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特表2025-500511医薬品グレードのローズベンガルの光力学的抗グラム陽性菌活性
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-09
(54)【発明の名称】医薬品グレードのローズベンガルの光力学的抗グラム陽性菌活性
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/352 20060101AFI20241226BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20241226BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20241226BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
A61K31/352
A61K9/08
A61P31/04
A61P43/00 125
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024538438
(86)(22)【出願日】2022-12-27
(85)【翻訳文提出日】2024-06-21
(86)【国際出願番号】 US2022054061
(87)【国際公開番号】W WO2023129535
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】63/294,252
(32)【優先日】2021-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510293969
【氏名又は名称】プロヴェクタス ファーマテック,インク.
(71)【出願人】
【識別番号】512018287
【氏名又は名称】ユニバーシティ オブ テネシー リサーチ ファウンデーション
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100093300
【弁理士】
【氏名又は名称】浅井 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 七重
(72)【発明者】
【氏名】ミチオ クロス
(72)【発明者】
【氏名】ドミニク ロドリゲス
(72)【発明者】
【氏名】エドワード ブイ. パーシング
(72)【発明者】
【氏名】ブルース ホロヴィッツ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン 三世、 レイシー
(72)【発明者】
【氏名】エリック エー. ワクター
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA12
4C076AA36
4C076AA53
4C076BB01
4C076BB11
4C076CC31
4C076CC32
4C076CC44
4C076EE16
4C076EE32
4C076EE33
4C076EE38
4C076FF67
4C086AA01
4C086AA02
4C086BA08
4C086GA13
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA17
4C086MA21
4C086MA34
4C086MA52
4C086MA55
4C086MA66
4C086NA06
4C086NA07
4C086ZB35
4C086ZC71
(57)【要約】
この発明は、ローズベンガル(RB)誘導体と細菌の光照射とを組み合わせて使用して、照射された細菌を治療し殺すことを意図する。一態様では、グラム陽性菌は、本明細書中で考察した式Iのローズベンガル(RB)化合物を含む、約0.2から約3.1μg/mLで溶解又は分散させた水性医薬組成物と細菌を接触させる方法で治療される。接触させた細菌は、約1から約10分間、約500nmから約600nmの波長の光と接触させて、約0.7から約7.2J/cmの光量を与える。約2から約15μMの濃度のRB化合物を含む水性医薬組成物を使用して、バークホルデリア、サルモネラ、及びプロテウスのうちの1つ以上であるグラム陰性菌を治療する同様の方法が意図される。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グラム陽性菌を治療する方法であって、
a)前記グラム陽性菌を、以下の式Iのローズベンガル(RB)化合物を含む、約0.2から約3.1μg/mLの濃度で溶解又は分散させた水性医薬組成物と接触させるステップと、
b)前記接触させた菌に約1から約10分間、波長約500nmから約600nmの光を照射して、約0.7から約7.2J/cmの光量を与えるステップと
を含み、
【化1】
式中、Xが酸素又は窒素であり、「n」がゼロ又は1であり、Xが酸素である場合に、nがゼロでRが存在せず、Xが窒素である場合に、nが1でRが存在し、
Xが酸素である場合に、Rが、水素(H)、薬学的に許容されるカチオンであるM、C-Cアルキル、及び以下に定義する芳香環からなる群から選択され、
Xが窒素である場合に、R及びRが同じか又は異なり、水素、C-Cアルキル、又は5若しくは6員環を形成するアミド窒素原子と共に、及び以下に定義する芳香環からなる群から選択され、
前記芳香環が、5若しくは6員を含む単環、又は5、6若しくは6、6縮合芳香環系であり、前記芳香環又は環系が、独立して窒素、酸素若しくは硫黄である0、1又は2個のヘテロ環原子を含む方法。
【請求項2】
前記RB化合物がローズベンガルジナトリウムである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記グラム陽性菌が、薬剤感受性及び薬剤耐性のS.アウレウス、S.エピダーミス、E.フェカーリス及びE.フェシウムのうちの1つ以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記グラム陽性菌が、枯草菌、セレウス菌、及び唾液連鎖球菌のうちの1つ以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記グラム陽性菌が、接触したときに哺乳類細胞内又は細胞上に存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記グラム陽性菌がバイオフィルムとして存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記グラム陽性菌が、約2から約5分間照射されて約1.4から約3.6J/cmの光量を与える、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記芳香環置換基が、
【化2】
のうちの1つ以上からなる群のうちの1つ以上から選択され、
式中、
【化3】
である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
バークホルデリア、サルモネラ、及びプロテウスのうちの1つ以上からなる群から選択されるグラム陰性菌を治療する方法であって、
a)前記グラム陽性菌を、以下の式Iのローズベンガル(RB)化合物を含む、約2から約15μMの濃度で溶解又は分散させた水性医薬組成物と接触させるステップと、
b)前記接触させた菌に約1から約10分間、波長約500nmから約600nmの光を照射して、約0.7から約7.2J/cmの光量を与えるステップと
を含み、
【化4】
式中、Xが酸素又は窒素であり、「n」がゼロ又は1であり、Xが酸素である場合に、nがゼロでRが存在せず、Xが窒素である場合に、nが1でRが存在し、
Xが酸素である場合に、Rが、水素(H)、薬学的に許容されるカチオンであるM、C-Cアルキル、及び以下に定義する芳香環からなる群から選択され、
Xが窒素である場合に、R及びRが同じか又は異なり、水素、C-Cアルキル、又は5若しくは6員環を形成するアミド窒素原子と共に、及び以下に定義する芳香環からなる群から選択され、
前記芳香環が、5若しくは6員を含む単環、又は5、6若しくは6、6縮合芳香環系であり、前記芳香環又は環系が、独立して窒素、酸素若しくは硫黄である0、1又は2個のヘテロ環原子を含む方法。
【請求項10】
前記グラム陽性菌が、接触したときに哺乳類細胞内又は細胞上に存在する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記グラム陽性菌が、約2から約5分間照射されて約1.4から約3.6J/cmの光量を与える、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
多剤耐性(MDR)グラム陽性菌の出現の高まりは、公衆衛生上の大きな脅威の1つである[1-3]。特に、ブドウ球菌、腸球菌、及び連鎖球菌種のMDR株は、罹患率と死亡率に大きな影響を与える[4]。これらの病原体の極めて重要な抗菌剤(例えば、β-ラクタム、マクロライド、アミノグリコシド、フルオロキノロン、グリコペプチド、オキサゾリジノン、環状ペプチド、デプシペプチド)に対する耐性率の増加は、大きな懸念事項である[5]。現在まで、MDR細菌性病原体による感染症の治療を目的とした後期臨床試験で検討された新規化学物質はほとんどない[6]。
【0002】
天然由来の染料及び合成染料が抗菌剤や抗原虫剤として応用されてきた[7]。例えば、メチレンブルーやクロファジミンは今でも重要な希少疾病用医薬品と考えられている[8、9]。
【0003】
商用グレードのローズベンガル(RB)
ローズベンガル(RB)は、ウール染料として19世紀に初めて合成され、その後日本において食用色素(食用赤色105号)として使われた明るいローズレッドのキサンテン誘導体化合物である[28]。より具体的には、RBはキサンテン化合物フルオレセインの誘導体である。フルオレセインと比較すると、RBは、2種類の追加のハロゲン、すなわち4つの塩化物置換基及び4つのヨウ化物置換基を有する。
【0004】
RBを人間の眼表面損傷の視覚的診断(点眼による)に使用することは、1914年に初めて記述された[29]。RBは後に、100mgの単回投与後のヒトの肝臓の機能的能力を評価するための静脈内投与の比較的迅速な診断補助として導入された[30]。1971年には、131I RB(Robengatope(登録商標)、ローズベンガルナトリウム131I注射液(USP)が、肝機能を判断する際の診断補助薬として使用するために米国食品医薬品局(FDA)によって承認された[31、32]。
【0005】
2009年、Robengatopeの製造業者であるBracco Diagnostics Inc.は、肝臓画像診断のより新しい方法(コンピュータ断層撮影など)の出現により、RB製品を米国市場から正式に撤退させた。1974年、Barnes-Hind Pharmaceuticals Inc.(Barnes-Hind)は、角膜損傷の染色、角膜炎、角結膜炎、乾性角膜炎の診断、及び眼内異物の検出を目的とした1%RB水溶液の医療機器製品を導入した[33]。1981年、Barnes-Hindは同じ適応症に対して同じ濃度の眼科用ストリップを導入した。両製品は米国食品医薬品局(FDA)に販売が認められたものの、溶液及びストリップ機器もそれぞれの主張も、導入が正式なFDAの審査及び承認より前であったため承認されなかった。
【0006】
市販されている染料含有量が80%から95%のRB(総汚染物質と物質関連の不純物を含む)である商用グレードのRBは、1880年代にGnehmにより開発された歴史的プロセスを用いて製造される。診断用途に使用されるRBは、いくらかの不純物を含む商用グレードのRBであると考えられている[34]。米国薬局方(USP)は以前、RBを分析標準としてリストしていた。RBは2019年にUSPから削除された。したがって、商用グレードのRBは、現代の診断設定及び治療設定との関連性を欠いている。したがって、RBをヒトの疾患の治療に適用することを検証することは、重大な規制上の課題をもたらす。
