(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-15
(54)【発明の名称】流動炉分散板およびこれを含む流動炉
(51)【国際特許分類】
F27B 15/10 20060101AFI20250107BHJP
【FI】
F27B15/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024524700
(86)(22)【出願日】2023-09-04
(85)【翻訳文提出日】2024-04-24
(86)【国際出願番号】 KR2023013195
(87)【国際公開番号】W WO2024117474
(87)【国際公開日】2024-06-06
(31)【優先権主張番号】10-2022-0161710
(32)【優先日】2022-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522492576
【氏名又は名称】ポスコ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シン,ミョン ギュン
(72)【発明者】
【氏名】キム,サンヒョン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ドンウォン
(72)【発明者】
【氏名】キム,クァンミン
(72)【発明者】
【氏名】コ,チャン クク
【テーマコード(参考)】
4K046
【Fターム(参考)】
4K046HA03
4K046JA00
(57)【要約】
【課題】複数のノズルを維持補修する必要がなく、軽量化されると同時に部分交替が容易であることによって、維持補修効率が向上し維持補修時間が最小化されて流動炉稼働率および流動炉効率を向上させる流動炉分散板およびこれを含む流動炉を提供する。
【解決手段】本発明の流動炉分散板は、粉鉱を還元する流動炉の内部に位置する流動炉分散板において、前記流動炉の内部を横切って前記流動炉の内壁に支持された複数のサポートビーム、および前記複数のサポートビームに溶接されて一つの分散板形態を構成する複数のグリッドプレートを含むことを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉鉱を還元する流動炉の内部に位置する流動炉分散板において、
前記流動炉の内部を横断して前記流動炉の内壁に支持された複数のサポートビーム、および
前記複数のサポートビームに溶接されて一つの分散板形態を構成する複数のグリッドプレートを含むことを特徴とする流動炉分散板。
【請求項2】
前記複数のサポートビームは、
一方向に沿って互いに離隔して前記流動炉の内壁に支持された複数の第1ビーム、および
前記一方向に沿って前記複数の第1ビームの間を連結する複数の第2ビーム
を含むことを特徴とする請求項1に記載の流動炉分散板。
【請求項3】
前記複数の第1ビームはH型ビームであることを特徴とする請求項2に記載の流動炉分散板。
【請求項4】
前記複数の第1ビームは前記複数の第2ビームと比較してさらに厚い厚さを有することを特徴とする請求項2に記載の流動炉分散板。
【請求項5】
前記複数のグリッドプレートは、
前記流動炉の前記内壁に沿って前記一つの分散板の外側に配置された複数のアウタプレート、および
前記複数のアウタプレートと隣接して前記一つの分散板の内側に配置された複数のインナプレーを含むことを特徴とする請求項1に記載の流動炉分散板。
【請求項6】
前記複数のインナプレートは互いに同一の形態を有することを特徴とする請求項5に記載の流動炉分散板。
【請求項7】
前記複数のアウタプレートは前記インナプレートと異なる形態を有することを特徴とする請求項6に記載の流動炉分散板。
【請求項8】
前記複数のアウタプレートは複数の第1ノズルホールを有し、
前記複数のインナプレートは前記複数の第1ノズルホールと異なる形態の複数の第2ノズルホールを有することを特徴とする請求項5に記載の流動炉分散板。
【請求項9】
前記複数の第1ノズルホールは垂直方向を基準にして傾斜した形態を有することを特徴とする請求項8に記載の流動炉分散板。
【請求項10】
前記複数の第2ノズルホールは垂直方向を中心にして三角形形態を有することを特徴とする請求項8に記載の流動炉分散板。
【請求項11】
前記複数のグリッドプレートのうちの隣接するグリッドプレートは前記サポートビーム上で互いに離隔していることを特徴とする請求項1に記載の流動炉分散板。
【請求項12】
前記流動炉の前記内壁の円周方向に沿って前記流動炉の前記内壁に固定された複数のブラケットをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の流動炉分散板。
【請求項13】
前記複数のサポートビームは前記複数のブラケットに固定されていることを特徴とする請求項12に記載の流動炉分散板。
【請求項14】
前記流動炉の前記内壁の円周方向に沿って前記複数のブラケットの上部を連結する上部サポートリングをさらに含むことを特徴とする請求項12に記載の流動炉分散板。
【請求項15】
