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特表2025-500628医療装置のフレーム構成要素、そのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-09
(54)【発明の名称】医療装置のフレーム構成要素、そのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/12 20060101AFI20241226BHJP
【FI】
A61B17/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024540949
(86)(22)【出願日】2022-12-08
(85)【翻訳文提出日】2024-08-14
(86)【国際出願番号】 IB2022061936
(87)【国際公開番号】W WO2023131834
(87)【国際公開日】2023-07-13
(31)【優先権主張番号】17/571,163
(32)【優先日】2022-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509031165
【氏名又は名称】コヒーレックス メディカル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】COHEREX MEDICAL,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】イ・スン・ケイ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160DD52
4C160DD65
4C160MM36
(57)【要約】
心臓の左心耳を閉塞するための医療装置、システム、及び方法が提供される。一実施形態では、医療装置システムは、プッシャカテーテルの遠位端に隣接して結合された医療装置を有するプッシャカテーテルを備える。医療装置は、一次ハブ及び二次ハブを含み、それらの間にフレームワークが延在し、一次ハブはその中に画定された溝を含む。フレームワークは、収縮位置と拡張位置との間で移動可能であり、フレームワークが収縮位置に移動するときに、溝は、二次ハブが一次ハブの穴を通って移動するときにフレームワークの一部分と整合するように構成されている。別の実施形態では、フレームワークの構成要素は、医療装置が送達され、収縮位置と拡張位置との間で移動される際に、システム内の抵抗を最小限に抑えるように構成されてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
心臓の左心耳を閉塞するための医療装置システムであって、
遠位端と近位端との間に延在しているプッシャカテーテルであって、前記近位端がハンドルに関連付けられている、プッシャカテーテルと、
前記プッシャカテーテルの前記遠位端に隣接して結合されるように構成された医療装置であって、前記医療装置が一次ハブ及び二次ハブを有し、フレームワークが前記一次ハブと前記二次ハブとの間に延在し、前記一次ハブが、前記一次ハブを通ってそれぞれ延在している穴及び軸を画定し、前記一次ハブが、前記ハブ内で前記穴に隣接して画定された溝を含み、前記フレームワークが、収縮位置と拡張位置との間で移動可能であるように構成されており、前記フレームワークが前記収縮位置と前記拡張位置との間で移動するときに、前記二次ハブが前記軸に沿って前記一次ハブの前記穴を通って移動し、前記溝は、前記二次ハブが前記一次ハブの前記穴を通って移動するときに前記フレームワークの一部分と整合するようにサイズ決め及び構成されている、医療装置と、を備える、医療装置システム。
【請求項2】
前記フレームワークの前記一部分がそれぞれ、ワイヤ様構造で延在する、請求項1に記載の医療装置システム。
【請求項3】
前記溝が、前記一次ハブの前記軸に対して半径方向に離間されかつ半径方向に配置されるように前記一次ハブの遠位側に沿って配置されている、請求項1に記載の医療装置システム。
【請求項4】
前記フレームワークの前記一部分が、前記溝を通って摺動移動するように構成されている、請求項1に記載の医療装置システム。
【請求項5】
前記溝がリング構造体の内側に画定され、前記溝が前記一次ハブ内に画定された前記軸を取り囲むように配置されるよう、前記リング構造体が前記一次ハブの遠位側に結合されている、請求項1に記載の医療装置システム。
【請求項6】
前記フレームワークが、閉鎖栓部分及びアンカー部分を画定するように延在し、前記二次ハブが前記軸に沿って移動するときに前記アンカー部分が枢動するように、前記アンカー部分が前記閉鎖栓部分に枢動可能に結合されている、請求項1に記載の医療装置システム。
【請求項7】
前記フレームワークが、前記フレームワークの近位側に隣接して配置された組織成長部材を含む、請求項1に記載の医療装置システム。
【請求項8】
心臓の左心耳を閉塞するための医療装置であって、
一次ハブと二次ハブとの間に延在しているフレームワークを備え、前記一次ハブが、前記一次ハブを通ってそれぞれ延在している穴及び軸を画定し、前記一次ハブが、前記ハブ内で前記穴に隣接して画定された溝を含み、前記フレームワークが、収縮位置と拡張位置との間で移動可能であるように構成されており、前記フレームワークが前記収縮位置と前記拡張位置との間で移動するときに、前記二次ハブが前記軸に沿って前記一次ハブの前記穴を通って移動し、前記溝は、前記二次ハブが前記一次ハブの前記穴を通って移動するときに前記フレームワークの一部分と整合するようにサイズ決め及び構成されている、医療装置。
【請求項9】
前記フレームワークの前記一部分がそれぞれ、ワイヤ状構造で延在する、請求項8に記載の医療装置。
【請求項10】
前記溝が、前記一次ハブの前記軸に対して半径方向に離間されかつ半径方向に配置されるように前記一次ハブの遠位側に沿って配置されている、請求項8に記載の医療装置。
【請求項11】
前記フレームワークの前記一部分が、前記溝を通って摺動移動するように構成されている、請求項8に記載の医療装置。
【請求項12】
前記溝が、リング構造体の内側に画定され、前記溝が前記一次ハブ内に画定された前記軸を取り囲むように配置されるよう、前記リング構造体が前記一次ハブの遠位側に結合されている、請求項8に記載の医療装置。
【請求項13】
前記フレームワークが、閉鎖栓部分及びアンカー部分を画定するように延在し、前記二次ハブが前記軸に沿って移動するときに前記アンカー部分が枢動するように、前記アンカー部分が前記閉鎖栓部分に枢動可能に結合されている、請求項8に記載の医療装置。
【請求項14】
前記フレームワークが、前記フレームワークの近位側に隣接して配置された組織成長部材を含む、請求項8に記載の医療装置。
【請求項15】
医療装置システムであって、
長手方向に延在するシースであって、前記シースの長さに沿って管腔及び軸を画定する、シースと、
近位端と遠位端との間で長手方向に延在しているプッシャカテーテルであって、前記近位端がハンドルと関連付けられ、前記プッシャカテーテルが、前記シースの前記管腔を通して移動するようにサイズ決め及び構成されている、プッシャカテーテルと、
前記プッシャカテーテルの前記遠位端に隣接して結合されるように構成された医療装置であって、前記医療装置が、収縮位置と展開位置との間で移動可能なフレームワークを含み、前記フレームワークが、一端に隣接して配置されたアイレットを有する細長い構造体を画定するように延在し、前記細長い構造体が、前記一端に隣接して前記細長い構造体に沿って接線方向に延在する線を画定し、前記アイレットが前記接線方向に延在する線の片側に沿って延在するように、前記アイレットが前記細長い構造体から延在する、医療装置と、を備え、
前記医療装置が前記収縮位置にあるとき、前記接線方向に延在する線の前記片側に沿って配置された前記アイレットは、前記シースの内面に対する前記医療装置の抵抗を最小限に抑える、医療装置システム。
【請求項16】
前記フレームワークが、閉鎖栓フレーム及びアンカーフレームを画定するように延在し、前記閉鎖栓フレームが、前記アイレット構造体内に配置されたヒンジ構成要素によって前記アンカーフレームにヒンジ動作可能に結合されている、請求項15に記載の医療装置システム。
