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特表2025-500616エアクッションのためのマルチポジション空気流制御アセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-09
(54)【発明の名称】エアクッションのためのマルチポジション空気流制御アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   F16K 27/00 20060101AFI20241226BHJP
   F16K 27/04 20060101ALI20241226BHJP
   F16K 11/076 20060101ALI20241226BHJP
   A47C 27/08 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
F16K27/00 Z
F16K27/04
F16K11/076 Z
A47C27/08 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024540868
(86)(22)【出願日】2022-12-21
(85)【翻訳文提出日】2024-08-07
(86)【国際出願番号】 US2022053659
(87)【国際公開番号】W WO2023132944
(87)【国際公開日】2023-07-13
(31)【優先権主張番号】17/571,043
(32)【優先日】2022-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524232521
【氏名又は名称】ペルモビール,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110004381
【氏名又は名称】弁理士法人ITOH
(72)【発明者】
【氏名】ホップ,デビット
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー,ケビン
(72)【発明者】
【氏名】ペイトン,ロス
(72)【発明者】
【氏名】デュフレンヌ,スティーブン
【テーマコード(参考)】
3B096
3H051
3H067
【Fターム(参考)】
3B096AB00
3H051AA03
3H051AA08
3H051BB10
3H051CC11
3H051CC15
3H051CC17
3H051FF01
3H051FF15
3H067AA12
3H067AA32
3H067BB02
3H067BB12
3H067CC60
3H067DD03
3H067DD12
3H067DD23
3H067FF11
3H067GG03
3H067GG21
(57)【要約】
マルチポジション空気流制御アセンブリは、バルブハウジングと、バルブハウジングに受容されるバルブ本体と、バルブ本体に連結される複数のコネクタであって、各コネクタはセル状クッションの膨張領域に流体接続されるように構成されている、複数のコネクタと、バルブ本体に部分的に受容される制御アセンブリとを含む。制御アセンブリは、密閉部材と、密閉部材に動作可能に接続され、密閉部材をバルブ本体に対して回転させるように構成された作動アセンブリとを含む。密閉部材は第1の位置及び第2の位置の間で回転するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチポジション空気流制御アセンブリであって、
バルブハウジングと、
前記バルブハウジングによって受容されるバルブ本体と、
前記バルブ本体に連結される複数のコネクタであって、各コネクタはセル状クッションの膨張領域に流体接続されるように構成されている、複数のコネクタと、
前記バルブ本体によって部分的に受容される制御アセンブリであって、該制御アセンブリは、
密閉部材と、
前記密閉部材に接続され、前記密閉部材を前記バルブ本体に対して回転させるように構成された作動アセンブリと、
を含む、制御アセンブリと、
を含み、
前記密閉部材は、少なくとも、第1の位置及び第2の位置の間で回転するように構成され、
前記第1の位置に応答して、前記密閉部材は、前記複数のコネクタが互いに流体的に分離されるように前記複数のコネクタに流体接続され、
前記第2の位置に応答して、前記密閉部材は、前記複数のコネクタが第1のグループのコネクタ及び第2のグループのコネクタにグループ化されるように前記複数のコネクタに流体接続され、該第1のグループのコネクタは流体接続されており、該第2のグループのコネクタは流体接続されており、該第1のグループのコネクタは該第2のグループのコネクタから流体的に分離されている、マルチポジション空気流制御アセンブリ。
【請求項2】
前記密閉部材は第3の位置に回転するように構成され、該第3の位置に応答して、前記密閉部材は、前記複数のコネクタが共に流体接続されるように、前記複数のコネクタに流体接続される、請求項1に記載のマルチポジション空気流制御アセンブリ。
【請求項3】
前記制御アセンブリは、前記密閉部材と共に回転するように構成されたインジケータ部材を含む、請求項1に記載のマルチポジション空気流制御アセンブリ。
【請求項4】
前記インジケータ部材は、前記密閉部材の第1の位置に関連する第1のしるし及び前記密閉部材の第2の位置に関連する第2のしるしを含み、前記第1の位置に応答して該第1のしるしが露出され、前記第2の位置に応答して該第2のしるしが露出される、請求項3に記載のマルチポジション空気流制御アセンブリ。
【請求項5】
前記作動アセンブリは、前記作動アセンブリの一部が軸に沿って横方向に動くことに応答して、前記密閉部材を前記バルブ本体に対して回転させるように構成されている、請求項1に記載のマルチポジション空気流制御アセンブリ。
【請求項6】
前記軸は前記密閉部材と平行である、請求項5に記載のマルチポジション空気流制御アセンブリ。
【請求項7】
前記制御アセンブリはシャフトを含み、前記密閉部材は該シャフトによって保持されている、請求項1に記載のマルチポジション空気流制御アセンブリ。
【請求項8】
前記作動アセンブリは、前記シャフトの第1の端部に連結されている、請求項7に記載のマルチポジション空気流制御アセンブリ。
【請求項9】
前記制御アセンブリは、前記第1の端部の反対側の前記シャフトの第2の端部に連結されるインジケータ部材を含む、請求項8に記載のマルチポジション空気流制御アセンブリ。
【請求項10】
前記作動アセンブリは前記シャフトを前記バルブ本体に対して回転させるように構成され、それに応答して、前記シャフトは、前記密閉部材を前記バルブ本体に対して回転させるように構成されている、請求項8に記載のマルチポジション空気流制御アセンブリ。
