(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-09
(54)【発明の名称】複合受動部品及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01G 4/33 20060101AFI20241226BHJP
H01G 4/30 20060101ALI20241226BHJP
H01G 4/40 20060101ALI20241226BHJP
H01F 17/00 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
H01G4/33 102
H01G4/30 541
H01G4/30 547
H01G4/40 321A
H01G4/40 321
H01F17/00 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539079
(86)(22)【出願日】2022-12-30
(85)【翻訳文提出日】2024-06-26
(86)【国際出願番号】 CN2022143754
(87)【国際公開番号】W WO2023125895
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】202111668110.1
(32)【優先日】2021-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202111673821.8
(32)【優先日】2021-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515295706
【氏名又は名称】蘇州能訊高能半導体有限公司
【氏名又は名称原語表記】DYNAX SEMICONDUCTOR,INC.
【住所又は居所原語表記】No.18 Chenfeng Road,Yushan Town,Kunshan City,Jiangsu Province 215300,China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】尹 成功
(72)【発明者】
【氏名】朱 若璞
【テーマコード(参考)】
5E001
5E070
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB01
5E070AA01
5E070AB01
5E070AB02
5E070CB02
5E070CB12
5E070CB13
5E070CB17
5E082AA20
5E082AB01
5E082BC39
5E082DD07
5E082EE05
5E082EE37
5E082FF05
5E082FG03
5E082FG27
5E082FG42
(57)【要約】
本開示は複合受動部品を提供し、基板と、エピタキシャル構造と、受動部品本体と、を含む。エピタキシャル構造は基板上に設置され、エピタキシャル構造に特定のパターンの2次元電子ガスが形成されており、受動部品本体は前記2次元電子ガスとオーミック接触する。複合受動部品は金属コンデンサ構造を含む。金属コンデンサ構造は第1金属極板及び第2金属極板を含み、第2金属極板は第1金属極板の基板から離れる一方側に位置し、第1金属極板は2次元電子ガスと絶縁される。受動部品本体はインダクタ構造を含む。インダクタ構造は、2次元電子ガスの第1端部とオーミック接触する第1接続金属層と、エピタキシャル構造の基板から離れる一方側に設置され、第2平面螺旋状であるインダクタ金属線と、第1端部が第1接続金属層に電気的に接続され、第2端部がインダクタ金属線の第1端部に電気的に接続される第1接続金属と、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合受動部品であって、
基板と、
前記基板上に設置され、特定のパターンの2次元電子ガスが形成されているエピタキシャル構造と、
前記エピタキシャル構造の前記基板から離れる一方側に設置され、前記2次元電子ガスとオーミック接触する受動部品本体と、を含むことを特徴とする複合受動部品。
【請求項2】
前記エピタキシャル構造に分離部が形成され、前記分離部は前記2次元電子ガスに対応する領域を画定することを特徴とする請求項1に記載の複合受動部品。
【請求項3】
前記2次元電子ガスの前記特定のパターンは前記受動部品本体に適合して設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の複合受動部品。
【請求項4】
前記複合受動部品は複合コンデンサを含み、前記受動部品本体は、前記エピタキシャル構造の前記基板から離れる一方側に設置される金属コンデンサ構造を含み、前記金属コンデンサ構造は第1金属極板及び第2金属極板を含み、前記第2金属極板は前記第1金属極板の前記基板から離れる一方側に位置し、前記第1金属極板は前記2次元電子ガスと絶縁され、
前記複合受動部品の厚さ方向に沿って、前記第1金属極板及び前記第2金属極板の前記基板における総投影は、前記2次元電子ガスの前記基板における投影と少なくとも部分的に重なることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の複合受動部品。
【請求項5】
前記2次元電子ガスは前記第2金属極板と等電位に設定され、
前記複合受動部品の厚さ方向に沿って、前記第1金属極板の前記基板における投影は、前記2次元電子ガスの前記基板における投影と少なくとも部分的に重なることを特徴とする請求項4に記載の複合受動部品。
【請求項6】
前記複合受動部品は、
前記エピタキシャル構造を覆う第1層間誘電体層をさらに含み、
前記金属コンデンサ構造は前記第1層間誘電体層の前記基板から離れる一方側に設置され、前記金属コンデンサ構造は前記第1金属極板、前記第2金属極板及び第2層間誘電体層を含むことを特徴とする請求項4又は5に記載の複合受動部品。
【請求項7】
前記複合受動部品の厚さ方向に沿って、前記2次元電子ガスの前記基板における投影は、前記第1金属極板の前記基板における投影及び前記第2金属極板の前記基板における投影を覆うことを特徴とする請求項4~6のいずれか一項に記載の複合受動部品。
【請求項8】
前記2次元電子ガスは前記第2金属極板と絶縁されることを特徴とする請求項4~7のいずれか一項に記載の複合受動部品。
【請求項9】
前記複合受動部品は複合インダクタを含み、前記受動部品本体は、
前記2次元電子ガスの第1端部とオーミック接触する第1接続金属層と、
前記エピタキシャル構造の前記基板から離れる一方側に設置され、第2平面螺旋状であるインダクタ金属線と、
第1端部が前記第1接続金属層に電気的に接続され、第2端部が前記インダクタ金属線の第1端部に電気的に接続される第1接続金属と、を含み、
前記インダクタ金属線の第1端部は前記第2平面螺旋状の中心点に対応する一端であり、前記2次元電子ガスの第1端部は第1平面螺旋状の中心点に対応する一端であり、
前記2次元電子ガスは前記第1平面螺旋状であることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の複合受動部品。
【請求項10】
前記第1平面螺旋状と前記第2平面螺旋状との螺旋方向は反対であることを特徴とする請求項9に記載の複合受動部品。
【請求項11】
前記2次元電子ガスの幅は前記インダクタ金属線の幅より広いことを特徴とする請求項9又は10に記載の複合受動部品。
【請求項12】
前記複合受動部品は第1層間誘電体層、第1電極金属、第2電極金属、第2接続金属層及び第2接続金属をさらに含み、
前記第1層間誘電体層は前記エピタキシャル構造の前記基板から離れる一方側に設置され、前記インダクタ金属線は前記第1層間誘電体層の前記基板から離れる一方側に設置され、
前記第1電極金属、前記第2電極金属及び前記インダクタ金属線は同じ層に設置され、前記第1電極金属は前記インダクタ金属線の第2端部に電気的に接続され、
前記第2接続金属層及び前記第1接続金属層は同じ層に設置され、前記第2接続金属層は前記2次元電子ガスの第2端部とオーミック接触し、
前記第2接続金属は前記第1層間誘電体層を貫通し、前記第2接続金属の第1端部は前記第2接続金属層に電気的に接続され、前記第2接続金属の第2端部は前記第2電極金属に電気的に接続されることを特徴とする請求項9~11のいずれか一項に記載の複合受動部品。
【請求項13】
前記複合受動部品は第2層間誘電体層、第1オーミック金属化スルーホール及び第2オーミック金属化スルーホールをさらに含み、前記第2層間誘電体層は第1層間誘電体層と前記エピタキシャル構造との間に設置され、前記第1オーミック金属化スルーホールは前記第2層間誘電体層を貫通し、前記第2オーミック金属化スルーホールは前記第2層間誘電体層を貫通し、
前記第1接続金属層は第1オーミック金属化スルーホールを介して前記2次元電子ガスの第1端部とオーミック接触し、第2接続金属層は第2オーミック金属化スルーホールを介して前記2次元電子ガスの第2端部とオーミック接触することを特徴とする請求項9~12のいずれか一項に記載の複合受動部品。
【請求項14】
前記複合受動部品は保護層をさらに含み、前記保護層は前記インダクタ金属線を覆うことを特徴とする請求項9~13のいずれか一項に記載の複合受動部品。
【請求項15】
複合受動部品の製造方法であって、
基板を提供するステップと、
前記基板上にエピタキシャル構造層をエピタキシャル形成するステップと、
前記エピタキシャル構造層に対してイオン注入を行って分離部を形成することで、前記2次元電子ガスに対応する領域を画定するステップと、
受動部品本体を前記エピタキシャル構造層の前記基板から離れる一方側に設置し、前記2次元電子ガスとオーミック接触させるステップと、を含む複合受動部品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施例はコンデンサ技術に関し、特に複合受動部品及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
オンチップ複合受動部品は現代RF/MM回路の主な構成要素の1つであり、現代の電子技術において重要に応用されている。
【0003】
