(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-09
(54)【発明の名称】太陽光モジュールスペーサ
(51)【国際特許分類】
B65D 85/86 20060101AFI20241226BHJP
B65D 57/00 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
B65D85/86 500
B65D57/00 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539301
(86)(22)【出願日】2022-12-09
(85)【翻訳文提出日】2024-06-27
(86)【国際出願番号】 EP2022085150
(87)【国際公開番号】W WO2023126148
(87)【国際公開日】2023-07-06
(32)【優先日】2021-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523246639
【氏名又は名称】レック ソーラー プライベート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヘン,フック ハイ
【テーマコード(参考)】
3E066
3E096
【Fターム(参考)】
3E066AA42
3E066BA01
3E066CA01
3E066GA03
3E066HA05
3E066NA60
3E096AA06
3E096BA30
3E096BB05
3E096DA03
3E096EA02Y
3E096FA09
3E096GA11
(57)【要約】
2つの隣接するスタックされた太陽光モジュール(101a、101b)を離隔配置するためのスペーサ(100)であって、スペーサ(100)が、離隔配置された対向する第1の縁部及び第2の縁部(110、109)を有する本体(108)であって、本体(108)は、上側太陽光モジュール(101a)と接触するための上側接触面(111)と、下側太陽光モジュール(101b)と接触するための下側接触面(112)と、を含む、本体(108)と、上側太陽光モジュール(101a)のフレーム(102)を押すように配置された第1の上側突起(114)であって、第1の上側突起(114)は、本体(108)の第1の縁部(110)から、又は本体(108)の第1の縁部(110)に近接して、上向きに第1の上側突起(114)の自由端まで突出している、第1の上側突起(114)と、下側太陽光モジュール(101b)のフレーム(102)を押すように配置された第1の下側突起(118)であって、第1の下側突起(118)は、本体の第1の縁部(110)から、又は本体の第1の縁部(110)に近接して、下向きに第1の下側突起(118)の自由端まで突出しており、第1の下側突起(118)は、第1の縁部(110)に沿った方向に第1の上側突起(114)からオフセットしている、第1の下側突起(118)と、を備える、スペーサ(100)。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの隣接するスタックされた太陽光モジュールを離隔配置するためのスペーサであって、
離隔配置された対向する第1の縁部及び第2の縁部を有する本体であって、前記本体は、上側太陽光モジュールと接触するための上側接触面と、下側太陽光モジュールと接触するための下側接触面と、を含む、本体と、
前記上側太陽光モジュールのフレームを押すように配置された第1の上側突起であって、前記第1の上側突起は、前記本体の前記第1の縁部から、又は前記本体の前記第1の縁部に近接して、上向きに前記第1の上側突起の自由端まで突出している、第1の上側突起と、
前記下側太陽光モジュールのフレームを押すように配置された第1の下側突起であって、前記第1の下側突起は、前記本体の前記第1の縁部から、又は前記本体の前記第1の縁部に近接して、下向きに前記第1の下側突起の自由端まで突出しており、前記第1の下側突起は、前記第1の縁部に沿った方向に前記第1の上側突起からオフセットしている、第1の下側突起と、
を備える、スペーサ。
【請求項2】
前記本体から自由端まで下向きに突出した第2の下側突起を備え、前記第2の下側突起は、前記下側太陽光モジュールのフレームを受容するための空間が前記第1の下側突起と前記第2の下側突起との間に画定されるように、前記第1の下側突起から前記本体の前記第2の縁部に向かって離隔配置されている、請求項1に記載のスペーサ。
【請求項3】
前記第1の下側突起及び前記第2の下側突起の各々が、内向きの対向面を含み、前記内向きの対向面のうちの少なくとも1つが、前記下側太陽光モジュールの前記フレームを前記第1の下側突起と前記第2の下側突起との間に画定される前記空間へとガイドするように構成されたガイド面の形態である、請求項2に記載のスペーサ。
【請求項4】
前記ガイド面が、下向き方向及び外向き方向に傾斜している、請求項3に記載のスペーサ。
【請求項5】
前記下側接触面からの前記第1の下側突起の高さが、前記下側接触面からの前記第2の下側突起の高さと実質的に同じである、請求項2~4のいずれか一項に記載のスペーサ。
【請求項6】
同様のスペーサの前記第1の上側突起又は前記第1の下側突起を、前記スペーサが前記同様のスペーサとスタックされるときに収容するように配置された凹部を備える、請求項1から5のいずれか一項に記載のスペーサ。
【請求項7】
前記凹部が前記同様のスペーサの前記第1の上側突起を収容するように配置されるときに、前記凹部が、前記スペーサの前記第1の上側突起の下方に垂直に位置整合し、
前記凹部が前記同様のスペーサの前記第1の下側突起を収容するように配置されるときに、前記凹部が、前記スペーサの前記第1の下側突起の上方に垂直に位置整合する、請求項6に記載のスペーサ。
【請求項8】
前記凹部が、使用中に前記同様のスペーサの前記突起を受容する方向に内向きにテーパ状である、請求項6又は7に記載のスペーサ。
【請求項9】
前記凹部が、前記第1の上側突起又は前記第1の下側突起によって部分的に画定される、請求項6~8のいずれか一項に記載のスペーサ。
【請求項10】
