(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-15
(54)【発明の名称】ヌクレオシド製剤
(51)【国際特許分類】
A61K 31/7068 20060101AFI20250107BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20250107BHJP
A61K 9/10 20060101ALI20250107BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20250107BHJP
A61K 47/42 20170101ALI20250107BHJP
A61K 9/14 20060101ALI20250107BHJP
A61K 38/16 20060101ALN20250107BHJP
C12N 15/87 20060101ALN20250107BHJP
C07K 14/00 20060101ALN20250107BHJP
【FI】
A61K31/7068 ZNA
A61P35/00
A61K9/10
A61K47/26
A61K47/42
A61K9/14
A61K38/16
C12N15/87 Z
C07K14/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024536086
(86)(22)【出願日】2022-12-15
(85)【翻訳文提出日】2024-07-24
(86)【国際出願番号】 EP2022086083
(87)【国際公開番号】W WO2023111147
(87)【国際公開日】2023-06-22
(32)【優先日】2021-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524226346
【氏名又は名称】フィオン セラピューティクス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マッカーシー,ヘレン
(72)【発明者】
【氏名】ベニー,リンジー アン
(72)【発明者】
【氏名】チェンバーズ,フィリップ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C086
4H045
【Fターム(参考)】
4C076AA22
4C076BB13
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4C084AA02
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4C084ZC75
4C086AA01
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4C086ZB26
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA18
4H045BA54
4H045EA20
(57)【要約】
本明細書は、ヌクレオシド又はそのホスフェート及び両親媒性細胞膜透過RALAペプチドを含む、ヌクレオシド製剤に関する。一実施形態では、ヌクレオシド製剤は、ゲムシタビン又はそのホスフェート及びペプチドWEARLARALARALARHLARALARALRACEAを含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)ゲムシタビン又はそのホスフェート、及び
(ii)アミノ酸配列:
WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)
又は少なくとも80%の配列同一性若しくは配列相同性を有する配列を含むか又はそれからなる両親媒性細胞膜透過ペプチド
を含む、ヌクレオシド製剤。
【請求項2】
ホスフェートがP(O)(OH)
2O-基を含む、請求項1に記載のヌクレオシド製剤。
【請求項3】
ゲムシタビン又はそのホスフェートがゲムシタビントリホスフェートである、請求項1又は2に記載のヌクレオシド製剤。
【請求項4】
両親媒性細胞膜透過ペプチドが、アミノ酸配列
WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)
を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のヌクレオシド製剤。
【請求項5】
両親媒性細胞膜透過ペプチドが、アミノ酸配列
WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)
からなる、請求項1~4のいずれか一項に記載のヌクレオシド製剤。
【請求項6】
ゲムシタビン又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比が、1:1~3である、請求項1~5のいずれか一項に記載のヌクレオシド製剤。
【請求項7】
ゲムシタビン又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比が、約1:2である、請求項1~6のいずれか一項に記載のヌクレオシド製剤。
【請求項8】
トレハロース、スクロース、マンノース、及び/又はデキストロースをさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のヌクレオシド製剤。
【請求項9】
トレハロースをさらに含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のヌクレオシド製剤。
【請求項10】
(i)0.1~1%w/wのゲムシタビン又はそのホスフェート、
(ii)1~10%w/wの、アミノ酸配列WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)又は少なくとも80%の配列同一性若しくは配列相同性を有する配列を含むか又はそれからなる両親媒性細胞膜透過ペプチド、並びに
(iii)89~99%w/wのトレハロース、スクロース、マンノース、及び/又はデキストロース
を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のヌクレオシド製剤。
【請求項11】
水中の等張製剤として製剤される、請求項8~10のいずれか一項に記載のヌクレオシド製剤。
【請求項12】
(i)0.2~0.5%w/wのゲムシタビントリホスフェート、
(ii)3.5~4.5%w/wの、アミノ酸配列WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)からなる両親媒性細胞膜透過ペプチド、
(iii)95~97%w/wのトレハロース
を含み、290~310mOsmol/kgのモル浸透圧濃度を有する水中の等張製剤として製剤される、ヌクレオシド製剤。
【請求項13】
ナノ粒子製剤である、請求項1~12のいずれか一項に記載のヌクレオシド製剤。
【請求項14】
ナノ粒子の平均表面電荷密度が20℃で≦2μmol/mgである、請求項13に記載のヌクレオシド製剤。
【請求項15】
(i)WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)又は少なくとも80%の配列同一性若しくは配列相同性を有する配列の溶液を、(ii)ゲムシタビン又はそのホスフェートと、自動制御された混合システム、特に自動マイクロ流体システムにおいて製剤するステップを含む、請求項1~14のいずれか一項に記載のヌクレオシド製剤を調製する方法。
【請求項16】
医薬として使用するための、請求項1~14のいずれか一項に記載のヌクレオシド製剤。
【請求項17】
静脈内注射に使用するための、請求項1~14のいずれか一項に記載のヌクレオシド製剤。
【請求項18】
がんの治療に使用するための、請求項1~14のいずれか一項に記載のヌクレオシド製剤を含む医薬組成物。
【請求項19】
温血動物、例えばヒトにおける乳がん、膀胱がん、精巣がん、膵臓がん、卵巣がん、又は非小細胞肺がんを治療する方法であって、有効量の請求項1~14のいずれか一項に記載のヌクレオシド製剤を前記動物に投与するステップを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、ヌクレオシド又はそのホスフェート及びRALAファミリーのペプチドの両親媒性細胞膜透過ペプチドを含む、ヌクレオシド製剤に関する。本明細書はさらに、ヌクレオシド製剤を調製する方法及び治療におけるそれらの使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
ヌクレオシド類似体は、ウイルス感染及びがんの処置において現在一般的に使用されている、重要なクラスの抗ウイルス剤である。一度インビボになると、ヌクレオシド類似体はリン酸化され、成長中のDNA鎖に組み込まれて、チェーンターミネーターとして作用する。
【0003】
ゲムシタビンで見られる問題によって示されるように、ヌクレオシド類似体では以下の3つの主な課題が存在する:1)薬剤が体内に広く分布し、他の非腫瘍性の細胞に入るため、有害な副作用、例えば骨髄抑制、肝臓及び腎臓の問題、並びに吐き気が、患者に投与され得る用量を制限する、2)分単位で測定される非常に短い薬剤の安定性及び半減期が、高用量の注入を必要とし、毒性のリスクをさらに増やす、並びに3)薬剤耐性変異がすぐに出現し、臨床的全奏功率を低下させると思われる。
【0004】
ヌクレオシド類似体であるゲムシタビンは、1995年に使用について最初に承認された、多くの異なるタイプのがんの処置に使用されている化学療法薬である。ゲムシタビンは、膵臓がんのための、及び患者のそれまでの治療が成功しなかった場合の他のがんの処置のための、第一選択治療として処方されている。膵臓がんの5年生存率は依然としてわずか約9%であり(Office for National Statistics、Cancer survival by stage at diagnosis for England、2019)、世界中で年間ほぼ45万人の死亡の原因であり、これは全てのがんによる死亡の4.5%を占める(GLOBOCAN、2018年の推定)。一度体内に入ると、ゲムシタビンは分子輸送体を介して細胞内に輸送される。これは次いで3回リン酸化されて、薬理学的に活性な形態であるゲムシタビントリホスフェート(dFdCTP)となる。これは次いで、がん性細胞の複製の度にDNAに組み込まれ、修正不可能なエラーを生じさせ、さらなるDNA合成の阻害、及び最終的には細胞死をもたらす。
【0005】
残念ながら、ゲムシタビンの臨床的全奏功率は6%と低い(Ioka Tら、Jpn J Clin Oncol. 2013年2月、43(2):139~45)。さらに、細胞の取り込みに必要な活性輸送体の変異、ゲムシタビンを不活化する代謝酵素の上方調節、及びゲムシタビンを活性なトリホスフェート形態に変換する細胞酵素の下方調節に関連する、多剤耐性メカニズムが同定されている(Kim HAら、Breast. 2008年2月、17(1):19~26)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
細胞移入を改善し、耐性メカニズムを回避し、蓄積を増大させ、半減期及び薬剤安定性を改善するヌクレオシド類似体の製剤が明らかに必要である。さらに、薬剤、例えばゲムシタビンの、活性な形態、例えばトリホスフェート形態を細胞に送達し得る、薬剤送達システムは、薬剤耐性をもたらすメカニズムの一部を自動的に回避する可能性がある(Galmarini CMら、Int J Pharm. 2010年8月16日、395(1~2):281~9)。
【課題を解決するための手段】
【0007】
RALAファミリーのペプチドは、反復しているRALA単位から構成される両親媒性のペプチドであり、前記単位は、インビトロ及びインビボの両方で、遺伝子送達に対する生物学的障壁を克服することができる。「RALA」という用語は、文献において一貫性なく使用されているが、典型的には、通常はおよそ50アミノ酸残基未満の反復しているRALA単位から構成される両親媒性のペプチド又はペプチド群を指す。Cohen-Avrahami Mら(J . Phys. Chem. B 2011、115:10 189-1 097、及びColloids Surf B Biointerfaces. 2010年6月1日、77(2):131~8)は、「RALA」と呼ばれる両親媒性の16-merのペプチドを開示している。Nouri FSら(Biomacromolecules 2013、14、2033~40)は、「RALA」という用語を、McCarthy HOら(J Control Release. 2014年9月10日、189:141~9)と同様、30-merのRALAペプチドを記載するために使用しているが、異なる30-merのペプチドである。WO2014/087023及びWO2015/189205は、「RALA」という用語を、これら文献で記載されている発明の範囲に含まれるペプチド群についての一般用語として規定している。
【0008】
RALAファミリーのペプチドは、遺伝物質、例えばプラスミドDNA(McCarthy HOら、J Control Release. 2014年9月10日、189:141~9)及び(Ali AAら、Nanomedicine. 2017年4月、13(3):921~932)、mRNA(Udhayakumarら、Adv Healthc Mater. 2017年7月、6(13))、siRNA(Mulholland EJら、J Control Release. 2019年12月28日、316:53~65)、並びに低分子、例えばビスホスホネート(Jena LNら、J. Nanobiotechnology. 2021年5月4日、19(1):127)及びリン酸カルシウム(Sathy BNら、J. Mater. Chem. B. 2017年5月7日、5(9):1753~1764)を送達するために使用されている。
【0009】
特定のRALAペプチドWEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)は、生理学的pHで+6の電荷を有する、30アミノ酸からなる無毒のペプチドであり、これは、細胞のエンドソーム内部で見られる酸性条件で、+8のらせん状の細胞膜透過構造に変換される。ある特定のペイロード、例えばDNA及びmRNAと水中で複合すると、これは、ナノ粒子に自発的にセルフアセンブリし得ることが示されている(McCarthy HOら、J Control Release. 2014年9月10日、189:141~9、及びUdhayakumarら、Adv Healthc Mater. 2017年7月、6(13))。このpH依存性の変化は、細胞内でのペプチド及びカーゴのエスケープを可能にし、細胞外での7.4の生理学的pHで、いかなる毒性も伴わずに、効率の高い細胞移入及びカーゴ送達をもたらす。ナノ粒子は、広範な温度で、且つ経時的に、非常に安定であることが示されており、RALAペプチドはそれ自体では免疫学的応答を引き起こさない。
【0010】
本願は、ヌクレオシド及び/又はそれらのホスフェートを、RALAファミリーのペプチドの両親媒性細胞膜透過ペプチドと製剤する、ヌクレオシド及び/又はそれらのホスフェートの改善された製剤を記載している。当該製剤は、水と混合されると、ナノ粒子を自発的に形成し得る。当該製剤は、薬剤動態を向上させ、薬力学を増強し、且つ薬剤耐性メカニズムを回避しながら、オフターゲット毒性を低減させる能力で、改善された標的選択的な送達を行うことが可能であり、より低い用量でのより強力な治療効果を容易にする。このような改善された特性は、ヌクレオシド類似体ファミリーの化合物及びそれらのホスフェートを新たな症状に使用する可能性を開き得る。ヌクレオシド又はそのホスフェート(ゲムシタビン三リン酸)が、ゲムシタビンの薬理学的に活性な形態であるゲムシタビントリホスフェートである場合、ナノ粒子は、より長い循環半減期を伴って、既存のゲムシタビン製剤と比較して優れた腫瘍選択的送達を有し、静脈内投与後の固形腫瘍における薬剤蓄積を、インビボの他の部位と比較して2倍高める。
【0011】
本明細書は、一部には、ヌクレオシド又はそのホスフェート、及びアミノ酸配列WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)又は少なくとも80%の配列同一性若しくは配列相同性を有する配列を含むか又はそれからなる両親媒性細胞膜透過ペプチドを含む、ヌクレオシド製剤を記載している。
【0012】
本明細書はまた、一部には、ゲムシタビン又はそのホスフェート、及びアミノ酸配列WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)又は少なくとも80%の配列同一性若しくは配列相同性を有する配列を含むか又はそれからなる両親媒性細胞膜透過ペプチドを含む、ヌクレオシド製剤を記載している。
【0013】
本明細書はまた、一部には、ナノ粒子製剤である、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤、及びこれらを調製する方法を記載している。
【0014】
本明細書はまた、一部には、治療において使用するための、特に、ウイルス感染の処置(治療)及びがんの処置(治療)において使用するための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤を記載している。
【0015】
以下の節では、RALAは、ペプチドWEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)を指す。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】(i)手動の製剤及び(ii)自動の製剤によって生産されたRALA/dFdCTPナノ粒子(モル比2.0(MR2.0))の粒子サイズ(Z平均)分布のプロットを示す図である。
【
