(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-15
(54)【発明の名称】マルチ塗布モジュール、マルチ塗布装置及びマルチ塗布装置のための動作方法
(51)【国際特許分類】
B41J 2/01 20060101AFI20250107BHJP
B41J 2/17 20060101ALI20250107BHJP
B41M 3/12 20060101ALI20250107BHJP
B41M 1/30 20060101ALI20250107BHJP
【FI】
B41J2/01 101
B41J2/01 127
B41J2/17 201
B41J2/01 401
B41J2/01 451
B41M3/12
B41M1/30 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024534219
(86)(22)【出願日】2022-11-28
(85)【翻訳文提出日】2024-07-31
(86)【国際出願番号】 EP2022083485
(87)【国際公開番号】W WO2023104571
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】102021132416.5
(32)【優先日】2021-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102022105292.3
(32)【優先日】2022-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507370644
【氏名又は名称】レオンハード クルツ シュティフトゥング ウント コー. カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミーデラー マティーアス
【テーマコード(参考)】
2C056
2H113
【Fターム(参考)】
2C056EB13
2C056EB36
2C056FA13
2C056FA14
2C056FB02
2C056FD13
2C056FD20
2C056KD10
2H113AA01
2H113AA05
2H113BA00
2H113BA24
2H113BB02
2H113BB06
2H113BB07
2H113BB08
2H113BB18
2H113BB22
2H113DA04
2H113DA45
2H113DA46
2H113DA47
2H113DA49
2H113DA57
2H113DA64
2H113EA07
2H113EA25
2H113FA43
(57)【要約】
本発明は、マルチ塗布モジュール(1)、マルチ塗布装置(2)及びマルチ塗布装置(2)のための動作方法に関する。基材(6)又は転写製品(7)に印刷するためのマルチ塗布モジュール(1)は、印刷ユニット(8)と、多機能要素(9)とを備える。印刷ユニット(8)と多機能要素(9)との間に印刷ニップ(10)が形成されている。多機能要素(9)は、第1の多機能ローラ(91)及び/又は少なくとも1つの第2の多機能ローラ(92)及び/又は印刷テーブル(13)を有する。印刷ユニット(8)は、印刷ニップ(10)において2つの進行方向に沿って印刷を行うように設計されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材(6)又は転写製品(7)に印刷するためのマルチ塗布モジュール(1)であって、
印刷ユニット(8)と、
多機能要素(9)と、
を備え、
前記印刷ユニット(8)と前記多機能要素(9)との間に印刷ニップ(10)が形成され、
前記多機能要素(9)は、第1の多機能ローラ(91)及び/又は少なくとも1つの第2の多機能ローラ(92)及び/又は印刷テーブル(13)を有し、
前記印刷ユニット(8)は、前記印刷ニップ(10)において2つの進行方向に沿って印刷を行うように設計されている、
ことを特徴とするマルチ塗布モジュール(1)。
【請求項2】
前記マルチ塗布モジュール(1)は、前記転写製品(7)を受けるための2つの巻き取りローラ(12a、12b)をさらに有し、特に、前記2つの巻き取りローラ(12a、12b)は、同じ回転方向又は対向する回転方向に回転する、
ことを特徴とする請求項1に記載のマルチ塗布モジュール(1)。
【請求項3】
前記マルチ塗布モジュール(1)は、前記転写製品(7)をクランプするためのクランプシステム(16)をさらに有し、
前記クランプシステム(16)は、ダンサローラ、制御ダンサローラ、測定ローラ、摩擦シャフトからなる構成要素の群から個別に又は組み合わせて選択された1つ以上の構成要素を有する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のマルチ塗布モジュール(1)。
【請求項4】
前記第1の多機能ローラ(91)及び/又は前記少なくとも1つの第2の多機能ローラ(92)は、対向する2つの回転方向に回転可能に取り付けられ、特に、前記2つの進行方向は、前記対向する2つの回転方向によって画定される、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のマルチ塗布モジュール(1)。
【請求項5】
前記基材(6)又は前記転写製品(7)が前記第1の多機能ローラ(91)及び/又は前記少なくとも1つの第2の多機能ローラ(92)を介して案内されて、平坦な印刷面を形成するように、1つの第2の多機能ローラ(92)と組み合わせた前記第1の多機能ローラ(91)及び/又は2つの第2の多機能ローラ(92)と組み合わせた前記第1の多機能ローラ(91)及び/又は前記2つの第2の多機能ローラ(92)が配置される、
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のマルチ塗布モジュール(1)。
【請求項6】
前記平坦な印刷面は、前記印刷ユニット(8)に対して垂直に配置され、かつ/又は250mm
2~1,000,000mm
2、好ましくは1000mm
2~200,000mm
2の表面積を有する、
ことを特徴とする請求項5に記載のマルチ塗布モジュール(1)。
【請求項7】
前記印刷テーブル(13)は、前記基材(6)又は前記転写製品(7)が前記印刷テーブル(13)上を案内されるように配置される、
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載のマルチ塗布モジュール(1)。
【請求項8】
前記印刷テーブル(13)は、平坦な表面領域を形成し、当該表面領域は、特に250mm
2~1,000,000mm
2、好ましくは1000mm
2~200,000mm
2の大きさを有し、及び/又は、
前記印刷テーブル(13)は、前記印刷ユニット(8)に対して垂直に配置される、
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載のマルチ塗布モジュール(1)。
【請求項9】
前記印刷テーブル(13)は、空気クッション、特に前記印刷テーブル(13)と前記基材(6)又は前記転写製品(7)との間の空気クッションを生成するための空気出口を有する、
ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載のマルチ塗布モジュール(1)。
【請求項10】
前記マルチ塗布モジュール(1)は、少なくとも1つのUV予備硬化光源(14)をさらに有し、
好ましくは、1つのUV予備硬化光源(14)が前記印刷ユニット(8)各側に、特に前記2つの進行方向に沿って配置されるか、又は、
さらに好ましくは、前記少なくとも1つのUV予備硬化光源(14)は、前記印刷ユニット(8)の各側に、特に前記2つの進行方向に沿って再取り付け可能である、
ことを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載のマルチ塗布モジュール(1)。
【請求項11】
前記少なくとも1つのUV予備硬化光源(14)は、0W/cm
2~10W/cm
2、好ましくは0.5W/cm
2~7.5W/cm
2、さらに好ましくは2W/cm
2~5W/cm
2の放射照度を生成する、
ことを特徴とする請求項11に記載のマルチ塗布モジュール(1)。
【請求項12】
前記第1の多機能ローラ(91)及び/又は前記少なくとも1つの第2の多機能ローラ(92)の表面は、表面仕上げプロセスによって生成された表面構造を有し、及び/又は、
前記第1の多機能ローラ(91)及び/又は前記少なくとも1つの第2の多機能ローラ(92)は、特に30μm~3mm、好ましくは50μm~100μmの層厚を有する、滑り止めコーティング及び/又はトラクションコーティングを有する、
ことを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載のマルチ塗布モジュール(1)。
【請求項13】
前記印刷ユニット(8)は、UVインクジェット印字バーであるか又はUVインクジェット印字バーを備え、及び/又は、
前記印刷ユニット(8)は、少なくとも1つのインクジェットプリントヘッドを備える、
ことを特徴とする請求項1~12のいずれか一項に記載のマルチ塗布モジュール(1)。
【請求項14】
前記印刷ユニット(8)及び/又は前記UVインクジェット印字バーは、少なくとも2列のプリントヘッドを有し、及び/又は、
前記印刷ユニット(8)は、少なくとも2つの異なるインクを受けるための少なくとも2つのインク受け装置を有する、
ことを特徴とする請求項1~13のいずれか一項に記載のマルチ塗布モジュール(1)。
【請求項15】
前記インクは、前記多機能要素(9)の前記表面に対して、特に前記第1の多機能ローラ(91)の前記表面及び/又は前記平坦な印刷面に対して、及び/又は前記印刷テーブル(13)の前記平坦な表面領域に対して、垂直に、すなわち鉛直に印刷ユニット(8)から吐出される、
ことを特徴とする請求項6~14のいずれか一項に記載のマルチ塗布モジュール(1)。
【請求項16】
前記基材(6)又は前記転写製品(7)は、前記第1の多機能ローラ(91)及び/又は前記少なくとも1つの第2の多機能ローラ(92)によって案内され、及び/又は、
前記第1の多機能ローラ(91)及び/又は前記少なくとも1つの第2の多機能ローラ(92)は、前記基材(6)又は前記転写製品(7)を案内するように形成される、
ことを特徴とする請求項1~15のいずれか一項に記載のマルチ塗布モジュール(1)。
【請求項17】
前記第1の多機能ローラ(91)及び/又は前記少なくとも1つの第2の多機能ローラ(92)上を案内される前記基材(6)、あるいは前記第1の多機能ローラ(9)及び/又は前記少なくとも1つの第2の多機能ローラ(92)上を案内される前記転写製品(7)は、前記印刷ユニット(8)により前記印刷ニップ(10)において前記2つの進行方向、好ましくは対向する進行方向に沿って印刷され、
さらに好ましくは、前記第1の多機能ローラ(91)及び/又は前記少なくとも1つの第2の多機能ローラ(92)の前記回転方向は、前記基材(6)及び前記転写製品(7)の案内中に対向する、
ことを特徴とする請求項1~16のいずれか一項に記載のマルチ塗布モジュール(1)。
【請求項18】
前記第1の多機能ローラ(91)及び/又は前記少なくとも1つの第2の多機能ローラ(92)が第1の回転方向に回転する場合、前記第1の多機能ローラ(91)及び/又は前記少なくとも1つの第2の多機能ローラ(92)上を案内される前記基材(6)は、前記印刷ニップ(10)において、特に第1の進行方向に印刷されるか、又は、
前記第1の多機能ローラ(91)及び/又は前記少なくとも1つの第2の多機能ローラ(92)が、前記第1の回転方向と反対の第2の回転方向に回転する場合、前記第1の多機能ローラ(91)及び/又は前記少なくとも1つの第2の多機能ローラ(92)上を案内される前記転写製品(7)は、前記印刷ニップ(10)において、特に前記第1の方向と反対の第2の進行方向に印刷される、
ことを特徴とする請求項1~17のいずれか一項に記載のマルチ塗布モジュール(1)。
【請求項19】
前記基材(6)又は前記転写製品(7)の印刷は、同じ前記印刷ニップ(10)において同じ前記印刷ユニット(8)を用いて行われ、特に、前記基材(6)又は前記転写製品(7)は、同じ前記第1の多機能ローラ(91)及び/又は前記少なくとも1つの第2の多機能ローラ(92)上を案内される、
ことを特徴とする請求項1~18のいずれか一項に記載のマルチ塗布モジュール(1)。
【請求項20】
前記マルチ塗布モジュール(1)は、変更可能な基材経路及び/又は転写製品経路を有する、
ことを特徴とする請求項1~19のいずれか一項に記載のマルチ塗布モジュール(1)。
【請求項21】
前記マルチ塗布モジュール(1)は、少なくとも1つの検出ユニットを備え、当該少なくとも1つの検出ユニットは、前記基材(6)及び/又は前記転写製品(7)上の少なくとも1つの要素及び/又は少なくとも1つの層の位置を、特に位置合わせマーク又はレジスタマークによって検出し、
前記検出ユニットは制御装置に接続され、当該制御装置は、前記基材(6)及び/又は前記転写製品(7)上の印刷が前記少なくとも1つの要素及び/又は前記少なくとも1つの層と位置合わせされて行われるように、前記検出ユニットによって検出された位置データに基づいて前記印刷ユニット(8)を制御する、
ことを特徴とする請求項1~20のいずれか一項に記載のマルチ塗布モジュール(1)。
【請求項22】
請求項1~21のいずれか一項に記載のマルチ塗布モジュール(1)と、
冷間転写ユニット(5)と、
を備えるマルチ塗布装置(2)であって、
前記冷間転写ユニット(5)は、加圧ローラ(17)及び逆圧ローラ(18)を備える、
ことを特徴とするマルチ塗布装置(2)。
【請求項23】
前記加圧ローラ(17)は、25ショアA~100ショアA、好ましくは50ショアA~90ショアAの硬度を有するゴム又はシリコーンのコーティングを有する、
ことを特徴とする請求項22に記載のマルチ塗布装置(2)。
【請求項24】
前記冷間転写ユニット(5)は、少なくとも1つのUV最終硬化光源(19a)をさらに備え、好ましくは、前記少なくとも1つのUV最終硬化光源(19a)は、前記基材(6)又は前記転写製品(7)の前記進行方向で、前記加圧ローラ(17)の後にさらに好ましく配置される、
ことを特徴とする請求項22又は23に記載のマルチ塗布装置(2)。
【請求項25】
前記冷間転写ユニット(5)は、特に前記転写製品(7)の転写プライからキャリアプライを剥離するための剥離ローラ(20)又は剥離ブレードをさらに備える、
ことを特徴とする請求項22~24のいずれか一項に記載のマルチ塗布装置(2)。
【請求項26】
前記冷間転写ユニット(5)は、少なくとも1つのさらなるUV最終硬化光源(19b)をさらに備え、好ましくは、前記さらなるUV最終硬化光源(19b)は、さらに好ましくは前記基材(6)及び前記転写製品(7)の前記進行方向で、前記剥離ローラ(20)又は前記剥離ブレードの後に配置される、
ことを特徴とする請求項22~25のいずれか一項に記載のマルチ塗布装置(2)。
【請求項27】
加圧ローラ(17)、少なくとも1つのUV最終硬化光源(19a)、剥離ローラ(20)又は剥離ブレード、少なくとも1つのさらなるUV最終硬化光源(19b)からなる構成部品の群から選択された1つ以上の構成部品は、特に前記加圧ローラ(17)及び逆圧ローラ(18)から形成されたプレスニップへの前記転写製品(7)の送り角度αを適合させるため、前記逆圧ローラ(18)の周りで旋回可能であるか、又は、
前記冷間転写ユニット(5)は、特に加圧ローラ(17)及び逆圧ローラ(18)から形成されたプレスニップへの前記転写製品(7)の送り角度αを適合させるため、前記マルチ塗布モジュール(1)に対して変位可能である、
ことを特徴とする請求項22~26のいずれか一項に記載のマルチ塗布装置(2)。
【請求項28】
前記加圧ローラ(17)及び/又は前記逆圧ローラ(18)は、特に前記逆圧ローラ(18)が時計回り又は反時計回りに回転するように駆動される、
ことを特徴とする請求項22~27のいずれか一項に記載のマルチ塗布装置(2)。
【請求項29】
冷間スタンピングユニット(5)は、処理機(23)に挿入されることが可能な拡張モジュール(22)として設計される、
ことを特徴とする請求項22~28のいずれか一項に記載のマルチ塗布装置(2)。
【請求項30】
冷間スタンピングユニット(5)は、少なくとも1つの検出ユニットを備え、当該少なくとも1つの検出ユニットは、前記基材(6)及び/又は前記転写製品(7)上の少なくとも1つの要素及び/又は少なくとも1つの層の位置を、特に位置合わせマーク又はレジスタマークによって検出し、
前記位置決めが、前記転写製品(7)の伸長を介して行われ、前記プレスニップへの前記転写製品(7)の搬送後に、前記加圧ローラ(17)が、位置合わせされた状態で、前記転写製品(7)上の前記少なくとも1つの要素及び/又は前記少なくとも1つの層を、前記基材(6)上の前記少なくとも1つの要素及び/又は前記少なくとも1つの層に対して押圧する、
ことを特徴とする請求項22~29のいずれか一項に記載のマルチ塗布装置(2)。
【請求項31】
前記マルチ塗布装置(2)は、材料の制御された搬送のためのクランプシステムを有する転写製品搬送システム(24)を備え、
前記転写製品搬送システム(24)は、前記クランプシステムによる前記転写製品(7)の伸長を介して、前記転写製品(7)上の前記少なくとも1つの要素及び/又は前記少なくとも1つの層及び前記基材(6)上の前記少なくとも1つの要素及び/又は前記少なくとも1つの層の前記プレスニップにおける正確に位置合わせした位置決めを制御する、
ことを特徴とする請求項22~30のいずれか一項に記載のマルチ塗布装置(2)。
【請求項32】
前記マルチ塗布装置(2)は、材料の制御された搬送のための転写製品搬送システム(24)を備え、
前記転写製品搬送システム(24)は、従動真空ローラによる前記転写製品(7)の伸長を介して、前記転写製品(7)上の前記少なくとも1つの要素及び/又は前記少なくとも1つの層及び前記基材(6)上の前記少なくとも1つの要素及び/又は前記少なくとも1つの層の前記プレスニップにおける正確に位置合わした位置決めを制御し、特に、前記転写製品(7)は、印刷されていない面が前記真空ローラに配置されており、これにより、前記転写製品は、前記転写製品の既に印刷されている面に接触されることなく伸長する、
ことを特徴とする請求項22~30のいずれか一項に記載のマルチ塗布装置(2)。
【請求項33】
前記転写製品搬送システム(24)は、
前記転写製品(7)の搬送速度に影響を与える少なくとも1つの従動ローラと、
前記転写製品に塗布された光学的に検出可能な位置合わせマーク又はレジスタマークによって前記転写製品(7)上の前記少なくとも1つの要素及び/又は前記少なくとも1つの層の位置を認識するための検出ユニット、特に光学センサと、
を備える、