前記第1の上側突起及び/又は前記第1の下側突起が、前記第1の上側突起及び/又は前記第1の下側突起の近位端から前記自由端まで内向きにテーパ状である、請求項1から9のいずれか一項に記載のスペーサ。
【請求項11】
前記スペーサが、2つの第1の上側突起を備え、かつ前記凹部が、前記2つの第1の上側突起の間に画定されるか、又は
前記スペーサが、2つの第1の下側突起を備え、かつ前記凹部が、前記2つの第1の下側突起の間に画定される、請求項10に記載のスペーサ。
【請求項12】
前記第1の縁部に沿って離隔配置された複数の第1の上側突起と、前記第1の縁部に沿って離隔配置された複数の第1の下側突起と、を備え、前記第1の上側突起及び前記第1の下側突起は、前記第1の縁部に沿って交互するパターンに配置されている、請求項1から11のいずれか一項に記載のスペーサ。
【請求項13】
前記第1の上側突起から前記第2の縁部寄りに離隔配置された第2の上側突起を備え、前記上側太陽光モジュールのフレームを受容するための空間が、前記第1の上側突起と前記第2の上側突起との間に画定されるようになっている、請求項1から12のいずれか一項に記載のスペーサ。
【請求項14】
前記第1の上側突起と前記第2の上側突起との間の間隔が、前記第1の下側突起と前記第2の下側突起との間の間隔よりも小さい、請求項2に従属する場合の、請求項13に記載のスペーサ。
【請求項15】
前記第2の上側突起の高さが、前記第1の上側突起又は各第1の上側突起の高さよりも小さい、請求項13又は14に記載のスペーサ。
【請求項16】
前記第1の縁部に実質的に平行な経路に沿って離隔配置された複数の第2の上側突起を備える、請求項13~15のいずれか一項に記載のスペーサ。
【請求項17】
前記第1の下側突起及び前記第2の下側突起のうちの少なくとも1つが、上部が開口された空洞を含む、請求項2に従属する場合の、請求項1から16のいずれか一項に記載のスペーサ。
【請求項18】
前記スペーサの上方から前記スペーサの下方に通過する流体フローのための開口部を備える、請求項1から17のいずれか一項に記載のスペーサ。
【請求項19】
前記開口部が、前記上部が開口された空洞から流体フローを提供するように配置されている、請求項17に従属する場合の、請求項18に記載のスペーサ。
【請求項20】
一体的に形成されている、請求項1から19のいずれか一項に記載のスペーサ。
【請求項21】
前記上側太陽光モジュールのフレームの直線状部分と、前記下側太陽光モジュールのフレームの直線状部分と、の間で受容するように構成されている、請求項1から20のいずれか一項に記載のスペーサ。
【請求項22】
前記上側太陽光モジュールのフレームの角部部分と、前記下側太陽光モジュールのフレームの角部部分と、の間で受容するように構成されている、請求項1~20のいずれか一項に記載のスペーサ。
【請求項23】
2つの隣接するスタックされた太陽光モジュールを離隔配置するためのスペーサであって、
離隔配置された対向する第1の縁部及び第2の縁部を有する本体であって、前記本体は、上側太陽光モジュールと接触するための上側接触面と、下側太陽光モジュールと接触するための下側接触面と、を含む、本体と、
第1の下側突起であって、前記本体の前記第1の縁部から、又は前記本体の前記第1の縁部に近接して、下向きに前記第1の下側突起の自由端まで突出している、第1の下側突起と、
第2の下側突起であって、前記本体から前記第2の下側突起の自由端まで下向きに突出しており、前記第2の下側突起は、前記第1の下側突起から前記本体の前記第2の縁部寄りの方向に離隔配置されており、前記下側太陽光モジュールのフレームを受容するための空間が、前記第1の下側突起と前記第2の下側突起との間に画定されるようになっている、第2の下側突起と、
を備え、
前記第1の下側突起及び前記第2の下側突起の各々が、内向きの対向面を含み、前記内向きの対向面のうちの少なくとも1つが、前記下側太陽光モジュールの前記フレームを前記第1の下側突起と前記第2の下側突起との間に画定される前記空間へとガイドするように構成されたガイド面の形態である、スペーサ。
【請求項24】
前記上側太陽光モジュールのフレームを押すように配置された第1の上側突起を備え、前記上側突起は、前記本体の前記第1の縁部から、又は前記本体の前記第1の縁部に近接して、上向きに前記上側突起の自由端まで突出している、請求項23に記載のスペーサ。
【請求項25】
太陽光モジュールアセンブリであって、前記太陽光モジュールアセンブリが、
請求項1から24のいずれか一項に記載のスペーサと、
太陽電池のアセンブリの周囲の周りに延在するフレームを含む下側太陽光モジュールであって、前記下側太陽光モジュールの前記フレームの一部分が、前記スペーサの前記下側接触面を押している、下側太陽光モジュールと、
太陽電池のアセンブリの周囲の周りに延在するフレームを含む上側太陽光モジュールであって、前記上側太陽光モジュールの前記フレームの一部分が、前記スペーサの前記上側接触面を押している、上側太陽光モジュールと、
を備える、太陽光モジュールアセンブリ。
【請求項26】
太陽光モジュールをスタックする自動化された方法であって、前記方法が、
下側太陽光モジュールのフレームが前記スペーサの前記下側接触面を押すように、自動化されたハンドリングデバイスによって、請求項1~24のいずれか一項に記載のスペーサを前記下側太陽光モジュール上に降下させるステップ、
上側太陽光モジュールのフレームが前記スペーサの前記上側接触面を押すように、前記スペーサ上に前記上側太陽光モジュールを位置付けるステップ、
を含む、自動化された方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、隣接するスタックされた太陽光モジュールを離隔配置するためのスペーサに関する。そのようなスペーサは、太陽光モジュールの輸送において、特定であるが排他的ではない用途を見出すことができる。
【背景技術】
【0002】
太陽光から電気エネルギーを提供するための太陽光モジュールは、典型的には、バッキング層と前部保護ガラス層との間に配置された太陽電池のアレイを備える。典型的には、バッキング層及びガラス層の長方形の周囲の周りに延在するフレームが提供される。一般的に押し出しセクションで形成されている長方形フレームは、太陽電池を保護し、太陽光モジュールを建物の屋根などの構造物に取り付けることを容易にする。
