(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-09
(54)【発明の名称】成形された空洞を備えたエアロゾル発生装置および抜き取り具
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20241226BHJP
A24F 40/46 20200101ALI20241226BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20241226BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/46
A24F40/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024540954
(86)(22)【出願日】2023-01-12
(85)【翻訳文提出日】2024-07-05
(86)【国際出願番号】 EP2023050606
(87)【国際公開番号】W WO2023135195
(87)【国際公開日】2023-07-20
(32)【優先日】2022-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100168871
【氏名又は名称】岩上 健
(72)【発明者】
【氏名】ボローニャ マッテオ
(72)【発明者】
【氏名】ファリーヌ マリー
(72)【発明者】
【氏名】ユテュリー ジェローム
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AC12
4B162AC13
4B162AC22
4B162AC50
(57)【要約】
エアロゾル発生装置(10)、エアロゾル発生装置のための抜き取り具(30)、およびエアロゾル形成基体(52)を受容するための空洞(20)を備えるエアロゾル発生システムであって、空洞(20)は、第一の端および対向する第二の端と、第一の端と第二の端との間の長さと、長さに対して垂直な断面とを有する。空洞(20)の断面の形状が、空洞(20)の長さに沿って変化する、空洞(20)の断面の表面積が、空洞(20)の長さに沿って変化する、および空洞(20)の断面の寸法が、空洞(20)の長さに沿って変化する、のうちの少なくとも一つである。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル形成基体を受容するための空洞を備えるエアロゾル発生装置であって、前記空洞が、
第一の端および対向する第二の端と、
前記第一の端と前記第二の端との間の長さと、
前記長さに対して垂直な断面と、を有し、
前記空洞の前記断面の形状が、前記空洞の前記長さに沿って変化する、
前記空洞の前記断面の表面積が、前記空洞の前記長さに沿って変化する、および、
前記空洞の前記断面の寸法が、前記空洞の前記長さに沿って変化する、のうちの少なくとも一つである、エアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記空洞の前記第一の端における前記断面の前記寸法が、前記空洞の前記第二の端における前記断面の前記寸法よりも大きい、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記空洞の前記第一の端における前記空洞の前記断面の前記表面積が、前記空洞の前記第二の端における前記空洞の前記断面の前記表面積よりも大きい、請求項1または請求項2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記空洞の前記断面の周囲が、前記空洞の前記長さに沿って実質的に一定のままである、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記第一の端における前記断面の形状が、実質的に円形であり、前記第二の端における前記断面の形状が、
実質的に三角形、
実質的に長円形または楕円形、および、
実質的に正方形または長方形、のうちの一つである、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記第一の端における前記空洞の前記断面の前記形状が、実質的に円形であり、前記第二の端における前記空洞の前記断面の前記形状が、実質的に三角形であり、前記エアロゾル発生装置が、前記第二の端において前記空洞の中へと延びるピン発熱体を備える、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記第一の端における前記空洞の前記断面の前記形状が、実質的に円形であり、前記第二の端における前記空洞の前記断面の前記形状が、実質的に長円形または楕円形であり、前記エアロゾル発生装置が、前記第二の端において前記空洞の中へと延びるブレード発熱体、または前記第二の端において前記空洞の中へと延びる二つのピン発熱体を備える、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記エアロゾル発生装置が、前記エアロゾル発生装置からエアロゾル形成基体を抜き取るための抜き取り具をさらに備え、前記抜き取り具が、前記エアロゾル形成基体を受容するための前記空洞を画定する本体を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
エアロゾル発生装置からエアロゾル形成基体を抜き取るための抜き取り具であって、前記抜き取り具が、前記エアロゾル形成基体を受容するための空洞を画定する本体を備え、前記空洞が、
第一の端および対向する第二の端と、
前記第一の端と前記第二の端との間の長さと、
前記長さに対して垂直な断面と、を有し、
前記空洞の前記断面の形状が、前記空洞の前記長さに沿って変化する、
前記空洞の前記断面の表面積が、前記空洞の前記長さに沿って変化する、および、
前記空洞の前記断面の寸法が、前記空洞の前記長さに沿って変化する、のうちの少なくとも一つである、抜き取り具。
【請求項10】
前記空洞の前記第一の端における前記断面の前記寸法が、前記空洞の前記第二の端における前記断面の前記寸法よりも大きい、請求項9に記載の抜き取り具。
【請求項11】
前記空洞の前記第一の端における前記空洞の前記断面の前記表面積が、前記空洞の前記第二の端における前記空洞の前記断面の前記表面積よりも大きい、請求項9または10に記載の抜き取り具。
【請求項12】
前記空洞の前記断面の周囲が、前記空洞の前記長さに沿って実質的に一定のままである、請求項9~11のいずれか一項に記載の抜き取り具。
【請求項13】
前記第一の端における前記断面の形状が、実質的に円形であり、前記第二の端における前記断面の形状が、
実質的に三角形、
実質的に長円形または楕円形、および、
実質的に正方形または長方形、のうちの一つである、請求項9~12のいずれか一項に記載の抜き取り具。
【請求項14】
エアロゾル発生システムであって、
エアロゾル形成基体と、
請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置と、を備える、エアロゾル発生システム。
【請求項15】
前記エアロゾル形成基体が、
第一の端および対向する第二の端と、
前記第一の端と前記第二の端との間の長さと、
前記長さに対して垂直な断面と、を有し、
前記エアロゾル形成基体が前記エアロゾル発生装置の前記空洞内に受容される前に、
前記エアロゾル形成基体の前記断面の形状が、前記エアロゾル形成基体の前記長さに沿って実質的に一定であり、かつ前記空洞の前記第一の端における前記空洞の前記断面の前記形状と実質的に類似しており、
前記エアロゾル形成基体の前記断面の寸法が、前記エアロゾル形成基体の前記長さに沿って実質的に一定であり、かつ前記空洞の前記第一の端における前記空洞の前記断面の前記形状と実質的に類似している、請求項14に記載のエアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生装置、エアロゾル発生装置のための抜き取り具、およびエアロゾル発生装置とエアロゾル発生物品とを備えるエアロゾル発生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一部の公知のエアロゾル発生システムは、電池などの電源、コントローラ、およびエアロゾル形成基体を加熱するための発熱体を有するエアロゾル発生装置を備える。一部の実施例において、エアロゾル形成基体は、たばこロッドまたはエアロゾル発生物品内に配設されたたばこプラグを含む。使用時、エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置の空洞の中に挿入され、発熱体は、エアロゾル形成基体を貫通するか、またはエアロゾル形成基体の外側の周りに配設される。電力が、電源から発熱体に供給されてエアロゾル形成基体を加熱し、エアロゾル形成基体の揮発性成分が、揮発されて放出され、凝縮してユーザーが吸入するエアロゾルを形成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一部のこうしたエアロゾル発生システムでは、エアロゾル発生物品は、類似の円筒状スティック様の構成を有する従来の紙巻たばこに似ている。こうした従来の紙巻たばこに対する類似性は、紙巻たばこを吸煙する作法に馴染みがあり得るエアロゾル発生システムのユーザーにとって望ましいことが多い。しかしながら、エアロゾル発生物品のこうした構成は、エアロゾル発生装置の発熱体を使用してエアロゾル形成基体を効率的または均等に加熱する目的において最適ではない場合がある。エアロゾル発生物品のこうした構成は、エアロゾル形成基体の領域が、所望するよりも低温に加熱されることをもたらし得る。これはまた、エアロゾル発生システムが所望の量のエアロゾルを発生するために、過剰なエアロゾル形成基体がエアロゾル発生物品に提供されることにつながり得る。
【0004】
発熱体からエアロゾル形成基体への改善された熱伝達を提供する、エアロゾル発生装置を提供することが望ましい。エアロゾル形成基体にわたる均等な加熱を可能にするエアロゾル発生装置を提供することが望ましい。所望の量のエアロゾルを発生するために最小限の質量のエアロゾル形成基体を使用することを可能にする、エアロゾル発生装置を提供することが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】本開示の一実施形態によるエアロゾル発生装置を通した断面の概略図を示し、エアロゾル発生装置は、円形状の断面を有する第一の端と、長円形状の断面を有する第二の端とを有する空洞を備える。
【
図2】
図1に対して90度回転させた、
図1のエアロゾル発生装置の一部分を通した断面の概略図を示す。
【
図3】空洞の開いた第一の端から装置の空洞の中を見た、
図1のエアロゾル発生装置の平面図の概略図を示す。
【
図4】エアロゾル形成基体を備えるエアロゾル発生物品の概略図を示し、エアロゾル発生物品は、
図1のエアロゾル発生装置とともに使用して、本開示の一実施形態によるエアロゾル発生システムを形成するのに好適である。
【
図5】
図1のエアロゾル発生装置と
図4のエアロゾル発生物品とを備えるエアロゾル発生システムの概略図を示し、エアロゾル発生物品の一部分は、エアロゾル発生装置の空洞内に受容されている。
【
図6】本開示の別の実施形態によるエアロゾル発生装置を通した断面の概略図を示し、エアロゾル発生装置は、円形状の断面を有する第一の端と、長円形状の断面を有する第二の端とを有する空洞を画定する抜き取り具を備える。
【
図7】
図6のエアロゾル発生装置の抜き取り具の概略図を示す。
【
図8】抜き取り具が、エアロゾル発生装置のハウジング上に受容され、かつ抜き取り具が、装置の発熱体が抜き取り具の空洞の中へと延びない第二の位置に配設される、
図6のエアロゾル発生装置の概略図を示す。
【
図9】
図6のエアロゾル発生装置と、
図4のエアロゾル発生物品とを備えるエアロゾル発生システムの概略図を示し、抜き取り具は、エアロゾル発生装置のハウジング上に受容され、抜き取り具は、装置の発熱体が、抜き取り具の空洞の中へと延び、かつエアロゾル発生装置の一部分が抜き取り具の空洞内に受容されている第一の位置に配設されている。
【
図10】(a)は、空洞の開いた第一の端から抜き取り具の空洞の中を見た、
図6のエアロゾル発生装置の抜き取り具の平面図の概略図を示し、(b)は、
図6のエアロゾル発生装置の抜き取り具の側面図の概略図を示し、(c)は、
図10bに対して90度回転させた、
図6のエアロゾル発生装置の抜き取り具の別の側面図の概略図を示す。
【
図11】(a)は、
図6のエアロゾル発生装置での使用に好適である、空洞の開いた第一の端から抜き取り具の空洞の中を見た、本開示による抜き取り具の別の実施形態の平面図の概略図を示し、(b)は、(a)の抜き取り具の側面図の概略図を示し、(c)は、(b)に対して90度回転させた、(a)の抜き取り具の別の側面図の概略図を示す。
【
図12】(a)は、
図6のエアロゾル発生装置での使用に好適である、空洞の開いた第一の端から抜き取り具の空洞の中を見た、本開示による抜き取り具の別の実施形態の平面図の概略図を示し、(b)は、(a)の抜き取り具の側面図の概略図を示し、(c)は、(b)に対して90度回転させた、(a)の抜き取り具の別の側面図の概略図を示す。
【
図13】(a)は、
図6のエアロゾル発生装置での使用に好適である、空洞の開いた第一の端から抜き取り具の空洞の中を見た、本開示による抜き取り具の別の実施形態の平面図の概略図を示し、(b)は、(a)の抜き取り具の側面図の概略図を示し、(c)は、(b)に対して90度回転させた、(a)の抜き取り具の別の側面図の概略図を示す。
【
図14】(a)は、
図6のエアロゾル発生装置での使用に好適である、空洞の開いた第一の端から抜き取り具の空洞の中を見た、本開示による抜き取り具の別の実施形態の平面図の概略図を示し、(b)は、(a)の抜き取り具の側面図の概略図を示し、(c)は、(b)に対して90度回転させた、(a)の抜き取り具の別の側面図の概略図を示す。
【
図15】(a)は、
図6のエアロゾル発生装置での使用に好適である、空洞の開いた第一の端から抜き取り具の空洞の中を見た、本開示による抜き取り具の別の実施形態の平面図の概略図を示し、(b)は、(a)の抜き取り具の側面図の概略図を示す。
【
図16】(a)は、
図6のエアロゾル発生装置での使用に好適である、空洞の開いた第一の端から抜き取り具の空洞の中を見た、本開示による抜き取り具の別の実施形態の平面図の概略図を示し、(b)は、(a)の抜き取り具の側面図の概略図を示す。
【
図17】(a)は、
図6のエアロゾル発生装置での使用に好適である、空洞の開いた第一の端から抜き取り具の空洞の中を見た、本開示による抜き取り具の別の実施形態の平面図の概略図を示し、(b)は、(a)の抜き取り具の側面図の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本開示によると、エアロゾル形成基体を受容するための空洞を備えるエアロゾル発生装置が提供されている。空洞は、第一の端を有してもよい。空洞は、第一の端の反対側に第二の端を有してもよい。空洞は、第一の端と第二の端との間に長さを有してもよい。空洞は、長さに対して垂直な断面を有してもよい。空洞の断面の形状は、空洞の長さに沿って変化してもよい。空洞の断面の表面積は、空洞の長さに沿って変化してもよい。空洞の断面の寸法は、空洞の長さに沿って変化してもよい。
【0007】
