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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-09
(54)【発明の名称】水上浮体装置
(51)【国際特許分類】
   B63B 35/44 20060101AFI20241226BHJP
【FI】
B63B35/44 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539851
(86)(22)【出願日】2022-01-14
(85)【翻訳文提出日】2024-07-01
(86)【国際出願番号】 CN2022071982
(87)【国際公開番号】W WO2023133796
(87)【国際公開日】2023-07-20
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513259609
【氏名又は名称】向陽農業生技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Sunny Rich Agric.& Biotech CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】12F.,NO.99,SEC.2,DUN-HUA S.RD.,TAIPEI CITY TAIWAN
(74)【代理人】
【識別番号】110003214
【氏名又は名称】弁理士法人服部国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳 貴光
(57)【要約】
【課題】 水上浮体装置を提供する。
【解決手段】 本発明の水上浮体装置は底板1、蓋板2、2つの端部カバーを含む。底板は2つの隣接する下凹み部11を有する。各下凹み部は下底壁13を有する。下底壁の2つの側縁はそれぞれ外方向に広がる斜め向きの内側下側壁14、斜め向きの外側下側壁15が上方向に設けられる。蓋板に2つの上延在壁21が設けられる。底板の下接続壁16に対応する位置には接合溝22が下方向に陥入させて設けられる。接合溝は上底壁23を有する。上底壁の2つの側縁はそれぞれ外方向に広がる斜め向きの内側上側壁24が上方向に設けられる。2つの内側上側壁の頂縁にはそれぞれ上横壁25が外側方向に設けられる。上横壁は上延在壁と接続されており、2つの端部カバーは板状体であり、蓋板と底板を組み合わせた後の2つの端部位置に密着できる。これにより本発明は良好な浮遊安定性と構造強度、及び材積の低減効果を有する。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直線形状であり、2つの隣接する下凹み部を有し、2つの前記下凹み部は間にスペースエリアを有し、各前記下凹み部は水平な下底壁を有し、前記下底壁の2つの側縁はそれぞれ外方向に広がる斜め向きの内側下側壁、斜め向きの外側下側壁が上方向に設けられており、2つの前記下凹み部の内側下側壁は隣接しており、且つ前記内側下側壁の高さは前記外側下側壁よりも低く、2つの前記内側下側壁の頂端には水平な下接続壁が設けられており、2つの前記外側下側壁は下延在壁が外に向かって水平に延在している、底板と、
前記底板の上方に設置され、且つ2つの前記下凹み部の上方の位置に密着し、直線形状であり、2つの前記下延在壁に対応する位置に2つの上延在壁が設けられ、前記下接続壁に対応する位置には長辺方向に対応する接合溝が下方向に陥入させて設けられており、前記接合溝は前記下接続壁と当接することができる上底壁を有し、前記上底壁の2つの側縁はそれぞれ外方向に広がる斜め向きの内側上側壁が上方向に設けられており、2つの前記内側上側壁の頂縁にはそれぞれ上横壁が外側方向に設けられており、前記上横壁は前記上延在壁と接続されている、蓋板と、
板状体であり、且つ前記蓋板と前記底板が組み合わされた後の2つの端部位置に密着することができる2つの端部カバーと、を含み、
前記底板、前記蓋板、2つの前記端部カバーが組み合わされると中空部を有する浮体となることを特徴とする水上浮体装置。
【請求項2】
前記上横壁の外側縁には外方向に広がり且つ前記上延在壁と接続された斜め向きの外側上側壁が下方向に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の水上浮体装置。
【請求項3】
前記端部カバーの側方には前記底板、前記蓋板の端部の外表面と当接する外側縁が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の水上浮体装置。
【請求項4】
