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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-15
(54)【発明の名称】長い金属製品を曲げる装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   B21D 7/024 20060101AFI20250107BHJP
【FI】
B21D7/024 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024533965
(86)(22)【出願日】2022-12-06
(85)【翻訳文提出日】2024-08-02
(86)【国際出願番号】 IT2022050317
(87)【国際公開番号】W WO2023105543
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】102021000030896
(32)【優先日】2021-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591002223
【氏名又は名称】エンメ.エ.ピ.マッキーネ エレットロニッケ ピエガトリッチ ソチエタ ペル アツィオニ
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】デル ファブロ ジョルジオ
【テーマコード(参考)】
4E063
【Fターム(参考)】
4E063AA03
4E063BC05
4E063CA07
(57)【要約】
長い金属製品(100)を曲げるための装置(10)であって、前記製品(100)の移動装置(17)と、前記製品(100)のうちの1つ以上を同一の第1曲げ平面(P1)上で一度に曲げるように構成された第1曲げユニット(18)と、を備える装置(10)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長い金属製品(100)を曲げるための装置(10)であって、
送り軸(X)に沿って前記製品(100)を移動させることができる移動装置(17)と、
前記製品(100)のうちの1つ以上を、同じ第1曲げ平面(P1)上で、異なる曲げ半径で一度に曲げるように構成された、1つ又は互いに異なる複数の第1曲げ装置(20)を備える第1曲げユニット(18)と、
を備え、
前記装置(10)は、更に、
前記第1曲げユニット(18)の上流に配置された少なくとも1つの別個の第2曲げユニット(19)
を備え、
前記第2曲げユニット(19)は、前記第1曲げ平面(P1)に対して傾斜した同一の第2曲げ平面(P2)上で、異なる曲げ半径で前記製品(100)を曲げるように構成されている、1つ又は互いに異なる複数の第2曲げ装置(21)を備える、
ことを特徴とする装置(10)。
【請求項2】
前記第1曲げ平面(P1)は、水平であって、且つ、前記第2曲げ平面(P2)に対して直交していることを特徴とする請求項1に記載の装置(10)。
【請求項3】
機械が停止しているときと稼働中の両方において、前記第1曲げ平面(P1)に対する前記第2曲げ平面(P2)の傾斜を調整するために、少なくとも前記第2曲げユニット(19)が前記第1曲げユニット(18)に対して配向可能に構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の装置(10)。
【請求項4】
前記第1及び第2の曲げユニット(18、19)には、前記第1及び第2の曲げ装置(20、21)が固定された状態で設置される、前記第1及び第2の曲げ平面(P1、P2)を画定する第1及び第2の支持板(30、31)がそれぞれ設けられ、
前記第1及び第2の支持板(30、31)は、前記第1及び第2の曲げ装置(20、21)のそれぞれ1つを前記送り軸(X)に位置合わせするために、互いに対して傾斜し、前記送り軸(X)に直交する第1及び第2の調整方向(T1、T2)にそれぞれ移動可能であることを特徴とする
請求項1~3のいずれか1項に記載の装置(10)。
【請求項5】
前記装置(10)は、更に、水平に配置され、2つの対向する平行な先端縁(15、16)を有する固定された支持面(12)を備え、
前記第1支持板(30)は、前記支持面(12)と同一平面にあり、前記支持面(12)に設けられた開口部(32)内に設置され、
前記第2支持板(31)は、前記支持面(12)に直交し、前記先端縁(15、16)の1つに対応して、前記支持面(12)の周囲に対して外側に設置されることを特徴とする請求項4に記載の装置(10)。
【請求項6】
