(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-09
(54)【発明の名称】睡眠時無呼吸の治療のためのα2-アドレナリン受容体サブタイプCアンタゴニスト
(51)【国際特許分類】
C07D 405/06 20060101AFI20241226BHJP
A61K 31/453 20060101ALI20241226BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20241226BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
C07D405/06 CSP
A61K31/453
A61P11/00
A61K45/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024540752
(86)(22)【出願日】2023-01-05
(85)【翻訳文提出日】2024-09-03
(86)【国際出願番号】 EP2023050164
(87)【国際公開番号】W WO2023131640
(87)【国際公開日】2023-07-13
(32)【優先日】2022-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】313006625
【氏名又は名称】バイエル・アクチエンゲゼルシヤフト
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100216839
【氏名又は名称】大石 敏幸
(74)【代理人】
【識別番号】100228980
【氏名又は名称】副島 由加里
(74)【代理人】
【識別番号】100151448
【氏名又は名称】青木 孝博
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】デルベック,マルティナ
(72)【発明者】
【氏名】ハーン,ミヒャエル
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C084AA19
4C084NA05
4C084ZA601
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC21
4C086GA02
4C086GA07
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA60
4C086ZC42
(57)【要約】
本発明は、睡眠関連呼吸障害、好ましくは閉塞性および中枢性睡眠時無呼吸およびいびきの治療および/または予防のための方法における使用のための、α2-アドレナリン受容体サブタイプC(アルファ-2C)アンタゴニスト、特に式(I)の3-置換1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)アザサイクルに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
睡眠関連呼吸障害、好ましくは閉塞性および中枢性睡眠時無呼吸およびいびきの治療および/または予防のための方法において使用するための、式(I)
【化1】
〔式中、
Xは、C(R
5)(R
6)またはC(R
7)(R
8)であり;
Zは、-[C(R
4)
2]
n-または単結合であり;
R
1は、それぞれ独立して、ヒドロキシ、(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルコキシ、ハロゲン、ハロ(C
1-C
6)アルキル、フェニル(C
1-C
6)アルコキシ、(C
1-C
6)アルコキシ-(C=O)-、CN、NO
2、NH
2、モノ-またはジ(C
1-C
6)アルキルアミノまたはカルボキシであり;
R
2は、それぞれ独立して、Hまたは(C
1-C
6)アルキルであり;
R
3は、それぞれ独立して、Hまたは(C
1-C
6)アルキルであり;
R
4は、それぞれ独立して、H、ヒドロキシ、(C
1-C
6)アルキル、(C
2-C
6)アルケニル、ヒドロキシ(C
1-C
6)アルキル、ヒドロキシ(C
2-C
6)アルケニル、(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキル、(C
2-C
6)アルケニルオキシ(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルキル-(C=O)-、(C
1-C
6)アルコキシ-(C=O)-、ヒドロキシ(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキルまたは(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキルであり;
または
同じ炭素環原子に結合しているR
4およびR
4の両方は、それらが結合している炭素環原子と一緒になって、-(C=O)基を形成し;
R
5は、Hまたはヒドロキシであり;
または
隣接する炭素環原子に結合しているR
4およびR
5は、それらが結合している炭素環原子間に結合を形成し;
R
6は、非置換のフェニルであるか、または1または2個の置換基R
9で置換されているフェニルであり;
R
7は、(C
1-C
6)アルキル、ヒドロキシ(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキルまたは(C
1-C
6)アルコキシ-(C=O)-であり;
R
8は、ヒドロキシ、(C
1-C
6)アルキル、(C
2-C
6)アルケニル、(C
1-C
6)アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ(C
1-C
6)アルキル、ハロ(C
1-C
6)アルキル、ヒドロキシ(C
2-C
6)アルケニル、ヒドロキシ(C
1-C
6)アルコキシ、ハロ(C
1-C
6)アルコキシ、フェニル(C
1-C
6)アルコキシ、(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキル、(C
2-C
6)アルケニルオキシ(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルキル-(C=O)-、(C
1-C
6)アルコキシ-(C=O)-、(C
1-C
6)アルコキシ-(C=O)-(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルキル-S-、(C
1-C
6)アルキル-(C=O)-O-、(C
1-C
6)アルキル-(C=O)-O-(C
1-C
6)アルキル、ヒドロキシ-(C=O)-(C
1-C
6)アルコキシ、ヒドロキシ-(C=O)-(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルコキシ-(C=O)-(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルキル-S-(C
1-C
6)アルキル、ヒドロキシ(C
1-C
6)アルキル-S-(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキル-S-(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルキル- (C=O)-S-(C
1-C
6)アルキル (C
1-C
6)アルコキシ-(C=-O)-(C
1-C
6)アルキル-S-(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルキル-S- (C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキル、ヒドロキシ(C
1-C
6)アルキル-S-(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキル-S- (C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルキル-(O=S=O)-(C
1-C
6)アルキル、ヒドロキシ(C
1-C
6)アルキル-(O=S=O)-(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキル-(O=S=O)-(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルキル-(O=S=O)-(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキル、ヒドロキシ(C
1-C
6)アルキル- (O=S=O)-(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキル-(O=S=O)-(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルキル-O-(O=S=O)-(C
1-C
6)アルキル、ヒドロキシ(C
1-C
6)アルキル-O-(O=S=O)-(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルキル-(O=S=O)-O-(C
1-C
6)アルキル、ヒドロキシ(C
1-C
6)アルキル-(O=S=O)-O-(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルキル-(O=S=O)-N(R
10)-(C
1-C
6)アルキル、ヒドロキシ(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキル、ハロ(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキル、CN、NO
2、(R
10)2N-、(R
10)
2N-(C
1-C
6)アルキル、(R
10)
2N-(C=O)-、(R
10)
2N-(C=O)-(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキル、(R
10)
2N-(C=O)-(C
1-C
6)アルキル-S-(C
1-C
6)アルキル、(R
10)
2N-(C=O)-(C
1-C
6)アルキル-(O=S=O)-(C
1-C
6)アルキル、カルボキシ、R
11-(O=S=O)-、R
11-(O=S=O)-O-または(C
1-C
6)アルコキシ-(C
1-C
6)アルコキシであり;
または
隣接する炭素環原子に結合しているR
4およびR
8は、それらが結合している炭素環原子と一緒になって、縮合フェニル環を形成し、ここで、前記フェニル環は、非置換であるか、またはそれぞれ独立して、ヒドロキシ、(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルコキシ、ヒドロキシ(C
1-C
6)アルキル、ハロ(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルキル-(C=O)-または(C
1-C
6)アルコキシ-(C=O)-である1または2個の置換基で置換されており;
または
隣接する炭素環原子に結合しているR
4およびR
8は、それらが結合している炭素環原子と一緒になって、縮合5員もしくは6員の飽和もしくは不飽和炭素環式環、またはN、O、およびSから選択される1個もしくは2個のヘテロ原子を含む縮合5員もしくは6員の飽和もしくは不飽和複素環式環を形成し、ここで、前記炭素環式または複素環式環は、非置換であるか、またはそれぞれ独立して、ヒドロキシ、(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルコキシ、ヒドロキシ(C
1-C
6)アルキル、ハロ(C,-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルキル-(C=O)-、(C
1-C
6)アルコキシ-(C=O)-またはオキソである1または2個の置換基で置換されており;
または
R
7およびR
8は、それらが結合している炭素環原子と一緒になって、5員または6員の飽和炭素環式環またはN、O、およびSから選択される1または2個のヘテロ原子を含む5員または6員の飽和複素環式環を形成し、ここで、前記炭素環式または複素環式環は、非置換であるか、またはそれぞれ独立して、ヒドロキシ、(C
1-C
6)アルキルまたはオキソである1または2個の置換基で置換されており;
R
9は、それぞれ独立して、ヒドロキシ、(C
1-C
6)アルキル、(C
2-C
6)アルケニル、(C
1-C
6)アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ(C
1-C
6)アルキル、ハロ(C
1-C
6)アルキル、ヒドロキシ(C
2-C
6)アルケニル、ヒドロキシ(C
1-C
6)アルコキシ、ハロ(C
1-C
6)アルコキシ、フェニル(C
1-C
6)アルコキシ、(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキル、(C
2-C
6)アルケニルオキシ(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルキル-(C=O)-、(C
1-C
6)アルコキシ-(C=O)-、(C
1-C
6)アルコキシ-(C=O)-(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルキル-S-、(C
1-C
6)アルキル-(C=O)-O-、(C
1-C
6)アルキル-(C=O)-O-(C
1-C
6)アルキル、ヒドロキシ-(C=O)-(C
1-C
6)アルコキシ、ヒドロキシ-(C=O)-(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルコキシ-(C=O)-(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルキル-S-(C
1-C
6)アルキル、ヒドロキシ(C
1-C
6)アルキル-S-(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキル-S-(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルキル-(C=O)-S-(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルコキシ-(C=O)-(C
1-C
6)アルキル-S-(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルキル-S-(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキル、ヒドロキシ(C
1-C
6)アルキル-S-(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキル-S-(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルキル-(O=S=O)-(C
1-C
6)アルキル、ヒドロキシ(C
1-C
6)アルキル-(O=S=O)-(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキル-(O=S=O)-(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルキル-(O=S=O)-(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキル、ヒドロキシ(C
1-C
6)アルキル-(O=S=O)-(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキル-(O=S=O)-(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルキル-O-(O=S=O)-(C
1-C
6)アルキル、ヒドロキシ(C
1-C
6)アルキル-O-(O=S=O)-(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルキル-(O=S=O)-O-(C
1-C
6)アルキル、ヒドロキシ(C
1-C
6)アルキル-(O=S=O)-O-(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルキル-(O=S=O)-N(R
10)-(C
1-C
6)アルキル、ヒドロキシ(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキル、ハロ(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキル、CN、NO
2、(R
10)
2N-、(R
10)
2N-(C
1-C
6)アルキル、(R
10)
2N-(C=O)-、(R
10)
2N-(C=O)-(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキル、(R
10)
2N-(C=O)-(C
1-C
6)アルキル-S-(C
1-C
6)アルキル、(R
10)
2N-(C=O)-(C
1-C
6)アルキル-(O=S=O)-(C
1-C
6)アルキル、カルボキシ、R
11-(O=S=O)-またはR
11-(O=S=O)-O-であり;
または
隣接する炭素環原子に結合しているR
9およびR
9は、それらが結合している炭素環原子と一緒になって、縮合フェニル環、縮合5員もしくは6員の不飽和炭素環式環、またはOおよびSから選択される1個もしくは2個のヘテロ原子を含む縮合5員もしくは6員の不飽和複素環式環を形成し、ここで、前記フェニル、炭素環式または複素環式環は、非置換であるか、またはそれぞれ独立して、ヒドロキシ、(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルコキシ、ヒドロキシ(C
1-C
6)アルキル、ハロ(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルキル-(C=O)-もしくは(C
1-C
6)アルコキシ-(C=O)-である1個もしくは2個の置換基で置換されており;
R
10は、それぞれ独立して、H、(C
1-C
6)アルキル、ヒドロキシ(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルキル-(C=O)-またはR
11-(O=S=O)-であり;
R
11は、それぞれ独立して、ヒドロキシ、(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルコキシ、ハロ(C
1-C
6)アルキルまたはモノ-もしくはジ(C
1-C
6)アルキルアミノであり;
mは、0、1または2であり;および
nは、1または2である〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステル(ただし、前記化合物は、1-(7-tert-ブチル-2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3,3-ジメチル-ピペリジン、1-(6-tert-ブチル-2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3,3-ジメチル-ピペリジン、2-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-6,7-ジメトキシ-1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリン、2-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-6,7-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリン、2-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンまたは1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル-3-(3-トリフルオロメチル-フェニル)-ピロリジンではない)
【請求項2】
Zが、-[C(R
4)
2]n-であり、nが、1である、睡眠関連呼吸障害、好ましくは閉塞性および中枢性睡眠時無呼吸およびいびきの治療および/または予防のための方法に使用するための請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R
2が、Hであり、
R
3が、Hであり、
R
4が、それぞれ独立して、H、ヒドロキシまたは(C
1-C
6)アルキルである、
睡眠関連呼吸障害、好ましくは閉塞性および中枢性睡眠時無呼吸およびいびきの治療および/または予防のための方法に使用するための請求項1または2のいずれかに記載の化合物。
【請求項4】
mが、0であり、
R
1が、ヒドロキシ、(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルコキシまたはハロゲンである、
睡眠関連呼吸障害、好ましくは閉塞性および中枢性睡眠時無呼吸およびいびきの治療および/または予防のための方法に使用するための請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
