(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-15
(54)【発明の名称】双方向データ通信システム、特にCDMA符号化と2つの単方向データバスを利用するシステム
(51)【国際特許分類】
H04J 3/06 20060101AFI20250107BHJP
H04L 7/00 20060101ALI20250107BHJP
H04L 12/40 20060101ALI20250107BHJP
H04J 13/00 20110101ALI20250107BHJP
【FI】
H04J3/06
H04L7/00 080
H04L12/40 Z
H04J13/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575814
(86)(22)【出願日】2022-12-12
(85)【翻訳文提出日】2024-02-07
(86)【国際出願番号】 IB2022062075
(87)【国際公開番号】W WO2023111816
(87)【国際公開日】2023-06-22
(32)【優先日】2021-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】102022000009359
(32)【優先日】2022-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518160436
【氏名又は名称】レオナルド・エッセ・ピ・ア
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダアンブロージオ,マルコ
【テーマコード(参考)】
5K028
5K032
5K047
【Fターム(参考)】
5K028AA06
5K032AA04
5K032CC13
5K032DA12
5K032DA19
5K047AA01
(57)【要約】
第1の伝送方向に従って第1のデータ信号を伝送するように構成された第1のデータバス(2)と、第1の伝送方向と異なる第2の伝送方向に従って第2のデータ信号を伝送するように構成された第2のデータバス(2)と、同期バス(10)と、第1および第2のデータバス(2,4)で伝送されるそれぞれのローカル信号を生成する複数のローカルリソース(R1,R2)とを備える通信システムである。すべてのトランシーバはCDMA符号化で変調され、同期信号に従って行われる。データバス(2,4)の伝送が一方向であるため、干渉がないことが保証される。当該通信システムは完全に拡張可能である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信システムであって、
- 第1の伝送方向に従って第1のデータ信号を伝送するように構成された第1のデータバス(2)と、
- 前記第1の伝送方向と異なる第2の伝送方向に従って第2のデータ信号を伝送するように構成された第2のデータバス(4)と、
- 同期信号を伝送するように構成された同期バス(10)と、
- 第1のトランシーバユニット(P1)と、
- 前記第1のトランシーバユニット(P1)に結合し、前記第1および/または第2のデータバス(2,4)で伝送される第1のローカル信号を生成するように構成された少なくとも1つの第1のリソース(R1;R2)と、
を備え、
前記第1のトランシーバユニット(P1)が、前記第1のデータバス(2)に結合し、前記第1のデータ信号を受信する第1の受信器(20)と、前記第2のデータバス(4)に接続し、前記第2のデータ信号を受信する第2の受信器(24)と、前記第1のデータバス(2)に結合した第1の送信器(22)と、前記第2のデータバス(4)に結合した第2の送信器(26)と、前記同期バス(10)に結合し、前記同期信号を受信する第1の同期モジュール(28)と、前記第1の受信器(20)に結合した入力および前記第1のリソース(R1;R2)に結合した出力を有し、前記第1のデータ信号の復調を実行するように構成された第1の復調器(30)と、前記第2の受信器(24)に結合した入力および前記第1のリソース(R1;R2)に結合した出力を有し、前記第2の受信器(24)によって受信された前記第2のデータ信号の復調を実行するように構成された第2の復調器(32)と、前記第1のリソース(R1;R2)に結合した入力と、前記第1および第2の送信器(22,26)に結合した出力を有し、前記第1のリソース(R1;R2)から前記第1のローカル信号を受信し、前記第1のローカル信号の変調を実行し、出力として第1の変調信号を生成するように構成された第1の変調器(34)と、を備え、
前記第2の送信器(26)が、前記第2の伝送方向に従って前記第2のデータバス(4)で前記第1の変調データ信号を送信するように構成され、
前記第1の送信器(22)が、前記第1の変調信号を、前記第1のデータバス(2)から前記第1の受信器(20)によって受信された前記第1のデータ信号に加算し、第3のデータ信号を生成し、前記第1の伝送方向に従い、且つ、前記同期信号によって定義される同期に従って前記第1のデータバス(2)で前記第3のデータ信号を送信するように構成され、
前記第2の送信器(26)が、前記第1の変調信号を、前記第2のデータバス(4)から前記第2の受信器(24)によって受信された前記第2のデータ信号に加算し、第4のデータ信号を生成し、前記第2の伝送方向に従い、且つ、前記同期に従って前記第2のデータバス(4)で前記第4のデータ信号を送信するように構成される、
通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の通信システムであって、さらに、
- 第2のトランシーバユニット(Pn)と、
- 前記第2のトランシーバユニット(Pn)に結合し、前記第1および/または第2のデータバス(2,4)で伝送される第2のローカル信号を生成するように構成された少なくとも1つの第2のリソース(R1;R2)と、
を備え、
前記第2のトランシーバユニット(Pn)が、前記第1のデータバス(2)に結合し、前記第1のデータ信号を受信する第3の受信器(20)と、前記第2のデータバス(4)に接続し、前記第2のデータ信号を受信する第4の受信器(24)と、前記第1のデータバス(2)に結合した第3の送信器(22)と、前記第2のデータバス(4)に結合した第4の送信器(26)と、前記同期バス(10)に結合し、前記同期信号を受信する第2の同期モジュール(28)と、前記第3の受信器(22)に結合した入力および前記第2のリソース(R1;R2)に結合した出力を有し、前記第1のデータ信号の復調を実行するように構成された第3の復調器(30)と、前記第4の受信器(24)に結合した入力および前記第2のリソース(R1;R2)に結合した出力を有し、前記第2のデータ信号の復調を実行するように構成された第4の復調器(32)と、前記第2のリソース(R1;R2)に結合した入力と、前記第3および第4の送信器(22,26)に結合した出力を有し、前記第2のリソース(R1;R2)から前記第2のローカル信号を受信し、前記第2のローカル信号の変調を実行し、出力で第2の変調信号を生成するように構成された第2の変調器(34)と、