【0003】
太陽光モジュールは、典型的には、スタックに配置されたいくつかの太陽光モジュールを収容したコンテナ(ボックスなど)で、(例えば、現地に、又は様々な流通施設間で)輸送される。太陽光モジュールは、垂直方向に(すなわち、各太陽光モジュールは、概して水平面上に延在する)互いにスタックされ得るか、又は水平方向に(すなわち、各太陽光モジュールは、概して垂直面上に延在する)スタックされることがある。いずれの場合も、輸送中に太陽光モジュールが、損傷をもたらすことになり得る接触に至るのを防止するために、隣接するモジュールの各対の間にスペーサを設けることが知られている。
【0004】
したがって、太陽光モジュールをパッケージングすることは、オペレータが、スペーサに対して、又はスペーサの上に、別の太陽光モジュールを配置する前に、各太陽光モジュールの周囲の周りにいくつかのスペーサを配置することを伴う。このことは、時間がかかり、オペレータ疲労をもたらす可能性があり、したがって、オペレータは、太陽光モジュールをパッケージングするときに、スペーサを位置ずれさせ、かつ/又は誤ってスペーサを省略しがちである。これにより、ひいては、太陽光モジュールの不十分なパッケージングをもたらし、輸送中に損傷する可能性が高くなる。
【0005】
太陽光モジュールパッケージングに関して上記で考察した問題のうちの少なくとも1つを改善する必要がある。
【発明の概要】
【0006】
第1の態様によれば、2つの隣接するスタックされた太陽光モジュールを離隔配置するためのスペーサが提供され、スペーサは以下を備える:
離隔配置された対向する第1の縁部及び第2の縁部を有する本体であって、本体は、上側太陽光モジュールと接触するための上側接触面と、下側太陽光モジュールと接触するための下側接触面と、を含む、本体と、
上側太陽光モジュールのフレームを押すように配置された上側突起(例えば、第1の上側突起)であって、上側突起は、本体の第1の縁部から、又は本体の第1の縁部に近接して、上向きに自由端まで突出している、上側突起と、
下側太陽光モジュールのフレームを押すように配置された下側突起(例えば、第1の下側突起)であって、下側突起は、本体の第1の端部から、又は本体の第1の端部に近接して、下向きに自由端まで突出しており、下側突起は、上側突起から第1の端部に沿った方向にオフセットしている、下側突起。
【0007】
下側突起及び上側突起のオフセット構成は、スペーサが同様のスペーサの上にスタックされるとき、例えばスペーサが太陽光モジュールと組み合わされる前に、同様のスペーサの第1の下側突起と、同様のスペーサの上側突起と、の間の干渉を回避する。したがって、この構成は、例えばスペーサが太陽光モジュールと組み合わされる前に、スペーサを複数の同様のスペーサとスタックすることを容易にする。スペーサを同様のスペーサとスタックする能力は、スタックされたスペーサのより効率的な格納を提供する。また、自動化された太陽光モジュールスタッキングプロセスにおけるスペーサの使用を容易にする。例えば、スペーサをスタックできることにより、太陽光モジュール上のスペーサの自動化された配置のために、スペーサをハンドリングデバイス(例えば、X-Yハンドラ)に供給するために、スペーサをフィーダデバイス(例えば、振動ボウルフィーダ)にロードすることを可能にすることができる。自動化(機械駆動)様態での配置を容易にすることによって、スペーサは、位置不整合した、又は省略されたスペーサの割合が低減されたパッケージングプロセスを可能にする。
【0008】
更に、(例えば、突起が自由端まで延在するという)突起の構成は、例えば、スペーサを太陽光モジュールのフレーム上に横方向に押動する必要があるのではなく、スペーサを太陽光モジュール上に降下させることによってスペーサを配置することができるようなものである。重ねて、このことは、スペーサの位置決めの自動化を容易にする。
【0009】
不確かさを避けるために、(使用中に)上側突起の全体がフレームを押す必要はない。理解され得るように、上側突起が傾斜した内向きの対向面を含む実施形態(以下で更に考察される)では、一部分のみ(及び、いくつかの場合には、非常に小さな部分のみ)がフレームを押してもよい。一般に、上側突起の役割は、フレームの少なくとも一方向への移動を制限することである。
【0010】
更に、また以下で考察されるように、第1の縁部及び第2の縁部は、直線状であることに限定されないことを理解されたい(例えば、各縁部は、2つの接合された垂直部分を有するように角部の周りに延在してもよい)。
【0011】
次に任意選択の機能について述べる。これらは、単独で、又は任意の態様との任意の組み合わせで適用可能である。
【0012】
下側突起は、第1の下側突起であってもよく、スペーサは、本体から下向きに自由端まで突出する第2の下側突起を備えてもよい。第2の下側突起は、下側太陽光モジュールのフレームを受容するための空間が第1の下側突起と第2の下側突起との間に画定されるように、第1の下側突起から本体の第2の縁部へ向かう方向に離隔配置されてもよい。
【0013】
理解されるに違いないが、離隔配置された下側突起及び上側突起の提供は、(いくつかのスペーサを使用して)上側太陽光モジュールを下側太陽光モジュールに対して咬み合わせることができることを意味する。スペーサによる上側太陽光モジュール及び下側太陽光モジュールのこの咬み合わせは、太陽光モジュールに平行である平面内の太陽光モジュールの間の相対的な移動を制限する。このことは、例えば、輸送中、太陽光モジュールが互いに位置整合して、太陽光モジュールの垂直に延在するスタックを形成したままであることを確実にする。そのような咬み合わせがなければ、突然の移動(太陽光モジュールを輸送している車両による緊急ブレーキなど)は、太陽光モジュールの不均一なスタックをもたらす可能性がある(これにより、アンロード/ローディングが困難になる)。
【0014】
第1の下側突起及び第2の下側突起の各々は、(それらの間の空間に受容されたときに太陽光モジュールフレームを押すための)内向きの対向面を含んでもよい。内向きの対向面(例えば、各内向きの対向面)のうちの少なくとも1つは、太陽光モジュールフレームを第1の下側突起と第2の下側突起との間に画定される空間へとガイドするように構成されたガイド面の形態であってもよい。ガイド面は、本体から下向きかつ外向き方向に(すなわち、垂直軸に対して傾斜するように)傾斜してもよい。ガイド面は、下側接触面に対して斜めに配置されてもよい。
