(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-15
(54)【発明の名称】チェックポイント阻害剤と組み合わせてケトチフェンを使用するがんの処置
(51)【国際特許分類】
A61K 45/00 20060101AFI20250107BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20250107BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20250107BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20250107BHJP
A61K 47/68 20170101ALI20250107BHJP
A61P 35/04 20060101ALI20250107BHJP
A61K 45/06 20060101ALI20250107BHJP
A61K 31/704 20060101ALI20250107BHJP
A61K 31/4535 20060101ALI20250107BHJP
【FI】
A61K45/00
A61P35/00 ZNA
A61P43/00 121
A61K39/395 T
A61K47/68
A61P35/04
A61K45/06
A61K31/704
A61K31/4535
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534240
(86)(22)【出願日】2022-12-08
(85)【翻訳文提出日】2024-08-02
(86)【国際出願番号】 US2022081197
(87)【国際公開番号】W WO2023108082
(87)【国際公開日】2023-06-15
(32)【優先日】2021-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523220293
【氏名又は名称】マテリア セラピューティクス インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】522350678
【氏名又は名称】ユニバーシティ オブ キプロス
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】マーティン, ジョン ディー.
(72)【発明者】
【氏名】スティリアノポウロス, トリアンタフィロス
(72)【発明者】
【氏名】ムペクリス, フォティオス
(72)【発明者】
【氏名】パナギ, ミロフォラ
(72)【発明者】
【氏名】ボウトウリ, クリソバランティス
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C085
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA95
4C076CC27
4C076CC41
4C076EE41
4C076EE59
4C084AA19
4C084AA22
4C084AA23
4C084MA02
4C084NA05
4C084ZB261
4C084ZB262
4C084ZC751
4C085AA14
4C085BB31
4C085CC23
4C085DD61
4C085EE03
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC21
4C086EA10
4C086GA04
4C086GA07
4C086MA03
4C086NA05
4C086ZB26
4C086ZC75
(57)【要約】
本発明は、対象におけるがんを処置するためもしくは腫瘍細胞の増殖を阻害するのに有効であり、および/または腫瘍細胞に対する免疫応答を惹起する、増強する、もしくは延長させることができる、ケトチフェンとチェックポイント阻害剤とを使用する併用処置を対象とする。がん免疫療法の有効性は、T細胞が腫瘍に移動し、悪性細胞に隣接する場所まで遊走して、それらを認識し、殺滅することができるか否かに依存する。本願発明は、この課題を解決する手段を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それを必要とする対象における固形腫瘍を処置する方法であって、チェックポイント阻害剤と組み合わせた、ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩の有効量を前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項2】
それを必要とする対象におけるチェックポイント阻害剤の効果を惹起する、増強する、もしくは延長させる、または前記対象がチェックポイント阻害剤に応答することを可能にする方法であって、チェックポイント阻害剤と組み合わせた、ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩の有効量を前記対象に投与することを含み、前記対象が固形腫瘍を有する、方法。
【請求項3】
それを必要とする対象におけるチェックポイント阻害剤の効果を増強する方法であって、チェックポイント阻害剤と組み合わせた、ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩の有効量を前記対象に投与することを含み、前記対象が固形腫瘍を有する、方法。
【請求項4】
対象における固形腫瘍の血流を増加させる方法であって、チェックポイント阻害剤と組み合わせた、ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩の有効量を前記対象に投与することを含み、前記固形腫瘍の血流を増加させることが、前記チェックポイント阻害剤の効果を増強する、方法。
【請求項5】
血流が、超音波に基づく血流測定を使用して、または低酸素状態を測定するための組織学技術を使用して測定される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
対象におけるチェックポイント阻害剤の送達または有効性を改善する方法であって、前記チェックポイント阻害剤と組み合わせた、ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩の有効量を投与することを含み、前記対象が固形腫瘍を有し、それによって前記対象における治療の送達または有効性を改善する、方法。
【請求項7】
ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩を投与することが、固形腫瘍と共局在する抗腫瘍T細胞の数を増加させる、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩を投与することが。固形腫瘍の組織硬度を低減させる、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記固形腫瘍の組織硬度が、超音波エラストグラフィーを使用して測定される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩を投与することが、前記固形腫瘍における細胞外基質タンパク質のレベルを減少させる、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記細胞外基質タンパク質が、コラーゲンIまたはヒアルロナン結合タンパク質(HABP)である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩を投与することが、前記固形腫瘍における低酸素状態を低減する、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記チェックポイント阻害剤が、CTLA-4、PD-1、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、BMA、HVEM、TIM3、GAL9、LAG3、VISTA、KIR、2B4、CD160、CGEN-15049、CHK1、CHK2、A2aR、およびB-7ファミリーリガンドまたはその組合せからなる群から選択されるチェックポイントタンパク質を阻害する、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記チェックポイント阻害剤が、CTLA-4、PD-L1、PD-L2、またはPD-1阻害剤である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記チェックポイント阻害剤が、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、または抗CTLA4抗体である、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記チェックポイント阻害剤が、MEDI0680、AMP-224、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピディリズマブ、MEDI4736、アテゾリズマブ、イピリムマブ、トレメリムマブ、およびBMS-936559からなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記チェックポイント阻害剤が、抗PD-1抗体および抗CTLA-4抗体の組合せである、請求項13~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩が、前記対象に1日1回投与される、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩が、前記対象に1日2回投与される、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩が、約0.01mg/kg~約5mg/kgの用量で前記対象に投与される、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩が、約100mg~約1200mgの用量で前記対象に投与される、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩が、約125mg~約500mgの用量で前記対象に投与される、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩が、約125mgの用量で前記対象に投与される、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩が、約500mgの用量で前記対象に投与される、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩が、前記チェックポイント阻害剤を前記対象に投与する前に前記対象に投与される、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩が、前記チェックポイント阻害剤を前記対象に投与する少なくとも1日前に開始して前記対象に投与される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩が、前記チェックポイント阻害剤を前記対象に投与する少なくとも2日前に開始して前記対象に投与される、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩が、前記チェックポイント阻害剤を前記対象に投与する少なくとも3日前に開始して前記対象に投与される、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩が、前記チェックポイント阻害剤を前記対象に投与する少なくとも5日前に開始して前記対象に投与される、請求項25に記載の方法。
【請求項30】
前記ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩の前記対象への投与が、前記チェックポイント阻害剤を前記対象に投与する期間の少なくとも一部の間維持される、請求項1~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩の前記対象への投与が、前記チェックポイント阻害剤を前記対象に投与する全期間の間維持される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記対象における1つまたは複数の治療効果が、前記ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩、および前記チェックポイント阻害剤の投与後にベースラインと比較して改善する、請求項1~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記1つまたは複数の治療効果が、がんに由来する腫瘍のサイズ、客観的奏功率、奏功期間、奏功までの時間、無増悪生存期間、および全生存期間からなる群から選択される、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記がんに由来する腫瘍のサイズが、前記ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩、および前記チェックポイント阻害剤の投与前の前記がんに由来する腫瘍のサイズと比較して少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、または少なくとも約80%低減される、請求項1~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記客観的奏功率が、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、または少なくとも約80%である、請求項1~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記対象が、前記ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩、および前記チェックポイント阻害剤の投与後、少なくとも約1ヶ月間、少なくとも約2ヶ月間、少なくとも約3ヶ月間、少なくとも約4ヶ月間、少なくとも約5ヶ月間、少なくとも約6ヶ月間、少なくとも約7ヶ月間、少なくとも約8ヶ月間、少なくとも約9ヶ月間、少なくとも約10ヶ月間、少なくとも約11ヶ月間、少なくとも約12ヶ月間、少なくとも約18ヶ月間、少なくとも約2年間、少なくとも約3年間、少なくとも約4年間、または少なくとも約5年間の無増悪生存期間を示す、請求項1~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記対象が、前記ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩、および前記チェックポイント阻害剤の投与後、少なくとも約1ヶ月間、少なくとも約2ヶ月間、少なくとも約3ヶ月間、少なくとも約4ヶ月間、少なくとも約5ヶ月間、少なくとも約6ヶ月間、少なくとも約7ヶ月間、少なくとも約8ヶ月間、少なくとも約9ヶ月間、少なくとも約10ヶ月間、少なくとも約11ヶ月間、少なくとも約12ヶ月間、少なくとも約18ヶ月間、少なくとも約2年間、少なくとも約3年間、少なくとも約4年間、または少なくとも約5年間
の全生存期間を示す、請求項1~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記抗体-薬物コンジュゲートに対する奏功期間が、前記ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩、および前記チェックポイント阻害剤の投与後、少なくとも約1ヶ月間、少なくとも約2ヶ月間、少なくとも約3ヶ月間、少なくとも約4ヶ月間、少なくとも約5ヶ月間、少なくとも約6ヶ月間、少なくとも約7ヶ月間、少なくとも約8ヶ月間、少なくとも約9ヶ月間、少なくとも約10ヶ月間、少なくとも約11ヶ月間、少なくとも約12ヶ月間、少なくとも約18ヶ月間、少なくとも約2年間、少なくとも約3年間、少なくとも約4年間、または少なくとも約5年間である、請求項1~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記固形腫瘍が、中皮腫、乳がん、乳がんの肺転移、肉腫、膵臓がん、卵巣がん、肝転移、前立腺がん、脳がん、黒色腫、腎細胞癌、結腸直腸がん、肝細胞癌、肺がん、頭頸部扁平上皮癌、尿路上皮癌、食道扁平上皮癌、胃がん、食道がん、子宮頸がん、メルケル細胞癌、子宮内膜癌、および皮膚扁平上皮癌からなる群から選択される、請求項1~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記固形腫瘍が肉腫である、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記肉腫が、骨肉腫または線維肉腫である、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記対象がヒトである、請求項1~41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
追加の化学療法剤を投与することを含む、請求項1~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記追加の化学療法剤が、ドキソルビシンまたはそのアナログもしくは誘導体である、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
(a)ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩の有効量;
(b)チェックポイント阻害剤の有効量;および
(c)前記ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩および前記チェックポイント阻害剤を請求項1~44のいずれか一項に記載の方法に従って使用するための使用説明書
を含むキット。
【請求項46】
固形腫瘍を有する対象におけるケトチフェンの有効量を決定する方法であって:
(a)前記固形腫瘍の血流および/または硬度を測定するステップ;
(b)前記ケトチフェンの有効量を前記対象に投与するステップ;ならびに
(c)前記ケトチフェンの投与後に前記固形腫瘍の血流および/または硬度を測定するステップを含み、前記ケトチフェンの前記対象への投与後の血流の増加および/または硬度の減少が、投与された量が有効量であったことを示す、方法。
【請求項47】
それを必要とする対象における固形腫瘍を処置する方法であって:
(a)前記固形腫瘍の血流および/または硬度を測定するステップ;
(b)ケトチフェンの有効量を前記対象に投与するステップ;
(c)前記ケトチフェンの投与後に前記固形腫瘍の血流および/または硬度を測定するステップ;ならびに
(d)前記ケトチフェンの投与後に前記固形腫瘍の血流が増加する場合および/または前記固形腫瘍の硬度が減少する場合に化学療法剤を投与するステップ
を含む方法。
【請求項48】
それを必要とする対象における固形腫瘍を処置する方法であって:
(a)前記固形腫瘍の血流および/または硬度を測定するステップ;
(b)ケトチフェンの有効量を前記対象に投与するステップ;
(c)前記ケトチフェンの投与後に前記固形腫瘍の血流および/または硬度を測定するステップ;
(d)前記ケトチフェンの投与後の前記固形腫瘍の血流の増加または前記固形腫瘍の硬度の減少に基づいて、前記対象が化学療法剤に応答性であることを決定するステップ;ならびに
(e)前記ケトチフェンの投与後の前記固形腫瘍の血流の増加または前記固形腫瘍の硬度の減少に基づいて、化学療法剤に応答性であると決定されている前記対象に前記化学療法剤を投与するステップ
を含む方法。
【請求項49】
化学療法剤による処置に対する応答を予測する方法であって:
(a)固形腫瘍の血流および/または硬度を測定するステップ;
(b)ケトチフェンの有効量を対象に投与するステップ;
(c)前記ケトチフェンの投与後に前記固形腫瘍の血流および/または硬度を測定するステップ
を含み、前記ケトチフェンの投与後の前記固形腫瘍の血流の増加または前記固形腫瘍の硬度の減少が、前記対象が前記化学療法剤による処置に応答する可能性が高いことを示す、方法。
【請求項50】
前記ケトチフェンの有効量が、前記ケトチフェンの前記対象への投与後の前記固形腫瘍の血流および/または硬度の変化を測定することによって決定され、前記ケトチフェンの前記対象への投与後の血流の増加および/または硬度の減少が、投与された量が有効量であったことを示す、請求項45~47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記方法が前記固形腫瘍の血流を測定するステップを含み、前記ケトチフェンの投与後に前記固形腫瘍の血流が増加する、請求項46~50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記方法が前記固形腫瘍の硬度を測定するステップを含み、前記ケトチフェンの投与後に前記固形腫瘍の硬度が減少する、請求項46~50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記ケトチフェンが、前記化学療法剤の投与前に、少なくとも1日間、少なくとも2日間、少なくとも3日間、少なくとも4日間、または少なくとも5日間投与される、請求項46~52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
前記ケトチフェンが、前記固形腫瘍の血流を増加させ、および/または前記固形腫瘍の硬度を減少させる用量で投与される、請求項46~53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
前記固形腫瘍の血流および/または硬度が、超音波を使用して測定される、請求項46~54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記固形腫瘍の血流が、低酸素状態を測定するための組織学技術を使用して測定される、請求項46~55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記化学療法剤がチェックポイント阻害剤である、請求項47~56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
前記チェックポイント阻害剤が、CTLA-4、PD-1、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、BMA、HVEM、TIM3、GAL9、LAG3、VISTA、KIR、2B4、CD160、CGEN-15049、CHK1、CHK2、A2aR、およびB-7ファミリーリガンドまたはその組合せからなる群から選択されるチェックポイントタンパク質を阻害する、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記チェックポイント阻害剤が、CTLA-4、PD-L1、PD-L2、またはPD-1阻害剤である、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記チェックポイント阻害剤が、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、または抗CTLA4抗体である、請求項58に記載の方法。
【請求項61】
前記チェックポイント阻害剤が、MEDI0680、AMP-224、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピディリズマブ、MEDI4736、アテゾリズマブ、イピリムマブ、トレメリムマブ、およびBMS-936559からなる群から選択される、請求項58に記載の方法。
【請求項62】
前記チェックポイント阻害剤が、抗PD-1抗体および抗CTLA-4抗体の組合せである、請求項58~61のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
前記固形腫瘍が、乳がん、乳がんの肺転移、肉腫、膵臓がん、卵巣がん、肝転移、前立腺がん、脳がん、黒色腫、腎細胞癌、結腸直腸がん、肝細胞癌、肺がん、頭頸部扁平上皮癌、尿路上皮癌、食道扁平上皮癌、胃がん、食道がん、子宮頸がん、メルケル細胞癌、子宮内膜癌、および皮膚扁平上皮癌からなる群から選択される、請求項46~62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項64】
前記固形腫瘍が肉腫である、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記肉腫が、骨肉腫または線維肉腫である、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記対象がヒトである、請求項46~65のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
前記化学療法剤がドキソルビシンである、請求項47~56または63~66のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、その内容が参照により本明細書に組み込まれる、2021年12月9日に提出された米国仮出願第63/287,872号に基づく利益を主張する。
【0002】
配列表の参照による組込み
電子的配列表(211482000240SEQLIST.xml;サイズ:23,937バイト;および作成日:2022年12月8日)の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
発明の分野
本発明は、対象におけるがんを処置するためもしくは腫瘍細胞の増殖を阻害するのに有効であり、および/または腫瘍細胞に対する免疫応答を惹起する、増強する、もしくは延長させることができる、ケトチフェンとチェックポイント阻害剤とを使用する併用処置を開示する。
【背景技術】
【0004】
背景
がん免疫療法の有効性は部分的に、T細胞が腫瘍に移動し、悪性細胞に隣接する場所まで遊走して、それらを認識し、殺滅することができるか否かに依存する。T細胞ホーミングに対する障壁の1つは、腫瘍の血管壁であり、これはT細胞の付着およびエンドセリンB受容体を通しての移動を阻害するが、この受容体に拮抗することはまだ臨床承認薬に至っていない。1つの理由は、腫瘍における低灌流であり得、これは抗腫瘍T細胞が付着する灌流血管の表面積を制限し得る。機械的圧迫(すなわち、固体ストレス)を軽減することによって、崩壊した腫瘍血管を減圧させ、再灌流することができれば、エンドセリンB受容体の拮抗は、がん免疫療法の有効性を増加させることができるであろう。
【0005】
ケトチフェンは、アナフィラキシーの阻害剤として最初に上市されたシクロヘプタチオフェン誘導体薬である。ケトチフェンは、ヒスタミン(H1)受容体を選択的に遮断し、ヒスタミン放出と関連する症状を抑制する。ケトチフェンはまた、肥満細胞の活性を抑制すると報告されている。
【0006】
免疫系のT細胞におけるオフスイッチとして作用する免疫チェックポイントは、標的化作用剤による免疫応答を回復するために研究されており、このように体の免疫系を活性化することによってがんを間接的に処置する。
【0007】
国際特許出願WO2002086083号、WO2004004771号、WO2004056875号、WO2006121168号、WO2008156712号、WO2010077634号、WO2011066389号、WO2014055897号、およびWO2014100079号は、PD-1、PD-L1阻害性抗体および/またはそのような抗体を同定する方法を報告している。さらに、米国特許第8735553号および米国特許第8168757号などの米国特許は、PD-1またはPD-L1阻害性抗体および/または融合タンパク質を報告している。WO2002086083号、WO2004004771号、WO2004056875号、WO2006121168号、WO2008156712号、WO2010077634号、WO2011066389号、WO2014055897号、およびWO2014100079号、ならびに米国特許第8735553号および米国特許第8168757号の開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0008】
その上、国際特許出願WO2011161699号、WO2012168944号、WO2013144704号、WO2013132317号、およびWO2016044900号は、プログラム細胞死1(PD-1)シグナル伝達経路を抑制および/または阻害することが可能であるペプチドまたはペプチド模倣化合物を報告している。WO2011161699号、WO2012168944号、WO2013144704号、WO2013132317号、およびWO2016044900号の開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0009】
さらに、国際特許出願WO2016142852号、WO2016142894号、WO2016142886号、WO2016142835号、およびWO2016142833号は、プログラム細胞死1(PD-1)シグナル伝達経路を抑制および/もしくは阻害することが可能な、ならびに/またはPD-1、PD-L1、もしくはPD-L2によって誘導される免疫抑制シグナルを阻害することによって障害を処置することが可能な低分子化合物を報告している。WO2016142852号、WO2016142894号、WO2016142886号、WO2016142835号、およびWO2016142833号の開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0010】
最近、細胞傷害性Tリンパ球関連抗原4(CTLA-4)を標的とするモノクローナル抗体であるイピリムマブ(Yervoy(登録商標))、およびT細胞の表面上のプログラム細胞死タンパク質1経路(PD-1)を標的とするモノクローナル抗体であるニボルマブ(Opdivo(登録商標))が、米国食品医薬品局によって、進行黒色腫、進行腎細胞癌、および非小細胞肺がんの処置に関して承認されている。しかし、現行のチェックポイント阻害剤治療は、部分的には既存の免疫活性化および阻害性受容体の存在により、比較的小さい集団のがん対象集団のがんを処置するのに有効である。チェックポイント阻害剤による免疫チェックポイント遮断(ICB)は、多くのタイプの固形腫瘍の処置の革命を起こしてきたが、現在では利益をもたらすのはがん患者の20%未満であると推定されている。応答する患者の割合およびその応答の期間を増大させることは、喫緊の臨床でのアンメットニーズである。したがって、非応答性の対象集団および応答性の対象集団の両方においてチェックポイント阻害剤の有効性を惹起するまたは増強するための方法および併用療法を開発する必要がある。
【0011】
抗腫瘍T細胞は、がん細胞に遭遇する前に、血管を通して腫瘍の中を循環し、内皮に結合し、血管壁を通過して、がん関連線維芽細胞(CAF)および細胞外基質(ECM)の中を遊走しなければならない。しかし、最大80%の腫瘍内血管が灌流を欠如していることから、T細胞がその中を遊走する血管壁の領域は限定的である。
【0012】
圧迫された血管は、腫瘍への血流および酸素の送達を損ない、腫瘍において低酸素状態の増加をもたらし、複数の機構を通して免疫療法に対する抵抗性をもたらす。血管を減圧する戦略は、ICB抵抗性のマウス転移性乳がんモデルにおけるICBの有効性を増強する。腫瘍血管を減圧し、しかもT細胞の腫瘍実質への接着および遊走も容易にする方法が存在すれば、ICBに応答するがん患者の割合は増加するであろう。
特許出願、特許公報、および科学論文を含む、本明細書で引用する全ての参考文献は、各々の個々の参考文献が、具体的かつ個々に参照により本明細書に組み込まれることが示されているように、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】国際公開第2002/086083号
【特許文献2】国際公開第2004/004771号
【特許文献3】国際公開第2004/056875号
【特許文献4】国際公開第2006/121168号
【特許文献5】国際公開第2008/156712号
【特許文献6】国際公開第2010/077634号
【特許文献7】国際公開第2011/066389号
【特許文献8】国際公開第2014/055897号
【特許文献9】国際公開第2014/100079号
【特許文献10】米国特許第8735553号明細書
【特許文献11】米国特許第8168757号明細書
【特許文献12】国際公開第2011/161699号
【特許文献13】国際公開第2012/168944号
【特許文献14】国際公開第2013/144704号
【特許文献15】国際公開第2013/132317号
【特許文献16】国際公開第2016/044900号
【特許文献17】国際公開第2016/142852号
【特許文献18】国際公開第2016/142894号
【特許文献19】国際公開第2016/142886号
【特許文献20】国際公開第2016/142835号
【特許文献21】国際公開第2016/142833号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
要旨
固形腫瘍の処置を必要とする対象における固形腫瘍を処置する方法であって、チェックポイント阻害剤と組み合わせた、ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することを含む、方法が本明細書に提供される。それを必要とする対象におけるチェックポイント阻害剤の効果を惹起する、増強する、もしくは延長させる、または対象がチェックポイント阻害剤に応答することを可能にする方法であって、チェックポイント阻害剤と組み合わせた、ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することを含み、対象が固形腫瘍を有する、方法も本明細書に提供される。それを必要とする対象におけるチェックポイント阻害剤の効果を増強する方法であって、チェックポイント阻害剤と組み合わせた、ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することを含み、対象が固形腫瘍を有する、方法も本明細書に提供される。対象における固形腫瘍の血流を増加させる方法であって、チェックポイント阻害剤と組み合わせた、ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することを含み、固形腫瘍の血流を増加させることは、チェックポイント阻害剤の効果を増強する、方法も本明細書に提供される。一部の実施形態では、血流は、超音波に基づく血流測定を使用して、または低酸素状態を測定するための組織学技術を使用して測定される。対象におけるチェックポイント阻害剤の送達または有効性を改善する方法であって、チェックポイント阻害剤と組み合わせた、ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩の有効量を投与することを含み、対象が固形腫瘍を有し、それによって対象における治療の送達または有効性を改善する、方法も本明細書に提供される。一部の実施形態では、ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩を投与することは、固形腫瘍と共局在する抗腫瘍T細胞の数を増加させる。一部の実施形態では、ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩を投与することが。固形腫瘍の組織硬度を低減させる。一部の実施形態では、固形腫瘍の組織硬度は、超音波エラストグラフィーを使用して測定される。一部の実施形態では、ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩を投与することは、固形腫瘍における細胞外基質タンパク質のレベルを減少させる。一部の実施形態では、細胞外基質タンパク質は、コラーゲンIまたはヒアルロナン結合タンパク質(HABP)である。一部の実施形態では、ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩を投与することは、固形腫瘍における低酸素状態を低減する。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、CTLA-4、PD-1、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、BMA、HVEM、TIM3、GAL9、LAG3、VISTA、KIR、2B4、CD160、CGEN-15049、CHK1、CHK2、A2aR、およびB-7ファミリーリガンドまたはその組合せからなる群から選択されるチェックポイントタンパク質を阻害する。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、CTLA-4、PD-L1、PD-L2、またはPD-1阻害剤である。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、または抗CTLA4抗体である。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、MEDI0680、AMP-224、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピディリズマブ、MEDI4736、アテゾリズマブ、イピリムマブ、トレメリムマブ、およびBMS-936559からなる群から選択される。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗PD-1抗体および抗CTLA-4抗体の組合せである。
一部の実施形態では、ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩は、対象に1日1回投与される。一部の実施形態では、ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩は、対象に1日2回投与される。一部の実施形態では、ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩は、約0.01mg/kg~約5mg/kgの用量で対象に投与される。一部の実施形態では、ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩は、約100mg~約1200mgの用量で対象に投与される。一部の実施形態では、ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩は、約125mg~約500mgの用量で対象に投与される。一部の実施形態では、ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩は、約125mgの用量で対象に投与される。一部の実施形態では、ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩は、約500mgの用量で対象に投与される。一部の実施形態では、ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩は、チェックポイント阻害剤を対象に投与する前に対象に投与される。一部の実施形態では、ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩は、チェックポイント阻害剤を対象に投与する少なくとも1日前に開始して対象に投与される。一部の実施形態では、ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩は、チェックポイント阻害剤を対象に投与する少なくとも2日前に開始して対象に投与される。一部の実施形態では、ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩は、チェックポイント阻害剤を対象に投与する少なくとも3日前に開始して対象に投与される。一部の実施形態では、ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩は、チェックポイント阻害剤を対象に投与する少なくとも5日前に開始して対象に投与される。一部の実施形態では、ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩の対象への投与は、チェックポイント阻害剤を対象に投与する期間の少なくとも一部の間維持される。一部の実施形態では、ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩の対象への投与は、チェックポイント阻害剤を対象に投与する全期間の間維持される。一部の実施形態では、対象における1つまたは複数の治療効果は、ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩、およびチェックポイント阻害剤の投与後にベースラインと比較して改善する。一部の実施形態では、1つまたは複数の治療効果は、がんに由来する腫瘍のサイズ、客観的奏功率、奏功期間、奏功までの時間、無増悪生存期間、および全生存期間からなる群から選択される。一部の実施形態では、がんに由来する腫瘍のサイズは、ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩、およびチェックポイント阻害剤の投与前のがんに由来する腫瘍のサイズと比較して少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、または少なくとも約80%低減される。一部の実施形態では、客観的奏功率は、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、または少なくとも約80%である。一部の実施形態では、対象は、ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩、およびチェックポイント阻害剤の投与後、少なくとも約1ヶ月間、少なくとも約2ヶ月間、少なくとも約3ヶ月間、少なくとも約4ヶ月間、少なくとも約5ヶ月間、少なくとも約6ヶ月間、少なくとも約7ヶ月間、少なくとも約8ヶ月間、少なくとも約9ヶ月間、少なくとも約10ヶ月間、少なくとも約11ヶ月間、少なくとも約12ヶ月間、少なくとも約18ヶ月間、少なくとも約2年間、少なくとも約3年間、少なくとも約4年間、または少なくとも約5年間の無増悪生存期間を示す。一部の実施形態では、対象は、ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩、およびチェックポイント阻害剤の投与後、少なくとも約1ヶ月間、少なくとも約2ヶ月間、少なくとも約3ヶ月間、少なくとも約4ヶ月間、少なくとも約5ヶ月間、少なくとも約6ヶ月間、少なくとも約7ヶ月間、少なくとも約8ヶ月間、少なくとも約9ヶ月間、少なくとも約10ヶ月間、少なくとも約11ヶ月間、少なくとも約12ヶ月間、少なくとも約18ヶ月間、少なくとも約2年間、少なくとも約3年間、少なくとも約4年間、または少なくとも約5年間の全生存期間を示す。一部の実施形態では、抗体-薬物コンジュゲートに対する奏功期間は、ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩、およびチェックポイント阻害剤の投与後、少なくとも約1ヶ月間、少なくとも約2ヶ月間、少なくとも約3ヶ月間、少なくとも約4ヶ月間、少なくとも約5ヶ月間、少なくとも約6ヶ月間、少なくとも約7ヶ月間、少なくとも約8ヶ月間、少なくとも約9ヶ月間、少なくとも約10ヶ月間、少なくとも約11ヶ月間、少なくとも約12ヶ月間、少なくとも約18ヶ月間、少なくとも約2年間、少なくとも約3年間、少なくとも約4年間、または少なくとも約5年間である。一部の実施形態では、固形腫瘍は、中皮腫、乳がん、乳がんの肺転移、肉腫、膵臓がん、卵巣がん、肝転移、前立腺がん、脳がん、黒色腫、腎細胞癌、結腸直腸がん、肝細胞癌、肺がん、頭頸部扁平上皮癌、尿路上皮癌、食道扁平上皮癌、胃がん、食道がん、子宮頸がん、メルケル細胞癌、子宮内膜癌、および皮膚扁平上皮癌からなる群から選択される。一部の実施形態では、固形腫瘍は肉腫である。一部の実施形態では、肉腫は、骨肉腫または線維肉腫である。一部の実施形態では、対象は、ヒトである。前記方法のいずれかの一部の実施形態では、方法は、追加の化学療法剤を投与することをさらに含む。一部の実施形態では、追加の化学療法剤は、ドキソルビシンまたはそのアナログもしくは誘導体である。
【0015】
(a)ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩の有効量;(b)チェックポイント阻害剤の有効量;および(c)ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩およびチェックポイント阻害剤を本明細書に記載の方法のいずれかに従って使用するための使用説明書を含むキットも本明細書に提供される。
【0016】
