(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-15
(54)【発明の名称】機械駆動列データに基づくスプロケットセグメントの摩耗の検出
(51)【国際特許分類】
G01M 13/021 20190101AFI20250107BHJP
G01M 17/007 20060101ALI20250107BHJP
G01M 17/03 20060101ALI20250107BHJP
【FI】
G01M13/021
G01M17/007 J
G01M17/03
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534432
(86)(22)【出願日】2022-12-05
(85)【翻訳文提出日】2024-06-07
(86)【国際出願番号】 US2022080902
(87)【国際公開番号】W WO2023114653
(87)【国際公開日】2023-06-22
(32)【優先日】2021-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391020193
【氏名又は名称】キャタピラー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CATERPILLAR INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヨハンセン、エリック ジェイ.
【テーマコード(参考)】
2G024
【Fターム(参考)】
2G024AB06
2G024BA21
2G024CA11
2G024CA12
2G024CA13
2G024FA14
(57)【要約】
機械駆動列データに基づくスプロケットセグメントの摩耗の検出
コントローラ(140)は、機械(100)のセンサ装置(120)から、ある期間にわたる機械の駆動列にかかる負荷を示す機械駆動列データを受信することができる。コントローラ(140)は、機械駆動列データに基づいて、ある期間中に負荷の減少が1回以上発生したことを検出することができる。コントローラ(140)は、負荷の減少の1回以上の発生が予期しないものであると判断することができる。コントローラ(140)は、負荷の減少の1回以上の発生が予期しないものであると判断することに基づいて、機械(100)の下部構造の部品の摩耗を検出することができる。コントローラは、部品の摩耗を判断することに基づいて動作を実行させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コントローラ(140)によって実行される方法であって、前記方法は、
機械(100)のセンサ装置(120)から、ある期間にわたる前記機械(100)の駆動列にかかる負荷を示す機械駆動列データを受信することと、
前記機械駆動列データに基づいて、前記ある期間中に前記負荷の減少が1回以上発生したことを検出することと、
前記負荷の前記減少の前記1回以上の発生が予期しないものであると判断することと、
前記負荷の前記減少の前記1回以上の発生が予期しないものであると判断することに基づいて、前記機械(100)の下部構造の部品の摩耗を検出することと、
前記部品の前記摩耗を判断することに基づいて動作を実行させることと、を含む、方法。
【請求項2】
前記1回以上の発生を検出することは、
ある期間の時間間隔中の前記負荷の前記減少の前記1回以上の発生を検出することを含み、
前記方法は、
前記ある期間中に前記機械(100)を操作することに関連付けられたステアリングコマンドに関するオペレータ制御データを受信することと、
前記オペレータ制御データに基づいて、前記ある期間の前記時間間隔中にステアリングコマンドが検出されなかったと判断することと、
前記ある期間中にステアリングコマンドが検出されなかったと判断することに基づいて、前記負荷の前記減少の前記1回以上の発生が予期されないものであると判断することと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1回以上の発生を検出することは、
前記ある期間の時間間隔中に前記負荷の前記減少の前記1回以上の発生を検出することを含み、
前記方法は、
前記ある期間中に前記機械(100)を操作することに関連付けられたギア変更に関するオペレータ制御データを受信することと、
前記オペレータ制御データに基づいて、前記ある期間の前記時間間隔中にギア変更が検出されたと判断することと、
前記ある期間の一部の間にギア変更が検出されたと判断することに基づいて、前記負荷の前記減少の前記1回以上の発生が予期しないものであると判断することと、を更に含む、請求項1及び2に記載の方法。
【請求項4】
前記センサ装置(120)は、第1のセンサ装置(120)であり、
前記1回以上の発生を検出することは、
前記ある期間の時間間隔中に前記負荷の前記減少の前記1回以上の発生を検出することを含み、
前記方法は、
前記機械(100)の第2のセンサ装置(120)から、前記ある期間にわたる前記機械(100)の速度を示す機械速度データを受信することと、
前記機械速度データに基づいて、前記ある期間の前記時間間隔中に前記速度の増加が1回以上発生したことを検出することと、
前記速度の前記増加の前記1回以上の発生が予期しないものであると判断することと、を更に含み、
前記部品の前記摩耗を検出することは、前記速度の前記増加の前記1回以上の発生が予期されないものであると判断することに更に基づいて、前記部品の前記摩耗を検出することを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記動作を実行させることは、
前記1回以上の発生数が数しきい値を満たすと判断することと、
前記1回以上の発生数が前記数しきい値を満たすと判断することに基づいて前記動作を実行させることと、を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
ある期間にわたる機械(100)の駆動列にかかる負荷を示す機械駆動列データを生成するように構成されたセンサ装置(120)と、
前記機械駆動列データに基づいて、前記ある期間中に前記負荷の減少が1回以上発生したことを検出し、
前記負荷の前記減少の前記1回以上の発生が予期しないものであると判断し、
前記負荷の前記減少の前記1回以上の発生が予期しないものであると判断することに基づいて、前記機械(100)の下部構造の部品の摩耗を検出し、