前記複数のブラケットを挟んで前記上部サポートリングと離隔し、前記流動炉の前記内壁の円周方向に沿って前記複数のブラケットの下部を連結する下部サポートリングをさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の流動炉分散板。
【請求項16】
前記上部サポートリング上部には第1耐火物が位置し、
前記下部サポートリング下部には第2耐火物が位置し、
前記上部サポートリング、前記複数のブラケット、前記下部サポートリングは前記第1耐火物と前記第2耐火物の間に位置することを特徴とする請求項15に記載の流動炉分散板。
【請求項17】
前記上部サポートリングと前記第1耐火物の間および前記下部サポートリングと前記第2耐火物の間に位置するセラミックロープをさらに含むことを特徴とする請求項16に記載の流動炉分散板。
【請求項18】
前記複数のグリッドプレートはステンレススチールを含むことを特徴とする請求項1に記載の流動炉分散板。
【請求項19】
粉鉱を還元する流動炉本体、および
前記流動炉本体の内部に位置する流動炉分散板
を含み、
前記流動炉分散板は、
前記流動炉本体の内部を横断して前記流動炉本体の内壁に支持された複数のサポートビーム、および
前記複数のサポートビームに溶接されて一つの分散板形態を構成する複数のグリッドプレートを含むことを特徴とする流動炉。
【請求項20】
前記複数のグリッドプレートはステンレススチールを含むことを特徴とする請求項19に記載の流動炉。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本記載は、流動炉分散板およびこれを含む流動炉に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、粉鉱を直接使用して溶鉄を製造する溶融還元製鉄設備には、粉鉱を流動還元処理するための複数の流動炉がある。
流動炉は溶融ガス化炉から供給される高温の還元ガスを用いて粉形状の鉄鉱石である粉鉱を還元鉄に還元する。
【0003】
従来の流動炉は、内部に還元ガスが通る複数のノズルが配置された流動炉分散板(DISTRIBUTION PLATE OF FLUDIZED FURNACE)が設置されていた。従来の流動炉分散板は、流動炉内部を横切る耐火材、耐火材を貫通するガイドパイプ、ガイドパイプに設置された複数のノズルを含むものであった。高温の還元ガスは流動炉分散板のノズルを通過して流動炉の内部の上側に装入される粉鉱を流動させながら粉鉱を粉還元鉄に還元する。
しかし、従来の流動炉分散板は還元ガスに含まれている付着性粉塵がノズルの内面に付着してノズルの出口を狭くするか、または詰まらせるため定期的に長時間複数のノズルをクリーニングまたは交替しなければならないという問題があった。
【0004】
また、従来の流動炉分散板は耐火材自体の重量を支持するために流動炉分散板と流動炉の底の間に耐火材を支持するための柱が設置されているため、流動炉の下部に供給される還元ガスの流量が制限されるという問題があった。
また、従来の流動炉分散板は複数のノズルを支持する耐火材が損傷した場合、耐火材補修作業が容易でなく、分散板全体の機能が低下するという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の、目的とするところは、複数のノズルを維持補修する必要がなく、軽量化されると同時に部分交替が容易であり、維持補修効率が向上し、維持補修時間が最小化されて流動炉稼働率および流動炉効率を向上させた流動炉分散板およびこれを含む流動炉を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の流動炉分散板は、粉鉱を還元する流動炉の内部に位置する流動炉分散板において、前記流動炉の内部を横断して前記流動炉の内壁に支持された複数のサポートビーム、および前記複数のサポートビームに溶接されて一つの分散板形態を構成する複数のグリッドプレートを含むことを特徴とする。
【0007】
前記複数のサポートビームは、一方向に沿って互いに離隔して前記流動炉の内壁に支持された複数の第1ビーム、および前記一方向に沿って前記複数の第1ビームの間を連結する複数の第2ビームを含むことができる。
前記複数の第1ビームはH型ビームであることがよい。
前記複数の第1ビームは前記複数の第2ビームと比較してさらに厚い厚さを有することが好ましい。
【0008】
前記複数のグリッドプレートは、前記流動炉の前記内壁に沿って前記一つの分散板の外側に配置された複数のアウタプレート、および前記複数のアウタプレートと隣接して前記一つの分散板の内側に配置された複数のインナプレートを含むことができる。
前記複数のインナプレートは互いに同一の形態を有することがよい。
【0009】
前記複数のアウタプレートは前記インナプレートと異なる形態を有することが好ましい。
前記複数のアウタプレートは複数の第1ノズルホールを有し、前記複数のインナプレートは前記複数の第1ノズルホールと異なる形態の複数の第2ノズルホールを有することができる。
前記複数の第1ノズルホールは垂直方向を基準にして傾斜した形態を有することが好ましい。
前記複数の第2ノズルホールは垂直方向を中心にして三角形形態を有することがよい。
【0010】
前記複数のグリッドプレートのうちの隣接するグリッドプレートは前記サポートビーム上で互いに離隔していることがよい。
