する2対のオリゴヌクレオチドによって形成される二本鎖を意味する。オリゴヌクレオチド二本鎖の各オリゴは、「二本鎖オリゴヌクレオチド」又は「二本鎖オリゴヌクレオチド」である。
【0062】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体又は希釈剤」とは、動物への投与に用いるのに好適な任意の物質を意味する。ある特定のそのような担体は、医薬組成物を、例えば、動物による経口摂取のための錠剤、丸薬、糖衣錠、カプセル、液体、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁液、及びトローチ剤として製剤化することを可能にする。ある特定の実施形態では、薬学的に許容される担体又は希釈剤は、滅菌水、滅菌生理食塩水、滅菌緩衝液、又は滅菌人工脳脊髄液である。
【0063】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される塩」とは、化合物の生理学的及び薬学的に許容される塩を意味する。薬学的に許容される塩は、親化合物の望ましい生物学的活性を保持し、望ましくない毒物学的影響を与えない。
【0064】
本明細書で使用される場合、「医薬組成物」とは、動物に投与するのに好適な物質の混合物を意味する。例えば、医薬組成物は、オリゴマー化合物と、滅菌水溶液と、を含むことができる。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、ある特定の細胞株における自由取り込みアッセイにおいて、活性を示す。
【0065】
本明細書で使用される場合、「量又は活性を低減する」とは、未処置又は対照試料における転写発現又は活性と比較した転写発現又は活性の低減又は遮断を意味し、必ずしも転写発現又は活性の完全な消失を示すとは限らない。
【0066】
本明細書で使用される場合、「RNA」とは、RNA転写産物を意味し、別途定めがない限り、pre-mRNA及び成熟mRNAを含む。
【0067】
本明細書で使用される場合、「RNAi剤」とは、少なくとも部分的に、RISC又はAgo2を介して、標的核酸及び/又は標的核酸によってコードされるタンパク質を調節するように作用する、アンチセンス化合物を意味する。RNAi剤は、二本鎖siRNA、一本鎖RNAi(ssRNAi)、及びmicroRNA模倣物を含むmicroRNAを含むが、これらに限定されない。RNAi剤は、コンジュゲート基及び/又は末端基を含み得る。ある特定の実施形態では、RNAi剤は、標的核酸の量及び/又は活性を調節する。RNAi剤という用語は、RNase Hを介して作用するアンチセンス剤を除外する。
【0068】
本明細書で使用される場合、「RNase H剤」とは、RNase Hを介して、標的核酸及び/又は標的核酸によってコードされるタンパク質を調節するように作用する、アンチセンス化合物を意味する。ある特定の実施形態では、RNase H剤は、一本鎖である。ある特定の実施形態では、RNase H剤は、二本鎖である。RNase H剤は、コンジュゲート基及び/又は末端基を含み得る。ある特定の実施形態では、RNase H剤は、標的核酸の量及び/又は活性を調節する。RNase H剤という用語は、主にRISC/Ago2を介して作用するアンチセンス剤を除外する。
【0069】
オリゴヌクレオチドに関して本明細書で使用される場合、「自己相補的」とは、それ自体に対して少なくとも部分的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを意味する。
【0070】
本明細書で使用される場合、「一本鎖」とは、不対であり、二本鎖の一部ではない核酸(オリゴヌクレオチドを含むが、これに限定されない)を意味する。一本鎖化合物は、二本鎖を形成するために相補的核酸とハイブリダイズすることができ、その時点でそれらはもはや一本鎖ではない。
【0071】
本明細書で使用される場合、「安定化リン酸基」とは、DNA又はRNA上に天然に存在する5’ホスフェートよりも代謝的に安定である5’ホスフェート類似体を意味する。
【0072】
本明細書で使用される場合、「標準細胞アッセイ」及び「標準インビトロアッセイ」は、本明細書で互換的に使用され、用語は、実施例1に記載されるアッセイ及びその合理的な変形を意味する。
【0073】
本明細書で使用される場合、同一の分子式の分子の集団の文脈における「立体的にランダムなキラル中心」とは、ランダム立体化学的配置を有するキラル中心を意味する。例えば、立体的にランダムなキラル中心を含む分子の集団において、立体的にランダムなキラル中心の(S)配置を有する分子の数は、立体的にランダムなキラル中心の(R)配置を有する分子の数と同じであり得るが、必ずしも同じであるとは限らない。キラル中心の立体化学的配置は、立体化学的配置を制御するように設計されていない合成方法の結果である場合にはランダムであるとみなされる。ある特定の実施形態では、立体的にランダムなキラル中心は、立体的にランダムなホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。
【0074】
本明細書で使用される場合、「対象」は、ヒト又は非ヒト動物を意味する。「対象」「動物」及び「個体」という用語は、互換的に使用される。ある特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0075】
本明細書で使用される場合、「糖部分」とは、未修飾糖部分又は修飾された糖部分を意味する。本明細書で使用される場合、「未修飾糖部分」とは、RNAに見出されるような2’-OH(H)β-D-リボシル糖部分(「修飾されていないRNA糖部分」)、又はDNAにみられるような2’-H(H)β-D-デオキシリボシル糖部分(「修飾されていないDNA糖部分」)を意味する。未修飾糖部分は、1’、3’、及び4’位のそれぞれに1個の水素、3’位に1個の酸素、並びに、5’位に2個の水素を有する。本明細書で使用される場合、「修飾された糖部分」又は「修飾された糖」とは、修飾フラノシル糖部分又は糖サロゲートを意味する。
【0076】
本明細書で使用される場合、「糖サロゲート」とは、核酸塩基を、オリゴヌクレオチドにおけるヌクレオシド間結合、コンジュゲート基、又は末端基などの別の基に結合し得るフラノシル部分以外を有する修飾された糖部分を意味する。糖サロゲートを含む修飾ヌクレオシドを、オリゴヌクレオチド中の1つ以上の位置に組み込むことが可能であり、このようなオリゴヌクレオチドは、相補性オリゴマー化合物又は標的核酸にハイブリダイズすることができる。
【0077】
本明細書で使用される場合、「症状又は特徴」は、疾患又は障害の存在又は程度を示す任意の物理的特徴物又は試験結果を意味する。ある特定の実施形態では、症状は、対象にとって、又は、当該対象を検査若しくは試験する医療専門家にとって明らかである。ある特定の実施形態では、特徴は、死後試験を含むがこれに限定されない、侵襲性診断試験の際に明らかとなる。
【0078】
本明細書で使用される場合、「標的核酸」及び「標的RNA」とは、アンチセンス化合物が影響を及ぼすように設計される核酸を意味する。標的RNAとは、RNA転写産物を意味し、別途定めがない限り、pre-mRNA及び成熟mRNAを含む。
【0079】
本明細書で使用される場合、「標的領域」とは、オリゴマー化合物がハイブリダイズするように設計される、標的核酸の一部を意味する。
【0080】
本明細書で使用される場合、「末端基」とは、オリゴヌクレオチドの末端に共有結合した、ある化学基、又は原子団を意味する。
【0081】
本明細書で使用される場合、「治療すること」とは、本明細書に記載のオリゴマー剤又はオリゴマー化合物を投与することによって、対象の疾患又は状態を改善することを意味する。ある特定の実施形態では、対象を処置することで、処置がなされない同じ症状と比較して、症状が改善される。ある特定の実施形態では、処置は、症状の重症度若しくは頻度を低減するか、症状の開始を遅らせる、症状の進行を遅くするか、又は、症状の重症度若しくは頻度を遅くする。
【0082】
本明細書で使用される場合、「治療有効量」とは、動物に治療効果を提供する医薬品又は組成物の量を意味する。例えば、治療有効量は、疾患の症状を改善する。
【0083】
本明細書で使用される場合、「アンチセンス活性」とは、アンチセンス化合物のその標的核酸へのハイブリダイゼーションに起因し得る任意の検出可能な及び/又は測定可能な変化を意味する。ある特定の実施形態では、アンチセンス活性は、アンチセンス化合物の不在下で標的核酸レベル又は標的タンパク質レベルと比較した、そのような標的核酸によってコードされる標的核酸又はタンパク質の量又は発現の低減である。ある特定の実施形態では、アンチセンス活性とは、標的pre-mRNAのスプライシングの調節である。
【0084】
本明細書で使用される場合、「アンチセンス剤」とは、アンチセンス化合物、及び、任意選択的に、センス化合物などの1種以上の追加の特徴物を意味する。
【0085】
本明細書で使用される場合、「アンチセンス化合物」とは、アンチセンスオリゴヌクレオチド、及び、任意選択的に、コンジュゲート基などの、1種以上の追加の特徴物を意味する。
【0086】
本明細書で使用される場合、「センス化合物」とは、センスオリゴヌクレオチド、及び、任意選択的に、コンジュゲート基などの、1種以上の追加の特徴物を意味する。
【0087】
本明細書で使用される場合、「アンチセンスオリゴヌクレオチド」とは、標的核酸にハイブリダイズ可能であり、少なくとも1つのアンチセンス活性を可能である、アンチセンス化合物のオリゴヌクレオチド部を含む、オリゴヌクレオチドを意味する。アンチセンスオリゴヌクレオチドとしては、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチド、及び、アンチセンスRNase Hオリゴヌクレオチドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0088】
本明細書で使用される場合、「センスオリゴヌクレオチド」とは、アンチセンスオリゴヌクレオチドにハイブリダイズ可能な、センス化合物のオリゴヌクレオチド部を含む、オリゴヌクレオチドを意味する。
【0089】
特定の実施形態
本開示は、以下の非限定的な番号付けされた実施形態を提供するものである。
【0090】
実施形態1.12~50個の連結ヌクレオシドからなる修飾されたオリゴヌクレオチドを含む、オリゴマー化合物であって、修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、PCDH19核酸の等長部分と少なくとも80%相補的であり、修飾されたオリゴヌクレオチドが、修飾された糖及び修飾されたヌクレオシド間結合から選択される少なくとも1つの修飾を含む、オリゴマー化合物。
【0091】
実施形態2.12~50個の連結ヌクレオシドからなる修飾されたオリゴヌクレオチドを含む、オリゴマー化合物であって、修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、配列番号15~482のうちのいずれかの、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、又は少なくとも20個の連続する核酸塩基を含み、修飾されたオリゴヌクレオチドが、修飾された糖及び修飾されたヌクレオシド間結合から選択される少なくとも1つの修飾を含む、オリゴマー化合物。
【0092】
実施形態3.12~50個の連結ヌクレオシドからなる修飾されたオリゴヌクレオチドを含む、オリゴマー化合物であって、修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、配列番号15~560のうちのいずれかの、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、又は16個の連続する核酸塩基を含み、修飾されたオリゴヌクレオチドが、修飾された糖及び修飾されたヌクレオシド間結合から選択される少なくとも1つの修飾を含む、オリゴマー化合物。
【0093】
実施形態4.修飾されたオリゴヌクレオチドが、配列番号15~560のうちのいずれかの核酸塩基配列からなる核酸塩基配列を有する、実施形態2又は3に記載のオリゴマー化合物。
【0094】
実施形態5.12~50個の連結ヌクレオシドからなる修飾されたオリゴヌクレオチドを含む、オリゴマー化合物であって、修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、配列番号561~1028のうちのいずれかの、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、又は少なくとも23個の連続する核酸塩基を含み、修飾されたオリゴヌクレオチドが、修飾された糖及び修飾されたヌクレオシド間結合から選択される少なくとも1つの修飾を含む、オリゴマー化合物。
【0095】
実施形態6.修飾されたオリゴヌクレオチドが、配列番号561~1028のうちのいずれかの核酸塩基配列からなる核酸塩基配列を有する、実施形態5に記載のオリゴマー化合物。
【0096】
実施形態7.12~50個の連結ヌクレオシドからなる修飾されたオリゴヌクレオチドを含み、
配列番号1の核酸塩基4,743~4,767の等長部分、
配列番号1の核酸塩基12,319~12,346の等長部分、
配列番号1の核酸塩基34,364~34,389の等長部分、又は
配列番号1の核酸塩基84、408~84、431の等長部分と相補的な少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、又は少なくとも20個の連続する核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する、オリゴマー化合物であって、
修飾されたオリゴヌクレオチドが、修飾された糖及び修飾されたヌクレオシド間結合から選択される少なくとも1つの修飾を含む、オリゴマー化合物。
【0097】
実施形態8.12~50個の連結ヌクレオシドからなる修飾されたオリゴヌクレオチドを含み、
配列番号132、228、284、330、若しくは440、
配列番号416、72、129、若しくは204、
配列番号371、425、20、若しくは111、又は
配列番号367、407、24、93、若しくは218から選択される配列の少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、又は少なくとも20個の連続する核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する、オリゴマー化合物であって、
修飾されたオリゴヌクレオチドが、修飾された糖及び修飾されたヌクレオシド間結合から選択される少なくとも1つの修飾を含む、オリゴマー化合物。
【0098】
実施形態9.修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列全体にわたって測定された場合に、配列番号1又は配列番号2の核酸塩基配列のうちのいずれかと少なくとも80%、85%、90%、95%、又は100%相補的である、実施形態1~8のいずれか1つに記載のオリゴマー化合物。
【0099】
実施形態10.修飾されたオリゴヌクレオチドが、12~20、12~25、12~30、12~50、13~20、13~25、13~30、13~50、14~20、14~25、14~30、14~50、15~20、15~25、15~30、15~50、16~18、16~20、16~25、16~30、16~50、17~20、17~25、17~30、17~50、18~20、18~25、18~30、18~50、19~20、19~25、19~30、19~50、20~25、20~30、20~50、21~25、21~30、21~50、22~25、22~30、22~50、23~25、23~30、又は23~50個の連結ヌクレオシドからなる、実施形態1~9のいずれか1つに記載のオリゴマー化合物。
【0100】
実施形態11.修飾されたオリゴヌクレオチドが、少なくとも1個の修飾されたヌクレオシドを含む、実施形態1~10のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0101】
実施形態12.修飾されたオリゴヌクレオチドが、修飾された糖部分を含む少なくとも1個の修飾されたヌクレオシドを含む、実施形態11に記載のオリゴマー化合物。
【0102】
実施形態13.修飾された糖部分が、二環式糖部分を含む、実施形態12に記載のオリゴマー化合物。
【0103】
実施形態14.二環式糖部分が、-O-CH-及び-O-CH(CH)-から選択される2’-4’架橋を含む、実施形態13に記載のオリゴマー化合物。
【0104】
実施形態15.修飾されたオリゴヌクレオチドの少なくとも1個の修飾されたヌクレオシドが、非二環式の修飾された糖部分を含む、実施形態11~14のいずれか1つに記載のオリゴマー化合物。
【0105】
実施形態16.修飾されたオリゴヌクレオチドの少なくとも1個の修飾されたヌクレオシドが、2’-4’架橋を有する二環式糖部分及び非二環式の修飾された糖部分を含む少なくとも1個のヌクレオシドを含む、実施形態15に記載のオリゴマー化合物。
【0106】
実施形態17.非二環式の修飾された糖部分が、2’-O(CH-OCHリボシル糖部分、2’-OMe糖部分、又は2’-F糖部分である、実施形態15又は16に記載のオリゴマー化合物。
【0107】
実施形態18.修飾されたオリゴヌクレオチドが、糖サロゲートを含む少なくとも1個の修飾されたヌクレオシドを含む、実施形態1~17のいずれか1つに記載のオリゴマー化合物。
【0108】
実施形態19.修飾されたオリゴヌクレオチドの少なくとも1個の修飾されたヌクレオシドが、モルホリノ及びPNAから選択される糖サロゲートを含む、実施形態18に記載のオリゴマー化合物。
【0109】
実施形態20.修飾されたオリゴヌクレオチドが、少なくとも1つの修飾されたヌクレオシド間結合を含む、実施形態1~19のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0110】
実施形態21.修飾されたオリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合が、修飾されたヌクレオシド間結合である、実施形態20に記載のオリゴマー化合物。
【0111】
実施形態22.少なくとも1つの修飾されたヌクレオシド間結合が、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である、実施形態20又は21に記載のオリゴマー化合物。
【0112】
実施形態23.修飾されたオリゴヌクレオチドが、少なくとも1個のホスホジエステルヌクレオシド間結合を含む、実施形態20又は22に記載のオリゴマー化合物。
【0113】
実施形態24.各ヌクレオシド間結合が、独立して、ホスホジエステルヌクレオシド間結合、又はホスホロチオエートヌクレオシド間結合から選択される、実施形態20、22、又は23のいずれか1つに記載のオリゴマー化合物。
【0114】
実施形態25.修飾されたオリゴヌクレオチドの少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、又は少なくとも19のヌクレオシド間結合が、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である、実施形態20、又は22~24のいずれか1つに記載のオリゴマー化合物。
【0115】
実施形態26.各ヌクレオシド間結合が、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である、実施形態20~22、24又は25のいずれか1つに記載のオリゴマー化合物。
【0116】
実施形態27.修飾されたオリゴヌクレオチドのヌクレオシド間結合モチーフが、5’-sssssssssssssssssss-3’、5’-sssssssssssssss-3’、5’-soooossssssssssooss-3’、及びssoooooooooooooooooossから選択され、各「o」が、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、各「s」が、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、実施形態20又は22~26のいずれか1つに記載のオリゴマー化合物。
【0117】
実施形態28.修飾されたオリゴヌクレオチドが、修飾された核酸塩基を含む、実施形態1~27のいずれか1つに記載のオリゴマー化合物。
【0118】
実施形態29.修飾された核酸塩基が、5-メチルシトシンである、実施形態28に記載のオリゴマー化合物。
【0119】
実施形態30.オリゴマー化合物が、12~22、12~20、14~18、14~20、15~17、15~25、16~20、16~18、18~22、18~25、18~20、20~25、又は21~23個の連結ヌクレオシドからなる修飾されたオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩を含む、実施形態1~29のいずれか1つに記載のオリゴマー化合物。
【0120】
実施形態31.修飾されたオリゴヌクレオチドが、ナトリウム、カリウム、カルシウム、及びマグネシウムから選択される1つ以上のカチオンを含む、薬学的に許容される塩である、実施形態30に記載のオリゴマー化合物。
【0121】
実施形態32.修飾されたオリゴヌクレオチドが、16個の連結ヌクレオシドからなる、実施形態1~31のいずれか1つに記載のオリゴマー化合物。
【0122】
実施形態33.修飾されたオリゴヌクレオチドが、18個の連結ヌクレオシドからなる、実施形態1~31のいずれか1つに記載のオリゴマー化合物。
【0123】
実施形態34.修飾されたオリゴヌクレオチドが、20個の連結ヌクレオシドからなる、実施形態1~31のいずれか1つに記載のオリゴマー化合物。
【0124】
実施形態35.修飾されたオリゴヌクレオチドが、21個の連結ヌクレオシドからなる、実施形態1~31のいずれか1つに記載のオリゴマー化合物。
【0125】
実施形態36.修飾されたオリゴヌクレオチドが、23個の連結ヌクレオシドからなる、実施形態1~31のいずれか1つに記載のオリゴマー化合物。
【0126】
実施形態37.オリゴマー化合物が、RNase Hを活性化する、実施形態1~35のいずれか1つに記載のオリゴマー化合物。
【0127】
実施形態38.修飾されたオリゴヌクレオチドが、ギャップマーである、実施形態37に記載のオリゴマー化合物。
【0128】
実施形態39.修飾されたオリゴヌクレオチドが、
1~6個の連結された5’領域ヌクレオシドからなる5’領域と、
6~10個の連結された中央領域ヌクレオシドからなる中央領域と、
1~6個の連結された3’領域ヌクレオシドからなる3’領域と、を含む糖モチーフを有し、
5’領域の3’末端ヌクレオシド及び3’領域の5’末端ヌクレオシドが、修飾された糖部分を含み、
中央領域ヌクレオシドの各々が、2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を含むヌクレオシド及び2’-置換糖部分を含むヌクレオシドから選択され、中央領域が、2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を含む少なくとも6個のヌクレオシド及び2’-置換糖部分を含む2個以下のヌクレオシドを含む、実施形態1~34のいずれか1つに記載のオリゴマー化合物。
【0129】
実施形態40.修飾されたオリゴヌクレオチドが、
1~6個の連結された5’領域ヌクレオシドからなる5’領域と、
6~10個の連結された中央領域ヌクレオシドからなる中央領域と、
1~6個の連結された3’領域ヌクレオシドからなる3’領域と、を含む糖モチーフを有し、
5’-領域ヌクレオシドの各々及び3’-領域ヌクレオシドの各々が、修飾された糖部分を含み、中央領域ヌクレオシドの各々が、2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を含む、実施形態1~39のいずれか1つに記載のオリゴマー化合物。
【0130】
実施形態41.修飾されたオリゴヌクレオチドが、
5個の連結された5’領域ヌクレオシドからなる5’領域と、
10個の連結された中央領域ヌクレオシドからなる中央領域と、
5個の連結された3’領域ヌクレオシドからなる3’領域と、を含む、糖モチーフを有し、
5’-領域ヌクレオシドの各々及び3’-領域ヌクレオシドの各々が、2’-O(CH-OCHリボシル修飾された糖部分を含み、中央領域ヌクレオシドの各々が、2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を含む、実施形態40に記載のオリゴマー化合物。
【0131】
実施形態42.修飾されたオリゴヌクレオチドが、
3個の連結された5’領域ヌクレオシドからなる5’領域と、
10個の連結された中央領域ヌクレオシドからなる中央領域と、
3個の連結された3’領域ヌクレオシドからなる3’領域と、を含む糖モチーフを有し、
5’-領域ヌクレオシドの各々及び3’-領域ヌクレオシドの各々が、cEt糖部分を含み、中央領域ヌクレオシドの各々が、2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を含む、実施形態40に記載のオリゴマー化合物。
【0132】
実施形態43.集団が、特定の立体化学的配置を有する少なくとも1つの特定のホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含む修飾されたオリゴヌクレオチドについて濃縮されている、実施形態1~42のいずれか1つに記載のオリゴマー化合物のキラル的に濃縮された集団。
【0133】
実施形態44.集団が、(Sp)又は(Rp)配置を有する少なくとも1つの特定のホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含む修飾されたオリゴヌクレオチドについて濃縮されている、実施形態43に記載のキラル的に濃縮された集団。
【0134】
実施形態45.集団が、各ホスホロチオエートヌクレオシド間結合において特定の独立して選択された立体化学的配置を有する修飾されたオリゴヌクレオチドについて濃縮されている、実施形態43に記載のキラル的に濃縮された集団。
【0135】
実施形態46.集団が、1つの特定のホスホロチオエートヌクレオシド間結合において(Rp)配置を有し、かつ残りのホスホロチオエートヌクレオシド間結合の各々において(Sp)配置を有する修飾されたオリゴヌクレオチドについて濃縮されている、実施形態43に記載のキラル的に濃縮された集団。
【0136】
実施形態47.集団が、5’から3’の方向に、Sp配置、Sp配置、及びRp配置で少なくとも3個の連続するホスホロチオエートヌクレオシド間結合を有する修飾されたオリゴヌクレオチドについて濃縮されている、実施形態43に記載のキラル的に濃縮された集団。
【0137】
実施形態48.実施形態1~42のいずれか1つに記載のオリゴマー化合物の集団であって、修飾されたオリゴヌクレオチドのホスホロチオエートヌクレオシド間結合は全て、立体的にランダムである、実施形態1~42のいずれか1つに記載のオリゴマー化合物の集団。
【0138】
実施形態49.第1のオリゴマー化合物と、第2の修飾されたオリゴヌクレオチドを含む第2のオリゴマー化合物と、を含む、オリゴマー二本鎖であって、第1のオリゴマー化合物が、実施形態1~42のいずれか1つに記載のオリゴマー化合物である、オリゴマー二本鎖。
【0139】
実施形態50.第2のオリゴマー化合物が、12~50個の連結ヌクレオシドからなる第2の修飾されたオリゴヌクレオチドを含み、第2の修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、第1の修飾されたオリゴヌクレオチドの等長部分と少なくとも90%相補的である少なくとも12個の核酸塩基の相補領域を含む、実施形態49に記載のオリゴマー二本鎖。
【0140】
実施形態51.オリゴマー二本鎖であって、
19~30個の連結ヌクレオシドからなる第1の修飾されたオリゴヌクレオチドを含む第1のオリゴマー化合物であって、第1の修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、配列番号561~1028のうちのいずれかの核酸塩基配列の少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、又は少なくとも23個の連続する核酸塩基を含む、第1のオリゴマー化合物と、
15~30個の連結ヌクレオシドからなる第2の修飾されたオリゴヌクレオチドを含む第2のオリゴマー化合物であって、第2の修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、第1の修飾されたオリゴヌクレオチドの等長部分と少なくとも90%相補的である少なくとも12個の核酸塩基の相補領域を含む、第2のオリゴマー化合物と、を含む、オリゴマー二本鎖。
【0141】
実施形態52.オリゴマー二本鎖であって、
19~30個の連結ヌクレオシドからなる第1の修飾されたオリゴヌクレオチドを含む第1のオリゴマー化合物であって、第1の修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、配列番号561~1028のうちのいずれかの核酸塩基配列の少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、又は少なくとも23個の連続する核酸塩基を含む、第1のオリゴマー化合物と、
15~30個の連結ヌクレオシドからなる第2の修飾されたオリゴヌクレオチドを含む第2のオリゴマー化合物であって、第2の修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、配列番号1029~1496のうちのいずれかの核酸塩基配列の少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、又は少なくとも21個の連続する核酸塩基を含み、第2の修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、第1の修飾されたオリゴヌクレオチドの等長部分と少なくとも90%相補的である、第2のオリゴマー化合物と、を含む、オリゴマー二本鎖。
【0142】
実施形態53.オリゴマー二本鎖であって、
23個の連結ヌクレオシドからなる第1の修飾されたオリゴヌクレオチドを含む第1のオリゴマー化合物であって、第1の修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、配列番号561~1028のうちのいずれかの核酸塩基配列を含む、第1のオリゴマー化合物と、
21個の連結ヌクレオシドからなる第2の修飾されたオリゴヌクレオチドを含む第2のオリゴマー化合物であって、第2の修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、配列番号1029~1496のうちのいずれかの核酸塩基配列を含み、第2の修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、第1の修飾されたオリゴヌクレオチドの等長部分と少なくとも90%相補的である、第2のオリゴマー化合物と、を含む、オリゴマー二本鎖。
【0143】
実施形態54.第1のオリゴマー化合物の修飾されたオリゴヌクレオチドが、5’-安定化リン酸基を含む、実施形態49~53のいずれか1つに記載のオリゴマー二本鎖。
【0144】
実施形態55.5’-安定化リン酸基が、シクロプロピルホスホネート又はビニルホスホネートを含む、実施形態54に記載のオリゴマー二本鎖。
【0145】
