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特表2025-500797通信ネットワークにおけるデータストリームを送信するための方法、データストリームを処理するための方法、データストリームの処理を制御するための方法、ならびに対応するデバイス、端末装置、実行エンティティ、制御エンティティ、システム、およびコンピュータプログラム
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  • 特表-通信ネットワークにおけるデータストリームを送信するための方法、データストリームを処理するための方法、データストリームの処理を制御するための方法、ならびに対応するデバイス、端末装置、実行エンティティ、制御エンティティ、システム、およびコンピュータプログラム 図9
  • 特表-通信ネットワークにおけるデータストリームを送信するための方法、データストリームを処理するための方法、データストリームの処理を制御するための方法、ならびに対応するデバイス、端末装置、実行エンティティ、制御エンティティ、システム、およびコンピュータプログラム 図10
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-15
(54)【発明の名称】通信ネットワークにおけるデータストリームを送信するための方法、データストリームを処理するための方法、データストリームの処理を制御するための方法、ならびに対応するデバイス、端末装置、実行エンティティ、制御エンティティ、システム、およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 41/342 20220101AFI20250107BHJP
【FI】
H04L41/342
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534357
(86)(22)【出願日】2022-12-05
(85)【翻訳文提出日】2024-07-04
(86)【国際出願番号】 EP2022084438
(87)【国際公開番号】W WO2023104724
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】2113160
(32)【優先日】2021-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591034154
【氏名又は名称】オランジュ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ニコラ・ビアニク
(72)【発明者】
【氏名】ピエール-アレクサンドル・マッソン
(57)【要約】
本発明は、端末装置が接続され、複数のネットワークスライスに分割された通信ネットワークにおいて、端末装置上で動作するソフトウェアアプリケーションから受信されたデータストリームを送信するための方法に関し、本方法は、端末装置において実施され、少なくともデータストリームのヘッダに含まれる情報に従って複数のネットワークスライスから1つのネットワークスライスを選択するステップ(33)と、ストリームのタイプを取得するステップ(34)であって、タイプが、少なくとも1つの第1のタイプのストリーム(および第2のタイプのストリーム)を含むグループに属する、ステップと、ストリームのタイプ(STR_ID)に関連付けられた優先度インジケータ(IP)をデータストリームに挿入するステップ(37)であって、優先度インジケータが、第1のタイプのストリームに関連付けられた少なくとも1つの第1のインジケータおよび第2のタイプのストリームに関連付けられた第2のインジケータを含むグループに属し、第1の優先度インジケータおよび第2の優先度インジケータが異なる値を有する、ステップと、選択されたネットワークスライスにおいて優先度インジケータを含むデータストリームを送信するステップ(38)とを含むことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置(UE,IoT)が接続され、複数のネットワークスライス(SL_1,SL_2)に分割された通信ネットワーク(RC)において、前記端末装置上で動作するソフトウェアアプリケーションから受信されたデータストリームを送信するための方法であって、前記方法は、前記端末装置において実施され、
少なくとも前記データストリームのヘッダに含まれる情報に従って前記複数のネットワークスライスから1つのネットワークスライス(SL_1)を選択するステップ(33)と、
前記ストリームのタイプを取得するステップ(34)であって、前記タイプが、少なくとも1つの第1のタイプのストリーム(STR_1)および第2のタイプのストリーム(STR_2)を含むグループに属する、ステップと、
ストリームの前記タイプ(STR_ID)に関連付けられた優先度インジケータ(IP)を前記データストリームに挿入するステップ(37)であって、前記優先度インジケータが、前記第1のタイプのストリーム(STR_1)に関連付けられた少なくとも1つの第1の優先度インジケータ(IP_1)および前記第2のタイプのストリーム(STR_2)に関連付けられた第2の優先度インジケータ(IP_2)を含むグループに属し、前記第1の優先度インジケータおよび前記第2の優先度インジケータが異なる値を有する、ステップと、
選択された前記ネットワークスライス(SL_1)において前記優先度インジケータを含む前記データストリームを送信するステップ(38)と
を含むことを特徴とする、データストリームを送信するための方法。
【請求項2】
前記ソフトウェアアプリケーションによって送信されたデータストリームをルーティングするための少なくとも1つのルーティングルール(R_UE)をあらかじめ受信するステップ(30)であって、前記ルールが、少なくとも前記ソフトウェアアプリケーションの識別子、ストリームの前記タイプ、ストリームの前記タイプに関連付けられた前記優先度インジケータ(IP)、および前記ネットワークスライスの識別子(SL_1)を含む、ステップと、
前記少なくとも1つのルーティングルールをメモリに記憶するステップと、
前記選択(33)および前記挿入(37)を行うときに前記少なくとも1つのルーティングルールを適用するステップと
を含むことを特徴とする、請求項1に記載のデータストリームを送信するための方法。
【請求項3】
前記ソフトウェアアプリケーションの動作モードを取得するステップ(35)であって、前記動作モードが、少なくとも1つの第1の動作モード(MO_1)および第2の動作モード(MO_2)を含むグループに属する、ステップをさらに含み、前記少なくとも1つのルーティングルールが、前記動作モードに関連付けられることを特徴とする、請求項2に記載のデータストリームを送信するための方法。
【請求項4】
複数のネットワークスライスに分割された通信ネットワーク(RC)においてデータストリーム(STR)を処理するための方法であって、前記データストリームが、前記ネットワークに接続された端末装置(UE,IoT)上で動作するソフトウェアアプリケーションから前記複数のネットワークスライスのうちのネットワークスライスにおいて受信され、前記方法は、前記ネットワークの実行エンティティ(EXE)によって実施され、
前記データストリームにおいて前記ストリームの優先度インジケータ(IP)を検出するステップ(41)と、
前記ネットワークスライスにおいて利用可能なリソースのレベルを評価するステップ(42)と、
少なくとも前記優先度インジケータ(IP)および前記ネットワークスライス(SL_1)において利用可能なネットワークリソースの前記レベル(NRS_1)に従って前記データストリームを処理するための少なくとも1つの処理アクション(AC)を実行するステップ(44)であって、前記処理アクション(AC)が、利用可能なネットワークリソースの前記レベルが前記優先度インジケータ(IP)に従って前記データストリームをルーティングするために十分であるときに実行されることが意図されている、前記ネットワークスライスにおいて前記データストリームを通過させるための少なくとも1つの第1の処理アクション(AC_1)と、利用可能なネットワークリソースの前記レベルが不十分であるときに実行されることが意図されている、前記ネットワークスライスにおいて前記データストリームをブロックするための第2の処理アクション(AC_2)とを含むグループに属する、ステップと
を含むことを特徴とする、データストリームを処理するための方法。
【請求項5】
前記ソフトウェアアプリケーションから受信されたデータストリームを処理するための少なくとも1つのルール(R_UP)をあらかじめ取得するステップ(430)であって、前記ルールが、データストリームの前記優先度インジケータ(IP)、前記ネットワークスライスの識別子(SL_1)、および前記ストリームを処理するための前記少なくとも1つの処理アクション(AC)を含む、ステップと、
前記ルールから前記処理アクションを抽出するステップ(431)と
を含むことを特徴とする、請求項4に記載のデータストリームを処理するための方法。
【請求項6】
前記データストリームを処理するための処理ルールがあらかじめ取得されていないときに、
前記優先度インジケータを前記ネットワークの制御エンティティ(CTR)に通知するステップ(431')と、
前記制御エンティティから、実行されるべき前記少なくとも1つの処理アクションを受信するステップ(432')と
をさらに含むことを特徴とする、請求項4に記載のデータストリームを処理するための方法。
【請求項7】
前記実行エンティティが、前記通信ネットワーク(RC)の前記ネットワークスライス(SL_1)および少なくとも1つの他のネットワークスライス(SL_2)を管理するように構成され、前記処理アクションが、前記ネットワークスライス(SL_1)において前記データストリームをブロックするための前記第2の処理アクション(AC_2)であるとき、前記方法が、前記第2の処理アクションを実行する前に、
前記他のネットワークスライス(SL_2)においてリソースのレベル(NRS_2)を評価するステップ(60)と、
リソースの前記レベル(NRS_2)および前記優先度インジケータ(IP)に従って、前記データストリームを前記他のネットワークスライス(SL_2)に転送するためのアクションに関連する少なくとも1つの第3の処理アクション(AC_3)を決定するステップ(61)と
を含むことを特徴とする、請求項4から6のいずれか一項に記載のデータストリームを処理するための方法。
【請求項8】
複数のネットワークスライスに分割された通信ネットワークにおいてデータストリーム(STR)の処理を制御するための方法であって、前記データストリームが、前記複数のネットワークスライスのうちのネットワークスライス(SL_1)において端末装置(UE,IoT)によって送信され、前記ネットワークの実行エンティティ(EXE)によって受信され、前記方法は、前記ネットワークの制御エンティティ(CTR)であって、前記ネットワークにおいてルーティングされる前記データストリームを処理するためのポリシーの実行を制御するように構成された制御エンティティによって実施され、
前記実行エンティティから、受信された前記データストリーム(STR)に関連付けられた優先度インジケータ(IP)の通知(NTF)を受信するステップ(50)と、
前記ネットワークスライス(SL_1)において利用可能なリソースのレベル(NRS_1)を取得するステップ(51)と、
少なくとも受信された前記優先度インジケータ(IP)および利用可能なリソースの前記レベル(NRS_1)に従って前記ストリームを処理するための少なくとも1つの処理アクションを決定するステップ(53)であって、前記処理アクションが、利用可能なネットワークリソースの前記レベルが前記優先度インジケータ(IP)に従って前記データストリームをルーティングするために十分であるときに実行されることが意図されている、前記ネットワークスライスにおいて前記データストリームを通過させるための少なくとも1つの第1の処理アクション(AC_1)と、利用可能なネットワークリソースの前記レベルが不十分であるときに実行されることが意図されている、前記ネットワークスライスにおいて前記データストリームをブロックするための第2の処理アクション(AC_2)とを含むグループに属する、ステップと、
応答を前記実行エンティティに送信するステップ(54)であって、前記応答が前記処理アクションを含む、ステップと
を含むことを特徴とする、データストリームの処理を制御するための方法。
【請求項9】
決定された前記処理アクションが前記ネットワークスライスにおいて前記データストリームをブロックするための前記第2の処理アクション(AC_2)であるときに、かつ前記実行エンティティが前記複数のネットワークスライスのうちの別のネットワークスライス(SL_2)を管理するように構成されるときに、前記方法が、前記第2の処理アクションを前記実行エンティティ(EXE)に送信する前に、
前記別のネットワークスライス(SL_2)において利用可能なリソースのレベル(NRS_2)を取得するステップと、
リソースの前記レベル(NRS_2)および前記優先度インジケータ(IP)に従って、前記データストリームを前記別のネットワークスライス(SL_2)に転送するためのアクションに関連する少なくとも1つの第3の処理アクション(AC_3)を決定するステップ(61)と
を含むことを特徴とする、請求項8に記載のデータストリームの処理を制御するための方法。
【請求項10】
端末装置(UE,IoT)が接続され、複数のネットワークスライスに分割された通信ネットワークにおいて、前記端末装置上で動作するソフトウェアアプリケーションによってデータストリームを送信するためのデバイス(100)であって、前記デバイスは、前記端末装置において、
少なくとも前記データストリームのヘッダに含まれる情報に従って前記複数のネットワークスライスから1つのネットワークスライス(SL_1)を選択することと、
前記ストリームのタイプを取得することであって、前記タイプが、少なくとも1つの第1のタイプのストリーム(STR_1)および第2のタイプのストリーム(STR_2)を含むグループに属する、取得することと、
ストリームの前記タイプ(STR_ID)に関連付けられた優先度インジケータ(IP)を前記データストリームに挿入することであって、前記優先度インジケータが、前記第1のタイプのストリーム(STR_1)に関連付けられた少なくとも1つの第1の優先度インジケータ(IP_1)および前記第2のタイプのストリーム(STR_2)に関連付けられた第2の優先度インジケータ(IP_2)を含むグループに属し、前記第1の優先度インジケータおよび前記第2の優先度インジケータが異なる値を有する、挿入することと、
選択された前記ネットワークスライス(SL_1)において前記優先度インジケータを含む前記データストリーム(STR)を送信すること(38)と
を行うように構成されることを特徴とする、デバイス(100)。
【請求項11】
複数のネットワークスライスに分割された通信ネットワーク(RC)においてデータストリーム(STR)を処理するためのデバイス(200)であって、前記データストリームが、前記ネットワークに接続された端末装置(UE,IoT)上で動作するソフトウェアアプリケーションから前記複数のネットワークスライスのうちのネットワークスライスにおいて受信され、前記デバイスは、前記ネットワークの実行エンティティ(EXE)において、
前記データストリームにおいて前記ストリームの優先度インジケータ(IP)を検出すること(41)と、
前記ネットワークスライスにおいて利用可能なリソースのレベルを評価すること(42)と、
少なくとも前記優先度インジケータ(IP)および前記ネットワークスライス(SL_1)において利用可能なネットワークリソースの前記レベル(NRS)に従って前記データストリームを処理するための少なくとも1つの処理アクション(AC)を実行すること(44)であって、前記処理アクション(AC)が、利用可能なネットワークリソースの前記レベルが十分であるときに実行されることが意図されている、前記ネットワークスライスにおいて前記データストリームを通過させるための少なくとも1つの第1の処理アクション(AC_1)と、利用可能なネットワークリソースの前記レベルが不十分であるときに実行されることが意図されている、前記ネットワークスライスにおいて前記データストリームをブロックするための第2の処理アクション(AC_2)とを含むグループに属する、実行すること(44)と
