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特表2025-500545ベンズイミダゾール誘導体の調製方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-09
(54)【発明の名称】ベンズイミダゾール誘導体の調製方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 235/08 20060101AFI20241226BHJP
【FI】
C07D235/08 CSP
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024538963
(86)(22)【出願日】2022-12-26
(85)【翻訳文提出日】2024-06-26
(86)【国際出願番号】 KR2022021316
(87)【国際公開番号】W WO2023128525
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】10-2021-0188177
(32)【優先日】2021-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514311689
【氏名又は名称】エイチケー イノ.エヌ コーポレーション
【住所又は居所原語表記】239 Osongsaengmyeong 2-ro, Osong-eup, Heungdeok-gu, Cheongju-si, Chungcheongbuk-do, 28158, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100077012
【弁理士】
【氏名又は名称】岩谷 龍
(72)【発明者】
【氏名】イ,ミンキョン
(72)【発明者】
【氏名】クォン,ジェホン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ジョンウン
(72)【発明者】
【氏名】パク,イェジ
(57)【要約】
本発明は、ベンズイミダゾール誘導体の調製方法および該方法により調製される化合物に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベンズイミダゾール誘導体の調製方法であって、
1)下記式4で表される配位子またはその立体異性体の存在下、下記式3で表される化合物を1価の銅触媒と反応させることにより、下記式2で表される化合物を調製する工程;
2)下記式2で表される化合物を反応させることにより、下記式5で表される化合物を調製する工程;および
3)塩基の存在下、下記式5で表される化合物、塩化アセチル、および下記式6で表される化合物を反応させることにより、下記式1で表される化合物を調製する工程、
[式1]
[式2]
[式3]
[式4]
[式5]
[式6]
ここで、
R1は、C1-4アルキルまたはフェニルであり、この場合、前記C1-4アルキルおよびフェニルの少なくとも1つのHは、ハロゲンまたはC1-4アルキルで置換されてもよく、
R2はH、C1-4アルキルまたはアセチルであり、この場合、前記アセチルの少なくとも1つのHは、ハロゲンで置換されてもよく、
R3およびR4は、それぞれ独立して、H、C1-4アルキル、およびC3-7シクロアルキルからなる群から選択されるか、または一緒になって3~7員の脂環式環を形成し、この場合、前記C1-4アルキル、C3-7シクロアルキル、および形成される3~7員の脂環式環の少なくとも1つのHは、ハロゲンで置換されてもよく、かつ
R5は、H、C1-4アルキル、またはアセチルである、
を含む方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
R1が、メチル、トリフルオロメチル、またはトリルであり、
R2が、H、アセチル、またはトリフルオロアセチルであり、
R3およびR4が、メチルであるか、または一緒になって6員の脂環式環を形成し、かつ
R5が、Hまたはメチルである方法。
【請求項3】
請求項1の方法であって、さらに
4)上記式1で表される化合物のpHを調整することにより、下記式1-1で表される化合物を調製する工程、
[式1-1]
ここで、
R1が、請求項1の上記式1と同じである、
を含む方法。
【請求項4】
R1が、メチル、トリフルオロメチル、またはトリルである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
上記1)の1価銅触媒が、塩化第一銅、臭化銅、ヨウ化銅、および酸化第一銅からなる群から選択される1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
上記1)において、上記式3で表される化合物、1価の銅触媒、および上記式4で表される配位子またはその立体異性体のモル比が、10:2:4~10:0.5:0.5である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
上記1)が、水、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、および1,4-ジオキサンからなる群から選択される少なくとも1つの溶媒中で実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
上記1)が、温度を37℃と60℃の間に調整し、10~60分間撹拌することによって実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
上記2)が、上記式2で表される化合物を還元的環化反応に供することにより、上記式5で表される化合物を調製することである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
上記2)の還元的環化が、還元剤、または還元剤とアセチル源を添加することによって実施される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記還元剤が、H2/10%パラジウム炭素、還元鉄、およびジチオン酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1つである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記アセチル源が、オルト酢酸トリエチルおよびアセチルアセトンからなる群から選択される少なくとも1つである、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
上記3)の塩基が、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、アンモニア水、およびピリジンからなる群から選択される少なくとも1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
上記3)において、上記式5で表される化合物と上記式6で表される化合物とのモル比が1:1~1:2.5である、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
上記3)において、前記塩化アセチルと前記塩基のモル比が1:2~1:4である、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
上記3)において、上記式5で表される化合物と前記塩化アセチルのモル比が1:1~1:1.5である、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
上記3)において、上記式6で表される化合物との前記塩基とのモル比が1:1~1:4である、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
上記3)が、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、塩化メチレン、クロロホルム、およびアセトニトリルからなる群から選択される少なくとも1つの溶媒中で実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
上記3)が、
a)上記式5で表される化合物と塩化アセチルを溶媒に添加する工程;および
b)塩基の存在下、上記式6で表される化合物を添加する工程を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
上記a)の上記式5で表される化合物を、溶媒に対して5%(w/v)~33%(w/v)の量で添加する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
上記a)が、温度を3℃と40℃の間に調整し、30~120分間撹拌することにより実施される、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
上記b)が、温度を27℃と40℃の間に調整し、10~180分間撹拌することにより実施される、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
上記4)が、pHを8と12の間に調整することを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項24】
上記4)が、温度を3℃と10℃の間に調整することにより実施される、請求項3に記載の方法。
【請求項25】
上記3)および4)が、系内(in situ)で実施される、請求項3に記載の方法。
【請求項26】
下記式1で表される化合物:
[式1]
ここで
R1は、C1-4アルキルまたはフェニルであり、この場合、前記C1-4アルキルおよびフェニルの少なくとも1つのHは、ハロゲンまたはC1-4アルキルで置換されてもよい。
【請求項27】
R1が、メチル、トリフルオロメチル、またはトリルである、請求項26に記載の化合物。
【請求項28】