実施形態56.第1のオリゴマー化合物の修飾されたオリゴヌクレオチドが、グリコール核酸(GNA)糖サロゲートを含む、実施形態49~53のいずれか1つに記載のオリゴマー二本鎖。
【0146】
実施形態57.第1のオリゴマー化合物の修飾されたオリゴヌクレオチドが、2’-NMA糖部分を含む、実施形態49~55のいずれか1つに記載のオリゴマー二本鎖。
【0147】
実施形態58.第2の修飾されたオリゴヌクレオチドの少なくとも1個のヌクレオシドが、修飾された糖部分を含む、実施形態49~57のいずれか1つに記載のオリゴマー二本鎖。
【0148】
実施形態59.第2の修飾されたオリゴヌクレオチドの修飾された糖部分が、二環式糖部分を含む、実施形態58に記載のオリゴマー二本鎖。
【0149】
実施形態60.第2の修飾されたオリゴヌクレオチドの二環式糖部分が、-O-CH-及び-O-CH(CH)-から選択される2’-4’架橋を含む、実施形態59に記載のオリゴマー二本鎖。
【0150】
実施形態61.第2の修飾されたオリゴヌクレオチドの修飾された糖部分が、非二環式の修飾された糖部分を含む、実施形態59又は60に記載のオリゴマー二本鎖。
【0151】
実施形態62.第2の修飾されたオリゴヌクレオチドの非二環式の修飾された糖部分が、2’-MOE糖部分、2’-F糖部分、又は2’-OMe糖部分である、実施形態61に記載のオリゴマー二本鎖。
【0152】
実施形態63.第2の修飾されたオリゴヌクレオチドの少なくとも1個のヌクレオシドが、糖サロゲートを含む、実施形態49~62のいずれか1つに記載のオリゴマー二本鎖。
【0153】
実施形態64.第2の修飾されたオリゴヌクレオチドが、少なくとも1つの修飾されたヌクレオシド間結合を含む、実施形態49~63のいずれか1つに記載のオリゴマー二本鎖。
【0154】
実施形態65.第2の修飾されたオリゴヌクレオチドの少なくとも1つの修飾されたヌクレオシド間結合が、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である、実施形態64に記載のオリゴマー二本鎖。
【0155】
実施形態66.第2の修飾されたオリゴヌクレオチドが、少なくとも1つのホスホジエステルヌクレオシド間結合を含む、実施形態49~65のいずれか1つに記載のオリゴマー二本鎖。
【0156】
実施形態67.第2の修飾されたオリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合が、独立して、ホスホジエステル又はホスホロチオエートヌクレオシド間結合から選択される、実施形態49~66のいずれか1つに記載のオリゴマー二本鎖。
【0157】
実施形態68.第1の修飾されたオリゴヌクレオチドのヌクレオシド間結合モチーフが、ssoooooooooooooooooossであり、第2の修飾されたオリゴヌクレオチドのヌクレオシド間結合モチーフが、ssoooooooooooooooossであり、各「o」が、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、各「s」が、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、実施形態49~67のいずれか1つに記載のオリゴマー二本鎖。
【0158】
実施形態69.第2の修飾されたオリゴヌクレオチドが、少なくとも1個の修飾された核酸塩基を含む、実施形態49~68のいずれか1つに記載のオリゴマー二本鎖。
【0159】
実施形態70.第2の修飾されたオリゴヌクレオチドの修飾された核酸塩基が、5-メチルシトシンである、実施形態69に記載のオリゴマー二本鎖。
【0160】
実施形態71.第2の修飾されたオリゴヌクレオチドが、コンジュゲート基を含む、実施形態49~70のいずれか1つに記載のオリゴマー二本鎖。
【0161】
実施形態72.コンジュゲート基が、コンジュゲートリンカー及びコンジュゲート部分を含む、実施形態71に記載のオリゴマー二本鎖。
【0162】
実施形態73.コンジュゲート基が、第2の修飾されたオリゴヌクレオチドの5’末端で第2の修飾されたオリゴヌクレオチドに結合されている、実施形態71又は72に記載のオリゴマー二本鎖。
【0163】
実施形態74.コンジュゲート基が、修飾されたオリゴヌクレオチドの3’末端で第2の修飾されたオリゴヌクレオチドに結合されている、実施形態71又は72に記載のオリゴマー二本鎖。
【0164】
実施形態75.コンジュゲート基が、修飾されたヌクレオシド間結合を介して第2の修飾されたヌクレオチドに結合されている、実施形態71又は72に記載のオリゴマー二本鎖。
【0165】
実施形態76.コンジュゲート基が、C22アルキル、C20アルキル、C16アルキル、C10アルキル、C21アルキル、C19アルキル、C18アルキル、C15アルキル、C14アルキル、C13アルキル、C12アルキル、C11アルキル、C9アルキル、C8アルキル、C7アルキル、C6アルキル、C5アルキル、C22アルケニル、C20アルケニル、C16アルケニル、C10アルケニル、C21アルケニル、C19アルケニル、C18アルケニル、C15アルケニル、C14アルケニル、C13アルケニル、C12アルケニル、C11アルケニル、C9アルケニル、C8アルケニル、C7アルケニル、C6アルケニル、又はC5アルケニルを含む、実施形態71~75のいずれか1つに記載のオリゴマー二本鎖。
【0166】
実施形態77.コンジュゲート部分が、6-パルミタミドヘキシルコンジュゲート部分である、実施形態71~76のいずれか1つに記載のオリゴマー二本鎖。
【0167】
実施形態78.コンジュゲート基が、以下の構造:
【化1】
を有する、実施形態71~74のいずれか1つに記載のオリゴマー二本鎖。
【0168】
実施形態79.コンジュゲート基が、細胞標的化部分を含む、実施形態71~78のいずれか1つに記載のオリゴマー二本鎖。
【0169】
実施形態80.第2の修飾されたオリゴヌクレオチドが、末端基を含む、実施形態49~79のいずれか1つに記載のオリゴマー二本鎖。
【0170】
実施形態81.末端基が、脱塩基糖部分である、実施形態80に記載のオリゴマー二本鎖。
【0171】
実施形態82.第2の修飾されたオリゴヌクレオチドが、12~20、12~25、12~30、12~50、13~20、13~25、13~30、13~50、14~20、14~25、14~30、14~50、15~20、15~25、15~30、15~50、16~18、16~20、16~25、16~30、16~50、17~20、17~25、17~30、17~50、18~20、18~25、18~30、18~50、19~20、19~25、19~30、19~50、20~25、20~30、20~50、21~25、21~30、21~50、22~25、22~30、22~50、23~25、23~30、又は23~50個の連結ヌクレオシドからなる、実施形態49~81のいずれか1つに記載のオリゴマー二本鎖。
【0172】
実施形態83.第1のオリゴマー化合物の修飾されたオリゴヌクレオチドが、23個の連結ヌクレオシドからなり、第2の修飾されたオリゴヌクレオチドが、21個の連結ヌクレオシドからなる、実施形態49~81のいずれか1つに記載のオリゴマー二本鎖。
【0173】
実施形態84.第1のオリゴマー化合物の修飾されたオリゴヌクレオチドが、yfyyyfyyyyyyyfyfyyyyyyyの糖モチーフ(5’から3’)を有し、第2の修飾されたオリゴヌクレオチドが、yyyyyyfyfffyyyyyyyyyyの糖モチーフ(5’から3’)を有し、各「y」が、2’-OMe糖部分を表し、各「f」が、2’-F糖部分を表す、実施形態83に記載のオリゴマー二本鎖。
【0174】
実施形態85.アンチセンス化合物を含むアンチセンス剤であって、アンチセンス化合物が、実施形態1~42のいずれか1つに記載のオリゴマー化合物である、アンチセンス剤。
【0175】
実施形態86.アンチセンス剤であって、アンチセンス剤が、実施形態49~84のいずれか1つに記載のオリゴマー二本鎖である、アンチセンス剤。
【0176】
実施形態87.アンチセンス剤が、
i.RNase Hの活性化によってPCDH19核酸の量を低減することができるRNase H剤、又は
ii.RISC/Ago2の活性化によってPCDH19核酸の量を低減することができるRNAi剤である、実施形態85又は86に記載のアンチセンス剤。
【0177】
実施形態88.コンジュゲート基が、細胞標的化部分である、実施形態85~87のいずれか1つに記載のアンチセンス剤。
【0178】
実施形態89.実施形態1~42のいずれか1つに記載のオリゴマー化合物、実施形態43~48のいずれか1つに記載の集団、実施形態49~84のいずれか1つに記載のオリゴマー二本鎖、又は実施形態85~88のいずれか1つに記載のアンチセンス剤と、薬学的に許容される希釈剤と、を含む、医薬組成物。
【0179】
実施形態90.薬学的に許容される希釈剤は、人工脳脊髄液(aCSF)又はPBSである、実施形態89に記載の医薬組成物。
【0180】
実施形態91.医薬組成物が、オリゴマー化合物、集団、オリゴマー二本鎖、又はアンチセンス剤と、aCSFと、から本質的になる、実施形態90に記載の医薬組成物。
【0181】
実施形態92.医薬組成物が、オリゴマー化合物、集団、オリゴマー二本鎖、又はアンチセンス剤と、PBSと、から本質的になる、実施形態90に記載の医薬組成物。
【0182】
実施形態93.実施形態1~42のいずれか1つに記載のオリゴマー化合物、実施形態43~48のいずれか1つに記載の集団、実施形態49~84のいずれか1つに記載のオリゴマー二本鎖、実施形態85~88のいずれか1つに記載のアンチセンス剤、又は実施形態89~92のいずれか1つに記載の医薬組成物を対象に投与することを含む、方法。
【0183】
実施形態94.対象が、PCDH19に関連する疾患を有する、実施形態93に記載の方法。
【0184】
実施形態95.対象が、PCDH19てんかんを有する、実施形態93に記載の方法。
【0185】
実施形態96.PCDH19に関連する疾患を治療する方法であって、PCDH19に関連する疾患を有するか又はそれを発症するリスクを有する対象に、治療有効量の、実施形態1~42のいずれか1つに記載のオリゴマー化合物、実施形態43~48のいずれか1つに記載の集団、実施形態49~84のいずれか1つに記載のオリゴマー二本鎖、実施形態85~88のいずれか1つに記載のアンチセンス剤、又は実施形態89~92のいずれか1つに記載の医薬組成物を投与することにより、PCDH19に関連する疾患を治療することを含む、方法。
【0186】
実施形態97.PCDH19に関連する疾患が、神経発達疾患である、実施形態96に記載の方法。
【0187】
実施形態98.PCDH19に関連する疾患が、PCDH19てんかんである、実施形態96又は97に記載の方法。
【0188】
実施形態99.PCDH19に関連する疾患の少なくとも1つの症状又は特徴が、緩和される、実施形態96~98のいずれか1つに記載の方法。
【0189】
実施形態100.症状又は特徴が、発作、認知障害、知的障害、自閉症スペクトラム障害、行動上の問題、攻撃性、不安、強迫性障害、多動性、注意欠陥障害(ADD)、又は注意欠陥多動性障害(ADHD)である、実施形態99に記載の方法。
【0190】
実施形態101.発作が、発作のクラスター、全身性強直性間代性発作、焦点性発作、又は両側性発作のうちのいずれかである、実施形態100に記載の方法。
【0191】
実施形態102.実施形態1~42のいずれか1つに記載のオリゴマー化合物、実施形態43~48のいずれか1つに記載の集団、実施形態49~84のいずれか1つに記載のオリゴマー二本鎖、実施形態85~88のいずれか1つに記載のアンチセンス剤、又は実施形態89~92のいずれか1つに記載の医薬組成物を投与することが、対象における発作を低減し、認知障害を低減若しくは遅延させ、知的障害を低減若しくは遅延させ、自閉症スペクトラム障害の症状を低減若しくは遅延させ、行動上の問題を低減し、攻撃性を低減し、不安を低減し、強迫的行動を低減し、多動性を低減し、注意欠陥障害(ADD)の症状を低減するか、又は注意欠陥多動性障害(ADHD)の症状を低減する、実施形態96~101のいずれか1つに記載の方法。
【0192】
実施形態103.対象が、ヒトである、実施形態93~102のいずれかに記載の方法。
【0193】
実施形態104.細胞でのPCDH19の発現を低減させる方法であって、細胞を、実施形態1~42のいずれか1つに記載のオリゴマー化合物、実施形態43~48のいずれか1つに記載の集団、実施形態49~84のいずれか1つに記載のオリゴマー二本鎖、実施形態85~88のいずれか1つに記載のアンチセンス剤、又は実施形態89~92のいずれか1つに記載の医薬組成物と接触させることを含む、方法。
【0194】
実施形態105.細胞が、ニューロンである、実施形態104に記載の方法。
【0195】
実施形態106.細胞が、ヒト細胞である、実施形態104又は105に記載の方法。
【0196】
実施形態107.PCDH19に関連する疾患を治療するための、実施形態1~42のいずれか1つに記載のオリゴマー化合物、実施形態43~48のいずれか1つに記載の集団、実施形態49~84のいずれか1つに記載のオリゴマー二本鎖、実施形態85~88のいずれか1つに記載のアンチセンス剤、又は実施形態89~92のいずれか1つに記載の医薬組成物の使用。
【0197】
実施形態108.PCDH19に関連する疾患を治療するための医薬品の製造における、実施形態1~42のいずれか1つに記載のオリゴマー化合物、実施形態43~48のいずれか1つに記載の集団、実施形態49~84のいずれか1つに記載のオリゴマー二本鎖、又は実施形態85~88のいずれか1つに記載のアンチセンス剤の使用。
【0198】
実施形態109.PCDH19に関連する疾患が、PCDH19てんかんである、実施形態107又は108に記載の使用。
【0199】
特定のオリゴマー剤及びオリゴマー化合物
ある特定の実施形態は、PCDH19核酸を標的とするオリゴマー剤を提供する。ある特定の実施形態では、PCDH19核酸は、配列番号1(ENSEMBL受託番号ENSG00000165194.15、バージョン104、May 2021)、配列番号2(ENSEMBL受託番号ENST00000373034.8のcDNA、バージョン104:May2021)、又はその両方に示される配列を有し、その各々は、その全体が参照により組み込まれる。ある特定の実施形態では、オリゴマー剤は、一本鎖オリゴマー化合物である。ある特定の実施形態では、オリゴマー剤は、オリゴマー二本鎖である。
【0200】
ある特定の実施形態は、12~50個の結合されたヌクレオシドからなる修飾されたオリゴヌクレオチドを含む、オリゴマー化合物であって、修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、PCDH19核酸の等長部分と少なくとも80%相補的であり、修飾されたオリゴヌクレオチドが、修飾された糖部分及び修飾されたヌクレオシド間結合から選択される少なくとも1つの修飾を有する、オリゴマー化合物を提供する。ある特定の実施形態では、PCDH19核酸は、配列番号1又は2の核酸塩基配列を有する。
【0201】
ある特定の実施形態は、12~50個の連結ヌクレオシドからなる修飾されたオリゴヌクレオチドを含む、オリゴマー化合物であって、修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、配列番号15~560の核酸塩基配列のうちのいずれかの少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、又は少なくとも16個の連続する核酸塩基を含む、オリゴマー化合物を提供する。
【0202】
ある特定の実施形態は、12~50個の連結ヌクレオシドからなる修飾されたオリゴヌクレオチドを含む、オリゴマー化合物であって、修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、配列番号15~482の核酸塩基配列のうちのいずれかの少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、又は少なくとも20個の連続する核酸塩基を含む、オリゴマー化合物を提供する。
【0203】
ある特定の実施形態は、16~50個の連結ヌクレオシドからなる修飾されたオリゴヌクレオチドを含む、オリゴマー化合物であって、修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、配列番号15~560の核酸塩基配列のうちのいずれかの核酸塩基配列を含む、オリゴマー化合物を提供する。
【0204】
ある特定の実施形態は、20個の連結ヌクレオシドからなる修飾されたオリゴヌクレオチドを含むオリゴマー化合物であって、修飾されたオリゴヌクレオチドが、配列番号15~482の核酸塩基のうちのいずれかの核酸塩基からなる核酸塩基を有する、オリゴマー化合物を提供する。
【0205】
ある特定の実施形態は、16個の連結ヌクレオシドからなる修飾されたオリゴヌクレオチドを含むオリゴマー化合物であって、修飾されたオリゴヌクレオチドが、配列番号483~560の核酸塩基のうちのいずれかの核酸塩基からなる核酸塩基を有する、オリゴマー化合物を提供する。
【0206】
本明細書で提供されるオリゴマー化合物のいずれかでは、修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、PCDH19核酸の等長部分と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は100%相補的であり得、PCDH19核酸は、配列番号1又は2の核酸塩基配列を有する。
【0207】
本明細書で提供されるオリゴマー化合物のいずれかでは、修飾されたオリゴヌクレオチドは、12~20、12~25、12~30、12~50、13~20、13~25、13~30、13~50、14~20、14~25、14~30、14~50、15~20、15~25、15~30、15~50、16~18、16~20、16~25、16~30、16~50、17~20、17~25、17~30、17~50、18~20、18~25、18~30、18~50、19~20、19~25、19~30、19~50、20~25、20~30、20~50、21~25、21~30、21~50、22~25、22~30、22~50、23~25、23~30、又は23~50個の連結ヌクレオシドからなり得る。
【0208】
本明細書で提供されるオリゴマー化合物のうちのいずれかでは、修飾されたオリゴヌクレオチドの少なくとも1個のヌクレオシドは、修飾された糖部分を含み得る。ある特定の実施形態では、修飾された糖部分は、二環式糖部分、例えば、-O-CH-及び-O-CH(CH)-から選択される2’-4’架橋を含む。ある特定の実施形態では、修飾された糖部分は、2’-MOE糖部分又は2’-OMe糖部分などの非二環式糖部分を含む。
【0209】
本明細書で提供されるオリゴマー化合物のうちのいずれかでは、修飾されたオリゴヌクレオチド化合物の少なくとも1個のヌクレオシドは、糖サロゲートを含み得る。
【0210】
本明細書で提供されるオリゴマー化合物のうちのいずれかでは、修飾されたオリゴヌクレオチドの少なくとも1つのヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合などの修飾されたヌクレオシド間結合を含み得る。ある特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合は、修飾されたヌクレオシド間結合であってもよく、又は修飾されたオリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であってもよい。ある特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドの少なくとも1つのヌクレオシド間結合は、ホスホジエステルヌクレオシド間結合であり得る。ある特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合は、独立して、ホスホジエステル又はホスホロチオエートヌクレオシド間結合から選択することができる。ある特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドの少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、又は少なくとも6つのヌクレオシド間結合は、ホスホジエステルヌクレオシド間結合であり得る。ある特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドの少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、又は少なくとも18のヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり得る。
【0211】
本明細書で提供されるオリゴマー化合物のうちのいずれかでは、修飾されたオリゴヌクレオチドの少なくとも1個の核酸塩基は、5-メチルシトシンなどの修飾された核酸塩基であり得る。ある特定の実施形態では、各シトシンは、5-メチルシトシンである。
【0212】
本明細書で提供されるオリゴマー化合物のうちのいずれかでは、修飾されたオリゴヌクレオチドは、5~12個の連続する2’-デオキシヌクレオシドからなるデオキシ領域を含み得る。ある特定の実施形態では、デオキシ領域の各ヌクレオシドは、2’-β-D-デオキシヌクレオシドである。ある特定の実施形態では、デオキシ領域は、7、8、9、10、又は7~10個の連結ヌクレオシドからなる。ある特定の実施形態では、デオキシ領域に直接隣接する各ヌクレオシドは、修飾された糖部分を含む。ある特定の実施形態では、デオキシ領域は、5’側に、1~6個の連結された5’領域ヌクレオシドからなる5’領域に隣接しており、3’側に、1~6個の連結された3’領域ヌクレオシドからなる3’領域に隣接しており、5’領域の3’末端ヌクレオシドは、修飾された糖部分を含み、3’領域の5’末端ヌクレオシドは、修飾された糖部分を含む。ある特定の実施形態では、3’領域の各ヌクレオシドは、修飾された糖部分を含む。ある特定の実施形態では、5’領域の各ヌクレオシドは、修飾された糖部分を含む。
【0213】
ある特定の実施形態では、化合物は、16~50個の連結ヌクレオシドからなり、配列番号483~560のうちのいずれか1つに列挙される核酸塩基配列を含む核酸塩基配列を有する修飾されたオリゴヌクレオチドを含むか、又はそれからなり、修飾されたオリゴヌクレオチドは、
10個の連結された2’-デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメントと、
3個の連結ヌクレオシドからなる5’ウイングセグメントと、
3個の連結ヌクレオシドからなる3’ウイングセグメントと、を有し、
ギャップセグメントが、5’ウイングセグメントと3’ウイングセグメントとの間に配置され、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドが、cEtヌクレオシドを含み、各ヌクレオシド間結合が、ホスホロチオエート結合であり、各シトシンが、5-メチルシトシンである。ある特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドは、16~30個の連結ヌクレオシドからなる。ある特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドは、16個の連結ヌクレオシドからなる。
【0214】
ある特定の実施形態では、化合物は、16~50個の連結ヌクレオシドからなり、配列番号15~482のうちのいずれか1つに列挙される核酸塩基配列を含む核酸塩基配列を有する修飾されたオリゴヌクレオチドを含むか、又はそれからなり、修飾されたオリゴヌクレオチドは、
10個の連結された2’-デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメントと、
5個の連結ヌクレオシドからなる5’ウイングセグメントと、
5個の連結ヌクレオシドからなる3’ウイングセグメントと、を有し、
ギャップセグメントが、5’ウイングセグメントと3’ウイングセグメントとの間に配置され、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドが、2’-MOEヌクレオシドを含み、各シトシンが、5-メチルシトシンである。ある特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドは、16~30個の連結ヌクレオシドからなる。ある特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドは、20個の連結ヌクレオシドからなり、修飾されたオリゴヌクレオチドに対するヌクレオシド間結合モチーフは、(5’から3’)soooossssssssssooss(式中、各「s」は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表し、各「o」は、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表す)である。
【0215】
ある特定の実施形態では、オリゴマー化合物は、コンジュゲート基を含む。ある特定の実施形態では、コンジュゲート基が、コンジュゲートリンカー及びコンジュゲート部分を含む。ある特定の実施形態では、コンジュゲートリンカーは、単一の結合からなり、コンジュゲートリンカーは、切断可能であり、コンジュゲートリンカーは、1~3個のリンカー-ヌクレオシドを含み、コンジュゲートリンカーは、リンカーヌクレオシドを含まず、コンジュゲート基は、修飾されたオリゴヌクレオチドの5’末端で修飾されたオリゴヌクレオチドに結合されているか、又はコンジュゲート基は、修飾されたオリゴヌクレオチドの3’末端で修飾されたオリゴヌクレオチドに結合されている。
【0216】
ある特定の実施形態では、コンジュゲート基は、トランスフェリン受容体(TfR)(TfR1及びCD71としても知られる)に対する親和性を有する細胞標的化部分を含む。ある特定の実施形態では、コンジュゲート基は、抗TfR1抗体又はその断片を含む。ある特定の実施形態では、コンジュゲート基は、TfR1に結合することができるタンパク質又はペプチドを含む。ある特定の実施形態では、コンジュゲート基は、TfR1に結合することができるアプタマーを含む。ある特定の実施形態では、コンジュゲート基は、C22アルキル、C20アルキル、C16アルキル、C10アルキル、C21アルキル、C19アルキル、C18アルキル、C15アルキル、C14アルキル、C13アルキル、C12アルキル、C11アルキル、C9アルキル、C8アルキル、C7アルキル、C6アルキル、C5アルキル、C22アルケニル、C20アルケニル、C16アルケニル、C10アルケニル、C21アルケニル、C19アルケニル、C18アルケニル、C15アルケニル、C14アルケニル、C13アルケニル、C12アルケニル、C11アルケニル、C9アルケニル、C8アルケニル、C7アルケニル、C6アルケニル、又はC5アルケニルのうちのいずれかから選択され得る。ある特定の実施形態では、コンジュゲート基は、C22アルキル、C20アルキル、C16アルキル、C10アルキル、C21アルキル、C19アルキル、C18アルキル、C15アルキル、C14アルキル、C13アルキル、C12アルキル、C11アルキル、C9アルキル、C8アルキル、C7アルキル、C6アルキル、及びC5アルキルのうちのいずれかから選択され得、アルキル鎖は、1つ以上の不飽和結合を有する。
【0217】
ある特定の実施形態では、コンジュゲート基は、以下の構造を有する:
【化2】
【0218】
ある特定のオリゴマー二本鎖
特定の実施形態は、第1のオリゴマー化合物及び第2のオリゴマー化合物を含むオリゴマー二本鎖を対象とする。
【0219】
ある特定の実施形態では、オリゴマー二本鎖は、
12~50個の連結ヌクレオシドからなる第1の修飾されたオリゴヌクレオチドを含む第1のオリゴマー化合物であって、第1の修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、配列番号15~560のうちのいずれかの核酸塩基配列の少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、又は少なくとも20個の連続する核酸塩基を含む、第1のオリゴマー化合物と、
12~50個の連結ヌクレオシドからなる第2の修飾されたオリゴヌクレオチドを含む第2のオリゴマー化合物であって、第2の修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、第1の修飾されたオリゴヌクレオチドの等長部分と少なくとも90%相補的である少なくとも8個の核酸塩基の相補領域を含む、第2のオリゴマー化合物と、を含む。
【0220】
ある特定の実施形態では、第1のオリゴマー化合物は、アンチセンス化合物である。ある特定の実施形態では、第1の修飾されたオリゴヌクレオチドは、アンチセンスオリゴヌクレオチドである。ある特定の実施形態では、第2のオリゴマー化合物は、センス化合物である。ある特定の実施形態では、第2の修飾されたオリゴヌクレオチドは、センスオリゴヌクレオチドである。
【0221】
ある特定の実施形態では、オリゴマー二本鎖は、
16~50個の連結ヌクレオシドからなる第1の修飾されたオリゴヌクレオチドを含む第1のオリゴマー化合物であって、第1の修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、配列番号15~560のうちのいずれかの核酸塩基配列からなる、第1のオリゴマー化合物と、
16~50個の結合されたヌクレオシドからなる第2の修飾されたオリゴヌクレオチドを含む第2のオリゴマー化合物であって、第2の修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、第1の修飾されたオリゴヌクレオチドの等長部分と少なくとも90%相補的である少なくとも16個の核酸塩基の相補領域を含む、第2のオリゴマー化合物と、を含む。
【0222】
ある特定の実施形態では、第1のオリゴマー化合物は、アンチセンス化合物である。ある特定の実施形態では、第1の修飾されたオリゴヌクレオチドは、アンチセンスオリゴヌクレオチドである。ある特定の実施形態では、第2のオリゴマー化合物は、センス化合物である。ある特定の実施形態では、第2の修飾されたオリゴヌクレオチドは、センスオリゴヌクレオチドである。
【0223】
ある特定の実施形態では、オリゴマー二本鎖は、
19~30個の連結ヌクレオシドからなる第1の修飾されたオリゴヌクレオチドを含む第1のオリゴマー化合物であって、第1の修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、配列番号561~1028のうちのいずれかの核酸塩基配列の少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、又は少なくとも23個の連続する核酸塩基を含む、第1のオリゴマー化合物と、
15~30個の結合されたヌクレオシドからなる第2の修飾されたオリゴヌクレオチドを含む第2のオリゴマー化合物であって、第2の修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、第1の修飾されたオリゴヌクレオチドの等長部分と少なくとも90%相補的である少なくとも8個の核酸塩基の相補領域を含む、第2のオリゴマー化合物と、を含む。
【0224】
ある特定の実施形態では、第1のオリゴマー化合物は、アンチセンス化合物である。ある特定の実施形態では、第1の修飾されたオリゴヌクレオチドは、アンチセンスオリゴヌクレオチドである。ある特定の実施形態では、第2のオリゴマー化合物は、センス化合物である。ある特定の実施形態では、第2の修飾されたオリゴヌクレオチドは、センスオリゴヌクレオチドである。
