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特表2025-500694ベビーカーのダンパーデバイス、シート及びベビーカー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-09
(54)【発明の名称】ベビーカーのダンパーデバイス、シート及びベビーカー
(51)【国際特許分類】
   B62B 9/10 20060101AFI20241226BHJP
【FI】
B62B9/10 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024542029
(86)(22)【出願日】2023-01-13
(85)【翻訳文提出日】2024-07-12
(86)【国際出願番号】 EP2023050776
(87)【国際公開番号】W WO2023135272
(87)【国際公開日】2023-07-20
(31)【優先権主張番号】202210046772.3
(32)【優先日】2022-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517042092
【氏名又は名称】ワンダーランド スイツァーランド アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,シャオジュエン
【テーマコード(参考)】
3D051
【Fターム(参考)】
3D051AA23
3D051CA06
3D051DD14
(57)【要約】
本開示は、ダンパーデバイス、ベビーカーのシート及びベビーカーを提供する。前記ダンパーデバイスは、ベビーカーのシートパイプの互いに平行である第1のパイプ及び第2のパイプに配置され、ベビーカーのシート部を担持する。前記ダンパーデバイスは、前記第1のパイプと前記第2のパイプに回転可能に接続されたブラケット構造を含む。前記ブラケット構造は、ダンパー弾性要素により前記ブラケット構造が前記第1のパイプと前記第2のパイプに対して回転することを弾性的に防止して前記シート部の下への移動を遅らせるように配置されている。本開示のベビーカーのダンパーデバイスは、ベビーカーはより良好なダンパー効果を得ることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベビーカーのシートパイプの互いに平行である第1のパイプ及び第2のパイプに配置され、ベビーカーのシート部を担持するベビーカーのダンパーデバイスであって、
前記ダンパーデバイスは、前記第1のパイプと前記第2のパイプに回転可能に接続されたブラケット構造を含み、前記ブラケット構造は、ダンパー弾性要素により前記ブラケット構造が前記第1のパイプと前記第2のパイプに対して回転することを弾性的に防止して前記シート部の下への移動を遅らせるように配置されている
ことを特徴とするダンパーデバイス。
【請求項2】
前記ブラケット構造は、ダンパーパイプと、ダンパースリーブとを含み、
前記ダンパーパイプは、前記シート部の下面に当接し、前記第1のパイプに回転可能に接続された固定端と、前記第2のパイプよりも高い自由端を有し、
前記ダンパースリーブは、前記第2のパイプに回転可能に接続された第1の端と、前記ダンパーパイプにスライド可能且つ回転可能に接続された第2の端とを有し、前記ダンパースリーブは、前記ダンパーパイプが下に押されて前記第1のパイプの周りに下に回転すると、前記第2のパイプの周りに下に回転するように駆動されるように配置され、
前記ダンパー弾性要素は、前記ダンパーパイプと前記ダンパースリーブとは、別の部材であり、前記ダンパー弾性要素は、前記ダンパーパイプと前記ダンパースリーブが下に回転すると、前記ダンパーパイプ及び/又は前記ダンパースリーブに減衰力を加えるように配置される
ことを特徴とする請求項1に記載のダンパーデバイス。
【請求項3】
前記ダンパーパイプには前記ダンパーパイプに沿ってスライド可能な接続スリーブが設けられ、前記ダンパースリーブの前記第2の端が前記ダンパーパイプに間接的に回転可能に接続されるように、前記ダンパースリーブの前記第2の端が前記接続スリーブに回転可能に接続されている
ことを特徴とする請求項2に記載のダンパーデバイス。
【請求項4】
前記接続スリーブには前記ダンパーパイプに横方向のピン穿孔が設けられ、前記ダンパースリーブの前記第2の端にはピン接続孔が設けられ、前記接続スリーブにより囲まれた前記ダンパーパイプの一部には細長いスロット状のスライド孔が設けられ、ピンは、前記ピン接続孔、前記ピン穿孔及び前記スライド孔を順に貫通している
ことを特徴とする請求項3に記載のダンパーデバイス。
【請求項5】
前記接続スリーブには、前記ダンパーパイプがスライドするダンパースリーブ孔が設けられ、前記接続スリーブの前記ピン穿孔が設けられた位置に前記ダンパーパイプに横方向の接続コラムが設けられており、前記ピン穿孔は、前記接続コラムを貫通し、
前記ダンパースリーブの前記第1の端には前記第2のパイプを貫通する第2のスリーブ孔が設けられ、前記ダンパースリーブの前記第2の端には2つのリミットボスが設けられ、前記ピン接続孔は、前記2つのリミットボスが貫通して形成され、前記2つのリミットボスの間にリミット溝が画定され、前記接続スリーブの前記接続コラムが設けられた部分は、前記リミット溝に収容されている
ことを特徴とする請求項4に記載のダンパーデバイス。
【請求項6】
前記ダンパー弾性要素は、ねじりばねであり、前記ねじりばねの前記第1の端は、前記ダンパーパイプに作用する押付部であり、前記ねじりばねの前記第2の端は、前記ダンパースリーブの係合孔と係合するフック部であり、前記ねじりばねのばね線により巻かれたリング状のカラーリングは、前記押付部と前記フック部との間に設けられ、前記カラーリングは、前記接続スリーブの前記接続コラムに設けられている
ことを特徴とする請求項3~5のいずれか1項に記載のダンパーデバイス。
【請求項7】
前記接続スリーブの下部にボスが設けられ、前記ボスに回転孔が設けられ、ピン接続孔は、前記ダンパースリーブの前記第2の端に設けられ、ピンは、前記ピン接続孔と前記ボスの前記回転孔を順に貫通している
ことを特徴とする請求項3~6のいずれか1項に記載のダンパーデバイス。
【請求項8】
前記ダンパーパイプの前記ダンパースリーブに回転可能に接続された部分に細長いスロット状のスライド孔が設けられ、ピン接続孔は、前記ダンパースリーブの前記第2の端に設けられ、ピンは、前記ピン接続孔と前記スライド孔を貫通することで、前記ダンパースリーブの前記第2の端は、前記ダンパーパイプに直接に回転可能に接続されている
ことを特徴とする請求項2~7のいずれか1項に記載のダンパーデバイス。
【請求項9】
前記ダンパー弾性要素は、前記ダンパーパイプと前記ダンパースリーブの下への回転に応答して減衰力を発生するために、前記ダンパーパイプ及び/又は前記ダンパースリーブに作用する引張ばね、圧縮ばね、油圧ロッド又は空気圧ロッドである
ことを特徴とする請求項2~8のいずれか1項に記載のダンパーデバイス。
【請求項10】
前記ダンパーデバイスの前記ブラケット構造は、ダンパーパイプと、ダンパースリーブとを含み、
前記ダンパーパイプは、前記シート部の下面に当接し、前記第1のパイプに回転可能に接続された固定端と、前記第2のパイプよりも高い自由端を有し、
前記ダンパースリーブは、前記第2のパイプに回転可能に接続された第1の端と、前記ダンパーパイプに回転可能に接続された第2の端とを有し、
前記ダンパー弾性要素は、前記ダンパースリーブの一部を形成する油圧ロッド又は空気圧ロッドであり、前記ダンパースリーブが下に押圧されて前記第1のパイプの周りに下に回転されると、前記ダンパースリーブが前記第2のパイプの周りに下に回転されるように駆動され、前記ダンパースリーブの一部を形成する前記油圧ロッド又は前記空気圧ロッドにより、前記ダンパーパイプに減衰力を加える
ことを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載のダンパーデバイス。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の前記ダンパーデバイスを含む
ことを特徴とするベビーカーのシート。
【請求項12】
フレームと前記フレームに設けられたシートとを含むベビーカーであって、
前記シートは、請求項1~10のいずれか1項に記載の前記ダンパーデバイスを含む
