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特表2025-500573熱接合によってプラスチックフィルムを接続するための溶接シーム、方法、及びデバイスと、ブロー鍛造プレスの使用法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-09
(54)【発明の名称】熱接合によってプラスチックフィルムを接続するための溶接シーム、方法、及びデバイスと、ブロー鍛造プレスの使用法
(51)【国際特許分類】
   B29C 65/20 20060101AFI20241226BHJP
【FI】
B29C65/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539478
(86)(22)【出願日】2023-01-16
(85)【翻訳文提出日】2024-08-07
(86)【国際出願番号】 EP2023050820
(87)【国際公開番号】W WO2023135280
(87)【国際公開日】2023-07-20
(31)【優先権主張番号】22151636.2
(32)【優先日】2022-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511307270
【氏名又は名称】フラウンホーファー-ゲゼルシャフト ツア フォーデルング デア アンゲヴァンテン フォルシュング エー.ファオ.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】コット,マティアス
【テーマコード(参考)】
4F211
【Fターム(参考)】
4F211AG01
4F211AG03
4F211AH54
4F211AR02
4F211AR04
4F211AR07
4F211AR11
4F211AR12
4F211TA01
4F211TA02
4F211TC08
4F211TD11
4F211TN02
(57)【要約】
本発明は、熱接合によってプラスチックフィルム(10)を接続するための溶接シーム、方法、及びデバイスに関し、プラスチックフィルム(10)は溶接ジョー(2,4)の間で溶接シーム(12)に沿って接続される。本発明によると、デバイスは非加熱の溶接要素(2,4)のペアを備え、非加熱の溶接ジョー(2,4)の間に、プラスチックフィルム(10)は、熱接合の目的で互いに平行に配置される。パルス発生用の装置(30)は、溶接ジョー(2,4)の1つを使用して、第1の強度(Fi1)の衝撃パルスを導入し、プラスチックフィルム(10)への侵入時間はで10ms未満である。衝突パルスはプラスチックフィルム(10)に作用し、変形誘起する加熱が材料で発生し、溶接シーム(12)は、溶接要素(2,4)が作用する領域内で形成される。また、本発明はブロー鍛造プレスの使用法にも関する。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶接ジョー(2,4)の間に熱接合によって生成されたプラスチックフィルム(10)を接続するための溶接シームであって、フィルム層に垂直な前記溶接ジョー(2,4)のうちの少なくとも1つのストローク運動である衝撃インパルスについて、前記プラスチックフィルム(10)への前記溶接ジョー(2,4)のうちの少なくとも1つの侵入時間が10ms未満であり、非加熱の前記溶接ジョー(2,4)のペアの間で平行に配置された前記非加熱プラスチックフィルム(10)に作用し、前記衝撃インパルスは、前記溶接シーム(12)が形成される少なくとも第1の強度(Fi1)を有し、前記衝撃インパルスによって溶融された前記プラスチックは前記溶接シーム(12)に制限されることを特徴とする、溶接シーム。
【請求項2】
前記溶接シームの幅は前記プラスチックフィルム(10)のそれぞれの厚さの半分~2倍になる、請求項1に記載の溶接シーム。
【請求項3】
前記対向エッジのエリア内で前記プラスチックフィルム(10)を接続し、フィルムチューブ(14)を前記プラスチックフィルム(10)から形成する縦シーム(12)として形成される、請求項1または2に記載の溶接シーム。
【請求項4】
少なくとも1つの端で前記フィルムチューブを閉じて、チューブバッグ(16)を生成する少なくとも1つの前記横シーム(12)として形成される、請求項3に記載の溶接シーム。
【請求項5】
前記衝撃インパルスが第2の強度(Fi2)で前記プラスチックフィルム(10)に作用することによって、前記溶接シーム(12)が生成された後、前記プラスチックフィルム(10)は、分割ラインに沿って分離され、溶接プラスチックフィルム(10)は前記分割ラインの両側にあるままである、請求項3または4に記載の溶接シーム。
【請求項6】
収縮フィルムは前記プラスチックフィルム(10)として使用される、請求項1~5のいずれか1項に記載の溶接シーム。
【請求項7】
前記溶接シーム(12)は、少なくとも1つの溶接点(12)と、一列に、前記プラスチックフィルム(10)を接続するように配置された複数の溶接点(12)として設計される、請求項1~6のいずれか1項に記載の溶接シーム。
【請求項8】
前記溶接ジョー(2,4)の間で熱接合によって前記プラスチックフィルム(10)を接続するための方法であって、前記プラスチックフィルム(10)は前記溶接シーム(12)に沿って接続され、フィルム層に垂直に延在する前記溶接ジョー(2,4)のうちの少なくとも1つのストローク運動である前記衝撃インパルスについて、未予熱プラスチックフィルム(10)への前記溶接ジョー(2,4)のうちの少なくとも1つの侵入期間が10msよりも短く、少なくとも第1の強度(Fi1)で前記プラスチックフィルム(10)に作用し、変形により材料に加熱を生じさせ、前記溶接シーム(12)を形成することを特徴とする方法。
【請求項9】