しかしながら、電子デバイスの小型化の傾向に伴い、受動部品の集積度に対する要求がますます高くなり、従来の受動部品の集積度が低く、受動部品の応用が制限されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1態様では、本開示の実施例は複合受動部品を提供し、前記複合受動部品は、基板と、前記基板上に設置され、特定のパターンの2次元電子ガスが形成されているエピタキシャル構造と、前記エピタキシャル構造の前記基板から離れる一方側に設置され、前記2次元電子ガスとオーミック接触する受動部品本体と、を含むことを特徴とする。
【0005】
一実施例では、前記エピタキシャル構造に分離部が形成され、前記分離部は前記2次元電子ガスに対応する領域を画定する。
【0006】
一実施例では、前記2次元電子ガスの前記特定のパターンは前記受動部品本体に適合して設けられる。
【0007】
一実施例では、前記複合受動部品は複合コンデンサを含み、前記受動部品本体は、前記エピタキシャル構造の前記基板から離れる一方側に設置された金属コンデンサ構造を含み、前記金属コンデンサ構造は第1金属極板及び第2金属極板を含み、前記第2金属極板は前記第1金属極板の前記基板から離れる一方側に位置し、前記第1金属極板は前記2次元電子ガスと絶縁され、
前記複合コンデンサの厚さ方向に沿って、前記第1金属極板及び前記第2金属極板の前記基板における総投影は、前記2次元電子ガスの前記基板における投影と少なくとも部分的に重なる。
【0008】
一実施例では、前記2次元電子ガスは前記第2金属極板と等電位に設定され、
前記複合コンデンサの厚さ方向に沿って、前記第1金属極板の前記基板における投影は、前記2次元電子ガスの前記基板における投影と少なくとも部分的に重なる。
【0009】
一実施例では、前記複合コンデンサは接続構造をさらに含み、
前記接続構造は前記2次元電子ガスとオーミック接触し、且つ前記第2金属極板に電気的に接続される。
【0010】
一実施例では、前記複合コンデンサは、
前記エピタキシャル構造を覆う第1層間誘電体層をさらに含み、
前記金属コンデンサ構造は前記第1層間誘電体層の前記基板から離れる一方側に設置され、前記金属コンデンサ構造は前記第1金属極板、前記第2金属極板及び第2層間誘電体層を含む。
【0011】
一実施例では、前記エピタキシャル構造はIII-V族化合物に基づく半導体材料である。
【0012】
一実施例では、前記複合コンデンサの厚さ方向に沿って、前記2次元電子ガスの前記基板における投影は、前記第1金属極板の前記基板における投影及び前記第2金属極板の前記基板における投影を覆う。
【0013】
一実施例では、前記2次元電子ガスは前記第2金属極板と絶縁される。
【0014】
一実施例では、前記受動部品本体はインダクタ構造を含み、前記インダクタ構造は、
前記2次元電子ガスの第1端部とオーミック接触する第1接続金属層と、
前記エピタキシャル構造の前記基板から離れる一方側に設置され、第2平面螺旋状であるインダクタ金属線と、
第1端部が前記第1接続金属層に電気的に接続され、第2端部が前記インダクタ金属線の第1端部に電気的に接続される第1接続金属と、を含み、
前記インダクタ金属線の第1端部は前記第2平面螺旋状の中心点に対応する一端であり、前記2次元電子ガスの第1端部は第1平面螺旋状の中心点に対応する一端であり、
前記2次元電子ガスは前記第1平面螺旋状である。
【0015】
一実施例では、前記第1平面螺旋状と前記第2平面螺旋状との螺旋方向は反対である。
【0016】
一実施例では、前記エピタキシャル構造に分離部が形成され、前記分離部は前記2次元電子ガスに対応する領域を画定する。
【0017】
一実施例では、前記2次元電子ガスの幅は前記インダクタ金属線の幅より広い。
【0018】
一実施例では、前記2次元電子ガスの周回数は前記インダクタ金属線の周回数より大きい。
【0019】
一実施例では、前記複合インダクタは第1層間誘電体層、第1電極金属、第2電極金属、第2接続金属層及び第2接続金属をさらに含み、
前記第1層間誘電体層は前記エピタキシャル構造の前記基板から離れる一方側に設置され、前記インダクタ金属線は前記第1層間誘電体層の前記基板から離れる一方側に設置され、
前記第1電極金属、前記第2電極金属及び前記インダクタ金属線は同じ層に設置され、前記第1電極金属は前記インダクタ金属線の第2端部に電気的に接続され、
前記第2接続金属層及び前記第1接続金属層は同じ層に設置され、前記第2接続金属層は前記2次元電子ガスの第2端部とオーミック接触し、
前記第2接続金属は前記第1層間誘電体層を貫通し、前記第2接続金属の第1端部は前記第2接続金属層に電気的に接続され、前記第2接続金属の第2端部は前記第2電極金属に電気的に接続される。
【0020】
一実施例では、前記複合インダクタは第2層間誘電体層、第1オーミック金属化スルーホール及び第2オーミック金属化スルーホールをさらに含み、前記第2層間誘電体層は第1層間誘電体層と前記エピタキシャル構造との間に設置され、前記第1オーミック金属化スルーホールは前記第2層間誘電体層を貫通し、前記第2オーミック金属化スルーホールは前記第2層間誘電体層を貫通し、
前記第1接続金属層は第1オーミック金属化スルーホールを介して前記2次元電子ガスの第1端部とオーミック接触し、第2接続金属層は第2オーミック金属化スルーホールを介して前記2次元電子ガスの第2端部とオーミック接触する。
【0021】
一実施例では、前記複合インダクタは保護層をさらに含み、前記保護層は前記インダクタ金属線を覆う。第2態様では、本開示の実施例はさらに複合受動部品の製造方法を提供し、
基板を提供するステップと、基板上にエピタキシャル構造層をエピタキシャル形成するステップと、前記エピタキシャル構造層に対してイオン注入を行って分離部を形成することで、前記2次元電子ガスに対応する領域を画定するステップと、受動部品本体を前記エピタキシャル構造層の前記基板から離れる一方側に設置し、前記2次元電子ガスとオーミック接触させるステップと、を含む。
【0022】
一実施例では、前記製造方法は、
2次元電子ガスが形成されているエピタキシャル構造を基板上にエピタキシャル形成するステップと、
前記エピタキシャル構造の前記基板から離れる一方側に金属コンデンサ構造を形成するステップであって、前記金属コンデンサ構造は第1金属極板及び第2金属極板を含み、前記第2金属極板は前記第1金属極板の前記基板から離れる一方側に位置し、前記第1金属極板は前記2次元電子ガスと絶縁されるステップと、を含み、
前記複合コンデンサの厚さ方向に沿って、前記第1金属極板及び前記第2金属極板の前記基板における総投影は、前記2次元電子ガスの前記基板における投影と少なくとも部分的に重なる。
【0023】
一実施例では、前記エピタキシャル構造の前記基板から離れる一方側に金属コンデンサ構造を形成する前記ステップは、
前記第1金属極板を形成することで、前記複合コンデンサの厚さ方向に沿って、前記第1金属極板の前記基板における投影を、前記2次元電子ガスの前記基板における投影と少なくとも部分的に重ねるステップを含み、
前記エピタキシャル構造の前記基板から離れる一方側に金属コンデンサ構造を形成する前記ステップは、前記2次元電子ガスとオーミック接触し且つ前記第2金属極板に電気的に接続される接続構造を形成するステップをさらに含む。
【0024】
一実施例では、前記製造方法は、
第1平面螺旋状の2次元電子ガスを含むエピタキシャル構造を基板上に形成するステップと、
前記エピタキシャル構造の前記基板から離れる一方側に、前記2次元電子ガスの第1端部とオーミック接触する第1接続金属層を形成するステップと、
前記エピタキシャル構造の前記基板から離れる一方側に第1接続金属及びインダクタ金属線を形成するステップであって、前記インダクタ金属線は第2平面螺旋状であり、第1接続金属の第1端部は前記第1接続金属層に電気的に接続され、前記第1接続金属の第2端部は前記インダクタ金属線の第1端部に電気的に接続され、前記インダクタ金属線の第1端部は前記第2平面螺旋状の中心点に対応する一端であり、前記2次元電子ガスの第1端部は前記第1平面螺旋状の中心点に対応する一端であるステップと、を含む。
【0025】
一実施例では、平面螺旋状の2次元電子ガスを含むエピタキシャル構造を基板上に形成する前記ステップは、
前記基板上にエピタキシャル構造層をエピタキシャル形成するステップと、
前記エピタキシャル構造層に対してイオン注入を行って分離部を形成することで、前記2次元電子ガスに対応する領域を画定するステップと、を含む。
【0026】
一実施例では、前記エピタキシャル構造の前記基板から離れる一方側に第1接続金属及びインダクタ金属線を形成する前記ステップの前に、
前記エピタキシャル構造の前記基板から離れる一方側に第1層間誘電体層を形成するステップをさらに含み、前記第1層間誘電体層に第1スルーホールが形成され、前記第1スルーホールは前記第1接続金属層を露出させ、
前記エピタキシャル構造の前記基板から離れる一方側に第1接続金属を形成する前記ステップは、前記第1スルーホールを金属化することで第1接続金属を形成するステップを含む。
【0027】
一実施例では、前記エピタキシャル構造の前記基板から離れる一方側に第1接続金属層を形成する前記ステップの前に、
エピタキシャル構造の基板から離れる面に第2層間誘電体層を形成するステップをさらに含み、第2層間誘電体層に第1オーミックスルーホール及び第2オーミックスルーホールが形成され、第1オーミックスルーホールは2次元電子ガスの第1端部を露出させ、第2オーミックスルーホールは2次元電子ガスの第2端部を露出させ、
前記エピタキシャル構造の前記基板から離れる一方側に第1接続金属層を形成する前記ステップは、
前記第1オーミックスルーホールを金属化することで第1オーミック金属化スルーホールを形成し、前記エピタキシャル構造の前記基板から離れる一方側に第2接続金属層を形成し、前記第2オーミックスルーホールを金属化することで第2オーミック金属化スルーホールを形成するステップをさらに含み、前記第1接続金属層は第1オーミック金属化スルーホールを介して2次元電子ガスの第1端部とオーミック接触し、第2接続金属層は第2接続金属層を介して2次元電子ガスの第2端部とオーミック接触し、
前記エピタキシャル構造の前記基板から離れる一方側に第1層間誘電体層を形成する前記ステップは、前記第2接続金属層を露出させる第2スルーホールを有する第1層間誘電体層を形成するステップをさらに含み、
前記第1スルーホールを金属化することで第1接続金属を形成し、前記第1層間誘電体層の前記基板から離れる一方側にインダクタ金属線を形成する前記ステップは、