【0015】
第1の下側突起と第2の下側突起との間に画定される空間は、チャネル(下部開口部を有する)の形態であってもよい。したがって、ガイド面は、下側太陽光モジュールのフレームをチャネルへとガイドするように構成されてもよい。下側接触面は、チャネルの底部(すなわち、チャネルの上側)を画定してもよい。チャネルは、チャネルの基部よりもチャネルの開口部で(第1の縁部と第2の縁部との間に延在する方向に)幅広であってもよい。したがって、チャネルは、上向き方向に内向きにテーパ状であってもよい。
【0016】
(少なくともスペーサの特徴を参照して)本明細書で使用される場合、「内向きに」という用語は、スペーサの中心に向かう(すなわち、本体の第1の縁部と第2の縁部との間に中央で延在する中心線に向かう)方向を意味することが意図されている。したがって、「外向きに」という用語は、スペーサの中心から離れる方向を記述するために使用される。
【0017】
ガイド面を提供することは、第1の下側突起と第2の下側突起との間に太陽光モジュールのフレームの一部分を受容することを容易にすることができる。上記で述べたように、傾斜面は、フレームを下側突起の間に画定されるチャネルへとガイドしてもよい。このことは、フレーム上にスペーサを位置付けるときに、フレーム上のスペーサの最終的な位置付けの精度を維持したまま、スペーサとフレームとの間のいくつかの初期の位置不整合に対応することができる。このことは、ひいては、スペーサの初期位置付けにおける許容誤差の増加を可能にし、したがって、そのような位置付けを(例えば、自動化されたハンドリングデバイスによって)自動化された様態で実行することを可能にすることができる。
【0018】
スペーサは、複数の同様のスペーサとスタックされるとき、スペーサが、スペーサの編成された垂直スタックを形成するように構成されてもよい(すなわち、スタックは、スペーサの全てが同じ配向を有し、かつ互いに直接スタックされて、直線状の垂直経路に沿って延在する)。
【0019】
スペーサは、スペーサが同様のスペーサとスタックされる(すなわち、同様のスペーサの上に又は下に)ときに、同様のスペーサの上側突起又は第1の下側突起を収容するように配置された凹部を含んでもよい。
【0020】
したがって、凹部は、上側突起又は第1の下側突起と垂直に位置整合してもよい(すなわち、直下/直上に)。すなわち、凹部が同様のスペーサの上側突起を収容するように配置されるときに、凹部は、スペーサの上側突起の下方に垂直に位置整合し、凹部が同様のスペーサの第1の下側突起を収容するように配置されるときに、凹部は、スペーサの第1の下側突起の上方に垂直に位置整合する。
【0021】
凹部は、上側突起又は第1の下側突起(すなわち、凹部が収容するように構成されている突起)の形状を補完する形状を有してもよい。凹部は、使用中に同様のスペーサの突起を受容する方向に内側にテーパ状であってもよい。したがって、凹部は、凹部の反対側の遠位(閉鎖)端よりも凹部の開放端で(第1の縁部に沿った方向に)幅広であってもよい。凹部は、台形断面形状(第1の縁部に沿った方向にとった)を有してもよい。
【0022】
上側突起及び/又は第1の下側突起は、近位端(そこで上側突起及び/又は第1の下側突起が本体に接続されている)から、上側突起及び/又は第1の下側突起の自由(遠位)端まで内向きにテーパ状であってもよい。上側突起及び/又は第1の下側突起の近位端は、遠位端よりも(第1の縁に沿った方向に)幅広であってもよい。上側突起及び/又は第1の下側突起は、台形断面形状(第1の縁部に沿った方向にとった)を有してもよい。
【0023】
凹部と対応する上側突起又は第1の下側突起とのテーパ状の性質は、スペーサが同様のスペーサとスタックされるときに、同様のスペーサの突起の凹部への挿入を容易にすることができる。すなわち、テーパリングは、スペーサが同様のスペーサ上にスタックされる際に、スペーサが同様のスペーサと自己位置合わせすることを可能にすることができる。
【0024】
凹部は、上側突起又は第1の下側突起(すなわち、凹部が収容するように構成されていない突起)によって少なくとも部分的に画定されてもよい(例えば、凹部の側部が、上側突起又は第1の下側突起によって画定されてもよい)。
【0025】
スペーサは、2つの上側突起を含んでもよく、凹部は、2つの上側突起の間に画定されてもよい。スペーサは、2つの第1の下側突起を含んでもよく、凹部は、2つの第1の下側突起の間に画定されてもよい。
【0026】
スペーサは、本体の第1の縁部に沿った方向に離隔配置された複数の第1の下側突起(各々は、上述したものであってもよい)を備えてもよい。凹部(例えば、各々は、上述したものである)は、第1の下側突起の隣接する対の間に画定されてもよい。
【0027】
スペーサは、第1の縁部に沿って離隔配置された複数の上側突起(各々は、上述したもの)を備えてもよい。凹部(例えば、各々は、上述したものである)は、上側突起の隣接する対の間に画定されてもよい。
【0028】
換言すると、スペーサは、1つ以上の上側突起及び1つ以上の第1の下側突起を備えてもよく、1つ以上の第1の下側突起の各々は、1つ以上の上側突起の各々から第1の縁部に沿った方向にオフセットしてもよい。
【0029】
隣接する上側突起の各対は、第1の下側突起の対の間に画定される対応する凹部と垂直に位置整合してもよい(すなわち、直上)。隣接する第1の下側突起の各対は、上側突起の対の間に画定された対応する凹部と位置整合してもよい(すなわち、直下)。このようにして、各上側突起は、第1の縁部に沿って各第1の下側突起からオフセットしてもよい。
【0030】
したがって、スペーサの本体の第1の縁部は、第1の縁部に沿って交互するパターンに配置されている(例えば、波形形状を形成する)複数の上側突起及び複数の第1の下側突起を含んでもよい。このようにして、同様のスペーサの上にスペーサをスタックすると、第1の下側突起は、同様のスペーサの上側突起と組み合ってもよい。このことは、スタックされたときに2つのスペーサの間の特に堅固な接続を提供することができる。
