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特表2025-500738軽量で、収納体積が小さく、宇宙用途向けの展開可能な太陽光集光器
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-15
(54)【発明の名称】軽量で、収納体積が小さく、宇宙用途向けの展開可能な太陽光集光器
(51)【国際特許分類】
   F24S 23/71 20180101AFI20250107BHJP
   G02B 5/09 20060101ALI20250107BHJP
   H02S 20/32 20140101ALI20250107BHJP
   H02S 40/22 20140101ALI20250107BHJP
   F24S 23/72 20180101ALI20250107BHJP
   F24S 20/25 20180101ALI20250107BHJP
   F24S 25/13 20180101ALI20250107BHJP
【FI】
F24S23/71 010
G02B5/09
H02S20/32
H02S40/22
F24S23/72
F24S20/25
F24S25/13
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527555
(86)(22)【出願日】2022-11-14
(85)【翻訳文提出日】2024-07-09
(86)【国際出願番号】 US2022079841
(87)【国際公開番号】W WO2023087008
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】17/929,275
(32)【優先日】2022-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/264,027
(32)【優先日】2021-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/371,631
(32)【優先日】2022-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.KEVLAR
2.VECTRAN
3.ZYLON
4.DYNEEMA
5.SPECTRA
(71)【出願人】
【識別番号】518307237
【氏名又は名称】ルギャルド,インク.
【氏名又は名称原語表記】L’GARDE, INC.
【住所又は居所原語表記】15181 Woodlawn Avenue Tustin, CA 92780 (US)
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボリセイ,リンデン
(72)【発明者】
【氏名】パリソク,アーサー・リボーニオ
【テーマコード(参考)】
2H042
5F251
【Fターム(参考)】
2H042DA09
2H042DD04
2H042DD05
2H042DE03
5F251BA02
5F251JA23
(57)【要約】
本明細書に記載される例示的な実施形態は、軽量で収納体積が小さい太陽光集光器を含むことができる。太陽光集光器は、支持フレームと;支持フレームに結合された支持構造と;支持構造に結合された反射面とを含むことができる。太陽光線を集光する方法は、反射器を有するソーラーコレクタを用意することと;太陽の光線が反射器に当たるようにソーラーコレクタを位置付けることとを含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光集光器であって、
支持フレーム、
支持フレームに結合された支持構造、
支持構造に結合された反射面
を備える、太陽光集光器。
【請求項2】
反射面が複数の個々の反射部材を備える、請求項1に記載の太陽光集光器。
【請求項3】
支持構造がスレッドメッシュを備え、スレッドメッシュが支持フレームの第1の方向で第1の支持構造を画定し、スレッドメッシュが、第1の方向とは反対の支持フレームの第2の方向で第2の支持構造を画定し、スレッドメッシュが、第1の支持構造と第2の支持構造との間の中間構造を画定する、請求項1に記載の太陽光集光器。
【請求項4】
第1の支持構造が複数のノードを備え、個々の反射部材の個々の要素が複数の頂点を備え、複数の頂点のうちの第1の頂点が複数のノードのうちの第1のノードに結合され、複数の頂点のうちの第2の頂点が第2のノードに結合される、請求項3に記載の太陽光集光器。
【請求項5】
第1の支持構造が複数のノードを備え、個々の反射部材のそれぞれが複数の頂点を備え、複数の頂点が複数のノードに結合される、請求項3に記載の太陽光集光器。
【請求項6】
個々の反射部材のそれぞれが、3つの頂点を有する近似三角形を画定し、第1の支持構造が複数のノードを備え、個々の反射部材の第1の頂点が第1のノードに結合され、個々の反射部材の第2の頂点が第2のノードに結合され、個々の反射部材の第3の頂点が第3のノードに結合される、請求項3に記載の太陽光集光器。
【請求項7】
個々の反射部材が懸垂曲線状の縁部を備える、請求項6に記載の太陽光集光器。
【請求項8】
3つの頂点のうちの少なくとも1つが、スプリングを通して第1の支持構造に結合される、請求項7に記載の太陽光集光器。
【請求項9】
コレクタを更に備える、請求項1に記載の太陽光集光器。
【請求項10】
二次反射面を更に備える、請求項1に記載の太陽光集光器。
【請求項11】
支持フレームが剛性部材と可撓性部材とを備える、請求項1に記載の太陽光集光器。
【請求項12】
反射面が複数の個々の部材へとモザイク状にされ、個々の部材のそれぞれが、張力を受けたときに平坦な表面を備える、請求項1に記載の太陽光集光器。
【請求項13】
支持フレームが収納構成と展開構成とを備え、展開構成において、支持フレームが、支持構造を通して個々の部材のそれぞれに張力を付与するように構成される、請求項12に記載の太陽光集光器。
【請求項14】
太陽光線を集光させる方法であって、
反射器を有するソーラーコレクタを用意すること、
太陽の光線が反射器に当たるようにソーラーコレクタを位置付けること
を含む、方法。
【請求項15】
ソーラーコレクタを収納構成で用意すること、
ソーラーコレクタを展開構成に拡張すること
を更に含み、
ソーラーコレクタが、支持構造によって支持される複数の個々の反射部材を備え、ソーラーコレクタを拡張することが、個々の反射部材に張力を付与する、
請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権
この出願は、2022年9月1日に出願された米国特許出願第17/929,275号に対する優先権を主張し、米国特許出願第17/929,275号は、2021年11月12日に出願された米国仮出願第63/264,027号、及び2022年8月16日に出願された米国仮出願第63/371,631号に対する優先権を主張し、これらの特許出願及び仮出願は、引用によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