【請求項17】
前記アンカーフレームがアンカーフレームアイレットを備え、前記ヒンジ構成要素が前記アンカーフレームアイレット及び前記アイレット構造体の両方を通して配置されている、請求項16に記載の医療装置システム。
【請求項18】
前記アイレット構造体が、間に間隙を有する第1のアイレット及び第2のアイレットを備え、前記ヒンジ構成要素が前記第1のアイレット及び前記第2のアイレット並びに前記アンカーフレームアイレットのそれぞれを通って延在するように、前記アンカーフレームアイレットが前記間隙内に配置されている、請求項17に記載の医療装置システム。
【請求項19】
シースの内面に対する抵抗を最小限に抑えるように構成された医療装置システムであって、前記医療装置システムが、
近位端と遠位端との間で長手方向に延在しているプッシャカテーテルであって、前記近位端がハンドルと関連付けられ、前記プッシャカテーテルが、前記シースの前記管腔を通して移動するようにサイズ決め及び構成されている、プッシャカテーテルと、
前記プッシャカテーテルの前記遠位端に隣接して結合されるように構成された医療装置であって、前記医療装置が、収縮位置と展開位置との間で移動可能なフレームワークを含み、前記フレームワークが、一端に隣接して配置されたアイレット構造体を有する細長い構造体を画定するように延在し、前記細長い構造体が、前記一端に隣接して前記細長い構造体に沿って接線方向に延在する線を画定し、前記アイレット構造体が前記接線方向に延在する線の片側に沿って延在するように、前記アイレット構造体が前記細長い構造体から延在する、医療装置と、を備え、
前記医療装置が前記収縮位置にあるとき、前記シースの前記内面に対する前記医療装置の抵抗を最小限に抑えるために、前記アイレットが前記接線方向に延在する線の前記片側に沿って配置されている、医療装置システム。
【請求項20】
前記フレームワークが、閉鎖栓フレーム及びアンカーフレームを画定するように延在し、前記閉鎖栓フレームが、前記アイレット構造体内に配置されたヒンジ構成要素によって前記アンカーフレームにヒンジ動作可能に結合されている、請求項19に記載の医療装置システム。
【請求項21】
前記アンカーフレームがアンカーフレームアイレットを備え、前記ヒンジ構成要素が前記アンカーフレームアイレット及び前記アイレット構造体の両方を通して配置されている、請求項20に記載の医療装置システム。
【請求項22】
前記アイレット構造体が、間に間隙を有する第1のアイレット及び第2のアイレットを備え、前記ヒンジ構成要素が前記第1のアイレット及び前記第2のアイレット並びに前記アンカーフレームアイレットのそれぞれを通って延在するように、前記アンカーフレームアイレットが前記間隙内に配置されている、請求項21に記載の医療装置システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、組織開口部又は心耳の閉塞に関し、より具体的には、例えば、左心耳を含む、そのような開口部及び左心耳などの心耳を閉塞するか、又は別の方法で構造的に改変するための装置、システム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
心臓の上方の室である心房の各々には、心耳が付いている。例えば、左心耳は、全てのヒトの心臓の一形体である。そのような心耳の生理学的機能は完全には理解されていないが、心臓が正常に拍動している間、充填槽としての機能を果たすことは確かである。心耳は、典型的には、心房から突出して心房の外側部分を覆っている。心耳は、互いに実質的に異なる。例えば、ある心耳が先細の突起として構成され得る一方で、別の心耳は、内側に凹んだ靴下状の孔として構成され得る。心耳の内側表面は、従来通りに、1つ以上の葉(lobe)とともにその表面を横断する心筋組織の索で肉柱化される。
【0003】
心臓が正常に機能している間は、血液が心耳を通って送り出されるが、心耳は不活性であるように見える。換言すれば、心臓が正常に機能している間、心耳は、それらを通って送り出される血液に顕著な影響を及ぼしているようには見えない。しかしながら、心房細動の場合、心房が不整脈になると、心耳の内側で血液が鬱血して血栓症を引き起こす可能性がある。とりわけ、これが左心耳に起こった場合に、脳卒中の危険性をもたらし得、不整脈事象後に正常洞調律が回復すると、血栓が心臓から送り出されて頭蓋の循環系に入り得るためである。
【0004】
歴史的に、心房細動によって引き起こされる危険性を低減するために、時には心耳に外科的な修正が施されてきた。近年では、左心耳に経皮的に送達され得る装置が導入されている。これらの装置の基本機能は、インプラントで心耳内の容積を排除することにより、心耳内の血液が、安全に血栓を形成し、その後、心臓組織内に徐々に取り込まれるのを可能にすることである。このプロセスでは、装置の面を覆う内皮の成長と相まって、心耳が位置する表面を滑らかな内皮化状態にしておくことが可能である。経皮的に埋め込まれる装置は、左心耳に関連する問題に対処する手段として、外科的処置と比較して侵襲性が低い。
【0005】
しかしながら、左心耳の心門のサイズ及び容積のばらつきが大きいことから、現在の埋め込み可能な装置の多くは、そのようなばらつきに対応することができない構造を含み、結果として、多くの左心耳の解剖学的構造には不適切な装置になっている。小孔サイズの変動性の影響を最小限に抑えるための重要な一態様は、医師がより良好な位置が達成可能であると考える場合、左心耳内で医療装置を係合解除及び再固定する能力であり、その結果、医療デバイスは、組織から係合解除され、操作され、次いで、組織に再固定される能力を有し、医師が左心耳の小孔における医療装置の位置に満足するまで、本開示が参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、Milesらによる同一出願人による米国特許第9,693,780号に開示されるものと同様にステップを繰り返す。しかしながら、医療装置の繰り返しの固定及び係合解除に伴う1つの問題は、医師が左心耳等の心臓に医療装置を固定する間に、医療装置に加えられる拍動する心臓の動的な力に起因して、医療装置の構成要素がもつれる可能性があることである。経皮送達システムにおいてしばしば見出される別の問題は、医療装置の種々の構成要素とその送達システムとの間の抵抗を含む。そのような抵抗は、医療装置を送達する間、医師の触感を最小限に抑え得る。
【0006】
様々な特徴及び利益は、後述する様々な実施形態の説明を読むことで、当業者に明らかになるであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態は、医療装置を送達するための様々な装置、システム、及び方法を対象とする。一実施形態では、心臓の左心耳を閉塞するための医療装置が提供される。医療装置は、送達カテーテル及びシースを含み、送達カテーテルは、送達カテーテルの送達カテーテル遠位端に隣接して結合された医療装置を含む。シースは、遠位端と近位端との間の壁とともに延び、中心管腔及び中心軸が、シースの縦方向長さに沿ってシース内に画定され、それにより、医療装置及び送達カテーテルは、シースの中心管腔を通して前進可能である。更に、シースは、壁に沿って延びるように、その中に同心管腔を画定し、シースは、シースの遠位部分に沿った第1の枢動位置に対して第1の偏向可能部分で偏向可能であり、シースは、シースの遠位部分に沿った第2の枢動位置に対して第2の偏向可能部分で偏向可能である。この構成では、第1の偏向可能部分及び第2の偏向可能部分それぞれの第1の枢動位置及び第2の枢動位置のうちの少なくとも1つは、シースの遠位部分の縦方向長さに沿って調整可能である。
【0008】
別の実施形態では、第1の枢動位置及び第2の枢動位置のうちの少なくとも1つが調整されると、第1の偏向可能部分及び第2の偏向可能部分のうちの少なくとも1つの半径が調整される。更なる実施形態では、半径は、第1の枢動位置及び第2の枢動位置のうちの少なくとも1つがシースの長さに沿って近位に移動されると増加し、半径は、第1の枢動位置及び第2の枢動位置のうちの少なくとも1つがシースの長さに沿って遠位に移動されると減少する。
【0009】