前記流動炉の前記内壁の円周方向に沿って前記流動炉の前記内壁に固定された複数のブラケットをさらに含むことができる。
前記複数のサポートビームは前記複数のブラケットに固定されていることが好ましい。
前記流動炉の前記内壁の円周方向に沿って前記複数のブラケットの上部を連結する上部サポートリングをさらに含むことがよい。
【0011】
前記複数のブラケットを挟んで前記上部サポートリングと離隔し、前記流動炉の前記内壁の円周方向に沿って前記複数のブラケットの下部を連結する下部サポートリングをさらに含むことができる。
前記上部サポートリング上部には第1耐火物が位置し、前記下部サポートリング下部には第2耐火物が位置し、前記上部サポートリング、前記複数のブラケット、前記下部サポートリングは前記第1耐火物と前記第2耐火物の間に配置することが好ましい。
前記上部サポートリングと前記第1耐火物の間および前記下部サポートリングと前記第2耐火物の間に位置するセラミックロープをさらに含むことがよい。
前記複数のグリッドプレートはステンレススチールを含むことができる。
【0012】
本発明の流動炉は、粉鉱を還元する流動炉本体、および前記流動炉本体の内部に位置する流動炉分散板を含み、前記流動炉分散板は、前記流動炉本体の内部を横断して前記流動炉本体の内壁に支持された複数のサポートビーム、および前記複数のサポートビームに溶接されて一つの分散板形態を構成する複数のグリッドプレートを含むことを特徴とする。
前記複数のグリッドプレートはステンレススチールを含むことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、複数のノズルを維持補修する必要がなく、軽量化されると同時に部分交替が容易であることによって、維持補修効率が向上し維持補修時間が最小化されて流動炉稼働率および流動炉効率を向上させる流動炉分散板およびこれを含む流動炉が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】一実施形態による流動炉を垂直方向に切開した状態で示した斜視図である。
【
図3】一実施形態による流動炉に含まれている流動炉分散板の下側を示した斜視図である。
【
図4】一実施形態による流動炉に含まれている流動炉分散板の上側を示した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施形態について本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳しく説明する。本発明は様々の異なる形態で実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。
本発明を明確に説明するために不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の符号を付けた。
また、明細書全体で、ある部分がある構成要素を“含む”という時、これに反対になる記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0016】
以下、
図1~
図4を参照して一実施形態による流動炉を説明する。
一実施形態による流動炉は粉形態の鉄鉱石である粉鉱を還元鉄に還元する溶融還元製鉄設備に含まれる複数の流動炉のうちの一つであるが、これに限定されない。一例として、溶融還元製鉄設備は粉鉱を粉還元鉄に還元する複数の流動炉の一つであり、粉還元鉄を圧縮して塊成体として製造する公知の塊成化装置で、公知の溶融ガス化炉を含むことができる。粉鉱は流動炉に装入され、流動炉から還元された粉還元鉄は塊成化装置で塊成体として製造されて成形炭と共に溶融ガス化炉に供給され、溶鉄として製造される。溶融ガス化炉から発生した還元ガスは流動炉に供給される。
【0017】
図1は、一実施形態による流動炉を垂直方向に切開した状態で示した斜視図である。
図1に示した流動炉は流動炉分散板が位置する流動炉の下部部分を示した図であり、全体流動炉の形態は公知の多様な形態を有することができる。
図2は、
図1のA部分を示した縦断面図である。
図1および
図2を参照すれば、流動炉1000は、流動炉本体100および流動炉分散板200を含む。
【0018】
流動炉本体100は、粉鉱を還元する内部空間ISを形成する。流動炉本体100は円筒形態であるが、これに限定されず、公知の多様な形態を有することができる。流動炉本体100の内部空間ISの下側には流動炉分散板200が位置し、流動炉分散板200を基準にして流動炉本体100の上側に粉鉱が装入され、流動炉本体100の下側に還元ガスが供給される。流動炉本体100の下側に供給された還元ガスは流動炉分散板200上部に位置する粉鉱に向かって噴射され、流動炉分散板200の上部には流動層が形成される。
流動炉分散板200は、流動炉分散板200の下側に供給された還元ガスを流動炉分散板200の上側に位置する粉鉱に分散させる。流動炉分散板200は、複数のサポートビーム210、複数のグリッドプレート220、複数のブラケット230、上部サポートリング240、下部サポートリング250、セラミックロープ260を含む。
【0019】