ことを特徴とするベビーカー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ベビーカーのダンパーデバイス、シート及びベビーカーに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ベビーカーは子供たちを屋外に連れ出すために使用される。技術の発展に伴い、ベビーカーに対する要求も高まっている。既存のベビーカーは、一般的にシートにダンパー構造を備えていないため、ベビーカーがでこぼこ道を走ると、ベビーカーに座っている子供が不快に感じ、乗り心地に影響を与える可能性がある。このため、弾性ワイヤを備えたシートが提案されているが、このシートは、一定のダンパー効果を得ることはできるが、十分なダンパー効果を得ることはできない。また、座板にワイヤが1本しか設けられていないため、座板の強度が不足し、耐力が弱い。
【0003】
従って、先行技術における上記問題点を回避することができるベビーカーのダンパーデバイスを開発する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術の上記欠点に鑑み、本開示の目的は、ベビーカーがより良好なダンパー効果を達成することを可能にするベビーカーのダンパーデバイスを提供することである。
【0005】
本明細書において具体化され、一般的に説明されるように、これらの利点及び他の利点を達成するために、そして本開示の目的に従って、ベビーカーのダンパーデバイスを提供する。ダンパーデバイスは、ベビーカーのシートパイプの互いに平行である第1のパイプ及び第2のパイプに配置され、ベビーカーのシート部を担持する。前記ダンパーデバイスは、前記第1のパイプと前記第2のパイプに回転可能に接続されたブラケット構造を含み、前記ブラケット構造は、ダンパー弾性要素により前記ブラケット構造が前記第1のパイプと前記第2のパイプに対して回転することを弾性的に防止して前記シート部の下への移動を遅らせるように配置されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態では、前記ブラケット構造は、ダンパーパイプと、ダンパースリーブとを含み、前記ダンパーパイプは、前記シート部の下面に当接し、前記第1のパイプに回転可能に接続された固定端と、前記第2のパイプよりも高い自由端を有し、前記ダンパースリーブは、前記第2のパイプに回転可能に接続された第1の端と、前記ダンパーパイプにスライド可能且つ回転可能に接続された第2の端とを有し、前記ダンパースリーブは、前記ダンパーパイプが下に押されて前記第1のパイプに対して下に回転すると、前記第2のパイプに対して下に回転するように駆動されるように配置され、ここで、前記ダンパー弾性要素は、前記ダンパーパイプと前記ダンパースリーブとは、別の部材であり、前記ダンパー弾性要素は、前記ダンパーパイプと前記ダンパースリーブが下に回転すると、前記ダンパーパイプ及び/又は前記ダンパースリーブに減衰力を加えるように配置される。
【0007】
一実施形態では、前記ダンパーパイプには前記ダンパーパイプに沿ってスライド可能な接続スリーブが設けられ、前記ダンパースリーブの前記第2の端が前記ダンパーパイプに間接的に回転可能に接続されるように、前記ダンパースリーブの前記第2の端が前記接続スリーブに回転可能に接続されている。
【0008】
一実施形態では、前記接続スリーブには前記ダンパーパイプに横方向のピン穿孔が設けられ、前記ダンパースリーブの前記第2の端にはピン接続孔が設けられ、前記接続スリーブにより囲まれた前記ダンパーパイプの一部には細長いスロット状のスライド孔が設けられ、ピンは、前記ピン接続孔、前記ピン穿孔及び前記スライド孔を順に貫通している。
【0009】
一実施形態では、前記接続スリーブには、 前記ダンパーパイプがスライドするダンパースリーブ孔が設けられ、前記接続スリーブの前記ピン穿孔が設けられた位置に前記ダンパーパイプに横方向の接続コラムが設けられており、前記ピン穿孔は、前記接続コラムを貫通し、前記ダンパースリーブの前記第1の端には前記第2のパイプが貫通する第2のスリーブ孔が設けられ、前記ダンパースリーブの前記第2の端には2つのリミットボスが設けられ、前記ピン接続孔は、前記2つのリミットボスが貫通して形成され、前記2つのリミットボスの間にリミット溝が画定され、前記接続スリーブの前記接続コラムが設けられた部分は、前記リミット溝に収容されている。
【0010】
一実施形態では、前記ダンパー弾性要素は、ねじりばねであり、前記ねじりばねの前記第1の端は、前記ダンパーパイプに作用する押付部であり、前記ねじりばねの前記第2の端は、前記ダンパースリーブの係合孔と係合するフック部であり、前記ねじりばねのばね線により巻かれたリング状のカラーリングは、前記押付部と前記フック部との間に設けられ、前記カラーリングは、前記接続スリーブの前記接続コラムに設けられている。
【0011】
一実施形態では、前記接続スリーブの下部にボスが設けられ、前記ボスに回転孔が設けられ、ピン接続孔は、前記ダンパースリーブの前記第2の端に設けられ、ピンは、前記ピン接続孔と前記ボスの前記回転孔を順に貫通している。
【0012】
一実施形態では、前記ダンパーパイプの前記ダンパースリーブに回転可能に接続された部分に細長いスロット状のスライド孔が設けられ、ピン接続孔は、前記ダンパースリーブの前記第2の端に設けられ、ピンは、前記ピン接続孔と前記スライド孔を貫通することで、前記ダンパースリーブの前記第2の端は、前記ダンパーパイプに直接に回転可能に接続されている。
【0013】
一実施形態では、前記ダンパー弾性要素は、前記ダンパーパイプと前記ダンパースリーブの下への回転に応答して減衰力を発生するために、前記ダンパーパイプ及び/又は前記ダンパースリーブに作用する引張ばね、圧縮ばね、油圧ロッド又は空気圧ロッドである。
【0014】
一実施形態では、前記ダンパーデバイスの前記ブラケット構造は、ダンパーパイプと、ダンパースリーブとを含み、前記ダンパーパイプは、前記シート部の下面に当接し、前記第1のパイプに回転可能に接続された固定端と、前記第2のパイプよりも高い自由端を有し、前記ダンパースリーブは、前記第2のパイプに回転可能に接続された第1の端と、前記ダンパーパイプに回転可能に接続された第2の端とを有し、ここで、前記ダンパー弾性要素は、前記ダンパースリーブの一部を形成する油圧ロッド又は空気圧ロッドであり、前記ダンパースリーブが下に押圧されて前記第1のパイプの周りに下に回転されると、前記ダンパースリーブが前記第2のパイプの周りに下に回転されるように駆動され、前記ダンパースリーブの一部を形成する前記油圧ロッド又は前記空気圧ロッドにより、前記ダンパーパイプに減衰力を加える。
【0015】
別の態様において、本開示はまた、ベビーカーのシートを提供し、シートは、上述のダンパーデバイスを備える。
【0016】
さらに別の態様において、本開示はまた、ベビーカーを提供し、ベビーカーは、フレームと、フレーム上に配置されたシートとを備え、シートは、上述のダンパーデバイスを備える。
本開示の有益な効果として、ベビーカーのダンパーデバイスは、ブラケット構造の回転を防止してシート部の下方への移動を遅らせることで、ベビーカーがより良好なダンパー効果を達成できることである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本開示の上記及びその他の目的、特徴、態様、及び利点は、添付図面を用いて以下に詳細に説明することにより、より明らかになるであろう。
図1】本開示の実施形態におけるダンパーデバイスを用いたベビーカーのフレームの斜視図である。
図2図1のベビーカーのフレームを別の角度から見た斜視図を示す。
図3】本開示におけるダンパーデバイスの簡略化した概略図である。
図4】本開示におけるダンパーデバイスの簡略化した概略図である。
図5】本開示のダンパーデバイスの実施形態におけるダンパーパイプの斜視図である。
図6】本開示のダンパーデバイスの実施形態における接続スリーブの斜視図である。
図7】本開示のダンパーデバイスの実施形態におけるダンパースリーブの斜視図である。
図8】本開示のダンパーデバイスの実施形態におけるダンパー弾性要素の斜視図である。
図9】本開示のダンパーデバイスの実施形態における各種部品の接続箇所の概略断面図である。
図10】本開示の他の実施形態におけるダンパーデバイスの概略図である。
図11】本開示の他の実施形態におけるダンパーデバイスの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して実施形態例について詳細に説明する。「第1の」及び「第2の」などの用語は様々な要素を記述するために使用されてもよいが、これらの要素はこれらの用語に限定されないことが理解されるだろう。これらの用語は、通常、1つの構成部品と別の構成部品を区別するためにのみ使用されます。さらに、実施形態の構成及び動作を考慮して具体的に定義された用語は、実施形態を記述するためだけに使用され、実施形態の範囲を限定するものではない。
【0019】
図1及び図2は、本開示の実施形態におけるダンパーデバイスを用いたベビーカーのフレームを示す。ベビーカーのフレームは、シート部のためのシートパイプ100と、背もたれ部のための背もたれパイプとを含む。シートパイプ100は、第1のパイプ101と、第2のパイプ102と、それらの間に接続された2つの接続パイプからなるフレーム構造である。