別の実施形態では、シースは、遠位端を有する摺動可能な管状部材を含み、摺動可能な管状部材は、シース内に画定された同心管腔内に位置付けられ、摺動可能な管状部材の遠位端は、シースの第1の枢動位置及び第2の枢動位置のうちの少なくとも1つを画定する。更なる実施形態では、摺動可能な管状部材は、シースの第1の枢動位置及び第2の枢動位置のうちの少なくとも1つを変化させるように、同心管腔内で直線的に摺動可能である。
【0010】
別の実施形態では、摺動可能な管状部材は、その中に画定された開口部を含み、開口部は、制御ワイヤをその中に保持するようにサイズ決定及び構成され、制御ワイヤが、それぞれ、第1の偏向可能部分及び第2の偏向可能部分のうちの少なくとも1つの偏向を制御するために、第1の枢動位置及び第2の枢動位置のうちの少なくとも1つの遠位に延びる。別の実施形態では、第1の偏向可能部分及び第2の偏向可能部分は、複数の方向に偏向可能である。更に別の実施形態では、シースは、シースに沿って第1の枢動位置及び第2の枢動位置に対して別々に独立して偏向可能である。
【0011】
別の実施形態では、第1の偏向可能部分及び第2の偏向可能部分は、シースのシースハンドルに統合された制御アクチュエータによって偏向可能であり、制御アクチュエータは、ラックアンドピニオンシステム、空気圧システム、及び油圧システムのうちの少なくとも1つを含む。別の実施形態では、第1の偏向可能部分及び第2の偏向可能部分のうちの少なくとも1つは、シースの縦方向長さに沿って同心管腔を通して延びる複数のワイヤによって偏向可能であり、複数のワイヤは、第1の部分と第2の部分とを有し、第1の部分と第2の部分との間に移行点を有し、第1の部分は、第2の部分の遠位にあり、第2の部分より可撓性があり、複数のワイヤの移行点は、第1の偏向可能部分及び第2の偏向可能部分のうちの少なくとも1つの半径を変化させるように縦方向長さに沿って移動可能である。
【0012】
本発明の別の実施形態によれば、心臓の左心耳をインプラントで閉塞するための医療装置システムが提供され、インプラントは送達カテーテルに隣接して配置される。医療装置はシースを含み、その結果シースは遠位端と近位端との間に壁を伴って延び、シースの長手方向の長さに沿ってシース内に画定される中心管腔及び中心軸を有し、その結果インプラント及び送達カテーテルは、シースの中心管腔を通して前進可能である。シースは、壁に沿って延びるように、その中に同心管腔を画定し、シースは、シースの遠位部分に沿った第1の枢動位置に対して第1の偏向可能部分で偏向可能であり、シースは、シースの遠位部分に沿った第2の枢動位置に対して第2の偏向可能部分で偏向可能である。この構成では、第1の偏向可能部分及び第2の偏向可能部分それぞれの第1の枢動位置及び第2の枢動位置のうちの少なくとも1つは、シースの遠位部分の縦方向長さに沿って調整可能である。
【0013】
別の実施形態では、第1の枢動位置及び第2の枢動位置のうちの少なくとも1つが調整されると、第1の偏向可能部分及び第2の偏向可能部分のうちの少なくとも1つの半径が調整される。更なる実施形態では、半径は、第1の枢動位置及び第2の枢動位置のうちの少なくとも1つがシースの長さに沿って近位に移動されると増加し、半径は、第1の枢動位置及び第2の枢動位置のうちの少なくとも1つがシースの長さに沿って遠位に移動されると減少する。
【0014】
別の実施形態では、シースは、遠位端を有する摺動可能な管状部材を含み、摺動可能な管状部材は、シース内に画定された同心管腔内に位置付けられ、摺動可能な管状部材の遠位端は、シースの第1の枢動位置及び第2の枢動位置のうちの少なくとも1つを画定する。更に別の実施形態では、摺動可能な管状部材は、シースの第1の枢動位置及び第2の枢動位置のうちの少なくとも1つを変化させるように、同心管腔内で直線的に摺動可能である。別の実施形態では、摺動可能な管状部材は、その中に画定された開口部を含み、開口部は、制御ワイヤをその中に保持するようにサイズ決定及び構成され、制御ワイヤが、それぞれ、第1の偏向可能部分及び第2の偏向可能部分のうちの少なくとも1つの偏向を制御するために、第1の枢動位置及び第2の枢動位置のうちの少なくとも1つの遠位に延びる。
【0015】
別の実施形態では、第1の偏向可能部分及び第2の偏向可能部分は、複数の方向に偏向可能である。更に別の実施形態では、シースは、シースに沿って第1の枢動位置及び第2の枢動位置に対して別々に独立して偏向可能である。別の実施形態では、第1の偏向可能部分及び第2の偏向可能部分は、シースのシースハンドルに統合された制御アクチュエータによって偏向可能であり、制御アクチュエータは、ラックアンドピニオンシステム、空気圧システム、及び油圧システムのうちの少なくとも1つを含む。別の実施形態では、第1の偏向可能部分及び第2の偏向可能部分のうちの少なくとも1つは、シースの縦方向長さに沿って同心管腔を通して延びる複数のワイヤによって偏向可能であり、複数のワイヤは、第1の部分と第2の部分とを有し、第1の部分と第2の部分との間に移行点を有し、第1の部分は、第2の部分の遠位にあり、第2の部分より可撓性があり、複数のワイヤの移行点は、第1の偏向可能部分及び第2の偏向可能部分のうちの少なくとも1つの半径を変化させるように縦方向長さに沿って移動可能である。
【0016】
本発明の別の実施形態によれば、医療装置送達システムの遠位端を心臓の左心耳の小孔と軸方向に整列させるための方法が提供される。方法ステップは、シースの遠位端を心臓の左心耳に隣接して位置決めすることであって、シースは、遠位端と近位端との間の壁とともに延び、中心管腔及び中心軸がシースの縦方向長さに沿ってシース内に画定され、その結果インプラント及び送達カテーテルがシースの中心管腔を通して前進可能であり、シースは、壁に沿って延びるようにその中に同心管腔を画定し、シースは、シースの遠位部分に沿った第1の枢動位置に対して第1の偏向可能部分で偏向可能であり、シースは、シースの遠位部分に沿った第2の枢動位置に対して第2の偏向可能部分で偏向可能である、ことと、シースの遠位部分の縦方向長さに沿って、第1の偏向可能部分及び第2の偏向可能部分それぞれの第1の枢動位置及び第2の枢動位置のうちの少なくとも1つを調整することと、を含む。
【0017】
別の実施形態では、調整するステップは、第1の偏向可能部分及び第2の偏向可能部分のうちの少なくとも1つの半径を調整することを含む。更に別の実施形態では、半径を調整するステップは、第1の枢動位置及び第2の枢動位置のうちの少なくとも1つをシースの長さに沿って近位に移動させることによって、第1の偏向可能部分及び第2の偏向可能部分のうちの少なくとも1つの半径を増加させることを含む。更に別の実施形態では、調整するステップは、管状部材の遠位端が、第1の偏向可能部分及び第2の偏向可能部分それぞれの第1の枢動位置及び第2の枢動位置のうちの少なくとも1つと対応するように、同心管腔内で管状部材を摺動させることを含む。別の実施形態では、調整するステップは、1つ以上の制御ワイヤを近位又は遠位に移動させて、第1の枢動位置及び第2の枢動位置のうちの少なくとも1つをシースの長さに沿って移動させることを含む。
【0018】
本発明の別の実施形態に従って、医療装置システムが提供される。医療装置システムは、シースと、プッシャカテーテルと、医療装置を含む。シースは、長手方向に延在して、管腔と、シースの長さに沿った軸とを画定する。プッシャカテーテルは、近位端と遠位端との間で長手方向に延在し、近位端はハンドルと関連付けられる。プッシャカテーテルは、シースの管腔を通して移動させられるようにサイズ決め及び構成されている。医療装置は、収縮位置と展開位置との間で移動可能なフレームワークを含む医療装置である、プッシャカテーテルの遠位端に隣接して結合されるように構成されている。このフレームワークは、一端に隣接して延在するアイレット構造体を有する細長い構造体を画定するように延在し、この細長い構造は、一端に隣接して細長い構造体に沿って接線方向に延在している線を画定し、アイレット構造体は、アイレット構造体が接線方向に延在する線の片側に沿って延在するように、細長い構造体から延在する。この構成では、医療装置が収縮位置にあるとき、接線方向に延在している線の片側に沿って配置されたアイレット構造体は、シースの内面に対する医療装置の抵抗を最小限に抑える。
【0019】