を行うように構成されることを特徴とする、デバイス(200)。
【請求項12】
複数のネットワークスライスに分割された通信ネットワークにおいてデータストリーム(STR)の処理を制御するためのデバイス(300)であって、前記データストリームが、前記複数のネットワークスライスのうちのネットワークスライス(SL_1)において端末装置(UE,IoT)によって送信され、前記ネットワークの実行エンティティ(EXE)によって受信され、前記デバイスは、前記ネットワークの制御エンティティ(CTR)であって、前記ネットワークにおいてルーティングされる前記データストリームを処理するためのポリシーの実行を制御するように構成された制御エンティティにおいて、
前記実行エンティティから、受信された前記データストリーム(STR)に関連付けられた優先度インジケータ(IP)の通知(NTF)を受信することと、
前記ネットワークスライス(SL_1)において利用可能なリソースのレベル(NRS_1)を取得することと、
少なくとも受信された前記優先度インジケータ(IP)および利用可能なリソースの前記レベル(NRS_1)に従って前記ストリームを処理するための少なくとも1つの処理アクションを決定することであって、前記処理アクションが、利用可能なネットワークリソースの前記レベルが十分であるときに実行されることが意図されている、前記ネットワークスライスにおいて前記データストリームを通過させるための少なくとも1つの第1の処理アクション(AC_1)と、利用可能なネットワークリソースの前記レベルが不十分であるときに実行されることが意図されている、前記ネットワークスライスにおいて前記データストリームをブロックするための第2の処理アクション(AC_2)とを含むグループに属する、決定することと、
応答を前記実行エンティティに送信することであって、前記応答が前記処理アクションを含む、送信することと
を行うように構成されることを特徴とする、デバイス(300)。
【請求項13】
複数のネットワークスライスに分割された通信ネットワーク(RC)に接続された端末装置(UE,IoT)であって、
請求項10に記載のデバイス(100)である、複数のネットワークスライスのうちのネットワークスライスにおいてデータストリームを送信するためのデバイス(100)を備えることを特徴とする、端末装置(UE,IoT)。
【請求項14】
通信ネットワーク(RC)においてルーティングされるデータストリームを制御するためのシステム(S)であって、
請求項10に記載のデバイス(100)である、データストリームを送信するための少なくとも1つのデバイス(100)と、
請求項11に記載のデバイス(200)である、データストリームを処理するための1つのデバイス(200)と、
請求項12に記載のデバイス(300)である、データストリームの処理を制御するための1つのデバイス(300)と
を備えることを特徴とする、システム(S)。
【請求項15】
プロセッサによって実行されると、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法を実施するプログラムコード命令を含む、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気通信の分野にあり、とりわけ、ネットワークスライスにおいて構造化された通信ネットワークの分野にある。
【0002】
特に、本発明は、そのようなネットワークスライスにおいてルーティングされるデータストリームの送信、処理、および制御に関する。
【0003】
本発明は、とりわけ、限定はされないが、モバイル電気通信ネットワークに適用され、そのアーキテクチャは、3GPP(登録商標)(第3世代パートナーシッププロジェクト)規格に、その5Gバージョンにおいてまたは将来のバージョンにおいて準拠する。
【背景技術】
【0004】
産業プロセスのデジタル化は、事業者のネットワークを通過するデータの性質を多様化することに寄与する。たとえば、モノのインターネット(IoT)は、運用効率を改善する目的で、予知保全などの新しいサービスの実現を可能にする。これらの新しいサービスは、必ずしもリアルタイムではないが、顧客にとってますます重要になっている。
【0005】
たとえば、技術者がそれによって様々なデータを視覚化して操作シーンのコンテキストをエンリッチすることができる、「技術者拡張(augmented technician)」ビジネスアプリケーションが知られている。それは、たとえば、選択された工業部品に対して実施された操作の履歴、または選択された工業部品の処理プロセスである。この技術者は、遠隔の専門家による音声支援から恩恵を受けることもできる。コネクテッドセンサーの実行環境の仮想表現を構築するために顧客の情報システムにフィードバックされるべき、これらのセンサーによって測定された情報を操作することを可能にする、「デジタルツイン(digital twin)」ビジネスアプリケーションも知られている。このビジネスアプリケーションは、これらのセンサーの近くにいるユーザが、故障の場合にまたはこれらのセンサーのうちの1つもしくは複数が再構成される必要がある場合に、遠隔の専門家による音声支援から恩恵を受けることも可能にする。例として説明されるこれらのアプリケーションの各々は一般に、必ずしもリアルタイムではないが、顧客とサービスプロバイダの両方にとってますます重要になっている、異なる種類のデータストリームを必要とする。
【0006】
IoTは別として、ビジネスアプリケーション更新、消費者市場向けのエンターテインメントアプリケーションおよびゲームアプリケーション、またはコネクテッドカー分野向けの地図作成などの、非リアルタイムサービスの他の例が新たに出現している。
【0007】
特に5G仕様に導入されるネットワークスライシング技術は、特に、ビットレート、アベイラビリティ、またはエネルギー消費の点で様々な要件を有するIoTサービスをサポートするために、専用ネットワークの実現およびアプリケーションデータの差別化されたルーティングにとって有望である。ネットワークスライスは、その動作が顧客および/または端末および/またはアプリケーションのニーズを満たすようにならびに特に新しいサービスを実現するように特別に構成されている、ソフトウェア定義ネットワークである。したがって、この技術は、特に、事業者の様々な顧客の各々に対してその通信ネットワークの1つまたは複数のスライスを確保することによって、これらの顧客の特定のニーズを満たすことを可能にする。3GPP 5G規格によれば、ネットワークスライスは、相互接続され、通信ネットワークのアクセス部分および/またはコア部分に属し得る、物理および/または仮想ネットワーク機能PNF/VNFで構成されている。したがって、ネットワークスライスの合成は特定の機能的な目的を果たし、インスタンス化されると、所与のサービス品質保証を提供することによって、特化した「バーティカル」顧客(たとえば、会社、サービス提供など)向けの特定の通信サービスをサポートするために使用される。各ネットワークスライスは、それ自体のアーキテクチャ、それ自体のFCAPS(「障害管理、構成、課金、性能、およびセキュリティ(Fault-management, Configuration, Accounting, Performance, and Security)」の略)動作、および特定のユースケース向けのそれ自体のセキュリティを有し得る。
【0008】
ネットワークスライスの仕様における最先端は、[3GPP TS 24.526]仕様および[3GPP TS 23.503]仕様において定義されたURSP(「ユーザ機器ルート選択ポリシー(User Equipment Route Selection Policies)」の略)ルールによって実装される機構に従って所与の顧客アプリケーションのためのネットワークスライスを選択することを可能にする。データストリームを所与の顧客アプリケーションから対応するネットワークスライスにルーティングするために、いくつかの属性、すなわち、
- アプリケーションの識別子「アプリケーションID」、FQDN(完全修飾ドメイン名)、三つ組「IPアドレス、ポート番号、プロトコルID」、DNN(データネットワーク名)
が使用され得る。
【0009】
たとえば、図1に示されるように、技術者拡張アプリケーションAPI_TAは、
- ボイスオーバーIPまたはVoIPデータであるストリームのタイプSTR_1、
- ビデオストリーミングデータであるストリームのタイプSTR_2、
- エンリッチされたデータであるストリームのタイプSTR_3
を含む、異なる種類の3つのデータストリームを実装する。
【0010】
別の例として、デジタルツインアプリケーションAPI_JMは、
- ボイスオーバーIPまたはVoIPデータであるストリームのタイプSTR_1'、
- センサーデータであるストリームのタイプSTR_2'
を含む、異なる種類の2つのストリームを実装する。
【0011】
しかしながら、URSPルールによるルーティング機構は本質的に静的である。これは、そのデータストリームが特定のネットワークスライスにおいてルーティングされる同じ顧客アプリケーションからのあるデータストリームと別のデータストリームとの間でルーティング優先度を動的に構成または制御するために使用することができない。しかしながら、顧客は、STR_1タイプのストリームが高い優先度で処理されてリアルタイムでルーティングされ、STR_2タイプのストリームが標準的な優先度でルーティングされ、STR_3タイプのデータストリームが低い優先度でルーティングされるように、異なる優先度をこれらの異なるストリームに動的に関連付けることが可能であることを望んでいることを理解されたい。
【0012】
[3GPP TS 23.501 - セクション5.7.3.1]仕様において3GPPによって定義され、3GPP規格に準拠する通信ネットワークによって処理されるデータパケットに適用される5QI仕様に基づくサービス品質管理ポリシーも知られている。この仕様によれば、ネットワークスライスにおけるデータパケットのルーティングは、いくつかの基準、すなわち、
- ビットレートが保証されなければならないかどうかを指定するリソースタイプ基準、
- パケットの優先度レベルを指定する優先度レベル基準、
- 許可されたエンドツーエンドの転送遅延(無線セグメントおよびネットワークコアセグメントを含む)を指定するパケット遅延バジェット基準、
- パケット送信におけるエラーレートを指定するパケットエラーレート基準、
- ネットワークユーザプレーンのデバイスにおいてパケットがどのくらいの間メモリに保持されるかを指定する平均化ウィンドウ基準、
- データボリュームの性質を特徴づける最大データバーストボリューム基準
を満たさなければならない。
【0013】
インジケータ5QIのデータパケット優先度基準は、規格化されたパケットタイプ、たとえば、会話音声パケットまたは会話ビデオパケットに関連付けられた約20個の固定値をもつように構成される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】[3GPP TS 24.526]仕様
【非特許文献2】[3GPP TS 23.503]仕様
【非特許文献3】[3GPP TS 23.501 - セクション5.7.3.1]仕様
【非特許文献4】ETSI TS 123 501規格、2018年9月
【非特許文献5】3GPP TS 23.501仕様
【非特許文献6】ETSI GR NFV-EVE 012文書、2017年12月
【非特許文献7】3GPP TS 23.502「4.16.12.2 UE Policy Association Modification initiated by the PCF」手順
【非特許文献8】TS23.501仕様(セクション5.8.2.11「Parameters for N4 session management」)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
ネットワークスライスにおけるデータパケットの優先順位を付けるためのこの機構の欠点は、この機構が、意図されたアプリケーションに従って顧客自身のデータストリームのタイプに対して顧客自身の優先度レベルを動的に定義すること、および場合によっては実際の状況(たとえば、公称または警報)に従ってそれらのそれぞれの優先度レベルを変更することを望んでいる顧客の特定のニーズへの適応を可能にしないということである。
【0016】
本発明は、この状況を改善する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、端末装置が接続され、複数のネットワークスライスに分割された通信ネットワークにおいて、前記端末装置上で動作するソフトウェアアプリケーションから受信されたデータストリームを送信するための方法であって、前記方法が前記端末装置において実施され、
- 少なくともデータストリームのヘッダに含まれる情報に従って前記複数のネットワークスライスから1つのネットワークスライスを選択するステップと、
- 前記ストリームのタイプを取得するステップであって、前記タイプが、少なくとも1つの第1のタイプのストリームおよび1つの第2のタイプのストリームを含むグループに属する、ステップと、
- ストリームのタイプに関連付けられた優先度インジケータをデータストリームに挿入するステップであって、優先度インジケータが、第1のタイプのストリームに関連付けられた少なくとも1つの第1のインジケータおよび第2のタイプのストリームに関連付けられた1つの第2のインジケータを含むグループに属し、第1の優先度インジケータおよび第2の優先度インジケータが異なる値を有する、ステップと、
- 選択されたネットワークスライスにおいて優先度インジケータを含むデータストリームを送信するステップと
を含むことを特徴とする、方法を提案することによって、このニーズに応える。
【0018】
本発明は、完全に新しい発明的な手法に基づき、この手法は、優先度インジケータを、顧客のアプリケーションによって送信された、所与のネットワークスライスを介してルーティングされる資格があるデータストリームに挿入することで構成される。この優先度インジケータは、たとえば、データストリームのヘッダまたは有用な部分(すなわち、ペイロード部分)に挿入される。優先度インジケータは、ネットワークスライスにおけるデータストリームのルーティングを処理することを担う1つまたは複数のネットワークエンティティによって検出されることと、利用可能なネットワークリソースおよび特にデータストリームが選択されたネットワークスライスによってルーティングされ得るかどうかに従ってデータストリームをどのように処理するかを決定するために使用されることとが意図されている。したがって、本発明を用いれば、特定のネットワークスライスにおいて端末装置上で動作するソフトウェアアプリケーションによって送信されたデータストリームの優先順位を付けることが可能である。このネットワークスライスは、ソフトウェアアプリケーションに専用であってもよく専用でなくてもよい。ソフトウェアアプリケーションが顧客のソフトウェアアプリケーションである場合、ネットワークスライスはこのアプリケーションもしくはこの顧客のいくつかのアプリケーションに専用であることがあり、または一般的にはこの顧客によって送信されるすべてのストリームに専用であることさえある。その結果、本発明は、顧客が所望の優先度レベルを顧客のソフトウェアアプリケーションにおいて実装されるアプリケーションストリームのタイプの各々に割り当てることを可能にする。ソフトウェアアプリケーションは、ここでは、たとえば顧客に関連付けられたビジネスアプリケーションを指し、このビジネスアプリケーションは、そのニーズに従って異なる優先度を必要とする異なるストリーム(音声、データ、ストリーミング、管理など)を含む。
【0019】