を備え、
前記第4の送信器(26)が、前記第2の伝送方向に従って前記第2のデータバス(4)で前記第2の変調データ信号を送信するように構成され、
前記第3の送信器(22)が、前記第2の変調信号を、前記第1のデータバス(2)から前記第3の受信器(20)によって受信された前記第1のデータ信号に加算し、第5のデータ信号を生成し、前記第1の伝送方向に従い、且つ、前記同期に従って前記第1のデータバス(2)で前記第5のデータ信号を送信するように構成され、
前記第4の送信器(26)が、前記第2の変調信号を、前記第2のデータバス(4)から前記第4の受信器(24)によって受信された前記第2のデータ信号に加算し、第6のデータ信号を生成し、前記第2の伝送方向に従い、且つ、前記同期に従って前記第2のデータバス(4)で前記第6のデータ信号を送信するように構成される、
通信システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の通信システムであって、さらに、
- 前記第1のデータバス(2)の第1の端末および前記第2のデータバス(4)の第1の端末に結合した第1の同期ユニット(6)と、
- 前記第1のデータバス(2)の第2の端末および前記第2のデータバス(4)の第2の端末に結合した第2の同期ユニット(8)と、
を備え、
前記第1の伝送方向が前記第2の同期ユニット(8)に向かっており、前記第2の伝送方向が前記第1の同期ユニット(8)に向かっている、
通信システム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の通信システムであって
前記第1の送信器(22)が、前記第1の変調信号と前記第1のデータ信号を代数的に合計することにより、前記第3のデータ信号を生成するように構成され、
前記第2の送信器(26)が、前記第1の変調信号と前記第2のデータ信号を代数的に合計することにより、前記第4のデータ信号を生成するように構成される、
通信システム。
【請求項5】
請求項2または請求項3もしくは請求項4の請求項2を引用する部分に記載の通信システムであって、
前記第3の送信器(22)が、前記第2の変調信号と前記第1のデータ信号を代数的に合計することにより、前記第5のデータ信号を生成するように構成され、
前記第4の送信器(26)が、前記第2の変調信号と前記第2のデータ信号を代数的に合計することにより、前記第6のデータ信号を生成するように構成される、
通信システム。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の通信システムであって、
前記第1の変調器(34)が、前記第1のローカル信号のCDMA符号化を実行し、その出力で前記第1の変調信号を生成するようにも構成され、
前記第1の復調器(30)が、前記第1のデータ信号のCDMA復号化を実行するようにも構成され、且つ、
前記第2の復調器(32)が、前記第2のデータ信号のCDMA復号化を実行するようにも構成されている、
通信システム。
【請求項7】
請求項6に記載の通信システムであって、
前記第1の変調器(30)が、前記CDMA符号化を実行した後に、BPSKまたはQPSKまたはQAM変調に従って前記第1のローカル信号を復調するようにも構成され、 前記第1の復調器(30)が、さらに、前記CDMA復号化を実行する前に、前記BPSKまたはQPSKまたはQAM変調に従って前記第1のデータ信号を復調するように構成され、且つ、
前記第2の復調器(32)が、前記CDMA復号化を実行する前に、前記BPSKまたはQPSKまたはQAM変調に従って前記第2のデータ信号を復調するようにも構成される、
通信システム。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載の通信システムであって
前記第1の変調器(34)が、前記CDMA符号化を実行する前に、リード・ソロモン符号化に従って前記第1のローカル信号を符号化するようにも構成され、
前記第1の復調器(30)が、さらに、前記CDMA復号化を実行した後に、前記リード・ソロモン符号化に従って前記第1のデータ信号を復号化するように構成され、且つ、
前記第2の復調器(32)が、前記CDMA復号化を実行した後に、前記リード・ソロモン符号化に従って前記第2のデータ信号を復号化するようにも構成される、
通信システム。
【請求項9】
請求項2または請求項3から請求項8のいずれか一項の請求項2を引用する部分に記載の通信システムであって、
前記第2の変調器(34)が、前記第2のローカル信号のCDMA符号化を実行し、その出力で前記第2の変調された信号を生成するようにも構成され、
前記第3の復調器(30)が、前記第1のデータ信号のCDMA復号化を実行するようにも構成され、且つ、
前記第4の復調器(32)が、前記第2のデータ信号のCDMA復号化を実行するようにも構成される、
通信システム。
【請求項10】
請求項9に記載の通信システムであって、
前記第2の変調器(30)が、前記CDMA符号化を実行した後に、BPSKまたはQPSKまたはQAM変調に従って前記第2のローカル信号を復調するようにも構成され、
前記第3の復調器(30)が、さらに、前記CDMA復号化を実行する前に、前記BPSKまたはQPSKまたはQAM変調に従って第1のデータ信号を復調するように構成され、且つ、
前記第4の復調器(32)が、前記CDMA復号化を実行する前に、前記BPSKまたはQPSKまたはQAM変調に従って前記第2のデータ信号を復調するようにも構成される、
通信システム。
【請求項11】
請求項9または請求項10に記載の通信システムであって、
前記第2の変調器(34)が、前記CDMA符号化を実行する前に、リード・ソロモン符号化に従って前記第2のローカル信号を符号化するようにも構成され、
前記第3の復調器(30)が、さらに、前記CDMA復号化を実行した後に、前記リード・ソロモン符号化に従って前記第1のデータ信号を復号化するように構成され、且つ、
前記第2の復調器(32)が、前記CDMA復号化を実行した後に、前記リード・ソロモン符号化に従って前記第2のデータ信号を復号化するようにも構成される、
通信システム。
【請求項12】
前記通信システムが、
空中作業台用インターコムシステムと、
海軍相互通信システムと、
船舶または潜水艦上の操作ユニット間のインターコムシステムと、
車載陸上インターコムシステムと、
監視システムと、
のいずれか1つである、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本特許出願は、2021年12月15日に出願された欧州特許出願第21425064.9号および2022年5月6日に出願されたイタリア特許出願第102022000009359号の優先権を主張するものであり、これらの開示全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の技術分野