図2】様々なモル比の手動で製剤されたRALA/dFdCTPナノ粒子で処理した48時間後の、BxPC-3細胞の細胞周期の分析を示す図である。RALA/dFdCTPナノ粒子で処理した場合、未処理細胞、dFdCTP処理細胞、及びゲムシタビンヒドロクロリド処理細胞と比較して、G2期にない細胞のパーセンテージがはるかに高かった。このことは、RALA/dFdCTPナノ粒子の有効性レベルが高いことを示している。G2期にある細胞のパーセンテージが最も低い場合のモル比(G0/G1+Sの最大%)はMR2.0であることが分かった。
【
図3】様々な濃度のRALA/dFdCTPナノ粒子、dFdCTP、及びゲムシタビンヒドロクロリドでゲムシタビン感受性細胞株(BxPC-3)及びゲムシタビン耐性細胞株(PANC-1)の両方を処理した後に行った実施例6のコロニー形成アッセイ後の、報告されたデータ(ヒートマップ)を示す図である。RALA/dFdCTPナノ粒子は、ゲムシタビン感受性細胞(BxPC-3)では低/中/高用量で、及びゲムシタビン耐性細胞(PANC-1)では中/高用量で、ゲムシタビンヒドロクロリドと比較して細胞増殖を低減させ、ゲムシタビンヒドロクロリド又はdFdCTP単独よりも増大した有効性を示しており、RALA/dFdCTPナノ粒子は、両細胞株で、且つ関連する濃度で、ゲムシタビンヒドロクロリド又はdFdCTP単独と比較して最良の平均機能性を示している。
【
図4】RALA/dFdCTPのEC
50用量での、ゲムシタビン感受性細胞(BxPC-3)及びゲムシタビン耐性細胞(PANC-1)におけるRALA/dFdCTPナノ粒子(MR2.0)の機能性を示す図である。RALA/dFdCTPナノ粒子のEC
50濃度では、処理は、dFdCTP又はゲムシタビンヒドロクロリドでの処理と比較してBxPC-3細胞及びPANC-1細胞の両方で有意に高いレベルのγH2AX発現を生じさせることが分かった。これらの結果は、より少ない処理用量で、より高いレベルのDNA損傷が可能であることから、RALA/dFdCTPナノ粒子の機能性がdFdCTP又はゲムシタビンヒドロクロリドよりも大きく増大していることを示している。
【
図5】RALA/dFdCTPが細胞のゲムシタビン耐性メカニズムを克服する能力を試験するための、ヌクレオチド輸送チャネルのブロックを介してゲムシタビン耐性を誘導するための10μMのジピリダモールでの処理の前及び後の、RALA/dFdCTPのEC
50用量での、ゲムシタビン感受性細胞(BxPC-3)におけるRALA/dFdCTPナノ粒子(MR2.0)の機能性を示す図である。ジピリダモール処理は、RALA/dFdCTPナノ粒子で見られるものよりもはるかに高い程度で、ゲムシタビンヒドロクロリド及びdFdCTPの二本鎖DNA切断(γH2AX)に関する機能性を低減させることが分かった。この差別化は、ジピリダモールがブロックするhENT/hCNTチャネルを介する細胞への移入よりもむしろ、エンドサイトーシスに依拠するRALA/dFdCTPナノ粒子の移入方法に起因する可能性がある。RALA/dFdCTPナノ粒子の機能性のレベルは、ジピリダモールでの処理の後にわずかに低下したが、他の2つの処理群と比較して二本鎖切断は依然として有意に多く、そのレベルは、ジピリダモール処理の前のゲムシタビンよりも高い。
【
図6】2.5×10
6のゲムシタビン耐性PANC-1細胞を皮下移植した無胸腺ヌードマウス(n=6)における、RALA/dFdCTPナノ粒子(MR2.0)の治療的有効性を示す図である。腫瘍のサイズが約150mm
3の容積に達したら、マウスに、単回用量のビヒクル(10%w/vのトレハロース)、又は1mg/kgのdFdCTP、ゲムシタビン、若しくはRALA/dFdCTP(MR2.0)を静脈内注射した。腫瘍を、全腫瘍容積が4倍になるまで(≧600mm
3)、週に3回測定した。(A)全処理群の平均腫瘍容積増殖曲線は、単回用量のRALA/dFdCTP(MR2.0)での処理の後、他の処理群と比較して腫瘍形成の遅延を示している。(B)この研究の一部として処理されたマウスについてのカプラン・マイヤー生存推定量。RALA/dFdCTP(MR2.0)で処理したマウスでの生存の増大を明らかに確認することができる。(C)腫瘍容積の測定値から計算された腫瘍倍加時間は、RALA/dFdCTP(MR2.0)で処理したマウスにおける倍加時間の有意な増大を示している。
【
図7】RALA/dFdCTPナノ粒子(MR2.0)の循環半減期の増大を示す図である。C57BL/6マウス(n=6)を、40μgのRALA/dFdCTP、dFdCTP、又はゲムシタビンで静脈内処理した。処理後の事前に決定された時点(0.25/0.5/1/2/4/6/12時間)に、全血をマウスの尾部からサンプリングし、遠心分離を介して血清を抽出した。質量分光法を介して血清試料を分析し、様々な濃度の目的の分子の標準曲線と比較した。7A:単回の40μg用量のRALA/dFdCTP(MR2.0)、dFdCTP、又はゲムシタビンをC57BL/6マウスに静脈内注射した後のPKプロファイル。7B:代表的なPKプロファイルから得られたゲムシタビン、dFdCTP、及びRALA/dFdCTP(MR2.0)の曲線下面積(循環濃度)。
【
図8】40μgのRALA/dFdCTPナノ粒子(MR2.0)、dFdCTP、又はゲムシタビンの静脈内送達後の、インビボでの安全性バイオマーカーのレベルを示す図である。調べた安全性マーカーには、(A)腎臓毒性(クレアチン)、(B、C)肝臓毒性(AST及びALT)、(D、E、F)免疫原性マーカー(TNF-α、IFN-γ、及びMIP-2)が含まれる。
【
図9】ヒツジの血液で測定された、RALA/dFdCTPによって誘発される赤血球(RBC)溶解の測定値を示す図である。等張トレハロース溶液中のRALA/dFdCTPナノ粒子又はdFdCTPをRBC懸濁液に添加し、添加したdFdCTPは10~30μgに相当し、溶液を37℃で1時間インキュベートした。インキュベーションの後、赤血球懸濁液を400gで90秒間遠心分離して細胞ペレットを形成させた。上清の吸光度を、UV-Vis分光測光法(541nm)を介して測定した。1%トリトンX-100を、100%の溶血に相当する陽性対照として使用した。データは、dFdCTPをRALAと組み合わせるとRBCにおける溶血活性は検出できないが、dFdCTP単独では>20%の溶血が生じることを示している。
【
図10】RALA/dFdCTPナノ粒子の電荷滴定曲線を示す図である。462.5μgのRALAペプチドを含有するRALA/dFdCTPナノ粒子の試料を、0.01Mのポリ(アクリル酸)で滴定し、得られた溶液の電荷を、マルチパラメータベンチメーターを使用して測定した。非線形標準曲線フィット(R
2=0.991)、当量点を計算し、内挿して、添加した滴定剤の容積を明らかにした(V=46.33)。滴定剤の容積(V)、PAAの濃度(C)、及びRALAの質量(W)を式で使用して、RALA/dFdCTPナノ粒子の平均電荷密度が20℃で≦2.0μmol/mgであると計算したが、これは、ナノ粒子がそれらの電荷に起因して細胞傷害性ではないことを示している。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の多くの実施形態は、本明細書の全体を通して詳述されており、当業者に明らかとなろう。本発明は、列挙されている実施形態のいずれにも限定されると解釈されるものではない。
【0018】
「1つの(a)」は、「少なくとも1つの」を意味する。所与の材料又は要素を示すために「a」が使用されている任意の実施形態では、「a」は1つを意味し得る。
【0019】
「含む」は、所与の材料又は要素が他の材料又は要素を含有し得ることを意味する。「含む」という言及のある任意の実施形態では、所与の材料又は要素は、少なくとも10%w/w、少なくとも20%w/w、少なくとも30%w/w、又は少なくとも40%w/wの当該材料又は要素から形成され得る。「含む」という言及のある任意の実施形態では、「含む」はまた、所与の材料又は要素「からなる」又は「から本質的になる」も意味し得る。
【0020】
「からなる」は、所与の材料又は要素が全て当該材料又は要素から形成されていることを意味する。「からなる」という言及のある任意の実施形態では、所与の材料又は要素は、100%w/wの当該材料又は要素から形成され得る。
【0021】
「から本質的になる」は、所与の材料又は要素がその材料又は要素のほとんど全てを構成していることを意味する。「から本質的になる」という言及のある任意の実施形態では、所与の材料又は要素は、少なくとも50%w/w、少なくとも60%w/w、少なくとも70%w/w、少なくとも80%w/w、少なくとも90%w/w、少なくとも95%w/w、又は少なくとも99%w/wの当該材料又は要素から形成され得る。
【0022】
材料又は要素を規定するために「である」又は「であり得る」が使用されている任意の実施形態では、「である」又は「であり得る」は、材料又は要素が当該材料又は要素「からなる」又は「から本質的になる」ことを意味し得る。
【0023】
特許請求の範囲は実施形態である。
【0024】
ヌクレオシド
ヌクレオシドは、窒素塩基及び5炭素糖を含む。
【0025】
一実施形態では、ヌクレオシドはモノマー単位であり、より長い鎖にポリマー化されない。
【0026】
一実施形態では、ヌクレオシドはRNAでもDNAでもない。
【0027】
一実施形態では、ヌクレオシドは、アデニン、グアニン、チミン、ウラシル、及びシトシン、又はこれらの修飾型から選択される窒素塩基を含む。
【0028】
窒素塩基の修飾型としては、例えば、1つ以上の、ハロ基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、カルボキシ基、カルバモイル基、メルカプト基、スルファモイル基、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、アセチル基、アセトキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基、アセチルアミノ基、N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N-メチル-N-エチルカルバモイル基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、メシル基、エチルスルホニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、N-メチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N-メチル-N-エチルスルファモイル基、若しくはシクロプロピル基の付加、置換、若しくは除去、又は窒素塩基に対するさらなるヘテロ原子の再配置及び/若しくは除去及び/若しくは付加が含まれ得る。
【0029】
一実施形態では、ヌクレオシドは、アデニン又はその修飾型から選択される窒素塩基を含む。
【0030】
一実施形態では、ヌクレオシドは、グアニン又はその修飾型から選択される窒素塩基を含む。
【0031】
一実施形態では、ヌクレオシドは、チミン又はその修飾型から選択される窒素塩基を含む。
【0032】
一実施形態では、ヌクレオシドは、ウラシル又はその修飾型から選択される窒素塩基を含む。
【0033】
一実施形態では、ヌクレオシドは、シトシン又はその修飾型から選択される窒素塩基を含む。
【0034】
一実施形態では、ヌクレオシドは、リボース若しくは2'-デオキシリボース又はこれらの修飾型から選択される5炭素糖を含む。
【0035】
5炭素糖の修飾型としては、例えば、1つ以上の、ハロ基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、カルボキシ基、カルバモイル基、メルカプト基、スルファモイル基、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、アセチル基、アセトキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基、アセチルアミノ基、N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N-メチル-N-エチルカルバモイル基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、メシル基、エチルスルホニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、N-メチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N-メチル-N-エチルスルファモイル基、若しくはシクロプロピル基の付加、置換、若しくは除去、又は、5炭素糖における1つ以上の炭素の、1つ以上のヘテロ原子、例えば硫黄への置換が含まれ得る。
【0036】
一実施形態では、ヌクレオシドは、リボース又はその修飾型から選択される5炭素糖を含む。
【0037】
一実施形態では、ヌクレオシドは、2'-デオキシリボース又はその修飾型から選択される5炭素糖を含む。
【0038】
一実施形態では、ヌクレオシドは、ヌクレオシド類似体ファミリーの薬学的に活性な作用剤の「ヌクレオシド類似体」である。
【0039】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェートは、デオキシアデノシン、アデノシン、デオキシシチジン、グアノシン、デオキシグアノシン、チミジン、デオキシチミジン、若しくはデオキシウリジンの類似体、又はこれらのホスフェートを指す。
【0040】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェートは、ジダノシン、ビダラビン、ガリデシビル、レムデシビル、シタラビン、ゲムシタビン、エムトリシタビン、ラミブジン、ザルシタビン、アバカビル、アシクロビル、エンテカビル、スタブジン、テルビブジン、ジドブジン、イドクスウリジン、若しくはトリフルリジン、又はこれらのホスフェートを指す。
【0041】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェートは、ジダノシン又はそのホスフェートを指す。ジダノシン又はそのホスフェートは、HIV及びAIDSの処置及び/又は予防において有用である。
【0042】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェートは、ビダラビン又はそのホスフェートを指す。ビダラビン又はそのホスフェートは、単純ヘルペスウイルス及び水痘帯状疱疹ウイルスの処置及び/又は予防において有用である。
【0043】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェートは、ガリデシビル又はそのホスフェートを指す。ガリデシビル又はそのホスフェートは、C型肝炎、エボラウイルス、マールブルグウイルス、ジカウイルス、及びコロナウイルスの処置及び/又は予防において有用である。
【0044】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェートは、レムデシビル又はそのホスフェートを指す。レムデシビル又はそのホスフェートは、C型肝炎、エボラウイルス、マールブルグウイルスの処置及び/又は予防において、並びにCOVID-19の感染後の処置として有用である。
【0045】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェートは、シタラビン又はそのホスフェートを指す。シタラビン又はそのホスフェートは、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、及び非ホジキンリンパ腫の処置及び/又は予防において有用である。
【0046】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェートは、ゲムシタビン又はそのホスフェートを指す。ゲムシタビン又はそのホスフェートは、精巣がん、乳がん、卵巣がん、非小細胞肺がん、膵臓がん、及び膀胱がん、特に、転移性の乳がんの処置及び/又は予防において、或いはアジュバント化学療法が成功しなかった後の転移性乳がんの第一選択治療において、或いは手術不可能な局所的に進行した(ステージIIIA若しくはIIIB)又は転移性の(ステージIV)非小細胞肺がんを有する患者の第一選択治療において、或いは局所的に進行した(切除不能なステージII若しくはステージIII)又は転移性の(ステージIV)膵臓腺癌の処置において、或いは局所的に進行した又は転移性の膀胱がんの処置において、或いは局所的に進行した又は転移性の上皮卵巣癌の処置において有用である。
【0047】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェートは、エムトリシタビン又はそのホスフェートを指す。エムトリシタビン又はそのホスフェートは、HIV感染の処置及び/又は予防において有用である。
【0048】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェートは、ラミブジン又はそのホスフェートを指す。ラミブジン又はそのホスフェートは、HIV/AIDS及び慢性B型肝炎の処置及び/又は予防において有用である。
【0049】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェートは、ザルシタビン又はそのホスフェートを指す。ザルシタビン又はそのホスフェートは、HIV/AIDSの処置及び/又は予防において有用である。
【0050】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェートは、アバカビル又はそのホスフェートを指す。アバカビル又はそのホスフェートは、HIV/AIDSの処置及び/又は予防において有用である。