【0225】
ある特定の実施形態では、オリゴマー二本鎖は、
19~30個の連結ヌクレオシドからなる第1の修飾されたオリゴヌクレオチドを含む第1のオリゴマー化合物であって、第1の修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、配列番号561~1028のうちのいずれかの核酸塩基配列の少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、又は少なくとも23個の連続する核酸塩基を含む、第1のオリゴマー化合物と、
15~30個の連結ヌクレオシドからなる第2の修飾されたオリゴヌクレオチドを含む第2のオリゴマー化合物であって、第2の修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、配列番号1029~1496のうちのいずれかの核酸塩基配列の少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、又は少なくとも21個の連続する核酸塩基を含み、第2の修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、第1の修飾されたオリゴヌクレオチドの等長部分と少なくとも90%相補的である、第2のオリゴマー化合物と、を含む。
【0226】
ある特定の実施形態では、第1のオリゴマー化合物は、アンチセンス化合物である。ある特定の実施形態では、第1の修飾されたオリゴヌクレオチドは、アンチセンスオリゴヌクレオチドである。ある特定の実施形態では、第2のオリゴマー化合物は、センス化合物である。ある特定の実施形態では、第2の修飾されたオリゴヌクレオチドは、センスオリゴヌクレオチドである。
【0227】
ある特定の実施形態では、オリゴマー二本鎖は、
23個の連結ヌクレオシドからなる第1の修飾されたオリゴヌクレオチドを含む第1のオリゴマー化合物であって、第1の修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、配列番号561~1028のうちのいずれかの核酸塩基配列を含む、第1のオリゴマー化合物と、
21個の連結ヌクレオシドからなる第2の修飾されたオリゴヌクレオチドを含む第2のオリゴマー化合物であって、第2の修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、配列番号1029~1496のうちのいずれかの核酸塩基配列を含み、第2の修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、第1の修飾されたオリゴヌクレオチドの等長部分と少なくとも90%相補的である、第2のオリゴマー化合物と、を含む。
【0228】
ある特定の実施形態では、第1のオリゴマー化合物は、アンチセンス化合物である。ある特定の実施形態では、第1の修飾されたオリゴヌクレオチドは、アンチセンスオリゴヌクレオチドである。ある特定の実施形態では、第2のオリゴマー化合物は、センス化合物である。ある特定の実施形態では、第2の修飾されたオリゴヌクレオチドは、センスオリゴヌクレオチドである。
【0229】
ある特定の実施形態では、オリゴマー二本鎖は、15~30個の連結ヌクレオシドからなる第1の修飾されたオリゴヌクレオチドを含む第1のオリゴマー化合物と、15~29個の連結ヌクレオシドからなる第2の修飾されたオリゴヌクレオチドを含む第2のオリゴマー化合物と、を含み、第1の修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列及び第2の修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、各々、配列番号723/1029、724/1030、725/1031、561/1032、562/1033、563/1034、726/1035、727/1036、728/1037、564/1038、729/1039、730/1040、731/1041、732/1042、733/1043、565/1044、734/1045、566/1046、735/1047、567/1048、736/1049、737/1050、738/1051、568/1052、739/1053、740/1054、741/1055、742/1056、743/1057、569/1058、744/1059、745/1060、746/1061、747/1062、748/1063、570/1064、749/1065、571/1066、750/1067、751/1068、572/1069、573/1070、574/1071、575/1072、576/1073、577/1074、578/1075、752/1076、753/1077、579/1078、580/1079、754/1080、581/1081、582/1082、755/1083、756/1084、583/1085、584/1086、757/1087、758/1088、585/1089、586/1090、587/1091、588/1092、589/1093、590/1094、591/1095、592/1096、759/1097、593/1098、594/1099、760/1100、595/1101、596/1102、761/1103、597/1104、598/1105、762/1106、763/1107、599/1108、764/1109、765/1110、766/1111、600/1112、767/1113、768/1114、769/1115、770/1116、601/1117、771/1118、602/1119、772/1120、773/1121、774/1122、603/1123、604/1124、775/1125、605/1126、606/1127、776/1128、777/1129、778/1130、779/1131、780/1132、781/1133、782/1134、783/1135、784/1136、607/1137、785/1138、786/1139、787/1140、788/1141、608/1142、609/1143、610/1144、789/1145、611/1146、790/1147、612/1148、613/1149、791/1150、614/1151、792/1152、615/1153、793/1154、616/1155、794/1156、795/1157、617/1158、796/1159、797/1160、798/1161、618/1162、799/1163、619/1164、800/1165、801/1166、620/1167、621/1168、802/1169、803/1170、804/1171、805/1172、622/1173、806/1174、807/1175、808/1176、809/1177、623/1178、810/1179、811/1180、624/1181、812/1182、625/1183、813/1184、626/1185、814/1186、815/1187、627/1188、816/1189、817/1190、818/1191、628/1192、819/1193、629/1194、820/1195、630/1196、821/1197、631/1198、632/1199、822/1200、823/1201、824/1202、825/1203、633/1204、634/1205、826/1206、827/1207、635/1208、636/1209、828/1210、637/1211、638/1212、829/1213、830/1214、831/1215、832/1216、833/1217、834/1218、639/1219、640/1220、835/1221、641/1222、836/1223、642/1224、837/1225、838/1226、839/1227、840/1228、841/1229、842/1230、643/1231、644/1232、843/1233、645/1234、646/1235、844/1236、845/1237、846/1238、647/1239、847/1240、848/1241、849/1242、850/1243、851/1244、852/1245、648/1246、853/1247、854/1248、855/1249、856/1250、857/1251、858/1252、859/1253、649/1254、650/1255、651/1256、860/1257、861/1258、862/1259、863/1260、864/1261、652/1262、653/1263、865/1264、866/1265、867/1266、868/1267、654/1268、869/1269、655/1270、870/1271、871/1272、656/1273、872/1274、657/1275、873/1276、658/1277、659/1278、874/1279、875/1280、660/1281、876/1282、877/1283、878/1284、879/1285、880/1286、661/1287、662/1288、663/1289、881/1290、882/1291、883/1292、884/1293、885/1294、664/1295、886/1296、887/1297、888/1298、665/1299、666/1300、667/1301、889/1302、668/1303、890/1304、891/1305、892/1306、669/1307、893/1308、670/1309、671/1310、894/1311、672/1312、673/1313、895/1314、896/1315、674/1316、897/1317、675/1318、676/1319、677/1320、898/1321、899/1322、900/1323、901/1324、678/1325、902/1326、679/1327、903/1328、904/1329、905/1330、906/1331、907/1332、908/1333、680/1334、909/1335、910/1336、911/1337、912/1338、913/1339、681/1340、914/1341、915/1342、916/1343、917/1344、918/1345、919/1346、920/1347、921/1348、922/1349、923/1350、924/1351、925/1352、926/1353、927/1354、682/1355、928/1356、929/1357、930/1358、683/1359、684/1360、931/1361、932/1362、933/1363、934/1364、935/1365、685/1366、936/1367、937/1368、938/1369、939/1370、940/1371、941/1372、942/1373、943/1374、944/1375、945/1376、946/1377、947/1378、948/1379、949/1380、950/1381、951/1382、686/1383、687/1384、688/1385、689/1386、952/1387、690/1388、953/1389、691/1390、954/1391、692/1392、966/1411、967/1412、700/1413、701/1414、968/1415、702/1416、969/1417、970/1418、971/1419、972/1420、973/1421、703/1422、704/1423、974/1424、975/1425、705/1426、976/1427、977/1428、978/1429、979/1430、980/1431、981/1432、982/1433、983/1434、984/1435、985/1436、706/1437、986/1438、987/1439、707/1440、988/1441、989/1442、708/1443、709/1444、990/1445、991/1446、992/1447、993/1448、710/1449、994/1450、995/1451、996/1452、711/1453、997/1454、998/1455、999/1456、1000/1457、712/1458、1001/1459、1002/1460、713/1461、1003/1462、1004/1463、1005/1464、1006/1465、1007/1466、1008/1467、1009/1468、714/1469、715/1470、716/1471、1010/1472、717/1473、718/1474、1011/1475、1012/1476、719/1477、720/1478、1013/1479、1014/1480、1015/1481、1016/1482、1017/1483、1018/1484、1019/1485、1020/1486、1021/1487、1022/1488、721/1489、1023/1490、722/1491、693/1393、694/1394、695/1395、955/1396、956/1397、957/1398、958/1399、696/1400、959/1401、697/1402、960/1403、698/1404、699/1405、961/1406、962/1407、963/1408、964/1409、965/1410、1024/1492、1025/1493、1026/1494、1027/1495、又は1028/1496に記載される核酸塩基配列の以下の対のうちのいずれかの少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、又は少なくとも23個の連続する核酸塩基配列を含み、第1の修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、対に記載された第1の配列番号の核酸塩基配列を含み、第2の修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、対に記載された第2の配列番号の核酸塩基配列を含む。
【0230】
ある特定の実施形態では、オリゴマー二本鎖は、15~30個の連結ヌクレオシドからなる第1の修飾されたオリゴヌクレオチドを含む第1のオリゴマー化合物と、15~29個の連結ヌクレオシドからなる第2の修飾されたオリゴヌクレオチドを含む第2のオリゴマー化合物と、を含み、第1の修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列及び第2の修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、配列番号723/1029、724/1030、725/1031、561/1032、562/1033、563/1034、726/1035、727/1036、728/1037、564/1038、729/1039、730/1040、731/1041、732/1042、733/1043、565/1044、734/1045、566/1046、735/1047、567/1048、736/1049、737/1050、738/1051、568/1052、739/1053、740/1054、741/1055、742/1056、743/1057、569/1058、744/1059、745/1060、746/1061、747/1062、748/1063、570/1064、749/1065、571/1066、750/1067、751/1068、572/1069、573/1070、574/1071、575/1072、576/1073、577/1074、578/1075、752/1076、753/1077、579/1078、580/1079、754/1080、581/1081、582/1082、755/1083、756/1084、583/1085、584/1086、757/1087、758/1088、585/1089、586/1090、587/1091、588/1092、589/1093、590/1094、591/1095、592/1096、759/1097、593/1098、594/1099、760/1100、595/1101、596/1102、761/1103、597/1104、598/1105、762/1106、763/1107、599/1108、764/1109、765/1110、766/1111、600/1112、767/1113、768/1114、769/1115、770/1116、601/1117、771/1118、602/1119、772/1120、773/1121、774/1122、603/1123、604/1124、775/1125、605/1126、606/1127、776/1128、777/1129、778/1130、779/1131、780/1132、781/1133、782/1134、783/1135、784/1136、607/1137、785/1138、786/1139、787/1140、788/1141、608/1142、609/1143、610/1144、789/1145、611/1146、790/1147、612/1148、613/1149、791/1150、614/1151、792/1152、615/1153、793/1154、616/1155、794/1156、795/1157、617/1158、796/1159、797/1160、798/1161、618/1162、799/1163、619/1164、800/1165、801/1166、620/1167、621/1168、802/1169、803/1170、804/1171、805/1172、622/1173、806/1174、807/1175、808/1176、809/1177、623/1178、810/1179、811/1180、624/1181、812/1182、625/1183、813/1184、626/1185、814/1186、815/1187、627/1188、816/1189、817/1190、818/1191、628/1192、819/1193、629/1194、820/1195、630/1196、821/1197、631/1198、632/1199、822/1200、823/1201、824/1202、825/1203、633/1204、634/1205、826/1206、827/1207、635/1208、636/1209、828/1210、637/1211、638/1212、829/1213、830/1214、831/1215、832/1216、833/1217、834/1218、639/1219、640/1220、835/1221、641/1222、836/1223、642/1224、837/1225、838/1226、839/1227、840/1228、841/1229、842/1230、643/1231、644/1232、843/1233、645/1234、646/1235、844/1236、845/1237、846/1238、647/1239、847/1240、848/1241、849/1242、850/1243、851/1244、852/1245、648/1246、853/1247、854/1248、855/1249、856/1250、857/1251、858/1252、859/1253、649/1254、650/1255、651/1256、860/1257、861/1258、862/1259、863/1260、864/1261、652/1262、653/1263、865/1264、866/1265、867/1266、868/1267、654/1268、869/1269、655/1270、870/1271、871/1272、656/1273、872/1274、657/1275、873/1276、658/1277、659/1278、874/1279、875/1280、660/1281、876/1282、877/1283、878/1284、879/1285、880/1286、661/1287、662/1288、663/1289、881/1290、882/1291、883/1292、884/1293、885/1294、664/1295、886/1296、887/1297、888/1298、665/1299、666/1300、667/1301、889/1302、668/1303、890/1304、891/1305、892/1306、669/1307、893/1308、670/1309、671/1310、894/1311、672/1312、673/1313、895/1314、896/1315、674/1316、897/1317、675/1318、676/1319、677/1320、898/1321、899/1322、900/1323、901/1324、678/1325、902/1326、679/1327、903/1328、904/1329、905/1330、906/1331、907/1332、908/1333、680/1334、909/1335、910/1336、911/1337、912/1338、913/1339、681/1340、914/1341、915/1342、916/1343、917/1344、918/1345、919/1346、920/1347、921/1348、922/1349、923/1350、924/1351、925/1352、926/1353、927/1354、682/1355、928/1356、929/1357、930/1358、683/1359、684/1360、931/1361、932/1362、933/1363、934/1364、935/1365、685/1366、936/1367、937/1368、938/1369、939/1370、940/1371、941/1372、942/1373、943/1374、944/1375、945/1376、946/1377、947/1378、948/1379、949/1380、950/1381、951/1382、686/1383、687/1384、688/1385、689/1386、952/1387、690/1388、953/1389、691/1390、954/1391、692/1392、966/1411、967/1412、700/1413、701/1414、968/1415、702/1416、969/1417、970/1418、971/1419、972/1420、973/1421、703/1422、704/1423、974/1424、975/1425、705/1426、976/1427、977/1428、978/1429、979/1430、980/1431、981/1432、982/1433、983/1434、984/1435、985/1436、706/1437、986/1438、987/1439、707/1440、988/1441、989/1442、708/1443、709/1444、990/1445、991/1446、992/1447、993/1448、710/1449、994/1450、995/1451、996/1452、711/1453、997/1454、998/1455、999/1456、1000/1457、712/1458、1001/1459、1002/1460、713/1461、1003/1462、1004/1463、1005/1464、1006/1465、1007/1466、1008/1467、1009/1468、714/1469、715/1470、716/1471、1010/1472、717/1473、718/1474、1011/1475、1012/1476、719/1477、720/1478、1013/1479、1014/1480、1015/1481、1016/1482、1017/1483、1018/1484、1019/1485、1020/1486、1021/1487、1022/1488、721/1489、1023/1490、722/1491、693/1393、694/1394、695/1395、955/1396、956/1397、957/1398、958/1399、696/1400、959/1401、697/1402、960/1403、698/1404、699/1405、961/1406、962/1407、963/1408、964/1409、965/1410、1024/1492、1025/1493、1026/1494、1027/1495、又は1028/1496に記載される核酸塩基配列の以下の対のうちのいずれかを含み、第1の修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、対に記載された第1の配列番号の核酸塩基配列を含み、第2の修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、対に記載された第2の配列番号の核酸塩基配列を含む。
【0231】
ある特定の実施形態では、オリゴマー二本鎖は、23個の連結ヌクレオシドからなる第1の修飾されたオリゴヌクレオチドを含む第1のオリゴマー化合物と、21個の連結ヌクレオシドからなる第2の修飾されたオリゴヌクレオチドを含む第2のオリゴマー化合物と、を含み、第1の修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列及び第2の修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、配列番号723/1029、724/1030、725/1031、561/1032、562/1033、563/1034、726/1035、727/1036、728/1037、564/1038、729/1039、730/1040、731/1041、732/1042、733/1043、565/1044、734/1045、566/1046、735/1047、567/1048、736/1049、737/1050、738/1051、568/1052、739/1053、740/1054、741/1055、742/1056、743/1057、569/1058、744/1059、745/1060、746/1061、747/1062、748/1063、570/1064、749/1065、571/1066、750/1067、751/1068、572/1069、573/1070、574/1071、575/1072、576/1073、577/1074、578/1075、752/1076、753/1077、579/1078、580/1079、754/1080、581/1081、582/1082、755/1083、756/1084、583/1085、584/1086、757/1087、758/1088、585/1089、586/1090、587/1091、588/1092、589/1093、590/1094、591/1095、592/1096、759/1097、593/1098、594/1099、760/1100、595/1101、596/1102、761/1103、597/1104、598/1105、762/1106、763/1107、599/1108、764/1109、765/1110、766/1111、600/1112、767/1113、768/1114、769/1115、770/1116、601/1117、771/1118、602/1119、772/1120、773/1121、774/1122、603/1123、604/1124、775/1125、605/1126、606/1127、776/1128、777/1129、778/1130、779/1131、780/1132、781/1133、782/1134、783/1135、784/1136、607/1137、785/1138、786/1139、787/1140、788/1141、608/1142、609/1143、610/1144、789/1145、611/1146、790/1147、612/1148、613/1149、791/1150、614/1151、792/1152、615/1153、793/1154、616/1155、794/1156、795/1157、617/1158、796/1159、797/1160、798/1161、618/1162、799/1163、619/1164、800/1165、801/1166、620/1167、621/1168、802/1169、803/1170、804/1171、805/1172、622/1173、806/1174、807/1175、808/1176、809/1177、623/1178、810/1179、811/1180、624/1181、812/1182、625/1183、813/1184、626/1185、814/1186、815/1187、627/1188、816/1189、817/1190、818/1191、628/1192、819/1193、629/1194、820/1195、630/1196、821/1197、631/1198、632/1199、822/1200、823/1201、824/1202、825/1203、633/1204、634/1205、826/1206、827/1207、635/1208、636/1209、828/1210、637/1211、638/1212、829/1213、830/1214、831/1215、832/1216、833/1217、834/1218、639/1219、640/1220、835/1221、641/1222、836/1223、642/1224、837/1225、838/1226、839/1227、840/1228、841/1229、842/1230、643/1231、644/1232、843/1233、645/1234、646/1235、844/1236、845/1237、846/1238、647/1239、847/1240、848/1241、849/1242、850/1243、851/1244、852/1245、648/1246、853/1247、854/1248、855/1249、856/1250、857/1251、858/1252、859/1253、649/1254、650/1255、651/1256、860/1257、861/1258、862/1259、863/1260、864/1261、652/1262、653/1263、865/1264、866/1265、867/1266、868/1267、654/1268、869/1269、655/1270、870/1271、871/1272、656/1273、872/1274、657/1275、873/1276、658/1277、659/1278、874/1279、875/1280、660/1281、876/1282、877/1283、878/1284、879/1285、880/1286、661/1287、662/1288、663/1289、881/1290、882/1291、883/1292、884/1293、885/1294、664/1295、886/1296、887/1297、888/1298、665/1299、666/1300、667/1301、889/1302、668/1303、890/1304、891/1305、892/1306、669/1307、893/1308、670/1309、671/1310、894/1311、672/1312、673/1313、895/1314、896/1315、674/1316、897/1317、675/1318、676/1319、677/1320、898/1321、899/1322、900/1323、901/1324、678/1325、902/1326、679/1327、903/1328、904/1329、905/1330、906/1331、907/1332、908/1333、680/1334、909/1335、910/1336、911/1337、912/1338、913/1339、681/1340、914/1341、915/1342、916/1343、917/1344、918/1345、919/1346、920/1347、921/1348、922/1349、923/1350、924/1351、925/1352、926/1353、927/1354、682/1355、928/1356、929/1357、930/1358、683/1359、684/1360、931/1361、932/1362、933/1363、934/1364、935/1365、685/1366、936/1367、937/1368、938/1369、939/1370、940/1371、941/1372、942/1373、943/1374、944/1375、945/1376、946/1377、947/1378、948/1379、949/1380、950/1381、951/1382、686/1383、687/1384、688/1385、689/1386、952/1387、690/1388、953/1389、691/1390、954/1391、692/1392、966/1411、967/1412、700/1413、701/1414、968/1415、702/1416、969/1417、970/1418、971/1419、972/1420、973/1421、703/1422、704/1423、974/1424、975/1425、705/1426、976/1427、977/1428、978/1429、979/1430、980/1431、981/1432、982/1433、983/1434、984/1435、985/1436、706/1437、986/1438、987/1439、707/1440、988/1441、989/1442、708/1443、709/1444、990/1445、991/1446、992/1447、993/1448、710/1449、994/1450、995/1451、996/1452、711/1453、997/1454、998/1455、999/1456、1000/1457、712/1458、1001/1459、1002/1460、713/1461、1003/1462、1004/1463、1005/1464、1006/1465、1007/1466、1008/1467、1009/1468、714/1469、715/1470、716/1471、1010/1472、717/1473、718/1474、1011/1475、1012/1476、719/1477、720/1478、1013/1479、1014/1480、1015/1481、1016/1482、1017/1483、1018/1484、1019/1485、1020/1486、1021/1487、1022/1488、721/1489、1023/1490、722/1491、693/1393、694/1394、695/1395、955/1396、956/1397、957/1398、958/1399、696/1400、959/1401、697/1402、960/1403、698/1404、699/1405、961/1406、962/1407、963/1408、964/1409、965/1410、1024/1492、1025/1493、1026/1494、1027/1495、又は1028/1496に記載される核酸塩基配列の以下の対のうちのいずれかからなり、第1の修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、対に記載された第1の配列番号の核酸塩基配列を含み、第2の修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、対に記載された第2の配列番号の核酸塩基配列を含む。
