(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-09
(54)【発明の名称】アミド系溶媒を含む電解液、およびそのような電解液を組み込んだ電気化学デバイス
(51)【国際特許分類】
H01M 10/0569 20100101AFI20241226BHJP
H01M 10/0568 20100101ALI20241226BHJP
H01M 10/052 20100101ALI20241226BHJP
H01M 10/054 20100101ALI20241226BHJP
H01G 11/60 20130101ALI20241226BHJP
H01G 11/84 20130101ALI20241226BHJP
【FI】
H01M10/0569
H01M10/0568
H01M10/052
H01M10/054
H01G11/60
H01G11/84
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024541182
(86)(22)【出願日】2023-01-10
(85)【翻訳文提出日】2024-08-26
(86)【国際出願番号】 IB2023050222
(87)【国際公開番号】W WO2023131930
(87)【国際公開日】2023-07-13
(32)【優先日】2022-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521500812
【氏名又は名称】エスイーエス ホールディングス ピーティーイー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SES Holdings Pte. Ltd.
【住所又は居所原語表記】1 Robinson Road,18-00 AIA Tower,Singapore,Singapore 048542
(74)【代理人】
【識別番号】100136319
【氏名又は名称】北原 宏修
(74)【代理人】
【識別番号】100143498
【氏名又は名称】中西 健
(72)【発明者】
【氏名】ビン リウ
(72)【発明者】
【氏名】シンユー リー
(72)【発明者】
【氏名】ランドルフ レイシング
(72)【発明者】
【氏名】ミンフ ハー
(72)【発明者】
【氏名】エリック ラッタ
(72)【発明者】
【氏名】ジンユ ドゥ
(72)【発明者】
【氏名】ホン ガン
(72)【発明者】
【氏名】チーチャオ フー
【テーマコード(参考)】
5E078
5H029
【Fターム(参考)】
5E078AA09
5E078AA11
5E078AB01
5E078DA04
5E078DA06
5E078DA18
5E078DA19
5H029AJ05
5H029AK01
5H029AK03
5H029AL03
5H029AL07
5H029AL08
5H029AL11
5H029AL12
5H029AL13
5H029AM02
5H029AM03
5H029AM04
5H029AM05
5H029AM07
(57)【要約】
【解決手段】 電解液は、1つ以上の塩、1つ以上のアセトアミド系溶媒、および任意に1つ以上の非アセトアミド系溶媒を含む。いくつかの実施形態において、開示される電解液は、特に、アルカリ金属系(例えば、リチウム系)の二次電池セルなどの電気化学デバイスにおいて使用され得る。また、開示される電解液を組み込んだ電気化学デバイスも開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのアルカリ土類金属塩を含む塩系と、
以下の構造Iおよび構造IIのいずれか1つを有する溶媒を含む溶媒系と
を含む電解液。
R
1-CO-N-R
2R
3(構造I)
ここで、構造Iにおいて、R
1は、-F、-CF
3、-C
xH
yF
z(直鎖状または分枝状、x=1~4、y=0~2x+1、z=0~2x+1、およびy+z=2x+1)であり得、R
2およびR
3はそれぞれ、-H、-CH
3-a-(C
xH
yF
z)
a(直鎖状または分枝状、x=0~3、y=0~2x+1、z=0~2x+1、およびy+z=2x+1、a=0~3)であり得、R
2≠R
3またはR
2=R
3であり得る。
-R
1-CO-N-(R
2)-CH
2-(構造II)
ここで、構造IIにおいて、R
1は、-(CH
xF
y)(CH
zF
a)-(x=0~2、y=0~2、z=0~2、a=0~2)であり得、R
2は、-CH
3-a-(C
xH
yF
z)
a(直鎖状または分枝状、x=1~3、y=0~2x+1、z=0~2x+1、およびy+z=2x+1、a=0~3)であり得る。
【請求項2】
前記少なくとも1つのアルカリ土類金属塩がリチウム塩である、請求項1に記載の電解液。
【請求項3】
前記少なくとも1つのアルカリ土類金属塩がナトリウム塩である、請求項1に記載の電解液。
【請求項4】
前記電解液は約0.1Mから約10Mの範囲内の塩系濃度を有する、請求項1に記載の電解液。