上記式1で表される化合物が、
酢酸 6-(ジメチルカルバモイル)-2-メチル-1-トシル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル;
酢酸 6-(ジメチルカルバモイル)-2-メチル-1-(トリフルオロメチル)スルホニル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル;および
酢酸 6-(ジメチルカルバモイル)-2-メチル-1-メチルスルホニル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル、
からなる群より選択される、請求項26に記載の化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベンズイミダゾール誘導体の調製方法および該方法により調製される化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
ベンズイミダゾールは、医薬および化学の分野において非常に重要なファーマコフォアとして知られている。この化合物は、化学構造的にベンゼン環とイミダゾール環が縮合した形をしており、多くの薬学的特性を有することが見出されている。1990年代には、フルオロ、プロピレンなどの置換基を持つ多くのベンズイミダゾール誘導体が合成され、それらは、安定性、生物学的利用能および、生理活性を有することが示された。
【0003】
例えば、ベンズイミダゾール誘導体のうち、オキシダゾール-1H-ベンズイミダゾールは抗菌活性を有することが知られており、真菌に対する阻害活性も報告されているのに対し、テトラヒドロ-イミダゾール[4,5,1-jk][1,4]-ベンゾジアゼピン-2(1H)-オンやN-アルコキシ-2-アルキル-ベンズイミダゾールもHIV阻害剤として開発されている。また、スルホキシド基やメチレン基を有するベンズイミダゾール誘導体は、プロトンポンプを阻害することにより胃酸分泌を抑制し、胃粘膜保護機能を有することが知られている。さらに、ベンズイミダゾール誘導体には、抗ウイルス効果や降圧効果が知られている。
【0004】
ベンズイミダゾール誘導体は繊維産業においても非常に有用であり、主に染料分散剤や柔軟剤などとして使用されることが知られている。
【0005】
上述したように、ベンズイミダゾールは、医薬および化学の分野において非常に高い適用性を有するファーマコフォアであり、その合成方法は多くの研究者によって開発され、様々な文献を通じて提案されている。
【0006】
国際特許公開WO2004/054984号公報には、2-アミノ-3-ニトロフェノールを用いる調製方法が記載されている。しかしながら、当該特許に記載の調製方法は、アミド化反応において高価な中間体や試薬を使用し、また、除去が困難な金属触媒を使用するため精製が困難である。そのため、調製コストが高く、一部の中間体の分離にシリカゲルを使用するため、一般的な大量合成プロセスには適さない。また、火災や爆発の可能性がある金属触媒を使用するため、特殊な設備でしか製造できないという難点もある。
【0007】
さらに、国際特許公開WO2007/072146号公報には、アミド化反応のためにカルボニル基を導入する工程で一酸化炭素を使用する方法が記載されている。しかし、この反応には別途反応装置が必要であり、工程中に一酸化炭素ガスにさらされることによる危険因子を伴う。加えて、高価な試薬を使用するため調製コストが高く、一部の中間体の分離にシリカゲルを使用するため、一般的な大量合成プロセスには適さない。
【0008】
そこで、本発明者らは、医薬および化学分野において極めて重要なファーマコフォアとして知られるベンズイミダゾールを、市販の試薬や溶媒を低い調製コストで使用しているにもかかわらず、工業的に高収率で大量生産できる方法を確認し、これにより本発明は完成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際特許公開WO2004/054984公報
【特許文献2】国際特許公開WO2007/072146公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、ベンズイミダゾール誘導体の調製方法を提供することができる。
【0011】
本発明は、上記調製方法により調製された化合物を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
これについては、以下に詳細に説明する。なお、本発明に開示される各説明および実施態様は、それぞれ、他の記載および実施態様に適用されてもよい。すなわち、本発明に開示される種々の要素の組み合わせの全てが本発明の範囲に含まれる。また、本発明の範囲は、以下に説明する具体的な説明に限定されるものではない。
【0013】
本発明は、ベンズイミダゾール誘導体を調製する方法を提供することができ、前記方法は:
1)下記式4で表される配位子またはその立体異性体の存在下、下記式3で表される化合物を1価の銅触媒と反応させることにより、下記式2で表される化合物を調製する工程;
2)下記式2で表される化合物を反応させることにより、下記式5で表される化合物を調製する工程;および
3)塩基の存在下、下記式5で表される化合物、塩化アセチル、および下記式6で表される化合物を反応させることにより、下記式1で表される化合物を調製する工程、
[式1]
[式2]
[式3]
[式4]
[式5]
[式6]
ここで、
R1は、C1-4アルキルまたはフェニルであってもよく、この場合、前記C1-4アルキルおよびフェニルの少なくとも1つのHは、ハロゲンまたはC1-4アルキルで置換されてもよく、
R2は、H、C1-4アルキル、またはアセチルであってもよく、この場合、前記アセチルの少なくとも1つのHは、ハロゲンで置換されてもよく、
R3およびR4は、それぞれ独立して、H、C1-4アルキルおよびC3-7シクロアルキルからなる群から選択されてもよく、または一緒になって3~7員の脂環式環を形成してもよく、この場合、前記C1-4アルキル、C3-7シクロアルキル、および形成された3~7員の脂環式環の少なくとも1つのHは、ハロゲンで置換されてもよく、かつ
R5は、H、C1-4アルキル、またはアセチルであってもよい、
を含む。
【0014】
ベンズイミダゾール誘導体の調製方法は、さらに:
4)上式1で表される化合物のpHを調整することにより、下記式1-1で表される化合物を調製する工程、
[式1-1]
ここで、
R1は、上記式1と同様であってもよい、
を含んでもよい。
【0015】
一実施態様では、R1は、メチル、トリフルオロメチル、またはトリルであってもよい。
【0016】
本発明は、ベンズイミダゾール誘導体を調製する方法を提供することができ、前記方法は:
1)下記式4で表される配位子またはその立体異性体の存在下、下記式3で表される化合物を1価の銅触媒と反応させることにより、下記式2で表される化合物を調製する工程;
2)下記式2で表される化合物を反応させることにより、下記式5で表される化合物を調製する工程;
3)塩基の存在下、下記式5で表される化合物、塩化アセチル、および下記式6で表される化合物を反応させることにより、下記式1で表される化合物を調製する工程;および
4)下記式1で表される化合物のpHを調整することにより、下記式1-1で表される化合物を調製する工程、
[式1-1]
[式1]
[式2]
[式3]
[式4]
[式5]
[式6]
ここで、
R1は、C1-4アルキルまたはフェニルであってもよく、この場合、前記C1-4アルキルおよびフェニルの少なくとも1つのHは、ハロゲンまたはC1-4アルキルで置換されてもよく、
R2は、H、C1-4アルキル、またはアセチルであってもよく、この場合、前記アセチルの少なくとも1つのHは、ハロゲンで置換されてもよく、
R3およびR4は、それぞれ独立して、H、C1-4アルキル、およびC3-7シクロアルキルからなる群から選択されてもよく、または一緒になって3~7員の脂環式環を形成してもよく、この場合、前記C1-4アルキル、C3-7シクロアルキル、および形成された3~7員の脂環式環の少なくとも1つのHは、ハロゲンで置換されてもよく、かつ
R5は、H、C1-4アルキル、またはアセチルであってもよい、
を含む。
【0017】
一実施態様では、上記の式において、
R1は、C1-4アルキルまたはフェニルであってもよく、この場合、前記C1-4アルキルの少なくとも1つのHは、ハロゲンで置換されてもよく、フェニルの少なくとも1つのHは、C1-4アルキルで置換されてもよく、
R2は、Hまたはアセチルであってもよく、この場合、前記アセチルの少なくとも1つのHは、ハロゲンで置換されてもよく、
R3およびR4は、C1-4アルキルであってもよく、または一緒になって3~7員の脂環式環を形成してもよく、かつ
R5は、HまたはC1-4アルキルであってもよい。
【0018】
一実施態様では、上記の式において、
R1は、C1-4アルキルまたはフェニルであってもよく、この場合、前記C1-4アルキルの少なくとも1つのHは、フルオロ(F)で置換されてもよく、フェニルの少なくとも1つのHは、メチルで置換されてもよく、
R2は、Hまたはアセチルであってもよく、この場合、前記アセチルの少なくとも1つのHは、フルオロ(F)で置換されてもよく、
R3およびR4は、C1-4アルキルであってもよく、または一緒になって3~7員の脂環式環を形成してもよく、かつ
R5は、HまたはC1-4アルキルであってもよい。
【0019】
一実施態様では、上記の式において、
R1は、メチル、トリフルオロメチル、またはトリルであってもよく、
R2は、H、アセチル、またはトリフルオロアセチルであってもよく、
R3およびR4は、メチルであってもよく、または一緒になって6員の脂環式環を形成してもよく、かつ
R5は、Hまたはメチルであってもよい。
【0020】
本発明において、上記式4で表される化合物は、1つ以上の立体中心を含むことができ、したがって、ラセミ化合物、単一の鏡像異性体、ジアステレオマーの混合物または単一のジアステレオマーとしての混合物が存在しうる。