前記第1及び第2の曲げユニット(18、19)には、前記第1及び第2の曲げ装置(20、21)の上流及び/又は下流に配置され、曲げの実行中に前記1つ又は複数の製品(100)を一時的に保持するために後退可能に移動可能なそれぞれの保持装置(35、36)が設けられることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の装置(10)。
【請求項7】
前記装置(10)は、更に、前記第1曲げユニット(18)の下流に配置され、前記第1曲げユニットに対して傾斜した、上記2つに類似する第3曲げユニット(22)を備え、
前記第3曲げユニット(22)は、前記第1曲げ平面(P1)に対して角度をなす第3曲げ平面(P3)上で前記1つ以上の長い金属製品(100)を曲げることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の装置(10)。
【請求項8】
前記装置(10)は、更に、固定されたガイド部材(37)を備え、前記ガイド部材(37)に前記移動装置(17)がスライド可能に関連付けられて、前記1つ以上の製品(100)をバーローディングゾーン(LZ)から少なくとも前記第1及び第2曲げユニット(18、19)の方へ取り出し、
前記移動装置(17)は、前記ガイド部材(37)上をスライドするアーム(39)を備え、前記アームの末端には、前記1つ以上の長い金属製品(100)を一時的に保持するように構成された把持ヘッド(40)が設けられている
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の装置(10)。
【請求項9】
長い金属製品(100)を曲げる方法であって、
移動装置(17)が、一度に1つ以上の前記製品(100)を送り軸(X)に沿って前方又は後方に移動させる移動ステップと、
第1曲げユニット(18)が、1つ又は互いに異なる複数の第1曲げ装置(20)によって、同じ第1曲げ平面(P1)上で異なる曲げ半径で1回以上の曲げを行う第1曲げステップと、
を含む方法であって、
前記方法は、
第2曲げユニット(19)が、1つ又は互いに異なる複数の第2曲げ装置(21)によって、前記第1曲げ平面(P1)に対して傾斜した同じ第2曲げ平面(P2)上で異なる曲げ半径で1回以上の曲げを行う第2曲げステップ
を少なくとも含むことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、好ましくは三次元形状を有するブラケット、すなわち少なくとも一部分が直交平面上で曲げられているブラケット、又はいずれにしても他の部分の曲げ平面に対して角度が付けられているブラケット(ただし、これらに限定されるわけではない)を得るために、長い金属製品を曲げる装置及び関連する方法に関する。長い金属製品は、棒、ロッド、金属ワイヤであり、あらかじめ切断されたセグメントとして、又はリールに巻かれた連続形状で提供され、処理の前又は終了時に所望の長さに切断される。
【背景技術】
【0002】
金属製品(ブラケットとも呼ばれる)を曲げるための装置は、棒、ロッド、金属ワイヤ、又はその他の長い金属製品を曲げて、例えば補強ケージを作るためのブラケットを得るように構成されていることが知られている。このようなブラケットは、2次元、つまりブラケットの側面が同じ平面上にある場合、又は3次元、つまりブラケットの少なくとも1つの側面が、ブラケットの他の側面が延びる平面とは異なる平面上にある場合がある。単一の平面で曲げを実行する複数の曲げユニットを備えた曲げ装置の例は、オーストリア国特許発明第406744号明細書に記載されている。
【0003】
金属製品の三次元曲げを行う装置は、バー移動ユニット又は装置、切断ユニット、及びブラケットの二次元形状を定義する第1曲げ平面と、ブラケットの三次元形状を定義する第1曲げ平面に対して角度が付けられた更なる曲げ平面の両方で曲げる単一の曲げユニットから構成されることが知られている。
【0004】
曲げユニットは固定された作業台に取り付けられており、中央に単一のコントラストピンが設けられ、半径方向に単一の曲げ要素が設けられた回転スピンドルで構成されている。
【0005】
曲げ要素は、固定された作業台に直交する回転軸に沿ってコントラストピンの周囲に回転可能であり、曲げ要素とコントラストピンとの間に介在する金属製品のセグメントがコントラストピンの周囲に曲げられる。
【0006】
バー移動装置は、金属製品を作業方向に沿って前進させるだけでなく、金属製品をその延長軸の周りで回転させることもできるように構成されているため、同じ曲げユニットが、最初の曲げが延在する曲げ平面に対して傾斜した面で曲げを行うことができる。実際、曲げを行った後に金属製品を回転させると、曲げユニットは、前の曲げの延長面に対して異なる面で延在する更なる曲げを行うことができる。