本発明は、双方向データ通信システムに関し、特に、データがCDMA符号化に従って符号化され、2つの単方向データバスを使用して交換される双方向データ通信システムに関する。
【背景技術】
【0003】
機上通信用途のために機上アビオニクス(例えば、ヘリコプターまたは航空機)に搭載される相互通信システムは、先端技術として知られている。これらのシステムは、メインの中央ユニット(マスター)といくつかの二次局ユニットをスター型構成で使用する。
【0004】
これらのシステムは、すべての無線およびナビゲーション通信、データリンク、ならびに内部/外部通信を処理し、それらの機能を単一のアーキテクチャに統合するように設計される。これらのシステムは、空中作業台の内部および外部通信リソースと、これらのリソースへのユーザーの相対的なアクセスを構成するためのスイッチングおよびルーティング機能を提供する。これらの機能は、プラットフォームに搭載されたすべての無線通信手段の制御、増幅、およびインターフェースユニットによってサポートされる。このようなシステムの設計は、一般的にモジュール式で柔軟性があり、オープンアーキテクチャに基づいているため、さまざまな要件やニーズに合わせて構成することができる。光ファイバー接続を多用し、適切な配線レイアウトを採用することで、クロストークと電磁干渉が低減される。
【0005】
しかしながら、既知のシステムは、中・大型のプラットフォームで実装されることを意図しており、他のプラットフォームに適用可能なシステムを得るためには、再設計が必要である。実際、前述したように、これらのシステムは、中央制御ユニットと一連の二次ユニットを備えた連携アーキテクチャに基づいており、その寸法はかなり大きいため、より安価なソリューションのために寸法を小さく再設計するのは不便である。
【0006】
したがって、これらのシステムは、製造コストが高いことに加え、規模を拡大することが難しいため、統合の難しさに苦しむ。
【発明の概要】
【0007】
発明の目的および概要
したがって、本発明の目的は、従来技術の問題点と限界を克服した通信システムを提供することである。
【0008】
本目的は、請求項1に規定される通信システムに関する本発明によって達成される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態による双方向通信システムを示す図である。
【
図2】
図2は、
図1の通信システムのトランシーバユニットを示す図である。
【
図3】
図3は、
図2のトランシーバユニットによるデータ伝送の動作を概略的に示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の例示的な実施形態による送受信チェーンを機能ブロックによって示す図である。
【
図5】
図5は、同期信号の伝送動作を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の好ましい実施形態の詳細な説明
ここで、当業者が本発明を製造および使用できるように、添付の図を参照して本発明を詳細に説明する。記載された実施形態の様々な変更は、当業者には直ちに明らかであり、開示された一般的原理は、それによって添付の特許請求の範囲に規定された本発明の保護範囲から逸脱することなく、他の実施形態および用途に適用することができる。したがって、本発明は、記載され、示された実施形態に限定されると考えるべきでなく、記載され、特許請求された特徴に従って最も広い保護範囲が認められるべきである。
【0011】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明の技術分野における通常の当業者によって一般的に使用されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合には、提供された定義を含む本発明が拘束力を有する。さらに、実施例は単に例示の目的で提供されたものであり、限定的なものとみなしてはならない。
【0012】
特に、添付の図に含まれ、以下に説明されるブロック図は、構造上の特徴、すなわち構造上の制限を表すものと考えてはならず、機能上の特徴(すなわちデバイスの内部特性)を表すものとして理解されるべきである。それは得られる効果(すなわち機能上の制限)によって定義され、その機能性(機能する可能性)を保護するように様々な方法で実施することができる。
【0013】
本明細書で説明する実施形態の理解を容易にするために、いくつかの特定の実施形態を参照し、それらを説明するために特定の用語を使用する。本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態のみを説明することを目的としており、本発明の範囲を限定することを意図していない。
【0014】
図1は、本発明の一態様による通信システム1を概略的に示す。
【0015】
通信システム1は、以下に示すように、第1の伝送方向に従って単方向伝送のために管理される第1のデータバス2と、第1のデータバスと同様に、第2の伝送方向(第1の伝送方向とは異なり、その逆である)に従って単方向伝送のために管理される第2のデータバス4を備える。第1の同期端末6は、第1のデータバス2の開始端末と第2のデータバス4の終了端末を形成する;第2の同期端末8は、第2のデータバス4の開始端末と第1のデータバス2の終了端末を形成する。ここで、第1の伝送方向は、第1の同期端末6から第2の同期端末8に向かう方向である;第2の伝送方向は、第2の同期端末8から第1の同期端末6に向かう方向である。
【0016】
複数の周辺ユニットP1-Pn(「n」は2以上)は、第1の同期端末6と第2の同期端末8の間において、第1および第2のデータバス2,4の両方に接続し、第1および第2のデータバス2,4を通過するデータを受信し、次に第1および第2のデータバス2,4にデータを送信する。
【0017】
データバス2,4は、前述したように、単方向バスとして管理されているので、各周辺ユニットP1-Pnは、論理的に先行する周辺ユニットP1-Pnが送信したデータを受信し、論理的に後続する周辺ユニットP1-Pnに送信することができる。また、第1および第2の同期端末6,8は、予め設定された伝送方向に応じて、データバス2,4上にデータを送信することができる。例えば、周辺ユニットP2は、第1のデータバス2上で、周辺ユニットP1および第1の同期端末6によって送信されたデータを受信するが、周辺ユニットP3-Pnによって第1のデータバス2で送信されたデータは受信しない。同じ周辺ユニットP2は、第2のデータバス4上で、周辺ユニットP3-Pnおよび第2の同期端末8によって送信されたデータを受信するが、周辺ユニットP1および第1の同期端末6によって第2のデータバス5で送信されたデータを受信しない。
【0018】
