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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-09
(54)【発明の名称】アクセス機器ハブ
(51)【国際特許分類】
   A61M 39/02 20060101AFI20241226BHJP
   A61M 1/16 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
A61M39/02
A61M1/16 107
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024540858
(86)(22)【出願日】2023-01-06
(85)【翻訳文提出日】2024-09-05
(86)【国際出願番号】 US2023010312
(87)【国際公開番号】W WO2023133269
(87)【国際公開日】2023-07-13
(31)【優先権主張番号】63/297,516
(32)【優先日】2022-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/328,184
(32)【優先日】2022-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/344,408
(32)【優先日】2022-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510121444
【氏名又は名称】アビオメド インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】フィンク,アダム
(72)【発明者】
【氏名】ジャハーンギル,エミリア
(72)【発明者】
【氏名】デロレンツォ,チャールズ アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】ファンタッジ,グレン
(72)【発明者】
【氏名】タオ,ジェンホグ
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ジアフェン
(72)【発明者】
【氏名】ツェ,ライ ユー レオ
(72)【発明者】
【氏名】オリゾンド,ライアン
【テーマコード(参考)】
4C066
4C077
【Fターム(参考)】
4C066AA07
4C066FF01
4C066JJ04
4C066JJ10
4C077AA03
4C077EE01
(57)【要約】
例えば、血栓形成を防止する一方で、溶血も回避するために、ルーメン内の血液の流れを改善するように構成されたハブを含むアクセス機器が提供され得る。ハブは、除去可能に取り付け可能な第2のアーム、ハブ又はシステムのルーメンの突出部/窪みを有し得、及び/又は流れがハブ内のルーメンのいくつかの領域に入らないようにするために、プラグ若しくはプラグ類似物が使用されてもよい。これらのハブが、例えば、モジュラー形態を有し得るアクセス機器の一部として使用されてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセス機器用のハブであって、前記ハブは、
第1のルーメンが近位端部から遠位端部まで延びている第1のアームであって、前記遠位端部は、カニューレに動作可能に結合されるように構成される、第1のアーム
を含み、
前記遠位端部における前記第1のルーメンの中心軸は、前記近位端部における前記第1のルーメンの前記中心軸とある角度を形成し、及び
前記第1のアームは、第2のアームに動作可能に結合されるように構成され、前記第2のアームには第2のルーメンが延びている、ハブ。
【請求項2】
前記第2のアームは前記ハブに結合される、請求項1に記載のハブ。
【請求項3】
前記第2のアームは前記ハブに除去可能に結合される、請求項2に記載のハブ。
【請求項4】
突出部、窪み、若しくは双方が前記第1のルーメン内にあるか、
突出部、窪み、若しくは双方が前記第2のルーメン内にあるか、又は
それらの組み合わせである、請求項1~3のいずれか1項に記載のハブ。
【請求項5】
さらに、前記第1のルーメンの近位端部に除去可能に挿入れるように構成されたプラグを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のハブ。
【請求項6】
さらに、前記第1のルーメンの前記近位端部から前記第1のルーメンの全長未満に延在するように構成される1つ以上の拡張器を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載のハブ。
【請求項7】
さらに、前記第2のルーメンの近位端部に除去可能に挿入されるように構成されたプラグを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載のハブ。
【請求項8】
アクセス機器用のハブであって、前記ハブは、
第1のルーメンが近位端部から遠位端部まで延びている第1のアームであって、前記遠位端部は、カニューレに動作可能に結合されるように構成される、第1のアーム
を含み、
前記第1のアームは、第2のアームに動作可能に結合されるように構成され、前記第2のアームには第2のルーメンが延びており、及び
突出部、窪み、若しくは双方が前記第1のルーメン内にあるか、
突出部、窪み、若しくは双方が前記第2のルーメン内にあるか、又は
それらの組み合わせである、ハブ。
【請求項9】
前記第2のアームは前記ハブに結合される、請求項8に記載のハブ。
【請求項10】
前記第2のアームは前記ハブに除去可能に結合される、請求項9に記載のハブ。
【請求項11】
さらに、前記第1のルーメンの近位端部に除去可能に挿入れるように構成されたプラグを含む、請求項8~10のいずれか1項に記載のハブ。
【請求項12】
さらに、前記第1のルーメンの前記近位端部から前記第1のルーメンの全長未満に延在するように構成される1つ以上の拡張器を含む、請求項8~11のいずれか1項に記載のハブ。
【請求項13】
さらに、前記第2のルーメンの近位端部に除去可能に挿入されるように構成されたプラグを含む、請求項8~12のいずれか1項に記載のハブ。
【請求項14】
アクセス機器用のハブであって、
第1のルーメンが近位端部から遠位端部まで延びている第1のアームであって、前記遠位端部は、カニューレに動作可能に結合されるように構成される、第1のアーム、及び
前記第1のアームに動作可能に結合された第2のアームであって、第2のルーメンが延びている第2のアーム、
前記第1のルーメンの近位端部に挿入可能なプラグであって、前記第1のルーメンの近位端部の又はその近くの前記第1のルーメン内の空間の少なくとも一部分を埋めるように構成されたプラグ
を含む、ハブ。
【請求項15】
前記第2のアームは前記ハブに結合される、請求項14に記載のハブ。
【請求項16】
前記第2のアームは前記ハブに除去可能に結合される、請求項15に記載のハブ。
【請求項17】
さらに、前記第2のルーメンの近位端部に除去可能に挿入されるように構成されたプラグを含む、請求項14~16のいずれか1項に記載のハブ。
【請求項18】
さらに、前記第1のアーム内に配置された止血弁を含む、請求項14~16のいずれか1項に記載のハブ。
【請求項19】
前記止血弁は前記プラグに隣接して位置決めされる、請求項18に記載のハブ。
【請求項20】
前記プラグはスリットを含み、そこを通して、医療機器が前記第1のルーメン中へ挿入可能である、請求項14~19のいずれか1項に記載のハブ。
【請求項21】
アクセス機器用のハブであって、
第1のルーメンが近位端部から遠位端部まで延びている第1のアームであって、前記遠位端部は、カニューレに動作可能に結合されるように構成される、第1のアーム、
前記第1のアームに動作可能に結合された第2のアームであって、第2のルーメンが延びている第2のアーム、及び
前記近位端部から前記第1のルーメンの全長未満に延在する1つ以上の拡張器であって、前記第1のルーメンの前記近位端部の又はその近くの前記第1のルーメン内の空間の少なくとも一部分を埋めるように構成される、1つ以上の拡張器
を含む、ハブ。
【請求項22】
前記第2のアームは前記ハブに結合される、請求項21に記載のハブ。
【請求項23】
前記第2のアームは前記ハブに除去可能に結合される、請求項22に記載のハブ。
【請求項24】
さらに、前記第2のルーメンの近位端部に挿入されるように構成されたプラグを含む、請求項21~23のいずれか1項に記載のハブ。
【請求項25】
前記プラグはスリットを含み、そこを通して医療機器が前記第1のルーメンに挿入され得る、請求項24に記載のハブ。
【請求項26】
前記医療機器は、ガイドワイヤ、バルーンカテーテル、又はカテーテルベースの心臓ポンプである、請求項25に記載のハブ。
【請求項27】
前記1つ以上の拡張器は、前記スリットを通って延在するように構成される、請求項25に記載のハブ。
【請求項28】
