(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-09
(54)【発明の名称】ハイブリッド車両のパワートレインを管理するためのデバイス
(51)【国際特許分類】
B60W 20/17 20160101AFI20241226BHJP
B60K 6/485 20071001ALI20241226BHJP
B60W 10/06 20060101ALI20241226BHJP
B60W 10/10 20120101ALI20241226BHJP
B60W 10/26 20060101ALI20241226BHJP
B60W 20/13 20160101ALI20241226BHJP
B60W 20/30 20160101ALI20241226BHJP
B60L 50/16 20190101ALI20241226BHJP
B60L 50/61 20190101ALI20241226BHJP
F02D 45/00 20060101ALI20241226BHJP
B60K 17/12 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
B60W20/17
B60K6/485 ZHV
B60W10/06 900
B60W10/10 900
B60W10/26 900
B60W20/13
B60W20/30
B60L50/16
B60L50/61
F02D45/00
B60K17/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024538050
(86)(22)【出願日】2022-12-09
(85)【翻訳文提出日】2024-08-20
(86)【国際出願番号】 EP2022085085
(87)【国際公開番号】W WO2023117474
(87)【国際公開日】2023-06-29
(32)【優先日】2021-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】323014133
【氏名又は名称】ニュー エイチ パワートレイン ホールディングス エス エル ユー
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】アントワーヌ, トマ
(72)【発明者】
【氏名】ソレル, ファビアン
【テーマコード(参考)】
3D042
3D202
3G384
5H125
【Fターム(参考)】
3D042AB02
3D042BE01
3D202AA09
3D202BB01
3D202BB19
3D202BB32
3D202CC57
3D202DD01
3D202DD16
3D202DD18
3D202DD32
3D202DD45
3G384AA28
3G384BA02
3G384BA39
3G384BA52
3G384DA02
3G384DA56
3G384EB08
3G384EB10
3G384ED07
3G384EE33
3G384FA54Z
3G384FA56Z
3G384FA66Z
3G384FA73Z
3G384FA79Z
5H125AA01
5H125AB01
5H125AC08
5H125AC12
5H125BD17
5H125BE05
5H125EE27
5H125EE31
5H125EE52
5H125EE53
(57)【要約】
本発明は、ハイブリッド車両(1)のパワートレインを管理するためのデバイス(10)に関し、デバイスが、車両に関連する瞬間入力データに従ってパワートレインの動作パラメータを定義するように構成された制御ユニット(12)を備え、制御ユニット(12)が、少なくとも1つの消費管理モジュール(16)を備え、少なくとも1つの消費管理モジュール(16)において、車両の消費値に関してパワートレインの動作パラメータを決定する、内燃機関の少なくとも1つのデータベースが実装され、制御ユニット(12)が、音響学管理モジュール(18)をさらに備え、音響学管理モジュール(18)において、所与の音響値に関してパワートレインの動作パラメータを決定する少なくとも1つのマップが実装され、制御ユニット(12)が、消費管理モジュールのデータベースからのデータと組み合わされた、音響学管理モジュールのマップからのデータを考慮することによって、パワートレインの動作パラメータを定義するように構成されていることを特徴とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハイブリッド車両(1)のパワートレインを管理するためのデバイス(10)であって、前記車両に関連する瞬間入力データ(7)に従って前記パワートレインの動作パラメータ(100)を定義するように構成された制御ユニット(12)を備え、前記制御ユニット(12)が、少なくとも1つの消費管理モジュール(16)を備え、ここで、前記車両の消費値に関して前記パワートレインの前記動作パラメータ(100)を決定する、内燃機関の少なくとも1つのデータベースが実装され、
前記制御ユニット(12)が、音響学管理モジュール(18)をさらに備え、ここで、所与の音響値に関して前記パワートレインの前記動作パラメータを決定する少なくとも1つのマップ(24、241、242、243)が実装され、前記制御ユニット(12)が、前記消費管理モジュール(16)の前記データベースからのデータと組み合わされた、前記音響学管理モジュール(18)の前記マップ(24、241、242、243)からのデータを考慮することによって、前記パワートレインの前記動作パラメータ(100)を定義するように構成されていることを特徴とする、
