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特表2025-500533同調可能なマイクロ波/ミリ波リフレクタ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-09
(54)【発明の名称】同調可能なマイクロ波/ミリ波リフレクタ
(51)【国際特許分類】
   H01Q 15/14 20060101AFI20241226BHJP
   H01Q 3/46 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
H01Q15/14 Z
H01Q3/46
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024538702
(86)(22)【出願日】2022-12-26
(85)【翻訳文提出日】2024-07-12
(86)【国際出願番号】 IB2022062782
(87)【国際公開番号】W WO2023119259
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】63/293,781
(32)【優先日】2021-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/353,597
(32)【優先日】2022-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/395,918
(32)【優先日】2022-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519011865
【氏名又は名称】アリエル サイエンティフィック イノベーションズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(72)【発明者】
【氏名】アブラモヴィッチ,アミール
(72)【発明者】
【氏名】ローズバン,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ロトシルド,デイビッド
【テーマコード(参考)】
5J020
5J021
【Fターム(参考)】
5J020AA03
5J020BA06
5J020DA03
5J021AA09
5J021AB06
5J021BA02
5J021DB03
5J021EA02
5J021FA01
5J021FA02
5J021GA02
5J021HA05
(57)【要約】
開示されているのは、電磁メタサーフェスを備えるリフレクタでマイクロ波/ミリ波ビームを所望の方向に反射する方法であり、またマイクロ波/ミリ波リフレクタにも適用できる。いくつかの実施形態では、リフレクタは、感光性部品を含むリフレクタの一部に光(いくつかの実施形態では、画像を構成する投影光)を投影することによって同調可能である。光の投射は、感光性部品の少なくとも1つの電気特性の値を制御可能に設定し、感光性部品の電気特性の値は、メタサーフェスが入射マイクロ波/ミリ波ビームに誘導する位相シフトを集合的に決定し、誘導された位相シフトは、ビームが反射される方向を決定する。
【選択図】図7A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ波および/またはミリ波(ミリ波)を所望の方向に反射する方法であって、
a.誘電体基板の表面上に複数の導電性パッチを含む反射面を提供するステップであって、各前記導電性パッチは、前記感光性部品を照射する光の特性に依存する電気特性を有する少なくとも1つの感光性電子部品と有線で電気接続されており、前記感光性部品の前記電気特性の値は、集合的に、前記反射面が入射マイクロ波/ミリ波ビームに誘導する位相シフトを決定し、この誘導位相シフトは、入射ビームが反射される方向を決定するステップと、
b.前記電気特性を所望の値に設定するように、各前記感光性部品を光の特性の選択された値で照射するステップと、
を含み、入射マイクロ波/ミリ波ビームに位相シフトを誘導し、前記ビームを所望の方向に反射させることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記感光性部品を照射する光の特性に依存する前記電気的特性は、静電容量、位相、誘電率、インダクタンスおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記感光性部品は、PNダイオード、PINダイオード、PPD、CCD、フォトレジスタ、フォトトランジスタ、およびショットキーバリアフォトダイオードからなる群から選択される、請求項1から2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
前記照明光は、400μmから2000μmの間の波長を有する光を備える請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記感光性部品が表面上に配置され、前記照明が、各前記感光性部品が光の特性の対応する選択された値で照明されるように、前記表面上に画像を投影することを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記複数のパッチは、n行を有する2次元アレイで前記誘電体基板の前記表面上に配置され、各前記行はm個の前記パッチを有し、nおよびmは少なくとも2の整数である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
nとmは等しい、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
同じ前記行の隣接する前記パッチは、前記感光性部品を介して有線で電気接続され、前記パッチは、異なる前記行のパッチから電気的に絶縁されている、請求項6から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記リフレクタは、導電性接地部品をさらに含み、各前記感光性部品は、単一の前記パッチおよび前記導電性接地部品と有線で電気接続されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
同調可能なマイクロ波および/またはミリ波(ミリ波)リフレクタ(10、38、48、50、52、54、56、58、59、60、76)であって、
感光性部品(22)を照射する光の特性に依存する電気特性を有する複数の感光性部品(22)と、マイクロ波/ミリ波反射面(12)と、を備え、
上部誘電体表面(16)を規定する誘電体基板(18)と、
前記上部誘電体表面(16)上の複数の導電性パッチ(14)であって、各前記導電性パッチ(14)は、少なくとも1つの前記感光性部品(22)と有線で電気接続される、複数の導電性パッチ(14)と、を含み、
前記感光性部品(22)の前記電気特性の値は、集合的に、前記反射表面(12)が入射マイクロ波/ミリ波ビーム(68)に誘導する位相シフトを決定し、誘導された位相シフトは、入射ビーム(68)が反射される方向を決定する、同調可能なマイクロ波および/またはミリ波(ミリ波)リフレクタ(10、38、48、50、52、54、56、58、59、60、76)。
【請求項11】
前記感光性部品(22)を照射する光の特性の値に依存する前記電気的特性が、静電容量、位相、誘電率、インダクタンスおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項10に記載のリフレクタ。
【請求項12】
前記感光性部品(22)が、PNダイオード、PINダイオード、PPD、CCD、フォトレジスタ、フォトトランジスタ、およびショットキーバリアフォトダイオードからなる群から選択される、請求項10から11のいずれか一項に記載のリフレクタ。
【請求項13】
前記誘電体基板(18)は、前記上部誘電体表面(16)である第1の平面表面と、前記基板の平面下面である第2の平面表面とを有する基板である、請求項10から12のいずれか一項に記載のリフレクタ。
【請求項14】
前記誘電体基板(18)は、少なくとも0.1mm以上10mm以下の厚さである、請求項10から13のいずれか一項に記載のリフレクタ。
【請求項15】
前記感光性部品(22)が配置される第2の誘電体表面(28)をさらに備える、請求項10から14のいずれか一項に記載のリフレクタ。
【請求項16】
前記第2の誘電体表面(28)が平面である、請求項15に記載のリフレクタ。
【請求項17】
前記第2の誘電体表面(28)は、前記第1の誘電体表面(16)と平行である、請求項16に記載のリフレクタ。
【請求項18】
前記第2の誘電体表面(27、28)は、前記誘電体基板(18)とは異なる第2の誘電体基板(26)の表面である、請求項13から17のいずれか一項に記載のリフレクタ。
【請求項19】
前記第2の誘電体基板(26)は、前記第2の誘電体表面(28)である第1の平面と、前記基板の平面上面である第2の平面とを有する基板である、請求項18に記載のリフレクタ。
【請求項20】
前記誘電体基板(18)と前記第2の誘電体基板(26)は、導電性接地部材(24)によって分離されている、請求項18から19のいずれか一項に記載のリフレクタ。
【請求項21】
前記導電性接地部品(24)は平面状であり、厚さが1μm以上200μm以下である、請求項20に記載のリフレクタ。
【請求項22】
前記導電性接地部品(24)がフローティング接地として構成されている、請求項20から21のいずれか一項に記載のリフレクタ。
【請求項23】
前記パッチ(14)の少なくとも一部が、前記誘電体基板(18)、前記導電性接地部品(24)および前記第2の誘電体基板(26)を、前記導電性接地部品(24)と電気的に接触することなく通過する導体(30)を介して、少なくとも1つの前記感光性部品(22)と有線で電気接続されている、請求項20から22のいずれか一項に記載のリフレクタ。
【請求項24】
前記誘電体基板(18)および前記第2の誘電体基板(26)はPCB基板であり、前記誘電体基板(18)、前記導電性接地部品(24)および前記第2の誘電体基板(26)を通過する前記導電性部品はビア(30)である、請求項23に記載のリフレクタ。
【請求項25】
少なくとも4つの前記パッチ(14)を備える、請求項10から24のいずれか一項に記載のリフレクタ。
【請求項26】
前記パッチ(14)は、n行(20)を有する2次元アレイで前記上面(16)上に配置され、各行(20)はm個の前記パッチ(14)を有し、nおよびmは少なくとも2の整数である、請求項10から25のいずれか一項に記載のリフレクタ。
【請求項27】
前記パッチ(14)はそれぞれ、前記上部誘電体表面(16)の0.025mm2(0.5mm×0.5mm)以上100mm2(10mm×10mm)以下の表面積をカバーする、請求項10から26のいずれか一項に記載のリフレクタ。
【請求項28】
1nm(7銅原子半径)以上1000μm以下の距離を隔てた2つの隣接する前記パッチ(14)を備える、請求項10から27のいずれか一項に記載のリフレクタ。
【請求項29】
前記パッチ(14)の少なくとも50%が、2つの前記感光性部品(22)と有線で電気接続されている、請求項10から28のいずれか一項に記載のリフレクタ。
【請求項30】
前記パッチ(14)の前記少なくとも50%が、2つの前記感光性部品(22)と有線で電気接続されている、請求項29に記載のリフレクタ。
【請求項31】
2つの前記感光性部品(22)と有線で電気接続されているパッチ(14)について、前記通信は、前記パッチ(14)の反対側を介して行われる、請求項29から30のいずれか一項に記載のリフレクタ。
【請求項32】
2つの前記感光性部品(22)と有線で電気接続されているパッチ(14)に対して、前記パッチ(14)は、1つの前記感光性部品(22)の陽極(34)と有線で電気接続されており、かつ、異なる前記感光性部品(22)の陰極(36)と有線で電気接続されている、請求項29から31のいずれか1項に記載のリフレクタ。
【請求項33】
前記パッチ(14)が、n行(20)を有する2次元アレイで前記上面(16)上に配置されており、
前記行(20)のパッチ(14)は、単一の前記感光性部品(22)を介して前記行(20)の隣接するパッチ(14)と有線で電気接続され、
各行(20)は、単一の前記感光性部品(22)と有線で電気接続された2つの端部パッチ(14)を有し、
各列(20)は、少なくとも1つの内部パッチ(14)を有し、各前記内部パッチ(14)は、1つの前記感光性部品(22)の陽極(34)および異なる前記感光性部品(22)の陰極(36)と有線で電気接続され、任意の2つの前記列(20)の間には有線で電気接続が存在しない、請求項29から32のいずれか一項に記載のリフレクタ。
【請求項34】
前記パッチ(14)の各々が、単一の前記感光性部品(22)と有線で電気接続されている、請求項10から33のいずれか一項に記載のリフレクタ。
【請求項35】
前記感光性部品(22)が2つの接点(34、36)を備え、第1の前記接点が前記パッチ(14)と有線で電気接続され、第2の前記接点が導電性接地部品(24)と有線で電気接続されている、請求項34に記載のリフレクタ。
【請求項36】
前記感光性部品(22)の陽極(34)が前記パッチ(14)と有線で電気接続され、前記感光性部品(22)の陰極(36)が導電性接地部品(24)と有線で電気接続されている、請求項34から35のいずれか一項に記載のリフレクタ。
【請求項37】
前記感光性部品(22)の陰極(36)が前記パッチ(14)と有線で電気接続され、前記感光性部品(22)の陽極(34)が導電性接地部品(24)と有線で電気接続されている、請求項34から36のいずれか一項に記載のリフレクタ。
【請求項38】
前記照明光で前記感光性部品(22)を照明するように構成された照明モジュール(62、78)をさらに備える、請求項10から37のいずれか一項に記載のリフレクタ。
【請求項39】
前記照明モジュール(62、78)は、前記感光性部品(22)の少なくとも1つのグループを照明するように構成され、各グループは、少なくとも2つの異なる前記照明光のうちの選択された1つを有する少なくとも1つの感光性部品(22)を含み、前記電気的特性を少なくとも2つの異なる前記値に設定することを可能にする、請求項38に記載のリフレクタ。
【請求項40】
前記電気的特性の前記値を各前記感光性部品(22)に対して独立して設定できるように、各グループが正確に1つの前記感光性部品(22)を含む、請求項39に記載のリフレクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年12月26日に出願された米国仮特許出願US63/293,781、2022年6月19日に出願されたUS63/353,597、および2022年8月8日に出願されたUS63/395,918から優先権を得ており、これら3つの出願はすべて、本明細書において完全に規定されているかのように参照により含まれる。