同期バス10は、第1の同期端末6および第2の同期端末8を周辺ユニットP1-Pnに接続する。以下に詳細に説明するように、周辺ユニットP1-Pnによる第1および第2のデータバス2,4上の同期データ伝送を保証するために使用される同期信号は、同期バス10を通過する。換言すると、データバス2,4上で行われるすべての伝送は、同期バス10を通過する同期信号によって定義される同期に従う。
【0019】
各周辺ユニットP1-Pnは、第1および第2のデータバス2,4への1つ以上のユーザー通信ユニット(例えば、無線ユニットまたはオペレータコンソールまたは汎用ユーティリティ)の接続インターフェースを形成する。次に、ユーザー通信ユニットは、それぞれの周辺ユニットP1-Pnに接続または汎用的に結合し、ユーザー通信ユニットによってローカルに生成された信号を受信および送信する。
【0020】
非限定的な例として、
図1は、各周辺ユニットP1-Pnに接続した2つの無線ユニットR1,R2を示す(簡略化のため、同じ参照符号R1,R2で識別されているが、1つの周辺ユニットP1-Pnに接続した無線ユニットR1,R2は、別の周辺ユニットP1-Pnに接続した無線ユニットR1,R2とは異なる)。
【0021】
第1のデータバス2と第2のデータバス4は、例えば、同軸ケーブルまたは光ファイバーによって実装される。同期バス10は、例えば、同軸ケーブルまたは光ファイバーである。
【0022】
したがって、
図1に示すソリューションは、単方向オープンループを備えた二重バス(第1のバス2と第2のバス4)を使用することを想定しており、データバス2,4上のすべての伝送は、同期バス10を通過する同期信号によって互いに同期される。2つのデータバス2,4は、物理的に互いに分離されており、2つの同期端末6、8で開始および終了する。2つのデータバス2,4の各々は、それぞれの信号伝搬方向に従って、全ての周辺ユニットP1-Pnを接続することにより拡張する。
【0023】
同期専用のバス10を備えたデータバス2、4のオープン二重ループアーキテクチャは、データバス2,4上を移動する2つの通信フローを(それぞれの伝搬方向に従って)区別することを可能にし、各周辺ユニットP1-Pnがデータバス2,4を(それぞれの方向に)通過するデータを一度だけ受信することを保証するため、両方向から来る異なる伝送の同時受信のリスクを回避する。さらに、このアーキテクチャにより、伝送を同期させることができるため、エコーおよび/または遅延パケットの発生を回避できる。
【0024】
同期端末6、8は、同期を生成するタスクを有することに加えて、データバス2,4のための出発端末および到着端末のタスクも実行することに留意すべきである(例えば
図1では、データ伝送のために示された方向性によると、同期端末6は、第1のデータバス2のための出発端末であると同時に第2のデータバス4のための到着端末であり、一方、同期端末8は、第1のデータバス2のための到着端末であると同時に第2のデータバス4のための出発端末である)。
【0025】
相対データバス2,4のための出発端末のタスクは、相対データバス2,4のための符号化されたデータシーケンス(一般的なシステム管理情報または「ハウスキーピング」または他の制御データを含み得る)を生成することを含む。このデータシーケンスは、前記データバス2,4に接続した全ての周辺ユニットP1-Pnに送信される。以下によく示すように、各周辺ユニットP1-Pnは、データバス2,4を通過するデータシーケンスを受信または取得し、その受信したデータシーケンスに送信する自身のデータを挿入し、その同じバス2,4上で新たなデータシーケンスを送信する。
【0026】
相対データバス2,4に対する到着端末のタスクは、相対データバス2,4上の受信信号に存在するすべての(多重化された)データストリームを復号化し、そのデータを記録または保存することを含む。到着端末によって受信されたデータは、データバス2,4に再入力されない。
【0027】
上述したことに基づいて、各周辺ユニットP1-Pnによる1回の伝送は、他の任意の周辺ユニットP1-Pn(およびそれに接続した関連する無線ユニットまたはユーティリティR1,R2)によって一度だけ受信されることが保証される。
【0028】
また同期端末6、8は、同期バス10上で同期信号を生成および送信するように構成される。使用中、同期端末6、8の一方のみが「マスター」として設定される(他方は、最初の端末が故障した場合に「マスター」になることができる)。「マスター」端末のみが同期信号を生成および送信する。同期バス10に接続したすべての周辺ユニットP1-Pnは、同期信号を受信して適切に管理し、同期信号によって定義された同期に基づいて相対データバス2,4上の相対データを送信するように構成される。
【0029】
図1のアーキテクチャには中央ユニットがなく、使用対象のプラットフォームの特定のニーズに応じて容易に拡張可能であり、周辺ユニットおよび/またはユーティリティR1,R2を必要に応じて自由に挿入および削除できることに留意すべきである。
【0030】
図2に示すように、周辺ユニットP1-Pnの各々は、(その後端側から)ユーティリティR1,R2に接続している(例えば、
図1のシステムが実装される車両の無線システム又はオペレータプレース、例えばアンテナ手段を含む)。例えば、
図2は、再生される音声信号、PTT(「プッシュツートーク」)通信、または他のタイプの音声信号を入力として受信し、音声信号およびステータス信号を出力として生成するように構成された2つの無線ユニットR1,R2を示す。ユーティリティR1,R2によって入力として受け入れられ、出力として生成される信号は例示的なものであり、ユーティリティの種類および通信の必要性に応じて変化し得ることは明らかである。
【0031】
マルチプレクサ34は、各無線ユニットR1,R2から出力される信号を多重化するために使用される。2つのデマルチプレクサ30,32は、無線ユニットR1,R2への入力信号を逆多重化するために使用され、これらの信号は第1および第2のデータバス2,4を介して受信される。まさにそのため、第1のデータバス2専用のデマルチプレクサ30と、第2のデータバス4専用のデマルチプレクサ32がある。上述したように、無線ユニットR1およびR2は、周辺ユニットP1-Pnに結合する可能性のあるユニット又はシステムの例示であり、下記の1つ以上によって置き換えられるか、又はそれに加えて存在することができる:コンソール等の操作場所;音声録音機;無線ナビゲーション端末;など(一般に「後端」端末)。後端端末の数は、設計段階で定義されるパラメータであり、必要に応じて自由に変更できる。
【0032】
さらに
図2を参照すると、各周辺ユニットP1-Pnは、(その前端側から)第1のデータバス2、第2のデータバス4、および同期バス10に接続している。より具体的には、各周辺ユニットP1-Pnは、以下を備える:
- 第1のデータバス2に接続し、第1のデータバス2を通過するデータ信号を受信する第1の受信器20;
- 第1のデータバス2に接続し、第1のデータバス2上のデータ信号を送信する第1の送信器22;
- 第2のデータバス4に接続し、第2のデータバス4を通過するデータ信号を受信する第2の受信器24;