【0232】
本明細書に記載のオリゴマー二本鎖のうちのいずれかでは、第1の修飾されたオリゴヌクレオチド及び/又は第2の修飾されたオリゴヌクレオチドの少なくとも1個のヌクレオシドは、修飾された糖部分を含み得る。好適な修飾された糖部分の例としては、限定されないが、二環式糖部分、例えば、-O-CH-及び-O-CH(CH)-から選択される2’-4’架橋、並びに2’-MOE糖部分、2’-F糖部分、2’-OMe糖部分、又は2’-NMA糖部分などの非二環式糖部分が挙げられる。ある特定の実施形態では、第1の修飾されたオリゴヌクレオチド及び/又は第2の修飾されたオリゴヌクレオチドのヌクレオシドの少なくとも80%、少なくとも90%、又は100%は、2’-F及び2’-OMeから選択される修飾された糖部分を含む。
【0233】
本明細書に記載のオリゴマー二本鎖のうちのいずれかでは、第1の修飾されたオリゴヌクレオチド及び/又は第2の修飾されたオリゴヌクレオチドの少なくとも1個のヌクレオシドは、糖サロゲートを含み得る。好適な糖サロゲートの例としては、限定されないが、モルホリノ、ペプチド核酸(PNA)、グリコール核酸(GNA)、及びロックされていない核酸(UNA)が挙げられる。ある特定の実施形態では、第1の修飾されたオリゴヌクレオチドの少なくとも1個のヌクレオシドは、糖サロゲートを含み、糖サロゲートは、GNAであってもよい。
【0234】
本明細書に記載のオリゴマー二本鎖のうちのいずれかでは、第1の修飾されたオリゴヌクレオチド及び/又は第2の修飾されたオリゴヌクレオチドの少なくとも1つのヌクレオシド間結合は、修飾されたヌクレオシド間結合を含み得る。ある特定の実施形態では、修飾されたヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。ある特定の実施形態では、第1の修飾されたオリゴヌクレオチドの5’末端及び/又は3’末端からの第1、第2、又は第3のヌクレオシド間結合の少なくとも1つは、ホスホロチオエート結合を含む。ある特定の実施形態では、第2の修飾されたオリゴヌクレオチドの5’末端及び/又は3’末端からの第1、第2、又は第3のヌクレオシド間結合の少なくとも1つは、ホスホロチオエート結合を含む。
【0235】
本明細書に記載のオリゴマー二本鎖のうちのいずれかでは、第1の修飾されたオリゴヌクレオチド及び/又は第2の修飾されたオリゴヌクレオチドの少なくとも1つのヌクレオシド間結合は、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を含み得る。
【0236】
本明細書に記載のオリゴマー二本鎖のうちのいずれかでは、第1の修飾されたオリゴヌクレオチド及び/又は第2の修飾されたオリゴヌクレオチドの各々のヌクレオシド間結合は、独立して、ホスホジエステル、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合から選択され得る。
【0237】
本明細書に記載のオリゴマー二本鎖のうちのいずれかでは、第2の修飾されたオリゴヌクレオチドのヌクレオシド間結合モチーフは、ssoooooooooooooooossであってもよく、各「o」は、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、各「s」は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す。
【0238】
本明細書に記載のオリゴマー二本鎖のうちのいずれかでは、第1の修飾されたオリゴヌクレオチド及び/又は第2の修飾されたオリゴヌクレオチドの少なくとも1個の核酸塩基は、修飾された核酸塩基であり得る。ある特定の実施形態では、修飾された核酸塩基は、5-メチルシトシンである。
【0239】
本明細書に記載のオリゴマー二本鎖のうちのいずれかでは、第1の修飾されたオリゴヌクレオチドは、最も5’側のヌクレオシドの5’位に結合された、安定化されたリン酸基を含み得る。ある特定の実施形態では、安定化されたリン酸基は、シクロプロピルホスホネート又は(E)-ビニルホスホネートを含む。
【0240】
本明細書に記載のオリゴマー二本鎖のうちのいずれかでは、第1の修飾されたオリゴヌクレオチドは、コンジュゲート基を含み得る。ある特定の実施形態では、コンジュゲート基が、コンジュゲートリンカー及びコンジュゲート部分を含む。ある特定の実施形態では、コンジュゲート基は、第1の修飾されたオリゴヌクレオチドの5’末端で第1の修飾されたオリゴヌクレオチドに結合されている。ある特定の実施形態では、コンジュゲート基は、修飾されたオリゴヌクレオチドの3’末端で第1の修飾されたオリゴヌクレオチドに結合されている。ある特定の実施形態では、コンジュゲート基は、N-アセチルガラクトサミンを含む。ある特定の実施形態では、コンジュゲート基は、トランスフェリン受容体(TfR)(TfR1及びCD71としても知られる)に対する親和性を有する細胞標的化部分を含む。ある特定の実施形態では、コンジュゲート基は、抗TfR1抗体又はその断片を含む。ある特定の実施形態では、コンジュゲート基は、TfR1に結合することができるタンパク質又はペプチドを含む。ある特定の実施形態では、コンジュゲート基は、TfR1に結合することができるアプタマーを含む。ある特定の実施形態では、コンジュゲート基は、C22アルキル、C20アルキル、C16アルキル、C10アルキル、C21アルキル、C19アルキル、C18アルキル、C15アルキル、C14アルキル、C13アルキル、C12アルキル、C11アルキル、C9アルキル、C8アルキル、C7アルキル、C6アルキル、C5アルキル、C22アルケニル、C20アルケニル、C16アルケニル、C10アルケニル、C21アルケニル、C19アルケニル、C18アルケニル、C15アルケニル、C14アルケニル、C13アルケニル、C12アルケニル、C11アルケニル、C9アルケニル、C8アルケニル、C7アルケニル、C6アルケニル、又はC5アルケニルのうちのいずれかから選択され得る。ある特定の実施形態では、コンジュゲート基は、C22アルキル、C20アルキル、C16アルキル、C10アルキル、C21アルキル、C19アルキル、C18アルキル、C15アルキル、C14アルキル、C13アルキル、C12アルキル、C11アルキル、C9アルキル、C8アルキル、C7アルキル、C6アルキル、及びC5アルキルのうちのいずれかから選択され得、アルキル鎖は、1つ以上の不飽和結合を有する。
【0241】
本明細書に記載のオリゴマー二本鎖のうちのいずれかでは、第2の修飾されたオリゴヌクレオチドは、コンジュゲート基を含み得る。ある特定の実施形態では、コンジュゲート基が、コンジュゲートリンカー及びコンジュゲート部分を含む。ある特定の実施形態では、コンジュゲート基は、第2の修飾されたオリゴヌクレオチドの5’末端で第2の修飾されたオリゴヌクレオチドに結合されている。ある特定の実施形態では、コンジュゲート基は、修飾されたオリゴヌクレオチドの3’末端で第2の修飾されたオリゴヌクレオチドに結合されている。ある特定の実施形態では、コンジュゲート基は、N-アセチルガラクトサミンを含む。ある特定の実施形態では、コンジュゲート基は、トランスフェリン受容体(TfR)(TfR1及びCD71としても知られる)に対する親和性を有する細胞標的化部分を含む。ある特定の実施形態では、コンジュゲート基は、抗TfR1抗体又はその断片を含む。ある特定の実施形態では、コンジュゲート基は、TfR1に結合することができるタンパク質又はペプチドを含む。ある特定の実施形態では、コンジュゲート基は、TfR1に結合することができるアプタマーを含む。ある特定の実施形態では、コンジュゲート基は、C22アルキル、C20アルキル、C16アルキル、C10アルキル、C21アルキル、C19アルキル、C18アルキル、C15アルキル、C14アルキル、C13アルキル、C12アルキル、C11アルキル、C9アルキル、C8アルキル、C7アルキル、C6アルキル、C5アルキル、C22アルケニル、C20アルケニル、C16アルケニル、C10アルケニル、C21アルケニル、C19アルケニル、C18アルケニル、C15アルケニル、C14アルケニル、C13アルケニル、C12アルケニル、C11アルケニル、C9アルケニル、C8アルケニル、C7アルケニル、C6アルケニル、又はC5アルケニルのうちのいずれかから選択され得る。ある特定の実施形態では、コンジュゲート基は、C22アルキル、C20アルキル、C16アルキル、C10アルキル、C21アルキル、C19アルキル、C18アルキル、C15アルキル、C14アルキル、C13アルキル、C12アルキル、C11アルキル、C9アルキル、C8アルキル、C7アルキル、C6アルキル、及びC5アルキルのうちのいずれかから選択され得、アルキル鎖は、1つ以上の不飽和結合を有する。
【0242】
ある特定の実施形態では、アンチセンス剤は、本明細書に記載のオリゴマー化合物又はオリゴマー二本鎖を含む、アンチセンス化合物を含む。ある特定の実施形態では、アンチセンス剤は、本明細書に記載のオリゴマー化合物又はオリゴマー二本鎖を含んでいてもよく、RISC/Ago2の活性化によってPCDH19核酸の量を低減することができるRNAi剤である。ある特定の実施形態では、アンチセンス剤は、本明細書に記載のオリゴマー化合物又はオリゴマー二本鎖を含んでいてもよく、RNAse Hの活性化によってPCDH19核酸の量を低減することができるRNAse H剤である。
【0243】
ある特定の実施形態は、2つ以上のオリゴマー二本鎖を含むオリゴマー剤を提供する。ある特定の実施形態では、オリゴマー剤は、本明細書に記載されるオリゴマー二本鎖のうちのいずれかの2つ以上を含む。ある特定の実施形態では、オリゴマー剤は、2つ以上の同じオリゴマー二本鎖を含み、これは、本明細書に記載されるオリゴマー二本鎖のうちのいずれかであり得る。ある特定の実施形態では、2つ以上のオリゴマー二本鎖は、一緒に結合されている。ある特定の実施形態では、2つ以上のオリゴマー二本鎖は、一緒に共有結合されている。ある特定の実施形態では、2つ以上のオリゴマー二本鎖の第2の修飾されたオリゴヌクレオチドは、一緒に共有結合されている。特定の実施形態では、2つ以上のオリゴマー二本鎖の第2の修飾されたオリゴヌクレオチドは、それらの3’末端で一緒に共有結合されている。ある特定の実施形態では、2つ以上のオリゴマー二本鎖は、テトラエチレングリコールリンカーなどのグリコールリンカーによって一緒に共有結合されている。
【0244】
I.ある特定のオリゴヌクレオチド
ある特定の実施形態では、連結ヌクレオシドからなるオリゴヌクレオチドを含む、オリゴマー化合物を、本明細書で提供する。オリゴヌクレオチドは、未修飾オリゴヌクレオチド(RNA若しくはDNA)であることができる、又は、修飾オリゴヌクレオチドであることができる。修飾オリゴヌクレオチドは、未修飾RNA又はDNAと比較して、少なくとも1つの修飾を含む。すなわち、修飾オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの修飾ヌクレオシド(修飾された糖部分及び/若しくは修飾された核酸塩基を含む)、並びに/又は、少なくとも1つの修飾ヌクレオシド間結合を含む。修飾されたオリゴヌクレオチドでの使用に好適な、ある特定の修飾されたヌクレオシド及び修飾されたヌクレオシド間結合は、以下に記載されている。
【0245】
A.ある特定の修飾されたヌクレオシド
修飾されたヌクレオシドは、修飾された糖部分若しくは修飾された核酸塩基又は修飾された糖部分及び修飾された核酸塩基の両方を含む。ある特定の実施形態では、以下の修飾された糖部分、及び/又は、以下の修飾された核酸塩基を含む修飾ヌクレオシドを、修飾オリゴヌクレオチドに組み込むことができる。
【0246】
1.ある特定の糖部分
ある特定の実施形態では、修飾された糖部分は、非二環式の修飾された糖部分である。ある特定の実施形態では、修飾された糖部分は、二環式又は三環式糖部分である。ある特定の実施形態では、修飾された糖部分は、糖サロゲートである。そのような糖サロゲートは、修飾された糖部分の他の種類のものに対応する1つ以上の置換を含み得る。
【0247】
ある特定の実施形態では、修飾された糖部分は、1個以上の置換基(そのいずれもが、フラノシル環の2個の原子を架橋させて二環式構造を形成しない)を含むフラノシル環を含む、非二環式の修飾された糖部分である。このような非架橋置換基は、2’、3’、4’、及び/又は5’位における置換基を含むがこれらに限定されない、フラノシルの任意の位置に存在し得る。ある特定の実施形態では、非二環式の修飾された糖部分の1個以上の非架橋置換基は、分岐である。非二環式の修飾された糖部分に適した2’-置換基の例としては、2’-F、2’-OCH(「OMe」又は「O-メチル」)、及び2’-O(CHOCH(「MOE」又は「O-メトキシエチル」)が挙げられるが、これらに限定されない。ある特定の実施形態では、2’-置換基は、ハロ、アリル、アミノ、アジド、SH、CN、OCN、CF、OCF、O-C-C10アルコキシ、O-C-C10置換アルコキシ、O-C-C10アルキル、O-C-C10置換アルキル、S-アルキル、N(R)-アルキル、O-アルケニル、S-アルケニル、N(R)-アルケニル、O-アルキニル、S-アルキニル、N(R)-アルキニル、O-アルキレニル-O-アルキル、アルキニル、アルカリル、アラルキル、O-アルカリル、O-アラルキル、O(CHSCH、O(CHON(R)(R)又はOCHC(=O)-N(R)(R)から選択され、各R及びRは、独立して、H、アミノ保護基、又は置換若しくは非置換C-C10アルキル、-O(CHON(CH(「DMAOE」)、O(CHO(CHN(CH(「DMAEOE」)、Cook et al.,U.S.6,531,584、Cook et al.,U.S.5,859,221、及びCook et al.,U.S.6,005,087に記載される2’-置換基である。これらの2’-置換基のある特定の実施形態は、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシ、カルボキシ、ベンジル、フェニル、ニトロ(NO)、チオール、チオアルコキシ、チオアルキル、ハロゲン、アルキル、アリール、アルケニル、及びアルキニルから独立して選択される1個以上の置換基で更に置換され得る。ある特定の実施形態では、非二環式の修飾された糖部分は、3’に置換基を含む。修飾された糖部分の3’位に好適な置換基群の例としては、アルコキシ(例えば、メトキシ)、アルキル(例えば、メチル、エチル)が挙げられるが、これらに限定されない。ある特定の実施形態では、非二環式の修飾された糖部分は、4’に置換基を含む。非二環式の修飾された糖部分に好適な4’-置換基の例には、これらに限定されないが、アルコキシ(例えば、メトキシ)、アルキル、及びManoharan et al.,WO2015/106128に記載されるものが挙げられる。非二環式の修飾された糖部分に適した5’-置換基の例としては、5’-メチル(R又はS)、5’-ビニル、及び5’-メトキシが挙げられるが、これらに限定されない。ある特定の実施形態では、非二環式の修飾された糖部分は、1個より多い非架橋糖置換基、例えば、2’-F-5’-メチル糖部分、並びにMigawa et al.,WO2008/101157及びRajeev et al.,US2013/0203836に記載される修飾された糖部分及び修飾されたヌクレオシドを含む。
【0248】
ある特定の実施形態では、2’-置換非二環式の修飾されたヌクレオシドは、F、NH、N、OCF、OCH、O(CHNH、CHCH=CH、OCHCH=CH、OCHCHOCH、O(CHSCH、O(CHON(R)(R)、O(CHO(CHN(CH及びN-置換アセトアミド(OCHC(=O)-N(R)(R))から選択される非架橋2’-置換基を含む糖部分を含み、式中、各R及びRは、独立して、H、アミノ保護基、又は置換若しくは非置換のC-C10アルキルである。
【0249】
ある特定の実施形態では、2’-置換ヌクレオシド非二環式の修飾されたヌクレオシドは、F、OCF、OCH、OCHCHOCH、O(CHSCH、O(CHON(CH、O(CHO(CHN(CH、O(CHON(CH(「DMAOE」)、O(CH)2O(CH2)N(CH(「DMAEOE」)及びOCHC(=O)-N(H)CH(「NMA」)から選択される非架橋2’置換基を含む糖部分を含む。
【0250】
ある特定の実施形態では、2’-置換非二環式の修飾されたヌクレオシドは、F、OCH及びOCHCHOCHから選択される非架橋2’置換基を含む糖部分を含む。
【0251】
ある特定の実施形態では、修飾フラノシル糖部分、及び、このような修飾フラノシル糖部分を組み込むヌクレオシドは、異性体構造により更に定義される。例えば、2’-デオキシフラノシル糖部分は、自然に存在するβ-D-デオキシリボシル構造以外の、7つの異性体構造を取り得る。このような修飾された糖部分は、例えば、本明細書に参照により組み込まれる、WO2019/157531に記載されている。2’-修飾された糖部分は、2’-デオキシフラノシル糖部分と比較して、2’位に、追加のキラル中心を有する。したがって、そのような糖部分は、合計で16種類の、取り得る異性体構造を有する。本明細書に記載する2’-修飾された糖部分は、別途定めがない限り、β-D-リボシル異性体構造である。
【0252】
天然に存在する核酸では、糖は、互いに3’から5’に結合される。ある特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、例えば、2’又は逆に5’から3’に、交互の位置で結合された1つ以上のヌクレオシド又は糖部分を含む。例えば、結合が2’位にある場合、2’-置換基は、代わりに3’位にあってもよい。
【0253】
ある特定の修飾された糖部分は、フラノシル環の2個の原子を架橋して第2の環を形成する置換基を含み、二環式糖部分をもたらす。そのような二環式糖部分を含むヌクレオシドは、二環式ヌクレオシド(BNA)、ロックドヌクレオシド、又は立体構造的に制限されたヌクレオチド(CRN)と呼ばれている。そのようなある特定の化合物は、米国特許公開第2013/0190383号、及びPCT公開第2013/036868号に記載されている。ある特定のそのような実施形態では、二環式糖部分は、4’位と2’位のフラノース環原子間の架橋を含む。ある特定のそのような実施形態では、フラノース環は、リボース環である。そのような4’から2’への架橋糖置換基の例には、4’-CH-2’、4’-(CH-2’、4’-(CH-2’、4’-CH-O-2’(「LNA」)、4’-CH-S-2’、4’-(CH-O-2’(「ENA」)、4’-CH(CH)-O-2’(S配置の場合、「拘束エチル」又は「cEt」と呼ばれる)、4’-CH-O-CH-2’、4’-CH-N(R)-2’、4’-CH(CHOCH)-O-2’(「拘束MOE」又は「cMOE」)及びそれらの類似体(例えば、Seth et al.,U.S.7,399,845、Bhat et al.,U.S.7,569,686、Swayze et al.,U.S.7,741,457、及びSwayze et al.,U.S.8,022,193を参照のこと)、4’-C(CH)(CH)-O-2’及びその類似体(例えば、Seth et al.,U.S.8,278,283を参照のこと)、4’-CH-N(OCH)-2’及びその類似体(例えば、Prakash et al.,U.S.8,278,425を参照のこと)、4’-CH-O-N(CH)-2’(例えば、Allerson et al.,U.S.7,696,345及びAllerson et al.,U.S.8,124,745を参照のこと)、4’-CH-C(H)(CH)-2’(例えば、Zhou,et al.,J.Org.Chem.,2009,74,118-134を参照のこと)、4’-CH-C(=CH)-2’及びその類似体(例えば、Seth et al.,U.S.8,278,426を参照のこと)、4’-C(R)-N(R)-O-2’、4’-C(R)-O-N(R)-2’、4’-CH-O-N(R)-2’、並びに4’-CH-N(R)-O-2’が挙げられるが、これらに限定されず、各R、R、及びRは、独立して、H、保護基、又はC-C12アルキルである(例えば、Imanishi et al.,U.S.7,427,672を参照のこと)。
【0254】
ある特定の実施形態では、そのような4’から2’への架橋は、独立して、-[C(Ra)(Rb)]n-、-[C(Ra)(Rb)]n-O-、C(Ra)=C(Rb)-、C(Ra)=N-、C(=NRa)-、-C(=O)-、-C(=S)-、-O-、-Si(Ra)2-、-S(=O)x-、及びN(Ra)-から選択される1~4の連結基を独立して含み、
式中、
xは、0、1、又は2であり、
nが、1、2、3、又は4であり、
各Ra及びRbは、独立して、H、保護基、ヒドロキシル、C1-C12アルキル、置換C1-C12アルキル、C2-C12アルケニル、置換C2-C12アルケニル、C2-C12アルキニル、置換C2-C12アルキニル、C5-C20アリール、置換C5-C20アリール、複素環ラジカル、置換複素環ラジカル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、C5-C7脂環式ラジカル、置換C5-C7脂環式ラジカル、ハロゲン、OJ1、NJ1J2、SJ1、N3、COOJ1、アシル(C(=O)-H)、置換アシル、CN、スルホニル(S(=O)2-J1)、又はスルホキシル(S(=O)-J1)であり、各J1及びJ2は、独立して、H、C1-C12アルキル、置換C1-C12アルキル、C2-C12アルケニル、置換C2-C12アルケニル、C2-C12アルキニル、置換C2-C12アルキニル、C5-C20アリール、置換C5-C20アリール、アシル(C(=O)-H)、置換アシル、複素環ラジカル、置換複素環ラジカル、C1-C12アミノアルキル、置換C1-C12アミノアルキル、又は保護基である。
【0255】
追加の二環式糖部分は、当該技術分野で既知であり、例えば、Freier et al.,Nucleic Acids Research,1997,25(22),4429-4443、Albaek et al.,J.Org.Chem.,2006,71,7731-7740,Singh et al.,Chem.Commun.,1998,4,455-456、Koshkin et al.,Tetrahedron,1998,54,3607-3630、Wahlestedt et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,2000,97,5633-5638、Kumar et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.,1998,8,2219-2222、Singh et al.,J.Org.Chem.,1998,63,10035-10039、Srivastava et al.,J.Am.Chem.Soc.,2007,129,8362-8379、Elayadi et al.,Curr.Opinion Invens.Drugs,2001,2,558-561、Braasch et al.,Chem.Biol.,2001,8,1-7、Orum et al.,Curr.Opinion Mol.Ther.,2001,3,239-243、Wengel et al.,U.S.7,053,207、Imanishi et al.,U.S.6,268,490、Imanishi et al.U.S.6,770,748、Imanishi et al.,U.S.RE44,779、Wengel et al.,U.S.6,794,499、Wengel et al.,U.S.6,670,461、Wengel et al.,U.S.7,034,133、Wengel et al.,U.S.8,080,644、Wengel et al.,U.S.8,034,909、Wengel et al.,U.S.8,153,365、Wengel et al.,U.S.7,572,582、及びRamasamy et al.,U.S.6,525,191、Torsten et al.,WO2004/106356、Wengel et al.,WO1999/014226、Seth et al.,WO2007/134181、Seth et al.,U.S.7,547,684、Seth et al.,U.S.7,666,854、Seth et al.,U.S.8,088,746、Seth et al.,U.S.7,750,131、Seth et al.,U.S.8,030,467、Seth et al.,U.S.8,268,980、Seth et al.,U.S.8,546,556、Seth et al.,U.S.8,530,640、Migawa et al.,U.S.9,012,421、Seth et al.,U.S.8,501,805、Allerson et al.,US2008/0039618、及びMigawa et al.,US2015/0191727を参照されたい。ある特定の実施形態では、二環式糖部分及びそのような二環式糖部分を組み込むヌクレオシドは、異性体配置によって更に定義される。例えば、LNAヌクレオシド(本明細書に記載される)は、α-L配置又はβ-D配置にあり得る。
【化3】
【0256】
α-L-メチレンオキシ(4’-CH-O-2’)又はα-L-LNA二環式ヌクレオシドは、アンチセンス活性を示したオリゴヌクレオチドに組み込まれている(Frieden et al.,Nucleic Acids Research,2003,21,6365-6372)。siRNAへのロックド核酸の付加は、血清中のsiRNAの安定性を増加させ、オフターゲット効果を低減することが示されている(Elmen,J.et al.,(2005)Nucleic Acids Research 33(1):439-447、Mook,OR.et al.,(2007)Mal Cane Ther 6(3):833-843、Grunweller,A.et al.,(2003)Nucleic Acids Research 31(12):3185-3193)。本明細書において、二環式ヌクレオシドの一般的説明は、両方の異性体配置を含む。特定の二環式ヌクレオシド(例えばLNA又はcEt)の位置が、本明細書における例示的な実施形態で特定されるとき、それらは、別途定めがない限り、β-D配置にある。
【0257】
ある特定の実施形態では、修飾された糖部分は、1個以上の非架橋糖置換基及び1個以上の架橋糖置換基(例えば、5’-置換及び4’-2’架橋糖)を含む。
【0258】
ある特定の実施形態では、修飾された糖部分は、糖サロゲートである。ある特定のそのような実施形態では、糖部分の酸素原子は、例えば、硫黄、炭素、又は窒素原子で置き換えられる。ある特定のそのような実施形態では、そのような修飾された糖部分はまた、本明細書に記載されるような架橋及び/又は非架橋置換基も含む。例えば、ある特定の糖サロゲートは、4’-硫黄原子並びに2’位での置換(例えば、Bhat et al.,U.S.7,875,733及びBhat et al.,U.S.7,939,677を参照のこと)及び/又は5’位での置換を含む。
【0259】
ある特定の実施形態では、糖サロゲートは、5個の原子以外を有する環を含む。例えば、ある特定の実施形態では、糖サロゲートは、6員のテトラヒドロピラン(「THP」)を含む。そのようなテトラヒドロピランは、更に修飾又は置換されてもよい。そのような修飾されたテトラヒドロピランを含むヌクレオシドは、これらに限定されないが、ヘキシトール核酸(「HNA」)、アニトール核酸(「ANA」)、マンニトール核酸(「MNA」)(例えば、Leumann,CJ.Bioorg.&Med.Chem.2002,10,841-854を参照のこと)、フルオロHNA:
【化4】
(「F-HNA」、例えば、Swayze et al.,U.S.8,088,904、Swayze et al.,U.S.8,440,803、Swayze et al.,U.S.8,796,437、及びSwayze et al.,U.S.9,005,906を参照のこと;F-HNAはまた、F-THP又は3’-フルオロテトラヒドロピランとも称され得る)、及び以下の式を有する追加の修飾されたTHP化合物を含むヌクレオシドを含み、
【化5】
式中、独立して、当該修飾されたTHPヌクレオシドの各々について、
Bxは、核酸塩基部分であり、
及びTは各々独立して、修飾されたTHPヌクレオシドをオリゴヌクレオチドの残りに結合するヌクレオシド間結合基であるか、又はT及びTの一方は、修飾されたTHPヌクレオシドをオリゴヌクレオチドの残りに結合するヌクレオシド間結合基であり、T及びTの他方は、H、ヒドロキシル保護基、結合されたコンジュゲート基、又は5’若しくは3’-末端基であり、
