(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-09
(54)【発明の名称】二次ヒートポンプを使用した電気化学的に再生された液体乾燥剤除湿システム
(51)【国際特許分類】
B01D 53/26 20060101AFI20241226BHJP
F25B 30/02 20060101ALI20241226BHJP
F24F 3/14 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
B01D53/26 300
F25B30/02 Z
F24F3/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024538483
(86)(22)【出願日】2022-12-22
(85)【翻訳文提出日】2024-08-21
(86)【国際出願番号】 US2022082272
(87)【国際公開番号】W WO2023122749
(87)【国際公開日】2023-06-29
(32)【優先日】2021-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524058895
【氏名又は名称】モハベ エネルギー システムズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ファレーゼ,フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】キーニッツ,ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】ベネディクト,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】メレス,アーロン
(72)【発明者】
【氏名】ベエ,ユージン エス.
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ベンジャミン エー.
(72)【発明者】
【氏名】トーレス,フランシスコ イー.
【テーマコード(参考)】
3L053
4D052
【Fターム(参考)】
3L053BC03
4D052AA08
4D052BA04
4D052CF00
4D052DA00
4D052HA11
4D052HA12
4D052HA14
4D052HA15
4D052HB01
(57)【要約】
第一の入力流れよりも高い濃度の液体乾燥剤を有する第一の出力流れを生成するように構成された、液体乾燥剤再生装置。再生装置はまた、第二の入力流れよりも低い濃度の液体乾燥剤を有する第二の出力流れを生成する。液体乾燥剤再生装置内の液体乾燥剤の再生は、液体乾燥剤再生装置の温度を低下させる。システムは、第一の出力流れに結合され、入力気流を第一の出力流れに曝露する、空気接触器を含む。第一の出力流れは、入力気流から水を吸収して、少なくとも1つの希釈された出力乾燥剤流れを形成する。システムのヒートポンプは熱的に結合されて、熱を、第一の出力流れから液体乾燥剤再生装置に移動させる。液体乾燥剤再生装置に移動する熱は、液体乾燥剤再生装置の効率を増加させる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
液体乾燥剤再生装置であって、
第一の入力流れからの第一の出力流れであって、前記第一の出力流れが前記第一の入力流れよりも高い濃度の液体乾燥剤を有する、第一の出力流れと、
第二の入力流れからの第二の出力流れであって、前記第二の出力流れが前記第二の入力流れよりも低い濃度の前記液体乾燥剤を有する、第二の出力流れと、を生成するように構成された、液体乾燥剤再生装置と、
入力気流に結合され、かつ入力気流から熱を除去して、冷却された入力気流を生成するように構成された、蒸発器と、
前記第一の出力流れ及び前記冷却された入力気流に結合されて、前記第一の出力流れが前記冷却された入力気流から水を吸収して、希釈された出力乾燥剤流れ及び除湿された出力気流を形成するように、前記冷却された入力気流を前記第一の出力流れに暴露させる空気接触器であって、前記希釈された出力乾燥剤流れが、前記液体乾燥剤再生装置内に循環して戻される、空気接触器と、を備える、システム。
【請求項2】
熱を、前記第一の出力流れから前記液体乾燥剤再生装置に移動させるために、熱的に結合されるように構成されたヒートポンプを更に備え、前記熱を前記液体乾燥剤再生装置に移動させることによって、前記液体乾燥剤再生装置の効率が増加する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記熱が、前記空気接触器に入る前に、又は前記第一の出力流れが前記空気接触器に入る時に、前記第一の出力流れから移動し、前記第一の出力流れからの前記熱の移動が、前記空気接触器内の前記液体乾燥剤の水蒸気吸収温度を低下させる、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記熱が、前記液体乾燥剤再生装置の構成要素のサブセットに印加され、前記液体乾燥剤再生装置の内部の温度勾配を引起こす、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記熱が、前記液体乾燥剤再生装置内の1つ以上の流体流に印加される、請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記空気接触器が第一の空気接触器であり、前記入力気流が第一の入力気流であり、前記システムが、前記第二の出力流れから第二の気流に水分を脱着するように動作可能な、第二の空気接触器を更に備え、前記水分の前記吸収が、前記第二の空気接触器の温度を低下させ、前記ヒートポンプが更に熱的に結合されて、前記熱の一部を前記第一の出力流れから前記第二の空気接触器に移動させる、請求項2に記載のシステム。
【請求項7】
前記ヒートポンプが、凝縮器と前記蒸発器との間に冷媒ループを有する、蒸気圧縮ヒートポンプを含み、前記蒸発器が、前記空気接触器に入る前記入力気流、又は前記空気接触器を出る前記除湿された出力気流の少なくとも1つを冷却するように構成され、前記ヒートポンプが、前記冷媒ループの高温側を前記液体乾燥剤再生装置に熱的に結合する第一の熱交換器と、前記冷媒ループの低温側を前記第一の出力流れに熱的に結合する第二の熱交換器とを更に含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項8】
前記熱交換器及び前記蒸発器、並びにそれらの各々の膨張弁が、並列に配置される、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記熱交換器及び前記蒸発器、並びにそれらの各々の膨張弁が、直列に配置される、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記液体乾燥剤再生装置が、2つ以上の段階を含み、各後続の段階が、前の段階の対応する出力よりも高い濃度の前記液体乾燥剤を有する出力流れを生成するように構成され、前記第一の出力流れが、最高濃度の前記液体乾燥剤を有する、前記2つ以上の段階の前記出力流れに対応する、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記2つ以上の段階のサブセットが、前記ヒートポンプによって加熱され、前記サブセット内にない前記2つ以上の段階のいずれかが、前記ヒートポンプによって直接加熱されない、請求項2に記載のシステム。
【請求項12】
前記液体乾燥剤再生装置が、2つの異なる電極で起こるファラデー反応を生じさせる電位によって駆動され、前記ファラデー反応を受ける酸化還元材料が、一方の電極から他方に、再び戻って循環し、第三の液体乾燥剤流れが、脱着した水分を有し、それによって、その乾燥剤濃度が増加し、前記再生装置に戻される、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