【0031】
(例えば、下側接触面からの)第1の下側突起又は各下側突起の高さは、第2の下側突起の高さと実質的に同じであってもよい。
【0032】
第2の下側突起は、本体の第2の縁部に沿った(すなわち、それに平行な)方向に長尺であってもよい。第2の下側突起は、第2の縁部の方向に本体の大部分(例えば、全体)に沿って延在してもよい。この点で、第2の下側突起は、本体のリブ、リップ、又はフランジの形態であってもよい。第2の下側突起は、第2の縁部から、又は第2の縁部に近接して、(例えば、下向きに)突出してもよい。
【0033】
第2の下側突起は、中空であってもよい。したがって、第2の下側突起は、上端で開口され得る空洞(すなわち、上部が開口された空洞)を含んでもよい。第2の下側突起の壁は、空洞を取り囲んで(したがって画定して)もよい。空洞は、第2の下側突起の長軸に沿って延在してもよい。第2の下側突起は、空洞を分離された空洞部分に分割する、長軸に対して横断方向に(かつ/又は第1の縁部と第2の縁部との間の方向に)延在する分割壁を含んでもよい。空洞及び/又は分割壁を取り囲む壁は、ハンドリングデバイスによってスペーサを把持するための手段を提供してもよい。
【0034】
第1の下側突起又は各下側突起は、中空であってもよい。第1の下側突起又は各下側突起は、上端で開口され得る空洞(すなわち、上部が開口された空洞)を含んでもよい。第1の下側突起又は各下側突起の壁は、空洞を取り囲んで(したがって、空洞を画定して)もよい。重ねて、空洞を取り囲む壁は、ハンドリングデバイスによってスペーサを把持するための手段を提供してもよい。
【0035】
スペーサは、スペーサの上方からスペーサの下方に通過する流体フローのための開口部を備えてもよい。開口部は、各第1の下側突起及び/又は第2の下側突起を通って延在するように形成されてもよい。したがって、例えば、第1の下側突起若しくは第2の下側突起、又は各第1の下側突起若しくは各第2の下側突起が空洞を含む場合、開口部は、空洞から流体フローを提供するように配置されてもよい。したがって、開口部は、空洞の下端に(突起の自由端に)形成されてもよい。第2の下側突起が分割壁を含む場合、開口部は、各空洞部分の下端に提供されてもよい。第1の下側突起及び第2の下側突起の各々は、第1の下側突起及び第2の下側突起に(例えば、第1の下側突起及び第2の下側突起の自由端に)形成された開口部を含んでもよい。開口部又は各開口部は、0.5~3mm、例えば0.7~1.5mm、例えば約1.2mmの直径を有してもよい。
【0036】
開口部又は各開口部は、水がスペーサを通って流れることを可能にしてもよい(例えば、水がスペーサ上又はスペーサの一部分に集まることを防止するため)。代替的又は追加的に、開口部は、互いの上にスタックされたときに、スペーサと同様のスペーサとの間に真空が形成されることを防止するのに役立ってもよい。このことは、(ハンドリングデバイスがスペーサのスタックから単一のスペーサをより容易に取り外すことを可能にするので)ハンドリングデバイスを用いるスペーサの使用を容易にすることができる。
【0037】
上側突起又は各上側突起は、第1の上側突起であってもよく、スペーサは、第2の上側突起を更に備えてもよい。第2の上側突起は、第2の縁部寄りの方向に、第1の上側突起(又は複数の第1の上側突起が提供されている場合には、少なくとも1つの第1の上側突起)から離隔配置されてもよい。このようにして、第1の上側突起及び第2の上側突起は、上側太陽光モジュールのフレームを受容するための、第1の上側突起及び第2の上側突起の間の間隔を規定してもよい。
【0038】
第1の上側突起及び第2の上側突起の各々は、内向きの対向面(すなわち、上側突起の他方に面する)を含んでもよい。内向きの対向面のうちの少なくとも一方(例えば、両方)は、上部モジュールのフレームを第1の上側突起と第2の上側突起との間の空間にガイドするように構成されたガイド面の形態であってもよい。ガイド面は、上向きかつ外向き方向に傾斜してもよい。ガイド面は、上側接触面に対して斜めに配置されてもよい。
【0039】
第2の上側突起は、第2の縁部から内側に離隔配置されてもよい。第1の上側突起と第2の上側突起との間の間隔は、第1の下側突起と第2の下側突起との間の間隔よりも小さくてもよい。
【0040】
第2の上側突起は、箱型形状であってもよい(実質的に直方体であってもよい)。第2の上側突起の高さ(例えば、上側接触面からの)は、第1の上側突起の高さよりも小さくてもよい。第2の上側突起は、使用中に、上側太陽光モジュールの外側ガラス層が第2の上側突起上に支持されるように構成されてもよい。
【0041】
スペーサは、複数の第2の上側突起(各々は、上述したものであってもよい)を備えてもよい。第2の上側突起は、第1の縁部及び第2の縁部の一方又は両方に実質的に平行である経路に沿って離隔配置されてもよい。複数の第2の上側突起の提供は、上側太陽光モジュール(例えば、上側太陽光モジュールのガラス層)に加えられた力を分散させることができる。
【0042】
本体は、実質的に平面状であってもよい。本体は、水平に延在してもよい。上側接触面及び/又は下側接触面は、平面状であってもよい。上側触面及び/又は下側接触面は、水平に延在してもよい。
【0043】
スペーサは、一体的に形成されてもよい(すなわち、単一部品であってもよい)。スペーサは、射出成形によって形成されてもよい。スペーサは、プラスチック材料を含んでもよい。スペーサは、高密度ポリエチレン(HDPE)樹脂を含んでもよい。
【0044】
スペーサは、上側太陽電池モジュールのフレームの直線状部分と、下側太陽電池モジュールのフレームの直線状部分と、の間で受容するように構成されてもよい。すなわち、スペーサは、2つのそれぞれの太陽電池モジュールフレームの2つの縁部部分(角部部分とは対照的に)を離隔配置するように構成されてもよい。そのような実施形態では、第1の縁部及び第2の縁部の各々は、直線状(かつ平行)であってもよい。同様に、第1の下側突起及び第2の下側突起によって画定されるチャネルは、直線状経路に沿って延在してもよく、第1の上側突起及び第2の上側突起によって画定される空間は、直線状経路に沿って延在してもよい。