デバイス(10)。
【請求項2】
前記制御ユニット(12)が、電気的エネルギー貯蔵要素(5)の充電状態(SOC)に基づいて、前記消費管理モジュール(16)の前記データベースからのデータに加えて前記音響学管理モジュール(18)の前記マップ(24、241、242、243)からのデータを考慮するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の管理デバイス(10)。
【請求項3】
前記制御ユニット(12)は、前記バッテリーの前記充電状態(SOC)が、第1のしきい値(S1)を下回る、および前記第1のしきい値(S1)よりも厳密に低い第2のしきい値(S2)を上回る、の両方であるとき、前記消費管理モジュール(16)の前記データベースからの前記データに加えて前記音響学管理モジュール(18)の前記マップ(24、241、242、243)からの前記データを考慮するように構成されていることを特徴とする、請求項2に記載の管理デバイス(10)。
【請求項4】
前記音響学管理モジュール(18)が、並列ハイブリダイゼーションにおける前記内燃機関の動作に対応する少なくとも1つのマップ(241)と、直列ハイブリダイゼーションにおける前記内燃機関の動作に対応する少なくとも1つのマップ(242、243)とを備えることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の管理デバイス(10)。
【請求項5】
並列ハイブリダイゼーションにおける前記内燃機関の前記動作に対応する前記少なくとも1つのマップ(241)が、前記車両の速度および加速に基づいて、尊重されるべき最小ギヤボックス比(Rx、Ry、Rz)を指し示すことを特徴とする、請求項4に記載の管理デバイス(10)。
【請求項6】
直列ハイブリダイゼーションにおける前記内燃機関の前記動作に対応する1つのマップ(242)が、前記車両の速度および車両車輪におけるトルクに基づいて、超えられるべきでない最大内燃機関速度(R1、R2、...R6)を指し示すことを特徴とし、直列ハイブリダイゼーションにおける前記内燃機関の前記動作に対応する別のマップ(243)が、前記車両の速度および前記車両車輪における前記トルクに基づいて、尊重されるべき最大内燃機関トルク(C1、C2...C9)を指し示すことを特徴とする、請求項4または5に記載の管理デバイス(10)。
【請求項7】
所与のタイプのハイブリダイゼーションについて、前記音響学管理モジュール(18)が、中間しきい値に対する電気的エネルギー貯蔵要素(5)の充電状態(SOC)に基づいて選択的に実装される2つの別個のマップを備え、前記中間しきい値を上回る、前記電気的エネルギー貯蔵要素の充電状態のための標準動作マップと、前記中間しきい値を下回る、前記電気的エネルギー貯蔵要素の充電状態のための低下動作マップとがあることを特徴とする、請求項4から6のいずれか一項に記載の管理デバイス(10)。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の管理デバイス(10)を備えるハイブリッド自動車両(1)。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の管理デバイス(10)を装備したハイブリッド車両(1)のパワートレインを管理するための方法であって、音響データに基づいて前記パワートレインの動作パラメータ(100)を定義することが可能であり、ここにおいて、前記パワートレインの電気モーター(4)に給電することを意図された電気的エネルギー貯蔵要素(5)の充電状態(SOC)が決定され、およびここにおいて、前記パワートレインの前記動作パラメータ(100)は、前記電気的エネルギー貯蔵要素(5)の前記充電状態(SOC)が、一方では、電気駆動とハイブリッド駆動との間の第1のしきい値(S1)を下回り、他方では、前記ハイブリッド車両の内燃機関による電気再充電を優先するための臨界しきい値を形成する第2のしきい値(S2)を上回るとき、音響データに基づいて定義される、方法。
【請求項10】
前記方法の間、前記ハイブリッド車両(1)が、並列ハイブリッド駆動タイプにおいて構成されたとき、最小ギヤボックス比レベル(Rx、Ry、Rz)に対応する、音響学管理モジュール(18)において実装された第1のタイプのマップ(241)に対して参照が行われ、および前記方法の間、前記ハイブリッド車両が、第1の直列ハイブリッド駆動タイプにおいて構成されたとき、最大エンジントルク(C1、C2、...C9)またはエンジン速度(R1、...R6)レベルに対応する、前記音響学管理モジュール(18)において実装された第2のタイプのマップ(242、243)に対して参照が行われる、請求項9に記載の管理方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
本発明は、ハイブリッド自動車両内のエネルギーを管理する分野に関し、より詳細には、ハイブリッド車両のパワートレインを管理するためのデバイスに、およびこのハイブリッド車両の使用に関連する音響問題に関する。
【0002】
ハイブリッド車両は、とりわけ電気エネルギー貯蔵要素に関連する電気駆動アセンブリと、熱駆動アセンブリとを含む2つの別個の駆動アセンブリをもつパワートレインであって、これらの駆動アセンブリの各々は、車両を駆動するために車両の車輪のセットに接続可能である、パワートレインを備える。とりわけ、バッテリーの充電状態レベルが低いとき、熱駆動アセンブリは、少なくとも電気的エネルギー貯蔵要素を再充電し、必要な場合、車両を駆動するためにアクティブ化され得る。