展開可能なソーラーコレクタは、太陽からエネルギーを収穫するために宇宙環境や月環境で使用できる。展開可能なソリューションは数多くあるが、依然として多くの問題を抱えている。例えば、膨張可能な設計は、経時的にエンクロージング構造から必然的にガスが放出されるため、時間の経過とともにガスを追加する必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本明細書に記載される例示的な実施形態は、太陽光集光器のための軽量で収納体積が小さい構成を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】本明細書に記載の実施形態による例示的なソーラーコレクタを示す図である。
図2】本明細書に記載の実施形態による例示的なソーラーコレクタを示す図である。
図3】本明細書に記載の実施形態による例示的なソーラーコレクタの例示的な分解構成要素部品図を示す図である。
図4】本明細書に記載の実施形態による例示的なソーラーコレクタの例示的なモザイク状反射面を示す図である。
図5図4の例示的なモザイク状反射面からの例示的な光線追跡を示す図である。
図6】本明細書に記載の実施形態による例示的なソーラーコレクタの例示的なモザイク状反射面を示す図である。
図6A】反射面の単一の反射部分の拡大図である。
図7】本明細書に記載の実施形態による収納構成の例示的なソーラーコレクタを示す図である。
図8】本明細書に記載の実施形態によるモザイク状反射面の支持構造内の例示的な膜を示す図である。
図9】本明細書に記載の実施形態によるモザイク状反射面の例示的な膜を示す図である。
図10】展開構成の例示的なソーラー反射器を示す図である。
図11A】本明細書に記載の実施形態による例示的なソーラーコレクタの支持フレームの収納構成から展開構成への展開を示す図である。
図11B】本明細書に記載の実施形態による例示的なソーラーコレクタの支持フレームの収納構成から展開構成への展開を示す図である。
図11C】本明細書に記載の実施形態による例示的なソーラーコレクタの支持フレームの収納構成から展開構成への展開を示す図である。
図12A】本明細書に記載の実施形態によるソーラーコレクタの例示的な展開方法を示す図である。
図12B】本明細書に記載の実施形態によるソーラーコレクタの例示的な展開方法を示す図である。
図12C】本明細書に記載の実施形態によるソーラーコレクタの例示的な展開方法を示す図である。
図13】月環境などの地表で使用できる用途における本明細書に記載の実施形態による例示的なソーラーコレクタを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下の詳細な説明は、本発明の原理を限定ではなく例として説明するものである。この説明は、明らかに、当業者が本発明を製造及び使用できるようにするとともに、本発明を実施する最良の方法であると現在考えられるものを含む、本発明の幾つかの実施形態、適応、変形、代替及び使用について説明する。図面は、本発明の例示的な実施形態を図式的および概略的に表したものであり、本発明を限定するものではなく、必ずしも縮尺通りに描かれているわけでもないことを理解すべきである。
【0006】
本明細書に記載の例示的な実施形態は、ソーラーコレクタを含むことができる。ソーラーコレクタは、外側フレームと反射面とを含むことができる。
【0007】
外側フレームの例示的な実施形態は、収納構成から展開構成に移行することができる。収納構成において、フレームの部材は、収納構成と展開構成との間の構成の変化に対応するように、屈曲したり、曲がったり、或いはさもなければ形状、向き、又は寸法が変化するように構成され得る。
【0008】
例示的な実施形態において、反射面は、収納構成で表面材料を変形する(折り重ねる)必要がないように、モザイク状にされてもよい。反射面は、形状がほぼ放物線状であってもよいが、個々のモザイク状の部材は、平坦であってもよく、単一の軸を中心に湾曲されてもよく、2軸を中心に湾曲されてもよく、又はさもなければ、結果として得られる放物線状面が全体形状の段階的な近似となるように形成されてもよい。個々の反射部材の例示的な実施形態は、略三角形の形状を備えてもよく、懸垂線状の外周側縁を有してもよい。個々の反射部材は、張力が付与されたメッシュ織物に取り付けることにより展開構成で張力を受けて保持されてもよい。メッシュ織物の例示的な実施形態は、展開構成で反射面を最終的な所望の形状に変形するために使用されてもよい。例示的な実施形態において、個々の反射部材は、所望の形状を保持するために剛性であってもよい。所望の形状は平坦であってもよい。また、所望の形状は、複数の個々の反射部材によって画定される反射面の全体的な曲率を改善するために、任意の構成で湾曲されてもよい。
【0009】
本明細書に記載の例示的な実施形態は、軽量で収納体積が小さい太陽光集光器を含むことができる。例示的な用途において、本明細書に記載の例示的な実施形態は、現場での資源利用のために月環境で容易に展開することができる。
【0010】
本発明の実施形態は、反射面を有するソーラーコレクタに関して本明細書で説明及び図示されているが、本発明の実施形態はこれに限定されるものではなく、他の展開可能な構造にもさらに適用可能であることを理解すべきである。例えば、同じ外側フレーム及びモザイク状の表面構造を、反射器、コレクタ、アンテナなどに使用することができる。ソーラーコレクタは、単に太陽光を集光させる実施形態でも使用することができ、本明細書で説明したコレクタなしで使用することもできる。
【0011】
図1は、本明細書に記載の実施形態による例示的なソーラーコレクタを示す。本明細書に記載のソーラーコレクタ100の例示的な実施形態は、反射面102及び外側フレーム104を含み得る。図示されるように、反射面102は、太陽光106からの光線108を焦点エリア110に反射するように構成され得る。
【0012】
外側フレーム104の例示的な実施形態は、反射面102を支持するように構成することができる。図示のように、外側フレーム104は、円形の断面を有する略円筒形の形態であってもよい。本明細書では、他の例示的な形状も考慮される。
【0013】
図2は、本明細書に記載の実施形態による例示的なソーラーコレクタを示す。図2の例示的なソーラーコレクタ200は、反射面102及び外側フレーム104を含む図1と同様であってもよい。しかしながら、コレクタの焦点エリアには、ミラーなどの第2の反射面202が位置付けられてもよい。第2の反射面202は、収集された太陽エネルギーを所望の場所にリダイレクトするために使用されてもよい。図示のように、太陽光線106は、一次反射面から第2の反射面202に反射される光線108となり、その後、再びコレクタ204に反射されてもよい206。コレクタは、集光された太陽エネルギーを受け取ることができる任意の構造であってもよい。例えば、コレクタは、太陽エネルギーによって加熱されるように構成される構造であってもよい。
【0014】
