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特表2025-500510糖転移酵素変異体、およびこれを利用したステビオール配糖体の製造方法
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  • 特表-糖転移酵素変異体、およびこれを利用したステビオール配糖体の製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-09
(54)【発明の名称】糖転移酵素変異体、およびこれを利用したステビオール配糖体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C12N 9/10 20060101AFI20241226BHJP
   C07K 16/40 20060101ALI20241226BHJP
   C07K 19/00 20060101ALI20241226BHJP
   C12P 19/00 20060101ALI20241226BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20241226BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
C12N9/10
C07K16/40 ZNA
C07K19/00
C12P19/00
C12N1/19
C12N1/21
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024538435
(86)(22)【出願日】2022-12-26
(85)【翻訳文提出日】2024-06-24
(86)【国際出願番号】 KR2022021327
(87)【国際公開番号】W WO2023121427
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】10-2021-0187435
(32)【優先日】2021-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500578515
【氏名又は名称】サムヤン コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110002837
【氏名又は名称】弁理士法人アスフィ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジョンミン
(72)【発明者】
【氏名】コ,ヒョクジン
(72)【発明者】
【氏名】ムン,ジュンホ
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ウンス
【テーマコード(参考)】
4B064
4B065
4H045
【Fターム(参考)】
4B064AF41
4B064CA01
4B064CA19
4B064CC24
4B065AA26X
4B065AA72X
4B065AA88Y
4B065AB01
4B065CA41
4H045AA10
4H045AA20
4H045BA09
4H045BA41
4H045CA30
4H045DA89
4H045EA01
4H045EA02
4H045FA74
(57)【要約】
本発明は、糖転移酵素変異体、およびこれを利用したステビオール配糖体の製造用組成物および製造方法に関し、さらに詳しくはステビオール配糖体にグルコースを転移するレバウジオシドの糖転移酵素および突然変異酵素、前記酵素を発現する組換え菌株、およびこれらを利用したステビオール配糖体のレバウジオシド製造方法に関する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号1のアミノ酸配列でN-末端から201番目および202番目のアミノ酸からなる群より選択された少なくとも一つ以上のアミノ酸が、セリンおよびバリンからなる群より選択された1種以上のアミノ酸で置換されたものである、ステビオール配糖体基質にグルコースを転移するuridine diphosphate-glucosyltransferase(UDP-glucosyltransferase)活性を有する酵素タンパク質。
【請求項2】
前記ステビオール配糖体基質が、ステビオシドおよびレバウジオシドAからなる群より選択される1種以上である請求項1に記載の酵素タンパク質。
【請求項3】
前記酵素タンパク質が、2時間~24時間の酵素反応でレバウジオシドAの45重量%以上をレバウジオシドDに転換する活性を有するものである請求項1に記載の酵素タンパク質。
【請求項4】
前記酵素タンパク質が、2時間~24時間の酵素反応で、配列番号1のアミノ酸配列を含む野生型酵素のレバウジオシドA基質をレバウジオシドDに転換する活性100%を基準に、101%以上である請求項1に記載の酵素タンパク質。
【請求項5】
請求項1に記載のUDP-glucosyl transferase酵素タンパク質とsucrose synthase酵素タンパク質が連結された融合タンパク質。
【請求項6】
前記sucrose synthaseが、Arabidopsis thaliana、Solanum lycopersicum、Glycine max、Nicotiana tabacum、およびThermosynechococcus elongatusからなる群より選択された1種以上の微生物由来sucrose synthaseである請求項5に記載の融合タンパク質。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の酵素タンパク質を暗号化する遺伝子を含む組換え微生物。
【請求項8】
前記微生物が、大腸菌、サッカロマイセス属微生物、およびピキア属微生物からなる群より選択される請求項7に記載の組換え微生物。
【請求項9】
請求項1~4のいずれか一項に記載のUDP-glucosyl transferase酵素タンパク質、前記酵素タンパク質を発現する組換え微生物、前記微生物の菌体、前記微生物の菌体破砕物、前記微生物の培養物、およびこれらの抽出物からなる群より選択された1種以上を含むステビオール配糖体製造用組成物。
【請求項10】
前記組成物が、ステビオシドおよびレバウジオシドAからなる群より選択される1種以上を含む基質を追加的に含む請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物が、ステビオシドおよびレバウジオシドAを含む混合基質である請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物が、レバウジオシドDまたはレバウジオシドEをレバウジオシドM(Reb)に転換する酵素を追加的に含む請求項9に記載の組成物。
【請求項13】
前記Reb Mに転換する酵素が、ステビア由来のUGT76G1である請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記UDP-glucosyl transferase酵素タンパク質が、sucrose synthase酵素タンパク質が連結された融合タンパク質である請求項9に記載の組成物。
【請求項15】
前記組成物が、グルコースドナー(glycosyl donor)を含む請求項9に記載の組成物。
【請求項16】
前記組成物が、グルコースドナーはUDP-グルコースである請求項9に記載の組成物。
【請求項17】