前記部品の前記摩耗を検出することに基づいて、動作を実行させる、ように構成された、コントローラ(140)と、を備える、システム。
【請求項7】
前記コントローラ(140)は、前記部品の前記摩耗を検出するために、
前記下部構造のスプロケットの摩耗を検出するように構成されている、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記コントローラ(140)は、前記動作を実行させるために、
前記機械(100)に関連付けられた装置に、前記部品の前記摩耗が検出されたことを通知すること、
前記部品の前記摩耗の検出に基づいて前記機械(100)の操作が調整されること、
前記部品が補修されること、又は
前記部品が交換されること、のうちの少なくとも1つを行うように構成されている、請求項6又は7に記載のシステム。
【請求項9】
前記コントローラ(140)は、前記部品の前記摩耗を検出するために、
前記1回以上の発生の第1の数に基づいて、前記部品の第1の摩耗量を検出し、
前記1回以上の発生の第2の数に基づいて、前記部品の第2の摩耗量を検出する、ように構成され、
前記第2の数は前記第1の数を超え、
前記第2の摩耗量は前記第1の摩耗量を超える、請求項6~8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記1つ以上の発生が前記ある期間中に検出され、
前記コントローラ(140)は、
1つ以上のオペレータ制御部から、前記機械(100)の操作の制御に関連付けられたオペレータ制御データを受信し、
前記オペレータ制御データが前記ある期間中に生成されなかったと判断し、
前記オペレータ制御データが前記ある期間中に生成されなかったと判断することに基づいて、前記負荷の前記減少の前記1回以上の発生が予期しないものであると判断する、ように更に構成されている、請求項6~9のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、全般的にはスプロケットセグメントの摩耗を検出することに関し、例えば、機械駆動列データに基づいてスプロケットセグメントの摩耗を検出することに関する。
【背景技術】
【0002】
機械の下部構造の部品は、時間の経過とともに摩耗する。部品としては、スプロケットのスプロケットセグメント、トラックリンク、ブッシング、及び/又はトラックリンクピンを挙げることができる。スプロケットのスプロケットセグメントに関しては、スプロケットセグメントが摩耗すると、スプロケットセグメントの先端の幅が狭くなる。スプロケットセグメントの先端の幅が狭くなると、トラックインデックスイベント(track indexing event)の頻度が増加する。「トラックインデックスイベント」とは、スプロケットセグメントによって係合された(トラックリンクの)ブッシングが、スプロケットセグメントの摩耗により(例えば、スプロケットセグメントの先端の摩耗により)、スプロケットの別のスプロケットセグメントに移動することを指すことができる。トラックインデックスイベントにより、機械の下部構造が損傷し、かつ/又は機械に関連付けられた1つ以上の他の部品が損傷する場合がある。更に、トラックインデックスイベントにより、機械の生産性の測定値が低下する可能性がある。
【0003】
部品の摩耗を検出する1つの手法として、そのような部品の寸法を手動で測定する方法が挙げられる。手動測定は、部品の指定された寸法と比較され得る。手動測定を行うためには、作業現場において機械による作業の実行を中断する必要がある。手動測定を行うには、機械が作業の実行を中断する必要があり、(手動測定を行うための移動時間、及び/又は手動測定を行うための時間などにより)時間を費やすプロセスであるため、手動測定を行うことは、作業現場の生産性に悪影響を与える可能性がある。この点に関して、(機械によって実行される予定の、又は機械によって実行されている)作業は、長期間(例えば、手動測定を行う期間)中断される可能性がある。
【0004】
更に、このような手動測定は正確ではない可能性がある。部品の寸法の測定が不正確な場合、今度は、部品の摩耗量に関する予測が不正確になる可能性がある。このような不正確な予測の結果、部品が早まって故障するか、あるいは早まって修理又は交換される可能性がある(例えば、部品が交換又は修理を必要とするには十分に摩耗していない可能性があるため)。このような部品の早まった故障、又は部品の早まった交換若しくは修理もまた、作業現場の生産性に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0005】
米国特許出願公開第20210173399号(’399公開公報)は、車両に関する情報を取得するために監視できるトラックシステムを備えた車両(例えば、農業用車両又は他のオフロード車両)を開示している。’399公開公報は、車両に関する情報は、さまざまな目的に使用できるトラックシステムの1つ以上のパラメータ(例えば、温度、圧力、加速度、識別子など)及び/又は、トラックシステムの環境の1つ以上の特性(例えば、トラックシステムの下の地面のコンプライアンス、プロファイル、土壌水分レベルなど)などのトラックシステムに関する情報を含むことを更に開示している。
【0006】
’399公開公報には、トラックシステムを監視して車両に関する情報を取得できることが開示されているが、’399公開公報には、スプロケットのスプロケットセグメントの摩耗を検出すること、又はスプロケットセグメントの摩耗によって生じるトラックインデックスイベントを検出することは開示されていない。
【0007】
本開示のコントローラは、上記問題及び/又は当技術分野における他の問題のうちの1つ以上を解決する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
機械は、駆動列と、トラックリンク及び駆動列に関連付けられた1つ以上の部品を含む下部構造と、ある期間にわたる駆動列にかかる負荷を示す機械駆動列データを生成するように構成されたセンサ装置と、コントローラと、を備え、コントローラは、機械駆動列データに基づいて、ある期間における負荷の減少の1回以上の発生を検出し、負荷の減少の1回以上の発生が予期されないものであると判断し、負荷の減少の1回以上の発生が予期されないものであると判断することに基づいて、下部構造の1つ以上の部品の摩耗を検出し、1つ以上の部品の摩耗の検出に基づいて動作を実行させるように構成されている。
【0009】