【請求項11】
前記作動アセンブリは、前記シャフトによって画定される軸に沿って前記作動アセンブリの一部が横方向に動くことに応答して、前記シャフトを回転させるように構成されている、請求項10に記載のマルチポジション空気流制御アセンブリ。
【請求項12】
前記作動アセンブリは、第1の作動部材と、前記シャフトに摺動可能に接続される第2のカム部材と、該第2のカム部材に付勢力を加えるように構成された付勢部材とを含み、前記軸に沿って前記第1の作動部材が動くことに応答して、前記第2のカム部材は、前記付勢力が前記第2のカム部材の前記第1の作動部材に対する回転を促進するまで、前記軸に沿って前記シャフトに対して摺動し、前記第2のカム部材の回転に応答して、前記シャフトは前記バルブ本体に対して回転する、請求項11に記載のマルチポジション空気流制御アセンブリ。
【請求項13】
前記バルブ本体は円錐台形状を画定し、前記密閉部材は相補的な円錐台形状を画定する、請求項1に記載のマルチポジション空気流制御アセンブリ。
【請求項14】
前記バルブハウジングは、リビングヒンジを有する第1の部分と、第1の端部及び第2の端部を画定する第2の部分とを含み、該第1の端部は該第2の端部に選択的に固定されるように構成され、前記バルブハウジングの第1の部分は前記バルブ本体を受容するように構成され、前記第1の端部及び前記第2の端部は、前記第1の端部と前記第2の端部との間でセル状エアクッションの一部と係合し且つ保持するように構成されている、請求項1に記載のマルチポジション空気流制御アセンブリ。
【請求項15】
前記バルブハウジングは第1のハウジング部材及び第2のハウジング部材を含み、該第1のハウジング部材は、前記第2のハウジング部材に選択的に固定されるように構成されている、請求項1に記載のマルチポジション空気流制御アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は空気注入式エアクッションに関する。より具体的には、本開示は、複数の膨張領域を有する空気注入式エアクッションと共に用いるための空気流制御アセンブリに関する。空気流制御アセンブリは、膨張領域の異なる組み合わせを選択的に流動接続するように構成され、ユーザに対する空気注入式エアクッションの改善された調節性及びカスタマイズを容易にする。
【背景技術】
【0002】
車椅子に拘束されている人は、治療及び/又は治癒が困難であり得る組織破壊及び床ずれが発生するリスクが高い。特定の状況では、個人の体重の大半が坐骨結節又は臀部の骨隆起を含む坐骨領域に集中し得る。規則的な動きがないと、これらの領域で皮膚組織への血流が減少し、組織損傷及び床ずれの発生につながり得る。体重の分布を改善し、それにより組織損傷及び床ずれの発生から保護するものとして空気注入式セル状エアクッション(cellular air cushion)が一般的に知られている。これらのクッションは、共通のベースから上方に突出する一連の空気セルを含み得る。ベース内では、空気セルは互いに連通するように構成され、それ故に、全てが同じ内圧で存在する。そのため、各空気セルは、それが撓む程度に関係なく、臀部に対して本質的に同じ復元力を及ぼす。米国特許第4541136号明細書には、車椅子に使用するために、アメリカ合衆国テネシー州のペルモービル社によって現在製造及び販売されているそのようなセル状クッションが開示されている。空気セルは複数の空気領域に分けることができる。必要とされているのは、エアクッションの異なる空気領域の制御及び調整性を改善する、エアクッションと共に用いるためのバルブシステムの改善である。より具体的には、ユーザに対する空気注入式エアクッションの調整性及びカスタマイズ性を改善するために、エアクッションの空気セル領域の異なる組み合わせの間の選択的な流体連通を促進するバルブアセンブリが必要とされている。
【発明の概要】
【0003】
一実施形態では、マルチポジション空気流制御アセンブリは、バルブハウジングと、バルブハウジングに受容されたバルブ本体と、バルブ本体に結合された複数のコネクタと、セル状クッションの膨張領域に流体接続するように構成された各コネクタと、バルブ本体に部分的に受容された制御アセンブリとを含む。制御アセンブリは、密閉部材と、密閉部材に動作可能に接続され、密閉部材をバルブ本体に対して回転させるように構成された作動アセンブリとを含む。密閉部材は、少なくとも第1の位置と第2の位置との間で回転するように構成されている。第1の位置に応答して、密閉部材は、コネクタが互いに流体的に分離されるように、複数のコネクタに流体的に接続される。第2の位置に応答して、密閉部材は、コネクタが第1のコネクタ群と第2のコネクタ群にグループ化され、第1のコネクタ群が流体的に接続され、第2のコネクタ群が流体的に接続され、第1のコネクタ群が第2のコネクタ群から流体的に分離されるように、複数のコネクタに流体的に接続される。
【0004】
本開示の他の態様は、詳細な説明及び添付の図面を考慮することによって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1図1は、セル状クッションの一実施形態の一例の斜視図である。
図2図2は、異なるセルの領域を示すために複数のセルが取り除かれた図1のセル状クッションを上から見た図である。
図3図3は、図1のセル状クッションと共に用いるためのマルチポジション空気流制御アセンブリの一実施形態の一例を上から見た図であり、分かりやすくするためにバルブハウジング及びバルブ本体が隠線で示されている。
図4図4は、図3のマルチポジション空気流制御アセンブリの斜視図であり、分かりやすくするためにバルブハウジング及びバルブ本体が隠線で示されており、作動アセンブリの付勢部材が取り除かれている。
図5図5は、開いた構成で示された図3のマルチポジション空気流制御アセンブリのバルブハウジングの斜視図である。
図6図6は、図3のマルチポジション空気流制御アセンブリのバルブ本体の斜視図である。
図7図7は、図6の線7-7に沿った図6のバルブ本体の断面図である。
図8図8は、バルブハウジング及びバルブ本体から分離された状態を示す、図3のマルチポジション空気流制御アセンブリの制御アセンブリの斜視図であり、。
図9図9は、密閉部材がシャフトから取り外された状態の、図8の制御アセンブリの斜視図である。
図10図10は、第1の密閉構成を示す、図8の制御アセンブリの密閉部材の斜視図である。
図11図11は、第2の密閉構成を示す、図10の密閉部材の斜視図である。
図12図12は、第3の密閉構成を示す、図10の密閉部材の斜視図である。
図13図13は、図10の線13-13に沿った図10の密閉部材の端面図である。
図14図14は、図10の線14-14に沿った図10の密閉本体の断面図である。