一部の実施形態では、空洞の断面の形状は、空洞の長さに沿って変化する。一部の実施形態では、空洞の断面の表面積は、空洞の長さに沿って変化する。一部の実施形態では、空洞の断面の寸法は、空洞の長さに沿って変化する。一部の実施形態では、空洞の断面の形状、空洞の断面の表面積、および空洞の断面の寸法のうちの一つ以上は、空洞の長さに沿って変化する。
【0008】
空洞の断面の形状および空洞の長さに沿った空洞の寸法のうちの少なくとも一つは、エアロゾル形成基体が、第一の構成で提供され、その後、第二の構成で空洞の中へと挿入される時に変形することを可能にし得る。特に、エアロゾル形成基体がエアロゾル発生物品内に提供される場合、エアロゾル発生物品には、ユーザーにとって馴染みのある、かつ望ましい従来の紙巻たばこに類似した構成が提供されてもよく、その後、エアロゾル発生物品内のエアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の空洞の中へと挿入されたときに変形して、エアロゾル形成基体の形態を最適化し、発熱体からエアロゾル形成基体への熱の伝達を改善し得る。例えば、エアロゾル形成基体の密度は、エアロゾル形成基体の変形によって修正され、所望の温度に加熱することが困難である、エアロゾル発生装置の発熱体から離れて位置付けられるエアロゾル形成基体の周辺部分を最小限にし得る。有利なことに、エアロゾル発生装置内のエアロゾル形成基体の形態を最適化して発熱体からエアロゾル形成基体への熱伝達を改善することは、エアロゾル形成基体の特定の質量から発生され得るエアロゾルの量を増大させ得る。したがって、エアロゾル発生装置内のエアロゾル形成基体の形態を最適化することは、所望の量のエアロゾルが、最小限の質量のエアロゾル形成基体を使用して生成されることを可能にし得る。
【0009】
本明細書で使用される「エアロゾル発生装置」は、エアロゾル形成基体と相互作用してエアロゾルを発生する装置を指す。
【0010】
本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」は、冷却されてエアロゾルを形成し得る揮発性化合物を放出する能力を有する基体に関する。こうした揮発性化合物は、エアロゾル形成基体を加熱することによって放出され得る。エアロゾル形成基体の加熱によって形成されたエアロゾルは、エアロゾル形成基体の燃焼または熱分解によって生成されるよりも少ない既知の有害成分を含有しうる。
【0011】
エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品の一部であってもよい。
【0012】
本明細書で使用される「エアロゾル発生物品」は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有するエアロゾル形成基体を備える物品を指す。例えば、エアロゾル発生物品は、ユーザーの口を通ってユーザーの肺に直接吸入可能なエアロゾルを発生する物品であってもよい。エアロゾル発生物品は、使い捨てであってもよい。エアロゾル発生物品は、エアロゾルを形成できる揮発性化合物を放出するために、燃焼ではなく加熱されることが意図されるエアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品である、加熱式エアロゾル発生物品であることが好ましい。エアロゾル発生物品は、たばこスティックとしうるか、またはそれを含みうる。
【0013】
エアロゾル発生装置の空洞は、任意の好適な形状およびサイズを有してもよい。空洞は、第一の端と、第一の端とは反対側に第二の端とを有する。空洞は、第一の端と第二の端との間に延びる長さを有する。空洞はまた、空洞の長さに対して垂直な方向に延びる断面を有する。空洞は、空洞の長さに沿った各点に断面を有する。
【0014】
空洞の各断面は、空洞の長さに対して垂直な方向に延びる平面によって形成される。空洞の各断面は、幅または直径、表面積、および周囲を有し得る。本明細書で使用される場合、空洞の断面の幅は、断面を形成する平面上の空洞の二つの対向する側面間の距離である。本明細書で使用される場合、空洞の断面の周囲は、断面を形成する平面上の空洞の境界を形成する線の長さである。本明細書で使用される場合、空洞の断面の表面積は、断面の周囲によって画定される面積のサイズである。
【0015】
空洞の断面の寸法は、空洞の長さに沿って変化してもよい。空洞の断面の寸法は、空洞の断面の幅であることが好ましい。断面が円形である場合、断面の寸法は、空洞の断面の直径であってもよい。断面が円形でない場合、寸法は、空洞の断面の長幅であってもよい。断面の長幅は、断面の最大幅である。断面が円形でない場合、寸法は、空洞の断面の短幅であってもよい。断面の短幅は、断面の最小幅である。
【0016】
空洞の断面の形状が空洞の長さに沿って変化しない場合、空洞の長さに沿って変化する寸法は、空洞の断面と同じ寸法であってもよい。例えば、寸法は、断面の短幅であってもよい。空洞の長さに沿って変化する寸法は、空洞の各断面に対して同じ方向に延びてもよい。
【0017】
空洞の断面の形状が空洞の長さに沿って変化する場合、空洞の長さに沿って変化する空洞の断面の寸法は、空洞の断面の最小幅であってもよい。例えば、空洞が円形状断面を有する部分および長円形状断面を有する部分を含む場合、円形状断面の寸法は、円の直径であってもよく、長円形状断面の寸法は、長円の短径であってもよい。空洞の断面の形状が空洞の長さに沿って変化する場合、空洞の長さに沿って変化する寸法は、空洞の断面の最大寸法であってもよい。
【0018】
一部の実施形態では、空洞の第一の端における断面の寸法は、空洞の第二の端における断面の寸法よりも大きい。別の言い方をすれば、空洞の第二の端における断面の寸法は、空洞の第一の端における断面の寸法未満であってもよい。例えば、空洞の第一の端における断面の幅は、空洞の第二の端における断面の幅よりも大きくてもよい。これらの実施形態では、エアロゾル形成基体が第一の端において空洞の中へと挿入され、かつ第二の端へと移動すると、エアロゾル形成基体は、第一の端から第二の端へと移動するにつれて圧縮され得る。エアロゾル形成基体を圧縮することは、空洞の第二の端におけるエアロゾル形成基体の密度を増加させ、発熱体からエアロゾル形成基体のすべての部分への熱伝達を促進し、これは有利なことに、エアロゾル形成基体にわたる均等な加熱をもたらし得る。
【0019】
一部の実施形態では、空洞の断面の表面積は、空洞の長さに沿って変化する。一部の好ましい実施形態では、空洞の第一の端における空洞の断面の表面積は、空洞の第二の端における空洞の断面の表面積よりも大きい。言い換えれば、第二の端における空洞の断面の表面積は、第一の端における空洞の断面の表面積未満であってもよい。有利なことに、こうした構成は、空洞の第一の端から第二の端へと移動する際のエアロゾル形成基体の圧縮につながり、発熱体からエアロゾル形成基体のすべての部分への熱伝達を促進し得る。
【0020】
空洞の長さに沿った空洞の各断面の周囲は、実質的に一定のままであることが好ましい。言い換えれば、空洞の断面の境界を形成する線の長さは、実質的に空洞の長さに沿った各点で一定のままであり得る。空洞の第一の端における断面の周囲および空洞の第二の端における断面の周囲は、同じであってもよい。空洞の第一の端における断面および空洞の第二の端における断面は、等周であってもよい。空洞の長さに沿った空洞の断面の周囲は、実質的にエアロゾル形成基体の断面の周囲またはエアロゾル発生物品と同じであることが好ましい。
【0021】
一部の実施形態では、空洞の第二の端における断面の寸法は、空洞の第二の端における断面の周囲が空洞の第一の端における断面の周囲と同じであることを確保するために、空洞の第一の端における断面の寸法よりも大きい。例えば、空洞の第一の端における断面が円形であり、空洞の第二の端における断面が長円形である場合、空洞の第二の端における長円形断面の長径は、空洞の第一の端における円形断面の直径よりも大きくてもよい。
【0022】
エアロゾル発生物品が紙から形成された外側ラッパーなどの外側ラッパーを備える場合、外側ラッパーは、空洞の長さに沿った任意の点における空洞の断面の周囲がエアロゾル発生物品の断面の周囲未満である場合、エアロゾル発生物品が空洞の中へと挿入された時に捲縮またはしわを生じ得る。有利なことに、実質的にエアロゾル発生物品の断面の周囲と同じであるか、またはエアロゾル発生物品の断面の周囲よりも大きな、空洞の長さに沿った周囲を有する断面を空洞に提供することにより、エアロゾル発生物品が空洞の中へと挿入された時の、エアロゾル発生物品の外側ラッパーの捲縮またはしわが実質的に防止または抑制され得る。有利なことに、空洞の長さに沿って空洞の断面に対して実質的に一定の周囲を維持することは、エアロゾル発生物品が空洞の中へと挿入され、かつ第一の端から第二の端へと移動する時に、エアロゾル発生物品の外側ラッパーの捲縮またはしわを実質的に防止または抑制し得る。
【0023】
空洞の長さに沿った任意の点における空洞の断面の周囲が、エアロゾル発生物品の断面の周囲未満であり、エアロゾル発生物品が外側ラッパーを備える場合、エアロゾル発生物品の外側ラッパーは、エアロゾル発生物品が空洞内に受容された時の外側ラッパーの捲縮およびしわを防止または抑止するために、一つ以上の切り込みまたはスリットを含んでもよい。一つ以上の切り込みまたはスリットは、実質的にエアロゾル発生物品の長さの方向に延びてもよい。
【0024】
本開示の一部の好ましい実施形態によると、エアロゾル形成基体を受容するための空洞を備えるエアロゾル発生装置が提供されている。空洞は、第一の端および対向する第二の端と、第一の端と第二の端との間の長さと、長さに対して垂直な断面とを有する。これらの好ましい実施形態では、空洞の断面の表面積は、空洞の長さに沿って変化し、空洞の断面の周囲は、実質的に空洞の長さに沿って一定のままである。これらの好ましい実施形態の一部では、空洞の断面の形状は、空洞の長さに沿って変化する。
【0025】
第一の端における空洞の断面は、任意の好適な形状を有してもよい。例えば、第一の端における空洞の断面は、実質的に円形、楕円形、正方形、三角形、または六角形であってもよい。第一の端における空洞の断面は、任意の多角形形状を有してもよい。第一の端における空洞の断面の形状が角部を有する場合、角部は丸みがあってもよい。第一の端における空洞の断面は、実質的に円形であることが好ましい。
【0026】
第二の端における空洞の断面は、任意の好適な形状を有してもよい。例えば、第二の端における空洞の断面は、実質的に円形、楕円形、正方形、三角形、または六角形であってもよい。第二の端における空洞の断面は、任意の多角形形状を有してもよい。第二の端における空洞の断面の形状が角部を有する場合、角部は丸みがあってもよい。
【0027】
一部の実施形態では、第二の端における空洞の断面の形状は、複数の一致する形状を含む。言い換えれば、第二の端における空洞の断面の形状は、同じ形状および寸法を有する複数の形状から成る。一部の好ましい実施形態では、第二の端における断面の形状は、二つの一致する円を含む。一部の実施形態では、第二の端における断面の形状は、二つの一致する長円または楕円を含む。一部の実施形態では、複数の一致する形状は、部分的に重複している。例えば、第二の端における空洞の断面の形状が二つの一致する円を含む場合、第二の端における空洞の断面の形状は、八の字を形成し得る。
【0028】
一部の好ましい実施形態では、第一の端における空洞の断面の形状は、実質的に円形であり、第二の端における空洞の断面の形状は、二つの一致する円を含む。
【0029】
一部の実施形態では、第一の端における空洞の断面の形状は、実質的に第二の端における空洞の断面の形状と類似している。第一の端における空洞の断面の形状は、第二の端における空洞の断面の形状と同一であってもよい。
【0030】
一部の実施形態では、第一の端における空洞の断面の形状は、第二の端における空洞の断面の形状とは異なる。一部の好ましい実施形態では、第一の端における断面の形状は、実質的に円形であり、第二の端における断面の形状は、実質的に三角形であり、正三角形を形成することが好ましい。一部の好ましい実施形態では、第一の端における断面の形状は、実質的に円形であり、第二の端における断面の形状は、実質的に長円形または楕円形である。一部の実施形態では、第一の端における断面の形状は、実質的に円形であり、第二の端における断面の形状は、実質的に正方形または長方形である。
【0031】
空洞の断面の形状が角部を含む場合、角部は丸みがあってもよい。例えば、空洞の断面の形状が三角形である場合、三角形の三つの角部は丸みがあってもよい。空洞の断面の角部を丸めることにより、空洞のクリーニングが容易になり得る。
【0032】
第一の端における空洞の断面の形状が第二の端における空洞の断面の形状とは異なる場合、空洞の断面の周囲は、実質的に空洞の長さに沿って一定のままであることが好ましい。言い換えれば、第一の端における空洞の断面および第二の端における空洞の断面は、等周である。
【0033】
一部の実施形態では、第二の端における空洞は、一つ以上の突出部を含む。一つ以上の突出部は、エアロゾル形成基体の空洞内の保持を容易にし得る。一部の好ましい実施形態では、一つ以上の突出部は、隆起を含み得る。隆起は、実質的に空洞の長さの方向に延びてもよい。隆起は、空洞の周囲の周りに延びてもよい。
【0034】
空洞の第一の端の断面は、空洞の第二の端の断面を区切り得ることが好ましい。言い換えれば、空洞の第二の端の断面は、空洞の第一の端の断面内に完全に嵌合し得る。例えば、空洞の第一の端が実質的に円形断面を有し、空洞の第二の端が実質的に三角形断面を有する場合、空洞の第二の端の三角形断面は、空洞の第一の端の円形断面によって角部で切頭されてもよい。空洞の第二の端の三角形断面は、丸みのある角部を有してもよく、各丸みのある角部は、空洞の第一の端の円形断面の半径と等しい半径を有してもよい。
【0035】
空洞の第一の端の断面および空洞の第二の端の断面は、中央長軸方向軸上に同軸に配設されることが好ましい。
【0036】
空洞は、空洞の第一の端から延びる第一の端部分を含み得る。空洞は、空洞の第二の端から延びる第二の端部分を含み得る。第一の端部分は、第一の端部分と第二の端部分との間の交差部へと延びてもよい。第二の端部分は、第一の端部分と第二の端部分との間の交差部へと延びてもよい。第一の端部分は、第一の端部分と第二の端部分との間の交差部で終端してもよい。第二の端部分は、第一の端部分と第二の端部分との間の交差部で終端してもよい。
【0037】
空洞の第一の端部分と空洞の第二の端は、中央長軸方向軸上に同軸に配設されることが好ましい。
【0038】
空洞の断面の形状は、第一の端と第一の端部分と第二の端部分との間の交差部との間で実質的に同一であってもよい。空洞の断面の寸法は、第一の端と第一の端部分と第二の端部分との間の交差部との間で実質的に同一であってもよい。言い換えれば、空洞の断面は、第一の端部分と、第一の端部分と第二の端部分との間の交差部との間で一定のままであってもよい。
【0039】
空洞の断面の形状は、第二の端と第一の端部分と第二の端部分との間の交差部との間で実質的に同一であってもよい。空洞の断面の寸法は、第二の端と第一の端部分と第二の端部分との間の交差部との間で実質的に同一であってもよい。言い換えれば、空洞の断面は、第二の端部分と、第一の端部分と第二の端部分との間の交差部との間で一定のままであってもよい。
【0040】
空洞の断面の形状は、第一の端部分と第二の端部分との間の交差部において変化してもよい。空洞の断面の形状は、第一の端部分と第二の端部分との間の交差部において段階的に変化してもよい。空洞の断面の寸法は、第一の端部分と第二の端部分との間の交差部において変化してもよい。空洞の断面の寸法は、第一の端部分と第二の端部分との間の交差部において段階的に変化してもよい。別の言い方をすれば、第一の端部分と第二の端部分との間の交差部は、面取りされてもよい。こうした段階的な変化、または面取りは、空洞の第一の端から空洞の第二の端へと移動する際のエアロゾル形成基体の変形を促進し得る。