また、固形腫瘍を有する対象におけるケトチフェンの有効量を決定する方法であって、(a)固形腫瘍の血流および/または硬度を測定するステップ;(b)ケトチフェンの有効量を対象に投与するステップ;ならびに(c)ケトチフェンの投与後に固形腫瘍の血流および/または硬度を測定するステップを含み、対象へのケトチフェンの投与後の血流の増加および/または硬度の減少が、投与された量が有効量であったことを示す、方法も本明細書に提供される。また、それを必要とする対象における固形腫瘍を処置する方法であって、(a)固形腫瘍の血流および/または硬度を測定するステップ;(b)ケトチフェンの有効量を対象に投与するステップ;(c)ケトチフェンの投与後に固形腫瘍の血流および/または硬度を測定するステップ;ならびに(d)ケトチフェンの投与後に固形腫瘍の血流が増加する場合および/または固形腫瘍の硬度が減少する場合に化学療法剤を投与するステップを含む方法も本明細書に提供される。また、それを必要とする対象における固形腫瘍を処置する方法であって、(a)固形腫瘍の血流および/または硬度を測定するステップ;(b)ケトチフェンの有効量を対象に投与するステップ;(c)ケトチフェンの投与後に固形腫瘍の血流および/または硬度を測定するステップ;(d)ケトチフェンの投与後の固形腫瘍の血流の増加または固形腫瘍の硬度の減少に基づいて、対象が化学療法剤に応答性であることを決定するステップ;ならびに(e)ケトチフェンの投与後の固形腫瘍の血流の増加または固形腫瘍の硬度の減少に基づいて、化学療法剤に応答性であると決定されている対象に化学療法剤を投与するステップを含む方法も本明細書に提供される。また、化学療法剤による処置に対する応答を予測する方法であって、(a)固形腫瘍の血流および/または硬度を測定するステップ;(b)ケトチフェンの有効量を対象に投与するステップ;(c)ケトチフェンの投与後に固形腫瘍の血流および/または硬度を測定するステップを含み、ケトチフェンの投与後の固形腫瘍の血流の増加または固形腫瘍の硬度の減少が、対象が化学療法剤による処置に応答する可能性が高いことを示す、方法も本明細書に提供される。一部の実施形態では、ケトチフェンの有効量は、ケトチフェンの対象への投与後の固形腫瘍の血流および/または硬度の変化を測定することによって決定され、ケトチフェンの対象への投与後の血流の増加および/または硬度の減少は、投与された量が有効量であったことを示す。一部の実施形態では、方法は、固形腫瘍の血流を測定するステップを含み、ケトチフェンの投与後に固形腫瘍の血流が増加する。一部の実施形態では、方法は、固形腫瘍の硬度を測定するステップを含み、ケトチフェンの投与後に固形腫瘍の硬度が減少する。一部の実施形態では、ケトチフェンは、化学療法剤の投与前に、少なくとも1日間、少なくとも2日間、少なくとも3日間、少なくとも4日間、または少なくとも5日間投与される。一部の実施形態では、ケトチフェンは、固形腫瘍の血流を増加させる、および/または固形腫瘍の硬度を減少させる用量で投与される。一部の実施形態では、固形腫瘍の血流および/または硬度は、超音波を使用して測定される。一部の実施形態では、固形腫瘍の血流は、低酸素状態を測定するための組織学技術を使用して測定される。一部の実施形態では、化学療法剤がチェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、CTLA-4、PD-1、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、BMA、HVEM、TIM3、GAL9、LAG3、VISTA、KIR、2B4、CD160、CGEN-15049、CHK1、CHK2、A2aR、およびB-7ファミリーリガンドまたはその組合せからなる群から選択されるチェックポイントタンパク質を阻害する。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、CTLA-4、PD-L1、PD-L2、またはPD-1阻害剤である。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、または抗CTLA4抗体である。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、MEDI0680、AMP-224、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピディリズマブ、MEDI4736、アテゾリズマブ、イピリムマブ、トレメリムマブ、およびBMS-936559からなる群から選択される。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗PD-1抗体および抗CTLA-4抗体の組合せである。一部の実施形態では、固形腫瘍は、乳がん、乳がんの肺転移、肉腫、膵臓がん、卵巣がん、肝転移、前立腺がん、脳がん、黒色腫、腎細胞癌、結腸直腸がん、肝細胞癌、肺がん、頭頸部扁平上皮癌、尿路上皮癌、食道扁平上皮癌、胃がん、食道がん、子宮頸がん、メルケル細胞癌、子宮内膜癌、および皮膚扁平上皮癌からなる群から選択される。一部の実施形態では、固形腫瘍が肉腫である。一部の実施形態では、肉腫は、骨肉腫または線維肉腫である。一部の実施形態では、対象は、ヒトである。前記方法の一部の実施形態では、化学療法剤は、ドキソルビシンまたはそのアナログもしくは誘導体である。
【0017】
本明細書に記載される様々な実施形態の特性の1つ、一部、または全てを組み合わせて、本発明の他の実施形態を形成してもよいと理解すべきである。本発明のこれらおよび他の態様は、当業者に明らかとなるであろう。本発明のこれらおよび他の実施形態を、以下の詳細な説明によってさらに説明する。
【0018】
本発明の代表的な実施形態は、以下の図面を参照することによって開示される。描写される実施形態は、示される正確な詳細に限定されないことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1A】
図1Aは、ピモニダゾール塩酸塩注射後のピモニダゾール付加物について染色されたMCA205腫瘍モデルのパラフィン切片の代表的な免疫蛍光画像を示す;スケールバー=0.2mm(上2行はDAPI染色であり、下2行は対応する低酸素染色である)。
図1B~1Cは、MCA205(
図1B)およびK7M2wt(
図1C)腫瘍のDAPI染色に対して正規化された低酸素領域の割合(fraction)の定量を示す(n=5匹のマウス/群、マウス1匹あたりN=3~5個の画像視野)。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す。処置群を対照群と
*、10mg/kg群を他の全ての処置群と
**比較することにより、統計分析を実施した。p≦0.05である。
図1Dは、2
^-ΔΔCT法(3回の生物学的反復×3回の技術的反復を使用した)を使用する未処置のMCA205腫瘍およびケトチフェン(10mg/kg)で処置したMCA205腫瘍におけるIFN-γおよびVEGFのmRNA発現レベルの定量を示す。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す。処置群を対照群と
*、10mg/kg群を他の全ての処置群と
**比較することにより、統計分析を実施した。p≦0.05である。
図1Eは、未処置のマウスおよび7日間にわたって毎日ケトチフェンで処置したマウス(n=7匹のマウス/処置群)におけるIFPレベルを示す。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す。処置群を対照群と
*、10mg/kg群を他の全ての処置群と
**比較することにより、統計分析を実施した。p≦0.05である。
【
図1B-C】
図1Aは、ピモニダゾール塩酸塩注射後のピモニダゾール付加物について染色されたMCA205腫瘍モデルのパラフィン切片の代表的な免疫蛍光画像を示す;スケールバー=0.2mm(上2行はDAPI染色であり、下2行は対応する低酸素染色である)。
図1B~1Cは、MCA205(
図1B)およびK7M2wt(
図1C)腫瘍のDAPI染色に対して正規化された低酸素領域の割合の定量を示す(n=5匹のマウス/群、マウス1匹あたりN=3~5個の画像視野)。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す。処置群を対照群と
*、10mg/kg群を他の全ての処置群と
**比較することにより、統計分析を実施した。p≦0.05である。
図1Dは、2
^-ΔΔCT法(3回の生物学的反復×3回の技術的反復を使用した)を使用する未処置のMCA205腫瘍およびケトチフェン(10mg/kg)で処置したMCA205腫瘍におけるIFN-γおよびVEGFのmRNA発現レベルの定量を示す。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す。処置群を対照群と
*、10mg/kg群を他の全ての処置群と
**比較することにより、統計分析を実施した。p≦0.05である。
図1Eは、未処置のマウスおよび7日間にわたって毎日ケトチフェンで処置したマウス(n=7匹のマウス/処置群)におけるIFPレベルを示す。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す。処置群を対照群と
*、10mg/kg群を他の全ての処置群と
**比較することにより、統計分析を実施した。p≦0.05である。
【
図1D-E】
図1Aは、ピモニダゾール塩酸塩注射後のピモニダゾール付加物について染色されたMCA205腫瘍モデルのパラフィン切片の代表的な免疫蛍光画像を示す;スケールバー=0.2mm(上2行はDAPI染色であり、下2行は対応する低酸素染色である)。
図1B~1Cは、MCA205(
図1B)およびK7M2wt(
図1C)腫瘍のDAPI染色に対して正規化された低酸素領域の割合の定量を示す(n=5匹のマウス/群、マウス1匹あたりN=3~5個の画像視野)。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す。処置群を対照群と
*、10mg/kg群を他の全ての処置群と
**比較することにより、統計分析を実施した。p≦0.05である。
図1Dは、2
^-ΔΔCT法(3回の生物学的反復×3回の技術的反復を使用した)を使用する未処置のMCA205腫瘍およびケトチフェン(10mg/kg)で処置したMCA205腫瘍におけるIFN-γおよびVEGFのmRNA発現レベルの定量を示す。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す。処置群を対照群と
*、10mg/kg群を他の全ての処置群と
**比較することにより、統計分析を実施した。p≦0.05である。
図1Eは、未処置のマウスおよび7日間にわたって毎日ケトチフェンで処置したマウス(n=7匹のマウス/処置群)におけるIFPレベルを示す。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す。処置群を対照群と
*、10mg/kg群を他の全ての処置群と
**比較することにより、統計分析を実施した。p≦0.05である。
【0020】
【
図2A-B】
図2Aは、対照と比較した、様々な用量(1、5、10および25mg/kg)のケトチフェンを毎日投与した後のMCA205腫瘍の増殖曲線を示す。
図2Bは、対照と比較した、10mg/kgのケトチフェンを毎日投与した後のK7M2wt腫瘍の増殖曲線を示す。
図2C~2Dは、処置プロトコールの完了後のMCA205(
図2C)およびK7M2wt(
図2D)腫瘍量の測定を示す。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す(n=5~7匹のマウス/処置群)。
図2Eは、ローディング対照としてのβ-アクチンと共に、CD117タンパク質に対する例示的なウェスタンブロットを示す(n=4匹のマウス/群)。
【
図2C-D】
図2Aは、対照と比較した、様々な用量(1、5、10および25mg/kg)のケトチフェンを毎日投与した後のMCA205腫瘍の増殖曲線を示す。
図2Bは、対照と比較した、10mg/kgのケトチフェンを毎日投与した後のK7M2wt腫瘍の増殖曲線を示す。
図2C~2Dは、処置プロトコールの完了後のMCA205(
図2C)およびK7M2wt(
図2D)腫瘍量の測定を示す。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す(n=5~7匹のマウス/処置群)。
図2Eは、ローディング対照としてのβ-アクチンと共に、CD117タンパク質に対する例示的なウェスタンブロットを示す(n=4匹のマウス/群)。
【
図2E】
図2Aは、対照と比較した、様々な用量(1、5、10および25mg/kg)のケトチフェンを毎日投与した後のMCA205腫瘍の増殖曲線を示す。
図2Bは、対照と比較した、10mg/kgのケトチフェンを毎日投与した後のK7M2wt腫瘍の増殖曲線を示す。
図2C~2Dは、処置プロトコールの完了後のMCA205(
図2C)およびK7M2wt(
図2D)腫瘍量の測定を示す。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す(n=5~7匹のマウス/処置群)。
図2Eは、ローディング対照としてのβ-アクチンと共に、CD117タンパク質に対する例示的なウェスタンブロットを示す(n=4匹のマウス/群)。
【0021】
【
図3A-F】
図3A~3Fは、対照または示された用量のケトチフェンで処置したMCA205(
図3A~3C)およびK7M2wt(
図3D~3F)腫瘍の研究の結論時でのマウスの体重、胸腺重量および脾臓重量を示す。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す(n=5~7匹のマウス/処置群)。処置群を対照群
*および10mg/kg群と比較することにより、統計分析を実施した。p≦0.05である。
【0022】
【
図4A-C】
図4Aは、例示的な用量の10mg/kgの毎日のケトチフェン処置を用いたマウスMCA205腫瘍モデルに関する例示的な研究処置プロトコールを示す。
図4Bおよび
図4Cは、超音波弾性率計測法を使用して評価した場合の、示されたように処置したMCA205(
図4B)およびK7M2wt(
図4C)腫瘍における組織レベルの巨視的ヤング係数の長手軸方向の測定を示す(n=4匹のマウス/群、超音波測定についてはマウスあたりN=2の画像視野)。
図4D~4Eは、ケトチフェン処置の3日後(
図4D)および7日後(
図4E)の示されたように処置したMCA205腫瘍における血管灌流を示す。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す(n=4匹のマウス/処置群)。処置群を対照群
*および10mg/kg群と比較することにより、統計分析を実施した。p≦0.05である。
図4F~4Gは、処置の3日後(
図4F)および7日後(
図4G)の示されたように処置したK7M2wt腫瘍における機能的灌流を示す。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す(n=4匹のマウス/処置群)。処置群を対照群
*および10mg/kg群と比較することにより、統計分析を実施した。p≦0.05である。
【
図4D-G】
図4Aは、例示的な用量の10mg/kgの毎日のケトチフェン処置を用いたマウスMCA205腫瘍モデルに関する例示的な研究処置プロトコールを示す。
図4Bおよび
図4Cは、超音波弾性率計測法を使用して評価した場合の、示されたように処置したMCA205(
図4B)およびK7M2wt(
図4C)腫瘍における組織レベルの巨視的ヤング係数の長手軸方向の測定を示す(n=4匹のマウス/群、超音波測定についてはマウスあたりN=2の画像視野)。
図4D~4Eは、ケトチフェン処置の3日後(
図4D)および7日後(
図4E)の示されたように処置したMCA205腫瘍における血管灌流を示す。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す(n=4匹のマウス/処置群)。処置群を対照群
*および10mg/kg群と比較することにより、統計分析を実施した。p≦0.05である。
図4F~4Gは、処置の3日後(
図4F)および7日後(
図4G)の示されたように処置したK7M2wt腫瘍における機能的灌流を示す。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す(n=4匹のマウス/処置群)。処置群を対照群
*および10mg/kg群と比較することにより、統計分析を実施した。p≦0.05である。
【0023】
【
図5A-B】
図5Aおよび
図5Bは、MCA205(
図5A)およびK7M2wt(
図5B)のパラフィン腫瘍切片におけるピクロシリウスレッド染色の代表的な明視野画像を示す(n=4匹のマウス/群;マウスあたりN=5~6個の画像視野)。
図5Cおよび
図5Dは、対照群に対して正規化された線維肉腫MCA205腫瘍(
図5C)および骨肉腫K7M2wt腫瘍(
図5D)におけるピクロシリウスレッド染色について陽性の領域の定量を示す。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す(組織分析については、n=4匹のマウス/群、マウスあたりN=5~6個の画像視野)。処置群を対照群と
*、10mg/kg群を他の全ての処置群と
**比較することにより、統計分析を実施した。p≦0.05である。
図5E~5Fは、対照または示されたケトチフェン用量による処置後の、線維肉腫腫瘍におけるKi-67増殖マーカーおよびα-SMAの代表的な免疫蛍光画像を示す。スケールバー=0.2mm(
図5E;上2行はα-SMAであり、下2行は対応するKi67染色である);また、対照または示された用量のケトチフェンによる処置後の、総α-SMA染色(
図5F)に対して正規化された、α-SMAとKi-67マーカーとの両方について陽性のがん関連線維芽細胞(CAF)の定量も示される。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す(組織分析については、n=4匹のマウス/群、マウスあたりN=5~6個の画像視野)。
図5Gは、2
^-ΔΔCT法(3回の生物学的反復×3回の技術的反復を使用した)を使用する未処置の(対照)MCA205腫瘍およびケトチフェン(10mg/kg)で処置したMCA205腫瘍におけるCol1A1、CTGF、ACTA2、HAS2およびHAS3のmRNA発現レベルの定量を示す。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す。処置群を対照群と
*、10mg/kg群を他の全ての処置群と
**比較することにより、統計分析を実施した。p≦0.05である。
図5H~5Iは、対照または示された用量のケトチフェンによる処置後のMCA205腫瘍におけるα-SMA染色について陽性の領域の割合の定量(
図5H)およびKi-67染色について陽性の領域の割合の定量(
図5I)を示す。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す(組織分析については、n=4匹のマウス/群、マウスあたりN=5~6個の画像視野)。
図5J~5Lは、それぞれ、対照または示された用量のケトチフェンによる処置後の、抗HABP1で染色されたMCA205パラフィン切片の代表的な免疫蛍光画像、スケールバー=0.2mm(
図5J;上2行はDAPI染色であり、下2行は対応するHABP1染色である)、MCA205腫瘍におけるHABP1染色について陽性の領域の割合の定量(
図5K)、および組織を切断した後の腫瘍開口部の長さの量によって測定した固体応力の定量(n=4匹のマウス/群)(
図5L)を示す。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す(組織分析については、n=4匹のマウス/群、マウスあたりN=5~6個の画像視野)。処置群を対照群と
*、10mg/kg群を他の全ての処置群と
**比較することにより、統計分析を実施した。p≦0.05である。
【
図5C-D】
図5Aおよび
図5Bは、MCA205(
図5A)およびK7M2wt(
図5B)のパラフィン腫瘍切片におけるピクロシリウスレッド染色の代表的な明視野画像を示す(n=4匹のマウス/群;マウスあたりN=5~6個の画像視野)。
図5Cおよび
図5Dは、対照群に対して正規化された線維肉腫MCA205腫瘍(
図5C)および骨肉腫K7M2wt腫瘍(
図5D)におけるピクロシリウスレッド染色について陽性の領域の定量を示す。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す(組織分析については、n=4匹のマウス/群、マウスあたりN=5~6個の画像視野)。処置群を対照群と
*、10mg/kg群を他の全ての処置群と
**比較することにより、統計分析を実施した。p≦0.05である。
図5E~5Fは、対照または示されたケトチフェン用量による処置後の、線維肉腫腫瘍におけるKi-67増殖マーカーおよびα-SMAの代表的な免疫蛍光画像を示す。スケールバー=0.2mm(
図5E;上2行はα-SMAであり、下2行は対応するKi67染色である);また、対照または示された用量のケトチフェンによる処置後の、総α-SMA染色(
図5F)に対して正規化された、α-SMAとKi-67マーカーとの両方について陽性のがん関連線維芽細胞(CAF)の定量も示される。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す(組織分析については、n=4匹のマウス/群、マウスあたりN=5~6個の画像視野)。
図5Gは、2
^-ΔΔCT法(3回の生物学的反復×3回の技術的反復を使用した)を使用する未処置の(対照)MCA205腫瘍およびケトチフェン(10mg/kg)で処置したMCA205腫瘍におけるCol1A1、CTGF、ACTA2、HAS2およびHAS3のmRNA発現レベルの定量を示す。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す。処置群を対照群と
*、10mg/kg群を他の全ての処置群と
**比較することにより、統計分析を実施した。p≦0.05である。
図5H~5Iは、対照または示された用量のケトチフェンによる処置後のMCA205腫瘍におけるα-SMA染色について陽性の領域の割合の定量(
図5H)およびKi-67染色について陽性の領域の割合の定量(
図5I)を示す。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す(組織分析については、n=4匹のマウス/群、マウスあたりN=5~6個の画像視野)。
図5J~5Lは、それぞれ、対照または示された用量のケトチフェンによる処置後の、抗HABP1で染色されたMCA205パラフィン切片の代表的な免疫蛍光画像、スケールバー=0.2mm(
図5J;上2行はDAPI染色であり、下2行は対応するHABP1染色である)、MCA205腫瘍におけるHABP1染色について陽性の領域の割合の定量(
図5K)、および組織を切断した後の腫瘍開口部の長さの量によって測定した固体応力の定量(n=4匹のマウス/群)(
図5L)を示す。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す(組織分析については、n=4匹のマウス/群、マウスあたりN=5~6個の画像視野)。処置群を対照群と
*、10mg/kg群を他の全ての処置群と
**比較することにより、統計分析を実施した。p≦0.05である。
【
図5E】
図5Aおよび
図5Bは、MCA205(
図5A)およびK7M2wt(
図5B)のパラフィン腫瘍切片におけるピクロシリウスレッド染色の代表的な明視野画像を示す(n=4匹のマウス/群;マウスあたりN=5~6個の画像視野)。
図5Cおよび
図5Dは、対照群に対して正規化された線維肉腫MCA205腫瘍(
図5C)および骨肉腫K7M2wt腫瘍(
図5D)におけるピクロシリウスレッド染色について陽性の領域の定量を示す。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す(組織分析については、n=4匹のマウス/群、マウスあたりN=5~6個の画像視野)。処置群を対照群と
*、10mg/kg群を他の全ての処置群と
**比較することにより、統計分析を実施した。p≦0.05である。
図5E~5Fは、対照または示されたケトチフェン用量による処置後の、線維肉腫腫瘍におけるKi-67増殖マーカーおよびα-SMAの代表的な免疫蛍光画像を示す。スケールバー=0.2mm(
図5E;上2行はα-SMAであり、下2行は対応するKi67染色である);また、対照または示された用量のケトチフェンによる処置後の、総α-SMA染色(
図5F)に対して正規化された、α-SMAとKi-67マーカーとの両方について陽性のがん関連線維芽細胞(CAF)の定量も示される。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す(組織分析については、n=4匹のマウス/群、マウスあたりN=5~6個の画像視野)。
図5Gは、2
^-ΔΔCT法(3回の生物学的反復×3回の技術的反復を使用した)を使用する未処置の(対照)MCA205腫瘍およびケトチフェン(10mg/kg)で処置したMCA205腫瘍におけるCol1A1、CTGF、ACTA2、HAS2およびHAS3のmRNA発現レベルの定量を示す。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す。処置群を対照群と
*、10mg/kg群を他の全ての処置群と
**比較することにより、統計分析を実施した。p≦0.05である。
図5H~5Iは、対照または示された用量のケトチフェンによる処置後のMCA205腫瘍におけるα-SMA染色について陽性の領域の割合の定量(
図5H)およびKi-67染色について陽性の領域の割合の定量(
図5I)を示す。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す(組織分析については、n=4匹のマウス/群、マウスあたりN=5~6個の画像視野)。
図5J~5Lは、それぞれ、対照または示された用量のケトチフェンによる処置後の、抗HABP1で染色されたMCA205パラフィン切片の代表的な免疫蛍光画像、スケールバー=0.2mm(
図5J;上2行はDAPI染色であり、下2行は対応するHABP1染色である)、MCA205腫瘍におけるHABP1染色について陽性の領域の割合の定量(
図5K)、および組織を切断した後の腫瘍開口部の長さの量によって測定した固体応力の定量(n=4匹のマウス/群)(
図5L)を示す。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す(組織分析については、n=4匹のマウス/群、マウスあたりN=5~6個の画像視野)。処置群を対照群と
*、10mg/kg群を他の全ての処置群と
**比較することにより、統計分析を実施した。p≦0.05である。
【
図5F-G】
図5Aおよび
図5Bは、MCA205(
図5A)およびK7M2wt(
図5B)のパラフィン腫瘍切片におけるピクロシリウスレッド染色の代表的な明視野画像を示す(n=4匹のマウス/群;マウスあたりN=5~6個の画像視野)。
図5Cおよび
図5Dは、対照群に対して正規化された線維肉腫MCA205腫瘍(
図5C)および骨肉腫K7M2wt腫瘍(
図5D)におけるピクロシリウスレッド染色について陽性の領域の定量を示す。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す(組織分析については、n=4匹のマウス/群、マウスあたりN=5~6個の画像視野)。処置群を対照群と
*、10mg/kg群を他の全ての処置群と
**比較することにより、統計分析を実施した。p≦0.05である。
図5E~5Fは、対照または示されたケトチフェン用量による処置後の、線維肉腫腫瘍におけるKi-67増殖マーカーおよびα-SMAの代表的な免疫蛍光画像を示す。スケールバー=0.2mm(
図5E;上2行はα-SMAであり、下2行は対応するKi67染色である);また、対照または示された用量のケトチフェンによる処置後の、総α-SMA染色(
図5F)に対して正規化された、α-SMAとKi-67マーカーとの両方について陽性のがん関連線維芽細胞(CAF)の定量も示される。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す(組織分析については、n=4匹のマウス/群、マウスあたりN=5~6個の画像視野)。
図5Gは、2
^-ΔΔCT法(3回の生物学的反復×3回の技術的反復を使用した)を使用する未処置の(対照)MCA205腫瘍およびケトチフェン(10mg/kg)で処置したMCA205腫瘍におけるCol1A1、CTGF、ACTA2、HAS2およびHAS3のmRNA発現レベルの定量を示す。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す。処置群を対照群と
*、10mg/kg群を他の全ての処置群と
**比較することにより、統計分析を実施した。p≦0.05である。
図5H~5Iは、対照または示された用量のケトチフェンによる処置後のMCA205腫瘍におけるα-SMA染色について陽性の領域の割合の定量(
図5H)およびKi-67染色について陽性の領域の割合の定量(
図5I)を示す。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す(組織分析については、n=4匹のマウス/群、マウスあたりN=5~6個の画像視野)。
図5J~5Lは、それぞれ、対照または示された用量のケトチフェンによる処置後の、抗HABP1で染色されたMCA205パラフィン切片の代表的な免疫蛍光画像、スケールバー=0.2mm(
図5J;上2行はDAPI染色であり、下2行は対応するHABP1染色である)、MCA205腫瘍におけるHABP1染色について陽性の領域の割合の定量(
図5K)、および組織を切断した後の腫瘍開口部の長さの量によって測定した固体応力の定量(n=4匹のマウス/群)(
図5L)を示す。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す(組織分析については、n=4匹のマウス/群、マウスあたりN=5~6個の画像視野)。処置群を対照群と
*、10mg/kg群を他の全ての処置群と
**比較することにより、統計分析を実施した。p≦0.05である。
【
図5H-I】
図5Aおよび
図5Bは、MCA205(
図5A)およびK7M2wt(
図5B)のパラフィン腫瘍切片におけるピクロシリウスレッド染色の代表的な明視野画像を示す(n=4匹のマウス/群;マウスあたりN=5~6個の画像視野)。
図5Cおよび
図5Dは、対照群に対して正規化された線維肉腫MCA205腫瘍(
図5C)および骨肉腫K7M2wt腫瘍(
図5D)におけるピクロシリウスレッド染色について陽性の領域の定量を示す。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す(組織分析については、n=4匹のマウス/群、マウスあたりN=5~6個の画像視野)。処置群を対照群と
*、10mg/kg群を他の全ての処置群と
**比較することにより、統計分析を実施した。p≦0.05である。
図5E~5Fは、対照または示されたケトチフェン用量による処置後の、線維肉腫腫瘍におけるKi-67増殖マーカーおよびα-SMAの代表的な免疫蛍光画像を示す。スケールバー=0.2mm(
図5E;上2行はα-SMAであり、下2行は対応するKi67染色である);また、対照または示された用量のケトチフェンによる処置後の、総α-SMA染色(
図5F)に対して正規化された、α-SMAとKi-67マーカーとの両方について陽性のがん関連線維芽細胞(CAF)の定量も示される。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す(組織分析については、n=4匹のマウス/群、マウスあたりN=5~6個の画像視野)。
図5Gは、2
^-ΔΔCT法(3回の生物学的反復×3回の技術的反復を使用した)を使用する未処置の(対照)MCA205腫瘍およびケトチフェン(10mg/kg)で処置したMCA205腫瘍におけるCol1A1、CTGF、ACTA2、HAS2およびHAS3のmRNA発現レベルの定量を示す。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す。処置群を対照群と
*、10mg/kg群を他の全ての処置群と
**比較することにより、統計分析を実施した。p≦0.05である。
図5H~5Iは、対照または示された用量のケトチフェンによる処置後のMCA205腫瘍におけるα-SMA染色について陽性の領域の割合の定量(
図5H)およびKi-67染色について陽性の領域の割合の定量(
図5I)を示す。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す(組織分析については、n=4匹のマウス/群、マウスあたりN=5~6個の画像視野)。
図5J~5Lは、それぞれ、対照または示された用量のケトチフェンによる処置後の、抗HABP1で染色されたMCA205パラフィン切片の代表的な免疫蛍光画像、スケールバー=0.2mm(
図5J;上2行はDAPI染色であり、下2行は対応するHABP1染色である)、MCA205腫瘍におけるHABP1染色について陽性の領域の割合の定量(
図5K)、および組織を切断した後の腫瘍開口部の長さの量によって測定した固体応力の定量(n=4匹のマウス/群)(
図5L)を示す。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す(組織分析については、n=4匹のマウス/群、マウスあたりN=5~6個の画像視野)。処置群を対照群と
*、10mg/kg群を他の全ての処置群と
**比較することにより、統計分析を実施した。p≦0.05である。
【
図5J】
図5Aおよび
図5Bは、MCA205(
図5A)およびK7M2wt(
図5B)のパラフィン腫瘍切片におけるピクロシリウスレッド染色の代表的な明視野画像を示す(n=4匹のマウス/群;マウスあたりN=5~6個の画像視野)。
図5Cおよび
図5Dは、対照群に対して正規化された線維肉腫MCA205腫瘍(
図5C)および骨肉腫K7M2wt腫瘍(
図5D)におけるピクロシリウスレッド染色について陽性の領域の定量を示す。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す(組織分析については、n=4匹のマウス/群、マウスあたりN=5~6個の画像視野)。処置群を対照群と
*、10mg/kg群を他の全ての処置群と
**比較することにより、統計分析を実施した。p≦0.05である。
図5E~5Fは、対照または示されたケトチフェン用量による処置後の、線維肉腫腫瘍におけるKi-67増殖マーカーおよびα-SMAの代表的な免疫蛍光画像を示す。スケールバー=0.2mm(
図5E;上2行はα-SMAであり、下2行は対応するKi67染色である);また、対照または示された用量のケトチフェンによる処置後の、総α-SMA染色(
図5F)に対して正規化された、α-SMAとKi-67マーカーとの両方について陽性のがん関連線維芽細胞(CAF)の定量も示される。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す(組織分析については、n=4匹のマウス/群、マウスあたりN=5~6個の画像視野)。
図5Gは、2
^-ΔΔCT法(3回の生物学的反復×3回の技術的反復を使用した)を使用する未処置の(対照)MCA205腫瘍およびケトチフェン(10mg/kg)で処置したMCA205腫瘍におけるCol1A1、CTGF、ACTA2、HAS2およびHAS3のmRNA発現レベルの定量を示す。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す。処置群を対照群と
*、10mg/kg群を他の全ての処置群と
**比較することにより、統計分析を実施した。p≦0.05である。
図5H~5Iは、対照または示された用量のケトチフェンによる処置後のMCA205腫瘍におけるα-SMA染色について陽性の領域の割合の定量(
図5H)およびKi-67染色について陽性の領域の割合の定量(
図5I)を示す。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す(組織分析については、n=4匹のマウス/群、マウスあたりN=5~6個の画像視野)。
図5J~5Lは、それぞれ、対照または示された用量のケトチフェンによる処置後の、抗HABP1で染色されたMCA205パラフィン切片の代表的な免疫蛍光画像、スケールバー=0.2mm(
図5J;上2行はDAPI染色であり、下2行は対応するHABP1染色である)、MCA205腫瘍におけるHABP1染色について陽性の領域の割合の定量(
図5K)、および組織を切断した後の腫瘍開口部の長さの量によって測定した固体応力の定量(n=4匹のマウス/群)(
図5L)を示す。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す(組織分析については、n=4匹のマウス/群、マウスあたりN=5~6個の画像視野)。処置群を対照群と
*、10mg/kg群を他の全ての処置群と
**比較することにより、統計分析を実施した。p≦0.05である。
【
図5K-L】
図5Aおよび
図5Bは、MCA205(
図5A)およびK7M2wt(
図5B)のパラフィン腫瘍切片におけるピクロシリウスレッド染色の代表的な明視野画像を示す(n=4匹のマウス/群;マウスあたりN=5~6個の画像視野)。
図5Cおよび
図5Dは、対照群に対して正規化された線維肉腫MCA205腫瘍(
図5C)および骨肉腫K7M2wt腫瘍(
図5D)におけるピクロシリウスレッド染色について陽性の領域の定量を示す。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す(組織分析については、n=4匹のマウス/群、マウスあたりN=5~6個の画像視野)。処置群を対照群と
*、10mg/kg群を他の全ての処置群と
**比較することにより、統計分析を実施した。p≦0.05である。
図5E~5Fは、対照または示されたケトチフェン用量による処置後の、線維肉腫腫瘍におけるKi-67増殖マーカーおよびα-SMAの代表的な免疫蛍光画像を示す。スケールバー=0.2mm(
図5E;上2行はα-SMAであり、下2行は対応するKi67染色である);また、対照または示された用量のケトチフェンによる処置後の、総α-SMA染色(
図5F)に対して正規化された、α-SMAとKi-67マーカーとの両方について陽性のがん関連線維芽細胞(CAF)の定量も示される。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す(組織分析については、n=4匹のマウス/群、マウスあたりN=5~6個の画像視野)。
図5Gは、2
^-ΔΔCT法(3回の生物学的反復×3回の技術的反復を使用した)を使用する未処置の(対照)MCA205腫瘍およびケトチフェン(10mg/kg)で処置したMCA205腫瘍におけるCol1A1、CTGF、ACTA2、HAS2およびHAS3のmRNA発現レベルの定量を示す。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す。処置群を対照群と
*、10mg/kg群を他の全ての処置群と
**比較することにより、統計分析を実施した。p≦0.05である。
図5H~5Iは、対照または示された用量のケトチフェンによる処置後のMCA205腫瘍におけるα-SMA染色について陽性の領域の割合の定量(
図5H)およびKi-67染色について陽性の領域の割合の定量(
図5I)を示す。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す(組織分析については、n=4匹のマウス/群、マウスあたりN=5~6個の画像視野)。
図5J~5Lは、それぞれ、対照または示された用量のケトチフェンによる処置後の、抗HABP1で染色されたMCA205パラフィン切片の代表的な免疫蛍光画像、スケールバー=0.2mm(
図5J;上2行はDAPI染色であり、下2行は対応するHABP1染色である)、MCA205腫瘍におけるHABP1染色について陽性の領域の割合の定量(
図5K)、および組織を切断した後の腫瘍開口部の長さの量によって測定した固体応力の定量(n=4匹のマウス/群)(
図5L)を示す。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す(組織分析については、n=4匹のマウス/群、マウスあたりN=5~6個の画像視野)。処置群を対照群と
*、10mg/kg群を他の全ての処置群と
**比較することにより、統計分析を実施した。p≦0.05である。
【0024】
【
図6A】
図6Aは、対照または示された用量のケトチフェンによる処置後のK7M2wt腫瘍におけるKi-67増殖マーカー(下の行)およびα-SMA(上の行;上および下の行は同じ視野を示す)の代表的な免疫蛍光画像を示す。スケールバー=0.2mm。
図6Bは、対照または示された用量のケトチフェンによる処置後の、総α-SMA染色に対して正規化された、α-SMAとKi-67マーカーとの両方について陽性のがん関連線維芽細胞(CAF)の定量を示す(n=4匹のマウス/群、マウスあたりN=5~6個の画像視野)。
図6Cは、対照と比較した、ケトチフェンによる処置後のα-SMA染色について陽性の領域の割合の定量を示す。
図6Dは、対照または示された用量のケトチフェンによる処置後の、K7M2wt腫瘍におけるKi-67染色について陽性の領域の割合の定量を示す。
図6Eは、抗HABP1で染色されたK7M2wtパラフィン切片の代表的な免疫蛍光画像を示す(上の行はDAPI染色であり、下の行は対応するHABP1染色である)。スケールバー=0.2mmである。
図6Fは、HABP1染色について陽性の領域の割合の定量を示す(n=4匹のマウス/群、マウスあたりN=5~6個の画像視野)。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す。処置群を対照群と
*、10mg/kg群を他の全ての処置群と
**比較することにより、統計分析を実施した。p≦0.05である。
【
図6B-D】
図6Aは、対照または示された用量のケトチフェンによる処置後のK7M2wt腫瘍におけるKi-67増殖マーカー(下の行)およびα-SMA(上の行;上および下の行は同じ視野を示す)の代表的な免疫蛍光画像を示す。スケールバー=0.2mm。
図6Bは、対照または示された用量のケトチフェンによる処置後の、総α-SMA染色に対して正規化された、α-SMAとKi-67マーカーとの両方について陽性のがん関連線維芽細胞(CAF)の定量を示す(n=4匹のマウス/群、マウスあたりN=5~6個の画像視野)。
図6Cは、対照と比較した、ケトチフェンによる処置後のα-SMA染色について陽性の領域の割合の定量を示す。
図6Dは、対照または示された用量のケトチフェンによる処置後の、K7M2wt腫瘍におけるKi-67染色について陽性の領域の割合の定量を示す。
図6Eは、抗HABP1で染色されたK7M2wtパラフィン切片の代表的な免疫蛍光画像を示す(上の行はDAPI染色であり、下の行は対応するHABP1染色である)。スケールバー=0.2mmである。
図6Fは、HABP1染色について陽性の領域の割合の定量を示す(n=4匹のマウス/群、マウスあたりN=5~6個の画像視野)。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す。処置群を対照群と
*、10mg/kg群を他の全ての処置群と
**比較することにより、統計分析を実施した。p≦0.05である。
【
図6E】
図6Aは、対照または示された用量のケトチフェンによる処置後のK7M2wt腫瘍におけるKi-67増殖マーカー(下の行)およびα-SMA(上の行;上および下の行は同じ視野を示す)の代表的な免疫蛍光画像を示す。スケールバー=0.2mm。
図6Bは、対照または示された用量のケトチフェンによる処置後の、総α-SMA染色に対して正規化された、α-SMAとKi-67マーカーとの両方について陽性のがん関連線維芽細胞(CAF)の定量を示す(n=4匹のマウス/群、マウスあたりN=5~6個の画像視野)。
図6Cは、対照と比較した、ケトチフェンによる処置後のα-SMA染色について陽性の領域の割合の定量を示す。
図6Dは、対照または示された用量のケトチフェンによる処置後の、K7M2wt腫瘍におけるKi-67染色について陽性の領域の割合の定量を示す。
図6Eは、抗HABP1で染色されたK7M2wtパラフィン切片の代表的な免疫蛍光画像を示す(上の行はDAPI染色であり、下の行は対応するHABP1染色である)。スケールバー=0.2mmである。
図6Fは、HABP1染色について陽性の領域の割合の定量を示す(n=4匹のマウス/群、マウスあたりN=5~6個の画像視野)。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す。処置群を対照群と
*、10mg/kg群を他の全ての処置群と
**比較することにより、統計分析を実施した。p≦0.05である。
【
図6F】
図6Aは、対照または示された用量のケトチフェンによる処置後のK7M2wt腫瘍におけるKi-67増殖マーカー(下の行)およびα-SMA(上の行;上および下の行は同じ視野を示す)の代表的な免疫蛍光画像を示す。スケールバー=0.2mm。
図6Bは、対照または示された用量のケトチフェンによる処置後の、総α-SMA染色に対して正規化された、α-SMAとKi-67マーカーとの両方について陽性のがん関連線維芽細胞(CAF)の定量を示す(n=4匹のマウス/群、マウスあたりN=5~6個の画像視野)。
図6Cは、対照と比較した、ケトチフェンによる処置後のα-SMA染色について陽性の領域の割合の定量を示す。
図6Dは、対照または示された用量のケトチフェンによる処置後の、K7M2wt腫瘍におけるKi-67染色について陽性の領域の割合の定量を示す。
図6Eは、抗HABP1で染色されたK7M2wtパラフィン切片の代表的な免疫蛍光画像を示す(上の行はDAPI染色であり、下の行は対応するHABP1染色である)。スケールバー=0.2mmである。
図6Fは、HABP1染色について陽性の領域の割合の定量を示す(n=4匹のマウス/群、マウスあたりN=5~6個の画像視野)。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す。処置群を対照群と
*、10mg/kg群を他の全ての処置群と
**比較することにより、統計分析を実施した。p≦0.05である。
【0025】
【
図7A-B】
図7A~7Bは、2
^-ΔΔCT法(3回の生物学的反復×3回の技術的反復を使用した)を使用する、未処置のMCA205腫瘍およびケトチフェン(10mg/kg)で処置したMCA205腫瘍におけるCol1A1、CTGF、ACTA2、HAS2、HAS3、Col4、およびTGFBのmRNA発現レベルの定量(