【請求項5】
前記電解液は約0.5Mから約5Mの範囲内の塩系濃度を有する、請求項1に記載の電解液。
【請求項6】
前記溶媒系が、本質的に1つ以上の構造Iの溶媒からなる、請求項1に記載の電解液。
【請求項7】
前記溶媒系が、本質的に1つ以上の構造IIの溶媒からなる、請求項1に記載の電解液。
【請求項8】
前記溶媒系が、構造Iの溶媒および構造IIの溶媒を含む、請求項1に記載の電解液。
【請求項9】
前記溶媒系が、本質的に
構造Iもしくは構造IIのいずれか、または、構造Iおよび構造IIの両方の1つ以上の溶媒と、
少なくとも1つの非アセトアミド系溶媒からなる、請求項1に記載の電解液。
【請求項10】
前記少なくとも1つの非アセトアミド系溶媒が、カーボネート系溶媒、エーテル系溶媒、およびスルホニル系溶媒からなる群から選択される、請求項9に記載の電解液。
【請求項11】
前記溶媒系が、CF
3-CO-N-HCH
3、CF
3-CO-N-(CH
3)
2、CF
3-CO-N-(CH
2CF
3)(CH
3)、CF
3CF
2-CO-N-(CH
3)
2、CF
3-CO-N-(CH
2CF
3)
2、F-CO-N-(CH
3)
2、およびF-CO-N-(CH
2CF
3)
2の溶媒のいずれか1つ以上を含む、請求項1に記載の電解液。
【請求項12】
前記溶媒系が、本質的に、CF
3-CO-N-HCH
3、CF
3-CO-N-(CH
3)
2、CF
3-CO-N-(CH
2CF
3)(CH
3)、CF
3CF
2-CO-N-(CH
3)
2、CF
3-CO-N-(CH
2CF
3)
2、F-CO-N-(CH
3)
2、およびF-CO-N-(CH
2CF
3)
2の溶媒のいずれか1つ以上からなる、請求項1に記載の電解液。
【請求項13】
前記溶媒系が、CF
3-CO-N-HCH
3、CF
3-CO-N-(CH
3)
2、CF
3-CO-N-(CH
2CF
3)(CH
3)、CF
3CF
2-CO-N-(CH
3)
2、CF
3-CO-N-(CH
2CF
3)
2、F-CO-N-(CH
3)
2、およびF-CO-N-(CH
2CF
3)
2の溶媒のいずれか1つ以上からなる、請求項1に記載の電解液。
【請求項14】
前記溶媒系が、-CF
2CF
2-CO-N-(CH
3)-CH
2-、-CFHCFH-CO-N-(CH
3)-CH
2-,および-CH
2CH
2-CO-N-(CHCF
3)-CH
2-の溶媒のいずれか1つ以上を含む、請求項1に記載の電解液。
【請求項15】
前記溶媒系が、-CF
2CF
2-CO-N-(CH
3)-CH
2-、-CFHCFH-CO-N-(CH
3)-CH
2-,および-CH
2CH
2-CO-N-(CHCF
3)-CH
2-の溶媒のいずれか1つ以上を含む、請求項1に記載の電解液。
【請求項16】
前記溶媒系が、-CF
2CF
2-CO-N-(CH
3)-CH
2-、-CFHCFH-CO-N-(CH
3)-CH
2-,および-CH
2CH
2-CO-N-(CHCF
3)-CH
2-の溶媒のいずれか1つ以上を含む、請求項1に記載の電解液。
【請求項17】
アノードとカソードとの間のアルカリ土類金属のイオンの流れを利用して作動する二次電池用の電解液を製造する方法であって、
以下の構造Iおよび構造IIのうちの1つを有する少なくとも1つの溶媒を提供する工程と、
アルカリ土類金属を含む少なくとも1つの塩を提供する工程と、
少なくとも1つの溶媒と少なくとも1つの塩を互いに組み合わせて電解液とすることと
を含む方法。
R
1-CO-N-R
2R
3(構造I)
ここで、構造Iにおいて、R
1は、-F、-CF
3、-C
xH
yF
z(直鎖状または分枝状、x=1~4、y=0~2x+1、z=0~2x+1、およびy+z=2x+1)であり得、R
2およびR
3はそれぞれ、-H、-CH
3-a-(C
xH
yF
z)
a(直鎖状または分枝状、x=0~3、y=0~2x+1、z=0~2x+1、およびy+z=2x+1、a=0~3)であり得、R
2≠R
3またはR
2=R
3であり得る。
-R
1-CO-N-(R
2)-CH
2-(構造II)
ここで、構造IIにおいて、R
1は、-(CH
xF
y)(CH
zF
a)-(x=0~2、y=0~2、z=0~2、a=0~2)であり得、R
2は、-CH
3-a-(C
xH
yF
z)
a(直鎖状または分枝状、x=1~3、y=0~2x+1、z=0~2x+1、およびy+z=2x+1、a=0~3)であり得る。
【請求項18】
