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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-15
(54)【発明の名称】表示パネル及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   H10K 59/122 20230101AFI20250107BHJP
   H10K 50/844 20230101ALI20250107BHJP
   H10K 50/19 20230101ALI20250107BHJP
   H10K 71/20 20230101ALI20250107BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20250107BHJP
【FI】
H10K59/122
H10K50/844
H10K50/19
H10K71/20
G09F9/30 365
G09F9/30 349Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023570268
(86)(22)【出願日】2023-06-30
(85)【翻訳文提出日】2023-11-13
(86)【国際出願番号】 CN2023104662
(87)【国際公開番号】W WO2024113854
(87)【国際公開日】2024-06-06
(31)【優先権主張番号】202211523097.5
(32)【優先日】2022-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517333336
【氏名又は名称】武漢華星光電半導体顕示技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】WUHAN CHINA STAR OPTOELECTRONICS SEMICONDUCTOR DISOLAY TECHNOLOGY CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】305 Room,Building C5 Biolake of Optics Valley,No.666 Gaoxin Avenue,.Wuhan East Lake High-tech Development Zone Wuhan,Hubei 430079 China
(74)【代理人】
【識別番号】100204386
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 啓
(72)【発明者】
【氏名】曾 建
(72)【発明者】
【氏名】徐 ▲海▼涛
(72)【発明者】
【氏名】黄 ▲燦▼
(72)【発明者】
【氏名】▲鮮▼于 文旭
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC21
3K107CC33
3K107DD52
3K107DD89
3K107EE46
3K107FF15
3K107GG11
5C094AA09
5C094AA38
5C094BA03
5C094BA27
5C094CA19
5C094DA13
5C094EC04
5C094FA01
5C094FA02
5C094FA03
5C094FA04
5C094JA08
5C094JA09
(57)【要約】
本願は表示パネル及び表示装置を開示し、表示パネルは、基板と、画素定義層と、発光デバイス層と、パッケージ層と、を含み、画素定義層は第1の凹溝及び第2の凹溝を含み、発光デバイス層は共通機能層を含み、パッケージ層は第1のサブパッケージ層を含み、第2の凹溝の開口に突起部が設けられ、共通機能層は第2の凹溝において切断され、第1のサブパッケージ層は第2の凹溝において連続し、突起部の突出距離は第1のサブパッケージ層の厚さの十分の一以下である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルであって、離間して設けられた複数の発光エリアと、各前記発光エリアの間に位置する非発光エリアとを含み、前記表示パネルは、
基板と、
前記基板に設けられた画素定義層であって、前記発光エリアに対応して設けられた第1の凹溝、及び前記非発光エリアに対応して設けられた第2の凹溝を含む画素定義層と、
前記画素定義層及び前記基板に設けられ、発光機能層及び共通機能層を含み、前記発光機能層は前記発光エリアに位置し、前記共通機能層は前記発光エリア及び前記非発光エリアに位置する発光デバイス層と、
前記発光デバイス層に設けられ、前記発光デバイス層に設けられた第1のサブパッケージ層を含み、前記第1のサブパッケージ層が前記発光エリア及び前記非発光エリアに位置するパッケージ層と、を含み、
、前記第2の凹溝の開口に突起部が設けられ、
前記共通機能層は前記第2の凹溝において切断されるように設けられ、
前記第1のサブパッケージ層は前記第2の凹溝において連続的に設けられ、
前記突起部の突出距離は前記第1のサブパッケージ層の厚さの十分の一以下である、表示パネル。
【請求項2】
前記第2の凹溝の側壁と前記第2の凹溝の底面との間の角度が90度以上である、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
前記突起部の一端は前記第2の凹溝の開口の側壁に接触され、他端は前記第2の凹溝内に延在して設けられる、請求項2に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記突起部は、前記基板から離れた側の第1の側面を有し、前記第1の側面は、前記画素定義層の前記基板から離れた側の側面と面一である、請求項3に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記突起部は、前記第1の側面の前記第2の凹溝内に近い一端に接続される第2の側面を有し、前記第2の側面と前記第1の側面との間には鋭角をなす角度がある、請求項4に記載の表示パネル。
【請求項6】
前記第2の凹溝の側壁と前記第2の凹溝の底面との間の角度が90度超且つ100度未満であり、前記第2の凹溝の深さは前記画素定義層の最大厚さ以下である、請求項2に記載の表示パネル。
【請求項7】
前記突起部の突出距離は前記共通機能層の厚さの十分の一以上である、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項8】
前記発光機能層は第1の発光サブ層及び第2の発光サブ層を含み、前記共通機能層は、前記第1の発光サブ層と前記第2の発光サブ層との間に設けられた電荷発生層を含み、
前記電荷発生層は前記第2の凹溝において切断されるように設けられる、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項9】