sucrose synthase酵素タンパク質を追加的に含むか、sucrose synthase酵素タンパク質が、UDP-glucosyl transferase酵素タンパク質と融合タンパク質で提供される場合、前記組成物が、sucroseとUDPを含む請求項9に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、糖転移酵素、およびこれを利用したステビオール配糖体の製造用組成物および製造方法に関し、さらに詳しくはステビオール配糖体にグルコースを転移するレバウジオシドの糖転移酵素、前記酵素を発現する組換え菌株、およびこれらを利用したステビオール配糖体のレバウジオシド製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
甘味料は、食品、飲料、または菓子産業で最も一般的に利用される成分として知られている。甘味料は、製造の間の最終食品産物に組み込まれたり、または単独用途で適切に希釈させた際に、食卓甘味料またはベ-キングにおける砂糖の代用品として家庭で利用することができる。甘味料は、例えばスクロース、高果糖コーンシロップ、糖蜜、メープルシロップ、および蜂蜜のような天然甘味料、そして例えばアスパルテーム、サッカリンおよびスクラロース(sucralose)のような人工甘味料を含む。
【0003】
ステビア(Stevia)抽出物は、多年生低木であるステビアレバウジアナ(Stevia rebaudiana)から抽出できる天然甘味料である。様々なレベルで精製されたステビア抽出物は、食品およびブレンドで高感度調味料として使用されたり単独で食卓甘味料として市販される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ステビア植物の抽出物は、レバウジオシドおよび甘味に寄与するその他ステビオール配糖体を含有するが、従来の市販製品は主にレバウジオシドAであり、少量のレバウジオシドC、D、およびFのようなその他グリコシドがある。植物から抽出したステビア抽出物は、異臭(off-flavors)の原因になる誘導された化合物のような汚染物質を含有し得る。このような異臭は、選択された食品システムまたは用途によっては、問題になる可能性がある。
そして、ステビア抽出物の組成物は、植物が成長する土壌および気候によって非常に多様である。原料植物、気候条件、および抽出工程により、商業的製造過程においてレバウジオシドAの量は総ステビオールグリコシド含有量の20~97%と多様であると報告される。他のステビオールグリコシドがステビア抽出物内に多様な量で存在する。
ステビア植物から製造されたステビア抽出物は、様々なステビオール配糖体と異臭の原因になる化合物を含有しており、回収および精製が労働集約的であり非効率的であるため、Reb DおよびReb Mのような高収率が望まれるステビオールグリコシドを蓄積できる組換え製造システムが依然として求められている。このために、効率性が良い酵素の開発は依然として必要である。また、商業的用途のための組換え宿主からステビオールグリコシド(steviol glycoside)であるReb Mの製造のためのReb Dの改善された製造に対する要求も依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一例は、ステビオール配糖体にグルコースを転移する糖転移酵素、前記酵素タンパク質を暗号化する核酸分子、前記核酸分子を含む組換えベクター、および形質転換微生物に関する。
【0006】
本発明の一例は、前記ステビオール配糖体にグルコースを転移する糖転移酵素タンパク質、前記酵素タンパク質を発現する組換え微生物、前記微生物の菌体、前記微生物の菌体破砕物、前記微生物の培養物、およびこれらの抽出物からなる群より選択された1種以上を含む、ステビオール配糖体の製造用組成物に関する。
【0007】
本発明の一例は、前記ステビオール配糖体にグルコースを転移する糖転移酵素タンパク質、前記酵素タンパク質を発現する組換え微生物、前記微生物の菌体、前記微生物の菌体破砕物、前記微生物の培養物、およびこれらの抽出物からなる群より選択された1種以上を、前記酵素の基質と反応する工程を含むステビオール配糖体の製造方法に関する。
【0008】
本発明の一例は、前記ステビオール配糖体にグルコースを転移する時必要な補助因子が活性型のグルコースであるUDP_Glucoseを供給し、グルコース転移を通じたステビオール配糖体を製造する方法に関する。
【0009】
本発明の追加の一例は、前記ステビオール配糖体にグルコースを転移する時必要な補助因子が、活性型のグルコースを提供しようとUDPとsucroseを提供し、sucrose synthaseを追加的に含んで、グルコース転移を通じたステビオール配糖体を製造する方法に関する。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るUDP-グルコシル転移酵素タンパク質は、従来知られているUGTに比べてステビオール配糖体の複数の基質に作用する基質特異性を有し、反応副産物を作らない長所があり、前記酵素タンパク質、前記酵素タンパク質を発現する組換え微生物、前記微生物の菌体、前記微生物の菌体破砕物、前記微生物の培養物、およびこれらの抽出物からなる群より選択された1種以上と、ステビオシドおよびReb Aからなる群より選択された1種以上の基質をグルコースドナーの存在下で反応して、ステビオール配糖体を製造することができ、ステビオール配糖体は高甘味度甘味料として様々な食品、飲料などに添加して使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一例に係るReb Dに転換する酵素を産生する酵母菌株の製造のためのベクターの開裂地図(cleavage map)である。
図2】本発明の一例に係るReb Dに転換する酵素の反応生成物をHPLC分析で分析して得られた結果グラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
本発明の一例は、ステビオール配糖体にグルコースを転移する糖転移酵素に関するものであって、さらに詳しくはUDP-グルコシル転移酵素(すなわち、ウリジン二リン酸グルコシル転移酵素、UGTと略称する)である。
【0013】
具体的に、本発明に係るUDP-グルコシル転移酵素は、配列番号1のアミノ酸配列でN-末端から201番目および202番目のアミノ酸からなる群より選択された少なくとも一つ以上のアミノ酸が、セリンおよびバリンからなる群より選択された1種以上のアミノ酸で置換された変異酵素であってもよい。詳しくは、前記変異酵素は、配列番号1のアミノ酸配列でN-末端から201番目のトレオニンがセリンで置換、202番目のバリンがロイシンで置換、または201番目のトレオニンがセリンで置換と202番目のバリンがロイシンで置換されたものを含み、さらに詳しくは配列番号3のアミノ酸配列を含むことができる。
【0014】
また前記変異酵素を暗号化するポリヌクレオチド配列は、配列番号1のアミノ酸配列でN-末端から201番目のトレオニンがセリンで置換、202番目のバリンがロイシンで置換または201番目のトレオニンがセリンで置換と202番目のバリンがロイシンで置換されたものを含み、さらに詳しくは配列番号3のアミノ酸配列によって暗号化されるポリヌクレオチド配列を含むことができる。配列番号3のアミノ酸配列または前記アミノ酸配列を暗号化するポリヌクレオチド配列を含む変異酵素である。
【0015】
本発明に係る変異酵素TaUGTm(T201S)は、配列番号1の野生型酵素アミノ酸配列でN-末端から201番に位置するThrがSerで置換されたものであり、例えばACCがTCAで置換され、TaUGTm(V202L)は201番に位置するValがLeuで置換されたものであり、例えばGTAがTTAで置換されたものであり、またはTaUGTm(T201SV202L)は、配列番号1の野生型酵素アミノ酸配列でN-末端から201番および202番のアミノ酸に該当するThr-ValがSer-Leuで置換されたものであり、さらに詳しくは配列番号2のポリヌクレオチド配列でACCGTAがTCATTAで置換されるものであってもよい。
