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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-15
(54)【発明の名称】重量測定計量ユニット
(51)【国際特許分類】
   G01G 13/20 20060101AFI20250107BHJP
   B65G 65/46 20060101ALI20250107BHJP
【FI】
G01G13/20
B65G65/46 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024528544
(86)(22)【出願日】2022-11-14
(85)【翻訳文提出日】2024-07-16
(86)【国際出願番号】 IB2022060929
(87)【国際公開番号】W WO2023084480
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】CH070559/2021
(32)【優先日】2021-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518330545
【氏名又は名称】ケイ-トロン テクノロジーズ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】K-TRON TECHNOLOGIES, INC.
【住所又は居所原語表記】590 Woodbury Glassboro Rd.,Sewell,NJ 08080 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100194113
【弁理士】
【氏名又は名称】八木田 智
(74)【代理人】
【識別番号】100149799
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 陽一郎
(72)【発明者】
【氏名】ベルネガー,メン
(72)【発明者】
【氏名】レーマン,ロルフ
(72)【発明者】
【氏名】ヘルフェンシュタイン,ウルス
【テーマコード(参考)】
2F046
3F075
【Fターム(参考)】
2F046BB02
3F075AA08
3F075BA01
3F075BB03
3F075CA02
3F075CA04
3F075CA06
3F075CA09
3F075CB01
3F075CB16
3F075CC03
3F075CC05
(57)【要約】
本発明は、計量されるバルク材用の容器(8)を有する計量手段(2)と、ベースユニット(4)とを有するバルク材用の重量測定計量ユニットに関し、ベースユニット(4)は、可撓性密封要素を有する接続デバイスを介して計量ユニット(1)の出口ラインに供給される搬送路を有し、 接続デバイスを介して、搬送路を出口ラインに作動可能に接続し、また出口ラインから再び取り外すことができ、接続デバイスが、密封要素を少なくとも出口ラインまたは搬送路のいずれか一方に、または両方に作動可能に接続するための磁気固定配置を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルク材料用の重量測定計量ユニットであって、計量されるバルク材料用の容器(8)と、ベースユニット(4)とを有する計量手段(2)を備え、前記ベースユニット(4)は、可撓性密封要素を有する接続デバイス(17)を通って前記計量ユニット(1)の出口ライン(24)に供給する搬送路(23)を備え、前記搬送路(23)は、前記接続デバイス(17)を介して前記出口ライン(24)に作動可能に接続され、再び前記出口ライン(24)から取り外すことができ、
前記接続デバイス(17)は、前記密封要素を前記出口ライン(24)または前記搬送路(23)の少なくとも一方、または両方に作動可能に接続するための磁気安全装置(28)を備えていることを特徴とする、重量測定計量ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の重量測定計量ユニットであって、前記磁気安全装置(27)は、前記接続デバイス(17)内の前記可撓性密封要素を稼動位置に位置決めするための機械的位置決め装置(29)と、前記可撓性密封要素を稼働位置に磁気的に固定するための磁気固定装置(30)とを有する、重量測定計量ユニット。
【請求項3】