隣接する2つの前記発光エリアの間に複数の前記第2の凹溝が設けられ、少なくとも一部の前記第2の凹溝は、隣接する前記発光エリアのエッジに沿って延在して設けられる、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項10】
前記第2の凹溝は曲線型溝、波形溝又は折れ線状溝である、請求項9に記載の表示パネル。
【請求項11】
複数の前記第2の凹溝は1つの前記発光エリアの中心から他の前記発光エリアの中心に向かう方向に沿って間隔を置いて配列される、請求項9に記載の表示パネル。
【請求項12】
前記発光エリアはいずれも矩形であり且つ第1の方向又は第2の方向に沿って間隔を置いて配置され、前記第2の凹溝は前記第1の方向又は前記第2の方向に沿って対応して延在する長尺矩形状である、請求項9に記載の表示パネル。
【請求項13】
隣接する2つの前記発光エリアの間に、間隔を置いて配置された2つの前記第2の凹溝が設けられ、2つの前記第2の凹溝は、いずれも前記第1の方向に沿って延在する長尺矩形状である、請求項12に記載の表示パネル。
【請求項14】
表示装置であって、表示パネルを含み、前記表示パネルは、
基板と、
前記基板に設けられた画素定義層であって、発光エリアに対応して設けられた第1の凹溝、及び非発光エリアに対応して設けられた第2の凹溝を含む画素定義層と、
前記画素定義層及び前記基板に設けられ、発光機能層及び共通機能層を含み、前記発光機能層は前記発光エリアに位置し、前記共通機能層は前記発光エリア及び前記非発光エリアに位置する発光デバイス層と、
前記発光デバイス層に設けられ、前記発光デバイス層に設けられた第1のサブパッケージ層を含み、前記第1のサブパッケージ層は前記発光エリア及び前記非発光エリアに位置するパッケージ層と、を含み、
前記第2の凹溝の開口に突起部が設けられ、
前記共通機能層は前記第2の凹溝において切断されるように設けられ、
前記第1のサブパッケージ層は前記第2の凹溝において連続的に設けられ、
前記突起部の突出距離は前記第1のサブパッケージ層の厚さの十分の一以下である、表示装置。
【請求項15】
前記第2の凹溝の側壁と前記第2の凹溝の底面との間の角度が90度以上である、請求項14に記載の表示装置。
【請求項16】
前記突起部の一端は前記第2の凹溝の開口の側壁に接触され、他端は前記第2の凹溝内に延在して設けられる、請求項15に記載の表示装置。
【請求項17】
前記突起部は、前記基板から離れた側の第1の側面を有し、前記第1の側面は、前記画素定義層の前記基板から離れた側の側面と面一である、請求項16に記載の表示装置。
【請求項18】
前記突起部は、前記第1の側面の前記第2の凹溝内に近い一端に接続される第2の側面を有し、前記第2の側面と前記第1の側面との間には鋭角をなす角度がある、請求項17に記載の表示装置。
【請求項19】
前記第2の凹溝の側壁と前記第2の凹溝の底面との間の角度が90度超且つ100度未満であり、前記第2の凹溝の深さは前記画素定義層の最大厚さ以下である、請求項15に記載の表示装置。
【請求項20】
前記突起部の突出距離は前記共通機能層の厚さの十分の一以上である、請求項14に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は表示技術の分野に関し、具体的には表示パネル及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示技術の発展に伴い、有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode、OLED)は自発光、高コントラスト、広視野角、低消費電力、折り曲げ可能等の優れた性能を有するため、徐々に表示分野の主流となり、OLED表示パネルにおけるOLEDデバイスはアノード、発光デバイス層及びカソードで構成され、そのうち発光デバイス層における一部のフィルム層はオープンマスク(Open Mask)蒸着によって形成された共通機能層であり、このように微細金属マスクカバー(Fine Metal Mask、FMM)の使用を減少して製造コストを節約することができるが、このような共通機能層は、隣接する画素間に横方向の漏れが発生することを避けられず、画素の混色を引き起こして画面表示効果に影響を与えるという問題を引き起こす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
現在、業界では既に当該画素の混色問題を解決する手段を提供し、例えば画素の間に特定数の突起スペーサを設け、画素間の共通機能層を局所的に遮断し、それにより横漏れを減少して画素の混色を改善するという目的を達成するが、このような突起スペーサはその傷付きリスクを高め、異物粒子を生成してパッケージの失効を引き起こし、また、突起スペーサもパッケージ層における有機フィルム層のレベリング性を悪化させ、パッケージ効果に影響を与え、また画素間の画素定義層にいくつかの溝を付けて画素間の共通機能層を部分的に遮断することができるが、このような溝付けの製造は工程に対する要求が高く、溝壁が十分に急峻でなければ共通機能層を効果的に遮断することができず、したがって、このような溝付けの設計において、遮断効果をさらに向上させるために、現在のいくつかの改善手段はこのような溝付けをアンダーカット構造にするが、上層の封止層はこのようなアンダーカット構造における段差被覆率が非常に低く、具体的に図1の丸で示すエリアを参照すれば、封止層はこのようなアンダーカット構造エリアにおけるフィルムの厚さが非常に薄いことが分かり、それにより、大きなパッケージ故障リスクを引き起こす。
【0004】
上記問題に基づき、画素の混色問題を改善した上で良好なパッケージ効果を実現できる解決手段を開発する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は表示パネル及び表示装置を提供し、前記表示パネルは画素の混色問題を効果的に改善すると共に優れたパッケージ性能を確保する。
【0006】
上記課題を解決するために、第1の態様では、本発明は表示パネルを提供し、前記表示パネルは、離間して設けられた複数の発光エリアと、各前記発光エリアの間に位置する非発光エリアとを含み、前記表示パネルは、
基板と、
前記基板に設けられ、対応して前記発光エリアに設けられた第1の凹溝、及び前記非発光エリアに設けられた第2の凹溝を含む画素定義層と、
前記画素定義層及び前記基板に設けられ、発光機能層及び共通機能層を含み、前記発光機能層は前記発光エリアに位置し、前記共通機能層は前記発光エリアと前記非発光エリアに位置する発光デバイス層と、
前記発光デバイス層に設けられ、前記発光デバイス層に設けられた第1のサブパッケージ層を含み、前記第1のサブパッケージ層は前記発光エリア及び前記非発光エリアに位置するパッケージ層と、を含み、