【0020】
本開示におけるダンパーデバイスは、第1のパイプ101及び第2のパイプ102上に設けられ、ベビーカーのシート部を載置するために使用される。本明細書では、ベビーカーが向かう方向を前方向と定義し、ベビーカーが背向する方向を後方向と定義する。なお、図1及び図2に示すように、第1のパイプ101は前パイプであり、第2のパイプ102は後パイプである。しかしながら、本開示はこれに限定されるものではなく、第1のパイプ101は後パイプであってもよく、第2のパイプ102は前パイプであってもよい。また、第1のパイプ101と第2のパイプ102は、前パイプと後パイプとを接続する2つのサイドパイプであってもよい。
【0021】
ダンパーデバイスは、第1のパイプ101と第2のパイプ102とに回転可能に接続されたブラケット構造とダンパー弾性要素30とを含み、ブラケット構造は、ダンパー弾性要素30によりブラケット構造が第1のパイプ101又は第2のパイプ101に対して回転することを弾性的に防止することでシート部の下方移動を遅らせるように配置されている。本開示は、ブラケット構造の回転を防止することでシート部の下向き運動を遅らせ、上下方向に抵抗を加えることによりシートの下への運動を直接防止する方法に比べて、ベビーカーがより安定して緩やかなダンパー効果を実現することを可能にする。
【0022】
ブラケット構造は、ダンパーパイプ10とダンパースリーブ20とを含む。ダンパーパイプ10とダンパースリーブ20とは互いに接続され、上下に移動可能なブラケット構造(図3及び図4に示す)を形成している。ダンパー弾性要素30は、ブラケット構造の下方移動に応答してブラケット構造に減衰力を付与する。子供がベビーカーのシート部に座る前に、ダンパー弾性要素30は、ダンパーパイプ10とダンパースリーブ20とによって形成されたブラケット構造を押し上げる。子供がベビーカーのシート部に座った後、ベビーカーのシート部の下面に当接するダンパーパイプ10が下方向に押圧されて下方向に回転し、ダンパースリーブ20を下方向に回転するように駆動する。このとき、ダンパー弾性要素30は、ベビーカーのシート部の振動を低減するために、ダンパーパイプ10及び/又はダンパースリーブ20に減衰力を付与する。特に、ベビーカーが揺れる道路を走行していると、子供のお尻が上下に跳ねる可能性があり、落下過程において、ダンパー弾性要素30は、ベビーカーのシート部に良好なダンパー効果を提供し、お尻に過大な衝撃を受け、乗り心地に影響を与えることを回避することができる。また、ダンパーデバイスを用いたベビーカーのシートパイプの支持強度は十分である。また、シート生地が被覆された後、乗り心地をさらに向上させることができるだけでなく、シート生地の応力を増加させることなく、シート生地の正常な使用寿命を保証することができる。
【0023】
次に、ダンパーデバイスの構成要素について詳細に説明する。
ダンパーパイプ10は、固定端10aと自由端10bとを有する。固定端10aは、第1のパイプ101に回転可能に接続され、自由端10bは、第2のパイプ102より高くこれにより、ダンパーパイプ10と第1のパイプ101によって規定される平面が第2のパイプ102と第1のパイプ101によって規定される平面に対して一定の角度を形成するようになっている。図1に示す実施形態では、固定端10aは、パイプジョイント103を介して第1のパイプ101に回転可能に接続されている。もちろん、固定端10aは、第1のパイプ101に直接回転可能に接続されていてもよい。
【0024】
また、図1図2及び図5に示すダンパーパイプ10は、U字パイプである。U字パイプの開口端は、2つの固定端10aであり、第1のパイプ101の両端付近にそれぞれ回転可能に接続され、他端の接続端は第2のパイプ102よりも高い自由端10bである。U字型のダンパーパイプ10と第1のパイプ101は、シート部を均一に担持できるように略正方形の形状をなしている。もちろん、ダンパーパイプ10は、V字パイプの形状や一字型パイプの形状などの他の形状であってもよく、同様、ダンパーパイプ10の効果を得ることもできる。ダンパーパイプ10が一字型パイプ形状である場合、その固定端10aは、好ましくは第1のパイプ101の中央部に回転可能に接続されている。
【0025】
ダンパーパイプ10と第1のパイプ101とによって規定される平面が第2のパイプ102と第1のパイプ101とによって規定される平面に対して一定の角度に保つために、ダンパーデバイス100は、さらに、ダンパーパイプ10とともにブラケット構造を形成するダンパースリーブ20を含む。
【0026】
図1を参照すると、ダンパースリーブ20の第1の端20aは、第2のパイプ102に回転可能に接続され、第2の端20bは、ダンパーパイプ10にスライド可能に回転可能に接続され、これにより、ダンパーパイプ10が下に押されて第1のパイプ101の周りを下に回転すると、ダンパースリーブ20も第2のパイプ102の周りを下に回転されるように駆動される。本明細書では、「(ダンパースリーブ20の)第2の端20bがダンパーパイプ10にスライド可能に回転可能に接続されている」とは、ダンパースリーブ20の第2の端20bがダンパーパイプ10に沿ってスライド可能であると同時に、ダンパースリーブ20がダンパーパイプ10に対して第2の端20を周りに回転可能であることを意味する。
【0027】
ダンパースリーブ20の第2の端20bがダンパーパイプ10にスライド可能に回転可能に接続される理由は、図3及び図4を参照して以下に説明する。
【0028】
図3に示すように、ダンパースリーブ20は、その第2の端20bを貫通するピン40を介してダンパーパイプ10に回転可能に接続され、ピン40がダンパースリーブ20とダンパーパイプ10との間のピボットポイントを形成する。第1のパイプ101と第2のパイプ102との間の距離、及びピボットポイント40と第2のパイプ102との間の間隔(すなわちダンパースリーブ20の長さ)は、一定であるため、ピボットポイントと第1のパイプ101との間の間隔も一定であれば、第1のパイプ101、第2のパイプ102、及びピボットポイントによって形成される三角形は一定である。この場合、ダンパーパイプ10とダンパースリーブ20は回転できず、ダンパーパイプ10とダンパースリーブ20によって形成されたブラケット構造は、上下に移動できない。
【0029】
したがって、ピボットポイント40は、ピボットポイント40と第1のパイプ101との間の距離が可変であるように、ダンパーパイプ10に対してスライド可能である必要がある。図4に示すように、ピボットポイント40が第1の位置P1と第2の位置P2との間をスライド可能である場合、第1のパイプ101、第2のパイプ102、ピボットポイント40が形成する三角形は可変である。この場合、ダンパーパイプ10とダンパースリーブ20は回転することができ、ダンパーパイプ10とダンパースリーブ20によって形成されたブラケット構造は、ダンパーと緩衝効果を提供するために上下に移動することができる。
【0030】
ダンパースリーブ20の第2の端20bとそれを貫通するピン40(すなわちピボットポイント40)とをダンパーパイプ10に対してスライド可能にするために、本開示は様々な実施形態を採用することができる。
【0031】
図1に示すように、ダンパーパイプ10には、ダンパーパイプ10に沿ってスライド可能な接続スリーブ50が設けられ、ダンパーパイプ20の第2の端20bは接続スリーブ50に回転可能に接続されている。この場合、ダンパーパイプ20の第2の端20bは、接続スリーブ50を介してダンパーパイプ10に間接的に回転可能に接続される。
【0032】
本開示のダンパーデバイスの第1の実施形態では、接続スリーブ50にはダンパーパイプ10に横方向のピン穿孔51(図6参照)が設けられ、ダンパーパイプ20の第2の端20bにはピン接続孔21(図7参照)が設けられ、接続スリーブ50に囲まれたダンパーパイプ10の一部には細長い溝状のスライド孔11(図5参照)が設けられ、ピン40は、ダンパースリーブ20のピン接続孔21、接続スリーブ50のピン穿孔51、ダンパーパイプ10のスライド孔11を順次貫通し、ダンパースリーブ20とダンパーパイプ10との間のピボットポイントとして機能する。一方、ピン40は、ピボットポイント40、すなわちダンパースリーブ20の第2の端20bがダンパーパイプ10に対してスライド可能になるように、細長い溝状のスライド孔11内をスライド可能である。
【0033】
図6は、本開示におけるダンパーデバイスの第1の実施形態における接続スリーブを示す。接続スリーブ50は、ダンパーパイプ10がスライドするダンパースリーブ孔52を有し、接続スリーブ50のピン穿孔51が設けられた位置に、ダンパーパイプ10に横方向の接続コラム53が設けられ、ピン穿孔51は、ピン40がピン穿孔51を貫通した後にピン40を支持できるように、接続コラム53を貫通する。