請求項1に記載の重量測定計量ユニットであって、前記機械的位置決め装置(29)は、前記可撓性密封要素上の停止要素と、前記出口ライン上に配置された接続ピース(26)上、または前記ベースユニット(4)上に配置されたキャリア(27)上の停止要素と対向するように設計された更なる停止要素とを有し、これらの前記停止要素は、前記接続ピース(26)上または前記キャリア(27)上の、前記可撓性密封要素の稼動相対位置を決定する、重量測定計量ユニット。
【請求項4】
請求項3に記載の重量測定計量ユニットであって、前記停止要素は位置決めピンを有し、対向するように設計された停止要素は、前記位置決めピンと対向するように設計された開口部を有する、重量測定計量ユニット。
【請求項5】
請求項3に記載の重量測定計量ユニットであって、前記停止要素は、前記可撓性密封要素に設けられた開口部を有し、対向する停止要素は、前記接続ピースまたは前記キャリアに対して固定された位置決めピンを有する、重量測定計量ユニット。
【請求項6】
請求項4に記載の重量測定計量ユニットであって、前記可撓性密封要素は、位置決めピン用の開口部を備えた安全部分を有する、重量測定計量ユニット。
【請求項7】
請求項1に記載の重量測定計量ユニットであって、前記可撓性密封要素がベローズ(25)として設計されていることを特徴とする、重量測定計量ユニット。
【請求項8】
請求項6及び7に記載の重量測定計量ユニットであって、前記安全部分は前記ベローズから径方向に突出するフランジ(33,33')として設計され、フランジ(33,33')は前記ベローズ(25,25')の少なくとも一端または両端に設けられている、重量測定計量ユニット。
【請求項9】
請求項2に記載の重量測定計量ユニットであって、前記磁気固定装置(30)は、前記可撓性密封要素上に磁気有効領域と、また対向して、前記出口ライン上に配置された前記接続ピース(26)上または前記ベースユニット(4)上に配置された前記キャリア(27)上に磁気有効領域とを有し、これらの有効領域は、前記接続ピース(26)上または前記キャリア(27)上の前記可撓性密封要素の稼動相対位置を稼動可能に固定する、重量測定計量ユニット。
【請求項10】
請求項9に記載の重量測定計量ユニットであって、前記可撓性密封要素は安全部分を有し、前記可撓性密封要素上の前記磁気有効領域は、少なくとも1つの磁気固定要素によって形成され、前記磁気固定要素は、稼働位置において、前記安全部分をそれ自体と前記接続ピースまたは前記キャリアのいずれかとの間に封じ込み、その結果、前記可撓性密封要素を稼働位置に稼動可能に固定し、固定要素は、次に、その位置に磁気的に保持される、重量測定計量ユニット。
【請求項11】
請求項4及び9に記載の重量測定計量ユニットであって、1つの磁気有効領域は、磁石として設計された位置決めピン(32,32')によって形成される、重量測定計量ユニット。
【請求項12】
請求項11及び6に記載の重量測定計量ユニットであって、磁石として設計された前記位置決めピン(32,32')が、少なくとも前記接続ピース(26)上または前記キャリア(27)上またはその両方に配置され、前記位置決めピン(32,32')のために前記可撓性密封要素に設けられた前記開口部(31,31')を通って一方の側から延伸し、さらに前記開口部(31,31')の反対側には、少なくとも1つの磁気固定要素が設けられており、前記磁気固定要素は、それ自体と前記接続ピース(26)との間、またはそれ自体と前記キャリアとの間で前記可撓性密封要素の前記安全部分を封じ込み、磁石に磁気的に固定されて、次に、前記可撓性密封要素を稼働ベアリングに固定する、重量測定計量ユニット。
【請求項13】
請求項11及び6に記載の重量測定計量ユニットであって、磁石として設計された前記位置決めピンが前記固定要素に配置され、一方の側から前記可撓性密封要素に設けられた位置決めピン用開口部を通って延伸し、さらに、他方の側において、磁気的に有効な開口部が前記接続ピース又はキャリアに設けられ、前記固定要素が、それ自体と前記接続ピース又は前記キャリアとの間で前記可撓性密封要素の前記安全部分を封じ込み、前記開口部に磁気的に固定され、前記可撓性密封要素を稼働ベアリングに固定する、重量測定計量ユニット。
【請求項14】