図15図15は、分かり易くするため、内部構成要素を示すためにハウジングを半透明で示す、図8の制御アセンブリの作動アセンブリの斜視図である。
図16図16は、第1の密閉構成に関連する第1のしるしを示す、図8の制御アセンブリのインジケータ部材の斜視図である。
図17】第2の密閉構成に関連する第2のしるしを示す、図8の制御アセンブリのインジケータ部材の斜視図である。
図18】第3の密閉構成に関連する第3のしるしを示す、図8の制御アセンブリのインジケータ部材の斜視図である。
【0006】
本開示の実施形態を詳細に説明する前に、本開示は、その用途が以下の説明に記載されるか又は添付の図面に示される構成要素の構造及び配置の詳細に限定されないことを理解すべきである。本開示は他の実施形態を支持することができ、様々な方法で実施又は実行することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示は、セル状クッション10と共に動作するように構成されたマルチポジション空気流制御アセンブリ200の一実施形態に関する。マルチポジション空気流制御アセンブリ200は、セル状クッション10の膨張領域30、34、38、42の異なる組み合わせを選択的に流体接続(又は選択的に流体分離)するように構成されている。マルチポジション空気流制御アセンブリ200は、膨張領域30、34、38、42の関連する流体接続又は分離の選択を促進するための作動アセンブリ220を、選択された流体接続又は分離をユーザに容易に知らせるためのインジケータ部材224と共に提供する。
【0008】
ここで図面を参照して、図1は、セル状クッション10(セル状エアクッション10ともいう)の一実施形態の一例の斜視図である。セル状クッション10はベース14及び複数の空気セル18を含む。ベース14は下層22及び上層26から構成される。バッキング層22ともいう下層22は、例えば、適切な接着剤等を介して上層26に結合できる。図示の実施形態では、下層22は第1の材料から形成され、上層26は第2の異なる材料から形成され得る。一実施形態の一例では、下層22はポリウレタンから形成される一方、上層26は可撓性ネオプレンから形成され得る。実施形態の他の例では、下層22及び上層26は、本明細書で説明されるセル状クッション10の動作に好適な任意の材料(又は材料の組み合わせ)から形成され得る。セル状クッション10の適切な例は、米国特許第4541136号に開示されており、その内容は参照によりその全体が組み込まれる。
【0009】
複数の空気セル18はベース14から離れるように突出する。複数の空気セル18は上層26に成形されるため、上層26によって画定されている。加えて、上層26は複数の空気セル18を相互接続する。複数の空気セル18のそれぞれは4つのフィンFを含む。実施形態の他の例では、複数の空気セル18のそれぞれは、限定されないが、任意の数のフィン、任意の数の側面又はフィンを有しない空気セル18(例えば、円筒状セル、立方体セル、丸形セル等)を含む任意の適切な構成を有し得る。
【0010】
複数の空気セル18は、複数の長手方向方向及び横方向の列で上層26上に配置されている。そのため、各空気セル18は長手方向の列及び横方向の列の両方を占める。実施形態の他の例では、複数の空気セル18は、ユーザにサポートを提供するのに適した任意の幾何学的形状に配置できる。例えば、空気セル18は、半円形パターン、円形パターン又は空気セル18の他の任意の適切な配置又は幾何学的形状に配置できる。
【0011】
次に図2を参照すると、セル状クッション10は複数の領域に配置されている。より具体的には、(図1に示す)セル状クッション10の空気セル18は複数の領域(膨張領域とも呼ばれる)に配置されている。図示の実施形態では、複数の領域は4つの異なる膨張領域30、34、38、42を含む。第1の領域30は第1の軸46に沿って第2の領域34に隣接して位置する。別の言い方をすれば、第1の領域30及び第2の領域34はセル状クッション10の前面F(又は第1の端部F)に並んで位置している。第3の領域38は第1の軸46に沿って第4の領域42に隣接して位置する。別の言い方をすれば、第3の領域38及び第4の領域42は、セル状クッション10の後部R(又は第2の端部R)に並んで位置する。加えて、第1の領域30及び第3の領域38は第2の軸50に沿って並んで位置する。別の言い方をすれば、第1の領域30及び第3の領域38は、セル状クッション10の右側S1(又は第1の側部S1)に沿って並んで位置する。第2の領域34及び第4の領域42も第2の軸50に沿って並んで位置する。別の言い方をすれば、第2の領域34及び第4の領域42は、セル状クッション10の左側S2(又は第2の側部S2)に沿って並んで位置する。側部(すなわち、右側及び左側)は、セル状クッション10に座るユーザに関連して説明していることを理解すべきである。前部Fから後部Rにセル状クッション10を見ることに関連して側部を説明すると、第1の側部S1を左側と呼ぶことができ、第2の側部S2を右側と呼ぶことができる。図示の実施形態では、第1の軸46は第2の軸50に対して略垂直である(又は略直交する)。セル状クッション10の他の実施形態では、(図1に示す)空気セル18の領域30、34、38、42は互いに対して任意の適切な向き又は幾何学的形状に配向できる。加えて、実施形態の他の例では、複数の領域は2つの領域、3つの領域、5つ以上の領域又は任意の適切な又は所望の数の領域を含むことができる。各領域30、34、38、42は(図1に示す)複数の空気セル18を含むことを理解すべきである。
【0012】
流体導管54、58、62、66(空気導管54、58、62、66ともいう)は、複数の領域30、34、38、42のそれぞれをバルブアセンブリ100に流体接続する。第1の流体導管54は第1の領域30をバルブアセンブリ100に流体接続する。第2の流体導管58は第2の領域34をバルブアセンブリ100に流体接続する。第3の流体導管62は第3の領域38をバルブアセンブリ100に流体接続する。第4の流体導管66は第4の領域42をバルブアセンブリ100に流体接続する。各領域30、34、38、42は、一般に、他の領域30、34、38、42から流体的に分離されていることを理解されるべきである。各導管54、58、62、66は任意の適切な方法で形成できることを理解すべきである。例えば、一実施形態の一例では、各導管54、58、62、66は、(図1に示すように)ベース14の下層22と上層26との間に成形又は真空形成できる。
【0013】