図7A)ならびに未処置のK7M2wt腫瘍およびケトチフェン(10mg/kg)で処置したK7M2wt腫瘍におけるCol1A1、CTGF、ACTA2、HAS2、HAS3、およびCol4のmRNA発現レベルの定量(
図7B)を示す。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す。処置群を対照群と
*、10mg/kg群を他の全ての処置群と
**比較することにより、統計分析を実施した。p≦0.05である。
【0026】
【
図8A】
図8Aは、
図8B~8Hにおいて使用されるMCA205腫瘍モデルに関する例示的な研究処置プロトコールを示す。
図8B~8Cは、示されたように処置されたMCA205腫瘍(n=10匹のマウス/群)(
図8B)および示されたように処置されたK7M2wt腫瘍(n=6匹のマウス/群)(
図8C)の相対増殖曲線を示す。記号(
**)は、ケトチフェン-ドキソルビシン-抗PD-L1群と、他の全ての処置群とを比較することによる、t検定によって決定されたP<0.05を示す。
図8Dは、研究の完了、16日目によって記録された相対腫瘍成長に対する、a-PD-L1もしくはドキソルビシンのみで、またはケトチフェン併用療法およびケトチフェン-ドキソルビシン-抗PD-L1併用療法で処置された、MCA205腫瘍(n=5匹のマウス/群)における4日間毎日のケトチフェン後の弾性ヤング係数の相関を示す(R
2=0.734、p<0.0001)。
図8Eは、研究の完了、33日目によって記録された相対腫瘍成長に対する、抗PD-L1もしくはドキソルビシンのみで、またはケトチフェン-ドキソルビシン-抗PD-L1併用療法で処置された、K7M2wt腫瘍(n=5匹のマウス/群)における4日間毎日のケトチフェン後の弾性ヤング係数の相関を示す(R
2=0.857、p<0.0001)。
図8Fは、ケトチフェンのみ、抗PD-L1のみ、ドキソルビシンのみ、ケトチフェンとドキソルビシンの併用療法、ドキソルビシンと抗PD-L1の併用、またはケトチフェン-ドキソルビシン-抗PD-L1の併用療法による処置後、16日目でのMCA205腫瘍(n=5匹のマウス/群)の腫瘍量に対する効果を示す。
図8Gは、MCA205腫瘍細胞を再チャレンジした生存しているMCA205担持マウス対示された処置を用いて0日目に接種されたMCA205がん細胞に対してナイーブな対照マウス(n=5匹のマウス/群)の個々の腫瘍成長曲線を示す。
図8Hは、示された処置による処置の4日後のMCA205腫瘍(n=5匹のマウス/群)における機能的灌流領域を示す。
【
図8B-E】
図8Aは、
図8B~8Hにおいて使用されるMCA205腫瘍モデルに関する例示的な研究処置プロトコールを示す。
図8B~8Cは、示されたように処置されたMCA205腫瘍(n=10匹のマウス/群)(
図8B)および示されたように処置されたK7M2wt腫瘍(n=6匹のマウス/群)(
図8C)の相対増殖曲線を示す。記号(
**)は、ケトチフェン-ドキソルビシン-抗PD-L1群と、他の全ての処置群とを比較することによる、t検定によって決定されたP<0.05を示す。
図8Dは、研究の完了、16日目によって記録された相対腫瘍成長に対する、a-PD-L1もしくはドキソルビシンのみで、またはケトチフェン併用療法およびケトチフェン-ドキソルビシン-抗PD-L1併用療法で処置された、MCA205腫瘍(n=5匹のマウス/群)における4日間毎日のケトチフェン後の弾性ヤング係数の相関を示す(R
2=0.734、p<0.0001)。
図8Eは、研究の完了、33日目によって記録された相対腫瘍成長に対する、抗PD-L1もしくはドキソルビシンのみで、またはケトチフェン-ドキソルビシン-抗PD-L1併用療法で処置された、K7M2wt腫瘍(n=5匹のマウス/群)における4日間毎日のケトチフェン後の弾性ヤング係数の相関を示す(R
2=0.857、p<0.0001)。
図8Fは、ケトチフェンのみ、抗PD-L1のみ、ドキソルビシンのみ、ケトチフェンとドキソルビシンの併用療法、ドキソルビシンと抗PD-L1の併用、またはケトチフェン-ドキソルビシン-抗PD-L1の併用療法による処置後、16日目でのMCA205腫瘍(n=5匹のマウス/群)の腫瘍量に対する効果を示す。
図8Gは、MCA205腫瘍細胞を再チャレンジした生存しているMCA205担持マウス対示された処置を用いて0日目に接種されたMCA205がん細胞に対してナイーブな対照マウス(n=5匹のマウス/群)の個々の腫瘍成長曲線を示す。
図8Hは、示された処置による処置の4日後のMCA205腫瘍(n=5匹のマウス/群)における機能的灌流領域を示す。
【
図8F-G】
図8Aは、
図8B~8Hにおいて使用されるMCA205腫瘍モデルに関する例示的な研究処置プロトコールを示す。
図8B~8Cは、示されたように処置されたMCA205腫瘍(n=10匹のマウス/群)(
図8B)および示されたように処置されたK7M2wt腫瘍(n=6匹のマウス/群)(
図8C)の相対増殖曲線を示す。記号(
**)は、ケトチフェン-ドキソルビシン-抗PD-L1群と、他の全ての処置群とを比較することによる、t検定によって決定されたP<0.05を示す。
図8Dは、研究の完了、16日目によって記録された相対腫瘍成長に対する、a-PD-L1もしくはドキソルビシンのみで、またはケトチフェン併用療法およびケトチフェン-ドキソルビシン-抗PD-L1併用療法で処置された、MCA205腫瘍(n=5匹のマウス/群)における4日間毎日のケトチフェン後の弾性ヤング係数の相関を示す(R
2=0.734、p<0.0001)。
図8Eは、研究の完了、33日目によって記録された相対腫瘍成長に対する、抗PD-L1もしくはドキソルビシンのみで、またはケトチフェン-ドキソルビシン-抗PD-L1併用療法で処置された、K7M2wt腫瘍(n=5匹のマウス/群)における4日間毎日のケトチフェン後の弾性ヤング係数の相関を示す(R
2=0.857、p<0.0001)。
図8Fは、ケトチフェンのみ、抗PD-L1のみ、ドキソルビシンのみ、ケトチフェンとドキソルビシンの併用療法、ドキソルビシンと抗PD-L1の併用、またはケトチフェン-ドキソルビシン-抗PD-L1の併用療法による処置後、16日目でのMCA205腫瘍(n=5匹のマウス/群)の腫瘍量に対する効果を示す。
図8Gは、MCA205腫瘍細胞を再チャレンジした生存しているMCA205担持マウス対示された処置を用いて0日目に接種されたMCA205がん細胞に対してナイーブな対照マウス(n=5匹のマウス/群)の個々の腫瘍成長曲線を示す。
図8Hは、示された処置による処置の4日後のMCA205腫瘍(n=5匹のマウス/群)における機能的灌流領域を示す。
【
図8H】
図8Aは、
図8B~8Hにおいて使用されるMCA205腫瘍モデルに関する例示的な研究処置プロトコールを示す。
図8B~8Cは、示されたように処置されたMCA205腫瘍(n=10匹のマウス/群)(
図8B)および示されたように処置されたK7M2wt腫瘍(n=6匹のマウス/群)(
図8C)の相対増殖曲線を示す。記号(
**)は、ケトチフェン-ドキソルビシン-抗PD-L1群と、他の全ての処置群とを比較することによる、t検定によって決定されたP<0.05を示す。
図8Dは、研究の完了、16日目によって記録された相対腫瘍成長に対する、a-PD-L1もしくはドキソルビシンのみで、またはケトチフェン併用療法およびケトチフェン-ドキソルビシン-抗PD-L1併用療法で処置された、MCA205腫瘍(n=5匹のマウス/群)における4日間毎日のケトチフェン後の弾性ヤング係数の相関を示す(R
2=0.734、p<0.0001)。
図8Eは、研究の完了、33日目によって記録された相対腫瘍成長に対する、抗PD-L1もしくはドキソルビシンのみで、またはケトチフェン-ドキソルビシン-抗PD-L1併用療法で処置された、K7M2wt腫瘍(n=5匹のマウス/群)における4日間毎日のケトチフェン後の弾性ヤング係数の相関を示す(R
2=0.857、p<0.0001)。
図8Fは、ケトチフェンのみ、抗PD-L1のみ、ドキソルビシンのみ、ケトチフェンとドキソルビシンの併用療法、ドキソルビシンと抗PD-L1の併用、またはケトチフェン-ドキソルビシン-抗PD-L1の併用療法による処置後、16日目でのMCA205腫瘍(n=5匹のマウス/群)の腫瘍量に対する効果を示す。
図8Gは、MCA205腫瘍細胞を再チャレンジした生存しているMCA205担持マウス対示された処置を用いて0日目に接種されたMCA205がん細胞に対してナイーブな対照マウス(n=5匹のマウス/群)の個々の腫瘍成長曲線を示す。
図8Hは、示された処置による処置の4日後のMCA205腫瘍(n=5匹のマウス/群)における機能的灌流領域を示す。
【0027】
【
図9A-B】
図9Aは、示されたように処置されたMCA205腫瘍モデルの全腫瘍組織におけるCD45
+リンパ球のうちの総CD3
+T細胞のパーセンテージを示す。
図9Bは、示された処置後のMCA205腫瘍における、細胞傷害性CD3
+CD8
+T細胞の、CD3
+CD4
+CD25
hiCD127
loFoxp3
+Tregに対する比(n=5匹のマウス/群)を示す。
図9Cは、K7M2wtパラフィン包埋組織切片におけるCD8(下2行)およびKi67(上2行、下2行と同じ細胞に対応する)の免疫蛍光(IF)染色の代表的な画像を示す。スケールバー=0.1mm。
図9Dは、示された療法による処置後の、CD8およびKi67染色について二重陽性である領域の、総CD8染色について陽性である領域に対する比としての増殖性CD8
+T細胞の割合の対応する定量(n=4匹のマウス/群、マウスあたりN=4~5個の画像視野)を示す。
図9Eは、K7M2wt凍結組織切片におけるCD31(内皮マーカー、上2行)およびCD3(下2行、上の行と同じ画像視野に対応する)のIF染色の代表的な画像を示す。スケールバー=0.1mm。
図9Fは、示された処置後の、CD3
+T細胞とCD31
+内皮細胞との共局在化の対応する定量を示す(n=4匹のマウス/群、マウスあたりN=4~5個の画像視野)。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す。処置群を対照群と
*、ケトチフェン-ドキソルビシン-抗PD-L1群を他の全ての処置群と
**比較することにより、統計分析を実施した。p≦0.05である。
【
図9C】
図9Aは、示されたように処置されたMCA205腫瘍モデルの全腫瘍組織におけるCD45
+リンパ球のうちの総CD3
+T細胞のパーセンテージを示す。
図9Bは、示された処置後のMCA205腫瘍における、細胞傷害性CD3
+CD8
+T細胞の、CD3
+CD4
+CD25
hiCD127
loFoxp3
+Tregに対する比(n=5匹のマウス/群)を示す。
図9Cは、K7M2wtパラフィン包埋組織切片におけるCD8(下2行)およびKi67(上2行、下2行と同じ細胞に対応する)の免疫蛍光(IF)染色の代表的な画像を示す。スケールバー=0.1mm。
図9Dは、示された療法による処置後の、CD8およびKi67染色について二重陽性である領域の、総CD8染色について陽性である領域に対する比としての増殖性CD8
+T細胞の割合の対応する定量(n=4匹のマウス/群、マウスあたりN=4~5個の画像視野)を示す。
図9Eは、K7M2wt凍結組織切片におけるCD31(内皮マーカー、上2行)およびCD3(下2行、上の行と同じ画像視野に対応する)のIF染色の代表的な画像を示す。スケールバー=0.1mm。
図9Fは、示された処置後の、CD3
+T細胞とCD31
+内皮細胞との共局在化の対応する定量を示す(n=4匹のマウス/群、マウスあたりN=4~5個の画像視野)。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す。処置群を対照群と
*、ケトチフェン-ドキソルビシン-抗PD-L1群を他の全ての処置群と
**比較することにより、統計分析を実施した。p≦0.05である。
【
図9D】
図9Aは、示されたように処置されたMCA205腫瘍モデルの全腫瘍組織におけるCD45
+リンパ球のうちの総CD3
+T細胞のパーセンテージを示す。
図9Bは、示された処置後のMCA205腫瘍における、細胞傷害性CD3
+CD8
+T細胞の、CD3
+CD4
+CD25
hiCD127
loFoxp3
+Tregに対する比(n=5匹のマウス/群)を示す。
図9Cは、K7M2wtパラフィン包埋組織切片におけるCD8(下2行)およびKi67(上2行、下2行と同じ細胞に対応する)の免疫蛍光(IF)染色の代表的な画像を示す。スケールバー=0.1mm。
図9Dは、示された療法による処置後の、CD8およびKi67染色について二重陽性である領域の、総CD8染色について陽性である領域に対する比としての増殖性CD8
+T細胞の割合の対応する定量(n=4匹のマウス/群、マウスあたりN=4~5個の画像視野)を示す。
図9Eは、K7M2wt凍結組織切片におけるCD31(内皮マーカー、上2行)およびCD3(下2行、上の行と同じ画像視野に対応する)のIF染色の代表的な画像を示す。スケールバー=0.1mm。
図9Fは、示された処置後の、CD3
+T細胞とCD31
+内皮細胞との共局在化の対応する定量を示す(n=4匹のマウス/群、マウスあたりN=4~5個の画像視野)。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す。処置群を対照群と
*、ケトチフェン-ドキソルビシン-抗PD-L1群を他の全ての処置群と
**比較することにより、統計分析を実施した。p≦0.05である。
【
図9E】
図9Aは、示されたように処置されたMCA205腫瘍モデルの全腫瘍組織におけるCD45
+リンパ球のうちの総CD3
+T細胞のパーセンテージを示す。
図9Bは、示された処置後のMCA205腫瘍における、細胞傷害性CD3
+CD8
+T細胞の、CD3
+CD4
+CD25
hiCD127
loFoxp3
+Tregに対する比(n=5匹のマウス/群)を示す。
図9Cは、K7M2wtパラフィン包埋組織切片におけるCD8(下2行)およびKi67(上2行、下2行と同じ細胞に対応する)の免疫蛍光(IF)染色の代表的な画像を示す。スケールバー=0.1mm。
図9Dは、示された療法による処置後の、CD8およびKi67染色について二重陽性である領域の、総CD8染色について陽性である領域に対する比としての増殖性CD8
+T細胞の割合の対応する定量(n=4匹のマウス/群、マウスあたりN=4~5個の画像視野)を示す。
図9Eは、K7M2wt凍結組織切片におけるCD31(内皮マーカー、上2行)およびCD3(下2行、上の行と同じ画像視野に対応する)のIF染色の代表的な画像を示す。スケールバー=0.1mm。
図9Fは、示された処置後の、CD3
+T細胞とCD31
+内皮細胞との共局在化の対応する定量を示す(n=4匹のマウス/群、マウスあたりN=4~5個の画像視野)。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す。処置群を対照群と
*、ケトチフェン-ドキソルビシン-抗PD-L1群を他の全ての処置群と
**比較することにより、統計分析を実施した。p≦0.05である。
【
図9F】
図9Aは、示されたように処置されたMCA205腫瘍モデルの全腫瘍組織におけるCD45
+リンパ球のうちの総CD3
+T細胞のパーセンテージを示す。
図9Bは、示された処置後のMCA205腫瘍における、細胞傷害性CD3
+CD8
+T細胞の、CD3
+CD4
+CD25
hiCD127
loFoxp3
+Tregに対する比(n=5匹のマウス/群)を示す。
図9Cは、K7M2wtパラフィン包埋組織切片におけるCD8(下2行)およびKi67(上2行、下2行と同じ細胞に対応する)の免疫蛍光(IF)染色の代表的な画像を示す。スケールバー=0.1mm。
図9Dは、示された療法による処置後の、CD8およびKi67染色について二重陽性である領域の、総CD8染色について陽性である領域に対する比としての増殖性CD8
+T細胞の割合の対応する定量(n=4匹のマウス/群、マウスあたりN=4~5個の画像視野)を示す。
図9Eは、K7M2wt凍結組織切片におけるCD31(内皮マーカー、上2行)およびCD3(下2行、上の行と同じ画像視野に対応する)のIF染色の代表的な画像を示す。スケールバー=0.1mm。
図9Fは、示された処置後の、CD3
+T細胞とCD31
+内皮細胞との共局在化の対応する定量を示す(n=4匹のマウス/群、マウスあたりN=4~5個の画像視野)。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す。処置群を対照群と
*、ケトチフェン-ドキソルビシン-抗PD-L1群を他の全ての処置群と
**比較することにより、統計分析を実施した。p≦0.05である。
【0028】
【
図10A】
図10Aは、ピモニダゾール塩酸塩注射後のピモニダゾール付加物について染色されたK7M2wtパラフィン包埋切片の代表的なIF画像を示す。スケールバー=0.2mm(上2行はDAPI染色であり、下2行は対応する低酸素染色である;上および下の対応するパネルは同じ画像視野である)。
図10Bは、K7M2wt腫瘍のDAPI染色に対して正規化した低酸素領域の割合の対応する定量を示す(処置あたりn=4匹のマウス、マウスあたりN=4~5個の画像視野)。
図10Cは、未処置の(対照)MCA205腫瘍および10mg/kgのケトチフェンで処置されたMCA205腫瘍における、RT-qPCRによって評価され、2
^-ΔΔCT法を使用して定量された、内皮壁への免疫細胞の接着と関連する遺伝子の相対mRNAレベルを示す(3回の生物学的反復×3回の技術的反復を使用した)。
図10D~10Eは、示された処置後のK7M2wt腫瘍切片におけるCD3(
図10D)およびCD31(
図10E)染色について陽性の領域の定量を示す(n=4匹のマウス/群、マウスあたりN=4~5個の画像視野)。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す。処置群を対照群と
*、ケトチフェン-ドキソルビシン-抗PD-L1群を他の全ての処置群と
**比較することにより、統計分析を実施した。p≦0.05である。
【
図10B】
図10Aは、ピモニダゾール塩酸塩注射後のピモニダゾール付加物について染色されたK7M2wtパラフィン包埋切片の代表的なIF画像を示す。スケールバー=0.2mm(上2行はDAPI染色であり、下2行は対応する低酸素染色である;上および下の対応するパネルは同じ画像視野である)。
図10Bは、K7M2wt腫瘍のDAPI染色に対して正規化した低酸素領域の割合の対応する定量を示す(処置あたりn=4匹のマウス、マウスあたりN=4~5個の画像視野)。
図10Cは、未処置の(対照)MCA205腫瘍および10mg/kgのケトチフェンで処置されたMCA205腫瘍における、RT-qPCRによって評価され、2
^-ΔΔCT法を使用して定量された、内皮壁への免疫細胞の接着と関連する遺伝子の相対mRNAレベルを示す(3回の生物学的反復×3回の技術的反復を使用した)。
図10D~10Eは、示された処置後のK7M2wt腫瘍切片におけるCD3(
図10D)およびCD31(
図10E)染色について陽性の領域の定量を示す(n=4匹のマウス/群、マウスあたりN=4~5個の画像視野)。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す。処置群を対照群と
*、ケトチフェン-ドキソルビシン-抗PD-L1群を他の全ての処置群と
**比較することにより、統計分析を実施した。p≦0.05である。
【
図10C-E】
図10Aは、ピモニダゾール塩酸塩注射後のピモニダゾール付加物について染色されたK7M2wtパラフィン包埋切片の代表的なIF画像を示す。スケールバー=0.2mm(上2行はDAPI染色であり、下2行は対応する低酸素染色である;上および下の対応するパネルは同じ画像視野である)。
図10Bは、K7M2wt腫瘍のDAPI染色に対して正規化した低酸素領域の割合の対応する定量を示す(処置あたりn=4匹のマウス、マウスあたりN=4~5個の画像視野)。
図10Cは、未処置の(対照)MCA205腫瘍および10mg/kgのケトチフェンで処置されたMCA205腫瘍における、RT-qPCRによって評価され、2
^-ΔΔCT法を使用して定量された、内皮壁への免疫細胞の接着と関連する遺伝子の相対mRNAレベルを示す(3回の生物学的反復×3回の技術的反復を使用した)。
図10D~10Eは、示された処置後のK7M2wt腫瘍切片におけるCD3(
図10D)およびCD31(
図10E)染色について陽性の領域の定量を示す(n=4匹のマウス/群、マウスあたりN=4~5個の画像視野)。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す。処置群を対照群と
*、ケトチフェン-ドキソルビシン-抗PD-L1群を他の全ての処置群と
**比較することにより、統計分析を実施した。p≦0.05である。
【0029】
【
図11A-B】
図11A~11Bは、MCA205腫瘍の分析のためのフローサイトメトリー分析およびゲーティング設計を示す。
図11Aは、示された処置後のMCA205腫瘍の骨髄性細胞のフローサイトメトリー分析を示す。骨髄ゲートをFSC/SSC上で使用し、死んだ細胞を除外し、CD45
+細胞上でゲーティングした(
図11B)。CD11bおよびGr-1(Ly6G
+Ly6C
+)抗体を使用して、骨髄性細胞集団と単球とを区別し、MDSCを、CD11bとGr-1タンパク質との両方の高い発現によって同定した。全てのデータを、平均±平均の標準誤差として表す。処置群を対照群と
*比較することにより、統計分析を実施した。p≦0.05である。
【0030】
【
図12】
図12は、腫瘍浸潤性リンパ球のフローサイトメトリー分析のためのゲーティング戦略を示す。ダブレット/凝集イベントを、側方散乱面積対側方散乱幅を使用してゲートアウトした。シングレット上でゲーティングした後、L/D染色を使用して生細胞を同定し、次に、リンパ球ゲート(CD45
+)を使用して、非リンパ球細胞を除去した。CD3
+T細胞を、CD4およびCD8抗体で染色した。CD4
+細胞上でゲーティングした後、低レベルのCD127および高レベルのCD25を発現する細胞(CD127
loCD25
hi)を同定した。この集団をゲートオンして、Foxp3
+を発現するTregである細胞のパーセンテージを同定した。
【0031】
【
図13A-B】
図13Aは、マウスMC/9 MCおよびNIH3T3線維芽細胞を、化学コミュニケーションのみを許容する微小孔を有するトランスウェルチャンバーによって分離した同時培養アッセイを示す。
図13Bは、化合物C48/80(C48/80)、ケトチフェン、およびTGFβによる肥満細胞脱顆粒化に対する効果を示す。
図13Cは、示された処置後の線維芽細胞におけるαSMA(下の行)およびコラーゲンI(上の行)の免疫蛍光染色を示す。
図13Dは、DAPI核染色に対して正規化された、示された処置後の、コラーゲンIの定量を示し、
図13Eは、αSMAの定量を示す。通常の一元ANOVA検定を使用して2つの独立群間の平均を比較することにより、統計分析を実施した。
【
図13C】
図13Aは、マウスMC/9 MCおよびNIH3T3線維芽細胞を、化学コミュニケーションのみを許容する微小孔を有するトランスウェルチャンバーによって分離した同時培養アッセイを示す。
図13Bは、化合物C48/80(C48/80)、ケトチフェン、およびTGFβによる肥満細胞脱顆粒化に対する効果を示す。
図13Cは、示された処置後の線維芽細胞におけるαSMA(下の行)およびコラーゲンI(上の行)の免疫蛍光染色を示す。
図13Dは、DAPI核染色に対して正規化された、示された処置後の、コラーゲンIの定量を示し、
図13Eは、αSMAの定量を示す。通常の一元ANOVA検定を使用して2つの独立群間の平均を比較することにより、統計分析を実施した。
【
図13D-E】
図13Aは、マウスMC/9 MCおよびNIH3T3線維芽細胞を、化学コミュニケーションのみを許容する微小孔を有するトランスウェルチャンバーによって分離した同時培養アッセイを示す。
図13Bは、化合物C48/80(C48/80)、ケトチフェン、およびTGFβによる肥満細胞脱顆粒化に対する効果を示す。
図13Cは、示された処置後の線維芽細胞におけるαSMA(下の行)およびコラーゲンI(上の行)の免疫蛍光染色を示す。
図13Dは、DAPI核染色に対して正規化された、示された処置後の、コラーゲンIの定量を示し、
図13Eは、αSMAの定量を示す。通常の一元ANOVA検定を使用して2つの独立群間の平均を比較することにより、統計分析を実施した。
【0032】
【
図14A】
図14Aは、対照または示されたケトチフェン用量による処置後のCD31画像分析に基づくMCA205腫瘍におけるオープンルーメン(open lumen)の割合の定量を示す。
図14Bは、異なるケトチフェン濃度を用いた処置の際のMCA205腫瘍のNG2周皮細胞マーカー(中央の2行)およびCD31内皮細胞マーカー(上2行)の代表的な免疫蛍光画像を示す(下2行における共局在化したNG2/CD31シグナル、すなわち、重複染色)。
図14Cは、総CD31
+染色に対して正規化された、CD31およびNG2の重複染色によって示される血管周皮細胞カバレッジの定量を示す。
図14Dは、CD31染色(血管)について陽性の領域の割合の定量を示す(n=5匹のマウス/群、マウスあたりN=3~5個の画像視野)。
【
図14B】
図14Aは、対照または示されたケトチフェン用量による処置後のCD31画像分析に基づくMCA205腫瘍におけるオープンルーメン(open lumen)の割合の定量を示す。
図14Bは、異なるケトチフェン濃度を用いた処置の際のMCA205腫瘍のNG2周皮細胞マーカー(中央の2行)およびCD31内皮細胞マーカー(上2行)の代表的な免疫蛍光画像を示す(下2行における共局在化したNG2/CD31シグナル、すなわち、重複染色)。
図14Cは、総CD31
+染色に対して正規化された、CD31およびNG2の重複染色によって示される血管周皮細胞カバレッジの定量を示す。
図14Dは、CD31染色(血管)について陽性の領域の割合の定量を示す(n=5匹のマウス/群、マウスあたりN=3~5個の画像視野)。
【
図14C-D】
図14Aは、対照または示されたケトチフェン用量による処置後のCD31画像分析に基づくMCA205腫瘍におけるオープンルーメン(open lumen)の割合の定量を示す。
図14Bは、異なるケトチフェン濃度を用いた処置の際のMCA205腫瘍のNG2周皮細胞マーカー(中央の2行)およびCD31内皮細胞マーカー(上2行)の代表的な免疫蛍光画像を示す(下2行における共局在化したNG2/CD31シグナル、すなわち、重複染色)。
図14Cは、総CD31
+染色に対して正規化された、CD31およびNG2の重複染色によって示される血管周皮細胞カバレッジの定量を示す。
図14Dは、CD31染色(血管)について陽性の領域の割合の定量を示す(n=5匹のマウス/群、マウスあたりN=3~5個の画像視野)。
【0033】
【
図15A-C】
図15Aは、C48/80によるMC/9細胞の濃度依存的活性化を示す。
図15Bは、C48/80によって誘導された肥満細胞脱顆粒化に対する異なる濃度のケトチフェンの阻害効果を示す。
図15Cは、2または24時間にわたるケトチフェンまたは対照の存在下でのNIH3T3細胞生存能力の評価を示す。
【0034】
【
図16】
図16は、肥満細胞によって浸潤される軟部組織肉腫を示す。異なる肉腫型を有する患者のヒト組織アレイのCD117(c-Kit)肥満細胞マーカーに関する免疫蛍光染色(上の行はDAPI染色であり、下の行は対応するCD117染色である)。
【0035】
【
図17A】
図17Aは、対照または示された用量のケトチフェンで処置されたMCA205腫瘍に由来する肥満細胞トリプターゼの代表的な免疫蛍光画像を示す(上2行はDAPI核染色であり、下2行は対応するトリプターゼ染色である)。スケールバーは0.05mmである。
図17Bおよび
図17Cは、対照または示された用量のケトチフェンで処置されたMCA205(
図17B)およびK7M2wt(
図17C)腫瘍に関するDAPI染色に対して正規化されたトリプターゼについて陽性の領域の定量を示す。
【
図17B-C】
図17Aは、対照または示された用量のケトチフェンで処置されたMCA205腫瘍に由来する肥満細胞トリプターゼの代表的な免疫蛍光画像を示す(上2行はDAPI核染色であり、下2行は対応するトリプターゼ染色である)。スケールバーは0.05mmである。
図17Bおよび
図17Cは、対照または示された用量のケトチフェンで処置されたMCA205(
図17B)およびK7M2wt(
図17C)腫瘍に関するDAPI染色に対して正規化されたトリプターゼについて陽性の領域の定量を示す。
【0036】
【
図18A-B】
図18Aは、MCA205腫瘍モデルにおける対照または示された用量のケトチフェンによる処置後の腫瘍に関するピーク強度の時間での総腫瘍領域に関する正規化された灌流領域を示す。
図18Bは、K7M2wt腫瘍モデルにおける
図4A(n=4~5)に示された処置プロトコールの完了後の腫瘍に関するピーク強度の時間での総腫瘍領域に関する正規化された灌流領域を示す。
【0037】
【
図19A-B】
図19Aは、K7M2wt腫瘍における原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定された腫瘍微小規模の平均弾性係数を示す(n=3匹のマウス/群、N=10~15の異なる20×20μm
2の力マップ、16×16ポイントのグリッド)。
図19Bは、対照またはケトチフェン処置後のMCA205(左上および左下)およびK7M2wt(右上および右下)腫瘍の代表的なAFM弾性係数分布/ヒストグラムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
詳細な説明
I.定義
本発明がより容易に理解され得るように、ある特定の科学技術用語を以下に具体的に定義する。本文書の他所で具体的に定義していない限り、本明細書で使用される全ての他の科学技術用語は、本発明が属する当業者によって一般的に理解される意味を有する。
【0039】
添付の特許請求の範囲を含む本明細書で使用される場合、用語の単数形、例えば「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈が特に明白に指示していない限り、その対応する複数形を含む。
【0040】
1つまたは複数の詳述された要素を「含む」組成物または方法は、具体的に詳述されていない他の要素を含んでもよい。例えば、抗体を含む組成物は、抗体を単独でまたは他の成分と組み合わせて含有し得る。
【0041】
本明細書に記載される本発明の態様および実施形態は、態様および実施形態を「含む」、「からなる」、および「から本質的になる」ことを含むと理解される。
【0042】
値の範囲の指定は、範囲内のまたは範囲を定義する全ての整数を含む。
【0043】
特に定義されない限り、本明細書で使用される全ての科学技術用語は、本開示が関連する当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。例えば、Concise Dictionary of Biomedicine and Molecular Biology, Juo, Pei-Show, 2nd ed., 2002, CRC Press;The Dictionary of Cell and Molecular Biology, 3rd ed., 1999, Academic Press;およびthe Oxford Dictionary Of Biochemistry And Molecular Biology, Revised, 2000, Oxford University Pressは、本開示で使用される用語の多くの一般的な辞書を当業者に提供する。
【0044】
単位、接頭辞、および記号は、その国際単位系(SI)で許容される形態で示される。数値範囲は、範囲を定義する数字を含む。本明細書で提供される見出しは、本明細書を全体として参照することによって得ることができる本開示の様々な態様の限定ではない。したがって、すぐ下に定義する用語は、本明細書のその全体を参照することによってより十分に定義される。
【0045】
「重量に基づく用量」という用語は、本明細書で参照される場合、対象に投与される用量が、対象の体重に基づいて計算されることを意味する。例えば、体重60kgの対象が、2.0mg/kgのケトチフェンまたはチェックポイント阻害剤を必要とする場合、対象に投与するためにケトチフェンまたはチェックポイント阻害剤の適切な量(すなわち、120mg)を計算し、使用することができる。
【0046】
本開示の方法および投薬量に関して「固定用量」という用語の使用は、対象の体重または体表面積(BSA)によらず、対象に投与される用量を意味する。したがって、固定用量は、mg/kg用量として提供されるのではなく、作用剤(例えば、ケトチフェンおよび/またはチェックポイント阻害剤)の絶対量として提供される。例えば、体重60kgの対象と体重100kgの対象は、同じ用量のケトチフェンまたはチェックポイント阻害剤を投与される。
【0047】
「がん」は、体における異常な細胞の制御されない成長によって特徴付けられる広範な様々な疾患群を指す。「がん」または「がん組織」は、腫瘍を含み得る。制御されない細胞分裂および成長は、隣接する組織に侵入する悪性腫瘍の形成をもたらし、リンパ系または血流を通して体の遠位部分に転移することもできる。転移後、遠位腫瘍は、転移前の腫瘍に「由来する」と言うことができる。例えば、乳がん「に由来する腫瘍」は、転移した乳がんの結果である腫瘍を指す。
【0048】
「投与する」または「投与」は、当業者に公知の様々な方法および送達システムのいずれかを使用する治療剤の対象への物理的導入を指す。ケトチフェンおよび/またはチェックポイント阻害剤の例示的な投与経路としては、腸投与経路、および静脈内、筋肉内、皮下、腹腔内、脊髄内、または他の非経口投与経路、例えば注射または注入(例えば、静脈内注入)が挙げられる。「非経口投与」という語句は、本明細書で使用される場合、通常、注射による腸投与および局所投与以外の投与様式を意味し、これらに限定されないが、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、リンパ管内、病変内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、嚢下、くも膜下、脊髄内、硬膜外および大槽内注射および注入、ならびにin vivo電気穿孔を含む。治療剤は、非経口経路を介してまたは経口により投与することができる。他の非経口経路は、局所、表皮、または粘膜投与経路、例えば鼻腔内、膣内、直腸内、舌下、または局所を含む。投与はまた、例えば1回、複数回、および/または1つもしくは複数の長期間実施することができる。
【0049】
抗体または本明細書で記載される他のタンパク質において、配列番号によって指定される残基に対応するアミノ酸残基に対する言及は、そのような残基の翻訳後改変を含む。
【0050】
「抗体」という用語は、抗原の存在に応答して体によって産生され、抗原に結合する免疫グロブリンタンパク質、ならびにその抗原結合性断片および操作されたバリアントを指す。したがって、「抗体」という用語は、例えばインタクトなモノクローナル抗体(例えば、ハイブリドーマ技術を使用して産生された抗体)および抗原結合性抗体断片、例えば、F(ab’)2、Fv断片、ダイアボディ、一本鎖抗体、scFv断片、またはscFv-Fcを含む。一般に、遺伝子操作されたインタクトな抗体および断片、例えばキメラ抗体、ヒト化抗体、一本鎖Fv断片、一本鎖抗体、ダイアボディ、ミニボディ、線状抗体、多価または多特異性(例えば、二特異性)ハイブリッド抗体などもまた、含まれる。このように、「抗体」という用語は、抗体の抗原結合部位を含み、その抗原に特異的に結合することが可能な任意のタンパク質を含むために広く使用される。
【0051】
抗体またはその抗原結合性断片という用語は、抗体もしくはその抗原結合性断片が薬剤、例えば細胞傷害剤もしくは細胞傷害薬に共有結合または非共有結合した、「コンジュゲートされた」抗体またはその抗原結合性断片、または「抗体薬物コンジュゲート(ADC)」を含む。
【0052】
「キメラ抗体」という用語は、重鎖および/または軽鎖の一部が、特定の種(例えば、ヒト)に由来する、または特定の抗体クラスもしくはサブクラスに属するが、鎖(複数可)の残りは、別の種(例えば、マウス)に由来する抗体中の対応する配列と同一であるかもしくは相同である、または別の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体、ならびにそれらが所望の生物活性を示す限り、そのような抗体の断片を指す。
【0053】
「抗体の抗原結合部位」は、その抗原に結合するために十分である抗体のその部分である。最小のそのような領域は典型的に、可変ドメインまたはその遺伝子操作バリアントである。シングルドメイン結合部位を、ラクダ科抗体(Muyldermans and Lauwereys, Mol. Recog. 12: 131-140, 1999;Nguyen et al., EMBO J. 19:921-930, 2000)、または他の種のVHドメイン(「dAb」、Ward et al., Nature 341: 544-546, 1989;Winterらに対する米国特許第6,248,516号を参照されたい)から生成して、シングルドメイン抗体を産生することができる。一般的に、抗体の抗原結合部位は、共通のエピトープに結合する重鎖可変(VH)ドメインおよび軽鎖可変(VL)ドメインの両方を含む。本発明の文脈では、抗体は、抗原結合部位に加えて1つまたは複数の構成要素、例えば抗体の第2の抗原結合部位(同じもしくは異なるエピトープ、または同じもしくは異なる抗原に結合し得る)、ペプチドリンカー、免疫グロブリン定常領域、免疫グロブリンヒンジ、両親媒性ヘリックス(Pack and Pluckthun, Biochem. 31: 1579-1584, 1992を参照されたい)、非ペプチドリンカー、オリゴヌクレオチド(Chaudri et al., FEBS Letters 450:23-26, 1999を参照されたい)、細胞抑制薬または細胞傷害薬等を含んでもよく、単量体または多量体タンパク質であってもよい。抗体の抗原結合部位を含む分子の例は当技術分野で公知であり、例えば、Fv、一本鎖Fv(scFv)、Fab、Fab’、F(ab’)2、F(ab)c、ダイアボディ、ミニボディ、ナノボディ、Fab-scFv融合体、二特異性(scFv)4-IgG、および二特異性(scFv)2-Fabを含む(例えば、Hu et al., Cancer Res. 56:3055-3061, 1996;Atwell et al., Molecular Immunology 33: 1301-1312, 1996;Carter and Merchant, Curr. Op. Biotechnol. 8:449-454, 1997;Zuo et al., Protein Engineering 13:361-367, 2000;およびLu et al., J. Immunol. Methods 267:213-226, 2002を参照されたい)。
【0054】
「免疫グロブリン」という用語は、免疫グロブリン遺伝子(複数可)によって実質的にコードされる1つまたは複数のポリペプチドからなるタンパク質を指す。免疫グロブリンの1つの形態は、脊椎動物における天然(すなわち、天然または親の)抗体の基本構造単位を構成する。この形態は4量体であり、各々の対が1つの軽鎖および1つの重鎖を有する免疫グロブリン鎖の2つの同一の対からなる。各々の対では、軽鎖および重鎖可変領域(VLおよびVH)は共に、抗原に対する結合に主に関与し、定常領域は抗体エフェクター機能に主に関与する。高等脊椎動物では、5つのクラスの免疫グロブリンタンパク質(IgG、IgA、IgM、IgD、およびIgE)が同定されている。IgGは、主要なクラスを含み、通常血漿中で見出される2番目に豊富なタンパク質として存在する。ヒトでは、IgGは、IgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4と指定される4つのサブクラスからなる。各免疫グロブリン重鎖は、種における所定のサブクラスに関して本質的に不変である定常領域タンパク質ドメイン(CH1、ヒンジ、CH2、およびCH3;IgG3はCH4ドメインも含有する)からなる定常領域を保有する。
【0055】
ヒトおよび非ヒト免疫グロブリン鎖をコードするDNA配列は当技術分野で公知である。(例えば、Ellison et al , DNA 1: 11-18, 1981;Ellison et al, Nucleic Acids Res. 10:4071-4079, 1982;Kenten et al., Proc. Natl. Acad. Set USA 79:6661-6665, 1982;Seno et al., Nucl. Acids Res. 11 :719-726, 1983;Riechmann et al., Nature 332:323-327, 1988;Amster et al., Nucl. Acids Res. 8:2055-2065, 1980;Rusconi and Kohler, Nature 314:330-334, 1985;Boss et al., Nucl. Acids Res. 12:3791-3806, 1984;Bothwell et al., Nature 298:380-382, 1982;van der Loo et al., Immunogenetics 42:333-341, 1995;Karlin et al., J. Mol. Evol. 22: 195-208, 1985;Kindsvogel et al., DNA 1 :335-343, 1982;Breiner et al., Gene 18: 165-174, 1982;Kondo et al., Eur. J. Immunol. 23:245-249, 1993;およびGenBank Accession No. J00228を参照されたい)。免疫グロブリン構造および機能に関する論評に関しては、Putnam, The Plasma Proteins, Vol V, Academic Press, Inc., 49-140, 1987;およびPadlan, Mol. Immunol. 31: 169-217, 1994を参照されたい。「免疫グロブリン」という用語は、本明細書においてその一般的な意味で使用され、文脈に応じてインタクトな抗体、その構成要素の鎖、または鎖の断片を示す。
【0056】
全長の免疫グロブリン「軽鎖」(約25kDaまたは214アミノ酸)は、アミノ末端で可変領域遺伝子(約110アミノ酸をコードする)によってコードされ、カルボキシル末端でカッパまたはラムダ定常領域遺伝子によってコードされる。全長の免疫グロブリン「重鎖」(約50kDaまたは446アミノ酸)は、可変領域遺伝子(約116アミノ酸をコードする)、およびガンマ、ミュー、アルファ、デルタ、またはイプシロン定常領域遺伝子(約330アミノ酸をコードする)によってコードされ、後者はそれぞれ、抗体のアイソタイプ、例えばIgG、IgM、IgA、IgD、またはIgEを定義する。軽鎖および重鎖において、可変領域と定常領域は、約12個またはそれより多くのアミノ酸の「J」領域によって結合し、重鎖はまた、約10個またはそれより多くのアミノ酸の「D」領域も含む。(一般的に、Fundamental Immunology(Paul, ed., Raven Press, N.Y., 2nd ed. 1989), Ch. 7を参照されたい)。
【0057】
免疫グロブリン軽鎖または重鎖可変領域(本明細書においてそれぞれ「軽鎖可変ドメイン」(「VLドメイン」)、または「重鎖可変ドメイン」(「VHドメイン」)とも呼ばれる)は、3つの「相補性決定領域」または「CDR」によって中断される「フレームワーク」領域からなる。フレームワーク領域は、CDRを抗原のエピトープに特異的に結合するように整列させるために作用する。このように、「CDR」という用語は、抗原結合に主に関与する抗体のアミノ酸残基を指す。アミノ末端からカルボキシル末端に、VLおよびVHドメインはいずれも以下のフレームワーク(FR)およびCDR領域:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4を含む。
【0058】
アミノ酸の各可変領域ドメインへの割付は、Kabat, Sequences of Proteins of Immunological Interest(National Institutes of Health, Bethesda, MD, 1987 and 1991)の定義に従う。Kabatはまた、異なる重鎖可変領域間、または異なる軽鎖可変領域間の対応する残基が同数で割付される、広く使用されるナンバリングの慣例(Kabatナンバリング)も提供する。VLドメインのCDR1、2、および3はまた、本明細書においてそれぞれ、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3とも呼ばれる。VHドメインのCDR1、2、および3はまた、本明細書においてそれぞれ、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3とも呼ばれる。そのように言及される場合、CDRの割付は、Kabatの代わりにIMGT(登録商標)(Lefranc et al., Developmental & Comparative Immunology 27:55-77; 2003)に従うことができる。
【0059】
重鎖定常領域のナンバリングは、Kabat(Kabat, Sequences of Proteins of Immunological Interest, National Institutes of Health, Bethesda, MD, 1987 and 1991)に記載されるEUインデックスを介する。
【0060】