【0002】
本発明は、いくつかの実施形態において、電磁放射の分野に関し、より詳細には、例えばリフレクタの一部に画像を投影することによって、リフレクタの一部に光を照射することによってマイクロ波またはミリ波を所望の方向に反射させる方法に関し、また、例えばリフレクタの一部に画像を投影することによって、リフレクタの一部に光を照射することによって同調可能なマイクロ波および/またはミリ波リフレクタに関する。
【背景技術】
【0003】
マイクロ波は、0.3~300GHzの間の周波数を持つ電磁波である。ミリ波(MMW)は、100~10,000GHzの間の周波数を持つ電磁波である。マイクロ波またはミリ波のビームを、送信機などの送信元から受信機などの送信先に向けて照射することが知られている。例えば、変調されたマイクロ波やミリ波は、送信機から受信機へ情報を無線で伝送するために、ポイント・ツー・ポイント無線通信やマルチポイント無線通信の分野で使用されている。
【0004】
受信機における受信電力及び/又は信号対雑音比を増加させるため、及び/又は2つの異なるビームが互いに干渉するのを防止するため、情報を伝達するマイクロ波/ミリ波ビームは可能な限り狭いことが好ましい。一般的に、情報を伝達するマイクロ波またはミリ波ビームは、2°未満のハーフパワービーム幅を有する。課題は、このような狭いビームが、特に、ソースと送信先の両方が移動する場合、例えば、一方または両方が、風で揺れるタワーやビルなどの移動する物体に取り付けられている場合に、かなりの距離にわたって送信先に一貫して向けられることを保証することである。
【0005】
従って、特に送信元及び送信先のいずれか一方又は両方が動いている場合に、送信元から送信先に向けて狭い指向性マイクロ波/ミリ波ビームを連続的に向けることができる方法及び/又は装置を有することが望ましい。
【0006】
当技術分野では、入射ビームに適切な位相シフトを誘導することによって、入射マイクロ波/ミリ波ビームを所望の方向に反射させる電磁メタサーフェスを構成する複数の散乱素子を有するリフレクタを使用して、この目標を達成することが知られている。
【0007】
また、入射ビームのメタサーフェスによって誘導される位相シフトを制御可能に変化させることによって、入射マイクロ波/ミリ波ビームの反射方向を制御可能に変化させることができるように、リフレクタを同調可能に構成することも知られている。これは、散乱素子の形状および配置に応じて、入射ビームの水平偏波および/または垂直偏波に対して行うことができる。
【0008】
さらに、このような波長可変リフレクタを動的に同調可能に構成し、誘導される位相シフトをリアルタイムで制御可能に変化させることが知られている。
【0009】
作製が比較的簡単で(例えば、電気回路および制御回路が比較的少ないことによって)、および/または迅速かつ正確に調整することができる、動的に同調可能なマイクロ波/ミリ波リフレクタがあると便利である。
【発明の概要】
【0010】
本発明は、いくつかの実施形態において、電磁放射の分野に関し、より詳細には、限定するものではないが、電磁メタサーフェスを備えるリフレクタでマイクロ波/ミリ波ビームを所望の方向に反射する方法、および電磁メタサーフェスを備えるマイクロ波/ミリ波リフレクタに関する。いくつかの実施形態では、リフレクタは、感光性部品を含むリフレクタの一部に光(いくつかの実施形態では、画像を構成する投影光)を投影することによって同調可能である。光の投射は、感光性部品の少なくとも1つの電気特性(例えば、接合静電容量)の値を制御可能に設定し、感光性部品の電気特性の値は、メタサーフェスが入射マイクロ波またはミリ波ビームに誘導する位相シフトを集合的に決定し、誘導された位相シフトは、ビームが反射される方向を決定する。
【0011】
本明細書の教示のいくつかの実施形態の態様によれば、マイクロ波および/またはミリ波(MMW)を所望の方向に反射する方法が提供され、その方法は、
a.誘電体基板の表面上に複数の導電性パッチを含むマイクロ波および/またはミリ波反射面を提供することであって、各導電性パッチは、感光性部品を照射する光の特性(好ましくは強度)に依存する電気特性を有する少なくとも1つの感光性電子部品と有線で電気接続され、感光性部品の電気特性の値は、反射面が入射マイクロ波/ミリ波ビームに誘導する位相シフトを集合的に決定し、誘導された位相シフトは、入射ビームが反射される方向を決定する、マイクロ波および/またはミリ波反射面を提供することと、
b.電気的特性を所望の値に設定するように、各感光性部品を光の特性の選択された値(例えば、光の選択された強度)で照射することにより、入射マイクロ波/ミリ波ビームに位相シフトが誘導され、ビームを所望の方向に反射させることと、
を含んでいる。
【0012】
本明細書の教示のいくつかの実施形態の一態様によれば、同調可能なマイクロ波および/またはミリ波リフレクタも提供され、
感光性部品を照射する光の特性(好ましくは強度)に依存する電気特性を有する複数の感光性部品と、
マイクロ波/ミリ波反射面であって、上部誘電体表面を規定する誘電体基板と、上部誘電体表面上に、複数の導電性パッチであって、各導電性パッチは、感光性部品の少なくとも1つと有線で電気接続されている、導電性パッチと、を含み、
感光性部品の電気特性の値は、集合的に、マイクロ波/MMW反射表面が入射マイクロ波/MMWビームに誘導する位相シフトを決定し、誘導された位相シフトは、入射ビームが反射される方向を決定する。
【0013】
本方法および装置では、光の特性は、好ましくは光の強度であるが、いくつかの実施形態では、特性は、追加的または代替的に、光の色などの他の特性である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明のいくつかの実施形態を、添付の図を参照して本明細書で説明する。本明細書は、図と共に、本発明のいくつかの実施形態がどのように実施され得るかを当業者に明らかにする。図は、説明のためのものであり、本発明の基本的理解に必要な以上に詳細に実施形態の構造的詳細を示そうとするものではない。分かりやすくするために、図に描かれているいくつかの物体は縮尺通りではない。
【0015】
図1A】4列の導電性パッチを有する本明細書の教示によるリフレクタの例示的な実施形態を概略的に示す平面図である。
図1B】4列の導電性パッチを有する本明細書の教示によるリフレクタの例示的な実施形態を概略的に示すx方向からの側面図である。
図1C】4列の導電性パッチを有する本明細書の教示によるリフレクタの例示的な実施形態を概略的に示す断面におけるy方向からの側面図である。
図1D】4列の導電性パッチを有する本明細書の教示によるリフレクタの例示的な実施形態を概略的に示す底面図である。
図2A】4列の導電性パッチを有する本明細書の教示によるリフレクタの例示的な実施形態を概略的に示す断面におけるy方向からの断面図である。
図2B】4列の導電性パッチを有する本明細書の教示によるリフレクタの例示的な実施形態を概略的に示す底面図である。
図3A】PINダイオードの逆バイアスを実施する図1のリフレクタの変形例を概略的に示す底面図である。
図3B】PINダイオードの逆バイアスを実施する図1のリフレクタの変形例を概略的に示す底面図である。
図3C】PINダイオードの逆バイアスを実施する図1のリフレクタの変形例を概略的に示す底面図である。
図4A】PINダイオードの逆バイアスを実施する図1のリフレクタの変形例を概略的に示す底面図である。
図4B】PINダイオードの逆バイアスを実施する図1のリフレクタの変形例を概略的に示す底面図である。
図4C】PINダイオードの逆バイアスを実施する図1のリフレクタの変形例を概略的に示す底面図である。
図5A】本教示によるリフレクタの例示的な実施形態をx方向から見た側面図である。
図5B】本教示によるリフレクタの例示的な実施形態をy方向から見た断面図である。
図6】パッチが六角形パッキングで配置された、本明細書の教示によるリフレクタを概略的に示す平面図である。
図7A】LEDのアレイによって生成された画像で、本明細書の教示によるリフレクタを調整する様子を概略的に示す図である。
図7B】LEDのアレイによって生成された画像で、本明細書の教示によるリフレクタを調整する様子を概略的に示す図である。
図8A】投影器によって生成された画像を用いて、本明細書の教示に従ってリフレクタを調整する様子を概略的に示す図である。
図8B】投影器によって生成された画像を用いて、本明細書の教示に従ってリフレクタを調整する様子を概略的に示す図である。
図9】照明部品としてLCDスクリーンを有する、本明細書の教示によるリフレクタを概略的に示す図である。
図10A】各々が複数の異なる誘電体基板で構成された、本明細書の教示によるリフレクタを概略的に示す図である。
図10B】各々が複数の異なる誘電体基板で構成された、本明細書の教示によるリフレクタを概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、いくつかの実施形態において、電磁メタサーフェスを備えるリフレクタを用いてマイクロ波/ミリ波ビームを所望の方向に反射する方法、および電磁メタサーフェスを備えるマイクロ波/ミリ波リフレクタに関する。いくつかの実施形態では、リフレクタは、感光性部品を含むリフレクタの部分に光(いくつかの実施形態では、画像を構成する投影光)を投影することによって同調可能である。この部分は、通常、リフレクタの裏側にあるが、必ずしもそうである必要はない。光の投射は、感光性部品の少なくとも1つの電気的特性の値を制御可能に設定し、感光性部品の電気的特性の値は、メタサーフェスが入射マイクロ波またはミリ波ビームに誘導する位相シフトを集合的に決定し、誘導された位相シフトは、ビームが反射される方向を決定する。同調(調整)は、リフレクタの一部に光を投影することによって無線で行われるため、いくつかの実施形態では、リフレクタの製造は比較的簡単であり、同調(調整)は比較的迅速かつ正確である。
【0017】
本発明の教示の原理、用途および実施は、添付の説明および図を参照することにより、よりよく理解されよう。本明細書に記載された説明および図を熟読すれば、当業者であれば、過度の努力や実験をすることなく、本発明の教示を実施することができる。図において、同様の参照数字は、全体を通して同様の部品を指す。
【0018】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用において、本明細書に記載された構造の詳細および構成要素および/または方法の配置に必ずしも限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態、または様々な方法で実施もしくは実施可能である。本明細書で採用される語句および用語は、説明のためのものであり、限定的なものとみなされるべきではない。
【0019】
メタサーフェスの技術分野で知られているように、マイクロ波/ミリ波リフレクタの反射メタサーフェスは、単位セルに分割することができ、各単位セルは、導電性パッチの少なくとも一部を備える(例えば、単位セルは、単一の導電性パッチを備えることができ、単位セルは2つの異なる導電性パッチの2つの半分を備えることができ)、各単位セルの共振は、単位セルの物理的寸法、誘電体表面の性質、構成パッチ/パッチ部品の形状および寸法、パッチまたはパッチと電気的に接続される電子部品の電気的特性などの要因に依存する。メタサーフェスを構成する単位セルの共振は、メタサーフェスが入射マイクロ波またはミリ波ビームに誘導する位相シフトを決定し、誘導された位相シフトは、ビームが反射される方向を決定する。
【0020】
本明細書の教示によるリフレクタは、誘電体表面上に配置された複数の導電性パッチを備えるマイクロ波/ミリ波反射メタサーフェスを有し、パッチはメタサーフェスの散乱素子として機能する。各導電性パッチは、少なくとも1つの感光電子部品と有線で電気的に接続されている。各感光性部品は、感光性電子部品を照らす光の特性(好ましくは強度)に依存する電気特性(例えば、静電容量、位相、誘電率、インダクタンス)を有する。所定の感光性部品が、特性(例えば、強度)の所定の値を有する光で照明されると、感光性部品の電気特性は、光の特性のその値に関連する値を採用する。感光性部品の電気的特性(例えば静電容量)の値は、その感光性部品と有線で電気的に接続されている1つまたは複数のパッチの共振に影響を与える。
【0021】
メタサーフェスの反射特性(例えば、入射マイクロ波/ミリ波ビームがどの方向に反射されるか)は、単位セルの共振によって決定され、単位セルの共振は、感光性部品の各1つを照射する光の特性(好ましくは強度)の値によって部分的に決定されるので、感光性部品に光を投射することによって、本明細書の教示によるリフレクタを調整することが可能であることが見出され、ここに開示される。任意の1つの時間に感光性部品の各1つを照らす、1つ以上の光特性(例えば、強度)について選択された値を有する光の集合は、集合的に画像とみなすことができる。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書の教示によるリフレクタの反射特性は、どの画像が感光性部品に投影されるかによって決定される。
【0022】
光強度の正しい組み合わせ(例えば、正しい画像)で感光性部品を照明することによって、リフレクタは、入射マイクロ波/ミリ波ビームを所望の方向に反射するように調整され、例えば、所定の入射x角およびy角でメタサーフェスと相互作用する入射ビームは、選択されたx角および/またはy角でメタサーフェスから反射され得る。要するに、感光性部品に照射される光を制御することにより、所望のビーム反射特性を有するメタサーフェスがリフレクタ上に構成される。リフレクタの同調は無線で行われるため、いくつかの実施形態では、本明細書の教示によるリフレクタは比較的簡単である。いくつかの実施形態では、入射ビームが反射される方向を制御するために、ワイヤ、電気回路、または基板が比較的少ないか、または全く必要とされない。
【0023】
本明細書の教示によるリフレクタの実施形態は、(例えば、マイクロ波/ミリ波光源または別のリフレクタから)入射ビームを受光し、出射反射ビームを目的地(例えば、受信器または別のリフレクタ)に向けるように配置することができる。所望の反射特性を有するメタサーフェスを構成するために、感光性部品を照射する光強度(例えば画像)の正しい組み合わせを選択することにより、光源または目的地が移動しているときでも、入射ビームは所望の方向、例えば目的地で反射される。さらに、特定のリフレクタの設置中に、避けられない製造上の不完全性による悪影響(例えば、反射ビームの分散、基板との相互作用中の破壊的干渉、メインローブを犠牲にして増加した反射ビームのサイドローブ、およびDC回路損失などの悪影響)は、感光性部品を適切に照明することによって補償することができる。
【0024】
