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特表2025-500648複数のシャフトを有する4D超音波カテーテルの回転及び偏向の制御及び視覚化
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  • 特表-複数のシャフトを有する4D超音波カテーテルの回転及び偏向の制御及び視覚化 図1
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  • 特表-複数のシャフトを有する4D超音波カテーテルの回転及び偏向の制御及び視覚化 図3A-3B
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  • 特表-複数のシャフトを有する4D超音波カテーテルの回転及び偏向の制御及び視覚化 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-09
(54)【発明の名称】複数のシャフトを有する4D超音波カテーテルの回転及び偏向の制御及び視覚化
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/12 20060101AFI20241226BHJP
【FI】
A61B8/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024541203
(86)(22)【出願日】2022-12-11
(85)【翻訳文提出日】2024-08-05
(86)【国際出願番号】 IB2022062031
(87)【国際公開番号】W WO2023131837
(87)【国際公開日】2023-07-13
(31)【優先権主張番号】17/572,314
(32)【優先日】2022-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ジブ-アリ・モリス
(72)【発明者】
【氏名】パーチャク・ヨハイ
(72)【発明者】
【氏名】ローゼンバーグ・アビグドール
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601BB03
4C601BB14
4C601BB24
4C601DD15
4C601EE11
4C601FE04
4C601GA19
4C601GA25
4C601GB06
(57)【要約】
カテーテルは、患者の臓器に挿入するためのシャフトと、第1及び第2の位置センサと、を含む。シャフトは、(a)シャフトの軸に対して偏向されるように構成される内側シャフトと、(b)カテーテルの遠位先端に連結され、(i)内側シャフトの周囲に同軸に配置され、(ii)内側シャフトとともに偏向され、(iii)内側シャフトに対して軸を中心に回転されるように構成される外側シャフトとを含む。第1の位置センサは、遠位先端に連結され、第1の信号を生成するように構成され、第2の位置センサは、内側シャフトに連結され、第2の信号を生成するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルであって、
患者の臓器に挿入するためのシャフトであって、前記シャフトは、
前記シャフトの軸に対して偏向するように構成された内側シャフトと、
前記カテーテルの遠位先端に連結され、(i)前記内側シャフトの周りに同軸に配置され、(ii)前記内側シャフトとともに偏向され、(iii)前記内側シャフトに対して前記軸を中心として回転されるように構成された外側シャフトと、を含む、シャフトと、
前記遠位先端に連結され、第1の信号を生成するように構成された第1の位置センサと、
前記内側シャフトに連結され、第2の信号を生成するように構成された第2の位置センサと、を含む、カテーテル。
【請求項2】
前記第1の位置センサが2軸センサ(DAS)を含む、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記DASが、可撓性回路基板(CB)上に形成されている、請求項2に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記第2の位置センサは、2軸センサ(DAS)又は単軸センサ(SAS)を含む、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項5】
少なくとも前記第1の信号に基づいて、前記遠位先端の位置及び向きを推定するように構成されたプロセッサを備える、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項6】
前記軸を中心とした前記外側シャフトの回転を制御するように構成された回転ノブを備え、前記プロセッサは、前記第1の信号及び前記第2の信号に基づいて、前記回転の回転角を示すパラメータをユーザに表示するように構成されている、請求項5に記載のカテーテル。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記パラメータのグラフィック表現及び数値表現の一方又は両方を使用して前記パラメータを表示するように構成されている、請求項6に記載のカテーテル。
【請求項8】
前記軸に対する前記内側シャフトの偏向を制御するように構成された偏向ノブを備え、前記プロセッサは、前記第1の信号及び前記第2の信号に基づいて、前記偏向の偏向角を示すパラメータをユーザに表示するように構成されている、請求項5に記載のカテーテル。
【請求項9】
前記遠位先端に連結され、前記臓器の組織に超音波(US)信号を適用するように構成されたUSプローブを備える、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項10】
前記臓器は心臓を含み、前記USプローブは、超音波トランスデューサ(UT)の2次元(2D)アレイを含み、前記USプローブは、前記心臓において心腔内心エコー図法(ICE)撮像を実行するように構成されている、請求項9に記載のカテーテル。
【請求項11】
カテーテルを製造するための方法であって、前記方法が、
シャフトを製造することであって、
前記シャフトの軸に対して偏向されるように構成されている内側シャフトを提供することと、
前記内側シャフトの周りに、前記内側シャフトとともに偏向され、前記内側シャフトに対して前記軸を中心として回転されるように構成された外側シャフトを同軸に配置し、前記外側シャフトを前記カテーテルの遠位先端に連結することと、
によって、製造することと、
前記遠位先端に、第1の信号を生成するための第1の位置センサを連結することと、
前記内側シャフトに、第2の信号を生成するための第2の位置センサを連結することと、を含む、方法。
【請求項12】
