(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-09
(54)【発明の名称】スパークプラグ抵抗素子アセンブリ、その製造方法、および内燃機関のためのスパークプラグ
(51)【国際特許分類】
H01T 13/41 20060101AFI20241226BHJP
H01T 13/34 20060101ALI20241226BHJP
H01T 21/02 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
H01T13/41
H01T13/34
H01T21/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024541625
(86)(22)【出願日】2023-01-09
(85)【翻訳文提出日】2024-07-10
(86)【国際出願番号】 EP2023050315
(87)【国際公開番号】W WO2023135078
(87)【国際公開日】2023-07-20
(31)【優先権主張番号】102022200450.7
(32)【優先日】2022-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【氏名又は名称】高橋 始
(74)【代理人】
【識別番号】100182626
【氏名又は名称】八島 剛
(72)【発明者】
【氏名】ラインシュ,ベネディクト
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン,フーベルトゥス
(72)【発明者】
【氏名】キュンツェル,カーステン
(72)【発明者】
【氏名】ヌーファー,シュテファン
【テーマコード(参考)】
5G059
【Fターム(参考)】
5G059AA04
5G059CC02
5G059DD27
5G059DD28
(57)【要約】
本発明は、以下の順番で、燃焼室側の導電性端部分(22)と、抵抗材料を含む抵抗素子(8)と、接続部側の導電性端部分(21)とを備え、抵抗素子(8)が0.3%未満の空隙率を有する、スパークプラグ抵抗素子アセンブリ(20)に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スパークプラグ抵抗素子アセンブリであって、以下の順番で
-燃焼室側の導電性端部分(22)と、
-抵抗材料を含む抵抗素子(8)と、
-接続部側の導電性端部分(21)と、を備え、
前記抵抗素子(8)が0.3%未満の空隙率を有する、スパークプラグ抵抗素子アセンブリ。
【請求項2】
前記抵抗素子(8)が、少なくとも0.05%の空隙率を有する、請求項1に記載のスパークプラグ抵抗素子アセンブリ。
【請求項3】
前記抵抗素子(8)が、0.05~0.30%、特に0.10~0.25%の空隙率を有する、請求項1または2に記載のスパークプラグ抵抗素子アセンブリ。
【請求項4】
前記燃焼室側の導電性端部分(22)がコンタクトパナートを含み、および/または前記接続部側の導電性端部分(21)がコンタクトパナートを含む、請求項1から3のいずれか1項に記載のスパークプラグ抵抗素子アセンブリ。
【請求項5】
前記接続部側の導電性端部分(21)がコンタクトピン(7)を含む、請求項1から4のいずれか1項に記載のスパークプラグ抵抗素子アセンブリ。
【請求項6】
コンタクトピン(7)は、接続部側において、前記接続部側のコンタクトパナート(21)に隣接する、請求項4に記載のスパークプラグ抵抗素子アセンブリ。
【請求項7】
前記抵抗材料が、10μm未満の最大一次粒子径を有する、請求項1から6のいずれか1項に記載のスパークプラグ抵抗素子アセンブリ。
【請求項8】
前記抵抗材料が、0.5nm、特に5nm、または特に10nmの最小一次粒子径を有する、請求項7に記載のスパークプラグ抵抗素子アセンブリ。
【請求項9】
前記抵抗材料が、5nm以上10μm未満、特に10nm以上10μm未満、特に100nm以上5μm以下の一次粒子径を有する、請求項7または8に記載のスパークプラグ抵抗素子アセンブリ。
【請求項10】
前記抵抗材料がホウケイ酸ガラスおよびZrO
2を含む、請求項1から9のいずれか1項に記載のスパークプラグ抵抗素子アセンブリ。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載のスパークプラグ抵抗素子アセンブリ(20)の製造方法であって、抵抗材料を10μm未満、特に5nm以上10μm未満、特に10nm以上10μm未満、特に100nm以上5μm以下の一次粒子径に粉砕するステップを包含する、方法。