ソフトウェアアプリケーションが「ボイスオーバーIP」サービスなどの事業者の特定のサービスを実行するように構成される場合、端末装置またはこの端末装置を使用する顧客にかかわらず、このソフトウェアアプリケーションによって送信されるボイスオーバーIPアプリケーションストリームをルーティングするために、対象となるネットワークスライスが確保され得る。この場合、事業者は有利には、たとえば、顧客が契約したサブスクリプションに関して各顧客がアクセスできるサービス品質レベルに従って、異なるタイプのボイスオーバーIPストリームを構成する。この場合、ソフトウェアアプリケーションはたとえばVoIPタイプのアプリケーションであり、優先度は、たとえば、ボイスオーバーIPソフトウェアアプリケーションの異なる契約、したがって異なる優先度を有する顧客に関連付けられる。したがって、データストリームのヘッダにおける様々なパラメータ、その中でも、使用されるプロトコル(たとえば、RTP(Real Time Protocol:リアルタイムプロトコル)プロトコル)の識別子などのソフトウェアアプリケーションの識別子、送信者のIPアドレス、または受信者のIPアドレスさえも、別々にまたは組み合わせて使用され得る。
【0020】
最後に、ネットワークスライスは、たとえば、アベイラビリティまたはデータストリーム分離などの点で共通の要件を有するいくつかの別個の顧客のソフトウェアアプリケーションによって送信されるデータストリームを一緒にグループ化するように事業者によって構成され得る。この場合、事業者は、ネットワークスライスを共有するすべての顧客に共通する方法で、データストリームのいくつかのタイプおよび関連する優先度インジケータ値を定義することができる。
【0021】
本発明の別の利点は、本発明が通信ネットワーク自体のデバイスにおいてではなく端末装置においてデータストリーム用に使用されるべきネットワークスライスを選択することができるということである。したがって、負荷はネットワークから端末に転送される。さらに、端末装置はそれ自体のデータストリームを管理しさえすればよいので、この選択は実装することがより容易であり、スケーラビリティ制約をより良く満たす。実際に、端末上でのネットワークスライスの実装のおかげで、端末のデータストリームを別個のスライスに関連付けることが可能である。このことは、ストリームがより多数であるうえに暗号化されている可能性がある事業者ネットワークのデバイス上でネットワークスライスがインスタンス化されるときには実装することがより困難であり、ヘッダデータを使用することが不可能になる。さらに、端末を所有する顧客は自身でスライスを管理することができるが、ネットワークデバイス上でのインスタンス化の場合にはそうすることができなくなり、仮想プライベートネットワーク(VPN)を実装する場合に当てはまり得るように、ネットワークスライスアーキテクチャは、特に仮想プライベートネットワークよりも優れたストリーム分離機能も提供する。
【0022】
本発明の1つの態様によれば、本方法は、
- 前記ソフトウェアアプリケーションによって送信されたデータストリームをルーティングするための少なくとも1つのルールをあらかじめ受信するステップであって、前記ルールが、前記ソフトウェアアプリケーションの少なくとも1つの識別子、ストリームの前記タイプ、ストリームの前記タイプに関連付けられた前記優先度インジケータ、およびネットワークスライスの識別子を含む、ステップと、
- 前記少なくとも1つのルーティングルールをメモリに記憶するステップと、
- 前記選択および前記挿入を行うときに前記少なくとも1つのルーティングルールを適用するステップと
をさらに含む。
【0023】
有利には、ソフトウェアアプリケーションによって送信されたデータストリームのこの優先順位付けは、使用されるべきネットワークスライスに加えて、データストリームに挿入されるべき優先度インジケータの値を定義するルールをあらかじめインストールすることによって行われる。
【0024】
たとえば、5Gアーキテクチャでは、ネットワークスライスはS-NSSAIパラメータによって識別される。5Gモバイルアクセスネットワークは端末があらかじめ登録しているネットワークスライスのコンテキストを維持することと、この情報フィールドをデータストリームのヘッダに挿入する必要がないこととに留意されたい。
【0025】
ソフトウェアアプリケーションが顧客のアプリケーションである場合、顧客は、顧客自身のストリームのタイプと、顧客がそれらのストリームのタイプの各々に関連付ける優先度インジケータ値とを定義することができる。ソフトウェアアプリケーションがボイスオーバーIPサービスなどの事業者のサービスを実行する場合、事業者は、たとえば顧客またはサブスクリプションレベルタイプごとにデータストリームのタイプを定義し、優先度インジケータ値をデータストリームのタイプに関連付ける。
【0026】
本発明の別の態様によれば、本方法は、前記ソフトウェアアプリケーションの動作モードを取得するステップであって、前記動作モードが、少なくとも1つの第1の動作モードおよび第2の動作モードを含むグループに属する、ステップをさらに含み、前記少なくとも1つのルーティングルールは、前記動作モードに関連付けられる。
【0027】
1つの利点は、互いに対するデータストリームの優先順位を付けるためのルールがアプリケーションの現在の動作モードに従って変更され得るということである。
【0028】
たとえば、ソフトウェアアプリケーションが顧客のソフトウェアアプリケーションであるとき、これらの動作モードは、顧客によってあらかじめ定義され、少なくとも1つの第1の「公称(nominal)」モードおよび第2の「警報(alarm)」モードを含み、データストリームを処理するための特定のルールは、これらのモードの各々に関連付けられる。動作モードは「優先報告(Prioritised Reporting)」タイプの第3のモードをさらに含むことができ、第3のモードは、警報モードとは異なり、所与のタイムスロットにわたってスケジュールされるかまたは頻発することさえある。そのような動作モードは、有利には、運用性能監視向けにすべての業界において実行され得る。
【0029】
たとえば、「デジタルツイン」アプリケーションの場合、「センサーデータ」のデータストリームは、「公称」動作モードでは優先度インジケータの最小値から平均値に関連付けられるが、「警報」動作モードでは優先度インジケータの最大値に関連付けられる。実際に、このセンサーデータは危機を管理するのに有用であり、「警報」モードの最大優先度でリアルタイムで受信されなければならない。
【0030】
したがって、たとえば公称の状況に対応する現在の動作モードは、この動作モードに関連付けられたルーティングルールを適用するユーザ端末において事前に定義され得るが、ネットワークに接続された顧客エンティティからの通知によって経時的に変更され得ることを理解されたい。たとえば、警報タイプの動作モードに切り替える、動作モード変更の通知を受信すると、ユーザ端末は、ネットワークスライスにおいてソフトウェアアプリケーションによって送信される将来のデータストリームに対して、この新しい動作モードに関連付けられたルーティングルールを適用する。
【0031】
本発明はまた、端末装置が接続され、複数のネットワークスライスに分割された通信ネットワークにおいて、前記端末装置上で動作するソフトウェアアプリケーションによってデータストリームを送信するためのデバイスに関する。前記デバイスは、端末装置において、
- 少なくともデータストリームのヘッダに含まれる情報に従って前記複数のネットワークスライスから1つのネットワークスライスを選択することと、
- 前記ストリームのタイプを取得することであって、前記タイプが、少なくとも1つの第1のタイプのストリームおよび1つの第2のタイプのストリームを含むグループに属する、取得することと、
- ストリームのタイプに関連付けられた優先度インジケータをデータストリームに挿入することであって、優先度インジケータが、第1のタイプのストリームに関連付けられた少なくとも1つの第1のインジケータおよび第2のタイプのストリームに関連付けられた第2のインジケータを含むグループに属し、第1の優先度インジケータおよび第2の優先度インジケータが異なる値を有する、挿入することと、
- 選択されたネットワークスライスにおいて前記優先度インジケータを含むデータストリームを送信することと
を行うように構成される。
【0032】
有利には、前記デバイスは、上記で説明されたような送信方法のステップを行うように構成される。
【0033】
有利には、前記デバイスは、ユーザ端末またはコネクテッドオブジェクトなどの、通信ネットワークに接続された端末装置に組み込まれる。
【0034】
有利には、前記端末装置は、通信ネットワークにおいてルーティングされるデータストリームを制御するためのシステムに含まれる。
【0035】
システム、端末装置、および送信デバイスは、少なくとも、上述の送信方法によってもたらされる利点と同じ利点を有する。
【0036】
相関的に、本発明はまた、複数のネットワークスライスに分割された通信ネットワークにおいてデータストリームを処理するための方法であって、前記データストリームが、前記ネットワークに接続された端末装置上で動作するソフトウェアアプリケーションから前記複数のネットワークスライスのうちのネットワークスライスにおいて受信されている、方法に関する。前記方法は、ネットワークの実行エンティティによって実施され、
- 前記データストリームにおいて前記ストリームの優先度インジケータを検出するステップと、
- ネットワークスライスにおいて利用可能なリソースのレベルを評価するステップと、
- 少なくとも前記優先度インジケータおよび前記ネットワークスライスにおいて利用可能なネットワークリソースのレベルに従って前記データストリームを処理するための少なくとも1つのアクションを実行するステップであって、前記処理アクションが、利用可能なリソースのレベルが優先度インジケータに従ってデータストリームをルーティングするために十分であるときに、前記ネットワークスライスにおいてデータストリームを通過させるための少なくとも1つの第1のアクションと、利用可能なネットワークリソースのレベルが不十分であるときに実行されることが意図されている、前記ネットワークスライスにおいてデータストリームをブロックするための第2のアクションとを含むグループに属する、ステップと
を含む。
【0037】
本発明は、通信ネットワークの実行エンティティによって顧客アプリケーションから受信されたデータストリームを処理するための完全に新しい発明的な手法に基づき、この手法は、このストリームのヘッダにおいてストリームの優先度インジケータを検出することと、優先度インジケータを使用して、データストリームをルーティングするために必要とされるリソースのレベルと比較された利用可能なリソースのレベルと、データストリームに関連付けられた優先度レベルとに従って、このストリームがネットワークスライスにおいてその宛先にルーティングされ得るかどうかまたはこのストリームが拒否されなければならないかどうかを決定することとで構成される。
【0038】
もちろん、本発明は、今説明されたこれらの2つの通過アクションおよびブロックアクションに限定されない。特にリソースのレベルが優先度レベルに関連付けられた条件下でデータストリームをルーティングするために不十分であるとして評価されたときに、他のアクションが決定され得る。たとえば、他の可能なアクションは、データストリームのルーティングを延期して、より高い優先度を有する他のデータストリームを通過させること、ストリームがより少ないリソースを必要とするように、ストリームを送信する前にストリームをクリップすること、より少ないまたはより多いリソースをデータストリームにその優先度レベルに従って割り当てることによって、データストリームのルーティングの速度を落とすまたは上げること、などであろう。
【0039】
本発明の1つの態様によれば、本方法は、前記ソフトウェアアプリケーションから受信されたデータストリームを処理するための少なくとも1つのルールをあらかじめ取得するステップであって、前記ルールが、データストリームの前記優先度インジケータ、前記ネットワークスライス識別子、および前記ストリームを処理するための前記少なくとも1つのアクションを含む、ステップと、前記ルールから処理アクションを抽出するステップとを含む。
【0040】
実行されるべきアクションを決定するために、ノードデバイスは、ノードデバイスがあらかじめ受信して記憶していた処理ルールを適用する。1つの利点は、ノードデバイスが遅延なしに着信データストリームを処理することができるということである。この実施形態は、単純なルールの実装に好適である。
【0041】
本発明の別の態様によれば、前記データストリームを処理するための処理ルールがあらかじめ取得されていないときに、前記方法は、前記優先度インジケータを前記ネットワークの制御エンティティに通知するステップと、前記制御エンティティから、実行されるべき前記少なくとも1つの処理アクションを受信するステップとをさらに含む。
【0042】
本発明の少なくとも1つの他の実施形態によれば、実行エンティティは、実行エンティティのレベルに合った、実行エンティティが顧客アプリケーションから受信するデータストリームを処理するためのルールを有していない。実行エンティティが適用する基本ルールは制御エンティティに通知することであり、制御エンティティは、ケースバイケースで、実行されるべき処理アクションで応答する。この実施形態は、より複雑なルールの実装に好適である。ネットワークのインテリジェンスは、1つまたは複数の制御エンティティに集中する。
【0043】
本発明のさらに別の態様によれば、実行エンティティは、前記通信ネットワークのネットワークスライスおよび少なくとも1つの他のネットワークスライスを管理するように構成され、処理アクションが、ネットワークスライスにおいてデータストリームをブロックするための第2のアクションであるとき、本方法は、第2の処理アクションを実行する前に、
- 他のネットワークスライスにおいてリソースのレベルを評価するステップと、
- リソースの前記レベルおよび優先度インジケータに従って、データストリームを他のネットワークスライスに転送するためのアクションと呼ばれる少なくとも1つの第3の処理アクションを決定するステップと
を含む。
【0044】
1つの利点は、データストリームが存在するネットワークスライスがリソース不足であるときに、かつその関連する優先度レベルに対応する条件下でデータストリームをルーティングするための利用可能なリソースの十分なレベルを有する別のネットワークスライスが存在するときに、いくつかのデータストリーム、たとえば最優先データストリームに、通信ネットワークにおいてルーティングされる追加の機会を与えることである。
【0045】
本発明はまた、複数のネットワークスライスに分割された通信ネットワークにおいてデータストリームを処理するためのデバイスであって、前記データストリームが、前記ネットワークに接続された端末装置(UE,IoT)上で動作するソフトウェアアプリケーションから前記複数のネットワークスライスのうちのネットワークスライスにおいて受信されている、デバイスに関する。前記デバイスはネットワークの実行エンティティにおいて、
- 前記データストリームにおいて前記ストリームの優先度インジケータを検出することと、
- ネットワークスライスにおいて利用可能なリソースのレベルを評価することと、
- 少なくとも前記優先度インジケータおよび前記ネットワークスライスにおいて利用可能なネットワークリソースのレベルに従って前記データストリームを処理するための少なくとも1つのアクションを実行することであって、前記処理アクションが、利用可能なリソースのレベルが十分であるときに、前記ネットワークスライスにおいてデータストリームを通過させるための少なくとも1つの第1のアクションと、利用可能なネットワークリソースのレベルが不十分であるときに実行されることが意図されている、前記ネットワークスライスにおいてデータストリームをブロックするための第2のアクションとを含むグループに属する、実行することと
を行うように構成される。
【0046】
有利には、前記デバイスは、上記で説明されたような処理方法のステップを行うように構成される。
【0047】
有利には、前記デバイスは、たとえば通信ネットワークのユーザプレーンに含まれる、このネットワークの実行エンティティに組み込まれる。
【0048】
有利には、前記実行エンティティは、通信ネットワークにおいてルーティングされるデータストリームを制御するためのシステムに含まれる。
【0049】
システム、実行エンティティ、および処理デバイスは、少なくとも、上述の処理方法によってもたらされる利点と同じ利点を有する。