前記第1の位置センサを連結することが2軸センサ(DAS)を連結することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記DASが可撓性回路基板(CB)上に形成される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の位置センサを連結することは、2軸センサ(DAS)又は単軸センサ(SAS)を連結することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
カテーテルであって、
患者の臓器に挿入するためのシャフトであって、前記シャフトは、
前記シャフトの軸に対して偏向するように構成された外側シャフトと、
前記カテーテルの遠位先端に連結され、(i)前記内側シャフトの周りに同軸に配置され、(ii)前記内側シャフトとともに偏向され、(iii)前記外側シャフトに対して前記軸を中心として回転されるように構成された内側シャフトと、を含む、シャフトと、
前記遠位先端に連結され、第1の信号を生成するように構成された第1の位置センサと、
前記外側シャフトに連結され、第2の信号を生成するように構成された第2の位置センサと、を含む、カテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して医用撮像に関し、特に、4次元(4D)超音波カテーテルを制御及び操作するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
患者の臓器内でカテーテルの操作を制御するための様々な技術が公開されている。
【0003】
例えば、米国特許公開公報第2021/0275255号は、医療機器、位置センサ、プロセッサを含むシステムについて、記載している。医療器具は、ハンドルとヘッドとを含み、ヘッドは、患者の臓器に挿入されるように構成され、医療器具の長手方向軸の周りで回転非対称である特徴を有する。位置センサは、ヘッド上に配置され、外部から適用される磁界に応答して信号を生成するように構成される。プロセッサは、ヘッド上の位置センサによって生成された信号を受信し、受信した信号に基づいて、ヘッドの回転非対称特徴のロール角を推定するように構成される。
【0004】
本開示は、図面と併せて、本開示の実施例の以下の詳細な説明からより完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】本開示の一実施例による、カテーテルベースの超音波撮像システムの概略絵画図である。
図2】本開示の一実施例による、超音波撮像システムのカテーテルのハンドルの概略描写図である。
図3A】本開示の一実施例による、超音波撮像システムのカテーテルのシャフトの概略描写図である。
図3B】本開示の一実施例による、超音波撮像システムのカテーテルのシャフトの概略描写図である。
図4】本開示の一実施例による、シャフトの回転及び/又は偏向の量を示す1つ以上のパラメータを提示するためのフレームの概略絵画図である。
図5】本開示の一実施例による、患者の心臓内でのカテーテルの操作を制御及び視覚化する方法を概略的に示すフローチャートである。
図6】本開示の一実施例による、複数のシャフトを有するカテーテルを製造する方法を概略的に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
概要
超音波撮像は、4次元(4D)超音波(US)カテーテルを問題の臓器に挿入することによって、インビボで実行され得る。例えば、4D心腔内心エコー図法(ICE)撮像は、患者の心臓の腔の3次元(3D)空間内のアブレーションカテーテルの可視化を提供することができる。本開示の文脈では、4Dという用語は、経時的な3D空間(第4の次元である)の撮像、及び問題の腔の3D US画像のビデオクリップの生成を指す。
【0007】
以下に記載される本開示の例は、少なくとも2つのシャフトを有する4D USカテーテルの操作を制御するための改善された技術を提供する。例えば、偏向されるように構成された内側シャフトと、内側シャフトに対して回転されるように構成され、ICE撮像を行う4D USカテーテルの遠位先端に連結される外側シャフトとがある。
【0008】
いくつかの実施例では、(4D)超音波カテーテルは、上述の内側シャフト及び外側シャフトを備え、外側シャフトに連結されたカテーテルの遠位端は、2次元(2D)アレイに配置され、問題の臓器(例えば、心臓腔)にUS波を適用し、問題の腔から戻された(例えば、反射された)US波に基づいて、問題の腔及び周囲組織の形状及び形態を示す1つ以上のUS信号を生成するように構成された1つ以上の超音波トランスデューサ(UT)を備える。
【0009】
偏向シャフトと回転シャフトとを組み合わせた4D USカテーテルの遠位先端の位置及び向きは、6自由度(DOF)を有する。原則として、位置追跡システムの3軸磁気ベース位置センサ(本明細書では3軸センサ(TAS)とも呼ばれる)を遠位先端に連結することが可能である。TASは、6 DOFにおいて遠位先端の位置及び向きを追跡するために使用され得る。しかしながら、TASは、回路基板上に、又は任意の他の適切な構成を使用して生成され、遠位先端の実質的な面積を捕捉する少なくとも3つのコイルを備える。TASのサイズは、2つの望ましくない設計選択肢、すなわち、(a)遠位先端の直径の増加、又は(b)遠位先端内の構成要素の数の制限を強いる。両方の選択肢は、遠位先端及びそれぞれのカテーテルの機能性及び適用性を制限している。
【0010】
いくつかの実施例では、4D ICEシステムは、(a)カテーテルの長手方向軸に対して偏向されるように構成された内側シャフトと、(b)遠位先端に連結され、(i)内側シャフトの周りに同軸に配置され、(ii)内側シャフトとともに偏向され、(iii)内側シャフトに対して長手方向軸を中心として回転されるように構成された外側シャフトとを有する4D ICEカテーテルを備える。
【0011】
いくつかの実施例では、4D ICEカテーテルは、第1の位置センサ、本実施例では、TASのものよりも著しく小さい面積を捕捉し、遠位先端に連結され、第1の信号を生成するように構成される、2軸センサ(DAS)を備える。
【0012】
いくつかの実施例では、4D ICEカテーテルは、内側シャフトに連結され、第2の信号を生成するように構成された第2の位置センサ、本実施例では、DAS又は単軸センサ(SAS)を備える。
【0013】
いくつかの実施例では、4D ICEカテーテルは、(i)内側シャフトの偏向、及び(ii)外側シャフトの回転を制御することによって、遠位先端を操作するように構成される、ハンドルを備える。本実施例では、偏向及び回転制御は、それぞれの偏向ノブ及び回転ノブを使用して実装される。手順中、カテーテルのユーザ(例えば、医師)は、遠位先端の偏向及び回転を制御するために、ハンドルの長手方向軸(典型的には、カテーテルの長手方向軸に平行である)を中心にノブを回転させる。ノブはそれぞれのマーカを有し、マーカの位置は、それぞれ内側シャフト及び外側シャフトを介して遠位先端に加えられる偏向角及び回転角を示すことに留意されたい。しかしながら、ユーザが偏向角及び回転角の現在の状態を知りたい場合、ユーザは、望ましくないことに、視線をシステムのメインディスプレイから離して、ハンドルのマーカを見なければならない。