Xが、C(R
5)(R
6)であり、および/または
R
5が、Hであり、および/または
R
6が、1個の置換R
9で置換されたフェニルであり、R
9が、ヒドロキシ、(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ(C
1-C
6)アルコキシ、または(R
10)
2N-である、
睡眠関連呼吸障害、好ましくは閉塞性および中枢性睡眠時無呼吸およびいびきの治療および/または予防のための方法に使用するための請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
Xが、C(R
7)(R
8)であり;および/または
R
7が、(C
1-C
6)アルキル、ヒドロキシ(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキルまたは(C
1-C
6)アルコキシ-(C=O)-であり;および/または
R
8が、ヒドロキシ(C
1-C
6)アルキル、ヒドロキシ(C
1-C
6)アルコキシ、(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキルまたはヒドロキシ(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキルである、
睡眠関連呼吸障害、好ましくは閉塞性および中枢性睡眠時無呼吸およびいびきの治療および/または予防のための方法に使用するための請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
Xが、C(R
5)(R
6)またはC(R
7)(R
8)であり;
Zが、-[C(R
4)
2]n-または単結合であり;
R
1が、それぞれ独立して、ヒドロキシ、(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルコキシ、ハロゲン、フェニル(C
1-C
6)アルコキシまたはNO
2であり;
R
2が、それぞれ独立して、Hであり;
R
3が、それぞれ独立して、Hであり;
R
4が、それぞれ独立して、H、ヒドロキシまたは(C
1-C
6)アルキルであり;
または
同じ炭素環原子に結合しているR
4およびR
5の両方が、それらが結合している炭素環原子と一緒になって、-(C=O)基を形成し;
R
5が、Hであり;
または
隣接する炭素環原子に結合しているR
4およびR
5が、それらが結合している炭素環原子間に結合を形成し;
R
6が、非置換のフェニルであるか、または1または2個の置換基R
9で置換されているフェニルであり;
R
7が、(C
1-C
6)アルキル、ヒドロキシ(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキルまたは(C
1-C
6)アルコキシ-(C=O)-であり;
R
8が、ヒドロキシ、(C
1-C
6)アルキル、(C
2-C
6)アルケニル、(C
1-C
6)アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ(C
1-C
6)アルキル、ハロ(C
1-C
6)アルキル、ヒドロキシ(C
1-C
6)アルコキシ、(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキル、(C
2-C
6)アルケニルオキシ(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルキル-(C=O)-、(C
1-C
6)アルコキシ-(C=O)-、(C
1-C
6)アルコキシ-(C=O)-(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルキル-(C=O)-O-(C
1-C
6)アルキル、ヒドロキシ-(C=O)-(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルコキシ-(C=O)-(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキル、ヒドロキシ(C
1-C
6)アルキル-S-(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルキル-(C=O)-S-(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルキル-(O=S=O)-O-(C
1-C
6)アルキル、ヒドロキシ(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキル、ハロ(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキル、CN、(R
10)
2N-(C
1-C
6)アルキル、(R
10)
2N-(C=O)-、カルボキシ、または(C
1-C
6)アルコキシ-(C
1-C
6)アルコキシであり;
または
隣接する炭素環原子に結合しているR
4およびR
8が、それらが結合している炭素環原子と一緒になって、縮合フェニル環を形成し、ここで、前記フェニル環は、非置換であるか、またはそれぞれ独立して、ヒドロキシ(C
1-C
6)アルキルもしくは(C
1-C
6)アルコキシ-(C=O)-である1または2個の置換基で置換されており;
または
隣接する炭素環原子に結合しているR
4およびR
8が、それらが結合している炭素環原子と一緒になって、縮合6員の飽和炭素環式環を形成し、ここで、前記炭素環式環は非置換であり;
R
9が、それぞれ独立して、ヒドロキシ、(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ(C
1-C
6)アルキル、ハロ(C
1-C
6)アルキル、ヒドロキシ(C
1-C
6)アルコキシ、ハロ(C
1-C
6)アルコキシ、フェニル(C
1-C
6)アルコキシ、(C
1-C
6)アルコキシ-(C=O)-、(C
1-C
6)アルキル-(C=O)-O-、ヒドロキシ-(C=O)-(C
1-C
6)アルコキシ、CN、(R
10)
2N-、(R
10)
2N-(C=O)-、R
11-(O=S=O)-またはR
11-(O=S=O)-O-であり;
または
隣接する炭素環原子に結合しているR
9およびR
9が、それらが結合している炭素環原子と一緒になって、Oから選択される1または2個のヘテロ原子を含有する縮合5員または6員の不飽和複素環式環を形成し、ここで、前記フェニル、炭素環式または複素環式環は、非置換であり;
R
10が、それぞれ独立して、Hまたは(C
1-C
6)アルキルであり、
R
11が、それぞれ独立して、(C
1-C
6)アルキルまたはハロ(C
1-C
6)アルキルであり;
mが、0、1または2であり;および
nが、1または2である、
睡眠関連呼吸障害、好ましくは閉塞性および中枢性睡眠時無呼吸およびいびきの治療および/または予防のための方法に使用するための請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
Xが、C(R
5)(R
6)またはC(R
7)(R
8)であり;
Zが、-[C(R
4)
2]n-であり;
R
1が、それぞれ独立して、ヒドロキシ、(C
1-C
6)アルキル、またはハロゲンであり;
R
2が、それぞれ独立して、Hであり;
R
3が、それぞれ独立して、Hであり;
R
4が、それぞれ独立して、Hであり;
R
5が、Hであり;
R
6が、非置換のフェニルであるか、または1または2個の置換基R
9で置換されているフェニルであり;
R
7が、(C
1-C
6)アルキルであり;
R
8が、ヒドロキシ(C
1-C
6)アルキル、ヒドロキシ(C
1-C
6)アルコキシ、(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキルまたはヒドロキシ(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキルであり、
R
9が、それぞれ独立して、ヒドロキシ、(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ(C
1-C
6)アルコキシまたは(R
10)
2N-であり;
R
10が、それぞれ独立して、Hまたは(C
1-C
6)アルキルであり、
mが、0または1であり;
nが、1である、
睡眠関連呼吸障害、好ましくは閉塞性および中枢性睡眠時無呼吸およびいびきの治療および/または予防のための方法に使用するための請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
Xが、C(R
5)(R
6)またはC(R
7)(R
8)であり;
Zが、単結合であり;
R
1が、それぞれ独立して、ヒドロキシ、(C
1-C
6)アルキル、またはハロゲンであり;
R
2が、それぞれ独立して、Hであり;
R
3が、それぞれ独立して、Hであり;
R
4が、それぞれ独立して、Hであり;
R
5が、Hであり;
R
6が、非置換のフェニルであるか、または1または2個の置換基R
9で置換されているフェニルであり;
R
7が、(C
1-C
6)アルキルであり;
R
8が、ヒドロキシ(C
1-C
6)アルキル、ヒドロキシ(C
1-C
6)アルコキシ、(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキルまたはヒドロキシ(C
1-C
6)アルコキシ(C
1-C
6)アルキルであり、
R
9が、それぞれ独立して、ヒドロキシ、(C
1-C
6)アルキル、(C
1-C
6)アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ(C
1-C
6)アルコキシまたは(R
10)
2N-であり;
R
10が、それぞれ独立して、Hまたは(C
1-C
6)アルキルであり、
mが、0または1であり;
nが、1である、
睡眠関連呼吸障害、好ましくは閉塞性および中枢性睡眠時無呼吸およびいびきの治療および/または予防のための方法に使用するための請求項7に記載の化合物。
【請求項10】
化合物が、
1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-5-フェニル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン、1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-フェニルピペリジン、1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-(2-メトキシフェニル)ピペリジン、3-(4-クロロフェニル)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)ピペリジン、1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-(3-メトキシフェニル)ピペリジン、1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-p-トリルピペリジン、1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-(4-メトキシフェニル)ピペリジン、1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-o-トリルピペリジン、4-[1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)ピペリジン-3-イル]フェノール、1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-(3-フルオロフェニル)ピペリジン、3-[1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)ピペリジン-3-イル]フェノール、2-[1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)ピペリジン-3-イル]フェノール、(R*)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-(2-フルオロフェニル)ピペリジン、(S*)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-(2-フルオロフェニル)ピペリジン、(R*)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-(3-フルオロフェニル)ピペリジン、(R*)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-(3-フルオロフェニル)ピペリジン・HCl、(S*)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-(3-フルオロフェニル)ピペリジン、(R*)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-(4-フルオロフェニル)ピペリジン、(S*)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-(4-フルオロフェニル)ピペリジン、(R*)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-(3-トリフルオロメチル-フェニル)ピペリジン、(S*)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-(3-トリフルオロメチル-フェニル)ピペリジン、(R*)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-(4-トリフルオロメチルフェニル)ピペリジン、(S*)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-(4-トリフルオロメチルフェニル)ピペリジン、(R*)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-(3-メトキシフェニル)ピペリジン、(R*)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-(3-メトキシフェニル)ピペリジン・HCl、(S*)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-(3-メトキシフェニル)ピペリジン、(R*)-3-{1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]ピペリジン-3-イル}フェノール、(R*)-3-{1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]ピペリジン-3-イル}フェノール・HCl、(3-{(R*)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]ピペリジン-3-イル}フェニル)メタノール、酢酸3-{(S)-1-[(R*)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]ピペリジン-3-イル}フェニルエステル・HCl、2-(3-{(R*)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]ピペリジン-3-イル}フェノキシ)エタノール、3-(3-{(R*)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]ピペリジン-3-イル}フェノキシ)プロパン-1-オール、トリフルオロメタンスルホン酸3-{(R*)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-ピペリジン-3-イル}フェニルエステル、(3-{(R*)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]ピペリジン-3-イル}フェノキシ)酢酸、3-{(R*)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-ピペリジン-3-イル}-ベンゾニトリル、3-ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イル-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-ピペリジン、3-[(R*)-1-((S)-6-ベンジルオキシ-2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-ピペリジン-3-イル]-フェノール、(S)-2-[(R*)-3-(3-ヒドロキシ-フェニル)-ピペリジン-1-イルメチル]-2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-6-オール、3-[(R*)-1-((S)-7-ベンジルオキシ-2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-ピペリジン-3-イル]-フェノール、(S)-3-[(R*)-3-(3-ヒドロキシフェニル)-ピペリジン-1-イルメチル]-2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-6-オール、3-[(R*)-1-((S)-8-ベンジルオキシ-2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)ピペリジン-3-イル]フェノール、(S)-3-[(R*)-3-(3-ヒドロキシ-フェニル)-ピペリジン-1-イルメチル]-2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-5-オール、(R*)-3-[1-((S)-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)ピペリジン-3-イル]フェノール、1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-メチルピペリジン-3-カルボン酸エチルエステル、1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-エチルピペリジン-3-カルボン酸エチルエステル、[1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-メチルピペリジン-3-イル]メタノール、1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-メトキシメチル-3-メチルピペリジン、1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-エトキシメチル-3-メチルピペリジン、3-クロロメチル-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-メチルピペリジン、2-[1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-メチルピペリジン-3-イル]プロパン-2-オール、1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-(1-メトキシ-1-メチルエチル)-3-メチルピペリジン、1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-ヒドロキシメチル-3-メチルピペリジン-4-オール、酢酸1-(2,3ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-メチルピペリジン-3-イルメチルエステル、メタンスルホン酸1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-メチルピペリジン-3-イルメチルエステル、[1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-エチルピペリジン-3-イル]メタノール、1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-エチル-3-メトキシメチルピペリジン、1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-メトキシメトキシメチル-3-メチルピペリジン、1-[1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-エチルピペリジン-3-イル]エタノン、1-[1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-エチルピペリジン-3-イル]エタノール、3-アリルオキシメチル-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-エチルピペリジン、2-[1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-エチルピペリジン-3-イル-メトキシ]エタノール、3-アリルオキシメチル-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-メチル-ピペリジン、3-アリル-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-ピペリジン-3-カルボン酸エチルエステル、[3-アリル-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)ピペリジン-3-イル]メタノール、3-アリル-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-メトキシメチルピペリジン、3-アリル-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-エトキシメチルピペリジン、1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-メチル-3-(2,2,2-トリフルオロエトキシメチル)-ピペリジン、2-[1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-メチルピペリジン-3-イルメトキシ]エタノール、(S)-1-((R)-2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-カルボニル)-3-メチルピペリジン-3-カルボン酸エチルエステル、リチウム(S)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-メチル-ピペリジン-3-カルボキシレート、{(S)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-メチルピペリジン-3-イル}メタノール、2-{(S)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-メチルピペリジン-3-イルメトキシ}-エタノール、2-{(S)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-メチルピペリジン-3-イルメトキシ}-エタノールD-タータレート、(S)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-(2-メトキシエトキシメチル)-3-メチルピペリジン、(S)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-メチル-3-(2,2,2-トリフルオロエトキシメチル)ピペリジン、メタンスルホン酸(S)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-メチル-ピペリジン-3-イルメチルエステル、チオ酢酸S-{(S)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-メチルピペリジン-3-イルメチル}エステル、2-{(S)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-メチルピペリジン-3-イルメチル-スルファニル}エタノール、{(S)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチ
ル]-3-メチルピペリジン-3-イルメトキシ}酢酸tert-ブチルエステル、ナトリウム{(S)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-メチルピペリジン-3-イル-メトキシ}アセテート、2-[(S)-1-((S)-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-メチルピペリジン-3-イル-メトキシ]エタノール、1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-フルオロ-ピペリジン-3-カルボン酸エチルエステル、[1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-フルオロ-ピペリジン-3-イル]メタノール、(S)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-メチル-ピペリジン-3-カルボン酸エチルエステル、[(S)-1-((S)-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-メチル-ピペリジン-3-イル]-メタノール、(S)-1-((S)-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-メトキシメチル-3-メチル-ピペリジン、(S)-1-((S)-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-メトキシメチル-3-メチル-ピペリジン・HCl、(S)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]-ジオキシン-2-イル)メチル]-3-メトキシメチル-3-メチル-ピペリジン、3-{(R*)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-ピペリジン-3-イル}-フェニルアミン、(R*)-3-{1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]ピペリジン-3-イル}フェノールオキサレート、(S)-2-[(R*)-3-(3-ヒドロキシ-フェニル)-ピペリジン-1-イルメチル]-2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-5-オール、1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-(2-メトキシ-フェニル)-ピロリジン、(S)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-(2-フルオロ-エトキシメチル)-3-メチル-ピペリジン・HCl、(R*)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-(3-フルオロメトキシ-フェニル)-ピペリジン、1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-メチル-ピロリジン-3-カルボン酸メチルエステル、[1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-メチルピロリジン-3-イル]-メタノール、2-[1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-メチル-ピロリジン-3-イルメトキシ]-エタノール、1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-メトキシメチル-3-メチル-ピロリジンまたは3-[(R)-1-((S)-7-ニトロ-2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-ピペリジン-3-イル]-フェノールである、
睡眠関連呼吸障害、好ましくは閉塞性および中枢性睡眠時無呼吸およびいびきの治療および/または予防のための方法に使用するための請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
化合物が、
(R*)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-(3-フルオロフェニル)ピペリジン、
またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルである、
睡眠関連呼吸障害、好ましくは閉塞性および中枢性睡眠時無呼吸およびいびきの治療および/または予防のための方法に使用するための請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
化合物が、
(R*)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-(3-メトキシフェニル)ピペリジン、
またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルである、
睡眠関連呼吸障害、好ましくは閉塞性および中枢性睡眠時無呼吸およびいびきの治療および/または予防のための方法に使用するための請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
化合物が、
(R*)-3-{1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]ピペリジン-3-イル}フェノール、
またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルである、
睡眠関連呼吸障害、好ましくは閉塞性および中枢性睡眠時無呼吸およびいびきの治療および/または予防のための方法に使用するための請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
化合物が、
(3-{(R*)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]ピペリジン-3-イル}フェニル)メタノール、
またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルである、
睡眠関連呼吸障害、好ましくは閉塞性および中枢性睡眠時無呼吸およびいびきの治療および/または予防のための方法に使用するための請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
化合物が、
2-(3-{(R*)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]ピペリジン-3-イル}フェノキシ)エタノール、
またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルである、
睡眠関連呼吸障害、好ましくは閉塞性および中枢性睡眠時無呼吸およびいびきの治療および/または予防のための方法に使用するための請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
化合物が、
3-(3-{(R*)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]ピペリジン-3-イル}フェノキシ)プロパン-1-オール、
またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルである、
睡眠関連呼吸障害、好ましくは閉塞性および中枢性睡眠時無呼吸およびいびきの治療および/または予防のための方法に使用するための請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
化合物が、
(R*)-3-[1-((S)-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)ピペリジン-3-イル]フェノール、
またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルである、
睡眠関連呼吸障害、好ましくは閉塞性および中枢性睡眠時無呼吸およびいびきの治療および/または予防のための方法に使用するための請求項1に記載の化合物。
【請求項18】
化合物が、
{(S)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-メチルピペリジン-3-イル}メタノール、
またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルである、
睡眠関連呼吸障害、好ましくは閉塞性および中枢性睡眠時無呼吸およびいびきの治療および/または予防のための方法に使用するための請求項1に記載の化合物。
【請求項19】
化合物が、
2-{(S)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-メチルピペリジン-3-イルメトキシ}-エタノール、
またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルである、
睡眠関連呼吸障害、好ましくは閉塞性および中枢性睡眠時無呼吸およびいびきの治療および/または予防のための方法に使用するための請求項1に記載の化合物。
【請求項20】
化合物が、
(S)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-(2-メトキシエトキシメチル)-3-メチルピペリジン、
またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルである、
睡眠関連呼吸障害、好ましくは閉塞性および中枢性睡眠時無呼吸およびいびきの治療および/または予防のための方法に使用するための請求項1に記載の化合物。
【請求項21】
睡眠関連呼吸障害が、閉塞性および中枢性睡眠時無呼吸およびいびきである、請求項1~20のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項22】
請求項1~20のいずれかに記載の使用のための、1つ以上の式(I)の化合物と1つ以上の他の活性化合物との組合せ。
【請求項23】
睡眠関連呼吸障害、好ましくは閉塞性および中枢性睡眠時無呼吸およびいびきの治療および/または予防のための方法における使用のための、請求項1~20のいずれかに記載の式(I)の少なくとも1つの化合物を、1つ以上の不活性な非毒性の薬学的に好適な賦形剤と組合せて含む、医薬組成物。
【請求項24】
請求項1~20のいずれかに記載の使用のための、請求項22に記載の組合せを、1つ以上の不活性な非毒性の薬学的に好適な賦形剤と組み合わせて含む、医薬組成物。
【請求項25】
睡眠関連呼吸障害の治療および/または予防のための方法であって、治療上有効量の請求項1~20のいずれかに記載の少なくとも1つの化合物、または請求項1~20のいずれかに記載の少なくとも1つの化合物を、不活性で非毒性の薬学的に許容される添加剤と組合せて含む医薬を全身的および/または局所的に投与することによる、方法。
【請求項26】
前記医薬が、ムスカリン受容体アンタゴニスト、ミネラルコルチコイド受容体アンタゴニスト、利尿剤、コルチコステロイドからなる群から選択される少なくとも1つのさらなる活性化合物をさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
請求項1~20のいずれかに記載の式(I)の化合物を、ムスカリン受容体アンタゴニスト、ミネラルコルチコイド受容体アンタゴニスト、利尿剤、コルチコステロイドからなる群から選択される1つ以上のさらなる活性成分と組み合わせて含む、医薬。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、睡眠関連呼吸障害、好ましくは閉塞性および中枢性睡眠時無呼吸およびいびきの治療および/または予防の方法に使用するための、α2-アドレナリン受容体サブタイプC(アルファ-2C)アンタゴニスト、特に式(I)の3-置換1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)アザサイクル(azacycles)に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は、上気道の閉塞の反復エピソードを特徴とする睡眠関連呼吸器障害である。呼吸するとき、上気道の開存性は、2つの対向する力の相互作用によって保証される。上気道の筋肉組織の拡張作用は、管腔を収縮させる陰性の管腔内圧に対抗する。横隔膜および他の補助呼吸筋の能動的な収縮は気道内に陰圧を生成し、したがって、呼吸の原動力を構成する。上気道の安定性は、上気道の拡張筋の協調および収縮特性によって実質的に決定される。
【0003】
OSAにおける上気道虚脱(Upper airway collapse)は、いくつかの上気道拡張筋の活動の減少のために、睡眠開始時に起こると考えられ、その結果、解剖学的に脆弱な気道を開いた状態に維持することができない。しかしながら、上気道の拡張筋のうち最も重要なものであり、舌下神経によって神経支配される、オトガイ舌筋を含むいくつかの上気道拡張筋は、呼吸刺激に応答して睡眠中の活動を増加させることができ、潜在的に、睡眠開始時にこれらの変化のうちのいくつかに対抗する。OSA患者は、頻回の閉塞性無呼吸を伴う睡眠期と比較して、オトガイ舌筋活動がわずか25~40%高い無呼吸間隔を有することが観察された(Jordan AS、White DP、Lo YLら、Airway dilator muscle activity and lung volume during stable breathing in obstructive sleep apnea.Sleep 2009、32(3):361-8)。ノルアドレナリンは、舌下運動ニューロン活動の最も強力な神経調節因子の1つである(Horner R.L.Neuromodulation of hypoglossal motoneurons during sleep.Respir Physiol Neurobiol 2008、164(1-2):179-196)。ノルアドレナリン作動性駆動の減少は、睡眠依存性の舌下運動ニューロン興奮性の減少をもたらし、その結果、上気道拡張筋活動の減少、特に、オトガイ舌筋活動の減少をもたらすと考えられている。
【0004】
アルファ2Cアドレナリン受容体は、中枢ノルアドレナリン作動性ニューロンからのノルアドレナリンの放出を調節し、それらは、ノルアドレナリンのシナプス前フィードバック阻害に関与する自己受容体である(Hein Letら、Two functionally distinct alpha 2-adrenergic receptors regulate sympathetic neurotransmission Nature 1999、402(6758):181-184)。アルファ2cアドレナリン受容体拮抗作用を介した舌下神経の運動ニューロンの活動の増加は、上気道を安定化させ、それらを虚脱および閉塞から保護することができる。さらに、いびきも、上気道の安定化の機構によって抑制することができる。
【0005】
単純ないびきの場合、上気道の閉塞はない。上気道の狭窄により、吸気および呼気の流速が増加する。これは、弛緩した筋肉と共に、気流中の口及び咽喉の軟組織のばたつきを引き起こす。このわずかな振動が、典型的ないびき音を発生させた。
【0006】
閉塞性いびき(上気道抵抗症候群、重度のいびき、低呼吸症候群)は、睡眠中の上気道の再発性部分閉塞によって引き起こされる。これは、気道抵抗の増加をもたらし、したがって、著しい胸腔内圧力変動を伴う呼吸の仕事量の増加をもたらす。吸気中の陰性の胸腔内圧の発生は、それによって、OSAにおける完全な気道閉塞の結果として生じる値に達し得る。心臓、循環および睡眠の質に対する病態生理学的影響は、閉塞性睡眠時無呼吸と同じである。病因は、おそらくOSAと同じである。閉塞性いびきは、しばしばOSAの前兆となる(Hollandt J.H.ら、Upper airway resistance syndrome(UARS)-obstructive snoring.HNO 2000、48(8):628-634)。
【0007】
中枢性睡眠時無呼吸(CSA)は、脳機能障害または呼吸調節障害の結果として生じる。CSAは、睡眠中に呼吸するための駆動の欠如を特徴とし、その結果、換気が不十分または欠如している期間が繰り返され、ガス交換が損なわれる。CSAにはいくつかの症状があるに。これらは、高度誘発周期性呼吸、特発性CSA(ICSA)、麻薬誘発性中枢性無呼吸、肥満低換気症候群(OHS)、およびチェーン・ストークス呼吸(CSB)が含まれる。様々なタイプのCSAに関与する正確な誘発機構はかなり異なる可能性があるが、睡眠中の不安定な換気駆動が主要な根本的特徴である(Eckert D.J.ら、Central sleep apnea:Pathophysiology and treatment.Chest 2007、131(2):595-607)。
【0008】
US2018/0235934A1は、舌下運動ニューロン興奮性を促進するための薬剤を使用して、閉塞性睡眠時無呼吸などの障害を治療するための方法を記載している。舌下運動ニューロン興奮性を促進する薬剤として、中枢ノルアドレナリンニューロンの脱抑制薬および/または刺激薬について記載している。いくつかの実施形態では、中枢ノルアドレナリン作動性ニューロンの脱抑制薬は、ヨヒンビンなどのアルファ2-アドレナリン受容体アンタゴニストまたはアルファ2-アドレナリン受容体サブタイプA(アルファ-2A)アンタゴニストまたはアルファ2-アドレナリン受容体サブタイプC(アルファ-2C)アンタゴニストである。アルファ2-アドレナリン受容体アンタゴニストは、アチパメゾール、MK-912、RS-79948、RX821002、[3H]2-メトキシ-イダゾキサンおよびJP-1302からなる群から選択される。