別の実施形態では、フレームワークは、閉鎖栓フレーム及びアンカーフレームを画定するように延在し、閉鎖栓フレームは、アイレット構造体内に位置付けられたヒンジ構成要素を用いてアンカーフレームにヒンジ動作可能に結合されている。別の実施形態では、アンカーフレームは、ヒンジ構成要素がアンカーフレームアイレット及びアイレット構造体の両方を通して配置される、アンカーフレームアイレットを含む。更に別の実施形態では、アイレット構造体は、間に間隙を有する第1のアイレット及び第2のアイレットを含み、アンカーフレームアイレットは、ヒンジ構成要素が第1のアイレット及び第2のアイレット並びにアンカーフレームアイレットのそれぞれを通って延在するように、間隙内に配置される。
【0020】
本発明の別の実施形態に従って、シースの内面に対する抵抗を最小限に抑えるように構成された医療装置システムが提供される。医療装置システムは、プッシャカテーテル及び医療装置を含む。プッシャカテーテルは、近位端と遠位端との間で長手方向に延在し、近位端はハンドルと関連付けられる。プッシャカテーテルは、シースの管腔を通して移動させられるようにサイズ決め及び構成されている。医療装置は、収縮位置と展開位置との間で移動可能なフレームワークを含む医療装置である、プッシャカテーテルの遠位端に隣接して結合されるように構成されている。このフレームワークは、一端に隣接して配置されたアイレット構造体を有する細長い構造体を画定するように延在しており、この細長い構造体は、一端に隣接して細長い構造体に沿って接線方向に延在している線を画定している。このアイレット構造体は、アイレット構造体が接線方向に延在している線の片側に沿って延在するように、細長い構造体から延在する。この構成では、医療装置が収縮位置にあるとき、接線方向に延在している線の片側に沿って配置されたアイレット構造体は、シースの内面に対する医療装置の抵抗を最小限に抑える。
【0021】
別の実施形態では、フレームワークは、閉鎖栓フレーム及びアンカーフレームを画定するように延在し、閉鎖栓フレームは、アイレット構造体内に位置付けられたヒンジ構成要素を用いてアンカーフレームにヒンジ動作可能に結合されている。更なる実施形態では、アンカーフレームはアンカーフレームアイレットを含み、ヒンジ構成要素はアンカーフレームアイレット及びアイレット構造体あの両方を通して配置される。別の実施形態では、アイレット構造体は、間に間隙を有する第1のアイレット及び第2のアイレットを含み、アンカーフレームアイレットは、ヒンジ構成要素が第1のアイレット及び第2のアイレット並びにアンカーフレームアイレットのそれぞれを通って延在するように、間隙内に配置される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明の前述及び他の利益は、以下の詳細説明を読み、図面を参照することにより明らかになるであろう。
図1】本発明の一実施形態による、送達システムに結合された医療装置を描写する、医療装置システムの斜視図である。
図1A】本発明の別の実施形態による、図1の切断線1A-1Aに沿って切り取られた医療装置システムの部分断面図であり、展開位置にある医療装置のアンカー部分を示す。
図2】本発明の別の実施形態による、送達システムのハンドルのアンカーアクチュエータで医療装置のアンカー部分が引き込まれた状態を示す、医療装置システムの透視図である。
図2A図2の断面線2A-2Aに沿って切り取られた医療装置システムの部分断面図であり、本発明の別の実施形態による、後退位置にあるアンカー部分を示す。
図3】本発明の別の実施形態による、医療装置システムのシース内に少なくとも部分的に収縮された医療装置を描写する、医療装置システムの斜視図である。
図4】本発明の別の実施形態による、医療装置の構成部品の分解組立図である。
図5】本発明の別の実施形態による、医療装置の整合部分の斜視図である。
図6】本発明の別の実施形態による、後退位置にあるアンカー部分の構成要素を示し、二次ハブ及びアンカーフレームセグメントを破線で示す、整合部分の正面図である。
図7】本発明の別の実施形態による、ハブに結合された整合部分を伴う医療装置の拡大斜視図であり、アンカーアクチュエータから係合解除され、医療装置の一次ハブと整合され、それに隣接して位置付けられた二次ハブを示す。
図8】本発明の別の実施形態による、医療装置の閉鎖栓部分の側面図である。
図8A】本発明の別の実施形態による、閉鎖栓部分のアイレット構造体を示す、図8の領域8Aから取った閉鎖栓部分の拡大図である。
図9】本発明の別の実施形態による、シースの内側表面に対する、及び閉鎖栓部分の伸長部分に対するヒンジアイレットの外形を示す、送達システムの端部分の簡略断面図である。
図10】本発明の別の実施形態による、予め形成された状態のアイレット構造体を示す、閉鎖栓部分のアイレット構造体の別の実施形態の拡大正面図である。
図11】本発明の別の実施形態による、形成された状態のアイレット構造体を示すアイレット構造体の斜視図である。
図12】本発明の別の実施形態による、ヒンジ部品を有するアンカーフレームのアイレットに結合されたアイレット構造体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1図1A図2図2A及び図7を参照すると、送達システム12に取り外し可能に結合された医療装置10が提供される。医療装置10及び送達システム12は、例えば、心臓(図示せず)内の左心耳5などの開口部又は空洞を経皮的に閉鎖及び修正するための介入的な処置において用いられ得る、一緒になって医療装置送達システム14として参照され得る。送達システム12は、プッシャカテーテル16及びハンドル18を含んでもよく、プッシャカテーテル16は、プッシャカテーテル16の遠位端20に隣接して医療装置10に結合されている。また、送達システム12はシース22を含んでもよく、このシース22は、プッシャカテーテルを用いてシースの管腔24を通して医療装置10を前進させることを容易にするようにサイズ決め及び構成されている(図3も参照)。加えて、医療装置10は、閉鎖栓部分28及びアンカー部分30を画定するように延在する、フレームワーク26又はフレーム構造を含むことができる。更に、医療装置10は、フレームワーク26が一次ハブ32と二次ハブ34との間に延在し得るように、一次ハブ32及び二次ハブ34を含んでもよい。一次ハブ32は、軸38が一次ハブ32の穴36及び構造に対して軸方向に延在することができるように、それぞれが一次ハブ32を通って延在することができる穴36及び軸38を画定することができる。そのような軸38はまた、医療装置送達システム14及びその構成要素の長さに沿って軸方向に延在してもよい。一実施形態では、一次ハブ32は、一次ハブ32の整合部分41内に確定され、穴36に隣接する溝40を含んでもよい。更に、二次ハブ34は、収縮位置(図2A)と展開位置(図1A)との間でフレームワーク26を移動させるように、軸38に沿ってかつ一次ハブ32を通って移動可能であってもよい。この構成では、二次ハブ34が軸38に沿って、かつ一次ハブ32の穴36を通って移動するとき、溝40は、フレームワーク26が収縮位置と展開位置との間で移動するときにフレームワーク26のもつれを最小限に抑えることができるように、フレームワーク26の部分を整列させるようにサイズ決め及び構成することができる。更に、骨格26がシース22内で少なくとも部分的に収縮すると、骨格26は、本明細書で更に説明するように(図9参照)、シース22の内面42との抵抗を最小限に抑えることができる構造で延在することができる。
【0024】
ここで図1図1A、及び図4を参照すると、前述したように、フレームワーク26は、閉鎖栓部分28及びアンカー部分30とともに延在し得る。アンカー部分30は、アンカー歯46がそこから延在しているアンカーフレーム44とともに延在し得る。閉鎖栓部分28は、閉鎖栓フレーム48に取り付けられた組織成長部材50を有する閉鎖栓フレーム48を含み得る。組織成長部材50は、閉塞部材の形態であり得るが、組織内成長を促進するようにサイズ決め及び構成されている、フィルタ部材、メッシュ部材、膜、若しくは任意の他の構造、又はそれらの組み合わせの形態であり得る。更に、組織成長部材50は、ePTFE及び/又はポリウレタンフォームなどの1種以上のポリマー材料から形成され得る。更に、組織成長部材50は、様々な厚さ及びサイズを有する複数の層で延在してもよい。