【0014】
いくつかの実施例では、4D ICEシステムは、プロセッサを備え、プロセッサは、第1の信号及び第2の信号に基づいて、(i)内側シャフト及び/又は遠位先端の回転角、(ii)外側シャフト及び/又は遠位先端の偏向角、ならびに(iii)心臓の腔内の遠位先端の位置及び向きのうちの少なくとも1つを示す1つ以上のパラメータをユーザに(例えば、メインディスプレイ上に)表示するように構成される。
【0015】
いくつかの実施例では、プロセッサは、パラメータのグラフィック表現及び数値表現の一方又は両方を使用して、メインディスプレイ上にパラメータを表示するように構成される。表現の例を、詳細な説明の図4に示す。
【0016】
開示される技術は、(i)遠位先端の直径の低減、及び/又は(ii)位置センサのサイズを低減し、遠位先端内への付加的構成要素の導入を可能にすることによる機能性の増加を可能にすることによって、超音波ベースの4D ICEカテーテルの機能性及び適用性を改善する。更に、開示される技術は、ユーザに対して、例えば、ICEシステムの主ディスプレイ上に、遠位先端の操作及び位置追跡に関連する全ての情報を表示することによって、4D ICE手順の品質を改善する。
【0017】
システムの説明
図1は、本開示の一実施例による、カテーテルベースの超音波撮像システム20の概略描写図である。
【0018】
次に、挿入図45を参照する。いくつかの実施例では、システム20は、本明細書では遠位先端40とも呼ばれる遠位端アセンブリを有するカテーテル21を備え、遠位端アセンブリは、本実施例では、本明細書ではUTの2Dアレイ50とも呼ばれる2次元(2D)超音波アレイに配置された1つ以上の超音波トランスデューサ(UT)53を備える。遠位先端40は、2Dアレイ50に対して既知の位置に連結された位置センサ52を更に備える。本実施例では、位置センサ52は、磁気位置センサを含むが、他の実施例では、位置センサ52は、任意の他の適切なタイプの位置センサを含むことができる。
【0019】
いくつかの実施例では、2Dアレイ50は、臓器、本実施例では患者28の心臓26に超音波(US)波を適用し、心臓26のそれぞれの組織の表面トポグラフィ及び形態を示す1つ以上のUS信号を生成するように構成される。
【0020】
いくつかの実施例では、位置センサ52は、カテーテル21の2Dアレイ50と一体化され、予め位置合わせされる。
【0021】
いくつかの実施例では、位置センサ52は、本明細書でより詳細に説明するように、手術台29上に横たわる患者28の心臓26内の遠位先端40の1つ以上のそれぞれの位置を示す1つ以上の位置信号を生成するように構成される。
【0022】
次に、図1の全体図を再び参照する。いくつかの実施例では、システム20はプロセッサ39を備え、プロセッサ39は、位置センサ52から受信した位置信号に基づいて、遠位先端40の方向及び向き、より具体的には心臓26(の腔)内部のUTの2Dアレイ50の方向及び向きを推定するように構成される。位置感知技術は、以下の図3A及び図3Bにおいてより詳細に説明される。
【0023】
いくつかの実施例では、プロセッサ39は、位置センサ52(任意でカテーテルに連結された追加の位置センサ)から受信した位置信号に基づいて、プロセッサ39は、心臓26の組織のそれぞれのセクションにおいて、2Dアレイ50を使用して取得された超音波画像間で位置合わせすることによって心臓組織のUS画像を生成するように構成される。
【0024】
いくつかの実施例では、遠位先端40は、シース23を通して心臓26内に挿入されるカテーテル21のシャフト22の遠位端に取り付けられる。シャフト22の詳細を以下の図3A及び図3Bに示す。
【0025】
いくつかの実施例では、カテーテル21の近位端は、制御コンソール24に接続されている。本明細書で説明する実施例では、カテーテル21は、超音波ベースの診断手順に使用される。他の実施例では、カテーテルはまた、挿入図45に示される先端電極56を使用して、心臓26内の組織の電気的感知及びアブレーション等の治療手順において使用されてもよい。
【0026】
次に、挿入図25を参照する。いくつかの実施例では、医師30は、カテーテル21の近位端近くにあるハンドル32を使用してシャフト22を操作することにより、カテーテル21の遠位先端40を心臓26の腔33内の目標位置まで誘導する。腔33は、組織35及び腔33に接続された脈管構造の小孔によって囲まれていることに留意されたい。図1の実施例では、医師30は、遠位先端40を腔33、例えば心臓26の右心房の中にナビゲートし、右心房のUS画像を生成するために2Dアレイ50のUTを適用する。
【0027】
ここで、挿入図25及び45を参照する。いくつかの実施例では、医師30は、腔33内で2Dアレイ50をナビゲートし、ナビゲーションは、遠位先端40を右心房内の必要な位置に位置付けるために、シャフト22の操作を必要とする。本実施例では、2Dアレイ50は、約64列及び約32行のアレイに配列された約2048個のUT 53を備え、腔33及び組織35の1つ以上のそれぞれのセクションの1つ以上のUS画像を生成するように構成される。位置センサ52から受信した位置信号に基づいて、撮像された断面内の全ての画素の空間座標が既知であり、問題の断面の完全なUS画像を生成するために位置合わせされることに留意されたい。2Dアレイ50におけるUTの数及びその配置は例として提示されており、他の実施例では、2Dアレイ50は、任意の同様の又は異なる好適な構成で配置された任意の他の好適な数のUT 53を備え得ることに留意されたい。
【0028】
本開示の文脈及び特許請求の範囲において、任意の数値又は範囲について用いられる「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の部分又は構成要素の集合が、本明細書に記載されるその意図された目的のために機能することを可能にする適切な寸法公差を示す。
【0029】
次に、図1の全体図を再び参照する。いくつかの実施例では、制御コンソール24は、カテーテル21からの信号を受信するため、ならびに、任意選択的に、心臓26内の組織にカテーテル21を介して治療を施すため、及びシステム20の他の構成要素を制御するための好適なフロントエンド及びインタフェース回路38を備えたプロセッサ39、典型的には汎用コンピュータを備える。コンソール24はまた、磁場発生器36を駆動するように構成されたドライバ回路34を備える。
【0030】