【0003】
車両のパワートレインを電化することは、内燃機関のCO2排出および燃料消費を減らすだけでなく、運転快適性などの他の利益を向上させる。車両は、常にパワートレイン動作を最適化するために、燃料消費、汚染制御および運転快適性に関係する内燃機関動作データを考慮に入れるトラクション駆動管理システムを採用する。とりわけ、トラクション駆動管理デバイスは、燃料消費、汚染制御および運転快適性に関連するデータベースに応じて、内燃機関と電気駆動アセンブリとの間で必要とされるトルクを分割するために、適切なギヤボックス比を選択するように構成される。
【0004】
そのような動作は、内燃機関挙動と車輪におけるトルクとの間の相関性の欠如、あるいは言い換えれば、車両速度または加速の顧客の知覚と、内燃機関の騒音レベルに反映されたパワートレインの動作との間の不整合につながることがある。例として、内燃機関の燃料効率を最適化し、急速バッテリー再充電のための高出力動作点を求めるために、制御ユニットは、加速要求および/または車両速度が低いとき、高回転を伴い、不整合の問題を生成する低いギヤボックス比を選択することがあり、それゆえ、内燃機関の騒音は、車両の速度および加速のドライバの体感に一致しない。
【0005】
不整合の問題は、オートマチックまたはセミオートマチックギヤボックスにおけるギヤ数が低く、たとえば、5よりも小さいとき、いっそう大きくなる。
【0006】
本発明は、ハイブリッド車両のパワートレインを管理するためのデバイスであって、前記車両に関連する瞬間入力データに従ってパワートレインの動作パラメータを定義するように構成された制御ユニットを備え、制御ユニットが、少なくとも1つの消費管理モジュールを備え、ここにおいて、車両の消費値に関してパワートレインの動作パラメータを決定する、内燃機関の少なくとも1つのデータベースが実装された、デバイスを提案することによって、このコンテキスト内に入る。本発明によれば、制御ユニットは、音響学管理モジュールをさらに備え、ここにおいて、所与の音響値に関してパワートレインの動作パラメータを決定する、内燃機関の少なくとも1つのマップが実装され、制御ユニットが、消費管理モジュールのデータベースからのデータと組み合わされた、音響学管理モジュールのマップからのデータを考慮することによって、パワートレインの動作パラメータを定義するように構成される。
【0007】
これにより、本発明によれば、制御ユニットの制御ソフトウェアは、音響不整合を制限するようにディメンションされた、パワートレインの動作パラメータを定義するときに尊重されるべき制約をインジェクトされる。その場合、「顧客整合」の概念は、ドライバ要求とパワートレイン反応との間の相関性の程度として導入され得る。
【0008】
パワートレインの動作パラメータは、とりわけ、内燃機関が、ハイブリッド車両の車輪のセットと係合されたときの内燃機関のトルクおよび/またはパワートレインのギヤボックス比の値であり得る。
【0009】
本発明の特徴によれば、制御ユニットは、電気的エネルギー貯蔵要素の充電状態に基づいて、消費管理モジュールのデータベースからのデータに加えて音響学管理モジュールのマップからのデータを考慮するように構成される。言い換えれば、音響学は、ハイブリッド車両において電気モーターに電力供給するために使用される車両バッテリーの充電状態に基づいて、パワートレインの動作パラメータを制御する。
【0010】
本発明の特徴によれば、制御ユニットは、バッテリーの充電状態が、第1のしきい値を下回る、および第1のしきい値よりも厳密に低い第2のしきい値を上回る、の両方であるとき、消費管理モジュールのデータベースからのデータに加えて音響学管理モジュールのマップからのデータを考慮するように構成される。この第1のしきい値を上回ると、制御ユニットは、電気モードで駆動すること、およびバッテリー充電レベルを減少させることを優先する。音響学管理モジュールは、それ自体では非アクティブ化されないが、バッテリーが充電される必要がないとき、介入しない。
【0011】
本発明の特徴によれば、音響学管理モジュールは、並列ハイブリダイゼーションにおける内燃機関の動作に対応する少なくとも1つのマップと、直列ハイブリダイゼーションにおける内燃機関の動作に対応する少なくとも1つのマップとを備える。
【0012】
本発明の特徴によれば、並列ハイブリダイゼーションにおける内燃機関の動作に対応する少なくとも1つのマップは、車両の速度および加速に基づいて、尊重されるべき最小ギヤボックス比を指し示す。
【0013】
本発明の特徴によれば、直列ハイブリダイゼーションにおける内燃機関の動作に対応する1つのマップは、車両速度および車両車輪におけるトルクに基づいて、超えられるべきでない最大内燃機関速度を指し示し、直列ハイブリダイゼーションにおける内燃機関の動作に対応する別のマップは、車両速度および車両車輪におけるトルクに基づいて、尊重されるべき最大内燃機関トルクを指し示す。
【0014】
本発明の特徴によれば、所与のタイプのハイブリダイゼーションについて、音響学管理モジュールは、中間しきい値に対する電気的エネルギー貯蔵要素の充電状態に基づいて選択的に実装される2つの別個のマップを備え、中間しきい値を上回る、電気的エネルギー貯蔵要素の充電状態のための標準動作マップと、中間しきい値を下回る、電気的エネルギー貯蔵要素の充電状態のための低下動作マップとがある。