前記電解液が所望の塩濃度を有し、前記少なくとも1つの溶媒と前記少なくとも1つの塩とを互いに組み合わせることが、前記所望の塩濃度を作り出す量で、前記少なくとも1つの溶媒と前記少なくとも1つの塩とを互いに組み合わせることを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記所望の塩濃度が約0.1Mから約10Mの範囲内である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記所望の塩濃度が約0.5Mから約5Mの範囲内である、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記所望の塩濃度が約0.5Mから約3Mの範囲内である、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記少なくとも1つの溶媒の各分子が、いくつかのフッ素原子を有し、前記方法が、前記フッ素原子の数に基づいて前記少なくとも1つの溶媒を選択することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
構造Iおよび構造IIのそれぞれの第1および第2の溶媒を提供することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
前記第1の溶媒の各分子が第1の数のフッ素原子を有し、前記第2の溶媒の各分子が第2の数のフッ素原子を有し、前記方法が、互いに相対的な前記第1および第2の数のフッ素原子に基づいて前記第1および第2の溶媒を選択することをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
少なくとも1つの非アセトアミド系溶媒を提供することと、前記少なくとも1つの非アセトアミド系溶媒、前記少なくとも1つの溶媒、および前記少なくとも1つの塩を互いに組み合わせて、前記電解液を作製することとをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項26】
前記少なくとも1つの非アセトアミド系溶媒が、エーテル、カーボネート、スルホニル、ニトリル、ホスフェート、スルホネート、スルトン、サルフェート、イオン液体、ホスホネート、ホスファイト、スルホン、スルホニルイソシアネート、およびオルトホルメート溶媒からなる群から選択され、前記アセトアミド系溶媒系中の各溶媒が、体積比、重量比、もしくはモル比で約100%から約0.05%の範囲内、または体積比、重量比、もしくはモル比で約5%から約50%の範囲内である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
アルカリ土類金属を含むアノードと、
カソードと、
前記アノードと前記カソードとの間に配置されたセパレータと、
前記セパレータを飽和させ、前記アノードおよび前記カソードのそれぞれと適切に接触する請求項1から16のいずれかに記載の電解液と
を含む、電気化学デバイス。
【請求項28】
前記アルカリ土類金属がリチウムである、請求項27に記載の電気化学デバイス。
【請求項29】
前記アルカリ土類金属がナトリウムである、請求項27に記載の電気化学デバイス。
【請求項30】
前記電気化学デバイスが二次電池である、請求項27に記載の電気化学デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2022年1月10日に出願された「アセトアミド系溶媒を含む電解液、およびそのような電解液を組み込んだ電気化学デバイス」という名称の米国仮特許出願第63/298,008号の優先権の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、電気化学デバイス用の電解液の分野に関する。特に、本開示は、アセトアミド系溶媒を含む電解液、およびそのような電解液を組み込んだ電気化学デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
従来のカーボネート系電解液を用いたリチウムイオン電池は、満足のいくエネルギー密度性能を示すことができていない。これは、リチウムイオン電池のアノードとして広く使用されている黒鉛の比容量(375mAh g-1)が低いためである。あらゆるアノード材料の中で、リチウム(Li)金属は、非常に高い比容量(3,860mAh g-1)と最も低い負電位(標準水素電極に対して-3.04V)を有するため、最も有望であると考えられてきた。高エネルギー密度のリチウム金属電池は、ここ数十年で大きな進歩を遂げてきたが、既存の電解液は、少なくとも以下の問題を解決するにはまだ不十分である。つまり、1)サイクル寿命の制限、2)リチウムのデンドライト成長、3)安全性の低さ(例えば、電解液自体の可燃性や高温でのセル構成要素との熱安定性)。
【0004】
一般に、電解液溶媒には大きく分けてエーテルとカーボネートの2種類がある。エーテルは、4Vを超える充電電圧が印加されると酸化分解する。エーテルに比べ、カーボネートは酸化安定性が比較的優れているが、リチウム金属電池に使用されるリチウム金属アノードに対する熱力学的安定性は、エーテル系電解液よりも悪い。明らかに、カーボネート系電解液系もエーテル系電解液系も、リチウム金属二次電池の用途には限界がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