【0051】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェートは、アシクロビル又はそのホスフェートを指す。アシクロビル又はそのホスフェートは、単純ヘルペスウイルス感染、水痘帯状疱疹ウイルス感染、サイトメガロウイルス感染、及びエプスタイン・バーウイルス感染の重度の合併症の処置及び/又は予防において有用である。
【0052】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェートは、エンテカビル又はそのホスフェートを指す。エンテカビル又はそのホスフェートは、B型肝炎ウイルス(HBV)感染の処置及び/又は予防において有用である。
【0053】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェートは、スタブジン又はそのホスフェートを指す。スタブジン又はそのホスフェートは、HIV/AIDSの処置及び/又は予防において有用である。
【0054】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェートは、テルビブジン又はそのホスフェートを指す。テルビブジン又はそのホスフェートは、B型肝炎感染の処置及び/又は予防において有用である。
【0055】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェートは、ジドブジン又はそのホスフェートを指す。ジドブジン又はそのホスフェートは、HIV/AIDSの処置及び/又は予防において有用である。
【0056】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェートは、イドクスウリジン又はそのホスフェートを指す。イドクスウリジン又はそのホスフェートは、単純ヘルペス角膜炎の処置及び/又は予防において有用である。
【0057】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェートは、トリフルリジン又はそのホスフェートを指す。トリフルリジン又はそのホスフェートは、単純ヘルペスウイルス1型及び2型によって生じる角膜炎及び角結膜炎の処置及び/又は予防、並びに眼のワクシニアウイルス感染の処置において有用である。
【0058】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェートは、ゲムシタビンを指す。
【0059】
ゲムシタビン、すなわち2',2'-ジフルオロ-2'-デオキシシチジン(dFdC)(CAS ID:95058-81-4)は、構造:
【0060】
【0061】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェートは、ゲムシタビンのホスフェートを指す。
【0062】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェートは、ゲムシタビンモノホスフェートを指す。
【0063】
ゲムシタビンモノホスフェート、すなわち2',2'-ジフルオロデオキシシチジン5'-ホスフェート(dFdCMP)(CAS ID:116371-67-6)は、構造:
【0064】
【0065】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェートは、ゲムシタビンジホスフェート(ゲムシタビン二リン酸)を指す。
【0066】
ゲムシタビンジホスフェート、すなわち2',2'-ジフルオロデオキシシチジン5'-ジホスフェート(dFdCDP)(CAS ID:116371-66-5)は、構造:
【0067】
【0068】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェートは、ゲムシタビントリホスフェート(ゲムシタビン三リン酸)を指す。
【0069】
ゲムシタビントリホスフェート、すなわち2',2'-ジフルオロデオキシシチジン5'-トリホスフェート(dFdCTP)(CAS ID:110988-86-8)は、構造:
【0070】
【0071】
又はそのホスフェート
【0072】
ホスフェートは、リン酸に由来する陰イオン、塩、官能基、又はエステルである。
【0073】
一実施形態では、ホスフェートは、オルトリン酸H3PO4の誘導体である。
【0074】
一実施形態では、ホスフェートは、(PO4)3-基を含む。
【0075】
一実施形態では、ホスフェートは、P(O)(OH)2O-基を含む。
【0076】
一実施形態では、ホスフェートは、ジホスフェート、例えばP(O)(OH)2-O-P(O)(OH)-O-基を含む。
【0077】
一実施形態では、ホスフェートは、トリホスフェート、例えばP(O)(OH)2-O-P(O)(OH)-O-P(O)(OH)-基を含む。
【0078】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェートはモノマー単位であり、より長い鎖にポリマー化されない。
【0079】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェートは、RNAでもDNAでもない。
【0080】
両親媒性細胞膜透過ペプチド
慣習に従って、本明細書で記載されているペプチドは、「N末端」が最初に、すなわち左側に記載されている。
【0081】
一実施形態では、両親媒性細胞膜透過ペプチドは、アミノ酸配列WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)又は少なくとも80%の配列同一性若しくは配列相同性を有する配列を含むか又はそれからなる。
【0082】
一実施形態では、両親媒性細胞膜透過ペプチドは、アミノ酸配列WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)又は少なくとも80%の配列同一性若しくは配列相同性を有する配列を含む。
【0083】
一実施形態では、両親媒性細胞膜透過ペプチドは、アミノ酸配列WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)又は少なくとも80%の配列同一性若しくは配列相同性を有する配列からなる。
【0084】
一実施形態では、両親媒性細胞膜透過ペプチドは、アミノ酸配列WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)又は少なくとも85%の配列同一性若しくは配列相同性を有する配列を含むか又はそれからなる。
【0085】
一実施形態では、両親媒性細胞膜透過ペプチドは、アミノ酸配列WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)又は少なくとも85%の配列同一性若しくは配列相同性を有する配列を含む。
【0086】
一実施形態では、両親媒性細胞膜透過ペプチドは、アミノ酸配列WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)又は少なくとも85%の配列同一性若しくは配列相同性を有する配列からなる。
【0087】
一実施形態では、両親媒性細胞膜透過ペプチドは、アミノ酸配列WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)又は少なくとも90%の配列同一性若しくは配列相同性を有する配列を含むか又はそれからなる。
【0088】
一実施形態では、両親媒性細胞膜透過ペプチドは、アミノ酸配列WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)又は少なくとも90%の配列同一性若しくは配列相同性を有する配列を含む。
【0089】
一実施形態では、両親媒性細胞膜透過ペプチドは、アミノ酸配列WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)又は少なくとも90%の配列同一性若しくは配列相同性を有する配列からなる。
【0090】
一実施形態では、両親媒性細胞膜透過ペプチドは、アミノ酸配列WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)又は少なくとも95%の配列同一性若しくは配列相同性を有する配列を含むか又はそれからなる。
【0091】
一実施形態では、両親媒性細胞膜透過ペプチドは、アミノ酸配列WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)又は少なくとも95%の配列同一性若しくは配列相同性を有する配列を含む。
【0092】
一実施形態では、両親媒性細胞膜透過ペプチドは、アミノ酸配列WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)又は少なくとも95%の配列同一性若しくは配列相同性を有する配列からなる。
【0093】
一実施形態では、両親媒性細胞膜透過ペプチドは、アミノ酸配列WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)を含むか又はそれからなる。
【0094】
一実施形態では、両親媒性細胞膜透過ペプチドは、アミノ酸配列WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)を含む。
【0095】
一実施形態では、両親媒性細胞膜透過ペプチドは、アミノ酸配列WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)からなる。
【0096】
一実施形態では、WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)に対して少なくとも80%の配列同一性又は相同性を有する配列は、35以下のアミノ酸残基からなる。
【0097】
一実施形態では、WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)に対して少なくとも80%の配列同一性又は相同性を有する配列は、30以下のアミノ酸残基からなる。
【0098】
一実施形態では、WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)に対して少なくとも80%の配列同一性又は配列相同性を有する配列は、26~30アミノ酸残基からなる。
【0099】
一実施形態では、WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)に対して少なくとも80%の配列同一性又は配列相同性を有する配列は、少なくとも5つのアルギニン残基(R)を含む。
【0100】
一実施形態では、WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)に対して少なくとも80%の配列同一性又は配列相同性を有する配列は、少なくとも6つのアルギニン残基(R)を含む。
【0101】
一実施形態では、WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)に対して少なくとも80%の配列同一性又は配列相同性を有する配列は、少なくとも10個のアラニン残基(A)を含む。
【0102】
一実施形態では、WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)に対して少なくとも80%の配列同一性又は配列相同性を有する配列は、少なくとも12個のアラニン残基(A)を含む。
【0103】
一実施形態では、WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)に対して少なくとも80%の配列同一性又は配列相同性を有する配列は、少なくとも5つのロイシン残基(L)を含む。
【0104】
一実施形態では、WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)に対して少なくとも80%の配列同一性又は配列相同性を有する配列は、少なくとも6つのロイシン残基(L)を含む。
【0105】
一実施形態では、WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)に対して少なくとも80%の配列同一性又は配列相同性を有する配列は、少なくとも1つのシステイン残基(C)を含む。
【0106】
一実施形態では、WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)に対して少なくとも80%の配列同一性又は配列相同性を有する配列は、少なくとも2つの、しかし3つ以下のグルタミン酸(E)残基を含む。
【0107】
一実施形態では、WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)に対して少なくとも80%の配列同一性又は配列相同性を有する配列は、少なくとも6つのアルギニン残基(R)、少なくとも12個のアラニン残基(A)、少なくとも6つのロイシン残基(L)、場合により少なくとも1つのシステイン残基(C)、及び少なくとも2つの、しかし3つ以下のグルタミン酸残基(E)を含む。
【0108】
一実施形態では、WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)に対して少なくとも80%の配列同一性又は配列相同性を有する配列は、コンセンサス配列EARLARALARALAR及び/又はLARALARALRAを含む。
【0109】
一実施形態では、WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)に対して少なくとも80%の配列同一性又は配列相同性を有する配列は、コンセンサス配列EARLARALARALARを含む。
【0110】
一実施形態では、WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)に対して少なくとも80%の配列同一性又は配列相同性を有する配列は、コンセンサス配列LARALARALRAを含む。
【0111】
一実施形態では、WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)に対して少なくとも80%の配列同一性又は配列相同性を有する配列は、コンセンサス配列EARLARALARALAR及びLARALARALRAを含む。
【0112】
一実施形態では、WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)に対して少なくとも80%の配列同一性又は配列相同性を有する配列は、グリシン(G)を含まない。
【0113】
少なくとも80%の配列同一性又は配列相同性を有する配列
限定するものではないが、グローバル方法、ローカル方法、及びハイブリッド方法、例えばセグメントアプローチ方法を含む、様々な配列アラインメント方法のいずれかを使用して、配列同一性パーセントを決定することができる。パーセント同一性を決定するためのプロトコルは、当業者の範囲内の通常の手順である。グローバル方法は、分子の最初から最後まで配列をアラインし、個々の残基対のスコアを加算していくことによって、及びギャップペナルティーを課すことによって、最良のアラインメントを決定する。従来の方法には、Altschulら、Bull. Math. Bio. 48: 603~16、1986、並びにHenikoff及びHenikoff、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:10915~19、1992が含まれ、当該文献では、ギャップオープニングペナルティー10、ギャップエクステンションペナルティー1、並びにHenikoff及びHenikoffの「blosum 62」スコアリングマトリクスを使用して、アラインメントスコアを最適化するように、2つのアミノ酸配列がアラインされている。
【0114】
2つ以上のアミノ酸配列の間の配列同一性パーセントは、配列が共有する同一位置の数に応じる。したがって、同一性%は、同一のアミノ酸の数をアミノ酸の総数で割り、それに100を乗じたものとして計算することができる。配列同一性%の計算にはまた、ギャップの数、及び2つ以上の配列のアラインメントを最適化するために導入する必要がある各ギャップの長さも考慮され得る。2つ以上の配列の間の配列比較及びパーセント同一性の決定は、特定の数学的アルゴリズム、例えば、当業者によく知られているであろうBLASTを使用して行うことができる。
【0115】
相同配列は、1つ以上のアミノ酸の置換、欠失、又は付加を有することを特徴とし得る。これらの変化は、ペプチドのフォールディング又は活性に大きくは影響しない、軽微な性質のものである。これらは、わずかなアミノ酸置換、わずかな欠失、及びわずかなアミノ末端若しくはカルボキシ末端の伸長、又は他のわずかな付加であり得る。
【0116】
一実施形態では、「配列同一性又は配列相同性」という用語は、配列同一性を指す。
【0117】
一実施形態では、「配列同一性又は配列相同性」という用語は、配列相同性を指す。
【0118】
ナノ粒子
一実施形態では、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤は、ナノ粒子を含むか又はそれからなる。ナノ粒子は、ヌクレオシド又はそのホスフェート及び両親媒性細胞膜透過ペプチドを超純水中に共に添加することによって、セルフアセンブリによって形成させることができる。
【0119】
一実施形態では、
(i)ヌクレオシド又はそのホスフェート、及び
(ii)アミノ酸配列:
WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)
又は少なくとも80%の配列同一性若しくは配列相同性を有する配列を含むか又はそれからなる両親媒性細胞膜透過ペプチド、
を含む、ナノ粒子製剤が提供される。
【0120】
一実施形態では、
(i)ゲムシタビン又はそのホスフェート、及び
(ii)アミノ酸配列:
WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)