【0021】
本発明のベンズイミダゾール誘導体の調製方法は:1)式4で表される配位子またはその立体異性体の存在下、上記式3で表される化合物と1価の銅触媒とを反応させて、上記式2で表される化合物を調製する工程を含んでもよい。
【0022】
上記1)の1価銅触媒は、塩化第一銅、臭化銅、ヨウ化銅、亜酸化銅からなる群から選択された1つであってもよく、特に臭化銅であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0023】
上記1)において、上記式3で表される化合物、1価の銅触媒、および上記式4で表される配位子またはその立体異性体のモル比は、10:2:4~10:0.5:0.5であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0024】
上記1)は、水、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、および1,4-ジオキサンからなる群から選択される少なくとも1つの溶媒中で実施されてもよく、特に水およびジメチルスルホキシド中で実施されてもよいが、これに限定されるものではない。
【0025】
上記1)は、温度を37℃と60℃との間に調整し、10~60分間撹拌することによって実施されてもよいが、これに限定されるものではない。
【0026】
本発明に係るベンズイミダゾール誘導体の調製方法は:2)上記式2で表される化合物を反応させて、上記式5で表される化合物を調製することを含んでもよい。
【0027】
上記2)は、上記式2で表される化合物を還元的環化反応に供することにより、上記式5で表される化合物を調製することであってもよい。
【0028】
上記2)の還元的環化は、還元剤、または還元剤とアセチル源を添加することによって実施されてもよい。
【0029】
上記2)の還元的環化は、還元剤を使用するニトロ還元、または還元剤を使用するニトロ還元とアセチル源による環化を含んでもよい。
【0030】
上記2)において、還元剤は、H2/10%パラジウム炭素、還元鉄、およびジチオン酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1つであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0031】
上記2)において、前記アセチル源は、オルト酢酸トリエチルおよびアセチルアセトンからなる群から選択される少なくとも1つであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0032】
上記2)は、上記式2で表される化合物と、H2/10%パラジウム炭素およびオルト酢酸トリエチルとを反応させること、還元鉄、およびオルト酢酸トリエチル、またはジチオン酸ナトリウムを反応させることによって実施されてもよいが、これに限定されるものではない。
【0033】
本発明に係るベンズイミダゾール誘導体の調製方法は:3)塩基の存在下、上記式5で表される化合物、塩化アセチル、および上記式6で表される化合物を反応させることにより上記式1で表される化合物を調製する工程を含んでもよい。
【0034】
上記3)の塩基は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、アンモニア水、およびピリジンからなる群から選択される少なくとも1つであってもよく、特に炭酸カリウム、およびピリジンであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0035】
上記3)において、上記式5で表される化合物と上記式6で表される化合物とのモル比は、1:1~1:2.5であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0036】
上記3)において、前記塩化アセチルと前記塩基のモル比は、1:2~1:4であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0037】
上記3)において、上記式5で表される化合物と前記塩化アセチルのモル比は、1:1~1:1.5であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0038】
上記3)において、上記式6で表される化合物と前記塩基のモル比は、1:1~1:4であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0039】
上記3)は、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、塩化メチレン、クロロホルム、アセトニトリルからなる群から選択される少なくとも1つの溶媒中で実施されてもよく、特に塩化メチレン中で実施されてもよいが、これに限定されるものではない。
【0040】
上記3)は、
a)上記式5で表される化合物と塩化アセチルを溶媒に添加する工程;および
b)塩基の存在下、上記式6で表される化合物を添加する工程を含んでもよい。
【0041】
上記式5で表される化合物は、溶媒に対して5%(w/v)~33%(w/v)の量で添加されてもよいが、これに限定されるものではない。
【0042】
上記a)は、温度を3℃と40℃の間に調整し、30~120分間撹拌することによって実施されてもよいが、これに限定されるものではない。
【0043】
上記b)は、温度を27℃と40℃の間に調整し、10~180分間撹拌することによって実施されてもよいが、これに限定されるものではない。
【0044】
本発明に係るベンズイミダゾール誘導体の調製方法は:4)上記式1で表される化合物のpHを調整することにより、上記式1-1で表される化合物を調製する工程を含んでもよい。
【0045】
上記4)は、pHを8と12の間に調整することであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0046】
上記4)は、温度を3℃と10℃の間に調整することにより実施されてもよいが、これに限定されるものではない。
【0047】
本発明に係るベンズイミダゾール誘導体の調製方法は、系内(in situ)で上記3)および4)を実施することであってもよい。
【0048】
本発明は、下記式1で表される化合物:
[式1]
ここで、
R1は、C1-4アルキルまたはフェニルであり、この場合、前記C1-4アルキルおよびフェニルの少なくとも1つのHは、ハロゲンまたはC1-4アルキルで置換されてもよい、
を提供することができる。
【0049】
一実施態様では、上記の式において、
R1は、C1-4アルキルまたはフェニルであってもよく、この場合、前記C1-4アルキルの少なくとも1つのHは、ハロゲンで置換されてもよく、フェニルの少なくとも1つのHは、C1-4アルキルで置換されてもよく、
【0050】
一実施態様では、上記の式において、
R1は、C1-4アルキルまたはフェニルであってもよく、この場合、前記C1-4アルキルの少なくとも1つのHは、フルオロ(F)で置換されてもよく、フェニルの少なくとも1つのHは、メチルで置換されてもよく、
【0051】
一実施態様では、R1は、メチル、トリフルオロメチル、またはトリルであってもよい。
【0052】
上記式1で表される化合物は、
酢酸 6-(ジメチルカルバモイル)-2-メチル-1-トシル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル;
酢酸 6-(ジメチルカルバモイル)-2-メチル-1-(トリフルオロメチル)スルホニル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル;および
酢酸 6-(ジメチルカルバモイル)-2-メチル-1-メチルスルホニル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル、
からなる群から選択されてもよい。
【0053】
本発明は、次の(1)~(28)の方法を提供することができる:
(1)ベンズイミダゾール誘導体の調製方法であって、前記方法は:
1)下記式4で表される配位子またはその立体異性体の存在下、下記式3で表される化合物を1価の銅触媒と反応させることにより、下記式2で表される化合物を調製する工程;
2)下記式2で表される化合物を反応させることにより、下記式5で表される化合物を調製する工程;および
3)塩基の存在下、下記式5で表される化合物、塩化アセチル、および下記式6で表される化合物を反応させることにより、下記式1で表される化合物を調製する工程、
[式1]
[式2]
[式3]
[式4]
[式5]
[式6]
ここで、
R1は、C1-4アルキルまたはフェニルであってもよく、この場合、前記C1-4アルキルおよびフェニルの少なくとも1つのHは、ハロゲンまたはC1-4アルキルで置換されてもよく、
R2は、H、C1-4アルキル、またはアセチルであってもよく、この場合、前記アセチルの少なくとも1つのHは、ハロゲンで置換されてもよく、
R3およびR4は、それぞれ独立して、H、C1-4アルキル、およびC3-7シクロアルキルからなる群から選択されてもよく、または一緒になって3~7員の脂環式環を形成してもよく、この場合、前記C1-4アルキル、C3-7シクロアルキル、および形成された3~7員の脂環式環の少なくとも1つのHは、ハロゲンで置換されてもよく、かつ
R5は、H、C1-4アルキル、またはアセチルであってもよい、
を含む。
【0054】
(2)上記(1)の方法は、さらに:
4)上記式1で表される化合物のpHを調整することにより、下記式1-1で表される化合物を調製する工程、
[式1-1]
ここで、
R1は、上記式1同じであってもよい、
を含んでもよい。
【0055】
(3)ベンズイミダゾール誘導体を調製する方法であって、前記方法は:
1)下記式4で表される配位子またはその立体異性体の存在下、下記式3で表される化合物を1価の銅触媒と反応させることにより、下記式2で表される化合物を調製する工程;