コントローラによって実行される方法は、機械のセンサ装置から、ある期間にわたる機械駆動列にかかる負荷を示す機械駆動列データを受信することと、機械駆動列データに基づいて、ある期間における負荷の減少の1回以上の発生を検出することと、負荷の減少の1回以上の発生が予期されないものであると判断することと、負荷の減少の1回以上の発生が予期されないものであると判断することに基づいて、機械の下部構造の部品の摩耗を検出することと、部品の摩耗を判断することに基づいて動作を実行させることと、を含む。
【0010】
システムは、ある期間にわたる機械駆動列にかかる負荷を示す機械駆動列データを生成するように構成されたセンサ装置と、コントローラと、を備え、コントローラは、機械駆動列データに基づいて、ある期間における負荷の減少の1回以上の発生を検出し、負荷の減少の1回以上の発生が予期されないものであると判断し、負荷の減少の1回以上の発生が予期されないものであると判断することに基づいて、機械の下部構造の部品の摩耗を検出し、部品の摩耗の検出に基づいて動作を実行させるように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本明細書に記載されている実装態様の一例の図である。
【
図2】本明細書に記載されているシステムの一例の図である。
【
図3】機械駆動列データに基づくスプロケットセグメントの摩耗の検出に関連付けられたプロセスの一例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書に記載の実装態様は、トラックインデックスイベントの頻度に基づいて、スプロケットのスプロケットセグメントの先端の摩耗を検出することに関する。例えば、コントローラは、ある期間にわたる駆動列にかかる負荷を示す機械駆動列データを取得することができる。コントローラは、機械駆動列データを分析して、予期しない負荷の減少の発生(例えば、負荷の突然の減少の発生)を検出することができる。状況によっては、コントローラは、負荷の減少の発生中にステアリングコマンド及び/又はギアの変更が検出されなかったと判断することに基づいて、発生が予期しないものであると判断することができる。
【0013】
いくつかの例では、コントローラは、ある期間にわたる機械の速度を示す機械速度データを取得することができる。コントローラは、機械の速度データを分析して、予期しない速度の増加の発生(例えば、速度の突然の増加の発生)を検出することができる。速度の増加の発生は、負荷の減少の発生の判断に関連して、上述した方法と同様の方法で判断することができる。予期しない負荷の減少の発生及び/又は予期しない速度の増加の発生の検出に基づいて、コントローラは、トラックインデックスイベントが発生していると判断することができる。
【0014】
いくつかの例では、コントローラは、予期しない負荷の減少の発生数及び/又は予期しない速度の増加の発生数を判断することができる。コントローラは、数の1つ以上に基づいて、トラックインデックスイベントの頻度を検出することができる。コントローラは、トラックインデックスイベントの頻度に基づいて、スプロケットのスプロケットセグメントの摩耗(例えば、スプロケットセグメントの先端の摩耗)を検出することができる。例えば、コントローラは、トラックインデックスイベントの頻度が増加していると判断し、また、それに応じて、スプロケットのスプロケットセグメントの摩耗を検出することができる。状況によっては、コントローラがトラックインデックスイベントの頻度をリアルタイム又はほぼリアルタイムで判断することができる。
【0015】
「機械」という用語は、例えば、鉱業、建設業、農業、輸送業、又はその他の産業などの産業に関連付けられた操作を実行する装置を指すことができる。更に、1つ以上の器具を機械に接続してもよい。一例として、機械は、建設車両、作業車両、又は上述した産業に関連付けられた類似の車両を含んでもよい。
【0016】
図1は、本明細書に記載されている機械100の一例の図である。
図1に示すように、機械100は、ドーザなどの土木機械として表現されている。あるいは、機械100は、掘削機などの別の種類のトラック型機械であってもよい。
【0017】
図1に示すように、機械100は、エンジン110、センサシステム120、オペレータキャビン130、オペレータ制御部132、コントローラ140、後部アタッチメント150、前部アタッチメント160、地面係合部材170、スプロケット180、1つ以上のアイドラ190、及び1つ以上のローラ192を備える。
【0018】
エンジン110は、圧縮点火エンジン、火花点火エンジン、レーザ点火エンジン、プラズマ点火エンジンなどの内燃機関を含むことができる。エンジン110は、機械100及び/又は機械100に関連付けられた一連の負荷(例えば、動力を吸収し、かつ/又は動力を使用して動作する部品)に動力を供給する。例えば、エンジン110は、1つ以上の制御システム(例えば、コントローラ140)、センサシステム120、オペレータキャビン130、及び/又は地面係合部材170に動力を供給することができる。
【0019】
エンジン110は、鉱業、建設業、農業、輸送業、又はその他の産業で使用される器具などの機械100の器具に動力を供給することができる。例えば、エンジン110は、部品(例えば、1つ以上の流体ポンプ、1つ以上のアクチュエータ、及び/又は1つ以上の電気モータ)に動力を供給して、機械100の後部アタッチメント150及び/又は前部アタッチメント160の制御を容易にすることができる。
【0020】
センサシステム120は、機械100の動作に関する信号を生成できるセンサ装置を含むことができる。センサシステム120のセンサ装置は、とりわけ、荷重センサ装置、速度センサ装置、トルクセンサ装置、振動センサ装置、モーションセンサ装置などを含むことができる。一例として、センサ装置は、1つ以上の慣性測定ユニット(inertial measurement units、IMU)を含むことができる。
【0021】
オペレータキャビン130は、統合ディスプレイ(図示せず)及びオペレータ制御部132を含む。オペレータ制御部132は、機械100の操作を制御するための1つ以上の入力部品(例えば、統合ジョイスティック、プッシュボタン、コントロールレバー、及び/又はステアリングホイール)を含むことができる。例えば、オペレータ制御部132は、機械100の1つ以上の器具(例えば、後部アタッチメント150及び/又は前部アタッチメント160)の操作を制御し、かつ/又は地面係合部材170の操作を制御するために使用できる。
【0022】