【0016】
本発明のさらに他の例によれば、前記変異型UDP-グルコシル転移酵素は、配列同一性が92%以上、95%以上、97%以上または99%以上のアミノ酸配列を含むことができ、酵素タンパク質と相応する効能を示すアミノ酸配列であれば、一部の配列が欠失、変形、置換または付加されたアミノ酸配列を含む変異型酵素タンパク質も含む。ただし、前記変異型UDP-グルコシル転移酵素は、配列番号1のアミノ酸配列からなる野生型酵素を含まない。
【0017】
前記変異型UDP-グルコシル転移酵素を暗号化するポリヌクレオチド配列と配列同一性が40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、95%以上、97%以上または99%以上のポリヌクレオチド配列によって暗号化されるものであってもよい。ただし、前記変異型UDP-グルコシル転移酵素は、配列番号2のポリヌクレオチド配列からなる野生型酵素を含まない。
【0018】
前記において、用語「相同性」または「一致性」は、与えられたアミノ酸配列またはポリヌクレオチド配列と一致する程度を意味し、百分率で表示される。本明細書において、与えられたアミノ酸配列またはポリヌクレオチド配列と同一または類似の活性を有するその相同性配列は「%相同性」または「%同一性」と表示される。
【0019】
前記変異型酵素は、配列番号1のアミノ酸配列を含む野生型酵素のレバウジオシドA(Reb A)基質をレバウジオシドD(Reb D)に転換する活性100%を基準に、101%以上、例えば101%~200%の活性を有するものであってもよい。すなわち、酵素の活性向上のために突然変異による酵素改良を実施し、Reb DとReb Eの生産速度を向上させ、第2UDP-グルコシル転移酵素、例えばステビア由来のUGT76G1と反応してレバウジオシドM(Reb M)を生産することができる。これにより、酵素転換反応をReb DとReb Eの生産性を増加させ、これを利用してReb Mという高機能性ステビオール配糖体を高い生産性で製造することができる。
【0020】
本発明に係るUDP-グルコシル転移酵素は、グルコースドナーの存在下でステビオシドおよびReb Aからなる群より選択される1種以上の基質からステビオール配糖体、例えばReb DおよびReb Eからなる群より選択される1種以上に転換する活性を有し、さらに詳しくはReb AをReb Dに転換し、ステビオシドをReb Eに転換することができ(下記反応式1参照)、Reb Aおよびステビオシドの単独基質または混合基質に対しては全て転換活性を有する。
【0021】
【化1】
【0022】
前記反応式1に示したように、Reb AからReb Dに転換するのは、ステビオール環(Steviol ring)でbeta1-2glycoside bondを通じてグルコースを転移するもので、主にステビオール環の19番位置で糖化が起こったステビオール配糖体を生成する。ステビオール配糖体は、グルコース(Glucose)がβ結合で1~3個が結合されたものである。ステビオール配糖体は、ステビアレバウジアナベルトニ(Stevia rebaudiana Bertoni)の葉で発見される化合物の部類であり、これらはC13およびC19位置に炭水化物残基の存在によって異なる単一塩基(single base)であるステビオールにより構造的に区別される。ステビオール配糖体は、一般にステビオシド、レバウジオシドA(Reb A)、レバウジオシドB、C、D、E、FおよびMなどを含むが、これらに限られない。
【0023】
Reb AからReb Dへの転換反応は、グルコース1分子がさらに添加される反応でUGT酵素によって起こる。この反応に必要なグルコースは、活性形態のUDP-グルコースが必要であり、UGT酵素がUDP-グルコースでグルコースを転移してステビオール配糖体を製造する。したがって、本発明に係るUDP-グルコシル転移酵素とUDP-グルコースを生成できるSucrose Synthase(SUS)酵素と融合された融合タンパク質に関する。
【0024】
好ましくは、UDP-グルコースは、高価な補助基質であり、より安価な供給を必要とする。Sucrose Synthase(SUS)酵素は、sucroseを分解してフルクトースとUDP-グルコースを作る酵素である。したがって、Reb AからReb Dに転換する反応、あるいはステビオシドからReb Eに転換する反応にSUS酵素を追加して、UDPとsucroseを供給し、最終的にUGT酵素にUDP-Glucoseを供給すれば、より経済的にUDP-Glucoseを供給し反応を進行することができる。前記SUS酵素は、本発明に係るUDP-グルコシル転移酵素を含むステビオール配糖体製造用組成物にそれ自体で、または本発明に係るUDP-グルコシル転移酵素と融合タンパク質形態で提供することができる。
【0025】
例えば、UGTとSUSを融合タンパク質で製造して前記転換反応を行うと、二つの反応が一つのチャンネルを形成して酵素反応が一括して起こり得るため、効果的な転換反応を起こすことができる。また、TaUGT_SUS融合酵素を利用する場合、基質に対して1/10のUDPを使用して転換が可能であり、UDPの場合RA40に対して1/100より低い量を利用した反応が可能である。前記融合酵素を利用した転換反応を通じて経済的な基質転換が可能であり、高濃度基質反応によるステビオール配糖体を生成することができる。
【0026】
前記sucrose synthaseは、Arabidopsis thaliana、Solanum lycopersicum、Glycine max、Nicotiana tabacum、およびThermosynechococcus elongatusからなる群より選択された1種以上の微生物由来sucrose synthaseであるがこれに限られない。さらに詳しくは前記sucrose synthaseは、Arabidopsis thaliana由来SUS1酵素であり、例えば配列番号4のアミノ酸配列を含むことができ、配列番号4のアミノ酸配列によって暗号化されるポリヌクレオチド配列または配列番号5のポリヌクレオチド配列を有するものであってもよい。
【0027】
本発明に係るUDP-グルコシル転移酵素は、直接またはリンカーを介してsucrose synthaseと融合することができる。前記リンカーは、アミノ酸4~15個で構成されたペプチドであるが、さらに詳しくはG(Gly)、S(Ser)およびP(Pro)からなる群より選択された1種以上のアミノ酸を4個~15個含むものであり、具体的にGGGS(配列番号7)、GGGGS(配列番号8)、GGGSGGGGS(配列番号9)、GGGGSGGGGSGGGGS(配列番号10)、またはGGGGPSPGGGGS(配列番号11)であってもよい。
【0028】
本発明の具体的な一例において、本発明に係るUDP-グルコシル転移酵素と、リンカー(GGGGSG)を介してArabidopsis thaliana由来SUS1酵素と連結された融合タンパク質であり、具体的に配列番号7のアミノ酸配列を含むか、または配列番号7のアミノ酸配列によって暗号化されるポリヌクレオチド配列または配列番号8のポリヌクレオチド配列を有することができる。
【0029】
本発明に係る変異型UDP-グルコシル転移酵素は、2時間~24時間の酵素反応で、Reb Aの45重量%以上がReb Dに転換する活性を有し、具体的にReb Aの45重量%以上、50重量%以上、70重量%以上、75重量%以上、80重量%以上、85重量%以上、または95重量%以上が、Reb Dに転換する活性を有し、好ましくは70重量%以上、75重量%以上、80重量%以上、85重量%以上、または95重量%以上が、Reb Dに転換する活性を有する。さらに詳しくは前記酵素の転換活性は、温度30℃、pH7.2および150rpmの条件で測定されたものである。前記Reb D転換率(%)は、下記数式1によって計算され、詳しい事項は実施例4に記載されている。