【0041】
第一の端部分と第二の端部分との間の交差部は、交差領域であり得る。交差領域は、空洞の長さの一部分に沿って延びてもよい。空洞の断面の形状は、交差領域の長さにわたって変化してもよい。空洞の断面の形状は、交差領域の長さにわたって段階的に変化してもよい。空洞の断面の寸法は、交差領域の長さにわたって変化してもよい。空洞の断面の寸法は、交差領域の長さにわたって段階的に変化してもよい。有利なことに、交差領域における空洞の断面は、第一の端部分から第二の端部分へと段階的に変化して、第一の端において空洞の中へと挿入され、第二の端部分へとの移動されるエアロゾル形成基体の変形を促進し得る。
【0042】
一部の実施形態において、エアロゾル発生装置は発熱体を備える。発熱体は任意の適切な形態を取ってもよい。
【0043】
いくつかの実施形態では、発熱体は抵抗発熱体を含みうる。使用中、電流が抵抗発熱体に供給され、抵抗加熱によって熱を発生させる。
【0044】
抵抗発熱体を形成するための適切な材料としては、ドープされたセラミックなどの半導体、「導電性」セラミック(例えば、二ケイ化モリブデンなど)、炭素、黒鉛、金属、金属合金、並びにセラミック材料および金属材料で作製された複合材料が含まれるが、これらに限定されない。こうした複合材料は、ドープされたまたはドープされていないセラミックを含んでもよい。適切なドープされたセラミックの例としては、ドープされた炭化ケイ素が含まれる。適切な金属の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル、および白金族の金属が挙げられる。適切な金属合金の例としては、ステンレス鋼、ニッケル含有、コバルト含有、クロム含有、アルミニウム含有、チタン含有、ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオビウム含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、および鉄含有合金、並びにニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)、並びに鉄-マンガン-アルミニウム系合金が挙げられる。
【0045】
一部の実施形態では、抵抗発熱体は、電気抵抗性材料(ステンレス鋼など)の一つ以上のスタンプ加工された部分を備える。あるいは、抵抗発熱体は、加熱ワイヤまたはフィラメント(例えば、Ni-Cr(ニッケル-クロム)、白金、タングステンもしくは合金のワイヤ)を備えてもよい。
【0046】
発熱体は、電気的に絶縁された基体を備えてもよく、抵抗発熱体は、電気的に絶縁された基体上に提供される。電気的に絶縁された基体は、ジルコニアまたはアルミナなどの、セラミック材料であってもよい。好ましくは、電気的に絶縁された基体は、約2ワット毎メートル毎ケルビン以下の熱伝導率を有する。
【0047】
一部の実施形態では、発熱体は、誘導発熱体を含み得る。誘導発熱体は、サセプタ材料を含み得る。使用中、変化する磁界が誘導発熱体に供給され、誘導発熱体は、変化する磁界を有する誘導発熱体の貫通時に渦電流誘導およびヒステリシス損失を介して熱を発生する。これらの実施形態では、典型的には、インダクタコイルは、誘導発熱体を取り囲み、変化する電流が、インダクタコイルに供給されて、変化する磁界を発生させる。インダクタコイルは、空洞を取り囲んでもよい。インダクタコイルは、空洞の第二の端部分を取り囲んでもよい。
【0048】
本明細書で使用される「サセプタ材料」は、電磁エネルギーを熱に変換する能力を有する材料を指す。サセプタ材料が交流電磁場によって貫通されると、サセプタが加熱される。サセプタ素子の加熱は、サセプタ材料の電気的特性および磁性に依存して、サセプタ内で誘発されるヒステリシス損失および渦電流のうちの少なくとも一つの結果であり得る。
【0049】
誘導発熱体は、任意の好適な材料を含み得る。誘導発熱体は、揮発性化合物をエアロゾル形成基体から放出するのに十分な温度に誘導加熱され得る任意の材料から形成されてもよい。誘導発熱体に好適な材料としては、黒鉛、モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス鋼、ニオブ、アルミニウム、ニッケル、ニッケル含有化合物、チタン、および金属材料の複合材料が挙げられる。誘導発熱体は、金属または炭素を含み得ることが好ましい。有利なことに、誘導発熱体は、強磁性材料、例えばフェライト鉄、強磁性鋼またはステンレス鋼などの強磁性合金、強磁性粒子、およびフェライトを含むか、またはその強磁性材料からなり得る。
【0050】
一部の好ましい実施形態では、発熱体は、エアロゾル形成基体を貫通するように構成される。これらの実施形態では、発熱体は、空洞の中へと延びることが好ましい。発熱体は、第二の端において空洞の中へと延びることが好ましい。一部の実施形態では、発熱体は、細長い発熱体であってもよい。発熱体は、ブレード形状であってもよい。発熱体は、ピン形状であってもよい。発熱体は円錐形状であってもよい。
【0051】
一部の実施形態では、発熱体は、空洞内に受容されたエアロゾル形成基体の外表面の周りに延びるように配設されてもよい。発熱体は、管状形状を有してもよい。発熱体は、電気的に絶縁された基体と、電気的に絶縁された基体上の少なくとも一つの抵抗加熱トラックとを含み得る。電気的に絶縁された基体は、可撓性のシートを備えてもよい。例えば、発熱体は、平坦な状態で形成され、その後、管状形状へと巻かれてもよい。電気的に絶縁された基体は、ポリイミドフィルムを備えてもよい。少なくとも一つの抵抗加熱トラックは、少なくとも一つの金属または金属合金を含んでもよい。適切な金属の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル、および白金族の金属が挙げられる。適切な金属合金の例としては、ステンレス鋼、ニッケル含有、コバルト含有、クロム含有、アルミニウム含有、チタン含有、ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオビウム含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、および鉄含有合金、並びにニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)、並びに鉄-マンガン-アルミニウム系合金が挙げられる。
【0052】
空洞が第一の端部分および第二の端部分を備える場合、発熱体の長さは、空洞の第二の端部分の長さと実質的に類似しているか、または空洞の第二の端部分の長さ未満であることが好ましい。発熱体の長さは、実質的に空洞の第二の端部分の長さと同じであってもよい。発熱体の長さは、空洞の第二の端部分の長さ未満であってもよい。発熱体が第二の端から空洞の中へと延びる場合、発熱体は、空洞の第二の端部分の中へと延びることが好ましい。発熱体は、空洞の第二の端部分の中へと延びてもよく、第一の端部分と第二の端部分との間の交差部で、またはその周りで終端してもよい。発熱体が空洞を取り囲む場合、発熱体は、空洞の第二の端部分を取り囲むことが好ましい。発熱体は、空洞の第二の端部分を取り囲み、空洞の第一の端部分を囲まない場合がある。
【0053】
一部の実施形態では、エアロゾル発生装置は、第二の端において空洞の中へと延びるピン発熱体を備える。ピン発熱体は、主に一方向に延び、一方の端にエアロゾル形成基体を穿孔するための点を有する細長い発熱体であってもよい。ピン発熱体は、実質的に空洞の長さの方向に空洞の中へと延びてもよい。ピン発熱体は、空洞内に受容されたエアロゾル形成基体を貫通するように構成されてもよい。
【0054】
ピン発熱体を備える一部の好ましい実施形態では、空洞の第一の端における断面の形状は、実質的に円形であり、空洞の第二の端における断面の形状は、実質的に三角形である。空洞の第一の端の円形断面は、空洞の第二の端の三角形断面を区切ることが好ましい。空洞の第一の端の円形断面および空洞の第二の端の三角形断面は、中央長軸方向軸上に同軸に配設され得る。ピン発熱体は、中央長軸方向軸に沿って延びてもよい。
【0055】
有利なことに、実質的に三角形断面を有する第二の端を有する空洞を提供することは、実質的に円形であり、かつ類似の寸法を有する断面を有する第二の端を有する空洞と比較して、ピン発熱体からエアロゾル形成基体への熱の伝達を改善し得る。これは、ピン発熱体から最も遠いように配設されるエアロゾル形成基体の割合が、円形断面を有する空洞と比較して、三角形断面を有する空洞について減少するためである。さらに、エアロゾル形成基体の密度は、空洞の第二の端に再分配され、ピン発熱体と三角形断面の平坦な側面との間により高い密度、およびピン発熱体から最も遠い三角形断面の角部により低い密度を提供する。有利なことに、三角形断面を有する第二の端を有する空洞を提供することにより、所望の量のエアロゾルを発生するために必要なエアロゾル形成基体の質量を減少することが可能になり得る。
【0056】
一部の好ましい実施形態では、エアロゾル発生装置は、第二の端において空洞の中へと延びる二つのピン発熱体を備える。各ピン発熱体は、実質的に空洞の長さの方向に空洞の中へと延びてもよい。各ピン発熱体は、空洞内に受容されたエアロゾル形成基体を貫通するように構成されてもよい。
【0057】
二つのピン発熱体を有する一部の好ましい実施形態では、空洞の第一の端における断面の形状は、実質的に円形であり、空洞の第二の端における断面の形状は、実質的に長円形または楕円形である。空洞の第一の端の円形断面は、空洞の第二の端の長円形または楕円形断面を区切ることが好ましい。空洞の第一の端の円形断面および空洞の第二の端の長円形または楕円形断面は、中央長軸方向軸上に同軸に配設されてもよい。ピン発熱体は、中央長軸方向軸と平行に延びてもよい。
【0058】
第二の端における空洞の長円形または楕円形断面は、長径を有してもよい。第二の端における空洞の長円形または楕円形断面が長径を有する場合、二つのピン発熱体は、長径を通って延びてもよい。有利なことに、ピン発熱体のこの配設は、ピン発熱体から空洞の第二の端に配設されたエアロゾル形成基体への改善された熱伝達を可能にし得る。
【0059】
第二の端における空洞の長円形または楕円形断面は、二つの焦点を有し得る。長円形または楕円形断面が二つの焦点を有する場合、各ピン発熱体は、焦点のうちの一つを通って延びてもよい。有利なことに、ピン発熱体のこの配設は、ピン発熱体から空洞の第二の端に配設されたエアロゾル形成基体への改善された熱伝達を可能にし得る。
【0060】
一部の好ましい実施形態では、エアロゾル発生装置は、複数のピン発熱体を備える。複数のピン発熱体の各々は、第二の端において空洞の中へと延びてもよい。エアロゾル発生装置が複数の発熱体を備える場合、第二の端における空洞の断面の形状は、複数の一致する形状を含み得る。ピン発熱体の数は、第二の端における空洞の断面の形状を含む一致する形状の数と同じであってもよい。これらの実施形態では、複数のピン発熱体の各々は、複数の一致する形状のうちの一つの中心を通って延びることが好ましい。例えば、エアロゾル発生装置は、第二の端において空洞の中へと延びる二つのピン発熱体を備えてもよく、第二の端における空洞の断面の形状は、二つの一致する円を含んでもよく、ピン発熱体の各々は、一致する円のうちの一つの中心を通って延びてもよい。
【0061】
一部の好ましい実施形態では、エアロゾル発生装置は、第二の端において空洞の中へと延びるブレード発熱体を備える。ブレード発熱体は、主に一平面に延び、一方の端にエアロゾル形成基体を穿孔するための点を有する細長い発熱体であってもよい。ブレード発熱体は、実質的に空洞の長さの方向に空洞の中へと延びてもよい。ブレード発熱体は、空洞内に受容されたエアロゾル形成基体を貫通するように構成されてもよい。
【0062】
ブレード発熱体を備える一部の好ましい実施形態では、空洞の第一の端における断面の形状は、実質的に円形であり、空洞の第二の端における断面の形状は、実質的に長円形または楕円形である。空洞の第一の端の円形断面は、空洞の第二の端の長円形または楕円形断面を区切ることが好ましい。空洞の第一の端の円形断面および空洞の第二の端の長円形または楕円形断面は、中央長軸方向軸上に同軸に配設されてもよい。ブレード発熱体は、中央長軸方向軸に沿って延びてもよい。
【0063】
有利なことに、実質的に長円形または楕円形断面を有する第二の端を有する空洞を提供することは、実質的に円形であり、かつ類似の寸法を有する断面を有する第二の端を有する空洞と比較して、ブレード発熱体からエアロゾル形成基体への熱の伝達を改善し得る。これは、ブレード発熱体から最も遠いように配設されたエアロゾル形成基体の割合が、円形断面を有する空洞と比較して、長円形または楕円形断面を有する空洞に対して減少するためである。さらに、エアロゾル形成基体の密度は、空洞の第二の端に再分配され、ブレード発熱体と長円形断面の長い側面との間により高い密度、およびピン発熱体から最も遠い長円形断面の短い側面により低い密度を提供する。有利なことに、長円形または楕円形断面を有する第二の端を有する空洞を提供することにより、所望の量のエアロゾルを発生するために必要なエアロゾル形成基体の質量を減少することが可能になり得る。
【0064】
第二の端における空洞の長円形または楕円形断面は、長径を有してもよい。第二の端における空洞の長円形または楕円形断面が長径を有する場合、ブレード発熱体は、長径を通って延びてもよい。好ましくは、ブレード発熱体は、実質的に空洞の長さの方向に延びる長さと、実質的に第二の端における空洞の断面の長径の方向に延びる幅とを有する。有利なことに、ブレード発熱体のこの配設は、ブレード発熱体から空洞の第二の端に配設されたエアロゾル形成基体への改善された熱伝達を可能にし得る。
【0065】
第二の端における空洞の長円形または楕円形断面は、二つの焦点を有し得る。長円形または楕円形断面が二つの焦点を有する場合、ブレード発熱体は、両方の焦点を通って延びてもよい。有利なことに、ブレード発熱体のこの配設は、ブレード発熱体から空洞の第二の端に配設されたエアロゾル形成基体への改善された熱伝達を可能にし得る。
【0066】
一部の好ましい実施形態では、エアロゾル発生装置は、抜き取り具をさらに含む。抜き取り具は、エアロゾル発生装置からのエアロゾル形成基体の抜き取りを容易にし得る。これらの好ましい実施形態では、抜き取り具は、エアロゾル形成基体を受容するための空洞を画定する本体を含む。
【0067】
抜き取り具は、管状体を含んでもよい。抜き取り具の管状体は、エアロゾル形成基体を受容するための空洞を画定し得る。空洞の第一の端は、空洞の中へのエアロゾル形成基体の挿入のために開いていてもよい。抜き取り具の管状体は、空洞の開いた第一の端を画定する、開いた第一の端を含み得る。空洞の第二の端は、実質的に閉じていてもよい。抜き取り具の管状体は、空洞の実質的に閉じた第二の端を画定する、実質的に閉じた第二の端を含み得る。抜き取り具の実質的に閉じた第二の端は、一つ以上の発熱体が第二の端から空洞の中へと延びることを可能にする一つ以上の開口部を含み得る。
【0068】
エアロゾル発生装置がハウジングを備える場合、抜き取り具は、ハウジングに対して移動可能であってもよい。抜き取り具は、任意の適切な方法でハウジングに対して移動可能であってもよい。例えば、抜き取り具は、ハウジングに対して回転可能、旋回可能、または摺動可能であってもよい。抜き取り具は、ハウジングに対して摺動可能であることが好ましい。