追加的または代替的に、いくつかの実施形態では、単一のリフレクタが多重化部品として使用され、例えば、単一の送信元からのビームを2つ以上の異なる送信先に反射するかまたは、2つ以上の異なる送信先からのビームを単一の宛先に反射するか、または2つ以上の異なる送信元からのビームを2つ以上の異なる送信先に反射する。
【0025】
さらに、または代替的に、いくつかの実施形態において、本明細書の教示による方法およびリフレクタは、ビーム形成のために使用される。
【0026】
マイクロ波/ミリ波を反射する方法
したがって、本明細書の教示のいくつかの実施形態の態様によれば、マイクロ波および/またはミリ波を所望の方向に反射する方法が提供され、その方法は、
a.誘電体基板の表面上に複数の導電性パッチを含むマイクロ波および/またはミリ波反射面を提供することであって、各導電性パッチは、感光性部品を照射する光の特性(好ましくは強度)に依存する電気特性を有する少なくとも1つの感光性電子部品と有線で電気接続されており、感光性部品の電気特性の値は、反射面が入射マイクロ波/ミリ波ビームに誘導する位相シフトを集合的に決定し、誘導された位相シフトは、入射ビームが反射される方向を決定する、マイクロ波および/またはミリ波反射面を提供することと、
b.電気的特性を所望の値に設定するように、光の特性の選択された値(例えば、光の選択された強度)を各感光性部品に照射することと、を備え、
入射マイクロ波/ミリ波ビームに位相シフトが誘導され、ビームを所望の方向に反射させるようになっている。好ましい実施形態では、誘電体基板の表面は平面である。
【0027】
いくつかの実施形態では、本明細書の教示によるリフレクタは、マイクロ波および/またはミリ波反射面を有するプリント回路基板を備える。あるいは、いくつかの実施形態において、本明細書の教示によるリフレクタは、マイクロ波および/またはミリ波反射面を有する集積回路を備える。
【0028】
所定の導電性パッチに接続された少なくとも1つの感光性部品の電気的特性であって、感光性部品を照射する光の特性(強度など)に依存する電気的特性は、導電性パッチによって入射マイクロ波/ミリ波ビームに誘導される位相シフトに影響するように、パッチが一部である単位セルの共振を変化させる任意の適切な電気的特性である。いくつかの実施形態では、感光性部品を照射する光の特性(強度など)に依存する電気的特性は、静電容量、位相、誘電率、インダクタンス、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0029】
任意の適切な感光性成分を使用してもよい。いくつかの実施形態では、PNダイオード、PINダイオード、PPD(ピン止め光ダイオード)、CCD(電荷結合素子)、フォトレジスタ、フォトトランジスタ、およびショットキーバリアフォトダイオードからなる群から選択される感光性部品が使用される。リフレクタがプリント回路基板を備えるいくつかの実施形態では、感光性部品の1つ以上は、リフレクタの組み立て時に誘電体基板と機能的に関連付けられる物理的に分離した電子部品である。リフレクタが集積回路を備えるいくつかの実施形態では、感光性部品の1つ以上は、シリコン、炭化シリコン、窒化ガリウム、グラフェン、ガリウムヒ素(GaAs)などの半導体材料のチップ表面に印刷されている。
【0030】
照明光は任意の適切な光であり、主に、使用される特定の感光性部品の特徴と特性によって決定される。典型的には、照明光は、400μmから2000μmの間の波長を有する光を備え、いくつかの実施形態では、400μmから2000μmの間の波長を有する光からなる。
【0031】
いくつかの実施形態では、この方法は、リフレクタが2つの可能な状態のみを有するように実施され、光で感光性部品のすべてを同時に照明するか(いくつかの実施形態では、強度のいくつかの所定の変化を伴う全白画像、いくつかの実施形態では、同一の強度の光で照明されるすべての感光性部品)、または感光性部品のいずれにも照明しない(全黒画像)。このようないくつかの実施形態では、本方法は、リフレクタをトグルまたはスイッチとして使用すると考えることができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、この方法は、リフレクタが4つの可能な状態のみを有するように実施され、感光性部品の照明は、感光性部品のいずれも照明しないこと(全黒画像)、または感光性部品のすべてを、約33%、約66%、および100%の強度からなる群から選択される単一の強度の光で照明する。
【0033】
感光性部品の一方と他方との相対的空間配向は、任意の適切な相対的空間配向である。いくつかの好ましい実施形態では、感光性部品は表面(いくつかの好ましい実施形態では、平坦な表面)上に配置され、感光性部品を光で照明することは、感光性部品の各々が光の特性(例えば、強度)について対応する選択された値で照明されるように、表面上に画像を投影することを含む。いくつかのそのような実施形態では、照明光は、感光性部品の各1つに対応する画素を有する画像であると考えることができる。
【0034】
いくつかの実施形態では、導電性パッチは、1つまたは複数の感光性部品を介する以外は、他から1つずつ電気的に絶縁されている。
【0035】
いくつかの実施形態では、複数の導電性パッチは、誘電体基板(例えば、PCBまたはチップ)の表面(いくつかの好ましい実施形態では、平坦な表面)上に、n行を有する2次元アレイで配置され、各行は、m個の導電性パッチを有し、nおよびmは、少なくとも2、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも8、さらには少なくとも9の整数である。いくつかの実施形態では、mとnは等しい。あるいは、いくつかの実施形態では、mとnは等しくない。
【0036】
パッチが誘電体基板の表面上に列状に配置されるいくつかの実施形態では、同じ列の隣接パッチは、感光性部品を介して有線で電気接続され、異なる列のパッチから電気的に絶縁される。このような実施形態については、図1A~1D、3A~3Cおよび5A~5Bを参照してより詳細に説明される。
【0037】
あるいは、いくつかの実施形態では、リフレクタは導電性接地部品をさらに含み、各感光性部品は、単一のパッチおよび導電性接地部品と有線で電気接続されている。いくつかの好ましい実施形態では、導電性接地部品はフローティング接地である。そのような実施形態は、図2A~2Bおよび図4A~4Cを参照してより詳細に説明される。
【0038】
本明細書の教示による方法は、任意の適切な装置または装置の組合せを用いて実施することができる。いくつかの好ましい実施形態では、本方法は、本明細書の教示によるリフレクタを用いて実施される。
【0039】
リフレクタ
本明細書の教示によるリフレクタは、複数の導電性パッチが見出される誘電体表面を含むマイクロ波および/またはミリ波リフレクタであり、各パッチは、感光性部品を照射する光の特性(強度など)に依存する電気的特性を有する少なくとも1つの感光性部品と有線で電気接続される。感光性部品を照射する光の特性の値を変更することにより、本明細書の教示に従ってリフレクタの反射特性が変更される。
【0040】
したがって、本明細書の教示のいくつかの実施形態の態様によれば、同調可能なマイクロ波および/またはミリ波(MMW)リフレクタも提供され、該リフレクタは、
感光性部品を照射する光の特性(好ましくは強度)に依存する電気特性を有する複数の感光性部品と、
上部誘電体表面を規定する誘電体基板を含み、上部誘電体表面上に、複数の導電性パッチであって、各パッチが少なくとも1つの感光性部品と有線で電気接続されている、マイクロ波/ミリ波反射面と、を備え、
感光性部品の電気特性の値が、マイクロ波および/またはミリ波反射表面が入射マイクロ波/ミリ波ビームに誘導する位相シフトを集合的に決定し、この誘導された位相シフトが、入射ビームが反射される方向を決定する。好ましくは、導電性パッチは、上部誘電体表面上で1つずつ物理的に分離されている。好ましい実施形態では、上部誘電体表面は平面である。
【0041】
「上部誘電体表面」という用語における「上部」という語は、必ずしも方向を示すものではなく、当業者にとってリフレクタの説明を読みやすくするために付したに過ぎない。
【0042】
誘電体基板
誘電体基板は、任意の適切な誘電体基板である。
いくつかの実施形態では、誘電体基板は、リフレクタの上部誘電体表面である第1の平らな表面と、基板の平らな下面である第2の平らな表面とを有する基板(PCB基板など)である。いくつかの実施形態では、このような第2の平らな表面はリフレクタの下面である。あるいは、いくつかの実施形態では、そのような第2の平らな表面はリフレクタの下面ではない。2つの面の分離(誘電体基板板の厚さ)は、任意の適切な分離である。このようないくつかの実施形態では、誘電体基板の厚さは少なくとも0.1mmであり、10mm以下である。実験セクションでは、厚さ508μmの誘電体基板を有するリフレクタについて説明する。
【0043】
いくつかの実施形態では、誘電体基板は、集積回路の技術分野で知られているように、シリコンやGaAsなどの半導体材料のチップである。好ましいそのような実施形態では、チップの一方の面は、複数の導電性パッチが存在する反射面であり、他方の面は、感光性部品(例えば、GaAs基板上のGaAsフォトダイオード)が存在する面であり、所定の導電性パッチは、例えば、シリコン貫通ビアまたはGaAs貫通ビア(TSV/TGV)を使用する任意の適切な方法で、所定の感光性部品と有線で電気的に接続されている。このような実施形態は、標準的な集積回路製造技術を用いて製造することができる。このような実施形態では、半導体材料は、例えばシリコン、ゲルマニウム、GaAsなどの任意の適切な材料である。チップの厚さは、集積回路の技術分野で知られているような任意の適切な厚さであり、現時点では約275マイクロメートルから約925マイクロメートル、より典型的には375マイクロメートルから675マイクロメートルの間、例えば375マイクロメートル、525マイクロメートルまたは625マイクロメートルであり、要求される動作周波数に依存する。
【0044】
感光性部品
上述したように、適切な感光性部品は、感光性部品を照射する光の特性(好ましくは強度)に依存する適切な電気的特性を有する感光性部品である。好適な電気的特性は、その値が、感光性部品と有線で電気接続されている導電性パッチが一部である単位セルの共振に影響を及ぼす電気的特性である。いくつかの実施形態では、感光性部品を照射する光の特性に依存する電気特性は、静電容量、位相、誘電率、インダクタンス、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0045】
任意の適切な感光性成分を使用してもよい。いくつかの実施形態では、感光性部品は、PNダイオード、PINダイオード、PPD、CCD、フォトレジスタ、フォトトランジスタ、およびショットキーバリアフォトダイオードからなる群から選択される。
【0046】
好ましい実施形態では、感光性部品は、PNダイオードおよびPINダイオードからなる群から選択される。
【0047】
いくつかの実施形態では、感光性部品は、集積回路の通常の方法で半導体材料のチップ表面上に作られる。いくつかのそのような実施形態において、誘電体基板は、一方の面が感光性部品であり、反対側の面が反射パッチである半導体材料のチップであり、感光性部品および反射パッチの両方は、好ましくは、集積回路の通常の方法でそれぞれの表面に作られる。このようないくつかの実施形態では、誘電体基板は、一方の面が感光性部品と反射パッチの両方である半導体材料のチップであり、感光性部品と反射パッチの両方は、好ましくは、集積回路の通常の方法で同じ表面上に作られる。
【0048】
誘電体基板がPCBである実施形態において、本明細書の教示の1つまたは複数の実施形態を実施するのに適した市販の感光性部品には、OSRAM Opto Semiconductors GmbH(ドイツ、レーゲンスブルク)のSFH 2704シリコンPINフォトダイオード、およびVishay Semiconductors(米国、ペンシルベニア州マルバーン)のBPV10シリコンPINフォトダイオードが含まれる。
【0049】
いくつかの実施形態では、感光性部品はバイアスされておらず、例えば、感光性部品は開回路PINダイオードまたはPNダイオードである。このような実施形態については、図1A~1D、2A~2Bおよび5A~5Bを参照してより詳細に説明する。開回路PNダイオードまたはPINダイオードでは、適切な波長の入射光によって、接合のN型側およびP型側に流れる電子および正孔が生成され、空乏領域が狭くなり、それによって接合容量Cjが増加する。光の波長が(感光性部品の量子効率に従って)理想に近いほど、また光の強度が高いほど、接合静電容量Cjは大きくなる。
【0050】
あるいは、いくつかの実施形態では、感光性部品は逆バイアスであり、例えば、感光性部品は逆バイアスPINダイオードまたはPNダイオードである。このような実施形態については、図3A~3Cおよび図4A~4Cを参照してより詳細に説明する。PNダイオードまたはPINダイオードが逆バイアスされると、接合静電容量Cjのダイナミックレンジが増大する。いくつかの実施形態では、PINダイオードは、(数十GHzのオーダーで)光にさらされたときにPNダイオードよりも照明の変化に素早く反応し、PINダイオードはPNダイオードよりも優れた長波長応答を有し、量子効率が優れているため、PNダイオードよりもPINダイオードの方が好ましい。PINダイオードは通常、可視領域(シリコンPIN PD)および近赤外領域(InGaAs PIN PD)において50%~90%の量子効率を有する。
【0051】
感光性部品がPNダイオードまたはPINダイオードである実施形態では、任意の適切なタイプのダイオード材料を使用することができる。一部の実施形態では、Siダイオードが高い量子効率を有するため好ましいが、1100nm未満、例えば400~950nmの波長で照明された場合に限られる。別の好ましい実施形態では、Ge、GaAsまたはInGaAsダイオード、特にPINダイオードが好ましく、これらは1300~1500nmの波長を有する光で照射された場合に極めて速い応答時間を有するからである。誘電体基板が半導体材料のチップであるいくつかの実施形態では、感光性部品は、好ましくは、ゲルマニウム、GaAsまたはInGaAsを備え、またはゲルマニウム、GaAsまたはInGaAsからなる。このような実施形態では、各感光性部品がチップ表面で占める表面積は、典型的には約0.01mm2(100マイクロメートル×100マイクロメートルの正方形に相当)以下である。
【0052】
典型的な光検出器特性
【0053】
第2面
感光性部品は、任意の適切な方法でリフレクタの他の部品に取り付けられる。
【0054】
いくつかの実施形態では、感光性部品は反射パッチと同じ表面に配置される。
【0055】