Reb D転換率(%)=Reb DのHPLC peak area/全体HPLC peak area (数式1)
【0030】
本発明に係る変異型UDP-グルコシル転移酵素は、配列番号1のアミノ酸配列を有する野生型酵素に比べて、2時間~24時間の酵素反応でReb A基質をReb Dに転換する活性として、Reb Dの相対転換率が101%以上、103%以上、105%以上、107%以上、108%以上、109%以上、または110%以上を有し、より好ましくは105%以上、107%以上、108%以上、109%以上、110%以上、115%以上、120%以上または125%以上を有する。前記酵素の転換活性は、30℃、pH7.2および150rpmの条件で測定されたものである。前記酵素のReb A単独基質からRed Dに転換する前記酵素のReb D転換率は、前記数式1に従って計算する。詳しい測定基準は下記実施例4に記載されている。
【0031】
また、変異型UDP-グルコシル転移酵素は、ステビオシドおよびReb Aを含む混合基質で2時間~24時間の酵素反応で、ステビオシドおよびReb Aを含む混合基質の50重量%以上、60重量%以上、70重量%以上、79重量%以上、80重量%以上、81重量%以上、82重量%以上、83重量%以上、85重量%以上、または87重量%以上が、Reb DおよびReb Eに転換する活性(Reb D/E合計転換率)を有する。さらに詳しくは前記酵素の転換活性は、30℃、pH7.2および150rpmの条件で測定されたものである。
【0032】
本発明に係る変異型UDP-グルコシル転移酵素は、配列番号1のアミノ酸配列を有する野生型酵素に比べて、ステビオシドおよびReb Aを含む混合基質で2時間~24時間の酵素反応で、Reb Aおよびステビオシドを含む混合基質の50重量%以上がReb DおよびReb Eに転換する活性(Reb D/E合計転換率)を、Reb A基質をReb Dに転換する活性とステビオシドをReb Eに転換する活性の合計活性として、Reb D/Eの相対転換率が103重量%以上、105重量%以上、106重量%以上、108重量%以上、109重量%以上、または110重量%以上を有する。さらに詳しくは前記酵素の転換活性は、30℃、pH7.2および150rpmの条件およびrebaudiosideA:STE(stevioside)=40:60を有する混合基質を使用して測定されたものである。前記酵素のReb D/E合計相対転換率は、野生型酵素のReb D/E転換率100重量%を基準に換算した野生型酵素のReb D/E転換率を意味する。すなわち、混合基質に対するReb D/Eに転換する前記酵素のReb D/E合計転換率は、下記数式2に従って計算し、酵素のReb D/Eの相対的合計転換率は、野生型酵素のReb D/E合計転換率100重量%を基準に換算した変異型TaUGT酵素のReb D/E合計転換率を意味する。
Reb D/E転換率(%)=Reb D/EのHPLC peak area/全体HPLC peak area (数式2)
【0033】
本発明に係るUDP-グルコシル転移酵素の野生型酵素は、植物由来の酵素を探索して得られた、Triticum aestivum由来の酵素に関する。前記タンパク質の機能を明らかにしてUGT酵素活性を確認し、ステビオシドまたはReb Aを、それぞれReb EまたはReb Dに転換する酵素活性を確認した。
【0034】
高甘味度を有するReb Dは、ステビア植物体に少量存在する糖であり、Reb Aから生成され、この生成過程に関与する周知の酵素は、ステビアのUGT91D2である。これと類似の活性を有する酵素が、米に存在するEUGT11酵素である。ステビアのUGT91D2の場合、ステビオールグリコシドのReb AをReb Dに転換する活性を有するが、転換活性が低く、高濃度のReb Mを高収率で製造するには困難がある。
【0035】
また、従来に知られたUGT酵素は、ステビア(Stevia rebaudiana)から由来するUGT、稲(Oryza sativa)から由来するUGT(以下、EUGT11という)、大麦(Hordeum vulgare)から由来するUGT(以下、HvUGTという)がある。本発明に係るUDP-グルコシル転移酵素、従来に知られたEUGT11およびHvUGTに比べてステビオール配糖体の複数の基質に作用する基質特異性を有し、反応副産物を作らない長所がある。前記EUGT11酵素のアミノ酸配列を配列番号12に示し、ポリヌクレオチド配列は配列番号13に示す。前記HvUGT酵素のアミノ酸配列を配列番号14に示し、ポリヌクレオチド配列は配列番号15に示している。
【0036】
前記配列番号1のアミノ酸配列を有する野生型酵素は、HvUGTおよびEUGT11とアミノ酸配列と配列同一性を分析した結果、HvUGTとは91%、EUGTとは66%のアミノ酸配列同一性を有し、ポリヌクレオチド配列同一性を分析した結果、HvUGTとは36%、EUGT11とは37%のポリヌクレオチド配列同一性を有すると分析された。
【0037】
本発明に係るUDP-グルコシル転移酵素は、反応温度10~50℃およびpH5.0~9.0の水系中で行うことができる。好ましくは、反応を温度25~40℃およびpH6.0~8.0の水系(aqueous system)中で、より好ましくは反応を温度30℃およびpH7.2の水系中で行うことができる。発明の好ましい一例によれば、反応をpH7.2のリン酸緩衝液中で行うことができる。本発明の一例は、ステビオール配糖体にグルコースを転移する糖転移酵素タンパク質を暗号化する核酸分子、前記核酸分子を含む組換えベクターおよび形質転換微生物に関する。
【0038】
前記ステビオール配糖体にグルコースを転移する糖転移酵素タンパク質は、UDP-グルコースを生成できるSucrose Synthase(SUS)酵素と融合された融合タンパク質で発現できるように、融合タンパク質を暗号化する核酸分子で提供することができ、前記UDP-グリコシル転移酵素と直接またはリンカーを介して連結される。前記グルコースを転移する糖転移酵素タンパク質、SUS酵素、これらの融合タンパク質については上述した通りである。
【0039】
本発明によれば、組換え微生物または細胞は、微生物細胞であり、好ましくは大腸菌、サッカロマイセス属菌株、例えばサッカロマイセスセレビジエ(Saccharomyces cerevisiae)またはピキア属菌株などを含むが、これに限られない。
【0040】
本明細書において、用語「形質転換」は、標的タンパク質を暗号化する核酸を含むベクターを宿主細胞内に導入して、宿主細胞内で前記核酸が暗号化するタンパク質が発現できるようにすることを意味する。形質転換された核酸は、宿主細胞内で発現することができる限り、宿主細胞の染色体内に挿入されて位置するか、染色体外に位置するかに関係なしにこれら全てを含むことができる。また、前記核酸は、標的タンパク質を暗号化するDNAおよびRNAを含む。前記核酸は、宿主細胞内に導入されて発現できるものであれば、いかなる形態で導入されてもよい。例えば、前記核酸は、自ら発現するのに必要なすべての要素を含む遺伝子構造体の発現カセット(expression cassette)の形態で宿主細胞に導入される。前記発現カセットは、通常前記核酸に作動可能に連結されているプロモーター(promoter)、転写終結シグナル、リボソーム結合部位および翻訳終結シグナルを含むことができる。前記発現カセットは、自己複製が可能な発現ベクター形態であってもよい。また、前記核酸は、それ自体の形態で宿主細胞に導入され、宿主細胞での発現に必要な配列と作動可能に連結されているものであり、これに限られない。