又は少なくとも80%の配列同一性若しくは配列相同性を有する配列を含むか又はそれからなる両親媒性細胞膜透過ペプチド、
を含む、ナノ粒子製剤が提供される。
【0121】
一実施形態では、
(i)ゲムシタビントリホスフェート、及び
(ii)アミノ酸配列:
WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)
を含む両親媒性細胞膜透過ペプチド
を含む、ナノ粒子製剤が提供される。
【0122】
一実施形態では、ナノ粒子製剤である、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤が提供される。
【0123】
一実施形態では、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤を含むナノ粒子が提供される。
【0124】
一実施形態では、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤を含むナノ粒子製剤が提供される。
【0125】
一実施形態では、ナノ粒子を含む、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤が提供される。
【0126】
一実施形態では、30~150nmのZ平均を有するナノ粒子を含む、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤が提供される。Z平均は、強度で重み付けした、動的光散乱(DLS)によって測定された、粒子の集合体の平均流体力学的サイズである。
【0127】
一実施形態では、60~100nmのZ平均を有するナノ粒子を含む、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤が提供される。
【0128】
一実施形態では、多分散指数が≦0.3のナノ粒子を含む、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤が提供される。多分散指数(PI)は、サイズに基づく、試料の不均質性の尺度である。
【0129】
一実施形態では、多分散指数が≦0.5のナノ粒子を含む、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤が提供される。
【0130】
ヌクレオシド又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比
一実施形態では、本明細書で記載されているヌクレオシド又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比(モル:モル)は、変化し得る。これは、生理化学的特徴(例えば、Z平均、ゼータ電位(粒子荷電)、及び/若しくは多分散指数)、細胞の取り込み、並びに/又は治療有効性に対する、有利な影響を有し得る。
【0131】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約0.1:10である。
【0132】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、0.1:10である。
【0133】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:5である。
【0134】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:5である。
【0135】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:1~3である。
【0136】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:1~3である。
【0137】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:1.2~2.8である。
【0138】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:1.2~2.8である。
【0139】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:1.4~2.6である。
【0140】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:1.4~2.6である。
【0141】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:1.6~2.4である。
【0142】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:1.6~2.4である。
【0143】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:1.8~2.2である。
【0144】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:1.8~2.2である。
【0145】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:1.9~2.5である。
【0146】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:1.9~2.5である。
【0147】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:2.0~2.4である。
【0148】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:2.0~2.4である。
【0149】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:1である。
【0150】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:1である。
【0151】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:1.2である。
【0152】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:1.2である。
【0153】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:1.4である。
【0154】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:1.4である。
【0155】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:1.6である。
【0156】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:1.6である。
【0157】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:1.8である。
【0158】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:1.8である。
【0159】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:2である。
【0160】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:2である。
【0161】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:2.2である。
【0162】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:2.2である。
【0163】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:2.4である。
【0164】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:2.4である。
【0165】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:2.6である。
【0166】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:2.6である。
【0167】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:2.8である。
【0168】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:2.8である。
【0169】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:3である。
【0170】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:3である。
【0171】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約0.1:3である。
【0172】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、0.1:3である。
【0173】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:4である。
【0174】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:4である。
【0175】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:5である。
【0176】
一実施形態では、ヌクレオシド又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:5である。
【0177】
一実施形態では、ゲムシタビン又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約0.1:1~10である。
【0178】
一実施形態では、ゲムシタビン又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、0.1:1~3である。
【0179】
一実施形態では、ゲムシタビン又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:1~5である。
【0180】
一実施形態では、ゲムシタビン又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:1~5である。
【0181】
一実施形態では、ゲムシタビン又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:1~3である。
【0182】
一実施形態では、ゲムシタビン又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:1~3である。
【0183】
一実施形態では、ゲムシタビン又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:1.2~2.8である。
【0184】
一実施形態では、ゲムシタビン又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:1.2~2.8である。
【0185】
一実施形態では、ゲムシタビン又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:1.4~2.6である。
【0186】
一実施形態では、ゲムシタビン又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:1.4~2.6である。
【0187】
一実施形態では、ゲムシタビン又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:1.6~2.4である。
【0188】
一実施形態では、ゲムシタビン又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:1.6~2.4である。
【0189】
一実施形態では、ゲムシタビン又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:1.8~2.2である。
【0190】
一実施形態では、ゲムシタビン又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:1.8~2.2である。
【0191】
一実施形態では、ゲムシタビン又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:2.0~2.4である。
【0192】
一実施形態では、ゲムシタビン又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:2.0~2.4である。
【0193】
一実施形態では、ゲムシタビン又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:1.9~2.5である。
【0194】
一実施形態では、ゲムシタビン又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:1.9~2.5である。
【0195】
一実施形態では、ゲムシタビン又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:1である。
【0196】
一実施形態では、ゲムシタビン又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:1である。
【0197】
一実施形態では、ゲムシタビン又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:1.2である。
【0198】
一実施形態では、ゲムシタビン又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:1.2である。
【0199】
一実施形態では、ゲムシタビン又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:1.4である。
【0200】
一実施形態では、ゲムシタビン又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:1.4である。
【0201】
一実施形態では、ゲムシタビン又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:1.6である。
【0202】
一実施形態では、ゲムシタビン又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:1.6である。
【0203】
一実施形態では、ゲムシタビン又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:1.8である。
【0204】
一実施形態では、ゲムシタビン又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:1.8である。
【0205】
一実施形態では、ゲムシタビン又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:2である。
【0206】
一実施形態では、ゲムシタビン又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:2である。
【0207】
一実施形態では、ゲムシタビン又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:2.2である。
【0208】
一実施形態では、ゲムシタビン又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:2.2である。
【0209】
一実施形態では、ゲムシタビン又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:2.4である。
【0210】
一実施形態では、ゲムシタビン又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:2.4である。
【0211】
一実施形態では、ゲムシタビン又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:2.6である。
【0212】
一実施形態では、ゲムシタビン又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:2.6である。
【0213】
一実施形態では、ゲムシタビン又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:2.8である。
【0214】
一実施形態では、ゲムシタビン又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:2.8である。
【0215】
一実施形態では、ゲムシタビン又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:3である。
【0216】
一実施形態では、ゲムシタビン又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:3である。
【0217】
一実施形態では、ゲムシタビン又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:5である。