前記衝撃インパルスに先行するステップでは、前記プラスチックフィルム(10)は、プリテンション力Fで、前記溶接ジョー(2,4)のペアの間で互いに対して押圧された後、前記衝撃インパルスは、少なくとも前記駆動された溶接ジョー(2,4)の1つを用いて、または少なくとも前記溶接ジョー(2,4)の1つを用いて、前記プラスチックフィルム(10)に作用する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記衝撃インパルスは、前記第1の強度(Fi1)の代わりに第2の強度(Fi2)がもたらされ、前記第2の強度(Fi2)は前記第1の強度(Fi1)よりも高くなり、その結果、前記接合の直後に、前記溶接シーム(12)の内部で、かつ前記溶接シーム(12)に沿って前記プラスチックフィルム(10)の分離が発生する、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
前記溶接ジョー(2,4)の機械駆動は直接もたらされる、または間接的に伝達された前記衝撃インパルスは、バネ力、落下重り、磁気駆動装置、もしくはカムディスク駆動によってもたらされる、請求項8~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記衝撃インパルスは、前記上側の溶接ジョー(2)によって、または互いに対して作用する前記溶接ジョー(2,4)の両方によって加えられる、請求項8~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
互いに対して作用する前記溶接ジョー(2,4)は連続的な高速プロセスの一部である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
熱接合によって前記プラスチックフィルム(10)を接続するためのデバイスであって、前記プラスチックフィルム(10)は、前記溶接シーム(12)に沿って前記溶接ジョー(2,4)の間に接続され、前記デバイス(1)は非加熱の前記溶接ジョー(2,4)のペアを備え、前記非加熱の溶接ジョー(2,4)の間に、前記非加熱プラスチックフィルム(10)は熱接合のために互いに平行に配置され、インパルス発生用デバイス(30)は、前記フィルム層に垂直な前記溶接ジョー(2,4)のうちの少なくとも1つのストローク運動である、衝撃インパルスを発生し、前記プラスチックフィルム(10)への前記溶接ジョー(2,4)のうちの少なくとも1つの侵入時間は10ms未満であり、前記溶接ジョー(2,4)のうちの少なくとも1つに少なくとも第1の強度(Fi1)を有し、前記衝撃インパルスは前記プラスチックフィルム(10)に作用し、変形によって生じた前記プラスチックフィルム(10)の前記材料の加熱が生じ、前記溶接シーム(12)は前記溶接ジョー(2,4)の有効エリア内で形成されることを特徴とする、前記プラスチックフィルム(10)を接続するためのデバイス。
【請求項15】
前記溶接ジョー(2,4)は、前記衝撃インパルスが加えられる前、プレストレス力(F)を加えるために、デバイスを用いて互いに対して押圧される、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記溶接ジョー(2,4)のペアは、成形された断面(6’)を有するアクティブエリアを伴う、少なくとも第1の溶接ジョー(2)から成る、請求項14に記載のデバイス。
【請求項17】
前記溶接ジョー(2,4)のペアは、平坦アクティブエリア(6)、または成形された断面(6’)を伴う第2の溶接ジョー(4)を備える、請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
前記成形された断面(6’)は半径R1として形成される、請求項16または17に記載のデバイス。
【請求項19】
前記成形された断面(6’)は、2つの半径R2によって限定された幅aを伴う平坦プロファイルとして形成される、請求項16または17に記載のデバイス。
【請求項20】
前記成形された断面(6’)は、前記第2の溶接ジョー(4)の前記平坦な有効エリアに対して角度αで楔形になり、前記断面(6’)の楔状先端は半径R3として形成される、請求項16または17に記載のデバイス。
【請求項21】
前記溶接ジョー(2,4)のペアは、連続供給により高速の連続ウェブ走行プロセスに挿入される、請求項14~20に記載のデバイス。
【請求項22】
前記第1の溶接ジョー(2)及び/または前記第2の溶接ジョー(4)は、圧延ツール(42)として、前記アクティブゾーンに向かって旋回するツールとして、または前記溶接プロセス中に前記ウェブと一緒に断続的に支えられるツールとして設計される、請求項21に記載のデバイス。
【請求項23】
前記パルス発生手段(30)は、前記溶接ジョー(2,4)の1つだけに作用する、または同時に、前記第1の溶接ジョー(2)及び第2の溶接ジョー(4)に作用する、請求項14~22に記載のデバイス。
【請求項24】
前記インパルス発生デバイス(30)は、バネ、落下重り、磁気駆動装置、カムディスク駆動装置、または別の機械駆動装置を備える、請求項14~23に記載のデバイス。
【請求項25】
請求項14~24のいずれか1項に記載のデバイス用の駆動機構としてのブロー鍛造プレス(20)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱接合によってプラスチックフィルムを接続するための溶接シーム、方法、及びデバイスに関し、プラスチックフィルムは溶接シームに沿って溶接ジョーの間に接続される。さらに、本発明はブロー鍛造プレスの使用法に関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチックフィルムの熱接合の重要な用途は、プラスチックフィルム包装、例えば、チューブバッグの生産及びシールであり、そのプロセスは、また、シールまたはヒートシールとも呼ばれる。プラスチックフィルムの一部を溶融するシールジョーとしても知られている、加熱された溶接ジョーを使用する熱接合によって、プラスチックフィルムを接続するためのプロセス及びデバイスに加えて、加熱された溶接ジョーを用いない多くの取り組みがある。このために、2つの主な理由がある。その理由について、追加の熱エネルギーを導入することなく感熱品を包装することと、プロセスでエネルギー消費を減らすことと、が挙げられる。本発明で使用できる材料に関する一般的な用語であるプラスチックフィルムは、1つだけのプラスチック材料から成るモノフィルム、モノフィルム複合材、アルミニウムバリアを伴ういくつかの異なるプラスチック材料から作られた複合フィルム、堆肥化可能で水溶性のプラスチックフィルム、及び収縮フィルムであり得、それらの全ては、熱的に溶融可能である必要がある。