【0045】
他の実施形態では、スペーサは、上側太陽電池モジュールのフレームの角部部分と、下側太陽電池モジュールのフレームの角部部分と、の間で受容するように構成されてもよい。この点で、スペーサは、「角部スペーサ」と称され得る。そのような実施形態では、第1の縁部及び第2の縁部は、角部の形状に追従する経路に沿って延在してもよい。したがって、第1の縁部及び第2の縁部の各々は、互いに実質的に垂直である第1の接合部分及び第2の接合部分を含んでもよい。
【0046】
換言すると(及び不確かさを避けるために)、第1の縁部又は第2の縁部への上記の言及は、非直線状である(例えば、角部の周りに延在し、かつ2つの接合された垂直な縁部部分を含み得る)縁部を包含することが意図されている。
【0047】
したがって、そのような実施形態では、チャネル(第1の下側突起と第2の下側突起との間に画定される)は、角部経路に追従してもよい(すなわち、互いに実質的に垂直である第1の接合部分及び第2の接合部分を有する)。同様に、第1の上側突起及び第2の上側突起は、角部経路に追従する空間を画定してもよい。
【0048】
第1の縁部は、スペーサの使用中の周囲縁部であって(すなわち、使用中に太陽光モジュールの周囲に配設されて)もよい。したがって、第1の上側突起及び下側突起は、それぞれの太陽光モジュールのフレームの外面を押すように構成されてもよい。
【0049】
第2の縁部は、スペーサの使用中の内部縁部であって(すなわち、使用中に太陽光モジュールのフレームの内部側部に配設されて)もよい。したがって、第2の上側突起及び下側突起は、それぞれの太陽光モジュールのフレームの内面を押すように構成されてもよい。
【0050】
第2の態様では、2つの隣接するスタックされた太陽光モジュールを離隔配置するためのスペーサが提供され、スペーサは、
離隔配置された対向する第1の縁部及び第2の縁部を有する本体であって、本体は、上側太陽光モジュールと接触するための上側接触面と、下側太陽光モジュールと接触するための下側接触面と、を含む、本体と、
(例えば、下側太陽光モジュールのフレームを押すように配置された)第1の下側突起であって、第1の下側突起は、本体の第1の縁部から、又は本体の第1の縁部に近接して、下向きに第1の下側突起の自由端まで突出している、第1の下側突起と、
(例えば、下側太陽光モジュールのフレームを押すように配置された)第2の下側突起であって、本体から第2の下側突起の自由端まで下向きに突出しており、第2の下側突起は、第1の下側突起から本体の第2の縁部寄りの方向に離隔配置されており、下側太陽光モジュールのフレームを受容するための空間が、第1の下側突起と第2の下側突起との間に画定されるようになっている、第2の下側突起と、
を備え、
第1の下側突起及び第2の下側突起の各々が、内向きの対向面を含み、内向きの対向面のうちの少なくとも1つが、下側太陽光モジュールのフレームを第1の下側突起と第2の下側突起との間に画定される空間へとガイドするように構成されたガイド面の形態である。
【0051】
スペーサは、上側太陽光モジュールのフレームを押すように配置された上側突起(例えば、第1の上側突起)を備えてもよい。上側突起は、本体の第1の縁部から、又は本体の第1の縁部に近接して、上向きに上側突起の自由端まで突出してもよい。
【0052】
第2の態様のスペーサは、第1の態様に関して上述した別様のものであってもよい。例えば、第1の下側突起は、上側突起から第1の縁部に沿った方向にオフセットしてもよい。スペーサは、代替的又は追加的に、第2の態様に関して上述した任意選択の特徴のいずれかを備えてもよい。
【0053】
第3の態様では、太陽光モジュールアセンブリが提供され、太陽光モジュールアセンブリは以下を備える:
第1の態様又は第2の態様に関して上述したスペーサと、
太陽電池のアセンブリの周囲の周りに延在するフレームを含む下側太陽光モジュールであって、下側太陽光モジュールのフレームの一部分が、スペーサの下側接触面(及び、例えば、第1の下側突起及び/又は第2の下側突起)を押している、下側太陽光モジュールと、
太陽電池のアセンブリの周囲の周りに延在するフレームを含む上側太陽光モジュールであって、上側太陽光モジュールのフレームの一部分が、スペーサの上側接触面(及び、例えば、第1の上側突起及び/又は第2の上側突起)を押している、上側太陽光モジュール。
【0054】
上側太陽光モジュール及び下側太陽光モジュールは、第1の態様及び第2の態様に関して上述したものであってもよい。
【0055】
第4の態様では、太陽光モジュールをスタックする自動化された方法が提供され、方法は以下を含む:
下側太陽光モジュールのフレームがスペーサの下側接触面(及び、例えば、第1の下側突起及び/又は第2の下側突起)を押すように、自動化されたハンドリングデバイスによって、第1の態様及び第2の態様に記載のスペーサを下側太陽光モジュール上に降下させるステップ;
上側太陽光モジュールのフレームがスペーサの上側接触面(及び、例えば、第1の上側突起及び/又は第2の上側突起)を押すように、スペーサ上に上側太陽光モジュールを位置付けるステップ。
【0056】
方法は、スペーサを降下させる前に、スペーサを下側太陽光モジュールのフレームの上方に位置整合させる(例えば、自動化されたハンドリングデバイスを使用して)ことを含んでもよい。
【0057】
方法は、スペーサを自動化されたハンドリングデバイスに(例えば、自動化されたフィーダによって)供給することを更に含んでもよい。
【0058】
当業者は、相互に排他的な場合を除き、上記の態様のいずれか1つに関連して記載された特徴又はパラメータが任意の他の態様に適用され得ることを理解するであろう。更に、相互に排他的である場合を除き、本明細書に記載される任意の特徴又はパラメータは、任意の態様に適用され得、かつ/又は本明細書に記載される任意の他の特徴又はパラメータと組み合わされ得る。
【図面の簡単な説明】
【0059】
次に、図面を参照しながら、実施形態を例としてのみ説明する。
【0060】
【
図1A】2つの隣接する太陽光モジュールを離隔配置する第1の実施形態のスペーサを例示する概略断面図である。
【
図1B】第1の実施形態のスペーサの上面斜視図である。
【