【0041】
本出願で使用されるベクターは特に限定されず、当業界に知られている任意のベクターを利用することができる。通常使用されるベクターの例としては、天然状態または組換え状態のプラスミド、コスミド、ウイルスおよびバクテリオファージが挙げられる。細胞内染色体挿入用ベクターを介して目的ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを染色体内に挿入することができる。前記ポリヌクレオチドの染色体内への挿入は、当業界に知られている任意の方法、例えば、相同組換え(homologous recombination)によって行われるが、これに限定されない。前記染色体挿入の有無を確認するための選別マーカ(selection marker)を追加的に含むことができる。
【0042】
また、前記において用語「作動可能に連結」されたとは、本発明の目的タンパク質を暗号化する核酸の転写を開始および媒介するようにするプロモーター配列と前記遺伝子配列が機能的に連結されていることを意味する。
【0043】
本発明の一例によるステビオール配糖体にグルコースを転移する糖転移酵素タンパク質を暗号化する核酸分子を含む組換えベクターの一例は、図1の開裂地図に示されている。例えば、本発明に係る酵素を暗号化する核酸分子と、前記核酸分子に連結されて作動可能な転写調節配列としてGAL10プロモーターおよびCYC1ターミネーターなどを含むことができる。前記転写プロモーターは、GAL10、GAL1、GAL2、TEF1、GPD1、およびTDH3プロモーターなどを含むことができ、前記転写ターミネーターは、CYC1、TEF1およびPGK1などを含むことができる。
【0044】
本発明のベクターを形質転換させる方法は、核酸を細胞内に導入する方法も含まれ、宿主細胞に応じて、当分野に公知の通り適した標準技術を選択して行うことができる。例えば、電気穿孔法(electroporation)、リン酸カルシウム(CaPO4)沈澱、塩化カルシウム(CaCl2)沈澱、マイクロインジェクション法(microinjection)、ポリエチレングリコール(PEG)法、DEAE-デキストラン法、カチオン性リポソーム法、および酢酸リチウム-DMSO法などがあるが、これに制限されない。
【0045】
本発明の一例は、前記ステビオール配糖体にグルコースを転移する糖転移酵素タンパク質、前記酵素タンパク質を発現する組換え微生物、前記微生物の菌体、前記微生物の菌体破砕物、前記微生物の培養物、およびこれらの抽出物からなる群より選択された1種以上を含む、ステビオール配糖体の製造用組成物に関する。
【0046】
前記ステビオール配糖体の製造用組成物は、ステビオシドおよびReb Aからなる群より選択される1種以上を含む基質を追加的に含むことができ、例えばステビオシドまたはReb A単独基質、またはこれらの混合基質であってもよい。前記混合基質は、ステビオシドまたはReb Aを混合したり、ステビオシドまたはReb Aを含むステビア抽出物(またはステビア)であってもよい。前記基質または反応原料は、具体的にレバウジオシドAがステビア抽出物全体体積基準に、50~70(v/v)%、50~65(v/v)%、50~62(v/v)%、55~70(v/v)%、55~65(v/v)%、55~62(v/v)%、58~70(v/v)%、58~65(v/v)%または58~62(v/v)%、例えば、60(v/v)%の含有量で含まれ、ステビオシドが、ステビア抽出物全体体積基準に30~50(v/v)%、30~45(v/v)%、30~42(v/v)%、35~50(v/v)%、35~45(v/v)%、35~42(v/v)%、38~50(v/v)%、38~45(v/v)%または38~42(v/v)%、例えば、40(v/v)%の含有量で含まれるが、これに制限されない。
【0047】
前記ステビオール配糖体の製造用組成物は、Reb DまたはReb Eを、Reb Mに転換する酵素を追加的に含むことができ、例えば第2UDP-グリコシル転移酵素であり、具体的にステビア由来のUGT76G1などを含む。
【0048】
前記組成物は、グルコースドナーを追加的に含むことができ、例えばUDP-グルコースまたはUDP-グルコースを生成できる糖類を含む。
【0049】
前記組成物は、グルコースドナーの一例であるUDP-グルコースを生成できるSucrose Synthase(SUS)酵素とその基質は砂糖(sucrose)を追加的に含むことができる。本発明の一例において、前記ステビオール配糖体にグルコースを転移する糖転移酵素タンパク質がSUS酵素タンパク質と融合タンパク質で提供され、この場合、SUS酵素タンパク質と砂糖を必要とせずステビオール配糖体を製造することができる。
【0050】
前記培養物は、UDP-グルコシル転移酵素を産生する微生物から産生された酵素を含むもので、前記菌株を含むか、菌株を含まない無細胞(cell-free)形態であってもよい。前記破砕物は、UDP-グルコシル転移酵素を産生する微生物の菌体を破砕した破砕物、または前記破砕物を遠心分離して得られた上澄み液を意味し、前記UDP-グルコシル転移酵素を産生する微生物から産生された酵素を含むものである。
【0051】
前記菌株の培養物は、前記UDP-グルコシル転移酵素を産生する微生物から産生された酵素を含み、前記微生物菌体を含むか、または含まない無細胞(cell-free)形態であってもよい。本明細書において、別途の言及がない限り、使用されるUDP-グルコシル転移酵素を産生する微生物は、前記菌株の菌体、前記菌株の培養物、前記菌体の破砕物、前記破砕物の上澄み液、およびこれらの抽出物からなる群より選択された1種以上を含むものを意味する。
【0052】
前記ステビオール配糖体製造用組成物を利用してステビオール配糖体を製造する場合、UDP-グルコシル転移酵素または酵素を産生する微生物を利用した反応温度および反応pH条件は、前記酵素の反応温度および反応pH条件で上述した通りである。
【0053】
本発明の一例は、前記ステビオール配糖体にグルコースを転移する糖転移酵素タンパク質、前記酵素タンパク質を発現する組換え微生物、前記微生物の菌体、前記微生物の菌体破砕物、前記微生物の培養物、およびこれらの抽出物からなる群より選択された1種以上を、前記酵素の基質と反応する工程を含むステビオール配糖体の製造方法に関する。
【0054】
前記製造されたステビオール配糖体は、Reb DおよびReb Eからなる群より選択された1種以上であるか、またはReb Mであってもよい。
【0055】
本発明の一例は、前記製造されたステビオール配糖体は、Reb DおよびReb Eからなる群より選択された1種以上である場合であり、具体的に本発明に係るUDP-グルコシル転移酵素タンパク質、前記酵素タンパク質を発現する組換え微生物、前記微生物の菌体、前記微生物の菌体破砕物、前記微生物の培養物、およびこれらの抽出物からなる群より選択された1種以上と、ステビオシドおよびReb Aからなる群より選択された1種以上の基質をグルコースドナーの存在下で反応する工程を含む、Reb DおよびReb Eからなる群より選択された1種以上のステビオール配糖体を製造する方法に関する。
【0056】
本発明の追加的な一例は、前記製造されたステビオール配糖体は、Reb Mである場合であり、具体的に本発明に係るUDP-グルコシル転移酵素タンパク質、前記酵素タンパク質を発現する組換え微生物、前記微生物の菌体、前記微生物の菌体破砕物、前記微生物の培養物、およびこれらの抽出物からなる群より選択された1種以上と、ステビオシドおよびReb Aからなる群より選択された1種以上の基質をグルコースドナーの存在下で反応して、Reb DおよびReb Eからなる群より選択された1種以上のステビオール配糖体を製造する工程、および