【0015】
とりわけ、中間しきい値は、前に陳述された第1のしきい値と第2のしきい値との間にあり得る。
【0016】
本発明はまた、前に陳述された管理デバイスを備える自動車両に関する。
【0017】
本発明はまた、前に開示された管理デバイスを装備したハイブリッド車両のパワートレインを管理するための方法であって、音響データに基づいてパワートレインの動作パラメータを定義することが可能であり、ここにおいて、パワートレインの電気モーターに給電することを意図された電気的エネルギー貯蔵要素の充電状態が決定され、およびここにおいて、パワートレインの前記動作パラメータは、電気的エネルギー貯蔵要素の充電状態が、一方では、電気駆動とハイブリッド駆動との間の第1のしきい値を下回り、他方では、ハイブリッド車両の内燃機関による電気再充電を優先するための臨界しきい値を形成する第2のしきい値を上回るとき、音響データに基づいて定義される、方法に関する。
【0018】
本発明の特徴によれば、この管理方法中に、ハイブリッド車両が、並列ハイブリッド駆動タイプにおいて構成されたとき、最小ギヤボックス比レベルに対応する、音響学管理モジュールにおいて実装された第1のタイプのマップに対して参照が行われ、ハイブリッド車両が、第1の直列ハイブリッド駆動タイプにおいて構成されたとき、最大エンジントルクまたはエンジン速度レベルに対応する、音響学管理モジュールにおいて実装された第2のタイプのマップに対して参照が行われる。
【0019】
本発明の他の特徴、詳細および利点が、図に関連して例示として以下で与えられる説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明による管理デバイスの制御ユニットのマルチモジュール構成であって、モジュールのうちの少なくとも1つが音響学管理モジュールである、マルチモジュール構成を示す、ハイブリッド車両の概略描写である。
【
図2】本発明の一態様による管理方法を示すためのフローチャートであって、ここにおいて、車両音響学を考慮するトラクション駆動管理が、バッテリーの充電状態に基づく、フローチャートである。
【
図3】本発明の一態様による管理方法を示すためのフローチャートであって、ここにおいて、車両音響学を考慮するトラクション駆動管理が、実装されたハイブリッド駆動のタイプに基づく、フローチャートである。
【
図4】並列ハイブリッド駆動構成におけるハイブリッド車両パワートレインの概略描写である。
【
図5】直列ハイブリッド駆動構成におけるハイブリッド車両パワートレインの概略描写である。
【
図6】
図1の音響学管理モジュールにおいて実装され、
図4に記載の並列ハイブリッド駆動構成の場合に使用されるマップの例を示す図である。
【
図7】
図1の音響学管理モジュールにおいて実装され、
図5に記載の直列ハイブリッド駆動構成の場合に使用される第1のマップの例を示す図である。
【
図8】
図1の音響学管理モジュールにおいて実装され、
図5に記載の直列ハイブリッド駆動構成の場合に使用される第2のマップの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
最初に、図は、本発明の実装形態に関して詳細に本発明を提示するが、これらの図は、もちろん、適切な場合、本発明をより良く定義するために使用され得ることに留意されたい。また、これらの図は、本発明がどのように実装され得るかの例を示すにすぎないことに留意されたい。最後に、同じ参照符は、図全体にわたって同じ要素を指定する。
【0022】
図1は、内燃機関2および電気モーター4を装備したパワートレインと、車輪8のセットにエンジントルクを伝達するための、少なくとも1つの自動化されたギヤボックス6を備えるシステムとを備える、ハイブリッド車両1を示す。
【0023】
とりわけ、電気モーター4は、1つまたは複数の車載バッテリーによって形成された電気的エネルギー貯蔵要素5によって電力供給される。
【0024】
必要な場合、ここでは示されていない例において、ハイブリッド車両は、高電圧スターターを形成する第2の電気モーターを採用してもよい。
【0025】
ハイブリッド車両は、少なくとも1つのパワートレイン動作パラメータ100を定義するように構成された制御ユニット12を備えるパワートレイン管理デバイス10を装備する。
【0026】
この動作パラメータ100は、内燃機関2のための速度および/またはトルク値からなり得るか、または動作パラメータ100は、自動化されたギヤボックス6のための比値からなり得る。
【0027】
この動作パラメータ100は、所与の瞬間における車両の状態を特徴づける入力データ7を考慮することによって、および考慮される入力データ7に基づいて動作パラメータ100のための選択基準を提供する、制御ユニット12内の車載モジュールに固有の管理法則を考慮することによって決定される。
【0028】
より詳細には、制御ユニット12は、少なくとも1つの消費管理モジュール16および音響学管理モジュール18を含む、数個の管理モジュール14を備える。示されている例では、制御ユニット12は、上記で陳述された消費および音響学管理モジュールに加えて、汚染制御管理モジュール20および運転快適性管理モジュール22をもつ4つの管理モジュール14を備える。
【0029】