【0007】
ローズベンガル(RB)染料(4、5、6、7-テトラクロロ-2'、4'、5'、7'-テトラヨードフルオレセイン)は、黒色腫及びその他の固形癌の治療のために臨床的に研究されている[10-14]。RBの光力学的抗菌性は散発的に報告されている[15-27及び70]。例えば、Dees et al.[75]は、1~10μMのRBを500~600nmの波長帯の緑色光照射と組み合わせて、グラム陽性及びグラム陰性の抗生物質耐性菌に使用することを教示しているが、光源、その強度又は照射時間についての詳細は記載されていない。その開示では、腫瘍の治療に200mW/cmの強度で100J/cmの532nm光とRBを使用するという報告があった(テーブル3)。
【0008】
ここでは、純粋なRBの抗菌活性と、光の存在下及び非存在下でのMDRグラム陽性菌感染症の治療のための抗菌剤としての範囲と限界を報告する。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、ローズベンガル誘導体と、約1から約10分間の波長約500nmから約600nmの光を細菌に照射することを併用して、照射した細菌を処理し殺すことを意図する。一態様では、グラム陽性菌は、細菌を、約0.2から約3.1μg/mLの濃度で溶解又は分散させた、以下の式Iのローズベンガル(RB)化合物を含む水性医薬組成物と接触させるステップと、接触させた細菌に約1から約10分間、波長約500nmから約600nmの光を照射して、約0.7から約7.2J/cmの光量を与えるステップとを含む方法で治療される。式IのRB化合物を以下に示す。
【0010】
【化1】
【0011】
ここで、Xは酸素又は窒素であり、「n」はゼロ又は1であり、Xが酸素の場合、nはゼロでRは存在しないのに対して、Xが窒素の場合、nは1でRが存在する。Xが酸素の場合、Rは、水素(H)、薬学的に許容されるカチオンであるM、C-Cアルキル、及び後に本明細書で定義される芳香環含有置換基からなる群から選択される。Xが窒素の場合、R及びRは同じか又は異なり、水素、C-Cアルキル、又は5若しくは6員環を形成するアミド窒素原子と共に、及び芳香環置換基からなる群から選択される。芳香環置換基は、5若しくは6員を含む単環、又は5、6若しくは6、6縮合芳香環系であり、芳香環又は環系置換基は、独立して窒素、酸素若しくは硫黄である0、1又は2個のヘテロ環原子を含む可能性がある。
【0012】
例示的な芳香環置換基の構造式を以下に示す。
【0013】
【化2】
【0014】
治療するグラム陽性菌の例としては、薬剤感受性及び薬剤耐性のS.アウレウス、S.エピダーミス、E.フェカーリス及びE.フェシウムのうちの1つ以上、並びに枯草菌、セレウス菌、及び唾液連鎖球菌のうちの1つ以上が挙げられる。グラム陽性菌は、接触した場合又はバイオフィルムとして存在する場合に、哺乳類細胞内又は細胞上に存在する。好ましくは、細菌は、約2から約5分間照射されて、約1.4から約3.6J/cmの光量を与える。
【0015】
同様の方法が、バークホルデリア、サルモネラ、及びプロテウスのうちの1つ以上であるグラム陰性菌を治療するのにも検討される。ここで、上記RB化合物は、水性医薬組成物中に約2から約15μMの濃度で溶解又は分散して存在する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本開示の一部を構成する図面において、
【0017】
図1A】6つの部分(図1A図1B図1C図1D図1E、及び図1F)に分かれたテーブル1であり、蛍光灯、LEDライト、(窓ガラス越しの)太陽光で照明した場合及び暗所の場合の、0.9N塩化ナトリウムの水溶液に溶解したさまざまな濃度のローズベンガルジナトリウム(RBD)に接触したグラム陽性菌及びグラム陰性菌の増殖の最小発育阻止濃度(MIC)を示す。すべての試験を三重に行った。MIC値は、リサズリン又はマラカイトグリーンを使用したOD及び比色分析によって測定した。細菌はATCCから購入するか、BEI Resources(BEI Resources、American Type Culture Collection、米国バージニア州マナサス)から入手した。17W、63.8cmの蛍光灯を使用した。MICは24時間(h)の処理(23.0KJ/cm)の後に測定した。9.5W、28.3cmのLEDライトを使用した。MICは24時間の処理(29.0KJ/cm)の後に測定した。試験は、テネシー大学健康科学センター(UTHSC)薬学部5階のBSL-2実験室で実施された。96ウェルプレートは実験室の東側に置かれ、建築窓から差し込む日光にさらされた。試験は9時間後に終了した(午前8時~午後5時、晴れ、34℃(屋外)、27℃(屋内))。試験は暗室で実施された。96ウェルプレートはアルミホイルで覆われていた。MIC値は24時間後に測定された。“g”=MICは測定されなかった。
図1B図1Bは、図1Aの説明と同一である。
図1C図1Cは、図1Aの説明と同一である。
図1D図1Dは、図1Aの説明と同一である。
図1E図1Eは、図1Aの説明と同一である。
図1F図1Fは、図1Aの説明と同一である。
図2】寒天希釈及び液体希釈によって蛍光灯で照明したRBDと接触させた11種の細菌株のMIC及び最小殺菌濃度(MBC)を示す。すべての試験を三重に行った。MIC値はコロニー形成単位(CFU)を数えることによって決定した。細菌は、上記のようにATCCから購入するか、BEI Resourcesから入手した。17W、63.8cmの蛍光灯を使用した。MICは24時間(h)の処理(23.0KJ/cm)の後に測定された。MBC:最小殺菌濃度(μg/mL)。「日光」試験は図1のように実施した。「暗」試験は暗室で実施した。24ウェルプレート及び35mm培養皿で調製したRB寒天培地をアルミホイルで覆うか、(寒天希釈によって)暗所に置いた。
図3A】3つのパネル(図3A図3B、及び図3C)に分かれた、細胞生存率(log10CFU/mL)対時間(分単位)を示す時間-殺菌動態試験であって、図3AはPV-10(登録商標)、テネシー州ノックスビルのProvectus Biopharmaceuticals, Inc.から入手可能な0.9パーセント含水塩化ナトリウム(NaCl)中に10%ローズベンガル(w/v)を含む製剤化したローズベンガル(HB-RBf)組成物、5.0mg/mLのHB-RBf、1.6mg/mLのHB-RBf、18mg/mLのシプロフロキサシン、及び10mg/mLのリネゾリドを使用するものである。
図3B】3つのパネル(図3A図3B、及び図3C)に分かれた、細胞生存率(log10CFU/mL)対時間(分単位)を示す時間-殺菌動態試験であって、図3Bは薬剤耐性グラム陽性菌に対する時間-殺菌動態試験において、S.アウレウスBAA-44(登録商標)(3.2mg/mL)、S.アウレウス71080(VRS8)(0.8mg/mL)及びE.フェシウムNR-32065(1.6mg/mL)に対して、2倍のMIC濃度のHB-RBfが使用される。
図3C】3つのパネル(図3A図3B、及び図3C)に分かれた、細胞生存率(log10CFU/mL)対時間(分単位)を示す時間-殺菌動態試験であって、図3CはB.セパシア(UCB707)に対するRB及び抗グラム陰性抗生物質の時間-殺菌動態を示すグラフ。
図4A】3つのパネル(図4A図4B及び図4C)に分かれており、3種類のグラム陽性菌のそれぞれによるバイオフィルムの処理において、図4Aは、S.アウレウス6508(登録商標)による、蛍光灯下又は暗所でHB-RBf処理を行った場合の、リネゾリドとHB-RBfの注目濃度の比較を示す。
図4B】3つのパネル(図4A図4B及び図4C)に分かれており、3種類のグラム陽性菌のそれぞれによるバイオフィルムの処理において、図4Bは、S.アウレウス71080(VRS8)による、蛍光灯下又は暗所でHB-RBf処理を行った場合の、リネゾリドとHB-RBfの注目濃度の比較を示す。
図4C】3つのパネル(図4A図4B及び図4C)に分かれており、3種類のグラム陽性菌のそれぞれによるバイオフィルムの処理において、図4Cは、E.フェシウムNR-32065による、、蛍光灯下又は暗所でHB-RBf処理を行った場合の、リネゾリドとHB-RBfの注目濃度の比較を示す。
図5図5は、蛍光灯下で照射した場合のHB-RBfの4つの濃度(ゼロμM、100μM、200μM及び300μM)での細胞コンフルエンスの時間(時間単位)を示すグラフである。
図6図6は、A(上群)とB(下群)の2つのパネルに分かれており、蛍光灯下でHB-RBf(すなわち「PV-10」、上記の定義を参照)で処理した多層ヒト上皮ケラチン細胞(HEKa)の顕微鏡写真であり、この細胞は、Nunc(登録商標)Cell Culture Insert System(CLS-AN-047W)を使用して25日間育てられ[67]、蛍光灯下で1時間(17W、63.8cm、0.96KJ/cm)RBの非存在下(対照群)、10μM、100μM及び200μM存在下で育てられ、回収された後にヘマトキシリン及びエオシンで染められた。Aの顕微鏡写真は10倍の上面図であり、Bの顕微鏡写真は40倍の側面図である。
【0018】
一部のグラム陽性菌株が、本明細書において「耐性」若しくは「薬剤耐性」又は耐性の他の文法上の変形と呼ばれる。ここで言う「耐性」とは、その種類の細菌に対して既知の濃度及び細菌細胞密度で殺菌性があると通常みなされる1つ以上の抗菌医薬品による治療に対する細菌の耐性である。したがって、黄色ブドウ球菌(S.アウレウス)、表皮ブドウ球菌(S.エピダーミス)、エンテロコッカスフェカーリス(E.フェカーリス)及びエンテロコッカスフェシウム(E.フェシウム)などの細菌の「薬剤感受性」及び「薬剤耐性」株が存在する。いくつかの一般的な細菌株が耐性となった薬剤の例として、バンコマイシン、メチシリン及びゲンタマイシンが挙げられる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の1つの実施形態は、約500から約600nmの波長を有する光の存在下でのローズベンガル(RB)又はその誘導体(RB化合物)(以下に示す)のグラム陽性菌に対する殺菌剤としての医薬用途を意図する。1つの態様では、グラム陽性菌に感染したヒトなどの哺乳類細胞及び細菌は、感染細胞によって取り込まれるRB化合物と接触する。光は、意図されるRB化合物が薬学的に許容される希釈剤に溶解又は分散された約0.2から約3.1μg/mLの濃度で感染哺乳類細胞と接触して存在する意図されるRB含有医薬組成物と共に投与される可能性がある。光はまた、細菌又は細菌を含む哺乳類細胞と接触させるために、医薬組成物の適用後すぐに、例えば約2から約5分以内に投与することもできる。細菌は、感染哺乳類細胞内で又はバイオフィルムとして存在する場合に治療することができる。
【0020】
前治療と一見似ているが、RB化合物の濃度は以前に使われていたものより低く、光量が従来の方法の約10分の1以下であると考えられる。そのため、抗菌RB化合物の使用量が少なくなる可能性があり、照明も安価になるため、家庭での使用もより実際的になる。
【0021】
RBで処理した感染哺乳類細胞は、約1から約10分間、より好ましくは約2から約5分間照射される。そのような照射により、約0.7から約7.2J/cmの光量、より好ましくは約1.4から約3.6J/cmの光量が得られる。
【0022】
処理及び殺菌の対象となるグラム陽性菌の例としては、薬剤感受性及び薬剤耐性のS.アウレウス、S.エピダーミス、E.フェカーリス及びE.フェシウムのうちの1つ以上、同様に枯草菌、セレウス菌、及び唾液連鎖球菌のうちの1つ以上が挙げられる。
【0023】
意図されるRB化合物は、以下の構造式(式I)を有し、式中、XはO(酸素)又はN(窒素)であり、「n」はゼロ又は1である。
【0024】
【化3】
【0025】