システムであって、
液体乾燥剤再生装置であって、
第一の入力流れからの第一の出力流れであって、前記第一の出力流れが前記第一の入力流れよりも高い濃度の液体乾燥剤を有する、第一の出力流れと、
第二の入力流れからの第二の出力流れであって、前記第二の出力流れが前記第二の入力流れよりも低い濃度の前記液体乾燥剤を有する、第二の出力流れと、を生成するように構成された、液体乾燥剤再生装置と、
前記第一の出力流れに結合され、かつ入力気流を前記第一の出力流れに曝露する空気接触器であって、前記第一の出力流れが、前記入力気流からの水を吸収して、希釈された出力乾燥剤流れ及び除湿された気流を形成する、空気接触器であって、前記希釈された出力乾燥剤流れが、前記液体乾燥剤再生装置の中へと循環して戻される、空気接触器と、
前記除湿された気流に結合され、かつ前記除湿された気流から熱を除去して、冷却された除湿された気流を生成するように構成された蒸発器とを備える、システム。
【請求項14】
前記熱を、前記第一の出力流れから前記液体乾燥剤再生装置に移動させるために、熱的に結合されたヒートポンプを更に備え、前記熱を前記液体乾燥剤再生装置に移動させることによって、前記液体乾燥剤再生装置の効率が増加する、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記熱が、前記空気接触器に入る前に、又は前記第一の出力流れが前記空気接触器に入る時に、前記第一の出力流れからの前記熱の移動が、前記空気接触器内の前記液体乾燥剤の水蒸気吸収温度を低下させる、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記熱が、前記液体乾燥剤再生装置の構成要素のサブセットに印加されて、前記液体乾燥剤再生装置の内部の温度勾配を引起こす、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記熱が、前記液体乾燥剤再生装置内の1つ以上の流体流に印加される、請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記ヒートポンプが、凝縮器と蒸発器との間に冷媒ループを有する蒸気圧縮ヒートポンプを備え、前記蒸発器が、前記空気接触器に入る前記入力気流、又は前記空気接触器を出る除湿された出力流れの少なくとも1つを冷却するために使用され、前記ヒートポンプが、前記冷媒ループの高温側を前記液体乾燥剤再生装置に熱的に結合する第一の熱交換器と、前記冷媒ループの低温側を前記第一の出力流れに熱的に結合する第二の熱交換器とを更に備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
前記ヒートポンプが、冷却された溶液及び加熱された溶液を生成する蒸気圧縮ヒートポンプを備え、前記冷却された溶液が、前記空気接触器に入る前記入力気流及び前記空気接触器を出る除湿された出力流れの少なくとも1つを冷却するために使用され、前記加熱された溶液が、前記液体乾燥剤再生装置に熱的に結合される、請求項14に記載のシステム。
【請求項20】
前記第二の出力流れの少なくとも一部が、前記蒸発器で凝縮物と組合わされて、更なる希釈された流れが前記蒸発器から出力される、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
第二の液体乾燥剤流れから第二の気流の中へと水分を脱着するように動作可能な、第二の空気接触器を更に備え、前記水分の前記脱着が、前記第二の空気接触器の温度を低下させ、前記ヒートポンプが、前記熱の一部を、前記第一の出力流れから前記第二の空気接触器へと移動させるように更に熱的に結合される、請求項14に記載のシステム。
【請求項22】
前記再生装置が、2つ以上の段階を含み、各後続の段階が、前の段階の対応する出力よりも高い濃度の前記液体乾燥剤を有する出力流れを生成するように構成され、前記第一の出力流れが、最高濃度の前記液体乾燥剤を有する、前記2つ以上の段階の前記出力流れに対応する、請求項13に記載のシステム。
【請求項23】
前記2つ以上の段階のサブセットが、前記ヒートポンプによって加熱され、前記サブセット内にはない前記2つ以上の段階のいずれかが、前記ヒートポンプによって直接加熱されない、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記液体乾燥剤再生装置が、2つの異なる電極で起こるファラデー反応を生じさせる電位によって駆動され、前記ファラデー反応を受ける酸化還元材料が一方の電極から他方に、再び戻って循環する、請求項22に記載のシステム。
【請求項25】
システムであって、
液体乾燥剤の濃度を有するように構成された、前記一連の出力流れからの各出力流れを有する、一連の出力流れを生成するように構成された液体乾燥剤再生装置と、
入力気流に結合され、かつ入力気流から熱を除去して、冷却された入力気流を生成するように構成された蒸発器と、
前記一連の出力流れの1つ以上に結合されて、希釈された出力乾燥剤流れを形成し、かつ入力気流を除湿された出力気流に形成するように構成された、各空気接触器を有する一連の空気接触器とを備え、前記希釈された出力乾燥剤流れが、前記液体乾燥剤再生装置に循環して戻り、前記一連の空気接触器の前記第一が、前記冷却された入力気流に結合され、各後続の接触器が、その上流の前記接触器によって出力される空気に結合され、一連の最終的な空気接触器が、除湿された気流を生成する、システム。
【請求項26】
前記出力流れの各々が異なる濃度である、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記出力流れの各々が、前記一連の空気接触器からの前記空気接触器のたった1つのみに結合される、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記一連の空気接触器及び前記一連の出力流れが、前記一連の空気接触器からの第一の空気接触器が最低濃度を有し、前記一連の空気接触器からの最終の空気接触器が最高濃度を有し、前記第一の空気接触器と前記最終の空気接触器との間の前記空気接触器が濃度を増加させるように配置されるように順序付けされる、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記熱を、前記一連の出力流れから前記液体乾燥剤再生装置に移動させるために、熱的に結合されたヒートポンプを更に備え、前記熱を前記液体乾燥剤再生装置に移動させることによって、前記液体乾燥剤再生装置の効率が増加する、請求項25に記載のシステム。
【請求項30】
前記一連の空気接触器が、水分を、前記出力液体乾燥剤流から、第二の気流に吸収するように動作可能な、空気接触器を含み、前記水分の前記脱着が、前記空気接触器の温度を低下させ、前記ヒートポンプが、前記熱の一部を、前記一連の出力流れから、その第二の空気接触器及び前記結果として生じる第三の液体乾燥剤流れに移動させるように、更に熱的に結合され、前記第三の液体乾燥剤流れが、脱着した水分を有し、その乾燥剤濃度を増加させ、再生装置に戻される、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記ヒートポンプが、凝縮器と蒸発器との間に冷媒ループを有する蒸気圧縮ヒートポンプを含み、前記蒸発器が、前記空気接触器に入る前記入力気流、又は前記空気接触器を出る除湿された出力気流の少なくとも1つを冷却するために使用され、前記ヒートポンプが、前記冷媒ループの高温側を前記液体乾燥剤再生装置に熱的に結合する第一の熱交換器と、前記冷媒ループの低温側を前記一連の出力流れに熱的に結合する一連の第二の熱交換器とを更に含む、請求項29に記載のシステム。