【請求項12】
請求項1から10のいずれか1項に記載のスパークプラグ抵抗素子アセンブリ(20)を備える内燃機関のためのスパークプラグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、均一な電流密度分布および低減された電気的負荷を有し、その結果として長い製品耐久性が得られるスパークプラグ抵抗素子アセンブリに関する。さらに、本発明は、スパークプラグ抵抗素子アセンブリの製造方法、およびスパークプラグ抵抗素子アセンブリを使用することにより向上した耐用年数(Laufzeit)の点で特徴付けられる内燃機関のためのスパークプラグにも関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1から内燃機関のためのスパークプラグが知られており、スパークプラグは、孔を有する絶縁体を備え、第1のコンタクトパナートと第2のコンタクトパナートとこれらの間に位置する抵抗パナートとを含むパナートがこの孔に入れられ、第2のコンタクトパナートがスパークプラグの中心電極に接続され、第1のコンタクトパナートが電気的ターミナルに接続されている。抵抗パナートのために使用される化合物および/または化学元素は、特別に調整された電気抵抗の点で特徴付けられ、特別な処理なしに、混合と、スパークプラグの絶縁体に設けられた孔の圧縮(Verdichten)によって成形されて抵抗パナートとされる。この場合に達成される一般的な空隙率は5%を超える、特に10%を超える範囲である。その結果としてスパークプラグの有効寿命が比較的短くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国特許出願公開第1020090470055号明細書
【発明の概要】
【0004】
これに対して請求項1に記載の本発明によるスパークプラグ抵抗素子アセンブリは、均一な電流密度分布と、電気的負荷の大きい領域がないか、またはその数が少ないことにより、非常に良好な耐久性および長期的に高い性能の点で特徴付けられる。さらに、本発明によるスパークプラグ抵抗素子アセンブリは、電気的誤動作の傾向が低く、そのことが、スパークプラグ抵抗素子アセンブリが組み込まれたスパークプラグの完全な機能不全も二次的に防ぐ。
【0005】
このために、本発明によるスパークプラグ抵抗素子アセンブリは、以下の順番で、燃焼室側の導電性端部分と、抵抗材料を含む電気的抵抗素子と、接続部側の導電性端部分とを備える。それぞれの端部分は、規定通りの使用では、例えば燃焼室側の端部分における中心電極、および接続部側の端部分における電気的接続領域などの、周辺のスパークプラグコンポーネントと抵抗素子との良好な接続をもたらす。他のコンポーネントが設けられてもよい。
【0006】
抵抗素子は抵抗材料を含み、かつ0.3%未満の空隙率を有する。これは、抵抗素子が、抵抗素子を一緒に形成する1つまたは複数の抵抗材料から形成されていてもよいことを意味するが、スパークプラグ抵抗素子アセンブリにおける抵抗素子全体の空隙率は0.3%未満である。その場合、抵抗素子の空隙率は、その製造後に走査型電子顕微鏡(REM)で研削断面の微細構造を解析する(mikrostrukturelle Charakterisierung)ことによって測定される(微細組織の撮像を評価することによって相の体積分率を決定し、この場合、空隙率は、組織の第2相と同様に求められる。これについてはEN ISO 13383-2:2016を参照)。
【0007】
理論に縛られることなく、0.3%未満の空隙率は、材料粒子間に少数の小さい空洞しかない抵抗材料の高く均一な密度をもたらすと考えられる。これによって、抵抗材料中の材料粒子は、それぞれ互いに良好に接触し、それにより、局所的に電気的負荷の大きい領域が形成されることを防ぐか、または少なくとも格段に低減することができ、それにより電気的誤動作を不可能にすることができる。これはスパークプラグ抵抗素子アセンブリの耐用期間(Laufleistung)も改善する。したがって、本発明によるスパークプラグ抵抗素子アセンブリの規定通りの使用は、これが組み込まれた製品の耐用期間も向上させる。
【0008】
好ましくは、スパークプラグ抵抗素子アセンブリは1~14kΩ、特に3~10kΩの電気抵抗を有する。本発明によれば、JIS B8031(2006年版)、Ch.7.13に従い、測定温度がT=20℃のときの電気抵抗が決定される。
【0009】
従属請求項は、本発明の好ましい発展形態を示す。
【0010】