ここで、前記第2の凹溝の開口に突起部が設けられ、前記共通機能層は前記第2の凹溝において切断されるように設けられ、前記第1のサブパッケージ層は前記第2の凹溝において連続的に設けられ、前記突起部の突出距離は前記第1のサブパッケージ層の厚さの十分の一以下である。
【0007】
第2の態様では、本発明はさらに表示装置を提供し、前記表示装置は上記表示パネルを含み、前記表示パネルは、
基板と、
前記基板に設けられ、対応して前記発光エリアに設けられた第1の凹溝、及び前記非発光エリアに設けられた第2の凹溝を含む画素定義層と、
前記画素定義層及び前記基板に設けられ、発光機能層及び共通機能層を含み、前記発光機能層は前記発光エリアに位置し、前記共通機能層は前記発光エリアと前記非発光エリアに位置する発光デバイス層と、
前記発光デバイス層に設けられ、前記発光デバイス層に設けられた第1のサブパッケージ層を含み、前記第1のサブパッケージ層は前記発光エリア及び前記非発光エリアに位置するパッケージ層と、を含み、
ここで、前記第2の凹溝の開口に突起部が設けられ、前記共通機能層は前記第2の凹溝において切断されるように設けられ、前記第1のサブパッケージ層は前記第2の凹溝において連続的に設けられ、前記突起部の突出距離は前記第1のサブパッケージ層の厚さの十分の一以下である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の従来技術により提供される表示パネルの断面構造の走査型電子顕微鏡の結像図である。
図2】本発明の実施例に係る第1の表示パネルの平面構造模式図である。
図3図2におけるBB’位置の断面構造模式図である。
図4図3により提供される断面構造における一部のフィルム層の断面構造模式図である。
図5図4におけるS1エリアの拡大構造模式図である。
図6】本発明の実施例に係る表示パネルにおける断面構造の走査型電子顕微鏡の結像図である。
図7】本発明の実施例に係る表示パネルの断面構造模式図である。
図8】本発明の実施例に係る表示パネルにおける共通機能層の断面構造模式図である。
図9】本発明の実施例に係るもう1つの表示パネルにおける共通機能層の断面構造模式図である。
図10図4におけるS1エリアのもう1つの拡大構造模式図である。
図11】本発明の実施例に係る第2の表示パネルの平面構造模式図である。
図12】本発明の実施例に係る第3の表示パネルの平面構造模式図である。
図13】本発明の実施例に係る第4の表示パネルの平面構造模式図である。
図14】本発明の実施例に係る第5の表示パネルの平面構造模式図である。
図15】本発明の実施例に係る第6の表示パネルの平面構造模式図である。
図16】本発明の実施例に係る表示パネルの製造方法のフローチャートである。
図17a】本発明の実施例に係る表示パネルの製造方法の製造プロセスの模式図である。
図17b】本発明の実施例に係る表示パネルの製造方法の製造プロセスの模式図である。
図17c】本発明の実施例に係る表示パネルの製造方法の製造プロセスの模式図である。
図17d】本発明の実施例に係る表示パネルの製造方法の製造プロセスの模式図である。
図17e】本発明の実施例に係る表示パネルの製造方法の製造プロセスの模式図である。
図17f】本発明の実施例に係る表示パネルの製造方法の製造プロセスの模式図である。
図17g】本発明の実施例に係る表示パネルの製造方法の製造プロセスの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の説明において、なお、用語「中央」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「上部」、「底部」、「内側」、「外側」等で示される向き又は位置関係は、図面に示す向き又は位置関係に基づくものであり、本発明を説明し、説明を簡略化するためのものであり、示される装置又は要素は特定の向きを持たなければならず、特定の向きで構築及び操作されなければならないように示したり暗示したりするのではなく、したがって本発明の限定として理解することはできない。また、「第1」及び「第2」という用語は、説明の目的でのみ使用され、相対的な重要性を示すか又は暗示するか、又は示された技術的特徴の数を暗黙的に示すと理解できないことを理解されたい。そのため、「第1」及び「第2」で定義された特徴は、前記特徴の1つ以上を明示的又は暗黙的に含んでもよい。なお、本発明の説明において、「複数」とは、特に明記しない限り、2つ以上を意味する。
【0010】
本願において、「例示」という用語は「例、実例又は説明として使用する」ことを示すために用いられる。本願に「例示的」として記載されたいずれかの実施例は、必ずしも他の実施例よりも好ましい又は優れたと解釈されるべきではない。当業者が本発明を実現し使用するために、以下の説明を与える。以下の説明では、説明のために詳しく説明する。理解すべきことは、当業者であれば、これらの特定の詳細を使用せずに本発明を実現することができることを認識することができる。他の実施例では、公知の構造及びプロセスを詳しく説明せず、不要な詳細が本発明の説明を不備にすることを回避する。したがって、本発明は図示の実施例に限定されるものではなく、本願の開示する原理と特徴に合致する最も広い範囲である。
【0011】
本発明の実施例は表示パネルを提供し、以下、それぞれ詳しく説明する。
【0012】
図2を参照し、前記表示パネルは表示エリアを含み、前記表示エリアは離間して設けられた複数の発光エリアA1と、複数の前記発光エリアの間に位置する非発光エリアA2とを含み、ここで、前記発光エリアA1は表示パネルが表示する時に実際に発光するエリアであり、発光ユニットを設けるために用いられ、前記非発光エリアA2は表示パネルが表示する時に暗状態を保持するエリアであり、発光ユニットの発光を駆動する回路及び配線等の必要な構造を設けるために用いられ、前記発光エリアA1は通常、第1の色発光ユニットを設けるために用いられる第1の色発光エリアA11と、第2の色発光ユニットを設けるために用いられる第2の色発光エリアA12と、第3の色発光ユニットを設けるために用いられる第3の色発光エリアA13と、を含み、通常、前記第1の色は青色であり、前記第2の色は緑色であり、前記第3の色は赤色である。
【0013】
図3を参照し、図2におけるBB’位置の断面構造模式図であり、前記表示パネルは、基板100と、前記基板100に順次設けられた第1の電極層200と、画素定義層300と、発光デバイス層400と、第2の電極層500と、パッケージ層600と、を含む。
【0014】