文脈が特に述べていない限り、「モノクローナル抗体」という用語は、ハイブリドーマ技術を通して産生された抗体に限定されない。「モノクローナル抗体」という用語は、任意の真核細胞、原核細胞、またはファージクローンを含む、単クローンに由来する抗体を含み得る。特定の実施形態では、本明細書に記載される抗体は、モノクローナル抗体である。
【0061】
「ヒト抗体」(HuMAb)は、FRおよびCDRの両方がヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由来する可変領域を有する抗体を指す。さらに、抗体が定常領域を含有する場合、定常領域もまた、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由来する。本開示のヒト抗体は、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列によってコードされないアミノ酸残基(例えば、in vitroでのランダムもしくは部位特異的突然変異によって、またはin vivoでの体細胞突然変異によって導入された突然変異)を含み得る。しかし、本明細書で使用される場合「ヒト抗体」という用語は、別の哺乳動物種、例えばマウスの生殖系列に由来するCDR配列がヒトフレームワーク配列にグラフトされている抗体を含まないと意図される。「ヒト抗体」および「完全なヒト抗体」という用語は、同義として使用される。
【0062】
「ヒト化VHドメイン」または「ヒト化VLドメイン」という用語は、非ヒトドナー免疫グロブリン(例えば、マウスまたはラット)に完全にまたは実質的に由来する一部のまたは全てのCDR、およびヒト免疫グロブリン配列に完全にまたは実質的に由来する可変ドメインフレームワーク配列を含む、免疫グロブリンVHまたはVLドメインを指す。CDRを提供する非ヒト免疫グロブリンは、「ドナー」と呼ばれ、フレームワークを提供するヒト免疫グロブリンは、「アクセプター」と呼ばれる。一部の例では、ヒト化抗体は、適切な結合特徴(例えば、フレームワークにおける突然変異は、抗体がヒト化される場合、結合親和性を保持するために必要であり得る)を増強するために、ヒト可変ドメインフレームワーク領域内で一部の非ヒト残基を保持する。
【0063】
「ヒト化抗体」は、ヒト化VHドメインおよびヒト化VLドメインの1つまたは両方を含む抗体である。免疫グロブリン定常領域(複数可)が存在する必要はないが、存在する場合、それらは、ヒト免疫グロブリン定常領域に完全にまたは実質的に由来する。
【0064】
ヒト化抗体は、非ヒト「ドナー」抗体からのCDRがヒト「アクセプター」抗体配列にグラフトされている遺伝子操作された抗体である(例えば、Queen、米国特許第5,530,101号および第5,585,089号;Winter、米国特許第5,225,539号;Carter、米国特許第6,407,213号;Adair、米国特許第5,859,205号;ならびにFoote、米国特許第6,881,557号を参照されたい)。アクセプター抗体配列は、例えば成熟ヒト抗体配列、そのような配列の複合物、ヒト抗体配列のコンセンサス配列、または生殖系列領域配列であり得る。
【0065】
ヒトアクセプター配列は、他の基準の中でもアクセプターとドナーCDRとの間の典型的な形態にマッチするようにドナー配列を有する可変領域フレームワークにおける高い程度の配列同一性に関して選択することができる。このように、ヒト化抗体は、ドナー抗体に完全にまたは実質的に由来するCDR、ならびに存在する場合、ヒト抗体配列に完全にまたは実質的に由来する可変領域フレームワーク配列および定常領域を有する抗体である。同様に、ヒト化重鎖は、典型的にドナー抗体重鎖に完全にまたは実質的に由来する3つ全てのCDR、および存在する場合は、ヒト重鎖可変領域フレームワークおよび定常領域配列に実質的に由来する重鎖可変領域フレームワーク配列および重鎖定常領域を有する。同様に、ヒト化軽鎖は、典型的にドナー抗体軽鎖に完全にまたは実質的に由来する3つ全てのCDR、ならびに存在する場合、ヒト軽鎖可変領域フレームワークおよび定常領域配列に実質的に由来する軽鎖可変領域フレームワーク配列および軽鎖定常領域を有する。
【0066】
ヒト化抗体におけるCDRは、対応する残基(Kabatナンバリングによって定義される)の少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、もしくは約99%、または対応する残基(Kabatナンバリングによって定義される)の約100%が、それぞれのCDRの間で同一である場合に、非ヒト抗体の対応するCDRに実質的に由来する。抗体鎖の可変領域フレームワーク配列または抗体鎖の定常領域は、対応する残基(可変領域に関してKabatナンバリングによって定義され、定常領域に関してEUナンバリングによって定義される)の少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、もしくは約99%、または対応する残基(可変領域に関してKabatナンバリングによって定義され、定常領域に関してEUナンバリングによって定義される)の約100%が同一である場合、それぞれ、ヒト可変領域フレームワーク配列またはヒト定常領域に実質的に由来する。
【0067】
ヒト化抗体はしばしば、マウス抗体の6つ全てのCDR(好ましくはKabatまたはIMGT(登録商標)によって定義される)を組み込むが、それらはまた、マウス抗体からの6つ全てより少ないCDR(例えば、少なくとも3、4、または5つのCDR)から作製することもできる(例えば、Pascalis et al., J. Immunol. 169:3076, 2002;Vajdos et al., Journal of Molecular Biology, 320: 415-428, 2002;Iwahashi et al., Mol. Immunol. 36:1079-1091, 1999;Tamura et al, Journal of Immunology, 164: 1432- 1441, 2000)。
【0068】
ヒト化抗体におけるCDRは、対応する残基(Kabat(またはIMGT)によって定義される)の少なくとも60%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%がそれぞれのCDRの間で同一である場合、非ヒト抗体の対応するCDRに「実質的に由来する」。CDRが非ヒト免疫グロブリンに実質的に由来するヒト化VHまたはVLドメインの特定のバリエーションでは、ヒト化VHまたはVLドメインのCDRは、対応する非ヒトVHまたはVL CDRと比較して3つ全てのCDRに対して6つ以下(例えば、5つ以下、4つ以下、3つ以下、2つ以下、または1つ以下)のアミノ酸置換(好ましくは保存的置換)を有する。抗体VHもしくはVLドメインの可変領域フレームワーク配列、または存在する場合、免疫グロブリン定常領域の配列は、対応する残基(可変領域に関してKabatナンバリングによって定義され、定常領域に関してEUナンバリングによって定義される)の少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、もしくは約99%、または対応する残基(可変領域に関してKabatナンバリングによって定義され、定常領域に関してEUナンバリングによって定義される)の約100%が同一である場合、それぞれ、ヒトVHもしくはVLフレームワーク配列またはヒト定常領域に「実質的に由来する」。よって、CDRを除くヒト化抗体の全ての部分は、典型的に天然のヒト免疫グロブリン配列の対応する部分に完全にまたは実質的に由来する。
【0069】
抗体は、典型的に単離された形態で提供される。このことは、抗体が、干渉するタンパク質およびその産生または精製から生じる他の夾雑物の少なくとも約50重量/重量%純粋であるが、抗体がその使用を容易にすることが意図される過剰量の薬学的に許容される担体(複数可)または他の媒体と組み合わせられる可能性を除外しないことを意味する。時に、抗体は、干渉するタンパク質および産生または精製からの夾雑物の少なくとも約60重量/重量%、約70重量/重量%、約80重量/重量%、約90重量/重量%、約95重量/重量%、または約99重量/重量%純粋である。単離された抗体を含む抗体を、細胞傷害剤とコンジュゲートすることができ、抗体薬物コンジュゲートとして提供することができる。
【0070】
抗体とその標的抗原との特異的結合は、典型的に、少なくとも約106、約107、約108、約109、または約1010M-1の親和性を指す。特異的結合は、検出可能に高い次数であり、少なくとも1つの非特異的標的に起こる非特異的結合とは識別される。特異的結合は、特定の官能基または特定の空間的フィット(例えば、ロックおよびキー型)の間の結合の形成の結果であり得るが、非特異的結合は典型的に、ファンデルワールス力の結果である。
【0071】
「エピトープ」という用語は、抗体が結合する抗原の部位を指す。エピトープは、連続アミノ酸、または1つもしくは複数のタンパク質の三次元フォールディングによって近接する不連続アミノ酸から形成され得る。連続アミノ酸から形成されたエピトープは、典型的に変性剤、例えば溶媒に曝露されても保持されるが、三次元フォールディングによって形成されたエピトープは、典型的に、変性剤、例えば溶媒による処置によって失われる。エピトープは典型的に、一意的空間的立体構造で、少なくとも約3、およびより通常少なくとも約5、少なくとも約6、少なくとも約7、または約8~10個のアミノ酸を含む。エピトープの空間的立体構造を決定する方法は、例えばx線結晶学および二次元核磁気共鳴を含む。例えば、Epitope Mapping Protocols, in Methods in Molecular Biology, Vol. 66, Glenn E. Morris, Ed. (1996)を参照されたい。
【0072】
同じまたは重複するエピトープを認識する抗体は、1つの抗体が標的抗原に対して別の抗体の結合と競合する能力を示す単純なイムノアッセイにおいて同定することができる。抗体のエピトープはまた、接触残基を同定するためにその抗原に結合した抗体のX線結晶学によっても定義することができる。
【0073】
あるいは、2つの抗体は、1つの抗体の結合を低減または除去する抗原中の全てのアミノ酸突然変異が他の結合を低減または除去する(但し、そのような突然変異は、抗原構造の全体的な変更を生じない)場合、同じエピトープを有する。2つの抗体は、1つの抗体の結合を低減または除去する一部のアミノ酸突然変異が他の抗体の結合を低減または除去する場合、重複するエピトープを有する。
【0074】
抗体間の競合は、試験抗体が共通の抗原に対する参照抗体の特異的結合を阻害するアッセイによって決定することができる(例えば、Junghans et al., Cancer Res. 50: 1495, 1990を参照されたい)。試験抗体は、過剰量の試験抗体が参照抗体の結合を阻害すれば、参照抗体と競合する。
【0075】
競合アッセイによって同定された抗体(競合抗体)は、参照抗体と同じエピトープに結合する抗体、および立体妨害が起こるように参照抗体が結合するエピトープに十分に近位の隣接するエピトープに結合する抗体を含む。競合アッセイによって同定された抗体はまた、標的タンパク質における立体構造の変化を引き起こすことによって参照抗体と間接的に競合し、それによって試験抗体が結合するエピトープとは異なるエピトープに参照抗体が結合するのを防止する抗体も含む。
【0076】
抗体エフェクター機能は、IgのFc領域が関与する機能を指す。そのような機能は、例えば抗体依存性細胞傷害性(ADCC)、抗体依存性細胞性食作用(ADCP)、または補体依存性細胞傷害性(CDC)であり得る。そのような機能は、例えばFc領域が食作用活性もしくは溶解活性を有する免疫細胞上のFc受容体に結合すること、または補体系の成分にFc領域が結合することによって影響され得る。典型的に、Fc結合細胞または補体成分によって媒介される作用(複数可)は、LIV1標的化細胞の阻害および/または枯渇をもたらす。抗体のFc領域は、Fc受容体(FcR)発現細胞を動員し、それらを抗体コーティング標的細胞と並置することができる。FcγRIII(CD16)、FcγRII(CD32)、およびFcγRIII(CD64)を含むIgGの表面FcRを発現する細胞は、IgGコーティング細胞を破壊するためのエフェクター細胞として作用することができる。そのようなエフェクター細胞は、単球、マクロファージ、ナチュラルキラー(NK)細胞、好中球、および好酸球を含む。FcγRがIgGに係合すると、ADCCまたはADCPを活性化する。ADCCは、膜孔形成タンパク質の分泌およびプロテアーゼを通してCD16+エフェクター細胞によって媒介されるが、食作用は、CD32+およびCD64+エフェクター細胞によって媒介される(Fundamental Immunology, 4th ed., Paul ed., Lippincott-Raven, N.Y., 1997, Chapters 3, 17 and 30;Uchida et al., J. Exp. Med. 199:1659-69, 2004;Akewanlop et al., Cancer Res. 61:4061-65, 2001;Watanabe et al., Breast Cancer Res. Treat. 53: 199-207, 1999を参照されたい)。
【0077】
ADCCおよびADCPに加えて、細胞結合抗体のFc領域もまた、CDCを誘発する補体古典的経路を活性化することができる。補体系のC1qは、それらが抗原と複合体を形成すると、抗体のFc領域に結合する。C1qが細胞結合抗体に結合すると、C4およびC2のタンパク質分解活性化を伴う事象のカスケードを開始し、C3コンベルターゼを生成することができる。C3コンベルターゼによるC3のC3bへの切断は、C5b、C6、C7、C8、およびC9を含む最終補体成分の活性化を可能にする。集合的に、これらのタンパク質は、抗体コーティング細胞上で膜攻撃複合体孔を形成する。これらの孔は、細胞膜の完全性を破壊し、標的細胞を殺滅する(Immunobiology, 6th ed., Janeway et al, Garland Science, N. Y., 2005, Chapter 2を参照されたい)。
【0078】
「抗体依存性細胞傷害性」または「ADCC」という用語は、抗体コーティング標的細胞と、溶解活性を保有する免疫細胞(エフェクター細胞とも呼ばれる)との相互作用に依存する細胞死を誘導する機構を指す。そのようなエフェクター細胞は、ナチュラルキラー細胞、単球/マクロファージ、および好中球を含む。エフェクター細胞は、その抗原結合部位を介して標的細胞に結合したIgのFc領域に結合する。エフェクター細胞活性の結果として、抗体コーティング標的細胞の死滅が起こる。ある特定の例示的な実施形態では、本発明の抗LIV1 IgG1抗体は、親抗体と比較しておよび/または抗LIV1 IgG3抗体と比較して等しいまたは増加したADCCを媒介する。
【0079】
「抗体依存性細胞性食作用」または「ADCP」という用語は、抗体コーティング細胞が、IgのFc領域に結合する食作用性の免疫細胞(例えば、マクロファージ、好中球、および/または樹状細胞)によって全体または部分的に内部移行するプロセスを指す。ある特定の例示的な実施形態では、本発明の抗LIV1 IgG1抗体は、親抗体と比較しておよび/または抗LIV1 IgG3抗体と比較して等しいまたは増加したADCPを媒介する。
【0080】
「補体依存性細胞傷害性」または「CDC」という用語は、標的結合抗体のFc領域が一連の酵素反応を活性化して、標的細胞膜に穴を形成する、細胞死を誘導する機構を指す。
【0081】
典型的に、抗体コーティング標的細胞上の複合体などの抗原抗体複合体は、補体成分C1qに結合してこれを活性化し、次に補体カスケードを活性化して標的細胞死をもたらす。補体の活性化はまた、標的細胞表面上の補体成分の堆積をもたらし、これは白血球上の補体受容体(例えば、CR3)に結合することによってADCCを容易にし得る。
【0082】
「細胞障害作用」は、標的細胞の枯渇、除去、および/または殺滅を指す。「細胞傷害剤」は、細胞に対して細胞毒性効果を有し、それによって標的細胞の枯渇、除去、および/または殺滅を媒介する化合物を指す。ある特定の実施形態では、細胞傷害剤は、抗体とコンジュゲートされるか、または抗体と組み合わせて投与される。好適な細胞傷害剤を、本明細書においてさらに説明する。
【0083】
「細胞抑制効果」は、細胞増殖の阻害を指す。「細胞抑制剤」は、細胞に対して細胞抑制効果を有し、それによって特定の細胞タイプおよび/または細胞のサブセットの成長および/または増大の阻害を媒介する化合物を指す。好適な細胞抑制剤を、本明細書においてさらに説明する。
【0084】
本明細書で使用される場合、「治療量以下の用量」は、増殖過剰疾患(例えば、がん)の処置のために単独で投与した場合に治療化合物の通常のもしくは典型的な用量より低い、および/またはケトチフェンの場合には、その適応疾患(例えば、肺高血圧症)を処置するために使用される通常のもしくは典型的な用量より低い治療化合物(例えば、ケトチフェンまたはチェックポイント阻害剤)の用量を意味する。
【0085】
例として、「抗がん剤」は、対象におけるがんの退縮を促進する。一部の実施形態では、薬物の治療有効量は、がんを除去する点までがんの退縮を促進する。「がんの退縮を促進する」とは、薬物の有効量を単独でまたは抗がん剤と組み合わせて投与することが、腫瘍成長またはサイズの低減、腫瘍の壊死、少なくとも1つの疾患症状の重症度の減少、疾患無症状期間の回数および期間の増加、または疾患罹患による機能障害もしくは身体障害の防止をもたらすことを意味する。加えて、処置に関連する「有効な」および「有効性」という用語は、薬理学的有効性および生理学的安全性の両方を含む。薬理学的有効性は、薬物が患者におけるがんの退縮を促進する能力を指す。生理的安全性は、薬物の投与に起因する細胞、臓器、および/または生物レベルでの毒性または他の有害な生理的作用(有害作用)のレベルを指す。
【0086】
「化学療法剤」は、がんの処置において有用な化学化合物である。化学療法剤の例としては、アルキル化剤、例えばチオテパおよびシクロホスファミド(CYTOXAN(登録商標));アルキルスルホネート、例えばブスルファン、インプロスルファンおよびピポスルファン;アジリジン、例えばベンゾドーパ、カルボコン、メツレドーパ、およびウレドーパ;エチレンイミンおよびメチルアメラミン、例えばアルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホラミド、およびトリメチロールメラミン;アセトゲニン(特に、ブラタシンおよびブラタシノン);デルタ-9-テトラヒドロカンナビノール(ドロナビノール、MARINOL(登録商標));ベータ-ラパコン;ラパコール;コルヒチン;ベツリン酸;カンプトテシン(合成アナログトポテカン(HYCAMTIN(登録商標)を含む)、CPT-11(イリノテカン、CAMPTOSAR(登録商標))、アセチルカンプトテシン、スコポレクチン、および9-アミノカンプトテシン);ブリオスタチン;カリスタチン;CC-1065(そのアドゼレシン、カルゼレシン、およびビゼレシン合成アナログを含む);ポドフィロトキシン;ポドフィリン酸;テニポシド;クリプトフィシン(特にクリプトフィシン1およびクリプトフィシン8);ドラスタチン;デュオカルマイシン(合成アナログ、KW-2189およびCB1-TM1を含む);エリュテロビン;パンクラチスタチン;サルコジクチン;スポンジスタチン;ナイトロジェンマスタード、例えばクロラムブシル、クロルナファジン、クロロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩、メルファラン、ノベンビシン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタード;ニトロソウレア、例えばカルムスチン、クロロゾトシン、ホテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、およびラニムスチン(ranimnustine);抗生物質、例えばエンジイン抗生物質(例えば、カリケアミシン、特にカリケアミシンガンマIIおよびカリケアミシンオメガII(例えば、Nicolaou et al., Angew. Chem Intl. Ed. Engl., 33: 183-186(1994)を参照されたい);CDP323、経口アルファ-4インテグリン阻害剤;ダイネミシン、たとえばダイネミシンA;エスペラミシン;ならびにネオカルジノスタチンクロモフォアおよび関連クロモタンパク質エンジイン抗生物質クロモフォア)、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、アウスラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カミノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、ドキソルビシン(例えば、ADRIAMYCIN(登録商標)、モルホリノ-ドキソルビシン、シアノモルホリノ-ドキソルビシン、2-ピロリノ-ドキソルビシン、ドキソルビシンHClリポソーム注射剤(DOXIL(登録商標))、リポソームドキソルビシンTLC D-99(MYOCET(登録商標))、peg化リポソームドキソルビシン(CAELYX(登録商標))、およびデオキシドキソルビシンを含む)、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン、例えばマイトマイシンC、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポルフィロマイシン、ピューロマイシン、クエラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン;抗代謝剤、例えばメトトレキサート、ゲムシタビン(GEMZAR(登録商標))、テガフール(UFTORAL(登録商標))、カペシタビン(XELODA(登録商標))、エポチロン、および5-フルオロウラシル(5-FU);コンブレタスタチン;葉酸アナログ、例えばデノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキサート;プリンアナログ、例えばフルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン;ピリミジンアナログ、例えばアンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジン;アンドロゲン、例えばカルステロン、ドロモスタノロンプロピオン酸エステル、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトン;抗副腎剤、例えばアミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタン;葉酸補充剤、例えばフロリン酸;アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;エニルウラシル;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトレキサート;デフォファミン(defofamine);デメコルシン;ジアジコン;エルフォルミチン(elformithine);酢酸エリプチニウム;エポチロン;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシウレア;レンチナン;ロニダイニン;メイタンシノイド、例えばメイタンシンおよびアンサミトシン;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダンモル;ニトラエリン;ペントスタチン;フェナメット;ピラルビシン;ロソキサントロン;2-エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK(登録商標)多糖類複合体(JHS Natural Products、Eugene、Oreg.);ラゾキサン;リゾキシン;シゾフラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジコン;2,2’,2’-トリクロロトリエチルアミン;トリコテセン(特にT-2毒素、ベラクリンA、ロリジンAおよびアングイジン);ウレタン;ビンデシン(ELDISINE(登録商標)、FILDESIN(登録商標));ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン;アラビノシド(「Ara-C」);チオテパ;タキソイド、例えばパクリタキセル(TAXOL(登録商標)、Bristol-Myers Squibb Oncology、Princeton、N.J.)、パクリタキセルのアルブミン操作ナノ粒子製剤(ABRAXANE(商標))、およびドセタキセル(TAXOTERE(登録商標)、Rhome-Poulene Rorer、Antony、France);クロラムブシル(chloranbucil);6-チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;白金剤、例えばシスプラチン、オキサリプラチン(例えば、ELOXATIN(登録商標))、およびカルボプラチン;チューブリン重合が微小管を形成するのを防止するビンカ、例えばビンブラスチン(VELBAN(登録商標))、ビンクリスチン(ONCOVIN(登録商標))、ビンデシン(ELDISINE(登録商標)、FILDESIN(登録商標))、およびビノレルビン(NAVELBINE(登録商標));エトポシド(VP-16);イホスファミド;ミトキサントロン;ロイコボリン;ノバントロン;エダトレキサート;ダウノマイシン;アミノプテリン;イバンドロネート;トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイド、例えばレチノイン酸、例えばベキサロテン(TARGRETIN(登録商標));ビスホスホネート、例えばクロドロネート(例えば、BONEFOS(登録商標)またはOSTAC(登録商標))、エチドロネート(DIDROCAL(登録商標))、NE-58095、ゾレドロン酸/ゾレドロネート(ZOMETA(登録商標))、アレンドロネート(FOSAMAX(登録商標))、パミドロネート(AREDIA(登録商標))、チルドロネート(SKELID(登録商標))、またはリセドロネート(ACTONEL(登録商標));トロキサシタビン(1,3-ジオキソランヌクレオシドシトシンアナログ);アンチセンスオリゴヌクレオチド、特に異常な細胞増殖に関係するシグナル伝達経路の遺伝子の発現を阻害するアンチセンスオリゴヌクレオチド、例えばPKC-アルファ、Raf、H-Ras、および上皮成長因子受容体(EGF-R)(例えば、エルロチニブ(Tarceva(商標)));および細胞増殖を低減させるVEGF-A等;ワクチン、例えばTHERATOPE(登録商標)ワクチンおよび遺伝子治療ワクチン、例えばALLOVECTIN(登録商標)ワクチン、LEUVECTIN(登録商標)ワクチン、およびVAXID(登録商標)ワクチン;トポイソメラーゼ1阻害剤(例えば、LURTOTECAN(登録商標));rmRH(例えば、ABARELIX(登録商標));BAY439006(ソラフェニブ;Bayer);SU-11248スニチニブ、SUTENT(登録商標)、Pfizer);ペリフォシン、COX-2阻害剤(例えば、セレコキシブまたはエトリコキシブ)、プロテオソーム阻害剤(例えば、PS341);ボルテゾミブ(VELCADE(登録商標));CCI-779;チピファルニブ(R11577);オラフェニブ、ABT510;Bcl-2阻害剤、例えばオブリメルセンナトリウム(GENASENSE(登録商標));ピキサントロン;EGFR阻害剤;チロシンキナーゼ阻害剤;セリン-トレオニンキナーゼ阻害剤、例えばラパマイシン(シロリムス、RAPAMUNE(登録商標));ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、例えばロナファルニブ(SCH 6636、SARASAR(商標));チェックポイント阻害剤(例えば、CTLA-4、PD-1、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、BMA、HVEM、TIM3、GAL9、LAG3、VISTA、KIR、2B4、CD160、CGEN-15049、CHK1、CHK2、A2aR、またはB-7ファミリーリガンドの阻害剤);ならびに上記のいずれかの薬学的に許容される塩、酸、または誘導体;ならびに上記の2つまたはそれより多くの組合せ、例えばシクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、およびプレドニゾロンの併用治療の省略語であるCHOP;ならびに5-FUおよびロイコボリンと併用したオキサリプラチン(ELOXATIN(商標))による処置レジメンの省略語であるFOLFOX、ならびに上記のいずれかの薬学的に許容される塩、酸、または誘導体;ならびに上記の2つまたはそれより多くの組合せが挙げられる。
【0087】
本明細書で定義される化学療法剤は、がんの成長を促進し得るホルモンの効果を調節、低減、遮断、または阻害するように作用する「抗ホルモン剤」または「内分泌治療剤」を含む。それらは、ホルモン剤そのもの、例えばこれらに限定されないが、抗エストロゲン剤および選択的エストロゲン受容体調節剤(SERM)、例えばタモキシフェン(NOLVADEX(登録商標)タモキシフェンを含む)、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、4-ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY117018、オナプリストン、およびFARESTON(登録商標)トレミフェンを含む;副腎におけるエストロゲン産生を調節する酵素アロマターゼを阻害するアロマターゼ阻害剤、例えば4(5)-イミダゾール、アミノグルテチミド、MEGASE(登録商標)酢酸メゲストロール、AROMASIN(登録商標)エキセメスタン、フォルメスタン(formestanie)、ファドロゾール、RIVISOR(登録商標)ボロゾール、FEMARA(登録商標)レトロゾール、およびARIMIDEX(登録商標)アナストロゾール等;および抗アンドロゲン、例えばフルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、リュープロリド、およびゴセレリン;ならびにトロキサシタビン(1,3-ジオキソランヌクレオシドシトシンアナログ);アンチセンスオリゴヌクレオチド、特に異常な細胞増殖に関係するシグナル伝達経路の遺伝子の発現を阻害するアンチセンスオリゴヌクレオチド、例えばPKC-アルファ、Raf、およびH-Ras等;リボザイム、例えばVEGF発現阻害剤(例えば、ANGIOZYME(登録商標)リボザイム)およびHER2発現阻害剤;ワクチン、例えば遺伝子治療ワクチン、例えばALLOVECTIN(登録商標)ワクチン、LEUVECTIN(登録商標)ワクチン、およびVAXID(登録商標)ワクチン;PROLEUKIN(登録商標)rlL-2;LURTOTECAN(登録商標)トポイソメラーゼ1阻害剤;ABARELIX(登録商標)rmRH;ビノレルビンおよびエスペラミシン(米国特許第4,675,187号を参照されたい)、ならびに上記のいずれかの薬学的に許容される塩、酸、または誘導体;ならびに上記の2つまたはそれより多くの組合せであり得る。
【0088】
「ベースライン」または「ベースライン値」という用語は、本明細書において互換的に使用され、治療(例えば、ケトチフェンもしくは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤)の投与前、または治療の投与開始時の症状の測定または特徴付けを指し得る。ベースライン値は、がんなどの疾患の症状の低減または改善を決定するために参照値と比較することができる。本明細書で互換的に使用される「参照」または「参照値」という用語は、治療(例えば、ケトチフェンもしくは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤)の投与後の症状の測定または特徴付けを指し得る。参照値は、投薬レジメンもしくは処置サイクルの間に1回もしくは複数回、または投薬レジメンもしくは処置サイクルの完了時に測定することができる。「参照値」は、絶対値、相対値、上限および/もしくは下限を有する値、値の範囲、アベレージ値、中央値、平均値、またはベースライン値と比較した値であり得る。
【0089】
同様に、「ベースライン値」は、絶対値、相対値、上限および/もしくは下限を有する値、値の範囲、アベレージ値、中央値、平均値、または参照値と比較した値であり得る。参照値および/またはベースライン値は、1例の個体から、2例の異なる個体から、または個体の群(例えば、2、3、4、5例、またはそれより多くの個体の群)から得ることができる。
【0090】
「持続的応答」は、処置の中止後の腫瘍成長の低減に及ぼす持続的な作用を指す。例えば、腫瘍サイズは、投与相の開始時のサイズと比較して同じであるかまたはより小さいままであり得る。一部の実施形態では、持続的応答は、処置期間と少なくとも同じである持続を有するか、または処置期間より少なくとも1.5、2.0、2.5、もしくは3倍長い期間を有する。
【0091】
本明細書で使用される場合、「完全奏功」または「CR」は、全ての標的病変の消失を指し、「部分奏功」または「PR」は、ベースラインSLDを参照として、標的病変の長径和(SLD)の合計の少なくとも30%減少を指し;「安定疾患」、または「SD」は、PRの基準を満たすほど十分な標的病変の縮小がなく、処置開始後の最小のSLDを参照として、PDの基準を満たすほど十分な増加もないことを指す。
【0092】
本明細書で使用される場合、「無増悪生存期間」または「PFS」は、処置される疾患(例えば、がん)が悪化しない、処置中および処置後の期間を指す。無増悪生存期間は、患者が完全奏功または部分奏功を経験した期間の長さ、ならびに患者が安定疾患を経験した期間の長さを含み得る。
【0093】
本明細書で使用される場合、「客観的奏功率」または「ORR」は、完全奏功(CR)率と部分奏功(PR)率の合計を指す。
【0094】
本明細書で使用される場合、「全生存期間」または「OS」は、特定の期間後に生存している可能性が高い群における個体のパーセンテージを指す。
【0095】
「患者」または「対象」という用語は、予防的または治療的処置のいずれかを受ける、ヒトおよび他の哺乳動物対象、例えば非ヒト霊長類、ウサギ、ラット、マウス等、およびそのトランスジェニック種を含む。
【0096】
ケトチフェンおよび/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与による固形腫瘍の処置の文脈における「有効量」という用語は、固形腫瘍の1つまたは複数の症状の発生を阻害するまたは改善するために十分であるそのようなケトチフェンおよび/またはチェックポイント阻害剤の量を指す。抗体の有効量は、「有効レジメン」で投与される。「有効レジメン」という用語は、投与されるケトチフェンおよび/またはチェックポイント阻害剤の量と、障害の予防的または治療的処置(例えば、固形腫瘍の予防的または治療的処置)を達成するために適切である投薬頻度との組合せを指す。
【0097】
「薬学的に許容される」という用語は、動物において、より詳しくはヒトにおいて使用するために、連邦政府もしくは州政府の規制当局によって承認されているもしくは承認可能であること、または米国薬局もしくは他の一般的に認められる薬局方に記載されていることを意味する。「薬学的に適合性の成分」という用語は、ケトチフェンまたはチェックポイント阻害剤を製剤化する薬学的に許容される希釈剤、補助剤、賦形剤、または媒体を指す。
【0098】
「薬学的に許容される塩」という語句は、薬学的に許容される有機または無機塩を指す。例示的な塩としては、硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、硫酸水素塩、リン酸塩、過リン酸塩、イソニコチン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、酸性酒石酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、サッカラート、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、pトルエンスルホン酸塩、およびパモ酸塩(すなわち、1,1’-メチレンビス-(2ヒドロキシ-3-ナフトエート)が挙げられる。薬学的に許容される塩は、例えば酢酸イオン、コハク酸イオン、または他の対イオンなどの追加の分子もさらに含み得る。対イオンは、親化合物上の電荷を安定化させる任意の有機または無機部分であり得る。さらに、薬学的に許容される塩は、その構造に1つより多くの荷電原子を有し得る。複数の荷電原子が、薬学的に許容される塩の一部である例は、複数の対イオンを有し得る。したがって、薬学的に許容される塩は、1つもしくは複数の荷電原子および/または1つもしくは複数の対イオンを有し得る。
【0099】
代替案(例えば、「または」)の使用は、代替案の1つ、両方、またはその任意の組合せのいずれかを意味すると理解すべきである。本明細書で使用される場合、不定冠詞「1つの(a)」または「1つの(an)」は、任意の詳述されたまたは列挙された構成要素の「1つまたは複数」を指すと理解すべきである。
【0100】
「および/または」という用語は、本明細書で使用される場合、他方を伴うまたは伴わない、2つの指定された特色または構成要素の各々の具体的開示であると理解すべきである。このため、「および/または」という用語は、本明細書において「Aおよび/またはB」などの語句で使用される場合、「AおよびB」、「AまたはB」、「A」(単独)、および「B」(単独)を含むと意図される。同様に、「および/または」という用語は、「A、B、および/またはC」などの語句で使用される場合、以下の態様の各々を包含すると意図される:A、B、およびC;A、B、またはC;AまたはC;AまたはB;BまたはC;AおよびC;AおよびB;BおよびC;A(単独);B(単独);ならびにC(単独)。
【0101】
「約」、または「を本質的に含む」という用語は、当業者によって決定される特定の値または組成物に関する許容可能な誤差範囲内である値または組成物を指し、これらは値または組成物が測定または決定される方法、すなわち、測定系の限界に部分的に依存する。例えば、「約」または「を本質的に含む」は、当技術分野の実践に従って1標準偏差または1より大きい標準偏差内を意味し得る。あるいは、「約」または「を本質的に含む」は、最大20%の範囲を意味し得る。さらに、特に生物システムまたはプロセスに関して、用語は、最大で一桁、または最大で値の5倍を意味し得る。特定の値または組成物が本出願および特許請求の範囲で提供されている場合、特に述べていない限り、「約」または「を本質的に含む」の意味は、その特定の値または組成物の許容可能な誤差範囲内であると仮定すべきである。
【0102】
本発明の文脈における溶媒和物は、溶媒分子との配位を通して固体または液体状態の複合体を形成する本発明の化合物の形態である。水和物は、配位が水との間で起こる溶媒和物の1つの特定の形態である。ある特定の例示的な実施形態では、本発明の文脈における溶媒和物は水和物である。
【0103】
「阻害する」または「の阻害」という用語は、測定可能な量低減させること、または完全に防止することを意味する。阻害という用語は、本明細書で使用される場合、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%の阻害または低減を指し得る。
【0104】
「処置」または「処置する」という用語は、疾患または状態の臨床または診断症状の減少または消失によって証明されるように、患者における疾患または状態の進行を遅らせる、停止させる、または逆転させることを指す。処置は、例えば、症状の重症度、症状の回数、または再発の頻度の減少を含み得る。
【0105】
「プロドラッグ」という用語は、本明細書で使用される場合、in vivoでの投与時に化合物の活性型へと変換される化合物を指す。例えば、活性化合物のプロドラッグ形態は、これらに限定されないが、活性化合物のアシル化(アセチル化またはその他)およびエーテル誘導体、カルボン酸エステルまたはリン酸エステル、および様々な塩の形態であり得る。当業者は、本発明の化合物をプロドラッグ形態へと容易に改変して、宿主生物または患者内の標的部位への活性化合物の送達を容易にする方法を認識するであろう。当業者はまた、該当する場合、がんの処置における化合物の意図される効果を最大限にするために宿主生物または患者内の標的部位に所望の化合物を送達するために、プロドラッグ形態の好ましい薬物動態パラメーターを利用する。
【0106】
本明細書で使用される場合、「相乗」または「相乗効果」という用語は、作用剤の組合せの有効性の説明に関連して使用する場合、個々の作用剤の効果の合計から予測される効果より大きい、組合せの任意の測定された効果を意味する。
【0107】
本明細書で使用される場合、作用剤の組合せの有効性の説明に関連して使用する場合の、「相加的」または「相加効果」という用語は、個々の作用剤の効果の合計から予測される効果と類似である、組合せの任意の測定された効果を意味する。
【0108】
「約毎週1回」、「約2週間に1回」という用語、または本明細書で使用される他の任意の類似の投与間隔の用語は、概数を意味する。「約毎週1回」は、7日±1日毎、すなわち6日毎~8日毎を含み得る。「約2週間に1回」は、14日±2日毎、すなわち12日毎~16日毎を含み得る。「約3週間に1回」は、21日±3日毎、すなわち18日毎~24日毎を含み得る。類似の概算が、例えば約4週間に1回、約5週間に1回、約6週間に1回、および約12週間に1回に当てはまる。一部の実施形態では、約6週間に1回または約12週間に1回という投薬間隔は、最初の用量を、最初の週の任意の日に投与することができ、次いで次の用量をそれぞれ、6週目または12週目の任意の日に投与することができることを意味する。他の実施形態では、約6週間に1回または約12週間に1回という投薬間隔は、最初の用量を、最初の週の特定の日(例えば、月曜日)に投与し、次いで次の用量を、6週目または12週目の同じ日(すなわち、月曜日)にそれぞれ投与することを意味する。
【0109】
本明細書で記載されるように、任意の濃度範囲、パーセンテージ範囲、比の範囲、または整数範囲は、詳述された範囲内の任意の整数値を含み、特に示していない限り、該当する場合、その小数(例えば整数の10分の1および100分の1)を含むと理解すべきである。
【0110】
本開示の様々な態様を、以下の小節でさらに詳細に説明する。
【0111】
II.ケトチフェン
化合物ケトチフェンは、比較的選択的な、非競合的ヒスタミンアンタゴニスト(H1-受容体)および肥満細胞安定剤である。ケトチフェンは、過敏性反応においてメディエーターの放出を阻害することが知られている。ケトチフェンは、経口形態と眼科用形態との両方で投与されている。ケトチフェンは、以下の式を有する:
【化1】
【0112】
一部の実施形態では、本明細書で使用される場合、ケトチフェンは、式:
【化2】
を有する、フマル酸との塩、ケトチフェンフマル酸塩などの塩を指す。
【0113】
記載される方法のいずれかの一部の実施形態では、ケトチフェンは、ケトチフェンの薬学的に許容される塩として提供される。ケトチフェンの調製は、例えば、WO2010/107525A1、WO2009/136903A1、US2010/160293A1、およびWO2006/047418A1に開示されている。
【0114】
III.チェックポイント阻害剤
免疫チェックポイントは、末梢組織損傷を最小限にするために自己寛容を維持することおよび免疫系の応答の程度をモジュレートすることに関与する免疫系の阻害性経路を指す。しかし、腫瘍細胞はまた、免疫系のチェックポイントを活性化して、腫瘍組織に対する免疫応答の有効性を減少させる(免疫応答を「遮断する」)ことが可能である。多くの抗がん剤とは対照的に、チェックポイント阻害剤は、免疫系の内因性の抗腫瘍活性を増強するために、腫瘍細胞を直接標的とせず、むしろ、リンパ球受容体またはそのリガンドを標的とする(Pardoll, 2012, Nature Reviews Cancer 12:252-264)。免疫系チェックポイント、例えばCTLA4、PD1、およびPD-L1に対するアンタゴニスト性のチェックポイント遮断抗体による治療は、がんおよび他の疾患に関する免疫療法の最も有望な新規手段の1つである。追加のチェックポイント標的、例えばTIM-3、LAG-3、様々なB-7リガンド、CHK1およびCHK2キナーゼ、BTLA、A2aR、およびその他もまた、試験中である。チェックポイント阻害剤は、アテゾリズマブ(Tecentriq(登録商標))、PD-L1阻害剤、イピリムマブ(Yervoy(登録商標))、CTLA-4阻害剤、ならびにいずれもPD-1阻害剤であるペンブロリズマブ(Keytruda(登録商標))およびニボルマブ(Opdivo(登録商標))を含む。
【0115】
最近のデータから、腫瘍そのものの内部で起こり得る抗CTLA-4抗体の二次機構が示唆されている。CTLA-4は、腫瘍において腫瘍内エフェクターT細胞(本明細書において「Teff細胞」とも呼ばれる)と比較して、制御性T細胞(本明細書において「Treg細胞」とも呼ばれる)において高レベルで発現されることが見出されており、抗CTLA-4がTreg細胞に優先的に影響を及ぼすという仮説をもたらす。
【0116】
チェックポイント遮断抗CTLA-4抗体が抗腫瘍効果を媒介する1つの機構は、制御性T細胞を減少させることによる。抗CTLA-4抗体の別個の作用機序により、それらを、エフェクターT細胞に付与される抑制性シグナルを放出するように作用する抗PD-1チェックポイント遮断抗体と首尾よく組み合わせることができる。これらの抗体による二重の遮断を組み合わせると、前臨床(Proc Natl Acad Sci USA 2010, 107, 4275-4280)および臨床(N Engl J Med 2013, 369, 122-133;N Engl J Med 2015, 372, 2006-2017)の両方において抗腫瘍応答を改善する。