前記端部カバーの内表面にはリブが設けられていることを特徴とする請求項3に記載の水上浮体装置。
【請求項5】
前記端部カバーの内表面には前記底板、前記蓋板の端部の内側と当接する内側縁が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の水上浮体装置。
【請求項6】
前記端部カバーの内表面には前記底板、前記蓋板の端部を挿入して設置する嵌入溝が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の水上浮体装置。
【請求項7】
防水パッキンをさらに含み、前記端部カバーの嵌入溝に前記防水パッキンが設置されることを特徴とする請求項6に記載の水上浮体装置。
【請求項8】
前記蓋板には前記接合溝の垂直方向に対応し且つ前記接合溝と交差する横接合溝が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の水上浮体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水上浮体装置に関し、主に良好な構造強度と浮遊安定性を有し、材積を低減できる浮体に関する。
【背景技術】
【0002】
水体の更なる有効利用のために、現在では水体上に浮体を備えたプラットフォームを設置することが多くなっている。通常、プラットフォームは複数のロッド体で構成された硬質フレームを備えており、フレーム上方には太陽光発電設備や他の漁業関連のオブジェクトを設置でき、フレーム下方には複数の直線形状で中空円柱状のフロートが設置され、フレーム及び上方のオブジェクトはフロートによって水体上に浮遊することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前述の単一の円柱状フロートは、水体上に置いたときに回転しやすく、浮遊の安定性が悪いため、複数の円柱状フロートを組み合わせなければならないが、円柱状フロートは外部フレーム部材と結合するのが容易ではなく、組み立てが不便であるうえに結合の安定性が悪い。また、個々の円柱状フロート自体が分解できないため、浮体の体積が大きくなり、積載や輸送に不利であるという欠点が存在する。
【0004】
現在、ブロー成形を利用して製造された浮体も存在するが、浮体の製造コストが高く、体積も大きいため、輸送や保管が容易ではないという欠点も存在する。また現在では、ブロック状発泡体で製造された浮体も存在するが、ブロック状発泡体は構造強度が低いうえに外部フレームとの結合が容易ではなく、発泡体の体積も大きいため、占める材積が大きくなって積載や輸送に不利であるという欠点も存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述に鑑みてなされたものであり、その目的は、良好な構造強度、浮体安定性を有し、材積を低減できる水上浮体装置を提供することを目的としている。
【0006】
本発明の水上浮体装置は、底板、蓋板、2つの端部カバーを含み、底板は直線形状であり、2つの隣接する下凹み部を有し、2つの下凹み部は間にスペースエリアを有し、各下凹み部は水平な下底壁を有し、下底壁の2つの側縁はそれぞれ外方向に広がる斜め向きの内側下側壁、斜め向きの外側下側壁が上方向に設けられており、2つの下凹み部の内側下側壁は隣接しており、且つ内側下側壁の高さは外側下側壁よりも低く、2つの内側下側壁の頂端には水平な下接続壁が設けられており、2つの外側下側壁は下延在壁が外に向かって水平に延在しており、蓋板は底板の上方に設置され、且つ2つ下凹み部の上方の位置に密着することができ、蓋板は直線形状であり、2つの下延在壁に対応する位置に2つの上延在壁が設けられ、下接続壁に対応する位置には長辺方向に対応する接合溝が下方向に陥入させて設けられており、接合溝は下接続壁と当接することができる上底壁を有し、上底壁の2つの側縁はそれぞれ外方向に広がる斜め向きの内側上側壁が上方向に設けられており、2つの内側上側壁の頂縁にはそれぞれ上横壁が外側方向に設けられており、上横壁は上延在壁と接続されており、2つの端部カバーは板状体であり、且つ蓋板と底板が組み合わされた後の2つの端部位置に密着することができ、底板、蓋板、2つの端部カバーが組み合わされると中空部を有する浮体となる。
【0007】
さらに、上横壁の外側縁には外方向に広がり且つ上延在壁と接続された斜め向きの外側上側壁が下方向に設けられている。
【0008】
さらに、端部カバーの側方には底板、蓋板の端部の外表面と当接する外側縁が設けられている。
【0009】
さらに、端部カバーの内表面にはリブが設けられている。
【0010】
さらに、端部カバーの内表面には底板、蓋板の端部の内側と当接する内側縁が設けられている。