Xが酸素の場合、nはゼロで存在しないため、RB化合物は、a)-X-Rが-O-Hであるローズベンガル、b)X-Rが-Oであり、Mが薬学的に許容されるカチオンであるRBの薬学的に許容される塩、c)C-Cアルキルエステル、又はd)以下に定義される芳香族エステルである。
【0026】
代替的に、Xが窒素原子の場合、nは1であり、RはRと共に存在する。したがって、R及びRは同じか又は異なる可能性があり、-C(O)-NRは、窒素原子が、a)置換されていない[-X-(R)かつR及びRが両方とも水素(H)である]、b)1つ若しくは2つのC-Cアルキル基で置換されるか若しくはアミド窒素原子と一緒になって5若しくは6員環を形成する、又はc)Rが水素であり、Rが以下で考察する芳香族置換基であるために好ましくは一置換の芳香族アミドであるアミドである。
【0027】
説明を簡単にするために、芳香族エステル又は芳香族アミドは、まとめて芳香族誘導体と呼ぶ。したがって、それらの誘導体は、好ましくは一置換の、単一の5若しくは6員芳香環、又は独立して窒素、酸素又は硫黄である0、1又は2個のヘテロ環原子を含む5、6若しくは6、6縮合芳香環系を有するアルコール又はアミンから形成される。
【0028】
そのような芳香族アルコールエステル部の実例を以下に名前付きで示す。ここで、Oは酸素原子であり、線Oは、環酸素が環の利用可能な炭素からのものであり得ることを示し、波線が交差したO線は、描かれたアルコキシ基が別の分子、エステル化されたRB分子の一部分であることを示す。
【0029】
【化4】
【0030】
ローズベンガル(RB)は好ましいRB化合物であり、そのジナトリウム塩であるローズベンガルジナトリウム(RBD)は、最も好ましいRB化合物である。これらの化合物は、本明細書ではRB化合物の群として例示的に使用される。
【0031】
ローズベンガルの化学名は、4,5,6,7-テトラクロロ-2',4',5',7'-テトラヨード-フルオレセインである。好ましい形態であるローズベンガルジナトリウム(RBD)は、次の構造式を有する。
【0032】
【化5】
【0033】
意図される組成物のこの好ましい実施形態の特定の詳細は、米国特許第5,998,597号、第6,331,286号、第6,493,570号、及び第8,974,363号に記載されており、これらの開示内容は、その全体が本明細書に参照により組み込まれている。上記の特許には、癌細胞を殺すためにRBDを使用することが記載されている。
【0034】
上記と同様の方法が、バークホルデリア、サルモネラ、及びプロテウスのうちの1つ以上であるグラム陰性菌の治療のための実施形態において意図される。この実施形態では、前述の式Iのローズベンガル(RB)化合物が、約2から約15μMの濃度で水性医薬組成物に溶解又は分散される。
【0035】
医薬組成物
ローズベンガル(RB)
【0036】
液体組成物
想定される液体組成物が、経口投与、非経口投与又は局所投与用に製剤化される可能性がある。
【0037】
まず、非経口組成物について、前述のPV-10(登録商標)組成物は、特に好ましいRB化合物であるローズベンガルジナトリウムを含む非経口投与可能な医薬組成物を示している。考えられる組成物のハロゲン化フルオレセイン成分の送達は、組成物のpH値が生理的pH(すなわち、約pH7)に近い場合、特にpH値が約4より大きい場合に最も好ましく、それによってハロゲン化フルオレセインが組成物中で二塩基形態のままであることが保証される。したがって、好ましい実施形態では、組成物のpH値は約5から約9、より好ましくは約6~約7.5、最も好ましくは約pH6.5~約pH7.4である。これらのpH値では、ハロゲン化フルオレセインは通常、低pH値で生じるラクトンではなく二塩基形態のままである。
【0038】
ローズベンガルなどのRB化合物は二塩基性であり、pK値は2.52と1.81である。いくつかの考えられるハロゲン化フルオレセインのpK値の決定は、Batsitela et al.によるSpectrochim Acta Part A 79(5):889-897(2011年9月)に見られる。
【0039】
親水性基剤は、ハロゲン化フルオレセイン成分、特に酸及び/又は塩の形態のRB化合物の組織への分配を最大化するための薬剤の好ましい媒体の1つである。したがって、好ましい実施形態では、基剤には、そのような分配を妨げ得る非親水性成分が最小限含まれている。したがって、組成物の好ましい製剤には、親水性、好ましくは含水基剤に、RB、又は特に好ましいRBジナトリウムが含まれている。
【0040】
座剤以外の非経口投与の場合、RB化合物含有医薬組成物は、好ましくは、ナトリウム、カリウム、カルシウム、及びマグネシウムからなる群から選択される少なくとも1つのカチオンと、塩化物、リン酸塩及び硝酸塩からなる群から選択される少なくとも1つのアニオンとを含む水溶性電解質を含む。電解質は、濃度が好ましくは約0.1%(w/v)から約2%(w/v)である。
【0041】
また、電解質は、約100mOsm/kgより大きく、約600mOsm/kgまでの浸透圧を提供するのに十分なレベルで存在する。より好ましくは、薬剤組成物の浸透圧は250mOsm/kgより大きく、最も好ましくは約300~500mOsm/kgである。
【0042】
電解質は、好ましくは塩化ナトリウムである。電解質は、好ましくは約0.5~約1.5%の濃度で存在し、更に好ましくは約0.8から約1.2%の濃度で存在し、最も好ましくは生理食塩水と同じ約0.9%の濃度で存在する。
【0043】
組成物の水媒体(希釈剤)は、注射の使用基準を満たす水のみであることが好ましい。希釈剤の最大約20体積パーセントが、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、sec-ブタノール、グリセロール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、エリトリトール、トレイトール、トリメチロールプロパン、ソルビトールなどの1つ以上のC-C一価又は多価アルコールである可能性がある。より好ましくは、アルコールは、考えられる組成物中に、希釈剤の約10体積パーセント未満、より好ましくは約5体積パーセント未満で存在する。
【0044】
それらの種々の文法的な形態における「生理学的に許容される塩」及び「薬学的に許容される塩」という用語は、当技術分野で既知の方法で調製され得る、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、及びプロタミン亜鉛塩を含む、製薬業界で一般的に使用されるアルカリ金属、アルカリ土類金属、及びアンモニウム塩などの非毒性カチオンを指す。考えられるカチオンは水溶性RB塩を提供する。好ましくは、塩は、一塩基性塩又は二塩基性塩の形態のナトリウム、カリウム、及びカルシウムである。医薬化合物と生理学的/薬学的に許容される塩を形成する、一般的に使用される生理学的に(又は薬学的に)許容される酸及び塩基のリストについては、Berge、J. Pharm. Sci.1977 68(1):1-19を参照のこと。
【0045】
RB含有医薬組成物のpH値は、当業者に知られている任意の適切な手段によって制御又は調整することができる。酸又は塩基などの添加によって組成物を緩衝化したり、pH値を調整したりすることができる。RB、又はその生理学的に許容される塩は弱酸であるため、その濃度及び/又は電解質濃度によっては、組成物のpH値に緩衝剤及び/又はpH値調整剤の使用を必要としないことがある。しかしながら、組成物が緩衝剤を含まず、投与後に生物学的環境に適応させることが特に好ましい。
【0046】
また、医薬組成物には防腐剤が含まれないことも好ましい。防腐剤の多くは、医薬組成物又はその製剤に有害な干渉を及ぼす可能性がある、又はRB化合物含有組成物の有効成分と錯体を形成したり別の相互作用をしたり、その有効成分の送達を妨害したりすることがある。防腐剤が使用される限り、イミド尿素は、医薬組成物中又は投与時にRB化合物と相互作用しないため、好ましい防腐剤である。
【0047】
考えられる液体医薬組成物は、治療対象の哺乳動物対象への経口投与にも適応可能である。好ましい態様では、先に考察したように、RB化合物は、哺乳動物対象に投与される際に水性希釈剤に溶解又は分散される。水性希釈剤には、香料として存在する糖類及び/又は緩衝剤を除き、等張化剤が含まれていないことがより好ましい。
【0048】
最大約20体積パーセントの希釈剤が、先に考察したように1つ以上のC-C一価又は多価アルコールである可能性がある。より好ましくは、アルコールが、考えられる組成物中に、希釈剤の約10体積パーセント未満、更に好ましくは約5体積パーセント未満で存在する。
【0049】
局所的に適用される液体組成物も考えられる。乾癬治療のための臨床試験が行われているそのような液体組成物の1つは、テネシー州ノックスビルのProvectus Biopharamceuticals, Inc.によるPH-10(登録商標)と呼ばれる開発薬剤である。この薬剤は、水性希釈剤に溶解又は分散された0.001から0.01%w/vの濃度で存在するRBDを、薬剤に10~1000cpsの粘度を与えるのに十分なレベルで存在する少なくとも1つのビルダー、薬剤に100mOsmから500mOsm/kgの浸透圧を与えるのに十分なレベルで0.9%w/vの濃度で存在する電解質としての塩化ナトリウムとともに含む。この薬剤は、例えば米国特許第8,974,363号に記載され、特許請求されている。
【0050】
固体組成物
RB又はジナトリウムRBなどのRB化合物が、感染の部位の背側の組織に結合する無駄なRB化合物を少なくし、組織染色を見えにくくするように、胃を通過し細菌感染の部位の比較的近くでRB化合物を放出するために腸溶性被覆されている、経口投与用の固体医薬組成物で投与されることが更に意図される。RB化合物は一般に、固体希釈剤マトリックス中に溶解若しくは分散されるか、又は固体希釈剤マトリックス上に分散される。
【0051】
哺乳類の体内における経口投与された固体医薬品の溶解に作用するいくつかの要因がある。それらの要因は、GI管に沿った様々な場所における薬剤の滞留時間、粒子サイズ、口から肛門にかけて遭遇する可能性がある体液への薬剤の個々の成分の溶解度、様々なコーティング層がある場合に薬剤に施される順序、及び特定のコーティング層が溶解できるpH値である。
【0052】
例えば強酸性の胃環境(絶食状態でpH1.5~2;摂食状態でpH3~6)は、十二指腸で約pH6に急速に上昇し、小腸に沿って増加して回腸末端でpH7.4になる。盲腸におけるpH値はpH6よりやや下落し、結腸で再度上昇して直腸でpH6.7に達する[Hua,Front Pharmacol 11:Article 524(2020年4月)]。ヒトの胃のpH値を有する水溶液に混入されたジナトリウムRBの溶液の観察によって、混合剤の急速な混濁及び以前の可溶性ジナトリウムRBの恐らくはラクトン型への凝集が明らかになった。
【0053】
胃通過は、絶食状態で0から2時間に及ぶ可能性があり、摂食状態で6時間まで延びる可能性がある。一般に、小腸の通過時間は比較的一定で約3~4時間と考えられるが、健常人で2~6時間に及ぶ可能性がある。結腸通過時間は非常にばらつきがある可能性があり、6~70時間の範囲が報告されている[Hua,Front Pharmacol 11:Article 524(2020年4月)]。
【0054】
GI管内の特定の場所への薬剤の予測可能な放出に有用な1つのアプローチは、上記のような予め選択されたGI管pH値で溶解又は崩壊するpH特異的なコーティング及びマトリックスに依存する。結腸内又はその付近での放出に特に好ましい中性又は弱アルカリ性のpH値を使用して、小腸の遠位部分又は結腸において薬物を放出する。
【0055】