【0009】
アルファ2Cアドレナリン受容体は、Gタンパク質共役受容体のファミリーに属する。異なるアルファ1-アドレナリン受容体の他に、3つの異なるアルファ2-アドレナリン受容体サブタイプ(アルファ2A、アルファ2Bおよびアルファ2C)が存在する。それらは、シナプスまたは血液のいずれかに由来する内因性カテコールアミン(エピネフリン、ノルエピネフリン)による刺激に際して、様々な組織におけるいくつかの多様な生理学的効果の媒介に関与する。アルファ2アドレナリン受容体は、主に心血管系および中枢神経系において重要な生理学的役割を果たす。アルファ2A-およびアルファ2C-アドレナリン受容体は、中枢神経系におけるノルアドレナリンのシナプス前フィードバック阻害に関与する主要な自己受容体である。アルファ2C-アドレナリン受容体におけるノルアドレナリンの効力および親和性は、アルファ2A-アドレナリン受容体に対するものよりも高い。アルファ2C-アドレナリン受容体は、ノルアドレナリンの内因性濃度が低い場合にノルアドレナリン放出を阻害し、一方、アルファ2A-アドレナリン受容体は、内因性ノルアドレナリン濃度が高い場合にノルアドレナリン放出を阻害する(Uys M.M.ら、Therapeutic Potential of Selectively Targeting α2C-Adrenoceptor in Cognition,Depression,and Schizophrenia-New Developments and Future Perspective.Frontiers in Psychiatry 2017年8月14日;8:144.doi:10.3389/fpsyt.2017.00144.eCollection 2017)。
【0010】
α2-アドレナリン受容体サブタイプC(アルファ-2C)アンタゴニストとしてのアリールピペラジン、ならびにそれらの調製および医薬としての使用は、WO03/082866A1から知られており、ここで、化合物は、ストレスによって伝播する障害、パーキンソン病、うつ病、統合失調症、注意欠陥多動性障害、心的外傷後ストレス障害、強迫性障害、トゥレット症候群、眼瞼痙攣または他の限局性ジストニア、精神病を伴う側頭葉てんかん、薬物誘発性精神病、ハンチントン病、性ホルモンのレベルの変動によって引き起こされる障害、パニック障害、アルツハイマー病または軽度認知障害などの障害の治療に有用であると開示されている。睡眠関連呼吸障害、好ましくは閉塞性および中枢性睡眠時無呼吸およびいびきの治療におけるこれらの化合物の使用については何も開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許出願公開第2018/0235934号
【特許文献2】国際公開第03/082866号
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Jordan AS、White DP、Lo YLら、Sleep 2009、32(3):361-8
【非特許文献2】Horner R.L.Respir Physiol Neurobiol 2008、164(1-2):179-196
【非特許文献3】Hein L.ら、Nature 1999、402(6758):181-184
【非特許文献4】Hollandt J.H.ら、HNO 2000、48(8):628-634
【非特許文献5】Eckert D.J.ら、Chest 2007、131(2):595-607
【非特許文献6】Uys M.M.ら、Frontiers in Psychiatry 2017年8月14日;8:144.doi:10.3389/fpsyt.2017.00144.eCollection 2017
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
OSA患者に対する現在のゴールドスタンダードな治療は、持続的気道陽圧(CPAP)である。エアフロ―タービンポンプスプリントによって生成される正の空気流圧は、上気道を開き、咽頭虚脱の全ての潜在的な原因を逆転させ、それによって、呼吸低下、無呼吸、および睡眠断片化を防止する。残念ながら、OSA患者の最大50人%が、長期間のCPAPに耐えられない(M.Kohler、D.Smith、V.Tippettら、Thorax 2010 65(9):829-32:Predictors of long-term compliance with continuous positive airway press)。したがって、閉塞性睡眠時無呼吸などの睡眠関連呼吸障害の治療および/または予防のための有効な治療薬を見出す必要性が依然として存在する。したがって、本発明の目的は、睡眠関連呼吸障害、例えば閉塞性睡眠時無呼吸、中枢性睡眠時無呼吸およびいびきの治療および/または予防のための有効な治療剤を提供することである。
【0014】
驚くべきことに、本発明の式(I)の3-置換1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)アザサイクルは、上気道の虚脱性を抑制し、したがって、睡眠関連呼吸障害、好ましくは閉塞性および中枢性睡眠時無呼吸およびいびきの治療および/または予防における使用のための医薬の製造に適していることが今回見出された。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、睡眠関連呼吸障害、好ましくは閉塞性および中枢性睡眠時無呼吸およびいびきの治療および/または予防のための方法において使用するための、式(I)
【化1】
【0016】
〔式中、
Xは、C(R5)(R6)またはC(R7)(R8)であり;
Zは、-[C(R4)2]n-または単結合であり;
R1は、それぞれ独立して、ヒドロキシ、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ、ハロゲン、ハロ(C1-C6)アルキル、フェニル(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルコキシ-(C=O)-、CN、NO2、NH2、モノ-またはジ(C1-C6)アルキルアミノまたはカルボキシであり;
R2は、それぞれ独立して、Hまたは(C1-C6)アルキルであり;
R3は、それぞれ独立して、Hまたは(C1-C6)アルキルであり;
R4は、それぞれ独立して、H、ヒドロキシ、(C1-C6)アルキル、(C2-C6)アルケニル、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C2-C6)アルケニル、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C2-C6)アルケニルオキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-(C=O)-、(C1-C6)アルコキシ-(C=O)-、ヒドロキシ(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキルまたは(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキルであり;
または
同じ炭素環原子に結合しているR4およびR4の両方は、それらが結合している炭素環原子と一緒になって、-(C=O)基を形成し;
R5は、Hまたはヒドロキシであり;
または
隣接する炭素環原子に結合しているR4およびR5は、それらが結合している炭素環原子間に結合を形成し;
R6は、非置換のフェニルまたは1または2個の置換基R9で置換されているフェニルであり;
R7は、(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキルまたは(C1-C6)アルコキシ-(C=O)-であり;
R8は、ヒドロキシ、(C1-C6)アルキル、(C2-C6)アルケニル、(C1-C6)アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル、ハロ(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C2-C6)アルケニル、ヒドロキシ(C1-C6)アルコキシ、ハロ(C1-C6)アルコキシ、フェニル(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C2-C6)アルケニルオキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-(C=O)-、(C1,-C6)アルコキシ-(C=O)-、(C1-C6)アルコキシ-(C=O)-(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-S-、(C1-C6)アルキル-(C=O)-O-、(C1-C6)アルキル-(C=O)-O-(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ-(C=O)-(C1-C6)アルコキシ、ヒドロキシ-(C=O)-(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ-(C=O)-(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-S-(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル-S-(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル-S-(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル- (C=O)-S-(C1-C6)アルキル (C1-C6)アルコキシ-(C=-O)-(C1-C6)アルキル-S-(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-S- (C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル-S-(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル-S- (C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-(O=S=O)-(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル-(O=S=O)-(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル-(O=S=O)-(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-(O=S=O)-(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル- (O=S=O)-(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル-(O=S=O)-(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-O-(O=S=O)-(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル-O-(O=S=O)-(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-(O=S=O)-O-(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル-(O=S=O)-O-(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-(O=S=O)-N(R10)-(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、ハロ(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、CN、NO2、(R10)2N-、(R10)2N-(C1-C6)アルキル、(R10)2N-(C=O)-、(R10)2N-(C=O)-(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(R10)2N-(C=O)-(C1-C6)アルキル-S-(C1-C6)アルキル、(R10)2N-(C=O)-(C1-C6)アルキル-(O=S=O)-(C1-C6)アルキル、カルボキシ、R11-(O=S=O)-、R11-(O=S=O)-O-または(C1-C6)アルコキシ-(C1-C6)アルコキシであり;
または
隣接する炭素環原子に結合しているR4およびR8は、それらが結合している炭素環原子と一緒になって、縮合フェニル環を形成し、ここで、前記フェニル環は、非置換であるか、またはそれぞれ独立して、ヒドロキシ、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル、ハロ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-(C=O)-または(C1-C6)アルコキシ-(C=O)-である1または2個の置換基で置換されており;
または
隣接する炭素環原子に結合しているR4およびR8は、それらが結合している炭素環原子と一緒になって、縮合5員もしくは6員の飽和もしくは不飽和炭素環式環、またはN、O、およびSから選択される1もしくは2個のヘテロ原子を含む縮合5員もしくは6員の飽和もしくは不飽和複素環式環を形成し、ここで、前記炭素環式または複素環式環は、非置換であるか、またはそれぞれ独立して、ヒドロキシ、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル、ハロ(C,-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-(C=O)-、(C1-C6)アルコキシ-(C=O)-またはオキソである1または2個の置換基で置換されており;
または
R7およびR8は、それらが結合している炭素環原子と一緒になって、5員または6員の飽和炭素環式環またはN、O、およびSから選択される1または2個のヘテロ原子を含む5員または6員の飽和複素環式環を形成し、ここで、前記炭素環または複素環式環は、非置換であるか、またはそれぞれ独立して、ヒドロキシ、(C1-C6)アルキルまたはオキソである1または2個の置換基で置換されており;
R9は、それぞれ独立して、ヒドロキシ、(C1-C6)アルキル、(C2-C6)アルケニル、(C1-C6)アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル、ハロ(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C2-C6)アルケニル、ヒドロキシ(C1-C6)アルコキシ、ハロ(C1-C6)アルコキシ、フェニル(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C2-C6)アルケニルオキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-(C=O)-、(C1-C6)アルコキシ-(C=O)-、(C1-C6)アルコキシ-(C=O)-(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-S-、(C1-C6)アルキル-(C=O)-O-、(C1-C6)アルキル-(C=O)-O-(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ-(C=O)-(C1-C6)アルコキシ、ヒドロキシ-(C=O)-(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ-(C=O)-(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-S-(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル-S-(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル-S-(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-(C=O)-S-(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ-(C=O)-(C1-C6)アルキル-S-(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-S-(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル-S-(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル-S-(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-(O=S=O)-(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル-(O=S=O)-(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル-(O=S=O)-(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-(O=S=O)-(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル-(O=S=O)-(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル-(O=S=O)-(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-O-(O=S=O)-(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル-O-(O=S=O)-(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-(O=S=O)-O-(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル-(O=S=O)-O-(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-(O=S=O)-N(R10)-(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、ハロ(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、CN、NO2、(R10)2N-、(R10)2N-(C1-C6)アルキル、(R10)2N-(C=O)-、(R10)2N-(C=O)-(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(R10)2N-(C=O)-(C1-C6)アルキル-S-(C1-C6)アルキル、(R10)2N-(C=O)-(C1-C6)アルキル-(O=S=O)-(C1-C6)アルキル、カルボキシ、R11-(O=S=O)-またはR11-(O=S=O)-O-であり;
または
隣接する炭素環原子に結合しているR9およびR9は、それらが結合している炭素環原子と一緒になって、縮合フェニル環、縮合5員もしくは6員不飽和炭素環式環、またはOおよびSから選択される1個もしくは2個のヘテロ原子を含む縮合5員もしくは6員不飽和複素環式環を形成し、ここで、前記フェニル、炭素環式環または複素環式環は、非置換であるか、またはそれぞれ独立してヒドロキシ、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル、ハロ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-(C=O)-もしくは(C1-C6)アルコキシ-(C=O)-である1もしくは2個の置換基で置換されており;
R10は、それぞれ独立して、H、(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-(C=O)-またはR11-(O=S=O)-であり;
R11は、それぞれ独立して、ヒドロキシ、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ、ハロ(C1-C6)アルキルまたはモノ-もしくはジ(C1-C6)アルキルアミノであり;
mは、0、1または2であり;および
nは、1または2である〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関し、