、q、q、q、q、q及びqは、各々独立して、H、C-Cアルキル、置換C-Cアルキル、C-Cアルケニル、置換C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、又は置換C-Cアルキニルであり、
及びRの各々は、水素、ハロゲン、置換又は非置換アルコキシ、NJ、SJ、N、OC(=X)J、OC(=X)NJ、NJC(=X)NJ、及びCNから独立して選択され、但し、Xは、O、S又はNJであり、各J、J、及びJは、独立して、H又はC-Cアルキルである。
【0260】
ある特定の実施形態では、q、q、q、q、q、q及びqが各々Hである修飾THPヌクレオシドが提供される。ある特定の実施形態では、q、q、q、q、q、q及びqの少なくとも1つはH以外である。ある特定の実施形態では、q、q、q、q、q、q及びqの少なくとも1つはメチルである。ある特定の実施形態では、R及びRの一方がFである修飾THPヌクレオシドが提供される。ある特定の実施形態では、RはFであり、RはHであり、ある特定の実施形態では、Rはメトキシであり、RはHであり、ある特定の実施形態では、Rはメトキシエトキシであり、RはHである。
【0261】
ある特定の実施形態では、糖サロゲートは、5個よりも多くの原子及び1個よりも多くのヘテロ原子を有する環を含む。例えば、モルホリノ糖部分を含むヌクレオシド及びオリゴヌクレオチドにおけるそれらの使用が報告されている(例えば、Braasch et al.,Biochemistry,2002、41,4503-4510及びSummerton et al.,U.S.5,698,685、Summerton et al.,U.S.5,166,315、Summerton et al.,U.S.5,185,444、並びにSummerton et al.,U.S.5,034,506を参照のこと)。本明細書で使用する場合、「モルホリノ」という用語は、以下の構造を有する糖サロゲートを意味する。
【化6】
【0262】
ある特定の実施形態では、モルホリノは、例えば、上記のモルホリノ構造から種々の置換基を付加するか又は変更することによって、修飾されてもよい。そのような糖サロゲートは、本明細書で「修飾されたモルホリノ」と称される。
【0263】
ある特定の実施形態では、糖サロゲートは、非環式部分を含む。そのような非環式糖サロゲートを含むヌクレオシド及びオリゴヌクレオチドの例には、ペプチド核酸(「PNA」)、非環式ブチル核酸(例えば、Kumar et al.,Org.Biomol.Chem.,2013,11,5853-5865を参照のこと)、並びにManoharan et al.,WO2011/133876に記載されるヌクレオシド及びオリゴヌクレオチドが含まれるが、これらに限定されない。ある特定の実施形態では、糖サロゲートは、非環式部分を含む。そのような非環式糖サロゲートを含むヌクレオシド及びオリゴヌクレオチドの例には、ペプチド核酸(「PNA」)、非環式ブチル核酸(例えば、Kumar et al.,Org.Biomol.Chem.,2013,11,5853-5865を参照のこと)、並びにManoharan et al.,US2013/130378に記載されるヌクレオシド及びオリゴヌクレオチドが含まれるが、これらに限定されない。PNA化合物の調製を教示する代表的な米国特許には、米国特許第5,539,082号、同第5,714,331号、及び同第5,719,262号が含まれるが、これらに限定されない。本発明のオリゴヌクレオチドでの使用に好適な追加のPNA化合物は、例えば、Nielsen et al.,Science,1991,254,1497-1500に記載されている。
【0264】
ある特定の実施形態では、糖サロゲートは、UNA(ロックされていない核酸)ヌクレオシドの「ロックされていない」糖構造である。UNAは、ロックされていない非環式核酸であり、糖の結合のうちのいずれかが除去され、ロックされていない糖サロゲートを形成する。UNAの調製を教示する代表的な米国公報には、これらに限定されないが、米国特許第8,314,227号、及び米国特許公開第2013/0096289号、同第2013/0011922号、及び同第2011/0313020号が含まれ、これらの各々の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0265】
ある特定の実施形態では、糖サロゲートは、以下に示されるGNA(グリコール核酸)ヌクレオシドに見出されるようなグリセロールであり、
【化7】
式中、Bxは、任意の核酸塩基を表す。
【0266】
修飾されたヌクレオシドに使用され得る多くの他の二環式糖及び三環式糖並びに糖サロゲートは、当該技術分野で既知である。
【0267】
2.ある特定の修飾された核酸塩基
ある特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、未修飾核酸塩基を含む1つ以上のヌクレオシドを含む。ある特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、修飾された核酸塩基を含む1つ以上のヌクレオシドを含む。ある特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドは、脱塩基ヌクレオシドと称される、核酸塩基を含まない1つ以上のヌクレオシドを含む。ある特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドは、1つ以上のイノシンヌクレオシド(すなわち、ヒポキサンチン核酸塩基を含むヌクレオシド)を含む。
【0268】
ある特定の実施形態では、修飾された核酸塩基は、5-置換ピリミジン、6-アザピリミジン、アルキル又はアルキニル置換ピリミジン、アルキル置換プリン、並びにN-2、N-6、及びO-6置換プリンから選択される。ある特定の実施形態では、修飾された核酸塩基は、5-メチルシトシン、2-アミノプロピルアデニン、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2-アミノアデニン、6-N-メチルグアニン、6-N-メチルアデニン、2-プロピルアデニン、2-チオウラシル、2-チオチミン及び2-チオシトシン、5-プロピニル(-C≡C-CH)ウラシル、5-プロピニルシトシン、6-アゾウラシル、6-アゾシトシン、6-アゾチミン、5-リボシルウラシル(シュードウラシル)、4-チオウラシル、8-ハロ、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、8-ヒドロキシル、8-アザ及び他の8-置換プリン、5-ハロ、特に5-ブロモ、5-トリフルオロメチル、5-ハロウラシル、及び5-ハロシトシン、7-メチルグアニン、7-メチルアデニン、2-F-アデニン、2-アミノアデニン、7-デアザグアニン、7-デアザアデニン、3-デアザグアニン、3-デアザアデニン、6-N-ベンゾイルアデニン、2-N-イソブチリルグアニン、4-N-ベンゾイルシトシン、4-N-ベンゾイルウラシル、5-メチル4-N-ベンゾイルシトシン、5-メチル4-N-ベンゾイルウラシル、一般的な塩基、疎水性塩基、無差別塩基、サイズ拡張された塩基、並びにフッ素化塩基から選択される。更なる修飾された核酸塩基には、1,3-ジアザフェノキサジン-2-オン、1,3-ジアザフェノチアジン-2-オン、及び9-(2-アミノエトキシ)-1,3-ジアザフェノキサジン-2-オン(G-クランプ)などの三環式ピリミジンが含まれる。修飾された核酸塩基は、プリン又はピリミジン塩基が他の複素環、例えば、7-デアザ-アデニン、7-デアザグアノシン、2-アミノピリジン、及び2-ピリドンで置き換えられるものも含み得る。更なる核酸塩基は、Merigan et al.,U.S.3,687,808に開示されるもの、The Concise Encyclopedia Of Polymer Science And Engineering,Kroschwitz,J.I.,Ed.,John Wiley & Sons,1990,858-859、Englisch et al.,Angewandte Chemie,International Edition,1991,30,613;Sanghvi,Y.S.,Chapter 15,Antisense Research and Applications,Crooke,S.T.and Lebleu,B.,Eds.,CRC Press,1993,273-288に開示されるもの、及びChapters 6 and 15,Antisense Drug Technology,Crooke S.T.,Ed.,CRC Press,2008,163-166及び442-443に開示されるものを含む。
【0269】
上記のある特定の修飾された核酸塩基及び他の修飾された核酸塩基の調製を教示する刊行物としては、特に限定されないが、Manoharan et al.,US2003/0158403、Manoharan et al.,US2003/0175906、Dinh et al.,U.S.4,845,205、Spielvogel et al.,U.S.5,130,302、Rogers et al.,U.S.5,134,066、Bischofberger et al.,U.S.5,175,273、Urdea et al.,U.S.5,367,066、Benner et al.,U.S.5,432,272、Matteucci et al.,U.S.5,434,257、Gmeiner et al.,U.S.5,457,187、Cook et al.,U.S.5,459,255、Froehler et al.,U.S.5,484,908、Matteucci et al.,U.S.5,502,177、Hawkins et al.,U.S.5,525,711、Haralambidis et al.,U.S.5,552,540、Cook et al.,U.S.5,587,469、Froehler et al.,U.S.5,594,121、Switzer et al.,U.S.5,596,091、Cook et al.,U.S.5,614,617、Froehler et al.,U.S.5,645,985、Cook et al.,U.S.5,681,941、Cook et al.,U.S.5,811,534、Cook et al.,U.S.5,750,692、Cook et al.,U.S.5,948,903、Cook et al.,U.S.5,587,470、Cook et al.,U.S.5,457,191、Matteucci et al.,U.S.5,763,588、Froehler et al.,U.S.5,830,653、Cook et al.,U.S.5,808,027、Cook et al.,U.S.6,166,199、及びMatteucci et al.,U.S.6,005,096が挙げられる。
【0270】
3.ある特定の修飾されたヌクレオシド間結合
RNA及びDNAの自然に存在するヌクレオシド間結合は、3’から5’へのホスホジエステル結合である。ある特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドのヌクレオシドは、1つ以上の修飾ヌクレオシド間結合を用いて互いに結合され得る。ヌクレオシド間結合基の2つの主なクラスは、リン原子の存在又は不在によって定義される。代表的なリンを含有するヌクレオシド間結合としては、ホスホジエステル結合(「P=O」)(未修飾又は自然に存在する結合とも称される)、ホスホトリエステル、メチルホスホネート、ホスホロアミダート、並びに、ホスホロチオエート(「P=S」)及びホスホロジチオエート(「HS-P=S」)、を含むリン酸が挙げられるが、これらに限定されない。代表的なリン非含有ヌクレオシド間結合基には、メチレンメチルイミノ(-CH-N(CH)-O-CH-)、チオジエステル、チオノカルバメート(-O-C(=O)(NH)-S-)、シロキサン(-O-SiH-O-)、及びN,N’-ジメチルヒドラジン(-CH-N(CH)-N(CH)-)が挙げられるが、これらに限定されない。自然に存在するリン酸結合と比較して、修飾ヌクレオシド間結合は、オリゴヌクレオチドのヌクレアーゼ耐性を変える(通常は増加させる)ために使用され得る。ある特定の実施形態では、キラル原子を有するヌクレオシド間結合を、ラセミ混合物として、又は、別個のエナンチオマーとして調製することができる。リン含有及び非リン含有ヌクレオシド間結合の調製方法は、当業者に周知である。
【0271】
キラル中心を有する代表的なヌクレオシド間結合には、アルキルホスホネート及びホスホロチオエートが含まれるが、これらに限定されない。キラル中心を有するヌクレオシド間結合を含む修飾されたオリゴヌクレオチドは、立体的にランダムなヌクレオシド間結合を含む修飾されたオリゴヌクレオチドの集団として、又は特定の立体化学的配置にあるホスホロチオエート結合を含む修飾されたオリゴヌクレオチドの集団として調製され得る。ある特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドの集団は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含み、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合は全て、立体的にランダムである。このような修飾オリゴヌクレオチドは、各ホスホロチオエート結合の立体化学配置のランダムな選択をもたらす合成方法を用いて生成することができる。にもかかわらず、各別個のオリゴヌクレオチド分子の、各別個のホスホロチオエートは、画定された立体配置を有する。ある特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドの集団は、特定の、独立して選択される立体化学配置内で、1つ以上の特定のホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含む修飾オリゴヌクレオチドに対して濃縮される。ある特定の実施形態では、特定のホスホロチオエート結合の特定の構造は、集団内の分子の少なくとも65%に存在する。ある特定の実施形態では、特定のホスホロチオエート結合の特定の構造は、集団内の分子の少なくとも70%に存在する。ある特定の実施形態では、特定のホスホロチオエート結合の特定の構造は、集団内の分子の少なくとも80%に存在する。ある特定の実施形態では、特定のホスホロチオエート結合の特定の構造は、集団内の分子の少なくとも90%に存在する。ある特定の実施形態では、特定のホスホロチオエート結合の特定の構造は、集団内の分子の少なくとも99%に存在する。修飾されたオリゴヌクレオチドのそのようなキラル的に濃縮された集団は、当該技術分野で既知の合成方法、例えば、Oka et al.,JACS 125,8307(2003)、Wan et al.Nuc.Acid.Res.42,13456(2014)、及びWO2017/015555に記載される方法を使用して生成され得る。ある特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドの集団は、(Sp)配置にある少なくとも1つの示されるホスホロチオエートを有する修飾されたオリゴヌクレオチドが濃縮されている。ある特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドの集団は、(Rp)配置にある少なくとも1つのホスホロチオエートを有する修飾されたオリゴヌクレオチドについて濃縮されている。ある特定の実施形態では、(Rp)及び/又は(Sp)ホスホロチオエートを含む修飾されたオリゴヌクレオチドは、それぞれ、以下の式のうちの1つ以上を含み、式中、「B」は、核酸塩基を示す。
【化8】
【0272】
ある特定の実施形態では、修飾されたヌクレオシド間結合は、以下の式を有する結合基を含む。
【化9】
を含み、修飾されたオリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合基について、独立して、
Xは、O又はSから選択され、
は、H、C-Cアルキル、及び置換C-Cアルキルから選択され、
Tは、SO、C(=O)R、及びP(=O)Rから選択され、
は、アリール、置換アリール、複素環、置換複素環、芳香族複素環、置換芳香族複素環、ジアゾール、置換ジアゾール、C-Cアルコキシ、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、置換C-Cアルキル、置換C-Cアルケニル置換C-Cアルキニル、及びコンジュゲート基から選択され、
は、アリール、置換アリール、CH、N(CH、OCH、及びコンジュゲート基から選択され、
は、OCH、OH、C-Cアルキル、置換C-Cアルキル、及びコンジュゲート基から選択され、
は、OCH、OH、C-Cアルキル、及び置換C-Cアルキルから選択される。
【0273】
ある特定の実施形態では、修飾されたヌクレオシド間結合は、以下の式を有するメシルホスホロアミデート結合基を含む。
【化10】
【0274】
ある特定の実施形態では、メシルホスホロアミデートヌクレオシド間結合は、キラル中心を含み得る。ある特定の実施形態では、(Rp)及び/又は(Sp)メシルホスホロアミデートを含む修飾されたオリゴヌクレオチドは、それぞれ、以下の式のうちの1つ以上を含み、式中、「B」は、核酸塩基を示す。
【化11】
別途示されない限り、本明細書に記載する修飾オリゴヌクレオチドのキラルなヌクレオシド間結合は、立体的にランダムであるか、又は、特定の立体化学配置をとることができる。
【0275】
中性のヌクレオシド間結合としては、限定されるものではないが、ホスホトリエステル、メチルホスホネート、MMI(3’-CH-N(CH)-O-5’)、アミド-3(3’-CH-C(=O)-N(H)-5’)、アミド-4(3’-CH-N(H)-C(=O)-5’)、ホルムアセタール(3’-O-CH-O-5’)、メトキシプロピル(MOP)、及びチオホルムアセタール(3’-S-CH-O-5’)が挙げられる。更なる中性ヌクレオシド間結合には、シロキサン(ジアルキルシロキサン)、カルボキシレートエステル、カルボキサミド、スルフィド、スルホネートエステル、及びアミドを含む非イオン結合が含まれる(例えば、Carbohydrate Modifications in Antisense Research、Y.S.Sanghvi and P.D.Cook,Eds.,ACS Symposium Series 580、Chapters 3 and 4,40-65を参照のこと)。更なる中性ヌクレオシド間結合には、混合N、O、S、及びCH構成要素部分を含む非イオン結合が含まれる。
【0276】
ある特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドは、以下に示されるように、1つ以上の逆位ヌクレオシドを含み、
【化12】

式中、各Bxは、独立して、任意の核酸塩基を表す。
【0277】
ある特定の実施形態では、逆位ヌクレオシドは、末端(すなわち、オリゴヌクレオチドの一方の末端にある最後のヌクレオシド)であり、したがって、上記に示される1つのヌクレオシド間結合のみが存在する。ある特定のそのような実施形態では、追加の特徴(コンジュゲート基など)は、逆位ヌクレオシドに結合され得る。そのような末端逆位ヌクレオシドは、オリゴヌクレオチドのどちらかの末端又は両方の末端に結合され得る。
【0278】
ある特定の実施形態では、そのような基は、核酸塩基を欠き、本明細書では、逆位糖部分と称される。ある特定の実施形態では、逆位糖部分は、末端(すなわち、オリゴヌクレオチドの一方の末端にある最後のヌクレオシド)であり、したがって、上記に示される1つのヌクレオシド間結合のみが存在する。ある特定のそのような実施形態では、追加の特徴(コンジュゲート基など)は、逆位糖部分に結合され得る。そのような末端逆位糖部分は、オリゴヌクレオチドのどちらかの末端又は両方の末端に結合され得る。
【0279】
ある特定の実施形態では、核酸は、標準的な3’から5’結合ではなく、2’から5’に結合することができる。そのような結合を、以下に示す。
【化13】
式中、各Bxは、任意の核酸塩基を表す。
【0280】
B.ある特定のモチーフ
ある特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、修飾された糖部分を含む1つ以上の修飾ヌクレオシドを含む。ある特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、修飾された核酸塩基を含む1つ以上の修飾ヌクレオシドを含む。ある特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、1つ以上の修飾ヌクレオシド間結合を含む。このような実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドの、修飾、未修飾、及び、異なる修飾をされた糖部分、核酸塩基、及び/又は、ヌクレオシド間結合が、あるパターン又はモチーフを画定する。ある特定の実施形態では、糖部分、核酸塩基、及び、ヌクレオシド間結合のパターンはそれぞれ、互いに無関係である。したがって、修飾オリゴヌクレオチドは、その糖モチーフ、核酸塩基モチーフ、及び/又は、ヌクレオシド間結合モチーフにより説明されることができる(本明細書で使用される場合、核酸塩基モチーフは、核酸塩基の配列に関係なく、核酸塩基に対する修飾を示す)。
【0281】
1.ある特定の糖モチーフ
ある特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、画定されたパターン又は糖モチーフ内のオリゴヌクレオチド又はその領域に沿って配置された、1種以上の修飾された糖及び/又は未修飾糖部分を含む。ある特定の例において、このような糖モチーフとしては、本明細書で論じる糖修飾のいずれかが挙げられるが、これらに限定されない。
【0282】
ギャップマーオリゴヌクレオチド
ある特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドは、2つの外部領域又は「ウイング」及び中心若しくは内部領域又は「ギャップ」によって定義されるギャップマーモチーフを有する領域を含むか、又はそれからなる。ギャップマーモチーフの3つの領域(5’-ウイング、ギャップ、及び3’-ウイング)は、ヌクレオシドの連続する配列を形成し、ウイングの各々のヌクレオシドの糖部分の少なくとも一部は、ギャップのヌクレオシドの糖部分の少なくとも一部とは異なる。具体的には、ギャップに最も隣接する各ウイングのヌクレオシドの少なくとも糖部分(5’-ウイングの3’-末端ヌクレオシド及び3’-ウイングの5’-末端ヌクレオシド)は、隣接するギャップヌクレオシドの糖部分とは異なり、したがって、ウイングとギャップとの間の境界を画定する(すなわち、ウイング/ギャップジャンクション)。ある特定の実施形態では、ギャップ内の糖部分は、互いに同じである。ある特定の実施形態では、ギャップは、ギャップの1つ以上の他のヌクレオシドの糖部分とは異なる糖部分を有する1つ以上のヌクレオシドを含む。ある特定の実施形態では、2つのウイングの糖モチーフは、互いに同じである(対称ギャップマー)。ある特定の実施形態では、5’-ウイングの糖モチーフは、3’-ウイングの糖モチーフと異なる(非対称性糖ギャップマー)。
【0283】
ある特定の実施形態では、ギャップマーのウイングは、1~6個のヌクレオシドを含む。ある特定の実施形態では、ギャップマーの各ウイングの各ヌクレオシドは、修飾された糖部分を含む。ある特定の実施形態では、ギャップマーの各ウイングの少なくとも1個のヌクレオシドは、修飾された糖部分を含む。ある特定の実施形態では、ギャップマーの各ウイングの少なくとも2個のヌクレオシドは、修飾された糖部分を含む。ある特定の実施形態では、ギャップマーの各ウイングの少なくとも3個のヌクレオシドは、修飾された糖部分を含む。ある特定の実施形態では、ギャップマーの各ウイングの少なくとも4個のヌクレオシドは、修飾された糖部分を含む。
【0284】
ある特定の実施形態では、ギャップマーのギャップは、7~12個のヌクレオシドを含む。ある特定の実施形態では、ギャップマーのギャップの各ヌクレオシドは、2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を含む。ある特定の実施形態では、ギャップマーのギャップの少なくとも1個のヌクレオシドは、修飾された糖部分を含む。
【0285】
ある特定の実施形態では、ギャップマーは、デオキシギャップマーである。ある特定の実施形態では、各ウイング/ギャップ接合部のギャップ側のヌクレオシドは、2’-デオキシリボシル糖部分を含み、各ウイング/ギャップ接合部のウイング側のヌクレオシドは、修飾された糖部分を含む。ある特定の実施形態では、ギャップの各ヌクレオシドは、2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を含む。ある特定の実施形態では、ギャップマーの各ウイングの各ヌクレオシドは、修飾された糖部分を含む。ある特定の実施形態では、ギャップマーのギャップの少なくとも1個のヌクレオシドは、修飾された糖部分を含む。ある特定の実施形態では、ギャップの1個のヌクレオシドは、修飾された糖部分を含み、ギャップの各残りのヌクレオシドは、2’-デオキシリボシル糖部分を含む。ある特定の実施形態では、ギャップマーのギャップの少なくとも1個のヌクレオシドは、2’-OMe糖部分を含む。
【0286】
本明細書において、ギャップマーの3つの領域の長さ(ヌクレオシドの数)は、表記法[5’-ウイングにおけるヌクレオシドの番号]-[ギャップにおけるヌクレオシドの番号]-[3’-ウイングにおけるヌクレオシドの番号]を使用して提供され得る。したがって、3-10-3ギャップマーは、各ウイングにおける3個の連結ヌクレオシド及びギャップにおける10個の連結ヌクレオシドからなる。そのような命名法の後に特定の修飾が続く場合、その修飾は、各ウイングの各糖部分における修飾であり、ギャップヌクレオシドは、2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を含む。3-10-3cEtギャップマーは、5’-ウイングの3個の連結されたcEtヌクレオシド、ギャップの10個の連結された2’-β-D-デオキシヌクレオシド、及び3’-ウイングの3個の連結されたcEtヌクレオシドからなる。5-10-5MOEギャップマーは、5’-ウイングの5個の連結された2’-MOEヌクレオシド、ギャップの10個の連結された2’-β-D-デオキシヌクレオシド、及び3’-ウイングの5個の連結された2’-MOEヌクレオシドからなる。
【0287】
ある特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドは、5’から3’:eeeeeddddddddddeeeeeの糖モチーフを有し、各「d」は、2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を表し、各「e」は、2’-MOEリボシル糖部分を表す。
【0288】
ある特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドは、5’から3’までの糖モチーフ:kkkddddddddddkkkを有し、各「d」は、2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を表し、各「k」は、cEt糖部分を表す。
【0289】
2.ある特定の核酸塩基モチーフ
ある特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、画定されたパターン又はモチーフ内の、オリゴヌクレオチド又はその領域に沿って配置された、修飾核酸塩基及び/又は未修飾核酸塩基を含む。ある特定の実施形態では、各核酸塩基は、修飾されている。ある特定の実施形態では、核酸塩基のいずれもが修飾されていない。ある特定の実施形態では、各プリン又は各ピリミジンが修飾されている。ある特定の実施形態では、各アデニンが、修飾されている。ある特定の実施形態では、各グアニンが、修飾されている。ある特定の実施形態では、各チミンが、修飾されている。ある特定の実施形態では、各ウラシルが、修飾されている。ある特定の実施形態では、各シトシンが修飾されている。ある特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチド中のシトシン核酸塩基のいくつか、又は全てが、5-メチルシトシンである。ある特定の実施形態では、シトシン核酸塩基の全てが5-メチルシトシンであり、修飾オリゴヌクレオチドにおける他の核酸塩基の全てが、未修飾核酸塩基である。
【0290】
ある特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドは、修飾された核酸塩基のブロックを含む。ある特定のそのような実施形態では、ブロックは、オリゴヌクレオチドの3’末端にある。ある特定の実施形態では、ブロックは、オリゴヌクレオチドの3’末端から3ヌクレオシド以内にある。ある特定の実施形態では、ブロックは、オリゴヌクレオチドの5’末端にある。ある特定の実施形態では、ブロックは、オリゴヌクレオチドの5’末端から3ヌクレオシド以内にある。
【0291】
ある特定の実施形態では、ギャップマーモチーフを有するオリゴヌクレオチドは、修飾された核酸塩基を含むヌクレオシドを含む。ある特定のそのような実施形態では、修飾された核酸塩基を含む1つのヌクレオシドは、ギャップマーモチーフを有するオリゴヌクレオチドの中心ギャップにある。ある特定のそのような実施形態では、当該ヌクレオシドの糖部分は、2’-デオキシリボシル糖部分である。ある特定の実施形態では、修飾された核酸塩基は、2-チオピリミジン及び5-プロピンピリミジンから選択される。
【0292】
3.ある特定のヌクレオシド間結合モチーフ
ある特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、画定されたパターン又はモチーフ内の、オリゴヌクレオチド又はその領域に沿って配置された、修飾ヌクレオシド間結合及び/又は未修飾ヌクレオシド間結合を含む。ある特定の実施形態では、各ヌクレオシド間結合基は、ホスホジエステルヌクレオシド間結合(P=O)である。ある特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合基は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合(P=S)である。ある特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合は、独立して、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、及び、ホスホジエステルヌクレオシド間結合から選択される。ある特定の実施形態では、各ホスホロチオエートヌクレオシド間結合は独立して、立体的にランダムなホスホロチオエート、(Sp)ホスホロチオエート、及び(Rp)ホスホロチオエートから選択される。
【0293】