【0050】
相関的に、本発明はまた、複数のネットワークスライスに分割された通信ネットワークにおいてデータストリームの処理を制御するための方法であって、前記データストリームが、前記複数のネットワークスライスのうちのネットワークスライスにおいて端末装置によって送信され、前記ネットワークの実行エンティティによって受信されている、方法に関する。前記方法は、前記ネットワークの制御エンティティであって、前記ネットワークにおいてルーティングされるデータストリームを処理するためのポリシーの実行を制御するように構成された制御エンティティによって実施され、前記方法は、
- 実行エンティティから、前記受信されたデータストリームに関連付けられた優先度インジケータの通知を受信するステップと、
- ネットワークスライスにおいて利用可能なリソースのレベルを取得するステップと、
- 少なくとも受信された優先度インジケータおよび利用可能なリソースのレベルに従って前記ストリームを処理するための少なくとも1つのアクションを決定するステップであって、前記処理アクションが、利用可能なネットワークリソースのレベルが十分であるときに実行されることが意図されている、前記ネットワークスライスにおいてデータストリームを通過させるための少なくとも1つの第1のアクションと、利用可能なネットワークリソースのレベルが不十分であるときに実行されることが意図されている、前記ネットワークスライスにおいてデータストリームをブロックするための第2のアクションとを含むグループに属する、ステップと、
- 応答を前記実行エンティティに送信するステップであって、前記応答が前記処理アクションを含む、ステップと
を含む。
【0051】
本発明の1つの実施形態によれば、制御エンティティは、実行エンティティから通知されると、実行エンティティによって顧客のソフトウェアアプリケーションから受信されたデータストリームを処理するためのルールをそれ自体に適用し、実行されるべき処理アクションをこの実行エンティティに送信する。このようにして、制御エンティティは、ネットワークスライスにおいて顧客アプリケーションによって送信されるすべてのデータストリームの処理を制御し、決定インテリジェンスは、制御プレーンに集中する。
【0052】
本発明の1つの態様によれば、決定された処理アクションがネットワークスライスにおいて前記データストリームをブロックするためのアクションであるときに、かつ実行エンティティが前記複数のネットワークスライスのうちの別のネットワークスライスを管理するように構成されるときに、前記方法は、第2の処理アクションを実行エンティティに送信する前に、
- 別のネットワークスライスにおいて利用可能なリソースのレベルを取得するステップと、
- リソースの前記レベルおよび優先度インジケータに従って、データストリームを別のネットワークスライスに転送するためのアクションと呼ばれる少なくとも1つの第3の処理アクションを決定するステップと
を含む。
【0053】
有利には、最初に計画されたネットワークスライスにおいてルーティングされ得ない最優先データストリームに対してフォールバックモードが実行される。顧客が資格をもつ別のネットワークスライスがその優先度レベルの条件下でデータストリームをルーティングするための十分なネットワークリソースを有する場合、制御エンティティは、データストリームを顧客アプリケーションが資格をもつ別のネットワークスライスに転送することを決定し得る。
【0054】
本発明はまた、複数のネットワークスライスに分割された通信ネットワークにおいてデータストリームの処理を制御するためのデバイスであって、前記データストリームが、前記複数のネットワークスライスのうちのネットワークスライスにおいて端末装置によって送信され、前記ネットワークの実行エンティティによって受信されている、デバイスに関する。前記デバイスは、前記ネットワークの制御エンティティであって、前記ネットワークにおいてルーティングされるデータストリームを処理するためのポリシーの実行を制御するように構成された制御エンティティにおいて、
- 実行エンティティから、前記受信されたデータストリームに関連付けられた優先度インジケータの通知を受信することと、
- ネットワークスライスにおいて利用可能なリソースのレベルを取得することと、
- 少なくとも受信された優先度インジケータおよび利用可能なリソースのレベルに従って前記ストリームを処理するための少なくとも1つのアクションを決定することであって、前記処理アクションが、利用可能なネットワークリソースのレベルが優先度インジケータに従って前記データストリームをルーティングするために十分であるときに実行されることが意図されている、前記ネットワークスライスにおいてデータストリームを通過させるための少なくとも1つの第1のアクションと、利用可能なネットワークリソースのレベルが不十分であるときに実行されることが意図されている、前記ネットワークスライスにおいてデータストリームをブロックするための第2のアクションとを含むグループに属する、決定することと、
- 応答を前記実行エンティティに送信することであって、前記応答が前記処理アクションを含む、送信することと
を行うように構成される。
【0055】
有利には、前記デバイスは、上記で説明されたような制御方法のステップを行うように構成される。
【0056】
有利には、前記デバイスは、たとえば通信ネットワークの制御プレーンに含まれる、このネットワークの制御エンティティに組み込まれる。
【0057】
有利には、前記制御エンティティは、通信ネットワークにおいてルーティングされるデータストリームを制御するためのシステムに含まれる。
【0058】
システム、制御エンティティ、および制御デバイスは、少なくとも、上述の制御方法によってもたらされる利点と同じ利点を有する。
【0059】
代替として、本発明は最後に、上述の送信デバイスと、上述の処理デバイスと、上述の制御デバイスとを備える、通信ネットワークにおいてルーティングされるデータストリームを制御するためのシステムに関する。
【0060】
有利には、本発明による制御システムはまた、ネットワークスライスにおいてソフトウェアアプリケーションによって送信されるデータストリームをルーティング、処理、および制御するためのルールを定義し、それらのルールを本発明による送信デバイス、処理デバイス、および制御デバイスに送信するように構成されたルール管理エンティティを備える。
【0061】
本発明はまた、プロセッサによって実行されると、それぞれ、以前に説明されたような送信方法、処理方法、および制御方法を実施するためのプログラムコード命令を含むコンピュータプログラム製品に関する。
【0062】
プログラムは任意のプログラミング言語を使用することができ、ソースコード、オブジェクトコード、または、部分的にコンパイルされた形態のもしくは任意の他の所望の形態のなどの、ソースコードとオブジェクトコードとの間の中間コードの形態であり得る。
【0063】
本発明はまた、上記で説明されたような本発明による方法のステップを行うためのプログラムコード命令を含むコンピュータプログラムが保存される、少なくとも1つのコンピュータ可読記憶媒体に関する。
【0064】
そのような記憶媒体は、プログラムを記憶することが可能な任意のエンティティまたはデバイスであり得る。たとえば、媒体は、ROM、たとえば、CD-ROMもしくは超小型電子回路ROMなどの記憶手段、または磁気記録手段、たとえば、モバイル媒体(メモリカード)もしくはハードディスクもしくはSSDを含むことができる。
【0065】
一方、そのような記憶媒体は、その中に含まれるコンピュータプログラムが遠隔で実行され得るように、無線によってまたは他の手段によって電気ケーブルまたは光ケーブルを介して搬送され得る、電気信号または光信号などの伝送可能媒体であり得る。本発明によるプログラムは、特にネットワーク、たとえばインターネットネットワーク上でダウンロードされ得る。
【0066】
代替として、1つまたは複数の記憶媒体は、プログラムが埋め込まれる1つまたは複数の集積回路であって、上述の方法を実行するかまたは上述の方法の実行において使用されるように適合された回路であり得る。
【0067】
1つの実施形態によれば、本技法は、ソフトウェア構成要素および/またはハードウェア構成要素を使用して実装される。この文脈では、「モジュール」という用語は、ソフトウェア構成要素、ハードウェア構成要素、またはハードウェア構成要素とソフトウェア構成要素の組合せを指すために本文書で使用され得る。
【0068】
ソフトウェア構成要素は、関係するモジュールについて以下で説明されるように、1つもしくは複数のコンピュータプログラム、プログラムの1つもしくは複数のサブルーチン、またはより一般的には、機能もしくは機能のセットを実装することが可能なプログラムもしくはソフトウェアの任意の要素である。そのようなソフトウェア構成要素は、物理エンティティ(端末、サーバ、ゲートウェイ、セットトップボックス、ルータなど)のデータプロセッサによって実行され、この物理エンティティのハードウェアリソース(メモリ、記録媒体、通信バス、電子入力/出力カード、ユーザインターフェースなど)にアクセスすることが可能である。以下では、リソースは、個別にであるか組み合わせてであるかにかかわらず、機能またはサービスをサポートするハードウェア要素および/またはソフトウェア要素の任意のセットであるものと理解される。
【0069】
同じように、ハードウェア構成要素は、関係するモジュールについて以下で説明されるように、機能または機能のセットを実装することが可能なハードウェアアセンブリの任意の要素である。ハードウェア構成要素は、プログラマブルハードウェア構成要素、またはソフトウェアを実行するための埋込みプロセッサを有する構成要素、たとえば、集積回路、スマートカード、メモリカード、ファームウェアを実行するための電子カードなどであり得る。
【0070】
当然ながら、上記で説明されたシステムの各構成要素は、それ自体のソフトウェアモジュールを実装する。
【0071】
上述の様々な実施形態は、本技法の実現のために互いに組み合わされ得る。
【0072】
本発明の他の目的、特徴、および利点は、図に関して例示的で非制限的な例として働くようにここに与えられる以下の説明を読めば、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0073】
図1】顧客アプリケーションにおいて実装され、通信ネットワークのスライスにおいてルーティングされることが意図されているデータストリームのタイプの例を図式的に示す図である。
図2】本発明の1つの実施形態による、通信ネットワークにおいて送信されるデータストリームを制御するためのシステムのアーキテクチャの一例を図式的に示す図である。
図3】本発明の1つの実施形態による、通信ネットワークのスライスにおいてデータストリームを送信するための方法のステップをフローチャートの形態で説明する図である。
図4】本発明の1つの実施形態による、通信ネットワークのスライスにおいて送信されるデータストリームを処理するための方法のステップをフローチャートの形態で説明する図である。
図4A】本発明の第1の実施形態による、データストリームを処理するためのアクションの取得を詳述する図である。
図4B】本発明の第2の実施形態による、データストリームを処理するためのアクションの取得を詳述する図である。
図5】本発明の1つの実施形態による、通信ネットワークのスライスにおいて送信されるデータストリームの処理を制御するための方法のステップをフローチャートの形態で説明する図である。
図6】本発明の1つの実施形態による、通信ネットワークのユーザプレーンの実行エンティティによる、ネットワークスライスにおいて送信されるデータストリームの処理を図式的に示す図である。
図7】本発明の1つの実施形態による、通信ネットワークの少なくとも1つのスライスにおける端末装置によって送信されたデータストリームのルーティングを処理するように構成された複数の実行エンティティと、実行エンティティによるこのストリームの処理を制御するように構成された複数の制御エンティティと、処理ルールおよび制御ルールをこれらの複数のエンティティに送信するように構成された複数の管理エンティティとを備える通信ネットワークのアーキテクチャの一例を図式的に示す図である。
図8】本発明による、通信ネットワークのスライスにおいてデータストリームを送信するためのデバイスのハードウェア構造の一例を説明する図である。
図9】本発明による、通信ネットワークのスライスにおいて送信されるデータストリームを処理するためのデバイスのハードウェア構造の一例を説明する図である。
図10】本発明による、通信ネットワークのスライスにおけるデータストリームの処理を制御するためのデバイスのハードウェア構造の一例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0074】
本発明は、複数のネットワークスライスにおいて構造化された通信ネットワークに関する。本発明の一般原理は、この事業者の通信ネットワークにおいて送信される前に、通信ネットワークに接続された端末装置上で動作するソフトウェアアプリケーションによって送信されたデータストリームに優先度インジケータを挿入することと、通信ネットワークの特定のネットワークスライスにおけるこのデータストリームのルーティングを処理するためにこのインジケータを使用することとに基づく。このネットワークスライスは、顧客が、顧客自身のソフトウェアアプリケーションもしくはビジネスアプリケーションのうちの1つもしくは複数によって生成されたデータストリームをルーティングすることを可能にするために、この顧客に専用であってもよく、またはそれとは反対に、事業者のいくつかの顧客の異なるソフトウェアアプリケーションから発信するデータストリームをルーティングするために、これらの顧客の間で共有されてもよく、さらにまたは、ボイスオーバーIPサービスなどの事業者の特定のサービスの実行に専用であってもよい。
【0075】
通信ネットワークでは、優先度インジケータは、事業者のネットワークのユーザプレーンの実行エンティティによって検出され、この実行エンティティにおけるネットワークスライスにおいて利用可能なリソースのレベルと、この優先度レベルに対応するリソース要件とに従って、データストリームがこのネットワークスライスにおいてルーティングされ得るか否かを決定するために使用される。
【0076】
有利には、ソフトウェアアプリケーションによって送信されたデータストリームの各タイプに関連付けられた優先度インジケータの値は、ソフトウェアアプリケーションのニーズに応じて事前に定義される。特に、顧客のビジネスアプリケーションの場合、顧客は顧客自身のストリームのタイプおよびそれらの関連する優先度レベルを定義する。優先度インジケータの値は、経時的に、特にソフトウェアアプリケーションの動作モードの変更の後に変化してもよい。
【0077】
したがって、本発明は、顧客の増大するニーズに、およびこれらの顧客のうちの1つまたは複数に関係するデータストリームの多様性に、ネットワークスライス技術をより細かく適応させることを可能にする。
【0078】
対象となるソフトウェアアプリケーションが事業者のサービスを実行する場合、本発明は、事業者がその差別化されたサービス品質ポリシーをネットワークスライス内で適用することを可能にする。
【0079】
本発明はまた、事業者が、共通の要件を共有する異なる顧客のアプリケーションを同じネットワークスライス内で一緒にグループ化すること、およびこれらのアプリケーションにネットワークスライスのリソースを割り当てるための同じ戦略を適用することを可能にする。これらは、アプリケーションによって送信されたデータストリーム(リアルタイム、非リアルタイム)のアベイラビリティの点での、または通信ネットワーク上の輻輳もしくは潜在的な攻撃などの障害に対する保護のレベルである分離の点での要件を含む。
【0080】
本発明は、そのアーキテクチャが3GPP 5G規格に準拠するモバイル通信ネットワークにおける特定の適用例を有し、このネットワークがスライスにおいて構造化されることを可能にする。もちろん、本発明はこの例に限定されず、3GPP端末装置向けのURSPルールと同様に、ソフトウェアアプリケーションから発信するデータストリームの区別を可能にする技術を実行する任意の他の通信ネットワークアーキテクチャにまで及ぶ。
【0081】