ただし、化合物は、1-(7-tert-ブチル-2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3,3-ジメチル-ピペリジン、1-(6-tert-ブチル-2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3,3-ジメチル-ピペリジン、2-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-6,7-ジメトキシ-1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリン、2-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-6,7-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリン、2-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンまたは1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル-3-(3-トリフルオロメチル-フェニル)-ピロリジンではない。
【発明を実施するための形態】
【0017】
式Iの化合物の可能なサブグループにおいて、Zは、-[C(R4)2]n-である。
【0018】
式Iの化合物のさらなる可能なサブグループにおいて、nは、1である。
【0019】
式Iの化合物の別の可能なサブグループにおいて、nは、2である。
【0020】
式Iの化合物のさらに可能なサブグループにおいて、Zは、単結合である。
【0021】
式Iの化合物のさらに可能なサブグループにおいて、R2は、Hである。
【0022】
式Iの化合物のさらに可能なサブグループにおいて、R3は、Hである。
【0023】
式Iの化合物のさらなる可能なサブグループにおいて、
R4は、それぞれ独立して、H、(C1-C6)アルキル、(C2-C6)アルケニル、ヒドロキシ(C2-C6)アルケニル、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C2-C6)アルケニルオキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-(C=O)-、(C1-C6)アルコキシ-(C=O)-、ヒドロキシ(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキルまたは(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキルであり;例えば、Hである。
【0024】
式Iの化合物の別の可能なサブグループにおいて、
R4は、それぞれ独立して、H、ヒドロキシまたは(C1-C6)アルキルであり;例えば、Hである。
【0025】
式Iの化合物のさらなる可能なサブグループにおいて、mは、0である。
【0026】
式Iの化合物の別の可能なサブグループにおいて、mは、1である。
【0027】
式Iの化合物のさらなる可能なサブグループにおいて、
R1は、それぞれ独立して、ヒドロキシ、フェニル(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルコキシ-(C=O)-、CN、NO2、NH2、モノ-またはジ(C1-C6)アルキルアミノまたはカルボキシである。
【0028】
式Iの化合物のさらなる可能なサブグループにおいて、
R1は、それぞれ独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、フェニル(C1-C6)アルコキシまたはNO2である。
【0029】
式Iの化合物の別の可能なサブグループにおいて、
R1は、それぞれ独立して、ヒドロキシ、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシまたはハロゲンであり;例えば、ヒドロキシまたはハロゲンである。
【0030】
式Iの化合物のさらなる可能なサブグループにおいて、
Xは、C(R5)(R6)である。
【0031】
式Iの化合物のさらなる可能なサブグループにおいて、
R5は、Hである。
【0032】
式Iの化合物の別の可能なサブグループにおいて、
R5は、ヒドロキシである。
【0033】
式Iの化合物の別の可能なサブグループにおいて、
隣接する炭素環原子に結合しているR4およびR5は、それらが結合している炭素環原子間に結合を形成する。
【0034】
式Iの化合物のさらなる可能なサブグループにおいて、
R6は、非置換のフェニルである。
【0035】
式Iの化合物の別の可能なサブグループにおいて、
R6は、1または2個の置換基R9で置換されたフェニルであり;
R9は、それぞれ独立して、ヒドロキシ、(C2-C6)アルケニル、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル、ハロ(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C2-C6)アルケニル、ヒドロキシ(C1-C6)アルコキシ、ハロ(C1-C6)アルコキシ、フェニル(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C2-C6)アルケニルオキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-(C=O)-、(C1-C6)アルコキシ-(C=O)-、(C1-C6)アルコキシ-(C=O)-(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-S-、(C1-C6)アルキル-(C=O)-O-、(C1-C6)アルキル-(C=O)-O-(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ-(C=O)-(C1-C6)アルコキシ、ヒドロキシ-(C=O)-(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ-(C=O)-(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-S-(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル-S-(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル-S-(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-(C=O)-S-(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ-(C=O)-(C1-C6)アルキル-S-(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-S-(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル-S-(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル-S-(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-(O=S=O)-(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル-(O=S=O)-(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル-(O=S=O)-(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-(O=S=O)-(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル-(O=S=O)-(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル-(O=S=O)(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-O-(O=S=O)-(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル-O-(O=S=O)-(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-(O=S=O)-O-(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル-(O=S=O)-O-(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-(O=S=O)-N-(R10)-(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、ハロ(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、CN、NO2、(R10)2N-、(R10)2N-(C1-C6)アルキル、(R10)2N-(C=O)-、(R10)2N-(C=O)-(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(R10)2N-(C=O)-(C1-C6)アルキル-S-(C1-C6)アルキル、(R10)2N-(C=O)-(C1-C6)アルキル-(O=S=O)-(C1-C6)アルキル、カルボキシ、R11-(O=S=O)-またはR11-(O=S=O)-O-であり;
または
隣接する炭素環原子に結合しているR9およびR9は、それらが結合している炭素環原子と一緒になって、縮合フェニル環、縮合5員もしくは6員不飽和炭素環式環、またはOおよびSから選択される1もしくは2個のヘテロ原子を含む縮合5員もしくは6員不飽和複素環式環を形成し、ここで、前記フェニル、炭素環式または複素環式環は、非置換であるか、またはそれぞれ独立してヒドロキシ、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル、ハロ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-(C=O)-または(C1-C6)アルコキシ-(C=O)-である1もしくは2個の置換基で置換されている。
【0036】
式Iの化合物の別の可能なサブグループにおいて、
R6は、1または2個の置換基R9で置換されたフェニルであり;
R9は、それぞれ独立して、ヒドロキシ、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル、ハロ(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルコキシ、ハロ(C1-C6)アルコキシ、フェニル(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルコキシ-(C=O)-、(C1-C6)アルキル-(C=O)-O-、ヒドロキシ-(C=O)-(C1-C6)アルコキシ、CN、(R10)2N-、(R10)2N-(C=O)-、R11-(O=S=O)-またはR11-(O=S=O)-O-であり;
または
隣接する炭素環原子に結合しているR9およびR9は、それらが結合している炭素環原子と一緒になって、Oから選択される2個のヘテロ原子を含む縮合5員不飽和複素環式環を形成し、ここで、前記複素環式環は非置換であり;例えば、R9は、1個の置換基R9で置換されたフェニルであり、R9は、ヒドロキシ、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ(C1-C6)アルコキシまたは(R10)2N-である。
【0037】
式Iの化合物の別の可能なサブグループにおいて、
Xは、C(R7)(R8)である。
【0038】
式Iの化合物のさらなる可能なサブグループにおいて、
R7は、(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキルまたは(C1-C6)アルコキシ-(C=O)-であり;例えば、(C1-C6)アルキルである。
【0039】
式Iの化合物のさらなる可能なサブグループにおいて、
R8は、(C2-C6)アルケニル、ハロゲン、ハロ(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルケニル、ヒドロキシ(C1-C6)アルコキシ、ハロ(C1-C6)アルコキシ、フェニル(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C2-C6)アルケニルオキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-(C=O)-、(C1-C6)アルコキシ-(C=O)-(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-S-、ヒドロキシ-(C=O)-(C1-C6)アルコキシ、ヒドロキシ-(C=O)-(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ-(C=O)-(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-S-(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル-S-(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル-S-(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-(C=O)-S-(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ-(C=O)-(C)-C6)アルキル-S-(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-S-(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル-S-(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル-S-(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-(O=S=O)-(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル-(O=S=O)-(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル-(O=S=O)-(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-(O=S=O)-(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル-(O=S=O)-(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル-(O=S=O)-(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-O-(O=S=O)-(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル-O-(O=S=O)-(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-(O=S=O)-O-(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル-(O=S=O)-O-(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-(O=S=O)-N(R10)-(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、ハロ(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、CN、NO2、(R10)2N-、(R10)2N-(C1-C6)アルキル、(R10)2N-(C=O)-(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(R10)2N-(C=O)-(C1-C6)アルキル-S-(C1-C6)アルキル、(R10)2N-(C=O)-(C1-C6)アルキル-(O=S=O)-(C1-C6)アルキル、R11-(O=S=O)-またはR11-(O=S=O)-O-;例えば、(C2-C6)アルケニル、ハロゲン、ヒドロキシ(C2-C6)アルケニル、ヒドロキシ(C1-C6)アルコキシ、ハロ(C1-C6)アルコキシ、(C2-C6)アルケニルオキシ(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ-(C=O)-(C1-C6)アルコキシ、ヒドロキシ-(C=O)-(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ-(C=O)-(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル-S-(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル-S-(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ-(C=O)-(C1-C6)アルキル-S-(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-S-(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル-S-(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル-S-(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル-(O=S=O)-(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル-(O=S=O)-(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-(O=S=O)-(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル-(O=S=O)-(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル-(O=S=O)-(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-O-(O=S=O)-(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル-O-(O-S=O)-(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-(O=S=O)-O-(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル-(O=S=O)-O-(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-(O=S=O)-N(R10)-(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、CN、NO2、(R10)2N-(C=O)-(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(R10)2N-(C=O)-(C1-C6)アルキル-S-(C1-C6)アルキル、(R10)2N-(C=O)-(C1-C6)アルキル-(O=S=O)-(C1-C6)アルキルまたはR11-(O=S=O)-O-である。
【0040】
式Iの化合物の別の可能なサブグループにおいて、