ある特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドの糖モチーフは、ギャップマーであり、ギャップ内のヌクレオシド間結合は全て修飾されている。ある特定のそのような実施形態では、ウイングにおけるヌクレオシド間結合のうちのいくつか又は全ては、修飾されていないホスホジエステルヌクレオシド間結合である。ある特定の実施形態では、末端ヌクレオシド間結合は、修飾されている。ある特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドの糖モチーフは、ギャップマーであり、ヌクレオシド間結合モチーフは、少なくとも1つのウイングにおいて少なくとも1つのホスホジエステルヌクレオシド間結合を含み、少なくとも1つのホスホジエステル結合は、末端ヌクレオシド間結合ではなく、残りのヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。ある特定のかかる実施形態では、ホスホロチオエート結合は全て、立体的にランダムである。ある特定の実施形態では、ウイングにおける全てのホスホロチオエート結合は、(Sp)ホスホロチオエートであり、ギャップは、少なくとも1つのSp、Sp、Rpモチーフを含む。ある特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドの集団は、そのようなヌクレオシド間結合モチーフを含む修飾されたオリゴヌクレオチドが濃縮されている。
【0294】
C.ある特定の長さ
オリゴヌクレオチドの長さを、活性を排除することなく増加又は減少させることが可能である。例えば、Woolf et al.(Proc.Natl.Acad.Sci.USA89:7305-7309,1992)では、13~25核酸塩基長の一連のオリゴヌクレオチドが、卵母細胞注射モデルにおける標的RNAの切断を誘導するそれらの能力について試験された。オリゴヌクレオチドの末端付近に8又は11個のミスマッチ塩基を有する25個の核酸塩基長のオリゴヌクレオチドは、ミスマッチを含まないオリゴヌクレオチドよりも低い程度ではあるが、標的RNAの特異的切断を誘導することができた。同様に、標的特異的切断は、1つ又は3つのミスマッチを有するものを含む13個の核酸塩基のオリゴヌクレオチドを使用して達成された。
【0295】
ある特定の実施形態では、オリゴヌクレオチド(修飾オリゴヌクレオチドを含む)は、様々な範囲の長さのいずれかを有することができる。ある特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、X~Y個の連結ヌクレオシドからなり、ここで、Xは、範囲内の最小数のヌクレオシドを表し、Yは、範囲内の最大数のヌクレオシドを表す。ある特定のそのような実施形態では、X及びYは、各々独立して、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、及び50から選択されるが、但し、XがY以下であることを条件とする。例えば、ある特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、12~13、12~14、12~15、12~16、12~17、12~18、12~19、12~20、12~21、12~22、12~23、12~24、12~25、12~26、12~27、12~28、12~29、12~30、13~14、13~15、13~16、13~17、13~18、13~19、13~20、13~21、13~22、13~23、13~24、13~25、13~26、13~27、13~28、13~29、13~30、14~15、14~16、14~17、14~18、14~19、14~20、14~21、14~22、14~23、14~24、14~25、14~26、14~27、14~28、14~29、14~30、15~16、15~17、15~18、15~19、15~20、15~21、15~22、15~23、15~24、15~25、15~26、15~27、15~28、15~29、15~30、16~17、16~18、16~19、16~20、16~21、16~22、16~23、16~24、16~25、16~26、16~27、16~28、16~29、16~30、17~18、17~19、17~20、17~21、17~22、17~23、17~24、17~25、17~26、17~27、17~28、17~29、17~30、18~19、18~20、18~21、18~22、18~23、18~24、18~25、18~26、18~27、18~28、18~29、18~30、19~20、19~21、19~22、19~23、19~24、19~25、19~26、19~27、19~28、19~29、19~30、20~21、20~22、20~23、20~24、20~25、20~26、20~27、20~28、20~29、20~30、21~22、21~23、21~24、21~25、21~26、21~27、21~28、21~29、21~30、22~23、22~24、22~25、22~26、22~27、22~28、22~29、22~30、23~24、23~25、23~26、23~27、23~28、23~29、23~30、24~25、24~26、24~27、24~28、24~29、24~30、25~26、25~27、25~28、25~29、25~30、26~27、26~28、26~29、26~30、27~28、27~29、27~30、28~29、28~30、又は29~30個の連結ヌクレオシドからなる。
【0296】
D.ある特定の修飾されたオリゴヌクレオチド
ある特定の実施形態では、上記の修飾(糖、核酸塩基、ヌクレオシド間結合)は、修飾されたオリゴヌクレオチドに組み込まれる。ある特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドは、それらの修飾モチーフ及び全長によって特徴付けられる。ある特定の実施形態では、そのようなパラメータは、各々、互いに独立している。したがって、別途示されない限り、ギャップマー糖モチーフを有するオリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合は、修飾されていても、又は修飾されていなくてもよく、糖修飾のギャップマー修飾パターンに従う場合も、従わない場合もある。例えば、糖ギャップマーのウイング領域内のヌクレオシド間結合は、互いに同じであっても異なっていてもよく、糖モチーフのギャップ領域のヌクレオシド間結合と同じであっても異なっていてもよい。同様に、そのような糖ギャップマーオリゴヌクレオチドは、糖修飾のギャップマーパターンとは無関係に1個以上の修飾された核酸塩基を含み得る。別途示されない限り、いずれの修飾も、核酸塩基配列とは独立している。
【0297】
E.修飾されたオリゴヌクレオチドのある特定の集団
集団の修飾オリゴヌクレオチド全てが同じ分子式を有する、修飾オリゴヌクレオチドの集団は、立体的にランダムな集団であるか、又は、キラル的に濃縮された集団であることができる。全ての修飾オリゴヌクレオチドの全てのキラル中心は、立体的にランダムな集団においては立体的にランダムである。キラル的に濃縮された集団においては、少なくとも1つの特定のキラル中心は、集団の修飾オリゴヌクレオチドにおいて立体的にランダムではない。ある特定の実施形態では、キラル的に濃縮された集団の修飾されたオリゴヌクレオチドは、β-Dリボシル糖部分について濃縮されており、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合の全ては、立体的にランダムである。ある特定の実施形態では、キラル的に濃縮された集団の修飾されたオリゴヌクレオチドは、β-Dリボシル糖部分、及び特定の立体化学的配置にある少なくとも1つの特定のホスホロチオエートヌクレオシド間結合の両方について濃縮されている。
【0298】
F.核酸塩基配列
ある特定の実施形態では、オリゴヌクレオチド(修飾されていない又は修飾されたオリゴヌクレオチド)は、それらの核酸塩基配列によって更に説明される。ある特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、第2のオリゴヌクレオチド又は標的核酸などの特定されている参照核酸に相補的な核酸塩基配列を有する。ある特定のそのような実施形態では、オリゴヌクレオチドの領域は、第2のオリゴヌクレオチド又は標的核酸などの特定されている参照核酸に相補的な核酸塩基配列を有する。ある特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドの領域又は全長の核酸塩基配列は、第2のオリゴヌクレオチド又は標的核酸などの核酸と、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は100%相補的である。
【0299】
II.ある特定のオリゴマー化合物
ある特定の実施形態では、オリゴヌクレオチド(修飾又は未修飾)、並びに任意選択的に、1個以上のコンジュゲート基及び/又は末端基からなる、オリゴマー化合物を、本明細書で提供する。コンジュゲート基は、1つ以上のコンジュゲート部分と、当該コンジュゲート部分をオリゴヌクレオチドに連結させるコンジュゲートリンカーと、からなる。コンジュゲート基は、オリゴヌクレオチドのいずれか若しくは両方の末端に、及び/又は、任意の内部位置において結合されることができる。ある特定の実施形態では、コンジュゲート基は、修飾オリゴヌクレオチドのヌクレオシドの2’位に結合される。ある特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドのいずれか若しくは両方の末端に結合されたコンジュゲート基は、末端基である。ある特定のそのような実施形態では、コンジュゲート基又は末端基は、オリゴヌクレオチドの3’及び/又は5’末端に結合される。ある特定のそのような実施形態では、コンジュゲート基(又は、末端基)は、オリゴヌクレオチドの3’末端において結合される。ある特定の実施形態では、コンジュゲート基は、オリゴヌクレオチドの3’末端付近で結合される。ある特定の実施形態では、コンジュゲート基(又は、末端基)は、オリゴヌクレオチドの5’末端において結合される。ある特定の実施形態では、コンジュゲート基は、オリゴヌクレオチドの5’末端付近で結合される。
【0300】
末端基の例としては、コンジュゲート基、キャップ基、ホスフェート部分、保護基、修飾ヌクレオシド又は未修飾ヌクレオシド、及び、独立して修飾された、又は未修飾である2つ以上のヌクレオシドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0301】
A.ある特定のコンジュゲート基
ある特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、1個以上のコンジュゲート基に共有結合している。ある特定の実施形態では、コンジュゲート基は、薬力学、薬物動態、安定性、結合、吸収、組織分布、細胞分布、細胞取り込み、電荷、及びクリアランスを含むがこれらに限定されない、結合したオリゴヌクレオチドの1つ以上の性質を変性させる。
【0302】
ある特定の実施形態では、1つ以上の炭水化物部分の、修飾オリゴヌクレオチドへのコンジュゲーションは、修飾オリゴヌクレオチドの1つ以上の性質を最適化することができる。ある特定の実施形態では、炭水化物部分は、修飾オリゴヌクレオチドの修飾されたサブユニットに結合される。例えば、修飾されたオリゴヌクレオチドの1つ以上のリボヌクレオチドサブユニットのリボース糖は、別の部分、例えば、炭水化物リガンドが結合している非炭水化物(好ましくは環状)担体で置き換えることができる。サブユニットのリボース糖がこのように置き換えられたリボヌクレオチドサブユニットは、本明細書においては、修飾された糖部分である、リボース置換修飾サブユニット(「RRMS」)と呼ばれる。環式キャリアは、炭素環式環系であることができる、すなわち、1個以上の環原子がヘテロ原子、例えば、窒素、酸素、硫黄であることができる。環状担体は、単環式環系であり得るか、又は2つ以上の環、例えば縮合環を含み得る。環式キャリアは、完全飽和環系であることができるか、又は、1つ以上の二重結合を含有することができる。ある特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドは、ギャップマーである。
【0303】
ある特定の実施形態では、コンジュゲート基は、結合したオリゴヌクレオチドに新たな特性、例えばオリゴヌクレオチドの検出を可能にするフルオロフォア又はレポーター基を付与する。ある特定のコンジュゲート基及びコンジュゲート部分は、以前に説明されており、例えば、コレステロール部分(Letsinger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1989,86,6553-6556)、コール酸(Manoharan et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.,1994,4,1053-1060)、チオエーテル、例えば、ヘキシル-S-トリチルチオール(Manoharan et al.,Ann.N.Y.Acad.Sci.,1992,660,306-309、Manoharan et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.,1993,3,2765-2770)、チオコレステロール(Oberhauser et al.,Nucl.Acids Res.,1992,20,533-538)、脂肪族鎖、例えば、ド-デカン-ジオール又はウンデシル残基(Saison-Behmoaras et al.,EMBO J.,1991,10,1111-1118、Kabanov et al.,FEBS Lett.,1990,259,327-330、Svinarchuk et al.,Biochimie,1993,75,49-54)、リン脂質、例えば、ジ-ヘキサデシル-rac-グリセロール又はトリエチル-アンモニウム1,2-ジ-O-ヘキサデシル-rac-グリセロ-3-H-ホスホネート(Manoharan et al.,Tetrahedron Lett.,1995,36,3651-3654、Shea et al.,Nucl.Acids Res.,1990,18,3777-3783)、ポリアミン又はポリエチレングリコール鎖(Manoharan et al.,Nucleosides & Nucleotides,1995,14,969-973)、又はアダマンタン酢酸パルミチル部分(Mishra et al.,Biochim.Biophys.Acta,1995,1264,229-237)、オクタデシルアミン又はヘキシルアミノ-カルボニル-オキシコレステロール部分(Crooke et al.,J.Pharmacol.Exp.Ther.,1996,277,923-937)、トコフェロール基(Nishina et al.,Molecular Therapy Nucleic Acids,2015,4,e220、及びNishina et al.,Molecular Therapy,2008,16,734-740)、又はGalNAcクラスター(例えば、WO2014/179620)である。
【0304】
ある特定の実施形態では、コンジュゲート基は、C22アルキル、C20アルキル、C16アルキル、C10アルキル、C21アルキル、C19アルキル、C18アルキル、C15アルキル、C14アルキル、C13アルキル、C12アルキル、C11アルキル、C9アルキル、C8アルキル、C7アルキル、C6アルキル、C5アルキル、C22アルケニル、C20アルケニル、C16アルケニル、C10アルケニル、C21アルケニル、C19アルケニル、C18アルケニル、C15アルケニル、C14アルケニル、C13アルケニル、C12アルケニル、C11アルケニル、C9アルケニル、C8アルケニル、C7アルケニル、C6アルケニル、又はC5アルケニルのうちのいずれかから選択され得る。
【0305】
ある特定の実施形態では、コンジュゲート基は、C22アルキル、C20アルキル、C16アルキル、C10アルキル、C21アルキル、C19アルキル、C18アルキル、C15アルキル、C14アルキル、C13アルキル、C12アルキル、C11アルキル、C9アルキル、C8アルキル、C7アルキル、C6アルキル、及びC5アルキルのうちのいずれかから選択され得、アルキル鎖は、1つ以上の不飽和結合を有する。
【0306】
ある特定の実施形態では、コンジュゲート基は、以下の一般式:
【化14】
を有する。
【0307】
1.コンジュゲート部分
コンジュゲート部分としては、限定されるものではないが、インターカレーター、レポーター分子、ポリアミン、ポリアミド、ペプチド、炭水化物(例えば、GalNAc)、ビタミン部分、ポリエチレングリコール、チオエーテル、ポリエーテル、コレステロール、チオコレステロール、コール酸部分、フォレート、脂質、リン脂質、ビオチン、フェナジン、フェナントリジン、アントラキノン、アダマンタン、アクリジン、フルオレセイン、ローダミン、クマリン、フルオロフォア、及び色素が挙げられる。
【0308】
ある特定の実施形態では、コンジュゲート部分は、活性薬原薬、例えば、アスピリン、ワルファリン、フェニルブタゾン、イブプロフェン、スプロフェン、フェンブフェン、ケトプロフェン、(S)-(+)-プラノプロフェン、カルプロフェン、ダンシルサルコシン、2,3,5-トリヨード安息香酸、フィンゴリモド、フルフェナム酸、フォリン酸、ベンゾチアジアジド、クロロチアジド、ジアゼピン、インドメタシン、バルビツレート、セファロスポリン、サルファ薬、抗糖尿病薬、抗菌薬、又は抗生物質を含む。
【0309】
2.コンジュゲートリンカー
コンジュゲート部分は、コンジュゲートリンカーによりオリゴヌクレオチドに結合される。ある特定のオリゴマー化合物では、コンジュゲートリンカーは、単一の化学結合である(すなわち、コンジュゲート部分は、単一の結合により、オリゴヌクレオチドに直接結合されている)。ある特定の実施形態では、コンジュゲートリンカーは、鎖構造(ヒドロカルビル鎖など)、又は、反復単位のオリゴマー(エチレングリコール、ヌクレオシド、若しくはアミノ酸単位など)を含む。
【0310】
ある特定の実施形態では、コンジュゲートリンカーは、ピロリジンを含む。
【0311】
ある特定の実施形態では、コンジュゲートリンカーは、アルキル、アミノ、オキソ、アミド、ジスルフィド、ポリエチレングリコール、エーテル、チオエーテル、及びヒドロキシルアミノから選択される1種以上の基を含む。ある特定のそのような実施形態では、コンジュゲートリンカーは、アルキル、アミノ、オキソ、アミド、及びエーテル基から選択される基を含む。ある特定の実施形態では、コンジュゲートリンカーは、アルキル及びアミド基から選択される基を含む。ある特定の実施形態では、コンジュゲートリンカーは、アルキル及びエーテル基から選択される基を含む。ある特定の実施形態では、コンジュゲートリンカーは、少なくとも1つのリン部分を含む。ある特定の実施形態では、コンジュゲートリンカーは、少なくとも1個のリン酸基を含む。ある特定の実施形態では、コンジュゲートリンカーは、少なくとも1個の中性連結基を含む。
【0312】
ある特定の実施形態では、上述のコンジュゲートリンカーを含むコンジュゲートリンカーは、二官能性コンジュゲート基、例えば、コンジュゲート部分を本明細書に提供されるオリゴヌクレオチドなどの化合物に結合させるのに有用であることが当該技術分野で知られているものである。一般的に、二官能性連結部分は、少なくとも2個の官能基を含む。官能基のうちの一方は、化合物の特定の部位と結合するように選択され、他方は、複合群と結合するように選択される。二官能性連結部分において有用な官能基の例としては、求核性基と反応させるための求電子試薬、及び、求電子性基と反応させるための求核試薬が挙げられるが、これらに限定されない。ある特定の実施形態では、二官能性連結部分は、アミノ、ヒドロキシル、カルボン酸、チオール、アルキル、アルケニル、及びアルキニルから選択される1種以上の基を含む。
【0313】
コンジュゲートリンカーの例としては、ピロリジン、8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸(ADO)、スクシンイミジル4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(SMCC)、及び、6-アミノヘキサン酸(AHEX又はAHA)が挙げられるが、これらに限定されない。他のコンジュゲートリンカーとしては、置換若しくは非置換C-C10アルキル、置換若しくは非置換C-C10アルケニル、又は、置換若しくは非置換C-C10アルキニルが挙げられるが、これらに限定されず、ここで、好ましい置換基の非限定的な一覧としては、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシ、カルボキシ、ベンジル、フェニル、ニトロ、チオール、チオアルコキシ、ハロゲン、アルキル、アリール、アルケニル、及びアルキニルが挙げられる。
【0314】
ある特定の実施形態では、コンジュゲートリンカーは、1~10個のリンカー-ヌクレオシドを含む。ある特定の実施形態では、コンジュゲートリンカーは、2~5個のリンカー-ヌクレオシドを含む。ある特定の実施形態では、コンジュゲートリンカーは、厳密に3個のリンカー-ヌクレオシドを含む。ある特定の実施形態では、コンジュゲートリンカーは、TCAモチーフを含む。ある特定の実施形態では、このようなリンカー-ヌクレオシドは、修飾ヌクレオシドである。ある特定の実施形態では、このようなリンカー-ヌクレオシドは、修飾された糖部分を含む。ある特定の実施形態では、リンカー-ヌクレオシドは未修飾である。ある特定の実施形態では、リンカー-ヌクレオシドは、プリン、置換プリン、ピリミジン、又は置換ピリミジンから選択される、任意選択的に保護された複素環式塩基を含む。ある特定の実施形態では、切断可能な部分は、ウラシル、チミン、シトシン、4-N-ベンゾイルシトシン、5-メチルシトシン、4-N-ベンゾイル-5-メチルシトシン、アデニン、6-N-ベンゾイルアデニン、グアニン、及び2-N-イソブチリルグアニンから選択されるヌクレオシドである。典型的には、リンカー-ヌクレオシドは、標的組織に到達した後にオリゴマー化合物から切断されるのが好ましい。したがって、リンカー-ヌクレオシドは典型的には、切断可能な結合を介して、互いに、及び、オリゴマー化合物の残部に連結される。ある特定の実施形態では、このような切断可能な結合は、ホスホジエステル結合である。
【0315】
本明細書では、リンカー-ヌクレオシドは、オリゴヌクレオチドの一部とはみなされない。したがって、オリゴマー化合物が、明記された数若しくは範囲の連結ヌクレオシド、及び/又は、明記された、参照核酸に対する相補性パーセントで構成されるオリゴヌクレオチドを含み、オリゴマー化合物が、リンカー-ヌクレオシドを含むコンジュゲートリンカーを含むコンジュゲート基もまた含む実施形態では、これらのリンカー-ヌクレオシドは、オリゴヌクレオチドの長さにはカウントされず、参照核酸のオリゴヌクレオチドに対する相補性パーセントの測定においては用いられない。例えば、オリゴマー化合物は、(1)8~30個のヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドと、(2)修飾オリゴヌクレオチドのヌクレオシドと連続している1~10個のリンカー-ヌクレオシドを含むコンジュゲート基と、を含むことができる。このようなオリゴマー化合物における、連続した連結ヌクレオシドの総数は、30を超える。あるいは、オリゴマー化合物は、8~30個のヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含むことができ、コンジュゲート基を含まない。このようなオリゴマー化合物における、連続した連結ヌクレオシドの総数は、30以下である。別途示されない限り、コンジュゲートリンカーは、10個以下のリンカー-ヌクレオシドを含む。ある特定の実施形態では、コンジュゲートリンカーは、5個以下のリンカー-ヌクレオシドを含む。ある特定の実施形態では、コンジュゲートリンカーは、3個以下のリンカー-ヌクレオシドを含む。ある特定の実施形態では、コンジュゲートリンカーは、2個以下のリンカー-ヌクレオシドを含む。ある特定の実施形態では、コンジュゲートリンカーは、1個以下のリンカー-ヌクレオシドを含む。
【0316】
ある特定の実施形態では、コンジュゲート基が、オリゴヌクレオチドから切断されるのが好ましい。例えば、ある特定の状況では、特定のコンジュゲート部分を含むオリゴマー化合物は、特定の細胞型よりもより良く取り込まれるが、オリゴマー化合物が取り込まれたら、コンジュゲート基が切断され、コンジュゲートされていない、又は親オリゴヌクレオチドを放出するのが望ましい。したがって、ある特定のコンジュゲートリンカーは、1つ以上の切断可能な部分を含むことができる。ある特定の実施形態では、切断可能な部分は、切断可能な結合である。ある特定の実施形態では、切断可能な部分は、少なくとも1つの切断可能な結合を含む原子団である。ある特定の実施形態では、切断可能な部分は、1個、2個、3個、4個、又は、4個より多い切断可能な結合を有する原子団を含む。ある特定の実施形態では、切断可能な部分は、細胞内、又は、リソソームなどの細胞内区画内で選択的に切断される。ある特定の実施形態では、切断可能な部分は、ヌクレアーゼなどの、内因性酵素により選択的に切断される。
【0317】
ある特定の実施形態では、切断可能な結合は、アミド、エステル、エーテル、ホスホジエステルの一方若しくは両方のエステル、リン酸エステル、カルバメート、又はジスルフィドの中から選択される。ある特定の実施形態では、切断可能な結合は、ホスホジエステルのエステルの一方又は両方である。ある特定の実施形態では、切断可能な部分は、ホスフェート又はホスホジエステルを含む。ある特定の実施形態では、切断可能な部分は、オリゴヌクレオチドと、コンジュゲート部分又はコンジュゲート基との間での、ホスフェート結合である。
【0318】
ある特定の実施形態では、切断可能な部分は、1つ以上のリンカー-ヌクレオシドを含む、又は、これからなる。ある特定のそのような実施形態では、1つ以上のリンカー-ヌクレオシドは、切断可能な結合を介して、互いに、及び/又は、オリゴマー化合物の残部に連結される。ある特定の実施形態では、このような切断可能な結合は、未修飾ホスホジエステル結合である。ある特定の実施形態では、切断可能な部分は、ホスフェートヌクレオシド間結合により、オリゴヌクレオチドの3’又は5’末端ヌクレオシドのいずれかに結合され、かつ、ホスフェート又はホスホロチオエート結合により、コンジュゲートリンカー又はコンジュゲート部分の残部に共有結合された、2’-デオキシヌクレオシドである。ある特定のそのような実施形態では、切断可能な部分は、2’-デオキシアデノシンである。
【0319】
3.細胞標的化部分
ある特定の実施形態では、コンジュゲート基は、細胞標的化部分を含む。ある特定の実施形態では、コンジュゲート基は、以下の一般式を有し、
【化15】
式中、nは1~約3であり、nが1であるときにmは0であり、nが2以上であるときにmは1であり、jは1又は0であり、kは1又は0である。
【0320】
ある特定の実施形態では、nは1であり、jは1であり、kは0である。ある特定の実施形態では、nは1であり、jは0であり、kは1である。ある特定の実施形態では、nは1であり、jは1であり、kは1である。ある特定の実施形態では、nは2であり、jは1であり、kは0である。ある特定の実施形態では、nは2であり、jは0であり、kは1である。ある特定の実施形態では、nは2であり、jは1であり、kは1である。ある特定の実施形態では、nは3であり、jは1であり、kは0である。ある特定の実施形態では、nは3であり、jは0であり、kは1である。ある特定の実施形態では、nは3であり、jは1であり、kは1である。
【0321】
ある特定の実施形態では、コンジュゲート基は、少なくとも1つのテザーリガンドを有する、細胞標的化部分を含む。ある特定の実施形態では、細胞標的化部分は、分岐基に共有結合された、2つのテザーリガンドを含む。
【0322】
ある特定の実施形態では、細胞標的化部分の各リガンドは、標的細胞上で、少なくとも1種の受容体に対する親和性を有する。ある特定の実施形態では、各リガンドは、哺乳動物肝臓細胞の表面で、少なくとも1種の受容体に対する親和性を有する。ある特定の実施形態では、各リガンドは、肝臓アシアロ糖タンパク質受容体(ASGP-R)に対する親和性を有する。ある特定の実施形態では、各リガンドは、炭水化物である。
【0323】
ある特定の実施形態では、オリゴマー化合物は、トランスフェリン受容体(TfR)(TfR1及びCD71としても知られる)に対する親和性を有する細胞標的化部分を含むコンジュゲート基を含む。ある特定の実施形態では、コンジュゲート基は、抗TfR1抗体又はその断片を含む。ある特定の実施形態では、抗TfR1抗体又はその断片は、WO1991/004753、WO2013/103800、WO2014/144060、WO2016/081643、WO2016/179257、WO2016/207240、WO2017/221883、WO2018/129384、WO2018/124121、WO2019/151539、WO2020/132584、WO2020/028864、US7,208,174、US9,034,329、及びUS10,550,188に記載されるものを含むが、これらに限定されない、当該技術分野で既知の任意のものであり得る。ある特定の実施形態では、抗TfR1抗体の断片は、F(ab’)2、Fab、Fab’、Fv、又はscFvである。
【0324】
ある特定の実施形態では、コンジュゲート基は、TfR1に結合することができるタンパク質又はペプチドを含む。ある特定の実施形態では、TfR1に結合することができるタンパク質又はペプチドは、WO2019/140050、WO2020/037150、WO2020/124032、及びUS10,138,483に記載されるものを含むが、これらに限定されない、当該技術分野で既知の任意のものであり得る。
【0325】
ある特定の実施形態では、コンジュゲート基は、TfR1に結合することができるアプタマーを含む。ある特定の実施形態では、TfR1に結合可能なアプタマーは、WO2013/163303、WO2019/033051、及びWO2020/245198に記載されているものを含むが、これらに限定されない、当該技術分野で既知の任意のものであり得る。
【0326】
B.ある特定の末端基
ある特定の実施形態では、オリゴマー化合物は、1個以上の末端基を含む。ある特定のそのような実施形態では、オリゴマー化合物は、安定化した5’-リン酸基を含む。安定化した5’-リン酸基としては、限定されるものではないが、5’-ビニルホスホネート類を含む5’-ホスホネート類が挙げられるが、これらに限定されない。ある特定の実施形態では、末端基は、1つ以上の非塩基性糖部分、及び/又は、逆位ヌクレオシドを含む。ある特定の実施形態では、末端基は、1つ以上の2’-連結ヌクレオシド又は糖部分を含む。ある特定のそのような実施形態では、2’結合基は、脱塩基糖部分である。
【0327】
III.アンチセンス活性
ある特定の実施形態では、オリゴマー化合物及びオリゴマー二本鎖は、標的核酸にハイブリダイズすることで少なくとも1つのアンチセンス活性を与えることができる。そのようなオリゴマー化合物及びオリゴマー二本鎖は、アンチセンス剤である。ある特定の実施形態では、アンチセンス剤は、標準的な細胞アッセイにおいて、25%以上標的核酸の量又は活性を減少させる、又は阻害するときに、アンチセンス活性を有する。ある特定の実施形態では、アンチセンス剤は、1つ以上の標的核酸に選択的に影響を及ぼす。このようなアンチセンス剤は、1つ以上の標的核酸にハイブリダイズし、1つ以上の所望のアンチセンス活性をもたらし、かつ、1つ以上の非標的核酸にはハイブリダイズしない、又は、1つ以上の非標的核酸には、著しく望ましくないアンチセンス活性をもたらすようにはハイブリダイズしない、核酸塩基配列を含む。
【0328】
ある特定のアンチセンス活性においては、アンチセンス剤又はその一部若しくはアンチセンス剤の、標的核酸へのハイブリダイゼーションは、標的核酸を切断するタンパク質の動員をもたらす。例えば、ある特定のアンチセンス剤は、RNase Hが介在する、標的核酸の切断をもたらす。RNase Hは、RNA:DNA二本鎖のRNA鎖を切断する、細胞エンドヌクレアーゼである。このようなRNA:DNA二本鎖中のDNAは、未修飾DNAである必要はない。ある特定の実施形態では、本明細書において、RNase H活性を誘発するのに十分に「DNA様」のアンチセンスオリゴヌクレオチドを含むアンチセンスオリゴマー化合物を含むアンチセンス剤を記載する。ある特定の実施形態では、ギャップマーのギャップ中の、1つ以上の非DNA様ヌクレオシドが許容される。