【0025】
更に、閉鎖栓フレーム48は、閉鎖栓フレーム48が一次ハブ32から半径方向外向きに延在し得、閉鎖栓フレーム遠位端52まで遠位に延在し得るように、一次ハブ32に連結されてもよい。閉鎖栓フレーム48の遠位端52に隣接して、閉鎖栓フレーム48は、閉鎖栓フレーム48内に画定された複数の閉鎖栓フレームアイレット54を含んでもよい。アンカーフレーム44は、第1の端部56と第2の端部58との間に延在してもよく、第1の端部56は閉鎖栓フレーム48に結合され、第2の端部58は二次ハブ34に結合されている。アンカーフレーム44は、アンカーフレーム44の第1の端部56と第2の端部58との間に延在している、互いに相互接続された複数のアンカーフレームセグメント60とともに延在してもよい。アンカーフレーム44の第1の端部56に隣接して、アンカーフレーム44は、アンカーフレーム44のアンカーフレームセグメント60のうちの複数のアンカーフレームセグメントに沿って複数のアンカーフレームアイレット62を含んでもよい。二次ハブ34において、アンカーフレームセグメント60又はアンカーフレーム延長部のうちの複数のものが二次ハブ34に結合されてもよい。閉鎖栓フレームアイレット54の各々は、ヒンジ構成要素64を用いてアンカーフレームアイレット62の対応する1つに結合されてもよい。ヒンジ構成要素64は、閉鎖栓フレーム48に対して枢動又は回転するように、アンカーフレーム44がヒンジ構成要素64を中心に枢動することを容易にするように、閉鎖栓フレームアイレット54及びアンカーフレームアイレット62を通って延在してもよい。この構成では、アンカーフレーム44は、アンカーフレーム44が後退位置(図2A)と展開位置(図1A)との間で移動することができるように、閉鎖栓フレーム48に枢動可能に結合(又はヒンジ動作可能に結合)することができる。アンカーフレーム44の後退位置は、アンカー拘束位置又は旋回位置であってもよい。したがって、アンカーフレーム44の後退位置と展開位置との間の枢動は、アンカー部分30が例えば左心耳5内の組織に固定された後に、医師が医療装置10の位置を調整するのを助けることができる。
【0026】
図1A図4、及び図7に示すように、一実施形態では、整合部分41は、一次ハブ32の一部の遠位側51に結合されるように軸方向に配置され、軸38に沿って整合されてもよい。更に、そのような一次ハブ32は、第1の部分53及び第2の部分55を含んでもよく、第1の部分53は、フィンガー57が閉鎖栓フレーム48の近位端に隣接して閉鎖栓フレーム48内に画定された閉鎖栓接続開口59と連動し、それを通して、第2の部分55に結合されるようにサイズ決め及び構成されている。そのようなフィンガー57は、フィンガー57が一次ハブ32の第1の部分53のバックストップ61に対して位置付けられた状態で、閉鎖栓接続開口59内に維持されてもよい。このようにして、一次ハブ32の第1の部分53及び第2の部分55は、一次ハブ32の第2の部分55の遠位側51に沿って等、一次ハブ32の一部分の遠位側51上に位置付けられる整合部分41を用いて閉鎖栓フレーム48に連結されてもよい。
【0027】
図1図3を参照すると、前述したように、医療装置10は、送達システム12で血管系を通って送達され得る。送達システム12は、プッシャカテーテル16と、ハンドル18とを含んでもよく、ハンドル18は、プッシャカテーテル16の近位部分66と統合される。ハンドル18は、展開位置(図1A)と後退位置(図2A)との間でアンカーフレーム44を操作するために、アンカーアクチュエータ68などの様々な機能的構成要素を含んでもよい。送達システム12は、脈管構造を通して心臓内の左心耳5に医療装置10を送達するためのシース22を含み、それとともに採用されてもよい。シース22は、心臓の左心耳5に隣接して位置決めされるようにシース遠位端70を伴う既知の介入技術を使用して、脈管構造内に位置決めされてもよい。医療装置10がシース22の管腔24を通ってシース遠位端70まで前進させられると(医療装置10は、シース遠位端70に隣接して破線で部分的に示される収縮位置にある(図3参照))、医療装置10は、シース22から少なくとも部分的に展開され得る。すなわち、シース22は、次いで、医療装置10の閉鎖栓部分28がシース遠位端70から展開され得るように、手動で近位に移動(及び/又はプッシャカテーテル16が遠位に前進)させられてもよい(図2参照)。そのような閉鎖栓部分28は、閉鎖栓部分28がシース遠位端70から露出されると、直ちに自己拡張し得る。この段階において、医療装置10は、部分的に展開された状態にあり得、その後、医療装置10は、アンカー部分30を展開することによって完全に展開された状態に移動され得る(図1参照)。例えば、閉鎖栓部分28が最初に展開されると、アンカー部分30は、ハンドル18のアンカーアクチュエータ68が近位位置にある状態で(図2に示すように)、後退位置にあってもよい。医師が、閉鎖栓部分28が左心耳5に隣接する適切かつ所望の位置にあることを判定すると、アンカー部分30は、矢印72によって示されるように、アンカーアクチュエータ68を遠位位置に移動させることによって後退位置から展開位置に駆動され得る(図1参照)。アンカー部分30が展開位置に移動されると、アンカー部分30の歯46(図1A)は、組織に係合して医療装置10を左心耳5内に固定することができる。医師が、医療装置10が左心耳5内の最適なアンカー位置にないと判定した場合、アンカー部分30は、矢印74(図2参照)によって示されるように、アンカーアクチュエータ68を遠位位置から近位位置に移動させることによって枢動されて後退位置に戻ることができる。したがって、アンカーアクチュエータ68は、アンカー部分30が展開位置と後退位置との間で枢動するように、アンカー部分30を後退位置と展開位置との間で移動させるために、手動で近位及び遠位に移動され得る。このようにして、医療装置10のアンカー部分30は、医師が最適な位置を得るか、又は医療装置10から送達システム12を解放する前にその位置に満足するまで、医師によって必要に応じて左心耳5における組織から固定及び係合解除されることができる。そのハンドル18、プッシャカテーテル16、医療装置10、及び送達シース12を伴う類似の医療装置送達システム14は、2017年2月21日に出願され、現在、「MEDICAL DEVICE FOR MODIFICATION OF LEFT ATRIAL APPENDAGE AND RELATED SYSTEMS AND METHODS」と題される米国特許第10,631,969号として発行された、同一出願人による米国特許出願第15/438,650号に開示され、その開示は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる。
【0028】
ここで、図2A及び図5図7を参照して、整合部分41について更に説明する。例えば、前述したように、整合部分は、一次ハブ32に結合されてもよいし、一次ハブ32と一体化されてもよいし、一次ハブ32内にあってもよい。整合部分41は、アンカーフレームセグメント60又はアンカーフレーム44のアンカー延長部のもつれを最小限に抑えるように、アンカーフレーム44が前述の展開位置(図1A)と後退位置(図2A)との間で移動するのを助けるようにサイズ決め及び構成してもよい。更に、二次ハブ34が一次ハブ32の穴36を通って移動するとき、一次ハブ32の整合部分41内に画定された溝40は、医療装置が後退位置と展開位置との間で移動するときにアンカーフレームセグメント60の潜在的なもつれを最小限に抑えるために、アンカーフレームセグメント60を、離間し、整合した状態に維持するようにサイズ決め及び構成されてもよい。例えば、図6は、アンカーフレームセグメント60及び二次ハブ34が破線で示されている整合部分41の遠位側又は前面図を示す。更に、図6に示される二次ハブ34は、二次ハブ34が最も近位の位置にある状態で、図2Aに示される位置と同様の位置にあってもよい。したがって、整合部分41の溝40の各々は、二次ハブ34へのそれらのそれぞれの第2の端部58の取付けに対するアンカーフレームセグメント60の各々の間隔及び位置に対応し、整合されるように離間されてもよい。図7は、アンカーアクチュエータ68(図1)の最遠位端から係合解除又は解放された二次ハブ34を伴う、一次ハブ32と一体化された整合部分41の遠位側面斜視図を示す。