ことを特徴とする請求項31又は32に記載のマルチ塗布装置(2)。
【請求項34】
特に請求項22~33のいずれか一項に記載のマルチ塗布装置(2)のための動作方法であって、
第1の変形例i)では、前記基材(6)は、前記基材(6)の印刷のため、印刷ユニット(8)と多機能要素(9)との間に形成された印刷ニップ(10)まで前記多機能要素(9)に沿って案内され、さらに1つの逆圧ローラ(18)及び加圧ローラ(17)まで案内されて、前記転写製品(7)が前記基材(6)に対して押圧されるか、又は
第2の変形例ii)では、前記転写製品(7)は、前記転写製品(7)の印刷のため、前記印刷ユニット(8)と前記多機能要素(9)との間に形成された前記印刷ニップ(10)まで前記多機能要素(9)に沿って案内され、さらに前記逆圧ローラ(18)及び前記加圧ローラ(17)までさらに案内されて、前記転写製品(7)が前記基材(6)に対して押圧され、
前記変形例i)及びii)において、前記基材(6)及び/又は前記転写製品(7)は、特に前記マルチ塗布モジュール(1)において、対向する進行方向に案内される、
ことを特徴とする動作方法。
【請求項35】
前記第1の変形例i)では、前記逆圧ローラ(18)は、前記多機能要素(9)における前記基材(6)の前記進行方向に対応する回転方向に回転し、
前記第2の変形例ii)では、前記逆圧ローラ(18)は、前記多機能要素(9)における前記転写製品(7)の前記進行方向に対応する反対の回転方向に回転する、
ことを特徴とする請求項34に記載の動作方法。
【請求項36】
前記多機能要素(9)は、第1の多機能ローラ(91)及び/又は少なくとも1つの第2の多機能ローラ(92)及び/又は印刷テーブル(13)を有する、
ことを特徴とする請求項34又は35に記載の動作方法。
【請求項37】
前記第1の多機能ローラ(91)及び/又は前記少なくとも1つの第2の多機能ローラ(92)は、対向する2つの回転方向に回転可能に取り付けられ、特に、前記対向する2つの回転方向によって画定された2つの進行方向に沿って、前記印刷ニップ(10)において、好ましくは前記印刷ユニット(8)により印刷が行われる、
ことを特徴とする請求項36に記載の動作方法。
【請求項38】
前記逆圧ローラ(18)及び/又は前記加圧ローラ(17)が駆動される、
ことを特徴とする請求項34~37のいずれか一項に記載の動作方法。
【請求項39】
前記転写製品(7)は、2つの巻き取りローラ(12a、12b)のうちの第1の巻き取りローラ(12a)から繰り出され、前記2つの巻き取りローラ(12a、12b)のうちの第2の巻き取りローラ(12b)に巻き取られ、特に前記2つの巻き取りローラ(12a、12b)のうち前記第1の巻き取りローラ(12a)及び前記2つの巻き取りローラ(12a、12b)のうち前記第2の巻き取りローラ(12b)は、同じ回転方向又は対向する回転方向に回転する、
ことを特徴とする請求項34~38のいずれか一項に記載の動作方法。
【請求項40】
前記基材(6)又は前記転写製品(7)は、前記第1の多機能ローラ(91)及び/又は前記少なくとも1つの第2の多機能ローラ(92)及び/又は前記印刷テーブル(13)の表面から離間した側に面する前記基材(6)又は前記転写製品(7)の面に印刷される、
ことを特徴とする請求項34~39のいずれか一項に記載の動作方法。
【請求項41】
前記基材(6)又は前記転写製品(7)への印刷は同じ印刷ニップ(10)において行われ、かつ/又は、前記基材(6)に対する前記転写製品(7)の押圧が同じ前記逆圧ローラ(18)及び同じ前記加圧ローラ(17)により行われる、
ことを特徴とする請求項34~40のいずれか一項に記載の動作方法。
【請求項42】
前記第1の変形例i)では、前記基材(6)は、前記少なくとも1つの要素及び/又は前記少なくとも1つの層を備え、前記少なくとも1つの要素及び/又は前記少なくとも1つの層に対して位置合わせされたさらなる層として印刷が位置決めされる、
ことを特徴とする請求項34~41のいずれか一項に記載の動作方法。
【請求項43】
前記第2の変形例ii)では、前記基材(6)は、少なくとも1つの要素及び/又は少なくとも1つの層を備え、
前記転写製品(7)に塗布された印刷は、前記少なくとも1つの要素及び/又は前記少なくとも1つの層に対して位置決めされ、特に、前記基材(6)上の前記少なくとも1つの要素及び/又は前記少なくとも1つの層及び前記転写製品(7)上の印刷は、完全に又は部分的に重なるか、あるいは全く重ならない、
ことを特徴とする請求項34~42のいずれか一項に記載の動作方法。
【請求項44】
前記第1の変形例i)では、前記基材(6)は少なくとも1つの要素及び/又は少なくとも1つの層を備え、
前記少なくとも1つの要素及び/又は前記少なくとも1つの層に対して位置決めされたさらなる層として印刷が位置決めされる、
ことを特徴とする請求項34~43のいずれか一項に記載の動作方法。
【請求項45】
前記転写製品(7)上の前記少なくとも1つの要素及び/又は前記少なくとも1つの層は、前記基材(6)上の前記印刷及び/又は前記少なくとも1つの要素及び/又は前記少なくとも1つの層と位置合わせされて、逆圧ローラ(18)と加圧ローラ(17)との間の前記プレスニップにおいて押圧される、
ことを特徴とする請求項34~44のいずれか一項に記載の動作方法。
【請求項46】
前記第2の変形例ii)では、前記基材(6)は少なくとも1つの要素及び/又は少なくとも1つの層を備え、
前記転写製品(7)上の少なくとも1つの要素及び/又は少なくとも1つの層は、前記基材(6)上の前記少なくとも1つの要素及び/又は前記少なくとも1つの層と位置合わせされて、逆圧ローラ(18)と加圧ローラ(17)との間の前記プレスニップ内において、前記基材(6)上の前記少なくとも1つの要素又は少なくとも1つの層に対して押圧される、
ことを特徴とする請求項34~45のいずれか一項に記載の動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチ塗布モジュール、マルチ塗布装置及びマルチ塗布装置のための動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基材は、デジタル印刷プロセス及びこれに続く転写プライの塗布によって、特殊な印刷及び/又は仕上げ装置において装飾される。インクジェット印刷によって、一方では、特別に形成された印刷装置において基材に接着剤を直接塗布することが可能である。他方では、インクジェット印刷によって、同様に特別に形成された別の印刷装置において転写製品に接着剤を塗布することも可能である。両方の場合において、転写製品及び基材は、その後、一緒にされて、塗布された転写製品の転写プライは、接着剤により基材に接着され、その後、転写製品のキャリアプライから剥離される。
【0003】
したがって、例えば、フィルムの転写層を基材に塗布するための方法及び塗布装置は、国際公開第2016/150681号パンフレットによって公知になっている。当該技術では、インクジェットプリントヘッドによってラジカル硬化型接着剤が転写層の部分領域に塗布される。
【0004】
上記方法の欠点は、特に、転写製品又は基材への接着剤の塗布に際し、いずれの場合においても、当該目的のために特別に形成された印刷及び/又は仕上げ装置を必要とすること、あるいは、これまでは、上記目的のために特別に形成された印刷及び/又は仕上げ装置しか知られていなかったことである。したがって、例えば、基材又は転写製品のどちらに接着剤を印刷するかに応じて特殊な機械が必要とされていた。これにより、特に機械的により複雑となり、ひいてはコストが上昇し、さらに柔軟性が欠如することとなる。これは特に、印刷品質及び/又は意図する用途がこれら2つのケースの間で異なるためでもある。したがって、例えば、基材上に直接印刷することは、通常、基材上に接着剤が流れかつ/又は浸漬することに関連するが、転写製品に印刷することは、転写製品を基材と位置合わせする追加の動作が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2016/150681号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、最新技術の欠点を好ましく回避する、改良された印刷及び/又は仕上げ装置、印刷及び/又は仕上げ装置のための改良された(動作)方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、基材又は転写製品に印刷するためのマルチ塗布モジュールであって、
印刷ユニットと、多機能要素と、を備え、印刷ユニットと多機能要素との間に印刷ニップ(printing nip)が形成され、多機能要素が第1の多機能ローラ及び/又は少なくとも1つの第2の多機能ローラ及び/又は印刷テーブルを有し、印刷ユニットが印刷ニップにおける2つの進行方向に沿って印刷するように設計されているマルチ塗布モジュールによって達成される。
【0008】
この目的は、特に請求項1~21のいずれか一項に記載のマルチ塗布モジュールと、冷間転写ユニットと、を備え、冷間転写ユニットが加圧ローラ及び逆圧ローラを備える、マルチ塗布装置によってさらに達成される。
【0009】
また、上記目的は、マルチ塗布装置、好ましくは本発明によるマルチ塗布装置、さらに好ましくは請求項22~33のいずれか一項に記載のマルチ塗布装置のための(動作)方法であって、第1の変形例i)では、基材は、基材の印刷のため、印刷ユニットと多機能要素との間に形成された印刷ニップまで多機能要素に沿って案内され、さらに1つの逆圧ローラ及び加圧ローラまで案内されて、基材に対して転写製品が押圧され、又は、
第2の変形例ii)では、転写製品は、転写製品の印刷のため、印刷ユニットと多機能要素との間に形成された印刷ニップまで多機能要素に沿って案内され、さらに逆圧ローラ及び加圧ローラまで案内されて、基材に対して転写製品が押圧され、
変形例i)及びii)において、基材及び/又は転写製品は、特にマルチ塗布モジュールにおいて、いずれの場合も対向する進行方向に案内される、(動作)方法によって達成される。
【0010】
本発明によるマルチ塗布モジュール、マルチ塗布装置及びマルチ塗布装置のための(動作)方法を通じて、両方の変形例、すなわち基材の印刷のための変形例及び転写製品の印刷のための変形例は、全く同じ機械、特に全く同じ印刷及び/又は仕上げ装置によって実行される。これにより柔軟な使用が可能となる。したがって、印刷のために2台の機械を用意することなく、目標とする方法で、基材又は転写製品に対する、特に接着剤の形態で印刷することができるという利益が得られる。したがって、本発明によるマルチ塗布モジュールは、2つの対向する進行方向で印刷することができるので、仕上げ機において本発明によるマルチ塗布モジュールを使用するだけで、基材又は転写製品への印刷が可能となる。換言すれば、両方の変形形態は、基材経路及び転写製品経路の変更を通じて本発明によるマルチ塗布モジュールを使用する1台の機械上で可能になる。これにより、それぞれの用途に適した変形例を選択し、最適な結果を得るために、機械的な複雑さを低減し、ひいてはコストを削減するとともに、同時に柔軟性を向上させることができる。
【0011】
「対向する2つの回転方向に回転可能に取り付けられる」とは、ここでは、第1の多機能ローラ及び/又は少なくとも1つの第2の多機能ローラが2つの方向に回転することができ、時計回り及び反時計回りに回転することができることを意味する。第1の多機能ローラ及び/又は少なくとも1つの第2の多機能ローラは、特に、2つの回転方向を可能にする軸を有する。第1の多機能ローラ及び/又は少なくとも1つの第2の多機能ローラは、好ましくは、第1の多機能ローラ及び/又は少なくとも1つの第2の多機能ローラの長手方向軸であり、基材及び転写製品の送り方向に対して横断方向に延びている。
【0012】
「2つの進行方向」とは、ここでは、基材及び転写製品の進行方向又は送り方向が異なり、つまり対向しており、特に、印刷ニップの領域において異なるか又は対向していることを意味する。さらに、案内されるのが基材であるか転写製品であるかに応じて、印刷される基材と印刷される転写製品とが反対方向に移動することは有利である。したがって、例えば、進行方向が左から右である場合に基材が印刷され、進行方向が右から左である場合に転写製品が印刷されるか、あるいは、その逆とすることができる。
【0013】
「転写製品」とは、キャリアプライ及び転写プライを備える転写フィルムを意味し、転写プライはキャリアプライから剥離可能である。
【0014】
更に望ましくは、転写フィルムが、特にキャリアプライと、特に剥離可能な転写プライとの間に配置された剥離層を備える。
【0015】
剥離層は、好ましくは、0.01μm~10μm、好ましくは0.1μm~5μmの層厚を有し、及び/又はワックス、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、セルロース誘導体、及び/又はポリオルガノシロキサンからなる。
【0016】
転写プライは、好ましくは、単層又は多層で形成される。したがって、転写プライは装飾プライを有することが可能であり、特に、装飾プライは、半透明層、透明層、着色ワニス層、複製ワニス層、金属層、金属酸化物層から選択される、1つ以上の層を有する。
【0017】
ここで、転写プライは特に、1μm~10μmの層厚を有する。
【0018】
キャリアプライは、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリビニル、ポリイミド(PI)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)から選択された材料を、個別に又は組み合わせて含有し、特に5μm~50μm、好ましくは7μm~23μmの層厚を有することも可能である。
【0019】
「基材」は、有利には、単層又は多層のプラスチック基材、単層又は多層の紙基材、又は1つ以上の紙プライ及び1つ以上のプラスチックプライを有する多層のハイブリッド基材である。基材は、綿繊維、木繊維、パルプ繊維、織物繊維及び/又はプラスチック繊維を含んでいてもよい。
【0020】
基材又は転写製品に印刷するためのマルチ塗布モジュールであって、マルチ塗布モジュールは、印刷ユニットと、多機能要素と、を備え、印刷ユニットと多機能要素との間に印刷ニップが形成され、多機能要素が第1の多機能ローラ及び/又は少なくとも1つの第2の多機能ローラ及び/又は印刷テーブルを有し、マルチ塗布モジュールは2つの進行方向を有し、2つの進行方向のうち第1の進行方向で基材に印刷し、2つの進行方向のうち第2の進行方向で転写製品に印刷し、特に、第1及び第2の進行方向は対向している、マルチ塗布モジュールを提供する。
【0021】
言い換えれば、基材又は転写製品に印刷するためのマルチ塗布モジュールであって、マルチ塗布モジュールは、印刷ユニットと、多機能要素と、を備え、印刷ユニットと多機能要素との間に印刷ニップが形成され、多機能要素は、基材又は転写製品を案内するために形成され、その結果、基材が多機能要素上で、特に第1の進行方向に案内されるときに、印刷ニップにおいて基材が印刷され、転写製品が多機能要素上で、特に第1の進行方向に対向する第2の進行方向に案内されるときに、印刷ニップにおいて転写製品が印刷される、マルチ塗布モジュールを提供する。
【0022】
したがって、2つの進行方向に応じて基材又は転写製品に印刷することができる。
【0023】
さらに、特に請求項22~33のいずれか一項に記載のマルチ塗布装置のための(動作)方法であって、マルチ塗布装置は、印刷ユニット及び多機能要素を有するマルチ塗布モジュールと、加圧ローラ及び逆圧ローラを有する冷間転写ユニットと、を備え、印刷ユニットと多機能要素との間に印刷ニップが形成され、第1の変形例i)において、基材は、基材の印刷のため、多機能要素に沿って印刷ニップまで案内され、さらに逆圧ローラ及び加圧ローラまで案内されて、転写製品が基材に対して押圧され、あるいは、第2の変形例ii)において、転写製品は、転写製品の印刷のため、多機能要素に沿って印刷ニップまで案内され、さらに逆圧ローラ及び加圧ローラまで案内されて、転写製品が基材に対して押圧され、変形例i)及びii)において、基材及び/又は転写製品は、特にマルチ塗布モジュールにおいて対向する進行方向に案内される、(動作)方法を提供する。
【0024】
マルチ塗布装置のための(動作)方法であって、マルチ塗布装置は、印刷ユニット及び多機能要素を有するマルチ塗布モジュールと、加圧ローラ及び逆圧ローラを有する冷間転写ユニットと、を備え、印刷ユニットと多機能要素との間に印刷ニップが形成され、第3の変形例iii)において、基材は、基材の印刷のため、多機能要素に沿って印刷ニップまで案内され、さらに逆圧ローラ及び加圧ローラまで案内される、(動作)方法を提供する。第3の変形例iii)は、有利には、転写製品がクランプされず、加圧ローラが開いていることを特徴とする。言い換えれば、これは、第3の変形例iii)によるこの動作方法では、基材のみが印刷されることを意味する。
【0025】
マルチ塗布モジュール及び/又はマルチ塗布装置及び/又はマルチ塗布装置のための動作方法を、転写製品の転写プライを基材に塗布するために使用すると好都合である。マルチ塗布モジュール及び/又はマルチ塗布装置及び/又はマルチ塗布装置のための動作方法を、基材の印刷のために使用する場合も好都合である。
【0026】
さらに、マルチ塗布装置が転写製品の転写プライを基材に塗布するためのマルチ塗布装置であることが好ましい。マルチ塗布装置が、請求項34~46のいずれか一項に記載の(動作)方法を使用してこれを実行する場合も有利である。
【0027】
さらに好ましくは、マルチ塗布装置は基材の印刷のためのマルチ塗布装置である。
【0028】
マルチ塗布装置のための(動作)方法は、特にマルチ塗布装置を動作させるための、又はマルチ塗布装置の3つの(動作)変形例を実行するための方法又は動作方法であるか、あるいは、マルチ塗布装置の生産工程である。3つの(動作)変形例又は生産工程は、好ましくは、第1の変形例i)、第2の変形例ii)及び第3の変形例iii)である。
【0029】
基材に印刷するため又は転写製品に印刷するための、特にUV硬化型インクを用いる本発明によるマルチ塗布モジュールの使用がさらに考えられる。
【0030】
したがって、基材上又は転写製品上の印刷は、UV硬化型インクの印刷であり、特にUV硬化型インクは接着剤として作用することが有利である。UV硬化型インクは、透明、半透明又は不透明であり得る。UV硬化型インクは、無色であるか、又は染料及び/又は顔料で染色され得る。染料及び/又は顔料の色は、可視光で、及び/又はUV光下で、及び/又はIR光下で可視であり得る。
【0031】