【0218】
一実施形態では、ゲムシタビン又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:5である。
【0219】
一実施形態では、ゲムシタビン又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約0.1:10である。
【0220】
一実施形態では、ゲムシタビン又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、0.1:10である。
【0221】
一実施形態では、ゲムシタビントリホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約0.1:1~10である。
【0222】
一実施形態では、ゲムシタビントリホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、0.1:1~10である。
【0223】
一実施形態では、ゲムシタビントリホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:1~5である。
【0224】
一実施形態では、ゲムシタビントリホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:1~5である。
【0225】
一実施形態では、ゲムシタビントリホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:1~3である。
【0226】
一実施形態では、ゲムシタビントリホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:1~3である。
【0227】
一実施形態では、ゲムシタビントリホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:1.2~2.8である。
【0228】
一実施形態では、ゲムシタビントリホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:1.2~2.8である。
【0229】
一実施形態では、ゲムシタビントリホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:1.4~2.6である。
【0230】
一実施形態では、ゲムシタビントリホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:1.4~2.6である。
【0231】
一実施形態では、ゲムシタビントリホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:1.6~2.4である。
【0232】
一実施形態では、ゲムシタビントリホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:1.6~2.4である。
【0233】
一実施形態では、ゲムシタビントリホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:1.8~2.2である。
【0234】
一実施形態では、ゲムシタビントリホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:1.8~2.2である。
【0235】
一実施形態では、ゲムシタビントリホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:2.0~2.4である。
【0236】
一実施形態では、ゲムシタビントリホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:2.0~2.4である。
【0237】
一実施形態では、ゲムシタビントリホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:1.9~2.5である。
【0238】
一実施形態では、ゲムシタビントリホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:1.9~2.5である。
【0239】
一実施形態では、ゲムシタビントリホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:1である。
【0240】
一実施形態では、ゲムシタビントリホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:1である。
【0241】
一実施形態では、ゲムシタビントリホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:1.2である。
【0242】
一実施形態では、ゲムシタビントリホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:1.2である。
【0243】
一実施形態では、ゲムシタビントリホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:1.4である。
【0244】
一実施形態では、ゲムシタビントリホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:1.4である。
【0245】
一実施形態では、ゲムシタビントリホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:1.6である。
【0246】
一実施形態では、ゲムシタビントリホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:1.6である。
【0247】
一実施形態では、ゲムシタビントリホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:1.8である。
【0248】
一実施形態では、ゲムシタビントリホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:1.8である。
【0249】
一実施形態では、ゲムシタビントリホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:2である。
【0250】
一実施形態では、ゲムシタビントリホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:2である。
【0251】
一実施形態では、ゲムシタビントリホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:2.2である。
【0252】
一実施形態では、ゲムシタビントリホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:2.2である。
【0253】
一実施形態では、ゲムシタビントリホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:2.4である。
【0254】
一実施形態では、ゲムシタビントリホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:2.4である。
【0255】
一実施形態では、ゲムシタビントリホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:2.6である。
【0256】
一実施形態では、ゲムシタビントリホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:2.6である。
【0257】
一実施形態では、ゲムシタビントリホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:2.8である。
【0258】
一実施形態では、ゲムシタビントリホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:2.8である。
【0259】
一実施形態では、ゲムシタビントリホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:3である。
【0260】
一実施形態では、ゲムシタビントリホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:3である。
【0261】
一実施形態では、ゲムシタビントリホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、1:5である。
【0262】
一実施形態では、ゲムシタビントリホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約1:5である。
【0263】
一実施形態では、ゲムシタビントリホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、0.1:10である。
【0264】
一実施形態では、ゲムシタビントリホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比は、約0.1:10である。
【0265】
充填剤、凍結保護物質、及び張性(浸透圧)を推測(infer)する作用剤
一実施形態では、輸送及び保存のために、充填剤を、ナノ粒子の凍結乾燥の前に添加してもよい。充填剤は、その特性に影響を与えることなく製品のかさ容積を増大させる添加物である。
【0266】
一実施形態では、凍結保護物質を、ナノ粒子の凍結乾燥の前に添加してもよい。凍結保護物質は、生物学的組織を凍結のダメージから保護するために使用される物質である。
【0267】
一実施形態では、溶質を、張性を推測するために、例えば、水が製剤に添加されると等張の製剤となるように、添加してもよい。等張の製剤は、血液と同一の溶質濃度、すなわち290~310mOsmol/kgを有する。
【0268】
一実施形態では、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤の溶液のモル浸透圧濃度(osmolality)は、10~1000mOsmol/kgである。
【0269】
一実施形態では、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤の溶液のモル浸透圧濃度は、100~500mOsmol/kgである。
【0270】
一実施形態では、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤の溶液のモル浸透圧濃度は、200~400mOsmol/kgである。
【0271】
一実施形態では、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤の溶液のモル浸透圧濃度は、290~310mOsmol/kgである。
【0272】
一実施形態では、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤の溶液のモル浸透圧濃度は、約300mOsmol/kgである。
【0273】
一実施形態では、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤の溶液のモル浸透圧濃度は、300mOsmol/kgである。
【0274】
適切な充填剤としては、トレハロース、スクロース、マンノース、デキストロース、又はこのような作用剤の任意の混合物が含まれる。これらの作用剤はまた、凍結保護物質及び/又は張性を推測するための作用剤としても利用することができる。
【0275】
一実施形態では、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤は、トレハロース、スクロース、マンノース、デキストロース、又はこのような作用剤の任意の混合物をさらに含む。
【0276】
一実施形態では、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤は、>85%w/wのトレハロース、スクロース、マンノース、デキストロース、又はこのような作用剤の任意の混合物をさらに含む。
【0277】
一実施形態では、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤は、>90%w/wのトレハロース、スクロース、マンノース、デキストロース、又はこのような作用剤の任意の混合物をさらに含む。
【0278】
一実施形態では、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤は、>95%w/wのトレハロース、スクロース、マンノース、デキストロース、又はこのような作用剤の任意の混合物をさらに含む。
【0279】
一実施形態では、充填剤はトレハロースである。
【0280】
一実施形態では、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤は、トレハロースをさらに含む。
【0281】
一実施形態では、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤は、>85%w/wのトレハロースをさらに含む。
【0282】
一実施形態では、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤は、>90%w/wのトレハロースをさらに含む。
【0283】
一実施形態では、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤は、>95%w/wのトレハロースをさらに含む。
【0284】
一実施形態では、充填剤はスクロースである。
【0285】
一実施形態では、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤は、スクロースをさらに含む。
【0286】
一実施形態では、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤は、>85%w/wのスクロースをさらに含む。
【0287】
一実施形態では、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤は、>90%w/wのスクロースをさらに含む。
【0288】
一実施形態では、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤は、>95%w/wのスクロースをさらに含む。
【0289】
一実施形態では、充填剤はマンノースである。
【0290】
一実施形態では、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤は、マンノースをさらに含む。
【0291】
一実施形態では、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤は、>85%w/wのマンノースをさらに含む。
【0292】
一実施形態では、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤は、>90%w/wのマンノースをさらに含む。
【0293】
一実施形態では、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤は、>95%w/wのマンノースをさらに含む。
【0294】
一実施形態では、充填剤は、トレハロースを含む。
【0295】
一実施形態では、充填剤は、スクロースを含む。
【0296】
一実施形態では、充填剤は、マンノースを含む。
【0297】
一実施形態では、充填剤は、デキストロースを含む。
【0298】
一実施形態では、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤は、
(i)0.1~1%w/wのゲムシタビン又はそのホスフェート、
(ii)1~10%w/wの、アミノ酸配列WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)又は少なくとも80%の配列同一性若しくは配列相同性を有する配列を含むか又はそれからなる両親媒性細胞膜透過ペプチド、並びに
(iii)89~99%w/wのトレハロース、スクロース、マンノース、及び/又はデキストロース
を含む。
【0299】
一実施形態では、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤は、
(i)0.2~0.5%w/wのゲムシタビン又はそのホスフェート、
(ii)3.5~4.5%w/wの、アミノ酸配列WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)又は少なくとも80%の配列同一性若しくは配列相同性を有する配列からなる両親媒性細胞膜透過ペプチド、並びに
(iii)95~97%w/wのトレハロース、スクロース、マンノース、及び/又はデキストロース
を含む。
【0300】
一実施形態では、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤は、
(i)0.1~1%w/wのゲムシタビントリホスフェート、
(ii)1~10%w/wの、アミノ酸配列WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)からなる両親媒性細胞膜透過ペプチド、及び
(iii)89~99%w/wのトレハロース
を含む。
【0301】
一実施形態では、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤は、
(i)0.2~0.5%w/wのゲムシタビントリホスフェート、
(ii)3.5~4.5%w/wの、アミノ酸配列WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)からなる両親媒性細胞膜透過ペプチド、及び