R8は、ヒドロキシ、(C1-C6)アルキル、(C2-C6)アルケニル、ハロゲン、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル、ハロ(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C2-C6)アルケニルオキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-(C=O)-、(C1-C6)アルコキシ-(C=O)-、(C1-C6)アルコキシ-(C=O)-(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-(C=O)-O-(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ-(C=O)-(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ-(C=O)-(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル-S-(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-(C=O)-S-(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-(O=S=O)-O-(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、ハロ(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、CN、(R10)2N-(C1-C6)アルキル、(R10)2N-(C=O)-またはカルボキシ;例えば、ヒドロキシ、(C2-C6)アルケニル、ハロゲン、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル、ハロ(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C2-C6)アルケニルオキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-(C=O)-、(C1-C6)アルコキシ-(C=O)-(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-(C=O)-O-(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ-(C=O)-(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ-(C=O)-(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル-S-(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-(C=O)-S-(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-(O=S=O)-O-(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、ハロ(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、CN、(R10)2N-(C1-C6)アルキル、(R10)2N-(C=O)-またはカルボキシ;例えば、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキルまたはヒドロキシ(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキルである。
【0041】
式Iの化合物の別の可能なサブグループにおいて、
隣接する炭素環原子に結合しているR4およびR8は、それらが結合している炭素環原子と一緒になって、縮合フェニル環を形成し、ここで、前記フェニル環は、非置換であるか、またはそれぞれ独立して、ヒドロキシ、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル、ハロ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-(C=O)-または(C1-C6)アルコキシ-(C=O)-である1個もしくは2個の置換基で置換されており;例えば、
隣接する炭素環原子に結合しているR4およびR8は、それらが結合している炭素環原子と一緒になって、縮合フェニル環を形成し、ここで、前記フェニル環は、ヒドロキシ(C1-C6)アルキルまたは(C1-C6)アルコキシ-(C=O)-である1個の置換基で置換される。
【0042】
式Iの化合物の別の可能なサブグループにおいて、
隣接する炭素環原子に結合しているR4およびR8は、それらが結合している炭素環原子と一緒になって、縮合5員または6員の飽和または不飽和炭素環式環、またはN、O、およびSから選択される1または2個のヘテロ原子を含む縮合5員または6員の飽和または不飽和複素環式環を形成し、ここで、前記炭素環式または複素環式環は、非置換であるか、またはそれぞれ独立してヒドロキシ、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル、ハロ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-(C=O)-、(C1-C6)アルコキシ-(C=O)-またはオキソである1または2個の置換基で置換されている。
【0043】
式Iの化合物のさらに別の可能なサブグループにおいて、
隣接する炭素環原子に結合しているR4およびR8は、それらが結合している炭素環原子と一緒になって、縮合6員飽和炭素環式環を形成し、前記炭素環式環は、非置換である。
【0044】
式Iの化合物のさらに別の可能なサブグループにおいて、
隣接する炭素環原子に結合しているR4およびR8は、それらが結合している炭素環原子と一緒になって、N、O、およびSから選択される1または2個のヘテロ原子を含む縮合5員または6員の飽和または不飽和のヘテロ環式環を形成し、ここで、前記ヘテロ環は、非置換であるか、それぞれ独立して、ヒドロキシ、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル、ハロ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-(C=O)-、(C1-C6)アルコキシ-(C=O)-またはオキソである1または2個の置換基で置換されている。
【0045】
式Iの化合物の別の可能なサブグループにおいて、
R7およびR8は、それらが結合している炭素環原子と一緒になって、5員または6員の飽和炭素環式環またはN、O、およびSから選択される1または2個のヘテロ原子を含む5員または6員の飽和複素環式環を形成し、ここで、前記炭素環式または複素環式環は非置換であるか、またはそれぞれ独立してヒドロキシ、(C1-C6)アルキルまたはオキソである1または2個の置換基で置換されており;例えば、
R7およびR8は、それらが結合している炭素環原子と一緒になって、N、O、およびSから選択される1または2個のヘテロ原子を含む5員または6員の飽和複素環式環を形成し、ここで、前記複素環式環は、非置換であるか、またはそれぞれ独立して、ヒドロキシ、(C1-C6)アルキルまたはオキソである1または2個の置換基で置換されている。
【0046】
式Iの化合物のさらなる可能なサブグループにおいて、
Xは、C(R5)(R6)またはC(R7)(R8)であり;
Zは、-[C(R4)2]n-または単結合であり;
R1は、それぞれ独立して、ヒドロキシ、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ、ハロゲン、フェニル(C1-C6)アルコキシまたはNO2であり;
R2は、それぞれ独立して、Hであり;
R3は、それぞれ独立して、Hであり;
R4は、それぞれ独立して、H、ヒドロキシまたは(C1-C6)アルキルであり;
または
同じ炭素環原子に結合しているR4およびR4の両方は、それらが結合している炭素環原子と一緒になって、-(C=O)基を形成し;
R5は、Hであり;
または
隣接する炭素環原子に結合しているR4およびR5は、それらが結合している炭素環原子間に結合を形成し;
R6は、非置換のフェニルであるか、または1または2個の置換基R9で置換されているフェニルであり;
R7は、(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキルまたは(C1-C6)アルコキシ-(C=O)-であり;
R8は、ヒドロキシ、(C1-C6)アルキル、(C2-C6)アルケニル、(C1-C6)アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル、ハロ(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C2-C6)アルケニルオキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-(C=O)-、(C1-C6)アルコキシ-(C=O)-、(C1-C6)アルコキシ-(C=O)-(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-(C=O)-O-(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ-(C=O)-(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ-(C=O)-(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル-S-(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-(C=O)-S-(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル-(O=S=O)-O-(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、ハロ(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、CN、(R10)2N-(C1-C6)アルキル、(R10)2N-(C=O)-、カルボキシ、または(C1-C6)アルコキシ-(C1-C6)アルコキシであり;
または
隣接する炭素環原子に結合しているR4およびR8は、それらが結合している炭素環原子と一緒になって、縮合フェニル環を形成し、ここで、前記フェニル環は、非置換であるか、またはそれぞれ独立して、ヒドロキシ(C1-C6)アルキルもしくは(C1-C6)アルコキシ-(C=O)-である1または2個の置換基で置換されており;
または
隣接する炭素環原子に結合しているR4およびR8は、それらが結合している炭素環原子と一緒になって、縮合6員の飽和炭素環式環を形成し、ここで、前記炭素環式環は、非置換であり;
R9は、それぞれ独立して、ヒドロキシ、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル、ハロ(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルコキシ、ハロ(C1-C6)アルコキシ、フェニル(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルコキシ-(C=O)-、(C1-C6)アルキル-(C=O)-O-,ヒドロキシ-(C=O)-(C1-C6)アルコキシ、CN、(R10)2N-、(R10)2N-(C=O)-、R11-(O=S=O)-またはR11-(O=S=O)-O-であり;
または
隣接する炭素環原子に結合しているR9およびR9は、それらが結合する炭素環原子と一緒になって、Oから選択される1または2個のヘテロ原子を含有する縮合5員または6員の不飽和複素環式環を形成し、ここで、前記フェニル、炭素環式または複素環式環は、非置換であり;
R10は、それぞれ独立して、Hまたは(C1-C6)アルキルであり、
R11は、それぞれ独立して、(C1-C6)アルキルまたはハロ(C1-C6)アルキルであり;
mは、0、1または2であり;および
nは、1または2である。
【0047】
式Iの化合物の別の可能なサブグループにおいて、
Xは、C(R5)(R6)またはC(R7)(R8)であり;
Zは、-[C(R4)2]n-であり;
R1は、それぞれ独立して、ヒドロキシ、(C1-C6)アルキル、またはハロゲンであり;
R2は、それぞれ独立して、Hであり;
R3は、それぞれ独立して、Hであり;
R4は、それぞれ独立して、Hであり;
R5は、Hであり;
R6は、非置換のフェニルであるか、または1または2個の置換基R9で置換されているフェニルであり;
R7は、(C1-C6)アルキルであり;
R8は、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキルまたはヒドロキシ(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキルであり、
R9は、それぞれ独立して、ヒドロキシ、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ(C1-C6)アルコキシまたは(R10)2N-であり;
R10は、それぞれ独立して、Hまたは(C1-C6)アルキルであり、
mは、0または1であり;
nは、1である。
【0048】
式Iの化合物のさらに別の可能なサブグループにおいて、
Xは、C(R5)(R6)またはC(R7)(R8)であり;
Zは、単結合であり;
R1は、それぞれ独立して、ヒドロキシ、(C1-C6)アルキル、またはハロゲンであり;
R2は、それぞれ独立して、Hであり;
R3は、それぞれ独立して、Hであり;
R4は、それぞれ独立して、Hであり;
R5は、Hであり;
R6は、非置換のフェニルであるか、または1または2個の置換基R9で置換されているフェニルであり;
R7は、(C1-C6)アルキルであり;
R8は、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキルまたはヒドロキシ(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキルであり、
R9は、それぞれ独立して、ヒドロキシ、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ(C1-C6)アルコキシまたは(R10)2N-であり;
R10は、それぞれ独立して、Hまたは(C1-C6)アルキルであり、
mは、0または1であり;
nは、1である。
【0049】
式Iの化合物のさらなる可能なサブグループにおいて、化合物は、1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-5-フェニル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン、1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-フェニルピペリジン、1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-(2-メトキシフェニル)ピペリジン、3-(4-クロロフェニル)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)ピペリジン、1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-(3-メトキシフェニル)ピペリジン、1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-p-トリルピペリジン、1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-(4-メトキシフェニル)ピペリジン、1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-o-トリルピペリジン、4-[1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)ピペリジン-3-イル]フェノール、1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-(3-フルオロフェニル)ピペリジン、3-[1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)ピペリジン-3-イル]フェノール、2-[1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)ピペリジン-3-イル]フェノール、(R*)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-(2-フルオロフェニル)ピペリジン、(S*)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-(2-フルオロフェニル)ピペリジン、(R*)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-(3-フルオロフェニル)ピペリジン、(R*)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-(3-フルオロフェニル)ピペリジン・HCl、(S*)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-(3-フルオロフェニル)ピペリジン、(R*)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-(4-フルオロフェニル)ピペリジン、(S*)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-(4-フルオロフェニル)ピペリジン、(R*)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-(3-トリフルオロメチル-フェニル)ピペリジン、(S*)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-(3-トリフルオロメチル-フェニル)ピペリジン、(R*)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-(4-トリフルオロメチルフェニル)ピペリジン、(S*)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-(4-トリフルオロメチルフェニル)ピペリジン、(R*)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-(3-メトキシフェニル)ピペリジン、(R*)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-(3-メトキシフェニル)ピペリジン・HCl、(S*)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-(3-メトキシフェニル)ピペリジン、(R*)-3-{1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]ピペリジン-3-イル}フェノール、(R*)-3-{1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]ピペリジン-3-イル}フェノール・HCl、(3-{(R*)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]ピペリジン-3-イル}フェニル)メタノール、酢酸3-{(S)-1-[(R*)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]ピペリジン-3-イル}フェニルエステル・HCl、2-(3-{(R*)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]ピペリジン-3-イル}フェノキシ)エタノール、3-(3-{(R*)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]ピペリジン-3-イル}フェノキシ)プロパン-1-オール、トリフルオロメタンスルホン酸3-{(R*)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-ピペリジン-3-イル}フェニルエステル、(3-{(R*)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]ピペリジン-3-イル}フェノキシ)酢酸、3-{(R*)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-ピペリジン-3-イル}-ベンゾニトリル、3-ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イル-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-ピペリジン、3-[(R*)-1-((S)-6-ベンジルオキシ-2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-ピペリジン-3-イル]-フェノール、(S)-2-[(R*)-3-(3-ヒドロキシ-フェニル)-ピペリジン-1-イルメチル]-2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-6-オール、3-[(R*)-1-((S)-7-ベンジルオキシ-2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-ピペリジン-3-イル]-フェノール、(S)-3-[(R*)-3-(3-ヒドロキシフェニル)-ピペリジン-1-イルメチル]-2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-6-オール、3-[(R*)-1-((S)-8-ベンジルオキシ-2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)ピペリジン-3-イル]フェノール、(S)-3-[(R*)-3-(3-ヒドロキシ-フェニル)-ピペリジン-1-イルメチル]-2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-5-オール、(R*)-3-[1-((S)-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)ピペリジン-3-イル]フェノール、1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