【0003】
先行技術から知られている超音波を用いる熱接合では、既に、加熱された溶接ジョーが不要である。必要な熱効果は、外側から開始されないが、超音波振動からのエネルギー投入に基づいて、プラスチック材料の熱発生によって溶接されるフィルム自体で生じる。この効果は、例えば、公開文献の独国特許出願公開第69926758号明細書、独国特許出願公開第102009046319号明細書、及び独国特許出願公開第102017121572号明細書で、ヒートシールと組み合わせて説明される超音波シールの解決策の基礎になっている。しかしながら、超音波シール、及び超音波の生成に必要な機械技術は、システム技術及びエネルギー投入の両方に関して非常に複雑である。
【0004】
公開文献の独国特許出願公開第102015211622号明細書に従ったフィルムパンチを使用する衝撃インパルスを用いて、プラスチックフィルムを分離する等、プラスチックフィルムを加工するための他の方法は、また、溶接シームを形成することと、プラスチックフィルムを互いに接合することと、に適切ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許出願公開第69926758号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第102009046319号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第102017121572号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第102015211622号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、プラスチックフィルムを接続するための溶接シームと、熱接合によってプラスチックフィルムを接続するためのロバストで簡単なプロセス及び単純なデバイスとを提供することであり、プラスチックフィルムは、速く、確実に、かつエネルギー節約して、溶接シームに沿って、非加熱の溶接ジョーの間に接続される。本発明のさらなる目的として、ブロー鍛造プレスの使用法が挙げられる。
【0007】
タスクは、溶接ジョーの間に熱接合によって生成されたプラスチックフィルムを接続するための溶接シームによって解決され、材料結合は関係するプラスチックフィルムの間で生じる。本発明によると、熱接合は、プラスチックフィルムが最初に圧搾する、またはそうでなければ変形するように定義される。それによって、溶接シームを形成するのに必要な熱はプラスチックフィルムで発生し、プラスチックフィルムは一緒に溶融する。
【0008】
接続するために溶融されたプラスチックは比較的狭い溶接シームのエリアに限定される。その理由として、非加熱の溶接ジョーのペアの間の熱接合は、溶接ジョーの間に配置されたプラスチックフィルムで衝撃インパルスによって実施されるためであり、溶接ジョーは、プラスチックフィルムが水平に整列されるとき平行である、または、プラスチックフィルムが水平に整列されるとき互いの上にある。熱接合は材料自体におけるプロセスによって実現される。その理由として、衝撃インパルスと、衝撃インパルスが当たるアクティブゾーン内の結果として生じる変形だけが、急速で短期間の加熱及び所望の材料結合をもたらすためである。
【0009】
また、非加熱の溶接ジョーのペアは、1つの溶接ジョーが、溶接シームの延長部よりも大きい延長部との当接部に対して働く場合にも存在する。次に、当接部は、第2の溶接ジョーのペアを形成する。
【0010】
衝撃インパルスは、溶接ジョーのうちの少なくとも1つのストローク運動であり、これは、フィルム層に実質的に垂直であり、フィルム層に向いている。プラスチックフィルムへの溶接ジョーのうちの少なくとも1つの侵入期間(以下、侵入時間と呼ばれる)が10ms未満で、このストローク運動は発生する。衝撃インパルスは、少なくとも第1の強度で、プラスチックフィルムに作用する。それは、好ましくは、機械駆動装置によって、代替として、電気磁気駆動装置によって生じる。
【0011】
溶接シームの幅は、好ましくは、プラスチックフィルムのそれぞれの厚さの半分~2倍になる。本発明の一実施形態または用途によると、溶接シームは、対向エッジのエリア内でプラスチックフィルムを接合する縦シームとして形成され、フィルムウェブの2つのエッジは重ね合わされ、本発明の意味において、重ね合わされたプラスチックフィルムを形成する。縦シームは、チューブ状フィルムをプラスチックフィルムから形成する。したがって、互いに重ねて配置されたプラスチックフィルムは、また、折り重ねられている単一のフィルムであり得る。さらに、溶接シームは、このように形成されたチューブ状フィルムに少なくとも1つの横シームとして形成され、好ましくは、横シームを用いて、少なくとも1つの端でチューブ状フィルムを閉じる場合、チューブバッグが生成される。チューブバッグを閉じるために、残りの開口部には、また、横シーム、通常、上部シームが設けられている。
【0012】