【0034】
図7は、本開示におけるダンパーデバイスの第1の実施形態におけるダンパースリーブ20を示し、これは、図6に示す接続スリーブ50に合わせる。ダンパースリーブ20の第1の端20aには第2のスリーブ孔22が設けられ、第2のパイプ102は第2のスリーブ孔22を貫通し、ダンパースリーブ20の第2の端20bには、2つのリミットボス23が設けられ、ピン接続孔21は、2つのリミットボス23を貫通して形成されている。2つのリミットボス23の間にはリミット溝24が画定され、接続スリーブ50の接続コラム53が設けられた部分は、リミット溝24に収容されている。
【0035】
本実施形態では、ピン40は、ダンパーパイプ10上のスライド孔11内をスライドするように、接続スリーブ50の接続コラム53に支持されており、ピン40とスライド孔11との接触摩擦により寿命に影響を与えることを回避する。
【0036】
もちろん、本開示はこれに限定されない。本開示におけるダンパーデバイスは、第1の実施形態に加えて構造を簡略化することができ、ダンパーパイプ10に接続スリーブ50が設けられていない第2の実施形態を採用することができる。構造が簡略化された第2の実施形態では、ダンパーパイプ10のダンパースリーブ20に回転可能に接続された部分に細長い溝状のスライド孔11が設けられ、ダンパースリーブ20の第2の端20bにピン接続孔21が設けられている。ピン40は、ピン接続孔21とスライド孔11を順次貫通して、ダンパースリーブ20とダンパーパイプ10との間のピボットポイントとして機能する。この場合、ダンパースリーブ20の第2の端20bは、ダンパーパイプ10に直接回転可能に接続される。
【0037】
ピン40は細長い溝状のスライド孔11内でもスライド可能であるため、簡略化された構造を有する第2の実施形態では、ダンパースリーブ20の第2の端20b即ちピボットポイント40がダンパーパイプ10に対してスライドすることも実現する。しかし、ピン40とスライド孔11との接触摩擦は寿命に影響を与えるため、スライド孔11には、耐摩耗性コーティングが施されていてもよいし、スライド孔11の形状に合わせてスライド溝を有するスライドブロック(図示せず)が設けられていてもよく、スライドブロックは耐摩耗性材料で作られていることが好ましい。
【0038】
図10及び図11は、本開示におけるダンパーデバイスの第3の実施形態を示しており、ダンパーパイプ10には細長い溝状のスライド孔11が設けられていないが、第3の実施形態では、ダンパースリーブ20の第2の端20bがダンパーパイプ10にスライド可能に回転可能に接続されていることができる。
【0039】
具体的には、図10及び図11に示すように、ダンパーパイプ10には、ダンパーパイプ10に沿ってスライド可能な接続スリーブ50が設けられている。接続スリーブ50の下部には、ボス54が設けられ、ボス54に回転孔が設けられている。ダンパーパイプ20の第2の端20bにはピン接続孔21が設けられ、ピン40は、ピン接続孔21とボス54の回転孔を順に貫通して、ダンパースリーブ20とダンパーパイプ10との間のピボットポイントとして機能する。一方、接続スリーブ50とその上のボス54はダンパーパイプ10に沿ってスライドすることができるので、ピボットポイント40、すなわちダンパースリーブ20の第2の端20bはダンパーパイプ10に対して相対的にスライドすることができる。
【0040】
さらに、ダンパーパイプ10に沿って接続スリーブ50のスライド範囲を制限するために、ダンパーパイプ10に止め突起又はストッパ(図示せず)を設けてもよい。
【0041】
次に、ダンパーデバイス100におけるダンパー弾性要素30について詳細に説明する。
ダンパーデバイス100のダンパー効果を達成するために、ダンパー弾性要素30は、ダンパーパイプ10及び/又はダンパースリーブ20に減衰力を加えて、ダンパーパイプ10及びダンパースリーブ20によって形成されるブラケット構造の下方への動きを遅らせることができる。
【0042】
本開示におけるダンパーデバイスの第1、第2及び第3の実施形態において、ダンパー弾性要素30は、ダンパーパイプ10及びダンパースリーブ20以外の別個の部材である。
【0043】
例えば、本発明のダンパーデバイスの第1の実施形態では、ダンパー弾性要素30は、ねじりばねであってもよく、図8に示すように、ねじりばね30の第1の端は、ダンパーパイプ10に作用する押付部31であり、第2の端はフック部32であり、フック部32はダンパースリーブ20の係合孔25に係合可能である。ねじりばね30のばね線によって巻回された環状のカラーリング33は、ねじりばね30の押付部31とフック部32との間に設けられ、カラーリング33は、接続スリーブ50の接続コラム53に設けられてもよい。
【0044】
次に、本開示に係るダンパーデバイスの動作について、第1の実施形態を参照して詳細に説明する。
【0045】
ダンパーデバイスがベビーカーのシート部の圧力を受けない場合、図1に示すように、ダンパーパイプ10とダンパースリーブ20とにより形成されたブラケット構造は、ねじりばね30により、高い位置に保持される。
【0046】
ダンパーデバイスがベビーカーのシート部の圧力を受けると、ダンパーパイプ10は第1のパイプ101の周りを下向きに回転し、ダンパースリーブ20を第2のパイプ102の周りを下向きに回転させるとともに、接続スリーブ50はダンパーパイプ10に沿って位置P1から位置P2にスライドする(図4参照)。したがって、ダンパーパイプ10とダンパースリーブ20とにより形成されたブラケット構造は、低い位置に移動する。この過程で、ねじりばね30は、ダンパーパイプ10とダンパースリーブ20に減衰力を加え、それによりブラケット構造の低位への移動速度と強度を大幅に緩和し、ベビーカーのシート部の振動を弱める。
【0047】
ダンパーデバイスが受ける圧力がダンパー又は消失すると、ブラケット構造は、ねじりばね30により、低位から高位に戻る。
【0048】
図9は、本開示におけるダンパーデバイスの第1の実施形態において、ダンパーパイプ10、ダンパースリーブ20、ねじりばね30、及び接続スリーブ50が組み立てられたときの状態を詳細に示しており、ねじりばね30は、ダンパーパイプ10とダンパースリーブ20との接続箇所に減衰力を付与する。
【0049】
本開示におけるダンパーデバイスの第2の実施形態の動作は、一部の部品の具体的な配置を変更した点を除いて、第1の実施形態と実質的に同じであってもよい。例えば、接続スリーブ50はダンパーパイプ10に設けられていないので、ダンパーパイプとダンパースリーブ20との接続に減衰力を加えることができれば、ねじりばね30は他の方法で設けることができる。
【0050】
また、ダンパー弾性要素30は、ねじりばねに限らず、引張ばね、圧縮ばね、油圧ロッド、空気圧ロッドなど、減衰力を発生させることができる種々の弾性体であってもよい。また、図10及び図11に示すように、ダンパー弾性要素30は、ダンパーパイプ10又はダンパースリーブ20にのみ作用する単品であってもよいし、ダンパーパイプ10及びダンパースリーブ20に同時に作用する単品又は複数品であってもよく、ダンパーパイプ10とダンパースリーブ20が下方向に回転することに応答して減衰力を発生することができる。
【0051】
本開示におけるダンパーデバイスの第4の実施形態では、ダンパー弾性要素は、ダンパーパイプ10及びダンパースリーブ20を除く別個の部材ではなく、例えば、ダンパー弾性要素は、ダンパースリーブ20の一部を形成する油圧ロッド又は空気圧ロッドである。油圧ロッド又は空気圧ロッドの一端は、第2のパイプ102に回転可能に接続され、他端は、ダンパーパイプ10に回転可能に接続されている。ダンパーパイプ10が下方向に押圧され、第1のパイプ101の周りを下方向に回転すると、ダンパースリーブ20は、第2のパイプ102の周りを下方向に回転するように駆動され、ダンパースリーブ20の一部を形成する油圧又は空気圧ロッドを介してダンパーパイプ10に減衰力を印加する。この場合、ダンパースリーブ20は、ダンパースリーブとダンパー弾性要素の両方の機能を有し、したがって、個別のダンパー弾性要素30を省略することができる。本実施形態では、ダンパーデバイスの部品点数を減らすことでコストを削減する。
【0052】
本発明のダンパーデバイスを用いたベビーカーは、より良好なダンパー効果を得て、子供の走行時の快適さを高めることができる。
【0053】
本開示の特徴から逸脱することなく、本開示の特徴は様々な形で具現化することができ、また、特に指示がない限り、上記実施形態は上記の詳細に限定されるものではなく、添付の請求項に規定された範囲内で広く解釈されるべきであることを理解すべきである。したがって、特許請求の範囲の範囲及び制限内に含まれるすべての修正及び変更、又はこれらの範囲及び制限の等価物は、添付の特許請求の範囲によってカバーされるべきである。