さらに、印刷ユニット及び多機能要素を有する印刷システムは、基材又は転写製品の印刷のための、好ましくは本発明によるマルチ塗布モジュールをさらに備え、特に印刷ユニットと多機能要素との間に印刷ニップが形成され、印刷システムが、基材及び/又は転写製品をさらに備える。印刷ユニットが印刷ニップにおける2つの進行方向に沿って印刷可能に設計される場合もまた有利である。
【0032】
さらに、印刷ユニット及び多機能要素を有するシステムは、基材又は転写製品に印刷するための、好ましくは本発明によるマルチ塗布モジュールをさらに備え、特に印刷ユニットと多機能要素との間に印刷ニップが形成され、システムは、加圧ローラ及び逆圧ローラを有する冷間転写ユニットをさらに備えるとともに、基材及び/又は転写製品をさらに有する。印刷ユニットが印刷ニップにおける2つの進行方向に沿って印刷可能に設計される場合もまた有利である。
【0033】
既に説明したように、かつ以下でさらに説明するように、有利には、基材又は転写製品は、印刷システム又はシステムにおいて案内されてきたか又は案内される。言い換えれば、マルチ塗布モジュール、マルチ塗布装置又はマルチ塗布装置のための(動作)方法に関連して開示する全ての特徴は、印刷システム及び/又はシステムにも転用可能であり、印刷システム及び/又はシステムについても開示しているものと見なされる。
【0034】
本発明のさらなる有利な設計は、従属請求項に記載されている。
【0035】
印刷ニップは、好ましくは、多機能要素の周縁部と印刷ユニットとの間に配置される。特に、印刷ニップは、印刷ユニットと、印刷ユニットの反対側に位置する表面との間に形成される。印刷ユニットの反対側に位置する表面は、例えば、第1の多機能ローラ、及び/又は印刷テーブル、及び/又は少なくとも1つの第2の多機能ローラであり得る。好ましくは、印刷ニップは、印刷ユニットと基材及び/又は転写製品の表面との間に形成されてもよい。特に、基材及び/又は転写製品が、2つの第2の多機能ローラに沿って、及び/又は印刷ユニットの反対側に位置する側の第1の多機能ローラ及び第2の多機能ローラに沿ってクランプされ、その結果、基材及び/又は転写製品が印刷ユニットの反対側に位置する表面を形成する。
【0036】
したがって、印刷ニップ、特に多機能要素の周縁部を案内される基材又は転写製品と印刷ユニットとの間の距離は、0.1mm~5mm、好ましくは0.5mm~3mm、特に0.5mm~1mmのサイズを有すると好都合である。
【0037】
また、インクは、多機能要素の表面に対して、特に第1の多機能ローラに対して、及び/又は平坦な印刷面に対して、及び/又は印刷テーブルの平坦な表面領域に対して垂直に、すなわち鉛直に、印刷ユニットから吐出されることが好ましい。このため、特に、印刷ユニットの表面が、いずれの場合も印刷ユニットの反対側に位置する多機能要素の表面に対して、又は多機能要素、特に第1の多機能ローラ及び/又は少なくとも1つの第2の多機能ローラ及び/又は印刷テーブルの表面の接線に対して平行な又は実質的に平行な「ノズル」と共に配置されると有利である。
【0038】
印刷ユニットの反対側に位置する表面は、好ましくは水平に配置され、特に可能な限り平坦に形成され、すなわち1つ以上の方向にほとんど又は全く湾曲を有さない。第1の多機能ローラの表面の場合、表面は、一方向にのみ円筒形に湾曲すべきであり、この湾曲は、例えば第1の多機能ローラが可能な限り大きいため、可能な限りわずかであるべきである。曲面上の印刷画像のいかなる望ましくない歪みも、デジタル印刷データのデジタル又は電子予歪又は予補償によって少なくとも部分的に補償されることが可能であり、その結果、可能な限り歪みの少ない印刷画像が曲面上に形成される。
【0039】
マルチ塗布モジュールが、転写製品を受けるための2つの巻き取りローラをさらに有すると、さらに好都合である。
【0040】
ここでは、例えば、2つの巻き取りローラのうち第1のローラが時計回りに駆動されたか又は駆動されており、及び/又は2つの巻き取りローラのうち第2のローラが反時計回りに駆動されたか又は駆動されていることが可能である。
【0041】
しかし、2つの巻き取りローラのうち第1のローラ及び2つの巻き取りローラのうち第2のローラが、いずれの場合も時計回り又は反時計回りに駆動されることも可能である。
【0042】
言い換えれば、2つの巻き取りローラは、同じ回転方向又は対向する回転方向に回転する。
【0043】
したがって、転写製品は、2つの巻き取りローラのうち第1のローラから繰り出され、2つの巻き取りローラのうち第2のローラに巻き取られ、特に2つの巻き取りローラのうち第1のローラ及び2つの巻き取りローラのうち第2のローラは、同じ回転方向又は対向する回転方向に回転することが好都合である。転写製品は、2つの巻き取りローラのうち第1のローラから繰り出され、2つの巻き取りローラのうち第2のローラに巻き取られ、特に2つの巻き取りローラのうち第1のローラは反時計回りに駆動され、及び/又は2つの巻き取りローラのうち第2のローラは時計回りに駆動されることが、さらに好都合である。
【0044】
したがって、変形例i)及びii)において、2つの巻き取りローラのうち第1のローラが時計回りに駆動又は回転され、2つの巻き取りローラのうち第2のローラが反時計回りに駆動又は回転されることが可能である。
【0045】
巻き取りローラの位置及び駆動方向は、好ましくは、基材及び/又は転写製品の進行方向にも依存する。基材の場合、印刷ニップにおける基材及び/又は転写製品の進行方向が転写製品の進行方向と反対であると仮定し、転写製品上の転写プライに印刷すると仮定し、これが転写製品ローラの内側に巻き付けられ、次いで印刷ニップにおける印刷ユニットの方向を指向すると仮定すると、第1の巻き取りローラ、特に繰り出しローラの回転方向に影響を及ぼす多くの変数がある。しかし、第2の巻き取りローラ、特に巻き上げローラの回転方向は、これに依存せず、原則として両方向に回転することができ、いずれの場合もキャリアプライを巻き取る機能を果たすことができる。
【0046】
これにより、転写製品が特に提供され、転写プライの少なくとも部分領域が基材に塗布された後、キャリアプライは、転写プライから分離されて再び巻き取られる。
【0047】
マルチ塗布モジュールは、転写製品をクランプするためのクランプシステムをさらに有し、クランプシステムは、ダンサローラ、制御ダンサローラ、測定ローラ、摩擦シャフトからなる要素の群のうち、個別に又は組み合わせて選択された1つ以上の要素を有する。これにより、張力下での転写製品の搬送が達成される。
【0048】
第2の多機能ローラと組み合わせた第1の多機能ローラ及び/又は2つの第2の多機能ローラと組み合わせた第1の多機能ローラ及び/又は2つの第2の多機能ローラは、第1の多機能ローラ及び/又は少なくとも1つの第2の多機能ローラを介して基材又は転写製品が案内されるように配設され、これによって平坦な印刷面を形成し、特に基材及び/又は転写製品が平坦な印刷面を形成するように案内されることが可能である。
【0049】
平坦な印刷面は、印刷ユニットに対して垂直に配置され、及び/又は250mm2~1,000,000mm2、好ましくは1000mm2~200,000mm2のサイズを有する表面積を形成してもよい。
【0050】
印刷テーブルは、基材又は転写製品が印刷テーブル上を案内されるように配置されることも有利である。
【0051】
特に、これにより、平坦な印刷面が生成され、正確で高品質な印刷結果が得られる。
【0052】
印刷テーブルは、好ましくは、平坦な表面領域を形成し、特に、当該表面領域は、250mm2~1,000,000mm2、好ましくは1000mm2~200,000mm2の表面面積を有する。印刷テーブルは、5mm~500mm、特に10mm~100mmの基材及び/又は転写製品の送り方向の長さ、及び/又は50mm~2000mm、特に100mm~1000mmの基材及び/又は転写製品の送り方向に対する横方向の幅を有する。
【0053】
さらに、印刷テーブルは、印刷ユニットに対して垂直に配置されることが好ましい。さらに、印刷テーブル又は平坦な印刷面は、印刷ユニットが印刷テーブル又は平坦な印刷面に対して垂直にインクを吐出するように配置されることが可能である。
【0054】
印刷ユニットと印刷テーブル及び/又は平坦な印刷面、特に基材又は転写製品の平坦な印刷面との間の距離が0.1mm~5mm、好ましくは0.5mm~3mmである場合も有用である。
【0055】
印刷テーブルは、空気クッション、特に印刷テーブルと基材又は転写製品との間の空気クッションを生成するための空気出口を有することも可能である。これにより、テーブル上での基材又は転写製品の特に平滑な移動が可能になり、その結果、印刷精度及び印刷品質がさらに向上する。これはまた、基材裏面の損傷も防止する。
【0056】
UV硬化型インクが印刷ユニットによって印刷され得るか、又は印刷される場合もまた有利である。
【0057】
さらに、マルチ塗布モジュールは、少なくとも1つのUV予備硬化光源をさらに有し、好ましくはいずれの場合も、1つのUV予備硬化光源が印刷ユニットの両側に、特に2つの進行方向に沿って配置されることが有用である。あるいは、少なくとも1つのUV予備硬化光源は、印刷ユニットの両側に、特に2つの進行方向に沿って、再取り付け可能、特に再接続可能であることも可能である。これにより、特にUV光の照射が両方の進行方向で行われるため、印刷、特にUV硬化型インクの定着が基材又は転写製品上の印刷直後に達成される。
【0058】
言い換えれば、少なくとも1つのUV予備硬化光源は、印刷直後に定着が行われ得るように、多機能要素に関して印刷装置に対してそれぞれの進行方向に沿って下流に配置される。
【0059】
少なくとも1つのUV予備硬化光源は、好ましくは、特に100nm~420nm、好ましくは280nm~405nm、さらに好ましくは280nm~380nm、さらにまた好ましくは365nm~380nmの波長範囲からの光を生成するUV LEDである。
【0060】
UV予備硬化光源と、特に印刷された基材又は転写製品との間の距離は、さらに好ましくは1mm~50mm、好ましくは3mm~20mmである。
【0061】
UV予備硬化光源と印刷ユニット又は印刷テーブルとの間の距離は、10mm~500mm、好ましくは30mm~100mmである場合も好都合である。これにより、UV予備硬化光源は、印刷ユニットの隣に可能な限り近く配置されることが可能であり、したがって、それにもかかわらず、UV照射からの印刷ユニットの遮蔽が可能になる。
【0062】
少なくとも1つのUV予備硬化光源は、好ましくは、0W/cm2~10W/cm2、好ましくは0.5W/cm2~7.5W/cm2、さらに好ましくは2W/cm2~5W/cm2の放射照度を生成する。これにより、印刷の適切な定着が保証され、その結果、高い印刷品質が達成される。正確に選択された放射照度は、異なる速度の場合に、いずれの場合も材料にほぼ同じ量のエネルギーを導入することができるように、何に印刷されているかに応じて、移動している基材及び/又は移動している転写製品の速度に特に依存する。
【0063】
第1の多機能ローラは、5cm~100cm、特に10cm~50cmの直径を有すると好都合である。
【0064】
さらに、少なくとも1つの第2の多機能ローラは、1cm~20cm、特に3cm~10cmの直径を有すると好都合である。
【0065】
第1の多機能ローラ及び/又は少なくとも1つの第2の多機能ローラの表面は、有利には、表面仕上げプロセスによって生成された表面構造を有する。表面構造は、照射、研磨ブラスト、旋削、剥離、ローレット加工、溝形成、研削、溝加工から個別に又は組み合わせて選択された、1つ以上の表面仕上げプロセスによって凸状及び/又は凹状の形態で生成されることが可能である。
【0066】
第1の多機能ローラ及び/又は少なくとも1つの第2の多機能ローラは、特に30μm~3mm、好ましくは50μm~100μmの層厚を有する、滑り止めコーティング及び/又はトラクションコーティングを有する場合も有利である。したがって、例えば、滑り止めコーティングとしてゴム引きが使用されることが可能である。滑り止めコーティングは、少なくとも1つの第2の多機能ローラ上の転写製品及び/又は基材の改善された「グリップ」又は滑り抵抗を達成するために、導入されたレリーフの意味での構造化によって、及び/又は第1の多機能ローラ及び/又は追加の材料層、特にゴムコーティングによって、実施されることが可能である。
【0067】
特に、第1の多機能ローラ及び/又は少なくとも1つの第2の多機能ローラ上の基材又は転写製品のより確実な搬送がこれにより達成され、特に搬送されたウェブ、特に基材又は転写製品が滑ることが防止される。
【0068】
第1の多機能ローラ及び/又は少なくとも1つの第2の多機能ローラは、有利には、少なくとも部分的にその周りに巻き付く基材又は転写製品によって有利に駆動され、特に、多機能ローラの表面粗さ又は滑り止めコーティング及び多機能ローラに付随する滑り止め表面によって、一定の駆動もまた達成又は保証される。
【0069】
したがって、特に印刷ニップにおける安定した搬送のために、基材又は転写製品は、第1の多機能ローラ及び/又は少なくとも1つの第2の多機能ローラの周りに少なくとも部分的に巻き付くことが有利である。
【0070】
第1の多機能ローラ及び/又は少なくとも1つの第2の多機能ローラは、第1の多機能ローラ及び/又は少なくとも1つの第2の多機能ローラの回転速度及び/又は印刷手順を検出及び/又は制御するためのエンコーダを備えるとさらに好ましい。特に、第1の多機能ローラ及び/又は少なくとも1つの第2の多機能ローラの回転速度と印刷ユニットとの正確な同期がこれにより達成され、その結果、位置合わせ(見当合わせ)が正確な印刷が可能になる。
【0071】
位置合わせ又は見当合わせ(レジスタ)、正確な位置合わせ又は正確な見当合わせ(レジスタ)、あるいは、位置合わせ精度もしくは見当合わせ(レジスタ)精度は、2つ以上の層の互いに対する位置精度を意味する。見当合わせ(レジスタ)精度は、所定の公差内で変化することであり、これは可能な限り小さくすべきである。同時に、いくつかの要素及び/又は層の互いに対する見当合わせ(レジスタ)精度は、プロセスの信頼性を高めるための重要な特徴である。位置的に正確な位置決めは、特に、感覚的に、好ましくは光学的に検出可能な位置合わせマーク又は見当合わせ(レジスタ)マークによって行われることが可能である。これらの位置合わせマーク又は見当合わせ(レジスタ)マークは、特殊な別個の要素又は領域又は層を表すか、もしくはそれ自体が位置決めされる要素又は領域又は層の一部であることが可能である。
【0072】
したがって、第1の変形例i)では、基材は、少なくとも1つの要素及び/又は少なくとも1つの層を有し、この少なくとも1つの要素及び/又は少なくとも1つの層と見当合わせされたさらなる層として印刷が基材に対して配置される。基材上又は転写製品上の少なくとも1つの要素及び/又は少なくとも1つの層の位置は、好ましくは、光学的に検出可能な位置合わせマーク又は見当合わせ(レジスタ)マークを用いて印刷手順の上流で認識される。したがって、多機能ローラの回転速度の検出を介して、基材上又は転写製品上の少なくとも1つの要素及び/又は少なくとも1つの層が印刷ユニットに到達し、これと見当合わせして基材に対して印刷を位置決めするときを判断することができる。
【0073】
特に、マルチ塗布モジュールは、少なくとも1つの検出ユニットを備える。検出ユニットは、基材及び/又は転写製品上の少なくとも1つの要素及び/又は少なくとも1つの層の位置を検出し、特に位置合わせマーク又は見当合わせ(レジスタ)マークによって上記の位置を検出する。検出ユニットは制御装置に接続される。制御装置は、基材及び/又は転写製品上の印刷が少なくとも1つの要素及び/又は少なくとも1つの層と見当合わせされた状態で行われるように、検出ユニットによって検出された位置データに基づいて印刷ユニットを制御する。
【0074】
第2の変形例ii)では、基材は、少なくとも1つの要素及び/又は少なくとも1つの層を備え、転写製品に塗布された印刷は、これに対して位置決めされることも可能である。基材上の少なくとも1つの要素及び/又は少なくとも1つの層並びに転写製品上の印刷は、完全に又は部分的に重なってもよいし、又は全く重ならなくてもよい。基材上の少なくとも1つの要素及び/又は少なくとも1つの層の位置は、好ましくは光学的に検出可能な位置合わせマーク又は見当合わせ(レジスタ)マークを用いて認識される。したがって、逆圧ローラと加圧ローラとの間のプレスニップへの搬送後に、印刷が基材上の少なくとも1つの要素及び/又は少なくとも1つの層と見当合わせされて押圧され、転写製品に印刷が行われるように、印刷手順が制御される。
【0075】
しかし、第1の変形例i)では、基材が少なくとも1つの要素及び/又は少なくとも1つの層を備え、これと見当合わせされて印刷がさらなる層として位置決めされることも可能である。基材上の少なくとも1つの要素及び/又は少なくとも1つの層の位置は、好ましくは、光学的に検出可能な位置合わせマークを用いて印刷の上流で認識される。したがって、多機能ローラの回転速度の検出を介して、基材上の要素又は層が印刷ユニットに到達し、これと見当合わせして印刷を位置決めするときを判断することができる。
【0076】
さらに、転写製品上の少なくとも1つの要素及び/又は少なくとも1つの層は、少なくとも1つの要素及び/又は少なくとも1つの層と、及び/又は基材上の印刷と見当合わせされて、逆圧ローラと加圧ローラとの間のプレスニップにおいて押圧されてもよい。このため、基材上及び転写製品上の両方の少なくとも1つの要素及び/又は少なくとも1つの層の位置が、いずれの場合も転写製品及び基材に割り当てられた光学的に検出可能な位置合わせマーク又は見当合わせ(レジスタ)マークを用いて認識され、位置決めが転写製品の伸長によって行われ、その結果、逆圧ローラと加圧ローラとの間のプレスニップへの転写製品の搬送後に、転写製品上の少なくとも1つの要素又は少なくとも1つの層が、見当合わせされた基材上の少なくとも1つの要素及び/又は少なくとも1つの層上に押圧されると好都合である。この結果、基材、印刷及び転写製品上の少なくとも1つの要素又は少なくとも1つの層の間で位置合わせされる。
【0077】
特に、冷間スタンピングユニットは、少なくとも1つの検出ユニットを備える。当該検出ユニットは、基材及び/又は転写製品上の少なくとも1つの要素及び/又は少なくとも1つの層の位置を、特に位置合わせマーク又は見当合わせ(レジスタ)マークによって検出する。位置決めは転写製品の伸長を介して行われ、プレスニップへの転写製品の搬送後に、加圧ローラが、転写製品上の少なくとも1つの要素及び/又は少なくとも1つの層を、見当合わせされた基材上の少なくとも1つの要素及び/又は少なくとも1つの層に対して押圧する。
【0078】