各管理モジュール14は、他の管理モジュール14において実装されたマップとは別個であり、考慮される入力データおよび特定のマップまたはデータベースに基づいて動作パラメータのための選択基準26をモジュール出力として提供する、少なくとも1つの特定のマップ24またはデータベースを用いて実装される。マップ24、および入力データに基づく動作パラメータ選択基準26の例が、音響学管理モジュール18の詳細な説明の一部として以下でより詳細に説明される。
【0030】
制御ユニットは、管理モジュール14の出力においてリカバーされた様々な選択基準26を処理するように、およびそれゆえに、管理モジュールの基準によって課された制約の各々を満たすパワートレインの動作パラメータ100を決定するように構成された、エネルギー管理法則(EML)ソフトウェアプログラムによって駆動される。
【0031】
制御ユニットは、本発明による管理デバイス10に固有のセンサーからなり得るか、または車両のセンサー28、29によって測定されたデータをリカバーすることが可能な通信手段からなり得る、入力データリカバリー手段7をも備える。
【0032】
非限定的な例として、制御ユニット12内のエネルギー管理法則の入力データ7は、ドライバからの要求であって、これがブレーキ要求であるのか加速要求であるのかにかかわらない、ドライバからの要求であるか、外部または内部温度データであるか、あるいはたとえば、車両がそこで走行している道路の勾配を定義するためのナビゲーション情報であり得る。
【0033】
とりわけ、ドライバからの要求は、車両のアクセルペダルの押下、または代替的に、車両のブレーキペダルの押下の値によって決定され得る。温度データは、車両の温度センサー28を介して決定され得、ナビゲーション情報は、ナビゲーションソフトウェアから、または傾斜センサー29からリカバーされたデータであり得、これは、本発明の限定ではない。
【0034】
別の入力7は、バッテリーの充電状態SOCである。この他の入力データは、その入力データが、とりわけ、所与の管理モジュール14によって課された制約を修正することによって、および/または音響学管理モジュール18内の考慮されるマップ24を修正することによって、パワートレイン管理に関する他のデータとは異なる影響を有し得る限り、他の場所で説明される。
【0035】
すでに陳述されたように、エネルギー管理法則、すなわち、制御ユニットを駆動するソフトウェアは、3つの異なるレバー、すなわち、ギヤボックス比選択、内燃機関トルク値および電気モータートルク値に作用することができる。より詳細には、エネルギー管理法則は、車両においてそのときに使用されるハイブリッドパワートレインのタイプ、すなわち、内燃機関がギヤボックスを介して車輪のセットと直接係合しているか否かに応じた並列または直列ハイブリッド駆動に応じて、これらのレバーのうちの1つまたは別のものに作用する。
【0036】
管理モジュール14の各々は、許可または特権動作パラメータが、サポートされる管理のタイプとの相関性において定義されることを可能にする、マップまたはデータベースを用いて実装される。
【0037】
例として、所与の車両速度、ドライバによって命令された加速の程度、および車両の所与の車両環境コンテキストについて、消費管理モジュールは、ギヤボックス比または内燃機関速度が、低車両消費に貢献するパワートレイン動作を生成するように、ギヤボックス比または内燃機関速度を許可または禁止する。同様に、汚染制御管理モジュールおよび運転快適性管理モジュールは、他のギヤボックス比または他の内燃機関速度が、それぞれ、低CO2排出または所望の車両性能に貢献するパワートレイン動作を生成するように、同じコンテキストにおいて、他のギヤボックス比または他の内燃機関速度を許可または禁止することができる。
【0038】
本発明によれば、制御ユニットは、音響学管理モジュール18を備え、音響学管理モジュール18の機能は、音響不整合を制限するようにディメンションされたエネルギー管理法則制約にインジェクトすることである。この目的で、音響学管理モジュールは、数個のマップ24を用いて実装され、数個のマップ24のうちのいずれかは、電気エネルギー貯蔵要素の充電レベルに基づいて、および/またはハイブリッド車両によって現在実装されているハイブリッドパワートレインのタイプに基づいて管理モジュールによって考慮され得る。
【0039】
音響学管理モジュール18において実装されるマップ24の例が、いくつかの異なる例を介して、
図6~
図8を参照しながら以下でより詳細に説明される。
【0040】
音響学管理モジュール18において実装される各マップ24は、所与の車両速度または所与の車両加速における各ギヤ比またはエンジン速度について、観測される内燃機関騒音とユーザによって予想される理論上の騒音との間で発見される相違が、音響不整合を生成するかどうかをチェックするためのデシベルテストを用いて、テストベンチ上でまたはデジタル分析を介して経験的に蓄積される。
【0041】
パワートレインのエネルギー効率を最適化するために、エネルギー管理法則、すなわち、制御ユニットのソフトウェアは、とりわけ、パワートレインが、4または5速ギヤボックスを装備するとき、高いエンジン速度を暗示する、バッテリーをすばやく再充電するための内燃機関の高出力動作点を探す。
【0042】
音響学管理モジュールによってエネルギー管理法則に課される追加の制約により、または言い換えれば、音響学管理モジュールによって課される動作パラメータのための選択基準26により、エネルギー管理法則は、所望の動作点を達成するには低すぎるギヤボックス比を選択することを回避するように構成され得る。