請求項3に記載の重量測定計量ユニットであって、前記磁気固定配置は、前記機械的位置決め配置とは別物であり、前記接続ピース内または前記キャリア内に配置された磁石を有し、前記固定要素は、磁気的に有効であるように設計されており、前記固定要素は、それ自体と前記接続ピースとの間又はそれ自体前記とキャリアとの間で前記可撓性密封要素の前記安全部分を封じ込み、磁石に磁気的に固定されて、前記可撓性密封要素を稼働ベアリングに固定する、重量測定計量ユニット。
【請求項15】
請求項10又は12に記載の重量測定計量ユニットであって、前記磁気固定要素が強磁性リング(34,34')として設計されている、重量測定計量ユニット。
【請求項16】
請求項10又は12に記載の重量測定計量ユニットであって、前記固定要素が磁石を有する、重量測定計量ユニット。
【請求項17】
請求項10又は12に記載の重量測定計量ユニットであって、前記固定要素は、好ましくは固定リングとして設計され、ハンドル(36)を有し、特に好ましくは強磁性体として設計される、重量測定計量ユニット。
【請求項18】
請求項1に記載の重量測定計量ユニットであって、前記搬送路(23)が水平に配置されていることを特徴とする、重量測定計量ユニット。
【請求項19】
請求項1又は18に記載の重量測定計量ユニットであって、前記密封要素の前記出口ライン(24)に面する端部が、搬送方向において、前記搬送路(23)の前記出口ライン(24)に面する端部と同じか、またはそれより後方に配置され、稼働中に前記搬送路(23)から出される前記バルク材料の流れが前記密封要素に到達しないようにすることを特徴とする、重量測定計量ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプレアンブルに記載の重量測定計量ユニットに関する。
【0002】
ロスインウェイトフィーダーとしても知られる重量測定計量手段は、あらゆる種類の流動性材料またはバルク材料、すなわちともかく重量測定計量手段によって搬送できる限りのバルク材料に対して、産業の多くの分野で広く使用されている。この場合、バルク材料は、容器に分配され、容器からその下に位置するベースユニットに分配され、ベースユニット内に位置するコンベアによって計量手段から出口ラインへ分配される。計量手段は重量計の上に設置されているため、重量計によって記録される重量は総重量、すなわち計量デバイスの構成部品の既知の一定重量(風袋)と、容器内およびベースユニット内に現在存在するバルク材料の変動重量(正味重量)とを足したものである。
【0003】
このようにして、重量計は、稼働中の計量手段全体の重量損失を、従って、計量手段の重量は一定のため、計量デバイス内に存在するバルク材料の重量損失を連続的に記録するため、計量手段の制御装置は、重量損失から分配されたバルク材料の実際の質量流量を特定し、所定の目標質量流量と比較して、実際の質量流量と目標質量流量との差を最小限に抑えるために、分配コンベアを適宜制御することができる。
【0004】
医薬品の分野や工業生産において着色顔料を添加する場合などには、産出質量流量の非常に精密な制御が必要となる場合がある。さらに、目標質量流量は、前述の着色顔料や医薬品の製造の場合には小さく(例:1時間当たり数キロ未満)、例えばプラスチックの製造や採鉱の場合には大きくなる(例:1時間当たり1トン超)ことがあり、このような搬送可能容量に対して精密な計量も必要になることがある。さらに、異なるバッチが次々に投入されることがあり、その場合、定期的なメンテナンスに加えて、バルク材料に応じて追加の徹底的な洗浄が必要になる場合がある。
【0005】
重量計として、コペリオン K-トロン社のSFT-III、SFT-II-M、SFT-II-Lなどとして知られる振動ワイヤセンサーを備えた重量計など、計量範囲の分解能が、1:100,000以上のあらゆる種類の精密な重量計がよく使用されている。これらの重量計の分解能は最大1:4,000,000であるため、数百キロの容器収容可能容量及び1時間あたり数トンの搬送速度でも、問題なく精密な計量を行うことができる。例えば、1:1,000,000の分解能を使用した場合、100kgの容器収容可能容量の重量計で重量を1/10gの精度まで記録され計量に使用されうる。
【0006】
計量に重量計の精度を活かすため、出口ラインへの接続は、計量手段の重量方向の構成部品によって力が出口ラインから計量手段に伝達されないように設計する必要がある。そうでなければ重量計は、実際の重量損失に加えてそのような力を測定し、その結果、制御装置は計量手段の誤った重量変化を使用して、実際の質量流量を調節することになるからである。