溶接シームの好ましい実施形態では、衝撃インパルスは、第1の強度と比較してより高い第2の強度でプラスチックフィルムに作用し、それによって、溶接シームは、溶接シームの作成の直後に、実質的に同時に分離され、溶接プラスチックフィルムは分離ラインの両側にとどまる。これは、例えば、縦シーム上の突起を分離できる、または2つのチューブバッグの間の横シームを分離できることを意味する。分離は、圧搾によって機械的に実施され、同時に、接合するためにも使用される加熱を使用して溶融することによって、熱的に実施される。
【0013】
プラスチックフィルムでもある感熱収縮フィルムの中に挿入される溶接シームは、特に利点をもたらすと証明している。熱接合するために加えられた熱が溶接シーム、狭義では接合ゾーンに限定されるため、プロセスの熱影響ゾーンは、接合ゾーンを超えなく、高品質の溶接シームが実現し、収縮フィルムは影響を受けない。それは、完全な収縮特性を保持し、従来のヒートシールと同様に、シームエリア内でたわまない。
【0014】
別の有利な代替案は、多数のそのような溶接点によって形成される少なくとも1つの溶接点として設計される溶接シームであり、溶接点は、実際には、互いに隣り合って一列に並び、プラスチックフィルムに接合する。これは、対応する形状の溶接ジョーを必要とせず、それぞれ多数の溶接点から成る任意のシーム形状を柔軟に生成できることを意味する。さらに、低パルスエネルギーは個々の溶接点の小さな表面に十分であるため、システムは、小さなサイズで複雑な駆動装置がなくても実現できる。しかしながら、高い順応性は効率性を犠牲にしている。
【0015】
また、タスクは、熱接合によってプラスチックフィルムを接続するためのプロセスによって解決され、プラスチックフィルムは溶接シームに沿って非加熱の溶接ジョーの間に接続される。いずれの場合、溶接ジョーを加熱する必要はないが、むしろ、外部の熱供給による加熱がプラスチックフィルムの軟化をもたらす場合に特に不利である。同様に、プラスチックフィルムの予熱は妨げられる。したがって、「非加熱」は、プラスチックフィルムの軟化温度よりも低いままである溶接ジョー及びプラスチックフィルムの温度を意味する。溶接ジョーまたはプラスチックフィルムが他の理由のためにわずかに加熱される場合、これは、本発明に従った方法に影響を与えなく、そして、溶接ジョーまたはプラスチックフィルムは、本発明の意味では、非加熱または予熱されないと考えられる。これは、本発明と先行技術を区別することであり、特に、溶接ジョーは、溶接されるプラスチックフィルムの溶融温度以上に加熱する必要がある。
【0016】
本発明によると、熱接合は、プラスチックフィルムが最初に圧搾する、またはそうでなければ変形するように定義される。それによって、プラスチックフィルムを一緒に溶接するのに必要な熱はプラスチックフィルムで発生し、プラスチックフィルムは一緒に溶融する。この目的のために、溶接ジョーのうちの少なくとも1つによってプラスチックフィルムに伝達された衝撃インパルスは、少なくとも第1の強度でプラスチックフィルムに作用し、溶接部は形成される。衝撃インパルスは、フィルム層に垂直な溶接ジョーのうちの少なくとも1つのストローク運動であり、プラスチックフィルムへの侵入時間は、溶接ジョーのうちの少なくとも1つで、ツールの減速の開始から静止するまで、10ms(ミリ秒)未満であると考えられる。好ましくは、侵入時間は、5ms未満、特に好ましくは、1ms未満であり、フィルム厚に応じて、0.05~0.5msである。これをするために、衝撃インパルスの開始速度として好ましくは1~5m/sの速度で、ツールのいずれかは、プラスチックフィルム上に降ろされ、侵入時間中にブレーキがかけられ停止する。
【0017】
概して、特定のプロセス時間は、プラスチックフィルムを侵入させるため十分に高温、溶融温度を発生させるのに必要であることが示されている。フィルム厚が最大2×100μm(すなわち、2つのフィルムはそれぞれ100μmの厚さである)である場合、プロセス時間は0.05ms~0.3msが必要である。本発明に従ったプロセスをさらに実施できる最大プロセス時間は10msであり、最大200μmの厚さを伴う2つのプラスチックフィルムを接合できる。フィルムに侵入する前のツールの好ましい初期速度は0.5~6m/sであるが、少なくとも約0.1m/sである。粗度及び弾性範囲を事前に克服する必要があるため、侵入の開始はフィルム厚の約20%であると考えられる。
【0018】
また、衝撃インパルスが加えられるとき、最大2×100μmのフィルム厚の場合、シーム長の100mm当たりの1~30J(ジュール)のエネルギー投入が発生し、プラスチックフィルムの厚さが0.1mmである場合、最小値は、溶接シームの100mm当たり0.1J発生することが示されている。20μm~200μmの厚さを伴うプラスチックフィルムは、本発明に従った方法に対して使用できる。また、2つ以上のフィルム層、例えば、4層、互いに重なりまたは平行に接合することも可能である。これは、自立型ポーチの層ジャンプ及び生産にとって重要である。
【0019】
衝撃インパルスは、好ましくは、機械駆動装置または磁気駆動装置によって生じる。プラスチックフィルム上に直接落下するツールの代替案として、互いに重なり、または互いに平行に配置されたプラスチックフィルムは、予備ステップで、溶接ジョーのペアの間にプリテンション力で互いに対して押圧され、前述に定義及び説明したように、第2のステップでは、衝撃インパルスが働く。このように、ツール表面の粗度、とりわけ、プラスチックフィルムの粗度は部分的に補償される。全ての場合、温度効果は溶接ゾーン内で発生し、これにより、侵入時間中にプラスチックの局所溶融をもたらし、侵入中に発生する機械的応力は、相応に高い変形速度で非常に存続期間が短くなる。最終的に、溶接シームのエリア内で、接合ゾーンのこのエリア内で溶融するために熱の発生をもたらす小さいが十分な程度まで、プラスチックフィルムの変形だけが起きる。
【0020】