2)下記式2で表される化合物を反応させることにより、下記式5で表される化合物を調製する工程;
3)塩基の存在下、下記式5で表される化合物、塩化アセチル、および下記式6で表される化合物を反応させることにより、下記式1で表される化合物を調製する工程;および
4)下記式1で表される化合物のpHを調整することにより、下記式1-1で表される化合物を調製する工程、
[式1-1]
[式1]
[式2]
[式3]
[式4]
[式5]
[式6]
ここで、
R1は、C1-4アルキルまたはフェニルであってもよく、この場合、前記C1-4アルキルおよびフェニルの少なくとも1つのHは、ハロゲンまたはC1-4アルキルで置換されてもよく、
R2は、H、C1-4アルキル、またはアセチルであってもよく、この場合、前記アセチルの少なくとも1つのHは、ハロゲンで置換されてもよく、
R3およびR4は、それぞれ独立して、H、C1-4アルキル、およびC3-7シクロアルキルからなる群から選択されてもよく、または一緒になって3~7員の脂環式環を形成してもよく、この場合、前記C1-4アルキル、C3-7シクロアルキル、および形成された3~7員の脂環式環の少なくとも1つのHは、ハロゲンで置換されてもよく、かつ
R5は、H、C1-4アルキル、またはアセチルであってもよい、
を含む。
【0056】
(4)R1は、C1-4アルキルまたはフェニルであってもよく、この場合、前記C1-4アルキルの少なくとも1つのHは、ハロゲンで置換されてもよく、フェニルの少なくとも1つのHは、C1-4アルキルで置換されてもよく、
R2は、Hまたはアセチルであってもよく、この場合、前記アセチルの少なくとも1つのHは、ハロゲンで置換されてもよく、
R3およびR4は、C1-4アルキルであってもよく、または一緒になって3~7員の脂環式環を形成してもよく、かつ
R5は、HまたはC1-4アルキルであってもよい、上記(1)、(2)、または(3)の方法。
【0057】
(5)R1が、C1-4アルキルまたはフェニルであってもよく、この場合、前記C1-4アルキルの少なくとも1つのHは、フルオロ(F)で置換されてもよく、フェニルの少なくとも1つのHは、メチルで置換されてもよく、
R2が、Hまたはアセチルであってもよく、この場合、前記アセチルの少なくとも1つのHは、フルオロ(F)で置換されてもよく、
R3およびR4が、C1-4アルキルであってもよく、または一緒になって3~7員の脂環式環を形成してもよく、かつ
R5が、HまたはC1-4アルキルであってもよい、上記(1)、(2)、(3)、または(4)の方法。
【0058】
(6)R1が、メチル、トリフルオロメチル、またはトリルであってもよく、
R2が、H、アセチル、またはトリフルオロアセチルであってもよく、
R3およびR4が、メチルであってもよく、または一緒になって6員の脂環式環を形成してもよく、かつ
R5が、Hまたはメチルであってもよい、上記(1)、(2)、(3)、(4)、または(5)の方法。
【0059】
(7)R1が、メチル、トリフルオロメチル、またはトリルであってもよい、上記(1)、(2)、(3)、または(4)の方法。
【0060】
(8)上記1)の1価銅触媒が、塩化第一銅、臭化銅、ヨウ化銅、および亜酸化銅からなる群から選択される1つであってもよい、上記(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、または(7)の方法。
【0061】
(9)上記1)において、上記式3で表される化合物、1価の銅触媒、および上記式4で表される配位子またはその立体異性体のモル比が、10:2:4~10:0.5:0.5であってもよい、上記(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、または(8)の方法。
【0062】
(10)上記1)が、水、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、および1,4-ジオキサンからなる群から選択される少なくとも1つの溶媒中で実施されてもよい、上記(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、または(9)の方法。
【0063】
(11)上記1)が、温度を37℃と60℃との間に調整し、10~60分間撹拌することによって実施されてもよい、上記(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)、または(10)の方法。
【0064】
(12)上記2)が、上記式2で表される化合物を還元的環化反応に供することにより、上記式5で表される化合物を調製することであってもよい、上記(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)、(10)、または(11)の方法。
【0065】
(13)上記2)の還元的環化が、還元剤、または還元剤とアセチル源とを添加することにより、実施されてもよい、上記(12)の方法。
【0066】
(14)還元剤が、H2/10%パラジウム炭素、還元鉄、およびジチオン酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1つであってもよい、上記(13)の方法。
【0067】
(15)前記アセチル源が、オルト酢酸トリエチルおよびアセチルアセトンからなる群から選択される少なくとも1つであってもよい、上記(13)または(14)の方法。
【0068】
(16)上記3)の塩基が、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、アンモニア水、およびピリジンから選択される少なくとも1つであってもよい、上記(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)、(10)、(11)、(12)、(13)、(14)、または(15)の方法。
【0069】
(17)上記3)において、上記式5で表される化合物と上記式6で表される化合物とのモル比が、1:1~1:2.5であってもよい、上記(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)、(10)、(11)、(12)、(13)、(14)、(15)、または(16)の方法。
【0070】
(18)上記3)において、前記塩化アセチルと前記塩基とのモル比が、1:2~1:4であってもよい、上記(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)、(10)、(11)、(12)、(13)、(14)、(15)、(16)、または(17)の方法。
【0071】
(19)上記3)において、上記5で表される化合物と前記塩化アセチルのモル比が、1:1~1:1.5であってもよい、上記(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)、(10)、(11)、(12)、(13)、(14)、(15)、(16)、(17)、または(18)の方法。
【0072】
(20)上記3)において、上記式6で表される化合物と前記塩基とのモル比が、1:1~1:4であってもよい、上記(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)、(10)、(11)、(12)、(13)、(14)、(15)、(16)、(17)、(18)、または(19)の方法。
【0073】
(21)上記3)が、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、塩化メチレン、クロロホルム、アセトニトリルからなる群から選択される少なくとも1つの溶媒中で実施されてもよい、上記(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)、(10)、(11)、(12)、(13)、(14)、(15)、(16)、(17)、(18)、(19)、または(20)の方法。
【0074】
(22)上記3)が、
a)上記式5で表される化合物と塩化アセチルを溶媒に添加する工程;および
b)塩基の存在下、上記式6で表される化合物を添加する工程を含んでもよい、
上記(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)、(10)、(11)、(12)、(13)、(14)、(15)、(16)、(17)、(18)、(19)、(20)、または(21)の方法。
【0075】
(23)上記a)において、上記式5で表される化合物を、溶媒に対して5%(w/v)~33%(w/v)の量で添加してもよい、上記(22)の方法。
【0076】
(24)上記a)が、温度を3℃と40℃の間に調整し、30~120分間撹拌することによって実施されてもよい、上記(22)または(23)の方法。
【0077】
(25)上記b)が、27℃と40℃の間に温度を調製し、10~180分間撹拌することによって実施されてもよい、上記(22)、(23)、または(24)の方法。
【0078】
(26)上記4)が、pHを8と12の間に調整することであってもよい、上記(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)、(10)、(11)、(12)、(13)、(14)、(15)、(16)、(17)、(18)、(19)、(20)、(21)、(22)、(23)、(24)、または(25)の方法。
【0079】
(27)上記4)が、温度を3℃と10℃の間に調整することによって実施されてもよい、上記(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)、(10)、(11)、(12)、(13)、(14)、(15)、(16)、(17)、(18)、(19)、(20)、(21)、(22)、(23)、(24)、(25)、または(26)の方法。
【0080】