以下では、この優先度インジケータの概念は、可能な値の範囲内に含まれる値、たとえば整数値を指す。有利には、この間隔は、たとえば、対象となるネットワークスライスに関連付けられたソフトウェアアプリケーションの別個のタイプのデータストリームの数に等しい、少数の値を含む。
【0082】
以下では、ネットワークスライスのネットワークリソースは、コアネットワークおよびアクセスネットワーク、たとえば、通信ネットワークのモバイル無線アクセスネットワーク(RAN)におけるハードウェアリソースとソフトウェアリソースの両方を指す。
【0083】
このリソースの概念は、アクセスデバイスまたはノードデバイス自体、このデバイスの他のリソース、たとえば、データ変調モジュール、データ送信用のタイムスロットを割り振るためのモジュール、送信される様々なタイプのデータ(音声、IoT(モノのインターネット)、ビデオなど)に関連付けられたサービス品質を管理するためのモジュールなどを包含する。セルラーアクセスネットワークの基地局の場合、たとえば、これらは、物理リソースブロック(PRB)、変調モジュール、データ送信用のタイムスロットを割り振るためのモジュール、送信される様々なタイプのデータのサービス品質(QoS)を管理するためのモジュールなどの、この無線アンテナの特定の構成要素である。これらのリソースのアベイラビリティは、基地局またはネットワークコアのユーザプレーンのノードデバイスなどのモバイルアクセスデバイスにおいてすでに割り振られているかまたはそれとは反対に利用可能である、帯域幅、データビットレート、データボリューム、物理リソースブロックすなわちPRBの数などに関係するデータトラフィック情報に基づいて評価される。
【0084】
図2は、本発明の1つの実施形態による、複数のネットワークスライスに分割された事業者の通信ネットワークRCにおいて端末装置上で動作するソフトウェアアプリケーションによって送信されたデータストリームを制御するためのシステムSのアーキテクチャの一例を図式的に示す。
【0085】
端末装置は、ここでは、スマートタイプのモバイルフォン、ラップトップ、タブレット、コネクテッドウォッチなどのユーザ端末と、温度もしくは振動データなどを測定するためのセンサーなどのIoTタイプのコネクテッドオブジェクト、または、たとえば産業環境に設置される無人搬送車(AGV:Automated Guided Vehicle)などの自律ロボットの両方を指す。
【0086】
端末装置UEまたはIoTは、無線アクセスデバイスを介してモバイル無線アクセスネットワークなどのアクセスネットワークによってネットワークRCに接続されていると仮定される。もちろん、すでに述べたように、本発明は、ワイヤレスかワイヤードかにかかわらず、他のアクセス技術に適用可能である。したがって、端末装置は、基地局、この基地局に関連付けられたフェムトセル、ADSLタイプのアクセスネットワーク用のデジタル加入者線アクセスマルチプレクサ(DSLAM)デバイス、Wi-Fiホットスポットまたはこのホットスポットに関連付けられたWi-Fiリピータ、受動光ネットワーク(PON)ファイバアクセスネットワーク用の光ネットワーク終端(ONT)デバイスなどを介してネットワークRCに非制限的に接続され得る。
【0087】
本発明のこの実施形態によれば、システムSはこの端末装置を備え、この端末装置は、少なくともデータストリームのヘッダに含まれる情報に従って、前記複数のスライスから1つのネットワークスライスを選択することと、前記ストリームのタイプに関係する情報を取得することであって、前記タイプが、少なくとも1つの第1のタイプのストリームおよび第2のタイプのストリームを含むグループに属する、取得することと、ストリームのタイプに関連付けられた優先度インジケータを前記データストリームに挿入することであって、優先度インジケータが、第1のタイプのストリームに関連付けられた少なくとも1つの第1のインジケータおよび第2のタイプのストリームに関連付けられた第2のインジケータを含むグループに属し、第1の優先度インジケータおよび第2の優先度インジケータが異なる値を有する、挿入することと、選択されたネットワークスライスにおいてデータストリームを送信することとを行うように構成された、ネットワークRCにおいてデータストリームを送信するためのデバイス100を備える。この点において、5Gアーキテクチャの場合、ネットワークコアは、接続することが許可されたすべてのネットワークスライスを用いて端末装置UEを構成することに留意されたい。これらのスライスの各々は、S-NSSAI(単一ネットワークスライス選択支援情報(Single - Network Slice Selection Assistance Information))識別子によって識別される。
【0088】
有利には、デバイス100は、前記ソフトウェアアプリケーションのデータストリームをルーティングするための少なくとも1つのルールを受信することであって、前記ルールが、少なくとも前記ソフトウェアアプリケーションの識別子、ストリームの前記タイプ、前記タイプに関連付けられた前記優先度インジケータ、および前記ネットワークスライスの1つの識別子を含む、受信することと、前記少なくとも1つのルーティングルールをメモリに記憶することと、前記選択および前記挿入を行うときに前記少なくとも1つのルーティングルールを適用することとを行うように構成される。たとえば、このルールR_UEは、デバイス100または端末装置UE、IoTのメモリに記憶される。
【0089】
このようにして、デバイス100は、図3に関して以下で詳述される、本発明によるデータストリームを送信するための方法を実施する。
【0090】
本発明のこの実施形態によれば、システムSはまた、通信ネットワークRCの少なくとも1つのスライスにおいて端末装置によって送信されたデータストリームのルーティングを管理するように構成された、通信ネットワークの実行エンティティEXEを備える。そのような実行エンティティは、2018年9月に公表されたETSI TS 123 501規格において定義された用語によれば、通信ネットワークRCのユーザプレーンに属する。これは、コアネットワークのアクセスデバイスまたはノードデバイスのいずれかである。実行エンティティEXEは、実行エンティティEXEのそれぞれの機能に専用のもしくは専用ではない物理デバイスの形態で、または仮想機能などの仮想化エンティティの形態でインスタンス化され得る。
【0091】
本発明によれば、この実行エンティティは、ネットワークスライスにおいて端末装置UE、IoTのソフトウェアアプリケーションによって送信されたデータストリームを処理するためのデバイス200を備える。このデバイス200は、ネットワークスライスにおいてデータストリームをルーティングするための利用可能なリソースのレベルを取得することと、前記データストリームにおいて前記ストリームの優先度インジケータを検出することと、少なくとも前記優先度インジケータおよび前記ネットワークスライスにおいて利用可能なネットワークリソースのレベルに従って、前記データストリームを処理するための少なくとも1つのアクションを実行することであって、前記処理アクションが、利用可能なネットワークリソースのレベルが不十分であるときに実行されることが意図されている、前記ネットワークスライスにおいてデータストリームをブロックするための少なくとも1つの第1のアクションと、利用可能なネットワークリソースのレベルが十分であるときに、前記ネットワークスライスにおいてデータストリームを通過させるための第2のアクションとを含むグループに属する、実行することとを行うように構成される。
【0092】
有利には、デバイス200は、前記ソフトウェアアプリケーションから受信されたデータストリームを処理するための少なくとも1つのルールR_UPを取得することであって、前記ルールが、データストリームの前記優先度インジケータ、前記ネットワークスライス識別子、および前記ストリームを処理するための前記少なくとも1つのアクションを含む、取得することと、前記ルールをメモリに記憶することと、前記ルールをデータストリーム処理に適用することとを行うように構成される。このルールR_UPは、有利には、デバイス200のまたは実行エンティティEXEのメモリに記憶される。
【0093】
このようにして、デバイス200は、図4に関して以下で詳述される、本発明によるデータストリームを処理するための方法を実施する。
【0094】
システムSはまた、1つまたは複数の実行エンティティによって前記ネットワークにおいてルーティングされるデータストリームを処理するためのポリシーの実行を制御するように構成された、通信ネットワークRCの制御エンティティCTRを備える。そのようなエンティティは、制御プレーンの一部である。そのようなエンティティは、アクセスネットワークまたはコアネットワークの一部であり得る。たとえば、無線アクセスネットワークでは、これは、それぞれgNodeBまたはeNodeBとしても知られている5G/4G基地局に関連付けられたネットワーク管理システム(NMS:Network Management System)の一部である要素ネットワークマネージャ(ENM:Element Network Manager)である。たとえば、コアネットワークでは、この制御エンティティは、3GPP TS 23.501仕様によるN4インターフェースを介してユーザプレーン機能(UPF:User Plane Function)を制御するセッション管理機能(SMF:Session Management Function)であり得る。制御エンティティCTRは、コントローラCTRのそれぞれの機能に専用のもしくは専用ではない物理デバイスの形態で、または仮想化エンティティの形態でインスタンス化され得る。
【0095】
本発明によれば、制御エンティティCTRは、通信ネットワークのスライスにおいて端末装置UE、IoTのソフトウェアアプリケーションによって送信されたデータストリームの実行エンティティEXEによる処理を制御するためのデバイス300を備える。前記デバイスは、実行エンティティから、前記受信されたデータストリームに関連付けられた優先度インジケータの通知を受信することと、ネットワークスライスにおいてデータストリームをルーティングするための利用可能なリソースのレベルを取得することと、少なくとも受信された優先度インジケータおよびソフトウェアアプリケーションによって送信されたデータストリームを処理するためのポリシーに従って、実行されるべき前記ストリームを処理するための少なくとも1つのアクションを決定することであって、前記処理アクションが、利用可能なネットワークリソースのレベルが不十分であるときに実行されることが意図されている、前記ネットワークスライスにおいてデータストリームをブロックするための少なくとも1つの第1のアクションと、利用可能なネットワークリソースのレベルが十分であるときに実行されることが意図されている、前記ネットワークスライスにおいてデータストリームを通過させるための第2のアクションとを含むグループに属する、決定することと、前記少なくとも1つの処理アクションを含む応答を前記実行エンティティに送信することとを行うように構成される。
【0096】
有利には、デバイス300は、前記ソフトウェアアプリケーションから受信されたデータストリームを制御するための少なくとも1つのルールR_CPを取得することであって、前記ルールが、データストリームの前記優先度インジケータ、前記ネットワークスライス識別子、および前記ストリームを処理するための前記少なくとも1つのアクションを含む、取得することと、前記ルールをメモリに記憶することと、前記ルールをデータストリーム制御に適用することとを行うように構成される。このルールR_CPは、有利には、デバイス300のまたは制御エンティティCTRのメモリに記憶される。
【0097】
このようにして、デバイス300は、図5に関して以下で詳述される、本発明によるデータストリームの処理を制御するための方法を実施する。
【0098】
有利には、システムSはまた、通信ネットワークRCの複数のスライスのための管理エンティティEMGを備える。管理エンティティEMGは、通信ネットワークRCの管理プレーンの一部である。ネットワークスライスアーキテクチャの文脈では、そのようなエンティティは、仮想化環境におけるネットワークスライスサポートに関係する2017年12月に公表されたETSI GR NFV-EVE 012文書に記載されているような、ネットワークスライス管理機能を実行する。管理エンティティEMGはまた、管理エンティティのそれぞれの機能に専用のもしくは専用ではない物理デバイスの形態で、または仮想化エンティティの形態でインスタンス化され得る。
【0099】
本発明によれば、この管理エンティティは、端末装置によって実行されることが意図されているソフトウェアアプリケーションの顧客からビジネス情報を取得することであって、前記情報が、少なくともソフトウェアアプリケーションによって送信されることが意図されているデータストリームのタイプおよびストリームのタイプの各々に関連付けられた優先度インジケータを含む、取得することと、ルールをそれぞれ、端末装置、実行エンティティEXE、および制御エンティティCTRに送信することとを行うように構成されたルール管理デバイス400を備える。
【0100】
以下では、そのアーキテクチャが3GPP規格の5Gバージョンまたは将来のバージョンに準拠し、ネットワークスライスへのネットワークの分割を実現する、モバイル電気通信ネットワークにおける本発明の実施形態がより詳細に説明される。もちろん、すでに述べたように、本発明は説明される例に限定されず、他のタイプの固定またはモバイル電気通信ネットワーク、および他のワイヤレスまたはワイヤードアクセス技術にも適用される。
【0101】
図3に関して、本発明による、通信ネットワークRCにおいて端末装置UE、IoT上で動作するソフトウェアアプリケーションAPI_TA、API_JMから受信されたデータストリームを送信するための方法の一実施形態が、フローチャートの形態で次に提示される。有利には、本方法は、端末装置UE、IoTに組み込まれたデバイス100によって実施される。
【0102】
以下では、通信ネットワークRCはいくつかのスライスSL_1~SL_Nに分割され、Nは2よりも大きいと仮定される。スライスSL_1およびSL_2が特にソフトウェアアプリケーションAPI_TAおよびAPI_JMを実行する所与の顧客の用途に専用であるケースが、より具体的に説明される。これらのソフトウェアアプリケーションは、実装されるデータストリームの様々なタイプおよびそれらの関連する優先度レベルを定義している顧客の特定のビジネスアプリケーションである。
【0103】
もちろん、すでに述べたように、本発明はこのユースケースに限定されず、事業者の通信ネットワークのスライスを顧客、端末、ソフトウェアアプリケーション、サービスなどに割り当てるための任意の他の戦略に適用される。特に、本発明の少なくとも1つの他の実施形態によれば、事業者は、たとえばボイスオーバーIPサービスなどの、事業者が顧客に提供するサービスのうちの1つの一部として送信されるデータストリームのルーティングに専用のネットワークスライスを定義する。この場合、事業者は、顧客が契約した様々なサブスクリプションレベル(たとえば、ゴールド、シルバー、またはブロンズ)に関係する様々なサービス品質レベルに関連付けられたボイスオーバーIPデータストリームの様々なタイプを定義し、これらのタイプを異なる優先度インジケータ値である、最も高い優先度を有する「ゴールド」ボイスオーバーIPデータストリームタイプおよび最も低い優先度を有する「ブロンズ」ボイスオーバーIPデータストリームタイプに関連付ける。
【0104】
予備段階において、このソフトウェアアプリケーションAPI_TA、API_JMから発信するデータストリームをルーティングするためのルールR_UEが30において受信され、たとえば管理エンティティEMGから発信する。これらのルールは、優先度インジケータを、ソフトウェアアプリケーションAPI_TA、API_JMによって送信される各データストリームに関連付ける。
【0105】