【0069】
エアロゾル発生装置が発熱体を備える場合、抜き取り具は、発熱体に対して移動可能であることが好ましい。一部の好ましい実施形態では、抜き取り具は、第一の位置と第二の位置との間で発熱体に対して移動可能である。第一の位置では、発熱体は、空洞の中へと延びてもよい。第二の位置では、発熱体は、空洞の中へと延びない場合がある。抜き取り具は、任意の適切な方法で発熱体に対して移動可能であってもよい。例えば、抜き取り具は、発熱体に対して回転可能、旋回可能、または摺動可能であってもよい。抜き取り具は、発熱体に対して摺動可能であることが好ましい。
【0070】
エアロゾル発生装置は、電源を備えることが好ましい。電源はDC電源であってもよい。好ましい実施形態では、電源は電池である。電源は、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、またはリチウムベースの電池(例えば、リチウムコバルト、リン酸鉄リチウム、またはリチウムポリマー電池)であってもよい。しかしながら、いくつかの実施形態において、電源は、コンデンサーなどの別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源は再充電を要するものとしてもよく、例えば一回以上のエアロゾル発生の体験などの一回以上のユーザー操作のために十分なエネルギーの蓄積が許容される容量を有し得る。例えば、電源は、従来の紙巻たばこ一本を喫煙するのにかかる一般的な時間に対応する約六分間、又は六分間の倍数の時間にわたるエアロゾル形成基体の連続的な加熱を可能にするのに十分な容量を有してもよい。一部の実施形態では、電源は、約四分間、または四分の倍数の時間にわたるエアロゾル形成基体の連続的な加熱を可能にするのに十分な容量を有してもよい。別の実施例において、電源は所定の回数の吸煙、または発熱体の不連続的な起動を可能にするのに十分な容量を有してもよい。
【0071】
エアロゾル発生装置は、コントローラを備えることが好ましい。コントローラは、電源から発熱体への電力供給を制御するように構成され得る。コントローラは、マイクロプロセッサを備えてもよく、これはプログラマブルマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、または特定用途向け集積回路チップ(ASIC)もしくは制御を提供する能力を有するその他の電子回路であってもよい。制御装置は、さらなる電子構成要素を備えてもよい。
【0072】
エアロゾル発生装置はハウジングを備えることが好ましい。エアロゾル発生装置が抜き取り具を備えない場合、ハウジングの管状部分は、少なくとも部分的にエアロゾル形成基体を受容するための空洞を画定し得る。ハウジングは、第一の端および第二の端を有し得る。空洞は、装置の第一の端に配設されてもよい。
【0073】
ハウジングは細長くてもよい。ハウジングは、円筒状であることが好ましい。ハウジングは、任意の適切な材料または材料の組み合わせを含んでもよい。適切な材料の例としては、金属、合金、プラスチック、もしくはこれらの材料のうちの一つ以上を含有する複合材料、または食品もしくは医薬品用途に適切な熱可塑性樹脂、例えばポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、およびポリエチレンが挙げられる。材料は軽く、かつ脆くないことが好ましい。
【0074】
エアロゾル発生装置は携帯型であることが好ましい。エアロゾル発生装置は、およそ70ミリメートル~およそ120ミリメートルの長さを有してもよい。エアロゾル発生装置は、手持ち式装置であってもよい。言い換えれば、エアロゾル発生装置は、ユーザーの手に保持されるようにサイズ決め、および成形され得る。
【0075】
エアロゾル発生装置は、空洞と流体連通する少なくとも一つの空気吸込み口を備えてもよい。エアロゾル発生装置がハウジングを備える実施形態において、ハウジングは、少なくとも一つの空気吸込み口を少なくとも部分的に画定することが好ましい。好ましくは、少なくとも一つの空気吸込み口は、空洞の第二の端と流体連通している。発熱体が空洞の中へと延びる実施形態において、発熱体は、空洞の第二の端から空洞の中へと延びることが好ましい。
【0076】
本開示によると、エアロゾル発生装置からエアロゾル形成基体を抜き取るための抜き取り具が提供されている。抜き取り具は、エアロゾル形成基体を受容するための空洞を画定する本体を含み得る。空洞は、第一の端を有してもよい。空洞は、第一の端の反対側に第二の端を有してもよい。空洞は、第一の端と第二の端との間に長さを有してもよい。空洞は、長さに対して垂直な断面を有してもよい。空洞の断面の形状が、空洞の長さに沿って変化し得る、空洞の断面の表面積が、空洞の長さに沿って変化し得る、および空洞の断面の寸法が、空洞の長さに沿って変化し得る、のうちの少なくとも一つである。
【0077】
抜き取り具の空洞は、任意の好適な形状およびサイズを有し得る。空洞は、第一の端と、第一の端とは反対側に第二の端とを有する。空洞は、第一の端と第二の端との間に延びる長さを有する。空洞はまた、空洞の長さに対して垂直な方向に延びる断面を有する。空洞は、空洞の長さに沿った各点に断面を有する。
【0078】
空洞の各断面は、空洞の長さに対して垂直な方向に延びる平面によって形成される。空洞の各断面は、幅または直径、表面積、および周囲を有し得る。
【0079】
空洞の断面の寸法は、空洞の長さに沿って変化してもよい。空洞の断面の寸法は、空洞の断面の幅であることが好ましい。断面が円形である場合、断面の寸法は、空洞の断面の直径であってもよい。断面が円形でない場合、寸法は、空洞の断面の長幅であってもよい。断面が円形でない場合、寸法は、空洞の断面の短幅であってもよい。
【0080】
空洞の断面の形状が空洞の長さに沿って変化しない場合、空洞の長さに沿って変化する寸法は、空洞の断面と同じ寸法であってもよい。例えば、寸法は、断面の短幅であってもよい。空洞の長さに沿って変化する寸法は、空洞の各断面に対して同じ方向に延びてもよい。
【0081】
空洞の断面の形状が空洞の長さに沿って変化する場合、空洞の長さに沿って変化する空洞の断面の寸法は、空洞の断面の最小幅であってもよい。例えば、空洞が円形状断面を有する部分および長円形状断面を有する部分を含む場合、円形状断面の寸法は、円の直径であってもよく、長円形状断面の寸法は、長円の短径であってもよい。空洞の断面の形状が空洞の長さに沿って変化する場合、空洞の長さに沿って変化する寸法は、空洞の断面の最大寸法であってもよい。
【0082】
一部の実施形態では、空洞の第一の端における断面の寸法は、空洞の第二の端における断面の寸法よりも大きい。別の言い方をすれば、空洞の第二の端における断面の寸法は、空洞の第一の端における断面の寸法未満であってもよい。例えば、空洞の第一の端における断面の幅は、空洞の第二の端における断面の幅よりも大きくてもよい。
【0083】
一部の実施形態では、空洞の断面の表面積は、空洞の長さに沿って変化する。一部の好ましい実施形態では、空洞の第一の端における空洞の断面の表面積は、空洞の第二の端における空洞の断面の表面積よりも大きい。言い換えれば、第二の端における空洞の断面の表面積は、第一の端における空洞の断面の表面積未満であってもよい。
【0084】
空洞の断面の周囲は、実質的に空洞の長さに沿って一定のままであることが好ましい。言い換えれば、空洞の断面の境界を形成する線の長さは、実質的に空洞の長さに沿って一定のままであってもよい。空洞の第一の端における断面の周囲および空洞の第二の端における断面の周囲は、同じであってもよい。空洞の第一の端における断面および空洞の第二の端における断面は、等周であってもよい。空洞の断面の周囲は、実質的にエアロゾル発生物品の断面の周囲と同一であるか、または空洞の長さに沿ってエアロゾル発生物品の断面の周囲よりも大きいことが好ましい。
【0085】
一部の実施形態では、空洞の第二の端における断面の寸法は、空洞の第二の端における断面の周囲が空洞の第一の端における断面の周囲と同じであることを確保するために、空洞の第一の端における断面の寸法よりも大きい。例えば、空洞の第一の端における断面が円形であり、空洞の第二の端における断面が長円形である場合、空洞の第二の端における長円形断面の長径は、空洞の第一の端における円形断面の直径よりも大きくてもよい。
【0086】
本開示の一部の好ましい実施形態によると、エアロゾル発生装置からエアロゾル形成基体を抜き取るための抜き取り具が提供されている。抜き取り具は、エアロゾル形成基体を受容するための空洞を画定する本体を含み得る。空洞は、第一の端を有してもよい。空洞は、第一の端の反対側に第二の端を有してもよい。空洞は、第一の端と第二の端との間に長さを有してもよい。空洞は、長さに対して垂直な断面を有してもよい。これらの好ましい実施形態では、空洞の断面の表面積は、空洞の長さに沿って変化し、空洞の断面の周囲は、実質的に空洞の長さに沿って一定のままである。これらの好ましい実施形態の一部では、空洞の断面の形状は、空洞の長さに沿って変化する。
【0087】
第一の端における空洞の断面は、任意の好適な形状を有してもよい。例えば、第一の端における空洞の断面は、実質的に円形、楕円形、正方形、三角形、または六角形であってもよい。第一の端における空洞の断面は、任意の多角形形状を有してもよい。第一の端における空洞の断面の形状が角部を有する場合、角部は丸みがあってもよい。第一の端における空洞の断面は、実質的に円形であることが好ましい。
【0088】
第二の端における空洞の断面は、任意の好適な形状を有してもよい。例えば、第二の端における空洞の断面は、実質的に円形、楕円形、正方形、三角形、または六角形であってもよい。第二の端における空洞の断面は、任意の多角形形状を有してもよい。第二の端における空洞の断面の形状が角部を有する場合、角部は丸みがあってもよい。
【0089】
一部の実施形態では、第二の端における空洞の断面の形状は、複数の一致する形状を含む。言い換えれば、第二の端における空洞の断面の形状は、同じ形状および寸法を有する複数の形状から成る。一部の好ましい実施形態では、第二の端における断面の形状は、二つの一致する円を含む。一部の実施形態では、第二の端における断面の形状は、二つの一致する長円または楕円を含む。一部の実施形態では、複数の一致する形状は、部分的に重複している。例えば、第二の端における空洞の断面の形状が二つの一致する円を含む場合、第二の端における空洞の断面の形状は、八の字を形成し得る。
【0090】
一部の好ましい実施形態では、第一の端における空洞の断面の形状は、実質的に円形であり、第二の端における空洞の断面の形状は、二つの一致する円を含む。
【0091】
一部の実施形態では、第一の端における空洞の断面の形状は、実質的に第二の端における空洞の断面の形状と類似している。第一の端における空洞の断面の形状は、第二の端における空洞の断面の形状と同一であってもよい。
【0092】
一部の実施形態では、第一の端における空洞の断面の形状は、第二の端における空洞の断面の形状とは異なる。一部の好ましい実施形態では、第一の端における断面の形状は、実質的に円形であり、第二の端における断面の形状は、実質的に三角形であり、正三角形を形成することが好ましい。一部の好ましい実施形態では、第一の端における断面の形状は、実質的に円形であり、第二の端における断面の形状は、実質的に長円形または楕円形である。一部の実施形態では、第一の端における断面の形状は、実質的に円形であり、第二の端における断面の形状は、実質的に正方形または長方形である。
【0093】
空洞の断面の形状が角部を含む場合、角部は丸みがあってもよい。例えば、空洞の断面の形状が三角形である場合、三角形の三つの角部は丸みがあってもよい。空洞の断面の角部を丸めることにより、空洞のクリーニングが容易になり得る。
【0094】
第一の端における空洞の断面の形状が第二の端における空洞の断面の形状とは異なる場合、空洞の断面の周囲は、実質的に空洞の長さに沿って一定のままであることが好ましい。言い換えれば、第一の端における空洞の断面および第二の端における空洞の断面は、等周である。
【0095】
一部の実施形態では、第二の端における空洞は、一つ以上の突出部を含む。一つ以上の突出部は、エアロゾル形成基体の空洞内の保持を容易にし得る。一部の好ましい実施形態では、一つ以上の突出部は、隆起を含み得る。隆起は、実質的に空洞の長さの方向に延びてもよい。隆起は、空洞の周囲の周りに延びてもよい。
【0096】
空洞の第一の端の断面は、空洞の第二の端の断面を区切り得ることが好ましい。言い換えれば、空洞の第二の端の断面は、空洞の第一の端の断面内に完全に嵌合し得る。例えば、空洞の第一の端が実質的に円形断面を有し、空洞の第二の端が実質的に三角形断面を有する場合、空洞の第二の端の三角形断面は、空洞の第一の端の円形断面によって角部で切頭されてもよい。空洞の第二の端の三角形断面は、丸みのある角部を有してもよく、各丸みのある角部は、空洞の第一の端の円形断面の半径と等しい半径を有してもよい。
【0097】
空洞の第一の端の断面および空洞の第二の端の断面は、中央長軸方向軸上に同軸に配設されることが好ましい。
【0098】
空洞は、空洞の第一の端から延びる第一の端部分を含み得る。空洞は、空洞の第二の端から延びる第二の端部分を含み得る。第一の端部分は、第一の端部分と第二の端部分との間の交差部へと延びてもよい。第二の端部分は、第一の端部分と第二の端部分との間の交差部へと延びてもよい。第一の端部分は、第一の端部分と第二の端部分との間の交差部で終端してもよい。第二の端部分は、第一の端部分と第二の端部分との間の交差部で終端してもよい。
【0099】
空洞の第一の端部分と空洞の第二の端は、中央長軸方向軸上に同軸に配設されることが好ましい。
【0100】
空洞の断面の形状は、第一の端と第一の端部分と第二の端部分との間の交差部との間で実質的に同一であってもよい。空洞の断面の寸法は、第一の端と第一の端部分と第二の端部分との間の交差部との間で実質的に同一であってもよい。言い換えれば、空洞の断面は、第一の端部分と、第一の端部分と第二の端部分との間の交差部との間で一定のままであってもよい。
【0101】
空洞の断面の形状は、第二の端と第一の端部分と第二の端部分との間の交差部との間で実質的に同一であってもよい。空洞の断面の寸法は、第二の端と第一の端部分と第二の端部分との間の交差部との間で実質的に同一であってもよい。言い換えれば、空洞の断面は、第二の端部分と、第一の端部分と第二の端部分との間の交差部との間で一定のままであってもよい。
【0102】
空洞の断面の形状は、第一の端部分と第二の端部分との間の交差部において変化してもよい。空洞の断面の形状は、第一の端部分と第二の端部分との間の交差部において段階的に変化してもよい。空洞の断面の寸法は、第一の端部分と第二の端部分との間の交差部において変化してもよい。空洞の断面の寸法は、第一の端部分と第二の端部分との間の交差部において段階的に変化してもよい。別の言い方をすれば、第一の端部分と第二の端部分との間の交差部は、面取りされてもよい。こうした段階的な変化、または面取りは、空洞の第一の端から空洞の第二の端へと移動する際のエアロゾル形成基体の変形を促進し得る。
【0103】
第一の端部分と第二の端部分との間の交差部は、交差領域であり得る。交差領域は、空洞の長さの一部分に沿って延びてもよい。空洞の断面の形状は、交差領域の長さにわたって変化してもよい。空洞の断面の形状は、交差領域の長さにわたって段階的に変化してもよい。空洞の断面の寸法は、交差領域の長さにわたって変化してもよい。空洞の断面の寸法は、交差領域の長さにわたって段階的に変化してもよい。有利なことに、交差領域における空洞の断面は、第一の端部分から第二の端部分へと段階的に変化して、第一の端において空洞の中へと挿入され、第二の端部分へとの移動されるエアロゾル形成基体の変形を促進し得る。