自律機械の場合、オペレータ制御部132は、オペレータが使用するように設計されていなくてもよく、むしろ、オペレータとは独立して操作するように設計されていてもよい。この場合、例えば、オペレータ制御部132は、別の部品が使用するための入力信号をオペレータの入力なしで提供する1つ以上の入力部品を含むことができる。
【0023】
コントローラ140(例えば、電子制御モジュール(electronic control module、ECM))は、機械100の操作を制御及び/又は監視することができる。例えば、コントローラ140は、オペレータ制御部132からの、かつ/又はセンサシステム120からの信号に基づいて、機械100の操作を制御及び/又は監視することができる。コントローラ140は、より詳細に後述するように、センサシステム120及び/又はオペレータ制御部132からの信号に基づいて、機械100の1つ以上の部品の摩耗量を判断できる。
【0024】
後部アタッチメント150は、掘り起こしアセンブリ、巻き上げアセンブリ、及び/又は牽引バーアセンブリを含むことができる。前部アタッチメント160は、ブレードアセンブリを含むことができる。地面係合部材170は、機械100を推進するように構成することができる。地面係合部材170は、機械100を推進するための車輪、トラック、ローラ、及び/又は同様の部品を含むことができる。地面係合部材170は、(
図1に示すように)トラックを含む下部構造を含むことができる。トラックは、トラックリンクを含むことができる。状況によっては、トラックリンクはトラックリンクブッシング及びトラックリンクピンを含むことができる。一例として、トラックは、第1のトラックリンク172及び第2のトラックリンク174を含むことができる。第1のトラックリンク172は、第1のトラックリンクブッシング176及び第1のトラックリンクピン178を含む。
【0025】
スプロケット180は、1つ以上のスプロケットセグメント182(ここでは個別に「スプロケットセグメント(単数)182」、総称して「スプロケットセグメント(複数)182」と呼ぶ)を含むことができる。スプロケット180は、地面係合部材170と係合し、地面係合部材170を駆動するように構成することができる。例えば、スプロケットセグメント182は、(例えば、地面係合部材170のトラックの)トラックリンクブッシングと係合し、回転してトラックが機械100を推進させるように構成することができる。スプロケット180は、機械100 の駆動列に含まれていてもよい。
【0026】
状況によっては、スプロケットセグメント182が摩耗する場合がある。例えば、
図1に示すように、スプロケットセグメント182が摩耗すると、スプロケットセグメント182の先端184の幅が減少することがある。スプロケットセグメント182の先端184の幅が減少すると、トラックインデックスイベントが発生する可能性がある。例えば、
図1に示すように、スプロケットセグメント182に係合しているブッシングが、スプロケットセグメント182の摩耗により別のスプロケットセグメント182に移動すると、トラックインデックスイベントが発生する可能性がある。スプロケットセグメント182の先端184の幅が減少し続けると、トラックインデックスイベントの頻度が時間の経過とともに増加する可能性がある。コントローラ140は、トラックインデックスイベントの頻度を判断し、それに応じて、より詳細に後述するように、スプロケットセグメント182の摩耗を検出することができる。
【0027】
いくつかの例では、トラックが回転して機械100を推進するときに、1つ以上のアイドラ190及び/又は1つ以上のローラ192がトラックをガイドすることができる。いくつかの例では、地面係合部材170、スプロケット180、1つ以上のアイドラ190、及び1つ以上のローラ192が、下部構造の構成要素となり得る。下部構造は、1つ以上のトラックパッド及び/又は1つ以上のトラックシューを更に含み得る。
【0028】
上述したように、
図1は一例として提供される。他の例は、
図1に関連して説明された例とは異なり得る。
【0029】
図2は、本明細書に記載されている例示的なシステム200の図である。
図2に示すように、システム200は、センサシステム120、オペレータ制御部132、及びコントローラ140を含む。状況によっては、コントローラ140が機械100に含まれ得る。あるいは、コントローラ140が現場管理システム(例えば、機械100に関連付けられた作業現場)の一部である装置に含まれ得る。いくつかの実装態様では、装置は、クラウドコンピューティング環境の1つ以上のコンピューティングリソースによって実装され得る。例えば、装置はクラウドコンピューティング環境でホストされ得る。あるいは、装置はクラウドベースでなくてもよく、あるいは部分的にクラウドベースであってもよい。コントローラ140をサイト管理システムの装置に含める代わりに、コントローラ140をバックオフィスシステムの一部である装置に含めることもできる。
【0030】
センサシステム120は、下部構造の1つ以上の部品の摩耗及び/又は摩耗量を検出するために使用できるセンサデータを生成するセンサ装置を含むことができる。1つ以上の部品は、1つ以上のスプロケット180、1つ以上のスプロケットセグメント182、1つ以上のトラック、第1のトラックリンク172及び/又は第2のトラックリンク174などの1つ以上のトラックリンク、第1のトラックリンクブッシング176などの1つ以上のトラックリンクブッシング、第1のトラックリンクピン178などの1つ以上のトラックリンクピン、及び/又は1つ以上のアイドラ190を含むことができる。
【0031】
センサデータには、以下に説明するように、機械100の駆動列にかかる負荷を示すデータ、機械100の駆動列によって生成されるトルクの量を示すデータ、及び/又は機械100の速度を示すデータを含むことができる。センサデータは、(例えば、コントローラ140によって)トラックインデックスイベントを検出し、トラックインデックスイベントの頻度に基づいて1つ以上の部品の摩耗を判断するために使用することができる。場合によっては、センサデータは、センサデータに関連付けられたタイムスタンプ(センサデータが生成された時刻及び/又は日付を識別する情報など)を含むことができる。
【0032】