下の表は、結腸ターゲティング(局所治療)のために単独又は組み合わせて使用されてきたpH依存ポリマーコーティングの一部の例を示しており、一部のメタクリル樹脂(Eudragit(登録商標)としてドイツのエッセンにあるEvonik Industries, AGから市販されている)、及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC;Methocel(登録商標)としてデラウェア州ウィルミントンにあるDuPont及びBenecel(登録商標)としてデラウェア州ウィルミントンにあるAshland, Inc.から入手可能)誘導体を含んでいる。また、特定のpH値範囲での放出をトリガすることに加えて、腸溶性コーティングは、過酷なGI管環境(例えば、胃液、胆汁酸、及び微生物分解)から取り込まれたRB化合物活性薬剤を保護することができるとともに、治療効率を高めるために薬物の持続及び遅延放出特性を生み出すことができる。
【0056】
下の表は、いくつかの市販の腸溶性コーティングポリマー及びそれらのメーカーの「公表pH放出」値を示している。「公表pH放出」値は、すべての組成物又は環境に対して絶対的というわけではなく、溶解又は崩壊のための本明細書に記載のpH値はそれらの公表値に基づいている。
【0057】
【表1】
【0058】
結腸感染の局所治療については、従来の非標的療法は望ましくない副作用があり、標的部位に到達する前の薬物の体内吸収により有効性が低いため、結腸標的薬物送達システムが積極的に追及されてきている。Liu et al., Eur. J. Pharm. Biopharm. 74:311-315(2010年)は、緩衝剤を含むEudragit(登録商標)Sのアルカリ性水溶液を内層に、Eudragit(登録商標)Sの有機溶液を外層に使用することによる二重コーティングアプローチを採用し、7より大きいpH値での薬物溶解を加速させた。その後、Varum et al., Eur. J. Pharm. Biopharm. 84:573-577(2013年)は、この二重被覆システムのヒトにおけるin vivoパフォーマンスを評価し、主に下部腸管で二重被覆錠剤のより着実な崩壊を示した。
【0059】
Hashem et al., Br. J. Pharm. Res. 3:420-434(2013年)は、プレドニソロンの結腸送達のための時間依存システム及びpH依存システムを組み合わせたマイクロスフィアを開発した。Eudragit(登録商標)Sとエチルセルロースを組み合わせて使用することによって、腸上部での早過ぎる薬物放出を防ぎながらより優れた結腸薬物送達を達成した。
【0060】
Eudracol(登録商標)は、薬物放出が遅延して均一な、結腸への標的薬物送達を行うマルチユニット技術の別の例である。このシステムは、ペレットをEudragit(登録商標)RL/RS及びEudragit(登録商標)FS30Dで被覆することに基づいており、pH及び時間依存的に結腸特異的な薬物放出を行う[Patel, Expert Opin. Drug Deliv. 8:1247-1258(2011年)]。
【0061】
小腸を標的にする1つの組成物は、約60から約95重量%のアクリル酸又はメタクリル酸のフリーラジカル重合されたC-Cアルキルエステル、及び約5から約40重量%の酸性基をアルキルラジカルに含む(メタ)アクリル酸モノマーから構成される1又は複数の(メタ)アクリル酸コポリマー層で被覆されている微粒子ローズベンガル(RB)で被覆された糖/スクロースビーズの希釈剤マトリックスを含む。
【0062】
特に適している(メタ)アクリル酸コポリマーは、約10から約30重量%のメタクリル酸メチル、約50から約70重量%のアクリル酸メチル及び約5から約15重量%のメタクリル酸を含む(Eudragit(登録商標)FSタイプ)。同様に適しているのは、約20から約40重量%のメタクリル酸及び約80から約60重量%のメタクリル酸メチルの(メタ)アクリル酸コポリマーである(Eudragit(登録商標)Sタイプ)。「(メタ)アクリル酸」という語は、アクリル酸モノマー及びメタクリル酸モノマーの一方又は両方を使用できることを意味するのに使用されている。
【0063】
これらのコーティングポリマーは、粒子が胃から出る前のRB化合物放出をほとんど許可しない。十二指腸内の流体のpH値は一般に約6であり、回腸に向かって約7.4に上昇する。したがって、細菌感染が胃に近い場合、より多量の遊離カルボン酸基を有するコーティングポリマーが使用されるのに対し、腫瘍が回腸寄りにある場合、より少量の酸性基を有するポリマーを使用することができる。
【0064】
通常の錠剤又はトローチ剤を、ラクトース(20%)及び活性成分(80%;RB化合物)を高速混合器(ドイツのオスナブリュックにあるDIOSNA社のタイプP10)で混合した混合物によって調製することができる。ポビドン(Sigma-Aldrich International GmbH、ブフス、スイス)などの賦形剤ポリビニルピロリドン(PVP)を含有する水溶液を、均一な組成物が得られるまで少しずつ添加する。湿潤粉体混合物をスクリーニングする。その後、よく知られているようにこれから錠剤を作り、乾燥させる。
【0065】
その後、結果として生じた錠剤又はトローチ剤は、好ましくはしばしば流動床装置を使用して保護ポリマーフィルムで被覆される。フィルム形成ポリマーが通常、可塑剤と混合され、適切なプロセスによって薬剤を放出する。フィルム形成剤はこの場合、溶液又は懸濁液の形態である可能性がある。フィルム形成のための賦形剤は、同様に溶解又は懸濁される可能性がある。有機溶媒若しくは水性溶媒、又は分散剤を使用することができる。分散を安定させるために安定剤を使用することもできる(例えば、Tween(登録商標)80又はその他の適当な乳化剤若しくは安定剤)。
【0066】
離型剤の例は、グリセロールモノステアレート又は他の適当な脂肪酸誘導体、ケイ酸誘導体若しくはタルクである。可塑剤の例は、プロピレングリコール、フタル酸塩、ポリエチレングリコール、セバシン酸塩又はクエン酸塩、及び前述し文献に記載されたその他の物質である。
【0067】
別の好適な薬剤の種類は、水溶性のカプセル又はブリスターであり、カプセルの水又は体液への溶解又は崩壊の際にRB化合物を素早く放出する1つ以上のポリマー樹脂層で覆われる、ローズベンガルジナトリウム又はローズベンガルラクトンなどのRB化合物の複数の粒子を含有する。カプセルは通常、ゼラチンから作られており、ジェルキャップと呼ばれることが多い。ゼラチンは動物製品である。ベジタリアンカプセルは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)で作られることが多い。
【0068】
一部の実施形態では、RB化合物は、形が概ね球状の粒子を形成するために1つ以上のポリマーのコートが直接積層される。そのような粒子はビーズと呼ばれることが多い。好ましい態様では、粒子(ビーズ)は、約90重量パーセントが20メッシュの篩(開口=850μm)スクリーンを通過し、約90重量パーセントが80メッシュの篩(開口=180μm)スクリーン上に保持される大きさとされる。
【0069】
例示的なpH値に敏感なコーティングポリマー樹脂を以上で考察した。例示的なpH値に鈍感なコーティングポリマー樹脂も以上で考察した。コーティングポリマー樹脂のpH値感度は、先に考察したようなGI管に沿って生理学的に存在するpH値という観点から理解されるべきである。
【0070】
他の実施形態では、小さい概ね球状のコアである、糖/デンプン種子などの小さいペレット、ノンパレイユ又は顆粒が、1つ又は複数のRB化合物の層及び1つ以上のポリマーコーティングの層で被覆される。例示的な糖/デンプンコアは、約40メッシュの篩(425mm開口)スクリーンから約50メッシュの篩(300mm開口)スクリーンを通過し、無水ベースで計算して62.5パーセント以上91.5パーセント以下のスクロースを含有し、残りが主としてデンプンから構成される糖球体NFである。(USP NF 1995 2313)。
【0071】
具体例では、100キログラム(kg)量のジナトリウムローズベンガル、7.1kg量の架橋カルボキシメチルセルロース(好ましくはクロスカルメロースナトリウムNF)、及び11.9kg量のデンプンNFをそれぞれ二分し、2つの同じバッチを形成するために3つの成分を混合する。バッチのそれぞれをフィッツパトリックミルなどのミルを使用して80メッシュスクリーンを通して粉砕する。次いで2つの粉砕したバッチを、混合物を形成するために混ぜ合わせ、当業者によく知られている認められた品質保証検査法に従って混合物の組成を検査する。
【0072】
その後、ジナトリウムローズベンガル混合物を3つの等しい部分に分け、第1の部分を全体のままとし、第2及び第3の部分をそれぞれ50パーセント、30パーセント及び20パーセントのロットに分割する。25.6kg量の40~50メッシュ糖/デンプン種子(例えば糖球体NF)をステンレス鋼コーティングパンに入れる。80リットル(L)量の5パーセントのポビドン/イソプロパノール(IPA)溶液を粒子に噴霧するために用意する。
【0073】
コーティングパンは糖球体から始まり、その上にポビドン/IPA溶液の塗装(1回につき約0.173kg)を噴霧し、またその上に第1の部分(全体のままの部分)からジナトリウムローズベンガル混合物の塗装(約0.32kg)を振りかける。振りかけは標準的な振りかけ器を使用して行う。噴霧及び振りかけステップは、混合物の第1の部分が糖球体に塗装されて一群の部分的に被覆された球体を形成するまで継続される。
【0074】
次いで部分的に被覆された球体を2つの同一のロットに分け、各ロットをコーティングパンに入れる。2つのロットのそれぞれに別々に、ポビドン/IPA溶液の噴霧及び50パーセントロットに分割されているジナトリウムローズベンガル混合物の振りかけを、50パーセントロットが球体に塗装されるまで継続する。50パーセントロットの塗装の後に、球体を必要であれば25メッシュスクリーンを使用してスクリーニングすることができる。
【0075】
ポビドン/IPA溶液の噴霧及び30パーセントロットに分割されているジナトリウムローズベンガル混合物の振りかけを開始し、30パーセントロットが球体に塗装されるまで継続する。被覆された球体を25メッシュスクリーンを使用して再度スクリーニングすることができる。
【0076】
ポビドン/IPA溶液の噴霧及びジナトリウムローズベンガル混合物の振りかけを、20パーセントロットに分割されている混合物を使用して、20パーセントロットが球体に塗装されるまで継続する。プロセスのこの時点で、ジナトリウムローズベンガル混合物の全量が球体に塗装され、約50kgの5パーセントのポビドン/IPA溶液が球体に塗装されている。
【0077】
7.5パーセントのポビドン/IPA溶液を用意し、密封剤として球体に塗装する。密封した球体を約1時間乾燥機で乾燥させ、重さを量り、約122°F(50℃)のオーブンに24時間入れる。乾燥後、球体を20メッシュスクリーン及び38メッシュスクリーンでスクリーニングして即時(遅延と比較して急速又は高速)放出粒子を形成する。
【0078】
以上で考察したRB化合物含有球体又はそのカプセル(若しくはブリスター)はまた、GI管に放出されると、pH値が所望のGI管位置のものでない限り球体がその活性成分であるRB化合物をその周囲に提供しないように、先に考察したpH値に敏感な腸溶性コーティングポリマーで被覆される可能性がある。
【0079】
RB化合物の放出位置を制御する別の方法は、以上で考察した球体(RB被覆粒子)を、RB化合物の球体からの放出が制御され6~10時間にわたって放出されるように、球体の表面に塗装されたポリマー樹脂の溶出制御被膜で更に被覆することである。この目的で使用される物質は、これらに限定されるわけではないが、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ニトロセルロース、カルボキシメチルセルロース、並びにエタクリル酸及びメタクリル酸のコポリマー(Eudragit(登録商標))、又は任意の他のアクリル酸誘導体(Carbopol(登録商標)など)である可能性がある。
【0080】