図2のコレクタ200の例示的な実施形態は、収集された太陽のエネルギーを所望の収集ポイントにリダイレクトできるようにする。例示的な実施形態において、コレクタ204及び/又は第2の反射器202は、太陽のエネルギーを所望の場所にリダイレクトするために、互いに対して、及び/又は一次反射面に対して移動するように構成されてもよい。例示的な実施形態において、一次反射器は、太陽を追跡するために移動、回転、及び/又は傾斜するように構成されてもよい。次に、二次反射器を使用して、収集された太陽エネルギーを静止した場所にあるコレクタにリダイレクトし、継続して使用してもよい。第2の反射器202及び/又はコレクタ204及び/又は一次反射器は、本明細書で説明されているように移動することができるように、並進ステージ、ジンバル、又はその他の構造上にあってもよい。例示的な実施形態において、第2の反射器202及びコレクタ204は、1つ以上のブーム208、210によって外側フレーム104に結合されてもよい。ブームは、構成要素を互いに対して所望の相対位置に位置付けるために、はまり込み(telescope)、回転、又は傾斜などの移動を行なうように構成されてもよい。
【0015】
反射面は軸周りに対称となるように示されるが、ここでは、他の例示的な実施形態も企図される。例えば、軸外焦点を構成してもよく、それに応じてコレクタ及び/又は二次反射器の対応する配置を再配置することができる。メッシュ構造の使用による一次反射面の構造に起因して、反射面の形状は任意の所望の表面形状に合わせて調整できる。例示的な形状は、焦点が反射面のほぼ軸上である円形、卵形、又は放物線状である。しかしながら、反射面の形状、構成、向き、又は一部分、及び支持構造に対する又は支持構造間の対応する取り付け部は、形状を変えることができ、したがって、軸外構成をもたらし得る。コレクタ又は二次反射器を支持するために使用されるブームは、反射面の設計、太陽の位置、一次反射器の向き及び/又は場所、その他の属性、又はそれらの組み合わせに応じて、それぞれの構成要素を所望の場所に位置付けるように設計され得る。
【0016】
図3は、本明細書に記載の実施形態による例示的なソーラーコレクタの例示的な分解構成要素部品図を示す。
【0017】
例示的な実施形態において、外側フレーム104は、収納構成と展開構成とを含むことができる。外側フレーム104は、ソーラーコレクタを収納構成から展開構成に移行するように構成することができる。例示的な実施形態において、外側フレーム104は、外側フレームが展開構成よりも収納構成でより小さな体積を満たすことができるようにするべく変形可能な部材304及び/又はヒンジ付き部材306を備えることができる。例示的な実施形態において、外側フレーム102は、外力の印加時に収納構成で変形し得るが外力が除去されたときに展開構成で記憶された形状に戻ることができる形状記憶材料の部材を備えることができる。温度依存性形状記憶材料など、他の展開可能な材料も使用でき、温度依存性形状記憶材料では、温度の変化を利用して材料をある形状から別の形状に移行させることができる。また、長さ方向の形状がバイアスした構成を有し、曲げて変形できるテープスプリングも使用できる。テープスプリングは、湾曲した形状など、変形、曲げ、巻き取りが可能なメジャーテープに似た輪郭のある断面エリアを含むことができるが、外力が除去されると細長い構成に戻る。
【0018】
例示的な実施形態において、外側フレーム104は、収納構成から展開構成に受動的に移行するように構成される。受動的な展開とは、膨張ガス、モータ、又は構造を展開するための他のアクションの使用など、展開を支援するために他の機械的アクションが必要ないことを意味する。例示的な実施形態において、受動的な展開は、ソーラーコレクタを収納構成に保持する拘束力(又は外力)を除去することによって実現できる。
【0019】
本明細書で説明する例示的な実施形態は反射面102を含む。例示的な実施形態では、反射面102がモザイク状になっている。モザイク状の表面は、ピース状反射部材302を使用することで、全体的な反射面の形状を作成する。ピース状部材302は、所望の構成で、全体的な反射面102の所望の形状を近似する。例えば、平坦なピース状部材は、それらのサイズが十分に小さく、隣接する部材に対して方向付けられて位置付けられる部材の組み合わせが放物面などの所望の構成を近似する場合に使用できる。近似は、コレクタの許容最大サイズとコレクタを通して太陽から収集されるべきエネルギーの量とを考慮することができる、設計全体の収集効率によって決定され得る。例示的な実施形態では、ピース状反射部材は、展開構成で部材が重ならないように、小さな隙間で互いに分離される。所与のサイズに対するコレクタの効率を改善するために、分離は最小限に抑えることが好ましい。しかしながら、ピース状部材間の隙間は、本明細書で説明されているように支持構造を位置付けるために使用されてもよく、したがって、非ゼロであってもよい。
【0020】
本明細書に記載の反射面の例示的な実施形態は、個々のピース状反射部材の組み合わせであるモザイク状の放物線状の反射面を備えることができる。個々のピース状反射部材は、反射面の所望の湾曲した形状を作成するために、本明細書に記載のように張力が付与されたメッシュ織物に取り付けられた懸垂線状の三角形のゴアであってもよい。個々のピース状反射面は、展開構成で張力が付与されるときに平面であってもよい。
【0021】
図4は、本明細書に記載の実施形態による例示的なソーラーコレクタのモザイク状反射面の例示的な上面図を示す。図示のように、全体的な反射面400は、略六角形の外周を画定できる。また、略円形、五角形、長方形、正方形などの他の形状も企図される。例示的な実施形態において、モザイク状反射面を作成するピース状反射部材402は、略三角形である。例示的な実施形態において、モザイク状反射面は、数百又は数千のピース状反射部材を備えてもよい。
【0022】
図5は、図4の例示的なモザイク状反射面からの例示的な光線追跡を示す。モザイク状反射面の例示的な実施形態は、コレクタのピース単位の制御を可能にするように構成され得る。図示のように、太陽光線の例示的な光線追跡は、ピース状反射部材から反射面の上方の焦点エリアへの太陽の光線の反射を示すために提供される。
【0023】
図6は、本明細書に記載の実施形態による例示的なソーラーコレクタの例示的なモザイク状反射面を示し、図6Aは、反射面の単一の反射部分の拡大図である。例示的な実施形態において、反射面600は、複数の個々のピース状部材602を備える。
【0024】
例示的な実施形態において、個々のピース状部材602は、反射構造の所望の形状を近似するように成形され、配向され、及び位置付けられる。例示的な実施形態では、個々のピース状部材602は平坦であってもよい。個々のピース状部材602は、1つ又は2つの軸を中心に湾曲されてもよい。
【0025】
個々のピース状部材602の例示的な実施形態は、膜を備えることができる。個々のピース状部材は、2つの透明フィルム間に金属化層を備えることができる。透明フィルムは、製造、輸送、収納、及び/又は展開中の金属化損失を低減するために使用することができる。例示的な実施形態は、金属化層が堆積された又は反射コーティングが施された単一の透明フィルムを使用することもできる。