【符号の説明】
【0054】
10 ダンパーパイプ
10a 固定端
10b 自由端
11 スライド孔
20 ダンパースリーブ
20a 第1の端
20b 第2の端
21 ピン接続孔
22 第2のスリーブ孔
23 リミットボス
24 リミット溝
30 ダンパー弾性要素
31 押付部
40 ピン、ピボットポイント
50 接続スリーブ
51 ピン穿孔
52 ダンパースリーブ孔
53 接続コラム
54 ボス
100 シートパイプ
101 第1のパイプ
102 第2のパイプ
103 パイプジョイント
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2024-07-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベビーカーのシートパイプの互いに平行である第1のパイプ及び第2のパイプに配置され、ベビーカーのシート部を担持するベビーカーのダンパーデバイスであって、
前記ダンパーデバイスは、前記第1のパイプと前記第2のパイプに回転可能に接続されたブラケット構造を含み、前記ブラケット構造は、ダンパー弾性要素により前記ブラケット構造が前記第1のパイプと前記第2のパイプに対して回転することを弾性的に防止して前記シート部の下への移動を遅らせるように配置されて
前記ブラケット構造は、ダンパーパイプと、ダンパースリーブとを含み、
前記ダンパーパイプは、前記第1のパイプに回転可能に接続された固定端を有し、
前記ダンパースリーブは、前記第2のパイプに回転可能に接続された第1の端と、前記ダンパーパイプにスライド可能に接続された第2の端とを有する
ことを特徴とするダンパーデバイス。
【請求項2】
前記ダンパーパイプは、前記シート部の下面に当接し、前記第2のパイプよりも高い自由端を有し、
前記ダンパースリーブは、前記ダンパースリーブは、前記ダンパーパイプが下に押されて前記第1のパイプの周りに下に回転すると、前記第2のパイプの周りに下に回転するように駆動されるように配置され、
前記ダンパー弾性要素は、前記ダンパーパイプと前記ダンパースリーブとは、別の部材であり、前記ダンパー弾性要素は、前記ダンパーパイプと前記ダンパースリーブが下に回転すると、前記ダンパーパイプ及び/又は前記ダンパースリーブに減衰力を加えるように配置される
ことを特徴とする請求項1に記載のダンパーデバイス。
【請求項3】
前記ダンパーパイプには前記ダンパーパイプに沿ってスライド可能な接続スリーブが設けられ、前記ダンパースリーブの前記第2の端が前記ダンパーパイプに間接的に回転可能に接続されるように、前記ダンパースリーブの前記第2の端が前記接続スリーブに回転可能に接続されている
ことを特徴とする請求項2に記載のダンパーデバイス。
【請求項4】
前記接続スリーブには前記ダンパーパイプに横方向のピン穿孔が設けられ、前記ダンパースリーブの前記第2の端にはピン接続孔が設けられ、前記接続スリーブにより囲まれた前記ダンパーパイプの一部には細長いスロット状のスライド孔が設けられ、ピンは、前記ピン接続孔、前記ピン穿孔及び前記スライド孔を順に貫通している
ことを特徴とする請求項3に記載のダンパーデバイス。
【請求項5】
前記接続スリーブには、前記ダンパーパイプがスライドするダンパースリーブ孔が設けられ、前記接続スリーブの前記ピン穿孔が設けられた位置に前記ダンパーパイプに横方向の接続コラムが設けられており、前記ピン穿孔は、前記接続コラムを貫通し、
前記ダンパースリーブの前記第1の端には前記第2のパイプを貫通する第2のスリーブ孔が設けられ、前記ダンパースリーブの前記第2の端には2つのリミットボスが設けられ、前記ピン接続孔は、前記2つのリミットボスが貫通して形成され、前記2つのリミットボスの間にリミット溝が画定され、前記接続スリーブの前記接続コラムが設けられた部分は、前記リミット溝に収容されている
ことを特徴とする請求項4に記載のダンパーデバイス。
【請求項6】
前記ダンパー弾性要素は、ねじりばねであり、前記ねじりばねの前記第1の端は、前記ダンパーパイプに作用する押付部であり、前記ねじりばねの前記第2の端は、前記ダンパースリーブの係合孔と係合するフック部であり、前記ねじりばねのばね線により巻かれたリング状のカラーリングは、前記押付部と前記フック部との間に設けられ、前記カラーリングは、前記接続スリーブの前記接続コラムに設けられている
ことを特徴とする請求項に記載のダンパーデバイス。
【請求項7】
前記接続スリーブの下部にボスが設けられ、前記ボスに回転孔が設けられ、ピン接続孔は、前記ダンパースリーブの前記第2の端に設けられ、ピンは、前記ピン接続孔と前記ボスの前記回転孔を順に貫通している
ことを特徴とする請求項3に記載のダンパーデバイス。
【請求項8】
前記ダンパーパイプの前記ダンパースリーブに回転可能に接続された部分に細長いスロット状のスライド孔が設けられ、ピン接続孔は、前記ダンパースリーブの前記第2の端に設けられ、ピンは、前記ピン接続孔と前記スライド孔を貫通することで、前記ダンパースリーブの前記第2の端は、前記ダンパーパイプに直接に回転可能に接続されている
ことを特徴とする請求項に記載のダンパーデバイス。
【請求項9】
前記ダンパー弾性要素は、前記ダンパーパイプと前記ダンパースリーブの下への回転に応答して減衰力を発生するために、前記ダンパーパイプ及び/又は前記ダンパースリーブに作用する引張ばね、圧縮ばね、油圧ロッド又は空気圧ロッドである
ことを特徴とする請求項に記載のダンパーデバイス。
【請求項10】
前記ダンパーパイプは、前記シート部の下面に当接し、前記第2のパイプよりも高い自由端を有し、
前記ダンパー弾性要素は、前記ダンパースリーブの一部を形成する油圧ロッド又は空気圧ロッドであり、前記ダンパーパイプが下に押圧されて前記第1のパイプの周りに下に回転されると、前記ダンパースリーブが前記第2のパイプの周りに下に回転されるように駆動され、前記ダンパースリーブの一部を形成する前記油圧ロッド又は前記空気圧ロッドにより、前記ダンパーパイプに減衰力を加える
ことを特徴とする請求項1に記載のダンパーデバイス。
【請求項11】
請求項に記載の前記ダンパーデバイスを含む
ことを特徴とするベビーカーのシート。
【請求項12】
フレームと前記フレームに設けられたシートとを含むベビーカーであって、
前記シートは、請求項1に記載の前記ダンパーデバイスを含む
ことを特徴とするベビーカー。
【請求項13】
前記スライド孔には、耐摩耗性コーティングが施され、
又は、
前記スライド孔の形状に合わせてスライド溝を有するスライドブロックが設けられ、前記スライドブロックは耐摩耗性材料で作られている
ことを特徴とする請求項8に記載のダンパーデバイス。
【請求項14】
前記ンパーパイプに沿って前記接続スリーブのスライド範囲を制限するために、前記ダンパーパイプに止め突起又はストッパを設けている
ことを特徴とする請求項3に記載のダンパーデバイス。
【請求項15】
前記ダンパーデバイスが圧力を受けない場合、ダンパー弾性部材によりブラケット構造は、高い位置に保持され、
前記ダンパーデバイスが圧力を受ける場合、前記ダンパーパイプは、前記第1のパイプの周りを下向きに回転し、前記ダンパースリーブを前記第2のパイプの周りを下向きに低い位置に回転させるように駆動し、
前記ダンパーデバイスへの圧力が減衰または消失する場合、前記ダンパー弾性部材によりブラケット構造は、低い位置から後に高い位置に移動する
ことを特徴とする請求項1に記載のダンパーデバイス。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【関連発明の相互引用】
【0001】
本願は、2023年1月13日に提出された、「ベビーカーの制振装置やシート、ベビーカー」と題されるPCT/EP 2023/050776の国家段階出願であり、2022年1月14日に提出された中国出願第202210046772.3号の利益を要求し、両者は引用によってすべて本文に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、ベビーカーのダンパーデバイス、シート及びベビーカーに関する。
【背景技術】
【0003】
一般的に、ベビーカーは子供たちを屋外に連れ出すために使用される。技術の発展に伴い、ベビーカーに対する要求も高まっている。既存のベビーカーは、一般的にシートにダンパー構造を備えていないため、ベビーカーがでこぼこ道を走ると、ベビーカーに座っている子供が不快に感じ、乗り心地に影響を与える可能性がある。このため、弾性ワイヤを備えたシートが提案されているが、このシートは、一定のダンパー効果を得ることはできるが、十分なダンパー効果を得ることはできない。また、座板にワイヤが1本しか設けられていないため、座板の強度が不足し、耐力が弱い。
【0004】