プロセスが非常に速く、実質的に熱が損失されず、特に低入熱であるため、接合ゾーンを越えて有害に広がらない。したがって、溶融は、有効ゾーン、接合ゾーンに限定される。結果として、周囲は不要な入熱の影響を受けない(例えば、フィルムの溶接シームの周りのエリア、または溶接シームの近くの包装製品には影響がない)、また、熱がエネルギー損失として周囲に流れない。
【0021】
予熱または予温されたプラスチックフィルムを用いてプロセスを実施する必要はなく、実際に不利になる。衝撃インパルス中の急速の温度増加により、材料温度は、不利な材料の軟化をもたらさない場合でさえ、ほとんど何らかの影響を与えない。材料がかなり軟らかい場合、材料の加熱を生じさせる形成プロセスは行われない。
【0022】
同様に、予熱または予温する必要がない溶接ジョーに適用される。その理由として、溶接に必要な温度は、衝撃インパルス中に非常に短時間で、プラスチックフィルム自体で生成または誘発されるためである。したがって、プラスチックフィルムの加熱及び溶融は、有利に、溶接シームが接合ゾーンとして形成される即時のアクティブゾーンと、最小接点時間、特に、上記により詳細に説明した侵入時間と、に限定される。高い変形速度により、周囲空気と、プラスチックフィルムの隣接エリアとの熱交換がなく、最小のエネルギー投入量でアクティブゾーン内のプラスチックフィルムの断熱昇温をもたらす。多くのプラスチックフィルムの材料は、溶接シームでの接続のために必要量だけ液化される。また、これは、液体材料を接合ゾーンから外に押圧することと、接合プロセスで関与しないことと、を防止する。シームは非常に狭く、特に、材料節約をもたらす。さらに、時間が節約され、エネルギーの必要量及び投入量は、ヒートシール等の既知のプロセスと比較して非常に低くなる。
【0023】
さらに、既知のプロセス、特に従来のヒートシールプロセスで、そのような狭いシーム、またはそのような狭い熱影響ゾーンを実現できない。その理由として、熱はあまりに速く放散され、より多くの熱が必要になり、結果として、プラスチックフィルムの加熱及び軟化されたエリアが増加するだろう。
【0024】
衝撃インパルスが伝達されるとき、音速及びインパルス時間が10ms未満、好ましくは5msであると想定される。鋼鉄/鋼鉄インパルスに関して、0.25msの時間は、10cmの距離に対して計算されたものである。本発明に従った衝撃インパルスは、同等の材料の超音波シールの効果に相当する効果を実現するが、多くの低振幅インパルスの代わりに、単一のインパルスだけが加えられ、衝撃インパルスは本発明に従ったものである。両方のプロセスでは、超音波及び衝撃インパルスの使用により熱接合に必要な温度増加は、接合されるフィルムが作られるプラスチックの物理化学的効果によって実現される。同時に、本発明はさらなる利点を実現し、特に、入熱が不足し、ひいては、包装に適用する場合、包装品の熱保護が得られる。また、これらの利点は、超音波シールの使用にも重要であるが、本発明は、超音波発生器及びソノトロードを伴う任意の複雑なシステム技術に必要ない。本発明に従ったプロセスでは、また、加熱は、超音波シールよりもシール衝突の有効ゾーンにかなり多く限定される。
【0025】
本方法の好ましい実施形態では、衝撃インパルスは、第1の強度よりも高い第2の強度で加えられ、ひいては、熱接合と一緒に、またはその直後に、同じ衝撃インパルスを使用して、プラスチックフィルムが溶接シーム内でかつそれに沿って分離するくらい大きい。それによって、溶接シーム自体は縦方向に分割される。
【0026】
衝撃インパルスは、特に、バネ力、落下重り、または機械駆動によって発生する。機械駆動の1つの可能性として、特に、遅延がなく正確な振幅で高速運動を制御できるカムディスク式駆動装置として設計することが考えられる。特に、バネ力及び落下重りは、力が生成される位置に手動で移行させることができる。その結果、本発明に従った方法は、外部エネルギー供給がなくても実施できる。
【0027】
垂直配置の場合、衝撃インパルスは、上側の溶接ジョーによって、または代替として、互いに対して作用する溶接ジョーの両方によって加えられる。特に、溶接ジョーが互いに対して作用するとき、また、溶接ジョーは、例えば100サイクル/分で、例えばチューブバッグ機械のような高速プロセスに使用して、それに統合できる。この場合、溶接ジョーは、例えば、プリテンション力Fをかける供給ローラーとしても機能するローラーとして設計できる一方、インパルス力Fは、ローラーを打つことによって、プラスチックフィルムに伝達される。
【0028】
また、タスクは、熱接合によってプラスチックフィルムを接続するためのデバイスによって解決され、プラスチックフィルムは溶接シームに沿って溶接ジョーの間に接続される。本発明によると、熱接合は、プラスチックフィルムが最初に圧搾する、またはそうでなければ変形するように定義される。それによって、プラスチックフィルムを溶接するために必要な熱はプラスチックフィルムで発生し、プラスチックフィルムは一緒に溶融する。
【0029】
この目的のために、デバイスは溶接ジョーのペアを備え、溶接ジョーの間に、プラスチックフィルムは、水平配向で上下に配置される、または熱接合中に相互にほぼ平行に配置される。衝撃インパルスは、少なくとも第1の強度で溶接ジョーのうちの少なくとも1つに加えられ、プラスチックフィルムに作用する。その結果、突然の構造変化、材料の急速の変形の結果として、熱接合は同時に発生する。続いて、溶接部は、生成される溶接シーム(またはその一部)の長さの方向に細長い溶接ジョーのアクティブエリア内に形成される。衝撃インパルスは、好ましくは、駆動デバイスによって生じる。有利なさらなる発展形態によると、溶接ジョーは、衝撃インパルスが加えられる前、プレストレス力を用いて互いに対して押圧されるデバイスが提供される。
【0030】