前記第1層間誘電体層の前記基板から離れる一方側に第1電極金属を形成し、前記第2スルーホールを金属化することで第2接続金属を形成し、前記第1層間誘電体層の前記基板から離れる一方側に第2電極金属を形成するステップをさらに含み、前記第1電極金属は前記インダクタ金属線の第2端部に電気的に接続され、前記第2接続金属の第1端部は前記第2接続金属層に電気的に接続され、前記第2接続金属の第2端部は前記第2電極金属に電気的に接続される。
【0028】
本実施例の技術的解決手段では、受動部品本体はコンデンサ構造又はインダクタ構造であってもよい。
【0029】
本実施例の技術的解決手段では、用いられる複合コンデンサは、基板と、基板上に設置され、2次元電子ガスが形成されているエピタキシャル構造と、エピタキシャル構造の基板から離れる一方側に設置され、第1金属極板及び第2金属極板を含む金属コンデンサ構造であって、第2金属極板は第1金属極板の基板から離れる一方側に位置し、第1金属極板は2次元電子ガスと絶縁される金属コンデンサ構造と、を含み、複合コンデンサの厚さ方向に沿って、第1金属極板及び第2金属極板の基板における総投影は、2次元電子ガスの基板における投影と少なくとも部分的に重なる。2次元電子ガスはコンデンサの1つの極板と等価可能であり、本実施例は、占有するウエハの面積を増加させることなくコンデンサの数を高め、コンデンサの集積度を増加させることができる。
【0030】
本実施例の技術的解決手段では、用いられる複合インダクタは、基板と、基板上に設置され、第1平面螺旋状である2次元電子ガスが形成されているエピタキシャル構造と、2次元電子ガスの第1端部とオーミック接触する第1接続金属層と、エピタキシャル構造の基板から離れる一方側に設置され、第2平面螺旋状であるインダクタ金属線と、第1端部が第1接続金属層に電気的に接続され、第2端部がインダクタ金属線の第1端部に電気的に接続される第1接続金属と、を含み、インダクタ金属線の第1端部は第2平面螺旋状の中心点に対応する一端であり、2次元電子ガスの第1端部は第1平面螺旋状の中心点に対応する一端である。複合インダクタが占めるウエハサイズが変わらない場合、複合インダクタの第1インダクタ及び第2インダクタがそれぞれ異なる層に設置され、さらにインダクタの集積度を増加させ、直列接続によって複合インダクタのインダクタ量を増加させ、即ち、単位ウエハ面積上の電流経路長を長くし、さらに複合インダクタのインダクタ密度を大きくする。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本開示の実施例に係る複合コンデンサの構造模式図である。
【
図2】本開示の実施例に係る別の複合コンデンサの構造模式図である。
【
図3】本開示の実施例に係る別の複合コンデンサの構造模式図である。
【
図4】本開示の実施例に係る別の複合コンデンサの構造模式図である。
【
図5】本開示の実施例に係る複合コンデンサの製造方法のフローチャートである。
【
図6-15】本開示の実施例に係る複合コンデンサの製造方法の主なフローに対応する製品の構造模式図である。
【
図16】本開示の実施例に係る複合インダクタの平面図である。
【
図20】本開示の実施例に係る複合インダクタの製造方法のフローチャートである。
【
図21-29】本開示の実施例に係る複合インダクタの製造方法の主なフローに対応する製品の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面及び実施例を参照しながら本開示をさらに詳細に説明する。理解できるように、ここで記述される具体的な実施例は本開示を解釈するためのものに過ぎず、本開示を限定するものではない。なお、記述を容易にするために、図面には、全部の構造ではなく、本開示に関連する一部の構造のみが示されている。
【0033】
本開示の実施例は複合受動部品を提供し、
基板と、基板上に設置され、特定のパターンの2次元電子ガスが形成されているエピタキシャル構造と、エピタキシャル構造の前記基板から離れる一方側に設置され、特定のパターンの2次元電子ガスとオーミック接触する受動部品本体と、を含む。エピタキシャル構造の2次元電子ガスと受動部品本体との相互作用によって、複合受動部品の集積度及び性能を向上させる。受動部品はコンデンサ構造又はインダクタ構造であってもよい。
【0034】
具体的に、基板11は、例えば、窒化ガリウム、アルミニウムガリウム窒素、インジウムガリウム窒素、アルミニウムインジウムガリウム窒素、リン化インジウム、ヒ化ガリウム、炭化ケイ素、ダイヤモンド、サファイア、ゲルマニウム、ケイ素のうちの一種又は複数種の組み合わせ、又はIII族窒化物を成長させることができる任意の他の材料であってもよく、エピタキシャル構造12は基板11上に成長することによって形成することができ、成長方式は、例えば、金属有機化合物化学気相成長(MOCVD)、分子ビームエピタキシャル(MBE)、水素化物気相エピタキシャル(HVPE)のうちのいずれかの方式であってもよく、エピタキシャル構造12は多層を含んでもよく、各層構造はいずれもIII-V族化合物に基づく半導体材料であってもよく、エピタキシャル構造12は、例えばヘテロ接合であってもよく、本実施例はこれを具体的に限定せず、エピタキシャル構造12が成長して形成されると、その内部に1層の高濃度の自由電荷(Two Dimensional Electron Gas、2DEG)が形成され、即ち、1層の2次元電子ガス121が形成され、2次元電子ガス121の面密度は、通常、1e13/cm2より大きく、その抵抗率は低く、2次元電子ガス121の抵抗率の大きさが金属の抵抗率の大きさと似ていると考えられる。
【0035】
本開示の実施例に係る複合受動部品は、特定のパターンの2次元電子ガスの周囲に分離部を設置し、即ち、エピタキシャル構造12における特定のパターンの2次元電子ガスの周囲に分離部が形成され、分離部は2次元電子ガスに対応する特定のパターン領域を画定することに用いられる。
【0036】
選択的に、本開示の実施例に係る複合受動部品は、特定のパターンの2次元電子ガスに示された特定のパターンが受動部品本体に適合して設けられ、例えば、受動部品本体が平板コンデンサである場合、2次元電子ガスの特定のパターンは平板状であり、例えば、受動部品本体が螺旋インダクタである場合、2次元電子ガスの特定のパターンは螺旋状である。
【0037】
受動部品がコンデンサ構造である場合
図1は本開示の実施例に係る複合コンデンサの構造模式図であり、
図1を参考し、複合コンデンサは、基板11と、基板11上に設置され、2次元電子ガス121が形成されているエピタキシャル構造12と、エピタキシャル構造12を覆う第1層間誘電体層13と、エピタキシャル構造12の基板11から離れる一方側に設置され、第1金属極板141及び第2金属極板143を含む金属コンデンサ構造14であって、第2金属極板143は第1金属極板141の基板11から離れる一方側に位置し、第1金属極板141は2次元電子ガス121と絶縁される金属コンデンサ構造14と、を含み、複合コンデンサの厚さ方向Xに沿って、第1金属極板141及び第2金属極板143の基板11における総投影は、2次元電子ガス121の基板11における投影と少なくとも部分的に重なる。
【0038】
2次元電子ガス121の面密度は、通常、1e
13/cm
2より大きく、その抵抗率は低く、2次元電子ガス121の抵抗率の大きさが金属の抵抗率の大きさと似ていると考えられ、即ち、2次元電子ガス121はコンデンサの金属極板と等価可能であり、
図1に示すように、第1金属極板141及び第2金属極板143はそれぞれ電極を引き出す必要があるため、第1金属極板141の基板11における投影と、第2金属極板143の基板11における投影とが完全に重ならないように設定することができ、即ち、第1金属極板141及び第2金属極板143の基板11における総投影は、基板11上の3つの領域に位置し、第1領域111の投影は第1金属極板141の投影のみを含み、第2領域112の投影は第1金属極板141の投影を含むだけでなく、第2金属極板143の投影を含み、第3領域113の投影は第2金属極板143の投影のみを含み、2次元電子ガス121の基板11における投影が第1領域111及び/又は第2領域112に位置する場合、2次元電子ガス121と第1金属極板141は1つのコンデンサを構成し、2次元電子ガス121の基板11における投影が第3領域113に位置し且つ第2金属極板143に接続されない場合、2次元電子ガス121と第2金属極板143は1つのコンデンサを構成し、2次元電子ガス121は金属コンデンサ構造14の厚さ方向に設けられ、ウエハ上に占有する面積を増加させることがなく、従って、本実施例は、占有するウエハの面積を増加させることなくコンデンサの数を高め、コンデンサの集積度を増加させることができる。
【0039】
本実施例の技術的解決手段では、用いられる複合コンデンサは、基板と、基板上に設置され、2次元電子ガスが形成されているエピタキシャル構造と、エピタキシャル構造の基板から離れる一方側に設置され、第1金属極板及び第2金属極板を含む金属コンデンサ構造であって、第2金属極板は第1金属極板の基板から離れる一方側に位置し、第1金属極板は2次元電子ガスと絶縁される金属コンデンサ構造と、を含み、複合コンデンサの厚さ方向に沿って、第1金属極板及び第2金属極板の基板における総投影は、2次元電子ガスの基板における投影と少なくとも部分的に重なる。2次元電子ガスはコンデンサの1つの極板と等価可能であり、本実施例は、占有するウエハの面積を増加させることなくコンデンサの数を高め、コンデンサの集積度を増加させることができる。
【0040】
一実施例では、引き続き
図1を参考し、エピタキシャル構造12に分離部122が形成され、分離部122は2次元電子ガス121に対応する領域を画定する。
【0041】
具体的に、本実施例では、エピタキシャル構造における2次元電子ガス121を保留する必要がある部分以外の部分にいずれも分離部122を形成するように設定してもよく、例えば、複合コンデンサの厚さ方向に沿って、第1金属極板141の基板における投影と第2金属極板143の基板11における投影とが重畳すると、2次元電子ガス121の基板11における投影と完全に重なり、エピタキシャル構造12の他の部分に分離部122を形成するように設定してもよく、分離部122は、例えば、イオン注入の方式で形成されてもよく、例えば、アルゴンイオン等を注入し、これにより、分離部122の抵抗を極めて高くし、さらに基板の損失を低減させる。