従って、先行技術における上記問題点を回避することができるベビーカーのダンパーデバイスを開発する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術の上記欠点に鑑み、本開示の目的は、ベビーカーがより良好なダンパー効果を達成することを可能にするベビーカーのダンパーデバイスを提供することである。
【0006】
本明細書において具体化され、一般的に説明されるように、これらの利点及び他の利点を達成するために、そして本開示の目的に従って、ベビーカーのダンパーデバイスを提供する。ダンパーデバイスは、ベビーカーのシートパイプの互いに平行である第1のパイプ及び第2のパイプに配置され、ベビーカーのシート部を担持する。前記ダンパーデバイスは、前記第1のパイプと前記第2のパイプに回転可能に接続されたブラケット構造を含み、前記ブラケット構造は、ダンパー弾性要素により前記ブラケット構造が前記第1のパイプと前記第2のパイプに対して回転することを弾性的に防止して前記シート部の下への移動を遅らせるように配置されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態では、前記ブラケット構造は、ダンパーパイプと、ダンパースリーブとを含み、前記ダンパーパイプは、前記シート部の下面に当接し、前記第1のパイプに回転可能に接続された固定端と、前記第2のパイプよりも高い自由端を有し、前記ダンパースリーブは、前記第2のパイプに回転可能に接続された第1の端と、前記ダンパーパイプにスライド可能且つ回転可能に接続された第2の端とを有し、前記ダンパースリーブは、前記ダンパーパイプが下に押されて前記第1のパイプに対して下に回転すると、前記第2のパイプに対して下に回転するように駆動されるように配置され、ここで、前記ダンパー弾性要素は、前記ダンパーパイプと前記ダンパースリーブとは、別の部材であり、前記ダンパー弾性要素は、前記ダンパーパイプと前記ダンパースリーブが下に回転すると、前記ダンパーパイプ及び/又は前記ダンパースリーブに減衰力を加えるように配置される。
【0008】
一実施形態では、前記ダンパーパイプには前記ダンパーパイプに沿ってスライド可能な接続スリーブが設けられ、前記ダンパースリーブの前記第2の端が前記ダンパーパイプに間接的に回転可能に接続されるように、前記ダンパースリーブの前記第2の端が前記接続スリーブに回転可能に接続されている。
【0009】
一実施形態では、前記接続スリーブには前記ダンパーパイプに横方向のピン穿孔が設けられ、前記ダンパースリーブの前記第2の端にはピン接続孔が設けられ、前記接続スリーブにより囲まれた前記ダンパーパイプの一部には細長いスロット状のスライド孔が設けられ、ピンは、前記ピン接続孔、前記ピン穿孔及び前記スライド孔を順に貫通している。
【0010】
一実施形態では、前記接続スリーブには、 前記ダンパーパイプがスライドするダンパースリーブ孔が設けられ、前記接続スリーブの前記ピン穿孔が設けられた位置に前記ダンパーパイプに横方向の接続コラムが設けられており、前記ピン穿孔は、前記接続コラムを貫通し、前記ダンパースリーブの前記第1の端には前記第2のパイプが貫通する第2のスリーブ孔が設けられ、前記ダンパースリーブの前記第2の端には2つのリミットボスが設けられ、前記ピン接続孔は、前記2つのリミットボスが貫通して形成され、前記2つのリミットボスの間にリミット溝が画定され、前記接続スリーブの前記接続コラムが設けられた部分は、前記リミット溝に収容されている。
【0011】
一実施形態では、前記ダンパー弾性要素は、ねじりばねであり、前記ねじりばねの前記第1の端は、前記ダンパーパイプに作用する押付部であり、前記ねじりばねの前記第2の端は、前記ダンパースリーブの係合孔と係合するフック部であり、前記ねじりばねのばね線により巻かれたリング状のカラーリングは、前記押付部と前記フック部との間に設けられ、前記カラーリングは、前記接続スリーブの前記接続コラムに設けられている。
【0012】
一実施形態では、前記接続スリーブの下部にボスが設けられ、前記ボスに回転孔が設けられ、ピン接続孔は、前記ダンパースリーブの前記第2の端に設けられ、ピンは、前記ピン接続孔と前記ボスの前記回転孔を順に貫通している。
【0013】
一実施形態では、前記ダンパーパイプの前記ダンパースリーブに回転可能に接続された部分に細長いスロット状のスライド孔が設けられ、ピン接続孔は、前記ダンパースリーブの前記第2の端に設けられ、ピンは、前記ピン接続孔と前記スライド孔を貫通することで、前記ダンパースリーブの前記第2の端は、前記ダンパーパイプに直接に回転可能に接続されている。
【0014】
一実施形態では、前記ダンパー弾性要素は、前記ダンパーパイプと前記ダンパースリーブの下への回転に応答して減衰力を発生するために、前記ダンパーパイプ及び/又は前記ダンパースリーブに作用する引張ばね、圧縮ばね、油圧ロッド又は空気圧ロッドである。
【0015】
一実施形態では、前記ダンパーデバイスの前記ブラケット構造は、ダンパーパイプと、ダンパースリーブとを含み、前記ダンパーパイプは、前記シート部の下面に当接し、前記第1のパイプに回転可能に接続された固定端と、前記第2のパイプよりも高い自由端を有し、前記ダンパースリーブは、前記第2のパイプに回転可能に接続された第1の端と、前記ダンパーパイプに回転可能に接続された第2の端とを有し、ここで、前記ダンパー弾性要素は、前記ダンパースリーブの一部を形成する油圧ロッド又は空気圧ロッドであり、前記ダンパースリーブが下に押圧されて前記第1のパイプの周りに下に回転されると、前記ダンパースリーブが前記第2のパイプの周りに下に回転されるように駆動され、前記ダンパースリーブの一部を形成する前記油圧ロッド又は前記空気圧ロッドにより、前記ダンパーパイプに減衰力を加える。
【0016】
別の態様において、本開示はまた、ベビーカーのシートを提供し、シートは、上述のダンパーデバイスを備える。
【0017】
さらに別の態様において、本開示はまた、ベビーカーを提供し、ベビーカーは、フレームと、フレーム上に配置されたシートとを備え、シートは、上述のダンパーデバイスを備える。
本開示の有益な効果として、ベビーカーのダンパーデバイスは、ブラケット構造の回転を防止してシート部の下方への移動を遅らせることで、ベビーカーがより良好なダンパー効果を達成できることである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本開示の上記及びその他の目的、特徴、態様、及び利点は、添付図面を用いて以下に詳細に説明することにより、より明らかになるであろう。
図1】本開示の実施形態におけるダンパーデバイスを用いたベビーカーのフレームの斜視図である。
図2図1のベビーカーのフレームを別の角度から見た斜視図を示す。
図3】本開示におけるダンパーデバイスの簡略化した概略図である。
図4】本開示におけるダンパーデバイスの簡略化した概略図である。
図5】本開示のダンパーデバイスの実施形態におけるダンパーパイプの斜視図である。
図6】本開示のダンパーデバイスの実施形態における接続スリーブの斜視図である。
図7】本開示のダンパーデバイスの実施形態におけるダンパースリーブの斜視図である。
図8】本開示のダンパーデバイスの実施形態におけるダンパー弾性要素の斜視図である。
図9】本開示のダンパーデバイスの実施形態における各種部品の接続箇所の概略断面図である。
図10】本開示の他の実施形態におけるダンパーデバイスの概略図である。
図11】本開示の他の実施形態におけるダンパーデバイスの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して実施形態例について詳細に説明する。「第1の」及び「第2の」などの用語は様々な要素を記述するために使用されてもよいが、これらの要素はこれらの用語に限定されないことが理解されるだろう。これらの用語は、通常、1つの構成部品と別の構成部品を区別するためにのみ使用されます。さらに、実施形態の構成及び動作を考慮して具体的に定義された用語は、実施形態を記述するためだけに使用され、実施形態の範囲を限定するものではない。
【0020】
図1及び図2は、本開示の実施形態におけるダンパーデバイスを用いたベビーカーのフレームを示す。ベビーカーのフレームは、シート部のためのシートパイプ100と、背もたれ部のための背もたれパイプとを含む。シートパイプ100は、第1のパイプ101と、第2のパイプ102と、それらの間に接続された2つの接続パイプからなるフレーム構造である。
【0021】
本開示におけるダンパーデバイスは、第1のパイプ101及び第2のパイプ102上に設けられ、ベビーカーのシート部を載置するために使用される。本明細書では、ベビーカーが向かう方向を前方向と定義し、ベビーカーが背向する方向を後方向と定義する。なお、図1及び図2に示すように、第1のパイプ101は前パイプであり、第2のパイプ102は後パイプである。しかしながら、本開示はこれに限定されるものではなく、第1のパイプ101は後パイプであってもよく、第2のパイプ102は前パイプであってもよい。また、第1のパイプ101と第2のパイプ102は、前パイプと後パイプとを接続する2つのサイドパイプであってもよい。