空気バルブ70(膨張収縮バルブ70ともいう)は、(図1に示すように)複数の空気セル18に流体接続されている。より具体的には、空気バルブ70は第2の領域34に流体接続されている。実施形態の他の例では、空気バルブ70は第1の領域30、第3の領域38又は第4の領域42に流体接続することができる。空気バルブ70は、複数の空気セル18の膨張及び収縮(又は複数の領域30、34、38、42の膨張及び収縮)を促進するように構成されている。例えば、空気バルブ70は膨張を促進するために空気ポンプ(図示せず)と係合するように構成できる。空気ポンプは、ハンドポンプ、手動ポンプ、電動ポンプ又はセル状クッション10に空気を供給するように構成された他の任意の適切なポンプであり得る。空気ポンプ(図示せず)は1つの領域(例えば、第2の領域34、第1の領域30等)に空気の流れを提供できる。空気は、導管58を介して第2の領域34からバルブアセンブリ100に移動する。次に、空気は、バルブアセンブリ100によりそれぞれの導管54、62、66を介して他の領域30、38、42に分配される。同様に、空気バルブ70は、セル状クッション10の複数のセル18(図1に示す)を収縮させるように構成できる。空気バルブ70は大気に対して開くことができ、複数のセル18内の空気の放出を促進する。より具体的には、空気は、第1の領域30、第3の領域38及び第4の領域42から第2の領域34に流れることができる。空気は、それぞれの導管54、62、66を通ってバルブアセンブリ100に流れ、そこで導管58を通って第2の領域34に導かれ、次いで空気バルブ70を通ってセル状クッション10から排出される。
【0014】
図2に示すバルブアセンブリ100は選択的に開閉するように構成されている。開位置にあることに応答して、バルブアセンブリ100は、それぞれの導管54、58、62、66を介して全ての領域30、34、38、42を流体接続するように構成されている。開位置は、領域30、34、38、42(又は図1に示す関連する空気セル18)の膨張又は収縮に望ましい。閉位置にあることに応答して、バルブアセンブリ100は、全ての領域30、34、38、42を流体的に切り離すように構成されている。そのため、複数の領域30、34、38、42のそれぞれは、空気がそれぞれの導管54、58、30、34を通って1つの領域62、66、38、42から他の領域30、34、38、42のいずれにも移動できないように流体的に隔離されている。別の言い方をすれば、バルブアセンブリ100は、領域30、34、38、42間のそのような流体移動をブロックする。バルブアセンブリ100の一例は、米国特許第6687936号に開示されており、該特許の内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。バルブアセンブリ100は、開位置及び閉位置という2つの位置のみを有するという特定の制限を有する。
【0015】
図3図18は、マルチポジション空気流制御アセンブリ200の実施形態を示す。マルチポジション空気流制御アセンブリ200は、バルブアセンブリ100の代わりにセル状クッション10と係合するように構成されている。マルチポジション空気流制御アセンブリ200は、領域30、34、38、42の異なる組み合わせを流体接続するための選択的な調整を有利に提供する。そのため、マルチポジション空気流制御アセンブリ200は、領域30、34、38、42の全てを流体的に分離でき、領域30、34、38、42の全てを流体接続でき及び/又は領域30、34及び領域38、42の組み合わせを流体接続できる。実施形態の他の例では、マルチポジション空気流制御アセンブリ200は、限定されないが、領域30、38及び領域34、42を含む領域のうちの1つ以上の異なる組み合わせを流体接続できる。実施形態のさらに他の例では、マルチポジション空気流制御アセンブリ200は、1つ以上の領域を流体接続する一方で、残りの領域を流体的に分離できる。例えば、領域30、34は流体接続することができる一方で、領域38及び領域42は領域30、34から流体的に分離され、さらに互いに流体的に分離されている。別の言い方をすると、この構成では、第1の領域30、34、第2の領域38及び第3の領域42という3つの領域が事実上存在する。この構成では、セル状クッション10の前部Fの最も近くに位置する2つの領域30、34は互いに流体連通している。別の例として、領域38、42は流体接続できる一方で、領域30及び領域34は領域38、42から流体的に分離され、さらに互いに流体的に分離されている。別の言い方をすると、第1の領域30、第2の領域34及び第3の領域38、42という3つの領域が事実上存在する。この構成では、セル状クッション10の後部Rの最も近くに位置する2つの領域38、42は互いに流体連通している。マルチポジション空気流制御アセンブリ200は、任意の適切な又は所望の領域又は関連する領域の組み合せを残りの領域から流体接続(又は分離)するように構成できることを理解されたい。
【0016】
特に図3及び図4を参照して、マルチポジション空気流制御アセンブリ200はバルブハウジング204(外側ハウジング204ともいう)を含む。バルブハウジング204はバルブ本体208を収容するように構成されている。制御アセンブリ212はバルブ本体208に部分的に受容されている。制御アセンブリ212はバルブ本体208に対して回転するように構成された密閉部材216を保持する。バルブ本体208に対する密閉部材216の向きに応じて、密閉部材216は膨張領域30、34、38、42(図2に示す)のうちの1つ以上の間の流体接続を促進する(又は制限する)ように構成されている。制御アセンブリ212は、バルブ本体208に対する密閉部材216の選択的な回転を促進するように構成された作動アセンブリ220も含む。加えて、制御アセンブリ212はインジケータ部材224を含む。インジケータ部材224は密閉部材216の位置をユーザに示すしるし(indicia)を含む。密閉部材216はバルブ本体208に受容されているのに対して、制御アセンブリ212の一部及びインジケータ部材224はバルブ本体208の外に位置する。
【0017】
次に図5を参照して、バルブ本体208及び制御アセンブリ212が取り外された状態の、開構成にあるバルブハウジング204を示す。バルブハウジング204は第1の部分228及び第2の部分232を含む。第1の部分228は、バルブ本体受容部228を画定する。第1の部分228は、(図6に示すように)バルブ本体208を受容し、部分的に取り囲むように構成されている。第1の部分228は、バルブ本体208の保持を補助するために、バルブ本体208と相補的な形状を有するようにも構成されている。図示の実施形態では、第1の部分228は、概して円筒形のバルブ本体208を部分的に取り囲み、保持するように構成された概して円筒形のハウジングを画定する。実施形態の他の例では、第1の部分228は、バルブ本体208と相補的な任意の適切な形状を画定できる(例えば、三角形、正方形、長方形、任意の他の適切な多角形等)。