いくつかの実施例では、心臓26内での遠位先端40のナビゲーション中に、コンソール24は、外部磁場発生器36からの磁場に応答して位置センサ52(及び以下の図3Bに記載される追加の位置センサ)から位置信号を受信する。いくつかの実施例では、磁場発生器36は、患者28の外部の既知の位置、例えば、患者が横たわっている台29の下に配置されている。位置信号は、システム20の座標系と位置合わせされた位置追跡システムの座標系における2Dアレイ50の位置及び方向を示す。
【0031】
外部磁場を使用するこの位置感知方法は、様々な医療用途において、例えば、Biosense Websterにより製造されているCARTO(商標)システムに実装されており、米国特許第6,618,612号、同第6,332,089号、国際公開第96/05768号、ならびに米国特許出願公開第2002/0065455号、同第2003/0120150号、及び同第2004/0068178号に詳細に説明されている。
【0032】
いくつかの実施例では、プロセッサ39は、心臓26の腔33(例えば右心房)及び/又は周囲組織(例えば組織35)を撮像するために2Dアレイ50を動作させるように構成されている。超音波は、2Dアレイ50のトランスデューサを使用して生成され、トランスデューサは、超音波を放射するとともに、組織から反射されて戻る超音波エコーを検出することができる。超音波スキャナで使用される場合、トランスデューサは、音波のビームを体内に送出する。音波は、ビームの経路内の組織間の境界(例えば、心臓26の場合、流体と軟組織との間の境界)によって反射されてトランスデューサに戻る。これらのエコーがトランスデューサに当たると、それらは超音波スキャナに送られる電気信号を生成する。音速及び各エコーの戻り時間を使用して、スキャナは、トランスデューサから組織境界までの距離を計算する。次いで、これらの距離を使用して、心臓26の組織の2D又は3D画像を生成する。
【0033】
一実施例では、プロセッサ39は、例えば、本明細書で画像55と呼ばれる超音波画像として、又は任意の他の適切な提示を使用して、撮像された腔33の少なくとも一部分を医師30に対してディスプレイ27上に表示するように構成される。
【0034】
いくつかの実施例では、医師30は、遠位先端40を心臓26の腔33内の所望の位置に操作するために、シャフト22を偏向及び回転させるように構成されるハンドル32を使用してもよい。ハンドル32の構造は、以下の図2に詳細に記載され、シャフト22の構造は、以下の図3A及び図3Bに記載される。
【0035】
いくつかの実施例では、プロセッサ39は、システム20のユーザ(例えば、医師30)に、シャフト22の偏向及び/又は回転の量(例えば、角度)を示す1つ以上のパラメータを表示するように構成され、パラメータは、遠位先端40の回転角及び偏向角を示す。本実施例では、プロセッサ39は、ディスプレイ27上に表示されるフレーム31内に1つ以上のパラメータを表示するように構成される。1つ以上のパラメータは、例として以下の図4に示される、グラフィック表現、数値表現、又はそれらの組み合わせを使用して表示されてもよい。パラメータは、ハンドル32及びシャフト22の構造及び特徴に関連し、これらは、以下の図2図3A及び図3Bにおいて詳細に説明される。
【0036】
いくつかの実施例では、プロセッサ39は、典型的には、本明細書に記載の機能を実行するようにソフトウェアでプログラムされた汎用コンピュータを含む。ソフトウェアは、例えばネットワークを介して電子形式でコンピュータにダウンロードされてもよく、あるいは、代替的又は追加的に、磁気メモリ、光学メモリ、又は電子メモリなどの非一時的な有形媒体に提供及び/又は格納されてもよい。
【0037】
図1に示される例示的な構成は、概念的に分かりやすくするために例として選択されている。開示される技術は、システム20の他の構成要素及び設定を使用して、必要な変更を加えて適用され得る。例えば、システム20は、追加の構成要素を備えてもよく、心臓以外のカテーテル処置を実行するように構成される。
【0038】
4D超音波カテーテルの偏向及び回転の制御
図2は、本開示の実施例による、カテーテル21のハンドル32の概略描写図である。いくつかの実施例では、ハンドル32は、シャフト22に通されたワイヤの編組(以下の図3Bに示す)を介してハンドル32とコンソール24との間を電気的に接続するように構成されたコネクタ68と、以下で詳細に説明するプロセッサ39と信号を交換するように構成されたプリント回路基板(PCB)64とを有する。本開示によるカテーテルハンドル及び本体の別の例示的実装は、その全体が本明細書に組み込まれる、Medical Tool Positioning Devices,Systems,and Methods of Use and Manufactureと題された国際公開第2020/102389(A1)号によって説明される。
【0039】
いくつかの実施例では、シャフト22は、以下の図3A及び図3Bで詳細に説明される内側シャフト77及び外側シャフト88を備える。いくつかの実施例では、内側シャフト77は、シャフト22及び/又はハンドル32の軸に対して偏向されるように構成される。
【0040】
いくつかの実施例では、外側シャフト88は、カテーテル21の遠位先端40に連結され、内側シャフト77の周りに同軸に配置されるように構成される。外側シャフト88は更に、内側シャフト77とともに偏向され、内側シャフト77に対してシャフトの軸に対して回転されるように構成される。遠位先端40と一緒の外側シャフト88の回転、及び内側シャフト77の偏向は、図3A及び図3Bに詳細に記載される。
【0041】
いくつかの実施例では、ハンドル32は、偏向アセンブリ66aを備え、偏向アセンブリ66aは、シャフト22の長手方向軸に対して、例えば、約-180°~+180°の間の回転角の所定の範囲内で内側シャフト77を偏向させるように構成される。ハンドル32は、偏向アセンブリ66aを制御して内側シャフト77の偏向を実行するように構成された、本明細書では偏向ノブとも呼ばれるノブ66を備える。ノブ66は、偏向マーカ62を備え、その位置は、回転角の所定の範囲内の内側シャフト77の偏向角を示す。
【0042】
いくつかの実施例では、ハンドル32は回転アセンブリ60aを備え、回転アセンブリ60aは、外側シャフト88を所定の範囲の回転角、例えば、シャフト22の長手方向軸に対して約-30°と+120°の間で回転させるように構成される。ハンドル32は、回転アセンブリ60aを制御して外側シャフト88の回転を実行するように構成された、本明細書では回転ノブとも呼ばれるノブ60を備える。ノブ66は、偏向マーカ61を備え、その位置は、回転角の所定の範囲内の外側シャフト88の回転角を示す。
【0043】
いくつかの実施例では、ハンドル32は、シャフト32及び遠位先端40を患者の心臓26内の標的位置に向けて方向付けるように構成された漏斗形状の遠位端59を備える。