さらに、第2の変形例ii)では、基材が少なくとも1つの要素及び/又は少なくとも1つの層を備え、これと見当合わせされて、転写製品上の少なくとも1つの要素及び/又は少なくとも1つの層が、逆圧ローラと加圧ローラとの間のプレスニップにおいて、基材上の少なくとも1つの要素又は少なくとも1つの層に対して押圧されてもよい。このため、印刷が、転写製品上の少なくとも1つの要素及び/又は少なくとも1つの層と見当合わせされて位置決めされると有用である。基材上及び転写製品上の両方の少なくとも1つの要素及び/又は少なくとも1つの層の位置は、好ましくは、基材上及び転写製品上で転写製品及び基材に割り当てられた光学的に検出可能な位置合わせマーク又は見当合わせ(レジスタ)マークを用いて認識され、転写製品の伸長を介して位置決めされる。基材及び転写製品上の少なくとも1つの要素及び/又は少なくとも1つの層は、いずれの場合も、完全に又は部分的に重なってもよく、あるいは全く重ならなくてもよい。この結果、基材、印刷、及び転写製品上の少なくとも1つの要素又は少なくとも1つの層の間で位置合わせされる。
【0079】
互いに対する基材及び転写製品の正確な位置決めのために、好ましくは、マルチ塗布モジュールの少なくとも1つの検出ユニット及び冷間スタンピングユニットの少なくとも1つの検出ユニットは、共通の制御装置に接続される。この制御装置は、基材上の少なくとも1つの要素及び/又は少なくとも1つの層が転写製品上の印刷と見当合わせされて配置されるように、検出された見当合わせ(レジスタ)マーク又は位置マークに基づいてローラ又は印刷ユニットの回転速度を制御する。
【0080】
特に、転写製品の伸長のために、第1の変形例i)では、基材上の少なくとも1つの要素及び/又は少なくとも1つの層と見当合わせして転写製品上の少なくとも1つの要素及び/又は少なくとも1つの層を位置決めするために、フィルムが繰り出された後にクランプシステムが使用されると有用である。
【0081】
マルチ塗布装置は、制御された材料の搬送のためのクランプシステムを有する転写製品搬送システムを備える。転写製品搬送システムは、クランプシステムによる転写製品の伸長を介して、転写製品上の少なくとも1つの要素及び/又は少なくとも1つの層及び基材上の少なくとも1つの要素及び/又は少なくとも1つの層のプレスニップにおける正確に見当合わせされた位置決めを制御する。転写製品搬送システムは、好ましくは、転写製品の搬送速度に影響を及ぼす少なくとも1つの従動ローラと、転写製品に塗布された光学的に検出可能な位置合わせマーク又は見当合わせ(レジスタ)マークによって転写製品上の少なくとも1つの要素及び/又は少なくとも1つの層の位置を認識する検出ユニット、特に光学センサと、を備える。このような従動ローラは、対向する加圧ローラを有するローラ、少なくとも1つ以上のセグメント化された加圧ローラを有するローラ、真空ローラからなる要素の群から個別に又は組み合わせて選択された1つ以上の要素を有する。
【0082】
好ましくは、マルチ塗布装置は、制御された材料の搬送のための転写製品搬送システムを有し、転写製品搬送システムは、従動真空ローラによる転写製品の伸長を介して、転写製品上の少なくとも1つの要素及び/又は少なくとも1つの層及び基材上の少なくとも1つの要素及び/又は少なくとも1つの層のプレスニップにおける正確に見当合わせされた位置決めを制御する。特に、転写製品は、印刷されていない面が真空ローラ上に配置され、その結果、転写製品は、既に印刷された転写製品の面に接触されずに伸長する。
【0083】
あるいは、多機能ローラ上の少なくとも1つの駆動部を介して転写製品の伸長が行われてもよい。多機能ローラとプレスニップとの間の領域における転写製品の伸長は、逆圧ローラと加圧ローラとの間のプレスニップにおける基材搬送の速度に対する多機能ローラによる転写製品搬送の速度を介して影響を受けてもよい。したがって、基材上の少なくとも1つの要素及び/又は少なくとも1つの層と見当合わせされた転写製品の少なくとも1つの要素及び/又は少なくとも1つの層の位置決めが制御される。
【0084】
印刷ユニットは、少なくとも1つのインクジェットプリントヘッドを備えてもよい。
【0085】
印刷ユニットは、好ましくは、特に1つ以上のインクジェットプリントヘッドを有する、UVインクジェット印字バーを備える。
【0086】
UVインクジェット印字バーは、好都合には、基材及び/又は転写製品の送り方向を横断する印刷幅を有し、当該印刷幅は、50mm~2000mm、特に100mm~1000mmである。
【0087】
UVインクジェット印字バー及び/又は1つ以上のインクジェットプリントヘッドは、300~1200npi(1インチ当たりのノズル数)の解像度を有することが可能である。この解像度は、転写製品及び/又は基材の送り方向に対して横方向に見たものであり、特に設計に依存する。UVインクジェット印字バー及び/又は1つ以上のインクジェットプリントヘッドは、300~2400dpi(1インチ当たりのドット数)の解像度を有してもよい。この解像度は、転写製品及び/又は基材の送り方向に見たものであり、好ましくは塗布されるインクの量を変更するために、特に電子的に制御可能又は修正可能である。
【0088】
さらに、UVインクジェット印字バー及び/又は1つ以上のインクジェットプリントヘッドは、300m/分の最大印刷速度、好ましくは200m/分の最大印刷速度を有してもよい。
【0089】
有利には、印刷ユニット及び/又はUVインクジェット印字バーは、少なくとも2列のプリントヘッドを有する。
【0090】
さらに有利には、印刷ユニットは、少なくとも2つの異なるインクを受けるための少なくとも2つのインク受け装置を有する。
【0091】
これにより、特に、いずれの場合も、基材の印刷及び転写製品の印刷の両方のために最適なインクが直ちに利用可能となり、その結果、単一の印刷ユニットを使用する場合に自動でインク交換が可能となる。
【0092】
インク交換の合間に、第2のインクが供給される前にインク供給システム及びプリントヘッドから第1のインクの残留物を除去する洗浄手順を提供することが有利である。特に、基材及び転写製品は、通常、例えば吸収性又は表面仕上げなどの異なる物理特性を有するため、いずれの場合も、最初に印刷ユニットを充填する必要なく、最も適切なインクを直ちに使用することができる。
【0093】
印刷ユニットは、好ましくはデジタルプログラムによって構成され、その結果、2つの進行方向に沿って印刷することができる。
【0094】
言い換えれば、印刷ユニットは、第1の変形例i)及び第2の変形例ii)の両方に従って印刷することができるように、デジタルプログラムによって構成されれば有用である。
【0095】
代替的又は追加的に、印刷ユニットは、進行方向に対して垂直な、又は進行方向の法線と平行な、及び/又は印刷面の法線と平行な軸の周りで、特に機械的に、180°回転されるように実装されてもよい。
【0096】
マルチ塗布モジュールは、1つ以上の偏向ローラ及び/又は1つ以上のガイドローラをさらに有することが好ましい。
【0097】
好ましくは、基材又は転写製品は、第1の多機能ローラ及び/又は少なくとも1つの第2の多機能ローラによって案内されることが可能であり、第1の多機能ローラ及び/又は少なくとも1つの第2の多機能ローラは、基材又は転写製品を案内するために形成される。
【0098】
したがって、印刷ニップにおいて、第1の多機能ローラ及び/又は少なくとも1つの第2の多機能ローラ上を案内される基材、もしくは第1の多機能ローラ及び/又は少なくとも1つの第2の多機能ローラ上を案内される転写製品は、印刷ユニットによって2つの進行方向、好ましくは対向する進行方向に沿って印刷され、第1の多機能ローラ及び/又は少なくとも1つの第2の多機能ローラの回転方向は、基材及び転写製品の案内中に、対向していることがさらに好ましい。
【0099】
第1の多機能ローラ及び/又は少なくとも1つの第2の多機能ローラが第1の回転方向に回転する場合、第1の多機能ローラ及び/又は少なくとも1つの第2の多機能ローラ上を案内される基材は、印刷ニップにおいて、特に第1の進行方向に印刷され、又は、第1の多機能ローラ及び/又は少なくとも1つの第2の多機能ローラが、第1の回転方向と反対の第2の回転方向に回転する場合、第1の多機能ローラ及び/又は少なくとも1つの第2の多機能ローラ上を案内される転写製品は、印刷ニップにおいて、特に第1の方向と反対の第2の進行方向に印刷されることがさらに可能である。
【0100】
したがって、第1の変形例i)では、基材の印刷のため、特に第1の回転方向に回転する場合、多機能ローラに沿って印刷ニップまで(又は印刷ニップの方向に)基材が案内されると好都合であり、又は第2の変形例ii)では、転写製品の印刷のため、特に第1の回転方向と反対の第2の回転方向に回転する場合、多機能ローラに沿って印刷ニップまで(又は印刷ニップの方向に)転写製品が案内されると好都合である。
【0101】
マルチ塗布モジュールは、変更可能な基材経路及び/又は転写製品経路を有することが有利である。
【0102】
また、変形例i)及びii)の両方が、同じマルチ塗布装置において、選択もしくは実装されるか、又は同じマルチ塗布装置によって実装されると有利である。
【0103】
したがって、基材及び転写製品の両方が、マルチ塗布モジュールによって印刷ニップにおいて印刷され得る。
【0104】
基材上又は転写製品の印刷は、有利には、同じ印刷ニップにおいて、同じ印刷ユニットを用いて行われ、特に、基材又は転写製品は、同じ第1の多機能ローラ及び/又は少なくとも1つの第2の多機能ローラ上を案内される。
【0105】
言い換えれば、基材上又は転写製品上の印刷は同じマルチ塗布モジュールにおいて行われ、特に、有利には、基材及び/又は転写製品の進行方向及び/又は進行経路が異なる、つまり対向する。
【0106】
基材上又は転写製品上の印刷は同じマルチ塗布モジュールにおいて行われ、基材の進行方向及び転写製品の進行方向又は搬送方向が異なり、特に対向する場合と好都合である。
【0107】
更に好ましくは、基材上又は転写製品上の印刷は同じ印刷ニップにおいて行われ、かつ/又は基材上への転写製品の押圧が同じ逆圧ローラ及び同じ加圧ローラで行われる。
【0108】
マルチ塗布装置のさらに好ましい設計を以下に記載する。
【0109】
加圧ローラは、好ましくは、25ショアA~100ショアA、好ましくは50ショアA~90ショアAの硬度を有するゴム又はシリコーンのコーティングで形成される。コーティングは1mm~20mm、特に1mm~5mmの厚さを有すれば、さらに好都合である。
【0110】
逆圧ローラは、硬質クロムでコーティングされてもよい。
【0111】
逆圧ローラの表面は、有利には、40ロックウェルC~80ロックウェルC、特に60ロックウェルC~70ロックウェルCの耐摩耗性を有する材料で作られる。
【0112】
逆圧ローラは冷却されてもよい。
【0113】
さらに、加圧ローラは、1cm~50cm、特に5cm~20cmの直径を有すると好都合である。逆圧ローラは、5cm~70cm、特に10~50cmの直径を有すると、さらに好都合である。
【0114】
逆圧ローラ及び/又は加圧ローラは、好ましくは駆動される。
【0115】
冷間転写ユニットは、少なくとも1つのUV最終硬化光源をさらに備え、特にUV最終硬化光源は、好ましくは基材及び/又は転写製品の進行方向で、加圧ローラの後に配置されると有利である。これにより、キャリアプライが転写プライから剥離される前に、転写プライと基材との間の強固な結合が達成される。
【0116】
ここで、少なくとも1つのUV最終硬化光源は、特に基材及び/又は転写製品の運搬方向で、加圧ローラ及び/又は逆圧ローラの下流又は後で、5cm~20cm、特に5cm~10cmに配置されることが可能である。
【0117】
冷間転写ユニットは、好ましくは、特に転写製品の転写プライからキャリアプライを剥離するための、剥離ローラ又は剥離ブレードをさらに備える。
【0118】
剥離ローラ又は剥離ブレードは、特に基材及び/又は転写製品の運搬方向で、基材及び/又は転写製品の運搬方向の下流で、又は少なくとも1つのUV最終硬化光源の後で、5cm~50cm、特に5cm~20cmに配置されれば有用である。
【0119】
剥離ローラは、0.5cm~10cmの直径を有する場合も有用である。
【0120】
さらに、冷間転写ユニットは、少なくとも1つのさらなるUV最終硬化光源をさらに備える。特にさらなるUV最終硬化光源は、特に基材の進行方向で、剥離ローラ又は剥離ブレードの下流又は後に配置されることが可能である。
【0121】
少なくとも1つのさらなるUV最終硬化光源は、特に基材の運搬方向で、剥離ローラ又は剥離ブレードの下流又は後で、5cm~50cm、特に5cm~20cmに配置されると有用である。
【0122】
少なくとも1つのUV最終硬化光源及び/又は少なくとも1つのさらなるUV最終硬化光源は、好ましくは、UV LEDであり、100nm~420nm、好ましくは280nm~405nm、さらに好ましくは280nm~380nm、さらにまた好ましくは365nm~380nmの波長範囲の光を生成する。
【0123】
少なくともUV最終硬化光源及び/又は少なくとも1つのさらなるUV最終硬化光源は、好ましくは、5W/cm2~50W/cm2、好ましくは15W/cm2~25W/cm2の放射照度を生成する。正確に選択された放射照度は、速度が異なる場合に、いずれの場合も材料にほぼ同じ量のエネルギーを導入することができるように、何に対して印刷されているかに応じて、特に移動している基材及び/又は移動している転写製品の速度に依存する。
【0124】
特に、加圧ローラ及び逆圧ローラから形成されたプレスニップへの転写製品の送り角度αを適合させるため、逆圧ローラの周りで旋回可能な、加圧ローラ、少なくとも1つのUV最終硬化光源、剥離ローラ又は剥離ブレード、少なくとも1つのさらなるUV最終硬化光源からなる構成部品の群から選択された1つ以上の構成部品を提供することが特に好ましい。
【0125】
送り角度αは、有利には2つのアームによって形成される。第1のアームは、その原点がプレスニップの中心であり、逆圧ローラ又は加圧ローラに接する半直線を表する。第2のアームは、その原点が、転写製品及び/又は基材が逆圧ローラ又は加圧ローラの表面に最初に接触する点であり、逆圧ローラ又は加圧ローラに接する半直線を表す。
【0126】
プレスニップは、好ましくは、逆圧ローラ及び加圧ローラの周面の間の最短距離を表す間隙である。
【0127】
送り角度αは、好ましくは少なくとも5°、特に好ましくは少なくとも10°である。特に、送り角度αは、それぞれのローラの直径が5cm~50cmであるときに、この最小値を有する。
【0128】
特に好ましくは、冷間転写ユニットは、特に加圧ローラ及び逆圧ローラから形成されたプレスニップへの転写製品の送り角度αを適合させるために、マルチ塗布モジュールに対して変位可能である。
【0129】
特に、加圧ローラ及び逆圧ローラから形成されたプレスニップへの転写製品及び/又は基材のそれぞれの送り角度αが、特に送り角度αの最小値に準拠するため、第1の変形例i)及び第2の変形例ii)のために設定され得るように、加圧ローラ、少なくとも1つのUV最終硬化光源、剥離ローラ又は剥離ブレード、少なくとも1つのさらなるUV最終硬化光源からなる構成部品の群から選択される1つ以上の構成部品が、特に逆圧ローラの周りで旋回可能であると有利である。
【0130】
さらに有利には、加圧ローラ及び逆圧ローラから形成されたプレスニップへの転写製品及び/又は基材のそれぞれの送り角度αが、特に送り角度αの最小値に準拠するために、第1の変形例i)及び第2の変形例ii)のために設定され得るように、冷間転写ユニットはマルチ塗布モジュールに対して変位可能である。
【0131】
これにより、特に変形例i)又はii)に応じた、送り角度αの柔軟な適合が可能になる。したがって、送り角度αは、第1の変形例i)と第2の変形例ii)との間で特に適合又は回転されることが可能である。特に、これにより、基材は、加圧ローラの前に逆圧ローラを介して既に案内されていてもよいが、転写製品は、加圧ローラを介してプレスニップに供給される。これにより、特に高品質のスタンピングの結果が得られる。
【0132】
さらに好ましくは、特に冷間転写ユニットへのマルチ塗布モジュールの機械的に安定した締結を可能にするアダプタが、マルチ塗布モジュールと冷間転写ユニットとの間に配置される。
【0133】
好ましくは、冷間転写ユニット又はマルチ塗布装置は、1つ以上の偏向ローラ及び/又は1つ以上のガイドローラをさらに有する。
【0134】
冷間転写ユニットは、拡張モジュールとして設計されてもよい。したがって、特に、マルチ塗布装置は、特に加圧ローラ及びUV最終硬化光源を用いて、冷間転写ユニットの機能を果たす、既存の印刷機構、ここではフレキソ印刷機構を有するフレキソ印刷機などの処理機に挿入され得る。
【0135】
加圧ローラ及び/又は逆圧ローラは、特に逆圧ローラが時計回り又は反時計回りに回転するように、有利に駆動される。
【0136】
例えば、逆圧ローラは時計回りに回転することができる。この場合、例えば、第1の多機能ローラ及び/又は少なくとも1つの第2の多機能ローラは、基材の印刷のため、同様に時計回りに回転するが、第1の多機能ローラ及び/又は少なくとも1つの第2の多機能ローラはその後、転写製品の印刷のため、反時計回りに回転する。
【0137】
2つの巻き取りローラのうち、例えば第1のローラ、すなわち繰り出しローラは、転写製品を繰り出すために反時計回りに回転し、第2のローラ、すなわち巻き上げローラは、転写製品又は少なくとも転写製品のキャリアプライを巻き上げるために時計回りに回転する。同様に、全ての回転方向を反転させてもよい。
【0138】
さらに、一つ又は複数の転写製品ロールが巻き取りローラ上に配置されることが可能である。複数の転写製品ロールの使用は、特に軌道内の基材への塗布のみが行われる場合に有利である。1つの転写製品ロールは、塗布が行われる基材上の1つの軌道に割り当てられることが可能である。個々の転写製品ロールは、隣接する転写製品ロールから距離を置いて配置されることが可能である。特に異なる色、要素又は層を有する、異なって形成された転写製品ロールを使用してもよい。言い換えれば、これは、第1の変形例i)について、基材が、基材の印刷のため、印刷ユニットと多機能要素との間に形成された印刷ニップまで多機能要素に沿って案内され、さらに1つの逆圧ローラ及び加圧ローラまで案内され、これにより、いくつかの転写製品が基材に対して押圧されることを意味する。いくつかとは、少なくとも2つの転写製品を意味する。
【0139】
第2の変形例ii)については、好ましくは、これは、いくつかの転写製品が、いくつかの転写製品の印刷のため、印刷ユニットと多機能要素との間に形成された印刷ニップまで多機能要素に沿って案内され、さらに逆圧ローラ及び加圧ローラまで案内され、これにより、いくつかの転写製品が基材に対して押圧されることを意味する。ここでも、いくつかとは、少なくとも2つの転写製品を意味する。
【0140】
マルチ塗布装置ための(動作)方法のさらに好ましい設計を以下に記載する。
【0141】