前記製造されたステビオール配糖体、第2UDP-グルコシル転移酵素タンパク質、前記酵素タンパク質を発現する組換え微生物、前記微生物の菌体、前記微生物の菌体破砕物、前記微生物の培養物、およびこれらの抽出物からなる群より選択された1種以上と、グルコースドナーの存在下で反応する工程を含む、ステビオール配糖体のReb Mの製造方法に関する。
【0057】
前記Reb Mの製造工程で使用された第2UDP-グルコシル転移酵素タンパク質は、UGT76G1などであってもよい。
【0058】
前記ステビオール配糖体を製造する工程で提供されるグルコースドナーは、UDP-グルコースであってもよく、これは化合物で提供されたり、砂糖とSucrose Synthase(SUS)酵素で提供される。SUS酵素は、砂糖を分解してフルクトースとUDP-グルコースを作る酵素である。したがって、Reb AからReb Dに転換する反応、あるいはステビオシドからReb Eに転換する反応にSUS酵素を導入して、UGT酵素にUDP-グルコースを供給すれば、より経済的にUDP-グルコースを供給し反応を進行することができる。またUGTにSUSを融合タンパク質で製造して前記転換反応を行うと、二つの反応が一つのチャンネルを形成し、酵素反応が一つで起こるため、効果的な転換反応を起こすことができる。前記SUS酵素およびUGTとSUSの融合タンパク質については上述した通りである。
【0059】
本発明に係るステビオール配糖体の製造方法は、製造周期を顕著に短縮し、生産能力を向上させ、低コストで純度の高い製品を提供することができるため、食品、飲料業界によって経済的に利用することができる。
【0060】
本発明に係るUDP-グルコシル転移酵素タンパク質の基質は、ステビア抽出物でReb Aを50%含み、抽出物のステビオール多糖体の比率は90%を占めた基質であり、例えばSINOCHEM(中国)社のステビア抽出物でReb Aを50%含み、抽出物のステビオール多糖体の比率は90%を占めた基質を利用して酵素転換を行うことができる。
【0061】
本発明に係るUDP-グルコシル転移酵素タンパク質、前記酵素タンパク質を発現する組換え微生物を利用して製造されたステビオール配糖体は、高甘味度甘味料として、様々な食品、飲料などに添加して使用されたり単独で食卓甘味料として市販される。
【実施例
【0062】
本発明を下記実施例を挙げてさらに詳しく説明するが、本発明の範囲が下記例示的な実施例の範囲に限られない。
【0063】
実施例1 野生型酵素を発現する微生物作製
1-1: 野生型酵素を発現するベクター作製
Triticum aestivum由来配列番号1のアミノ酸配列を有する野生型酵素タンパク質をコードする遺伝子を合成(Gblock synthesis)し、合成された遺伝子のポリヌクレオチド配列は配列番号2に示す。合成された遺伝子は発現が可能な形態を作るためにS.cerevisiaeで発現するplasmidにsubcloningした。
具体的に、タンパク質の活性を確認するために製造したvectorはS.cerevisiaeで選別が可能なUraauxotrophic marker(選別マーカ)を含むpRS426 vectorを使用し、promoterとしては、GAL10 promoterを使用し、terminatorはCYC1を使用した。
このplasmidに新しく合成した(IDT、gBlock)配列番号2の遺伝子をクローニングした。TaUGT遺伝子のクローニングのために、GAL10 promoter(配列番号16)とcyc1 terminatorB(配列番号17)と重なるようにプライマー対(配列番号19および配列番号19)を作製し、PCR増幅を通じて酵素遺伝子を増幅し、Gibson assembly(HIFi DNA master mix、NEW ENGLAND BIOLABS)を通じて遺伝子をサブクローニングした。サブクローニングしたプラスミド形態の遺伝子は、大腸菌(DH5a)に形質転換して選別および増幅し、増幅されたプラスミドの配列を分析して該当酵素の発現遺伝子が正確にサブクローニングされたことを確認した。
【0064】
【表1】
【0065】
S.cerevisiae CENPK2-1c(Euroscarf)に遺伝子を導入する形質転換方法は、LiAc(Lithium Acetate)を0.1M処理して熱衝撃により導入した。導入された菌株は、SC_Ura培地で選別し、選別されたコロニーは培養を通じて酵素の活性を確認した。
【0066】
製造された組換えプラスミドをS.cerevisiae CENPK2-1c(Euroscarf)菌株に形質転換した。SC-Ura固体培地(SC_Ura培地+2%agar)で選別マーカを通じて遺伝子カセット挿入された組換え菌株を選別した。SC-Ura固体培地の組成は、YNB6.7g/L、Drop out mix0.7g/L、Glucose50g/Lおよびagar20g/Lを含み、pHを6.0に調整した。
【0067】
1-2: 組換え微生物の培養
実施例1-1で製造されたPlasmidが形質転換された酵母をURA-drop out mixを利用したSC(synthetic complete)培地で選別し、選別された酵母は液体培養を通じて酵素発現を誘導した。
具体的に、SC_Ura固体培地で選別されたコロニーを3mLSC_Ura液体培地が含まれた試験管に接種し、一夜培養した。培養した菌体の濃度をOD600吸光度の測定により確認し、25mLのSC-Ura液体培地を入れた250mLフラスコにOD600吸光度が最終的に0.1(final)になるように接種し、24時間1次培養(30℃、240rpm)した。1次培養した菌体の酵素発現を誘導するために、YPG培地を同量添加して24時間2次培養した。前記2次培養した菌体は、遠心分離(4,000rpm、10min)を行って集めた。SC_Ura液体培地の組成は、YNB(yeast nitrogene base)6.7g/L、Drop-out mix g/L、Glucose g/LおよびMES mMを含み、NaOHを利用して培地pHを6.0に調整した。前記YPG培地組成は、Bacto peptone20g/L、Yeast Extract10g/L、Galactose20g/LおよびPhosphate buffer(sodium salt)100mMを含み、培地のpHを6.0に調整した。
【0068】
1-3: EUGT11およびHvUGTを発現する微生物製造
既存の活性が知られているOryza sativa由来EUGT11遺伝子(配列番号13)とHordeum vulgare由来HvUGTの遺伝子(配列番号15)を合成(Gblock synthesis)し、TaUGT遺伝子と同様に遺伝子を増幅し、pRS426 vectorにクローニングした。同じ条件で酵素発現を誘導するために、promoterはGAL10 promoterを使用し、terminatorはCYC1を使用した。
具体的に、GAL10 promoterと連結するEUGT11の正方向プライマー(配列番号20)、CYC1 terminatorと連結するEUGT11の逆方向プライマー(配列番号21)、GAL10 promoterと連結するHvUGTの正方向プライマー(配列番号22)、およびCYC1 terminatorと連結するHvUGTの逆方向プライマー(配列番号23)を使用した。前記製造された酵素産生遺伝子カーセットを前記表1でScはSaccharomyces cerevisiaeを意味する。
その後、実施例1-1および1-2の方法と実質的に同じ方法でS.cerevisiae CENPK2-1c(Euroscarf)に形質転換し、菌株選別および微生物培養を行った。
【0069】
1-4: 酵素活性評価