前記ハブは、さらに、前記第1のルーメン、前記第2のルーメン、又は双方に動作可能に接続された第3のルーメンを含む、請求項21~27のいずれか1項に記載のハブ。
【請求項29】
前記第3のルーメンは、流体が前記ハブを通って前記カニューレに入ったり又はそこから出たりすることができるようにするように構成される、請求項28に記載のハブ。
【請求項30】
前記第3のルーメンは、外部付属物に接続するように構成される、請求項28又は29に記載のハブ。
【請求項31】
前記外部付属物は、下腿遠位部灌流カニューレ、加圧バッグ、又は輸液ポンプである、請求項30に記載のハブ。
【請求項32】
前記第3のルーメンは弁に接続される、請求項28~31のいずれか1項に記載のハブ。
【請求項33】
前記第1のアームは前記第2のアームに対して垂直である、請求項1、8、14、又は21に記載のハブ。
【請求項34】
前記第1のアームは前記第2のアームに接線方向に延在する、請求項1、8、14、又は21に記載のハブ。
【請求項35】
前記第1のアームの前記第1のルーメンは前記第2のアームの前記第2のルーメンに接線方向に延在する、請求項34に記載のハブ。
【請求項36】
前記第1のアームの長手方向軸は前記第2のアームの長手方向軸から横方向にオフセットされる、請求項35に記載のハブ。
【請求項37】
前記遠位端部における前記第1のルーメンの前記中心軸は、前記近位端部における前記第2のルーメンの中心軸と第2のアーム角度を形成し、前記角度は15~30度である、請求項1、8、14、又は21に記載のハブ。
【請求項38】
さらに、前記第1のアームの前記近位端部に結合されたキャップを含む、請求項1、8、14、又は21に記載のハブ。
【請求項39】
さらに、前記キャップの一部分と前記第1のアームの一部分との間に位置決めされたOリング及びシリコーン弁を含む、請求項38に記載のハブ。
【請求項40】
さらに、前記シリコーン弁と前記キャップとの間に配置された第2のOリングを含む、請求項39に記載のハブ。
【請求項41】
前記キャップはTuohy Borst弁である、請求項38に記載のハブ。
【請求項42】
近位端部及び遠位端部を有するカニューレであって、ジョイントルーメンを有するカニューレと、
前記カニューレの近位端部に動作可能に結合されるように構成された、請求項1~41のいずれか1項に記載のハブと
を含む、アクセス機器。
【請求項43】
さらに、前記ハブに除去可能に結合されるように構成された第2のアームを含み、前記第2のアームには第2のルーメンが延びており、
前記第2のルーメンは、前記ハブにある開口部を通して前記第1のルーメンに動作可能に結合されるように構成される、請求項42に記載のアクセス機器。
【請求項44】
さらに、前記カニューレの前記近位端部及び前記ハブに除去可能に結合できるチューブ状延長部を含む、請求項42又は43に記載のアクセス機器。
【請求項45】
前記チューブ状延長部はまた、第2のアームの近位端部に除去可能に結合できるように構成される、請求項44に記載のアクセス機器。
【請求項46】
前記カニューレは、ねじ接続部によって前記ハブに結合される、請求項42~45のいずれか1項に記載のアクセス機器。
【請求項47】
さらに、ユーザが前記第2のアームのクランプを外すことができるように構成されたクランプを含む、請求項42~46のいずれか1項に記載のアクセス機器。
【請求項48】
さらに固着特徴を含む、請求項42~47のいずれか1項に記載のアクセス機器。
【請求項49】
前記固着特徴はバタフライパッド又は縫合リングである、請求項48に記載のアクセス機器。
【請求項50】
前記固着特徴は前記カニューレに対して軸方向に静止している、請求項48に記載のアクセス機器。
【請求項51】
前記固着特徴は前記カニューレに沿って可動式に位置決めされる、請求項48~50のいずれか1項に記載のアクセス機器。
【請求項52】
前記カニューレの壁厚は0.2mm~0.4mmである、請求項42~51のいずれか1項に記載のアクセス機器。
【請求項53】
前記カニューレは、巻き線材、編組線材、又は精密切断ハイポチューブで補強される、請求項42~52のいずれか1項に記載のアクセス機器。
【請求項54】
前記カニューレは、前記ジョイントルーメンの内面に低摩擦ポリマーコーティングを含む、請求項42~53のいずれか1項に記載のアクセス機器。
【請求項55】
前記低摩擦ポリマーコーティングはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)である、請求項54に記載のアクセス機器。
【請求項56】
前記カニューレは、熱可塑性ポリウレタン、ナイロン、又はポリアミドブロックポリマーを含む、請求項42~55のいずれか1項に記載のアクセス機器。
【請求項57】
前記カニューレは放射線不透過性材料を含む、請求項42~56のいずれか1項に記載のアクセス機器。
【請求項58】
前記カニューレはストレートカニューレを含む、請求項42~57のいずれか1項に記載のアクセス機器。
【請求項59】
前記カニューレは、拡張器アセンブリを受け入れるように構成される、請求項42~58のいずれか1項に記載のアクセス機器。
【請求項60】
前記第1のアームは前記第2のアームに接線方向に延在する、請求項42に記載のアクセス機器。
【請求項61】
前記第1のアームのルーメンは、前記第2のアームの第2のルーメンに接線方向に延在する、請求項60に記載のアクセス機器。
【請求項62】
前記第1のアームは前記第2のアームに対して垂直に延在する、請求項42に記載のアクセス機器。
【請求項63】
アクセス機器を使用するための方法であって、
請求項42~62のいずれか1項に記載のアクセス機器を提供することと、
患者の体内に前記アクセス機器のカニューレを挿入することと、
前記アクセス機器のハブを通して前記患者の体内に医療機器を挿入すること、及び/又は第2のアーム、代替的なコネクタサブシステム、又は双方を通して前記カニューレに動作可能に結合された体外式膜型人工肺(ECMO)装置を用いて、血液を酸素化することと
を含む、方法。
【請求項64】
前記医療機器は、止血弁、第1のルーメン、及びジョイントルーメンを通して挿入される、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記医療機器は、止血弁、第1のルーメン、前記代替的なコネクタサブシステム、及びジョイントルーメンを通して挿入される、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
医療機器は血管内血液ポンプである、請求項63~65のいずれか1項に記載の方法。
【請求項67】
請求項42~62のいずれか1項に記載のアクセス機器と、
前記アクセス機器のカニューレに動作可能に結合されるように構成された体外式膜型人工肺(ECMO)装置と、
前記アクセス機器の止血弁、第1のルーメン、及びジョイントルーメンを通して挿入されるように構成された医療機器と
を含む、キット。
【請求項68】
前記医療機器は血管内ポンプである、請求項67に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2022年1月7日出願の米国仮特許出願第63/297,516号、2022年4月6日出願の同第63/328,184号、及び2022年5月20日出願の同第63/344,408号の優先権を主張し、それらそれぞれの内容全体を参照することにより本明細書に援用する。
【0002】
技術分野
[0002] 本開示は、外科用アクセス機器、具体的には、患者の体内への医療機器の導入を容易にし、且つ体外装置による血液の循環を促すために使用することができるアクセス機器に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
[0003] 体外式膜型人工肺(ECMO:Extracorporeal Membrane Oxygenation)は、心臓性ショック又は他の形の血行動態の悪化を起こしている患者に機械的な循環装置を使用することを含む。心室補助装置(VADs:Ventricular assist device)及びカテーテルベースのVADs(例えば血管内血液ポンプ)が心臓(例えば、左心室)の負荷を減らす(unload)ために使用され得る。
【0004】
[0004] ハブに取り付けられたカニューレを一般的に含むアクセス機器が、体の天然の生物学的血管、腔などへの医療器具の導入を容易にするために、外科的処置において一般に使用される。これらのアクセス機器は、例えば、人体の脈管構造中へのガイドワイヤ、バルーンカテーテル、又は血管内血液ポンプ(例えばカテーテルベースの心臓ポンプ)の導入を容易にする機器を含む。これらのアクセス機器はまた、体外式膜型人工肺(ECMO)装置(例えば、静動脈ECMO(VA-ECMO)又は静静脈ECMO(VV-ECMO)装置を含む)を利用するときなどに、血液の体外循環を促すために使用され得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
概要