また、腸溶性コーティング剤が、単独で、又は上記のpHに鈍感なコーティングと組み合わせて使用される可能性もある。これらの材料には、これらに限定されるわけではないが、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びすべてのセルロースエーテルのフタル酸エステルが含まれる。また、アクリル酸誘導体(Eudragit(登録商標))のフタル酸エステル、又は酢酸フタル酸セルロース。
【0081】
これらのコーティング剤は、表面を約1.0%(W/W)から約25%(W/W)の量で被覆する際に使用される可能性がある。好ましくは、これらのコーティング剤は約8.0~約12.0パーセント(W/W)で存在する。
【0082】
賦形剤
薬学において慣習的な賦形剤を、剤型の製造においてそれ自体が知られている方法で使用することができる。これらの賦形剤は、コア又はコーティング剤中に存在する可能性がある。
【0083】
ポリマー
RB化合物を糖顆粒又は球体に付着させるのに役立つ接着剤として使用される高分子材料は、RB化合物のコーティング層が使用される場合に賦形剤と見なされる。そのようなポリマーの例は、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、及びヒドロキシプロピルセルロースなどの他の水溶性の薬学的に許容されるフィルム形成ポリマーである。
【0084】
乾燥剤(非粘着剤)
乾燥剤は次のような特性を有する:比表面積が大きいこと、化学的に不活性であること、流動性があること、及び微粒子を含むこと。これらの特性によって、乾燥剤は、極性コモノマーを官能基として含有するポリマーの粘着性を低下させる。乾燥剤の例は、アルミナ、酸化マグネシウム、カオリン、タルク、微粒子シリカ、硫酸バリウム及びセルロースである。
【0085】
崩壊剤
経口固形製剤にその分解を助けるために崩壊剤を添加する。崩壊剤は、水分と接触したときに固形製剤の急速な崩壊を引き起こすように製剤化される。崩壊は通常、溶出プロセスの第1のステップと見なされる。例示的な崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウム、内部架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、架橋ポリビニルピロリドン(クロスポビドン)及びデンプングリコール酸ナトリウムを含む。
【0086】
離型剤
離型剤の例は、脂肪酸又は脂肪アミドのエステル、脂肪族長鎖カルボン酸、脂肪アルコール及びそのエステル、モンタンワックス又はパラフィンワックス及び金属石鹸;特に言及すべきはグリセロールモノステアレート、ステアリルアルコール、グリセロールベヘン酸エステル、セチルアルコール、パルミチン酸、カルナウバワックス、密ろうなど。通常の量の割合は、コポリマーに対して0.05から5重量%、好ましくは0.1から3重量%の範囲にある。
【0087】
製薬的に常用の他の賦形剤
ここで言及すべきは、例えば安定剤、着色剤、抗酸化剤、湿潤剤、顔料、光沢剤などである。賦形剤は通常、加工助剤として使用され、確実で再現可能な製造プロセスと良好かつ長期の保存安定性とを保証することが意図される。製薬的に常用される別の賦形剤は、ポリマーコーティングに対して0.001重量%から10重量%、好ましくは0.1から10重量%の量で存在することがある。
【0088】
可塑剤
可塑剤として適当な物質は一般的に100~20,000の分子量を有し、分子中に1個以上の親水基、例えばヒドロキシル、エステル又はアミノ基を有する。クエン酸塩、フタル酸塩、セバシン酸塩、ヒマシ油が適当である。更なる適当な可塑剤の例は、クエン酸アルキル、グリセロールエステル、フタル酸アルキル、セバシン酸アルキル、スクロースエステル、ソルビタンエステル、セバシン酸ジブチル及びポリエチレングリコール4000~20,000である。好ましい可塑剤はクエン酸トリブチル、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、セバシン酸ジブチル及びセバシン酸ジエチルである。使用量は(メタ)クリル酸コポリマーに対して1から35重量%、好ましくは2から10重量%である。
【0089】
全身バイオアベイラビリティを最適化すること
本明細書に記載の固体医薬組成物はGI管内の細菌性疾患組織への直接送達を最適化することに関連して考察されているが、送達部位及び送達速度を制御するこれらのアプローチは、送達部位及び速度を制御することに基づいて全身摂取のバイオアベイラビリティを最適化することに同様に適用可能である。
【0090】
本明細書で使用される「投与」は、治療計画の開始を意味するのに使用される。したがって、液体、錠剤又はその他の経口投与製剤を飲み込むことは、IVフローが開始されるときや局所組成物が適用されるときと同様に、治療計画の開始である。
【0091】
方法
考えられる治療方法は、グラム陽性菌細胞を抗グラム陽性菌量のRB化合物を含む組成物と接触させ、その間にそれらの細菌細胞に約500から約575nm、より好ましくは約510から約550nmの波長を含む光を照射することを含む。
【0092】
一実施形態では、グラム陽性菌細胞は、対象哺乳動物の表面又は内部に存在する(例えば、感染している)。例示的に、対象哺乳動物は、化膿連鎖球菌などの皮膚グラム陽性菌感染症に罹患している可能性があり、特に開放創の局所治療の場合には、現在の感染症の治療薬として、またその後のグラム陽性菌感染症の予防薬として用いられる可能性がある。
【0093】
治療対象となる哺乳動物は、ヒトなどの霊長類、チンパンジーやゴリラなどの類人猿、カニクイザルやマカクなどのサル、ラット、マウス若しくはうさぎなどの実験動物、犬、猫、馬などのコンパニオンアニマル、又は雌牛若しくは去勢雄牛、羊、子羊、豚、山羊、ラマなどの食用動物などである可能性がある。
【0094】
それぞれの考えられる組成物投与は、典型的には、治療される細菌性疾患(感染症)が検出できないなど、所望の程度まで減少するまで繰り返される。したがって、必要とする哺乳動物対象への投与は、治療医の指示に従って、1日、毎日、毎週、毎月又は数ヶ月から数年にわたって複数回行われる可能性がある。
【0095】
グラム陽性菌の殺菌有効量のRBが、必要としている哺乳動物対象に投与され、通常の液体、ゲル、固体又はその他の形式を用いて製剤化される可能性がある。ほとんどの場合、RBは、好ましくはラムダマックス(λmax)が約500から約600nm、より好ましくは約510から約550nmの光源を使用した照射とともに投与される。例示的な光源、その強度及びその持続時間を以下で考察する。
【0096】
結果
【0097】
ローズベンガル(RB)の治療グレード
テネシー州ノックスビルのProvectus Biopharmaceuticals, Inc.(Provectus)は、商用グレードのRBを使用して、製剤原料として純粋な形のRBを調製するための精製プロセスを探していた。しかしながら、染料製造プロセス中に商用グレードの反応が発生すること、及びヨウ化物置換基の1つ以上が失われた他の副産物が原因で、RBの精製にはいくつかの課題が見つかった。
【0098】
商業グレードのRBは、FDAやその他の世界的な医薬品規制機関による臨床開発と登録をサポートするのに十分な量の医薬品グレードの材料を効率的に生産することができないと結論が下された。RBを合成及び製造するための新しい多段階アプローチがProvectusによって確立された[35、36]。その研究の重要な要素は、重要な歴史的不純物の形成につながる条件を排除する能力であった。
【0099】
それらの合成及び精製方法は適正製造基準(GMP)に適用され、医薬品グレードのRBが製造されている。このRB、PV-10(登録商標)は、Provectusから入手可能な0.9%生理食塩水中のローズベンガルジナトリウム(RBD)の滅菌10%溶液であり、医薬品規制調和国際会議(ICH)のガイドラインに従って製造され、注射用医薬品として適用されるように設計されている。医薬品グレードのRBDは、PH-10(登録商標)と呼ばれる異なる処方の局所用薬剤[36-39]にも存在する。どちらの製剤も、構造式が先に示されているローズベンガルジナトリウム(RBD)を有効成分として使用する。ローズベンガルの多くの可溶性塩は、ジナトリウム塩に加えて使用できるため、本明細書では「RB」はローズベンガルの薬学的に許容される塩の名称として使用するが、「RBD」という名称はローズベンガルジナトリウムを具体的に指す。
【0100】
RBの抗菌活性
光線力学的アプローチによるRBの抗菌活性は、いくつかの研究グループによって研究されてきた[15-27]。RBの光線力学的療法の応用は、蜂巣炎、丹毒、膿痂疹、毛嚢炎、せつ及び癰を含む皮膚感染症に限定されない。ポリマー支持体上に固定化されたRBは、材料表面及び水中の除菌に効果的に適用された[17、18]。しかしながら、RBの活性スペクトル、殺菌率、及びバイオフィルム破壊活性は散発的に報告されている。
【0101】
我々は、マイコバクテリウム種やサッカロミセス種を含むグラム陽性及び陰性好気性菌群に対する医薬品グレードRBの殺菌活性を、異なる光源(蛍光、LED、太陽光)下及び暗条件で再調査した。使用した蛍光灯は17W(1,647ルーメン、63.8cm)であり、LEDは9.5W(800ルーメン、28.3cm)であったが、その詳細については以下で考察する。建築窓からの太陽光の下での研究では、96ウェルプレートは建物の東側(米国、テネシー州、メンフィス、テネシー大学健康科学センター、薬学部、5階のBSL-2実験室)に設置され、成長阻害研究は、(2021年、6月18日)午前8時から午後5時まで実施された。
【0102】
より好ましい光源は、Explux PAR38 120W相当の投光器などの狭帯域LEDライトであり、約540nmで870ルーメンを生成する。ExpluxグリーンLEDランプは、直径4.7インチの表面(110cm)から870ルーメンを生成する。ランプの表面では、これは約7.9ルーメン/cmに相当する。1ルーメンは1/683ワットで、1/683J/sに等しい。したがって、7.9ルーメン/cmは0.012J//cm-sである。このようなランプからの5分間露光を用いると、約3.5J/cmの光量がもたらされる。
【0103】
液体希釈法及び寒天希釈法[蛍光(23.0KJ/cm)及びLEDライト(29.0KJ/cm)条件下で24時間(h)並びに日光下で9h]で得られた最小発育阻止濃度(MIC、μg/mL)は、それぞれ図1及び図2として示されているテーブル1及びテーブル2にまとめられている。これらの研究では、一連のFDA承認薬(メロペネム、コリスチン、アミカシン、リネゾリド、リファンピシン、シプロフロキサシン、アジスロマイシン、イソニアジド、カプレオマイシン、及び5-フルオロウラシル)及び前臨床抗菌薬(ツニカマイシン、APPB)が各MIC試験の陽性対照及び陰性対照として含まれていた[40-44]。テーブル1及びテーブル2の研究で使用されているRBは、先に考察したProvectus Biopharmaceuticals Inc.(米国、テネシー州、ノックスビル)から提供されたPV-10(登録商標)の希釈形態である[35、36]。
【0104】
PV-10(登録商標)として提供されたRBは、照明条件下で0.20~3.1μg/mLのMICレベルで広範囲のグラム陽性菌を効果的に殺菌した(テーブル1のエントリ1~23)。エントリ1~23(テーブル1)で観察されたRBの殺菌活性は、光源によって顕著な差はなく、蛍光灯とLEDライトのMIC値は等しいか非常に近いものであった。
【0105】
RBは0.39~0.78μg/mLの濃度でグラム陽性バチルス種を殺菌した(エントリ1~3)。黄色ブドウ球菌のMIC標準株が、RBに対して低い感受性を示し、細菌の99%超を殺菌するのに1.6μg/mLのRBが必要であった(エントリ4)。
【0106】