- 第2のデータバス4に接続し、第2のデータバス4上のデータ信号を送信する第2の送信器26;
- 同期バス10に接続し、かつ第1および第2の送信器22,26に接続し、同期バス10を通過する同期信号を受信し、伝送を同期させるためにそのための同期信号を第1および第2の送信器22,26に供給する同期モジュール28;
- 第1の受信器20に接続し、第1の受信器20から取得されたデータ信号を受信し、受信ユーティリティ(無線ユニットR1,R2)に配信するために、データ信号を復調および復号化する、それ自体公知の動作を実行するためのデマルチプレクサ30(以下、第1の入力復調器30ともいう);
- 第2の受信器24に接続し、第2の受信器24から取得されたデータ信号を受信し、受信ユーティリティ(無線ユニットまたはオペレータR1,R2)に配信するために、データ信号を復調および復号化する、それ自体公知の動作を実行するためのデマルチプレクサ32(以下、第2の入力復調器32ともいう);
- ユーティリティ(無線ユニットR1,R2)からの出力で生成された信号を受信し、変調および符号化動作を実行し、その変調および符号化された信号を、データバス2,4で送信するために送信器22,26に送るように構成されたマルチプレクサ34(信号変調機能も有するため、以下「出力変調器34」とも呼ぶ)(すべてのデータの送信は、両方のデータバス2,4上で、それぞれの方向で同時に行われる、すなわち、すべてのデータは、バス2上およびバス4上の両方で送信されるように分割される)。
【0033】
- デジタル/アナログ変換器41a,41bは、第1および第2の入力復調器30,32の出力(すなわち、入力復調器30,32と無線ユニットR1,R2の間)に結合することができ、同様に、アナログ/デジタル変換器42a,42bは、出力変調器34の入力(すなわち、出力変調器34と無線ユニットR1,R2の間)に結合することができる。
【0034】
本発明の文脈において、データ信号は、CDMA(「符号分割多元接続」)符号化を使用して変調される(したがって、第1および第2のデータバス2,4で送信される)。CDMAシステムでは、すべてのユーティリティ(この例では、無線ユニットR1,R2)が同じ搬送波周波数を使用し、同時に連続的に送信することができる。各無線ユニットR1,R2は、互いに直交する擬似ランダム数値符号によって一意に識別され、他の無線ユニットR1,R2とは独立して送信する。第1および第2の入力復調器30,32は、この符号を用いた相関処理により、復調処理時に所望のチャネル(符号)を検出する。送信において、無線ユニットR1,R2は同じ帯域を占有し、その伝送は符号領域に分割される。
【0035】
出力変調器34は、CDMA符号化に従って、無線ユニットR1,R2から受信した信号を符号化し、その符号化信号を、それが接続している送信器22,26に供給するように構成される。また送信器22,26は、同期信号を受信し、この同期信号を使用して、第1および第2のデータバス2,4上の符号化信号の伝送を同期して起動する。同期伝送はすべての周辺ユニットP1-Pnに対して行われる。実際、同期信号はデータバス2,4の両方とすべての周辺ユニットP1-Pnに対して同じであるため、伝送はデータバス2,4の両方と周辺ユニットP1-Pnに接続したすべてのユーティリティ(無線ユニット、オペレータコンソール等)で完全に同期される。
【0036】
換言すると、各受信器20,24は、それぞれのデータバス2,4からデータ信号を取得し、それを各々のデマルチプレクサ/復号器30,32に送信し、特定のユーティリティR1,R2に向けたデータを選択する。送信器22,26は、データバス2または4から入力として受信したビット列に送信すべきデータを追加し、各伝送を他の前の周辺ユニットP1-Pnから来るデータ列と同期させる。
【0037】
一例として本発明を限定するものではないが、同期信号は異なる周波数で変調された2つの同期信号Syn1,Syn2で実行され、2つの搬送波周波数は、第1の同期端末6によって生成された同期信号Syn1についてはf1であり、第2の同期端末8によって生成された同期信号Syn2についてはf2である。原理図は、定性的には
図5に模式的に表したものとなる。「マスター」として構成された端末6または端末8が時間を定義し、第1のシーケンスSyn1a(情報を含んでいてもいなくてもよい)を送信するが、これは2つのデータバスを循環する各シーケンスと同じ長さである。4,6。第1のシーケンスSyn1aが終了すると、「マスター」端末ではない他の端末6または8によって生成される後続シーケンスSyn2aの時間に等しい一時停止の時間間隔が待機する(
図5に図示されている)。次に、第1の同期端末6が奇数シーケンスの送信を行う。偶数シーケンスが2つのデータバス2,4を循環する時間間隔では、そのシーケンスを送信するのは第2の同期端末8である。シーケンスの送信は、後続の伝送Syn1b、Syn2bなどでも繰り返される。同期シーケンスSyn1およびSyn2は、送信周波数を除いて構造的に同一であり、各周辺ユニットP1-Pnの同期信号の受信器28が同期シーケンスの開始をノイズから区別できるようにするプリアンブルを任意に含むことができる(プリアンブルは、他のシーケンスから区別する必要はなく、ノイズから区別するだけでよいので、単純なもの、すなわち短いものでよい)。同期搬送波は、ハウスキーピング動作のために同期端末2,4間でのみ交換されるデータ信号によって変調することもでき、その結果、データバス2,4は、そのような必要性に特化した追加チャネルの要求から除外される。あるいは、回路の複雑さと同期端末4,6のコストを削減したい場合は、同期信号Syn1,Syn2を単純な無変調トーン(搬送波周波数f1、f2)とすることができ、ハウスキーピングメッセージを特定のCDMAチャネルで2つのデータバス2,4を循環させることができる。2つの周波数f1とf2の違いにより、同期受信器28は、周波数が互いに異なるため重複(したがって干渉)の可能性がなく、各シーケンスSyn1a,Syn1b,・・・,Syn2a,Syn2b,・・・の開始時刻と終了時刻を正確に検出することができる。考えられる実施形態では、先に説明した同期の文脈において、2つのデータバス2,4上のデータストリームは受信した2つの同期シーケンスに関係なく、それぞれの方向に両方のデータバス2,4を同時に流れることができる。第1のシーケンスSyn1a(周波数f1)を受信すると、両方のデータバス2,4上の伝送が開放される(すなわち、マルチプレクサ34の出力が各周辺ユニットP1-Pn内の加算器40に供給される。加算器40が示され説明されている
図3を参照。)。最後に、マルチプレクサ34の出力は分離され、第2のシーケンスSyn2a(周波数f2)を受信すると、データバス2,4の両方の伝送が再び開始される。このサイクルが繰り返される。
【0038】