【0117】
一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、CTLA-4、PD-1、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、BMA、HVEM、TIM3、GAL9、LAG3、VISTA、KIR、2B4、CD160、CGEN-15049、CHK1、CHK2、A2aR、およびB-7ファミリーリガンドからなる群から選択されるチェックポイントタンパク質またはそれらの組み合わせを阻害する。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、チェックポイントタンパク質CTLA-4を阻害する。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、チェックポイントタンパク質PD-1を阻害する。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、チェックポイントタンパク質PD-L1を阻害する。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、チェックポイントタンパク質PD-L2を阻害する。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、チェックポイントタンパク質B7-H3を阻害する。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、チェックポイントタンパク質B7-H4を阻害する。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、チェックポイントタンパク質BMAを阻害する。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、チェックポイントタンパク質HVEMを阻害する。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、チェックポイントタンパク質TIM3を阻害する。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、チェックポイントタンパク質GAL9を阻害する。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、チェックポイントタンパク質LAG3を阻害する。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、チェックポイントタンパク質VISTAを阻害する。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、チェックポイントタンパク質KIRを阻害する。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、チェックポイントタンパク質2B4を阻害する。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、チェックポイントタンパク質CD160を阻害する。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、チェックポイントタンパク質CGEN-15049を阻害する。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、チェックポイントタンパク質CHK1を阻害する。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、チェックポイントタンパク質CHK2を阻害する。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、チェックポイントタンパク質A2aRを阻害する。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、B-7ファミリーリガンドを阻害する。一部の実施形態では、チェックポイントは、抗体である。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗CTLA4抗体である。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗PD-1抗体である。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗PD-L1抗体である。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗PD-L2抗体である。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗B7-H3抗体である。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗B7-H4抗体である。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗BMA抗体である。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗HVEM抗体である。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗TIM3抗体である。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗GAL9抗体である。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗LAG3抗体である。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗VISTA抗体である。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗KIR抗体である。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗2B4抗体である。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗CD160抗体である。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗CGEN-15049抗体である。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗CHK1抗体である。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗CHK2抗体である。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗A2aR抗体である。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗B7ファミリーリガンド抗体である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、モノクローナル抗体である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、ヒト抗体である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、ヒト化抗体である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、キメラ抗体である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、全長抗体である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、抗体の抗原結合性断片である。一部の実施形態では、抗原結合性断片は、Fab、Fab’、およびF(ab’)2、Fd、一本鎖Fv(scFv)、一本鎖抗体、ジスルフィド結合Fv(sdFv)、ならびにVLまたはVHドメインのいずれかを含む断片からなる群から選択される。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、MEDI0680、AMP-224、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピディリズマブ、MEDI4736、アテゾリズマブ、イピリムマブ、トレメリムマブ、およびBMS-936559からなる群から選択される抗体の相補性決定領域(CDR)を含む抗体である。一部の実施形態では、CDRは、KabatのCDRである。Kabat et al. (1991), “Sequences of Proteins of Immunological Interest,“ 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD(「Kabat」ナンバリングスキーム)。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、MEDI0680、AMP-224、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、MEDI4736、
アテゾリズマブ、イピリムマブ、トレメリムマブ、およびBMS-936559からなる群から選択される抗体の重鎖可変領域および/または軽鎖可変領域を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、MEDI0680、AMP-224、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、MEDI4736、アテゾリズマブ、イピリムマブ、トレメリムマブ、およびBMS-936559からなる群から選択される抗体の重鎖可変領域を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、MEDI0680、AMP-224、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、MEDI4736、アテゾリズマブ、イピリムマブ、トレメリムマブ、およびBMS-936559からなる群から選択される抗体の軽鎖可変領域を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、MEDI0680、AMP-224、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、MEDI4736、アテゾリズマブ、イピリムマブ、トレメリムマブ、およびBMS-936559からなる群から選択される抗体の重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、MEDI0680、AMP-224、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、MEDI4736、アテゾリズマブ、イピリムマブ、トレメリムマブ、およびBMS-936559からなる群から選択される抗体である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、MEDI0680、AMP-224、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、MEDI4736、アテゾリズマブ、イピリムマブ、トレメリムマブ、およびBMS-936559からなる群から選択される抗体の生体類似物である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、MEDI0680である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、AMP-224である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、ニボルマブである。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、ペンブロリズマブである。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、ピジリズマブである。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、MEDI4736である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、アテゾリズマブである。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、イピリムマブである。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、トレメリムマブである。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、BMS-936559である。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗PD-1抗体と抗CTLA4抗体との組み合わせである。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、ニボルマブとイピリムマブとの組み合わせである。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、ペンブロリズマブとイピリムマブとの組み合わせである。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗PD-L1抗体と抗CTLA4抗体との組み合わせである。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、アテゾリズマブとイピリムマブとの組み合わせである。
【0118】
IV.方法
A.固形腫瘍の処置
本発明の一態様は、それを必要とする対象における固形腫瘍を処置する方法であって、チェックポイント阻害剤と組み合わせた、ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することを含む、方法を提供する。別の態様では、本発明は、それを必要とする対象におけるチェックポイント阻害剤の効果を惹起する、増強する、もしくは延長させる、または対象がチェックポイント阻害剤に応答することを可能にする方法であって、チェックポイント阻害剤と組み合わせた、ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することを含み、対象が固形腫瘍を有する、方法を提供する。別の態様では、本発明は、それを必要とする対象におけるチェックポイント阻害剤の効果を増強する方法であって、チェックポイント阻害剤と組み合わせた、ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することを含み、対象が固形腫瘍を有する、方法を提供する。対象における固形腫瘍の血流を増加させる方法であって、チェックポイント阻害剤と組み合わせた、ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することを含み、固形腫瘍の血流を増加させることは、チェックポイント阻害剤の効果を増強する、方法も本明細書に提供される。一部の実施形態では、固形腫瘍の血流は、超音波に基づく血流測定を使用して、または低酸素状態を測定するための組織学技術を使用して決定される。一部の実施形態では、固形腫瘍の血流は、超音波に基づく血流測定を使用して決定される。一部の実施形態では、固形腫瘍の血流は、低酸素状態を測定するための組織学技術を使用して決定される。一部の実施形態では、血流は、固形腫瘍からの生検において低酸素状態を測定するための組織学技術を使用して測定される。別の態様では、本発明は、対象におけるチェックポイント阻害剤の送達または有効性を改善する方法であって、チェックポイント阻害剤と組み合わせた、ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩の有効量を投与することを含み、対象が固形腫瘍を有し、それによって対象における治療の送達または有効性を改善する、方法を提供する。一部の実施形態では、対象がヒトである。一部の実施形態では、方法は、ドキソルビシンなどの追加の化学療法剤の有効量と組み合わせた、ケトチフェン、またはその薬学的に許容される塩の有効量を投与することをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、ドキソルビシンなどの追加の化学療法剤の有効量と組み合わせた、およびチェックポイント阻害剤と組み合わせた、ケトチフェン、またはその薬学的に許容される塩の有効量を投与することをさらに含む。一部の実施形態では、追加の化学療法剤は、ドキソルビシンである。
【0119】
ドキソルビシンは、CAS23214-92-8の式を有する低分子化合物であり、商品名アドリアマイシンの下で販売されている。DOXIL(登録商標)は、ポリエチレングリコール被覆リポソーム封入型のドキソルビシンの商品名である。
【0120】
別の態様では、本発明は、固形腫瘍を有する対象におけるケトチフェンの有効量を決定する方法であって:(a)固形腫瘍の血流および/または硬度を測定するステップ;(b)ケトチフェンの有効量を対象に投与するステップ;ならびに(c)ケトチフェンの投与後に固形腫瘍の血流および/または硬度を測定するステップを含み、ケトチフェンの対象への投与後の血流の増加および/または硬度の減少は、投与された量が有効量であったことを示す、方法を提供する。別の態様では、本発明は、それを必要とする対象における固形腫瘍を処置する方法であって:(a)固形腫瘍の血流および/または硬度を測定するステップ;(b)ケトチフェンの有効量を対象に投与するステップ;(c)ケトチフェンの投与後に固形腫瘍の血流および/または硬度を測定するステップ;ならびに(d)ケトチフェンの投与後に固形腫瘍の血流が増加する場合および/または固形腫瘍の硬度が減少する場合に化学療法剤を投与するステップを含む方法を提供する。別の態様では、本発明は、それを必要とする対象における固形腫瘍を処置する方法であって:(a)固形腫瘍の血流および/または硬度を測定するステップ;(b)ケトチフェンの有効量を対象に投与するステップ;(c)ケトチフェンの投与後に固形腫瘍の血流および/または硬度を測定するステップ;(d)ケトチフェンの投与後の固形腫瘍の血流の増加または固形腫瘍の硬度の減少に基づいて、対象が化学療法剤に応答性であることを決定するステップ;ならびに(e)ケトチフェンの投与後の固形腫瘍の血流の増加または固形腫瘍の硬度の減少に基づいて、化学療法剤に応答性であると決定されている対象に化学療法剤を投与するステップを含む方法を提供する。別の態様では、本発明は、化学療法剤による処置に対する応答を予測する方法であって:(a)固形腫瘍の血流および/または硬度を測定するステップ;(b)ケトチフェンの有効量を対象に投与するステップ;(c)ケトチフェンの投与後に固形腫瘍の血流および/または硬度を測定するステップを含み、ケトチフェンの投与後の固形腫瘍の血流の増加または固形腫瘍の硬度の減少は、対象が化学療法剤による処置に応答する可能性が高いことを示す、方法を提供する。一部の実施形態では、ケトチフェンの有効量は、ケトチフェンの対象への投与後の固形腫瘍の血流および/または硬度の変化を測定することによって決定され、ケトチフェンの対象への投与後の血流の増加および/または硬度の減少は、投与された量が有効量であったことを示す。一部の実施形態では、方法が固形腫瘍の血流を測定するステップを含み、ケトチフェンの投与後に固形腫瘍の血流が増加する。一部の実施形態では、方法が固形腫瘍の硬度を測定するステップを含み、ケトチフェンの投与後に固形腫瘍の硬度が減少する。一部の実施形態では、ケトチフェンは、化学療法剤の投与前に、少なくとも1日間、少なくとも2日間、少なくとも3日間、少なくとも4日間、または少なくとも5日間投与される。一部の実施形態では、ケトチフェンは、固形腫瘍の血流を増加させ、および/または固形腫瘍の硬度を減少させる用量で投与される。一部の実施形態では、固形腫瘍の血流および/または硬度は、超音波を使用して測定される。一部の実施形態では、固形腫瘍の血流は、低酸素状態を測定するための組織学技術を使用して測定される。一部の実施形態では、化学療法剤はチェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、対象はヒトである。
【0121】
本明細書に提供される態様のいずれかの一部の実施形態では、ケトチフェンの投与は、固形腫瘍の組織硬度を減少させる。本明細書に提供される態様のいずれかの一部の実施形態では、ケトチフェン、またはその薬学的に許容される塩の投与は、固形腫瘍の組織硬度を減少させる。一部の実施形態では、固形腫瘍の組織硬度は、少なくとも10%低減される。一部の実施形態では、固形腫瘍の組織硬度は、少なくとも20%低減される。一部の実施形態では、固形腫瘍の組織硬度は、少なくとも25%低減される。一部の実施形態では、固形腫瘍の組織硬度は、少なくとも30%低減される。一部の実施形態では、固形腫瘍の組織硬度は、少なくとも40%低減される。一部の実施形態では、固形腫瘍の組織硬度は、少なくとも50%低減される。一部の実施形態では、固形腫瘍の組織硬度は、少なくとも60%低減される。一部の実施形態では、固形腫瘍の組織硬度は、少なくとも70%低減される。一部の実施形態では、固形腫瘍の組織硬度は、少なくとも75%低減される。一部の実施形態では、固形腫瘍の組織硬度は、超音波エラストグラフィーを使用して測定される。
【0122】
本明細書で提供される態様のいずれかの一部の実施形態では、ケトチフェンを投与することは、固形腫瘍における細胞外基質タンパク質のレベルを減少させる。本明細書で提供される態様のいずれかの一部の実施形態では、ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩を投与することは、固形腫瘍における細胞外基質タンパク質のレベルを減少させる。一部の実施形態では、固形腫瘍における細胞外マトリクスタンパク質のレベルは、少なくとも10%低減される。一部の実施形態では、固形腫瘍における細胞外マトリクスタンパク質のレベルは、少なくとも20%低減される。一部の実施形態では、固形腫瘍における細胞外マトリクスタンパク質のレベルは、少なくとも25%低減される。一部の実施形態では、固形腫瘍における細胞外マトリクスタンパク質のレベルは、少なくとも30%低減される。一部の実施形態では、固形腫瘍における細胞外マトリクスタンパク質のレベルは、少なくとも40%低減される。一部の実施形態では、固形腫瘍における細胞外マトリクスタンパク質のレベルは、少なくとも50%低減される。一部の実施形態では、固形腫瘍における細胞外マトリクスタンパク質のレベルは、少なくとも60%低減される。一部の実施形態では、固形腫瘍における細胞外マトリクスタンパク質のレベルは、少なくとも70%低減される。一部の実施形態では、固形腫瘍における細胞外マトリクスタンパク質のレベルは、少なくとも75%低減される。一部の実施形態では、細胞外基質タンパク質は、コラーゲンIである。一部の実施形態では、細胞外基質タンパク質は、ヒアルロナン結合タンパク質(HABP)である。
【0123】
本明細書で提供される態様のいずれかの一部の実施形態では、ケトチフェンを投与することは、固形腫瘍における低酸素状態を低減する。本明細書で提供される態様のいずれかの一部の実施形態では、ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩を投与することは、固形腫瘍における低酸素状態を低減する。一部の実施形態では、低酸素状態は、少なくとも10%低減される。一部の実施形態では、低酸素状態は、少なくとも20%低減される。一部の実施形態では、低酸素状態は、少なくとも25%低減される。一部の実施形態では、低酸素状態は、少なくとも30%低減される。一部の実施形態では、低酸素状態は、少なくとも40%低減される。一部の実施形態では、低酸素状態は、少なくとも50%低減される。一部の実施形態では、低酸素状態は、少なくとも60%低減される。一部の実施形態では、低酸素状態は、少なくとも70%低減される。一部の実施形態では、低酸素状態は、少なくとも75%低減される。
【0124】
本明細書で提供される態様のいずれかの一部の実施形態では、固形腫瘍は、中皮腫、乳がん、乳がんの肺転移、肉腫、膵臓がん、卵巣がん、肝転移、前立腺がん、脳がん、黒色腫、腎細胞癌、結腸直腸がん、肝細胞癌、肺がん、頭頸部扁平上皮癌、尿路上皮癌、食道扁平上皮癌、胃がん、食道がん、子宮頸がん、メルケル細胞癌、子宮内膜癌、および皮膚扁平上皮癌からなる群から選択される。一部の実施形態では、固形腫瘍は乳がんである。一部の実施形態では、乳がんは、非腫瘍組織と比較して高い腫瘍エンドセリン-B受容体発現を有する。一部の実施形態では、乳がんは、トリプルネガティブ乳がんである。一部の実施形態では、固形腫瘍は、中皮腫である。一部の実施形態では、固形腫瘍は、乳がんの肺転移である。一部の実施形態では、固形腫瘍は肉腫である。一部の実施形態では、固形腫瘍は骨肉腫である。一部の実施形態では、固形腫瘍は線維肉腫である。一部の実施形態では、固形腫瘍は膵臓がんである。一部の実施形態では、固形腫瘍は卵巣がんである。一部の実施形態では、固形腫瘍は肝転移である。一部の実施形態では、肝転移は結腸直腸がんに由来する。一部の実施形態では、固形腫瘍は前立腺がんである。一部の実施形態では、前立腺がんは、非腫瘍組織と比較して高い腫瘍エンドセリン-A受容体発現を有する。一部の実施形態では、固形がんは脳がんである。一部の実施形態では、脳がんは、非腫瘍組織と比較して高い腫瘍エンドセリン-A受容体発現を有する。一部の実施形態では、固形腫瘍は黒色腫である。一部の実施形態では、固形腫瘍は腎細胞癌である。一部の実施形態では、固形腫瘍は結腸直腸がんである。一部の実施形態では、結腸直腸がんは、非腫瘍組織と比較して高い腫瘍エンドセリン-A受容体発現を有する。一部の実施形態では、結腸直腸がんは、非腫瘍組織と比較して低い腫瘍エンドセリン-B受容体発現を有する。一部の実施形態では、結腸直腸がんは、非腫瘍組織と比較して高い腫瘍エンドセリン-A受容体発現および低いエンドセリン-B受容体発現を有する。一部の実施形態では、固形腫瘍は肝細胞癌である。一部の実施形態では、固形腫瘍は肺がんである。一部の実施形態では、肺がんは、エンドセリン-A受容体を発現する。一部の実施形態では、肺がんは、エンドセリン-B受容体を発現する。一部の実施形態では、肺がんは、エンドセリン-A受容体およびエンドセリン-B受容体の両方を発現する。一部の実施形態では、肺がんは、非腫瘍組織と比較して高い腫瘍エンドセリン-A受容体発現を有する。一部の実施形態では、肺がんは、非腫瘍組織と比較して高い腫瘍エンドセリン-B受容体発現を有する。一部の実施形態では、肺がんは、非腫瘍組織と比較して高い腫瘍エンドセリン-A受容体およびエンドセリン-B受容体発現を有する。一部の実施形態では、肺がんは非小細胞肺がんである。一部の実施形態では、肺がんは小細胞肺がんである。一部の実施形態では、固形腫瘍は、頭頸部扁平上皮癌である。一部の実施形態では、固形腫瘍は、尿路上皮癌である。一部の実施形態では、固形腫瘍は、食道扁平上皮癌である。一部の実施形態では、固形腫瘍は胃がんである。一部の実施形態では、固形腫瘍は、食道がんである。一部の実施形態では、固形腫瘍は、子宮頸がんである。一部の実施形態では、固形腫瘍は、メルケル細胞癌である。一部の実施形態では、固形腫瘍は、子宮内膜癌である。一部の実施形態では、固形腫瘍は、皮膚扁平上皮癌である。一部の実施形態では、固形腫瘍は、圧迫された血管を有する、および/または低灌流であるがんである。一部の実施形態では、固形腫瘍は、圧迫された血管を有するがんである。一部の実施形態では、固形腫瘍は、低灌流であるがんである。一部の実施形態では、圧迫された血管を有し、および/または低灌流である固形腫瘍は、乳がん、乳がんの肺転移、膵臓がん、卵巣がん、および肝転移からなる群から選択される。一部の実施形態では、圧迫された血管を有し、および/または低灌流である固形腫瘍は、乳がんである。一部の実施形態では、乳がんは、非腫瘍組織と比較して高い腫瘍エンドセリン-B受容体発現を有する。一部の実施形態では、乳がんは、トリプルネガティブ乳がんである。一部の実施形態では、圧迫された血管を有し、および/または低灌流である固形腫瘍は、膵臓がんである。一部の実施形態では、圧迫された血管を有し、および/または低灌流である固形腫瘍は、卵巣がんである。一部の実施形態では、圧迫された血管を有し、および/または低灌流である固形腫瘍は、肝転移である。一部の実施形態では、肝転移は、結腸直腸がんに由来する。一部の実施形態では、圧迫された血管を有し、および/または低灌流である固形腫瘍は、肺転移である。一部の実施形態では、肝転移は、乳がんに由来する。一部の実施形態では、固形腫瘍は、腫瘍血管および/または線維芽細胞においてエンドセリン受容体発現を有するがんである。一部の実施形態では、固形腫瘍は、腫瘍血管においてエンドセリン受容体発現を有するがんである。一部の実施形態では、固形腫瘍は、腫瘍線維芽細胞においてエンドセリン受容体発現を有するがんである。一部の実施形態では、腫瘍血管および/または線維芽細胞においてエンドセリン受容体発現を有する固形腫瘍は、膵臓がん、卵巣がん、肺がん、前立腺がん、脳がん、乳がん、および結腸直腸がんからなる群から選択される。一部の実施形態では、腫瘍血管および/または線維芽細胞においてエンドセリン受容体発現を有する固形腫瘍は、膵臓がんである。一部の実施形態では、腫瘍血管および/または線維芽細胞においてエンドセリン受容体発現を有する固形腫瘍は、卵巣がんである。一部の実施形態では、腫瘍血管および/または線維芽細胞においてエンドセリン受容体発現を有する固形腫瘍は、肺がんである。一部の実施形態では、肺がんは、エンドセリン-A受容体を発現する。一部の実施形態では、肺がんは、エンドセリン-B受容体を発現する。一部の実施形態では、肺がんは、エンドセリン-A受容体およびエンドセリン-B受容体の両方を発現する。一部の実施形態では、肺がんは、非腫瘍組織と比較して高い腫瘍エンドセリン-A受容体発現を有する。一部の実施形態では、肺がんは、非腫瘍組織と比較して高い腫瘍エンドセリン-B受容体発現を有する。一部の実施形態では、肺がんは、非腫瘍組織と比較して高い腫瘍エンドセリン-A受容体およびエンドセリン-B受容体発現を有する。一部の実施形態では、肺がんは、非小細胞肺がんである。一部の実施形態では、肺がんは小細胞肺がんである。一部の実施形態では、腫瘍血管および/または線維芽細胞においてエンドセリン受容体発現を有する固形腫瘍は、前立腺がんである。一部の実施形態では、前立腺がんは、非腫瘍組織と比較して高い腫瘍エンドセリン-A受容体発現を有する。一部の実施形態では、腫瘍血管および/または線維芽細胞においてエンドセリン受容体発現を有する固形腫瘍は、脳がんである。一部の実施形態では、脳がんは、非腫瘍組織と比較して高い腫瘍エンドセリン-A受容体発現を有する。一部の実施形態では、腫瘍血管および/または線維芽細胞においてエンドセリン受容体発現を有する固形腫瘍は、乳がんである。一部の実施形態では、乳がんは、非腫瘍組織と比較して高い腫瘍エンドセリン-B受容体発現を有する。一部の実施形態では、乳がんは、トリプルネガティブ乳がんである。一部の実施形態では、固形腫瘍は、乳がんからの肺転移である。一部の実施形態では、腫瘍血管および/または線維芽細胞においてエンドセリン受容体発現を有する固形腫瘍は、結腸直腸がんである。一部の実施形態では、結腸直腸がんは、非腫瘍組織と比較して高い腫瘍エンドセリン-A受容体発現を有する。一部の実施形態では、結腸直腸がんは、非腫瘍組織と比較して低い腫瘍エンドセリン-B受容体発現を有する。一部の実施形態では、結腸直腸がんは、非腫瘍組織と比較して高い腫瘍エンドセリン-A受容体発現および低いエンドセリン-B受容体発現を有する。
【0125】
B.投与経路
本明細書で記載される化学療法剤は、任意の好適な経路および様式で投与することができる。ケトチフェンもしくはその薬学的に許容される塩、または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、任意の好適な経路および様式で投与することができる。本発明の化合物または抗体を投与する好適な経路は当技術分野で周知であり、当業者によって選択され得る。一実施形態では、ケトチフェンもしくはその薬学的に許容される塩、および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、非経口投与される。非経口投与は、腸投与および局所投与以外の、通常、注射による投与様式を指し、上皮、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、腱内、経気管、皮下、表皮下、関節内、嚢下、くも膜下、脊髄内、頭蓋内、胸骨内、硬膜外、および大槽内の注射および注入を含む。一部の実施形態では、化学療法剤の投与経路は腹腔内注射である。一部の実施形態では、化学療法剤の投与経路は、静脈内注射である。一部の実施形態では、ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩の投与経路は、腹腔内注射である。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤の投与経路は腹腔内注射である。一部の実施形態では、ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩の投与経路は、静脈内注射である。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤の投与経路は、静脈内注射である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩、および/またはチェックポイント阻害剤は、腸投与される。一部の実施形態では、ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩の投与経路は腸である。一部の実施形態では、ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩の投与経路は経口である。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤の投与経路は腸である。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤の投与経路は経口である。一部の実施形態では、化学療法剤の投与経路は腸である。一部の実施形態では、化学療法剤の投与経路は経口である。
【0126】
C.投与の用量および回数
一態様では、本発明は、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩および本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤を投与することを含む、本明細書に記載される方法であって、対象が、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩および本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤を特定の頻度で投与される方法を提供する。別の態様では、本発明は、本明細書に記載されるケトチフェンおよび本明細書に記載される化学療法剤を投与することを含む、本明細書に記載される方法であって、対象に、本明細書に記載されるケトチフェンおよび本明細書に記載される化学療法剤を特定の頻度で投与する方法を提供する。
【0127】
本明細書で提供される方法、または使用、または使用のための産物の一実施形態では、本明細書に記載されるケトチフェンは、対象に治療有効量で投与される。本明細書で提供される方法、または使用、または使用のための産物の一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は治療有効量で対象に投与される。本明細書で提供される方法、または使用、または使用のための産物の一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は治療未満用量で対象に投与される。本明細書で提供される方法、または使用、または使用のための産物の一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、チェックポイント阻害剤の効果を惹起するのに十分な用量で対象に投与される。本明細書で提供される方法、または使用、または使用のための産物の一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、チェックポイント阻害剤の効果を増強するのに十分な用量で対象に投与される。本明細書で提供される方法、または使用、または使用のための産物の一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、~チェックポイント阻害剤の効果を延長するのに十分な用量で対象に投与される。本明細書で提供される方法、または使用、または使用のための産物の一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、チェックポイント阻害剤の効果を強化するのに十分な用量で対象に投与される。本明細書で提供される方法、または使用、または使用のための産物の一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、チェックポイント阻害剤の固形腫瘍への送達を改善するのに十分な用量で対象に投与される。本明細書で提供される方法、または使用、または使用のための産物の一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、チェックポイント阻害剤の効力を改善するのに十分な用量で対象に投与される。本明細書で提供される方法、または使用、または使用のための産物の一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、固形腫瘍に局在化する抗腫瘍T細胞の数を増大させるのに十分な用量で対象に投与される。本明細書で提供される方法、または使用、または使用のための産物の一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、固形腫瘍の組織硬度を低減するのに十分な用量で対象に投与される。本明細書で提供される方法、または使用、または使用のための産物の一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、固形腫瘍における細胞外マトリクスタンパク質のレベルを低減するのに十分な用量で対象に投与される。本明細書で提供される方法、または使用、または使用のための産物の一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、固形腫瘍の血流を増大させるのに十分な用量で対象に投与される。本明細書で提供される方法、または使用、または使用のための産物の一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、固形腫瘍における細胞外マトリクスタンパク質のレベルを低減し、固形腫瘍の血流を増大させるのに十分な用量で対象に投与される。本明細書で提供される方法、または使用、または使用のための産物の一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、固形腫瘍における低酸素状態を低減するのに十分な用量で対象に投与される。
【0128】
本明細書で提供される方法、または使用、または使用のための産物の一部の実施形態では、本明細書に記載されるケトチフェンは、約0.01mg/kg~約20mg/kg対象体重の範囲の用量で対象に投与される。本明細書で提供される方法、または使用、または使用のための産物の一部の実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約0.01mg/kg~約20mg/kg対象体重の範囲の用量で対象に投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約0.05mg/kg~約15mg/kg対象体重の範囲の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約0.01mg/kg~約0.1mg/kg対象体重の範囲の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約0.01mg/kg~約0.5mg/kg対象体重の範囲の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約0.01mg/kg~約1.0mg/kg対象体重の範囲の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約0.01mg/kg~約5mg/kg対象体重の範囲の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約0.05mg/kg~約0.1mg/kg対象体重の範囲の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約0.05mg/kg~約10mg/kg対象体重の範囲の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約0.05mg/kg~約5mg/kg対象体重の範囲の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約0.05mg/kg~約3mg/kg対象体重の範囲の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約0.25mg/kg~約10mg/kg対象体重の範囲の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約0.25mg/kg~約5mg/kg対象体重の範囲の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約0.25mg/kg~約3mg/kg対象体重の範囲の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約0.5mg/kg~約10mg/kg対象体重の範囲の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約0.5mg/kg~約5mg/kg対象体重の範囲の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約0.5mg/kg~約3mg/kg対象体重の範囲の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約0.75mg/kg~約10mg/kg対象体重の範囲の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約0.75mg/kg~約5mg/kg対象体重の範囲の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約0.75mg/kg~約3mg/kg対象体重の範囲の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約1mg/kg~約10mg/kg対象体重の範囲の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約1mg/kg~約5.0mg/kg対象体重の範囲の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約1mg/kg~約3mg/kg対象体重の範囲の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約2mg/kg~約20mg/kg対象体重の範囲の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約2mg/kg~約15mg/kg対象体重の範囲の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約2mg/kg~約10mg/kg対象体重の範囲の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約2mg/kg~約5mg/kg対象体重の範囲の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約4mg/kg~約20mg/kg対象体重の範囲の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約4mg/kg~約15mg/kg対象体重の範囲の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約4mg/kg~約10mg/kg対象体重の範囲の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約4mg/kg~約5mg/kg対象体重の範囲の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約5mg/kg~約20mg/kg対象体重の範囲の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約0.01mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約0.05mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約0.1mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約0.15mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約0.16mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約0.2mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約0.3mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約0.4mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約0.5mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約0.6mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約0.7mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約0.8mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約0.9mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約1mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約1.2mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約1.4mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約1.6mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約1.8mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約2mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約2.2mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約2.4mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約2.6mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約2.8mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約3mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約3.2mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約3.4mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約3.6mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約3.8mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約4mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約4.2mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約4.4mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約4.6mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約4.8mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約5mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約5.2mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約5.4mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約5.6mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約5.8mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約6mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約6.5mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約7mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学