(28)上記3)および4)が、系内(in situ)で実施される、上記(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)、(10)、(11)、(12)、(13)、(14)、(15)、(16)、(17)、(18)、(19)、(20)、(21)、(22)、(23)、(24)、(25)、(26)、または(27)の方法。
【0081】
本発明は、次の(1)~(5)の化合物を提供することができる:
(1)下記式1で表される化合物:
[式1]
ここで、
R1は、C1-4アルキルまたはフェニルであり、この場合、前記C1-4アルキルおよびフェニルの少なくとも1つのHは、ハロゲンまたはC1-4アルキルで置換されてもよい。
【0082】
(2)R1が、C1-4アルキルまたはフェニルであってもよく、この場合、前記C1-4アルキルの少なくとも1つのHは、ハロゲンで置換されてもよく、フェニルの少なくとも1つのHは、C1-4アルキルで置換されてもよい、上記(1)の化合物。
【0083】
(3)R1が、C1-4アルキルまたはフェニルであってもよく、この場合、前記C1-4アルキルの少なくとも1つのHは、フルオロ(F)で置換されてもよく、フェニルの少なくとも1つのHは、メチルで置換されてもよい、上記(1)または(2)の化合物。
【0084】
(4)R1が、メチル、トリフルオロメチル、またはトリルであってもよい、上記(1)、(2)、または(3)の化合物。
【0085】
(5)化合物が、
酢酸 6-(ジメチルカルバモイル)-2-メチル-1-トシル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル;
酢酸 6-(ジメチルカルバモイル)-2-メチル-1-(トリフルオロメチル)スルホニル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル;および
酢酸 6-(ジメチルカルバモイル)-2-メチル-1-メチルスルホニル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル、
からなる群から選択されてもよい、上記(1)、(2)、(3)、または(4)の化合物。
【発明の効果】
【0086】
本発明のベンズイミダゾール誘導体の調製方法は、調製コストが低く、調製工程においてクロマトグラフィー工程を必要とせず、高リスクかつ高コストの試薬を使用しない。したがって、大量生産に有利であり、高い収率で調製することができる。
【0087】
また、上記調製方法により調製された化合物を用いて、ベンズイミダゾール構造を有する他の化合物を効果的に調製することができる。特に、抗菌剤、抗潰瘍剤、および抗炎症剤として使用可能な化合物の調製のための中間体として使用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0088】
以下、本発明を実施態様により詳細に説明する。これらの例示的な実施態様は、本発明を説明する目的のためにのみ提供される。したがって、本発明の範囲はこれに限定されないことは、当業者には明らかであろう。
【0089】
[実施例1]工程1)
[実施例1-1]4-アセトアミド-3-ヒドロキシ-N,N-ジメチル-5-ニトロベンズアミドの調製
精製水1034.8g、ジメチルスルホキシド701.9g、炭酸カリウム144.4gを反応器に順次添加した。得られた溶液を、内部温度を37℃に上げながら30分間撹拌した。臭化銅(I)3.8g、トランス-N,N-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジアミン7.4g、および精製水344.9gを加え、内部温度を37℃に保ちながら撹拌した。次いで、4-アセトアミド-3-ブロモ-N,N-ジメチル-5-ニトロベンズアミド172.5gをジメチルスルホキシド38.5gに溶解して得られた溶液を反応器に加えた。反応液を37℃に保ちながら60分間撹拌し、反応を完結させた。蒸留水345.0gを加え、氷浴を用いて内部温度を10~15℃に冷却した後、得られた混合物を12時間撹拌し、結晶化させた。得られた結晶をろ過し、精製水で洗浄した。得られた固体を40℃で真空乾燥し、4-アセトアミド-3-ヒドロキシ-N,N-ジメチル-5-ニトロベンズアミド128.4g(収率:92%)を得た。
【0090】
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6): 10.9(s, 1H), 9.8(s, 1H), 7.3(d, 1H), 7.2(d, 1H), 3.0(s, 6H), 2.0(s, 3H)
【0091】
[実施例1-2]4-アミノ-3-ヒドロキシ-N,N-ジメチル-5-ニトロベンズアミドの調製
精製水899.8g、ジメチルスルホキシド610.3g、および炭酸カリウム125.6gを反応器に順次添加した。得られた溶液を内部温度を60℃に上げながら30分間撹拌した。臭化銅(I)15.5g、トランス-N,N-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジアミン6.4g、および精製水299.9gを加え、内部温度を60℃に保ちながら撹拌した。次いで、4-アミノ-3-ブロモ-N,N-ジメチル-5-ニトロベンズアミド155.2gをジメチルスルホキシド33.5gに溶解して得られた溶液を反応器に加えた。反応液を60℃に保ちながら10分間撹拌し、反応を完結させた。蒸留水300.0gを加え、氷浴を用いて内部温度を10~15℃に冷却した後、得られた混合物を12時間撹拌し、結晶化させた。結晶をろ過し、精製水で洗浄した。得られた固体を40℃で真空乾燥し、4-アミノ-3-ヒドロキシ-N,N-ジメチル-5-ニトロベンズアミド109.2g(収率:90%)を得た。
【0092】
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6): 10.7(s, 1H), 7.6(d, 1H), 7.1(s, 2H), 7.0(s, 1H), 3.0(s, 6H)
【0093】
[実施例1-3]4-トリフルオロアセトアミド-3-ヒドロキシ-N,N-ジメチル-5-ニトロベンズアミドの調製
精製水1010.8g、ジメチルスルホキシド685.6g、および炭酸カリウム141.1gを反応器に順次添加した。得られた溶液を内部温度を45℃に上げながら90分間撹拌した。臭化銅(I)3.7g、トランス-N,N-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジアミン7.2g、および精製水336.9gを加え、内部温度を45℃に保ちながら撹拌した。次いで、4-トリフルオロアセトアミド-3-ブロモ-N,N-ジメチル-5-ニトロベンズアミド163.0gをジメチルスルホキシド37.6gに溶解して得られた溶液を反応器に加えた。反応液を45℃に保ちながら60分間撹拌し、反応を完結させた。蒸留水337.0gを加え、氷浴を用いて内部温度を10~15℃に冷却した後、得られた混合物を12時間撹拌し、結晶化させた。得られた結晶をろ過し、精製水で洗浄した。得られた固体を40℃で真空乾燥し、4-トリフルオロアセトアミド-3-ヒドロキシ-N,N-ジメチル-5-ニトロベンズアミド117.2g(収率:86%)を得た。
【0094】
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6): 10.9(s, 1H), 9.8(s, 1H), 7.3(d, 1H), 7.2(d, 1H), 3.0(s, 6H)
【0095】
[実施例1-4]4-アセトアミド-3-ヒドロキシ-N,N-ジメチル-5-ニトロベンズアミドの調製
精製水1034.8g、ジメチルスルホキシド701.9g、および炭酸カリウム144.4gを反応器に順次添加した。得られた溶液を内部温度を37℃に上げながら30分間撹拌した。臭化銅(I)3.8g、トランス-1,2-ジアミノシクロヘキサン5.9g、および精製水344.9gを加え、内部温度を37℃に保ちながら撹拌した。次いで、4-アセトアミド-3-ブロモ-N,N-ジメチル-5-ニトロベンズアミド172.5gをジメチルスルホキシド38.5gに溶解して得られた溶液を反応器に加えた。反応液を37℃に保ちながら60分間撹拌し、反応を完結させた。蒸留水345.0gを加え、氷浴を用いて内部温度を10~15℃に冷却した後、得られた混合物を12時間撹拌し、結晶化させた。得られた結晶をろ過し、精製水で洗浄した。得られた固体を40℃で真空乾燥し、4-アセトアミド-3-ヒドロキシ-N,N-ジメチル-5-ニトロベンズアミド125.6g(収率:90%)を得た。
【0096】
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6): 10.9(s, 1H), 9.8(s, 1H), 7.3(d, 1H), 7.2(d, 1H), 3.0(s, 6H), 2.0(s, 3H)
【0097】
[実施例1-5]4-アミド-3-ヒドロキシ-N,N-ジメチル-5-ニトロベンズアミドの調製
精製水899.8g、ジメチルスルホキシド610.3g、および炭酸カリウム125.6gを反応器に順次添加した。得られた溶液を内部温度を60℃に上げながら30分間撹拌した。臭化銅(I)15.5g、トランス-1,2-ジアミノシクロヘキサン5.1g、および精製水299.9gを加え、内部温度を60℃に保ちながら撹拌した。次いで、4-アミノ-3-ブロモ-N,N-ジメチル-5-ニトロベンズアミド155.2gをジメチルスルホキシド33.5gに溶解して得られた溶液を反応器に加えた。反応液を60℃に保ちながら10分間撹拌し、反応を完結させた。蒸留水300.0gを加え、氷浴を用いて内部温度を10~15℃に冷却した後、得られた混合物を12時間撹拌し、結晶化させた。結晶をろ過し、精製水で洗浄した。得られた固体を40℃で真空乾燥し、4-アミノ-3-ヒドロキシ-N,N-ジメチル-5-ニトロベンズアミド104.3g(収率:86%)を得た。
【0098】