【請求項32】
前記熱交換器、及び前記蒸発器、並びにそれらの各々の膨張弁が並列に配置される、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記熱交換器、及び前記蒸発器、並びにそれらの各々の膨張弁が直列に配置される、請求項31に記載のシステム。
【請求項34】
前記再生装置が、2つ以上の段階を含み、各後続の段階が、前の段階の対応する出力よりも高い濃度の前記液体乾燥剤を有する出力流れを生成するように構成され、前記第一の出力流れが、最高濃度の前記液体乾燥剤を有する、前記2つ以上の段階の前記出力流れに対応する、請求項25に記載のシステム。
【請求項35】
第二の一連の液体乾燥剤流れから第二の気流へと、水分を脱着するように動作可能な第二の空気接触器を更に備え、前記水分の前記脱着が、前記第二の空気接触器の温度を低下させ、前記ヒートポンプが、前記熱の一部を、前記第一の出力流れから、前記第二の空気接触器及び結果として生じる第三の一連の液体乾燥剤流れに移動させるように、更に熱的に結合され、前記第三の液体乾燥剤流れが、脱着した水分を有し、その乾燥剤濃度を増加させ、再生装置に戻される、請求項25に記載のシステム。
【請求項36】
前記液体乾燥剤再生装置が、2つの異なる電極で起こるファラデー反応を生じさせる電位によって駆動され、前記ファラデー反応を受ける酸化還元材料が一方の電極から他方に、再び戻って循環する、請求項34に記載のシステム。
【請求項37】
システムであって、
液体乾燥剤再生装置であって、
第一の入力流れからの第一の出力流れであって、前記第一の出力流れが前記第一の入力流れよりも高い濃度の液体乾燥剤を有する、第一の出力流れと、
第二の入力流れからの第二の出力流れであって、前記第二の出力流れが前記第二の入力流れよりも低い濃度の前記液体乾燥剤を有する、第二の出力流れと、を生成するように構成された、液体乾燥剤再生装置と、
前記第一の出力流れに結合され、かつ入力気流を前記第一の出力流れに曝露する空気接触器であって、前記第一の出力流れが、前記入力気流から水を吸収して、少なくとも1つの希釈された出力乾燥剤流れを形成する、空気接触器であって、前記少なくとも1つの希釈された出力乾燥剤流れが、前記液体乾燥剤再生装置の中へと循環して戻される、空気接触器と、
凝縮器と蒸発器との間に冷媒ループを有する、蒸気圧縮ヒートポンプと、
前記蒸発器と前記空気接触器との間の流体ループであって、前記流体ループが熱的に結合されて、前記熱を前記空気接触器から前記蒸発器に移動させる、流体ループとを備える、システム。
【請求項38】
前記流体ループが、ポンプによって駆動される、請求項37に記載のシステム。
【請求項39】
方法であって、
液体乾燥剤再生装置内の第一の入力流れから第一の出力流れを生成することであって、前記第一の出力流れが、前記第一の入力流れよりも高い濃度の液体乾燥剤を有する、生成することと、
前記液体乾燥剤再生装置内の第二の入力流れから第二の出力流れを生成することであって、前記第二の出力流れが、前記第二の入力流れよりも低い濃度の前記液体乾燥剤を有する、生成することと、
入力気流を、空気接触器内の前記第一の出力流れに曝露することであって、前記第一の出力流れが前記入力気流からの水を吸収して、少なくとも1つの希釈された出力乾燥剤流れを形成する、曝露することと、
前記少なくとも1つの希釈された出力乾燥剤流れを、前記液体乾燥剤再生装置に循環させて戻すことと、
ヒートポンプを介して、熱を、前記第一の出力流れから前記液体乾燥剤再生装置に移動させることと、を含む、方法。
【請求項40】
前記熱が、前記空気接触器に入る前に、又は前記第一の出力流れが前記空気接触器に入る時に、前記第一の出力流れからの前記熱の移動が、前記空気接触器内の前記液体乾燥剤の水蒸気吸収温度を低下させる、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記ヒートポンプが、凝縮器と蒸発器との間に冷媒ループを有する蒸気圧縮ヒートポンプを備え、前記蒸発器が、前記入力気流又は前記空気接触器を出る除湿された出力流れの少なくとも1つを冷却するために使用され、前記ヒートポンプが、前記冷媒ループの高温側を前記液体乾燥剤再生装置に熱的に結合する第一の熱交換器と、前記冷媒ループの低温側を前記第一の出力流れに熱的に結合する第二の熱交換器とを更に備える、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
前記第二の出力流れの少なくとも一部を、前記蒸発器で、凝縮物と組合わせて、前記蒸発器から出力される更に希釈された流れをもたらすことを更に含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
請求項39に記載の方法であって、
水分を、第二の空気接触器で、第二の液体乾燥剤流れから第二の気流に脱着することであって、前記水分の前記脱着が、前記第二の空気接触器の温度を低下させる、脱着することと、
前記熱の一部を、前記ヒートポンプを介して、前記第一の出力流れから前記第二の空気接触器に移動させることと、を含む、方法。
【請求項44】
前記再生装置が、2つ以上の段階を含み、各後続の段階が、前の段階の対応する出力よりも高い濃度の前記液体乾燥剤を有する出力流れを生成するように構成され、前記第一の出力流れが、最高濃度の前記液体乾燥剤を有する、前記2つ以上の段階の前記出力流れに対応する、請求項39に記載の方法。
【請求項45】
前記液体乾燥剤再生装置が、2つの異なる電極で起こるファラデー反応を生じさせる電位によって駆動され、前記ファラデー反応を受ける酸化還元材料が一方の電極から他方に、再び戻って循環する、請求項39に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年12月22日に出願された「Electrochemically Regenerated Liquid Desiccant Dehumidification System Using a Secondary Heat Pump」と題される、米国特許出願第17/559,172号の一部継続であり、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、液体乾燥剤の電気化学的再生を利用するシステムに関する。
【発明の概要】
【0003】
本明細書に記載の実施形態は、電気透析装置を使用するヒートポンプシステムを対象とする。一実施形態では、システムは、第一の入力流れから第一の出力流れを生成するように構成された、液体乾燥剤再生装置を含む。第一の出力流れは、第一の入力流れよりも高い濃度の液体乾燥剤を有する。再生装置はまた、第二の入力流れから第二の出力流れを生成する。第二の出力流れは、第二の入力流れよりも低い濃度の液体乾燥剤を有する。液体乾燥剤再生装置内の液体乾燥剤の再生は、液体乾燥剤再生装置の温度を低下させる。システムは、第一の出力流れに結合され、入力気流を第一の出力流れに曝露する、空気接触器を含む。第一の出力流れは、入力気流から水を吸収して、少なくとも1つの希釈された出力乾燥剤流れを形成する。少なくとも1つの希釈された出力乾燥剤流れは、液体乾燥剤再生装置の中へと循環して戻される。システムのヒートポンプは熱的に結合されて、熱を、第一の出力流れから液体乾燥剤再生装置に移動させる。液体乾燥剤再生装置に移動する熱は、液体乾燥剤再生装置の効率を増加させる。
【0004】