【0007】
多くの場合、非垂直コンベア、すなわち水平コンベアまたは傾斜コンベアが好ましい。水平コンベアでは重力が搬送方向に作用せず、したがって干渉しないため、この方法ではバルク材料の流体力学的挙動を多少良好に制御できるからである。例えば、より長いスクリューコンベアが、水平コンベアとしてよく適している。これは、適切に駆動すると、実際の流量を、その回転速度によって極めて容易にかつ遅延なく変化させることができ、また、ホッパーからの質量流と計量ユニットの外部に位置する収集容器までの間を、実際の質量流量自体に不利を生じることなく適切につなぐことができるからである。多くの場合、前述のタイプの計量手段におけるこのようなコンベアは、軸の端部でホルダー中に固定され、ホルダーはコンベアをそのコンベアチューブ内で正確に位置合わせされた状態で支持し、それによって搬送路が形成される。
【0008】
出口ラインに搬送路を接続するために、接続デバイスが提供される場合が多く、この接続デバイスは、可撓性密封要素を有し、この可撓性密封要素は、その可動性により、搬送路(したがって、計量手段)と出口ラインとの間の相対移動を可能にし、相対移動から生じる力から計量手段を切り離す。これらの相対移動は、使用される重量計のタイプによっては非常に小さくなることもあるが、それでも関連している。接続デバイスは、前述のバルク材料に適したものでなければならないため、例えば、防塵設計になっており、すなわち、通常は、シールを備えたねじ接続部を介して、または締め付けリングを介して、搬送路および出口ラインに接続される。前述したように、バッチを変更するとき、または敏感なバルク材料を取り扱うときは、可撓性のある密閉要素(および接続デバイス全体)を洗浄または交換しなければならない。
【0009】
例えば、「K4G-Lグループ/K-トロン社 製品情報、K4G連続重量測定ブレンダー」のパンフレットにあるように、複数の計量ユニットが共通の出口ラインの周りにスポーク状に一か所にまとめられている場合、設計上、比較的高度なメンテナンスの労力を要することに加えて、出口ラインの位置が窮屈な状態になり、取り付け作業者が接近しにくい場合があり、メンテナンス時間が長くなるため、計量ユニットを組み立てるときにメンテナンス作業用の追加スペースを用意しなければならないことがよくある。
【0010】
従って、本発明の目的は、メンテナンス時間を節約し、限られたスペースでも簡単に組み立ておよび分解できる計量ユニットまたは計量手段のための搬送装置を提供することである。
【0011】
この目的は、請求項1の特徴を有する計量ユニットによって解決される。
【0012】
磁気接続が提供されることにより、ねじ接続などの既知の取り外し可能な接続は不要となり、その結果、工具を適用するスペース(及び必要な工具の移動)が不要となる。さらに、磁気接続は、基本的には、どこでも、計量手段の背面でも、軽く引っ張るだけで解除できるスナップ接続であり、元の位置に戻すと、自動的に所定の位置にカチッと収まるため、接続を固定したり外したりする時間が不要となる。
【0013】
さらに好ましい実施形態は従属請求項の特徴を含む。
【0014】
以下、図面を参照して本発明をより詳細に説明する。
【0015】
図において、
図1は、先行技術による計量ユニットを概略的に示している。
図2は、本発明による計量ユニットの実施形態を示し、
図3は固定リングを有するベローズの図である。
【0016】
図1は、前述のタイプのバルク材料用の先行技術による重量測定計量ユニット(1)を概略的に示している。計量ユニット(1)では、ホッパー(3)とベースユニット(4)とを備えた計量手段(2)が、フレーム(6)内の重量計(5)の上方に吊り下げられている。
【0017】
稼働中、ホッパー(3)にバルク材料が充填され、バルク材料はここでベースユニット(4)の移行ホッパー(7)(これは省略することもできる)を経由してコンベア収容器(8)に落下する。コンベア収容器(8)からはスクリューコンベア(9)が突出しており、このスクリューがバルク材料を右から左に出力ライン(10)に搬送する。出力ライン(10)を経由してバルク材料は後続のコンベア部(11)(破線で表示)に到達し、さらに処理される。ホッパーは空になる前に再充填される。
【0018】