【0026】
例示的な実施形態では、個々のピース状部材の滑らかさを改善し、太陽光の損失を最小限に抑えるために、個々のピース状部材は、展開構成で張力を受けることができる。ピース状部材の他の例示的な実施形態は、個々の部材の変形及び関連する太陽光の損失も低減することができる。例えば、個々の部材ピースは、剛性構造であってもよい。例えば、剛性構造は、ガラス、金属、複合材などであってもよい。剛性構造は、収集エリアへの太陽エネルギーの反射を改善する表面形状を備えていてもよい。
【0027】
図7は、本明細書に記載の実施形態による収納構成の例示的なソーラーコレクタを示す。
【0028】
図示のように、ソーラーコレクタ700の例示的収納構成により、ソーラーコレクタをコンパクトに収納できる。図示のように、外側フレーム704は、縦通材において曲げて、支柱を全体的に整列させるように再配向することで、体積を低減できる。反射面は、個々の部材の全体的な形状を維持しながら個々のピース状反射部材が支持構造の変形によって互いに対して移動するように折り重ねることができる。図示のように、複数の個々の反射部材は、収納構成で個々の反射部材が変形されたり折り重ねられたりしないように、互いの上に或いは互いに隣接して位置付けられてもよい。モザイク状の反射面の例示的な実施形態は、展開時に精密な反射面を維持しながら、システムの高効率な折り重ねと低質量とに寄与する。個々の反射部材が折り重ねられないように支持構造を意図的に折り重ねると、展開時の表面構成が改善される可能性がある。
【0029】
図8は、本明細書に記載の実施形態による、モザイク状反射面の支持構造の一部分内の例示的な個々のピース状反射部材を示す。
【0030】
例示的な実施形態において、反射面は、個々のピース状反射部材へとモザイク状にされる。反射面全体の例示的なモザイク状ピース800は、ピース状反射部材802と支持構造806とを含むことができる。支持構造806は、ピース状部材802から支持構造806までの間のコネクタ808を通してピース状反射面802に張力を付与するように構成されてもよい。ピース状反射部材の張力は、表面の変形を低減し、太陽光収集を改善することができる。
【0031】
図示のように、ピース状反射部材802は幾何学的形状を備えることができる。図示のように、ピース状反射部材802は、3つの頂点を有する略三角形である。正方形、長方形、五角形、六角形などを含む他の形状も本明細書では企図される。例示的な実施形態において、ピース状反射部材802は複数の頂点を備え、この場合、個々の反射部材の頂点は、ピース状反射部材802から支持構造806へとコネクタ808を通して結合される。例示的な実施形態において、接続は、展開構成において支持構造内で個々の反射部材802に張力を付与するために、スプリング810又は他の張力付与要素を含むことができる。
【0032】
図示のように、個々のピース状部材802の外周縁部が湾曲されてもよい。例示的な実施形態では、縁部が懸垂曲線状の縁部として形成される。他の構成は直線状の縁部を含んでもよい。懸垂線状の縁部を有する三角形のピース状部材の例示的な実施形態は、各三角形の角(頂点)での取り付けを可能とし、平らな反射面をもたらすように構成されてもよい。スプリングは、三角形の1つ以上の角(頂点)で支持構造に接続され、ソーラーコレクタが完全に展開されたときに反射三角形要素に張力を付与することができる。例示的な実施形態では、ピース状反射部材の1つの頂点のみに、スプリングを伴うなどの張力付与部材が結合される。スプリングは、巻き構造、及び/又は縦方向の弾性伸長可能構造、及び/又は長さが変化するように構成されて伸長したときに構造を短縮構成に戻す付勢力を有する別の構造からのものであってもよい。
【0033】
例示的な実施形態は、個々の反射部材として反射膜を含んでもよい。反射部材は、柔軟な膜ゴアであってもよい。膜は、ソーラーコレクタ全体のサイズと重量を低減するために使用されてもよい。また、あるいは代替的に、例示的な実施形態は、剛性反射部材を使用してもよい。剛性反射部材は、本明細書で説明されているように、支持構造によって支持されてもよい。剛性反射部材は、張力を受けても受けなくてもよく、及び/又は反射部材に追加の張力を適用するためにスプリングなどの張力付与要素を使用してもしなくてもよい。剛性反射部材は、平坦な及び/又は湾曲した表面形状を画定できる。少なくとも支持構造によって企図される張力適用に関しては、剛性反射部材にかかる張力に関係なく、表面形状が保持されてもよい。
【0034】
本明細書に記載される例示的な実施形態は、支持構造806を通して個々のピース状反射部材を支持する。支持構造の例示的な実施形態は、図7に関して記載されるように、容易に格納できる可撓性部材を備える。例示的な実施形態において、支持構造は、個々のピース状反射部材の頂点に隣接して位置付けられたノードで共に結合されるストリングを備える。ノードは、交差している、又は結び目であってもよく、或いはストリングを一点で共に取り付けたものであってもよい。ノードは、個々のピース状反射部材のための接続ポイントを作成することができる。
【0035】
支持構造の例示的な実施形態は、メッシュストリングフレームを備える。ストリングは、外側フレームに結合されて、外側フレームの内部を横切るパターンを成して延びてもよい。外側フレームが展開されると、メッシュストリングフレームが拡張されて所望の構成で位置付けられる。メッシュストリングのノードを使用して、反射面を所望の形状で位置付けることができる。
【0036】
図9は、本明細書に記載の実施形態によるモザイク状反射面の例示的な膜を示す。
【0037】
本明細書に記載されるように、個々の反射部材は、略平面であってもよい。平坦な部材の表面の滑らかさは、個々の反射部材に張力を付与することによって維持されてもよい。例示的な実施形態はまた、他の表面構成を含んでもよい。例えば、図9に示すように、個々の反射部材は、略平坦であり、そして、軸904を中心に湾曲されてもよい。個々の反射部材に沿う湾曲の軸は、隣接する個々の部材と異なっていてもよく、その結果、個々の部材がその形状及び向きに基づいて互いに隣接して位置付けられて個々の反射部材の組み合わせによって画定される反射面を中心にほぼ同じ方向に湾曲できる。反射面構成で組み合わされるとき、個々のピース状反射部材は、反射面周りで周方向に湾曲され、径方向外側の方向、又は周方向に対して垂直な方向で略直線状又は平坦になってもよい。個々の反射部材は、実質的に同じ形状で、実質的に同じ曲率を伴って、反射面を作成することができる。或いは、個々の反射部材は、形状がほぼ同じであるが様々な曲率を有して反射面を作成するという点で、異なっていてもよい。例示的な実施形態は、異なる湾曲構成も含む。例えば、個々の反射部材は、2つの異なる軸の周りで湾曲されてもよい。個々の反射部材は、球面、卵形、又は放物曲線の一部を含むことができる。例示的な実施形態では、個々の反射部材が2軸曲面を含む。湾曲の第1の軸は、湾曲が反射面の周囲にわたるように向けられてもよい。湾曲の第2の軸は、湾曲の第1の軸に対して垂直に向けられてもよい。