他の実施形態は、第一の入力流れから第一の出力流れを生成するように構成された液体乾燥剤再生装置を含む、システムを対象とする。第一の出力流れは、第一の入力流れよりも高い濃度の液体乾燥剤を有する。再生装置はまた、第二の入力流れから第二の出力流れを生成する。第二の出力流れは、第二の入力流れよりも低い濃度の液体乾燥剤を有する。システムは、第一の出力流れに結合され、入力気流を第一の出力流れに曝露する、空気接触器を含む。第一の出力流れは、入力気流から水を吸収して、少なくとも1つの希釈された出力乾燥剤流れを形成する。少なくとも1つの希釈された出力乾燥剤流れは、液体乾燥剤再生装置の中へと循環して戻される。システムは、凝縮器と蒸発器との間に冷媒ループを有する、蒸気圧縮ヒートポンプを含む。システムはまた、蒸発器と空気接触器との間に流体ループを含み、流体ループは熱的に結合されて、熱を、空気接触器から蒸発器に移動させる。
【0005】
別の実施形態では、方法は、液体乾燥剤再生装置内で、第一の入力流れから第一の出力流れを生成することを含み、第一の出力流れは、第一の入力流れよりも高い濃度の液体乾燥剤を有する。第二の出力流れは、液体乾燥剤再生装置内で、第二の入力流れから生成され、第二の出力流れは、第二の入力流れよりも低い濃度の液体乾燥剤を有する。入力気流は、空気接触器内で、第一の出力流れに曝露される。第一の出力流れは、入力気流から水を吸収して、少なくとも1つの希釈された出力乾燥剤流れを形成する。少なくとも1つの希釈された出力乾燥剤流れは、液体乾燥剤再生装置に再循環される。熱は、ヒートポンプを介して、第一の出力流れから液体乾燥剤再生装置に移動される。
【0006】
いくつかの実施形態では、システムは、第一の入力流れから第一の出力流れを生成するように構成された、液体乾燥剤再生装置を含む。第一の出力流れは、第一の入力流れよりも高い濃度の液体乾燥剤を有する。液体乾燥剤再生装置はまた、第二の入力流れから第二の出力流れを生成するように構成される。第二の出力流れは、第二の入力流れよりも低い濃度の液体乾燥剤を有する。システムは、入力気流に結合され、かつ入力気流から熱を除去して、冷却された入力気流を生成するように構成された、蒸発器を更に含む。その間、システムは、第一の出力流れ、及び冷却された入力気流に結合されて、冷却された入力気流を第一の出力流れに暴露する空気接触器を含み、その結果、第一の出力流れは、冷却された入力気流から水を吸収して、希釈された出力乾燥剤流れ、及び除湿された出力気流を形成する。希釈された出力乾燥剤流れは、液体乾燥剤再生装置の中へと循環して戻される。
【0007】
いくつかの実施形態では、システムは、第一の出力流れが第一の入力流れよりも高い濃度の液体乾燥剤を有するように、第一の入力流れから第一の出力流れを生成するように構成された、液体乾燥剤再生装置を含む。再生装置はまた、第二の出力流れが第二の入力流れよりも低い濃度の液体乾燥剤を有するように、第二の入力流れから第二の出力流れを生成するように構成される。システムは、第一の出力流れに結合されて、入力気流を第一の出力流れに暴露するように構成された、空気接触器を更に含む。第一の出力流れは、入力気流から水を吸収して、希釈された出力乾燥剤流れ、及び除湿された気流を形成する。希釈された出力乾燥剤流れは、液体乾燥剤再生装置の中へと循環して戻される。システムは、除湿された気流に結合され、かつそこから熱を除去して、冷却された除湿された気流を生成するように構成された、蒸発器を更に含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、システムは、一連の出力流れを生成するように構成された液体乾燥剤再生装置を含み、一連の出力流れからの各出力流れは、ある濃度の液体乾燥剤を有するように構成される。いくつかの実施では、液体乾燥剤の濃度は、各出力流れにわたって異なってもよい。システムは、入力気流に結合され、かつ入力気流から熱を除去して、冷却された入力気流を生成するように構成された、蒸発器を更に含む。システムは、一連の空気接触器を更に含む。各空気接触器は、一連の出力流れの1つ以上に結合されて、希釈された出力乾燥剤流れを形成するように、及び入力気流に結合されて、除湿された出力気流を形成するように構成される。希釈された出力乾燥剤流れは、液体乾燥剤再生装置の中へと循環して戻される。第一の一連の空気接触器は、冷却された入力気流に結合され、各後続の接触器は、その上流の接触器(すなわち、蒸発器に向かって)によって出力される空気に結合され、一連の最終的な空気接触器は、除湿された気流を生成する。
【0009】
上記の概要は、本開示の各開示された実施形態又は本開示の全ての実装を説明することを意図していない。以下の図及び詳細な説明は、より具体的には、例示的な実施形態を例示する。
【0010】
以下の考察は、以下の図を指し、同一の参照番号が、複数の図において類似/同一の構成要素を識別するために使用されてもよい。しかしながら、所与の図における構成要素を指すための番号の使用は、同一の番号で標識された別の図における構成要素を制限することを意図していない。図は必ずしも正確な縮尺ではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、例示的な実施形態による、酸化還元流電気化学的再生装置スタック、及び液体乾燥剤システムの図である。
【
図2】
図2は、例示的な実施形態による、再生装置スタック、及び液体乾燥剤システムの様々な条件下での、電力消費量を示すグラフである。
【
図3】
図3は、別の例示的な実施形態による、酸化還元流電気化学的再生装置スタック、及びシステムの図である。
【
図4A】
図4Aは、例示的な実施形態による、液体乾燥剤再生システムに組み込まれた、二次ヒートポンプを示す図である。
【
図4B】
図4Bは、例示的な実施形態による、液体乾燥剤再生システムに組み込まれた、二次ヒートポンプを示す図である。
【
図5】
図5は、例示的な実施形態による、液体乾燥剤再生システムに組み込まれた、二次ヒートポンプを示す図である。
【
図6】
図6は、例示的な実施形態による、冷却システム内の液体乾燥剤システムの、異なる配置を示す図である。
【
図7】
図7は、例示的な実施形態による、冷却システム内の液体乾燥剤システムの、異なる配置を示す図である。
【
図8】
図8は、特定の実施形態による方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示は、電気化学的に再生された、液体乾燥剤除湿システムに関する。液体乾燥剤システムは、とりわけ、加熱、換気、及び空調(HVAC)に使用され得る。空調はエネルギー集約的なプロセスであり、米国の電力消費量のほぼ10%を占め、除湿は、多湿領域におけるエネルギー負荷の半分以上を占める。本明細書に記載のシステムは、ヒートポンプを利用する酸化還元補助電気透析液体乾燥剤再生装置を含む、空調のための除湿の効率的な熱力学的アプローチを提供する。
【0013】
液体乾燥剤(例えば、塩化リチウム、LiCl、及び/又はNaCl、LiBr、及びCaCl2などの他の塩の水溶液)は、空気から、空気-液体界面(例えば、膜界面)にわたって水分を吸収し、これは、乾燥剤溶質の濃度を減少させ、液体乾燥剤の希釈された出力流れをもたらす。ループ内の液体乾燥剤システムを再生するために、希釈された液体乾燥剤は、酸化還元補助再生装置を使用して、効率的に再濃縮することができる。シャトル促進型電解質除去(SUPER)セルと呼ばれるこのタイプの再生装置は、イオン輸送膜、及びレドックスシャトルの使用を通して、溶液中の溶質の濃度を増加、又は減少させることができる。
【0014】
図1では、図は、例示的な実施形態による、SUPERセル100を示す。セル100は、2つの電極116、118、少なくとも3つのイオン交換膜110、112、114、及びエネルギー供給源123を含む。第一の電極116は、第一の酸化還元活性電解質材料の第一の溶液と接触し、第一の酸化還元活性電解質材料との、第一の可逆的酸化還元反応を有するように構成される。第二の電極118は、第二の酸化還元活性電解質材料の第二の溶液と接触し、第二の酸化還元活性電解質材料との、第二の可逆的酸化還元反応を有するように構成される。簡略化の目的で、第一及び第二の酸化還元活性電解質溶液は、酸化還元活性電解質材料を含む、単一のレドックスシャトル溶液117として