【0044】
図3A及び図3Bは、本開示の実施例による、カテーテル21の内側シャフト77及び外側シャフト88の概略絵画図である。
【0045】
ここで、図3Aを参照する。いくつかの実施例では、外側シャフト88は、遠位先端40に連結され、シャフト22の長手方向軸に対応する軸70を中心として、例えば回転方向72に回転されるように構成される。図3A及び図3Bの実施例では、軸70は、XYZ座標系のX軸に平行である。
【0046】
いくつかの実施例では、遠位先端40は、外側シャフト88とともに回転するように構成される。本実施例では、位置センサ52は、本明細書では可撓性PCBとも呼ばれる可撓性回路基板(CB)上に形成されている2軸センサ(DAS)を備える。上記の図1で説明したように、位置センサ52は、2Dアレイ50に対して既知の位置に連結され、2Dアレイ50の位置及び向きを示す信号(本明細書では第1の信号とも呼ばれる)を生成するように構成される。折り畳み可能なPCB上に多軸位置センサを実装するための例示的な技術は、米国特許出願公開第2017/0433072号に記載されている。他の実施例では、位置センサ52は、複数(例えば、2つ)の磁気コイルを統合することによって実装されるDASを備えてもよい。
【0047】
代替例では、位置センサ52は、3軸センサ(TAS)又は単軸センサ(SAS)を備えてもよい。しかしながら、TASは、典型的には、(例えば、DASと比較して)遠位先端40の比較的大きな面積を必要とし、SASは、遠位先端40の位置及び向きを制御するのに不十分であり得る。
【0048】
ここで、図3Aを参照する。いくつかの実施例では、外側シャフト88(破線枠で示される)は、上記の図2の偏向ノブ66及び偏向アセンブリ66aを使用して偏向されるように構成された内側シャフト77の周りに同軸に配置される。
【0049】
ここで、図3Bを参照する。いくつかの実施例では、位置センサ99が内側シャフト77に連結され、内側シャフト77の位置及び/又は向きを示す信号(本明細書では第2の信号とも呼ばれる)を生成するように構成される。本実施例では、位置センサ99は、磁気位置センサを含むが、他の実施例では、位置センサ99は、任意の他の好適なタイプの位置センサを含み得る。いくつかの実施例では、位置センサ99は2軸センサ(DAS)を含み、他の実施例では、位置センサ99は単軸センサ(SAS)を含む。
【0050】
いくつかの実施例では、カテーテル21は、可撓性であり、軸70に沿って配置され、遠位先端40とコンソール24との間で信号を交換するように構成される、ワイヤの編組76を備える。
【0051】
いくつかの実施例では、外側シャフト88(図3Bに破線で示される)は、遠位先端40に連結され、内側シャフト77の周りに同軸に配置される。回転方向72によって図3Bに示されるシャフト22の回転は、内側シャフト77ではなく外側シャフト88と呼ばれることに留意されたい。
【0052】
いくつかの実施例では、内側シャフト77は、軸70に対して偏向されるように構成され、外側シャフト88は、可撓性であり、内側シャフト77とともに偏向されるように構成される。図3Bの実施例では、遠位先端40及びシャフト22は、2つの位置、すなわち、(i)内側及び外側シャフトならびに遠位先端40が軸70に平行であるような直線位置(偏向なし)、及び(ii)内側及び外側シャフトならびに遠位先端40が軸70に対して屈曲点82で偏向される偏向位置で示されている。偏向量は、(a)直線(非偏向)位置における軸70の延長と、(b)軸70aとの間の偏向角71によって示され、軸70aは、シャフト22の偏向部分の長手方向軸及び遠位先端40の偏向を表す。遠位先端40及びシャフト22は、同時にこれらの位置のうちの1つのみにあり得ることに留意されたい。例えば、(i)カテーテル21を心臓26に向かって移動させるとき、遠位先端40及びシャフト22は、典型的には、直線位置にあり、(ii)偏向は、典型的には、例えば、心臓26において問題の組織の心腔内心エコー図法(ICE)撮像を行うために、遠位先端40が心臓26の腔33内に位置付けられるときにのみ行われる。一実施例では、4次元(4D)ICEは、心臓26の腔33の3次元(3D)空間内のアブレーションカテーテル(図示せず)の可視化動作を提供する。
【0053】
図3Bの実施例では、偏向は、XYZ座標系のXZ平面内、すなわち、直線位置における遠位先端40の位置の下及び/又は上(Z軸に沿って)に示されている。他の実施例では、偏向はまた、XY平面内で(すなわち、ページの平面の中及び/又は外に)実行されてもよい。言い換えれば、方向74からカテーテル21を見たとき、軸70aは、軸70に対して、上、下、左又は右に見え得る。
【0054】
いくつかの実施例では、偏向(内側シャフト77に対する)及び回転(外側シャフト88に対する)の両方を同時に適用するとき、遠位先端40の2Dアレイ50は、以下の図4に示されるように、軸70の周りの仮想円に沿った選択された位置に位置してもよい。
【0055】
更に別の代替例では、本開示の範囲内のカテーテルは、本明細書で提供される他の例に対して反転された配置を有してもよい。より具体的には、カテーテルは、偏向を制御する外側シャフト及び回転を制御する内側シャフトであるように構成されてもよい。そのような実施例は、その全体が本明細書に組み込まれる、Medical Devices and Methods of Useと題された国際公開第2018/017717(A1)号によって説明されている。
【0056】
4D超音波カテーテルの操作を示すパラメータの視覚化
図4は、本開示の一実施例による、シャフト22及び遠位先端40に適用される操作を示す1つ以上のパラメータをディスプレイ27上に提示するためのフレーム31の概略絵画図である。本開示の文脈及び特許請求の範囲において、「操作」という用語は、上記の図2図3A及び図3Bに詳細に記載されているように、シャフト22及び遠位先端40に加えられる回転及び/又は偏向の量(例えば、角度)を指す。
【0057】
いくつかの実施例では、フレーム31は、(上記の図1に示すように)ディスプレイ27上に表示され、偏向角71の数値表現と、外側シャフトを回転方向72に回転させることによって生成される回転角73とを含む。
【0058】
いくつかの実施例では、フレーム31は、破線で示される仮想円錐80の側面図を備え、その(i)起点は、屈曲点82(上記の図3Bに示される)に対応し、(ii)中心軸は、軸70(上記の図3A及び図3Bに示される)に対応し、(iii)円84は、シャフト22及び遠位先端40に適用される最大偏向角71及び回転角73に対応する。本実施例では、仮想円錐80内の体積は、2Dアレイ50及びシャフト22の偏向及び回転部分の可能な場所、ならびに2Dアレイ50の位置を示すことに留意されたい。
【0059】