図3は、一実施形態による流動炉に含まれている流動炉分散板の下側を示した斜視図である。
図3と
図1および
図2を参照すれば、複数のサポートビーム210は流動炉本体100が形成する内部空間ISである流動炉1000の内部を横断して配設され流動炉1000の内壁に支持される。複数のサポートビーム210は複数のブラケット230に固定されて流動炉1000の内壁に支持されるが、これに限定されず、多様な支持手段を用いて流動炉1000の内壁に固定することができる。
【0020】
複数のサポートビーム210は、複数の第1ビーム211および複数の第2ビーム212を含む。
複数の第1ビーム211は、一方向に沿って互いに離隔して流動炉1000の内壁に支持される。ここで、一方向は流動炉1000の内壁が形成する円周を横切る直径方向であることがよいが、これに限定されない。複数の第1ビーム211はH型ビームであるが、これに限定されない。複数の第1ビーム211は複数の第2ビーム212と比較してさらに厚い厚さを有する。ここで、第1ビーム211の厚さは第1ビーム211の垂直方向の長さを含むことができる。複数の第1ビーム211は1000mm厚さの8個のH型ビームであることがよいが、これに限定されない。
【0021】
複数の第2ビーム212は、複数の第1ビーム211と交叉する方向である一方向に沿って複数の第1ビーム211の間を連結する。複数の第2ビーム212はH型ビームであることができるが、これに限定されない。複数の第2ビーム212は複数の第1ビーム211と比較して薄い厚さを有する。ここで、第2ビーム212の厚さは第2ビーム212の垂直方向の長さを含むことができる。複数の第2ビーム212は300mm厚さの42個のH型ビームであることがよいが、これに限定されない。
複数の第1ビーム211および複数の第2ビーム212を形成するH型ビームの表面に複数のグリッドプレート220が溶接される。
【0022】
図4は、一実施形態による流動炉に含まれる流動炉分散板の上側を示した平面図である。
図4と
図1および
図2を参照すれば、複数のグリッドプレート220は複数のサポートビーム210に溶接されて一つの分散板を構成する。複数のグリッドプレート220は一つの分散板の外側に配置されて流動炉1000の内壁が形成する円周に沿って配置された複数のアウタプレート221および複数のアウタプレート221の内側に位置する複数のインナプレート222を含む。
【0023】
複数のアウタプレート221は流動炉1000の内壁に沿って複数のグリッドプレート220で構成される一つの分散板の外側に配置される。複数のアウタプレート221はインナプレート222と異なる形態を有する。複数のアウタプレート221は流動炉1000の内壁が形成する円周に対応する互いに異なる形態を有することができるが、これに限定されない。複数のアウタプレート221は還元ガスが通過する複数の第1ノズルホール221aを含む。複数の第1ノズルホール221aは複数のインナプレート222に配備される複数の第2ノズルホール222aと異なる形態を有する。複数の第1ノズルホール221aは流動炉1000の内壁に向かうように構成され、複数の第2ノズルホール222aが向かう垂直方向VDを基準にして傾斜方向IDに傾斜している。複数の第1ノズルホール221aは112個であってもよいが、これに限定されない。
【0024】
複数のインナプレート222は複数のアウタプレート221に隣接して複数のグリッドプレート220が構成する一つの分散板の内側に配置される。複数のインナプレート222は互いに同一の菱形形態を有するが、これに限定されない。複数のインナプレート222は還元ガスが通過する複数の第2ノズルホール222aを有する。複数の第2ノズルホール222aは複数のアウタプレート221に配置されている複数の第1ノズルホール221aと異なる形態を有する。複数の第2ノズルホール222aは垂直方向VDに向かっており、垂直方向VDを中心にして三角形形態を有する。複数の第2ノズルホール222aは350mmのピッチ(pitch)で離隔した331個であってもよいが、これに限定されない。
複数の第1ノズルホール221aが流動炉1000の内壁に向かう傾斜方向IDに傾斜しており、複数の第2ノズルホール222aが垂直方向VDに向かっているため、複数の第1ノズルホール221aおよび複数の第2ノズルホール222aを通る還元ガスが流動炉分散板200の上側でさらに広い面積に分散する。
【0025】
複数のアウタプレート221および複数のインナプレート222を含む複数のグリッドプレート220のうちの隣接するグリッドプレート220はサポートビーム210上で設定された間隔GAを置いて互いに離隔する。
複数のグリッドプレート220はステンレススチールを含む。一例として、複数のグリッドプレート220はSUS304H規格のステンレススチールを含むが、これに限定されず、複数のグリッドプレート220はSUS316、SUS310S、SUS321、800H規格のステンレススチールを含むことができる。
【0026】
複数のグリッドプレート220はステンレススチールを含むが、複数のグリッドプレート220のうちの隣接するグリッドプレート220と一つのサポートビーム210上で設定された間隔GAを置いて互いに離隔することによって、複数のグリッドプレート220が熱膨張によって互いに干渉されることを抑制することができる。