好ましい実施形態では、溶接ジョーのペアは、成形された断面を有するアクティブエリアを伴う、少なくとも第1の溶接ジョーから成る。また、溶接ジョーのペアは、平坦アクティブエリア、または成形された断面を伴う第2の溶接ジョーを含む。
【0031】
第1の実施形態では、成形された断面は、半径R1として、好ましくは、溶接プロセス中に溶接されるフィルムと接触するアクティブエリアでR1=4~10mmで設計される。代替として、成形された断面は平坦プロファイルとして設計される。幅aは、好ましくは、a=0.1~0.4mm、2つの半径R2によって両側で境界が分けられ、好ましくは、R2=1~4mmである。概して、半径によって、プラスチックフィルムへの損傷をなくすために、アクティブエリアのプロファイルを制限するのに有利になることが発見されている。さらなる代替案によると、成形された断面は楔形であり、第2の溶接ジョーの平坦アクティブエリアに対して角度αが測定され、好ましくはα=2~5°であり、平坦アクティブエリアは通常水平であるが、いずれの場合、衝突方向に対して直角である。楔形断面の楔状先端は、半径R3、好ましくはR3=1~4mmとして設計される。
【0032】
好ましい実施形態では、第1の溶接ジョー及び/または第2の溶接ジョーは、連続供給ウェブ走行プロセスで使用する圧延ツールとして設計される。代替として、第1の溶接ジョー及び/または第2の溶接ジョーは、アクティブゾーンに向かって旋回するツールとして、または溶接プロセス中にウェブと一緒に一時的に、すなわち不連続的に支えられるツールとして設計され、これは、ウェブ走行プロセスで特定の処理ステップについて共通事項であり、一般的に知られている。したがって、本発明に従ったデバイスは、包装システムの設置に適切であり、ヒートシールのために確立した技術に交換することもできる。
【0033】
また、溶接ジョーのペアが、研磨された表面を伴う硬化鋼から作られている場合に有利になることも発見されている。さらに、溶接ジョーのそれぞれは、駆動デバイスを締めるための要素を含む。
【0034】
駆動機構は、第1の実施形態に従った第1の溶接ジョーに作用する、または、第2の実施形態に従った第1の溶接ジョー及び第2の溶接ジョーに作用する。衝撃インパルスを発生させるための駆動機構は、バネ、落下重り、または機械ギアを有する。有利な実施形態によると、機械ギアはカムギアであり、カムギアの利点は上記で既に説明されている。さらに、溶接ジョーまたは関連のスタンプを直接駆動する磁気駆動装置が設けられている。
【0035】
また、タスクは、上記に説明したデバイス用の駆動デバイスとしてブロー鍛造プレスを使用することによって解決される。特に、空気式ブロー鍛造プレスは、金属をエンボス加工するだけでなく、プラスチックまたは類似製品をマーキングするのに適切である。小さなブロー鍛造プレスは、また、医薬品の箱をエンボス加工するために、製薬業界で頻繁に使用される。バネを使用して、所望の衝突力を精密に設定でき、調整されると、同じ材料のすべてのスタンピングプロセスで同じ結果が実現する。本発明に従った方法の一実施形態で重要な役割も果たすプリテンション効果は、加工品を精密に位置決めすることを可能にし、変形を防止する。クランプシステムは、機械スタンプ、機械タイプホルダー、及びスタンピングユニット等の異なるスタンピングツールを、これらの機械で締めることを可能にする。例示的なスタンピングプレスは6kNの打撃力をもたらす。
【0036】
熱接触シール(高温シールとして事前に知られている)、または超音波シール等の確立したシール法と比較して、本発明で提案された方法は以下の利点をもたらす。
・低温ツール、断熱接合プロセス、
・感熱製品を使用できる、
・非常にコスト効率が良くかつロバストな設備及びツール技術、
・純粋に機械的で手動の解決策(バネプリテンション、バネ駆動)を実施できる、
・極めて短いプロセス時間、
・最小シーム幅が実現可能、
・ツールの作業エリアのプロファイルパターンによって特有のシームパターンを実現できる、
・接合、または接合/分離の組み合わせを同じツールで実現できる、
・分離シームをより精密に定義できる、
・リサイクル可能なモノフィルムまたはモノラミネートに適切である、
・標準的な包装形態(シールエッジバッグ、チューブバッグ)を実現できる、
・非常に低エネルギーの必要量、したがって、非常に高いエネルギー効率。
【0037】
フィルム厚20~100μm、標準シーム長のPPフィルムを、熱インパルス接合としても知られているヒートシールによって接合するとき、165°Cで0.8秒の電気的に発生させた熱インパルスが必要である。これは、溶接ガンのエネルギー消費量200Jに相当する。対照的に、本発明に従った方法を使用する接合のエネルギー必要量は、同じシーム長に関して5Jだけである。これは、エネルギー節約量97.5%に相応する。
【0038】
上述の利点は以下の応用分野で活かされる。
【0039】
高速な連続用途、及び分散型生産における個々のプロセスの両方のためのプラスチックフィルム(工業製品、食品、医療品)を用いた包装プロセス、すなわち、
・プロセス速度が速いため、連続プロセスでの使用、
・リサイクル可能及び堆肥化可能なフィルムの使用、
・モバイル利用でのばね張力を使用して電気エネルギーを用いないシール、開発支援のための医療技術(現場での医療サンプルのシール)、災害救助(砂袋のシール)の用途、
・ホコリが多い環境での包装。
【0040】
本発明は、設計の例の説明と、その関連の図面のその表現とに基づいて、下記により詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】熱接合によってプラスチックフィルムを接続するために、本発明に従った方法のプロセス順序の概略図である。
図2】半径状に成形された断面を有するアクティブエリアを伴う本発明に従った溶接ジョーの実施形態の概略斜視図である。
図3】2つの半径によって限定された半径状に成形された断面を有するアクティブエリアを伴う本発明に従った溶接ジョーの実施形態の概略斜視図である。