具体的には、前記第1の電極層200は、複数の前記発光エリアA1に対応して設けられた複数の第1の電極を含み、前記画素定義層300は前記基板100に設けられ、図4を参照し、複数の前記発光エリアに対応して設けられた複数の第1の凹溝G1と、前記非発光エリアに設けられた第2の凹溝G2と、を含み、1つの前記第1の凹溝G1は、対応する1つの前記第1の電極を露出させ、前記発光デバイス層400は、前記画素定義層300及び前記第1の電極層200に設けられ、発光機能層及び共通機能層410を含み、前記発光機能層は前記発光エリアA1に位置し、前記共通機能層410は前記発光エリアA1と前記非発光エリアA2に位置し、前記第2の電極層500は前記発光デバイス層400に設けられ、前記パッケージ層600は前記第2の電極層500に設けられ、前記発光デバイス層400に設けられた第1のサブパッケージ層610を含み、前記第1のサブパッケージ層610は前記発光エリアA1及び前記非発光エリアA2に位置する。
【0015】
ここで、前記第2の凹溝G2の具体的な構造は、図5に示す図4におけるS1エリアの部分拡大図を参照し、前記第2の凹溝G2の開口に突起部310が設けられ、前記突起部310の突出距離は前記第1のサブパッケージ層の厚さの十分の一以下である。
【0016】
本発明の実施例に係る表示パネルでは、前記画素定義層300における前記非発光エリアA2に対応する前記第2の凹溝G2の開口に前記突起部310を設けることで、前記共通機能層の前記非発光エリアA2に位置する一部が前記第2の凹溝G2を覆う場合、前記第2の凹溝G2の側壁に破断が発生し、それにより、隣接する発光エリアの間の横方向漏れを低減させ、さらに画素の混色による表示不良の問題を効果的に回避し、また、前記突起部310の突出距離は前記第1のサブパッケージ層の厚さの十分の一以下であるため、当該突起部310は、前記第2の凹溝G2における前記第1のサブパッケージ層610の堆積成膜に対する影響が微小であるため、前記第1のサブパッケージ層610の前記非発光エリアA2に位置する一部は、前記第2の凹溝G2に対応するエリアにおいても連続的に設けられ且つ比較的厚いフィルムの厚さを確保することができ、それにより、前記パッケージ層600が良好なパッケージ信頼性を有することを確保し、すなわち、前記第2の凹溝G2の開口に前記突起部310を設けることで、画素の混色による表示不良を効果的に改善すると共に良好なパッケージ信頼性を確保することができる。
【0017】
本発明の実施例に係る表示パネルの実際の構造模式図は図6を参照し、丸で示すエリアは、前記第2の凹溝の内部へ突出する突起部であり、図から分かるように当該突起部の突出距離は、上層の第1のサブパッケージ層の厚さより遥かに小さく、また、第1のサブパッケージ層の当該第2の凹溝エリアでの厚さは、非凹溝エリアの厚さよりある程度小さくなるが、図1における構造に比べ、本発明の実施例における第1のサブパッケージ層の当該第2の凹溝エリアにおけるフィルム層の厚さは大幅に大きくなり、且つ当該第2の凹溝エリアにおけるフィルム層の厚さはより均一であり、フィルムの厚さが急激に薄くなる変曲点が発生しないため、良好なパッケージ信頼性を確保することができる。
【0018】
なお、上記限定された前記突起部310の突出距離は、前記突起部の突出方向に沿った最大距離と理解されてもよく、前記突起部310の突出方向は任意であってもよく、例えば、前記基板100に平行な水平方向又は前記基板100に垂直な垂直方向又は他の前記基板100と傾斜する方向である。
【0019】
上記限定された前記第1のサブパッケージ層610の厚さは、前記第1のサブパッケージ層610の前記画素定義層300の非凹溝エリアに位置する厚さと理解されてもよい。
【0020】
また、前記パッケージ層600は、上記第1のサブパッケージ層610以外、さらに前記第1のサブパッケージ層610の前記基板100から離れた側に設けられた第2のサブパッケージ層及び第3のサブパッケージ層を含み、ここで、前記第1のサブパッケージ層及び前記第3のサブパッケージ層は無機パッケージ層であり、具体的には、酸化シリコン膜又は窒化シリコン膜であってもよく、前記第2のサブパッケージ層は有機パッケージ層であり、このような無機フィルム層/有機フィルム層/無機フィルム層の積層の設置方式により比較的良好な封止効果を実現する。
【0021】
前記基板100は通常、アレイ基板であり、図7を参照し、前記基板100は、基底110、及び前記基底110に順に設けられた活性層120、第1の絶縁層130、第1の金属層140、第2の絶縁層150、第2の金属層160、第3の絶縁層170、第3の金属層180及び平坦化層190を含む。
【0022】
いくつかの実施例では、前記突起部310の突出距離を前記第1のサブパッケージ層の厚さの十分の一以下に設定してパッケージの信頼性を確保した上で、前記共通機能層410に対する遮断効果の観点から、前記突起部310の突出距離が狭すぎるように設定することは好ましくない。従って、前記共通機能層410が前記第2の凹溝G2を覆う場合、前記第2の凹溝G2の側壁に効果的に遮断されることを確保するために、前記突起部310の突出距離を前記共通機能層の厚さの十分の一以上に設定し、それにより画素の混色不良の発生を回避する。
【0023】
いくつかの実施例では、前記突起部310の突出距離の具体的な設定範囲は10nmから100nmであり、具体的な突出距離は実際の工程ニーズに応じて決定される。
【0024】
いくつかの実施例では、表示パネルにおける前記発光デバイス層の具体的な構造は図8を参照し、前記第1の電極層側から前記第2の電極層側までの間に順に第1の正孔輸送層411、第1の発光サブ層421及び第1の電子輸送層412が設けられ、ここで、前記第1の発光サブ層421は、前記第1の凹溝G1内に設けられ、且つ前記第1の色発光エリアA11、第2の色発光エリアA12及び第3の色発光エリアA13にそれぞれ対応して設けられた第1の色発光機能部と、第2の色発光機能部と、第1の色発光機能部と、を含み、前記第1の正孔輸送層411及び前記第1の電子輸送層412は前記発光エリアA1及び前記非発光エリアA2に設けられ、すなわち、前記共通機能層410は前記第1の正孔輸送層411及び前記第1の電子輸送層412を含む。
【0025】
いくつかの実施例では、表示パネルにおける前記発光デバイス層の具体的な構造は図9を参照し、前記第1の電極層側から前記第2の電極層側までの間に順に第1の正孔輸送層411、第1の発光サブ層421、第1の電子輸送層412、電荷発生層413、第2の正孔輸送層414、第2の発光サブ層422及び第2の電子輸送層415が設けられ、上記実施例と異なる点は以下のとおりであり、本実施例における発光デバイス層は、いずれかの前記発光エリアに対して第1の電極層と第2の電極層との間に2つの発光デバイスが直列に接続され、2つの前記発光デバイスの間に前記電荷発生層413が設けられ、前記電荷発生層413は同様に前記発光エリアA1及び前記非発光エリアA2内に設けられ、すなわち、前記共通機能層410は第1の正孔輸送層411、前記第1の電子輸送層412、第2の正孔輸送層414及び第2の電子輸送層415を含み、なお、このような直列型の発光デバイスでは、画素の混色の不良発生リスクがより高く、前記突起部を設けることにより、前記電荷発生層413を含む前記共通機能層410が前記第2の凹溝G2において切断されるように設けられ、すなわち直列型発光デバイスの画素の混色による表示不良を効果的に改善することができ、またさらに良好なパッケージ信頼性を確保することができる。