的に許容される塩は、約7.5mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約8mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約8.5mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約9mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約9.5mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約10mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約11mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約12mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約13mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約14mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約15mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約16mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約17mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約18mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約19mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約20mg/kg対象体重の用量で投与される。
【0129】
本明細書で提供される方法、または使用、または使用のための産物の一部の実施形態では、本明細書に記載されるケトチフェンは、約10mg~約1250mgの範囲の用量で対象に投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約10mg~約150mgの範囲の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約10mg~約100mgの範囲の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約10mg~約50mgの範囲の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約25mg~約150mgの範囲の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約25mg~約100mgの範囲の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約25mg~約50mgの範囲の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約50mg~約150mgの範囲の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約50mg~約100mgの範囲の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約50mg~約75mgの範囲の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約75mg~約150mgの範囲の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約75mg~約100mgの範囲の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約100mg~約1200mgの範囲の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約10mg~約40mgの範囲の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約10mg~約30mgの範囲の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約10mg~約20mgの範囲の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約15mg~約40mgの範囲の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約20mg~約40mgの範囲の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約30mg~約40mgの範囲の用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約10mgの用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約15mgの用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約20mgの用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約25mgの用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約30mgの用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約35mgの用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約40mgの用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約45mgの用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約50mgの用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約55mgの用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約60mgの用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約62.5mgの用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約65mgの用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約70mgの用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約75mgの用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約80mgの用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約85mgの用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約90mgの用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約95mgの用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約100mgの用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約105mgの用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約110mgの用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約115mgの用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約120mgの用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約125mgの用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約130mgの用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約135mgの用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約140mgの用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約145mgの用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約150mgの用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約175mgの用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約200mgの用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約250mgの用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約300mgの用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約350mgの用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約400mgの用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約450mgの用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約500mgの用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約550mgの用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約600mgの用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約650mgの用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約700mgの用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約750mgの用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約800mgの用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約850mgの用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約900mgの用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約950mgの用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約1000mgの用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約1050mgの用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約1100mgの用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約1150mgの用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約1200mgの用量で投与される。一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、約1250mgの用量で投与される。
【0130】
本明細書で提供される方法、または使用、または使用のための産物の一実施形態では、ケトチフェンは、対象に毎日、1日2回、1日3回、または1日4回投与される。一部の実施形態では、ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩は、対象に2日に1回、約1週間に1回、または約3週間に1回投与される。一部の実施形態では、ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩は、対象に約1日1回投与される。一部の実施形態では、ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩は、対象に約1日2回投与される。一部の実施形態では、ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩は、対象に1日1回投与される。一部の実施形態では、ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩は、対象に1日2回投与される。一部の実施形態では、ケトチフェンまたはその薬学的に許容される塩は、対象に経口投与される。
【0131】
本明細書で提供される方法、または使用、または使用のための産物の一部の実施形態では、本明細書に記載される化学療法剤は、約0.5mg/kg~約15mg/kg対象体重の範囲の用量で対象に投与される。本明細書で提供される方法、または使用、または使用のための産物の一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約0.5mg/kg~約15mg/kg対象体重の範囲の用量で対象に投与される。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約1mg/kg~約10mg/kgの範囲の用量で投与される。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約1mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約2mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約3mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約4mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約5mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約6mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約7mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約8mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約9mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約10mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約11mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約12mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約13mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約14mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約15mg/kg対象体重の用量で投与される。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約2mg/kgの用量で投与され、チェックポイント阻害剤はペンブロリズマブである。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約1mg/kgの用量で投与され、チェックポイント阻害剤はニボルマブである。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約3mg/kgの用量で投与され、チェックポイント阻害剤はニボルマブである。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約1mg/kgの用量で投与され、チェックポイント阻害剤はイピリムマブである。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約3mg/kgの用量で投与され、チェックポイント阻害剤はイピリムマブである。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約10mg/kgの用量で投与され、チェックポイント阻害剤はイピリムマブである。
【0132】
本明細書で提供される方法、または使用、または使用のための産物の一部の実施形態では、本明細書に記載される化学療法剤は、約100mg~約2000mgの範囲の用量で対象に投与される。本明細書で提供される方法、または使用、または使用のための産物の一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約100mg~約2000mgの範囲の用量で対象に投与される。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約200mg~約1800mgの範囲の用量で投与される。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約200mg~約400mgの範囲の用量で投与される。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約400mg~約600mgの範囲の用量で投与される。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約600mg~約1000mgの範囲の用量で投与される。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約800mg~約1000mgの範囲の用量で投与される。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約1000mg~約1800mgの範囲の用量で投与される。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約1000mg~約1600mgの範囲の用量で投与される。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約1000mg~約1300mgの範囲の用量で投与される。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約140mg~約1800mgの範囲の用量で投与される。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約1600mg~約1800mgの範囲の用量で投与される。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約100mgの用量で投与される。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約200mgの用量で投与される。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約240mgの用量で投与される。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約300mgの用量で投与される。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約360mgの用量で投与される。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約400mgの用量で投与される。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約480mgの用量で投与される。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約500mgの用量で投与される。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約600mgの用量で投与される。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約700mgの用量で投与される。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約800mgの用量で投与される。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約840mgの用量で投与される。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約900mgの用量で投与される。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約1000mgの用量で投与される。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約1100mgの用量で投与される。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約1200mgの用量で投与される。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約1300mgの用量で投与される。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約1400mgの用量で投与される。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約1500mgの用量で投与される。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約1600mgの用量で投与される。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約1700mgの用量で投与される。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約1800mgの用量で投与される。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約1900mgの用量で投与される。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約2000mgの用量で投与される。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約200mgの用量で投与され、チェックポイント阻害剤はペンブロリズマブである。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約400mgの用量で投与され、チェックポイント阻害剤はペンブロリズマブである。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約240mgの用量で投与され、チェックポイント阻害剤はニボルマブである。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約480mgの用量で投与され、チェックポイント阻害剤はニボルマブである。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約360mgの用量で投与され、チェックポイント阻害剤はニボルマブである。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約840mgの用量で投与され、チェックポイント阻害剤はアテゾリズマブである。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約1200mgの用量で投与され、チェックポイント阻害剤はアテゾリズマブである。一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約1680mgの用量で投与され、チェックポイント阻害剤はアテゾリズマブである。
【0133】
本明細書で提供される方法、または使用、または使用のための産物の一実施形態では、本明細書に記載される化学療法剤は、対象に毎日、1日2回、1日3回、または1日4回投与される。本明細書で提供される方法、または使用、または使用のための産物の一実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、対象に毎日、1日2回、1日3回または1日4回投与される。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約毎週1回~約8週間に1回投与される。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約1週間毎に1回投与される。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約2週間毎に1回投与される。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約3週間毎に1回投与される。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約4週間毎に1回投与される。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約5週間毎に1回投与される。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約6週間毎に1回投与される。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約7週間毎に1回投与される。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約8週間毎に1回投与される。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約3週間に1回投与され、チェックポイント阻害剤はペンブロリズマブである。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約3週間に1回約200mgの用量で投与され、チェックポイント阻害剤はペンブロリズマブである。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約6週間に1回投与され、チェックポイント阻害剤はペンブロリズマブである。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約6週間に1回約400mgの用量で投与され、チェックポイント阻害剤はペンブロリズマブである。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約3週間に1回約2mg/kg対象体重の用量で投与され、チェックポイント阻害剤はペンブロリズマブである。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約2週間に1回投与され、チェックポイント阻害剤はニボルマブである。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約2週間に1回約240mgの用量で投与され、チェックポイント阻害剤はニボルマブである。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約3週間に1回投与され、チェックポイント阻害剤はニボルマブである。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約3週間に1回約360mgの用量で投与され、チェックポイント阻害剤はニボルマブである。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約4週間に1回投与され、チェックポイント阻害剤はニボルマブである。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約4週間に1回約480mgの用量で投与され、チェックポイント阻害剤はニボルマブである。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約3週間に1回約1mg/kgの用量で投与され、チェックポイント阻害剤はニボルマブである。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約2週間に1回約3mg/kgの用量で投与され、チェックポイント阻害剤はニボルマブである。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約3週間に1回約3mg/kgの用量で投与され、チェックポイント阻害剤はニボルマブである。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約3週間に1回投与され、チェックポイント阻害剤はイピリムマブである。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約6週間に1回投与され、チェックポイント阻害剤はイピリムマブである。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約3週間に1回約1mg/kgの用量で投与され、チェックポイント阻害剤はイピリムマブである。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約3週間に1回約3mg/kgの用量で投与され、チェックポイント阻害剤はイピリムマブである。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約3週間に1回約10mg/kgの用量で投与され、チェックポイント阻害剤はイピリムマブである。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約12週間に1回約10mg/kgの用量で投与され、チェックポイント阻害剤はイピリムマブである。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約6週間に1回約1mg/kgの用量で投与され、チェックポイント阻害剤はイピリムマブである。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約2週間に1回投与され、チェックポイント阻害剤はアテゾリズマブである。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約2週間に1回約840mgの用量で投与され、チェックポイント阻害剤はアテゾリズマブである。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約3週間に1回投与され、チェックポイント阻害剤はアテゾリズマブである。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約3週間に1回約1200mgの用量で投与され、チェックポイント阻害剤はアテゾリズマブである。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約4週間に1回投与され、チェックポイント阻害剤はアテゾリズマブである。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、約4週間に1回約1680mgの用量で投与され、チェックポイント阻害剤はアテゾリズマブである。一部の実施形態では、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、対象に静脈内注入によって投与される。
【0134】
D.処置の転帰
一態様では、本明細書に記載されるケトチフェンおよび本明細書に記載される化学療法剤によってがんを処置する方法は、ベースラインと比較して投与後に対象において1つまたは複数の治療効果の改善をもたらす。一態様では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩および本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤によってがんを処置する方法は、ベースラインと比較して投与後に対象において1つまたは複数の治療効果の改善をもたらす。一部の実施形態では、1つまたは複数の治療効果は、がん(例えば、固形腫瘍)に由来する腫瘍のサイズ、客観的奏功率、奏功期間、奏功までの期間、無増悪生存期間、全生存期間、またはそのいずれかの組合せである。一実施形態では、1つまたは複数の治療効果は、がんに由来する腫瘍のサイズである。一実施形態では、1つまたは複数の治療効果は、腫瘍サイズの減少である。一実施形態では、1つまたは複数の治療効果は、安定疾患である。一実施形態では、1つまたは複数の治療効果は、部分奏功である。一実施形態では、1つまたは複数の治療効果は、完全奏功である。一実施形態では、1つまたは複数の治療効果は、客観的奏功率である。一実施形態では、1つまたは複数の治療効果は、奏功期間である。一実施形態では、1つまたは複数の治療効果は、奏功までの時間である。一実施形態では、1つまたは複数の治療効果は、無増悪生存期間である。一実施形態では、1つまたは複数の治療効果は、全生存期間である。一実施形態では、1つまたは複数の治療効果は、がんの退縮である。
【0135】
本明細書で提供される方法、または使用、または使用のための産物の一実施形態では、本明細書に記載されるケトチフェンおよび本明細書に記載される化学療法剤による処置に対する応答は、RECIST Criteria 1.1を含み得る。本明細書で提供される方法、または使用、または使用のための産物の一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩および本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤による処置に対する応答は、RECIST Criteria 1.1を含み得る。RECIST Criteria 1.1は、以下の通りである:
【表4】
【0136】
本明細書で提供される方法、または使用、または使用のための産物の一実施形態では、本明細書に記載されるケトチフェンおよび本明細書に記載される化学療法剤による処置の有効性は、客観的奏功率を測定することによって評価される。本明細書で提供される方法、または使用、または使用のための産物の一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩および本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤による処置の有効性は、客観的奏功率を測定することによって評価される。一部の実施形態では、客観的奏功率は、既定量の腫瘍サイズ低減を有する最小期間での患者の割合である。一部の実施形態では、客観的奏功率は、RECIST v1.1に基づく。一実施形態では、客観的奏功率は、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、または少なくとも約80%である。一実施形態では、客観的奏功率は、少なくとも約20%~80%である。一実施形態では、客観的奏功率は、少なくとも約30%~80%である。一実施形態では、客観的奏功率は、少なくとも約40%~80%である。一実施形態では、客観的奏功率は、少なくとも約50%~80%である。一実施形態では、客観的奏功率は、少なくとも約60%~80%である。一実施形態では、客観的奏功率は、少なくとも約70%~80%である。一実施形態では、客観的奏功率は、少なくとも約80%である。一実施形態では、客観的奏功率は、少なくとも約85%である。一実施形態では、客観的奏功率は、少なくとも約90%である。一実施形態では、客観的奏功率は、少なくとも約95%である。一実施形態では、客観的奏功率は、少なくとも約98%である。一実施形態では、客観的奏功率は、少なくとも約99%である。一実施形態では、客観的奏功率は、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、または少なくとも80%である。一実施形態では、客観的奏功率は、少なくとも20%~80%である。一実施形態では、客観的奏功率は、少なくとも30%~80%である。一実施形態では、客観的奏功率は、少なくとも40%~80%である。一実施形態では、客観的奏功率は、少なくとも50%~80%である。一実施形態では、客観的奏功率は、少なくとも60%~80%である。一実施形態では、客観的奏功率は、少なくとも70%~80%である。一実施形態では、客観的奏功率は、少なくとも80%である。一実施形態では、客観的奏功率は、少なくとも85%である。一実施形態では、客観的奏功率は、少なくとも90%である。一実施形態では、客観的奏功率は、少なくとも95%である。一実施形態では、客観的奏功率は、少なくとも98%である。一実施形態では、客観的奏功率は、少なくとも99%である。一実施形態では、客観的奏功率は、100%である。
【0137】
本明細書で提供される方法、または使用、または使用のための産物の一実施形態では、本明細書に記載されるケトチフェンおよび本明細書に記載される化学療法剤による処置に対する応答は、がん(例えば、固形腫瘍)に由来する腫瘍のサイズを測定することによって評価される。本明細書で提供される方法、または使用、または使用のための産物の一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩および本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤による処置に対する応答は、がん(例えば、固形腫瘍)に由来する腫瘍のサイズを測定することによって評価される。一実施形態では、がんに由来する腫瘍のサイズは、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与前のがんに由来する腫瘍のサイズに対して少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、または少なくとも約80%低減される。一実施形態では、がんに由来する腫瘍のサイズは、少なくとも約10%~80%低減される。一実施形態では、がんに由来する腫瘍のサイズは、少なくとも約20%~80%低減される。一実施形態では、がんに由来する腫瘍のサイズは、少なくとも約30%~80%低減される。一実施形態では、がんに由来する腫瘍のサイズは、少なくとも約40%~80%低減される。一実施形態では、がんに由来する腫瘍のサイズは、少なくとも約50%~80%低減される。一実施形態では、がんに由来する腫瘍のサイズは、少なくとも約60%~80%低減される。一実施形態では、がんに由来する腫瘍のサイズは、少なくとも約70%~80%低減される。一実施形態では、がんに由来する腫瘍のサイズは、少なくとも約80%低減される。一実施形態では、がんに由来する腫瘍のサイズは、少なくとも約85%低減される。一実施形態では、がんに由来する腫瘍のサイズは、少なくとも約90%低減される。一実施形態では、がんに由来する腫瘍のサイズは、少なくとも約95%低減される。一実施形態では、がんに由来する腫瘍のサイズは、少なくとも約98%低減される。一実施形態では、がんに由来する腫瘍のサイズは、少なくとも約99%低減される。一実施形態では、がんに由来する腫瘍のサイズは、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与前のがんに由来する腫瘍のサイズに対して少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、または少なくとも80%低減される。一実施形態では、がんに由来する腫瘍のサイズは、少なくとも10%~80%低減される。一実施形態では、がんに由来する腫瘍のサイズは、少なくとも20%~80%低減される。一実施形態では、がんに由来する腫瘍のサイズは、少なくとも30%~80%低減される。一実施形態では、がんに由来する腫瘍のサイズは、少なくとも40%~80%低減される。一実施形態では、がんに由来する腫瘍のサイズは、少なくとも50%~80%低減される。一実施形態では、がんに由来する腫瘍のサイズは、少なくとも60%~80%低減される。一実施形態では、がんに由来する腫瘍のサイズは、少なくとも70%~80%低減される。一実施形態では、がんに由来する腫瘍のサイズは、少なくとも80%低減される。一実施形態では、がんに由来する腫瘍のサイズは、少なくとも85%低減される。一実施形態では、がんに由来する腫瘍のサイズは、少なくとも90%低減される。一実施形態では、がんに由来する腫瘍のサイズは、少なくとも95%低減される。一実施形態では、がんに由来する腫瘍のサイズは、少なくとも98%低減される。一実施形態では、がんに由来する腫瘍のサイズは、少なくとも99%低減される。一実施形態では、がんに由来する腫瘍のサイズは、100%低減される。一実施形態では、がんに由来する腫瘍のサイズは、磁気共鳴画像法(MRI)によって測定される。一実施形態では、がんに由来する腫瘍のサイズは、コンピューター断層撮影(CT)によって測定される。一部の実施形態では、がんに由来する腫瘍のサイズは、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩および本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与前の腫瘍のサイズと比較して低減されている。一部の実施形態では、がんに由来する腫瘍のサイズは、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩の投与前の腫瘍のサイズと比較して低減されている。一部の実施形態では、がんに由来する腫瘍のサイズは、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与前の腫瘍のサイズと比較して低減されている。