【0011】
さらに、端部カバーの内表面には底板、蓋板の端部を挿入して設置する嵌入溝が設けられている。
【0012】
さらに、防水パッキンをさらに含み、端部カバーの嵌入溝に防水パッキンが設置される。
【0013】
さらに、蓋板には接合溝の垂直方向に対応し且つ接合溝と交差する横接合溝が設けられている。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る水上浮体装置は、複数の底板、複数の蓋板を重ねて置くことを可能にし、材積を大幅に低減することができ、輸送や保管を容易にすることができる。
【0015】
本発明に係る水上浮体装置の蓋板の接合溝は、外部フレームの端部を挿通して結合し、浮体と外部フレームの良好な組立利便性や安定効果がある。また、本発明に係る水上浮体装置が水体上に置かれたとき、2つの下凹み部に対応する位置が同時に水面上に浮遊し、比較的大きな回復トルクを具備し得るうえに、浮遊の円滑性を向上せしめ、浮体上方の載置物の揺れを低減することができ、良好な浮遊安定効果を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係る水上浮体装置の第1実施例の部分分解斜視図である。
図2】本発明に係る水上浮体装置の第1実施例の部分組立斜視図である。
図3】本発明に係る水上浮体装置の第1実施例の部分組立断面図である。
図4】本発明に係る水上浮体装置の第1実施例である複数の底板及び複数の蓋板を積み重ねた概念図である。
図5】本発明に係る水上浮体装置の第1実施例が外部フレームと結合して水体に設置された概念図である。
図6】本発明に係る水上浮体装置の第2実施例である端部カバーの組立断面図である。
図7】本発明に係る水上浮体装置の第3実施例である端部カバーの組立断面図である。
図8】本発明に係る水上浮体装置の第4実施例である浮体の部分組立斜視図である。
図9】本発明に係る水上浮体装置の第4実施例であるフロートとフレームの組立立体斜視図である。
図10】本発明に係る水上浮体装置の第5実施例の構造断面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0017】
以下の実施例では、本発明において機能が同様の構成要素を同じ符号で示している。本発明に係る水上浮体装置の第1実施例である図1図3を参照されたい。第1実施例は、底板1、蓋板2、2つの端部カバー3(図では1つの端部カバー3が示されている)を含み、底板1はプラスチックで製造可能であり、押し出し又は圧出によって製造することで製造効率を上げることができ、底板1は直線形状であり、2つの隣接する下凹み部11を有し、2つの下凹み部11は間にスペースエリア12を有し、各下凹み部11は水平な下底壁13を有し、下底壁13の2つの側縁はそれぞれ外方向に広がる斜め向きの内側下側壁14、斜め向きの外側下側壁15が上方向に設けられており、2つの下凹み部11の内側下側壁14は隣接しており、且つ内側下側壁14の高さは外側下側壁15よりも低く、2つの内側下側壁14の頂端には水平な下接続壁16が設けられており、2つの外側下側壁15は下延在壁17が外に向かって水平に延在している。
【0018】
蓋板2はプラスチックで製造可能であり、押し出し又は圧出によって製造することで製造効率を上げることができ、蓋板2は底板1の上方に設置され、且つ2つ下凹み部11の上方の位置に密着することができ、蓋板2は直線形状であり、底板1の2つの下延在壁17に対応する位置に2つの上延在壁21が設けられ、底板1の下接続壁16に対応する位置には蓋板2の長辺方向に対応する接合溝22が下方向に陥入させて設けられており、接合溝22は下接続壁16と当接することができる上底壁23を有し、上底壁23の2つの側縁はそれぞれ外方向に広がる斜め向きの内側上側壁24が上方向に設けられており、2つの内側上側壁24の頂縁にはそれぞれ上横壁25が外側方向に設けられており、上横壁25の外側縁には外方向に広がり且つ上延在壁21と接続された斜め向きの外側上側壁26が下方向に設けられている。
【0019】
端部カバー3はプラスチックで製造可能であり、板状体であり、且つ蓋板2と底板1が組み合わされた後の2つの端部位置に密着することができ、底板1、蓋板2、2つの端部カバー3が組み合わされると中空部10を有する浮体となり、端部カバー3の側方には底板1、蓋板2の端部の外表面と当接することができる外側縁31が設けられており、内表面には複数のリブ32が設けられている。
【0020】