リチウム金属二次電池の電解液用途のための新しいクラスの溶媒の発見が必要であると考えられている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施態様において、本開示は、少なくとも1つのアルカリ土類金属塩を含む塩系と、以下の構造Iおよび構造IIのいずれか1つを有する溶媒を含む溶媒系とを含む電解液に関する。(構造I)R1-CO-N-R2R3式中、R1は、-F、-CF3、-CxHyFz(直鎖状または分枝状、x=1~4、y=0~2x+1、z=0~2x+1、y+z=2x+1)であり得、R2およびR3は、それぞれ、-H、-CH3-a-(CxHyFz)a(直鎖状または分枝状,x=0~3,y=0~2x+1,z=0~2x+1,y+z=2x+1,a=0~3)であり得、R2≠R3またはR2=R3である。(構造II)-R1-CO-N-(R2)-CH2-式中、R1は、-(CHxFy)(CHzFa)-(x=0~2、y=0~2、z=0~2、a=0~2)であり得、R2は、-CH3-a-(CxHyFz)a(直鎖状または分枝状、x=1~3、y=0~2x+1、z=0~2x+1、y+z=2x+1、a=0~3)であり得る。
【0007】
別の実施形態において、本開示は、アノードとカソードとの間のアルカリ土類金属のイオンの流れを利用して作動する二次電池用の電解液を製造する方法に関する。この方法は、以下の構造Iおよび構造IIのうちの1つを有する少なくとも1つの溶媒を提供することと、前記アルカリ土類金属を含む少なくとも1つの塩を提供することと、前記少なくとも1つの溶媒と前記少なくとも1つの塩とを互いに組み合わせて、前記電解液を作製することとを含む。
(構造I)R1-CO-N-R2R3式中、R1は、-F、-CF3、-CxHyFz(直鎖状または分枝状、x=1~4、y=0~2x+1、z=0~2x+1、y+z=2x+1)であり得、R2およびR3は、それぞれ、-H、-CH3-a-(CxHyFz)a(直鎖状または分枝状,x=0~3,y=0~2x+1,z=0~2x+1,y+z=2x+1,a=0~3)であり得、R2≠R3またはR2=R3である。(構造II)-R1-CO-N-(R2)-CH2-式中、R1は、-(CHxFy)(CHzFa)-(x=0~2、y=0~2、z=0~2、a=0~2)であり得、R2は、-CH3-a-(CxHyFz)a(直鎖状または分枝状、x=1~3、y=0~2x+1、z=0~2x+1、y+z=2x+1、a=0~3)であり得る。
【0008】
さらに別の実施形態において、本開示は、アルカリ土類金属を含むアノードと、カソードと、アノードとカソードとの間に位置するセパレータと、セパレータを飽和させ、アノードおよびカソードのそれぞれと適切に接触する電解液とを含む電気化学デバイスに関する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
例示の目的で、図面は、1つまたは複数の例示的な実施形態の態様を示す。しかしながら、本開示は、図面に示される正確な配置および手段に限定されないことを理解されたい。
【
図1】本開示の例示的なアセトアミド系溶媒AからGの最低非占有分子軌道(LUMO)値および最高占有分子軌道(HOMO)値を示す図である。
【
図2】1mV/sの走査速度で行った際の8Mのリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)ジメチルトリフルオロアセトアミド(DTA)電解液の線形走査ボルタンメトリーを示す電流密度対電圧のグラフである。
【
図3】5mV/sの走査速度での8M LiFSI-DTA電解液のアルミニウム腐食評価を示す電流密度対電圧のグラフである。
【
図4】5℃/分の走査速度での4.3M LiFSI-DTA電解液の低温示差走査熱量測定特性を示す、熱流量対温度のグラフである。
【
図5】10℃/分の走査速度での、8M LiFSI-DTA電解液を有する満充電(充電状態:100%)高Ni NMCカソード、および1M LiPF
6-EC/EMC(v:v=1:1)電解液を有する満充電(充電状態:100%)高Ni NMCカソードの高温示差走査熱量測定特徴付けを示す、熱流量対温度のグラフである。
【
図6】DTA溶媒の可燃性評価中に撮影された2枚の写真を含む。
【
図7】本開示の原理に従って作製された電気化学デバイスを示す高レベルの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示において、新規なアセトアミド系電解液に関する予想外の知見が提示される。これらの知見は、そのようなアセトアミド系溶媒が、改善された電解液特性および改善されたリチウム金属セル性能を提供することを実証する。
【0011】
説明を進める前に、対応する数値または他の定量的尺度と共に使用される場合の「約」という用語は、数値の±20%、通常は数値の±10%、多くの場合数値の±5%、最も多くの場合数値の±2%を指すことに留意されたい。いくつかの実施形態では、用語「約」は、数値自体を意味し得る。
【0012】