センサシステム120は、以下でより詳細に説明するように、コントローラ140にセンサデータを提供し、下部構造の1つ以上の部品の摩耗及び/又は摩耗量を検出することができる。いくつかの例では、センサシステム120は、センサデータをコントローラ140に定期的に(例えば、1時間ごと、1時間おき、及び/又は勤務シフトごとに)提供することができる。追加的に、又は代替的に、センサシステム120は、トリガイベントに基づいて(例えば、コントローラ140からの要求、及び/又は機械100のオペレータからの要求(例えば、統合ディスプレイ及び/又はオペレータ制御部経由)に基づいて)、コントローラ140にセンサデータを提供することができる。
【0033】
センサシステム120のセンサ装置は、1つ以上の部品の摩耗を検出するために使用できるセンサデータを提供するセンサ装置の他の例のうち、荷重センサ装置、トルクセンサ装置、速度センサ装置、振動センサ装置を含むことができる。負荷センサ装置は、機械100の駆動列にかかる負荷を感知し、ある期間にわたって様々な時点で測定された駆動列にかかる負荷を示す機械駆動列データを生成する1つ以上の装置を含むことができる。トルクセンサ装置は、駆動列によって生成されるトルクの量を感知し、ある期間にわたって様々な時点で測定された駆動列によって生成されるトルクの量を示す機械トルクデータを生成する1つ以上の装置を含むことができる。場合によっては、トルクセンサ装置が負荷センサ装置に含まれ、機械駆動列データは機械トルクデータを含んでもよい。
【0034】
速度センサ装置は、機械100の速度を感知し、ある期間にわたって様々な時点で測定された機械100の速度を示す機械速度データを生成する1つ以上の装置を含むことができる。速度センサ装置は、とりわけ、エンジン110のエンジン速度、下部構造のトラック速度、機械100の加速度を検知することができる。振動センサ装置は、機械100の振動を感知し、その振動に基づいて機械振動データを生成する1つ以上の装置を含むことができる。一例として、振動センサ装置は、1つ以上の慣性測定ユニット(inertial measurement units、IMU)を含むことができる。機械振動データは、ある期間にわたる機械100の振動の測定値を示すことができる。
【0035】
オペレータ制御部132は、機械100の操作を制御するために使用されるオペレータ制御データを生成できる1つ以上の装置を含むことができる。例えば、オペレータ制御部132は、機械100の1つ以上の器具(例えば、後部アタッチメント150及び/又は前部アタッチメント160)の操作を制御し、かつ/又は(例えば、とりわけ、機械100のギアを変更するための、機械100の方向を変更するための)地面係合部材170の操作を制御するために使用することができる。
【0036】
オペレータ制御データは、1つ以上の器具を制御するためのコマンドを識別する器具コマンドデータを含んでもよく、機械100のステアリングコマンドを識別するステアリングコマンドデータを含んでもよく、かつ/又は機械100のギア設定を識別し、かつ/若しくはギア変更を識別するギア設定データを含んでもよい。オペレータ制御部132は、センサシステム120に関連して上述した方法と同様の方法で、定期的に、かつ/又はトリガイベントに基づいて、オペレータ制御データを(例えば、コントローラ140に)提供することができる。
【0037】
図2に示すように、コントローラ140は、1つ以上のプロセッサ220(本明細書では、個別に「プロセッサ(単数)220」、総称して「プロセッサ(複数)220」と呼ぶ)と、1つ以上のメモリ230(本明細書では、個別に「メモリ(単数)230」、総称して「メモリ(複数)230」と呼ぶ)を含むことができる。プロセッサ220は、ハードウェア、ファームウェア、及び/又はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせで実装される。プロセッサ220は、中央処理ユニット(central processing unit、CPU)、グラフィックス処理ユニット(graphics processing unit、GPU)、加速処理ユニット(accelerated processing unit、APU)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DPS)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field-programmable gate array、FPGA)、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit、ASIC)、又は他のタイプの処理部品を含む。プロセッサ220は、機能を実行するようにプログラムすることができる。
【0038】
メモリ230は、ランダムアクセスメモリ(random-access memory、RAM)、読み出し専用メモリ(read only memory、ROM)、及び/又は、機能を実行するためにプロセッサ220によって使用される情報及び/又は命令を格納する他のタイプの動的又は静的記憶装置(例えば、フラッシュメモリ、磁気メモリ、及び/又は光メモリ)を含む。例えば、機能を実行する際に、コントローラ140は、トラックインデックスイベントを検出し、トラックインデックスイベントに基づいて、下部構造の1つ以上の部品の摩耗及び/又は摩耗量を検出することができる。
【0039】
図2に示すように、コントローラ140は、センサシステム120からセンサデータを受信し、かつ/又はオペレータ制御部132からオペレータ制御データを受信することができる。センサデータは、荷重センサ装置によって生成された機械駆動列データ、及び/又は速度センサ装置によって生成された機械速度データを含むことができる。コントローラ140は、センサデータを受信し、センサデータを分析することができる。
【0040】
コントローラ140は、機械駆動列データの分析に基づいて、ある期間中に負荷の減少が1回以上発生したこと(例えば、負荷の突然の減少が1回以上発生したこと)を検出することができる。コントローラ140は、負荷の減少の1回以上の発生が予期しないものであるかどうかを判断することができる。状況によっては、コントローラ140は、オペレータ制御データに基づいて、負荷の減少の1回以上の発生が予期しないものであるかどうかを判断することができる。例えば、コントローラ140は、(ある期間中の)(負荷の減少の)1回以上の発生が発生した時間間隔を識別し、その時間間隔中にオペレータ制御データが生成されたかどうかを判断することができる。
【0041】