【0022】
ダンパーデバイスは、第1のパイプ101と第2のパイプ102とに回転可能に接続されたブラケット構造とダンパー弾性要素30とを含み、ブラケット構造は、ダンパー弾性要素30によりブラケット構造が第1のパイプ101又は第2のパイプ101に対して回転することを弾性的に防止することでシート部の下方移動を遅らせるように配置されている。本開示は、ブラケット構造の回転を防止することでシート部の下向き運動を遅らせ、上下方向に抵抗を加えることによりシートの下への運動を直接防止する方法に比べて、ベビーカーがより安定して緩やかなダンパー効果を実現することを可能にする。
【0023】
ブラケット構造は、ダンパーパイプ10とダンパースリーブ20とを含む。ダンパーパイプ10とダンパースリーブ20とは互いに接続され、上下に移動可能なブラケット構造(図3及び図4に示す)を形成している。ダンパー弾性要素30は、ブラケット構造の下方移動に応答してブラケット構造に減衰力を付与する。子供がベビーカーのシート部に座る前に、ダンパー弾性要素30は、ダンパーパイプ10とダンパースリーブ20とによって形成されたブラケット構造を押し上げる。子供がベビーカーのシート部に座った後、ベビーカーのシート部の下面に当接するダンパーパイプ10が下方向に押圧されて下方向に回転し、ダンパースリーブ20を下方向に回転するように駆動する。このとき、ダンパー弾性要素30は、ベビーカーのシート部の振動を低減するために、ダンパーパイプ10及び/又はダンパースリーブ20に減衰力を付与する。特に、ベビーカーが揺れる道路を走行していると、子供のお尻が上下に跳ねる可能性があり、落下過程において、ダンパー弾性要素30は、ベビーカーのシート部に良好なダンパー効果を提供し、お尻に過大な衝撃を受け、乗り心地に影響を与えることを回避することができる。また、ダンパーデバイスを用いたベビーカーのシートパイプの支持強度は十分である。また、シート生地が被覆された後、乗り心地をさらに向上させることができるだけでなく、シート生地の応力を増加させることなく、シート生地の正常な使用寿命を保証することができる。
【0024】
次に、ダンパーデバイスの構成要素について詳細に説明する。
ダンパーパイプ10は、固定端10aと自由端10bとを有する。固定端10aは、第1のパイプ101に回転可能に接続され、自由端10bは、第2のパイプ102より高くこれにより、ダンパーパイプ10と第1のパイプ101によって規定される平面が第2のパイプ102と第1のパイプ101によって規定される平面に対して一定の角度を形成するようになっている。図1に示す実施形態では、固定端10aは、パイプジョイント103を介して第1のパイプ101に回転可能に接続されている。もちろん、固定端10aは、第1のパイプ101に直接回転可能に接続されていてもよい。
【0025】
また、図1図2及び図5に示すダンパーパイプ10は、U字パイプである。U字パイプの開口端は、2つの固定端10aであり、第1のパイプ101の両端付近にそれぞれ回転可能に接続され、他端の接続端は第2のパイプ102よりも高い自由端10bである。U字型のダンパーパイプ10と第1のパイプ101は、シート部を均一に担持できるように略正方形の形状をなしている。もちろん、ダンパーパイプ10は、V字パイプの形状や一字型パイプの形状などの他の形状であってもよく、同様、ダンパーパイプ10の効果を得ることもできる。ダンパーパイプ10が一字型パイプ形状である場合、その固定端10aは、好ましくは第1のパイプ101の中央部に回転可能に接続されている。
【0026】
ダンパーパイプ10と第1のパイプ101とによって規定される平面が第2のパイプ102と第1のパイプ101とによって規定される平面に対して一定の角度に保つために、ダンパーデバイス100は、さらに、ダンパーパイプ10とともにブラケット構造を形成するダンパースリーブ20を含む。
【0027】
図1を参照すると、ダンパースリーブ20の第1の端20aは、第2のパイプ102に回転可能に接続され、第2の端20bは、ダンパーパイプ10にスライド可能に回転可能に接続され、これにより、ダンパーパイプ10が下に押されて第1のパイプ101の周りを下に回転すると、ダンパースリーブ20も第2のパイプ102の周りを下に回転されるように駆動される。本明細書では、「(ダンパースリーブ20の)第2の端20bがダンパーパイプ10にスライド可能に回転可能に接続されている」とは、ダンパースリーブ20の第2の端20bがダンパーパイプ10に沿ってスライド可能であると同時に、ダンパースリーブ20がダンパーパイプ10に対して第2の端20を周りに回転可能であることを意味する。
【0028】
ダンパースリーブ20の第2の端20bがダンパーパイプ10にスライド可能に回転可能に接続される理由は、図3及び図4を参照して以下に説明する。
【0029】
図3に示すように、ダンパースリーブ20は、その第2の端20bを貫通するピン40を介してダンパーパイプ10に回転可能に接続され、ピン40がダンパースリーブ20とダンパーパイプ10との間のピボットポイントを形成する。第1のパイプ101と第2のパイプ102との間の距離、及びピボットポイント40と第2のパイプ102との間の間隔(すなわちダンパースリーブ20の長さ)は、一定であるため、ピボットポイントと第1のパイプ101との間の間隔も一定であれば、第1のパイプ101、第2のパイプ102、及びピボットポイントによって形成される三角形は一定である。この場合、ダンパーパイプ10とダンパースリーブ20は回転できず、ダンパーパイプ10とダンパースリーブ20によって形成されたブラケット構造は、上下に移動できない。
【0030】
したがって、ピボットポイント40は、ピボットポイント40と第1のパイプ101との間の距離が可変であるように、ダンパーパイプ10に対してスライド可能である必要がある。図4に示すように、ピボットポイント40が第1の位置P1と第2の位置P2との間をスライド可能である場合、第1のパイプ101、第2のパイプ102、ピボットポイント40が形成する三角形は可変である。この場合、ダンパーパイプ10とダンパースリーブ20は回転することができ、ダンパーパイプ10とダンパースリーブ20によって形成されたブラケット構造は、ダンパーと緩衝効果を提供するために上下に移動することができる。
【0031】
ダンパースリーブ20の第2の端20bとそれを貫通するピン40(すなわちピボットポイント40)とをダンパーパイプ10に対してスライド可能にするために、本開示は様々な実施形態を採用することができる。
【0032】
図1に示すように、ダンパーパイプ10には、ダンパーパイプ10に沿ってスライド可能な接続スリーブ50が設けられ、ダンパーパイプ20の第2の端20bは接続スリーブ50に回転可能に接続されている。この場合、ダンパーパイプ20の第2の端20bは、接続スリーブ50を介してダンパーパイプ10に間接的に回転可能に接続される。
【0033】
本開示のダンパーデバイスの第1の実施形態では、接続スリーブ50にはダンパーパイプ10に横方向のピン穿孔51(図6参照)が設けられ、ダンパーパイプ20の第2の端20bにはピン接続孔21(図7参照)が設けられ、接続スリーブ50に囲まれたダンパーパイプ10の一部には細長い溝状のスライド孔11(図5参照)が設けられ、ピン40は、ダンパースリーブ20のピン接続孔21、接続スリーブ50のピン穿孔51、ダンパーパイプ10のスライド孔11を順次貫通し、ダンパースリーブ20とダンパーパイプ10との間のピボットポイントとして機能する。一方、ピン40は、ピボットポイント40、すなわちダンパースリーブ20の第2の端20bがダンパーパイプ10に対してスライド可能になるように、細長い溝状のスライド孔11内をスライド可能である。
【0034】
図6は、本開示におけるダンパーデバイスの第1の実施形態における接続スリーブを示す。接続スリーブ50は、ダンパーパイプ10がスライドするダンパースリーブ孔52を有し、接続スリーブ50のピン穿孔51が設けられた位置に、ダンパーパイプ10に横方向の接続コラム53が設けられ、ピン穿孔51は、ピン40がピン穿孔51を貫通した後にピン40を支持できるように、接続コラム53を貫通する。
【0035】
図7は、本開示におけるダンパーデバイスの第1の実施形態におけるダンパースリーブ20を示し、これは、図6に示す接続スリーブ50に合わせる。ダンパースリーブ20の第1の端20aには第2のスリーブ孔22が設けられ、第2のパイプ102は第2のスリーブ孔22を貫通し、ダンパースリーブ20の第2の端20bには、2つのリミットボス23が設けられ、ピン接続孔21は、2つのリミットボス23を貫通して形成されている。2つのリミットボス23の間にはリミット溝24が画定され、接続スリーブ50の接続コラム53が設けられた部分は、リミット溝24に収容されている。