本明細書に開示されるのは、新しいクラスのアセトアミド系溶媒であり、
図1にAからGとして列挙される例示的な溶媒を含むが、これらの例示的な溶媒に限定されるものではない。本明細書に開示される溶媒は、最低非占有分子軌道(LUMO)および最高占有分子軌道(HOMO)の値の計算によれば、広い電圧窓を有する。例えば、(CH
3)
2NCOCF
3(
図1に記載の溶媒B)は、ジメチルトリフルオロアセトアミド(DTA)である。
図2に示すように、8M リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)-DTA電解液の酸化安定電圧は4.7V以上であり、これは高電圧電池の用途の要求に適合することができる。また、アルミニウム(Al)の表面は、8MのLiFSI-DTA電解液を介して不動態化することができ、不動態化されたAlは腐食を示さない(
図3)。加えて、-90℃から40℃の間で4.3M LiFSI-DTA電解液の熱相転移がないことが観察されている。その結果、この新しいクラスの電解液の実施形態は、
図4に示されるように、比較的極めて広い液相温度範囲(-90℃まで)のため、広い温度範囲で適用することができる。
【0013】
高温示差走査熱量測定(DSC)特性評価において、本開示の新規電解液(4.3M LiFSI-DTA)が満充電(充電状態:100%)の高Niニッケルマンガン-コバルト酸化物(NMC)カソードと高温で生成する熱量は、従来の市販のリチウムイオン電池電解液(1M LiPF
6-エチレンカーボネート(EC)/エチルメチルカーボネート(EMC)、v:v=1:1)の熱量よりもはるかに少ない。これは、新規電解液が安全性(例えば、一般的な熱暴走)を改善できることを示している(
図5)。
【0014】
図6は、アセトアミド系溶媒としてのDTAの可燃性の評価を示している。DTA溶媒は発火する可能性があるが、興味深いことに、その後、極めて短時間(1秒未満)で自己消火した。本明細書に提示される溶媒の上記の非常に優れた熱安定性と自己消火性/非常に低い可燃性を考慮すると、新しいクラスのアセトアミド系電解液は、重要なセルの安全性向上に有益である。
【0015】
本開示において、本開示のアセトアミド系溶媒のいくつかの実施形態は、以下の一般的な化学構造によって表される。
【0016】
【0017】
ここで、R1は、-F、-CF3、-CxHyFz(直鎖状または分岐状、x=1~4,y=0~2x+1,z=0~2x+1,およびy+z=2x+1)であり得、R2およびR3は、それぞれ-H、-CH3-a-(CxHyFz)a(直鎖状または分岐状、x=0~3、y=0~2x+1、z=0~2x+1、およびy+z=2x+1、a=0~3)であり得、R2≠R3またはR2=R3であり得る。
【0018】
このリストに拘束されないが、上記の構造Iを有するアセトアミド系溶媒のいくつかの例は、以下の通りである(括弧内の文字は、
図1の対応する溶媒を示す)。1)R
1は-Fであり、R
2は-CH
3であり、R
3は-CH
3であり、溶媒はF-CO-N-(CH
3)
2[F]である。2)R
1は-Fであり、R
2は-CH
2CF
3であり、R
3は-CH
2CF
3であり、溶媒はF-CO-N-(CH
2CF
3)
2[G]である。3)R
1は-Fであり、R
2は-CH
2CF
3であり、R
3は-CH
3であり、溶媒はF-CO-N-(CH
2CF
3)(CH
3)である。4)R
1は-CF
3であり、R
2は-CH
3であり、R
3は-CH
3であり、溶媒はCF
3-CO-N-(CH
3)
2[B]である。5)R
1は-CF
3であり、R
2は-CH
2CF
3であり、R
3は-CH
2CF
3であり、溶媒はCF
3-CO-N-(CH
2CF
3)
2[E]である。6)R
1は-CF
3であり、R
2は-CH
2CF
3であり、R
3は-CH
3であり、溶媒はCF
3-CO-N-(CH
2CF
3)(CH
3)[C]である。7)R
1は-CF
3CF
2であり、R
2は-CH
3であり、R
3は-CH
3であり、溶媒はCF
3CF
2-CO-N-(CH
3)
2[D]である。8)R
1は-CF
3であり、R
2は-Hであり、R
3は-CH
3であり、溶媒はCF
3-CO-N-HCH
3[A]である。
【0019】
本開示において、アセトアミド系溶媒のいくつかの実施形態は、環状アセトアミド型溶媒であってよく、以下の一般的な化学構造(ここで、R1は、-CH2-と結合して5員環を形成する)によって表すことができる。
【0020】
【0021】
ここで、R1は、-(CHxFy)(CHzFa)-(x=0~2、y=0~2、z=0~2、a=0~2)であり得、R2は、-CH3-a-(CxHyFz)a(直鎖状または分岐状、x=1~3、y=0~2x+1、z=0~2x+1、およびy+z=2x+1、a=0~3)であり得る。
【0022】