【0043】
次に、
図2を参照しながら、管理デバイスがバッテリーの充電状態をそれに従って考慮する本発明の特徴が、より詳細に開示される。
【0044】
エネルギー管理法則EMLは、第1の段階101を開始し、第1の段階101中に、瞬間バッテリー充電状態値SOCが、第1のしきい値S1と比較される。瞬間値またはしきい値の様々な値は、とりわけ、総バッテリー充電のパーセンテージとして表され得、このコンテキストにおいて、第1のしきい値S1は、50%程度のものであり得る。
【0045】
瞬間値SOCが、第1のしきい値S1よりも大きい場合、車両は、全電気段階にあると見なされ得、電気的エネルギー貯蔵要素に給電するためにパワートレインの内燃機関を駆動することは必要でない。車両の電気段階は、内燃機関からの騒音を生成せず、音響不整合が、ユーザによって気づかれない。この場合、エネルギー管理法則EMLは、必要とされるトルクが電気モーターのみによって供給され、動作基準が少なくとも消費管理モジュール16によって生成される、第1の構成EML-1を仮定し、これは、電気モーターの動作のみに関係し、これにより、音響学管理モジュールに固有の制約を考慮に入れない。
【0046】
瞬間値SOCが、第1のしきい値S1よりも小さい場合、車両は、車両の臨界状態外でバッテリーを再充電するために内燃機関をその間に動かすことが望ましい、ハイブリダイゼーション段階にあると見なされ得る。
【0047】
次いで、第2の段階102が実行され、第2の段階102中に、バッテリーの瞬間充電状態値SOCは、第1のしきい値S1よりも厳密に低い第2のしきい値S2と比較される。例として、第2の値S2は、10%よりも小さく、より詳細には1%に等しくてもよい。言い換えれば、この第2のしきい値は、非常に放電されたバッテリーに対応する。
【0048】
瞬間値SOCが、第2のしきい値S2よりも大きい場合、車両は、パワートレインの内燃機関が、少なくとも電気的エネルギー貯蔵要素に給電するために、および必要な場合、さらに車両の車輪においてトルクを生成するのを助けるためにオンにされる、従来のハイブリダイゼーション段階にあると見なされ得る。電気的エネルギー貯蔵要素を再充電するこの段階において、特にギヤボックス比の数がせいぜい4または5程度であるとき、車両の瞬間速度および加速に一致するとドライバが直観的に思う騒音に対応しない騒音を生成する高回転のリスクがある。
【0049】
この場合、エネルギー管理法則EMLは、動作指示が、車輪に必要とされるトルクを伝えるために、電気モーターおよび内燃機関の両方に送られ、特定の内燃機関動作基準が、音響学管理モジュール18を含む数個の管理モジュール14によって生成される、第2の構成EML-2をとる。
【0050】
瞬間値SOCが、第2のしきい値S2よりも小さい場合、車両は、臨界自律性の状態にあると見なされ得、エネルギー管理法則は、重要度が電気エネルギーのリカバリーまたは保存に与えられる、優先モードに切り替わる。この場合、エネルギー管理法則EMLは、動作指示が、車輪に必要とされるトルクを提供するために、およびエネルギー貯蔵デバイスのための最大再充電エネルギーをもたらすために電気モーターおよび内燃機関の両方に送られ、音響学の概念が、この場合わきに置かれ、音響学管理モジュールによって課され得る制約が、制御ユニットおよびエネルギー管理法則によって無視される、第3の構成(EML-3)をとる。
【0051】
示されている例では、第1のしきい値S1は、50%程度のものであり、第2のしきい値S2は、1%程度のものであるが、しきい値は、車両のタイプに従って、とりわけ、車両上に存在する充電式バッテリーのタイプに従って変動し得ることに留意されたい。
【0052】
上記のことから、本発明によれば、音響考慮によって課された制約のエネルギー管理法則への含有は、バッテリー充電レベルに基づき、音響制約は、過度に低いバッテリー充電の場合に、車両自律性に関する優先の影響により考慮に入れられないことがある。
【0053】
代替的に、音響考慮によって課された制約のエネルギー管理法則への含有は、バッテリー充電レベル以外のパラメータに基づき、たとえば、構成要素信頼性(特定の構成要素によって許容できる最大温度、特定の構成要素の最大出力、特定の構成要素の最高速度)、あるいはドライバの要望、内燃機関汚染制御制約(たとえば、特定のトルク範囲において、または特定のギヤボックス比の場合にのみ行われ得る侵入診断法)などに対応する出力レベルから非限定的なやり方で選定され得る他の基準に基づき得る。
【0054】
次に、
図3を参照しながら、エネルギー管理法則が、上記で陳述された第2の構成EML-2においてどのように動作するか、すなわち、音響学管理モジュール18において実装されたマップ24が、パワートレインの動作パラメータ100を定義するために、管理デバイス10の制御ユニット12によってどのように考慮されるかをより詳細に説明する。
【0055】
この第2の構成EML-2において、音響学管理モジュール18は、パワートレインのための動作パラメータを定義するために介入し、この動作パラメータ100は、内燃機関動作速度とギヤボックス比との間で、ハイブリッドパワートレインのタイプ、および内燃機関がギヤボックスを介して車輪のセットと係合されるか否かに応じて変動することができる。
【0056】
これにより、この第2の構成におけるエネルギー管理法則の第1の動作ステップ201において、管理デバイス10は、パワートレインが第1の並列ハイブリッドモードM1にあるのか、第2の直列ハイブリッドモードM2にあるのかを決定する。