【0138】
本明細書に記載される方法、または使用、または使用のための産物の一実施形態では、本明細書に記載されるケトチフェンおよび本明細書に記載される化学療法剤による処置に対する応答は、本明細書に記載されるケトチフェンおよび/または本明細書に記載される化学療法剤の投与後の無増悪生存期間を測定することによって評価される。本明細書に記載される方法、または使用、または使用のための産物の一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩および本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤による処置に対する応答は、ケトチフェンもしくは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩、および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与後の無増悪生存期間を測定することによって評価される。一部の実施形態では、対象は、ケトチフェンもしくは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩、および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与後に少なくとも約1ヶ月間、少なくとも約2ヶ月間、少なくとも約3ヶ月間、少なくとも約4ヶ月間、少なくとも約5ヶ月間、少なくとも約6ヶ月間、少なくとも約7ヶ月間、少なくとも約8ヶ月間、少なくとも約9ヶ月間、少なくとも約10ヶ月間、少なくとも約11ヶ月間、少なくとも約12ヶ月間、少なくとも約18ヶ月間、少なくとも約2年間、少なくとも約3年間、少なくとも約4年間、または少なくとも約5年間の無増悪生存期間を示す。一部の実施形態では、対象は、ケトチフェンもしくは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩、および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与後に少なくとも約6月の無増悪生存期間を示す。一部の実施形態では、対象は、ケトチフェンもしくは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩、および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与後に少なくとも約1年の無増悪生存期間を示す。一部の実施形態では、対象は、ケトチフェンもしくは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩、および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与後に少なくとも約2年の無増悪生存期間を示す。一部の実施形態では、対象は、ケトチフェンもしくは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩、および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与後に少なくとも約3年の無増悪生存期間を示す。一部の実施形態では、対象は、ケトチフェンもしくは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩、および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与後に少なくとも約4年の無増悪生存期間を示す。一部の実施形態では、対象は、ケトチフェンもしくは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩、および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与後に少なくとも約5年の無増悪生存期間を示す。一部の実施形態では、対象は、ケトチフェンもしくは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩、および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与後に少なくとも1月、少なくとも2月、少なくとも3月、少なくとも4月、少なくとも5月、少なくとも6月、少なくとも7月、少なくとも8月、少なくとも9月、少なくとも10月、少なくとも11月、少なくとも12月、少なくとも18月、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、または少なくとも5年の無増悪生存期間を示す。一部の実施形態では、対象は、ケトチフェンもしくは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩、および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与後に少なくとも6月の無増悪生存期間を示す。一部の実施形態では、対象は、ケトチフェンもしくは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩、および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与後に少なくとも1年の無増悪生存期間を示す。一部の実施形態では、対象は、ケトチフェンもしくは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩、および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与後に少なくとも2年の無増悪生存期間を示す。一部の実施形態では、対象は、ケトチフェンもしくは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩、および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与後に少なくとも3年の無増悪生存期間を示す。一部の実施形態では、対象は、ケトチフェンもしくは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩、および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与後に少なくとも4年の無増悪生存期間を示す。一部の実施形態では、対象は、ケトチフェンもしくは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩、および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与後に少なくとも5年の無増悪生存期間を示す。一部の実施形態では、処置に対する応答は、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩および本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与後の無増悪生存期間を測定することによって評価される。一部の実施形態では、処置に対する応答は、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩の投与後の無増悪生存期間を測定することによって評価される。一部の実施形態では、処置に対する応答は、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与後の無増悪生存期間を測定することによって評価される。
【0139】
本明細書に記載される方法、または使用、または使用のための産物の一実施形態では、本明細書に記載されるケトチフェンおよび本明細書に記載される化学療法剤による処置に対する応答は、本明細書に記載されるケトチフェンおよび/または本明細書に記載される化学療法剤の投与後の全生存期間を測定することによって評価される。本明細書に記載される方法、または使用、または使用のための産物の一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩および本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤による処置に対する応答は、ケトチフェンもしくは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩、および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与後の全生存期間を測定することによって評価される。一部の実施形態では、対象は、ケトチフェンもしくは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩、および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与後に少なくとも約1月、少なくとも約2月、少なくとも約3月、少なくとも約4月、少なくとも約5月、少なくとも約6月、少なくとも約7月、少なくとも約8月、少なくとも約9月、少なくとも約10月、少なくとも約11月、少なくとも約12月、少なくとも約18月、少なくとも約2年、少なくとも約3年、少なくとも約4年、または少なくとも約5年の全生存期間を示す。一部の実施形態では、対象は、ケトチフェンもしくは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩、および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与後に少なくとも約6月の全生存期間を示す。一部の実施形態では、対象は、ケトチフェンもしくは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩、および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与後に少なくとも約1年の全生存期間を示す。一部の実施形態では、対象は、ケトチフェンもしくは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩、および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与後に少なくとも約2年の全生存期間を示す。一部の実施形態では、対象は、ケトチフェンもしくは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩、および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与後に少なくとも約3年の全生存期間を示す。一部の実施形態では、対象は、ケトチフェンもしくは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩、および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与後に少なくとも約4年の全生存期間を示す。一部の実施形態では、対象は、ケトチフェンもしくは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩、および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与後に少なくとも約5年の全生存期間を示す。一部の実施形態では、対象は、ケトチフェンもしくは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩、および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与後に少なくとも1月、少なくとも2月、少なくとも3月、少なくとも4月、少なくとも5月、少なくとも6月、少なくとも7月、少なくとも8月、少なくとも9月、少なくとも10月、少なくとも11月、少なくとも約12月、少なくとも18月、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、または少なくとも5年の全生存期間を示す。一部の実施形態では、対象は、ケトチフェンもしくは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩、および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与後に少なくとも6月の全生存期間を示す。一部の実施形態では、対象は、ケトチフェンもしくは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩、および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与後に少なくとも1年の全生存期間を示す。一部の実施形態では、対象は、ケトチフェンもしくは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩、および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与後に少なくとも2年の全生存期間を示す。一部の実施形態では、対象は、ケトチフェンもしくは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩、および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与後に少なくとも3年の全生存期間を示す。一部の実施形態では、対象は、ケトチフェンもしくは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩、および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与後に少なくとも4年の全生存期間を示す。一部の実施形態では、対象は、ケトチフェンもしくは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩、および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与後に少なくとも5年の全生存期間を示す。一部の実施形態では、処置に対する応答は、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩および本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与後の全生存期間の時間を測定することにより評価される。一部の実施形態では、処置に対する応答は、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩の投与後の全生存期間の時間を測定することにより評価される。一部の実施形態では、処置に対する応答は、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与後の全生存期間の時間を測定することにより評価される。
【0140】
本明細書に記載される方法、または使用、または使用のための産物の一実施形態では、本明細書に記載されるケトチフェンおよび本明細書に記載される化学療法剤による処置に対する応答は、本明細書に記載されるケトチフェンおよび/または本明細書に記載される化学療法剤の投与後の本明細書に記載されるケトチフェンおよび本明細書に記載される化学療法剤に対する奏功期間を測定することによって評価される。本明細書に記載される方法、または使用、または使用のための産物の一実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩および本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤による処置に対する応答は、ケトチフェンもしくは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩、および/または本明細書に記載されるチェック
ポイント阻害剤の投与後のケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩および本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤に対する奏功期間を測定することによって評価される。一部の実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩および本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤に対する奏功期間は、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与の後少なくとも約1月、少なくとも約2月、少なくとも約3月、少なくとも約4月、少なくとも約5月、少なくとも約6月、少なくとも約7月、少なくとも約8月、少なくとも約9月、少なくとも約10月、少なくとも約11月、少なくとも約12月、少なくとも約18月、少なくとも約2年、少なくとも約3年、少なくとも約4年、または少なくとも約5年である。一部の実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩および本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤に対する奏功期間は、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与の後少なくとも約6月である。一部の実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩および本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤に対する奏功期間は、ケトチフェンもしくは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩、および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与後の少なくとも約1年である。一部の実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩および本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤に対する奏功期間は、ケトチフェンもしくは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩、および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与後の少なくとも約2年である。一部の実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩および本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤に対する奏功期間は、ケトチフェンもしくは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩、および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与後の少なくとも約3年である。一部の実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩および本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤に対する奏功期間は、ケトチフェンもしくは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩、および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与後の少なくとも約4年である。一部の実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩および本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤に対する奏功期間は、ケトチフェンもしくは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩、および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与後の少なくとも約5年である。一部の実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩および本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤に対する奏功期間は、ケトチフェンもしくは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩、および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与後の少なくとも1月、少なくとも2月、少なくとも3月、少なくとも4月、少なくとも5月、少なくとも6月、少なくとも7月、少なくとも8月、少なくとも9月、少なくとも10月、少なくとも11月、少なくとも12月、少なくとも18月、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、または少なくとも5年である。一部の実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩および本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤に対する奏功期間は、ケトチフェンもしくは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩、および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与後の少なくとも6月である。一部の実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩および本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤に対する奏功期間は、ケトチフェンもしくは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩、および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与後の少なくとも1年である。一部の実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩および本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤に対する奏功期間は、ケトチフェンもしくは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩、および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与後の少なくとも2年である。一部の実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩および本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤に対する奏功期間は、ケトチフェンもしくは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩、および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与後の少なくとも3年である。一部の実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩および本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤に対する奏功期間は、ケトチフェンもしくは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩、および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与後の少なくとも4年である。一部の実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩および本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤に対する奏功期間は、ケトチフェンもしくは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩、および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与後の少なくとも5年である。一部の実施形態では、奏功期間は、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩および本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与後に測定される。一部の実施形態では、奏功期間は、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩の投与後に測定される。一部の実施形態では、奏功期間は、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与後に測定される。
【0141】
V.組成物
一部の態様では、本明細書において、本明細書に記載されるケトチフェンおよび/または本明細書に記載される化学療法剤を含む組成物(例えば、医薬組成物および治療製剤)も提供される。一部の態様では、同様に本明細書においてケトチフェンもしくは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩、および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤を含む組成物(例えば、医薬組成物および治療製剤)も提供される。
【0142】
治療製剤は、所望の程度の純度を有する活性成分を、必要に応じた薬学的に許容される担体、賦形剤、または安定化剤と共に混合することによって貯蔵のために調製される(Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 20th Ed., Lippincott Williams & Wiklins, Pub., Gennaro Ed., Philadelphia, Pa. 2000)。
【0143】
許容される担体、賦形剤、または安定化剤は、使用される投薬量および濃度でレシピエントに対して非毒性であり、緩衝剤、抗酸化剤、例えばアスコルビン酸、メチオニン、ビタミンE、ピロ亜硫酸ナトリウム;保存剤、等張剤、安定化剤、金属錯体(例えば、Zn-タンパク質錯体);EDTAなどのキレート剤および/または非イオン性表面活性物質を含む。
【0144】
特に安定性がpH依存的である場合、緩衝剤を使用してpHを、治療有効性を最適にする範囲に制御することができる。緩衝剤は、約50mM~約250mMの範囲の濃度で存在し得る。本発明と共に使用するために好適な緩衝剤は、有機酸および無機酸の両方ならびにその塩を含む。例えば、クエン酸塩、リン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、シュウ酸塩、乳酸塩、酢酸塩。加えて、緩衝剤は、ヒスチジンおよびトリメチルアミン塩、例えばトリスからなり得る。
【0145】
微生物の成長を防止するために保存剤を添加することができ、典型的に保存剤は、約0.2%~1.0%(重量/体積)の範囲で存在する。本発明と共に使用するための好適な保存剤は、塩化オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ヘキサメトニウム;ハロゲン化ベンザルコニウム(例えば、塩化、臭化、ヨウ化)、塩化ベンゼトニウム;チメロサール、フェノール、ブチル、またはベンジルアルコール;アルキルパラベン、例えばメチルまたはプロピルパラベン;カテコール、レゾルシノール;シクロヘキサノール、3-ペンタノール、およびm-クレゾールを含む。
【0146】
等張剤は、時に「安定化剤」としても知られ、組成物中の液体の等張性を調整または維持するために存在し得る。大きい荷電生体分子、例えばタンパク質および抗体と共に使用する場合、それらはアミノ酸側鎖の荷電基と相互作用することができ、それによって分子間および分子内相互作用の潜在性を弱めるために、しばしば「安定化剤」と呼ばれる。等張剤は、他の成分の相対量を考慮に入れて、約0.1重量%~約25重量%の間、または約1重量%~約5重量%の間の任意の量で存在し得る。一部の実施形態では、等張剤は、多価糖アルコール、3価アルコールまたは高級糖アルコール、例えばグリセリン、エリスリトール、アラビトール、キシリトール、ソルビトール、およびマンニトールを含む。
【0147】
追加の賦形剤は、以下:(1)増量剤、(2)溶解増強剤、(3)安定化剤、および(4)変性または容器の壁への付着を防止する作用剤の1つまたは複数として作用し得る作用剤を含む。そのような賦形剤は、多価糖アルコール(上記で列挙した通り);アミノ酸、例えばアラニン、グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、リシン、オルニチン、ロイシン、2-フェニルアラニン、グルタミン酸、トレオニン等;有機糖または糖アルコール、例えばスクロース、ラクトース、ラクチトール、トレハロース、スタキオース、マンノース、ソルボース、キシロース、リボース、リビトール、ミオイニシトース(myoinisitose)、ミオイノシトール(myoinisitol)、ガラクトース、ガラクチトール、グリセロール、シクリトール(例えば、イノシトール)、ポリエチレングリコール、イオウ含有還元剤、例えば尿素、グルタチオン、チオクト酸、チオグリコール酸ナトリウム、チオグリセロール、a-モノチオグリセロール、およびチオ硫酸ナトリウム;低分子量タンパク質、例えばヒト血清アルブミン、ウシ血清アルブミン、ゼラチン、または他の免疫グロブリン;親水性ポリマー、例えばポリビニルピロリドン;単糖(例えば、キシロース、マンノース、フルクトース、グルコース;二糖(例えば、ラクトース、マルトース、スクロース);三糖、例えばラフィノース;ならびに多糖、例えばデキストリンまたはデキストランを含む。
【0148】
非イオン性表面活性物質または界面活性剤(「湿潤剤」としても公知である)は、治療剤を可溶化するのを助けるために、ならびに撹拌誘導凝集に対して治療タンパク質を保護するために存在し得、これにより活性な治療タンパク質または抗体の変性を引き起こすことなく製剤を剪断表面応力に曝露させることもできる。非イオン性表面活性物質は、約0.05mg/ml~約1.0mg/ml、または約0.07mg/ml~約0.2mg/mlの範囲で存在する。一部の実施形態では、非イオン性表面活性物質は、約0.001重量/体積%~約0.1重量/体積%、または約0.01重量/体積%~約0.1重量/体積%、または約0.01重量/体積%~約0.025重量/体積%の範囲で存在する。
【0149】
好適な非イオン性表面活性物質は、ポリソルベート(20、40、60、65、80等)、ポリオキサマー(184、188等)、PLURONIC(登録商標)ポリオール、TRITON(登録商標)、ポリオキシエチレンソルビタンモノエーテル(TWEEN(登録商標)-20、TWEEN(登録商標)-80等)、ラウロマクロゴール400、ステアリン酸ポリオキシル40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油10、50、および60、モノステアリン酸グリセロール、スクロース脂肪酸エステル、メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースを含む。使用することができる陰イオン性界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、およびスルホン酸ジオクチルナトリウムを含む。陽イオン性界面活性剤は、塩化ベンザルコニウムまたは塩化ベンゼトニウムを含む。
【0150】
一部の実施形態では、ケトチフェンを含む製剤は、ケトチフェンフマル酸塩を含む。一部の実施形態では、ケトチフェンを含む製剤は、ddH2O中に溶解したケトチフェンフマル酸塩を含む。一部の実施形態では、ケトチフェンは、液体製剤として調製される。一部の実施形態では、ケトチフェンは、眼科用溶液として調製される。一部の実施形態では、ケトチフェンは、錠剤などの固体として調製される。
【0151】
製剤をin vivo投与で使用するためには、それらを無菌としなければならない。製剤は、滅菌濾過膜を通しての濾過によって無菌的にしてもよい。本明細書における治療組成物は、通常、無菌のアクセスポートを有する容器、例えば、皮下注射針によって貫通可能なストッパーを有する静脈内輸液バッグまたはバイアルに入れられる。
【0152】
投与経路は、公知のおよび容認された方法に従って、例えば1回または複数回ボーラスまたは好適な様式で長期間にわたる注入、例えば皮下、静脈内、腹腔内、筋肉内、動脈内、病変内、もしくは関節内経路による注射もしくは注入、局所投与、吸入、または徐放性もしくは持続放出手段によって行われる。
【0153】
本明細書における製剤はまた、処置される特定の適応にとって必要な1つより多くの活性化合物、好ましくは互いに有害な影響を及ぼさない補完的活性を有する化合物を含有してもよい。あるいはまたは加えて、組成物は、細胞傷害剤、サイトカイン、または成長阻害剤を含み得る。そのような分子は、意図される目的にとって有効である量で組み合わせて好適に存在する。
【0154】
一部の実施形態では、本明細書に記載されるケトチフェンを含む組成物は、本明細書に記載される化学療法剤を含む組成物と同時投与される。一部の実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩を含む組成物は、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤を含む組成物と同時投与される。一部の実施形態では、同時投与は、同時または連続的である。一部の実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤と同時に投与される。一部の実施形態では、同時とは、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩および本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤が、約1時間未満離して、例えば約30分未満離して、約15分未満離して、約10分未満離して、または約5分未満離して対象に投与されることを意味する。一部の実施形態では、同時とは、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩および本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤が、1時間未満離して、例えば30分未満離して、15分未満離して、10分未満離して、または5分未満離して対象に投与されることを意味する。一部の実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤と連続的に投与される。一部の実施形態では、連続投与とは、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩および本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤が、少なくとも1時間離して、少なくとも2時間離して、少なくとも3時間離して、少なくとも4時間離して、少なくとも5時間離して、少なくとも6時間離して、少なくとも7時間離して、少なくとも8時間離して、少なくとも9時間離して、少なくとも10時間離して、少なくとも11時間離して、少なくとも12時間離して、少なくとも13時間離して、少なくとも14時間離して、少なくとも15時間離して、少なくとも16時間離して、少なくとも17時間離して、少なくとも18時間離して、少なくとも19時間離して、少なくとも20時間離して、少なくとも21時間離して、少なくとも22時間離して、少なくとも23時間離して、少なくとも24時間離して、少なくとも2日間離して、少なくとも3日間離して、少なくとも4日間離して、少なくとも5日間離して、少なくとも5日間離して、少なくとも7日間離して、少なくとも2週間離して、少なくとも3週間離して、または少なくとも4週間離して投与されることを意味する。一部の実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の投与前に投与される。一部の実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤を対象に投与する少なくとも1日前に開始して対象に投与される。一部の実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤を対象に投与する少なくとも2日前に開始して対象に投与される。一部の実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤を対象に投与する少なくとも3日前に開始して対象に投与される。一部の実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤を対象に投与する少なくとも4日前に開始して対象に投与される。一部の実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤を対象に投与する少なくとも5日前に開始して対象に投与される。一部の実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤を対象に投与する少なくとも1週間前に開始して対象に投与される。一部の実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤を対象に投与する少なくとも2週間前に開始して対象に投与される。一部の実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤を対象に投与する少なくとも3週間前に開始して対象に投与される。一部の実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤を対象に投与する少なくとも4週間前に開始して対象に投与される。一部の実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤を対象に投与する前に開始して、対象に投与され、投与は、対象がチェックポイント阻害剤を投与されている期間の少なくとも一部の間、維持される。一部の実施形態では、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤を対象に投与する前に開始して、対象に投与され、投与は、対象がチェックポイント阻害剤を投与されている全期間にわたって維持される。
【0155】
一部の実施形態では、ケトチフェンもしくは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤を含む組成物は、1つまたは追加の治療剤と同時投与される。一部の実施形態では、同時投与は、同時または連続的である。
【0156】
VI.製品およびキット
別の態様では、本明細書に記載されるケトチフェンおよび/または本明細書に記載される化学療法剤を含む製品またはキットが提供される。別の態様では、ケトチフェンもしくは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩、および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤を含む製品またはキットが提供される。製品またはキットは、本発明の方法においてケトチフェンもしくは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩、および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤を使用するための使用説明書をさらに含み得る。このように、ある特定の実施形態では、製品またはキットは、ケトチフェンもしくは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤の有効量を対象に投与することを含む、対象におけるがん(例えば、固形腫瘍)を処置する方法において、ケトチフェンもしくは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤を使用するための使用説明書を含む。本明細書で提供される態様のいずれかの一部の実施形態では、固形腫瘍は、中皮腫、乳がん、乳がんの肺転移、肉腫、膵臓がん、卵巣がん、肝転移、前立腺がん、脳がん、黒色腫、腎細胞癌、結腸直腸がん、肝細胞癌、肺がん、頭頸部扁平上皮癌、尿路上皮癌、食道扁平上皮癌、胃がん、食道がん、子宮頸がん、メルケル細胞癌、子宮内膜癌、および皮膚扁平上皮癌からなる群から選択される。一部の実施形態では、固形腫瘍は乳がんである。一部の実施形態では、乳がんは、非腫瘍組織と比較して高い腫瘍エンドセリン-B受容体発現を有する。一部の実施形態では、乳がんは、トリプルネガティブ乳がんである。一部の実施形態では、固形腫瘍は、乳がんの肺転移である。一部の実施形態では、固形腫瘍は肉腫である。一部の実施形態では、固形腫瘍は骨肉腫である。一部の実施形態では、固形腫瘍は線維肉腫である。一部の実施形態では、固形腫瘍は膵臓がんである。一部の実施形態では、固形腫瘍は卵巣がんである。一部の実施形態では、固形腫瘍は肝転移である。一部の実施形態では、肝転移は結腸直腸がんに由来する。一部の実施形態では、固形腫瘍は前立腺がんである。一部の実施形態では、前立腺がんは、非腫瘍組織と比較して高い腫瘍エンドセリン-A受容体発現を有する。一部の実施形態では、固形がんは脳がんである。一部の実施形態では、脳がんは、非腫瘍組織と比較して高い腫瘍エンドセリン-A受容体発現を有する。一部の実施形態では、固形腫瘍は黒色腫である。一部の実施形態では、固形腫瘍は腎細胞癌である。一部の実施形態では、固形腫瘍は結腸直腸がんである。一部の実施形態では、結腸直腸がんは、非腫瘍組織と比較して高い腫瘍エンドセリン-A受容体発現を有する。一部の実施形態では、結腸直腸がんは、非腫瘍組織と比較して低い腫瘍エンドセリン-B受容体発現を有する。一部の実施形態では、結腸直腸がんは、非腫瘍組織と比較して高い腫瘍エンドセリン-A受容体発現および低いエンドセリン-B受容体発現を有する。一部の実施形態では、固形腫瘍は肝細胞癌である。一部の実施形態では、固形腫瘍は肺がんである。一部の実施形態では、肺がんは、エンドセリン-A受容体を発現する。一部の実施形態では、肺がんは、エンドセリン-B受容体を発現する。一部の実施形態では、肺がんは、エンドセリン-A受容体およびエンドセリン-B受容体の両方を発現する。一部の実施形態では、肺がんは、非腫瘍組織と比較して高い腫瘍エンドセリン-A受容体発現を有する。一部の実施形態では、肺がんは、非腫瘍組織と比較して高い腫瘍エンドセリン-B受容体発現を有する。一部の実施形態では、肺がんは、非腫瘍組織と比較して高い腫瘍エンドセリン-A受容体およびエンドセリン-B受容体発現を有する。一部の実施形態では、肺がんは非小細胞肺がんである。一部の実施形態では、肺がんは小細胞肺がんである。一部の実施形態では、固形腫瘍は、頭頸部扁平上皮癌である。一部の実施形態では、固形腫瘍は、尿路上皮癌である。一部の実施形態では、固形腫瘍は、食道扁平上皮癌である。一部の実施形態では、固形腫瘍は胃がんである。一部の実施形態では、固形腫瘍は、食道がんである。一部の実施形態では、固形腫瘍は、子宮頸がんである。一部の実施形態では、固形腫瘍は、メルケル細胞癌である。一部の実施形態では、固形腫瘍は、子宮内膜癌である。一部の実施形態では、固形腫瘍は、皮膚扁平上皮癌である。一部の実施形態では、固形腫瘍は、圧迫された血管を有する、および/または低灌流であるがんである。一部の実施形態では、固形腫瘍は、圧迫された血管を有するがんである。一部の実施形態では、固形腫瘍は、低灌流であるがんである。一部の実施形態では、圧迫された血管を有し、および/または低灌流である固形腫瘍は、乳がん、乳がんの肺転移、膵臓がん、卵巣がん、および肝転移からなる群から選択される。一部の実施形態では、圧迫された血管を有し、および/または低灌流である固形腫瘍は、乳がんである。一部の実施形態では、乳がんは、非腫瘍組織と比較して高い腫瘍エンドセリン-B受容体発現を有する。一部の実施形態では、乳がんは、トリプルネガティブ乳がんである。一部の実施形態では、圧迫された血管を有し、および/または低灌流である固形腫瘍は、膵臓がんである。一部の実施形態では、圧迫された血管を有し、および/または低灌流である固形腫瘍は、卵巣がんである。一部の実施形態では、圧迫された血管を有し、および/または低灌流である固形腫瘍は、肝転移である。一部の実施形態では、肝転移は、結腸直腸がんに由来する。一部の実施形態では、圧迫された血管を有し、および/または低灌流である固形腫瘍は、肺転移である。一部の実施形態では、肝転移は、乳がんに由来する。一部の実施形態では、固形腫瘍は、腫瘍血管および/または線維芽細胞においてエンドセリン受容体発現を有するがんである。一部の実施形態では、固形腫瘍は、腫瘍血管においてエンドセリン受容体発現を有するがんである。一部の実施形態では、固形腫瘍は、腫瘍線維芽細胞においてエンドセリン受容体発現を有するがんである。一部の実施形態では、腫瘍血管および/または線維芽細胞においてエンドセリン受容体発現を有する固形腫瘍は、膵臓がん、卵巣がん、肺がん、前立腺がん、脳がん、乳がん、および結腸直腸がんからなる群から選択される。一部の実施形態では、腫瘍血管および/または線維芽細胞においてエンドセリン受容体発現を有する固形腫瘍は、膵臓がんである。一部の実施形態では、腫瘍血管および/または線維芽細胞においてエンドセリン受容体発現を有する固形腫瘍は、卵巣がんである。一部の実施形態では、腫瘍血管および/または線維芽細胞においてエンドセリン受容体発現を有する固形腫瘍は、肺がんである。一部の実施形態では、肺がんは、エンドセリン-A受容体を発現する。一部の実施形態では、肺がんは、エンドセリン-B受容体を発現する。一部の実施形態では、肺がんは、エンドセリン-A受容体およびエンドセリン-B受容体の両方を発現する。一部の実施形態では、肺がんは、非腫瘍組織と比較して高い腫瘍エンドセリン-A受容体発現を有する。一部の実施形態では、肺がんは、非腫瘍組織と比較して高い腫瘍エンドセリン-B受容体発現を有する。一部の実施形態では、肺がんは、非腫瘍組織と比較して高い腫瘍エンドセリン-A受容体およびエンドセリン-B受容体発現を有する。一部の実施形態では、肺がんは、非小細胞肺がんである。一部の実施形態では、肺がんは小細胞肺がんである。一部の実施形態では、腫瘍血管および/または線維芽細胞においてエンドセリン受容体発現を有する固形腫瘍は、前立腺がんである。一部の実施形態では、前立腺がんは、非腫瘍組織と比較して高い腫瘍エンドセリン-A受容体発現を有する。一部の実施形態では、腫瘍血管および/または線維芽細胞においてエンドセリン受容体発現を有する固形腫瘍は、脳がんである。一部の実施形態では、脳がんは、非腫瘍組織と比較して高い腫瘍エンドセリン-A受容体発現を有する。一部の実施形態では、腫瘍血管および/または線維芽細胞においてエンドセリン受容体発現を有する固形腫瘍は、乳がんである。一部の実施形態では、乳がんは、非腫瘍組織と比較して高い腫瘍エンドセリン-B受容体発現を有する。一部の実施形態では、乳がんは、トリプルネガティブ乳がんである。一部の実施形態では、固形腫瘍は、乳がんからの肺転移である。一部の実施形態では、腫瘍血管および/または線維芽細胞においてエンドセリン受容体発現を有する固形腫瘍は、結腸直腸がんである。一部の実施形態では、結腸直腸がんは、非腫瘍組織と比較して高い腫瘍エンドセリン-A受容体発現を有する。一部の実施形態では、結腸直腸がんは、非腫瘍組織と比較して低い腫瘍エンドセリン-B受容体発現を有する。一部の実施形態では、結腸直腸がんは、非腫瘍組織と比較して高い腫瘍エンドセリン-A受容体発現および低いエンドセリン-B受容体発現を有する。一部の実施形態では、対象はヒトである。