【0038】
図10は、展開構成における例示的なソーラー反射器を示す。
【0039】
本明細書に記載されるソーラーコレクタ1000の例示的な実施形態は、支持フレーム1004に結合されるネットメッシュ1006上に支持された反射面1002を含むことができる。支持フレーム1004は、支持構造の外形を概ね画定する剛性部材を含むことができる。支持フレーム1004は、ソーラーコレクタを収納構成と展開構成との間で移行するために使用され得る。展開構成では、支持フレーム1004はネットメッシュ1006を拡張し、内部支持構造に張力を付与する。支持フレーム1004は、収納構成と展開構成との間でフレームを拡張/収縮できるように、折り畳み可能な、回転可能な、可撓性を有する、又はその他の、構成を含むこともできる。
【0040】
図示のように、支持構造は、ノードで一緒になる複数のセグメントを備える。支持フレームの上側から下側までセグメントを共に取り付けることにより、支持表面における支持構造を所望の形状に輪郭付けることができる。例えば、支持構造の全体にわたる厚さが反射面の中央で最も薄く及び支持フレーム1004の近くで最も厚くなるように、支持構造を反対側に引っ張ってもよい。
【0041】
ネットメッシュの例示的な実施形態は、取り付けられる可撓性ストリングを備える。可撓性ストリングは、折り畳むことができ、コンパクトに格納できるように収納構成で変形できる。支持構造と個々の反射部材の折り重ねは、絡まりを低減するために特定のパターンを成すことができる。
【0042】
図10は、代表例としてのみ示される。反射面1002を画定する個々の反射部材は、一実施形態では、図6A及び/又は図8に更に正確に示されるように、ネットメッシュによって構成されて支持されてもよい。したがって、これらの実施形態に関する個々の反射部材の取り付けは、図10に示される構成にも同様に適用可能である。具体的には、反射面の個々の反射部材(図10では一般に三角形として示される)は、図8のピース状反射部材802であってもよい。個々の反射部材はそれで、図8の支持構造806であるネットメッシュを通して支持されてもよい。
【0043】
支持構造の例示的な実施形態は、反射面の下方に延びて支持構造に変形力を作り、反射面の形状を画定するメッシュ要素を含む。ネットメッシュの例示的な実施形態は、Vectranストリングネットワークを備える。図示のように、ピース状部材を支持するために使用される支持構造はストリングを備える。ストリング構成は、支持フレームの反対側にストリングが間で延在する状態でミラーリングされ得(直接に又は更なるノードを通して)、それにより、反射面が拡張時に所望の形状に変形される。ストリングの支持構造と支持フレームの反対側のストリングのミラー構造との間のノードの使用は、収納時及び/又は展開中にメッシュ構造の絡まりを制御又は低減するためであってもよい。更なるノードはまた、個々の反射部材を支持する支持構造に力を加えることによって所望の輪郭を作成するために使用されてもよい。
【0044】
図示のように、反射面1002は、個々の反射要素1012を支持するスレッドを備える支持構造1010を備える。スレッドを備える反対側の支持構造1014は、支持フレーム1004の反対側の支持構造の鏡像であってもよい。スレッドの中間メッシュ1016が、支持構造を反対側の支持構造に結合してもよい。支持構造、中間メッシュ、及び/又は反対側の支持構造におけるスレッドは、複数のスレッドが一緒になるノードを備えてもよい。
【0045】
本明細書に記載のソーラーコレクタの例示的な実施形態はフレームを含んでもよい。フレームは構造要素を備えてもよい。構造要素は、剛性及び/又は変形可能であってもよい。
【0046】
変形可能な構造要素に関する例示的な実施形態は、高強度構造繊維と樹脂マトリックスとの組み合わせである様々な複合材料を含んでもよい。高強度構造繊維は、とりわけ、炭素繊維、ガラス繊維、液晶ポリマー繊維、Vectran、Zylon、アラミド繊維、Kevlar、ノーメックス、高密度ポリエチレン繊維、Dyneema Spectraなどを含むが、これらに限定されない。樹脂は、エポキシ、ポリウレタン、シリコーン、エチレンプロピレン、ジエンモノマー、シアノアクリレート、ポリエステル、ビニルエステル、フェノール、アルキド、アクリル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリプロピレンなどを含み得るが、これらに限定されない。
【0047】
本明細書に記載の例示的な実施形態は構造要素を含む。構造要素の例示的な実施形態が形状記憶複合材料を含んでもよい。形状記憶複合材料は、外力が適用されるときに変形可能であり、外力が除去されたときに記憶された形状に戻る可撓性材料を含んでもよい。構造要素は、変形の事前形成又は事前設計された構造物に基づくのではなく、外力の適用に基づいて、非構造化変形を可能にすることができる。例示的な実施形態は、構造化変形及び/又は非構造化変形の両方を可能にすることができる構造変形ノードを備える。例示的な実施形態は、可撓性構造要素を結合するための剛性ノードを含んでもよい。本明細書に記載される例示的な実施形態は、構造要素から構造フレームを画定する。
【0048】
本明細書に記載される例示的な実施形態は、構造要素に結合された更なる可撓性部材を含んでもよい。可撓性部材は、可撓性部材に張力を適用することによって反射面を支持するように構成されてもよい。構造要素とは対照的に、可撓性部材は、事前定義された形状を伴わずに完全に可撓性であってもよい。構造要素は、構造要素に外部変形力が適用されていない場合に保持され得る、所定の記憶形状を有してもよい。構造要素は、構造要素を変形させる外部変形力の下で及び外部変形力が適用されたときに可撓性であってもよい。
【0049】
図示のように、反射面は支持構造によって支持されてもよい。支持構造はメッシュを備えてもよい。メッシュの例示的な実施形態は、炭素繊維、ガラス繊維、液晶ポリマー繊維(Vectran及び/又はZylon)、アラミド繊維(Kevlar及び/又はNomex)、高密度ポリエチレン繊維(Dyneema及び/又はSpectra)などを含むが、これらに限定されない高強度構造繊維を含んでもよい。
【0050】
例示的な実施形態において、更なる可撓性部材は、本明細書に記載されるネットメッシュなどの支持構造を画定することができる。例示的な実施形態では、反射面が更なる可撓性部材に結合されてもよい。反射面は、複数の個々のピース状部材を備えてもよい。支持構造に対する接続は、反射面を所望の向きに位置付けるために使用されてもよい。
【0051】