いくつかの実施例では、プロセッサ39は、シャフト22の機械的特性を示すモデルを保持するように構成される。プロセッサ39は、位置センサ52及び99から受信される第1の位置信号及び第2の位置信号に応答して、シャフト22の屈曲の量(例えば、1つ以上の角度)及び形状を表示するためのモデルを使用してもよい。本実施例では、シャフト22は、限定ではないが、チタン、チタン合金、ニチノールとしても知られるニッケル-チタン合金等の任意の好適な生体適合性材料から作製され、モデルならびに位置センサ52及び99から受信される位置信号に基づいて、プロセッサ39は、シャフト22の形状及び仮想円錐80の体積内の2Dアレイ50の位置を表示するように構成される。
【0060】
ここで、再び図3Bを参照する。医師30が軸70に沿ってカテーテル21(の全長)を回転させる場合、回転は位置センサ52及び99の両方によって感知される。医師30が軸70の周りで外側シャフト88のみを回転させるためにノブ60を使用する場合、位置センサ52は回転を感知するが、位置センサ99はいかなる回転も感知しない。シャフト22が偏向されないとき、2Dアレイの位置は、上述した両方の回転の場合において同様である。しかしながら、医師30が内側シャフト77を偏向させるためにノブ66を使用する場合、両方の位置センサ52及び99から受信される位置信号は、仮想円錐80内のシャフト22の形状を提示するために不可欠である。
【0061】
いくつかの実施例では、プロセッサ39は、少なくとも位置センサ52から受信した信号に基づいて、位置追跡システム(上記の図1に記載)における座標、遠位先端40の位置及び向きを推定するように構成されている。換言すれば、位置センサ52から受信される位置信号は、典型的には、システム20のXYZ座標系における2Dアレイの位置及び向きを提供するのに十分である。しかしながら、それぞれノブ66及び60によって加えられた偏向角及び/又は回転角を推定及び表示するために、プロセッサ39は、位置センサ52及び99の両方からの位置信号を使用しなければならない。
【0062】
ここで、再び図4を参照する。いくつかの実施例では、フレーム31は、仮想円錐80の体積内のシャフト22の形状及び2Dアレイ50の位置の方向74からのビューを含む。このビューでは、円84は、軸70に対するシャフト22の最大偏向を表し(例えば、内側シャフト88が剛性であり、屈曲点82を越えて屈曲しない場合)、これは、円84の中心における屈曲点82の位置によって表される。
【0063】
いくつかの実施例では、シャフト22の形状はまた、回転角73を示し、医師30に、(i)シャフト22の偏向角及び回転角、ならびに(ii)軸70及び屈曲点82に対する2Dアレイ50の位置の指示を提供する。方向74からのビューは、遠位先端40が、2Dアレイ50を使用して撮像されることが意図される組織によってどのように「見られる」かを示すことに留意されたい。
【0064】
図4の提示構成は、シャフト22ならびに遠位先端40及び/又は2Dアレイ50に適用される回転及び/又は偏向の量(例えば、角度)の指示を医師30(又はシステム20の任意のユーザ)に提供するために、例として提供される。グラフィカルユーザインターフェース(GUI)のこの非限定的な例は、概念を明確にするために提示されており、上述の原理は、任意の他の適切なGUIを設計し、ディスプレイ27上に表示するために使用することができる。
【0065】
図5は、本開示の一実施例による、心臓26内の遠位先端40及びシャフト23の操作を制御及び視覚化する方法を概略的に示すフローチャートである。
【0066】
この方法は、カテーテル挿入ステップ100から始まり、図3A及び図3Bで詳細に説明したように、心臓26の腔33に、(a)2Dアレイ50及び位置センサ52を有する遠位先端40と、(b)遠位先端40に連結された(i)回転可能な外側シャフト88と、(ii)位置センサ99を有する偏向可能な内側シャフト77とを有するシャフト22とを挿入する。
【0067】
遠位先端移動ステップ102では、医師30は、ハンドル32を使用して、遠位先端40を心臓26内の標的場所に移動させ、上記の図1図2図3A、及び図3Bに詳細に説明されるように、2Dアレイ50を使用して、標的場所における組織のICE撮像を行う。
【0068】
信号受信ステップ104において、プロセッサ39は、位置センサ52及び99から、それぞれ、遠位先端40及び内側シャフト77の位置及び向きを示す、第1及び第2のそれぞれの信号を受信する。
【0069】
表示ステップ106において、プロセッサは、例えば、ディスプレイ27上に、シャフト22に適用される回転角73及び偏向角71を示す1つ以上のパラメータを有するフレーム31と、上記の図3A図3B、及び図4に詳細に説明されるように、心臓26の腔33内の遠位先端40及び/又は2Dアレイ50の位置及び向きとを表示する。ディスプレイ27上に表示される偏向及び回転の量(例えば、角度)の指示を有することによって、医師30は、ハンドル32内のマーカ62及び61の位置をチェックする必要がなく、心臓26及び心臓26内のカテーテル21に彼/彼女の注意を向けることができることに留意されたい。
【0070】
決定ステップ108において、医師30は、遠位先端40が標的位置に位置するか否かをチェックする。そうでない場合、方法は、遠位先端40に加えられる回転及び/又は偏向を調整するために、ステップ102にループバックする。医師30が、遠位先端40が標的場所に位置付けられていることを識別する場合、本方法は、本方法を終了する撮像ステップ110に進み、医師30は、標的場所における組織内のICE撮像を行うために、2Dアレイ50及びプロセッサ39を使用する。
【0071】
図5の方法は、心臓26又は患者28の任意の他の適切な臓器においてICE撮像を実行する品質を改善することを意図している。ディスプレイ27上に表示される偏向及び/又は回転の量(例えば、角度)の指示を有することによって、医師30は、心臓26及び遠位先端40に彼/彼女の視線及び注意を集中させ得、ハンドル32内のマーカ62及び61の位置をチェックすることに時間及び注意を浪費する必要がない。
【0072】
図6は、本開示の一実施例による、内側シャフト77及び外側シャフト88を有するカテーテル21を製造する方法を概略的に示すフローチャートである。
【0073】
この方法は、(i)軸70に対して偏向されるように構成された内側シャフト77を提供し、(ii)内側シャフト77とともに偏向され、内側シャフト77に対して軸70を中心に回転されるように構成された外側シャフト88を内側シャフト77の周りに同軸に配置することによってシャフト22を製造するシャフト製造ステップ200から始まる。
【0074】
遠位先端連結ステップ202において、外側シャフト88は、任意の適切な連結技術(例えば、Pebax射出成形であるが、これに限定されない)を使用して、遠位先端40に連結される。
【0075】