典型的には、そのようなルールは、ソフトウェアアプリケーションAPI_TA、API_JMの識別子、データストリームのタイプSTR_IDの識別子、通信ネットワークRCにおいてデータストリームを送信するために使用されるべきネットワークスライスの識別子、および関連する優先度インジケータIP値を含む。たとえば、「技術者拡張」ビジネスアプリケーション、タイプSTR_1のデータストリーム、ネットワークスライスSL_1の場合、そのようなルールの構造は、「優先度インジケータIP - ビジネスソフトウェアアプリケーションAPI_TA - ネットワークスライスSL_1 - データストリームタイプSTR_1」となる。これらは、メモリ、たとえば、デバイス100のメモリM1または端末装置UE、IoTのメモリに記憶される。
【0106】
任意選択で、30において受信されたルールR_UEは、ソフトウェアアプリケーションAPI_TA、API_JMの動作モードに関連付けられる。たとえば、3つの別個の動作モード、すなわち、
- 正常な動作状況に対応する公称動作モードMO_1、
- 警報状況に対応する警報動作モードMO_2、および
- 警報の後に正常な状況または再起動状況に戻ることに対応する警報後動作モードMO_3
がある。
【0107】
様々な動作モードを区別することは、ソフトウェアアプリケーションによって使用されるデータストリームのタイプの各々のそれぞれの優先度レベルを、これらのモードの各々における状況に従って変更することを可能にする。
【0108】
たとえば、インジケータは、少なくとも以下の値、すなわち、
- 高優先度のリアルタイムストリームに対して、たとえば1に等しいIP_1、
- 高優先度の非リアルタイムまたは遅延したストリームに対して、たとえば2に等しいIP_2、
- 低優先度の非リアルタイムまたは遅延したストリームに対して、たとえば3に等しいIP_3
を取ることができる。
【0109】
3つのあらかじめ定義された動作モードに対する「技術者拡張」および「デジタルツイン」ビジネスアプリケーションストリームへの優先度レベルの割当ての一例が、表1において以下に提示されている。
【0110】
【表1】
【0111】
この場合、ルールR_UEは、たとえば、その関連する動作モードに対応する追加の属性を含んでもよい。
【0112】
31において、ソフトウェアアプリケーションAPI_TA、API_JMの現在の動作モードに関係する情報が受信される。ここでは、これは公称動作モードMO_1であると仮定される。
【0113】
動作段階において、ソフトウェアアプリケーションAPI_TA、API_JMからデータストリームSTRが32において受信される。33において、データストリームのヘッダに含まれる少なくとも1つの情報からネットワークスライスが選択される。情報は、たとえば、このデータストリームを受信することになるデバイスを識別する宛先IPアドレス、および/またはアプリケーションAPI_TA、API_JMの識別子である。たとえば、この情報は、端末装置と5Gコアネットワークとの間の交換において実装され、3GPP TS 23.502「4.16.12.2 UE Policy Association Modification initiated by the PCF」手順によって定義された、非アクセス層(NAS)プロトコルなどのシグナリングプロトコルのヘッダから抽出される。
【0114】
34において、たとえば、ストリームのヘッダから抽出された二つ組「(宛先)IPアドレス;プロトコルID」からまたは属性「(宛先)IPアドレス、ポート番号、プロトコルID」の三つ組から、データストリームのタイプSTR_ID(たとえば、音声、ビデオストリーミング、またはデータ交換)が取得される。属性の三つ組は、たとえば、同じアプリケーションからの2つの別個のストリームをそれらの別個のポート番号に基づいてより細かく差別化するために使用され得る。
【0115】
これは、このアプリケーションがこれらのストリームを一次サーバである同じアプリケーションサーバに送信するように構成されるが、一次サーバがこれらのストリームの各々を二次サーバである別個の専用サーバに送信するときに特に当てはまる。たとえば、「技術者拡張」アプリケーションAPI_TAの場合、パターン認識に特化したサーバがビデオストリーミングストリームを受信し、技術文書のインデックス付けに特化した別のサーバがエンリッチされたデータのストリームを受信し、人間接続サービスに特化したさらに別のサーバがボイスオーバーIPストリームを受信する。
【0116】
35において、該当する場合、現在の動作モードMO_1の値が取得される。36において、ストリームSTRをデータストリームのタイプSTR_IDにおよび場合によっては現在の動作モードMO_1に送信したソフトウェアアプリケーションAPI_TA、API_JMに対応するメモリに記憶されたルールR_UEが取り出され、このデータストリームSTRに関連付けられた優先度インジケータIP値を取得することが可能になる。37において、優先度インジケータIPがデータストリームSTRに挿入される。たとえば、優先度インジケータIPは、ソフトウェアアプリケーションAPI_TA、API_JMによって使用されるアプリケーションプロトコルのヘッダなどの、データストリームSTRのヘッダに挿入される。たとえば、優先度インジケータIPは、HTTP GET要求のヘッダの変数に挿入される。優先度インジケータIPはまた、IPパケット、イーサネットフレーム、または3GPPネットワークコンテキスト(PDPコンテキスト、EPBベアラ、PDUセッション)のヘッダに挿入され得る。変形形態として、優先度インジケータIPはまた、データストリームSTRのそのようなパケット、フレーム、またはコンテキストの有用な部分(すなわち、ペイロード部分)に挿入され得る。
【0117】
38において、このように変更されたデータストリームSTRが、通信ネットワークRCのデータスライスSL_1において送信される。
【0118】
動作モードの変更の後に、ソフトウェアアプリケーションAPI_TA、API_JMによって送信される次のデータストリームに挿入されるべき優先度インジケータの値が更新され、新しい現在の動作モードに関連付けられた値になることを理解されたい。
【0119】
図4に関して、本発明の1つの実施形態による、通信ネットワークRCのスライスSL_1において端末装置UE、IoT上で動作するソフトウェアアプリケーションAPI_TA、API_JMから受信されたデータストリームを実装するための方法の一実施形態が、フローチャートの形態で次に提示される。有利には、このデータストリームSTRは、通信ネットワークRCのユーザプレーンUPの実行エンティティEXEによって受信され、本方法は、少なくともネットワークRCのネットワークスライスSL_1を管理するように構成された、この実行エンティティEXEに組み込まれたデバイス200によって実施される。ネットワークRCが5G準拠モバイル通信ネットワークである場合、デバイス200は、たとえば、無線アクセスネットワークRANのデバイスであり、たとえば、O-RANアーキテクチャでは、このデバイスは、O-CU-UP(「O-RAN中央ユニット-ユーザプレーン(O-RAN Central Unit-User Plane)」[O-RAN])機能を実行するデバイス、またはネットワークコアのデバイスであり得る。
【0120】
有利には、ここでは、実行エンティティEXEはネットワークRCのスライスSL_1およびSL_2を管理するように構成されると仮定される。
【0121】
40において、データストリームSTRが受信される。41において、優先度インジケータIPが、データストリームにおいて、たとえば、ヘッダにおいてまたはこのデータストリームのペイロード部分において検出される。
【0122】
42において、ネットワークスライスSL_1においてデータストリームSTRをルーティングするために利用可能なリソースのレベルNRS_1の評価が取得される。この評価は、ローカルに実施されるか、または遠隔デバイス、たとえば、ユーザプレーンの別のデバイスから取得され得る。実行エンティティEXEは、実行エンティティEXEが利用可能であり、実行エンティティEXEが担当する各ネットワークスライスSLのために実行エンティティEXEが使用することができるリソースを認識している。実際に、5Gアーキテクチャにおいて、ネットワークスライスが実装されるとき、管理プレーンは、各スライスの特性に従ってアクセスネットワークデバイスおよびコアネットワークデバイスの各々を構成する。これらの特性は、とりわけ、各スライスに割り振られた帯域幅を含む。
【0123】
各処理ルールR_UPは次いで、関連するビジネスアプリケーションAPI_TA、API_JMによって送信される可能性があるデータストリームの各タイプの正確な動作のために必要とされる帯域幅を指定する。
【0124】
最後に、実行エンティティEXEは、所与のスライスSLのために利用可能なリソースが受信されたデータストリームのルーティングを確実にするのに十分であるかどうかを、そのデータストリームに関連付けられた優先度インジケータIPの値を考慮して評価する。これを行うために、実行エンティティEXEは、受信されたストリームをルーティングするために必要とされるリソースの量を利用可能なリソースの量と比較する。この量は、たとえば、無線アクセスネットワークにおけるPRBの数、またはネットワークコアの場合はkbits/sもしくはMbits/sの単位のビットレートである。
【0125】
いくつかのデータストリームが同時に受信される場合、それらの処理は、有利には、それらの関連する優先度レベルに従って優先順位が付けられ得ることに留意されたい。たとえば、リアルタイムストリームは非リアルタイムストリームよりも優先される。
【0126】
必要であれば、いくつかのリアルタイムストリームが同じネットワークスライスを使用し、実行エンティティEXEによって同時に受信される場合、たとえば、低優先度リアルタイムストリームの前に高優先度リアルタイムストリームを処理することによって、第2のレベルの優先順位付けが適用され得る。これは、優先VoIPデータストリームと非優先VoIPデータストリームを区別する事業者の「ボイスオーバーIP」アプリケーションに特に当てはまる。高優先度非リアルタイムストリームと低優先度非リアルタイムストリームを区別することによって、非リアルタイムストリームに対して同じことを行うことが可能であることに留意されたい。この場合、低優先度リアルタイムストリームは依然として、非リアルタイムストリームよりも、特に高優先度非リアルタイムストリームよりも優先することに留意されたい。
【0127】
43において、このデータストリームのルーティングを処理するために実行されるべき処理アクションACが取得される。44において、処理アクションACが実行される。
【0128】
本発明によれば、処理アクションACは、次に詳述される様々な方法で実行エンティティEXEによって取得され得る。
【0129】
図4Aによって示される本発明の第1の実施形態によれば、ソフトウェアアプリケーションAPI_TA、API_JMから受信されたデータストリームSTRを処理するための少なくとも1つのルールR_UPが、430において取得される。たとえば、図示しない事前構成段階においてルールのセットが管理エンティティEMGから受信されていると仮定される。そのようなルールは、データストリームSTRに対して実行されるべき処理アクションACを示す。有利には、そのような処理ルールR_UPは、ソフトウェアアプリケーションAPI_TA、API_JMの識別子、データストリームのタイプSTR_1の識別子、通信ネットワークRCにおいてデータストリームを送信するために使用されるべきネットワークスライスSL_1の識別子、関連する優先度インジケータIP_1値、および実行されるべきアクションACの識別子を含む。
【0130】
たとえば、対象となるメモリはデータベースとして編成され、受信されたデータストリームSTRに適用されるべき処理ルールは、ストリームにおいて検出されたソフトウェアアプリケーションの識別子および/またはデータストリームの識別子と優先度インジケータとを使用してデータベースをクエリすることによって取得される。
【0131】
有利には、処理アクションACは、以下の2つの値、すなわち、
- データストリームを通過させ(AC1、たとえば1に等しい)、データストリームをネットワークスライスSL_1に転送する、
- データストリームSTRをブロックし(AC2、たとえば2に等しい)、データストリームSTRをネットワークスライスSL_1から削除する、
のうちの少なくとも1つを取ることができる。
【0132】
アクションAC_1、AC_2は44において実行されるべき2つの基本的なアクションであることを理解されたい。これらのアクションは、バイナリ意思決定に基づくので、実装が簡単であり、単純なルールに基づくという利点を有する。もちろん、リソースが不十分であるとして評価されたときには、エンリッチされた戦略を実現するために他のアクションが考慮され得る。たとえば、別の可能なアクションは、データストリームSTRの転送を加速もしくは遅延させるか、またはより少ないもしくはより多いリソースをデータストリームSTRに割り当てること、あるいはデータストリームを送信する前にデータストリームを制限またはクリップして利用可能なリソースに適応させることであろう。同じ優先度を有する2つのストリームが同時に受信される場合、より少ないリソースをストリームの各々に割り振ることによって両方を転送することが可能であろう。
【0133】
431において、取得されたルールR_UPから処理アクションACが抽出され、次いで44において適用される。
【0134】
したがって、この第1の実施形態によれば、実行エンティティEXEは実行されるべき処理アクションをローカルに決定するようにあらかじめ構成されている。
【0135】
有利には、実行エンティティEXEは、実行されるべき処理アクションをローカルに決定すべきかどうかまたは通信ネットワークRCの別のエンティティに通知すべきかどうかを示す第1の処理ルールR_UP0をあらかじめ受信している可能性がある。
変形形態として、実行エンティティEXEは単に、受信されたデータストリームがそこから発信するソフトウェアアプリケーションに対する、および検出された優先度インジケータIPに対するルールR_UPを有するかどうかをメモリにおいてチェックするだけでよい。対応するルールR_UPが見つからない場合、実行エンティティEXEは別のエンティティに通知するか、または関連するソフトウェアアプリケーションからもしくはネットワークスライスSL_1のすべての顧客のソフトウェアアプリケーションから発信する、最も低い優先度レベルIP_3に関連付けられたデータストリームに対して実行されるべき処理アクションを定義するデフォルトルールR_UP_Dを適用する。
【0136】
図4Bによって示される本発明の第2の実施形態によれば、実行エンティティEXEは通信ネットワークRCの別のエンティティに通知するように構成されると考えられる。有利には、別のエンティティは、ネットワークRCにおいてルーティングされるデータストリームを処理するためのポリシーの実行を制御するように構成された、前記ネットワークRCの制御プレーンの制御エンティティCTRである。たとえば、第1のルールR_UP0は、通知されるべきこの制御エンティティCTRと、制御エンティティCTRに送信されるべき情報とを識別する。
【0137】
(図4Bの)430'において、実行エンティティはこの第1のルールR_UP0を取得し、したがって、通知されるべき制御エンティティの識別情報を抽出する。
431'において、実行エンティティは、ネットワークスライスSL_1において優先度インジケータIPに関連付けられたデータストリームSTRを受信したことを制御エンティティCTRに通知する。実行エンティティは、データストリームSTRにおける優先度インジケータIPの検出の後にこの通知をトリガする、すなわち、単一の受信されたデータストリームに関連付けられた単一の優先度インジケータを含むメッセージにおいて制御エンティティCTRに系統的に通知する、または、変形形態として、所与の時間期間の間にネットワークスライスSL_1上で受信されたデータストリームにおいて検出された優先度インジケータをグループ化する単一の通知メッセージNTFをこの期間の後に送信することができることに留意されたい。
【0138】
432'において、実行エンティティは、返報として、実行されるべき処理アクションを受信する。処理アクションは、たとえば、上記で論じられた2つのアクションAC_1、AC_2のうちの一方であるか、あるいは、エンリッチされた戦略に従って、たとえば、データストリームSTRの転送を遅延もしくは加速させるか、または転送前にデータストリームを制限もしくはクリップするための別のアクションである。44において、実行エンティティは、受信された処理アクションを実行する。