(iii)95~97%w/wのトレハロース
を含む。
【0302】
一実施形態では、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤は、
(i)約0.3%w/wのゲムシタビントリホスフェート、
(ii)約4%w/wの、アミノ酸配列WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)からなる両親媒性細胞膜透過ペプチド、及び
(iii)約96%w/wのトレハロース
を含む。
【0303】
一実施形態では、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤は、
(i)0.3%w/wのゲムシタビントリホスフェート、
(ii)4.03%w/wの、アミノ酸配列WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)からなる両親媒性細胞膜透過ペプチド、及び
(iii)95.67%w/wのトレハロース
を含む。
【0304】
水中製剤
本明細書で記載されているヌクレオシド製剤は、特に静脈内注射を介する投与を容易にするために、水、特に超純水の中で都合良く製剤することができる。
【0305】
本明細書で記載されているヌクレオシド製剤は、
(i)0.1~1%w/wのゲムシタビン又はそのホスフェート、
(ii)1~10%w/wの、アミノ酸配列WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)又は少なくとも80%の配列同一性若しくは配列相同性を有する配列を含むか又はそれからなる両親媒性細胞膜透過ペプチド、並びに
(iii)89~99%w/wのトレハロース、スクロース、マンノース、及び/又はデキストロース
を含み、
290~310mOsmol/kgのモル浸透圧濃度を有する、水中の等張製剤として製剤される。
【0306】
本明細書で記載されているヌクレオシド製剤は、
(i)0.2~0.5%w/wのゲムシタビン又はそのホスフェート、
(ii)3.5~4.5%w/wの、アミノ酸配列WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)又は少なくとも80%の配列同一性若しくは配列相同性を有する配列からなる両親媒性細胞膜透過ペプチド、並びに
(iii)95~97%w/wのトレハロース、スクロース、マンノース、及び/又はデキストロース
を含み、
290~310mOsmol/kgのモル浸透圧濃度を有する、水中の等張製剤として製剤される。
【0307】
本明細書で記載されているヌクレオシド製剤は、
(i)0.1~1%w/wのゲムシタビントリホスフェート、
(ii)1~10%w/wの、アミノ酸配列WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)からなる両親媒性細胞膜透過ペプチド、及び
(iii)89~99%w/wのトレハロース
を含み、
290~310mOsmol/kgのモル浸透圧濃度を有する、水中の等張製剤として製剤される。
【0308】
本明細書で記載されているヌクレオシド製剤は、
(i)0.2~0.5%w/wのゲムシタビントリホスフェート、
(ii)3.5~4.5%w/wの、アミノ酸配列WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)からなる両親媒性細胞膜透過ペプチド、及び
(iii)95~97%w/wのトレハロース
を含み、
290~310mOsmol/kgのモル浸透圧濃度を有する、水中の等張製剤として製剤される。
【0309】
本明細書で記載されているヌクレオシド製剤は、
(i)約0.3%w/wのゲムシタビントリホスフェート、
(ii)約4%w/wの、アミノ酸配列WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)からなる両親媒性細胞膜透過ペプチド、及び
(iii)約96%w/wのトレハロース
を含み、
290~310mOsmol/kgのモル浸透圧濃度を有する、水中の等張製剤として製剤される。
【0310】
本明細書で記載されているヌクレオシド製剤は、
(i)0.3%w/wのゲムシタビントリホスフェート、
(ii)4.03%w/wの、アミノ酸配列WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)からなる両親媒性細胞膜透過ペプチド、及び
(iii)95.67%w/wのトレハロース
を含み、
290~310mOsmol/kgのモル浸透圧濃度を有する、水中の等張製剤として製剤される。
【0311】
自動化した製剤
一実施形態では、ナノ粒子は、自動制御可能な混合システム、例えば自動マイクロ流体システム、例えばPrecision Nanosystems Ignite NanoAssemblrを介して調製される。この技術は、ナノ粒子の製剤の際に混合速度及び混合比の両方を制御することが可能であり、その結果、Z平均粒子サイズを低下させ、その結果、手動の製剤方法と比較して、多分散指数をさらに低下させる。
【0312】
マイクロ流体は、表面力が体積力よりも大きい小さなスケール(典型的にはミリメートル未満の)に幾何学的に制約されている流体の挙動、正確な制御、及び操作をいう。
【0313】
一実施形態では、本明細書で記載されているナノ粒子は、自動制御された混合システムを介して調製される。
【0314】
一実施形態では、ナノ粒子製剤を調製する方法であって、(i)WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)又は少なくとも80%の配列同一性若しくは配列相同性を有する配列の溶液を、(ii)薬理学的に活性な作用剤と、自動の制御された混合システム、特に自動マイクロ流体システムにおいて製剤するステップを含む、方法が提供される。
【0315】
一実施形態では、ナノ粒子製剤を調製する方法であって、(i)WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)又は少なくとも80%の配列同一性若しくは配列相同性を有する配列の溶液を、(ii)核酸、又は好ましくは負に帯電した若しくは親水性の化合物である他の作用剤と、自動制御された混合システム、特に自動マイクロ流体システムにおいて製剤するステップを含む、方法が提供される。
【0316】
一実施形態では、ナノ粒子製剤を調製する方法であって、(i)WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)又は少なくとも80%の配列同一性若しくは配列相同性を有する配列の溶液、並びに(ii)DNA、RNA、shRNA、及びsiRNAを、自動制御された混合システム、特に自動マイクロ流体システムにおいて製剤するステップを含む、方法が提供される。
【0317】
一実施形態では、ナノ粒子製剤を調製する方法であって、(i)WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)又は少なくとも80%の配列同一性若しくは配列相同性を有する配列の溶液を、(ii)アレンドロネート、エチドロネート、ゾレンドレート(zolendrate)、又は任意の他の窒素ベースの若しくは非窒素ベースのビスホスホネート薬を含む、ビスホスホネート薬と、自動制御された混合システム、特に自動マイクロ流体システムにおいて製剤するステップを含む、方法が提供される。
【0318】
一実施形態では、ナノ粒子製剤を調製する方法であって、(i)WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)又は少なくとも80%の配列同一性若しくは配列相同性を有する配列の溶液、及び(ii)金を、自動制御された混合システム、特に自動マイクロ流体システムにおいて製剤するステップを含む、方法が提供される。
【0319】
一実施形態では、ナノ粒子製剤を調製する方法であって、(i)WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)又は少なくとも80%の配列同一性若しくは配列相同性を有する配列の溶液を、(ii)ヌクレオシド又はそのホスフェートと、自動の制御された混合システム、特に自動マイクロ流体システムにおいて製剤するステップを含む、方法が提供される。
【0320】
一実施形態では、ナノ粒子製剤を調製する方法であって、(i)WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)又は少なくとも80%の配列同一性若しくは配列相同性を有する配列の溶液、及び(ii)ゲムシタビン又はそのホスフェートを、自動制御された混合システム、特に自動マイクロ流体システムにおいて製剤するステップを含む、方法が提供される。
【0321】
一実施形態では、ナノ粒子製剤を調製する方法であって、(i)WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)又は少なくとも80%の配列同一性若しくは配列相同性を有する配列の溶液、及び(ii)ゲムシタビントリホスフェートを、自動制御された混合システム、特に自動マイクロ流体システムにおいて製剤するステップを含む、方法が提供される。
【0322】
一実施形態では、自動マイクロ流体システムの、本明細書で記載されている両親媒性ペプチド:薬理学的に活性な作用剤の流量比は、1:1である。
【0323】
一実施形態では、自動マイクロ流体システムの、本明細書で記載されている両親媒性ペプチド:薬理学的に活性な作用剤の流量比は、約1:1である。
【0324】
製剤
ナノ粒子は、ヌクレオシド又はそのホスフェート及び両親媒性細胞膜透過ペプチドを超純水中に共に添加して瞬時に製剤を生じさせることによって、セルフアセンブリによって形成させることができる。得られたヌクレオシド製剤は、輸送及び保存のために凍結乾燥させ、次いで使用のために水に再水和させることができる。
【0325】
本明細書で記載されているヌクレオシド製剤は、様々な投与経路、例えば、経口投与、鼻投与、直腸投与、局所投与、経皮投与、硝子体内投与、静脈内投与、又は筋肉内投与、皮内投与、特に静脈内投与で利用することができる。一実施形態では、本開示のヌクレオシド製剤は、注射可能な製剤、例えば静脈内注射で利用することができる。
【0326】
電荷密度
ナノ粒子の平均表面電荷密度は、酸化ストレスメカニズムを促進し、これが次いでミトコンドリアの機能障害及び生存能力の低下を促進し得ることによって、ナノ粒子の毒性に対する寄与因子であり得る。
【0327】
電荷密度は、Ritzら、Biomacromolecules. 2015年4月13日、16(4):1311~21. doi: 10.1021/acs.biomac.5b00108. Epub 2015 Apr 3、及びWeissら、J Nanobiotechnology. 2021年1月6日、19(1):5. doi: 10.1186/s12951-020-00747-7で記載されている方法を使用する高分子電解質滴定によって測定することができる。
【0328】
高分子電解質滴定は、0.01MのpH7.4のポリ(アクリル酸)(PAA)を使用して行うことができ、ナノ粒子へのPAAの添加及び電荷の測定はシグモイド曲線となり、当該曲線の容積(V)は当量点のものであり得る。それと併せて、システム内のペプチドの質量(w)及び使用したPAAの濃度(0.01M)を使用して、ナノ粒子の平均電荷密度(Qek)を計算する。
【0329】
一実施形態では、本明細書で記載されているゲムシタビン又はそのホスフェート及び両親媒性細胞膜透過ペプチドを含むナノ粒子の平均表面電荷密度は、20℃で≦2μmol/mgである。平均表面電荷密度の図を、Orion STAR(登録商標)マルチパラメータベンチメーターを使用して測定した。
【0330】
一実施形態では、本明細書で記載されているゲムシタビン又はそのホスフェート及び両親媒性細胞膜透過ペプチドを含むナノ粒子の平均表面電荷密度は、20℃で≦1.5μmol/mgである。
【0331】
一実施形態では、本明細書で記載されているゲムシタビン又はそのホスフェート及び両親媒性細胞膜透過ペプチドを含むナノ粒子の平均表面電荷密度は、20℃で約1μmol/mgである。
【0332】
一実施形態では、本明細書で記載されているゲムシタビン又はそのホスフェート及び両親媒性細胞膜透過ペプチドを含むナノ粒子の平均表面電荷密度は、20℃で1μmol/mgである。
【0333】
使用
一実施形態では、医薬品として使用するための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤が提供される。
【0334】
一実施形態では、医薬品としての、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤の使用が提供される。
【0335】
一実施形態では、治療において使用するための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤が提供される。
【0336】
一実施形態では、静脈内注射で使用するための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤が提供される。
【0337】
一実施形態では、ウイルス感染の処置で使用するための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤が提供される。
【0338】
一実施形態では、HIV、エボラ、マールブルグ、コロナウイルス、B型肝炎、C型肝炎、ワクシニア、エプスタイン・バー、サイトメガロウイルス、ジカ(zikia)、単純ヘルペス、及び/又は水痘帯状疱疹ウイルス感染の処置で使用するための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤が提供される。
【0339】
一実施形態では、がんの処置で使用するための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤が提供される。
【0340】
本明細書で使用される場合、「処置」及び「処置する」という用語は、本明細書で記載されている、疾患若しくは障害又はこれらの1つ以上の症候の逆転、軽減、発病の遅延、又は進行の阻害を指す。一部の実施形態では、処置は、1つ以上の症候が発症した後に行われてもよい。他の実施形態では、処置は、症候の不在下で行われてもよい。例えば、処置は、症候の発病の前に、感受性の個体に行われてもよい(例えば、症候の病歴に照らして及び/又は遺伝的因子若しくは他の感受性因子に照らして)。処置はまた、症候がなくなった後に、例えばそれらの再発を表す又は遅延させるためにも行われてもよい。
【0341】
本明細書では、がんの処置での使用が記載されている場合、これは、早期のがん、活性に進行しているがん、転移性のがん、及び/又は薬剤耐性のがんであり得る。がんに言及する一部の実施形態では、がんは早期のがんである。がんに言及する一部の実施形態では、がんは、局所的に進行したがんである。がんに言及する一部の実施形態では、がんは、局所的に進行した及び/又は転移性のがんである。がんに言及する一部の実施形態では、がんは転移性のがんである。がんに言及する一部の実施形態では、がんは浸潤性のがんである。
【0342】
一実施形態では、乳がん、膀胱がん、精巣がん、膵臓がん、卵巣がん、又は非小細胞肺がんの処置で使用するための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤が提供される。
【0343】
一実施形態では、乳がんの処置で使用するための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤が提供される。
【0344】
一実施形態では、精巣がんの処置で使用するための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤が提供される。
【0345】
一実施形態では、膀胱がんの処置で使用するための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤が提供される。
【0346】
一実施形態では、膵臓がんの処置で使用するための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤が提供される。
【0347】
一実施形態では、卵巣がんの処置で使用するための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤が提供される。
【0348】
一実施形態では、非小細胞肺がんの処置で使用するための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤が提供される。
【0349】
一実施形態では、転移性乳がんの処置で使用するための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤が提供される。
【0350】
一実施形態では、転移性乳がんの第一選択処置で使用するための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤が提供される。
【0351】
一実施形態では、アジュバント化学療法が成功しなかった後の転移性乳がんの第一選択処置で使用するための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤が提供される。
【0352】
一実施形態では、手術不可能な、局所的に進行した(ステージIIIA若しくはIIIB)又は転移性の(ステージIV)非小細胞肺がんを有する患者の第一選択処置で使用するための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤が提供される。
【0353】