さらに有利には、マルチ塗布装置ための(動作)方法は、印刷ユニットによって、特に同じ印刷ユニットによって、印刷ニップ、特に同じ印刷ニップにおける基材又は転写製品に印刷するステップをさらに含む。
【0142】
好ましくは、多機能要素は、第1の多機能ローラ及び/又は少なくとも1つの第2の多機能ローラ及び/又は印刷テーブルを有する。
【0143】
第1の多機能ローラ及び/又は少なくとも1つの第2の多機能ローラは、対向する2つの回転方向に回転可能に取り付けられ、特に、印刷は、対向する2つの回転方向によって画定された2つの進行方向に沿って、好ましくは印刷ユニットによって、印刷ニップにおいて行われ得る。
【0144】
さらに、印刷は、対向する2つの回転方向、さらに好ましくは第1の多機能ローラ及び/又は少なくとも1つの第2の多機能ローラの第1及び第2の回転方向によって画定された2つの進行方向に沿って、好ましくは印刷ユニットによって、印刷ニップにおいて行われ得る。
【0145】
基材又は転写製品は、好ましくは、いずれの場合も、第1の多機能ローラ及び/又は少なくとも1つの第2の多機能ローラ及び/又は印刷テーブルの表面から離れた方に向いている基材又は転写製品の面に印刷される。
【0146】
第1の変形例i)では、第1の多機能ローラ及び/又は少なくとも1つの第2の多機能ローラは、好ましくは第1の回転方向に回転し、変形例ii)では、第1の多機能ローラ及び/又は少なくとも1つの第2の多機能ローラは、第1の回転方向と反対の第2の回転方向に回転する。
【0147】
第1の変形例i)では、逆圧ローラは、さらに好ましくは、多機能要素における基材の進行方向に対応する回転方向に回転し、第2の変形例ii)では、逆圧ローラは、多機能要素における転写製品の進行方向に対応する反対方向の回転方向に回転する。
【0148】
したがって、第1の変形例i)では、多機能要素の進行方向は右に向かって延び、特に第1の多機能ローラ及び/又は少なくとも1つの第2の多機能ローラは時計回りに回転し、変形例ii)では、多機能要素の進行方向は左に向かって延び、特に第1の多機能ローラ及び/又は少なくとも1つの第2の多機能ローラは反時計回りに回転する。第1の変形例i)では、逆圧ローラは同様に時計回りに回転し、第2の変形例ii)では、逆圧ローラもまた時計回りに回転してもよい。上記の回転方向を全反転させてもよい。
【0149】
変形例i)において、基材は、基材の印刷のため、第1の多機能ローラ及び/又は少なくとも1つの第2の多機能ローラ及び/又は印刷テーブルに沿って印刷ニップまで案内され、さらに逆圧ローラ及び加圧ローラから形成されたプレスニップまで案内され、転写製品は、2つの巻き取りローラのうち第1のローラから、逆圧ローラ及び加圧ローラから形成されたプレスニップまで案内され、かつ/又は変形例ii)において、転写製品は、転写製品の印刷のため、2つの巻き取りローラのうち第1のローラから、第1の多機能ローラ及び/又は少なくとも1つの第2の多機能ローラ及び/又は印刷テーブルに沿って印刷ニップまで案内され、基材は、逆圧ローラ及び加圧ローラから形成されたプレスニップまで逆圧ローラに沿って案内されてもよい。
【0150】
マルチ塗布モジュールに関連して記載した特徴、効果及び利点は、同様に、マルチ塗布装置、マルチ塗布装置のための(動作)方法、マルチ塗布装置の使用、印刷システム、及びシステムにも転用されることが可能であり、したがって、これらも開示されているものと見なされる。反対方向にも同じことが当てはまり、マルチ塗布装置、マルチ塗布装置のための(動作)方法、マルチ塗布装置の使用、印刷システム及びシステムに関連して記載した特徴、効果及び利点もまたマルチ塗布モジュールに転用可能であり、開示されているものと見なされる。
【0151】
縮尺通りではない添付の図面を参照して、本発明の実施例を以下に例示する。
【図面の簡単な説明】
【0152】
【
図1a】マルチ塗布モジュールの断面図を概略的に示す。
【
図2a】マルチ塗布モジュールの断面図を概略的に示す。
【
図3】マルチ塗布モジュール及び冷間転写ユニットの断面図を概略的に示す。
【
図8a】マルチ塗布モジュールの多機能要素の断面図を概略的に示す。
【
図8b】マルチ塗布モジュールの多機能要素の断面図を概略的に示す。
【
図8c】マルチ塗布モジュールの多機能要素の断面図を概略的に示す。
【
図8d】マルチ塗布モジュールの多機能要素の断面図を概略的に示す。
【
図8e】マルチ塗布モジュールの多機能要素の断面図を概略的に示す。
【
図8f】マルチ塗布モジュールの多機能要素の断面図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0153】
図1aは、マルチ塗布モジュール1の断面図を概略的に示す。
【0154】
図1aに示すように、マルチ塗布モジュール1は、印刷ユニット8と、多機能要素9と、を備え、印刷ユニット8と多機能要素9との間に印刷ニップ(printing nip)10が形成される。多機能要素9は、第1の多機能ローラ91を備える。
【0155】
マルチ塗布モジュール1によって基材6及び転写製品7に印刷することを可能にするため、第1の多機能ローラ91は、ここでは対向する2つの回転方向に回転可能に取り付けられる。印刷ユニット8は、印刷ニップ10において、対向する2つの回転方向により画定された2つの進行方向に沿って印刷するように、さらに設計される。
【0156】
基材6又は転写製品7に印刷するため、
図1aに示すマルチ塗布モジュール1は、このようにして、第1の多機能ローラ91の対向する2つの回転方向によって画定された2つの進行方向を可能にし、かつ2つの進行方向のうちの第1の進行方向において基材6に印刷し、2つの進行方向のうちの第2の進行方向において転写製品7に印刷することを可能にする。
【0157】
したがって、基材6又は転写製品7は、第1の多機能ローラ91の回転方向又は2つの進行方向に応じて印刷される。
【0158】
図1aに示すように、印刷ニップは、好ましくは、第1の多機能ローラ91の周縁部と印刷ユニット8との間に配置される。さらに、印刷ユニット8は、第1の多機能ローラ91に対して垂直に配置されることが好ましい。
【0159】
印刷ニップ10、特に第1の多機能ローラ91の周縁部と印刷ユニット8の下側との間の距離は、0.1mm~5mm、好ましくは0.5mm~3mm、特に0.5mm~1mmである。
【0160】
図1aに示す第1の多機能ローラ91は、例えば、5cm~100cm、特に10cm~50cmの直径を有する。
【0161】
第1の多機能ローラ91及び/又は少なくとも1つの第2の多機能ローラ92の表面は、表面を滑りにくくするため、表面仕上げプロセスによって生成された表面構造を有するか、又は滑り止めコーティングでコーティングされる。その結果、第1の多機能ローラ91及び/又は少なくとも1つの第2の多機能ローラ92は、印刷される媒体、特に基材6又は転写製品7によって駆動される。ここで、滑り止めコーティングの層厚は、好ましくは30μm~3mm、さらに好ましくは50μm~100μmである。滑り止めコーティングとして、例えばゴム引きが使用される。第1の多機能ローラ91は、第1の多機能ローラ91の回転速度を検出及び/又は制御するため及び/又は印刷手順を制御するためエンコーダをさらに備えることが好ましい。これにより、特に、第1の多機能ローラ91の回転速度と特に印刷ユニット8の印刷速度との正確な同期が達成され、その結果、正確に見当合わせ(位置合わせ)された印刷が可能となる。
【0162】
位置合わせされた又は見当合わせされた、位置合わせが正確である又は見当合わせが正確である、位置合わせ精度又は見当合わせ精度とは、2つ以上の層の互いに対する位置精度を意味する。位置合わせ精度(見当合わせ精度)は、可能な限り小さい所定の公差内で変化する。同時に、いくつかの要素及び/又は層の互いに対する位置合わせ精度(見当合わせ精度)は、プロセスの信頼性を高めるための重要な特徴である。位置的に正確な位置決めは、特に、感覚的に、好ましくは光学的に検出可能な位置合わせマーク又は見当合わせマークによって行われてもよい。これらの位置合わせマーク又は見当合わせマークは、特殊な別個の要素又は領域又は層を表すか、もしくはそれ自体が位置決めされる要素又は領域又は層の一部であってもよい。
【0163】
図1aに示す印刷ユニット8は、好ましくはUVインクジェット印字バーである。
【0164】
UVインクジェット印字バーは、基材6及び/又は転写製品7の送り方向を横断する、50mm~2000mm、好ましくは100mm~1000mmの印刷幅を有することが好ましい。
【0165】
印刷ユニット8は、インクジェットプリントヘッドであってもよいし、又はインクジェットプリントヘッドを備えてもよい。
【0166】
ここで、UVインクジェット印字バー及び/又はインクジェットプリントヘッドは、300~1200npi(1インチ当たりのノズル数)の解像度を有することが可能である。UVインクジェット印字バー及び/又はインクジェットプリントヘッドは、300~2400dpi(1インチ当たりのドット数)の解像度を有することも可能である。
【0167】
さらに、UVインクジェット印字バー及び/又はインクジェットプリントヘッドは、300m/分の最大印刷速度、好ましくは200m/分の最大印刷速度を有することが可能である。
【0168】
印刷ユニット8及び/又はUVインクジェット印字バーは、少なくとも2列のプリントヘッドを有する場合もまた有利である。印刷ユニット8は、少なくとも2つの異なるインクを受けるための少なくとも2つのインク受け装置を有する場合にさらに有利である。
【0169】
印刷ユニット8は、好ましくは、2つの進行方向に沿って印刷することができるように、デジタルプログラムによって構成される。
【0170】
図1aに示すように、マルチ塗布モジュール1は、1つ以上の偏向ローラ及び/又は1つ以上のガイドローラをさらに有することができる。
図1aに示すマルチ塗布モジュール1は、例えば、基材6を偏向するために使用される偏向ローラ15を有する。
【0171】
図1aからさらに分かるように、マルチ塗布モジュール1は、さらに好ましくは、転写製品7を受けるための2つの巻き取りローラ12a,12bを有する。
【0172】
ここで、2つの巻き取りローラ12a,12bは、同じ回転方向又は対向する回転方向を有することが可能である。したがって、例えば、2つの巻き取りローラ12a,12bのうちの第1の巻き取りローラ12bが時計回りに駆動され、及び/又は2つの巻き取りローラ12a,12bのうちの第2の巻き取りローラ12aが反時計回りに駆動される。しかし、2つの巻き取りローラ12a,12bのうちの第1の巻き取りローラ12b及び第2の巻き取りローラ12aが、いずれの場合も時計回り又は反時計回りに駆動されてもよい。さらに、例えば、2つの巻き取りローラ12a,12bのうちの第1の巻き取りローラ12bが時計回りに駆動され、及び/又は第2の巻き取りローラ12aが反時計回りに駆動されてもよい。
【0173】
【0174】
上面図から分かるように、印刷ユニット8は、好ましくは第1の多機能ローラ91の表面に対して垂直に配置される。
図1bに示すように、印刷ニップ10は、第1の多機能ローラ91の周縁部と印刷ユニット8との間に配置され、印刷ニップ10を通って、印刷ユニットによって印刷されるために基材6又は転写製品7が第1の多機能ローラ91上を案内される。有利には、基材6又は転写製品7は、特に印刷ニップ10における安定した搬送のため、第1の多機能ローラ91の周りに少なくとも部分的に巻き付く。
【0175】
図1cは、マルチ塗布装置2の断面図を概略的に示す。
【0176】
マルチ塗布装置2は、例えば、
図1aに示すように形成されたマルチ塗布モジュール1と、冷間転写ユニット5と、を備える。冷間転写ユニット5は、加圧ローラ17及び逆圧ローラ18を備える。
【0177】
逆圧ローラ18及び/又は加圧ローラ17は、好ましくは駆動される。逆圧ローラ18は、時計回り又は反時計回りに回転することが可能である。
【0178】
加圧ローラ17は、例えば、1cm~50cm、特に5cm~20cmの直径を有する。加圧ローラ17は、好ましくは、25ショアA~100ショアA、好ましくは50ショアA~90ショアAの硬度を有するゴム又はシリコーンのコーティングで形成される。コーティングは1mm~20mm、特に1mm~5mmの厚さを有すれば、さらに好都合である。
【0179】
逆圧ローラ18の表面は、好ましくは、40ロックウェルC~80ロックウェルC、特に60ロックウェルC~70ロックウェルCの耐摩耗性を有する材料から形成され、5cm~70cm、特に10~50cmの直径を有する。逆圧ローラ18は、硬質クロムでコーティングされてもよい。逆圧ローラ18は冷却されてもよい。
【0180】
図1cに示すように、冷間転写ユニット5は、UV最終硬化光源19aをさらに備える。好ましくは、UV最終硬化光源19aは、特に基材6及び/又は転写製品7の進行方向で、加圧ローラ17及び/又は逆圧ローラ18の後方に配置される。UV最終硬化光源19aは、特に基材6及び/又は転写製品7の運搬方向で、加圧ローラ17及び/又は逆圧ローラ18の下流又は後方で、5cm~20cm、特に5cm~10cmに配置されることが可能である。
【0181】
同様に
図1cに示すように、冷間転写ユニット5は、好ましくは、特に転写製品7の転写プライからキャリアプライを剥離するための、剥離ローラ20をさらに備える。ここで、剥離ローラ20は、特に基材6及び/又は転写製品7の運搬方向で、基材6及び/又は転写製品7の運搬方向の下流で、又はUV最終硬化光源19aの後方において、5cm~50cm、特に5cm~20cmに配置されれば有用である。キャリアプライを剥離する剥離ローラ20は、0.5cm~10cmの直径を有する場合に有用である。剥離ローラ20の代替として、転写製品7の転写プライからキャリアプライを剥離するために、剥離ブレードを使用してもよい。
【0182】
UV最終硬化光源19aは、好ましくは、特に100nm~420nm、好ましくは280nm~405nm、さらに好ましくは280nm~380nm、さらにまた好ましくは365nm~380nmの波長範囲からの光を生成するUV LEDである。少なくともUV最終硬化光源19aは、好ましくは、5W/cm2~50W/cm2、好ましくは15W/cm2~25W/cm2の放射照度を生成する。
【0183】
さらに、
図1cからも分かるように、冷間転写ユニット5はまた、1つ以上の偏向又はガイドローラ15をさらに有することもできる。
【0184】
図2a~
図2cは、マルチ塗布モジュール1の断面図及びシステム4の断面図を概略的に示す。
【0185】
図2aに示すマルチ塗布モジュール1は、
図1aに示すマルチ塗布モジュール1に対応し、ここでは、
図2b及び
図2cにおいて、転写製品7の転写プライを基材6に塗布するために冷間転写ユニット5と協働してマルチ塗布モジュール1がどのように使用されるかを示す。したがって、
図2aに示すマルチ塗布モジュール1は、
図2b及び
図2cに示すマルチ塗布装置2の構成要素、又は
図2b及び
図2cに示すシステム4の構成要素であり、特に
図2b及び
図2cにおける異なる基材経路及び転写製品経路を有する。
【0186】
図2a及び
図2bに示すシステム4又はマルチ塗布装置2は、転写製品7の転写プライを基材6に塗布するために使用される。システム4又はマルチ塗布装置2に収容されたマルチ塗布モジュール1は、特にUV硬化型インクで基材6又は転写製品7に印刷するために使用される。
【0187】
図2bに示すシステム4は、
図1cに既に示したマルチ塗布装置2と、さらに基材6及び転写製品7と、を備える。
図2bに示す変形例では、基材6は、まず、冷間転写ユニット5において、偏向ローラ15を介して逆圧ローラ18に沿って案内され、そこからさらなる偏向ローラ15を介して第1の多機能ローラ91まで案内される。基材6は、第1の多機能ローラ91に巻き付いて、第1の多機能ローラ91を駆動する。基材6は、第1の多機能ローラ91を介して印刷ニップ10に供給され、そこで基材6は印刷ユニット8によって印刷される。
【0188】
特に接着剤として使用されるUV硬化型インクによって基材6に印刷される。印刷は、表面全体に亘って行われるか、又は所定の領域、したがって部分領域において行われる。印刷は、好ましくは、パターン又はモチーフの形態で行われる。
【0189】
1つの領域、部分領域又は複数の領域とは、ここではいずれの場合も、基材6又は転写製品7が延在する平面に対して垂直に見たときに占有されている層又はプライの表面領域を意味する。
【0190】
その後、基材6は、転写製品7と一緒に、加圧ローラ17及び逆圧ローラ18から形成されたプレスニップに供給される。UV硬化型インクからなる印刷は、その後、UV光の作用によりUV最終硬化光源19aによって転写製品7を通して完全に硬化され、その結果、印刷領域において、完全硬化されて転写製品7が基材6と結合する。その後、転写製品7は基材6から剥がされ、その結果、転写製品7の転写プライのみが予め印刷された領域に残る。この分離は、剥離ローラ20によって行われる。
図2bに示すように、基材6はその後、偏向ローラ15を介して冷間転写ユニットの外側に案内される。
【0191】
図2bでは、転写製品7の経路は、巻き取りローラ12aから、加圧ローラ17及び逆圧ローラ18から形成されたプレスニップまで延び、そこで転写製品7は、前述のように、基材6と一緒にされ、転写製品7の転写プライは、少なくとも部分的に基材6に転写される。既に説明されたのと同様に、剥離ローラ20における基材6と転写製品7との分離の後、転写製品7は、偏向ローラ15を介して、巻き取りローラ12bに供給され、転写製品7が巻き上げられる。
【0192】
したがって、
図2bに示す変形例では、第1の多機能ローラ91は、例えば時計回りに回転し、第1の多機能ローラ91によって画定された基材6の進行方向に沿って印刷が行われる。
【0193】
したがって、
図2bに示す変形例によれば、基材6は、基材6の印刷のため、多機能要素9として作用する第1の多機能ローラ91と印刷ユニット8との間に形成された印刷ニップ10まで、第1の多機能ローラ91に沿って案内され、次いで、逆圧ローラ18及び加圧ローラ17に案内されて、転写製品7が基材6に押圧される。
【0194】
図2cに示すシステム4は、
図2bに示すシステムに対応しており、ここでは基材経路及び転写製品経路が変更されている。したがって、
図2cに示すシステム4は、同様に、既に
図1cに示したマルチ塗布装置2と、さらに基材6及び転写製品7と、を備える。しかし、
図2cに示す変形例では、転写製品7は、第1の多機能ローラ91を介して巻き取りローラ12aから案内される。
図2cから分かるように、ここで、転写製品7は第1の多機能ローラ91に巻き付いて、第1の多機能ローラ91を駆動する。転写製品7は、第1の多機能ローラ91を介して印刷ニップ10に供給され、そこで転写製品7は、印刷ユニット8によって印刷される。
【0195】