[0005] 本開示の第1の態様によれば、ハブ内の流体の流れを改善するハブが提供され得、血栓形成及び溶血のリスクを最小限にする。
【0006】
[0006] いくつかの実施形態において、ハブは、第1のルーメンが近位端部から遠位端部まで延びている第1のアームを含み得、遠位端部は、カニューレに動作可能に結合されるように構成される。いくつかの実施形態において、第1のルーメンは非線形としてもよく、遠位端部における第1のルーメンの中心軸が、近位端部における第1のルーメンの中心軸と角度を形成するようにする。いくつかの実施形態において、第1のアームは、第2のアームに動作可能に結合されるように構成され得、第2のアームは、その内部を通って延在する第2のルーメンを含み得る。いくつかの実施形態において、第2のアームは、ハブに結合され得、及びハブに除去可能に結合され得る。いくつかの実施形態において、ハブは、第1のルーメン内に突出部、窪み、若しくは双方、第2のルーメン内に突出部、窪み、若しくは双方、又はそれらの組み合わせを含み得る。
【0007】
[0007] いくつかの実施形態において、プラグが使用されてもよく、ここで、ハブは、第1のルーメンの近位端部を通してプラグを除去可能に受け入れるように構成され得、第1のルーメンの少なくとも一部分が塞がれるようにする(例えば、流体が塞がれた部分に入ることができない)。プラグは、第1のルーメンの近位端部に除去可能に挿入されるように構成され得る。いくつかの実施形態において、プラグはコラーゲンを含み得る。いくつかの実施形態において、プラグ類似物が使用されてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、1つ以上の拡張器が使用されてもよく、ここで、拡張器は、第1のルーメンの近位端部から第1のルーメンの全長未満に延在するように構成される。いくつかの実施形態において、1つ又は複数の拡張器は、第1のルーメンの近位端部の又はその近くの第1のルーメン内の空間の少なくとも一部分を埋めるように構成され得る。いくつかの実施形態において、プラグは、第2のルーメンの近位端部に除去可能に挿入されるように構成され得る。
【0008】
[0008] いくつかの実施形態において、プラグはスリットを含み得、そこを通して、医療機器が第1のルーメンに挿入され得る。様々な実施形態において、医療機器は、例えば、ガイドワイヤ、バルーンカテーテル、又はカテーテルベースの心臓ポンプとし得る。いくつかの実施形態において、1つ以上の拡張器は、スリットを通って延在するように構成され得る。
【0009】
[0009] いくつかの実施形態において、止血弁が第1のアーム内に配置され得る。いくつかの実施形態において、止血弁はプラグに隣接して位置決めされ得る。
【0010】
[0010] いくつかの実施形態において、ハブは、第1のルーメン、第2のルーメン、又は双方に動作可能に接続された第3のルーメンを含み得る。第3のルーメンは、例えば、外部付属物、例えば下腿遠位部灌流カニューレ、加圧バッグ、又は輸液ポンプに接続するように構成され得る。いくつかの実施形態において、第3のルーメンは、流体がハブを通ってカニューレに入ったり又はそこから出たりすることができるようにするように構成される。いくつかの実施形態において、第3のルーメンは弁に接続され得る。
【0011】
[0011] いくつかの実施形態において、第1のアームは第2のアームに対して垂直とし得る。いくつかの実施形態において、第1のアームは、第2のアームに接線方向に延在し得る。いくつかの実施形態において、第1のアームの第1のルーメンは、第2のアームの第2のルーメンに接線方向に延在し得る。いくつかの実施形態において、第1のアームの長手方向軸は、第2のアームの長手方向軸から横方向にオフセットされ得る。いくつかの実施形態において、第1のアームの遠位部分の中心軸と、第2のアームの中心軸は、ハブの近位端部においてある角度を形成し、ここで、角度は15~30度である。
【0012】
[0012] いくつかの実施形態において、キャップは、第1のアームの近位端部に結合され得る。いくつかの実施形態において、Oリング及びシリコーン弁は、キャップの一部分と第1のアームの一部分との間に位置決めされ得る。いくつかの実施形態において、第2のOリングは、シリコーン弁とキャップとの間に配置され得る。いくつかの実施形態において、キャップはTuohy Borst弁とし得る。
【0013】
[0013] 本開示の第2の態様によれば、ハブを含むアクセス機器が提供され得る。アクセス機器は、カニューレと、本明細書で開示するようないずれかの実施形態のハブとを含み得、ハブは、カニューレの近位端部に結合されるように構成される。いくつかの実施形態において、カニューレは、ねじ接続部によってハブに結合され得る。いくつかの実施形態において、カニューレの壁厚は0.2mm~0.4mmとし得る。いくつかの実施形態において、カニューレは、巻き線材、編組線材、又は精密切断ハイポチューブによって補強され得る。いくつかの実施形態において、カニューレは、ジョイントルーメンの内面に低摩擦ポリマーコーティング、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含み得る。いくつかの実施形態において、カニューレは、熱可塑性ポリウレタン、ナイロン、又はポリアミドブロックポリマーを用い得る。いくつかの実施形態において、カニューレは放射線不透過性材料を用い得る。いくつかの実施形態において、カニューレはストレートカニューレを含み得る。いくつかの実施形態において、カニューレは、拡張器アセンブリを受け入れるように構成され得る。
【0014】
[0014] いくつかの実施形態において、アクセス機器は、ハブに除去可能に結合されるように構成された第2のアームを含み得る。第2のアームは、第2のルーメンが延在している第2のアームを含み得、第2のルーメンは、ハブの開口部を通して第1のルーメンに動作可能に結合されるように構成される。
【0015】
[0015] いくつかの実施形態において、アクセス機器はチューブ状延長部を含み得る。チューブ状延長部は、カニューレの近位端部に除去可能に結合されるように構成され得、及びハブは、チューブ状延長部の近位端部に除去可能に結合される。いくつかの実施形態において、チューブ状延長部はまた、第2のアームの近位端部に除去可能に結合されるように構成され得る。
【0016】
[0016] いくつかの実施形態において、アクセス機器は、ユーザが第2のアームのクランプを外すことができるようにするように構成されたクランプを含み得る。いくつかの実施形態において、アクセス機器は固着特徴を含み得る。いくつかの実施形態において、固着特徴は、バタフライパッド又は縫合リングとし得る。いくつかの実施形態において、固着特徴は、カニューレに対して軸方向に静止し得る。いくつかの実施形態において、固着特徴は、カニューレに沿って可動式に位置決めされ得る。
【0017】
[0017] いくつかの実施形態において、アクセス機器は、ハブの近位端部に結合された1つ以上のキャップを含み得る。1つ以上のキャップは、Tuohy Borst弁を含み得る。いくつかの実施形態において、アクセス機器は、ハブとキャップのうちの1つとの間、又は2つのキャップ間に「挟まれた」シリコーン弁及び少なくともOリングを含み得、ここで、圧縮によって1つ又は複数のOリングを変形させて、シリコーン弁のバリア機能を支援する。いくつかの実施形態において、変形されたOリングは第1のバリアの役目を果たして、ハブ内の血液の圧力に抵抗する。いくつかの実施形態において、変形されたOリングはシリコーン弁の近位の位置にあり、変形によって、シリコーン弁を支える。
【0018】
[0018] いくつかの実施形態において、第1のアームは、第2のアームに接線方向に延在し得る。いくつかの実施形態において、第1のアームのルーメンは、第2のアームの第2のルーメンに接線方向に延在し得る。いくつかの実施形態において、第1のアームは、第2のアームに対して垂直に延在し得る。
【0019】
[0019] 本開示の第3の態様によれば、本明細書で開示するハブ及びアクセス機器を使用する方法が提供され得る。方法は、本明細書で開示する実施形態のいずれかによるアクセス機器を提供することと、患者の体内にアクセス機器のカニューレを挿入することとを含み得る。その後、方法は、ハブを通って患者の体内に医療機器を挿入すること、及び/又は第2のアーム、代替的なコネクタサブシステム、又は双方を通してカニューレに動作可能に結合された体外式膜型人工肺(ECMO)装置を用いて、血液を酸素化することを含み得る。いくつかの実施形態において、医療機器は、止血弁、第1のルーメン、及びジョイントルーメンを通して挿入される。いくつかの実施形態において、医療機器は、止血弁、第1のルーメン、代替的なコネクタサブシステム、及びジョイントルーメンを通して挿入される。いくつかの実施形態において、医療機器は血管内血液ポンプとし得る。
【0020】