いくつかの好ましい実施形態では、リフレクタは、感光性部品が配置される第2の表面を備える。いくつかのそのような実施形態では、第2の表面は平面である。好ましいそのような実施形態では、平面状の第2の表面は、上部誘電体表面と平行である。いくつかの実施形態では、そのような第2の平らな表面は、リフレクタの下面である。いくつかの実施形態では、第2の表面は第2の誘電体表面である。
【0056】
いくつかの代替実施形態では、感光性部品が配置される第2の表面は、反射パッチの第1の表面が配置される部品とは異なる部品である。
【0057】
第2の誘電体基板
いくつかの実施形態において、第2の誘電体表面は、上部誘電体表面を画定する誘電体基板とは異なる第2の誘電体基板の表面である。
【0058】
いくつかの実施形態では、第2の誘電体基板は、リフレクタの第2の誘電体表面である第1の平らな表面と、基板の平らな上面である上部平らな表面とを有する基板である。2つの面の分離(第2の誘電体基板の厚さ)は、任意の適切な分離である。いくつかのそのような実施形態では、誘電体基板の厚さは少なくとも0.1mmであり、10mm以下である。実験セクションでは、厚さ127マイクロメートルの第2の誘電体基板を有するリフレクタについて説明する。
【0059】
上述のように、誘電体基板が半導体材料のチップであるいくつかの実施形態では、第1の誘電体表面はチップの第1の(表側の)反射面であり、第2の誘電体表面はチップの反対側の(裏側の)感光性部品を担持する面である。
【0060】
導電性接地部品
いくつかの実施形態では、リフレクタは導電性接地部材を含む。いくつかの実施形態では、誘電体基板と第2の誘電体基板は、このような導電性接地部品によって分離される。いくつかのそのような実施形態では、接地部品は、誘電体基板の平らな下面および第2の誘電体基板の平らな上面に接触する平らな部品(例えば、導電性材料の層)である。いくつかのそのような実施形態では、接地部材の厚さは1マイクロメートル以上200マイクロメートル以下である。実験セクションでは、厚さ50マイクロメートルの平らな導電性グラウンド部品を有するリフレクタについて説明する。
【0061】
いくつかの実施形態では、導電性接地部品は、リフレクタの動作中に接地されるように構成される。好ましい実施形態では、導電性接地部品は、リフレクタの動作中は接地されない。いくつかの好ましい実施形態では、導電性接地部品はフローティング接地として構成される。フローティング接地部品を有するリフレクタの実施形態は、特に、図1A~1Dおよび2A~2Bに描かれている。
【0062】
いくつかの実施形態では、パッチの少なくとも一部は、導電性接地部品と電気的に接触することなく、誘電体基板、導電性接地部品、および第2の誘電体基板を通過する導体を介して、感光性部品の少なくとも1つと有線で電気接続される。このようないくつかの実施形態では、誘電体基板および第2の誘電体基板はPCB基板であり、誘電体基板、導電性接地部品および第2の誘電体基板を通過する導電性部品はビアである。このような実施形態は、特に図1および図2に描かれている。
【0063】
パッチ
パッチは、メタサーフェスの技術分野における通常の知識を有する者に知られているように、任意の適切な方法で作られ、任意の適切な形状を有し、任意の適切な配置であり、任意の適切なサイズであり、任意の適切な数である。
【0064】
いくつかの好ましい実施形態では、パッチは、誘電体基板の上部誘電体表面上の導電性材料の層である。いくつかのそのような実施形態では、例えばデバイスがPCBとして実装される場合、パッチは、厚さ1マイクロメートルから200マイクロメートルの間、好ましくは厚さ50マイクロメートルから100マイクロメートルの間の導電性材料である。実験セクションでは、厚さ50マイクロメートルの銅のパッチを有する反射板について説明している。
【0065】
デバイスが集積回路として実装されるいくつかの代替的な好ましい実施形態では、パッチは、集積回路の技術分野で知られているように、任意の適切な寸法および任意の適切な厚さを有するチップの(前面)表面上の導電性材料の層である。そのような実施形態において、パッチの厚さは、典型的には約1マイクロメートルと約100マイクロメートルの間、好ましくは約10マイクロメートルと約50マイクロメートルの間、例えば約20マイクロメートルと約40マイクロメートルの間、例えば約35マイクロメートルの厚さである。
【0066】
上述したように、導電性パッチは、好ましくは、上部誘電体表面上で1つずつ物理的に分離されている。隣接する任意の2つの間の分離は、任意の適切な分離である。いくつかの実施形態では、パッチは、リフレクタの意図される動作周波数に応じて、1nm(7銅原子半径)以上5000マイクロメートル以下の距離だけ離れている。メタサーフェスの技術に精通した者には周知のことであるが、分離はリフレクタの単位セルの共振に影響し、一般にリフレクタの設計された動作周波数によって決定される。実験セクションでは、隣接するパッチが 0.24 mm 離れているリフレクタについて説明する。いくつかの実施形態では、リフレクタは、メタサーフェスの技術分野で知られているように、異なるパッチに対して異なる分離を有し、例えばChinese Optics Letters 2017、15(1)、011101のLitmanovitch、Rothshild and Abramovichを参照されたい。
【0067】
パッチは、任意の適切な材料、好ましくは金属で任意の適切な方法で作製され得る。デバイスがPCB技術を用いて製造されるいくつかの実施形態では、パッチは、例えば、PCB製造の技術分野で知られている通常の方法で、PCBの上面の銅箔のエッチング(化学的、機械的、レーザー)または蒸着によって製造される。デバイスが集積回路技術を使用して製造されるいくつかの実施形態では、パッチは集積回路製造の通常の方法で製造され、任意で、任意の適切な技術を使用した保護層、例えば、金、アルミニウムまたは銀の保護層を含む。
【0068】
パッチは任意の適切なサイズである。いくつかの実施形態では、リフレクタのすべてのパッチは、(上部誘電体表面のx-y平面において)約5%以内の同じ表面積を有し、より好ましくは約3%以内の同じ表面積を有する。いくつかの代替実施形態では、単一のリフレクタは、異なるサイズのパッチを含み、例えば、Chinese Optics Letters 2017、15(1)、011101のLitmanovitch、RothshildおよびAbramovichを参照されたい。
【0069】
所定のパッチおよび関連する単位セルのサイズは、任意の適切なサイズである。メタサーフェスの技術分野における通常の技能を有する者に知られているように、単位セルのサイズは、一般に、リフレクタによって効果的に反射され得るマイクロ波/ミリ波の波長を決定する。波長とパッチまたは単位セルのサイズとの関係については、以下でさらに詳細に説明する。
【0070】
いくつかの実施形態では、各パッチは、上部誘電体表面の約0.25mm2(0.5mm×0.5mmの正方形パッチに相当)以上で約100mm2(10mm×10mmの正方形角のパッチに相当)以下の表面積を覆う。いくつかの実施形態では、各パッチは、上部誘電体表面の約1mm2(1mm×1mm正方形角のパッチに相当)以上の表面積を覆う。いくつかの実施形態では、各パッチは、上部誘電体表面の25mm2(5mm×5mmの正方形角のパッチに相当)以下の表面積をカバーする。実験セクションでは、1.36mm x 1.36mm正方形角のパッチを有するリフレクタについて説明する。
【0071】
パッチの形状
パッチは、正方形、長方形、多角形円形、十字形、星形、エルサレム十字形、スプリットリング形(例えば、スプリットリング共振器、デュアルスプリットリング共振器、正方形、円形)およびフィッシュネットパッチを含む、メタサーフェスの技術分野における通常の知識を有する者に知られているような、任意の適切な形状である。いくつかの実施形態では、リフレクタのすべてのパッチは同じ形状を有する。あるいは、いくつかの実施形態では、単一のリフレクタは、異なる形状を有するパッチを備える。
【0072】
いくつかの実施形態では、パッチは実質的に正方形状であり、長さ寸法の約10%以内の幅寸法および約90°±3°の4つの内角を有し、より好ましくは、長さ寸法の約2%以内の幅寸法および約90°±1°の4つの内角を有する正方形状である。
【0073】
パッチの数
パッチの数は、メタサーフェスの技術分野における通常の知識を有する者に知られているように、任意の適切な数である。いくつかの実施形態では、リフレクタは、少なくとも4つのパッチ、少なくとも16個のパッチ、少なくとも25個のパッチ、少なくとも36個のパッチ、少なくとも64個のパッチ、さらには少なくとも81個のパッチを含む。図1A-1Dおよび図2A-2Bには、それぞれ16個のパッチを有するリフレクタが記載されている。実験セクションでは、256個のパッチを有するリフレクタについて説明する。
【0074】
表面上のパッチの配置
パッチは、メタサーフェスの技術分野における通常の熟練者に知られているように、任意の適切な配置で上部誘電体表面上に配置される。
【0075】
いくつかの実施形態では、パッチは、n行を有する2次元アレイで上部誘電体表面に配置され、各行はm個の導電性パッチを有し、nおよびmは少なくとも2の整数である(正方形パッキング)。図1A-1Dおよび図2A-2Bには、それぞれ16個のパッチが4個ずつ4列に配列されたリフレクタが記載されている。実験セクションでは、それぞれ16個のパッチの16列を有するリフレクタについて説明する。
【0076】
いくつかの代替実施形態では、パッチは上部誘電体表面上に六角形にパックされ、いくつかのそのような実施形態では、パッチは円形である。図6には、六角形にパックされた円形パッチを有する反射板が概略的に描かれている。
【0077】
パッチの他の適切な配置を有する他の実施形態については、簡潔にするため記載しない。
【0078】
反射面のサイズ
リフレクタの反射面の大きさは、一般に、反射される波長によって決定され、また、メタサーフェスの技術分野における通常の知識を有する者に知られているように、単位セルおよびパッチの大きさ、数、配置および分離によって決定される任意の適切な大きさである。一般に、波長λ0を有するマイクロ波/ミリ波を反射するために、反射面の寸法は、好ましくは少なくとも約10λ0であり、リフレクタの寸法が大きいほどリフレクタの性能は向上する。さらに、波長λ0を有するマイクロ波またはミリ波を効果的に反射するために、リフレクタの単位セルおよびパッチは、好ましくは、約0.25λ0以下、好ましくは約0.10λ0から約0.25λ0の上部誘電体表面(前面)の面内寸法(面内にあるxおよびy寸法)を有する。
【0079】
図1A-1Dおよび2A-2Bには、16個の1.36 mm x 1.36 mm角のパッチが4 x 4の正方形アレイに配置され、隣接するパッチが0.24 mm離れて、反射面が6.4 mm x 6.4 mm角になるように配置された例示的なリフレクタが描かれている。このような寸法で、図1A-1Dおよび図2A-2Bに描かれたリフレクタは必ずしも実用的なリフレクタではないが、本発明のいくつかの側面を理解できるように簡略化した図面である。実験セクションでは、1.36mm×1.36mm の正方形のパッチを 256 個、16×16 の正方形アレイに配置し、隣接するパッチを0.24mm 離して、反射面が25.6mm×25.6mmの正方形になるようにしたリフレクタについて説明する。
【0080】
いくつかの実施形態において、本明細書の教示は、約1GHz(λ0=330mm)から約300GHz(λ0=1mm)の周波数を有するマイクロ波/ミリ波のビームを反射することに向けられている。反射面の好ましい寸法は、好ましくは少なくとも約10λ0であることに基づいて、300GHz放射については、反射面は、好ましくは、約0.1mmと約0.25mmとの間の寸法を有するパッチを有する少なくとも約10mmの寸法を有し、一方、1GHz放射については、反射面は、好ましくは、約33mmと約82mmとの間の寸法を有するパッチを有する少なくとも約3300mmの寸法を有する。
【0081】
いくつかの好ましい実施形態では、レフレクタはPCB技術を用いて製造され、PCBの一方の面が反射面を構成し、導電性パッチを担持し、PCBの反対側の等しい大きさの面が感光性部品を担持する。約300mmまでの寸法を有するPCB基板(例えば、300×300mm角のPCBまたは直径300mmの円形PCB)は容易に市販されており、λ0=1mm(300GHz)から約30mm(10GHz)までの波長を反射するのに適した寸法を有する。より大きなPCB基板は入手しにくく、より高価であり、破損の可能性を低減し、使用に十分な平面性を維持するために堅牢なパッケージングを必要とする場合がある。
【0082】
いくつかの好ましい実施形態では、リフレクタは集積回路技術を用いて作られた半導体チップであり、チップの一方の面が反射面を構成し、導電性パッチを担持し、チップの反対側の等しい大きさの面が感光性部品を担持する。周知のように、チップは標準サイズのウェハーから作られる。現在入手可能なウェハーサイズは、直径51mm/厚さ275マイクロメートルのウェハー、直径76mm/厚さ375マイクロメートルのウェハー、直径100mm/厚さ525マイクロメートルのウェハー、直径125mmおよび130mm/厚さ625マイクロメートルのウェハー、直径150mm/厚さ675マイクロメートルのウェハー、直径200mm/厚さ725マイクロメートルのウェハー、直径300mm/厚さ775マイクロメートルのウェハー、直径450mm/厚さ925マイクロメートルのウェハーである。
【0083】
単一のウェハーから複数のチップを製造することはよく知られており、例えば、短波長/高周波ビームの反射に適した、本明細書の教示による小型リフレクタを製造することができる。あるいは、いくつかの実施形態では、本明細書の教示に従ったリフレクタを構成する単一のチップを製造するために、例えば、ウェハー全体が使用され、例えば、約λ0=5mm(60GHz)までのビームの反射に適したリフレクタの製造に直径51mmのウェハー、約λ0=7mm(43GHz)までのビームの反射に適したリフレクタの製造に直径76mmのウェハー、約λ0=10mm(30GHz)までのビームの反射に適したリフレクタの製造に直径100mmのウェハー、約λ0=12mm(25GHz)までのビームの反射に適したリフレクタの製造に直径125mm/130mmのウェハー、約λ0= 15 mm(20 GHz)までのビームの反射に適したリフレクタの直径150 mmウェハー、約λ0= 20 mm(15 GHz)までのビームの反射に適したリフレクタの直径200 mmウェハー、約λ0= 30 mm(10 GHz)までのビームの反射に適したリフレクタの直径300 mmウェハー、約λ0= 45 mm(6 GHz)までのビームの反射に適したリフレクタの直径450 mmウェハーがある。
【0084】
複合反射面
いくつかの実施形態では、本明細書の教示によるリフレクタの反射面を有する誘電体基板は、単一の物理的ユニット、例えば、単一のPCB基板または単一の半導体チップである。