【0026】
いくつかの実施例では、図5を参照し、前記第2の凹溝G2の側壁と前記第2の凹溝の底面との間の角度αが90度以上であり、溝の側壁と底面との間の角度が鋭角をなす溝構造に比べ、前記第1のサブパッケージ層が前記第2の凹溝G2の側壁に堆積成膜することに有利であり、それにより、前記第1のサブパッケージ層は前記第2の凹溝G2の側壁により厚いフィルムの厚さを有し、さらにパッケージ層のパッケージ信頼性を向上させる。
【0027】
さらに、前記第2の凹溝の側壁と前記第2の凹溝の底面との間の角度αが90度超且つ100度未満であり、すなわち、前記第2の側壁G22を前記基板100にほぼ垂直となるように設け、それにより、前記第2の側壁G22はより急峻になり、前記第2の凹溝G2の前記共通機能層410に対する遮断能力をさらに向上させる。
【0028】
いくつかの実施例では、前記突起部310の一端は前記第2の凹溝G2の開口の側壁に接触され、他端は前記第2の凹溝G2内に延在して設けられ、すなわち、前記突起部310は前記第2の凹溝G2内に突出し、前記突起部310により前記第2の凹溝G2の開口がアンダーカット開口となり、当該アンダーカット開口は、前記共通機能層410に対して良好な遮断能力を有し、それにより、前記共通機能層410は前記第2の凹溝G2で遮断される。
【0029】
図2及び図5を合わせて参照し、前記突起部310は、前記第2の凹溝G2の開口を囲み、前記第2の凹溝G2の側壁から前記第2の凹溝G2の側壁内に延在して設けられた環状構造と理解されてもよい。
【0030】
いくつかの実施例では、図5を参照し、前記突起部310は、前記基板100から離れた側の第1の側面310aを有し、前記第1の側面310aは、前記画素定義層300の前記基板から離れた側の側面と面一であり、当該構造の前記突起部310及び前記画素定義層300は同一の工程で一括して形成され、具体的には、前記第2の凹溝G2をエッチングして形成する時に、金属又は金属酸化物で構成される遮断層を設け、第2の凹溝G2の開口エリアにおいてプラズマに対して遮断を形成して前記突起部310及び前記画素定義層300を得、より詳細なステップ及び工程原理は、当該表示パネルの製造方法に関する実施例の説明を参照する。
【0031】
いくつかの実施例では、図5を参照し、前記突起部310は、前記第1の側面310aの前記第2の凹溝内に近い一端に接続される第2の側面310bを有し、前記第2の側面310bと前記第1の側面310aとの間には角度βがあり、当該角度βが鋭角であり、前記第2の側面310bと前記第1の側面310aとの間の角度が鈍角をなす設置方式に比べ、このような構造の前記突起部310は突出距離が一定である前提で、前記第2の凹溝G2における前記第1のサブパッケージ層610の堆積成膜に対する前記突起部310の影響はより小さくなり、従って、前記第1のサブパッケージ層610は、前記第2の凹溝G2に対応する位置におけるフィルムの厚さがより厚くなり、さらに前記パッケージ層600のパッケージ信頼性を確保することに有利である。
【0032】
さらに、当該角度βは具体的に、20度から70度に設定されてもよく、当該角度βが大きすぎると、前記第2の凹溝G2の前記共通機能層410に対する遮断能力が不足になり、当該角度βが小さすぎると、前記突起部310が陥没するリスクが存在するため、前記角度βを20度から70度に設定して前記問題を回避する。
【0033】
いくつかの実施例では、前記第2の側面310bの一端は前記第1の側面310aに接続され、他端は前記第2の凹溝G2の側壁と直接に接続され、それにより前記第2の側面310bと前記第2の凹溝G2の側壁との接続箇所に段差構造が形成され、前記第2の凹溝G2における前記第1のサブパッケージ層610の堆積成膜に対する影響を回避し、前記第1のサブパッケージ層610の前記第2の凹溝G2に対応するエリアにおけるフィルムの厚さをより厚くすることに有利であり、前記パッケージ層600のパッケージ信頼性を確保する。
【0034】
いくつかの実施例では、前記第2の側面310bと前記第2の凹溝G2の側壁との接続角は鈍角をなし、すなわち、前記第2の側面310bと前記第2の凹溝G2の側壁との接続箇所の角度は比較的緩やかであり、前記第1のサブパッケージ層の前記第2の凹溝G2の側壁における堆積に有利であり、さらに前記第1のサブパッケージ層が当該第2の凹溝G2エリアにおけるフィルム層の厚さを確保してパッケージ信頼性を向上させる。
【0035】
いくつかの実施例では、図10を参照し、前記突起部310の第2の側面310b及び前記第2の凹溝G2の側壁はいずれも前記第2の凹溝G2内に向かって湾曲する曲面を呈し、それにより前記突起部310の第2の側面310bと前記第2の凹溝G2の側壁との接続角は円弧角を呈し、このような設置は前記第1のサブパッケージ層の前記第2の凹溝G2の側壁における堆積に有利であり、前記第1のサブパッケージ層の当該第2の凹溝エリアにおけるフィルム層の厚さをさらに確保してパッケージ信頼性を向上させる。
【0036】
いくつかの実施例では、前記第2の凹溝G2の深さは前記画素定義層300の最大厚さ以下であり、前記第2の凹溝G2の深さが前記画素定義層300の最大厚さより小さい場合、前記第2の凹溝G2は一部だけ前記画素定義層300を貫通し、前記第2の凹溝G2をエッチングして形成する時に下層の前記第1の電極層200に損傷を与えて表示不良を引き起こすという問題を回避する。
【0037】
いくつかの実施例では、前記第2の凹溝G2の深さは1.3μmから4μmである。
【0038】
いくつかの実施例では、前記第2の凹溝G2が前記共通機能層410を遮断すると共に、前記共通機能層410の上側に位置する前記第2の電極層500は同様に前記第2の凹溝G2に遮断されるリスクが存在し、前記第2の電極層500の製造工程パラメータ例えば蒸着角の大きさ等を調整することにより、前記第2の電極層500が前記第2の凹溝G2に遮断されることによる表示不良のリスクを低減することができるが、この問題も製造工程パラメータを調整することにより完全に回避することが困難であり、これに基づき、前記第2の凹溝G2を前記非発光エリアA2に間隔的に設け、具体的には、図2を参照し、前記画素定義層は複数の前記第2の凹溝G2を含み、複数の前記第2の凹溝G2は前記非発光エリアA2に間隔的に設けされ、隣接する2つの前記第2の凹溝G2の間隔エリアは前記第2の電極層500の連通を確保するエリアとされ、それにより前記第2の電極層500の隣接する前記発光エリアA1に位置する部分が遮断されることによる表示不良の問題を完全に回避することができる。