【0057】
第1の並列ハイブリッドモードM1において、パワートレイン構成は、
図4に示されているものと同一である。内燃機関は、内燃機関によって伝えられたエネルギーの一部分が、電気的エネルギー貯蔵要素5を再充電するために使用され、内燃機関によって伝えられたエネルギーの他の部分が、車輪にトルクを直接的に供給するために使用されるようなやり方で実装される。
【0058】
ギヤボックス比は、車輪のセットにトルクを伝達するために、内燃機関の出力軸と係合され、これにより、一方の内燃機関動作を他方の車両速度および加速にリンクする。
【0059】
音響学管理モジュール18は、その場合、第1のマップ241を使用し、第1のマップ241は、第1のマップ241が、ギヤボックスのギヤシフトに対して制約を課するという点で、より詳細には、制御ユニット12によって最終的に選定された比が、車両中のドライバおよび同乗者にとって音響不整合を生成しないように、第1のマップ241が、ギヤボックスがそれを下回って構成されてはならない最小比を課するという点で特有である。
【0060】
第1のマップ241の例が、
図6に示されている。パワートレインの動作パラメータ100は、表のx軸上に見られる所与の車両速度、および表のy軸上に見られる車両加速と対応するボックスの各々に入力され、ここでの加速は、最大加速のパーセンテージ、すなわち、適用可能な場合、ドライバによるアクセルペダルの最大押下のパーセンテージに対応する。
【0061】
ここでの各動作パラメータ100は、第1の比Rx、第2の比Ryまたは第3の比Rzの形態でここでは提示される、尊重されるべき最小ギヤ比である。
【0062】
例として、エネルギー管理法則の第2の構成EML-2において、第1のマップ241は、65km/h程度の車両速度について、音響学管理モジュール18が、65%程度の要求された加速について、比Rxよりも低いギヤボックス比を、および15%程度の要求された加速について、比Ryよりも低いギヤボックス比を制御ユニット12が選択するのを防ぐようなものである。
【0063】
動作パラメータの定義において課された制約は、次いで、制御ユニット12に送られ、制御ユニットソフトウェアを形成するエネルギー管理法則は、車両の運転条件に従って、尊重されるべき最小比Rx、Ry、Rzを考慮に入れる。
【0064】
上記で開示されたように、制御ユニット12は、他の管理モジュール14、とりわけ、消費管理モジュール16によって課された制約または推奨をも考慮に入れる。ギヤシフト法則、または言い換えれば、音響学管理モジュールにおいて実装され、第1の並列ハイブリダイゼーションモードM1において使用される第1のマップ241は、エネルギー管理法則および制御ユニット12が、音響学によって規定された基準を考慮に入れながら、ドライバによって望まれる速度および加速について、内燃および電気モーターの瞬間動作、すなわち、異なるモーターの間のトルクおよび速度の分布、ならびにそれゆえ、車両の燃料消費を最適化することを可能にし、所与の速度について、ギヤボックス比が低くなるほど、rpmは、ユーザにとって整合している騒音を誘起するために、高くなければならないことを理解されたい。
【0065】
第2の直列ハイブリッドモードM2において、パワートレイン構成は、
図5に示されているものと同一である。内燃機関は、車輪のセットから分離され、内燃機関によって伝えられるエネルギーが、必要な場合、高電圧スターターを形成する第2の電気モーターを介して、電気的エネルギー貯蔵要素5を再充電するために使用され、車輪へのトルクは、もっぱらメイン電気モーターによって供給されるようなやり方で実装される。
【0066】
ギヤ比が内燃機関と車輪のセットとの間で係合されないこの第2のモードにおいて、内燃機関速度および内燃機関トルクは、車両速度および加速とは無関係に設定され得る。
【0067】
音響学管理モジュール18は、その場合、前に陳述された第1のマップ241とは別個の、2つの他の特定のマップ242、243を使用する。
【0068】
より詳細には、音響学管理モジュール18は、第2のマップ242を使用し、第2のマップ242は、第2のマップ242が、ドライバによって要求された車両速度および車輪トルクに基づいて、内燃機関速度に対して制約を課し、最大内燃機関速度を指定するという点で特有である。目的は、エネルギー管理法則が、音響学管理モジュールによって課された制約が考慮に入れられることを可能にする第2の構成EML-2にある限り、制御ユニット12によって最終的に定義された内燃機関速度が、音響学管理モジュール18によって許可された最大値よりも低いことを保証することである。
【0069】
同様に、音響学管理モジュール18は、第3のマップ243を使用し、第3のマップ243は、第3のマップ243が、ドライバによって要求された車両速度および車輪トルクに基づいて、内燃機関トルクに対して制約を課し、最大内燃機関トルクを指定するという点で特有である。目的は、エネルギー管理法則が、音響学管理モジュールによって課された制約が考慮に入れられることを可能にする第2の構成EML-2にある限り、制御ユニット12によって最終的に定義された内燃機関トルクが、音響学管理モジュール18によって許可された最大値よりも低いことを保証することである。
【0070】
第2のマップ242の例が、
図7に示されており、第3のマップの例が、