【0007】
このような既知の装置の欠点は、金属製品の回転中に、既に行われた曲げが作業台の上にカンチレバー状に保持され、金属製品が自重の作用で変形する可能性があることである。その結果、既に行われた曲げが変形する可能性があり、最悪の場合、作成されたブラケットは使用に適さなくなる。
【0008】
このような既知の装置の更なる欠点は、バー移動装置が、特に金属製品を回転させるときにかなりの応力を受け、ねじれや変形が生じて、作成されたブラケットの機械的特性が損なわれる可能性があることである。
【0009】
このような既知の装置の更なる欠点は、加工中の同じ製品に複数の半径の曲げを施すことができないことである。従って、曲げユニットには、必要な曲げ半径を持つ回転スピンドルを随時装備する必要がある。その結果、プロセスが中断され、製造時間とコストが増大し、曲げユニットの再装備による位置決めエラーも発生する。
【0010】
このような既知の装置の別の欠点は、完全に自動化されていないため、金属製品の位置決めや一時的な支持及び排出などのプロセスの制御に1人以上のオペレータが必要となるため、危険となる可能性があることである。
【0011】
従って、従来技術の欠点の少なくとも1つを克服することができる、長い金属製品を曲げるための装置及び関連する方法を改善する必要がある。
【0012】
従って、長い金属製品が全体として、曲げが行われる作業台の少なくとも1つに載るように、異なる平面上で長い金属製品に一連の曲げを施すという技術的な問題を解決することが必要である。
【0013】
特に、本発明の目的は、高精度且つ高品質の曲げにより、三次元形状を有するブラケットを得るために、長い金属製品を曲げる装置及び関連する方法を提供することである。
【0014】
本発明の他の目的は、機械を再装備することなく、ブラケットを複数の半径の曲げで作ることができる、長い金属製品を曲げるための装置を提供することである。
【0015】
本発明の更なる目的は、加工される金属製品を移動させる際にバー移動装置が過度の応力を受けない、長い金属製品を曲げる装置を提供することである。
【0016】
本発明の他の目的は、特に単純であり、多種多様な形状の平面又は立体形状のブラケットを得ることができる、長い金属製品を曲げるための装置を提供することである。
【0017】
本発明の更なる目的は、完全に自動化された長い金属製品を曲げるための装置を提供することである。
【0018】
出願人は、従来技術の欠点を克服し、上記目的及び更なる目的と利点を得るために、本発明を研究し、試験し、実現した。
【発明の概要】
【0019】
本発明は、独立請求項において表現され、特徴付けられる。従属請求項は、本発明の他の特徴又は提案された主解決策の変形を示す。
【0020】
前述の目的に従い、また、前述の技術的問題を新規かつ独創的な方法で解決し、従来技術に対してかなりの利点も得るために、本発明による長い金属製品を曲げる装置は、
送り軸に沿って前記長い金属製品を移動させることができる移動装置と、
前記長い金属製品のうちの1つ以上を、同じ第1曲げ平面上で、異なる曲げ半径で一度に曲げるように構成された、1つ又は互いに異なる複数の第1曲げ装置を備える第1曲げユニットと、
を備える。
【0021】
本発明の一態様によれば、前記装置は、前記第1曲げユニットの上流に配置された少なくとも1つの別個の第2曲げユニットを備え、
前記第2曲げユニットは、前記第1曲げ平面に対して傾斜した同一の第2曲げ平面上で、異なる曲げ半径で前記長い金属製品を曲げるように構成されている、互いに異なる1つ以上の第2曲げ装置を備える。
【0022】
本発明の別の態様によれば、前記第1曲げ平面は、水平である。更に、前記第2曲げ平面は前記第1曲げ平面に対して直交している。
【0023】
本発明の別の態様によれば、機械が停止しているときと稼働中の両方において、前記第1曲げ平面に対する前記第2曲げ平面の傾斜を調整するために、少なくとも前記第2曲げユニットが前記第1曲げユニットに対して配向可能に構成されている。
【0024】
本発明の別の態様によれば、前記第1及び第2の曲げユニットには、前記第1及び第2の曲げ装置が固定された状態で設置される、前記第1及び第2の曲げ平面を画定する第1及び第2の支持板がそれぞれ設けられる。前記第1及び第2の支持板は、前記第1及び第2の曲げ装置のそれぞれ1つを前記送り軸に位置合わせするために、互いに対して傾斜し、前記送り軸に直交する第1及び第2の調整方向にそれぞれ移動可能である。
【0025】