【0018】
第2の部分232はベース係合部分232(クッション係合部232ともいう)を画定する。バルブハウジング204はクラムシェル構成を形成する。ヒンジ236は第1の部分228内に位置する。ヒンジ236は第1の部分228に一体化されたリビングヒンジとして示されている。しかしながら、実施形態の他の例では、ヒンジ236は、バルブハウジング204のクラムシェル構成の動作を促進する任意の適切なヒンジとすることができる。第2の部分232は第1の端部240及び第2の端部244を含む。第1の端部240及び第2の端部244は複数のファスナ248によって互いに選択的に締結されるように構成されている。加えて、第1の端部240及び第2の端部244は、(図2に示すように)ベース14の一部と係合するように構成されている。より具体的には、互いに締結されることに応答して、第1の端部240及び第2の端部244は(図2に示すように)ベース14の一部と係合して保持し、端部240、244の間にベース14の一部をトラップし、制御アセンブリ200をベース14に締結するように構成されている。締結接続を促進するために、第2の端部244は複数のファスナ248を保持する。ファスナ248は、第1の端部240によって画定された対応する開口250と係合するように構成された矢じりファスナ248として示されている。図示の実施形態におけるファスナ248は、バルブハウジング204の関連する端部と一体的に形成されている。実施形態の他の例では、ファスナ248は、第1の端部240又は第2の端部244の一方に取り付けることができる一方で、開口250は第2の端部244又は第1の端部240の他方によって画定できることを理解されたい。加えて、実施形態の他の例では、ファスナ248はいずれかの端部240、244と分離している(又は一体的に形成されていない)ことができる。また、ファスナ248は、バルブハウジング204の端部240、244を選択的に締結するのに適した任意のファスナ(例えば、ボルト、ネジ等)とすることができる。バルブハウジング204は第1のハウジング部材251及び第2のハウジング部材252を含むものとして説明することもできることを理解されたい。第1のハウジング部材251は第1の部分228の一部及び第2の部分232の一部を含むことができる。同様に、第2のハウジング部材252は第1の部分228の一部及び第2の部分232の一部を含むことができる。図示の実施形態では、第1のハウジング部材251及び第2のハウジング部材252は、ヒンジ236によりヒンジ接続されている。実施形態の1つ以上の代替例では、第1のハウジング部材251及び第2のハウジング部材252はヒンジ236を含まず、それ故にヒンジ接続されていない。その代わりに、第1のハウジング部材251及び第2のハウジング部材252はバルブハウジング204の2つの半分を画定する別個の構成要素とすることができる。第1のハウジング部材251及び第2のハウジング部材252は、それぞれの開口250に係合するファスナ248の締結接続によって互いに締結できる。
【0019】
加えて、第1の端部240及び第2の端部244は、流体導管54、58、62、66のそれぞれとバルブ本体208との間の接続を維持するのを助けるように構成されている。第1の端部240は複数のチャネル254を画定する。チャネル254は、以下でさらに詳細に説明するバルブ本体208の(図6に示す)関連コネクタ262を受容するように構成されている。各チャネル254は、チャネル254の内周の周りに延びる複数の第1の突起258(又は少なくとも1つの第1の突起258)を含む。図示の実施形態では、各チャネル254は半円筒状であり、関連する第1の突起258は弓形である。第2の端部244は複数の第2の突起260も含む。少なくとも1つの第2の突起260は各チャネル254に関連する。各チャネル254に関連する各第1の突起258(第1のリブ258ともいう)及び第2の突起260(第2のリブ260ともいう)は、それぞれのコネクタによって画定される関連する径方向チャネルと係合して、チャネル254内でコネクタ262(図6に示す)の保持を補助するように構成されている。別の言い方をすると、突起258、260はそれぞれのチャネル254における各コネクタ262(図6に示す)の動きを制限する。図示の実施形態では、各チャネル254は一対の第1の突起258及び一対の第2の突起260を含む。実施形態の他の例では、各チャネル254は少なくとも1つの第1の突起258及び少なくとも1つの第2の突起260を含むことができる。実施形態の他の例では、各チャネル254は複数の第1の突起258及び複数の第2の突起260を含むことができる。実施形態の他の例では、第2の端部244は複数のチャネル254を画定できる一方、第1の端部240は突起260を画定できることを理解すべきである。実施形態のさらに他の例では、突起258、260は任意であり得る。
【0020】
バルブハウジング204は、バルブ本体208のコネクタ262(図6に示す)の数に対応する数のチャネル254を含む。バルブ本体208のコネクタ262(図6に示す)の数は、概して、セル状クッション10の流体導管54、58、62、66の数に対応する。図示の実施形態では、バルブハウジング204は複数のチャネル254を含む。より具体的には、バルブハウジング204は4つのチャネル254を含む。これらのチャネル254はセル状クッション10の流体導管54、58、62、66の数に対応する。実施形態の他の例では、バルブハウジング204は、同数の流体導管を有するセル状クッション10と共に用いるために、関連する数のコネクタ262(図6に示す)を有するバルブ本体208に対応する任意の適切な数のチャネル254(例えば、2、3、5以上等)を有し得る。
【0021】
図6を次に参照して、バルブ本体208を示す。バルブ本体208は複数のコネクタ262(又はニップル262)を含む。コネクタ262はバルブ本体208から径方向に延びる。各コネクタ262は複数の径方向凹部264(又は少なくとも1つの径方向凹部264)を画定する。凹部264は、上述のように、バルブハウジング204の突起258、260(図5に示す)を受容するように構成されている。コネクタ262のそれぞれは、バルブ本体208の内部267への流体接続を形成するためにポート266(内部チャネル266ともいう)を画定する。加えて、各コネクタ262はセル状クッション10の関連する流体導管54、58、62、66に流体接続するように構成されている。例えば、各コネクタ262は、関連する流体導管54、58、62、66によって受容されるように構成されている。これにより、各それぞれのコネクタ262の内部チャネル267を介して、各流体導管54、58、62、66とバルブ本体208の内部267との間に流体接続が形成される。実施形態の他の例では、各コネクタ262は、それぞれの流体導管54、58、62、66との流体接続を任意の適切な又は所望の態様で形成できる。