【0042】
一実施例では、引き続き
図1を参考し、複合コンデンサは第2金属極板143を覆う保護層17をさらに含む。
【0043】
具体的に、保護層17は、例えば、酸化ケイ素、アルミナ、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素のうちの一種又は複数種の組み合わせ、又は絶縁誘電体とすることができる任意の他の材料であってもよい。保護層17は、複合コンデンサを保護し、複合コンデンサが外部の水と酸素等により腐食されることを回避し、複合コンデンサの耐用年数を伸ばすことができる。
【0044】
一実施例では、
図1に示すように、2次元電子ガス121は第2金属極板143と絶縁され、本実施例では、2次元電子ガス121はその投影と重なる金属極板とコンデンサを形成することができ、好ましくは、2次元電子ガス121の基板11における投影が第1領域111及び/又は第2領域112に位置するが、第3領域113に位置しないように設定してもよく、このとき、第1金属極板141と2次元電子ガス121は1つのコンデンサを構成し、第1金属極板141が第2金属極板143よりも2次元電子ガス121に近いため、該コンデンサの性能はよりよく、また、第1金属極板141と第2金属極板143は1つのコンデンサを構成し、複合コンデンサに2つのコンデンサが含まれ、コンデンサの集積度が高く、2次元電子ガス121は、それとオーミック接触する電極を設置することによって、2次元電子ガス121と外部回路を電気的に接続することができ、電極の位置は具体的に限定されず、例えば、2次元電子ガス121の基板11から離れる一方側に設置されてもよく、2次元電子ガス121の基板11に近い一方側に設置されてもよく、他のいくつかの実施形態では、2次元電子ガス121の基板11における投影が第3領域113に位置し、第1領域111及び第2領域112にいずれも存在しない場合、このとき、2次元電子ガス121と第2金属極板143は1つのコンデンサを構成し、複合コンデンサに依然として2つのコンデンサが含まれ、他のいくつかの実施形態では、2次元電子ガス121の基板11における投影が第3領域113に位置するだけでなく、第1領域111及び第2領域112のうちの少なくとも一方に位置する場合、このとき、2次元電子ガス121と第1金属極板141は1つのコンデンサを構成し、2次元電子ガス121と第2金属極板143も1つのコンデンサを構成し、複合コンデンサに3つのコンデンサが含まれ、コンデンサの集積度をさらに増加させ、このとき、好ましくは、2次元電子ガス121の基板11における投影は、第1金属極板141の基板11における投影及び第2金属極板143の基板11における投影を覆い、複合コンデンサにおいて2次元電子ガス121により形成された2つのコンデンサの容量値がいずれも大きく、複合コンデンサの容量密度も大きい。
【0045】
一実施例では、2次元電子ガス121は第2金属極板143と等電位に設定され、複合コンデンサの厚さ方向に沿って、第1金属極板141の基板11における投影は、2次元電子ガス121の基板11における投影と少なくとも部分的に重なる。このように設定することによって、2次元電子ガス121と第2金属極板143は1つの極板に相当し、それぞれ第1金属極板141の2つの面と重なり、一方では、コンデンサの集積度を向上させることができ、他方では、複合コンデンサの容量値を増加させることと等価であり、さらに容量密度を増加させることができる。
【0046】
例示的に、
図2は本開示の実施例に係る別の複合コンデンサの構造模式図であり、本実施例では、複合コンデンサは接続構造15をさらに含み、接続構造15は2次元電子ガス121とオーミック接触し、且つ第2金属極板143に電気的に接続され、接続構造15によって2次元電子ガス121とオーミック接触を形成し、その接触抵抗が極めて低く、従って、電荷を2次元電子ガス121から接続構造15に導入することができ、接続構造15は第2金属極板143に電気的に接続され、且つ第1金属極板141と絶縁され、複合コンデンサの厚さ方向Xに沿って、2次元電子ガス121の基板11における投影が第1金属極板141の基板11における投影と重なり、2次元電子ガス121が第1金属極板141と絶縁されるため、2次元電子ガス121と第1金属極板141は1つのコンデンサを形成し、該コンデンサをコンデンサC1とし、金属コンデンサ構造14をコンデンサC2とし、コンデンサC2とコンデンサC1は1つの極板(第1金属極板141であり、複合コンデンサの動作時に第1金属極板141の上下面にいずれも移動可能な電荷が存在する)を共有し、コンデンサC1とコンデンサC2が共有していない極板(2次元電子ガス121及び第2金属極板143)は接続構造15を介して電気的に接続され、コンデンサC1とコンデンサC2が並列接続することと等価であり、即ち、複合コンデンサの容量値はコンデンサC1の容量値とコンデンサC2の容量値の和に等しく、コンデンサの極板の正対面積を増加させることと等価であり、2次元電子ガス121が金属コンデンサ構造14の厚さ方向に設けられ、ウエハ上に占有する面積を増加させることがなく、従って、本実施例は占有するウエハの面積を増加させることなく、複合コンデンサの容量値を向上させることができる。また、必要な金属層が少ないため、製造の難易度を下げ、コストを低減させることができる。
【0047】
勿論、他のいくつかの実施形態では、2次元電子ガス121と第2金属極板143の等電位を実現するために他の解決手段を用いてもよく、例えば、複合コンデンサの外部で2次元電子ガス121と第2金属極板143を電気的に接続することができる。
【0048】
一実施例では、
図1及び
図2に示すように、複合コンデンサは第1層間誘電体層13をさらに含み、第1層間誘電体層13はエピタキシャル構造12を覆い、金属コンデンサ構造14は第1金属極板141、第2金属極板143及び第2層間誘電体層142を含み、第2層間誘電体層142は第1金属極板141と第2金属極板143との間に設置され、第1層間誘電体層141及び第2層間誘電体層142を設置することによって、コンデンサの性能を高めることができる。このとき、金属コンデンサ構造14はMIMコンデンサである。
【0049】
一実施例では、引き続き
図2を参考し、複合コンデンサの厚さ方向Xに沿って、2次元電子ガス121の基板11における投影は、第1金属極板141の基板11における投影及び第2金属極板143の基板11における投影を覆う。
【0050】
具体的に、2次元電子ガス121と第1金属極板141が重なる面積が大きいほど、コンデンサC1の容量値も大きく、従って、複合コンデンサの厚さ方向Xに沿って、2次元電子ガス121の基板11における投影が第1金属極板141の基板11における投影を覆うように設定してもよく、これによりコンデンサC1の容量値を大幅に増加させ、金属コンデンサ構造14において、MIMコンデンサの引出電極を設置する必要があるため、複合コンデンサの厚さ方向Xに沿って、第2金属極板143の基板11における投影と第1金属極板143の基板11における正投影とは完全に重ならず、従って、複合コンデンサの厚さ方向Xに沿って、2次元電子ガス121の基板11における投影が第2金属極板143の基板11における正投影を覆うように設定してもよく、これにより接続構造15を設置しやすい。
【0051】
なお、
図1及び
図2に示すように、複合コンデンサは第1電極16をさらに含んでもよく、第1電極16は第1金属極板141の基板11から離れる一方側に位置し、且つ第1金属極板141に電気的に接続され、接続構造15の第2層間誘電体層142を貫通する部分は複合コンデンサの第2電極とすることができる。
【0052】
例示的に、
図2に示すように、接続構造15は接続金属層151及び接続金属化スルーホールを含み、接続金属層151は2次元電子ガスの表面と接触し、接続金属化スルーホールは第1層間誘電体層13及び第2層間誘電体層142を貫通して接続金属層151及び第2金属極板143に電気的に接続される。
【0053】
具体的に、本実施例では、接続金属層151は2次元電子ガス121と直接オーミック接触し、複合コンデンサを製造する際にエピタキシャル構造12をエピタキシャル形成した後に接続金属層151を直接製造することができ、接続金属層151と2次元電子ガス121の接触性能はよりよく、複合コンデンサの性能の向上により有利である。第1スルーホールは第1層間誘電体層13を貫通し、第2スルーホールは第2層間誘電体層142を貫通し、接続金属化スルーホールは第1サブスルーホール153及び第2サブスルーホール154を含み、第1サブスルーホール153は金属化後の第1スルーホール153であり、第2サブスルーホール154は金属化後の第2スルーホール154である。接続金属層151は、例えば、まず、電子ビーム蒸発システムを利用して複合金属を堆積し、その後、急速熱アニール(RTA)プロセスを利用して形成した接続金属層であってもよい。接続金属化スルーホールは、まず、スルーホールをエッチングして形成し、その後、スルーホールを金属化して製造したものであってもよい。
【0054】
他のいくつかの実施形態では、
図3に示すように、
図3は本開示の実施例に係る別の複合コンデンサの構造模式図であり、
図2に示される構造との相違点については、本実施例の接続構造15は接続金属層151、オーミック金属化スルーホール152及び接続金属化スルーホールを含み、接続金属層151及び第1金属極板141は同じ層に設置され、接続金属層151は第1層間誘電体層13を貫通するオーミック金属化スルーホール152を介して2次元電子ガス121とオーミック接触し、接続金属化スルーホールは第2層間誘電体層142を貫通して接続金属層151及び第2金属極板143に電気的に接続される。
【0055】
具体的に、本実施例では、接続金属層151及び第1金属極板141は同じ層に設置され、エピタキシャル構造12をエピタキシャル形成した後、まず、第1層間誘電体層13を成長させ、次に第1層間誘電体層13にスルーホールをエッチングし、その後、オーミック金属の製造過程を利用して接続金属層151及びオーミック金属化スルーホール152を同時に製造することができる。第4スルーホールは第2層間誘電体層142を貫通し、接続金属化スルーホールは第2サブスルーホール154のみを含み、本実施例では、第2サブスルーホール154は金属化後の第4スルーホールである。