一実施形態では、局所的に進行した(切除不能なステージII若しくはステージIII)又は転移性の(ステージIV)膵臓腺癌の処置で使用するための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤が提供される。
【0354】
一実施形態では、局所的に進行した又は転移性の膀胱がんの処置で使用するための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤が提供される。
【0355】
一実施形態では、局所的に進行した又は転移性の上皮卵巣癌の処置で使用するための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤が提供される。
【0356】
医薬組成物
一実施形態では、静脈内注射で使用するための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤を含む医薬組成物が提供される。
【0357】
一実施形態では、ウイルス感染の処置で使用するための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤を含む医薬組成物が提供される。
【0358】
一実施形態では、HIV、エボラ、マールブルグ、コロナウイルス、B型肝炎、C型肝炎、ワクシニア、エプスタイン・バー、サイトメガロウイルス、ジカ、単純ヘルペス、及び/又は水痘帯状疱疹ウイルス感染の処置で使用するための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤を含む医薬組成物が提供される。
【0359】
一実施形態では、がんの処置で使用するための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤を含む医薬組成物が提供される。
【0360】
一実施形態では、乳がん、膀胱がん、精巣がん、膵臓がん、卵巣がん、又は非小細胞肺がんの処置で使用するための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤を含む医薬組成物が提供される。
【0361】
一実施形態では、乳がんの処置で使用するための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤を含む医薬組成物が提供される。
【0362】
一実施形態では、精巣がんの処置で使用するための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤を含む医薬組成物が提供される。
【0363】
一実施形態では、膀胱がんの処置で使用するための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤を含む医薬組成物が提供される。
【0364】
一実施形態では、膵臓がんの処置で使用するための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤を含む医薬組成物が提供される。
【0365】
一実施形態では、卵巣がんの処置で使用するための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤を含む医薬組成物が提供される。
【0366】
一実施形態では、非小細胞肺がんの処置で使用するための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤を含む医薬組成物が提供される。
【0367】
一実施形態では、転移性乳がんの処置で使用するための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤を含む医薬組成物が提供される。
【0368】
一実施形態では、転移性乳がんの第一選択処置で使用するための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤を含む医薬組成物が提供される。
【0369】
一実施形態では、アジュバント化学療法が成功しなかった後の転移性乳がんの第一選択処置で使用するための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤を含む医薬組成物が提供される。
【0370】
一実施形態では、手術不可能な、局所的に進行した(ステージIIIA若しくはIIIB)又は転移性の(ステージIV)非小細胞肺がんを有する患者の第一選択処置で使用するための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤を含む医薬組成物が提供される。
【0371】
一実施形態では、局所的に進行した(切除不能なステージII若しくはステージIII)又は転移性の(ステージIV)膵臓腺癌の処置で使用するための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤を含む医薬組成物が提供される。
【0372】
一実施形態では、局所的に進行した又は転移性の膀胱がんの処置で使用するための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤を含む医薬組成物が提供される。
【0373】
一実施形態では、局所的に進行した又は転移性の上皮卵巣癌の処置で使用するための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤を含む医薬組成物が提供される。
【0374】
治療方法
一実施形態では、静脈内注射の方法であって、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤を投与するステップを含む、方法が提供される。
【0375】
一実施形態では、ウイルス感染を処置する方法であって、有効量の本明細書で記載されているヌクレオシド製剤を前記動物に投与するステップを含む、方法が提供される。
【0376】
一実施形態では、HIV、エボラ、マールブルグ、コロナウイルス、B型肝炎、C型肝炎、ワクシニア、エプスタイン・バー、サイトメガロウイルス、ジカ、単純ヘルペス、及び/又は水痘帯状疱疹ウイルス感染を処置する方法であって、有効量の本明細書で記載されているヌクレオシド製剤を前記動物に投与するステップを含む、方法が提供される。
【0377】
一実施形態では、温血動物、例えばヒトにおけるがんを処置する方法であって、有効量の本明細書で記載されているヌクレオシド製剤を前記動物に投与するステップを含む、方法が提供される。
【0378】
一実施形態では、温血動物、例えばヒトにおける乳がん、膀胱がん、精巣がん、膵臓がん、卵巣がん、又は非小細胞肺がんを処置する方法であって、有効量の本明細書で記載されているヌクレオシド製剤を前記動物に投与するステップを含む、前記動物方法が提供される。
【0379】
一実施形態では、温血動物、例えばヒトにおける乳がんを処置する方法であって、有効量の本明細書で記載されているヌクレオシド製剤を前記動物に投与するステップを含む、方法が提供される。
【0380】
一実施形態では、温血動物、例えばヒトにおける精巣がんを処置する方法であって、有効量の本明細書で記載されているヌクレオシド製剤を前記動物に投与するステップを含む、方法が提供される。
【0381】
一実施形態では、温血動物、例えばヒトにおける膀胱がんを処置する方法であって、有効量の本明細書で記載されているヌクレオシド製剤を前記動物に投与するステップを含む、方法が提供される。
【0382】
一実施形態では、温血動物、例えばヒトにおける膵臓がんを処置する方法であって、有効量の本明細書で記載されているヌクレオシド製剤を前記動物に投与するステップを含む、方法が提供される。
【0383】
一実施形態では、温血動物、例えばヒトにおける卵巣がんを処置する方法であって、有効量の本明細書で記載されているヌクレオシド製剤を前記動物に投与するステップを含む、方法が提供される。
【0384】
一実施形態では、温血動物、例えばヒトにおける非小細胞肺がんを処置する方法であって、有効量の本明細書で記載されているヌクレオシド製剤を前記動物に投与するステップを含む、方法が提供される。
【0385】
一実施形態では、温血動物、例えばヒトにおける転移性乳がんを処置する方法であって、有効量の本明細書で記載されているヌクレオシド製剤を前記動物に投与するステップを含む、方法が提供される。
【0386】
一実施形態では、温血動物、例えばヒトにおける転移性乳がんの第一選択処置を施す方法であって、有効量の本明細書で記載されているヌクレオシド製剤を前記動物に投与するステップを含む、方法が提供される。
【0387】
一実施形態では、温血動物、例えばヒトにおける、アジュバント化学療法が成功しなかった後の転移性乳がんの第一選択処置を施す方法であって、有効量の本明細書で記載されているヌクレオシド製剤を前記動物に投与するステップを含む、方法が提供される。
【0388】
一実施形態では、温血動物、例えばヒトにおける、手術不可能な、局所的に進行した(ステージIIIA若しくはIIIB)又は転移性の(ステージIV)非小細胞肺がんの第一選択処置を施す方法であって、有効量の本明細書で記載されているヌクレオシド製剤を前記動物に投与するステップを含む、方法が提供される。
【0389】
一実施形態では、温血動物、例えばヒトにおける局所的に進行した(切除不可能なステージII若しくはステージIII)又は転移性の(ステージIV)膵臓腺癌を処置する方法であって、有効量の本明細書で記載されているヌクレオシド製剤を前記動物に投与するステップを含む、方法が提供される。
【0390】
一実施形態では、温血動物、例えばヒトにおける局所的に進行した又は転移性の膀胱がんを処置する方法であって、有効量の本明細書で記載されているヌクレオシド製剤を前記動物に投与するステップを含む、方法が提供される。
【0391】
一実施形態では、温血動物、例えばヒトにおける局所的に進行した又は転移性の上皮卵巣癌を処置する方法であって、有効量の本明細書で記載されているヌクレオシド製剤を前記動物に投与するステップを含む、方法が提供される。
【0392】
ヌクレオシド製剤の使用
一実施形態では、静脈内注射のための医薬品の製造のための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤の使用が提供される。
【0393】
一実施形態では、ウイルス感染の処置のための医薬品の製造のための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤の使用が提供される。
【0394】
一実施形態では、HIV、エボラ、マールブルグ、コロナウイルス、B型肝炎、C型肝炎、ワクシニア、エプスタイン・バー、サイトメガロウイルス、ジカ、単純ヘルペス、及び/又は水痘帯状疱疹ウイルス感染の処置のための医薬品の製造のための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤の使用が提供される。
【0395】
一実施形態では、がんの処置のための医薬品の製造のための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤の使用が提供される。
【0396】
一実施形態では、乳がん、膀胱がん、精巣がん、膵臓がん、卵巣がん、又は非小細胞肺がんの処置のための医薬品の製造のための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤の使用が提供される。
【0397】
一実施形態では、乳がんの処置のための医薬品の製造のための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤の使用が提供される。
【0398】
一実施形態では、精巣がんの処置のための医薬品の製造のための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤の使用が提供される。
【0399】
一実施形態では、膀胱がんの処置のための医薬品の製造のための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤の使用が提供される。
【0400】
一実施形態では、膵臓がんの処置のための医薬品の製造のための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤の使用が提供される。
【0401】
一実施形態では、卵巣がんの処置のための医薬品の製造のための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤の使用が提供される。
【0402】
一実施形態では、非小細胞肺がんの処置のための医薬品の製造のための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤の使用が提供される。
【0403】
一実施形態では、転移性乳がんの処置のための医薬品の製造のための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤の使用が提供される。
【0404】
一実施形態では、転移性乳がんの第一選択処置のための医薬品の製造のための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤の使用が提供される。
【0405】
一実施形態では、アジュバント化学療法が成功しなかった後の転移性乳がんの第一選択処置のための医薬品の製造のための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤の使用が提供される。
【0406】
一実施形態では、手術不可能な、局所的に進行した(ステージIIIA若しくはIIIB)又は転移性の(ステージIV)非小細胞肺がんを有する患者の第一選択処置のための医薬品の製造のための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤の使用が提供される。
【0407】
一実施形態では、局所的に進行した(切除不可能なステージII若しくはステージIII)又は転移性の(ステージIV)膵臓腺癌の処置のための医薬品の製造のための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤の使用が提供される。
【0408】
一実施形態では、局所的に進行した又は転移性の膀胱がんの処置のための医薬品の製造のための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤の使用が提供される。
【0409】
一実施形態では、局所的に進行した又は転移性の上皮卵巣癌の処置のための医薬品の製造のための、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤の使用が提供される。
【0410】
組合せ
一実施形態では、第1の活性成分としての、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤は、第2の活性成分、例えば第2の抗がん医薬と組み合わせて、使用することができる。特に適切な第2の活性成分は、プラチナ化合物、例えばカルボプラチン又はシスプラチンであり得る。
【0411】
本明細書では、「組合せ」という用語が使用される場合、この用語が同時の、個別の、又は連続的な投与を指すことが理解される。一実施形態では、「組合せ」は同時投与を指す。一実施形態では、「組合せ」は個別投与を指す。一実施形態では、「組合せ」は連続投与を指す。投与が連続投与又は個別投与である場合、第2の構成要素の投与の遅れは、組合せの有利な効果を失うものであってはならない。
【0412】
一実施形態では、第2の活性成分と組み合わされた、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤が提供される。
【0413】
一実施形態では、抗がん効果を得るために使用するための、第2の活性成分と組み合わされた、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤が提供される。
【0414】
一実施形態では、乳がん、膀胱がん、精巣がん、膵臓がん、卵巣がん、又は非小細胞肺がんの処置で使用するための、第2の活性成分と組み合わされた、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤が提供される。
【0415】
キット
一実施形態では、
a)本明細書で記載されているヌクレオシド製剤、
b)前記ヌクレオシド製剤を入れるための容器手段
を含むキットが提供される。
【0416】
一実施形態では、
a)本明細書で記載されているヌクレオシド製剤、
b)前記ヌクレオシド製剤を入れるための容器手段、及び場合により
c)使用説明書
を含むキットが提供される。
【0417】
一実施形態では、本明細書で記載されているヌクレオシド製剤を第2の活性成分と組み合わせて含むキットが提供される。
【0418】
一実施形態では、
a)第1の単位剤形の本明細書で記載されているヌクレオシド製剤、
b)第2の単位剤形の第2の活性成分、及び
c)前記第1及び第2の剤形を入れるための容器手段
を含むキットが提供される。
【0419】
[実施例]
全般的実験
実施例の節では、以下が適用される。
- RALAはペプチドWEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)を指し、カナダのBiomatik社から凍結乾燥粉末形態で入手した。
- dFdCTPは、英国のBiorbyt(登録商標)社から入手したゲムシタビントリホスフェートを指す。
- dCTPは、英国のBiorbyt(登録商標)社から入手したデオキシシチジントリホスフェートを指す。
- ゲムシタビンは、英国のFluorochem(登録商標)社から入手したゲムシタビンヒドロクロリドを指す。
- BxPC-3細胞及びPANC-1細胞は、米国のATCCから入手した。