ベースユニット(4)は、コンベア収容器(8)に加えて、ギア(13)を有する駆動モータ(12)と、駆動モータによって駆動されるスクリューコンベア(9)とを備えており、スクリューコンベア(9)は、ホルダー(14)のマンドレルに取り付けられ、コンベア収容器(8)の次に、同じくベースユニットに属する搬送路(15)を通って出口ライン(10)まで延びている。ベースユニット(4)または搬送路(15)は、ここではベローズ(17)として設計され、粉末状バルク材料も完全に密閉する可撓性密封要素を介して出口ライン(10)から機械的に切り離されており、計量ユニット(2)の計量が出口ライン(10)の影響を受けないようになっている。ベローズ(17)は、出口ライン(10)および搬送路(15)上の関連するねじ接続部とともに、搬送路(15)を出口ライン(10)に接続するための接続デバイス(17)を形成する。
【0019】
計量手段(2)は、支持体(19)を介して重量計(5)上に載り、重量計(5)は、計量手段(2)の重量と、ホッパー(3)内(およびベースユニット(4)内)にあるバルク材料の重量とを記録する。計量デバイス(2)の重量測定稼動中に、バルク材料がスクリューコンベア(9)の回転によって後続のコンベア部(11)に排出されると、その重量はそれに応じて減少し、この重量は重量計(5)に記録され、次に制御装置(図の複雑さを軽減するために図示せず)によって評価される。重量の減少は、排出されるバルク材料の実際の質量流量に対応し、目標質量流量に調整されなければならない。この目的のために、制御装置は、当業者に公知の制御アルゴリズムに従って、駆動モータ(12)によりスクリューコンベア(9)の速度を継続的に補正する。
【0020】
例えば、複数の計量ユニット(1)が共通の出口ライン(10)の周りに一か所にまとめらている場合、ベローズ(16)のメンテナンス又は洗浄は、右側から、モータ(12)、コンベア収容器(8)、および搬送路(15)と通過して実行する必要があるが、これは手間がかかり、特にベローズ(16)の位置のスペースが限られている場合は、工具の使用が困難になる。
【0021】
図2は、本発明による計量ユニットのベースユニット(20)の一部を示した図であり、図1の計量ユニット(1)の破線領域(18)に対応する。この図では、図示された構成部品の3分の1が切り取られており、図の上半分は断面で示され(切断面は図面平面にある)、図の下半分は下から斜めに切断された断面で示され、切断面は図面平面に対して約30度傾斜している。
【0022】
コンベヤ収容器(21)が見え、その中にスクリューコンベヤ(22)が突出しており、スクリューコンベヤ(22)は、コンベヤ収容器(21)の次に、搬送路(23)を通って出口ライン(24)までさらに左へ延びており、その出口ライン(24)に、今度は自由に吊り下げられた状態で、したがって接触することなく突出している。稼働中、搬送されたバルク材は、コンベヤ収容器(21)から回転するスクリューコンベヤ(22)を経由して左側の出口ライン(24)に入り、そこで、図2には示されていないが、後続のコンベヤ部(11)(図1)の下方に落下する。
【0023】
本発明によれば、接続デバイス(17)は、図示の実施形態ではベローズ(25)として設計されている可撓性密封要素、並びに接続ピース(26)及びベローズ(25)用のキャリア(27)を備えている。ベローズの代わりに、当業者であれば、特定の場合に別の適切な可撓性のある接続を設けることもできる。例えば、短い搬送路の場合には、独立したキャリア(27)の代わりに、コンベア収容器(21)の壁(または図1の計量手段(2)の別の構成部品)をキャリアとして設計することもできる。同様に、例えば、特定の場合におけるベースユニット(4)の設計次第で、接続ピースを出口ライン(24)自体によって形成することもできる。
【0024】
この時点で、図2において、一実施形態では、搬送路(23)が水平に配置されていることも示していることに留意すべきである。図2はまた、搬送路(23)がベローズ(25)または可撓性密封要素を越えて搬送方向(すなわち、図では右から左へ出口ライン(24)に向かって)に突出していることも示している。そのため、そこから排出されるバルク材料が出口ライン(24)に直接落下し、場合によっては接続ピース(26)にも落下するが、ベローズ(25)内には落下しない、またはベローズ(25)上に落下しない。バルク材料がベローズ(25)上に落下すると、衝撃とその質量によってベローズ(25)に負荷がかかり、これらの力は必然的にベローズ(25)を支持するキャリア(27)にも作用するため、その結果、重量計(5)(図1)はバルク材料の計量を誤らせる追加の重量を記録することになる。従って、接続デバイス(17)は、分配されたバルク材料が重量計(5)による重量測定、ひいてはバルク材料の重量測定計量に支障をきたさないように設計されている。好ましくは、密封要素の出口ライン(24)に面する端部は、搬送方向において、搬送路(23)の出口ライン(24)に面する端部またはその後方に配置され、稼働中に搬送路(23)から排出されるバルク材料の流れが密封要素に到達しないようになっている。