図1及び図4を参照されたい。本発明に係る水上浮体装置は、内側下側壁14、外側下側壁15が斜め向きに設計されていることによって複数の底板1を上下に積み重ねることができ、また内側上側壁24、外側上側壁26の斜め向きの設計によって複数の蓋板2を積み重ねやすくすることができ、材積を大幅に低減できるうえに輸送や保管を容易にすることができ、さらに端部カバー3の厚さも薄く、容易に重ねて置くことができる(図示しない)。
【0021】
本発明に係る水上浮体装置は、蓋板2に底板1を閉蓋させることができ、且つ上延在壁21、下延在壁17及び上底壁23、下接続壁16を当接させたうえで防水接着剤(図示しない)又は他のシール部材を設け、接続固定してシールすることができ、また2つの端部カバー3をそれぞれ底板1及び蓋板2の両端の位置に組立設置し、且つ外側縁31を底板1、蓋板2に当接させたうえで防水接着剤(図示しない)又は他のシール部材によって固定することにより、中空部10を密閉して浮力を有する浮体を組み立てることができ、さらに本発明の底板1、蓋板2は複数の様々な角度の折れ曲がりを有し、且つ端部カバー3はリブ32の設計を有するため、良好なねじれ剛性の構造強度と耐衝撃性を持たせることができる。
【0022】
図5を参照されたい。本発明に係る水上浮体装置の蓋板2の接合溝22は、外部フレーム4の端部を挿通して結合するのに提供でき、内側上側壁24の底縁は外部フレーム4と当接することができ、且つ接合部材41が上底壁23、下接続壁16に挿通されてフレーム4と結合し、浮体と外部フレーム4の良好な組立利便性や安定効果を提供することができる。また、本発明が水5上に置かれたとき、2つの下凹み部11に対応する位置が同時に水面51上に浮遊し、比較的大きな回復トルクを具備し得るうえに、中央のスペースエリア12が波の衝撃を低減せしめ、水5との接触面積及び接触抵抗力を低減することができ、浮遊の円滑性を優れたものに向上せしめ、浮体上方の載置物の揺れを低減することができ、良好な浮遊安定効果を有することができる。
【実施例2】
【0023】
本発明に係る水上浮体装置の第2実施例である図6を参照されたい。第2実施例は第1実施例と類似するが、主な違いとして、端部カバー3の内表面に底板1、蓋板2の端部の内側と当接することができる内側縁33が設けられており、内側縁33は防水接着剤(図示しない)又は他の接合部材によって底板1、蓋板2と接続固定することができ、良好なシール効果を持たせることができる。
【実施例3】
【0024】
本発明に係る水上浮体装置の第3実施例である図7を参照されたい。第3実施例は第1実施例と類似するが、主な違いとして、端部カバー3の内表面に底板1、蓋板2の端部を挿入して設置することができる嵌入溝34が設けられ、さらに嵌入溝34内に防水パッキン35が設置されており、端部カバー3を底板1、蓋板2と接合した後に防水接着剤(図示しない)又は他の接合部材によって底板1、蓋板2と接続固定することができ、防水パッキン35がシール・防水効果をより優れたものに向上せしめる。
【実施例4】
【0025】
本発明に係る水上浮体装置の第4実施例である図8図9を参照されたい。第4実施例は第1実施例と類似するが、主な違いとして、蓋板2に接合溝22の垂直方向に対応し且つ接合溝22と交差する横接合溝27が設けられており、横接合溝27によって蓋板2の強度を向上させることができ、さらに接合溝22、横接合溝27は十字型底端を有するフレーム4と接合することができ、浮体とフレーム4の結合の頑強性をより優れたものに向上せしめる。
【実施例5】
【0026】
本発明に係る水上浮体装置の第5実施例である図10を参照されたい。第5実施例は第1実施例と類似するが、主な違いとして、蓋板2は図1の外側上側壁26を備えず、上横壁25と上延在壁21が同一平面を呈しており、浮体の中空部10の体積は第1実施例よりも小さく、且つ第1実施例と同様の効果を有することができる。
【0027】
以上、本発明に係る水上浮体装置は浮体の斬新な設計であり、良好な浮遊安定性と構造強度、及び材積の低減効果を有するが、前述の実施例は本発明を例示するものであり、決して本発明を限定するものではなく、本発明の精神に基づく同等の効果が得られる改変はすべて本発明の設計の範囲に属する。
【符号の説明】
【0028】
1 底板
10 中空部
11 下凹み部
12 スペースエリア
13 下底壁
14 内側下側壁
15 外側下側壁
16 下接続壁
17 下延在壁
2 蓋板
21 上延在壁
22 接合溝
23 上底壁
24 内側上側壁
25 上横壁
26 外側上側壁
27 横接合溝
3 端部カバー
31 外側縁
32 リブ
33 内側縁
34 嵌入溝
35 防水パッキン
4 フレーム
41 接合部材
5 水
51 水面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】