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6): 10.7(s, 1H), 7.6(d, 1H), 7.1(s, 2H), 7.0(s, 1H), 3.0(s, 6H)
【0099】
[実施例1-6]4-トリフルオロアセトアミド-3-ヒドロキシ-N,N-ジメチル-5-ニトロベンズアミドの調製
精製水1010.8g、ジメチルスルホキシド685.6g、および炭酸カリウム141.1gを反応器に順次添加した。得られた溶液を内部温度を45℃に上げながら90分間撹拌した。臭化銅(I)3.7g、トランス-1,2-ジアミノシクロヘキサン5.8g、および精製水336.9gを加え、内部温度を45℃に保ちながら撹拌した。次いで、4-トリフルオロアセトアミド-3-ブロモ-N,N-ジメチル-5-ニトロベンズアミド163.0gをジメチルスルホキシド37.6gに溶解して得られた溶液を反応器に加えた。反応液を45℃に保ちながら60分間撹拌し、反応を完結させた。蒸留水337.0gを加え、氷浴を用いて内部温度を10~15℃に冷却した後、得られた混合物を12時間撹拌し、結晶化させた。得られた結晶をろ過し、精製水で洗浄した。得られた固体を40℃で真空乾燥し、4-トリフルオロアセトアミド-3-ヒドロキシ-N,N-ジメチル-5-ニトロベンズアミド117.2g(収率:86%)を得た。
【0100】
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6): 10.9(s, 1H), 9.8(s, 1H), 7.3(d, 1H), 7.2(d, 1H), 3.0(s, 6H)
【0101】
[実施例1-7]4-アセトアミド-3-ヒドロキシ-N,N-ジメチル-5-ニトロベンズアミドの調製
精製水1034.8g、ジメチルスルホキシド701.9g、および炭酸カリウム144.4gを反応器に順次添加した。得られた溶液を内部温度を37℃に上げながら30分間撹拌した。臭化銅(I)3.8g、1,2-ジメチルエチレンジアミン4.6g、および精製水344.9gを加え、内部温度を37℃に保ちながら撹拌した。次いで、4-アセトアミド-3-ブロモ-N,N-ジメチル-5-ニトロベンズアミド172.5gをジメチルスルホキシド38.5gに溶解して得られた溶液を反応器に加えた。反応液を37℃に保ちながら60分間撹拌し、反応を完結させた。蒸留水345.0gを加え、氷浴を用いて内部温度を10~15℃に冷却した後、得られた混合物を12時間撹拌し、結晶化させた。得られた結晶をろ過し、精製水で洗浄した。得られた固体を40℃で真空乾燥し、4-アセトアミド-3-ヒドロキシ-N,N-ジメチル-5-ニトロベンズアミド132.6g(収率:95%)を得た。
【0102】
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6): 10.9(s, 1H), 9.8(s, 1H), 7.3(d, 1H), 7.2(d, 1H), 3.0(s, 6H), 2.0(s, 3H)
【0103】
[実施例1-8]4-アミノ-3-ヒドロキシ-N,N-ジメチル-5-ニトロベンズアミドの調製
精製水899.8g、ジメチルスルホキシド610.3g、および炭酸カリウム125.6gを反応器に順次添加した。得られた溶液を内部温度を60℃に上げながら30分間撹拌した。臭化銅(I)15.5g、1,2-ジメチルエチレンジアミン4.0g、および精製水299.9gを加え、内部温度を60℃に保ちながら撹拌した。次いで、4-アミノ-3-ブロモ-N,N-ジメチル-5-ニトロベンズアミド155.2gをジメチルスルホキシド33.5gに溶解して得た溶液を反応器に加えた。反応液を60℃に保ちながら10分間撹拌し、反応を完結させた。蒸留水300.0gを加え、氷浴を用いて内部温度を10~15℃に冷却した後、得られた混合物を12時間撹拌し、結晶化させた。結晶をろ過し、精製水で洗浄した。得られた固体を40℃で真空乾燥し、4-アミノ-3-ヒドロキシ-N,N-ジメチル-5-ニトロベンズアミド117.7g(収率:97%)を得た。
【0104】
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6): 10.7(s, 1H), 7.6(d, 1H), 7.1(s, 2H), 7.0(s, 1H), 3.0(s, 6H)
【0105】
[実施例1-9]4-トリフルオロアセトアミド-3-ヒドロキシ-N,N-ジメチル-5-ニトロベンズアミドの調製
精製水1010.8g、ジメチルスルホキシド685.6g、および炭酸カリウム141.1gを反応器に順次添加した。得られた溶液を内部温度を45℃に上げながら90分間撹拌した。臭化銅(I)3.7g、1,2-ジメチルエチレンジアミン4.5g、および精製水336.9gを加え、内部温度を45℃に保ちながら撹拌した。次いで、4-トリフルオロアセトアミド-3-ブロモ-N,N-ジメチル-5-ニトロベンズアミド163.0gをジメチルスルホキシド37.6gに溶解して得られた溶液を反応器に加えた。反応液を45℃に保ちながら60分間撹拌し、反応を完結させた。蒸留水337.0gを加え、氷浴を用いて内部温度を10~15℃に冷却した後、得られた混合物を12時間撹拌し、結晶化させた。得られた結晶をろ過し、精製水で洗浄した。得られた固体を40℃で真空乾燥し、4-トリフルオロアセトアミド-3-ヒドロキシ-N,N-ジメチル-5-ニトロベンズアミド122.7g(収率:90%)を得た。
【0106】
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6): 10.9(s, 1H), 9.8(s, 1H), 7.3(d, 1H), 7.2(d, 1H), 3.0(s, 6H)
【0107】
[実施例2]工程2)
[実施例2-1]4-ヒドロキシ-N,N,2-トリメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボキサミドの調製
メタノール994.8gと4-アミノ-3-ヒドロキシ-N,N-ジメチル-5-ニトロベンズアミド104.3gを反応器に順次加えた。得られた溶液を20~30℃で撹拌し、固体をすべて溶解させた後、10%パラジウム炭素2.6gを加え、内部温度を40℃に昇温した。反応器内を水素ガスで置換した後、得られた混合物を水素圧0.2MPa下で30分間撹拌した。反応器の内部温度を20~30℃に徐冷した後、オルト酢酸トリエチル225.4gを加え、12時間撹拌して反応を完結させた。反応液を40℃の真空下で濃縮してメタノールを除去した後、精製水1564.5gを加えた。得られた混合物を20~30℃で12時間撹拌して結晶を熟成(ripen)させ、これをろ別した後、精製水で洗浄した。得られた固体を40℃で真空乾燥し、4-ヒドロキシ-N,N,2-トリメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボキサミド96.5g(収率:95%)を得た。
【0108】
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6): 12.3, 12.2(d, 1H), 10.0, 9.8(d, 1H), 7.0, 6.9(d, 1H), 6.6, 6.5(d, 1H), 2.9(s, 6H), 2.5(s, 3H)
【0109】
[実施例2-2]4-ヒドロキシ-N,N,2-トリメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボキサミドの調製
メタノール548.2g、4-トリフルオロアセトアミド-3-ヒドロキシ-N,N-ジメチル-5-ニトロベンズアミド138.4g、およびトリエチルアミン45.8gを反応器に順次加えた。得られた溶液を20~30℃で撹拌し、固体をすべて溶解させた後、10%パラジウム炭素3.1gを加え、内部温度を40℃に昇温した。反応器内を水素ガスで置換した後、得られた混合物を水素圧0.2MPa下で30分間撹拌した。反応器の内部温度を20~30℃に徐冷した後、オルト酢酸トリエチル185.9gを加え、12時間撹拌して反応を完結させた。反応液を40℃の真空下で濃縮してメタノールを除去した後、1840.5gの精製水を加えた。得られた混合物を20~30℃で12時間撹拌して結晶を熟成させ、これをろ別した後、精製水で洗浄した。得られた固体を40℃で真空乾燥し、4-ヒドロキシ-N,N,2-トリメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボキサミド73.7g(収率:88%)を得た。
【0110】
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6): 12.3, 12.2(d, 1H), 10.0, 9.8(d, 1H), 7.0, 6.9(d, 1H), 6.6, 6.5(d, 1H), 2.9(s, 6H), 2.5(s, 3H)
【0111】
[実施例2-3]4-ヒドロキシ-N,N,2-トリメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボキサミドの調製
ジメチルスルホキシド1458.6g、エタノール1046.2g、4-アセトアミド-3-ヒドロキシ-N,N-ジメチル-5-ニトロベンズアミド132.6g、およびジチオン酸ナトリウム432.0gを反応器に順次加えた。得られた溶液を内部温度を90℃まで上昇させながら24時間撹拌し、反応を完結させた。反応液を40℃の真空下で濃縮してエタノールを除去した後、1989.0gの精製水を加えた。得られた混合物を20~30℃で12時間撹拌して結晶を熟成させ、これをろ別した後、精製水で洗浄した。得られた固体を40℃で真空乾燥し、4-ヒドロキシ-N,N,2-トリメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボキサミド87.0g(収率:80%)を得た。
【0112】