【0104】
本開示によると、エアロゾル形成基体と、上述のようなエアロゾル発生装置とを備えるエアロゾル発生システムが提供される。
【0105】
一部の好ましい実施形態では、エアロゾル形成基体と、エアロゾル形成基体を受容するための空洞を含むエアロゾル発生装置とを備えるエアロゾル発生システムが提供される。エアロゾル発生装置の空洞は、第一の端および対向する第二の端と、第一の端と第二の端との間の長さと、長さに対して垂直な断面とを有する。空洞の断面の形状が、空洞の長さに沿って変化する、空洞の断面の表面積が、空洞の長さに沿って変化する、および空洞の断面の寸法が、空洞の長さに沿って変化する、のうちの少なくとも一つである。
【0106】
一部の実施形態では、エアロゾル形成基体は、第一の端および対向する第二の端と、第一の端と第二の端との間の長さと、長さに対して垂直な断面とを有する。
【0107】
エアロゾル形成基体がエアロゾル発生装置の空洞内に受容される前に、エアロゾル形成基体の断面の形状は、実質的にエアロゾル形成基体の長さに沿って一定であってもよい。エアロゾル形成基体の断面の形状は、空洞の第一の端におけるエアロゾル発生装置の空洞の断面の形状と実質的に類似していてもよい。エアロゾル形成基体の断面の形状は、実質的に円形であることが好ましい。
【0108】
エアロゾル形成基体がエアロゾル発生装置の空洞内に受容される前に、エアロゾル形成基体の断面の寸法は、実質的にエアロゾル形成基体の長さに沿って一定であってもよい。エアロゾル形成基体の断面の寸法は、実質的に空洞の第一の端における空洞の断面の形状と類似していてもよい。
【0109】
エアロゾル形成基体の長さは、エアロゾル発生装置の空洞の長さと同じであるか、またはそれ未満であることが好ましい。エアロゾル形成基体の長さは、空洞の長さの90%以下、空洞の長さの80%以下、空洞の長さの70%以下、空洞の長さの60%以下、および空洞の長さの50%以下のうちの一つであってもよい。
【0110】
空洞が第一の端部分および第二の端部分を含む場合、エアロゾル形成基体の長さは、実質的に空洞の第二の端部分の長さと類似するか、または空洞の第二の端部分の長さ未満であることが好ましい。エアロゾル形成基体の長さは、実質的に空洞の第二の端部分の長さと同じであってもよい。エアロゾル形成基体の長さは、空洞の第二の端部分の長さ未満であってもよい。
【0111】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体を受容するように構成される。エアロゾル形成基体は、固体エアロゾル形成基体であることが好ましい。エアロゾル形成基体は、たばこを含むことが好ましい。エアロゾル形成基体は、たばこを含む固体エアロゾル形成基体であることが好ましい。エアロゾル形成基体は、加熱に伴い基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。
【0112】
固体エアロゾル形成基体は、たばこのプラグを含んでもよい。たばこのプラグは、薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎、膨化たばこおよび均質化したたばこのうち一つ以上を含む、例えば、粉末、顆粒、ペレット、断片、ストランド、細片またはシートのうちの一つ以上を含み得る。本明細書で使用される「均質化したたばこ材料」は、粒子状たばこを凝集することによって形成される材料を意味する。均質化したたばこ材料を提供することは、エアロゾル発生と、エアロゾル発生物品の加熱中に発生したエアロゾルのニコチン含有量および風味プロファイルとを改善する場合がある。具体的には、均質化したたばこを作製するプロセスは、たばこ葉を粉砕することを伴い、これは加熱時のニコチンおよび風味の放出をより効果的に可能にする。たばこプラグが均質化したたばこ材料を含む場合、均質化したたばこ材料は、シートの形態であってもよい。本明細書で使用される場合、「シート」は、その厚さよりも実質的に大きな幅および長さを有する層状の要素を意味する。
【0113】
固体エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料を含み得る。固体エアロゾル形成材料は、均質化したたばこ材料の断片、ストランド、または細片を含み得る。固体エアロゾル形成基体は均質化したたばこ材料のシートを含んでもよい。
【0114】
均質化したたばこ材料シートは、たばこ葉ラミナおよびたばこ葉茎のうちの一方または両方を粉砕またはその他の方法で細分することによって得られた粒子状たばこを凝集することによって形成されてもよい。均質化したたばこ材料シートは、例えばたばこの処理、取り扱い、輸送中に形成されたたばこダスト、たばこの微粉、その他の粒子状たばこ副産物のうちの一つ以上を含んでもよい。均質化したたばこ材料シートは、粒子状たばこおよび一つ以上の結合剤を含むスラリーをコンベヤーベルトまたはその他の支持表面上にキャスティングすることと、キャストスラリーを乾燥させて均質化したたばこ材料シートを形成することと、均質化したたばこ材料シートを支持表面から取り外すこととを一般的に含むタイプのキャスティングプロセスによって形成されていることが好ましい。
【0115】
固体エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合体を含み得る。本明細書で使用される「集合した」という用語は、エアロゾル発生物品の長軸方向軸に対して実質的に横断方向で巻き込みされ、折り曲げられ、または別の方法で圧縮もしくは締め付けられたシートを記述するために使用される。
【0116】
一部の好ましい実施形態において、エアロゾル形成基体は均質化したたばこ材料のきめのあるシートの集合体を含む。本明細書で使用される「テクスチャ加工されたシート」は、捲縮された、エンボス加工された、デボス加工された、穿孔された、またはその他の方法で変形されたシートを意味する。均質化したたばこ材料のテクスチャ加工されたシートの使用は有利なことに、均質化したたばこ材料のシートを集めてエアロゾル形成基体を形成するのを容易にし得る。エアロゾル形成基体は、複数の間隔を置いたへこみ、突起、穿孔またはそれらの組み合わせを含む均質化したたばこ材料のきめのあるシートの集合体を含んでもよい。
【0117】
特に好ましい実施形態において、エアロゾル形成基体は均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合体を含む。本明細書で使用される場合、「捲縮したシート」は、複数の実質的に平行な隆起または波形を有するシートを意味する。実質的に平行な隆起または波型形状は、エアロゾル発生物品の長軸方向軸に沿って、またはそれに平行に延びることが好ましい。これは、均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合を都合良く容易にしてエアロゾル発生物品を形成する。しかし、エアロゾル発生物品に含めるための均質化したたばこ材料の捲縮したシートが、別の方法としてまたは追加的に、エアロゾル発生物品の長軸方向軸に鋭角または鈍角で配置される複数の実質的に平行した隆起または波型形状を有してもよいことが認識される。
【0118】
エアロゾル形成基体は、たばこ含有材料および非たばこ含有材料を含んでもよい。
【0119】
エアロゾル形成基体はエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、単一のエアロゾル形成体又は二つ以上のエアロゾル形成体の組み合わせを含んでもよい。本明細書で使用される「エアロゾル形成体」という用語は、使用時にエアロゾルの形成を容易にし、かつエアロゾル発生物品の動作温度にて熱分解に対して実質的に耐性のある任意の適切な公知の化合物又は化合物の混合物を説明するために使用される。適切なエアロゾル形成体としては、多価アルコール(プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、及びグリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、又はトリアセテートなど)、及びモノカルボン酸、ジカルボン酸、又はポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル及びテトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。好ましいエアロゾル形成体は、多価アルコール(プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、および最も好ましくはグリセリンなど)またはこれらの混合物である。エアロゾル形成基体のエアロゾル形成体の含有量は、乾燥重量基準で5%を超えてもよい。エアロゾル形成基体は、乾燥重量基準でおよそ5パーセント~およそ30パーセントのエアロゾル形成体の含有量を有してもよい。エアロゾル形成基体は、乾燥重量基準でおよそ20パーセントのエアロゾル形成体の含有量を有してもよい。
【0120】
エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料と、エアロゾル形成体と、水とを含むことが好ましい。
【0121】
均質化したたばこ材料は、折り畳まれた、捲縮された、または細片に切断されたうちの一つのシートで提供され得る。特に好ましい実施形態では、シートは、約0.2ミリメートル~約2ミリメートル、より好ましくは約0.4ミリメートル~約1.2ミリメートルの幅を有する細片へと切断される。一実施形態では、細片の幅は約0.9ミリメートルである。
【0122】
一部の好ましい実施形態では、エアロゾル発生システムは、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を含む。
【0123】
エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体と一つ以上の追加の構成要素とを含み得る。例えば、エアロゾル発生物品は、フィルター、中空管、およびエアロゾル冷却要素のうちの少なくとも一つを含み得る。エアロゾル形成基体および一つ以上の追加の構成要素は、ロッドの形態で端と端を当接させて配設されることが好ましい。エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体および一つ以上の追加の構成要素を取り囲むラッパーを備えることが好ましい。
【0124】
一部の実施形態では、エアロゾル発生物品は、第一の端および対向する第二の端を有する。エアロゾル形成基体は、第二の端に配設されてもよい。エアロゾル発生装置の空洞は、エアロゾル発生物品の第二の端で少なくともエアロゾル形成基体を受容するように構成されてもよい。エアロゾル発生物品は、マウスピースを備えてもよい。マウスピースは、セルロースアセテートプラグなどのフィルターの形態であってもよい。マウスピースは、エアロゾル形成基体の反対側のエアロゾル発生物品の第一の端に配設されてもよい。
【0125】
エアロゾル発生物品の、エアロゾル発生装置の空洞の中への挿入前に、エアロゾル発生物品の第二の端の断面は、実質的にエアロゾル発生装置の空洞の第一の端の断面と同じ形状を有することが好ましい。
【0126】
エアロゾル発生物品の、エアロゾル発生装置の空洞の中への挿入前に、エアロゾル発生物品の第二の端の断面は、実質的にエアロゾル発生装置の空洞の第一の端の断面と同じ寸法を有することが好ましい。
【0127】
エアロゾル発生物品は、およそ30ミリメートル~およそ100ミリメートルの全長を有してもよい。
【0128】
エアロゾル発生物品は、およそ5ミリメートル~およそ13ミリメートルの外径を有してもよい。
【0129】
エアロゾル形成基体は、およそ10ミリメートルの長さを有してもよい。たばこプラグは、およそ12ミリメートルの長さを有してもよい。エアロゾル形成基体の直径は、およそ5ミリメートル~およそ12ミリメートルであってもよい。
【0130】
エアロゾル発生物品がマウスピースを備える場合、マウスピースは、およそ7ミリメートルの長さであるが、およそ5ミリメートル~およそ10ミリメートルの長さを有してもよい。
【0131】
好ましい実施形態において、エアロゾル発生物品は、およそ40ミリメートル~およそ50ミリメートルの全長を有する。エアロゾル発生物品は、およそ45ミリメートルの全長を有することが好ましい。エアロゾル発生物品は、およそ7.2ミリメートルの外径を有することが好ましい。
【0132】
エアロゾル発生物品は、従来の紙巻たばこと類似した形態、特に類似した外径を有する類似した円形断面形状を有することが好ましい。こうした形態は、ユーザーにとって望ましい場合がある。有利なことに、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体が中に受容されるエアロゾル発生装置の空洞の断面を変化させることは、エアロゾル発生装置の中への挿入前のエアロゾル発生物品の形態を従来の紙巻たばこと同様に維持することを可能にする一方で、エアロゾル発生装置の中へと挿入された時のエアロゾル形成基体の形態を加熱のために最適化することも可能にし得る。加熱のためにエアロゾル形成基体の形態を最適化することは、エアロゾル形成基体から発生するエアロゾルの量を減少させることなく、エアロゾル形成基体の質量を最小化することを可能にし得る。エアロゾル発生物品内のエアロゾル形成基体の質量を最小化する一方で、エアロゾル発生装置の空洞の中への挿入前にエアロゾル発生物品の形態を維持するには、エアロゾル発生装置の空洞の中への挿入前にエアロゾル発生物品内のエアロゾル形成基体の密度を減少させる必要があり得る。エアロゾル発生物品中のエアロゾル形成基体の密度を減少させることはまた、エアロゾル形成基体がエアロゾル発生装置の空洞の中に挿入される時のエアロゾル形成基体の変形を促進し得る。
【0133】
一部の実施形態では、エアロゾル発生物品は、誘導発熱体を備える。誘導発熱体は、サセプタ材料を含み得る。使用中、変化する磁界が誘導発熱体に供給され、誘導発熱体は、変化する磁界を有する誘導発熱体の貫通時に渦電流誘導およびヒステリシス損失を介して熱を発生する。
【0134】
誘導発熱体は、任意の好適な材料を含み得る。誘導発熱体は、揮発性化合物をエアロゾル形成基体から放出するのに十分な温度に誘導加熱され得る任意の材料から形成されてもよい。誘導発熱体に好適な材料としては、黒鉛、モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス鋼、ニオブ、アルミニウム、ニッケル、ニッケル含有化合物、チタン、および金属材料の複合材料が挙げられる。誘導発熱体は、金属または炭素を含み得ることが好ましい。有利なことに、誘導発熱体は、強磁性材料、例えばフェライト鉄、強磁性鋼またはステンレス鋼などの強磁性合金、強磁性粒子、およびフェライトを含むか、またはその強磁性材料からなり得る。
【実施例】
【0135】
本発明は特許請求の範囲に定義されている。しかしながら、以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供している。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様のいずれか一つ以上の特徴と組み合わされ得る。
【0136】
実施例1.