【0025】
接続デバイス(17)に設けられた磁気安全装置(28)によって、可撓性密封要素又はベローズ(25)の、一方で(出口接続ピース(26)を介した)出口ライン(24)との、もう一方で(キャリア(27)を介した)搬送路(23)との、着脱可能かつ再接続可能な接続を確実にすることができる。磁気安全装置(28)は、一方で、接続デバイス(17)内のベローズ(25)をその稼働位置に機械的に位置決めするための機械的位置決め装置(29)を備え、他方で、ベローズ(25)をその(機械的に指定された)稼働位置に磁気的に固定するための磁気固定装置(30)を備える。
【0026】
機械的位置決め装置(29)は、ベローズ(25)上に停止要素と、出口接続ピース(26)上およびキャリア(27)上に対向する停止要素とを有する。図示の実施形態では、ベローズ(25)上の停止要素は開口部(31,31')として設計され、対向する停止要素は、位置決めピンの幾何学的形状を有する磁石(磁気特性は、機械的位置決め装置にとって重要ではない)として設計され、したがって、ここでの対向する停止要素は、位置決め磁石(32,32')であり、出口接続ピース(26)上およびキャリア(27)上に配置され、開口部(31,31')に機械的に係合する。
【0027】
開口部(31,31')は、ベローズ(25)の安全部分、ここでは径方向に突出するフランジ(33,33')に配置されている。しかしながら、安全部分は、開口部を備えた可撓性密封要素上に適切に配置された舌片として設計することもできるが、可撓性密封要素の他の適切な領域を安全部分として設けることもできる。可撓性密封要素が、位置決めピン用の開口部を有する安全部分を有することは明らかである。さらに、安全部分はベローズから径方向に突出するフランジとして設計されるのが好ましく、フランジはベローズの少なくとも一端または両端に設けられる。図3は、図2のベローズ(25)を詳細に示している。
【0028】
また、機械的位置決め装置(29)は、好ましくは、可撓性密封要素上の停止要素と、出口ライン上に配置された接続ピース(26)上又はベースユニット(4)上に配置されたキャリア(27)上の停止要素と対向する更なる停止要素とを有し、接続ピース(26)上又はキャリア(27)上の可撓性密封要素の稼働中の相対的な位置を決定する。
【0029】
ここで、「対向する」とは、相互作用する停止面が完全に一致することを必ずしも意味しないことに留意すべきである。図2から、例えば、位置決め磁石(32,32')はベローズ(25)を径方向に正確に位置決めするが、ベローズの正確な角度位置はそれほど重要ではないことがわかる。したがって、開口部(31,31')は、スロットとして設計することもできる。なぜなら、強磁性リング(34,34')はどの角度位置でも位置決め磁石(32,32')に一律に密着するからである。従って、「対向する」とは、停止面が完全に同一に(一致して)、または、少なくとも、磁気安全装置(28)の具体的な設計によっては、完全な稼働中の位置決めに必要な程度に設計されていることを意味する。
【0030】
磁気固定装置(30)は、接続ピース(26)およびキャリア(27)にそれぞれ配置される、例えば接着されている位置決め磁石(32,32')に加えて、それぞれの場合において磁気リング(34,34')を有し、この磁気リングは、例えば強磁性リングとして設計され、位置決め磁石(32,32')と磁気的に相互作用する。しかし、リング(34,34')は、磁石を備えたプラスチック又は別の非磁性材料から構成することもできる。図2に示す実施形態では、位置決め磁石(32,32')は、機械的機能(位置決め、上記参照)と、磁気リング(34,34')を引き付けてその位置に固定するという磁気的機能とを有する。
【0031】