反射部材に関して、例示的な実施形態は、限定しないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ペルフルオロアルコキシ及びエチレンテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリスチレンなどのポリマーフィルムを含んでもよい。フィルムを反射性にするために、アルミニウム、銀、金などの金属を表面に堆積することができる。例示的な実施形態は、アルミニウムメタライズドマイラー(aluminium metalized Mylar)を含むことができる。銀又は金などの他の金属層も使用することができる。フィルム要素の候補は、金属化ガラスなどの剛性ミラー要素、又は片側に金属化又は金属化フィルムがラミネートされた薄い炭素複合材を含み得る。
【0052】
本明細書に記載の例示的な実施形態は、構造を非構造化形式で変形して容易に格納するために使用されてもよい。例示的な実施形態は、構造要素の受動的な記憶遷移を通じて展開構成に移行する展開構成を含んでもよい。
【0053】
図11A図11Cは、本明細書に記載の実施形態による例示的なソーラーコレクタの支持フレームの収納構成から展開構成への展開を示す。図11Aは、収納構成における外側フレームの例示的な部分を示し、図11Bは、部分的に展開/移行構成における外側フレームの例示的な部分を示し、図11Cは、完全に展開された構成における外側フレームの例示的な部分を示す。図示された部分は、説明を容易にするためのものである。図示の部分は、本明細書に記載され図示される実施形態に示されているように、円筒形フレームを画定するために、円形構成で繰り返されて変形され得ることが理解される。図11Bは、円/楕円を使用した形状記憶炭素複合(SMCC)材料の曲げ場所を表す。可撓性部分の例示的な実施形態は、特定の場所にヒンジ場所を含んでもよく、及び/又は可撓性部分は、異なる場所/又はフレームを折り畳むために力を適用することによって指示された場所での曲げを可能にするために、部材の長さに沿って可撓性であってもよい。
【0054】
例示的な実施形態において、外側フレームは、収納構成から展開構成に形状を変更できるように変形可能である。図示のように、外側フレームは複数の部材を備えてもよい。部材は、対角部材1104及びリム部材1102を備えてもよい。例示的な実施形態において、リム部材1102は、長さに沿って曲がる1108ように変形可能である。例示的な実施形態において、リム部材1102は、対角線が、展開構成では互いに全体的に角度があるように、収納構成では互いにほぼ平行になるように移行するように、内側に曲がるべく構成される。リム部材1102が曲がることで、収納構成の高さを対角部材1104の長さとほぼ等しくすることができる。例示的な実施形態では、2つの対角部材1104が、2つのリム部材とのジョイント1106で一緒になる。例示的な実施形態において、ジョイントは、2つの対角部材の一方に対する剛性取り付け部と、2つの対角部材の他方に対する回転的及び/又は可撓性取り付け部とを備える。例示的な実施形態において、ジョイントは、2つ以上の可撓性又は回転的接続部を備えることができる。例示的な実施形態では、ヒンジ接続により、下向きの対角線を互いに対して再整列させることができ、リム部材がその中で変形され得る。
【0055】
例示的な実施形態において、リム部材1102は、本明細書に記載されるように変形可能であってもよい。変形により、ヒンジ1108においてなどで部材を曲げることが可能となり得る。例示的な実施形態では、リム部材1102が形状記憶複合材料を備えてもよい。形状記憶複合体の例示的な実施形態は、外力を適用することによって構造の変形を可能にする。外力が除去されると、形状記憶複合体は記憶された形状に戻ることができる。例示的な実施形態では、記憶された形状は直線状の支柱部材である。記憶された形状は、形状記憶複合体の元の形状及び/又は力を加えられていない形状であってもよい。収納構成にあるとき、リム部材1102は支柱を垂れ下げることで変形することができる。例示的な実施形態において、形状記憶複合材料は、部材の非構造的変形を可能にすることができる。
【0056】
リム部材1102の例示的な実施形態は、折り重ね可能な構造要素を備えることができる。例示的な実施形態において、リム部材1102は、形状記憶炭素複合材料を含む。テープスプリング、スプリング、ヒンジ、付勢ヒンジなどの他の折り重ね可能な構造要素も含められ得る。ヒンジ付き構造の例示的な実施形態は、収納のために非常に効率的な折り重ねを可能にする。例示的な実施形態において、折り重ね可能な部材は、展開された形状に受動的に移行するように構成される。受動的な展開は、部材を展開構成に付勢することを通してでもよい。受動的な展開の例示的な実施形態は、他に制約がない限り構造が展開構成に戻るように、形状記憶材料の記憶された構成、スプリング又は圧縮要素などの付勢要素などを通してでもよい。
【0057】
本明細書に記載の外側フレームの例示的な実施形態は、トラス設計を含むことができる。本明細書に記載の例示的なトラスは、剛性炭素複合ロッド及び形状記憶炭素複合縦通材から構成されてもよい。例示的なロッドが剛性構造を備えてもよい。例えば、ロッドは、剛性炭素エポキシ複合材料を備えてもよい。縦通材が、本明細書に記載のように折り重ねるための形状記憶炭素複合ロッドを備えてもよい。炭素複合形状記憶材料の例示的な実施形態は、高弾性樹脂を含浸させた一方向炭素繊維を含む。
【0058】
図12A図12Cは、本明細書に記載の実施形態によるソーラーコレクタの例示的な展開方法を示す。
【0059】
例示的な展開方法は、本明細書に記載されるようにソーラーコレクタを用意することを含んでもよい。ソーラーコレクタは収納構成であってもよい。収納構成は、外側フレーム内の可撓性部材を曲げたり変形したりすることによって、外側フレームが折り畳み構成にあってもよい。内部支持構造も同様に変形することができ、個々の反射部材は、折り目が付かない収納構成に構成されてもよい。ソーラーコレクタは、外力の適用によって、収納構成に維持されてもよい。
【0060】
ソーラーコレクタを展開する方法は、外側フレームを拡張することを含んでもよい。外側フレームが形状記憶構成要素を含んでもよい。したがって、特定の温度の適用を通して、外力の除去を通して、及び/又は移行メカニズムの組み合わせを通して、外側フレームは展開構成に向けて拡張する。外側フレームが拡張すると、外側フレームは、内部支持構造を展開し、個々の反射部材を反射面形状に向けて引っ張る。
【0061】
ソーラーコレクタを展開する方法は、外側フレームを完全に展開された形状に移行させることを含む。完全に展開された形状では、外側フレームが内部支持構造に張力を付与する。また、内部支持構造も個々の反射部材に張力を付与できる。支持フレームの付勢に抗して完全に展開する構造の張力により、ソーラーコレクタが展開されたままになる。ソーラーコレクタは、光線焦点エリアにおけるコレクタを伴って、及び/又は光線焦点エリアに位置付けられ集めた光を別の場所のコレクタにリダイレクトするように方向付けられた二次反射器を伴って、所望の位置に位置付けられる。
【0062】
本明細書に記載の折り重ねプロセスの例示的な実施形態は、メッシュの絡み合いを軽減し、膜表面に発生する可能性のある折り目又はその他の反射器の変形による表面の乱れを低減しながら、反射要素を格納のためにコンパクトな構成で位置付けることができるようにするべく使用されてもよい。