例えば、コントローラ140は、時間間隔中にステアリングコマンドデータが生成されたかどうか、時間間隔中にギア設定データが生成されたかどうか、及び/又は時間間隔中に器具制御データが生成されたかどうかを判断することができる。言い換えれば、コントローラ140は、とりわけ、時間間隔中に1つ以上のステアリングコマンドが検出されたかどうか、時間間隔中に1つ以上のギア変更が検出されたかどうか、時間間隔中に1つ以上の(1つ以上の器具を制御するための)コマンドが検出されたかどうかを判断することができる。
【0042】
コントローラ140は、コントローラ140が、時間間隔中にステアリングコマンドが検出されなかったと判断すること、時間間隔中にギア変更が検出されなかったと判断すること、及び/又は時間間隔中に(1つ以上の器具を制御するための)コマンドが検出されなかったと判断することに基づいて、負荷の減少の1回以上の発生が予期しないものであると判断することができる。コントローラ140は、同様の動作を実行して、駆動列によって生成されるトルクの減少の1回以上の発生が予期しないものであると判断することができる。例えば、コントローラ140は、機械トルクデータ及びオペレータ制御データを分析して、駆動列によって生成されるトルクの減少の1回以上の発生が予期しないものであると判断することができる。
【0043】
コントローラ140は、機械駆動列データを分析することに加えて、機械速度データを分析することもできる。いくつかの実装態様では、機械速度データの分析に基づいて、コントローラ140は、時間間隔中に速度の増加の1回以上の発生(例えば、速度の突然の増加が1回以上発生したこと)を検出することができる。コントローラ140は、負荷の減少の1回以上の発生が予期しないものであると判断するのと同様に、速度の増加の1回以上の発生が予期しないものであると判断することができる。予期しない負荷の減少の1回以上の発生、予期しないトルクの減少の1回以上の発生、及び/又は予期しない速度の増加の1回以上の発生は、総称して「予期しない発生」と呼ぶことができる。コントローラ140は、1回以上の予期しない発生に基づいて、1つ以上のトラックインデックスイベントを検出することができる。つまり、1回以上の予期しない発生は、1つ以上のトラックインデックスイベントが発生したことを示すことができる。
【0044】
コントローラ140は、予期しない発生数に基づいて、トラックインデックスイベントの頻度を判断することができる。例えば、コントローラ140は、期間中の第1の予期しない発生数が、その期間に先立つ前の期間中の第2の予期しない発生数を超えているかどうかを判断することができる。コントローラ140は、第1の数が第2の数を超えていることに基づいて、トラックインデックスイベントの頻度が増加していると判断することができる。コントローラ140は、1つ以上のトラックインデックスイベントの頻度が増加していると判断することに基づいて、1つ以上の部品の摩耗を検出することができる。言い換えれば、コントローラ140は、第1の数が第2の数を超えることに基づいて、1つ以上の部品の摩耗を検出することができる。
【0045】
状況によっては、コントローラ140は、1回以上の予期しない発生数に基づいて、1つ以上の部品の摩耗量を検出することができる。例えば、コントローラ140は、1回以上の第3の予期しない発生数に基づいて1つ以上の部品の第1の摩耗量を検出し、1回以上の第4の予期しない発生数に基づいて1つ以上の部品の第2の摩耗量を検出するなどすることができる。第4の数が第3の数を超えることに基づいて、第2の摩耗量は第1の摩耗量を超え得る。
【0046】
コントローラ140は、1つ以上の部品の摩耗を検出したことに基づいて動作を実行させることができる。いくつかの例では、コントローラ140は、動作を実行させる前に、1回以上の予期しない発生数が数しきい値を満たしているかどうかを判断することができる。例えば、コントローラ140は、1回以上の予期しない発生数が数しきい値を満たしているという判断に基づいて動作を実行させることができる。
【0047】
状況によっては、動作は、コントローラ140が1つ以上の部品の摩耗に基づいて(例えば、摩耗の量が摩耗しきい値を満たしている場合)機械100の操作を調整させることを含むことができる。例えば、コントローラ140は、機械100の速度の変更、機械100の加速度の変更、機械100の移動方向の変更、器具コマンドの変更、ステアリングコマンドの変更、ギア設定の変更、及び/又は1つ以上の部品の摩耗率を低減し、1つ以上の部品を修理若しくは交換しなければならない時までの時間を延長する可能性のある他の操作を実行させることができる。
【0048】
コントローラ140は、1つ以上の部品の寿命を延ばすために、機械100を別の作業現場に移動させ、別の作業現場で1つ以上のタスクを実行させることができる。例えば、異なる作業現場は、機械100が現在配置されている作業現場に関連付けられた(1つ以上の部品の)摩耗率よりも低い(1つ以上の部品の)摩耗率に関連付けられ得る。追加的に、又は代替的に、コントローラ140は、1つ以上の部品の寿命を延ばすために、機械100に別のタスクを実行させることができる。例えば、異なるタスクは、機械100が現在実行しているタスクに関連付けられた(1つ以上の部品の)摩耗率よりも低い(1つ以上の部品の)摩耗率に関連付けられ得る。
【0049】
この動作は、コントローラ140が部品の摩耗が検出されたことを示す通知を提供することを含むことができる。場合によっては、通知を提供することは、複数の機械(例えば、機械100を含む)の部品の摩耗量を監視する1つ以上の装置に摩耗情報を送信することを含むことができる。いくつかの例では、コントローラ140は、(1つ以上の部品の)摩耗量が摩耗しきい値を満たす場合に摩耗情報を送信することができる。摩耗情報は、1つ以上の部品の摩耗量を示し、1つ以上の部品の摩耗率を示し、かつ/又は1つ以上の部品の修理及び/若しくは交換に関連付けられた提示を示すことができる。いくつかの実装態様では、摩耗率は予期しない発生の頻度の変化に基づき得る。例えば、摩耗率は頻度が高くなると増加し、頻度が低くなると減少する可能性がある。1つ以上の装置は、サイト管理システムの装置、バックオフィスシステムの装置、機械100のオペレータに関連付けられた装置、技術者に関連付けられた装置、及び/又はコントローラ140が機械100に対して外部にある場合は、機械100のコントローラを含むことができる。
【0050】
コントローラ140は、摩耗情報を送信して、1つ以上の装置に1つ以上の交換部品の注文を実行させることができる。場合によっては、摩耗情報は、1つ以上の部品及び/又は1つ以上の交換部品を識別する情報を含むことができる。