図1に示されている。
【0015】
レドックスシャトル溶液の例としては、非常に急速な電気化学的動態、及び無視できる膜透過性を有する非常に安定なフェロセン誘導体である、1,1’-ビス((3-トリメチルアンモニオ)プロピル)フェロセン([BTMAP-Fc]2+)及び1,1’-ビス((3-トリメチルアンモニオ)プロピル)フェロセニウム([BTMAP-Fc]3+)、又は1,1’-ビス((3-ジメチルエチルアンモニオ)プロピル)フェロセン([BDMEAP-Fc]2+)及び1,1’-ビス((3-ジメチルエチルアンモニオ)プロピル)フェロセニウム([BDMEAP-Fc]3+)、又はフェロシアニド/フェリシアニド([Fe(CN)6]4?/[Fe(CN)6]3?)が挙げられる。例えば、レドックスシャトル溶液の更なる詳細は、2021年7月30日に出願された、共同所有の、米国特許出願第17/390,600号(代理人整理番号20210171US01/0600.382US01)に見出すことができ、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0016】
レドックスシャトル117は、レドックスシャトルループ124によって示されるように、2つの電極116、118の間で循環される。エネルギー供給源123によって、各電極116、118に電位が印加されると、レドックスシャトルは、第一の電極(例えば、116)で酸化され、反対側の電極(例えば、118)で還元される。エネルギー供給源123は、電池、光起電力パネル、ガルバニ電池、ポテンシオスタット、AC/DC電力コンバータなどの、任意の様々な直流(DC)エネルギー供給源であってもよく、エネルギー供給源は、電気化学セル100内に含まれてもよく、又は外部にあってセル100に結合されてもよい。したがって、シャトル117が電極間で循環するにつれて、シャトル117の部分は、酸化還元状態間で連続的に交互に動作する。換言すれば、電位は、2つの異なる電極116、118で起こる、ファラデー反応を生じさせ、ファラデー反応を受ける酸化還元材料は、一方の電極から他方の電極に循環し、再び循環する。
【0017】
特定の実施形態では、各電極116、118は、ループ内に流れる同一のレドックスシャトル溶液117の代わりに、別個の酸化還元活性溶液と接触してもよい。別個の酸化還元活性溶液は、同一の酸化還元活性電解質材料、又は異なる酸化還元活性電解質材料を有してもよい。各々の電極116、118に対して異なる酸化還元活性溶液を使用する場合、エネルギー供給は、電極に供給される電位を定期的に逆転させて、各々の酸化還元活性電解質材料溶液の電荷の状態(例えば、還元状態と比較して酸化状態にある、各溶液中の酸化還元活性電解質材料の割合)を回復させ得る。
【0018】
電極116、118の間には、交換されるイオンのタイプで交互に動作する、3つのイオン交換膜がある。例えば、3つの膜のうち、中央の膜110は、
図1に示されるように、第二の陰イオン交換膜112、及び第三の陰イオン交換膜114に隣接する陽イオン交換膜であってもよい。しかしながら、他の実施形態では、中心の、第一の膜は、陰イオン交換膜であってもよく、第二及び第三の膜は、陽イオン交換膜であってもよい。膜110、112、114は、電気化学セル100内の、チャンバ、チャネル、又はリザーバを画定する。図でわかるように、第一の膜110、及び第二の膜112は、第一のチャンバ106を画定し、これは、この実施例では、流体中の塩分濃度を減少させる脱塩チャンバとして構成される。第一の膜110は、第三の膜114と組合わされて、第二のチャンバ108も画定し、これは、この実施例では、流体中の塩分濃度を増加させる塩化チャネルとして構成される。
【0019】
膜110、112、114は、イオン選択性、及び透水性であり、有機溶媒に不溶性であり、反応混合物、及び/又は生成物中で不活性である(例えば、化学的に変化しない)。特定の実施形態では、膜は、膜自体に組込まれたポリマーメッシュで補強され、他の実施形態では、膜は補強されない。これは、追加の膜、例えば、各々の、N-1個のチャネル又はリザーバを画定する、交互タイプのN個の膜に拡張され得ることが理解されよう。
【0020】
第一の流れ102は、電気化学セル100の第一のチャンバ106を通って流れる。第一の流れ102は、第一のチャンバ106に入る時に、第一の塩分濃度(この実施例では、約35重量%)で溶媒中に溶解された、少なくとも溶媒(この実施例では、水)、及び塩(この実施例では、LiCl)を含む。第二の流れ122は、電気化学セル100の第二のチャンバ108を通って流れる。第二の流れ122は、第一のチャンバに入る時に、第二の塩分濃度(約35重量%)を有する。第二の塩分濃度は、この実施例では第一の塩分濃度と同一であるが、異なってもよい。電気化学セル100の動作モードの間、電位が、電極116、118に印加され、第一の、及び第二の流れ102、122は、第一の、及び第二のチャンバ106、108を通して移動(例えば、ポンプ注入)される。
【0021】
電位が電極116、118に印加されると、レドックスシャトル117は、一方の電極116で酸化され、他方の電極118で還元され、それによって、塩イオン127を、第一のチャンバ106内の第一の流れ102から、第二のチャンバ108内の第二の流れ122内に駆動する。特に、第一の電極116におけるレドックスシャトル117は、第一のチャンバ106内の触媒から、少なくとも1つのイオン134を受ける。第二の電極118におけるレドックスシャトル117は、少なくとも1つのイオン133を、第二のチャンバ108内の第二の流れ122の中へと駆動し、電荷は、イオン133、134とは反対の電荷の標識である少なくとも1つのイオン127を、第一のチャネル106内の第一の流れ102から、中央の膜110を横切って、第二のチャネル108内の第二の流れ122の中へと駆動することによって、バランスが取られる。
【0022】
電極に印加される電位の結果は、動作モード中に、第一の流れ102が、第一のチャンバ106を出る時に、塩の濃度が低減され(例えば、1%閾値濃度未満)、第二の流れ122が、第二のチャンバ108を出る時に、塩の濃度が増加することである。第一の、及び第二のチャンバ106、108の出力は、同様のSUPERセルの後続の段階によって更に処理されて、同様の、又は増加したレベルの、脱塩、及び塩化を達成することができる。こうした系は、水溶性イオン塩などの、様々な他の塩と共に使用され得る。塩中に存在し得る陽イオンの例としては、ヒドロニウム、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、亜鉛、及び鉄が挙げられるが、これらに限定されない。塩中に存在し得る陰イオンの例としては、塩化物、臭化物、ヨウ化物、ハロゲン化物オキシアニオン、硫黄オキシアニオン、リンオキシアニオン、及び窒素オキシアニオンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0023】
上述のように、SUPERセル100は、SUPERセル100に結合された、
図1に示される、直接接触器、充填層型空気接触器、又は液体-空気膜エネルギー交換器(LAMEE)130を含む、液体-空気間、熱、及び質量交換器を通って流れる、液体乾燥剤流れを再生するために使用され得る。本開示の目的のために、実施形態のいずれかに示される、LAMEEの事例は、任意のタイプの、直接接触、又は膜型液体-空気熱若しくは質量交換器で置換えられ、及び/又は増強され得る。
【0024】