RBの殺菌活性は、テーブル1の異なるSCCMec型(エントリ5~11)の7つのメチシリン耐性S.アウレウス(MRSA)のパネルに対して検査された[45]。テーブル1でテストされたすべてのMRSA株が、蛍光灯又はLEDライトの下で0.78~3.1μg/mLの濃度でRBによって死滅された。RBは更に、4つのバンコマイシン耐性S.アウレウス株(エントリ12~16)に対して検査され、すべてのバンコマイシン耐性株が、どちらの照明条件下でも1.0μg/mL未満の濃度で死滅された。
【0107】
表皮ブドウ球菌は嫌気性菌であるが、好気性条件下でもよく成長する。好気性条件下でRBによって効果的に殺菌された(エントリ16)。薬剤感受性及び薬剤耐性のエンテロコッカスフェカーリス(バンコマイシン耐性株を含む)は、RBの0.39~0.78μg/mLの濃度範囲で殺菌された(エントリ17~21)。唾液連鎖球菌はRBに対して感受性があった(エントリ23)が、肺炎連鎖球菌はRBに対して耐性を示した(エントリ24)。その耐性の根拠は現在のところ不明である。
【0108】
暗条件下では、RBは25.0~100μg/mLの濃度で、エントリ1~23(テーブル1)にリストされているすべてのグラム陽性菌に対して抗菌活性を示した。暗条件下では、RBは高濃度で抗菌活性を示すことが知られている。我々のデータは、RBが三重項酸素の励起メカニズムを介して細胞毒性活性酸素種を生成する以外に、細菌の増殖を阻害する1つ以上の未知のメカニズムを有するという考えを裏付ける。
【0109】
グラム陽性菌に対して優れた抗菌活性が観察されたが、検査したグラム陰性菌(3つの大腸菌株、2つの緑膿菌株、2つの肺炎桿菌株、及び2つのアシネトバクターバウマニー株)はRBに耐性を示した。これらのグラム陰性菌に対するMICレベルは50又は100μg/mL超であった(エントリ31~39)。嫌気性グラム陰性菌であるバクテロイデスフラギリスは、100μg/mL以上の濃度でRB処理に耐えた。
【0110】
RBのグラム陰性菌の大きなグループに対する有効性は徹底的には調査されていないが、サルモネラ及びバークホルデリア種の増殖を阻害するためにRBを使用する光線力学的アプローチが研究された。エントリ41~42(テーブル1)にまとめたデータによると、エントリ43~47に示すように、蛍光灯又はLEDライトの下で3.13~12.5μg/mLの濃度でRBがバークホルデリア、サルモネラ、及びプロテウス種を殺菌するのに効果的であることが示唆されている。
【0111】
テーブル1で分析したすべてのグラム陰性菌は、暗条件下ではRBに対して感受性がなく、MICは100μg/mL超と判定された(エントリ31~47)。5種のマイコバクテリウム属菌に対するRBの抗菌活性を検査した(エントリ25~29)。照明条件下でのRBのMIC値は12.5~25.0μg/mL(エントリ25~29)で、グラム陽性菌(エントリ1~23)の値よりも15~60倍高い。興味深いことに暗条件下では、これらのマイコバクテリウムは、照明条件下で観察されたものと同等又は同様のMICで死滅した。
【0112】
我々は、(ガラス窓から差し込まれる)日光下で限られた数の細菌に対するRBのMICを検査した。8種のグラム陽性菌及び3種のグラム陰性菌のMIC値は、蛍光灯やLEDライト下で得られた値と良好な一致を示した(エントリ1~4、16、21~23、43及び47)。RBは、サッカロマイセスセレヴィシエの増殖を、3つの異なる光源下では同じMICレベルで、そして暗条件下でははるかに高い濃度で阻害した(エントリ30)。
【0113】
照明条件下では、寒天希釈法で測定したRBのMIC値が、液体希釈法で測定した値よりも低いことが観察された(テーブル1)。2つの方法で測定したMIC値の差の選択例をテーブル2にまとめた。
【0114】
B.サブチリス、B.セレウス、及びS.アウレウスなどのグラム陽性菌の増殖は、液体希釈法で測定されたMIC値よりも7~70倍低い0.01~0.10μg/mLの濃度で阻害された(テーブル2のエントリ1~4)。大腸菌(35218(登録商標))及びB.セパシア(UCB717)株も、寒天希釈法では蛍光灯下でのRBに対する感受性が液体希釈法よりもはるかに高かった(エントリ5及び6)。同様に、M.スメグマチス(ATCC607(登録商標))は、薬物含有寒天プレート(又はウェル)上で、培養液中よりも低濃度で死滅した(エントリ7)[46]。
【0115】
暗条件下では、寒天希釈法で測定したRBのMICは、液体希釈法で測定した値と良好な一致を示した(エントリ1~7)。選択した細菌に対するRBの最小殺菌濃度(MBC)もテーブル2にまとめられている。RBは真菌S.セレヴィシエ種に対して細胞増殖抑制効果を有し、1.6μg/mLで50%の増殖抑制を示したが、蛍光灯下で酵母の99%超を死滅させるには400μg/mL(MBC)が必要だった。暗条件下では、S. セレヴィシエは500μg/mLのRBでは死滅しなかった(エントリ11)。
【0116】
RBの時間-殺菌動態
RBのいくつかの細菌に対する光線力学的増殖阻害はこれまでに研究されており、Sabbahi et al.は、可視光照射下でS.アウレウス株の約80%が、19.5μg/mLのRB(30J/cmの光フルエンス量)によって10分(min)でその生存能力を失ったと報告した[26]。蛍光灯下で測定したMIC値(24h、23.0KJ/cm、テーブル1)を考慮して、我々はS.アウレウス6538(登録商標)の1つの薬剤感受性株及び3つの薬剤耐性グラム陽性菌株(S.アウレウスBAA-44、S.アウレウス71080(VRS8)、及びE.フェシウムNR-32065)、並びに1つのグラム陰性菌(B.セパシアUCB717)を用いてRBの時間-殺菌動態検査を行った。我々の予備研究では、RBは接触の2時間以内に6対数減少でグラム陽性菌とグラム陰性菌の両方を殺菌できることが示唆された。
【0117】
そこで、これらの細菌の経時変化実験を、蛍光灯下で2時間(0~1,130J/cm)MICの約2から約8倍の濃度(RB)で行った。使用した参照分子は、グラム陽性菌についてはリネゾリド(10μg/mL)及びシプロフロキサシン(10μg/mL)、グラム陰性菌についてはアミカシン(10μg/mL)及びメロペネム(10μg/mL)であった。ローズベンガルは、1分で6対数減少で4.6×10CFU(コロニー形成単位)のS.アウレウス6538(登録商標)を減少させた。RB濃度1.6及び5.0μg/mLでは、2分後にCFUはカウントされなかった(図3A)。
【0118】
同様に、RBは、RB MICの2倍の濃度で、S.アウレウスBAA-44、S.アウレウス71080(VRS8)、及びE.フェシウムNR-32065を2分以内に殺菌した(図3B)。B.セパシアUCB717(2.9×10CFU)がMIC濃度の4倍のRBの処理(図3C)によって濃度と時間に依存して殺菌され、5分で細菌の5対数減少超を示した。RBは、MIC濃度の2倍で細菌数を5対数減少で減らすのに40分を要した。
【0119】
治療グレードRBの抗バイオフィルム活性
前のセクションで観察されたRBの高速殺菌抗菌特性は、グラム陽性菌におけるRBの抗バイオフィルム効果を評価することを促した。上でまとめたデータは、RBが顕著な薬剤親和性又はグラム陽性菌に対する浸透性を有することを示している。抗菌及び抗真菌光線力学療法が、バイオフィルム条件下で光増感剤を使用して研究されてきたが、RBを使用して検査された細菌バイオフィルムの数は限られている[15]。
【0120】
最近、歯の表面に潜むう蝕原性口腔細菌に対するRBの抗バイオフィルム活性が青色光LED下で示された(Hirose et al. 2021年)[20]。ここで我々は、蛍光灯及び暗条件下での薬剤感受性S.アウレウス6508(登録商標)、薬剤耐性S.アウレウス71080(VRS8)及びE.フェシウムNR-32065のバイオフィルムに対するRBの有効性を検討した。リネゾリドはグラム陽性菌のバイオフィルムを根絶するのに効果的な薬剤ではないが、バイオフィルム形成の予防に有益な効果がある[47]。
【0121】
バイオフィルムアッセイでは、リネゾリドを陽性対照として、600μg/mL(浮遊細胞の場合は100×MIC超)の非常に高い濃度で適用した。ここでテストしたすべての株がポリスチレンウェルプレート上で強力なバイオフィルムを形成することを確認した。蛍光灯下では、RBは30.0μg/mL(38×MIC)の濃度でS.アウレウス6508のバイオフィルムを7対数減少で根絶する可能性があり、これはリネゾリド(600μg/mL)で観察されたのと同じレベルの有効性を示した(図4A)。
【0122】
RBは用量依存的にバイオフィルム根絶活性を示した。図4Aに示すように、60.0μg/mL(77×MIC)の濃度で、5対数減少超が達成された。100μg/mLではCFUはカウントされなかった。はるかに高い濃度が必要であるが、RBは暗条件下でバイオフィルム根絶活性を示した。50.0μg/mL(暗闇下で2×MIC)の濃度では、RBは生菌の数を大幅に減らした。500μg/mL(20×MIC)の濃度では、約110から約150CFU/mLしか観察されなかった。1,000μg/mLの濃度では生菌は現れなかった。
【0123】
これらの傾向は、薬剤耐性S.アウレウス71080(VRS8)及びE.フェシウムNR-32065のバイオフィルムで、はるかに低いRB濃度で観察された(図4B及び4C)。蛍光灯下で、図4Bは、10.0μg/mLの濃度で生菌の6対数減少超が観察されたことを示している。30.0μg/mL以上の濃度ではCFUはカウントされなかった。
【0124】
S.アウレウスのコロニーが空気に暴露されたバイオフィルムとみなせるかどうかについては議論が分かれる[48]。しかし、我々の研究では、(37℃で2日間)寒天プレート上で増殖したS.アウレウスのコロニーは、FDA承認の抗生物質を使用しても数時間で減少させることは不可能であることが示された。
【0125】
下のテーブル3のデータは、蛍光灯(17W、1時間、0.57KJ/cm)下でMRSA、SアウレウスBAA-44(登録商標)の空気暴露バイオフィルムに対するRBの効果をまとめたものである。RB(5.0μg/mL又は10μg/mL溶液、250μL(2回))を噴霧し、蛍光灯を(1時間)照射したところ、(5.8×10の希釈で測定して)バイオフィルム中のかなりの生菌が4対数減少で根絶された。
【0126】
【表2】
【0127】
テーブル3にまとめた研究は、RBがバイオフィルムマトリックスに容易に浸透し、グラム陽性菌の細胞壁を越えて拡散し得ることを示している。これらの観察結果は、RBが重篤な細菌性皮膚感染症を治療する可能性があることを強く裏付ける。
【0128】
RBの抗菌メカニズム
RBの抗菌光線力学療法については、いくつかの論文で報告されている。RBが細菌細胞壁を透過し、細胞膜に結合して活性酸素種を生成することは、照明条件下での殺菌メカニズムである可能性が高い[49、50]。比較的高い濃度が必要であるが、RBは暗条件でマイコバクテリウム種を含むグラム陽性菌の大部分を殺す。また、(上記)グラム陽性菌のバイオフィルムを効果的に根絶する。暗条件でのRBの抗菌活性は、まだ完全に解明されているとは言えない[51、52]。
【0129】
RBは、照明状態では12.5~25.0mg/mLで、暗状態では25.0~50.0mg/mLでマイコバクテリア種を殺す(テーブル1)。両状態において、RBは5つのマイコバクテリア種をグラム陽性菌よりも遅い速度で殺す。RBはマイコバクテリア細胞壁の透過性が低いと見られる。RBは暗状態でもグラム陽性菌に対して迅速な殺菌効果を発揮するため、グラム陽性菌のRB耐性変異体の生成は極めて困難な課題である。
【0130】
我々は、MIC値が200mg/mLのM.スメグマチスのRB耐性変異体の生成に成功した[46]。RB耐性株は、ほとんどの結核治療薬[アミカシン、カプレオマイシン、リファンピシン、アミノウリジルフェノキシピペリジニルベンジルブタンアミド(APPB)、及びエチオナミド]に感受性を示した(下記テーブル4)。
【0131】
【表3】
【0132】