エアロゾル形成基体を受容するための空洞を備えるエアロゾル発生装置であって、空洞が、
第一の端および対向する第二の端と、
第一の端と第二の端との間の長さと、
長さに対して垂直な断面と、を有し、
空洞の断面の形状が、空洞の長さに沿って変化する、
空洞の断面の表面積が、空洞の長さに沿って変化する、および、
空洞の断面の寸法が、空洞の長さに沿って変化する、のうちの少なくとも一つである、エアロゾル発生装置。
実施例2.
空洞の第一の端における断面の寸法が、空洞の第二の端における断面の寸法よりも大きい、実施例1によるエアロゾル発生装置。
実施例3.
空洞の断面の表面積が、空洞の長さに沿って変化する、実施例1または2によるエアロゾル発生装置。
実施例4.
空洞の第一の端における空洞の断面の表面積が、空洞の第二の端における空洞の断面の表面積よりも大きい、実施例3によるエアロゾル発生装置。
実施例5.
空洞の断面の周囲が、実質的に空洞の長さに沿って一定のままである、実施例1~4のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
実施例6.
第一の端における断面の形状が、実質的に円形であり、第二の端における断面の形状が、実質的に三角形である、実施例1~5のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
実施例7.
第一の端における断面の形状が、実質的に円形であり、第二の端における断面の形状が、実質的に長円形または楕円形である、実施例1~5のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
実施例8.
第一の端における断面の形状が、実質的に円形であり、第二の端における断面の形状が、実質的に正方形または長方形である、実施例1~5のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
実施例9.
第一の端における空洞の断面の形状が、実質的に円形であり、第二の端における空洞の断面の形状が、複数の一致する形状を含み、随意に、複数の一致する形状が、部分的に重複する、実施例1~5のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
実施例10.
第一の端における空洞の断面の形状が、実質的に円形であり、第二の端における空洞の断面の形状が、二つの一致する円を含み、随意に、二つの一致する円が、部分的に重複する、実施例1~5のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
実施例11.
第一の端における空洞の断面の形状が、実質的に円形であり、第二の端における空洞の断面の形状が、二つの一致する長円または楕円を含み、随意に、二つの一致する長円または楕円が、部分的に重複する、実施例1~5のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
実施例12.
エアロゾル発生装置が、発熱体を備える、実施例1~11のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
実施例13.
発熱体が、空洞の中へと延びる、実施例12によるエアロゾル発生装置。
実施例14.
発熱体が、第二の端において空洞の中へと延びる、実施例12または13によるエアロゾル発生装置。
実施例15.
発熱体が、ピン発熱体である、実施例12~14のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
実施例16.
発熱体が、ブレード発熱体である、実施例12~14のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
実施例17.
エアロゾル発生装置が、第二の端において空洞の中へと延びるピン発熱体をさらに備える、実施例6によるエアロゾル発生装置。
実施例18.
ピン発熱体が、実質的に空洞の長さの方向に空洞の中へと延びる、実施例17によるエアロゾル発生装置。
実施例19.
エアロゾル発生装置が、第二の端において空洞の中へと延びる、二つのピン発熱体をさらに備える、実施例7によるエアロゾル発生装置。
実施例20.
各ピン発熱体が、実質的に空洞の長さの方向に空洞の中へと延びる、実施例19によるエアロゾル発生装置。
実施例21.
第二の端における空洞の長円形または楕円形断面が、長径を有し、二つのピン発熱体が、長径を通って延びる、実施例19または20によるエアロゾル発生装置。
実施例22.
第二の端における空洞の長円形または楕円形断面が、二つの焦点を有し、各ピン発熱体が、焦点のうちの一つを通って延びる、実施例19~21のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
実施例23.
エアロゾル発生装置が、第二の端において空洞の中へと延びるブレード発熱体をさらに備える、実施例7によるエアロゾル発生装置。
実施例24.
ブレード発熱体が、実質的に空洞の長さの方向に空洞の中へと延びる、実施例23によるエアロゾル発生装置。
実施例25.
第二の端における空洞の長円形または楕円形断面が、長径を有し、ブレード発熱体が、長径を通って延びる、実施例23または24によるエアロゾル発生装置。
実施例26.
ブレード発熱体が、実質的に空洞の長さの方向に延びる長さと、実質的に第二の端における空洞の断面の長径の方向に延びる幅とを有する、実施例25によるエアロゾル発生装置。
実施例27.
第二の端における空洞の長円形または楕円形断面が、二つの焦点を有し、ブレード発熱体が、二つの焦点を通って延びる、実施例23~26のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
実施例28.
エアロゾル発生装置が、第二の端において空洞の中へと延びる複数のピン発熱体をさらに備える、実施例9によるエアロゾル発生装置。
実施例29.
ピン発熱体の数が、第二の端における空洞の断面の形状を含む一致する形状の数と同じであり、複数のピン発熱体の各々が、複数の一致する形状のうちの一つの中心を通って延びる、実施例28によるエアロゾル発生装置。
実施例30.
エアロゾル発生装置が、エアロゾル発生装置からエアロゾル形成基体を抜き取るための抜き取り具をさらに備え、抜き取り具が、エアロゾル形成基体を受容するための空洞を画定する本体を含む、実施例1~29のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
実施例31.
エアロゾル発生装置が、ハウジングをさらに備え、抜き取り具が、ハウジングに対して移動可能である、実施例30によるエアロゾル発生装置。
実施例32.
エアロゾル発生装置が、エアロゾル発生装置からエアロゾル形成基体を抜き取るための抜き取り具をさらに備え、抜き取り具が、エアロゾル形成基体を受容するための空洞を画定する本体を含み、抜き取り具が、発熱体に対して移動可能である、実施例12~29のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
実施例33.
抜き取り具が、発熱体に対して、発熱体が空洞の中へと延びる第一の位置と、発熱体が空洞の中へと延びない第二の位置との間で移動可能である、実施例32によるエアロゾル発生装置。
実施例34.
エアロゾル発生装置からエアロゾル形成基体を抜き取るための抜き取り具であって、抜き取り具が、エアロゾル形成基体を受容するための空洞を画定する本体を備え、空洞が、
第一の端および対向する第二の端と、
第一の端と第二の端との間の長さと、
長さに対して垂直な断面と、を有し、
空洞の断面の形状が、空洞の長さに沿って変化する、
空洞の断面の表面積が、空洞の長さに沿って変化する、および、
空洞の断面の寸法が、空洞の長さに沿って変化する、のうちの少なくとも一つである、抜き取り具。
実施例35.
空洞の第一の端における断面の寸法が、空洞の第二の端における断面の寸法よりも大きい、実施例34による抜き取り具。
実施例36.
空洞の断面の表面積が、空洞の長さに沿って変化する、実施例34または35による抜き取り具。
実施例37.
空洞の第一の端における空洞の断面の表面積が、空洞の第二の端における空洞の断面の表面積よりも大きい、実施例36による抜き取り具。
実施例38.
空洞の断面の周囲が、実質的に空洞の長さに沿って一定のままである、実施例34~37のいずれか一つによる抜き取り具。
実施例39.
第一の端における断面の形状が、実質的に円形であり、第二の端における断面の形状が、実質的に三角形である、実施例34~38のいずれか一つによる抜き取り具。
実施例40.
第一の端における断面の形状が、実質的に円形であり、第二の端における断面の形状が、実質的に長円形または楕円形である、実施例34~38のいずれか一つによる抜き取り具。
実施例41.
第一の端における断面の形状が、実質的に円形であり、第二の端における断面の形状が、実質的に正方形または長方形である、実施例34~38のいずれか一つによる抜き取り具。
実施例42.
第一の端における空洞の断面の形状が、実質的に円形であり、第二の端における空洞の断面の形状が、複数の一致する形状を含み、随意に、複数の一致する形状が、部分的に重複する、実施例34~38のいずれか一つによる抜き取り具。
実施例43.
第一の端における空洞の断面の形状が、実質的に円形であり、第二の端における空洞の断面の形状が、二つの一致する円を含み、随意に、二つの一致する円が、部分的に重複する、実施例34~38のいずれか一つによる抜き取り具。
実施例44.
第一の端における空洞の断面の形状が、実質的に円形であり、第二の端における空洞の断面の形状が、二つの一致する長円または楕円を含み、随意に、二つの一致する長円または楕円が、部分的に重複する、実施例34~38のいずれか一つによる抜き取り具。
実施例45.
エアロゾル発生システムであって、
エアロゾル形成基体と、
実施例1~33のいずれか一つによるエアロゾル発生装置と、を備える、エアロゾル発生システム。
実施例46.
エアロゾル発生システムであって、
エアロゾル形成基体と、
エアロゾル形成基体を受容するための空洞を含むエアロゾル発生装置と、を備え、空洞が、
第一の端および対向する第二の端と、
第一の端と第二の端との間の長さと、
長さに対して垂直な断面と、を有し、
空洞の断面の形状が、空洞の長さに沿って変化する、
空洞の断面の表面積が、空洞の長さに沿って変化する、および、
空洞の断面の寸法が、空洞の長さに沿って変化する、のうちの少なくとも一つである、エアロゾル発生システム。
実施例47.
エアロゾル形成基体が、
第一の端および対向する第二の端と、
第一の端と第二の端との間の長さと、
長さに対して垂直な断面と、を有し、
エアロゾル形成基体がエアロゾル発生装置の空洞内に受容される前に、
エアロゾル形成基体の断面の形状が、エアロゾル形成基体の長さに沿って実質的に一定であり、かつ空洞の第一の端における空洞の断面の形状と実質的に類似しており、
エアロゾル形成基体の断面の表面積が、実質的にエアロゾル形成基体の長さに沿って一定であり、かつ実質的に空洞の第一の端における空洞の断面の表面積と類似している、実施例46によるエアロゾル発生システム。
実施例48.
エアロゾル形成基体の長さが、エアロゾル発生装置の空洞の長さと同じであるか、またはそれよりも短い、実施例47によるエアロゾル発生システム。
実施例49.
エアロゾル形成基体の長さが、
空洞の長さの90%以下である、
空洞の長さの80%以下である、
空洞の長さの70%以下である、
空洞の長さの60%以下である、および、
空洞の長さの50%以下である、のうちの一つである、実施例48によるエアロゾル発生システム。
実施例50.