【0329】
ある特定のアンチセンス活性では、アンチセンス剤又はアンチセンス剤の部分は、RNA誘導サイレンシング複合体(RISC)に取り込まれ、最終的に標的核酸の切断をもたらす。例えば、ある特定のアンチセンス剤は、アルゴノートによる標的核酸の切断をもたらす。RISCに取り込まれたアンチセンス剤は、RNAi剤である。RNAi剤は、二本鎖(siRNA若しくはdsRNAi)又は一本鎖(ssRNAi)であり得る。
【0330】
ある特定の実施形態では、アンチセンス剤又はその一部の、標的核酸へのハイブリダイゼーションは、当該標的核酸を切断するタンパク質の動員をもたらさない。ある特定の実施形態では、アンチセンス剤又はその一部の、標的核酸へのハイブリダイゼーションは、標的核酸のスプライシングの変化をもたらす。ある特定の実施形態では、アンチセンス剤又はその一部の、標的核酸へのハイブリダイゼーションは、標的核酸と、タンパク質又は他の核酸とでの、結合相互作用の阻害をもたらす。ある特定の実施形態では、アンチセンス剤又はその一部の、標的核酸へのハイブリダイゼーションは、標的核酸の翻訳の変化をもたらす。
【0331】
アンチセンス活性は、直接、又は間接的に観察することができる。ある特定の実施形態では、アンチセンス活性の観察又は検出は、そのような標的核酸によりコードされる標的核酸若しくはタンパク質の量の変化、核酸若しくはタンパク質のスプライスバリアントの比率の変化、及び/又は、細胞若しくは動物における表現型の変化の観察又は検出を伴う。
【0332】
IV.ある特定の標的核酸
ある特定の実施形態では、オリゴマー化合物は、標的核酸と相補的な領域を含むオリゴヌクレオチドを含むか、又はそれからなる。ある特定の実施形態では、標的核酸は、内因性RNA分子である。ある特定の実施形態では、標的核酸は、タンパク質をコードする。ある特定のそのような実施形態では、標的核酸は、イントロン、エクソン、及び非翻訳領域を含む成熟mRNA及びpre-mRNAから選択される。ある特定の実施形態では、標的RNAは、成熟mRNAである。ある特定の実施形態では、標的核酸は、pre-mRNAである。ある特定の実施形態では、標的領域は、イントロンの中に完全に存在する。ある特定の実施形態では、標的領域は、イントロン/エクソンの接合部にまたがる。ある特定の実施形態では、標的領域は、イントロン中に少なくとも50%が存在する。
【0333】
A.標的核酸との相補性/ミスマッチ及び二本鎖相補性
ある特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの全長にわたって標的核酸に相補的である。ある特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、標的核酸と99%、95%、90%、85%、又は80%相補的である。ある特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの長さ全体にわたって標的核酸と少なくとも80%相補的であり、標的核酸と100%又は完全に相補的な領域を含む。ある特定の実施形態では、完全な相補性の領域は、6~20、10~18、又は18~20核酸塩基長である。
【0334】
活性を消失させることなくミスマッチ塩基を導入することが可能である。例えば、Gautschi et al(J.Natl.Cancer Inst.93:463-471,March 2001)は、bcl-2 mRNAとの100%相補性を有し、bcl-xL mRNAとの3つの不適合を有し、インビトロ及びインビボでbcl-2及びbcl-xLの両方の発現を低減するオリゴヌクレオチドの能力を示した。更に、このオリゴヌクレオチドはインビボで強力な抗腫瘍活性も示した。Maher and Dolnick(Nuc.Acid.Res.16:3341-3358,1988)は、一連のタンデム14核酸塩基オリゴヌクレオチド、並びに、それぞれ、タンデムオリゴヌクレオチドの2つ又は3つの配列から構成される28及び42核酸塩基オリゴヌクレオチドを、ウサギ網赤血球アッセイにおいてヒトDHFRの翻訳を停止するそれらの能力について試験した。3つの14核酸塩基オリゴヌクレオチドの各々は単独で、28又は42核酸塩基オリゴヌクレオチドよりも適度なレベルではあるが、翻訳を阻害することができた。
【0335】
ある特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、標的核酸に対して1つ以上のミスマッチな核酸塩基を含む。ある特定の実施形態では、標的に対するアンチセンス活性は、そのようなミスマッチによって低減されるが、非標的に対する活性は、より大きな量で低減される。したがって、ある特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドの選択性が改善される。ある特定の実施形態では、ミスマッチは、ギャップマーモチーフを有するオリゴヌクレオチド内に特異的に位置付けられる。ある特定の実施形態では、ミスマッチは、ギャップ領域の5’-末端からの1、2、3、4、5、6、7、又は8位にある。ある特定の実施形態では、ミスマッチは、ギャップ領域の3’末端からの9、8、7、6、5、4、3、2、1位にある。ある特定の実施形態では、ミスマッチは、ウイング領域の5’-末端からの1、2、3、又は4位にある。ある特定の実施形態では、ミスマッチは、ウイング領域の3’末端からの4、3、2、又は1位にある。
【0336】
B.PCDH19
ある特定の実施形態では、オリゴマー化合物は、標的核酸と相補的なオリゴヌクレオチドを含むか、又はそれからなり、標的核酸は、PCDH19核酸である。ある特定の実施形態では、PCDH19核酸は、配列番号1(ENSEMBL受託番号ENSG00000165194.15、バージョン104、May 2021)、配列番号2(ENSEMBL受託番号ENST00000373034.8のcDNA、バージョン104:May2021)、又はその両方に示される核酸塩基配列を有する。ある特定の実施形態では、細胞を配列番号1又は配列番号2と相補的なオリゴマー化合物と接触させることは、PCDH19RNAの量を低減し、ある特定の実施形態では、PCDH19タンパク質の量を低減する。ある特定の実施形態では、細胞を配列番号1又は配列番号2と相補的なオリゴマー化合物と接触させることは、細胞内のPCDH19RNAの量を低減し、ある特定の実施形態では、細胞内のPCDH19タンパク質の量を低減する。ある特定の実施形態では、細胞は、インビトロである。ある特定の実施形態では、オリゴマー化合物は、修飾されたオリゴヌクレオチドからなる。ある特定の実施形態では、オリゴマー化合物は、修飾されたオリゴヌクレオチド及びコンジュゲート基からなる。ある特定の実施形態では、オリゴマー化合物は、オリゴマー二本鎖中で追加のオリゴマー化合物と対合している。ある特定の実施形態では、オリゴマー二本鎖は、コンジュゲート基を含む。
【0337】
ある特定の実施形態では、配列番号1又は配列番号2と相補的なオリゴマー化合物は、標準細胞アッセイで、検出可能な量のPCDH19RNAをインビトロで少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、又は少なくとも90%低減させることができる。ある特定の実施形態では、配列番号1又は配列番号2と相補的なオリゴマー化合物は、検出可能な量のPCDH19タンパク質をインビトロで少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、又は少なくとも90%低減させることができる。ある特定の実施形態では、配列番号1又は配列番号2と相補的なオリゴマー化合物は、検出可能な量のPCDH19RNAをインビボで少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、又は少なくとも90%低減させることができる。ある特定の実施形態では、配列番号1又は配列番号2と相補的なオリゴマー化合物は、検出可能な量のPCDH19タンパク質をインビボで少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、又は少なくとも90%低減させることができる。ある特定の実施形態では、配列番号1又は配列番号2と相補的なオリゴマー化合物は、検出可能な量のPCDH19RNAを動物のCSF中で少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、又は少なくとも90%低減させることができる。ある特定の実施形態では、配列番号1又は配列番号2と相補的なオリゴマー化合物は、検出可能な量のPCDH19タンパク質を動物のCSF中で少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、又は少なくとも90%低減させることができる。
【0338】
ある特定の実施形態では、動物における細胞をオリゴマー化合物と接触させることにより、神経発達疾患又は障害の1つ以上の症状又は特徴を緩和する。ある特定の実施形態では、神経発達疾患又は障害は、PCDH19てんかんである。ある特定の実施形態では、症状又は特徴は、発作、認知障害、知的障害、自閉症スペクトラム障害、行動上の問題、攻撃性、不安、強迫性障害、多動性、注意欠陥障害(ADD)、及び注意欠陥多動性障害(ADHD)のうちのいずれかである。ある特定の実施形態では、発作は、発作のクラスター、全身性強直性間代性発作、又は焦点性発作のうちのいずれかであり、これは、両側性強直性間代性発作に進化し得る。
【0339】
C.ある特定の組織中のある特定の標的核酸
ある特定の実施形態では、オリゴマー化合物は、標的核酸と相補的な領域を含むオリゴヌクレオチドを含むか、又はそれからなり、標的核酸は、薬理学的に関連する組織内で発現する。ある特定の実施形態では、薬理学的に関連する組織は、中枢神経系を含む細胞及び組織である。そのような組織には、脳及び脊髄が含まれる。
【0340】
IV.ある特定の方法及び使用
本明細書に提供されるある特定の実施形態は、PCDH19発現又は活性を低減又は阻害する方法に関し、それは、PCDH19に関連する疾患を治療、予防、又は緩和するのに有用であり得る。ある特定の実施形態では、PCDH19に関連する疾患は、神経発達疾患である。ある特定の実施形態では、PCDH19に関連する疾患は、PCDH19てんかんである。
【0341】
ある特定の実施形態では、方法は、そのいずれかがPCDH19核酸に相補的な核酸塩基配列を有する、オリゴマー化合物、修飾されたオリゴヌクレオチド、オリゴマー二本鎖、又はアンチセンス剤を対象に投与することを含む。ある特定の実施形態では、対象は、神経発達疾患を有する。ある特定の実施形態では、対象は、PCDH19てんかんを有する。
【0342】
ある特定の実施形態では、PCDH19に関連する疾患を治療する方法は、そのいずれかがPCDH19核酸に相補的な核酸塩基配列を有する、オリゴマー化合物、修飾されたオリゴヌクレオチド、オリゴマー二本鎖、又はアンチセンス剤を対象に投与することを含む。ある特定の実施形態では、対象は、PCDH19に関連する疾患を有するか、又はそれを発症するリスクがある。ある特定の実施形態では、対象は、神経発達疾患を有する。ある特定の実施形態では、対象は、PCDH19てんかんを有する。ある特定の実施形態では、PCDH19に関連する疾患の少なくとも1つの症状又は特徴は、緩和される。ある特定の実施形態では、少なくとも1つの症状又は特徴は、発作、認知障害、知的障害、自閉症スペクトラム障害、行動上の問題、攻撃性、不安、強迫性障害、多動性、注意欠陥障害(ADD)、又は注意欠陥多動性障害(ADHD)である。ある特定の実施形態では、発作は、発作のクラスター、全身性強直性間代性発作、焦点性発作、又は両側性発作のうちのいずれかである。ある特定の実施形態では、オリゴマー化合物、修飾されたオリゴヌクレオチド、オリゴマー二本鎖、又はアンチセンス剤を対象に投与することは、対象における発作、認知障害、知的障害、自閉症スペクトラム障害、行動上の問題、攻撃性、不安、強迫性障害、多動性、注意欠陥障害(ADD)、又は注意欠陥多動性障害(ADHD)の発症又は進行を低減又は遅延させる。
【0343】
ある特定の実施形態では、PCDH19核酸、例えばRNAの発現を低減するか又は細胞におけるPCDH19タンパク質の発現を低減する方法は、そのいずれかがPCDH19核酸に相補的な核酸塩基配列を有する、オリゴマー化合物、修飾されたオリゴヌクレオチド、オリゴマー二本鎖、又はアンチセンス剤を細胞と接触させることを含む。ある特定の実施形態では、対象は、PCDH19に関連する疾患を有するか、又はそれを発症するリスクがある。ある特定の実施形態では、対象は、神経発達疾患を有する。ある特定の実施形態では、対象は、PCDH19てんかんを有する。ある特定の実施形態では、細胞は、ニューロンである。ある特定の実施形態では、細胞は、ヒト細胞である。
【0344】
ある特定の実施形態は、PCDH19に関連する疾患の治療に使用するための、又はPCDH19に関連する疾患の治療のための医薬の製造に使用するための、そのいずれかがPCDH19核酸に相補的な核酸塩基配列を有する、オリゴマー化合物、修飾されたオリゴヌクレオチド、オリゴマー二本鎖、又はアンチセンス剤について示される。ある特定の実施形態では、PCDH19に関連する疾患は、神経発達疾患である。ある特定の実施形態では、PCDH19に関連する疾患は、PCDH19てんかんである。
【0345】
本明細書に記載される方法又は使用のうちのいずれかでは、オリゴマー化合物、修飾されたオリゴヌクレオチド、オリゴマー二本鎖、又はアンチセンス剤は、本明細書に記載される任意のものであり得る。
【0346】
V.ある特定の医薬組成物
ある特定の実施形態では、1つ以上のオリゴマー化合物を含む医薬組成物を本明細書に記載する。ある特定の実施形態では、1つ以上のオリゴマー化合物はそれぞれ、修飾オリゴヌクレオチドからなる。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、薬学的に許容される希釈剤又は担体を含む。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、滅菌食塩水溶液と、1つ以上のオリゴマー化合物と、を含むか、又は、これらからなる。ある特定の実施形態では、滅菌食塩水は、医薬品グレードの食塩水である。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、1つ以上のオリゴマー化合物と、滅菌水と、を含むか、又は、これらからなる。ある特定の実施形態では、滅菌水は、医薬品グレードの水である。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、1つ以上のオリゴマー化合物と、リン酸塩緩衝生理食塩水(PBS)と、を含むか、又は、これらからなる。ある特定の実施形態では、滅菌PBSは、医薬品グレードのPBSである。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、1つ以上のオリゴマー化合物及び人工脳脊髄液(「人工CSF」又は「aCSF」)を含むか、又はそれらからなる。ある特定の実施形態では、人工脳脊髄液は、医薬品グレードである。
【0347】
ある特定の実施形態では、医薬組成物は、修飾されたオリゴヌクレオチドと、人工脳脊髄液(aCSF)と、を含む。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、修飾オリゴヌクレオチドと、人工脳脊髄液と、からなる。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、修飾オリゴヌクレオチドと、人工脳脊髄液と、から本質的になる。ある特定の実施形態では、人工脳脊髄液は、医薬品グレードである。
【0348】
ある特定の実施形態では、aCSFは、塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸二水素ナトリウム二水和物、リン酸二無水ナトリウム二水和物、塩化カルシウム二水和物、及び塩化マグネシウム六水和物を含む。ある特定の実施形態では、aCSF溶液のpHは、適切なpH調整剤、例えば、塩酸などの酸及び水酸化ナトリウムなどのアルカリを用いて、約7.1~7.3、又は約7.2の範囲に調節される。
【0349】
ある特定の実施形態では、医薬組成物は、1つ以上のオリゴマー化合物と、1つ以上の賦形剤と、を含む。ある特定の実施形態では、賦形剤は、水、食塩水、アルコール、ポリエチレングリコール、ゼラチン、ラクトース、アミラーゼ、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ケイ酸、粘性パラフィン、ヒドロキシメチルセルロース、及びポリビニルピロリドンから選択される。
【0350】
ある特定の実施形態では、オリゴマー化合物は、医薬組成物又は製剤を調製するために、薬学的に許容される活性な、及び/又は、不活性な物質と混合することができる。医薬組成物の製剤化のための組成物及び方法は、限定されるものではないが、投与経路、疾患の程度、又は投与される用量を含む多くの基準に依存する。
【0351】
ある特定の実施形態では、オリゴマー化合物を含む医薬組成物は、オリゴマー化合物の任意の薬学的に許容される塩、オリゴマー化合物のエステル、又は、このようなエステルの塩を包含する。ある特定の実施形態では、ヒトを含む動物への投与の際に、1つ以上のオリゴヌクレオチドを含むオリゴマー化合物を含む医薬組成物は、生物学的に活性な代謝産物又はその残基を(直接、又は間接的に)提供することができる。したがって、例えば、本開示は、オリゴマー化合物の薬学的に許容される塩、プロドラッグ、このようなプロドラッグの薬学的に許容される塩、及び、他の生物学的等価物もまた対象としている。ある特定の実施形態では、薬学的に許容される塩は、一価又は二価の無機塩などの無機塩を含む。好適な薬学的に許容される塩としては、ナトリウム、及びカリウム、カルシウム、及びマグネシウム塩が挙げられるが、これらに限定されない。ある特定の実施形態では、プロドラッグは、オリゴヌクレオチドに結合された1個以上のコンジュゲート基を含み、コンジュゲート基は、体内で、内因性ヌクレアーゼにより切断される。
【0352】
ある特定の実施形態では、オリゴマー化合物は、凍結乾燥され、ナトリウム塩として単離される。ある特定の実施形態では、オリゴマー化合物のナトリウム塩は、薬学的に許容される希釈剤と混合される。ある特定の実施形態では、薬学的に許容される希釈剤は、滅菌食塩水、滅菌水、PBS、又はaCSFを含む。ある特定の実施形態では、オリゴマー化合物のナトリウム塩は、PBSと混合される。ある特定の実施形態では、オリゴマー化合物のナトリウム塩は、aCSFと混合される。
【0353】
脂質部分が、様々な方法で、核酸治療法において用いられている。ある特定のこのような方法では、オリゴマー化合物などの核酸は、陽イオン性脂質と中性脂肪との混合物で作製された、予形成されたリポソーム又はリポプレックスに導入される。ある特定の方法では、モノ又はポリカチオン性脂質とのDNA複合体が、中性脂質の不存在下で形成される。ある特定の実施形態では、脂質部分は、特定の細胞又は組織に対する、医薬品の分布を増加させるために選択される。ある特定の実施形態では、脂質部分は、脂質組織に対する、医薬品の分布を増加させるために選択される。ある特定の実施形態では、脂質部分は、筋組織に対する、医薬品の分布を増加させるために選択される。
【0354】
ある特定の実施形態では、医薬組成物は、送達系を含む。送達系の例としては、限定されるものではないが、リポソーム及びエマルジョンが挙げられる。ある特定のデリバリーシステムは、疎水性化合物を含むものを含むある特定の医薬組成物を調製するのに有用である。ある特定の実施形態では、ジメチルスルホキシドなどのある特定の有機溶媒が用いられる。
【0355】
ある特定の実施形態では、医薬組成物は、本明細書で提供するオリゴマー化合物を含む1つ以上の医薬品を、特異的な組織又は細胞型に送達するように設計された、1つ以上の組織特異的送達分子を含む。例えば、ある特定の実施形態では、医薬組成物は、組織特異的抗体でコーティングされたリポソームを含む。
【0356】
ある特定の実施形態では、医薬組成物は、共溶媒系を含む。ある特定のそのような共溶媒系は、例えば、ベンジルアルコール、非極性界面活性剤、水混和性有機ポリマー、及び水相を含む。ある特定の実施形態では、そのような共溶媒系は、疎水性化合物に用いられる。そのような共溶媒系の非限定的な例にはVPD共溶媒系があり、これは、3%(w/v)のベンジルアルコール、8%(w/v)の非極性界面活性剤Polysorbate80(商標)、及び65%(w/v)のポリエチレングリコール300を含む無水エタノールの溶液である。そのような共溶媒系の割合は、それらの溶解度及び毒性特性を著しく変化させることなく大幅に変化し得る。更に、共溶媒成分の同一性は変化し得、例えば、他の界面活性剤をPolysorbate80(商標)の代わりに使用してもよく、ポリエチレングリコールの画分サイズは変化し得、他の生体適合性ポリマーが、ポリエチレングリコール、例えば、ポリビニルピロリドンに取って代わり得、他の糖又は多糖が、デキストロースと置き換わり得る。
【0357】
ある特定の実施形態では、医薬組成物は、経口投与のために調製される。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、口腔投与のために調製される。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、注射(例えば、静脈内、皮下、筋肉内、髄腔内(IT)、脳室内(ICV)、神経内、神経周囲など)による投与のために調製される。ある特定のそのような実施形態では、医薬組成物は、担体を含み、水溶液、例えば、水、又は生理学的に適合性の緩衝液、例えば、ハンクス溶液、リンガー溶液、若しくは生理食塩水緩衝液などの中で製剤化される。ある特定の実施形態では、他の成分(例えば、溶解性を補助するか、又は保存剤として役立つ成分)が含まれる。ある特定の実施形態では、注入可能な懸濁液は、適切な液体担体、懸濁化剤などを用いて調製される。ある特定の注入用医薬組成物は、単位剤形で、例えば、アンプル中で提供されるか、又は、多用量容器中で提供される。注射用のある特定の医薬組成物は、油性又は水性ビヒクル中の懸濁液、溶液、又はエマルジョンであり、懸濁液、安定化剤、及び/又は分散剤などの処方剤を含み得る。注射用医薬組成物で使用するのに適したある特定の溶媒としては、限定されるものではないが、親油性溶媒及び脂肪性油(例えば、ゴマ油)、合成脂肪酸エステル(例えば、オレイン酸エチル又はトリグリセリド)、及びリポソームが挙げられる。
【0358】
ある特定の条件下では、本明細書で開示するある特定の化合物は、酸として作用する。そのような化合物は、プロトン化(遊離酸)形態で、又はイオン化されカチオンと会合した(塩)形態で図示又は記載され得るが、そのような化合物の水溶液は、そのような形態の間で平衡状態で存在する。例えば、水溶液中でのオリゴヌクレオチドのホスフェート結合は、遊離酸、アニオン、及び塩形態の間で平衡状態にある。別途示されない限り、本明細書に記載する化合物は、このような形態全てを含むことが意図される。更に、ある特定のオリゴヌクレオチドは、このような結合をいくつか有し、これら各々が平衡状態にある。したがって、溶液中のオリゴヌクレオチドは、複数の位置全てにおいて平衡状態で、複数の形態の集合として存在する。「オリゴヌクレオチド」という用語は、このような形態全てを含むことを意図する。図示される構造は、必然的に単一の形態が描かれる。それでも、別途示されない限り、そのような図面は同様に、対応する形態を含むことを意図する。本明細書では、化合物の遊離酸の後に「又はその塩」又は「又はその薬学的に許容される塩」という用語が後に続く構造は、完全又は部分的にプロトン化されている/脱プロトン化されている/カチオン又はカチオンの組み合わせと会合し得る全てのそのような形態を明らかに含む。ある特定の実施形態では、1つ以上のある特定のカチオンが、特定される。カチオンとしては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、及びマグネシウムが挙げられるが、これらに限定されない。ある特定の実施形態では、「又はその薬学的に許容される塩」という用語が続く化合物の遊離酸を表す構造は、完全に、又は部分的にプロトン化する/脱プロトン化する/ナトリウム、カリウム、カルシウム、及びマグネシウムから選択される1種以上のカチオンと会合することができる、このような形態全てを明示的に含む。
【0359】
ある特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチド又はオリゴマー化合物は、ナトリウムとともに水溶液の中に存在する。ある特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチド又はオリゴマー化合物は、カリウムとともに水溶液の中に存在する。ある特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチド又はオリゴマー化合物は、PBSの中に存在する。ある特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチド又はオリゴマー化合物は、水中に存在する。ある特定のそのような実施形態では、溶液のpHは、所望のpHとなるように、NaOH及び/又はHClで調整されている。
【0360】
本明細書では、ある種の特定の投与量が記載される。投与量は、投与量単位の形態であってよい。明確性のため、ミリグラムでの、修飾オリゴヌクレオチド又はオリゴマー化合物の投与量(又は、投与量単位)は、遊離酸形態の修飾オリゴヌクレオチド又はオリゴマー化合物の質量を表すものとする。上記のように、水溶液中では、遊離酸はアニオン形態及び塩形態と平衡状態にある。しかしながら、投与量を計算するために、修飾オリゴヌクレオチド又はオリゴマー化合物は、無溶媒、酢酸ナトリウム非含有、無水、遊離酸として存在すると仮定する。
【0361】
ある特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチド又はオリゴマー化合物が、ナトリウムを含む溶液(例えば、生理食塩水)である場合、修飾されたオリゴヌクレオチド又はオリゴマー化合物は、部分的に、又は完全に脱プロトン化され、ナトリウムイオンと会合することができる。しかしながら、陽子の質量は、それでも投与量の重量にカウントされ、ナトリウムイオンの質量は、投与量の重量にカウントされない。したがって、例えば、10mgの投与量又は投与量単位は、10mgの重量の、完全にプロトン化した分子の数。これは、10.59mgの無溶媒、酢酸ナトリウム非含有、無水ナトリウム化化合物番号1549516に等しい。
【0362】
ある特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチド又はオリゴマー化合物が、ナトリウム、カリウム、カルシウム、及びマグネシウムを含むaCSFなどの溶液中にある場合、修飾されたオリゴヌクレオチド又はオリゴマー化合物は、部分的又は完全に脱プロトン化され、ナトリウム、カリウム、カルシウム、及び/又はマグネシウムと会合し得る。しかしながら、陽子の質量は、それでも投与量の重量にカウントされ、ナトリウム、カリウム、カルシウム、及びマグネシウムイオンの質量は、投与量の重量にカウントされない。
【0363】
ある特定の実施形態では、オリゴマー化合物がコンジュゲート基を含む場合、コンジュゲート基の質量は、このようなオリゴマー化合物の投与量の計算において含まれ得る。コンジュゲート基が酸もまた有する場合、コンジュゲート基も同様に、投与量計算のために、完全にプロトン化されていると仮定される。
【0364】
VI.ある特定のホットスポット領域
ある特定の実施形態では、以下に指定される範囲内の核酸塩基は、PCDH19核酸のホットスポット領域を含む。ある特定の実施形態では、PCDH19核酸のホットスポット領域と相補的な修飾されたオリゴヌクレオチドは、標準インビトロアッセイにおいてPCDH19RNAの平均50%超の低減を達成する。ある特定の実施形態では、PCDH19核酸のホットスポット領域と相補的な修飾されたオリゴヌクレオチドは、標準インビボアッセイにおいてインビボでPCDH19RNAの平均50%以上の低減を達成する。
【0365】
1.配列番号1の核酸塩基4743~4767
特定の実施形態では、配列番号1の核酸塩基4743~4767は、ホットスポット領域を含む。ある特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドは、配列番号1の核酸塩基4743~4767の一部と相補的である。ある特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドは、20核酸塩基長である。ある特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドは、ギャップマーである。ある特定の実施形態では、ギャップマーは、MOEギャップマーである。ある特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドのヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合及びホスホジエステルヌクレオシド間結合である。
【0366】
配列番号132、228、284、330、及び440の核酸塩基配列は、配列番号1の核酸塩基4743~4767と相補的である。
【0367】
化合物番号1549744、1549855、1549749、1549523、及び1549712の核酸塩基配列は、配列番号1の核酸塩基4743~4767と相補的である。
【0368】
ある特定の実施形態では、配列番号1の核酸塩基4743~4767の一部と相補的な修飾されたオリゴヌクレオチドは、標準インビトロアッセイにおいてPCDH19mRNAの少なくとも81%の低減を達成する。ある特定の実施形態では、配列番号1の核酸塩基4743~4767の一部と相補的な修飾されたオリゴヌクレオチドは、標準インビトロアッセイにおいてPCDH19mRNAの平均86%の低減を達成する。
【0369】
2.配列番号1の核酸塩基12,319~12,346
ある特定の実施形態では、配列番号1の核酸塩基12,319~12,346は、ホットスポット領域を含む。ある特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドは、配列番号1の核酸塩基12,319~12,346の一部と相補的である。ある特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドは、20核酸塩基長である。ある特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドは、ギャップマーである。ある特定の実施形態では、ギャップマーは、MOEギャップマーである。ある特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドのヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合及びホスホジエステルヌクレオシド間結合である。
【0370】
配列番号416、72、129、及び204の核酸塩基配列は、配列番号1の核酸塩基12,319~12,346と相補的である。