【0029】
一実施形態では、整合部分41は、一次ハブ32の遠位側に結合することができる溝40が画定されたリング構造体76であってもよい。別の実施形態では、整合部分41は、一次ハブ32と一体的に形成されてもよい。別の実施形態では、整合部分41は、第1の側面82と第2の側面84との間にそれぞれ画定された内面78及び外面80とともに延在してもよい。リング構造体76は、外径86を画定するように延在してもよく、外径86は、リング構造体76の外面80を画定するように延在する。リング構造体76はまた、内径88を画定してもよく、内径88は、リング構造体76の内面78を画定するように延在する。第1の側面82及び第2の側面84は、リング構造体76の深さ90を画定するように互いに対して離間されてもよい。別の実施形態では、内面78及び外面80は、深さ90が内面78と外面80との間の共通寸法であるように、深さ90とともに延在してもよい。別の実施形態では、内面78は、第1の深さを画定してもよく、外面80は、第2の深さを画定してもよく、第2の深さは、第1の深さよりも大きい。別の実施形態では、内面78の第1の深さは、外面80の第2の深さよりも大きくてもよい。更に別の実施形態では、内面78は、その中に画定された溝40を除いて、ほぼ円形の形状を画定してもよい。別の実施形態では、外面80は、円形形状を画定するように延在してもよい。
【0030】
前述したように、内面78は、その中に溝40を画定することができる。溝40は、スロット、ノッチ又はチャネルとも呼ばれ得る。溝40は、二次ハブ34が軸38に沿って移動するときに、二次ハブ34に隣接するアンカーフレームセグメント60が溝40に沿って移動することを容易にするようにサイズ決め及び構成されてもよい。別の実施形態では、溝40は、各溝40が二次ハブ34から延在しているアンカーフレームセグメント60のうちの1つと対応できるように、リング構造体76の内面78に沿って均等に離間されてもよい。別の実施形態では、溝40は、リング構造体76の内面78において半径方向に離間して画定されてもよい。別の実施形態では、各溝40は、2つの対向して位置付けられた壁96と、対向して位置付けられた壁96の間に延在する1つの側壁98とによって画定されてもよい。一実施形態において、対向して配置された壁96の各々は、略平行に延在してもよい。したがって、各溝40は、2つの対向して配置された壁96間の間隙92と、外側壁98及びリング構造体76の内面78から画定される高さ94とを画定することができる。更に、アンカーフレームセグメント60又はアンカー延長部は、溝40の各々を画定する上述の間隙92及び高さ94の対応する寸法よりも小さいサイズであり得る、概して正方形又は長方形の断面を画定するように延在してもよい。更に、リング構造体76の内径88は、二次ハブ34が軸38に沿って一次ハブ32の穴36の中へ、及び/又は穴36を通って容易に移動できるように、二次ハブ34の直径又は幅よりも大きくなるようにサイズ決めされてもよい。この構成では、二次ハブ34が一次ハブ32の穴36を通って移動するとき、一次ハブ32の整合部分41の溝40は、隣接して延在しているアンカーフレームセグメント60間の間隔及び整合を制御して、医療装置10を、例えば左心耳5の組織内又はそれに隣接する様々な位置に調整する際にアンカーフレームの様々な構成要素のもつれを最小限に抑えることができる。
【0031】
ここで、図8図8A、及び図9を参照すると、本明細書に記載される、医療装置送達システム14(図3)とともに実装され得る閉鎖栓フレーム100の別の実施形態が示されている。閉鎖栓フレーム100がシース22内で少なくとも部分的に締め付けられると、閉鎖栓フレーム100は、先に述べたように、シース22の内面102との抵抗を最小限に抑えることができる構造で延在することができる。例えば、閉鎖栓フレーム100は、各々が閉鎖栓フレーム100の近位端108から遠位端110に向かって半径方向外向きに延在し得る、複数の閉鎖栓フレームセグメント106とともに延在してもよい。閉鎖栓フレームセグメント104のうちのいくつかは、閉鎖栓フレーム100の閉鎖栓フレームアイレット106を画定し得る、遠位端に隣接する構造を画定し得る。閉鎖栓フレームアイレット106のそれぞれを画定するそのような構造は、閉鎖栓フレームアイレット106のうちの対応する1つにつながり、かつ隣接する閉鎖栓フレームセグメント104の一部の外側114に沿って延在するように画定され得る接線112の片側に沿って延在するように形成され得る。
【0032】
一実施形態では、閉鎖栓フレーム100は、ニチノール材料の平坦なシートから形成され、複数の閉鎖栓フレームセグメント104を形成するようにレーザ切断されてもよい。閉鎖栓フレーム100の閉鎖栓フレームセグメント104は、閉鎖栓フレームセグメント104の各々が軸116に対して半径方向外向きに延在し、閉鎖栓フレーム100の遠位端110に向かって一次ハブ32(図1A参照)に相互接続され得るように、所定の形状及び構成にヒートセットされてもよい。一実施形態では、閉鎖栓フレームセグメント104のうちの交互のセグメントは、それぞれ、細長い部分118、ネック部分120、及び閉鎖栓フレームアイレット106とともに延在してもよく、閉鎖栓フレームセグメント104のそれぞれは、最初に、それぞれが平坦なシート材料から一体型で継ぎ目のない一体構造として切断されるときに、共通に画定された平面内に、又はそれに沿って形成される。細長い部分118は、交差部分122まで遠位方向に延在してもよい。各閉鎖栓フレームセグメント104は、一対の細長い部分118とともに延在してもよい。閉鎖栓フレームアイレット106を有する閉鎖栓フレームセグメント104に関して、ネック部分120は、交差部分122から延在し、閉鎖栓フレームアイレット106まで遠位に延在し続けてもよい。ネック部分120は、閉鎖栓フレームアイレット106の構造よりも狭くてもよい。更に、ネック部分120は、ねじれ構造124で延在してもよい。ネック部分120内に画定されるそのようなねじれ構造124は、閉鎖栓フレームアイレット106の平坦構造を、閉鎖栓フレームセグメント104の残りの部分の平坦構造に対して約90度延在するようにねじる結果として、ヒートセットを介して形成され得る。一実施形態では、閉鎖栓フレームアイレット106は、閉鎖栓フレームアイレット106が90度ねじられると、閉鎖栓フレームアイレット106の構造が閉鎖栓フレームセグメント104の外側114に沿って画定された接線112の片側に沿って延在し得るように形成されてもよく、接線112は、閉鎖栓フレームセグメント104のネック部分120又は交差部分122に隣接した閉鎖栓フレームセグメント104に沿って延在する。この構成では、閉鎖栓フレーム100がシース22内で締め付けられると(本明細書で前述及び説明した実施形態と同様に、アンカーフレームセグメント60がヒンジ構成要素64を介して閉鎖栓フレームセグメント104に枢動可能に結合されている)、閉鎖栓フレームアイレット106は、接線に沿って、又は接線をわずかに超えて延在して、点接触を実質的に防止し、それによって、シース22の内面102に対する閉鎖栓フレーム100又は組織成長部材50に対する閉鎖栓フレーム100の抵抗を最小限に抑えることができる。図9に示されるように、簡略化のために、組織成長部材50は、最小化された破線で示され、2つの閉鎖栓フレームセグメント104及びそれらの関連するアンカーフレームセグメント60のみが、シース20内のそれらの拘束された形態で示される。このようにして、閉鎖栓フレームアイレット106を画定する構造が接線112の片側に形成されるので、閉鎖栓フレームセグメント104の構造は、シース22の内面102に対する抗力又は圧力が最小限に抑えられ、それによって、本明細書で説明するように、プッシャカテーテル16がシース22を通して医療装置を前進させるときのシース22の内面102に対する抵抗が最小限に抑えられる。
【0033】