【0039】
なお、このような方式において、前記共通機能層410は隣接する前記第2の凹溝G2の間隔エリアに連通するが、前記第2の凹溝G2が設けられない構造に比べ、前記共通機能層410の隣接する2つの発光エリアA1に対応する部分の間の連通通路が狭く且つ連通路が延長され、それにより、隣接する2つの発光エリアA1の間の前記共通機能層410における横漏れの大きさを大幅に低減し、前記第2の凹溝G2の形状を設定することにより横漏れの大きさを目標値以下に保持し、画素の混色の表示不良を回避することができる。
【0040】
いくつかの実施例では、前記第2の凹溝G2の形状を設定することにより横漏れの大きさを目標値以下に保持する方式は具体的には、少なくとも一部の前記第2の凹溝を隣接する前記発光エリアのエッジに沿って延在して設けることであり、図11に合わせて例示的に説明し、例えば、前記第2の色発光エリアA12が楕円形である場合、前記第2の色発光エリアA12と前記第1の色発光エリアA11との間の前記第2の凹溝G2は、隣接する前記第2の色発光エリアA12のエッジに沿って設けられた曲線型溝と設定し、このようにすれば、前記第2の色発光エリアA12と前記第1の色発光エリアA11との間に位置する前記第2の凹溝G2は、前記第2の色発光エリアA12と前記第3の色発光エリアA13との間に位置する前記第2の凹溝G2に近づく方向にさらに延在し、それにより、前述した2つの前記第2の凹溝G2の間のピッチを小さくし、さらに前記共通機能層410のここでの連通路を狭め、それによりここでの横漏れの大きさを目標値以下に維持する。
【0041】
ここで当該特定の画素配列に基づいて例示的な説明を行うだけであり、実際の応用において、具体的な画素配列構造に基づいて、前記第2の凹溝G2は上記曲線型溝以外に、さらに波形溝、折れ線状溝等であってもよい。
【0042】
いくつかの実施例では、さらに隣接する2つの前記発光エリアA1の間に複数の前記第2の凹溝G2を設けることにより前記共通機能層410に対する遮断能力をさらに向上させることができ、具体的には図12を参照し、隣接する2つの前記発光エリアA1の間に複数の前記第2の凹溝G2が設けられ、複数の前記第2の凹溝G2は1つの前記発光エリアの中心から他の前記発光エリアの中心に向かう方向に沿って間隔を置いて配列され、例えば図に例示的に示す隣接する2つの前記発光エリアA1の間に2つの前記第2の凹溝G2が設けられ、このように設けられると、前記第2の凹溝G2が前記共通機能層410を完全に遮断できない場合、隣接する2つの前記発光エリアA1の間の前記第2の凹溝G2の数を増加することにより、前記共通機能層410の隣接する2つの前記発光エリアA1の間に前記第2の凹溝G2が設けられたエリアが完全に遮断されることを確保して画素の混色の表示不良を回避する。
【0043】
いくつかの実施例では、図2を参照し、当該表示パネルには通常支持柱800がさらに設けられ、前記支持柱800は蒸着プロセスにおいてマスクブランクを支持するために用いられ、前記第2の凹溝G2の設置による前記支持柱800の陥没を回避するために、前記第2の凹溝G2は前記支持柱800を避けて設けられる。
【0044】
理解されるように、前記第2の凹溝の配列方式は実際の画素配列に基づいて設定され、以上の実施例は特定の画素配列を参照して例示的に説明し、当該第2の凹溝G2の設置方式をさらに明確に示すために、以下は他の画素配列に基づいて説明する。
【0045】
いくつかの実施例では、図13を参照し、前記表示エリアは同様に間隔を置いて設けられた複数の発光エリアA1及び複数の前記発光エリアの間に位置する非発光エリアA2を含み、前記発光エリアA1は第1の色発光エリアA11、第2の色発光エリアA12及び第3の色発光エリアA13を含み、前記実施例と異なるのは以下のとおりであり、前記第1の色発光エリアA11、第2の色発光エリアA12及び第3の色発光エリアA13の形状及び配列方式に違いがあり、各前記発光エリアA1はいずれも矩形であり且つ第1の方向X又は第2の方向Yに沿って間隔を置いて配置され、これに基づき、前記非発光エリアA2には、前記第1の方向X又は第2の方向Yに延在する長尺矩形状の前記第2の凹溝G2が対応して設けられ、具体的には、隣接する前記第2の色発光エリアA12と前記第3の色発光エリアA13との間に前記第2の方向Yに延在する長尺矩形状の第2の凹溝G2が設けられ、前記第1の色発光エリアA11と隣接する前記第2の色発光エリアA12及び第3の色発光エリアA13との間に前記第1の方向Xに延在する長尺矩形状の第2の凹溝G2が設けられ、また前記第2の凹溝G2は支持柱800エリアを避けて設けられる。
【0046】
いくつかの実施例では、図14を参照し、前の実施例に係る表示パネルとほぼ類似し、相違点は以下の通りであり、各前記第2の凹溝G2の配列方式を微調整し、また空きエリアにブロック状を呈する第2の凹溝G2を増設し、各前記第2の色発光エリアA12又は各前記第3の色発光エリアA13の四周に対応して4つの前記第2の凹溝G2が設けられ、それにより隣接する2つの前記第2の凹溝G2のピッチをさらに小さくし、さらに前記共通機能層のここでの連通通路を狭くし、それによりここでの横漏れの大きさをさらに低減させる。
【0047】
いくつかの実施例では、図15を参照し、前の実施例が提供する表示パネルとほぼ類似し、異なる点は以下のとおりであり、前の実施例における各前記第2の凹溝を離間して設けられた2つの第2の凹溝G2に調整し、それにより前記共通機能層に対する遮断能力をさらに向上させることができる。
【0048】
いくつかの実施例において、前記第2の凹溝G2の設置範囲は前記画素定義層300の平坦エリア以内に位置し、それにより前記画素定義層300の既存形状を破壊することを回避し、すなわち隣接して設けられた前記第1の凹溝G1と前記第2の凹溝G2との間に特定のピッチが存在し、前記第2の凹溝G2を設けることにより前記第1の凹溝G1の既存形状に影響を与えてさらに他の表示不良を引き起こすという問題の発生を回避する。
【0049】
いくつかの実施例では、前記第2の凹溝G2は隣接する2つの前記発光エリアA1の間のみに設けられ、エッジに位置する前記発光エリアA1以外のエリアに前記第2の凹溝G2を設ける必要がない。
【0050】
上記実施例では、各実施例に対する説明はそれぞれ重点があり、ある実施例において詳しく説明しない部分は、上記他の実施例に対する詳しい説明を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0051】