[0020] 本開示の第4の態様によれば、キットが提供され得る。キットは、本明細書で開示する実施形態のいずれかによるアクセス機器と、アクセス機器のカニューレに動作可能に結合されるように構成された体外式膜型人工肺(ECMO)装置と、アクセス機器の止血弁、第1のルーメン、及びジョイントルーメンを通して挿入されるように構成された医療機器とを含み得る。いくつかの実施形態において、医療機器は血管内ポンプとし得る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図面の簡単な説明
図1】[0021]アクセス機器の一実施形態の切り欠き図である。
図2】[0022]ハブの一実施形態の切り欠き図である。
図3】[0022]ハブの一実施形態の切り欠き図である。
図4A】[0022]ハブの一実施形態の切り欠き図である。
図4B】[0022]ハブの一実施形態の切り欠き図である。
図5】[0022]ハブの一実施形態の切り欠き図である。
図6】[0022]ハブの一実施形態の切り欠き図である。
図7】[0023]モジュラーシステムとして構成されたアクセス機器の一実施形態の切り欠き図である。
図8A】[0024]ハブの一実施形態の切り欠き図である。
図8B】[0024]ハブの一実施形態の切り欠き図である。
図9A】[0025]モジュラーシステムとして構成されたアクセス機器の異なる形態の実施形態の切り欠き図である。
図9B】[0025]モジュラーシステムとして構成されたアクセス機器の異なる形態の実施形態の切り欠き図である。
図9C】[0025]モジュラーシステムとして構成されたアクセス機器の異なる形態の実施形態の切り欠き図である。
図9D】[0025]モジュラーシステムとして構成されたアクセス機器の異なる形態の実施形態の切り欠き図である。
図10A】[0026]ハブの異なる接続オプションの実施形態の切り欠き図である。
図10B】[0026]ハブの異なる接続オプションの実施形態の切り欠き図である。
図11】[0027]方法の一実施形態のフローチャートである。
図12】[0028]患者の体内に挿入されたアクセス機器の一実施形態の概略図である。
図13】[0029]ハブの一実施形態の斜視図である。
図14】[0030]図13のハブの側面図である。
図15】[0031]図13のハブの上面図である。
図16】[0032]図13のハブの断面図である。
図17】[0033]別の実施形態によるハブの上面図である。
図18】[0034]システムの一実施形態の図である。
図19A】[0035]ハブの一実施形態の側面図である。
図19B】[0036]ハブの一実施形態の分解側面図である。
図19C】[0037]ハブ内の弁の一実施形態の側面の断面図であり、単一のOリング(19C)による非圧縮図を示す。
図19D】[0037]ハブ内の弁の一実施形態の側面の断面図であり、単一のOリング(19D)による圧縮図を示す。
図19E】[0037]ハブ内の弁の一実施形態の側面の断面図であり、2つのOリング(19E)による圧縮図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
詳細な説明
[0038] 心臓性ショックは、生きて病院に到着した急性心筋梗塞(AMI:acute myocardial infarction)の患者の死亡の主な原因である。心臓性ショックは、心機能不全又は心臓の不具合に起因し、これにより、心臓が体に十分な血液を拍出することができなくなる。場合によっては、心室補助装置(VADS)及びカテーテルベースのVADS(血管内血液ポンプなど)が、機械的に心臓(例えば、左心室)の負荷を減らすために使用され得る。
【0023】
[0039] 体外式膜型人工肺(ECMO)は、肺が適切に働かないとき、血液のガス交換を可能にし、且つ酸素化の問題を抱える患者に機械的な循環装置を使用することを含み得る。場合によっては、ECMOは、心臓性ショック又は他の形の血行動態の悪化に起因する酸素化の問題を抱える患者に使用され得る。場合によっては、そのような装置の使用は、左心室後負荷の増加につながり得る。
【0024】
[0040] 本明細書で説明するように、場合によっては、患者は、ECMO支援及びVADの双方を必要とし得る。場合によっては、そのような支援は同時に行われ得るが、場合によっては、患者は、VAD支援前に及び/又はその後にECMO支援を必要とするかもしれない。伝統的に、これは、複数の挿入点を必要とし、これには外科的処置に追加的な時間、複雑さ、及び/又はリスクが加わり得る。そのようなものとして、本発明人らは、複数の医療機器の導入を容易にするために使用することができるアクセス機器の恩恵を認識してきた。
【0025】
[0041] 本発明人らはまた、アクセス機器内での血液の停滞を最小限にする及び/又は防ぐために、アクセス機器を通る流れを改善する恩恵を認識してきた。いくつかの実施形態において、これは、アクセス機器内での血栓形成のリスクを最小限にし得る。本発明人らはまた、乱流による溶血のリスクを最小限にするために、アクセス機器を通る流れを改善する恩恵を認識してきた。
【0026】
[0042] 図1を参照して説明すると、本開示の実施形態によるアクセス機器1が示されている。この図に示すように、いくつかの実施形態において、アクセス機器1は、全体的に、機器を通して患者の体内に1つ以上の医療機器を挿入できるようにし得る第1のアーム30と、支援用の外部医療機器(例えば、ECMO装置)を患者に接続できるようにし得る第2のアーム40とを含む。理解されるように、いくつかの実施形態において、第2のアームはまた、1つ以上の医療機器の挿入を可能にし得る。さらに理解されるように、様々な医療機器が用いられてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、カテーテルベースの医療機器が患者の体内に挿入されてもよい。
【0027】
[0043] 本明細書で説明するように、アクセス機器は、同時のECMO支援及び医療機器の挿入、並びにタンデムのECMO支援及び医療機器の挿入(例えば、ECMO支援完了前及び/又は後の挿入)を可能にし得る。機器はまた、ECMO支援が中断される一方で、医療機器(例えば、VAD)が患者の体内にアクセス機器を通して取り付けられたままにすることができてもよい。
【0028】
[0044] いくつかの実施形態において、アクセス機器1は、第1及び第2のアーム30、40を規定するハブ本体20を有するハブ10を含み得る。いくつかの実施形態において、ハブ10は、カニューレの近位端部91で共有カニューレ90に結合され、カニューレはジョイントルーメン95(共有ルーメンと呼ぶこともある)を規定する。理解されるように、カニューレは、アクセス機器に永久的に取り付けられても、又はアクセス機器に取り付け可能であってもよい(例えば、臨床医によって)。カニューレがアクセス機器に取り付け可能である実施形態において、カニューレは、患者の体内に挿入するために、アクセス機器に固定して取り付けられるように構成され得る。
【0029】
[0045] 本明細書の目的のために、ジョイントルーメンは、1つ以上の医療機器を通過し且つそれを通る血液を通過する(例えば、ECMO回路から)ために使用され得る共有カニューレの長さ部分に沿って延在する単一ルーメンを含み得る。他の実施形態において、ジョイントルーメンは、共有カニューレの長さ部分に沿って延在する2つ以上のルーメンを含み得る。例えば、いくつかの実施形態において、カニューレは、共有カニューレの長さ部分に沿って延在する2つの平行なルーメンを含み得る。そのような実施形態において、医療機器は第1のルーメン中を通って延在し得、ECMO回路は、第2の回路に動作可能に接続され得る。別の実施形態において、共有カニューレは、単一ルーメンを備える第1の部分と、2つ以上のルーメン(例えば、2つの平行なルーメン)を備える第2の部分とを含み得る。そのような実施形態において、単一ルーメンは2つのルーメンのそれぞれと連通していてもよい。
【0030】
[0046] 共有カニューレに取り付けられていると図示及び説明されるが、アクセス機器は、他の好適な方法で患者に取り付けられてもよいことが理解されるであろう。例えば、いくつかの実施形態において、アクセス機器は、グラフトに接続され、その後、患者に取り付けられてもよい。
【0031】
[0047] 図1に示すように、第1のアーム30は第1のルーメン35を規定し、第2のアーム40は第2のルーメン45を規定する。いくつかの実施形態において、第2のルーメン45は第1のルーメン35と交わり得る。いくつかの実施形態において、第1のアームは、第1のアームを経由する血液漏出を最小限にする及び/又は防ぐように配置された止血弁60を含み得る。いくつかの実施形態において、止血弁は第1のアームの近位端部に位置し得る。いくつかの実施形態において、第1のアームは、2つ以上の止血弁、例えば2つの止血弁(例えば、第1及び第2の止血弁)を含み得る。いくつかの実施形態において、医療機器が、止血弁60、第1のルーメン、ジョイントルーメン95を通過させられて、カニューレの遠位端部92から(患者の体内へ)出てもよい。いくつかの実施形態において、挿入される医療機器は、ガイドワイヤ、バルーンカテーテル、又はカテーテルベースの心臓ポンプとし得る。理解されるように、他のカテーテルベースの医療機器も第1のアームを経由して挿入可能とし得る。いくつかの実施形態において、挿入される医療機器は、血管内心臓ポンプとし得る。いくつかの実施形態において、複数の医療機器のそれぞれの一部分が、アクセス機器の第1のルーメン内及びジョイントルーメン内に同時に存在してもよい。