図1に示されるように、第二の濃縮された流れ122は、LAMEE 130への入力131として使用される。LAMEE 130は、比較的高い相対湿度(RH)で入力気流142を受け、入力気流142内の水蒸気は、液体乾燥剤に吸収される。これにより、LAMEE 130は、比較的低いRHで、出力気流144を出力する。液体乾燥剤に吸収される水は、LAMEE 130からの希釈された出力流れ143をもたらし、これは、SUPERセルにフィードバックされ得る。この場合、第一の希釈された流れ102の出力は、廃棄されるか、又は他の場所で使用され得る。
【0025】
液体乾燥剤への水の吸収は、LAMEE 130を通って流れる空気142、144の温度の上昇をもたらし、これは、水が気体から液体に凝縮する時に周知の熱力学的現象である。この温度上昇は、LAMEE 130から熱エネルギー135を吸収する、熱吸収/受容要素136(例えば、熱交換器)によって、低減又は除去することができる。熱はまた、SUPERセル100のエネルギー消費に影響を与え得る。例えば、より高温でSUPERを実行することは、例えば、膜/電極/溶液の電気抵抗を低下させ、電気化学的動態を増加させることによって、その動作をより効率的にすることができる。したがって、熱放出/排出要素138(例えば、熱交換器)は、SUPERセル100、及び/又はその内部流れのいずれかに、熱139を供給することができる。例えば、SUPER内の特定の構成要素、又は流体流れに熱を印加することは、好ましい現象(抵抗など)を促進し、好ましくない現象(水浸透など)を阻止するために、SUPER内部の温度勾配を誘発するために使用されることができる。複数の段階を有するSUPER設計では、特定の段階に熱を印加して、好ましい性能を促進することができる。SUPERセル100に熱を入力することはまた、液体乾燥剤の再生による吸熱効果を補償することができる。
【0026】
SUPERセル100の構成要素の特定のサブセットは、熱伝導構造、蒸気チャンバヒートパイプ、ヒートシンクからの対流伝達などの、従来の熱伝達要素を使用して、熱遮断要素138を介して加熱され得る。一実施形態では、要素138からの熱を、膜110、112、114の1つ以上に印加して、電気抵抗を低下させることができる。別の実施形態では、要素138からの熱を、電極116、118の1つ以上に印加して、電気抵抗を低下させることができる。別の実施形態では、SUPERセル100へ流れ143の入力は、セルに入る前、又は後に加熱されてもよい。例えば、希釈された流れ102を比較的冷却した状態に保ちながら、濃縮された流れ122を加熱することは、中央の膜110を通過する水浸透を低減することができる。他の実施形態では、レドックスシャトルループ124は、加熱されてもよい。
【0027】
LAMEE 130を通る乾燥剤流れの流量はまた、温度、及びシステムエネルギー消費に影響を与え得る。液体乾燥剤の高い流量は、入力流れ131と出力流れ143との間の、低い濃度変化を有する。これは、再生がより高い濃度でより多くのエネルギーを必要とするため、SUPERセルを介して入力流れ131を再濃縮するために、より多くのエネルギーを必要とする場合がある。例えば、
図2のグラフは、LiCl乾燥剤濃度が25~30重量%よりも高いと、セル電圧のエネルギー消費曲線の傾斜が、0.1~0.5ボルトの顕著な増加を示す。一方、高い乾燥剤流量であるが、LAMEE 130からの熱135の遮断はあまり必要としない場合がある。LAMEE 130を通る液体乾燥剤の低い流量は、入力流れ131と出力流れ143との間の、濃度変化を増加させる。これは、SUPERセル100を介して入力流れ131を再濃縮するために必要な、エネルギーを低減することができるが、LAMEE 130からの熱135の遮断を増大させ得る。
【0028】
熱吸収要素136、及び熱放出要素138は、同一のヒートポンプ、又は2つの異なるヒートポンプに熱的に結合されてもよい。一般的に、ヒートポンプは、熱伝達媒体(例えば、ガス、液体、又は固体)を利用して、自然熱伝達の方向とは反対の方向に、熱を移動させるシステムである。周知のヒートポンプシステムは、冷蔵装置、及び空調で使用される、蒸気圧縮(VC)サイクル機械を含む。作動流体(例えば、R-134A、R-407Cなどの冷媒)は、圧縮され、凝縮器内で凝縮される。圧縮及び凝縮は、流体温度の上昇を引起こし、外気(OA)、又は他のヒートシンクへの熱伝達をもたらす。冷却された作動流体は、凝縮器から膨張弁に送られ、そこで、蒸発器へ蒸発する。蒸発は熱を吸収し、作動流体は、コンプレッサに送り戻されて、サイクルを完了する。作動流体のこの流路は、本明細書では冷媒ループとも呼ばれる。
【0029】
他のタイプのヒートポンプシステムは、液体冷媒が低分圧環境で蒸発し、周囲から熱を吸収する、蒸気吸収システムを含む。次いで、蒸気は別の液体に吸収され、次いで、加熱されて、冷媒を再び蒸発させる。吸収システムの1つの利点は、冷媒自体以外の可動部品を使用しないで構築できることである。地中熱ヒートポンプなどの他のヒートポンプは、作動流体を使用して、一定の温度源(例えば、地面)を利用して、地表へ、又は地表から熱を伝達し、作動流体の相変化に依存する必要がない場合がある。固体は、熱電式冷却デバイスなどの、ヒートポンプ媒体として使用することができる。
【0030】
本明細書に記載の実施形態は、二次ヒートポンプの使用によって、電気化学的に再生された液体乾燥剤除湿器の性能を改善する。概して、この用語が本明細書で使用される場合、一次ヒートポンプは、加熱/冷却標的(例えば、HVACシステム、又は水流中の、強制空気)と、熱シンク(例えば、地面、又は大気)との間で、熱を移動させる。二次ヒートポンプは、システム内の他の構成要素を加熱又は冷却するために、一次ヒートポンプ経路内に、追加の熱交換器を含む。多くの除湿システムは、一次ヒートポンプ(VCサイクルの空調の場合のように)、又は二次ヒートポンプ(熱的に再生された乾燥剤ホイールの場合のように)のいずれかを使用する。ヒートポンプは、空気を冷却することによって空気の相対湿度を増加させるために、又は除湿後に空気を冷却するために使用することができ、除湿によって引起こされる加熱を補償する。いくつかの実施形態では、電気化学的に再生された液体乾燥剤システムは、二次ヒートポンプの熱遮断(高温側)、二次ヒートポンプの熱受容(低温側)、又はその両方と、直接的に結合する。
【0031】
ヒートポンプの態様についてより詳細に論じる前に、
図1に示される液体乾燥剤システムは、効率を改善するために、2つ以上のSUPERセルを採用し得ることが理解されよう。例えば、液体乾燥剤溶液の濃度レベルを、より小さくて、個別の工程で変化させることは、SUPERセルの各チャネルにおける浸透圧差を、最小化することができる。それ故に、いくつかの実施形態では、SUPER液体乾燥剤再生装置は、2つ以上の段階を有し、各後続の段階は、前の段階よりも高い液体乾燥剤の濃度を有する出力流れを生成するように、構成される。
【0032】
図3では、図は、液体乾燥剤再生システムの効率を高めるために、2つのSUPERセル300、302のスタック301を、2段階再生装置に一緒に結合する方法を示す。LAMEE 304は、第一のSUPERセル300から、液体乾燥剤の濃縮された流れ306を受容する。流れ306の濃度レベルはここでは約30%であるが、これらは例示の目的で提供された推定値であり、限定するものではない。LAMEE 304は、気流(図示せず)からの水を液体乾燥剤に吸収させ、この実施例では、約20%の低濃度の乾燥剤を有する出力流れ308、309をもたらす。流れ308、309は、LAMEE 304から別個に出ることが示されているが、LAMEE 304内又は外側の、共通の流体ポートに結合され得ることに留意されたい。
【0033】