本実施例においても、特に接着剤として使用されるUV硬化型インクによって転写製品7に対して印刷が行われる。ここで、この印刷はまた、表面全体にわたって又は所定の領域、したがって部分領域において行われる。ここでも印刷は、好ましくは、パターン又はモチーフの形態で行われる。
【0196】
その後、転写製品7は、基材6と一緒にされ、加圧ローラ17及び逆圧ローラ18から形成されたプレスニップに供給される。
【0197】
図2cに示す変形例では、基材6は、偏向ローラ15及び逆圧ローラ18を介して、加圧ローラ17及び逆圧ローラ18から形成されたプレスニップに供給される。
【0198】
転写製品7と基材6との結合は、ここでは、既に
図2bに説明した変形例と同様に行われる。そのため、本実施例は、上記の説明を参照する。また、基材6及び転写製品7のさらなる経路は、
図2bについて既に説明した経路に対応している。そのため、この点についてお上記の説明を参照する。
【0199】
したがって、
図2cに示す変形例では、第1の多機能ローラ91は、例えば反時計回りに回転し、第1の多機能ローラ91によって画定された転写製品7の進行方向に沿って印刷が行われる。
【0200】
したがって、
図2cに示す変形例によれば、転写製品7は、転写製品7の印刷のため、多機能要素9として作用する第1の多機能ローラ91と印刷ユニット8との間に形成された印刷ニップ10まで、第1の多機能ローラ91に沿って案内され、逆圧ローラ18及び加圧ローラ17までさらに案内され、これにより、転写製品7が基材6に押圧される。
【0201】
図2b及び
図2cから分かるように、
図2b及び
図2cの変形例では、第1の多機能ローラ91は、対向する回転方向に回転する。
【0202】
印刷ユニット8は、好ましくはデジタルプログラムによって構成され、2つの進行方向に沿って印刷することができる。言い換えれば、印刷ユニット8は、
図2bに示す変形例及び
図2bに示す変形例に従って印刷することができるように、デジタルプログラムによって構成される。
【0203】
図2b及び
図2cは、マルチ塗布装置2のための(動作)方法を示している。マルチ塗布装置2は、印刷ユニット8及び多機能要素9としての第1の多機能ローラ91を有するマルチ塗布モジュール1と、加圧ローラ17及び逆圧ローラ18を有する冷間転写ユニット5と、を備え、印刷ユニット8と第1の多機能ローラ91との間に印刷ニップ10が形成されている。第1の変形例i)では、基材6は、基材6の印刷のため、第1の多機能ローラ91に沿って印刷ニップ10まで案内され、さらに逆圧ローラ18及び加圧ローラ17まで案内されて、転写製品7が基材6に押圧される。あるいは、第2の変形例ii)では、転写製品7は、転写製品7の印刷のため、第1の多機能ローラ91に沿って印刷ニップ10まで案内され、さらに逆圧ローラ18及び加圧ローラ17まで案内されて、転写製品7が基材6に押圧される。変形例i)及びii)において、第1の多機能ローラ91は、対向する回転方向に回転する。
【0204】
したがって、
図2b及び
図2cに示すように、変形例i)及びii)は、同じマルチ塗布装置2において選択及び/又は実装されてもよいし、あるいは同じマルチ塗布装置2によって実装されてもよい。これは、特に、印刷ニップ10において、対向する2つの回転方向に回転するように取り付けられた第1の多機能ローラ91と、対向する2つの回転方向によって画定された2つの進行方向に沿って印刷可能に設計された印刷ユニット8と、を備えるマルチ塗布モジュール1によって可能となる。
【0205】
図3は、マルチ塗布モジュール1及び冷間転写ユニット5の断面図を概略的に示す。
【0206】
図3に示すマルチ塗布モジュール1は、
図1aに示す多機能モジュールに対応している。そのため、その設計については上記の説明を参照する。また、冷間転写ユニット5は
図1cに示す冷間転写ユニット5に対応しているが、冷間転写ユニット5が拡張モジュール22として設計されている点において相違している。したがって、マルチ塗布モジュール1は、特に、冷間転写ユニットの機能を果たす、例えば、既存の印刷機構、本実施例ではフレキソ印刷機構を有するフレキソ印刷機などの処理機に挿入される。冷間転写ユニット5のさらなる設計については、例えば
図1cに伴う上記説明を参照する。
【0207】
特に冷間転写ユニット5へのマルチ塗布モジュール1の機械的に安定した締結を可能にするアダプタは、マルチ塗布モジュール1と冷間転写ユニット5との間に配置されることが可能である。
【0208】
【0209】
図4に示すマルチ塗布装置2は、ここでは、印刷ユニット8と、多機能要素9と、を備え、印刷ユニット8と多機能要素9との間に印刷ニップ10が形成される。この設計変形例では、多機能要素は、第1の多機能ローラ91と、その上方に配置された印刷テーブル13と、を備える。したがって、印刷ニップ10は、好ましくは印刷ユニット8と印刷テーブル13との間に形成される。
【0210】
マルチ塗布装置2による基材6又は転写製品7への印刷を可能にするため、第1の多機能ローラ91は、本実施例では対向する2つの回転方向に回転するように取り付けられる。印刷ユニット8は、印刷ニップ10において、対向する2つの回転方向によって画定された2つの進行方向に沿って印刷を行うようにさらに設計される。
【0211】
印刷ユニット8及び第1の多機能ローラ91に関し、本実施例では、例えば
図1aに関する上記説明を参照する。
【0212】
さらに、
図4に示すマルチ塗布装置2は、巻き取りローラ12a,12bを備える。その設計については上記説明を参照する。
【0213】
図4に示すように、マルチ塗布装置2は、転写製品7をクランプするための1つ以上のクランプシステム16をさらに有する。クランプシステム16は、個別に又は組み合わせて選択される。クランプシステムは、ダンサローラ、制御ダンサローラ、測定ローラ、摩擦シャフトの要素のうち一つ又は複数の要素を個別に又は組み合わせて選択される。
【0214】
図4に示す印刷テーブル13は、基材6又は転写製品7が印刷テーブル13に亘って案内され得るように配置される。
【0215】
印刷テーブル13は、好ましくは、特に250mm2~1,000,000mm2、好ましくは1000mm2~200,000mm2の平坦な表面領域(表面積)を形成する。さらに、印刷テーブル13は、印刷ユニット8に対して垂直に配置されることが好ましい。インクは、印刷テーブルの平坦な表面領域に対して垂直に、すなわち鉛直に、印刷ユニット8から吐出される。また、印刷テーブルは、5mm~500mm、特に10mm~100mmの基材6及び/又は転写製品7の送り方向の長さ、及び/又は50mm~2000mm、特に100mm~1000mmの基材6及び/又は転写製品7の送り方向に対して横方向の幅を有してもよい。印刷ユニット8と、印刷テーブル13上を案内される基材6又は転写製品7の平坦な印刷面との間の距離が、0.1mm~5mm、好ましくは0.5mm~3mmである場合も有用である。
【0216】
印刷テーブル13は、空気クッション、特に印刷テーブル13と基材6又は転写製品7との間の空気クッションを生成するための空気出口を有することも可能である。
【0217】
既に説明したように、UV硬化型インクは、好ましくは印刷ユニット8によって印刷される。
【0218】
マルチ塗布装置2は、少なくとも1つのUV予備硬化光源14をさらに有する。好ましくは、1つのUV予備硬化光源14は、印刷ユニット8の両側に、特に2つの進行方向に沿って配置されることが有用である。少なくとも1つのUV予備硬化光源14は、印刷ユニット8の両側に、特に2つの進行方向に沿って、再取り付け可能、特に再接続可能に配置されてもよい。UV硬化型インクは、加圧ローラ17及び逆圧ローラ18から形成されたプレスニップへの基材6又は転写製品7のさらなる搬送中にUV硬化型インクが流れるのを防止するために、UV予備硬化光源14によって定着されてもよい。
【0219】
図4に示すマルチ塗布装置2は、印刷ユニット8の両側に、2つのUV予備硬化光源14を有する。
【0220】
少なくとも1つのUV予備硬化光源14は、好ましくは、特に100nm~420nm、好ましくは280nm~405nm、さらに好ましくは280nm~380nm、さらにまた好ましくは365nm~380nmの波長範囲の光を生成するUV LEDである。
【0221】
UV予備硬化光源14と、特に印刷された基材6又は転写製品7との間の距離は、さらに好ましくは1mm~50mm、好ましくは3mm~20mmである。
【0222】
また、UV予備硬化光源14と、印刷ユニット8又は印刷テーブル13との間の距離は、10mm~500mm、好ましくは30mm~100mmであると好都合である。
【0223】
少なくとも1つのUV予備硬化光源14は、好ましくは、0W/cm2~10W/cm2、好ましくは0.5W/cm2~7.5W/cm2、さらに好ましくは2W/cm2~5W/cm2の放射照度を生成する。
【0224】
また、
図4に示すマルチ塗布装置2は、加圧ローラ17、逆圧ローラ18、剥離ローラ20及びUV最終硬化光源19aをさらに有する。これらの設計については、前述した説明を参照する。さらに、
図4に示すマルチ塗布装置2は、偏向及びガイドローラ15をさらに有し、これにより、基材6又は転写製品7がマルチ塗布装置2内を案内される。
【0225】
図4に示すマルチ塗布装置は、さらなるUV最終硬化光源19bを備える。さらなるUV最終硬化光源19bは、特に基材6の進行方向において、剥離ローラ20の後に配置される。したがって、さらなるUV最終硬化光源19bは、特に基材6の運搬方向において、剥離ローラ20の下流又は後、5cm~50cm、特に5cm~20cmに配置されれば有用である。さらなるUV最終硬化光源19bのさらなる設計に関しては、UV最終硬化光源19aに関連する上記の明を参照する。
【0226】
図5a,
図5b及び
図6a,
図6bにおいて破線で示すように、
図4に示すマルチ塗布装置2は、マルチ塗布モジュール1及び冷間転写ユニット5を有する。マルチ塗布モジュール1は、印刷ニップ10と共に、少なくとも印刷ユニット8及び多機能要素9を備える。冷間転写ユニット5は、少なくとも加圧ローラ17及び逆圧ローラ18を備える。さらに、
図4に示す多機能要素9は、第1の多機能ローラ9と、当該ローラの上方に配置された印刷テーブル13と、を備える。このため、関連する印刷ニップ10は、印刷ユニット8と印刷テーブル13との間に形成される。
【0227】
図5a及び
図5bは、システム4の断面図を概略的に示す。システム4は、マルチ塗布装置2に加えて、基材6及び転写製品7を備える。
図5aに示すシステム4の変形例と、
図5bに示すシステム4の変形例とは、基材経路及び転写製品経路が異なっている。
図5a及び
図5bは、特に基材6及び転写製品7をさらに有するマルチ塗布装置2の断面図を概略的に示している。また、
図5a及び
図5bは、
図5a及び
図5bに示す変形例を含むマルチ塗布装置2の(動作)方法も示している。
【0228】
図5aに示すマルチ塗布装置のための(動作)方法の変形例によれば、基材6は、基材6への印刷のため、印刷ユニット8と多機能要素9との間に形成された印刷ニップ10まで多機能要素9に沿って案内される。多機能要素9は、第1の多機能ローラ91と、その上方に配置された印刷テーブル13と、を備える。したがって、印刷ニップ10は、印刷ユニット8と印刷テーブル13との間に形成される。基材6は、逆圧ローラ18及び加圧ローラ17までさらに案内されて、転写製品7が基材6に押圧される。
図5bに示すマルチ塗布装置2のための(動作)方法の変形例によれば、転写製品7は、転写製品7への印刷のため、印刷ユニット8と多機能要素9との間に形成された印刷ニップ10まで多機能要素9に沿って案内される。多機能要素9は、第1の多機能ローラ91と、その上方に配置された印刷テーブル13と、を備える。したがって、印刷ニップ10は、印刷ユニット8と印刷テーブル13との間に形成される。転写製品7は、逆圧ローラ18及び加圧ローラ17までさらに案内されて、転写製品7が基材6に押圧される。
図5a及び
図5bに示すマルチ塗布装置2のための(動作)方法の変形例では、第1の多機能ローラ91は、対向する回転方向に回転する。
【0229】
したがって、
図5aに示す変形例では、基材6は、まず、偏向ローラ15を介して、逆圧ローラ18に沿って第1の多機能ローラ91まで短い距離だけ流れる。その後、基材6は、第1の多機能ローラ91から、印刷テーブル13に案内され、そこで、印刷テーブル13又は多機能要素9と印刷ユニット8との間に形成された印刷ニップ10において、印刷ユニット8によって印刷が行われる。UV硬化型インクは、好ましくは印刷材料として使用される。基材6は、印刷テーブル13から再び第1の多機能ローラ91に案内される。基材6は第1の多機能ローラ91に部分的に巻き付き、基材6は第1の多機能ローラ91を駆動する。印刷ニップ10における印刷の後、印刷された材料はUV予備硬化光源14によって定着される。したがって、UV予備硬化光源14は、印刷の下流に配置される。その後、基材6は、加圧ローラ17と逆圧ローラ18との間に形成されたプレスニップにおいて転写製品7と一緒にされて押圧される。このため、転写製品7は、巻き取りローラ12aからクランプシステム16及び偏向ローラ15を介してプレスニップまで案内される。クランプシステム16により、張力下での転写製品7の搬送が保証される。
図5aに示すように、基材6及び転写製品7は、逆圧ローラ18上の共通のセグメントを同時に覆う。UV最終硬化光源19aは、この共通のセグメントにおいて、転写製品7を通して印刷を完全に硬化させる。完全硬化により、転写製品7又は転写製品7の転写プライは、印刷、特にUV硬化型インクが予め塗布された領域において基材6と結合する。
図5aに示すように、転写製品7はその後、剥離ローラ20によって再び基材6から分離される。転写製品7の転写プライは、予め印刷された領域において基材6上に残る。その後、転写製品7は、偏向ローラ15及びクランプシステム16を介して巻き取りローラ12b上に巻き取られる。少なくともいくつかの領域において転写プライ7で装飾されている基材6は、偏向ローラ15を介してシステム4又はマルチ塗布装置2の外側へと案内される。
【0230】
対照的に、
図5bに示す変形例では、基材6は、偏向ローラ15を介して、逆圧ローラ18上に案内される。基材6は少なくとも部分的に逆圧ローラ18に巻き付く。基材6は、逆圧ローラ18に亘り、加圧ローラ17及び逆圧ローラ18から形成されたプレスニップまで案内されている。対照的に、転写製品7は、巻き取りローラ12aからクランプシステム16及び偏向ローラ15を介して第1の多機能ローラ91まで案内される。その後、転写製品7は、第1の多機能ローラ91から印刷テーブル13に案内され、印刷テーブル13又は多機能要素9と印刷ユニット8との間に形成された印刷ニップにおいて印刷ユニット8により印刷が行われる。好ましくは、UV硬化型インクが印刷材料として使用される。転写製品7は、印刷テーブル13から再び第1の多機能ローラ91に案内され、転写製品7は第1の多機能ローラ91に部分的に巻き付く。これにより、転写製品7は第1の多機能ローラ91を駆動する。印刷ニップ10における印刷の後、印刷された材料はUV予備硬化光源14によって定着される。したがって、UV予備硬化光源14は、印刷の下流に配置される。したがって、
図5a及び
図5bに示すUV予備硬化光源14は、印刷対象が基材6又は転写製品7のどちらであるかに応じて印刷ユニット8の各側に取り付けられ得る再取り付け可能なUV予備硬化光源14である。その後、転写製品7は、加圧ローラ17と逆圧ローラ18との間に形成されたプレスニップ内で基材6と一緒にされて押圧される。
図5bに示すように、基材6及び転写製品7は、逆圧ローラ18における共通のセグメントを同時に覆う。この共通のセグメントにおいて、UV最終硬化光源19aにより転写製品7を通して印刷が完全に硬化される。完全硬化により、転写製品7又は転写製品7の転写プライは、印刷、特にUV硬化型インクが予め塗布された領域において基材6と結合する。
図5bに示すように、その後、転写製品7は、剥離ローラ20によって再び基材6から分離され、転写製品7の転写プライは、印刷された領域において基材6上に残る。その後、転写製品7は、偏向ローラ15及びクランプシステム16を介して巻き取りローラ12bに巻き取られる。少なくともいくつかの領域において転写プライで装飾された基材6は、偏向ローラ15を介してシステム4又はマルチ塗布装置2の外側に案内される。
【0231】
図5a及び
図5bに示す構成部品又は構成要素の設計に関しては、例えば、
図4に関する上記説明を参照する。
【0232】
マルチ塗布モジュール1及び冷間転写ユニット2を有するマルチ塗布装置2を備えるとともに、基材6及び転写製品7をさらに備えるシステム4に対応して、同様に
図5a及び
図5bに示す印刷システム3は、基材6及び/又は転写製品7をさらに備える、
図5a及び
図5bに示すマルチ塗布モジュール1である。
【0233】
したがって、
図5a及び
図5bに示すように、基材6又は転写製品7は、第1の多機能ローラ91によって案内される。したがって、第1の多機能ローラ91に亘って案内される基材6又は第1の多機能ローラ91に亘って案内される転写製品7は、印刷ユニット8によって印刷ニップ10において2つの対向する進行方向に印刷され得る。特に、第1の多機能ローラ91の回転方向は、基材6及び転写製品7の案内中に対向する方向に回転可能である。
【0234】
図5a及び
図5bから分かるように、
図5aに示す変形例及び
図5bに示す変形例の両方は、同じマルチ塗布装置2又は同じシステム4によって実行される。上述のように、特に、マルチ塗布装置2内の基材経路及び転写製品経路が異なっている。したがって、基材6上又は転写製品7上の印刷は同じマルチ塗布モジュール1において行われ、基材進行方向及び転写製品進行方向又は搬送方向が異なっており、特に対向している。
【0235】
さらに、
図5aに示す変形例では、第1の多機能ローラ91は時計回りに回転するが、
図5bに示す変形例では、第1の多機能ローラ91は反時計回りに回転する。
図5a及び
図5bに示すように、逆圧ローラ18は、ここでは両方の変形例において時計回りに回転する。
【0236】
上記の説明から分かるように、
図5aに示す変形例によれば、基材6は、印刷された後、全く同じ機械により転写製品7と一緒にされるが、
図5bに示す変形例によれば、転写製品7が印刷され、次いで基材6と一緒にされる。
【0237】
図6a及び
図6bは、システム4の断面図を概略的に示す。
【0238】
図6a及び
図6bに示すシステム4は、
図5a及び
図5bに示すシステムに対応するが、加圧ローラ17、少なくとも1つのUV最終硬化光源19a、剥離ローラ20、及び任意選択的に少なくとも1つのさらなるUV最終硬化光源19bの群から選択される1つ以上の構成部品が、特に加圧ローラ17及び逆圧ローラ18から形成されたプレスニップへの転写製品7の送り角度αを適合させるため、逆圧ローラ18の周りで旋回するように変位可能である点において相違する。