【0032】
[0048] いくつかの実施形態において、外部医療機器、例えばECMO装置(図示せず)は、第2のアームの近位端部41に動作可能に結合され得、血液が第2のルーメン45及びジョイントルーメン95を通って流れて、カニューレの遠位端部92から患者の体内へ出る。いくつかの実施形態において、アクセス機器は、例えばアクセス機器に流入したりそこから流出したりする血液を制御するために、ユーザが第2のアームのクランプを外すことができるように構成されたクランプを含み得る。いくつかの実施形態において、クランプは第2のアームに不可欠とし得るが、クランプはまた、第2のアームに除去可能に取り付けられてもよい。いくつかの実施形態において、クランプはRobertsクランプを含み得るが、他の実施形態においては、他の好適なクランプが使用されてもよい。第2のアームは、第2のアーム中を通る血流を制御するための他の配置構成を含み得ることが理解されるであろう。例えば、いくつかの実施形態において、第2のアームは、内蔵弁(例えば、栓)又は流れを制御するためのクランピングを含み得る。
【0033】
[0049] いくつかの実施形態において、ハブ10はまた、第3のルーメン55を規定する第3のアーム50を含み得る。いくつかの実施形態において、第3のルーメン55はまた、第1のルーメン35と交わり得る。理解されるように、第3のルーメンは、第1のルーメン、第2のルーメン、又は双方に接続され得る。いくつかの実施形態において、第3のルーメン55は、外部付属物、例えば下腿遠位部灌流カニューレ、加圧バッグ、又は輸液ポンプに接続するように構成され得る。いくつかの実施形態において、第3のルーメン55は、流体がハブ10を通ってカニューレ90に入ったり又はそこから出たりすることができるように構成され得る。いくつかの実施形態において、第3のルーメン55はチューブ80に結合され得る。いくつかの実施形態において、第3のルーメン55は、弁85に直接又は間接的に接続され得る。いくつかの実施形態において、弁85は、ハブ10と外部付属物(図示せず)との間にあってもよい。いくつかの実施形態において、弁は三方活栓とし得る。
【0034】
[0050] いくつかの実施形態によれば、ハブは、ISO規格と一致する許容可能なレベルまで血栓形成及び乱流のリスクを低下させるように構成され得る。いくつかの実施形態において、本明細書で説明するように、ハブは、血液が停滞し得るハブ内の領域を最小にするために最適にされ得る。いくつかの実施形態において、これは、血液の流路を最適にすることを含み得る及び/又は特定された停滞領域を最小にし得る。いくつかの実施形態において、これは、血液が停滞し得る1箇所以上の領域に少なくとも部分的に栓をすることを含み得る。他の実施形態において、本明細書で説明するように、これは、血液がハブ及び/又は1つ以上のルーメンを通って患者の体内へと移動するときに血流がハブの1つ以上の部分(例えば、ルーメンの一部分又は止血弁の片側の一部分)を洗い流し得るように、ハブを構成することを含み得る。
【0035】
[0051] 図2を参照して説明すると、ハブ100のいくつかの実施形態において、第1のルーメンは、遠位部分121及び近位部分125を含み得る。いくつかの実施形態において、近位部分125の中心軸126は、遠位部分121の中心軸122と第1のアーム角度127を形成し得、ここで、第1のアーム角度127は15度~145度とし得る。いくつかの実施形態において、角度は15度~30度とし得る。いくつかの実施形態において、第2のルーメン135の中心軸136は、遠位部分121の中心軸122と第2のアーム角度137を形成し得、ここで、第2のアーム角度137は15度~145度とし得る。いくつかの実施形態において、第2のアーム角度は15度~30度とし得る。いくつかの実施形態において、第2のアーム角度は30度とし得る。いくつかの実施形態において、第2のアーム角度137は第1のアーム角度127よりも大きくてもよい。いくつかの実施形態において、第2のアーム角度137は第1のアーム角度127よりも小さくてもよい。
【0036】
[0052] 図3を参照して説明すると、いくつかの実施形態において、ハブ101は、ハブの内面123から内向きに流路中へ(例えば、第1及び/又は第2のルーメンの流路中へ)延在する1つ以上の突出部141を含み得る。他の実施形態において、ハブの内面123は、側壁124に1つ以上の窪み142を含み得る。いくつかの実施形態において、ハブは、内面に1つ以上の突出部及び1つ以上の窪みを含み得る。すなわち、第1及び/又は第2のアームは、そのそれぞれの内面に窪み及び突出部を含み得る。理解されるように、第1及び第2のアームは、内面に同じ数の突出部及び/又は窪みを有する必要はない。
【0037】
[0053] さらに理解されるように、突出部及び窪みの形状及び/又はサイズは、突出部毎又は窪み毎に同じでも又は異なってもよい。例えば、図3に示すように、第1のアームは2つのより大きい突出部を含む一方で、第2のアームは2つのより小さい突出部を含む。第2のアームはまた、第1のアームの窪みのサイズと比べて2つのより大きい窪みを有する。いくつかの実施形態において、突出部及び/又は窪みは、第1及び/又は第2のアームの長さ部分に沿って対称的に位置決めされ得る。いくつかの実施形態において、突出部及び/又は窪みのいくつか又は全ては、第1及び/又は第2のアームの長さ部分に沿って非対称的に位置決めされ得る。いくつかの実施形態において、突出部及び/又は窪みは、ハブ中を通る流体(例えば、血液)の流れを制御するように構成され得る。したがって、窪み/突出部の形状、サイズ、数、及び位置は、第2のアーム(例えば、及びECMO回路)から、第1のアームの遠位領域中へ、及びジョイントカニューレ中への血液の望ましい流路を得るために選択され得る。
【0038】
[0054] いくつかの実施形態において、血液は、第1のアームのルーメンの複数の部分で停滞し得る。したがって、図4A及び図4Bに示すように、いくつかの実施形態において、ハブ102は、そのような停滞領域を最小限にする及び/又は防止するために第1のルーメン225の少なくとも一部分の栓をするように構成されたプラグ210を含み得る。いくつかの実施形態において、プラグ210は、流体が第2のルーメン235の近位端部231から第1のアーム220中へ流れるときに、第1のルーメンの遠位端部221から出て患者中へと流れる前に、流体が第1のアームの近位端部分240の方へ向かって逆流するのを防止するように構成され得る。いくつかの実施形態において、第1のアームの近位端部分240は、1つ以上の止血弁、例えば止血弁243を含み得る。いくつかの実施形態において、近位端部分240はまた、端部キャップ241及び発泡部材242を含み得る。この図に示すように、止血弁は、プラグと発泡部材との間に挟まれ得る。いくつかの実施形態において、端部キャップ、発泡部材、及び止血弁は、互いに固定して取り付けられ得、第1のアームに取り付け可能である。理解されるように、そのような構成要素はまた、他の好適な方法で互いに取り付けられ得る。
【0039】
[0055] いくつかの実施形態において、プラグ210は、第2のルーメンが第1のルーメンに十分に入る箇所の方へ向かって近位端部分240から延びる空間の一部又は全てを埋めるように構成され得る。いくつかの実施形態において、プラグ210は、近位端部分240と、第2のルーメン235の中心軸232が第1のルーメン225の遠位部分226の中心軸222と交わる箇所239との間の空間の一部又は全てを埋めるように構成され得る。いくつかの実施形態において、プラグ210は、第2のアーム230の内面に接線方向である表面211を有し得る。そのような実施形態において、プラグは第1及び第2のアームと協働して滑らかな流路を形成し得、それに沿って血液が移動し得る。
【0040】
[0056] いくつかの実施形態において、プラグ210はまた、第3のルーメン255を遮断し得る。
【0041】
[0057] いくつかの実施形態において、図4Bに示すように、プラグは、(例えば、第1のアームからジョイントルーメン中へ)医療機器が通過し得るスリット260を含み得る。この関連で、そのような実施形態において、プラグ210はまた、止血弁の機能を果たし得る。いくつかの実施形態において、これは、近位端部分内の止血弁243に冗長性を提供し得、第1のアームからの血液漏出を最小限にする及び/又は防止する。
【0042】
[0058] いくつかの実施形態において、プラグは、ハブに除去可能に取り付けられ得る。いくつかの実施形態において、プラグは第1のアームに圧入され得る。いくつかの実施形態において、プラグは、適所にねじ込まれ得る及び/又は適所にロックされ得る。