このリストに拘束されるものではないが、上記の構造IIを有するアセトアミド系溶媒のいくつかの例は、以下の通りである。1)R1は-CF2CF2-であり、R2は-CH3であり、溶媒は-CF2CF2-CO-N-(CH3)-CH2-である。2)R1は-CFHCFH-であり、R2は-CH3-であり、溶媒は-CFHCFH-CO-N-(CH3)-CH2-である。3)R1は-CH2CH2-であり、R2は-CHCF3-であり、溶媒は-CH2CH2-CO-N-(CHCF3)-CH2-である。
【0023】
本開示の電解液は、上記の構造Iまたは構造IIのいずれかを有する単一のアセトアミド系溶媒を含有する溶媒系(すなわち、単一の溶媒または2つ以上の溶媒の混合物)を含んでいてもよく、または、それぞれが上記の構造Iまたは構造IIのいずれかを有し、各溶媒が、100体積%から0.05体積%、重量%、またはモル比の範囲である2つ以上のアセトアミド系溶媒の混合物を含有してもよい。2つ以上のアセトアミド系溶媒を混合する際の考慮点は、複数の溶媒の異なる特性および/または異なる機能が、単一のアセトアミド系溶媒と比較して、問題となっている特定の用途の要件に対して改善をもたらすか否かである。例えば、1つの特別な考慮点は、溶媒の塩溶解性に由来する。1分子あたりより多くのフッ素原子を含む本開示のアセトアミド系溶媒は、溶解性が低下しているが、高い安定性を示す。一方、1分子あたりのフッ素原子の数が比較的少なく、良好な塩溶解性を有する他のアセトアミド系溶媒は、1分子あたりのフッ素原子の数が比較的多い溶媒と組み合わせることで、両方の溶媒の有益な属性を有する溶媒系を提供することができる。
【0024】
加えて、本開示の溶媒系は、1つ以上の他の種類の溶媒を更に含有してもよく、各そのような他の溶媒は、非フッ素化またはフッ素化のいずれかであり、ハイブリッド溶媒系、すなわち、1つ以上のアセトアミド系溶媒および1つ以上の非アセトアミド系溶媒からなる溶媒系を生成する。非アセトアミド系溶媒を使用すべきかどうかについての考慮点は、特定の用途に必要な電解液の特徴および機能を、アセトアミド系溶媒系のみで達成できるかどうかということである。そうでない場合、1つ以上の非アセトアミド系溶媒を本開示の1つ以上のアセトアミド系溶媒と組み合わせて、ハイブリッド溶媒系を作製することができる。ハイブリッド溶媒系を実施することによって、得られるハイブリッド電解液(すなわち、ハイブリッド溶媒系と1つ以上の塩)の特性を慎重に調節することで、複数の溶媒のそれぞれの利点を活用することにより、より優れた電解液全体の性能を達成することができる。
【0025】
1つ以上のアセトアミド系溶媒と混合することによってハイブリッド溶媒系を作製するために使用することができる非アセトアミド系溶媒の例としては、1)エーテル、例えば、メチルプロピルエーテル、メチルブチルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチルブチルエーテル、プロピルブチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、およびジブチルエーテル、1、2-ジエトキシエタン、1、2-ジメトキシエタン、1、2-ジプロポキシエタン、および1、2-ジブトキシエタン、ビス(2-メトキシエチル)エーテル、2-エトキシエチルエーテル、1、2-(1、1、2、2-テトラフルオロエトキシ)エタン、1、1、2、2-テトラフルオロエチル2、2、3、3-テトラフルオロプロピルエーテル、1、3-ジオキソラン、1、4-ジオキサン、1、3-ジオキサン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン、2、4-ジメチルテトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、3-メチルテトラヒドロフラン、および2-エチル-5-メチルテトラヒドロフラン、2)カーボネート、例えば、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、およびフルオロエチレンカーボネート、並びに3)スルファモイル系溶媒、例えば、N、N-ジメチルスルファモイルフルオリド、N、N-エチルメチルスルファモイルフルオリド、およびN、N-ジメチルトリフルオロメタンスルホンアミドなどが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの非アセトアミド系溶媒のそれぞれは、エーテル、カーボネート、スルホニル、ニトリル、ホスフェート、スルホネート、スルトン、サルフェート、イオン液体、ホスホネート、ホスファイト、スルホン、スルホニルイソシアネート、およびオルトホルメート溶媒からなる群から選択されてもよく、アセトアミド系溶媒系中の各溶媒は、例えば、それぞれ溶媒系に対して体積比、重量比、あるいはモル比で約100%から約0.05%の範囲内であるか、または、それぞれ溶媒系に対して体積比、重量比、あるいはモル比で約5%から約50%の範囲内である。当業者であれば理解するように、一般に電解液に使用される溶媒材料の相対量に応じて、電解液の溶媒または電解液の添加剤として、上述の溶媒材料および/または他の溶媒材料の様々なものを使用することができる。