図1C】第1の実施形態のスペーサの底面斜視図である。
【
図2A】第2の実施形態によるスペーサの上面斜視図である。
【
図2B】第2の実施形態のスペーサの底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0061】
次に、本開示の態様及び実施形態を、添付図面を参照して考察する。更なる態様及び実施形態は、当業者には明らかであろう。
【0062】
図1A、
図1B、及び
図1Cは、2つの隣接するスタックされた太陽光モジュール101a、101b(
図1Aに示される)を離隔配置するためのスペーサ100を例示している。各太陽光モジュール101a、101bは、太陽電池アセンブリ103の周囲の周りに延在する(及び太陽電池アセンブリ103の縁部を保持する)フレーム102を含む。示されていないが、太陽電池アセンブリ103は、背部層と前部ガラス層との間に配置された太陽電池のアレイを備える。両方の太陽光モジュール101a、101bは、それぞれのガラス層を下向きに向かせて例示されている。
【0063】
各フレーム102は、側壁104と、側壁104から内側に延在する3つのフランジ105、106、107と、で形成されている。具体的には、各フレーム102は、側壁104の上端にある上側フランジ105と、側壁104の下端にある下側フランジ106と、上側フランジ105と下側フランジ106との間の中間フランジ107と、を含む。太陽電池アセンブリ103の縁部は、下側フランジ106と中間フランジ107との間に受容(及び保持)されている。
【0064】
スペーサ100は、離隔配置された対向する第1の直線状縁部110及び第2の直線状縁部109を有する平面状水平本体108を備える。本体108は、2つの太陽光モジュール101a、101bのうちの上側太陽光モジュール101aと接触するための平面状上側接触面111と、2つの太陽光モジュール101a、101bのうちの下側太陽光モジュール101bと接触するための平面状下側接触面112と、を含む。
【0065】
スペーサ100は、本体108の第1の縁部110から自由端まで上向きに突出する第1の上側突起114と、本体108から同じく上向きに突出する6つの直方体形状の第2の上側突起115と、を更に含む。第2の上側突起115は、第1の上側突起114から第2の縁部109へ向かう方向に離隔配置されており、平行でありかつ本体108の第1の縁部110と第2の縁部109との間に位置する直線状経路に沿って離隔配置されるように配置されている。このようにして、上側太陽光モジュール101aの一部分を受容するための空間が、第1の上側突起114と第2の上側突起115との間に画定される。
【0066】
特に、
図1Aに示されるように、上側太陽光モジュール101のフレーム102の下側フランジ106は、(側壁104が第1の上側突起114の下端を押すように)上側突起114、115の間の空間に受容及び保持されている。
図1Aからも明らかであるように、各第2の上側突起115の高さは、下側フランジ106の厚さと同じである。この結果、上側太陽光モジュール101aの太陽電池アセンブリ103(特に、保護ガラス層)は、第2の上側突起115の遠位端面上に置かれている。
【0067】
上側突起114、115の間の下側フランジ106の受容を容易にするために、第1の上側突起114は、ガイド面116の形態の内向きの対向面を含む。ガイド面116は、本体108の上側接触面111から上方かつ外側に傾斜している。スペーサ100を使用するとき、このことは、上側太陽光モジュール101aの下側フランジ106を、ガイド面116によって(すなわち、太陽光モジュール101aをスペーサ100上に降下させるときに)上側突起114、115の間の空間へとガイドすることができることを意味する。したがって、スペーサ100は、上側太陽光モジュール101aとスペーサ100との係合中に、上側太陽光モジュール101aとのある程度の位置不整合に対応する。
【0068】
スペーサ100は、2つの第1の下側突起118及び長尺の第2の下側突起117を更に備える。第2の下側突起117は、本体108の第2の縁部109から自由端まで下向きに突出しており、第2の縁部109の長さにわたって第2の縁部109に沿って延在する。
【0069】
2つの第1の下側突起118は両方とも、第1の上側突起114から第1の縁部110に沿ってオフセットしている。第1の下側突起118の両方は、本体108の第1の縁部110からそれぞれの自由端まで下方に突出しており、第1の縁部110に沿って互いに離隔配置されている(上側突起114は、第1の下側突起118の間のこの空間の直上に配置されている)。第1の下側突起118の各々は、中空であり、上部が開口された空洞124を取り囲む壁で形成されている。第2の下側突起117も中空であり、2つの横断方向の分割壁によって3つの空洞部分125に分割されている空洞を画定する周囲壁で形成されている。下側突起117、118を画定する壁は、例えば、使用中にスペーサ100を把持するためのハンドリングデバイスによって使用されてもよい。空洞/空洞部分124、125の提供はまた、スペーサ100の重量及び材料要件を最小限に抑えるのに役立つ。
【0070】
各空洞124及び空洞部分125は、各空洞124及び空洞部分125の下端に形成された(すなわち、対応する下側突起117、118の下端に形成された)対応する開口部126を含む。これらの開口部126は、空洞/空洞部分124、125からの水フローを可能にし、また、スペーサ100が同様のスペーサとスタックされたときに、真空が形成されることを防止する(スペーサ100の間を空気が流れるための経路を提供することによって)。
【0071】
第2の下側突起117は、2つの第1の下側突起118の対応する内向きの対向面120に面する内向きの対向面119を含む。共同して、これらの表面119、120は、(
図1Aに描かれるように)下側太陽光モジュール101bの一部分を受容するためのチャネル121を画定する。特に、このチャネル121は、下側太陽光モジュール101bのフレーム102の上側フランジ105を受容する。
【0072】