上述した実施例の文脈において、同期モジュール28は、2つの周波数f1およびf2に同調した2つの受信器を含み、プリアンブルを介して相対的な存在を認識し、両方の発生(各シーケンスSyn1a,Syn1b,・・・,の受信、および各シーケンスSyn2a,Syn2b,・・・,の受信)においてトリガーを加算器40に提供する。一方、相対的同期シーケンスSyn1a,Syn1b,・・・,Syn2a,Syn2bの終わりに加算器40(少なくともマルチプレクサ34から来る部分について)を分離または抑制する。
【0039】
最新技術で知られている他の同期図も、本発明に関連して実装できることは明らかである。
【0040】
図3は、各周辺ユニットP1-Pnがそれ自体のデータシーケンスを同期して正しく伝送するために、周辺ユニットP1-Pnによって実行される動作の概略図を示す。
【0041】
デジタルデータ列は、最初に、第1のデータバス2に対しては第1の同期端末6によって作成され、第2のデータバス4に対しては第2の同期端末8によって作成される(上述のように、このデータにはシステム管理情報が含まれる場合がある)。第1および第2の同期端末6,8の各々は符号化され、その特定のCDMA符号化シーケンスによって乗算されたデータビットのシーケンスを送信する。この同期端末6、8が「マスター」端末である場合、同期バス10上で同期信号も送信する。周辺ユニットP1-Pnの各々は、それぞれの受信器20,24を介してデータシーケンスを受信し、入力復調器30,32を介してそれらを復号化する。同期バス10上で同期信号を受信すると、同期受信器28は2つの送信器22,26を起動し、それらのデータを加算器モジュール40に送信する。加算器モジュール40は、送信されるデータと、それぞれのデータバス2,4を通過するデータ(それぞれのデータバス2,4について、受信器20,24から入力で受信されるものと同じ)を合計する動作を実行するように構成される。このようにして、符号化されたデータビットを受信データ列と合計する動作は、所望のシーケンスで正確にビットごとに実行される。加算器モジュール40によって実行される加算は、アナログ信号(すなわち、マルチプレクサ/変調器34から来る信号とデータバスから来る信号)間の加算である。
【0042】
相対データバス2,4上の各周辺ユニットP3-Pnの伝送の一方向性は、各データバス2,4から来た加算器モジュール40の入力に向けられた信号が各データバス2,4に戻るのを防ぐために、各送信器22、26の入力に減結合器またはアイソレータまたは再生中継器を設けて実装される。しかしながら、この減結合器を省略することも、または加算器40の一体部分とすることもできることは明らかである。減結合器のタイプの選択、またはその実装特性は、データバス2,4に使用される特定の物理チャネルに依存する場合もある(例えば光ファイバーが使用される場合、入力から受信し、出力としてマルチプレクサ34から受信した信号を再送信し、必要に応じて信号自体の増幅/再生成ができるトランシーバを使用することができる)。いずれの場合も、論理的/機能的な観点から、減結合器を使用し、そして減結合器とカスケードまたは直列に加算器を使用することが想定される。前述のように、両方の機能を同じコンポーネントに実装することもできる。
【0043】
データ列が、そのデータバス2,4の「最終」ユニットを表すそれぞれの同期端末6、8に到達すると、そのデータ列は(使用されるCDMA図に基づいて)記録/保存されることが想定されるすべてのCDMAシーケンスで復号化される。
【0044】
データ信号のさらなる処理(例えば、EDAC符号化、変調など)は、データ信号をノイズまたは他の干渉に耐えるようにするために提供されてもよい。例えば、以下の信号調整が使用される:エラー検出および訂正のためのリード・ソロモン符号化(RS(31,15));ユニポーラ・バイポーラ変換;ユーザー/チャネル数およびチャネル帯域幅の利用可能性の観点から必要に応じて選択されるBPSKまたはQPSKまたはQAM変調(例えば、n=4、6、8等の2nQAM、すなわち16QAM、64QAM、256QAMなど);レイズドコサインフィルタ。
【0045】
図4は、機能ブロック図によって、本発明の一実施例による送信チェーン50と受信チェーン52を示す。複数の送信周辺ユニットP1-Pn(すなわち、送信チェーン50)および複数の受信周辺ユニットP1-Pn(すなわち、受信チェーン52)を表す機能ブロックが示される。
【0046】
送信チェーン50は互いに等しい。同様に、受信チェーン52は互いに等しい。したがって、送信チェーン50と受信チェーン52について、それぞれの周辺ユニットP1-Pnのそれぞれの送信チェーン50と受信チェーン52に対応し、それに属する互いに機能するブロックを表すために、同じ参照番号を用いて以下に説明する。
【0047】
送信チェーン50は、例えば無線ユニットP1の無線ユニットR1による送信に関連し、以下を備える(当業者には明らかなように、ブロックのシーケンスの図に示された順序は変更されてもよい):
- 無線ユニットR1から送信されるデータを入力として受信し、入力として受信した前記データのリード・ソロモン符号化を実行するように構成された符号化ブロック61。入力データは、無線ユニットR1によってアナログ形式で生成され、ブロック61(
図2のA/D変換器42b)の前にデジタル形式に変換される;
- 符号化ブロック61の出力に接続した入力を有し、符号化ブロック61からリード・ソロモン符号化信号を受信し、入力として受信した信号のユニポーラ信号からバイポーラ信号への変換を実行するように構成されたユニポーラ・バイポーラ変換ブロック62;
- 変換ブロック62の出力に接続した入力を有し、バイポーラ信号を入力として受信し、スカラーサンプルをより低いレートの出力フレームに変換するように構成されたバッファ64(任意);
- CDMA符号化を実行するように構成され、バッファ64の出力に接続した入力を有し、y=u
*kの演算を実行するように構成された符号化ブロック65[式中、yはブロック65からの出力を表し、uはブロック65への(デジタル形式での)入力を表し、kはユーザーR1に関連付けられた直交符号を表すベクトルである。演算「*」は、入力uとベクトルkのビット単位の乗算である];
- 符号化ブロック65の出力に接続した入力を有し、入力として受信された信号(すなわち、CDMA符号化データ信号)のユニポーラ信号からバイポーラ信号への変換を実行するように構成されたバイポーラ・ユニポーラ変換ブロック66;
- 変換ブロック66の出力に接続した入力を有し、入力として受信された信号のBPSK(二相位相偏移変調方式)変調(代替的にはQPSK変調、または他のタイプ)を実行するように構成された変調ブロック67;および、
- 変調ブロック67の出力に接続した入力を有し、変調されたBPSK信号を受信し、cos
2 FIR(「有限インパルス応答」)フィルタ(データバスで送信されるパルスを形成する)を使用して前記信号をフィルタリングする動作を実行するように構成されたフィルタ68。
【0048】
次にフィルタ68からの出力は、周辺ユニットP1-Pnの送信チェーン50によって生成された信号を、別の周辺ユニットP1-Pnに関連付けられた別の送信チェーン50によって生成された別の信号と合計する動作を実行するために、加算器ブロック70に入力として供給される。この加算動作は、