【0043】
[0059] いくつかの実施形態において、プラグはコラーゲン材料を含み得る。いくつかの実施形態において、コラーゲンは、不可逆的に加水分解され得る。いくつかの実施形態において、プラグはエラストマー材料を含み得る。
【0044】
[0060] 図4B及び図5を参照して説明すると、いくつかの実施形態において、プラグの代わりに又はそれに加えて、流体が第2のルーメン235の近位端部231から第1のアーム220中へ流れるとき、第1のルーメンの遠位端部221から流出する前に、流体が第1のアームの近位端部分240の方へ向かって逆流するのを防止するために、1つ以上の拡張器250、251が使用されてもよい。いくつかの実施形態において、図4Bに示すもののように、拡張器250は、プラグ210(及び止血弁243)にあるスリット260(他の場合には医療機器が通過させられ得る)を通過してもよい。これらの実施形態において、拡張器は、血液が停滞し得る第1のルーメン225内の空間の一部又は全てをなくし得る。いくつかの実施形態において、単一の拡張器が使用されてもよい。他の実施形態において(例えば、図5参照)、第1の拡張器250が最初に止血弁243を通して挿入され、その後、第2の拡張器251が第1の拡張器中へ挿入され得る。いくつかの実施形態において、キャップ及び/又は近位端部分の形状及びサイズは、拡張器の一部分の形状及びサイズに対応し得る。いくつかの実施形態において、拡張器は、近位部分にある凹部に受け入れられるキーを含み得、これにより、ハブ中への拡張器の適切な挿入を決定する。いくつかの実施形態において、拡張器は、拡張器を介したシールを維持するために、ハブの第1のアームにロックされるように配置される。
【0045】
[0061] 図6を参照して説明すると、いくつかの実施形態において、第2のプラグ261が、第2のアームが外部医療機器、例えばECMO回路に動作可能に結合されない場合、第2のアームの第2のルーメン235の一部又は全てが塞がれることができるように、提供され得る。そのような実施形態において、第2のプラグの形状及び/又はサイズは、第2のアームの形状及び/又はサイズに対応し得る。第1のアームの第1のプラグのように、第2のプラグ261は、適所にロックされるように構成され得る。いくつかの実施形態において、第2のプラグ261は適所にねじ込まれ得る。
【0046】
[0062] 図7図8A~8B、及び図9A~9Dを参照して説明すると、アクセス機器は、モジュラーシステムとして構成され得、患者が必要とする支援のタイプ及び/又は順序に従って臨床医がアクセス機器を構成し得るようにする。この関連で、アクセス機器の使用されていない部分が除去され得、これはまた、血液が停滞し得る可能性がある箇所を除去し得る。いくつかの実施形態において、これらのモジュラー構成要素を全て含み得るキットが提供され得る。
【0047】
[0063] 簡潔に図8Aを参照して説明すると、ハブサブシステムのハブ400の壁410は、第1のルーメン425が設けられた第1のアーム420を規定し得る。いくつかの実施形態において、壁410は開口部475を規定し得、そこで、第2のアームがハブに動作可能に接続され得る。例えば、いくつかの実施形態において、第2のアームは、ハブに取り付けられる第2のルーメン435が設けられたチューブ状本体431を含み得る。いくつかの実施形態において、チューブ状本体431の外面432の少なくとも一部分は、開口部475に挿入されるように構成され得る。いくつかの実施形態において、チューブ状本体431の外面432及び壁410の少なくとも一部分470は、圧入シールを形成し得る。いくつかの実施形態において、壁410の一部分470は、チューブ状本体431を適所に固定できるようにするねじ山、リッジ、又は他の構成要素を含む。いくつかの実施形態において、チューブ状本体は外面432に1つ以上のキー又は突出部437を含み得る。いくつかの実施形態において、突出部437の遠位面438は、ハブ400の外面471と相互作用するように構成される。いくつかの実施形態において、突出部は、第2のアームを開口部475及び/又は第1のルーメン425内に適切に位置決めすることができるように構成される。いくつかの実施形態において、突出部はまた、第2のアームのためのロッキング機構内に構成要素を形成し得る。
【0048】
[0064] いくつかの実施形態において、ハブはまた、第3のルーメン(例えば、図8A、第3のルーメン455参照)が設けられた第3のアーム(例えば、図8A、第3のアーム450参照)を含み得る。いくつかの実施形態において、第3のルーメンは、第1のルーメン425に動作可能に接続する。図7に示すように、ハブ310は、チューブ318に結合される第3のルーメン314を規定し得る。いくつかの実施形態において、第3のルーメン314は、弁319に直接又は間接的に接続され得る。いくつかの実施形態において、弁319は、ハブ310と外部付属物との間にあってもよい。いくつかの実施形態において、弁は三方活栓とし得る。
【0049】
[0065] 図8Bに示されるように、いくつかの実施形態において、第2のアームが除去されると、開口部475を除去可能に塞ぐためにプラグ480が提供され得る。いくつかの実施形態において、プラグ480はハブから完全に除去可能とし得る。いくつかの実施形態において、プラグは、取付点481においてハブに結合され得るが、それでも、開口部475にプラグを挿入してそこから除去することができる。
【0050】
[0066] 図7に戻って説明すると、カニューレは、近位端部321から遠位端部322まで延在するルーメンを含み得る。いくつかの実施形態において、固着特徴329、例えばバタフライパッド又は縫合リングが、固定するためにカニューレに取り付けられ得る。いくつかの実施形態において、固着特徴は、カニューレに対して軸方向に静止しているように構成され得る。いくつかの実施形態において、固着特徴は、カニューレの周りで回転自在とし得る。いくつかの実施形態において、固着特徴は、カニューレ323に沿って可動式に位置決めされ得る。
【0051】
[0067] いくつかの実施形態において、カニューレの壁厚326は0.2mm~0.4mmとし得る。いくつかの実施形態において、壁厚は実質的に一定とし得る。いくつかの実施形態において、カニューレの1つの部分の壁厚は、カニューレの異なる部分の壁厚よりも厚くてもよい(カニューレのいずれの丸い又は薄い端部も除いて)。
【0052】
[0068] いくつかの実施形態において、カニューレは、1つ以上の層327、328を含み得る。いくつかの実施形態において、カニューレは、内層327及び外層328(外側ジャケットと呼ばれることもある)を含み得る。いくつかの実施形態において、カニューレの一部又は全ては、巻き線材、編組線材、又は精密切断ハイポチューブを用いて補強され得る。いくつかの実施形態において、外側ジャケットは、巻き線材、編組線材、又は精密切断ハイポチューブを含み得る。いくつかの実施形態において、カニューレは、ジョイントルーメンの内面に低摩擦ポリマーコーティング(例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE))を含み得る。いくつかの実施形態において、内層は、低摩擦ポリマーコーティング(例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE))を含み得る。いくつかの実施形態において、カニューレを形成する層のうちの1つ以上は、熱可塑性ポリウレタン、ナイロン、又はポリアミドブロックポリマーを含み得る。
【0053】
[0069] いくつかの実施形態において、カニューレは放射線不透過性材料を含み得る。いくつかの実施形態において、放射線不透過性材料は金属元素である。いくつかの実施形態において、放射線不透過性材料はタングステン、銀、タンタル、又はスズである。いくつかの実施形態において、放射線不透過性材料はタングステン粉末である。いくつかの実施形態において、放射線不透過性材料は、ポリマー(例えばポリウレタン)と組み合わせられ得る。いくつかの実施形態において、放射線不透過性材料は、カニューレの長さ部分の一部又は全てに沿って互いに軸方向にオフセットされた帯状に配置される。
【0054】
[0051] いくつかの実施形態において、図7に示すように、モジュラーシステムは、カニューレを異なるハブに取り付けるためのチューブ状延長部360を含み得る。理解されるように、いくつかの実施形態において、ハブは、カニューレに直接取り付け可能とし得る。
【0055】
[0070] いくつかの実施形態において、カニューレは、拡張器アセンブリを受け入れるように構成され得る。
【0056】
[0071] いくつかの実施形態において、第2のアーム331は、フレキシブルチューブ332に、コネクタ341に、及び外部医療機器、例えばECMO回路に(例えば、フレキシブルチューブ342を介して)結合され得る。例えば、フレキシブルチューブ342の近位端部343は、一形態において使用されるときには医療機器(例えばECMO、熱交換器など)から、及び異なる形態において使用されるときにはハブ310から除去可能に結合されるように構成され得る。いくつかの実施形態においては、フレキシブルチューブ332を通る流体の流れを制御するためにクランプ362が使用されてもよい。