【0085】
あるいは、いくつかの実施形態では、例えば、比較的低い周波数/長い波長のビーム(例えば、 λ0=300mm(1GHz)~λ0=45mm(6GHz)を効率的に反射するのに適したリフレクタを提供することが所望される場合、技術的考慮を考慮するとより経済的である場合)、および/または、大寸法の基板またはチップの脆弱性/平面性が要因である場合、デバイスのマイクロ波/ミリ波反射面は、複数の導電性パッチ、例えば、少なくとも2つのPCB基板または少なくとも2つの半導体チップを有する上部誘電体表面をそれぞれ規定する少なくとも2つの異なる誘電体基板を備える。好ましくは、異なる誘電体基板はすべて同一平面上にある。任意の2つの異なる誘電体基板間の分離は、任意の適切な分離であり、典型的には、2つの基板上のパッチのサイズおよび配置によって決定される。各誘電体基板の誘電体表面の反射特性は、関連する感光性部品の照明によって制御されるため、複数の別々の誘電体基板の反射特性を調整して単一の反射面として機能させることは簡単である。このような実施形態は、本明細書で後述する図10A-10Bに概略的に示されている。
【0086】
パッチと感光性部品との有線での電気接続
本明細書の教示によるリフレクタの反射面の各導電性パッチは、感光性部品を照射する光の特性に依存する電気特性を有する少なくとも1つの感光性部品と有線で電気接続されている。この有線で電気接続は、感光性部品の照明が変化した結果、感光性部品の電気特性の値が変化すると、感光性部品が一部である単位セルの共振が変化するようになっている。
【0087】
複数の感光性部品を有する単一パッチの有線での電気接続
いくつかの実施形態では、パッチの少なくとも50%が2つの感光性部品と有線で電気接続されている。そのような実施形態は、図1A~1D、図3A~3C、および図5A~5Bを参照して説明される。
【0088】
いくつかのそのような実施形態では、パッチの総数は、感光性部品の総数よりも多い。
【0089】
いくつかのそのような実施形態では、パッチの少なくとも50%が、正確に2つの感光部
品と有線で電気接続されている。
【0090】
いくつかのそのような実施形態では、導電性パッチは、感光性部品を介する以外は、一方が他方から電気的に絶縁されている。
【0091】
いくつかのそのような実施形態では、2つの感光性部品と有線で電気接続されているパッチについて、その接続はパッチの反対側を通っている。
【0092】
いくつかのそのような実施形態では、2つの感光性部品(PINまたはPNダイオードなど)と有線で電気接続されているパッチについて、パッチは、感光性部品のアノード(PINまたはPNダイオードのP電極)および別の感光性部品のカソード(PINまたはPNダイオードのN電極)と有線で電気接続されている。
【0093】
いくつかのそのような実施形態では、パッチは、n行を有する2次元アレイで上部誘電体表面に配置され、
行のパッチは、単一の感光性部品を介して行の隣接パッチと有線で電気接続され、
各行は、単一の感光性部品と有線で電気接続された2つのエッジパッチを有し、
各行は、少なくとも1つの内部パッチを有し、各内部パッチは、感光性部品のアノードと有線で電気接続されると共に、異なる感光性部品のカソードと有線で電気接続され、
任意の2つの行の間には有線で電気接続がない。このような実施形態については、図1A~1Dを参照して説明される。
【0094】
単一の感光性部品を有する単一パッチの有線で電気接続
いくつかの実施形態では、パッチの各々は、単一の感光性部品と有線で電気接続されている。このような実施形態については、図2A~2Bを参照して説明される。
【0095】
いくつかのそのような実施形態では、感光性部品は、パッチと有線で電気接続された第1の接点と、導電性接地部品と有線で電気接続された第2の接点との、2つの接点を備える。いくつかのそのような実施形態では、パッチは、導電性接地部品を介してのみ、一方と他方とが有線で電気接続されている。
【0096】
いくつかのそのような実施形態では、感光性部品(PNダイオードまたはPINダイオードなど)のアノードはパッチと有線で電気接続状態にあり、感光性部品のカソードは導電性接地部品と有線で電気接続状態にある。あるいは、このようないくつかの実施形態では、感光性部品(PNダイオードまたはPINダイオードなど)のカソードはパッチと有線で電気接続され、感光性部品のアノードは導電性接地部品と有線で電気接続されている。
【0097】
逆バイアス
いくつかの実施形態では、感光性部品はパッチと開回路状態にあり、バイアスはかかっていない。そのような実施形態は、図1A-1D、図2A-2Bおよび図5A-5Bを参照して説明される。
【0098】
いくつかの代替実施形態では、感光性部品(例えば、PNダイオードまたはPINダイオード)は逆バイアスされている。そのような実施形態は、図3A-3C;および図4A-4Cを参照して説明される。
【0099】
照明モジュール
いくつかの実施形態では、本明細書の教示によるリフレクタは、光特性の1つ以上、例えば、選択された強度および/または選択された色および/または選択された偏光について選択された値を有する照明光でリフレクタの光感受性構成要素を照明するように構成された照明モジュールを備える。いくつかのそのような実施形態では、リフレクタは、マイクロ波/ミリ波反射面の反射特性を制御するために照明モジュールの活性化を制御するために、照明モジュールと機能的に関連付けられたコントローラをさらに備える。
【0100】
上述したように、本明細書の教示によるリフレクタは、感光性部品の電気的特性を所望の値に設定するように、強度などの選択された特性の選択された値を有する照明光でリフレクタの感光性部品を照明することによって調整され、最終的に、所望の反射特性を有するメタサーフェスが構成される。異なる感光性部品を照明する光は、画像を構成していると考えることができる。
【0101】
リフレクタを調整するために、すなわち、異なる反射特性を達成するためにメタサーフェスを変更するために、照明光が変更され、すなわち、1つまたは複数の感光成分を照明する光の1つまたは複数の特性が変更される。
【0102】
いくつかの好ましい実施形態では、照明光の変更は、照明光の強度を変更することを含む。好ましい実施形態では、照明光は単色である。
【0103】
さらに又は代替的に、いくつかの実施形態において、照明光の変更は、照明光の色(波長又は波長分布)を変更することを含む。
【0104】
照明光は、任意の適切な波長または典型的には感光性部品の波長依存応答に依存する波長を備える任意の適切な照明光である。感光性部品がPINダイオード、特に1300~1500nmの波長を有する光に対して特に速い応答時間を有するGe、InGaAsまたはGaAs PINダイオードであるいくつかの典型的な実施形態では、照明光は、1つまたは複数のNIR LEDによって生成される。波長-1000nm~1700nmの波長を有する光を発生するNIR LEDは市販されている。
【0105】
いくつかの実施形態では、照明モジュールは、少なくとも2つの異なる照明光のうちの選択された1つでリフレクタの感光性部品の少なくとも1つのグループ(各グループは少なくとも1つの感光性部品を備える)を照明するように構成され、グループの感光性部品の電気的特性を少なくとも2つの異なる値に設定することを可能にする。(図7A~7Bおよび図8A~8Bに示されているような)いくつかのそのような実施形態では、各グループは、電気特性の値を各感光性部品に対して独立して設定できるように、正確に1つの感光性部品を含む。2つの異なる照明光は、感光性部品の照明が本明細書の教示に従って感光性部品の特性の電気的値を変化するように、感光性部品を照明する任意の適切な方法で異なる。異なる照明光が異なる適切な方法には、強度、波長、偏光およびそれらの組み合わせが含まれ、好ましくは、光の強度は、異なる固定値の間で迅速かつ正確に変更するのが技術的に簡単であるため、強度が含まれる。
【0106】
照明モジュールまたは照明モジュールの部品として使用できる例示的な市販部品は、Wisecoco Display(中国深▲セン▼市龍崗区)の5インチ丸型スクリーン1080*1080 LCDディスプレイコントローラボード(カタログ番号TOP050MIPI10801080R)である。(前面の)リフレクタ表面と、感光性部品を担持する異なる(背面の)表面とを有する実施形態では、後述する図9を参照して、部品を、感光性部品を担持する表面に取り付けることができる。このような好ましい実施形態では、照明モジュールの照明面(光が出射する面)は、後述の図9を参照すると、感光性部品を担持するリフレクタの表面から1mm以内にある(さらには接触している)。
【0107】
材料
いくつかの実施形態では、少なくともいくつかのパッチは、ビアを介して感光電子部品と有線で電気的に接続されている。いくつかの実施形態では、ビアの一部または全部は、(任意の断面の)固体導電性ペグである。いくつかの実施形態では、ビアの一部または全部は、中空の導電性チューブである。
【0108】
いくつかの好ましい実施形態では、誘電体基板(および存在する場合には第2の誘電体基板)は、平面を画定する任意の適切な誘電体リジッド基板である。基板は、400V/マイクロメートル未満の誘電強度を有する任意の適切な材料または材料の組み合わせで作られている。いくつかの実施形態において、誘電体基板は、ポリエステル(300V/μm)、ポリイミド(280V/μm)、ポリカーボネート(250V/μm)、ポリエチレン(200V/μm)、ポリプロピレン(200V/μm)、ポリスチレン(200V/μm)、ポリテトラフルオロエチレン(90~180V/μm)、エポキシ樹脂(25~45V/μm)およびポリ(フッ化ビニリデン)(10. 2V/μm)から成る群から選択される誘電材料を備える。いくつかの実施形態では、繊維などの強化相も含む複合材料である。例えば、好ましい実施形態では、誘電体基板は、PCBの技術分野で知られている繊維強化熱硬化性樹脂のようなPCB基板である。
【0109】
本明細書の教示によるリフレクタのパッチ、ビア、リード線および接地部品は、すべて導電性材料製である。任意の適切な材料または材料の組み合わせが、これらの構成要素を実装するために独立して選択される。いくつかの実施形態では、パッチ、ビア、リード線および接地部品は、銅、銀、金、アルミニウム、亜鉛、ニッケル、鉄、白金およびそれらの合金からなる群から独立して選択される導電性材料で作られる。
【0110】
リフレクタの使用
いくつかの実施形態では、リフレクタが製造された後、使用するために設置する前に、リフレクタは試験台に置かれ、LEDアレイや画像投影器などの照明モジュールと機能的に関連付けられる。マイクロ波またはミリ波のビームがリフレクタの反射面に照射され、光特性の可能な組み合わせの一部、多数またはすべての組み合わせが、感光性部品(例えば、画像を構成する各組み合わせ)を照明するために使用される。操作者が光強度の特定の組み合わせ(例えば、画像を構成する各組み合わせ)を選択できるように、特定のリフレクタ用にルックアップテーブルが生成される。
【0111】
本明細書の教示による同調可能なリフレクタの一実施形態について、図1A-1Dに示す例示的な実施形態を参照して説明する。
【0112】
図1は、図1A(上面図)、図IB(x方向からの側面図)、図1C(y方向からの側面図、断面図)および図1D(底面図)に例示的なリフレクタ10を概略的に示している。
【0113】
図1Aにおいて、リフレクタ10の反射面12は、第1の誘電体基板18(PCB基板)の平面上面16に印刷された導電性銅パッチ14の4×4アレイを備えるマイクロ波/ミリ波反射メタサーフェスである。各銅パッチ14は1.36x1.36mmの正方形で、厚さは0.05mm(z方向)である。隣接するパッチ14の間隔は0.24mmである。上部誘電体表面16は6.4 x 6.4mmの正方形の平面で、リフレクタ10のx-y平面を定義する。上部誘電体表面16とパッチ14は、パッチ14の腐食と濡れを防ぐため、マイクロ波/ミリ波透過コーティングでコーティングされている。
【0114】
図1Bでは、リフレクタ10をx方向から横から見て、4つの列20のそれぞれから1つのパッチ14と1つの感光性部品22(InGaAs PIN ダイオード)が見えるようになっている。また、第1の誘電体基板18を第2の誘電体基板26(PCB基板)から分離する導電性材料(厚さ0.05mmの銅)の導電性接地部品、接地板24も見える。z方向において、第1の誘電体基板18の厚さは0.508mm、第2の誘電体基板26の厚さは0.127mmである。任意の2つの異なる列の部品間または導電性接地板24との電気的接続はない。感光性部品22は、第2誘電体基板26の下側の露出面である第2誘電体表面28に配置されている。
【0115】
図1Cにおいて、リフレクタ10は、第1の列20aのパッチ14を二等分する断面A-BのY方向から見たものである。各パッチ14は、孔32(直径0.7mm)を貫通する2つのビア30(直径0.3mm)と関連していることがわかる。2つの外側パッチ14の外側ビア30'は、第1の誘電体基板18および接地板24を通過して第2の誘電体基板26に固定される。他のすべてのビア30は、第1の誘電体基板18、接地板24、および第2の誘電体基板26を貫通して、第2の誘電体表面28に現れる。同じ列20の隣接する2つのパッチ14の任意の2つのビア30を電気的に接続するのは感光性部品22であり、上述したように、リフレクタ10ではInGaAs PINダイオードである。ビア接地板24に接触し、そこから電気的に絶縁される。
【0116】
したがって、リフレクタ10では、4つのパッチ14の列20は、3つの感光性部品22と関連している。すべての感光性部品22は同じ方向を向いており、すなわち、第1のPINダイオードのP接点(アノード)34は、2つのビア30およびパッチ14を介して、第2のPINダイオードのN接点36(カソード)と電気的に接触している。
【0117】
図1Dでは、リフレクタ10を下から見ている。感光性部品22は、第2の誘電体表面28上に4列20a、20b、20c、20dに配置されており、P接点(アノード)34とN接点(カソード)36が、第2の誘電体基板26を貫通して現れるビア30に接触している。図1Dにおいて、破線は上部誘電体表面16上のパッチ14の位置を示し、パッチ14は第2誘電体表面28上では見えない。図1Dに見られるように、リフレクタ10は、感光性部品22よりも多くのパッチ14を有する。
【0118】
本明細書の教示のリフレクタの第2の実施形態であるリフレクタ38は、図2A(y方向からの側面図、断面図)および図2B(底面図)に概略的に描かれている。上面図およびx方向からの側面図において、リフレクタ38は、それぞれ図1Aおよび図IBに描かれているリフレクタ10と同一に見える。
【0119】