【0056】
他のいくつかの実施形態では、
図4に示すように、
図4は本開示の実施例に係る別の複合コンデンサの構造模式図であり、
図2及び
図3に示される構造との相違点については、本実施例の接続構造15は接続金属層151、オーミック金属化スルーホール152及び接続金属化スルーホールを含み、第1層間誘電体層13はエピタキシャル構造12上に積層された第1サブ誘電体層131及び第2サブ誘電体層132を含み、接続金属層151は第1サブ誘電体層131のエピタキシャル構造12から離れる面に設置され、第1サブ誘電体層131を貫通するオーミック金属化スルーホール152を介して2次元電子ガス121とオーミック接触し、接続金属化スルーホールは第2層間誘電体層142及び第2サブ誘電体層132を貫通して接続金属層151及び第2金属極板143に電気的に接続される。
【0057】
具体的に、本実施例では、第1層間誘電体層13は第1サブ誘電体層131及び第2サブ誘電体層132を含み、第1サブ誘電体層131の材料及び第2サブ誘電体層132の材料は、例えば、酸化ケイ素、アルミナ、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素のうちの一種又は複数種の組み合わせ、又は絶縁誘電体とすることができる任意の他の材料であってもよく、複合コンデンサは他の薄膜デバイス、例えば薄膜トランジスタ等と同一のウエハ上に製造されてもよく、接続金属層151を第1サブ誘電体層131上に設置することによって、ウエハ上の他のデバイスと互換性があり、さらに複合コンデンサの製造プロセスの互換性を向上させる。第6スルーホールは第2サブ誘電体層132を貫通し、第7スルーホールは第2層間誘電体層142を貫通し、接続金属化スルーホールは第1サブスルーホール153及び第2サブスルーホール154を含み、本実施例では、第1サブスルーホール153は金属化後の第6スルーホールであり、第2サブスルーホール154は金属化後の第7スルーホールである。
【0058】
本開示の実施例はさらに複合コンデンサの製造方法を提供し、
図5に示すように、
図5は本開示の実施例に係る複合コンデンサの製造方法のフローチャートであり、該製造方法はステップS301~ステップS302を含み、
ステップS301:基板上にエピタキシャル構造をエピタキシャル形成し、エピタキシャル構造に2次元電子ガスが形成されており、
具体的に、
図6~
図15は本開示の実施例に係る複合コンデンサの製造方法の主なフローに対応する製品の構造模式図であり、
図6に示すように、まず、1つの基板11を提供することができ、その後、
図7に示すように、基板11上にエピタキシャル構造12をエピタキシャル形成し、成長方式は、例えば、金属有機化合物化学気相成長(MOCVD)、分子ビームエピタキシャル(MBE)、水素化物気相エピタキシャル(HVPE)のうちのいずれかの方式であってもよく、エピタキシャル構造12は多層を含んでもよく、各層構造はいずれもIII-V族化合物に基づく半導体材料であってもよく、エピタキシャル構造12は例えばヘテロ接合であってもよく、エピタキシャル構造12が成長して形成されると、その内部に1層の2次元電子ガス121が形成され、2次元電子ガス121はコンデンサの1つの極板を形成することに用いることができ、その後、
図8に示すように、基板の損失を低減させるために、エピタキシャル構造における2次元電子ガス121を保留する必要がある部分以外の部分に分離部122を形成することができ、分離部122は、例えば、イオン注入の方式で形成されてもよく、例えば、アルゴンイオン等を注入し、これにより、分離部122の抵抗を極めて高くし、さらに基板の損失を低減させる。
【0059】
ステップS302:エピタキシャル構造の基板から離れる一方側に金属コンデンサ構造を形成し、金属コンデンサ構造は第1金属極板及び第2金属極板を含み、第2金属極板は第1金属極板の基板から離れる一方側に位置し、第1金属極板は2次元電子ガスと絶縁され、複合コンデンサの厚さ方向に沿って、第1金属極板及び第2金属極板の基板における総投影は、2次元電子ガスの基板における投影と少なくとも部分的に重なる。
【0060】
本実施例の複合コンデンサの製造方法で製造された複合コンデンサは、2次元電子ガスと第1金属極板及び/又は第2金属極板は1つのコンデンサを形成し、2次元電子ガスが第1金属極板及び第2金属極板の堆積方向に設置され、従って、複合コンデンサが占有するウエハの面積を増加させることなく、複合コンデンサのうちのコンデンサの数を増加させることができる、従って、コンデンサの集積度を向上させることができる。
【0061】
一実施例では、エピタキシャル構造の基板から離れる一方側に金属コンデンサ構造を形成するステップは、
第1金属極板を形成することで、複合コンデンサの厚さ方向に沿って、第1金属極板の基板における投影が2次元電子ガスの基板における投影と少なくとも部分的に重なるようにするステップを含み、エピタキシャル構造の基板から離れる一方側に金属コンデンサ構造を形成する際に、2次元電子ガスとオーミック接触し且つ第2金属極板に電気的に接続される接続構造を形成するステップをさらに含む。
【0062】
例示的に、金属コンデンサ構造を形成する際に第1層間誘電体層を形成することもでき、第1層間誘電体層はエピタキシャル構造を覆い、金属コンデンサ構造は第1層間誘電体層の基板から離れる一方側に設置され、金属コンデンサ構造は第1金属極板、第2金属極板及び第2層間誘電体層を含み、第2金属極板は第1金属極板の基板から離れる一方側に位置する。接続構造は接続金属層及び接続金属化スルーホールを含み、第1層間誘電体層、金属コンデンサ構造及び接続構造を形成するステップは、以下のことを含み、
図9に示すように、エピタキシャル構造12の基板11から離れる面に接続金属層151を形成し、具体的に、まず、電子ビーム蒸発システムを利用して複合金属を堆積し、その後、急速熱アニール(RTA)プロセスを利用して接続金属層を形成することであってもよく、その後、
図10に示すように、まず、1層の誘電体層材料を成長させ、誘電体層材料は、例えば、酸化ケイ素、アルミナ、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素のうちの一種又は複数種の組み合わせ、又は絶縁誘電体とすることができる任意の他の材料であってもよく、次に、
図11に示すように、露光・現像・エッチングの方式で、第1スルーホール201を形成し、第1スルーホール201は接続金属層151を露出させ、次に、
図12に示すように、第1層間誘電体層13の基板から離れる面に第1金属極板141を形成し、第1スルーホールを金属化し、例えば、スパッタリング、堆積等の方式で製造することができ、マスクによって第1金属極板141を形成し、同時に第1スルーホールを金属化することで、第1サブスルーホール153を形成し、次に、
図13に示すように、1層の誘電体層材料1420を全面的に覆い、該誘電体層材料1420は、酸化ケイ素、アルミナ、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素のうちの一種又は複数種の組み合わせ、又は絶縁誘電体とすることができる任意の他の材料であってもよく、金属コンデンサ構造の分離層とし、次に、
図14に示すように、露光・現像・エッチング等の方式で第2スルーホール202を形成し、第2スルーホール202は第1スルーホールを露出させ、さらに、電極スルーホール301を同時に形成することができ、電極スルーホール301はその後に金属電極を形成することに用いることができ、これにより
図14の第2層間誘電体層142を形成し、次に、
図15に示すように、スパッタリング、堆積等の方式で製造することができ、マスクによって第2金属極板143を形成し、同時に第2スルーホール202、電極スルーホール301を金属化することで、第2サブスルーホール154、第2金属極板143、電極金属スルーホール161及び電極162を形成し、電極金属スルーホール161と電極162は複合コンデンサの第1電極を構成し、接続構造15の第2層間誘電体層142を貫通する部分は複合コンデンサの第2電極とすることができる。最後、
図2に示すように、1層の保護層17を全面的に覆い、これにより
図2に示される構造を形成し、保護層17は、例えば、酸化ケイ素、アルミナ、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素のうちの一種又は複数種の組み合わせ、又は絶縁誘電体とすることができる任意の他の材料であってもよい。保護層17は、複合コンデンサを保護し、複合コンデンサが外部の水と酸素等により腐食されることを回避し、複合コンデンサの耐用年数を伸ばすことができる。
【0063】
一実施例では、上記製造方法との相違点については、本実施例の接続構造は接続金属層、オーミック金属化スルーホール及び接続金属化スルーホールを含み、第1層間誘電体層、金属コンデンサ構造及び接続構造を形成するステップは、以下のことを含み、
図8に示される構造を形成した後、まず、エピタキシャル構造12上に第1層間誘電体層の材料1301を堆積することができ、第1層間誘電体層の材料は、例えば、酸化ケイ素、アルミナ、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素のうちの一種又は複数種の組み合わせ、又は絶縁誘電体とすることができる任意の他の材料であってもよく、次に、露光・現像・エッチング等の方式で第3スルーホール203を形成し、第3スルーホール203は接続金属層に対応する領域を露出させ、次に、第1層間誘電体層13の基板から離れる面に接続金属層151を形成し、第3スルーホールを金属化することでオーミック金属化スルーホール152を形成し、接続金属層151はオーミック金属化スルーホール152を介して2次元電子ガス121とオーミック接触し、オーミック金属の製造過程を利用して接続金属層151及びオーミック金属化スルーホール152を同時に製造し、オーミック金属の製造過程は、まず、電子ビーム蒸発システムを利用して複合金属を堆積し、その後、急速熱アニールプロセスを利用してオーミック金属を形成することであってもよく、次に、接続金属層の製造時に高温プロセスを必要とするため、接続金属層を製造してから、第1金属極板161を製造するようにしてもよく、第1金属極板161はスパッタリング、堆積等の方式で製造することができ、また、金属極板を製造する際に全層の金属を製造するしかない場合、第1金属極板と接続金属層との電気的接続を回避するために、全層の金属を堆積する前に、まず、接続金属層上に1層の犠牲層を製造し、次に、金属層をエッチングして第1金属極板141を形成した後、犠牲層をエッチングすることができ、これにより第1金属極板141と接続金属層151を同じ層に形成し、その後、1層の誘電体層材料1420を全面的に覆い、該誘電体層材料1420は、酸化ケイ素、アルミナ、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素のうちの一種又は複数種の組み合わせ、又は絶縁誘電体とすることができる任意の他の材料であってもよく、金属コンデンサ構造の分離層とし、次に、露光・現像・エッチング等の方式で第4スルーホール204を形成し、第4スルーホール204は接続金属層151を露出させ、また、さらに電極スルーホール301を同時に形成することができ、電極スルーホール301はその後に金属電極を形成することに用いることができ、これにより