図4】平角で成形された断面を有するアクティブエリアを伴う本発明に従った溶接ジョーの実施形態の概略斜視図である。
図5】平坦に成形された断面を有するアクティブエリアを伴う本発明に従った第1の溶接ジョーの実施形態の概略斜視図である。
図6】平坦な作業エリアを伴う本発明に従った第2の溶接ジョーの実施形態の概略斜視図である。
図7】2つの視界から見たブロー鍛造プレスの実施形態の概略図である。
図8】連続ウェブ走行プロセスの実施形態の概略側面図である。
図9】連続ウェブ走行プロセスのさらなる実施形態の概略図である。
図10】フィルムチューブ上の本発明に従った溶接シームの実施形態の概略斜視図である。
図11】チューブバッグにおける本発明に従った溶接シームの実施形態の概略斜視図である。
図12】接合/分離の組み合わせにおける本発明に従った装置の実施形態の概略側面図である。
図13】接合されたプラスチックフィルム及び分離されたエリアを伴う、接合/分離の組み合わせの概略拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1は、熱接合によってプラスチックフィルム10を接続するために、本発明に従った方法のプロセス順序の概略図を示す。プロセス順序は、左から始まる3つのステップで示される。最初に、アクティブエリア6,6’がプラスチックフィルム10に触れるまで、第1の溶接ジョー2は矢印方向のプラスチックフィルム10の表面まで供給距離sにわたって移動する。溶接シームによって接合される2つのプラスチックフィルム10は、それによって、第2の溶接ジョー4の表面に配設される。
【0043】
第2のステップでは、第1の溶接ジョー2は、プリテンション力Fでプラスチックフィルム10に対して押圧される。第3のステップでは、インパルス力Fは、このように生じる予荷重下で加えられ、これにより、溶接部12の形成をもたらす。
【0044】
示される本発明に従った方法の実施形態では、プラスチックフィルム10は、溶接シーム12のエリア内で互いに接続されたままである。しかしながら、より高いインパルス力Fを選択することによって、プラスチックフィルム10は、また、溶接シーム12で分離できる。その結果、2つのプラスチックフィルムは、溶接シーム12によって互いに接続されるが、溶接シーム12のエリア内で横に分離されるように存在する。
【0045】
図2は、半径R1として設計されている成形された断面が成形されたアクティブエリア6’を形成する、本発明に従った第1の溶接ジョー2の実施形態の概略斜視図を示す。70μmのフィルム厚について、好ましい半径R1について、R1=4~10mmであり、溶接部での良好な材料結合、及び密な溶接シームは実現される。
【0046】
図3は、2つの半径R2によって限定されている平坦に成形された断面はアクティブエリア6を形成する、本発明に従った溶接ジョー2の設計の概略斜視図を示す。70μmのフィルム厚について、好ましい半径R2について、R2=1~4mmであり、平坦プロファイルは幅a=0.1~0.5mmを有する。
【0047】
図4は、有効エリア6’を形成する平角で成形された断面がある、本発明に従った溶接ジョー2の設計の概略斜視図を示す。角度の先端は半径R3を有する。70μmのフィルム厚について、好ましい半径R3について、R3=4~10mmであり、好ましい角度はα=2~5°である。
【0048】
図5は、平坦断面を有するアクティブエリア6を伴う本発明に従った第1の溶接ジョー2の設計の概略斜視図を示す。取り付け穴8を使用して、締め付けボルト(ここでは、図示されない)を挿入する。締め付けボルトを用いて、第1の溶接ジョー2は、プリテンション力F及びインパルス力Fを第1の溶接ジョー2に加える機械の溶接ジョーホルダー26(図7参照)に取り付けられている。
【0049】
図6は、平坦なアクティブエリア6を伴う本発明に従った第2の溶接ジョー4の設計の概略斜視図を示す。これは、溶接ジョーホルダー28(図7参照)に取り付けられる。
【0050】
図7は、本発明に従ったシールプロセスを実施するために使用される2つの視界から見たブロー鍛造プレス20を示す。そのようなブロー鍛造プレス20は、示される例に従ったばね式ブロー鍛造プレスとして設計される場合、電力を使わないで、かつ純粋に手動で動作できるという利点を特にもたらす。供給距離sにわたる供給運動に必要な力、及びプリテンション力Fならびにインパルス力Fに必要な力は、操作レバー24を用いて、オペレーターによって加えられる。
【0051】
図1に示されるように、溶接部12は、プラスチックフィルム10が静止する第2の溶接ジョー4と、第1の溶接ジョーホルダー26に締結される第1の溶接ジョー2との間に生成される。これをするために、操作レバー24は移動し、第1の溶接ジョーホルダー26に挿入される第1の溶接ジョー2がプラスチックフィルム10に触れるまで、第1の溶接ジョーホルダー26は、供給デバイス32を用いて第2の溶接ジョーホルダー28に向かって移動する。
【0052】
操作レバー24をさらに動かすことによって、必要なプリテンション力Fは加えられ、そして、操作レバー24の運動の継続後、バネに張力がかかり、インパルス力Fは、インパルス発生器30を作動させることによって、プラスチックフィルム10に加えられる。したがって、溶接部12は、第1の溶接ジョー2と第2の溶接ジョー4との間に、アクティブゾーンのエリア内に生成される。第2の溶接ジョーホルダー26の戻りストローク、ひいては、操作レバー24の対抗運動による関連の溶接ジョーの戻りストロークは、シールされた溶接プラスチックフィルム10の解放をもたらす。
【0053】
所望の結果及びインパルス力Fの設定レベルに応じて、シールされたプラスチックフィルム10は、溶接シーム12のエリア内で、かつ溶接シーム12に沿って、さらに同時に分離できる。これは、例えば、包装、チューブバッグが溶接シーム12によって閉じられ、同時に、後続の包装から分離される場合に、有利になる可能性がある。