【0063】
図13は、月環境などの地表で使用できる用途における、本明細書に記載の実施形態による例示的なソーラーコレクタを示す。
【0064】
本明細書に記載の例示的な実施形態は、軽量で、質量に対する出力が高く、収納体積が小さい太陽光集光器を含むことができる。例示的な実施形態は、現場の資源利用のために月面で太陽光を収集するのに使用するために設計される。例えば、酸素、水、金属、又は他の対象要素を月の表土から抽出することができる。したがって、本明細書に記載の実施形態による太陽光集光器は、月面で太陽光を集光するために、具体的には月の表土から酸素を抽出するために使用することができる。太陽光集光器の例示的な実施形態は、加熱源を提供する用途も有することができる。太陽光集光器は、建造物などの材料を溶かすために使用することができる。
【0065】
月面では、本明細書に記載のソーラーコレクタの例示的な実施形態は、プラットフォーム上に配置することができる。プラットフォームは、電動式であってもよい。電動式プラットフォームは、太陽を追跡するために回転及び/又は傾斜可能なターンテーブルを備えていてもよい。プラットフォームは、物理的な場所を移動するように構成されてもよい。例えば、プラットフォームは、表面を横切っての輸送のための車輪付きの下部を備えてもよい。車輪付きの下部は、ローバのように電動式であってもよい。
【0066】
月面における酸素、金属、水、その他の対象要素、熱、エネルギーなどの生産は、植民地化を支援するために望ましい。長期ミッションを支援するために、現場の資源と材料の利用をサポートする技術が強く望まれている。推進剤酸化剤と生命維持の両方のための酸素生産が特に望ましい。例えば、水素還元、炭素熱還元、真空熱分解などを含む、月の表土からの様々な酸素抽出方法が可能である。抽出方法の全て又は多くは、プロセスを推進するために直接太陽エネルギー入力を使用することができる。したがって、本明細書に記載されるソーラーコレクタの例示的な実施形態は、月面の表土から酸素を抽出するために使用できる。酸素のほかに、水も表土から採取でき、水は、月面での生命持続に使用できるほか、深宇宙旅行用の燃料として使用できる。本明細書に記載される例示的な実施形態は、太陽光発電アレイに光を集光してエネルギー又は電力を生成するためにも使用できる。
【0067】
本明細書では月面用途に関して記載されているが、本明細書に記載される例示的な実施形態は、他の地上用途又は宇宙用途に使用できる。例えば、本明細書に記載される例示的な実施形態は、低所得国などの資源及びインフラストラクチャが限られている場所をサポートするため、及び/又は軍隊の遠隔サポートなどのために、遠隔地に格納及び/又は出荷できる展開可能なソーラーコレクタを提供する、地球用途も有し得る。本明細書に記載される実施形態は、他の惑星又は小惑星などの他の天体表面でも使用できる。
【0068】
図13は、例示的な月面用途を示す。図示のように、ベルトスクープ1310又は他の輸送手段を使用して、表土をホッパ1308などのコレクタに送達することができる。次に、表土はチューブ又は他の輸送手段を通じてレシーバ1306に流れ得る。表土の流れは、レシーバで表土の所望の速度及び/又は一定速度を与えるように制御することができる。レシーバ1306は、本明細書に記載される実施形態によるソーラーコレクタ1300の太陽エネルギーのコレクタであってもよい。本明細書に記載されるソーラーコレクタ1300の例示的な実施形態では、ソーラーコレクタ1300は、太陽エネルギーを焦点エリアに反射するように構成された反射面1302を含むことができる。焦点エリアに位置付けられたソーラーコレクタ1300は、収集した太陽エネルギーをレシーバ1306などの別の場所に導くための第2の反射器1304を含んでもよい。太陽エネルギーの集中により、レシーバの温度が所望の反応温度まで上昇する場合がある。本明細書に記載されるように、ソーラーコレクタ1300は、太陽を追跡するなど、所望の位置に反射面1302を含むソーラーコレクタ1300を並進させ、仰角変更させ、回転させ、傾斜させ、又はさもなければ位置付けることができるスタンド1312も含んでもよい。例示的な実施形態において、スタンドは、太陽の位置に応じてソーラーコレクタの場所を変更するために、月面ローバの一部であってもよく、または月面ローバ上に位置付けられてもよい。
【0069】
月面への適用を考えると、反射面からの太陽光の継続的な反射にとって、月の塵が問題となる場合がある。例示的な実施形態において、ソーラーコレクタは、塵の軽減手段を備えることができる。例示的な実施形態において、反射面は、月の塵をはじくために帯電されてもよい。例示的な実施形態において、表面は、金属表面に給電することによって帯電されてもよい。例示的な実施形態は、また、あるいは代替的に、反射面及び/又は支持構造の内部又は反射面及び/又は支持構造の上に導電性トレースを含むことができる。ワイヤ、表面、トレースなどを通した電荷は、反射要素の表面への月の塵の堆積をはじく方法として電場を適用するように構成することができる。また、あるいは代替的に、塵を軽減するための他のオプション、例えば、塵を払い落とす振動、又はブラシ若しくはワイパーなどを使用する機械的な拭き取り機構を組み込むことができる。システムは、反射要素を振動させることができるように支持構造を動かすように構成できる。例えば、支持フレームを収納場所に向けて動かして解放すると、支持構造が緩み、反発して張力が適用され、それにより反射部材が動かされる。支持構造と反射部材に振動を適用するために、機械的な機構を使用して、支持構造の1つ以上のねじ山を動かし、ねじ山を解放できる。
【0070】
本明細書に記載の例示的な実施形態は、塵軽減特徴を含んでもよい。例えば、例示的な実施形態は、反射面上、例えば個々のピース状反射部材及び/又はそれに対する支持構造上に位置付けられた導電性グリッドを含んでもよい。導電性グリッドは、塵粒子をはじくために帯電されてもよい。月の塵粒子は、昼間は正に、又は夜間は負に帯電することが知られている。したがって、反射面の電荷が制御され、塵を反射面からはじくために、月の塵の電荷と同じになるようにしてもよい。
【0071】
導電性グリッドの例示的な実施形態は、コレクタの効率を維持するために、高度に透明であってもよい。導電性グリッドの透明性は、一例では、サブミクロンスケールのグリッドラインを使用することによって達成されてもよい。
【0072】
本明細書に記載の例示的な実施形態には、軽量で収納体積が小さい太陽光集光器を含むことができる。例示的な用途において、本明細書に記載の例示的な実施形態は、現場での資源利用のために月環境に容易に展開することができる。
【0073】
本明細書に記載される例示的な実施形態は、宇宙用途で使用するための軽量で収納体積が小さい展開可能な太陽光集光器を含む。
【0074】