【0026】
本開示の電解液は、新規な電解液を提供するために、上述したように構成された溶媒系などの適切な溶媒系と溶液中に適切な塩系(すなわち、単一の塩または2つ以上の塩の組合せ)を含んでいてもよい。リチウム系電気化学デバイス(例えば、リチウム金属二次電池)およびナトリウム系電気化学デバイス(例えば、ナトリウム金属二次電池)の文脈において、以下のリチウム系およびナトリウム系の塩を、それぞれ、上記のアセトアミド系溶媒系のいずれかと組み合わせて、対応する電解液を作製することができる。具体的には、LiFSI、LiTFSI、LiClO4、LiBF4、LiPF6、LiAsF6、LiTf、LiBETI、LiCTFSI、LiTDI、LiPDI、LiDCTA、LiB(CN)4、LiBOB、LiDFOB、およびLiDFPなどが挙げられ、並びに、NaFSI、NaTFSI、NaClO4、NaBF4、NaPF6、NaAsF6、NaTf、NaBETI、NaCTFSI、NaTDI、NaPDI、NaDCTA、NaB(CN)4、NaBOB、NaDFOB、およびNaDFBなどが挙げられる。いくつかの実施形態では、塩系は、単一の塩または塩の組み合わせのいずれかであってもよく、特定の用途に適合するように、電解液内の濃度が、他の範囲の中でも、約0.1Mから約10M以上、約0.1Mから約5M、約0.5Mから約5M、または約0.5Mから約3Mであってもよい。当業者であれば理解するように、一般に、電解液に使用される塩材料の相対量に応じて、上述の塩材料および/または他の塩材料の様々なものを電解液の塩または電解液の添加剤として使用することができる。
【0027】
動作原理:本開示の電解液の利点は、以下のうちのいずれか1つ以上を含み得るが、これらに限定されない。1)リチウム電池におけるリチウム金属アノードおよびカソード材料との良好な適合性および化学安定性、2)高電圧(4.7V超)での高い酸化安定性、3)電極を保護するためのアノード表面およびカソード表面上の緻密な不動態化層、4)高温での高い熱安定性(完全に充電されたカソードを有する電解液を290℃まで加熱したときの熱流出力は2W/g未満)、5)広い動作温度(-90℃から80℃)、および6)自己消火性および低可燃性(自己消火時間は1秒未満である)。
【0028】
主な技術的問題:リチウム金属二次電池が直面している主な技術的問題には、安全性能の低さとサイクル寿命の短さがある。これらの問題に対して、リチウム金属電池に使用される電解液は、安全性と電気化学的性能の面で電池性能を支配する重要な役割を果たす。
【0029】
技術的解決策:本明細書に開示される新しいクラスのアセトアミド系電解液は、アノードおよびカソード材料との良好な化学的適合性、改善された熱安定性、低い可燃性、および高電圧での向上した酸化安定性を示すことができ、これは、サイクル寿命の明らかな改善に役立つことができる。本明細書に開示される新しいクラスの溶媒を電解液配合設計と組み合わせることにより(例えば、発明されたアセトアミド溶媒の塩との優れた配位能力に依存して、高い塩:溶媒モル比を可能にし、高配位塩-溶媒クラスターを形成し、遊離溶媒を最小限に抑え、塩による固体電解質界面(SEI)の保護層をアノード表面に最大限に形成するなど)、本明細書に開示される溶媒に依存するリチウム金属電池は、長期持続性サイクルおよび改善された安全性を示すことが大いに期待される。いくつかの実施形態では、アセトアミド系電解液内の遊離溶媒を最小限に抑えるために、塩:溶媒比(例えば、LiFSI:DTAのモル比)を約1:2以上かつ約1:0.5以下(例えば、1:2、1:1.8、1:1.6、1:1.4、1:1.2、1:1など)にして、アノード表面上のより良好な塩由来のSEI不動態化層形成のために塩の分解を開始させることが望ましい。塩がLiFSIであり、アセトアミド系溶媒がDTAである特定の実施態様では、遊離溶媒の量を最小限に抑えるためのLiFSI:DTAのモル比の臨界点は、約1:1.75であることが分かった。本開示の他の塩と溶媒の組み合わせは、他の塩と溶媒のモル比を有し得る。
【0030】
電気化学セルの例
【0031】
図7は、本開示の態様に従って作製することができる例示的な電気化学デバイス700を非常に単純化した形態で示す。当業者であれば、例示的な電気化学デバイス700が、例えば、二次電池セルなどの電池セル、またはスーパーキャパシタであり得ることを容易に理解するであろう。加えて、当業者は、
図7が電気化学デバイスの基本的な機能構成要素の一部のみを示しており、二次電池セルまたはスーパーキャパシタのような電気化学デバイスの実際の具体化が、典型的には、
図7に示されている様々な層の1つ以上からなるか、またはそれらを形成する積層構造または巻回構造のいずれかを使用して実施されることを容易に理解するであろう。さらに、当業者であれば、とりわけ、図示を容易にするために、