本発明の別の態様によれば、前記装置は、更に、水平に配置され、2つの対向する平行な先端縁を有する固定された支持面を備える。前記第1支持板は、前記支持面と同一平面にあり、前記支持面に設けられた開口部内に設置される。前記第2支持板は、前記支持面に直交し、前記先端縁の1つに対応して、前記支持面の周囲に対して外側に設置される。
【0026】
本発明の別の態様によれば、前記第1及び第2の曲げユニットには、前記第1及び第2の曲げ装置の上流及び/又は下流に配置され、曲げの実行中に前記1つ又は複数の長い金属製品を一時的に保持するために後退可能に移動可能なそれぞれの保持装置が設けられる。
【0027】
実施形態の変形例によれば、前記装置は、更に、前記第1曲げユニットの下流に配置され、前記第1曲げユニットに対して傾斜した上記2つに類似した第3曲げユニットを備え、前記第1曲げ平面に対して角度をなす第3曲げ平面上で前記1つ以上の長い金属製品を曲げる。
【0028】
本発明の別の態様によれば、前記装置は、更に、固定されたガイド部材を備え、前記ガイド部材に前記移動装置がスライド可能に関連付けられて、前記1つ以上の長い金属製品をバーローディングゾーンから少なくとも前記第1及び第2曲げユニットの方へ取り出す。前記移動装置は、前記ガイド部材上をスライドするアームを備え、前記アームの末端には、前記1つ以上の長い金属製品を一時的に保持するように構成された把持ヘッドが設けられている。
【0029】
本発明は、長い金属製品を曲げる方法であって、
-移動装置が、一度に1つ以上の前記製品を送り軸に沿って前方又は後方に移動させる移動ステップと、
-第1曲げユニットが、1つ又は互いに異なる複数の第1曲げ装置によって、同じ第1曲げ平面上で異なる曲げ半径で1回以上の曲げを行う第1曲げステップと、
を含む方法に関する。
【0030】
本発明の一態様によれば、前記方法は、更に、第2曲げユニットが、1つ又は互いに異なる複数の第2曲げ装置によって、前記第1曲げ平面に対して傾斜した同じ第2曲げ平面上で異なる曲げ半径で1回以上の曲げを行う第2曲げステップを含む。
【0031】
本発明のこれら及びその他の側面、特徴、及び利点は、添付の図面を参照して、限定されない例として提供される幾つかの実施形態の開示から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1図1は、本発明に従った長い金属製品を曲げるための装置の不等角投影図である。
図2図2は、図1の一部を拡大した図である。
図3図3は、第2曲げユニットが3つの曲げ装置を備える図2の実施形態の変形例である。
図4図4は、図1の実施形態の変形例であり、第3の曲げユニットも存在する。
【発明を実施するための形態】
【0033】
なお、本開示において、使用される語法及び用語、並びに添付図面の図は、開示されているとおり、本発明を例示及び説明することを唯一の目的としており、それらの機能は例示的であり、本発明自体に限定されるものではなく、その保護範囲は請求項によって定義される。
【0034】
理解を容易にするために、図中の同一の共通要素を識別するために、可能な限り同一の参照番号が使用されている。実施形態の要素及び特徴は、更に説明することなく、他の実施形態に都合よく組み合わせたり組み込んだりできることに留意されたい。
【0035】
図1を参照すると、本発明による装置10は、1つの長い(oblong)金属製品、又は一度に複数の金属製品、この場合は1本以上の金属バー100を曲げて、3次元形状を有する構造用のブラケット200又はその他の補強形状を作成するように構成されている。バー100は、長さが約6mから約24mの間、直径が約10mmから約40mmの間であってもよい。
【0036】
装置10は、装置10の設置面に対して実質的に水平に配置された支持面12を有する固定構造11を備える。しかし、例えば、作製されたブラケット200の排出を容易にするために、支持面12がそのような設置面に対して傾斜していることも排除されない。
【0037】
支持面12は、一定の厚さを有し、実質的に長い形状を有する金属シート又は板で構成され得るか、又はそれによって形成されてもよい。
【0038】
支持面12は、互いに対向して平行な2つの長い側面13、14と、互いに対向して平行な2つの短い先端縁15、16とを有する。側面13、14の長さは、処理されるバー100の最大長さと一致する。
【0039】
装置10は、バー100をあらかじめ切断されたセグメントの形で又はリール上に連続的に巻かれて所望の長さに切断された形で供給するように構成されている実質的に既知のタイプで図示されていない供給装置が配置されるバーローディングゾーンLZと、平面又は車輪付きコンテナが配置され、成形されたバー100すなわちブラケット200を受け取るように構成されているバーアンローディングゾーンUZと、を備えている。