本発明のもう1つの実施例は、上記実施例における表示パネルの具体的な製造方法を提供し、図16を参照し、当該製造方法は具体的には、S10からS30を含む。
【0052】
S10において、1つの基板を提供し、前記発光エリアに対応して形成された第1の凹溝及び前記非発光エリアに形成された第2の凹溝を含む画素定義層を前記基板に形成し、前記第2の凹溝の開口に突起部が設けられる。
【0053】
S20において、前記基板及び前記画素定義層に発光デバイス層を形成し、前記発光デバイス層は発光機能層及び共通機能層を含み、前記発光機能層は前記発光エリアに位置し、前記共通機能層は前記発光エリアと前記非発光エリアに位置し、前記共通機能層は前記第2の凹溝において切断される。
【0054】
S30において、前記発光デバイス層にパッケージ層を形成し、前記パッケージ層は前記発光デバイス層に形成された第1のサブパッケージ層を含み、前記第1のサブパッケージ層は前記発光エリアと前記非発光エリアに位置し、前記第1のサブパッケージ層は前記第2の凹溝において連続し、前記突起部の突出距離は前記第1のサブパッケージ層の厚さの十分の一以下である。
【0055】
以下図17aから図17gを参照して当該表示パネルの製造方法について詳しく説明する。
【0056】
図17aを参照し、基板100を提供し、前記基板に第1の電極層200を形成し、前記第1の電極層200は複数の前記発光エリアに対応して設けられた複数の第1の電極を含む。
【0057】
前記第1の電極層200と前記基板100に第1の有機フィルム層300aを形成し、前記第1の有機フィルム層300aは、複数の前記発光エリアに対応して形成された複数の第1の凹溝G1を含み、1つの前記第1の凹溝G1は、対応する1つの前記第1の電極を露出させ、ここで、前記第1の有機フィルム層300aの材料は有機レジストであり、前記第1の凹溝G1は対応するフォトマスクの遮蔽で露光現像工程により形成される。
【0058】
図17bを参照し、前記第1の有機フィルム層300aと前記第1の電極層200に遮断フィルム700を形成し、前記遮断フィルム700の材料は金属又は金属酸化物であり、例えば酸化インジウムスズ、酸化インジウム亜鉛、銅等であってもよく、前記遮断フィルムの厚さは設計に応じて決定され、例えば前記遮断フィルム層の厚さは5nm、10nm、15nm又は20nmなどである。
【0059】
図17cを参照し、前記遮断フィルム700に対してパターニング工程を行って遮断層710を形成し、前記遮断層710は前記非発光エリアの所定エリアに形成された開口711を含む。
【0060】
図17dを参照し、前記遮断層710の遮断で、前記第1の有機フィルム層300aに対してドライエッチングを行って画素定義層300を形成し、ドライエッチングプロセスでは、前記第1の有機フィルム層300aの前記開口711に露出されたエリアはプラズマ体の衝突によりエッチングされて第2の凹溝G2を形成し、当該第2の凹溝G2の形状は図17eを参照し、図17dにおけるS2エリアの拡大構造模式図であり、前記第2の凹溝G2の開口に前記第2の凹溝G2の内部に突出する突起部310が形成される。
【0061】
図17fを参照し、前記遮断層710を除去し、具体的には、当該遮断層はウェットエッチング工程により、対応するエッチング酸剤を用いてそれを溶解して除去することができ、なお、前記遮断層710の下側に位置する前記第1の電極層200は通常酸化インジウムスズ層/銀層/酸化インジウムスズ層の積層構造であり、当該第1の電極層200における酸化インジウムスズ層は、熱アニール後の結晶化酸化インジウムスズであり、前記遮断層710の材料が酸化インジウムスズである場合、それは具体的に非晶質化酸化インジウムスズであり、そのため、前記遮断層710を除去するときに使用されるエッチング酸剤は第1の電極層200における表層酸化インジウムスズ層に損傷を与えない。
【0062】
図17gを参照し、前記第1の電極層200と前記画素定義層300に発光デバイス層400、第2の電極層500及びパッケージ層600を順次形成し、前記発光デバイス層は発光機能層及び共通機能層410を含み、前記発光機能層は前記発光エリアA1に位置し、前記共通機能層410は前記発光エリアA1及び前記非発光エリアA2に位置し、前記パッケージ層600は前記発光デバイス層400に形成された第1のサブパッケージ層610を含み、前記第1のサブパッケージ層610は前記発光エリアA1及び前記非発光エリアA2に位置し、前記共通機能層410は前記第2の凹溝G2において切断され、前記第1のサブパッケージ層610は前記第2の凹溝G2において連続し、且つ前記突起部310の突出距離は前記第1のサブパッケージ層610の厚さの十分の一以下であり、これにより、前記表示パネルの製造が完了する。
【0063】
具体的には、前記第2の凹溝G2を形成するプロセスでは、プラズマは縦方向エッチングで溝切りを行うと共に、特定量の横方向エッチングを行う。前記開口711の周側に前記遮断層710が設けられるため、当該遮断層710はエッチングプロセスにおいてプラズマに対して遮蔽作用を果たし、前記基板100に垂直な方向に沿って、当該遮断層710に近い近端における横方向エッチングは、当該遮断層710に遠い遠端における横方向エッチングよりも弱く、このように前記第2の凹溝G2の開口に前記突起部310を形成させ、且つ前記突起部310は、前記画素定義層300の前記基板100から離れる側の側面と面一の第1の側面310aと、前記第1の側面310aに接続される第2の側面310bと、を有し、且つ前記第2の側面310bと前記第1の側面310aとの間の角度が鋭角をなす。
【0064】
前記遮断層710からの距離が遠くなるにつれて、これが横方向エッチングに対する遮断作用が消失するまで弱くなり、前記第2の側面310bが前記第1の側面310aの前記第2の凹溝内に近い一端に接続され、他端は前記第2の凹溝G2の側壁の方向に延び且つ前記第2の凹溝G2の側壁に直接に接続される。
【0065】
また、前記第2の凹溝G2の側壁と前記第2の凹溝G2の底面との角度が90度より大きい理由は、上側エリアに近いほど横方向エッチングされる時間が長くなるからであるが、前記第2の凹溝G2の前記共通機能層410に対する遮断能力を強化するために、エッチングパラメータを調整することにより、前記第2の凹溝G2の側壁の傾斜程度を、できる限り小さくするか、又は、前記基板100にほぼ垂直にする。
【0066】
さらに、プラズマに対する当該遮断層710の遮断能力は限りがあるため、形成された前記突起部310の突出距離を十分に微小にし、さらにエッチングパラメータを調整することにより、最終的に前記突起部310の突出距離は前記第1のサブパッケージ層の厚さの十分の一以下になる。
【0067】