【0036】
本実施形態では、ピン40は、ダンパーパイプ10上のスライド孔11内をスライドするように、接続スリーブ50の接続コラム53に支持されており、ピン40とスライド孔11との接触摩擦により寿命に影響を与えることを回避する。
【0037】
もちろん、本開示はこれに限定されない。本開示におけるダンパーデバイスは、第1の実施形態に加えて構造を簡略化することができ、ダンパーパイプ10に接続スリーブ50が設けられていない第2の実施形態を採用することができる。構造が簡略化された第2の実施形態では、ダンパーパイプ10のダンパースリーブ20に回転可能に接続された部分に細長い溝状のスライド孔11が設けられ、ダンパースリーブ20の第2の端20bにピン接続孔21が設けられている。ピン40は、ピン接続孔21とスライド孔11を順次貫通して、ダンパースリーブ20とダンパーパイプ10との間のピボットポイントとして機能する。この場合、ダンパースリーブ20の第2の端20bは、ダンパーパイプ10に直接回転可能に接続される。
【0038】
ピン40は細長い溝状のスライド孔11内でもスライド可能であるため、簡略化された構造を有する第2の実施形態では、ダンパースリーブ20の第2の端20b即ちピボットポイント40がダンパーパイプ10に対してスライドすることも実現する。しかし、ピン40とスライド孔11との接触摩擦は寿命に影響を与えるため、スライド孔11には、耐摩耗性コーティングが施されていてもよいし、スライド孔11の形状に合わせてスライド溝を有するスライドブロック(図示せず)が設けられていてもよく、スライドブロックは耐摩耗性材料で作られていることが好ましい。
【0039】
図10及び図11は、本開示におけるダンパーデバイスの第3の実施形態を示しており、ダンパーパイプ10には細長い溝状のスライド孔11が設けられていないが、第3の実施形態では、ダンパースリーブ20の第2の端20bがダンパーパイプ10にスライド可能に回転可能に接続されていることができる。
【0040】
具体的には、図10及び図11に示すように、ダンパーパイプ10には、ダンパーパイプ10に沿ってスライド可能な接続スリーブ50が設けられている。接続スリーブ50の下部には、ボス54が設けられ、ボス54に回転孔が設けられている。ダンパーパイプ20の第2の端20bにはピン接続孔21が設けられ、ピン40は、ピン接続孔21とボス54の回転孔を順に貫通して、ダンパースリーブ20とダンパーパイプ10との間のピボットポイントとして機能する。一方、接続スリーブ50とその上のボス54はダンパーパイプ10に沿ってスライドすることができるので、ピボットポイント40、すなわちダンパースリーブ20の第2の端20bはダンパーパイプ10に対して相対的にスライドすることができる。
【0041】
さらに、ダンパーパイプ10に沿って接続スリーブ50のスライド範囲を制限するために、ダンパーパイプ10に止め突起又はストッパ(図示せず)を設けてもよい。
【0042】
次に、ダンパーデバイス100におけるダンパー弾性要素30について詳細に説明する。
ダンパーデバイス100のダンパー効果を達成するために、ダンパー弾性要素30は、ダンパーパイプ10及び/又はダンパースリーブ20に減衰力を加えて、ダンパーパイプ10及びダンパースリーブ20によって形成されるブラケット構造の下方への動きを遅らせることができる。
【0043】
本開示におけるダンパーデバイスの第1、第2及び第3の実施形態において、ダンパー弾性要素30は、ダンパーパイプ10及びダンパースリーブ20以外の別個の部材である。
【0044】
例えば、本発明のダンパーデバイスの第1の実施形態では、ダンパー弾性要素30は、ねじりばねであってもよく、図8に示すように、ねじりばね30の第1の端は、ダンパーパイプ10に作用する押付部31であり、第2の端はフック部32であり、フック部32はダンパースリーブ20の係合孔25に係合可能である。ねじりばね30のばね線によって巻回された環状のカラーリング33は、ねじりばね30の押付部31とフック部32との間に設けられ、カラーリング33は、接続スリーブ50の接続コラム53に設けられてもよい。
【0045】
次に、本開示に係るダンパーデバイスの動作について、第1の実施形態を参照して詳細に説明する。
【0046】
ダンパーデバイスがベビーカーのシート部の圧力を受けない場合、図1に示すように、ダンパーパイプ10とダンパースリーブ20とにより形成されたブラケット構造は、ねじりばね30により、高い位置に保持される。
【0047】
ダンパーデバイスがベビーカーのシート部の圧力を受けると、ダンパーパイプ10は第1のパイプ101の周りを下向きに回転し、ダンパースリーブ20を第2のパイプ102の周りを下向きに回転させるとともに、接続スリーブ50はダンパーパイプ10に沿って位置P1から位置P2にスライドする(図4参照)。したがって、ダンパーパイプ10とダンパースリーブ20とにより形成されたブラケット構造は、低い位置に移動する。この過程で、ねじりばね30は、ダンパーパイプ10とダンパースリーブ20に減衰力を加え、それによりブラケット構造の低位への移動速度と強度を大幅に緩和し、ベビーカーのシート部の振動を弱める。
【0048】
ダンパーデバイスが受ける圧力がダンパー又は消失すると、ブラケット構造は、ねじりばね30により、低位から高位に戻る。
【0049】
図9は、本開示におけるダンパーデバイスの第1の実施形態において、ダンパーパイプ10、ダンパースリーブ20、ねじりばね30、及び接続スリーブ50が組み立てられたときの状態を詳細に示しており、ねじりばね30は、ダンパーパイプ10とダンパースリーブ20との接続箇所に減衰力を付与する。
【0050】
本開示におけるダンパーデバイスの第2の実施形態の動作は、一部の部品の具体的な配置を変更した点を除いて、第1の実施形態と実質的に同じであってもよい。例えば、接続スリーブ50はダンパーパイプ10に設けられていないので、ダンパーパイプとダンパースリーブ20との接続に減衰力を加えることができれば、ねじりばね30は他の方法で設けることができる。
【0051】
また、ダンパー弾性要素30は、ねじりばねに限らず、引張ばね、圧縮ばね、油圧ロッド、空気圧ロッドなど、減衰力を発生させることができる種々の弾性体であってもよい。また、図10及び図11に示すように、ダンパー弾性要素30は、ダンパーパイプ10又はダンパースリーブ20にのみ作用する単品であってもよいし、ダンパーパイプ10及びダンパースリーブ20に同時に作用する単品又は複数品であってもよく、ダンパーパイプ10とダンパースリーブ20が下方向に回転することに応答して減衰力を発生することができる。
【0052】
本開示におけるダンパーデバイスの第4の実施形態では、ダンパー弾性要素は、ダンパーパイプ10及びダンパースリーブ20を除く別個の部材ではなく、例えば、ダンパー弾性要素は、ダンパースリーブ20の一部を形成する油圧ロッド又は空気圧ロッドである。油圧ロッド又は空気圧ロッドの一端は、第2のパイプ102に回転可能に接続され、他端は、ダンパーパイプ10に回転可能に接続されている。ダンパーパイプ10が下方向に押圧され、第1のパイプ101の周りを下方向に回転すると、ダンパースリーブ20は、第2のパイプ102の周りを下方向に回転するように駆動され、ダンパースリーブ20の一部を形成する油圧又は空気圧ロッドを介してダンパーパイプ10に減衰力を印加する。この場合、ダンパースリーブ20は、ダンパースリーブとダンパー弾性要素の両方の機能を有し、したがって、個別のダンパー弾性要素30を省略することができる。本実施形態では、ダンパーデバイスの部品点数を減らすことでコストを削減する。
【0053】
本発明のダンパーデバイスを用いたベビーカーは、より良好なダンパー効果を得て、子供の走行時の快適さを高めることができる。
【0054】
本開示の特徴から逸脱することなく、本開示の特徴は様々な形で具現化することができ、また、特に指示がない限り、上記実施形態は上記の詳細に限定されるものではなく、添付の請求項に規定された範囲内で広く解釈されるべきであることを理解すべきである。したがって、特許請求の範囲の範囲及び制限内に含まれるすべての修正及び変更、又はこれらの範囲及び制限の等価物は、添付の特許請求の範囲によってカバーされるべきである。
【符号の説明】
【0055】
10 ダンパーパイプ
10a 固定端
10b 自由端
11 スライド孔
20 ダンパースリーブ
20a 第1の端
20b 第2の端
21 ピン接続孔
22 第2のスリーブ孔
23 リミットボス
24 リミット溝
30 ダンパー弾性要素
31 押付部
40 ピン、ピボットポイント
50 接続スリーブ
51 ピン穿孔
52 ダンパースリーブ孔
53 接続コラム
54 ボス
100 シートパイプ
101 第1のパイプ
102 第2のパイプ
103 パイプジョイント
【国際調査報告】