エアロゾル発生システムが、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を備える、実施例35~49のいずれかに一つによるエアロゾル発生システム。
実施例51.
エアロゾル発生物品が、フィルター、中空管、およびエアロゾル冷却要素のうちの少なくとも一つを備える、実施例50によるエアロゾル発生システム。
実施例52.
エアロゾル発生物品が、エアロゾル形成基体を取り囲むラッパーと、フィルター、中空管、およびエアロゾル冷却要素のうちの少なくとも一つとを備える、実施例51によるエアロゾル発生システム。
実施例53.
エアロゾル形成基体と、フィルター、中空管、およびエアロゾル冷却要素のうちの少なくとも一つとが、ロッドの形態で端と端を当接させて配設される、実施例50~52のうちのいずれか一つによるエアロゾル発生システム。
実施例54.
エアロゾル発生装置の空洞の第一の端が、エアロゾル形成基体を空洞の中へと挿入するために開いている、実施例45~53のいずれか一つによるエアロゾル発生システム。
実施例55.
エアロゾル発生物品が、第一の端と、対向する第二の端とを備え、エアロゾル形成基体が、第二の端に配設される、実施例45~54によるエアロゾル発生システム。
実施例56.
エアロゾル発生装置の空洞が、エアロゾル発生物品の第二の端において少なくともエアロゾル形成基体を受容するように構成される、実施例55によるエアロゾル発生システム。
実施例57.
エアロゾル発生物品のエアロゾル発生装置の空洞の中への挿入前に、エアロゾル発生物品の第二の端の断面が、実質的にエアロゾル発生装置の空洞の第一の端の断面と同じ形状を有する、実施例55および56のいずれか一つによるエアロゾル発生システム。
実施例58.
エアロゾル発生物品のエアロゾル発生装置の空洞の中への挿入前に、エアロゾル発生物品の第二の端の断面が、実質的にエアロゾル発生装置の空洞の第一の端の断面と同じ寸法を有する、実施例55~57のいずれか一つによるエアロゾル発生システム。
実施例59.
エアロゾル発生物品のエアロゾル発生装置の空洞の中への挿入前に、エアロゾル発生物品の第二の端の断面が、実質的にエアロゾル発生装置の空洞の第二の端の断面の形状とは異なる形状を有する、実施例55~58のいずれか一つによるエアロゾル発生システム。
実施例60.
エアロゾル発生物品のエアロゾル発生装置の空洞の中への挿入前に、エアロゾル発生物品の第二の端の断面が、実質的にエアロゾル発生装置の空洞の第二の端の断面の寸法とは異なる寸法を有する、実施例55~59のいずれか一つによるエアロゾル発生システム。
【0137】
ここで、図を参照しながら実施例をさらに説明する。
【0138】
図1および2は、本開示の一実施形態によるエアロゾル発生装置10を示す。エアロゾル発生装置10は、エアロゾル形成基体を受容するための空洞20を備える。エアロゾル発生装置10は、一方の端に、空洞20を画定する管状部分12を有するハウジング11をさらに備える。
【0139】
エアロゾル発生装置10は、空洞20の中へと延びるブレードの形態の発熱体14と、再充電可能リチウムイオン電池の形態の電源15と、ハウジング11の管状部分12とは反対側においてハウジング11内に収容されるコントローラ16とをさらに備える。コントローラ16は、空洞20内に受容されたエアロゾル形成基体を加熱するために、電源15から発熱体14への電力の供給を制御するように構成される。
【0140】
空洞20は、エアロゾル形成基体を空洞20の中へと挿入するために開いている第一の端と、実質的に閉じている、第一の端とは反対側の第二の端とを含む。空洞20の第一の端部分21は、空洞20の第一の端から延び、空洞20の第二の端部分22は、空洞20の第二の端から延びる。第一の端部分21は、第一の端部分21と第二の端部分22との間の交差部へと延びてそこで終端し、第二の端部分22は、第一の端部分21と第二の端部分22との間の交差部へと延びてそこで終端する。
【0141】
空洞20は、第一の端と第二の端との間に延びる長さを有する。空洞20はまた、長さに対して垂直な断面を有する。第二の端における空洞20の断面の形状は、第一の端における空洞20の断面の形状とは異なる。
図3に示すように、空洞20の第一の端において、空洞20の断面は、実質的に円形であり、空洞20の第二の端において、空洞20の断面は、実質的に長円形である。空洞20の第二の端における長円形断面の長径は、実質的に空洞20の第一の端における円形断面の直径と同じである。言い換えれば、空洞20の第二の端における長円形断面の最大寸法は、実質的に空洞20の第一の端における円形断面の直径と同じである。空洞20の第二の端における長円形断面の短径は、空洞20の第一の端における円形断面の直径未満である。第二の端における空洞の断面の表面積は、第一の端における空洞の断面の表面積未満である。しかしながら、第二の端における空洞20の断面の周囲は、実質的に第一の端における空洞20の断面の形状と同じである。
【0142】
この実施形態では、空洞20の第二の端における長円形断面の長径は、空洞20の第一の端における円形断面の直径と同じであるが、当然のことながら、他の実施形態では、空洞20の第二の端における長円形断面の周囲が空洞20の第一の端における円形断面の周囲と同じであることを確保するために、空洞20の第二の端における長円形断面の長径が、空洞20の第一の端における円形断面の直径よりも大きい。
【0143】
空洞20の断面の形状は、実質的に第一の端部分21の長さに沿って円形であり、空洞20の断面の形状は、実質的に第二の端部分22の長さに沿って長円形である。しかしながら、空洞20の断面の形状は、第一の端部分21と第二の端部分22との間の交差部において、円形から長円形へと段階的に変化する。
【0144】
発熱体14は、第二の端から空洞20の中へと延び、第二の端部分22を通って、第二の端部分22と第一の端部分21との間の交差部へと延びるが、第一の端部分21の中へは延びない。発熱体14は細長くて薄く、長さと、実質的に厚さよりも大きな幅とを有する。発熱体14はまた、発熱体がエアロゾル形成基体を貫通することを可能にする、先の尖った端を有する。
図1、2、および3に示すように、発熱体14の幅は、実質的に空洞20の第二の端の長円形断面の長軸の方向に延びる。言い換えれば、発熱体14の幅は、実質的に空洞20の第二の端の長円形断面の最大寸法の方向に延びる。この配向では、第二の端における空洞20の長円形断面は、発熱体14の形状を補完する。
【0145】
図4は、
図1のエアロゾル発生装置10で使用するためのエアロゾル発生物品50を示す。エアロゾル発生物品50は、エアロゾル形成基体52、中空のアセテート管53、高分子フィルター54、および外側ラッパー56によって端と端を当接させて配設されたマウスピース55を備える。エアロゾル形成基体52は、たばこのプラグを含み、マウスピース55は、セルロースアセテート繊維のプラグを含む。エアロゾル発生物品は概して、実質的に
図1のエアロゾル発生装置10の空洞20の第一の端と同じ形状および寸法を有する円形断面を有する、円筒状ロッドを形成する。
【0146】
使用時、エアロゾル形成基体52を含むエアロゾル発生物品50の端は、第一の端で空洞20の中へと挿入される。エアロゾル発生物品50の断面の形状および寸法は、実質的に空洞20の第一の端部分21の断面の形状および寸法と類似しているため、エアロゾル形成基体52は、空洞の第一の端部分21を通して押し出された時に変形しない。しかしながら、エアロゾル発生物品50が空洞20の第二の端部分22の中へと押し込まれる時、エアロゾル形成基体52は、空洞20の断面の形状が円形から長円形へと変化するにつれて、ハウジング11の管状部分12によって変形される。エアロゾル形成基体52の断面の形状は、エアロゾル発生物品50が空洞20の第二の端部分22の中へと押し込まれる時に変化し、空洞20の第二の端部分22の形状および寸法に適合して、実質的に長円形になる。また、エアロゾル発生物品50が空洞20の第二の端部分22の中へと押し込まれるにつれて、発熱体14の先の尖った先端がエアロゾル形成基体52を貫通し、エアロゾル形成基体52が発熱体14上に受容される。
【0147】
図5に示すように、発熱体14の長さは、実質的にエアロゾル形成基体52の長さと同じである。
【0148】
エアロゾル形成基体52の断面の形状が円形から長円形へと変化する時、エアロゾル形成基体は発熱体の周りで圧縮される。断面の長円形状は、発熱体14の断面の形状によりよく似ており、これは圧縮とともに、発熱体14からエアロゾル形成基体52への熱伝達の改善、およびエアロゾル形成基体52の断面の形状が円形のままである場合と比較して、エアロゾル形成基体52を通した熱分布の改善をもたらす。
【0149】
図5は、
図1のエアロゾル発生装置10の空洞20の中へと挿入された
図4のエアロゾル発生物品50を示す。使用時、ユーザーは、ハウジング11上のボタン(図示せず)を押すことによってエアロゾル発生装置を起動し、電源15から発熱体14に電力が供給されてエアロゾル形成基体52を加熱する。ユーザーがエアロゾル発生物品50のマウスピース55を吸うと、空気は、ハウジング11のハウジングの管状部分12の入口(図示せず)を通してエアロゾル発生装置10の空洞20の中に、およびエアロゾル形成基体52を通してエアロゾル発生物品50の中へと引き出される。加熱されたエアロゾル形成基体52は、揮発性化合物を放出し、揮発性化合物はアセテート管53内に引き出され、アセテート管53および高分子フィルター54内で冷却され、凝縮してエアロゾルを形成し、マウスピース55を通してユーザーによって吸入される。
【0150】
エアロゾル発生物品50がエアロゾル発生装置10の空洞20から取り外されると、エアロゾル形成基体52はもはや圧縮されない。一部の実施形態では、エアロゾル形成基体52は、その変形形状を保持する場合がある。しかしながら、他の実施形態では、エアロゾル形成基体は、その変形していない形状(すなわち、実質的に円形断面)に戻り得る。
【0151】
図6は、実質的に
図1のエアロゾル発生装置10と類似したエアロゾル発生装置10を示し、同様の特徴を指定するために同様の参照符号が使用される。
図6のエアロゾル発生装置10は、
図6のエアロゾル発生装置10が、エアロゾル発生装置10からのエアロゾル形成基体の取り外しを補助するための抜き取り具30と、カバー40とを備えることを除いて、実質的に
図1のエアロゾル発生装置10と同じである。
【0152】
抜き取り具30は、エアロゾル形成基体を受容するための空洞20を画定する管状体を含む。空洞20は、実質的に
図1のエアロゾル発生装置10の空洞20と類似したサイズおよび形状を有する。空洞20は、エアロゾル形成基体を空洞20の中へと挿入するために開いている第一の端と、実質的に閉じている、第一の端とは反対側の第二の端とを含む。空洞20の第一の端部分21は、空洞20の第一の端から延び、空洞20の第二の端部分22は、空洞20の第二の端から延びる。第一の端部分21は、第二の端部分22へと延びてそこで終端し、第二の端部分22は、第一の端部分21へと延びてそこで終端する。
【0153】
空洞20は、第一の端と第二の端との間に延びる長さと、長さに対して垂直な断面とを有する。
図7ならびに10、10bおよび10cに示すように、第二の端における空洞20の断面の形状は、第一の端における空洞20の断面の形状とは異なる。空洞20の第一の端の断面は、実質的に円形である。空洞20の第二の端の断面は、実質的に長円形である。第二の端における空洞20の断面の表面積は、第一の端における空洞20の断面の表面積未満である。第二の端における空洞20の断面の周囲は、実質的に第一の端における空洞20の断面の形状と同じである。
【0154】
空洞20の断面の形状は、実質的に第一の端部分21の長さに沿って円形であり、空洞20の断面の形状は、実質的に第二の端部分22の長さに沿って長円形である。空洞20の断面の形状は、第一の端部分21と第二の端部分22との間の交差部において段階的に変化する。
【0155】
エアロゾル発生装置10は、その中に抜き取り具30が受容される空洞を画定する、管状部分12を含むハウジング11をさらに備える。また、エアロゾル発生装置10は、ブレードの形態の発熱体14を備える。
図8および9に示すように、抜き取り具30は、ハウジング11の管状部分12内に受容され、管状部分12および発熱体14に対して第一の部分と第二の位置との間で摺動可能である。第一の位置では、
図9に示すように、発熱体14は、抜き取り具30の空洞20の中へと延びる。第二の位置では、
図8に示すように、発熱体14は空洞20の中へと延びない。抜き取り具30は、空洞20の実質的に閉じた第二の端に、発熱体14が第二の端から空洞20の中へと延びることを可能にする開口部を有する。
【0156】
エアロゾル発生装置10は、共にハウジング11の管状部分12とは反対側においてハウジング11内に収容される、再充電可能リチウムイオン電池の形態の電源15とコントローラ16とをさらに備える。コントローラ16は、抜き取り具30が第一の位置にある時に、抜き取り具30の空洞20内に受容されたエアロゾル形成基体を加熱するために、電源15から発熱体14への電力の供給を制御するように構成される。
【0157】
カバー40は、管状部分12上に取り外し可能に受容可能であり、
図9に示すように、使用時に管状部分12を実質的に囲み、発熱体14によって発生した熱からユーザーをさらに遮蔽する。
【0158】
図9は、
図4のエアロゾル発生物品50が抜き取り具30の空洞20の中へと挿入され、抜き取り具30が、第一の位置に配設され、発熱体14が空洞20の中へと延びることを示す。物品50を抜き取り具30の空洞20の中へと挿入すると、
図5を参照して上述したように物品50およびエアロゾル形成基体52の同一の変形がもたらされ、エアロゾル形成基体52の断面の形状が円形から長円形へと変化する。
【0159】