本発明の実施例に係る表示パネルの製造方法では、上記特定の工程により前記第2の凹溝G2の開口に前記突起部310を形成し、前記共通機能層の前記非発光エリアA2に位置する一部が前記第2の凹溝G2を覆う場合、前記第2の凹溝G2の側壁に破断が発生し、それにより、隣接する発光エリアの間の横方向漏れを低減させ、さらに画素の混色による表示不良の問題を効果的に回避し、また、前記突起部310の突出距離は前記第1のサブパッケージ層の厚さの十分の一以下であるため、当該突起部310は、前記第2の凹溝G2における前記第1のサブパッケージ層610の堆積成膜に対する影響が微小であるため、前記第1のサブパッケージ層610の前記非発光エリアA2に位置する一部は、前記第2の凹溝G2に対応するエリアにおいても比較的厚いフィルムの厚さを確保することができ、それにより、前記パッケージ層600が良好なパッケージ信頼性を有することを確保する。すなわち、前記第2の凹溝G2を形成することで、画素の混色による表示不良を効果的に改善すると共に良好なパッケージ信頼性を確保することができる。
【0068】
なお、従来の表示パネルにおける凹溝構造は通常、パターン化されたフォトレジスト層により遮断しエッチングすることにより形成されるが、フォトレジスト層はエッチングプロセスにおいて不可避的に一部がエッチングされ、それにより良好な横方向のエッチング遮断効果を果たすことができない。本実施例は金属又は金属酸化物で形成された遮断層を採用することにより、それはフォトレジスト材料で形成された画素定義層をエッチングするプラズマに敏感ではなく、エッチングプロセスにおいてプラズマとほとんど作用せずに除去され、そのため良好な横方向のエッチング遮断効果を果たすことができ、これにより、第2の凹溝の開口に特殊な大きさの突出部が形成される。
【0069】
本発明の他の実施例はさらに表示装置を提供し、前記表示装置は上記実施例に係る表示パネルを含み、前記表示装置は携帯電話、スマート腕時計、タブレットコンピュータ、ノートパソコン、テレビ等を含むがこれらに限定されない。
【0070】
以上は本発明の実施例に係る表示パネル及び表示装置について詳しく説明し、本明細書では具体的な個別例を応用して本発明の原理及び実施形態について説明し、以上の実施例の説明は本発明の方法及びその核心思想を理解するためのものであり、また、当業者であれば、本発明の思想に基づき、具体的な実施形態及び応用範囲にいずれも変更があり、以上説明したように、本明細書の内容は本発明を限定するものと解釈すべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17a
図17b
図17c
図17d
図17e
図17f
図17g
【手続補正書】
【提出日】2023-11-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルであって、離間して設けられた複数の発光エリアと、各前記発光エリアの間に位置する非発光エリアとを含み、前記表示パネルは、
基板と、
前記基板に設けられた画素定義層であって、前記発光エリアに対応して設けられた第1の凹溝、及び前記非発光エリアに対応して設けられた第2の凹溝を含む画素定義層と、
前記画素定義層及び前記基板に設けられ、発光機能層及び共通機能層を含み、前記発光機能層は前記発光エリアに位置し、前記共通機能層は前記発光エリア及び前記非発光エリアに位置する発光デバイス層と、
前記発光デバイス層に設けられ、前記発光デバイス層に設けられた第1のサブパッケージ層を含み、前記第1のサブパッケージ層が前記発光エリア及び前記非発光エリアに位置するパッケージ層と、を含み、
、前記第2の凹溝の開口に突起部が設けられ、
前記共通機能層は前記第2の凹溝において切断されるように設けられ、
前記第1のサブパッケージ層は前記第2の凹溝において連続的に設けられ、
前記突起部の突出距離は前記第1のサブパッケージ層の厚さの十分の一以下である、表示パネル。
【請求項2】
前記第2の凹溝の側壁と前記第2の凹溝の底面との間の角度が90度以上である、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
前記突起部の一端は前記第2の凹溝の開口の側壁に接触され、他端は前記第2の凹溝内に延在して設けられる、請求項2に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記突起部は、前記基板から離れた側の第1の側面を有し、前記第1の側面は、前記画素定義層の前記基板から離れた側の側面と面一である、請求項3に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記突起部は、前記第1の側面の前記第2の凹溝内に近い一端に接続される第2の側面を有し、前記第2の側面と前記第1の側面との間には鋭角をなす角度がある、請求項4に記載の表示パネル。
【請求項6】
前記第2の凹溝の側壁と前記第2の凹溝の底面との間の角度が90度超且つ100度未満であり、前記第2の凹溝の深さは前記画素定義層の最大厚さ以下である、請求項2に記載の表示パネル。
【請求項7】
前記突起部の突出距離は前記共通機能層の厚さの十分の一以上である、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項8】
前記発光機能層は第1の発光サブ層及び第2の発光サブ層を含み、前記共通機能層は、前記第1の発光サブ層と前記第2の発光サブ層との間に設けられた電荷発生層を含み、
前記電荷発生層は前記第2の凹溝において切断されるように設けられる、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項9】
隣接する2つの前記発光エリアの間に複数の前記第2の凹溝が設けられ、少なくとも一部の前記第2の凹溝は、隣接する前記発光エリアのエッジに沿って延在して設けられる、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項10】
前記第2の凹溝は曲線型溝、波形溝又は折れ線状溝である、請求項9に記載の表示パネル。
【請求項11】
複数の前記第2の凹溝は1つの前記発光エリアの中心から他の前記発光エリアの中心に向かう方向に沿って間隔を置いて配列される、請求項9に記載の表示パネル。
【請求項12】
前記発光エリアはいずれも矩形であり且つ第1の方向又は第2の方向に沿って間隔を置いて配置され、前記第2の凹溝は前記第1の方向又は前記第2の方向に沿って対応して延在する長尺矩形状である、請求項9に記載の表示パネル。
【請求項13】
隣接する2つの前記発光エリアの間に、間隔を置いて配置された2つの前記第2の凹溝が設けられ、2つの前記第2の凹溝は、いずれも前記第1の方向に沿って延在する長尺矩形状である、請求項12に記載の表示パネル。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の表示パネルを含む、表示装置。
【国際調査報告】