【0371】
化合物番号1549581、1549876、1549736、及び1549694の核酸塩基配列は、配列番号1の核酸塩基12,319~12,346と相補的である。
【0372】
ある特定の実施形態では、配列番号1の核酸塩基12,319~12,346の一部と相補的な修飾されたオリゴヌクレオチドは、標準インビトロアッセイにおいてPCDH19mRNAの少なくとも65%の低減を達成する。ある特定の実施形態では、配列番号1の核酸塩基12,319~12,346の一部と相補的な修飾されたオリゴヌクレオチドは、標準インビトロアッセイにおいてPCDH19mRNAの平均69%の低減を達成する。
【0373】
3.配列番号1の核酸塩基34364~34389
ある特定の実施形態では、配列番号1の核酸塩基34364~34389は、ホットスポット領域を含む。ある特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドは、配列番号1の核酸塩基34364~34389の一部と相補的である。ある特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドは、20核酸塩基長である。ある特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドは、ギャップマーである。ある特定の実施形態では、ギャップマーは、MOEギャップマーである。ある特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドのヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合及びホスホジエステルヌクレオシド間結合である。
【0374】
配列番号371、425、20、及び111の核酸塩基配列は、配列番号1の核酸塩基34364~34389と相補的である。
【0375】
化合物番号1549753、1549642、1549562、及び1549613の核酸塩基配列は、配列番号1の核酸塩基34364~34389と相補的である。
【0376】
ある特定の実施形態では、配列番号1の核酸塩基34364~34389の一部と相補的な修飾されたオリゴヌクレオチドは、配列番号1の34389の少なくとも64%の低減を達成し、PCDH19の平均80%の低減を達成する。ある特定の実施形態では、配列番号1の核酸塩基34364~34389の一部と相補的な修飾されたオリゴヌクレオチドは、標準インビトロアッセイにおいてPCDH19mRNAの平均80%の低減を達成する。
【0377】
4.配列番号1の核酸塩基84,408~84,431
特定の実施形態では、配列番号1の核酸塩基84,408~84,431は、ホットスポット領域を含む。ある特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドは、配列番号1の核酸塩基84,408~84,431の一部と相補的である。ある特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドは、20核酸塩基長である。ある特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドは、ギャップマーである。ある特定の実施形態では、ギャップマーは、MOEギャップマーである。ある特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドのヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合及びホスホジエステルヌクレオシド間結合である。
【0378】
配列番号367、407、24、93、及び218の核酸塩基配列は、配列番号1の核酸塩基84,408~84,431と相補的である。
【0379】
化合物番号1549714、1549528、1549617、1549514、及び1549790の核酸塩基配列は、配列番号1の核酸塩基84,408~84,431と相補的である。
【0380】
ある特定の実施形態では、配列番号1の核酸塩基84,408~84,431の一部と相補的な修飾されたオリゴヌクレオチドは、標準インビトロアッセイにおいてPCDH19mRNAの少なくとも65%の低減を達成する。ある特定の実施形態では、配列番号1の核酸塩基84,408~84,431の一部と相補的な修飾されたオリゴヌクレオチドは、標準インビトロアッセイにおいてPCDH19mRNAの平均74%の低減を達成する。
【0381】
非限定的な開示及び参照による組み込み
本明細書で列挙される文献及び特許公報はそれぞれ、その全体が参照により組み込まれる。
【0382】
本明細書に記載されるある特定の化合物、組成物、及び方法が、ある特定の実施形態に従って具体的に記載されているが、以下の実施例は、本明細書に記載される化合物を例証するものにすぎず、それを限定するようには意図されていない。本出願に列挙される参考文献、GenBank受託番号などは各々、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0383】
本出願に添付される配列表は、必要に応じて「RNA」又は「DNA」のいずれかとしての各配列を識別するものの、現実には、これらの配列は、化学修飾の任意の組み合わせによって修飾されることができる。「RNA」又は「DNA」などのこのような表記は、修飾オリゴヌクレオチドが、ある特定の場合においては恣意的であることを示すことを、当業者は容易に理解するであろう。例えば、2’-OH糖部分及びチミン塩基を含むヌクレオシドを含むオリゴヌクレオチドは、修飾された糖部分を有するDNA(DNAの1つの2’-Hの代わりに2’-OH)として、又は修飾された塩基を有するRNA(RNAのウラシルの代わりのチミン(メチル化ウラシル))として記載され得る。したがって、限定されるものではないが、配列表に記載されているものを含む、本明細書で提供する核酸配列は、特に明記しない限り、限定されるものではないが、修飾された核酸塩基を有するそのような核酸を含む、天然又は修飾されたRNA及び/又はDNAの任意の組み合わせを含有する核酸を包含することを意図している。更なる例として、かつ、限定されるものではないが、核酸塩基配列「ATCGATCG」を有するオリゴマー化合物は、限定されるものではないが、RNA塩基を含むそのような化合物、例えば、配列「AUCGAUCG」を有するもの、並びに、いくつかのDNA塩基及びいくつかのRNA塩基を有するもの、例えば、「AUCGATCG」を含む、修飾又は未修飾に関係なく、このような核酸塩基配列を有する任意のオリゴマー化合物、並びに、「ATCGAUCG」(式中、Cは、5位にメチル基を含むシトシン塩基を示す)などの、他の修飾された核酸塩基を有するオリゴマー化合物を包含する。最後に、明確にするために、別途示されない限り、「配列番号Xの核酸塩基配列」という語句は、そのような配列番号にも記載されている任意の糖又はヌクレオシド間結合修飾とは無関係の、その配列番号Xの核酸塩基の配列のみを指す。
【0384】
添付の配列表に化合物を正確に記載するよう努めてきたが、本明細書の記載と添付の配列表との間に矛盾がある場合、配列表ではなく本明細書の記載が正確な記載である。
【0385】
本明細書に記載するある特定の化合物(例えば、修飾されたオリゴヌクレオチド)は、1つ以上の不斉中心を有し、それ故、(R)若しくは(S)としての、α若しくはβとしての(例えば、糖アノマーに対する)、又は、(D)若しくは(L)としての(例えば、アミノ酸に対する)などの、絶対立体化学の観点から定義され得る、エナンチオマー、ジアステレオマー、及び、他の立体異性配置を生じさせる。ある特定の立体異性配置を有するものとして図示される、又は説明される、本明細書で提供する化合物は、示した化合物のみを含む。立体化学が定義されないまま図示される、又は説明される、本明細書で提供する化合物は、特に指示がない限り、立体的にランダムな、及び光学的に純粋な形態を含む、そのような取り得る異性体全てを含む。同様に、別途示されない限り、本明細書の化合物の全てのシス異性体及びトランス異性体並びに互変異性形態も含まれる。本明細書に記載されるオリゴマー化合物は、キラル的に純粋な又は濃縮された混合物、並びにラセミ混合物を含む。例えば、複数のホスホロチオエートヌクレオシド間結合を有するオリゴマー化合物は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合のキラリティが制御されるか、又はランダムである、そのような化合物を含む。別途示されない限り、本明細書に記載する化合物は、対応する塩形態を含むことが意図される。
【0386】
本明細書に記載する化合物は、1個以上の原子が、示される元素の非放射性同位体又は放射性同位体で置き換えられる、変形を含む。例えば、水素原子を含む、本明細書の化合物は、H水素原子のそれぞれに対する、取り得る全ての重水素置換を包含する。本明細書の化合物により包含される異性体置換としては、Hの代わりのH又はH、12Cの代わりの13C又は14C、14Nの代わりの15N、16Oの代わりの17O又は18O、及び、32Sの代わりの33S、34S、35S、又は36Sが挙げられるが、これらに限定されない。ある特定の実施形態では、非放射性同位体置換により、治療用又は研究用ツールとして用いるのに有益な、オリゴマー化合物の新規の性質を付与することができる。ある特定の実施形態では、放射性同位体置換によって、化合物を、イメージングなどの、研究又は診断目的に好適な化合物にすることができる。
【実施例
【0387】
以下の実施例は、本開示のある特定の実施形態を例証するものであり、限定するものではない。更に、特定の実施形態が提供される場合、本発明者らは、それらの特定の実施形態の一般的適用を企図している。
【0388】
実施例1:インビトロ、単回投与でのヒトPCDH19RNAに相補的な混合されたPS/POヌクレオシド間結合を有する5-10-5MOE修飾されたオリゴヌクレオチドの効果
ヒトPCDH19核酸と相補的な修飾されたオリゴヌクレオチドを設計し、インビトロでPCDH19RNAへのそれらの単回用量の効果について試験した。修飾されたオリゴヌクレオチドを、同様の培養条件を有した一連の実験で試験した。
【0389】
以下の表の修飾されたオリゴヌクレオチドは、混合されたPS/POヌクレオシド間結合を有する5-10-5MOE修飾されたオリゴヌクレオチドである。修飾されたオリゴヌクレオチドは、20ヌクレオシド長である。修飾されたオリゴヌクレオチドの糖モチーフは、(5’から3’)eeeeeddddddddddeeeeeであり、各「d」は、2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を表し、各「e」は、2’-MOEリボシル糖部分を表す。修飾されたオリゴヌクレオチドに対するヌクレオシド間結合モチーフは、(5’から3’)soooossssssssssooss(式中、各「s」は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表し、各「o」は、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表す)である。各シトシン残基は5-メチルシトシンである。
【0390】
「開始位置」とは、修飾オリゴヌクレオチドが、標的核酸配列内で相補的となる、5’末端ヌクレオシドを示す。「終了位置」とは、修飾オリゴヌクレオチドが、標的核酸配列内で相補的となる、3’末端ヌクレオシドを示す。以下の表に列挙される各修飾されたオリゴヌクレオチドは、配列番号1(ENSEMBL受託番号ENSG00000165194.15、バージョン104:May 2021)、配列番号2(ENSEMBL受託番号ENST00000373034.8のcDNA、バージョン104:May2021)、又はその両方と100%相補的である。「N/A」は、修飾されたオリゴヌクレオチドが、その特定の標的核酸配列と100%相補的でないことを示す。
【0391】
15,000個の細胞/ウェルの密度で播種されたSHSY5Y細胞を、B27(ThermoFisher)、ペニシリン/ストレプトマイシン(ThermoFisher)、及び10μMのレチノイン酸(Sigma)を補充したNeurobasal培地中で10日間分化させた。分化したSH-SY5Y細胞を、自由取り込みによって15,000nMの濃度で修飾されたオリゴヌクレオチドで処置した。約5日間の処置期間後、細胞から総RNAを単離し、ヒトプライマープローブセットRTS53390(本明細書で配列番号3として指定されるフォワード配列GCTAACCACATCTACCATCACTC、本明細書で配列番号4として指定されるリザーブ配列GCTATTCACGTAGTTGGAGTCA、本明細書で配列番号5として指定されるプローブ配列TTTCAGTCTCAGGCAGAGGCACAC)を使用して、定量的リアルタイムRT-PCRにより、PCDH19RNAレベルを測定した。PCDH19RNAレベルを、RIBOGREEN(登録商標)によって測定した総RNA含有量に対して正規化した。未処置の対照細胞中の量に対するPCDH19RNAのパーセント(UTC%)として以下の表にPCDH19RNAの低減を表す。
【0392】
この実施例で説明される各個別の実験は、「AID」とラベル付けされた表列のアッセイ識別文字によって識別される。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【表1-8】
【表1-9】
【表1-10】
【表1-11】
【表1-12】
【0393】
実施例2:インビトロ、複数回投与でのヒトPCDH19への修飾されたオリゴヌクレオチドの効果
10,000個の細胞/ウェルの密度で播種されたSHSY5Y細胞を、B27(ThermoFisher)、ペニシリン/ストレプトマイシン(ThermoFisher)、及び10μMのレチノイン酸(Sigma)を補充したNeurobasal培地中で10日間分化させた。分化したSH-SY5Y細胞を、自由取り込みによって以下の表に示される濃度の修飾されたオリゴヌクレオチドで処置した。約5日間の処置期間後、細胞から総RNAを単離し、ヒトPCDH19プライマープローブセットRTS53390(本明細書で上記した)を使用して、定量的リアルタイムRT-PCRにより、PCDH19RNAレベルを測定した。PCDH19RNAレベルを、GAPDHによって測定した総RNA含有量に対して正規化した。ヒトGAPDHを、ヒトプライマープローブセットRTS104(配列番号6として本明細書で指定されるフォワード配列GAAGGTGAAGGTCGGAGTC、配列番号7として本明細書で指定されるリバース配列GAAGATGGTGATGGGATTTC、配列番号8として本明細書で指定されるプローブ配列CAAGCTTCCCGTTCTCAGCC)を使用して測定した。未治療の対照細胞に対するPCDH19RNAのパーセント(UTC%)として以下の表にPCDH19RNAの低減を表す。「N.C.」は、計算されていない値を指す。
【0394】
Excelのデータの対数/線形プロットの線形回帰を使用して、各修飾されたオリゴヌクレオチドの半数阻害濃度(IC50)を計算し、以下の表にも示している。
【表2】
【表3】
【0395】
実施例3:インビトロ、単回投与でのヒトPCDH19RNAに相補的な均一なホスホロチオエートヌクレオシド間結合を有する3-10-3cEt修飾されたオリゴヌクレオチドの効果
ヒトPCDH19核酸と相補的な修飾されたオリゴヌクレオチドを設計し、インビトロでPCDH19RNAへのそれらの単回用量の効果について試験した。修飾されたオリゴヌクレオチドを、同様の培養条件を有した一連の実験で試験した。
【0396】
以下の表の修飾されたオリゴヌクレオチドは、均一なホスホロチオエートヌクレオシド間結合を有する3-10-3cEt修飾されたオリゴヌクレオチドである。修飾されたオリゴヌクレオチドは、16ヌクレオシド長である。修飾されたオリゴヌクレオチドの糖モチーフは、(5’から3’)kkkddddddddddkkkであり、各「d」は、2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を表し、各「k」は、cEt糖部分を表す。修飾されたオリゴヌクレオチドに対するヌクレオシド間結合モチーフは、(5’から3’)sssssssssssssss(式中、各「s」は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す)である。各シトシン残基は5-メチルシトシンである。
【0397】
「開始位置」とは、修飾オリゴヌクレオチドが、標的核酸配列内で相補的となる、5’末端ヌクレオシドを示す。「終了位置」とは、修飾オリゴヌクレオチドが、標的核酸配列内で相補的となる、3’末端ヌクレオシドを示す。以下の表に列挙される各修飾されたオリゴヌクレオチドは、配列番号1(本明細書で上記した)、配列番号2(本明細書で上記した)、又はその両方に対して100%相補的である。「N/A」は、修飾オリゴヌクレオチドが、その特定の標的核酸配列と100%相補的でないことを示す。
【0398】
10,000個の細胞/ウェルの密度で播種されたSHSY5Y細胞を、B27(ThermoFisher)、ペニシリン/ストレプトマイシン(ThermoFisher)、及び10μMのレチノイン酸(Sigma)を補充したNeurobasal培地中で10日間分化させた。分化したSH-SY5Y細胞を、自由取り込みによって6,000nMの濃度で修飾されたオリゴヌクレオチドで処置した。約5日間の処置期間後、細胞から総RNAを単離し、ヒトプライマープローブセットRTS53390(本明細書で上記した)を使用して、定量的リアルタイムRT-PCRにより、PCDH19RNAレベルを測定した。PCDH19RNAレベルを、RIBOGREEN(登録商標)によって測定した総RNA含有量に対して正規化した。未処置の対照細胞中の量に対するPCDH19RNAのパーセント(UTC%)として以下の表にPCDH19RNAの低減を表す。
【0399】
この実施例で説明される各個別の実験は、「AID」とラベル付けされた表列のアッセイ識別文字によって識別される。
【表4-1】
【表4-2】
【0400】
実施例4:インビトロ、複数回投与でのヒトPCDH19への修飾されたオリゴヌクレオチドの効果
8,000個の細胞/ウェルの密度で播種されたSHSY5Y細胞を、B27(ThermoFisher)、ペニシリン/ストレプトマイシン(ThermoFisher)、及び10μMのレチノイン酸(Sigma)を補充したNeurobasal培地中で10日間分化させた。分化したSH-SY5Y細胞を、自由取り込みによって以下の表に示される濃度の修飾されたオリゴヌクレオチドで処置した。約5日間の処置期間後、細胞から総RNAを単離し、ヒトPCDH19プライマープローブセットRTS53390(本明細書で上記した)を使用して、定量的リアルタイムRT-PCRにより、PCDH19RNAレベルを測定した。PCDH19RNAレベルを、GAPDHによって測定した総RNA含有量に対して正規化した。ヒトGAPDHを、ヒトプライマープローブセットRTS104(本明細書で上記した)を使用して測定した。未治療の対照細胞に対するPCDH19RNAのパーセント(UTC%)として以下の表にPCDH19RNAの低減を表す。
【0401】
Excelのデータの対数/線形プロットの線形回帰を使用して、各修飾されたオリゴヌクレオチドの半数阻害濃度(IC50)を計算し、以下の表にも示している。
【表5】
【0402】
実施例5:ヒトPCDH19核酸を標的とするPSヌクレオシド間結合を有する5-10-5MOEギャップマー修飾されたオリゴヌクレオチドの設計
ヒトPCDH19核酸に対して相補的な修飾されたオリゴヌクレオチドを、下表に示すとおりに設計し、記載した。「開始位置」とは、修飾オリゴヌクレオチドが、標的核酸配列内で相補的となる、5’末端ヌクレオシドを示す。「終了位置」とは、修飾オリゴヌクレオチドが、標的核酸配列内で相補的となる、3’末端ヌクレオシドを示す。以下の表に列挙される各修飾されたオリゴヌクレオチドは、配列番号1(本明細書で上記した)、配列番号2(本明細書で上記した)、又はその両方に対して100%相補的である。「N/A」は、修飾されたオリゴヌクレオチドがその特定の標的核酸配列に対して2つ以上のミスマッチを有することを示す。
【0403】
以下の表の修飾されたオリゴヌクレオチドは、均一なホスホロチオエートヌクレオシド間結合を有する5-10-5MOE修飾されたオリゴヌクレオチドである。修飾されたオリゴヌクレオチドは、20ヌクレオシド長であり、中央ギャップセグメントは、10個の2’-β-D-デオキシヌクレオシドからなり、5’及び3’ウイングセグメントは各々、5個の2’-MOEヌクレオシドからなる。修飾されたオリゴヌクレオチドの糖モチーフは、(5’から3’)eeeeeddddddddddeeeeeであり、各「d」は、2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を表し、各「e」は、2’-MOEリボシル糖部分を表す。修飾されたオリゴヌクレオチドに対するヌクレオシド間結合モチーフは、(5’から3’)sssssssssssssssssss(式中、各「s」は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す)である。全てのシトシン核酸塩基は、5-メチルシトシンである。
【表6】
【0404】
実施例6:ヒトPCDH19核酸を標的とするRNAi化合物の設計
ヒトPCDH19核酸と相補的なアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチド、及びアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドと相補的なセンスRNAiオリゴヌクレオチドを含むRNAi化合物を以下のように設計した。
【0405】
各場合において、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドは、23ヌクレオシド長であり、yfyyyfyyyyyyyfyfyyyyyyyの糖モチーフ(5’から3’)を有し、各「y」が、2’-O-メチルリボシル糖部分を表し、各「f」が、2’-フルオロリボシル糖、及びssoooooooooooooooooossのヌクレオシド間結合モチーフ(5’から3’)を表し、「o」は、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、「s」は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す。各シトシン残基は、非メチル化シトシンである。各アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドは、5’末端に末端ホスフェートを有する。アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドは、以下の表7及び8に列挙される。
【0406】
「開始位置」とは、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドが、標的核酸配列内で相補的となる、5’末端ヌクレオシドを示す。「終了位置」とは、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドが、標的核酸配列内で相補的となる、3’末端ヌクレオシドを示す。以下の表7に列挙される各アンチセンスRNAiオリゴヌクレオシドは、配列番号1(ENSEMBL受託番号ENSG00000165194.15、バージョン104:May 2021)、配列番号2(ENSEMBL受託番号ENST00000373034.8、バージョン104:May 2021)、又はその両方と100%相補的である。「N/A」は、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドが、その特定の標的核酸配列と100%相補的でないことを以下の表7に示す。
【表7-1】
【表7-2】
【表7-3】
【表7-4】
【0407】
「開始位置」とは、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドが、標的核酸配列内で相補的となる、5’末端ヌクレオシドを示す。「終了位置」とは、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドが、標的核酸配列内で相補的となる、3’末端ヌクレオシドを示す。以下の表8に列挙される各アンチセンスRNAiオリゴヌクレオシドは、配列番号1(ENSEMBL受託番号ENSG00000165194.15、バージョン104:May 2021)、配列番号2(ENSEMBL受託番号ENST00000373034.8、バージョン104:May 2021)、又はアンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの1位(5’から3’)での単一のミスマッチを除いて、両方に相補的である。「N/A」は、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドがその特定の標的核酸配列に対して2つ以上のミスマッチを有することを以下の表8に示す。
【表8-1】
【表8-2】
【表8-3】
【表8-4】
【表8-5】
【表8-6】
【表8-7】
【0408】
各場合において、センスRNAiオリゴヌクレオチドは、21ヌクレオシド長であり、yyyyyyfyfffyyyyyyyyyyの糖モチーフ(5’から3’)を有し、「y」が、2’-O-メチルリボシル糖を表し、「f」が、2’-フルオロリボシル糖、及びssoooooooooooooooossのヌクレオシド間結合モチーフ(5’から3’)を表し、「o」は、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、「s」は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す。センスRNAiオリゴヌクレオチドは、以下の表9に列挙される。
【0409】
各アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドは、標的核酸(PCDH19)と相補的であり、各センスRNAiオリゴヌクレオチドは、アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの最後の2つの3’ヌクレオシドがセンスRNAiオリゴヌクレオチドと対合していない(オーバーハングヌクレオシドである)アンチセンスRNAiオリゴヌクレオチドの1番目の21ヌクレオシド(5’から3’)に対して相補的である。センスRNAiオリゴヌクレオチド及びsiRNAは、以下の表9に列挙される。
【表9-1】
【表9-2】
【表9-3】
【表9-4】
【表9-5】
【表9-6】
【表9-7】
【表9-8】
【表9-9】
【表9-10】
【表9-11】
【0410】
実施例7:インビトロ、単回投与でのヒトPCDH19へのRNAi化合物の効果
上に記載される二本鎖RNAi化合物を、PCDH19を発現する培養細胞において、インビトロでのPCDH19RNAに対するそれらの単回用量効果についての一連の実験で試験する。
【0411】
培養した細胞を二本鎖RNAiで処置する。RNAを、細胞から単離し、PCDH19RNAレベルを、定量的リアルタイムRTPCRによって測定する。ヒトPCDH19プライマープローブセットを使用してRNAレベルを測定する。PCDH19RNAレベルを、RIBOGREEN(登録商標)によって測定した総RNA含有量に対して正規化する。
【0412】
実施例8:IPS細胞から分化されたニューロンにおけるヒトPCDH19RNAレベルへの修飾されたオリゴヌクレオチドの効果、複数回投与
上の実施例から選択された修飾されたオリゴヌクレオチドを、IPSCから分化されたニューロン中の様々な用量で試験した(Gibco、カタログ番号A18945)。IPSCを、Elixirgen Scientific Quick Neuron(商標)Excitatoryキット(カタログ番号EX-SeV-L)を使用してニューロンに分化させた。以下の表に指定されるように、ニューロンを2週間老化させ、様々な濃度の修飾されたオリゴヌクレオチドで自由取り込みによって処置した。
【0413】
処置から7日後、細胞から全RNAを単離し、PCDH19RNAレベルを、定量的リアルタイムRT-PCRによって測定した。ヒトPCDH19プライマープローブセットRTS53390(本明細書で上記した)を使用して、上記したようにRNAレベルを測定した。PCDH19RNAレベルを、ヒトGAPDHによって測定した総RNA含有量に対して正規化した。ヒトGAPDHを、ヒトプライマープローブセットRTS104(本明細書で上記した)を使用して増幅した。未治療の対照細胞中のPCDH19の量に対するPCDH19RNAのパーセント(UTC%)として以下の表にPCDH19RNAの低減を表す。
【0414】
GraphPad Prismを使用して、各修飾されたオリゴヌクレオチドの半数阻害濃度(IC50)を計算し、以下の表にも示している。
【表10】
【表11】
【0415】
実施例9:IPS細胞から分化されたニューロンにおけるヒトPCDH19タンパク質レベルへの修飾されたオリゴヌクレオチドの効果、複数回投与
上の実施例から選択された修飾されたオリゴヌクレオチドを、IPSCから分化されたニューロン中の様々な用量で試験した(上に本明細書で記載されたようにニューロンに由来する)。以下の表に指定されるように、ニューロンを2週間老化させ、様々な濃度の修飾されたオリゴヌクレオチドで自由取り込みによって処置した。
【0416】
処置の7日後、処置されたニューロンにおけるヒトPCDH19タンパク質レベルを、Bethyl LaboratoriesのPCDH19ポリクローナル抗体(カタログ番号A304-468A)を使用してPCDH19を検出するウェスタンブロット分析を使用して判定した。未治療の対照細胞中のPCDH19の量に対するPCDH19タンパク質のパーセント(UTC%)として以下の表にPCDH19タンパク質の低減を表す。
【表12】
【0417】
実施例10:インビトロ、単回投与でのヒトPCDH19核酸を標的とするRNAi化合物の効果
上の実施例に記載されるRNAi化合物を、インビトロでPCDH19RNAに対するそれらの単回用量効果について試験した。RNAi化合物を、同様の培養条件を有した一連の実験で試験した。
【0418】
1ウェル当たり10,000個の細胞の密度で、培養したHEK293細胞を、Lipofectamine RNAiMAXによる200nMの濃度で、RNAi化合物により処置した。約72時間の処置期間後、細胞から総RNAを単離し、ヒトプライマープローブセットRTS53390(本明細書で上記した)を使用して、定量的リアルタイムRT-PCRにより、PCDH19RNAレベルを測定した。PCDH19RNAレベルを、RIBOGREEN(登録商標)によって測定した総RNA含有量に対して正規化した。未処置の対照細胞中の量に対するPCDH19RNAのパーセント(UTC%)として以下の表にPCDH19RNAの低減を表す。「†」で印付けられた値は、修飾されたオリゴヌクレオチドが、プライマープローブセットのアンプリコン領域と相補的であることを示す。追加のアッセイを使用して、アンプリコン領域に対して相補的な修飾オリゴヌクレオチドの効力及び有効性を測定することができる。以下の各表は、別個の実験を表す。
【表13-1】
【表13-2】
【表14-1】
【表14-2】
【表15-1】
【表15-2】
【表16-1】
【表16-2】
【表17-1】
【表17-2】
【表18-1】
【表18-2】
【配列表】
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【国際調査報告】