図8に示されている。パワートレインの動作パラメータ100は、表のx軸上に見られる所与の車両速度、および表のy軸上に見られる必要とされる車輪トルクに対応する、これらのマップのボックスの各々に入力される。
【0071】
第2のマップ242において、各動作パラメータ100は、異なる連続する速度R1、R2、...、R6の形態でここでは提示される、尊重されるべき最大エンジン速度である。例として、エネルギー管理法則の第2の構成EML-2において、第2のマップ242は、40km/h程度の車両速度について、音響学管理モジュール18が、ゼロ車輪トルクについて、速度R1よりも大きい内燃機関速度を、および200Nm程度の車輪トルクについて、速度R5よりも大きい内燃機関速度を制御ユニット12が選択するのを防ぐようなものである。
【0072】
第3のマップ243において、各動作パラメータ100は、異なる連続する速度C1、C2、...、C9の形態でここでは提示される、尊重されるべき内燃機関の最大動作トルクであり、ここでの最大値動作トルクは、最大利用可能トルクのパーセンテージに対応する。例として、エネルギー管理法則の第2の構成EML-2において、第3のマップ243は、40km/h程度の車両速度について、音響学管理モジュール18が、400Nm程度の車輪トルクについて、最大利用可能トルクのC1%程度の動作トルク値よりも高い内燃機関動作トルクを、および1200Nm程度の車輪トルクについて、最大利用可能トルクのC6%程度の動作トルク値よりも高い内燃機関動作トルクを制御ユニット12が選択するのを防ぐようなものである。
【0073】
動作パラメータの定義において課された制約は、次いで、制御ユニット12に送られ、制御ユニットソフトウェアを形成するエネルギー管理法則は、車両の運転条件に従って、一方では、超えられるべきでない最高速度R1、...R6、および他方では、超えられるべきでない最大トルクC1、...C9を考慮に入れる。
【0074】
上記で開示されたように、制御ユニット12は、他の管理モジュール14、とりわけ、消費管理モジュール16によって課された制約または推奨をも考慮に入れる。パワートレイン動作パラメータを定義するための基準、すなわち、音響学管理モジュール18において実装されたマップ242、243によって課され、第2の直列ハイブリダイゼーションモードM2において使用される最大トルクおよび最大エンジン速度は、エネルギー管理法則および制御ユニット12が、音響学によって規定された基準を考慮に入れながら、ドライバによって望まれる速度および加速について、内燃および電気モーターの瞬間動作、すなわち、トルクおよび速度の分布、ならびにそれゆえ、車両の消費を最適化することを可能にする。
【0075】
直列ハイブリダイゼーションモードに関連するマップ242、243はまた、車両速度入力データが、値の所与の範囲内、たとえば、25km/hと60km/hとの間にあるとき、マップ242、243は、内燃機関速度などの動作パラメータが、同じ速度について並列ハイブリダイゼーションモードにおいて第1のマップによって課される比から得られる対応する動作パラメータに等しいかまたは実質的に等しいことを必要とするという点で特有であり得る。このようにして、特に、バッテリーの充電状態が、第1のしきい値S1の一方の側から他方の側へ変化したとき、あるハイブリダイゼーションモードから、ユーザにとって整合している、すなわち、音響不整合がない別のものに切り替わることが可能である。速度値のこの範囲は、車両に基づいて設定され得る。これは、並列ハイブリッドモードが、低いギヤ比のために、選定されたハイブリッド技術に固有である特定の速度を下回って動作することができないという事実によるものである。低速範囲において、並列ハイブリッドモードは不可能であり、高速範囲において、並列モードは、燃料消費を理由にほぼ体系的に選好され、約25~60km/hの間の中間範囲において、たとえば、2つのモードが共存することができ、音響学モジュールは、音響進歩性を保証するために、2つのモードの間の速度の連続性を提供する。
【0076】
本発明は、ちょうど開示されたように、それの述べられた目的を達成し、ハイブリッド車両パワートレインを管理するためのデバイスであって、ここにおいて、制御ユニットおよび関連するエネルギー管理法則が、音響学によって課された制約を考慮したパワートレイン動作パラメータを定義すること、とりわけ、車両速度および加速要求に同調した、顧客によって知覚されるエンジン騒音を保証することが可能である、デバイスを提供することを可能にする。
【0077】
もちろん、本発明は、本明細書において開示され、示された手段および構成に限定されず、任意の等価手段または構成およびそのような手段の任意の組合せにも、それらが本明細書において提示された特徴を有する限り、適用される。これにより、本発明に従って、音響学管理モジュールが、パワートレインのための動作パラメータの選定において音響制約を課するために、管理デバイスに提供される限り、ここで開示されない変形形態が、本発明のコンテキストから逸脱することなく実装され得る。
【0078】
本発明の可能性がある変形形態の非限定的な例として、音響学管理モジュールは、とりわけ、電気的エネルギー貯蔵要素の負荷レベルに基づいて動作パラメータの選定に課される制約を改良するために、開示され、示されたよりも多くのマップを用いてパラメータ化され得る。中間しきい値が設定され得、標準モードおよび低下モードマップが、電気的エネルギー貯蔵要素の充電レベルがこれらの中間しきい値を下回るのか上回るのかに応じて、選択的に考慮されるように実装され得る。
【国際調査報告】