実施例1-2および実施例1-3で得られた組換え菌株の培養物で菌体を遠心分離(4,000rpm、10min)して回収した。前記回収した菌体を10mL集めて同量の水で2回洗浄した。前記洗浄された菌体を100mM Phosphate buffer(pH7.2)に再懸濁し、OD600値が100になるようにした後、0.4~0.6mm粒径を有するglass bead(Sigma)の100mg量をcap tubeに入れ、100mM Phosphate buffer(pH7.2)を1ml添加した。菌体をbead beaterで30秒間5回繰り返して破砕した。前記菌体破砕液を冷蔵状態で遠心分離(13,000rpm、15min)して上澄み液を助酵素液として得た。
酵素活性評価のための反応液は基質Reb A(95%、Sinochem)、MgCl2およびUDP-Glucoseを含み、これに前記助酵素液0.1mLを添加して全体反応体積0.5mLを製造し、前記最終反応液で基質Reb A(95%、Sinochem)2g/L、MgCl23mM、およびUDP-Glucose4mMになるようにした。前記製造された反応液に対して温度30℃、pH7.2および150rpmの条件で酵素反応を行い、反応開始後、3時間と18時間にそれぞれ試料を採取して、反応時間に応じた反応程度を確認した。
前記酵素反応液を5分間沸騰させて酵素反応を終了し、遠心分離(13,000rpm、10min)して得られた上澄み液を分析して酵素反応生成物を確認した。具体的に、酵素反応生成物の分析は、HPLC-Chromatographyを利用して分析して生成物の転換比率を確認した。前記組換え菌株の菌体破砕物から得られた助酵素液は、Reb A基質をReb Dに転換する活性を示すため、Reb Dの生成比率を確認して活性を測定した。
具体的に、転換生成物のHPLC分析に使用されたcolumnは、UG120(C18250mm×46mm、5um 110 A particle、Shideido)を利用し、分析は210nmで確認した。移動相は0.01%TFA(Trifluoroacetic acid、Sigma)を含む水とアセトニトリルをそれぞれ利用してGradientで分析し、移動相は1mL/minで流し、合計40分分析して確認した。前記HPLC分析条件を下記表2に示した。
【0070】
【表2】
【0071】
前記転換生成物のHPLC分析グラフは表3に示す。下記表3に示されたReb A単独基質からRed Dに転換する前記酵素のReb D転換率は、下記数式1に従って計算し、酵素のReb D相対転換率は、EUGT11のReb D転換率100%を基準に換算したTaUGTまたはHvUGT酵素のReb D転換率を意味する。
Reb D転換率(%)=Reb DのHPLC peak area/全体HPLC peak area (数式1)
【0072】
【表3】
【0073】
表3に示したように、酵素反応による転換率は、初期3時間反応の結果、TaUGTはEUGT11と類似するようにReb AのReb D転換を40~45%転換し、HvUGT(30~35%転換)よりも30%程度の活性向上を有する酵素であることを確認した。
また、18時間の酵素反応液の生成されたReb D含有量分析結果、三つの酵素の転換率大きさの順序が3時間反応と類似した傾向性を示した。
前記TaUGT酵素のポリヌクレオチド配列を(株)マクロジェンのポリヌクレオチド配列分析サービスを通じて分析し、ポリヌクレオチド配列に基づいてアミノ酸配列を分析し、その結果、アミノ酸配列は配列番号1に示し、ポリヌクレオチド配列は配列番号2に示す。
【0074】
実施例2 酵素変異体を発現する微生物作製
2-1: 酵素変異体発現のためのベクター作製
実施例1のTaUGT酵素の突然変異を開発するために、既存のEUGT11遺伝子を基本にして突然変異を探索した。Alignmentを通じてconserved regionを確認し、UGTのN-termのsugar acceptorとC-termのsugar donor機能をするdomainの間の位置にアミノ酸の差を比較した。そのうち201番残基のトレオニンと202番残基のバリンの場合(EUGT11ではセリンと、ロイシンアミノ酸が位置)トレオニンはセリンに、バリンはアラニンまたはロイシンに変えた。突然変異方法は、TaUGTの該当位置のprimerを合成(配列番号24および25)して該当部位のポリヌクレオチド配列を変える突然変異遺伝子増幅(PCR)を実施し、増幅された遺伝子断片をGibson assemblyを介してpRS426 vectorにクローニングした。
結果として得られたpRS426 vectorにクローニングされたTaUGTT201S/V202Lと命名した。本実施例で使用したプライマ-の配列は下記表4に記載した。
【0075】
【表4】
【0076】
2-2: 酵素変異体発現菌株作製
実施例1-2と実質的に同じ方法で、酵素の発現を確認するために、pRS426 vectorにクローニングされたTaUGTT201S/V202Lは、LiAc方法で同様に酵母菌株に形質転換して選別した。形質転換された菌株は、実施例1-2の方法と実質的に同じ方法で培養した。前記実施例2-1で製造されたPlasmidが形質転換された酵母をURA-drop out mixを利用したSC(synthetic complete)培地で選別し、選別された酵母は、液体培養を通じて酵素発現を誘導した。
【0077】
実施例3: 酵素変異体の酵素活性評価
実施例2-2で得られた組換え菌株の培養物で菌体を遠心分離(4,000rpm、10min)して回収した。前記回収した菌体を10mL集めて同量の水で2回洗浄した。前記洗浄された菌体を100mM Phosphate buffer(pH7.2)に再懸濁し、OD600値が100になるようにした後、0.4~0.6mm粒径を有するglass bead(Sigma)100mg量をcap tubeに入れ、100mM Phosphate buffer(pH7.2)を1ml添加した。菌体をbead beaterで30秒間5回繰り返して破砕した。前記菌体破砕液を冷蔵状態で遠心分離(13,000rpm、15min)して上澄み液を助酵素液として得た。
酵素活性評価のための反応液は、基質Reb A(95%、Sinochem)、MgCl2およびUDP-Glucoseを含み、これに前記助酵素液0.1mLを添加して全体反応体積0.5mLを製造し、前記最終反応液で基質Reb A(95%、Sinochem)2g/L、MgCl23mM、およびUDP-Glucose4mMになるようにした。前記製造された反応液に対して温度30℃、pH7.2および150rpmの条件で酵素反応を行い、反応開始後、3時間と18時間にそれぞれ試料を採取して反応時間に応じた反応程度を確認した。
前記酵素反応液を5分間沸騰させて酵素反応を終了し、遠心分離(13,000rpm、10min)して得られた上澄み液を分析して酵素反応生成物を確認した。具体的に、酵素反応生成物の分析は、HPLC-Chromatographyを利用して分析して生成物の転換比率を確認した。前記組換え菌株の菌体破砕物から得られた助酵素液は、Reb A基質をReb Dに転換する活性を示すため、Reb Dの生成比率を確認して活性を測定した。
具体的に、転換生成物のHPLC分析に使用されたcolumnは、UG120(C18250mm×46mm、5um 110 A particle、Shiseido)を利用し、分析は210nmで確認した。移動相は、0.01%TFA(Trifluoroacetic acid、Sigma)を含む水とアセトニトリルをそれぞれ利用してGradientで分析し、移動相は1mL/minで流し、合計40分の分析で確認した。前記HPLC分析条件を下記表4に示した。前記転換生成物のHPLC分析グラフは図2に示す。下記表4に示されたReb A単独基質からRed Dに転換する前記酵素のReb D転換率は、下記数式1に従って計算し、酵素のReb D相対転換率は、野生型酵素のReb D転換率100%を基準に換算したTaUGT変異型酵素のReb D転換率を意味する。