図3のブロック40を参照して説明した動作である。
【0049】
受信チェーン52は、例えば、周辺ユニットPn(P1以外)による、それに結合した無線ユニットR2に向けたデータの受信に関連し、送信チェーン50とは逆の動作を実行するように適合した機能ブロックを備え、特に以下を備える:
- データバスで伝送されるデータ信号を入力として受信するように構成されたフィルタ72。この概略的な例では、データ信号は、すべての送信チェーン50によって伝送される信号の合計によって与えられる信号である。フィルタ72は、フィルタ68(FIRフィルタ)に対応する動作を実行する;
- フィルタ72の出力に接続した入力を有し、入力として受信された信号のBPSK(二相位相偏移変調方式)復調(代替的にはQPSK変調)を実行するように構成された復調ブロック74;
- 復調ブロック74の出力に接続した入力を有し、入力として受信された信号のユニポーラ信号からバイポーラ信号への変換を実行するように構成されたユニポーラ・バイポーラ変換ブロック76;
- ユニポーラ・バイポーラ変換ブロック76の出力に接続した入力を有し、バイポーラ信号を入力として受信し、スカラーサンプルをより低いレートの出力フレームに変換するように構成されたバッファ78(任意);
- CDMA復号化を行うように構成され、バッファ78の出力(バッファ78が存在しない場合はユニポーラ・バイポーラ変換ブロック76の出力)に接続した入力を有する復号化ブロック80;
-復号化ブロック80の出力に接続した入力を有し、入力として受信された信号のユニポーラ信号からバイポーラ信号への変換を実行するように構成されたバイポーラ・ユニポーラ変換ブロック82;
- 変換ブロック82に接続した入力を持ち、入力として受信した信号のリード・ソロモン復号化と対応する誤り訂正を実行するように構成された復号化ブロック84。
【0050】
本発明は、以下の用途(ただし、これらに限定されない)に利用することができる:
- 空中作業台用インターコムシステム
- 海軍相互通信システム;
- 船舶または潜水艦上の操作場所間のインターコムシステム;
- 周囲の騒音により通常の音声通信ができない場合の車載陸上インターコムシステム;
- 監視システムのためのカメラとディスプレイ間の映像分配。
【0051】
以上の分析から、本発明によって達成が可能となる利点は明らかである。
【0052】
特に、本発明は、中央ユニットを必要としない分散型アーキテクチャを備えた相互通信システムに関する。このソリューションにより、通信システムの実装に必要な経常コスト、重量、寸法を削減することができる。また、中央ユニットやシステム全体の再設計を必要とせず、個々の分散ユニット(周辺ユニットP1-Pn)を再構成するだけで、より軽量なプラットフォームへの統合を可能にするため、柔軟性と拡張性を高めることができる。
【0053】
また、特許請求の範囲によって定義される保護の範囲から逸脱することなく、上記の変更および変形が可能であることも明らかである。
【0054】
例えば、CDMA符号化は、TDMA(「時分割多元接続」)またはFDMA(「周波数分割多元接続」)等の異なるタイプの符号化に置き換えることができる。この場合、ユーザー数とデータバス2,4に必要な帯域の間に線形関係を確立する必要がある。
【手続補正書】
【提出日】2024-12-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信システムであって、
- 第1の伝送方向に従って第1のデータ信号を伝送するように構成された第1のデータバス(2)と、
- 前記第1の伝送方向と異なる第2の伝送方向に従って第2のデータ信号を伝送するように構成された第2のデータバス(4)と、
- 同期信号を伝送するように構成された同期バス(10)と、
- 第1のトランシーバユニット(P1)と、
- 前記第1のトランシーバユニット(P1)に結合し、前記第1および/または第2のデータバス(2,4)で伝送される第1のローカル信号を生成するように構成された少なくとも1つの第1のリソース(R1;R2)と、
を備え、
前記第1のトランシーバユニット(P1)が、前記第1のデータバス(2)に結合し、前記第1のデータ信号を受信する第1の受信器(20)と、前記第2のデータバス(4)に接続し、前記第2のデータ信号を受信する第2の受信器(24)と、前記第1のデータバス(2)に結合した第1の送信器(22)と、前記第2のデータバス(4)に結合した第2の送信器(26)と、前記同期バス(10)に結合し、前記同期信号を受信する第1の同期モジュール(28)と、前記第1の受信器(20)に結合した入力および前記第1のリソース(R1;R2)に結合した出力を有し、前記第1のデータ信号の復調を実行するように構成された第1の復調器(30)と、前記第2の受信器(24)に結合した入力および前記第1のリソース(R1;R2)に結合した出力を有し、前記第2の受信器(24)によって受信された前記第2のデータ信号の復調を実行するように構成された第2の復調器(32)と、前記第1のリソース(R1;R2)に結合した入力と、前記第1および第2の送信器(22,26)に結合した出力を有し、前記第1のリソース(R1;R2)から前記第1のローカル信号を受信し、前記第1のローカル信号の変調を実行し、出力として第1の変調信号を生成するように構成された第1の変調器(34)と、を備え、
前記第2の送信器(26)が、前記第2の伝送方向に従って前記第2のデータバス(4)で前記第1の変調データ信号を送信するように構成され、
前記第1の送信器(22)が、前記第1の変調信号を、前記第1のデータバス(2)から前記第1の受信器(20)によって受信された前記第1のデータ信号に加算し、第3のデータ信号を生成し、前記第1の伝送方向に従い、且つ、前記同期信号によって定義される同期に従って前記第1のデータバス(2)で前記第3のデータ信号を送信するように構成され、
前記第2の送信器(26)が、前記第1の変調信号を、前記第2のデータバス(4)から前記第2の受信器(24)によって受信された前記第2のデータ信号に加算し、第4のデータ信号を生成し、前記第2の伝送方向に従い、且つ、前記同期に従って前記第2のデータバス(4)で前記第4のデータ信号を送信するように構成される、
通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の通信システムであって、さらに、
- 第2のトランシーバユニット(Pn)と、
- 前記第2のトランシーバユニット(Pn)に結合し、前記第1および/または第2のデータバス(2,4)で伝送される第2のローカル信号を生成するように構成された少なくとも1つの第2のリソース(R1;R2)と、
を備え、