有利な一発展形態によれば、抵抗素子は、少なくとも0.05%の空隙率を有する。その場合、0.05%という下限値は、抵抗素子の製造の簡略化という観点から有利である。高度に圧縮すること(hoehere Verdichtungen)は、スパークプラグ抵抗素子アセンブリの製造コストに直接表れるより高い技術的労力を意味するだろう。
【0011】
抵抗素子は、スパークプラグ抵抗素子アセンブリの高い製造コストと電力密度分布の改善とのバランスという観点から、0.05~0.30%、特に0.10~0.25%の空隙率を有する。
【0012】
内燃機関のためのスパークプラグにおいてスパークプラグ抵抗素子アセンブリを使用した場合、燃焼室もしくは電気的接続部との抵抗素子の電気的接続を改善するために、スパークプラグ抵抗素子アセンブリの燃焼室側の導電性端部分が、有利にはコンタクトパナートを含み、および/または接続部側の導電性端部分がコンタクトパナートを含む。本発明の意味におけるコンタクトパナートは、とりわけ導電性粒子から形成された素子であり、規定通りの使用ではそれぞれ接続されるべきコンポーネントに形状的に正確に(formgenau)結合でき、その一方で、抵抗素子との良好な電気的接触を提供する。特に、少なくとも、電気絶縁性ガラス粒子と、例えば金属(鉄、銅など)および/または炭素含有化合物(グラファイト、カーボンブラック、SiCなど)などの導電性材料とからなる複合材料が考えられる。
【0013】
電気的接続部へのスパークプラグ抵抗素子アセンブリの結合性をさらに改善するために、接続部側の導電性端部分が好ましくはコンタクトピンを含む。コンタクトピンは、ボルトとして形成でき、同時に抵抗材料の圧縮にも寄与することで、スパークプラグ抵抗素子アセンブリの製造にも用いることができる。コンタクトピンは、大抵の場合、金属ベースの多少なりとも円筒形の要素であり、その長さはスパークプラグの絶縁体の内部の孔に適合させてあり、この孔に、スパークプラグ抵抗素子アセンブリを組み込むことができる。
【0014】
別の有利な一発展形態によれば、コンタクトピンは、接続部側において、接続部側のコンタクトパナートに隣接する。このことも電気的接続部との接続の改善と、好ましくは高度に圧縮された抵抗素子の製造の簡易化とに役立つ。
【0015】
抵抗素子の0.3%未満の空隙率を達成するために、有利には、10μm未満の最大一次粒子径を有する抵抗材料を使用することが企図されている。その場合、一次粒子径とは、それぞれの出発材料の、混合および抵抗素子の形成前の粒子径と理解される。2つ以上の抵抗材料が使用される場合、使用される抵抗材料の各々が10μm未満の一次粒子径を有する。10μm未満の一次粒子径を有する抵抗材料は、特に容易に圧縮成形可能(kompaktierbar)、かつ高度に圧縮された抵抗素子に加工できるように作製される。本発明によれば、一次粒子径は、走査型電子顕微鏡(REM)で研削断面の微細構造を解析することによって、すなわちEN ISO13383-1:2012のCh.9.3の方法Bによる粒度(Korngroesse)および粒度分布(Korngroessenverteilung)の特定によって決定される。
【0016】
粉塵発生を回避した良好な加工性という観点から、特に、5nm、特に10nmの最小一次粒子径を有する抵抗材料が使用される。
【0017】
抵抗材料の最小および最大一次粒子径の上記の効果を考慮して、抵抗材料は、5nm以上10μm未満、特に10nm以上10μm未満、特に100nm以上5μm以下の一次粒子径を有する。これらの材料は容易に製造でき、取り扱い易く、かつ粉塵発生の傾向がほとんどない。その場合、上記のすべての大きさの記述は、スパークプラグ抵抗素子アセンブリにおいて使用されるすべての抵抗材料に当てはまる。
【0018】
抵抗材料は、予め定められた抵抗値の非常に良好な調整性により、ホウケイ酸ガラスおよびZrO2を含む。他の化合物および元素、例えばカーボンなどの炭素系物質または二酸化チタンが含まれていてもよい。
【0019】
本発明により、さらに、上述したスパークプラグ抵抗素子アセンブリの製造方法も開示される。本発明によれば、方法は、抵抗材料を10μm未満、特に5nm以上10μm未満、特に10nm以上10μm未満、特に100nm以上5μm以下の一次粒子径に粉砕するステップを包含する。例えばビーズミルまたは攪拌型ボールミルのなどの任意の装置を用いて実行することができる粉砕によって、結果として、抵抗素子を形成するために抵抗材料を非常に高度に圧縮できるようになる。個々の粒子間には、抵抗素子の成形もしくは形成時に少数の空隙しか形成されないようにすることができ、そのことが主に抵抗素子の0.3%未満の空隙率をもたらし、その結果、スパークプラグ抵抗素子アセンブリを内燃機関のスパークプラグに組み付けた場合に特に均一な電流密度分布をもたらす。抵抗素子に本発明により粉砕された抵抗材料を組み込むことによって、局所的に電気的負荷の大きい領域が形成されることを効果的に防ぐことができる。この方法は高効率であり、かつ技術的に簡単に実現できる。