その結果、磁石(32,32')によって所定位置に保持された各リング(34,34')は、ベローズ(25)のフランジ(33,33')をリングと接続ピース(26)またはキャリア(27)との間に封じ込み、ベローズ(25)が持ち上がって接続ピース(26)またはキャリア(27)から外れないようにし、従って、フランジ(33,33')、したがってベローズ(25)を、これらに対する相対位置(停止要素によって決定される)で稼動中の方法で固定する。本明細書において、稼働中とは、例えば、動きや使用されるバルク材料など、計量ユニットの稼動中に発生するあらゆる条件下において、意図された機能を維持できていることを意味する。従って、リング(34)は、その特定の設計にかかわらず、固定リングとして、または他の適切な形態で設計することができる磁気的に有効な固定要素となる。図3は、図2のベローズ(25)と磁気リング(34)を詳細に示している。
【0032】
強磁性リング(34、34')により、磁気有効領域がベローズ(25)上に存在し、位置決め磁石(32,32')により、磁気有効領域が出口接続ピース(26)またはキャリア(27)上に対向して配置され、これらの磁気有効領域が相互作用する。
【0033】
この結果、磁気固定装置(30)は、好ましくは、可撓性密封要素(ここではベローズとして設計されている)上の磁気有効領域と、出口ライン(24)上に配置された接続ピース(26)上、またはベースユニット(4)上に配置されたキャリア(27)上に、(位置に関して)対向して配置された磁気有効領域とを有し、これらの有効領域は、接続ピース(26)上またはキャリア(27)上の可撓性密封要素の稼働相対位置を稼動可能に固定する。
【0034】
図2に示す実施形態では、位置決め磁石(32,32')は、一方では開口部(31,31')の停止部として作用し、他方では磁気リング(34、34')を固定する磁石として作用する。1つの磁気有効領域が、磁石として設計された位置決めピンによって形成される、図2の実施形態では、位置決め磁石(32,32')によって形成される、ことが好ましいのは明らかである。
【0035】
図3は、ベローズ(25)と磁気リング(34、34')の分解組み立て図であり、図の複雑さを軽減するために接続ピース(26)とキャリア(27)(図2)は省略されているが、位置決め磁石(32,32')(図2)の位置は破線(35,35')で示されている。組み立てられた状態では、破線の矢印で示すように、リング(34)はフランジ(33)の内側にあり、リング(34')はフランジ(33')の内側にある。各リング(34、34')は、好ましくはハンドル(36、36')を有する。ここでは固定リング(34、34')として設計されている固定要素は、好ましくはハンドル(36)を有し、特に好ましくは強磁性体である。しかしながら、前述したように、例えば非磁性材料で作ることもでき、磁石または強磁性材料を含むこともできる。
【0036】
これにより、取り付け作業者は、例えば図2に示すように設計されたベースユニット(4)を用いて作動可能に準備された状態に組み立てられた計量ユニット(1)を、わずかに引くことで右側に引き出すことが出来、出口ライン(24)と搬送路(23)との間の磁気接続が限られたスペースであっても、工具や作業を必要とすることなく、また時間を費やすことなく、解除される。
【0037】
取り外したベースユニット(4)を出口ライン(26)に再接続する場合、ベローズ(25)をキャリア(27)上の位置決め磁石(32')に押し付け、リング(34)をその上に配置するだけで、ベローズがキャリア(27)上の正しい位置に固定される。次に、ベースユニット(4)を、その長さに沿って、右から左へ稼働位置に移動し、そこで、取り付け作業者は、コンベヤ収容器(21)の後方で接続ピース(26)へ手を伸ばし、そこで、親指と他の指で挟んだハンドル(36)で固定されていないリング(34)をつかみ、接続ピース(26)の上に置くだけでよい。開口部(31)すでに位置決め磁石(32)の位置に位置している。なぜならフリンジ(34')はすでに位置決め磁石(32')によって正しく位置決めされているからである。工具は不要であり、この作業に必要なスペースは比較的小さいので、限られたスペースは問題ではない。所要時間もごくわずかである。
【0038】