前記第2のトランシーバユニット(Pn)が、前記第1のデータバス(2)に結合し、前記第1のデータ信号を受信する第3の受信器(20)と、前記第2のデータバス(4)に接続し、前記第2のデータ信号を受信する第4の受信器(24)と、前記第1のデータバス(2)に結合した第3の送信器(22)と、前記第2のデータバス(4)に結合した第4の送信器(26)と、前記同期バス(10)に結合し、前記同期信号を受信する第2の同期モジュール(28)と、前記第3の受信器(22)に結合した入力および前記第2のリソース(R1;R2)に結合した出力を有し、前記第1のデータ信号の復調を実行するように構成された第3の復調器(30)と、前記第4の受信器(24)に結合した入力および前記第2のリソース(R1;R2)に結合した出力を有し、前記第2のデータ信号の復調を実行するように構成された第4の復調器(32)と、前記第2のリソース(R1;R2)に結合した入力と、前記第3および第4の送信器(22,26)に結合した出力を有し、前記第2のリソース(R1;R2)から前記第2のローカル信号を受信し、前記第2のローカル信号の変調を実行し、出力で第2の変調信号を生成するように構成された第2の変調器(34)と、
を備え、
前記第4の送信器(26)が、前記第2の伝送方向に従って前記第2のデータバス(4)で前記第2の変調データ信号を送信するように構成され、
前記第3の送信器(22)が、前記第2の変調信号を、前記第1のデータバス(2)から前記第3の受信器(20)によって受信された前記第1のデータ信号に加算し、第5のデータ信号を生成し、前記第1の伝送方向に従い、且つ、前記同期に従って前記第1のデータバス(2)で前記第5のデータ信号を送信するように構成され、
前記第4の送信器(26)が、前記第2の変調信号を、前記第2のデータバス(4)から前記第4の受信器(24)によって受信された前記第2のデータ信号に加算し、第6のデータ信号を生成し、前記第2の伝送方向に従い、且つ、前記同期に従って前記第2のデータバス(4)で前記第6のデータ信号を送信するように構成される、
通信システム。
【請求項3】
請求項
1に記載の通信システムであって、さらに、
- 前記第1のデータバス(2)の第1の端末および前記第2のデータバス(4)の第1の端末に結合した第1の同期ユニット(6)と、
- 前記第1のデータバス(2)の第2の端末および前記第2のデータバス(4)の第2の端末に結合した第2の同期ユニット(8)と、
を備え、
前記第1の伝送方向が前記第2の同期ユニット(8)に向かっており、前記第2の伝送方向が前記第1の同期ユニット(8)に向かっている、
通信システム。
【請求項4】
請求項
1に記載の通信システムであって
前記第1の送信器(22)が、前記第1の変調信号と前記第1のデータ信号を代数的に合計することにより、前記第3のデータ信号を生成するように構成され、
前記第2の送信器(26)が、前記第1の変調信号と前記第2のデータ信号を代数的に合計することにより、前記第4のデータ信号を生成するように構成される、
通信システム。
【請求項5】
請求項
2に記載の通信システムであって、
前記第3の送信器(22)が、前記第2の変調信号と前記第1のデータ信号を代数的に合計することにより、前記第5のデータ信号を生成するように構成され、
前記第4の送信器(26)が、前記第2の変調信号と前記第2のデータ信号を代数的に合計することにより、前記第6のデータ信号を生成するように構成される、
通信システム。
【請求項6】
請求項
1に記載の通信システムであって、
前記第1の変調器(34)が、前記第1のローカル信号のCDMA符号化を実行し、その出力で前記第1の変調信号を生成するようにも構成され、
前記第1の復調器(30)が、前記第1のデータ信号のCDMA復号化を実行するようにも構成され、且つ、
前記第2の復調器(32)が、前記第2のデータ信号のCDMA復号化を実行するようにも構成されている、
通信システム。
【請求項7】
請求項6に記載の通信システムであって、
前記第1の変調器(30)が、前記CDMA符号化を実行した後に、BPSKまたはQPSKまたはQAM変調に従って前記第1のローカル信号を復調するようにも構成され、
前記第1の復調器(30)が、さらに、前記CDMA復号化を実行する前に、前記BPSKまたはQPSKまたはQAM変調に従って前記第1のデータ信号を復調するように構成され、且つ、
前記第2の復調器(32)が、前記CDMA復号化を実行する前に、前記BPSKまたはQPSKまたはQAM変調に従って前記第2のデータ信号を復調するようにも構成される、
通信システム。
【請求項8】
請求項
6に記載の通信システムであって
前記第1の変調器(34)が、前記CDMA符号化を実行する前に、リード・ソロモン符号化に従って前記第1のローカル信号を符号化するようにも構成され、
前記第1の復調器(30)が、さらに、前記CDMA復号化を実行した後に、前記リード・ソロモン符号化に従って前記第1のデータ信号を復号化するように構成され、且つ、
前記第2の復調器(32)が、前記CDMA復号化を実行した後に、前記リード・ソロモン符号化に従って前記第2のデータ信号を復号化するようにも構成される、
通信システム。
【請求項9】
請求項
2に記載の通信システムであって、
前記第2の変調器(34)が、前記第2のローカル信号のCDMA符号化を実行し、その出力で前記第2の変調された信号を生成するようにも構成され、
前記第3の復調器(30)が、前記第1のデータ信号のCDMA復号化を実行するようにも構成され、且つ、
前記第4の復調器(32)が、前記第2のデータ信号のCDMA復号化を実行するようにも構成される、
通信システム。
【請求項10】
請求項9に記載の通信システムであって、
前記第2の変調器(30)が、前記CDMA符号化を実行した後に、BPSKまたはQPSKまたはQAM変調に従って前記第2のローカル信号を復調するようにも構成され、
前記第3の復調器(30)が、さらに、前記CDMA復号化を実行する前に、前記BPSKまたはQPSKまたはQAM変調に従って第1のデータ信号を復調するように構成され、且つ、
前記第4の復調器(32)が、前記CDMA復号化を実行する前に、前記BPSKまたはQPSKまたはQAM変調に従って前記第2のデータ信号を復調するようにも構成される、
通信システム。
【請求項11】
請求項
9に記載の通信システムであって、
前記第2の変調器(34)が、前記CDMA符号化を実行する前に、リード・ソロモン符号化に従って前記第2のローカル信号を符号化するようにも構成され、
前記第3の復調器(30)が、さらに、前記CDMA復号化を実行した後に、前記リード・ソロモン符号化に従って前記第1のデータ信号を復号化するように構成され、且つ、
前記第2の復調器(32)が、前記CDMA復号化を実行した後に、前記リード・ソロモン符号化に従って前記第2のデータ信号を復号化するようにも構成される、
通信システム。
【請求項12】
前記通信システムが、
空中作業台用インターコムシステムと、
海軍相互通信システムと、
船舶または潜水艦上の操作ユニット間のインターコムシステムと、
車載陸上インターコムシステムと、
監視システムと、
のいずれか1つである、請求項
1に記載の通信システム。
【国際調査報告】