【0020】
上記のステップに加えて、例えば燃焼室側の導電性端部分、および接続部側の導電性端部分を抵抗素子に配置するなどのさらなる方法ステップが続くことができる。接続部側の導電性端部分の各側から挿通される、例えばコンタクトピンによって、抵抗素子を形成するために抵抗材料の圧縮成形(Kompaktieren)を実行することもできる。
【0021】
さらに、本発明により、上述したようなスパークプラグ抵抗素子アセンブリを備える内燃機関のためのスパークプラグも開示される。本発明によるスパークプラグに本発明によるスパークプラグ抵抗素子アセンブリを組み込むことによって、電気的誤動作が回避され、かつ均一な電流密度分布が達成されるため、スパークプラグについても有効寿命もしくは耐用年数が長くなる。
【0022】
スパークプラグは、本発明によるスパークプラグ抵抗素子アセンブリの他に、例えば中心電極、接地電極、絶縁体を含むハウジングなどのさらなるコンポーネントを備えることができ、スパークプラグ抵抗素子アセンブリは、絶縁体の孔に配置され、燃焼室側において中心電極に接続され、接続部側においてスパークプラグの電気的接続部に接続されている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一実施形態によるスパークプラグの部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施例を添付の図面を参照しながら詳しく説明する。
【0025】
図1は、一実施形態によるスパークプラグ1を示す。スパークプラグ1は、絶縁体2と、ハウジング3と、ターミナルとして形成されたコンタクトピン7と、スパークプラグ抵抗素子アセンブリ20と、中心電極9と、接地電極10と、接続ナット18とを有する。絶縁体2は、その全長にわたって一貫した空洞6を有する。この空洞6には、中心電極9と、スパークプラグ抵抗素子アセンブリ20と、コンタクトピン7とが順番に差し込まれている。参照符号5は絶縁体ヘッドを示す。
【0026】
絶縁体2の外側のターミナルに接続ナット18が螺合されている。スパークプラグ抵抗素子アセンブリ20は、第1のコンタクトパナートとして形成された接続部側の導電性端部分21と、第2のコンタクトパナートとして形成された燃焼室側の導電性端部分22と、第1のコンタクトパナートと第2のコンタクトパナートとの間に配置された抵抗素子8とを備えている。
【0027】
絶縁体内の空洞6は円筒形であり、絶縁体2の接続部側の(燃焼室から遠い)始端から多段に形成されたテーパ部12まで延びる。多段のテーパ部12において、絶縁体2の空洞6が、中心電極9の中心電極ヘッド13の受け台(Auflage)を提供する。
【0028】
スパークプラグ抵抗素子アセンブリ20は、絶縁体ショルダ4のほぼ中心から多段の移行部(Uebergang)12まで延びる。移行部12の領域には、好ましくは第2のコンタクトパナートのみが設けられ、抵抗素子8は設けられず、それにより抵抗値の分散が可能な限り大きくなる。
【0029】
燃焼室に近い側において、中心電極ヘッド13が第2のコンタクトパナートに差し込まれている。燃焼室から遠い側において、ターミナルが第1のコンタクトパナートに差し込まれている。
【0030】
スパークプラグ抵抗素子アセンブリ20は、好ましくは流し込み(Giessen)により空洞6に嵌め込まれ、凝固後に抵抗素子8として形成される抵抗材料を備える。
【0031】
ターミナルは、第1のコンタクトパナートに埋設され、完成したスパークプラグ抵抗素子アセンブリ20に固定接続される。
【0032】
絶縁体2の外側にはハウジング3が着座する。このハウジング3は、絶縁体ショルダ4の接続部側の(燃焼室から遠い)側から絶縁体2の燃焼室側の端まで延びる。絶縁体2のこの燃焼室側の端において、ハウジング3に接地電極10が取り付けられている。ハウジング3は、外側六角ボルト14と、外側ねじ山15と、周縁カラー(Boerdelkragen)16とをさらに備える。外側六角ボルト14とねじ山15とはスパークプラグ1を内燃機関、特にシリンダヘッドにねじ込むために用いられる。
【0033】