図2Aにおいて、リフレクタ38は、第1の列20aのパッチ14を二等分する断面においてy方向から見られている。各パッチ14は、第1の誘電体基板18、接地板24および第2の誘電体基板26の孔32を貫通して、感光性部品22(InGaAs PINダイオード)のP接点(アノード)34に電気的に接続する単一のビア30aに関連していることが分かる。リフレクタ38では、パッチ14に電気的に接続されているビア30aのいずれも接地板24に接触しておらず、すべてそこから電気的に絶縁されている。
【0120】
感光性部品22のN接点(カソード)36はそれぞれ、第2の誘電体基板26の穴32を通過し、第2の誘電体基板26を通って出てきて接地板24に電気的に接続するビア30bに接触している。
【0121】
リフレクタ38において、列20aのようなパッチ14の列は、パッチ14と同数の感光性部品22を有する。すべての感光性部品22は同じ方向を向いており、すなわち、すべての感光性部品22について、P接点34がビア30aを介してパッチ14と電気的に接触しており、N接点36がビア30bを介して接地板24と電気的に接触している。リフレクタ38の非図示の変形例では、感光性部品22の向きは異なり、すべての感光性部品22について、N接点36がビア30aを介してパッチ14と電気的に接触し、P接点34がビア30bを介してアースプレート24と電気的に接触している。
【0122】
図2Bでは、リフレクタ38は底面から見られている。感光性部品22は、第2の誘電体表面28上に4列20a、20b、20c、20dで配置されており、FL接点34とN接点36は、第2の誘電体基板26を貫通して現れるビアに接触している。図2Bにおいて、破線は上部誘電体表面16上のパッチ14の位置を示しており、パッチ14は見かけ上第2の誘電体表面28ではない。図2Bに見られるように、リフレクタ38は感光性部品22と同数のパッチ14を有する。
【0123】
図3A、3Bおよび3Cでは、(図1A~1Dを参照して説明される)リフレクタ10の3つの変形例が底面図で概略的に描かれており、3つとも感光性部品22の逆バイアスを実装している。
【0124】
図3Aでは、リフレクタ40は単一の可変電圧DC電源42を備えている。電源42の陽極(アノード)44は、すべての感光性部品22のP接点(陽極)34と電気的に接続されている。電源42の陰極(カソード)46は、すべての感光性部品22のN接点(陰極)36と電気的に接続されている。その結果、すべての感光性部品22を同じ電圧で逆バイアスすることができ、この電圧は変化させることができる。
【0125】
図3Bでは、リフレクタ48は、3つの異なる可変電圧直流電源42a、42b、42cを備えている。電源42の各々は、4つの感光性部品22と電気的に接続されており、4つの感光性部品22の各々は、パッチ20の異なる列に属している。リフレクタ40と同様に、電源42の陽極44は感光性部品22のP接点34と電気的に接続され、電源42の陰極46は感光性部品22のN接点36と電気的に接続されている。
【0126】
図3Cでは、リフレクタ50は12個の異なる可変電圧直流電源42を備えている。12個の電源42のそれぞれは、一つの感光性部品22と電気的に接続され、電源42の陽極44は感光性部品22のP接点34と電気的に接続され、電源42の陰極46は、感光性部品22のN接点36と電気的に接続されている。その結果、各感光性部品22を独立した電圧で逆バイアスすることができ、この電圧は変化させることができる。そのような実施形態は、リフレクタがビーム成形のために使用される時に非常に有用である。
【0127】
図4A図4B、および図4Cには、(図2を参照して説明した)リフレクタ38の3つの変形例が底面図で模式的に描かれており、3つともすべて感光性部品22の逆バイアスを実行する。
【0128】
図4Aでは、リフレクタ52は一つの可変電圧直流電源42を備えている。電源42の陽極44はすべての感光性部品22のP接点(陽極)34と電気的に接続されている。電源42の陰極46は、すべての感光性部品22のN接点(陰極)36と電気的に接続されている。その結果、すべての感光性部品22を同じ電圧で逆バイアスすることができ、この電圧は変化させることができる。
【0129】
図4Bでは、リフレクタ54は4つの異なる可変電圧直流電源42を備えている。電源42の各々は、4つの感光性部品22と電気的に接続されており、4つの感光性部品22の各々は、パッチ20の異なる列に属している。リフレクタ52と同様に、電源42の陽極44は、感光性部品22のP接点34と電気的に接続され、電源42の陰極46は、感光性部品22のN接点36と電気的に接続されている。
【0130】
図4Cにおいて、リフレクタ56は、16個の異なる可変電圧直流電源42を備えている。16個の電源42の各々は、単一の感光性部品22と電気的に接続されており、電源42の陽極44は感光性部品22のP接点34と電気的に接続され、電源42の陰極46は感光性部品22のN接点36と電気的に接続されている。その結果、各感光性部品22を独立した電圧で逆バイアスすることができ、この電圧は変化させることができる。このような実施形態は、リフレクタがビーム成形に使用される実施形態において非常に有用である。
【0131】
図1A-1D、2A-2B、3A-3Cおよび4A-4Cを参照して説明した本明細書の教示によるリフレクタの具体的な実施形態はすべて、導電性接地部品である接地板24によって分離された2つの基板、第1の誘電体基板18および第2の誘電体基板26を含んでいた。例示的なリフレクタ58が、図5A(x方向からの側面図)および図5B(y方向からの側面図、断面図)に概略的に描かれている。リフレクタ58は、リフレクタ58の上部誘電体表面16である第1の平面と、リフレクタ58の第2の誘電体表面28である第2の平面とを有する単一の基板18を含む。リフレクタ58は導電性接地部品がない。
【0132】
図1A-1D、図2A-2B、図3A-3C、図4A-4C、および図5A-5Bを参照して説明した本明細書の教示によるリフレクタの具体的な実施形態はすべて、n=4行の正方形パック配列で誘電体表面上に配置された16個の等しいサイズの正方形パッチを含み、各行は4個のパッチを含む。上述したように、また、本明細書の説明を読めばメタサーフェスの技術分野における通常の知識を有する者にとって明らかなように、いくつかの実施形態では、リフレクタは、誘電体表面上に任意の適切な方法で配置された、異なるサイズのパッチおよび/または正方形とは異なる形状を有するパッチおよび/またはより少ない/より多い数のパッチのうちの1つ以上を有する。例えば、図6では、リフレクタ59が上面図で概略的に描かれており、37個の円形パッチ14が上部誘電体表面16上に六角形にパックされた配置で配置されている。
【0133】
図7Aおよび図7Bでは、画像投影器62を含む照明モジュールを備え、画像投影器62がソフトウェアで構成された汎用コンピュータであるコントローラ64と機能的に関連付けられている、本明細書の教示による例示的なリフレクタ60が描かれている。
【0134】
リフレクタ60は、第2の誘電体表面上に4×4のアレイ状に配置された16個の感光性部品を有する、本明細書の教示に従った任意の適切なリフレクタであり、例えば、図1に描かれたリフレクタ10または図2に描かれたリフレクタ38である。
【0135】
画像投影器62は、4×4アレイに配置された16個のNIR/VIS LED(近赤外線/可視光発光ダイオード)を備え、活性化されると、16個のNIR LEDのうちの任意の1個によって生成された光が、リフレクタ60の第2の誘電体表面28上に配置された16個の感光性部品のうちの単一の特定の1個のみを照射するように構成されている。16個のLEDのいずれか1つによって生成される光の強度は、16個の離散的な光の強度のうちの選択された1つで対応する感光電子部品を照らすように独立して制御可能である。16個のLEDの各1つのための16個の強度の各組合せが画像を構成する。
【0136】
コントローラ64は、リフレクタ60の感光性電子部品をいずれかの画像で照明することによって構成されるメタサーフェスの反射特性の記憶されたルックアップテーブルを含む
【0137】
図7Aにおいて、第1の時間t1で、コントローラ64は、画像投影器62を作動させて、リフレクタ60の反射面12上にメタサーフェスを生成する第1の画像66aでリフレクタ60の感光性部品を照射し、このメタサーフェスは、マイクロ波送信器70からの入射マイクロ波ビーム68を、第1の受信器74aに向かう反射ビーム72aとして第1の方向に反射する。
【0138】
図7Bにおいて、第2の時間t2において、コントローラ64は、画像投影器62を作動させて、第1の画像66aとは異なる第2の画像66bでリフレクタ60の感光性部品を照射し、リフレクタ60の反射面12上にメタサーフェスを生成させ、このメタサーフェスは、第2の受信機74bに向かって反射ビーム72bとして第2の方向に入射マイクロ波ビーム68を反射する。
【0139】
図7Aおよび図7Bにおいて、画像66aおよび66bは、4x4マトリックスに配置された16画素から構成され、図7Aおよび図7Bにおける異なる陰影は、画像投影器62の対応するLEDによって放出された異なる光強度を表す。
【0140】
図8Aおよび図8Bは、画像投影器78(AAXA Technologies, Inc、Irvine,California,USA より市販されているAAXA P7 HDのような標準的な市販の画素化画像投影器)を含む照明モジュール、コントローラ64と機能的に関連する画像投影器78、ソフトウェアを構成する汎用コンピュータを備える、本明細書の教示による典型的なリフレクタ76を示している。
【0141】
図8Aにおいて、画像投影器78は、リフレクタ76の感光性部品が配置されたリフレクタ76の第2の誘電体表面28上に画像66aを投影するように配置されている。コントローラ64は、リフレクタ76の感光電子部品が画像投影器78によって投影された異なる画像で照明されたときに、リフレクタ76の反射面12上に生成されるメタサーフェスの反射特性の記憶されたルックアップテーブルを含む。
【0142】
図8Aでは、第1の時間t1で、コントローラ64は、画像投影器78を作動させて、リフレクタ76の感光電子部品を第1の画像66aで照明し、リフレクタ76の反射面12上にメタサーフェスを生成する。このメタサーフェスは、マイクロ波送信器70からの入射マイクロ波ビーム68を、第1の受信器74aに向かう反射ビーム72aとして第1の方向に反射する。
【0143】
図8Bでは、第2の時間t2において、コントローラ64は、画像投影器78を作動させて、第1の画像66aとは異なる第2の画像66bでリフレクタ76の感光性部品を照明し、リフレクタ76の反射面12上にメタサーフェスを生成させ、このメタサーフェスは、第2の受信機74bに向かって反射ビーム72bとして第2の方向に入射マイクロ波ビーム68を反射する。
【0144】
図9には、照明モジュールの部品としてディスプレイ・スクリーン82と機能的に関連したリフレクタ80が側面図で示されている。任意の適切なディスプレイ・スクリーンは、例えば、Wisecoco Display社(中国深▲セン▼市龍崗区)の5インチ丸型スクリーン1080*1080 LCDディスプレイコントローラボード(カタログ番号TOP050MIPI10801080R)を使用することができる。リフレクタ80は、誘電体基板18、実質的に直径100mm/厚さ525μmの完全な円形シリコンウェハであるシリコンチップを含む半導体方法を用いて製造される。リフレクタ80の上面12の表面積は7854mm2である。直径が100mmであるため、リフレクタ80は、約10mmまでの波長を有する電磁放射(すなわち、約30GHz以上の周波数)を反射するのに特に適している。基板18は、上部の第1の誘電体表面16と下部の第2の誘電体表面28を有する。第2の誘電体表面28には、実質的にガリウムヒ素(GaAs)PINフォトダイオードである複数の感光性部品22が配置されている。基板18の上部誘電体表面16には、複数の金属導電性パッチ14があり、各パッチ14は、上部誘電体表面16がリフレクタ80のマイクロ波/ミリ波反射面12となるように、少なくとも1つのシリコン貫通ビア(TSV)によって感光性部品22と有線で電気接続されている。ディスプレイ・スクリーン82の照明前面84は、厚さ160マイクロメートルの円形の透明両面接着フィルム86を使用して、第2の誘電体表面28を介してリフレクタ80に取り付けられている。パッチ14、感光性部品22およびTSVはすべて、既知の半導体製造方法を用いて製造される。パッチ14の寸法および形状は、反射周波数を決定する。例えば、パッチ14が約2.5mmの寸法を有する実施形態では、リフレクタ80は約1500個のパッチを有することができ、約30GHzの周波数を反射するのに適している。例えば、パッチ14が約0.25mmの寸法を有する実施形態では、リフレクタ80は、約150,000個のパッチを有することができ、約300GHzの周波数を反射するのに適している。
【0145】
図10Aには、7つの異なる誘電体基板18で構成されたリフレクタ84が描かれている。各誘電体基板18は、直径450mm/厚さ925μmの単一のウェーハからなるシリコンチップであり、上部誘電体表面16を有し、複数の導電性パッチ(図示せず)がチップ裏面の複数の感光性部品とTSVを介して有線で電気接続されており、実質的に図9を参照してリフレクタ80について説明したとおりである。7枚の誘電体基板18は、基板18がすべて同一平面上にあり、描かれた六角形のパッキングにおいて所望の分離を有することを保証するフレームワーク86に接続される。リフレクタ84の頂点から頂点までの寸法は1350mmであり、側面から側面までの寸法は1169mmであるため、リフレクタ84は約1100mmの反射面を有し、最大約110mm(2.7GHz)の波長を有するビームの反射に適している。
【0146】
図10Bには、100種類の誘電体基板18(ラベルは1種類のみ)からなるリフレクタ88が描かれている。各誘電体基板18は、基板の裏面にある複数の感光性部品とビアを介して有線で電気接続された複数の導電性パッチ(図示せず)を有する上部誘電体表面16を有する350mm×350mmのPCB基板である。100枚の誘電体基板18は、基板18がすべて同一平面上ににあり、描かれた正方形のパッキングにおいて所望の分離を有することを保証するフレームワーク(図示せず)に接続されている。反射板88の左右寸法は3500mmであり、反射板84は約350mm(0.85GHz)までの波長を有するビームの反射に適した約3500mmの反射面を有する。
【0147】
実験
リフレクタの設計と構造
図2Aおよび図2Bを参照して上述したリフレクタ38と同様の、本明細書の教示に従った実験用リフレクタは、ダッソーシステムズのCST電磁場シミュレーションソフトウェアを使用してシミュレーションされ、添付の付録に詳述されているように、電磁ビームの二次元ステアリングに成功した。添付の付録では、この説明で使用されている用語とは異なる用語を使用して一部の構成要素が参照されている場合がある。当業者であれば、添付の付録および参照される構成要素を理解することができる。添付の付録には、本明細書の教示の追加的な実施形態および特徴も記載されている。添付の付録には、44の参考文献が記載されている。参考文献の少なくとも一部は、一般的な背景を示すものであり、特許請求の範囲の特許性には関係しない。