【0057】
[0072] いくつかの実施形態において、付属品又はコネクタ341は、一形態において使用されるときには、代替的なコネクタサブシステム340を第2のアームサブシステム330の近位端部333に除去可能に結合できるように、及び異なる形態において使用されるときには、カニューレサブシステム320の近位端部321に除去可能に結合できるように構成される。いくつかの実施形態において、付属品又はコネクタ341は、代替的なコネクタサブシステム340が除去可能に結合できるように、又はチューブ状延長部360の近位端部361に除去可能に結合できるように、構成される。
【0058】
[0073] モジュラーアクセス機器は、一方のアーム又は両アームがハブに除去可能に取り付け可能なであるように、構成され得る。例えば、図9Aに示すように、モジュラーアクセスシステム800のいくつかの実施形態において、第2のアーム(例えば、ECMO回路に接続された)は、例えばECMO支援が完了した後、ハブ810から除去可能とし得る。そのような実施形態において、第1のアーム811は、患者がVAD支援下にある間、ハブに取り付けられたままとなり得る。同様の方法で、臨床医は、VAD支援が必要とされるとき、第1のアームのみが取り付けられた状態でハブを使用し始め、その後、ECMO支援が必要とされる場合/とき、第2のアームを取り付けてもよい。他の実施形態において、臨床医は、最初にECMO支援のみが必要とされる場合に、第2のアームのみをハブに取り付け、その後、VAD支援が必要とされる場合/とき、第1のアームをハブに取り付ける。上記を考慮して理解されるように、臨床医は、どのタイプの支援が患者によって必要とされるかに関わらず、依然として、第1及び第2のアームの双方をハブに取り付けたままにすると決定してもよい。
【0059】
[0074] 図9B~9Dは、患者支援のためにモジュラーアクセス機器の異なる形態を取り付けるためにチューブ状延長部860が使用され得る実施形態を示す。例えば、これらの図に示すように、チューブ状延長部860はカニューレ820に取り付け可能であり、カニューレは、単一の挿入部位(図示せず)で患者の体内に挿入され得る。ECMO支援のみが必要とされる(又は最初に必要とされる)実施形態において、臨床医は、ECMO支援のために、コネクタ841のみをチューブ状延長部に取り付けてもよい(図9B参照)。ひとたびECMO支援が完了したら、コネクタは除去され得、臨床医は、VAD支援のみが必要とされる場合/とき、単一のアーム(例えば、第1のアーム811)を備えるハブを取り付けてもよい(図9C参照)。理解されるように、臨床医は、最初に、コネクタ841(例えば、ECMOコネクタ)をチューブ状延長部に取り付ける必要はない。その代わりに、VAD支援のみが必要とされる場合、臨床医は、第1のアーム811を備えるハブ810のみをチューブ状延長部860に取り付けることができる(図9C参照)。最後に、図9Dに示すように、第1のアーム811及び第2のアーム812の双方を備えるアクセス機器は、患者に同時又はタンデムな支援がもたらされる場合、チューブ状延長部860に取り付け可能とし得る。この図に示すように、いくつかの実施形態において、コネクタ841は、第2のアーム812に取り付けられても又は動作可能に結合されてもよい(例えば、直接、又は例えばフレキシブルチューブ842を介して間接的に)。
【0060】
[0075] いくつかの実施形態において、システム内のいくつかの構成要素、例えばハブ、第2のアーム、コネクタ、及び任意のプラグ又は拡張器は、除去可能で取り替えられるように構成され得る。いくつかの実施形態において、構成要素のうちの1つ以上が、除去、洗浄、及び適所に組立て直されてもよい。
【0061】
[0076] いくつかの実施形態において、ハブは、カニューレ又は他の構成要素のための滑らかな接続部を有するように構成され得る。図10Aに示すように、カニューレ又は他の構成要素に接続するハブの部分は、かかりの付いた接続部601を含み得る。図10Bに示すように、カニューレ又は他の構成要素に接続するハブの部分は、ねじ接続部602を含み得る。
【0062】
[0077] いくつかの実施形態において、ハブは、ユーザがハブ内での流れ及び血栓形成を可視化できるように構成され得る。例えば、いくつかの実施形態において、ハブは、透過性材料から形成され得るか、又は透過性材料から作製された部分を含み得る。いくつかの実施形態において、ハブの1つ以上の部分は、ユーザが第1のルーメンの1つ以上の部分を見ることができるようにする透明窓を含み得る。いくつかの実施形態において、ハブの1つ以上の部分は、ユーザが第2のルーメンの1つ以上の部分を見ることができるようにする透明窓を含み得る。
【0063】
[0078] いくつかの実施形態において、アクセス機器は、剛体材料及び可撓性材料を含み得る。いくつかの実施形態において、射出成形要素に剛体材料(例えば、HIPS、ABS、ナイロンなど)が使用されてもよい一方で、オーバーモールド又は挿入成形要素に可撓性材料(例えば、熱可塑性ポリウレタン)が使用されてもよい。いくつかの実施形態において、カニューレをハブに結合するために可撓性材料が使用されてもよい。
【0064】
[0079] 本開示の別の実施形態によれば、上述のアクセス機器を使用するための方法が提供される。図11を参照して説明すると、方法700の実施形態は、最初に、本明細書で開示するようなアクセス機器又はシステムのいずれかの実施形態を提供すること710を含み得る。このアクセス機器又はシステムは、患者に外科的に取り付けられ得、ここで、カニューレの少なくとも一部分が単一の挿入部位を通して患者の体内に挿入される720。
【0065】
[0080] その後、方法は、挿入ステップ730を含み得、ここで、医療機器(例えば血管内血液ポンプなど)がアクセス機器の第1のアームへ、その後、カニューレを通して患者の体内へ挿入され得る。いくつかの実施形態において、挿入ステップ730は、止血弁、第1のルーメン、及びジョイントルーメンを通して医療機器を挿入することを含み得る。
【0066】
[0081] 方法はまた、外部機器、例えばECMO装置を、アクセス機器の第2のアームに結合すること740を含み得、その後、方法は、ECMO装置によって血液を酸素化すること750を含み得、ここで、血液はアクセス機器のジョイントルーメン及び第2のルーメンを流れる。理解されるように、挿入ステップ730及び結合ステップ740は、任意の順序で完了され得る。いくつかの実施形態において、結合ステップ740及び酸素化ステップ750は、挿入ステップ730の完了前に完了され得る。
【0067】
[0082] 開示の方法は、図12に視覚的に示され得、ここで、システム801の一実施形態は、患者の体内に挿入されて示され得るモジュラーアクセスシステム800を含み得る。ハブ810に結合され得るカニューレ820の少なくとも一部分は、挿入部位803において患者の皮膚802の表面を、患者の体内へと通過させられた。
【0068】
[0083] 医療機器898(ここでは、血管内血液ポンプ)が第1のアーム811へ、その後、カニューレ820を通して患者の体内へ挿入された。具体的には、医療機器898は、止血弁816、第1のルーメン815、及びジョイントルーメン825を通して挿入された。
【0069】
[0084] 本開示の別の実施形態によれば、キットが提供され得る。キットは、本開示の第1の態様によるアクセス機器の任意の実施形態と、外部医療機器、例えば単一のアクセス機器の第2のアームに結合されるように構成された体外式膜型人工肺(ECMO)装置と、アクセス機器の第1の止血弁、第1のルーメン、及びジョイントルーメンを通って挿入されるように構成された少なくとも1つの医療機器とを含み得る。いくつかの実施形態において、医療機器は血管内ポンプとし得る。キットはまた、アクセス機器に取り付けられたカニューレを含み得る。いくつかの実施形態において、キットはまた、医師が動脈又は静脈にアクセスすることができるようにする針を含み得る。いくつかの実施形態において、キットはまた、脈管構造中へのカニューレの設置を可能にするガイドワイヤを含み得る。キットはまた、説明した機器の挿入前に、脈管を連続的に拡張するように、続いて起こるサイズの1つ以上の拡張器を含み得る。
【0070】
[0085] そのようなキットの基本的な構成要素は、図12に示されており、ここには、第1の機器(例えば、モジュラーアクセスシステム800)と、外部医療機器899(例えば、ECMO装置)と、アクセス機器の一部を通して挿入されるように構成された少なくとも1つの医療機器(例えば、医療機器898)とがある。
【0071】
[0086] いくつかの実施形態において、キットはまた、追加的な医療機器、例えば1つ以上の拡張器アセンブリ、及び/又は1つ以上の針を含み得る。
【0072】