【0040】
バーローディングゾーンLZは、支持面12の先端縁15、16の一方又は両方に配置され、バーアンローディングゾーンDZは、支持面12の側面13、14の一方又は両方に配置される。
【0041】
装置10は、送り軸Xに沿ってバー100を移動させることができる移動装置17と、バー100を第1曲げ平面P1上で曲げるように構成された第1曲げユニット18と、送り軸Xに沿ってバー100が到着する方向に関して第1曲げユニット18の上流に配置される少なくとも第2曲げユニット19と、を備え、第2曲げユニット19は、第1曲げユニット18に対して傾斜し、本ケースでは第1曲げ平面P1に実質的に直交する第2曲げ平面P2上で曲げを行う。
【0042】
第2曲げユニット19は、ローディングゾーンLZと第1曲げユニット18との間に配置される。従って、移動したバー100は、最初に第2曲げユニット19に遭遇し、次に第1曲げユニット18に遭遇する。ただし、2つの曲げユニット18、19が動作する順序は、バー100に対して行う予定の曲げによって決まる。
【0043】
第1曲げユニット18と第2曲げユニット19は、互いに対して固定された位置に配置される。
【0044】
変形例によれば、少なくとも第2曲げユニット19は、機械が停止しているときと稼働中の両方において、第1曲げ平面P1に対する第2曲げ平面P2の傾斜を調整できるように、第1曲げユニット18に対して配向可能であってもよい。この場合、曲げ平面P2は、第1曲げ平面P2に対して固定角度を有しておらず、第1曲げ平面P2に対して配向可能である。
【0045】
図4に示す可能な実施形態によれば、装置10は、最初の2つと同様に、第1曲げユニット18の下流に配置され、第1曲げユニット18に対して傾斜して第3曲げ平面P3で曲げを行う第3曲げユニット22を備えることもできる。曲げ平面P3は、第2曲げ平面P2と平行であってもよく、又は異なる傾斜を有していてもよい。この実施形態では、更に、先端縁16に対応してローディングゾーンが存在し、装置は、例えばリールから1つ、及びプレカットセグメントから1つなど、2つの別々の金属製品の入力で動作することができる。
【0046】
図2及び図3を参照すると、第1曲げユニット18及び第2曲げユニット19は、それぞれ、第1調整軸T1及び第2調整軸T2に沿って整列した1つ以上の第1曲げ装置20及び1つ以上の第2曲げ装置21を備えており、これらの軸は、送り軸Xに対して横方向(この場合は直交方向)であり、かつ互いに対しても横方向である。
【0047】
図1及び図2の実施形態では、第1曲げユニット18には3つの第1曲げ装置20が設けられ、第2曲げユニット19には1つの第2曲げ装置21が設けられている。
【0048】
図3の実施形態では、第2曲げユニット19にも3つの第2曲げ装置21が設けられているが、曲げ装置20、21の数が図に示した数と異なる実施形態も排除されない。
【0049】
各曲げ装置20、21には、それぞれ中央のコントラストピン23、24、コントラストピン23、24に対して同軸で回転可能に取り付けられた曲げスピンドル又はサポート25、26、及びスピンドル25、26の周囲に取り付けられた曲げピン27、28が備えられている。
【0050】
前記コントラストピン23、24は、実質的に円筒形の形状を有するが、異なる動作解決策において、コントラストピン23、24が二重、成形、又は他の形状及びサイズで提供されることも排除されない。
【0051】
各曲げピン27、28は、対応するコントラストピン23、24の周りを時計回り又は反時計回りに選択的に回転可能であり、それぞれのコントラストピン23、24と連携して、バー100を一方向又は他方向に所望の曲げ加工を施すことができる。
【0052】
同じ曲げユニット18、19の異なる曲げ装置20、21のコントラストピン23、24は、互いに異なる寸法を有し、各曲げ装置20、21は、異なる曲率半径で曲げを行うことができる。円筒形のコントラストピン23、24の場合、異なる寸法は、その側面の曲率半径に対応する。
【0053】
第1曲げユニット18には、第1曲げ平面P1を実質的に規定し、第1曲げ装置20が固定的に設置される第1支持板30が設けられる。同様に、第2曲げユニット19には、第2曲げ平面P2を実質的に規定し、第2曲げ装置20が固定的に設置される第2支持板31が設けられる。
【0054】
第1支持板30は、支持面12と実質的に同一平面上にあり、支持面12の側面13、14と先端縁15、16とによって区切られた表面に形成された開口部32を通して設置される。
【0055】