図20の第2層間誘電体層142を形成し、次に、スパッタリング、堆積等の方式で製造することができ、マスクによって第2金属極板143を形成し、同時に第4スルーホール204、電極スルーホール301を金属化することで、第2サブスルーホール154、第2金属極板143、電極金属スルーホール161及び電極162を形成する。最後、
図2に示すように、1層の保護層17を全面的に覆い、これにより
図3に示される構造を形成し、保護層17は、例えば、酸化ケイ素、アルミナ、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素のうちの一種又は複数種の組み合わせ、又は絶縁誘電体とすることができる任意の他の材料であってもよい。保護層17は、複合コンデンサを保護し、複合コンデンサが外部の水と酸素等により腐食されることを回避し、複合コンデンサの耐用年数を伸ばすことができる。
【0064】
一実施例では、上記製造方法との相違点については、本実施例の接続構造は接続金属層、オーミック金属化スルーホール及び接続金属化スルーホールを含み、第1層間誘電体層は第1サブ誘電体層及び第2サブ誘電体層を含み、第1層間誘電体層、金属コンデンサ構造及び接続構造を形成するステップは、以下のことを含み、
図8に示される構造を形成した後、まず、エピタキシャル構造12上に第1サブ誘電体層の材料1310を堆積することができ、第1サブ誘電体層の材料1310は、例えば、酸化ケイ素、アルミナ、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素のうちの一種又は複数種の組み合わせ、又は絶縁誘電体とすることができる任意の他の材料であってもよく、露光・現像・エッチング等の方式で第5スルーホール205を形成し、第5スルーホール205は接続金属層に対応する領域を露出させ、第1サブ誘電体層131の基板から離れる面に接続金属層151を形成し、第5スルーホールを金属化することでオーミック金属化スルーホール152を形成し、接続金属層151はオーミック金属化スルーホール152を介して2次元電子ガス121とオーミック接触し、オーミック金属の製造過程を利用して接続金属層151及びオーミック金属化スルーホール152を同時に製造し、オーミック金属の製造過程は、まず、電子ビーム蒸発システムを利用して複合金属を堆積し、その後、急速熱アニールプロセスを利用してオーミック金属を形成することであってもよく、第2サブ誘電体層を形成する材料1320を全面的に覆い、第2サブ誘電体層の材料は、例えば、酸化ケイ素、アルミナ、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素のうちの一種又は複数種の組み合わせ、又は絶縁誘電体とすることができる任意の他の材料であってもよく、露光・現像・エッチング等の方式で第6スルーホール206を形成し、第6スルーホール206は接続金属層151を露出させ、第2サブ誘電体層132の基板から離れる面に第1金属極板141を形成し、第6スルーホールを金属化し、例えば、スパッタリング、堆積等の方式で製造することができ、マスクによって第1金属極板141を形成し、同時に第6スルーホールを金属化することで、第1サブスルーホール153を形成し、1層の誘電体層材料1420を全面的に覆い、該誘電体層材料1420は、酸化ケイ素、アルミナ、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素のうちの一種又は複数種の組み合わせ、又は絶縁誘電体とすることができる任意の他の材料であってもよく、金属コンデンサ構造の分離層とし、露光・現像・エッチング等の方式で第7スルーホール207を形成し、第7スルーホール207は第6スルーホールを露出させ、また、さらに電極スルーホール301を同時に形成することができ、電極スルーホール301はその後に金属電極を形成することに用いることができ、これにより第2層間誘電体層142を形成し、スパッタリング、堆積等の方式で製造することができ、マスクによって第2金属極板143を形成し、同時に第7スルーホール207、電極スルーホール301を金属化することで、第2サブスルーホール154、第2金属極板143、電極金属スルーホール161及び電極162を形成し、最後、
図4に示すように、1層の保護層17を全面的に覆い、これにより
図3に示される構造を形成し、保護層17は、例えば、酸化ケイ素、アルミナ、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素のうちの一種又は複数種の組み合わせ、又は絶縁誘電体とすることができる任意の他の材料であってもよい。保護層17は、複合コンデンサを保護し、複合コンデンサが外部の水と酸素等により腐食されることを回避し、複合コンデンサの耐用年数を伸ばすことができる。
【0065】
受動部品がインダクタ構造である場合
図16は本発明の実施例に係る複合インダクタの平面図であり、
図17は
図16のA1A2方向に沿う断面図であり、
図16及び
図17を参照し、複合インダクタは、基板11と、基板11上に設置され、第1平面螺旋状である2次元電子ガス121が形成されているエピタキシャル構造12と、2次元電子ガス121の第1端部とオーミック接触する第1接続金属層13’と、エピタキシャル構造12の基板11から離れる一方側に設置され、第2平面螺旋状であるインダクタ金属線15’と、第1端部が第1接続金属層13’に電気的に接続され、第2端部がインダクタ金属線15’の第1端部に電気的に接続される第1接続金属16’と、を含み、インダクタ金属線15’の第1端部151’は第2平面螺旋状の中心点に対応する一端であり、2次元電子ガス121の第1端部1211は第1平面螺旋状の中心点に対応する一端である。
【0066】
2次元電子ガス121はインダクタの金属線と等価可能であり、2次元電子ガス121を第1平面螺旋状に設定することで、2次元電子ガス121を1つのインダクタと等価可能にし、該インダクタを第1インダクタとし、また、第1接続金属層13’と2次元電子ガス121がオーミック接触し、その接触抵抗が極めて低いため、電流を第1接続金属16’から2次元電子ガス121に転送する、又は電流を2次元電子ガス121から第1接続金属16’に転送することができ、インダクタ金属線15’が第2平面螺旋状に設定されるため、インダクタ金属線15’も1つのインダクタと等価であり、該インダクタを第2インダクタとし、第1インダクタと第2インダクタの螺旋方向は反対であり、複合インダクタの総インダクタは第1インダクタと第2インダクタの直列接続であり、従って、複合インダクタのインダクタ量を増加させることと等価である。また、第1平面螺旋状がその中心点を中心として外へ螺旋状に延び、第2平面螺旋状がその中心点を中心として外へ螺旋状に延びるため、複合インダクタが占めるウエハサイズが変わらない場合、複合インダクタの第1インダクタ及び第2インダクタがそれぞれ異なる層に設置され、直列接続によって複合インダクタのインダクタ量を増加させ、即ち、単位ウエハ面積上の電流経路長を長くし、さらに複合インダクタのインダクタ密度を大きくする。
【0067】
本実施例の技術的解決手段では、用いられる複合インダクタは、基板と、基板上に設置され、第1平面螺旋状である2次元電子ガスが形成されているエピタキシャル構造と、2次元電子ガスの第1端部とオーミック接触する第1接続金属層と、エピタキシャル構造の基板から離れる一方側に設置され、第2平面螺旋状であるインダクタ金属線と、第1端部が第1接続金属層に電気的に接続され、第2端部がインダクタ金属線の第1端部に電気的に接続される第1接続金属と、を含み、インダクタ金属線の第1端部は第2平面螺旋状の中心点に対応する一端であり、2次元電子ガスの第1端部は第1平面螺旋状の中心点に対応する一端であり、第1平面螺旋状と第2平面螺旋状の螺旋方向は反対である。複合インダクタが占めるウエハサイズが変わらない場合、複合インダクタの第1インダクタ及び第2インダクタがそれぞれ異なる層に設置され、直列接続によって複合インダクタのインダクタ量を増加させ、即ち、単位ウエハ面積上の電流経路長を長くし、さらに複合インダクタのインダクタ密度を大きくする。
【0068】
選択的に、第1平面螺旋状と第2平面螺旋状の螺旋方向は反対であり、それによって、インダクタ金属線からなるインダクタと2次元電子ガスからなるインダクタの総インダクタ量をさらに増加させることができ、これにより複合インダクタのインダクタ密度をさらに増加させる。
【0069】
なお、
図32では第1平面螺旋状及び第2平面螺旋状がいずれも矩形の螺旋状であることを例に説明するが、他のいくつかの実施形態では、第1平面螺旋状及び第2平面螺旋状はいずれも他の形状であってもよく、両者は同じであってもよいし、異なってもよく、例えば、第1平面螺旋状はさらに円形の螺旋状であってもよく、第2平面螺旋状も円形の螺旋状であってもよい。
【0070】
選択的に、引き続き
図16及び
図17を参考し、エピタキシャル構造12に分離部122が形成され、分離部122は2次元電子ガス121に対応する領域を画定する。
【0071】