【0239】
図6a及び
図6bから分かるように、また矢印で示したように、
図6aに示す加圧ローラ17、UV最終硬化光源19a及び剥離ローラ20に対して、
図6bに示す加圧ローラ17、UV最終硬化光源19a及び剥離ローラ20は、プレスニップへの送り角度αが
図6a及び
図6bに示す両方の変形例における最小値を満たすように旋回する。
【0240】
図7a及び
図7bは、システム4の断面図を概略的に示す。
【0241】
図7a及び
図7bに示すシステム4は、
図5a及び
図5bに示すシステムに対応しているが、特に加圧ローラ17及び逆圧ローラ18から形成されたプレスニップへの転写製品7の送り角度αを適合させるため、マルチ塗布モジュール1に対して冷間転写ユニット5が変位可能である点において異なっている。
【0242】
図7a及び
図7bから分かるように、また矢印で示すように、
図7bに示す冷間転写ユニット5は、プレスニップへの送り角度αが
図7a及び
図7bに示す両方の変形例において最小値を満たすように変位されている。
【0243】
図8a~
図8fは、マルチ塗布モジュール1の多機能要素9の様々な実施例を例示している。各図において、多機能要素9の上方に印刷ユニット8が付加的に設けられており、印刷ユニット8に対する多機能要素9の位置が示されている。
【0244】
図8aでは、多機能要素9は、第1の多機能ローラ91のみを備える。このため、印刷ニップは、印刷ユニット8と第1の多機能ローラ91との間に形成される。基材6又は転写製品7は、好ましくは、第1の多機能ローラ91に少なくとも部分的に巻き付き、その結果、多機能ローラ91は基材6又は転写製品7によって駆動される。インクは、好ましくは、第1の多機能ローラ91の周縁部に対して鉛直に印刷ユニット8から吐出される。この実施例では、好ましくは、第1の多機能ローラ91は可能な限り大きな直径を有し、これにより、印刷領域における湾曲が可能な限り小さくなる。したがって、高い印刷品質が保証される。
図8aに示す第1の多機能ローラ91は、回転可能に取り付けられ、したがって、対向する2つの回転方向に回転することができる。上述のように、回転方向は、基材6又は転写製品7のどちらを印刷するかに依存する。
【0245】
図8bでは、多機能要素9は、第1の多機能ローラ91と、その上方に配置された印刷テーブル13と、を備える。したがって、印刷ニップは、印刷ユニット8と印刷テーブル13との間に形成される。
図8aによる設計と同様に、基材6又は転写製品7は、第1の多機能ローラ91に少なくとも部分的に巻き付き、第1の多機能ローラ91は基材6又は転写製品7によって駆動される。
図8bに示すように、基材6又は転写製品7は、印刷テーブル13上を案内される。印刷テーブル13は、好ましくは、印刷面として作用する平坦な表面領域を形成する。平坦な表面領域に印刷することで、高い印刷品質及び印刷精度を保証する。
【0246】
図8cでは、多機能要素9は、印刷テーブル13のみを備える。このため、
図8cに示す設計でも、印刷ニップ10は、印刷ユニット8と印刷テーブル13との間に形成される。基材6又は転写製品7は、印刷テーブル13上を案内される。好ましい設計では、基材6又は転写製品7のより良好な走行性を可能にするため、印刷テーブル13は、特に印刷テーブル13に組み込まれた、ローラ及び/又はロールを有してもよい。
【0247】
図8dでは、多機能要素9は、第1の多機能ローラ91と、2つの第2の多機能ローラ92と、を備える。基材6又は転写製品7は、第1の多機能ローラ91に少なくとも部分的に巻き付き、これにより、第1の多機能ローラ91が駆動される。基材6又は転写製品7は、最初の点において第1の多機能ローラに接触し、その後、基材6又は転写製品7は、第1の第2の多機能ローラ92上を案内され、次いで、第2の第2の多機能ローラ92を介して迂回して第1の多機能ローラ91に戻る。これは、基材6又は転写製品7が平坦な印刷面を形成するように、基材6又は転写製品7が2つの第2の多機能ローラ92の間にクランプされることを意味する。
図8dに示す実施例では、印刷ニップ10は、平坦な印刷面と印刷ユニット8との間、又は2つの第2の多機能ローラ92と印刷ユニット8との間に形成される。平坦な印刷面を形成するため第2の多機能ローラによって基材6又は転写製品7をクランプすることにより、高い印刷品質及び印刷精度が促進される。第1の多機能ローラ91及び第2の多機能ローラ92は、好ましくは、対向する2つの回転方向に回転可能に取り付けられる。前述のように、回転方向は、基材6又は転写製品7のどちらに印刷するかに依存する。
【0248】
図8eでは、多機能要素9は、2つの第2の多機能ローラ92を備える。基材6又は転写製品7は、2つの第2の多機能ローラ92に少なくとも部分的に巻き付き、第2の多機能ローラ92はこれによって駆動される。
図8dで既に示したように、
図8eによる実施例でも、基材6又は転写製品7は、平坦な印刷面を形成するために、2つの第2の多機能ローラ92の間にクランプされる。これにより、高い印刷品質及び印刷精度が実現される。第2の多機能ローラ92は、好ましくは、対向する2つの回転方向に回転可能に取り付けられる。回転方向は、基材6又は転写製品7のどちらに印刷するかに依存する。
【0249】
図8fでは、多機能要素9は、1つの第1の多機能ローラ91と、1つの第2の多機能ローラ92と、を備える。基材6又は転写製品7は、第1の多機能ローラ91及び第2の多機能ローラ92の両方に少なくとも部分的に巻き付き、第1及び第2の多機能ローラ91,92を駆動する。
図8fに示す設計では、基材6又は転写製品7は、平坦な印刷面が形成されるように、第1の多機能ローラ91及び1つの第2の多機能ローラ92を介してクランプされる。平坦な印刷面は、好ましくは、印刷ユニット8に対して鉛直に配置されるか、又は印刷ユニット8によるインクの吐出方向に対して鉛直に配置される。第1の多機能ローラ91及び第2の多機能ローラ92は、好ましくは、対向する2つの回転方向に回転可能に取り付けられる。いずれの場合も、回転方向は、基材6又は転写製品7のどちらに印刷するかに依存する。
【0250】
図9a及び
図9bは、いずれもシステム4の概略断面図を示す。
図9a及び
図9bに示すシステムは、
図6a及び
図6bに示すシステムに実質的に対応しているが、加圧ローラ17と逆圧ローラ18との間に形成されたプレスニップの方向に、転写製品搬送システム24を使用して転写製品7が運搬される点において異なっている。
【0251】
また、
図9a及び
図9bは、特に基材6及び転写製品7をさらに含むマルチ塗布装置2の断面図も概略的に示している。したがって、
図9a及び
図9bは、
図9a及び
図9bの変形例を含むマルチ塗布装置2の(動作)方法も示している。
【0252】
図9a及び
図9bの転写製品7の搬送経路のみが
図6a及び
図6bに示す転写製品7の搬送経路と異なっているため、変更された搬送経路のみについて説明し、繰り返した説明を省略する。対照的に、基材6の搬送経路は、
図6a及び
図6bのものと同一である。また、マルチ塗布装置2及びシステム4の残りの構成要素の配置も
図6a及び
図6bの配置と同じである。
【0253】
したがって、
図9aに示す(動作)方法の変形例では、転写製品7の印刷のため、転写製品7は、巻き取りローラ12aから開始され、クランプシステム16を介して多機能要素9に沿って、印刷ユニット8と多機能要素9との間に形成された印刷ニップ10まで送られる。この変形例では、多機能要素9は、第1の多機能ローラ91と、その上方に配置された印刷テーブル13と、を備える。転写製品7は、転写製品搬送システム24によって逆圧ローラ18及び加圧ローラ17までさらに案内されて、転写製品7が基材6に押圧される。転写製品7は、剥離ローラ20によって再び基材6から分離され、転写プライは、印刷された領域において基材6上に残る。その後、転写製品7は、偏向ローラ15及びクランプシステム16を介して巻き取りローラ12bに巻き取られる。
【0254】
転写製品搬送システム24が逆圧ローラ18の上流に配置されているため、転写製品7は、転写製品搬送システム24を使用して基材6と位置合わせ(見当合わせ)されて配置される。転写製品搬送システム24の機能について、
図9bの説明に関連して以下に説明する。
【0255】
図9bに示す(動作)方法の変形例では、転写製品7は、巻き取りローラ12aから開始され、クランプシステム16及び転写製品搬送システム24を介して逆圧ローラ18まで至る。逆圧ローラ18上における転写製品7は加圧ローラ17によって基材6に対して押圧される。
図9aにも示したように、その後、転写製品7は、剥離ローラ20によって再び基材6から分離され、転写製品7の転写プライは、印刷された領域において基材6上に残る。その後、転写製品7は、偏向ローラ15及びクランプシステム16を介して巻き取りローラ12bに巻き取られる。
【0256】
材料搬送は、クランプシステム16の後に配置された転写製品搬送システム24によって正確に制御される。転写製品搬送システム24は、好ましくは、位置合わせ(見当合わせ)が正確な方法で、転写製品7に亘った、転写製品7上の少なくとも1つの要素及び/又は少なくとも1つの層並びに基材6上の少なくとも1つの要素及び/又は少なくとも1つの層のプレスニップにおける位置決めを制御する。転写製品7及び/又は基材6上の少なくとも1つの要素及び/又は少なくとも1つの層は、好ましくは、転写製品7又は基材6の生産プロセスにおいて既に塗布されている。さらに、転写製品7又は基材6の少なくとも1つの要素及び/又は少なくとも1つの層に光学的に検出可能な位置合わせ(見当合わせ)マーク又はレジスタマークが塗布される。これらの位置合わせ(見当合わせ)マーク又はレジスタマークは、転写製品搬送システム24に配置された検出ユニットによって検出される。これにより、転写製品7上の少なくとも1つの要素及び/又は少なくとも1つの層の位置が判断される。これらのデータに基づいて、転写製品搬送システム24において駆動されるローラが加速又は減速され、その結果、転写製品7の全体的な搬送速度に対して、転写製品7の搬送速度が局所的に変化する。転写製品7はある程度伸長可能なため、転写製品7の局所的な搬送速度により、基材6又は基材6における印刷及び/又は基材6上の少なくとも1つの要素及び/又は少なくとも1つの層に対して、転写製品7が正確に位置合わせ(見当合わせ)されて塗布される。このような従動ローラは、対向する加圧ローラを有するローラ、少なくとも1つ以上のセグメント化された加圧ローラを有するローラ、又は真空ローラから個別に又は組み合わせて選択された1つ以上の要素を有してもよい。
【0257】
転写製品搬送システム24は、クランプシステムを有してもよい。これにより、転写製品7の伸長がさらに影響を受ける。したがって、転写製品搬送システム24の上流における転写製品7の搬送速度を、転写製品搬送システム24の下流における搬送速度と異ならせることができる。したがって、転写製品7の伸長は、転写製品7の位置合わせ(見当合わせ)された位置決めを可能にする。
【符号の説明】
【0258】
1 マルチ塗布モジュール
2 マルチ塗布装置
3 印刷システム
4 システム
5 冷間転写ユニット
6 基材
7 転写製品
8 印刷ユニット
9 多機能要素
91 第1の多機能ローラ
92 第2の多機能ローラ
10 印刷ニップ
11a,11b 進行方向
12a,12b 巻き取りローラ
13 印刷テーブル
14 UV予備硬化光源
15 偏向ローラ及び/又はガイドローラ
16 クランプシステム
17 加圧ローラ
18 逆圧ローラ
19a,19b UV最終硬化光源
20 剥離ローラ又は剥離ブレード
21 セクション
22 拡張モジュール
23 処理機
24 転写製品搬送システム
【手続補正書】
【提出日】2023-09-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材(6)又は転写製品(7)に印刷するためのマルチ塗布モジュール(1)であって、
印刷ユニット(8)と、
多機能要素(9)と、
を備え、
前記印刷ユニット(8)と前記多機能要素(9)との間に印刷ニップ(10)が形成され、
前記多機能要素(9)は、第1の多機能ローラ(91)及び/又は少なくとも1つの第2の多機能ローラ(92)及び/又は印刷テーブル(13)を有し、
前記印刷ユニット(8)は、前記印刷ニップ(10)において2つの進行方向に沿って印刷を行うように設計されて
おり、
前記印刷ユニット(8)は、UVインクジェット印字バーであるか又はUVインクジェット印字バーを備え、及び/又は、
前記印刷ユニット(8)は、少なくとも1つのインクジェットプリントヘッドを備え、
前記基材(6)又は前記転写製品(7)の印刷は、同じ前記印刷ニップ(10)において同じ前記印刷ユニット(8)を用いて行われ、
前記第1の多機能ローラ(91)及び/又は前記少なくとも1つの第2の多機能ローラ(92)が第1の回転方向に回転する場合、前記第1の多機能ローラ(91)及び/又は前記少なくとも1つの第2の多機能ローラ(92)上を案内される前記基材(6)は、前記印刷ニップ(10)において、第1の進行方向に印刷されるか、又は、
前記第1の多機能ローラ(91)及び/又は前記少なくとも1つの第2の多機能ローラ(92)が、前記第1の回転方向と反対の第2の回転方向に回転する場合、前記第1の多機能ローラ(91)及び/又は前記少なくとも1つの第2の多機能ローラ(92)上を案内される前記転写製品(7)は、前記印刷ニップ(10)において、前記第1の方向と反対の第2の進行方向に印刷される、
ことを特徴とするマルチ塗布モジュール(1)。
【請求項2】
前記マルチ塗布モジュール(1)は、前記転写製品(7)を受けるための2つの巻き取りローラ(12a、12b)をさらに有し、特に、前記2つの巻き取りローラ(12a、12b)は、同じ回転方向又は対向する回転方向に回転する、
ことを特徴とする請求項1に記載のマルチ塗布モジュール(1)。
【請求項3】
前記マルチ塗布モジュール(1)は、前記転写製品(7)をクランプするためのクランプシステム(16)をさらに有し、
前記クランプシステム(16)は、ダンサローラ、制御ダンサローラ、測定ローラ、摩擦シャフトからなる構成要素の群から個別に又は組み合わせて選択された1つ以上の構成要素を有する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のマルチ塗布モジュール(1)。
【請求項4】
前記第1の多機能ローラ(91)及び/又は前記少なくとも1つの第2の多機能ローラ(92)は、対向する2つの回転方向に回転可能に取り付けられ、特に、前記2つの進行方向は、前記対向する2つの回転方向によって画定される、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のマルチ塗布モジュール(1)。
【請求項5】
前記基材(6)又は前記転写製品(7)が前記第1の多機能ローラ(91)及び/又は前記少なくとも1つの第2の多機能ローラ(92)を介して案内されて、平坦な印刷面を形成するように、1つの第2の多機能ローラ(92)と組み合わせた前記第1の多機能ローラ(91)及び/又は2つの第2の多機能ローラ(92)と組み合わせた前記第1の多機能ローラ(91)及び/又は前記2つの第2の多機能ローラ(92)が配置される、
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のマルチ塗布モジュール(1)。
【請求項6】
前記平坦な印刷面は、前記印刷ユニット(8)に対して垂直に配置され、かつ/又は250mm2~1,000,000mm2、好ましくは1000mm2~200,000mm2の表面積を有する、
ことを特徴とする請求項5に記載のマルチ塗布モジュール(1)。
【請求項7】
前記印刷テーブル(13)は、前記基材(6)又は前記転写製品(7)が前記印刷テーブル(13)上を案内されるように配置される、
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載のマルチ塗布モジュール(1)。
【請求項8】
前記印刷テーブル(13)は、平坦な表面領域を形成し、当該表面領域は、特に250mm2~1,000,000mm2、好ましくは1000mm2~200,000mm2の大きさを有し、及び/又は、
前記印刷テーブル(13)は、前記印刷ユニット(8)に対して垂直に配置される、
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載のマルチ塗布モジュール(1)。
【請求項9】
前記印刷テーブル(13)は、空気クッション、特に前記印刷テーブル(13)と前記基材(6)又は前記転写製品(7)との間の空気クッションを生成するための空気出口を有する、
ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載のマルチ塗布モジュール(1)。
【請求項10】
前記マルチ塗布モジュール(1)は、少なくとも1つのUV予備硬化光源(14)をさらに有し、
好ましくは、1つのUV予備硬化光源(14)が前記印刷ユニット(8)各側に、特に前記2つの進行方向に沿って配置されるか、又は、
さらに好ましくは、前記少なくとも1つのUV予備硬化光源(14)は、前記印刷ユニット(8)の各側に、特に前記2つの進行方向に沿って再取り付け可能である、
ことを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載のマルチ塗布モジュール(1)。
【請求項11】
前記少なくとも1つのUV予備硬化光源(14)は、0W/cm2~10W/cm2、好ましくは0.5W/cm2~7.5W/cm2、さらに好ましくは2W/cm2~5W/cm2の放射照度を生成する、
ことを特徴とする請求項11に記載のマルチ塗布モジュール(1)。
【請求項12】
前記第1の多機能ローラ(91)及び/又は前記少なくとも1つの第2の多機能ローラ(92)の表面は、表面仕上げプロセスによって生成された表面構造を有し、及び/又は、
前記第1の多機能ローラ(91)及び/又は前記少なくとも1つの第2の多機能ローラ(92)は、特に30μm~3mm、好ましくは50μm~100μmの層厚を有する、滑り止めコーティング及び/又はトラクションコーティングを有する、
ことを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載のマルチ塗布モジュール(1)。
【請求項13】
前記印刷ユニット(8)及び/又は前記UVインクジェット印字バーは、少なくとも2列のプリントヘッドを有し、及び/又は、
前記印刷ユニット(8)は、少なくとも2つの異なるインクを受けるための少なくとも2つのインク受け装置を有する、
ことを特徴とする請求項1~1