ここで図10図12を参照すると、閉鎖栓フレーム130の別の実施形態は、所与の閉鎖栓フレームセグメント134のための一対の閉鎖栓フレームアイレット132を含み得る。前述の実施形態と同様に、閉鎖栓フレーム130は、近位端から遠位端に向かって半径方向外向きに延在している複数の閉鎖栓フレームセグメント134を含んでもよい。更に、閉鎖栓フレーム130の閉鎖栓フレームセグメント134の交互のものは、閉鎖栓フレーム130の遠位端に隣接する一対の閉鎖栓フレームアイレット132を含んでもよい。この実施形態では、閉鎖栓フレーム130の閉鎖栓フレームアイレット132の対のそれぞれは、閉鎖栓フレームアイレット132の対の間にアンカーフレームアイレット62のうちの1つを受容するようなサイズ及び構成であってもよい。更に、先の実施形態で図示及び説明したものと同様に、閉鎖栓フレームアイレット132の各々は、閉鎖栓フレームセグメント134のネック部分140に隣接する閉鎖栓フレームセグメント134の外側139に沿って画定された接線138の一方の側に沿って形成されてもよい。
【0034】
閉鎖栓フレームアイレット132を有する閉鎖栓フレームセグメント134の各々は、交差部分144まで遠位に延在し得る一対の細長い部分142を含んでもよい。交差部分144は、ネック部分140まで延在してもよい。ネック部分140は、第1の閉鎖栓アイレット146及び第2の閉鎖栓アイレット148などの、一対の閉鎖栓アイレット132まで延在してもよい。そのような閉鎖栓フレーム130は、第1の閉鎖栓フレームアイレット146及び第2の閉鎖栓フレームアイレット148が閉鎖栓フレーム130の残りの部分と同じ平面内に延在するように、ニチノールシート材料からレーザ切断されてもよい。当業者に公知の1つ以上の熱硬化プロセスを通して、閉鎖栓フレーム130は、図8に描写されるものと同様に、閉鎖栓フレーム130が閉鎖栓フレーム130の近位側から遠位側に向かって半径方向外向き及び遠位に延在するように成形されてもよい。更に、1つ以上の熱処理プロセスでは、第1の閉鎖栓フレームアイレット146及び第2の閉鎖栓フレームアイレット148は、例えば、第1のアイレット146及び第2のアイレット148の平坦構造が閉鎖栓フレーム130の対応するネック部分140の平坦構造に対して実質的に垂直に延在するように、反対の回転方向にねじられてもよい。したがって、第1の閉鎖栓フレームアイレット146及び第2の閉鎖栓フレームアイレット148は、その元のレーザ切断位置から約90度ねじられ得るねじれ位置に熱処理されてもよい。この構成では、第1の閉鎖栓フレームアイレット146及び第2の閉鎖栓フレームアイレット148は、それらの間に間隙150を画定するように延在してもよい。間隙150は、アンカーフレームアイレット62を画定するアンカーフレームセグメント60のうちの対応する1つを受容するようにサイズ決め及び構成されてもよい。したがって、アンカーフレームセグメント60の端部に隣接するアンカーフレームアイレット62を有するアンカーフレームセグメント60は、アンカーフレームセグメント60がヒンジ構成要素152によって閉鎖栓フレームセグメント134に連結され得るように、第1の閉鎖栓フレームアイレット146及び第2の閉鎖栓フレームアイレット148と整列されて配置されてもよい。すなわち、アンカーフレームアイレット62を画定する構造は、図12に示すように、ヒンジ構成要素152が各アイレットを通って延在することができるように、アンカーフレームアイレット62が第1の閉鎖栓フレームアイレット146及び第2の閉鎖栓フレームアイレット148と整列され得るように、第1の閉鎖栓フレームアイレット146と第2の閉鎖栓フレームアイレット148との間の間隙150内に配置されてもよい。
【0035】
アンカーフレームセグメント60が間隙150内で、対向する第1及の閉鎖栓フレームアイレット146と第2の閉鎖栓フレームアイレット148との間にヒンジ動作可能に結合された状態で、アンカーフレームセグメント60は、ヒンジ構成要素152を中心に枢動してもよい。更に、アンカーフレームセグメント60は、第1の閉鎖栓フレームアイレット146及び第2の閉鎖栓フレームアイレット148を画定する構造の間に挟まれ得るので、アンカーフレームセグメント60は、閉鎖栓フレームセグメント134に対するアンカーフレームセグメント60の横方向の移動又は揺れを制限することによって、より大きな制御で枢動してもよい。このようにして、アンカーフレームセグメント60は、より制御された方法でヒンジ構成要素152を中心に枢動することができる。この制御された枢動は、アンカーフレームセグメント60が対応する第1の閉鎖栓フレームアイレット146及び第2の閉鎖栓フレームアイレット148の間に挟まれているので、最小限の横方向移動を容易にし、これは、本明細書で前述したように(図1図1A図2、及び図2A参照)、アンカーフレーム44を後退位置と展開位置との間で移動させるために二次ハブ34が一次ハブ32を通って移動する際のアンカーフレームセグメント60の潜在的なもつれを更に最小限に抑えることができる。更に、前述のように、第1の閉鎖栓フレームアイレット146及び第2の閉鎖栓フレームアイレット148の各々は、第1の閉鎖栓フレームアイレット146及び第2の閉鎖栓フレームアイレット148に対応するネック部分140に沿って画定され得る接線の片側に沿って延在してもよい。したがって、シース22内で閉鎖栓フレーム130を収縮させると、シース22の内面に対する閉鎖栓フレームセグメント134の抵抗は、先の実施形態で説明したのと同様に最小化され得る。
【0036】
本発明には様々な修正及び代替的形態が考えられ得るが、特定の実施形態が図面に例として示されており、本明細書に詳細に記載されている。しかしながら、本発明は、開示された特定の形態に限定されることを意図したものではないことを理解されたい。寧ろ、本発明は、一実施形態の任意の部分と、別の実施形態、本発明の趣旨及び範囲に包含される全ての修正、均等物、及び代替物を組み合わせることを含む。
【0037】
〔実施の態様〕
(1) 心臓の左心耳を閉塞するための医療装置システムであって、
遠位端と近位端との間に延在しているプッシャカテーテルであって、前記近位端がハンドルに関連付けられている、プッシャカテーテルと、
前記プッシャカテーテルの前記遠位端に隣接して結合されるように構成された医療装置であって、前記医療装置が一次ハブ及び二次ハブを有し、フレームワークが前記一次ハブと前記二次ハブとの間に延在し、前記一次ハブが、前記一次ハブを通ってそれぞれ延在している穴及び軸を画定し、前記一次ハブが、前記ハブ内で前記穴に隣接して画定された溝を含み、前記フレームワークが、収縮位置と拡張位置との間で移動可能であるように構成されており、前記フレームワークが前記収縮位置と前記拡張位置との間で移動するときに、前記二次ハブが前記軸に沿って前記一次ハブの前記穴を通って移動し、前記溝は、前記二次ハブが前記一次ハブの前記穴を通って移動するときに前記フレームワークの一部分と整合するようにサイズ決め及び構成されている、医療装置と、を備える、医療装置システム。
(2) 前記フレームワークの前記一部分がそれぞれ、ワイヤ様構造で延在する、実施態様1に記載の医療装置システム。
(3) 前記溝が、前記一次ハブの前記軸に対して半径方向に離間されかつ半径方向に配置されるように前記一次ハブの遠位側に沿って配置されている、実施態様1に記載の医療装置システム。
(4) 前記フレームワークの前記一部分が、前記溝を通って摺動移動するように構成されている、実施態様1に記載の医療装置システム。
(5) 前記溝がリング構造体の内側に画定され、前記溝が前記一次ハブ内に画定された前記軸を取り囲むように配置されるよう、前記リング構造体が前記一次ハブの遠位側に結合されている、実施態様1に記載の医療装置システム。
【0038】
(6) 前記フレームワークが、閉鎖栓部分及びアンカー部分を画定するように延在し、前記二次ハブが前記軸に沿って移動するときに前記アンカー部分が枢動するように、前記アンカー部分が前記閉鎖栓部分に枢動可能に結合されている、実施態様1に記載の医療装置システム。
(7) 前記フレームワークが、前記フレームワークの近位側に隣接して配置された組織成長部材を含む、実施態様1に記載の医療装置システム。
(8) 心臓の左心耳を閉塞するための医療装置であって、