本明細書に記載される例示的な実施形態は構造要素を含む。構造要素は形状記憶材料を備えることができる。形状記憶材料の例示的な実施形態は、最終構成に成形及び硬化することができる。硬化後、構造部材を非構造的な方法で変形させることにより、形状記憶材料を積極的にパッケージ化して収納することができる。構造要素の変形により、ひずみエネルギーが蓄積され得る。解放されると、形状記憶材料は、成形及び硬化された構成に受動的に戻り得る。例示的な実施形態は、拘束された構造を解放するだけで展開可能な軽量で収納体積が小さい構造を備えることができる。
【0075】
本明細書に記載の例示的な実施形態は、モザイク状の反射面を含むことができる。本明細書で使用され得るモザイク状の反射面は、近似的な湾曲した形状を作成するために、張力が付与されたメッシュ織物に取り付けられた反射要素の組み合わせを含むことができる。
【0076】
例示的な実施形態は、構造要素と反射面との組み合わせを含むことができる。本明細書に記載される特徴を組み合わせると、現場の資源利用など、様々な宇宙用途で太陽エネルギーを反射するだけでなく集中させることができる、非常に正確な反射面形状が得られ得る。
【0077】
本明細書に記載のソーラーコレクタの例示的な実施形態は、膨張ガスを使用せずに展開することができる。例示的な実施形態は、膨張ガス、機械的アクチュエータ、及び/又は更なる構成要素を伴わずに、集光器を展開し、及び/又は集光器の所望の展開形状を維持することができる。それによって、例示的な実施形態は、宇宙用途に関係する複雑さ、重量、及び/又は他の主要な要因を低減することができる。したがって、宇宙用途の他の太陽光集光器に優る本明細書に記載の実施形態の例示的な利点は、展開又は表面精度の維持に膨張ガスを必要としないことであり得る。
【0078】
本明細書に記載の例示的な実施形態は太陽光集光器を含む。ソーラーコレクタは、支持フレームと;支持フレームに結合された支持構造と;支持構造に結合された反射面とを含むことができる。
【0079】
太陽光集光器は、更なる特徴の任意の組み合わせを含むことができる。例えば、反射面は、複数の個々の反射部材を備える。支持構造はスレッドメッシュを備えることができる。スレッドメッシュは、支持フレームの第1の方向で第1の支持構造を画定することができる。スレッドメッシュは、第1の方向とは反対の支持フレームの第2の方向で第2の支持構造を画定することができる。スレッドメッシュは、第1の支持構造と第2の支持構造との間の中間構造を画定することができる。第1の支持構造は複数のノードを含むことができる。個々の反射部材の個々の要素は、複数の頂点を含むことができる。複数の頂点のうちの第1の頂点は、複数のノードのうちの第1のノードに結合され、複数の頂点のうちの第2の頂点は、第2のノードに結合される。
【0080】
例示的な実施形態では、第1の支持構造が複数のノードを含むことができ、個々の反射部材のそれぞれが複数の頂点を備え、複数の頂点が複数のノードに結合される。
【0081】
例示的な実施形態において、個々の反射部材のそれぞれは、3つの頂点を有する近似三角形を画定し、第1の支持構造が複数のノードを備え、個々の反射部材の第1の頂点が第1のノードに結合され、個々の反射部材の第2の頂点が第2のノードに結合され、個々の反射部材の第3の頂点が第3のノードに結合される。
【0082】
例示的な実施形態において、個々の反射部材が懸垂曲線状の縁部を備える。
【0083】
例示的な実施形態において、3つの頂点のうちの少なくとも1つがスプリングを通して第1の支持構造に結合される。
【0084】
例示的な実施形態において、太陽光集光器は、コレクタ及び/又は二次反射面を含むことができる。
【0085】
例示的な実施形態において、支持フレームは、剛性部材と可撓性部材とを備える。支持フレームは収納構成と展開構成とを備え、展開構成において、支持フレームは、支持構造を通して個々の部材のそれぞれに張力を付与するように構成される。
【0086】
例示的な実施形態において、反射面は、複数の個々の部材へとモザイク状にされてもよく、個々の部材のそれぞれは、張力を受けたときに平坦な表面を備える。個々の部材の他の構成も本開示内に含まれる。個々の部材は、第1の軸及び/又は第2の軸で湾曲されてもよい。
【0087】
本開示の例示的な実施形態は、太陽光線を集光させる方法を含む。本明細書に記載される方法の例示的な実施形態は、反射器を有するソーラーコレクタを用意することと;太陽の光線が反射器に当たるようにソーラーコレクタを位置付けることとを含む。この方法は、ソーラーコレクタを収納構成で用意することと;ソーラーコレクタを展開構成に拡張することとを含むことができる。ソーラーコレクタは、支持構造によって支持される複数の個々の反射部材を含むことができ、ソーラーコレクタを拡張することが、個々の反射部材に張力を付与する。
【0088】
本明細書で使用されている、任意の数値、範囲、形状、距離、相対関係などに対する「約」、「実質的に」、又は「およそ」という用語は、部品又は構成要素の集合が本書で説明されているようにその意図された目的のために機能することを可能にする適切な寸法公差を示す。本明細書では数値範囲も提供される場合がある。特に明記されていない限り、各範囲は、終点と、与えられた範囲内の任意の量を含むことを意図している。したがって、2-4の範囲は、2、3、4、及び2.1、2.01、2.001などの2と4の間の任意の下位区分を含む。範囲には、2-4に2-3と3-4とが含まれるなど、範囲の任意の組み合わせも包含される。
【0089】
本発明の実施形態は、添付図面を参照して十分に説明されているが、当業者には様々な変更や修正が明らかになることに留意されたい。このような変更や修正は、添付の請求項によって定義される本発明の実施形態の範囲内に含まれるものと理解される。具体的には、例示的な構成要素が本明細書に記載されている。これらの構成要素の任意の組み合わせは、任意の組み合わせで使用することができる。例えば、任意の構成要素、特徴、ステップ、又は部品は、統合される、分離される、細分化される、除去される、複製される、追加される、又は任意の組み合わせで使用されることができ、本開示の範囲内にとどまることができる。実施形態は例示的なものにすぎず、特徴の例示的な組み合わせを提供するが、これに限定されるものではない。
【0090】
本明細書及び請求項で使用されるとき、「備える」及び「備えている」という用語及びその変形は、指定された特徴、ステップ、又は整数が含まれることを意味する。これらの用語は、他の特徴、ステップ、又は構成要素の存在を排除するものと解釈されるべきではない。
【0091】
前述の説明、又は以下の請求項、又は添付の図面に開示された特徴は、特定の形式で、或いは開示された機能を行うための手段、又は開示された結果を達成するための方法若しくはプロセスの観点から適宜表現され、別々に、又はそのような特徴の任意の組み合わせで、本発明を多様な形式で実現するために利用することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図6A
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図12C
図13
【国際調査報告】