第1の位置センサ連結ステップ204において、位置センサ52、本実施例では、上記の図2で説明したような可撓性回路基板上に製造された2軸磁気ベース位置センサが、遠位先端40に連結される。
【0076】
本方法を終了する第2の位置センサ連結ステップ206において、位置センサ99、本実施例ではDAS又はSASが内側シャフト77に連結される。
【0077】
図6の方法は、概念を明確化するために単純化されており、例として提供されている。他の実施例では、ステップの順序は、改善された生産性のために、及び/又はサプライチェーンの考慮のために変更することができる。
【0078】
いくつかの実施例では、この方法は、以下の追加のステップを含むが、これらに限定されない:(i)コンソール24と遠位端40との間にワイヤの編組76を通し、それらの間で信号を交換する、(ii)編組76のワイヤの近位端をコンソール24に接続する、及び(iii)遠位端40及びシャフト22の動きを制御するためにハンドル32をカテーテル21と統合する。
【実施例1】
【0079】
カテーテル(21)は、患者(28)の臓器(26)に挿入するためのシャフト(22)と、第1の位置センサ(52)と、第2の位置センサ(99)とを含む。シャフト(22)は、(i)シャフト(22)の軸(70)に対して偏向されるように構成される、内側シャフト(77)と、(ii)カテーテル(21)の遠位先端(40)に連結され、(i)内側シャフト(77)の周囲に同軸に配置され、(ii)内側シャフト(77)とともに偏向され、(iii)内側シャフト(77)に対して軸(70)を中心として回転されるように構成される、外側シャフト(88)とを含む。第1の位置センサ(52)は、遠位先端(40)に連結され、第1の信号を生成するように構成され、第2の位置センサ(99)は、内側シャフト(77)に連結され、第2の信号を生成するように構成される。
【実施例2】
【0080】
第1の位置センサは、2軸センサ(DAS)を含む、実施例1に記載のカテーテル。
【実施例3】
【0081】
DASは、可撓性回路基板(CB)上に形成されている、実施例2に記載のカテーテル。
【実施例4】
【0082】
第2の位置センサは、2軸センサ(DAS)又は単軸センサ(SAS)を含む、実施例1に記載のカテーテル。
【実施例5】
【0083】
少なくとも第1の信号に基づいて、遠位先端の位置及び向きを推定するように構成される、プロセッサを含む、実施例1~4に記載のカテーテル。
【実施例6】
【0084】
軸を中心とした外側シャフトの回転を制御するように構成される、回転ノブを含み、第1の信号及び第2の信号に基づいて、プロセッサは、回転の回転角を示すパラメータをユーザに表示するように構成される、実施例5に記載のカテーテル。
【実施例7】
【0085】
プロセッサは、パラメータのグラフィック表現及び数値表現のうちの一方又は両方を使用して、パラメータを表示するように構成される、実施例6に記載のカテーテル。
【実施例8】
【0086】
軸に対する内側シャフトの偏向を制御するように構成される、偏向ノブを含み、第1の信号及び第2の信号に基づいて、プロセッサは、偏向の偏向角を示すパラメータをユーザに表示するように構成される、実施例5に記載のカテーテル。
【実施例9】
【0087】
遠位先端に連結され、超音波(US)信号を臓器の組織に適用するように構成される、USプローブを含む、実施例1~4に記載のカテーテル。
【実施例10】
【0088】
臓器は心臓を含み、USプローブは、超音波トランスデューサ(UT)の2次元(2D)アレイを含み、USプローブは、心臓において心腔内心エコー図法(ICE)撮像を実行するように構成される、実施例9に記載のカテーテル。
【実施例11】
【0089】
方法であって、
(i)患者(28)の臓器(26)にカテーテル(21)を挿入することであって、カテーテルは、
a.シャフト(22)の軸(70)に対して偏向可能な内側シャフト(77)と、
b.(i)カテーテル(21)の遠位先端(40)に連結され、内側シャフト(77)の周りに同軸に配置され、(ii)内側シャフト(77)とともに偏向され、内側シャフト(77)に対して軸(70)の周りに回転され得る、外側シャフト(88)と、
c.第1の信号を生成するために遠位先端(40)に連結された第1の位置センサ(52)と、
d.第2の信号を生成するために内側シャフト(77)に連結された第2の位置センサ(99)と、を含む、ことと、
(ii)カテーテルを臓器内で移動させ、第1の信号及び第2の信号を受信することと、
(iii)第1の信号及び第2の信号に基づいて、少なくとも軸に対する遠位先端の回転角を示す1つ以上のパラメータをユーザに表示することと、を含む方法。
【実施例12】
【0090】
少なくとも第1の信号に基づいて、遠位先端の位置及び向きを推定することを含む、実施例11に記載の方法。
【実施例13】
【0091】
カテーテルを移動させることが、軸を中心として外側シャフトを回転させること、及び軸に対して内側シャフトを偏向させることの一方又は両方を含み、1つ以上のパラメータを表示することが、軸に対する遠位先端の偏向角を示すパラメータを表示することを含む、実施例12に記載の方法。
【実施例14】
【0092】
1つ以上のパラメータを表示することは、1つ以上のパラメータのグラフィック表現及び数値表現の一方又は両方を表示することを含む、実施例13に記載の方法。
【実施例15】
【0093】
超音波(US)信号を臓器の組織に適用することを含む、実施例11~14に記載の方法。
【実施例16】
【0094】
臓器は心臓を含み、US信号を適用することは、心臓において心腔内心エコー図法(ICE)撮像を実行することを含む、実施例15に記載の方法。
【実施例17】
【0095】
カテーテル(21)を製造するための方法であって、方法が、
(i)シャフト(22)を
a.シャフト(22)の軸(70)に対して偏向されるように構成されている内側シャフト(77)を提供することと、
b.内側シャフト(77)の周りに、内側シャフト(77)とともに偏向され、内側シャフト(77)に対して軸(70)の周りで回転されるように構成された外側シャフト(88)を同軸に配置し、外側シャフト(88)をカテーテル(21)の遠位先端(40)に連結することと、によって、製造することと、
(ii)遠位先端(40)に、第1の信号を生成するための第1の位置センサ(52)を連結することと、
(iii)内側シャフト(77)に、第2の信号を生成するための第2の位置センサ(99)を連結すると、を含む、方法。
【実施例18】
【0096】
第1の位置センサを連結することが、2軸センサ(DAS)を連結することを含む、実施例17に記載の方法。
【実施例19】
【0097】
DASが可撓性回路基板(CB)上に形成されている、請求項18に記載の方法。
【実施例20】
【0098】