一次ハブと二次ハブとの間に延在しているフレームワークを備え、前記一次ハブが、前記一次ハブを通ってそれぞれ延在している穴及び軸を画定し、前記一次ハブが、前記ハブ内で前記穴に隣接して画定された溝を含み、前記フレームワークが、収縮位置と拡張位置との間で移動可能であるように構成されており、前記フレームワークが前記収縮位置と前記拡張位置との間で移動するときに、前記二次ハブが前記軸に沿って前記一次ハブの前記穴を通って移動し、前記溝は、前記二次ハブが前記一次ハブの前記穴を通って移動するときに前記フレームワークの一部分と整合するようにサイズ決め及び構成されている、医療装置。
(9) 前記フレームワークの前記一部分がそれぞれ、ワイヤ状構造で延在する、実施態様8に記載の医療装置。
(10) 前記溝が、前記一次ハブの前記軸に対して半径方向に離間されかつ半径方向に配置されるように前記一次ハブの遠位側に沿って配置されている、実施態様8に記載の医療装置。
【0039】
(11) 前記フレームワークの前記一部分が、前記溝を通って摺動移動するように構成されている、実施態様8に記載の医療装置。
(12) 前記溝が、リング構造体の内側に画定され、前記溝が前記一次ハブ内に画定された前記軸を取り囲むように配置されるよう、前記リング構造体が前記一次ハブの遠位側に結合されている、実施態様8に記載の医療装置。
(13) 前記フレームワークが、閉鎖栓部分及びアンカー部分を画定するように延在し、前記二次ハブが前記軸に沿って移動するときに前記アンカー部分が枢動するように、前記アンカー部分が前記閉鎖栓部分に枢動可能に結合されている、実施態様8に記載の医療装置。
(14) 前記フレームワークが、前記フレームワークの近位側に隣接して配置された組織成長部材を含む、実施態様8に記載の医療装置。
(15) 心臓の左心耳を閉塞するための方法であって、
一次ハブと二次ハブとの間に延在しているフレームワークを有する医療装置を提供することであって、前記一次ハブが、前記一次ハブを通ってそれぞれ延在している穴及び軸を画定し、前記二次ハブが、前記フレームワークを収縮位置と拡張位置との間で移動させるために前記軸に沿って移動可能であり、前記一次ハブが、前記ハブ内で前記一次ハブの前記穴に隣接して画定された溝を含む、ことと、
前記医療装置がプッシャカテーテルの遠位端に隣接して結合されるように、前記プッシャカテーテルを用いて前記左心耳に向かって前記血管系を通して前記医療装置を前進させることと、
前記フレームワークの一部分が、前記一部分と前記フレームワークとの整合を維持するために前記溝内部に維持されている状態で、前記二次ハブが前記一次ハブの前記穴を通って移動するように、前記医療装置を前記収縮位置と前記拡張位置との間で移動させることと、を含む、方法。
【0040】
(16) 前記移動させることが、前記一次ハブの前記軸に対して半径方向に離間されかつ半径方向に配置されるように前記一次ハブの遠位側に沿って配置された前記溝を通して前記一部分を移動させることを含む、実施態様15に記載の方法。
(17) 前記移動させることが、前記フレームワークの前記一部分を、前記溝を通してかつ前記溝に沿って摺動移動させることを含む、実施態様15に記載の方法。
(18) 前記提供することは、前記溝が内側に画定されたリング構造体を提供して、前記溝が前記一次ハブ内に画定された前記軸を取り囲むように配置されるよう、前記リング構造体が前記一次ハブの遠位側に結合されるようにすることを含む、実施態様15に記載の方法。
(19) 前記移動させることは、前記一部分がワイヤ状構造で延在するように、前記溝を通して前記一部分を移動させることを含む、実施態様15に記載の方法。
(20) 前記提供することが、前記フレームワークの近位側に隣接して配置された組織成長部材を提供することを含む、実施態様15に記載の方法。
【0041】
(21) 医療装置システムであって、
長手方向に延在するシースであって、前記シースの長さに沿って管腔及び軸を画定する、シースと、
近位端と遠位端との間で長手方向に延在しているプッシャカテーテルであって、前記近位端がハンドルと関連付けられ、前記プッシャカテーテルが、前記シースの前記管腔を通して移動するようにサイズ決め及び構成されている、プッシャカテーテルと、
前記プッシャカテーテルの前記遠位端に隣接して結合されるように構成された医療装置であって、前記医療装置が、収縮位置と展開位置との間で移動可能なフレームワークを含み、前記フレームワークが、一端に隣接して配置されたアイレットを有する細長い構造体を画定するように延在し、前記細長い構造体が、前記一端に隣接して前記細長い構造体に沿って接線方向に延在する線を画定し、前記アイレットが前記接線方向に延在する線の片側に沿って延在するように、前記アイレットが前記細長い構造体から延在する、医療装置と、を備え、
前記医療装置が前記収縮位置にあるとき、前記接線方向に延在する線の前記片側に沿って配置された前記アイレットは、前記シースの内面に対する前記医療装置の抵抗を最小限に抑える、医療装置システム。
(22) 前記フレームワークが、閉鎖栓フレーム及びアンカーフレームを画定するように延在し、前記閉鎖栓フレームが、前記アイレット構造体内に配置されたヒンジ構成要素によって前記アンカーフレームにヒンジ動作可能に結合されている、実施態様21に記載の医療装置システム。
(23) 前記アンカーフレームがアンカーフレームアイレットを備え、前記ヒンジ構成要素が前記アンカーフレームアイレット及び前記アイレット構造体の両方を通して配置されている、実施態様22に記載の医療装置システム。
(24) 前記アイレット構造体が、間に間隙を有する第1のアイレット及び第2のアイレットを備え、前記ヒンジ構成要素が前記第1のアイレット及び前記第2のアイレット並びに前記アンカーフレームアイレットのそれぞれを通って延在するように、前記アンカーフレームアイレットが前記間隙内に配置されている、実施態様23に記載の医療装置システム。
(25) シースの内面に対する抵抗を最小限に抑えるように構成された医療装置システムであって、前記医療装置システムが、
近位端と遠位端との間で長手方向に延在しているプッシャカテーテルであって、前記近位端がハンドルと関連付けられ、前記プッシャカテーテルが、前記シースの前記管腔を通して移動するようにサイズ決め及び構成されている、プッシャカテーテルと、
前記プッシャカテーテルの前記遠位端に隣接して結合されるように構成された医療装置であって、前記医療装置が、収縮位置と展開位置との間で移動可能なフレームワークを含み、前記フレームワークが、一端に隣接して配置されたアイレット構造体を有する細長い構造体を画定するように延在し、前記細長い構造体が、前記一端に隣接して前記細長い構造体に沿って接線方向に延在する線を画定し、前記アイレット構造体が前記接線方向に延在する線の片側に沿って延在するように、前記アイレット構造体が前記細長い構造体から延在する、医療装置と、を備え、
前記医療装置が前記収縮位置にあるとき、前記シースの前記内面に対する前記医療装置の抵抗を最小限に抑えるために、前記アイレットが前記接線方向に延在する線の前記片側に沿って配置されている、医療装置システム。
【0042】
(26) 前記フレームワークが、閉鎖栓フレーム及びアンカーフレームを画定するように延在し、前記閉鎖栓フレームが、前記アイレット構造体内に配置されたヒンジ構成要素によって前記アンカーフレームにヒンジ動作可能に結合されている、実施態様25に記載の医療装置システム。
(27) 前記アンカーフレームがアンカーフレームアイレットを備え、前記ヒンジ構成要素が前記アンカーフレームアイレット及び前記アイレット構造体の両方を通して配置されている、実施態様26に記載の医療装置システム。
(28) 前記アイレット構造体が、間に間隙を有する第1のアイレット及び第2のアイレットを備え、前記ヒンジ構成要素が前記第1のアイレット及び前記第2のアイレット並びに前記アンカーフレームアイレットのそれぞれを通って延在するように、前記アンカーフレームアイレットが前記間隙内に配置されている、実施態様27に記載の医療装置システム。
図1
図1A
図2
図2A
図3
図4
図5
図6
図7
図8-8A】
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】