Reb D転換率(%)=Reb DのHPLC peak area/全体HPLC peak area (数式1)
【0078】
前記TaUGTの変異酵素とReb A基質を含む反応液を利用して酵素反応を18時間行い、得られた転換生成物をHPLC分析法で分析した。前記HPLC分析法で利用したTaUGTの変異酵素の活性分析結果は、下記表5および図2に示す。図2は、TaUGTの変異酵素の利用したReb D転換反応の反応生成物を分析したHPLCグラフである。
【0079】
【表5】
【0080】
実施例4 混合基質を利用した酵素転換
菌体を100mM Phosphate buffer(pH7.2)に再懸濁し、OD600値が100になるようにした後、0.4~0.6mm粒径を有するglass bead(Sigma)100mg量をcap tubeに入れ、100mM Phosphate buffer(pH7.2)を1ml添加した。菌体をbead beaterで30秒間5回繰り返して破砕した。前記菌体破砕液を、冷蔵状態で遠心分離(13,000rpm、15min)して上澄み液を助酵素液として得た。
酵素活性評価のための反応液は、基質RA40(Reb A(rebaudiosideA:STE(stevioside)=40:60、Sinochem)、MgCl2およびUDP-Glucoseを含み、これに実施例3に係る助酵素液0.2mLを添加して全体反応体積0.5mLを製造し、前記最終反応液で基質RA40(Reb A:STE=40:60、Sinochem)2g/L、MgCl23mM、およびUDP-Glucose4mMになるようにした。前記製造された反応液に対して温度30℃、pH7.2および150rpmの条件で酵素反応を行い、反応開始後、18時間に反応程度を確認した。実施例3の方法と実質的に同じ方法で、前記転換生成物はHPLC分析法で分析した。
下記表6に示されたRA40混合基質に対するReb D/Eに転換する前記酵素のReb D/E合計転換率は、下記数式2に従って計算し、酵素のReb D/Eの相対的合計転換率は、EUGT11の全Reb D/E合計転換率100%を基準に換算したTaUGT酵素のReb D/E合計転換率を意味する。
Reb D/E転換率(%)=Reb D/EのHPLC peak area/全体HPLC peak area (数式2)
【0081】
【表6】
【0082】
前記実験の結果、Threonine201番をSerineに変えた突然変異酵素の場合、野生型酵素を基準に相対転換率が106%であり、Threonine201番のSerineへ、Valine202番のLeucineへの変形を全て含む2重突然変異酵素は、野生型酵素を基準に相対転換率が114%に増加し、これにより、突然変異によって活性が向上する残基を確認し、活性が増加された変異酵素を確保した。
【0083】
実施例5 TaUGT_SUS融合酵素作製および活性確認
実施例3で活性向上が確認されたTaUGT_T201SV202L(TaUGTm)変異酵素を利用したステビオール配糖体の糖転移反応のために、必要なグルコースドナー(UDP-Glucose)を供給しようと、sucrose synthase(SUS1、Arabidopsis thaliana由来)酵素と融合タンパク質を製造した。
前記TaUGT_T201SV202L(TaUGTm)変異酵素を暗号化する核酸配列は下記表7の配列番号30の核酸配列であり、sucrose synthase(SUS1、Arabidopsis thaliana由来)は下記表7の配列番号5の核酸配列を使用した。
【0084】
【表7-1】
【0085】
【表7-2】
【0086】
融合酵素の作製はprimerを合成してTaUGTmとSUSとの間に連結アミノ酸配列をリンカー(GGGGSG、配列番号8)を使用し、それぞれの遺伝子は該当位置のprimerを合成(配列番号26、配列番号27)して、当該部位の塩基配列増幅(PCR)を実施した。
遺伝子増幅反応(PCR)を実施して増幅された遺伝子断片をGibson assemblyを通じて、pRS426 vectorにクローニングしてpRS426TaUGTm_SUSを作製した。前記使用されたSUS酵素タンパク質のアミノ酸配列は配列番号4に示し、前記酵素タンパク質を暗号化するヌクレオチド配列は、配列番号5に示し、前記融合酵素タンパク質のアミノ酸配列を配列番号6に示す。また、前記融合タンパク質製造に使用されたリンカー配列は、GGGGSG(配列番号8)を有し、前記SUS1酵素タンパク質のアミノ酸およびヌクレオチド配列、および使用されたプライマ-情報は下記表8に示す。
【0087】
【表8】
【0088】
実施例1-2と同様な方法で、前記作製された融合酵素発現ベクターは酵母に形質転換した後選別して確保した。
実施例1-3と実質的に同じ方法で前記培養した菌体の破砕液を利用して助酵素液を製造した。具体的に、実施例3と実質的に同じ方法で、組換え菌株の培養物で遠心分離を利用して回収した菌体を回収し、glass beadで菌体を破砕して助酵素液として使用した。
具体的に、反応液は、基質RA40反応基質(90重量%純度)、MgCl2およびUDP、sucroseを混合し、これにTaUGTm_SUS融合酵素の助酵素液をそれぞれ0.1mLを添加して全体反応体積0.5mLを製造し、前記最終反応液でRA40反応基質10g/L、MgCl21mM、およびUDP1mM、Sucrose125mMになるようにした。前記製造された反応液に対して温度30℃、pH7.2および150rpmの条件で酵素反応を行い、20時間反応して酵素転換を確認した。
前記実施例1-4と実質的に同じ方法で、反応液の転換生成物はHPLC分析法で分析して確認し、融合酵素の場合、UDPを利用したUDP_Glucose供給によってRA40(Reb A:STE=40:60)をReb D/Eに転換したことを確認した。STEはステビオシドを示す。
【0089】
反応前基質100重量%に対して、初期融合酵素の転換反応で33重量%程度の基質がReb D/Eに転換された。混合基質(RA40(Reb A:STE=40:60))の転換反応により、Reb D(D誘導体含む)とReb Eは、それぞれ21.7%と12.1%に転換された。融合酵素の砂糖を利用したUDP_Glucose生成とこれを利用した基質の糖化により、ステビオール配糖体転換を確認し、基質の量と反応条件最適化により、酵素の転換反応を増加させることが可能であることを確認した。
融合酵素を利用した転換の場合、RA40(Reb A:STE=40:60)の転換のために、10g/L基質の場合、約10mMに該当する基質に転換反応する場合、10~20mM以上のUDP_Glucoseが必要である。したがって、高濃度多量の転換をする場合、高価のUDP_Glucoseの過剰量が必要である。高濃度基質を利用した酵素反応する場合、UDP_Glucoseを過剰に使用すべきで、UDP_Glucose過剰量によって酵素活性を阻害するため好ましくない。
本実験によれば、TaUGT_SUS融合酵素を利用する場合、基質に対して1/10のUDPを使用して転換が可能であり、UDPの場合、RA40に対して1/100よりも低い量を利用した反応が可能である。融合酵素を利用した転換反応を通じて、経済的な酵素転換が可能であり、高濃度基質反応によるステビオール配糖体の生成が誘導されることを確認した。
図1
図2
【配列表】
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【国際調査報告】