接続部側の端において、ターミナルが突出部17により絶縁体2から突出する。この突出部17にねじ山が設けられており、このねじ山に接続ナット18が螺合されている。突出部17の長さは、これが接続ナット18と共に面一の末端11を形成するように選択されている。
【0034】
抵抗素子8は、抵抗材料、特にホウケイ酸ガラスおよびZrO2を含み、ZrO2はセラミック材料である。それに加えて、抵抗材料は、例えばカーボンブラックまたは他の導電性炭素材料などのさらなる成分を含むことができる。抵抗材料、もしくは抵抗素子8のために使用されるすべての抵抗材料は、抵抗素子8に加工される前に10μm未満の最大一次粒子径を有し、特に0.5nm、特に5nm、特に10nmの最小一次粒子径を有する。それぞれの抵抗材料を粉砕することによって所望の粒子径を達成することができる。
【0035】
抵抗素子8は、粉砕された1つの抵抗材料もしくは粉砕された複数の抵抗材料から、特に空洞6に流し込み、および/または圧縮により形成され、抵抗素子8の空隙率は、0.3%未満、特に0.05~0.28%である。これによって高度に圧縮成形された抵抗素子8が得られ、この抵抗素子において、抵抗材料の粒子が互いに非常に近接し、粒子間に存在する空洞が少ない。それによって、電気的誤動作が少ない点で特徴付けられ、それによりスパークプラグ抵抗素子アセンブリ20、したがってスパークプラグ1に長い有効寿命および長い耐用期間を与える非常に均一な電流密度分布が得られる。
【符号の説明】
【0036】
1 スパークプラグ
2 絶縁体
3 ハウジング
4 絶縁体ショルダ
5 絶縁体ヘッド
6 空洞
7 コンタクトピン
8 抵抗素子
9 中心電極
10 接地電極
11 末端
12 テーパ部、移行部
13 中心電極ヘッド
14 外側六角ボルト
15 外側ねじ山
16 周縁カラー
17 突出部
18 接続ナット
20 スパークプラグ抵抗素子アセンブリ
21 接続部側の導電性端部分
22 燃焼室側の導電性端部分
【手続補正書】
【提出日】2024-07-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スパークプラグ抵抗素子アセンブリであって、以下の順番で
-燃焼室側の導電性端部分(22)と、
-抵抗材料を含む抵抗素子(8)と、
-接続部側の導電性端部分(21)と、を備え、
前記抵抗素子(8)が0.3%未満の空隙率を有する、スパークプラグ抵抗素子アセンブリ。
【請求項2】
前記抵抗素子(8)が、少なくとも0.05%の空隙率を有する、請求項1に記載のスパークプラグ抵抗素子アセンブリ。
【請求項3】
前記抵抗素子(8)が、0.05~0.30%、特に0.10~0.25%の空隙率を有する、請求項1または2に記載のスパークプラグ抵抗素子アセンブリ。
【請求項4】
前記燃焼室側の導電性端部分(22)がコンタクトパナートを含み、および/または前記接続部側の導電性端部分(21)がコンタクトパナートを含む、請求項1
または2に記載のスパークプラグ抵抗素子アセンブリ。
【請求項5】
前記接続部側の導電性端部分(21)がコンタクトピン(7)を含む、請求項1
または2に記載のスパークプラグ抵抗素子アセンブリ。
【請求項6】
コンタクトピン(7)は、接続部側において、前記接続部側のコンタクトパナート(21)に隣接する、請求項4に記載のスパークプラグ抵抗素子アセンブリ。
【請求項7】
前記抵抗材料が、10μm未満の最大一次粒子径を有する、請求項1
または2に記載のスパークプラグ抵抗素子アセンブリ。
【請求項8】
前記抵抗材料が、0.5nm、特に5nm、または特に10nmの最小一次粒子径を有する、請求項7に記載のスパークプラグ抵抗素子アセンブリ。
【請求項9】
前記抵抗材料が、5nm以上10μm未満、特に10nm以上10μm未満、特に100nm以上5μm以下の一次粒子径を有する、請求項7に記載のスパークプラグ抵抗素子アセンブリ。
【請求項10】
前記抵抗材料が、5nm以上10μm未満、特に10nm以上10μm未満、特に100nm以上5μm以下の一次粒子径を有する、請求項8に記載のスパークプラグ抵抗素子アセンブリ。
【請求項11】
前記抵抗材料がホウケイ酸ガラスおよびZrO
2を含む、請求項1
または2に記載のスパークプラグ抵抗素子アセンブリ。
【請求項12】
請求項1
または2に記載のスパークプラグ抵抗素子アセンブリ(20)の製造方法であって、抵抗材料を10μm未満、特に5nm以上10μm未満、特に10nm以上10μm未満、特に100nm以上5μm以下の一次粒子径に粉砕するステップを包含する、方法。
【請求項13】
請求項1
または2に記載のスパークプラグ抵抗素子アセンブリ(20)を備える内燃機関のためのスパークプラグ。
【国際調査報告】