-メチルピペリジン-3-カルボン酸エチルエステル、1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-エチルピペリジン-3-カルボン酸エチルエステル、[1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-メチルピペリジン-3-イル]メタノール、1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-メトキシメチル-3-メチルピペリジン、1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-エトキシメチル-3-メチルピペリジン、3-クロロメチル-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-メチルピペリジン、2-[1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-メチルピペリジン-3-イル]プロパン-2-オール、1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-(1-メトキシ-1-メチルエチル)-3-メチルピペリジン、1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-ヒドロキシメチル-3-メチルピペリジン-4-オール、酢酸1-(2,3ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-メチルピペリジン-3-イルメチルエステル、メタンスルホン酸1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-メチルピペリジン-3-イルメチルエステル、[1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-エチルピペリジン-3-イル]メタノール、1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-エチル-3-メトキシメチルピペリジン、1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-メトキシメトキシメチル-3-メチルピペリジン、1-[1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-エチルピペリジン-3-イル]エタノン、1-[1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-エチルピペリジン-3-イル]エタノール、3-アリルオキシメチル-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-エチルピペリジン、2-[1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-エチルピペリジン-3-イル-メトキシ]エタノール、3-アリルオキシメチル-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-メチル-ピペリジン、3-アリル-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-ピペリジン-3-カルボン酸エチルエステル、[3-アリル-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)ピペリジン-3-イル]メタノール、3-アリル-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-メトキシメチルピペリジン、3-アリル-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-エトキシメチルピペリジン、1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-メチル-3-(2,2,2-トリフルオロエトキシメチル)-ピペリジン、2-[1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-メチルピペリジン-3-イルメトキシ]エタノール、(S)-1-((R)-2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-カルボニル)-3-メチルピペリジン-3-カルボン酸エチルエステル、リチウム(S)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-メチル-ピペリジン-3-カルボキシレート、{(S)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-メチルピペリジン-3-イル}メタノール、2-{(S)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-メチルピペリジン-3-イルメトキシ}-エタノール、2-{(S)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-メチルピペリジン-3-イルメトキシ}-エタノールD-タータレート、(S)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-(2-メトキシエトキシメチル)-3-メチルピペリジン、(S)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-メチル-3-(2,2,2-トリフルオロエトキシメチル)ピペリジン、メタンスルホン酸(S)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-メチル-ピペリジン-3-イルメチルエステル、チオ酢酸S-{(S)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-メチルピペリジン-3-イルメチル}エステル、2-{(S)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-メチルピペリジン-3-イルメチル-スルファニル}エタノール、{(S)-1-[(S)-1
-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-メチルピペリジン-3-イルメトキシ}酢酸tert-ブチルエステル、ナトリウム{(S)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-メチルピペリジン-3-イル-メトキシ}アセテート、2-[(S)-1-((S)-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-メチルピペリジン-3-イル-メトキシ]エタノール、1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-フルオロ-ピペリジン-3-カルボン酸エチルエステル、[1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-フルオロ-ピペリジン-3-イル]メタノール、(S)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-メチル-ピペリジン-3-カルボン酸エチルエステル、[(S)-1-((S)-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-メチル-ピペリジン-3-イル]-メタノール、(S)-1-((S)-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-メトキシメチル-3-メチル-ピペリジン、(S)-1-((S)-7-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-メトキシメチル-3-メチル-ピペリジン・HCl、(S)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]-ジオキシン-2-イル)メチル]-3-メトキシメチル-3-メチル-ピペリジン、3-{(R*)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-ピペリジン-3-イル}-フェニルアミン、(R*)-3-{1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]ピペリジン-3-イル}フェノールオキサレート、(S)-2-[(R*)-3-(3-ヒドロキシ-フェニル)-ピペリジン-1-イルメチル]-2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-5-オール、1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-(2-メトキシ-フェニル)-ピロリジン、(S)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-(2-フルオロ-エトキシメチル)-3-メチル-ピペリジン・HCl、(R*)-1-[(S)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル)メチル]-3-(3-フルオロメトキシ-フェニル)-ピペリジン、1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-メチル-ピロリジン-3-カルボン酸メチルエステル、[1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-メチルピロリジン-3-イル]-メタノール、2-[1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-メチル-ピロリジン-3-イルメトキシ]-エタノール、1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-3-メトキシメチル-3-メチル-ピロリジンまたは3-[(R)-1-((S)-7-ニトロ-2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-ピペリジン-3-イル]-フェノールである。
【0050】
当業者には、式Iの化合物において、隣接する炭素環原子に結合している置換基R9およびR9が、それらが結合している炭素環原子と一緒になって、縮合5員または6員の不飽和炭素環式環または縮合5員または6員の不飽和複素環式環を形成し、ここで、前記炭素環式環または複素環式環は、前記置換基が結合している炭素環原子間の不飽和結合に加えて、さらなる不飽和結合を有していてもよいことは明らかである。
【0051】
本明細書で使用される用語は、以下に示される意味を有する。以下の意味で採用される用語「少なくとも1つ」という用語は、1つまたはいくつか、例えば1つを指す。例えば、用語「少なくとも1つのハロゲン」は、1つまたはいくつかのハロゲン、例えば1つのハロゲンを指す。
【0052】
「ヒドロキシ」という用語は、本明細書においてそれ自体または別の基の一部として使用される場合、-OH基を指す。
【0053】
「(C1-C6)アルキル」という語は、それ自体または別の基の一部として本明細書で使用される場合、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖飽和炭化水素基を指す。(C1-C6)アルキルの代表的なものには、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、イソ-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソ-ペンチル、およびn-ヘキシルが含まれるが、これらに限定されない。
【0054】
「(C1-C6)アルコキシ」という語は、本明細書においてそれ自体でまたは別の基の一部として使用される場合、酸素原子を介して親分子部分に付加された、本明細書で定義される(C1-C6)アルキル基を指す。(C1-C6)アルコキシの代表的なものには、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、n-ブトキシ、イソ-ブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、2,2-ジメチルプロポキシ、3-メチルブトキシ、およびn-ヘキソキシ等が含まれるが、これらに限定されない。
【0055】
「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、本明細書においてそれ自体または別の基の一部として使用される場合、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を指す。
【0056】
本明細書で使用される「ハロ(C1-C6)アルキル」という語は、本明細書で定義の(C1-C6)アルキル基を介して親分子部分に付加された、本明細書で定義の少なくとも1つのハロゲンを指す。いくつかのハロゲンが存在する場合、ハロゲンは同一であっても異なっていてもよい。ハロ(C1-C6)アルキルの代表的なものには、フルオロメチル、クロロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2-クロロエチル、3-ブロモプロピル、および2-クロロプロピルが含まれるが、これらに限定されない。
【0057】
本明細書で使用される「フェニル(C1-C6)アルコキシ」という用語は、本明細書で定義の(C1-C6)アルコキシ基を介して親分子部分に付加された少なくとも1つのフェニル基を指す。フェニル(C1-C6)アルコキシの代表的なものには、フェニルメトキシ、2-フェニルエトキシ、および3-フェニルプロポキシが含まれるが、これらに限定されない。
【0058】
[0052]本明細書で別の基の一部として使用される「アミノ」という用語は、-NH2基を指す。
【0059】
[0053]本明細書で使用される「モノ(C1-C6)アルキルアミノ」という語は、本明細書で定義のアミノ基を介して親分子部分に付加された、本明細書で定義の1個の(C1-C6)アルキル基を指す。モノ(C1-C6)アルキルアミノの代表的なものには、N-メチルアミノ、N-エチルアミノ、およびN-ブチルアミノが含まれるが、これらに限定されない。
【0060】
本明細書で使用される「ジアルキルアミノ」という用語は、本明細書で定義のアミノ基を介して親分子部分に付加された、本明細書で定義の2個の(C1-C6)アルキル基を指す。(C1-C6)アルキル基は、同一であっても異なっていてもよい。ジ(C1-C6)アルキルアミノの代表例には、N,N-ジメチルアミノおよびN,N-ジエチルアミノが含まれるが、これらに限定されない。
【0061】
本明細書で使用される「カルボキシ」という用語は、-COOH基を指す。
【0062】
「(C2-C6)アルケニル」という用語は、本明細書においてそれ自体または別の基の一部として使用される場合、2、3、4、5または6個の炭素原子を有し、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含有する直鎖または分岐鎖炭化水素基を指す。(C2-C6)アルケニルの代表例には、エテニルおよびプロパ-2-エニルが含まれるが、これらに限定されない。
【0063】
「ヒドロキシ(C1-C6)アルキル」という用語は、本明細書においてそれ自体または別の基の一部として使用される場合、本明細書で定義される(C1-C6)アルキル基を介して親分子部分に付加された、本明細書で定義される少なくとも1つのヒドロキシ基を指す。ヒドロキシ(C1-C6)アルキルの代表例には、ヒドロキシメチル、1-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシエチル、2,2-ジヒドロキシエチル、1-ヒドロキシプロピル、3-ヒドロキシプロピル、1-ヒドロキシ-1-メチルエチル、および1-ヒドロキシ-1-メチルプロピルが含まれるが、これらに限定されない。
【0064】
本明細書で使用される「ヒドロキシ(C2-C6)アルケニル」という用語は、本明細書で定義の(C2-C6)アルケニル基を介して親分子部分に付加された、本明細書で定義の少なくとも1個のヒドロキシ基を指す。ヒドロキシ(C2-C6)アルケニルの代表例には、1-ヒドロキシエテニル、2-ヒドロキシエテニルおよび1-ヒドロキシプロパ-2-エニルが含まれるが、これらに限定されない。
【0065】
「(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル」という用語は、本明細書においてそれ自体または別の基の一部として使用される場合、本明細書において定義される(C1-C6)アルキル基を介して親分子部分に付加された、本明細書において定義される少なくとも1つの(C1-C6)アルコキシ基を指す。いくつかの(C1-C6)アルコキシ基がある場合、(C1-C6)アルコキシ基は、同一であっても異なっていてもよい。(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキルの代表例には、メトキシメチル、エトキシメチル、プロポキシメチル、2-メトキシエチル、2-エトキシエチル、2,2-ジメトキシエチル、1-メチル-2-プロポキシエチル、1-メトキシ-1-メチルエチルおよび4-メトキシブチルが含まれるが、これらに限定されない。
【0066】
別の基の一部として本明細書で使用される「(C2-C6)アルケニルオキシ」という用語は、酸素原子を介して親分子部分に付加された、本明細書で定義される(C2-C6)アルケニル基を指す。(C2-C6)アルケニルオキシの代表例には、エテニルオキシ、プロパ-2-エニルオキシ、ブテ-2-ニルオキシ、ヘキサ-3-エニルオキシが含まれるが、これらに限定されない。
【0067】
本明細書で使用される「(C2-C6)アルケニルオキシ(C1-C6)アルキル」という用語は、本明細書で定義の(C1-C6)アルキル基を介して親分子部分に付加された、本明細書で定義の少なくとも1つの(C2-C6)アルケニルオキシ基を指す。いくつかの(C2-C6)アルケニルオキシ基がある場合、(C2-C6)アルケニルオキシ基は、同一であっても異なっていてもよい。(C2-C6)アルケニルオキシ(C1-C6)アルキルの代表的には、プロパ-2-エニルオキシメチルおよびエテニルオキシエチルが含まれるが、これらに限定されない。
【0068】
「ヒドロキシ(C1-C6)アルコキシ」という用語は、本明細書でそれ自体または別の基の一部として使用される場合、本明細書で定義される(C1-C6)アルコキシ基を介して親分子部分に付加された、本明細書で定義される少なくとも1つのヒドロキシ基を指す。ヒドロキシ(C1-C6)アルコキシの代表的には、ヒドロキシメトキシ、ジヒドロキシメトキシ、2-ヒドロキシエトキシ、2-ヒドロキシプロポキシ、3-ヒドロキシプロポキシ、2-ヒドロキシブトキシ、および2-ヒドロキシ-1-メチルエトキシが含まれるが、これらに限定されない。
【0069】
「(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルコキシ」という用語は、本明細書においてそれ自体または別の基の一部として使用される場合、本明細書において定義される(C1-C6)アルコキシ基を介して親分子部分に付加された、本明細書において定義される少なくとも1つの(C1-C6)アルコキシ基を指す。(C1-C6)アルコキシ基は、同一であっても異なっていてもよい。(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルコキシの代表例には、メトキシメトキシ、プロポキシメトキシ、2-メトキシエトキシ、2-エトキシエトキシ、2-ブトキシエトキシ、2,2-ジメトキシエトキシ、1-メチル-2-プロポキシエトキシ、2-メトキシプロポキシおよび4-メトキシブトキシが含まれるが、これらに限定されない。
【0070】
「ハロ(C1-C6)アルコキシ」という語は、本明細書でそれ自体または別の基の一部として使用される場合、本明細書で定義される(C1-C6)アルコキシ基を介して親分子部分に付加される、本明細書で定義される少なくとも1つのハロゲンを指す。いくつかのハロゲンが存在する場合、ハロゲンは同一であっても異なっていてもよい。ハロ(C1-C6)アルコキシの代表例には、フルオロメトキシ、クロロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2-ブロモエトキシ、2,2,2-トリクロロエトキシ、3-ブロモプロポキシ、2-クロロプロポキシ、および4-クロロブトキシが含まれるが、これらに限定されない。
【0071】
本明細書で使用される「オキソ」という用語は、=O基を指す。
【0072】
本明細書で使用される「本発明の化合物」という表現は、式Iの化合物を指す。
【0073】
本発明の化合物は、式(I)に包含され、以下に記載される化合物がすでに塩、溶媒和物および塩の溶媒和物でない場合、式(I)の化合物ならびにその塩、溶媒和物および塩の溶媒和物であり、式(I)に包含され、以下に記載される式の化合物およびその塩、溶媒和物および塩の溶媒和物であり、ならびに式(I)に包含され、実施例として以下に挙げられる化合物およびその塩、溶媒和物および塩の溶媒和物である。