【0022】
図示の実施形態では、バルブ本体208の内部267は実質的に中空である。バルブ本体208は第2の端部270の反対にある第1の端部268を含む。第1の端部268及び第2の端部270はバルブボディ208の内部267の両端である。図6のバルブ本体208の断面図である図7を次に参照して、バルブ本体208の内部267は第1の端部268から第2の端部270にかけて直径が減少する。別の言い方をすれば、中空内部267は第1の端部268で第1の直径Dを有するのに対して、中空内部267は反対側の第2の端部270で第2の直径Dを有する。第1の直径Dは第2の直径Dよりも大きい。そのため、中空内部267は円錐台形状(frustoconical shape)を有するものと説明できる。中空内部267の幾何学的形状は改善された空気密閉を補助しながら、以下でさらに詳細に説明するようにバルブ本体208に対する制御アセンブリ212の回転を促進する。制御アセンブリ212は(図3に示すように)第1の端部268及び第2の端部270の両方でバルブ本体208から部分的に延びているため、バルブ本体208は制御アセンブリ212の受け入れを促進するために、第1の端部268及び第2の端部270に開口を含むことも理解すべきである。
【0023】
図8図9は、バルブハウジング204及びバルブ本体208から取り外された制御アセンブリ212を示す。制御アセンブリ212はシャフト272(スピンドル272ともいう)を含む。シャフト272は密閉部材216を保持するように構成されている。特に図9を参照して、シャフト272は少なくとも1つのチャネル274を含むことができる。図示の実施形態では、シャフト272は複数のチャネル274、より具体的にはシャフト272に沿って長手方向に延び、径方向に間隔を置いて配置された3つのチャネル274を含む。チャネル274は、密閉部材216の内周上で径方向に内側へと延びる関連する細長い突起276(図13に示す)を受容するように構成されている。図示の実施形態では、密閉部材216は、バルブ本体208の一部内に気密密閉を選択的に形成するように構成された適切な材料のスリーブである。例えば、材料は、バルブ本体208の一部内に気密密閉を生成しながら、バルブ本体208に対して回転するための適切な耐久性も有する、シリコーン、シリコーン化合物又は他の適切な材料であってもよい。実施形態の他の例では、密閉部材216はシャフト272に一体化されてもよい。例えば、密閉部材216はシャフト272等にオーバーモールドされてもよい。
【0024】
次に図10図12を参照して、密閉部材216は、流体導管54、58、62、66と、セル状クッション10の関連する膨張領域30、34、38、42との間の異なる流体接続を選択的に促進するための複数の密閉構成を含む(図1に示す)。図10は第1の密閉構成278を示す。第1の密閉構成278では、密閉は複数の分離された区画280に分割されている。より具体的には、密閉は、4つの流体的に分離された区画280に分割されている。各区画280は、円周方向の放射状分割器282によって隣接する区画280から分離されている。第1の密閉構成278は、密閉部材216の長さに沿って延びる一対の細長い放射状仕切り(elongated radial dividers)284によって隣接する密閉構成からも分離されている。そのため、細長い放射状仕切り284は、各密閉構成を分離する。第1の密閉構成278では、各区画280は隣接する区画から分離されている。同様に、空気は区画280の間を流れることができない。バルブ本体208内でコネクタ262と流体連通するように配向されると、第1の密閉構成278によって、流体導管54、58、62、66及び関連する膨張領域30、34、38、42のそれぞれが互いに流体的に分離される。そのため、空気は、第1の密閉構成278に応答して、膨張領域30、34、38、42間を移動できない。
【0025】
図11は第2の密閉構成286を示す。第2の密閉構成286では、密閉は単一の区画288に分割される。第2の密閉構成286は、密閉部材216の長さに沿って延びる一対の細長い放射状仕切り284によって隣接する密閉構成から分離されている。第2の密閉構成286では、単一の区画288は区画288内の空気の流れを促進する。バルブ本体208内でコネクタ262と流体連通するように配向されると、第2の密閉構成286によって、流体導管54、58、62、66及び関連する膨張領域30、34、38、42のそれぞれが互いに流体的に接続される。そのため、空気は、第2の密閉構成286に応答して、膨張領域30、34、38、42間を移動できない。
【0026】
図12は第3の密閉構成290を示す。第3の密閉構成290では、密閉は一対の分離された区画292に分割される。より具体的には、密閉は2つの流体的に分離された区画292に分割される。区画292は、単一の周方向放射状仕切り282によって隣接する区画292から分離されている。第3の密閉構成290は、密閉部材216の長さに沿って延びる一対の細長い放射状仕切り284によって隣接する密閉構成から分離されている。そのため、細長い放射状仕切り284は各密閉構成を分離する。第3の密閉構成290では、2つの区画292のそれぞれは流体的に分離されている。そのため、空気は区画292間を流れることができない。バルブ本体208内でコネクタ262と流体連通するように配向されると、第3の密閉構成290により、2つの流体導管が流体接続される。別の言い方をすれば、第3の密閉構成290により、第1のグループの膨張領域30、38及び第2のグループの膨張領域34、42がもたらされる。本実施形態では第1の対の膨張領域30、38である第1のグループの膨張領域は流体接続されている。本実施形態では第2の対の膨張領域34、42である第2のグループの膨張領域も流体接続されている。空気は第1の対の膨張領域30、38間を流れるように構成されている。同様に、空気は、第2の対の膨張領域34、42間を流れるように構成されている。しかしながら、空気は第1の対の膨張領域から第2の対の膨張領域に及びその反対に流れることが制限されている。図示の実施形態では、第1の対の膨張領域はセル状クッション10の第1の側Sに対応し、第2の対の膨張領域はセル状クッションの第2の側Sに対応する。実施形態の他の例では、第3の密閉構成290は、第3の密閉構成290により、前部Fの膨張領域30、34に対応する第1の対の膨張領域と、後部Rの膨張領域38、42に対応する第2の対の膨張領域がもたらされるように、関連する流体導管54、58、62、66と共に方向付けが可能であることを理解すべきである。第1のグループの膨張領域を第1のグループのコネクタ262ということができ、第2のグループの膨張領域を第2のグループのコネクタ262ということができることも理解すべきである。第1のグループのコネクタは流体接続され、第2のグループのコネクタが流体接続される一方で、第1のグループのコネクタ262と第2のグループのコネクタ262とは互いに流体的に分離されていることも理解すべきである。