出力流れ308は、流体接合部310(例えば、T接合部、又はマニホールド)を介して、第一のSUPERセル300の塩化チャネル300aにフィードバックされ、そこで入力濃度まで再生される。他の出力流れ309は、第一のSUPERセル300の脱塩チャネル300bに供給され、そこで、約10%の濃度に脱塩される。この低濃度溶液は、流体接合部312で分割され、流体接合部312は、第二のSUPERセル302の脱塩チャネル302bを通して第一の流れ314を送り、低濃度、例えば1%未満の、排出流315をもたらす。接合部312からの低濃度溶液の第二の流れ316は、第二のSUPERセル302の塩化チャネル302a内に送られ、そこで、増加した濃度流れ318として出て、接合部310で、LAMEE出口流れ308と再結合される。
【0034】
この例では、SUPERセル302は、第一の段階を形成し、SUPERセル300は、第二の段階を形成する。後続の第二の段階は、前の第一の段階の出力の対応する出力流れよりも高い液体乾燥剤の濃度(この実施例では、30%)を有する、出力流れを生成する。第一の段階の対応する出力は、この実施例では、20%である。ポンプ320、322は、液体乾燥剤流れを駆動して示されるが、ポンプの数、及び位置は、ここで示されているものとは異なってもよい。一般に、処理の異なる段階で使用される、各SUPERセルに対して、1つのポンプが使用され得る。他のポンプ(図示せず)を使用して、SUPERセル300、302内の、レドックスシャトルを駆動してもよい。
【0035】
図1に示される配置と同様に、
図3に示されるシステムは、LAMEE 304から熱324を受容するための、及び/又はSUPERセル300、302に熱326を入力するための、及び/又はセル300、302を通してポンプ注入される流体のための、少なくとも1つの熱伝達要素を含む。熱326は、SUPERセル300、302(例えば、セル300、又は302、両方ではない)の単一の段階に印加されてもよく、熱の印加は、効率に最も大きな影響を与えることになることに留意されたい。これは、SUPERセル300、302の単一のサブ構成要素のみに熱326を印加することを含み得る。2つ以上の段階(例えば、2超のN段階)を有するシステムの場合、2つ以上の段階のサブセットが加熱されてもよく、サブセットは、1つの段階からN-1段階までの範囲に及ぶ。サブセットにはないいずれの段階も、熱326によって直接加熱されないが、液体乾燥剤及びこれに類するものの循環に起因して、いくつかの間接的な加熱が発生し得る。SUPERセル300、302への熱326の入力は、いくつかの方法で達成され得る。二次ヒートポンプの高温側は、ケーシング、電極、膜などを通した伝導性熱伝達を通してなど、SUPER電気化学的再生装置セルと、熱的に接触させることができる。
【0036】
図4Aでは、ブロック図は、例示的な実施形態による、二次ヒートポンプを備えた液体乾燥剤再生システムを示す。SUPERセルスタック400は、3つのセルを含み、各々が、そのチャネル内の塩分を、約5%(
図3に示されるスタック301の、約10%と比較して)増加又は減少させる。SUPERセルスタック400は、除湿LAMEE 401のための溶液を、再生する。上述のように、特定の乾燥剤を使用してSUPERスタック400によって実施される、電気化学的再生は、冷却効果を生成する。二次ヒートポンプの高温側は、SUPERスタック400を通って流れる液体乾燥剤へ熱を遮断する、熱交換器402を含む。この実施例では、二次ヒートポンプは、OA凝縮器404、膨張弁405、蒸発器406、及びコンプレッサ407を含む一次VCヒートポンプ冷媒ループに結合される。例えば、空調冷媒は、一次ヒートポンプ、及び二次ヒートポンプの両方によって、作動流体として使用することができる。
図4Bはまた、例示的な実施形態による、二次ヒートポンプを備えるが、膨張弁が、蒸発器及び空気接触器(すなわち、1つ以上の空気接触器)に、並列に経路指定され、蒸発器が空気接触器に入る気流を予冷却するために空気接触器の上流に配置された、液体乾燥剤再生システムのブロック図を示す。更に、
図4Bの点線に示されるように、様々な構成要素は任意であり、そのため、他の例示的な実施形態では、点線で示されるそれらの構成要素は、システムから除外され得る。
【0037】
二次ヒートポンプの高温側熱交換器402は、SUPERスタック400内の冷却効果の一部をオフセットする。SUPERスタック400は、より高い温度で、低減された電気抵抗及びイオン抵抗を受け、より高い温度で、損失の低減をもたらす。高温側熱交換器402はまた、凝縮器404に到達する前に、蒸気圧縮ループの高温側温度を低下させ、これは、一次ヒートポンプに対して直接的な熱力学的利益を有する。SUPERスタック400と高温側熱交換器402との間の熱接触は、直接統合(例えば、スタックの固体構成要素への熱伝導)、間接統合(例えば、スタック内にポンプ輸送される流体への伝導、及び/若しくは対流熱伝達を介して)、又はそれらの組合せを介して、達成することができる。これは、冷媒(コンプレッサ407によってポンプ輸送される)への直接接触を使用して、又は第三の流体ループ(図示せず)を使用して、達成され得る。
【0038】
いくつかの事例では、SUPERセルスタック400は、二次ヒートポンプからの全ての熱を吸収することはできないと予想される。他の実施形態では、ヒートポンプの高温側は、液体乾燥剤から気流(図示せず)に水を脱着して、液体乾燥剤の温度を低下させる、LAMEE 408を加湿するなど、二次空気接触器と(直接的、又は間接的に)結合することができる。他の実施形態では、非常に低濃度の溶液出口流を有する、SUPERセルスタックの出口流体410は、より濃縮された液体乾燥剤流411を出力する、加湿LAMEE 408に供給されることによって、システム内で再使用することができる。ヒートポンプの高温側を使用して、周囲湿度レベルが100%であったとしても、この出口流体410を、再生することができる。これは、出口流体410が加湿LAMEE 408によって再濃縮され、SUPERセルスタック400にフィードバックされるという点で、SUPERセルスタック400がもはやドレインを必要としないであろうという、固有の利益を再生装置に提供する。湿度が100%未満の場合、ヒートポンプは、二次ヒートポンプの温度範囲を低下させ、その効率を増加させる、蒸発冷却から利益を得るであろう。
【0039】
別の実施形態では、除湿LAMEE 401は、膨張弁405の前の熱交換器412、及び膨張弁405の後の熱交換器414によって示されるように、ヒートポンプの低温側と熱的に接触する。提供される冷却の量は、例えば、この実施例では、熱交換器414を通る流れを調整する、任意の可変バイパス弁415、416を利用することによって、調整することができる。同様の弁配置を使用して、熱交換器402、412、又は二次ヒートポンプの任意の他の構成要素を通る、流れを調整することができる。弁は、システム温度を監視し、弁を自動的に調整して、1つ以上の所望の動作点を維持する、システムコントローラに連結され得る。
【0040】
LAMEE入力流れの冷却は、LAMEE 401のより低い温度でのRHの増加により、SUPERセルスタックがより低い塩分濃度で動作することを可能にする。塩分濃度を低下させると、SUPERセルスタック400の効率が増加する。更に、二次ヒートポンプは、LAMEE空気接触器の出口温度を直接制御して、別個の熱交換器の必要性をなくし、場合によっては、システム全体のコストを削減することができる。図示した蒸発器406は、例えば、LAMEE 401を通過する前、又は後に、一次気流に対して顕熱冷却を提供する。
【0041】
図5では、ブロック図は、別の例示的な実施形態による、二次ヒートポンプを備えた液体乾燥剤再生システムを示す。一次ヒートポンプ構成要素、及び二次ヒートポンプ構成要素は、この実施例では、類似して機能するが、3セルSUPERスタック500は、複数の段階の液体乾燥剤を、4段階の除湿LAMEE 501に供給する。この配置では、低温側熱交換器512、514は、異なるSUPER-LAMEE乾燥剤流の各々に対して、複数の独立した熱交換セクションを有してもよい。このシステムは、