【0074】
本発明の化合物は同様に、式(I)の化合物のN-オキシドおよびS-オキシドならびにその塩、溶媒和物および塩の溶媒和物である。
【0075】
本発明における好ましい塩は、本発明による化合物の生理学的に許容される塩である。また、それ自体は医薬用途に適していないが、例えば、本発明の化合物の単離、精製または貯蔵に使用することができる塩も包含される。
【0076】
本発明の化合物の好適な薬学的に許容される塩は例えば、鎖または環中に十分に塩基性の窒素原子を有する本発明の化合物の酸付加塩、例えば、無機酸との酸付加塩または「鉱酸」、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、スルファミン酸、重硫酸、リン酸または硝酸との酸付加塩、例えば、ギ酸、酢酸、アセト酢酸、ピルビン酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、酪酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、安息香酸、サリチル酸、2-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ショウノウ酸、ケイ皮酸、シクロペンタンプロピオン酸、ジグルコン酸、3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、ニコチン酸、パモ酸、ペクチン酸、3-フェニルプロピオン酸、ピバリン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、イタコン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ドデシル硫酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、カンファースルホン酸、クエン酸、酒石酸、ステアリン酸、乳酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、アジピン酸、アルギン酸、マレイン酸、フマル酸、D-グルコン酸、マンデル酸、アスコルビン酸、グルコヘプタン酸、グリセロリン酸、アスパラギン酸、スルホサリチル酸またはチオシアン酸などの有機酸との酸付加塩である。
【0077】
さらに、本発明の十分に酸性の化合物の別の好適な薬学的に許容される塩は、アルカリ金属塩、例えば、ナトリウムまたはカリウム塩、アルカリ土類金属、例えば、カルシウム、マグネシウムもしくはストロンチウム塩、またはアルミニウム塩または亜鉛塩、またはアンモニアから誘導されるアンモニウム塩もしくは1~20個の炭素原子を有する第一級、第二級もしくは第三級アミン、例えば、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、プロカイン、ジベンジルアミン、N-メチルモルホリン、アルギニン、リシン、1,2-エチレンジアミン、N-メチルピペリジン、N-メチルグルカミン、N,N-ジメチルグルカミン、N-エチルグルカミン、1,6-ヘキサンジアミン、グルコサミン、サルコシン、セリノール、2-アミノ-1,3-プロパンジオール、3-アミノ-1,2-プロパンジオール、4-アミノ-1,2,3-ブタントリオールから誘導されるアンモニウム塩、または1~20個の炭素原子を有する第四級アンモニウムイオン、例えばテトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラ(n-プロピル)アンモニウムイオン、テトラ(n-ブチル)アンモニウム、N-ベンジル-N,N,N-トリメチルアンモニウム、コリンまたはベンザルコニウムとの塩である。
【0078】
当業者は、特許請求される化合物の酸付加塩が多くの公知の方法のいずれかを介して、化合物と好適な無機または有機酸との反応によって調製されることが可能であることをさらに認識するであろう。あるいは、本発明の酸性化合物のアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩が種々の公知の方法を介して本発明の化合物を好適な塩基と反応させることによって調製される。
【0079】
本発明は、本発明の化合物の全ての可能な塩を、単一の塩として、または任意の比の前記塩の任意の混合物として含む。
【0080】
薬学的に許容されるエステルは適用可能な場合、医薬の分野で慣用的であり、遊離形態の薬理学的特性を保持する薬学的に許容される酸を使用して、公知の方法によって調製され得る。これらのエステルの非限定的な例には、脂肪族または芳香族アルコールのエステルが含まれる。薬学的に許容されるエステルの代表的な例には、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、イソ-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、およびベンジルエステルが含まれるが、これらに限定されない。
【0081】
本発明はその範囲内に、化合物の全ての可能な幾何異性体、例えばZおよびE異性体(シスおよびトランス異性体)、ならびに化合物の全ての可能な光学異性体、例えばジアステレオマーおよびエナンチオマーを含む。さらに、本発明は、その範囲において、個々の異性体およびその任意の混合物、例えばラセミ混合物の両方を含む。個々の異性体は出発物質の対応する異性体形態を使用して得ることができ、または従来の分離方法に従って最終化合物の調製後に分離することができる。
【0082】
光学異性体、例えば鏡像異性体をその混合物から分離するために、従来の分割方法、例えば分別結晶を使用することができる。
【0083】
式(I)および(II)の化合物、それらの生成、ならびに末梢神経系または中枢神経系の疾患または状態の治療のためのアルファ2Cアンタゴニストとしてのそれらの作用は、一般にWO2009013390に開示されており、特に、該化合物は本発明の説明の明示的部分であり、参照により本明細書に組み込まれる。
【0084】
本明細書で使用される有効量という用語は、睡眠関連呼吸障害、好ましくは閉塞性および中枢性睡眠時無呼吸およびいびきの治療および/または予防に有効な、式(I)の化合物の量を指す。
【0085】
本発明は、睡眠関連呼吸障害、好ましくは閉塞性および中枢性睡眠時無呼吸およびいびきの治療および/または予防のための方法における使用のための、(アルファ-2C)アンタゴニスト、特に式(I)の3-置換1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)アザサイクルに関する。
【0086】
本発明はさらに、睡眠関連呼吸障害、好ましくは閉塞性および中枢性睡眠時無呼吸およびいびきの治療および/または予防のための医薬の製造のための式(I)の化合物の使用に関する。
【0087】
本発明のさらなる主題は、睡眠関連呼吸障害、好ましくは閉塞性および中枢性睡眠時無呼吸およびいびきの治療および/または予防のための方法における、1つ以上の式(I)の化合物と1つ以上の他の活性化合物との組合せの使用である。
【0088】
本発明のさらなる主題は、睡眠関連呼吸障害、好ましくは閉塞性および中枢性睡眠時無呼吸およびいびきの治療および/または予防のための方法において使用するための、少なくとも1つの式(I)の化合物を1つ以上の不活性な非毒性の薬学的に好適な賦形剤と組み合わせて含む医薬組成物である。
【0089】
本発明はさらに、睡眠関連呼吸障害、好ましくは閉塞性および中枢性睡眠時無呼吸およびいびきの治療および/または予防のための方法において使用するための、1つ以上の他の活性化合物との組合せを1つ以上の不活性な非毒性の薬学的に好適な賦形剤と組み合わせて含む医薬組成物に関する。
【0090】
本発明はまた、睡眠関連呼吸障害の治療および/または予防のための方法であって、治療上有効量の少なくとも1つの式(I)の化合物または少なくとも1つの式(I)の化合物を、不活性で非毒性の薬学的に許容可能な添加剤と組み合わせて含む医薬を、全身的および/または局所的に投与することによる方法に関する。
【0091】
本発明のさらなる主題は、睡眠関連呼吸障害、好ましくは閉塞性および中枢性睡眠時無呼吸およびいびきの治療および/または予防のための方法において使用するための、1つ以上の式(I)の化合物と1つ以上の他の活性化合物との組合せである。
【0092】
本発明による式(I)の3-置換1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)アザサイクルは単独で、または必要に応じて、1つ以上の他の薬理学的に活性な物質と組み合わせて使用することができるが、ただし、この組合せは望ましくない許容できない副作用をもたらさない。睡眠関連呼吸障害、好ましくは閉塞性および中枢性睡眠時無呼吸およびいびきを治療する目的に好適な組合せの好ましい例としては以下のものが含まれる:
・ 呼吸刺激薬、例えば、そして好ましくは、テオフィリン、ドキサプラム、ニケタミドまたはカフェイン;
・ 精神刺激薬、例えば、そして好ましくは、モダフィニルまたはアルモダフィニル;
・ アンフェタミンおよびアンフェタミン誘導体、例えば、そして好ましくは、アンフェタミン、メタンフェタミンまたはメチルフェニデート;
・ セロトニン再取込み阻害薬、例えば、そして好ましくは、フルオキセチン、パロキセチン、シタロプラム、エスシタロプラム、セルトラリン、フルボキサミンまたはトラゾドン;
・ セロトニン前駆体、例えば、そして好ましくは、L-トリプトファン;
・ 選択的セロトニンノルアドレナリン再取り込み阻害薬、例えば、そして好ましくは、ベンラファキシンまたはデュロキセチン;
・ ノルアドレナリン作動性および特異的セロトニン作動性抗うつ薬、例えば、そして好ましくは、ミルタザピン;
・ 選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害剤、例えば、そして好ましくは、レボキセチンまたはアトモキセチン;
・ 三環系抗うつ薬、例えば、そして好ましくは、アミトリプチリン、プロトリプチリン、ドキセピン、トリミプラミン、イミプラミン、クロミプラミンまたはデシプラミン;
・ ムスカリン受容体アンタゴニスト、例として、そして好ましくはオキシブチニン;
・ GABAアゴニスト、例えば、好ましくは、バクロフェン;
・ グルココルチコイド、例えば、そして好ましくは、フルチカゾン、ブデソニド、ベクロメタゾン、モメタゾン、チキソコルトールまたはトリアムシノロン;
・ カンナビノイド受容体作動薬;
・ TASKチャネル遮断薬、例えば、そして好ましくは、WO2017/097792A1、WO2017/097671A1、WO2018/015196A1、WO2018/228907A1およびWO2018/228909A1に一般的におよび特定的に開示されているTASKチャネル遮断薬;
・ カルボアンヒドラーゼ阻害薬、例えば、そして好ましくは、アセタゾラミド、メタゾラミドまたはジクロフェナミド;
・ オピオイドおよびベンゾジアゼピン受容体アンタゴニスト、例えば、そして好ましくは、フルマゼニル、ナロキソンまたはナルトレキソン;
・ コリンエステラーゼ阻害薬、例えば、そして好ましくは、ネオスチグミン、ピリドスチグミン、フィゾスチグミン、ドネペジル、ガランタミン、または例えば、そして好ましくは、リバスチグミン;
・ 食欲抑制薬、例えば、そして好ましくは、シブトラミン、オピラマート、フェンテルミン、リパーゼ阻害薬またはカンナビノイド受容体アンタゴニスト;
・ ミネラルコルチコイド受容体アンタゴニスト。
【0093】
本発明の好ましい主題は、睡眠関連呼吸障害、好ましくは閉塞性および中枢性睡眠時無呼吸およびいびきの治療および/または予防のための方法において使用するための、式(I)または(II)の1つ以上の化合物と、ムスカリン受容体アンタゴニスト、ミネラルコルチコイド受容体アンタゴニスト、TASKチャネル遮断薬、利尿剤、コルチコステロイドからなる群より選択される1つ以上の他の活性化合物との組合せである。
【0094】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、ムスカリン受容体アンタゴニスト、例えば、そして好ましくはオキシブチニンと組み合わせて投与される。
【0095】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、TASK-チャネル遮断薬、例えば、そして好ましくは、WO2017/097792A1、WO2017/097671A1、WO2018/015196A1、WO2018/228907A1およびWO2018/228909A1に一般的におよび特定的に開示されているTASKチャネル遮断薬と組み合わせて投与される。
【0096】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、ミネラルコルチコイド受容体アンタゴニスト、例えば、そして好ましくはスピロノラクトン、エプレレノンまたはフィネレノンと組み合わせて投与される。
【0097】
本発明の好ましい一実施形態において、本発明の化合物は、利尿剤、例えば、そして好ましくはフロセミド、ブメタニド、トラセミド、ベンドロフルメチアジド、クロロチアジド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、メチクロチアジド、ポリチアジド、トリクロルメチアジド、クロルタリドン、インダパミド、メトラゾン、キネタゾン、アセタゾラミド、ジクロルフェナミド、メタゾラミド、グリセロール、イソソルビド、マンニトール、アミロライドまたはトリアムテレンと組合せて投与される。
【0098】
本発明の好ましい一実施形態において、本発明の化合物は、コルチコステロイド、例えば、そして好ましくは、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、トリアムシノロン、デキサメタゾン、ベタメタゾン、ベクロメタゾン、フルニソリド、ブデソニドまたはフルチカゾンと組み合わせて投与される。
【0099】
必要に応じて、本発明による式(I)の3-置換1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)アザサイクルは、1つ以上の医療技術デバイスまたは補助剤の使用と併せて使用することもできるが、ただし、これは望ましくない許容できない副作用をもたらさない。そのような併用用途に適した医療装置および補助剤は、例として、好ましくは以下のものである:
・ 気道陽圧換気装置のための装置、例えば、そして好ましくは、CPAP(持続的気道陽圧)装置、BiPAP(バイレベル気道陽圧)装置およびIPPV(間欠的陽圧換気)装置;
・ 舌下神経の神経刺激装置;
・ 口腔内補助具、例えば、好ましくは、突出ブレース;
・ 鼻用使い捨てバルブ;
・ 鼻腔ステント。
【0100】
本発明による式(I)の3-置換1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)アザサイクルは、全身的および/または局所的に作用することができる。この目的のために、それらは、好適な様式で、例えば、経口、非経口、経肺、肺内(吸入)、鼻、鼻腔内、咽頭、舌、舌下、頬側、直腸、皮膚、経皮、結膜もしくは耳経路によって、またはインプラントもしくはステントとして、投与され得る。
【0101】
本発明のさらなる主題は、経口、非経口、肺、肺内(吸入)、経鼻、鼻腔内、咽頭、舌、舌下、頬側、直腸、皮膚、経皮、結膜もしくは耳経路による、またはインプラントもしくはステントとしての、全身投与および/または局所投与のための、本発明による式(I)の化合物を含む医薬組成物である。好ましい投与は、経口経路である。
【0102】
これらの投与経路について、本発明による化合物は、好適な投与形態で投与することができる。
【0103】
経口投与に関しては、最新技術に従って、本発明による化合物を急速におよび/または変更された様式で放出し、本発明による化合物を結晶性および/または非晶質および/または溶解した形態で含有する投与形態、例えば、錠剤(コーティングされていないまたはコーティングされた錠剤、例えば、胃液耐性または遅延溶解または不溶性コーティングを有し、本発明による化合物の放出を制御する)、口腔内で急速に崩壊する錠剤またはフィルム/ウエハース、フィルム/凍結乾燥物、カプセル(例えば、ハードゼラチンカプセルまたはソフトゼラチンカプセル)、糖衣錠、顆粒、ペレット、粉末、エマルジョン、懸濁液、エアロゾルまたは溶液が、好適である。
【0104】
非経口投与は、吸収工程を省略して(例えば、静脈内、動脈内、心臓内、脊髄内または腰椎内投与)、または吸収を伴う(例えば、筋肉内、皮下、皮内、経皮または腹腔内投与)ことによって行うことができる。非経口投与に好適な投与形態には、溶液、懸濁液、エマルジョン、凍結乾燥物または滅菌粉末の形態の注射および注入調製物が含まれる。
【0105】
他の投与経路としては、例えば、吸入製剤(粉末吸入器およびネブライザーを含む)、点鼻薬、液剤またはスプレー、舌、舌下または口腔投与用の錠剤、錠剤、フィルム/ウエハースまたはカプセル、坐剤、経口または眼科用製剤、膣カプセル、水性懸濁液(ローション、振盪可能な混合物)、親油性懸濁液、軟膏、クリーム、経皮治療システム(例えば、プラスター)、ミルク、ペースト、発泡体、ダスティングパウダー、インプラントまたはステントが、好適である。
【0106】
経口または非経口投与、特に経口および静脈内投与が好ましい。
【0107】
本発明による化合物は、記載の投与形態に変換することができる。これは、それ自体公知の方法で、不活性で非毒性の薬学的に好適な添加剤と混合することによって行うことができる。これらの添加剤としては、担体(例えば、微結晶性セルロース、ラクトース、マンニトール)、溶媒(例えば、液体ポリエチレングリコール)、乳化剤および分散剤または湿潤剤(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸ポリオキシソルビタン)、結合剤(例えば、ポリビニルピロリドン)、合成および天然ポリマー(例えば、アルブミン)、安定剤(例えば、アスコルビン酸などの酸化防止剤)、着色剤(例えば、酸化鉄などの無機顔料)、ならびに風味または臭気補正剤が挙げられる。
【0108】
一般に、非経口投与において有効な結果を達成するために、約0.001~10mg/kg、好ましくは約0.01~1mg/kg体重の量を投与することが有利であることが見出されている。経口投与において、投与量は、約0.01~100mg/kg、好ましくは約0.01~20mg/kgおよび極めて特に好ましくは0.1~15mg/kg体重である。
【0109】
それにもかかわらず、時には、前記量から逸脱すること、すなわち、体重、投与経路、活性物質に対する個々の応答、調製物の性質、および投与が行われる時間または間隔に応じて逸脱することが必要であり得る。したがって、場合によっては上記の最小量未満で管理することで十分であり得るが、他の場合には記載された上限を超えなければならない。より大量の投与の場合、これらを1日を通していくつかの個々の投与に分割することが推奨され得る。
【0110】
以下の実施例は、本発明を例示する。本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0111】
A.実験方法
本発明の化合物の有利な薬理学的特性は、以下の方法によって決定することができる。
【0112】
睡眠時無呼吸における本発明の化合物の治療可能性は、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)のブタモデルにおいて前臨床的に評価することができる。
【0113】
陰圧を使用すると、麻酔された自発呼吸するブタにおいて、上気道の虚脱、したがって閉塞を誘導することが可能である(Wirth K.J.ら、Sleep 36(5)(2013)pp.699-708)。
【0114】
このモデルにはドイツのランドレース豚が用いられる。豚を麻酔し、気管切開する。2つの気管が気管内に挿入され、一方は気管の吻側部分に挿入され、他方は尾側部分に挿入される。接続部品を使用して、吻側カニューレは、陰圧デバイスおよび遠位気管カニューレへのチューブに接続される。遠位気管カニューレは自由気管呼吸に役立ち、上気道を迂回する接続部品を介して、開放端を有するチューブにさらに接続される。これらのチューブの適切な開放およびクランプによって、呼吸を鼻呼吸から、上気道を迂回させ、尾側気管カニューレを通した呼吸に切り替え、(隔離された)上気道を陰圧デバイスに接続し、吸気方向に気流を生じさせることができる。
【0115】
特定の時点で、ブタを、尾側カニューレを介して呼吸させ、-50、-100および-150cm水頭(cmH2O)の陰圧を上気道に加えることによって、上気道の虚脱性を試験する。これは上気道を虚脱させ、これは気流の遮断およびチューブシステム内の圧力降下として現れる。この試験は、被験物質の投与前、および被験物質の投与後一定の間隔で実施する。適切に有効な被験物質は、吸気フェーズにおける気道のこの虚脱を防ぐ。
【0116】
このOSAブタモデルにおいて、アルファ-2C受容体のIC50に達する、適切な投与量での式(I)のα2-アドレナリン受容体サブタイプC(アルファ-2C)アンタゴニストの全身投与は、上気道虚脱性を抑制すると予想される。
【国際調査報告】