【0051】
コントローラ140は、摩耗情報を送信して、1つ以上の装置に機械100を修理施設まで自律的に移動させるようにすることができる。追加的に、又は代替的に、コントローラ140は、摩耗情報を送信して、1つ以上の装置に、技術者のカレンダに、1つ以上の部品を検査及び/又は修理するためのカレンダイベントを加えるようにすることができる。追加的に、又は代替的に、コントローラ140は、摩耗情報を送信して、1つ以上の装置にアラームを起動させるようにすることができる。アラームは、1つ以上の部品を修理又は交換すること示すことができる。
【0052】
場合によっては、コントローラ140は、摩耗情報を送信して、1つ以上の装置に1つ以上の部品を修理及び/又は交換するためのサービス要求を生成させることができる。サービス要求を生成することの一部として、1つ以上の装置は、本明細書で説明される動作の1つ以上を実行することができる。
【0053】
いくつかの例では、動作は、コントローラ140が第1の自律装置に1つ以上の交換部品を機械100に関連付けられた場所に配送させるようにすることを含むことができる。位置としては、機械100の現在の位置、機械100が複数のタスクを実行する作業現場の位置、機械100がタスクを実行していないときに機械100が配置されている位置、並びに/又は機械100が修理及び/若しくは交換を受けているときに機械100が配置されている位置などを含むことができる。場合によっては、摩耗情報は、機械100に関連付けられた位置を識別する情報を含むことができる。
【0054】
いくつかの例では、動作には、コントローラ140が第2の自律装置を機械100に関連付けられた場所に移動させて、摩耗情報によって識別された摩耗の量を検証するようにすることを含むことができる。第2の自律装置は、摩耗情報の検証に基づいて検証情報を生成し、その検証情報をコントローラ140に送信することができる。コントローラ140は、検証情報を使用して、機械学習モデルを再学習することができる。
【0055】
場合によっては、コントローラ140は、1つ以上の部品の故障が差し迫っているかどうかを(例えば、摩耗の量に基づいて)判断することができる。コントローラ140は、故障が差し迫っていると判断した場合、上記の動作の1つ以上を実行することができる。コントローラ140は、故障が差し迫っていないと判断した場合、動作を実行しないようにできる。
【0056】
図2に示す装置及びネットワークの数及び配置を一例として提供する。実際には、
図2に示されている装置よりも追加の装置、より少ない装置、異なる装置、又は異なる配置の装置が存在していてもよい。更に、
図2に示す2つ以上の装置を単一の装置内に実装してもよく、又は
図2に示す1つの装置を複数の分散された装置として実装してもよい。追加的に、又は代替的に、システム200の装置のセット(例えば、1つ以上の装置)は、システム200の他の装置のセットが実行するものとして説明された1つ以上の機能を実行してもよい。
【0057】
図3は、機械駆動列データに基づくスプロケットセグメントの摩耗の検出に関連付けられたプロセス300の一例のフローチャートである。
図3の1つ以上のプロセスブロックは、コントローラ(例えば、コントローラ140)によって実行することができる。
【0058】
図3に示すように、プロセス300は、機械のセンサ装置から、ある期間にわたる機械駆動列にかかる負荷を示す機械駆動列データを受信すること(ブロック310)を含むことができる。例えば、コントローラは、上述のように、機械のセンサ装置から、ある期間にわたる機械駆動列にかかる負荷を示す機械駆動列データを受信することができる。
【0059】
図3に更に示すように、プロセス300は、機械駆動列データに基づいて、ある期間中に負荷の減少が1回以上発生したことを検出すること(ブロック320)を含むことができる。例えば、コントローラは、機械駆動列データに基づいて、上述のように、ある期間中に負荷の減少が1回以上発生したことを検出することができる。
【0060】
図3に更に示すように、プロセス300は、負荷の減少の1回以上の発生が予期しないものであると判断すること(ブロック330)を含むことができる。例えば、コントローラは、上述のように、負荷の減少の1回以上の発生が予期しないものであると判断することができる。
【0061】
いくつかの実装態様では、1回以上の発生を検出することは、ある期間の1つ以上の部分における負荷の減少の1回以上の発生を検出することを含み、プロセス300は、ある期間の機械の操作に関連付けられたステアリングコマンドに関するオペレータ制御データを受信することと、オペレータ制御データに基づいて、ある期間の1つ以上の部分においてステアリングコマンドが検出されなかったと判断することと、ある期間の1つ以上の部分においてステアリングコマンドが検出されなかったと判断することに基づいて、負荷の減少の1回以上の発生が予期されないものであると判断することと、を含む。
【0062】
いくつかの実装態様では、1回以上の発生を検出することは、ある期間の1つ以上の部分における負荷の減少の1回以上の発生を検出することを含み、プロセス300は、ある期間の機械の操作に関連付けられたギア変更に関するオペレータ制御データを受信することと、オペレータ制御データに基づいて、ある期間の1つ以上の部分においてギア変更が検出されたと判断することと、ある期間の一部においてギア変更が検出されたと判断することに基づいて、負荷の減少の1回以上の発生が予期しないものであると判断することと、を含む。
【0063】
図3に更に示すように、プロセス300は、負荷の減少の1回以上の発生が予期しないものであると判断することに基づいて、機械の下部構造の部品の摩耗を検出すること(ブロック340)を含むことができる。例えば、コントローラは、上述のように、負荷の減少の1回以上の発生が予期しないものであると判断することに基づいて、機械の下部構造の部品の摩耗を検出することができる。いくつかの実装態様では、部品の摩耗を検出することは、下部構造のスプロケットの摩耗を検出することを含む。
【0064】
図3に更に示すように、プロセス300は、部品の摩耗を判断することに基づいて動作を実行させること(ブロック350)を含むことができる。例えば、コントローラは、上述のように、部品の摩耗を判断することに基づいて動作を実行させることができる。
【0065】