【0148】
実験用リフレクタでは、第1の誘電体基板は厚さ0.508mmのPCB基板であった。
【0149】
実験用リフレクタでは、第2の誘電体基板は0.127 mm厚のPCB基板であった。
【0150】
実験用リフレクタでは、導電性接地部品は、第一の基板と第二の基板との間に配置され分離された厚さ0.05 mmの銅の層であった。導電性接地部品は、後述するようにビアの通過を可能にする穴が開いている箇所を除き、連続的であった。
【0151】
図2A-2Bのリフレクタ12に描かれているような16個のパッチの代わりに、実験用リフレクタは、第1の誘電体基板の上面に16個のパッチを備える16列の正方形にパックされたアレイに配列された256個のパッチを有する。
【0152】
各パッチは1.36mm×1.36mm角、厚さ0.05mmの銅層であった。隣接するパッチは0.24mm離れていた。
【0153】
各パッチは、第1の基板、導電性接地部品、および第2の基板を貫通する0.7mmの穴を通る0.3mmのソリッドビアを介して、SFH2704シリコンPINフォトダイオードのアノードと有線で電気接続されていた。
【0154】
各SFH2704シリコンPINフォトダイオードの陰極(カソード)は、第2の誘電体基板を貫通する0.7mmの穴を通る0.3mmのソリッドビアを介して、導電性接地部品と有線で電気的に接続されていた。
【0155】
特に定義しない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野における当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾がある場合は、定義を含む明細書が優先する。
【0156】
本明細書で使用される場合、用語「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」およびそれらの文法的変形は、記載された特徴、整数、ステップまたは構成要素を特定するものとみなされるが、1つまたは複数の追加の特徴、整数、ステップ、構成要素またはそれらのグループの追加を排除するものではない。本明細書において、不定冠詞 "a "および "an "は、文脈上そうでないことが明らかでない限り、"少なくとも1つ "または "1つ以上 "を意味する。
【0157】
本明細書において、数値の前に「約」という用語がある場合、「約」という用語は±10%を示すことを意図している。本明細書で使用される場合、「Aおよび/またはB」という形式の句は、(A)、(B)または(AおよびB)からなる群からの選択を意味する。本明細書で使用される場合、「A、BおよびCのうちの少なくとも1つ」という形の句は、(A)、(B)、(C)、(AおよびB)、(AおよびC)、(BおよびC)または(AおよびBおよびC)からなる群からの選択を意味する。
【0158】
明確にするために、別個の実施形態の文脈で記載されている本発明の特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて提供されることもあることが理解される。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で記載されている本発明の様々な特徴も、別個に、または任意の適切な下位組み合わせで、または本発明の他の記載された実施形態において適切なように提供されてもよい。様々な実施形態の文脈で説明される特定の特徴は、その実施形態がそれらの要素なしでは動作不能でない限り、それらの実施形態の本質的な特徴とはみなされない。本明細書に記載される方法および/または装置の実施形態は、選択されたタスクを手動、自動、またはそれらの組み合わせで実行または完了することを含み得る。本明細書に記載されるいくつかの方法および/または装置は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの組み合わせからなる構成要素を使用して実施される。一部の実施形態では、一部の構成要素は、汎用コンピュータ、デジタルプロセッサまたはオシロスコープなどの汎用構成要素である。一部の実施形態では、一部の構成要素は、回路、集積回路またはソフトウェアなどの専用またはカスタム構成要素である。
【0159】
例えば、いくつかの実施形態において、実施形態の一部は、例えば汎用またはカスタムコンピュータの一部であるデータプロセッサによって実行される複数のソフトウェア命令として実装される。いくつかの実施形態では、データプロセッサ又はコンピュータは、命令及び/又はデータを記憶するための揮発性メモリ、及び/又は、命令及び/又はデータを記憶するための不揮発性ストレージ、例えば磁気ハードディスク及び/又はリムーバブルメディアを備える。いくつかの実施形態では、実装はネットワーク接続を含む。いくつかの実施形態において、実装は、一般に、入力デバイス(例えば、コマンドおよび/またはパラメータの入力を可能にする)および出力デバイス(例えば、動作のパラメータおよび結果を報告することを可能にする)のうちの1つまたは複数からなるユーザインターフェースを含む。
【0160】
本発明をその特定の実施形態と併せて説明してきたが、多くの代替案、修正および変形が当業者には明らかであろうことは明らかである。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲の範囲内に入るそのような代替案、修正例および変形例をすべて包含することを意図している。
【0161】
本出願における参考文献の引用または特定は、かかる参考文献が本発明の先行技術として利用可能であることを認めるものと解釈してはならない。
【0162】
節の見出しは、本明細書の理解を容易にするために使用されるものであり、必ずしも限定的であると解釈されるべきではない。
【0163】
付録
要旨:最近、メタサーフェスは、5Gおよび6Gのインテリジェント反射サーフェス(IRS)を実装する上で不可欠かつ有望な部品となっている。本論文では、メタサーフェスの再構成能力を簡素化する新しい方法を提示する。提案する技術は、PINフォトダイオードを同調素子として使用する。PINフォトダイオードが配置されたメタサーフェスの裏面に所望の画像を投影し、メタサーフェスを再構成する。投影された画像の色と強度パターンは、PINフォトダイオードの接合容量に影響を与え、局所的な反射位相制御につながる。これにより、反射ビームを操作するために必要なパターン反射位相分布が可能になり、例えば、2Dビームステアリングやフォーカシング、その他あらゆるビーム形成の組み合わせが可能になる。これは、複雑なRF回路を使用してPINダイオードやバラクタなどの標準的な同調素子にバイアスをかける多くのデジタル・アナログ・コンバータ(DAC)やFPGA出力の配線の代わりに行われる。バラクタ・ダイオード、PINダイオード、液晶、MEMSの代わりにPINフォトダイオードを同調素子として使用することで、直接接触することなく内部接合静電容量を変化させ、反射位相を連続的に制御することができる。さらに、エネルギー消費を無視できる開回路動作モードが得られる。この技術は、離散的または連続的な位相に基づくメタサーフェスの実装に使用でき、SBI(Steer By Image)と呼ばれる。本論文では、PINフォトダイオードを用いたSBI技術の詳細について述べる。
【0164】
1.はじめに
メタマテリアルとは、自然界には存在しないユニークな電磁気特性を持つ材料のことである。メタマテリアルのアイデアを最初に提案したのはベッセラーゴである。ヴェッセラーゴはその論文の中で、負の屈折率を持つ物質の現象を説明した[1]。この理論は、David R. Smithらによって実験的に証明された[2]。メタマテリアル(MM)という名称はWalserによって提案され、彼はMMを、設計されたMMのユニークな電磁気特性を定義する、ユニークな環状幾何学構造に配置された金属と誘電体の組み合わせと定義した[3]。ユニットセルと入射電磁波の間のユニークな相互作用は、新しいコンセプトへの道を開く革新的な部品の設計に役立つ。メタサーフェスは、平坦な2Dメタマテリアルのプライベートケースである。メタサーフェス応用のリストは長く、メタサーフェス完全吸収体[4]、遮蔽体[5]、MMW平面2D放物面(FLAPS)[6]、誘電体レンズ[7,8]、渦ビーム[9,10]などがある。
【0165】
再構成可能なメタサーフェス・リフレクタを使用するインテリジェント・リフレクティング・サーフェス(IRS)は、5Gおよび6G通信のために提案された新しいコンセプトである[11]。ソフトウェア制御によって反射伝搬を再構成する。この表面は、必要な方向に電磁波を反射できる低コストの部品で構成される。これにより、ハードウェア・コストを追加することなく、受信機での信号が増加する。本稿では、SBI(Steer By Image)と名付けられた新技術を紹介する。SBI技術を用いると、IRSの反射ビームの方向と形状に関する制御は、IRSの裏面に投影される画像によって決定される。投影された画像の色と強度パターンはPINフォトダイオードの接合容量に影響を与え、局所的な反射位相制御につながる。投影された画像パターンがメタサーフェスの反射位相を決定し、2Dビームステアリングやフォーカシングのようなビームフォーミングにつながる。SBI技術を使用することにより、IRS内部ではDCバイアスやRF回路の配線はほとんど必要なく、設計と製造プロセスが大幅に簡素化される。メタサーフェスの同調可能な素子としてのフォトダイオードの追加使用は、[12,13]に示されている。[12,13]では、光制御デジタル符号化メタサーフェスが実証されている。これは、照明光の強度をリモートで変更することにより、フォトダイオードによって生成される電圧を動的に制御することができ、したがって、メタサーフェスの同調可能な素子(この場合はバラクタ)のバイアスに使用できることを示している。ここで提案するコンセプトでは、同調可能なメタサーフェス素子としてバラクタの代わりにフォトダイオードを使用することで、これをさらに単純化している。このコンセプトのフォトダイオードは、メタサーフェスの裏面に配置されるため、メタサーフェスの裏面に配置された外部光源からの投光を可能にし、より低いスキャン損失を達成することができる[14]。
【0166】
2.再構成可能なメタサーフェス
メタサーフェスの電磁気特性は構造の関数である。これには、サイズ、形状、メタ原子間距離のほか、材料の電磁気的特性も含まれる。しかし、従来のメタサーフェスは回路が複雑で、作製後の調整に限界があった。そのため、RF回路や部品をほとんど使わず、簡便な制御で能動的に機能を調整できる再構成可能なメタサーフェスの実現が強く望まれている。ここで提案するSBI技術は、このような目標に対応するものである。
【0167】
再構成可能なメタサーフェスには、メタサーフェスユニットセルの電磁気特性を変化させる能動的な同調可能素子が含まれる[12-17]。再構成可能なメタサーフェスを実現するには、4つの方法がある。第1は、メタサーフェスの電磁気特性を変化させることができる圧電結晶部品を用いたユニットセル形状の機械的調整である[17,18]。第二の方法は、バラクター・ダイオード、PINダイオード、またはMEMSを使用してユニットセルの共振周波数を変える電子的調整である[19]。第3の方法は、例えば液晶(LC)を用いてメタサーフェスを構成するユニットセルの誘電率erを変化させる材料特性調整であり[20,21]、第4の方法は光学調整である[22,23]。
【0168】
メタサーフェスリフレクタ全体を通して、各ユニットセルからの反射位相を制御し、再構成することができるため、(1) 式[6]に従って反射ビームのステアリング角θを操作することができる。
θ=(λ×Δφx/360°×ΔX) (1)
ここで、λはビーム波長、ΔφxはX軸上の位相勾配、ΔXはX軸上の周期性である。このアプローチは位相勾配と呼ばれ、連続調整と離散(デジタルコーディング)調整の2つのサブアプローチに分けられる。液晶材料[24]、圧電材料やMEMS[25,26]、バラクタ・ダイオード[18,27-31]などのメタサーフェスの連続調整用部品は、DCバイアス、制御基板、RF回路などの複雑な配線を必要とする。さらに、IRSの背面にある制御システムと付属のバイアス回路(図1参照)は、IRSのステアリング性能を低下させる可能性がある。
例えば、[29]では、XバンドとKuバンドで反射ビームの一次元制御が可能な40X33のユニットセルを含むIRSが実証されている。同調可能部品としてMACOM MAVR011020-11411のバラクタダイオードモデルが使用された。このIRSの32列のバラクタごとに32チャンネルのD/Aを使用することにより、メタサーフェスは1次元モードで制御される。このIRSの写真を図1に示す。
図1

図1は、40X33のユニットセルを持つIRSプロトタイプは、XバンドとKuバンドで反射ビームの1次元制御が可能である[28]。反射ビームの1次元制御は、33列の各列に32のD/A電圧を印加することで実現した。
【0169】
上記の例では、0~20Vの32個のデジタル・アナログ・コンバータ(DAC)が各列に独立して配線されており、X軸方向にのみ静電容量勾配が生じる。従って、X軸上でのみステアリングが可能である。この設計の11GHz、12GHz、13.5GHzにおけるステアリング角10°、30°、50°のシミュレーション結果が[29]に示されている。メタサーフェスの33列間のバラクタ・ダイオードのバイアス電圧を変化させることにより、X方向に沿って異なるΔφx(式1参照)を適用することができる。このような操作により、同じ周波数で異なる角度θに反射ビームをステアリングすることができる。反射波面が図2に示されている。図 2は、11GHにおけるメタサーフェス・リフレクタの遠方界シミュレーション結果[29]を示す。
図2
【0170】
2次元ビーム・ステアリングは、上記の場合、IRSの各バラクタに1つのDAC、合計40X32個のDACが必要となる。このため、配線やIRSの制御システムの設計が非常に複雑になる。さらに、このような複雑な設計はステアリング性能を低下させる可能性があり、RF回路を追加する必要があり、製造コストが増加する。
一方、メタサーフェスに基づくIRS ビームステアリングのために、ディスクリートまたは「デジタルコーディ ング」法を実装することができる[32-37]。デジタル符号化メタサーフェスを実装するための一般的な部品は、それが非常に安価で、標準のPCB製品の表面に簡単に配置することができるため、PINスイッチダイオードである。メタサーフェスの各ユニットセルは、1つのPINスイッチと統合されており、0°と180°の2つの異なる位相モード(1ビット分解能)を可能にする。単位セルあたり2つのPINスイッチを使用すれば、45°、135°、225°、315°の4つの異なる位相モード(2ビット分解能)を実現できる。これらの場合、各PINダイオードは、2つまたは4つの固定容量値を持つ集中素子としてモデル化することができる。例えば、[33,35]では、Xバンド用の1ビット分解能のメタサーフェスが実証されている。各ユニットセルは、2つの反射位相(状態)で動作する1つのPINスイッチで集積され、状態間の差は180°であり、1ビットのデジタル・ユニットセルを実現している。