しかし、イソニアジド(INH)に交差耐性を示した。INHはカタラーゼペルオキシダーゼファミリーに属する酵素KatGによる酸化的活性化を必要とするプロドラッグである。KatGはINHを酸化して求電子種であるイソニコチノイルラジカル分子を形成し、これがマイコバクテリアのミコール酸の生合成に関与する酵素であるNADH依存性エノイル-ACP(アシル担体タンパク質)還元酵素と反応する(下記スキーム1)[53、54]。
【0133】
【化6】
【0134】
RB耐性M.スメグマチス株は中程度のINH耐性を獲得したが、エチオナミド(ETH)に対する耐性は示さなかった。INH耐性の主なメカニズムはkatGの変異であり、ETHはモノオキシゲナーゼEthAによって活性化される[55]。我々の観察は、RBの抗菌メカニズムが1つ以上のINH代謝酵素を共有して殺菌種を形成することを示唆している可能性がある。
【0135】
潜在的な作用機序を解明するために、次世代DNA配列決定技術[56]を用いてRB耐性M.スメグマチスATCC607株の全ゲノム配列解析を行った。我々は、抗シグマE因子遺伝子(rseA:エビデンス TG:104対T:0)及びアクアポリンファミリータンパク質遺伝子(エビデンス GCACCCT:71対G:0)にそれぞれ1つの挿入変異が発生したことを特定した。
【0136】
その結果、これらの挿入変異は対応するタンパク質の読み枠の変化を引き起こし、親株と比較して短縮されたタンパク質を生成した。RseAがヒト型結核菌の特異的な抗シグマE因子として機能すること、及びシグマE因子(SigE)がマイコバクテリア生物がさまざまなストレス応答に耐えることを可能にすることが報告されている[57、58]。したがって、RB耐性変異体における非機能的RseAの発現はSigEの活性に影響を及ぼし、RBに対する細菌耐性を高めることがある。一方、アクアポリンファミリータンパク質はさまざまな生物に存在し、細胞膜を通過する水と非荷電溶質の双方向フラックスにおいて重要な役割を果たす。
【0137】
連鎖球菌アクアポリンホモログのヌル変異により細胞内のH保持が増加することが報告されており、これは、アクアポリンが連鎖球菌種におけるHの輸送を媒介することを示している[59]。したがって、RBがアクアポリンの機能を阻害し、細菌細胞内へのHの蓄積をもたらし得ると仮定する。興味深いことに、フレームシフト変異を引き起こす1つのヌクレオチド欠失が、RB耐性株のモリブドプテリン依存性酸化還元酵素(エビデンス T:74対TC:0)で観察された。
【0138】
酸化還元酵素系は、分子酸素の還元によってスーパーオキシドを、又は無機硝酸塩の還元によってNOを形成する可能性がある。RBは、ラジカルアニオン(RB'-)又はRB三重項状態を生成することになる酸化還元酵素の酸化還元において単一電子受容体として機能し、酸素との電子移動反応を起こすことがある。そのため、我々は、暗条件下でのRBの励起による活性酸素種又は活性窒素種の生成にモリブドプテリン依存性酸化還元酵素が関与することを提案する(下記スキーム2)。スキーム2の酸化還元酵素は、モリブドプテリン依存性酸化還元酵素キサンチン脱水素酵素ファミリータンパク質である。スキーム2の「・OH+OH」は、活性酸素種(ROS)又は活性窒素種である。
【0139】
【化7】
【0140】
katG遺伝子はRB耐性株では無傷であった。そのため、INHとの交差耐性を与えるメカニズムを推測することは依然として困難である。しかし、KatGの発現レベルに影響を与え、INH活性化を抑制し得るRB耐性株のいくつかの転写制御因子の変異を観察した。これは、Hのフェントン反応を通じてヒドロキシラジカル(活性酸素種)を生成する。マイコバクテリア種を含むグラム陽性菌に対する殺菌活性を示すために比較的高濃度のRBが必要であることは、RBとカタラーゼの親和性が中程度であることを意味することがある。同様に、哺乳類細胞におけるRBの細胞毒性機構が、以下のスキーム3に示すように説明されることがある。
【0141】
【化8】
【0142】
光下でのRBの細胞毒性
RBの細胞毒性は、Provectusの腫瘍薬開発プログラムで広範囲に評価されており、黒色腫や肝腫瘍の治療を目的とした病巣内投与による研究が行われた[37、38]。Provectusの毒性研究の結果、RBは治療濃度では全身性毒性作用、変異原性潜在力、及び女性の生殖及び発達への影響がないことが示された[60]。これらのデータは、Provectusの米国特許(Eagle et al. 2019年)[61]に記載されている。全身投与における毒性研究の他に、照明状態における医薬品グレードRBの哺乳類細胞に対する細胞毒性については考察されていない。
【0143】
RBは50年以上にわたって眼疾患や肝臓疾患の診断に使用されてきた。結膜疾患や瞼疾患などの特定の医療問題を診断する際の染色剤として有用であることが多い(上記参照)。これらの用途では、0.1~2.0%のRBが使用されてきた。
【0144】
2.0%未満の濃度のRBは、自然光及び人工光下で安全であると考えられる[62]。照明条件下でのRBの正常な細胞に対する細胞毒性レベルは、光線力学的抗菌化学療法のために明らかにされるべきであるが、これらのデータは公開されていない。我々は、蛍光灯下でのRBのin vitro細胞毒性を測定するために、2つの正常な細胞株、Vero(アフリカミドリザルの腎臓)細胞と皮膚(ヒト表皮角化細胞(HEKa)細胞を選択した。
【0145】
我々は、ベロ細胞に対する抗菌剤と抗癌剤の細胞毒性に関する大規模なデータセットを生成しており、これにより新しい分子の毒性レベルを比較することができる[63、64]。HEKa細胞に対する細胞毒性は、安全な局所適用抗菌剤の開発に有用な毒性情報を提供する[65、66]。
【0146】
これらの研究では、HEKa細胞が気液界面を介して重層扁平上皮に分化した。このタイプの上皮は、RBの処理によって表皮壊死症を研究するために生体組織として適用される可能性がある。暗闇下での24時間の研究で、RBはベロ細胞に対して300μM(292μg/mL)のIC50値を示した。
【0147】
蛍光条件下では、RBは時間及び濃度依存的にベロ細胞に対する細胞毒性を示した。図5は、RB(0~300μM)の処理による融合ベロ細胞の時間効果をまとめたものである。4時間で100μM(97.4μg/mL)の濃度のRB処理によって、コンフルエンシーの50%近くが失われたが、単層は100μMのRBの1時間照射では無傷であった。200μMでは1時間でコンフルエンスの約18%が失われたのに対し、4時間ではコンフルエンスの80%超が失われた。300μMの濃度では、2時間以内に細胞生存率の完全な喪失が観察された。
【0148】
したがって、蛍光灯下で、ベロ細胞は1時間、100~200μMに耐えられると結論付けられた。先にまとめた時間-殺菌動態研究では、RBはグラム陽性菌を1~2分で、グラム陰性菌を5分でそれぞれ殺すことが示された。細胞毒性と抗菌活性の間のウィンドウを測定する比率である選択指数(SI)は、1時間の処理時間で62.5超(グラム陽性菌の場合)及び7.9超(グラム陰性菌の場合)であると判定された。
【0149】
RBのこれらの好ましい毒性プロファイルは、HEKa細胞を用いた細胞毒性研究によって更に裏付けられた(上記参照)。RBは角質層に局在していた。RBは10及び100μMの濃度で1時間の暴露では角質層細胞の壊死を引き起こさなかった。濃度が200μMに増加したとき、表面組織にいくらかの壊死が観察された(図6)。RBの治療濃度は5~10μMの間である可能性が高い。したがって、これらのin vitro細胞毒性試験は、照明条件下では宿主細胞の細胞毒性を引き起こすことなく、皮膚感染症をRBで治療できることを示唆している。
【0150】
結論
Provectusは、cGMPとICHの両方の要件を満たす医薬品グレードRBの製造及び精製プロセスを確立した。我々は、医薬品グレードRB配合製品(PV-10(登録商標))の抗菌活性と細胞毒性を、照明及び暗状態で例示的なRB化合物として評価した。ここでまとめた生理食塩水で希釈したPV-10(登録商標)によるRBの包括的なMICデータは、RBが、肺炎連鎖球菌種を除くほとんどのグラム陽性菌(MIC0.39~3.1μg/mL)を殺すのに非常に効果的であることを示す。
【0151】
S.肺炎菌は、抗グラム陰性菌薬であるコリスチン(ポリミキシンE)に感受性のある非常に数少ないグラム陽性菌の1つである。我々は、グラム陽性菌とグラム陰性菌の両方におけるRBの殺菌効果とコリスチン耐性の関係を研究した。S.肺炎菌のRBに対する耐性メカニズムは、他の箇所で報告されることになる。
【0152】
RBは、照明条件下でMIC値12.5~25.0μg/mLでマイコバクテリア種を殺す。ミコール酸を含む厚い細胞壁が荷電RBの細胞取り込みを減少させ、マイコバクテリア種に対するMIC値をグラム陽性菌よりもはるかに高くするものと推測される。
【0153】
RBが薬剤耐性株を含むグラム陽性菌のバイオフィルムを根絶する優れた薬剤であることが確認された。蛍光及び暗条件下では、RBは濃度依存的にS.アウレウス及びE.フェシウムの薬剤耐性株の生細胞数を大幅に減少させた。RBは、1時間以内に蛍光灯暴露下でMRSA株の空気暴露バイオフィルムに対して有意な殺菌効果を示した。これらの研究は、RBがあらゆる増殖期に薬剤耐性菌を殺す潜在的な抗菌剤を有することを示している。
【0154】
RBは、高い一重項酸素量子収率を有するアニオン性光増感剤である。これは、照明状態での抗菌活性の主な作用機序である。我々は、暗条件下でM.スメグマチスのRB耐性変異体を生成することに成功した。これは、第一選択の結核治療薬であるINHに対して交差耐性を示した。我々は、生成された耐性変異体の全ゲノム解析を行った。その結果、RBの殺菌活性のメカニズムを与え得る固有の変異が明らかになった。いくつかの酸化還元系、転写因子、及びアクアポリンが、RBの耐性メカニズムに関与している場合がある。これらのデータに基づくと、RBは、暗条件下で酸化還元酵素に関連する酵素によって励起状態に移行し、活性酸素種又は活性窒素種を形成し得ると推測される。暗条件下でのRBの殺菌活性には、特定の協力的なメカニズムが存在することがある。
【0155】
要約すると、RBの医薬品グレード製剤であるPV-10(登録商標)は、照明条件下でのグラム陽性菌感染症の治療に適切な選択指数を持っていることが実証された。細菌バイオフィルムに対して有効なRBの迅速な殺菌効果は珍しい薬剤特性であり、臨床応用のための消毒剤としてのRBの進歩を約束する。
【0156】
材料及び方法
【0157】
ライト
これらの研究で使用されたLED光源は、フィリップス9.5ワットソフトホワイト、800ルーメン、2700~3000ケルビン、モデル番号B07CFRCGKC、品番479576であった。この電球からの光出力は、60Wの同様の電球から放出される光に匹敵すると言われている。
【0158】
蛍光光源は、Sun Blaster(登録商標)、18インチ、T5園芸照明蛍光水銀ランプ、17W、6400ケルビン、品番0900354であった。
【0159】
抗生物質
すべての抗生物質は、商業的供給源から購入され[アミカシン二硫酸塩(Sigma Aldrich、A1774-1G)、硫酸カプレオマイシン(Sigma Aldrich、C4142-1G)、シプロフロキサシン塩酸塩一水和物(TCI、C2227)、エチオナミド(TCI、E0695)、イソニアジド(Sigma Aldrich、I3377-5G)、リネゾリド(Chem-Impex、29723)、メロペネム三水和物(Ark Pharm、AK161987)、リファンピシン(Sigma Aldrich、R3501-1G)]、特に記載のない限り、更に精製することなく使用した。APPB(アミノウリジルフェノキシピペリジニルベンジルブタンアミド)は、報告された手順に従って合成した。[(a)Mitachi et al., ACS Omega 2018年、3:1726-1739;及び(b)Mitachi et al., MethodsX 2019年、6:2305-2321.]