いくつかの実装態様では、動作を実行させることは、機械に関連付けられた装置に、部品の摩耗が検出されたことを示す通知を提供すること、部品の更なる摩耗を防ぐために機械の操作を調整させること、機械の操作を調整するための指示を提供すること、又は部品の修理若しくは交換の少なくとも一方へのサービス要求を提供することのうちの少なくとも1つを含む。
【0066】
いくつかの実装態様では、動作を実行させることは、1回以上の発生数が数しきい値を満たすと判断することと、1回以上の発生数が数しきい値を満たすと判断することに基づいて動作を実行させることと、を含む。
【0067】
いくつかの実装態様では、センサ装置は第1のセンサ装置であり、1回以上の発生を検出することは、ある期間の1回以上の部分における負荷の減少の1回以上の発生を検出することを含み、プロセス300は、機械の第2のセンサ装置から、ある期間にわたる機械の速度を示す機械速度データを受信することと、機械速度データに基づいて、ある期間の1回以上の部分における速度の増加の1回以上の発生を検出することと、速度の増加の1回以上の発生が予期されないものであると判断することと、を含み、部品の摩耗を検出することは、速度の増加の1回以上の発生が予期されないものであると判断することに更に基づいて部品の摩耗を検出することを含む。
【0068】
図3はプロセス300のブロックの例を示しているが、実装態様によっては、プロセス300は、
図3に示されているブロックよりも追加のブロック、より少ないブロック、異なるブロック、又は異なる配置のブロックを含むことができる。追加的に、又は代替的に、プロセス300の2つ以上のブロックを並行して実行することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本明細書に記載の実装態様は、トラックインデックスイベントの頻度に基づいて、スプロケットのスプロケットセグメントの先端の摩耗を検出することに関する。例えば、コントローラは、ある期間にわたる駆動列にかかる負荷を示す機械駆動列データを取得することができる。コントローラは、機械駆動列データを分析して、予期しない負荷の減少の発生(例えば、負荷の突然の減少の発生)を検出することができる。状況によっては、コントローラは、負荷の減少の発生中にステアリングコマンド及び/又はギアの変更が検出されなかったと判断することに基づいて、発生が予期しないものであると判断することができる。コントローラは、機械の速度の予期しない増加の発生を判断することができる。
【0070】
予期しない負荷の減少の発生及び/又は予期しない速度の増加の発生の検出に基づいて、コントローラは、トラックインデックスイベントが発生していると判断することができる。いくつかの例では、コントローラは、予期しない負荷の減少の発生数及び/又は予期しない速度の増加の発生数を判断することができる。コントローラは、数の1つ以上に基づいて、トラックインデックスイベントの頻度を検出することができる。コントローラは、トラックインデックスイベントの頻度に基づいて、スプロケットのスプロケットセグメントの摩耗(例えば、スプロケットセグメントの先端の摩耗)を検出することができる。
【0071】
スプロケットセグメントの先端の手動測定により、手動測定を行う間、機械の動きを防止するために使用される機械リソースが無駄になる可能性がある。更に、トラックの手動測定が不正確であったり、かつ/又はスプロケットセグメントの先端の摩耗量の予測が不正確であったりすると、手動測定が不正確であったり、かつ/又はスプロケットセグメントの先端の摩耗量の予測が不正確であったりすることに関連付けられた問題(例えば、スプロケットセグメント及び/若しくはスプロケットの早期故障、スプロケットセグメント及び/若しくはスプロケットの早期修理、並びに/又はスプロケットセグメント及び/若しくはスプロケットの早期交換)を解決するために使用されるコンピューティングリソースが無駄になる可能性がある。
【0072】
本明細書で説明するように、スプロケットのスプロケットセグメントの摩耗を検出することにより、コントローラは、機械の下部構造及び/又は機械の下部構造に関連付けられた1つ以上の他の部品の損傷を防止することができる。更に、このようにしてスプロケットのスプロケットセグメントの摩耗を検出することにより、コントローラは、機械の生産性の尺度の低下を防止することができる。
【0073】
前述の開示は、図示及び説明を提供しているが、開示されている正確な形態に実装態様を包括すること、又は限定することを意図するものではない。改変例及び変形例は、上記の開示に照らして行われ、又は実装態様の実践から得ることができる。更に、1つ以上の実装態様を組み合わせることができない理由が先述の開示に明示的に提供されていない限り、本明細書に記載された実装態様の任意のものを組み合わせることができる。特徴の特定の組み合わせが特許請求の範囲に記載され、かつ/又は本明細書に開示されていても、これらの組み合わせは、様々の実装態様の開示を制限することを意図するものではない。以下に列記される各従属請求項は、1つの請求項のみに直接従属し得るが、様々な実装態様の開示は、請求項群内の他の全ての請求項のそれぞれと組み合わせた各従属請求項を含む。
【0074】
本書で使用される際、「a」、「an」、及び「set」は、1つ以上のものを含むことを意図しており、「1つ以上」と互換的に使用することができる。更に、本明細書で使用される際、冠詞「the」は、冠詞「the」に関連して参照される1つ以上のものを含むことを意図しており、「1つ以上」と互換的に使用することができる。更に、「基づいて」という句は、別段に明記されていない限り、「少なくとも部分的に基づいて」を意味することを意図している。更に、本明細書で使用される際、用語「又は」は、一連で使用される場合に包括的であることを意図しており、特に明記されていない限り(例えば、「いずれか」又は「そのうちの1つのみ」と組み合わせて使用される場合)、「及び/又は」と互換的に使用することができる。更に、説明を容易にするために、本明細書において、例えば「の下」、「下」、「の上」、「上」等の空間的に相対的な用語を使用して、図示のような、1つの要素又は特徴と他の要素又は特徴との関係を説明してもよい。空間的に相対的な用語は、図に示されている方向に加えて、使用又は操作中の機器、装置及び/又は要素の異なる方向を含むことを意図している。機器は、他の向き(90度回転又は他の向き)にすることができ、本明細書に使用される空間的に相対的な記述子も、それに応じて解釈することができる。
【国際調査報告】