第2の位置センサを連結することは、2軸センサ(DAS)又は単軸センサ(SAS)を連結することを含む、実施例17に記載の方法。
【0099】
本明細書に記載の実施例は、主に患者の心臓の4D US撮像に対処するものであるが、本明細書に記載の方法及びシステムは、他の医療用途にも使用することができる。
【0100】
したがって、上述の実施例は、例として挙げたものであり、本開示は、上記に特に示し説明したものに限定されないことが理解されるであろう。むしろ、本開示の範囲は、上述した様々な特徴の組み合わせ及び部分的組み合わせの両方、ならびに前述の説明を読んで当業者が思いつくであろう、先行技術には開示されていないそれらの変形及び修正を含む。
【0101】
〔実施の態様〕
(1) カテーテルであって、
患者の臓器に挿入するためのシャフトであって、前記シャフトは、
前記シャフトの軸に対して偏向するように構成された内側シャフトと、
前記カテーテルの遠位先端に連結され、(i)前記内側シャフトの周りに同軸に配置され、(ii)前記内側シャフトとともに偏向され、(iii)前記内側シャフトに対して前記軸を中心として回転されるように構成された外側シャフトと、を含む、シャフトと、
前記遠位先端に連結され、第1の信号を生成するように構成された第1の位置センサと、
前記内側シャフトに連結され、第2の信号を生成するように構成された第2の位置センサと、を含む、カテーテル。
(2) 前記第1の位置センサが2軸センサ(DAS)を含む、実施態様1に記載のカテーテル。
(3) 前記DASが、可撓性回路基板(CB)上に形成されている、実施態様2に記載のカテーテル。
(4) 前記第2の位置センサは、2軸センサ(DAS)又は単軸センサ(SAS)を含む、実施態様1に記載のカテーテル。
(5) 少なくとも前記第1の信号に基づいて、前記遠位先端の位置及び向きを推定するように構成されたプロセッサを備える、実施態様1に記載のカテーテル。
【0102】
(6) 前記軸を中心とした前記外側シャフトの回転を制御するように構成された回転ノブを備え、前記プロセッサは、前記第1の信号及び前記第2の信号に基づいて、前記回転の回転角を示すパラメータをユーザに表示するように構成されている、実施態様5に記載のカテーテル。
(7) 前記プロセッサは、前記パラメータのグラフィック表現及び数値表現の一方又は両方を使用して前記パラメータを表示するように構成されている、実施態様6に記載のカテーテル。
(8) 前記軸に対する前記内側シャフトの偏向を制御するように構成された偏向ノブを備え、前記プロセッサは、前記第1の信号及び前記第2の信号に基づいて、前記偏向の偏向角を示すパラメータをユーザに表示するように構成されている、実施態様5に記載のカテーテル。
(9) 前記遠位先端に連結され、前記臓器の組織に超音波(US)信号を適用するように構成されたUSプローブを備える、実施態様1に記載のカテーテル。
(10) 前記臓器は心臓を含み、前記USプローブは、超音波トランスデューサ(UT)の2次元(2D)アレイを含み、前記USプローブは、前記心臓において心腔内心エコー図法(ICE)撮像を実行するように構成されている、実施態様9に記載のカテーテル。
【0103】
(11) 方法であって、
患者の臓器の中にカテーテルを挿入することであって、前記カテーテルは、
シャフトであって、
前記シャフトの軸に対して偏向可能である内側シャフトと、
(i)前記カテーテルの遠位先端に連結され、前記内側シャフトの周りに同軸に配置され、(ii)前記内側シャフトとともに偏向可能であり、前記内側シャフトに対して前記軸を中心として回転可能である外側シャフトと、
第1の信号を生成するために前記遠位先端に連結された第1の位置センサと、
第2の信号を生成するために前記内側シャフトに連結された第2の位置センサと、を含む、シャフトを含む、挿入することと、
前記カテーテルを前記臓器内で移動させ、前記第1の信号及び前記第2の信号を受信することと、
前記第1の信号及び前記第2の信号に基づいて、少なくとも前記軸に対する前記遠位先端の回転角を示す1つ以上のパラメータをユーザに表示することと、を含む、方法。
(12) 少なくとも前記第1の信号に基づいて、前記遠位先端の位置及び向きを推定することを含む、実施態様11に記載の方法。
(13) 前記カテーテルを移動させることは、前記軸を中心として前記外側シャフトを回転させること、及び前記軸に対して前記内側シャフトを偏向させることのうちの一方又は両方を含み、前記1つ以上のパラメータを表示することは、前記軸に対する前記遠位先端の偏向角を示すパラメータを表示することを含む、実施態様12に記載の方法。
(14) 前記1つ以上のパラメータを表示することは、前記1つ以上のパラメータのグラフィック表現及び数値表現の一方又は両方を表示することを含む、実施態様13に記載の方法。
(15) 前記臓器の組織に超音波(US)信号を適用することを含む、実施態様11に記載の方法。
【0104】
(16) 前記臓器は心臓を含み、前記US信号を適用することは、前記心臓において心腔内心エコー図法(ICE)撮像を実行することを含む、実施態様15に記載の方法。
(17) カテーテルを製造するための方法であって、前記方法が、
シャフトを製造することであって、
前記シャフトの軸に対して偏向されるように構成されている内側シャフトを提供することと、
前記内側シャフトの周りに、前記内側シャフトとともに偏向され、前記内側シャフトに対して前記軸を中心として回転されるように構成された外側シャフトを同軸に配置し、前記外側シャフトを前記カテーテルの遠位先端に連結することと、
によって、製造することと、
前記遠位先端に、第1の信号を生成するための第1の位置センサを連結することと、
前記内側シャフトに、第2の信号を生成するための第2の位置センサを連結することと、を含む、方法。
(18) 前記第1の位置センサを連結することが2軸センサ(DAS)を連結することを含む、実施態様17に記載の方法。
(19) 前記DASが可撓性回路基板(CB)上に形成される、実施態様18に記載の方法。
(20) 前記第2の位置センサを連結することは、2軸センサ(DAS)又は単軸センサ(SAS)を連結することを含む、実施態様17に記載の方法。
【0105】
(21) カテーテルであって、
患者の臓器に挿入するためのシャフトであって、前記シャフトは、
前記シャフトの軸に対して偏向するように構成された外側シャフトと、
前記カテーテルの遠位先端に連結され、(i)前記内側シャフトの周りに同軸に配置され、(ii)前記内側シャフトとともに偏向され、(iii)前記外側シャフトに対して前記軸を中心として回転されるように構成された内側シャフトと、を含む、シャフトと、
前記遠位先端に連結され、第1の信号を生成するように構成された第1の位置センサと、
前記外側シャフトに連結され、第2の信号を生成するように構成された第2の位置センサと、を含む、カテーテル。
図1
図2
図3A-3B】
図4
図5
図6
【国際調査報告】