図7に示されていない電気リード線、電気端子、密封部(複数可)、熱遮断層(複数可)、電気回路、ガス発生機能(複数可)、および/または通気口(複数可)、ならびにセンサなどの他の構成要素が電気化学デバイス700に含まれてもよいことを理解するであろう。
【0032】
この例では、
図7の電気化学デバイス700は、間隔をあけて配置されたカソード704およびアノード708と、一対の対応するそれぞれの集電体704CCおよび708CCとを含む。多孔質誘電体セパレータ712は、カソード704およびアノード708との間に配置され、それらを互いに電気的に分離し、一方で、本開示に従って作製された電解液716内のイオンがそこを流れることを可能にする。多孔質誘電体セパレータ712は、当業者であれば知っている非限定的な例をいくつか挙げると、ポリオレフィン、ポリオレフィン混合物、セラミック被覆ポリオレフィンまたはポリオレフィン混合物などの任意の従来のセパレータ材料などの任意の1つ以上の適切な材料で作製されてもよいが、これらに限定されない。多孔質(例えば、インターカレート型)であるか否かに応じて、多孔質誘電体セパレータ712、および/またはカソード704およびアノード708の一方、他方、または両方に、電解液716を少なくとも部分的に含浸させることができる。電気化学デバイス700は、少なくともカソード704、アノード708、多孔質誘電体セパレータ712、および電解液716を含む密封容器720を含む。当業者であれば容易に理解するように、密封容器720は、とりわけ、パウチ型容器、円筒形容器、またはボタンセル型容器等の任意の適切な種類の容器であってもよく、任意の適切な種類の材料(複数可)から作製されてもよい。多くの周知の容器の種類およびそのような容器の種類に使用される構造材料があるため、当業者であれば、電気化学デバイス700の特定の具体化に適した密封容器720の種類および容器の材料を容易に理解できるであろう。
【0033】
当業者であれば理解するように、電気化学デバイス700の種類および設計に応じて、カソード704およびアノード708のそれぞれは、電解液の塩イオンおよび他の構成成分と適合する1つ以上の適切な材料を含む。いくつかの実施形態では、アノード708は、充電/放電中に活性金属(例えば、リチウム、リチウム合金、ナトリウム、ナトリウム合金、または他のアルカリ土類金属もしくはアルカリ土類金属合金)のめっき/剥離によって機能する活性金属アノードであってもよい。いくつかの実施形態では、アノード708は、例えば、インターカレート/脱インターカレート型であってもよく、活物質は、特に限定はされないが、天然黒鉛、人造黒鉛、活性炭、カーボンブラック、導電性添加剤、チタン酸リチウム、表面官能化シリコン、および高性能粉末グラフェン等の任意の適切なアノード活性材料である。カソード704は、特に限定はされないが、コバルト、ニッケル、および/またはマンガンを含む多金属酸化物、金属フッ化物、およびリン酸金属リチウム等の任意の適切なカソード活物質を含んでもよい。集電体704CCおよび708CCのそれぞれは、とりわけ、銅またはアルミニウム等の任意の適切な導電性材料から作製されてもよい。
図7の電気化学デバイスを構築するために使用され得る多くの電池およびスーパーキャパシタの構造は、当技術分野で公知であるため、当業者が本開示の様々な態様をその最大限の範囲まで作製および使用する方法を理解するために、それらを詳細に説明する必要はない。
【0034】
当業者であれば容易に理解するように、本開示に従って作製される電解液716の存在は、電気化学デバイス700に新規性を提供する。電解液716は、明示的な例、配合方法、および/または基礎となる基本原理(複数可)によって本明細書に開示される任意の配合物であってもよい。
【0035】
本開示の精神および範囲から逸脱することなく、様々な修正および追加を行うことができる。上述の様々な実施形態のそれぞれの特徴は、関連する新たな実施形態における多数の特徴の組み合わせを提供するために、必要に応じて、他の記載された実施形態の特徴と組み合わされてもよい。さらに、上記は、いくつかの別個の実施形態を説明しているが、本明細書に説明されているものは、本開示の原理の適用を単に例示するものに過ぎない。さらに、本明細書における特定の方法は、特定の順序で実行されるものとして図示および/または説明されることがあるが、その順序は、本開示の態様を達成するために、当業者の範囲内で非常に可変である。したがって、本明細書は、例示の方法としてのみ解釈されることを意図しており、本開示の範囲および本明細書に開示される発明(複数可)を限定することを意図していない。
【0036】
例示的な実施形態を上記で開示し、添付図面に示している。本開示および本明細書に開示される発明の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に具体的に開示されるものに対して、様々の変更、省略、および追加が行われ得ることは、当業者によって理解されるであろう。
【国際調査報告】