具体的に、2次元電子ガス121が第1平面螺旋状に形成される必要があり、エピタキシャル構造12が形成された後に全層の2次元電子ガスが存在し、第1平面螺旋状に形成できないため、分離部122を設置することによって2次元電子ガス121に対応する領域を画定することができ、分離部122は、例えば、エピタキシャル構造12にアルゴンイオンを注入することによって形成されてもよく、分離部122の抵抗が極めて大きく、絶縁体と等価であり、これにより第1平面螺旋状の2次元電子ガス121を画定する。
【0072】
選択的に、引き続き
図16を参考し、複合インダクタの厚さ方向に沿って、前記2次元電子ガスの幅は前記インダクタ金属線の幅より広い。このように設定することによって、2次元電子ガス121の抵抗を小さくすることができ、2次元電子ガス121が形成するインダクタを理想的なインダクタに近づけ、2次元電子ガス121が形成するインダクタの性能を向上させることに有利である。
【0073】
選択的に、引き続き
図16を参考し、2次元電子ガス121の周回数はインダクタ金属線15’の周回数より大きい。
【0074】
具体的に、2次元電子ガス121の周回数は、即ち第1平面螺旋状の周回数であり、インダクタ金属線15’の周回数は、即ち第2平面螺旋状の周回数であり、
図32では、第1平面螺旋状の周回数は2であり、第2平面螺旋状の周回数は3であり、2次元電子ガス121は複合インダクタの1つの電極として1つの電極金属を接続する必要があり、インダクタ金属線15’が位置する層は金属層であり、該層で複合インダクタの電極を製造することはより容易であり、従って、2次元電子ガス121の周回数がインダクタ金属線15’の周回数より大きく設定し、2次元電子ガス121の長さはインダクタ金属線15’の長さより長く、2次元電子ガス121には、第2端部の電流をインダクタ金属線15’が位置する層に導入しやすくする余分な部分が存在し、さらに、複合インダクタ電極の製造を容易にする。なお、
図32では2次元電子ガス121に必要なウエハの面積がインダクタ金属線15’に必要なウエハの面積より大きいことを例に説明するが、他のいくつかの実施形態では、2次元電子ガス121に必要なウエハの面積がインダクタ金属線15’に必要なウエハの面積より小さく設定してもよく、2次元電子ガス121の周回数もインダクタ金属線15’の周回数より小さくてもよく、また、2次元電子ガス121の基板11における投影と、インダクタ金属線15’の基板11における投影は、両者の螺旋方向が反対であるために回避できない重なり領域を除いて、他の部分が重なってもよく、重ならなくてもよく、本実施例は具体的に限定しない。
【0075】
選択的に、引き続き
図16及び
図17を参考し、複合インダクタは第1層間誘電体層14’、第1電極金属21、第2電極金属22、第2接続金属層23及び第2接続金属24をさらに含み、第1層間誘電体層14’はエピタキシャル構造12の基板11から離れる一方側に設置され、インダクタ金属線15’は第1層間誘電体層14’の基板11から離れる一方側に設置され、第1電極金属21、第2電極金属22及びインダクタ金属線15’は同じ層に設置され、第1電極金属21はインダクタ金属線15’の第2端部に電気的に接続され、第2接続金属層23及び第1接続金属層13’は同じ層に設置され、第2接続金属層23は2次元電子ガス121の第2端部とオーミック接触し、第2接続金属24は第1層間誘電体層14’を貫通し、第2接続金属24の第1端部は第2接続金属層23に電気的に接続され、第2接続金属24の第2端部は第2電極金属22に電気的に接続される。
【0076】
具体的に、第1電極金属21、第2電極金属22、インダクタ金属線15’、第1接続金属16’及び第2接続金属24はいずれもアルミニウムであってもよく、且つ同時に形成することができ、第1接続金属層13’と第2接続金属層23は同時に形成でき、例えば、まず、電子ビーム蒸発システムを利用して複合金属を堆積し、その後、急速熱アニール(RTA)プロセスを利用して第1接続金属層13’及び第2接続金属層23を形成することであってもよい。第1電極金属21は複合インダクタの第1電極とし、第2電極金属22は複合インダクタの第2電極とし、複合インダクタの電流経路については、第1電極金属21からインダクタ金属線15’の第2端部に達し、第2平面螺旋状のインダクタ金属線15’を経て、インダクタ金属線15’の第1端部151’を介して第1接続金属16’に流入し、その後、第1接続金属層13’を経て2次元電子ガス121の第1端部1211に流入し、第1平面螺旋状の2次元電子ガス121を経て、2次元電子ガス121の第2端部を介して第2接続金属層23に流入し、その後、第2接続金属24を経て第2電極金属22に流入し、勿論、他のいくつかの実施形態では、電流の経路は反対であるものであってもよく、即ち、第2電極金属22から流入し、第1電極金属21から流出する。
【0077】
選択的に、
図18は
図16のA1A2方向に沿う別の断面図であり、
図16及び
図18を参照し、
図17に示される構造との相違点については、本実施例の複合インダクタは第2層間誘電体層25、第1オーミック金属化スルーホール26及び第2オーミック金属化スルーホール27をさらに含み、第2層間誘電体層25は第1層間誘電体層14’とエピタキシャル構造12との間に設置され、第1オーミック金属化スルーホール26は第2層間誘電体層25を貫通し、第2オーミック金属化スルーホール27は第2層間誘電体層25を貫通し、第1接続金属層13’は第1オーミック金属化スルーホール26を介して2次元電子ガス121の第1端部1211とオーミック接触し、第2接続金属層23は第2オーミック金属化スルーホール27を介して2次元電子ガス121の第2端部とオーミック接触する。
【0078】
具体的に、第2層間誘電体層25は、例えば、酸化ケイ素、アルミナ、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素のうちの一種又は複数種の組み合わせ、又は絶縁誘電体とすることができる任意の他の材料であってもよく、複合インダクタは他の薄膜デバイス、例えば薄膜トランジスタ等と同一のウエハ上に製造されてもよく、第1接続金属層及び第2接続金属層を第2層間誘電体層25上に設置することによって、ウエハ上の他のデバイスと互換性があり、さらに複合インダクタの製造プロセスの互換性を向上させる。
【0079】
選択的に、
図16~
図18を参照し、複合インダクタは保護層28をさらに含み、保護層28はインダクタ金属線15’を覆う。
【0080】
具体的に、保護層28は、例えば、酸化ケイ素、アルミナ、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素のうちの一種又は複数種の組み合わせ、又は絶縁誘電体とすることができる任意の他の材料であってもよい。保護層28は、複合インダクタを保護し、複合インダクタが外部の水と酸素等により腐食されることを回避し、複合インダクタの耐用年数を伸ばすことができる。
【0081】
なお、
図19は
図16のA1A2方向に沿う別の断面図であり、本実施例のインダクタ金属線15’は多層構造であり、それに対応して、保護層28も多層構造であり、インダクタ金属線15’の厚さを増加させることと等価可能であり、これにより、インダクタ金属線15’の抵抗を低下させることに有利である。
【0082】
本発明の実施例はさらに複合インダクタの製造方法を提供し、
図20は本発明の実施例に係る複合インダクタの製造方法のフローチャートであり、
図20を参考し、該製造方法はステップS301~ステップS303を含み、
ステップS301:基板上にエピタキシャル構造を形成し、エピタキシャル構造は第1平面螺旋状の2次元電子ガスを含み、
具体的に、
図21~
図29は本発明の実施例に係る複合インダクタの製造方法の主なフローに対応する製品の構造模式図であり、
図21に示すように、まず、1つの基板11を提供することができ、その後、
図22に示すように、基板11上にエピタキシャル構造12をエピタキシャル形成し、成長方式は、例えば、金属有機化合物化学気相成長(MOCVD)、分子ビームエピタキシャル(MBE)、水素化物気相エピタキシャル(HVPE)のうちのいずれかの方式であってもよく、エピタキシャル構造12は多層を含んでもよく、各層構造はいずれもIII-V族化合物に基づく半導体材料であってもよく、エピタキシャル構造12は例えばヘテロ接合であってもよく、エピタキシャル構造12が成長して形成されると、その内部に1層の2次元電子ガス121が形成され、その後、
図23に示すように、2次元電子ガス121が全層構造であるため、第1平面螺旋状の2次元電子ガスを形成するために、エピタキシャル構造における2次元電子ガス121を保留する必要がある部分以外の部分に分離部122を形成することができ、分離部122は、例えばイオン注入の方式で形成されてもよく、例えば、アルゴンイオン等を注入する。
【0083】
ステップS302:エピタキシャル構造の基板から離れる一方側に第1接続金属層を形成し、第1接続金属層は2次元電子ガスの第1端部とオーミック接触し、
具体的に、第1接続金属層を形成する前、まず、エピタキシャル構造の基板から離れる面に第2層間誘電体層を形成することができ、第2層間誘電体層に第1オーミックスルーホール及び第2オーミックスルーホールが形成され、第1オーミックスルーホールは2次元電子ガスの第1端部を露出させ、第2オーミックスルーホールは2次元電子ガスの第2端部を露出させ、
図24に示すように、まず、1層の第2層間誘電体層の材料250を全面的に形成することができ、第2層間誘電体層250の材料は、例えば、酸化ケイ素、アルミナ、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素のうちの一種又は複数種の組み合わせ、又は絶縁誘電体とすることができる任意の他の材料であってもよく、次に、
図25に示すように、露光・現像・エッチング等の方式で第1オーミックスルーホール401及び第2オーミックスルーホール402を形成し、次に、
図26に示すように、第2層間誘電体層25の基板から離れる面に第1接続金属層13’及び第2接続金属層23を形成し、第1オーミックスルーホールを金属化することで第1オーミック金属化スルーホール26を形成し、第2オーミックスルーホールを金属化することで第2オーミック金属化スルーホール27を形成し、第1接続金属層は第1オーミック金属化スルーホールを介して2次元電子ガス121の第1端部とオーミック接触し、第2接続金属層は第2接続金属層を介して2次元電子ガス121の第2端部とオーミック接触し、オーミック金属の製造過程を利用して接続金属層及びオーミック金属化スルーホールを同時に製造し、オーミック金属の製造過程は、まず、電子ビーム蒸発システムを利用して複合金属を堆積し、その後、急速熱アニールプロセスを利用してオーミック金属を形成することであってもよく、