【0157】
製品またはキットは、容器をさらに含み得る。好適な容器としては、例えばボトル、バイアル(例えば、2室バイアル)、シリンジ(例えば1室または2室シリンジ)、および試験管が挙げられる。一部の実施形態では、容器はバイアルである。容器は、ガラスまたはプラスチックなどの多様な材料で形成され得る。容器は製剤を保持する。
【0158】
製品またはキットは、容器上にまたは容器に関連して、製剤の再構成および/または使用に関する指示を示し得るラベルまたは添付文書をさらに含み得る。ラベルまたは添付文書は、製剤が腹腔内注射、皮下、静脈内(例えば、静脈内注入)、または対象におけるがん(例えば、固形腫瘍)を処置するための他の投与様式にとって有用であるまたはそれらのために意図されることをさらに示し得る。製剤を保持する容器は、単回使用バイアルまたは再構成された製剤の繰り返し投与を可能にする複数回使用バイアルであり得る。製品またはキットは、好適な希釈剤を含む第2の容器をさらに含み得る。製品またはキットは、他の緩衝剤、希釈剤、増量剤、針、シリンジ、および使用のための使用説明書を有する添付文書を含む商業的、治療的、およびユーザーの見地から望ましい他の材料をさらに含み得る。
【0159】
本明細書における製品またはキットは、必要に応じて第2の医薬を含む容器をさらに含み、ケトチフェンまたは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩は第1の医薬であり、製品またはキットは、第2の医薬の有効量によって対象を処置するためのラベルまたは添付文書上の使用説明書をさらに含む。一部の実施形態では、第2の医薬は、本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、ラベルまたは添付文書は、第1および第2の医薬が、本明細書に記載されるように連続的または同時に投与されることを示す。
【0160】
一部の実施形態では、本明細書に記載されるケトチフェンおよび/または本明細書に記載される化学療法剤は、凍結乾燥粉末として容器中に存在する。一部の実施形態では、ケトチフェンもしくは本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩、および/または本明細書に記載されるチェックポイント阻害剤は、凍結乾燥粉末として容器中に存在する。一部の実施形態では、凍結乾燥粉末は、活性剤の量を示す密閉容器、例えばバイアル、アンプル、またはサシェである。医薬を注射によって投与する場合、例えば注射用滅菌水または食塩水のアンプルを、成分を投与前に混合することができるように、必要に応じてキットのパーツとして提供することができる。そのようなキットは、望ましければ、様々な従来の薬学的構成要素、例えば1つまたは複数の薬学的に許容される担体を有する容器、当業者に容易に明らかとなる追加の容器等の1つまたは複数をさらに含み得る。投与される構成要素の量、投与のガイドライン、および/または構成要素を混合するためのガイドラインを示す添付文書またはラベルのいずれかとしての印刷された使用説明書もまた、キットに含めることができる。
【0161】
本発明は、以下の実施例を参照してより十分に理解される。しかし、実施例は本発明の範囲を限定すると解釈してはならない。本明細書に記載する実施例および実施形態は、単なる例示目的のためであり、それに照らした様々な改変または変化が当業者に示唆されるが、それらも本出願および添付の特許請求の範囲の精神および範囲に含まれると理解される。
【実施例】
【0162】
(実施例1)
ケトチフェンは、用量依存的様式で血管新生を阻害し、腫瘍間質内の血管灌流を回復させる
本実施例は、ケトチフェンが血管新生シグナル伝達と共に介在し、線維肉腫および骨肉腫の2つのマウスモデルにおける血管正常化を可能にすることを示す。
【0163】
細胞培養および動物腫瘍モデル
別個の肉腫サブタイプである線維肉腫(MCA205細胞)および骨肉腫(K7M2wt細胞)の2つのマウスモデルを本研究に使用した。
【0164】
MCA205マウス線維肉腫細胞系(SCC173、Millipore)を、2mM L-グルタミン、1mMピルビン酸ナトリウム、10%ウシ胎児血清、1×非必須アミノ酸(TMS-001-C、Sigma)、1%抗生物質(A5955、Sigma)、および1×β-メルカプトエタノールを含有するRPMI-1640増大培地中で培養した。K7M2wtマウス骨肉腫細胞系(CRL2836(商標)、ATCC(登録商標))を、10%FBSおよび1%抗生物質を補充したDMEM増大培地中で培養した。細胞は全て、37℃/5%CO2で維持した。
【0165】
線維肉腫同系腫瘍モデルは、50μLの無血清培地中のMCA205細胞2.5×105個を6週齢のC57BL/6雌性マウスの脇腹に皮下移植することによって作製した。骨肉腫同系腫瘍モデルは、K7M2wt腫瘍片を6週齢のBALB/c雌性マウスの脂肪体に移植することによって作製した。全てのマウスを、特定の病原体を含まない状態で維持し、12時間の明暗サイクルで制御された温度/湿度(22℃/55%)環境で飼育し、実験期間を通して食餌および水への自由なアクセスを保持した。
【0166】
ケトチフェン処置および腫瘍成長の評価
4~7匹のマウスの各処置群は、8日間にわたって治療用量未満のケトチフェン(1、5、10および25mg/kg)を受けた。ケトチフェンフマル酸塩を、滅菌生理食塩水(ddH2O、w/v中の0.9%NaCl)に溶解した。ケトチフェン1mg/kg、5mg/kg、10mg/kg、25mg/kgまたは等量の希釈剤(対照群)を、8日間にわたって1日1回、腹腔内注射(i.p.)によって投与した。MCA205およびK7M2wt腫瘍モデルに関するケトチフェン処置を、平均腫瘍体積が、それぞれ、60mm3および150mm3に達した時に開始し、600mm3で完了した。研究の終点で、原発腫瘍を外科的に切除し、さらなるプロセシングまで-80℃で1×PBS中で保存した。腫瘍の平面寸法(x、y)を、デジタルキャリパーを使用して2~3日毎にモニターし、腫瘍体積を、第3の寸法zがsqrt(x、y)に等しいと仮定して、楕円体の体積から推定した。
【0167】
処置後、腫瘍成長(腫瘍体積および質量、MCA205腫瘍については
図2Aおよび2C、ならびにK7M2wt腫瘍については
図2Bおよび2Dを参照されたい)を、それぞれの肉腫群のマウスにおいて評価した。治療用量未満のケトチフェンは、いずれのマウス肉腫モデルにおいても抗腫瘍効果を示さなかった(
図2A~2D)。さらに、治療用量未満のケトチフェンは、CD117タンパク質レベルによって決定された場合、肥満細胞(MC)数に影響せず、ケトチフェン処置によって影響されないままであった(
図2E)。研究の結論時でのマウスの体重、胸腺および脾臓の重量は、10mg/kg用量のケトチフェンが許容されることを示していた(MCA205腫瘍を担持するマウスについては
図3A~3C;K7M2wt腫瘍を担持するマウスについては
図3D~3F)。
【0168】
低酸素研究
同所性MCA205またはK7M2wt肉腫腫瘍を担持するマウスに、腫瘍除去の2時間前に60mg/kgのピモニダゾールHClを注射(腹腔内)した。腫瘍を切除、1×PBS中で10分間の洗浄を2回行い、4%PFAと共に4℃で一晩インキュベートした。固定液を吸引し、試料を1×PBS中で10分間の洗浄を2回行い。組織試料を、連続エタノールステップおよびキシレンで脱水した後、パラフィン包埋した。パラフィン包埋組織の連続切片(7μm)を、ミクロトーム(Accu-Cut SRM 200 Rotary Microtome、SAKURA)を使用して生産し、水中で平坦にし、37℃で一晩乾燥させた。次いで、切片を、組織学のために日常的にプロセシングされるようにパラフィン除去し、再水和させた。スライドをクエン酸三ナトリウム中で電子レンジ加熱し、血清溶液中でブロックし、マウス抗ピモニダゾールRED549コンジュゲート抗体(HP7-100Kit、1:100)と共に4℃で一晩インキュベートした。次の日、スライドを洗浄し、核をDAPIで染色し、組織切片を封入した。スライドの免疫蛍光画像を撮影し(
図1A)、異なる処置群にわたって低酸素領域の割合をDAPI染色に対して正規化した。
【0169】
ピモニダゾール陽性の割合は、未処置、1mg/kg、5mg/kg、および25mg/kgのケトチフェン処置マウスにわたって顕著であり、10mg/kgのケトチフェン用量を受けるマウスにおいて有意に減少した(
図1A~1C)。低酸素の腫瘍内レベルを、MCA205(
図1B)とK7M2wt腫瘍(
図1C)との両方においてDAPIに対して正規化された画像におけるピモニダゾール付加物の蛍光シグナルを定量することによって決定した。
【0170】
mRNA発現レベル
この実験に関して、総RNAを、標準的なTrizolに基づくプロトコール(Invitrogen)に従って乳腺腫瘍から単離し、cDNA合成を、逆転写酵素III(RT-III)酵素およびランダムヘキサマー(Invitrogen)を使用して実施した。リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応を、Sybr Fast Universal Master Mix(KAPA)を使用して実施した。IFN-γ、VEGF、およびB-アクチン対照の遺伝子発現分析のために使用した特異的マウスプライマーを、以下の表1に列挙する。以下の条件:95℃で2分、95℃で2秒、60℃で20秒、60℃で1秒、ステップ2~4を39サイクルでCFX-96リアルタイムPCR検出システム(BioRad)を使用して、反応を実施した。リアルタイムPCR分析および比較した群間の遺伝子発現の変化の計算を、ΔΔ
Ct法を使用して実施した。相対遺伝子発現を、β-アクチンの発現に基づいて正規化した。qPCR分析のために、処置あたり3~5個の生体試料を使用し、各試料について3回の技術的反復を行った。
【表1】
【0171】
ケトチフェンは、VEGFのような一般的な血管新生因子のmRNAレベルに影響することなく、血管新生抑制遺伝子IFN-γのmRNAレベルを上方調節した(
図1D)。
【0172】
間質液圧
マウスをアベルチンのi.p.注射による麻酔後で腫瘍切除前に、間質液圧(IFP)を、「wick-in-needle」技術を使用してin vivoで測定した。wick-in-needle技術に関する追加の情報は、その内容の全体が参照により本明細書に組み込まれる、Dong et al., Involvement of mast cell chymase in burn wound healing in hamsters 2013;5:643-7およびShankaran et al. IFNγ and lymphocytes prevent primary tumour development and shape tumour immunogenicity 2001;410:1107-11に記載されている。
【0173】
全ての用量のケトチフェンがIFPを減少させ、10mg/kgの用量が最も高い効果を示し(
図1E)、血管機能の再確立による、腫瘍微小環境(TME)への液体の漏出を防止するその能力をさらに強調する。
【0174】
全体として、これらの結果は、ケトチフェンが、用量依存的様式で血管新生を阻害し、腫瘍間質内の血管灌流を回復させ、10mg/kgのケトチフェン投与量が強力な効果をもたらすことを示している。
【0175】
(実施例2)
ケトチフェンは細胞外基質形成を阻害することによって腫瘍内硬度を軽減する
本実施例は、ケトチフェンが、マウス肉腫モデルのTME内のストレス軽減を誘導することにより、腫瘍内硬度の尺度である血管減圧を容易にすることを示す。
【0176】
超音波エラストグラフィー測定
細胞培養および動物肉腫腫瘍モデルを、上記のように調製した。研究の概要は
図4Aに示される。
【0177】
基質硬度の低減におけるケトチフェンの機械治療能力を、超音波エラストグラフィーを使用して非侵襲的かつ長手軸方向に主に評価した。簡単に述べると、臨床走査のために認可された、eL18-4リニアアレイを含むPhilips EPIQ Elite Ultrasoundスキャナを使用する剪断波エラストグラフィーによって弾性であった腫瘍弾性係数の評価を、以前の研究において記載された通りに実施した。最高剪断波品質を示す目的の領域(ROI)のエリアの弾性係数値を得た。提示される弾性係数値は、腫瘍領域内のアベレージである。MCA205腫瘍の剪断波イメージングを、7日目のケトチフェン処置の前に実施して、処置の3日後(11日目)および腫瘍除去の直前の処置の最終日(15日目)に、腫瘍硬度のベースラインレベルを決定した。K7M2wt腫瘍の超音波イメージングを、24、28、および31日目に実施した。MCA205組織弾性に関して化学-免疫療法の組合せに対するケトチフェンの効果を、ドキソルビシン+抗PD-L1処置の第1のサイクルの前の7日目に、第2のサイクルの1日後(11日目)に、および最後のサイクルの2日後(15日目)に評価した。K7M2wt腫瘍の超音波イメージングを、22日目(すなわち、毎日のケトチフェンの4日後および併用処置の第1のサイクルの前)および処置の完了時(32日目)に実施した。
【0178】
10mg/kgの用量のケトチフェンは、MCA205線維肉腫腫瘍を担持するマウスにおいて組織硬度を最も減少させ、ヤング係数値は20kPaに達し、健康な組織の弾性と類似していた(
図4B)。K7M2wt骨肉腫腫瘍は、10mg/kgの毎日のケトチフェンから同様に恩恵を受けた(
図4C)。AFMによって得られた顕微鏡的弾性測定値は、巨視的データと一致していた。
【0179】
血管および機能的灌流
血管灌流および機能的灌流を、MCA205を担持するマウスおよびK7M2wt腫瘍を担持するマウスにおいて、ケトチフェン処置の経過の間に、3日目および7日目に、造影剤増強超音波を使用して同時に測定した。腫瘍灌流を、8μlのSonoVue/Lumason造影剤(Bracco Diagnostics、Geneva、Switzerland)のボーラス注射後に評価した。SonoVueは、リン脂質シェルに封入され、2.5μmの平均直径を有する六フッ化硫黄マイクロバブルを含有する。尾静脈マイクロバブル注射は高い変動性を有する傾向があるため、それは後眼窩注射として送達される。それぞれの超音波適用前に、マウスを、アベルチン(200mg/kg)のi.p.注射によって麻酔した。
図4D~4Gに示されるように、10mg/kgの用量のケトチフェンは、両方の肉腫サブタイプにおいて血管灌流および機能的灌流の有意な増加を引き起こした。
【0180】
コラーゲン染色
組織硬度はがん関連線維芽細胞(CAF)によるコラーゲン発現および架橋の程度によって一部引き起こされるため、腫瘍内コラーゲンレベルを、ピクロシリウスレッドを使用する組織学的染色によって評価した。
【0181】
簡単に述べると、4匹のマウスから腫瘍を切除し、1×PBS中で10分間の洗浄を2回行い、4%PFAと共に4℃で一晩インキュベートした。固定液を吸引し、試料を1×PBS中で10分間の洗浄を2回行った。組織試料を、連続エタノールステップおよびキシレンで脱水した後、パラフィン包埋した。パラフィン包埋組織の連続切片(7μm)を、ミクロトーム(Accu-Cut SRM 200 Rotary Microtome、SAKURA)を使用して生産し、水中で平坦にし、37℃で一晩乾燥させた。次いで、切片を、組織学のために日常的にプロセシングされるようにパラフィン除去し、再水和させた。パラフィン除去および再水和の後、組織切片を、室温で1時間、ピクロシリウスレッド染色液に浸した。次に、組織切片を、酢酸を2回交換してすすいだ後、無水エタノールを2回交換し、最後に組織学のためのDPX封入剤(Sigma)によって封入した。コラーゲン線維は赤色に染色されたが、残りの組織は淡黄色であった。
【0182】
10mg/kg用量のケトチフェンは、両方の肉腫サブタイプにおいてコラーゲン沈着の有意な減少を引き起こした(MCA205腫瘍については
図5Aおよび5C;K7M2wt腫瘍については
図5Bおよび5D)。
【0183】
CAFの増殖
CAFの増殖を、抗原回収後、アルファ平滑筋アクチン(α-SMA)(ab5694、Abcam;1:50希釈)タンパク質およびKi-67(Abcam;1:200希釈)増殖マーカーの存在に関する免疫染色、血清溶液(1×PBS中の10%FBS、3%ロバ血清)中での1時間のインキュベーション、および内因性マウスIgG(Abcam;1:100希釈)についてはブロッキング溶液中で1時間のインキュベーションによって評価した。TBS-T(0.25%Tween(登録商標)-20)を用いた洗浄後、Alexa Fluor-647抗ウサギIgG(H+L)(Invitrogen;1:400希釈)およびFluor-488抗ラットIgG(H+L)(Invitrogen;1:400希釈)二次抗体およびDAPR(Sigma、1mg/mLストックの1:100希釈)を、室温で1時間にわたって適用した。次いで、切片を、ProLong gold褪色防止用封入剤(Invitrogen)を使用して顕微鏡スライド上に封入し、カバーガラスで覆った。CAF増殖の割合を、重複するα-SMA(緑色)およびKi67(赤色)陽性シグナルの、総CAFシグナル(α-SMA+)に対する比として検出し、CAFを示した。
【0184】
10mg/kgのケトチフェン処置後のコラーゲン沈着の減少によって示される細胞外基質(ECM)の変更(
図5A~5D)を検証し、
図5E~5IにおいてCAFレベルおよび増殖活性を評価した。
【0185】
図5H~5Iおよび
図6C~6Dは、それぞれ、
図5Eおよび
図6Aの代表的な免疫蛍光画像における、MCA205腫瘍を担持するマウスおよびK7M2wt腫瘍を担持するマウスにおける、α-SMA染色について陽性の領域のの割合(
図5Hおよび6C)およびKi-67染色について陽性の領域のの割合の定量(
図5Iおよび6D)を示す。線維肉腫腫瘍における、それぞれ、α-SMAおよびKi-67の免疫蛍光染色によって示されるように(
図5E~5Fおよび
図6A~6B)、10mg/kgのケトチフェン処置は、両方のマウス肉腫モデルにおいてCAFレベルおよび増殖活性の低下をもたらす。
【0186】
mRNA発現レベル
mRNA発現レベルを、上記のように、qPCRによって、両方のマウス肉腫モデルにおいて評価した。遺伝子発現分析のために使用した特異的マウスプライマーを、表2に列挙する。
【表2】
【0187】
ケトチフェンは、コラーゲンIをコードする遺伝子(Col1A1)および結合組織増殖因子(CTGR)のmRNAレベルを減少させたが、統計的に有意な程度ではなく、MCA205腫瘍においてヒアルロナンシンターゼ2(Has2)およびヒアルロナンシンターゼ3(Has3)に対する効果を有しなかった(
図5Gおよび
図7A)。類似の効果が、K7M2wt腫瘍においても観察された(
図7B)。
【0188】
ヒアルロナン評価
コラーゲンの他に、腫瘍間質の他の構造成分が圧力を発揮し、血管を変形させ得る。そのような例は、組織内で過剰の液体を生成するゲル状の領域に結合し、それを保持する、ヒアルロナン(例えば、ヒアルロン酸)である。したがって、ヒアルロン酸染色を、両方の肉腫マウスモデルにおいて実施した。
【0189】
マウスから腫瘍を切除し、1×PBS中で10分間の洗浄を2回行い、4%PFAと共に4℃で一晩インキュベートした。固定液を吸引し、試料を1×PBS中で10分間の洗浄を2回行った。組織試料を、連続エタノールステップおよびキシレンで脱水した後、パラフィン包埋した。パラフィン包埋組織の連続切片(7μm)を、ミクロトーム(Accu-Cut SRM 200 Rotary Microtome、SAKURA)を使用して生産し、水中で平坦にし、37℃で一晩乾燥させた。次いで、切片を、組織学のために日常的にプロセシングされるようにパラフィン除去し、再水和させた。組織切片を、抗原回収にかけ(クエン酸三ナトリウム、pH6を用いたマイクロ波熱処理、20分)、1×TBS/0.025%Triton(登録商標)X-100(TBS-T)で洗浄し、ブロッキング溶液(2%BSA、0.2%Triton(登録商標)100x)中、室温で2時間、インキュベートした。次に、スライドを、ビオチン化されたヒアルロナン結合タンパク質(b-HABP)(amsbio、1:100)と共に4℃で一晩インキュベートした。ストレプトアビジン-FITCコンジュゲート(Invitrogen、1:1000)と共にインキュベートした後、ヒアルロナンが検出され、核を、暗室中、室温で1時間、DAPI染色を用いて染色した。種々の処置にわたってヒアルロナンについて陽性の領域の割合を、DAPI染色に対して正規化した。
【0190】
ヒアルロナン結合タンパク質1(HABP1)の免疫蛍光染色により、10mg/kg用量での毎日のケトチフェンの投与がヒアルロナンタンパク質の発現を減少させることが示された(
図5J~5Kおよび6E~F)。
【0191】
腫瘍開口
腫瘍開口実験を、切断後の開口の値を使用して、組織内に含まれる残留応力の量の指標として実施した。中程度の用量のケトチフェン(5mg/kgおよび10mg/kg)で処置したMCA205腫瘍は、より小さい開口を示したが、これは、固体応力の減少を示唆している(
図5L)。
【0192】
全体として、これらの結果は、ケトチフェン(10mg/kg)が、肉腫腫瘍における腫瘍内硬度を軽減し、毎日のケトチフェン投与が、コラーゲンおよびヒアルロナン形成を阻害することによってECM再モデリングを誘導することを示している。
【0193】
(実施例3)
ケトチフェン前処置は、T細胞動員および細胞傷害性免疫応答を促進することによって免疫療法の抗腫瘍効果を増強する
本実施例は、ケトチフェンが併用処置において抗腫瘍免疫応答を増強することを示す。特に、本実施例は、ケトチフェンの10mg/kgの毎日レジメンがドキソルビシン/抗PD-L1併用処置の抗腫瘍免疫応答を増強することを示す。
【0194】
動物腫瘍モデル
肉腫腫瘍を担持するマウスを、10mg/kgの毎日のケトチフェン、次いで、免疫チェックポイント阻害剤(ICI)抗PD-L1抗体と組み合わせた3または4用量のネオアジュバント化学療法で前処置した(
図8A)。
【0195】
上記のように、線維肉腫同系腫瘍モデルを生成し、ケトチフェンを調製した。マウスモノクローナル抗PD-L1(B7-H1、クローン10F.9G2、BioXCell)およびラットIgG2bアイソタイプ対照、抗キーホールリンペットヘモシアニン(LTF-2、BioXCell)を、推奨されたInVivoPure pH7.0希釈緩衝剤(IP0070、BioXCell)に溶解した。ドキソルビシン塩酸塩を、2mg/mlの既製の溶液としてNicosia General Hospitalから得た。抗PD-L1を、10mg/kgの最終用量で投与し、ドキソルビシンを5mg/kgで投与した。
【0196】
MCA205腫瘍を有するマウスを、アベレージ腫瘍サイズが40mm3に達した後で術前化学療法処置前に、10mg/kgケトチフェン、または等量の希釈剤(対照群)によって毎日前処置した。腫瘍が150mm3のアベレージサイズに達した場合に(7日目)開始して、ドキソルビシンおよび抗PD-L1の併用処置を3日毎に(7、10、および13日目)3回用量をi.p.注射として投与した。ケトチフェンの毎日投与は、ドキソルビシン-抗PD-L1併用処置の終了まで継続した。
【0197】
原発腫瘍が16日目に700mm3のアベレージサイズに達したら、原発腫瘍を切除して保存し、マウスを再チャレンジ実験のためにモニターした。同様に、K7M2wt腫瘍を、アベレージ腫瘍サイズが70または80mm3に達した場合に(18日目)、10mg/kgケトチフェンまたは等量の希釈剤(対照群)の毎日投与によって前処置し、術前化学療法処置の終了まで継続した。腫瘍が、150mm3のアベレージサイズに達した場合に(22日目)、ドキソルビシンおよび抗PD-L1併用処置を開始し、25、28、および31日目に繰り返した。腫瘍が550mm3の平均体積(33日目)に達した場合に研究を終了した。マウスを屠殺し、腫瘍をex vivo分析のために収集した。
【0198】
腫瘍特性評価
抗PD-L1もドキソルビシン単剤療法も、線維肉腫MCA205腫瘍の腫瘍成長に影響しなかったが、ケトチフェンとのそれらの組合せは、有意な抗腫瘍応答を誘導した(
図8Bおよび
図8F)。骨肉腫腫瘍モデル(K7M2wt)においては、相対的腫瘍成長の同様の減少が、ドキソルビシン-抗PD-L1の組合せを受けているマウスにおいて、ならびに、ケトチフェン-ドキソルビシンおよび抗PD-L1の三重の組合せとのケトチフェン機械治療の全組合せにおいて観察され、増殖の最大の減弱を引き起こした(
図8C)。
【0199】
細胞傷害処置の有効性の増大がケトチフェン効果に起因していたとの仮説を支持するために、ケトチフェンおよび非ケトチフェン処置群における第1のサイクルの化学または免疫療法の前の組織硬度を測定し、これらの値を、最終的な体積の、第1のサイクルの化学-免疫療法処置の前に得られた体積に対する比として定義される、相対腫瘍体積と相関させた。ケトチフェンにより誘導される組織硬度の軽減を、ネオアジュバントに対する腫瘍応答との相関について評価した。ヤング係数の測定値を、以前に記載されたように決定し、ケトチフェン投与の4日後に記録した。ヤング係数の測定値は、MCA205(
図8D)とK7M2wt腫瘍(
図8E)との両方において、ドキソルビシンおよび抗PD-L1単剤療法群および併用処置群にわたって相対腫瘍体積と正に相関する。療法に対する応答は、硬度値が両方の腫瘍モデルについて30kPa未満に低下する場合に改善される。これらの結果は、細胞傷害処置の開始時に測定された弾性係数と、最良線形適合のR2値によって示される抗腫瘍有効性との間の線形の負の相関を示す(
図8Dおよび
図8E)。
【0200】
再チャレンジ実験
ドキソルビシンは、免疫療法の有効性に影響し得る、TME内で好ましい免疫原性状態を確立する能力を有するため、この免疫応答が同じ細胞系を用いた長期生存者の再チャレンジに対して保持されるかどうかを調査した。MCA205原発腫瘍の外科的切除の80日後に腫瘍が検出されなかった場合、マウスを長期生存者と考えた。各処置群からの5匹の長期生存者に、2.5×105個のMCA205細胞を脇腹領域に皮下的に注射してさらに再チャレンジした。細胞を、50μlのPBS中で調製した。ナイーブなマウスを対照として同時に移植しだ。
【0201】
図8Gに示されるように、興味深いことに、ケトチフェン-ドキソルビシン-抗PD-L1群においては腫瘍成長が生じなかったが、これは、腫瘍抗原認識時の記憶応答、すなわち、適応記憶応答の発達が、腫瘍抗原の遭遇時に誘発されることを示している。逆に、全てのナイーブな、ケトチフェンのみで処置したマウスは、進行的に増殖する腫瘍を生じた。同様に、ドキソルビシンおよび抗PD-L1群の4匹のマウスにおいて、ならびにドキソルビシン-抗PD-L1群の3匹のマウスにおいて、大きい腫瘍が形成された。ケトチフェン-ドキソルビシンおよびケトチフェン-抗PD-L1群においては、5匹のうちのたった1匹のマウスが線維肉腫を生じた。腫瘍成長測定において観察された有効性の階層と同様、ケトチフェン-ドキソルビシン-抗PD-L1の組合せは、ケトチフェンを含まないドキソルビシン-抗PD-L1に対して治療的優位性を示し、持続的寛解をもたらした。
【0202】
総合すれば、これらの知見は、ケトチフェンによる前処置が、免疫記憶をもたらす強力な抗腫瘍効果を可能にし、免疫記憶をもたらすためのドキソルビシンおよび抗PD-L1抗体処置を可能にするTME内の好ましい免疫原性状態を確立するための必要条件であることを示している。
【0203】
(実施例4)
ケトチフェンは、血管への免疫細胞接着を上方調節することによって低酸素状態を軽減し、腫瘍内T細胞浸潤を回復させる
本実施例は、免疫応答の刺激におけるケトチフェンおよびケトチフェン併用処置の寄与を示す。
【0204】
フローサイトメトリー
ドキソルビシン-抗PD-L1併用研究(例えば、
図8Aに概略される研究)の16日目に、MCA205腫瘍を1×HBSS(Biosera)中に収穫し、微細な断片に細断し、1mg/mLのコラゲナーゼDおよび0.5mg/mlのDNaseI(Roche)と共に、37℃の振とう器中で30分間インキュベートした。10%FBSおよび1%抗生物質/抗真菌剤溶液を含有するRPMI培地の添加によって、酵素消化を停止させた。次いで、組織ホモジェネートを、40μmの細胞ストレーナーを通して濾過した。赤血球を、ACK溶解緩衝剤(A1049201、Gibco)によって除去し、単一細胞懸濁液を収集し、試料あたり1×10
6個の細胞の最終濃度で使用した。次いで、細胞を、生細胞のゲーティングのために、固定可能な生存能力染料(eBioscience、1:1000)と共に氷上で10分間インキュベートした。ラット抗マウスCD16/CD32 mAb(BD Bioscience)と共に氷上で20分間インキュベートした後、非特異的抗体結合を遮断した。
【0205】
実験において使用された抗マウス抗体は、CD45-V500(BD Bioscience)、CD3-PE(BD Bioscience)、CD4-PerCP Cy5.5(Invitrogen)、CD25-PE-Cy7(BD Bioscience)、CD127-APC(BioLegend)およびCD8a-e450(eBioscience)であった。
【0206】
Foxp3-AF488(BD Bioscience)染色を、Foxp3/転写因子染色緩衝剤セット(00-5523-00、eBioscience)を使用して固定および透過処理プロセス後に実施した。MDSC染色のために、Gr-1-PE(BioLegend)およびCD11b-e450(eBioscience)を使用した。フローサイトメトリーデータを、BD FACSLyricフローサイトメーターを使用して取得し、BD FACSuite(商標)ソフトウェアを使用して分析した。提示されるデータは、シングレットの生細胞を代表する。
図11A~11Bおよび
図12は、本明細書に提供されるフローサイトメトリー実験のためのゲーティング戦略に関する詳細を提供する。
【0207】
総T細胞集団を、主にCD3
+タンパク質、汎T細胞マーカーの発現によって定義した後、CD8
+細胞傷害性または調節性T細胞サブタイプ(CD3
+CD4
+CD25
hiCD127
loFoxp3
+)中で区別した(
図9A)。ドキソルビシン-抗PD-L1およびケトチフェン-ドキソルビシン-抗PD-L1処置群の総T細胞動員において、統計的に有意な増加があった。CD8/Treg比の増大の規模は、乳がんのようなより免疫原性の高いがんと比較して小さいが、それはICIに対する応答と関連していた。しかしながら、K7M2wt腫瘍においては、ネオアジュバントレジメンの前にケトチフェンを受けているマウス群のみが、CD3タンパク質に関する免疫蛍光染色によって示されるように、T細胞浸潤の増加を示した(
図10D)。CD8
+T細胞の免疫抑制性Tregに対する比は、ドキソルビシンを、ケトチフェンまたは/および免疫療法処置と組み合わせた後に増大した(
図9B)。
【0208】
免疫蛍光およびmRNA発現
上記のように実施された、Ki67およびCD8に関する免疫蛍光染色により、骨肉腫腫瘍(K7M2wt腫瘍)における動員されたCD8
+T細胞の活性化状態が確認された(
図9C~9D)。次いで、K7M2wt組織切片を、低酸素状態の形成の尺度としてピモニダゾール付加物について染色した。ケトチフェンを受けている群のみが、低酸素領域の割合の有意な減少を示し、十分な腫瘍酸素化を可能にした(
図10A~10B)。
【0209】
上記のRT-qPCRを使用して、灌流血管壁への免疫細胞接着を評価した。遺伝子発現分析のために使用した特異的マウスプライマーを、表3に列挙する。
【表3】
【0210】
ケトチフェンは、免疫細胞接着分子ICAMおよびP-セレクチン(P-sel)のmRNA発現を増加させた(
図10C)。
【0211】
CD3およびCD31内皮マーカーの免疫蛍光染色を使用して、腫瘍毛細血管の近くでのT細胞の存在を評価した。K7M2wt骨肉腫腫瘍のPFA固定された組織凍結切片を、一次ウサギ抗CD31(Abcam、1:50)およびラット抗CD3(BioLegend、1:50)と共に4℃で一晩インキュベートした。CD31シグナルを、Alexa Fluor-488抗ウサギIgG(H+L)(Invitrogen、1:400)で検出し、CD3シグナルを、Alexa Fluor-647抗ラットIgG(H+L)(Invitrogen、1:400)二次抗体で検出した。細胞核を、DAPIで染色した。血管内容物に対する腫瘍関連T細胞を、DAPI染色に対して正規化した重複するCD31およびCD3領域の割合によって決定した。ケトチフェンの全ての併用処置は、内皮細胞領域の割合に影響することなく、Tリンパ球と内皮細胞とのより高い関連を示す(
図10E)。抗PD-L1単剤療法およびドキソルビシン併用は、CD3 T細胞およびCD31の共局在化の増加を示す(
図9E~9F)。
【0212】
全体として、これらの結果は、ケトチフェン機械療法が、免疫抑制細胞集団の動員を減少させることによってネオアジュバント処置を増強することを示している。
【0213】
(実施例5)
ケトチフェン効果のさらなる研究
肉腫腫瘍中の肥満細胞(MC)の存在を、ヒト組織マイクロアレイのCD117(c-Kit)免疫蛍光染色によって実証した。肥満細胞は様々な肉腫サブタイプにおいて見出されたが、腫瘍微小環境(TME)のモジュレーションにおける役割およびがん関連線維芽細胞の存在を示している(
図16を参照されたい)。
【0214】
MCと線維芽細胞との両方がTME中に存在することを考慮して、マウスMC/9 MCおよびNIH3T3筋線維芽細胞を化学コミュニケーションのみを可能にする微小孔を有するトランスウェルチャンバーによって分離する同時培養アッセイを使用して、筋線維芽細胞上でのMC活性化の結果を探索した(
図13A)。このシステムでは、脱顆粒化効率を、上清中のβ-ヘキソサミニダーゼ(β-hex)の濃度を測定することによって決定した。MC脱顆粒化を、MRGPRB2受容体(ヒトGタンパク質共役受容体MRGPRX2のオルソログ)に結合する化合物48/80(C48/80)への曝露によって誘導した。
図13Bに示されるように、ケトチフェンは、このシステムにおいてMC脱顆粒化を阻害した。ビヒクル対照およびTriton(登録商標)X-100で処置した同時培養物を、それぞれ、バックグラウンドおよび最大β-hex放出を評価するための内部アッセイ対照として使用した。トランスフォーミング増殖因子(TGF)-β1を、NIH3T3細胞の筋線維芽細胞表現型を誘導するその能力のため、線維芽細胞活性化因子として使用した。MC/9細胞をNIH3T3細胞と共に24時間培養した後、低血清培地中でさらに24時間、ケトチフェンまたはTGFβのいずれかで処置し、次いで、C48/80で30分間感作した。ケトチフェンは用量依存的様式で脱顆粒化を阻害することが見出され、100μg/mlの濃度はC48/80処置と比較してβ-hex放出の50%を超える減少を引き起こした。同時培養物中のTGFβの存在は、MC脱顆粒化に影響しなかった(
図13B、
図15A、および
図15Bを参照されたい)。ケトチフェン処置は、NIH3T3細胞の生存能力を有意に低下させなかった(
図15C)。
【0215】
MC-線維芽細胞相互作用をさらに探索するために、同時培養系におけるNIH3T3細胞の分化プロセスを、免疫蛍光染色により、筋線維芽細胞表現型の2つのマーカーであるαSMAおよびコラーゲンIのレベルをアッセイすることによってモニターした(
図13C、
図13D、および
図13E)。αSMAとコラーゲンIタンパク質発現との両方の有意な増加は、TGFβと活性化MCとの両方の存在下でのみ生じたが、TGFβのみの存在下では変化は観察されなかった。ケトチフェンは、この筋線維芽細胞分化を弱めた。これらのin vitroでの結果は、MCは活性化線維芽細胞によりコラーゲンの生産を支援するが、ケトチフェンはこの相互作用を阻害することを示している。
【0216】
ヒト肉腫試料中のMCの存在の確認およびMC-線維芽細胞相互作用のin vitroでの特性評価の後、MC脱顆粒化の阻害がマウス肉腫モデルにおいて線維化を減少させるかどうかを評価した。MCA205線維肉腫およびK7M2wt骨肉腫腫瘍をケトチフェンで処置することによるMC脱顆粒化の影響を評価した。ケトチフェンを、4つの異なる用量(1、5、10、および25mg/kg)で、8日間にわたって、i.p.注射により1日1回投与した(
図4Aに示される通り)。どの用量も抗腫瘍効果を示さなかったが(前記小節に記載され、
図2A、
図2B、
図2C、および
図2Dに示される)、最も高い用量は脾腫を引き起こした。in vivoでの腫瘍硬度に対するケトチフェンの効果を、剪断波エラストグラフィー(SWE)を使用してモニターした。SWE測定を、ケトチフェン処置の前、3日後(MCA205について)または4日後(K7M2wtについて)および研究完了時に実施した。結果は、10mg/kgの用量がMCA205線維肉腫腫瘍においてより効果的に組織硬度を減少させ、その弾性係数値が20kPaに達することを示した(
図4B)。K7M2wt骨肉腫腫瘍は、10mg/kgの毎日のケトチフェンから同様に恩恵を受けた(
図4C)。腫瘍硬度の適切な減少を、腫瘍試料の原子間力顕微鏡測定(AFM)を使用して顕微鏡組織規模でex vivoでさらに検証した。AFM分析により、K7M2wt腫瘍の弾性係数のアベレージ値の減少(
図19A)と共に、低い方の値に向かう分布のシフトが示されたが、これは、コラーゲン密度の低下を示唆する(
図19B)。
図19Bでは、より低い弾性係数の左ピークは準拠したがん細胞に対応するが、より高い弾性係数の底部(破線の長方形)はより硬い基質成分、主にコラーゲンの寄与を表す。データは、平均±SEとして提示される。通常の一元ANOVA検定を使用して2つの独立群間の平均を比較することにより、統計分析を実施した。
【0217】
最後に、MC不活化に対するケトチフェンの効果を確認するために、ケトチフェンで処置された腫瘍を、筋線維芽細胞増殖およびコラーゲン合成における役割を有するMCにとってユニークなセリンプロテアーゼであるトリプターゼについて染色した。この結果は、両方の肉腫モデルにおいて10mg/kgのケトチフェンによる処置後にトリプターゼレベルが減少したことを示し、MCが腫瘍におけるコラーゲン再モデリングに影響することを示している(
図17A、
図17B、および
図17C)。
ケトチフェンは血管正常化によって灌流および酸素正常状態を回復させる
【0218】
MC阻害が、灌流をさらに改善することができる、腫瘍血管の構造を正常化するかどうかを評価するために、血管透過性に対するケトチフェンの効果を評価した。5、10、および25mg/kgのケトチフェンの投与は、最低用量および未処置の対照と比較して、NG2周皮細胞マーカーおよびCD31内皮タンパク質の共局在化によって示されるように、血管壁を強化する腫瘍血管系の周皮細胞カバレッジを増加させることが見出された(
図14B、
図14C、および
図14D)。驚くべきことに、VEGF転写物の減少は観察されなかった。その代わりに、10mg/kgのケトチフェン処置後にMCA205腫瘍中のIFN-γ転写レベルの上方調節が観察された(
図1D)。IFNγは、TME中のその濃度が血管正常化および血管漏出の減少と関連してきた血管新生抑制タンパク質である。さらに、ケトチフェン処置によるIFPレベルの減少は、血管正常化のさらなる証拠を提供する(腫瘍の間質液圧の低下におけるケトチフェンの効果を示す、上で考察された、
図1Eを参照されたい)。ケトチフェンは、血管減圧の結果としてオープンルーメンを有する血管の割合を増加させることも見出されたが(
図14A)、これは、ケトチフェンが腫瘍血管を減圧させ、灌流を改善させることをさらに示している。
【0219】
そのような血管減圧および正常化が腫瘍血管灌流を再確立するのに十分であるかどうかを評価した。造影剤増強超音波イメージングを使用して、造影剤によって覆われた腫瘍の領域の有意な増加が、対照で処置された腫瘍と比較して、ケトチフェン処置の結果として見出された。これらの知見は、10mg/kgのケトチフェンが、線維肉腫と骨肉腫腫瘍との両方において血管灌流の増加において非常に有効であることを示していた(
図18Aおよび
図18B)。同様に、ピモニダゾールを使用して低酸素状態の腫瘍内レベルを測定することによって、10mg/kgのケトチフェンが、上で考察された通り、両方の腫瘍モデルにおいて低酸素状態を軽減することが観察された(
図1A、
図1B、および
図1C)。
【0220】
したがって、ケトチフェン処置、特に、10mg/kgの1日用量のケトチフェンが、肥満細胞およびがん関連線維芽細胞を効果的に再プログラミングし、腫瘍ECMと血管系との両方を正常化し、灌流および酸素化を改善することが見出された。
【0221】
結論として、ケトチフェンは、ドキソルビシンおよび/または抗PD-L1療法の細胞傷害活性と組み合わせることができる再プログラミング特性を有することが示された。ケトチフェンによる前処置は、化学療法およびチェックポイント阻害に対するMCA205およびK7M2wt腫瘍の感度を増大させたが、3つの組合せは腫瘍体積の退縮によって示されたように抗腫瘍応答を増加させた。ドキソルビシンは、免疫療法と相乗作用して、低酸素状態の軽減とは無関係に、CD8+T細胞の増殖および血管へのT細胞の付着を促進したが、これは、他の機構がそのような抗腫瘍応答を強調し得ることを示唆している。これらの知見は、未熟骨髄性細胞集団のMDSCへの極性化を減少させながら、ケトチフェンが血管正常化を容易にし、次いで、T細胞溢出を支援し、動員を増加させ、これらの腫瘍中で増殖するCD8+T細胞の割合を倍化するのに必要な接着分子を上方調節するIFNγ依存的機構を示す。最後に、剪断波エラストグラフィーを、組織弾性特性のモニタリングによる免疫チェックポイント阻害に対する応答性の非侵襲性かつ信頼できるバイオマーカーとして示した。腫瘍弾性特性は肉腫腫瘍における免疫療法および化学療法の有効性と良好に相関し、これは、応答の予測マーカーとして役立つ腫瘍硬度の使用を強調する。
【配列表】
【国際調査報告】