【0054】
図8は、溶接されるプラスチックフィルム10のそれぞれが供給ロール40から走行する、連続ウェブ走行プロセスの概略側面図を示す。熱接合によってプラスチックフィルム10を接続するためのデバイス1では、プラスチックフィルム10は、第1の溶接ジョー2と第2の溶接ジョー4との間を通り、溶接シーム12(しかし、説明図では形成されてない)を生成する。しかしながら、特にプレストレス力の印加中だけでなく衝撃インパルスの印加中でさえ、ウェブ走行プロセスの連続性を確実にするために対策を講じる必要がある。これは、例えば、デバイス1の周期的に同期した運動によって、または供給ロール40の後に及びデバイス1の前にウェブバッファー保管によって実現できる。
【0055】
図9は、概略側面図で、連続ウェブ走行プロセスのさらなる実施形態を示す。プレストレス力はプレストレスローラー42によって加えられ、プラスチックフィルム10がプレストレスローラー42の間を通過する。インパルス発生用デバイス30、特にパーカッションギアは、プレテンションローラー42の一方または両方に作用する。その結果、衝撃インパルスは、プラスチックフィルム10の中に間接的に導入され、溶接シーム12を生成する。
【0056】
図10は、フィルムチューブ14の本発明に従った溶接シーム12の実施形態の概略斜視図を示す。これは、スリーブ包装として有利に使用でき、フィルムチューブ14は包装に押される。フィルムチューブ14が、加熱されるとき収縮し、収縮スリーブとして、巻かれた包装に密着して及び滑らかに適合する収縮フィルムから成る場合に特に利点をもたらす。
【0057】
本発明に従った方法の特別な利点は、加熱により、溶接シーム12が、収縮フィルムの周囲エリアを損なわせないため、そのような用途で明らかになる。既知の溶接プロセスでは、(また、比較的広い)溶接部から周囲プラスチックフィルムへの熱流は、見掛けが悪く望ましくない、収縮後でさえ依然として目に見える変形、特に、しわ、ひいては、美学的に不十分な結果をもたらすが、本発明はこれらの不利点をなくすことができる。溶接シーム12は非常に狭く、上記に説明したように、溶接シーム12に隣接するプラスチックフィルム10の熱による損傷を回避し、溶接シーム12のエリア内で、滑らかなままであり、その完全な収縮能力も保持する。
【0058】
図11は、チューブバッグ16における本発明に従った溶接シーム12の実施形態の概略斜視図である。これは、図10に示されるように、両端でシールされるフィルムチューブ14を備える。これは、通常、包装製品を充填した後、第2の側で行われる。同時に、上部シーム、すなわち上側溶接シーム12によって閉じられるチューブバッグ16は、接合/分離の組み合わせを用いてフィルムウェブから分離される一方、次のチューブバッグ16のさらなる底部シーム、すなわち下側溶接シーム12が生成される。
【0059】
また、収縮フィルムは、この用途に使用でき、特に、ボックスを包むために使用でき、包装材は収縮後にボックスにぴったりと密着する。ここでも、魅力的な外観は、非常に狭く、きれいなかつ非歪曲な溶接シーム12によって実現できるという利点がある。
【0060】
図12は、接合/分離の組み合わせで本発明に従ったデバイス1の設計の概略側面図を示し、すなわち、溶接の直後に、または実質的に同時に、プラスチックフィルム10は既に非常に狭い溶接12の中央で直接分離される。これは、特に、図13の拡大図で明らかである。デバイス1は、戻りストローク後に示される溶接ジョー2,4を備え、これは、接合/分離点を解放する。
【0061】
図13は、接合されたプラスチックフィルム10と、溶接部12を越えて突出する部分は溶接部12の内部で分離される分離されたエリアとの接合/分離の組み合わせの概略拡大図である。非常に狭い溶接部12を確認できる。
【0062】
溶接部12のそばにある材料は厚くなく、これは、他の先行技術のヒートシールプロセスと同様に、プラスチックフィルム10から過剰な材料が溶融及び変位しないことは既に明らかである。また、影響を受けないプラスチックフィルム10との熱影響ゾーン13の境界は、破線によって示され、溶接部12、接合ゾーンに限定され、プラスチックフィルム10の周囲エリアは影響されなくなっていることも確認できる。
【0063】
図14は、プラスチックフィルム10が溶接部12の両側に延在するように、溶接部12で分離されない、プラスチックフィルム10が接合されたジョイントの概略拡大図を示す。ジョイントゾーンで高さHにある非常に低い溶接部12、融合されたプラスチックフィルム10も確認できる。溶接部12のそばにある材料も厚くなく、これは、プラスチックフィルム10から過剰な材料が溶融及び変位しないことは明らかである。むしろ、熱影響ゾーン13は溶接シーム12のエリアに限定され、プラスチックフィルム10、またはプラスチックフィルム10の外側にあるいずれかのエリア、例えば、包装の内側にある感熱包装製品は不要な加熱の影響を受けない。
【符号の説明】
【0064】
1 デバイス
2 第1の溶接ジョー
4 第2の溶接ジョー
6,6‘ 有効エリア
8 取り付け穴
10 プラスチックフィルム
12 溶接シーム、接合ゾーン、縦シーム、横シーム、溶接スポット
13 熱影響ゾーン
14 チューブ状フィルム
16 チューブバッグ
20 ブロー鍛造プレス
22 スタンド
24 操作レバー
26 第1の溶接ジョーホルダー
28 第2の溶接ジョーホルダー
30 インパルス発生(用のデバイス)
32 供給デバイス
40 供給ロール
42 圧延ツール、プレテンションローラー
a 有効幅
R1 第1の有効範囲半径
R2 第2の有効範囲半径
R3 第3の有効範囲半径
予荷重力
衝突力、衝突強度
供給距離
H 接合ゾーン(溶接シーム)の高さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【国際調査報告】