【0160】
生理食塩水中での医薬品グレードローズベンガルの製剤化(PV-10(登録商標))
ローズベンガルジナトリウム塩をProvectusの特許手順に従って合成した。詳細な手順は、米国特許第8,530,675号、第9,273,022号、及び第9,422,260号に記載されたとおりである。
【0161】
細菌の取得
このプログラムで使用した薬剤感受性細菌及び酵母は、ATCC(アメリカンタイプカルチャーコレクション、バージニア州マナサス)から購入した。薬剤耐性株は、BEI Resources(NIAID)から取得した。
【0162】
対数期細菌培養
すべての液体細菌培養は、エアフィルタ付きの三角フラスコを用いて行った。細菌株の単一コロニーをATCCが推奨する条件に従って増殖させた。細菌の種培養及び大規模培養は、ATCCが推奨する培地を使用して得た。M.スメグマチス(ATCC607)は、0.5%のTween(登録商標)80 ミドルブルック 7H10ニュートリエント寒天培地(0.4%グリセロール)で培養した[46]。培養フラスコは、M.スメグマチス(ATCC607)の場合は3~4日間、結核菌(M.tuberculosis)H37Rvの場合は10~12日間、振とう培養器で37℃、振とう速度200rpmでインキュベートし、中間対数期(光学密度-0.5)まで培養した。光学密度は、96ウェルマイクロプレートリーダを使用して600nmでモニタされた。
【0163】
MICアッセイ
すべての試験は、臨床検査標準協会(CLSI)が定めたガイドラインに従う[68]。最小発育阻止濃度(MIC)は、液体希釈マイクロプレートアラマーブルーアッセイ又はOD測定によって決定した。すべての化合物は、DMSO又は生理食塩水(1mg/100μL濃度)に保存した。この濃度は、すべてのMIC研究に貯蔵液として使用された。貯蔵液からの各化合物は、滅菌96ウェルプレートの第1のウェルに入れられ、培養液(総量10μL)で連続希釈を行った。対数期の細菌懸濁液(190μL)を各ウェル(総量200μL)に加え、37℃で24時間インキュベートした。各ウェルに20μLのレザズリン(0.02%)を加え、4時間インキュベートした(臨床研究所規格委員会(NCCLS)法(ピンク=増殖、青=目に見える増殖なし))。比色分析を行う前に、すべての実験でOD測定を行った。また、各ウェルの吸光度をUV-Visを介して570nm及び600nmで測定した。
【0164】
最小殺菌濃度(MBC)アッセイ
(寒天プレート上で増殖した)特定の細菌の単一コロニーを培養液に接種した。細菌培養物を一晩中(約18時間)増殖させた後、増殖支援培養液で1×10から1×10CFU/mLの間の濃度に希釈する。MIC値に基づいて、薬剤(MIC、2x~20xMIC)を含む寒天プレートを調製した。一連の薬剤含有寒天プレートに、等量の特定の細菌を接種した。寒天プレートを適切な温度と時間でインキュベートした。CFU/mLをカウントした。MBC値は、細菌の99.9%超の減少によって決定した。
【0165】
時間-殺菌動態アッセイ
抗菌剤の時間-殺菌動態アッセイを、CLSIガイドラインを若干変更して実施した。RB及び参照分子の時間-殺菌動態アッセイの複数の時点を実施した。培養液で増殖した細菌培養物を1×10から5.0×10CFU/mLの間の濃度に希釈した。
【0166】
抗菌試験物質のストック希釈液をMIC値の約2から約8倍に調製した。試験化合物に96ウェルプレートに入れた等量の指定細菌を接種した。マイクロタイタープレートは、蛍光灯の下で37℃で1~120分間インキュベートした(条件は図の説明にまとめられている)。各ウェルから一定分量の培養培地を採取し、連続希釈を行った。希釈した培養物を37℃でインキュベートし、CFU/mLをカウントした。殺菌活性は、コロニー形成単位の3対数倍超の減少と定義した[64]。
【0167】
抗バイオフィルムアッセイ
バイオフィルムを、各細菌を5日間インキュベートすることによって12ウェルプレート上に生成した。培養培地中の浮遊細菌を丁寧に除去し、新鮮な培地を入れた。PV-10(25×MIC)又はリネゾリド(200×MIC)を各ウェル中に添加し、37℃、暗所又は明所で24時間(6.7KJ/cm)インキュベートした。一定分量の各培養物を寒天プレート上で37℃で24時間希釈した(10,000倍又は100,000倍)。CFU/mLをカウントした[47、69]。
【0168】
細菌(約1.0×10)を寒天プレート上に広げ、37℃のオーブンで2日間インキュベートした。寒天プレート上の空気暴露バイオフィルムをPV-10で処理した。蛍光灯(0.57KJ/cm)下で1時間後、生理食塩水(2mL)を寒天表面に加えた。細菌懸濁液(100mL)を滅菌チューブ内に入れ、連続希釈を行った。希釈サンプル(100mL)を寒天プレートに広げ、37℃で24時間インキュベートした。CFU/mLをカウントした。
【0169】
哺乳類細胞株及び培養
ベロ細胞(ATCC(登録商標)CCL-81)はATCCから購入した。HEK細胞(SCCE020)はMilliporeSigmaから購入した。細胞株はサプライヤーが推奨するように培地で培養し維持した。
【0170】
ベロ細胞は、10%FBS、1%ペニシリン-ストレプトマイシン溶液(cellgro(登録商標)、30-002-CI)、1%HyClone(登録商標)MEM非必須アミノ酸溶液(100X)(GE Healthcare Life Sciences、SH30238.01)及び1%HyClone(登録商標)ピルビン酸ナトリウム100mM溶液(GE Healthcare Life Sciences、SH30239.01)が補充されたEagleのMinimum Essential Medium(MEM)(CORNING(登録商標)、10-009-CV)で培養し、湿度100%、CO5%の37℃インキュベータでインキュベートした。培養物は、増殖速度に応じて約5日かかる100%コンフルエンスに達するまで、2日ごとに新鮮な培地でリフレッシュした。
【0171】
ヒト表皮角化細胞、新生児(MILLIPORE(登録商標)、カタログ番号SCCE020)をEpiGRO(登録商標)ヒト表皮角化細胞完全培養培地キット(MILLIPORE(登録商標)、SCMK001)で培養し、湿度100%、CO5%の37℃インキュベータでインキュベートした。培養物が100%のコンフルエンスに達するまで、2日後及び週3回新鮮な培地でリフレッシュする。
【0172】
ベロ細胞を用いた細胞毒性分析
すべての試験は、若干の変更を含む臨床検査標準協会(CLSI)が定めたガイドラインに従う。PV-10の細胞毒性分析は、24ウェルプレートで実施した。各ウェル(1mL培地/ウェル)に、1μLの薬剤濃度を加えた。光下での室温(r.t.)での1、2、3及び4時間のインキュベーション後に、培地を除去し、細胞をPBSで(3回)洗浄した。培地(1mL/ウェル)を加えた後、10μLの3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウム臭化物(MTT)溶液(PBS中5mg/mL)を加え、37℃(5%CO)でもう3時間インキュベートした。培地を除去し、DMSO(1mL/ウェル)を添加した。生存率はMTTの紫色ホルマザン産物への細胞変換に基づいて評価した。着色したホルマザン産物の吸光度は、BioTek Synergy(登録商標)HT分光光度計によって570nmで測定した[43]。
【0173】
ベロ細胞[5×10細胞/ウェル(196μLの培養培地中)を96ウェルプレートに入れ、細胞培養物を4日間インキュベートして単層(100%コンフルエンス)を形成した。各ウェル中にRB(0~300mM)を添加した。
【0174】
画像は、IncuCyte(登録商標)生細胞イメージングシステム(EssenBioScience、ミシガン州アナーバー)を使用して1時間ごとに取得された。細胞増殖は、統合ソフトウェアによって計算される、細胞で覆われる視野の面積の測定値であるメトリック位相物体コンフルエンス(POC)を使用して定量化された。
【0175】
HEKa細胞を用いた細胞毒性分析
我々は、トランスウェル透過性支持体上の細胞単層の完全性試験(CLS-AN-047W)に記載されているプロトコルを参照した。ヒト表皮角化細胞(HEKa)に対するPV-10の細胞毒性は、24ウェルプレートの吊り下げ式細胞培養インサートで評価した。HEKa(4×10細胞/mL、0.5mL)細胞懸濁液を、外側がEpiGRO(登録商標)Complete Culture Media(1.5mL)で満たされたインサートに入れた[67]。細胞懸濁液を37℃で一晩(約18時間)インキュベートした。
【0176】
翌日、元の培地を除去することなく、追加の培地0.5mLを各インサートの内側に加え、37℃で2日間インキュベートした。高品質のHEKaは、液内培養の3日目までに100%コンフルエンスに近づいた。4日目には、各インサートから培地を穏やかに吸引した。皮膚細胞培養物は空気/液体界面で維持された。
【0177】
皮膚培養物は37℃で更に10日間インキュベートされた。10日間のインキュベーション中、培地は1日置きに交換され、インサート膜の下から気泡が除去された。
【0178】
25日間の3D皮膚培養後、約6から8層の生きた上皮が生成された。HEKa組織を蛍光灯下室温で1時間RB(0~200mM)で処理し、PBSで(3回)洗浄し、4%ホルマリンで室温で1時間固定した。皮膚組織をインサートから解放し、パラフィンに包埋した。4μMの切片を切り出し、ヘマトキシリン・エオシン(H&E)染色用スライドに移した[71]。
【0179】
M.スメグマチス株の全ゲノム配列
RB耐性M.スメグマチス(ATCC607(登録商標))株は、以前に報告された手順に従って調製された[72]。細菌のRB耐性に寄与し得る一塩基変異多型(SNP)を同定するために、以前に報告された手順に従って、RB耐性変異体とその親対照株M.スメグマチス607(登録商標)の静置培養物からゲノムDNAを精製した[46]。
【0180】
精製されたゲノムDNAはミネソタ大学ゲノムセンター(UMGC)に送られ、品質管理分析、ライブラリ調製、及び高度なIllumina MiSeq(登録商標)DNA-seqテクノロジを用いたDNA塩基配列決定が行われた。変異体及び対照からの配列読み取りは、FastQCを使用して品質が評価された。低品質のテール及びアダプタがTrimmomaticを使用して除去された[73]。M.スメグマチス株FDAARGOS_679の全ゲノム配列を参照として使用し、SNP又は欠失や挿入などの他の変異は、バイオインフォマティクスツールSnippy[https://github.com/tseemann/snippy]を使用して呼び出された。
【0181】
抗生物質
すべての抗生物質を商業的供給源から購入し(アミカシン二硫酸塩(Sigma Aldrich、A1774-1G)、硫酸カプレオマイシン(Sigma Aldrich、C4142-1G)、シプロフロキサシン塩酸塩一水和物(TCI、C2227)、エチオナミド(TCI、E0695)、イソニアジド(Sigma Aldrich、I3377-5G)、リネゾリド(Chem-Impex、29723)、メロペネム三水和物(Ark Pharm、AK161987)、リファンピシン(Sigma Aldrich、R3501-1G))、特に記載のない限り、更に精製することなく使用した。APPB(アミノウリジルフェノキシピペリジニルベンジルブタンアミド)は、報告された手順に従って合成した[74]。
【0182】
RBの光下での細胞毒性
ベロ細胞におけるRBの細胞毒性分析は、24ウェルプレートで実施した。各ウェル(1mL培地/ウェル)に、1μLの薬剤濃度を加えた。蛍光灯下での室温での薬剤との1、2、3及び4時間のインキュベーション後に、培地を除去し、細胞をPBSで(3回)洗浄した。
【0183】
画像はAMG EVOS xl透過光イメージング顕微鏡で収集された。培地(1mL/ウェル)を加えた後、10μLのMTT溶液(PBS中5mg/mL)を加え、37℃(5%CO)でもう3時間インキュベートした。培地を除去し、DMSO(1mL/ウェル)を添加した。生存率は、MTTの紫色ホルマザン産物への細胞変換に基づいて評価した。着色されたホルマザン産物の吸光度は、BioTek Synergy(登録商標)HT分光光度計によって570nmで測定した。
【0184】
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【0185】
本明細書で引用した特許、特許出願及び論文は、それぞれ参照によって組み込まれる。冠詞「a」及び「an」(「1つの」)は、冠詞の文法的目的語の1つ又は2つ以上(すなわち、少なくとも1つ)を指すのに本明細書において使用される。
【0186】
前述の説明及び実施例は、例示を目的としたものであり、限定と捉えられるべきではない。本発明の趣旨及び範囲内で、更に他の変形も可能であり、当業者であれば容易に思いつくであろう。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5
図6
【国際調査報告】