【0027】
密閉部材216の図示の実施形態は複数の異なる密閉構成278、286、290、より具体的には3つの異なる密閉構成278、286、290を含むことを理解すべきである。この実施形態では、複数の密閉構成278、286、290のそれぞれは密閉部材216の外周の周りで円周方向にオフセットされている。別の言い方をすれば、3つの密閉構成278、286、290は隣接する密閉構成に対してそれぞれ円周方向に約120°オフセットされている。別の言い方をすれば、密閉部材216は、選択された(又は所望の)密閉構成278、286、290をバルブ本体208のコネクタ262と流体連通させるために方向付けるために、約120°回転されるように構成されている。実施形態の他の例では、密閉部材216は2つの異なる密閉構成又は4つ以上の異なる密閉構成を含むことができる。実施形態のさらに他の例では、密閉部材216は4つの密閉構成を含むことができ、この場合、4つの密閉構成は外周の周りで2対の交互構成に分離されている(例えば、第1の密閉構成278及び第2の密閉構成286は2回交互にでき、第1の密閉構成278及び第3の密閉構成290は2回交互にでき、第2の密閉構成286及び第3の密閉構成290は二回交互できる、等)。実施形態のさらに他の例では、密閉部材216は任意の適切な数又は配列の密閉構成を含むことができる。
【0028】
図14を次に参照して、密閉部材216の形状が示されている。この形状は、図7に示すバルブ本体208の形状と相補的である。密閉部材216は第2の端部296の反対にある第1の端部294を含む。密閉部材216は第1の端部294から第2の端部296にかけて直径が減少する。別の言い方をすれば、密閉部材216は第1の端部294で第3の直径Dを有する一方で、密閉部材216は反対側の第2の端部296で第4の直径Dを有する。第3の直径Dは第4の直径Dよりも大きい。そのため、密閉部材216は、図7に示すバルブ本体208の内部267の円錐台形状に相補的な円錐台形状を有するものと説明できる。
【0029】
再び図3を参照して、制御アセンブリ212は作動アセンブリ220を含む。作動アセンブリ220は、バルブ本体208に対して密閉部材216を選択的に回転させるように構成されている。より具体的には、作動アセンブリ220は密閉部材216を保持するシャフト272を回転させるように構成されている。シャフト272及び密閉部材216はバルブ本体208(及びバルブハウジング204)に対して回転するように構成されている。
【0030】
作動アセンブリ220は、第1の作動部材304、第2のカム部材308及び付勢部材312を含む。特に図15を参照して、第1の作動部材304は、プランジャの外周の周りに複数の交互の角度付き突起316及び角度付き凹部320を含むプランジャである。第1の作動部材304はプランジャから径方向に離れて延びる複数の隆起突起324も含む。隆起突起324のそれぞれは、ハウジング332の一部によって画定される水平チャネル328内で受容され摺動するように構成されている。ハウジング332は作動アセンブリ220を受容するように構成され、バルブハウジング204に連結できる(図3に示す)。ハウジング332は、連続する水平チャネル328の間に延びる傾斜面330(又は角度のある面)も形成する。傾斜面330は作動の間に第2のカム部材308をガイドし、カム部材308の回転を促進するように構成されている。
【0031】
再度図3を参照して、第2のカム部材308はシャフト272に連結されている。より具体的には、第2のカム部材308はシャフト272に沿って摺動し、シャフト272の回転をさらに促進するように構成されている。別の言い方をすれば、第2のカム部材308はシャフト272と係合するように合わされている。この動作を促進するために、シャフト272は多角形の断面形状を含み得る。図示の実施形態では、シャフト272は概して六角形の断面形状を有する。他の実施形態では、シャフトは、シャフト272に対する第2のカム部材308の摺動動作を促進しながら、シャフト272が第2のカム部材308の回転に従って回転することを可能にするために三角形、正方形、長方形、又は他の任意の適切な断面形状を有し得る。第2のカム部材308は複数のカム面336を含む(図15にも示す)。図示の実施形態では、第2のカム部材308は約3つのカム面336を含む。各カム面336は、ハウジング332によって画定される水平チャネル328のうちの1つによって摺動可能に受容されるように構成されている。カム面336の数は密閉構成278、286、290の数に対応する。各カム面336は角度のある(又は傾斜した)端面を画定する。各カム面336は凹部340によって隣接するカム面336から円周方向に分離されている。図3に示すように、付勢部材312はシャフト272の一部を受容し、第2のカム部材308に対して付勢力を加えるように構成されている。付勢部材312は第2のカム部材308に付勢力を加えるように構成された任意の適切な部材とすることができる(例えば、バネ等)。
【0032】
図15を参照して、動作中、作動アセンブリ220は、第1の軸Aに沿った横方向の動きに応答して密閉部材216を回転させるように構成されている。ユーザは作動アセンブリ220の一部、具体的には第1の作動部材304を第2のカム部材308の方に押し下げる。第1の作動部材304は第1の軸Aに沿ってハウジング332に対して摺動する。第1の軸Aはシャフト272(図3に示す)によって画定されている。あるいは、第1の軸Aは密閉部材216(図3にも示す)によって画定されている。第1の軸Aはシャフト272に対して概して平行であり、シャフト272によって保持されている密閉部材216に対して概して平行である。第1の作動部材304が第2のカム部材308の方に摺動すると、各隆起突起324は関連する各チャネル328内を摺動し、第1の作動部材304の回転運動を制限する。加えて、第1の作動部材304は、各傾斜突起316によって、シャフト272に沿って(又はシャフト272に対して)第2のカム部材308と係合し、次に横方向に摺動させ、付勢部材312を圧縮する(図3に示す)。