[0087] 図13~15は、本開示の別の実施形態によるハブ910を示す。これらの図に示すように、ハブは、患者へのECMO支援を可能にし得る第1のアーム930と、医療機器を、ハブを通して患者の体内へ挿入できるようにし得る第2のアーム940とを含み得る。上記のように、いくつかの実施形態において、第2のアームは、1つ以上の止血弁を含み得る。
【0073】
[0088] 少なくとも図14に示すように、いくつかの実施形態において、第1及び第2のアームは、互いに実質的に垂直に延在し得る。図15に示すように、そのような実施形態において、第1のアームの長手方向軸Xは、第2のアームの長手方向軸Yから横方向にオフセットにされ得る。図15及び図16に示すように、いくつかの実施形態において、第1のアームは、第2のアームに接線方向に配置され得る。この関連で、図16に示すように、第1のアーム930の第1のルーメンは、第2のアーム940の第2のルーメンと接線方向に接続し得る。いくつかの実施形態において、第1のアームと第2のアームとの間のこの接線方向の関係は、共有ルーメンに入る前に第1のルーメンを洗い流すように、ルーメンを通ってハブに入る血流を引き起こし得る。いくつかの実施形態において、これは、血液がハブ内で停滞するのを防止し得、血栓形成を最小限にし得る。
【0074】
[0089] いくつかの実施形態において、図15に示すように、例えば、ハブは、血液がハブに入るための単一の血流流入口を含み得る。本明細書で開示するように、これは、共有ルーメンに入る前に血液が第1のルーメンを洗い流すことができるようにする回流を生み出し得る。他の実施形態において、図17に示すように、ハブは、血液がハブ中へ流入するための第1の流入口931及び第2の流入口932を含み得る。そのような実施形態において、第1及び第2の流入口のそれぞれは、ルーメンが設けられた、本明細書で開示されるもののようなアームを含み得る。
【0075】
[0090] 図17のように、いくつかの実施形態において、第1の流入口931及び第2の流入口932のそれぞれは、第2のアーム(図示せず)に対して接線方向の関係を有し得る。図17に示すように、いくつかの実施形態において、第1及び第2の入力部は、第2のアームの長手方向軸Yからそれぞれ横方向にオフセットされている第1及び第2の長手方向軸X1、X2を有し得る。いくつかの実施形態において、同様に図17に示すように、第1及び第2の流入口の第1及び第2の長手方向軸X1、X2は、平行で、互いに対してオフセットされ得る。
【0076】
[0091] 図18を参照すると、別のアクセスシステム1100の一実施形態が示されている。図示の通り、ハブ810は、カニューレ820に動作可能に結合され得る。カニューレは、遠位端部に補強用ケージ1101を含み得る。カニューレはまた、近位端部に、ハブに接続するための結合部1102を含み得る。固着特徴329が、例えばアクセスシステムを患者に取り付けるために、カニューレに取り付けられ得る。ハブと弁319を結合するために、チューブ318(例えば、ハイフローサイドポート)が使用されてもよい。フレキシブルチューブ842(例えば、灌流チューブ)がハブ(具体的には第2のルーメン)に除去可能に結合され得る。コネクタ841(例えば3/8”のかかりの付いたコネクタ)がチューブ1103の近位端部に結合され得る。チューブキャップ1104がコネクタに結合され得る。クランプ1130が、例えば、チューブ1103を通る流れを制御するために使用されてもよい。
【0077】
[0092] 拡張器1120が、拡張器ハンドル1122にチューブ状部材1121を含め、存在してもよい。いくつかの実施形態において、本明細書で開示するように、チューブ状部材は、ハブ200のアーム中を通ってカニューレ中へ通過し得る一方で、拡張器ハンドルはハブ200の近位に留まる。例えば、いくつかの実施形態において、拡張器ハブのチューブ状部材は、ハブの近位端部に結合された弁を通過させられ、第1のアーム及びカニューレに入ったたままであるとし得る。いくつかの実施形態において、患者の体内への医療機器の挿入(例えば、第1のアームを経由する)を容易にするために拡張器が使用されてもよい。
【0078】
[0093] いくつかの実施形態において、図18に示すように、ハブ810の近位端部は、1つ以上の追加的な構成要素に結合され得る。例えば、ハブは、第1のアームの近位端部に結合されたTuohy Borst弁1080を含み得る。そのような実施形態において、Tuohy Borst弁は、冗長な漏れ防止特徴の機能を果たし得る。
【0079】
[0094] 図19Aを参照して説明すると、いくつかの実施形態において、ハブ200の近位端部は、第1のキャップ1210に結合され得る。いくつかの実施形態において、Tuohy Borst弁1080も第1のキャップ1210に結合され得る。いくつかの実施形態において、ダストキャップ1290が、第1のキャップ又はTuohy Borst弁に結合され得る。例えば、ダストキャップは、医療機器が弁を通して挿入可能とならない限り/挿入可能となるまで、Tuohy Borst弁に除去可能に取り付けられ得る。
【0080】
[0095] いくつかの実施形態において、弁は、ハブと第1のキャップ又はTuohy Borst弁との間、又は第1のキャップとTuohy Borst弁との間に挟まれた2つ以上の構成要素から形成され得る。図19Bにおいて、例えば、弁1220は、3つの構成要素-第1のOリング1221、シリコーン弁1222(これは、任意の他の適切な弁と置き換えられてもよく、且つ2つ以上の層を含み得、例えば、ウレタンフォームなどを含み得ることに留意されたい)、及び任意選択的な第2のOリング1223を使用するとして示される。いくつかの実施形態において、止血弁は、第1のOリングの近位にあるとし得る。いくつかの実施形態において、止血弁は第1のOリングの遠位にあるとし得る。いくつかの実施形態において、止血弁は、第1のOリングと第2のOリングとの間に位置決めされ得る。図19Bにおいて、第1のキャップ1210及びハブ200は、「挟む」外側要素を形成すると言及されるが、ハブ及びTuohy Borst弁、又は第1のキャップ及びTuohy Borst弁も用いられ得ることが理解されるであろう。
【0081】
[0096] いくつかの実施形態において、第1のキャップは、ハブに除去可能に結合され得る。例えば、第1のキャップ1210は、ハブの表面(例えば内面1201)とつなぎ合わせるねじ部分1211を有しているとして示されている。いくつかの実施形態において、第1のキャップはハブに永久的に結合されてもよい。例えば、第1のキャップはハブに接着又は溶接されてもよい。
【0082】
[0097] 図19Cを参照して説明すると、いくつかの実施形態において、シリコーン弁及び第1のOリングはハブ中に配置され得、第1のOリング1221がハブの一部分1202によって遠位に動くことが防止され、及びシリコーン弁1222によって近位に動くことが防止される。図19Dを参照して説明すると、圧縮されると(例えば、ハブへときつく締め付けられている第1のキャップによって)、シリコーン弁はOリングを押し下げ、ハブの一部分1202に押し付けることによって変形させて、それを適所に保持する。この変形は、Oリングが、ハブに入り得る血液の圧力に対する第1のバリアの役目を果たすことができるようにする。図19Eに示すように、この同じ概念が、2つのOリングが存在するときにも当てはまり得る。第1の間隙の遠位端部1212(ここでは凹形状を有するとして示されている)は、第2のOリング1223を押し下げ得、これは、シリコーン弁1222を加圧するときに変形し、また、図19Dに関して説明するように第1のOリング1221を圧縮する。第2のOリングの変形は、それ-及び第1のOリング-がハブ内の血液の圧力に対するバリアの役目を果たすときに、シリコーン弁の後ろを支えることができるようにし得る。
【0083】
[0098] 当業者は、ただ日常の実験を使用するだけで、本明細書で説明する本発明の具体的な実施形態の多くの等価物を認識するか又は解明できるであろう。そのような等価物は、以下の特許請求の範囲に含まれることを意図する。
【0084】
[0099] 本開示の実施形態は、図面を参照して詳細に説明され、図面では、同様の参照符号は同様又は同一の要素を特定する。開示した実施形態は本開示の例にすぎず、様々な形態で供され得ることが理解される。周知の機能又は構成は、本開示を不要な詳細によって曖昧にすることを回避するために、詳細には説明されていない。それゆえ、本明細書で開示した具体的な構造及び機能的な詳細は、限定としてではなく、単に特許請求の範囲の根拠として、及び実質的に任意の適切な詳細な構造において本開示を様々に用いるために当業者に教示するための代表的な根拠として解釈される。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図9D
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19A
図19B
図19C
図19D
図19E
【国際調査報告】