図5に示されるように、加湿LAMEEを使用して、熱を吸収することができ、また、制御弁を使用して、二次ヒートポンプを調整することができる。
【0042】
いくつかの乾燥剤技術では、ヒートポンプは、除湿器からの凝縮の潜熱を受容するために使用される。これは
図5に示されており、外気+還気520は、除湿LAMEE 501を通過し、低RH冷却送達空気521として出力される前に、蒸発器406に入力される。蒸発器406は、液体除湿の潜熱を考慮するために、LAMEE 501に送られる空気を過冷却する必要がある場合がある。このように吸収される潜熱は、凝縮器404で、周囲に排出される。除湿LAMEE 501の液体乾燥剤が、送達空気521の目標温度の近くに保持される場合、空気は、除湿器を離れる際に調整される。これにより、過冷却が防止され、調整プロセスがより高い平均調製温度で行われ、効率が改善される。
【0043】
あるいは、蒸発器は、除湿器の下流に配置することができる。これは、
図4Aに示され、外気+還気420が、蒸発器406を通過する前に除湿LAMEE 401に入力され、そこで、低RH送達空気421になる。この構成は、蒸発器406上の水の凝縮を排除し、その効率を高め、その空気圧力降下を低下させ、システムのファン動作を低減する。
図4及び
図5の気流方向は、例示の目的で提示されており、いずれの実施形態(及び本明細書に記載の他の実施形態)も、除湿器及び蒸発器に対して、いずれかの気流方向を使用し得ることに留意されたい。
【0044】
可能な限り高い蒸発器温度で動作し、乾燥剤システムサイズを最小化するために、除湿器への予蒸発器冷却を、使用することができる。
図6では、ブロック図は、例示的な実施形態による、予蒸発器冷却を有する、液体乾燥剤再生システムを示す。SUPER再生装置スタック600は、除湿LAMEE 601を供給する。蒸気圧縮ヒートポンプは、OA凝縮器604、膨張弁605、蒸発器606、コンプレッサ607、及び冷媒ループ608を含む。可能な限り高い蒸発器温度で動作し、乾燥剤システムサイズを最小化するために、予備蒸発器冷却要素は、除湿LAMEE 601から熱を抽出することができる。
図6では、この予備蒸発器及び冷却要素は、例えば、流体ループ610、及びポンプ612によって示される。流体ループ内の流体は、液体乾燥剤であってもよく、又は異なる流体(例えば、水、エチレングリコールなど)が使用され、熱交換器を介して、LAMEE 601に移動されてもよい。
【0045】
蒸発器606は、もはや目標出口温度未満に冷却する必要はないが、追加的なエネルギーコストなしで、蒸発器606上で、かなりの量の水分を除去してもよい。除湿器601は、予蒸発器上での凝縮に起因して、サイズがなおも低減され得る。液体乾燥剤再生装置600がSUPERスタックである場合、
図7に示されるように、希釈溶液は、蒸発器凝縮液によって更に希釈され得る。
図7では、蒸発器706、及び除湿器701は、送達温度まで冷却、及び凝縮の両方を行う、第一のセクション(蒸発器706)を有する、単一の空気接触器を形成する。第二のセクション(除湿器)は、恒温除湿を実施する。2つのセクションは、ヒートパイプ、二相流、単相流、伝導などの、任意の組合わせを使用して、熱的に接触する。再生装置700は、液体乾燥剤を再生する。再生装置700にSUPERスタックを使用する場合、再生装置からの希釈された流れ704は、蒸発器706で凝縮物と組合わされ、更なる希釈出力流れ705をもたらす。この流れ704は、蒸発器706を「清掃」し、蒸発器706からの加圧流出を追加するために使用され得る。VCシステムの特定の構成要素(例えば、凝縮器、圧縮機)は、蒸発器706で使用されるが、この図には示されていないことに、留意されたい。
図6及び
図7に示す特徴(例えば、流体ループ612、及び希釈流704)は、
図1、及び
図3~
図5で前述した実施形態に、追加することができる。
【0046】
上記に開示されて実施形態では、ヒートポンプは、熱を吸収する蒸発器、及び熱を出力する凝縮器と共に示されていることに、留意されたい。これらの実施形態のいずれかでは、蒸発器を冷却溶液熱交換器と交換することができ、及び/又は凝縮器を加熱溶液熱交換器と交換することができる。冷却及び加熱された溶液は、水、水/グリコール溶液、生理食塩水などを含んでもよい。ヒートポンプは、蒸発器及び凝縮器を有する蒸気圧縮システムを更に含み得るが、熱伝達は、蒸発器及び凝縮器と直接接触するのではなく、システムを通した溶液の循環を通して達成される。
【0047】
図8では、フロー図は、例示的な実施形態による方法を示す。方法は、液体乾燥剤再生装置内の第一の入力流れから、第一の出力流れを生成すること800を含み、第一の出力流れは、第一の入力流れよりも高い濃度の液体乾燥剤を有する。第二の出力流れは、801で、第二の入力流れから生成される。第二の出力流れは、第二の入力流れよりも低い濃度の、液体乾燥剤を有する。入力気流は、802で、空気接触器内の第一の出力流れに暴露される、第一の出力流れは、入力気流から水を吸収して、少なくとも1つの希釈された出力乾燥剤流れを形成する。少なくとも1つの希釈された出力乾燥剤流れは、803で、液体乾燥剤再生装置の中へと再循環される。熱は、ヒートポンプを介して空気接触器から液体乾燥剤再生装置に入る前に、804で、第一の出力流れから移動する。
【0048】
要約すると、電気化学的に再生された、除湿及び空調システムにおけるエネルギー消費を低減し、システム性能を延長し、別個の制御で共存する顕熱加熱及び顕熱冷却を可能にすることができる、システム及び方法が記載される。一実施形態では、二次ヒートポンプは、電気化学的に再生された液体乾燥剤システムの、動作条件を調整するために使用される。電気化学的に再生された液体乾燥剤除湿器は、二次ヒートポンプシステムが、水蒸気吸収温度、再生温度、又は両方の組合わせを制御するために利用される、空気を除湿するための、少なくとも1つの空気接触器を有する。再生温度は、再生装置内で、加湿に使用される1つ以上の空気接触器内で、又は両方の組合わせで、直接制御することができる。
【0049】
別途示されていない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用されるサイズ、量、物理的特性を表す全ての数は、全ての場合にのいて、「約」という用語によって修飾されるものとして、理解されるべきである。したがって、反対に示される場合を除き、前述の本明細書及び添付の特許請求の範囲に記載される、数値パラメータは、本明細書に開示される技法を利用して、当業者によって取得されることが求められる、所望の特性に応じて、変化する可能性がある近似値である。終点による数値範囲の使用は、その範囲内の全ての数(例えば、1~5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5を含む)、及びその範囲内の任意の範囲を含む。溶質濃度のパーセントによる全ての記載は、別途示されていない限り、重量パーセントを記載することを意味する。
【0050】
前述の説明は、例示及び説明の目的で提示されている。網羅的であること、又は開示される正確な形態に実施形態を制限することを意図するものではない。上記の教示に照らして、多くの修正及び変形が可能である。開示された実施形態のいずれか又は全ての特徴は、個別に又は任意の組合わせで適用することができ、限定することを意図するものではなく、単に例示的である。本発明の範囲は、この詳細な説明ではなく、むしろ、本明細書に添付される特許請求の範囲によって決定されることが意図される。
【国際調査報告】