それぞれハウジング332によって画定される水平チャネル328のうちの1つに受容される第2のカム部材308のカム面336は、これに応答して、水平チャネル328に対して各チャネル328の出口端の方に摺動する。カム面336が摺動して各チャネル328から出ると(すなわち、出口端を通って)、カム面336は傾斜面330と係合する。傾斜面330はカム面336の傾斜に相補的であり、各カム面336を隣接するチャネル328にガイドするように構成されている。付勢部材312によって第2のカム部材308に加えられる付勢力は、各カム面336を傾斜面330に沿って方向付ける。これにより、シャフト272及び関連する密閉部材216とともに第2のカム部材308が回転する。カム面336が隣接するチャネル328に達すると、ユーザは、第1の作動部材304に加えられた圧縮圧力をリリースできる。次いで、付勢部材312は第2のカム部材308に付勢力を加え、第2のカム部材308をシャフト272に沿って第1の作動部材304の方に摺動させる。カム面336は、隣接するチャネル328内を応答して第1の作動部材304の方に摺動し、各チャネル328内のカム面336及び隆起突起324の両方を出口と反対側のチャネルの端部の方に導く。これにより、密閉部材216をある密閉構成から隣接する密閉構成に回転させる作動アセンブリ220の一回転サイクルが完了する。図示の実施形態では、密閉部材216及び関連するシャフト272は、選択された(又は所望の)密閉構成をバルブ本体208のコネクタ262と流体連通するように方向付けるために、約120°回転するように構成されている。作動アセンブリは、密閉部材216上の追加の密閉構成位置を考慮して、より少ない角度で回転するように構成することができることを理解すべきである。
【0033】
再度図8図9を参照して、インジケータ部材224が制御アセンブリ212に連結されている。より具体的には、インジケータ部材224は、作動アセンブリ220と反対側の端部で密閉部材216に連結されている。インジケータ部材224は、選択された密閉構成278、286、290の視覚的表示をユーザに提供するために密閉部材216と共に回転するように構成されている。したがって、インジケータ部材224は、選択された密閉構成278、286、290を表す複数のしるし344を含む。図示の実施形態では、インジケータ部材224は、作動アセンブリ220と反対側の端部でシャフト272に連結されている。そのため、インジケータ部材224は、シャフト272の回転に応答して回転するように構成されている。また、インジケータ部材224はシャフト272と共に回転するように構成されている。図16は、第1の密閉構成278に関連する第1のしるし344aを示す。第1のしるし344aは、4つの流体的に分離された膨張領域30、34、38、42を表す4つの隆起突起として示されている。図17は、第2の密閉構成286に関連する第2のしるし344bを示す。第2のしるし344bは、膨張領域30、34、38、42の全てが流体接続されていることを表す単一の隆起突起として示されている。図18は、第3の密閉構成290に関連する第3のしるし344cを示す。第3のしるし344cは、二対の膨張領域が互いに接続されていることを表す一対の(又は2つの)隆起突起として示されている(例えば、第1の対の膨張領域30、38が流体接続され、第2の対の膨張領域34、42が流体接続されている)。しるし344a~cは、概して、関連する密閉構成278、286、290から回転方向にオフセットされている。より具体的には、各しるし344a~cは、密閉部材216に対して関連する密閉構成278、286、290から約90°回転オフセットされている(又は第1の軸Aに対して約90°回転されている)。これにより、選択的密閉構成278、286、290は、コネクタ262(及び関連する膨張領域30、34、38、42の関連する流体導管54、58、62、66)と流体連通できる一方で、インジケータ部材224上の選択的密閉構成278、286、290の関連するしるし344a~cを容易に見るためのユーザアクセスを提供する。特に、コネクタ262はベース14に対して概して平行であり、選択された密閉構成278、286、290はコネクタ262と概して整列していることから、使用を容易にするために、関連する密閉構成278、286、290に対してしるし344a~cを回転的にオフセットさせる必要がある。実施形態の他の例では、特定のしるし344は、選択された密閉構成278、286、290をユーザに示す任意の適切なインジケータとすることができることを理解すべきである。
【0034】
マルチポジション空気流制御アセンブリ200の動作において、上述したように、作動アセンブリ220の作動は、バルブ本体208に対して密閉アセンブリ216を選択的に回転させるように構成されている。密閉アセンブリ216が回転すると、複数の密閉構成278、286、290のうちの1つがコネクタ262と流体連通するように配置される。これにより、複数の密閉構成278、286、290のうちの前記1つを各関連する膨張領域30、34、38、42の流体導管54、58、62、66と流体係合させる。インジケータ部材224は密閉アセンブリ216と共に回転し、選択された密閉構成278、286、290に関連するしるし344a~cを方向付けて、選択された密閉構成278、286、290の表示をユーザに提供する。別の言い方をすると、選択された密閉構成278、286、290に関連するしるし344a~cはユーザに露出される(又は目に見えるようになる)。作動アセンブリ220の各作動は、複数の密閉構成278、286、290の間で密閉アセンブリ216を循環させる(又は複数の密閉構成278、286、290のそれぞれを各関連する膨張領域30、34、38、42の流体導管54、58、62、66と流体係合させる)。密閉アセンブリ216の回転はシャフト272の回転に応答する。同様に、インジケータ部材224の回転はシャフト272の回転に応答する。シャフト272の回転は作動アセンブリ220の作動に応答する。
【0035】
マルチポジション空気流制御アセンブリ200の1つ以上の態様は特定の利点を提供する。例えば、密閉アセンブリ216は、セル状クッション10の1つ以上の膨張領域30、34、38、42を選択的に流体接続するか又は流体的に分離するように構成された複数の密閉構成278、286、290を含む。これにより、ユーザに改善された調整性及びカスタマイズ性を提供する。調整性及びカスタマイズ性により、セル状クッション10をユーザに最適化できるようにして、長時間の座位による組織損傷及び/又は床擦れのリスクをさらに低減する。これら及び他の利点は、本明細書で提供される開示によって実現される。
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【国際調査報告】