【0139】
本発明のこの第2の実施形態によれば、制御プレーンは、これらのストリームに関連付けられた優先度インジケータに従ってデータストリーム処理ルールを適用する。
【0140】
図5に関して、この第2の実施形態による、通信ネットワークのデータスライスSL_1においてソフトウェアアプリケーションAPI_TA、API_JMから受信されたデータストリームを制御するための方法の一実施形態が、フローチャートの形態で次に提示される。有利には、本方法は、通信ネットワークRCの制御プレーンの制御エンティティCTRに組み込まれたデバイス300によって実施される。
【0141】
50において、通知NTFが、通信ネットワークRCのユーザプレーンの実行エンティティEXEから制御エンティティCTRによって受信される。通知NTFは、この実行エンティティEXEによって受信されたデータストリームSTRに関するものであり、少なくともデータストリームのタイプSTR_1の識別子、関連する優先度インジケータIP_1、およびネットワークスライスSL_1の識別子を含む。たとえば、この通知は、radius、diameter、またはhttp/2などのプロトコルに準拠するメッセージにおいて制御エンティティに送信される。5G向けのサービスベースアーキテクチャ(SBA:Service-Based Architecture)の場合、http/2プロトコルが使用される。
【0142】
51において、制御エンティティCTRは、ネットワークスライスSL_1において利用可能なリソースのレベルの評価を取得する。受信されたデータストリームSTRに関連付けられた優先度レベルについて提供される条件下でそのデータストリームSTRを送信するためのリソース要件に関して、実装される機構はステップ42について説明された機構と類似しており、これ以上は詳述されない。
【0143】
O-RAN実装を実現する5Gアーキテクチャのアクセスネットワークでは、制御エンティティまたは機能CTRは、O-CU-CP機能から各ネットワークスライスのための利用可能なリソースに関係する情報を取り出す。
【0144】
コアネットワークでは、制御エンティティまたは機能CTRは、3GPPによってTS23.501仕様(セクション5.8.2.11「Parameters for N4 session management」)において定義されたN4インターフェースを介して、対象となる実行エンティティまたは機能EXEに対応するユーザプレーン機能(UPF)を制御するセッション管理機能(SMF)から、この利用可能なリソース情報を取り出す。
【0145】
52において、制御エンティティまたは機能CTRは、ネットワークスライスSL_1上でルーティングされ、受信された優先度インジケータIPに関連付けられたデータストリームを制御するためのルールR_CPを取得する。有利には、図示しない事前構成段階においてルールのセットR_CPが管理エンティティEMGから受信されていると仮定される。そのようなルールは、その関連する優先度インジケータの値に従ってデータストリームSTRに対して実行されるべき処理アクションACを示す。有利には、そのような制御ルールR_CPは、ネットワークスライスSL_1の識別子、優先度インジケータIP_1の値、および実行されるべきアクションACの識別子を含む。
【0146】
この制御ルールR_CPはその構造および内容が処理ルールR_UPに非常に類似していることを理解されたい。1つの違いは、制御ルールR_CPがより複雑であり得るということである。というのは、制御エンティティまたは機能CTRは一般に、それが担う領域について、それ自体のリソースのみを認識し、したがって、その機能に限定されたアクションの範囲を有する実行エンティティまたは機能EXEよりも広い視野を有するからである。
【0147】
たとえば、対象となるメモリはデータベースとして編成され、受信された通知NTFに適用されるべき制御ルールR_CPは、通知において受信されたデータスライスSL_1の識別子と優先度インジケータIPとを使用してデータベースをクエリすることによって取得される。
【0148】
53において、受信されたルールから処理アクションACが抽出され、次いで54において、少なくとも処理アクションACを含むメッセージにおいて応答が実行エンティティに送信される。たとえば、このメッセージはJSONフォーマットに準拠し、http/2プロトコルを使用して送られる。
【0149】
図6に関して、データストリームSTRについて決定された処理アクションがネットワークスライスSL_1においてこのストリームをブロックすることであるときに実行される本発明の別の実施形態が、フローチャートの形態で次に提示される。特に、図4に関して今説明されたデータストリームを処理するための方法の一部として実行エンティティEXEにおいて、または図5に関して今説明されたデータストリームを制御するための方法の一部として制御エンティティCTRにおいてのいずれかで実行され得る機構が以下で説明される。
【0150】
したがって、対象となる機構は、アクションACがネットワークスライスSL_1においてデータストリームをブロックするためのアクションAC2であるときは、またはより一般的には、利用可能なリソースが不十分であるとして評価され、ストリームを制限するかもしくはストリームの転送を遅延させるためのアクションが取られているときは、実行エンティティEXEにおいてこのアクションを取得すること43に続いて、あるいは制御エンティティCTRにおいてこのアクションACを実行すると決定すること53に続いてトリガされる。60において、ネットワークスライスSL_1における優先度インジケータIPに関連付けられたソフトウェアアプリケーションAPI_TA、API_JMのデータストリームに対する別の処理ルールR_UP_FKまたは制御ルールR_CP_FKがあるかどうかがチェックされ、このルールは、ブロックされたデータストリームを関連するソフトウェアアプリケーションの顧客がアクセス可能な別のネットワークスライスSL_2に転送することで構成される第3の処理アクションAC_3を提供する。たとえば、フォールバックルールと呼ばれるこの追加のルールは、上記で説明されたようにローカルメモリデータベースをクエリすることによって取得される。
【0151】
最初に、このフォールバックルールが利用可能ではないと仮定される。この場合、実行されるべき処理アクションは、ネットワークスライスSL_1のデータストリームをブロックする、したがって、削除するための、またはルーティング用に利用可能なリソースに応じてストリームを制限するためのアクションAC2にとどまる。
【0152】
一方、現在のデータストリームに対してこのフォールバックルールが利用可能であるとき、ソフトウェアアプリケーションの顧客がアクセス可能な別のネットワークスライス、この場合はスライスSL_2におけるリソースのアベイラビリティが61において評価される。62において、利用可能なリソースの量が取得され、次いで、所与の最小しきい値THまたはデータストリームSTRをルーティングするためのリソース要件と比較される。この別のネットワークスライスSL_2が十分なリソースおよび/またはデータストリームSTRをルーティングするためのネットワークスライスSL_1よりも多くの利用可能なリソースを有する場合、すなわち、評価されたリソースの量がしきい値THよりも大きいかまたはそれに等しい場合、データストリームSTRが別のネットワークスライスSL_2に転送される。
【0153】
有利には、そのようなフォールバックルールR_UP_FK、R_CP_FKは、高い優先度レベルに対応する優先度インジケータに関連付けられる。たとえば、ソフトウェアアプリケーションAPI_TA、API_JMの場合、優先度インジケータIP_1に関連付けられたデータストリームのみが別のネットワークスライスSL_2に対するこのフォールバックソリューションから恩恵を受けることができる。動作モードが実行されるとき、公称モードMO_1におけるタイプSTR_1のデータストリームのみがフォールバックソリューションから恩恵を受けることができるが、警報モードMO_2におけるタイプSTR_1、STR_2、およびSTR_3のすべてのデータストリームがフォールバックソリューションから恩恵を受けることができることに留意されたい。
【0154】
したがって、この機構は、優先データストリームを送信したアプリケーション用に選択されたネットワークスライスSL_1においてユーザプレーンUPのリソースが十分ではないとき、優先データストリームがルーティングされるための追加の機会を提供するという利点を有する。
【0155】
これは、2つの以前に説明された実施形態について、以下のように明確にされる。
- 実行エンティティEXEが管理エンティティEMGから事前に取得された処理ルールを適用することによって実行されるべきアクションをローカルに決定する第1の実施形態の場合、今説明されたフォールバック機構は、関与するソフトウェアアプリケーションがアクセス可能な少なくとも2つのネットワークスライスSL_1、SL_2を実行エンティティが管理することを担うという条件でフォールバックルールR_UP_FKに基づいて、またはデータストリームSTRをブロックするもしくはデータストリームSTRを制限するという決定に基づいてのいずれかでローカルに実行されることも可能である。この決定は、制御エンティティCTRが対象となるフォールバック機構を実行するように、制御エンティティCTRへの通知の送信をトリガする。たとえば、通知は、優先度インジケータ、ソフトウェアアプリケーションAPI_TA、API_JMの識別子、選択されたネットワークスライスSL_1の識別子を含む。受信すると、制御エンティティCTRはフォールバック機構を実行し、ブロックアクション(もしくはルーティング制限)AC_2またはデータストリームが転送されることになる先のネットワークスライスSL_2を指定する転送アクションAC_3のいずれかの確認を送信することによって通知に応答する。
- 実行エンティティEXEが、実行エンティティEXEが受信したデータストリームSTRにおいて検出された優先度インジケータと、実行エンティティEXEがその中で優先度インジケータを受信したネットワークスライスSL_1とを、実行エンティティEXEが依存する制御エンティティCTRに通知する第2の実施形態の場合、フォールバック機構は、有利には、データストリームSTRをブロックするためにエンティティEXEに決定AC_2を実行させるという決定52の後に、制御エンティティCTRによって実行される。このようにして、制御エンティティは、実行エンティティEXEからの通知NTFに応答して、この転送が実施されることになる先のネットワークスライスSL_2に関連付けられた転送アクションAC_3を送信するだけである。
【0156】
図7に関して、本発明を実施する通信ネットワークRCのアーキテクチャの一例が次に提示される。このアーキテクチャは、管理プレーンMPと、ユーザプレーンUPと、制御プレーンCPとを含む。管理プレーンMPは、ネットワークRCの様々なスライスSL_1、SL_2においてデータストリームをルーティング、処理、および制御するためのルールを定義するように構成された複数の管理エンティティEMG_1、EMG_2、EMG_3を含む。特に、管理エンティティは、データストリームのルーティングルールをネットワークRCに接続された端末装置UE、IoTに送信し、処理ルールをユーザプレーンUPの複数の実行エンティティEXE_1、EXE_2、EXE_3に送信し、制御ルールをネットワークRCの制御プレーンCPの複数の制御エンティティCTR_1、CTR_2、CTR_3に送信するように構成される。
【0157】
これらのルールは、ネットワークスライスにおいて利用可能なリソースのレベルと、このストリームの優先度レベルとに従って、データストリームがルーティングされ得るかまたはブロックされるべきかを決定することを可能にする。
【0158】
これらの実行エンティティのうちのいくつかは、ネットワークRCのいくつかのスライスSL_1、SL_2を管理するように構成され得るが、他の実行エンティティは、1つのみのスライスを管理するように構成され得る。ネットワークRCの少なくとも2つのスライスを管理するように構成された実行エンティティは、図6に関して説明されたフォールバック機構を実行し、フォールバック機構を優先度が最も高いデータストリームに適用することが可能になる。
【0159】
以前に説明されたように、このフォールバック機構は、変形形態として、制御エンティティCTR_1、CTR_2、CTR_3が制御する実行エンティティが少なくとも2つのネットワークスライスを管理するとき、これらの制御エンティティによって実行され得る。たとえば、実行エンティティEXE_1が、「警報」動作モードを検出し、エンティティEXE_1を管理する制御エンティティCTR_1に通知する。このエンティティCTR_1は次いで、ユーザプレーンの場合は実行エンティティEXE_1'(図示せず)によっておよび制御プレーンの場合は同じエンティティCTR_1によって制御される別のネットワークスライスSL_2にストリームを複製することを決定することができる。
【0160】
ユーザプレーンの実行エンティティは、端末装置UE、IoTによって送信されたデータストリームSTRによって取られる、その宛先までの経路またはルートに沿って配置される。したがって、実行エンティティの各々は、今説明されたデータストリームを処理するための方法を、その実行エンティティが依存する制御エンティティCTR_1、CTR_2、CTR_3の制御下で実施するように構成されることを理解されたい。
【0161】
本発明はマルチオペレータの文脈においても適用されることと、結果として、いくつかの実行エンティティまたは制御エンティティは、別の事業者のネットワークスライスのリソースを認識し、データストリームをこのネットワークスライスに転送することを決定するように構成され得ることとに留意されたい。たとえば、データストリームをルーティングすることについての決定を下す制御エンティティは、別の事業者のそのネットワークスライスにおいて利用可能なリソースのレベルに関係する情報を、その別の事業者によって管理される制御エンティティから受信し得る。
【0162】
図8に関して、端末装置が接続され、複数のネットワークスライスに分割された電気通信ネットワークにおいてデータストリームを送信するためのデバイス100のハードウェア構造の一例が次に提示され、前記デバイスが、少なくともソフトウェアアプリケーションの識別子に従って、前記複数のネットワークスライスから1つのネットワークスライスを選択するためのモジュールと、前記ストリームのタイプを取得するためのモジュールであって、前記タイプが、少なくとも1つの第1のタイプのストリームおよび第2のタイプのストリームを含むグループに属する、モジュールと、ストリームのタイプに関連付けられた優先度インジケータをデータストリームのヘッダに挿入するためのモジュールであって、優先度インジケータが、第1のタイプのストリームに関連付けられた少なくとも1つの第1のインジケータおよび第2のタイプのストリームに関連付けられた第2のインジケータを含むグループに属し、第1の優先度インジケータおよび第2の優先度インジケータが異なる値を有する、モジュールと、選択されたネットワークスライスにおいてデータストリームを送信するためのモジュールとを備える。
【0163】
有利には、デバイス100は、前記ソフトウェアアプリケーションのデータストリームをルーティングするための少なくとも1つのルールを受信するためのモジュールであって、前記ルールが、少なくとも前記ソフトウェアアプリケーションの識別子、ストリームの前記タイプ、ストリームの前記タイプに関連付けられた前記優先度インジケータ、およびネットワークスライスの識別子を含む、モジュールと、前記少なくとも1つのルーティングルールをメモリに記憶するためのモジュールであって、選択モジュールおよび挿入モジュールが、前記少なくとも1つのルールを適用するように構成される、モジュールとを備える。有利には、デバイス100はまた、前記ソフトウェアアプリケーションの動作モードを取得するためのモジュールであって、前記動作モードが、少なくとも1つの第1の動作モードおよび第2の動作モードを含むグループに属し、前記少なくとも1つのルーティングルールが、前記動作モードに関連付けられる、モジュールを備える。