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6): 12.3, 12.2(d, 1H), 10.0, 9.8(d, 1H), 7.0, 6.9(d, 1H), 6.6, 6.5(d, 1H), 2.9(s, 6H), 2.5(s, 3H)
【0113】
[実施例2-4]4-ヒドロキシ-N,N,2-トリメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボキサミドの調製
酢酸1387.7gと4-アミノ-3-ヒドロキシ-N,N-ジメチル-5-ニトロベンズアミド132.2gを反応器に順次加えた。20~30℃で撹拌しながら粉末状還元鉄65.6gを加え、得られた混合物を内部温度を70℃まで上昇させながら12時間撹拌した。反応器の内部温度を20~30℃に徐冷した後、反応液をセライトろ紙に通して残留固形分を除去した。その後、オルト酢酸トリエチル285.6gを加え、12時間撹拌して反応を完結させた。反応液に精製水1982.5gを加え、溶液のpHを7~8に調整し、得られた溶液を20~30℃で12時間撹拌し、結晶を熟成させ、これをろ別した。その後、精製水で洗浄した。得られた固体を40℃で真空乾燥し、4-ヒドロキシ-N,N,2-トリメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボキサミド96.5g(収率:75%)を得た。
【0114】
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6): 12.3, 12.2(d, 1H), 10.0, 9.8(d, 1H), 7.0, 6.9(d, 1H), 6.6, 6.5(d, 1H), 2.9(s, 6H), 2.5(s, 3H)
【0115】
[実施例2-5]4-ヒドロキシ-N,N,2-トリメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボキサミドの調製
メタノール548.2g、4-トリフルオロアセトアミド-3-ヒドロキシ-N,N-ジメチル-5-ニトロベンズアミド138.4g、およびトリエチルアミン45.8gを反応器に順次加えた。得られた溶液を20~30℃で1時間撹拌し、メタノールを除去するように40℃の真空下で濃縮した。得られた濃縮物に酢酸1453.6gを添加した後、粉末状還元鉄48.1gを添加し、得られた混合物を内部温度を70℃まで上昇させながら12時間撹拌した。反応器の内部温度を20~30℃に徐冷した後、反応液をセライトろ紙に通して残留固形分を除去した。その後、オルト酢酸トリエチル129.5gを加え、12時間撹拌して反応を完結させた。反応液に精製水2076.0gを加え、溶液のpHを7~8に調整し、得られた溶液を20~30℃で12時間撹拌し、結晶を熟成させ、これをろ別した。その後、精製水で洗浄した。得られた固体を40℃で真空乾燥し、4-ヒドロキシ-N,N,2-トリメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボキサミド73.7g(収率:78%)を得た。
【0116】
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6): 12.3, 12.2(d, 1H), 10.0, 9.8(d, 1H), 7.0, 6.9(d, 1H), 6.6, 6.5(d, 1H), 2.9(s, 6H), 2.5(s, 3H)
【0117】
[実施例3]工程3)
[実施例3-1]酢酸 6-(ジメチルカルバモイル)-2-メチル-1-トシル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イルの調製
塩化メチレン887.1gとピリジン65.0gの混合溶液を反応器に仕込んだ。溶液を3~5℃に冷却した後、4-ヒドロキシ-N,N,2-トリメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボキサミド66.7gおよび塩化アセチル23.9gをゆっくり撹拌しながら順次加え、3~5℃で2時間撹拌した。反応液中に固体が完全に溶解し、再沈殿していることを確認した後、反応液の温度を20~30℃に上げ、炭酸カリウム42.0gおよび塩化p-トルエンスルホニル58.0gを順次加え、さらに30分間撹拌した。氷浴を用いて内部温度を3~5℃に徐冷し、精製水333.5gを加えて反応を完結させた。溶液を20~30℃に昇温しながら1時間撹拌した。有機層を分離し、40℃下真空下で濃縮して反応溶媒を除去した後、アセトニトリル157.3gと精製水200.1gを加えて撹拌し、結晶化させた。得られた結晶をろ過し、アセトニトリルと精製水の混合溶液で洗浄した。得られた固体を40℃で真空乾燥し、酢酸 6-(ジメチルカルバモイル)-2-メチル-1-トシル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル116.3g(収率:92%)を得た。
【0118】
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6): 8.0, 7.9(d, 2H), 7.5, 7.4(d, 2H), 7.3(s, 1H), 6.7(s, 1H), 3.0, 2.9(d, 6H), 2.8(s, 3H), 2.4(s, 3H), 2.0(s, 3H)
【0119】
[実施例3-2]酢酸 6-(ジメチルカルバモイル)-2-メチル-1-((トリフルオロメチル)スルホニル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イルの調製
塩化メチレン691.6gとピリジン37.5gの混合溶液を反応器に仕込んだ。溶液をゆっくり撹拌しながら4-ヒドロキシ-N,N,2-トリメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボキサミド52.0gおよび塩化アセチル18.6gを順次加え、20~30℃に昇温し、20~30℃で1時間撹拌した。反応液に固体が完全に溶解し、再沈殿したことを確認した後、炭酸カリウム32.8g、塩化トリフリル40.0gを順次加え、さらに3時間撹拌した。氷浴を用いて内部温度を3~5℃に徐冷し、精製水260.0gを加えて反応を完結させた。溶液を20~30℃に昇温しながら1時間撹拌した。有機層を分離し、40℃下、真空下で濃縮して反応溶媒を除去した後、精製水312.0gを加えて撹拌し、結晶化させた。得られた結晶をろ過し、メタノールで洗浄した。得られた固体を40℃で真空乾燥し、酢酸 6-(ジメチルカルバモイル)-2-メチル-1-((トリフルオロメチル)スルホニル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル76.5g(収率:82%)を得た。
【0120】
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6): 7.3(s, 1H), 6.7(s, 1H), 3.0, 2.9(d, 6H), 2.8(s, 3H), 2.0(s, 3H)
【0121】
[実施例3-3]酢酸 6-(ジメチルカルバモイル)-2-メチル-1-(メチルスルホニル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イルの調製
塩化メチレン980.2gとピリジン26.6gの混合溶液を反応器に仕込んだ。溶液を35~40℃に加温した後、4-ヒドロキシ-N,N,2-トリメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボキサミド73.7gおよび塩化アセチル26.4gをゆっくり撹拌しながら順次加え、40℃で30分間撹拌した。反応液に固体が完全に溶解し、再沈殿したことを確認した後、内部温度を20~30℃に冷却し、炭酸カリウム46.5g、塩化メタンスルホニル38.5gを順次加え、さらに3時間撹拌した。氷浴を用いて内部温度を3~5℃に徐冷し、精製水368.5gを加えて反応を完結させた。溶液を20~30℃に昇温しながら1時間撹拌した。有機層を分離し、40℃下真空下で濃縮して反応溶媒を除去した後、メタノール291.9gを加えて撹拌し、結晶化させた。得られた結晶をろ過し、メタノールで洗浄した。得られた固体を40℃で真空乾燥し、酢酸 6-(ジメチルカルバモイル)-2-メチル-1-(メチルスルホニル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル91.3g(収率80%)を得た。
【0122】
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6): 7.3(s, 1H), 6.7(s, 1H), 3.0, 2.9(d, 6H), 2.8(s, 3H), 2.4(s, 3H), 2.0(s, 3H)
【0123】
[実施例4]工程4)
[実施例4-1]4-ヒドロキシ-N,N,2-トリメチル-1-トシル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボキサミドの調製
メタノール213.8gと精製水270.0gの混合溶液を反応器に仕込んだ。この溶液を20~30℃でゆっくり撹拌しながら、酢酸 6-(ジメチルカルバモイル)-2-メチル-1-トシル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル90.0gを加えた。氷浴を用いて内部温度を3~5℃に徐冷し、30~35%アンモニア水により反応液のpHを10.0~10.2に調整した。さらに反応液のpHを維持したまま3~5℃で16時間撹拌した。得られた結晶をろ過し、メタノールと精製水の混合溶液で洗浄した。得られた固体を40℃で真空乾燥し、4-ヒドロキシ-N,N,2-トリメチル-1-トシル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボキサミド76.8g(収率:95%)を得た。
【0124】