実際には(スペーサ100が太陽光モジュールの垂直スタックで使用される場合)、スペーサ100は、下側太陽光モジュール101bのフレーム102上に配置される。この配置を支援するために、下側突起117、118の内向きの対向面120、119は、ガイド面として構成されている。したがって、これらの対向面は、本体108の下側接触面112に対して傾斜している。特に、これらの内向きの対向面119、120の各々は、下向きかつ外向きにすなわち、チャネル121の中心から離れるように)に傾斜している。結果として、チャネル121は、チャネル121の底部(下側接触面112によって画定される)におけるよりも、チャネル121の下側開放端で(第1の縁部110と第2の縁部109との間に延在する方向に)幅広である。
【0073】
したがって、スペーサ100が下側太陽光モジュール101bの上側フランジ105上に位置付けられる場合、スペーサ100は、傾斜した内向き対向(ガイド)面119、120によって上側フランジ105上に案内される。このようにして、傾斜した内向き対向(ガイド)面119、120は、チャネル121と上側フランジ105との間のいくつかの初期位置不整合を可能にする。このことは、自動化されたプロセスを介したスペーサ100の位置付けを容易にし、このことは、スペーサ100の手動位置付けよりも大きい許容誤差を必要とし得る。
【0074】
スペーサ100は、2つの離隔配置された第1の下側突起118の間に画定される凹部122を更に備える。この凹部122は、外側の上側突起114の直下に位置付けられており、したがって、スペーサ100が同様のスペーサの上にスタックされたときに、同様のスペーサの外側の上側突起の一部分(図示せず)を収容するように配置されている。
【0075】
図から明らかに違いないが、この様態でスタックされると、スペーサ100の下側突起117、118の(下側)自由端は、同様のスペーサの上側接触面上に置かれる。下側突起117、118の全ては、同じ高さ(すなわち、下側接触面112から同じ程度に延在する)を有し、その結果、スペーサ100が同様のスペーサの上にスタックされるとき、2つのスペーサ100の本体108は、互いに実質的に平行である。理解され得るように、この構成は、多くのスペーサ100が互いの上にスタックされるとき、スタックが垂直に延在する列を形成することを意味する。したがって、スタックされたスペーサ100を、例えばハンドリングデバイスのフィーダに、より容易に収容することができる。
【0076】
(他の同様のスペーサとの)スペーサ100のスタックを更に支援するために、第1の上側突起114及び凹部122の両方は、上向き方向(すなわち、各々が実質的に台形形状を有する)に内側にテーパ状(すなわち、細い)である。すなわち、第1の上側突起114及び凹部122の両方は、それらの上端部よりもそれらの下端部で幅が広い(第1の縁部110に沿った方向に測られる)。凹部122は、特に、離隔配置された第1の下側突起118の2つの傾斜側面123の間に画定される。
【0077】
理解され得るように、
図1A~1Cのスペーサ100は、上側太陽光モジュール101a及び下側太陽光モジュール101bのそれぞれのフレーム102の直線状部分(すなわち、角部の間)の間で受容するように構成されている。
【0078】
図2A及び2Bは、太陽光モジュール101a、101bのフレーム102の角部を互いに離隔配置するように構成されているスペーサ100’を例示している。このスペーサ100’は、
図1A~1Cのスペーサ100の特徴の多くを含み、その理由で、同じ参照番号が使用されている。
【0079】
このスペーサ100’は、本体108が2つの太陽光モジュールフレームの角部を収容するように成形されているという点で、前述したものとは異なる。したがって、本体108は、L字形状であり、各々がL字形状又は角部形状の経路に追従する第1の離隔配置された対向する縁部110及び第2の離隔配置された対向する縁部109を有する。この結果、第2の下側突起117(第2の縁109に沿って延在する)及びチャネル121(第2の下側突起によって部分的に画定される)もまた、L字形状である。これにより、チャネル121がフレーム102の角部を収容することが可能になる。
【0080】
スペーサ100’はまた、上記で考察したスペーサ100よりも多くの第1の上側突起114及び下側突起118を含む。特に、スペーサ100’は、第1の縁部110に沿って離隔配置された4つの第1の上側突起114と、同じく第1の縁部110に沿って離隔配置されている5つの第1の下側突起118と、を備える。第1の上側突起114及び第1の下側突起118は、第1の縁部110に沿って交互するパターンに配置されるように(すなわち、第1の縁部110に波形構造を形成するように)、互いにオフセットしている。第1の下側突起118の各対は、スペーサが同様のスペーサ上にスタックされたときに、同様のスペーサの対応する第1の上側突起を受容するために、第1の下側突起118の間にテーパ状凹部122を画定する。このようにして、第1の下側突起118は、スペーサが同様のスペーサの上にスタックされたときに、同様のスペーサの第1の上側突起と組み合うように構成されている。
【0081】
スペーサ100’はまた、上述したスペーサ100よりも多くの第2の上側突起115を含む。特に、スペーサ100’は、第2の上側突起115の2つのグループを備える。第2の上側突起115の各グループは、L字形状の本体108のそれぞれの脚部上に配置されており、L字形状であり、かつ第2の縁部109に平行である(が、第2の縁部109から離隔配置されている)直線状経路に沿って互いに離隔配置された5つの第2の上側突起115を含む。
【0082】
第2の上側突起115のこの構成は、第1の上側突起115と第2の上側突起115との間に画定される、太陽光モジュールフレームの角部を受容するように成形されている(すなわち、L字形状である)空間をもたらす。
【0083】
本発明は、上述した実施形態には限定されず、様々な修正及び改良が、本明細書に記載された概念から逸脱することなく行うことができることが理解されるであろう。相互に排他的な場合を除いて、いかなる特徴も、任意の他の特徴とは別個に、又はそれらと組み合わせて用いることができ、本開示は、本明細書に記載された1つ以上の特徴の全ての組み合わせ、及び部分組み合わせに拡張され、これらを包含する。
【国際調査報告】