【0164】
「モジュール」という用語は、ソフトウェア構成要素ならびにハードウェア構成要素もしくはハードウェア構成要素とソフトウェア構成要素のセット、1つもしくは複数のコンピュータプログラムもしくはサブプログラムに対応するソフトウェア構成要素自体、またはより一般的には、機能もしくは機能のセットを実装することが可能なプログラムの任意の要素に対応することができる。
【0165】
より一般的には、そのようなデバイス100は、ランダムアクセスメモリ103(たとえば、RAMメモリ)と、たとえばプロセッサを備え、読取り専用メモリ101(たとえば、ROMメモリまたはハードディスク)に記憶された選択モジュール、取得モジュール、挿入モジュール、受信モジュール、および記憶モジュールを表すコンピュータプログラムPg1によって制御される処理ユニット102とを備える。初期化時に、コンピュータプログラムのコード命令は、たとえば、処理ユニット102のプロセッサによって実行される前にランダムアクセスメモリ103にロードされる。ランダムアクセスメモリ103はまた、たとえば、ソフトウェアアプリケーションの取得された識別子、データストリームのタイプ、および動作モードを含み得る。
【0166】
図8は、デバイス100がその様々な実施形態において図3に関して上記で説明されたようなデータストリームを送信するための方法のステップを実行するようにデバイス100を実現するいくつかの可能な方法のうちの特定の1つを示すにすぎない。実際に、これらのステップは、命令のシーケンスを含むプログラムを実行する再プログラム可能なコンピューティングマシン(PCコンピュータ、DSPプロセッサ、またはマイクロコントローラ)上で、または専用のコンピューティングマシン(たとえば、FPGAもしくはASICなどの論理ゲートのセット、または任意の他のハードウェアモジュール)上で異なるように実行され得る。
【0167】
デバイス100が再プログラム可能なコンピューティングマシンで実現される場合、(命令のシーケンスである)対応するプログラムは、リムーバブル記憶媒体(たとえば、SDカード、USBフラッシュドライブ、CD-ROMまたはDVD-ROMなど)または非リムーバブル記憶媒体に記憶されることが可能であり、この記憶媒体は、コンピュータまたはプロセッサによって部分的にまたは全体的に読取り可能である。
【0168】
通信ネットワークRCに接続された端末装置に組み込まれたデバイス100に関して、様々な実施形態が上記で説明されてきたが、デバイス100は、このネットワークにアクセスするためのデバイス、たとえば、このデバイス100を組み込む接続ゲートウェイにも組み込まれ得る。そのような接続ゲートウェイは通常、(低いオンボード処理能力を有する)ライトIoTモジュールと通信ネットワークRCとの間のインターフェースとして働く。これは、たとえば、エネルギー管理用に実行される。IoTセンサーは、ユーザのエネルギー消費についての測定データを接続ゲートウェイにフィードバックし、接続ゲートウェイは典型的には、約10個のIoTセンサーを集約するように構成される。
【0169】
図9に関して、複数のネットワークスライスに分割された電気通信ネットワークにおいて受信されたデータストリームを処理するためのデバイス200のハードウェア構造の一例が次いで提示され、前記データストリームが、前記複数のネットワークスライスのうちのネットワークスライスにおいて前記ネットワークに接続された端末装置上で動作するソフトウェアアプリケーションから受信されており、前記デバイスが、ネットワークスライスにおいて利用可能なリソースのレベルの評価を取得するためのモジュールと、前記データストリームのヘッダにおいて優先度インジケータを検出するためのモジュールと、少なくとも前記優先度インジケータおよび前記ネットワークスライスにおいて利用可能なネットワークリソースのレベルに従って前記データストリームを処理するための少なくとも1つのアクションを実行するためのモジュールであって、前記処理アクションが、利用可能なリソースのレベルが十分であるときに、前記ネットワークスライスにおいてデータストリームを通過させるための少なくとも1つの第1のアクションと、利用可能なネットワークリソースのレベルが不十分であるときに実行されることが意図されている、前記ネットワークスライスにおいてデータストリームをブロックするための第2のアクションとを含むグループに属する、モジュールとを備える。
【0170】
有利には、デバイス200は、前記ソフトウェアアプリケーションから受信されたデータストリームを処理するための少なくとも1つのルールをあらかじめ取得するためのモジュールであって、前記ルールが、データストリームの前記優先度インジケータ、前記ネットワークスライス識別子、および前記ストリームを処理するための前記少なくとも1つのアクションを含む、モジュールと、(前記ルールから処理アクションを抽出するための)抽出モジュールとを備える。有利には、前記デバイスはまた、前記データストリームを処理するための処理ルールがあらかじめ取得されていないときに実行されるように構成された、前記優先度インジケータを前記ネットワークの制御エンティティに通知するためのモジュールと、前記制御エンティティから、実行されるべき前記少なくとも1つの処理アクションを受信するためのモジュールとを備える。有利には、デバイス200は最後に、別のネットワークスライスにおいてリソースのレベルの評価を取得するためのモジュールと、リソースの前記レベル(および優先度インジケータ)に従って、第2の処理アクションの代わりとして、データストリームを転送するためのアクションと呼ばれる少なくとも1つの第3の処理アクションを決定するためのモジュールとを備える。これらのモジュールは、実行エンティティが前記通信ネットワークのネットワークスライスおよび前記少なくとも1つの他のネットワークスライスを管理するように構成されるときに、かつ処理アクションがネットワークスライスにおいてデータストリームをブロックするための第2のアクションであるときに、実行されるように構成される。
【0171】
「モジュール」という用語は、ソフトウェア構成要素ならびにハードウェア構成要素もしくはハードウェア構成要素とソフトウェア構成要素のセット、1つもしくは複数のコンピュータプログラムもしくはサブプログラムに対応するソフトウェア構成要素自体、またはより一般的には、機能もしくは機能のセットを実装することが可能なプログラムの任意の要素に対応することができる。
【0172】
より一般的には、そのようなデバイス200は、ランダムアクセスメモリ203(たとえば、RAMメモリ)と、たとえばプロセッサを備え、読取り専用メモリ201(たとえば、ROMメモリまたはハードディスク)に記憶された上述のモジュールを表すコンピュータプログラムPg2によって制御される処理ユニット202とを備える。初期化時に、コンピュータプログラムのコード命令は、たとえば、処理ユニット202のプロセッサによって実行される前にランダムアクセスメモリ203にロードされる。ランダムアクセスメモリ203はまた、たとえば、ソフトウェアアプリケーションの取得された識別子、優先度インジケータ、ネットワークスライス、ネットワークスライスについて評価されたリソースのレベル、およびデータストリームのタイプを含み得る。ランダムアクセスメモリ203はまた、あらかじめ受信された処理ルール、ネットワークスライスについて評価されたリソースレベル、評価されたリソースレベルがデータストリームをルーティングするために十分であるかどうかを決定するために実装される決定しきい値を含み得る。
【0173】
図9は、デバイス200がその様々な実施形態において図4図4A図4B、および図6に関して上記で詳述されたようなデータストリームの処理を制御するための方法のステップを実行するようにデバイス200を実現するいくつかの可能な方法のうちの特定の1つを示すにすぎない。実際に、これらのステップは、命令のシーケンスを含むプログラムを実行する再プログラム可能なコンピューティングマシン(PCコンピュータ、DSPプロセッサ、またはマイクロコントローラ)上で、または専用のコンピューティングマシン(たとえば、FPGAもしくはASICなどの論理ゲートのセット、または任意の他のハードウェアモジュール)上で異なるように実行され得る。
【0174】
デバイス200が再プログラム可能なコンピューティングマシンで実現される場合、(命令のシーケンスである)対応するプログラムは、リムーバブル記憶媒体(たとえば、SDカード、USBフラッシュドライブ、CD-ROMまたはDVD-ROMなど)または非リムーバブル記憶媒体に記憶されることが可能であり、この記憶媒体は、コンピュータまたはプロセッサによって部分的にまたは全体的に読取り可能である。
【0175】
通信ネットワークRCの実行エンティティに組み込まれたデバイス200、たとえば、アクセスネットワークのノードデバイス、たとえば、モバイル無線アクセスネットワークの基地局、またはコアネットワークのルータデバイスに関して、様々な実施形態が上記で説明されてきた。
【0176】
最後に、図10に関して、複数のネットワークスライスに分割された電気通信ネットワークにおいて受信されたデータストリームの処理を制御するためのデバイス300のハードウェア構造の一例が提示され、前記データストリームが、前記複数のネットワークスライスのうちのネットワークスライスにおいて端末装置によって送信され、前記ネットワークの実行エンティティによって受信されており、前記デバイスが、実行エンティティから前記受信されたデータストリームに関連付けられた優先度インジケータ(IP)の通知を受信するためのモジュールと、ネットワークスライスにおいて利用可能なリソースのレベルを取得するためのモジュールと、少なくとも受信された優先度インジケータおよび利用可能なリソースのレベルに従って前記ストリームを処理するための少なくとも1つのアクションを決定するためのモジュールと、応答を前記実行エンティティに送信するためのモジュールであって、前記応答が前記処理アクションを含む、モジュールとを備える。
【0177】
有利には、デバイス300は、前記ソフトウェアアプリケーションから受信されたデータストリームの処理を制御するための少なくとも1つのルールをあらかじめ取得するためのモジュールであって、前記ルールが、データストリームの前記優先度インジケータ、前記ネットワークスライス識別子、および前記ストリームを処理するための前記少なくとも1つのアクションを含む、モジュールと、前記少なくとも1つのルールをメモリに記憶するためのモジュールとを備える。有利には、前記デバイス300はまた、別のネットワークスライスにおいて利用可能なリソースのレベルを取得するためのモジュールと、リソースの前記レベルおよび優先度インジケータに従って、第2の処理アクションの代わりとして、データストリームを転送するためのアクションと呼ばれる少なくとも1つの第3の処理アクションを決定するためのモジュールとを備える。これらのモジュールは、決定された処理アクションがネットワークスライスにおいて前記データストリームをブロックするためのアクションであるときに、かつ実行エンティティが前記複数のネットワークスライスのうちの別のネットワークスライスを管理するように構成されるときに、第2の処理アクションを実行エンティティに送信する前に実行されるように構成される。
「モジュール」という用語は、ソフトウェア構成要素ならびにハードウェア構成要素もしくはハードウェア構成要素とソフトウェア構成要素のセット、1つもしくは複数のコンピュータプログラムもしくはサブプログラムに対応するソフトウェア構成要素自体、またはより一般的には、機能もしくは機能のセットを実装することが可能なプログラムの任意の要素に対応することができる。
【0178】
より一般的には、そのようなデバイス300は、ランダムアクセスメモリ303(たとえば、RAMメモリ)と、たとえばプロセッサを備え、読取り専用メモリ301(たとえば、ROMメモリまたはハードディスク)に記憶された上述のモジュールを表すコンピュータプログラムPg3によって制御される処理ユニット302とを備える。初期化時に、コンピュータプログラムのコード命令は、たとえば、処理ユニット302のプロセッサによって実行される前にランダムアクセスメモリ303にロードされる。ランダムアクセスメモリ303はまた、たとえば、あらかじめ受信された制御ルール、ソフトウェアアプリケーションの取得された識別子、優先度インジケータ、ネットワークスライス、ネットワークスライスについて評価されたリソースのレベル、データストリームのタイプを含み得る。ランダムアクセスメモリ303はまた、別のネットワークスライスについて評価されたリソースのレベル、評価されたリソースレベルがデータストリームをルーティングするために十分であるかどうかを決定するために実装される決定しきい値を含み得る。
【0179】
図10は、デバイス300がその様々な実施形態において図5および図6に関して上記で詳述されたようなデータストリームの処理を制御するための方法のステップを実行するようにデバイス300を実現するいくつかの可能な方法のうちの特定の1つを示すにすぎない。実際に、これらのステップは、命令のシーケンスを含むプログラムを実行する再プログラム可能なコンピューティングマシン(PCコンピュータ、DSPプロセッサ、またはマイクロコントローラ)上で、または専用のコンピューティングマシン(たとえば、FPGAもしくはASICなどの論理ゲートのセット、または任意の他のハードウェアモジュール)上で異なるように実行され得る。
【0180】
デバイス300が再プログラム可能なコンピューティングマシンで実現される場合、(命令のシーケンスである)対応するプログラムは、リムーバブル記憶媒体(たとえば、SDカード、USBフラッシュドライブ、CD-ROMまたはDVD-ROMなど)または非リムーバブル記憶媒体に記憶されることが可能であり、この記憶媒体は、コンピュータまたはプロセッサによって部分的にまたは全体的に読取り可能である。
【0181】
通信ネットワークRCの制御エンティティに組み込まれたデバイス300、たとえば、アクセスネットワークを制御するためのデバイス、またはコアネットワークを制御するためのデバイスに関して、様々な実施形態が上記で説明されてきた。たとえば、このデバイス300は、O-RAN仕様に従ってモバイルアクセスネットワークのO-CU-CP機能エンティティにおいて実装される。モバイルコアネットワークに関して、このデバイス300は、5Gアーキテクチャの3GPP仕様に従って機能エンティティSMFにおいて実装され得る。
【符号の説明】
【0182】
100 デバイス
101 読取り専用メモリ
102 処理ユニット
103 ランダムアクセスメモリ
200 デバイス
201 読取り専用メモリ
202 処理ユニット
203 ランダムアクセスメモリ
300 デバイス
301 読取り専用メモリ
302 処理ユニット
303 ランダムアクセスメモリ
400 ルール管理デバイス
AC_1 アクション
AC_2 ブロックアクション
AC_3 転送アクション
API_JM デジタルツインアプリケーション
API_TA 技術者拡張アプリケーション
CP 制御プレーン
CTR,CTR_1,CTR_2,CTR_3 制御エンティティ
EMG,EMG_1,EMG_2,EMG_3 管理エンティティ
EXE,EXE_1,EXE_2,EXE_3,EXE_1' 実行エンティティ
M1 メモリ
MO_1 公称動作モード
MO_2 警報動作モード
MO_3 警報後動作モード
MP 管理プレーン
NRS_1,NRS_2 リソースのレベル
NTF 通知
Pg1,Pg2,Pg3 コンピュータプログラム
RC 通信ネットワーク
R_CP 制御ルール
R_CP_FK フォールバックルール
R_UE ルール
R_UP 処理ルール
R_UP0 第1の処理ルール
R_UP_D デフォルトルール
R_UP_FK フォールバックルール
S システム
SL_1,SL_2,SL_N スライス
STR データストリーム
STR_1,STR_2,STR_3,STR_1',STR_2' ストリームのタイプ
TH しきい値
UE,IoT 端末装置
UP ユーザプレーン
図1
図2
図3
図4
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】