2のいずれか一項に記載のマルチ塗布モジュール(1)。
【請求項14】
前記インクは、前記多機能要素(9)の前記表面に対して、特に前記第1の多機能ローラ(91)の前記表面及び/又は前記平坦な印刷面に対して、及び/又は前記印刷テーブル(13)の前記平坦な表面領域に対して、垂直に、すなわち鉛直に印刷ユニット(8)から吐出される、
ことを特徴とする請求項6~1
3のいずれか一項に記載のマルチ塗布モジュール(1)。
【請求項15】
前記基材(6)又は前記転写製品(7)は、前記第1の多機能ローラ(91)及び/又は前記少なくとも1つの第2の多機能ローラ(92)によって案内され、及び/又は、
前記第1の多機能ローラ(91)及び/又は前記少なくとも1つの第2の多機能ローラ(92)は、前記基材(6)又は前記転写製品(7)を案内するように形成される、
ことを特徴とする請求項1~1
4のいずれか一項に記載のマルチ塗布モジュール(1)。
【請求項16】
前記第1の多機能ローラ(91)及び/又は前記少なくとも1つの第2の多機能ローラ(92)上を案内される前記基材(6)、あるいは前記第1の多機能ローラ(9
1)及び/又は前記少なくとも1つの第2の多機能ローラ(92)上を案内される前記転写製品(7)は、前記印刷ユニット(8)により前記印刷ニップ(10)において前記2つの進行方向、好ましくは対向する進行方向に沿って印刷され、
さらに好ましくは、前記第1の多機能ローラ(91)及び/又は前記少なくとも1つの第2の多機能ローラ(92)の前記回転方向は、前記基材(6)及び前記転写製品(7)の案内中に対向する、
ことを特徴とする請求項1~1
5のいずれか一項に記載のマルチ塗布モジュール(1)。
【請求項17】
前記基材(6)又は前記転写製品(7)は、同じ前記第1の多機能ローラ(91)及び/又は前記少なくとも1つの第2の多機能ローラ(92)上を案内される、
ことを特徴とする請求項1~1
6のいずれか一項に記載のマルチ塗布モジュール(1)。
【請求項18】
前記マルチ塗布モジュール(1)は、変更可能な基材経路及び/又は転写製品経路を有する、
ことを特徴とする請求項1~1
7のいずれか一項に記載のマルチ塗布モジュール(1)。
【請求項19】
前記マルチ塗布モジュール(1)は、少なくとも1つの検出ユニットを備え、当該少なくとも1つの検出ユニットは、前記基材(6)及び/又は前記転写製品(7)上の少なくとも1つの要素及び/又は少なくとも1つの層の位置を、特に位置合わせマーク又はレジスタマークによって検出し、
前記検出ユニットは制御装置に接続され、当該制御装置は、前記基材(6)及び/又は前記転写製品(7)上の印刷が前記少なくとも1つの要素及び/又は前記少なくとも1つの層と位置合わせされて行われるように、前記検出ユニットによって検出された位置データに基づいて前記印刷ユニット(8)を制御する、
ことを特徴とする請求項1~
18のいずれか一項に記載のマルチ塗布モジュール(1)。
【請求項20】
請求項1~
19のいずれか一項に記載のマルチ塗布モジュール(1)と、
冷間転写ユニット(5)と、
を備えるマルチ塗布装置(2)であって、
前記冷間転写ユニット(5)は、加圧ローラ(17)及び逆圧ローラ(18)を備える、
ことを特徴とするマルチ塗布装置(2)。
【請求項21】
前記加圧ローラ(17)は、25ショアA~100ショアA、好ましくは50ショアA~90ショアAの硬度を有するゴム又はシリコーンのコーティングを有する、
ことを特徴とする請求項2
0に記載のマルチ塗布装置(2)。
【請求項22】
前記冷間転写ユニット(5)は、少なくとも1つのUV最終硬化光源(19a)をさらに備え、好ましくは、前記少なくとも1つのUV最終硬化光源(19a)は、前記基材(6)又は前記転写製品(7)の前記進行方向で、前記加圧ローラ(17)の後にさらに好ましく配置される、
ことを特徴とする請求項2
0又は2
1に記載のマルチ塗布装置(2)。
【請求項23】
前記冷間転写ユニット(5)は、特に前記転写製品(7)の転写プライからキャリアプライを剥離するための剥離ローラ(20)又は剥離ブレードをさらに備える、
ことを特徴とする請求項2
0~2
2のいずれか一項に記載のマルチ塗布装置(2)。
【請求項24】
前記冷間転写ユニット(5)は、少なくとも1つのさらなるUV最終硬化光源(19b)をさらに備え、好ましくは、前記さらなるUV最終硬化光源(19b)は、さらに好ましくは前記基材(6)及び前記転写製品(7)の前記進行方向で、前記剥離ローラ(20)又は前記剥離ブレードの後に配置される、
ことを特徴とする請求項2
0~2
3のいずれか一項に記載のマルチ塗布装置(2)。
【請求項25】
加圧ローラ(17)、少なくとも1つのUV最終硬化光源(19a)、剥離ローラ(20)又は剥離ブレード、少なくとも1つのさらなるUV最終硬化光源(19b)からなる構成部品の群から選択された1つ以上の構成部品は、特に前記加圧ローラ(17)及び逆圧ローラ(18)から形成されたプレスニップへの前記転写製品(7)の送り角度αを適合させるため、前記逆圧ローラ(18)の周りで旋回可能であるか、又は、
前記冷間転写ユニット(5)は、特に加圧ローラ(17)及び逆圧ローラ(18)から形成されたプレスニップへの前記転写製品(7)の送り角度αを適合させるため、前記マルチ塗布モジュール(1)に対して変位可能である、
ことを特徴とする請求項2
0~2
4のいずれか一項に記載のマルチ塗布装置(2)。
【請求項26】
前記加圧ローラ(17)及び/又は前記逆圧ローラ(18)は、特に前記逆圧ローラ(18)が時計回り又は反時計回りに回転するように駆動される、
ことを特徴とする請求項2
0~2
5のいずれか一項に記載のマルチ塗布装置(2)。
【請求項27】
冷間スタンピングユニット(5)は、処理機(23)に挿入されることが可能な拡張モジュール(22)として設計される、
ことを特徴とする請求項2
0~2
6のいずれか一項に記載のマルチ塗布装置(2)。
【請求項28】
冷間スタンピングユニット(5)は、少なくとも1つの検出ユニットを備え、当該少なくとも1つの検出ユニットは、前記基材(6)及び/又は前記転写製品(7)上の少なくとも1つの要素及び/又は少なくとも1つの層の位置を、特に位置合わせマーク又はレジスタマークによって検出し、
前記位置決めが、前記転写製品(7)の伸長を介して行われ、前記プレスニップへの前記転写製品(7)の搬送後に、前記加圧ローラ(17)が、位置合わせされた状態で、前記転写製品(7)上の前記少なくとも1つの要素及び/又は前記少なくとも1つの層を、前記基材(6)上の前記少なくとも1つの要素及び/又は前記少なくとも1つの層に対して押圧する、
ことを特徴とする請求項2
0~2
7のいずれか一項に記載のマルチ塗布装置(2)。
【請求項29】
前記マルチ塗布装置(2)は、材料の制御された搬送のためのクランプシステムを有する転写製品搬送システム(24)を備え、
前記転写製品搬送システム(24)は、前記クランプシステムによる前記転写製品(7)の伸長を介して、前記転写製品(7)上の前記少なくとも1つの要素及び/又は前記少なくとも1つの層及び前記基材(6)上の前記少なくとも1つの要素及び/又は前記少なくとも1つの層の前記プレスニップにおける正確に位置合わせした位置決めを制御する、
ことを特徴とする請求項2
0~
28のいずれか一項に記載のマルチ塗布装置(2)。
【請求項30】
前記マルチ塗布装置(2)は、材料の制御された搬送のための転写製品搬送システム(24)を備え、
前記転写製品搬送システム(24)は、従動真空ローラによる前記転写製品(7)の伸長を介して、前記転写製品(7)上の前記少なくとも1つの要素及び/又は前記少なくとも1つの層及び前記基材(6)上の前記少なくとも1つの要素及び/又は前記少なくとも1つの層の前記プレスニップにおける正確に位置合わした位置決めを制御し、特に、前記転写製品(7)は、印刷されていない面が前記真空ローラに配置されており、これにより、前記転写製品は、前記転写製品の既に印刷されている面に接触されることなく伸長する、
ことを特徴とする請求項2
0~
28のいずれか一項に記載のマルチ塗布装置(2)。
【請求項31】
前記転写製品搬送システム(24)は、
前記転写製品(7)の搬送速度に影響を与える少なくとも1つの従動ローラと、
前記転写製品に塗布された光学的に検出可能な位置合わせマーク又はレジスタマークによって前記転写製品(7)上の前記少なくとも1つの要素及び/又は前記少なくとも1つの層の位置を認識するための検出ユニット、特に光学センサと、
を備える、
ことを特徴とする請求項
29又は3
0に記載のマルチ塗布装置(2)。
【請求項32】
特に請求項2
0~3
1のいずれか一項に記載のマルチ塗布装置(2)のための動作方法であって、
第1の変形例i)では、前記基材(6)は、前記基材(6)の印刷のため、印刷ユニット(8)と多機能要素(9)との間に形成された印刷ニップ(10)まで前記多機能要素(9)に沿って案内され、さらに1つの逆圧ローラ(18)及び加圧ローラ(17)まで案内されて、前記転写製品(7)が前記基材(6)に対して押圧されるか、又は
第2の変形例ii)では、前記転写製品(7)は、前記転写製品(7)の印刷のため、前記印刷ユニット(8)と前記多機能要素(9)との間に形成された前記印刷ニップ(10)まで前記多機能要素(9)に沿って案内され、さらに前記逆圧ローラ(18)及び前記加圧ローラ(17)までさらに案内されて、前記転写製品(7)が前記基材(6)に対して押圧され、
前記変形例i)及びii)において、前記基材(6)及び/又は前記転写製品(7)は、特に前記マルチ塗布モジュール(1)において、対向する進行方向に案内される、
ことを特徴とする動作方法。
【請求項33】
前記第1の変形例i)では、前記逆圧ローラ(18)は、前記多機能要素(9)における前記基材(6)の前記進行方向に対応する回転方向に回転し、
前記第2の変形例ii)では、前記逆圧ローラ(18)は、前記多機能要素(9)における前記転写製品(7)の前記進行方向に対応する反対の回転方向に回転する、
ことを特徴とする請求項3
2に記載の動作方法。
【請求項34】
前記多機能要素(9)は、第1の多機能ローラ(91)及び/又は少なくとも1つの第2の多機能ローラ(92)及び/又は印刷テーブル(13)を有する、
ことを特徴とする請求項3
2又は3
3に記載の動作方法。
【請求項35】
前記第1の多機能ローラ(91)及び/又は前記少なくとも1つの第2の多機能ローラ(92)は、対向する2つの回転方向に回転可能に取り付けられ、特に、前記対向する2つの回転方向によって画定された2つの進行方向に沿って、前記印刷ニップ(10)において、好ましくは前記印刷ユニット(8)により印刷が行われる、
ことを特徴とする請求項3
4に記載の動作方法。
【請求項36】
前記逆圧ローラ(18)及び/又は前記加圧ローラ(17)が駆動される、
ことを特徴とする請求項3
2~3
5のいずれか一項に記載の動作方法。
【請求項37】
前記転写製品(7)は、2つの巻き取りローラ(12a、12b)のうちの第1の巻き取りローラ(12a)から繰り出され、前記2つの巻き取りローラ(12a、12b)のうちの第2の巻き取りローラ(12b)に巻き取られ、特に前記2つの巻き取りローラ(12a、12b)のうち前記第1の巻き取りローラ(12a)及び前記2つの巻き取りローラ(12a、12b)のうち前記第2の巻き取りローラ(12b)は、同じ回転方向又は対向する回転方向に回転する、
ことを特徴とする請求項3
2~3
6のいずれか一項に記載の動作方法。
【請求項38】
前記基材(6)又は前記転写製品(7)は、前記第1の多機能ローラ(91)及び/又は前記少なくとも1つの第2の多機能ローラ(92)及び/又は前記印刷テーブル(13)の表面から離間した側に面する前記基材(6)又は前記転写製品(7)の面に印刷される、
ことを特徴とする請求項3
2~3
7のいずれか一項に記載の動作方法。
【請求項39】
前記基材(6)又は前記転写製品(7)への印刷は同じ印刷ニップ(10)において行われ、かつ/又は、前記基材(6)に対する前記転写製品(7)の押圧が同じ前記逆圧ローラ(18)及び同じ前記加圧ローラ(17)により行われる、
ことを特徴とする請求項3
2~
38のいずれか一項に記載の動作方法。
【請求項40】
前記第1の変形例i)では、前記基材(6)は、前記少なくとも1つの要素及び/又は前記少なくとも1つの層を備え、前記少なくとも1つの要素及び/又は前記少なくとも1つの層に対して位置合わせされたさらなる層として印刷が位置決めされる、
ことを特徴とする請求項3
2~
39のいずれか一項に記載の動作方法。
【請求項41】
前記第2の変形例ii)では、前記基材(6)は、少なくとも1つの要素及び/又は少なくとも1つの層を備え、
前記転写製品(7)に塗布された印刷は、前記少なくとも1つの要素及び/又は前記少なくとも1つの層に対して位置決めされ、特に、前記基材(6)上の前記少なくとも1つの要素及び/又は前記少なくとも1つの層及び前記転写製品(7)上の印刷は、完全に又は部分的に重なるか、あるいは全く重ならない、
ことを特徴とする請求項3
2~4
0のいずれか一項に記載の動作方法。
【請求項42】
前記第1の変形例i)では、前記基材(6)は少なくとも1つの要素及び/又は少なくとも1つの層を備え、
前記少なくとも1つの要素及び/又は前記少なくとも1つの層に対して位置決めされたさらなる層として印刷が位置決めされる、
ことを特徴とする請求項3
2~4
1のいずれか一項に記載の動作方法。
【請求項43】
前記転写製品(7)上の前記少なくとも1つの要素及び/又は前記少なくとも1つの層は、前記基材(6)上の前記印刷及び/又は前記少なくとも1つの要素及び/又は前記少なくとも1つの層と位置合わせされて、逆圧ローラ(18)と加圧ローラ(17)との間の前記プレスニップにおいて押圧される、
ことを特徴とする請求項3
2~4
2のいずれか一項に記載の動作方法。
【請求項44】
前記第2の変形例ii)では、前記基材(6)は少なくとも1つの要素及び/又は少なくとも1つの層を備え、
前記転写製品(7)上の少なくとも1つの要素及び/又は少なくとも1つの層は、前記基材(6)上の前記少なくとも1つの要素及び/又は前記少なくとも1つの層と位置合わせされて、逆圧ローラ(18)と加圧ローラ(17)との間の前記プレスニップ内において、前記基材(6)上の前記少なくとも1つの要素又は少なくとも1つの層に対して押圧される、
ことを特徴とする請求項3
2~4
3のいずれか一項に記載の動作方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
この目的は、請求項1に記載の基材又は転写製品に印刷するためのマルチ塗布モジュールによって達成される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
この目的は、請求項1~19のいずれか一項に記載のマルチ塗布モジュールと、冷間転写ユニットと、を備え、冷間転写ユニットが加圧ローラ及び逆圧ローラを備える、マルチ塗布装置によってさらに達成される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
また、上記目的は、請求項20~31のいずれか一項に記載のマルチ塗布装置のための(動作)方法であって、第1の変形例i)では、基材は、基材の印刷のため、印刷ユニットと多機能要素との間に形成された印刷ニップまで多機能要素に沿って案内され、さらに1つの逆圧ローラ及び加圧ローラまで案内されて、基材に対して転写製品が押圧され、又は、
第2の変形例ii)では、転写製品は、転写製品の印刷のため、印刷ユニットと多機能要素との間に形成された印刷ニップまで多機能要素に沿って案内され、さらに逆圧ローラ及び加圧ローラまで案内されて、基材に対して転写製品が押圧され、
変形例i)及びii)において、基材及び/又は転写製品は、特にマルチ塗布モジュールにおいて、いずれの場合も対向する進行方向に案内される、(動作)方法によって達成される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0084
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0084】
本発明によれば、印刷ユニットは、少なくとも1つのインクジェットプリントヘッドを備える。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0085
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0085】
本発明によれば、印刷ユニットは、特に1つ以上のインクジェットプリントヘッドを有する、UVインクジェット印字バーを備える。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0099
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0099】
本発明によれば、第1の多機能ローラ及び/又は少なくとも1つの第2の多機能ローラが第1の回転方向に回転する場合、第1の多機能ローラ及び/又は少なくとも1つの第2の多機能ローラ上を案内される基材は、印刷ニップにおいて、特に第1の進行方向に印刷され、又は、第1の多機能ローラ及び/又は少なくとも1つの第2の多機能ローラが、第1の回転方向と反対の第2の回転方向に回転する場合、第1の多機能ローラ及び/又は少なくとも1つの第2の多機能ローラ上を案内される転写製品は、印刷ニップにおいて、特に第1の方向と反対の第2の進行方向に印刷される。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0104
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0104】
本発明によれば、基材上又は転写製品の印刷は、同じ印刷ニップにおいて、同じ印刷ユニットを用いて行われ、特に、基材又は転写製品は、同じ第1の多機能ローラ及び/又は少なくとも1つの第2の多機能ローラ上を案内される。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0226
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0226】
図5a,
図5b及び
図6a,
図6bにおいて破線で示すように、
図4に示すマルチ塗布装置2は、マルチ塗布モジュール1及び冷間転写ユニット5を有する。マルチ塗布モジュール1は、印刷ニップ10と共に、少なくとも印刷ユニット8及び多機能要素9を備える。冷間転写ユニット5は、少なくとも加圧ローラ17及び逆圧ローラ18を備える。さらに、
図4に示す多機能要素9は、第1の多機能ローラ9
1と、当該ローラの上方に配置された印刷テーブル13と、を備える。このため、関連する印刷ニップ10は、印刷ユニット8と印刷テーブル13との間に形成される。
【国際調査報告】