図示されていない更なる実施形態では、ベローズ(25)又は可撓性密封要素は、一方の側のみに磁気固定装置が設けられており、もう一方の側は、接続ピース又はキャリアに従来通り固定されている。この場合、ベースユニット(4)は、説明したように取り外すことができ(または取り付けることができ)、取り外したベースユニット(4)に対する従来型の固定を、より容易かつ迅速に取り外したり接続したりすることができるという利点がある。逆に、従来型の固定が接続ピースの側にある場合、可撓性密封要素もより容易に分解または組み立てることができる。なぜなら、分解されたベースユニットが邪魔にならず、したがってスペースが狭くなることが少なくなるからである。
【0039】
図示されていない更なる実施形態では、機械的位置決め装置と磁気固定装置とが互いに別物であり、停止要素が磁気的効果を生じない。
【0040】
しかしながら、好ましくは、位置決め磁石(32,32')の場合と同様に、停止要素は、位置決めピンを備え、対向する停止要素は、位置決めピンと対向する開口部を備え、さらに好ましくは、停止要素は、可撓性密封要素に設けられた開口部を備え、対向する停止要素は、接続ピース(26)またはキャリア(27)に対して固定された位置決めピンを備える。
【0041】
機械的位置決め装置と磁気固定装置とが互いに別物であるか否かにかかわらず、好ましくは、可撓性密封要素が安全部分を有し、可撓性密封要素上の磁気有効領域が、少なくとも1つの磁気固定要素によって形成され、磁気固定要素は、稼働位置において、それ自体と接続ピース又はキャリアのいずれかとの間で安全部分を封じ込み、その結果、可撓性密封要素を稼働位置に作動可能に固定し、固定要素は、次にその位置に磁気的に保持される。
【0042】
図2に示す実施形態では、磁石として設計された位置決めピンが、接続ピース(26)又はキャリア(27)の少なくとも一方、またはその両方に配置され、位置決めピン用の可撓性密封要素に設けられた開口部(31,31')を通って一方の側から延伸し、さらに、開口部(31,31')の他方の側には、少なくとも1つの磁気固定要素が設けられ、磁気固定要素は、それ自体と接続ピース(26)との間、またはそれ自体とキャリア(27)との間で可撓性密封要素の安全部分を封じ込み、磁石に磁気的に固定されることにより、可撓性密封要素を作動位置に固定する。
【0043】
図には示されていないが、接続ピース(26)又はキャリア(27)の代わりに、固定リング又は固定要素が磁気位置決めピンを有し、そして、例えば、接続ピース(26)又はキャリア(27)が強磁性材料からなり、位置決めピン用の開口部を有する実施形態がある。
【0044】
次に、好ましくは、磁石として設計された位置決めピンが固定要素上に配置され、一方の側から、可撓性密封要素上に設けられた位置決めピン用の開口部を通って延伸し、さらに、他方の側において、磁気的に有効な開口部が接続ピース又はキャリアに設けられ、固定要素は、それ自体と接続ピース又はキャリアとの間で可撓性密封要素の安全部分を封じ込み、開口部に磁気的に固定されて、可撓性密封要素を稼働位置に固定する。
【0045】
前述のように、機械的位置決め装置と磁気固定装置とが互いに別物であり、そのため停止要素が磁気的に有効でない場合には、状況は異なる。その場合、例えば、停止要素とは別に磁石を接続ピース(26)上またはキャリア(27)上に配置することができ、前記磁石は、磁石を備えた強磁性固定リングまたは固定要素と相互作用する。接続ピース(26)またはキャリア(27)は強磁性体であり、固定要素上に配置された磁石と相互作用する。
【0046】
この結果、磁気固定装置は、好ましくは、機械的位置決め装置とは別物で、接続ピース又はキャリア内に配置された磁石を備え、固定要素は、磁気的に有効であるように設計され、可撓性密封要素の安全部分をそれ自体と接続ピースとの間又はそれ自体とキャリアとの間に封じ込め、磁石に磁気的に固定されることにより、可撓性密封要素が稼動位置に固定される。
【0047】
記載された全ての実施形態に共通するのは、バルク材料用の重量測定計量ユニットであって、計量されるバルク材料用の容器(8)及びベースユニット(4)を有する計量手段(2)を備え、ベースユニット(4)は、可撓性密封要素を有する接続装置を通って計量ユニット(1)の出口ラインに開口する搬送路を有し、搬送路は、接続装置を介して出口ラインに稼動可能に接続され、再び出口ラインから取り外すことができる。接続装置はさらに、密封要素を少なくとも出口ラインまたは搬送路のいずれか一方に、あるいは両方に作動可能に接続するための磁気固定装置を備えている。
図1
図2
図3
【国際調査報告】