ステップS303:エピタキシャル構造の基板から離れる一方側に第1接続金属及びインダクタ金属線を形成し、
具体的に、エピタキシャル構造の基板から離れる一方側に第1接続金属及びインダクタ金属線を形成するステップは、以下のことをさらに含んでもよく、エピタキシャル構造の基板から離れる一方側に第1層間誘電体層を形成し、第1層間誘電体層に第1スルーホールが形成され、第1スルーホールは第1接続金属層を露出させ、
図27に示すように、まず、1層の第1層間誘電体層の材料140を全面的に覆うことができ、第1層間誘電体層の材料は、例えば、酸化ケイ素、アルミナ、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素のうちの一種又は複数種の組み合わせ、又は絶縁誘電体とすることができる任意の他の材料であってもよく、次に、
図28に示すように、露光・現像・エッチング等の方式でそれぞれ第1スルーホール403及び第2スルーホール404を形成し、第1スルーホール403は第1接続金属層13’を露出させ、第2スルーホール404は第2接続金属層23を露出させ、
エピタキシャル構造の基板から離れる一方側に第1接続金属を形成するステップは、第1スルーホールを金属化することで第1接続金属を形成することを含む。第1接続金属及びインダクタ金属線は同時に形成されてもよく、インダクタ金属線は第2平面螺旋状であり、第1接続金属の第1端部は第1接続金属層に電気的に接続され、第1接続金属の第2端部はインダクタ金属線の第1端部に電気的に接続され、インダクタ金属線の第1端部は第2平面螺旋状の中心点に対応する一端であり、2次元電子ガスの第1端部は第1平面螺旋状の中心点に対応する一端である。
【0084】
具体的に、
図29に示すように、第1スルーホールを金属化することで第1接続金属16’を形成するステップは、以下のことをさらに含み、第1層間誘電体層14’の基板から離れる一方側に第1電極金属21を形成し、第2スルーホールを金属化することで第2接続金属24を形成し、第1層間誘電体層14’の基板11から離れる一方側に第2電極金属22を形成し、第1電極金属21はインダクタ金属線15’の第2端部に電気的に接続され、第2接続金属24の第1端部は第2接続金属層23に電気的に接続され、第2接続金属24の第2端部は第2電極金属22に電気的に接続され、第1電極金属21は複合インダクタの第1電極とし、第2電極金属22は複合インダクタの第2電極とし、複合インダクタの電流経路については、第1電極金属21からインダクタ金属線15’の第2端部に達し、第2平面螺旋状のインダクタ金属線15’を経て、インダクタ金属線15’の第1端部151’を介して第1接続金属16’に流入し、その後、第1接続金属層13’を経て2次元電子ガス121の第1端部1211に流入し、第1平面螺旋状の2次元電子ガス121を経て、2次元電子ガス121の第2端部を介して第2接続金属層23に流入し、その後、第2接続金属24を経て第2電極金属22に流入し、勿論、他のいくつかの実施形態では、電流の経路は反対であるものであってもよく、即ち、第2電極金属22から流入し、第1電極金属21から流出する。
【0085】
その後、さらに1層の保護層28を全面的に覆うことができ、これにより
図18に示される構造を形成し、保護層28は、例えば、酸化ケイ素、アルミナ、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素のうちの一種又は複数種の組み合わせ、又は絶縁誘電体とすることができる任意の他の材料であってもよい。保護層28は、複合インダクタを保護し、複合インダクタが外部の水と酸素等により腐食されることを回避し、複合インダクタの耐用年数を伸ばすことができる。
【0086】
なお、上記は本開示の好ましい実施例及び使用される技術原理に過ぎない。当業者であれば理解できるように、本開示は本明細書に記載された特定の実施例に限定されず、当業者にとって、本開示の保護範囲を逸脱することなく、様々な明らかな変更、再調整及び置換を行うことができる。従って、以上の実施例によって本開示を詳細に説明したが、本開示は以上の実施例に限定されず、本開示の構想を逸脱することなく、より多くの他の等価な実施例を含んでもよく、本開示の範囲は添付の特許請求の範囲により決まる。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合受動部品であって、
基板と、
前記基板上に設置され、特定のパターンの2次元電子ガスが形成されているエピタキシャル構造と、
前記エピタキシャル構造の前記基板から離れる一方側に設置され、前記2次元電子ガスとオーミック接触する受動部品本体と、を含むことを特徴とする複合受動部品。
【請求項2】
前記エピタキシャル構造に分離部が形成され、前記分離部は前記2次元電子ガスに対応する領域を画定することを特徴とする請求項1に記載の複合受動部品。
【請求項3】
前記2次元電子ガスの前記特定のパターンは前記受動部品本体に適合して設けられることを特徴とする請求項
1に記載の複合受動部品。
【請求項4】
前記複合受動部品は複合コンデンサを含み、前記受動部品本体は、前記エピタキシャル構造の前記基板から離れる一方側に設置される金属コンデンサ構造を含み、前記金属コンデンサ構造は第1金属極板及び第2金属極板を含み、前記第2金属極板は前記第1金属極板の前記基板から離れる一方側に位置し、前記第1金属極板は前記2次元電子ガスと絶縁され、
前記複合受動部品の厚さ方向に沿って、前記第1金属極板及び前記第2金属極板の前記基板における総投影は、前記2次元電子ガスの前記基板における投影と少なくとも部分的に重なることを特徴とする請求項
1に記載の複合受動部品。
【請求項5】
前記2次元電子ガスは前記第2金属極板と等電位に設定され、
前記複合受動部品の厚さ方向に沿って、前記第1金属極板の前記基板における投影は、前記2次元電子ガスの前記基板における投影と少なくとも部分的に重なることを特徴とする請求項4に記載の複合受動部品。
【請求項6】
前記複合受動部品は、
前記エピタキシャル構造を覆う第1層間誘電体層をさらに含み、
前記金属コンデンサ構造は前記第1層間誘電体層の前記基板から離れる一方側に設置され、前記金属コンデンサ構造は前記第1金属極板、前記第2金属極板及び第2層間誘電体層を含むことを特徴とする請求項
4に記載の複合受動部品。
【請求項7】
前記複合受動部品の厚さ方向に沿って、前記2次元電子ガスの前記基板における投影は、前記第1金属極板の前記基板における投影及び前記第2金属極板の前記基板における投影を覆うことを特徴とする請求項4に記載の複合受動部品。
【請求項8】
前記2次元電子ガスは前記第2金属極板と絶縁されることを特徴とする請求項
4に記載の複合受動部品。
【請求項9】
前記複合受動部品は複合インダクタを含み、前記受動部品本体は、
前記2次元電子ガスの第1端部とオーミック接触する第1接続金属層と、
前記エピタキシャル構造の前記基板から離れる一方側に設置され、第2平面螺旋状であるインダクタ金属線と、
第1端部が前記第1接続金属層に電気的に接続され、第2端部が前記インダクタ金属線の第1端部に電気的に接続される第1接続金属と、を含み、
前記インダクタ金属線の第1端部は前記第2平面螺旋状の中心点に対応する一端であり、前記2次元電子ガスの第1端部は第1平面螺旋状の中心点に対応する一端であり、
前記2次元電子ガスは前記第1平面螺旋状であることを特徴とする請求項
1に記載の複合受動部品。
【請求項10】
前記第1平面螺旋状と前記第2平面螺旋状との螺旋方向は反対であることを特徴とする請求項9に記載の複合受動部品。
【請求項11】
前記2次元電子ガスの幅は前記インダクタ金属線の幅より広いことを特徴とする請求項
9に記載の複合受動部品。
【請求項12】
前記複合受動部品は第1層間誘電体層、第1電極金属、第2電極金属、第2接続金属層及び第2接続金属をさらに含み、
前記第1層間誘電体層は前記エピタキシャル構造の前記基板から離れる一方側に設置され、前記インダクタ金属線は前記第1層間誘電体層の前記基板から離れる一方側に設置され、
前記第1電極金属、前記第2電極金属及び前記インダクタ金属線は同じ層に設置され、前記第1電極金属は前記インダクタ金属線の第2端部に電気的に接続され、
前記第2接続金属層及び前記第1接続金属層は同じ層に設置され、前記第2接続金属層は前記2次元電子ガスの第2端部とオーミック接触し、
前記第2接続金属は前記第1層間誘電体層を貫通し、前記第2接続金属の第1端部は前記第2接続金属層に電気的に接続され、前記第2接続金属の第2端部は前記第2電極金属に電気的に接続されることを特徴とする請求項9~11のいずれか一項に記載の複合受動部品。
【請求項13】
前記複合受動部品は第2層間誘電体層、第1オーミック金属化スルーホール及び第2オーミック金属化スルーホールをさらに含み、前記第2層間誘電体層は第1層間誘電体層と前記エピタキシャル構造との間に設置され、前記第1オーミック金属化スルーホールは前記第2層間誘電体層を貫通し、前記第2オーミック金属化スルーホールは前記第2層間誘電体層を貫通し、
前記第1接続金属層は第1オーミック金属化スルーホールを介して前記2次元電子ガスの第1端部とオーミック接触し、第2接続金属層は第2オーミック金属化スルーホールを介して前記2次元電子ガスの第2端部とオーミック接触することを特徴とする請求項9~
11のいずれか一項に記載の複合受動部品。
【請求項14】
前記複合受動部品は保護層をさらに含み、前記保護層は前記インダクタ金属線を覆うことを特徴とする請求項9~
11のいずれか一項に記載の複合受動部品。
【請求項15】
複合受動部品の製造方法であって、
基板を提供するステップと、
前記基板上にエピタキシャル構造層をエピタキシャル形成するステップと、
前記エピタキシャル構造層に対してイオン注入を行って分離部を形成することで、前記2次元電子ガスに対応する領域を画定するステップと、
受動部品本体を前記エピタキシャル構造層の前記基板から離れる一方側に設置し、前記2次元電子ガスとオーミック接触させるステップと、を含む複合受動部品の製造方法。
【国際調査報告】