複数のグリッドプレート220は62個であってもよいが、これに限定されない。
また、複数のサポートビーム210、複数のブラケット230、上部サポートリング240、下部サポートリング250はSUS304H規格のステンレススチールを含むが、これに限定されず、SUS316、SUS310S、SUS321、800H規格のステンレススチールを含むことができる。
【0027】
図1~
図3を参照すれば、複数のブラケット230が流動炉1000の内壁の円周方向に沿って流動炉1000の内壁に固定される。複数のブラケット230は流動炉分散板200の枠組みを構成して流動炉1000の内壁に固定される。複数のブラケット230に複数のサポートビーム210が固定され、複数のブラケット230に複数のサポートビーム210が溶接されて固定される。複数のブラケット230は100個のブラケット230を含むことができるが、これに限定されない。
【0028】
上部サポートリング240は流動炉1000の内壁の円周方向に沿って複数のブラケット230の上部を連結する。上部サポートリング240は複数のブラケット230の上部に溶接されて固定されるが、これに限定されず、上部サポートリング240と下部サポートリング250の間に複数のブラケット230がはめられて固定できる。
下部サポートリング250は複数のブラケット230を挟んで上部サポートリング240と離隔して流動炉1000の内壁の円周方向に沿って複数のブラケット230の下部を連結する。下部サポートリング250は複数のブラケット230の下部に溶接されて固定されるが、これに限定されず、下部サポートリング250と上部サポートリング240の間に複数のブラケット230がはめられて固定できる。
【0029】
一例として、
図3を参照すれば、下部サポートリング250の下部には互いに離隔した4個のサポート溝251が形成され、4個のサポート溝251は流動炉1000の内壁に形成された4個の突出部にはめ込まれて固定される。
上部サポートリング240上部には公知の多様な第1耐火物CM1が位置し、下部サポートリング250下部には公知の多様な第2耐火物CM2が配置されることがよい。流動炉分散板200の枠組みを形成する上部サポートリング240、複数のブラケット230、下部サポートリング250は第1耐火物CM1と第2耐火物CM2の間に配置されることが好ましい。
【0030】
図2を参照すれば、セラミックロープ260は上部サポートリング240と第1耐火物CM1の間および下部サポートリング250と第2耐火物CM2の間に位置する。上部サポートリング240および下部サポートリング250が熱膨張されると、セラミックロープ260が第1耐火物CM1および第2耐火物CM2それぞれに圧着されて流動炉分散板200と流動炉1000の内壁の間が密封される。
【0031】
このように、一実施形態による流動炉1000に含まれている流動炉分散板200は、複数のサポートビーム210、および複数のサポートビーム210に溶接されて一つの分散板形態を構成する複数のグリッドプレート220を含む。これによって、還元ガスに含まれている付着性粉塵が複数のグリッドプレート220に付着したり、または複数のグリッドプレート220のうちの一部が損傷した場合、複数のグリッドプレート220の表面をクリーニングするか、または複数のグリッドプレート220のうちの損傷した一部のみ新たなグリッドプレート220に交替することによって、流動炉分散板200の維持補修効率を向上させることができ、また、同時に維持補修時間が最少化できる。
【0032】
更に、一実施形態による流動炉1000に含まれている流動炉分散板200は、複数のグリッドプレート220が従来の耐火材に比べて軽量である。このため、複数のグリッドプレート220の重量を支持するために流動炉分散板200と流動炉1000の底の間に柱が設置される必要がなく、流動炉1000の下部に供給される還元ガスの流量が低下することが抑制される。
即ち、複数のノズルを維持補修する必要がなく、軽量化されると同時に部分交替が容易になることによって、維持補修効率が向上し維持補修時間が最小化されて流動炉稼働率および流動炉効率を向上させる流動炉分散板200およびこれを含む流動炉1000が提供される。
【0033】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、次の特許請求の範囲で特定している本発明の基本概念を用いた当業者の様々の変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0034】
100 流動炉本体
200 流動炉分散板
210 サポートビーム
211 第1ビーム
212 第2ビーム
220 グリッドプレート
221 アウタプレート
221a 第1ノズルホール
222 インナプレート
222a 第2ノズルホール
230 ブラケット
240 上部サポートリング
250 下部サポートリング
251 サポート溝
260 セラミックロープ
1000 流動炉
CM1 第1耐火物
CM2 第2耐火物
ID 傾斜方向
IS 内部空間
GA 間隔
VD 垂直方向
【国際調査報告】