- MRはモル比を意味する。実施例及び図面で引用される「MR」の数は、両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル数:1モルのヌクレオシド又はそのホスフェートを指し、例えば、MR2.0は、1モルのヌクレオシド又はそのホスフェート当たりの、2モルの両親媒性細胞膜透過ペプチドを指す。
【0420】
[実施例1]
RALAペプチドの調製
RALAを、分子グレード(molecular grade)の水で所望の濃度まで再構成し、アリコートにし、さらなる使用まで-20℃で保存した。アリコートを必要に応じて取り、氷上で解凍した。アリコートは一度解凍したら再凍結させなかった。
【0421】
[実施例2]
ナノ粒子の製剤
2.1:手動の製剤
まず、必要な容積の超純水を溶液中の1mg/mL濃度の10μgのdFdCTPに添加して最終製剤容積を500μLとすることによって、RALA/dFdCTPナノ粒子(最終濃度0.02mg/mL)を様々なRALA:dFdCTPモル比で製剤した。10mg/mL濃度のペプチド溶液の対応する容積(表1)を、希釈したdFdCTP溶液に添加した。混合物をおよそ5~10回、上下にピペッティングして、均質な混合が確実となるようにした。ナノ粒子は溶液中で自発的に形成された。
【0422】
【0423】
2.2:自動化された製剤
自動マイクロ流体システム(例えば、Precision Nanosystems Ignite NanoAssemblr)の使用によって、RALA/dFdCTPナノ粒子(最終濃度0.02mg/mL)を様々なRALA:dFdCTPモル比で製剤した。適切な濃度の2つの溶液(表2)をシリンジにロードし、その後シリンジをマイクロ流体システムにロードした。ナノ粒子を、10mL/分の総流量(TFR)及び1:1の流量比(FRR)を使用して作製した。システムから得られた溶液は、0.02mg/mLの濃度のdFdCTPでのナノ粒子を含有していた。
【0424】
【0425】
[実施例3]
RALA/dFdCTPナノ粒子の凍結乾燥
500μLのRALA/dFdCTPナノ粒子を、2mLの凍結乾燥バイアルに移した。トレハロース(20%w/v)を、添加した容積が最終再構成容積の半分に等しくなるようにバイアル内のナノ粒子溶液に添加し、凍結乾燥後に一度水中で再構成したら得られた溶液が10%w/vのトレハロースを確実に含有するようにした。トレハロースを添加した後、ゴム製の凍結乾燥バイアルストッパーをバイアル上に部分的に置いて、エアフローノッチが凍結乾燥プロセスの際の昇華を依然として促進するようにした。その後バイアルを、以下の凍結乾燥手順に従って、プログラム可能な凍結乾燥器(例えば、SP Scientific AdVantage Pro)にロードした。
【0426】
【0427】
[実施例4]
ナノ粒子のサイズ及び電荷の分析
RALA/dFdCTPナノ粒子のZ平均粒子サイズの測定値及び多分散性(PdI)を、動的光散乱(DLS)を使用して得て、粒子サイズ及び電荷の分布を得た。RALAナノ粒子の表面電荷の測定値は、Laser Doppler Velocimetryによって決定した。粒子のゼータ電位を、使い捨ての折り畳み式ゼータキュベットを使用して測定した。ゼータ電位の測定のためのゼータキュベットをまず70%エタノールで洗浄し、その後、2回蒸留したH
2Oで2回すすぎ、その後、試料をロードした。50μLの無希釈試料をサイズの測定に使用し、その後、超純水で1mLに希釈し、次いで、700~800μLの希釈した試料をゼータ電位の決定に使用した。ナノ粒子は、各試料で少なくとも1μgのdFdCTPを使用して、広範なモル比(MR1.4、MR2.0~3.0)で作製した。ナノ粒子を、DTSソフトウェア(Malvern Instruments社、英国)を有するZetasizer-Nano-ZS(Malvern Instruments社)で分析し、結果を
図1及び表4に示す。
【0428】
【0429】
結果は、≧2.0のモル比が、重要品質特性(Z平均<150nm、ゼータ電位>+10mV、PdI<0.500)を満たすナノ粒子の形成を促進することを示している。同様に、自動マイクロ流体ミキサーを使用すると、これらの粒子の生理化学的特徴はさらに増強し得る(Z平均<100nm、ゼータ電位>+10mV、PdI<0.300)。
【0430】
[実施例5]
細胞周期の分析
1.5×105のBxPC-3細胞を6ウェルプレート(Nunc社、英国)に播種し、24時間放置して付着させた。細胞を無血清培地に24時間にわたり移して、細胞を確実に同期させた。その後、細胞を2μM(1μg)の濃度のRALA/dFdCTPナノ粒子と5時間インキュベートし、その後、処理培地を除去し、新鮮な完全培地を添加した。処理の48時間後、細胞をトリプシン処理し、氷冷した70%エタノール中で、4℃で1時間にわたり固定した。細胞をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中で5分間、2回洗浄し、その後、500μLのPBS中に再懸濁し、50μLの100μg/mlのRNase(Invitrogen社、英国)を添加した。試料を蛍光活性化細胞選別(FACS)にかける10分前に、10μlの100μg/mlのヨウ化プロピジウム(PI)ストックを添加した。コントロールには、未処理、dCTP(陰性対照)、RALA/dCTP(RALAコントロール)、dFdCTP(薬剤コントロール)、及びゲムシタビン(比較用コントロール)が含まれる。
【0431】
RALA/dFdCTP処理後の細胞周期の分析を行った。dFdCTPが細胞に成功裏に送達されれば、これはDNAのポリマー化の際に組み込まれ、DNA鎖の伸長を防止する。これは最終的には、細胞の活性な増殖を防止する。このことは、細胞周期の間に、周期がS期で停止されることを意味する。したがって、(G0/G1+-S)期の細胞のパーセンテージがG2期と比較して高ければ、これは、dFdCTPが細胞周期に影響を与えたことの指標である。結果を
図2及び表5に示す。
【0432】
【0433】
[実施例6]
クローン原性アッセイ
1×10
5の(BxPC-3及びPANC-1)細胞を、8/16/32nMのゲムシタビン、dFdCTP、又は様々なモル比のRALA/dFdCTPの手動で製剤されたナノ粒子で処理した。トランスフェクションの5時間後、細胞をトリプシン処理し、計数し、低密度で再び播種した(BxPC-3は300及び600細胞/ウェル、PANC-1は400及び800細胞/ウェル)。コロニーを14日間にわたり形成させ、その後、クリスタルバイオレットで染色し、その後、計数を行った。結果を
図3に示す。
【0434】
[実施例7]
RALA/dFdCTPの機能性(γH2AX)
RALA/dFdCTPナノ粒子の機能性を試験するために、BxPC-3(ゲムシタビン感受性)細胞又はPANC-1(ゲムシタビン耐性)細胞のトランスフェクションを行った。最初に、1.5×10
5の細胞を6ウェルマイクロプレート(Nunc社、英国)に播種し、24時間放置して付着させた。細胞をその後、EC
50濃度(クローン原性アッセイを介して事前に決定された)の、手動で製剤されたRALA/dFdCTP(MR2.0)、dFdCTP、又はゲムシタビンヒドロクロリドと5時間インキュベートし、その後、トランスフェクション培地を除去し、完全細胞培養物培地を添加した。トランスフェクションの2時間後及び24時間後、細胞をトリプシン処理し、4%ホルムアルデヒド(Sigma社、英国)中で固定し、その後、メタノール中で-20℃で一晩透過処理した。細胞を、10%ウシ胎児血清(FBS)を含有するPBS中でブロックした。試料を、一次γH2AX(phosphS139)抗体(10%FBSを含有するPBS中で1:100希釈)(Abcam社、英国)中で2時間インキュベートした。その後、細胞をPBS中で5分間洗浄し、その後、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)でタグ付けされた二次γH2AX抗体(Abcam社、英国)と、室温で1時間インキュベートした(10%FBSを含有するPBS中で1:50希釈)。洗浄を繰り返した。γH2AX発現細胞のパーセンテージを、FACS Calibur(BD Biosciences社、英国)を使用して測定し、FlowJo分析ソフトウェアを使用して分析した。結果を
図4に示す。
【0435】
[実施例8]
RALA/dFdCTPを使用するゲムシタビン耐性の克服
1.5×10
5のゲムシタビン感受性細胞株BxPC-3を6ウェルマイクロプレート(Nunc社、英国)に播種し、24時間放置して付着させた。細胞サブセットをその後、10μMの、ヌクレオチド輸送チャネル(hENT/hCNT)阻害剤であるジピリダモール(Sigma社、英国)で処理し、その後、EC
50濃度(クローン原性アッセイを介して事前に決定された)の、手動で製剤されたRALA/dFdCTP(MR2.0)、dFdCTP、又はゲムシタビンヒドロクロリドで5時間トランスフェクトした。その後の機能性の決定を、実施例7で概説した手順を介してトランスフェクション後のγH2AXのレベルを調べることによって行った。結果を
図5に示す。
【0436】
[実施例9]
インビボでの有効性
24頭のメス無胸腺(ヌード)マウスを秤量し、麻酔(イソフルラン)下で、100μl容積のPBS中の2×106のPANC-1細胞を右脇腹に皮下移植した。処置が開始されるに当たり、腫瘍は確立され、100~150mm
3の容積に達している必要があった。腫瘍が所要の容積に達したら、次いでマウスを、単回の、100μl総容積の、1mg/kg静脈内用量の10%トレハロース(ビヒクルコントロール)、RALA/dFdCTP(MR2.0)、dFdCTP、又はゲムシタビンのいずれかで処理した(処理アーム当たりn=6)。その後、腫瘍の容積及びマウスの体重をモニタリングし、週に3回記録した。腫瘍がエンドポイント(600mm3の容積として特定されている)に達したら、マウスを屠殺した。この研究の結果を
図6に示す。
【0437】
[実施例10]
薬剤動態及び安全性のプロファイル
C57BL/6マウス(処理アーム当たりn=7)に、ゲムシタビン、dFdCTP、又はRALA/dFdCTP(MR2.0)の、単回のi.v注射(40μg)を投与した。マウスを様々な時点で採血し、血漿を分析のために抽出した。回収した血漿中のdFdCTP又はゲムシタビンの含有量を、質量分析を介して測定した。終了時の心臓採血をエンドポイントで行い、腎臓毒性(クレアチニン)、肝臓毒性(AST、ALT)、並びに免疫原性マーカー(TNF-α、IFN-γ、及びMIP-2)についてのマルチプレックスELISA及びスタンダードELISAを介する安全性プロファイルの特徴付けのために血清を抽出した。結果を
図7及び
図8に示す。
【0438】
[実施例11]
溶血アッセイ
脱線維素ヒツジ全血(5ml、TCS Biosciences Ltd社、英国)を、クエン酸-リン酸バッファー(15ml、0.1Mのクエン酸、C
6H
8O
7、及び0.2Mのリン酸水素二ナトリウムNa
2HPO
4)中で20分間、500gで遠心分離して、赤血球を分離した。その後赤血球を、遠心分離によって20mLのクエン酸-リン酸バッファーで3回洗浄し、1×108細胞/mLの濃度でクエン酸-リン酸バッファー溶液中に再懸濁した。Countess II自動セルカウンター(ThermoFisher社、英国)を使用して、赤血球懸濁液を1:10000でバッファー中にまず希釈することによって、赤血球を計数した。その後、トレハロースと、又はdFdCTP及びトレハロースと混合したRALA/dFdCTP(MR2.0)ナノ粒子の(モル浸透圧濃度の範囲が290~310mOsmol/kgの)等張溶液を赤血球懸濁液に添加し、添加したdFdCTPは10~30μgに相当し、溶液を37℃で1時間インキュベートした。インキュベーションの後、赤血球懸濁液を400gで90秒間遠心分離して細胞ペレットを形成させた。上清の吸光度を、Nanodrop 2000c UV-Vis分光光度計(Thermo Scientific、英国)を介して541nmで測定した。1%トリトンX-100を、100%の溶血に相当する陽性対照として使用し、pH7.4のクエン酸-リン酸バッファーを陰性対照として使用した。溶血活性のパーセンテージを、式1を使用して計算し、結果を
図9に示す。
【0439】
【0440】
[実施例12]
電荷密度
RALA/dFdCTP(MR2.0)ナノ粒子の電荷密度を、Ritzら、Biomacromolecules. 2015年4月13日、16(4):1311~21. doi: 10.1021/acs.biomac.5b00108. Epub 2015 Apr 3、及びWeissら、J Nanobiotechnology. 2021年1月6日、19(1):5. doi: 10.1186/s12951-020-00747-7に記載されている方法を使用して、高分子電解質滴定によって測定した。高分子電解質滴定を、ポリ(アクリル酸)(PAA)0.01M、pH7.4を使用して行った。電荷を測定しながら、PAAをRALA/dFdCTP(MR2.0)ナノ粒子に添加して、その容積(V)が当量点のものであり得るシグモイド曲線を作成した。システム内のペプチドの質量(w)及び使用したPAAの濃度(0.01M)を使用して、ナノ粒子の平均電荷密度(Q
ek)を計算した。結果を
図10に示す。
Qek=V×c/w
V=滴定剤の容積=46.33μl
c=滴定剤の濃度-0.01M
w=RALAの質量=0.4625mg
Qek=46.33×(0.01/0.4625)
Qek=1.002
【0441】
ステートメント
ステートメント1.
(i)ヌクレオシド又はそのホスフェート、及び
(ii)アミノ酸配列:
WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)
又は少なくとも80%の配列同一性若しくは配列相同性を有する配列
を含むか又はそれからなる両親媒性細胞膜透過ペプチド
を含む、ヌクレオシド製剤。
【0442】
ステートメント2.
ヌクレオシド又はそのホスフェートが、ジダノシン、ビダラビン、ガリデシビル、レムデシビル、シタラビン、ゲムシタビン、エムトリシタビン、ラミブジン、ザルシタビン、アバカビル(uyabacavir)、アシクロビル、エンテカビル、スタブジン、テルビブジン、ジドブジン、イドクスウリジン、若しくはトリフルリジン、又はこれらのホスフェートから選択される、ステートメント1に記載のヌクレオシド製剤。
【0443】
ステートメント3.
ヌクレオシド又はそのホスフェートが、ゲムシタビン又はそのホスフェートである、ステートメント1又は2に記載のヌクレオシド製剤。
【0444】
ステートメント4.
ヌクレオシド又はそのホスフェートがゲムシタビントリホスフェートである、先行するステートメントのいずれか一項に記載のヌクレオシド製剤。
【0445】
ステートメント5.
ホスフェートがP(O)(OH)2O-基を含む、先行するステートメントのいずれか一項に記載のヌクレオシド製剤。
【0446】
ステートメント6.
両親媒性細胞膜透過ペプチドが、アミノ酸配列
WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)
を含む、先行するステートメントのいずれか一項に記載のヌクレオシド製剤。
【0447】
ステートメント7.
両親媒性細胞膜透過ペプチドが、アミノ酸配列
WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)
からなる、先行するステートメントのいずれか一項に記載のヌクレオシド製剤。
【0448】
ステートメント8.
ヌクレオシド又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比が、1:1~3である、先行するステートメントのいずれか一項に記載のヌクレオシド製剤。
【0449】
ステートメント9.
ヌクレオシド又はそのホスフェート:両親媒性細胞膜透過ペプチドのモル比が、約1:2である、先行するステートメントのいずれか一項に記載のヌクレオシド製剤。
【0450】
ステートメント10.
充填剤をさらに含む、先行するステートメントのいずれか一項に記載のヌクレオシド製剤。
【0451】
ステートメント11.
充填剤が、トレハロース、スクロース、マンノース、及び/又はデキストロースを含む、ステートメント10に記載のヌクレオシド製剤。
【0452】
ステートメント12.
ナノ粒子製剤である、先行するステートメントのいずれか一項に記載のヌクレオシド製剤。
【0453】
ステートメント13.
ステートメント12に記載のナノ粒子製剤を調製する方法であって、(i)WEARLARALARALARHLARALARALRACEA(配列番号1)又は少なくとも80%の配列同一性若しくは配列相同性を有する配列の溶液を、(ii)ヌクレオシド又はそのホスフェートと、自動の制御された混合システム、特に自動マイクロ流体システムにおいて製剤するステップを含む、方法。
【0454】
ステートメント14.
医薬品として使用するための、ステートメント1~12のいずれか一項に記載のヌクレオシド製剤。
【0455】
ステートメント15.
ウイルス感染の処置で使用するための、ステートメント1~12のいずれか一項に記載のヌクレオシド製剤。
【0456】
ステートメント16.
がんの処置で使用するための、ステートメント1~12のいずれか一項に記載のヌクレオシド製剤を含む医薬組成物。
【0457】
ステートメント17
温血動物、例えばヒトにおける乳がん、膀胱がん、精巣がん、膵臓がん、卵巣がん、又は非小細胞肺がんを処置する方法であって、有効量のステートメント1~12のいずれか一項に記載のヌクレオシド製剤を前記動物に投与するステップを含む、方法。
【0458】
ステートメント18.
HIV、エボラ、マールブルグ、コロナウイルス、B型肝炎、C型肝炎、ワクシニア、エプスタイン・バー、サイトメガロウイルス、ジカ、単純ヘルペス、及び/又は水痘帯状疱疹ウイルス感染の処置のための医薬品の製造のための、ステートメント1~12のいずれか一項に記載のヌクレオシド製剤の使用。
【配列表】
【国際調査報告】