第2支持板31は、支持面12に対して実質的に直交しており、凹部又は段差が形成された短い先端縁15、16の一方に対応して、支持面12の周囲に対して外側に設置されている。
【0056】
本実施形態では、支持板30、31は実質的に長い形状を呈しており、曲げ装置20、21は、それぞれの支持板30、31の長辺に平行に配置されている。
【0057】
支持板30、31は、対応する調整軸T1、T2に沿って選択的に移動可能であり、これにより、曲げ装置20、21の1つをバー100の送り方向Xに対して位置合わせすることができる。
【0058】
第2曲げユニット19は、固定構造33を備え、この固定構造33上に2つの側方ガイド34が設けられ、この側方ガイド34上に第2支持板31がスライド可能に取り付けられている。上記は、第1曲げユニット18にも同様に当てはまる。
【0059】
別の実施形態では、支持板30、31は円形であり、所望の曲げ装置20、21の位置決めは支持板30、31の回転によって行われる。
【0060】
各曲げ装置20、21は、対応する曲げ平面P1、P2に直交する方向に、それ自体は既知の方法で後退可能に移動可能であるため、詳細には説明しない。これにより、図2及び図3に示すように、曲げに関係のない曲げ装置20、21は、処理中のバー100に干渉しないように配置することができる。
【0061】
各曲げユニット18、19には、曲げ装置20、21の少なくとも上流、好ましくは下流にも配置され、望ましくない曲げや変形を回避するために曲げの実行中にバー100を一時的に保持するように構成された、それぞれの保持装置35、36も備えられている。下流又は上流の保持装置35、36の起動は、曲げが行われるバー100の端部によって決まる。
【0062】
保持装置35、36は、送り軸Xに沿って配置され、対応する曲げ平面P1、P2に直交する方向に、それ自体は既知であり本明細書では説明されていない方法で、後退可能に移動可能である。従って、特定の曲げの実行中に作動しない装置35、36は、対応する曲げ平面P1、P2の下に配置することが好ましい。
【0063】
装置10は、支持面12の上方に配置され、送り軸Xに沿って延びる固定ガイド部材37(この場合はビーム38)を備える。ビーム38は、支持面12の側面14、15に実質的に平行である。
【0064】
移動装置17は、その一端がビーム38上でスライドするアーム39を有し、その端部には、バー100を一時的に保持し、支持面12に対してバー100を持ち上げるべく送り軸Xに実質的に直交する把持方向Zに沿って選択的に移動可能な把持ヘッド40が設けられている。
【0065】
支持面12には、曲げ加工の終了時に成形バー100をバー100の送り軸Xに直交する排出方向に沿って搬送するように構成された排出装置41、例えばチェーンが装備されている。チェーンは、支持面12の先端縁15、16に平行に配置され、成形バー100がアンローディングゾーンUZに向かってアンローディングされる。
【0066】
これまでに説明した、本発明の方法に対応する装置10の動作は、
-移動装置17が、一度に1つ以上のバー100を送り軸Xに沿って前方又は後方に移動させる移動ステップと、
-第1曲げユニット18が、1つ又は互いに異なる複数の第1曲げ装置20によって、同じ第1曲げ平面P1上で異なる曲げ半径で1回以上の曲げを行う第1曲げステップと、
を含む。
【0067】
前記方法は、少なくとも
第2曲げユニット19が、1つ又は互いに異なる複数の第2曲げ装置21によって、第2曲げ平面P2上で異なる曲げ半径で1回以上の曲げを行う第2曲げステップ
を含む。
【0068】
曲げ加工の実行中、すなわち第1及び第2の曲げステップ中、バー100は、送り軸Xに沿って一方向又は他方向にのみ移動される。バー100は、自身の軸を中心に回転しない。
【0069】
バー100の曲げに応じて、第1の曲げステップは、第2の曲げステップの後に実行することもできる。
【0070】
特許請求の範囲に定義された本発明の範囲から逸脱することなく、装置10及び本明細書に開示された方法に対して、部品の変更及び/又は追加を行うことができることは明らかである。
【0071】
本発明は、幾つかの特定の例を参照して説明されているが、当業者であれば、請求項に表現された特徴を有する長い金属製品を曲げるための装置及び方法の多くの他の同等の形態を作製することができ、従って、それらはすべて、請求項によって定義された保護の範囲内に含まれることも明らかである。
【0072】
以下の請求項において、括弧内の参照は、読みやすくすることのみを目的としており、請求項自体によって定義された保護範囲の制限要因としてみなされるべきではない。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】