使用時、ユーザーは、ハウジング11上のボタン(図示せず)を押すことによってエアロゾル発生装置を起動し、電源15から発熱体14に電力が供給されてエアロゾル形成基体52を加熱する。ユーザーがエアロゾル発生物品50のマウスピース55を吸うと、空気は、ハウジング11のハウジングの管状部分12の入口(図示せず)を通してエアロゾル発生装置10の空洞20の中に、およびエアロゾル形成基体52を通してエアロゾル発生物品50の中へと引き出される。加熱されたエアロゾル形成基体52は、揮発性化合物を放出し、揮発性化合物はアセテート管53内に引き出され、アセテート管53および高分子フィルター54内で冷却され、凝縮してエアロゾルを形成し、マウスピース55を通してユーザーによって吸入される。
【0160】
使用後、ユーザーは、まず抜き取り具30を第一の位置から第二の位置へと移動させることによって、
図6のエアロゾル発生装置10からエアロゾル発生物品50を抜き取り得る。これにより、エアロゾル発生物品50の外表面に摩擦を生じさせることなく、エアロゾル形成基体52が発熱体14から取り外される。次いで、ユーザーは、抜き取り具30からエアロゾル発生物品50を取り外し得る。この二工程プロセスは、抜き取り具なしでエアロゾル発生物品50を装置10から取り外すことと比較して、装置10から取り外される際にエアロゾル発生物品50が経験する瞬間的な摩擦力を減少させる。結果として、抜き取り具30は、エアロゾル発生装置からの取り外し中にエアロゾル発生物品50が破損する可能性を低減するのに役立つ。
【0161】
図11a、11bおよび11cは、本開示の別の実施形態による抜き取り具30を示す。
図11a、11b、および11cの抜き取り具30は、
図6および10の抜き取り具30と類似しており、同様の特徴を指定するために同様の参照符号が使用される。
【0162】
図11a、11b、および11cの抜き取り具30は、エアロゾル形成基体を受容するための空洞20を画定する管状体を含む。空洞20は、エアロゾル形成基体を空洞20の中へと挿入するために開いている第一の端と、実質的に閉じている、第一の端とは反対側の第二の端とを含む。空洞20の第一の端部分21は、空洞20の第一の端から延び、空洞20の第二の端部分22は、空洞20の第二の端から延びる。抜き取り具30は、空洞20の実質的に閉じた第二の端に、ブレード発熱体14が第二の端から空洞20の中へと延びることを可能にする開口部を有する。
【0163】
空洞20は、第一の端と第二の端との間に延びる長さと、長さに対して垂直な断面とを有する。第二の端における空洞20の断面の形状は、第一の端における空洞20の断面の形状とは異なる。空洞20の第一の端の断面は、実質的に円形である。空洞20の第二の端の断面は、実質的に長円形である。
【0164】
図11a、11bおよび11cの抜き取り具と
図6~10の抜き取り具との間の差異は、
図11a、11bおよび11cの抜き取り具の空洞20の第二の端における長円形断面の長径が、空洞20の第一の端における円形断面の直径未満であることである。言い換えれば、空洞20の第二の端における長円形断面の最大寸法は、空洞20の第一の端における円形断面未満である。空洞20の第二の端における長円形断面の長径の長さを減少させることは、発熱体14の周りのエアロゾル形成基体52のさらなる圧縮を提供し、これは発熱体14からエアロゾル形成基体52への改善された熱伝達を提供し得る。
【0165】
この実施形態では、第二の端における空洞20の断面の周囲は、第一の端における空洞の周囲よりも小さい。結果として、エアロゾル発生物品50が空洞20の中へと挿入され、かつ第二の端へと移動すると、外側ラッパー56は、エアロゾル形成基体52が空洞20の第二の端の中に圧縮されるのにつれて、捲縮するか、またはしわを発生し得る。外側ラッパー56の捲縮またはしわを減少させるために、スリットまたは切り込みがエアロゾル形成基体52を取り囲む外側ラッパーの一部分に提供されてもよい。スリットまたは切り込みは、エアロゾル発生物品50の長さの方向に延びることが好ましい。有利なことに、外側ラッパー56内のスリットまたは切り込みは、エアロゾル形成基体が空洞20の第二の端へと移動した時に、外側ラッパー56が捲縮するか、またはしわを発生することなく、外側ラッパー56の部分が重なり合うことを可能にし得る。
【0166】
図12a、12bおよび12cは、本開示の別の実施形態による抜き取り具30を示す。
図12a、12b、および12cの抜き取り具30は、
図6および10の抜き取り具30と類似しており、同様の特徴を指定するために同様の参照符号が使用される。
【0167】
図12a、12b、および12cの抜き取り具30は、エアロゾル形成基体を受容するための空洞20を画定する管状体を含む。空洞20は、エアロゾル形成基体を空洞20の中へと挿入するために開いている第一の端と、実質的に閉じている、第一の端とは反対側の第二の端とを含む。空洞20の第一の端部分21は、空洞20の第一の端から延び、空洞20の第二の端部分22は、空洞20の第二の端から延びる。
【0168】
空洞20は、第一の端と第二の端との間に延びる長さと、長さに対して垂直な断面とを有する。第二の端における空洞20の断面の形状は、第一の端における空洞20の断面の形状とは異なる。空洞20の第一の端の断面は、実質的に円形である。空洞20の第二の端の断面は、実質的に長円形である。
図12a、12bおよび12cの抜き取り具の空洞20の第二の端における長円形断面の長径は、実質的に空洞20の第一の端における円形断面の直径と同じである。
【0169】
図12a、12bおよび12cの抜き取り具と
図6~10の抜き取り具との間の差異は、
図12a、12bおよび12cの抜き取り具30が、空洞20の実質的に閉じた第二の端に二つの開口部を有し、二つのピン発熱体14が第二の端から空洞20の中へと延びることを可能にすることである。開口部は、ピン発熱体が空洞20の第二の端における断面の長円形状の焦点において空洞20の中へと延びるように配設されている。
【0170】
図13a、13bおよび13cは、本開示の別の実施形態による抜き取り具30を示す。
図13a、13bおよび13cの抜き取り具30は、
図12a、12bおよび12cの抜き取り具30と類似しており、同様の特徴を指定するために同様の参照符号が使用される。
【0171】
図13a、13bおよび13cの抜き取り具30は、エアロゾル形成基体を受容するための空洞20を画定する管状体を含む。空洞20は、エアロゾル形成基体を空洞20の中へと挿入するために開いている第一の端と、実質的に閉じている、第一の端とは反対側の第二の端とを含む。空洞20の第一の端部分21は、空洞20の第一の端から延び、空洞20の第二の端部分22は、空洞20の第二の端から延びる。抜き取り具30は、空洞20の実質的に閉じた第二の端に、二つのピン発熱体14が第二の端から空洞20の中へと延びることを可能にする二つの開口部を有する。
【0172】
空洞20は、第一の端と第二の端との間に延びる長さと、長さに対して垂直な断面とを有する。第二の端における空洞20の断面の形状は、第一の端における空洞20の断面の形状とは異なる。空洞20の第一の端の断面は、実質的に円形である。空洞20の第二の端の断面は、実質的に長円形である。
【0173】
図13a、13bおよび13cの抜き取り具と
図12a、12bおよび12cの抜き取り具との間の差異は、
図13a、13bおよび13cの抜き取り具の空洞20の第二の端における長円形断面の長径が、空洞20の第一の端における円形断面の直径未満であることである。
【0174】
図14a、14b、および14cは、本開示の別の実施形態による抜き取り具30を示す。
図14a、14bおよび14cの抜き取り具30は、
図12a、12bおよび12cの抜き取り具30と類似しており、同様の特徴を指定するために同様の参照符号が使用される。
【0175】
図14a、14bおよび14cの抜き取り具30は、エアロゾル形成基体を受容するための空洞20を画定する管状体を含む。空洞20は、エアロゾル形成基体を空洞20の中へと挿入するために開いている第一の端と、実質的に閉じている、第一の端とは反対側の第二の端とを含む。空洞20の第一の端部分21は、空洞20の第一の端から延び、空洞20の第二の端部分22は、空洞20の第二の端から延びる。抜き取り具30は、空洞20の実質的に閉じた第二の端に、二つのピン発熱体14が第二の端から空洞20の中へと延びることを可能にする二つの開口部を有する。
【0176】
空洞20は、第一の端と第二の端との間に延びる長さと、長さに対して垂直な断面とを有する。第二の端における空洞20の断面の形状は、第一の端における空洞20の断面の形状とは異なる。
【0177】
空洞20の第一の端の断面は、実質的に円形である。
図14a、14bおよび14cの抜き取り具と
図12a、12bおよび12cの抜き取り具との間の差異は、
図14a、14bおよび14cの空洞20の第二の端の断面が、八の字と類似した二つのローブ形状を形成する二つの一致する重なり合う円を含むことである。空洞20の第二の端における断面の二つのローブ形状の周囲は、実質的に空洞20の第一の端における円形断面の周囲と同じである。
【0178】
各ピン発熱体14は、二つの一致する円のうちの一つの中心を通って空洞20の第二の端の中へと延びる。空洞20の第二の端における断面の二つのローブ形状は、空洞20の第一の部分の円形断面よりも、ピン発熱体14の近くで空洞20内に受容されたエアロゾル形成基体の割合が高く、これはピン発熱体14からエアロゾル形成基体52への改善された熱伝達を提供し得る。
【0179】
図15aおよび15bは、本開示の別の実施形態による抜き取り具30を示す。
図15a及び15bの抜き取り具30は、
図6~10に示される抜き取り具30と類似しており、同様の特徴を指定するために同様の参照符号が使用される。
【0180】
図15aおよび15bの抜き取り具30は、エアロゾル形成基体を受容するための空洞20を画定する管状体を含む。空洞20は、エアロゾル形成基体を空洞20の中へと挿入するために開いている第一の端と、実質的に閉じている、第一の端とは反対側の第二の端とを含む。空洞20の第一の端部分21は、空洞20の第一の端から延び、空洞20の第二の端部分22は、空洞20の第二の端から延びる。抜き取り具30は、空洞20の実質的に閉じた第二の端に、単一のピン発熱体14が第二の端から空洞20の中へと延びることを可能にする単一の開口部を有する。
【0181】
空洞20は、第一の端と第二の端との間に延びる長さと、長さに対して垂直な断面とを有する。第二の端における空洞20の断面の形状は、第一の端における空洞20の断面の形状とは異なる。空洞20の第一の端の断面は、実質的に円形である。空洞20の第二の端の断面は、実質的に三角形である。
【0182】
空洞20の第二の端における三角形断面は、空洞20の第二の端の三角形断面が空洞の第一の端の円形断面を超えて延びないように、角部で切頭される。空洞20の第二の端における三角形断面は、空洞20の第一の部分の円形断面よりも、ピン発熱体14の近くで空洞20内に受容されたエアロゾル形成基体の割合が高く、これは発熱体14からエアロゾル形成基体52への改善された熱伝達を提供し得る。
【0183】
図16aおよび16bは、本開示の別の実施形態による抜き取り具30を示す。
図16aおよび16bの抜き取り具30は、
図15aおよび15bの抜き取り具30と類似しており、同様の特徴を指定するために同様の参照符号が使用される。
【0184】
図16aおよび16bの抜き取り具30は、エアロゾル形成基体を受容するための空洞20を画定する管状体を含む。空洞20は、エアロゾル形成基体を空洞20の中へと挿入するために開いている第一の端と、実質的に閉じている、第一の端とは反対側の第二の端とを含む。空洞20の第一の端部分21は、空洞20の第一の端から延び、空洞20の第二の端部分22は、空洞20の第二の端から延びる。抜き取り具30は、空洞20の実質的に閉じた第二の端に、単一のピン発熱体14が第二の端から空洞20の中へと延びることを可能にする単一の開口部を有する。
【0185】
空洞20は、第一の端と第二の端との間に延びる長さと、長さに対して垂直な断面とを有する。第二の端における空洞20の断面の形状は、第一の端における空洞20の断面の形状とは異なる。空洞20の第一の端の断面は、実質的に円形である。第二の端における空洞20の断面の形状は、実質的に三角形である。
【0186】
図16aおよび16bの抜き取り具30と
図15aおよび15bの抜き取り具30との間の差異は、
図16aおよび16bの抜き取り具30の空洞20の第二の端の三角形断面の側面の長さが、
図15aおよび15bの抜き取り具30の空洞20の第二の端の三角形断面の側面の長さ未満であることである。これは、
図15aおよび15bの抜き取り具30の空洞20の第二の端の三角形断面の表面積と比較して、
図16aおよび16bの抜き取り具30の空洞20の第二の端の三角形断面の表面積を減少させ、発熱体14からエアロゾル形成基体52への改善された熱伝達を提供し得る。
【0187】
図17aおよび17bは、本開示の別の実施形態による抜き取り具30を示す。
図17aおよび17bの抜き取り具30は、
図6~10の抜き取り具30と類似しており、同様の特徴を指定するために同様の参照符号が使用される。
【0188】
図17aおよび17bの抜き取り具30は、エアロゾル形成基体を受容するための空洞20を画定する管状体を含む。空洞20は、エアロゾル形成基体を空洞20の中へと挿入するために開いている第一の端と、実質的に閉じている、第一の端とは反対側の第二の端とを含む。空洞20の第一の端部分21は、空洞20の第一の端から延び、空洞20の第二の端部分22は、空洞20の第二の端から延びる。抜き取り具30は、空洞20の実質的に閉じた第二の端に、単一のピン発熱体14が第二の端から空洞20の中へと延びることを可能にする単一の開口部を有する。
【0189】
空洞20は、第一の端と第二の端との間に延びる長さと、長さに対して垂直な断面とを有する。第二の端における空洞20の断面の形状は、第一の端における空洞20の断面の形状と同じである。空洞20の第一の端の断面は、実質的に円形であり、空洞20の第二の端の断面は、実質的に円形である。
【0190】
空洞20の第二の端における空洞20の円形断面の直径は、空洞20の第一の端における円形断面の直径未満である。これは、空洞20の第一の端の断面の表面積と比較して、空洞20の第二の端の断面の表面積を減少させ、ピン発熱体14からエアロゾル形成基体52への改善された熱伝達を提供し得る。
【国際調査報告】