【0171】
[33]によれば、8.6GHzで180°の位相差が得られた。反射位相が 0°から 180°の間にあるユニットセルはデジタル値「0」に、180°から 360°の間にあるユニットセルはデジタル値「1」に設定される。メタサーフェスの各カラムのユニットセルの状態を独立に定義し、1次元ビームステアリングを実現した。
【0172】
DC バイアスのコンテキストにおける欠点は、「オン」状態の PIN のエネルギー消費である。これは、表面上のユニット・セルの状態の半分が「オン」状態であるという統計的な仮定[36]を考慮すると、多数のユニット・セルを持つメタサーフェスでは無視できない。さらに、FPGA 制御ボードと DC バイアス回路および配線は複雑であり、メタサーフェスが大きくなるとさらに複雑になり、IRS の裏側の電気回路によって RF 性能が低下する可能性がある[14]。
【0173】
上記の例では、連続的な位相制御または離散的な位相制御のいずれをバイアスするために使用する場合でも、複雑な制御システムが必要になる。このシステムは、FPGA、マイコンボード[34,35]、コネクタ、RFチョーク、ラジアルスタブ、並列DACをベースにすることができる。また、メタサーフェスのDCバイアスのために追加のPCB層が必要である。これはよく知られた技術で、ビーム・ステアリングはワイヤーと回路を使って行われる。これは、多数のDACを使用することによるコストと複雑さのために、2Dビーム・ステアリングのための1ビット位相制御のみに実装を退化させることにつながる。1 ビット位相制御メタサーフェス用の複雑な制御回路の例は、10×10 ユニットセル用の[34]と 14×14 ユニットセル用の[35]に示されている。これらの例では、最大数百個の単位セルを持つ比較的小さなサイズのメタサーフェスのみが示されている。さらに、DC バイアス制御に使用されるコネクタの配置のために、有効なメタサーフェスエリアにマージンが追加される。これはメタサーフェスの開口効率を低下させる。さらに、連続位相制御は、1ビット位相制御[14]と比較して、ビームステアリング性能を約3.5dB向上させる。
【0174】
次の章では、配線もRF回路も不要な、非常に有望な新技術、すなわちSBIを提案する。本論文では、60×60セルのメタサーフェスサイズを持つ2次元連続反射位相ビームステアリングを実証する。このようにセル数が多い場合、標準的なDCバイアス技術を用いた2Dビームステアリングでは、60×60の制御DCソース、RFチョーク、非常に複雑な基板が必要となる。このようなIRSの実装は、設計、製造、制御が困難である。しかし、SBI技術を用いれば、メタサーフェス制御設計は大幅に簡素化され、標準的な画像投影器が、はるかに複雑な制御システムに取って代わることができる。また、SBI技術は、より多くのユニットセルを持つ大面積のメタサーフェスを実装するという制限を解決することができる。
【0175】
3.画像技術による操舵
SBI技術を実現するIRSユニットセルの設計に組み込むことが提案されている同調可能部品は、PINフォトダイオードである。PINダイオードは一般的に[38]、PINフォトダイオードはRFおよびマイクロ波光通信アプリケーションで広く使用されている[39]。PINダイオードをベースにしたディスクリートまたはデジタルIRSが設計され、実験的にテストされ、2状態の1ビット制御[34,35]と4状態の2ビット制御メタサーフェスも実証された[40]。
【0176】
ここでは、PINフォトダイオードをベースとした再構成可能なディスクリートまたは連続ユニットセルの設計を提案する。PINフォトダイオードをユニットセルの同調可能な部品として使用することには、次のような利点がある.1)PINダイオードに比べて非常に低いエネルギー消費で開回路モードで動作可能、2)高速応答、3)光に対する高感度、4) 非常に安価、5) 長寿命、6) 内部接合静電容量Cjは、PINフォトダイオードに入射する光強度によって制御される[39]。市販のPINフォトダイオード(VishaySemiconductors BVP10[41])の実験結果は、投影光の色と強度の影響がPINフォトダイオードの接合容量に与える影響を示されており、図3に示す[41]。
図3
【0177】
図3は、市販のPINフォトダイオード(Vishay Semiconductors BVP10)の静電容量-電圧特性で、暗条件下と異なる波長(赤(Red)、緑(Green)、青(Blue))の照明下での静電容量(Capacitance)と電圧(Voltage)の特性で、赤色光は緑色光や青色光に比べて量子効率が高いため、3つの異なる強度に相当する[34,35]。
【0178】
開回路PINフォトダイオード(I=0)動作では、投射された光によって接合のn型側とp型側に電子と正孔が流れ、空乏領域が狭まり、接合静電容量Cj が増加する。図3は、フォトダイオードに入射する光の色に応じたフォトダイオードの全容量Cpd を示している。この場合、フォトダイオードの全静電容量Cpd のダイナミックレンジは、DCバイアスなし(I=0)で4.5pF-12pFである。
【0179】
PINフォトダイオードを同調可能な素子として用いた再構成可能なメタサーフェスに基づくIRSを実現するためには、PINフォトダイオードをメタサーフェスの裏面に配置する必要がある。これにより、各PINフォトダイオードの接合静電容量Cjを必要に応じて変化させる、便利で柔軟な光の投影が可能になる。Ku-bandメタサーフェス基板全体の裏面に同調可能な素子を配置した同様の形状が、[28]で提案されている。この研究では、そのようなメタサーフェスの裏面にバラクター・ダイオードを配置し、メタサーフェスの表側にバラクター・ダイオードを配置する典型的な形状と比較して、非常に優れたビーム反射性能を実証した。バラクターダイオードがリフレクタの裏面に配置されたこの新しい形状は、反射された放射線のバラクターダイオードによる吸収と散乱を排除する。より大きなユニットセルを使用し、ダイオードを表側に配置する代替案[43]は、分解能が低く、ユニットセルが大きい場合に増加するスキャン損失による性能制限に悩まされる[43]。図4に示す新しい形状では、反射ビームの性能向上が達成された。
図4

【0180】
図4は、バラクター・ダイオード直流刺激回路を備えたメタサーフェス・リフレクタ構造の設計で、 (a) 長方形の金属パッチ・アレイの構造を持つ表面、(b) 直流電圧とダイオードの分極を持つ裏面、(c) 各ダイオードの電気回路を閉じた3D内部図 である[27]。
【0181】
SBIメタサーフェスの設計は、図4に示す形状と構造に基づいているが、バラクタの代わりにPINフォトダイオードを使用している。説明したように、SBIメタサーフェスの設計は、開回路モードで動作する同調可能な素子としてのPINフォトダイオードに基づいている。この動作モードではDC刺激が不要なため、設計が簡素化され、FPGAボードと有線接続が不要になる。図5にSBI技術のコンセプトを示す。図5は、イメージテクノロジーによるステア(SBI)の提案コンセプトを示している。このコンセプトでは、投影器がIRSの裏面に所望のカラーパターンを照射し、フォトダイオードの静電容量を変化させることで、メタサーフェスに入射する電磁波が所望の方向に進む。
図5
【0182】
図5で提案した SBI 構成では、IRS の裏面に画像を投影する必要がある。一次元または二次元のビームステアリングや、フォーカスのような他のビーム操作は、図5に示すように、IRSの裏面に適切な光量と色レベルを持つ投影画像を投影することで実現できる。列と行の間のカラーピクセルの変化により、IRSのビームステアリング角度やその他のビーム操作が決定される。SBI技術のIRSでは、FPGAボードもDCバイアス回路も不要である。このようなIRSの裏面に画像を投影するには、シンプルでコンパクトな画像投影器[44]が必要である。
【0183】
SBI技術を用いれば、様々な波面に対する2次元ビームステアリングを実現することができる。また、ディスクリートまたはデジタルの符号化パターンをIRSの裏面に容易に投影することができ、必要なビームステアリング、θ、および、[36,37]で実証された任意の入射、波面ビームを作り出すことができる。
【0184】
3.ユニットセルとメタサーフェスの設計
同調可能な素子であるフォトダイオードがIRS[28]の裏面に配置されているSBI技術用に提案されたユニットセル構成を図6に示す。使用したフォトダイオードはAMSオスラムのSFH2704で、Vishay SemiconductorsのBVP10[41]と非常によく似た特性を持ち、図3に示すように、光の色に対して良好な静電容量応答が得られる。
図6

【0185】
図6は、(a)表側、(b)裏側、(c) 層構造の側面図、(d)内部ユニットセルの3D図、(e)SBI技術に提案されたセル等価回路構成である。
【0186】
図6bでは、PINフォトダイオードはメタサーフェス裏面の隣接する2つのパッチの間に接続されている。図6eは、ユニットセルの電気等価回路を示している。メタサーフェスの損失は、誘電体基板(Rdie)の抵抗と銅の抵抗(Rohm)の結果である。ユニット・セルのパラメータ値は、ユニットセルの材質、寸法、形状により決定される。経験則として、Cint はユニットセルの金属面積に比例し、Lint はその厚さに比例する[28]。
【0187】
SBI技術における小型メタサーフェスの簡略図を図7に示す。
図7は、SBIメタサーフェスの3D構造で、(a)表側、(b)裏側、(c)層構造の側面図である。
図7
【0188】
図3のPINフォトダイオードは、ゼロバイアスにおいて静電容量・ダイナミックレンジに寄与する。ユニットセルパラメータとメタサーフェスパラメータ(Unit cell dimensions
Parameters)を表1に示す。
[表1]
【0189】
ユニットセル反射のシミュレーションによるフォトダイオードパラメータ(simulated photodiode parameters)を表2に示す。
[表2]
【0190】
ユニットセルのシミュレーション結果は、CST シミュレーションコードに基づいている。3つの静電容量値に対する周波数の関数としての大きさと位相反射を図7に示す。Cpd min = 4.5 pF, Cpd max = 12 pF, Cpd= 5.45 pFの場合、共振周波数は1GHzとなる。
図8

【0191】
図8は、ユニットセルの結果で、(a) 位相(Phase)、(b) マグニチュード(Mgnitude)である。
図8aの結果は、約340°のダイナミック位相範囲を示している。動作周波数におけるユニットセル損失の最大値は、静電容量Cpd = 5.45pFで、約4dBである。
1GHzでの反射位相の関数として静電容量を調べることで、SBI 技術を用いたビーム・ステアリングが可能になる(図 3 参照)。Cpd minからCpd maxの間の静電容量は、明るい色に変換することができる。
図9

【0192】
図9は、フォトダイオードの静電容量(Photo diode capacitance)Cpdの関数としての1GHzにおける反射位相(Phase)である。
図9は、AMSオスラムSFH2704のPINフォトダイオードを使用することにより、反射位相の高い調整が達成できることを示している。図9に示すデータは、メタサーフェス上の位相分布を計画するために使用され、これによりメタサーフェスは1GHzで1次元および2次元ビームステアリング用に再構成された。より低い静電容量を持つPINフォトダイオードを使えば、より高い周波数を実現することもできる[28]。
遠視野の結果は、14×120セルのメタサーフェスでシミュレートされた。図9aに1次元ビームステアリングの結果を、図9bに列変化のみの2次元カラーパターンを示す。
図10

【0193】
図10は、IRSの遠視野シミュレーション結果を示す。約10°、20°、30°、40°、50°のビームステアリング角度と、0°の基準ケースを(a)に、それらのビームステアリングに使用した対応する投影パターンを(b)~(g)に示す。メタサーフェスシミュレーションは、14×120セルのメタサーフェスサイズで行われた。(a)において、赤い線はフォトダイオードの静電容量が一定の場合、青いグラフは金属銅板を基準とした場合である。
【0194】
X軸方向のビームステアリング能力を示すため、シミュレーションの実行時間を節約するために行数(Y軸)を大幅に減らした。図10に示すように、すべての投影パターンにおいて、支配的なピクセルの色は青であり、Cpd の値が約5 pFであることを表している。これは、動的反射位相のほとんどが5 pF付近に集中し、青色が支配的になるためである(図3および図8参照)。図10b-gに示すように、ビーム・ステアリングの角度が大きくなるほど、ピクセル・パターンはより高密度で周期的になる。
【0195】
2Dビームステアリングも60×60セルでシミュレーションした。図11に、方位角30°、仰角-30°の場合のシミュレーション結果を示す。
図11

【0196】
図11は、右(a)は方位角30°、仰角-30°の2次元ビームステアリングで、左(b)は、この2次元ビーム・ステアリングに使用された投影パターンである。メタサーフェスシミュレーションは60×60セルで行われた。
【0197】
4.結論
Aステアリング、2Dビームステアリングは60×60。この場合のシミュレーションは非常に重く、長い計算時間を要した。60×60セルのメタサーフェスが伝統的に動作するためには、6400通りのアナログ出力が必要である。従って、非常に複雑で非現実的な回路となる。SBI技術では、多くのDACカード、デジタル出力、その他の部品が不要になる。その代わりに、PINフォトダイオードが配置されているメタサーフェスの裏面に画像を投影することができる(図5参照)。投影された画像によってPINフォトダイオードの接合容量が制御され、それに応じて反射ビームの位相が変化する(図8参照)。さらに、動作周波数1GHzのフルユニットセル設計が行われた。最後に、60×60セルの遠視野ビーム・ステアリング・シミュレーションを行い、方位角方向に約30°、仰角方向に-30°の放射ステアリングを示した。
【0198】
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図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10A
図10B
【国際調査報告】