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6): 10.4(s, 1H), 8.0, 7.9(d, 2H), 7.5, 7.4(d, 2H), 7.3(s, 1H), 6.7(s, 1H), 3.0, 2.9(d, 6H), 2.8(s, 3H), 2.4(s, 3H)
【0125】
[実施例4-2]4-ヒドロキシ-N,N,2-トリメチル-1-((トリフルオロメチル)スルホニル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボキサミドの調製
メタノール130.8gと精製水165.1gの混合溶液を反応器に仕込んだ。この溶液を20~30℃でゆっくり撹拌しながら、酢酸 6-(ジメチルカルバモイル)-2-メチル-1-((トリフルオロメチル)スルホニル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル55.0gを加えた。氷浴を用いて内部温度を3~5℃に徐冷し、30~35%アンモニア水により反応液のpHを8.0~8.2に調整した。さらに精製水330.2gを加えた後、反応液のpHを維持しながら3~5℃で16時間撹拌した。得られた結晶をろ過し、メタノールと精製水の混合溶液で洗浄した。得られた固体を40℃で真空乾燥し、46.2gの4-ヒドロキシ-N,N,2-トリメチル-1-((トリフルオロメチル)スルホニル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボキサミド(収率:94%)を得た。
【0126】
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6): 10.4(s, 1H), 7.3(s, 1H), 6.7(s, 1H), 3.0, 2.9(d, 6H), 2.8(s, 3H)
【0127】
[実施例4-3]4-ヒドロキシ-N,N,2-トリメチル-1-(メチルスルホニル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボキサミドの調製
メタノール171.1gと精製水216.0gの混合溶液を反応器に仕込んだ。この溶液を20~30℃でゆっくり撹拌しながら、酢酸 6-(ジメチルカルバモイル)-2-メチル-1-(メチルスルホニル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル72.0gを加えた。氷浴を用いて内部温度を3~5℃に徐冷し、30~35%アンモニア水により反応液のpHを10.0~10.5に調整した。さらに精製水216.0gを加えた後、反応液のpHを維持しながら3~5℃で16時間撹拌した。得られた結晶をろ過し、メタノールと精製水の混合溶液で洗浄した。得られた固体を40℃で真空乾燥し、4-ヒドロキシ-N,N,2-トリメチル-1-(メチルスルホニル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボキシアミド59.3g(収率:94%)を得た。
【0128】
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6): 10.4(s, 1H), 7.3(s, 1H), 6.7(s, 1H), 3.0, 2.9(d, 6H), 2.8(s, 3H), 2.4(s, 3H)
【0129】
[実施例5]工程3)+工程4)系内(in situ)で
[実施例5-1]4-ヒドロキシ-N,N,2-トリメチル-1-トシル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボキサミドの調製
塩化メチレン663.7gとピリジン48.7gの混合溶液を反応器に仕込んだ。溶液を3~5℃に冷却した後、4-ヒドロキシ-N,N,2-トリメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボキサミド50.0gおよび塩化アセチル17.9gをゆっくり撹拌しながら順次加え、3~5℃で2時間撹拌した。反応液中に固体が完全に溶解し、再沈殿していることを確認した後、反応液の温度を20~30℃に上げ、炭酸カリウム31.5gおよび塩化p-トルエンスルホニル87.0gを順次加え、さらに30分間撹拌した。氷浴を用いて内部温度を3~5℃に徐冷し、精製水50.0gおよび臭化テトラ-n-ブチルアンモニウム7.4gを加えた。反応液を激しく撹拌しながら、炭酸カリウム157.6gを加え、16時間反応を続けた。精製水250.0gを加え、反応液のpHを5~7に調整して反応を終了した。反応液を20~30℃に昇温しながら1時間撹拌した。有機層を分離し、40℃の真空下で濃縮して反応溶媒を除去した後、メタノール118.8gと精製水150.0gを加えて撹拌し、結晶化させた。得られた結晶をろ過し、メタノールと精製水の混合溶液で洗浄した。得られた固体を40℃で真空乾燥し、4-ヒドロキシ-N,N,2-トリメチル-1-トシル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボキサミド76.7g(収率:90%)を得た。
【0130】
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6): 10.4(s, 1H), 8.0, 7.9(d, 2H), 7.5, 7.4(d, 2H), 7.3(s, 1H), 6.7(s, 1H), 3.0, 2.9(d, 6H), 2.8(s, 3H), 2.4(s, 3H)
【0131】
[実施例5-2]4-ヒドロキシ-N,N,2-トリメチル-1-((トリフルオロメチル)スルホニル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボキサミドの調製
塩化メチレン663.6gとピリジン36.1gの混合溶液を反応器に仕込んだ。溶液をゆっくり撹拌しながら4-ヒドロキシ-N,N,2-トリメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボキサミド50.0gおよび塩化アセチル17.9gを順次加え、20~30℃に昇温し、20~30℃で1時間撹拌した。反応液に固体が完全に溶解し、再沈殿したことを確認した後、炭酸カリウム31.5g、塩化トリフリル76.9gを順次加え、さらに3時間撹拌した。氷浴を用いて内部温度を3~5℃に徐冷し、精製水50.0gと臭化テトラ-n-ブチルアンモニウム7.4gを加えた。反応液を激しく撹拌しながら、30~35%アンモニア水44.0gを加え、16時間反応を続けた。精製水250.0gを加え、反応液のpHを5~7に調整して反応を終了した。反応液を20~30℃に昇温しながら1時間撹拌した。有機層を分離し、40℃下真空下で濃縮して反応溶媒を除去した後、メタノール118.8gと精製水450.0gを加えて撹拌し、結晶化させた。得られた結晶をろ過し、メタノールと精製水の混合溶液で洗浄した。得られた固体を40℃で真空乾燥し、4-ヒドロキシ-N,N,2-トリメチル-1-((トリフルオロメチル)スルホニル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボキサミド64.1g(収率:80%)を得た。
【0132】
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6): 10.4(s, 1H), 7.3(s, 1H), 6.7(s, 1H), 3.0, 2.9(d, 6H), 2.8(s, 3H)
【0133】
[実施例5-3]4-ヒドロキシ-N,N,2-トリメチル-1-(メチルスルホニル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボキサミドの調製
塩化メチレン663.5gとピリジン18.0gの混合溶液を反応器に仕込んだ。溶液を35~40℃に加温した後、4-ヒドロキシ-N,N,2-トリメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボキサミド50.0gおよび塩化アセチル17.9gをゆっくり撹拌しながら順次加え、40℃で30分間撹拌した。反応液に固体が完全に溶解し、再沈殿したことを確認した後、内部温度を20~30℃に冷却し、炭酸カリウム31.5g、塩化メタンスルホニル52.2gを順次加え、さらに3時間撹拌した。氷浴を用いて内部温度を3~5℃に徐冷し、精製水50.0gと臭化テトラ-n-ブチルアンモニウム7.4gを加えた。反応液を激しく撹拌しながら、30~35%アンモニア水88.0gを加え、16時間反応を続けた。精製水250.0gを加え、反応液のpHを5~7に調整して反応を終了した。反応液を20~30℃に昇温しながら1時間撹拌した。有機層を分離し、40℃下真空下で濃縮して反応溶媒を除去した後、メタノール118.8gと精製水300.0gを加えて撹拌し、結晶化させた。得られた結晶をろ過し、メタノールと精製水の混合溶液で洗浄した。得られた固体を40℃で真空乾燥し、4-ヒドロキシ-N,N,2-トリメチル-1-(メチルスルホニル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボキサミド53.6g(収率:80%)を得た。
【0134】
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6): 10.4(s, 1H), 7.3(s, 1H), 6.7(s, 1H), 3.0, 2.9(d, 6H), 2.8(s, 3H), 2.4(s, 3H)
【0135】
以上、本発明の特定の部分について詳細に説明したが、このような詳細な説明は、例示的な実施形態を説明するためにのみ記載されたものであって、本発明の範囲を限定するものと解釈されないことは当業者には明らかである。したがって、本発明の実質的な範囲は、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義されることを理解されたい。
【国際調査報告】